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特表2023-553942防食装置、防食システム、防食堤防安定化システム及び地盤工学的固定要素の防食固定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】防食装置、防食システム、防食堤防安定化システム及び地盤工学的固定要素の防食固定方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 5/80 20060101AFI20231219BHJP
   F16B 37/02 20060101ALI20231219BHJP
   E21D 21/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
E02D5/80
F16B37/02 C
E21D21/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535382
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(85)【翻訳文提出日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 EP2021083533
(87)【国際公開番号】W WO2022122468
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】102020132950.4
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510301231
【氏名又は名称】ジェオブルッグ・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】アイヒャー、マヌエル
【テーマコード(参考)】
2D041
【Fターム(参考)】
2D041AA02
2D041BA07
2D041BA54
2D041CA01
2D041CB06
2D041DB02
2D041FA14
2D041GA01
2D041GB01
(57)【要約】
本発明は、地盤工学的固定要素(12)の少なくとも端領域(10)を少なくとも腐食から保護するための防食装置(44)、特に防食アダプタに関し、地盤工学的固定要素(12)は、特に、例えば建設用鋼又はコンクリート鋼といった、腐食の影響を受ける金属又は腐食の影響を受ける金属合金によって構成されており、少なくとも地盤工学的固定要素(12)に取り付けられるように構成された少なくとも1つのスリーブ要素(14)を有しており、スリーブ要素(14)は、地盤工学的固定要素(12)の端領域(10)を、少なくとも地盤工学的固定要素(12)の周方向に包囲している。スリーブ要素(14)は、少なくとも大部分が耐食性金属からなり、少なくとも外ねじ(16)を備えていることが提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤工学的固定要素(12)の少なくとも端領域(10)を少なくとも腐食から保護するための防食装置(44)、特に防食アダプタであって、前記地盤工学的固定要素(12)は、特に、例えば建設用鋼又はコンクリート鋼といった、腐食の影響を受ける金属又は腐食の影響を受ける金属合金によって構成されており、少なくとも前記地盤工学的固定要素(12)に取り付けられるように構成された少なくとも1つのスリーブ要素(14)を有しており、前記スリーブ要素(14)は、前記地盤工学的固定要素(12)の前記端領域(10)を、少なくとも前記地盤工学的固定要素(12)の周方向に包囲しており、前記スリーブ要素(14)は、少なくとも大部分が耐食性金属で作られるとともに、少なくとも外ねじ(16)を有していることを特徴とする、
防食装置(44)。
【請求項2】
前記スリーブ要素(14)が、該スリーブ要素(14)の長手方向(18)において少なくとも部分的に、好適には完全に閉じられたキャップとして構成されていることを特徴とする、
請求項1に記載の防食装置(44)。
【請求項3】
前記スリーブ要素(14)が内ねじ(20)を備えていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の防食装置(44)。
【請求項4】
前記内ねじ(20)のねじ頂部(22)が、前記外ねじ(16)のねじ溝(24)も同時に形成していることを特徴とする、
請求項3に記載の防食装置(44)。
【請求項5】
前記内ねじ(20)及び前記外ねじ(16)の少なくとも何れか一方が、5mmを超える並目ねじピッチを有するねじとして構成されていることを特徴とする、
請求項1~4のうち何れか一項に記載の防食装置(44)。
【請求項6】
前記スリーブ要素(14)が、該スリーブ要素(14)の前記外ねじ(16)に螺合されているナット(30)と前記地盤工学的固定要素(12)との間で力を伝達するように設計されていることを特徴とする、
請求項1~5のうち何れか一項に記載の防食装置(44)。
【請求項7】
前記スリーブ要素(14)の少なくとも大部分がステンレス鋼で作られることを特徴とする、
請求項1~6のうち何れか一項に記載の防食装置(44)。
【請求項8】
前記スリーブ要素(14)が、一体をなす実施構成によって構成されていることを特徴とする、
請求項1~7のうち何れか一項に記載の防食装置(44)。
【請求項9】
前記スリーブ要素(14)が、前記地盤工学的固定要素(12)とは別に構成されている予め形成された部品であることを特徴とする、
請求項1~8のうち何れか一項に記載の防食装置(44)。
【請求項10】
前記スリーブ要素(14)の内部空間(32)が、変形可能なシーリング材(34)で少なくとも部分的に充填されていることを特徴とする、請求項1~9のうち何れか一項に記載の防食装置(44)。
【請求項11】
前記スリーブ要素(14)の内部空間(32)が、変形可能な接着材(36)で少なくとも部分的に充填されていることを特徴とする、
請求項1~10のうち何れか一項に記載の防食装置(44)。
【請求項12】
前記スリーブ要素(14)が、工具を用いることなく前記地盤工学的固定要素(12)に取り付け可能、特に螺合可能であることを特徴とする、
請求項1~11のうち何れか一項に記載の防食装置(44)。
【請求項13】
前記スリーブ要素(14)が、該スリーブ要素(14)の最大外径(40)の少なくとも1.2%、好適には少なくとも2.5%に相当する壁厚(38)を有していることを特徴とする、
請求項1~12のうち何れか一項に記載の防食装置(44)。
【請求項14】
請求項1~13のうち何れか一項に記載の防食装置(44)と、
地盤工学的固定要素(12)と、
を備えた防食システム(42)。
【請求項15】
前記スリーブ要素(14)と前記地盤工学的固定要素(12)との間の隙間(62)が、水密状態で環境(66)に対して閉鎖されている状態、変形可能なシーリング材(34)で充填されている状態、及び変形可能な接着材(36)で充填されている状態の少なくとも何れかになるように前記防食装置(44)が前記地盤工学的固定要素(12)に取り付けられていることを特徴とする、
請求項14に記載の防食システム(42)。
【請求項16】
前記スリーブ要素(14)が、前記地盤工学的固定要素(12)が地盤(46)に固定された状態において、前記スリーブ要素(14)のサブ領域(48)が前記地盤(46)内に埋め込まれているように前記地盤工学的固定要素(12)に取り付けられていることを特徴とする、
請求項14又は15に記載の防食システム(42)。
【請求項17】
前記地盤工学的固定要素(12)が固定された状態において、前記スリーブ要素(14)の長手方向全長(78)の少なくとも3分の1が、前記地盤(46)内に埋め込まれるように配置されることを特徴とする、
請求項16に記載の防食システム(42)。
【請求項18】
防食堤防安定化システム(50)であって、
地盤(46)に固定された請求項14~17のうち何れか一項に記載の防食システム(42)と、
高張力鋼で作られる金網(52)と、
締め付け板(54)と、
ナット(30)と、を備え、
前記締め付け板(54)は、前記地盤工学的固定要素(12)に螺合されており、
前記地盤工学的固定要素(12)は、前記地盤(46)に固定されているとともに、前記スリーブ要素(14)を有しており、
前記締め付け板(54)が、前記スリーブ要素(14)に螺合された前記ナット(30)によって前記地盤工学的固定要素(12)の長手方向(18)に前記金網(52)に押し付けられることによって、該金網(52)が少なくとも実質的に位置的に固定された状態で前記地盤(46)に固定される、
防食堤防安定化システム(50)。
【請求項19】
前記締め付け板(54)、前記ナット(30)及び前記金網(52)の少なくとも何れか1つが、少なくともステンレス鋼の表面を有しているか、又は、全体がステンレス鋼で作られているかの少なくとも一方であり、前記地盤工学的固定要素(12)が腐食の影響を受ける金属又は腐食の影響を受ける金属合金で作られることを特徴とする、
請求項18に記載の防食堤防安定化システム(50)。
【請求項20】
腐食の影響を受ける金属又は腐食の影響を受ける金属合金、特に建設用鋼で作られる地盤工学的固定要素(12)の防食固定方法であって、
少なくとも1つの方法ステップ(56)において、少なくとも大部分が耐食性金属で作られるとともに、外ねじ(16)を備えているスリーブ要素(14)が、前記地盤工学的固定要素(12)の端領域(10)に取り付けられ、
少なくとも1つの別の方法ステップ(64)において、前記スリーブ要素(14)は、湿気を通さない状態で環境(66)に対して閉鎖され、
少なくとも1つの別の方法ステップ(68)において、前記地盤工学的固定要素(12)に取り付けられた前記スリーブ要素(14)の少なくともサブ領域(48)が地盤(46)内に埋め込まれるように、特に、前記地盤(46)内にモルタル固定されるように、前記地盤工学的固定要素(12)が前記地盤(46)内に配置される、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の序文に記載の防食装置、請求項14に記載の防食システム、請求項18に記載の防食堤防安定化システム及び請求項20に記載の地盤工学的固定要素の防食固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤工学的固定要素の全体をステンレス鋼で形成することがすでに提案されている(特許文献1又は特許文献2を参照)。しかしながら、このような地盤工学的固定要素は、通常の建設用鋼製固定材と比較して非常に高価である。建設用鋼製固定材の別の代替品としては、金属化ファイバーグラス製の地盤工学的固定要素が知られている(特許文献3を参照)。しかしながら、このような地盤工学的固定要素は、金属固定材よりもせん断特性が低く、耐火性を備えていないため、山火事等が発生した場合には固定効果が失われるおそれがある。また、設置された地盤工学的固定要素の端領域に取り付けるプラスチック製のキャップも周知である(特許文献4を参照)。特に、自然災害分野において少なくとも100年の耐久性を実現するための一般的な計画要件を考慮すると、これらは腐食に対する十分かつ永続的な保護をもたらすものではない。プラスチックは、時間の経過とともに風化して脆くなり、例えば水が侵入してしまうこともある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許発明第3320460号明細書
【特許文献2】欧州特許第0060053号明細書
【特許文献3】オーストリア特許出願公開第2010206027号明細書
【特許文献4】カナダ特許出願公開第2651242号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、特に設置された地盤工学的固定要素の保護に関し、有益な防食性を備えた一般的な装置を提供することである。上記目的は、特許請求項1、14、18及び20の特徴によって本発明に従って達成され、さらに、従属請求項の記載から、本発明の効果的な実施例及び変形例を得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、地盤工学的固定要素の少なくとも端領域を少なくとも腐食から保護するための防食装置、特に防食アダプタに関し、地盤工学的固定要素は、特に、例えば建設用鋼又はコンクリート鋼といった、腐食の影響を受ける金属又は腐食の影響を受ける金属合金によって構成されており、少なくとも地盤工学的固定要素上に取り付けられるように構成された少なくとも1つのスリーブ要素を有しており、スリーブ要素は、地盤工学的固定要素の端領域を、少なくとも地盤工学的固定要素の周方向に包囲している。
【0006】
スリーブ要素は、少なくとも大部分が耐食性金属、好適には、機械的安定性及び耐食性を同時に備えた金属からなり、少なくとも外ねじを有していることが提案されている。特に、外ねじは、スリーブ要素の全長の少なくとも大部分にわたって延びている。その結果、特に、設置された地盤工学的固定要素の腐食に対する保護に関して、効果的な防食性能を達成できる。特に、地盤に設置されて地盤から突出している固定要素の端領域において、有益な防食を長期間にわたって達成できる。また、コストを可能な限り低く抑えながらも、特に有益な防食を長期間にわたって達成できる。
【0007】
地盤工学的固定要素に対してコスト効率の高い防食を達成することができる。長期間にわたって特に有益に機能し、地盤工学的固定要素の機能性を完全に維持させることができる後付けの防食機能を得ることが可能であり、例えば、変更を加えることなく、地盤工学的固定要素の端領域に固定ナットを螺合することができる。防食が施された後でも、完全な耐荷重能力を一定して維持できる。信頼性の高い防食を、簡単かつ迅速にもたらすことができる。例えば地盤工学的固定要素の端領域に岩が落下した場合等の衝撃に対する、機械的安定性の高い防食を達成することが可能である。
【0008】
「防食装置」は、例えば地盤工学的固定要素の強度又は地盤工学的固定要素の靱性といった、地盤工学的固定要素の機能性に悪影響を及ぼす腐食又は風化、特に材料の測定可能な変化、好適には酸化による地盤工学的固定要素の金属の分解を遅らせ、及び/又は、少なくとも実質的に防止する装置であると理解される。「防食アダプタ」は、特に物体を指し、好適には、地盤工学的固定要素とは別に構成される物体を指す。防食アダプタは、地盤工学的固定要素に設置されることによって、地盤工学的固定要素の耐食性を向上させ、同時に、地盤工学的固定要素の完全な機能を維持させる。つまり、例えば、防食アダプタによって保護されている地盤工学的固定要素に対してナットを螺合した場合、防食アダプタを備えていない地盤工学的固定要素と比較して、少なくとも実質的に影響を受けないか、及び/又は、少なくとも実質的に作用を受けない。地盤工学的固定要素の「端領域」とは、特に、地盤工学的固定要素の前面端部を含み、前面端部に連続的に隣接する固定要素のサブ領域の最大30%、好ましくは最大20%、優先的には最大10%を含む領域であると理解される。特に、端領域は、地盤工学的固定要素の第1のサブ領域及び隣接する第2のサブ領域からなる地盤工学的固定要素の部分として少なくとも構成されている。第1のサブ領域は、設置後に設置地盤から突出するように構成されている。第2のサブ領域は、第1のサブ領域の長手方向長さの少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、優先的には少なくとも100%、特に好ましくは最大300%を有している。
【0009】
「地盤工学的固定要素」とは、特に、岩固定具、岩用釘、地盤用釘、ロッド固定具、より線固定具、特に、独国特許出願公開第102018125782号明細書に記載されているような、外ねじを備えたケーブル固定具等を指す。「腐食の影響を受ける金属」とは、特に、ステンレス鋼とは異なり、例えばInconel(登録商標)、Incoloy(登録商標)、Hastelloy(登録商標)、Cronifer(登録商標)、Nicrofer(登録商標)等の超合金とは異なる金属、好ましくは金属合金であると理解される。「ステンレス鋼」は、特に、少なくとも10.5%のクロム含有量を有している鋼を意味し、クロム含有量は、好ましくはオーステナイト固溶体又はフェライト固溶体中に溶解している。
【0010】
「スリーブ要素」は、特にスリーブ状、好適には管状をなす中実の長尺状要素を指し、内部空間を少なくとも周方向に、好適には少なくとも1つの長手方向にも少なくとも部分的に包囲している。好適には、スリーブ要素は、端部スリーブ形状の要素、及び/又は、スリーブキャップ形状の要素として理解され、例えば地盤工学的固定要素といった、スリーブ要素に挿入されてスリーブ要素の少なくとも大部分を埋める要素が長手方向に当接する前面を少なくとも形成している。好適には、スリーブ要素は、正しく取り付けられた状態で、地盤工学的固定要素の端領域を、特に少なくとも地盤工学的固定要素の周方向に完全に包囲するように構成される。正しく取り付けられた状態では、地盤工学的固定要素は、特に、スリーブ要素の2つの前面のうちの一方のみにおいてスリーブ要素から突出している。特に、スリーブ要素は、地盤工学的固定要素の一方の端部、特に地盤工学的固定要素が設置された状態で地盤から突出する地盤工学的固定要素の端部に配置されるように構成される。「包囲する」という用語は、好適には、「全周囲を包囲する」及び/又は「360°にわたって包囲する」を意味する。好ましくは、スリーブ要素は、地盤工学的固定要素に取り付けられる際には、地盤工学的固定要素に螺合される。「構成されている」とは、特に、特別に設計及び/又は装備されていることを意味する。物体が特定の機能のために構成されているということは、特に、少なくとも1つの適用状態及び/又は動作状態において特定の機能をその物体が遂行及び/又は実行することを意味すると理解される。
【0011】
特に、取り付けられたスリーブ要素は地盤工学的固定要素のサブ領域のみを覆うが、このサブ領域は、地盤工学的固定要素が設置された(固定された)状態において、天候状態に直接的に露出する地盤工学的固定要素の唯一の部分である。地盤工学的固定要素のこの部分を保護することにより、地盤工学的固定要素全体を腐食から保護できることが好ましい。特に、スリーブ要素は、腐食作用の影響、例えば大気の影響から地盤工学的固定要素を隔離するように構成される。特に、スリーブ要素は、腐食作用の影響、例えば大気の影響に対して表面を形成するように構成される。「大部分」及び/又は「大半」は、特に51%、好ましくは66%、優先的には75%、特に好ましくは85%、特に優先的には95%を意味する。少なくとも大部分が耐食性金属で作られるスリーブ要素は、防食コーティング(例えば、亜鉛コーティング、ZnAlコーティング、防食ワニス等)とは異なり、及び/又は、腐食の影響を受ける金属から形成されるとともに防食層でコーティングされているスリーブ要素とは異なることが好ましい。「機械的安定性」とは、特に、軽微な衝撃や自重による変形に対する耐性を指す。スリーブ要素は、特に、曲げ剛性を有するように構成されている。
【0012】
「耐食性金属」は、特に、ステンレス鋼又はInconel、Incoloy、Hastelloy、Cronifer、Nicrofer等の超合金を指す。特に、外ねじは、スリーブ要素の表面に周方向に巻回している。特に、外ねじはスリーブ要素の表面によって直接形成される。特に、外ねじは、スリーブ要素の長手方向全長にわたって延びている。一般的な建設用鋼棒やコンクリート用鋼棒(ねじ鋼棒)と同様に、外ねじは両側で途切れていてもよい。特に、外ねじは、ナット、特に地盤工学的固定要素用の締め付けナットを螺合するように構成されている。特に、スリーブ要素及び/又は外ねじは、スリーブ要素の長手方向に沿って一定及び/又は均一な直径、特に外径を有している。
【0013】
さらに、スリーブ要素が、スリーブ要素の長手方向において少なくとも部分的に、好適には完全に閉じられたキャップとして構成されることが提案されている。これによって、特に地盤に設置された固定要素の地盤から突出する端領域に対して、有益な防食を長期間にわたって達成することができる。また、スリーブ要素と地盤工学的固定要素との間の隙間への水の侵入を防止できる。地盤工学的固定要素を周囲の大気から全体的に隔離することが可能である。また、スリーブ要素は、地盤工学的固定要素に簡単に取り付けることができる。特に、少なくとも部分的に閉じられたキャップによって、地盤工学的固定要素に対する長手方向の当接部が形成される。スリーブ要素が「部分的に閉じられたキャップ」として形成されるということは、スリーブ要素が地盤工学的固定要素に取り付けられた状態で、長手方向に沿った方向から見て、スリーブ要素の端部が地盤工学的固定要素の前面の少なくとも一部、好ましくは地盤工学的固定要素の少なくとも20%、優先的には少なくとも40%、特に優先的には少なくとも66%を覆っている、及び/又は、保護するようにスリーブ要素が構成されていると理解される。特に、長手方向は、地盤工学的固定要素の前面に対して少なくとも実質的に直交している。特に、完全に閉じられたキャップは、地盤工学的固定要素の前面を長手方向に完全に閉じる。「キャップ」は、特に、地盤工学的固定要素の端領域に密接する閉鎖部材を意味し、地盤工学的固定要素とは別に構成されることが好ましい。
【0014】
さらに、スリーブ要素が内ねじを備えていることも提案される。これによって、地盤工学的固定要素に対して有益、及び/又は、密接にスリーブ要素を配置することができ、その結果、特に有益な防食を長期間にわたってもたらすことができる。これによって、スリーブ要素を地盤工学的固定要素に容易に螺合することができ、簡単で失敗のない取り付けが可能になる。特に、内ねじは、スリーブ要素の内面において周方向に巻回している。特に、内ねじはスリーブ要素の表面によって直接形成される。特に、内ねじは、スリーブ要素の長手方向全長にわたって延びている。一般的な建設用鋼棒やコンクリート用鋼棒(ねじ鋼棒)と同様に、内ねじは両側で途切れていてもよく、途切れた部分の間では、それぞれ管状をなす円形となるように形成されていてもよい。内ねじは、特に、スリーブ要素を地盤工学的固定要素に螺合するように構成されており、地盤工学的固定要素は、建設用鋼ねじ又は鉄筋ねじが設けられている場合が多い。特に、内ねじは、スリーブ要素の長手方向に沿って一定及び/又は均一な直径、特に内径を有している。特に、内ねじ及び外ねじは少なくとも実質的に同一のねじ範囲を有し、好ましくは少なくとも実質的に同一のねじピッチ、ねじ方向、ねじ形状及び/又はねじ深さを有している。「実質的に同一」とは、特に、製造公差を除外して同一であることを意味する。しかしながら、代替的に、内ねじと外ねじが、少なくともねじピッチ、ねじ方向、ねじ形状及び/又はねじ深さにおいて異なっていてもよい。好ましくは、内ねじは左ねじとして構成される。しかしながら、代替的に、内ねじを右ねじとして構成してもよい。好ましくは、外ねじは左ねじとして構成される。しかしながら、代替的に、外ねじを右ねじとして構成してもよい。
【0015】
さらに、内ねじが特にねじ頂部を備え、外ねじが特にねじ溝を備え、内ねじのねじ頂部が同時に外ねじのねじ溝を形成する(その逆も同様)ことがさらに提案される。好ましくは、すべての内ねじのすべてのねじ頂部が、同時にすべての外ねじのすべてのねじ溝を形成している(逆も同様)。これによって、スリーブ要素の外側に螺合されたナットから地盤工学的固定要素に対し、有益及び/又は効果的に力を伝達することができる。スリーブ要素は、少なくとも実質的に一定の壁厚を有していてもよい。「少なくとも実質的に一定」とは、特に、変動範囲が平均値の3%未満、好ましくは5%未満、優先的には10%未満であることを意味する。特に、スリーブ要素の壁厚は少なくとも1mm、好ましくは少なくとも2mm、有益には少なくとも3mm、優先的には少なくとも4mm、特に好ましくは少なくとも5mmである。特に、内ねじのねじ頂部の先端は、スリーブ要素の内部に向いている。特に、外ねじのねじ頂部の先端は、スリーブ要素の内部から離れる方向に向いている。特に、内ねじのねじ溝の底部は、スリーブ要素の内部から離れる方向に向いている。特に、外ねじのねじ溝の底部は、スリーブ要素の内部に向いている。
【0016】
さらに、スリーブ要素の内ねじ及び/又はスリーブ要素の外ねじが、5mmより大きい、好ましくは7mmより大きい、有益には9mmより大きい、特に有益には12mmより大きい、優先的には15mmより大きい、特に好ましくは21mm未満の並目ねじピッチを有するねじとして形成されることが提案される。これによって、有益な取り付け性と気密性を実現できる。特に、スリーブ要素の内ねじ及び/又はスリーブ要素の外ねじは、グライドねじ、好ましくは丸ねじ、好ましくはピッチの粗いメートル丸ねじとして構成される。特に、スリーブ要素の内ねじ及び/又はスリーブ要素の外ねじが、管ねじとして形成され、ねじ上に気密接合部が形成されるように、地盤工学的固定要素に対して接続してもよい。特に、完全な円形及び/又は均等に丸いねじ形状とはわずかに異なるねじ形状を有するねじ、例えばわずかに非対称であるねじも、本開示においては丸ねじとみなされる。代替的に、スリーブ要素の内ねじ及び/又はスリーブ要素の外ねじは、並目ねじピッチを有している台形ねじとして、又は並目ねじピッチを有している丸みを帯びた台形ねじとして形成してもよい。特に、地盤工学的固定要素は外ねじを有している。特に、スリーブ要素の内ねじのねじピッチ、ねじ方向、及び/又は、ねじ形状は、地盤工学的固定要素の外ねじのねじピッチ、ねじ方向、及び/又は、ねじ形状と少なくとも実質的に相補的である。特に、スリーブ要素の内ねじは、地盤工学的固定要素の外ねじ、及び/又は、地盤工学的固定要素のねじリブと相互に係合するように構成されている。特に、スリーブ要素の内ねじは、地盤工学的固定要素の外ねじ、及び/又は、地盤工学的固定要素のねじリブに螺合されるように構成されている。特に、スリーブ要素の外ねじのねじピッチ、ねじ方向、及び/又は、ねじ形状は、地盤工学的固定要素の外ねじのねじピッチ、ねじ方向、及び/又は、ねじ形状と少なくとも実質的に対応している。特に、スリーブ要素の外ねじと地盤工学的固定要素の外ねじは、直径を除いては、互いに少なくとも実質的に同一に形成される。好ましくは、ねじピッチは、スリーブ要素の長手方向における、2つの隣接するねじ巻回部の間の距離の最大値、特にねじ頂部間の距離として計算される。
【0017】
これに加えて、スリーブ要素、特に防食装置の外ねじに螺合されるナットと、地盤工学的固定要素との間で力を伝達するようにスリーブ要素を設計することが提案されている。これによって、地盤工学的固定要素の機能を完全に維持できる、後付けの防食機能を有益に長期間にわたって実現することができる。また、防食が達成された後でも、完全な耐荷重能力を一定して維持できる。上記の力の伝達を実現するために、スリーブ要素の内ねじと地盤工学的固定要素の外ねじとの間に特に密接な嵌合がもたらされる。特に、このような力の伝達は、保護塗料、ワニス塗布、亜鉛メッキ等の保護コーティングによって不可能となる。塗料被膜、コーティング、及び/又は、ワニスは、ナットが螺合されたときや、衝撃又は打撃が加わったときに損傷を受けることが多く、腐食に対する保護効果が失われる。特に、スリーブ要素は、少なくとも250N/mm、好ましくは少なくとも400N/mm、優先的には少なくとも600N/mmの引張強度を有している金属、好ましくは鋼で作られる。
【0018】
スリーブ要素が少なくとも大部分、好ましくは完全に(場合によっては任意のコーティング又は塗装を除いて)ステンレス鋼、特にステンレス特殊鋼(耐錆鋼又は非錆鋼)で作られる場合、有益な防食性を達成でき、特に、設置された地盤工学的固定要素の腐食に対する保護を達成できる。特に、スリーブ要素は、DIN EN規格10027-2:2015-07に準拠した材料番号1.4001~1.4462を有するステンレス鋼、例えばDIN EN規格10027-2:2015-07の材料番号1.4301、1.4571、1.4401、1.4404又は1.4462を有するステンレス鋼で作られる。
【0019】
さらに、スリーブ要素が一体をなす実施構成、好適には一体構造の実施構成として形成されることが提案される。これによって、スリーブ要素の気密性を高めることができ、その結果、有益な防食を達成できる。さらに、取り扱い及び/又は設置を単純化できる。「一体をなす実施構成」は、特に、一体的に形成されることを意味する。この一体品は、単一の半加工品、塊、及び/又は、鋳造物から、特に好ましくはシート曲げ処理によって製造されることが好ましい。しかしながら、代替的に、スリーブ要素は少なくとも2部品又は複数部品からなる実施構成として形成してもよく、例えば、相互接続された2つの半殻部から形成してもよいし、管要素と当該管要素を長手方向に閉じるカバー部品とから形成してもよい。
【0020】
スリーブ要素が地盤工学的固定要素とは別に構成される予め形成された部品である場合は、設置が容易である。これによって、種類の異なる複数の地盤工学的固定要素に対して防食装置を設けることが可能になるため、自由度が高い。さらに、材料投入量及び/又は総コストを低く抑えることが可能である。特に、スリーブ要素は、地盤工学的固定要素の塗装、地盤工学的固定要素のワニス仕上げ、地盤工学的固定要素のコーティング、及び/又は、地盤工学的固定要素の可撓性材料(例えばプラスチック又は金属のフィルム)による被覆とは異なる。スリーブ要素は、地盤工学的固定要素に押し付けられたステンレス鋼シートで構成されることが考えられるが、好ましくは、スリーブ要素は、地盤工学的固定要素に押し付けられたステンレス鋼シートとは異なるように構成される。
【0021】
スリーブ要素の内部空間が変形可能なシーリング材で少なくとも部分的に充填されることも提案されている。これによって、特に地盤工学的固定要素と水及び/又は空気との接触に関して、スリーブ要素の気密性を特に高くすることができる。また、特に効果的に、及び/又は、長期間にわたる防食を達成できる。特に、変形可能なシーリング材は、潤滑グリースといったグリース又はシール剤として構成できる。特に、変形可能なシーリング材は、半流体の粘性材料として構成できる。変形可能なシーリング材は、例えばセメントペーストのような硬化可能な材料で形成してもよい。特に、スリーブ要素の内部空間は、地盤工学的固定要素を配置するためのスリーブ要素の収容空間として形成される。特に、スリーブ要素が地盤工学的固定要素に取り付けられた状態では、スリーブ要素と地盤工学的固定要素との間の隙間には、変形可能なシーリング材が充填される。
【0022】
代替的又は追加的に、スリーブ要素の内部空間が変形可能な接着材で少なくとも部分的に充填されることが提案される。これによって、スリーブ要素の気密性を特に高くすることができる。また、特に効果的に、及び/又は、長期間にわたる防食を達成できる。さらに、スリーブ要素の外ねじに螺合されるナットと地盤工学的固定要素との間で、力の伝達を好適に達成できる。特に、変形可能な接着材は、取り付けられた状態で、スリーブ要素と地盤工学的固定要素との間に物質間の接着結合を形成する。好ましくは、接着材は、初めは粘性を有し、取り付け後に物質間の結合を形成しながら硬化する。特に、スリーブ要素が地盤工学的固定要素に取り付けられた状態では、スリーブ要素と地盤工学的固定要素との間の隙間には、変形可能な接着材が充填されている。特に、接着材は、同時にシーリング材であってもよく、その逆であってもよい。
【0023】
これに加えて、スリーブ要素が、工具を用いることなく地盤工学的固定要素に取り付け可能、特に螺合可能であることが提案されている。これによって、簡単な、及び/又は、コスト効率の高い取り付けが可能になる。特に、スリーブ要素は、地盤工学的固定要素、特に地盤工学的固定要素の外ねじ又はねじリブに手動で螺合できる。特に、スリーブ要素は、地盤工学的固定要素の設置時に現場で地盤工学的固定要素に螺合できる。しかしながら、代替的に、地盤工学的固定要素を設置する前に、スリーブ要素を地盤工学的固定要素に予め取り付けてもよい。
【0024】
さらに、スリーブ要素は、スリーブ要素の最大外径の少なくとも1.2%、好ましくは少なくとも2.5%、有益には少なくとも3.5%、優先的には少なくとも5%、特に好ましくは最大15%に相当する壁厚を有していることが提案される。これによって、スリーブ要素の安定性を高くすることができ、その結果、落石等によってスリーブ要素に衝撃が加えられた後でも、防食を維持できる。特に、スリーブ要素の最大外径は、スリーブ要素の外ねじのねじ頂部によって定められる。特に、スリーブ要素の壁厚は、外ねじのねじ巻回部の深さ(スリーブ要素の長手方向に対して垂直に測定した、スリーブ要素の外ねじのねじ頂部とねじ溝部との間の距離)の少なくとも30%、好ましくは少なくとも45%、優先的には少なくとも100%に相当する。特に、長手軸に沿ったスリーブ要素の長手方向長さは、少なくとも300mm、特に少なくとも450mmである。特に、長手軸に沿ったスリーブ要素の長手方向長さは最大2000mmであり、好ましくは1500mm以下である。特に、スリーブ要素の壁厚は少なくとも0.6mm、好ましくは少なくとも1mm、優先的には少なくとも1.5mm、特に優先的には3mm以下である。特に、スリーブ要素の外径は少なくとも16mm、有益には少なくとも20mm、好ましくは少なくとも25mm、優先的には少なくとも30mm、特に優先的には最大50mmである。
【0025】
さらに、スリーブ要素が長手方向に周期的に一定の断面を有していることが提案される。好ましくは、スリーブ要素の外ねじ及び/又はスリーブ要素の内ねじは、長手方向に一定の断面を有し、これは特に、長手方向において、ねじ頂部の直径及びねじ溝の直径が少なくとも実質的に一定であることを意味する。これによって、特定の地盤工学的固定要素に適合させるために、所望の長さにスリーブ要素を自由に切断することが可能となっている。特に、スリーブ要素、好ましくはスリーブ要素の外ねじ及び/又はスリーブ要素の内ねじは、長手方向に先細りしておらず、及び/又は、長手方向に太くなっていない。
【0026】
さらに、防食装置と、特に腐食の影響を受ける金属で構成される地盤工学的固定要素とを備えた防食システムが提案される。これによって、高い防食性を備えた地盤工学的固定要素の設置が可能になる。
【0027】
さらに、スリーブ要素と地盤工学的固定要素との間の隙間が、水密状態で環境に対して閉鎖されている状態、変形可能なシーリング材で充填されている状態、及び変形可能な接着材で充填されている状態の少なくとも何れかになるように防食装置が地盤工学的固定要素に取り付けられていることが提案されている。これによって、特に、設置された地盤工学的固定要素の腐食に対する保護に関して、有益な防食性能を達成できる。また、地盤工学的固定要素に対してコスト効率の高い防食を達成することができる。
【0028】
さらに、スリーブ要素が、地盤工学的固定要素が地盤に固定された状態において、スリーブ要素のサブ領域、特にスリーブ要素の、キャップ状に少なくとも部分的に閉じられた側の反対側に位置するサブ領域が地盤内に埋め込まれるように地盤工学的固定要素に取り付けられることが提案されている。これによって、スリーブ要素の気密性を特に高くすることができ、スリーブ要素と地盤工学的固定要素との間の隙間への湿気又は空気の侵入を防止できるため、防食機能が高められる。隙間への湿気の侵入を防止することによって、スリーブ要素と地盤工学的固定要素との間の接触腐食を回避できる。特に、地盤に埋め込まれるスリーブ要素の部分は、地盤工学的固定要素と一緒に地盤内にモルタル及び/又はコンクリートで固定される。特に、スリーブ要素のサブ領域は、非閉鎖端領域とともに地盤に埋め込まれている。特に、地盤工学的固定要素がスリーブ要素から突出しているスリーブ要素のサブ領域は、地盤に埋め込まれている。
【0029】
地盤工学的固定要素が固定された状態において、スリーブ要素の長手方向全長の少なくとも4分の1、好ましくは少なくとも3分の1、優先的には少なくとも50%、特に好ましくは最大で75%が地盤に埋め込まれるように配置されていれば、特に有益な防食効果を達成することができる。
【0030】
さらに、防食堤防安定化システムが提案されている。この防食堤防安定化システムは、地盤に固定された防食システムと、高張力鋼で作られる金網と、締め付け板と、ナットとを備え、締め付け板は、地盤工学的固定要素に螺合されており、地盤工学的固定要素は地盤に固定されているとともに、スリーブ要素を有しており、締め付け板が、スリーブ要素に螺合されたナットによって地盤工学的固定要素の長手方向に金網に押し付けられることによって、金網が少なくとも実質的に位置的に固定された状態で地盤に固定されている。これによって、腐食から保護され、及び/又は、長期間にわたる堤防の安定化を実現することが可能となっている。
【0031】
締め付け板、ナット及び金網の少なくとも何れか1つが、少なくともステンレス鋼の表面を有しているか、又は、全体がステンレス鋼で作られているかの少なくとも一方であり、地盤工学的固定要素が腐食の影響を受ける金属又は腐食の影響を受ける金属合金、特に建設用鋼で作られる場合、コスト効率の高い標準的な固定要素が使用されているにもかかわらず、堤防安定化システムの高い防食機能を達成することができる。
【0032】
これに加えて、腐食の影響を受ける金属又は腐食の影響を受ける金属合金、特に建設用鋼で作られる地盤工学的固定要素の防食固定方法が提案される。本方法では、少なくとも1つの方法ステップにおいて、少なくとも大部分が耐食性、好適には機械的安定性及び耐食性を備えた金属からなり、外ねじを備えているスリーブ要素が、地盤工学的固定要素の端領域に取り付けられ、少なくとも1つの別の方法ステップにおいて、スリーブ要素は、湿気を通さない状態で環境に対して閉鎖され、少なくとも1つの別の方法ステップにおいて、地盤工学的固定要素に取り付けられたスリーブ要素の少なくともサブ領域が地盤内に埋め込まれるように、特に、地盤内にモルタル固定されるように、地盤工学的固定要素が地盤内に配置される。これによって、高い防食機能を備えた、腐食の影響を受ける金属で作られる地盤工学的固定要素の設置が可能になる。
【0033】
さらに、スリーブ要素を溝管として形成することが特に提案される。代替的に、スリーブ要素を再成形によって、特に金型に対する押圧や、金型内への吹き込みによって形成することが提案されている。代替的に、スリーブ要素を深絞りによって形成することが提案されている。
【0034】
さらに、防食システムが、衝撃応力を含む静的負荷及び/又は動的負荷に対して使用されるように構成されることが特に提案される。防食システムの想定される例示的な用途としては、例えば岩石の安定化における岩用釘のアダプタとしての用途、例えば堤防の安定化における浮石固定のアダプタとしての用途、落石防止壁や歩道橋の基礎固定のアダプタとしての用途、鉱山用途、及び/又は、トンネル建設における固定アダプタとしての用途、屋根構造及び/又はガラス正面部における張力及び/又は接続要素のアダプタとしての用途等が挙げられる。
【0035】
本発明に係る防食装置、本発明に係る防食システム、本発明に係る防食堤防安定化システム及び本発明に係る方法は、上記の用途及び実施例に限定されない。特に、本明細書に記載の機能をもたらすために、本発明に係る防食装置、本発明に係る防食システム、本発明に係る防食堤防安定化システム及び本発明に係る方法は、本明細書に記載の数量とは異なる個別の要素、部品、方法ステップ及びユニットを含む場合もある。
【0036】
他の作用効果については、以下の図面の説明から理解される。図面には、本発明の例示的な実施形態が示されている。図面、説明及び特許請求の範囲には、複数の特徴が組み合わされて含まれている。当業者であれば、これらの特徴を目的に応じて個別に検討し、さらに適切な組み合わせを見つけることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】防食装置を有する防食システムを備えた防食堤防安定化システムの一部の概略図。
図2】防食装置のスリーブ要素の概略側面図。
図3】スリーブ要素の断面部の概略図。
図4】スリーブ要素の第1の側(下側)の概略斜視図。
図5】スリーブ要素の第2の側(上側)の概略斜視図。
図6】堤防安定化システムの地盤工学的固定要素に螺合された状態におけるスリーブ要素の一部を示す別の概略側面図。
図7】防食装置を有する防食システムを備えた堤防安定化システムの概略断面図。
図8】地盤工学的固定要素を腐食から保護して固定するための方法を示す概略フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1に、防食堤防安定化システム50の一部の概略図を示す。堤防安定化システム50は地盤46上に広がっている。堤防安定化システム50は、地盤46の環境を浸食から保護する。堤防安定化システム50は、金網52を備えている。金網52は高張力鋼線で作られる。金網52の高張力鋼線は、少なくとも800N/mm、好ましくは少なくとも1000N/mm、優先的には少なくとも1500N/mmの引張強度を有している。金網52の高張力鋼線は、最大3000N/mm、好ましくは最大2500N/mm、優先的には最大2000N/mmの引張強度を有している。金網52の表面はステンレス鋼である。金網52はステンレス鋼で作られる。金網52は、例えば堤防や岩壁等の地盤46の表面に2次元的に敷設されるように構成されている。
【0039】
堤防安定化システム50は、締め付け板54を備えている。締め付け板54は金網52の上に載置されている。締め付け板54は、金網52を地盤46上に留めるように構成されている。締め付け板54は、金網52を地盤46に押し付けるように構成されている。締め付け板54は、金網52の複数の網目72にまたがるように構成されている。例えば、締め付け板54は、金網52の複数の網目72に係合するように構成されたスパイク板として形成される。金網52の網目72と係合するために、スパイク板として形成された締め付け板54は、地盤46に向かって角度が付けられた複数の爪要素74を備えている。あるいは、締め付け板54は、爪要素74を有しない、少なくとも実質的に平面の板として構成してもよい。締め付け板54は高張力鋼で作られているが、高張力鋼ではない鋼で作られていてもよい。締め付け板54は一体的に構成されている。締め付け板54はステンレス鋼で作られる。締め付け板54は、堤防安定化システム50の少なくとも1つの地盤工学的固定要素12(図7も参照)を受容するための中央開口部76を有している。地盤工学的固定要素12は、腐食の影響を受ける金属又は腐食の影響を受ける金属合金で作られる。地盤工学的固定要素12は、建設用鋼で作られる。堤防安定化システム50はスリーブ要素14を備えている。スリーブ要素14は、地盤工学的固定要素12の端領域10において地盤工学的固定要素12上に配置される。
【0040】
堤防安定化システム50はナット30を備えている。ナット30は、締め付け板54を地盤46に押し付けられた状態に保持するように構成されている。ナット30はステンレス鋼で作られる。ナット30は、締め付け板54の中央開口部76にねじ込まれた地盤工学的固定要素12に螺合されており、より詳細には、地盤工学的固定要素12を包囲するスリーブ要素14に螺合されている。スリーブ要素14は、スリーブ要素14の外ねじ16に螺合しているナット30と地盤工学的固定要素12との間で力が伝達されるように設計されている。ナット30を螺合することによって、ナット30が締め付け板54に押し付けられ、これによって、締め付け板54は、地盤工学的固定要素12の長手方向80に沿って地盤46及び金網52に押し付けられる。上記の固定方法により、金網52はその位置が固定された状態で、地盤46に対して固定される。堤防安定化システム50は、堤防安定化システム50が設置された状態においてナット30と締め付け板54との間に配置される座金58を任意選択的に備えている。堤防安定化システム50は、防食システム42を備えている。防食システム42は地盤46に固定されている。防食システム42は、地盤工学的固定要素12に対する防食を行うように構成されている。防食システム42は、防食装置44を備えている。
【0041】
図2に、防食装置44の概略側面図を示す。防食装置44はスリーブ要素14を有している。防食装置44、特にスリーブ要素14は、地盤工学的固定要素12の防食アダプタを形成している。防食装置44、特にスリーブ要素14は、地盤工学的固定要素12の端領域10を腐食から保護するように構成されている。スリーブ要素14は、地盤工学的固定要素12の端領域10を、地盤工学的固定要素12の周方向に包囲するように構成されている。スリーブ要素14は、地盤工学的固定要素12の長手方向80における地盤工学的固定要素12の端領域10の周囲を封止するように構成されている。スリーブ要素14は、地盤工学的固定要素12の端領域10が、地盤工学的固定要素12の周方向において包囲されるように、地盤工学的固定要素12に対して取り付けられるように構成されている。スリーブ要素14は、地盤工学的固定要素12の端領域10が長手方向80において閉じられるように、地盤工学的固定要素12に対して取り付けられるように構成されている。スリーブ要素14は、スリーブ要素14の長手方向18において閉じているキャップとして具体化される。スリーブ要素14の前面60は、地盤工学的固定要素12に対する当接部を形成している。スリーブ要素14の長手方向18と地盤工学的固定要素12の長手方向80は、スリーブ要素14が取り付けられた状態において互いに平行である。
【0042】
スリーブ要素14は耐食性金属で作られる。スリーブ要素14はステンレス鋼で作られる。スリーブ要素14は、一体をなす実施構成によって構成されている。スリーブ要素14は一体構造として構成されている。スリーブ要素14は、地盤工学的固定要素12とは別に構成され、予め形成されている部品として構成されている。スリーブ要素14は外ねじ16を備えている。外ねじ16は、ナット30が螺合するように構成されている(図1を参照)。外ねじ16は、スリーブ要素14の長手方向全長78にわたって延びている。外ねじ16は、スリーブ要素14の長手方向全長78にわたって一定である。図2に例示的に示されるスリーブ要素14の長手方向長さ78は、700mmである。
【0043】
図3に、スリーブ要素14の断面部を概略的に示す。外ねじ16はねじピッチ28を有している。外ねじ16は、(丸みを帯びた)台形ねじとして具体化されている。外ねじ16は、5mmを超える並目ねじピッチ28を有するねじとして具体化されている。図3に例示するスリーブ要素14の場合、外ねじ16のねじピッチ28は約13mmである。スリーブ要素14は、別の外ねじを有していないことが好ましく、つまり、別の外ねじ巻回部を有していないことが好ましい。
【0044】
スリーブ要素14は内部空間32を備えている。スリーブ要素14は、内部が中空となるように構成されている(図4も参照)。スリーブ要素14は、スリーブ要素14の長手方向18の一方の側が閉じられたキャップとして構成されている(図5を参照)。スリーブ要素14は内ねじ20を有している。内ねじ20は、スリーブ要素14の内部空間32に配置されている。内ねじ20はねじピッチ28を有している。内ねじ20及び外ねじ16のねじピッチ28は同一である。内ねじ20は、(丸みを帯びた)台形ねじとして構成されている。(丸みを帯びた)台形ねじはねじ側部94、96を有しており、これらによって側部角度98が形成されている。側部角度98は約90°である。内ねじ20は、5mmを超える並目ねじピッチ28を有するねじとして構成されている。図3に例示するスリーブ要素14の場合、内ねじ20のねじピッチ28は約13mmである。スリーブ要素14は、別の内ねじを有していないことが好ましく、つまり、別の内ねじ巻回部を有していないことが好ましい。
【0045】
スリーブ要素14は壁厚38を有している。図3に示す例では、壁厚38は約1mmである。内ねじ20はねじ頂部22を有している。内ねじ20のねじ頂部22によって形成されるスリーブ要素14の最小内径86は、スリーブ要素14の壁厚38の30倍未満に相当する。例示している構成では、最小内径86は約25.6mmである。内ねじ20はねじ溝82を有している。内ねじ20はねじ深さ88を有している。内ねじ20のねじ深さ88は、壁厚38の4倍よりも大きい。内ねじ20のねじ深さ88は、壁厚38の10倍未満である。図3に示す例では、ねじ山の深さは約4.3mmである。
【0046】
外ねじ16はねじ頂部84を有している。外ねじ16のねじ頂部84によって形成されるスリーブ要素14の最大外径40は、スリーブ要素14の壁厚38の30倍以上に相当する。外ねじ16のねじ頂部84によって形成されるスリーブ要素14の最大外径40は、スリーブ要素14の壁厚38の40倍未満に相当する。例示している構成では、最大外径40は約31.9mmである。外ねじ16はねじ溝24を有している。外ねじ16はねじ深さ92を有している。外ねじ16のねじ深さ92は、壁厚38の4倍よりも大きい。外ねじ16のねじ深さ92は、壁厚38の10倍未満である。図3に示す例では、外ねじ16のねじ深さ92は約4.3mmである。内ねじ20及び外ねじ16のねじ深さ88、92は略同一である。スリーブ要素14の内ねじ20のねじ頂部22は、スリーブ要素14の外ねじ16のねじ溝24も同時に形成している。したがって、壁厚38は、スリーブ要素14の最大外径40の少なくとも2.5%に相当する。
【0047】
図6に、スリーブ要素14及び地盤工学的固定要素12の概略図を示す。地盤工学的固定要素12は、外ねじ90を備えている。スリーブ要素14は、地盤工学的固定要素12に取り付け可能である。スリーブ要素14は、地盤工学的固定要素12に螺合可能である。スリーブ要素14の内ねじ20は、地盤工学的固定要素12の外ねじ90に螺合可能である。スリーブ要素14は、工具を用いることなく地盤工学的固定要素12に螺合できる(図6には、螺合する方向及び螺合を外す方向が矢印100で示されている)。
【0048】
図7に、防食装置44を有する防食システム42を備えた堤防安定化システム50の概略断面図を示す。地盤工学的固定要素12、特に防食システム42は、地盤工学的固定要素12の長手方向18において地盤46に埋め込まれている。防食システム42は、地盤工学的固定要素12を備えている。防食システム42はスリーブ要素14を有している。スリーブ要素14は、地盤工学的固定要素12に取り付けられている。防食装置44は、スリーブ要素14と地盤工学的固定要素12との間の隙間62(図7の防食システム42の一部の拡大断面図を参照)が水密状態で環境66に対して封止されるように、地盤工学的固定要素12に取り付けられている。スリーブ要素14の内部空間32は、変形可能なシーリング材34で少なくとも部分的に充填されている。地盤工学的固定要素12と、地盤工学的固定要素12に螺合されたスリーブ要素14との間の防食システム42の隙間62には、変形可能なシーリング材34が充填されている。スリーブ要素14の内部空間32は、変形可能な接着材36で少なくとも部分的に充填されている。地盤工学的固定要素12と、地盤工学的固定要素12に螺合されたスリーブ要素14との間の防食システム42の隙間62には、変形可能な接着材36が充填されている。
【0049】
スリーブ要素14は、地盤工学的固定要素12が地盤46に固定されている状態(例えば、図1及び図7に示す状態)において、スリーブ要素14のサブ領域48も地盤46内に埋め込まれるように、地盤工学的固定要素12に取り付けられている。地盤工学的固定要素12はモルタル固定されている。地盤工学的固定要素12はモルタル108に包囲されている。スリーブ要素14は、地盤工学的固定要素12が地盤46に固定されている状態(例えば、図1及び図7に示す状態)において、スリーブ要素14のサブ領域48が地盤工学的固定要素12と一緒に地盤46内にモルタル固定されるように、地盤工学的固定要素12に取り付けられている。地盤工学的固定要素12が固定/モルタル固定された状態では、スリーブ要素14の全長78の少なくとも3分の1が地盤46に埋め込まれるように配置される。地盤工学的固定要素12が固定/モルタル固定された状態では、スリーブ要素14は、外側(地盤46の上側)に位置する地盤工学的固定要素12の端領域10から、内部(地盤の46の下側)に位置する地盤工学的固定要素12のサブ領域48まで延びている。サブ領域48では、スリーブ要素14はモルタル108に包囲されている。スリーブ要素14の開放側を確実に密閉するために(図4も参照)、地盤工学的固定要素12に螺合されたスリーブ要素14も、部分的に地盤46内にモルタル固定/埋め込みされる。
【0050】
図8に、腐食の影響を受ける金属又は腐食の影響を受ける金属合金で作られる地盤工学的固定要素12を腐食から保護して固定するための方法の概略フローチャートを示す。少なくとも1つの方法ステップ102では、固定掘削穴104が地盤46に掘削される。少なくとも1つの別の方法ステップ56では、少なくとも大部分が耐食性金属からなり、外ねじ16を備えているスリーブ要素14が、地盤工学的固定要素12の端領域10に取り付けられる。方法ステップ56では、スリーブ要素14が地盤工学的固定要素12の外ねじ90に螺合される。少なくとも1つの別の方法ステップ68では、地盤工学的固定要素12に取り付けられたスリーブ要素14の少なくともサブ領域48が地盤46に埋め込まれるように、地盤工学的固定要素12が地盤46内に配置される。方法ステップ68の少なくとも1つのサブステップ106では、地盤工学的固定要素12が固定掘削穴104に挿入される。地盤工学的固定要素12を固定掘削穴104に挿入する前又は後に、地盤46から突出している地盤工学的固定要素12の端領域10をスリーブ要素14が覆うように、スリーブ要素14が地盤工学的固定要素12に螺合される。地盤工学的固定要素12を固定掘削穴104に挿入する前又は後に、地盤工学的固定要素12が地盤46内の固定位置に到達したときにスリーブ要素14が固定掘削穴104内に部分的に延在するように、スリーブ要素14が地盤工学的固定要素12に螺合される。取り付けられた状態では、スリーブ要素14の長手方向全長78の少なくとも3分の1が固定掘削穴104内に位置する。地盤工学的固定要素12を固定掘削穴104内に挿入した後にスリーブ要素14を地盤工学的固定要素12に螺合する代わりに、固定掘削穴104の外側において、スリーブ要素14を地盤工学的固定要素12に予め取り付けておいてもよい。少なくとも1つの別の方法ステップ64において、スリーブ要素14は、湿気を通さない状態で環境66に対して閉鎖される。湿気を通さない閉鎖を達成するために、固定掘削穴104内に延在するスリーブ要素14のサブ領域48の少なくとも一部、特に、スリーブ要素14の、固定掘削穴104内に延在する部位全体が、地盤工学的固定要素12と一緒に、地盤46内、具体的には固定掘削穴104内においてモルタル固定される。少なくとも1つの別の方法ステップ110では、金網52及び/又は締め付け板54が地盤工学的固定要素12の上に配置される。少なくとも1つの別の方法ステップ112では、ナット30が、地盤工学的固定要素12の端領域10を包囲するスリーブ要素14に螺合される。方法ステップ112では、締め付け板54が地盤46及び/又は金網52に対してしっかりと押し付けられるように、ナット30がスリーブ要素14に螺合される。上記設置プロセスの完了後には、堤防安定化システム50の防食された要素、特に堤防安定化システム50のステンレス鋼で作られる要素のみが環境66、すなわち、堤防安定化システム50の周囲の大気に露出している。
【符号の説明】
【0051】
10 端領域
12 地盤工学的固定要素
14 スリーブ要素
16 外ねじ
18 長手方向
20 内ねじ
22 ねじ頂部
24 ねじ溝
28 ねじピッチ
30 ナット
32 内部空間
34 シーリング材
36 接着材
38 壁厚
40 外径
42 防食システム
44 防食装置
46 地盤
48 サブ領域
50 堤防安定化システム
52 金網
54 締め付け板
56 方法ステップ
58 座金
60 前面
62 隙間
64 方法ステップ
66 環境
68 方法ステップ
72 網目
74 爪要素
76 開口部
78 長手方向長さ
80 長手方向
82 ねじ溝
84 ねじ頂部
86 内径
88 ねじ深さ
90 外ねじ
92 ねじ深さ
94 ねじ側部
96 ねじ側部
98 側部角度
100 矢印
102 方法ステップ
104 固定掘削穴
106 サブステップ
108 モルタル
110 方法ステップ
112 方法ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】