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特表2023-553911エアロゾル供給システムで使用するための物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】エアロゾル供給システムで使用するための物品
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20231219BHJP
   A24D 3/17 20200101ALI20231219BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20231219BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D3/17
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534936
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2023-08-08
(86)【国際出願番号】 GB2021053236
(87)【国際公開番号】W WO2022123262
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】2019584.8
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2020307.1
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2105211.3
(32)【優先日】2021-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ホルフォード, スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー, チェルシー
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AA50
4B045AB12
4B045AB17
4B045BA02
4B045BA05
4B045BA08
4B045BB05
4B045BC03
4B045BC08
4B045BC16
4B045BC24
4B045BC36
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC14
(57)【要約】
一態様では、本物品は、少なくとも1つのエアロゾル形成材料を有するエアロゾル生成材料(2)と、エアロゾル生成材料の下流に配置された円柱状体(21)とを備える。エアロゾル生成材料の下流端と円柱状体の上流端との間の距離(d)は約22mm未満である。別の態様では、中空管状部材(3)が、エアロゾル生成材料(2)の下流に配置され、1つ以上の通気領域(12)を有する。実質的に円柱状体(21)が、中空管状部材の下流に配置され、実質的に円柱状体の下流端が物品(1)の下流端を形成し、物品の下流端と中空管状部材の下流端との間の距離が少なくとも8mmであり、1つ以上の通気領域が、物品の下流端から12mm~21mmに設けられている。これに代えて又はこれに加えて、1つ以上の通気領域が、中空管状部材の下流端から3.5mm未満に設けられている。対応する方法及びシステムも説明される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非燃焼性エアロゾル供給システムとして、又は非燃焼性エアロゾル供給システムの一部として使用するための物品であって、
少なくとも1つのエアロゾル形成材料を含むエアロゾル生成材料と、
前記エアロゾル生成材料の下流に配置された円柱状体と
を備え、
前記エアロゾル生成材料の下流端と前記円柱状体の上流端との間の距離が約22mm未満である、物品。
【請求項2】
前記エアロゾル生成材料の下流に配置された中空管状体を備え、前記中空管状体が約0.5mmより厚い壁厚を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記円柱状体が前記中空管状体のすぐ下流に配置された、請求項2に記載の物品。
【請求項4】
前記中空管状体のすぐ上流に配置された中空管状部材をさらに備える、請求項2又は3に記載の物品。
【請求項5】
前記中空管状体が第1の内径を有し、前記中空管状部材が第2の内径を有し、
前記第2の内径が前記第1の内径よりも大きい、請求項4に記載の物品。
【請求項6】
前記第2の内径が前記第1の内径よりも少なくとも約1mm、1.5mm、又は2mm大きい、請求項5に記載の物品。
【請求項7】
前記第2の内径が約4mm~約7.5mmであり、前記第1の内径が約2mm~約4.5mmである、請求項5又は6に記載の物品。
【請求項8】
前記エアロゾル生成材料がエアロゾル生成材料セクションに設けられ、前記エアロゾル生成材料セクションが、前記中空管状部材の長さよりも長い長さを有する、請求項4~7のいずれか一項に記載の物品。
【請求項9】
前記中空管状部材が、約20mm未満、又は約19mm未満、又は約18mm未満の長さを有する、請求項4~8のいずれか一項に記載の物品。
【請求項10】
前記中空管状部材が、紙、プラスチック、又はフィラメントトウから形成されている、請求項4~9のいずれか一項に記載の物品。
【請求項11】
前記中空管状体が紙、プラスチック、又はフィラメントトウから形成されている、請求項2~10のいずれか一項に記載の物品。
【請求項12】
前記中空管状体が、前記中空管状体の約16重量%未満、又は前記中空管状体の約15重量%未満、又は前記中空管状体の約13重量%未満の量のトリアセチンを含む、請求項2~11のいずれか一項に記載の物品。
【請求項13】
前記物品の下流端に配置された第2の中空管状体をさらに備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の物品。
【請求項14】
前記第2の中空管状体が紙、プラスチック、又はフィラメントトウから形成され、及び/又は、前記第2の中空管状体が、少なくとも約0.5mmの壁厚を有する、請求項13に記載の物品。
【請求項15】
前記第1の中空管状体及び/又は前記第2の中空管状体が、0.25g/cc~0.75g/ccの密度を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の物品。
【請求項16】
前記円柱状体が包装材料によって取り囲まれ、前記包装材料がエンボスパターンを備える、請求項1~15のいずれか一項に記載の物品。
【請求項17】
前記円柱状体が、その体積全体にわたって実質的に連続している、請求項1~16のいずれか一項に記載の物品。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の物品を形成する方法であって、
少なくとも1つのエアロゾル形成材料を含むエアロゾル生成材料を提供するステップと、
円柱状体の上流端が前記エアロゾル生成材料の下流端から約22mm未満であるように、前記エアロゾル生成材料の下流に前記円柱状体を配置するステップと
を含む、方法。
【請求項19】
請求項1~17のいずれか一項に記載の物品と、
ヒーターを備える非燃焼性エアロゾル供給デバイスと
を具備する非燃焼性エアロゾル供給システム。
【請求項20】
非燃焼性エアロゾル供給デバイスと、
前記エアロゾル生成材料が、ある量のニコチンを含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の物品とを備えるシステムであって、
使用時、前記システムによって生成されるエアロゾルが、前記エアロゾル生成材料に使用前に供給されたニコチンの量の少なくとも30%、又は前記エアロゾル生成材料に使用前に供給されたニコチンの量の少なくとも35%、又は前記エアロゾル生成材料に使用前に供給されたニコチンの量の少なくとも40%を含む、システム。
【請求項21】
標準的な喫煙方式に従って使用される、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
非燃焼性エアロゾル供給デバイスと、
前記エアロゾル生成材料が、ある量のグリセロールを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の物品とを備えるシステムであって、
使用時、前記システムによって生成されるエアロゾルが、前記エアロゾル生成材料に使用前に供給されたグリセロールの量の少なくとも15%、又は前記エアロゾル生成材料に使用前に供給されたグリセロールの量の少なくとも20%を含む、システム。
【請求項23】
標準的な喫煙方式に従って使用される、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
非燃焼性エアロゾル供給システムとして、又は非燃焼性エアロゾル供給システムの一部として使用するための物品であって、
少なくとも1つのエアロゾル形成材料を含むエアロゾル生成材料と、
前記エアロゾル生成材料の下流に配置された中空管状部材であって、1つ以上の通気領域を備える中空管状部材と、
前記中空管状部材の下流に配置された実質的に円柱状体であって、前記実質的に円柱状体の下流端が前記物品の下流端を形成し、前記物品の下流端と前記中空管状部材の下流端との間の距離が少なくとも8mmである、実質的に円柱状体と
を備え、
前記1つ以上の通気領域が、前記物品の下流端から12mm~21mmに設けられている、物品。
【請求項25】
前記1つ以上の通気領域が、前記物品の下流端から12mm~16mm、16mm~20mm、又は18mm~19mmに設けられている、請求項24に記載の物品。
【請求項26】
前記1つ以上の通気領域が、前記物品の下流端から約18.5mmに設けられている、請求項24又は25に記載の物品。
【請求項27】
前記1つ以上の通気領域が、前記中空管状部材の下流端から3.5mm以下の位置に設けられている、請求項24~26のいずれか一項に記載の物品。
【請求項28】
前記1つ以上の通気領域が1つ以上の開口又は穿孔を備える、請求項24~27のいずれか一項に記載の物品。
【請求項29】
前記1つ以上の通気領域が前記中空管状部材に設けられている、請求項24~28のいずれか一項に記載の物品。
【請求項30】
前記1つ以上の通気領域が、前記中空管状部材を取り囲むラッパーに設けられている、請求項24~29のいずれか一項に記載の物品。
【請求項31】
前記通気レベルが40%~80%、又は50%~70%である、請求項24~30のいずれか一項に記載の物品。
【請求項32】
前記通気レベルが約60%である、請求項31に記載の物品。
【請求項33】
前記円柱状体が、前記中空管状体のすぐ下流で前記中空管状体に隣り合って配置されている、請求項24~32のいずれか一項に記載の物品。
【請求項34】
前記中空管状部材が、紙、プラスチック、又はフィラメントトウから形成されている、請求項24~33のいずれか一項に記載の物品。
【請求項35】
前記中空管状体が紙から形成され、0.5mm未満の壁厚を有する、請求項24~33のいずれか一項に記載の物品。
【請求項36】
前記円柱状体が包装材料によって取り囲まれ、前記包装材料がエンボスパターンを備える、請求項24~35のいずれか一項に記載の物品。
【請求項37】
前記円柱状体が、その体積全体にわたって実質的に連続している、請求項24~36のいずれか一項に記載の物品。
【請求項38】
前記中空管状部材の下流に配置された少なくとも1つのさらなる円柱状体を備える、請求項24~37のいずれか一項に記載の物品。
【請求項39】
前記円柱状体がフィラメントトウから形成されている、請求項24~38のいずれか一項に記載の物品。
【請求項40】
前記円柱状体が、8mm~17mm、11mm~13mm、15mm~17mm、又は17mm~21mmの長さを有する、請求項24~39のいずれか一項に記載の物品。
【請求項41】
前記エアロゾル生成材料が、22mm~30mm、24mm~28mm、又は約26mmの長さを有するエアロゾル生成材料のロッドである、請求項24~40のいずれか一項に記載の物品。
【請求項42】
前記中空管状部材が、17mm~26mm、18mm~24mm、又は約24mm~26mm、又は約20mm~22mmの長さを有する、請求項24~41のいずれか一項に記載の物品。
【請求項43】
請求項24~42のいずれか一項に記載の物品を形成する方法であって、
少なくとも1つのエアロゾル形成材料を含むエアロゾル生成材料を提供するステップと、
前記エアロゾル生成材料の下流に中空管状部材を配置するステップと、
前記中空管状部材の下流に実質的に円柱状体を配置するステップであって、前記円柱状体の下流端が前記物品の下流端を形成し、前記円柱状体の下流端と前記中空管状部材の下流端との間の距離が少なくとも8mmである、ステップと、
前記物品の下流端から12mm~21mmに少なくとも1つの通気領域を設けるステップと
を含む、方法。
【請求項44】
非燃焼性エアロゾル供給システムとして、又は非燃焼性エアロゾル供給システムの一部として使用するための物品であって、
少なくとも1つのエアロゾル形成材料を含むエアロゾル生成材料と、
前記エアロゾル生成材料の下流に配置された中空管状部材であって、1つ以上の通気領域を備える中空管状部材と、
前記中空管状部材の下流に配置された実質的に円柱状体であって、前記実質的に円柱状体の下流端が前記物品の下流端を形成し、前記物品の下流端と前記中空管状部材の下流端との間の距離が少なくとも8mmである、実質的に円柱状体と
を具備し、
前記1つ以上の通気領域が、前記中空管状部材の下流端から3.5mm未満に設けられている、物品。
【請求項45】
請求項24~42又は44のいずれか一項に記載の物品と、
ヒーターを備える非燃焼性エアロゾル供給デバイスと
を備える非燃焼性エアロゾル供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、非燃焼性エアロゾル供給システムで使用するための物品、物品を形成する方法、及び物品を含む非燃焼性エアロゾル供給システムに関する。
【背景】
【0002】
特定のタバコ産業製品は、使用中にエアロゾルを生じさせ、ユーザによってそれが吸引される。例えば、タバコ加熱デバイスは、タバコなどのエアロゾル生成基材を燃やさずに加熱することによってエアロゾルを形成するために基材を加熱する。そのようなタバコ産業製品は、一般に吸い口を含んでおり、エアロゾルは、それを通過してユーザの口に達する。
【概要】
【0003】
本明細書で説明するいくつかの実施形態では、第1の態様において、非燃焼性エアロゾル供給システムとして、又はその一部として使用するための物品が提供され、本物品は、少なくとも1つのエアロゾル形成材料を含むエアロゾル生成材料と、エアロゾル生成材料の下流に配置された円柱状体とを備え、エアロゾル生成材料の下流端と円柱状体の上流端との間の距離は約22mm未満である。
【0004】
本明細書で説明するいくつかの実施形態では、第2の態様において、非燃焼性エアロゾル供給システムとして、又はその一部として使用するための物品を形成する方法が提供され、本方法は、少なくとも1つのエアロゾル形成材料を含むエアロゾル生成材料を提供するステップと、円柱状体の上流端がエアロゾル生成材料の下流端から約22mm未満であるように、エアロゾル生成材料の下流に円柱状体を配置するステップとを含む。
【0005】
本明細書で説明するいくつかの実施形態では、第3の態様において、上記第1の態様による物品と、ヒーターを備える非燃焼性エアロゾル供給デバイスとを備えるシステムが提供される。
【0006】
本明細書で説明するいくつかの実施形態では、第4の態様において、非燃焼性エアロゾル供給デバイスと、上記第1の態様による物品とを備えるシステムであって、エアロゾル生成材料が、ある量のニコチンを含み、使用時、システムによって生成されるエアロゾルが、エアロゾル生成材料に使用前に供給されたニコチンの量の少なくとも30%、又はエアロゾル生成材料に使用前に供給されたニコチンの量の少なくとも35%、又はエアロゾル生成材料に使用前に供給されたニコチンの量の少なくとも40%を含む、システムが提供される。
【0007】
本明細書で説明するいくつかの実施形態では、第5の態様において、非燃焼性エアロゾル供給デバイスと、上記第1の態様による物品とを備えるシステムであって、エアロゾル生成材料が、ある量のグリセロールを含み、使用時、システムによって生成されるエアロゾルが、エアロゾル生成材料に使用前に供給されたグリセロールの量の少なくとも15%、又はエアロゾル生成材料に使用前に供給されたグリセロールの量の少なくとも20%を含む、システムが提供される。
【0008】
本明細書で説明するいくつかの実施形態では、第6の態様において、非燃焼性エアロゾル供給システムとして、又はその一部として使用するための物品が提供され、本物品は、少なくとも1つのエアロゾル形成材料を含むエアロゾル生成材料と、エアロゾル生成材料の下流に配置された中空管状体であって、1つ以上の通気領域を備える中空管状体と、中空管状体の下流に配置された実質的に円柱状体であって、実質的に円柱状体の下流端が物品の下流端を形成し、物品の下流端と中空管状体の下流端との間の距離が少なくとも8mmである、実質的に円柱状体とを備え、1つ以上の通気領域は、物品の下流端から12mm~21mmに設けられている。
【0009】
本明細書で説明するいくつかの実施形態では、第7の態様において、第6の態様による物品を形成する方法が提供され、本方法は、少なくとも1つのエアロゾル形成材料を含むエアロゾル生成材料を提供するステップと、エアロゾル生成材料の下流に中空管状体を配置するステップと、中空管状体の下流に実質的に円柱状体を配置するステップであって、円柱状体の下流端が物品の下流端を形成し、円柱状体の下流端と中空管状体の下流端との間の距離が少なくとも8mmである、ステップと、物品の下流端から12mm~21mmに少なくとも1つの通気領域を設けるステップとを含む。
【0010】
第8の態様によれば、非燃焼性エアロゾル供給システムとして、又はその一部として使用するための物品が提供され、本物品は、少なくとも1つのエアロゾル形成材料を含むエアロゾル生成材料と、エアロゾル生成材料の下流に配置された中空管状部材であって、1つ以上の通気領域を備える中空管状部材と、中空管状部材の下流に配置された実質的に円柱状体であって、実質的に円柱状体の下流端が物品の下流端を形成し、物品の下流端と中空管状部材の下流端との間の距離が少なくとも8mmである、実質的に円柱状体とを備え、1つ以上の通気領域は、中空管状部材の下流端から3.5mm未満に設けられている。
【0011】
本明細書で説明するいくつかの実施形態では、第9の態様において、上記第6又は第8の態様による物品と、ヒーターを備える非燃焼性エアロゾル供給デバイスとを備えるシステムが提供される。
【0012】
次に、添付の図面を参照して、いくつかの実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】非燃焼性エアロゾル供給システムとして、又はその一部として使用するための物品であって、円柱状体を備える口側端部セクションを備える物品の図である。
図2】非燃焼性エアロゾル供給システムとして、又はその一部として使用するための物品であって、口側端部セクションがカプセルを備える、物品の図である。
図3】物品を製造する方法のステップの概略図である。
図4】非燃焼性エアロゾル供給システムとして、又はその一部として使用するための物品であって、円柱状体を備える口側端部セクションを備える物品の図である。
図5】物品を製造する方法のステップの概略図である。
図6図1図2、及び図4の物品のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するための非燃焼性エアロゾル供給デバイスの斜視図である。
図7】外側カバーが取り除かれており、物品が存在しない状態の図6のデバイスの図である。
図8図7のデバイスの部分断面の側面図である。
図9】外側カバーが省略された状態の図6のデバイスの分解図である。
図10A図6のデバイスの一部分の断面図である。
図10B図10Aのデバイスの1つの領域の拡大図である。
【詳細な説明】
【0014】
本明細書で使用するとき、「送達システム」という用語は、少なくとも1つの物質をユーザに送達するシステムを含むように意図されており、
シガレット、シガリロ、シガー、及びパイプ用又は手巻き用若しくは手作りシガレット用のタバコなどの燃焼性エアロゾル供給システム(タバコ、タバコ派生品、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替品、又は他の喫煙材に基づくかどうかにかかわらない)と、
エアロゾル生成材料を組み合わせて使用してエアロゾルを生成するための電子タバコ、タバコ加熱製品、及びハイブリッドシステムなど、エアロゾル生成材料を燃焼させることなくエアロゾル生成材料から化合物を放出する非燃焼性エアロゾル供給システムと、
限定するものではないが、ロゼンジ、ガム、パッチ、吸引可能な粉末を含む物品、及び口腔タバコ製品(スヌース及び湿潤嗅ぎタバコを含む)などの口腔製品を含む少なくとも1つの物質で、ニコチンを含む場合も含まない場合もある少なくとも1つの物質を、エアロゾルを形成することなく経口的、経鼻的、経皮的、又は別の方法でユーザに送達する、エアロゾルのない送達システムと
を含む。
【0015】
本開示によれば、「燃焼性」エアロゾル供給システムは、ユーザへの少なくとも1つの物質の送達を容易にするために、エアロゾル供給システムのエアロゾル生成構成材料(又はその成分)が使用中に燃焼される又は燃やされるシステムである。
【0016】
本開示によれば、「非燃焼性」エアロゾル供給システムは、ユーザへの少なくとも1つの物質の送達を容易にするために、エアロゾル供給システムのエアロゾル生成構成材料(又はその成分)が燃焼されない又は燃やされないシステムである。
【0017】
本明細書で説明する実施形態では、送達システムは、電力式非燃焼性エアロゾル供給システムなどの非燃焼性エアロゾル供給システムである。
【0018】
いくつかの実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイス又は電子ニコチン送達システム(END:electronic nicotine delivery system)としても知られている電子タバコであるが、エアロゾル生成材料内のニコチンの存在は必要条件ではないことに留意されたい。
【0019】
いくつかの実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られているエアロゾル生成材料加熱システムである。そのようなシステムの一例としては、タバコ加熱システムがある。
【0020】
一実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給システムは、エアロゾル化可能材料(それらのうちの1つ又は複数は加熱されてもよい)の組合せを使用してエアロゾルを生成するためのハイブリッドシステムである。エアロゾル化可能材料のそれぞれは、例えば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。一実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルのエアロゾル化可能材料と、固体のエアロゾル化可能材料とを備える。固体のエアロゾル化可能材料は、例えば、タバコ又は非タバコ製品を含んでもよい。
【0021】
典型的には、非燃焼性エアロゾル供給システムは、非燃焼性エアロゾル供給デバイスと、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための消耗品とを備えることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、本開示は、エアロゾル生成材料を備え、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用されるように構成された消耗品に関する。これらの消耗品は、本開示全体を通して、物品と呼ばれることもある。エアロゾル生成材料とも呼ばれるエアロゾル生成材料は、本明細書で説明するようなタバコ材料の場合がある。
【0023】
消耗品は、エアロゾル生成材料を備える、又はそれよりなる物品であり、その一部又は全部が、ユーザの使用中に消費されるように意図される。消耗品は、エアロゾル生成材料収納領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成領域、ハウジング、ラッパー、吸い口、フィルター、及び/又はエアロゾル改質剤など、1つ以上の他の構成要素を備えてもよい。消耗品はまた、使用時にエアロゾル生成材料にエアロゾルを生成させるために熱を放出するヒーターなどのエアロゾル生成器を備えてもよい。ヒーターは、例えば、可燃性材料、電気伝導によって加熱可能な材料、又はサセプタを備えてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給システム、例えば、その非燃焼性エアロゾル供給デバイスは、パワー源及び制御器を備えてもよい。パワー源は、例えば、電気パワー源又は発熱パワー源であってもよい。いくつかの実施形態では、発熱パワー源は、発熱パワー源の近傍のエアロゾル生成材料又は熱伝達材料にパワーを熱の形態で分配するようにエネルギーを与えることができる炭素基材を備える。
【0025】
いくつかの実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給システムは、消耗品、エアロゾル生成器、エアロゾル生成領域、ハウジング、吸い口、フィルター、及び/又はエアロゾル改質剤を受け入れるための領域を備えてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための消耗品は、エアロゾル生成材料、エアロゾル生成材料収納領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成器、エアロゾル生成領域、ハウジング、ラッパー、フィルター、吸い口、及び/又はエアロゾル改質剤を備えてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、送達される物質は、エアロゾル生成材料、又はエアロゾル化されることを意図されない材料であってもよい。必要に応じて、どちらの材料も、1つ以上の活性成分、1つ以上の香料、1つ以上のエアロゾル形成材料、及び/又は1つ以上の他の機能材料を含んでもよい。
【0028】
エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成された装置である。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料に熱エネルギーを受けさせ、その結果、エアロゾル生成材料から1つ以上の揮発成分を放出させてエアロゾルを形成するように構成されたヒーターである。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器は、加熱することなくエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成される。例えば、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料に、振動、圧力上昇、又は静電エネルギーのうちの1つ以上を受けさせるように構成されてもよい。
【0029】
エアロゾル生成材料は、例えば、加熱される、照射される、又は任意の他の方法でエネルギーを与えられると、エアロゾルを生成することができる材料である。エアロゾル生成材料は、例えば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、活性物質及び/又は香味料を含んでもよいし含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、「非晶質固体」(これに代えて、「モノリシック固体」(すなわち、非繊維状)と呼ばれることがある)を含んでもよい。いくつかの実施様態では、非晶質固体は乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、その中に液体などの何らかの流体を保持することができる固体材料である。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、例えば、約50重量%、60重量%、又は70重量%~約90重量%、95重量%、又は100重量%の非晶質固体を含んでもよい。
【0030】
エアロゾル生成材料は、1つ以上の活性物質及び/又は香料、1つ以上のエアロゾル形成材料、並びに、任意選択で、1つ以上の他の機能材料を含んでもよい。
【0031】
エアロゾル形成材料は、エアロゾルを形成することができる1つ以上の成分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1、3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及び炭酸プロピレンのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0032】
1つ以上の他の機能材料は、pH調整剤、着色剤、保存剤、結合剤、充填剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0033】
材料は、支持体上に、又はその中に存在して基材を形成してもよい。支持体は、例えば、紙、カード、段ボール、厚紙、再生材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属、若しくは合金であってもよい、又はそれらを含んでもよい。いくつかの実施形態では、支持体はサセプタを備える。いくつかの実施形態では、サセプタは、材料内に埋め込まれる。いくつかの代替の実施形態では、サセプタは、材料の片側又は両側にある。
【0034】
エアロゾル改質剤は、典型的には、エアロゾル生成領域の下流に配置され、例えば、エアロゾルの味、香味、酸味、又は別の特性を変えることによって、生成されたエアロゾルを改質するように構成された物質である。エアロゾル改質剤は、エアロゾル改質剤を選択的に放出するように動作可能な、エアロゾル改質剤放出構成要素で提供されてもよい。
エアロゾル改質剤は、例えば、添加剤又は吸着剤であってもよい。エアロゾル改質剤は、例えば、香味料、着色剤、水、及び炭素吸着剤のうちの1つ以上を含んでもよい。エアロゾル改質剤は、例えば、固体、液体、又はゲルであってもよい。エアロゾル改質剤は、粉末、糸、又は顆粒の形態であってもよい。エアロゾル改質剤は、濾過材がなくてもよい。
【0035】
サセプタは、交流磁場などの変動磁場の侵入によって加熱可能な材料である。サセプタは、導電性材料であってよく、その結果、変動磁場がそれに侵入することによって、加熱材料が誘導加熱される。加熱材料は、磁性体であってもよく、その結果、変動磁場がそれに侵入することによって、加熱材料が磁気ヒステリシス加熱される。サセプタは、導電性と磁性の両方を有してもよく、その結果、サセプタは両方の加熱メカニズムによって加熱可能である。変動磁場を生成するように構成されたデバイスは、本明細書では磁場生成器と呼ばれる。
【0036】
誘導加熱は、導電性物体に変動磁場を侵入させることによってその物体が加熱されるプロセスである。このプロセスは、ファラデーの電磁誘導の法則及びオームの法則によって説明される。誘導ヒーターは、電磁石と、この電磁石に交流電流などの変動電流を流すためのデバイスとを備えることができる。電磁石と加熱される物体とが、電磁石によって生じた変動磁場がこの物体に侵入するように適切な相対位置に配置されると、この物体内に1つ以上の渦電流が生成される。この物体は電流の流れに対して抵抗を有する。したがって、この物体内にこのような渦電流が生成されると、物体の電気抵抗に抗して流れ、それによってこの物体が加熱される。このプロセスは、ジュール加熱、オーム加熱、又は抵抗加熱と呼ばれる。誘導加熱することができる物体はサセプタとして知られている。
【0037】
一実施形態では、サセプタは閉回路の形態である。サセプタが閉回路の形態のときは、使用時のサセプタと電磁石との間の磁気結合が強くなり、その結果、ジュール加熱が増大し、又は改善されることが判明した。
【0038】
磁気ヒステリシス加熱は、磁性材料からなる物体に変動磁場が侵入することによってその物体が加熱されるプロセスである。磁性材料は、原子スケールの磁石、すなわち磁気双極子を多く含んでいると考えることができる。磁場がこのような材料に侵入すると、磁気双極子は磁場に沿って整列する。したがって、交流磁場(例えば、電磁石によって生じたもの)などの変動磁場が磁性材料に侵入すると、磁気双極子の向きは、印加された変動磁場に応じて変化する。このような磁気双極子の再配向によって、磁性材料内に熱が発生する。
【0039】
物体が導電性と磁性の両方を有するときは、その物体に変動磁場を侵入させると、物体にジュール加熱と磁気ヒステリシス加熱の両方を生じさせることができる。さらに、磁性材料を使用すると、磁場を強めることができ、それによりジュール加熱を強めることができる。
【0040】
上記のプロセスのそれぞれでは、熱は、外部熱源によって熱伝導で生成されるのではなく、物体自体の内部で生成されるので、特に、物体の材料及び幾何形状を適切に選び、その物体に対して変動磁場の大きさ及び向きを適切に選ぶことによって、物体内の急速な温度上昇と、より均一な熱分布とを達成することができる。さらに、誘導加熱及び磁気ヒステリシス加熱では、変動磁場の源と物体との間に物理的な接続部を設ける必要がないので、設計自由度及び加熱プロファイルの制御性を高めるとともに、コストを下げることができる。
【0041】
物品、例えばロッド状の物品は、製品の長さに従って、「レギュラー」(典型的には、68~75mm、例えば約68mm~約72mmの範囲)、「ショート」又は「ミニ」(68mm以下)、「キングサイズ」(典型的には、75~91mm、例えば約79mm~約88mmの範囲)、「ロング」又は「スーパーキング」(典型的には、91~105mm、例えば約94mm~約101mmの範囲)、及び「ウルトラロング」(典型的には、約110mm~約121mmの範囲)と命名されることが多い。
【0042】
物品はまた、製品の円周に従って、「レギュラー」(約23~25mm)、「ワイド」(25mm超)、「スリム」(約22~23mm)、「デミスリム」(約19~22mm)、「スーパースリム」(約16~19mm)、及び「マイクロスリム」(約16mm未満)と命名される。
【0043】
したがって、キングサイズでスーパースリム形式の物品は、例えば約83mmの長さ及び約17mmの円周を有する。
【0044】
各形式は、異なる長さの吸い口を有して作製することができる。吸い口の長さは、約30mm~50mmとなる。チップペーパーは、吸い口をエアロゾル生成材料に接続し、通常、吸い口より長く、例えば3~10mm長く、その結果、チップペーパーは吸い口を覆い、例えば基材のロッドの形態のエアロゾル生成材料に重なって、吸い口をロッドに接続する。
【0045】
本明細書で説明する物品及びそのエアロゾル生成材料並びに吸い口は、限定するものではないが、上記の形式のいずれかで作ることができる。
【0046】
本明細書で使用する「上流」及び「下流」という用語は、使用時、物品又はデバイスを通って引き込まれる主流エアロゾルの方向に関連して定められる相対的な用語である。
本明細書で説明するフィラメントトウ又はフィルター材料は、酢酸セルロースの繊維トウを含むことができる。フィラメントトウはまた、ポリビニルアルコール(PVOH:polyvinyl alcohol)、ポリ乳酸(PLA:polylactic acid)、ポリカプロラクトン(PCL:polycaprolactone)、ポリ(1-4ブタンジオールスクシネート)(PBS:poly(1-4butanediol succinate))、ポリ(ブチレンアジペート-co-テレフタレート)(PBAT:poly(butylene adipate-co-terephthalate))、デンプン系材料、綿、脂肪族ポリエステル材料、及び多糖ポリマー、又はこれらの組合せなど、繊維を形成するために使用される他の材料を使用して形成することができる。フィラメントトウは、材料が酢酸セルローストウである場合はトリアセチンなど、トウにとって好適な可塑剤によって可塑化されてもよく、又はトウは非可塑化されてもよい。トウは、「Y」形、「X」形、又は「O」形の断面を有する繊維など、任意の好適な仕様を有することができる。トウの繊維は、フィラメントあたり2.5~15デニール、例えば、フィラメントあたり8.0~11.0デニールの単繊度値、及び5,000~50,000デニール、例えば10,000~40,000デニールの総繊度値を有する。断面で見たとき、繊維は25以下の等周比L/Aを有してもよく、それは、20以下が好ましく、15以下がより好ましい。ここで、Lは、断面の周囲長さ、Aは断面の面積である。本明細書で説明するフィルター材料はまた、紙などのセルロース系材料を含む。このような材料は、空気及び/又はエアロゾルが材料を通過することができるように、約0.1~約0.45グラム/立方センチメートルなどの比較的低密度を有する場合がある。このような材料は、フィルター材料として説明したが、主目的が、構成要素の吸引抵抗を増大させるなど、それ自体、濾過に関係しなくてもよい。
【0047】
本明細書で使用するとき、「タバコ材料」という用語は、タバコ又はその派生品若しくは代替品を含む任意の材料を指す。「タバコ材料」という用語は、タバコ、タバコ派生品、膨張タバコ、再生タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ以上を含んでもよい。タバコ材料は、挽きタバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押出タバコ、タバコ茎、タバコ葉柄、再生タバコ、及び/又はタバコ抽出物のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0048】
本明細書で説明するタバコ材料では、タバコ材料はエアロゾル形成材料を含む。この文脈では、「エアロゾル形成材料」は、エアロゾルの生成を促す薬剤である。エアロゾル形成材料は、最初の気化並びに/又は吸引可能な固体及び/若しくは液体エアロゾルへのガスの凝縮を促すことによって、エアロゾルの生成を促すことができる。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、エアロゾル生成材料からの香料の送達を改善することができる。概して、任意の好適なエアロゾル形成材料又は薬剤は、本明細書で説明したものを含めて、本発明のエアロゾル生成材料内に含まれてもよい。他の好適なエアロゾル形成材料には、限定するものではないが、ソルビトール、グリセロール、及びプロピレングリコール又はトリエチレングリコールのようなグリコールなどのポリオール、一価アルコール、高沸点炭化水素などの非ポリオール、乳酸などの酸、グリセロール誘導体、ジアセチン、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチルなどのエステル、又はミリスチン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルを含むミリスチン酸、並びにステアリン酸メチル、ドデカン二酸ジメチル、及びテトラデカン二酸ジメチルなどの脂肪族カルボン酸エステルが含まれる。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、グリセロール、プロピレングリコール、又はグリセロールとプロピレングリコールの混合物であってもよい。使用されるグリセロール、プロピレングリコール、又はグリセロールとプロピレングリコールの混合物の総量は、乾燥重量基準で測定して、タバコ材料の10%~30%、例えば15%~25%の範囲であってもよい。グリセロールは、タバコ材料の10~20重量%、例えば、構成物の13~16重量%、又は構成物の約14重量%若しくは15重量%の量で存在してもよい。プロピレングリコールは、存在する場合、構成物の0.1~0.3重量%の量で存在してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、送達される物質は活性物質を含む。
【0050】
本明細書で使用するとき、活性物質は、生理学的反応を達成又は強化するように意図された材料である生理学的活性材料であってもよい。活性物質は、例えば、栄養補助食品、向知性薬、及び向精神薬から選択されてもよい。活性物質は、自然に発生したものでも、又は合成して得られるものでもよい。活性物質は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、ビタミン(B6又はB12又はCなど)、メラトニン、カンナビノイド、又はその成分、誘導体、若しくは組合せを含んでもよい。活性物質は、タバコ、大麻、又は別の植物性物質の1つ以上の成分、誘導体、又は抽出物を含んでもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、活性物質はニコチンを含む。いくつかの実施形態では、活性物質は、カフェイン、メラトニン、又はビタミンB12を含む。
【0052】
本明細書で説明したように、活性物質は、1つ以上の植物性物質、又はその成分、誘導体、若しくは抽出物を含んでもよい、或いはそれらに由来してもよい。本明細書で使用するとき、「植物性物質」という用語は、限定するものではないが、抽出物、葉、樹皮、繊維、葉柄、根、種子、花、果実、花粉、殻、皮などを含む、植物に由来した任意の材料を含む。これに代えて、この材料は、植物性物質中に天然に存在する、又は合成により得られる活性化合物を含んでもよい。この材料は、液体、気体、固体、粉末、粉塵、破砕粒子、顆粒、ペレット、断片、細片、シートなどの形態であってもよい。植物性物質の例は、タバコ、ユーカリノキ、スターアニス、麻、カカオ、大麻、ウイキョウ、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、亜麻、ショウガ、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、甘草、抹茶、マテ、オレンジの皮、パパイヤ、バラ、セージ、茶(緑茶又は紅茶など)、タイム、クローブ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、ベイリーフ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモンピール、ミント、ジュニパー、ニワトコの花、バニラ、ウィンターグリーン、シソ、ウコン、ターメリック、サンダルウッド、シラントロ、ベルガモット、オレンジの花、マートル、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カルヴィ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、マルベリー、チョウセンニンジン、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブ、又はそれらの任意の組合せである。ミントは、ヨウシュハッカ(Mentha Arventis)、グレープフルーツミント(Mentha c.v.)、エジプトミント(Mentha niliaca)、ペパーミント(Mentha piperita)、ライムミント(Mentha piperita citrata c.v.)、チョコレートミント(Mentha piperita c.v.)、カーリーミント(Mentha spicata crispa)、ワイルドミント(Mentha cardifolia)、ホースミント(Mentha longifolia)、パイナップルミント(Mentha suaveolens variegata)、ペニーロイヤルミント(Mentha pulegium)、イングリッシュスペアミント(Mentha spicata c.v.)、及びアップルミント(Mentha suaveolens)のミント品種から選択されてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、活性物質は、1つ以上の植物性物質、又はその成分、誘導体、若しくは抽出物を含み、或いはそれらに由来し、その植物性物質はタバコである。
【0054】
いくつかの実施形態では、活性物質は、1つ以上の植物性物質、又はその成分、誘導体、若しくは抽出物を含み、或いはそれらに由来し、その植物性物質は、ユーカリノキ、スターアニス、カカオ、及び麻から選択される。
【0055】
いくつかの実施形態では、活性物質は、1つ以上の植物性物質、又はその成分、誘導体、若しくは抽出物を含み、或いはそれらに由来し、その植物性物質は、ルイボス及びウイキョウから選択される。
【0056】
いくつかの実施形態では、送達される物質は香料を含む。
【0057】
本明細書で使用するとき、「香料」及び「香味料」という用語は、成人消費者用の製品において、現地の規制によって許可される場合に、所望の味、香り、又は他の体性感覚を作り出すために使用することができる材料を指す。それらは、自然に発生した香味材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成して得られる材料、又はそれらの組合せ(例えば、タバコ、大麻、甘草、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メープル、抹茶、メンソール、ニホンハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インディアンスパイス、アジアンスパイス、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、レッドベリー、クランベリー、ピーチ、アップル、オレンジ、マンゴー、クレメンティン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、マルベリー、柑橘類、ドランブイ(Drambuie)、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、カート(khat)、ナスワール(naswar)、キンマ(betel)、シーシャ(shisha)、パイン、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、サクラの花、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ワサビ、ピーマン、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、麻、ハッカ属の任意の品種から得られるミント油、ユーカリノキ、スターアニス、カカオ、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、マテ、オレンジの皮、バラ、茶(緑茶又は紅茶など)、タイム、ジュニパー、エルダーフラワー、バジル、ベイリーフ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シソ、クルクマ、シラントロ、マートル、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カルヴィ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤、又は刺激剤、糖類及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、並びに他の添加剤、例えば、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤を含んでもよい。それらは、模造成分、合成成分、若しくは天然成分、又はそれらのブレンドであってもよい。それらは、任意の適切な形態、例えば、液体(油など)、固体(粉末など)、又は気体であってもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、香料は、メンソール、スペアミント、及び/又はペパーミントを含む。いくつかの実施形態では、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類、及び/又はレッドベリーの香味成分を含む。いくつかの実施形態では、香料はオイゲノールを含む。いくつかの実施形態では、香料は、タバコから抽出された香味成分を含む。いくつかの実施形態では、香料は、大麻から抽出された香味成分を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、香料は、嗅神経又は味覚神経に加えて、又はその代わりに、第5脳神経(三叉神経)を刺激することによって通常化学的に誘起され、知覚される体性感覚を達成するように意図された感覚剤を含んでもよく、これらは、加熱効果、冷却効果、ひりつき効果、麻痺効果を提供する薬剤を含んでもよい。適切な熱効果剤は、限定するものではないが、バニリルエチルエーテルであってもよく、適切な冷却剤は、限定するものではないが、ユーカリプトール、WS-3であってもよい。
【0060】
本明細書で説明する図では、同等の特徴、物品、又は構成要素を示すために類似の参照符号が使用される。
【0061】
図1は、非燃焼性エアロゾル供給システムとして、又はその一部として使用するための物品1を示す。物品1は、非燃焼性エアロゾル供給システム自体であってもよいし、又は、それに代えて、非燃焼性エアロゾル供給システムを形成するために非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するためのものであってもよい。ヒーター101を備える1つの好適な非燃焼性エアロゾル供給デバイス100を図6図10Bに示す。他の例では、他の非燃焼性エアロゾル供給デバイスが使用されてもよい。本明細書で説明する物品1及び他の物品は、タバコ加熱製品消耗品とすることができる。
【0062】
物品1は、少なくとも1つのエアロゾル形成材料を含むエアロゾル生成材料2のロッドと、エアロゾル生成材料2の下流に配置された口側端部セクション20とを備える。口側端部セクション20は、約0.5mmより厚い壁厚を有する中空管状体3と、中空管状体3のすぐ下流に配置された円柱状体21とを備える。物品1は、エアロゾル生成材料2の下流端と円柱状体21の上流端との間の距離dが約22mm未満となるように構成される。
【0063】
本件では、物品は、中空管状体3のすぐ上流に配置された中空管状部材5をさらに備える。中空管状部材5は、エアロゾル生成材料2と中空管状体3との間に配置される。本明細書では、中空管状体3及び中空管状部材5はまた冷却セクションとも呼ばれる。
【0064】
中空管状部材5と中空管状体3とが組み合わさった長さは、円柱状体21がエアロゾル生成材料から最大距離dだけ離間するような長さである。本例では、中空管状部材は12mmの長さを有し、中空管状体は9mmの長さを有する。したがって、円柱状体21は、エアロゾル生成材料から21mmの距離だけ離れている。最大距離dは22mmが好ましい。距離dは21mmの場合が好適である。驚くべきことに、エアロゾル生成材料から最大22mm延在するように構成された中空管状部材5と中空管状体3とからなる冷却セクションを設けると、改善されたエアロゾルを供給することができることが判明した。冷却セクションの組み合わされた長さを22mm未満に制限することによって、冷却セクションの内面におけるエアロゾルの望ましい成分の凝縮を減少させることができると仮定される。例えば、中空管状部材5は11mmの長さを有してもよく、中空管状体3は10mmの長さを有してもよい。中空管状部材5は、約6mm~約15mmの長さを有してもよく、約8mm~約12mmの長さがより好ましく、及び/又は、中空管状体3は、約6mm~約15mmの長さを有してもよく、約8mm~約12mmの長さがより好ましい。
【0065】
加えて、驚くべきことに、円柱状体21のすぐ上流に中空管状体3を使用すると、円柱状体21におけるエアロゾルの望ましい成分の凝縮をさらに減少させることができることが判明した。理論によって拘束されることを望むものではないが、これは、中空管状体3がエアロゾルを円柱状体21の中央を通って流量を増加して流すことによると仮定される。加えて、円柱状体21の中央を通って流れるエアロゾルの割合を増加させることによって、エアロゾルが通過する円柱状体の断面積が効果的に小さくなり、円柱状体21におけるエアロゾルの望ましい成分の潜在的な凝縮をさらに減少させる。
【0066】
中空管状部材5は、少なくとも300ミクロンの壁厚及び/又は少なくとも100コレスタ単位の透過性を有することが好ましい。中空管状部材5を少なくとも100コレスタ単位の透過性を有するように構成することによって、物品1が非燃焼性エアロゾル供給デバイス100によって加熱されたときにエアロゾル生成材料2によって生成されるエアロゾルからの水分を中空管状部材が吸収することができる。さらに、透過性が100コレスタ単位より大きい紙は一般に、軽量で、製造時に作業がしやすい。
【0067】
中空管状部材5は、中空管状体3よりも大きな内径、例えば、中空管状体3の壁厚よりも薄い壁厚を有するように構成される。
【0068】
本例では、中空管状部材5は紙から形成される。詳細には、中空管状部材5は、複数の層の紙から形成され、これらの紙は、平行に巻かれて継ぎ目で当接し、ラッパー6の下にある管状部材5を形成する。紙管は、第1の空洞5aにさらなる剛性を与える。本例では、第1及び第2の紙層は2重の管として提供されているが、他の例では、3つ、4つ、又はそれ以上の紙層を使用して、3重、4重、又はそれ以上の管を形成することができる。螺旋形に巻かれた紙の層、厚紙管、紙張り子タイプのプロセスを使用して形成された管、成形又は押出プラスチック管など、他の構造が使用されてもよい。
【0069】
中空管状部材5はまた、例えば、ラッパー6及び/又はさらなるラッパー6’のように、硬いプラグラップ及び/又はチップペーパーを使用して形成することができ、これは、以下により詳細に説明するように、別個の管状要素を必要としないことを意味する。硬いプラグラップ及び/又はチップペーパーは、製造中及び物品1の使用中に生じ得る軸方向の圧縮力及び曲げモーメントに耐えるのに十分な剛性を有するように製造される。例えば、硬いプラグラップ及び/又はチップペーパーの秤量は、70gsm~120gsmであり、80gsm~110gsmがより好ましい。これに加えて、又はこれに代えて、硬いプラグラップ及び/又はチップペーパーの厚さは、80μm~200μmとすることができ、100μm~160μm、又は120μm~150μmがより好ましい。中空管状部材5に対して許容できる全体的な剛性レベルを達成するために、ラッパー6及び/又はさらなるラッパー6’の両方に対してこれらの範囲の値を有することが望ましいことがある。
【0070】
他の例では、中空管状部材5は、中空管状体3について説明したように、成形若しくは押出プラスチック管、又は繊維状材料などの他の材料から形成されてもよい。
【0071】
中空管状部材5の壁厚は、例えばノギスを用いて測定することができ、少なくとも約100μm~約1.5mmが好ましく、100μm~1mmが好ましく、150μm~500μmがより好ましく、又は約300μmである。本例では、中空管状部材5の壁厚は約250μmである。
【0072】
中空管状部材5の長さは、約20mmより短いことが好ましい。中空管状部材5の長さは、約18mmより短いことがより好ましい。中空管状部材5の長さは、約15mmより短いことがさらにより好ましい。加えて、又は代替策として、中空管状部材5の長さは、少なくとも約5mmであることが好ましい。中空管状部材5の長さは、少なくとも約6mmであることが好ましい。いくつかの好ましい実施形態では、中空管状部材5の長さは、約10mm~約14mmであり、約11mm~約13mmであることがより好ましく、約12mmであることが最も好ましい。本例では、中空管状部材5の長さは12mmである。
【0073】
中空管状体3は、「ホットパフ(高温吸引)」の現象を低減するための放熱体として機能するように構成される。「ホットパフ」とは、不快に高い温度でユーザに送達されるエアロゾルとして定義される。ホットパフは、ユーザがエアロゾルを高速度で加熱された物品1を通して引くことによって、エアロゾルの熱が放散される時間が短くなるときに悪化し得る。非燃焼性エアロゾル供給デバイス100に挿入されるとき、中空管状体3は、口側端部セクションをヒーター101から離して、エアロゾルが物品の下流端に達する前に熱が放散する空間を提供する。さらに、エアロゾルが中空管状体3を通って引かれるとき、熱はエアロゾルから離れて中空管状体3に伝導されることが理解されるであろう。このように、中空管状体3は、ヒートシンクとして作用する。
【0074】
本例では、中空管状体3は、フィラメントトウから形成される。他の実施形態では、螺旋状に巻かれた紙の層、厚紙管、紙張り子タイプのプロセスを使用して形成された管、紙フィルター材料から形成された管、成形又は押出プラスチック管など、他の構造が使用されてもよい。
【0075】
中空管状体3の壁厚は、少なくとも約325μm~約2mmが好ましく、500μm~2mmが好ましく、750μm~1.5mmがより好ましい。本例では、中空管状体3は、約1.4mmの壁厚を有する。中空管状体3の「壁厚」は、中空管状体3の半径方向の壁の厚さに相当する。これは、例えば、ノギスを用いて測定することができる。フィラメントトウ及び/又はこれらの範囲の壁厚の使用は、第2の空洞3aを通過する高温エアロゾルを中空管状体3の外面から絶縁する利点を有する。
【0076】
中空管状体3の外径とともに壁厚は、中空管状体3の内径又は空洞の大きさを規定する。
【0077】
いくつかの実施形態では、中空管状体3の壁の厚さは、少なくとも325ミクロンであり、少なくとも400、500、600、700、800、900、又は1000ミクロンが好ましい。いくつかの実施形態では、中空管状体3の壁の厚さは、少なくとも1250ミクロン又は1500ミクロンである。
【0078】
いくつかの実施形態では、中空管状体3の壁の厚さは、2000ミクロン未満であり、例えば、1500ミクロン未満である。
【0079】
中空管状体3の壁の厚さが厚いことは、熱質量が大きいことを意味し、中空管状体3を通過するエアロゾルの温度を下げ、中空管状体3の下流位置にある口側端部セクション20の表面温度を下げるのに役立つことが判明した。これは、中空管状体3の熱質量がより大きいことによって、より薄い壁厚を有する中空管状体3と比較して、中空管状体3がエアロゾルからより多くの熱を吸収することができるためと考えられる。また、中空管状体3の厚さが厚いと、エアロゾルを口側端部セクション20の中央に流し、その結果、口側端部セクション20の外側部分に伝達されるエアロゾルからの熱がより少なくなる。
【0080】
中空管状体3の密度は、少なくとも約0.25グラム/立方センチメートル(g/cc)が好ましく、少なくとも約0.3グラムg/ccがより好ましい。中空管状体3の密度は、約0.75グラム/立方センチメートル(g/cc)未満が好ましく、0.6g/cc未満がより好ましい。いくつかの実施形態では、中空管状体3の密度は、0.25~0.75g/ccであり、0.3~0.6g/ccがより好ましく、0.4g/cc~0.6g/cc又は約0.5g/ccがより好ましい。これらの密度は、より高密度な材料によって与えられるより高い硬度と、より低密度の材料のより低い熱伝達特性との間での良いバランスを与えることが判明した。本例の目的に対して、中空管状体3の「密度」は、任意の可塑剤が組み込まれた要素を形成するフィラメントトウの密度を指す。本発明の目的に対して、中空管状体3を形成する材料の「密度」は、任意の可塑剤が組み込まれた要素を形成するフィラメントトウの密度を指す。密度は、中空管状体3を形成する材料の全重量を、中空管状体3を形成する材料の全体積で割ることによって決定することができ、全体積は、例えば、ノギスを用いて採られた中空管状体3を形成する材料の適切な測定値を用いて計算することができる。必要な場合には、顕微鏡を用いて適切な寸法を測定してもよい。
【0081】
中空管状体3を形成するフィラメントトウの総繊度は、45,000デニール未満が好ましく、42,000デニール未満がより好ましい。この総繊度によって、密度が高すぎない管状要素13を形成することができることが判明した。総繊度は少なくとも20,000デニールであることが好ましく、少なくとも25,000デニールであることがより好ましい。好ましい実施形態では、中空管状体3を形成するフィラメントトウの総繊度は、25,000~45,000デニールであり、35,000~45,000デニールがより好ましい。トウのフィラメントの断面形状は「Y」形であることが好ましいが、他の実施形態では、「X」形などの他の形状のフィラメントを使用することができる。
【0082】
中空管状体3を形成するフィラメントトウは、フィラメントあたり3デニールより太いことが好ましい。フィラメントのこの繊度によって、密度が高すぎない管状要素13を形成することができることが判明した。少なくともフィラメントあたり4デニールが好ましく、少なくとも5デニールがより好ましい。好ましい実施形態では、中空管状体3を形成するフィラメントトウは、フィラメントあたり4~10デニールであり、4~9デニールがより好ましい。一例では、中空管状体3を形成するフィラメントトウは、酢酸セルロースから形成され、18%の可塑剤、例えばトリアセチンを含む8Y40,000のトウを有する。
【0083】
中空管状体3は、10重量%~22重量%の可塑剤を含むことが好ましい。酢酸セルローストウに対しては、可塑剤はトリアセチンが好ましいが、ポリエチレングリコール(PEG:polyethelyne glycol)などの他の可塑剤を使用することができる。中空管状体3は、約18重量%未満、又は約17%未満、約16%未満、若しくは約15%未満のトリアセチンなどの可塑剤を含むことができる。管状体3は、10重量%~20重量%の可塑剤、例えば約11%、約12%、約13%、約15%、約17%、約18%、又は約19%の可塑剤を含むことがより好ましい。
【0084】
いくつかの実施形態では、中空管状体3の壁の材料の透過性は、少なくとも100コレスタ単位であり、少なくとも500又は1000コレスタ単位が好ましい。
【0085】
中空管状体3の比較的高い透過性によって、エアロゾルから中空管状体3に伝達される熱量が増加し、したがって、エアロゾルの温度が低下することが判明した。中空管状体3の透過性はまた、エアロゾルから中空管状体3に移動する水分の量を増加させることも判明し、これは、ユーザの口の中でのエアロゾルの感触を改善することが判明した。また、中空管状体3の透過性が高いと、レーザーを用いて中空管状体3に通気孔を開けることが容易になり、これは、より低い出力のレーザーを用いることができることを意味する。
【0086】
中空管状体3は、等周比L/Aが25以下、20以下、又は15以下の断面を有するフィラメントを含むフィラメントトウを備えてもよい。ここで、Lは断面の外周の長さ、Aは断面の面積である。言い換えれば、フィラメントは、実質的に「O」形の断面を備えてもよく、又はできるだけそれに近い形状の断面を備えてもよい。所与の単繊度に対して、実質的に「O」形の断面を有するフィラメントは、「Y」形又は「X」形のフィラメントなどの他の断面形状よりも表面積が小さい。したがって、ユーザへのエアロゾルの送達が改善される。
【0087】
中空管状体3を通って引かれるエアロゾルは、中空管状体3の中央の第2の空洞3aとともに中空管状体3自体のフィラメントを部分的に通過することが理解されるであろう。実質的に「O」形の断面を有するフィラメントを備えることによって、より大きな割合のエアロゾルが中空管状体3自体のフィラメントを通過して、中空管状体3への熱伝達をさらに増加させる。
【0088】
本例では、中空管状体3は9mmの長さを有する。他の例では、中空管状体は、約12mmまでの長さ、例えば、10mmの長さを有してもよい。
【0089】
中空管状体3及び中空管状部材5は冷却セクションとも呼ばれ、それぞれの第1の空洞5a及び第2の空洞3aを画定する。
【0090】
中空管状部材5及び中空管状体3はそれぞれ、冷却セグメントとして機能する吸い口20内のそれぞれの空隙の周りに配置され、それぞれの空隙を画定する。空隙は、エアロゾル生成材料2によって生成された加熱された揮発成分が流れるチャンバを提供する。
【0091】
第1の空洞5aは約300mmより大きい内部容積を有し、及び/又は、第2の空洞3aは約100mmより大きい内部容積を有することが好ましい。例えば、第1の空洞5aは、約310mm又は約330mmの内部容積を有してもよく、第2の空洞3aは、約120mmの内部容積を有してもよい。少なくともこれらの容積の空洞を設けることは、改善されたエアロゾルの形成を可能にするとともに、本明細書で説明した冷却機能を提供することが判明した。このような空洞の大きさは、加熱された揮発成分を冷却することができるように吸い口20内に十分な空間を提供し、したがって、そうでない場合に可能な温度よりも高温(そうでない場合には、暖かすぎるエアロゾルになることがある)にエアロゾル生成材料2を曝露することを可能にする。
【0092】
驚くべきことに、第1及び第2の空洞の相対的な内径及び長さは、エアロゾルの品質を向上させるために重要であることが判明した。18mmより短い、又はエアロゾル生成材料2の長さより短い長さを有する管状部材5を設けることは、エアロゾルの望ましい成分が管状部材5の内面に凝結する可能性を低減することが有利にも判明した。また、驚くべきことに、中空管状部材5よりも小さな内径を有する中空管状体3を、中空管状部材5のすぐ下流に設けることは、高温のエアロゾルを中空管状部材5の中央を通して流し、管状部材の内面への凝縮をさらに減少させることによってエアロゾルのさらなる改善をもたらすことが判明した。
【0093】
中空管状体3及び中空管状部材5のそれぞれの内径は、約2mm~約6mm、約2mm~約5mm、約2.5mm~約4.5mm、及び約3.0mm~約4mmの範囲から選択されてもよい。管状体3の内径は、管状部材5の内径より小さくなるように選択される。
【0094】
第2の空洞は、例えば、75mmより大きい、例えば、90mm、100mm、140mm、又は150mmより大きい内部容積を有することができ、エアロゾルのさらなる改善を可能にする。いくつかの例では、第2の空洞3aは、約130mm~約180mm、例えば約150mmの容積を備える。
【0095】
第1の空洞は、例えば、100mmより大きい、例えば200mm、300mm、350mm、400mm、又は500mmより大きい内部容積を有し、エアロゾルのさらなる改善を可能にする。いくつかの例では、第1の空洞5aは、約300mm~約400mm、又は約340mm~約360mm、例えば、約350mmの容積を備える。
【0096】
中空管状部材5は、中空管状部材5の上流第1端部に入る加熱された揮発成分と、中空管状部材5の下流第2端部から出る加熱された揮発成分との間に、少なくとも40℃の温度差を与えるように構成することができる。中空管状部材5は、中空管状部材5の上流第1端部に入る加熱された揮発成分と、中空管状部材5の下流第2端部から出る加熱された揮発成分との間に、少なくとも60℃の温度差を与えるように構成されることが好ましく、少なくとも80℃の温度差を与えるように構成されることが好ましく、少なくとも100℃の温度差を与えるように構成されることがより好ましい。中空管状部材5の長さの両端での温度差は、エアロゾル生成材料3が加熱されるとき、温度に敏感な材料の第2の材料本体5をエアロゾル生成材料3の高温から保護する。
【0097】
中空管状体3は、中空管状体3の上流第1端部に入る加熱された揮発成分と、中空管状体3の下流第2端部から出る加熱された揮発成分との間に、少なくとも5℃の温度差を与えるように構成することができる。中空管状体3は、中空管状体3の上流第1端部に入る加熱された揮発成分と、中空管状体3の下流第2端部から出る加熱された揮発成分との間に、少なくとも10℃の温度差を与えるように構成されることが好ましく、少なくとも12℃の温度差を与えるように構成されることが好ましく、少なくとも15℃の温度差を与えるように構成されることがより好ましい。
【0098】
各実施形態では、物品は、エアロゾル生成材料2及び中空管状部材5を少なくとも部分的に取り囲んで、エアロゾル生成材料2を中空管状部材5に接続するラッパー6をさらに備える。いくつかの例では、ラッパーは、エアロゾル生成材料2を口側端部セクション20の構成要素に取り付けるために物品1の全長に沿って延在してもよい。本例では、さらなるラッパー6’がラッパー6の下にあり、口側端部セクション20に沿って延在する。さらなるラッパー6’は、中空管状部材5と、管状体3と、円柱状体21と、第2の管状体22とを組み合わせる。本例では、ラッパー6は、エアロゾル生成材料2の長さに沿って部分的に延在して、エアロゾル生成材料を包まれた口側端部セクション20に取り付ける。
【0099】
プラグラップ23は円柱状体21を取り囲む。さらなるラッパー6’は第2の管状体22を取り囲んで、それを材料本体21、中空管状体3、及び中空管状部材5に取り付ける。包まれた第2の管状体22、円柱状体21、中空管状体3、及び中空管状部材5は、ラッパー6によってエアロゾル生成材料2に取り付けられる。
【0100】
ラッパー6は、硝酸ナトリウム又は硝酸カリウムなどのクエン酸塩を含む紙材料であってもよい。このような例では、ラッパー6は、2重量%以下、又は1重量%以下のクエン酸塩の含有量を有してもよい。これは、物品1が非燃焼性エアロゾル供給デバイス100で加熱されるとき、ラッパー6の炭化を抑制する。
【0101】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明したエアロゾル生成材料2は、第1のエアロゾル生成材料2であり、中空管状体3は、第2のエアロゾル生成材料を備えてもよい。例えば、第2のエアロゾル生成材料は、中空管状体3の内面に配置されていてもよい。
【0102】
第2のエアロゾル生成材料は、少なくとも1つのエアロゾル形成材料を含み、少なくとも1つのエアロゾル改質剤、又は他の感覚剤材料も含んでもよい。エアロゾル形成材料及び/又はエアロゾル改質剤は、本明細書で説明した任意のエアロゾル形成材料又はエアロゾル改質剤、又はそれらの組合せとすることができる。
【0103】
使用時、第1のエアロゾル生成材料2から生成されたエアロゾルは、中空管状体3を通って引き込まれるので、第1のエアロゾルからの熱は、第2のエアロゾル生成材料のエアロゾル形成材料をエアロゾル化して、第2のエアロゾルを形成することができる。第2のエアロゾルは、第1のエアロゾルの香料に追加又は補足する香味料を含んでもよい。
【0104】
第2の中空管状体3に第2のエアロゾル生成材料を設けると、第1のエアロゾルの香味又は外観を高める又は補足する第2のエアロゾルを生成することができる。
【0105】
物品1は、外部の空気が物品に流入することができるように配置された少なくとも1つの通気領域12をさらに備えてもよい。図示の実施形態では、通気領域12は、ラッパー6に切り込まれた一列の通気開口又は穿孔を備える。通気開口は、物品1の周囲を1列に延在してもよい。通気領域12は、2列以上の通気開口を備えてもよい。通気領域12を設けることによって、周囲の空気が使用中に物品に引き込まれてエアロゾルをさらに冷却することができる。
【0106】
図示の実施形態では、少なくとも1つの通気領域12は、外部の空気を中空管状体3の第2の空洞3aに供給するように配置される。これを達成するために、1つ以上の列の通気開口が、中空管状体3を覆うように物品の周囲に延在する。
【0107】
通気領域12は、エアロゾル生成部材2の下流12mm~20mmの位置に設けることができることが好適である。例えば、通気領域は、エアロゾル生成材料2の下流約14.5mm又は18.5mmの位置、又はエアロゾル生成部材2の下流14mm~20mmの位置に設けられてもよい。他の例では、通気は、物品の口側端部から22.5mm上流の位置で行われてもよい。これに代えて/これに加えて、通気は、中空管状部材の下流端から3.5mm未満の位置で行われてもよい。例えば、通気領域は、エアロゾル生成材料2の下流約14.5mm又は18.5mmの位置に設けられてもよい。他の例では、通気は、物品の口側端部から22.5mm上流の位置で行われてもよい。
【0108】
一例では、通気領域12は、レーザー穿孔として形成された単一列の穿孔を備える。いくつかの他の例では、通気領域は、例えば、口側端部からそれぞれ17.925mmと18.625mmの位置にある、レーザー穿孔として形成された第1及び第2の平行な列の穿孔を備える。これらの穿孔は、ラッパー6及び中空管状体3を通り抜ける。代替の実施形態では、通気は他の位置で行われることができる。
【0109】
いくつかの例では、通気孔は、中空管状体3の壁の厚み全部を通り抜ける。他の例では、通気部は、管状体の壁の厚みの一部分のみを通り抜けて形成されてもよい。例えば、通気孔は、約0.2mmまで、又は約0.3mmまで、又は約0.5mmまで、又は約1mmまで、又は約1.5mmまでの深さで管状体の中に延在してもよい。
【0110】
これに代えて、通気は、単一の列の穿孔、例えばレーザー穿孔を通じて中空管状体3が配置された物品1の部分内に行うことができる。これは、エアロゾルの形成を改善することが判明しており、これは、所与の通気レベルに対して、穿孔を通る空気流が、複数の列の穿孔よりも均一であることに起因すると考えられる。本例では、通気領域12は、エアロゾル生成材料2の下流18.5mmに単一の列のレーザー穿孔を備えている。
【0111】
別の実施形態では、少なくとも1つの通気領域12は、外部の空気をエアロゾル生成材料2に供給するように配置される。これを達成するために、1つ以上の列の通気開口が、エアロゾル生成材料2のロッドを覆うように物品の周囲に延在する。
【0112】
少なくとも1つの通気領域12によって提供される通気のレベルは、物品1が非燃焼性エアロゾル供給デバイス100で加熱されるとき、物品1を通過するエアロゾル生成材料2によって生成されるエアロゾルの量の40%~70%の範囲内である。
【0113】
エアロゾルの温度は一般に、通気レベルが下がるとともに上昇することが判明した。しかしながら、エアロゾルの温度と通気レベルとの間の関係は直線的ではないと思われ、例えば、製造公差による通気のばらつきは、目標通気レベルが低いときには影響が少ない。例えば、通気量の許容誤差が±15%では、75%の目標通気レベルに対して、エアロゾル温度は、通気の下限(60%の通気)において約6℃だけ上昇する場合がある。しかしながら、60%の目標通気レベルでは、エアロゾル温度は、通気の下限(45%換気)において約3.5℃しか上昇しない場合がある。したがって、物品の目標通気レベルは、40%~70%、例えば45%~65%の範囲内とすることができる。少なくとも20個の物品の平均通気レベルは、40%~70%、例えば45%~70%、又は51%~59%とすることができる。
【0114】
いくつかの実施形態では、追加のラッパー10が、エアロゾル生成材料2とラッパー6との間のエアロゾル生成材料2を少なくとも部分的に取り囲む。特に、物品の製造中、エアロゾル生成材料は、まず、追加のラッパー10によって包まれてから、ラッパー6によって物品1の他の構成要素と組み合わせて取り付けられる。
【0115】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料を取り囲む追加のラッパー10は、例えば、約1000コレスタ単位より大きい、又は約1500コレスタ単位より大きい、又は約2000コレスタ単位より大きい高レベルの透過性を有する。追加のラッパー10の透過性は、シガレットペーパー、フィルタープラグラップ、及びフィルター接合紙として使用される材料の空気透過性の決定に関するISO2965:2009に従って測定することができる。
【0116】
追加のラッパー10は、固有の高レベルの透過性レベルを有する材料、固有の多孔性の材料から形成されてもよく、又は、透過性区域又は領域を有する追加のラッパー10を設けることによって最終の透過性レベルが達成される場合、固有の任意のレベルの透過性を有する材料から形成されてもよい。透過性の追加のラッパー10を設けることで、喫煙品に空気が入る経路が提供される。追加のラッパー10は、エアロゾル生成材料2のロッドを通って入る空気の量が、吸い口の通気領域12を通って物品1に入る空気の量より相対的に多くなるような透過性を備えることができる。この構成を有する物品1は、より風味の良いエアロゾルを生成することができ、それは、ユーザをより満足させることができる。
【0117】
口側端部セクション20は第2の管状体22をさらに備える。第2の管状体22は、物品1の口側端部を画定する。第2の管状体22は、可塑剤で硬くされた酢酸セルロースの管を備えてもよい。例えば、第2の管状体は、中空管状体3について説明したのと同様に構成されてもよく、中空管状体3に対して説明したような範囲の壁厚及び/又は密度を有してもよい。
【0118】
第2の管状体22は、口側端部セクション20に、口側端部で開口する空洞部22aを画定する。
【0119】
第2の管状体22を物品1の下流端に設けることは、物品1の使用時に消費者の口と接触する吸い口の下流端での物品1の外面の温度を著しく低下させることが有利にも判明した。
【0120】
第2の中空管状体22の使用は、第2の中空管状体22の上流でさえ、口側端部セクション20の外面の温度を著しく低下させることも判明した。理論によって拘束されることを望むものではないが、これは、第2の中空管状体22がエアロゾルを口側端部セクション20の中央により近いところに流し、したがって、エアロゾルから物品の外面への熱の伝達を減少させることによると仮定される。
【0121】
第2の中空管状体22の内径は、3.0mmより大きいことが好ましい。これより小さい直径は、口側端部セクション20を通過して消費者の口に達するエアロゾルの速度を望ましい速度より上昇させ、その結果、エアロゾルは温かくなりすぎ、例えば40℃より高い、又は45℃より高い温度に達する可能性がある。管状体22の内径は、3.1mmより大きいことがより好ましく、3.5mm又は3.6mmより大きいことがさらにより好ましい。一実施形態では、管状体22の内径は約3.9mmである。
【0122】
第2の中空管状体22の「壁厚」は、管13の半径方向の壁の厚さに相当する。これは、中空管状要素8と同様の方法で測定することができる。壁厚は、0.9mmより厚いことが有利であり、1.0mm以上がより好ましい。壁厚は、第2の中空管状要素11の壁全体の周りで実質的に一定であることが好ましい。しかしながら、壁厚が実質的に一定でない場合には、壁厚は、第2の中空管状要素11の周りのいかなる点においても、0.9mmより厚いことが好ましく、1.0mm以上がより好ましい。
【0123】
第2の中空管状体22の長さは、約20mm未満であることが好ましい。第2の中空管状体22の長さは、約15mm未満であることがより好ましい。第2の中空管状体22の長さは、約10mm未満であることがさらにより好ましい。加えて、又は代替策として、第2の中空管状体22の長さは、少なくとも約5mmである。第2の中空管状体22の長さは、少なくとも約6mmであることが好ましい。いくつかの好ましい実施形態では、第2の中空管状体22の長さは、約5mm~約20mmであり、約6mm~約10mmがより好ましく、約6mm~約8mmがさらにより好ましく、約6mm、7mm、又は約8mmが最も好ましい。本例では、第2の中空管状体22の長さは6mmである。
【0124】
本例では、物品1は材料本体21を含む。材料本体は実質的に円柱状であり、中空管状体3のすぐ下流に配置される。材料本体21は、第1のプラグラップ23など、追加の包装材料で包まれる。いくつかの例では、第1のプラグラップ23は、50gsm未満の坪量、例えば、約20gsm~40gsmの坪量を有する。例えば、第1のプラグラップ23の厚さは、30μm~60μm、又は35μm~45μmとすることができる。
【0125】
他の例では、第1のプラグラップ23は、65gsmより大きい、例えば、80gsmより大きい、又は95gsmより大きい坪量を有する。いくつかの例では、第1のプラグラップ23は、約100gsmの坪量を有する。これらの範囲の坪量を有し、エンボス模様を備える第1のプラグラップを設けることによって、円柱状体21を覆う位置での物品1の外面の温度を低減できることが有利にも判明した。例えば、第1のプラグラップ23は、六角形の繰り返しパターン、線状の繰り返しパターン、又は任意の適切な形状を有する一連の隆起領域を含むエンボスパターンを備えてもよい。理論によって拘束されることを望むものではないが、エンボス加工された第1のプラグラップ23を設けることによって、プラグラップと追加のラッパー10との間に空隙を設けることができ、それが、物品1の外面への熱伝達を低減することができると考えられる。
【0126】
第1のプラグラップ23は、例えば、100コレスタ単位未満、例えば50コレスタ単位未満の透過性を有する、非多孔性のプラグラップであることが好ましい。しかしながら、他の実施形態では、第1のプラグラップ23は、例えば、200コレスタ単位より大きい透過性を有する、多孔性のプラグラップとすることができる。
【0127】
第2の管状体22は、材料本体21によって中空管状体3から離されている。
【0128】
材料本体21の長さは、約15mm未満であることが好ましい。材料本体21の長さは、約10mm未満であることがより好ましい。加えて、又は代替策として、材料本体21の長さは、少なくとも約5mmである。材料本体21の長さは、少なくとも約6mmであることが好ましい。いくつかの好ましい実施形態では、材料本体21の長さは、約5mm~約15mmであり、約6mm~約12mmがより好ましく、約6mm~約12mmがさらにより好ましく、約6mm、7mm、8mm、9mm、又は10mmが最も好ましい。本例では、材料本体21の長さは10mmである。
【0129】
円柱状体21とも呼ばれる材料本体21は、いかなる空洞又は中空部分もなしに、例えば、0.5mmより大きな寸法を有する空洞又は中空部分もなしに形成することができる。例えば、円柱状材料本体は、その体積全体にわたって実質的に連続的に延在する材料を含むことができる。それは、例えば、その直径にわたって、及び/又は、その長さに沿って実質的に均一な密度を有することができる。
【0130】
本例では、材料本体21は、フィラメントトウから形成される。本例では、材料本体21に使用されたトウは、単繊度が8.4デニール(d.p.f.:denier per filament)で、総繊度が21,000デニールを有する。これに代えて、トウは、例えば、単繊度が9.5デニール(d.p.f.)で、総繊度が12,000デニールを有し得る。これに代えて、トウは、例えば、単繊度が8デニール(d.p.f.)で、総繊度が15,000デニールを有する。本例では、トウは、可塑化された酢酸セルローストウを含む。トウに使用される可塑剤は、トウの約7重量%を構成する。本例では、可塑剤はトリアセチンである。他の例では、異なる材料を使用して材料本体21を形成することができる。例えば、材料本体21は、トウではなく、例えば、紙巻きタバコに使用するために知られている紙フィルターと同様の方法で、紙から形成することができる。これに代えて、本体21は、酢酸セルロース以外のトウ、例えばポリ乳酸(PLA)、フィラメントトウに対して本明細書で説明した他の材料、又は同様の材料、例えば、紙フィルター材料から形成することができる。トウは、酢酸セルロースから形成されることが好ましい。トウは、酢酸セルロースから形成されていようが、又は他の材料から形成されていようが、少なくとも5d.p.f.が好ましくは、少なくとも6d.p.f.がより好ましく、少なくとも7d.p.f.がさらにより好ましい。これらの単繊度の値では、より小さいd.p.f.値を有するトウよりも、より低い材料本体21の前後間での圧力降下となる、より小さな表面積を有する、比較的粗く、厚い繊維を有するトウになる。十分に均一な材料本体21を達成するためには、トウの単繊度は、12d.p.f.以下が好ましく、11d.p.f.以下が好ましく、10d.p.f.以下がさらにより好ましい。
【0131】
材料本体21を形成するトウの総繊度は、大きくても30,000デニールが好ましく、大きくても28,000デニールがより好ましく、大きくても25,000デニールがさらにより好ましい。これらの総繊度の値のトウは、物品1の断面積の小さな割合を占めて、物品1にわたる圧力降下が、より高い総繊度値を有するトウよりも低くなる。材料本体21を適切な硬さにするために、トウの総繊度は、少なくとも8,000デニールであることが好ましく、少なくとも10,000デニールであることがより好ましい。総繊度が10,000~25,000デニールでありながら、単繊度が5~12デニールであることが好ましい。総繊度が11,000~22,000デニールでありながら、単繊度が6~10デニールであることがより好ましい。トウのフィラメントの断面形状が「Y」形であることが好ましいが、他の実施形態では、本明細書で提供するのと同じd.p.f.及び総繊度値を有する、「X」形又は「O」形のフィラメントなどの他の形状を使用することができる。トウは、25以下の等周比の断面を有するフィラメントを含んでもよく、等周比は、20以下が好ましく、15以下がより好ましい。いくつかの例では、材料本体21は、トウ内に分散された吸着材(例えば、チャコール)を含んでもよい。
【0132】
本体6を形成するために使用される材料に関係なく、本体6前後間での圧力降下は、例えば、本体6の長さ1mmあたり0.2~5mm水柱、例えば、本体6の長さ1mmあたり0.5mm水柱~3mm水柱とすることができる。圧力降下は、例えば、0.5~2.5mm水柱/長さ1mm、1~1.5mm水柱/長さ1mm、又は1.5~2.5mm水柱/長さ1mmとすることができる。本体6前後間での全圧力降下は、例えば、2mm水柱~8mm水柱、又は4mm水柱~7mm水柱とすることができる。本体6前後間での全圧力降下は、約5、6、又は7mm水柱とすることができる。
【0133】
図2は、非燃焼性エアロゾル供給システムとして、又はその一部として使用するための物品1’を示す。物品1’は、口側端部セクション20’の円柱状体21がカプセル24を備えていることを除いて物品1と同じである。カプセル24は、破壊可能なカプセル、例えば液体ペイロードを取り囲む固体の脆いシェルを有するカプセルを構成することができる。本例では、単一のカプセルが使用される。カプセルは、材料本体21内に全体的に埋め込まれる。言い換えれば、カプセルは、材料本体を形成する材料によって完全に取り囲まれる。他の例では、複数の破壊可能なカプセル、例えば2つ、3つ、又はそれ以上の破壊可能なカプセルが、材料本体21内に配置されてもよい。必要とされるカプセルの数に対応するために、材料本体21の長さを延ばすことができる。複数のカプセルが使用される例では、大きさ及び/又はカプセルのペイロードに関して、個々のカプセルを互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。他の例では、各材料本体が1つ以上のカプセルを含む、複数の材料本体が設けられてもよい。
【0134】
カプセル24は、コアシェル構造を有する。言い換えれば、カプセル24は、液状剤、例えば香味料又は他の薬剤をカプセル化するシェルを備えており、液状剤は、本明細書で説明した香味料又はエアロゾル改質剤のうちのいずれか1つとすることができる。カプセル24のシェルは、香味料又は他の薬剤を材料本体21内へ放出するために、ユーザが破裂させることができる。第1のプラグラップ23は、プラグラップの材料をカプセルの液体ペイロードに対して実質的に不透過性にするためのバリアコーティングを備えることができる。これに代えて、又はこれに加えて、さらなるラッパー6’及び/又は包装材料6は、さらなるラッパー6’及び/又は包装材料6の材料をカプセルの液体ペイロードに対して実質的に不透過性にするためにバリアコーティングを備えることができる。
【0135】
いくつかの例では、カプセルは球形で、約3mmの直径を有する。他の例では、他の形状及び大きさのカプセルを使用することができる。カプセルの総重量は、約10mg~約50mgの範囲内とすることができる。
【0136】
所与のトウ仕様(8.4Y21000など)に対して、トウ重量の範囲のそれぞれに対して、トウを使用して形成されたロッドの長さを通じた圧力降下を表すトウ性能曲線を生成することが知られている。ロッドの長さ及び円周、ラッパー厚さ、並びにトウの可塑剤レベルなどのパラメータが指定され、これらをトウ仕様と組み合わせて、トウ性能曲線が生成される。トウ性能曲線は、標準的なフィルターロッド形成機械を使用して達成可能な最小重量と最大重量の間の異なるトウ重量によって提供される圧力降下を示す。そのようなトウ性能曲線は、例えば、トウの供給者から入手可能なソフトウェアを使用して計算することができる。フィラメントトウに対して生成されたトウ性能曲線の最小重量と最大重量との間の範囲の約10%~約30%の材料本体21の長さ1mmあたりの重量を有するフィラメントトウを含む材料本体21を使用することが特に有利であることが判明した。これは、本体21が形成された後の収縮を避けるのに十分なトウ重量を提供すること、許容できる圧力降下を提供すること、一方では、本明細書で説明した大きさのカプセルに対してトウ内のカプセル配置も助けることとの間で許容可能なバランスを提供することができる。
【0137】
使用後の物品全体で、エアロゾルの望ましい成分であるニコチン及びグリセロールの分布を決定するために、対照試料と、特許請求される本発明による物品とを、以下に説明するように試験した。エアロゾル生成材料中のグリセロール及びニコチンの使用前のレベルも、以下に説明するように、質量バランス分析を用いて決定された。
【0138】
対照試料は、30mmの長さを有するエアロゾル生成材料セクションと、エアロゾル生成セクションのすぐ下流に配置され、17mmの長さを有する管状部材5と、10mmの長さを有する円柱状体21と、6mmの長さを有する第2の管状体22とを備える。試料Aは、図1に示し、図1を参照して説明したのと同じ全体的な構造を有し、30mmの長さを有するエアロゾル生成材料セクションと、エアロゾル生成セクションのすぐ下流に配置され、8mmの長さを有する管状部材5と、9mmの長さを有する第1の管状体3と、10mmの長さを有する円柱状体21と、6mmの長さを有する第2の管状体22とを含む。
【0139】
質量バランス分析用試料は、エアロゾル生成材料2と、第1の管状体3、及び、存在する場合には管状部材5を備える冷却セクションと、円柱状体21及び第2の管状体22を備える口側端部とから採られた。
【0140】
物品使用後の口側端部セクション、冷却セクション、及びエアロゾル生成セクションのそれぞれにおけるニコチン及びグリセロールの量は、質量バランス分析を用いて決定することができる。また、送達されたエアロゾル中に存在するニコチン及びグリセロールの量は、排出物分析を用いて決定することができる。質量バランス分析及び排出物分析は、当業者にとって知られた技法である。
【0141】
【表1】

【表2】

上の表1及び表2に示したデータを得るために、質量バランス分析が実施されて、使用後に物品の所与のセクションに存在する所与の物質(本明細書の表1及び表2の例では、それぞれニコチン及びグリセロール)の量を決定した。また、物質バランス分析を用いて、使用前に物品の所与のセクションに存在するニコチン及びグリセロールの量を決定し、その結果、物品中の物質の分布及び物品から生成されるエアロゾル中に存在する量の両方を、最初に与えられた物質の総量と比較することができた。
【0142】
当業者にとっては明らかなように、これらデータ及びこれらデータが得られた実験方法に関連して「物品」が言及される場合、「物品」は、単一の特定の物品のことではなく、むしろ特定の設計又は構成を有する物品を指し、したがって同じ特定の設計又は構成を有する他の物品と比較可能である。以下にさらに詳細に説明するように、いくつかのそのような物品が分析されて、本書に提示された値(平均値を表す)を得た。当業者には明らかなように、使用前と使用後の両方で同じ個々の物品が試験されて、使用前及び使用後のデータ点を得たわけではない。その代わりに、使用前のデータは、特定の設計又は構成を有するいくつかの物品から得られ、使用後のデータは、同じ特定の設計又は構成を有する別個のいくつかの物品から得られる。
【0143】
質量バランス分析のための試料を得るために、物品はセクションに分解される。試料を得るために分解される物品の数は、分析される試料の総質量が少なくとも1グラムになるような数である。各試料は、分解される物品のいくつかの関連する構成要素(例えば、エアロゾル生成材料セクション2、又は円柱状体21及び第2の管状体22)を含み、その数は、いくつかの物品から採られる構成要素の総質量が、合わさって少なくとも1グラムになるのに十分な数である。質量バランス分析は、少なくとも3回繰り返し、各繰り返しは、新しい組の物品から得られた新しい試料に対して実行されるべきである。次いで、mg単位での物質の平均量は、少なくとも3回の繰り返しの平均から得られる(3回の繰り返し×1回あたり典型的には5~8個の物品のサンプリング=15~24個の物品がサンプリングされて各平均値が得られる)。
【0144】
上記のように、前の段落で説明したサンプリング実施要綱を用いた質量バランス分析が実施されて、使用前の物品のニコチン及びグリセロール含有量を決定した。
【0145】
排出物分析は、生成されたエアロゾルのニコチン及びグリセロール含有量を決定するために、標準的な喫煙方式、及び物品とともに使用するように意図された加熱デバイスを使用して実施することができる。喫煙方式は、ISO intense方式(ここでは、55mlのパフ量、30秒のパフ間の間隔、及び2秒のパフ持続時間を含む)によるが、開放構成で任意の通気を有する。デバイスが、任意の「ブースト」又は追加の喫煙機能を有する場合、試験を行うためにこれらを使用してはならない。
【0146】
上記のような標準的な喫煙方式での使用に続いて、質量バランス分析のために、上記のサンプリング実施要綱に従って物品から試料が採られて、物品中のニコチン及びグリセロールの使用後の分布を決定した。
【0147】
対照物品と試料Aのエアロゾルのニコチン及びグリセロール含有量を比較すると、試料Aから生じたエアロゾルには、78%多いニコチン及び85%多いグリセロールが存在したことが示されている。したがって、本開示に従って作られた物品において、エアロゾルの望ましい成分の著しく増加した量が、ユーザへの送達のために利用可能である。
【0148】
上の表1及び表2に示したデータは、試料Aでは、対照物品と比較して、使用後の口側端部セクション及び冷却セクションともに、存在するニコチン及びグリセロールの量が少なかったことを示している。上で説明したように、これは、管状体の内面、及び円柱状体の材料内でエアロゾルの凝縮が減少したことによると仮定される。
【0149】
次に、図3を参照して、ヒーター101を備える非燃焼性エアロゾル供給デバイス100とともに使用するための物品を製造する方法を説明する。本方法は、
少なくとも1つのエアロゾル形成材料を含むエアロゾル生成材料2を提供するステップS1と、
円柱状体21の上流端がエアロゾル生成材料2の下流端から約22mm未満であるように、エアロゾル生成材料の下流に円柱状体21を配置するステップS2と
を含む。
【0150】
図4は、非燃焼性エアロゾル供給システムとして、又はその一部として使用するための物品1’’を示す。物品1’’は、物品1及び物品1’と同じ特徴の多くを含み、同様の参照符号は同様の特徴を指す。物品1’’は、中空管状本体3を備えていない点で物品1と異なる。その代わりに、中空管状部材5は、冷却セクションの全長を形成するように空洞5aを画定する。
【0151】
加えて、図4の例では、物品1’’は、材料本体21の下流に第2の中空管状体22を備えていない点で物品1と異なる。その代わりに、材料本体21の下流端は物品1’’の下流端を形成する。しかしながら、第2の中空管状体22は、いくつかの例によれば、材料本体21の下流に設けられてもよい。
【0152】
図4の例では、材料本体21の長さは約12mmである。材料本体21の長さは約17mm未満が好ましい。加えて、又は代替策として、材料本体21の長さは少なくとも約8mmである。いくつかの好ましい実施形態では、材料本体21の長さは、約8mm~約17mmであり、約10mm~約14mmがより好ましく、約11mm~約13mmがさらにより好ましく、約11mm、12mm、又は13mm、9mm、又は10mmが最も好ましい。他の好ましい実施形態では、材料本体の長さは15mm~17mmであり、約16mmがより好ましい。いくつかの例では、少なくとも1つのさらなる材料本体が、エアロゾル生成材料と材料本体21との間など、エアロゾル生成材料の下流に設けられる。材料本体21と少なくとも1つのさらなる材料本体とが組み合わさった長さは、材料本体21を参照して上記で説明した長さのいずれかに対応する組み合わされた長さを有してもよい。
【0153】
物品1’’は、約26mmの長さを有するエアロゾル生成材料2のロッドを備えてもよい。しかしながら、エアロゾル生成材料2のロッドは、当業者によって理解されるように、任意の適切な長さであってもよい。
【0154】
図4における物品の下流端と通気領域12との間の距離d’は、物品の下流端から12mm~21mmである。いくつかの例では、物品の下流側端との間の距離d’は、物品の下流側端から16mm~20mm、又は18mm~19mmである。物品の下流端と通気領域との間の距離d’は、物品の下流端から約18.5mmが好ましい。他の例では、通気領域は、物品の下流端から約15mm、16mm、17mm、又は18mmの位置に設けられてもよい。これに代えて又はこれに加えて、通気領域は、中空管状部材の下流端から3.5mm以下の位置に設けられることが好ましい。本例では、通気領域は中空管状部材の下流端から2.5mmの位置に設けられる。
【0155】
理論によって拘束されることを望むものではないが、通気位置が設けられる位置が物品の口側端部に近いほど、エアロゾル温度が下がるとも考えられる。したがって、通気位置を口側端部により近づけることによって、エアロゾルの冷却を改善することができる。
【0156】
通気領域は、図1の物品1と同様に、中空管状部材5を取り囲むラッパー6に設けられてもよい。いくつかの例では、通気領域は、穴又は穿孔として設けられる。穴又は穿孔は、これに代えて又はこれに加えて、中空管状部材5に設けられてもよい。
【0157】
驚くべきことに、通気領域12を物品の口側端部の近くに配置することによって、物品を通過して口側端部から出る生成されたエアロゾルからの特定の有害物質の減少量は、通気領域がエアロゾル生成材料の近くに設けられているときの有害物質の減少量よりも大きいことが判明した。
【0158】
図4の例では、通気領域12は、口側端部から18.5mmの位置に配置された2列の穿孔によって設けられる。この例の通気レベルは60%である。NNKの減少は、物品の口側端部から22.5mmの位置に通気領域を設けた対応する物品の87.2%に比べ、91.2%であることが判明した。したがって、NNKの減少は、物品の口側端部から18.5mmの位置に通気部を設けた物品1’’に比べ、物品の口側端部から22.5mmの位置に通気部を設けた物品では約4%低いことが分かる。
【0159】
同様に、NNNの減少は、物品の口側端部から22.5mmの位置に通気領域を設けた対応する物品の55.5%に比べ、80.6%であることが判明した。したがって、NNNの減少は、物品の口側端部から18.5mmの位置に通気部を設けた物品1’’に比べ、物品の口側端部から22.5mmの位置に通気部を設けた物品では約25%低いことが分かる。
【0160】
しかしながら、口側端部のより近くに通気部を設けることは、エアロゾル生成材料のより近くに設けられた通気部を有する物品に比べ、より多いニコチンを送達することも判明した。
【0161】
特に、図4に示した物品のニコチン送達量は、物品の口側端部から22.5mmの通気領域を有する対応する物品の0.71mg/cigに比べ、0.84mg/cigのニコチン送達量であることが判明した。
【0162】
理論によって拘束されることを望むものではないが、口側端部のより近くに通気部を設けることは、エアロゾル生成材料のより近くに通気部を有する物品に比べ、エアロゾル形成剤(例えばグリセロール)をより多くユーザへ送達するとも考えられる。
【0163】
したがって、図4に示したような物品1’’は、物品の口側端部のより近くに通気領域を設けることによって、望ましくない有害物質のレベルを低下させながら、ニコチン及びエアロゾルをより多く送達することができることが分かる。
【0164】
次に、図5を参照して、ヒーター101を備える非燃焼性エアロゾル供給デバイス100とともに使用するための物品1’’を製造する方法を説明する。本方法は、
少なくとも1つのエアロゾル形成材料を含むエアロゾル生成材料2を提供するステップS1と、
エアロゾル生成材料2の下流に中空管状部材を配置するステップS2と、
中空管状部材の下流に実質的に円柱状体を配置するステップS3であって、円柱状体の下流端が物品の下流端を形成し、円柱状体の下流端と中空管状部材の下流端との間の距離が少なくとも8mmである、ステップS3と、
物品の下流端から12mm~21mmに少なくとも1つの通気領域を設けるステップS4と
を含む。
【0165】
本方法はまた、円柱状体がエアロゾル生成材料の下流端から約22mm未満であるように、図3に関連して説明した方法と組み合わせて実施することができる。
【0166】
図6は、本明細書で説明した物品1、1’、1’’のいずれかのエアロゾル生成材料2のようなエアロゾル生成媒体/材料からエアロゾルを生成するためのヒーター101を備える非燃焼性エアロゾル供給デバイス100の一例を示している。本明細書で説明した例では、図6図10Bに示した一般的な物品110は、本明細書で説明した物品1、1’、1’’のいずれかに対応すると考えることができる。概略的に述べると、デバイス100は、エアロゾル生成媒体を備える交換可能な物品110、例えば本明細書で説明した物品10を加熱して、デバイス100のユーザによって吸引されるエアロゾル又は他の吸引可能な媒体を生成するために使用することができる。デバイス100及び交換可能な物品110は一緒にシステムを形成する。
【0167】
デバイス100は、デバイス100の様々な構成要素を取り囲んで収容するハウジング102(外側カバーの形態)を備える。デバイス100は、一端に開口104を有しており、物品110は、ヒーター101(以降、加熱アセンブリと呼ぶ)による加熱のために開口104を通して挿入することができる。使用時、物品110は、加熱アセンブリに完全又は部分的に挿入することができ、ヒーターアセンブリの1つ以上の構成要素によって加熱することができる。
【0168】
この例のデバイス100は、第1の端部部材106を備えており、第1の端部部材106は、物品110が定位置にないときは開口104を閉じるように第1の端部部材106に対して可動の蓋108を備える。図6で、蓋108は開構成で示されているが、蓋108は閉構成へ動かすことができる。例えば、ユーザは、矢印「B」の方向に蓋108をスライドさせることができる。
【0169】
デバイス100はまた、押下されるとデバイス100を動作させるボタン又はスイッチなどのユーザが操作可能な制御要素112を含んでもよい。例えば、ユーザは、スイッチ112を操作することによって、デバイス100をオンにすることができる。
【0170】
デバイス100はまた、デバイス100のバッテリーを充電するためにケーブルを受け入れることができるソケット/ポート114などの電気構成要素を備えてもよい。例えば、ソケット114は、USB充電ポートなどの充電ポートであってもよい。
【0171】
図7は、外側カバー102が取り除かれており、物品110が存在しない状態の図6のデバイス100を示す。デバイス100は、長手方向軸線134を定める。図7に示すように、第1の端部部材106は、デバイス100の一端に配置され、第2の端部部材116は、デバイス100の反対側の端部に配置される。第1の端部部材106及び第2の端部部材116はともに、デバイス100の端面を少なくとも部分的に画定する。例えば、第2の端部部材116の底面は、デバイス100の底面を少なくとも部分的に画定する。外側カバー102の縁部も、端面の一部分を画定してもよい。この例では、蓋108も、デバイス100の上面の一部分を画定する。
【0172】
開口104に最も近いデバイスの端部は、使用時にユーザの口に最も近くなるため、デバイス100の近位端(又は口側端部)として知られていることがある。使用時、ユーザは、物品110を開口104に挿入し、ユーザ制御部112を操作して、エアロゾル生成材料の加熱を開始し、デバイス内で生成されたエアロゾルを引き込む。これによって、エアロゾルは、流路に沿ってデバイス100を通ってデバイス100の近位端の方へ流れる。
【0173】
開口104から最も遠いデバイスの他端は、使用時にユーザの口から最も遠い端部であるため、デバイス100の遠位端として知られていることがある。ユーザがデバイス内で生成されたエアロゾルを引き込むと、エアロゾルは、デバイス100の遠位端から離れる方へ流れる。
【0174】
デバイス100は、パワー源118をさらに備える。パワー源118は、例えば、再充電可能なバッテリー又は再充電不可のバッテリーなどのバッテリーであってもよい。好適なバッテリーの例には、例えば、リチウムバッテリー(リチウムイオンバッテリーなど)、ニッケルバッテリー(ニッケルカドミウムバッテリーなど)、及びアルカリバッテリーが含まれる。バッテリーは、加熱アセンブリに電気的に結合されて、必要とされるとき、コントローラ(図示せず)の制御下で、エアロゾル生成材料を加熱するための電力を供給する。この例では、バッテリーは、バッテリー118を定位置で保持する中央支持体120に接続されている。
【0175】
デバイスは、少なくとも1つの電子モジュール122をさらに備える。電子モジュール122は、例えばプリント回路基板(PCB:printed circuit board)を備えてもよい。PCB122は、プロセッサなどの少なくとも1つのコントローラ、及びメモリを支持することができる。PCB122はまた、デバイス100の様々な電子構成要素を一緒に電気的に接続するための1つ以上の電気トラックを備えてもよい。例えば、デバイス100全体にわたって電力を分配することができるように、バッテリー端子はPCB122に電気的に接続されてもよい。ソケット114も、電気トラックを介してバッテリーに電気的に結合されてもよい。
【0176】
例示的なデバイス100では、加熱アセンブリは誘導加熱アセンブリであり、物品110のエアロゾル生成材料を誘導加熱プロセスによって加熱するために様々な構成要素を備える。誘導加熱は、電磁誘導によって導電体(サセプタなど)を加熱するプロセスである。誘導加熱アセンブリは、誘導要素、例えば1つ以上のインダクタコイルと、交流などの変動電流を誘導要素に通すためのデバイスとを備えることができる。誘導要素内の変動電流は、変動磁場を生じさせる。変動磁場は、誘導要素に対して好適に配置されたサセプタに侵入し、サセプタ内に渦電流を生成する。サセプタは、渦電流に対して電気抵抗を有し、したがってこの抵抗に逆らって渦電流が流れることによって、サセプタがジュール加熱によって加熱される。サセプタが鉄、ニッケル、又はコバルトなどの強磁性材料を含む場合、サセプタの磁気ヒステリシス損失によっても、すなわち、磁性材料内の磁気双極子の向きが、変動磁場と向きを合わせる結果として変動することによっても、熱を発生させることができる。誘導加熱では、例えば、伝導による加熱と比較すると、熱はサセプタ内部で発生し、それによって急速な加熱が可能になる。さらに、誘導ヒーターとサセプタとの間のいかなる物理的な接触も必要なく、それによって、構造及び用途の自由度を大きくすることができる。
【0177】
例示的なデバイス100の誘導加熱アセンブリは、サセプタ構成体132(本明細書では、「サセプタ」と呼ぶ)、第1のインダクタコイル124、及び第2のインダクタコイル126を備える。第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126は、導電性材料から作られる。この例では、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126は、螺旋形インダクタコイル124、126を提供するように螺旋形に巻かれたリッツ線/ケーブルから作られる。リッツ線は、複数の個別のワイヤを含み、これらのワイヤは個々に絶縁されており、これらが撚り合わされて単一のワイヤを形成する。リッツ線は、導体の表皮効果損失を低減させるように設計されている。例示的なデバイス100では、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126は、矩形の断面を有する銅のリッツ線から作られる。他の例では、リッツ線は、円形などの他の形状の断面を有することもできる。
【0178】
第1のインダクタコイル124は、サセプタ132の第1のセクションを加熱するための第1の変動磁場を生成するように構成され、第2のインダクタコイル126は、サセプタ132の第2のセクションを加熱するための第2の変動磁場を生成するように構成される。この例では、第1のインダクタコイル124は、デバイス100の長手方向軸線134に沿う方向に第2のインダクタコイル126に隣り合っている(すなわち、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126は重なっていない)。サセプタ構成体132は、単一のサセプタ、又は2つ以上の別々のサセプタを備えてもよい。第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126の端部130は、PCB122に接続することができる。
【0179】
いくつかの例では、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126は、互いに異なる少なくとも1つの特性を有してもよいことが理解されよう。例えば、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なる少なくとも1つの特性を有してもよい。より詳細には、一例では、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なるインダクタンス値を有してもよい。図5では、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126は異なる長さのものであり、その結果、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126よりサセプタ132の小さいセクションに巻かれている。したがって、第1のインダクタコイル124は、(個々の巻き間の間隔は実質的に同じであると仮定すると)第2のインダクタコイル126とは異なる数の巻き数を備えてもよい。さらに別の例では、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なる材料から作られてもよい。いくつかの例では、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126は実質的に同一であってもよい。
【0180】
この例では、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126は、反対の方向に巻かれている。これは、インダクタコイルが異なる時点で動作しているときに有用となり得る。例えば、最初、第1のインダクタコイル124が物品110の第1のセクション/部分を加熱するように動作していることがあり、その後、第2のインダクタコイル126が物品110の第2のセクション/部分を加熱するように動作してもよい。コイルを反対方向に巻くことは、特定のタイプの制御回路とともに使用されるとき、動作していないコイルに誘導される電流を低減する助けになる。図5では、第1のインダクタコイル124は右巻き螺旋であり、第2のインダクタコイル126は左巻き螺旋である。しかしながら、別の実施形態では、インダクタコイル124及びインダクタコイル126は同じ方向に巻かれてもよいし、第1のインダクタコイル124は左巻き螺旋であってもよく、第2のインダクタコイル126は右巻き螺旋であってもよい。
【0181】
この例のサセプタ132は中空であり、したがって、内部にエアロゾル生成材料を受け入れる受け部を画定する。例えば、物品110は、サセプタ132内に挿入することができる。この例では、サセプタ120は、断面が円形の管状である。
【0182】
サセプタ132は1つ以上の材料から作られてもよい。サセプタ132は、ニッケル又はコバルトをコーティングされた炭素鋼を含むことが好ましい。
【0183】
いくつかの例では、サセプタ132は、少なくとも2つの材料を選択的にエアロゾル化するために2つの異なる周波数で加熱することができる少なくとも2つの材料を含んでもよい。例えば、(第1のインダクタコイル124によって加熱される)サセプタ132の第1のセクションは第1の材料を含んでもよく、第2のインダクタコイル126によって加熱されるサセプタ132の第2のセクションは異なる第2の材料を含んでよい。別の例では、第1のセクションは、第1及び第2の材料を含んでもよく、第1のインダクタコイル124の動作に基づいて、第1及び第2の材料を異なるように加熱することができる。第1の材料及び第2の材料は、サセプタ132によって定められた軸線に沿って隣り合っていてもよいし、サセプタ132内で異なる層を形成してもよい。同様に、第2のセクションは、第3及び第4の材料を含んでもよく、第2のインダクタコイル126の動作に基づいて、第3及び第4の材料を異なるように加熱することができる。第3の材料及び第4の材料は、サセプタ132によって定められた軸線に沿って隣り合っていてもよいし、サセプタ132内で異なる層を形成してもよい。例えば、第3の材料は第1の材料と同じであってもよく、第4の材料は第2の材料と同じであってもよい。これに代えて、材料のそれぞれは異なっていてもよい。例えば、サセプタは炭素鋼又はアルミニウムを含んでもよい。
【0184】
図7のデバイス100は絶縁部材128をさらに備え、絶縁部材128は、概ね管状でサセプタ132を少なくとも部分的に取り囲むことができる。絶縁部材128は、例えば、プラスチックなどの任意の絶縁材料から構成されてもよい。この特定の例では、絶縁材料はポリエーテルエーテルケトン(PEEK:polyether ether ketone)から構成される。絶縁材料128は、サセプタ132で生成される熱からデバイス100の様々な構成要素を絶縁する助けとなり得る。
【0185】
絶縁部材128はまた、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126を完全に、又は部分的に支持することができる。例えば、図5に示すように、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126は、絶縁部材128の周りに配置され、絶縁部材128の半径方向外向きの表面と接触している。いくつかの例では、絶縁部材128は、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126と当接しない。例えば、絶縁部材128の外面と、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126の内面との間にはわずかな隙間があってもよい。
【0186】
特定の例では、サセプタ132、絶縁部材128、並びに第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126は、サセプタ132の中央長手方向軸線の周りに同心である。
【0187】
図8は、デバイス100の部分断面の側面図である。この例では外側カバー102が存在している。第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126の矩形断面形状をより明瞭に見ることができる。
【0188】
デバイス100は、サセプタ132の一端と係合してサセプタ132を定位置に保持する支持部136をさらに備える。支持部136は第2の端部部材116に接続される。
【0189】
デバイスはまた、制御要素112内に、関連する第2のプリント回路基板138を備えてもよい。
【0190】
デバイス100は、デバイス100の遠位端の方に配置された第2の蓋/キャップ140及びばね142をさらに備える。ばね142によって第2の蓋140を開くことができて、サセプタ132にアクセスすることができる。ユーザは、サセプタ132及び/又は支持部136を清浄にするために第2の蓋140を開くことができる。
【0191】
デバイス100は、サセプタ132の近位端から離れるようにデバイスの開口104の方へ延在する拡張チャンバ144をさらに備える。物品110がデバイス100内に受け入れられたときに物品110に当接して保持するために、拡張チャンバ144内に保持クリップ146が少なくとも部分的に配置される。拡張チャンバ144は端部部材106に接続される。
【0192】
図9は、外側カバー102を省いた、図8のデバイス100の分解図である。
【0193】
図10Aは、図8のデバイス100の一部分の断面を示す。図10Bは、図10Aの1つの領域の拡大図である。図10A及び図10Bは、サセプタ132内に受け入れられた物品110を示し、ここでは、物品110は、物品110の外面がサセプタ132の内面と当接するような寸法である。これは、加熱が最も効率的になることを確実にする。この例の物品110はエアロゾル生成材料110aを備える。エアロゾル生成材料110aはサセプタ132内に配置される。物品110はまた、フィルター、包装材料、及び/又は冷却構造体などの他の構成要素を備えてもよい。
【0194】
図10Bは、サセプタ132の外面が、インダクタコイル124、126の内面から、サセプタ132の長手方向軸線158に垂直な方向に測って距離150だけ間隔を空けて配置されていることを示す。1つの特定の例では、距離150は、約3mm~4mm、約3~3.5mm、又は約3.25mmである。
【0195】
図10Bは、絶縁部材128の外面が、インダクタコイル124、126の内面から、サセプタ132の長手方向軸線158に垂直な方向に測って距離152だけ間隔を空けて配置されていることをさらに示す。1つの特定の例では、距離152は約0.05mmである。別の例では、距離152は実質的に0mmであり、その結果、インダクタコイル124、126は絶縁部材128と当接して接触する。
【0196】
一例では、サセプタ132は、約0.025mm~1mm、又は約0.05mmの壁厚154を有する。
【0197】
一例では、サセプタ132は、約40mm~60mm、約40mm~45mm、又は約44.5mmの長さを有する。
【0198】
一例では、絶縁部材128は、約0.25mm~2mm、0.25mm~1mm、又は約0.5mmの壁厚156を有する。
【0199】
使用時、本明細書で説明した物品1、1’、1’’は、図6図10Bを参照して説明したデバイス100などの非燃焼性エアロゾル供給デバイスに挿入することができる。物品110の吸い口20の少なくとも一部分は、非燃焼性エアロゾル供給デバイス100から突出しており、ユーザの口に入れることができる。エアロゾルは、デバイス100を使用してエアロゾル生成材料2を加熱することによって生成される。エアロゾル生成材料2によって生成されるエアロゾルは、吸い口20を通ってユーザの口に届く。
【0200】
本明細書で説明した様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解及び教示を助けるためだけに提示されている。これらの実施形態は、実施形態のうちの単なる代表的な例として提供されており、すべての実施形態を網羅したものでもなければ、他の実施形態を排除するものでもない。本明細書で説明した利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって規定されたとおりに本発明の範囲を限定するもの、又は特許請求の範囲の均等物を制限するものと考えるべきではなく、特許請求される発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態を利用し、変形を施すことができることを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本明細書で詳細に説明したもの以外の、開示された要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの適切な組合せを適切に備えてもよく、それらのみから構成されてもよく、又は実質的にそれらから構成されてもよい。加えて、本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性のある他の発明を含む可能性がある。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
【国際調査報告】