(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】電極組立体、バッテリー、それを含むバッテリーパック及び自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 50/536 20210101AFI20231219BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20231219BHJP
H01M 4/64 20060101ALI20231219BHJP
H01M 50/107 20210101ALI20231219BHJP
H01M 50/152 20210101ALI20231219BHJP
H01M 50/179 20210101ALI20231219BHJP
H01M 50/559 20210101ALI20231219BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20231219BHJP
H01M 50/188 20210101ALI20231219BHJP
H01M 50/566 20210101ALI20231219BHJP
H01M 50/586 20210101ALI20231219BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20231219BHJP
H01M 50/167 20210101ALI20231219BHJP
H01M 50/545 20210101ALI20231219BHJP
H01M 50/56 20210101ALI20231219BHJP
H01M 50/131 20210101ALI20231219BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20231219BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20231219BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
H01M50/536
H01M50/533
H01M4/64 A
H01M50/107
H01M50/152
H01M50/179
H01M50/559
H01M50/184 D
H01M50/188
H01M50/566
H01M50/586
H01M50/593
H01M50/167
H01M50/545
H01M50/56
H01M50/131
H01M50/213
H01M50/249
H01M10/04 W
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535291
(86)(22)【出願日】2022-02-18
(85)【翻訳文提出日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 KR2022002469
(87)【国際公開番号】W WO2022177378
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0022854
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0022891
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0022894
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0030300
(32)【優先日】2021-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0131205
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0131215
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0142197
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン-ウー
(72)【発明者】
【氏名】キム、ド-ギュン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、キュン-ウーク
(72)【発明者】
【氏名】ミン、ゴン-ウー
(72)【発明者】
【氏名】ジョ、ミン-キ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジェ-ウーン
(72)【発明者】
【氏名】ホワンボ、クァン-ス
(72)【発明者】
【氏名】リム、ハエ-ジン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ス-ジ
(72)【発明者】
【氏名】リム、ジェ-ウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ハク-キュン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジェ-ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ジ-ミン
【テーマコード(参考)】
5H011
5H017
5H028
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA03
5H011AA04
5H011BB03
5H011DD15
5H011EE04
5H011FF04
5H011GG02
5H011KK01
5H017AA03
5H017CC01
5H017HH03
5H028AA05
5H028BB04
5H028BB05
5H028CC08
5H028CC12
5H028HH05
5H040AA01
5H040AS07
5H040AT01
5H040AT06
5H043AA03
5H043AA05
5H043AA13
5H043BA19
5H043CA03
5H043CA12
5H043CA21
5H043DA03
5H043DA09
5H043EA06
5H043EA35
5H043EA39
5H043HA17E
5H043LA02E
5H043LA32E
(57)【要約】
本発明は、電極組立体、バッテリー、それを含むバッテリーパック及び自動車を開示する。本発明の電極組立体は、第1電極と第2電極とこれらの間に介在されたセパレータとが一軸を中心に巻き取られてコア及び外周面を定義する電極組立体であって、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一つは前記巻取方向に沿った長辺端部に前記セパレータを越えて前記軸方向に露出した無地部を含み、前記無地部の少なくとも一部分は前記電極組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで前記無地部の重畳層を有する折曲表面領域を定義し、前記折曲表面領域は前記無地部の重畳層を複数個有する溶接ターゲット領域を備え、前記溶接ターゲット領域は前記電極組立体の半径方向に延長されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と第2電極とこれらの間に介在されたセパレータとが一軸を中心に巻き取られてコア及び外周面を定義する電極組立体であって、
前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一つは、巻取方向に沿った長辺端部に前記セパレータを越えて前記軸方向に露出した無地部を含み、
前記無地部の少なくとも一部分は、前記電極組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで前記無地部の重畳層を有する折曲表面領域を定義し、
前記折曲表面領域は前記無地部の重畳層を複数個有する溶接ターゲット領域を備え、前記溶接ターゲット領域は前記電極組立体の半径方向に延長されている、電極組立体。
【請求項2】
前記無地部の厚さは5μm~25μmであり、隣接する巻回ターンの無地部同士の間隔は350~380μmである、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記溶接ターゲット領域において、前記無地部の重畳層の平均積層厚さが25μm以上である、請求項1または2に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記溶接ターゲット領域において、前記無地部の重畳層が前記軸方向と実質的に垂直に積層されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項5】
前記電極組立体の半径に対する前記溶接ターゲット領域の半径方向長さの比率が30%以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項6】
前記電極組立体の半径に対する前記溶接ターゲット領域の半径方向長さの比率が40%以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項7】
前記電極組立体の半径に対する前記溶接ターゲット領域の半径方向長さの比率が50%以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項8】
前記電極組立体の半径に対する前記溶接ターゲット領域の半径方向長さの比率が60%以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項9】
前記電極組立体の半径に対する前記溶接ターゲット領域の半径方向長さの比率が70%以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項10】
前記溶接ターゲット領域は、前記電極組立体の半径方向に沿って前記無地部の平均重畳層数が5枚以上である、請求項1から9のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項11】
前記溶接ターゲット領域は、前記電極組立体の半径方向に沿って前記無地部の平均重畳層数が6枚以上である、請求項1から9のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項12】
前記溶接ターゲット領域は、前記電極組立体の半径方向に沿って前記無地部の平均重畳層数が7枚以上である、請求項1から9のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項13】
前記溶接ターゲット領域は、前記電極組立体の半径方向に沿って前記無地部の平均重畳層数が8枚以上である、請求項1から9のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項14】
前記溶接ターゲット領域は、前記電極組立体の半径方向に沿って前記無地部の平均重畳層数が9枚以上である、請求項1から9のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項15】
前記溶接ターゲット領域は、前記電極組立体の半径方向に沿って前記無地部の平均重畳層数が10枚以上である、請求項1から9のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項16】
前記無地部の他の部分は折り曲げられず、前記溶接ターゲット領域と前記無地部の他の部分との間の境界は前記軸方向に沿って切断されている、請求項1から15のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項17】
前記溶接ターゲット領域が前記電極組立体のコア中心から外郭側に向かって放射状に配置されている、請求項1から16のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項18】
前記溶接ターゲット領域が前記電極組立体のコア中心から外郭側に向かって十字状に配置されている、請求項1から16のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項19】
前記溶接ターゲット領域に溶接された集電体を含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項20】
前記集電体が前記溶接ターゲット領域にレーザー溶接または超音波溶接されている、請求項19に記載の電極組立体。
【請求項21】
前記集電体と前記溶接ターゲット領域との間の溶接パターンが、前記電極組立体の半径方向に沿って線状に配列された複数のドットパターンを含む、請求項19または20に記載の電極組立体。
【請求項22】
前記無地部は、前記電極組立体のコア側または外郭側に隣接した領域において前記電極組立体の巻取軸方向の高さが他の領域よりも低い無地部の切断部を含む、請求項1から21のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項23】
前記無地部の切断部に残存する無地部部分は折り曲げられていない、請求項22に記載の電極組立体。
【請求項24】
前記無地部の切断部が折り曲げられながら形成される巻回ターンの半径方向の幅は、前記無地部の折曲長さよりも大きい、請求項22に記載の電極組立体。
【請求項25】
前記無地部の切断部に残存する前記無地部の高さが0.2~4mmである、請求項22から24のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項26】
前記無地部が折り曲げられる前、前記軸方向に沿って延長された前記無地部の最大高さが12mmである、請求項1から25のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項27】
前記無地部の折曲深さが1mm~5mmである、請求項1から26のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項28】
前記第1電極及び前記第2電極のうちの前記無地部を有する電極は、前記軸方向に沿って一対の短辺を有し、前記一対の短辺は同じ長さまたは異なる長さを有する、請求項1から27のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項29】
前記第1電極及び前記第2電極のうちの前記無地部を有する電極は、前記巻取方向に沿って一対の長辺を有し、前記一対の長辺は同じ長さまたは異なる長さを有する、請求項1から28のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項30】
第1電極と第2電極とこれらの間に介在されたセパレータとが一軸を中心に巻き取られてコア及び外周面を定義した電極組立体であって、前記第1電極及び前記第2電極はそれぞれ、巻取方向に沿った長辺端部に前記セパレータを越えて前記軸方向に露出した無地部を含み、前記無地部の少なくとも一部分は前記電極組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで前記無地部の重畳層を有する折曲表面領域を定義し、前記折曲表面領域は前記無地部の重畳層を複数個有する溶接ターゲット領域を備え、前記溶接ターゲット領域は前記電極組立体の半径方向に延長されている電極組立体と、
開放部を有する第1端部及び第2端部を有し、前記電極組立体が収納される電池ハウジングと、
前記電池ハウジングの前記第1端部で前記開放部を密封する密封体と、
前記電池ハウジングの第2端部または前記密封体を通って外部に露出した表面を有する端子と、
前記第1電極の前記無地部の溶接ターゲット領域と前記端子に電気的に接続された第1集電体と、
前記第2電極の前記無地部の溶接ターゲット領域と前記電池ハウジングに電気的に接続された第2集電体と、を含む、バッテリー。
【請求項31】
前記端子は、前記電池ハウジングの第2端部に設けられた貫通孔に配置されたリベット端子であり、
前記電池ハウジングの第2端部の貫通孔と前記リベット端子との間に密封ガスケットが介在されている、請求項30に記載のバッテリー。
【請求項32】
前記リベット端子が前記第1集電体に溶接されている、請求項31に記載のバッテリー。
【請求項33】
前記密封体は、前記電池ハウジングの前記第1端部の開放部で密封ガスケットとともにクリンピングされたキャップを含み、
前記密封ガスケットは、前記キャップと前記電池ハウジングの第1端部の開放部との間に介在されて前記電池ハウジングから前記キャップを絶縁させている、請求項30から32のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項34】
前記電池ハウジングの第1端部の開放部付近にビーディング部を含み、
前記密封体は、前記電池ハウジングの第1端部の開放部で密封ガスケットとともにクリンピングされたキャップを含み、
前記第2集電体は、周縁の少なくとも一部が前記ビーディング部と前記密封ガスケットとの間に介在されて前記ビーディング部の内側面と接触している、請求項30から33のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項35】
前記第2集電体は、周縁の少なくとも一部が前記ビーディング部の内側面に溶接されている、請求項34に記載のバッテリー。
【請求項36】
前記キャップが電気的極性を持たない、請求項34または35に記載のバッテリー。
【請求項37】
前記溶接ターゲット領域は、前記電極組立体の半径方向に沿って前記無地部の平均重畳層数が5枚以上である、請求項30から36のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項38】
前記溶接ターゲット領域において、前記無地部の重畳層の平均積層厚さが25μm以上である、請求項30から37のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項39】
前記第1集電体には、前記第1電極の前記無地部の溶接ターゲット領域と前記第1集電体との溶接によって形成された第1溶接パターンが備えられ、
前記第2集電体には、前記第2電極の前記無地部の溶接ターゲット領域と前記第2集電体との溶接によって形成された第2溶接パターンが備えられる、請求項30から38のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項40】
前記第1溶接パターン及び前記第2溶接パターンは、前記電極組立体のコア中心から5mm~10mmだけ離隔した地点から始まって前記電極組立体の半径方向に沿って延長されている、請求項39に記載のバッテリー。
【請求項41】
前記第1溶接パターン及び前記第2溶接パターンは、前記電極組立体のコア中心から同じ距離だけ離隔した地点から始まって前記電極組立体の半径方向に沿って延長されている、請求項39に記載のバッテリー。
【請求項42】
前記第1溶接パターン及び前記第2溶接パターンは、前記電極組立体の半径方向において同じ長さを有する、請求項39から41のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項43】
前記第1溶接パターン及び前記第2溶接パターンは、前記電極組立体の半径方向において異なる長さを有する、請求項39から41のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項44】
前記第1溶接パターンが前記第2溶接パターンよりも長い、請求項43に記載のバッテリー。
【請求項45】
前記無地部が折り曲げられる前、前記軸方向に沿って延長される前記無地部の最大高さが12mmである、請求項30から44のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項46】
前記無地部の他の部分は折り曲げられず、前記無地部の他の部分と前記溶接ターゲット領域との間の境界は切断されている、請求項30から45のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項47】
前記無地部の折曲深さが1mm~5mmである、請求項30から46のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項48】
前記第1電極及び前記第2電極はそれぞれ、前記軸方向に沿った一対の短辺を含み、前記一対の短辺は同じ長さまたは異なる長さを有する、請求項30から47のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項49】
前記第1電極及び前記第2電極はそれぞれ、前記巻取方向に沿った一対の長辺を含み、前記一対の長辺は同じ長さまたは異なる長さを有する、請求項30から48のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項50】
前記端子と前記電池ハウジングの第2端部との間で測定した抵抗が4mΩ以下である、請求項30から49のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項51】
前記バッテリーの高さ対比直径の比率が0.4よりも大きい、請求項30から50のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項52】
請求項30から51のいずれか一項に記載のバッテリーを含む、バッテリーパック。
【請求項53】
請求項52に記載のバッテリーパックを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極組立体、バッテリー、それを含むバッテリーパック及び自動車に関する。
【0002】
本出願は、2021年2月19日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0022854号、2021年2月19日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0022894号、2021年2月19日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0022891号、2021年3月8日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0030300号、2021年10月1日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0131215号、2021年10月1日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0131205号、2021年10月22日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0142197号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
製品群毎の適用性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(EV:Electric Vehicle)またはハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に適用されている。
【0004】
このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少させるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用による副産物が全く発生しないという長所も有することから環境にやさしく、エネルギー効率向上のための新たなエネルギー源として注目されている。
【0005】
現在、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などの二次電池が広く使用されている。このような単位二次電池、すなわち、単位バッテリーの作動電圧は約2.5V~4.5Vである。したがって、これよりも高い出力電圧が求められる場合、複数のバッテリーを直列に接続してバッテリーパックを構成する。また、バッテリーパックに求められる充放電容量に合わせて、複数のバッテリーを並列に接続してバッテリーパックを構成することもある。したがって、前記バッテリーパックに含まれるバッテリーの個数及び電気的接続形態は、求められる出力電圧及び/または充放電容量によって多様に設定され得る。
【0006】
一方、単位二次電池の種類としては、円筒形、角形及びパウチ型バッテリーが知られている。円筒形バッテリーの場合、正極と負極との間に絶縁体であるセパレータを介在し、これを巻き取ってゼリーロール(jelly-roll)型の電極組立体を形成し、これを電池ハウジングの内部に挿入して電池を構成する。そして、前記正極及び負極のそれぞれの無地部にはストリップ状の電極タブが連結され、電極タブは電極組立体と外部に露出する電極端子との間を電気的に接続させる。参考までに、正極端子は電池ハウジングの開放部を密封する密封体のキャップであり、負極端子は電池ハウジングである。しかし、このような構造を有する従来の円筒形バッテリーによれば、正極無地部及び/または負極無地部と結合されるストリップ状の電極タブに電流が集中されるため、抵抗が大きくて発熱が多く、集電効率が良くないという問題がある。
【0007】
1865や2170のフォームファクタ(form factor)を有する小型円筒形バッテリーにおいては、抵抗と発熱が大した問題にならない。しかし、円筒形バッテリーを電気自動車に適用するためフォームファクタを増加させる場合、急速充電過程で電極タブの周辺で多量の熱が発生しながら円筒形バッテリーが発火する問題が発生し得る。
【0008】
このような問題を解決するため、ゼリーロール型の電極組立体の上端及び下端にそれぞれ正極無地部及び負極無地部が位置するように設計し、このような無地部に集電体を溶接して集電効率が改善された構造を有する円筒形バッテリー(いわゆる、タブレス(tab-less)円筒形バッテリー)が提示されている。
【0009】
図1~
図4は、タブレス円筒形バッテリーの製造過程を示した図である。
図1は電極の構造を示し、
図2は電極の巻取工程を示し、
図3は成形治具30を用いて無地部32、33を折り曲げる工程を示し、
図4は無地部32、33の折曲表面領域に集電体34、35が溶接された状態を示した図である。
【0010】
図1~
図4を参照すると、正極10及び負極11は、シート状の導電性基材20に活物質21がコーティングされた構造を有し、巻取方向Xに沿って一方の長辺側に無地部22を含む。
【0011】
電極組立体Aは、正極10と負極11とを、
図2に示されたように2枚のセパレータ12と一緒に順次に積層させた後、一方向(X軸方向)に巻き取って製作する。このとき、正極10の無地部と負極11の無地部とは巻取軸(Y軸)方向において互いに反対方向に配置される。
【0012】
巻取工程の後、正極10の無地部32及び負極11の無地部33はコア側に折り曲げられる。その後、無地部32、33にプレート状の集電体34、35をそれぞれ溶接して結合させる。
【0013】
正極無地部32及び負極無地部33には、別途の電極タブが結合されておらず、集電体34、35が外部の電極端子と連結される。電流経路が電極組立体Aの巻取軸方向(矢印を参照)に沿って大きい断面積で形成されるため、バッテリーの抵抗を低減できるという長所がある。抵抗は電流が流れる通路の断面積に反比例するためである。
【0014】
タブレス円筒形バッテリーにおいて、無地部32、33と集電体34、35との溶接特性を向上させるためには、無地部32、33の溶接地点に強い圧力を加えて最大限に扁平に無地部32、33を折り曲げなければならない。
【0015】
また、集電体34、35が溶接される無地部32、33の折曲部位は多重に重なっており、空いた空間(間隙)が大きくなってはならない。それによって、十分な溶接強度が得られ、レーザー溶接などの最新技術を使用する際にも、レーザーが電極組立体Aの内部に浸透してセパレータや活物質を溶融させる問題を防止することができる。
【0016】
無地部32、33が電極組立体Aの半径方向に沿って均一に重なるためには、各巻回ターンの位置を基準にして、該当位置の無地部がコア側に折り曲げられながら、その内側の巻回ターンで折り曲げられた無地部の上面を覆わなければならない。また、電極組立体Aの半径方向を基準にして隣接する巻回ターン同士の間の無地部間隔をdとし、各巻回ターンに位置した無地部の折曲長さをeとするとき、折曲長さeは「d×n(nは2以上の自然数)」以上の長さを持たなければならない。そうでないと、無地部32、33が多重に重なる領域が生じない。また、無地部32、33が同じ枚数で重なる領域を電極組立体Aの半径方向において十分な長さで形成するためには、無地部32、33の長さが十分に長くなければならない。しかし、小型円筒形バッテリーに含まれている電極組立体は半径が小さいため、無地部32、33の折曲長さを十分に長く設計する概念に想到する動機付けがない。
【0017】
また、小型円筒形バッテリーは、直径が18mm、21mmなどと小さいため、無地部32、33が多重で均一に重なるように折り曲げることが難しい。したがって、無地部32、33を折り曲げるとき、成形治具30を用いて無地部32、33の端部をランダムに擦って成形するか、または、上下動する治具31を用いて無地部32、33を繰り返してタッピングすることで折曲表面領域を形成する。
【0018】
また、無地部32、33を電極組立体Aの半径方向に沿って折り曲げる方式を用いても、その目的は折曲表面領域を形成することのみに焦点が合わせられており、無地部32、33の重畳構造を微細に調節することは特に目的としていない。したがって、従来の小型円筒形バッテリーにおいて使用される電極組立体では、無地部32、33が電極組立体Aのコア方向に沿って多重で均一に重なった構造を確認し難い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、上記のような従来技術の背景下で創案されたものであって、電極組立体の両端に露出した無地部を折り曲げるとき、電極組立体の半径方向において無地部が多重で均一に重なる領域を十分な長さで確保することで、溶接出力を増加させてもセパレータや活物質層の損傷を防止することができる無地部折曲構造を有する電極組立体を提供することを目的とする。
【0020】
また、本発明は、エネルギー密度が向上して抵抗が減少した電極組立体を提供することを他の目的とする。
【0021】
また、本発明は、改善された構造の電極組立体を含むバッテリーとそれを含むバッテリーパック、及びバッテリーパックを含む自動車を提供することをさらに他の目的とする。
【0022】
本発明が解決しようとする技術的課題は上述した課題に制限されず、他の課題は下記の発明の説明から通常の技術者に明らかに理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記の課題を達成するため、本発明の一態様による電極組立体は、第1電極と第2電極とこれらの間に介在されたセパレータとが一軸を中心に巻き取られてコア及び外周面を定義する電極組立体であって、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一つは巻取方向に沿った長辺端部に前記セパレータを越えて前記軸方向に露出した無地部を含み、前記無地部の少なくとも一部分は前記電極組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで前記無地部の重畳層を有する折曲表面領域を定義し、前記折曲表面領域は前記無地部の重畳層を複数個有する溶接ターゲット領域を備え、前記溶接ターゲット領域は前記電極組立体の半径方向に延長されている。
【0024】
前記無地部の厚さは5μm~25μmであり、隣接する巻回ターンの無地部同士の間隔は350~380μmであり得る。
【0025】
前記溶接ターゲット領域において、前記無地部の重畳層の平均積層厚さは25μm以上であり得る。
【0026】
前記溶接ターゲット領域において、前記無地部の重畳層は前記軸方向と実質的に垂直に積層され得る。
【0027】
前記電極組立体の半径に対する前記溶接ターゲット領域の半径方向長さの比率は、30%以上、選択的には40%以上、選択的には50%以上、選択的には60%以上、選択的には70%以上、または選択的には80%以上であり得る。
【0028】
前記電極組立体の半径に対する前記溶接ターゲット領域の半径方向長さの比率は、30%以上90%以下であり得る。
【0029】
前記溶接ターゲット領域は、前記電極組立体の半径方向に沿って前記無地部の平均重畳層数が5枚以上、選択的には6枚以上、選択的には7枚以上、選択的には8枚以上、選択的には9枚以上、または選択的には10枚以上であり得る。
【0030】
前記溶接ターゲット領域は、平均重畳層数が5枚以上15枚以下であり得る。
【0031】
前記無地部の他の部分は折り曲げられず、前記溶接ターゲット領域と前記無地部の他の部分との間の境界(boundary)は前記軸方向に沿って切断され得る。
【0032】
前記溶接ターゲット領域は、前記電極組立体のコア中心から外郭側に放射状に配置され得る。
【0033】
前記溶接ターゲット領域は、前記電極組立体のコア中心から外郭側に十字状に配置され得る。
【0034】
前記溶接ターゲット領域には集電体が溶接され得る。
【0035】
前記集電体は、前記溶接ターゲット領域にレーザー溶接または超音波溶接され得る。
【0036】
前記集電体と前記溶接ターゲット領域との間の溶接パターンは、前記電極組立体の半径方向に沿って線状に配列された複数のドットパターンを含み得る。
【0037】
前記無地部は、前記電極組立体のコア側または外郭側に隣接した領域において前記電極組立体の巻取軸方向の高さが他の領域よりも低い無地部の切断部を含み得る。
【0038】
前記無地部の切断部に残存する無地部部分は折り曲げられなくてもよい。
【0039】
前記無地部の切断部が折り曲げられながら形成される巻回ターンの半径方向の幅は、前記無地部の折曲長さよりも大きくなり得る。
【0040】
前記無地部の切断部に残存する前記無地部の高さは、0.2~4mmであり得る。
【0041】
前記無地部が折り曲げられる前、前記軸方向に沿って延長された前記無地部の最大高さは12mmであり得る。
【0042】
前記無地部の折曲深さは、1mm~5mmであり得る。
【0043】
前記第1電極及び前記第2電極のうちの前記無地部を有する電極は、前記軸方向に沿って一対の短辺を有し、前記一対の短辺は同じ長さまたは異なる長さを有し得る。
【0044】
前記第1電極及び前記第2電極のうちの前記無地部を有する電極は、前記巻取方向に沿って一対の長辺を有し、前記一対の長辺は同じ長さまたは異なる長さを有し得る。
【0045】
上記の課題を達成するため、本発明の他の一態様によるバッテリーは、第1電極と第2電極とこれらの間に介在されたセパレータとが一軸を中心に巻き取られてコア及び外周面を定義した電極組立体であって、前記第1電極及び前記第2電極はそれぞれ、巻取方向に沿った長辺端部に前記セパレータを越えて前記軸方向に露出した無地部を含み、前記無地部の少なくとも一部分は前記電極組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで前記無地部の重畳層を有する折曲表面領域を定義し、前記折曲表面領域は前記無地部の重畳層を複数個有する溶接ターゲット領域を備え、前記溶接ターゲット領域は前記電極組立体の半径方向に延長されている電極組立体と、開放部を有する第1端部及び第2端部を有し、前記電極組立体が収納される電池ハウジングと、前記電池ハウジングの前記第1端部で前記開放部を密封する密封体と、前記電池ハウジングの第2端部または前記密封体を通って外部に露出した表面を有する端子と、前記第1電極の前記無地部の溶接ターゲット領域と前記端子に電気的に接続された第1集電体と、前記第2電極の前記無地部の溶接ターゲット領域と前記電池ハウジングに電気的に接続された第2集電体と、を含む。
【0046】
前記端子は、前記電池ハウジングの第2端部に設けられた貫通孔に配置されたリベット端子であり、前記電池ハウジングの第2端部の貫通孔と前記リベット端子との間に密封ガスケットが介在され得る。
【0047】
前記リベット端子は、前記第1集電体に溶接され得る。
【0048】
前記密封体は、前記電池ハウジングの前記第1端部の開放部で密封ガスケットとともにクリンピング(crimping)されたキャップを含み、前記密封ガスケットは前記キャップと前記電池ハウジングの第1端部の開放部との間に介在されて前記電池ハウジングから前記キャップを絶縁させ得る。
【0049】
前記バッテリーは、前記電池ハウジングの第1端部の開放部付近にビーディング(beading)部を含み、前記密封体は、前記電池ハウジングの第1端部の開放部で密封ガスケットとともにクリンピングされたキャップを含み、前記第2集電体は、周縁の少なくとも一部が前記ビーディング部と前記密封ガスケットとの間に介在されて前記ビーディング部の内側面と接触し得る。
【0050】
前記第2集電体は、周縁の少なくとも一部が前記ビーディング部の内側面に溶接され得る。
【0051】
前記キャップは、電気的極性を持たなくてもよい。
【0052】
前記溶接ターゲット領域は、前記電極組立体の半径方向に沿って前記無地部の平均重畳層数が5枚以上であり得る。
【0053】
前記溶接ターゲット領域において、前記無地部の重畳層の平均積層厚さは25μm以上であり得る。
【0054】
前記第1集電体には、前記第1電極の前記無地部の溶接ターゲット領域と前記第1集電体との溶接によって形成された第1溶接パターンが備えられ、前記第2集電体には、前記第2電極の前記無地部の溶接ターゲット領域と前記第2集電体との溶接によって形成された第2溶接パターンが備えられ得る。
【0055】
前記第1溶接パターン及び前記第2溶接パターンは、前記電極組立体のコア中心から5mm~10mmだけ離隔した地点から始まって前記電極組立体の半径方向に沿って延長され得る。
【0056】
前記第1溶接パターン及び前記第2溶接パターンは、前記電極組立体のコア中心から同じ距離だけ離隔した地点から始まって前記電極組立体の半径方向に沿って延長され得る。
【0057】
前記第1溶接パターン及び前記第2溶接パターンは、前記電極組立体の半径方向において同じ長さまたは異なる長さを有し得る。
【0058】
前記第1溶接パターンは、前記第2溶接パターンよりも長くなり得る。
【0059】
前記無地部が折り曲げられる前、前記軸方向に沿って延長される前記無地部の最大高さは12mmであり得る。
【0060】
前記無地部の他の部分は折り曲げられず、前記無地部の他の部分と前記溶接ターゲット領域との間の境界は切断され得る。
【0061】
前記無地部の折曲深さは、1mm~5mmであり得る。
【0062】
前記第1電極及び前記第2電極はそれぞれ、前記軸方向に沿った一対の短辺を含み、前記一対の短辺は同じ長さまたは異なる長さを有し得る。
【0063】
前記第1電極及び前記第2電極はそれぞれ、前記巻取方向に沿った一対の長辺を含み、前記一対の長辺は同じ長さまたは異なる長さを有し得る。
【0064】
前記端子と前記電池ハウジングの第2端部との間で測定した抵抗は、4mΩ以下であり得る。
【0065】
前記バッテリーの高さ対比直径の比率は、0.4よりも大きくなり得る。
【0066】
上記の課題は、上述したバッテリーを含むバッテリーパック、そしてバッテリーパックを含む自動車によって達成される。
【発明の効果】
【0067】
本発明の一態様によれば、電極組立体の両端に露出した無地部を折り曲げるとき、電極組立体の半径方向において無地部が均一に重なる領域を十分に確保することで、溶接出力を増加させてもセパレータや活物質層の損傷を防止することができる。
【0068】
また、本発明の一態様によれば、電極組立体のコアに隣接した無地部の構造を改善することで、無地部の折曲時に電極組立体のコアにある空洞が閉塞されることを防止して、電解液注入工程及び電池ハウジングと集電体との溶接工程を容易に行うことができる。
【0069】
また、本発明の一態様によれば、ストリップ状の電極タブの代わりに、無地部の折曲表面領域を集電体に直接溶接してデッドスペースを減少させることで、エネルギー密度が向上して抵抗が減少した電極組立体を提供することができる。
【0070】
また、本発明の一態様によれば、内部抵抗が低く、集電体と無地部との溶接強度が向上した構造を有するバッテリー、それを含むバッテリーパック及び自動車を提供することができる。
【0071】
他にも本発明は多様な効果を奏し、それについては実施形態を挙げて後述する。但し、通常の技術者が容易に類推可能な効果などについては、該説明を省略することにする。
【0072】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割のためのものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【
図1】従来のタブレス円筒形バッテリーの製造に使用される電極の構造を示した平面図である。
【
図2】従来のタブレス円筒形バッテリーの電極巻取工程を示した図である。
【
図3】従来のタブレス円筒形バッテリーの製造方法において、無地部を折り曲げる工程を示した図である。
【
図4】従来のタブレス円筒形バッテリーの製造方法において、無地部の折曲表面領域に集電体が溶接された状態を示した図である。
【
図5】本発明の実施形態による電極の構造を示した平面図である。
【
図6】本発明の実施形態による電極組立体を巻取軸(Y軸)方向に沿って切断した断面図である。
【
図7】本発明の実施形態において、電極組立体の端部に露出した無地部をコアから外郭側に折り曲げた様子を示した図である。
【
図8】本発明の実施形態において、電極組立体の端部に露出した無地部を外郭からコア側に折り曲げた様子を示した図である。
【
図9】本発明の実施形態において、電極組立体の端部に露出した無地部を折り曲げるとき、折曲深さに応じた無地部の重畳層数の変化を示した図である。
【
図10】本発明の実施形態において、電極組立体の正極無地部及び負極無地部を折り曲げる方向に応じた無地部の平均重畳層数の変化と重畳品質を比較した実験結果である。
【
図11】本発明の実施形態において、電極組立体の無地部を折り曲げる前に折曲領域を予め切断した様子を示した図である。
【
図12】本発明の実施形態において、電極組立体の正極無地部及び負極無地部の切断如何及び折曲方向に応じた無地部の平均重畳層数の変化と重畳品質を比較した実験結果である。
【
図13a】本発明の一実施形態による円筒形バッテリーを巻取軸(Y軸)方向に沿って切断した断面図である。
【
図13b】本発明の一実施形態による第1集電体の構造を示した上面図である。
【
図13c】本発明の一実施形態による第2集電体の構造を示した上面図である。
【
図14a】本発明の他の実施形態による円筒形バッテリーを巻取軸(Y軸)方向に沿って切断した断面図である。
【
図14b】本発明の他の実施形態による第1集電体の構造を示した上面図である。
【
図14c】本発明の他の実施形態による第2集電体の構造を示した斜視図である。
【
図15】本発明の実施形態による複数の円筒形バッテリーが電気的に接続された状態を示した上面図である。
【
図17】本発明の実施形態による円筒形バッテリーを含むバッテリーパックを示した図である。
【
図18】本発明の実施形態によるバッテリーパックを含む自動車を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使用された用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されるものである。
【0075】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0076】
また、発明の理解を助けるため、添付された図面は実際の縮尺通りに図示されず、一部構成要素の寸法を誇張して図示することがある。また、異なる実施形態における同じ構成要素に対しては同じ参照番号が付され得る。
【0077】
二つの比較対象が同一であるという表現は「実質的に同一である」ことを意味する。したがって、「実質的に同一」とは、当業界において低い水準と見なされる偏差、例えば5%以内の偏差を有する場合を含み得る。また、所定の領域においてあるパラメータが均一であるとは、該当領域において平均的な観点で均一であることを意味する。
【0078】
また、第1、第2などが多様な構成要素を示すために使用されているが、これら用語は構成要素を制限するためのものではない。これら用語は単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものであり、特に言及しない限り、第1構成要素は第2構成要素にもなり得る。
【0079】
明細書の全体において、特に言及しない限り、各構成要素は単数または複数であり得る。
【0080】
構成要素の「上部(または下部)」または構成要素の「上(または下)」に任意の構成が配置されるとは、任意の構成が該構成要素の上面(または下面)に接して配置されることだけでなく、前記構成要素と該構成要素の上に(または下に)配置された任意の構成との間に他の構成が介在され得ることを意味する。
【0081】
また、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されるとするとき、構成要素が相互に直接的に連結されるかまたは接続される場合だけでなく、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」されるか、または、各構成要素が他の構成要素を通じて「連結」、「結合」または「接続」されることも含む。
【0082】
明細書の全体において、「A及び/またはB」とは、特に言及しない限り、A、B、またはA及びBを意味し、「C~D」とは、特に言及しない限り、C以上D以下を意味する。
【0083】
本明細書においては、説明の便宜上、ゼリーロール状に巻き取られる電極組立体の巻取軸の長手方向に沿った方向を軸方向(Y軸方向)と称する。また、前記巻取軸を囲む方向を円周方向または外周方向(X軸方向)と称する。また、前記巻取軸に近くなるかまたは巻取軸から遠くなる方向を半径方向と称する。これらのうち、巻取軸に近くなる方向を求心方向、巻取軸から遠くなる方向を遠心方向と称する。
【0084】
まず、本発明の実施形態による電極組立体について説明する。電極組立体は、シート状の第1電極と第2電極とこれらの間に介在されたセパレータとが一方向に巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体である。
【0085】
電極組立体の形状はゼリーロール型に限定されない。したがって、電極組立体は円筒形バッテリーに採用可能な他の公知の構造を有してもよい。
【0086】
望ましくは、第1電極及び第2電極の少なくとも一つは、巻取方向の長辺端部に活物質がコーティングされていない無地部を含む。無地部の少なくとも一部はそれ自体が電極タブとして使用される。
【0087】
図5は、本発明の実施形態による電極40の構造を示した平面図である。
【0088】
図5を参照すると、電極40は、金属ホイルからなる導電性基材40a、及び活物質層40bを含む。電極40は、一対の短辺、及び一対の短辺同士の間で延長される一対の長辺を有する。一対の短辺は巻取軸(Y軸)方向に沿って延長され、一対の長辺は巻取方向Xに沿って延長される。一対の短辺は長さが同じであるかまたは異なり得、一対の長辺も長さが同じであるかまたは異なり得る。
【0089】
金属ホイルは、アルミニウムまたは銅であり得、電極40の極性に合わせて適切に選択される。活物質層40bは一対の短辺同士の間で延長される導電性基材40aの少なくとも一面に形成され、巻取方向Xに沿って延長された一対の長辺のうちの一端部に無地部40cを含む。無地部40cは活物質がコーティングされていない領域である。活物質層40bと無地部40cとの境界には絶縁コーティング層40dが形成され得る。絶縁コーティング層40dは、少なくとも一部が活物質層40bと無地部40cとの境界と重なるように形成される。絶縁コーティング層40dは高分子樹脂を含み、Al2O3のような無機物フィラーを含み得る。高分子樹脂は多孔質構造を有し得る。絶縁コーティング層40dは、巻取軸(Y軸)方向において0.3mm~5mmの幅を有し得る。絶縁コーティング層40dが形成された無地部40cの部分は、活物質がコーティングされていない領域であるため、該部分も無地部として見なされ得る。
【0090】
望ましくは、コア側に隣接する無地部40cの一部は切欠(notching)工程を通じて切断され得る。この場合、無地部40cをコア側に折り曲げても、電極組立体のコアが無地部40cの折曲部によって塞がれない。参考までに、コアには電極組立体の巻取時に使われたボビンが除去されながら生じた空洞が備えられる。空洞は、電解液の注入通路または溶接治具を挿入するための通路として活用され得る。図面において、点線は無地部40cが折り曲げられる位置を示している。無地部40cの折曲位置は変更され得る。
【0091】
無地部40cの切断部Bは、電極40が巻き取られたとき、半径方向において複数の巻回ターンを形成する。複数の巻回ターンは半径方向で所定の幅を有する。望ましくは、所定の幅が無地部40cの折曲長さhと同じであるかまたは大きくなるように、切断部Bの幅dと無地部40cの折曲長さhが調節され得る。これにより、無地部40cが折り曲げられても電極組立体のコアが無地部40cの折曲部によって閉塞されることがなくなる。
【0092】
代案的には、切断部Bの幅dと無地部40cの折曲長さhは、電極組立体のコア(空洞)がその直径を基準にして90%以上外部に開放されるように調節され得る。
【0093】
無地部40cの切断部Bを形成するとき、活物質層40b及び/または絶縁コーティング層40dの損傷を防止するため、切断線と絶縁コーティング層40dとの間にギャップを設けることが望ましい。ギャップは、望ましくは0.2mm~4mm、より望ましくは0.5mm~2mmであり得る。ギャップが上記の数値範囲に調節されれば、無地部40cが切断されるとき、切断公差によって活物質層40b及び/または絶縁コーティング層40dが損傷されることを防止することができる。一方、切断部Bの切断線は、活物質層40bの端部から0.5mm~4mmほど離隔することが望ましい。離隔距離が0.5mm~4mmの範囲に調節されれば、無地部40cの切断部Bが形成される過程で切断公差によって活物質層40bが損傷されることを防止することができる。
【0094】
具体的な例として、電極40がフォームファクタ4680(直径:46mm、高さ:80mm)の円筒形バッテリーの電極組立体の製造に使用される場合、無地部の切断部Bの幅dは電極組立体のコアの直径に応じて180mm~350mmに設定され得る。
【0095】
一方、電極組立体のコアが電解液注入工程、溶接工程などで使用されない場合、無地部40cの切断部Bは形成しなくてもよい。また、無地部40cの切断部Bは、電極40の外周側に形成され得る。無地部40cの切断部Bが電極40の外周側に形成されれば、電極40外周側の無地部40cが電池ハウジングと電気的に接触することを防止することができる。このような効果は、電極40の極性と電池ハウジングの極性とが異なるときに有用である。
【0096】
上述した実施形態の電極40は、ゼリーロール型の電極組立体に含まれる極性の異なる第1電極及び/または第2電極に適用され得る。また、第1電極及び第2電極のいずれか一方に実施形態の電極構造が適用される場合、他方には従来の電極の構造(
図1)が適用され得る。また、第1電極及び第2電極に適用された電極の構造は、同じものではなく、異なるものであってもよい。
【0097】
本発明において、正極にコーティングされる正極活物質及び負極にコーティングされる負極活物質は、当業界に公知の活物質であれば制限なく使用可能である。
【0098】
一例として、正極活物質は、一般化学式A[AxMy]O2+z(AはLi、Na及びKのうちの少なくとも一つの元素を含む;MはNi、Co、Mn、Ca、Mg、Al、Ti、Si、Fe、Mo、V、Zr、Zn、Cu、Al、Mo、Sc、Zr、Ru及びCrから選択された少なくとも一つの元素を含む;0≦x、1≦x+y≦2、-0.1≦z≦2;化学量論係数x、y及びzは化合物が電気的中性を維持するように選択される)で表されるアルカリ金属化合物を含み得る。
【0099】
他の例として、正極活物質は、米国特許第6,677,082号明細書、米国特許第6,680,143号明細書などに開示されたアルカリ金属化合物xLiM1O2-(1-x)Li2M2O3(M1は平均酸化状態3を有する少なくとも一つの元素を含む;M2は平均酸化状態4を有する少なくとも一つの元素を含む;0≦x≦1)であり得る。
【0100】
さらに他の例として、正極活物質は、一般化学式LiaM1
xFe1-xM2
yP1-yM3
zO4-z(M1はTi、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Al、Mg及びAlから選択された少なくとも一つの元素を含む;M2はTi、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Al、Mg、Al、As、Sb、Si、Ge、V及びSから選択された少なくとも一つの元素を含む;M3はFを選択的に含むハロゲン族元素を含む;0<a≦2、0≦x≦1、0≦y<1、0≦z<1;化学量論係数a、x、y及びzは化合物が電気的中性を維持するように選択される)、またはLi3M2(PO4)3[MはTi、Si、Mn、Fe、Co、V、Cr、Mo、Ni、Al、Mg及びAlから選択された少なくとも一つの元素を含む]で表されるリチウム金属ホスフェートであり得る。
【0101】
望ましくは、正極活物質は、1次粒子及び/または1次粒子が凝集した2次粒子を含み得る。
【0102】
一例として、負極活物質としては、炭素材、リチウム金属またはリチウム金属化合物、ケイ素またはケイ素化合物、スズまたはスズ化合物などを使用し得る。電位が2V未満であるTiO2、SnO2のような金属酸化物も負極活物質として使用可能である。炭素材としては、低結晶性炭素、高結晶性炭素などがいずれも使用され得る。
【0103】
セパレータとしては、多孔性高分子フィルム、例えばエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、エチレン/メタクリレート共重合体などのようなポリオレフィン系高分子で製造した多孔性高分子フィルムを、単独でまたはこれらを積層して使用し得る。他の例として、セパレータは通常の多孔性不織布、例えば高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布を使用し得る。
【0104】
セパレータの少なくとも一面には、無機物粒子のコーティング層を含み得る。また、セパレータ自体が無機物粒子のコーティング層からなってもよい。コーティング層を構成する粒子は、隣接する粒子同士の間にインタースティシャル・ボリューム(interstitial volume)が存在するようにバインダーと結合された構造を有し得る。
【0105】
無機物粒子は、誘電率が5以上である無機物からなり得る。非制限的な例として、前記無機物粒子は、Pb(Zr,Ti)O3(PZT)、Pb1-xLaxZr1-yTiyO3(PLZT)、PB(Mg3Nb2/3)O3-PbTiO3(PMN-PT)、BaTiO3、ハフニア(HfO2)、SrTiO3、TiO2、Al2O3、ZrO2、SnO2、CeO2、MgO、CaO、ZnO及びY2O3からなる群より選択された少なくとも一つの物質を含み得る。
【0106】
図6は、本発明の実施形態による電極40を第1電極(正極)及び第2電極(負極)に適用したゼリーロール型の電極組立体50をY軸に沿って切断した断面図である。
【0107】
図6を参照すると、電極組立体50は、
図2を参照して説明した巻取工法で製造し得る。電極組立体50の上側に突出した無地部41は、第1電極43から延長されたものである。電極組立体50の下側に突出した無地部42は、第2電極44から延長されたものである。セパレータ45は、第1電極43と第2電極44との間に介在される。第1電極43の活物質コーティング領域のY軸方向の長さは、第2電極44の活物質コーティング領域のY軸方向の長さよりも短くなり得る。したがって、第2電極44の活物質コーティング領域が第1電極43の活物質コーティング領域よりもY軸方向に沿って長く延長され得る。
【0108】
望ましくは、第1電極43及び第2電極44の活物質領域と無地部との間の境界に形成された絶縁コーティング層47は、セパレータ45の端部まで延長されるかまたは端部から外側に露出し得る。絶縁コーティング層47がセパレータ45の外側に露出する場合、無地部41、42が折り曲げられるとき、折曲地点を支持する役割を果たすことができる。折曲地点が支持されれば、無地部41、42が折り曲げられるときに活物質層及びセパレータ45側に印加される応力が緩和される。また、絶縁コーティング層47は、第1電極43と第2電極44とが接触して短絡を起こすことを防止することができる。絶縁コーティング層47の端部は、セパレータ45の端部を越えて巻取軸(Y軸)方向に0超過2mm以下の長さで露出し得る。
【0109】
第1電極43は、導電性基材、及びその少なくとも一面に形成された活物質コーティング層を含む。導電性基材(無地部41)はアルミニウムからなり、厚さは10μm~25μmであり得る。活物質コーティング層を含む第1電極43の厚さは180μm~220μmであり得る。第2電極44は、導電性基材、及びその少なくとも一面に形成された活物質コーティング層を含む。導電性基材(無地部42)は銅からなり、厚さは5μm~20μmであり得る。活物質コーティング層を含む第2電極44の厚さは140μm~180μmであり得る。セパレータ45は、第1電極43と第2電極44との間に介在され、厚さは8μm~18μmであり得る。
【0110】
第1電極43の巻回構造において、半径方向で隣接する巻回ターンに位置した無地部41同士の間隔は350μm~380μmであり得る。また、第2電極44の巻回構造において、半径方向で隣接する巻回ターンに位置した無地部42同士の間隔は350μm~380μmであり得る。
【0111】
電極組立体50において、第1電極43の巻回ターン数は円筒形バッテリーのフォームファクタによって変わるが、48~56であり得る。第2電極44の巻回ターン数も円筒形バッテリーのフォームファクタによって変わるが、48~56であり得る。
【0112】
無地部41、42は、小型円筒形バッテリーの設計に適用される無地部よりも長い。望ましくは、無地部41、42は、6mm以上、選択的には7mm以上、選択的には8mm以上、選択的には9mm以上、選択的には10mm以上、選択的には11mm以上、選択的には12mm以上であり得る。
【0113】
望ましくは、無地部41、42は、電極組立体50の半径方向、より望ましくは外郭からコア側に折り曲げられ得る。
【0114】
図7は成形治具60を用いて電極組立体50の無地部41をコアから外郭側に折り曲げた様子を示した断面図であり、
図8は成形治具60を用いて電極組立体50の無地部41を外郭からコア側に折り曲げた様子を示した断面図である。本実施形態において、無地部41の素材はアルミニウムに、厚さは10μmに、巻取軸方向の長さは8mmに、折曲深さは2mmに設定した。折曲深さは無地部41が折り曲げられる前と折り曲げられた後の高さ差に該当する。無地部41が折り曲げられた後の高さは折曲表面領域の高さである。高さの基準点は活物質コーティング層と無地部41との境界地点であり得る。
【0115】
図7及び
図8を参照すると、無地部41がコアから外郭側に折り曲げられると、コアの付近で無地部41のバックリング(buckling)が酷く生じる。一方、無地部41が外郭からコア側に折り曲げられると、無地部41のバックリング現象が相当緩和される。無地部41のバックリングが酷いと、無地部41と活物質層との境界に応力が集中されて導電性基材にクラックが発生し得る。さらに、無地部41の端部が応力に耐えられずに破れるおそれがある。また、無地部41が破れるときセパレータも一緒に破れながら、第1電極43と第2電極44との間にマイクロショートが誘発され得る。無地部41のバックリングは、無地部41が折り曲げられながら曲率半径が逆転されることに起因する。
図7及び
図8を参照すると、無地部41は電極組立体50の外郭からコア側に折り曲げられることが望ましい。同様に、無地部42も電極組立体50の外郭からコア側に折り曲げられることが望ましい。
【0116】
一方、無地部41、42のバックリングは、電極組立体50のコア付近で生じる。コア付近の無地部41、42に切断部(
図5のB)を形成し、コア付近で無地部を折り曲げないと、無地部41、42のバックリングを防止することができる。
【0117】
代案的な実施形態において、切断部Bまたはそれと類似の構造を電極組立体50のコア付近に適用する場合、無地部41、42を電極組立体50の外郭からコア側に折り曲げられることも可能である。
【0118】
望ましくは、無地部41、42の折曲深さは、少なくても1mm以上、選択的には1.5mm以上、選択的には2mm以上、選択的には2.5mm以上、選択的には3.0mm以上、選択的には3.5mm以上、選択的には4mm以上、選択的には4.5以上、選択的には5.0mm以上であり得る。
【0119】
図9は、成形治具60を用いて無地部41の端部を折り曲げるとき、折曲深さを1mm、2mm及び3mmに変化させたとき、無地部41の重畳層数が如何に変化するかを測定した結果である。無地部41の素材、長さ及び厚さは、上述した実験条件と同一である。
【0120】
図9を参照すると、無地部41の折曲深さが1mmであるとき、電極組立体50の半径中央(垂直点線によって示された領域)において無地部41の重畳層数は3枚である。無地部41の折曲深さが2mmであるとき、電極組立体50の半径中央において無地部41の重畳層数は6枚である。無地部41の折曲深さが3mmであるとき、電極組立体50の中央において無地部41の重畳層数は9枚である。三つの条件の折曲深さに応じた無地部の重畳層数は折曲深さの略3倍である。したがって、無地部41の折曲深さが3mmよりも大きくなると、電極組立体50の半径方向の中央における無地部41の重畳層数が9枚よりも多くなることは当業者にとって自明であろう。
【0121】
図10は、無地部の重畳層数を変化させて調節しながら無地部を折り曲げた後、集電体をレーザーで溶接して、電極集電体の上部を近接撮影した写真及び溶接地点の横断面を光学顕微鏡で撮影した写真である。
【0122】
集電体の上部撮影写真において、左側写真は折曲工程後の写真であり、右側写真は集電体を溶接した後の写真である。溶接部の横断面写真において、左側写真は80倍率の写真であり、右側写真は120倍率の写真である。実施例1及び2では無地部を外郭からコア側に折り曲げ、比較例1及び2では無地部をコアから外郭側に折り曲げた。
【0123】
(実施例1、2)電極組立体の外郭からコア側に無地部を折り曲げるとき、正極側の無地部及び負極側の無地部に対する折曲深さはそれぞれ3mm及び3mmに設定した。正極無地部の素材、長さ及び厚さは、それぞれアルミニウム、8mm及び10μmであり、負極無地部の素材、長さ及び厚さは、それぞれ銅、8mm及び15μmである。
【0124】
(比較例1、2)電極組立体のコアから外郭側に無地部を折り曲げるとき、正極側の無地部及び負極側の無地部に対する折曲深さはそれぞれ3mm及び3mmに設定した。正極無地部の素材、長さ及び厚さは、それぞれアルミニウム、8mm、10μmであり、負極無地部の素材、長さ及び厚さは、それぞれ銅、8mm、15μmである。
【0125】
図10を参照すると、比較例1及び2において、集電体の溶接区間内で計算した正極無地部及び負極無地部の平均重畳層数はそれぞれ3枚及び4枚であり、無地部同士の間に大きい空いた空間(ギャップ)が存在することを確認できる。
【0126】
本発明において、平均重畳層数は、溶接区間において1mm間隔で測定ポイントを設定し、各測定ポイントで確認した重畳層数の平均を求めて決定した。無地部の重畳面は、実質的に巻取軸方向と垂直であり得る。重畳層数とは、測定ポイントで巻取軸方向と平行な仮想の線を引いたとき、仮想の線が通過する無地部の重畳層数を意味する。
【0127】
比較例1及び2は、無地部の重畳層数が小さいため、溶接強度を増加させるためにレーザーの出力を高めると、レーザーが無地部の重畳領域を通過して電極組立体の内部に浸透するおそれがある。したがって、溶接領域の強度を所望のレベルまで増加させるには限界がある。4680のフォームファクタを有する円筒形バッテリーは自動車などに搭載される。自動車の運行時には円筒形バッテリーに振動が持続的に加えられ、円筒形バッテリーの使用期間が増加するほどスウェリング(swelling)現象が生じながら集電体と無地部の折曲表面領域との溶接地点での応力が増大することで、溶接界面にクラックが発生するなどの問題が引き起るおそれがある。比較例1及び2の場合、このような問題に弱い。
【0128】
また、比較例1及び2のように、重なった無地部の層同士の間に大きい空いた空間(ギャップ)が存在すると、レーザーが無地部の重畳領域によって遮蔽(masking)されずに電極組立体の内部に浸透することで、セパレータや活物質層を溶融させることがある。
【0129】
一方、実施例1及び2において、集電体の溶接区間内で計算した正極無地部及び負極無地部の平均重畳層数はそれぞれ5枚及び7枚と確認され、無地部同士の間の空いた空間(ギャップ)が著しく減少したことが確認できる。したがって、実施例1及び2は、比較例1及び2に比べて、溶接強度、耐振動性、及びレーザーの遮蔽効果に優れる。
【0130】
図10に示された比較実験の結果を参照すると、無地部が電極組立体の外郭からコア側に折り曲げられて形成された折曲表面領域は実質的に扁平であり、無地部の平均重畳層数が5枚以上、選択的には6枚以上、選択的には7枚以上、選択的には8枚以上、選択的には9枚以上、選択的には10枚以上の溶接ターゲット領域を含み得る。
【0131】
望ましくは、折曲表面領域は、無地部の重畳層数が5枚以上15枚以下である溶接ターゲット領域を含み得る。
【0132】
折曲表面領域において、平均重畳層数は、電極組立体の半径方向において隣接する巻回ターンから突出した無地部同士の間隔に基づいて無地部の長さと折曲深さを調節することで、所望の値に決定可能である。
【0133】
一例として、無地部の間隔が350μmであって折曲深さが3mmであれば、折曲地点からコア側に延長された無地部の折曲部は約3mmの長さを有する。また、無地部の折曲部は、折曲地点の内側で少なくとも8つの巻回ターン(3mm/350μm=8.57)に対応する半径区間から突出した無地部と重なる。したがって、該当半径区間における無地部の平均重畳層数は、約8枚に調節され得る。
【0134】
最適の平均重畳層数は、溶接に使用されるレーザーの出力、無地部の素材及び厚さ、隣接する巻回ターンの無地部同士の間隔などを考慮して試行錯誤法(trial and error)によって適応的に(adaptively)決定し得る。
【0135】
折曲表面領域において、無地部の平均重畳層数が5枚以上の領域は、集電体が溶接される溶接ターゲット領域として定義され得る。溶接ターゲット領域は電極組立体50の半径方向に沿って延長される。また、溶接ターゲット領域は無地部の重畳層を含む。ここで、重畳とは、無地部が巻取軸方向に沿って多重に積層されることを意味する。折曲表面領域が第1電極43の無地部41によって形成されるとき、溶接ターゲット領域における無地部41の重畳層の平均積層厚さは50μm以上であり得る。無地部41の望ましい厚さが10μm~25μmであるためである。同様に、折曲表面領域が第2電極44の無地部42によって形成されるとき、溶接ターゲット領域における無地部42の重畳層の平均積層厚さは25μm以上であり得る。無地部42の望ましい厚さが5μm~20μmであるためである。一方、溶接ターゲット領域において、無地部41、42の平均積層厚さの上限は平均重畳層数の上限によって決定され得る。すなわち、平均積層厚さの上限は、平均重畳層数の上限と無地部41、42の厚さの最大値とを乗じた値によって決定され得る。
【0136】
望ましくは、電極組立体50の半径方向において、重畳層数が5枚以上である溶接ターゲット領域の長さの比率は、電極組立体50の半径を基準にして30%以上、選択的には40%以上、選択的には50%以上、選択的には60%以上、選択的には70%以上、または選択的には80%以上に設計され得る。
【0137】
望ましくは、電極組立体50の半径方向において、重畳層数が5枚以上である溶接ターゲット領域の長さの比率は、電極組立体50の半径を基準にして30%以上90%以下であり得る。
【0138】
図10を参照すると、溶接ターゲット領域は、無地部の少なくとも一部が電極組立体の半径方向に折り曲げられながら形成された折曲表面領域に定義される。溶接ターゲット領域は、電極組立体のコアを基準にして放射状に延長され得る。溶接ターゲット領域以外の無地部の他の部分は、折り曲げられなくてもよい。溶接ターゲット領域の表面高さはその周辺よりも低い。溶接ターゲット領域は、電極組立体のコア中心から外郭に向かって放射状に延長された溝構造を有し得る。一例として、
図10に示された溝構造は十字状である。溶接ターゲット領域に形成された溶接パターンは、電極組立体の半径方向に沿って配列された複数の溶接ドットを含み得る。複数の溶接ドットは、少なくとも1列以上、望ましくは2列以上で半径方向に配列され得る。溶接ドットはレーザー溶接によって生じた溶接ビードに該当する。溶接ビードはレーザーによって溶融された金属の固化物である。溶接ターゲット領域に溶接される集電体の形状は溶接ターゲット領域の形状に対応し得る。また、集電体の中央には、電極組立体50のコアにある空洞と連通可能な孔が備えられ得る。
【0139】
望ましくは、電極組立体50の無地部41、42が折り曲げられる領域は、予め所定の深さだけ切断され得る。切断深さは1mm~5mmであり得る。切断が行われる位置は、溶接ターゲット領域と残り領域との境界である。
図11は、無地部41、42が折り曲げられる領域が予め切断された様子を示した図である。同心円は無地部41、42を概念的に示したものであり、無地部41、42の場合、実際はらせん状に巻き取られている。無地部41、42が切断されれば、切断線70が形成される。無地部41、42の切断は折曲地点まで行われ得る。無地部41、42の切断時には、超音波カッティング工法やレーザーカッティング工法が適用され得る。他にも、金属ホイルの切欠(notching)に使用される工法が制限なく使用され得る。無地部41、42が切断されれば、矢印が示す方向で無地部41、42が折り曲げられるとき応力が緩和されるため、ターゲット溶接領域における無地部の重畳層数が均一になり、無地部が重なった領域で空いた空間(ギャップ)のボリュームが著しく減少する。
【0140】
図12は、無地部41、42が切断されてから折曲が行われる場合と、無地部41、42が切断されずに折り曲げられるときとの差異を明確に示した比較実験の結果である。
【0141】
表の第3列において、左側写真は正極無地部の上部写真であり、右側写真は負極無地部の上部写真である。表の第4列に示したCTイメージは、正極無地部の溶接部位を切断してCT装置を用いて断面を撮影したイメージである。表の第5列の横断面写真は、負極無地部の溶接部位を切断して光学顕微鏡で撮影した写真である。
【0142】
実施例(1)は、折曲領域を切断せず、コアから外郭側に無地部を折り曲げた場合であって、溶接領域での平均重畳層数は3枚である。実施例(1)は、上述した比較例1と実質的に同一である。無地部が重なった領域は不規則に無地部が変形されており、無地部の重畳領域に大きい空いた空間が確認される。
【0143】
実施例(2)は、折曲領域を切断せず、外郭からコア側に無地部を折り曲げた場合であって、溶接領域での平均重畳層数は6枚である。無地部の折曲深さ、素材、長さ及び厚さは、実施例(1)と実質的に同一である。無地部が重なった領域における無地部の変形程度は実施例(1)よりも小さく、空いた空間(ギャップ)も実施例(1)に比べて相対的に少ない。
【0144】
実施例(3)は、折曲領域を切断した後、コアから外郭側に無地部を折り曲げた場合であって、溶接領域での平均重畳層数は5枚である。無地部の素材及び厚さは実施例(1)と同一であり、無地部の切断深さは2mmである。折曲領域が切断されたものの、コアから外郭側に無地部が折り曲げられながら無地部が重なった領域で無地部が不規則に変形されたことが確認される。一方、無地部の重畳領域における空いた空間(ギャップ)のボリュームは多少減少した。
【0145】
実施例(4)は、折曲領域を切断した後、外郭からコア側に無地部を折り曲げた場合であって、溶接領域での平均重畳層数は6枚である。無地部の素材及び厚さは実施例(2)と同一であり、無地部の切断深さは2mmである。折曲領域が予め切断されることで、溶接領域で無地部が実施例(2)よりも均一に重なり、無地部の重畳領域における空いた空間(ギャップ)のボリュームが最も少ないことが確認できる。
【0146】
本発明の実施形態(変形例)による多様な電極組立体の構造は、ゼリーロール型の円筒形バッテリーに適用され得る。
【0147】
望ましくは、円筒形バッテリーは、例えばフォームファクタの比(円筒型バッテリーの直径を高さで除した値、すなわち高さ(H)対比直径(Φ)の比で定義される)が約0.4よりも大きい円筒形バッテリーであり得る。
【0148】
ここで、フォームファクタ(form factor)とは、円筒形バッテリーの直径及び高さを示す値を意味する。本発明の一実施形態による円筒形バッテリーは、例えば46110バッテリー、4875バッテリー、48110バッテリー、4880バッテリー、4680バッテリーであり得る。フォームファクタを示す数値において、前方の二桁はバッテリーの直径を示し、残り数字はバッテリーの高さを示す。
【0149】
フォームファクタの比が0.4を超過する円筒形バッテリーにタブレス構造を有する電極組立体を適用する場合、無地部の折り曲げ時に半径方向に加えられる応力が大きく、無地部が破れ易い。また、無地部の折曲表面領域に集電体を溶接するとき、溶接強度を十分に確保して抵抗を下げるためには、無地部の重畳層数を十分に増加させなければならない。このような要求条件は、本発明の実施形態(変形例)による電極と電極組立体によって達成できる。
【0150】
本発明の一実施形態によるバッテリーは、略円柱状であって、その直径が約46mmであり、高さが約110mmであり、フォームファクタの比が0.418である円筒形バッテリーであり得る。
【0151】
他の実施形態によるバッテリーは、略円柱状であって、その直径が約48mmであり、高さが約75mmであり、フォームファクタの比が0.640である円筒形バッテリーであり得る。
【0152】
さらに他の実施形態によるバッテリーは、略円柱状であって、その直径が約48mmであり、高さが約110mmであり、フォームファクタの比が0.436である円筒形バッテリーであり得る。
【0153】
さらに他の実施形態によるバッテリーは、略円柱状であって、その直径が約48mmであり、高さが約80mmであり、フォームファクタの比が0.600である円筒形バッテリーであり得る。
【0154】
さらに他の実施形態によるバッテリーは、略円柱状であって、その直径が約46mmであり、高さが約80mmであり、フォームファクタの比が0.575である円筒形バッテリーであり得る。
【0155】
従来、フォームファクタの比が約0.4以下であるバッテリーが用いられている。すなわち、従来は、例えば1865バッテリー、2170バッテリーなどが用いられている。1865バッテリーの場合、直径が約18mmであり、高さが約65mmであり、フォームファクタの比が0.277である。2170バッテリーの場合、直径が約21mmであり、高さが約70mmであり、フォームファクタの比が0.300である。
【0156】
以下、本発明の実施形態による円筒形バッテリーについて詳しく説明する。
【0157】
図13aは、本発明の一実施形態による円筒形バッテリー190をY軸方向に沿って切断した断面図である。
【0158】
図13aを参照すると、本発明の一実施形態による円筒形バッテリー190は、第1電極、セパレータ及び第2電極を含む電極組立体110、電極組立体110を収納し、上部及び下部にそれぞれ第1端部及び第2端部を有する電池ハウジング142、及び電池ハウジング142の開放部を密封する密封体143を含む。
【0159】
電池ハウジング142は、第1端部に開口部が備えられ、第1端部の反対側である第2端部に閉鎖部(底部)が備えられた円筒形の容器である。電池ハウジング142は、アルミニウムや鋼鉄のような導電性を有する金属材質からなる。電池ハウジング142は、第1端部の開口部を通って内側空間に電極組立体110を収容し、電解質も一緒に収容する。
【0160】
電解質は、A+B-のような構造の塩であり得る。ここで、A+は、Li+、Na+、K+のようなアルカリ金属陽イオン、またはこれらの組み合わせからなるイオンを含む。そして、B-は、F-、Cl-、Br-、I-、NO3
-、N(CN)2
-、BF4
-、ClO4
-、AlO4
-、AlCl4
-、PF6
-、SbF6
-、AsF6
-、BF2C2O4
-、BC4O8
-、(CF3)2PF4
-、(CF3)3PF3
-、(CF3)4PF2
-、(CF3)5PF-、(CF3)6P-、CF3SO3
-、C4F9SO3
-、CF3CF2SO3
-、(CF3SO2)2N-、(FSO2)2N-、CF3CF2(CF3)2CO-、(CF3SO2)2CH-、(SF5)3C-、(CF3SO2)3C-、CF3(CF2)7SO3、CF3CO2
-、CH3CO2
-、SCN-及び(CF3CF2SO2)2N-からなる群より選択されたいずれか一つ以上の陰イオンを含む。
【0161】
また、電解質は、有機溶媒に溶解させて使用し得る。有機溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ-ブチロラクトンまたはこれらの混合物が使用され得る。
【0162】
電極組立体110は、ゼリーロール構造を有し得るが、本発明がこれに限定されることはない。電極組立体110は、
図2に示されたように、下部セパレータ、第1電極、上部セパレータ及び第2電極を順次に少なくとも1回積層して形成された積層体を、巻取軸を基準にして巻き取ることで製造され得る。
【0163】
第1電極と第2電極とは極性が異なる。すなわち、一方が正の極性を有すれば、他方は負の極性を有する。第1電極及び第2電極の少なくとも一つは、上述した実施形態(変形例)による電極構造を有し得る。また、第1電極及び第2電極の他方は、従来の電極構造または実施形態(変形例)による電極構造を有し得る。
【0164】
電極組立体110の上部及び下部において、それぞれ第1電極の無地部146a及び第2電極の無地部146bがセパレータの端部から外部に突出する。
【0165】
密封体143は、中央部が突出したプレート状のキャップ143a、キャップ143aと電池ハウジング142との間に気密性を提供し、絶縁性を有する密封ガスケット143b、及び前記キャップ143aと電気的に及び機械的に結合された連結プレート143cを含み得る。
【0166】
キャップ143aは、伝導性を有する金属材質からなる部品であり、電池ハウジング142の開口部を覆う。キャップ143aは、第1電極の無地部146aと電気的に接続され、電池ハウジング142とは密封ガスケット143bを通じて電気的に絶縁される。したがって、キャップ143aは、円筒形バッテリー190の第1電極端子として機能することができる。
【0167】
キャップ143aは、電池ハウジング142に形成されたビーディング部147上に載置され、クリンピング部148によって固定される。キャップ143aとクリンピング部148との間には、電池ハウジング142の気密性を確保し、電池ハウジング142とキャップ143aとの間の電気的絶縁のため、密封ガスケット143bが介在され得る。キャップ143aは、その中心部から上方に突出して形成された突出部143dを備え得る。
【0168】
電池ハウジング142は、第2電極の無地部146bと電気的に接続される。したがって、電池ハウジング142は第2電極と同じ極性を有する。もし、第2電極が負の極性を有すれば、電池ハウジング142も負の極性を有する。
【0169】
電池ハウジング142は、上端にビーディング部147及びクリンピング部148を備える。ビーディング部147は、電池ハウジング142の外周面の周りを押し込んで形成する。ビーディング部147は、電池ハウジング142の内部に収容された電極組立体110が電池ハウジング142の上端開口部から抜け出ないようにし、密封体143が載置される支持部としても機能できる。
【0170】
クリンピング部148は、ビーディング部147の上部に形成される。クリンピング部148は、ビーディング部147上に配置されるキャップ143aの外周面、そしてキャップ143aの上面の一部を包むように、電池ハウジング142の内側に折り曲げられた形態を有する。
【0171】
円筒形バッテリー190は、第1集電体144及び/または第2集電体145及び/または絶縁体146をさらに含み得る。
【0172】
図13b及び
図13cは、それぞれ第1集電体144及び第2集電体145の構造を示した上面図である。
【0173】
図13a及び
図13bを参照すると、第1集電体144は、電極組立体110の上部に結合される。第1集電体144は、アルミニウム、銅、ニッケルなどのような導電性を有する金属材質からなり、第1電極の無地部146aが折り曲げられながら形成された折曲表面領域の溶接ターゲット領域に溶接される。溶接ターゲット領域は、
図10及び
図12に示されたように、放射状の溝構造を有し得る。放射状の溝構造は、電極組立体110のコア中心から外郭側に延長され得る。
【0174】
望ましくは、溶接ターゲット領域は、無地部146aの平均重畳層数が5枚以上であり得る。また、溶接ターゲット領域は、無地部146aの重畳層の平均積層厚さが50μm以上であり得る。
【0175】
第1集電体144は、溶接ターゲット領域の溝構造に載置可能な構造を有し得る。一例として、溶接ターゲット領域が、
図10及び
図12に示されたように十字状の溝構造を有する場合、第1集電体144も十字状のプレートであり得る。
【0176】
第1集電体144は、支持部144a、支持部144aから外側に延長された複数の脚部144b、及び隣接する脚部144b同士の間で支持部144aから外側に延長されたリード部149を含み得る。
【0177】
支持部144aは、電極組立体110のコアの付近に載置され、複数の脚部144bは、折曲表面領域に載置された状態で折曲表面領域の溶接ターゲット領域に溶接され得る。
【0178】
支持部144aの中心には孔H1が備えられる。電解液は孔H1を通して注入され得る。孔H1の直径は、電極組立体110のコアにある空洞の直径の0.5倍以上である。孔H1の直径がコアにある空洞の直径よりも小さいと、円筒形バッテリー190でベントが起きるとき、コアの空洞を通って電極やセパレータが押し出される現象を防止できる。また、孔H1の直径がコアにある空洞の直径と同一であるかまたは大きいと、第2集電体145を電池ハウジング142の底部に溶接する過程で溶接治具を挿入し易く、電解液を円滑に注入することができる。
【0179】
リード部149は、電極組立体110の上方に延長されて連結プレート143cに結合されるかまたはキャップ143aの下面に直接結合され得る。連結プレート143cは、キャップ143aの下部面に結合され得る。リード部149と他の部品との結合は溶接を通じて行われ得る。
【0180】
無地部146aの折曲表面領域と第1集電体144との結合は、例えばレーザー溶接によって行われ得る。レーザー溶接は、集電体の母材を部分的に溶融させる方式で行われ得る。レーザー溶接は、抵抗溶接、超音波溶接などで代替可能である。
【0181】
図13a及び
図13cを参照すると、電極組立体110の下面にはプレート状の第2集電体145が結合され得る。
【0182】
第2集電体145は、孔H2が形成された支持部145a、支持部145aから外側に延長された複数の脚部145b、孔H2の内側に備えられて電池ハウジング142の底面に結合される接続部145c、及び接続部145cと支持部145aとを連結するブリッジ部145dを含み得る。
【0183】
第2集電体145は、アルミニウム、銅、ニッケルなどのような導電性を有する金属材質からなる。支持部145aは、電極組立体110の下部面においてコアの付近に載置される。複数の脚部145bは、無地部146bが折り曲げられながら形成された折曲表面領域の溶接ターゲット領域に溶接される。接続部145cは、電池ハウジング142の内側底面上に溶接され得る。
【0184】
接続部145cの直径は、電極組立体110のコアにある空洞の直径よりも大きい。ブリッジ部145dは、孔H2の内側面と接続部145cの外側面とを連結する。ブリッジ部145dは、第2集電体145に振動や応力が印加されるとき、振動や応力を緩衝する作用をする。ブリッジ部145dの幅や厚さは部分的に減少し得る。それにより、ブリッジ部145dを通じて過電流が流れるとき、ブリッジ部145dが溶融して切断されることで、過電流を遮断可能である。
【0185】
電極組立体110の下部面の折曲表面領域に定義される溶接ターゲット領域は、
図10及び
図12に示されたように、放射状の溝構造を有し得る。放射状の溝構造は、電極組立体110のコア中心から外郭側に延長され得る。
【0186】
望ましくは、溶接ターゲット領域は、無地部146bの平均重畳層数が5枚以上であり得る。また、溶接ターゲット領域は、無地部146aの重畳層の平均積層厚さが25μm以上であり得る。
【0187】
第2集電体145の脚部145bは、放射状に延長された溶接ターゲット領域の溝構造に載置可能な構造を有し得る。一例として、溶接ターゲット領域が
図10及び
図12に示されたように十字状の溝構造を有する場合、第2集電体145の脚部145bも支持部145aから十字状に延長され得る。
【0188】
図13b及び
図13cを参照すると、第1集電体144の脚部144bに形成される溶接パターンW
1と第2集電体145の脚部145bに形成される溶接パターンW
2とは、電極組立体110のコア中心から実質的に同じ距離だけ離隔した地点から始まって半径方向に延長され得る。溶接パターンW
1の半径方向長さは、溶接パターンW
2の半径方向長さと同一であるかまたは異なり得る。溶接パターンW
1及び溶接パターンW
2は、連続的な溶接ビードであるかまたは不連続的な溶接ビードの配列であり得る。
【0189】
図13aを参照すると、絶縁体146は第1集電体144を覆い得る。絶縁体146は、第1集電体144の上面で第1集電体144を覆うことで、第1集電体144と電池ハウジング142の内周面との直接接触を防止することができる。
【0190】
絶縁体146は、第1集電体144から上方に延長されるリード部149が引き出されるように、リード孔151を備える。リード部149は、リード孔151を通って上方に引き出されて、連結プレート143cの下面またはキャップ143aの下面に結合される。
【0191】
絶縁体146の周縁領域は、第1集電体144とビーディング部147との間に介在されて、電極組立体110と第1集電体144との結合体を固定する。これにより、電極組立体110と第1集電体144との結合体は、円筒形バッテリー190の高さ方向の移動が制限され、円筒形バッテリー190の組立安定性が向上することができる。
【0192】
絶縁体146は、絶縁性のある高分子樹脂からなり得る。一例として、絶縁体146は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミドまたはポリブチレンテレフタレートからなり得る。
【0193】
電池ハウジング142は、その下面に形成されたベンティング(venting)部152をさらに備え得る。ベンティング部152は、電池ハウジング142の下面において周辺領域と比べてより薄い厚さを有する領域に該当する。ベンティング部152は、周辺領域と比べて構造的に脆弱である。したがって、円筒形バッテリー190に異常が発生して内圧が一定水準以上に増加すれば、ベンティング部152が破裂して電池ハウジング142の内部に発生したガスが外側に排出され得る。
【0194】
ベンティング部152は、電池ハウジング142の下面に円を描きながら連続的にまたは不連続的に形成され得る。変形例として、ベンティング部152は、直線パターンまたはその外の他のパターンで形成され得る。
【0195】
第2集電体145の接続部145cの直径が電極組立体110のコアにある空洞の直径よりも大きいため、ベンティング部152が破裂して電池ハウジング142の内部に発生したガスが外部に排出されるとき、コアの付近にある電極やセパレータが押し出される現象を防止できる。
【0196】
図14aは、本発明の他の実施形態による円筒形バッテリー200をY軸に沿って切断した断面図である。
【0197】
図14aを参照すると、円筒形バッテリー200は、
図13aに示された円筒形バッテリー190と比べて、電極組立体の構造は実質的に同一であり、電極組立体を除いた他の構造が変更された点で相違する。
【0198】
具体的には、円筒形バッテリー200は、リベット型の端子172が貫設された電池ハウジング171を含む。端子172は、電池ハウジング171の第2端部にある閉鎖部(底部)の貫通孔に取り付けられる。端子172の下部周縁部は絶縁性のある第1密封ガスケット173が介在された状態で電池ハウジング171の貫通孔にリベッティングされる。リベッティングは、かしめ(caulking)治具で端子172の下部周縁部を加圧し、該当部分を電池ハウジング171の底部に向かって塑性変形させることで達成され得る。端子172は、重力方向と反対方向に向かって外部に露出する。
【0199】
端子172は、端子露出部172a及び端子挿入部172bを含む。端子露出部172aは、電池ハウジング171の閉鎖部の外側に露出する。端子露出部172aは、電池ハウジング171の閉鎖部の略中心部に位置し得る。端子露出部172aの最大直径は、電池ハウジング171の閉鎖部に形成された貫通孔の最大直径よりも大きく形成され得る。端子挿入部172bは、電池ハウジング171の閉鎖部の略中心部を貫通して第1電極の無地部146aと電気的に接続され得る。端子挿入部172bは、電池ハウジング171の内側面上にリベット(rivet)結合され得る。すなわち、端子挿入部172bの下部周縁部は、電池ハウジング171の内側面に向かって折り曲げられた形態を有し得る。端子挿入部172bの下部縁部の最大直径は、電池ハウジング171の閉鎖部に形成された貫通孔の最大直径よりも大きくなり得る。端子挿入部172bの下面は実質的に扁平であり、第1電極の無地部146aと連結された第1集電体144'と溶接され得る。
【0200】
図14bは、第1集電体144'の構造を示した上面図である。
図14bを参照すると、第1集電体144'は、
図13cに示された集電体145と実質的に同じ構造を有する。すなわち、第1集電体144'は、孔H
3を含む支持部144a'、支持部(144')から半径方向に沿って延長された複数の脚部144b'、孔H
3の内側に備えられた接続部144c'、及び支持部144a'と接続部144c'とを連結するブリッジ部144d'を含み得る。第1集電体144'の接続部144c'は、端子172の端子挿入部172bの平坦な下面に溶接され得る。複数の脚部144b'は、電極組立体110上部の折曲表面領域に定義された溶接ターゲット領域に溶接され得る。
【0201】
図14aを参照すると、第1集電体144'と電池ハウジング171の内側面との間には絶縁物質からなる絶縁体174が介在され得る。絶縁体174は、第1集電体144'の上部面と電池ハウジング171閉鎖部の内部面と接触される。絶縁体174は、第1集電体144'の上部と電極組立体110の上端周縁部分を覆う。これにより、電極組立体110の外郭側無地部が反対極性の電池ハウジング171の内側面と接触して短絡を起こすことを防止することができる。絶縁体174は、絶縁性のある高分子樹脂からなる。
【0202】
端子172の端子挿入部172bは、絶縁体174を貫通して第1集電体144'に溶接され得る。そのため、絶縁体174の中央部には端子挿入部172bの下部を露出させる孔が備えられる。孔の直径は端子挿入部172bの下部直径よりも大きくなり得る。
【0203】
第1密封ガスケット173は、電池ハウジング171と端子172との間に介在され、反対極性を有する電池ハウジング171と端子172とが電気的に接触することを防止する。これにより、略扁平な形状を有する電池ハウジング171の上面175が円筒形バッテリー200の電極端子として機能することができる。
【0204】
第1密封ガスケット173は、ガスケット露出部173a及びガスケット挿入部173bを含む。ガスケット露出部173aは、端子172の端子露出部172aと電池ハウジング171との間に介在される。ガスケット挿入部173bは、端子172の端子挿入部172bと電池ハウジング171との間に介在される。ガスケット挿入部173bは、端子挿入部172bのリベッティング(reveting)時に一緒に変形されて電池ハウジング171の内側面に密着され得る。第1密封ガスケット173は、例えば絶縁性を有する高分子樹脂からなり得る。
【0205】
第1密封ガスケット173のガスケット露出部173aは、端子172の端子露出部172aの外周面を覆うように延長された形態を有し得る。第1密封ガスケット173が端子172の外周面を覆う場合、バスバーなどの電気的接続部品を電池ハウジング171の上面及び/または端子172に結合させる過程で短絡が発生することを防止することができる。図示していないが、ガスケット露出部173aは、端子露出部172aの外周面だけでなく、上面の一部も一緒に覆うように延長された形態を有し得る。
【0206】
第1密封ガスケット173が高分子樹脂からなる場合において、第1密封ガスケット173は熱融着によって電池ハウジング171及び端子172と結合され得る。この場合、第1密封ガスケット173と端子172との結合界面及び第1密封ガスケット173と電池ハウジング171との結合界面における気密性が強化される。一方、第1密封ガスケット173のガスケット露出部173aが端子露出部172aの上面まで延長された形態を有する場合において、端子172はインサート射出によって第1密封ガスケット173と一体に結合されてもよい。
【0207】
電池ハウジング171の上面において、端子172及び第1密封ガスケット173が占める領域を除いた他の領域175が端子172と反対極性を有する電極端子に該当する。
【0208】
図14cは、第2集電体176の構造を示した斜視図である。
図14a及び
図14cを参照すると、第2集電体176は電極組立体110の下部に結合される。第2集電体176は、アルミニウム、鋼鉄、銅、ニッケルなどの導電性を有する金属材質からなる。第2集電体176の少なくとも一部は、第2電極の無地部146bの折曲表面領域に含まれた溶接ターゲット領域と溶接を通じて結合され得る。
【0209】
第2集電体176は、支持部176a、及び支持部176aから半径方向に沿って延長され、溶接ターゲット領域に溶接される複数の脚部176bを含む。支持部176aは中央に孔H4を含む。電解液は孔H4を通して注入され得る。孔H4の直径は、電極組立体110のコアにある空洞の直径に対して0.5倍以上である。孔H4の機能は、上述した孔H1の機能と実質的に同一である。
【0210】
望ましくは、第2集電体176の少なくとも一部は電池ハウジング171と電気的に接続され得る。一例として、第2集電体176は、周縁部の少なくとも一部が電池ハウジング171の内側面と第2密封ガスケット178bとの間に介在されて固定され得る。そのため、第2集電体176はハウジング接続部176cを含む。ハウジング接続部176cは、脚部176bの端部からビーディング部180の下部面を向かって傾斜して延びた連結部176c2、及びビーディング部180の下部面に配置される接触部176c1を含む。接触部176c1は、ビーディング部180との接触面積を増やすため、ビーディング部180の円周方向に沿って円弧状に延長され得る。
【0211】
第2集電体176の周縁部の少なくとも一部、例えば接触部176c1は、電池ハウジング171の下端に形成されたビーディング部180の下端面に支持された状態で、溶接によってビーディング部180に固定され得る。変形例において、第2集電体176の周縁部の少なくとも一部は、電池ハウジング171の内壁面に直接溶接され得る。
【0212】
望ましくは、第2集電体176と無地部146bの折曲表面領域に含まれた溶接ターゲット領域とは、溶接、例えばレーザー溶接によって結合され得る。このとき溶接は、無地部146bの折曲表面領域において無地部146bの平均重畳層数が5枚以上の領域または無地部146bの平均積層厚さが25μm以上の領域で行われる。
【0213】
一方、第1集電体144'の脚部144b'に形成される溶接パターンW1と第2集電体176の脚部176bに形成される溶接パターンW2とは、電極組立体110のコア中心から実質的に同じ距離だけ離隔した地点から始まって半径方向に延長され得る。溶接パターンW1の半径方向長さは、溶接パターンW2の半径方向長さと同一であるかまたは異なり得る。一例として、溶接パターンW1の半径方向長さが溶接パターンW2の半径方向長さよりも長い。第2集電体176が連結部176c2を含むことから、第2集電体176の脚部176bが第1集電体144'の脚部144b'よりも短いためである。第2集電体176の接触部176c1にも少なくとも一つの溶接パターンW3が形成される。溶接パターンW3は直線状または円弧状であり得る。溶接パターンW1、W2、W3は、連続的な溶接ビードまたは不連続的な溶接ビードの配列であり得る。
【0214】
電池ハウジング171の第1端部にある開放部を密封する密封体178は、キャップ178a及び第2密封ガスケット178bを含む。第2密封ガスケット178bは、キャップ178aと電池ハウジング171とを電気的に分離させる。クリンピング部181は、キャップ178aの周縁と第2密封ガスケット178bとを一緒に固定させる。キャップ178aにはベンティング部179が備えられる。ベンティング部179の構成は、上述した実施形態(変形例)と実質的に同一である。
【0215】
望ましくは、キャップ178aは、導電性を有する金属材質からなる。しかし、キャップ178aと電池ハウジング171との間に第2密封ガスケット178bが介在されているため、キャップ178aは電気的極性を持たない。密封体178は、電池ハウジング171下部の開放端を密封し、バッテリー200の内圧が臨界値以上増加したときにガスを排出させる機能をする。
【0216】
望ましくは、第1電極の無地部146aと電気的に接続された端子172は第1電極端子として使用される。また、第2集電体176を通じて第2電極の無地部146bと電気的に接続された電池ハウジング171の上面のうち、端子172を除いた部分175は、第1電極端子と反対極性の第2電極端子として使用される。このように、二つの電極端子が円筒形バッテリー200の上部に位置する場合、バスバーなどの電気的接続部品を円筒形バッテリー200の一側のみに配置させることが可能である。これは、バッテリーパック構造の単純化及びエネルギー密度の向上をもたらすことができる。また、第2電極端子として使用される部分175は略扁平な形態を有するため、バスバーなどの電気的接続部品を接合させるのに十分な接合面積を確保することができる。これにより、円筒形バッテリー200は、電気的接続部品の接合部位における抵抗を望ましい水準に下げることができる。
【0217】
本発明において、無地部146a、146bをコア側に向かって折り曲げても、電極組立体110のコアの空洞112が閉塞されず、上部に開放され得る。そのため、第1電極及び第2電極は、コアの付近に無地部の切断部(
図5のBを参照)を含み得る。無地部の切断部Bの幅d及び無地部146a、146bの折曲長さhに対する設計条件は上述した。
【0218】
空洞112が閉塞されないと、電解質注液工程に差し支えがなく、電解液注液の効率が向上する。また、空洞112を通して溶接治具を挿入して第2集電体145と電池ハウジング142の底部との溶接または第1集電体144'と端子172との溶接工程を容易に行うことができる。
【0219】
本発明の実施形態による円筒形バッテリー200は、上側から電気的接続を行うことができるという利点がある。
【0220】
図15は複数の円筒形バッテリー200が電気的に接続された状態を示した上面図であろ、
図16は
図15の部分拡大図である。
【0221】
図15及び
図16を参照すると、複数の円筒形バッテリー200は、バスバー210を用いて円筒形バッテリー200の上部で直列及び並列に連結され得る。円筒形バッテリー200の個数はバッテリーパックの容量を考慮して増減可能である。
【0222】
各円筒形バッテリー200において、端子172は正の極性を有し、電池ハウジング171の端子172周辺の扁平面171aは負の極性を有し得る。勿論、その反対も可能である。
【0223】
望ましくは、複数の円筒形バッテリー200は複数の列と行で配置され得る。図面において、列は上下方向に提供され、行は左右方向に提供される。また、空間効率性を最大化するため、円筒形バッテリー200は最密パッキング構造(closest packing structure)で配置され得る。最密パッキング構造は、電池ハウジング171の外部に露出した端子172の中心同士を連結したとき、正三角形が描かれる場合に形成される。望ましくは、バスバー210は、同一列に配置された円筒形バッテリー200を互いに並列に連結し、隣接する二つの列に配置された円筒形バッテリー200同士を直列に連結する。
【0224】
望ましくは、バスバー210は、直列及び並列連結のため、ボディ部211、複数の第1バスバー端子212、及び複数の第2バスバー端子213を含み得る。
【0225】
前記ボディ部211は、隣接する端子172同士の間で円筒形バッテリー200の列に沿って延長され得る。代案的には、前記ボディ部211は、円筒形バッテリー200の列に沿って延長されるが、ジグザグ状のように規則的に折り曲げられてもよい。
【0226】
複数の第1バスバー端子212は、ボディ部211の一側から延長され、一側方向に位置した円筒形バッテリー200の端子172と電気的に結合され得る。第1バスバー端子212と端子172との間の電気的結合は、レーザー溶接、超音波溶接などで行われ得る。
【0227】
複数第2バスバー端子213は、ボディ部211の他側から延長され、他側方向に位置した端子172周辺の扁平面171aに電気的に結合され得る。第2バスバー端子213と扁平面171aとの間の電気的結合は、レーザー溶接、超音波溶接などで行われ得る。
【0228】
望ましくは、前記ボディ部211、複数の第1バスバー端子212、及び複数の第2バスバー端子213は、一つの導電性金属板から構成され得る。金属板は、例えばアルミニウム板または銅板であり得るが、本発明がこれに限定されることはない。変形例として、前記ボディ部211、複数の第1バスバー端子212、及び第2バスバー端子213は別個のピース単位で製作した後、溶接などによって相互を結合してもよい。
【0229】
上述した本発明の円筒形バッテリー200は、折曲表面領域を通じる溶接面積の拡大、第2集電体176を用いた電流経路(path)の多重化、電流経路長さの最小化などを通じて抵抗が最小化された構造を有する。正極と負極との間、すなわち端子172とその周辺の扁平面171aとの間で抵抗測定器によって測定される円筒形バッテリー200のAC抵抗は、急速充電に適した0.5mΩ~4mΩ、望ましくは1mΩ~4mΩであり得る。
【0230】
本発明による円筒形バッテリー200は、正の極性を有する端子172と負の極性を有する扁平面171aとが同じ方向に位置しているため、バスバー210を用いて円筒形バッテリー200同士の電気的接続を容易に具現することができる。
【0231】
また、円筒形バッテリー200の端子172及びその周辺の扁平面171aは面積が広いため、バスバー210の結合面積を十分に確保して円筒形バッテリー200を含むバッテリーパックの抵抗を十分に下げることができる。
【0232】
また、円筒形バッテリー200の上部で電気的配線を行うことができるため、バッテリーモジュール/パックの単位体積当たりエネルギー密度を極大化することができる。
【0233】
上述した実施形態(変形例)による円筒形バッテリーは、バッテリーパックの製造に使用可能である。
【0234】
図17は、本発明の実施形態によるバッテリーパックの構成を概略的に示した図である。
【0235】
図17を参照すると、本発明の実施形態によるバッテリーパック300は、円筒形バッテリー301が電気的に接続された集合体、及びそれを収容するパックハウジング302を含む。円筒形バッテリー301は、上述した実施形態(変形例)によるバッテリーのうちのいずれか一つであり得る。図示の便宜上、円筒形バッテリー301の電気的接続のためのバスバー、冷却ユニット、外部端子などの部品は示されていない。
【0236】
バッテリーパック300は、自動車に搭載される。自動車は、一例として、電気自動車、ハイブリッド自動車またはプラグインハイブリッド自動車であり得る。自動車は、四輪自動車または二輪自動車を含む。
【0237】
図18は、
図17のバッテリーパック300を含む自動車を説明するための図である。
【0238】
図18を参照すると、本発明の一実施形態による自動車Vは、本発明の一実施形態によるバッテリーパック300を含む。自動車Vは、本発明の一実施形態によるバッテリーパック300から電力の供給を受けて動作する。
【0239】
本発明の一態様によれば、電極組立体の両端に露出した無地部を折り曲げるとき、電極組立体の半径方向において無地部が均一に重なった溶接ターゲット領域を十分に確保することで、溶接出力を増加させてもセパレータや活物質層の損傷を防止することができる。
【0240】
また、本発明の一態様によれば、電極組立体のコアに隣接した無地部の構造を改善することで、無地部の折曲時に電極組立体のコアにある空洞が閉塞されることを防止して、電解液注入工程及び電池ハウジング(または端子)と集電体との溶接工程を容易に行うことができる。
【0241】
また、本発明の一態様によれば。ストリップ状の電極タブの代わりに、無地部の折曲表面領域を集電体に直接溶接することで、エネルギー密度が向上して抵抗が減少した電極組立体を提供することができる。
【0242】
また、本発明の一態様によれば、内部抵抗が低く、集電体と無地部との溶接強度が向上した構造を有する円筒形バッテリー、それを含むバッテリーパック及び自動車を提供することができる。
【0243】
以上のように、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【国際調査報告】