(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】流体の特に硝子体内投与のための投与装置
(51)【国際特許分類】
A61F 9/007 20060101AFI20231219BHJP
A61M 5/315 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
A61F9/007 130D
A61M5/315 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533662
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(85)【翻訳文提出日】2023-07-31
(86)【国際出願番号】 EP2021083551
(87)【国際公開番号】W WO2022117556
(87)【国際公開日】2022-06-09
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503385923
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】ロート アクセル
(72)【発明者】
【氏名】コリングス ラルフ ドナルド クェンティン
(72)【発明者】
【氏名】ラバット-ロシュクスト アンドリュー ガイ
(72)【発明者】
【氏名】シャープ ニコラス ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】シューイ シュテッフェン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA10
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD08
4C066DD12
4C066EE06
4C066EE14
4C066FF05
4C066GG01
4C066GG11
4C066GG15
4C066GG16
4C066GG19
4C066HH12
4C066HH17
4C066HH22
4C066NN01
(57)【要約】
流体の硝子体内投与のための投与装置であって、投与装置の第2の作動部品が、投与装置のプランジャロッド及び/又は第1の作動部品を軸方向にブロックするように構成され、第2の作動部品が、第1の作動部品を作動できるようにプランジャロッド及び/又は第1の作動部品を軸方向に解放するように作動する投与装置を提案する。投与装置は固定部材を含み、固定部材は、プランジャロッドの少なくとも初期位置及び/又は投与位置においてプランジャロッド及び/又は第1の作動部品の後退移動をブロックするように構成されるとともに、プランジャロッドの投与位置に到達するまで第2の作動部品の作動をブロックするように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体(11)の特に硝子体内投与のための投与装置(100)であって、
前記流体(11)を収容する容器(10)を保持するためのリテーナ(20)と、
プランジャロッド(40)、第1の作動部品(60)、及び前記リテーナ(20)に移動可能に取り付けられた第2の作動部品(70)を含む作動機構と、
を備え、
前記プランジャロッド(40)は、前記容器(10)内に移動可能に配置されたストッパ(18)に作用するように適合され、
前記第1の作動部品(60)は、前記プランジャロッド(40)を前記リテーナ(20)に対して初期位置から投与位置に、及び前記投与位置から最終位置に軸方向に移動させるために手動で作動することができ、
前記第2の作動部品(70)は、前記プランジャロッド(40)の前記投与位置において前記プランジャロッド(40)及び/又は前記第1の作動部品(60)を軸方向にブロックするように構成され、前記第2の作動部品(70)は、前記第1の作動部品(60)が作動できるように、及び前記プランジャロッド(40)が前記投与位置から前記最終位置に移動できるように、前記プランジャロッド(40)及び/又は前記第1の作動部品(60)を軸方向に解放するために、作動し、及び/又は、
前記作動機構は固定部材(90)を含み、該固定部材(90)は、前記プランジャロッド(40)の少なくとも前記初期位置及び/又は前記投与位置において前記プランジャロッド(40)及び/又は前記第1の作動部品(60)の後退移動をブロックするように構成され、前記固定部材(90)は、前記初期位置において及び/又は前記投与位置に到達する前に前記第2の作動部品(70)をブロックするように、及び前記第1の作動部品(60)の作動時に及び/又は前記投与位置に到達した時に前記第2の作動部品(70)の作動を自動的にブロック解除するように構成される、
ことを特徴とする投与装置。
【請求項2】
前記プランジャロッド(40)は、前記リテーナ(20)及び/又は前記第2の作動部品(70)を軸方向に貫通する、
ことを特徴とする請求項1に記載の投与装置。
【請求項3】
前記第1の作動部品(60)は、該第1の作動部品(60)を前記第2の作動部品(70)に向けて及び/又は前記リテーナ(20)に向けて特に手動で押すことによって作動することができる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の投与装置。
【請求項4】
前記第2の作動部品(70)は、該第2の作動部品(70)を前記リテーナ(20)に対して、及び/又は前記プランジャロッド(40)の周囲で、好ましくは少なくとも基本的に90度だけ特に手動で回転又は摺動させることによって、及び/又は前記第1の作動部品(60)及び/又は前記プランジャロッド(40)に対する前記第2の作動部品(70)のアライメントを変更するために作動することができる、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の投与装置。
【請求項5】
前記プランジャロッド(40)は、該プランジャロッド(40)の主軸(A)に沿って変化する断面を含む、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の投与装置。
【請求項6】
前記第2の作動部品(70)は開口部(78)を含み、前記第2の作動部品(70)は、前記プランジャロッド(40)が前記開口部(78)内を移動できるように、前記開口部(78)を特に回転的に又は摺動的に前記プランジャロッド(40)と整列させるように作動する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の投与装置。
【請求項7】
前記第1の作動部品(60)は、前記プランジャロッド(40)を前記初期位置から前記投与位置に、その後に及び/又は前記第2の作動部品(70)を作動させた後に前記投与位置から前記最終位置に移動させるために特に手動で作動することができる、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の投与装置。
【請求項8】
前記第1の作動部品(60)は、前記第2の作動部品(70)を特に初めて作動させる前に、前記プランジャロッド(40)を前記初期位置から前記投与位置に移動させ及び/又は前記第2の作動部品(70)をブロック解除するために作動し、及び/又は前記第1の作動部品(60)は、再び及び/又は前記第2の作動部品(70)作動させた後に、前記プランジャロッド(40)を前記投与位置から前記最終位置に移動させるために作動する、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の投与装置。
【請求項9】
前記第2の作動部品(70)は、前記初期位置において及び/又は前記投与位置に到達する前に、特に前記固定部材(90)によってブロックされ、及び/又は前記第2の作動部品(70)は、前記第1の作動部品(60)の作動時にのみ特に初めて作動することができる、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の投与装置。
【請求項10】
前記第2の作動部品(70)は、前記プランジャロッド(40)の前記初期位置において前記プランジャロッド(40)及び/又は前記第1の作動部品(60)を軸方向にブロックするように構成され、前記第2の作動部品(70)は、前記プランジャロッド(40)及び/又は前記第1の作動部品(60)をブロック解除するために、及び/又は前記第1の作動部品(60)が特に初めて及び/又は前記投与装置(100)のプライミングのために作動できるように、及び/又は前記プランジャロッド(40)が前記初期位置から前記投与位置に移動できるように、前記リテーナ(20)に対して、及び/又は前記プランジャロッド(40)の周囲で、好ましくは少なくとも基本的に90度だけ、及び/又は初めて作動し、特に回転又は摺動する、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の投与装置。
【請求項11】
前記第2の作動部品(70)は、前記プランジャロッド(40)の前記投与位置において前記プランジャロッド(40)及び/又は前記第1の作動部品(60)を軸方向にブロックするように構成され、前記第2の作動部品(70)は、前記プランジャロッド(40)及び/又は前記第1の作動部品(60)をブロック解除するために、及び/又は前記第1の作動部品(60)が特に2度目に及び/又は前記流体(11)の投与のために作動できるように、及び/又は前記プランジャロッド(40)が前記投与位置から前記最終位置に移動できるように、前記リテーナ(20)に対して、及び/又は前記プランジャロッド(40)の周囲で、好ましくは少なくとも基本的に90度だけ、及び/又は2度目に作動し、特に回転又は摺動する、
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の投与装置。
【請求項12】
前記作動機構は、前記プランジャロッド(40)、前記第1の作動部品(60)、及び/又は前記第2の作動部品(70)を固定するための固定部材(90)を含み、好ましくは前記リテーナ(20)は、前記固定部材(90)のためのレセプタクル(22A)を含む、
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の投与装置。
【請求項13】
前記固定部材(90)はリング状であり、及び/又は前記プランジャロッド(40)は前記固定部材(90)を軸方向に貫通する、
ことを特徴とする請求項12に記載の投与装置。
【請求項14】
前記固定部材(90)は、好ましくは可撓性リングとして具体化される、
ことを特徴とする請求項12又は13に記載の投与装置。
【請求項15】
前記固定部材(90)は、前記初期位置及び/又は前記投与位置において、前記プランジャロッド(40)に緩く及び/又は半径方向の遊びを伴って結合する、
ことを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の投与装置。
【請求項16】
前記固定部材(90)は、前記初期位置から前記投与位置に向かう前記プランジャロッド(40)の移動中に、前記プランジャロッド(40)に接して予め半径方向に張力が加えられ、及び/又は前記プランジャロッド(40)に堅く結合される、
ことを特徴とする請求項12から15のいずれか1項に記載の投与装置。
【請求項17】
前記固定部材(90)は、前記プランジャロッド(40)に係合し、及び/又は前記固定部材(90)は、前記プランジャロッド(40)の少なくとも前記初期位置及び/又は前記投与位置において、前記プランジャロッド(40)及び/又は前記第1の作動部品(60)の後退移動をブロックするように構成される、
ことを特徴とする請求項12から16のいずれか1項に記載の投与装置。
【請求項18】
前記固定部材(90)は、前記第2の作動部品(70)に係合し、及び/又は前記固定部材(90)は、特に前記初期位置において、及び/又は前記プランジャロッド(40)が前記投与位置に到達する前及び/又はそれまでのみ前記第2の作動部品(70)の作動をブロックし、及び/又は前記第1の作動部品(60)の作動時及び/又は前記投与位置への到達時に前記第2の作動部品(70)の作動を自動的にブロック解除するように構成される、
ことを特徴とする請求項12から17のいずれか1項に記載の投与装置。
【請求項19】
前記プランジャロッド(40)は、前記固定部材(90)のための斜面(44C)を含み又は形成する、
ことを特徴とする請求項12から18のいずれか1項に記載の投与装置。
【請求項20】
前記プランジャロッド(40)、特にその斜面(44C)は、前記第1の作動部品(60)の作動時及び/又は前記初期位置から前記投与位置に向かう前記プランジャロッド(40)の移動中に前記固定部材(90)を特にさらに引張させ及び/又は広げるように構成される、
ことを特徴とする請求項12から19のいずれか1項に記載の投与装置。
【請求項21】
前記プランジャロッド(40)は、前記固定部材(90)のための窪み(45C)を含む、
ことを特徴とする請求項12から20のいずれか1項に記載の投与装置。
【請求項22】
前記プランジャロッド(40)、特にその窪み(45C)は、前記第1の作動部品(60)の作動時及び/又は前記投与位置への到達時に、特に前記第2の作動部品(70)が特に初めて作動できるように、及び/又は可聴フィードバック及び/又は触覚フィードバックが提供されるように、前記固定部材(90)を少なくとも部分的に、好ましくは完全に、及び/又は可聴的に解放し、及び/又は前記固定部材(90)を前記第2の作動部品(70)から離脱させるように構成される、
ことを特徴とする請求項12から21のいずれか1項に記載の投与装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文による、好ましくは流体の眼科的投与、特に硝子体内投与のための投与装置に関する。
【0002】
本発明は、一般に患者、すなわち人間又は動物に流体、特に薬物を薬剤投与/送達するための投与/送達装置の分野に関する。
【0003】
本発明による投与/送達装置は、人間又は動物の眼に、特に硝子体、内室及び/又は後眼房に(直接)薬剤を送達し、特に注入するように適合されることが好ましい。従って、具体的には、本発明は、流体、特に薬剤の眼科的注入、特に硝子体内注入のための投与/送達装置に関する。しかしながら、本発明による投与装置は、人間又は動物体の他の部分に流体、特に薬剤を投与/注入するために使用することもできる。
【背景技術】
【0004】
国際公開第2014/005728(A1)号は、予め薬剤で満たされた、本体、ストッパ及びプランジャを含む、眼の注射に適した小容量シリンジに関する。プランジャは、ストッパに接触するように配置されたプランジャ接触面を含み、従ってプランジャを使用してストッパを出口に向けて押し込むことにより、シリンジ内に収容される流体を送達することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2014/005728(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、使いやすく、及び/又は容易に、直観的に及び/又は安全に使用でき、及び/又は悪用、誤用、汚染、誤った及び/又は不正確な投薬のリスク、及び/又は気泡の送達/投与のリスクを最小化又は少なくとも低減し、及び/又は製造工程の又は製造工程内の要件及び/又は複雑さを最小化又は少なくとも低減する、改善された、特にもっぱら機械式の投与/送達装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的は、請求項1による投与/送達装置によって達成される。有利なさらなる展開は、従属請求項の主題である。
【0008】
本発明による、以下では投与装置と呼ぶ投与/送達装置は、流体のための、特に薬剤のための、特に円筒形の容器を(固定して)保持するように適合されることが好ましい。
【0009】
容器は、流体、特に薬剤で予め満たされることが好ましい。
【0010】
容器内には、以下ではストッパと呼ぶストッパ/ピストン/プランジャが移動可能に配置され、具体的には容器の出口に向かうストッパの軸方向移動によって容器内に収容される流体が小出しされることが好ましい。
【0011】
投与装置は、容器及び/又はストッパを含むことが好ましい。
【0012】
さらに、投与装置は、以下ではリテーナと呼ぶリテーナ/ホルダを含み、容器は、特にリテーナによって固定して保持され/受け取られ又は保持し/受け取ることができ、及び/又は少なくとも部分的にリテーナ内に配置され又は配置できることが好ましい。
【0013】
以下で説明するように、投与装置は、特に流体の投与前の投与装置のいわゆるプライミングのために、及び/又は容器から流体を小出し/投与するために、投与装置を作動させ及び/又は容器内でストッパを移動させるための作動機構を含む。
【0014】
投与装置、特にその作動機構は、ストッパに対して特に直接及び/又は軸方向に作用するプランジャ/ピストン/連結ロッドと、プランジャ/ピストン/連結ロッドに対して特に直接及び/又は軸方向に作用する第1の作動部品と、第2の作動部品とを含み、第2の作動部品は、リテーナに移動可能に、特に回転可能に取り付けられ、及び/又は以下ではプランジャロッドと呼ぶプランジャ/ピストン/連結ロッド及び/又は第1の作動部品は、リテーナ及び/又は容器に対して特に軸方向に移動可能であり、特に摺動可能である。
【0015】
プランジャロッドは、特に投与装置のプライミングのため、及び/又はプライミング後に容器から液体を小出し/投与するために第1の作動部品を作動させ、特に押圧することによって、リテーナ及び/又は容器に対して軸方向に、特に(さらに)容器内に移動できることが好ましい。
【0016】
投与装置の作動機構、特に第1の作動部品は、プランジャロッド及び/又はストッパを、さらに容器内に、及び/又はプライミング中に、投与前に、及び/又は第1の作動部品を特に初めて(手動で)作動させ、特に押圧することによって初期/非作動位置から投与/使用可能/プライミング完了位置に、及び/又はプライミング後に、(その後の)投与中に、及び/又は第1の作動部品を特に再び及び/又は2度目に特に手動で作動させることによって投与/使用可能/プライミング完了位置から最終/作動/使用終了位置に(軸方向に)移動させ、特に押し込むように構成されることが好ましい。
【0017】
本発明の1つの態様によれば、第2の作動部品は、プランジャロッド及び/又は第1の作動部品が特に(直接)投与/使用可能/プライミング完了位置及び/又は最終/作動/使用終了位置に移動し、及び/又は(完全に)作動し及び/又は容器に挿入されるのを特に形状適合方式(form-fitting、成形嵌め)の形で軸方向にブロックするように構成され、この場合、第2の作動部品は、第1の作動部品が特に部分的に、完全に及び/又はその後に作動できるように、及び/又はプランジャロッド及び/又はストッパが初期/非作動位置から投与/使用可能/プライミング完了位置に、及び/又は投与/使用可能/プライミング完了位置から最終/作動/使用終了位置に、及び/又はさらに容器内に移動できるように、プランジャロッド及び/又は第1の作動部品を軸方向に解放/ブロック解除するために(手動で)作動し、特に回転又は摺動する。
【0018】
このようにして、投与装置の容易で直感的で分かりやすい使用が達成される。特に、プライミングプロセスが投与プロセスから明確に分離されることにより、投与装置の誤用、流体の無駄及び/又は誤った/不正確な投薬のリスクが回避される。
【0019】
第2の作動部品は、第2の作動部品を容器及び/又はリテーナに対して及び/又はプランジャロッドの周囲で、最も好ましくは少なくとも基本的に90度だけ旋回/回転又は摺動させることによって作動できることが好ましい。このようにすることで使い勝手が向上し、及び/又は誤用のリスクが低下する。
【0020】
第2の作動部品は、第1の作動部品の作動方向に対して少なくとも基本的に横方向に作動することが好ましいので、第2の作動部品の作動によって第1の作動部品及び/又は注入側に及ぶと考えられる影響が最小化され又は減少する。
【0021】
第1の作動部品は、第1の作動部品を第2の作動部品及び/又はリテーナに向けて(手動で)押し、特に押圧することによって作動することができる。
【0022】
第1の作動部品を作動させ、特に押すこと/押圧することによってプランジャロッド及び/又はストッパを動かすことにより、投与装置を(手動で)プライミングし、及び/又は容器及び/又は容器に取り付けられた針に含まれる空気/ガスを押し出すことが可能になる。
【0023】
本発明の文脈における「プライミングする」/「プライミング」という用語は、投与装置に、特にその容器に収容される流体の投与(直)前の投与装置の(必要な)準備を意味することが好ましい。
【0024】
プライミング中には、プランジャロッド、特にその前方部分及び/又は先端がストッパに当接するように及び/又は当接するまでプランジャロッドを(軸方向に)動かすことが好ましい。
【0025】
プライミング中には、プランジャロッド、特にその前方部分及び/又は先端が特に出口に向かってストッパを移動させ/押し込むように、及び/又は流体の(わずかな)一部が小出しされ、及び/又は流体、容器及び/又は容器に取り付けられた針に含まれる空気、すなわち気泡が除去され、特に押し出されるように、プランジャロッドを(軸方向に)動かすことが最も好ましい。
【0026】
プライミング中、投与装置は、特に容器の出口及び/又は容器に取り付けられた針が上を向くように、及び/又は容器から少なくとも部分的に空気を押し出せるように垂直に保持されることが好ましい。
【0027】
プライミング後の容器に収容される体積は、患者/ユーザに投与すべき望ましい/所定の用量に対応することが好ましい。
【0028】
通常、(予め満たされた)容器に収容される流体の体積は、流体、容器及び/又は容器に取り付けられた針に含まれる空気を、投与すべき用量に影響することなくプライミングによって少なくとも部分的に除去できるように、投与すべき用量の体積を上回る。
【0029】
しかしながら、投与装置のプライミングは、容器が実際に流体で満たされること、及び/又は流体の一部が小出しされることを意味するものではない。具体的には、作動機構、最も好ましくは第1の作動部品は、たとえ容器が空の場合であっても、及び/又はストッパを動かすことなく及び/又はストッパに作用することなく作動することができる。
【0030】
換言すれば、特に「プライミングする」/「プライミング」は、特に流体を投与する前の、及び/又は特に初めて第1の作動部品を(部分的に)作動させることによる、初期/非作動位置から、以下では投与/使用可能/プライミング完了位置と呼ぶ所定の位置へのプランジャロッド及び/又はストッパの移動を意味する。
【0031】
従って、流体の投与前及び/又は第2の作動部品の作動前に実行される全てのアクションをプライミング及び/又はプライミングプロセスとみなすことが好ましい。
【0032】
プライミングは、第1の作動部品を、最も好ましくは手動で(部分的に)作動させ、特に押し込むことのみによって行われ/完了することが好ましい。
【0033】
本発明の文脈における「投与する」/「投与」という用語は、投与装置、好ましくはその容器から、最も好ましくは容器に取り付けられた注射針を通じて流体を(実際に)送達/小出しすることに関することが好ましい。
【0034】
本発明による投与装置は、例えば注射針を使用することによって、及び/又は直接患者の眼、特に硝子体に流体を注入することによって流体、特に薬剤を患者の体に直接投与するために使用されることが好ましいが、「投与する」及び「投与」という用語は、患者が存在しない状態で流体を送達/小出しすることも意味する。
【0035】
「投与する」又は「投与」は、特にプライミング後及び/又は第1の作動部品を初めて作動させた後の、最も好ましくは第1の作動部品を完全に及び/又は2度目に作動させることによる、投与/使用可能/プライミング完了位置から最終/作動/使用終了位置へのプランジャロッド及び/又はストッパの移動を意味し及び/又は含むことが好ましい。
【0036】
以下では初期位置と呼ぶ初期位置/非作動位置は、投与装置のプライミング前、及び/又は第1の作動部品を(初めて)作動させる前、及び/又は投与装置の初期状態における、リテーナ及び/又は容器に対するプランジャロッド及び/又はストッパの(軸方向)位置であることが好ましい。
【0037】
投与装置の初期状態では、及び/又はプランジャロッド及び/又はストッパが初期位置にある時には、第1の作動部品及び第2の作動部品が作動しないことが好ましい。
【0038】
投与装置の初期状態では、及び/又はプランジャロッド及び/又はストッパが初期位置にある時には、第1の作動部品又は第2の作動部品のいずれかのみを(直接)作動できることが好ましい。
【0039】
投与装置の初期状態では、及び/又はプランジャロッド及び/又はストッパが初期位置にある時には、第1の作動部品のみを(直接)作動できることが最も好ましい。
【0040】
初期状態/位置では、第2の作動部品はブロックされることが好ましい。従って、投与装置の初期状態では、及び/又はプランジャロッド及び/又はストッパが初期位置にある時には、第2の作動部品を(直接)作動できないことが好ましい。
【0041】
プランジャロッド及び/又はストッパは、特に第1の作動部品を初めて(部分的に)作動させることのみによって初期位置から、及び/又は初期位置から投与/使用可能/プライミング完了位置に移動することができる。
【0042】
以下では投与位置と呼ぶ投与/使用可能/プライミング完了位置は、プライミング(直)後の、及び/又は第1の作動部品を初めて作動させ、特に押し込み/押圧した(直)後の、及び/又は投与を実行する前の、及び/又は投与装置のプライミング完了状態における、リテーナ及び/又は容器に対するプランジャロッド及び/又はストッパの(軸方向)位置であることが好ましい。
【0043】
投与装置のプライミング完了状態は、第1の作動部品を初めて作動させた直後及び/又は投与位置に達した直後の投与装置の状態であることが好ましい。投与装置のプライミング完了状態では、第1の作動部品が部分的にのみ作動し、及び/又は第2の作動部品が(未だ)作動していない。
【0044】
投与位置では、プランジャロッド及び/又はストッパが、初期位置と比べて投与装置の、特に容器の出口近くに配置される。
【0045】
具体的には、投与位置では、プランジャロッド及び/又はストッパが初期位置と比べてさらに容器内に挿入される。
【0046】
プランジャロッド及び/又は第1の作動部品は、完全な作動及び/又は初期位置から最終位置への直接的/連続的な移動が、最も好ましくは第2の作動部品によってブロックされることが好ましい。換言すれば、プランジャロッド及び/又は第1の作動部品は、初期位置から投与位置にのみ直接/連続的に作動及び/又は移動できることが好ましい。
【0047】
第2の作動部品は、プランジャロッド及び/又は第1の作動部品を投与位置において軸方向にブロック/阻止し、及び/又はこれらが初期位置から最終位置に直接的/連続的に移動するのを軸方向にブロック/阻止するように構成されることが好ましい。
【0048】
投与装置のプライミング完了状態、及び/又は投与位置に到達した直後、及び/又は第1の作動部品を(部分的に)作動させた後には、投与装置、特にプランジャロッド及び/又は第1の作動部品のさらなる移動/作動が特に第2の作動部品によってブロックされる。
【0049】
第2の作動部品は、投与装置をブロック解除し、及び/又はプランジャロッド及び/又は第1の作動部品を軸方向に解放するために、第1の作動部品を特に再び及び/又は完全に及び/又は2度目に作動できるように、及び/又はプランジャロッドをさらに最終位置に移動できるように、及び/又は投与を実行できるように、プライミング後、及び/又は投与位置への到達後、及び/又は投与装置のプライミング完了状態において作動することが好ましい。
【0050】
換言すれば、第2の作動部品は、投与装置、特に第1の作動部品の状態をブロック状態から投与/使用可能/ブロック解除状態に切り替えるために作動することが好ましい。
【0051】
第2の作動部品は、プライミング完了/ブロック状態、及び/又は投与位置への到達直後には、第2の作動部品がプランジャロッド及び/又は第1の作動部品を軸方向にブロックする、最も好ましくは第1の作動部品をさらに及び/又は完全に作動させることができないようなブロック位置にあることが好ましい。
【0052】
第2の作動部品を作動させ、特に旋回/回転又は摺動させることにより、第2の作動部品は、ブロック位置から、第2の作動部品がプランジャロッド及び/又は第1の作動部品を軸方向に解放し、及び/又は第1の作動部品をさらに及び/又は完全に作動させることができる解放位置に移動する。
【0053】
投与装置の投与/使用可能/ブロック解除状態では、及び/又は第2の作動部品の作動後には、投与装置が使用可能になり、第1の作動部品をさらに/完全に作動させることができ、プランジャロッドを最終位置に作動させることができ、及び/又は第1の作動部品を作動させること以外のさらなるステップを実行することなく流体を患者に投与することができる。
【0054】
投与位置/状態、及び/又は最終位置/状態では、第1の作動部品の作動を逆転できないことが好ましい。
【0055】
初期状態/位置では、初期位置から投与位置へのプランジャロッドの移動中には、及び/又は投与位置への到達前には、第2の作動部品を(再び)作動させることができず、及び/又は第2の作動部品の作動後には、及び/又は第2の作動部品の解放位置では、第2の作動部品の作動を逆転できないことが好ましい。
【0056】
以下では最終位置と呼ぶ最終/作動/使用終了位置は、投与(直)後の、及び/又は第1の作動部品を特に2度目に(完全に)作動させた後の、及び/又は以下では最終状態と呼ぶ投与装置の最終/作動/使用終了状態における、リテーナに対するプランジャロッド及び/又はストッパの(軸方向)位置であることが好ましい。
【0057】
投与装置の最終状態では、及び/又はプランジャロッド及び/又はストッパが最終位置にある時には、投与の実行が完了し、及び/又は第1の作動部品が(完全に)作動している。
【0058】
最終状態/位置では、プランジャロッド及び/又はストッパが、初期状態/位置及び/又は投与位置/状態と比べて投与装置の出口近くに配置される。
【0059】
具体的には、最終状態では、及び/又は最終位置への到達後には、さらなる流体を小出し/投与することはできない。
【0060】
最終状態では、及び/又は最終位置への到達後には、第1の作動部品及び/又は第2の作動部品を(再び)作動させること、及び/又はその作動を逆転させることが不可能であることが好ましい。
【0061】
ユーザ/開業医は、投与装置の構造、特に投与装置の部品/構成要素の(機械的)相互作用によって投与装置の使用を手引きされ、この結果、悪用、誤用、汚染、誤った及び/又は不正確な投薬のリスクが低下する。
【0062】
単独でも実現できる本発明の別の態様によれば、投与装置、特に作動機構は、プランジャロッドの少なくとも初期位置及び/又は投与位置においてプランジャロッド及び/又は第1の作動部品を(軸方向に)固定し、及び/又はプランジャロッド及び/又は第1の作動部品の後退移動を、特に容器から外への及び/又は作動方向とは逆方向へのプランジャロッド及び/又は第1の作動部品の移動を(軸方向に)ブロックするように構成された固定部材/部品を含む。さらに、固定部材/部品は、プランジャロッドの初期位置において、及び/又はプランジャロッドの投与位置に到達する前、特に到達するまで(のみ)、及び/又はプライミング中及び/又は初期位置から投与位置へのプランジャロッドの移動中に、第2の作動部品を、特に第2の作動部品の作動/回転をブロックするように構成される。
【0063】
このようにすることで、投与装置の誤用/悪用のリスクが低下する。
【0064】
以下では固定部材と呼ぶ固定部材/部品は、リテーナのレセプタクル内に配置される、特に可撓性のリングとして具体化されることが好ましい。
【0065】
固定部材は、初期位置及び/又は投与位置では、プランジャロッドに緩く及び/又は半径方向の遊びを伴って結合し、及び/又は初期位置から投与位置に向かうプランジャロッドの移動中には、プランジャロッドに接して予め半径方向に張力を加えられ及び/又はプランジャロッドに堅く結合されることが好ましい。
【0066】
固定部材は、少なくともプランジャロッドの初期位置及び/又は投与位置では、プランジャロッドに(半径方向に)係合し、及び/又はプランジャロッド及び/又は第1の作動部品を、特にプランジャロッド及び/又は第1の作動部品の後退移動を(軸方向に)ブロックするように構成されることが好ましい。
【0067】
また、固定部材は、特に初期位置では、及び/又は初期位置から投与位置への移動中には、最も好ましくはプランジャロッドが投与位置に到達するまでのみは、第2の作動部品に(半径方向に)係合するように、及び/又は第2の作動部品の作動/回転をブロックするように構成されることが好ましい。
【0068】
固定部材は、第1の作動部品の作動時、プランジャロッドの初期位置から投与位置への移動中、特に投与位置への到達時、及び/又はプライミングの完了後には、第2の作動部品を自動的に離脱させ/ブロック解除することが好ましい。
【0069】
プランジャロッドは、第1の作動部品の作動時及び/又はプランジャロッドの初期位置から投与位置に向かう移動中に固定部材を引張/拡大するように構成された、固定部材のための斜面を含み又は形成することが好ましい。
【0070】
プランジャロッドは、固定部材のための窪みを含むことが好ましい。
【0071】
プランジャロッド、特にその窪みは、第1の作動部品の作動時、プランジャロッドの初期位置から投与位置への移動中、特に投与位置への到達時、及び/又はプライミングの完了後に、最も好ましくは第2の作動部品がブロック解除され及び/又は作動できるように、固定部材を少なくとも部分的に、好ましくは完全に解放し、及び/又は固定部材を第2の作動部品から離脱させるように構成されることが最も好ましい。
【0072】
投与装置の作動機構は、固定部材を係合位置から離脱位置に、特に自動的に動かすように構成されることが好ましい。
【0073】
係合位置は、プランジャロッドの初期位置における、投与装置のプライミング中の、及び/又は第1の作動部品の作動中の、及び/又は投与位置に到達するまでの、第2の作動部品に対する固定部材の(半径方向)位置であることが好ましい。
【0074】
係合位置では、固定部材が第2の作動部品に半径方向に係合し、及び/又は第2の作動部品の回転作動及び/又は作動方向への作動をブロックする。
【0075】
離脱位置は、投与装置のプライミング後、及び/又は第1の作動部品を(初めて)作動させた後、及び/又は投与位置への到達(直)後の、第2の作動部品に対する固定部材の(半径方向)位置であることが好ましい。
【0076】
離脱位置では、固定部材が第2の作動部品から半径方向に離脱し、及び/又はもはや第2の作動部品の回転作動及び/又は作動方向への作動をブロックしない。
【0077】
従って、第2の作動部品は、固定部材が係合位置にある時には作動することができず、固定部材が離脱位置にある時にのみ作動することができる。
【0078】
固定部材は、係合位置から離脱位置に移動し、及び/又はばね力によって及び/又は突然に/急激に及び/又は可聴的にプランジャロッドの窪みに自動的に嵌まり込むことが好ましい。
【0079】
このようにすることで、プライミングの終了及び/又は投与位置への到達時を明確に示す可聴/触覚フィードバック、特に可聴的クリックがもたらされる。
【0080】
本発明の文脈における「可聴」という用語は、正常な聴覚を有する平均的な人間の耳によって聞こえる音を意味することが好ましい。可聴音/フィードバックは、絶対的聴覚閾値を上回る音響レベルを有することが好ましい。例えば、0.2kHz~5kHzの周波数、20dB~100dBの音圧を有する音を可聴とみなすべきである。
【0081】
上述した本発明の態様及び特徴、並びに特許請求の範囲及び以下の説明から明らかになる本発明の態様及び特徴は、原則として互いに独立して実装することができるが、いずれかの組み合わせ又は順序で実装することもできる。
【0082】
特許請求の範囲、及び図面を参照する以下の好ましい実施形態に関する説明からは、本発明のさらなる態様、利点、特徴及び特性が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【
図3】
図2と比べて90度回転した投与装置の分解図である。
【
図4A】初期位置/状態にある投与装置の概略的縦断面図である。
【
図4B】投与装置の第2の作動部品を作動させる前の投与位置/状態にある投与装置の概略的縦断面図である。
【
図4C】第2の作動部品を作動させた後の投与位置/状態にある投与装置の概略的縦断面図である。
【
図4D】最終位置/状態にある投与装置の概略的縦断面図である。
【
図5A】
図4Aと比べて主軸を中心に90度回転した、初期位置/状態にある投与装置の概略的縦断面図である。
【
図5B】
図4Bと比べて主軸を中心に90度回転した、第2の作動部品を作動させる前の投与位置/状態にある投与装置の概略的縦断面図である。
【
図5C】
図4Cと比べて主軸を中心に90度回転した、第2の作動部品を作動させた後の投与位置/状態にある投与装置の概略的縦断面図である。
【
図5D】
図4Dと比べて主軸を中心に90度回転した、最終位置/状態にある投与装置の概略的縦断面図である。
【
図6A】初期位置/状態にある投与装置の部分的断面斜視図である。
【
図6B】第2の作動部品を作動させる前の投与位置/状態にある投与装置の部分的断面斜視図である。
【
図7A】第2の作動部品を作動させる前の投与位置/状態にある投与装置の概略的断面図である。
【
図7B】第2の作動部品を作動させた後の投与位置/状態にある投与装置の概略的断面図である。
【
図8A】第2の作動部品を作動させる前の投与位置/状態にある投与装置の部分的断面斜視図である。
【
図8B】第2の作動部品を作動させた後の投与位置/状態にある投与装置の部分的断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0084】
図では、同一又は同様の部品及び構成要素には同じ参照符号を使用しており、従ってこれらの特性、特徴及び利点は、繰り返し説明していない場合でも対応し又は同等である。
【0085】
以下では、提案する投与装置100の構造及び構成要素/部品について、
図1~
図3を参照しながら説明する。構成要素/部品の相互作用及び投与装置100の動作については、
図4A~
図4D、
図5A~
図5D、
図6A~
図6B、
図7A~
図7B及び
図8A~
図8Bを参照しながら説明し、これらの図には関連する特徴/構成要素/部品を示すが、単純化のために一部の参照符号を省略している。
【0086】
図1は、初期位置/状態にある、提案する投与装置100の概略的斜視図である。
図2及び
図3は、異なる角度から見た投与装置100の分解図である。
【0087】
投与装置100は多部品構造であり、及び/又は複数の部品/構成要素を含み、投与装置100の一部又は全部の部品は、スナップ/クリップ式連結によって、及び/又はねじを使用せずに互いに連結されることが好ましい。
【0088】
「スナップ」、「クリップ」及び/又は「スナップ/クリップ式連結」という用語は、組み立てるべき/連結すべき部品/構成要素の弾力性/柔軟性を使用して、及び/又はくぎ、ねじ又はボルトなどの(追加の)締結要素を使用することなく、少なくとも2つの部品/構成要素が特に圧力嵌めの形及び/又は形状適合方式で互いに組み立てられ/連結される組み立て/連結法を意味するものであると理解されることが好ましい。
【0089】
図2及び
図3で最も良く分かるように、投与装置100は、容器10、リテーナ20、及び/又はプランジャロッド40、第1の作動部品60、第2の作動部品70及び/又は固定部材90を有する作動機構を含むことが好ましい。
【0090】
投与装置100の一部又は全部の部品/構成要素、特に容器10、リテーナ20、プランジャロッド40、第1の作動部品60、第2の作動部品70及び/又は固定部材90は、プラスチック、最も好ましくはポリエチレン及び/又はポリプロピレンで形成され、特にこれらから射出成型されることが好ましい。
【0091】
投与装置100は細長く、及び/又はシリンジとして成形されることが好ましい。
【0092】
具体的には、投与装置100はハンドヘルド装置として具体化され、及び/又はユーザ/開業医の手に人間工学的に適合するように成形される。
【0093】
投与装置100、特に容器10、プランジャロッド40、第1の作動部品60及び/又は第2の作動部品70は、少なくとも基本的に円筒形及び/又は回転対称であることが好ましい。
【0094】
投与装置100、特に容器10、プランジャロッド40、第1の作動部品60及び/又は第2の作動部品70は、投与装置100、特に容器10、プランジャロッド40、第1の作動部品60及び/又は第2の作動部品70の中心軸、長手方向軸、対称軸及び/又は回転軸である、及び/又は投与装置100、特に容器10、リテーナ20、プランジャロッド40、第1の作動部品60、第2の作動部品70及び/又は固定部材90の中心を通過する主軸Aを含み及び/又は定めることが好ましい。
【0095】
以下では、空間的配向、位置及び/又は配置、特に「半径方向の」又は「半径方向に」及び/又は「軸方向の」又は「軸方向に」という用語は、別途指定しない限り主軸Aについて言及するものである。
【0096】
第1の作動部品60は、(第1の)軸端及び/又は後端を形成し、容器10、特にその先端/出口は、投与装置100の第2の(軸)端及び/又は前端を形成することが好ましい。
【0097】
通常の使用位置では、投与装置100、特に容器10がユーザ/開業医から離れる方向及び/又は患者の方を向き、第1の作動部品60がユーザ/開業医の方及び/又は患者から離れる方向を向くことが好ましい。
【0098】
導入部で上述したように、投与装置100は、患者、すなわち人間又は動物に流体11、特に薬剤を投与/小出しするように適合される。
【0099】
容器10は、投与装置100の初期状態において予め流体11で満たされ、及び/又は既に流体11を含んでいることが好ましい。
【0100】
投与装置100は、後でさらに詳細に説明するように、最も好ましくはその作動機構を通じて、容器10、特にその出口から患者に流体11を投与/小出しするように適合されることが好ましい。
【0101】
容器10は細長く、及び/又は中空円筒として具体化されることが好ましい。
【0102】
容器10は、好ましくは中空円筒として具体化された、及び/又は内径が本体12の長手方向の延びにわたって一定である本体12を含むことが好ましい。
【0103】
容器10、特にその本体12は、一体的に/一体部品として形成されることが好ましい。容器10、特にその本体12はガラスで形成され、又はプラスチックから射出成形されることが最も好ましい。
【0104】
容器10は、第1の軸端13及び第2の軸端14を含むことが好ましい。
【0105】
容器10の第1の軸端13はフランジ/カラーとして具体化され、及び/又は本体12及び/又は第2の軸端14の外径と比べて拡大した外径を含むことが好ましい。
【0106】
容器10の第2の軸端14は容器10の先端として具体化され、及び/又は容器10の出口を含み又は形成することが好ましい。
【0107】
図3及び
図4で最も良く分かるように、容器10の第2の軸端14は円錐形及び/又はテーパ状であることが好ましい。第2の軸端14は、本体12及び/又は第1の軸端13の内径及び/又は外径と比べて小さな内径及び/又は外径を含むことが最も好ましい。
【0108】
容器10の第2の軸端14は、(
図1~
図3には示していない)針19のための連結部品として具体化されることが好ましい。
【0109】
図1に示すように、任意に投与装置100、特に容器10は、投与装置100、特に容器10、最も好ましくはその第2の軸端14を保護/密封し、及び/又は針19のための連結部を提供するために、クロージャ/ロック15、特にルアーロックを備える。
【0110】
針19は、ロック15によって、最も好ましくは成形嵌め及び/又は圧力嵌めの形で容器10に、特に第2の軸端14に取り付けられることが好ましい。
【0111】
ロック15は、好ましくは特に成形嵌め及び/又は圧力嵌めの形で容器10の第2の軸端14に取り付けられたコネクタ16及び/又はキャップ17を含むことが好ましく、及び/又はキャップ17は、投与装置100の初期状態において第2の軸端14及び/又はコネクタ16を軸方向に覆うことが最も好ましい。
【0112】
コネクタ16は、針19を容器10に、具体的にはその第2の軸端14に連結するように適合されることが好ましい。
【0113】
針19を容器10に連結するには、容器10及び/又はコネクタ16からキャップ17を取り外すことができる。その後、針19をコネクタ16に取り付け、特にコネクタ16にねじ込むことができる。
【0114】
ロック15、特にコネクタ16は、針19をロック15に、特にコネクタ16にねじ込むことができるように雌ねじを含むことが好ましい。このようにして、針19とロック15との特に強固な連結を達成することができる。しかしながら、他の構造的解決策も可能である。
【0115】
投与装置100、特に容器10は、好ましくは容器10、特にその本体12内に移動可能に配置されたストッパ18を含むことが好ましい。
【0116】
容器10の本体12及びストッパ18は、流体11のためのチャンバの範囲を定めることが好ましい。
【0117】
ストッパ18は、プラスチック、特にエラストマから形成され、特に射出成形されることが好ましい。
【0118】
ストッパ18は円筒形であることが好ましく、及び/又は好ましくはストッパ18が容器10の、特に本体12の内壁を圧迫するように、容器10の、特に本体12の内径に少なくとも基本的に対応する及び/又はそれよりも(わずかに)大きな外径を有する。
【0119】
ストッパ18は、容器10、特に本体12の内壁に密封状態で当接し、及び/又は特に流体11がストッパ18と本体12の内壁との隙間を通って漏出及び/又は流動できないように、少なくとも1つの(半径方向)シールを含み又は形成することが好ましい。
【0120】
好ましくは作動機構を通じて、特に第1の作動部品60を通じてストッパ18を容器10の第2の軸端14に向かって動かす/押すことにより、本体12及びストッパ18によって区切られたチャンバの容積が減少し、これによって容器10に収容される流体11を送達することができる。
【0121】
上述したように、投与装置100はリテーナ20を含むことが好ましく、投与装置100の一部又は全部の部品/構成要素はリテーナ20に(直接)装着され、及び/又は特に強固に/固定して或いは移動可能にリテーナ20に取り付けられ又はリテーナ20によって保持されることが好ましい。
【0122】
従って、リテーナ20は、投与装置100の他の部品/構成要素、特に容器10、プランジャロッド40、第1の作動部品60、第2の作動部品70及び/又は固定部材90のための支持/連結/装着構造として機能することが好ましい。
【0123】
容器10は、リテーナ20によって強固に/固定して保持され、及び/又はリテーナ20に取り付けられることが好ましい。
【0124】
後でさらに詳細に説明するように、プランジャロッド40、第1の作動部品60、第2の作動部品70及び/又は固定部材90は、リテーナ20に移動可能に取り付けられることが好ましい。
【0125】
図2及び
図3で最もよく分かるように、リテーナ20は、容器10のための、好ましくは半径方向/横方向及び/又は軸方向に開口したマウント/レセプタクル/ソケット21、及び/又は第1の作動部品60、第2の作動部品70及び/又は固定部材90のための、好ましくは半径方向/横方向及び/又は軸方向に開口した支持体/ホルダ/フレーム22を含むことが好ましい。
【0126】
以下ではマウント21と呼ぶマウント/レセプタクル/ソケット21、及び以下では支持体22と呼ぶ支持体/ホルダ/フレーム22は、同じ材料で形成され、及び/又は特に一体的に及び/又はプラスチックから射出成形されることが好ましい。
【0127】
リテーナ20、特にマウント21は、好ましくはクランプ方式で、及び/又は特に容器10がリテーナ20、特にマウント21の内部に及び/又はこれらを通じて半径方向及び軸方向に保持されるように、容器10を固定して保持するように適合されることが好ましい。
【0128】
容器10、特にその第1の軸端13は、リテーナ20内に、最も好ましくはマウント21内に半径方向/横方向に挿入され、特に押し込まれ/クリップ留めされることが好ましい。
【0129】
この目的のために、マウント21の内部形状/輪郭は、少なくとも基本的に容器10、特にその第1の軸端13の外部形状/輪郭に対応することが好ましい。
【0130】
マウント21はスロット形状であることが好ましく、及び/又は半径方向開口部21A及び/又は軸方向開口部21Bを含み、マウント21内へは、容器10、特にその軸端13が半径方向開口部21Aを介して半径方向に(挿入され)、特に押し込まれ/クリップ留めされ、及び/又はマウント21からは、容器10の本体12が軸方向開口部21Bを介して延びることが好ましい。
【0131】
以下で説明するように、リテーナ20、特に支持体22は、特に第2の作動部品70がリテーナ20に対して回転することができ、及び/又はリテーナ20、特に支持体22によって軸方向に保持されるように、及び/又はプランジャロッド40及び/又は第1の作動部品60がリテーナ20、特に支持体22に対して及び/又はこれらを通じて軸方向に移動できるように、プランジャロッド40、第1の作動部品60、第2の作動部品70及び/又は固定部材90を(軸方向に)受け取り及び/又は(半径方向に)支持/案内するように適合されることが好ましい。
【0132】
プランジャロッド40、第1の作動部品60、第2の作動部品70及び/又は固定部材90は、リテーナ20、最も好ましくは支持体22に軸方向に取り付けられ、及び/又はこれらに挿入されることが好ましい。
【0133】
リテーナ20、特に支持体22は、固定部材90及び/又は第2の作動部品70のための特に少なくとも基本的に円筒形のソケット/レセプタクル22Aを含み又は形成することが好ましく、支持体22、特にソケット/レセプタクル22Aは軸方向に開口することが好ましい。
【0134】
リテーナ20、特に支持体22は、特にリング状の壁22Bを含むことが好ましく、壁22Bは、以下ではレセプタクル22Aと呼ぶソケット/レセプタクル22Aを定め及び/又は半径方向に区切ることが好ましい。
【0135】
支持体22、特に壁22Bは半径方向に開口し、及び/又は半径方向開口部22Cを含むことが好ましい。
【0136】
固定部材90はレセプタクル22Aに挿入され、及び/又は壁22Bによって半径方向に取り囲まれることが好ましい。
【0137】
後でさらに詳細に説明するように、固定部材90は、レセプタクル22Aから外へ及び/又は半径方向開口部22Cを通じて半径方向に突出することが好ましい。
【0138】
マウント21及び支持体22は、リテーナ20を挟んだ両側に配置されることが好ましい。
【0139】
リテーナ20は、以下では中間壁23と呼ぶ中間/分離壁23を含むことが好ましく、中間壁23は、マウント21と支持体22との間に配置され、及び/又はマウント21を支持体22から(軸方向に)分離することが好ましい。
【0140】
具体的には、中間壁23は、マウント21を支持体22、特にレセプタクル22Aに向かって軸方向に区切り、及び/又は支持体22、特にレセプタクル22Aをマウント21に向かって軸方向に区切る。
【0141】
リテーナ20、特に中間壁23は、プランジャロッド40のための特に十字形の開口部/アパーチャ24を含むことが好ましく、プランジャロッド40は、リテーナ20の開口部/アパーチャ24を貫通することが好ましい。
【0142】
具体的には、以下ではアパーチャ24と呼ぶ開口部/アパーチャ24は、プランジャロッド40を半径方向に案内し、及び/又はリテーナ20に対するプランジャロッド40の潜在的回転を防ぎ又はその範囲を定めることが好ましい。
【0143】
投与装置100、特にリテーナ20は、フィンガーフランジ/カラー25を含むことが好ましく、フィンガーフランジ/カラー25は、リテーナ20から半径方向外向きに延びることが好ましい。
【0144】
以下ではフィンガーフランジ25と呼ぶフィンガーフランジ/カラー25は、好ましくはマウント21、支持体22、中間壁23及び/又はアパーチャ24の周囲に延びる楕円形ディスクとして具体化されることが好ましい。しかしながら、他の構造的解決策も可能である。
【0145】
固定部材90は、少なくとも基本的にリング状であり、及び/又はプランジャロッド40を半径方向に取り囲む/包み込むことが好ましい。
【0146】
具体的には、プランジャロッド40は固定部材90を軸方向に貫通する。
【0147】
上述したように、固定部材90は、プランジャロッド40、第1の作動部品60及び/又は第2の作動部品70を固定するように構成されることが好ましい。固定部材90は、プランジャロッド40及び/又は第1の作動部品60の後退移動をブロックするように構成されることが好ましい。さらに、固定部材90は、第2の作動部品70の作動をブロックするように構成されることが好ましい。
【0148】
固定部材90は、少なくとも1つの戻り止め91/92を含むことが好ましく、戻り止め91/92は、少なくともプランジャロッド40の初期位置及び/又は投与位置において、第1の作動部品60及び/又はプランジャロッド40に(半径方向に)係合し、及び/又はこれらを(軸方向に)ブロックするように適合されることが好ましい。
【0149】
戻り止め91/92は、半径方向内向きに及び/又はプランジャロッド40に向かって延びる突出部として具体化されることが好ましい。戻り止め91/92はフック状であり、及び/又はラッチとして具体化されることが最も好ましい。
【0150】
本実施形態では、固定部材90が第1の戻り止め91及び第2の戻り止め92を含み、第1の戻り止め91及び第2の戻り止め92は、固定部材90を挟んだ両側に配置され、及び/又は異なる側、特に両側からプランジャロッド40に(半径方向に)係合することが好ましい。
【0151】
固定部材90、特に戻り止め91/92は、プランジャロッド40に接して予め半径方向に張力を加えられることが好ましい。
【0152】
固定部材90は圧縮可能及び/又は伸縮可能であり、及び/又はばねとして具体化されることが好ましい。
【0153】
固定部材90は、(一体化された)ばね要素93/94を含むことが好ましく、バネ要素93/94は、戻り止め91/92をプランジャロッド40に(半径方向に)押し付けるように適合されることが好ましい。
【0154】
ばね要素93/94は、特に固定部材90を圧縮又は伸張できるように弾性/屈曲性/可撓性であることが好ましい。
【0155】
ばね要素93/94は、第1の戻り止め91及び第2の戻り止め92を連結することが好ましい。
【0156】
ばね要素93/94は、曲線状及び/又はアーチ形であることが好ましい。ばね要素93/94は、プランジャロッド40の周囲で屈曲/湾曲することが最も好ましい。
【0157】
本実施形態では、固定部材90が第1のばね要素93及び第2のばね要素94を含み、第1のばね要素93及び第2のばね要素94は、固定部材90を挟んだ両側及び/又はプランジャロッド40の周囲に配置され、及び/又は(それぞれが)第1の戻り止め91と第2の戻り止め92とを連結することが好ましい。
【0158】
上述したように、固定部材90は、第2の作動部品70に半径方向に係合し、及び/又は第2の作動部品70の作動をブロックするように構成されることが好ましい。
【0159】
固定部材90はブロック要素95を含むことが好ましく、ブロック要素95は、後でさらに詳細に説明するように、特にプライミング中にのみ及び/又はプランジャロッド40が投与位置に到達するまでのみ、第2の作動部品70の回転作動及び/又は作動方向への回転作動をブロックし、及び/又は第2の作動部品70に(半径方向に)係合するように構成されることが好ましい。
【0160】
ブロック要素95は、半径方向外向きに及び/又はプランジャロッド40から離れて及び/又は第2の作動部品70に向かって延びる突出部/隆起部として具体化されることが好ましい。ブロック要素95は、特にブロック要素95が第2の作動部品70に半径方向に係合するように、リテーナ20の、特に支持体22の半径方向開口部22Cを半径方向に貫通することが好ましい。
【0161】
第2の作動部品70は、特に投与位置への到達時及び/又は投与装置100のプライミングの完了後に、プランジャロッド40及び/又は第1の作動部品60を軸方向にブロックするように構成されることが好ましい。
【0162】
具体的には、後でさらに詳細に説明するように、第2の作動部品70は、プランジャロッド40が初期位置から最終位置に(直接)移動し、及び/又は第1の作動部品60が完全に作動するのを防ぐように構成される。
【0163】
第2の作動部品70は、少なくとも基本的に円筒形及び/又はキャップ状であり、及び/又は中空円筒として具体化されることが好ましい。
【0164】
第2の作動部品70は、外側部品71及び/又は内側部品72を含むことが好ましく、外側部品71及び/又は内側部品72は少なくとも基本的に円筒形であり、及び/又は中空円筒として具体化され、及び/又は内側部品72は外側部品71内に配置され、及び/又は外側部品71は内側部品72を包み込むことが好ましい。
【0165】
第2の作動部品70は、容器10と第1の作動部品60との間に配置されることが好ましい。
【0166】
第2の作動部品70は、リテーナ20、特に支持体22、最も好ましくは壁22Bに(直接)取り付けられ、特に軸方向に固定されることが好ましい。
【0167】
第2の作動部品70、特にその外側部品71は、支持体22、特に壁22B及び/又は固定部材90を半径方向に及び/又は外側に向かって覆うことが好ましい。
【0168】
第2の作動部品70、特にその外側部品71は、ハンドル/ダイヤルを含み又は形成することが好ましい。
【0169】
第2の作動部品70、特にその外側部品71は、リテーナ20の、特に支持体22の、最も好ましくは壁22Bの内部又は上部に軸方向に取り付けられ、特に押し込まれ/クリップ留めされることが好ましい。
【0170】
第2の作動部品70、特に外側部品71は、特に第2の作動部品70がリテーナ20、特に支持体22に軸方向に固定されるように、リテーナ20、特に支持体22、最も好ましくは壁22B、及び/又は壁22Bに形成された突出部及び/又は凹部などの対応する保持要素22D内に半径方向に係合し、及び/又は突出し、及び/又は嵌まり込む複数の保持要素73を含むことが好ましい。
【0171】
しかしながら、第2の作動部品70は、リテーナ20に対して、以下では作動方向と呼ぶ、好ましくは好ましい/意図される回転方向に移動し、特に回転できることが好ましい。
【0172】
作動機構、特に第2の作動部品70は、第2の作動部品70をリテーナ20に対して手動で回転させることによって作動できることが好ましい。
【0173】
第2の作動部品70の回転を容易にするために、第2の作動部品70の外面、特に外側部品71には、少なくとも部分的に溝、裂け目、及び/又は別の輪郭を形成することができる。
【0174】
投与装置100、特に作動機構及び/又は第2の作動部品70は、好ましくは回転軸を有し/定め、第2の作動部品70は回転軸を中心に回転可能であることが好ましい。
【0175】
回転軸は、投与装置100の主軸Aに対応/一致することが好ましい。しかしながら、回転軸が主軸Aと異なる他の解決策も可能である。
【0176】
第2の作動部品70は、作動方向にのみ回転することができ、及び/又は投与装置100、特にリテーナ20は、第2の作動部品70のための逆回転ロック、特にラチェットを含むことが好ましい。
【0177】
作動方向は、第2の作動部品70上及び/又はリテーナ20上、最も好ましくはフィンガーフランジ25上にラベル又はマークなどによって示すことができる。
【0178】
第2の作動部品70、特にその外側部品71は、逆回転止め(back-rotation stop)74/75及び/又は作動止め(actuation stop)76を含み又は形成することが好ましく、逆回転止め74/75は、第2の作動部品70の逆回転、すなわち(意図される)作動方向とは逆方向への回転を防ぎ又は制限/ブロックするように構成され、及び/又は作動止め76は、リテーナ20に対する、特に(意図される)作動方向への第2の作動部品70の作動、特に回転を制限/ブロックするように構成されることが好ましい。
【0179】
リテーナ20、特に支持体22は、(対応する)逆回転止め26及び/又は作動止め27を含み又は形成することが好ましく、第2の作動部品70の逆回転止め74/75及びリテーナ20の逆回転止め26は、特に(意図される)作動方向のみへの第2の作動部品70の回転が可能であるように、及び/又は第2の作動部品70の逆回転、すなわち(意図される)作動方向とは逆方向への逆回転が防止又は制限されるように互いに相互作用することが好ましい。
【0180】
具体的には、リテーナ20の逆回転止め26及び第2の作動部品70の逆回転止め74/75は、(意図される)作動方向とは逆方向に互いに形状適合方式で係合し、及び/又は互いを通り越して、すなわち第2の作動部品70の逆回転止め74/75及び/又はリテーナ20の逆回転止め26を(意図される)作動方向に弾性的に/一時的に変形/屈曲させることによって滑動する。
【0181】
第2の作動部品70、特にその外側部品71は、第1の逆回転止め74及び第2の逆回転止め75を含み又は形成することが好ましく、第1の逆回転止め74及び第2の逆回転止め75は互いに周方向に離隔し、及び/又は第2の作動部品70の異なる回転位置/配向でリテーナ20の逆回転止め26に係合/当接することが好ましい。第1の逆回転止め74は、第2の作動部品70を作動させる前にリテーナ20の逆回転止め26に係合/当接し、第2の逆回転止め75は、第2の作動部品70を特に作動方向とは逆方向に及び/又は形状適合方式で作動させた後にリテーナ20の逆回転止め26に係合/当接することが最も好ましい。
【0182】
第2の作動部品70の作動止め76及びリテーナ20の作動止め27は、第2の作動部品70の作動の最後に、及び/又は第2の作動部品70の所定の/最終的な回転配向/位置に到達した時に、特に第2の作動部品70のさらなる作動が防止/ブロックされるように、互いに形状適合方式で係合することが好ましい。
【0183】
後でさらに詳細に説明するように、第2の作動部品70の作動止め76は、第2の作動部品70の作動の最後に、及び/又は第2の作動部品70の所定の/最終的な回転配向に到達した時に、特に解放位置に到達した時に、リテーナ20の作動止め27に円周方向に当接する/当たることが好ましい。
【0184】
図2で最も良く分かるように、(単複の)逆回転止め74/75及び/又は作動止め76は、第2の作動部品70の外側部品71からリテーナ20の支持体22及び/又は壁22Bに向かって第2の作動部品70の内部に半径方向に突出する、好ましくは長手方向の突出部、特にリブとしてそれぞれ具体化されることが好ましい。
【0185】
図3で最も良く分かるように、逆回転止め26及び/又は作動止め27は、支持体22及び/又は壁22Bから第2の作動部品70、特に外側部品71に向かって半径方向に突出する突出部/隆起部として具体化され、又はこのような突出部/隆起部によって形成されることが好ましい。
【0186】
上述したように、第2の作動部品70の内側部品72は、外側部品71内に配置された及び/又は外側部品71に取り囲まれた中空円筒として具体化されることが好ましい。
【0187】
第2の作動部品70、特に内側部品72は、プランジャロッド40及び/又は第1の作動部品60を(半径方向に)案内するように適合されることが好ましい。
【0188】
具体的には、第2の作動部品70、最も好ましくは内側部品72は、第1の作動部品60の作動、及び/又はリテーナ20及び/又は容器10対する、特にこれらに向かうプランジャロッド40の(軸方向)移動を制限/ブロックするように構成される。
【0189】
第2の作動部品70、特に内側部品72は、ブロック壁77及び/又は特にスロット状の開口部/アパーチャ78を含むことが好ましく、開口部/アパーチャ78はブロック壁77内に形成されることが好ましい。
【0190】
プランジャロッド40及び/又は第1の作動部品60は、第2の作動部品70、特に内側部品72、最も好ましくは開口部/アパーチャ78を貫通することが好ましい。
【0191】
以下では開口部78と呼ぶ開口部/アパーチャ78は、プランジャロッド40を半径方向に案内することが好ましい。
【0192】
開口部78の形状/輪郭は、少なくとも基本的にプランジャロッド40の(外側)形状/輪郭に対応することが好ましい。
【0193】
図2で最も良く分かるように、開口部78は、少なくとも基本的にスロット状であることが好ましい。
【0194】
プランジャロッド40は、プランジャロッド40及び/又はリテーナ20に対する第2の作動部品70、特に開口部78の所定の回転配向に到達した時にのみ、開口部78を通じて移動し/押すことができることが最も好ましい。換言すれば、第1の作動部品60の作動及び/又はプランジャロッド40の移動は、リテーナ20、第1の作動部品及び/又はプランジャロッドに対する第1の作動部品、特にその開口部78の回転位置に依存する。
【0195】
プランジャロッド40は、ストッパ18に(直接)作用及び/又は当接するように適合されることが好ましい。具体的には、プランジャロッド40は、特に第1の作動部品60を作動させることによってストッパ18を容器10の出口に向かって押し、及び/又は容器10から流体11を押し出すように適合される。
【0196】
しかしながら、ストッパ18は、プランジャロッド40、特にその先端に強固に取り付けられないことが好ましい。ストッパ18は、プランジャロッド40、特にその先端に寄り掛かっているにすぎず、及び/又は緩く連結されることが好ましい。
【0197】
換言すれば、プランジャロッド40及び/又はストッパ18は、圧縮時及び/又はプランジャロッド40がストッパ18に押し付けられた時にのみ連結するように構成される。プランジャロッド40及びストッパ18は、緊張状態において及び/又はプランジャロッド40が容器10から移動し/引き出された時に分離するように構成されることが好ましい。これにより、例えば投与装置100の殺菌工程中に容器10内に空気が引き込まれることが防がれる。
【0198】
投与装置100の初期状態及び/又はプランジャロッド40の初期位置では、プランジャロッド40が第1の作動部品60の作動時にのみストッパ18に軸方向に当接するように、ストッパ18がプランジャロッド40から軸方向に離隔することもできる。
【0199】
プランジャロッド40は、細長く及び/又はロッド状であることが好ましい。
【0200】
プランジャロッド40は、投与装置100、好ましくは第2の作動部品70、固定部材90及び/又はリテーナ20を通じて、最も好ましくは第1の作動部品60から第2の作動部品70、固定部材90及びリテーナ20を通じて容器10内に(完全に)軸方向に延びることが好ましい。
【0201】
プランジャロッド40は、前方部品/部分41、中間部品/部分42及び/又は後方部品/部分43を含むことが好ましく、中間部品/部分42は、前方部品/部分41と後方部品/部分43との間に(軸方向に)配置されることが好ましい。
【0202】
プランジャロッド40、特に前方部品/部分、中間部品/部分及び後方部品/部分41、42、43は、一体的に又は一体部品として形成されることが好ましい。
【0203】
以下では前方部分41と呼ぶ前方部品/部分41は、プランジャロッド40の(第1の)軸端及び/又は先端を含み又は形成することが好ましい。
【0204】
前方部分41は、少なくとも部分的に容器10内に延びる及び/又はストッパ18に(直接)面する/当接するプランジャロッド40の部分であることが好ましい。
【0205】
以下では後方部分41と呼ぶ後方部品/部分43は、プランジャロッド40の(第2の)軸端を含み又は形成することが好ましい。後方部分43は、ストッパ18から離れる方向に向くことが好ましい。
【0206】
第1の作動部品60は、プランジャロッド40、特にその後方部分43に直接及び/又は強固に連結されることが好ましい。第1の作動部品60は、プランジャロッド40の後方部分43によって、及び/又はプランジャロッド40、特に後方部分43と一体的に/一体部品として形成することができる。
【0207】
第1の作動部品60は、少なくとも基本的にプレート状、カラー状及び/又はフランジ状であり、及び/又はプランジャロッド40の、特にその後方部分43の外径に比べて拡大した外径を含むことが好ましい。第1の作動部品60は、サムレスト(thumb-rest)を含み又は形成することが最も好ましい。
【0208】
プランジャロッド40、特にその前方部分41は、第1の作動部品60を特に第2の作動部品70及び/又はリテーナ20に向けて及び/又は作動方向に作動させ、特に押圧することより、容器10の出口に向かって及び/又はさらに容器10内に移動し、特に押し込まれることが好ましい。
【0209】
プランジャロッド40、特にその中間部品/部分42は、第1の作動部品60を特に第2の作動部品70及び/又はリテーナ20に向けて及び/又は作動方向に作動させ、特に押圧することより、第2の作動部品70、固定部材90及び/又はリテーナ20を通じて移動し、特に押し込まれることが好ましい。
【0210】
プランジャロッド40の移動方向は、第1の作動部品60の作動方向に対応/一致し、及び/又は主軸Aと平行であり、特に主軸Aに沿ったものであることが好ましい。
【0211】
後でさらに詳細に説明するように、プランジャロッド40、特に以下では中間部分42と呼ぶその中間部品/部分42は、作動機構、第2の作動部品70及び/又は固定部材90と機械的に相互作用するように適合されることが好ましい。
【0212】
プランジャロッド40、特に前方部分41及び/又は中間部分42は、少なくとも基本的に十字形の断面を含むことが好ましい。
【0213】
プランジャロッド40、特に前方部分41及び/又は中間部分42は、主軸Aに沿って変化する断面を含むことが好ましい。
【0214】
プランジャロッド40、特に前方部分41及び/又は中間部分42の寸法は、好ましくはプランジャロッド40が自由に及び/又は容器10内を移動できるように、容器10の、特にその本体12の内径よりも小さいことが好ましい。
【0215】
プランジャロッド40の後方部分43は、容器10から突出する及び/又は第1の作動部品60への移行部を形成するプランジャロッド40の部分であることが好ましい。
【0216】
プランジャロッド40、特に前方部分41及び/又は中間部分42は、複数の、特に4つの羽根/側面/裂け目(rips)44~47を含むことが好ましく、羽根/側面/裂け目44~47は、プランジャロッド40の主軸Aに沿って延び、及び/又は半径方向外向きに突出/脱出し、及び/又はプランジャロッド40の断面を形成することが好ましい。
【0217】
以下では側面44~47と呼ぶ羽根/側面/裂け目44~47は、互いに対して及び/又は主軸Aの周囲で少なくとも基本的に90度離れて位置し/配置され/オフセットされることが好ましい。
【0218】
一部又は全部の側面44~47の形状、特に高さは、プランジャロッド40の主軸Aに沿って及び/又は作動方向に変化することが好ましい。
【0219】
プランジャロッド40、特に前方部分41及び/又は中間部分42、最も好ましくは側面44~47は、窪み、突起、隆起、段又は傾斜などを含むことが好ましい。
【0220】
本実施形態では、プランジャロッド40、特に前方部分41及び/又は中間部分42が、第1の側面44、第2の側面45、第3の側面46及び/又は第4の側面47を含み、第1の側面44及び第2の側面45はプランジャロッド40を挟んだ両側に配置され、及び/又は第3の側面46及び第4の側面47はプランジャロッド40を挟んだ両側に配置されることが好ましい。
【0221】
プランジャロッド40、好ましくは前方部分41は、少なくとも1つの案内支持部(guide support)44A/45Aを含み又は形成することが好ましく、案内支持部44A/45Aは、隆起部として具体化され、及び/又は案内支持部44A/45Aに直接隣接するエリアと比べて増加した高さを有することが好ましい。
【0222】
図4A及び
図5Aで最も良く分かるように、案内支持部44A/45Aは、容器10、特にその本体12の内壁に寄り掛かり及び/又は当接することが好ましい。
【0223】
案内支持部44A/45Aは、プランジャロッド40が容器10、特にその本体12に(局所的に)ぴったりと適合及び/又は当接するように、プランジャロッド40の断面積を増加させることが好ましい。
【0224】
プランジャロッド40、特に前方部分41は、第1の案内支持部44A及び第2の案内支持部45Aを含むことが好ましく、第1の案内支持部44A及び第2の案内支持部45Aは、プランジャロッド40を挟んだ両側に配置され、及び/又は特に容器10に対するプランジャロッド40の傾きが防がれ又は少なくとも低減されるように、互いに軸方向にオフセットされることが好ましい。
【0225】
第1の案内支持部44Aは、第1の側面44によって形成され及び/又は第1の側面44上に配置され、第2の案内支持部45Aは、第2の側面45によって形成され及び/又は第2の側面45上に配置されることが最も好ましい。
【0226】
プランジャロッド40、特に中間部分42は、戻り止め44B/45Bを含み又は形成することが好ましく、戻り止め44B/45Bは、プランジャロッド40、特にその中間部分42の(半径方向の)段差/突出部によって形成されることが好ましい。
【0227】
戻り止め44B/45Bは、固定部材90、特にその戻り止め91/92に(軸方向に)当接し、及び/又は(半径方向に)係合するように構成されることが好ましい。
【0228】
具体的には、固定部材90の戻り止め91/92及びプランジャロッド40の戻り止め44B/45Bは、特に容器10からの及び/又は作動方向とは逆方向へのプランジャロッド40の後退移動がブロック/防止されるように、プランジャロッド40の(意図される)移動/作動方向とは逆方向に形状適合方式で互いに係合し、及び/又は固定部材90、特にその戻り止め91/92及び/又はプランジャロッド40の戻り止め44B/45Bを弾性的に/一時的に変形/屈曲させることなどによって、(意図される)移動/作動方向に互いを通り越して滑動する。
【0229】
プランジャロッド40、特に中間部分42は、第1の戻り止め44B及び第2の戻り止め45Bを含むことが好ましく、第1の戻り止め44B及び第2の戻り止め45Bは、プランジャロッド40を挟んだ、特に中間部分42を挟んだ両側に配置され、及び/又は第1の戻り止め44B及び第2の戻り止め45Bは、互いに軸方向にオフセットされることが好ましい。
【0230】
第1の戻り止め44Bは、第2の戻り止め45Bよりもプランジャロッド40の前方部分41及び/又は先端の近くに配置されることが好ましい。
【0231】
第1の戻り止め44Bは、プランジャロッド40の第1の側面44に配置され及び/又は第1の側面44によって形成されることが好ましく、第2の戻り止め45Bは、プランジャロッド40の第2の側面45に配置され及び/又は第2の側面によって形成されることが好ましい。
【0232】
上述したように、プランジャロッド40、特にその中間部分42は、第1の作動部品60を作動させることによって固定部材90内を移動することが好ましい。
【0233】
プランジャロッド40、特にその中間部分42は、固定部材90内を移動する時、特に押された時に固定部材90と機械的に相互作用することが好ましい。
【0234】
プランジャロッド40の第1の戻り止め44Bは、固定部材90の第1の戻り止め91に(半径方向に)係合するように構成され、プランジャロッド40の第2の戻り止め45Bは、固定部材90の第2の戻り止め92に(半径方向に)係合するように構成されることが好ましい。
【0235】
具体的には、プランジャロッド40の第1の戻り止め44Bは、プランジャロッド40の初期位置において固定部材90、特にその第1の戻り止め91に(半径方向に)係合し、プランジャロッド40の第2の戻り止め45Bは、プランジャロッド40の投与位置において固定部材90、特にその第2の戻り止め92に(半径方向に)係合する。
【0236】
固定部材90、特にその第1の戻り止め91は、最も好ましくはプランジャロッド40の初期位置において、及び/又は容器10からの及び/又は作動方向とは逆方向へのプランジャロッド40の後退移動がブロック/防止されるように、プランジャロッド40、特に第1の戻り止め44Bに(半径方向に)係合し、特に嵌まり込む。
【0237】
固定部材90、特にその第2の戻り止め92は、最も好ましくはプランジャロッドの投与位置への到達時に、及び/又はプランジャロッド40の容器10からの及び/又は作動方向とは逆方向への後退移動がブロック/防止されるように、プランジャロッド40、特に第2の戻り止め45Bに(半径方向に)係合し、特に嵌まり込むように構成されることが好ましい。
【0238】
プランジャロッド40、特に中間部分42、最も好ましくは第1の側面44は、傾斜/斜面44Cを含み又は形成することが好ましく、以下では斜面44Cと呼ぶ傾斜/斜面44Cは、第1の戻り止め44Bと第2の戻り止め45Bとの(軸方向)中間に配置され及び/又はそこから開始し、及び/又は斜面44Cは、第1の戻り止め44Bに(軸方向に)隣接し、及び/又は第2の戻り止め45Bを越えて(軸方向に)延びることが好ましい。
【0239】
斜面44Cは、プランジャロッド40の、特に中間部分42の断面を後方部分43/第1の作動部品60に向けて連続的に増加させることが好ましい。特に、プランジャロッド40、最も好ましくは斜面44Cは、特に固定部材90を通じて及び/又は初期位置から投与位置に移動する際に、固定部材90を伸張させ/広げ及び/又は押し開けるように構成される。
【0240】
斜面44Cは、第1の側面44上に配置され、又は第1の側面44によって形成されることが好ましい。
【0241】
第2の側面45の形状、特に高さは、最も好ましくはプランジャロッド40の断面が斜面44C(のみ)に起因して増加するように、斜面44を挟んだ両側のエリア内で一定/均一であることが好ましい。
【0242】
プランジャロッド40、特に中間部分42は、第1の作動部品60の作動及び/又はプランジャロッド40の移動を制御し、特に(一時的に)中断し及び/又は終了させる作動止め46A/47A/44D/45Dを含み又は形成することが好ましい。プランジャロッド40、特に中間部分42は、互いに軸方向にオフセットされた複数の作動止め46A/47A及び44D/45Dを含み又は形成することが好ましい。
【0243】
プランジャロッド40、特に中間部分42は、作動中間止め(actuation intermediate stop)46A/47A及び/又は作動終端止め(actuation end stop)44D/45Dを含み又は形成することが好ましく、作動中間止め46A/47A及び/又は作動終端止め44D/45Dは、プランジャロッド40、特に中間部分42、最も好ましくはその断面の(半径方向の)段差/突出部及び/又は(鋭い)エッジ/拡大部によって形成されることが好ましい。
【0244】
作動中間止め46A/47A及び/又は作動終端止め44D/45Dは、プランジャロッド40が容器10内にさらに/完全に挿入されるのを軸方向にブロックするように構成されることが好ましい。作動中間止め46A/47A及び/又は作動終端止め44D/45Dは、第2の作動部品70に対するプランジャロッド40の所定位置において、最も好ましくは投与位置及び/又は最終位置において、第2の作動部品70、特にその内側部品72、最も好ましくはブロック壁77に軸方向に係合する/当たる/当接するように構成されることが好ましい。
【0245】
作動中間止め46A/47Aは、作動終端止め44D/45Dの軸方向前方に(作動/移動方向に)、及び/又は第2の戻り止め45Bと作動終端止め44D/45Dとの間に配置されることが好ましい。
【0246】
換言すれば、作動中間止め46A/47Aは、第1の作動部品60を作動させた時に作動終端止め44D/45Dよりも先に第2の作動部品70に、特にそのブロック壁77に(軸方向に)係合することが好ましい。
【0247】
プランジャロッド40の第3の側面46及び/又は第4の側面47は、作動中間止め46A/47Aを含み又は形成することが好ましい。
【0248】
本実施形態では、プランジャロッド40、特に中間部分42が、プランジャロッド40を挟んだ両側に配置された2つの作動中間止め46A及び47Aを含み、第3の側面46が第1の作動中間止め46Aを含み又は形成し、第4の側面47が第2の作動中間止め47Aを含み又は形成することが好ましい。
【0249】
プランジャロッド40の第1の側面44及び/又は第2の側面45は、作動終端止め44D/45Dを含み又は形成することが好ましい。
【0250】
本実施形態では、プランジャロッド40、特に中間部分42が、両側に配置された2つの作動終端止め44D及び45Dを含み、第1の側44が第1の作動終端止め44Dを含み又は形成し、第2の側面45が第2の作動終端止め45Dを含み又は形成することが好ましい。
【0251】
【0252】
【0253】
図4A及び
図5Aには、初期位置/状態にある、すなわち第1の作動部品60を初めて作動させる前の投与装置100を示す。
図4B及び
図5Bには、投与位置/状態にある、すなわち第1の作動部品60を初めて(部分的に)作動させた後であって流体11を投与する前の、第2の作動部品70が(未だ)作動しておらず、第1の作動部品60がさらに/完全に作動するのをブロックしている投与装置100を示す。
図4C及び
図5Cには、第1の作動部品60を再び作動できるように第2の作動部品70を作動させた後の投与位置/状態にある投与装置100を示す。
図4D及び
図5Dには、第1の作動部品60が完全に作動した、すなわち流体11を投与した後の最終位置/状態にある投与装置100を示す。
【0254】
図6Aには、初期位置/状態にある、すなわち第1の作動部品60を初めて作動させる前の、固定部材90が係合位置にあって第2の作動部品70の作動を妨げている投与装置100を示す。
図6Bには、投与位置/状態にある、すなわち第1の作動部品60を(部分的に)作動させた後の、第2の作動部品70を作動できるように固定部材90が離脱位置にある投与装置100を示す。
【0255】
図7Aは、投与位置/状態にある、すなわち第1の作動部品60を(部分的に)作動させた後の、第2の作動部品70が(未だ)作動していない投与装置100の概略的断面図である。
図7Bは、第2の作動部品70を作動させた後の投与位置/状態にある投与装置100の概略的断面図である。
【0256】
図8Aは、
図7Aによる投与位置/状態にある投与装置100の部分的断面斜視図である。
図8Bは、
図7Bによる投与位置/状態にある投与装置100の部分的断面斜視図である。
【0257】
初期位置は、第1の作動部品60及び/又は第2の作動部品70を作動させる前、及び/又は投与装置100のプライミング前、及び/又は投与装置100の初期状態における、リテーナ20及び/又は容器10に対するプランジャロッド40及び/又はストッパ18の(軸方向)位置であることが好ましい。
【0258】
投与装置100の初期状態では、及び/又はプランジャロッド40及び/又はストッパ18が初期位置にある時には、第1の作動部品60及び第2の作動部品70は作動していないことが好ましい。
【0259】
初期位置/状態では、プランジャロッド40、特にその後方部分43がリテーナ20及び/又は第2の作動部品70から軸方向に突出する。
【0260】
投与装置100の初期状態では、及び/又はプランジャロッド40及び/又はストッパ18が初期位置にある時には、第2の作動部品70を(直接)作動させること、及び/又は流体11を(直接)投与することが不可能であることが好ましい。
【0261】
初期状態/位置では、第1の作動部品60のみが(部分的に)作動可能であることが好ましい。初期状態/位置では、第2の作動部品70が作動できないことが好ましい。
【0262】
初期位置/状態では、第2の作動部品70が、最も好ましくは固定部材90によって回転方向及び/又は作動方向にブロックされることが好ましい。
【0263】
しかしながら、初期状態/位置では第1の作動部品60を(直接)作動させることができず、及び/又は第2の作動部品70のみが(部分的に)作動可能であるという他の解決策も可能である。具体的には、第2の作動部品70は、初期位置/状態においてプランジャロッド40及び/又は第1の作動部品60を軸方向にブロックするように、及び/又は好ましくはプランジャロッド40を解放するために、及び/又は第1の作動部品60を特に初めて作動できるように作動し、特にリテーナ20に対して及び/又はプランジャロッド40の周囲で(部分的に)旋回/回転するように構成することができる。
【0264】
図4Aで最も良く分かるように、プランジャロッド40は、初期状態/位置において引き抜かれないように、好ましくは固定部材90によって軸方向に固定されることが好ましい。
【0265】
具体的には、固定部材90は、初期状態/位置においてプランジャロッド40及び/又は第1の作動部品60の後退移動をブロックするように構成される。
【0266】
固定部材90、特にその第1の戻り止め91は、初期状態/位置において、最も好ましくはプランジャロッド40の後退移動及び/又は容器10内からのプランジャロッド40の移動がブロックされるように、プランジャロッド40、特にプランジャロッド40の第1の戻り止め44Bに(軸方向に)当接及び/又は(半径方向に)係合することが好ましい。
【0267】
上述したように、第1の作動部品60の作動中、及び/又はプランジャロッド40及び/又はストッパ18の初期位置から投与位置への移動中には、初期状態/位置にある第2の作動部品70を(直接)作動できないことが好ましい。
【0268】
第2の作動部品70は、第1の作動部品60の作動中、及び/又はプランジャロッド40及び/又はストッパ18の初期位置から投与位置への移動中、及び/又はプランジャロッド40の投与位置への到達前には、最も好ましくは固定部材90、特にそのブロック要素95によって、初期状態/位置において特に回転的に及び/又は作動方向にブロックされることが好ましい。
【0269】
図6Aで最も良く分かるように、固定部材90、特にブロック要素95は、第1の作動部品60の作動中、及び/又はプランジャロッド40及び/又はストッパ18の初期位置から投与位置への移動中、及び/又はプランジャロッド40及び/又はストッパ18の初期位置から投与位置への移動中、及び/又は投与位置への到達前には、初期状態/位置において第2の作動部品70に(半径方向に)係合することが好ましい。
【0270】
固定部材90、特にそのブロック要素95は、特に第2の作動部品70が作動/回転しないように及び/又は作動/回転方向にブロックされるように、支持体22の壁22B及び/又は半径方向開口部22Cを貫通し、及び/又は支持体22の壁22B及び/又は半径方向開口部22Cから突出することが好ましい。
【0271】
図7Aで最も良く分かるように、第2の作動部品70は、初期状態/位置において作動方向とは逆方向に(も)ブロックされることが好ましい。
【0272】
リテーナ20、特に逆回転止め26は、作動方向とは逆方向に、及び/又は初期状態/位置において逆回転が防がれるように、第2の作動部品70に、特にその第1の回転止め74に(周方向に)当接し/これをブロックし、及び/又は第1の回転止め74に(半径方向に)係合することが好ましい。
【0273】
従って、第2の作動部品70の回転位置及び/又は回転角度は、初期状態/位置において、及び/又はストッパ18及び/又はプランジャロッド40の初期位置から投与位置への移動中、及び/又は投与位置への到達前には、固定部材90、特にそのブロック要素95、及びリテーナ20、特にその逆回転止め26によって、特に作動方向及び作動方向とは逆方向に少なくとも基本的に固定又は制限されることが好ましい。
【0274】
第1の作動部品60は、特に第1のステップにおいて初期位置から投与位置に、及び/又は投与装置のプライミングのために、及び/又は特にその後に、及び/又は第2の作動部品70の作動後に、第2のステップにおいて投与位置から最終位置に、及び/又は流体11を投与するために、最も好ましくは第1の作動部品60を第2の作動部品70及び/又はリテーナ20に向けて押し込み、特に押圧することによって、プランジャロッド40をリテーナ20及び/又は容器10に対して軸方向に移動させるために手動で作動することができる。
【0275】
ストッパ18及び/又はプランジャロッド40は、第1の作動部品60を作動させ、特に押圧することによって初期位置から、特に初期位置から投与位置に、及び/又は特にその後に及び/又は第2の作動部品70の作動後に投与位置から最終位置に移動させ、特に押し込むことができる。
【0276】
図4B、
図5B及び
図6Bには、第1の作動部品60を初めて(部分的に)作動させた後であって第2の作動部品70を作動させる前の、投与位置にある投与装置100を示す。
【0277】
プランジャロッド40、特に中間部分42、最も好ましくはその斜面44Cは、第1の作動部品60を作動させ、特に押圧することによって固定部材90内を移動し、特に押し進められることにより、固定部材90を引張させ/広げ、及び/又は第1の戻り止め91を半径方向外向きに押し、及び/又は第1の戻り止め91及び第2の戻り止め92を押し離し、特に初期位置から投与位置に向かうプランジャロッド40の移動中にプランジャロッド(40)に接して固定部材90に(さらに)予め張力を加える。
【0278】
プランジャロッド40、特に第2の側面45は窪み45Cを含み、好ましくは窪み45Cが第2の戻り止め45Bを形成する。
【0279】
投与位置に到達し、及び/又はプライミングプロセスが終了し、及び/又は窪み45C及び/又は第2の戻り止め45Bが固定部材90に直接隣接して及び/又は固定部材90と同じ(軸方向)深さに押し込まれ/配置されると、(張力が加わった)固定部材90は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に弛緩/解放することができ/され、及び/又は固定部材90、特にその第2の戻り止め92は、プランジャロッド40、特にその第2の戻り止め45B及び/又は窪み45Cに(自動的に)係合し及び/又は嵌まり込む。
【0280】
このようにして、固定部材90、特にその第2の戻り止め92は、最も好ましくは投与位置においてプランジャロッド40の後退移動及び/又は容器10からのプランジャロッド40の移動が防止/ブロックされるように、好ましくは自動的に及び/又はばね力によってプランジャロッド40、特にその第2の戻り止め45B及び/又は窪み45Cに好ましくは(半径方向に)係合する。
【0281】
これに加えて又は代えて、固定部材90、特にそのブロック要素95は、最も好ましくは第2の作動部品を特に初めて作動できるように、好ましくは自動的に及び/又はばね力によって第2の作動部品70を(半径方向に)離脱させ及び/又は(回転方向に)解放する。
【0282】
従って、投与位置に到達し、プライミングプロセスが終了し、及び/又は窪み45C及び/又は第2の戻り止め45Bが固定部材90に直接隣接して押し込まれると、固定部材90、特にその第2の戻り止め92は、特に固定部材90がプランジャロッド40に(半径方向に)係合し、及び/又はプランジャロッド40を(作動方向とは逆方向に)(軸方向に)ブロック/固定し、さらに第2の作動部品70を(半径方向に)離脱させ及び/又は(回転方向に)解放するように、プランジャロッド40、特にその第2の戻り止め45B及び/又は窪み45Cに(自動的に及び/又は可聴的に)係合し及び/又は嵌り込む。
【0283】
換言すれば、固定部材90、特にそのばね要素93/94は、初めて第1の作動部品60を作動させることによって、及び/又はプランジャロッド40の初期位置から投与位置への移動中に、最初は張力が加わり、その後に及び/又は投与位置に到達すると、特に突然に/急激に及び/又は可聴的に少なくとも部分的に、好ましくは完全に解放され/弛緩する。
【0284】
このようにして、固定部材90は係合位置から離脱位置に(自動的に)移動し、第2の作動部品70は(自動的に)解放/解除され、及び/又はプランジャロッド40は(作動/移動方向とは逆方向に)(自動的に)固定される。
【0285】
プライミングの終了及び/又は投与位置への到達時を明確に示す可聴/触覚フィードバックが提供されることが好ましい。
【0286】
投与位置は、プライミングプロセスが完了した後の、及び/又は第1の作動部品60を特に部分的に及び/又は初めて作動させ、特に押圧した後の、リテーナ20及び/又は容器10に対するストッパ18及び/又はプランジャロッド40の(軸方向)位置であることが好ましい。
【0287】
上述したように、第2の作動部品70は、プランジャロッド40及び/又は第1の作動部品60を(作動方向に)軸方向にブロックし、及び/又は特に投与位置への到達時に第1の作動部品60の完全な作動及び/又はプランジャロッド40の容器10内への完全な挿入を防ぐように構成されることが好ましい。
【0288】
第1の作動部品60は、第2の作動部品70が第1の作動部品60及び/又はプランジャロッド40を軸方向にブロックするまでしか(最初に)作動することができず、及び/又はプランジャロッド40は、第2の作動部品70が第1の作動部品60及び/又はプランジャロッド40を軸方向にブロックするまでしか(最初に)移動することができない。換言すれば、第1の作動部品60は、第2の作動部品70(のブロック)によって部分的にしか作動することができない。
【0289】
従って、少なくとも第2の作動部品70が作動しておらず及び/又はブロック位置にある場合、第1の作動部品60のさらなる作動、及び/又はプランジャロッド40の投与位置から最終位置への移動は第2の作動部品70によって防止/ブロックされる。第2の作動部品70を作動させ、及び/又は第2の作動部品70をブロック位置から解放位置に移動させて初めて、第1の作動部品60は再び及び/又は2度目に作動することができ、及び/又はプランジャロッド40は投与位置から最終位置に移動することができる。
【0290】
図5Bで最も良く分かるように、プランジャロッド40、特に作動中間止め46A/47Aは、投与位置において第2の作動部品70に、特にブロック壁77に当接する。従って、投与位置に到達すると、第1の作動部品60の(さらなる)作動は、第2の作動部品70によって(一時的に)ブロック/防止される。
【0291】
第2の作動部品70は、プランジャロッド40及び/又は第1の作動部品60を(軸方向に)解放するために、及び/又は第1の作動部品60を特に完全に、再び、2度目に及び/又は流体11を投与するために作動できるように作動すべきであり、特にリテーナ20に対して及び/又はプランジャロッド40の周囲で、好ましくは少なくとも基本的に90度だけ旋回/回転又は摺動すべきであることが好ましい。
【0292】
図5B及び
図5Cを比較して最も良く分かるように、第2の作動部品70は、第2の作動部品70、特に開口部78を第1の作動部品60及び/又はプランジャロッド40、特に作動中間止め46A/47Aと及び/又はこれらに対して整列させるように、及び/又はプランジャロッド40、特に作動中間止め46A/47Aが第2の作動部品70の開口部78内を移動できるように、特に摺動又は回転によって作動すべきである。
【0293】
第2の作動部品70は、所定の位置に到達するまで、及び/又は第2の作動部品70のさらなる作動、特に回転がリテーナ20、特に作動止め27によってブロックされるまで、及び/又は第2の作動部品70の作動止め76がリテーナ20の作動止め27に当たる/当接するまで(のみ)作動できることが好ましい。
【0294】
図7Bで最も良く分かるように、第2の作動部品70を作動させた後には、第2の作動部品70の回転位置及び/又は回転角度は少なくとも基本的に固定及び/又は制限される。
【0295】
さらなる作動/回転は作動止め27によってブロック/防止され、逆回転はリテーナ20の逆回転止め26によってブロック/防止されることが好ましい。
【0296】
第2の作動部品70を(完全に)作動させた後には、リテーナ20、特に支持体22、最も好ましくは逆回転止め26が第2の作動部品70、特に第2の逆回転止め75に(周方向に)当接し/これをブロックし、及び/又はこれに作動/回転方向とは逆方向に(半径方向に)係合し、リテーナ20、特に支持体22、最も好ましくは作動止め27が第2の作動部品70、特に作動止め76に作動方向/回転方向に係合する。
【0297】
任意に、リテーナ20は、第2の作動部品70の作動の開始時及び/又は終了時に回転抵抗を高めることによって、ユーザ/開業医に第2の作動部品70の作動の開始及び/又は終了を示す可聴/触覚フィードバックを提供する。
【0298】
本実施形態では、第2の作動部品70の作動の開始時及び終了時に、第2の作動部品70、特に第2の逆回転止め75が(半径方向)突出部上に押し進められる。しかしながら、他の解決策も可能である。
【0299】
第2の作動部品70を作動させた後には、第1の作動部品60が(その作動方向に)(軸方向に)解除/解放され、特に再び及び/又は2度目に、及び/又はプランジャロッド40を投与位置から最終位置に及び/又はさらに容器10内に移動させるように作動することができる。
【0300】
第1の作動部品60を特に再び及び/又は2度目に、及び/又は第2の作動部品70を作動させた後に作動させ、特に押圧することによって、流体11の投与を実行することができ、及び/又はプランジャロッド40及び/又はストッパ18が最終位置に及び/又はさらに容器10内に移動する。
【0301】
図4D及び
図5Dには、最終位置/状態にある、すなわち第1の作動部品60を完全に作動させた後の投与装置100を示す。
【0302】
図4C及び
図4Dを比較して最も良く分かるように、第1の作動部品60は、好ましくはプランジャロッド40、特に作動止め44D/45Dが第2の作動部品70、特にブロック壁77に(軸方向に)当接/係合するまでしか作動、特に押圧することができない。これに代えて又は加えて、第1の作動部品60は、作動部品70に、特にその外側部品71に当接する/当たることもできる。
【0303】
従って、最終位置/状態では、プランジャロッド40及び/又は第1の作動部品60が第2の作動部品70、特にそのブロック壁77に(軸方向に)当接/係合することによって、特に第1の作動部品60のさらなる作動及び/又はプランジャロッド40の挿入を防ぐ。
【0304】
具体的には、投与位置及び最終位置では、プランジャロッド40及び/又はストッパ18の位置が第2の作動部品70、特にそのブロック壁77によって予め定められることによって投与量の精度が向上する。
【0305】
最終位置は、投与(直)後の、及び/又は第1の作動部品60を(完全に)作動させた後の、及び/又は投与装置100の最終状態における、リテーナ20及び/又は容器10に対するストッパ18及び/又はプランジャロッド40の(軸方向)位置であることが好ましい。
【0306】
投与装置100の最終状態では、及び/又はプランジャロッド40及び/又はストッパ18が最終位置にある時には、流体11の投与が実行済みであり、第1の作動部品60が完全に作動しており、及び/又は第1の作動部品60及び/又は第2の作動部品70のさらなる作動が特に機械的に防がれる。
【0307】
上述したように、投与装置100は眼の注射に適合することができる。投与装置100は、注入すべき好適な少量の流体11を含むことが好ましい。
【0308】
投与装置100、特に容器10は、シリコンフリー、又は少なくとも基本的にシリコンフリーであることができ、或いは低レベルのシリコンを潤滑剤として含むことができる。投与装置100及び/又は容器10は、USP789の要件を満たすことが好ましい。
【0309】
投与装置100、特に容器10は、いずれかの好適な注入可能な流体/液体/薬剤11で満たすことができる。
【0310】
好ましい実施形態によれば、投与装置100、特に容器10は、流体11、特に眼疾患の治療に適した活性剤(active)を含む注入可能な薬剤で満たされる。このような眼疾患の例としては、脈絡膜新生血管、加齢性黄斑変性(AMD、滲出型と萎縮型の両方)、分枝型RVO(bRVO)及び中心型RVO(cRVO)の両方を含む網膜静脈閉塞症(RVO)に二次的な黄斑浮腫、病的近視(PM)に二次的な脈絡膜新生血管、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、糖尿病性黄斑虚血(DMI)、地図状萎縮、糖尿病性網膜症、及び増殖性網膜症が挙げられる。
【0311】
別の好ましい実施形態によれば、流体11、特に注入可能な薬剤は、抗体(又はその断片)又は非抗体タンパクなどの生物学的活性成分を含む。
【0312】
1つの実施形態では、流体11、特に注入可能な薬剤が、VEGF拮抗薬、多重特異性抗VEGF/Ang2抗体又はその断片、多重特異性抗VEGF/AngPT2抗体又はその断片、多重特異性抗VEGF/TrkB拮抗薬、或いはラニビズマブ、ベバシズマブ、アフリベルセプト、ブロルシズマブ、コンベルセプト(KH902)及び関連グリコフォームKH906、ファリシナブ又はパゾパニブなどの多重特異性抗VEGF/APL-2補体C3阻害剤を含む。
【0313】
本発明の個々の態様及び特徴は、互いに独立して実装することができるが、いずれかの組み合わせ及び/又は順序で実装することもできる。
【0314】
具体的には、本発明は、独立して又はいずれかの組み合わせで、また上述したいずれかの態様と組み合わせて実現できる以下の態様のいずれかにも関する。
【0315】
1.特に流体(11)の硝子体内投与のための投与装置(100)であって、
流体(11)を収容する容器(10)を保持するためのリテーナ(20)と、
プランジャロッド(40)、第1の作動部品(60)、及びリテーナ(20)に移動可能に取り付けられた第2の作動部品(70)を含む作動機構と、
を備え、プランジャロッド(40)は、容器(10)内に移動可能に配置されたストッパ(18)に作用するように適合され、
第1の作動部品(60)は、プランジャロッド(40)をリテーナ(20)に対して初期位置から投与位置に、及び投与位置から最終位置に軸方向に移動させるために軸方向に作動することができ、
第2の作動部品(70)は、プランジャロッド(40)及び/又は第1の作動部品(60)を軸方向にブロックするように構成され、第2の作動部品(70)は、第1の作動部品(60)が作動できるように、プランジャロッド(40)及び/又は第1の作動部品(60)を軸方向に解放するために作動し、及び/又は、
作動機構は固定部材(90)を含み、固定部材(90)は、プランジャロッド(40)の少なくとも初期位置及び/又は投与位置においてプランジャロッド(40)及び/又は第1の作動部品(60)の後退移動をブロックするように構成され、固定部材(90)は、初期位置において及び/又は投与位置に到達する前に第2の作動部品(70)をブロックするように構成される、ことを特徴とする投与装置。
【0316】
2.プランジャロッド(40)は、リテーナ(20)及び/又は第2の作動部品(70)を軸方向に貫通する、ことを特徴とする好ましくは態様1に記載の投与装置。
【0317】
3.第1の作動部品(60)は、第1の作動部品(60)を第2の作動部品(70)に向けて及び/又はリテーナ(20)に向けて特に手動で押すことによって作動することができる、ことを特徴とする好ましくは態様1又は2に記載の投与装置。
【0318】
4.第2の作動部品(70)は、第2の作動部品(70)をリテーナ(20)に対して、及び/又はプランジャロッド(40)の周囲で、好ましくは少なくとも基本的に90度だけ特に手動で回転又は摺動させることによって、及び/又は第1の作動部品(60)及び/又はプランジャロッド(40)に対する第2の作動部品(70)のアライメントを変更するために作動することができる、ことを特徴とする好ましくは態様1~3のうちのいずれかに記載の投与装置。
【0319】
5.プランジャロッド(40)は、プランジャロッド(40)の主軸(A)に沿って変化する断面を含み、及び/又は第2の作動部品(70)は開口部(78)を含み、第2の作動部品(70)は、プランジャロッド(40)が開口部(78)内を移動できるように、開口部(78)を特に回転的に又は摺動的にプランジャロッド(40)と整列させるように作動する、ことを特徴とする好ましくは態様1~4のうちのいずれかに記載の投与装置。
【0320】
6.第1の作動部品(60)は、プランジャロッド(40)を初期位置から投与位置に、及び/又は特にその後に及び/又は第2の作動部品(70)を作動させた後に投与位置から最終位置に移動させるために特に手動で作動することができる、ことを特徴とする好ましくは態様1~5のうちのいずれかに記載の投与装置。
【0321】
7.第2の作動部品(70)は、プランジャロッド(40)の初期位置においてプランジャロッド(40)及び/又は第1の作動部品(60)を軸方向にブロックするように構成され、第2の作動部品(70)は、プランジャロッド(40)及び/又は第1の作動部品(60)をブロック解除するために、及び/又は第1の作動部品(60)が特に初めて及び/又は投与装置(100)のプライミングのために作動できるように、及び/又はプランジャロッド(40)が初期位置から投与位置に移動できるように、リテーナ(20)に対して、及び/又はプランジャロッド(40)の周囲で、好ましくは少なくとも基本的に90度だけ作動し、特に回転又は摺動する、ことを特徴とする好ましくは態様1~6のうちのいずれかに記載の投与装置。
【0322】
8.第2の作動部品(70)は、プランジャロッド(40)の投与位置においてプランジャロッド(40)及び/又は第1の作動部品(60)を軸方向にブロックするように構成され、第2の作動部品(70)は、プランジャロッド(40)及び/又は第1の作動部品(60)をブロック解除するために、及び/又は第1の作動部品(60)が特に2度目に及び/又は流体(11)の投与のために作動できるように、及び/又はプランジャロッド(40)が投与位置から最終位置に移動できるように、リテーナ(20)に対して、及び/又はプランジャロッド(40)の周囲で、好ましくは少なくとも基本的に90度だけ作動する、ことを特徴とする好ましくは態様1~7のうちのいずれかに記載の投与装置。
【0323】
9.作動機構は、プランジャロッド(40)、第1の作動部品(60)及び/又は第2の作動部品(70)を固定するための固定部材(90)を含み、好ましくはリテーナ(20)は、固定部材(90)のためのレセプタクル(22A)を含む、ことを特徴とする好ましくは態様1~8のうちのいずれかに記載の投与装置。
【0324】
10.固定部材(90)はリング状であり、及び/又はプランジャロッド(40)は固定部材(90)を軸方向に貫通する、ことを特徴とする好ましくは態様9に記載の投与装置。
【0325】
11.固定部材(90)は、好ましくは可撓性リングとして具体化され、及び/又固定部材(90)は、初期位置及び/又は投与位置において、プランジャロッド(40)に緩く及び/又は半径方向の遊びを伴って結合し、及び/又は固定部材(90)は、初期位置から投与位置に向かうプランジャロッド(40)の移動中に、プランジャロッド(40)に接して予め半径方向に張力が加えられ、及び/又はプランジャロッド(40)に堅く結合される、ことを特徴とする好ましくは態様9又は10に記載の投与装置。
【0326】
12.固定部材(90)は、プランジャロッド(40)に係合し、及び/又は固定部材(90)は、プランジャロッド(40)の少なくとも初期位置及び/又は投与位置において、プランジャロッド(40)及び/又は第1の作動部品(60)の後退移動をブロックするように構成される、ことを特徴とする好ましくは態様9~11のうちのいずれかに記載の投与装置。
【0327】
13.固定部材(90)は、第2の作動部品(70)に係合し、及び/又は固定部材(90)は、特に初期位置において、及び/又はプランジャロッド(40)が投与位置に到達する前及び/又はそれまでのみ第2の作動部品(70)の作動をブロックし、及び/又は第1の作動部品(60)の作動時及び/又は投与位置への到達時に第2の作動部品(70)の作動を自動的にブロック解除するように構成される、ことを特徴とする好ましくは態様9~12のうちのいずれかに記載の投与装置。
【0328】
14.プランジャロッド(40)は、固定部材(90)のための斜面(44C)を含み又は形成し、及び/又はプランジャロッド(40)、特にその斜面(44C)は、第1の作動部品(60)の作動時及び/又は初期位置から投与位置に向かうプランジャロッド(40)の移動中に固定部材(90)を特にさらに引張させ及び/又は広げるように構成される、ことを特徴とする好ましくは態様9~13のうちのいずれかに記載の投与装置。
【0329】
15.プランジャロッド(40)は、固定部材(90)のための窪み(44C)を含み、及び/又はプランジャロッド(40)、特にその窪み(45C)は、第1の作動部品(60)の作動時及び/又は投与位置への到達時に、特に第2の作動部品(70)が特に初めて作動できるように、及び/又は可聴フィードバック及び/又は触覚フィードバックが提供されるように、固定部材(90)を少なくとも部分的に、好ましくは完全に、及び/又は可聴的に解放し、及び/又は固定部材(90)を第2の作動部品(70)から離脱させるように構成される、ことを特徴とする好ましくは態様9~14のうちのいずれかに記載の投与装置。
【符号の説明】
【0330】
100 投与装置
10 容器
11 流体
12 本体
13 第1の軸端
14 第2の軸端
15 ロック
16 コネクタ
17 キャップ
18 ストッパ
19 針
20 リテーナ
21 マウント
21A 半径方向開口部
21B 軸方向開口部
22 支持体
22A レセプタクル
22B 壁
22C 半径方向開口部
22D 保持要素
23 中間壁
24 アパーチャ
25 フィンガーフランジ
26 逆回転止め
27 作動止め
40 プランジャロッド
41 前方部分
42 中間部分
43 後方部分
44 第1の側面
44A 第1の案内支持部
44B 第1の戻り止め
44C 斜面
44D 作動終端止め
45 第2の側面
45A 第2の案内支持部
45B 第2の戻り止め
45C 窪み
45D 作動終端止め
46 第3の側面
46A 作動中間止め
47 第4の側面
47A 作動中間止め
60 第1の作動部品
70 第2の作動部品
71 外側部品
72 内側部品
73 保持要素
74 第1の逆回転止め
75 第2の逆回転止め
76 作動止め
77 ブロック壁
78 開口部
90 固定部材
91 第1の戻り止め
92 第2の戻り止め
93 第1のばね要素
94 第2のばね要素
95 ブロック要素
A 主軸
【国際調査報告】