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特表2023-553912電子デバイスのプローブヘッド用のコンタクトプローブおよび対応するプローブヘッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】電子デバイスのプローブヘッド用のコンタクトプローブおよび対応するプローブヘッド
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/067 20060101AFI20231219BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G01R1/067 C
G01R1/073 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534950
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-08-07
(86)【国際出願番号】 EP2021084896
(87)【国際公開番号】W WO2022122866
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】102020000030194
(32)【優先日】2020-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519046085
【氏名又は名称】テクノプローベ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェットーリ、リカルド
【テーマコード(参考)】
2G011
【Fターム(参考)】
2G011AA02
2G011AA16
2G011AB01
2G011AB07
2G011AC02
2G011AC13
2G011AC14
2G011AE03
2G011AF07
(57)【要約】
本明細書には、コンタクトプローブ(20)が開示され、コンタクトプローブ(20)は、被試験デバイスのコンタクトパッドに当接するように構成されたコンタクトチップ(20F)で終端する第1の端部(20A)と、試験機器のボードのコンタクトパッドに当接するように構成されたコンタクトヘッド(20E)で終端する第2の端部(20B)と、に加えて、長手方向展開軸(HH)に従って第1の端部(20A)と第2の端部(20B)との間に延在するプローブ本体(20C)と、を有し、コンタクトプローブ(20)が、第2の端部(20B)に隣接して配されたプローブ本体(20C)の弾性部分(20G)に設けられた弾性ストッパ(21)を備え、弾性ストッパ(21)が、プローブ本体(20C)の横径(DC)よりも大きな横径(DG)を有する第1の作動状態とプローブ本体(20C)の横径(DC)に実質的に対応する横径(DG’)を有する第2の作動状態との間で弾性変形可能であることを特徴とし、横径という用語は、長手方向展開軸(HH)に直交する面に従って取られた断面の、円形でなくても最大の横方向の寸法を意味している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトプローブ(20)であって、前記コンタクトプローブ(20)が、被試験デバイスのコンタクトパッドに当接するように構成されたコンタクトチップ(20F)で終端する第1の端部(20A)と、試験機器のボードのコンタクトパッドに当接するように構成されたコンタクトヘッド(20E)で終端する第2の端部(20B)と、に加えて、長手方向展開軸(HH)に従って前記第1の端部(20A)と前記第2の端部(20B)との間に延在するプローブ本体(20C)と、を有し、
前記コンタクトプローブ(20)が、前記第2の端部(20B)に隣接して配された前記プローブ本体(20C)の弾性部分(20G)に設けられた弾性ストッパ(21)を備え、
前記弾性ストッパ(21)が、前記プローブ本体(20C)の横径(DC)よりも大きな横径(DG)を有する第1の作動状態と前記プローブ本体(20C)の前記横径(DC)に実質的に対応する横径(DG’)を有する第2の作動状態との間で弾性変形可能であることを特徴とし、
横径という用語が、前記長手方向展開軸(HH)に直交する面に従って取られた断面の、円形でなくても、最大の横方向の寸法を意味している、コンタクトプローブ(20)。
【請求項2】
前記弾性ストッパ(21)が、前記プローブ本体(20C)の前記弾性部分(20G)に設けられ、その中に前記長手方向展開軸(HH)に直交する横方向に従って互いに近づいたり離れたりすることができる2つの対向するアーム(21a、21b)を画定する開口部(Ap)を備える、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項3】
前記開口部(Ap)が、前記プローブ本体(20C)の前記弾性部分(20G)に沿って、前記第2の端部(20B)に向かって寸法が縮小する滴状であることを特徴とする、請求項2記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項4】
前記開口部(Ap)が、前記弾性部分(20G)の長さ(LG)に実質的に対応する、好ましくは100μmから400μmの間に含まれる長さ(Lap)にわたって、前記プローブ本体(20C)の前記弾性部分(20G)に沿って延在することを特徴とする、請求項2記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項5】
前記開口部(Ap)が、前記コンタクトプローブ(20)の側壁に対して突出する少なくとも1つのアームを画定するように構成された非対称形状を有することを特徴とする、請求項2記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項6】
前記開口部(Ap)が、自由端(21c)を有するアーム(21a)にも延在することを特徴とする、請求項5記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項7】
前記アーム(21a)の前記自由端(21c)が、前記プローブ本体(20C)の丸み部分(22)に面することを特徴とする、請求項6記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項8】
前記開口部(Ap)が、前記コンタクトプローブ(20)の対向する壁から突出する、実質的に等しく、対称であり、および隣接する第1のアーム(21a)および第2のアーム(21b)を提供するように構成された実質的に楕円形の形状を有することを特徴とする、請求項2記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項9】
前記開口部(Ap)が、アーム(21a)で中断され、前記開口部(Ap)に第1の自由端(21c1)を有する第1の部分(21a1)と第2の自由端(21c2)を有する第2の部分(21a2)とを画定するように構成された実質的に楕円形の形状を有し、前記弾性ストッパ(21)が実質的にC字形であることを特徴とする、請求項2記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項10】
前記コンタクトプローブ(20)が被試験デバイスのコンタクトパッドに圧接していないときに、前記プローブ本体(20C)が、静置状態において湾曲を含む曲線構成を、1°から5°、好ましくは2°から3°の間の範囲の値を有する円弧に従って備える、予め変形された形状を有することを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項11】
前記コンタクトプローブ(20)が、前記プローブ本体(20C)に沿って延在する少なくとも1つのさらなる開口部(23)を備え、前記少なくとも1つのさらなる開口部(23)が、前記少なくとも1つのさらなる開口部(23)によって分離された、互いに略平行であり、前記長手方向展開軸(HH)に沿って延在する、少なくとも1つの第1の長手方向アーム(24a)および第2の長手方向アーム(24b)によって形成されることを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項12】
前記コンタクトプローブ(20)が、前記第1の端部(20A)で前記プローブ本体(20C)に位置づけられた屈曲ネック(25)を形成する、縮小された断面を有する部分をさらに備えることを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項13】
前記コンタクトチップ(20F)が、前記第1の端部(20A)の残りの部分の直径(DA)の、好ましくは20~60%に等しい、より好ましくは50%に等しい、縮小した横径(DF)と、300μmから600μmの間に含まれる、好ましくは450μmに等しい、前記長手方向展開軸(HH)に従った長さ(LA)と、を有し、および/または、前記コンタクトヘッド(20E)が、前記第2の端部(20B)の残りの部分の直径(DB1)の、好ましくは20~60%に等しい、より好ましくは50%に等しい、縮小した横径(DE)と、100μmから400μmの間に含まれる、好ましくは250μmに等しい、前記長手方向展開軸(HH)に従った長さ(LB)と、を有することを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項14】
前記第2の端部(20B)が、前記第2の端部(20B)の残りの部分の直径(DB1)よりも大きな横径(DB2)を有する拡大部分(20D)を備えることを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項15】
前記コンタクトプローブ(20)が、静置状態において、すなわち、前記コンタクトプローブ(20)が被試験デバイスのコンタクトパッドに当接していないときに、2mmから5mmの間、好ましくは3.8mmから4.6mmの間で変化する、より好ましくは2.1mmに等しい、全体の長手方向の伸長(L)を有することを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項16】
被試験デバイスの機能性を検証するためのプローブヘッド(30)であって、前記プローブヘッド(30)が、複数のコンタクトプローブ(20)を収容するための上部ガイドホール(31A)を備えた単一の上部ガイド(31)と下部ガイドホール(32A)を備えた単一の下部ガイド(32)とを備え、前記プローブヘッド(30)が、請求項1~15のいずれか1項に従って形成され、前記単一の上部ガイド(31)の近くにある、前記単一の上部ガイド(31)と前記単一の下部ガイド(32)との間に位置づけられた弾性ストッパ(21)を備えることを特徴とする、プローブヘッド(30)。
【請求項17】
前記プローブヘッド(30)が、前記単一の上部ガイド(31)に連結され、前記複数のコンタクトプローブ(20)を収容するように構成されたそれぞれの上部開口部(33A)が設けられた、少なくとも1つの上部フレーム(33)と、前記単一の下部ガイド(32)に連結され、前記複数のコンタクトプローブ(20)を収容するためのそれぞれの下部開口部(34A)が設けられた、少なくとも1つの下部フレーム(34)と、をさらに備えることを特徴とする、請求項16記載のプローブヘッド(30)。
【請求項18】
前記上部フレーム(33)の前記上部開口部(33A)が、クリアランスを有して前記のコンタクトプローブ(20)の第2の端部(20B)を収容し、
コンタクトヘッド(20E)は、前記第2の端部(20B)から開始して、前記プローブヘッド(30)が端部要素を形成する試験機器のボードに向かって突出し、
前記下部フレーム(34)の前記前記下部開口部(34A)が、クリアランスを有して前記複数のコンタクトプローブ(20)の第1の端部(20A)を収容し、 コンタクトチップ(20F)は、前記第1の端部(20A)から開始して、被試験デバイスに向かって突出すること、を特徴とする、請求項17記載のプローブヘッド(30)。
【請求項19】
前記単一の下部ガイド(32)が、前記単一の上部ガイド(31)の厚さ(H1)よりも大きい、好ましくは前記単一の上部ガイド(31)の前記厚さ(H1)の1.8~2倍に等しい、長手方向展開軸(HH)に沿った厚さ(H2)を有し、
前記上部フレーム(33)が、前記単一の下部ガイド(32)の厚さ(H2)に同等である、好ましくは等しい厚さ(H3)を有し、
前記下部フレーム(34)が、前記単一の上部ガイド(31)の前記厚さ(H1)に同等である、好ましくは等しい厚さ(H4)を有し、
同等が、2つの厚さの差が±20%であることを意味していることを特徴とする、請求項17記載のプローブヘッド(30)。
【請求項20】
前記単一の上部ガイド(31)の前記厚さ(H1)および前記下部フレーム(34)の前記厚さ(H4)が、0.100mmから0.150mmの間で変化する、好ましくは0.125mmに等しい値を有し、
前記単一の下部ガイド(32)の前記厚さ(H2)および前記上部フレーム(33)の前記厚さ(H3)が、0.150mmから0.300mmの間で変化する、好ましくは0.254mmに等しい値を有することを特徴とする、請求項19記載のプローブヘッド(30)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、そのより一般的な態様では、電子デバイスのプローブヘッド用のコンタクトプローブに関し、以下の記載は、その説明を単純化するという唯一の目的で、この応用分野を参照して行われている。
【背景技術】
【0002】
周知のように、プローブヘッドは、本質的に、微細構造、特に半導体ウェーハ上に集積された電子デバイスの複数のコンタクトパッドを、その機能性試験、特に電気試験、または一般的に試験を実行するプローブ機器の対応するチャネルと電気的に接続するように構成されたデバイスである。
【0003】
集積された電子デバイスに対して実行される試験は、特に、既に製造されている中で欠陥のあるデバイスを検出して隔離するのに有用である。通常、プローブヘッドは、ウェーハ上に集積された電子デバイスを切断してチップ収納パッケージ内に組み付ける前に、電子デバイスの電気的試験に使用される。
【0004】
プローブヘッドは、通常、良好な電気的および機械的特性を有する特殊な合金で作られた、および被試験デバイスのコンタクトパッドの1つとの、少なくとも1つのコンタクト部分が設けられた、さまざまなコンタクト要素またはプローブを備える。
【0005】
一般に垂直プローブヘッドと呼ばれるタイプのプローブヘッドは、プレート形状で互いに平行である少なくとも一対のプレートまたはガイドによって通常保持された複数のコンタクトプローブを備える。上記ガイドは、プローブを収容するための適切なホールを備え、コンタクトプローブの移動および可能な変形のための自由域または空隙を残すために、互いに一定の距離を置いて配置される。一対のガイドは、特に、プローブヘッドに接続された試験機器のより近くに配置されている上部ガイドと、被試験デバイスを備えるウェーハのより近くに配置されている下部ガイドと、を備え、両方のガイドにはそれぞれのガイドホールが設けられ、それぞれのガイドホール内で、コンタクトプローブは軸方向にスライドする。換言すれば、図面のローカル基準の軸zに従えば、上部ガイドは下部ガイドの上にある。
【0006】
プローブヘッドのコンタクトプローブと被試験デバイスのコンタクトパッドとの間の良好な接続は、同じデバイスに対するプローブヘッドの圧力によって保証され、ここで、上部ガイドおよび下部ガイドに作られたガイドホール内で移動可能であるコンタクトプローブは、上記圧接中に、2つのガイド間の空隙内で曲がり、それぞれのガイドホール内でスライドする。
【0007】
さらに、空隙内でのコンタクトプローブの曲がりは、図1に概略的に示されるように、プローブ自体またはそのガイドの適切な構成によって支援することができ、ここで、例示されたプローブヘッドはいわゆるシフトされたプレートのタイプ(shifted-plate type)のものである。
【0008】
このような場合、プローブヘッド10は、少なくとも一対の上部ガイド(上部ダイ)、特に第1の上部ガイド16および第2の上部ガイド17を備え、これらは、プレート状であり、互いにかつ下部ガイド(下部ダイ)18に対して平行であり、ガイドには、コンタクトプローブ11が中でスライドする、それぞれの第1の上部ガイドホール16A、第2の上部ガイドホール17A、および下部ガイドホール18Aが設けられている。図示されていない他の既知の実施形態では、下部ガイドも第1の下部ガイドと中間ガイドに分割されており、中間ガイドには、コンタクトプローブ11をスライドさせるための適切なガイドホールも設けられている。
【0009】
より具体的には、第1の上部ガイド16および第2の上部ガイド17は、下部ガイド18に対してシフトされており、ここでシフトという用語は、それぞれの第1の上部ガイドホール16A、第2の上部ガイドホール17A、および下部ガイドホール18Aの中心の位置が互いにずれており、図面のローカル基準においてzで示される同じ長手方向に沿っていないことを意味しており、上記長手方向zは、ガイドの横展開面に対応する、基準面πに垂直である。さらに、第1の上部ガイド16と第2の下部ガイド17とは互いに対してシフトされている。これによって、上記第1の上部ガイド16、第2の上部ガイド17、および下部ガイド18のガイドホールに収容されたコンタクトプローブ11は、図面のローカル基準の長手方向zに対応する、第1の上部ガイド16、第2の上部ガイド17、および下部ガイド18の長手方向展開軸HHに対して変形する。
【0010】
各コンタクトプローブ11は、本質的に長手方向展開軸HHに沿って延在するプローブ本体11Cを備え、複数のコンタクトプローブ11が、通常、プローブヘッド10の内部に配され、上記長手方向展開軸HHは基準面πに直交するように配されている。
【0011】
各コンタクトプローブ11は、コンタクトチップ11Aとして示される、基準面π上に展開する半導体ウェーハ13上に作られた被試験デバイス12のコンタクトパッド12Aに当接するように構成された、少なくとも1つの第1のコンタクト端部と、コンタクトヘッド11Bとして示される、試験機器に向かって、インターフェースボードPCBまたはいわゆるスペーストランスフォーマなどの接続ボード14の、すなわち、その対向する両面に作られたそれぞれのコンタクトパッドの分布に関連した空間変換を実行することができるボードPCBのコンタクトパッド14Aに当接するように構成された、第2のコンタクト端部と、を有する。端部またはチップという用語は、本明細書および以下において、必ずしも尖っているわけではない端部を示す。特に、プローブヘッド10が集積デバイスの試験を実行する場合、そのコンタクトプローブ11のコンタクトチップ11Aは、被試験デバイス12のコンタクトパッド12Aに圧接し、プローブは曲がって変形し、そのコンタクトヘッド11Bも接続ボード14のコンタクトパッド14Aに圧接しており、したがって、コンタクトプローブ11は、プローブヘッド10がコンタクト要素を形成する、被試験デバイスと試験機器(図示せず)との間の機械的および電気的接触を実行する。
【0012】
適切には、第1の上部ガイド16が接続ボード14により近いガイドを識別する場合の第2の上部ガイド17と、下部ガイド18とは、空隙19によって適切に離間され、それにより、プローブヘッド10の動作中にコンタクトプローブ11を変形させることが可能になる。
【0013】
コンタクトプローブ11の変形した構成は、コンタクトプローブ11が、すべて同じ方法で被試験デバイス12との接触中にさらに変形することを保証し、隣接するプローブ間の相互接触の危険性が低減される。さらに、コンタクトプローブ11の変形した構成により、それぞれのコンタクトチップ11Aは、長手方向zに対して傾斜するように、被試験デバイス12のコンタクトパッド12Aに当接し、コンタクトプローブ11と被試験デバイス12との間の、機械的であるだけでなく電気的でもある、正しい接触を保証するように、コンタクトパッド12A上の上記コンタクトチップ11Aのスライドおよびしたがってその表面のクリーニングまたはスクラブが保証される。
【0014】
プローブヘッドの内部のプローブの正しい保持を保証することも等しく重要である。この目的のために、通常、図面のローカル基準を考慮して、長手方向zの両方向、すなわち上方および下方で、コンタクトプローブ11がプローブヘッド10から不必要に滑り落ちることを防止するためのメカニズムが提供される。
【0015】
特に、コンタクトプローブ11の各々のコンタクトヘッド11Bには、第1の上部ガイド16の第1の上部ガイドホール16Aの横径よりも大きい横径を有する拡大部分11Dが設けられており、横径という用語は、本明細書および以下において、基準面πで取られた断面の、円形でなくても最大の寸法の値を意味している。上記拡大部分11Dによって、第1の上部ガイド16へのコンタクトヘッド11Bの当接が保証され、特に図面のローカル基準を考慮して、特にプローブがプローブヘッド10の通常動作中に静置されている被試験デバイス12なしでの、下方へのコンタクトプローブ11のスライドが防止される。
【0016】
さらに、各コンタクトプローブ11には、通常はストッパ15として示される、プローブ本体11Cの壁から開始して突設された適切な突出要素が設けられる。特に、ガイドのシフトにより、コンタクトプローブ11は、一旦組み立てられると、第1の上部ガイド16の対応する第1の上部ガイドホール16Aの壁に接触している第1の側壁ls1と、第2の上部ガイド17の第2の上部ガイドホール17Aの壁に接触している第2の側壁ls2と、を有する。したがって、ストッパ15は、たとえば、コンタクトチップ11Aの大きな垂直変位、すなわちオーバートラベルを含む試験動作中に、図面のローカル基準に対して、コンタクトプローブ11が上方に移動するときに第2の上部ガイド17の下面F1と干渉するように、コンタクトプローブ11の第2の側壁ls2から開始して突設され、プローブヘッド10の外側でのコンタクトプローブ11の移動またはスライドを防止する。
【0017】
そのような場合、上部ガイドホール16Aおよび17Aは、ストッパ15の通過を保証するように寸法合わせされるべきであり、上部ガイド16および17間のシフトは、いずれにしても、第2の側壁ls2がストッパ15の上の第2の上部ガイドホール17A上に静置されているコンタクトプローブ11の位置決めを確保し、したがって、ストッパ15とその上の第2の上部ガイド17との対照を保証し、プローブヘッド10の内部でのコンタクトプローブ11の正しい保持が確保される。
【0018】
ストッパ15と、プローブの要求に応じて曲がって変形するようにシフトされている上部ガイドの1つとの間の干渉によるコンタクトプローブ11の保持のこの効率的な方法は、いずれにしても、最新の高周波用途では使用することができず、そのため、いわゆるショートプローブ、すなわち、長さが制限されている棒状本体を備え、特に、上記高周波用途では非常に不利である接続された自己インダクタンス現象を制限するために5000μm未満の寸法を有するプローブが使用される必要があり、そのような高周波用途という用語は、1000MHzを超える周波数でプローブによって伝送される信号を含む用途を意味している。そのような場合、実際には、コンタクトプローブの寸法が縮小されるため、対のガイドの、特に上部ガイドとしての使用が妨げられるか、または防止さえされる。
【0019】
1つのみの下部ガイドに加えて1つのみの上部ガイドの存在によって、コンタクトヘッドの全体の寸法を可能な限り制限し、特に寸法が縮小されたコンタクトプローブを正確に収容することが可能になる。しかし、この場合、上部ガイドとの干渉、およびコンタクトプローブを上方に引きずり込む力、また単に、プローブヘッドが、図1の描写に対して上下逆さまにされ、試験機器に連結されていない、すなわち接続ボード14に対して静置されていないときの重力が存在する場合の、プローブヘッドの内部でのコンタクトプローブの保持を保証するように、潜在的なストッパを正確に位置づけることは不可能である。
【0020】
単一ガイドの使用は、寸法が特に縮小されていないコンタクトプローブの場合でも好ましいが、コンタクトチップとプローブのコンタクトヘッドとの間の全体の力伝達が保証される必要がある場合にはそうではない。
【0021】
実際、コンタクトプローブ内でその先端からヘッドまで伝達される力が、ガイドとの接触、特にプローブがスライドするガイドホールの壁との接触による摩擦によって低減され、したがって上記低減が、プローブを収容するガイドの数に依存することは周知である。さらに、プローブヘッドに多数のプローブが収容されている場合、伝達された力は、プローブとの摩擦の典型的な影響によりガイドが受ける可能性のある曲げにも影響され、接触力がプローブのヘッドでは十分ではない危険性があるため、試験機器のボードとの正しい接続が保証されない。
【0022】
プローブに沿った力の伝達、より正確にはガイドとの摩擦によるその低減およびガイドの潜在的な曲がりに関連する同じ種類の問題が、フォトニック用途などの、大きなオーバードライブ、すなわち、長手方向zにおける大きな移動を受けるコンタクトプローブの場合にも生じる。
【0023】
シフトされる必要がある対のガイド内に多数のプローブが存在すると、被試験デバイスに望ましくない横方向の力がさらに伝わり、場合によっては被試験デバイスに均一な変位を引き起こす可能性がある。
【0024】
したがって、本発明の技術的課題は、機能的および構造的特徴を有するコンタクトプローブであって、1つのみの上部ガイドおよび1つのみの下部ガイドを備えたプローブヘッドにおけるその使用を可能にして、いかなる状況においても、対応するプローブヘッド内のプローブの正しい保持に加えて、被試験デバイスと試験機器との間のプローブによって作られた正しい機械的および電気的接続を保証し、先行技術に従って作られたコンタクトプローブおよびプローブヘッドに依然として影響を与える限定および不都合を克服するような、コンタクトプローブを提供することである。
【発明の概要】
【0025】
本発明の根底にある解決策は、ガイド、特に上部ガイドとの十分な干渉を保証するように構成された弾性ストッパを備えたコンタクトプローブを、上記コンタクトプローブを収容するガイドホールの直径を増大させることを必要とせずに、かつ一対のシフトされたガイドを必要とせずに、提供することである。弾性ストッパは、プローブの側壁の少なくとも1つに対して、好ましくは両方の側壁に対して突出するように作られ、それにより、その上にあるガイドと対照をなして(come into contrast)、プローブを備えるプローブヘッドの通常の試験、メンテナンス、およびクリーニング操作の間のプローブの変位を防止する。
【0026】
このような解決策に基づいて、技術的課題は、被試験デバイスのコンタクトパッドに当接するように構成されたコンタクトチップで終端する第1の端部と、試験機器のボードのコンタクトパッドに当接するように構成されたコンタクトヘッドで終端する第2の端部と、に加えて、長手方向展開軸に従って上記第1の端部と上記第2の端部との間に延在するプローブ本体と、を有するコンタクトプローブによって解決され、上記コンタクトプローブが、上記第2の端部に隣接して配された上記プローブ本体の弾性部分に設けられた弾性ストッパを備え、上記弾性ストッパが、上記プローブ本体の横径よりも大きな横径を有する第1の作動状態と上記プローブ本体の上記横径に実質的に対応する横径を有する第2の作動状態との間で弾性変形可能であることを特徴とし、横径という用語は、上記長手方向展開軸に直交する面に従って取られた断面の、円形でなくても最大の横方向の寸法を意味している。
【0027】
より具体的には、本発明は、単独で、または必要に応じて組み合わせて採用される、以下の追加および随意の特徴を含む。
【0028】
実施形態によれば、弾性ストッパは、プローブ本体の弾性部分に設けられた、その中に、上記長手方向展開軸に直交する横方向に従って互いに近づいたり離れたりすることができる2つの対向するアームを画定する開口部を備えることができる。
【0029】
別の実施形態によれば、開口部は、プローブ本体の弾性部分に沿って第2の端部に向かって寸法が縮小する滴状とすることができる。
【0030】
さらに、開口部は、好ましくは100μmから400μmの間に含まれる、弾性部分の長さに実質的に対応する長さにわたってプローブ本体の弾性部分に沿って延在することができる。
【0031】
開口部は、コンタクトプローブの側壁に対して突出する少なくとも1つのアームを画定するように構成された非対称形状を有することもできる。
【0032】
実施形態によれば、開口部は、自由端を有するアームにも延在することができる。
【0033】
特に、上記アームの自由端は、プローブ本体の丸み部分に面することができる。
【0034】
別の実施形態によれば、開口部は、コンタクトプローブの対向する壁から突出する、実質的に等しく、対称であり、および隣接する第1のアームおよび第2のアームを提供するように構成された実質的に楕円形の形状を有することができる。
【0035】
別の実施形態によれば、開口部は、アームで中断され、その中に第1の自由端を有する第1の部分と第2の自由端を有する第2の部分とを画定するように構成された実質的に楕円形の形状を有することができ、上記弾性ストッパは実質的にC字形である。
【0036】
さらに別の実施形態によれば、コンタクトプローブが被試験デバイスのコンタクトパッドに圧接していないときに、プローブ本体は、静置状態において湾曲を含む曲線構成を、1°から5°、好ましくは2°から3°の間に含まれる値の範囲を有する円弧に従って備える予め変形された形状を有することができる。
【0037】
コンタクトプローブはまた、プローブ本体に沿って延在する少なくとも1つのさらなる開口部を備えることができ、これは、少なくとも1つのさらなる開口部によって分離された、互いに略平行であり、長手方向展開軸に沿って延在する、少なくとも1つの第1の長手方向アームおよび第2の長手方向アームによって形成される。
【0038】
実施形態によれば、コンタクトプローブは、第1の端部でプローブ本体に位置づけられた屈曲ネックを形成する縮小された断面を有する部分をさらに備えることができる。
【0039】
より具体的には、コンタクトチップは、第1の端部の残りの部分の直径の、好ましくは20~60%に等しい、より好ましくは50%に等しい、縮小した横径と、300μmから600μmの間に含まれる、好ましくは450μmに等しい、長手方向展開軸に従った長さと、を有することができ、および/またはコンタクトヘッドは、第2の端部の残りの部分の直径の、好ましくは20~60%に等しい、より好ましくは50%に等しい、縮小した横径と、100μmから400μmの間に含まれる、好ましくは250μmに等しい、長手方向展開軸に従った長さと、を有することができる。
【0040】
実施形態によれば、第2の端部は、第2の端部の残りの部分の直径よりも大きな横径を有する拡大部分を備えることができる。
【0041】
コンタクトプローブは、特に、静置状態において、すなわち、コンタクトプローブが被試験デバイスのコンタクトパッドに当接していないときに、2mmから5mmの間、好ましくは3.8mmから4.6mmの間で変化する、より好ましくは2.1mmに等しい、全体の長手方向の伸長を有することができる。
【0042】
当該技術的課題はまた、被試験デバイスの機能性を検証するためのプローブヘッドであって、複数のコンタクトプローブを収容するための上部ガイドホールを備えた単一の上部ガイドと下部ガイドホールを備えた単一の下部ガイドとを備え、上に示された通りに作られ、単一の上部ガイドの近くにある、単一の上部ガイドと単一の下部ガイドとの間に位置づけられた弾性ストッパを備える、プローブヘッドによって解決される。
【0043】
実施形態によれば、プローブヘッドは、単一の上部ガイドに連結され、コンタクトプローブを収容するように構成されたそれぞれの上部開口部が設けられた、少なくとも1つの上部フレームと、単一の下部ガイドに連結され、コンタクトプローブを収容するためのそれぞれの下部開口部が設けられた、少なくとも1つの下部フレームと、をさらに備えることができる。
【0044】
特に、上部フレームの上部開口部は、クリアランスを有してコンタクトプローブの第2の端部を収容することができ、コンタクトヘッドは、そこから開始して、プローブヘッドが端部要素を形成する試験機器のボードに向かって突出し、下部フレームの下部開口部は、クリアランスを有してコンタクトプローブの第1の端部を収容することができ、コンタクトチップは、そこから開始して、被試験デバイスに向かって突出する。
【0045】
実施形態によれば、単一の下部ガイドは、単一の上部ガイドの厚さよりも大きい、好ましくは単一の上部ガイドの厚さの1.8~2倍に等しい、長手方向展開軸に沿った厚さを有することができ、上部フレームは、単一の下部ガイドの厚さに同等である、好ましくは等しい厚さを有することができ、下部フレームは、単一の上部ガイドの厚さに同等である、好ましくは等しい厚さを有することができ、同等とは、厚さの差が±20%であることを意味している。
【0046】
最後に、さらなる実施形態によれば、単一の上部ガイドの厚さおよび下部フレームの厚さは、0.100mmから0.150mmの間で変化する、好ましくは0.125mmに等しい値を有することができ、単一の下部ガイドの厚さおよび上部フレームの厚さは、0.150mmから0.300mmの間で変化する、好ましくは0.254mmに等しい値を有することができる。
【0047】
本発明によるコンタクトプローブおよびプローブヘッドの特徴および利点は、添付の図面を参照して、限定的ではなく例示として与えられる実施形態の、本明細書において以下でなされる、説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】先行技術に従って作られたプローブヘッドの正面図を概略的に示す。
図2】本発明に従って作られたコンタクトプローブの正面図を概略的に示す。
図3A】本発明に従って作られたコンタクトプローブの詳細の代替の実施形態の正面図を示す。
図3B】本発明に従って作られたコンタクトプローブの詳細の代替の実施形態の正面図を示す。
図4A】本発明に従って作られたコンタクトプローブの詳細の代替の実施形態の正面図を示す。
図4B】本発明に従って作られたコンタクトプローブの詳細の代替の実施形態の正面図を示す。
図5A】本発明に従って作られたコンタクトプローブの詳細の代替の実施形態の正面図を示す。
図5B】本発明に従って作られたコンタクトプローブの詳細の代替の実施形態の正面図を示す。
図6A】本発明によるコンタクトプローブの代替の実施形態の正面図を概略的に示す。
図6B】本発明によるコンタクトプローブの代替の実施形態の正面図を概略的に示す。
図7A】本発明によるプローブヘッドの代替の実施形態の正面図を概略的に示す。
図7B】本発明によるプローブヘッドの代替の実施形態の正面図を概略的に示す。
図7C】本発明によるプローブヘッドの代替の実施形態の正面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
上記図面、特に図2を参照して、全体的に参照番号20で示される、本発明に従って作られたコンタクトプローブが説明される。
【0050】
図面が、概略図であり、一定の縮尺で描かれていないが、代わりに、本発明の重要な特徴を強調するために描かれていることは留意するに値する。また、図面では、さまざまな要素が概略的に示されており、それらの形状は所望の用途に応じて変化し得る。さらに、実施形態に関連して1つの図面に例示される特定の特徴も、他の図面に例示される実施形態の1つまたは複数で使用することができる。
【0051】
さらに、さまざまな図面に例示され説明される、異なる実施形態における構造的および機能的に等しい要素は、同じ参照英数字で示されている。
【0052】
最後に、以下の説明では、「上(over)」、「下(under)」、「上方(upwards)」、「下方(downwards)」などの比較用語は、図面に示されるプローブおよびプローブヘッドの図面を参照して、それらの説明を簡単にするためにのみ使用される。
【0053】
コンタクトプローブ20は、被試験デバイスのパッドまたはコンタクトパッドに当接するように構成された、コンタクトチップ20Fとして示されるコンタクト端部で終端する少なくとも1つの第1の端部20Aと、試験機器のボードのコンタクトパッドに当接するように構成された、コンタクトヘッド20Eとして示されるコンタクト端部で終端する第2の端部20Bと、棒状であり、プローブの長手方向展開軸HHに沿って、実質的に図面のローカル基準の方向zに沿って、第1の端部20Aと第2の端部20Bとの間に延在する、プローブ本体20Cと、を備える。
【0054】
コンタクトチップ20Fは、300μmから600μmの間に含まれる、好ましくは450μmに等しい、方向zに従った長さLAを有し、コンタクトヘッド20Eは、100μmから400μmの間に含まれる、好ましくは250μmに等しい、方向zに従った長さLBを有している。
【0055】
プローブ本体20Cは、好ましくは、実質的に一定である、第1の端部20Aの直径および第2の端部20Bの直径に等しい値を有する横径DCを有し、これらの直径は好ましくは互いに等しい。
【0056】
適切には、本発明によれば、プローブ本体20Cは、予め変形させられた形状(図2に例示される例では弓(湾曲した)形状)、すなわち、たとえば長手方向展開軸HHに沿ったその伸長に対するプローブ本体20Cの中心点に曲率変化点を有する弓形状を有している。コンタクトプローブ20、特にそのプローブ本体20Cの弓形状は、特に、プローブの非作動状態(すなわち試験中に曲がって変形する前)でも存在する。
【0057】
コンタクトプローブ20の弓形状の予めの変形では、上記曲げ方向を促進することができない単一の上部ガイドに収容された場合でも、既知の解決策の二重シフトされたガイドのように、同じ所望の方向の同じ曲げが保証される。プローブの曲げ方向の力の所望の効果を得るためには、1°から5°の間、好ましくは2°から3°の間の範囲の値を有する円弧に従ってプローブ本体20Cを予め変形させるだけで十分であることを簡単な方法で確かめることができる。
【0058】
コンタクトプローブ20は、2mmから8mmの間に含まれる全長Lを有している。このような値は、コンタクトプローブ20が静置状態または非作動状態にあるとき、すなわち、それが被試験デバイスのコンタクトパッドに当接していないときの値である。
【0059】
好ましくは、高周波用途の場合、コンタクトプローブ20は、3mmから5mmの間、好ましくは3.8mmから4.6mmの間に変化する全体の長手方向伸長Lを有する。
【0060】
コンタクトプローブ20の全体の伸長に対するこのような寸法範囲は、コンタクトプローブ20が、高周波用途に使用することができ試験中の弾性を維持する、すなわち、その後再使用され得るように、可塑的に変形せずに、つまり限定された方法を用いずに、被試験デバイスのコンタクトパッドへのそのコンタクトチップの圧接の間に曲がるかまたは圧縮することを保証する。
【0061】
コンタクトプローブ20の全体の長手方向伸長Lは、最近発展された特定の用途に対しては、3mm未満、好ましくは2.5mm未満の値までさらに縮小させることができる。
【0062】
本発明に従って、適切には、コンタクトプローブ20は、第2の端部20Bに隣接して配された、100μmから400μmの間に含まれる(好ましくは250μmに等しい長さLGを有する)プローブ本体20Cの弾性部分20Gに作られた、弾性ストッパ21をさらに備える。
【0063】
図2の実施形態の例では、上記弾性ストッパ21は、弾性部分20Gに沿って、好ましくは弾性部分20Gの長手方向伸長全体に沿って延在する開口部Apによって作られている。
【0064】
開口部Apの存在によって、特に、図面のローカル基準の方向xに対応する横方向に沿って(すなわち、長手方向展開軸HHに直交して)近づいたり離れたりすることができる弾性部分20Gにおける2つの対向する部分が画定される。
【0065】
好ましくは、弾性ストッパ21は、その予め変形させられた形状の曲げ方向に関係なく、または既知の解決策で行われるようなそのオフセットを実施する一対のガイドなしで、それが収容されるガイドホールに対するコンタクトプローブ20の移動に対照作用を提供することができるように、対称形状を有することで、試験およびクリーニング操作中に、またプローブヘッドが試験機器から取り外されるときにも、上記プローブを備えるコンタクトヘッドの正しい動作を保証する。
【0066】
弾性ストッパ21の弾性によって、さらなる利点として、組み立て操作中にコンタクトプローブ20をそれぞれのガイドホールに通すことが可能になるだけでなく、たとえば同じコンタクトプローブ20の取り外しおよび置換を必要とする考えられ得るメンテナンス操作中にオペレータがコンタクトプローブ20を引き抜くことも可能になり、いずれにしても、コンタクトプローブ20を収容するプローブヘッドが被試験デバイスに圧接していないかまたは試験機器のボードに接触していない場合でも、正しい保持が保証され、上記弾性ストッパ21は、プローブヘッドが、被試験デバイスによって分離されるとき、または試験機器から連結を解除されるときに、また通常はエアジェットによって実行されるクリーニング操作中などの他の横方向の力が存在するときにも、重力の影響によりコンタクトプローブ20の移動を効率的に対照とすることができることが強調される。
【0067】
より具体的には、図3Aの拡大図に概略的に示されるように、上記弾性ストッパ21は、弾性部分20Gに沿ってプローブ本体20Cに向かって増大する寸法を有し、10μmから30μmの間に含まれる値を有する開口径Dapとして示される最大開口値と弾性ストッパ21が設けられる弾性部分20Gの長さLGに略等しい長さLapとを有する、滴状(drop‐shaped)の開口部Apによってコンタクトプローブ20の弾性部分20Gに設けられる。したがって、弾性ストッパ21は、実質的に針穴の形状を有し、滴状の開口部Apの存在によって、横方向xに従って互いに近づいたり離れたりすることができる、弾性部分20Gの2つの対向する部分(すなわち第1のアーム21aおよび第2のアーム21b)が画定される。
【0068】
より具体的には、滴状の開口部Apは、コンタクトプローブ20を収容するプローブヘッドのガイドに作られたガイドホール、特に弾性ストッパ21の上の上部ガイド31の上部ガイドホールよりも大きな寸法まで弾性部分20Gを拡大するようにサイズ合わせされる。換言すれば、弾性ストッパ21は、上部ガイド31に作られコンタクトプローブ20を収容するように構成された、上部ガイドホール31Aの直径DGFよりも大きい横径DGを有している。
【0069】
これにより、弾性ストッパ21は、コンタクトプローブ20が重力に同等である方向zに従った力を受けるとき、すなわち、コンタクトプローブ20を収容するプローブヘッドの通常の作動状態にあるとき、また試験状態になく、したがって被試験デバイスに静置していないときだけでなく、横方向の力(すなわち方向xの力)を受けるとき、すなわち当該技術分野で通常行われるようにエアジェットによるクリーニング状態にあるときにも、以下により良く説明されるように、コンタクトプローブ20が、プローブヘッドに挿入されると、図面のローカル基準を考慮して上方に(すなわち方向zに従って)移動することを防止する、または少なくとも妨げることができる。
【0070】
好ましい実施形態では、図3Aに例示されるように、コンタクトチップ20Fは、第1の端部20Aの残りの部分の横径DAに対して縮小された横径DFを有し、横径は、長手方向展開軸HHに(すなわち方向zに)直交する平面に従って取られた断面の、円形でなくても最大横方向寸法を意味している。特に、コンタクトチップ20Fは、第1の端部20Aの直径DAの20%から60%の間に含まれる、好ましくは50%に等しい横径DFを有する。
【0071】
同様に、コンタクトヘッド20Eは、第2の端部20Bの残りの部分の横径DB1に対して縮小された横径DEを有している。特に、コンタクトヘッド20Eは、第2の端部20Bの横径DB1の20から60%の間に含まれる、好ましくは50%に等しい横径DEを有する。
【0072】
コンタクトチップ20Fおよびコンタクトヘッド20Eのそれぞれの長さLA、LBを適切な寸法にすることによって、そのようにして作られるコンタクトプローブ20およびそれを備えるプローブヘッドの耐用寿命を延長することが可能であり、実質的に円筒状である上記の縮小された部分は、その横断面の形状およびプローブとそれぞれのパッドの機械的および電子的接触を規定するパラメータを変更することなく、コンタクトパッドへの接触の影響により摩耗し得る。この特徴は、被試験デバイスのパッドとの接触に関連する磨耗に加えて、その磨耗をさらに増大させる研磨布に対するクリーニング操作も受けるコンタクトチップ20Fにとって特に利点がある。
【0073】
さらに、寸法が縮小されたコンタクトチップ20Fの存在によって、コンタクトプローブ20は、面積が縮小されたコンタクトパッドを用いた被試験デバイスを試験するのに適したものとなる。
【0074】
適切には、第2の端部20Bには、上記拡大部分20Dの外側に第2の端部20Bの横径DB1よりも大きい横径DB2を有する拡大部分20Dも設けられる(DB2>DB1)。より具体的には、拡大部分20Dの横径DB2は、コンタクトプローブ20が収容される上部ガイドホール31Aの直径DGFよりも大きくなるように選択され(DB2>DFG)、上記拡大部分20Dは、図面のローカル基準の方向zに対して反対の方向に(下向きに)コンタクトプローブ20が移動するのを防止する。
【0075】
本発明による利点として、弾性ストッパ21は、図3Bに概略的に示されるように、上部ガイドホールを介する弾性部分20Gの通過も可能にするように、それ自体を圧し潰すことができ、その横径DGが、コンタクトプローブ20が収容される上部ガイドホール31Aの直径DFGの寸法に対応する寸法DG’に達する(DG’=DFG)まで、第1のアーム21aと第2のアーム21bを互いに近づけて移動させる。これらの状態では、開口部Apはゼロまで縮小することができ、第1のアーム21aは第2のアーム21b上に静置させることができる。したがって、弾性ストッパ21のアーム21aおよび21bの弾性を克服することができる適切な引張力をコンタクトプローブ20に加えて、コンタクトプローブ20を組み立てられたプローブヘッドから引き抜くことが可能であり、たとえば、その置換を可能にする。このような引張力は、特に上向きであり、すなわち図面のローカル基準の方向zに従うものである。
【0076】
換言すれば、弾性ストッパ21は、プローブ本体20Cの横径DCよりも大きい横径DGを有し、プローブが収容される上部ガイドのガイドホールに対するコンタクトプローブ20の移動に対して対照作用を実行することができる第1の状態と、プローブ本体20Cの横径DCに実質的に対応する横径DG’を有し、ガイドホールにおいて通過することができる第2の作動状態との間で弾性変形可能であり、「実質的に対応する」とは、上記直径間の差が±20%であることを意味している。したがって、第1の作動状態は、通常の作動状態、すなわち、コンタクトプローブ20を備えるプローブヘッドによって実行される被試験デバイスの試験であって、上記プローブが被試験デバイスのパッドに圧接している試験であるか、または上記プローブヘッドの通常のクリーニング状態であり、弾性ストッパ21の横方向寸法は、コンタクトプローブ20の起こり得る上方への移動とは対照的であり、一方で、第2の作動状態は、たとえば、コンタクトプローブ20がガイドホールに通過させられるときの、メンテナンスまたは組み立て操作に対応する。
【0077】
図示されていない代替の実施形態によれば、コンタクトプローブ20は、その長手方向展開軸HHに対して非対称である形状を有する開口部によって作られた弾性ストッパ21を備えることもでき、上記非対称の開口部が上記弾性ストッパ21の上の上部ガイドと対照をなすようにコンタクトプローブ20の側壁に対して突出することによって、アームの1つのみが画定される。
【0078】
図4Aに概略的に示される別の実施形態の変形によれば、弾性ストッパ21は、非対称形状を有して第1のアーム21aにも延在する開口部Apを備え、したがって、上記第1のアーム21aは、上記弾性ストッパ21の下のプローブ本体20Cの丸み部分22に面する自由端21cを有している。上記変形例によれば、第1のアーム21aのみが、コンタクトプローブ20の側壁に対して突出し、上記プローブを収容する上部ガイド31と対照をなすように構成されており、自由端21cを備えた上記第1のアーム21aは弾性ストッパ21の変形可能な部分である。
【0079】
適切には、コンタクトプローブ20が上部ガイドホール31Aに収容されるとき、開口部Apは上記上部ガイドホール31Aに長さLdだけ挿入され、第1のアーム21aは、第2のアーム21bから離間され、上記長さLdの後にコンタクトプローブ20の側壁に対して突出する。長さLdは、好ましくは、開口部Apの全長Lapの20~30%に等しい。
【0080】
より具体的には、組み立て後の静置状態では、被試験デバイスのパッドへのコンタクトチップ20Fの圧接の間のコンタクトプローブ20のコンタクトヘッド20Eに対する力の正しい伝達を保証するように、第1のアーム21aの最大側方伸長の点は、いずれにしても上部ガイド31と接触していない。
【0081】
この場合でも、弾性ストッパ21は、図4Bに概略的に示されるように、上部ガイドホール31Aへのその通過を可能にするように、圧し潰すことができ、横径DGが、コンタクトプローブ20が収容される上部ガイドホール31Aの直径DFGの寸法に対応する寸法DG’に達する(DG’=DFG)まで、第1のアーム21aと第2のアーム21bを互いに近づけて移動させる。
【0082】
いずれの場合でも、第1のアーム21aの自由端21cが、上記第1のアーム21aの可塑性変形を避けるように、プローブ本体20Cの丸み部分22上に静置していないことが強調される。
【0083】
図5Aに例示されるさらなる代替の実施形態によれば、開口部Apは、実質的に楕円形であり、依然として、コンタクトプローブ20を収容する上部ガイドホールに弾性ストッパ21を通過させるために、実質的に等しく、対称で、隣接しており、近づくように移動させることができる、第1のアーム21aおよび第2のアーム21bを提供するように構成されている。このような代替の実施形態は、完全に対称であり、開口部Apが作られる弾性部分20Gにおいて考えられ得る応力点を減らすという利点を有している。
【0084】
さらに、図5Bに概略的に示されるように、実質的に楕円形である開口部Apは、たとえば第1のアームで中断させることができ、第1の自由端21c1を有する第1のアームの第1の部分21a1と第2の自由端21c2を有する第1のアームの第2の部分21a2とを提供し、弾性ストッパ21は、このような場合実質的にC字形である。
【0085】
この代替の実施形態によれば、コンタクトプローブ20が被試験デバイスのコンタクトパッドに圧接しているとき、弾性ストッパ21は、より容易に方向zに変形することができ、特に、第1のアームの部分21a1および21a2の自由端21c1および21c2でCを閉じる。
【0086】
コンタクトプローブ20の弾性を改善するために、図6Aに概略的に例示されるように、さらなる開口23が設けられ、これは、プローブ本体20Cに沿って延在しており、そのため、互いに略平行であり、方向zに沿って延在し、上記開口部23によって分離されている、少なくとも1つの第1の長手方向アーム24aおよび第2の長手方向アーム24bによって形成されている。
【0087】
複数の開口部23が交差するプローブ本体20Cを有し、したがって、実質的に方向zに沿って延在する2つを超える長手方向アームが設けられたコンタクトプローブを考慮することも明らかに可能である。
【0088】
コンタクトプローブ20は、図6Bに概略的に示されるように、第1の端部20Aにおけるプローブ本体20C内に位置づけられた屈曲ネック25を提供する、縮小された断面を有する部分をさらに備えることができる。上記屈曲ネック25は、高応力にさらされるコンタクトプローブ20のセクション、より具体的には長手方向アームの接合点に隣接するセクションにおいて、コンタクトプローブ20の弾性をさらに改善することができる。
【0089】
より具体的には、上記屈曲ネック25は、プローブ本体20Cの断面に対して30~60%縮小された、より好ましくはプローブ本体20Cの断面の50%に等しい断面を有している。
【0090】
図6Bに例示される実施形態では、屈曲ネック25は、好ましくは、コンタクトプローブ20の曲げ機構およびそのコンタクトチップ20Fのスクラブに悪影響を及ぼさないように、方向zに沿って、第1の端部20Aに対して同心状にコンタクトプローブ20の中心に配され、コンタクトプローブ20の少なくとも2つの対向する側面間での対称的な材料の除去によって得られる。
【0091】
図6Bに例示される実施形態は、さらなる開口部23と屈曲ネック25の両方が設けられたコンタクトプローブ20を示しているが、屈曲ネック25のみを備えるようにコンタクトプローブ20を提供することも可能である。
【0092】
本発明はまた、垂直プローブを備えたタイプのプローブヘッドを指し、これは、上に例示した通りに作られた複数のコンタクトプローブのハウジングホールが設けられた一対のガイドのみを備える。
【0093】
より具体的には、図7Aを参照すると、図2に例示される実施形態に従って作られた複数のプローブ、すなわち弓形状に予め変形させられ弾性ストッパ21が設けられたコンタクトプローブを備えるプローブヘッド30が記載されている。
【0094】
プローブヘッド30は、コンタクトプローブ20を収容するための適切な上部ガイドホール31Aが設けられた、一般に上部ダイとして示される、第1のプレート状ガイドまたは上部ガイド31に加えて、コンタクトプローブ20を収容するための適切な下部ガイドホール32Aが設けられた、一般に下部ダイとして示される、第2のプレート状ガイドまたは下部ガイド32も備える。先行技術に関連して見られるように、上部ガイド31と下部ガイド32は、それらの間に空隙を画定するように互いに離間されており、そこで、コンタクトプローブ20は、半導体ウェーハ36上に集積された被試験デバイス35のコンタクトパッド35Aへのそのコンタクトチップ部分20Fの圧接中に自由に曲がることができ、対応するコンタクトヘッド20Eは、プローブヘッド30が端部要素である試験機器を備えたインターフェースボード37のコンタクトパッド37Aに当接している。先行技術に関連して見られるように、上記インターフェースボード37は、いわゆるスペーストランスフォーマとすることができる。
【0095】
適切には、プローブヘッド30はまた、上部ガイド31に連結され、コンタクトプローブ20を収容するように構成されたそれぞれの上部開口部33Aが設けられた、上部フレーム33と、下部ガイド32に連結され、コンタクトプローブ20を収容するための下部開口部34Aが設けられた、下部フレーム34と、を備える。好ましくは、上部フレーム33および下部フレーム34は、セラミックまたは金属要素である。
【0096】
より具体的には、上部フレーム33は、ネジ、ピン、または弾性フィルムなどの接続要素の使用により上部ガイド31に固定して接続され、同様に、下部フレーム34もネジ、ピン、または弾性フィルムなどの接続要素によって下部ガイド32に固定して接続される。それによって、上部フレーム33および下部フレーム34は、それぞれ、上部ガイド21および下部ガイド32と一体となり、その構造的補強要素として作用するとともに、プローブヘッド30の組み立て中にコンタクトプローブ20の位置合わせ器具としても作用する。それにより、コンタクトプローブ20のそのホール内でのスライドを簡素化する縮小された厚さを有する(好ましくはセラミックの)ガイドを使用することが可能になる。
【0097】
図7Aに示されるように、コンタクトプローブ20は、その第2の端部20Bが、上部ガイド31の上部ガイドホール31Aに挿入され、拡大部分20Dが、そのアンダーカット壁と上部ガイド31の上面、すなわち上部フレーム33に面する上部ガイド31の面に当接するように、プローブヘッド30に収容または一体化され、それによって、コンタクトプローブ20の保持要素として、図7Aのローカル基準の方向zと反対への、その下方への移動を防止するように作用する。
【0098】
特に、上部ガイド31の上部ガイドホール31Aは、クリアランスを有して拡大部分20Dの下に第2の端部20Bを収容するが、上記拡大部分20Dの通過を防止するように寸法合わせされ、一方で、上部フレーム33の上部開口部33Aは、コンタクトプローブ20の拡大部分20Dとコンタクトヘッド20Eの両方を収容するように構成された寸法を有する。
【0099】
さらに、本発明による利点として、コンタクトプローブ20は、その弾性ストッパ21が上部ガイド31の上部ガイドホール31Aの下に位置づけられるように、プローブヘッド30に収容され、それにより、上方への、すなわち図7Aのローカル基準の方向zに従ったコンタクトプローブ20の移動を防止するか、または少なくとも妨げる。これによって、弾性ストッパ21は上部ガイド31の近くに位置づけられ、近くとは、弾性ストッパ21が、上部ガイドの下面から開始して下方に、すなわち図7Aのローカル基準の方向zとは反対の方向に延在することを意味している。
【0100】
コンタクトプローブ20は、クリアランスを有して第1の端部20Aを収容されるように寸法合わせされた、下部ガイド32の下部ガイドホール32Aに収容された第1の端部20Aをさらに有し、一方で、コンタクトチップ20Fは、被試験デバイス35のコンタクトパッド35Aに当接するように被試験デバイス35に向かって下部ガイド32の下に突出する。
【0101】
上部ガイド31および下部ガイド32の他に、上部フレーム33および下部フレーム34も、互いに平行であり、基準面πに沿って延在しており、これは、半導体ウェーハ36および被試験デバイス35の他に、試験機器のボード37が基準面πに沿って伸展するのと同じである。
【0102】
さらに、下部ガイド32は、コンタクトプローブ20が被試験デバイス35に当接するときの試験動作中に、オーバードライブでのコンタクトプローブ20の移動を補助するように適切に寸法合わせされる。
【0103】
より具体的には、下部ガイド32は、上部ガイド31の厚さH1よりも大きい、好ましくは上部ガイド31の厚さH1の1.8~2倍に等しい、方向zに沿った厚さH2を有する。好ましい実施形態では、上部ガイド31は、0.100mmから0.150mmまで変化する、好ましくは0.125mmに等しい厚さH1を有し、一方で、下部ガイド32は、0.150mmから0.300mmまで変化する、好ましくは0.254mmに等しい厚さH2を有する。
【0104】
図7Aに例示される実施形態によって適切には、上部フレーム33は、下部ガイド32の厚さH2に同等である(好ましくは等しい)厚さH3を有し、下部フレーム34は、上部ガイド31の厚さH1に同等である(好ましくは等しい)厚さH4を有し、同等である、は、2つの厚さの差が±20%であることを意味している。
【0105】
これによって、上部ガイド31と上部フレーム33のアセンブリは、コンタクトプローブ20およびプローブヘッド30全体の動的かつ弾性的な対称性を保証するように、下部ガイド32と下部フレーム34のアセンブリに同等である、好ましくは等しい厚さを有する。
【0106】
図7Bに概略的に例示されるように、図6Aの実施形態に従って作られた複数のコンタクトプローブ20を中に収容するプローブヘッド30を提供することも可能である。
【0107】
このような場合、コンタクトプローブ20は、上部ガイド31と下部ガイド32との間の空隙においてプローブ本体20Cに設けられたそれぞれの長手方向開口部23も備え、上記長手方向開口部23は、プローブ本体20Cにそれぞれの長手方向アーム24a、24bを画定し、これにより、プローブ全体の弾性が改善され、特に、高周波用途に適合された短いプローブの場合でもコンタクトプローブ20または被試験デバイスのコンタクトパッドの破損が防止される。
【0108】
さらに、図7Cに概略的に例示されるように、コンタクトプローブ20には、それぞれの屈曲ネック25を設けることもでき、これらは、下部フレーム34におけるプローブ本体20Cの端部に適切に位置づけられ、場合によっては上記下部フレーム34の下部開口部34Aに収容され、コンタクトプローブ20または被試験デバイスのパッドの破損の危険性を低下させるように、コンタクトプローブ20の曲がりがさらに改善される。
【0109】
結論として、少なくとも1つの弾性ストッパが設けられたコンタクトプローブは、1つの上部ガイドのみおよび1つの下部ガイドのみを備えるプローブヘッドにおいて使用するように構成されており、コンタクトプローブを収容するガイドホールの直径を増大させる必要性を排除しながら、上記弾性ストッパは、上記プローブヘッド内でのコンタクトプローブの正しい保持を保証し、これは、上記弾性ストッパが、その弾性によってプローブの直径に実質的に対応する直径を有するガイドホールに通過することができるためである。
【0110】
特に、本発明による利点として、弾性ストッパの弾性によって、組み立て操作中にコンタクトプローブをそれぞれのガイドホールに通すことが可能になるだけでなく、たとえばコンタクトプローブの取り外しまたは置換を必要とする考えられ得るメンテナンス操作中にオペレータがコンタクトプローブを引き抜くことも可能になり、依然として、上記弾性ストッパによって作られた対照により、コンタクトプローブを収容するプローブヘッドが被試験デバイスに圧接していないかまたは試験機器のボードに接触していない場合でも、正しい保持が保証され、これにより、プローブヘッドが、被試験デバイスによって分離されるとき、または試験機器から連結を解除されるときに、また通常はエアジェットによって実行されるクリーニング操作中などの他の横方向の力が存在するときにも、重力の影響によるコンタクトプローブの移動を効率的に防止することができる。
【0111】
適切には、上記弾性ストッパは、コンタクトプローブの側壁の少なくとも1つに対して(好ましくは両方の側壁に対して)突出するように作られ、それにより、その上にあるガイドと対照をなして、プローブを備えるプローブヘッドの通常の試験、メンテナンス、またはクリーニング操作の間のプローブの変位を防止する。
【0112】
コンタクトプローブは、対応するプローブヘッドに収容されるときに、特にプローブヘッドによって実行される試験動作中の被試験デバイスへの圧接の間に、コンタクトプローブの均一な曲がりを簡素化するようにさらに予め変形させることができ、それにより、隣接するプローブ間の接触のリスクが最小限に抑えられ、既知の解決策などにおける一対のシフトされたガイドも必要とされない。
【0113】
好ましくは、コンタクトプローブは、縮小された横径、および試験またはクリーニング操作の影響による磨耗を許容することができる適切な長さを有する、端部コンタクト部分を備え、それにより、プローブヘッド全体の耐用年数が延長される他に、寸法が縮小されたパッドの試験も可能になる。
【0114】
適切には、弾性ストッパは、プローブ本体に形成された開口部によって非常に簡単な方法で設けることができ、互いに対して近づいたり離れたりすることができる上記プローブ本体の少なくとも一対の部分を画定するように構成されている。弾性ストッパは、そのアームの1つにおいて開いた形状を有することもでき、これにより、コンタクトプローブが重力または他の横方向の力を長手方向に受けたときのその変形が簡素化される。
【0115】
さらに、コンタクトプローブにそのコンタクトプローブ本体に作られた開口部を設けて、コンタクトプローブ全体の弾性を向上させるように複数の長手方向アームおよび/または屈曲ネックを形成することも可能である。
【0116】
これによって、コンタクトプローブの全長を特に短縮させることが可能になり、したがって、より最近の技術における用途、たとえば、一対のガイドのみを使用する超高周波用途にコンタクトプローブを適合させ、いずれにしても、ガイド内でのコンタクトプローブの正しい保持が保証される。
【0117】
これによって、本発明によるコンタクトプローブは、特に多数のコンタクトプローブが存在する場合に、それらの望ましくない変位を引き起こしかねない横方向の力を被試験デバイスに伝達し得る、プローブのオフセットを提供する二重ガイドを備える既知の解決策の欠点を克服することも可能にする。
【0118】
明らかなことに、当業者は、不定および特定の要件を満たすために、上記のコンタクトプローブおよびプローブヘッドに対して多数の修正および変更を行い得、これらはすべて、以下の請求項によって定義されるように本発明の保護範囲に含まれる。
【0119】
特に、開口部を充填するための考えられ得る可撓性材料の使用に加えて、弾性ストッパを提供する開口部のための任意の形状を考慮することが可能である他に、プローブ本体に任意数のアームを形成するための任意の数の長手方向開口部を考慮することも可能である。
【0120】
最後に、本発明のコンタクトプローブに、コンタクトチップおよびヘッド部分の他の幾何学的構成またはコーティングフィルムの存在などの、さらなる手段を提供することが可能である。
図1
図2
図3A-3B】
図4A-4B】
図5A-5B】
図6A-6B】
図7A
図7B
図7C
【手続補正書】
【提出日】2023-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトプローブ(20)であって、前記コンタクトプローブ(20)が、被試験デバイスのコンタクトパッドに当接するように構成されたコンタクトチップ(20F)で終端する第1の端部(20A)と、試験機器のボードのコンタクトパッドに当接するように構成されたコンタクトヘッド(20E)で終端する第2の端部(20B)と、に加えて、長手方向展開軸(HH)に従って前記第1の端部(20A)と前記第2の端部(20B)との間に延在するプローブ本体(20C)と、を有し、
前記コンタクトプローブ(20)が、前記第2の端部(20B)に隣接して配された前記プローブ本体(20C)の弾性部分(20G)に設けられた弾性ストッパ(21)を備え、
前記弾性ストッパ(21)が、前記プローブ本体(20C)の横径(DC)よりも大きな横径(DG)を有する第1の作動状態と前記プローブ本体(20C)の前記横径(DC)に等しい横径(DG’)を有する第2の作動状態との間で弾性変形可能であることを特徴とし、
横径という用語が、前記長手方向展開軸(HH)に直交する面に従って取られた断面の、円形でなくても、最大の横方向の寸法を意味している、コンタクトプローブ(20)。
【請求項2】
前記弾性ストッパ(21)が、前記プローブ本体(20C)の前記弾性部分(20G)に設けられ、その中に前記長手方向展開軸(HH)に直交する横方向に従って互いに近づいたり離れたりすることができる2つの対向するアーム(21a、21b)を画定する開口部(Ap)を備える、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項3】
前記開口部(Ap)が、前記プローブ本体(20C)の前記弾性部分(20G)に沿って、前記第2の端部(20B)に向かって寸法が縮小する滴状であることを特徴とする、請求項2記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項4】
前記開口部(Ap)が、前記弾性部分(20G)の長さ(LG)に等しい長さ(Lap)にわたって、前記プローブ本体(20C)の前記弾性部分(20G)に沿って延在することを特徴とする、請求項2記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項5】
前記開口部(Ap)が、前記コンタクトプローブ(20)の側壁に対して突出する少なくとも1つのアームを画定するように構成された非対称形状を有することを特徴とする、請求項2記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項6】
前記開口部(Ap)が、自由端(21c)を有するアーム(21a)にも延在することを特徴とする、請求項5記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項7】
前記アーム(21a)の前記自由端(21c)が、前記プローブ本体(20C)の丸み部分(22)に面することを特徴とする、請求項6記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項8】
前記開口部(Ap)が、前記コンタクトプローブ(20)の対向する壁から突出する、等しく、対称であり、および隣接する第1のアーム(21a)および第2のアーム(21b)を提供するように構成された楕円形の形状を有することを特徴とする、請求項2記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項9】
前記開口部(Ap)が、アーム(21a)で中断され、前記開口部(Ap)に第1の自由端(21c1)を有する第1の部分(21a1)と第2の自由端(21c2)を有する第2の部分(21a2)とを画定するように構成された楕円形の形状を有し、前記弾性ストッパ(21)がC字形であることを特徴とする、請求項2記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項10】
前記コンタクトプローブ(20)が被試験デバイスのコンタクトパッドに圧接していないときに、前記プローブ本体(20C)が、静置状態において湾曲を含む曲線構成を、1°から5°の間の範囲の値を有する円弧に従って備える予め変形された形状を有することを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項11】
前記コンタクトプローブ(20)が、前記プローブ本体(20C)に沿って延在する少なくとも1つのさらなる開口部(23)を備え、前記少なくとも1つのさらなる開口部(23)が、前記少なくとも1つのさらなる開口部(23)によって分離された、互いに平行であり、前記長手方向展開軸(HH)に沿って延在する、少なくとも1つの第1の長手方向アーム(24a)および第2の長手方向アーム(24b)によって形成されることを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項12】
前記コンタクトプローブ(20)が、前記第1の端部(20A)で前記プローブ本体(20C)に位置づけられた屈曲ネック(25)を形成する、縮小された断面を有する部分をさらに備えることを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項13】
前記コンタクトチップ(20F)が、前記第1の端部(20A)の残りの部分の直径(DA)の縮小した横径(DF)と、300μmから600μmの間に含まれる前記長手方向展開軸(HH)に従った長さ(LA)を有することを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項14】
前記コンタクトヘッド(20E)が、前記第2の端部(20B)の残りの部分の直径(DB1)の縮小した横径(DE)と、100μmから400μmの間に含まれる、前記長手方向展開軸(HH)に従った長さ(LB)を有することを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項15】
前記コンタクトチップ(20F)が、前記第1の端部(20A)の残りの部分の直径(DA)の縮小した横径(DF)と、300μmから600μmの間に含まれる前記長手方向展開軸(HH)に従った長さ(LA)を有し、前記コンタクトヘッド(20E)が、前記第2の端部(20B)の残りの部分の直径(DB1)の縮小した横径(DE)と、100μmから400μmの間に含まれる、前記長手方向展開軸(HH)に従った長さ(LB)を有することを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項16】
前記第2の端部(20B)が、前記第2の端部(20B)の残りの部分の直径(DB1)よりも大きな横径(DB2)を有する拡大部分(20D)を備えることを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項17】
前記コンタクトプローブ(20)が、静置状態において、すなわち、前記コンタクトプローブ(20)が被試験デバイスのコンタクトパッドに当接していないときに、2mmから5mmの間で変化する全体の長手方向の伸長(L)を有することを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項18】
被試験デバイスの機能性を検証するためのプローブヘッド(30)であって、前記プローブヘッド(30)が、複数のコンタクトプローブ(20)を収容するための上部ガイドホール(31A)を備えた単一の上部ガイド(31)と下部ガイドホール(32A)を備えた単一の下部ガイド(32)とを備え、前記プローブヘッド(30)が、請求項1~15のいずれか1項に従って形成され、前記単一の上部ガイド(31)の近くにある、前記単一の上部ガイド(31)と前記単一の下部ガイド(32)との間に位置づけられた弾性ストッパ(21)を備えることを特徴とする、プローブヘッド(30)。
【請求項19】
前記プローブヘッド(30)が、前記単一の上部ガイド(31)に連結され、前記複数のコンタクトプローブ(20)を収容するように構成されたそれぞれの上部開口部(33A)が設けられた、少なくとも1つの上部フレーム(33)と、前記単一の下部ガイド(32)に連結され、前記複数のコンタクトプローブ(20)を収容するためのそれぞれの下部開口部(34A)が設けられた、少なくとも1つの下部フレーム(34)と、をさらに備えることを特徴とする、請求項18記載のプローブヘッド(30)。
【請求項20】
前記上部フレーム(33)の前記上部開口部(33A)が、クリアランスを有して前記のコンタクトプローブ(20)の第2の端部(20B)を収容し、
コンタクトヘッド(20E)は、前記第2の端部(20B)から開始して、前記プローブヘッド(30)が端部要素を形成する試験機器のボードに向かって突出し、
前記下部フレーム(34)の前記前記下部開口部(34A)が、クリアランスを有して前記複数のコンタクトプローブ(20)の第1の端部(20A)を収容し、
コンタクトチップ(20F)は、前記第1の端部(20A)から開始して、被試験デバイスに向かって突出すること、を特徴とする、請求項19記載のプローブヘッド(30)。
【請求項21】
前記単一の下部ガイド(32)が、前記単一の上部ガイド(31)の厚さ(H1)よりも大きい長手方向展開軸(HH)に沿った厚さ(H2)を有し、
部フレーム(33)が、前記単一の下部ガイド(32)の厚さ(H2)に同等である厚さ(H3)を有し、
部フレーム(34)が、前記単一の上部ガイド(31)の前記厚さ(H1)に同等である厚さ(H4)を有し、
同等が、2つの厚さの差が±20%であることを意味していることを特徴とする、請求項18記載のプローブヘッド(30)。
【請求項22】
前記単一の下部ガイド(32)が、前記単一の上部ガイド(31)の厚さ(H1)の1.8~2倍に等しい長手方向展開軸(HH)に沿った厚さ(H2)を有することを特徴とする、請求項18記載のプローブヘッド(30)。
【請求項23】
前記上部フレーム(33)が、前記単一の下部ガイド(32)の厚さ(H2)に等しい厚さ(H3)を有し、下部フレーム(34)が、前記単一の上部ガイド(31)の厚さ(H1)に等しい厚さ(H4)を有することを特徴とする、請求項18記載のプローブヘッド(30)。
【請求項24】
前記単一の上部ガイド(31)の前記厚さ(H1)および前記下部フレーム(34)の前記厚さ(H4)が、0.100mmから0.150mmの間で変化する値を有し、前記単一の下部ガイド(32)の前記厚さ(H2)および前記上部フレーム(33)の前記厚さ(H3)が、0.150mmから0.300mmの間で変化する値を有することを特徴とする、請求項21記載のプローブヘッド(30)。
【請求項25】
前記単一の上部ガイド(31)の前記厚さ(H1)および前記下部フレーム(34)の前記厚さ(H4)が、0.125mmに等しい値を有し、
前記単一の下部ガイド(32)の前記厚さ(H2)および前記上部フレーム(33)の前記厚さ(H3)が、0.254mmに等しい値を有することを特徴とする、請求項21記載のプローブヘッド(30)。
【国際調査報告】