IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッドの特許一覧 ▶ バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニムの特許一覧

特表2023-553900血液の体外処理のための使い捨て回路、血液の体外処理のための装置、および、関連する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】血液の体外処理のための使い捨て回路、血液の体外処理のための装置、および、関連する方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/28 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
A61M1/28 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534725
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-07-14
(86)【国際出願番号】 EP2021085031
(87)【国際公開番号】W WO2022122941
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】102020000030326
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(71)【出願人】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マラゴリ, マルチェロ
(72)【発明者】
【氏名】サフリッティ, マウロ
(72)【発明者】
【氏名】カサリ, アンドレア
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA06
4C077BB01
4C077CC08
4C077CC09
4C077DD07
4C077DD16
4C077DD26
4C077EE03
4C077EE04
(57)【要約】
腹膜透析装置のためのマニホールドアセンブリは、第1コンパートメント(22)および第2コンパートメント(23)を内部で画定するケーシング(19)と、第1コンパートメント(22)に接続されたまたは接続可能な第1端部(56)および第2コンパートメント(23)に接続されたまたは接続可能な第2端部(57)を有するイールディングポンプチューブ(55)と、を備える。イールディングポンプチューブ(55)は、腹膜透析装置(1)のサイクラ(2)の蠕動ポンプ(6)に結合されるようにケーシング(19)の外側に延びる。第1ポンプポート(34)および第2ポンプポート(35)は、ケーシング(19)の第1側面に配され、ポート(53、36、40、41、44)は、第1側面とは反対のケーシング(19)の第2側面に配される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腹膜透析装置のためのマニホールドアセンブリであって、
第1コンパートメント(22)および第2コンパートメント(23)を内部で画定するケーシング(19)と、
前記第1コンパートメント(22)に接続されたまたは接続可能な第1端部および前記第2コンパートメント(23)に接続されたまたは接続可能な第2端部を有するイールディングポンプチューブ(55)であって、前記イールディングポンプチューブ(55)は、腹膜透析装置(1)のサイクラ(2)の蠕動ポンプ(6)に結合されるように前記ケーシング(19)の外側に延び、前記ケーシング(19)は、前記イールディングポンプチューブ(55)の前記第1端部に接続されたまたは接続可能な第1ポンプポート(34)および前記イールディングポンプチューブ(55)の前記第2端部に接続されたまたは接続可能な第2ポンプポート(35)を備える、イールディングポンプチューブ(55)と、
前記第1コンパートメント(22)または前記第2コンパートメント(23)に接続されたまたは接続可能な第1端部および液体供給源(60、62、64)またはドレーン(66)または患者(P)に接続されたまたは接続可能な第2端部をそれぞれ有する複数のラインチューブ(58、59、61、63、65)であって、前記ケーシング(19)は、1つのラインチューブ(58、59、61、63、65)の前記第1端部にそれぞれ接続されたまたは接続可能な複数のポート(53、36、40、41、44)を備える、複数のラインチューブ(58、59、61、63、65)と、
を備え、
前記ケーシング(19)は、前面、背面および複数の側面を備え、実質的に平坦な形状を有し、前記背面は、前記サイクラ(2)のフロントパネル(13)に結合されるように構成され、
前記第1ポンプポート(34)および前記第2ポンプポート(35)は、前記ケーシング(19)の第1側面に配され、前記ポート(53、36、40、41、44)は、前記第1側面とは反対の前記ケーシング(19)の第2側面に配される、マニホールドアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のアセンブリであって、前記第1ポンプポート(34)と、前記第2ポンプポート(35)と、前記複数のポート(53、36、40、41、44)と、のそれぞれは、前記ケーシング(19)のそれぞれ前記側面から突出する、アセンブリ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のアセンブリであって、前記第1ポンプポート(34)と、前記第2ポンプポート(35)と、前記複数のポート(53、36、40、41、44)と、のそれぞれは、中空シリンダのような形状である、アセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載のアセンブリであって、前記複数のポート(53、36、40、41、44)の前記中空シリンダは、互いに平行である、アセンブリ。
【請求項5】
請求項3または4に記載のアセンブリであって、前記第1ポンプポート(34)の前記中空シリンダおよび前記第2ポンプポート(35)の前記中空シリンダは、前記イールディングポンプチューブ(55)がオメガ形状を有するループとして成形されるように、前記ケーシング(19)から離れて互いに広がる、アセンブリ。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)は、2つの長側面および2つの短側面を有する実質的に矩形の外形を有し、前記第1側面および前記第2側面は、前記ケーシング(19)の両方の長側面である、アセンブリ。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)は、前記ケーシング(19)の前記前面および前記複数の側面を画定するリジッドシェル(20)と、前記ケーシング(19)の前記背面を画定する1つの軟質膜(21)と、を備える、アセンブリ。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)は、前記ケーシング(19)を貫通する貫通口(29a、29b)を有し、任意で、前記貫通口(29a、29b)は、前記サイクラ(2)の保持エレメントと係合するように構成される、アセンブリ。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)は、前記第2コンパートメント(23)において少なくとも1つの拡張チャンバ(24a、24b、24c)を画定する少なくとも1つの凹部/突出部(25a、25b、25c)を備え、前記少なくとも1つの拡張チャンバ(24a、24b、24c)は、前記第2コンパートメント(23)の他の部分の深さよりも大きい深さを有し、任意で、前記凹部/突出部(25a、25b、25c)は、前記ケーシング(19)の前面から突出し、任意で、前記凹部/突出部(25a、25b、25c)の外形が、ユーザの1つの手によって把持されるように構成される、アセンブリ。
【請求項10】
請求項8に従属する請求項9に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)は、複数の凹部/突出部(25a、25b、25c)を備え、前記貫通口(29a、29b)は、前記凹部/突出部(25a、25b、25c)のうち2つの間である、アセンブリ。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)は、前記ケーシング(19)のホール(31)の端部に接合された通気性膜(33)であって、前記マニホールドアセンブリ(3)が適切に前記サイクラ(2)に取り付けられると、前記サイクラ(2)の圧力トランスデューサ(10)および/または空気ポンプ(11)を前記第2コンパートメント(23)の上部と連通させるように構成された通気性膜(33)を備える、アセンブリ。
【請求項12】
請求項11に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)の前記ホール(31)は、前記ケーシング(19)の前記前面に形成され、任意で、リジッドフレーム(32)が、前記通気性膜(33)を支持する、アセンブリ。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記第1コンパートメント(22)は、U字形の細長い通路であり、前記第2コンパートメント(23)は、前記U字形の細長い通路によって部分的に囲まれる、アセンブリ。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記複数のラインチューブ(58、59、61、63、65)は、
前記第2コンパートメント(23)に接続されたまたは接続可能な第1端部および患者(P)の腹膜腔に接続可能な第2端部を有する患者ラインチューブ(58)であって、前記複数のポート(53、36、40、41、44)のうち患者ポート(53)が、前記患者ラインチューブ(58)の前記第1端部に接続されたまたは接続可能である、患者ラインチューブ(58)と、
前記第1コンパートメント(22)に接続されたまたは接続可能な第1端部および液体供給源(60、62、64;64)および/またはドレーン(66)に接続されたまたは接続可能な第2端部を有する少なくとも1つの液体ラインチューブ(59、61、63、65;63、65)であって、任意で、少なくとも1つの液体ラインチューブ(59、61)は、前記第2コンパートメント(23)に接続されたまたは接続可能な第1端部および液体供給源(60、62)に接続されたまたは接続可能な第2端部を有し、前記複数のポート(53、36、40、41、44)のうち液体ポート(36、40、41、44)は、前記液体ラインチューブ(59、61、63、65)の前記第1端部の1つに接続されたまたは接続可能である、少なくとも1つの液体ラインチューブ(59、61、63、65;63、65)と、
を備える、アセンブリ。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)は、前記第1コンパートメント(22)および前記第2コンパートメント(23)およびヒータラインチューブ(63)と液体連通するバイパスチャネル(49)を備え、前記バイパスチャネル(49)は、前記ケーシング(19)の外面に、任意で前記ケーシング(19)の前記前面に、接合されたカバー(50)によって、少なくとも部分的に画定される、アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、腹膜透析装置のためのマニホールドアセンブリおよび当該マニホールドアセンブリを備える腹膜透析装置に関する。本開示はまた、腹膜透析装置を制御するための方法に関する。
【0002】
種々の原因に起因して、人の腎臓系が機能不全になる可能性がある。腎不全は、いくつかの生理的な障害を引き起こす。水とミネラルとのバランスをとること、また、毎日の代謝負荷を排出することは、もはやできない。尿素、クレアチニン、尿酸などの代謝の毒性の最終生成物が、患者の血液や組織に蓄積しうる。
【0003】
腎機能の低下、中でも腎不全は、透析で治療される。透析は、正常に機能する腎臓が除去するはずの老廃物、毒素、過剰な水分を体から除去する。腎機能の代替のための透析治療は、治療が命を救うため、多くの人にとって重要である。
【0004】
腎不全治療の1つのタイプは、透析液とも呼ばれる透析溶液を、カテーテルを介して患者の腹膜腔に注入する腹膜透析(「PD」)である。透析液は、患者の腹膜腔内の腹膜と接触する。老廃物、毒素、過剰な水分は、患者の血流から腹膜の毛細管を通り、拡散および浸透によって透析液に入る、つまり、浸透圧勾配が、膜全体で発生する。PD透析液中の浸透圧剤は、浸透圧勾配を提供する。使用されたまたは使用済みの透析液は、患者からドレーンされ、老廃物、毒素、過剰な水分を患者から取り除く。このサイクルは、例えば、複数回にわたり繰り返される。
【背景技術】
【0005】
連続携行式腹膜透析(「CPAD」)、自動腹膜透析(「APD」)、タイダルフロー透析、連続フロー腹膜透析(「CFPD」)を含む種々のタイプの腹膜透析治療がある。CAPDは、手動の透析治療である。ここで、患者は、使用されたまたは使用済みの透析液を腹膜腔からドレーンすることを可能にするために、埋め込まれたカテーテルをドレーンに手動で接続する。次いで、患者のカテーテルが未使用の透析液のバッグに連通し、カテーテルを通して未使用の透析液が患者に注入されるように、患者は液体連通を切り替える。患者は、未使用の透析液バッグからカテーテルを切り離し、透析液を腹膜腔内に滞留させ、そこで老廃物、毒素、過剰な水分の移動が可能になる。滞留期間の後、患者は、手動の透析の手順を、例えば、1日に4回、繰り返す。手動の腹膜透析は、患者に著しい量の時間および労力を要求し、改善の余地を十分に残している。
【0006】
自動腹膜透析(「APD」)は、透析治療がドレーン、充填および滞留のサイクルを含み、CAPDと同様である。しかしながら、APD機械は、典型的には患者が寝ている間に、サイクルを自動的に実行する。APD機械は、治療サイクルを手動で実行する必要、および、日中に補給品を輸送する必要から開放する。APD機械は、埋め込まれたカテーテル、未使用の透析液の供給源またはバッグ、液体ドレーンに液体接続する。APD機械は、透析液の供給源からカテーテルを通し患者の腹膜腔内に、未使用の透析液を送り込む。APD機械はまた、透析液をチャンバ内に滞留させ、老廃物、毒素、過剰な水分を移動させることを可能にする。供給源は、いくつかの溶液バッグを含む数リットルの透析液を含みうる。
【0007】
APD機械は、患者の腹膜腔からカテーテルを通りドレーンに、使用されたまたは使用済みの透析液を送り込む。手動プロセスと同様に、透析中に数回の排出、充填、滞留サイクルが発生する。「最後の充填」は、APD治療の最後で発生しうる。最後の充填液は、次の治療が開始されるまで患者の腹膜腔内に残っていてもよいし、その日のある時点において手動で空にされてもよい。
【0008】
既知のAPDシステムは、ポンプ動作およびバルブ動作を実行するために、硬い部分と変形可能な柔らかい部分とを有する、使い捨てのポンプデバイスまたはカセットを受け入れて作動させる機械またはサイクラを含む。
【0009】
市場に出回るサイクラ機械のほとんどは、使い捨てデバイスの一部である拡張チャンバ内の液量の圧縮/拡張に基づくポンプシステムを実装している(交互ポンプシステム)。圧縮/拡張は、使い捨てデバイスのチャンバに組み込まれたフレキシブルダイヤフラムの作用によって実行され、拡張チャンバ自体の容積に連動した量の液体の塊の連続的な流れが得られる。このような設計では、チャンバの容積と圧力モニタリングとの知識と組み合わせた「理想気体の法則」を活用して、流量、および、それに伴う液体の交換量が制御される。
【0010】
腹膜透析を実行するためのこの種のシステムは、例えば、米国特許出願公開第2011/0092893号明細書、米国特許出願公開第2020/0230310号明細書に開示されている。
【0011】
このようなアプローチの主な確認されている欠点は、低い液体流量、すなわち、デバイスの拡張チャンバの量(典型的に、>15ml)よりも桁のオーダで小さい流量値の管理と調整に関連する。そのようなレンジにおいて、交互ポンプシステムは、精度のレベルが低下した流れの離散化につながる。慎重に低い流量を管理できることは、患者にとって苦痛な治療の段階として報告されることが多い、患者からの液体のドレーンの段階において、特に重要である。
【0012】
さらに、交互ポンプアプローチは、滑らかな層流方式と比較して、上述の患者からの液体のドレーンの段階および投与の段階でも最適なケースを示さない、わずかな拍動流をもたらす。
【0013】
さらに、作動を提供するためのガスケットを介して空気圧パスで液体使い捨てデバイスを密封することは、潜在的な現場の問題であることが証明されており、治療開始時間を遅らせ、ユーザ体験に影響を与える可能性がある。
【0014】
空気圧カセットシステムはまた、カスタマの不満の源になりうる音響ノイズを発生する。
【0015】
サイクラ機械のいくつかのタイプは、交換液の量の制御のためにスケールの使用を活用する。このアプローチの欠点は、サイクラ機械に存在するスケールを正確かつ頻繁にキャリブレーションする必要があることに関連し、この手順はエラーの可能性にさらされ、サイクラのメンテナンス管理のための操作を複雑にする。
【0016】
既存のソリューションに共通する追加の欠点は、患者に投与される「PD」溶液内の気泡の潜在的な存在を管理および除去する方法の欠如である。
【0017】
蠕動ポンプを通して腹膜透析を実行するシステムも知られている。例えば、そのようなシステムは、国際公開第2012/129501 A2号、国際公開第2019/169081号、米国特許出願公開第2005/0209563号明細書、国際公開第2018/237375号に開示されている。
【0018】
これらのシステムも、キャリブレーションの必要性、拍動流、気泡の除去などに関連する欠点を有する。
【0019】
したがって、本発明の目的は、より正確で簡単な液体の流れの制御と、腹膜透析治療の有効性の強化されたモニタリングと、を可能にする腹膜透析装置のためのマニホールドアセンブリおよび腹膜透析装置を提供することである。
【0020】
本発明の目的は、低い流量範囲(例えば、5~10ml/min)においても、調節可能で高い精度を確実にする連続流を保証することができる腹膜透析装置のためのマニホールドアセンブリおよび腹膜透析装置を提供することである。
【0021】
本発明のさらなる目的は、液体レベルを管理し、液体レベルを画定された範囲内に維持することを確実にすることができるマニホールドアセンブリおよび装置を提供することである。
【0022】
本発明のさらなる目的は、ポンプの蠕動の影響を減衰させ、交互ポンプシステムまたは蠕動ポンプを使用した先行技術のシステムに典型的な脈動を示さない流れを提供するマニホールドアセンブリおよび装置を提供することである。
【0023】
本発明のさらなる目的は、治療時間の短縮を可能にするマニホールドアセンブリおよび装置を提供することである。
【0024】
本発明のさらなる目的は、ドレーンラインおよびバッグラインに接続されたチャンバのコンパートメント内で極度の負圧値が発生する可能性を検出することを可能にするマニホールドアセンブリおよび装置を提供することである。
【0025】
本発明のさらなる目的は、患者に投与する前に「PD」溶液中に滞在的に存在する気泡を除去することができるマニホールドアセンブリおよび装置を提供することである。
【0026】
本発明のさらなる目的は、患者ラインに接続されたマニホールドアセンブリのチャンバのコンパートメント内の圧力値をモニタし、チャンバのコンパートメントの液体レベルを調整する可能性を提供するマニホールドアセンブリおよび装置を提案することである。
【0027】
本発明のさらなる目的は、信頼性があり、装置のサイクラのハードウェアコンポーネントに容易に繋ぎ合わせる/結合することができるマニホールドアセンブリを提供することである。
【0028】
本発明のさらなる目的は、ユーザによって、容易に取り扱うことができ、装置のサイクラに容易に取り付けることができ、サイクラから容易に取り外すことができるマニホールドアセンブリを提供することである。
【発明の概要】
【0029】
上述の目的の少なくとも1つは、添付される請求項の1つ以上による腹膜透析装置のためのマニホールドアセンブリおよび腹膜透析装置によって実質的に達成される。
【0030】
本発明の態様による、上述の目的の1つ以上を達成することができる腹膜透析装置のためのマニホールドアセンブリ、腹膜透析装置および腹膜透析装置を制御するための方法が、以下に開示される。
【0031】
第1態様は、第1コンパートメントおよび第2コンパートメントを内部で画定するケーシングと、第1コンパートメントに接続されたまたは接続可能な第1端部および第2コンパートメントに接続されたまたは接続可能な第2端部を有するイールディングポンプチューブであって、イールディングポンプチューブは、腹膜透析装置のサイクラの蠕動ポンプに結合されるようにケーシングの外側に延びる、イールディングポンプチューブと、第1コンパートメントまたは第2コンパートメントに接続されたまたは接続可能な第1端部および液体供給源またはドレーンまたは患者に接続されたまたは接続可能な第2端部をそれぞれ有する複数のラインチューブと、を備える、腹膜透析装置のためのマニホールドアセンブリに関する。
【0032】
任意で、複数のラインチューブは、第2コンパートメントに接続されたまたは接続可能な第1端部および患者の腹膜腔に接続可能な第2端部を有する患者ラインチューブと、第1コンパートメントに接続されたまたは接続可能な第1端部および液体供給源および/またはドレーンに接続されたまたは接続可能な第2端部を有する少なくとも1つの液体ラインチューブと、任意で、第2コンパートメントに接続されたまたは接続可能な第1端部および液体供給源に接続されたまたは接続可能な第2端部を有する少なくとも1つの液体ラインチューブと、を備える。
【0033】
第1コンパートメント、イールディングポンプチューブおよび第2コンパートメントは、第1コンパートメントに接続された第1端部を有する少なくとも1つの液体ラインチューブと患者ラインチューブとの間に延びる液体パスを共に画定し、サイクラの蠕動ポンプが作動されたときに、少なくとも、第1コンパートメントに接続された第1端部を有する少なくとも1つの液体ラインチューブから患者ラインチューブへ、または、患者ラインチューブから第1コンパートメントに接続された第1端部を有する少なくとも1つの液体ラインチューブへの液体の流れを可能にする。
【0034】
第2態様は、第1態様または1つ以上の以下の態様のマニホールドアセンブリを備える腹膜透析装置に関する。
【0035】
第3態様は、先の態様の腹膜透析装置を制御するための方法に関する。
【0036】
第1態様による第4態様において、マニホールドアセンブリは、取り外し可能な方法で、使い捨てアセンブリをサイクラに、任意でサイクラのフロントパネルに、引っ掛けるように構成されたフックエレメントを備え、および/または、ケーシングは、取り外し可能な方法でサイクラに、任意でサイクラのフロントパネルに引っ掛けるように、成形され、任意で、マニホールドアセンブリは、少なくとも部分的に、使い捨てまたは再使用可能である。
【0037】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第5態様において、第2コンパートメントは、蠕動ポンプからの圧力脈動を減衰させるように構成された少なくとも1つの拡張チャンバを画定し、任意で、少なくとも1つの拡張チャンバは、1つの軟質膜によって少なくとも部分的に画定され、任意で、少なくとも1つの軟質膜は、プラスチックシート、任意で、ポリ塩化ビニルシートから作られる。
【0038】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第6態様において、ケーシングは、実質的に平坦な形状を有する。
【0039】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第6の2態様において、ケーシングは、前面、背面および複数の側面を備え、任意で、背面は、サイクラのフロントパネルに結合されるように構成される。
【0040】
前の態様による第6の3態様において、第1ポンプポートおよび第2ポンプポートは、ケーシングの第1側面に配され、ポートは、第1側面とは反対のケーシングの第2側面に配される。
【0041】
前の態様による第6の4態様において、ケーシングは、2つの長側面および2つの短側面を有する実質的に矩形の外形を有し、任意で、第1側面および第2側面は、ケーシングの両方の長側面である。
【0042】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第7態様において、第1コンパートメントおよび/または第2コンパートメントは、少なくとも部分的に、平坦な形状を有する。
【0043】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第8態様において、少なくとも1つの液体ラインチューブは、少なくとも1つの透析液ラインチューブを備え、任意で、少なくとも1つの透析液ラインチューブは、第1コンパートメントに接続される第1端部を有する、または、少なくとも1つの透析液ラインチューブは、第2コンパートメントに接続される第1端部を有する。
【0044】
態様8による第9態様において、少なくとも1つの透析液ラインチューブの第2端部に接続された液体供給源は、供給バッグである。
【0045】
態様8または9による第10態様において、少なくとも1つの液体ラインチューブは、複数の透析液ラインチューブ、任意で、第1透析液ラインチューブおよび第2透析液ラインチューブを備える。
【0046】
態様10による第11態様において、各透析液ラインチューブは、それぞれ供給バッグに接続される。
【0047】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第12態様において、少なくとも1つの液体ラインチューブは、ヒータラインチューブを備え、任意で、ヒータラインチューブは、第1コンパートメントに接続される第1端部を有する。
【0048】
態様12による第13態様において、ヒータラインチューブの第2端部に接続された液体供給源は、ヒータバッグである。
【0049】
態様13による第14態様において、ヒータバッグは、サイクラのヒータに結合されるように構成される。
【0050】
態様11による第14の2態様において、透析液ラインチューブを通り流れる間に透析液を加熱するために、補助インラインヒータが、少なくとも1つの液体ラインチューブ上に配される。
【0051】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第15態様において、少なくとも1つの液体ラインチューブは、ドレーン液ラインチューブを備え、任意で、ドレーン液ラインチューブは、第1コンパートメントに接続された第1端部を有し、任意で、少なくとも1つの液体ラインチューブはまた、第2コンパートメントに接続された第1端部を有する補助ドレーン液ラインチューブを備える。
【0052】
態様15による第16態様において、ドレーン液ラインチューブ、および、任意で補助ドレーン液ラインチューブは、ドレーンに接続されたまたは接続可能な第2端部を有し、任意で、ドレーン液ラインチューブは、ドレーンに到達する前に、共通ドレーンライン内で補助ドレーン液ラインチューブと合流する。
【0053】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第17態様において、イールディングポンプチューブは、湾曲した形状を有する。
【0054】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第18態様において、イールディングポンプチューブは、ループとして、または、任意で「Ω」形状を有する、アイレットとして成形される。
【0055】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第19態様において、ケーシングは、イールディングポンプチューブの第1端部に接続されたまたは接続可能であり、第1コンパートメントと液体連通する第1ポンプポートを備える。
【0056】
態様19による第20態様において、ケーシングは、イールディングポンプチューブの第2端部に接続されたまたは接続可能であり、第2コンパートメントと液体連通する第2ポンプポートを備える。
【0057】
態様19および20による第21態様において、第1ポンプポートおよび第2ポンプポートは、ケーシングから離れて互いに広がる。
【0058】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第22態様において、ケーシングは、それぞれ1つのラインチューブの第1端部に接続されたまたは接続可能な複数のポートを備える。
【0059】
前の態様22および態様6の3による第22の2態様において、第1ポンプポート、第2ポンプポートおよび複数のポートは、ケーシングのそれぞれ側面から突出し、任意で、第1ポンプポート、第2ポンプポートおよび複数のポートのそれぞれは、中空シリンダのような形状であり、任意で、複数のポートの中空シリンダは、互いに平行である。
【0060】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第22の3態様において、ケーシングは、患者ラインチューブの第1端部に接続されたまたは接続可能であり、第2コンパートメントと液体連通する患者ポートを備える。
【0061】
態様22の3による第23態様において、患者ポートは、それぞれのバルブまたはバルブの一部、すなわち、患者バルブを備える、または、代わりに、サイクラのクランプが、チューブを挟むように患者チューブに結合されてもよい。
【0062】
態様22の3または23による第24態様において、少なくとも1つの患者ポートは、サイクラのそれぞれの閉塞エレメントを少なくとも部分的に収容するための座を有する。
【0063】
態様23とともに使用される場合の態様24による第25態様において、サイクラの閉塞エレメントは、患者バルブの一部である。
【0064】
態様23、または、態様23とともに使用される場合の態様24または25による第26態様において、患者ポートのバルブが開いているときに、患者ラインチューブは、第2コンパートメントと液体連通し、患者ポートのバルブが閉じているときに、患者ラインチューブと第2コンパートメントとの間の液体連通が防止される。
【0065】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第27態様において、ケーシングは、少なくとも1つの液体ラインチューブの第1端部に接続されるまたは接続可能であり、第1コンパートメントまたは第2コンパートメントと液体連通する少なくとも1つの液体ポートを備える。
【0066】
態様27による第28態様において、少なくとも1つの液体ポートは、それぞれのバルブまたはバルブの一部、すなわち、液体バルブを備える、または、代わりに、サイクラのクランプが、チューブを挟むように液体ラインチューブに結合されてもよい。
【0067】
態様27または28による第29態様において、少なくとも1つの液体ポートは、サイクラのそれぞれの閉塞エレメントを少なくとも部分的に収容するための座を有する。
【0068】
態様28とともに使用される場合の態様29による第30態様において、サイクラの閉塞エレメントは、液体バルブの一部である。
【0069】
態様28、または、態様28とともに使用される場合の態様29または30による第31態様において、少なくとも1つの液体ポートのバルブが開いているときに、少なくとも1つの液体ラインチューブは、第1コンパートメントまたは第2コンパートメントと液体連通し、少なくとも1つの液体ポートのバルブが閉じているときに、少なくとも1つの液体ラインチューブと、第1コンパートメントまたは第2コンパートメントと、の間の液体連通が防止される。
【0070】
態様8から11の何れかとともに使用される場合の態様27から31の何れかによる第32態様において、少なくとも1つの液体ポートは、少なくとも1つの透析液ラインチューブの第1端部に接続された少なくとも1つの透析液ポートを備え、任意で、少なくとも1つの液体ポートは、第1透析液ラインチューブの第1端部に接続された第1透析液ポートと、第2透析液ラインチューブの第1端部に接続された第2透析液ポートと、を備える。
【0071】
態様32による第33態様において、第1透析液ラインチューブの第2端部が、第1供給バッグに接続され、第2透析液ラインチューブの第2端部が、第2供給バッグに接続される。
【0072】
態様32または33による第34態様において、少なくとも1つの透析液ポートは、それぞれのバルブまたはバルブの一部、すなわち透析バルブを備え、任意で、第1透析バルブおよび第2透析バルブを備える。
【0073】
態様32から34の何れかによる第35態様において、少なくとも1つの透析液ポートは、サイクラのそれぞれの閉塞エレメントを少なくとも部分的に収容するための座を有する。
【0074】
態様34とともに使用される場合の態様35による第36態様において、サイクラの閉塞エレメントは、透析バルブの一部である。
【0075】
態様34、または、態様34とともに使用される場合の態様35または36による第37態様において、少なくとも1つの透析液ポートのバルブが開いているときに、少なくとも1つの透析液ラインチューブは、第1コンパートメントまたは第2コンパートメントと液体連通し、少なくとも1つの透析液ポートのバルブが閉じているときに、少なくとも1つの透析液ラインチューブと、第1コンパートメントまたは第2コンパートメントと、の間の液体連通が防止される。
【0076】
態様12から14の何れかとともに使用される場合の態様27から31の何れかによる第38態様において、少なくとも1つの液体ポートは、ヒータラインチューブの第1端部に接続されたヒータポートを備える。
【0077】
態様38による第39態様において、ヒータポートは、それぞれのバルブまたはバルブの一部、すなわちヒータバルブを備える。
【0078】
態様38または39による第40態様において、ヒータポートは、サイクラのそれぞれの閉塞エレメントを少なくとも部分的に収容するための座を有する。
【0079】
態様39とともに使用される場合の態様40による第41態様において、サイクラの閉塞エレメントは、ヒータバルブの一部である。
【0080】
態様39、または、態様39とともに使用される場合の態様40または41による第42態様において、ヒータポートのバルブが開いているときに、ヒータラインチューブは、第1コンパートメントと液体連通し、ヒータポートのバルブが閉じているときに、ヒータラインチューブと第1コンパートメントとの間の液体連通が防止される。
【0081】
態様15または16とともに使用される場合の態様27から31の何れかによる第43態様において、少なくとも1つの液体ポートは、ドレーン液ラインチューブの第1端部に接続されたドレーンポートを備え、任意で、少なくとも1つの液体ポートは、補助ドレーン液ラインチューブの第1端部に接続された補助ドレーンポートを備える。
【0082】
態様43による第44態様において、ドレーンポートは、それぞれのバルブまたはバルブの一部、すなわちドレーンバルブを備える。
【0083】
態様43または44による第45態様において、ドレーンポートは、サイクラのそれぞれの閉塞エレメントを少なくとも部分的に収容するための座を有する。
【0084】
態様44とともに使用される場合の態様45による第46態様において、サイクラの閉塞エレメントは、ドレーンバルブの一部である。
【0085】
態様44、または、態様44とともに使用される場合の態様45または46による第47態様において、ドレーンポートのバルブが開いているときに、ドレーンラインチューブは、第1コンパートメントと液体連通し、ドレーンポートのバルブが閉じているときに、ドレーンラインチューブと第1コンパートメントとの間の液体連通が防止される。
【0086】
態様12による第48態様において、ケーシングは、第1コンパートメント、第2コンパートメント、および、ヒータラインチューブと液体連通するバイパスチャネルを備える。
【0087】
態様48による第48の2態様において、バイパスチャネルは、ケーシングの外面に、任意でケーシングの前面に、接合されたカバーによって、少なくとも部分的に画定される。
【0088】
態様48による第49態様において、第2コンパートメントは、バイパスチャネルと液体連通するバイパスポートを備える。
【0089】
態様49による第50態様において、バイパスポートは、それぞれのバルブまたはバルブの一部、すなわちバイパスバルブを備える。
【0090】
態様49または50による第51態様において、バイパスポートは、サイクラのそれぞれの閉塞エレメントを少なくとも部分的に収容するための座を有する。
【0091】
態様51による第52態様において、サイクラの閉塞エレメントは、バイパスバルブの一部である。
【0092】
態様50、または、態様50とともに使用される場合の態様51または52による第53態様において、バイパスポートのバルブが開いているときに、ヒータラインチューブは、第2コンパートメントと液体連通し、バイパスポートのバルブが閉じているときに、ヒータラインチューブと第2コンパートメントとの間の液体連通が防止される。
【0093】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第54態様において、第1コンパートメントは、第1細長い通路である。
【0094】
態様54による第55態様において、第1コンパートメントは、少なくとも1つの液体ラインチューブのうちの1つと、イールディングポンプチューブの第1端部と、の間に延びる。
【0095】
態様54または55による第56態様において、第1細長い通路は、実質的にU字形である。
【0096】
態様54から56の何れかによる第57態様において、少なくとも1つの液体ラインチューブの第1端部およびドレーン液ラインチューブの第1端部は、第1細長い通路に沿って順次、配される。
【0097】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第58態様において、アセンブリがサイクラに適切に取り付けられると、少なくとも1つの液体ラインチューブの第1端部およびドレーン液ラインチューブの第1端部は、上下に配される。
【0098】
態様10から16とともに使用される場合の態様54から56の何れかによる第59態様において、ヒータラインチューブの第1端部およびドレーン液ラインチューブの第1端部、および任意で複数の透析液ラインチューブの第1端部も、第1細長い通路に沿って、任意でU字形の第1細長い通路の最も長い延伸部に沿って、順次、配される。
【0099】
態様1から16による第60態様において、アセンブリがサイクラに適切に取り付けられると、ドレーンラインチューブは、患者ラインチューブの上方に、任意で、ヒータバッグチューブおよび複数の透析液ラインチューブの下方に配され、または、代わりに、アセンブリがサイクラに適切に取り付けられると、ドレーンラインチューブは、患者ラインチューブ、ヒータバッグチューブおよび複数の透析液ラインチューブの上方に配され、任意で、マニホールドアセンブリがサイクラに適切に取り付けられると、ドレーンラインチューブはケーシングの頂部に近接して配され、任意で、マニホールドアセンブリがサイクラに適切に取り付けられると、患者ラインチューブは、ケーシングの底部に近接して配される。
【0100】
態様56、または、態様56とともに使用される場合の態様57による第61態様において、イールディングポンプチューブの第1端部は、U字形の細長い通路の端部に接続される。
【0101】
態様56、または、態様56とともに使用される場合の態様57による第62態様において、第2コンパートメントは、U字形の細長い通路によって部分的に囲まれる。
【0102】
態様5による第63態様において、複数の拡張チャンバが、第2コンパートメントに画定される。
【0103】
態様63による第64態様において、少なくとも2つの、任意で3つの、拡張チャンバが、第2コンパートメントに画定される。
【0104】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第65態様において、少なくとも1つの拡張チャンバを備える第2コンパートメントの内容積が、第1コンパートメントの内容積よりも大きい。
【0105】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第66態様において、第2コンパートメントの内容積が、50cmと60cmとの間、任意で、54cmと57cmとの間である。
【0106】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第67態様において、第1コンパートメントの内容積が、8cmと20cmとの間、任意で、14cmと18cmとの間である。
【0107】
態様54から57の何れかと共に使用される場合の態様63または64による第68態様において、第2コンパートメントは、少なくとも1つの拡張チャンバと液体連通する第2細長い通路を画定する隔壁を備える。
【0108】
態様68による第69態様において、第2細長い通路は、イールディングポンプチューブの第2端部に接続された第1端部と、少なくとも1つの拡張チャンバと液体連通する第2端部と、を有する。
【0109】
態様68または69による第70態様において、第2コンパートメントは、隔壁によって第2細長い通路から分割された主要中央部を備える。
【0110】
態様70による第71態様において、少なくとも1つの拡張チャンバが主要中央部に画定される。
【0111】
態様5による第72態様において、ケーシングは、少なくとも1つの拡張チャンバを画定する少なくとも1つの凹部/突出部を備え、少なくとも1つの拡張チャンバは、第2コンパートメントの他の部分の深さよりも大きい深さを有し、任意で、凹部/突出部は、ケーシングの前面から突出する。
【0112】
態様72による第73態様において、凹部/突出部の外形が、ユーザの1つの手によって把持されるように構成される。
【0113】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第74態様において、ケーシングは、サイクラの少なくとも1つのレベルセンサと、任意でサイクラの2つのレベルセンサと、インタフェースするための外部平坦面を有する。
【0114】
態様74による第75態様において、少なくとも1つのレベルセンサは、容量センサである。
【0115】
態様74または75による第76態様において、少なくとも1つのレベルセンサは、ケーシングの外側に配されるように構成される。
【0116】
態様74から76の何れかによる第77態様において、アセンブリがサイクラに適切に取り付けられると、2つのレベルセンサは、互いに上下にある。
【0117】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第78態様において、ケーシングは、貫通する貫通口を有し、任意で、貫通口は、サイクラの保持エレメントと係合するように構成され、任意で、サイクラのフロントパネル上に配される。
【0118】
態様78による第79態様において、複数の拡張チャンバおよび/または凹部/突出部は、第2コンパートメントに画定され、開口部は、複数の拡張チャンバおよび/または凹部/突出部のうち2つの間に配される。
【0119】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第80態様において、アセンブリがサイクラに適切に取り付けられると、第2コンパートメントの上部は、空気バッファ容量を画定し、任意で、空気バッファ容量は、サイクラの圧力トランスデューサおよび/または空気ポンプと連通する。
【0120】
態様80による第81態様において、ケーシングは、マニホールドアセンブリがサイクラに適切に取り付けられると、サイクラの圧力トランスデューサおよび/または空気ポンプを第2コンパートメントの上部および/または空気バッファ容量と連通させるように構成された通気性膜を備える。
【0121】
態様81による第82態様において、通気性膜は、ケーシングのリジッドシェルに溶着または接着される。
【0122】
態様82による第83態様において、通気性膜は、リジッドシェルのホールの端部に接合される。
【0123】
態様82による第84態様において、リジッドフレームが、通気性膜を支持し、任意で、通気性膜は、リジッドフレームに接合され、リジッドフレームは、リジッドシェル内のホールの端部に接合され、任意で、ケーシング内のホールは、ケーシングの前面に形成される。
【0124】
態様81から84の何れかによる第85態様において、通気成膜は、疎水性である。
【0125】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第86態様において、ケーシングは、リジッドシェルと、少なくとも1つの軟質膜と、を備える。
【0126】
態様86による第87態様において、リジッドシェルは、リジッドプラスチックで、任意でモールドされたリジッドプラスチックで、作られる。
【0127】
態様86または87による第88態様において、少なくとも1つの軟質膜は、プラスチックシートで、任意でポリ塩化ビニルシートで、作られる。
【0128】
態様86から88の何れかによる第89態様において、少なくとも1つの軟質膜は、リジッドシェルに溶着または接着される。
【0129】
態様86から89の何れかによる第90態様において、リジッドシェルは、ケーシングの前面および側面を画定し、少なくとも1つの軟質膜は、ケーシングの背面であり、任意で、少なくとも1つの軟質膜のエリアは、アセンブリがサイクラに適切に取り付けられると、サイクラの変位センサに結合されるように構成され、任意で、当該エリアは、第1コンパートメントのゾーンに面し、任意で、当該エリアは、実質的にU字形の第1細長い通路のエルボにある。
【0130】
態様24および29とともに使用される場合の態様86~89の何れかによる第91態様において、少なくとも1つの軟質膜は、少なくとも1つの液体ポートおよび患者ポートの座に面し、軟質膜は、閉塞エレメントが座内に少なくとも部分的に収容されたときに、サイクラの閉塞エレメントによって変形され、患者ポートおよび/または液体ポートを閉じるように構成される。
【0131】
態様51とともに使用される場合の態様86~89の何れかによる第92態様において、少なくとも1つの軟質膜は、バイパスポートの座に面し、軟質膜は、閉塞エレメントが座内に少なくとも部分的に収容されたときに、サイクラの閉塞エレメントによって変形され、バイパスポートを閉じるように構成される。
【0132】
本明細書に記載される任意の他の態様とともに使用されうる第93態様において、腹膜透析装置は、サイクラを備える。
【0133】
態様93による第94態様において、サイクラは蠕動ポンプを、任意でローラ蠕動ポンプを、備え、任意で、蠕動ポンプは、1つ以上の押圧エレメントを、任意で1つ以上の押圧ローラを、備え、任意で、蠕動ポンプは、180°の角度間隔を置いて配された2つの押圧エレメントを備える。
【0134】
態様94による第95態様において、イールディングポンプチューブは、部分的に配される、または、蠕動ポンプのロータの周りに部分的に配されるように構成される。
【0135】
態様93から95の何れかによる第96態様において、サイクラは、少なくとも1つのレベルセンサを、任意で2つのレベルセンサを、備え、任意で、サイクラは、少なくとも1つの変位センサを備える。
【0136】
態様13または14とともに使用される場合の態様93から96の何れかによる第97態様において、サイクラは、ヒータを備え、ヒータバッグは、ヒータに結合されるように構成される。
【0137】
態様22および27とともに使用される場合の態様93から97の何れかによる第98態様において、サイクラは、複数の閉塞エレメントを備え、各閉塞エレメントは、液体ポートおよび患者ポートのそれぞれの座に少なくとも部分的に収容されるように構成され、または、代わりに、液体ポートおよび患者ポートは、何れの座を有さず、各閉塞エレメントは、液体ラインチューブまたは患者チューブのうちの1つを挟むように構成されたクランプである。
【0138】
態様86から92の何れかとともに使用される場合の態様99による第98態様において、各閉塞エレメントは、軟質膜の部分及びそれぞれの座と共に、バルブを画定する、または、各クランプは、液体ラインチューブの一部とともにピンチバルブを画定し、任意で、ヒータポートのヒータバルブ、バイパスポートのバイパスバルブ、第1透析ポートの第1透析バルブ、第2透析ポートの第2透析バルブ、ドレーンポートのドレーンバルブ、患者ポートの患者バルブ、任意で、補助ドレーンポートの補助ドレーンバルブ。
【0139】
態様81から85の何れかとともに使用される場合の態様93から97の何れかによる第100態様において、サイクラは、ケーシングの通気性膜および/または空気バッファ容量と連通するように構成された圧力トランスデューサおよび/または空気ポンプを備える。
【0140】
態様100による第101態様において、サイクラは、圧力トランスデューサおよび/または空気ポンプと空気連通する空気導管を備え、空気導管は、ケーシングの通気性膜に結合されるように構成された結合端を有する。
【0141】
態様95または95、または、態様94または95に使用される場合の態様96から101による第102態様において、サイクラは、フロントパネルを有するボックスを備え、蠕動ポンプのロータが、フロントパネル上に位置する。
【0142】
態様102による第103態様において、サイクラは、蓋であって、蓋がフロントパネルを覆う閉位置と、蓋がフロントパネルから離間し、フロントパネルへのアクセスを可能にする開位置と、の間で移動可能な蓋を備える。
【0143】
態様103による第104態様において、フロントパネルおよび/または蓋は、マニホールドアセンブリの少なくとも一部を受容するように成形され、任意で、フロントパネルは、マニホールドアセンブリを受容および保持するように成形され、任意で、フロントパネルはマニホールドアセンブリに結合され、マニホールドアセンブリを任意で取り外し可能に保持するように構成された保持エレメントを備える。
【0144】
態様103または104による第105態様において、マニホールドアセンブリがサイクラに適切に取り付けられると、マニホールドアセンブリは、フロントパネルと蓋との間で閉じられる。
【0145】
態様101とともに使用される場合の態様103から105の何れかによる第106態様において、空気導管の少なくとも結合端は、蓋またはフロントパネルに取り付けられ、マニホールドアセンブリがサイクラに適切に取り付けられると、結合端は、ケーシングの通気性膜に結合される。
【0146】
態様96とともに使用される場合の態様103から106の何れかによる第107態様において、少なくとも1つのレベルセンサは、フロントパネル上または蓋上に取り付けられる。
【0147】
態様24または29とともに使用される場合の態様103から106の何れかによる第108態様において、閉塞エレメントは、フロントパネル上またはリッド上に取り付けられる。
【0148】
態様93から108の1つ以上による第109態様において、サイクラは、制御ユニット、蠕動ポンプのモータ、および、閉塞エレメントのアクチュエータを備え、制御ユニットは、モータ、アクチュエータ、圧力トランスデューサおよび/または空気ポンプ、および、少なくとも1つのレベルセンサと、任意で変位センサと、動作可能に接続され、制御ユニットは、腹膜透析装置の動作を制御するように構成/プログラムされる。
【0149】
態様99とともに使用される場合の態様3または態様109による第110態様において、方法は、以下のステップを含む、または、制御ユニットは、以下のステップを実行するように構成され、第1透析バルブおよび患者バルブを開くことと、ヒータバルブ、バイパスバルブ、第2透析バルブおよびドレーンバルブを閉じることと、透析液を第1供給バッグから患者に移動させるために、第1コンパートメントから第2コンパートメントに液体を送り込むように蠕動ポンプを第1回転方向に回転させることと、のステップである。
【0150】
態様99とともに使用される場合の態様3または態様109による第111態様において、方法は、以下のステップを含む、または、制御ユニットは、以下のステップを実行するように構成され、第1透析バルブ、バイパスバルブを開くことと、ヒータバルブ、第2透析バルブ、ドレーンバルブおよび患者バルブを閉じることと、透析液を第1供給バッグからヒータバッグに移動させるために、第1コンパートメントから第2コンパートメントに液体を送り込むように蠕動ポンプを第1回転方向に回転させることと、のステップである。
【0151】
態様99とともに使用される場合の態様3または態様109による第112態様において、方法は、以下のステップを含む、または、制御ユニットは、以下のステップを実行するように構成され、ヒータバルブおよび第1透析バルブを開くことと、バイパスバルブ、第2透析バルブ、ドレーンバルブおよび患者バルブを閉じることと、透析液を第1供給バッグからヒータバッグに移動させるために、第2コンパートメントから第1コンパートメントに液体を送り込むように蠕動ポンプを第2回転方向に回転させることと、のステップである。
【0152】
態様99とともに使用される場合の態様3または態様109による第113態様において、方法は、以下のステップを含む、または、制御ユニットは、以下のステップを実行するように構成され、ヒータバルブおよび患者バルブを開くことと、バイパスバルブ、第1透析バルブ透析バルブ、第2透析バルブおよびドレーンバルブを閉じることと、加熱された透析液をヒータバッグから患者に移動させるために、第1コンパートメントから第2コンパートメントに液体を送り込むように蠕動ポンプを第1回転方向に回転させることと、のステップである。
【0153】
態様99とともに使用される場合の態様3または態様109による第114態様において、方法は、以下のステップを含む、または、制御ユニットは、以下のステップを実行するように構成され、ドレーンバルブおよび患者バルブを開くことと、バイパスバルブ、第1透析バルブ、第2透析バルブを閉じることと、使用済みの透析液を患者からドレーンに移動させるために、第2コンパートメントから第1コンパートメントに液体を送り込むように蠕動ポンプを第2回転方向に回転させることと、のステップである。
【0154】
態様99とともに使用される場合の態様3または態様109による第115態様において、方法は、以下のステップを含む、または、制御ユニットは、以下のステップを実行するように構成され、バイパスバルブおよびドレーンバルブを開くことと、ヒータバルブ、患者バルブ、第1透析バルブ、第2透析バルブを閉じることと、第2コンパートメントから第1コンパートメントに、および、ヒータバッグからドレーンにプライミング液を送り込むように蠕動ポンプを第2回転方向に回転させることと、準備ステップを実行することと、のステップである。
【0155】
態様99とともに使用される場合の態様3または態様109による第116態様において、方法は、以下のステップを含む、または、制御ユニットは、以下のステップを実行するように構成され、ヒータバルブおよび補助ドレーンバルブを開くことと、患者バルブ、第1透析バルブ、第2透析バルブ、ドレーンバルブを閉じることと、第1コンパートメントから第2コンパートメントに、および、ヒータバッグからドレーンにプライミング液を送り込むように蠕動ポンプを第1回転方向に回転させることと、準備ステップを実行することと、のステップである。
【0156】
態様99とともに使用される場合の態様3または態様109による第117態様において、方法は、以下のステップを含む、または、制御ユニットは、以下のステップを実行するように構成され、第1透析バルブを開くことと、バイパスバルブ、ヒータバルブ、患者バルブ、第2透析バルブおよびドレーンバルブを閉じることと、準備ステップを実行するために、第1コンパートメントから第2コンパートメントに、および、第1供給バッグから拡張チャンバにプライミング液を送り込むように蠕動ポンプを第1回転方向に回転させることと、のステップである。
【0157】
態様99とともに使用される場合の態様3または態様109による第118態様において、方法は、以下のステップを含む、または、制御ユニットは、以下のステップを実行するように構成され、ドレーンバルブを開くことと、バイパスバルブ、ヒータバルブ、患者バルブ、第2透析バルブおよび第1透析バルブを閉じることと、準備ステップを実行するために、第2コンパートメントから第1コンパートメントに、および、拡張チャンバからドレーンにプライミング液を送り込むように蠕動ポンプを第2回転方向に回転させることと、のステップである。
【0158】
態様99とともに使用される場合の態様3または態様109による第119態様において、方法は、以下のステップを含む、または、制御ユニットは、以下のステップを実行するように構成され、第2透析バルブを開くことと、バイパスバルブ、ヒータバルブ、患者バルブ、ドレーンバルブおよび第1透析バルブを閉じることと、準備ステップを実行するために、第1コンパートメントから第2コンパートメントに、および、第2供給バッグから拡張チャンバにプライミング液を送り込むように蠕動ポンプを第1回転方向に回転させ、準備ステップを実行することと、のステップである。
【0159】
態様99とともに使用される場合の態様3または態様109による第120態様において、方法は、以下のステップを含む、または、制御ユニットは、以下のステップを実行するように構成され、第1透析バルブおよびドレーンバルブを開くことと、バイパスバルブ、ヒータバルブ、患者バルブ、第2透析バルブを閉じることと、第2コンパートメントから第1コンパートメントに、および、第1供給バッグからドレーンにプライミング液を送り込むように蠕動ポンプを第2回転方向に回転させることと、準備ステップを実行することと、のステップである。
【0160】
態様99とともに使用される場合の態様3または態様109による第121態様において、方法は、以下のステップを含む、または、制御ユニットは、以下のステップを実行するように構成され、第2透析バルブドおよびドレーンバルブを開くことと、バイパスバルブ、ヒータバルブ、患者バルブ、第1透析バルブを閉じることと、第2コンパートメントから第1コンパートメントに、および、第2供給バッグからドレーンにプライミング液を送り込むように蠕動ポンプを第2回転方向に回転させることと、準備ステップを実行することと、のステップである。
【0161】
態様99とともに使用される場合の態様3または態様109による第122態様において、方法は、以下のステップを含む、または、制御ユニットは、以下のステップを実行するように構成され、ヒータバルブおよび患者バルブを開くことと、バイパスバルブ、第1透析バルブ、第2透析バルブを閉じることと、第1コンパートメントから第2コンパートメントに、および、ヒータバッグから患者にプライミング液を送り込むように蠕動ポンプを第1回転方向に回転させることと、準備ステップを実行することと、のステップである。
【0162】
態様99とともに使用される場合の態様3または態様109による第123態様において、方法は、以下のステップを含む、または、制御ユニットは、以下のステップを実行するように構成され、ヒータバルブ、患者バルブ、バイパスバルブ、第1透析バルブ、ドレーンバルブ、第2透析バルブを開くことと、イールディングポンプチューブを開くことと、準備ステップを実行することと、のステップである。
【0163】
独立であってもよい第124態様は、透析装置のためのマニホールドアセンブリに関し、マニホールドアセンブリは、リジッドシェルと少なくとも1つの軟質膜とを備えるケーシングを備え、リジッドシェルおよび軟質膜は、少なくとも第1液体通路を画定し、リジッドシェルは、第1液体通路および第2液体通路と液体連通する少なくとも1つのポートを備え、少なくとも1つのポートは、座を有し、少なくとも1つの軟質膜は、少なくとも1つのポートの座に面しており、座は、透析機械のそれぞれの閉塞エレメントを少なくとも部分的に収容するように構成される。
【0164】
第125態様は、透析機械と態様124のマニホールドアセンブリとを備える透析装置に関し、マニホールドアセンブリは、透析機械に取り付けられる、または、取り付け可能であり、透析機械は、少なくとも1つの閉塞エレメントを備え、閉塞エレメントは、マニホールドアセンブリが透析機械に適切に取り付けられると、それらの間に軟質膜が配される、座に面し、任意で、透析装置は、血液の体外治療のための装置であり、任意で、血液の体外処理のための装置は、血液治療デバイスと、血液治療デバイスに結合された体外血液回路と、血液ポンプと、血液ポンプに結合されるように構成された体外血液回路のポンプセクションと、任意で、体外血液回路および/または血液処理デバイスに動作可能に接続された治療液体回路と、を備え、任意で、治療液体回路は、治療ユニットの液体チャンバに接続された透析ラインと、任意で、液体チャンバに接続された液体排出ラインと、を備え、任意で、治療液体回路は、置換液の1つ以上の注入ラインを備える注入回路を備え、マニホールドアセンブリは、体外血液回路または治療液体回路の一部でありうる。
【0165】
態様24、25、29、30、35、36、40、41、45、46、51、52、91、92、98、99、108、109および125の何れかによる第126態様において、閉塞エレメントは、プランジャおよびアクチュエータを備え、アクチュエータは、プランジャが軟質膜から離間し、ポートが開いている後退位置と、ポートを閉じるために、プランジャが座内に少なくとも部分的に収容され、軟質膜がプランジャと座との間で捕捉されている前進位置と、の間で移動するように構成され、任意で、アクチュエータは、ステッピングモータまたはリニアアクチュエータである。
【0166】
態様126による第127態様において、軟質膜は、ポートを閉じるために、プランジャが座内に少なくとも部分的に収容されると、プランジャによって変形されるように構成される。
【0167】
態様127による第128態様において、座は端部を、任意で円形の端部を、備え、プランジャが座内に少なくとも部分的に収容されると、軟質膜は、プランジャと端部との間に捕捉される。
【0168】
態様126または127または128による第129態様において、閉塞エレメントは、プランジャが後退位置に戻ると、軟質膜を座から離れるように上昇させ、ポートを閉じたままにする傾向がある、見込まれる負圧に対抗するように構成された膜テンショナを備え、任意で、膜テンショナは機械式である。
【0169】
態様129による第130態様において、膜テンショナは、プランジャのアクチュエータまたは補助アクチュエータに接続された張力付与プランジャを備え、アクチュエータまたは補助アクチュエータは、張力付与プランジャが軟質膜から離間している後退位置と、張力付与プランジャが座以外のロケーションで、任意で端部以外のロケーションで、軟質膜に係合し、軟質膜を座から離れるように移動させ、軟質膜を座の上方に延伸させる前進位置と、の間で移動させるように構成され、任意で、張力付与プランジャは、プランジャの周囲に配され、任意で、張力付与プランジャは、実質的に円筒形の壁を備え、任意で、張力付与プランジャは、プランジャと同軸である。
【0170】
態様130による第131態様において、張力付与プランジャは、少なくとも1つのアーチ状壁を、任意で複数のアーチ状壁を、備え、アーチ状壁によって少なくとも1つの窓が画定され、または、アーチ状壁の間に複数の窓が画定され、任意で、張力付与プランジャは、2つのアーチ状壁および2つの窓を備える。
【0171】
態様130または131による第132態様において、プランジャが前進位置にあるときに、張力付与プランジャは後退位置にあり、プランジャが後退位置にあるときに、張力付与プランジャは前進位置にある。
【0172】
態様130または131または132による第133態様において、閉塞エレメントは、プランジャを担持する遠位端を有するシャフトを備え、張力付与プランジャは、シャフトに取り付けられ、シャフトに沿って軸方向に移動可能であり、任意で、張力付与プランジャは、シャフトと同軸であり、任意で、アクチュエータは、シャフトを移動させるために、シャフトに接続される。
【0173】
態様130から133の何れかによる第134態様において、端部以外のロケーションは、端部から離間した補助端部を備え、補助端部は、張力付与プランジャが前進位置にあるときにポートを開いたままにするために、端部に対して持ち上げられ、座の周りに部分的に延び、任意で、補助端部は、アーチ形状であるか、または、少なくとも1つのアーチ形状部を、任意で複数のアーチ形状部を、備え、アーチ形状部によって少なくとも1つの半径方向の開口部が画定される、または、アーチ形状部の間に複数の半径方向開口部が画定される。
【0174】
態様130から134の何れかによる第135態様において、ポートは、リジッドシェルの底面から突出する成形部材を備え、座は、成形部材内に形成される。
【0175】
態様135による第136態様において、成形部材は、端部と補助端部とを備える。
【0176】
態様135または136による第137態様において、成形部材は、円筒形または実質的に円筒形である。
【0177】
態様135から137の何れかによる第138態様において、成形部材は、中央空洞を画定し、端部は中央空洞の上部を画定する。
【0178】
態様134による第139態様において、張力付与プランジャが前進位置にあるとき、張力付与プランジャの壁は、補助端部に近接して配される。
【0179】
態様135による第140態様において、張力付与プランジャが前進位置にあるとき、成形部材は、少なくとも部分的に張力付与プランジャの内側に配され、張力付与プランジャの壁は、補助端部を取り囲む。
【0180】
態様131および134による第141態様において、張力付与プランジャが前進位置にあるとき、張力付与プランジャの少なくとも1つのアーチ状壁は、少なくとも1つの窓が少なくとも1つの半径方向の開口部に半径方向に面するように、補助端部の少なくとも1つのアーチ形状部に近接して配され、任意で、張力付与プランジャの各アーチ状壁は、各窓がそれぞれの半径方向の開口部に半径方向に面するように、補助端部のそれぞれのアーチ形状部の半径方向の外側に配される。
【0181】
態様131および134による第142態様において、アーチ形状部およびアーチ状壁は、等しい個数である。
【0182】
態様130から142の何れかによる第143態様において、閉塞エレメントは、張力付与プランジャとプランジャとを接続するリバース機構を備え、リバース機構は、プランジャまたは張力付与プランジャがアクチュエータによって移動されるとき、プランジャを張力付与プランジャの移動方向に対して反対方向に移動させるように構成される。
【0183】
態様143による第144態様において、リバース機構は、シャフトが第1方向とは反対の第2方向に軸方向に移動されるとき、張力付与プランジャが第1方向に軸方向に移動するように、プランジャ、張力付与プランジャおよび透析機械またはサイクラの静止部にヒンジ連結されたロッカーレバーを備え、任意で、ロッカーレバーは、プランジャのシャフトにヒンジ連結される。
【0184】
態様144による第145態様において、ロッカーレバーの第1端部がプランジャに、任意でシャフトに、ヒンジ連結され、ロッカーレバーの第2端部が、張力付与プランジャにヒンジ連結され、ロッカーレバーの中央部が、静止部にヒンジ連結される。
【0185】
態様143による第146態様において、リバース機構は、シャフトが第1方向とは反対の第2方向の軸方向に移動されるとき、テンションプランジャが第1方向の軸方向に移動するように、シャフトと張力付与プランジャとの間にねじ継手を備える。
【0186】
態様146による第147態様において、モータは、回転可能なシャフトを備え、回転可能なシャフトは、ねじ継手を介してプランジャのシャフトに結合され、シャフトと張力付与プランジャとの間のねじ継手は左ねじであり、回転可能なシャフトとシャフトとの間のねじ継手は右端である(またはその逆)。
【0187】
態様126から147の何れかによる第148態様において、閉塞エレメントは、プランジャに結合された減衰および/または弾性エレメントを備え、任意で、減衰および/または弾性エレメントは、プランジャを担持するシャフトの遠位端とプランジャとの間に配される。
【0188】
第149態様は、透析装置における、任意で腹膜透析装置または血液の体外処理のための装置における、蠕動ポンプをキャリブレーションするための方法に関し、透析装置は、前または後の態様の1つ以上による透析機械またはサイクラと、前または後の態様の1つ以上によるマニホールドアセンブリと、を備える。
【0189】
第150態様は、前または後の態様の1つ以上による透析機械またはサイクラと、前または後の態様の1つ以上によるマニホールドアセンブリと、を備える、透析装置、任意で腹膜透析装置または血液の体外処理のための装置に関し、透析装置またはサイクラの制御ユニットが、少なくとも蠕動ポンプおよび圧力トランスデューサに動作可能に接続され、蠕動ポンプをキャリブレーションするように構成および/またはプログラムされる。
【0190】
態様149または150による第151態様において、制御ユニットは、以下のステップ、
i. 所定の回転だけ蠕動ポンプを回転させ、液体供給源から第2コンパートメント内に液体を送り込み、第2コンパートメント内の液面を上昇させ、空気バッファ容量内の空気を圧縮することと、
ii. 空気バッファ容量内の圧力を測定することと、
iii. 空気バッファ容量内の空気の測定された圧力から、蠕動ポンプの回転に起因する第2コンパートメント内の液量の変化を計算することと、
iv. 液量の変化および所定の回転から、蠕動ポンプのストローク液量を計算することと、
を実行するように構成および/またはプログラムされる。
【0191】
態様151による第152態様において、所定の回転だけ蠕動ポンプを回転させることは、蠕動ポンプの押圧エレメントまたは蠕動ポンプの複数の押圧エレメントのうちの1つが、回転の開始および終了において同じ所定の位置にあるように、蠕動ポンプを複数の回転数またはその分数だけ回転させることを含む。
【0192】
態様152による第153態様において、蠕動ポンプは、蠕動ポンプの1つ以上の押圧エレメントの位置および動きを検出するように制御ユニットに動作可能に接続されたエンコーダを備える。
【0193】
態様153による第154態様において、制御ユニットは、エンコーダを介して所定の位置を検出するように構成および/またはプログラムされる。
【0194】
態様151から154の何れかによる第155態様において蠕動ポンプは、180°の角度間隔を置いて配された2つの押圧エレメントを備え、所定の回転は、蠕動ポンプの「n」回の半回転を含み、任意で、「n」は、5と10との間の整数であり、任意で、蠕動ポンプの回転速度は、3rpmと8rpmとの間である。
【0195】
態様150から155の何れかによる第156態様において、イールディングポンプチューブは、曲線部と2つの直線部とを備えるループとして成形され、押圧エレメントは、回動中に曲線部を押し込む。
【0196】
態様152によるときの態様156による第157態様において、所定の位置は、曲線部と2つの直線部のうち一方との間の部分である、または、曲線部と2つの直線部のうち一方との間の部分に近接する。
【0197】
態様151~157の何れかによる第158態様において、空気バッファ容量内の空気の圧力を測定することは、空気圧縮前の初期圧力を測定することと、空気圧縮後の最終圧力を測定することと、を含む。
【0198】
態様158による第159態様において、初期圧力は、約0mmHgである。
【0199】
態様158または159による第160態様において、最終圧力は、約400mmHgである。
【0200】
態様151から160の何れかによる第161態様において、液体のレベルが第1レベルから開始して上昇し、所定の回転の終了時に、液体は第2レベルにある。
【0201】
態様158~159の何れかによるときの態様161による第162態様において、液量の変化は、第1レベルの上の初期空気量と、初期圧力および最終圧力と、に応じて計算される。
【0202】
態様162および態様155による第163態様において、ストローク液量は、液量の変化と、所定の回転に含まれる蠕動ポンプの半回転の数と、の間の比率である。
【0203】
態様161から163の何れかおよび態様96による第164態様において、少なくとも1つのレベルセンサは、ローレベルセンサを備え、液体の第1レベルは、ローレベルセンサを介して低液体レベルを検知するまで蠕動ポンプを回転させ、さらに、蠕動ポンプを所定の角度、回転させ、第2コンパートメント内の低液体レベルよりも上に追加量の液体を送り込むことによって得られる。
【0204】
態様164による第164の2態様において、低液体レベルを検知するまで蠕動ポンプを回転させることは、第1回転方向に蠕動ポンプを回転させ、低液体レベルを最初に検知し蠕動ポンプを停止させるまで、第1コンパートメントから第2コンパートメントに液体を送り込むことと、第2回転方向に蠕動ポンプを回転させ、液体レベルを低液体レベル未満にし、蠕動ポンプを停止させることと、第1回転方向に蠕動ポンプを再び回転させて、低液体レベルに再び到達し、蠕動ポンプを回転させ続けて、追加量の液体を送り込むことと、を含む。
【0205】
態様164および態様152による第165態様において、押圧エレメントの所定の位置は、所定の角度のさらなる回転の終わりの位置であり、任意で、制御ユニットは、所定の角度のさらなる回転の終わりの位置として押圧エレメントの所定の位置を設定するように構成および/またはプログラムされ、蠕動ポンプは、第1レベルに対応する押圧エレメントの所定の位置から開始して、所定の回転だけ回転をし、任意で、空気バッファ容量に接続された空気バルブは、所定の位置に達する前に開き、空気バルブは、所定の位置に達すると後続の圧縮の間、閉じられる。
【0206】
態様164または165による第166態様において、第1レベルは、所定の角度のさらなる回転の終わりに達するレベルである。
【0207】
態様164から166の何れかによる第167態様において、所定の角度は、90°と120°との間である。
【0208】
態様164から167の何れかによる第168態様において、第1量が、ローレベルセンサの下の第2コンパートメント内で画定され、任意で、第1量は、5mlと15mlとの間である。
【0209】
態様164から168および態様162または163の何れかによる第169態様において、初期空気量は、低液体レベルの上の空気量と液体の追加量との間の差分である。
【0210】
態様165、または、態様165によるときの態様166から169の何れかによる第170態様において、少なくとも1つのレベルセンサは、ハイレベルセンサを備え、高液体レベルが、ハイレベルセンサを介して検知され、蠕動ポンプの回転は、押圧エレメントが高液体レベルを最初に検知した後、所定の位置にあるときに停止される。
【0211】
態様170による第171態様において、第2量が、ローレベルセンサとハイレベルセンサとの間の第2コンパートメントに画定される。
【0212】
態様171による第172態様において、第2量は、蠕動ポンプの公称ストローク液量の2倍と4倍との間、任意で15mlと25mlとの間、である。
【0213】
態様172による第173態様において、第3量が、ハイレベルセンサの上の第2コンパートメントに画定される。
【0214】
態様173による第174態様において、第3量は、10mlと20mlとの間である。
【0215】
態様170から174の何れかによる第175態様において、制御ユニットは、以下のステップ、蠕動ポンプの回転を停止した後、最終圧力を得る前に、安定化期間を待ち、圧力を測定し続け、漏れの可能性をチェックすること、を実行するように構成および/またはプログラムされる。
【0216】
態様150、または、態様150によるときの態様151から175の何れかによる第176態様において、ケーシングは、圧力トランスデューサを空気バッファ容量と連通させるように構成された通気性膜を備える。
【0217】
態様176による第177態様において、透析機械またはサイクラは、通気性膜を介して空気バッファ容量と液体連通し、圧力トランスデューサと液体連通する補助チャンバをさらに備える。
【0218】
態様177による第178態様において、補助チャンバの第4量が、20mlと30mlとの間であり、任意で、第2量、第3量および第4量の合計が、50mlと70mlとの間である。
【0219】
態様151~178の何れかによる第179態様において、ステップiからivによるストローク液量の演算が複数回、任意で2から5回、連続して実行され、平均ストローク液量が決定される。
【0220】
蠕動ポンプからの圧力脈動を減衰させるように構成された少なくとも1つの拡張チャンバは、患者の快適さに対するプラスの効果で蠕動ポンプの蠕動の効果を減衰させる。
【0221】
空気バッファ容量の存在は、患者への投与する前に溶液中に潜在的に存在する気泡の除去を確実にする。
【0222】
空気バッファ容量と圧力トランスデューサとの接続は、患者ラインチューブに結合された第2コンパートメント内の圧力値のモニタを可能にし、液体レベルセンサによって提供されるフィードバックに応じて第2コンパートメントの液体レベルを調整することができる空気ポンプとのコンテキストインタフェースを有する。
【0223】
サイクラの変位センサとインタフェースする上述の軟質プラスチックシートは、ドレーンおよびヒータバッグに接続された第1コンパートメント内で極度の負圧値が発生する可能性を検出することを可能にする。
【0224】
マニホールドアセンブリのケーシングの形状は、デバイスをサイクラに取り付けるための「片手の第1ハンドリングステップ」を特徴とする改善された使い勝手を提供する。
【0225】
マニホールドアセンブリの全体の設計はまた、サイクラのハードウェアコンポーネントとのユーザフレンドリなインタフェースと互換性がある。
【0226】
サイクラまたは透析機械のケーシングおよび閉塞エレメントのポートの構造は、バルブの正確かつ定期的な閉じる動きおよび開ける動きを確実にする。
【0227】
蠕動ポンプに結合されたイールディングポンプチューブは、イールディングポンプチューブと蠕動ポンプとを備えるアセンブリのキャリブレーションと共に、液体の流れの正確かつ単純な制御と、透析治療の有効性の強化された監視と、を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0228】
図1図1は、本開示の自動腹膜透析装置(「APD」)のための1つの実施形態の斜視図である。
【0229】
図2図2は、本開示のAPD装置のマニホールドアセンブリのための1つの実施形態の正面図である。
【0230】
図3図3は、図2のマニホールドアセンブリの背面図であり、一部の部品は内部を示すために除去され、他の一部の部品は概略的に示されている。
【0231】
図4図4は、図2のマニホールドアセンブリの側面図である。
【0232】
図5図5は、図4の側面図の一部の概略断面図である。
【0233】
図6図6Aおよび6Bは、図3の断面線VI-VIに沿った、アセンブリの別の部分の概略断面図である。
【0234】
図7図7は、図3の断面線VII-VIIに沿った、アセンブリの別の部分の概略断面図である。
【0235】
図8】、
図9】、
図10】、
図11図8から11は、マニホールドアセンブリおよび関連する液体流路のそれぞれの構成を示す図3の背面図を示す。
【0236】
図12】、
図13】、
図14】、
図15図12から15は、図8から11の構成を示すフロー図である。
【0237】
図16図16は、マニホールドアセンブリの別の実施形態の背面図であり、一部の部品は内部を示すために除去され、他の一部の部品は概略的に示されている。
【0238】
図17図17は、それぞれの流れの構成を示す図16の背面図である。
【0239】
図18図18は、図17の構成を示すフロー図である。
【0240】
図19図19は、マニホールドアセンブリのさらなる実施形態の背面図であり、一部の部品は内部を示すために除去され、他の一部の部品は概略的に示されている。
【0241】
図20図20A、20Bおよび20Cは、図16、17および18の実施形態のバルブの実施形態を示す。
【0242】
図21図21Aから21Dは、サイクラのエレメントと協働する図20Aのバルブの動作ステップを示す。
【0243】
図22図22は、図21Aのエレメントの実施形態である。
【0244】
図22A図22Aは、図22の実施形態の変形である。
【0245】
図23図23は、図21Aのエレメントの別の実施形態を示す。
【0246】
図24図24は、図22または23のエレメントの部材を示す。
【0247】
図25図25は、図20Aのバルブおよび図24の部材の概略上面図である。
【0248】
図26図26は、キャリブレーションの方法を実行するように構成される、図16および17のマニホールドアセンブリを示す。
【0249】
図27図27は、図26のマニホールドアセンブリおよびキャリブレーション中のマニホールド内の液体レベルを示す。
【0250】
図28図28は、キャリブレーションの方法を示すチャートである。
【0251】
図29図29は、キャリブレーションの方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0252】
実施形態1
【0253】
ここで図1図15を参照すると、腹膜透析装置1(APD)の実施形態は、サイクラ2と、チューブを整頓し、本明細書で説明される多くの機能を実行するマニホールドアセンブリ3(図2および図3)と、を備える。
【0254】
サイクラ2は、サイクラ2のすべての機械的および電子的パーツを収容するボックス4を備える。サイクラ2は、電子制御ユニット5(図4)と、ローラ蠕動ポンプ6(図1)と、複数の閉塞エレメント7と、第1レベルまたはハイレベルセンサ8と、第2レベルまたはローレベルセンサ9と、圧力トランスデューサ10と、空気ポンプ11(図4に概略的に示される)と、を備える。サイクラ2はまた、図示されていないヒータを備えていてもよい。
【0255】
図3および図25に示される蠕動ポンプは、180°の角度間隔を置いて配された2つの押圧ローラ6aを備える。
【0256】
蠕動ポンプ6の図示されていないモータは、ボックス4内に収容され、蠕動ポンプ6のロータ12は、ボックス4のフロントパネル13上に配される(図1)。
【0257】
ロータ6の隣のフロントパネル13のサイト14は、フロントパネル13上にマニホールドアセンブリ3を取り外し可能に保持するように構成されている。サイト14は、マニホールドアセンブリ3に結合されるように構成された保持エレメントを備えていてもよく、および/または、マニホールドアセンブリ3は、取り外し可能な方法で、使い捨てアセンブリ3をサイクラ2のフロントパネル13に引っ掛けるように構成されたフックエレメントを備えていてもよい。
【0258】
閉塞エレメント7(図4)は、サイト14においてフロントパネルから突出する。各閉塞エレメント7は、ボックス4内に収容された、図示されていないそれぞれのアクチュエータによって動かされるプランジャ15(図6Aおよび6B)を備える。アクチュエータは、本明細書で説明されるように、後退位置(図6A)と前進位置(図6B)との間でプランジャ15を移動させるように構成される。
【0259】
サイクラ2は、蓋16がフロントパネル13を覆う閉位置と、蓋16がフロントパネル13から離間し、ユーザのフロントパネル13へのアクセスを可能にする開位置と、の間で移動可能な蓋16(図1および図4)を備える。添付の図面の実施形態の蓋16は、ボックス4にヒンジ結合され、開位置と閉位置との間で回転されうる。簡単にするために、以下に詳述される蓋16に属するエレメントは、図1には描かれていない。
【0260】
マニホールドアセンブリ3がサイクラ2のサイト14に適切に取り付けられ、蓋16が閉位置にあるときに、マニホールドアセンブリ3は、フロントパネル13と蓋16との間で閉じられる。
【0261】
第1レベルセンサ8および第2レベルセンサ9は、蓋16上に設置され、蓋16が閉位置にあるときに、フロントパネル13および/またはマニホールドアセンブリ3に対向するように構成された蓋16の側面から突出する(図4)。示されるレベルセンサ8、9は、容量センサである。他の実施形態において、添付の図には示されていないが、レベルセンサ8、9は、超音波センサまたは他のタイプのセンサであってもよく、および/または、ボックス4のフロントパネル上に設置されていてもよい。
【0262】
空気導管17が、蓋16上に取り付けられ、結合端18を備える。結合端18は、本明細書で説明されるように、蓋16が閉位置にあるとき(図4および図5)に、マニホールドアセンブリ3に対向するように構成される。空気導管17は、圧力トランスデューサ10および空気ポンプ11と空気連通している。圧力トランスデューサ10および空気ポンプ11は、蓋16またはボックス4に設置されていてもよい。
【0263】
図4に概略的に示される制御ユニット5は、蠕動ポンプ6のモータ、閉塞エレメント7のアクチュエータ、圧力トランスデューサ10および空気ポンプ11、第1レベルセンサ8および第2レベルセンサ9、ヒータ、および、サイクラ2の任意の他のデバイスまたはセンサに動作可能に接続され、腹膜透析装置1の動作を制御するように構成/プログラムされる。
【0264】
制御ユニットはまた、装置1の動作パラメータを示すように、および/または、ユーザが装置1をセットアップすることを可能にするように構成されたディスプレイ、キーボード、または、タッチスクリーン100に接続されうる(図1)。
【0265】
ボックス4の蓋16および/またはフロントパネル13はまた、マニホールドアセンブリ3のチューブを管理およびルーティングするように構成された、図示されていないさらなるエレメントを備えていてもよい。
【0266】
腹膜透析装置1のためのマニホールドアセンブリ3は、例えば、PETG(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)ポリマ(図2、3および4)で作られたリジッドモールドプラスチックリジッドシェル20と、例えば、ポリ塩化ビニル軟質シート(図4)であるプラスチックシート21と、を備える使い捨てケーシング19を備える。リジッドモールドプラスチックリジッドシェル20は、ケーシング19の前面および側面を画定し、プラスチックシート21は、ケーシング19の背面である(図4)。
【0267】
プラスチックリジッドシェル20は、実質的に平坦な形状を有し、ケーシング19の内側に隔壁および凹部を備える。隔壁は、未使用の透析液および使用済みの透析液のための第1コンパートメント22および第2コンパートメント23を内部で画定する(図3)。凹部は、内部では、それぞれ3つの拡張チャンバ24a、24b、24cを画定し、外部では、ケーシング19の前面でそれぞれ3つの突出部25a、25b、25cを画定する(図2および3)。
【0268】
正面図または背面図において、プラスチックリジッドシェル20およびケーシング19は、2つの長側面および2つの短側面を有する実質的に矩形の外形を有する。ケーシング19がサイクラ2に適切に取り付けられると、2つの長側面は縦である。
【0269】
第1コンパートメント22は、プラスチックリジッドシェル20の周辺境界上に配された外側隔壁26によって、および、第1内側隔壁27によって画定される。図3、8、9、10、11の背面図を参照すると、第1内側隔壁27は、プラスチックリジッドシェル20の上部短側面で外側隔壁26に接続された第1端部と、プラスチックリジッドシェル20の右側長側面で外側隔壁26に接続された第2端部と、を有する。
【0270】
第1内側隔壁27は、実質的にU字形を有し、プラスチックリジッドシェル20の左側長側面、底部短側面および右側長側面に実質的に平行に進展する。第1コンパートメント22は、U字形の第1細長い通路である。
【0271】
第2コンパートメント23は、第2コンパートメント23がU字形の第1コンパートメント22によって部分的に囲まれるように、第1内側隔壁27によって、および、第1コンパートメント22を画定していない外側隔壁26の一部によって画定される。
【0272】
第2内部隔壁28が、第2コンパートメント23の内側に配され、第2コンパートメント23内にルートを形成する。第2内側隔壁28は、第1内側隔壁27の第1端部に近い位置で第1内側隔壁27に接続された第1端部と、プラスチックリジッドシェル20の右下隅に近い位置に配された第2自由端部と、を有する。
【0273】
図3図8図9図10図11の背面図を参照すると、第2内側隔壁28は、実質的に逆L字形を有し、プラスチックリジッドシェル20の上部短側面および右側長側面に実質的に平行に進展する。したがって、第2コンパートメント23は、逆L字形の第2細長い通路を備える。
【0274】
逆L字形の第2細長い通路の長い延伸部は、U字形の第1細長い通路の右側の長い延伸部と平行である。第2コンパートメント23は、第2内側隔壁28によって第2細長い通路から部分的に分割された主要中央部を含む。第2細長い通路は、主要中央部と連通する第2端部を有する。
【0275】
3つの拡張チャンバ24a、24b、24cは、第2コンパートメント23の主要中央部に形成され、各拡張チャンバ24a、24b、24cは、第2コンパートメント23の他の部分の深さよりも大きい深さを有する。
【0276】
2つの貫通口29a、29b(図2および3)が、プラスチックリジッドシェル20および第2コンパートメント23の主要中央部を通過する。これらの2つの貫通口は、第1内側隔壁27に接続されたそれぞれのさらなる隔壁30によって囲まれ、画定され、したがって、これらのさらなる隔壁30もまた、第2コンパートメント23を画定する。
【0277】
第1開口29aおよび第2開口29bは、3つの拡張チャンバ24a、24b、24cのうち2つの間に配される。3つの拡張チャンバ24a、24b、24cのうち第1拡張チャンバ24aは、ケーシング19の底部短側面に近接し、U字形の第1細長い通路の短い延伸部に近接し、3つの拡張チャンバ24a、24b、24cのうち第2拡張チャンバ24bは、第1開口29aと第2開口29bとの間に配され、3つの拡張チャンバ24a、24b、24cのうち第3拡張チャンバ24cは、第2開口29bの上方に配される。
【0278】
第2コンパートメント23内に画定される内容積は、第1コンパートメント22内に画定される内容積よりも大きい。例えば、第2コンパートメント23の内容積は約55mであり、第1コンパートメント22の内容積は約14mである。
【0279】
ホール31(図3)が、第3拡張チャンバ24cと第2内側隔壁28との間に配されたプラスチックリジッドシェル20の前面に形成されている。通気性膜33(図2)を支持するリジッドプラスチックフレーム32が、溶着または接着によって、ホール31の端部に接合される。通気性膜33は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)であってもよい。
【0280】
アセンブリ3がサイクラ2に適切に取り付けられると、通気性膜33が設けられた第2コンパートメント23の上部は、本明細書で説明されるように、空気バッファ容量を画定する。
【0281】
プラスチックシート21(図4)は、プラスチックリジッドシェル20に溶着または接着され、プラスチックシート21は、外側隔壁26、第1内側隔壁27、第2内側隔壁28、および、さらなる隔壁30に接合されて、第1コンパートメント22および第2コンパートメント23を封止する。
【0282】
プラスチックリジッドシェル20は、ケーシング19の右側(図3および図8図11)から突出する中空シリンダを備える第1ポンプポート34を備える。第1ポンプポート34は、第1コンパートメント22と液体連通している。第1ポンプポート34は、U字形の第1細長い通路の右側の長い延伸部の端部において、第1コンパートメントの内側に開口している。
【0283】
プラスチックリジッドシェル20は、ケーシング19の右側(図3および図7図10)から突出する中空シリンダを備える第2ポンプポート35を備える。第2ポンプポート35は、第2コンパートメント23と液体連通している。第2ポンプポート35は、第2細長い通路の第1端部において第2コンパートメント23の内側に開口している。
【0284】
第1ポンプポート34および第2ポンプポート35は、互いに近接しているが、第1内側隔壁27によって分離されている。第1ポンプポート34および第2ポンプポート35を画定する中空シリンダは、ケーシング19から離れて互いに広がる。
【0285】
プラスチックリジッドシェル20は、ケーシング19の左側(図3および図7図10)から突出する中空シリンダ37を備えるドレーンポート36を備える。
【0286】
ドレーンポート36の中空シリンダ37は、ドレーンポート36が第1コンパートメント22と液体連通するように、外側隔壁26を通過する。
【0287】
ドレーンポート36は、中空シリンダ37に接続された短い中空バレル38を備える。中空シリンダ37の中心軸は、中空バレル38の主軸に対して垂直であり、中空シリンダ37の内部に画定された空洞と中空バレル38とは、互いに液体連通している。中空バレル38は、第1コンパートメント22の底面から突出し、第1コンパートメント22の内側に開口している(図6Aおよび図6B)。
【0288】
中空バレル38は、プラスチックシート21が図6Aに示されるように変形されていないときに、プラスチックシート21が中空バレル38の端部から離間されるように、隣接する外側隔壁26よりも短く(図6Aおよび6Bに示される)、第1内側隔壁27よりも短く、第2内側隔壁28よりも短く、さらなる隔壁30よりもより短い。
【0289】
本明細書で説明されるように、中空バレル38の端部および当該端部に対向するプラスチックシート21の一部は、ドレーンポート36のドレーンバルブ39を形成する。
【0290】
プラスチックリジッドシェル20は、第1透析ポート40および第2透析ポート41をさらに備える。これらのポート40、41のそれぞれは、ケーシング19の左側(図3および図7図10)から突出し、上記で詳述したドレーンポート36(中空シリンダ37および中空バレル38)と同じ構造を有する。
【0291】
第1透析ポート40および第2透析ポート41は、受容可能な第1透析バルブ42およびそれぞれの第2透析バルブ43を有する。
【0292】
プラスチックリジッドシェル20は、ケーシング19の左側(図3および図7図10)からまた突出し、上記で詳述したドレーンポート36(中空シリンダ37および中空バレル38)と構造的に同様であるヒータポート44をさらに備える。ヒータポート44は、ヒータバルブ45を有する。ヒータポート44は、プラスチックリジッドシェル20の左上隅に近接して配される。
【0293】
ドレーンポート36とは異なり、第1透析ポート40および第2透析ポート41から、ヒータポート44の中空バレル38はまた、ケーシング19の前面を通り形成された開口46と液体連通している(図7)。
【0294】
プラスチックリジッドシェル20は、第2コンパートメント23内に配され、ヒータポート44の中空バレル38に近接するさらなる中空バレル47を備える。第1内側隔壁27は、さらなる中空バレル47と中空バレル38との間に位置する。
【0295】
さらなる中空バレル47は、ケーシング19(図7)の前面を通り形成されたさらなる開口48と液体連通し、開口46およびさらなる開口48は、プラスチックリジッドシェル20の前面に溶着または接着されたカバー50によって画定されたバイパスチャネル49によって接続される。バイパスチャネル49は、第1コンパートメント22、第2コンパートメント23、および、ヒータラインチューブ63と液体連通している。
【0296】
さらなる中空バレル47の端部および当該端部に面するプラスチックシート21の一部は、バイパスバルブ51を形成する。さらなる中空バレル47は、バイパスバルブ51が設けられたバイパスポート52の一部である。
【0297】
第2内側隔壁28は、ホール31および通気性膜33を有する第2コンパートメント23のエリアをバイパスバルブ51から分離する(図3および図8)。
【0298】
プラスチックリジッドシェル20は、患者ポート53をさらに備える。患者ポート53は、ケーシング19の左側(図3および図7図10)から突出し、上記で詳述したドレーンポート36(中空シリンダ37および中空バレル38)と同じ構造を有する。
【0299】
患者ポート53の中空シリンダ37は、外側隔壁26および第1内側隔壁27を通過し、その結果、患者ポート53は、第2コンパートメント23と液体連通する(図3)。患者ポート53は、患者バルブ54を有する。
【0300】
全てのバルブ(ドレーンバルブ39、第1透析バルブ42、第2透析バルブ43、ヒータバルブ45、バイパスバルブ51、患者バルブ54)は、構造的および機能的に同一であり、マニホールドアセンブリ3がサイクラ2に適切に取り付けられると、それらはそれぞれ、サイクラ2のそれぞれの閉塞エレメント7の前に配される。サイクラ2の各閉塞エレメント7は、それぞれのバルブを開または閉にするように構成される。他の実施形態において、添付の図に示されていないが、閉塞エレメント7は、蓋16上に設置されてもよく、マニホールドアセンブリ3の構造は、蓋16上の閉塞エレメント7と協働するようなものである。
【0301】
ヒータポート44、第1透析ポート40、第2透析ポート41、ドレーンポート36および患者ポート53の中空シリンダ37は、互いに平行である。添付の図面の実施形態において、マニホールドアセンブリ3がサイクラ2に適切に取り付けられると、ヒータポート44は、第1透析ポート40の上にあり、これは次に、第2透析ポート41の上にあり、これは次に、ドレーンポート36の上にあり、これは次に、患者ポート53の上にある。
【0302】
U字形の第1細長い通路のような形状の第1コンパートメント22は、ヒータポート44と第1ポンプポート34の第1端部との間に延びる。第2細長い通路は、第2ポンプポート35に接続された第1端部を有する。
【0303】
マニホールドアセンブリ3は、第1ポンプポート34および第1コンパートメントに接続された第1端部56と、第2ポンプポート35および第2コンパートメント23に接続された第2端部57とを有するイールディングポンプチューブ55を備える(図1)。イールディングポンプチューブ55は、ケーシング19の外側に延び、サイクラ2の蠕動ポンプ6のロータ12の周りに部分的に配されるように、ループとして、または、オメガ「Ω」形状を有するアイレットとして成形される。
【0304】
マニホールドアセンブリ3は、患者ポート53に接続された第1端部および患者の腹膜腔に接続可能な第2端部を有する患者ラインチューブ58、第1透析ポート40に接続された第1端部および第1供給バッグ60に接続された第2端部を有する第1透析液ラインチューブ59、第2透析ポート41に接続された第1端部および第2供給バッグ62に接続された第2端部を有する第2透析液ラインチューブ61、ヒータポート44に接続された第1端部およびヒータバッグ64に接続された第2端部を有するヒータラインチューブ63、ドレーンポート36に接続された第1端部およびドレーン66に接続された第2端部を有するドレーン液ラインチューブ65をさらに備える(図3)。
【0305】
患者ラインチューブ58は、例えば、患者の腹膜腔に延びる留置カテーテルにつながる患者の移送セットに接続されうる患者ラインコネクタに延びうる。
【0306】
第1コンパートメント22、イールディングポンプチューブ55、および、第2コンパートメント23は、第1透析液ラインチューブ59、第2透析液ラインチューブ61、ヒータラインチューブ63、ドレーン液ラインチューブ65および患者ラインチューブ58のうちの1つの間に延びる液体経路を互いに画定し、サイクラ2の蠕動ポンプ6が作動されるときに、液体ラインチューブのうちの1つから患者ラインチューブ58へ、または、患者ラインチューブ58から液体ラインチューブのうちの1つへの液体の流れを可能にする。
【0307】
マニホールドアセンブリ3のケーシング19は、サイクラ2のフロントパネル13に取り付けられ、イールディングポンプチューブ55は、ロータ12に結合され、第1透析液ラインチューブ59、第2透析液ラインチューブ61、ヒータラインチューブ63、ドレーン液ラインチューブ65は、適切に配され、かつ、それぞれ第1供給バッグ60、第2供給バッグ62、ヒータバッグ64、ドレーン66に接続される。患者ラインチューブ58は、適切に配され、患者Pに接続される。ヒータバッグ64は、サイクラ2のヒータに結合される。
【0308】
3つの突出部25a、25b、25cおよび2つの貫通口29a、29bを有するケーシング19の形状は、ユーザがケーシング19を把持し、ケーシング19をサイクラ2に取り付けることを容易にする。
【0309】
ユーザは、第1レベルセンサ8および第2レベルセンサ9がケーシング19の外部平坦面の前に位置するように、蓋16を閉じる。図2および図4には、蓋16を閉じたときの第1レベルセンサ8および第2レベルセンサ9の位置が示されている。図2において、第1レベルセンサ8および第2レベルセンサ9の位置は、破線の円を通して概略的に示されている。
【0310】
第1レベルセンサ8および第2レベルセンサ9は、上下に配されている。第1レベルセンサ8は、第3拡張チャンバ24cと第2拡張チャンバ24bとの間に配されている。第2レベルセンサ9は、第2拡張チャンバ24bと第1拡張チャンバ24aとの間に配されている。
【0311】
蓋16が閉じられると、空気導管17の結合端18は、結合端18が通気性膜33に面するように、通気性膜33(図4および図5)を支持するリジッドプラスチックフレーム32に結合される。このようにして、サイクラ2の圧力トランスデューサ10および空気ポンプ11は、通気性膜33および第2コンパートメント23の上部、すなわち空気バッファ容量と連通する。
【0312】
腹膜透析装置1を制御するための方法によると、制御ユニット5は、実施されるステップに従って、閉塞エレメント7のアクチュエータに、ドレーンバルブ39、第1透析バルブ42、第2透析バルブ43、ヒータバルブ45、バイパスバルブ51および患者バルブ54を開または閉にするように命令する。
【0313】
患者ポート53のバルブ54が開いているときに、患者ラインチューブ58は、第2コンパートメント23と液体連通し、患者ポート53のバルブ54が閉じているときに、患者ラインチューブ58と第2コンパートメント23との間の液体連通が防止される。
【0314】
第1透析液ポート40の第1透析バルブ42が開いているときに、第1透析液ラインチューブ59は、第1コンパートメント22と液体連通し、第1透析液ポート40の第1透析バルブ42が閉じているときに、第1透析液ラインチューブ59と第1コンパートメント22との間の液体連通は防止される。
【0315】
第2透析液ポート41の第2透析バルブ43が開いているときに、第2透析液ラインチューブ61は、第1コンパートメント22と液体連通し、第2透析液ポート41の第2透析バルブ43が閉じているときに、第2透析液ラインチューブ61と第1コンパートメント22との間の液体連通は防止される。
【0316】
ヒータポート44のヒータバルブ45が開いているときに、ヒータラインチューブ63は、第1コンパートメント22と液体連通し、ヒータポート44のヒータバルブ45が閉じているときに、ヒータラインチューブ63と第1コンパートメント22との間の液体連通が防止される。
【0317】
ドレーンポート36のドレーンバルブ39が開いているときに、ドレーン液ラインチューブ65は、第1コンパートメント22と液体連通し、ドレーンポート36のドレーン弁39が閉じているときに、液体ドレーンラインチューブ65と第1コンパートメント22との間の液体連通が防止される。
【0318】
バイパスポート52のバイパスバルブ51が開いているときに、ヒータラインチューブ63は、第2コンパートメント23と液体連通し、バイパスポート52のバイパスバルブ51が閉じているときに、ヒータラインチューブ63と第2コンパートメント23との間の液体連通が防止される。
【0319】
図6Aおよび図6Bおよび図7に示されるように、アクチュエータが閉塞エレメント7のプランジャ15を図6Aの後退位置に保つと、プラスチックシート21は、中空バレル38の端部から離間し、液体は、中空バレル38と第1コンパートメント22との間を流れうる(弁が開く)。
【0320】
アクチュエータが閉塞エレメント7のプランジャ15を図6Bの前進位置に移動させ、プランジャ15を前進位置に保つと、プランジャ15は、中空バレル38内に部分的に収容される。
【0321】
プランジャ15は、プラスチックシート21の一部を中空バレル38の端部に押し付け、変形させ、保持する。中空バレル38は、プランジャ15のための、および、間に捕捉されたプラスチックシート21の部分のための座である。中空バレル38と第1コンパートメント22との間の液体の流れが、防止される(バルブが閉じる)。すべてのバルブが、このように動作する。
【0322】
患者の治療の前に、マニホールドアセンブリ3が準備される。可能な準備シーケンスが、以下の表(表1)に示される。
【0323】
【表1】
【0324】
別の準備の手順は、以下の表2に開示されるように、連通管を使用して行われうる。
【0325】
【表2】
【0326】
準備の後、患者の治療が開始されうる。
【0327】
腹膜透析装置1を制御するための方法の一実施形態(図8および図12)によると、制御ユニット5は、透析液を第1供給バッグ60から患者Pに移動させるように、腹膜透析装置1に命令する。
【0328】
制御ユニット5は、ヒータバルブ45、バイパスバルブ51、第2透析バルブ43およびドレーンバルブ39を閉じ、閉じたままにし、第1透析バルブ42および患者バルブ54を開け、開けたままにする。制御ユニット5は、第1コンパートメント22から第2コンパートメント23に透析液を送り込むように、蠕動ポンプ6を第1回転方向(図8の反時計回り)に回転させるようにモータに命令する。
【0329】
透析液ラインチューブ59を通り患者Pに向かって流れる間に透析液を加熱するために、図示されていない補助インラインヒータが、第1の透析液ラインチューブ59上に配されてもよい。
【0330】
腹膜透析装置1を制御するための方法の別の実施形態(図9、10、11、13、14、15)によると、制御ユニット5は、透析液を第1供給バッグ60からヒータバッグ64に向かって移動させるように、腹膜透析装置1に命令する。この実施形態において、補助インラインヒータは使用されない。
【0331】
制御ユニット5は、ヒータバルブ45、第2透析バルブ43、ドレーンバルブ39および患者バルブ54を閉じ、閉じたまま、バイパスバルブ51および第1透析バルブ42を開け、開けたままにする。制御ユニット5は、第1コンパートメント22から第2コンパートメント23に、次いで、バイパスチャネル49を通りヒータバッグ64に透析液を送り込むように、蠕動ポンプ6を第1回転方向(図9の反時計回り)に回転させるようにモータに命令する。
【0332】
サイクラ2のヒータに結合されたヒータバッグ64内で透析液が加熱されると、制御ユニット5は、加熱された透析液をヒータバッグ64から患者Pに向かって移動させるように腹膜透析装置1に命令する。
【0333】
制御ユニット5は、ヒータバルブ45および患者バルブ54を開け、開けたままにし、バイパスバルブ51、第1透析バルブ42、第2透析バルブ43およびドレーンバルブ39を閉じ、閉じたままにする。制御ユニット5は、第1コンパートメント22から第2コンパートメント23に透析液を送り込むように、蠕動ポンプ6を第1回転方向(図10の反時計回り)に回転させるようにモータに命令する。
【0334】
患者の治療の終了時に、使用済みの透析液が患者Pから除去される。制御ユニット5は、使用済みの透析液を患者Pからドレーン66に向かって移動させるように、腹膜透析装置1に命令する。
【0335】
制御ユニット5は、ドレーンバルブ39および患者バルブ54を開け、開けたままにし、ヒータバルブ45、バイパスバルブ51、第1透析バルブ42、第2透析バルブ43を閉じ、閉じたままにする。制御ユニット5は、第2コンパートメント23から第1コンパートメント22に透析液を送り込むように、蠕動ポンプ6を第2回転方向(図11の時計回り)に回転させるようにモータに命令する。
【0336】
この治療シーケンスが、以下の表(表3)に示される。
【0337】
【表3】
【0338】
実施形態2
【0339】
図16および図17は、腹膜透析装置1(APD)のマニホールドアセンブリ3の別の実施形態を示す。この実施形態のサイクラ2は、図示されておらず、第1実施形態のための開示と同じ構造/アーキテクチャを有しうる。
【0340】
チューブを整頓し、本明細書で説明される多くの機能を実行するマニホールドアセンブリ3(図16および17)は、以下の特徴において、実施形態1のマニホールドアセンブリ3とは異なる。
【0341】
図3および図16(同じ要素には同じ参照番号が使用される)を比較すると分かるように、第1透析ポート40および第2透析ポート41は、第1コンパートメント22の代わりに第2コンパートメント23の内側に開いている。第1透析バルブ42および第2透析バルブ43は、第2コンパートメント23内に配され、第2拡張チャンバ24bに近接している。
【0342】
第1透析液ラインチューブ59は、第1供給バッグ60に接続された第1端部および第2コンパートメント23に接続された第2端部を有する。第2透析液ラインチューブ61は、第2供給バッグ62に接続された第1端部および第2コンパートメント23に接続された第2端部を有する。
【0343】
また、ドレーンポート36およびドレーン液ラインチューブ65は、ケーシング19の上部に近接して配され、マニホールドアセンブリ3がサイクラ2に適切に取り付けられると、ヒータポート44およびヒータラインチューブ63の上方に位置する。
【0344】
第2内側隔壁28は、第2ポンプポート35に近接し、プラスチックリジッドシェル20の右側長側面に接続された第1端部を有し、図3の実施形態とは異なり、ホール31および通気性膜33を有する第2コンパートメント23のエリアは、第2内側隔壁28によってバイパスバルブ51から分離されない。
【0345】
さらに、ホール31および通気性膜33は、プラスチックリジッドシェル20の上部短側面の隣にある。
【0346】
プラスチックシート21のエリア67は、マニホールドアセンブリ3がサイクラ2に適切に取り付けられると、サイクラ2の変位センサ68(概略的にのみ示される)に結合されるように構成される。
【0347】
エリア67が、実質的にU字形の第1細長い通路の右側底部のエルボに位置する第1コンパートメント22のゾーンに面することを、図16は示している。変位センサ68は、サイクラ2のフロントパネル13に取り付けられている。
【0348】
ヒータバッグ64から患者Pへの流れのルート、および、患者Pからドレーンへの流れのルートは、図10および図11に示される、前段の開示と同じである。
【0349】
第1透析バルブ42および第2透析バルブ43の位置が異なるため、第1供給バッグ60からヒータバッグ64への流れのルートは、図9に示されるもの以外である。
【0350】
実際、この第2実施形態(図17および図18)において、制御ユニット5は、バイパスバルブ51、第2透析バルブ43、ドレーンバルブ39および患者バルブ54を閉じ、閉じたままま、ヒータバルブ45および第1透析バルブ42を開け、開けたままにする。制御ユニット5は、第2コンパートメント23から第1コンパートメント22に透析液を送り込むように、蠕動ポンプ6を第2回転方向(図9の時計回り)に回転させるようにモータに命令する。
【0351】
第2実施形態のマニホールドアセンブリ3のための治療シーケンスが、以下の表(表4)に示される。
【0352】
【表4】
【0353】
患者の治療の前に、第2実施形態のマニホールドアセンブリ3が準備される。可能な準備シーケンスが、以下の表(表5)に示される。
【0354】
【表5】
【0355】
実施形態3
【0356】
図19は、腹膜透析装置1(APD)のマニホールドアセンブリ3の別の実施形態を示す。この実施形態のサイクラ2は、バルブがケーシング7の一部ではなく、サイクラ2の閉塞エレメントがピンチバルブであるため、第1実施形態とは異なる。
【0357】
この第3実施形態において、第2実施形態と同様に、図3図16および図19(同じ要素には同じ参照番号が使用される)を比較すると分かるように、第1透析ポート40および第2透析ポート41は、第1コンパートメント22の代わりに第2コンパートメント23の内側に開いている。
【0358】
全てのポートは、バルブまたはバルブの一部を備えていない。ドレーンポート36およびドレーン液ラインチューブ65は、第2実施形態と同様に、ケーシング19の上部に近接して配されている。
【0359】
第2内側隔壁28は、ホール31および通気性膜を有する第2コンパートメント23のエリアを、補助ドレーンラインチューブ70に接続された補助ドレーン液ポート69を有する第2コンパートメント23のエリアから分離する。
【0360】
ドレーンバルブ39、第1透析バルブ42、第2透析バルブ43、ヒータバルブ45、患者バルブ54は、サイクラ2のクランプ部であり、ドレーン液ラインチューブ65、第1透析液ラインチューブ59、第2透析液ラインチューブ61、ヒータラインチューブ63、患者ラインチューブ58のチューブセクション上で動作する。クランプおよびチューブセクションは、互いにピンチバルブを構成する。
【0361】
加えて、補助ドレーン液ラインチューブ70上で補助ドレーンバルブ71が作動し、ドレーン液ラインチューブ65は、ドレーン66に到達する前に、共通ドレーンライン内で補助ドレーン液ラインチューブ70と合流する(図19)。
【0362】
ヒータバッグ64から患者Pへの流れのルート、および、患者Pからドレーンへの流れのルートは、図10および図11に示される、前段(第1実施形態)の開示と同じである。
【0363】
第1供給バッグ60からヒータバッグ64までの流れのルートは、第2実施形態と同様である(表3参照)。
【0364】
可能な準備シーケンスが、以下の表(表6)に示される。
【0365】
【表6】
【0366】
バルブ
【0367】
いくつかの実施形態において、バルブは、ケーシングの一部であり、図20A、20B、20Cのような形状である。例えば、図16および図17の実施形態2の全てのバルブ(ドレーンバルブ39、第1透析バルブ42、第2透析バルブ43、ヒータバルブ45、バイパスバルブ51、患者バルブ54)は、図20Aに示されるタイプである。
【0368】
この種のバルブは、図21A、21B、21C、21D、図22および図23に示される閉塞エレメント7とともに機能するように構成される。
【0369】
閉塞エレメント7は、図6A、6Bおよび図7のうち1つと同様に、プランジャ15を備え、機械的張力付与プランジャ76をさらに備える。プランジャ15および張力付与プランジャ76の両方は、図22および図23に示されるアクチュエータ73に機械的に結合される。
【0370】
図22の実施形態において、アクチュエータ73は、シャフト74に接続されたリニアアクチュエータである。シャフト74の遠位端は、プランジャ15を担持し、(ばねのよう)減衰および/または弾性エレメント75が、遠位端とプランジャ15との間に配される。プランジャ15は、ばねを収容するカップのような形状である。
【0371】
減衰および/または弾性エレメント75は、膜21にかかる力を低減して、膜21の損傷を回避することを可能にする。
【0372】
図16および図17と同様に、アクチュエータ73は、プランジャ15を軸方向に沿って、プランジャ15が軟質膜21から離間してポートが開いている後退位置と、ポートを閉じるために、プランジャ15が座内に少なくとも部分的に収容され、軟質膜21がプランジャ15と座との間で変形および捕捉されている前進位置と、の間で移動させるように構成される。
【0373】
膜テンショナ72は、プランジャ15が後退位置に戻ると、軟質膜21を座から離れるように上昇させ、バルブを閉じたままにする傾向がある、見込まれる負圧に対抗するように構成される。
【0374】
膜テンショナ72は、同様にアクチュエータ73に機械的に接続された張力付与プランジャ76を備える。張力付与プランジャ76は、実質的に円筒のような形状であり、プランジャ15と同軸であり、プランジャ15の少なくとも一部を取り囲む。
【0375】
張力付与プランジャ76は、中心軸と同軸の2つのアーチ状壁76aを備える。壁76aは、それらの間に2つの窓76bを画定するために、互いに離間している(図24および図25)。
【0376】
張力付与プランジャ76は、シャフト74に嵌合され、シャフト74に沿って軸方向に移動可能である。張力付与プランジャ76のアーチ状壁76aの境界は、軟質膜21に面し、プランジャ15は、張力付与プランジャ76から突出しうる。
【0377】
アクチュエータ73はまた、張力付与プランジャ76を、張力付与プランジャ76が軟質膜21から離間している後退位置と、張力付与プランジャ76が座の端部以外のロケーションで軟質膜21に係合して、軟質膜21を座の端部から離れるように移動させ、軟質膜21を座の上方に延伸させる前進位置と、の間で移動させるように構成される。
【0378】
図示されていない他の実施形態において、張力付与プランジャ76が、図示されていない補助アクチュエータによって移動されてもよい。
【0379】
アクチュエータ73は、サイクラ2のボックス4内に収容され、プランジャ15、張力付与プランジャ76およびシャフト74は、サイクラ2のボックス4内に形成された開口部を通りガイドされる。
【0380】
張力付与プランジャ76は、プランジャ15が前進位置にあるときに、後退位置にある(図21Aおよび21B)。この構成において、プランジャ15は、張力付与プランジャ76から突出する。
【0381】
張力付与プランジャ76は、プランジャ15が後退位置にあるときに、前進位置にある(図21Cおよび21D)。この構成において、プランジャ15は、張力付与プランジャ76内に完全に収容され、張力付与プランジャ76の境界を越えて突出しない。
【0382】
閉塞エレメント7は、張力付与プランジャ76とプランジャ15とを接続するリバース機構を備える。リバース機構は、プランジャ15がアクチュエータ73によって移動されるときに、プランジャ15を張力付与プランジャ76の移動方向に対して反対方向に移動させるように構成される。
【0383】
図22の実施形態において、張力付与プランジャ76は、シャフト74と平行に延びる突出部77と、ロッカーレバー78と、を備える。ロッカーレバー78の第1端部は、プランジャ15のシャフト74にヒンジ連結され、ロッカーレバー78の第2端部は、張力付与プランジャ76の突出部77にヒンジ連結され、ロッカーレバー78の中央部は、サイクラ2の静止部、例えば、ボックス4の一部にヒンジ連結される。
【0384】
リニアアクチュエータがプランジャ15を前進位置に向かって移動させると、ロッカーレバー78が傾き、張力付与プランジャ76を後退位置に向かって移動させる。リニアアクチュエータがプランジャ15を後退位置に向かって移動させると、ロッカーレバー78が傾き、張力付与プランジャ76を前進位置に向かって移動させる。
【0385】
図22Aの変形の実施形態は、張力付与プランジャ76に結合された追加の減衰および/または弾性エレメント75a(ばね)を備える。この実施形態において、張力付与プランジャ76を定義するシリンダは、2つの部分である。第1部分は、突出部77に堅固に接続される。第2部分は、膜21に面する張力付与プランジャ76のアーチ状壁76aの境界を担持する。追加の減衰および/または弾性エレメント75aは、第1部分と第2部分との間に介在する。
【0386】
追加の減衰および/または弾性エレメント75aは、張力付与プランジャ76によって膜21にかかる力を低減して、膜21の損傷を回避することを可能にする。追加の減衰および/または弾性エレメント75aのさらなる機能は、弾性を失い、時間の経過とともに塑性変形しうる、膜21の起こりうる塑性変形を補償することである。膜21が塑性的に伸張された場合であっても、追加の減衰および/または弾性エレメント75aは常に、張力付与プランジャ76のアーチ状壁76aの境界を膜21に対して押し(前進位置)、軟質膜21を端部から離れるように移動させ、軟質膜21を座の上方に伸張させることができる。
【0387】
図23の実施形態において、アクチュエータ73は、プランジャ15のシャフト74に接続された回転可能なシャフト79を備えるステッピングモータである。回転可能なシャフト79は、外側ねじ山を有し、左ねじ継手80を介してシャフト74の内側ねじ山に結合される。
【0388】
シャフト74は、外側ねじ山を有し、右ねじ継手81を介して張力付与プランジャ76の内側ねじ山に結合される。
【0389】
張力付与プランジャ76およびシャフト74は、固定エレメント82によって、例えば、ボックス4の一部に軸方向にガイドされる。
【0390】
ステッピングモータによって引き起こされる回転可能なシャフト79の回転は、シャフト74を第1方向(シャフト74は回転しない)に軸方向にのみ移動させ、例えば、プランジャ15の前進位置に向かって移動させる。
【0391】
左ねじ継手80のために、シャフト74の軸方向移動は、張力付与プランジャ76の回転を駆動し、左ねじ継手80および右ねじ継手81の異なるピッチに起因して、例えば、テンションプランジャ76の後退位置に向かう第1方向とは反対の第2方向における張力付与プランジャ76の軸方向移動も駆動する。
【0392】
ステッピングモータがプランジャ15を前進位置に向かって移動させると、左ねじ継手80および右ねじ継手81は、張力付与プランジャ76を後退位置に向かって移動させるように動作する。ステッピングモータがプランジャ15を後退位置に向かって移動させると、左ねじ継手80および右ねじ継手81は、張力付与プランジャ76を前進位置に向かって移動させるように動作する。
【0393】
プランジャ15および膜テンショナ72を適切に動作させるために、バルブは、座を画定する円形の端部83と、円形の端部83の周りに部分的に延び、端部83に対して離間された補助端部84と、を有する。
【0394】
図6A、6Bおよび図7の中空バレル38の代わりに、バルブは、それぞれコンパートメント22、23の底面から突出し、端部83および補助端部84を備える成形部材85を備える。
【0395】
成形部材85は、実質的に円筒形であり、中央円筒形空洞86を画定する。端部83は、空洞86の上部を画定し、補助端部84は、空洞および端部83と同軸の2つのアーチ形状部を備える。
【0396】
図20A図21Dに示されるように、マニホールドアセンブリ3がサイクラ2のサイト14に適切に取り付けられると、補助端部84は、端部83よりも閉塞エレメントに近接するように、補助端部84は、端部83に対して持ち上げられる。
【0397】
図21A~21Dは、バルブおよび閉塞エレメント7を備えるアセンブリの動作ステップを示す。
【0398】
図21Aにおいて、バルブは、閉じられている。プランジャ15は前進位置にあり、部分的に座に収容され、軟質膜21は、プランジャ15と端部83との間に捕捉される。
【0399】
図21Bにおいて、軟質膜21を端部83に対して保持する負圧のため、プランジャ15が部分的に持ち上げられても、バルブは閉じたままである。
【0400】
図21Cにおいて、前進位置にある張力付与プランジャ76が、成形部材85および補助端部84を部分的に取り囲み、補助端部84に対して軟質膜21を引っ張るため、バルブが開く。このようにして、軟質膜21は、端部83から分離する。
【0401】
この位置において、成形部材85は、少なくとも部分的に、張力付与プランジャ76の内側に配される。図25に示されるように、張力付与プランジャ76の各アーチ状壁76aは、補助端部84の2つのアーチ形状部分のうち1つに近接し、補助端部84のアーチ形状部の半径方向の外側に配される。
【0402】
窓76bは、アーチ状壁76aの間に画定された半径方向の開口部に面し、円筒形空洞86と、第1コンパートメント22または第2コンパートメント23と、の間の液体連通を可能にし、したがって、バルブは開いている(図21D)。
【0403】
ここに開示されたバルブおよび閉塞エレメント7の構造はまた、必ずしも上記に開示された腹膜透析装置ではない、他の種類の医療装置(例えば、血液の体外治療のための透析装置)の一部であってもよい。
【0404】
医療装置は、透析機械およびマニホールドアセンブリを備えてもよく、マニホールドアセンブリは、透析機械に取り付けられる、または、取り付け可能である。
【0405】
マニホールドアセンブリは、リジッドシェルおよび少なくとも1つの軟質膜を備えるケーシングを備え、リジッドシェルおよび軟質膜は、少なくとも第1液体通路を画定する。リジッドシェルは、第1液体通路および第2液体通路と液体連通する少なくとも1つのポートを備える。少なくとも1つのポートは、座と、座に面する軟質膜と、を有する。
【0406】
透析機械は、少なくとも1つの閉塞エレメント7を備え、閉塞エレメント7は、マニホールドアセンブリが透析装置に適切に取り付けられると、それらの間に軟質膜21が配される、座に面する。座は、透析機械のそれぞれの閉塞エレメント7を少なくとも部分的に収容するように構成される。
【0407】
透析装置は、血液治療デバイスと、血液治療デバイスに結合された体外血液回路と、血液ポンプであって、体外血液回路のポンプセクションは、血液ポンプに結合されるように構成される、血液ポンプと、体外血液回路および/または血液治療デバイスに動作可能に接続された治療液回路と、を備える、血液の体外治療のための装置であってもよい。治療液回路は、治療ユニットの液体チャンバに接続された透析ラインと、液体チャンバに接続された液体排出ラインと、を備える。治療液回路は、置換液の1つ以上の注入ラインを備える注入回路を備える。マニホールドアセンブリは、体外血液回路または治療液回路の一部であってもよい。
【0408】
キャリブレーション
【0409】
上述のマニホールドアセンブリ3は、蠕動ポンプ6をキャリブレーションするために、すなわち、容積精度測定要件に到達するために、蠕動ポンプ6に接続されたイールディングポンプチューブ55のストローク液量を推定するために使用されうる。
【0410】
以下の説明は、図16および図17の第2実施形態のマニホールドアセンブリ3を参照する。この実施形態は、図25および図26にも示されている。第2コンパートメント23の上部と空気バッファ容量とは、ホール31、通気性膜33およびエアフィルタ88を介して、サイクラ2の補助チャンバ87部分と液体連通している。圧力トランスデューサ10は、補助チャンバ87に接続され、空気バルブ89は、補助チャンバ87の外気との連通を開または閉にすることを可能にする。
【0411】
蠕動ポンプ6は、エンコーダを備えるか、または添付の図には示されていないエンコーダに結合される。エンコーダは、制御ユニット5に動作可能に接続され、蠕動ポンプ6の押圧ローラ6aの位置および動きを検出するように構成される。
【0412】
制御ユニット5は、蠕動ポンプ6のモータ、第1レベルセンサ8、第2レベルセンサ9、空気バルブ10、閉塞エレメント7のアクチュエータ、および、圧力トランスデューサ10に動作可能に接続され、本明細書に詳述される方法に従って、蠕動ポンプ6をキャリブレーションするように構成および/またはプログラムされる。
【0413】
図26に示されるように、第1レベルセンサ8またはハイレベルセンサ、および、第2レベルセンサ9またはローレベルセンサは、第2コンパートメント23において、ハイレベル「C」およびローレベル「A」を画定する。
【0414】
第1量「V1」は、第2コンパートメント23内において、ローレベル「A」の下に画定される。第1量「V1」は、約10mlである。第2量「V2」は、第2コンパートメント23内において、ローレベル「A」とハイレベル「C」との間に画定される。第2量「V2」は、蠕動ポンプ6の公称ストローク液量の2~4倍である。蠕動ポンプ6の公称ストローク液量は、7mlであってもよく、第2量「V2」は、約21mlである。第3量「V3」は、第2コンパートメント23内において、ハイレベル「C」の上に画定される。第3量「V3」は、約15mlである。補助チャンバ87は、約26mlの第4量「V4」の内部を画定する。第2量、第3量および第4量の合計は、約62mlである。
【0415】
ループとして成形されるイールディングポンプチューブ55は、曲線部55aと、2つの直線部55bと、を備える。曲線部55aおよび2つの直線部55bは、単一のチューブを形成する。直線部55bは、第1ポンプポート34および第2ポンプポート35にそれぞれ接続されている。曲線部55aは、蠕動ポンプ6の押圧ローラ6aによって押圧され変形/押し込まれるように構成されている。
【0416】
図25を見ると、蠕動ポンプ6が反時計回りに回転すると、2つの押圧ローラ6aのそれぞれは、曲線部55aと2つの直線部55bのうち下の部分との間の底部で曲線部55aを押し込み始め、曲線部55aと2つの直線部55bのうち上の部分との間の頂部で曲線部55aを解放する。
【0417】
蠕動ポンプ6をキャリブレーションするために、すなわち、イールディングポンプチューブ55のストローク液量を推定するために、以下の手順が実行される(図25~28を参照されたい)。
【0418】
ドレーンバルブ39、第1透析バルブ42、第2透析バルブ43、バイパスバルブ51、患者バルブ54は閉じている。ヒータバルブ45は開いており、ヒータバッグ64は水で満たされている。空気バルブ89は開いている。
【0419】
制御ユニット5は、蠕動ポンプ6を制御して反時計回りに回転を開始し、ヒータバッグ64から第1コンパートメント22内に、次いで、第2コンパートメント23内に水を送り込む。ローレベルセンサ9が水を検出すると(図27のAII)、蠕動ポンプ6は停止する。
【0420】
その後、ローレベル水位センサ9によって水が検出されなくなるまで、蠕動ポンプ6を時計回りに回転させて水位を下げ、その後、再び停止させる(図27のA)。
【0421】
蠕動ポンプ6は、再び反時計回りに回転される。ローレベルセンサ9が再び水を検出すると(図26および図27の低液体レベルA)、制御ユニット5は、蠕動ポンプ6を制御して、反時計回りに回転させたまま、第2コンパートメント23内に水を送り込む。一方、制御ユニット5は、ローレベルセンサ9による水の検出から開始するエンコーダパルスのカウントを開始する。
【0422】
蠕動ポンプ6の所定の回転角度「Delta」(例えば、105°)に対応する所定の数のパルス「Delta_Encoder_Pulses」(例えば、280パルス)に達し、水位が第1レベルB(図26および図27)にあるとき、空気バルブ89は閉じられ、蠕動ポンプ6は反時計回りに回転し続け、第2コンパートメント23内により多くの水を送り込み、水位より上の容積内の空気を圧縮する。
【0423】
2つの押圧ローラ6aのうち、所定の回転角度「Delta」の終わりにおける一方の位置が、所定の位置である。このような所定の位置は、イールディングポンプチューブ55の曲線部55aと2つの直線部55bのうちの一方との間の部分であってもよい。押圧ローラ6aが所定位置にあるときの水位は、第1レベルBである。追加量「Extra_Volume」の水を汲み上げて、低液体レベルAから第1レベルBまで上昇させる(図26および図27)。
【0424】
蠕動ポンプ6の所定の位置および第1レベルBから開始して、制御ユニット5は、蠕動ポンプ6の「n」回の半回転によって定義される反時計回りの所定の回転「Rotor_rev」だけ蠕動ポンプ6を回転させ、ここで、「n」は整数(例えば、n=7)である。蠕動ポンプ6の回転速度は、5rpmであってもよい。
【0425】
このようにして、「n」回の半回転の終わりに、同じ押圧ローラ6aが、所定の位置に再び位置決めされ、水位が第2レベルDまで持ち上げられる。
【0426】
押圧ローラ6aは、「n」回の半回転の間に数回、所定の位置を通過するため、ハイレベルCを感知した後、押圧エレメント6aが初めて所定の位置にあるとき、ハイレベルセンサ8を介して水位を感知し、蠕動ポンプ6の回転を停止する(図26及び図27)。
【0427】
第2コンパートメント23内の空気圧は、圧力トランスデューサ10によって測定される。空気圧縮前(第1レベルB)の初期圧力PInitおよび空気圧縮後(第2レベルD)の最終圧力PFinalが得られる。初期圧力PInitは、約0mmHg(大気圧に対する差圧)であり、最終圧力は、約400mmHgである。
【0428】
蠕動ポンプ6の回転を停止した後、最終圧力PFinalを得る前に、安定時間を待ち、圧力を測定し続けることが、漏れの可能性をチェックするために設けられ(図27のD)。
【0429】
その後、所定の回転「Rotor_rev」の蠕動ポンプ6の回転に起因する、第2コンパートメント23内の液量の変化「Vol_Moved」が、第1レベルBの上方の初期空気量「Compensated_Volume」と、初期圧力PInitおよび最終圧力PFinal、とに応じて計算される。
【0430】
初期空気量「Compensated_Volume」は、低液体レベル「A」の上の空気量(すなわち、V2+V3+V4)と、水の追加量「Extra_Volume」と、の差であり、水の追加量「Extra_Volume」は、第1レベルBと低液体レベルAとの間の水の量、すなわち蠕動ポンプ6の回転「Delta」によって移される水の量である。
【0431】
蠕動ポンプ6のストローク液量「stroke_Vol_Press」は、液量の変化「Vol_Moved」と蠕動ポンプ6の「n」回の半回転との間の比として計算される。開示されるストローク液量「Stroke_Vol_Press」の計算は、2~5回連続して実行されてもよく、平均ストローク液量が決定される。
【0432】
キャリブレーションの方法はまた、蠕動ポンプを含み提供され、マニホールドアセンブリを備える医療機械を備える他の医療装置において、例えば、上記で開示された種類の血液の体外治療のための装置において実施されてもよい。
【0433】
上記に詳述した手順は、以下の式によって要約されうる。
a. Vol_Extra=2×(Delta_Encoder_Pulses/m)×Stroke_Vol_Press
b. Compensated_Volume=((V2+V3+V4)-Vol_Extra)
c. Vol_Moved=Compensated_Volume×((Pressure_Final-Pressure_Init)/Pressure_Final)
d. Rotor_rev=(Zc-Yc)/m
e. Stroke_Vol_Press=2×(Vol_Moved/Rotor_rev
f. Stroke_Vol_Press=2×(m/(Zc-Yc))×((V2+V3+V4)-(Delta_Encoder_Pulses/2m×Stroke_Vol_Press))×((Pressure_Final-Pressure_Init)/Pressure_Final))

Stroke_Vol_Pressは、式fから計算されてもよく、ここで、
【表7】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図22A
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
【手続補正書】
【提出日】2023-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腹膜透析装置のためのマニホールドアセンブリであって、
第1コンパートメント(22)および第2コンパートメント(23)を内部で画定するケーシング(19)と、
前記第1コンパートメント(22)に接続された第1端部および前記第2コンパートメント(23)に接続された第2端部を有するイールディングポンプチューブ(55)であって、前記イールディングポンプチューブ(55)は、腹膜透析装置(1)のサイクラ(2)の蠕動ポンプ(6)に結合されるように前記ケーシング(19)の外側に延び、前記ケーシング(19)は、前記イールディングポンプチューブ(55)の前記第1端部に接続された第1ポンプポート(34)および前記イールディングポンプチューブ(55)の前記第2端部に接続された第2ポンプポート(35)を備える、イールディングポンプチューブ(55)と、
前記第1コンパートメント(22)または前記第2コンパートメント(23)に接続された第1端部および液体供給源(60、62、64)またはドレーン(66)または患者(P)に接続可能な第2端部をそれぞれ有する複数のラインチューブ(58、59、61、63、65)であって、前記ケーシング(19)は、1つのラインチューブ(58、59、61、63、65)の前記第1端部にそれぞれ接続された複数のポート(53、36、40、41、44)を備える、複数のラインチューブ(58、59、61、63、65)と、
を備え、
前記ケーシング(19)は、前面、背面および複数の側面を備え、実質的に平坦な形状を有し、前記背面は、前記サイクラ(2)のフロントパネル(13)に結合されるように構成され、
前記第1ポンプポート(34)および前記第2ポンプポート(35)は、前記ケーシング(19)の第1側面に配され、前記ポート(53、36、40、41、44)は、前記第1側面とは反対の前記ケーシング(19)の第2側面に配される、マニホールドアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のアセンブリであって、前記第1ポンプポート(34)と、前記第2ポンプポート(35)と、前記複数のポート(53、36、40、41、44)と、のそれぞれは、前記ケーシング(19)のそれぞれ前記側面から突出する、アセンブリ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のアセンブリであって、前記第1ポンプポート(34)と、前記第2ポンプポート(35)と、前記複数のポート(53、36、40、41、44)と、のそれぞれは、中空シリンダのような形状である、アセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載のアセンブリであって、前記複数のポート(53、36、40、41、44)の前記中空シリンダは、互いに平行である、アセンブリ。
【請求項5】
請求項3または4に記載のアセンブリであって、前記第1ポンプポート(34)の前記中空シリンダおよび前記第2ポンプポート(35)の前記中空シリンダは、前記イールディングポンプチューブ(55)がオメガ形状を有するループとして成形されるように、前記ケーシング(19)から離れて互いに広がる、アセンブリ。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)は、2つの長側面および2つの短側面を有する実質的に矩形の外形を有し、前記第1側面および前記第2側面は、前記ケーシング(19)の両方の長側面である、アセンブリ。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)は、前記ケーシング(19)の前記前面および前記複数の側面を画定するリジッドシェル(20)と、前記ケーシング(19)の前記背面を画定する1つの軟質膜(21)と、を備える、アセンブリ。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)は、前記ケーシング(19)を貫通する貫通口(29a、29b)を有し、前記貫通口(29a、29b)は、前記サイクラ(2)の保持エレメントと係合するように構成される、アセンブリ。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)は、前記第2コンパートメント(23)において少なくとも1つの拡張チャンバ(24a、24b、24c)を画定する少なくとも1つの突出部(25a、25b、25c)を備え、前記少なくとも1つの拡張チャンバ(24a、24b、24c)は、前記第2コンパートメント(23)の他の部分の深さよりも大きい深さを有し、前記突出部(25a、25b、25c)は、前記ケーシング(19)の前面から突出る、アセンブリ。
【請求項10】
請求項8に従属する請求項9に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)は、複数の突出部(25a、25b、25c)を備え、前記貫通口(29a、29b)は、前記突出部(25a、25b、25c)のうち2つの間である、アセンブリ。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)は、前記ケーシング(19)のホール(31)の端部に接合された通気性膜(33)であって、前記マニホールドアセンブリ(3)が適切に前記サイクラ(2)に取り付けられると、前記サイクラ(2)の圧力トランスデューサ(10)および/または空気ポンプ(11)を前記第2コンパートメント(23)の上部と連通させるように構成された通気性膜(33)を備える、アセンブリ。
【請求項12】
請求項11に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)の前記ホール(31)は、前記ケーシング(19)の前記前面に形成され、リジッドフレーム(32)が、前記通気性膜(33)を支持する、アセンブリ。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記第1コンパートメント(22)は、U字形の細長い通路であり、前記第2コンパートメント(23)は、前記U字形の細長い通路によって部分的に囲まれる、アセンブリ。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記複数のラインチューブ(58、59、61、63、65)は、
前記第2コンパートメント(23)に接続された第1端部および患者(P)の腹膜腔に接続可能な第2端部を有する患者ラインチューブ(58)であって、前記複数のポート(53、36、40、41、44)のうち患者ポート(53)が、前記患者ラインチューブ(58)の前記第1端部に接続される、患者ラインチューブ(58)と、
前記第1コンパートメント(22)に接続された第1端部および液体供給源(60、62、64;64)またはドレーン(66)に接続可能な第2端部を有する少なくとも1つの液体ラインチューブ(59、61、63、65;63、65)であって、少なくとも1つの液体ラインチューブ(59、61)は、前記第2コンパートメント(23)に接続されたまたは接続可能な第1端部および液体供給源(60、62)に接続可能な第2端部を有し、前記複数のポート(53、36、40、41、44)のうち液体ポート(36、40、41、44)は、前記液体ラインチューブ(59、61、63、65)の前記第1端部の1つに接続される、少なくとも1つの液体ラインチューブ(59、61、63、65;63、65)と、
を備える、アセンブリ。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)は、前記第1コンパートメント(22)および前記第2コンパートメント(23)およびヒータラインチューブ(63)と液体連通するバイパスチャネル(49)を備え、前記バイパスチャネル(49)は、前記ケーシング(19)の外面に接合されたカバー(50)によって、少なくとも部分的に画定される、アセンブリ。
【請求項16】
腹膜透析装置のためのマニホールドアセンブリであって、
第1コンパートメント(22)および第2コンパートメント(23)を内部で画定するケーシング(19)と、
前記第1コンパートメント(22)に接続された第1端部(56)および前記第2コンパートメント(23)に接続された第2端部(57)を有するイールディングポンプチューブ(55)であって、前記イールディングポンプチューブ(55)は、腹膜透析装置(1)のサイクラ(2)の蠕動ポンプ(6)に結合されるようにケーシング(19)の外側に延びる、イールディングポンプチューブ(55)と、
前記第2コンパートメント(23)に接続された第1端部および患者(P)の腹膜腔に接続可能な第2端部を有する患者ラインチューブ(58)と、
前記第1コンパートメント(22)に接続された第1端部および液体供給源(60、62、64;64)またはドレーン(66)に接続可能な第2端部を有する少なくとも1つの液体ラインチューブ(59、61、63、65;63、65)と、
前記第2コンパートメント(23)に接続されたまたは接続可能な第1端部および液体供給源(60、62)に接続可能な第2端部を有する少なくとも1つの液体ラインチューブ(59、61)と、
を備え、
前記第1コンパートメント(22)、前記イールディングポンプチューブ(55)および前記第2コンパートメント(23)は、前記第1コンパートメント(22)に接続された前記第1端部を有する前記少なくとも1つの液体ラインチューブ(59、61、63、65;63、65)から、前記イールディングポンプチューブを通り、前記患者ラインチューブ(58)に延びる液体パスを共に画定し、前記サイクラ(2)の前記蠕動ポンプ(6)が作動されたときに、少なくとも、前記第1コンパートメント(22)に接続された前記第1端部を有する前記少なくとも1つの液体ラインチューブ(59、61、63、65;63、65)から、前記イールディングポンプチューブを通り、前記患者ラインチューブ(58)へ、または、前記患者ラインチューブ(58)から、前記イールディングポンプチューブを通り、前記第1コンパートメント(22)に接続された前記第1端部を有する前記少なくとも1つの液体ラインチューブ(59、61、63、65;63、65)への液体の流れを可能にし、
前記第2コンパートメント(23)は、前記蠕動ポンプ(6)からの圧力脈動を減衰させるように構成された少なくとも1つの拡張チャンバ(24a、24b、24c))を画定する、マニホールドアセンブリ。
【請求項17】
請求項16に記載のアセンブリであって、前記少なくとも1つの拡張チャンバ(24a、24b、24c)は、1つの軟質膜によって部分的に画定され、前記少なくとも1つの軟質膜(21)は、プラスチックシートから作られる、アセンブリ。
【請求項18】
請求項16または17に記載のアセンブリであって、前記少なくとも1つの拡張チャンバ(24a、24b、24c)を備える前記第2コンパートメント(23)の内容積が、前記第1コンパートメント(22)の内容量よりも大きい、アセンブリ。
【請求項19】
請求項16乃至18の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)は、前記サイクラ(2)の圧力トランスデューサ(10)および/または空気ポンプ(11)を前記第2コンパートメント(23)の上部と連通させるように構成された通気性膜(33)を備える、アセンブリ。
【請求項20】
請求項16乃至19の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記第1コンパートメント(22)に接続された第1端部を有する前記少なくとも1つの液体ラインチューブ(59、61、63、65;63、65)は、ヒータラインチューブ(63)と、前記ヒータラインチューブ(63)の第2端部に接続されるヒータバッグ(64)と、前記ドレーン(66)に接続可能な第2端部を有するドレーン液ラインチューブと、を備える、アセンブリ。
【請求項21】
請求項20に記載のアセンブリであって、前記第1コンパートメント(22)に接続された前記第1端部を有する前記少なくとも1つの液体ラインチューブ(59、61、63、65)は、複数の透析液ラインチューブ(59、61)と、前記透析液ラインチューブ(59、61)の前記第2端部に接続された供給バッグ(60、62)と、を備える、アセンブリ。
【請求項22】
請求項16乃至19の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記第2コンパートメント(23)に接続された前記第1端部を有する前記少なくとも1つの液体ラインチューブ(59、61)は、1つ以上の透析液ラインチューブ(59、61)を備え、少なくとも1つの供給バッグ(60、62)が、前記1つ以上の透析液ラインチューブ(59、61)の前記第2端部に接続される、アセンブリ。
【請求項23】
請求項16に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)は、前記イールディングポンプチューブ(55)の前記第1端部(56)に接続され、前記第1コンパートメント(22)と液体連通する第1ポンプポート(34)と、前記イールディングポンプチューブ(55)の前記第2端部(57)に接続され、前記第2コンパートメント(23)と液体連通する第2ポンプポート(35)と、前記患者ラインチューブ(58)の前記第1端部に接続され、前記第2コンパートメント(23)と液体連通する患者ポート(53)と、前記第1コンパートメント(22)に接続された前記第1端部を有する前記少なくとも1つの液体ラインチューブ(59、61、63、65;63、65)の前記第1端部に接続され、前記第1コンパートメント(22)と液体連通する少なくとも1つの液体ポート(40、41、44、36;36、44)と、前記第2コンパートメント(23)に接続された前記第1端部を有する前記少なくとも1つの液体ラインチューブ(63、65)の前記第1端部に接続され、前記第2コンパートメント(23)と液体連通する少なくとも1つの液体ポート(40、41)と、を備える、アセンブリ。
【請求項24】
請求項23に記載のアセンブリであって、前記少なくとも1つの液体ポート(40、41、44、36)は、それぞれのバルブ(42、43、45、39)またはバルブの一部を備え、前記少なくとも1つの液体ポート(40、41、44、36)は、前記サイクラ(2)のそれぞれの閉塞エレメント(7)を少なくとも部分的に収容するための座を有し、前記患者ポート(53)は、それぞれのバルブ(54)またはバルブの一部を備え、前記少なくとも1つの患者ポート(53)は、前記サイクラ(2)のそれぞれの閉塞エレメント(7)を少なくとも部分的に収容するための座を有する、アセンブリ。
【請求項25】
請求項20に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)は、前記第1コンパートメント(22)、前記第2コンパートメント(23)、および、ヒータラインチューブ(63)と液体連通するバイパスチャネル(49)を備える、アセンブリ。
【請求項26】
請求項25に記載のアセンブリであって、前記第1コンパートメント(22)は、前記バイパスチャネル(49)と液体連通するバイパスポート(52)を備え、前記バイパスポート(52)は、それぞれのバルブ(51)またはバルブの一部を備え、前記バイパスポート(52)は、前記サイクラ(2)のそれぞれの閉塞エレメント(7)を少なくとも部分的に収容するための座を有する、アセンブリ。
【請求項27】
請求項16乃至26の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記第1コンパートメント(22)は、前記少なくとも1つの液体ラインチューブ(59、61、63、65;63、65)の1つと、前記イールディングポンプチューブ(55)の前記第1端部(56)と、の間に延びる第1細長い通路であり、前記第1細長い通路は、実質的にU字形である、アセンブリ。
【請求項28】
請求項27に記載のアセンブリであって、ヒータラインチューブ(63)の第1端部、ドレーン液ラインチューブ(65)の第1端部および複数の透析液ラインチューブ(59、61)の第1端部が、前記U字形の細長い通路の最も長い延伸部に沿って、順次、配され、前記イールディングポンプチューブ(55)の前記第1端部(56)は、前記U字形の細長い通路の端部に接続される、アセンブリ。
【請求項29】
請求項27または28に記載のアセンブリであって、前記第2コンパートメント(23)は、前記少なくとも1つの拡張チャンバ(24a、24b、24c)と液体連通する第2細長い通路を画定する隔壁を備え、前記第2細長い通路は、前記イールディングポンプチューブ(55)の前記第2端部(57)に接続された第1端部と、前記少なくとも1つの拡張チャンバ(24a、24b24c)と連絡する第2端部と、を有する、アセンブリ。
【請求項30】
請求項16乃至29の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)は、平坦な形状を有し、前記少なくとも1つの拡張チャンバ(24a、24b、24c)を画定する少なくとも1つの突出部(25a、25b、25c)を備え、前記少なくとも1つの拡張チャンバ(24a、24b、24c)が前記第2コンパートメント(23)の他の部分の深さよりも大きい深さを有する、アセンブリ。
【請求項31】
請求項16乃至30の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)は、前記サイクラ(2)の少なくとも1つのレベルセンサ(8、9)とインタフェースするための外部平坦面と、前記平坦な形状を通る開口(29a、29b)と、を有し、複数の拡張チャンバ(24a、24b、24c)が、前記第2コンパートメント(23)に画定され、前記開口(29a、29b)は、前記複数の拡張チャンバ(24a、24b、24c)のうち2つの間に配される、アセンブリ。
【請求項32】
請求項16乃至31の何れか1項に記載のアセンブリであって、前記ケーシング(19)は、リジッドシェル(20)と、プラスチックシートで作られた少なくとも1つの軟質膜(21)と、を備え、前記少なくとも1つの軟質膜(21)は、前記リジッドシェル(20)に溶着または接着され、前記リジッドシェル(20)は、前記ケーシング(19)の前面および側面を画定し、前記少なくとも1つの軟質膜(21)は、前記ケーシング(19)の背面である、アセンブリ。
【請求項33】
請求項32に記載のアセンブリであって、前記少なくとも1つの軟質膜(21)は、前記サイクラ(2)のそれぞれの閉塞エレメント(7)を少なくとも部分的に収容するための座に面し、前記軟質膜(21)は、前記閉塞エレメント(7)が前記座内に収容されたときに、前記閉塞エレメント(7)によって変形され、患者ポート(53)または液体ポート(40、41、44、36)を閉じるように構成される、アセンブリ。
【請求項34】
請求項32に記載のアセンブリであって、前記少なくとも1つの軟質膜(21)のエリア(67)が、前記アセンブリ(3)が前記サイクラ(2)に適切に取り付けられると、前記サイクラ(2)の変位センサ(68)に結合されるように構成され、前記エリア(67)は、前記第1コンパートメント(22)のゾーンに面する、アセンブリ。
【国際調査報告】