(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】油ポンプ管理のためのマルチ・ラベル分類モデルのための連合学習
(51)【国際特許分類】
G06N 20/00 20190101AFI20231219BHJP
【FI】
G06N20/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534934
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(85)【翻訳文提出日】2023-06-08
(86)【国際出願番号】 IB2021061237
(87)【国際公開番号】W WO2022130098
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ、ニアンジュン
(72)【発明者】
【氏名】パテル、ダーヴァルクマール
(72)【発明者】
【氏名】バーミディパティ、アヌラーダ
(57)【要約】
資産の故障を予測するコンピュータ実施の連合学習方法は、コホートの各々のために、ローカル・サイトでローカル・モデルを生成することと、各故障タイプのために、コホートの各々のためのローカル・モデルをローカル・データ上で訓練することと、を含む。ローカル・モデルは、中央データベースと共有される。グローバル・モデルは、複数のローカル・サイトからの複数のローカル・モデルの集約に基づいて作成される。複数のローカル・サイトの各々で、グローバル・モデルおよびローカル・モデルの1つは、各コホートのために選ばれる。選ばれたモデルは、ローカル・データ上で動作して、資産の故障を予測する。利用された特徴は、資産の特徴を静的特徴、半静的特徴および動的特徴に区切ることと、静的特徴および半静的特徴に基づいて、資産のコホートを形成することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
資産の故障を予測するコンピュータ実施方法であって、前記コンピュータ実施方法は、
前記資産の特徴を静的特徴、半静的特徴および動的特徴に区切ることと、
前記静的特徴および前記半静的特徴に基づいて、前記資産のコホートを形成することと、
前記コホートの各々のために、ローカル・サイトでローカル・モデルを生成することと、
各故障タイプのために、前記コホートの各々のための前記ローカル・モデルをローカル・データ上で訓練することと、
訓練された前記ローカル・モデルを中央データベースと共有することと、
複数の前記ローカル・サイトからの複数の前記ローカル・モデルの集約に基づいて、グローバル・モデルを作成することと、
前記複数のローカル・サイトの各々で、
前記コホートの各々のために、前記グローバル・モデルまたは前記ローカル・モデルを選ぶことと、
前記コホートの1つに属する前記資産のうちの1つまたは複数の故障を予測するために、選ばれた前記モデルをローカル・データ上で動作させることと、
を含むコンピュータ実施方法。
【請求項2】
前記コンピュータ実施方法は、前記コホートの各々のための前記ローカル・モデルの各々を作成するためのテンプレート・モデルを生成することをさらに含む、
請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項3】
前記コンピュータ実施方法は、
前記複数のローカル・サイトの各々からの前記ローカル・モデルをローカル・モデルのプール内にプールすることと、
前記グローバル・モデルの性能と、ローカル・モデルの前記プールからの前記ローカル・モデルのうちの選択された1つと、を決定することと、
をさらに含む、
請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項4】
選ばれた前記モデルは、前記グローバル・モデルの前記性能と、前記ローカル・モデルのうちの前記選択された1つと、に基づいて選択される、
請求項3に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項5】
前記コンピュータ実施方法は、前記グローバル・モデルと前記ローカル・モデルのうちの前記選択された1つとの間のミスマッチを決定することをさらに含む、
請求項3に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項6】
前記コンピュータ実施方法は、前記資産の前記ローカル・データに基づいて選ばれた前記モデルをチューニングして、前記ローカル・モデルの性能を改善することをさらに含む、
請求項3に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項7】
前記コンピュータ実施方法は、チューニングされ選ばれた前記モデルをローカル・モデルの前記プールに提供することをさらに含む、
請求項6に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項8】
前記コンピュータ実施方法は、前記コホートの各々のためのローカル・モデルの前記プール内の前記ローカル・モデルの各々の平均に基づいて、前記グローバル・モデルを更新することをさらに含む、
請求項3に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項9】
ローカル・モデルの前記プール内の前記ローカル・モデルの各々は、前記ローカル・モデルをローカル・モデルの前記プールに提供した前記ローカル・サイトの資産の平均数に基づいて重み付けされる、
請求項3に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項10】
資産の故障を予測するためのコンピュータ実施方法であって、前記コンピュータ実施方法は、
前記資産の特徴を静的特徴、半静的特徴および動的特徴に区切ることと、
前記静的特徴および前記半静的特徴に基づいて、前記資産のコホートを形成することと、
前記コホートの各々のために、ローカル・サイトでローカル・モデルを生成することと、
前記ローカル・モデルを中央データベースと共有することと、
それぞれの複数の前記ローカル・サイトからの複数の前記ローカル・モデルから前記ローカル・モデルのプールを形成することと、
前記複数の前記ローカル・サイトからの前記複数の前記ローカル・モデルの集約に基づいて、グローバル・モデルを作成することと、
前記複数のローカル・サイトの各々で、
前記コホートの各々のために、前記グローバル・モデルのうちの1つおよびローカル・モデルの前記プールから前記複数のローカル・モデルのうちの1つを選ぶことと、
前記コホートの1つに属する前記資産のうちの1つまたは複数の前記故障を予測するために、選ばれた前記モデルをローカル・データ上で動作させることと、
を含むコンピュータ実施方法。
【請求項11】
前記コンピュータ実施方法は、前記コホートの各々のための前記ローカル・モデルの各々を作成するためのテンプレート・モデルを生成することをさらに含む、
請求項10に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項12】
前記コンピュータ実施方法は、前記グローバル・モデルと選ばれた前記モデルとの間のミスマッチを決定することをさらに含む、
請求項10に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項13】
前記コンピュータ実施方法は、ローカル・データに基づいて選ばれた前記モデルをチューニングして、前記ローカル・モデルの性能を改善することをさらに含む、
請求項10に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項14】
前記コンピュータ実施方法は、チューニングされ選ばれた前記モデルをローカル・モデルの前記プールに提供することをさらに含む、
請求項13に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項15】
前記コンピュータ実施方法は、前記コホートの各々のためのローカル・モデルの前記プール内の前記ローカル・モデルの各々の平均に基づいて、前記グローバル・モデルを更新することをさらに含む、
請求項10に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項16】
ローカル・モデルの前記プール内の前記ローカル・モデルの各々は、前記ローカル・モデルをローカル・モデルの前記プールに提供した前記ローカル・サイトの資産の平均数に基づいて重み付けされる、
請求項15に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項17】
資産の故障予測のためのコンピュータ実施方法であって、前記コンピュータ実施方法は、
前記資産の特徴を静的特徴、半静的特徴および動的特徴に区切ることと、
前記静的特徴および前記半静的特徴に基づいて、前記資産のコホートを形成することと、
前記コホートの各々のために、ローカル・サイトでローカル・モデルを生成することと、
前記コホートの各々のために、グローバル・モデルを作成することと、
複数のローカル・サイトの各々で、
前記コホートの各々のために、前記グローバル・モデルおよび前記ローカル・モデルの1つを選ぶことと、
前記コホートの1つに属する前記資産のうちの1つまたは複数の故障を予測するために、選ばれた前記モデルを前記ローカル・サイトにローカルなデータ上で動作させることと、
を含むコンピュータ実施方法。
【請求項18】
前記コンピュータ実施方法は、
前記複数のローカル・サイトのための前記ローカル・モデルの各々を中央データベース内に格納することと、
前記コホートの各々のためのローカル・モデルのプール内の前記ローカル・モデルの各々の平均に基づいて、前記グローバル・モデルを更新することと、
をさらに含む、
請求項17に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項19】
ローカル・モデルの前記プール内の前記ローカル・モデルの各々は、前記ローカル・モデルをローカル・モデルの前記プールに提供した前記ローカル・サイトの資産の平均数に基づいて重み付けされる、
請求項18に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項20】
前記コンピュータ実施方法は、
前記複数のローカル・サイトの各々で、
前記コホートの各々のために、更新された前記グローバル・モデルおよび前記ローカル・モデルの1つを選ぶことと、
前記資産の故障を予測するために、選ばれた前記モデルをローカル・データ上で動作させることと、
をさらに含む、
請求項18に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項21】
コンピュータ可読命令を有するコンピュータ可読プログラム・コードを明らかに実施する非一過性コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読命令は、実行されるとき、コンピューティング・デバイスに資産の故障予測の方法を実行させ、前記方法は、
前記資産の特徴を静的特徴、半静的特徴および動的特徴に区切ることと、
前記静的特徴および前記半静的特徴に基づいて、前記資産のコホートを形成することと、
前記コホートの各々のために、ローカル・サイトでローカル・モデルを生成することと、
前記ローカル・モデルを中央データベースと共有することと、
それぞれの複数の前記ローカル・サイトからの複数の前記ローカル・モデルからローカル・モデルのプールを形成することと、
前記複数の前記ローカル・サイトからの前記複数の前記ローカル・モデルの集約に基づいて、グローバル・モデルを作成することと、
前記複数のローカル・サイトの各々で、
前記コホートの各々のために、前記グローバル・モデルのうちの1つおよびローカル・モデルの前記プールからの前記複数のローカル・モデルのうちの1つを選ぶことと、
前記コホートの1つに属する前記資産のうちの1つまたは複数の故障を予測するために、選ばれた前記モデルを前記ローカル・データ上で動作させることと、
を含む非一過性コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項22】
プロセッサによる前記コードの前記実行は、前記コンピューティング・デバイスが、前記コホートの各々のための前記ローカル・モデルの各々を作成するためのテンプレート・モデルを生成することを含む動作を実行するようにさらに構成する、
請求項21に記載の非一過性コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項23】
プロセッサによる前記コードの前記実行は、前記コンピューティング・デバイスが、前記コホートの各々のためのローカル・モデルの前記プール内の前記ローカル・モデルの各々の平均に基づいて、前記グローバル・モデルを更新することを含む動作を実行するようにさらに構成する、
請求項19に記載の非一過性コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項24】
コンピュータ可読命令を有するコンピュータ可読プログラム・コードを明らかに実施する非一過性コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読命令は、実行されるとき、コンピューティング・デバイスに資産の故障予測の方法を実行させ、前記方法は、
前記資産の特徴を静的特徴、半静的特徴および動的特徴に区切ることと、
前記静的特徴および前記半静的特徴に基づいて、前記資産のコホートを形成することと、
前記コホートの各々のために、ローカル・サイトでローカル・モデルを生成することと、
前記コホートの各々のためのグローバル・モデルを作成することと、
複数のローカル・サイトの各々で、
前記コホートの各々のために、前記グローバル・モデルおよび前記ローカル・モデルの1つを選ぶことと、
前記コホートの1つに属する前記資産のうちの1つまたは複数の故障を予測するために、選ばれた前記モデルを前記ローカル・データ上で動作させることと、
を含む非一過性コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項25】
プロセッサによる前記コードの前記実行は、前記コンピューティング・デバイスが、
前記複数のローカル・サイトのための前記ローカル・モデルの各々を中央データベース内に格納することと、
前記コホートの各々のためのローカル・モデルのプール内の前記ローカル・モデルの各々の平均に基づいて、前記グローバル・モデルを更新することと、
を含む動作を実行するようにさらに構成する、
請求項24に記載の非一過性コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、人工知能および機械学習システムに関するものであり、より詳しくは、油ポンプ予防管理のような、産業機器の修理および保守のためのマルチ・ラベル分類モデルのための分散学習のための方法およびシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
石油および他の鉱業会社は、それらの資産を保守する必要がある。油田において、会社は、高い石油生産を生じるために、ポンプ井戸を良好な状態に保守する必要がある。現在の傾向は、予防保守アプローチを用いることであり、費用効果的な予防保守アプローチの成功は、特定の部品の保守の必要の予測の精度に依存する。
【0003】
大きい石油会社は、多くの異なる地理的領域において世界中に拠点を有し、油をポンプ輸送する。各サイトは、より良好な予測モデルを有するための集約された知識を共有することを受け入れるが、サイトは、例えば、プライバシーの考慮および管理問題に起因して、詳細な動作センサ・データを共有することが制限される。
【0004】
現在の一般的な予測モデルは、相当な制限を有する。これらの制限は、サイト間のデータ共有の欠如、障害例の欠如および個々の地理的サイトのためのシナリオを含む。動作状態の異なるシナリオは、異なるモデルを含みうるし、1つの汎用予測モデルを構築することは、特定の地理的サイトとしてローカル条件に適さないかもしれない。
【0005】
それゆえ、ローカルおよびグローバルの両方で管理可能な予測/分類モデルを開発および改善するためのアプローチを有する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
さまざまな好適実施形態によれば、資産故障のための予測モデルを開発および改善するためのコンピューティング・デバイス、非一過性コンピュータ可読記憶媒体および方法が提供され、モデルのみが異なるサイト間で共有される。
【0007】
一実施形態において、本発明は、資産の故障を予測するコンピュータ実施方法を提供し、方法は、資産の特徴を静的特徴、半静的特徴および動的特徴に区切ることと、静的特徴および半静的特徴に基づいて、資産のコホート(cohort)を形成することと、を含む。方法は、コホートの各々のために、ローカル・サイトでローカル・モデルを生成することと、各故障タイプのために、コホートの各々のためのローカル・モデルをローカル・データ上で訓練することと、をさらに含む。ローカル・モデルは、中央データベースと共有される。グローバル・モデルは、複数のローカル・サイトからの複数のローカル・モデルの集約に基づいて作成される。複数のローカル・サイトの各々で、グローバル・モデルおよびローカル・モデルの1つは、各コホートから選ばれる。選ばれたモデルは、ローカル・データ上で動作して、このコホートに属する資産のうちの1つまたは複数の資産の故障を予測する。
【0008】
好ましくは、本発明は、コホートの各々のためにローカル・モデルの各々を作成するためのテンプレート・モデルを生成することをさらに含む方法を提供する。
【0009】
好ましくは、本発明は、複数のローカル・サイトの各々からのローカル・モデルをローカル・モデルのプール内にプールすることと、グローバル・モデルの性能およびローカル・モデルのプールからのローカル・モデルの選択された1つを決定することと、をさらに含む方法を提供する。
【0010】
好ましくは、本発明は、各コホートのためのローカル・モデルのプール内の各ローカル・モデルの平均に基づいて、グローバル・モデルを更新することをさらに含む方法を提供する。いくつかの好適実施形態において、ローカル・モデルのプール内の各ローカル・モデルの各々は、ローカル・モデルをローカル・モデルのプールに提供したローカル・サイトの資産の平均数に基づいて重み付けされる。
【0011】
さまざまな実施形態によれば、資産の故障を予測するためのコンピュータ実施方法は、資産の特徴を静的特徴、半静的特徴および動的特徴に区切ることと、静的特徴および半静的特徴に基づいて、資産のコホートを形成することと、を含む。ローカル・モデルは、各コホートのためにローカル・サイトで生成され、ローカル・モデルは、中央データベースと共有される。ローカル・モデルのプールは、それぞれの複数のローカル・サイトからの複数のローカル・モデルから作成される。グローバル・モデルは、複数のローカル・サイトからの複数のローカル・モデルの集約に基づいて作成される。複数のローカル・サイトの各々で、グローバル・モデルのうちの1つおよびローカル・モデルのプールからの複数のローカル・モデルのうちの1つは、各コホートのために選ばれる。選ばれたモデルは、ローカル・データ上で動作して、資産の故障を予測する。
【0012】
さまざまな実施形態によれば、資産の故障予測のためのコンピュータ実施方法は、資産の特徴を静的特徴、半静的特徴および動的特徴に区切ることと、静的特徴および半静的特徴に基づいて、資産のコホートを形成することと、を含む。ローカル・モデルは、コホートの各々のためにローカル・サイトで生成され、グローバル・モデルは、コホートの各々のために作成される。複数のローカル・サイトの各々で、グローバル・モデルおよびローカル・モデルの1つは、各コホートのために選ばれる。選ばれたモデルは、ローカル・データ上で動作して、モデルが開発されるコホートに属する資産の故障を予測する。
【0013】
本願明細書において述べられる概念によって、資産故障を予測するのに現在用いられているアプローチを改善するシステムおよび方法が提供される。本願明細書において述べられるシステムおよび方法は、プライバシーおよびセキュリティを損なうことなく、異なるサイト間で情報を共有することによって、資産故障予測モデルの精度を改善することができる。
【0014】
これらおよび他の特徴は、例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになり、詳細な説明は、添付の図面に関連して読むべきである。
【0015】
以下、本発明の好適実施形態は、以下の図面を単なる例として参照して記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の一実施形態によれば、特徴のグループ化に基づくモデルの展開の表現である。
【
図2】連合モデルの展開の後の資産故障予測エンジンのシステムアーキテクチャの表現であり、例示的な実施形態と整合して、モデル・チューニングおよびモデル更新を示す。
【
図3】例示的な実施形態と整合して、ローカル・サイトでコホートのためにローカル・モデルを選択するための方法を示す。
【
図4】例示的な実施形態と整合して、他のサイトからのローカル・モデルを共有することなく、ローカル・モデルを選択するための方法を示す。
【
図5】例示的な実施形態と整合して、将来のコホート・マルチ・ラベル予測のモデル・テンプレートを示す。
【
図6】例示的な実施形態と整合して、ローカル・サイトでミスマッチおよびチューニングのためのアーキテクチャ・モデルを示す。
【
図7】例示的な実施形態と整合して、資産故障予測エンジンをセット・アップすることに関する動作を示すフローチャートである。
【
図8】例示的な実施形態と整合して、資産故障予測エンジンを動作することに関する動作を示すフローチャートである。
【
図9】
図2の資産故障予測エンジンを実施するのに用いることができるコンピュータ・ハードウェア・プラットフォームの機能ブロック図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の詳細な説明において、多数の具体的な詳細は、関連した教示の完全な理解を提供するために例として記載される。しかしながら、本教示がこの種の詳細なしで実行されうることを認識されたい。他の例において、周知の方法、手順、構成要素または回路あるいはこれらの組み合わせは、比較的高いレベルで詳細なしに記載され、本教示の態様を不必要に不明瞭にすることを回避し、この種の詳細なしで実行されうる。他の例において、周知の方法、手順、構成要素または回路あるいはこれらの組み合わせは、比較的高いレベルで詳細なしに記載され、本教示の態様を不必要に不明瞭にすることを回避する。
【0018】
特に明記しない限り、および、以下の説明および請求項から明らかであるように、明細書全体にわたり、「処理する」、「コンピュータで計算する」、「計算する」、「決定する」などのような用語を利用する記載は、コンピューティング・システムのレジスタまたはメモリあるいはその両方内の物理量、例えば、電子的な量として表現されるデータを、コンピューティング・システムのメモリ、レジスタまたは他のこの種の情報記憶、伝送もしくはディスプレイ・デバイス内の物理的量として同じように表現される他のデータに操作または変換あるいはその両方を行うコンピュータもしくはコンピューティング・システムまたは類似の電子コンピューティング・デバイスのアクションまたはプロセスあるいはその両方を意味すると認識されたい。
【0019】
本願明細書において用いられるとき、「分散学習」という用語は、ローカル・データが共有されず、モデル(ローカルおよびグローバル)だけが分散サイト間で共有される学習モデルを意味する。
【0020】
本願明細書において用いられるとき、「マルチ学習分類」という用語は、複数のラベルが各ケースに割り当てられてもよく、それらが排他的ではない分類問題を意味する。
【0021】
本願明細書において用いられるとき、「コホート」という用語は、すべての資産を単一のカテゴリとしてグループ化する代わりに、より良好な分析および予測のために、資産を異なるグループに分解することを意味する。
【0022】
本願明細書において用いられるとき、「グローバル・モデル」という用語は、ローカル・モデルの欠如に起因して、または、ローカル・モデルがグローバル・モデルほど良好ではないため、ローカル・サイトがグローバル・モデルを使用することができる特定のコホートのためのモデルを意味する。
【0023】
本願明細書において用いられるとき、「ローカル・モデル」という用語は、ローカル・サイトで用いられるモデルを意味する。
【0024】
本願明細書において用いられるとき、「モデル・アグリゲータ」という用語は、ローカル・モデルの集合およびそれらの使用に基づいて、更新されたグローバル・モデルを意味する。
【0025】
本願明細書において用いられるとき、「ローカル・サイトでのモデル選択」という用語は、ローカル・サイトで用いるためにローカル・モデルを選択するために用いられるアルゴリズムを意味し、候補モデルのプールは、コホートのためのグローバル・モデルまたは他のサイトからのローカル・モデルあるいはその両方から来る。
【0026】
以下に詳述するように、本開示は、概して、分散学習による産業資産管理、例えば、油ポンプ管理のための方法およびシステムに関するものである。方法およびシステムは、コホート・モデルおよび予測モデルを格納し、ローカル・サイトのための出発点として集中型モデルをローカル・サイトに送るための中央型アプローチを用いる。方法およびシステムは、ローカル・サイトでの予測モデル性能を改良および改善するための分散型アプローチを用いることができ、結果として、同一のモデル構造および初期特徴によりモデルを再訓練することによってローカル改良を生ずる。コホート・モデルの集中的管理は、各サイトからの学習が共通または類似のシナリオ・グループに整列されることを確実にするのを助けることができる。本開示のシステムおよび方法は、いかなる特定の資産故障の特定の詳細を共有する必要なく、他のサイトで、1つのサイトから学習した情報を用いる取り組みにおいて、複数のサイトにわたりモデルを共有することによって、資産故障予測管理モデルにおける重要な改善を提供することができる。
【0027】
さらに、以下に詳述するように、本開示は、いつローカル・モデルを更新し、モデル改良を生成するべきかについて決定するために、モデル・ミスマッチ分析を実行することができるシステムおよび方法を提供する。システムおよび方法は、予測のための従来のおよび深層学習モデル・アーキテクチャ、または十分なモデル複雑さを有する分類モデルを含むがこれらに限定されるものではない予測モデルを適用し、異なるサイトからのモデル統合を可能にし、グローバル・モデル統合の後、他のサイトのための精度の低下を回避することができる。
【0028】
油ポンプの3つの主要なタイプ、すなわち、水中ポンプまたは電動水中ポンプ(ESP)、一軸偏心ねじポンプ(PCP)および往復ロッド・リフト(RRL:reciprocating rod lift)が存在する。これらのポンプの各々は、特定のコホートを表現することができる。機械のタイプは、類似の構造および機能を共有する同一のコホートに属する。ポンプ故障、ロッド故障および管故障を含む構成要素故障の3つの主要なタイプが存在する。これらの故障タイプは、ラベルとして定義可能である。本開示は、コホートを石油産業の異なるポンプとして定義するが、望ましい応用および産業に応じて、他の資産がコホートとして定義されてもよいことを理解されたい。
【0029】
以下、添付の図面に示されて、後述される説明を詳細に参照する。
【0030】
図1を参照すると、各油ポンプ・モデル系統100に関する詳細を用いて、そのモデル系統100のための特徴102のセットを提供することができる。特徴102のセットは、静的特徴104、半静的特徴106および動的特徴108を含むことができる。各資産(例えば、各ポンプ系統)および各資産の特徴に関するデータを含むグローバル・データベース110を保守することができる。静的特徴104は、典型的には、資産のために変化しない情報、例えば、資産購入年、モデル番号、ブランド、地理的な位置などを含むことができる。半静的特徴106は、ゆっくり変化する情報、例えば、購入からの日にち、最後の保守からの日にち、購入からの予定保守の数、修理間隔の平均的な日にちなどを含むことができる。特定のデータ変換は、後述するように、静的および半静的データを使用可能な特徴に変換するために必要となりうる。動的特徴108は、監視センサからの情報を含む。典型的には、動的特徴108は、短い計画対象期間における故障信号を提供する。特定のデータの集約および変換は、このデータを使用可能な特徴、例えば、1時間/1日の平均、指数平滑性、外れ値識別、前の週に失われた値などに変換するために用いられうる。
【0031】
資産は、1つまたは複数のコホート112に分割可能である。
図1の例において、コホートは、ポンプ・タイプ(ポンプ・タイプA、ポンプ・タイプB、ポンプ・タイプCおよびポンプ・タイプD)に基づくが、関心資産に応じて、コホートは、任意の所定の資産または資産の分割に基づいて確立されてもよい。例えば、風力発電地帯は、コホートを異なる発電構成要素、例えば、ベアリング、インバータ、記憶装置などに分割してもよい。いくつかの実施形態では、コホート112は、資産の静的および半静的特徴を分析することによって作成可能であり、所定のコホートは、所定の資産のための類似の静的特徴または半静的特徴あるいはその両方を有することができる。
【0032】
図1に示すように、コホート112は、その特定の資産のための静的特徴104、半静的特徴106および動的特徴108を含むことができる。故障予測モデル114(グローバル・モデル114とも呼ばれる)は、各コホートのために構築可能である。グローバル・モデル114は、所定の資産もしくはコホートのために以前に確立したローカル・モデルに基づいてもよいか、または、類似の資産に基づくモデルに基づいてもよい。典型的には、グローバル・モデル114は、資産の静的、半静的および動的特徴に基づいて、固定アーキテクチャを有する深層学習モデル構造を有することができる。コホート112に基づくグローバル・モデル114は、複数のローカル・サイト116の各々に展開可能である。
【0033】
図2を次に参照すると、各展開サイト200(各ローカル・サイト200とも呼ばれる)は、ローカル・モデル202をモデル・リポジトリ204から選択することができる。モデル・リポジトリ204は、各コホートのためのグローバル・モデルを含むことができる。いくつかの実施形態では、以下に詳述するように、モデル・リポジトリは、各コホートのためのグローバル・モデルおよび少なくとも1つのローカル・モデルを含むことができる。モデル・コンソリデータ/アグリゲータ206は、モデルをコホートに整合させ、類似または同一のローカル・モデルを除去することによってモデルの総数を制限するために提供されてもよい。
【0034】
ローカル・ミスマッチ分析208は、各展開サイト200で実行されてもよく、選択されたローカル・モデル202は、モデル性能を監視可能である。モデル予測と実際の資産性能との間の相違は、結果として、連合分析212のためのミスマッチ報告210の報告を生じうる。さまざまなローカル・サイト200からのミスマッチ報告210は、一緒に分析されてもよいので、この分析は、「連合分析」と呼ばれる。ミスマッチ・データに応じて、システム250は、モデル・リポジトリ204に送信可能なコホート更新214またはモデル更新216を提供してもよい。さらに、各ローカル・サイト200は、ローカル・モデル・チューニング216を提供することができる。モデル・チューニング216の詳細は、モデル・リポジトリ204のための更新されたローカル・モデルのためのモデル更新216および連合分析212のために提供されてもよい。
【0035】
図3を参照すると、ローカル・サイトでの所定のコホートのためのローカル・モデル選択の図的表現が記載されている。ローカル・サイト300は、所定のコホートのための1つまたは複数のローカル・モデル302およびグローバル・モデル304を受信することができる。所定のコホートが利用できる(グローバルまたはローカル・モデルとしての)モデルがない場合(例えば、新規なコホートがローカル・サイトで確立されるとき)、新規なローカル・モデルは、ローカル・サイトで生成される。この新規なローカル・モデルは、例えば、このサイトまたは他のローカル・サイトでの類似の資産のためのモデルに基づいてもよい。
【0036】
2つのモデルは、比較および改良のために選択可能である。選択されたモデルの一方は、所定のコホートのためのグローバル・モデルとすることができ、他方のモデルは、ローカル・モデル・プールからのローカル・モデルとすることができる。さまざまな基準、例えば、ローカル・モデルをローカル・サイト300に提供するサイトの類似性、ローカル・モデルをローカル・サイト300に提供するサイトの近接性、ローカル・モデルの性能測定基準などは、ローカル・モデルをローカル・モデル・プールから選択するために用いられてもよい。いくつかの実施形態では、ローカル・モデルは、ローカル・サイト300でのローカル・モデル自体から選択されてもよい。データは、2つの選択されたモデルに適用可能であり、性能は分析可能である。最高性能のモデルは、ローカル・サイト300での所定のコホートのための新規なローカル・モデル306として選択可能である。性能ミスマッチが2つのモデルの間にある場合、チューニングを実行して、新規なローカル・モデルを生成することができ、この新規なローカル・モデルは、グローバル・モデル・リポジトリ204に共有可能である(
図2参照)。
【0037】
図4を参照すると、いくつかの実施形態では、ローカル・モデルは、サイト管理またはプライバシー要件に起因して共有されてはならない。本実施形態において、グローバル・モデル402は、所定のコホートのためにローカル・サイト400に提供されてもよい。また、2つのモデルが選択されてもよく、一方のモデルは、グローバル・モデル204であり、他方は、ローカル・サイト400で生成されるローカル・モデルの現在のバージョンである。ローカル・モデルが現在ローカル・サイト400にない場合、ローカル・サイト400は、
図3に関して上述した方法と類似の方法で、ローカル・モデルを作成してもよい。モデルは、上述したように、比較されかつ改良され、更新されたローカル・モデル404を生成することができる。グローバル・モデル402が更新されるとき、例えば、後述するように、次に、
図4に示すローカル・モデル選択が繰り返され、改良したグローバル・モデルに基づいて、更新されたローカル・モデル404を生成してもよい。
【0038】
図5を参照すると、抽象モデル・テンプレート500は、すべてのコホートのために定義可能である。この抽象モデル・テンプレート500は、例えば、新規なコホートのためのモデル生成に用いられ、オリジナル・グローバル・モデルなどを生成してもよい。テンプレート500は、静的特徴104および半静的特徴106を多層パーセプトロン・ニューラル・ネットワーク502に入力してもよい。テンプレート500は、さらに、動的特徴108を長・短期記憶ニューラル・ネットワーク504に入力してもよい。両方のネットワーク502、504からの出力は、マルチ・ラベル予測のための集約モデル506を提供してもよい。テンプレート500の出力は、マルチ・ラベルの出力でもよく、テンプレート500は、すべての将来のコホート・マルチ・ラベル予測のために用いることができる。
【0039】
図6を次に参照すると、チューニングおよびモデル・ミスマッチのためのモデル600が提供される。ローカル・モデル・ストア602は、ローカル・サイトでの少なくとも現在のローカル・モデルに関する情報を含むことができる。ローカル・モデル・ストア602はまた、所定のコホートのための他のサイトでの他のローカル・モデルに関する情報を含むこともできる。ローカル・データ・ストア604を用いて、コホートの識別606または新規なコホートの作成608を助けてもよい。上述したように、2つのモデルは、ローカル・データ・ストア604からのデータによって動作され、ミスマッチ分析610を生成してもよい。モデル・チューニングまたは更新612あるいはその両方は、ミスマッチ分析610に基づいて実行されてもよく、更新は、マスター・モデル・ストア614に提供されてもよい。
【0040】
ローカル・モデルの更新に加えて、システムは、1つまたは複数の評価方法に基づいて、グローバル・モデルの更新を提供してもよい。例えば、1つの方法は、所定のコホートのための各ローカル・モデルの重みを平均化することによって(例えば、各ローカル・サイト内の資産の数に基づいた加重平均により)、重みにアクセスし、更新されたグローバル・モデルを生成することを含むことができる。いくつかの実施形態では、グローバル・モデルは、各モデルの最後の層の重みのみにアクセスし、平均化して、グローバル・モデルを生成することによって更新されてもよい。本実施形態において、下層の重みは、各ローカル・モデルのために同一である。他の実施形態では、グローバル・モデルは、アンサンブル・アプローチを用いて更新され、所定のコホートのための個々のローカル・モデルに基づいて、新規なグローバル・モデルを作成してもよい。グローバル・モデルは、周期的に更新されてもよいし、または、新規もしくは更新されたローカル・モデルが1つもしくは複数のローカル・サイトから提供されるときに更新されてもよい。
【0041】
例のシステム250(
図2参照)の上述の概要を用いて、例のプロセスの高いレベルの議論を考慮することは有用となりうる。そのために、
図7は、ローカルおよびグローバル・モデルの生成を含む、システム250の確立に関連した例示的なプロセス700を提示する。
図8は、ローカル・モデルのローカル・サイト選択に関連した例示的なプロセス800を提示する。プロセス700、800は、一群のブロックとして論理的フローチャートにおいて示され、論理的フローチャートは、ハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせで実施可能な一連の動作を表現する。ソフトウェアの文脈において、ブロックは、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、詳述された動作を実行するコンピュータ実行可能命令を表現する。概して、コンピュータ実行可能命令は、機能を実行するかまたは抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などを含んでもよい。各プロセスにおいて、動作が記載されている順序は、制限として解釈されることを意図せず、任意数の記載されているブロックは、プロセスを実施するために、任意の順序で組み合わせ可能であるかまたは並列に実行可能であるかあるいはその両方である。
【0042】
図7を参照すると、資産故障予測のためのシステムを確立するためのプロセス700は、異なる時間スケールで資産ダイナミクスの特性を扱うことに関連した静的、半静的および動的特徴に資産の特徴を区切る動作710を含む。動作720は、テンプレート・モデルを生成して、共通のモデル構造を確実にすることができる。上述した
図5は、テンプレート・モデル生成の一例を提供する。動作730は、類似の資産をグループ化して、コホートに特有のモデルを可能にするために、静的および半静的特徴に基づいてコホートを形成することを含むことができる。いくつかの実施形態では、システムは、静的および半静的特徴に基づいて、コホートを自動的に生成することができる。動作740は、資産のためのさまざまな故障タイプに基づいて、各コホートのためのローカル知識によりローカル・モデルを訓練することを含むことができる。動作750は、中央データベースにローカル知識を共有することと、各コホートのためのグローバル知識にローカル知識を固定または集約するグローバル・モデルを作成することと、を含むことができる。動作760では、中央データベースは、コホート定義、グローバル・モデルおよびローカル・モデルを各ローカル・サイトに分散することができる。
【0043】
図8を参照すると、プロセス800は、ローカル・サイトがローカル・モデルをローカル・モデルのプールから選択することができる動作810を含むことができる。動作820では、ローカル・サイトはまた、グローバル・モデルを選択することができる。動作830では、ローカル・サイトは、2つの選択されたモデルの性能に基づいて、新規なモデルとして最善のモデルを選択することができる。動作840では、ローカル・サイトは、最善のモデルの性能およびミスマッチ分析を実行することができる。動作850では、ローカル・サイトは、選択されたモデルをチューニングし、データを中央データベースに返信することができる。
【0044】
図9は、資産故障予測エンジン950をホストすることができるように特に構成されたコンピューティング・デバイスを実施するのに用いることができるコンピュータ・ハードウェア・プラットフォーム900の機能ブロック図の一例を提供する。資産故障予測エンジン950は、上述したように、コホート生成モジュール952、グローバル・モデル・データベース954、ローカル・モデル・プール956およびモデル・チューニング・モジュール958を含むことができる。
【0045】
コンピュータ・プラットフォーム900は、中央演算処理装置(CPU)910と、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)920と、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)または読み取り専用メモリ(ROM)930あるいはその両方と、キーボード950と、マウス960と、ディスプレイ970と、システム・バス940に接続されている通信インタフェース980と、を含んでもよい。
【0046】
一実施形態において、HDD920は、本願明細書において記載されている方法でさまざまなプロセスを実行することができるプログラムを格納することを含む機能、例えば、資産故障予測エンジン950を有する。
【0047】
上記説明は、異なるサイト間でモデルを共有することによる資産故障予測管理方法を記載するが、類似のシステムは、単一のサイト内で利用されてもよく、そこでは、同一の資産(コホート)の複数の使用は、単一のサイトにわたり実現されてもよい。本実施形態において、データを共有することなくモデルを共有することは、単一のサイト内で故障予測モデルを開発および改善するために有益となりうる。
【0048】
本教示のさまざまな実施形態についての記載は、例示の目的で提示されているが、開示された実施形態を網羅するもの、またはそれに限定されるものではない。記載された実施形態の範囲から逸脱しない多くの修正および変形が、当業者には明らかであろう。本願明細書において用いられた用語は、実施形態の原理、実際的な適用もしくは市場で見出される技術に勝る技術的改善を最善に説明するように、または他の当業者が本願明細書に開示された実施形態を理解できるように選ばれた。
【0049】
以上では、最善の状態または他の例あるいはその両方と考えられるものについて記載したが、これらにさまざまな修正を加えることができること、本願明細書に開示された主題はさまざまな形および例で実施できること、ならびに、本教示は多数の用途に適用でき、その一部のみが本願明細書において記載されたことを理解されたい。以下の請求項によって、本教示の真の範囲に入るありとあらゆる応用、修正およびバリエーションを請求することが意図されている。
【0050】
本願明細書で述べられてきた構成要素、ステップ、特徴、目的、利益および利点は、単に例示的なものである。これらのどれも、これらに関連する議論も、保護の範囲を限定することを意図するものではない。本願明細書ではさまざまな利点について述べられてきたが、すべての実施形態が必ずしもすべての利点を含むわけではないことを理解されたい。特に明記しない限り、以下の請求項を含めて、本願明細書に記載されているすべての測定値、値、定格、位置、大きさ、サイズおよびその他の仕様は、厳密なものではなく、近似的なものである。これらは、関連する機能と、関係する技術分野において慣習的なものとに合致する、妥当な範囲を有することを意図するものである。
【0051】
多数の他の実施形態もまた企図される。これらには、より少ない、追加のまたは異なるあるいはその組み合わせの構成要素、ステップ、特徴、目的、利益および利点を有する実施形態が含まれる。これらにはまた、構成要素またはステップあるいはその両方が異なるように配置または順序付けあるいはその両方がされた実施形態も含まれる。
【0052】
本開示の態様は、本開示の実施形態による方法、装置(システム)およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照して本願明細書において記載されている。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の各ブロックおよびフローチャート図またはブロック図あるいはその両方におけるブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実施可能であることを理解されたい。
【0053】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実施する手段を作成するように、適切に構成されたコンピュータ、専用コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供されて機械を生成してもよい。これらのコンピュータ可読プログラム命令はまた、命令が格納されたコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/動作の態様を実施する命令を含む製品を備えるように、コンピュータ、プログラム可能データ処理装置または他のデバイスあるいはその組み合わせにおいてある方式で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよい。
【0054】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能装置または他のデバイス上で実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実施するように、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置または他のデバイスにロードされ、コンピュータ、他のプログラム可能装置または他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させ、コンピュータで実施されるプロセスを生成してもよい。
【0055】
本願明細書の図面におけるコール・フロー、フローチャートおよびブロック図は、本開示のさまざまな実施形態によるシステム、方法およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実施態様のアーキテクチャ、機能および動作を示す。この関連で、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、指定された論理機能を実施するための1つまたは複数の実行可能な命令を含む命令のモジュール、セグメントまたは部分を表現してもよい。いくつかの代替実施態様では、ブロック内に示された機能は、図面に示された順序から外れて行われてもよい。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、または、これらのブロックは、時には、必要な機能に応じて逆の順序で実行されてもよい。ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の各ブロックおよびブロック図またはフローチャート図あるいはその両方におけるブロックの組み合わせは、特定の機能もしくは動作を実行するかまたは専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを実行する、専用ハードウェア・ベースのシステムによって実施可能であることにもまた留意されたい。
【0056】
以上では例示的な実施形態と関連して記載してきたが、「例示的」という用語は、最善または最適ではなく、単に一例を意味することを理解されたい。すぐ上の記述を除いて、記述または図示されたものは、請求項に記載されているか否かにかかわらず、どの構成要素、ステップ、特徴、目的、利益、利点もしくは均等物も公衆に供されることを意図するものではなくまたはそのように解釈されるべきではない。本願明細書において用いられる用語および表現は、特定の意味が本願明細書において別に規定されている場合を除き、対応するそれぞれの探究および研究領域に関してそのような用語および表現に与えられる通常の意味を有することを理解されたい。第1および第2などの関係を示す用語は、一方の実体または動作を他方の実体または動作から区別するためにのみ用いられてもよく、必ずしもそのような実体または動作間のあらゆる実際のそのような関係または順序を要求または示唆することがない。「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」という用語またはその他のあらゆるバリエーションは、要素のリストを含むプロセス、方法、物品または装置がそれらの要素のみを含むのではなく、明示的にリストされていない他の要素またはこの種のプロセス、方法、物品または装置に固有の要素を含んでもよいように、非排他的包含に及ぶものである。「1つの(a)」または「1つの(an)」に続く要素は、さらなる制約条件がなければ、その要素を含むプロセス、方法、物品または装置に追加の同一の要素が存在することを排除しない。
【0057】
本開示の要約は、読者が技術開示の本質を迅速に把握できるように提供される。要約は、請求項の範囲または意味を解釈または制限するために用いられないという理解で提出されている。加えて、上述の詳細な説明では、開示を簡素化する目的で、さまざまな特徴がさまざまな実施形態にまとめられていることが分かる。この開示の方法は、請求された実施形態が、各請求項で明確に列挙されたものよりも多い特徴を有するという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項が反映するように、発明の主題は、単一の開示された実施形態の特徴のすべてにあるわけではない。したがって、以下の請求項は、本願明細書では詳細な説明に組み込まれ、各請求項がそれ自体で、別個に請求された主題として存立する。
【国際調査報告】