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特表2023-553862ポリイミドまたはポリアクリレートをベースとした発泡剤含有粒子の接着性
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】ポリイミドまたはポリアクリレートをベースとした発泡剤含有粒子の接着性
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/228 20060101AFI20231219BHJP
   B29C 44/02 20060101ALI20231219BHJP
   B29C 44/00 20060101ALI20231219BHJP
   B29C 44/44 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
C08J9/228 CER
C08J9/228 CEZ
B29C44/02
B29C44/00 G
B29C44/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533670
(86)(22)【出願日】2021-11-16
(85)【翻訳文提出日】2023-06-01
(86)【国際出願番号】 EP2021081799
(87)【国際公開番号】W WO2022117331
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】20211204.1
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519414848
【氏名又は名称】エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Evonik Operations GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1-11, 45128 Essen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン トラスル
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン ホプフ
(72)【発明者】
【氏名】モナ ガングラウフ
【テーマコード(参考)】
4F074
4F214
【Fターム(参考)】
4F074AA50
4F074AA74
4F074AC05
4F074AG12
4F074AG14
4F074BA20
4F074BA74
4F074BC12
4F074CA34
4F074CA45
4F074DA02
4F074DA36
4F214AA40
4F214AB02
4F214AC01
4F214AG20
4F214UA21
4F214UB01
4F214UC02
4F214UF01
(57)【要約】
本発明は、ベース粒子の機能化を含む、少なくとも100℃のガラス転移温度を有する熱可塑性基材をベースとした機能化粒子発泡成形体を製造する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
DIN EN ISO 11357-2(2014年7月公開)に準拠してDSCにより測定される少なくとも100℃のガラス転移温度を有する熱可塑性基材をベースとした機能化粒子発泡成形体を製造する方法であって、
a)少なくとも1つの発泡剤と少なくとも1つの核形成剤とを含むベース粒子を準備する工程;
b)前記ベース粒子を、前記ベース粒子の移動および加熱に適した装置に供給する工程;
c)少なくとも1つの機能化剤を含む溶液または分散液と接触させることによって前記ベース粒子を同時に予備発泡および機能化する工程であって、前記少なくとも1つの機能化剤が接着剤であり、任意に、1つ以上の更なる機能化剤が、前記ベース粒子の機能化に前記接着剤とともに使用され、少なくとも部分的に接着剤層と、任意に、1つ以上の機能化とを表面に有する機能化粒子が得られるように、前記粒子を水および/または溶媒と少なくとも1つの機能化剤との溶液またはエマルションで処理する、予備発泡および機能化する工程;
d)任意に、前記機能化粒子を乾燥させる工程;
e)任意に、前記機能化粒子を一時貯蔵する工程;
f)機能化粒子発泡成形体が形成されるように、成形容器内で加熱することによって前記機能化粒子の金型発泡を行う工程
を指定の順序で含む、方法。
【請求項2】
前記基材が、ポリイミドおよびポリアクリレート、好ましくはポリメタクリルイミド(PMI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリメチル(メタ)アクリレート(PM(M)A)および上記のものの混合物からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記発泡剤が、前記基材の前記ガラス転移温度を下回る標準圧力での沸点を有する揮発性有機化合物、無機発泡剤、熱分解性発泡剤および上記のものの混合物からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記機能化剤が、殺生物剤、殺菌剤、接着剤、繊維、染料、顔料、導電性ベース粒子および上記のものの混合物からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
航空宇宙産業、造船、風力発電、スポーツおよびレジャー用品、車両製造、特に電気モビリティの製造用の物品の製造における、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法によって製造される機能化粒子発泡成形体の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース粒子の機能化を含む、少なくとも100℃のガラス転移温度を有する熱可塑性基材をベースとした機能化粒子発泡成形体を製造する方法に関する。
【0002】
従来技術
膨張性顆粒から発泡体を製造する方法は、当業者に知られている。通例、かかる顆粒として、熱可塑性発泡剤含有粒子が、例えば蒸気で加熱され、それにより発泡剤が揮発させられる。次いで、発泡剤の排出によって粒子が膨張し、主に独立気泡の発泡体を形成する。次いで、これらの発泡体が、多くの場合、高められた温度にて、粒子の膨張によって互いに押し付けられることで、個々の粒子が互いに或る特定の接着性を獲得する。
【0003】
機能化された発泡体が望まれる限り、当業者は、発泡体の製造後に機能性を与える更なる工程を用いる。例えば、国際公開第2005/105404号には、使用する顆粒に膨張および成熟の後に機能化を行う、発泡体を製造する方法が開示されている。この場合の欠点は、個々の顆粒の表面の一部にしかアクセスすることができず、均一な機能化を達成することができないことである。
【0004】
追加の機能化工程を有する、この方法の変形例が、欧州特許出願公開第2937379号明細書に記載されている。同明細書では、特定のポリマーを含むエマルションが、膨張の前に顆粒に適用される。この変形例の欠点は、まだ膨張していない顆粒がコーティングされ、また、特にコーティングが顆粒と異なる熱膨張係数を有する場合に、機能化が、特に予備膨張、すなわち予備発泡の間に容易に再び失われる可能性があることである。また、コーティングが予備膨張時に顆粒の範囲まで膨張することができないため、顆粒の可能な限り完全なコーティングを達成することは殆ど不可能である。
【0005】
代替的には、例えばマスターバッチプロセス中に適用される、この機能性を既に含む粒子が当業者に使用される。この場合には、未使用の機能性が粒子内に留まることが不利である。この未使用の機能性は、一方では、製造時にコストを生じさせ、他方では、それによる技術的利点が得られることなく、環境への負担となる。
【0006】
従来技術による全ての解決手段には、時間およびコストがかかる不利な形で追加の方法工程を必要とするという共通点がある。
【0007】
発明の目的
したがって、機能化粒子を製造するための改善された方法を提供する必要がある。
【0008】
特に、本発明の目的は、従来技術の既知の方法の欠点を克服するか、または少なくとも最小限に抑えることである。
【0009】
本発明の目的は、機能化された予備発泡粒子を、特に可能な限りコスト効率が高く、プロセス効率の良い形で提供することである。
【0010】
解決手段
本発明の目的は、
a)少なくとも1つの発泡剤と少なくとも1つの核形成剤とを含むベース粒子を準備する工程;
b)ベース粒子を、ベース粒子の移動および加熱に適した装置に供給する工程;
c)少なくとも1つの機能化剤を含む溶液または分散液と接触させることによってベース粒子を同時に予備発泡および機能化する工程であって、少なくとも1つの機能化剤が接着剤であり、任意に、1つ以上の更なる機能化剤が、ベース粒子の機能化に接着剤とともに使用され、少なくとも部分的に接着剤層と、任意に、1つ以上の機能化とを表面に有する機能化粒子が得られるように、粒子を水および/または溶媒と少なくとも1つの機能化剤との溶液またはエマルションで処理する、予備発泡および機能化する工程;
d)任意に、機能化粒子を乾燥させる工程;
e)任意に、機能化粒子を中間貯蔵する工程;
f)機能化粒子発泡成形体が形成されるように、成形容器内で加熱することによって機能化粒子の金型発泡を行う工程
を指定の順序で含む、少なくとも100℃のガラス転移温度を有する熱可塑性基材をベースとした機能化粒子発泡成形体を製造するための本発明による方法によって達成される。
【0011】
本発明による方法の有利な実施形態は、以下の説明および従属請求項に記載される。
【0012】
有利には、本発明は、付加的な方法工程を省略することができるため、特にプロセス効率が良いことが判っている。結果として、この方法は、作業工程および時間が節約されるためコスト効率も高い。また、考えられ得る付加的な方法工程を行うための付加的な設備は必要でない。
【0013】
機能化および予備発泡は、本発明によれば、付加的な機能化工程を省略することができるように1つの方法工程で行われる。本発明は、均一な機能化が存在するように、機能化が非常に均一に全ての機能性粒子を包含するという利点も有する。
【0014】
方法工程a)
ベース粒子の基材は熱可塑性である。基材は、好ましくは、ポリイミドおよびポリアクリレート、好ましくはポリメタクリルイミド(PMI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリメチル(メタ)アクリレート(PM(M)A)および上記のものの混合物からなる群から選択される。
【0015】
特に、基材はまた、ポリオレフィン、特にポリプロピレンを全く含まない。ポリオレフィンは、50℃未満のガラス転移温度を有し、したがって高温用途の構造発泡体の基材として不適切である。
【0016】
基材は、少なくとも100℃のガラス転移温度を有する。基材は、好ましくは少なくとも180℃のガラス転移温度を有する。基材のガラス転移温度は、通例、純粋な基材を指し、発泡剤を含む基材を指すものではない。ガラス転移温度は、通例、DIN EN ISO 11357-2(2014年7月公開)に準拠し、10K/分の加熱速度でDSCによって測定される。
【0017】
ベース粒子は、少なくとも1つの発泡剤を含む。通例、少なくとも1つの発泡剤が基材中に存在し、例えば溶解している。少なくとも1つの発泡剤は、例えば高められた温度のような或る特定の条件下で、ベース粒子を膨張させる目的を果たす。この膨張は、ベース粒子の体積増加を指す。
【0018】
発泡剤は、基材のガラス転移温度を下回る標準圧力での沸点を有する揮発性有機化合物、無機発泡剤、熱分解性発泡剤および上記のものの混合物からなる群から選択される。
【0019】
基材のガラス転移温度を下回る標準圧力での沸点を有し、標準温度(すなわち25℃、1013mbar)で液体である揮発性有機化合物は、好ましくは非ハロゲン化炭化水素、ケトン、アルコール、ハロゲン化炭化水素および上記のものの混合物からなる群から選択される。
【0020】
ケトンは、好ましくはアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロノナノン、ジアセトンアルコールおよび上記のものの混合物から選択される。ケトンは、より好ましくはアセトン、メチルエチルケトンおよび上述のものの混合物から選択される。
【0021】
非ハロゲン化炭化水素は、好ましくは4~8個の炭素原子を含む。非ハロゲン化炭化水素は、より好ましくはブタン、ペンタン、ヘキサンおよび上述のものの混合物から選択される。
【0022】
アルコールは、好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノールおよび上述のものの混合物から選択される。
【0023】
ポリメタクリルイミドに使用される発泡剤は、以下の化合物またはその混合物であり得る:ホルムアミド、ギ酸、尿素、イタコン酸、クエン酸、ジシアンジアミド、水、モノアルキル尿素、ジメチル尿素、5,5’-アゾビス-5-エチル-1,3-ジオキサン、2,2’-アゾビス-N-ブチルイソブチルアミド、2,2’-アゾビス-N-ジエチルイソブチルアミド、2,2’,4,4,4’,4’-ヘキサメチル-2,2’-アゾペンタン、2,2’-アゾビス-2-メチルプロパン、ジメチルカーボネート、ジ-tert-ブチルカーボネート、アセトンシアノヒドリンカーボネート、メチルヒドロキシイソブチレートカーボネート、N-メチルウレタン、N-エチルウレタン、N-tert-ブチルウレタン、ウレタン、シュウ酸、マレイン酸、ヒドロキシイソ酪酸、マロン酸、シアノホルムアミド、ジメチルマレイン酸、テトラエチルメタンテトラカルボキシレート、n-ブチルオキサメート、トリメチルメタントリカルボキシレート、トリエチルメタントリカルボキシレート、さらには炭素原子数3~8の一価アルコール、例えばプロパン-1-オール、プロパン-2-オール、ブタン-1-オール、ブタン-2-オール、tert-ブタノールおよびイソブタノール。
【0024】
ポリメチル(メタ)アクリレートには、発泡条件下で揮発性化合物を放出し、一般に、その後、(メタ)アクリル酸繰り返し単位の形態でポリマー中に留まる共重合性発泡剤を使用することも可能である。かかる共重合性発泡剤の例は、一般的な知識であるが、イソプロピル(メタ)アクリレートおよびtert-ブチル(メタ)アクリレートである。
【0025】
特に好適な発泡剤は、tert-ブタノール、n-ヘプタン、MTBE、メチルエチルケトン、1~4個の炭素原子を有するアルコール、水、メチラール、尿素、tert-ブチルメチルエーテル、イソプロピル(メタ)アクリレートおよび/またはtert-ブチル(メタ)アクリレートを含む。特に好適な発泡剤は、tert-ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、tert-ブタノール、イソプロパノールおよびポリ(tert-ブチル(メタ)アクリレート)である。
【0026】
エステルは、好ましくは酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルおよび上述のものの混合物からなる群から選択される。
【0027】
ハロゲン化炭化水素は、好ましくは塩化メチル、塩化エチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、トリクロロフルオロメタン、トリクロロトリフルオロエタンおよび上述のものの混合物からなる群から選択される。
【0028】
少なくとも1つの発泡剤は、特に好ましくは非ハロゲン化炭化水素、ケトン、アルコールおよび上述のものの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの発泡剤は、最も好ましくはケトンまたは尿素である。
【0029】
少なくとも1つの発泡剤が無機発泡剤である場合、好ましくは二酸化炭素、アルゴンおよび上述のものの混合物から選択される。
【0030】
少なくとも1つの発泡剤が熱分解性発泡剤である場合、好ましくはアゾジカルボンアミド、p-トルエンスルホニルセミカルバジド、5-フェニルテトラゾールおよび上述のものの混合物から選択される。熱分解性発泡剤は、気体を放出し始める分解温度を有し、ベース粒子は、その後、膨張することができる。
【0031】
ベース粒子は、通例、ベース粒子の全質量に基づいて、(平均で)1~20重量%、好ましくは7~15重量%の発泡剤を含む。
【0032】
ベース粒子は核形成剤を含む。この核形成剤は、好ましくはタルク、グラファイト、カーボンブラック、二酸化チタン、ナノ粒子(ナノチューブ、ナノプレート等)および上述のものの混合物からなる群から選択される。任意の核形成剤により、セル形態が有利に改善される。
【0033】
ポリメタクリルイミド発泡体に使用される核形成剤は、以下の化合物またはその混合物であり得る:反応混合物に不溶性の無機塩および鉱物、例えばSiO、ZnS、BPO、NaCl、KCl、または無機ポリマーおよびその塩、例えばアンモニウムポリホスフェート。
【0034】
ベース粒子は、ベース粒子の全質量に基づいて、(平均で)0.01~3重量%、好ましくは0.05~1重量%の核形成剤を含む。
【0035】
ベース粒子は、好ましくは球状または円筒状である。球状とは、ベース粒子が角または縁を有しないことを意味する。球状ベース粒子の最短直径と最長直径との比率は、好ましくは0.9~1.0の範囲、特に好ましくは0.95~0.99の範囲である。球状の形状のために、好ましい球状ベース粒子および予備発泡により得られる機能性粒子を、空気輸送システムによって容易に輸送することができ、発泡型に吹き込むことができる。
【0036】
ベース粒子、好ましくは好ましい球状または円筒状ベース粒子の直径は、好ましくは0.1~5mmの範囲、より好ましくは0.5~3mmの範囲、特に好ましくは0.8~2mmである。
【0037】
円筒状ベース粒子の寸法は、球状ベース粒子と同様にその直径と、その高さとによって規定される。円筒状ベース粒子の場合、高さと直径との比率は、好ましくは0.9~1.1の範囲であり、特に好ましくは、円筒状ベース粒子は、その高さに等しい直径を有する。ベース粒子は中空粒子でも、ミクロスフェアのようなコア-シェル粒子でもない。
【0038】
ベース粒子の平均質量は、好ましくは1~15mg、より好ましくは2~12mg、特に3~10mgである。この場合、ベース粒子の質量は、上で指定した範囲の少なくとも50%、好ましくは75%、特に90%である。
【0039】
好ましくは、ベース粒子の総数に基づいて、ベース粒子の90%、特に好ましくはベース粒子の99%が5mm未満の直径を有する。
【0040】
ベース粒子およびその調製方法は、従来技術で既知であるか、または市販されている。当業者は、様々な方法から選択することができる。例えば、ベース粒子を以下のように得ることができる:押出機内で基材を溶融した後、必要に応じて核形成剤を添加し、基材の冷却時に少なくとも1つの発泡剤を添加する。次いで、ベース粒子を、例えば多孔板、ギアポンプ等を用いて機械的に形成することができる(国際公開第2019/025245号の第3頁第19~38行目を参照)。
【0041】
方法工程b)
本発明による方法の方法工程b)では、ベース粒子をベース粒子の移動および加熱に適した装置に供給する。
【0042】
本発明との関連で好適な装置は、例えば回転式の加熱可能なドラム、混合容器、またはさらには熱源、好ましくはパススルーオーブンと組み合わせた移動ベルトである。移動ベルトは例えば、ベース粒子を熱源に供給するコンベヤーベルトである。これに関連して、コンベヤーベルトが、ベース粒子を互いに相対的に移動させる手段、例えば振動装置を備え、それによりベース粒子がベルト上で前後に移動することが有利である。
【0043】
装置は、好ましくは回転式の加熱可能なドラムまたは混合容器である。特に、装置は回転式の加熱可能なドラムである。かかるドラムは、ベース粒子の非常に効率的な混合と相まって、ベース粒子および機能性粒子に対する機械的影響が最も低い。
【0044】
この装置は、ベース粒子の移動に適している。これは、一方向に指向されたベース粒子の移動(例えば、オーブンを経るコンベヤーベルト上)、および/または互いに相対的なベース粒子の移動を意味する。後者が好ましくは含まれる。結果として、ベース粒子の機能化の改善が可能である。
【0045】
ベース粒子を装置に供給するために、多数の可能性が当業者に知られている。例えば、ベース粒子を手動で(キャスティング、注入、ショベリング)または装置の機械的補助によって、例えばポンプシステムを用いて供給することができる。装置に応じて、ベース粒子を装置の内部に入れるか(例えば、回転式の加熱可能なドラムまたは混合容器の場合)または装置の一部(例えば、ベース粒子を熱源に供給し得るようにコンベヤーベルトの上)に置く。
【0046】
装置は、ベース粒子を加熱する可能性を有する。この目的で多数の方法が当業者に知られている。例えば、好適な赤外放射源、電波、マイクロ波、熱風、1つ以上の抵抗オーブン、または上述のものの組合せを使用することが可能である。直接(例えば放射によって)または間接的に(例えば、蒸気または同様の熱源により加熱された、回転式の加熱可能なドラムまたは混合容器の壁によって)、ベース粒子に熱を伝えることができる。
【0047】
方法工程c)
本発明による方法の方法工程c)では、ベース粒子が同時に予備発泡および機能化される。
【0048】
その結果として、ベース粒子から機能化粒子が得られる。機能化粒子は、予備発泡されており、その表面の少なくとも一部に機能性を含む。好ましくは、(機能化粒子の全表面に基づいて)少なくとも20%、より好ましくは40%の表面が機能化を受ける。これは、粒子および機能化に応じて重量測定法でまたは分光学的に決定することができる。
【0049】
本発明による機能化粒子は、特に表面に施された機能化により従来技術で既知の予備膨張顆粒とは異なる。
【0050】
機能化粒子はまた、ベース粒子が含んでいた発泡剤の一部を依然として含む。好ましくは、機能化粒子は、ベース粒子の発泡剤の5~12%、より好ましくは6~10%、さらに好ましくは7~9%を含む。
【0051】
ベース粒子は、少なくとも1つの機能化剤を含む溶液または分散液と接触させることにより、予備発泡時に機能化される。機能化は、好ましくは、本発明による方法を特に効率的に設計することができるように、予備発泡時にのみ行われる。機能化剤は、ベース粒子の表面の少なくとも一部に機能性を生じる。
【0052】
ベース粒子を浸漬、噴霧または他の一般的な方法によって少なくとも1つの機能化剤を含む溶液または分散液と接触させる。この点で、当業者は、日常実験により最も好適な方法を決定することができる。
【0053】
少なくとも1つの機能化剤を含む溶液または分散液は、好ましくは水性である。水性とは、この場合、溶液または分散液の全溶媒の少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも99重量%が水であることを意味する。例えば個々の成分の溶解性を改善するか、または分散液の安定性を改善するために、水と混和する更なる溶媒、例えばアセトン、アルコール(好ましくは1~4個の炭素原子を含むアルコール、より好ましくは2~3個の炭素原子を含むアルコール)またはグリコール(好ましくはエチレングリコールおよびプロピレングリコール)を混ぜ込むことができる。
【0054】
機能化剤は、好ましくは殺生物剤、殺菌剤、接着剤、繊維、染料、顔料、導電性粒子および上記のものの混合物からなる群から選択される。
【0055】
好ましい殺生物剤は抗菌剤であり、中でも銀が好ましい。≦1μmのd50を有し、より好ましくは250nmのd50を有する銀を使用することが好ましい。d50は、“Measuring the Size of Nanoparticles in Aqueous Media Using Batch-Mode Dynamic Light Scattering”, NIST Special Publication 1200-6 (Version 1.2, May 2015)に記載されるような動的光散乱法によって決定することができる。
【0056】
殺菌剤は有機、無機または有機金属物質である。好ましい殺菌剤は、銅化合物、例えばオキシ塩化銅、コロイド状の純粋な硫黄、アゾール、モルホリンまたはストロビルリンである。
【0057】
好適な接着剤は特に、更なる後続の方法工程において、個々の機能性粒子を互いに結合させることができ、理想的には互いに凝集して結合させることができる。本発明によれば、接着剤は、好ましくはデキストリン、カゼイン、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、イソシアネート、ポリアミド樹脂、上述のものの混合物およびコポリマーからなる群から選択される。代替的には、熱可塑性ポリマーを接着剤に使用してもよい。
【0058】
好ましい実施形態では、少なくとも1つの機能化剤は接着剤である。任意に、接着剤は、1つ以上の更なる機能化剤(上で定義した群から選択される)とともに使用される。例えば、接着剤および殺生物剤は、機能化剤とともに使用される。特に有利には、本発明のこの実施形態は、成形(方法工程f))時に起こり得る欠陥(ブローホールまたはガセットとしても当業者に知られている)の形成を低減するか、またはさらには完全に防止することを可能にする。これは特に、(過飽和)蒸気を用いた焼結を伴う成形の場合に当てはまる。この場合、特に、存在する基材に相反する現象が時折生じる可能性があるためである。蒸気の温度は圧力に比例して上昇するため、機能性粒子の十分な焼結に必要とされるプロセス温度では、過度に高い蒸気圧のために自己膨張が起こらないか、または不十分な程度にしか起こらない場合がある。方法工程f)において或る程度の自己膨張が達成されない場合、以下の2つの態様が生じる可能性がある:
1. 隣接する機能化粒子の表面が十分に強く押し付けられないことから、機能化粒子の焼結が不十分となる可能性がある。
2. 既に述べたように、機能化粒子の体積を増加させるとしても、十分には増加させることができず、機能化粒子間の空間を埋めることができないため、機能化発泡体がブローホールの形態の欠陥を有する可能性がある。機能化発泡体の不均一な構造が結果として生じる。この効果は、特に機能化発泡体の表面品質に悪影響を及ぼす。特に下流のプロセス、例えば機能化発泡体への最上層またはフィルムの任意の適用において起こり得る光学的障害に加えて、これは問題(繊維強化最上層への過度の樹脂の取込み、ひいては高すぎる部材の寸法、装飾布またはフィルムのブローホールの透通し)につながる恐れがある。これらの起こり得る欠点は、特に本実施形態によって有利に回避するか、または少なくとも低減することができる。
【0059】
少なくとも1つの機能化剤として接着剤を用い、機能化粒子の焼結に(過飽和)蒸気の温度を用いる場合、発泡剤は、好ましくはその沸点が、接着剤がその接着性を発現し、すなわち、例えば反応性接着剤を選択した場合に適切な反応が起こる、選択された温度以下であるように選択される。同時に、言及された後者の温度は、少なくとも1つの発泡剤を含む基材の焼結温度より低いことが望ましい。
【0060】
熱可塑性ポリマーを接着剤として使用する場合、軟化点または融点は、処理温度以下である。
【0061】
好適な繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、バサルト繊維および上述のものの混合物からなる群から選択される。繊維は、機能性粒子およびそれから生成される機能化発泡体の機械的安定性を特に改善する。結果として、続いて適用される積層体を省略し得る場合もある。
【0062】
好適な染料は、機能化粒子およびそれから生成される機能化粒子発泡成形体を着色する役割を果たし、好ましくは有機染料からなる群から選択される。
【0063】
好適な顔料は、機能性粒子およびそれから生成される機能化粒子発泡成形体を着色するか、または紫外線抵抗性の増大等の他の機能性を付与する役割を果たす。上述の染料との違いの1つは、顔料が一般に溶媒(本発明によれば、好ましくは水)に溶解することができず、したがって分散させる必要があることである。紫外線抵抗性の増大に好ましい例は、ルチル型のナノ粒子二酸化チタンの使用である。
【0064】
好適な電気伝導性粒子は、導電性カーボンブラック、グラファイト、グラフェンおよびカーボンナノチューブ(CNT)からなる群から選択される。電気伝導性粒子は、機能化粒子およびそれから生成される機能化粒子発泡成形体に電気伝導性を付与するか、または適用量に応じて、少なくとも帯電防止コーティングを付与する。
【0065】
当業者は、所望の機能化剤、ベース粒子の表面に適用される量、および使用する温度に応じて、溶液または分散液中の、とりわけ少なくとも1つの機能化剤の量を選択する。典型的な量は、溶液または分散液の総量に基づいて0.1~50重量%、好ましくは1~30重量%、より好ましくは5~10重量%である。
【0066】
任意に、溶液または分散液は、湿潤剤、安定剤またはレオロジー添加剤等の更なる添加剤を付加的に含む。これらの添加剤およびその使用は、既知であり、市販されている。
【0067】
好適な溶液または分散液は、市販されていることがあり、または標準的な方法によって調製することができる。例えば、機能化剤と、湿潤剤、安定剤またはレオロジー添加剤等の更なる添加剤とを溶媒に溶解するか、またはその中に分散させることができる。この種の調製方法は、当業者に知られている。
【0068】
方法工程c)の期間は、好ましくは1秒~15分の範囲、好ましくは5秒~10分の範囲、より好ましくは10秒~5分の範囲である。言及された範囲外の期間も、使用する温度および機能化剤に応じて適用され得る。
【0069】
方法工程c)は、方法工程b)の装置内で行われる。方法工程c)における装置内部の温度は、通例、発泡剤の(標準条件での)沸点または分解点と基材のガラス転移温度との間にある。方法工程c)における装置内部の温度は、好ましくは、発泡剤の(標準条件での)沸点または分解点より少なくとも10℃高い温度と、基材のガラス転移温度より最大10℃低い温度との範囲にある。
【0070】
例えば、発泡剤としてアセトン、核形成剤としてタルク、基材としてポリエーテルイミドを使用する場合、方法工程c)における装置内部の温度は、56℃~230℃の範囲、好ましくは65℃~200℃の範囲である。方法工程c)における温度は、上記の方法によって調整することができる。
【0071】
ベース粒子は、装置内部で設定された温度によって予備発泡される。設定された温度により、ベース粒子中に存在する発泡剤の一部が気相に変換され、ベース粒子から排出されることで、ベース粒子が体積膨張を受ける。本発明によれば、これは予備発泡と称される。この予備発泡は、粒子が、その後、依然として発泡剤を含み、その後の膨張によって、更なる体積増加および焼結が起こるか、または起こり得る点で、(方法工程f)における)最終発泡とは異なる。
【0072】
本発明の利点は、機能化層における亀裂または剥離等の任意の欠陥が即座に再び修復されるように、予備発泡時のベース粒子の成長表面が、少なくとも1つの機能化剤を含む溶液または分散液ともさらに接触することである。
【0073】
好ましい実施形態では、方法工程b)におけるベース粒子を、加熱可能な回転式のドラムに供給し、方法工程c)において、ベース粒子が予備発泡および機能化の間に互いに対抗して移動するようにドラムを加熱および回転させながら、少なくとも1つの機能化剤を含む溶液または分散液を噴霧する。この好ましい実施形態は、本発明による方法の特に効率的な実施およびベース粒子の特に均一な機能化を可能にする。
【0074】
本発明によると、機能化粒子を方法工程f)の金型発泡プロセスに直接供給することができる。
【0075】
方法工程d)
本発明による方法は、好ましくは方法工程c)の後に、更なる方法工程d):
d)任意に、機能化粒子を乾燥させる工程
を含む。
【0076】
機能化粒子を、方法工程d)において、少なくとも1つの機能化剤を含む溶液または分散液の溶媒が実質的に除去されるまで乾燥させる。これは、好ましくは、方法工程c)後に機能化粒子に付着している溶媒の少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも99重量%が方法工程d)において除去されることを意味する。
【0077】
通例、乾燥は、高すぎる可能性がある温度によって機能化粒子を損傷することなく、溶媒の効率的な除去を保証するために、例えば25~90℃、好ましくは40~60℃の範囲の高められた温度で行われる。
【0078】
乾燥期間は、所望される溶媒の除去の程度および温度に応じて選択される。典型的な乾燥時間は、1分~10日の範囲である。
【0079】
当業者は、多数の方法を選択のために実施することができる。例えば、少なくとも1つの機能化剤を含む溶液または分散液を放出または除去した後の機能化粒子は、ベース粒子の移動および加熱に適した装置内に留まり、温度をそれに応じて調整することができる。代替的には、機能化粒子をこの目的でオーブン等に移すことができる。
【0080】
乾燥は、機能化粒子が自由流動性を維持し、したがって凝集(集塊)が防止されるという利点を有する。
【0081】
好ましくは、方法工程c)に適用される条件により、溶媒の大部分が既に除去されているため、方法工程c)後に機能化粒子に付着している溶媒の量は、既に方法工程d)が必要とされないほど低い。
【0082】
方法工程e)
本発明による方法は、好ましくは更なる方法工程e):
e)任意に、機能化粒子を一時貯蔵する工程
を含む。
【0083】
方法工程e)は、方法工程c)後に行われるか、または本発明による方法の方法工程d)が含まれる場合、方法工程d)の後に行われる。
【0084】
方法工程e)により、機能化粒子と周囲環境との間の均圧化が有利に行われる。予備発泡中に発泡剤が加熱され、膨張する。予備発泡の完了後、発泡剤が再び凝縮する。この凝縮発泡剤は、発泡セル内に陰圧を生じ、これが発泡成形体に悪影響を及ぼす。これは、周囲空気が機能性粒子中に拡散することから、方法工程e)によって防止される。
【0085】
通例、0~30℃、好ましくは15~25℃の範囲の温度を使用する。過度に高い温度は、発泡剤の望ましくない放出につながる可能性がある。
【0086】
期間はさらに制限されず、機能化粒子を所望される限り一時貯蔵することができる。使用する基材および放出される発泡剤の量に応じて、一時貯蔵の期間が当業者によって決定され、例えば30分~72時間、好ましくは2時間~48時間、より好ましくは4時間~24時間である。
【0087】
方法工程f)
本発明による方法は、更なる方法工程f):
f)機能化粒子を成形容器内で加熱することによって成形し、機能化粒子発泡成形体を形成する工程
を含む。
【0088】
方法工程f)は、方法工程c)の後、または方法工程d)が含まれる場合に方法工程d)の後、または方法工程e)が含まれる場合に方法工程e)の後に、本発明による方法に組み込まれる。
【0089】
予備膨張顆粒の成形は、当業者に知られている。
【0090】
成形のために、少なくとも2つの機能化粒子を加熱する。一般に、多数の機能化粒子を加熱する。機能化粒子の量は、所望の形状によって異なる。この目的で使用する温度は、主に基材、その中に存在する発泡剤および使用する方法に基づく。通例、この温度は、機能化粒子のガラス転移温度から、好ましくは基材のガラス転移温度より10℃高い温度まで、好ましくは機能化粒子のガラス転移温度から基材のガラス転移温度までの範囲に設定される。指定の温度を大幅に上回る温度は、機能化粒子の望ましくない溶融につながる可能性があり、その際に形状が失われる恐れがある。
【0091】
成形期間は、主に基材、その中に存在する発泡剤および使用する方法に基づく。当業者は、好適な期間を日常実験によって決定するか、または従来技術から得ることができる。通例、期間は10秒~120分である。
【0092】
成形容器は、例えばプレス機または別の好適な容器とすることができ、特に機能化発泡体の所望の形状によって決定される。
【0093】
成形後に、形成された機能化粒子発泡体に最上層またはフィルムが任意に適用される。かかる最上層およびフィルム、ならびにそれらの適用方法は、当業者に知られている。
【0094】
機能化粒子
別の態様では、本発明は、少なくとも1つの発泡剤と、少なくとも1つの核形成剤と、少なくとも100℃のガラス転移温度を有し、その表面の少なくとも一部に少なくとも1つの機能性を有する少なくとも1つの熱可塑性基材とを含む、好ましくは本発明による方法によって製造可能なまたは製造される機能化粒子に関する。
【0095】
機能化粒子発泡成形体
更なる態様では、本発明は、機能化粒子から製造される機能化粒子発泡成形体に関する。機能化粒子発泡成形体は、好ましくは、少なくとも方法工程f)を付加的に含む本発明による方法によって製造される。
【0096】
機能化粒子発泡成形体は、方法工程c)において機能化粒子から生じた少なくとも2つ、一般に多数のセルを含む。通例、各機能化粒子は、機能化粒子発泡成形体の1つのセルを形成する。本発明による膨張した機能化粒子発泡成形体の平均セル直径は、一般に30~500μmの範囲、好ましくは50~300μmの範囲である。好ましくは、セルの90%、特に好ましくはセルの99%が150μm未満のセル直径を有する。長さ/幅の平均比は、好ましくは2.0未満、より好ましくは1.6未満、特に好ましくは0.9~1.1である。
【0097】
このようにして得られる機能化粒子発泡成形体は、一般に独立気泡である。これらは、好ましくは20~250kg/mの範囲、特に好ましくは40~150kg/mの範囲の密度を有する。
【0098】
本発明による機能化粒子発泡成形体は、航空宇宙産業、造船、風力発電、スポーツおよびレジャー用品、車両製造、特に電気モビリティの製造用の物品の製造への使用に適している。
【0099】
機能化粒子およびそれから生成される機能化粒子発泡成形体は、例えばサンバイザー、コラムクラッディング、ルーフライニング、トランクおよびスペアホイールカバー、またはパーセルシェルフ等の自動車部品の製造に適している。一般的な例は、さらに、家具の製造のための半製品(例えばパネル)および家具自体、玩具、アウトドア用品、機械クラッディング等である。
【0100】
本発明による方法、ならびに機能化粒子およびそれから生成される機能化粒子発泡成形体は、特に高温用途に適している。
【0101】
実施例
実施例1:
ベースポリマー:ポリエーテルイミド(タイプ:ULTEM(商標) 1000、製造業者:SABIC)
核形成剤:タルク(タイプ:Luzenac、製造業者:IMERYS)
発泡剤:アセトン
機能化:殺生物剤(例えば銀)
予備発泡炉:赤外線照射場を有する回転炉(タイプ:IRD90/100、製造業者:Kreyenborg GmbH)
反応速度:30min-1
予備加熱:90℃で15分間
予備発泡:155℃で5分間
反応溶液の添加計量:0.1l/分で2分間
ベース粒子の嵩密度:740kg/m
機能化粒子の嵩密度:90kg/m
【0102】
ポリエーテルイミド(タイプ:ULTEM(商標) 1000、製造業者:SABIC)を押出機内で溶融した後、核形成剤タルク(タイプ:Luzenac、製造業者:IMERYS)を添加し、基材の冷却時に発泡剤であるアセトンを添加する。次いで、多孔板を用いてベース粒子を機械的に形成することができる。
【0103】
ベース粒子を加熱可能な回転式のオーブン(赤外線照射場を有する回転炉(タイプ:IRD90/100、製造業者:Kreyenborg GmbH))に供給し、方法工程c)において、ベース粒子が予備発泡および機能化の間に互いに対抗して移動するようにドラムを加熱および回転させながら、機能化剤である銀(殺生物剤)を含む分散液を噴霧する。この好ましい実施形態は、ベース粒子の特に均一な機能化を可能にする。
【0104】
実施例2:
ベースポリマー:ポリメタクリルイミド(タイプ:ROHACELL(登録商標) Triple F、製造業者:Evonik)
ガラス転移温度:217℃(DIN EN ISO 11357-2(公開日:2014年7月)に準拠してDSCにより測定)
核形成剤:SiO
発泡剤:尿素
機能化:接着剤(タイプ:Dynacoll、製造業者:Evonik)
予備発泡炉:赤外線照射場を有する連続炉(製造業者:Fill GmbH)
コンベヤー速度:0.5m/分
予備加熱:-
予備発泡:210℃で連続
反応溶液の添加計量:0.1l/分で連続
ベース粒子の嵩密度:600kg/m
機能化粒子の嵩密度:140kg/m
【0105】
ポリメタクリルイミド(タイプ:ROHACELL(登録商標) Triple F、製造業者:Evonik)を押出機内で溶融した後、核形成剤SiOを添加し、基材の冷却時に発泡剤である尿素を添加する。次いで、多孔板を用いてベース粒子を機械的に形成することができる。
【0106】
ベース粒子を加熱可能な回転式のオーブン(赤外線照射場を有する連続炉(製造業者:Fill GmbH))に供給し、方法工程c)において、ベース粒子が予備発泡および機能化の間に互いに対抗して移動するようにドラムを加熱および回転させながら、機能化剤である接着剤(タイプ:Dynacoll、製造業者:Evonik)を含む分散液を噴霧する。この好ましい実施形態は、ベース粒子の特に均一な機能化を可能にする。
【国際調査報告】