(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】研磨性シリカ粒子
(51)【国際特許分類】
A61K 8/25 20060101AFI20231219BHJP
A61Q 11/00 20060101ALI20231219BHJP
C01B 33/18 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
A61K8/25
A61Q11/00
C01B33/18 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535400
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2023-08-07
(86)【国際出願番号】 GB2021053239
(87)【国際公開番号】W WO2022123263
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】311006250
【氏名又は名称】ピーキュー シリカス ユーケー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ステビング サイモン
(72)【発明者】
【氏名】グリーブス パム
(72)【発明者】
【氏名】マキューン イアン
(72)【発明者】
【氏名】ノック アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】シェンテュルク ウフク
【テーマコード(参考)】
4C083
4G072
【Fターム(参考)】
4C083AB171
4C083AB172
4C083AB242
4C083AB472
4C083AC132
4C083AC782
4C083AC862
4C083AD042
4C083AD272
4C083BB01
4C083BB55
4C083CC41
4C083DD22
4C083EE31
4G072AA25
4G072AA28
4G072BB05
4G072CC13
4G072DD03
4G072DD04
4G072GG01
4G072TT01
4G072TT02
4G072TT11
4G072TT30
4G072UU22
(57)【要約】
歯磨剤組成物における使用に適した研磨性シリカ粒子であって、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、かつ第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%である、研磨性シリカ粒子が記載される。かかる粒子を含む歯磨剤組成物、及びかかる粒子を作製する方法も記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯磨剤組成物における使用に適した研磨性シリカ粒子であって、前記粒子が、
前記研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、
前記研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子と、
を含み、
前記第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d
50)が、前記第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d
50)よりも小さく、前記第1の研磨性シリカの粒子のd
50値の15%~70%である、研磨性シリカ粒子。
【請求項2】
前記第2の研磨性シリカの粒子の吸油値が、前記第1の研磨性シリカの粒子の吸油値よりも小さく、前記第1の研磨性シリカの粒子の吸油値の30%~70%である、請求項1に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項3】
前記第2のシリカ粒子の重量メジアン粒子径(d
50)が、前記第1のシリカ粒子のd
50の15%~65%、任意に前記第1のシリカ粒子のd
50値の15%~55%である、請求項1又は請求項2に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項4】
前記第2のシリカ粒子の相対的象牙質摩耗(RDA)値が、前記第1のシリカ粒子のRDA値よりも大きい、請求項1~3のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項5】
前記第1のシリカ粒子が、前記第2のシリカ粒子のRDA値の10%~70%、任意に10%~50%、例えば15%~40%である相対的象牙質摩耗(RDA)値を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項6】
前記第1のシリカ粒子が、30~110のRDA値を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項7】
前記第2のシリカ粒子が、120~300のRDA値を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項8】
前記第2のシリカ粒子が、前記研磨性シリカ粒子の総重量に対して1重量%~10重量%、任意に前記研磨性シリカ粒子の総重量に対して2重量%~7重量%の量で存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項9】
前記第1の研磨性シリカが非晶質沈降シリカであり、及び/又は前記第2の研磨性シリカが非晶質沈降シリカである、請求項1~8のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項10】
前記第1のシリカ粒子のd
50が15μm以下、任意に5μm~15μm、任意に更には7μm~14μm、更に任意に更には8μm~13μmである、請求項1~9のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項11】
前記第1のシリカ粒子が、35μm以下、任意に25μm~35μmのd
90値を有し、前記第1のシリカ粒子に含まれる粒子の90重量%がd
90値よりも小さい直径を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項12】
前記第2のシリカ粒子のd
50が9μm以下、任意に1μm~9μm、任意に更には2μm~8μm、更に任意に更には2μm~6μmである、請求項1~11のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項13】
前記第2のシリカ粒子が、25μm以下、任意に20μm以下、任意に更には3μm~25μm、更に任意に更には3μm~20μmのd
90値を有し、前記第2のシリカ粒子に含まれる粒子の90重量%がd
90値よりも小さい直径を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項14】
前記第1のシリカ粒子が、5μm~15μmのd
50値、及び25μm~35μmのd
90値を有し、第1のシリカに含まれる粒子の90重量%はd
90値よりも小さい直径を有し、
前記第2のシリカ粒子が、2μm~6μmのd
50値、及び3μm~25μmのd
90値を有する、請求項13に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項15】
前記第2のシリカ粒子が、120g/100g以下、任意に85g/100g以下の吸油値を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項16】
前記第1の研磨性シリカ粒子が、150g/100g以下の吸油値を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項17】
前記第1のシリカ粒子が、2~8のプラスチック摩耗値(PAV)を有し、前記第1のシリカ粒子のPAVが、前記第2のシリカ粒子のPAVよりも小さい、請求項1~16のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項18】
前記第2のシリカ粒子が、7~50のプラスチック摩耗値(PAV)を有し、前記第2のシリカ粒子のPAVが、前記第1のシリカ粒子のPAVよりも大きい、請求項1~17のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項19】
前記研磨性粒子が、第3の研磨性シリカの粒子を更に含み、前記第3のシリカの粒子の重量メジアン粒子径(d
50)が、前記第1のシリカ粒子のd
50よりも小さく、前記第1のシリカ粒子のd
50の15%~70%であり、前記第2のシリカの粒子及び第3のシリカの粒子の合計重量が、前記研磨性シリカ粒子の総重量に対して10重量%を超えない、請求項1~18のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項20】
前記第1のシリカ粒子及び前記第2のシリカ粒子と、任意に請求項19に記載の第3のシリカ粒子とのみから実質的になり、あるいは、前記第1のシリカ粒子及び前記第2のシリカ粒子と、任意に請求項19に記載の第3のシリカ粒子とのみからなっていてもよい、請求項1~19のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項21】
前記研磨性シリカ粒子の吸油値が、150g/100g以下である、請求項1~20のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項22】
前記研磨性シリカ粒子が、150以下のRDA、任意に120以下のRDA、任意に100以下のRDAを有し、及び/又は前記研磨性シリカ粒子が30以上のRDAを有する、請求項1~21のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項23】
前記研磨性シリカ粒子が、40~100、任意に50~95、任意に更には60~95のFT
100クリーニング値を有する、請求項1~22のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子。
【請求項24】
歯磨剤に使用される組成物であって、請求項1~23のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子と、任意に担体とを含む、組成物。
【請求項25】
請求項1~23のいずれか一項に記載されていないシリカ粒子を更に含み、任意に、該シリカ粒子が増粘剤である、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
1つ以上の界面活性剤を更に含む、請求項24又は25に記載の組成物。
【請求項27】
請求項1~23のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子、又は請求項24~26のいずれか一項に記載の組成物を含む、歯磨剤。
【請求項28】
前記歯磨剤がペーストである、請求項27に記載の歯磨剤。
【請求項29】
0.1重量%~50重量%の請求項1~23のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子又は請求項24~26のいずれか一項に記載の組成物を含み、任意に、1重量%~30重量%の請求項1~23のいずれか一項に記載の研磨性シリカ又は請求項24~26のいずれか一項に記載の組成物を含む、請求項27又は請求項28に記載の歯磨剤。
【請求項30】
歯磨剤組成物において使用される研磨性シリカ粒子を作製する方法であって、
第1の研磨性シリカの粒子と第2の研磨性シリカの粒子とを組み合わせて、研磨性シリカ粒子を提供することを含み、
前記第1の研磨性シリカの粒子は、前記研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量で存在し、前記第2の研磨性シリカの粒子は、前記研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大で10重量%の量で存在し、かつ、
前記第2の研磨性シリカの重量メジアン粒子径(d
50)が、前記第1の研磨性シリカよりも小さく、前記第1のシリカ粒子のd
50値の15%~70%である、方法。
【請求項31】
前記組み合わせる工程が、前記第1の研磨性シリカの粒子と前記第2の研磨性シリカの粒子、また第3の研磨性シリカの粒子を組み合わせて、前記研磨性シリカ粒子を提供することを含み、
前記第3の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径d
50が、前記第1の研磨性シリカ粒子よりも小さく、前記第1の研磨性シリカ粒子の重量メジアン粒子径d
50の15%~70%であり、前記第2の研磨性シリカの粒子及び第3の研磨性シリカの粒子の合計重量が、前記研磨性シリカ粒子の総重量に対して10重量%を超えない、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記組み合わせることが、前記研磨性シリカ粒子を混合することを含み、任意に、前記混合することが、前記研磨性シリカ粒子の均質な混合物を提供する、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
前記方法が、請求項1~23のいずれか一項に記載の研磨性シリカ粒子を調製する方法である、請求項30~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
請求項30~33のいずれか一項に記載の方法に従って作製された研磨性シリカ粒子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯磨剤用途に使用する研磨性シリカ粒子に関し、特に、第1の研磨性シリカの粒子と、第2の研磨性シリカの粒子とを含むシリカ組成物に関する。第1の研磨性シリカと第2の研磨性シリカとは異なる。本明細書に記載の研磨性シリカ粒子は、練り歯磨き等の歯磨剤組成物に組み込まれると、望ましいクリーニング特性及び研磨特性を提供する。
【背景技術】
【0002】
歯磨剤は、口腔衛生に用いられ、特に歯のクリーニングに用いられる。研磨性シリカは、歯の表面へのクリーニングを提供するための主要なクリーニング剤として、歯磨製剤、特に練り歯磨きにおいて提供されてきた。クリーニングは、歯の表面から食べかす、歯垢、ステイン、細菌/バイオフィルム等の完全又は部分的な除去が含む場合がある。非研磨性シリカであってもよい増粘剤も、歯磨製剤において提供され得る。
【0003】
シリカの研磨性とクリーニング特性を提供するその能力には関連がある。一般論として、研磨性の高いシリカは、研磨性の低いシリカよりも高いクリーニング度を発揮する傾向がある。しかしながら、研磨性の高いシリカは、研磨性の低いシリカよりも、歯の表面を傷つけやすい可能性もある。したがって、練り歯磨き、ゲル、又は粉末を含む歯磨剤製品が、研磨剤による歯の損傷を最小限に抑えながら、使用者の歯の表面の効果的なクリーニングを提供するように、歯磨剤の当業者は研磨性とクリーニングとの間のバランスを取る必要がある。
【0004】
第1の「バルク」研磨性シリカを、比較的少量の第2の研磨性シリカと共に含む歯磨剤組成物(例えば、練り歯磨き)が知られている。典型的には、2つのシリカが、シリカの組合せを含む歯磨剤組成物の特性、例えばクリーニング特性を修正するために使用される。市販の歯磨剤では、許容可能なクリーニング特性と許容可能な摩耗特性とを兼ね備えるために、20重量%以上程度の第2の研磨性シリカと、通常最大80重量%程度までの第1の「バルク」研磨性シリカとを含む研磨性シリカ粒子を提供することが従来から行われている。通常、かかる第2のシリカは、微粉砕/高粉砕のシリカ粒子を含み得る。かかる第2のシリカはまた、典型的には、第1の「バルク」シリカよりも研磨性が高い。その結果、研磨性シリカ粒子(第1の「バルク」シリカとより少ない量の第2のシリカとを含む)は、従来、歯磨剤の総重量に対して10重量%~20重量%程度の量で歯磨剤に組み込まれている。
【0005】
歯磨剤に使用するためのシリカゲル研磨剤及び/又は沈降シリカを含む研磨性シリカ組成物が、特許文献1、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4に記載されている。特許文献5は、結晶性アルミノシリケートと、少なくとも1つの(任意に2つの)研磨性非晶質シリカとを含む研磨剤系を記載する。これらの文献は、研磨性シリカ粒子/研磨性シリカ粒子を含む研磨剤系を記載し、第2のシリカは、研磨性シリカ粒子中に、研磨性シリカ組成物全体の10重量%を超える量で提供されることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6896876号
【特許文献2】米国特許出願公開第2001/0055572号
【特許文献3】米国特許第5651958号
【特許文献4】米国特許第5658553号
【特許文献5】国際公開第2005/065634号
【発明の概要】
【0007】
本発明は、第1の「バルク」研磨性シリカと、第2の研磨性シリカとを含む歯磨剤組成物に対して特に適用があり、第2の研磨性シリカは、第1のシリカを単独で含む歯磨剤と比較して歯磨剤の性能を向上させるために使用される。
【0008】
研磨性シリカ粒子及び研磨性シリカ組成物が記載され、これらは、歯磨剤に使用することが許容可能な望ましいクリーニング性能を提供する。本発明者らは、第2の研磨性シリカに対するそれぞれの第1の「バルク」研磨性シリカの特定の特徴的な特性を注意深く制御することにより、当該技術分野で従来提案されている量よりもかなり少ない量の第2の研磨性シリカを使用しながら、比較用混合シリカ歯磨剤組成物と比べて望ましいクリーニング性能及び研磨特性を示す研磨性シリカ粒子又は研磨性シリカ組成物を提供できることを発見した。例に記載するように、本発明のシリカ及び歯磨剤組成物は、第1の「バルク」研磨性シリカに比べて少ない量(しばしば10重量%よりはるかに少ない量、例えば場合によっては重量1%と少ない量)しか第2の研磨性シリカを含まないにもかかわらず、驚くほど効果的なクリーニング特性及び研磨特性を提供する。言い換えれば、それぞれの第1の「バルク」研磨性シリカ及び第2の研磨性シリカの特定のパラメータを注意深く制御することにより、従来有効であると考えられていた量よりもかなり少ない量で第2の研磨性シリカを、シリカのクリーニング特性に対する予想される有害な効果を伴わずに提供することができることを本発明者らは発見した。
【0009】
この予想外の利点は、かかる商業用途における第2の研磨性シリカは、少なからず、第1の「バルク」研磨性シリカと比較して、より研磨性が高く、より小さな平均粒度を有することが一般的に望まれることから、工業用歯磨剤用途において明確な技術的及び商業的利点を有する。そのため、これは典型的なバルクの歯磨剤シリカと比較して、より製造が難しく、エネルギーが必要で、時間がかかる傾向がある。このように、通常のシリカ原料からかかるシリカを生成するためには、より大規模な粉砕及び加工が必要となるため、通常、第2の研磨性シリカは、組合せにおいてより価値の高いシリカ成分である。したがって、本明細書に記載の実施の形態は、望ましいクリーニング/研磨性能を与えることができる一方で、有利には、貴重でエネルギー集約的なシリカ原料の必要量を少なくすることができる。結局のところ、これは、本明細書の組成物の製造方法は、従来の歯磨剤用途のマルチシリカ粒子と比較して、エネルギー消費が少ないということである。さらに、第2の研磨性シリカの必要量が少なければ、クリーニング性能に大きな影響を与えることなく、研磨の低減に有益な効果をもたらすことができる。
【0010】
特に、第2の研磨性シリカと第1の「バルク」研磨性シリカとの相対的な粒度比を注意深く制御すること(及び任意に、第1の「バルク」研磨性シリカに対する第2の研磨性シリカの研磨性を更に制御すること)、及び/又は、第2の研磨性シリカ及び第1の「バルク」研磨性シリカの吸油値を注意深く制御することにより、上述の有益なクリーニング性能を提供することが可能である。
【0011】
本発明の第1の態様において、歯磨剤組成物における使用に適した研磨性シリカ粒子が提供される。粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含む。第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%である。
【0012】
本明細書に開示されるデータから明らかなように、第1のシリカに対する第2の研磨性シリカのそれぞれのパラメータを制御することにより、驚くべきことに、第1のシリカに対して相対的に少ない量の第2の研磨性シリカを、クリーニング性能を損なうことなく使用することができることが判明した。
【0013】
本発明の第2の態様において、歯磨剤に使用される組成物であって、本発明の第1の態様による研磨性シリカ粒子と任意に担体とを含む、組成物が提供される。
【0014】
本発明の第3の態様において、本発明の第1の態様による研磨性シリカ粒子、又は本発明の第2の態様による組成物を含む歯磨剤が提供される。
【0015】
本発明の第4の態様において、歯磨剤組成物における使用に適した研磨性シリカ粒子を作製する方法であって、第1の研磨性シリカの粒子と第2の研磨性シリカの粒子とを組み合わせて、研磨性シリカ粒子を提供することを含む、方法が提供される。第1の研磨性シリカの粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量で存在する。第2の研磨性シリカの粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大で10重量%の量で存在する。第2の研磨性シリカの重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1のシリカ粒子のd50値の15%~70%である。
【0016】
本発明の第5の態様において、本発明の第4の態様による方法に従って調製された研磨性シリカ粒子が提供される。研磨性シリカ粒子は、本発明の第1の態様により記載されるものであり得る。
【0017】
ここで、本発明は、例にすぎないが、添付の図面を参照しながら記述される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】100回のブラシストロークでのタンニン酸第二鉄クリーニング試験(FT
100)により決定した、本明細書に記載の例1~例31のクリーニング性能を示すグラフである。
【
図2】本明細書に記載の例1~例31について、プラスチック摩耗値(PAV)に対するFT
100のクリーニング性能を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明による研磨性シリカ粒子は、歯磨剤組成物における使用に非常に適している。
【0020】
本明細書において別段の記載がない限り、本発明による「研磨性シリカ粒子」への言及、及びかかる粒子の特性(例えば、PAV若しくはRDAのパラメータ、又は吸油の特徴、又はFT100クリーニング値によって記載される研磨特性)への言及は、記載される研磨性シリカ粒子の全集合を指すことが意図される。研磨性粒子の特定の亜集団及びかかる亜集団の粒子の特性に言及することが意図される場合、例えば、本文が第1の、第2の及び/又は更なる研磨性シリカに言及する場合、本明細書ではこれを記載する。
【0021】
本明細書において、「第1の(又は第2の、又は第3の、又は更なる)研磨性シリカ」、「第1の(又は第2の、又は第3の、又は更なる)シリカ」、及び「第1の(又は第2の、又は第3の、又は更なる)シリカ粒子」という句は、同じ意味で使用されている。当業者は、これらの用語が、本発明による研磨性シリカ粒子の集団内に(すなわち、亜集団として)含まれる第1又は第2の(及び任意に第3の又は更なる)シリカの粒子を指すことを理解するであろう。「更なる」研磨性シリカの粒子は、第4、第5、第6等の研磨性シリカであってもよい。
【0022】
本明細書に記載の第1の(又は第2の、又は第3の、又は更なる)研磨性シリカの粒子は、適量の水を含み得ることができることが理解される。典型的な実施形態において、研磨性シリカ(第1/第2/第3の研磨性シリカ)は、それぞれ独立して、8重量%以下の水、任意に6重量%以下の水を含み得る。本明細書で言及される重量%は、特に指定がない限り、総重量基準を意味する。代替的に、重量%は、研磨性シリカ(第1/第2/第3の研磨性シリカ)の乾燥重量基準で計算され得ることが理解される。
【0023】
本開示において、第1、第2、任意に第3の(任意に別の更なる、例えば第4等の)研磨性シリカへの言及は、本発明の研磨性シリカ粒子の集団内に含まれる異なる研磨性シリカを指すことが意図される。当業者は、異なるシリカが異なる特徴(例えば、化学的特徴又は物理的特徴)を有し得ることを理解し、本発明で使用するのに適したシリカを容易に提案することができるであろう。シリカは、例えば、細孔特性、表面積、硬度、及び/又は酸性度が異なる場合がある。異なるシリカは、例えば、異なる合成方法によって調製され得る。当業者であれば、本発明における使用に極めて適した第1、第2、任意に第3の、任意に別の更なる(例えば第4の)研磨性シリカを、例えば市販のシリカから容易に選択することができるであろう。当業者は、更に、当業者に知られている日常的な方法を用いて、本発明において使用される第1の、第2の、任意に第3の、及び任意に別の更なる(例えば第4の)研磨性シリカを調製することができるであろう。
【0024】
第1及び第2の(任意に第3の、任意に更なる、例えば第4の)シリカ粒子は、任意の適切なタイプの研磨性シリカから選択することができるが、ただし、かかるシリカは、本明細書で定義するような粒子特性を有する。実施形態において、第1、第2の(及び任意に第3の、及び任意に更なる、例えば第4の)研磨性シリカは、沈降シリカ及びシリカゲルから選択され得る。典型的には、少なくとも第1のシリカは沈降シリカとなり、実施形態において、第1及び第2の(及び任意に第3の、及び任意に更なる)シリカは、沈降シリカから選択される。沈降シリカは、典型的には非晶質であることが理解される。第1のシリカは、研磨性シリカゲルであってもよく、実施形態において、第2の(及び任意に第3の、及び任意に更なる)シリカは、研磨性シリカゲル、及び沈降シリカから選択される。
【0025】
実質的に、本請求項は、2つ(又は任意に3つ、又は任意により多くの、例えば4つ、5つ等)の異なる研磨性シリカの亜集団の組合せを含む研磨性シリカ粒子(すなわち研磨性シリカ粒子の集団)を記載し、第1及び第2の(及び任意に第3の、任意に別の更なる、例えば第4の)研磨性シリカの特定の相対粒子特性(例えば重量メジアン粒度d50)を制御すると本明細書に記載の利益が得られることが確認された。
【0026】
本発明によれば、第1の研磨性シリカの粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%で提供され、したがって、本明細書では、第1の「バルク」シリカ、又は第1の「バルク」シリカ粒子、又は第1の「バルク」研磨性シリカ、又は第1の「バルク」研磨性シリカの粒子と記載することがある。第2の研磨性シリカの粒子は、研磨性シリカ粒子の全体の総重量に対して微量成分であり、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%、例えば最大7重量%の量で提供される。
【0027】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して0.05重量%~10重量%、例えば1重量%~10重量%の量で第2のシリカ粒子を含み得る。研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して2重量%~7重量%、任意に、研磨性シリカ粒子の総重量に対して3重量%~5重量%(例えば4重量%程度)の量の第2のシリカ粒子を含み得る。
【0028】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、第3の研磨性シリカの粒子を更に含み、第2の研磨性シリカ及び第3の研磨性シリカの粒子の総合計重量は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して10重量%を超えない。したがって、第2の研磨性シリカの粒子及び第3の研磨性シリカの粒子は、研磨性シリカ粒子の全体の総重量に対して微量成分であり、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量で提供される。
【0029】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して0.05重量%~10重量%、例えば1重量%~10重量%の総合計量で第2のシリカ粒子及び第3のシリカ粒子を含み得る。研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して1重量%~10重量%、任意に2重量%~7重量%、任意に研磨性シリカ粒子の総重量に対して3重量%~5重量%の総合計量で第2のシリカ粒子及び第3のシリカ粒子を含み得る。
【0030】
実施形態において、第1の研磨性シリカは非晶質沈降シリカであり、及び/又は第2の研磨性シリカは非晶質沈降シリカであり、及び/又は任意の第3の及び/又は任意に別の更なる(例えば第4の)研磨性シリカは非晶質沈降シリカである。第1の研磨性シリカは、非晶質沈降シリカであってもよい。第2の研磨性シリカは、非晶質沈降シリカであってもよい。任意の第3の研磨性シリカは、非晶質沈降シリカであってもよい。実施形態において、各(例えば、第1、第2及び第3の)研磨性シリカは、非晶質沈降シリカであってもよい。
【0031】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、第1及び第2のシリカ粒子と、任意に第3のシリカ粒子とのみから実質的になる。本明細書で使用される場合、「~のみから実質的になる」とは、他の成分を実質的に含まないことを意味し、例えば、実施形態において、研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の全体重量に対して少なくとも95重量%、任意に少なくとも98重量%、任意に更には少なくとも99重量%の量の第1のシリカ粒子及び第2のシリカ粒子と、任意に第3の(及び任意に更になる、例えば第4の)シリカ粒子を含み得る。実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、第1のシリカ粒子及び第2のシリカ粒子と、任意に第3の(及び任意に更なる、例えば第4の)シリカ粒子のみからなり、例えば、かかる粒子は研磨性シリカ粒子の100重量%を占める場合もあり得る。
【0032】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して1重量%~10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、かつ第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%である。
【0033】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して2重量%~7重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、かつ第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%である。
【0034】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して3重量%~5重量%(例えば、4重量%程度)の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、かつ第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%である。
【0035】
粒度
粒子の大きさは、重量メジアン粒子径(d50)により特徴付けられ得る。これは、粒子集団(例えば、第1の研磨性シリカの粒子等の研磨性シリカ)に含まれる粒子の50重量%が、d50値以下の粒子の直径を有することを指す。特定の直径以下を有する粒子の割合を定義することにより、粒子の所与の集団の粒度分布の更なる特徴付けを提供することができる。例えば、d90とは、粒子集団(例えば、第1の研磨性シリカの粒子等の研磨性シリカ)に含まれる粒子の90重量%が、d90値以下の粒子の直径を有することを指す。例えば、d10とは、粒子集団(例えば、第1の研磨性シリカの粒子等の研磨性シリカ)に含まれる粒子の10重量%が、d10値以下の直径を有することを指す。
【0036】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、5μm以上、好ましくは9μm以上の重量メジアン粒子径(d50)値を有する。研磨性シリカ粒子は、15μm以下、好ましくは12μm以下のd50値を有し得る。本発明による研磨性シリカ粒子は、5μm~15μm、任意に9μm~12μm(例えば、10μm程度、11μm程度)の重量メジアン粒子径(d50)値を有する。
【0037】
研磨性シリカ粒子は、25μm以上のd90値を有し得る(この場合、研磨性シリカ粒子に含まれる粒子の90重量%がd90値未満の直径を有する)。研磨性シリカ粒子は、35μm以下のd90値を有し得る。本発明による研磨性シリカ粒子は、25μm~35μm、任意に30μm~34μm(例えば、31μm程度、32μm程度)のd50値を有する。
【0038】
研磨性シリカ粒子は、2μm以上のd10値を有し得る(この場合、研磨性シリカ粒子に含まれる粒子の10重量%がd10値未満の直径を有する)。研磨性シリカ粒子は、4μm以下のd10値を有し得る。本発明による研磨性シリカ粒子は、2μm~4μm(例えば、3μm程度)のd10値を有する。
【0039】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2のシリカ粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1のシリカ粒子のd50の15%~65%、任意に第1のシリカ粒子のd50値の15%~55%である。実施形態において、第2のシリカ粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1のシリカ粒子のd50の15%~50%、任意に第1のシリカ粒子のd50値の20%~50%である。
【0040】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2のシリカ粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1のシリカ粒子のd50の15%~25%、任意に第1のシリカ粒子のd50値の18%~23%(例えば、20%程度、21%程度、22%程度)である。
【0041】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2のシリカ粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1のシリカ粒子のd50の25%~40%(例えば、35%程度、36%程度)、任意に第1のシリカ粒子のd50値の30%~35%(例えば、31%程度、32%程度、33%程度)である。
【0042】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2のシリカ粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1のシリカ粒子のd50の40%~55%、任意に第1のシリカ粒子のd50値の40%~50%(例えば、44%程度、45%程度、46%程度、47%程度)である。
【0043】
実施形態において、第1の研磨性シリカの粒子のd50は、15μm未満、任意に13μm未満、任意に更には12μm未満であり得る。第1の研磨性シリカの粒子のd50は、一般に5μm以上、任意に7μm以上、任意に更には9μm以上である。第1の研磨性シリカの粒子のd50は、例えば、5μm~15μm、任意に7μm~14μm、任意に更には8μm~13μm、更に任意に更には9μm~12μmであり得る。実施形態において、第1の研磨性シリカの粒子のd50は、10μm~12μm(例えば、約10μm、約11μm、約12μm)である。
【0044】
第1の研磨性シリカの粒子は、35μm以下のd90値を有し得て、この場合、第1のシリカ粒子に含まれる粒子の90重量%がd90値未満の直径を有する。第1の研磨性シリカの粒子のd90は、一般に20μm以上、任意に23μm以上、任意に更には25μm以上である。第1の研磨性シリカの粒子のd90は、25μm~35μm、任意に27μm~33μm、任意に更には28μm~32μmであり得る。
【0045】
第1の研磨性シリカの粒子は、4μm以下のd10値を有し得て、この場合、第1のシリカ粒子に含まれる粒子の10重量%がd10値未満の直径を有する。第1の研磨性シリカの粒子のd10は、一般に、1μm以上、任意に2μm以上であり得る。第1の研磨性シリカの粒子のd10は、1μm~4μm、任意に1.5μm~3.5μm、任意に更には2μm~3.5μm、又は2μm~4μmであり得る。
【0046】
実施形態において、第2の研磨性シリカの粒子のd50は、9μm以下、任意に8.5μm以下、任意に更には8μm以下である。第2の研磨性シリカの粒子のd50は、0.5μm以上、任意に1μm以上、任意に更には1.5μm以上、更に任意に更には2μm以上であり得る。実施形態において、第2の研磨性シリカの粒子のd50は、1μm~9μm、任意に1.5μm~8.5μm、任意に更には2μm~8μm、更に任意に更には2μm~7μmである。実施形態において、第2の研磨性シリカの粒子のd50は、2μm~6μm、任意に更には2μm~5μmである。
【0047】
第2の研磨性シリカの粒子は、25μm以下、任意に20μm以下のd90値を有し得て、この場合、第2の研磨性シリカの粒子に含まれる粒子の90重量%がd90値未満の直径を有する。第2の研磨性シリカの粒子のd90は、2μm以上、任意に2.5μm以上、任意に更には3μm以上、更に任意に更には3.5μm以上であり得る。第2の研磨性シリカの粒子のd90は、3μm~25μm、任意に3μm~20μm、任意に更には3μm~15μm、更に任意に更には3μm~13μmであり得る。
【0048】
第2の研磨性シリカの粒子は、5μm以下、任意に4μm以下、任意に更には3μm、任意に更には2.5μm以下のd10値を有し得て、この場合、第2の研磨性シリカの粒子に含まれる粒子の10重量%がd10値未満の直径を有する。第2の研磨性シリカの粒子のd10は、0.5μm以上、任意に1μm以上であり得る。第2の研磨性シリカの粒子のd10は、0.5μm~5μm、任意に0.5μm~4μm、任意に更には1μm~3μm、更に任意に更には1μm~2.5μmであり得る。
【0049】
実施形態において、研磨性シリカ粒子は、5μm~15μmのd50値及び25μm~35μmのd90値を有する(この場合、第1のシリカに含まれる粒子の90重量%がd90値未満の直径を有する)第1のシリカ粒子と、2μm~6μmのd50値及び3μm~25μmのd90値を有する第2のシリカ粒子とを含む。
【0050】
実施形態において、本発明の研磨性シリカ粒子は、任意に、第3の、任意に別の更なる(例えば第4、第5等の)研磨性シリカの粒子を更に含む。任意の第3の研磨性シリカの粒子は、第2の研磨性シリカに関して上記で概説したd10、d50及びd90の値に従うd10、d50及びd90を有し得る。任意の第3の研磨性シリカの粒子は、上述した第2の研磨性シリカと第1の研磨性シリカのd50の関係に従う、第1の研磨性シリカとのd50の関係を有し得る。
【0051】
実施形態において、本発明の研磨性シリカ粒子は、第3の研磨性シリカの粒子を更に含み、第3のシリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1のシリカ粒子のd50よりも小さく、第1のシリカ粒子のd50の15%~70%であり、第2の研磨性シリカ及び第3の研磨性シリカの粒子の合計重量は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して10重量%を超えない。
【0052】
幾つかの実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%であり、第1のシリカ粒子は、5μm~15μmのd50値を有し、第2のシリカ粒子は、1μm~9μmのd50値を有する。
【0053】
幾つかの実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~25%(例えば、20%程度、21%程度)であり、第1のシリカ粒子は、10μm~12μm(好ましくは11μm程度)のd50値を有し、第2のシリカ粒子は、1μm~3μm(好ましくは2μm程度)のd50値を有する。
【0054】
幾つかの実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の25%~40%(例えば、33%程度、34%程度、35%程度、36%程度)であり、第1のシリカ粒子は、10μm~12μm(好ましくは11μm程度)のd50値を有し、第2のシリカ粒子は、3μm~5μm(好ましくは4μm程度)のd50値を有する。
【0055】
幾つかの実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の40%~55%(例えば、44%程度、45%程度、46%程度、47%程度、48%程度、49%程度、50%程度)であり、第1のシリカ粒子は、10μm~12μm(好ましくは11μm程度)のd50値を有し、第2のシリカ粒子は、4μm~6μm(好ましくは5μm程度)のd50値を有する。
【0056】
幾つかの実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%であり、第1のシリカ粒子は、5μm~15μmのd50値及び25μm~35μmのd90値を有し、第2のシリカ粒子は、1μm~9μmのd50値及び3μm~25μmのd90値を有する。
【0057】
幾つかの実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~25%(例えば、20%程度、21%程度)であり、第1のシリカ粒子は、10μm~12μm(好ましくは11μm程度)のd50値及び30μm~32μm(好ましくは31μm程度)のd90値を有し、第2のシリカ粒子は、1μm~3μm(好ましくは2μm程度)のd50値及び3μm~5μm(好ましくは4μm程度)のd90値を有する。
【0058】
幾つかの実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の25%~35%(例えば、32%程度、33%程度、34%程度)であり、第1のシリカ粒子は、10μm~12μm(好ましくは11μm程度)のd50値及び30μm~32μm(好ましくは31μm程度)のd90値を有し、第2のシリカ粒子は、3μm~5μm(好ましくは4μm程度)のd50値及び6μm~8μm(好ましくは7μm程度)のd90値を有する。
【0059】
幾つかの実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の40%~50%(例えば、43%程度、44%程度、45%程度)であり、第1のシリカ粒子は、10μm~12μm(好ましくは11μm程度)のd50値及び30μm~32μm(好ましくは31μm程度)のd90値を有し、第2のシリカ粒子は、4μm~6μm(好ましくは5μm程度)のd50値及び12μm~14μm(好ましくは13μm程度)のd90値を有する。
【0060】
幾つかの実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~25%(例えば、21%程度、22%程度)であり、第1のシリカ粒子は、10μm~12μm(好ましくは11μm程度)のd50値及び28μm~30μm(好ましくは29μm程度)のd90値を有し、第2のシリカ粒子は、1μm~3μm(好ましくは2μm程度)のd50値及び3μm~5μm(好ましくは4μm程度)のd90値を有する。
【0061】
幾つかの実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の30%~40%(例えば、35%程度、36%程度、37%程度)であり、第1のシリカ粒子は、10μm~12μm(好ましくは11μm程度)のd50値及び28μm~30μm(好ましくは29μm程度)のd90値を有し、第2のシリカ粒子は、3μm~5μm(好ましくは4μm程度)のd50値及び6μm~8μm(好ましくは7μm程度)のd90値を有する。
【0062】
幾つかの実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の40%~55%(例えば、47%程度、48%程度、49%程度、50%程度)であり、第1のシリカ粒子は、10μm~12μm(好ましくは11μm程度)のd50値及び28μm~30μm(好ましくは29μm程度)のd90値を有し、第2のシリカ粒子は、4μm~6μm(好ましくは5μm程度)のd50値及び12μm~14μm(好ましくは13μm程度)のd90値を有する。
【0063】
幾つかの実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%であり、第1のシリカ粒子は、5μm~15μmのd50値、及び25μm~35μmのd90値、及び75g/100g~150g/100gの吸油値を有し、第2のシリカ粒子は、1μm~9μmのd50値、及び3μm~25μmのd90値、及び30g/100g~120g/100gの吸油値を有する。
【0064】
研磨性
本明細書に開示される発明の態様による歯磨剤組成物における使用に適した研磨性シリカ粒子(すなわち、全体としての研磨性シリカ粒子の集団)は、150以下、任意に120以下、任意に更には100以下の相対的象牙質摩耗(RDA:Relative Dentine Abrasion)値を有し得る。研磨性シリカ粒子は、30以上、任意に40以上のRDA値、好ましくは45以上のRDAを有し得る。実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、30~150、任意に30~120、任意に更には40~100、例えば45~80のRDAを有し得る。
【0065】
第1のシリカ粒子のRDAは、典型的には、第2のシリカ粒子のRDAよりも小さい。言い換えれば、第2のシリカ粒子は、典型的には、第1のシリカ粒子のRDAよりも大きいRDAを有する。任意の第3のシリカ粒子、及び任意の別の更なる(例えば第4の)シリカ粒子も、典型的には、第1のシリカ粒子のRDAよりも大きいRDAを有する。
【0066】
実施形態において、研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、かつ第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%であり、第2のシリカ粒子は、第1のシリカ粒子のRDAよりも大きいRDAを有する。
【0067】
実施形態において、第1のシリカ粒子は、第2のシリカ粒子のRDA値の10%~70%、任意に10%~50%、任意に更には15%~40%、例えば15%~35%である相対的象牙質摩耗(RDA)値を有する。
【0068】
実施形態において、第1のシリカ粒子は、110以下、任意に105以下のRDA値を有する。実施形態において、第1のシリカ粒子は、30以上、任意に40以上のRDA値、及び任意に更には50以上のRDAを有する。実施形態において、第1のシリカ粒子は、30~110、任意に40~80、任意に更には50~60(例えば50~55)のRDA値を有する。
【0069】
実施形態において、第2のシリカ粒子は、350以下、好ましくは300以下、より好ましくは250以下のRDA値を有する。実施形態において、第2のシリカ粒子は、200以下のRDA値を有する。第2のシリカ粒子は、120以上、任意に130以上のRDA値、好ましくは140以上のRDAを有し得る。実施形態において、第2のシリカ粒子は、120~300、任意に130~290、任意に更には140~280のRDA値を有する。第2のシリカ粒子は、例えば、150~180のRDAを有し得る。
【0070】
組成物中に存在する場合、第3の研磨性シリカ、及び任意に別の更なる(例えば第4の)研磨性シリカの任意の粒子は、第2の研磨性シリカに関して上に概説したRDA値に従うRDA値を有し得る。
【0071】
実施形態において、研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、かつ第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%であり、第1の研磨性シリカの粒子は、30~110のRDAを有し、第2の研磨性シリカの粒子は、120~300のRDAを有する。
【0072】
実施形態において、研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、かつ第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%であり、第1の研磨性シリカの粒子は、30~60、任意に45~55(例えば、51程度、52程度、53程度、54程度)のRDAを有し、第2の研磨性シリカの粒子は、120~300のRDAを有する。第2の研磨性シリカのRDAは、任意に、130~170、任意に更には140~160、例えば145~155(例えば153程度、154程度)であり得る。第2の研磨性シリカのRDAは、任意に、150~190、任意に更には160~180、例えば165~175(例えば、170程度、171程度、172程度、173程度)であり得る。第2の研磨性シリカのRDAは、任意に、250~290、任意に更には260~280、例えば265~275(例えば270程度、271程度、272程度、273程度)であり得る。
【0073】
実施形態において、研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、かつ第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%であり、第1の研磨性シリカの粒子は、90~120、任意に100~110(例えば、104程度、105程度、106程度)のRDAを有し、第2の研磨性シリカの粒子は、120~300のRDAを有する。第2の研磨性シリカのRDAは、任意に、130~170、任意に更には140~160、例えば145~155(例えば153程度、154程度)であり得る。第2の研磨性シリカのRDAは、任意に、150~190、任意に更には160~180、例えば165~175(例えば、170程度、171程度、172程度、173程度)であり得る。第2の研磨性シリカのRDAは、任意に、250~290、任意に更には260~280、例えば265~275(例えば270程度、271程度、272程度、273程度)であり得る。
【0074】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%であり、第1のシリカ粒子は、5μm~15μmのd50値、及び25μm~35μmのd90値、及び75g/100g~150g/100gの吸油値、及び30~110のRDA値を有し、第2のシリカ粒子は、1μm~9μmのd50値、及び3μm~25μmのd90値、及び30g/100g~120g/100gの吸油値、及び120~300のRDA値を有する。
【0075】
本発明による研磨性シリカ粒子は、15以下、任意に10以下のプラスチック摩耗値(PAV:Plastic Abrasion Value)を有し得る。研磨性シリカ粒子は、3以上、任意に4以上のPAVを有し得る。研磨性シリカ粒子は、3~15、任意に3~10、任意に更には4~15(例えば4~10)のPAVを有し得る。
【0076】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、2~6、任意に3~5(例えば、4程度)のPAVを有する。
【0077】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、4~10、任意に5~10(例えば、7程度、8程度)のPAVを有する。
【0078】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、6~15、任意に7~14(例えば、10程度)のPAVを有する。
【0079】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、6~15、任意に7~14(例えば、10程度、12程度、14程度)のPAVを有する。
【0080】
実施形態において、研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、かつ第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%であり、第2のシリカ粒子は、第1のシリカ粒子のPAVよりも大きいPAVを有する。
【0081】
第1のシリカ粒子のPAVは、一般に、第2のシリカ粒子のPAVよりも小さい。言い換えれば、第2のシリカ粒子は、一般に、第1のシリカ粒子のPAVよりも大きいPAVを有する。任意の第3のシリカ粒子、及び任意に別の更なる(例えば第4の)シリカ粒子は、一般に、第1のシリカ粒子のPAVよりも大きいPAVを有する。
【0082】
実施形態において、第1のシリカ粒子は、第2のシリカ粒子のPAV値の5%~80%、任意に7%~50%、例えば9%~45%であるプラスチック摩耗値(PAV)を有する。
【0083】
実施形態において、第1のシリカ粒子は、8以下、任意に7以下、任意に更には5以下のPAVを有する。実施形態において、第1のシリカ粒子は、2以上、任意に3以上のPAVを有する。実施形態において、第1のシリカ粒子は、2~8、任意に3~7、任意に更には3~5、例えば3~4のPAVを有し、第1のシリカ粒子のPAVは第2のシリカ粒子のPAVよりも小さい。
【0084】
実施形態において、第2のシリカ粒子は、50以下、任意に40以下のPAVを有する。実施形態において、第2のシリカ粒子は、7以上、任意に8以上のPAVを有する。実施形態において、第2のシリカ粒子は、7~50、任意に8~40のPAVを有し、第2のシリカ粒子のPAVは、第1のシリカ粒子のPAVよりも大きい。
【0085】
第3の研磨性シリカ、及び任意に別の更なる(例えば第4の)研磨性シリカの任意の粒子は、第2の研磨性シリカに関して上に概説したPAV値に従うPAV値を有し得る。
【0086】
実施形態において、研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、かつ第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%であり、第1の研磨性シリカの粒子は、2~5、任意に3~5(例えば、4程度)のPAVを有し、第2の研磨性シリカの粒子は、7~50のPAVを有する。第2の研磨性シリカのPAVは、任意に、7~10、任意に更には8~9であり得る。第2の研磨性シリカのPAVは、任意に15~25、任意に更には18~23(例えば19程度、20程度、21程度、22程度)であり得る。第2の研磨性シリカのPAVは、任意に、25~50、任意に更には35~40(例えば、35程度、36程度、37程度)であり得る。
【0087】
実施形態において、研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、かつ第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%であり、第1の研磨性シリカの粒子は、4~8、任意に5~7(例えば、6程度)のPAVを有し、第2の研磨性シリカの粒子は、7~50のPAVを有する。第2の研磨性シリカのPAVは、任意に、7~10、任意に更には8~9であり得る。第2の研磨性シリカのPAVは、任意に15~25、任意に更には18~23(例えば19程度、20程度、21程度、22程度)であり得る。第2の研磨性シリカのPAVは、任意に、25~50、任意に更には35~40(例えば、35程度、36程度、37程度)であり得る。
【0088】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%であり、第1のシリカ粒子は、5μm~15μmのd50値、及び25μm~35μmのd90値、及び75g/100g~150g/100gの吸油値及び2~8のPAV値を有し、第2のシリカ粒子は、1μm~9μmのd50値、及び3μm~25μmのd90値、及び30g/100g~120g/100gの吸油値、及び7~50のPAV値を有し、第2のシリカ粒子のPAVは、第1のシリカ粒子のPAVよりも大きい。
【0089】
吸油値/空隙率
研磨性シリカの粒子の吸油値は、所与の研磨性シリカの空隙率と相関がある。典型的には、本発明による研磨性シリカは、多孔質シリカ、例えば沈降シリカである。
【0090】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子(すなわち、研磨性シリカ粒子の集団)は、150g/100g以下、任意に140g/100g以下の吸油値を有する。本発明の第1の態様による研磨性シリカ粒子は、75g/100g以上、任意に80g/100g以上、任意に100g/100g以上の吸油値を有し得る。例えば、本発明の第1の態様による研磨性シリカ粒子は、75g/100g~150g/100g、任意に80g/100g~145g/100g、任意に更には90g/100g~140g/100gの吸油値を有し得る。実施形態において、研磨性シリカ粒子の吸油値は、90g/100g~150g/100g、任意に110g/100g~135g/100g、任意に更には120g/100g~140g/100g(例えば、130g/100g程度、135g/100g程度)であり得る。実施形態において、研磨性シリカの吸油値は、80g/100g~120g/100g、任意で90g/100g~110g/100g(例えば、100g/100g程度、101g/100g程度、102g/100g程度)であり得る。
【0091】
実施形態において、研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、かつ第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%であり、かつ第2のシリカ粒子は、第2のシリカ粒子の吸油値よりも小さい吸油値を有する。
【0092】
本発明の典型的な実施形態において、第1のシリカ粒子の吸油値は、第2のシリカ粒子の吸油値よりも大きい。言い換えれば、第2のシリカ粒子は、典型的には、第1のシリカ粒子の吸油値よりも小さい吸油値を有する。存在する場合、任意の第3のシリカ粒子、及び任意に別の更なる(例えば第4の)シリカ粒子もまた、それぞれ、第1のシリカ粒子の吸油値よりも小さい吸油値を有し得る。
【0093】
本明細書に記載の発明の好ましい実施形態(例えば、本発明の第1の態様の場合)において、第2の研磨性シリカの粒子の吸油値は、第1の研磨性シリカの粒子の吸油値よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子の吸油値の30%~70%である。
【0094】
実施形態において、研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含む。第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%である。第2の研磨性シリカの粒子の吸油値は、第1の研磨性シリカの粒子の吸油値よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子の吸油値の30%~70%である。
【0095】
実施形態において、第2のシリカ粒子は、第1のシリカ粒子の吸油値の35%~65%、任意に40%~60%、例えば44%~55%である吸油値を有する。
【0096】
実施形態において、第1のシリカ粒子は、150g/100g以下の吸油値を有する。第1のシリカ粒子は、75g/100g以上、任意に80g/100g以上、任意に100g/100g以上の吸油値を有し得る。実施形態において、第1のシリカ粒子は、75g/100g~150g/100g、任意に80g/100g~145g/100g、任意に更には90g/100g~140g/100gの吸油値を有する。実施形態において、第1の研磨性シリカの吸油値は、90g/100g~150g/100g、任意に110g/100g~135g/100g、任意に更には120g/100g~140g/100g(例えば、130g/100g程度、135g/100g程度)であり得る。実施形態において、第1の研磨性シリカの吸油値は、80g/100g~120g/100g、任意に90g/100g~110g/100g(例えば、100g/100g程度、101g/100g程度、102g/100g程度)であり得る。
【0097】
実施形態において、第2のシリカ粒子は、120g/100g以下、任意に110g/100g以下、任意に更には100g/100g以下、例えば85g/100g以下の吸油値を有する。実施形態において、第2のシリカ粒子は、30以上、任意に40以上の吸油値を有する。実施形態において、第2のシリカ粒子は、30~120、任意に40~115、任意に更には45~110の吸油値を有する。
【0098】
実施形態において、第2のシリカ粒子は、50g/100g~100g/100g、任意に50g/100g~85g/100g、任意に更には50g/100g~80g/100gの吸油値を有する。実施形態において、第2の研磨性シリカの吸油値は、50g/100g~70g/100g、任意に55g/100g~65g/100g(例えば60g/100g程度)であり得る。
【0099】
実施形態において、第2の研磨性シリカの吸油値は、30g/100g~70g/100g、任意に40g/100g~60g/100g、任意に更には45g/100g~55g/100g(例えば、46g/100g程度、47g/100g程度、48g/100g程度)であり得る。
【0100】
第3の研磨性シリカ、及び任意に別の更なる(例えば第4の)研磨性シリカの任意の粒子は、第2の研磨性シリカに関して上に概説した吸油値に従う吸油値を有し得る。
【0101】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、75g/100g~150g/100gの吸油値を有する第1のシリカ粒子を含み、第2のシリカ粒子は、30g/100g~120g/100gの吸油値を有する。
【0102】
実施形態において、本発明の研磨性シリカ粒子は、第3の研磨性シリカの粒子を更に含み、第3の研磨性シリカの粒子は、第2の研磨性シリカの吸油値に関して上で概説したような吸油値を有する。
【0103】
実施形態において、研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、かつ第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%であり、かつ第2のシリカ粒子は、第2のシリカ粒子の吸油値よりも小さい吸油値を有し、第1の研磨性シリカの吸油量は75g/100g~150g/100gであり、第2の研磨性シリカの吸油量は30g/100g~120g/100gである。
【0104】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、かつ第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%であり、かつ第2の研磨性シリカの粒子の吸油値は、第1の研磨性シリカの粒子の吸油値よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子の吸油値の30%~70%であり、かつ第1の研磨性シリカの吸油量が75g/100g~150g/100gであり、第2の研磨性シリカの吸油量が30g/100g~120g/100gである。
【0105】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、かつ第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%であり、第2の研磨性シリカの粒子の吸油値は、第1の研磨性シリカの粒子の吸油値よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子の吸油値の30%~70%であり、第1の研磨性シリカの吸油値は90g/100g~150g/100g、任意に110g/100g~135g/100g、任意に更には120g/100g~140g/100g(例えば130g/100g程度、135g/100g程度)であり、この場合、第2の研磨性シリカの吸油値は30g/100g~120g/100gである。第2の研磨性シリカの吸油値は、30g/100g~70g/100g、任意に40g/100g~60g/100g、任意に更には45g/100g~55g/100g(例えば、46g/100g程度、47g/100g程度、48g/100g程度)であり得る。第2の研磨性シリカの吸油値は、50g/100g~80g/100g、任意に更には55g/100g~65g/100g(例えば60g/100g程度)であり得る。
【0106】
実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、かつ第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~70%であり、第2の研磨性シリカの粒子の吸油値は、第1の研磨性シリカの粒子の吸油値よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子の吸油値の30%~70%であり、第1の研磨性シリカの吸油値は80g/100g~120g/100g、任意に90g/100g~110g/100g(例えば100g/100g程度、101g/100g程度、102g/100g程度)であり、この場合、第2の研磨性シリカの吸油値は30g/100g~120g/100gである。第2の研磨性シリカの吸油値は、30g/100g~70g/100g、任意に40g/100g~60g/100g、任意に更には45g/100g~55g/100g(例えば、46g/100g程度、47g/100g程度、48g/100g程度)であり得る。第2の研磨性シリカの吸油値は、50g/100g~80g/100g、任意に50g/100g~70g/100g、任意に更には55g/100g~65g/100g(例えば60g/100g程度)であり得る。
【0107】
幾つかの実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%、任意に2重量%~7重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~25%(例えば、20%程度、21%程度)であり、第1のシリカ粒子は、10μm~12μm(好ましくは11μm程度)のd50値、及び30μm~32μm(好ましくは31μm程度)のd90値、及び125g/100g~135g/100g(好ましくは130g/100g~135g/100g、例えば134g/100g)の吸油値を有し、第2のシリカ粒子は、1μm~3μm(好ましくは2μm程度)のd50値、及び3μm~5μm(好ましくは4μm程度)のd90値、及び55g/100g~65g/100g(好ましくは60g/100g程度)の吸油値を有する。
【0108】
幾つかの実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%、%、任意に2重量%~7重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の25%~35%(例えば、32%程度、33%程度、34%程度)であり、第1のシリカ粒子は、10μm~12μm(好ましくは11μm程度)のd50値、及び30μm~32μm(好ましくは31μm程度)のd90値、及び125g/100g~135g/100g(好ましくは130g/100g~135g/100g、例えば134g/100g)の吸油値を有し、第2のシリカ粒子は、3μm~5μm(好ましくは4μm程度)のd50値、及び6μm~8μm(好ましくは7μm程度)のd90値、及び60g/100g~70g/100g(好ましくは65g/100g程度)の吸油値を有する。
【0109】
幾つかの実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%、%、任意に2重量%~7重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の40%~50%(例えば、43%程度、44%程度、45%程度)であり、第1のシリカ粒子は、10μm~12μm(好ましくは11μm程度)のd50値、及び30μm~32μm(好ましくは31μm程度)のd90値、及び125g/100g~135g/100g(好ましくは130g/100g~135g/100g、例えば134g/100g)の吸油値を有し、第2のシリカ粒子は、4μm~6μm(好ましくは5μm程度)のd50値、及び12μm~14μm(好ましくは13μm程度)のd90値、及び40g/100g~50g/100g(好ましくは45g/100g程度)の吸油値を有する。
【0110】
幾つかの実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%、%、任意に2重量%~7重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の15%~25%(例えば、21%程度、22%程度)であり、第1のシリカ粒子は、10μm~12μm(好ましくは11μm程度)のd50値、及び28μm~30μm(好ましくは29μm程度)のd90値、及び90g/100g~100g/100g(好ましくは95g/100g程度)の吸油値を有し、第2のシリカ粒子は、1μm~3μm(好ましくは2μm程度)のd50値、及び3μm~5μm(好ましくは4μm程度)のd90値、及び55g/100g~65g/100g(好ましくは60g/100g程度)の吸油値を有する。
【0111】
幾つかの実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%、%、任意に2重量%~7重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の30%~40%(例えば、35%程度、36%程度、37%程度)であり、第1のシリカ粒子は、10μm~12μm(好ましくは11μm程度)のd50値、及び28μm~30μm(好ましくは29μm程度)のd90値、及び90g/100g~100g/100g(好ましくは95g/100g程度)の吸油値を有し、第2のシリカ粒子は、3μm~5μm(好ましくは4μm程度)のd50値、及び6μm~8μm(好ましくは7μm程度)のd90値、及び60g/100g~70g/100g(好ましくは65g/100g程度)の吸油値を有する。
【0112】
幾つかの実施形態において、本発明による研磨性シリカ粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量の第1の研磨性シリカの粒子と、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%%、任意に2重量%~7重量%の量の第2の研磨性シリカの粒子とを含み、第2の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1の研磨性シリカの粒子の重量メジアン粒子径(d50)よりも小さく、第1の研磨性シリカの粒子のd50値の40%~55%(例えば、47%程度、48%程度、49%程度、50%程度)であり、第1のシリカ粒子は、10μm~12μm(好ましくは11μm程度)のd50値、及び28μm~30μm(好ましくは29μm程度)のd90値、及び90g/100g~100g/100g(好ましくは95g/100g程度)の吸油値を有し、第2のシリカ粒子は、4μm~6μm(好ましくは5μm程度)のd50値、及び12μm~14μm(好ましくは13μm程度)のd90値、及び40g/100g~50g/100g(好ましくは45g/100g程度)の吸油値を有する。
【0113】
クリーニング性能(FT100)
本発明による研磨性シリカ粒子(すなわち、全体として研磨性シリカ粒子の集団)は、40~100、例えば50~95、任意に60~95、任意に更には65~90の100ストロークでのタンニン酸第二鉄クリーニング値(FT100)を有し得る。研磨性シリカ粒子は、60~80、任意に60~70のFT100を有し得る。研磨性シリカ粒子は、70~90、任意に70~80のFT100を有し得る。研磨性シリカ粒子は、75~95、任意に80~90のFT100を有し得る。FT100値は、本明細書に記載のタンニン酸第二鉄(FT)クリーニングプロトコルに従って、研磨性シリカ粒子をスラリーとして調製したものから得られる。
【0114】
本発明のシリカ粒子を含有する組成物
本発明は、更に、歯磨剤に使用される組成物であって、本発明(例えば、本発明の第1の態様)による研磨性シリカ粒子を含む、組成物を提供する。組成物は、1重量%~99重量%の研磨性シリカ粒子、任意に20重量%~80重量%、任意に更には40重量%~60重量%の研磨性シリカ粒子を含み得る。
【0115】
組成物は、担体、例えば、液体担体、粉末等の流体担体を更に含み得る。本発明の第1の態様の本発明の研磨性シリカを粉体の成分として含有する粉体組成物が想定される。担体は、水、溶媒、糖類/甘味料(例えばソルビトール、グリセロール、キシリトール、及びそれらの組合せ)、界面活性剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、保湿剤(例えばポリエチレングリコール)、二酸化チタン、ガム(例えばキサンタン)、塩(例えばフッ化ナトリウム等のフッ化物塩)、増粘剤、及びそれらの組合せのうち1つ以上を含み得る。担体は、0.1重量%~90重量%、任意に10重量%~80重量%、任意に更には20重量%~70重量%の量で組成物中に存在し得る。
【0116】
実施形態において、組成物は、本発明による研磨性シリカ粒子に存在しないシリカ粒子(すなわち、第1の、第2の、第3の又は更なる(例えば第4の)研磨性シリカについて定義された粒子でないシリカ粒子)を含み得る。かかるシリカ粒子は、例えば、非研磨性シリカ粒子であってもよい。かかるシリカ粒子は、30未満、典型的には20未満、任意に10未満(例えば8程度)のRDAを有し得る。かかるシリカ粒子は、例えば、PQ Silicas UK Limitedから市販されているSORBOSIL(商標)TC15のような増粘剤であってもよい。本発明の第1の、第2の、第3の又は更なる(例えば第4の)研磨性シリカによらないシリカ粒子が組成物中に存在する場合、それらは典型的には5重量%~30重量%、任意に10重量%~20重量%(例えば11重量%、15重量%、19重量%)の量で組成物に存在し得る。
【0117】
実施形態において、本発明による組成物は、1つ以上の界面活性剤を更に含む。界面活性剤は、水溶性の塩を含み得る。好適な界面活性剤は、アニオン性界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、1,2-ジヒドロキシプロパンスルホン酸等)、カチオン性界面活性剤(例えば、ベタイン)、及びこれらの組合せから選択され得る。界面活性剤は、0.1重量%~10重量%、任意に1重量%~5重量%、任意に更には2重量%~3重量%の量で組成物中に存在し得る。
【0118】
本付加による組成物は、1つ以上のポリオールを含み得る。好適なポリオールは、ソルビトール、グリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)、及びそれらの組合せから選択され得る。
【0119】
本発明による組成物は、追加の賦形剤、着色剤、香料、カラギーナン(rich oss)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルプロピルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びこれらの組合せを含み得る。
【0120】
歯磨剤
本発明は、本発明による研磨性シリカ粒子、又は本発明による組成物を含む歯磨剤を提供する。歯磨剤は、粉末、ペースト、又はゲルであってもよい。好ましくは、歯磨剤はペーストである。
【0121】
実施形態において、歯磨剤は、0.1重量%~50重量%、任意に1重量%~30重量%、任意に更には10重量%~25重量%(例えば20重量%)の本発明による研磨性シリカ粒子を含む。
【0122】
実施形態において、歯磨剤のRDAは、250以下、任意に200以下である。歯磨剤のRDAは、5以上であり得る。歯磨剤のRDAは、5~200、任意に40~150、任意に更には70~120であり得る。
【0123】
歯磨剤は、本発明の第1の態様によるシリカ粒子、又は本発明の第2の態様による組成物を、歯磨剤用途に適した1つ以上の賦形剤と組み合わせることによって作製され得る。
【0124】
研磨性シリカ粒子を作製する方法
本発明は更に、歯磨剤組成物に使用される研磨性シリカ粒子を作製する方法を提供する。この方法は、第1の研磨性シリカの粒子と第2の研磨性シリカの粒子とを組み合わせて、研磨性シリカ粒子を提供することを含む。第1の研磨性シリカの粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の量で存在し、第2の研磨性シリカの粒子は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して最大10重量%の量で存在する。第2のシリカ粒子の重量メジアン粒子径(d50)は、第1のシリカ粒子よりも小さく、第1のシリカ粒子のd50値の15%~70%である。
【0125】
実施形態において、組み合わせる工程は、第1の研磨性シリカの粒子と第2の研磨性シリカの粒子、更に第3の研磨性シリカの粒子を組み合わせて、研磨性シリカ粒子を提供することを含む。この工程は、任意に、更なる研磨性シリカの粒子(例えば、第4の研磨性シリカの粒子)を組み合わせることを含み得る。第3のシリカの粒子の重量メジアン粒子径d50は、第1のシリカ粒子よりも小さく、第1のシリカの粒子の重量メジアン粒子径d50の15%~70%である。第2のシリカの粒子及び第3のシリカの粒子の合計重量は、研磨性シリカ粒子の総重量に対して10重量%を超えない。
【0126】
実施形態において、組み合わせることは、シリカ粒子を混合することを含み、任意に、混合は、シリカ粒子の均質な混合物を提供する。
【0127】
当業者は、第1の「バルク」研磨性シリカと第2の研磨性シリカを混合する方法に精通している。混合に適した装置としては、粉末ブレンダーミキサー(例えば、Turbula(商標)ミキサー)を挙げることができる。第1の研磨性シリカ及び第2の研磨性シリカを、同時に混合してもよく(すなわち、完全に混合するまで等量で混合物に添加してもよい)、又は任意の順序で順次添加してもよい。第1の研磨性シリカを第2の研磨性シリカに(例えば徐々に)添加してもよく、第2の研磨性シリカを第1の研磨性シリカに(例えば徐々に)添加してもよい。
【0128】
実施形態において、上記方法は、本発明に従って定義される研磨性シリカ粒子を作製する方法である。
【0129】
上記方法は、上記の方法工程によって得られた研磨性シリカ粒子を、歯磨剤用途に適した1つ以上の賦形剤と接触させて、歯磨剤を形成する追加の工程を更に含んでもよい。このように調製された歯磨剤は、本発明の第3の態様に従って定義されたとおりであり、例えば、本明細書で定義されたとおりの任意の歯磨剤であり得る。
【0130】
本発明は更に、歯磨剤組成物に使用される、本発明により定義される研磨性シリカ粒子を作製する方法に従って作製される研磨性シリカ粒子を提供する。かかる粒子は、本発明の第1の態様について本明細書で定義されるとおりであり得る。
【0131】
一般的な方法
研磨性シリカ
当業者は、入手可能な多種多様な市販のシリカから、本明細書に記載の第1の、第2の、又は第3の(又は更なる)研磨性シリカの粒子として使用するのに適したシリカを容易に選択することができるであろう。本発明により使用される第1の、第2の、又は第3の(又は更なる)研磨性シリカの好適な粒子の作製方法も、当業者には良く知られている。例えば、研磨性シリカを作製する方法は、Ralph K. Ilerによる"The Chemistry of Silica"(ISBN:9780471024040)に記載される。本発明における使用に適した沈降研磨性シリカの粒子は、アルカリ金属ケイ酸塩溶液を準備し、その溶液を酸と、任意に電解質の存在下で混合し、撹拌し、沈降シリカを濾別することにより作製され得る。その後、得られた沈殿物のフィルターケーキを洗浄し、乾燥し、所望の粒度に粉砕する。
【0132】
欧州特許第1976482号は、本発明による使用に適したシリカの作製を記載する。欧州特許第1976482号に記載される例1C、例1D、例1E及び例4Aは、特に第2の(又は第3の、又は更なる)研磨性シリカの粒子として、本発明による使用に特に適している。
【0133】
米国特許第5098695号、欧州特許第0835223号及び欧州特許第0785169号に記載されている研磨性シリカは、特に第1の「バルク」研磨性シリカの粒子として、本発明による使用に適している。
【0134】
第1の「バルク」研磨性シリカの適切な粒子の特定の例としては、PQ Silicas UK Limitedから市販されているSORBOSIL(商標)AC39及びSORBOSIL(商標)AC36が挙げられる。本発明に従って使用され得る他の適切な市販の第1の(すなわち「バルク」)研磨性シリカとしては、Solvayから市販されているTixosil(商標)123、Evonikから市販されているZeodent(商標)113及びZeodent(商標)116、並びにGraceから市販されているSylodent(商標)VP5が挙げられる。
【0135】
本発明に従って使用されるシリカを作製することができる一般的な方法を、米国特許第5447704号及び欧州特許第0308165を参照しながら以下に概説する。
【0136】
米国特許第5447704号には、臭化物、炭酸塩、塩化物、硝酸塩、酢酸塩及び硫酸塩を含む群から選択される関連アニオンと共にアルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム及びカリウムを含む群から選択されるカチオンを含む水溶性電解質の存在下で、反応物の濃度及び体積を制御してpHを約10~約10.5の範囲とし、電解質:シリカの重量比は約0.1:1~約2:1であり、沈殿反応は約95℃~約100℃の温度範囲内で行われる、1.8:1~3.5:1の範囲のシリカ:Na2Oの比率を有するケイ酸ナトリウムと鉱酸との反応によって生成される好適な非晶質沈降シリカを調製する好適な方法が記載されている。
【0137】
欧州特許第0308165号には、塩化物及び硫酸塩から選択される関連アニオンと共に、ナトリウム及びカリウムから選択されるカチオンを含む水溶性電解質の存在下で、反応物の濃度及び体積を制御してpHを約10~約10.5の範囲とし、電解質:シリカの重量比は、約0.4:1~約1.2:1であり、沈殿反応を約45℃~約55℃の温度範囲で行い、鉱酸を添加して反応液のpHを酸性にし、得られたシリカ生成物を分離及び洗浄する、3.2:1~3.4:1の範囲のシリカ:Na2Oの比率を有するケイ酸ナトリウムと鉱酸との反応により生成される好適な非晶質研磨性シリカを調製する方法が記載されている。
【0138】
シリカが調製されたら(例えば、上記で概説した米国特許第5447704号又は欧州特許第0308165号の方法に従って)、機械式ミル(例えばハンマーミル)を用いて、研磨性シリカを所望の粒度に細かく砕いてもよい。機械的製粉では、一般に7μm~20μmの重量メジアン粒子径(d50)が得られる。より小さな粒度の場合は、高エネルギー粉砕プロセス、例えば微粉化を用いてもよい。微粉化は、例えば、ジェット、流体エネルギーミル、パンケーキマイクロナイザー、流動床微粉化、及び対向ジェットマイクロナイザーのうちの1つ以上を用いて達成され得る。
【0139】
任意に、プロセスを最適化し、研磨性シリカの好ましい粒度分布が得られるように過剰な大粒子を除去するために、プロセスの任意の段階で材料を分級、スクリーニング又は篩分けに供してもよい。
【実施例】
【0140】
本発明による研磨性シリカ粒子の調製
第1の「バルク」研磨性シリカの粒子(シリカA1、A2、A3)と、第2の研磨性シリカの粒子(シリカB1、B2、B3、B4)と、任意に第3の研磨性シリカの粒子(シリカB1、B2、B3、B4から)とを組み合わせて(例えば、以下の表2に示す量(重量%)で)、混合物を提供した。大気圧下、室温で研磨性シリカを秤量した。この混合物をブレンドして、研磨性シリカ粒子のブレンドされた均質な混合物を提供した。
【0141】
研磨性シリカ粒子を含む組成物の調製
すぐ上に記載されるように調製した研磨性シリカ粒子のバッチを、1つ以上の追加の成分(一般に担体)に加え、混合して組成物を提供した。
【0142】
研磨性シリカ粒子を含む歯磨剤の調製
(本発明の例又は参考例の)研磨性シリカ粒子を含む、以下の一般的な成分を有する歯磨剤を調製した。
【0143】
【0144】
水とソルビトールを合わせ、その後フッ化ナトリウムとサッカリンナトリウムを添加した。得られた組成物を周囲温度で30分間混合し、次いでSLS粉末を添加し、更に30分間混合した。その後、フレーバーオイルを加え、更に30分間混合し、続いてTiO2を加え、更に30分間混合した。得られた混合物に、SCMC及びPEG400の別々の混合物を添加し、次いで30分間混合した。次に、研磨性シリカ粒子(すなわち、本発明のもの、又は研磨性参照シリカ)を、得られた混合物に添加し、次いで、30分間混合した。得られた混合物に増粘剤シリカTC15を添加し、その後30分間撹拌して、歯磨剤を得た。研磨性シリカ粒子成分が、a)本発明の態様によるもの(本発明による歯磨剤を提供するため)、又はb)本発明によるものではない参照研磨性シリカ(典型的には、本発明組成物に使用されるシリカの1つに対応する単一のシリカのみを含む)のいずれかである歯磨剤が提供された。
【0145】
粒度測定
本明細書に記載のシリカ粒子の任意の所与のバッチ、例えば全体としての本発明の研磨性シリカ粒子、又は本発明の研磨性シリカ粒子内の亜集団として使用される第1のシリカ若しくは第2のシリカについて、研磨性シリカ粒子の重量メジアン粒子径(d50)を、Malvern Mastersizer 2000及びHydro 2000 AG分散ユニットを用いてレーザー回折により決定した。粒度分布の算出にはMie理論を用いた。シリカの屈折率の実数値には、1.46の値が割り当てられ、粒子の虚数屈折率は1.0の値が割り当てられ、水分散媒は実数屈折率1.33を有した。研磨性シリカ粒子を、Hydro 2000 AG分散ユニットを用いて、脱イオン水中で50%の出力で5分間超音波分散させ、水性懸濁液を形成させた。レーザー光を、脱イオン水に分散された粒子を含むフローセルに通した。散乱光強度を角度の関数として測定し、そのデータを用いて粒度分布を算出した。粒子の密度が一定であると仮定して、重量ベースの粒度測定値を使用した。
【0146】
吸油値
本明細書に記載のシリカ粒子の任意の所定のバッチ、例えば全体として本発明の研磨性シリカ粒子、又は本発明の研磨性シリカ粒子内の亜集団として使用される第1のシリカ若しくは第2のシリカについて、吸油(O/A)値をASTMスパチュラ擦り取り法(spatula rub-out method)(米国材料試験協会規格D281)によって決定した。亜麻仁油及び研磨性シリカ粒子を、滑らかな表面上においてヘラでこすりながら、硬いパテ状のペーストが形成されるまで混合した。吸収された油の体積をシリカ100g当たりのcm3数で表し、次いで吸油値=(cm3吸油×100)/(シリカの重量(グラム))で算出する。この量は、亜麻仁油の想定密度0.93g/cm3を乗じることにより、シリカ100g当たりの油のグラム数(g/100g)でも表すことができる。本明細書に提示される全ての吸油結果は、この方法で計算したものであり、シリカ100g当たりの油のグラム数で表される。
【0147】
プラスチック摩耗値(PAV)
本明細書に記載のシリカ粒子、例えば全体としての本発明の研磨性シリカ粒子、又は本発明の研磨性シリカ粒子内の亜集団として使用される第1のシリカ若しくは第2のシリカの任意の所定のバッチについて、プラスチック摩耗値(PAV)試験を用いて、本明細書に記載の研磨性シリカ粒子の研磨性を測定した。Perspex(商標)は象牙質に近い硬さを持っている。試料は、以下の成分を混合して懸濁液とし、以下のようにスラリーとして調製した。
研磨性シリカ粒子 2.5グラム
グリセロール 10.0グラム
ソルビトールシロップ(ソルビトール70重量%及び水30重量%) 23.0グラム
【0148】
標準的な透明なPerspex(商標)(グレード000、Lucite International UK Ltd製)を使用した。Sheen Instruments製のWet Paint Scrub Testerを、(ペイントブラシの代わりに)歯ブラシをホルダーに装着できるように改造したものである。ブラシアセンブリ(重量145g)に400gの重りを取り付け、ブラシをPerspex(商標)シートに押し付けた。歯ブラシは、マルチタフト、ナイロンヘッド、ミディアムテクスチャー(例えばProfessional Mentadent(商標)P gum health design、又は同等の歯ブラシ)とした。標準(光沢56.8%)反射板を用いて、Byk Microgloss 45°検出器を較正した。その後、新しいPerspex(商標)シートの光沢を測定し、ホルダーにはめ込んだ。試料2mLをシート上に置き、300回のストロークでブラシヘッドと接触させた。Perspex(商標)シートをホルダーから取り外し、洗浄、乾燥させ、再度測定した。摩耗値は、試料を摩耗する前と摩耗した後の光沢値の測定値の差として求めた。参考例により、以下の結果を得た。
【0149】
【0150】
相対的象牙質摩耗
本明細書に記載のシリカ粒子の任意の所与のバッチ、例えば全体としてとらえた本発明の研磨性シリカ粒子、又は本発明の研磨性シリカ粒子内の亜集団として使用される第1のシリカ若しくは第2のシリカについて、相対的象牙質摩耗試験(RDA、放射性象牙質磨耗(Radioactive Dentine Abrasion)としても知られている)を用いて、本発明による研磨性シリカ粒子の研磨性を測定した。アメリカ歯科医師会(Journal of Dental Research 55 (4) page 563-573, 1976)の手順を使用した。これは抜歯したヒトの歯に中性子束を照射し、標準的なブラッシングを行う。歯根内の象牙質から除去された放射性リン32を、試験した粉体又は口腔用組成物の磨耗度の指標として使用する。カルボキシメチルセルロースナトリウムの0.5%水溶液50cm3中にピロリン酸カルシウム10gを含む基準スラリーをRDA 100とした。本発明による研磨性シリカ粒子を含むスラリー試料を、基準スラリー中のピロリン酸カルシウムと同じ重量%濃度で調製した。本発明による歯磨剤を含むスラリー試料は、歯磨剤25gと水40cm3を混合することにより調製し、必要な濃度を有するスラリーを提供した。RDA試験を、米国インディアナ大学歯学部口腔保健研究所で実施した。上記の方法で調製した比較用歯磨剤について、同様の方法を用いてRDAを決定した。
【0151】
タンニン酸第二鉄(FT)クリーニング試験
タンニン酸第二鉄クリーニング試験を、"Dental stain prevention by abrasive toothpastes: A new in vitro test and its correlation with clinical observations", P.L. Dawson et al., J. Cosmet. Sci., 49, 275-283 (1998)に記載の方法に準じて実施した。試験基板は純ハイドロキシアパタイト(HAP)ディスクであり、これをBuehlerロータリーグラインダー及びP600ウェットペーパー、次いでP1200ラッピングペーパーを用いて研磨した。次いで、クリーニング前のディスクの白色度(CIE 1976 L*a*b*システムを使用する)L*(クリーン)を、標準較正タイルに対して較正済みのMinolta Chroma-meter CR200を用いて測定した。この基板を、染色液(タンニン酸の0.5重量%溶液50gと硫酸第二鉄アンモニウムの0.5重量%溶液50gで、新鮮なコロイド状タンニン酸鉄(III)錯体(「タンニン酸第二鉄」)を形成)で、Minolta Chroma-meter CR200を用いて決定される暗度測定値がL*=50±5に達するまで繰り返し染色をした。この値をL*(汚れあり)とする。染色された基板を試料FTスラリーの入った容器に取り付け、重量(263g)のMentadent(商標)P Professionalソフトナイロンフラットトリム歯ブラシヘッドを、機械的スクラビングマシン(改良型Martindale Mk111磨耗試験機)を用いて、染色された基板表面上で振動(150サイクル/分)させた。所望の振動数(例えば、50、100、150、300)後のステイン除去を、Minolta Chroma-meter CR200を用いて測定し、FTXX除去試験結果に対応させた(ここで、XXは所望の振動数である)。所望の振動数でクリーニングした後の基板の白色度をL*(クリーニング済み)とする。比較研磨性能は、XX回(例えば100回)の振動でクリーニングされた、又は除去された割合とする。
【0152】
例えば、FT100は、%FT100除去として定義される:
%FT100除去=(L*(クリーニング済み)-L*(汚れあり))/(L*(クリーニング済み)-L*(汚れあり))×100
【0153】
(本発明による研磨性シリカ粒子又は歯磨剤を含む)試料FTスラリーを、以下のように調製した。
【0154】
歯磨剤調製物を含むFTスラリーの調製-上記の方法に従って調製した(本発明による研磨性シリカ粒子を20重量%含む)歯磨剤25gを脱塩水50gと合わせ、得られた混合物を混合して均質なスラリーを提供した。上記の方法に従って調製された比較歯磨剤を含む比較FTスラリーを、同様の方法を用いて調製した。
【0155】
研磨性シリカ粒子を含むFTスラリーの調製-研磨性シリカ粒子に希釈剤(0.35重量%キサンタンガム、0.5重量%ラウリル硫酸ナトリウム、99.15重量%脱塩水)を加え、混合して均質な混合物とした。研磨性シリカ粒子の重量%は、スラリーの最終的な総重量に対して、3.3重量%であった。本明細書に記載した例では3.3重量%を使用したが、当業者であれば、他の重量%担持率が好適な場合もあることを理解するであろう。同じ方法を用いて、単一のシリカの粒子(すなわち、本発明による研磨性シリカ粒子に含まれる粒子[すなわち、第1又は第2又は第3の研磨性シリカの粒子]の1つに対応する単一のシリカ)のみを含む比較FTスラリーを調製した。
【0156】
ペリクルクリーニング率(Pellicle Cleaning Ratio:PCR)
ペリクルクリーニング率(PCR)法は、当業者に知られている。例えば、好適な方法は、J. Dent. Res., 61:1236, 1982に記載されている。PYG(ペプトン酵母グルコース)ブロス、茶、コーヒー、ムチン、FeCl3、マイクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)を含む溶液で、上記方法に従ってクリーニングされるエナメル質表面(10mm×10mm)を、エナメル質表面に均一な染色膜が得られるまで染色した。分光光度計(Minolta CM2600d)を用いてステインフィルムを光度的に評定し、ステインフィルムのスコアが30~42の染色エナメル表面をPCR検査用に選択した。
【0157】
カルボキシメチルセルロース(CMC)0.5%(密度:1.03g/L)を含むグリセリン水溶液(10重量%)50mLに10gのCa2P2O7を混合し、基準スラリーを調製した。試験する各スラリー試料を、柔らかいナイロンフィラメント(Oral-B 40)の歯ブラシを備えた機械式V-8クロスブラッシングマシンに取り付けた。エナメル質表面の張力を150gに調整した。試験片を、PCRの典型的なストローク数である800ストローク(およそ4分半)ブラッシングした。また、スラリー試料を、指定の修正されたブラシストローク数(mPCR)(例えば、60、120、360、1200)でブラッシングした。指定のブラシストローク(例えば、60、120、360、800、1200)は、スコアが割り振られる前のブラシストロークの数を表す。各スラリー試料を60回ストロークした後、取り除き、スコアリングした後、交換した。スコアリングは、ブラッシング前と60回ストローク後のブラッシング前染色スコアとブラッシング後染色スコアとの差を測定した。その後、更に60回のストロークを行い、合計120回のストロークを行った後、スラリー試料を取り出し、同様にスコアリングして、交換を行った。同じ方法を累積ストローク数が1200になるまで続け、その後、試料を取り出して最後のスコアリングを行った。結果を以下の表5に示す。
【0158】
研磨性シリカ粒子10gを、0.5重量%のCMC(密度:1.03g/L)を含むグリセリン(10重量%)水溶液50mLと混合してスラリーを得て、研磨性シリカ粒子を含むスラリー試料を調製した。同じ方法を用いて、単一のシリカの粒子(すなわち、本発明による研磨性シリカ粒子に含まれる粒子[すなわち、第1又は第2又は第3の研磨性シリカの粒子]の1つに対応する単一のシリカ)のみを含む比較スラリー試料を調製した。
【0159】
本発明の研磨性シリカ粒子を含む歯磨剤を含むスラリー試料は、歯磨剤25gを脱イオン水40mL(1.00g/mL)と混合し、歯磨剤スラリーを提供することにより調製した。上に概説される方法に従って調製された比較歯磨剤を含む比較スラリー試料を、同様の方法を用いて調製した。
【0160】
例
本例で使用した研磨性シリカA1、A2、A3、B1、B2、B3、及びB4の粒子について、下記表1に記載する。シリカA1、A2、A3を、それぞれ、第1の「バルク」研磨性シリカとしてそれぞれ使用した。シリカA1及びシリカA2は、PQ Silicas UK LimitedからSORBOSIL(商標)AC39として市販されている。シリカA3は、PQ Silicas UK LimitedからSORBOSIL(商標)AC36として市販されている。本発明に従って使用され得る他の適切な市販の第1の「バルク」研磨性シリカとしては、Solvayから市販されているTixosil(商標)123、Evonikから市販されているZeodent(商標)113及びZeodent(商標)116、並びにGraceから市販されているSylodent(商標)VP5が挙げられる。
【0161】
第2の研磨性シリカ(任意に第3の研磨性シリカ)の粒子として、シリカB1、B2、B3、及びB4を使用した。欧州特許第1976482号の例1Dに記載の方法論に従って、シリカB1を調製した。欧州特許第1976482号の例1Cの方法論に従って、シリカB2を調製した。欧州特許第1976482号の例1Eに従って、シリカB3を調製した。欧州特許第0535943号の例6に従って、シリカB4を調製した。研磨性シリカA1、A2、A3、B1、B2、B3及びB4の粒子の含水率(H2O[重量%])を、105℃のオーブンで2時間加熱処理した後の重量減少に基づいて算出した。
【0162】
【0163】
上記に概説した方法に従って研磨性シリカ粒子を調製し、研磨性シリカ粒子の例1~例31(表2)を提供した。例4R、10R、11R、16R、20R、21R、22R、23R、24R、及び29Rは参考例である。例21Rは、2つの「第1の」研磨性シリカであるA1及びA3を含む参考例として提供される。例25は、第3の研磨性シリカを含む。「nd」という表記は「未決定」を意味する。
【0164】
【0165】
クリーニング性能-研磨性シリカ微粒子
タンニン酸第二鉄(FT)クリーニング試験
表3は、各研磨性シリカA1、A2、A3、B1、B2、B3及びB4、並びに研磨性シリカ粒子例1~例31のそれぞれについて行ったFTクリーニング試験のデータを提供している。FTクリーニング試験を、上記の方法に従い、100ストローク分実施した(表3)。第1の「バルク」研磨性シリカ(A1、A2、A3)に対する各例のクリーニング性能の変化は、「第1のシリカに対する%増加」として提供される。第2の研磨性シリカを20重量%含む参考例に対する各例のクリーニング性能を「20重量%担持率に対する%クリーニング性能」として提供する。これらのデータから、特定の性質を持つ特定のシリカの組合せにより、クリーニング性能を損なうことなく、研磨性シリカ粒子に含まれる第2の研磨性シリカの量を大幅に減らすことができることが明らかになった。
【0166】
【0167】
これらのデータは、本発明の例が、第2のシリカの担持量が10分の1まで減少したにもかかわらず、20重量%の第2のシリカを含む参考例と同様の優れたクリーニング性能を発揮することができることを示す。例17~例19(B2+A1)は、第2のシリカ成分の含有量が最大10分の1と少ないにもかかわらず、20重量%の第2の研磨性シリカを含む参考例20Rのクリーニング性能の90%~99%を提供し、有利には摩耗が著しく減少することがわかった。同様に、例26~例28(A3中のB3)は、20重量%の第2の研磨性シリカを含む参考例29Rのクリーニング性能の85%~98%を有することがわかった。参考例16Rに対する例13~例15、参考例12Rに対する例5~例9、参考例4Rに対する参考例1~参考例3についても、同様の結果が観察された。
【0168】
これらのデータはまた、本発明の例が、比較的少ない量の第2のシリカ(10重量%未満、例えば2重量%、3重量%、4重量%、5重量%又は7重量%)を用いて、第1の研磨性シリカ単独と比較して著しく改善されたクリーニング性能を提供することを実証する。例17~例19(それぞれ2重量%、3重量%、4重量%のB2を含む)は、第1の研磨性シリカ(A1単独)に対するクリーニング性能(FT100)の改善が84%~99%であることを明らかにし、これは、参考例20R(20重量%のB2;99.5%)によって提供される改善と同様であった。同様に、例27及び例28は、第1の研磨性シリカに対するクリーニング性能の改善が25%~28%であることを明らかにし、これは参考例29R(20重量%の第2のシリカ、29.7%)によって提供される改善と同様であった。参考例16Rに対する例13~例15、参考例12Rに対する例5~例9、参考例4Rに対する参考例1~参考例3についても、同様の結果が観察された。
【0169】
これらのデータは、第1のシリカに対して第2のシリカの粒度を制御することにより、比較的少ない第2のシリカの使用量で優れたクリーニングが可能であることを更に実証する。参考例23R及び参考例24Rは、第1のシリカ及び第2のシリカの相対的な粒度が本発明に則していないため、請求項に記載の発明から外れる。これらのデータは、かかる試料では、本発明の研磨性シリカとは異なり、第2のシリカを20重量%担持したときのクリーニング性能の改善は、第2のシリカの担持量が少なくなると維持されないことを示す。例23R(4重量%のB4)と例24R(20重量%のB4)を比較すると、第1のシリカ(A1単独)に対するクリーニング性能の改善は、例24Rによる24.5%の改善に対して、例23Rは7.7%に過ぎないことがわかる。したがって、4重量%のB4を供給しても、20重量%のB4による改善(24.5%、例24R)に対して、クリーニング性能はわずかな増加(7.7%、例23R)しかない。これらのデータは、良好なクリーニング性能を達成するためには、第1のシリカ及び第2のシリカの相対的な特性を注意深く制御する必要があることを裏付けている。
【0170】
例25は、第2のシリカ(B2)及び第3のシリカ(B3)が、研磨性シリカ粒子の総重量に対して4重量%の総量で提供される場合にも、良好なクリーニング性能が達成され得る(第1のシリカA2単独に対して86%)ことを示すために提供される。
【0171】
図1は、例1~例31のFTクリーニング試験(100)の性能を示す図である。第1の「バルク」研磨性シリカと第2の研磨性シリカの特定の組合せを有する研磨性シリカ粒子の例は、上述のように、第2の研磨性シリカ(B1、B2、B3、B4)の量が非常に少なくても良好なクリーニング特性を提供する。
【0172】
研磨性に対するクリーニング性能
各例のPAVに対する例1~例31のFT
100を下記表4に示す(FT
100/PAV;クリーニング対研磨性比)。また、研磨性シリカA1~A3及びB1~B4のFT
100/PAVも提供する。FT
100/PAVのデータを
図2に示す。
【0173】
先に述べたように、良好なクリーニング特性を有するが、歯表面に望ましくない損傷を与えるほど研磨性が高くない研磨性シリカ粒子を提供することが望ましいとされる。したがって、優れたクリーニング性(高いFT100)を提供すると同時に、低い研磨性(例えば低いPAV)を発揮する研磨性シリカ粒子を提供することが望まれる。言い換えれば、FT100/PAV比は低くなるよりも高くなる方が望ましい。
【0174】
【0175】
表4及び
図2を参照すると、例1~例3(それぞれA1中に2重量%、3重量%及び4重量%のB1)は、参考例4R(A1中に20重量%のB1)よりも高いFT
100/PAVを有する。例6~例9(A2中にそれぞれ3重量%、5重量%、7重量%、10重量%のB1)は、参考例12R(A1中に20重量%のB1)よりも高いFT
100/PAVを有する。例13~例15(それぞれA1中に2重量%、3重量%、4重量%のB3)は、参考例16R(A1中に20重量%のB3)よりも高いFT
100/PAVを有する。特に、例13(A1中に2重量%のB3)のFT
100/PAVは例16Rの3倍程度大きく、例14及び例15(それぞれA1中に3重量%及び4重量%のB3)のFT
100/PAVは例16Rの2倍程度大きい。例17~例19(A1中に2重量%、3重量%、4重量%のB2)は、例20Rよりも高いFT
100/PAVを有する。特に、例17のFT
100/PAVは、例20Rよりも2倍程度大きい。例26~例28(A3中に2重量%、3重量%、4重量%のB3)は、例29Rよりも高いFT
100/PAVを有する。特に、例26のFT
100/PAVは例29Rの4倍程度大きく、例26~例28のFT
100/PAVは例29Rの2倍程度大きい。
【0176】
これらのデータはいずれも、驚くべきことに、本発明に従って本明細書に例示した例が、概して、従来の量の第2のシリカ(すなわち、20重量%程度)を含む例と比較して、より少ない研磨(より低いPAVによって示される)でより多くのクリーニングを提供することを示す。言い換えれば、データから、これらの例について比較的に良好なクリーニング性能対研磨性比は、一般に、本発明による研磨性シリカ粒子中の第2の研磨性シリカの量が10%未満である場合に提供されることが明らかとなった。
【0177】
PCR
例1及び例3の各々(A1中にB1をそれぞれ2重量%及び4重量%含む)の第1の研磨性シリカA1に対するクリーニング性能を、上記で概説したPCR法を用いて評定した。同様に、第1の研磨性シリカA3に対する例30(A3中にB1を4重量%含む)のクリーニング性能も比較した。結果を以下の表5に示す。
【0178】
【0179】
2重量%及び4重量%の第2の研磨性シリカB1を含有する研磨性シリカ粒子を含む試料スラリー(それぞれ例1及び例3)は、第1の「バルク」研磨性シリカA1に対してクリーニング性能が改善していた。驚くべきことに、クリーニングの改善は低いブラシストローク(例えば60、120、360)で最も大きく、クリーニング性能の向上はA1単独のクリーニング性能の2倍を超えることがわかった(例えば、例3 mPCR60を参照されたい)。同様に、例30(A3中に4重量%のB1を含む)は、調査した全てのブラシストロークにおいて、第1の「バルク」研磨性シリカA3に対して改善されたクリーニング性能を有した。同様に、例30についてのクリーニングの改善は、高いブラシストローク(例えば800、1200)と比較すると、試料A3単独に対して低いブラシストローク(例えば60、120、360)においてより顕著である(すなわち、より大きく増加した)ようであった。
【0180】
クリーニング性能-研磨性シリカ粒子入り歯磨剤
PCR
また、研磨性シリカ粒子を含む歯磨剤P1、P2、P3、及びP4のPCRクリーニング性能についても調査した。表6に示した歯磨剤P1~P4を、上記の方法に従って調製した。結果を表6に示す。
【0181】
【0182】
表6からわかるように、歯磨剤P2及びP4は、第1の「バルク」研磨性シリカのみを含む歯磨剤P1及びP3に対して、改善されたクリーニング特性を有する(mPCR値が高い)ことが判明した。第1の「バルク」研磨性シリカと比較して、クリーニング性能の最大の改善は、低いブラシストロークで観察された(例えば、P2のmPCR60は、P1のmPCR60より12大きい)。これらのデータは、第2の研磨性シリカの量が10重量%未満である特定の研磨性シリカの組合せを含む研磨性シリカ粒子が、低いブラシストロークで良好なクリーニング特性を提供することを再び実証する。
【0183】
FT
また、P1、P2、P3及びP4の各歯磨剤のクリーニング性能も、上に概説されるFTクリーニング試験により評定した。結果を表7に示す。
【0184】
【0185】
表7からわかるように、P2は100ストロークでP1の2倍を超えるクリーニング性能を示し、300ストロークではP1のほぼ2倍のクリーニング性能を実証した。この改善は、P3に比べてP4では顕著ではなかったが、それでも特に100ブラシストロークで著しいクリーニングの改善が観察された。このデータからも、本発明による研磨性シリカ粒子によるクリーニング性能の向上は、低いブラシストロークで最も顕著であることが示唆される。
【0186】
相対的特性-研磨性シリカの粒子
表8及び表9は、第1の研磨性シリカA1~A3と第2の研磨性(及び任意に第3研磨性)シリカB1~B4の特性の幾つかを比較する。本発明による研磨性シリカ粒子を提供する組合せを太字で示す。
【0187】
【0188】
【0189】
本発明を詳細に説明したが、本発明の原理と範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、改変が企図されることを理解されたい。したがって、本明細書及び特に添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲は、適切な等価物を考慮して解釈されるべきである。「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈から明確に指示されない限り、複数の参照の存在を排除するものではない。任意の又は任意には、その特徴又は活性が存在してもしなくてもよいことを意味する。どちらか一方が企図される。実施形態において、任意の特徴(複数の場合もある)が存在することもある。代替的には、任意の特徴(複数の場合もある)は存在しないこともある。本明細書において、範囲は、ある特定の値「から」、及び/又は別の特定の値「まで」として表現されることがあり、これは、範囲の端点を含むことを意図している。
【国際調査報告】