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特表2023-553878改良された硬度を有する微粒子混合物を含む反射性粒状組成物、その製造方法、および微粒子混合物の強度を分析する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】改良された硬度を有する微粒子混合物を含む反射性粒状組成物、その製造方法、および微粒子混合物の強度を分析する方法
(51)【国際特許分類】
   C09D 17/00 20060101AFI20231219BHJP
   C04B 28/26 20060101ALI20231219BHJP
   C09C 1/42 20060101ALI20231219BHJP
   E04D 3/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
C09D17/00
C04B28/26
C09C1/42
E04D3/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533880
(86)(22)【出願日】2021-12-03
(85)【翻訳文提出日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 US2021072722
(87)【国際公開番号】W WO2022120374
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】17/112,510
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523098223
【氏名又は名称】ユー.エス.シリカ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】U.S. SILICA COMPANY
【住所又は居所原語表記】24275 KATY FREEWAY, SUITE 600, KATY, TEXAS 77494, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ピチュマニ,ラマナン
(72)【発明者】
【氏名】ウェルズ,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ウェラー,デイヴィッド
【テーマコード(参考)】
2E108
4G112
4J037
【Fターム(参考)】
2E108CC01
2E108CV07
4G112PA06
4J037AA18
4J037AA27
4J037CA10
4J037DD19
4J037DD20
4J037EE08
4J037EE26
4J037FF02
4J037FF17
(57)【要約】
多量のカオリンクレーを含む反射性顔料材料とナトリウム塩または別の塩を含む硬化添加剤とを含む反射性粒状組成物。反射性粒状組成物を作製する方法は、多量のカオリンクレーを含む反射性顔料材料とナトリウム塩または別の塩を含む硬化添加剤とを一緒に混合して、微粒子混合物を形成する工程、前記微粒子混合物に水および結合剤材料を加えることによって前記微粒子混合物からのスラリーを形成する工程、前記スラリーを粒状化する工程、前記粒状化スラリーを乾燥する工程、ならびに前記乾燥された粒状化スラリーをキルン処理して、前記反射性粒状組成物を形成する工程を含む。反射性粒状組成物の強度を分析する方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多量のカオリンクレーを含む反射性顔料材料;およびナトリウム塩または別の塩を含む硬化添加剤、を含む反射性粒状組成物。
【請求項2】
前記カオリンクレーが、前記反射性顔料材料の少なくとも約80重量%を占める、請求項1に記載の反射性粒状組成物。
【請求項3】
前記反射性顔料材料が、金属および遷移金属酸化物、アルカリ土類金属硫酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、遷移金属ケイ酸塩、金属ケイ酸塩、鉱物、およびそれらの混合物からなる群から選択される第二顔料成分を含む、請求項2に記載の反射性粒状組成物。
【請求項4】
前記カオリンクレーが、前記反射性顔料材料の約100重量%を占める、請求項1に記載の反射性粒状組成物。
【請求項5】
前記ナトリウム塩が、前記反射性粒状組成物全体の約1%から約15重量%を占める、請求項1に記載の反射性粒状組成物。
【請求項6】
前記ナトリウム塩が、前記反射性粒状組成物全体の約3%から約12重量%を占める、請求項1に記載の反射性粒状組成物。
【請求項7】
前記ナトリウム塩が、ケイ酸ナトリウム,水酸化ナトリウム,炭酸ナトリウム,塩化ナトリウム,ポリアクリル酸ナトリウム,硫酸ナトリウム,チオ硫酸ナトリウム,リン酸ナトリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択されるか;または、
前記他の塩が、バリウム,カリウム,カルシウムおよびリチウムの前記塩のいずれかからなる群から選択される、請求項1に記載の反射性粒状組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の反射性粒状組成物を含む屋根材料。
【請求項9】
以下の工程:
多量のカオリンクレーを含む反射性顔料材料と、ナトリウム塩または別の塩を含む硬化添加剤と、を一緒に混合して、微粒子混合物を形成する工程;
該微粒子混合物に水および結合剤材料を加えることによって該微粒子混合物からのスラリーを形成する工程;
該スラリーを粒状化する工程;
該粒状化されたスラリーを乾燥させる工程;および
該乾燥された粒状化スラリーをキルン処理して、反射性粒状組成物を形成する工程、
を含む、反射性粒状組成物を製造する方法。
【請求項10】
前記反射性顔料材料が、金属および遷移金属酸化物,アルカリ土類金属硫酸塩,アルカリ土類金属炭酸塩,遷移金属ケイ酸塩,金属ケイ酸塩,鉱物およびそれらの混合物からなる群から選択される第二顔料成分を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記カオリンクレーが、前記反射性顔料材料の約100重量%を占める、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記ナトリウム塩が、ケイ酸ナトリウム,水酸化ナトリウム,炭酸ナトリウム,塩化ナトリウム,ポリアクリル酸ナトリウム,硫酸ナトリウム,チオ硫酸ナトリウム,リン酸ナトリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択されるか;または、
前記他の塩が、バリウム,カリウム,カルシウムおよびリチウムの前記塩のいずれかからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記水が、前記微粒子混合物の約20重量%から約50重量%の量において加えられる、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記結合剤材料が、前記微粒子混合物の約1重量%から約10重量%の量において加えられる、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記スラリーを粒状化する工程が、該スラリーを押出加工する工程または該スラリーをNiroスプレーする工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
さらに、前記乾燥した粒状化スラリーをキルン処理する前に該乾燥した粒状化スラリーを粉砕する工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
キルン処理工程が、約1000℃から約1300℃の温度において約30分間から約90分間実施される、請求項9に記載の方法。
【請求項18】
以下の工程:
ピストン/セル機器を提供する工程であって、該ピストン/セル機器が、破砕セルと、該破砕セルの開口部の直径に一致するサイズのピストンと、を含む、工程;
該破砕セル内に、ある量の反射性粒状組成物を配置する工程;
該破砕セル内に該ピストンを挿入する工程;
該破砕セル内の該反射性粒状組成物が破砕されるように該ピストンに圧縮力を供給する工程;および
該破砕された反射性粒状組成物を篩がけする工程、を含む、反射性粒状組成物の強度を分析する方法。
【請求項19】
前記圧縮力が、約800psi/分から約1200psi/分を含み、ならびに約5秒間から約15秒間実施される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記圧縮力が、約900psi/分から約1100psi/分を含み、ならびに約5秒間から約15秒間実施される、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、例えば、屋根材料に適用され得る、改良された硬度を有する微粒子混合物を含む、反射性微粒子組成物、ならびにその作製方法に関する。さらに、本開示は、そのような微粒子混合物の前記強度を分析する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
市販の住宅用屋根は、しばしば厳しいまたは極端な外部の風雨に連続的に晒される。穏やかな外部条件の下でさえ、これらの屋根は、環境または気象条件の効果から建造物または住居インテリアを遮断する前記屋根の能力に影響を及ぼす前記環境または気象条件に晒される。世界の多くの地域において、夏の数カ月の間、屋根は、屋根材料が太陽エネルギーを吸収して高レベルの熱を維持するような、強い熱および日射状態に連続的に晒される。前記屋根は、前記太陽エネルギーを吸収し、熱を維持するため、基本的な建築物または住居の内側の前記状態は悪化し、それは、多くの場合、前記インテリアを不愉快な状態まで加熱する。
【0003】
これらの状態を改善するために、前記建築物または住居は、多くの場合、内部断熱材の増量または人工的な冷房システム(例えばHVAC機器)の使用の増加を採用する。しかしながら、断熱材の前記増量は、熱伝達を低下させる能力に限界があり、ならびに、エネルギーコストの増加は、人工的な冷房システムの使用の前記増加を望ましくないものにするか、さらには法外な費用を強いてくる。
【0004】
先述の問題に対して提案される解決策の一つは、非常に反射性の高い屋根材料を用いることであり、それにより、前記屋根材料が晒される前記太陽エネルギーの多くを前記屋根材料が吸収するのを防ぐ。多くのそのような反射性の屋根材料は、反射性顔料、例えば、カオリンクレー(シリケイト鉱物クレーである)など、を、結合剤と共に混合し、その後に、前記混合物を押出加工しならびにキルン処理することにより粒状物を形成することによって形成された前記粒状物を含む。輸送および取り扱いの際に破損が生じ得るため、これらの粒状物の前記強度は重要である。その上、建築物の屋根上のアスファルトに対するこれらの粒状物の適用後に、これらの粒状物は、前記屋根の上を歩く人の体重の下で破壊し得る。破壊またはその他の損傷を受けた粒状物は、日射の反射において効果が低い。そのため、前記粒状物の強度の改良は、適切な性能の維持において重要な因子である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、日射に対して非常に反射性である改良された反射性粒状組成物、およびその作製方法を提供することは望ましいであろう。その上、貯蔵、輸送、および適用の際の破壊に対して抵抗性を示す改良された強度を有する粒状物を含むそのような反射性粒状組成物を提供することは望ましいであろう。さらに、用いられる前記原料物質の品質を確保し、それらの組成物を最適化するためにそのような反射性粒状組成物の前記強度を分析する方法を提供することは望ましいであろう。さらに、前記特定の組成物の他の望ましい特徴および特性ならびに関連する解析方法は、前記添付の図面および前記先述の背景と併せて、後述の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
反射性粒状組成物の例示的実施形態、反射性粒状組成物を作製する方法、および反射性粒状組成物の前記強度を分析する方法が、本明細書において開示される。そのため、例示的一実施形態により、反射性粒状組成物は、多量のカオリンクレーを含む反射性顔料材料と、ナトリウム塩または別の塩を含む硬化添加剤とを含む。
【0007】
別の実施形態により、反射性粒状組成物を作製する方法は、多量のカオリンクレーを含む反射性顔料材料と、ナトリウム塩または別の塩を含む硬化添加剤とを一緒に混合して微粒子混合物を形成する工程、前記微粒子混合物に水および結合剤材料を加えることによって前記微粒子混合物からスラリーを形成する工程、スラリーを粒状化する工程、前記粒状化されたスラリーを乾燥させる工程、ならびに前記乾燥した粒状スラリーをキルン処理して前記反射性粒状組成物を形成する工程を含む。
【0008】
さらなる別の実施形態により、反射性粒状組成物の前記強度を分析する方法は、ピストン/セル機器を提供する工程であって、前記ピストン/セル機器が、破砕セルと、前記破砕セルの開口部の直径に一致するサイズのピストンとを含む、工程、前記破砕セル内にある量の前記反射性粒状組成物を配置する工程、前記粉砕セル内に前記ピストンを挿入する工程、前記粉砕セル内の前記反射性粒状組成物が粉砕されるように圧縮力を前記ピストンに供給する工程、ならびに前記粉砕された反射性粒状組成物を篩掛けする工程を含む。
【0009】
この概要は、後述の前記詳細な説明においてさらに説明される簡素化された形態において、概念の選択を導入するために提供される。この概要は、権利主張する主題の重要な特徴または不可欠な特徴を識別することを意図するものではなく、前記権利主張する主題の範囲を特定するための補助として使用されることを意図するものでもない。
【0010】
本開示は、下記の図面に関連して以下において説明され、図面中において同様の参照符号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示による粒状物強度分析方法の実施における使用にとって好適なピストン/セル機器の断面図である。
図2】本開示による反射性粒状組成物の前記強度を分析する例示的方法を用いた強度データの前記再現性を示すチャートである。
図3A】硬化添加剤としてケイ酸ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図3B】硬化添加剤として水酸化ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図4A】硬化添加剤としてケイ酸ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図4B】硬化添加剤として水酸化ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図5A】硬化添加剤としてケイ酸ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図5B】硬化添加剤として水酸化ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図6A】硬化添加剤としてケイ酸ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図6B】硬化添加剤として水酸化ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図7A】硬化添加剤としてケイ酸ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図7B】硬化添加剤として水酸化ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図8A】硬化添加剤としてケイ酸ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図8B】硬化添加剤として水酸化ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図9A】硬化添加剤としてケイ酸ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図9B】硬化添加剤として水酸化ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図10A】硬化添加剤としてケイ酸ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図10B】硬化添加剤として水酸化ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図11A】硬化添加剤としてケイ酸ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図11B】硬化添加剤として水酸化ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図12A】硬化添加剤としてケイ酸ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図12B】硬化添加剤として水酸化ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図13A】硬化添加剤としてケイ酸ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図13B】硬化添加剤として水酸化ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図14A】硬化添加剤としてケイ酸ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
図14B】硬化添加剤として水酸化ナトリウムを使用した、様々な異なるカオリン組成およびキルン処理温度での様々な反射性粒状組成物の前記強度値を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明は、本質的に単なる例示に過ぎず、本発明または本願および本発明の使用を限定することを意図するものではない。本明細書において使用される場合、言葉「例示的」は、「実施例、例、または例示としての役割を果たす」ことを意味する。したがって、「例示的」として本明細書において説明されるいずれの実施形態も、必ずしも、他の実施形態より好ましいまたは有利であると解釈されるわけではない。さらに、本明細書に使用される場合、「第一の」、「第二の」、「第三の」などの数字の序数、例えば、第一、第二、および第三の構成要素など、は、前記添付の特許請求の範囲において言語によって詳細に定義されない限り、複数の異なる単体を単に示すものである。本明細書において説明される全ての前記実施形態および実践形態は、当業者が本発明を作製または使用することができるように提供される例示的実施形態であり、前記特許請求の範囲によって定義される本発明の前記範囲を限定するものではない。さらに、先述の技術分野、背景技術、発明の概要、または前記以下の詳細な説明において提示されるかまたは暗に示された理論によって束縛される意図は全くない。
【0013】
本明細書において使用される場合、用語「微粒子屋根材料」および同様の用語は、いわゆる「クールルーフ用途」において有用である太陽光反射性微粒子または粒状物を意味し、実際に、前記用語「微粒子屋根材料」は、前記用語「太陽光反射性微粒子」、「太陽光反射性粒状物」、「反射性微粒子」、「反射性粒状物」、および同様の用語と相互互換的に使用される。さらに、本明細書において説明される前記微粒子および粒状物は、「クールルーフ用途」に対するそれらの有効性のため大いに褒められているが、前記説明される微粒子および粒状物は、他の使用および用途を有し得ること、ならびに前記説明された実施形態は、「クールルーフ用途」において使用することに限定されないことは理解されよう。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書において説明される前記微粒子屋根材料は、例えば、外装塗料の充填剤として、または同様の用途として、任意の外装面において有用であり得る。
【0014】
例えば、屋根材料、およびそれを作製する方法に適用され得る、改良された硬度を有する微粒子混合物を含む反射性微粒子組成物の実施形態が、本明細書において開示される。さらに、本開示は、そのような微粒子混合物の前記強度を分析する方法に関する。前記微粒子混合物は、主にカオリンクレーを含む反射性顔料と、前記粒状物の前記硬度を改良するための、実施例においてケイ酸ナトリウムまたは水酸化ナトリウムであり得るナトリウム塩との混合物である粒状物を含む。前記粒状物を形成する前記方法は、前記反射性顔料と前記硬化用ナトリウム塩とを混合する工程、水および結合剤、例えば、ポリビニルアルコールなど、を加えることによって前記混合物からスラリーを形成する工程、前記スラリーを押出加工する工程、前記スラリーを乾燥させる工程、前記スラリーを、例えば、粉砕することによって粒状化する工程、ならびに、前記粒状物をキルン処理する工程を含む。前記粒状物は、破砕セルと、前記破砕セルの開口部の直径に一致するサイズであるピストンとを含むピストン/セル機器を提供する工程、ある量の前記反射性粒状組成物を前記破砕セル内に配置する工程、前記破砕セル内に前記ピストンを挿入する工程、前記破砕セル内の前記反射性粒状組成物が破砕されるように前記ピストンに圧縮力を供給する工程、および前記破砕された反射性粒状組成物を篩がけする工程を含む本開示の前記方法を使用して測定され得る硬度を有する。
【0015】
反射性顔料(カオリンクレー)
【0016】
本開示の前記反射性微粒子組成物の前記微粒子混合物は、カオリンクレーを含む反射性顔料を含むが、いくらかの量の他の反射性顔料も含んでもよい。本明細書において使用される場合、用語「クレー系顔料組成物」は、前記第一成分としてクレー(例えば、含水カオリンクレーまたは焼成カオリンクレー)を含む(すなわち、クレーは、全ての他の成分より最も大きい量において前記顔料組成物中に存在する)顔料組成物を意味する。さらに、いくつかの実施形態において、前記クレー系顔料組成物は、多量のクレーを含み、すなわち、クレーは、50重量%以上の量において前記クレー系顔料組成物中に存在する。多くの実施形態において、前記クレー系顔料組成物は、完全な(すなわち、実質的に100%の)クレーである。その一方で、他の可能な実施形態において、例えば、前記クレーは、60重量%以上、または60重量%から90重量%の量において前記クレー系顔料組成物中に存在する。
【0017】
前記クレー系顔料組成物中の前記多量の原材料または原材料全体として使用される前記カオリンクレーの前記タイプまたは供給源は、本開示において特に制限されない。カオリンクレー材料の非限定的な例としては、Edgar Minerals(エドガー、フロリダ州)から入手可能なEPKカオリン(例えば約0.93重量%のFe含有量を有し、この場合、前記報告されたFe含有量は、強熱減量(LOI)を排除するように調節されており、ならびに100%の総酸化物含有量に対して正規化されている)、Vanderbilt Minerals, LLC(ノーウォーク、コネチカット州)から入手可能なMCNAMEE(登録商標)カオリン(例えば、約0.38重量%のFe含有量を有し、この場合、前記報告されたFe含有量は、LOIを排除するように調節されており、ならびに100%の総酸化物含有量に対して正規化されている)、Kentucky-Tennessee Clay Company(ロズウェル、ジョージア州)から入手可能なKingsleyカオリン(例えば0.45重量%のFe含有量を有し、この場合、前記報告されたFe含有量は、LOIを排除するように調節されており、ならびに100%の総酸化物含有量に対して正規化されている)、Kentucky-Tennessee Clay Company(ロズウェル、ジョージア州)から入手可能な6TILE(登録商標)カオリン(例えば約0.4重量%のFe含有量を有し、この場合、前記報告されたFe含有量は、LOIを排除するように調節されており、ならびに100%の総酸化物含有量に対して正規化されている)、Kentucky-Tennessee Clay Company(ロズウェル、ジョージア州)から入手可能なoptiKasTカオリン(例えば約0.58重量%のFe含有量を有し、この場合、前記報告されたFe含有量は、LOIを排除するように調節されており、ならびに100%の総酸化物含有量に対して正規化されている)、およびlone Minerals, Inc.(アイオン、カリフォルニア州)から入手可能なlone風簸(Airfloated)カオリン(例えば、約0.7重量%のFe含有量を有し、この場合、前記報告されたFe含有量は、LOIを排除するように調節されており、ならびに100%の総酸化物含有量に対して正規化されている)、が挙げられる。
【0018】
前記クレー系顔料組成物は、前記第一成分としてクレー(例えば含水カオリンまたは焼成カオリン)を含むが、いくつかの実施形態において、前記クレー系顔料組成物は、第二顔料成分を含んでもよい。例えば、前記第二顔料成分は、追加の顔料材料、および/または顔料添加剤を含んでもよい。好適な第二顔料成分のいくつかの非限定的な例としては、金属および遷移金属酸化物(例えばTiO,ZnO,SnOおよび様々なチタン酸塩)、アルカリ土類金属硫酸塩(例えばBaSO,MgSO(例えば無水または含水形態、例えばエプソム塩など)および前記同類のもの)、アルカリ土類金属炭酸塩(例えばSrCOおよびBaCO)、遷移金属ケイ酸塩(例えばZrSiO)、金属ケイ酸塩(例えばアルカリ土類金属ケイ酸塩およびアルカリ金属ケイ酸塩、それらの非限定的な例としては、CaSiO,BaSiO,ケイ酸マグネシウムおよびZrSiOが挙げられる)、ならびに鉱物(例えば、クリストバライト)が挙げられる。例えばいくつかの実施形態において、前記第二顔料成分は、TiO,BaSO,ZnO,ZrSiO,SrCO,金属ケイ酸塩(例えばアルカリ金属ケイ酸塩および/またはアルカリ土類金属ケイ酸塩)および/またはクリストバライトを含み得る。
【0019】
硬化添加剤
【0020】
前記結果として得られる粒状物の前記強度を向上させるため、前記クレー系顔料組成物は、一つまたは複数の硬化添加剤と混合され得る。本開示による使用にとって好適な前記硬化添加剤としては、ナトリウム塩が挙げられる。前記硬化添加剤を形成し得る例示的ナトリウム塩は、一実施形態において、ケイ酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、またはそれらの混合物を含み得る。さらなる例示的実施形態において、前記硬化添加剤を形成し得る前記ナトリウム塩は、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、またはそれらの混合物を含み得る。バリウム、カリウム、カルシウム、およびリチウムの前記前述の塩のいずれも、代わりとして、ある実施形態において用いられ得る。さらに、前記前述の塩のいずれかの含水性フォームも好適である。前述の変形例のナトリウム(または他のもの)塩は、典型的には、粉末形態または粒状物/結晶形態のいずれかにおいて商業的に供給され、それらは、次いで、クレー系顔料組成物と好適に混合され得る。
【0021】
いくつかの実施形態において、前記硬化添加剤は、前記クレー系顔料組成物の総量に対して、約1重量%から約15重量%の量において、前記クレー系顔料組成物と混合され得る。他の実施形態では、前記硬化添加剤は、前記クレー系顔料組成物の総量に対して、約1重量%から約12重量%、約1重量%から約10重量%、約1重量%から約8重量%、または約1重量%から約5重量%の量において、前記クレー系顔料組成物と混合され得る。さらなる実施形態において、前記硬化添加剤は、前記クレー系顔料組成物の総量に対して、約3重量%から約15重量%、約5重量%から約15重量%、約8重量%から約15重量%、または約10重量%から約15重量%の量において、前記クレー系顔料組成物と混合され得る。特定の実施形態において、前記硬化添加剤は、前記クレー系顔料組成物の総量に対して、約1重量%から約3重量%、約3重量%から約5重量%、約5重量%から約7重量%、約7重量%から約10重量%、約10重量%から約12重量%、または約12重量%から約15重量%の量において、前記クレー系顔料組成物と混合され得る。
【0022】
スラリー形成
【0023】
前記クレー系顔料組成物ならびに一つまたは複数の硬化添加剤混合物は、さらなる処理のために、スラリーの形態に調製される。前記スラリーは、一つまたは複数の結合剤組成物に加えて、液体媒質(例えば水)を含み得る。前記スラリーは、実質的に均一な混合物であり得る。本明細書において使用される場合、前記用語「実質的に」は、概算の用語として使用され、程度の用語としてではなく、測定、観察、または計算された特性または値における前記固有の偏りおよび変動を説明することが意図される。したがって、前記用語「実質的に均一な」は、前記混合物は完全には均一でないかもしれないが、前記混合物は当業者によって均一であると見なされることを意味する。
【0024】
例示的実施形態において、前記スラリーを形成する方法は、所望の稠度が達成されるまで、成分の前記混合物に液体媒質(例えば、水)を加える工程を含む。前記プロセスのこの段階における前記所望の稠度は、様々な要因、例えば、前記組成物が、最終的に、鋳造可能または流動可能であることが所望されるか否かなどによって変り得る。しかしながら、いくつかの実施形態において、前記液体媒質は、約20重量%から約50重量%、または約30重量%から約40重量%の量において混合物に加えられ得る。例えば、前記組成物が鋳造可能であることが所望されるいくつかの実施形態では、前記液体媒質は、約20重量%から約40重量%、例えば、約25重量%から約35重量%、または約30重量%の量において前記混合物に加えられ得る。前記組成物が流動可能であることが所望されるいくつかの実施形態では、前記液体媒質は、約30重量%から約50重量%、例えば約35重量%から約45重量%、または約40重量%の量において前記混合物に加えられ得る。
【0025】
その上、前記スラリー内の前記粒子の稠度および接着性を向上させるために、結合剤材料を加えてもよい。好適な結合剤材料としては、水溶性ポリマーの前記クラス、特に水溶性合成ポリマーが挙げられる。水溶性合成ポリマーは、親水性の官能基、例えばエーテル,アルコール,アミドおよびピロリドンなど、を有する。本開示による特に好適な結合剤材料は、ポリビニルアルコールである。前記結合剤材料は、約1重量%から約10重量%、例えば、約3重量%から約8重量%の量においてスラリー混合物に加えられ得る。他の実施形態において、前記結合剤材料は、約1重量%から約8重量%、約1重量%から約5重量%、約3重量%から約10重量%、または約5重量%から約10重量%の量において前記スラリー混合物に加えられ得る。特定の実施形態において、前記結合剤材料は、約1重量%から約3重量%、約3重量%から約5重量%、約5重量%から約8重量%、または約8重量%から約10重量%の量において前記スラリー混合物に加えられ得る。
【0026】
粒状物形成
【0027】
次いで、前記スラリーは、粒状物形態へと加工され得る。例示的実施形態において、方法は、さらに、前記スラリーを押出加工する工程または前記スラリーをNiroスプレーにより粒状化する工程、ならびに、次いで、押出加工された産物またはNiroスプレーされた産物を乾燥させる工程を含み得る。前記液体媒質を実質的に除去するために、任意の好適な温度において前記乾燥工程が実施され得る。上記において説明されるように、本明細書に使用される場合、前記用語「実質的に」は、概算の用語であり、程度の用語ではなく、前記語句「前記液体媒質を実質的に除去する」は、乾燥工程の後に前記混合物中に残る前記液体媒質の前記量の前記測定、計算、または観察における固有の偏りを説明することを意図するものである。例えば、前記液体媒質は、前記混合物中に残る液体媒質の前記量が、当業者によって理解されるように検出不可能であるかさもなければ、無視できる場合、実質的に除去されたと見なされるであろう。
【0028】
前記スラリーを乾燥させるための前記温度は、特に限定されず、それは、選択された液体媒質に応じて変り得る。しかしながら、前記温度は、前記液体媒質を実質的に除去するのに十分に高くあるべきであるが、熱処理またはキルン処理手順を成立するのに十分な高さであるべきではない。例えば、乾燥工程は、約100℃から約800℃、例えば約100℃から約700℃、約120℃から約160℃、または約130℃から約150℃の温度において実施され得る。さらに、前記湿潤混合物を乾燥させるのに必要な前記時間は、特に限定されず、それは、前記湿潤混合物の稠度、前記湿潤混合物において使用された前記液体媒質、前記乾燥工程を実施するために使用される前記温度、ならびに前記湿潤混合物中の前記液体媒質の前記量に応じて変り得る。いくつかの実施形態において、乾燥工程は、約10分から約90分、例えば約20分から約70分、または約30分から約60分実施される。
【0029】
前記乾燥された混合物は、次いで、粉砕および/またはキルン処理され得る(または熱処理に供され得る)。前記乾燥混合物が粉砕されかつキルン処理される実施形態において、前記乾燥混合物は、最初に粉砕されて次いでキルン処理されるか、または最初にキルン処理されて次いで粉砕されるかのどちらかであり得る。実際に、いくつかの実施形態において、前記乾燥混合物は、最初に、粉砕機および前記所望のサイズの篩を使用して、所望の粒径まで粉砕され得る(すなわち、キルン処理の前に)。この事前破砕は、任意の微細な材料(または微粒子)を前記生産供給に再導入することを可能にし、それにより、前記プロセスによって生じる廃棄物の前記量を減少させる。前記粉砕プロセスの際に生じる前記微細粒子は、それらを前記生産供給に再導入することによってリサイクルされ得る。しかしながら、それらの小さい粒径ゆえに、前記湿潤混合物の前記所望の稠度に達するために必要な前記液体媒質の前記量は、増加し得る。いくつかの実施形態において、前記リサイクルされた微細粒子は、前記生産供給の約25重量%以下の量において前記生産供給に加えられ得る。
【0030】
上記において説明されるように、本開示の実施形態により、前記乾燥混合物は、粉砕工程の前または後にキルン処理され得る。前記キルン処理プロセスは、任意の好適な温度において、ならびに任意の好適な長さの時間において実施され得る。例えばいくつかの実施形態において、前記乾燥混合物(粉砕の前または後の)は、約1000℃から約1300℃、例えば約1025℃から約1275℃、例えば約1050℃から約1250℃の温度においてキルン処理(または焼成)され得る。さらに、いくつかの実施形態において、前記乾燥混合物は、約30分から約90分、例えば約45分から約75分、約50分から約70分、または約60分、キルン処理(または焼成)され得る。
【0031】
前記結果として得られる粒状物は、いくつかの実施形態において、40lbs/ftから75lbs/ft、例えば50lbs/ftから75lbs/ft、40lbs/ftから60lbs/ft、50lbs/ftから60lbs/ft、または45lbs/ftから60lbs/ftの嵩密度を有し得る。いくつかの実施形態において、前記微粒子組成物は、50lbs/ftから60lbs/ft、例えば52lbs/ftから58lbs/ft、または53lbs/ftから56lbs/ftの嵩密度を有し得る。前記微粒子組成物の前記比較的低い嵩密度は、著しいコスト節約を可能にする。例えば、より低い嵩密度は、依然として、前記日射反射率の恩恵(例えば、高い総日射反射率ならびに/あるいはUV、VIS、および/またはIR反射率)を達成しつつ、単位面積(または平方)あたりの前記微粒子(または粒状物)のより少ない前記適用を可能にする。
【0032】
さらに、前記結果として得られる粒状物は、いくつかの実施形態において、Surface Optics Corporation(サンディエゴ、カリフォルニア州)製の反射率計を使用して測定した場合、70%以上のバルク総日射反射率(本明細書において「総日射反射率」(TSR)または単に「日射反射率」とも呼ばれる)を有し得る。例えば、七つの波長域の反射率を測定し、前記総日射反射率を計算するアルゴリズムを使用する、Surface Optics Corporation(サンディエゴ、カリフォルニア州)製の410-Solar visible/NIR Portable Reflectometerを使用してもよい。いくつかの実施形態において、前記微粒子組成物は、少なくとも60%、例えば、少なくとも70%、または少なくとも80%の日射反射率を有する。いくつかの実施形態において、前記微粒子組成物は、少なくとも80%の日射反射率を有し得、ならびにいくつかの実施形態において、少なくとも85%、または少なくとも90%の総日射反射率を有し得る。例えば、いくつかの実施形態において、前記微粒子組成物は、90%以上の総日射反射率を有し得る。例えば、いくつかの実施形態において、前記微粒子組成物は、60%から95%、70%から95%、80%から95%、70%から90%、80%から90%、85%から95%、または90%から95%の日射反射率を有する。
【0033】
さらに、前記微粒子組成物は、少なくとも20%、例えば、20%から80%の紫外線光(「UV」)反射率(すなわち、335~380nmの波長域における)を有し得る。いくつかの実施形態において、前記微粒子組成物は、Surface Optics Corporation(サンディエゴ、カリフォルニア州)製の日射反射率計を使用して測定した場合、少なくとも25%、例えば、25%から75%、25%から70%、または40%から70%のUV反射率を有し得る。例えば、いくつかの実施形態において、前記微粒子組成物は、Surface Optics Corporation(サンディエゴ、カリフォルニア州)製の日射反射率計を使用して測定した場合、50%以上、例えば、50%から70%のUV反射率を有し得る。
【0034】
さらに、前記微粒子組成物は、Surface Optics Corporation(サンディエゴ、カリフォルニア州)製の日射反射率計を使用して測定した場合、少なくとも60%、例えば、60%から97%、または60%から95%の可視光(「VIS」)反射率(すなわち、400~720nmの波長域における)を有し得る。例えば、いくつかの実施形態において、前記微粒子組成物は、Surface Optics Corporation(サンディエゴ、カリフォルニア州)製の日射反射率計を使用して測定した場合、70%以上、例えば、70%から98%、または70%から97%のVIS反射率を有し得る。
【0035】
さらに、前記微粒子組成物は、Surface Optics Corporation(サンディエゴ、カリフォルニア州)製の日射反射率計を使用して測定した場合、少なくとも60%、例えば、60%から98%、または60%から97%の赤外光(「IR」)反射率(すなわち、700~2500nmの波長域における)も有し得る。例えば、いくつかの実施形態において、前記微粒子組成物は、Surface Optics Corporation(サンディエゴ、カリフォルニア州)製の日射反射率計を使用して測定した場合、70%以上、例えば、70%から98%、または70%から97%のIR反射率を有し得る。
【0036】
粒状物強度の分析
【0037】
最初に言及したように、前記クレー系顔料組成物への前記ナトリウム塩の包含により、本開示の前記反射性粒状組成物/微粒子組成物は、改良された強度を示す。しかしながら、前記先行技術は、先行技術の粒状物製品に勝る強度の向上を特定するためのロバストな強度測定方法を欠いている。例えば、現在、凝集物の前記強度を分析するために屋根材産業によってしばしば使用されるASTM試験は、ASTM D1865 / D1865M -09(2017)(「Standard Test Method for Hardness of Mineral Aggregate Used on Built-Up Roofs」)であるが、これらは、反射性粒状組成物の前記硬度に対して矛盾したまたは不完全な評価を提供することが知られている。したがって、本開示は、前記反射性粒状組成物/微粒子組成物の前記強度を分析する方法を提供し、それにより、原料顔料、強化添加剤の量およびタイプ、キルン処理の時間および温度、ならびに前記反射性粒状組成物/微粒子組成物を製造するための他のプロセス変数を最適化することを可能にするであろう、強度の向上を特定するための好適な手段が存在する。
【0038】
図1を参照すると、本開示による前記粒状物強度分析方法は、図示されるように、ピストン/セル機器100において実施される。前記ピストン/セル機器は、破砕セル102と、前記破砕セル102の前記開口部の前記直径におよそ一致するサイズのピストン104とを含む(図示されるように)。前記機器100を使用することにより、前記強度分析方法は、下記の様式において実施される。最初に、反射性粒状組成物/微粒子組成物の試料が、およそ-8/+40メッシュに篩掛けされる。その後、好適な量の前記試料(110)が、前記破砕セル102に加えられる。加えられる前記量は、前記破砕セル102の前記容積に依存するが、典型的には、前記量は、前記容積の約10%から約30%、例えば、前記容積の約15%から約25%など、を満たすのに十分であるべきである。前記反射性粒状組成物/微粒子組成物は、前記破砕セル102内においてほとんど平らであるべきであり(例えば目視により)、それは、前記破砕セル102を振盪するか、さもなければ振動させることによって実施され得る。その後、前記ピストン104が、前記破砕セル102内に挿入される。前記ピストン104が前記試料110と接触すると、前記ピストン104は、前記試料110の最終的なレベリングのために、例えば、約1/4回転から約3/4回転、例えば、約1/2回転など、回転され得る。圧縮力(120)を前記試料110に加えるために、前記破砕セル102は、圧縮成形機(別々に図示されていない)に位置され得る。前記圧縮力(120)は、概して、約800psi/分から約1200psi/分、または約900psi/分から約1100psi/分、例えば、約1200psi/分の範囲であり得る。前記圧縮力(120)は、好適な期間、例えば、約5秒間から約15秒間、または約8秒間から約12秒間、例えば約10秒間など、において保持され得る。その後、前記圧縮力(120)は、解除される。前記粉砕試料110は、次いで、前記破砕セル102から除去され、前記粉砕試料110は、8メッシュ、40メッシュ、およびPanによって篩掛けされる。篩掛け後、本開示による強度分析方法は、前記8メッシュ、前記40メッシュ、および前記Panの前記内容物のそれぞれを別々に秤量する工程を含む。前記結果は、前記微粉(8メッシュおよび40メッシュ)と比較した場合の前記Pan内の前記材料のパーセンテージとして報告され得る。
【0039】
前記先述の方法を用いた場合に前記結果として得られる強度データの前記再現性を示すため、試験用に5つの異なる反射性粒状組成物を得た。各組成物の複数の試料の前記強度を、前記先述の方法を使用して試験した。前記結果は、下記の表1に提示される。
【0040】
【表1】
【0041】
図2は、本開示による反射性粒状組成物の前記強度を分析する例示的方法を用いた強度データ、すなわち、上記の表1に一覧される前記データ、の再現性を示すチャートである。図から分かるように、各試料の前記試験から生成された前記データは、お互いに密接に一致する。
【実施例
【0042】
例示的実施例
本開示は、以下の非限定的な実施例によって説明される。前記添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の前記範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正が下記の実施例およびプロセスに適用され得ることは留意されるべきである。したがって、前記下記の実施例は、単なる例示として解釈されるべきであり、いかなる意味においても限定として解釈されるべきではないことは留意されるべきである。
【0043】
反射性粒状組成物の様々な実施例を、本開示の前記教示に従って調製した。各実施例に対して、用いた前記反射性顔料は、実質的に100%のカオリンクレーであったが、用いたそのようなクレーの前記タイプは、下記の各実施例の前記説明において言及されるように、実施例ごとに異なった。その上、各実施例に対して、ケイ酸ナトリウムまたは水酸化ナトリウムのどちらかを、下記の各実施例の前記説明において言及されるように、様々なパーセンテージの量において、前記硬化添加剤として使用した。さらに、各実施例に対して、前記キルン処理プロセスを約60分間実施したが、下記の各実施例の前記説明において言及されるように、様々な温度、すなわち、1050℃,1150℃または1250℃のいずれかにおいて実施した。
【0044】
〔実施例1〕
実施例1は、サンダーズビル、ジョージア州のThiele Kaolinから入手可能なTK1955A(TM)カオリンクレーを用いて、1050℃で約60分間キルン処理した場合の、前記強度に対する硬化剤としてのケイ酸ナトリウム(5重量%および10重量%)の前記効果(図3Aを参照されたい)、および反射性粒状組成物(すなわち、「クールルーフ粒状物(CRG)」)の総日射反射率(TSR)(図3Bを参照されたい)を示している。前記図に示されるように、前記強度値は、ケイ酸ナトリウムの量の増加と共に向上し(%微粉の減少)、その一方で、前記TSR値は、かなり一貫してそのままであった。
【0045】
〔実施例2〕
実施例2は、サンダーズビル、ジョージア州のThiele Kaolinから入手可能なTK1955A(TM)カオリンクレーを用いて、1050℃で約60分間キルン処理した場合の、前記強度に対する硬化剤としての水酸化ナトリウム(1重量%,2重量%および5重量%)の前記効果(図4Aを参照されたい)、および反射性粒状組成物の総日射反射率(図4Bを参照されたい)を示している。前記図に示されるように、前記強度値は、水酸化ナトリウムの量の増加と共に向上し(%微粉の減少)、その一方で、前記TSR値は、かなり一貫してそのままであった。
【0046】
〔実施例3〕
実施例3は、サンダーズビル、ジョージア州のThiele Kaolinから入手可能なTK1955A(TM)カオリンクレーを用いて、1150℃で約60分間キルン処理した場合の、前記強度に対する硬化剤としてのケイ酸ナトリウム(5重量%および10重量%)の前記効果(図5Aを参照されたい)、および反射性粒状組成物の総日射反射率(図5Bを参照されたい)を示している。前記図に示されるように、前記強度値は、ケイ酸ナトリウムの量の増加と共に向上し(%微粉の減少)、その一方で、前記TSR値は、かなり一貫してそのままであった。
【0047】
〔実施例4〕
実施例4は、サンダーズビル、ジョージア州のThiele Kaolinから入手可能なTK1955A(TM)カオリンクレーを用いて、1150℃で約60分間キルン処理した場合の、前記強度に対する硬化剤としての水酸化ナトリウム(1重量%,2重量%および5重量%)の前記効果(図6Aを参照されたい)、および反射性粒状組成物の総日射反射率(図6Bを参照されたい)を示している。前記図に示されるように、前記強度値は、水酸化ナトリウムの量の増加と共に向上し(%微粉の減少)、その一方で、前記TSR値は、かなり一貫してそのままであった。
【0048】
〔実施例5〕
実施例5は、サンダーズビル、ジョージア州のThiele Kaolinから入手可能なTK1955A(TM)カオリンクレーを用いて、1250℃で約60分間キルン処理した場合の、前記強度に対する硬化剤としてのケイ酸ナトリウム(5重量%および10重量%)の前記効果(図7Aを参照されたい)、および反射性粒状組成物の総日射反射率(図7Bを参照されたい)を示している。前記図に示されるように、前記強度値は、ケイ酸ナトリウムの量の増加と共に向上し(%微粉の減少)、その一方で、前記TSR値は、かなり一貫してそのままであった。
【0049】
〔実施例6〕
実施例6は、サンダーズビル、ジョージア州のThiele Kaolinから入手可能なTK1955A(TM)カオリンクレーを用いて、1250℃で約60分間キルン処理した場合の、前記強度に対する硬化剤としての水酸化ナトリウム(1重量%,2重量%および5重量%)の前記効果(図8Aを参照されたい)、および反射性粒状組成物の総日射反射率(図8Bを参照されたい)を示している。前記図に示されるように、前記強度値は、水酸化ナトリウムの量の増加と共に向上し(%微粉の減少)(2重量%を除く、この場合、レファレンスに対して向上しているが、1重量%に対しては向上しなかった)、その一方で、前記TSR値は、かなり一貫してそのままであった。
【0050】
〔実施例7〕
実施例7は、サンダーズビル、ジョージア州のThiele Kaolinから入手可能なTK1955A(TM)カオリンクレーと、メコン、ジョージア州のKaMin Solutionsから入手可能なカオリンクレーとの40%:60%ブレンドを用いて、1050℃で約60分間キルン処理した場合の、前記強度に対する硬化剤としてのケイ酸ナトリウム(5重量%および10重量%)の前記効果(図9Aを参照されたい)、および反射性粒状組成物の総日射反射率(図9Bを参照されたい)を示している。前記図に示されるように、前記強度値は、前記TK1955A単独レファレンスおよび前記ブレンドレファレンスに関して、ケイ酸ナトリウムの量の増加と共に向上するが(%微粉の減少)、Kamin単独レファレンスに対しては一致しており、その一方で、前記TSR値は、最も低かったKamin単独レファレンスを除いて、全てに対してかなり一貫してそのままであった。
【0051】
〔実施例8〕
実施例8は、サンダーズビル、ジョージア州のThiele Kaolinから入手可能なTK1955A(TM)カオリンクレーと、メコン、ジョージア州のKaMin Solutionsから入手可能なカオリンクレーとの50%:50%ブレンドを用いて、1050℃で約60分間キルン処理した場合の、前記強度に対する硬化剤としてのケイ酸ナトリウム(5重量%および10重量%)の前記効果(図10Aを参照されたい)、および反射性粒状組成物の総日射反射率(図10Bを参照されたい)を示している。前記図に示されるように、前記強度値は、前記TK1955A単独レファレンスおよび前記ブレンドレファレンスに関して、ケイ酸ナトリウムの量の増加と共に向上するが(%微粉の減少)、Kamin単独レファレンスに対しては一致しており、その一方で、前記TSR値は、最も低かったKamin単独レファレンスを除いて、全てに対してかなり一貫してそのままであった。
【0052】
〔実施例9〕
実施例9は、サンダーズビル、ジョージア州のThiele Kaolinから入手可能なTK1955A(TM)カオリンクレーと、メコン、ジョージア州のKaMin Solutionsから入手可能なカオリンクレーとの40%:60%ブレンドを用いて、1150℃で約60分間キルン処理した場合の、前記強度に対する硬化剤としてのケイ酸ナトリウム(5重量%および10重量%)の前記効果(図11Aを参照されたい)、および反射性粒状組成物の総日射反射率(図11Bを参照されたい)を示している。前記図に示されるように、前記強度値は、全ての前記レファレンスに対して、ケイ酸ナトリウムの量の増加と共に向上し(%微粉の減少)、その一方で、前記TSR値は、最も低かったKamin単独レファレンスを除いて、全てに対してかなり一貫してそのままであった。
【0053】
〔実施例10〕
実施例10は、サンダーズビル、ジョージア州のThiele Kaolinから入手可能なTK1955A(TM)カオリンクレーと、メコン、ジョージア州のKaMin Solutionsから入手可能なカオリンクレーとの50%:50%ブレンドを用いて、1150℃で約60分間キルン処理した場合の、前記強度に対する硬化剤としてのケイ酸ナトリウム(5重量%および10重量%)の前記効果(図12Aを参照されたい)、および反射性粒状組成物の総日射反射率(図12Bを参照されたい)を示している。前記図に示されるように、前記強度値は、前記TK1955A単独レファレンスおよび前記ブレンドレファレンスに関して、ケイ酸ナトリウムの量の増加と共に向上するが(%微粉の減少)、Kamin単独レファレンスに対しては一致しており、その一方で、前記TSR値は、最も低かったKamin単独レファレンスを除いて、全てに対してかなり一貫してそのままであった。
【0054】
〔実施例11〕
実施例11は、サンダーズビル、ジョージア州のThiele Kaolinから入手可能なTK1955A(TM)カオリンクレーと、メコン、ジョージア州のKaMin Solutionsから入手可能なカオリンクレーとの40%:60%ブレンドを用いて、1250℃で約60分間キルン処理した場合の、前記強度に対する硬化剤としてのケイ酸ナトリウム(5重量%および10重量%)の前記効果(図13Aを参照されたい)、および反射性粒状組成物の総日射反射率(図13Bを参照されたい)を示している。前記図に示されるように、前記強度値は、前記TK1955A単独レファレンスおよび前記ブレンドレファレンスに関して、ケイ酸ナトリウムの量の増加と共に向上するが(%微粉の減少)、Kamin単独レファレンスほどは強くなく、その一方で、前記TSR値は、最も低かったKamin単独レファレンスを除いて、全てに対してかなり一貫してそのままであった。
【0055】
〔実施例12〕
実施例12は、サンダーズビル、ジョージア州のThiele Kaolinから入手可能なTK1955A(TM)カオリンクレーと、メコン、ジョージア州のKaMin Solutionsから入手可能なカオリンクレーとの50%:50%ブレンドを用いて、1250℃で約60分間キルン処理した場合の、前記強度に対する硬化剤としてのケイ酸ナトリウム(5重量%および10重量%)の前記効果(図14Aを参照されたい)、および反射性粒状組成物の総日射反射率(図14Bを参照されたい)を示している。前記図に示されるように、前記強度値は、前記TK1955A単独レファレンスに対して、ケイ酸ナトリウムの量の増加と共に向上し(%微粉の減少)、その一方で、前記5重量%の実施例は、前記ブレンドレファレンスに対する向上を示したが、前記KaMin単独レファレンスほどではなく、ならびに前記10重量%の実施例は、前記ブレンドレファレンスおよびKaMin単独レファレンスのそれぞれに対して低い強度を示しており、その一方で、前記TSR値は、5%の試料が最も良く、Kamin単独レファレンスが最も悪く、前記他の実施例およびレファレンスは、かなり一致していた。
【0056】
したがって、本開示は、改良された反射性粒状組成物の実施形態、ならびに日射に対して非常に反射性である前記反射性粒状組成物を作製する方法を提供した。望ましくは、これらの反射性粒状組成物は、貯蔵、輸送、および適用の際の破壊に対して抵抗性を示す改良された強度を有する粒状物を含む。さらに、本開示は、用いた前記原料物質の前記品質を確保するため、およびそれらの組成を最適化するために、そのような反射性粒状組成物の前記強度を分析するための新規の方法を提供した。
【0057】
少なくとも一つの例示的実施形態が、先述の詳細な説明において提示されたが、膨大な数の変更例が存在することは理解されるべきである。前記例示的実施形態は、単なる例に過ぎず、いかなる点においても本発明の前記範囲、適用性、または構成を制限することを意図するものではない。むしろ、先述の詳細な説明は、本発明の組成物および方法の例示的実施形態を実践するための便利なロードマップを当業者に提供するであろう。前記添付の特許請求の範囲において説明される本発明の範囲から逸脱することなく、例示的実施形態において説明された要素の機能および配置構成において様々な変更が為され得ることは理解されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
【国際調査報告】