(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】身体画像に基づいて睡眠分析を決定するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G16H 50/20 20180101AFI20231219BHJP
G16H 50/30 20180101ALI20231219BHJP
A61B 5/08 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G16H50/20
G16H50/30
A61B5/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535546
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2023-06-09
(86)【国際出願番号】 IB2021061597
(87)【国際公開番号】W WO2022123538
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521504913
【氏名又は名称】レズメド ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギル、クリストファー、アンドリュー、ウェイクリー
(72)【発明者】
【氏名】ホーリー、リアム
(72)【発明者】
【氏名】ウェーベー、ジェイミー、グレアム
(72)【発明者】
【氏名】ファーロング、ローワン、ベン
(72)【発明者】
【氏名】マクガン、ザーラ、テレーゼ
(72)【発明者】
【氏名】ワーグナー、スチュアート、ジョーセフ
(72)【発明者】
【氏名】ホッグ、マイケル、クリストファー
【テーマコード(参考)】
4C038
5L099
【Fターム(参考)】
4C038SS09
4C038SV00
4C038SX20
5L099AA04
(57)【要約】
患者の睡眠障害を決定するシステム及び方法が開示される。記憶装置には、患者の顔と首を含むデジタル画像が記憶される。データベースには、以前に識別された表現型と顔及び首の特徴の寸法が記憶される。睡眠障害分析エンジンは、記憶装置及びデータベースに結合される。睡眠障害分析エンジンは、画像上のランドマークを決定することで、画像上の顔及び首の特徴を識別するように動作可能である。睡眠障害分析エンジンは、データベースとの比較に基づいて画像上の少なくとも1つの表現型を分類する。睡眠障害分析エンジンは、少なくとも1つの表現型及び少なくとも1つの特徴を睡眠障害と相関させる。睡眠障害分析エンジンは、表現型と特徴の相関に基づいて睡眠障害のリスクスコアを決定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の睡眠障害を決定する方法であって、
前記患者の顔と首を含むデジタル画像を記憶装置から提供することと、
前記画像上の顔及び首の特徴を、前記画像上のランドマークを決定することによって測定することと、
前記画像上の少なくとも1つの表現型を、データベースに記憶される以前に識別された表現型から分類することと、
前記少なくとも1つの表現型及び少なくとも1つの特徴の測定値を睡眠障害と相関させることと、
前記表現型と前記少なくとも1つの特徴の前記測定値との前記相関に基づいて前記睡眠障害のリスクスコアを決定することとを含む、方法。
【請求項2】
前記画像はモバイルデバイスのカメラによって提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記患者の顔及び首を含む複数の画像を提供することをさらに含む、請求項1~2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記患者の生理学的測定値を測定することをさらに含み、前記睡眠障害の前記リスクスコアが前記生理学的測定値に部分的に基づいて決定される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記相関が、患者集団からの複数の画像及び前記患者集団のそれぞれの睡眠障害スコアを用いて訓練された機械学習モデルを用いて実行される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記画像、分類された表現型、前記特徴の寸法、及び睡眠障害スコアを記憶することと、
前記記憶された分類された表現型、前記特徴の寸法、及び前記患者の睡眠障害スコアを用いて前記患者集団のデータベースを更新することとをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記睡眠障害は、睡眠呼吸障害(SDB)の形態の1つである閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)、チェーンストークス呼吸(CSR)、肥満過換気症候群(OHS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のうちの1つである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの表現型に基づいて併存疾患のリスクスコアを決定することをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記患者のビデオを提供することと、
前記ビデオから前記特徴のうちの1つの動的な動きを決定することとを含み、前記睡眠障害の前記リスクスコアは前記動的な動きによって決定される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記表現型が前記画像上の色によって符号化され、前記画像及び色コードがディスプレイに表示される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記表現型の前記色コードが前記睡眠障害との相関度を表す、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの表現型が、肥満/首周り、差込顎/下顎、及び混雑した/狭い上気道からなる群から1つ選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記決定された表現型に基づいて前記睡眠障害の治療を適合させることをさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記決定された睡眠障害スコアに基づいて前記睡眠障害の重症度を決定することと、
前記睡眠障害の重症度に基づいて療法を決定することとをさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記特徴が首の寸法であり、前記首の寸法が組織質量及び硬さパラメータに相関し、前記睡眠障害の相関が前記組織質量と前記硬さパラメータに関係する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
コンピュータによって実行されると、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法を前記コンピュータに実行させる命令を含むコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項17】
前記コンピュータプログラムプロダクトは、非一時的コンピュータ可読媒体である、請求項16に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項18】
患者の睡眠障害を決定するシステムであって、
前記患者の顔と首を含むデジタル画像を記憶している記憶装置と、
以前に識別された表現型と顔及び首の特徴の寸法を記憶しているデータベースと、
前記記憶装置及び前記データベースに結合された睡眠障害分析エンジンと、を含み、前記睡眠障害分析エンジンは、
前記画像上の前記顔及び首の特徴を、前記画像上のランドマークを決定することにより識別し、
前記データベースとの比較に基づいて前記画像上の少なくとも1つの表現型を分類し、
前記少なくとも1つの表現型及び少なくとも1つの特徴を睡眠障害と相関させ、
前記表現型と前記特徴の前記相関に基づいて前記睡眠障害のリスクスコアを決定するように動作可能である、システム。
【請求項19】
前記デジタル画像は、モバイルデバイスのカメラによって提供される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記記憶装置は、前記患者の顔及び首を含む複数の画像を記憶する、請求項18~19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記睡眠障害分析機械に結合されたセンサインタフェースと、前記患者の生理学的測定値を測定するセンサとをさらに含み、前記睡眠障害のリスクスコアが前記生理学的測定値に部分的に基づいて決定される、請求項18~20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記相関が、患者集団からの複数の画像及び前記患者集団のそれぞれの睡眠障害スコアを用いて訓練された機械学習モデルを用いて実行される、請求項18~21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記睡眠障害分析エンジンは、さらに、
前記画像、分類された表現型、前記特徴の寸法、及び睡眠障害スコアを記憶し、
前記記憶される分類された表現型、前記特徴の寸法、及び前記患者の睡眠障害スコアを使用して前記データベースを更新するように動作可能である、請求項11に記載の方法。
【請求項24】
前記睡眠障害は、睡眠呼吸障害(SDB)の形態の1つである閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)、チェーンストークス呼吸(CSR)、肥満過換気症候群(OHS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のうちの1つである、請求項18~23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記睡眠障害分析エンジンは、前記少なくとも1つの表現型に基づいて併存疾患のリスクスコアを決定するように動作可能である、請求項18~24のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
前記記憶装置が前記患者のビデオを含み、前記睡眠障害分析エンジンが前記ビデオから前記特徴のうちの1つの動的な動きを決定するように動作可能であり、かつ、前記睡眠障害のリスクスコアは前記動的な動きによって決定される、請求項18~25のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
前記表現型が前記画像上の色によって符号化され、前記画像及び色コードがディスプレイに表示される、請求項18~26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記表現型の前記色コードが前記睡眠障害との相関度を表す、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記少なくとも1つの表現型が、肥満/首周り、差込顎/下顎、及び混雑した/狭い上気道からなる群から1つ選択される、請求項18~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記睡眠障害分析エンジンは、さらに、前記決定された表現型に基づいて前記睡眠障害の治療を適合させるように動作可能である、請求項18~29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
前記睡眠障害分析エンジンは、さらに、前記決定された睡眠障害スコアに基づいて前記睡眠障害の重症度を決定し、前記睡眠障害の重症度に基づいて療法を決定するように動作可能である、請求項18~30のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
前記特徴が首の寸法であり、前記首の寸法が組織質量及び硬さパラメータに相関し、前記睡眠障害の相関が前記組織質量と前記硬さパラメータに関係する、請求項18~31のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
「関連出願の相互参照」
本願は、2020年12月11日に出願された米国仮特許出願第63/124577号の利益及び優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、一般に、睡眠障害検出システムに関し、より具体的には、睡眠障害を決定するための画像分析システムに関する。
【背景技術】
【0003】
一定範囲の呼吸器疾患が存在している。特定の疾患は、特定の発症、例えば、無呼吸、呼吸低下、及び過呼吸によって特徴付けられ得る。閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、睡眠呼吸障害(SDB)の1つの形態であり、睡眠時の上通気道の閉鎖又は閉塞などの発症によって特徴付けられる。これは睡眠時の異常に小さな上気道及び舌領域における筋緊張の正常欠損、軟口蓋及び後口咽頭壁の組み合わせに起因する。疾病に罹患すると、患者の呼吸は、30秒から120秒の期間にわたって停止するのが典型的であり、時には、一晩に200回から300回停止する。その結果、日中の傾眠が過度になることが多く、心血管疾患及び脳損傷の原因になり得る。この症候群は一般的な疾患であり、特に中年の過体重の男性に多いが、患者に自覚症状は無い。
【0004】
その他の睡眠関連疾患には、チェーンストークス呼吸(CSR)、肥満過換気症候群(OHS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などが含まれる。COPDは、特定の共通する特性を有する下気道疾患のグループのうちのいずれも包含する。これには空気の動きに対する抵抗の増加、呼吸の呼気相の延長及び肺における正常な弾性の減少が含まれる。COPDの例としては、肺気腫及び慢性気管支炎がある。COPDの原因としては、慢性喫煙(第一危険因子)、職業被ばく、空気汚染及び遺伝因子がある。
【0005】
持続的気道陽圧(CPAP)療法が、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療において用いられている。軟口蓋及び舌を押して後口咽頭壁へ前進又は後退させることにより、持続的気道陽圧療法の適用が空気スプリントとして機能し、これにより上気道の閉鎖を防止し得る。
【0006】
非侵襲的換気(NIV)は、換気補助を上気道を通じて患者へ提供して、呼吸機能の一部又は全体を行うことにより患者の深呼吸の補助及び/又は身体中の適切な酸素レベルの維持を提供する。換気補助が、患者インタフェースを介して提供される。NIVは、CSR、OHS、COPD、及び胸壁障害などの治療に用いられている。いくつかの形態において、これらの治療の快適性及び有効性が向上し得る。侵襲的換気(IV)は、自身で有効に呼吸することができなくなった患者に対して換気補助を提供し、気管切開管を用いて提供され得る。
【0007】
治療システムは、呼吸圧力治療デバイス(RPTデバイス)、空気回路、加湿器、患者インタフェース、及びデータ管理を含み得る。患者インタフェースは、例えば気道入口への空気流れを提供することにより呼吸装具へのインタフェースを装着者へ提供するために、用いられ得る。空気流れは、鼻及び/又は口腔へのマスク、口腔への管、又は患者気管への気管切開管を介して提供され得る。
【0008】
問題の1つは、潜在患者が睡眠障害を抱えているか否かを決定することである。患者が自己報告する場合があるが、多くの患者は睡眠障害にかかることを報告しないか、認識すらしない。患者中で、現在の方法の1つは、睡眠障害の診断を試みるために主観的な感覚から情報を収集する問診票である。このような問診票には主観的な回答が含まれるため、情報が不正確になる可能性がある。さらに、患者がそのような問診票に記入するか又は正確に記入するという保証はない。睡眠障害を診断するもう1つのメカニズムは、睡眠中の患者を観察する睡眠検査室である。睡眠検査室は、効果的であるが、比較的労力とリソースがかかる。さらに、観察されることは多くの患者を不快にさせるため、患者を睡眠検査室で観察を受けるように説得するのは困難である。
【0009】
睡眠障害を正確に個別に決定できるシステムが必要である。潜在的な睡眠障害を分析するために、ユーザからの画像データを組み込むシステムが必要である。睡眠障害を決定するために、ユーザの画像と他のセンサデータを組み込むシステムも必要である。
【発明の概要】
【0010】
開示された一例は、患者の睡眠障害を決定する方法である。患者の顔と首を含むデジタル画像が記憶装置から提供される。画像上の顔及び首の特徴は、画像上のランドマークを決定することによって測定される。画像上の少なくとも1つの表現型が、データベースに記憶される以前に識別された表現型から分類される。少なくとも1つの表現型及び少なくとも1つの特徴の測定値は、睡眠障害と相関する。睡眠障害のリスクスコアは、表現型と少なくとも1つの特徴の測定値との相関に基づいて決定される。
【0011】
開示された例示的な方法の他の実装形態では、画像はモバイルデバイスのカメラによって提供される。別の実装形態では、例示的な方法は、患者の顔及び首を含む複数の画像を提供することを含む。別の実装形態では、例示的な方法は、患者の生理学的測定値を測定することを含む。睡眠障害のリスクスコアは、生理学的測定値に部分的に基づいて決定される。別の実装形態では、相関は、患者集団からの画像及び患者集団のそれぞれの睡眠障害スコアを用いて訓練された機械学習モデルを用いて実行される。別の実装形態では、例示的な方法は、画像、分類された表現型、特徴の寸法、及び睡眠障害スコアを記憶することを含む。この方法はまた、記憶された分類された表現型、特徴の寸法、及び患者の睡眠障害スコアを用いて患者集団のデータベースを更新することを含む。別の実装形態では、睡眠障害は、睡眠呼吸障害(SDB)の1つの形態である閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)、チェーンストークス呼吸(CSR)、肥満過換気症候群(OHS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のうちの1つである。別の実施形態では、例示的な方法は、少なくとも1つの表現型に基づいて併存疾患のリスクスコアを決定することを含む。別の実装形態では、例示的な方法は、患者のビデオを提供することと、特徴の1つの動的な動きを決定することとを含む。睡眠障害のリスクスコアは動的な動きによって決定される。別の実装形態では、表現型は画像上の色によって符号化され、画像及び色コードがディスプレイに表示される。別の実装形態では、表現型の色コードは、睡眠障害との相関度を表す。別の実装形態では、少なくとも1つの表現型は、肥満/首周り、差込顎/下顎、及び混雑した/狭い上気道のうちの1つである。別の実装形態では、例示的な方法は、決定された表現型に基づいて睡眠障害の治療を適合させることを含む。別の実装形態では、例示的な方法は、決定された睡眠障害スコアに基づいて睡眠障害の重症度を決定することと、睡眠障害の重症度に基づいて療法を決定することとを含む。別の実装形態では、特徴は、首の寸法である。首の寸法は、組織質量と硬さパラメータに相関する。睡眠障害の相関は、組織質量と硬さパラメータに関連する。
【0012】
別の開示例は、コンピュータによって実行されるとき、上記方法をコンピュータに実行させる命令を含むコンピュータプログラムプロダクトである。さらなる実装形態において、コンピュータプログラムプロダクトは非一時的なコンピュータ可読媒体である。
【0013】
別の開示例は、患者の睡眠障害を決定するシステムである。該システムは、患者の顔及び首を含むデジタル画像を記憶する記憶装置を含む。データベースには、以前に識別された表現型と顔及び首の特徴の寸法が記憶される。該システムは、記憶装置及びデータベースに結合された睡眠障害分析エンジンを含む。睡眠障害分析エンジンは、画像上のランドマークを決定することで、画像上の顔及び首の特徴を識別する。このエンジンは、データベースとの比較に基づいて、画像上の少なくとも1つの表現型を分類する。このエンジンは、少なくとも1つの表現型及び少なくとも1つの特徴を睡眠障害と相関させる。このエンジンは、表現型と特徴の相関に基づいて睡眠障害のリスクスコアを決定する。
【0014】
開示例のシステムの他の実装形態では、画像はモバイルデバイスのカメラによって提供される。別の実装形態では、記憶装置は、患者の顔及び首を含む複数の画像を記憶する。別の実装形態では、例示的なシステムは、睡眠障害分析機械に結合されたセンサインタフェースと、患者の生理学的測定値を測定するセンサとを含む。睡眠障害のリスクスコアは、生理学的測定値に部分的に基づいて決定される。別の実装形態では、相関は、患者集団からの画像及び患者集団のそれぞれの睡眠障害スコアを用いて訓練された機械学習モデルを用いて実行される。別の実装形態では、睡眠障害分析エンジンは、画像、分類された表現型、特徴の寸法、及び睡眠障害スコアを記憶する。該エンジンは、記憶される分類された表現型、特徴の寸法、及び患者の睡眠障害スコアを使用してデータベースを更新する。別の実装形態では、睡眠障害は、睡眠呼吸障害(SDB)の1つの形態である閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)、チェーンストークス呼吸(CSR)、肥満過換気症候群(OHS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のうちの1つである。別の実装形態では、睡眠障害分析エンジンは、表現型に基づいて併存疾患のリスクスコアを決定する。別の実装形態では、記憶装置には患者のビデオが含まれる。睡眠障害分析エンジンは、ビデオから特徴のうちの1つの動的な動きを決定し、睡眠障害のリスクスコアはその動的な動きによって決定される。別の実装形態では、表現型は画像上の色によって符号化され、画像及び色コードがディスプレイに表示される。別の実装形態では、表現型の色コードは、睡眠障害との相関度を表す。別の実装形態では、表現型は、肥満/首周り、差込顎/下顎、及び混雑した/狭い上気道から選択される。別の実装形態では、睡眠障害分析エンジンは、決定された表現型に基づいて睡眠障害の治療を適合させる。別の実装形態では、睡眠障害分析エンジンは、決定された睡眠障害スコアに基づいて睡眠障害の重症度を決定することと、睡眠障害の重症度に基づいて療法を決定することとを含む。別の実装形態では、特徴は、首の寸法である。首の寸法は、組織質量と硬さパラメータに相関し、睡眠障害の相関は組織質量と硬さパラメータに関係する。
【0015】
上記の概要は、本開示の各実施形態又はあらゆる態様を示すことを意図していない。むしろ、前述の概要は、本明細書に記載された新規な態様及び特徴のいくつかの例を提供するに過ぎない。本開示の上記の特徴及び利点、ならびに他の特徴及び利点は、添付図面及び添付の請求項と関連して、本発明を実施するための代表的な実施形態及びモードの以下の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】睡眠障害に関するデータを収集するシステムを示す。
【
図2】顔データを取り込むために使用されるコンピューティングデバイスのコンポーネントの図である。
【
図3A】患者の画像を取り込むアプリケーションインタフェースの画面イメージである。
【
図3B】顔の表現型領域を示す患者の画像上のオーバーレイの画面イメージである。
【
図4】顔及び首の表現型領域及び睡眠障害との相関を示す、患者の画像上に得られた色づけられたオーバーレイの画面イメージである。
【
図5】睡眠障害診断のための患者入力のスキャン及び分析に基づいて患者の画像データを収集するプロセスの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は、様々な修正及び代替的な形態の影響を受けやすい。いくつかの代表的な実施形態は、図面の中で例として示されており、本明細書で詳細に説明されることとなる。しかし、本発明は、開示される特定の形態のみに限定することを意図したものではないことを理解されたい。むしろ、本開示は、添付の請求項によって定義される本発明の精神及び範囲内に属する全ての改変物、均等物及び代替物を網羅する。
【0018】
本発明は、多くの異なる形態で具現化され得る。代表的な実施形態は図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。本開示は、本開示に係る原理の一例又は例示であり、本開示の広範な態様をここに示す実施形態に限定することを意図するものではない。その限りにおいて、例えば、要約書、発明の概要、発明の詳細な説明に記載されている要素及び限定事項のうち、特許請求の範囲に明示されていない要素及び限定事項は、単独で、又は、包括的、又は、暗示的に、推論して、又はそれ以外の状態で特許請求の範囲に組み込まれるべきではない。ここでの説明を詳細に行うために、特に断りのない限り、単数形は、複数形を含み、逆も同様である。また、用語「含む」とは、「含むがこれに限定されない」という意味である。さらに、「約」、「ほぼ」、「実質的に」、「近似的」などの近似の言葉は、例えば、ここでは「で」、「近く」、「付近」、「3~5%」、「製造許容差内」、又はそれらの論理的な組み合わせなどを意味するものとして使用することができる。
【0019】
本開示により、最小限の労力で取得され得るデータソースを相互に関連付けることにより、患者は睡眠障害の診断をより迅速かつ便利に得ることが可能になる。睡眠障害の例としては、睡眠呼吸障害(SDB)の形態の1つである閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)、チェーンストークス呼吸(CSR)、肥満過換気症候群(OHS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などが挙げられる。異なる身体特徴の画像は、スキャンプロセスによって決定された個々の患者の特徴を有する患者集団から分析されて決定され得る。スキャンプロセスにより、患者は、デスクトップコンピュータ、タブレット、スマートフォン、その他のモバイルデバイスなどのコンピューティングデバイスを使用して、快適な自宅で自分の解剖学的構造を迅速に測定することができる。睡眠障害に関連する追加の特徴は、スキャンされた解剖学的画像から分析され得る。
【0020】
有利な実装形態では、本技術は、製造業者又は第三者サーバから統合カメラを備えたスマートフォン又はタブレットにダウンロード可能なアプリケーションを使用し得る。アプリケーションは、起動されると、視覚的及び/又は音声指示を提供し得る。指示に従って、ユーザ(つまり患者)は、鏡の前に立っており、ユーザインタフェースのカメラボタンを押す。次に、アクティブ化されたプロセスが患者の一連の写真を撮り得、その後、たとえば数秒以内に、(写真を分析するプロセッサに基づいて)インタフェースを選択するための顔、首、又はその他の寸法を取得し得る。
【0021】
ユーザ/患者は、自分の解剖学的構造の画像又は一連の画像を取り込み得る。プロセッサによって実行される場合などに、コンピュータ可読媒体に記憶される画像分析アプリケーションによって提供される命令は、画像内のさまざまなランドマークを検出し、そのようなランドマーク間の距離を測定及びスケールし、これらの距離及びその他のメトリックをデータレコードに記録する。特徴の測定は、睡眠障害の分析に関連する可能性がある。ランドマークと特徴は、睡眠障害に関連する可能性のある表現型を分類するために使用することもできる。アプリケーションはまた、患者の睡眠障害スコアを生成するために画像分析エンジンによって使用され得る生理学的データ及び人口統計データなど、他の睡眠障害関連データを患者から収集し得る。
【0022】
図1は、患者の画像から身体特徴を自動測定し、患者の睡眠障害分析を提供するために実装され得る例示的なデータ収集システム100を示す。データ収集システム100は、一般に、サーバ110、通信ネットワーク120、及びコンピューティングデバイス130のうちの1つ又は複数を含み得る。サーバ110及びコンピューティングデバイス130は、通信ネットワーク120を介して通信し得、通信ネットワーク120は、有線ネットワーク122、無線ネットワーク124、又は無線リンク126を備えた有線ネットワークであってもよい。いくつかのバージョンでは、サーバ110は、情報をコンピューティングデバイス130に提供することによってコンピューティングデバイス130と一方向に通信し得、あるいはその逆も可能である。他の実施形態では、サーバ110及びコンピューティングデバイス130は、情報及び/又は処理タスクを共有し得る。該システムは、例えば、本明細書でより詳細に説明する睡眠障害を決定するための顔又は他の身体画像の分析を可能にするために実装され得る。
【0023】
データベース160は、患者162によって表される患者集団に関するデータを収集するために提供される。外部データベース170は、睡眠障害分析の目的でサーバ110によってアクセスされ得る、患者に関する追加の関連収集データを含み得る。患者162は、コンピューティングデバイス130、又は携帯電話134もしくはタブレット136などの他のモバイルコンピューティングデバイスにアクセスし得る。この例では、患者162は、生理学的データを収集する生理学的センサ150を装着し得る。センサ150は、心拍数センサ、酸素レベルセンサ、ECGセンサ、脈拍数センサなどを含み得る。センサ150は、携帯電話134などのコンピューティングデバイスと通信して、特に睡眠期間中に生理学的データを記録し得る。後述するように、システム100は、患者162が睡眠障害にかかる可能性があるか否かを診断するためのデータの収集を可能にする。
【0024】
患者164によって代表される第2の患者集団は、以前に睡眠障害と診断される。このような患者164は、呼吸圧治療デバイス(RPT)152などの形態で睡眠障害の治療を受けている可能性がある。RPTの例としては、デバイスの動作を監視する動作センサ、及びデバイスに対する患者の生理学的反応を記録する患者ベースのセンサの両方を備えた持続的気道陽圧(CPAP)デバイスが挙げられる。この例では、データは第2の患者集団164から収集され、相関関係を決定し、他の患者の睡眠障害の分析を可能にする。データには、生理学的データ、顔及び首の画像データ、人口統計データが含まれ得る。RPT152によって収集されたデータなどの治療データは、第2グループの患者の睡眠障害の重症度及び種類と相関付けられる。睡眠障害とのそのような相関は、例示的な機械学習サーバ112を介して実行され得る。第2の患者集団の患者164は、また、コンピューティングデバイス130、又は携帯電話134もしくはタブレット136などの他のモバイルコンピューティングデバイスなどのコンピューティングデバイスにアクセスし得る。画像データ、生理学的データ、及び治療データは、患者164のそのようなデバイスを介して収集され得る。
【0025】
機械学習サーバ112及び/又はコンピューティングデバイス130は、RPT152などの呼吸圧治療デバイスと通信することもできる。この例におけるRPTデバイス152は、患者の使用、マスクの漏れ、及び他の関連データに関する運用データを収集して、マスクの使用、ひいてはOSAなどの睡眠障害の治療に関するフィードバックを提供する。RPTデバイス152からのデータは収集され、患者データベース160内のRPTデバイス152を使用して患者164の個々の患者データと相関付けられる。
【0026】
サーバ110によって実行される睡眠障害分析エンジンは、患者162によって代表される第1グループの患者からの画像データ及び追加データを潜在的な睡眠障害と相関させ、潜在的な睡眠障害を決定するために使用される。機械学習サーバ112は、睡眠障害とのより良いデータ相関のための機械学習モデルを提供するためにデータベース160にアクセスし得る。詳細に説明するように、睡眠障害分析エンジンは、記憶される画像データを受信し、睡眠障害に相関する患者集団からの表現型などのデータのデータベースにアクセスする。睡眠障害分析エンジンは、画像上のランドマークを決定することで患者の画像の解剖学的特徴を識別する。このような解剖学的特徴には、画像上の顔及び首の解剖学的特徴が含まれ得る。分析エンジンは、データベースとの比較に基づいて、画像上の少なくとも1つの表現型を分類する。表現型及び少なくとも1つの特徴は睡眠障害と相関する。睡眠障害のリスクスコアは、表現型と特徴の相関に基づいて決定される。
【0027】
したがって、関連データは、患者の画像から識別されたポイントから導出された新しい患者の解剖学的寸法データと相関付けられ得る。後述するように、サーバ110は、データベース160に記憶される複数の患者からデータを収集し、各患者の睡眠障害の可能性を出力することにより、睡眠障害分析エンジンを実行する。
【0028】
コンピューティングデバイス130は、デスクトップ又はラップトップコンピュータ132、又はスマートフォン134又はタブレット136などのモバイルデバイスであり得る。
図2は、コンピューティングデバイス130の一般的なアーキテクチャ200を示す。コンピューティングデバイス130は、1つ又は複数のプロセッサ210を含み得る。コンピューティングデバイス130はまた、表示インタフェース220、ユーザ制御/入力インタフェース231、センサ240及び/又は1つ又は複数のセンサ用のセンサインタフェース、慣性計測装置(IMU)242及び非揮発性メモリ/データストレージ250を含み得る。
【0029】
センサ240は、スマートフォン又はラップトップに備えられるものなど、コンピューティングデバイス130に統合される1つ又は複数のカメラ(たとえば、CCD電荷結合素子又は能動ピクセルセンサ)であってもよい。又は、コンピューティングデバイス130はデスクトップコンピュータであるが、
図1に示されるウェブカメラ133などの外部カメラと結合するためのセンサインタフェースを含んでもよい。本明細書に記載の方法を支援するために使用することができ、コンピューティングデバイスと一体化されるか又はコンピューティングデバイスの外部に設けられる他の例示的なセンサは、3次元画像を取り込むための立体カメラ、又はレーザー又はストローブ/構造化光源からの反射光を検出できる光検出器が含まれる。
【0030】
ユーザ制御/入力インタフェース231により、ユーザは、コマンドを入力するか、ユーザに提供されるプロンプト又は命令に応答することができる。これには、たとえば、タッチパネル、キーボード、マウス、マイク、スピーカなどが考えられる。
【0031】
表示インタフェース220は、以下でさらに詳細に説明するように、プロンプト、出力情報(顔の測定値又はインタフェースサイズの推奨など)、及び取り込みディスプレイなどの他の情報を表示するためのモニタ、LCDパネルなどを含み得る。
【0032】
メモリ/データストレージ250は、RAM、フラッシュメモリ又はROMなどのコンピューティングデバイスの内部メモリであり得る。いくつかの実施形態では、メモリ/データストレージ250は、例えばSDカード、サーバ、USBフラッシュドライブ、又は光ディスクなどのコンピューティングデバイス130にリンクされた外部メモリであってもよい。他の実施形態では、メモリ/データストレージ250は、外部メモリ及び内部メモリの組み合わせであり得る。メモリ/データストレージ250は、記憶されたデータ254と、プロセッサ210に特定のタスクを実行するように指示するプロセッサ制御命令252とを含む。記憶されたデータ254は、取り込まれた画像などのセンサ240によって受信されたデータ、及びアプリケーションのコンポーネント部分として提供される他のデータを含むことができる。プロセッサ制御命令252は、アプリケーションのコンポーネント部分として提供することもできる。
【0033】
上記のように、顔又は首の画像などの身体画像は、スマートフォン134などのモバイルコンピューティングデバイスによって取り込まれ得る。コンピューティングデバイス130又はサーバ110上で実行される適切なアプリケーションは、睡眠障害の決定に役立つ3次元の関連する顔及び他の解剖学的データを提供することができる。アプリケーションは顔スキャンの適切な方法を使用し得る。そのようなアプリケーションは、StandardCyborg(https://www.standardcyborg.com/)からのキャプチャ、Scandy Pro(https://www.scandy.co/products/scandy-pro)からのアプリケーション、Qianxun3d(http://www.qianxun3d.com/scanpage)からのBeauty3Dアプリケーション、Unre 3D FaceApp(http://www.unre.ai/index.php?route=ios/detail)及びBellus3D(https://www.bellus3d.com/)からのアプリケーションを含み得る。顔スキャンの詳細なプロセスには、WO2017000031に開示されている技術が含まれており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
イメージングルーチンを3D顔モデルと組み合わせて、寸法を推定することもできる。たとえば、Apple電話のTrue Depthカメラなどのモバイルデバイスの3Dスキャナ又は深度センサを使用して、3D画像を取り込むことができる。正確な3Dモデルを作成するために、複数の3D画像が取り込まれ得る。たとえば、一連の画像を取り込む1つの方法は、体の残りの部分(首から下の部分)を固定したまま頭を左右に回転させることである。これは、3Dモデルを再構築するときに首に歪みが生じたり、エラーが発生したりするため、問題となる。これを軽減するために、カメラユニット全体が縦軸に沿って回転しながら、頭、首、体を固定した状態(つまり、互いに回転しない状態)で3D画像を取り込むことができる。この方法の一例は、ユーザを回転椅子に座らせることである。カメラを備えたデバイスはスタンドに取り付けられ、椅子をゆっくり回転させながら一連の3D画像を撮影することができる。これにより、3Dカメラが顔と頭の特徴を適切に取り込み、3Dモデルを正確に再構築できるようになる。
【0035】
そのようなアプリケーションの1つは、顔の特徴の測定及び/又は患者インタフェースのサイジング用のアプリケーション260であり、これは、スマートフォン134及び/又はタブレット136などのモバイルデバイスにダウンロード可能なアプリケーションであり得る。メモリ/データストレージ250などのコンピュータ可読媒体に記憶され得るアプリケーション260は、解剖学的特徴の測定及び/又は患者のサイジングに関連する特定のタスクをプロセッサ210が実行するためのプログラムされた命令を含む。アプリケーションには、自動化された方法論のアルゴリズムによって処理され得るデータも含まれる。このようなデータには、以下でさらに詳しく説明するように、データレコード、参照特徴、及び補正係数が含まれ得る。
【0036】
アプリケーション260は、プロセッサ210によって実行され、二次元又は三次元画像を使用して患者の顔及び首の特徴などの解剖学的詳細を測定する。この方法は、一般に、3つ又は4つの異なる段階、すなわち、取り込み前段階、取り込み段階、取り込み後の画像処理段階、及び比較及び出力段階を含むものとして特徴付けられ得る。
【0037】
場合によっては、顔の特徴の測定及び患者インタフェースのサイジングのためのアプリケーションは、表示インタフェース220上に参照特徴を含む視覚的表示を出力するようにプロセッサ210を制御し得る。ユーザは、カメラを動かすなどして、その特徴を自分の顔の特徴に隣接して配置し得る。次に、プロセッサは、位置合わせ条件などの特定の条件が満たされた場合に、参照特徴に関連して顔の特徴の1つ又は複数の画像を取り込んで記憶することができる。これは鏡の支援で行うことができる。鏡は、表示された参照特徴とユーザの顔をカメラに映す。次に、アプリケーションは、プロセッサ210を制御して、画像内の特定の顔の特徴を識別し、それらの間の距離を測定する。画像分析処理により、スケーリング係数を使用してピクセル数などの顔特徴測定値を、参照特徴に基づいた標準マスク測定値に変換し得る。このような値は、例えば、メートル又はインチなどの標準化された測定単位、及びマスクのサイジングに適したそのような単位で表される値であってもよい。
【0038】
追加の補正係数が測定値に適用され得る。顔特徴測定値は、例えば鼻マスク及びFFMなどの特定の患者インタフェース形態の異なる患者インタフェースサイズに対応する測定範囲を含むデータレコードと比較され得る。次に、推奨サイズが選択され、比較に基づいて推奨としてユーザ/患者に出力される。このようなプロセスは、任意のユーザの快適な場所内で都合よく影響を受ける可能性がある。アプリケーションはこの方法を数秒以内に実行し得る。一例では、アプリケーションはこの方法をリアルタイムに実行する。
【0039】
取り込み前段階では、プロセッサ210は、とりわけ、サイジング処理のために1つ又は複数の画像を取り込むための適切な条件を確立する際にユーザを支援する。これらの条件のいくつかには、例えば、適切な照明及びカメラの向き、ならびにコンピューティングデバイス230を保持する不安定な手によって引き起こされるモーションブラーが含まれる。
【0040】
ユーザは、コンピューティングデバイス130で自動測定及びサイジングを実行するアプリケーションを、第三者のアプリケーションストアサーバなどのサーバから自分のコンピューティングデバイス130に都合よくダウンロードし得る。ダウンロードされると、そのようなアプリケーションは、RAM又はフラッシュメモリなどのコンピューティングデバイスの内部非揮発性メモリに記憶され得る。コンピューティングデバイス230は、スマートフォン134又はタブレット136などのモバイルデバイスであることが好ましい。
【0041】
ユーザがアプリケーションを起動すると、プロセッサ210は、表示インタフェース220を介してユーザに、年齢、性別、体重、身長、睡眠障害の診断に関連するライフスタイル要因(例えば、食事、アルコール、アヘン剤、その他の薬物の使用、喫煙歴、身体的及び精神的活動パターン、職業、汚染への曝露、及び地理的位置)などの患者固有の情報を提供するよう促すことができる。しかしながら、プロセッサ210は、ユーザの顔の特徴が測定された後など、いつでもユーザにこの情報を入力するよう促すことができる。プロセッサ210はまた、ユーザがプロセス中の自分の役割を理解するのを助けるために、アプリケーションによって提供されるように、音声及び/又は視覚的に提示され得るチュートリアルを提示し得る。プロンプトでは、例えば、鼻又は顔全体などの患者インタフェースのタイプ、及び患者インタフェースが使用されるデバイスのタイプに関する情報も必要になる場合がある。また、取り込み前段階では、アプリケーションは、ユーザの顔の取り込まれた画像を受信した後など、ユーザがすでに収集した情報と機械学習技術に基づいて、人工知能を通じて患者固有の情報を推定し得る。
【0042】
ユーザが続行する準備ができたとき(これは、ユーザ入力又はユーザ制御/入力インタフェース231を介したプロンプトへの応答によって示され得る)、プロセッサ210は、アプリケーションのプロセッサ制御命令252の命令に従ってセンサ240を起動する。センサ240は、モバイルデバイスの表示インタフェース220と同じ側に配置される、モバイルデバイスの前向きカメラであることが好ましい。カメラは通常、二次元画像を取り込むように構成されている。2次元画像を取り込むモバイルデバイスのカメラは遍在する。本技術は、この遍在性を利用して、専用の機器を入手する必要性によるユーザの負担を回避する。
【0043】
センサ/カメラ240が起動されるのとほぼ同時に、プロセッサ210は、アプリケーション260の指示に従って、表示インタフェース220上に取り込みディスプレイを提示する。取り込みディスプレイには、カメラのライブアクションプレビュー、参照特徴、ターゲットボックス、及び1つ以上のステータスインジケータ、又はそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。この例では、参照特徴は表示インタフェースの中心に表示され、表示インタフェース320の幅に対応する幅を有する。参照特徴の垂直位置は、参照特徴の上端が表示インタフェース220の最上端に当接するか、又は参照特徴の下端が表示インタフェース220の最下端に当接するような位置であってもよい。表示インタフェース220の一部は、カメラのライブアクションプレビューを表示し、通常、ユーザが正しい位置及び向きにいる場合にセンサ/カメラ240によってリアルタイムに取り込まれた顔及び首の特徴を示す。
【0044】
参照特徴は、コンピューティングデバイス130に知られている(所定の)特徴であり、プロセッサ210が取り込まれた画像をスケールできるようにする参照のフレームをプロセッサ210に提供する。参照特徴は、ユーザの顔又は解剖学的特徴以外の特徴であることが好ましい。したがって、画像処理段階中、参照特徴は、取り込み前段階中など、特定の位置合わせ条件がいつ満たされるかをプロセッサ210が決定するのを支援する。参照特徴は、スケーリング情報、向き、及び/又はQRコード(登録商標)の構造から任意に決定できる他の任意の所望の情報などの特定の情報をプロセッサ210に提供できるクイックレスポンス(QR)コード、既知の見本又はマーカーなどであってもよい。QRコード(登録商標)の形状は正方形又は長方形である。表示インタフェース220上に表示されるとき、参照特徴は、ミリメートル又はセンチメートル単位などの所定の寸法を有し、その値はアプリケーションに符号化され、適切な時点でプロセッサ210に伝達され得る。参照特徴の実際の寸法は、さまざまなコンピューティングデバイス間で異なり得る。一部のバージョンでは、アプリケーションは、特定のモデルに表示されるときの参照特徴の寸法がすでに知られるコンピューティングデバイスモデル固有となるように構成され得る。しかしながら、他の実施形態では、アプリケーションは、プロセッサ210がスケーリングを介して表示インタフェース220上に表示される参照特徴の実世界/実際の寸法を計算できるようにする表示サイズ及び/又はズーム特性などの特定の情報をデバイス130から取得するようにプロセッサ210に指示してもよい。それにもかかわらず、そのようなコンピューティングデバイスの表示インタフェース220上に表示される参照特徴の実際の寸法は、一般に、取り込み後の画像処理の前に知られている。
【0045】
参照特徴とともに、ターゲットボックスが表示インタフェース220上に表示され得る。ターゲットボックスにより、ユーザは、ターゲットボックス内の取り込みディスプレイ222内の特定のコンポーネントを位置合わせするが、これは、画像取り込みを成功させるために望ましい。
【0046】
ステータスインジケータは、プロセスのステータスに関する情報をユーザに提供する。これにより、ユーザは画像の取り込みが完了する前にセンサ/カメラの位置合わせを大幅に調整する必要がなくなる。
【0047】
したがって、ユーザが表示インタフェース220を測定対象の解剖学的特徴と平行に保持し、ユーザ表示インタフェース220を鏡又は他の反射面に提示すると、参照特徴が目立つように表示され、カメラ/センサ240によって見られ、鏡によって反射されたリアルタイム画像をオーバーレイする。この参照特徴は、表示インタフェース220の上部近くに固定され得る。参照特徴は、センサ240が参照特徴をはっきりと見ることができ、プロセッサ210が特徴を容易に識別できるように、少なくとも部分的にこの方法で目立つように表示される。さらに、参照特徴は、ユーザの顔及び首のライブビューをオーバーレイし得るため、ユーザの混乱を避けることができる。
【0048】
ユーザは、また、表示インタフェース220を介してプロセッサ210によって、コンピューティングデバイス130のスピーカを介した可聴指示によって指示されてもよいし、測定される解剖学的特徴の平面内に表示インタフェース220を配置するように、チュートリアルによって定刻前に指示されてもよい。最終的に取り込まれた画像は2次元であるため、平面位置合わせにより、参照特徴のスケールが顔特徴測定に同等に適用できるようになる。この点に関して、鏡とユーザの顔の特徴及びディスプレイの両方との間の距離はほぼ同じになる。
【0049】
ユーザが鏡の前に位置し、参照特徴を含む表示インタフェース220が、測定される解剖学的特徴と平面的に位置合わせられて大まかに配置されると、プロセッサ210は、十分な位置合わせを確保するのに役立つ特定の条件をチェックする。前述したように、アプリケーションによって確立され得る1つの例示的な条件は、参照特徴全体がターゲットボックス228内で検出されなければ続行することができないということである。プロセッサ210は、参照特徴がターゲットボックス内に完全に位置していないことを検出した場合、画像の取り込みを禁止又は遅延し得る。次に、ユーザは、ライブアクションプレビューに表示される参照特徴がターゲットボックス内に位置するまで、表示インタフェース220とともにその顔又は首を動かして平面性を維持し得る。これは、画像取り込み用のミラーに対する特徴及び表示インタフェース220の位置合わせを最適化するのに役立っている。
【0050】
プロセッサ210がターゲットボックス内の参照特徴全体を検出すると、プロセッサ210は、デバイスの傾斜角を検出するためにコンピューティングデバイスのIMU242を読み取ることができる。IMU242は、例えば、加速度計又はジャイロスコープを含み得る。したがって、プロセッサ210は、1つ又は複数の閾値との比較などによってデバイスの傾きを評価し、それが適切な範囲内にあることを確認することができる。例えば、コンピューティングデバイス130、ひいては表示インタフェース220及び所望の特徴が約±5度以内の任意の方向に傾いていると決定された場合、プロセスは取り込み段階に進み得る。他の実施形態では、継続のための傾斜角は、約±10度、±7度、±3度、又は±1度以内であってもよい。過度の傾きが検出された場合、望ましくない傾きを修正するために、警告メッセージが表示又は鳴らされる場合がある。これは、特に前後方向の過度の傾きを禁止又は軽減するのにユーザを支援するのに特に役立っている。これを補正しないと、キャプチャされた参照画像が適切なアスペクト比を有しないため、測定誤差の原因となる可能性がある。
【0051】
アプリケーションによる制御に従ってプロセッサ210によって位置合わせが決定されると、プロセッサ210は取り込み段階に進む。取り込み段階は、位置合わせパラメータ及び先行する他の条件が満たされると、自動的に行われることが好ましい。しかしながら、いくつかの実施形態では、ユーザは、そうするように求めるプロンプトに応答して取り込みを開始し得る。
【0052】
画像取り込みが開始されると、プロセッサ210は、センサ240を介して、好ましくは複数の画像であるn枚の画像を取り込む。例えば、プロセッサ210は、センサ240を介して、約5~20枚の画像、10~20枚の画像、又は10~15枚の画像などを取り込み得る。取り込まれた画像の量は時間ベースであってもよい。換言すれば、取り込まれる画像の数は、所定の時間間隔中にセンサ240によって取り込まれることができる所定の解像度の画像の数に基づくものであってもよい。例えば、センサ240が1秒以内に所定の解像度で取り込むことができる画像の数が40枚であり、取り込みのための所定の時間間隔が1秒である場合、センサ240は、プロセッサ210によって処理するために40枚の画像を取り込むことになる。画像の量は、ユーザによって定義されてもよいし、検出された環境条件の人工知能又は機械学習に基づいて、又は意図された精度ターゲットに基づいて、サーバ110によって検出されてもよい。たとえば、高い精度が必要な場合は、より多くの取り込まれた画像が必要になる場合がある。処理するための複数の画像を取り込むことが好ましいが、1つの画像が検討されており、正確な測定値を取得するために使用と成功する場合がある。ただし、複数の画像を使用すると、平均的な測定値を取得することができる。これにより、エラー/不一致が減少し、精度が向上する可能性がある。画像は、取り込み後の処理のために、プロセッサ210によってメモリ/データストレージ250の記憶データ254に配置され得る。
【0053】
画像が取り込まれると、画像はプロセッサ210によって処理されて、解剖学的特徴/ランドマークを検出又は識別し、それらの間の距離を測定する。結果として得られる測定値は、睡眠障害との相関について分析され得る。表現型分類などの他の分析は、画像の分析によって実行され得る。又は、この処理は、送信された取り込まれた画像を受信するサーバ110によって、及び/又はユーザによって操作されるコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン)上で実行されてもよい。処理は、プロセッサ210とサーバ110の組み合わせによって実行されてもよい。
【0054】
プロセッサ210は、アプリケーションによって制御され、記憶されたデータ254から1つ又は複数の取り込まれた画像を取得する。そして、画像はプロセッサ210によって抽出され、2次元の取り込まれた画像を構成する各ピクセルが識別される。次に、プロセッサ210は、ピクセル構成内で事前に指定された特定の顔の特徴を検出する。
【0055】
検出は、例えばCanny、Prewitt、Sobel、又はRobertのエッジ検出などのエッジ検出を使用してプロセッサ210によって実行され得る。たとえば、これらのエッジ検出技術/アルゴリズムは、画像取り込みのために提示された実際の顔及び首の特徴に対応する、ピクセル構成内の特定の顔及び首の特徴の位置を識別するのに役立っている。たとえば、エッジ検出技術により、最初に画像内の顔を識別し、さらに、それぞれの目とその境界、口とその角部、左右の鼻翼、セリオン、スプラメントン、眉間、左右の鼻唇溝など、特定の顔及び首の特徴に対応する画像内のピクセル位置を識別することができる。次に、プロセッサ210は、これらの特徴のそれぞれの特定のピクセル位置をマーク付け、タグ付け、又は記憶し得る。代替的に、又はプロセッサ210/サーバ110によるそのような検出が失敗した場合、事前に指定された顔及び首の特徴は、プロセッサ210/サーバ110のユーザインタフェースを介して取り込まれた画像にアクセスして人間のオペレータによって手動で検出され、マーク付けされ、タグ付けされ、又は記憶されてもよい。
【0056】
これらの顔の特徴のピクセル座標が識別されると、アプリケーション260はプロセッサ210を制御して、特定の識別された特徴の間のピクセル距離を測定する。たとえば、距離は、一般に、各特徴のピクセル数によって決定され、スケーリングを含む場合がある。例えば、左右の鼻翼の間の測定を行って鼻のピクセル幅を決定することができ、及び/又はセリオンとスプラメントンの間の測定を行って顔のピクセル高さを決定することができる。別の例としては、舌脂肪、首回り、骨格パラメータの測定が挙げられる。他の例には、口などの特定の構造の追加の測定データを取得するために、各目の間、口角の間、左右の鼻唇溝の間のピクセル距離が含まれる。顔及び首の特徴間の距離をさらに測定することもできる。この例では、特定の顔及び首の寸法を使用して、睡眠障害の可能性を分析する。骨格パラメータは寸法から予測され得、頭部規格写真分析の結果は閉塞性睡眠時無呼吸によって引き起こされる閉塞と相関し得る。測定値及び対応する解剖学的特徴は、機械学習分析を通じて睡眠障害と相関し得る。
【0057】
事前に指定された顔及び首の特徴のピクセル測定値が取得されると、人体測定補正係数が測定値に適用され得る。以下に説明するように、この補正係数がスケーリング係数を適用する前又は後に適用できることを理解すべきである。人体測定補正係数は、自動化プロセスで発生する可能性のあるエラーを補正することができる。このエラーは、患者ごとに一貫して発生することが観察され得る。集団検査から経験的に抽出できる補正係数により、結果が実際の測定値に近づき、サイズの誤りを軽減又は排除するのに役立っている。この補正係数は、各患者の測定及びサイジングデータが、それぞれのコンピューティングデバイスから、そのようなデータが補正係数を改善するためにさらに処理され得るサーバ110に通信されるため、時間の経過とともに精度を改良又は改善することができる。
【0058】
測定値は、ピクセル単位から、画像取り込みのために提示された患者の顔又は首の特徴の間の距離を正確に反映する他の値にスケーリングされ得る。参照特徴は、1つのスケーリング値又は複数のスケーリング値を取得するために使用され得る。したがって、プロセッサ210は、参照特徴全体のピクセル幅及び/又はピクセル高さ(x及びy)測定値(例えば、ピクセル数)を含むことができる参照特徴の寸法を同様に決定する。QRコード(登録商標)参照特徴を構成する多くの正方形/ドットのピクセル寸法、及び/又は参照特徴及びその構成部分によって占められるピクセル領域のより詳細な測定値も決定され得る。したがって、QRコード(登録商標)参照特徴の各正方形又はドットをピクセル単位で測定して、各ドットのピクセル測定値に基づいてスケーリング係数を決定し、その後、測定されたすべての正方形又はドット間で平均を求めることができる。これにより、QRコード(登録商標)参照特徴のフルサイズを1回測定する場合と比較して、スケーリング係数の精度が向上する。しかしながら、参照特徴のどのような測定値が取られても、その測定値は、参照特徴のピクセル測定値を参照特徴の対応する既知の寸法にスケーリングするために利用され得ることを理解すべきである。
【0059】
参照特徴の測定値がプロセッサ210によって取得されると、スケーリング係数は、アプリケーションの制御に従ってプロセッサ210によって計算される。参照特徴のピクセル測定値は、変換又はスケーリング係数を取得するために、画像取り込みのための表示インタフェース220によって表示される参照特徴の既知の対応する寸法に関連付けられる。このようなスケーリング係数は、長さ/ピクセル又は面積/ピクセルA2の形式であってもよい。換言すれば、既知の寸法を、対応するピクセル測定値(例えば、数)で除算され得る。
【0060】
次に、プロセッサ210は、顔特徴測定値(ピクセル数)にスケーリング係数を適用して、実際の特徴間の距離を反映するために測定値をピクセル単位から他の単位に変換する。これには通常、可能な睡眠障害に関連する顔及び首の特徴の距離のピクセル数をスケーリング係数に乗算することが含まれ得る。
【0061】
顔及び首の特徴と参照特徴の両方に対するこれらの測定ステップと計算ステップは、セット内の各画像にスケーリング及び/又は補正された特徴測定値が得られるまで、取り込まれた画像ごとに繰り返される。
【0062】
次に、画像セットの補正及びスケーリングされた測定値は、プロセッサ210によって任意に平均化されて、患者の顔及び首の解剖学的構造の最終測定値を取得することができる。このような測定値は、患者の顔及び首の特徴間の距離を反映し得る。
【0063】
比較及び出力段階では、取り込み後の画像処理段階からの結果を関係者に直接出力(表示)したり、データレコードと比較して睡眠障害の可能性を取得したりすることができる。このデータは、睡眠障害の最適な療法又は治療を決定するために使用することもできる。
【0064】
すべての測定値が決定されると、その結果(例えば、平均値)は、プロセッサ210によって表示インタフェース220を介してユーザに表示され得る。一実施形態では、これにより自動化プロセスが終了し得る。ユーザ/患者は、ユーザがさらに使用できるように測定値を記録することができる。
【0065】
又は、最終測定値は、自動的に、又はユーザのコマンドにより、通信ネットワーク120を介してコンピューティングデバイス130からサーバ110に転送されてもよい。サーバ110又はサーバ側の個人は、さらなる処理及び分析を行って、適切な患者インタフェース及び患者インタフェースサイズを決定することができる。
【0066】
さらなる実施形態では、患者の実際の顔及び首の特徴間の距離を反映する最終的な顔及び首の特徴測定値が、プロセッサ210によって、データレコードなどの睡眠障害を示す特徴と比較される。データレコードはアプリケーションの一部であり得る。このデータレコードは、例えば、プロセッサ210によってアクセス可能なルックアップテーブルを含むことができ、このルックアップテーブルは、睡眠障害と相関する患者の顔の特徴の距離/値が含み得る。データレコードには複数のテーブルが含まれ得、その多くは睡眠障害の分類に関連する範囲に対応し得る。分析エンジンは、OSAなどの睡眠障害と診断された患者からの既存の画像データに対して患者の症状の照合を実行する。さまざまな関連する解剖学的領域を強調表示して、睡眠障害のさまざまな症状を示すことができる。面積は、異常な寸法が睡眠障害を示すか否かを決定するために測定され得る。たとえば、首の測定値により、首の組織が硬くなっていることが判明し、これは睡眠障害を示している可能性がある。これらの領域は、睡眠障害のさらなる兆候である色又はテクスチャなどの視覚的特徴を決定することによってさらに分析され得る。例えば、目を識別し、色を分析して、患者が赤目であるか否かを決定することができる。
【0067】
このアプリケーションは、また、患者の動きのビデオを記録し、ビデオから画像を抽出することができる。ビデオは、三次元測定値を決定するためのより優れた画像データを提供する。たとえば、ビデオは、顔又は首の動的な特徴のデータを提供する。動きのビデオからの静止画像は、患者の「差分」特徴を取得するために、さまざまな角度/頭と首の位置で撮影される。ビデオファイルは、取り込まれた画像と同じ方法で記憶され得る。
【0068】
図3Aは、顔及び首の特徴などの解剖学的特徴を取り込むための例示的なインタフェース300を示す。インタフェース300は、アプリケーション260によって生成される。画像302などの画像が取り込まれた後、又は一連の画像又はビデオが取り込まれた後、グリッド304を適用して、この例では患者の顔及び首上の異なるランドマークを決定することができる。
【0069】
追加のポイントマーカーを画像302から導出して、測地線又は鏡面測定を提供することができる。したがって、できるだけ多くのランドマークを(数個ではなく数千個)収集することで、顔の表面を構築することができる。測地線測定を実行できるように、表面が必要である。通常、測地線測定は、ポイントツーポイント測定と同じランドマーク間で行われる。収集されたランドマークは、統計的形状モデル(SSM)(3Dモーファブルモデル(3DMM)とも呼ばれる)に適合する。これにより大量の情報が得られ、顔スキャンを他のデータにリンキングすることができる。これには、(コンジットサイズを計算するための)全頭モデル、変形可能マスクモデル、快適性予測モデル、カスタムマスクモデルなど、他の事前訓練されたモデルが含まれる場合がある。色及び画像テクスチャを画像から収集して、形状モデルを2D画像にフィッティングすることを容易にすることができる。画像の深度は、画像の深度の予測(連続画像間の知覚の小さな変化の使用)によって決定されてもよいし、スマートフォンなどの深度センサを備えたデバイスから収集された実際の深度画像であってもよい。テクスチャと同様に、深度データはフィッティングを支援し、より正確なスケーリングを可能にする。
【0070】
図3Aは、調査入力選択312を表示するアップロードステータスインタフェース310を示す。顔データを関連付けて解剖学的特徴を決定し、画像関連データに基づいて睡眠障害分析を実行する一方で、アプリケーションは追加の表示インタフェースを通じて主観的な患者入力データを収集し得る。
【0071】
図3Bは、睡眠障害の兆候を提供し得る異なる強調表示領域を表示する一連の出力インタフェース320を示す。インタフェース320は、取り込まれた画像330を表示する。目の領域332が強調表示され、目の下の領域334が強調表示され、首の領域336が強調表示される。決定された領域332、334、及び336は、睡眠障害と相関する測定値のインジケータである。識別された測定値又は表現型に関連して、画像からさまざまなデータが得られる場合がある。この例では、睡眠障害との高い相関性を強調表示するために領域を色付けし得る。
【0072】
追加の関心領域は、取り込まれた画像から識別され得る。
図4は、患者によって取り込まれた最初の患者画像400を用いて生成された一連のインタフェース410、420、及び430を示す。インタフェース410、420、及び430のそれぞれにおける画像の異なる領域は、睡眠障害診断に関連する関心領域を識別するために、異なる色で陰影付けされている。例えば、インタフェース410、420、及び430の画像は、睡眠障害との高い相関性を示す赤色の目の周囲の影付き領域432を有する。目の下の領域434などの他の領域は、睡眠障害との低い相関性を示している青色で陰影付けされる。インタフェース420及び430の画像内の首領域436などの他の領域も、睡眠障害との高い相関性を示すために赤色で陰影付けされている。
【0073】
インタフェース420及び430の画像は、画像データから識別及び分類された頬領域438及び前額領域440も示している。陰影の色は、睡眠障害に対する表現型測定の異なる分類を表すことができる。この例では、睡眠順序分析を支援するために、睡眠障害との相関に基づいて分類が色分けされている。したがって、緑(相関性が低い)から赤(相関性が高い)までの色スケールは、画像に示されている解剖学的構造上の領域から表現型を識別する最終画像に使用され得る。
【0074】
睡眠障害診断は、データを組み合わせて行われ得る。データの組み合わせには、a)モバイルデバイス又はwebカメラから取得した自己画像から取得した解剖学的測定データ、b)自己画像に基づく表現型分類、c)患者の3D動きからの動的データ、d)睡眠期間中にセンサ150などの患者センサによって収集された生理学的データ、及びe)睡眠期間後に患者から収集された主観的な調査データが含まれ得る。
【0075】
さまざまな解剖学的特徴の自動測定値は、解剖学的ランドマーク間又は他のタイプのマーカー間の距離を決定することによって分析され得る。例えば、首について、首の寸法を組織質量及び硬さパラメータに関連付けるモデルを開発し得る。次に、このモデルを適用して、OSA分類の特徴として使用される気道虚脱性組織質量及び硬さパラメータを推定することができる。たとえば、同様の患者に対して、組織質量が多く首の硬さが低いと決定された場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いことを示す。したがって、首の軟組織は、上顎骨と下顎骨で正常、肥満、又は小さいものとして分類され得る。ボーニエンクロージャも測定することができる。これらの2つの測定値は気道サイズと相関し得、正常な軟組織と大きなボーニエンクロージャは正常な気道サイズを示すが、肥満又は小さな組織と骨構造は、睡眠障害と相関する狭窄した気道サイズを示す。首の特徴と顔構造の骨の特徴に基づいた気道組織のこの分布は、体位性睡眠時無呼吸症候群の可能性の増加を予測し得、例えば、仰向けのイベント発生率が他の体位よりも大幅に高い。さまざまな特徴の測定値に基づく睡眠障害及び重症度の予測は、推奨される療法又は治療を出力するために使用され得る。たとえば、気道組織の分布に基づいて体位性睡眠時無呼吸症候群を識別すると、体位特異的治療を含む患者の治療を出力できる可能性がある。別の例として、解剖学的モデルが、大きな舌又はその他の軟組織、あるいは気道の前方にある過度に弾力性のある組織のいずれかを予測した場合、患者は、体位性睡眠時無呼吸症候群になりやすいと考えられる。
【0076】
表現型について、収集された画像の分析から、睡眠障害に影響された表現型を検出できる可能性がある。睡眠障害に関連する表現型は、患者の解剖学的画像から分類され得る。このような表現型は、睡眠障害患者の研究及び観察された表現型に基づいて、関心のある表現型として分類され得る。このようなデータは、表現型分類の目的でデータベース160にロードされ得る。睡眠障害に関連する表現型の例としては、(睡眠時無呼吸の重症度に関連する)肥満/首回り、睡眠中の気道をより虚脱するようにリンクされた差込顎/下顎、混雑した/狭い上気道などが挙げられる。睡眠順序とその重症度に関連する可能性のある別の一連の要因としては、高AHI対低AHI、無呼吸と呼吸低下の比、睡眠断片化、いびきの重症度/頻度、呼吸努力関連覚醒の蔓延、日中の眠気の程度、認知障害、朝の頭痛、夜間頻尿、高血圧、呼吸不安定の種類(ループゲインが高い)、覚醒閾値(例えば、軽度の血流制限中、又は長時間の無呼吸の後に患者は目覚ますか)、交感神経/副交感神経の緊張、ストレス、不安、抑うつ症状を含み得る。これらの要因は、また、ユーザに1つ以上の最適な療法(例えば、CPAP、体位療法、下顎装置)を提案するために使用され得る。また、CPAPの設定など、療法の1つ以上のパラメータをより適切に最適化するために使用され得る。
【0077】
患者は、睡眠障害の表現型の分類に基づいて分類され得る。表現型の分類は、推奨事項の一部としてさまざまな種類の療法と相関し得る。たとえば、特定の表現型は、神経刺激又は体位療法の適切性を示している可能性がある。他の表現型を使用して、RPTデバイス用のマスクの種類など、装置又は治療装置用の付属品を選択することもできる。
【0078】
表現型データは、また、患者の併存疾患のリスク及び併存疾患の治療の推奨と相関し得る。たとえば、糖尿病などの併存疾患の診断により、補完療法として食生活の改善及び/又は運動が推奨され得る。別の例は、認知療法が推奨され得る不眠症の診断である。
【0079】
OSAの診断と治療には、画像分析からOSAの症状として疲労を検出するプロセスが組み込まれ得る。したがって、画像分析は、人の顔の他の部分/正常な肌の色と比較して、変色/暗い肌の色を有する目の下の領域を検出することによって、目のダークサークルを決定することができる。検出される第2の症状は、目が充血して赤い。これは、顔画像の目の白い領域をセグメント化することによって決定され得る。赤であるピクセルの数が決定され得る。次に、ルーチンは、目の領域内の赤ピクセルと白ピクセルの比率が、「正常な」目対「充血した」目の所定の閾値を超えているか否かを決定する。別の症状は、画像内の開いた目のアスペクト比を決定することによって検出され得る垂れ目であってもよい。好ましくは、ベンチマークは、民族に関連した解剖学的特徴などの解剖学的バイアスを回避するために使用される。このようなベンチマークは、目をできるだけ大きく開くように指示したときにその人の画像を取り込み、それを「安静時」の目の形状と比較して測定することによって取得され得る。別の症状は、ユーザが従うためのマーカーの表示など、アプリケーションによって実行されるテストによって決定され得る反応時間であってもよい。マーカーに対する目の反応は、目がどれだけ正確にマーカーを追跡できるか、又はマーカーを表示して目がマーカーの動きを追跡することからの遅れに基づいて測定され得る。別の症状は患者の肌色であってもよい。例えば、OSAの治療後に患者はさらに紅潮する可能性があるため、治療前後の顔画像の色の比較を使用し得る。
【0080】
画像分析はまた、「疲労感」の測定を提供し得る。1日中の疲労感の変化は、OSA又は重症度を示している可能性がある。たとえば、重症のOSA患者が目覚めると、疲労感8/10が割り当てられ得る。OSA患者は、1日中疲れが続き、昼食後又は夜に10/10の疲労感がピークに達し得る。OSAにかかっていない正常な人は、すっきりと目覚め、疲労スコアは低くなる(例えば、10点中1点又は2点である)。日が経つにつれて、正常な人は、おそらく昼/夜の特定の時間帯には4又は5でピークに達する「通常の」程度まで進行性の疲労を経験し得る。1日中の疲労感のフラックス又は変化率は、OSAの予測因子となり得る。たとえば、OSAに苦しんでいない人は、すっきりと目覚め、一日を通じて「通常の」程度の疲労を感じる可能性がある。対照的に、OSAに患っている患者は、起きても疲れていて、一日中疲れた状態が続く。
【0081】
2D画像分析も組み込まれ得る。たとえば、2D画像を使用して頭/首の残りの部分を予測することができる。これは、たとえばペアのPCAモデルを使用することによって実現され得る。予測には、好ましくは、さまざまな正面図及び側面図、下方及び上方からのビューなどの複数の2D画像が組み込まれる。首の寸法の推定には、画像から決定される他の寸法が組み込まれ得る。例えば、首の幅を使用して前頭囲を取得することができる。
【0082】
さらに、時間をかけて撮影した2D画像を追加の分析に組み込むことができる。たとえば、呼吸中及びその直後の連続2D画像は追加のデータを提供し得る。たとえば、ユーザが話す前又は休憩中に大きく息を吸っている場合、これはOSAのインジケータであってもよい。頭の動き又は回転、顎の開閉を示す2D画像を使用して、顎の生物力学を決定することができる。座っている患者を示す2D画像と横たわっている患者の画像を比較すると、軟組織に対する重力の影響が示され得る。このような画像は、また、睡眠中の気道圧迫の可能性を判断するために使用され得る。瞬目及びアイトラッキングの2D画像は、疲労感のインジケータを決定し得る。口が開いている様子を示す2D画像は、口呼吸のインジケータであり得る。姿勢の2D画像を使用して疲労感を決定し得る。
【0083】
この例では、主観的データの患者入力は、コンピューティングデバイス230上で実行されるユーザアプリケーションを介して収集され得る。ユーザアプリケーションは、顔及び首のランドマーク特徴を取得するようにユーザに指示するユーザアプリケーション260の一部であってもよいし、別個のアプリケーションであってもよい。これには、睡眠障害の症状に関するデータを収集するための質問を含む問診票を通じて得られた主観的なデータも含まれ得る。
【0084】
たとえば、質問は、睡眠特性などの関連するユーザの行動に関連し得る。主観的な質問には、朝起きると口が乾いているか、口呼吸であるか、快適さの好みは何であるかなどの質問が含まれる。このような睡眠情報には、睡眠時間、ユーザの睡眠方法、気温及びストレス要因などの外部影響が含まれ得る。主観的なデータは、快適さに関する点数評価のような簡単であり、より詳細な応答である。このような主観的なデータは、また、グラフィカルインタフェースから収集され得る。年齢、性別、場所を含む患者の人口統計データなどの客観的なデータもインタフェースから収集され得る。アプリケーションには、表現型分類を絞り込むための特定の質問、又は標準的な睡眠関連調査からの質問を含むインタフェースも含まれ得る。このような標準的な調査には、STOP BANG、ベルリン、ピッツバーグ睡眠質、不眠症重症度指数、慢性疲労指数などが含まれ得る。調査は複数ある場合もある。さらに、より正確な診断のために、主観的なデータを解剖学的画像と組み合わせることができる。たとえば、特定の解剖学的特徴は、無呼吸低呼吸指数(AHI)が高いことを予測し得るが、不安は交感神経活動の亢進を予測するため、病気は軽度であるように見える。このような質問は、患者による情報提供を支援するために、識別された特定の表現型を有する患者の画像を表示しながら尋ねることができる。
【0085】
収集された患者入力データは、
図1の患者データベース160に割り当てられ得る。アプリケーションは、療法又は治療の選択を支援するために、インタフェースを介して追加の質問をする場合がある。たとえば、調査では、療法Bよりも療法Aを好むかなどの質問に対する患者の回答が記録され得る。潜在的な治療に関する患者の心理的安全性に関連する他の主観的なデータが収集され得る。たとえば、患者がマスクを着用すると閉所恐怖症になるか否か、又はベッドパートナーの隣でマスクを着用すると患者が心理的にどの程度快適に感じるかなどの質問が行われ、入力が収集され得る。患者が夜間に頻繁に動き回るのが好きか否か、より多くの動きを可能にするチューブアップマスクの形での「自由」を患者が好むか否かなどの質問だけでなく、好ましい睡眠姿勢に関する他の質問も考慮に入れることができる。又は、患者が仰向け又は横向きでじっと横たわる傾向がある場合は、口からチューブが下がっている従来型のマスクでも問題ない。患者からの主観的な入力データは、睡眠障害の診断と睡眠障害の治療の有効性の両方のための入力として使用され得る。
【0086】
睡眠障害スコアは、医療専門家によって、治療又は療法を推奨するために使用され得る。医療専門家も治療効果スコアを受け取ることができる。アプリケーションを通じて医療専門家との事前の睡眠の相談を実施したり、より利便性を高めるために患者に遠隔医療の相談を提供したりすることもできる。相談の結果、データ及び決定された睡眠障害の重症度に基づいて治療が推奨され得る。例えば、入力データから睡眠障害が軽度であると決定された場合には、下顎再配置装置(MRD)、位置刺激、神経刺激、認知行動療法(CBT)又は不眠症に対する認知行動療法(CBTi)などの療法が推奨され得る。睡眠障害がより重篤な場合は、個人的な相談が推奨され得、RPT、投薬、自動睡眠コーチングプログラムなどの治療装置が提供され得る。
【0087】
最初のスコア決定の後、システム100は患者に関連するデータを収集し続ける。例えば、患者162によって代表される第1グループの患者が睡眠障害と診断され、治療薬が処方された場合、該患者は、患者164によって代表される第2グループの患者に属するとみなされる可能性がある。治療が効果的であったか否か、及び診断の正確さに関する追加のフォローアップデータは、データベース160に追加され得る。新しい患者から患者164によって代表される第2グループへのフィードバックは、睡眠障害及び治療効果の決定を改良するために使用され得る。さらに、患者164によって表される第2グループの患者は、それぞれの画像及びその他のデータを定期的に更新し得る。これにより、新しいデータの定期的な再評価に基づいて、将来の病気又は症状を予測することができる。
【0088】
療法が推奨される場合、治療データは、スクリーニング結果を確認するために使用され得る。すなわち、療法又は治療装置からのデータと、患者164によって代表される第2グループの患者に対するアンケート/スクリーナーインタフェースからのデータとを組み合わせて、OSAの予測を補完することができる。
【0089】
例えば、特定の市場では、医療従事者は、試用期間(例えば、4週間)、RPTなどの治療装置を推奨することができる。試用期間に、システム100は、治療装置からの結果を比較し、さらなる推奨を提供し続けることができる。システム100は、睡眠障害を治療するための療法を推奨し、患者の監視を継続することもできる。最初の療法が失敗した場合は、別の療法が推奨され得る。
【0090】
データの相関付けは、既知の睡眠障害にかかっている患者集団の分析に基づいて発生し得る。画像は、そのような患者が操作するコンピューティングデバイス上のアプリケーションと連携して、そのような患者から収集され得る。このようなアプリケーションでは、上記画像処理と同様の処理が使用される。患者からの他の生理学的因子は、生理学的センサから収集され得る。あるいは、RPTなどの治療装置から追加のデータは、収集され得る。さらに、上記で詳述したものと同様の調査データが収集され得る。
【0091】
上で説明したように、各RPTの動作データは、多数の患者のために収集され得る。これには、各患者がいつRPTを動作させるかに基づく使用状況データが含まれ得る。したがって、所定の期間にわたって患者がRPTをどのくらいの長さ及び頻度で使用するかなどのコンプライアンスデータは、収集された動作データから決定され得る。リークデータは、流量データ又は圧力データの分析などの動作データから決定され得る。音響信号の分析を使用したマスク切り替えデータを導き出して、患者がマスクを切り替えているか否かを決定することができる。
【0092】
データの収集は、表現型の特徴の画像を睡眠障害と相関させるための機械学習モデルを訓練するために使用され得る。別のアプリケーションには、最も効果的な治療のために表現型分類と睡眠障害を相関させるための機械学習の使用が含まれ得る。機械学習モデルの入力には、モデル設計プロセスで評価され得るさまざまなデータが含まれ得る。この例では、機械学習モデルの入力には、顔及び首の特徴の物理的測定値、顔及び首の画像から得られる表現型、生理学的データ、及び患者入力データが含まれる。訓練セットは、
図1の患者164によって代表される第2グループの患者から収集されたデータから導出され、睡眠障害データと患者の受けた治療を含む。例えば、治療には、RPTなどの装置の使用、投薬、不眠症に対する認知行動療法(CPTi)、下顎前進装置/手術、睡眠中の筋肉活動不足に対する舌下神経刺激、鼻スプレーなどの鼻づまり治療などが含まれ得る。
【0093】
この例では、機械学習モデルは、睡眠障害の可能性スコアと治療効果スコアを出力する。機械学習モデルが訓練され、訓練データセットに基づいて内部重みが調整される。訓練セットに対する評価の後、睡眠障害の可能性スコアと治療効果スコアの両方について所定の精度レベルに達した後にモデルが展開され得る。次に、機械学習モデルは、患者162によって代表される第1グループの患者を評価するために、
図1のサーバ110上に展開され得る。
【0094】
この例では、機械学習モデルは、ニューラルネットワークである。ニューラルネットワークは、ノード間に直接接続がなく、1つ以上の隠れ層を使用する多層パーセプトロン(MLP)ニューラルネットワークモデルであってもよい。ニューラルネットワークMLPモデルは、訓練プロセス中に実際の値に対する誤差関数を最小化することにより、確立されたノード接続間で内部的に導出された計算された重みを調整する。機械学習モデルの他の例には、決定木アンサンブル、サポートベクターマシン、ベイジアンネットワーク、又は勾配ブースティングマシンが含まれ得る。このような構造は、線形又は非線形の予測モデルを実装するように構成される。
【0095】
教師なし機械学習は、また、身体的特徴及び表現型と睡眠障害との間のさらなる相関を発見するために使用され得る。機械学習では、ニューラルネットワーク、クラスタリング、又は従来の回帰手法などの手法が使用され得る。訓練データは、機械学習用のさまざまな種類の機械学習アルゴリズムをテストし、睡眠障害又は治療効果の予測に関して、どれが最も正確であるかを決定するために使用され得る。
【0096】
睡眠障害スコア及び治療効果スコアを決定するための機械学習モデルは、
図1のシステムからの新しい入力データによって継続的に更新され得る。したがって、モデルは、システム100による使用が増えるにつれてより正確になり得る。
【0097】
図5は、
図1のサーバ110によって実行され得る睡眠障害分析のプロセスの流れ図である。このプロセスでは、患者の顔及び首の画像を収集する。この例では、患者の顔及び首が、
図1のスマートフォン134又はタブレット136などのモバイルデバイス上の深度カメラを介してスキャンされて、顔及び首の複合3D画像を生成する(500)。又は、3D顔スキャンデータは、すでにスキャンされた患者の3D顔画像を含む記憶装置から、又は録画されたビデオから取得されてもよい。ランドマークポイントは、3Dスキャンから顔及び首のメッシュ内で決定される(502)。睡眠障害の分析に関連する主要な寸法及び特徴のポイントの集合が、画像から測定される(504)。
【0098】
次に、画像を分析して、睡眠障害に関連する表現型を分類する(506)。生理学的データは、
図1のセンサ150などのセンサから収集される(508)。次に、特徴寸法、生理学的データ、及び分類された表現型が睡眠障害と相関する(510)。次に、睡眠障害スコアが決定され、入力データから出力される(512)。機械学習モデルはまた、入力データ及び睡眠障害スコアに基づいて治療を決定してもよい(514)。
【0099】
図5の流れ図は、患者の睡眠障害の可能性を評価するためにデータを収集及び分析するための例示的な機械可読命令を表す。この例では、機械可読命令は、(a)プロセッサ、(b)コントローラ、及び/又は(c)1つ又は複数の他の適切な処理装置(複数可)によって実行されるアルゴリズムを含む。このアルゴリズムは、フラッシュメモリ、CD-ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードドライブ、デジタルビデオ(多用途)ディスク(DVD)、又は他の記憶装置などの有形媒体に記憶されたソフトウェアに具現化され得る。しかしながら、当業者は、アルゴリズム全体及び/又はその一部が、代替的に、プロセッサ以外のデバイスによって実行され、及び/又は周知の方法でファームウェアもしくは専用ハードウェアに具現化され得る(例えば、アルゴリズム全体及び/又はその一部が、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルロジックデバイス(FPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ディスクリートロジックなどによって実装され得る)ことを容易に理解する。例えば、インタフェースのコンポーネントのいずれか又は全部は、ソフトウェア、ハードウェア、及び/又はファームウェアによって実装され得る。また、流れ図によって表される機械可読命令の一部又はすべては、手動で実装され得る。さらに、例示的なアルゴリズムは、
図5に図示された流れ図を参照して説明されたが、当業者は、例示的な機械可読命令を実装する多くの他の方法が代替的に使用され得ることを容易に理解する。例えば、ブロックの実行順序が変更されてもよく、及び/又は説明されたブロックのいくつかが変更、削除、又は組み合わせられ得る。
【0100】
本願で使用される用語「配置要素」、「モジュール」、「システム」などは、一般的に、コンピュータ関連エンティティ、ハードウェア(例えば、回路)、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、又は1つ以上の特定の機能を有する操作マシンに関連するエンティティのいずれかを指す。例えば、配置要素は、プロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ)で実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能なモジュール、実行スレッド、プログラム、及び/又はコンピュータであり得るが、これらに限定されない。例示として、コントローラで実行されるアプリケーションとコントローラの両方は、配置要素であり得る。1つ以上の配置要素は、プロセス及び/又は実行スレッド内に存在し得、また、配置要素は、1つのコンピュータにローカライズされ、及び/又は2つ以上のコンピュータ間に分散され得る。さらに、「デバイス」は、特別に設計されたハードウェア、ハードウェアが特定の機能を実行可能なソフトウェアの実行によって専門化された一般化ハードウェア、コンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェア、又はそれらの組み合わせの形態であり得る。
【0101】
本明細書において使用される用語は、特定の実施形態の説明のみを目的とするものであり、本発明の限定を意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上明確に別途示されない限り、複数形も同様に包含することを意図する。さらに、用語「including」、「includes」、「having」、「has」、「with」、又はそれらの変形が、詳細な説明及び/又は請求項のいずれかで使用される限りにおいて、そのような用語は、「comprising」という用語と同様の方法で包括的である。
【0102】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書で定義されているような用語は、関連技術の文脈での意味と一致する意味を持つものとして解釈されるべきであり、明示的に定義されていない限り、理想化された意味又は過度に形式的な意味で解釈されることはない。
【0103】
以下の請求項1~32のいずれか一項以上からの1つ以上の要素、態様、ステップ又はその一部をその他の請求項1~32のいずれか一項以上又はその組み合わせからの1つ以上の要素、態様、ステップ又はその一部と組み合わせることにより、本開示の1つ以上の更なる実装形態及び/又は請求項を形成することができる。
【0104】
本発明の様々な実施形態について以上のとおり説明したが、これらは限定ではなく、例示するためのものにすぎないことを理解されたい。本発明は、1つ以上の実装形態に関して図示及び説明されているが、本明細書及び添付の図面を読んで理解することにより、当業者であれば、同等の変更及び修正を想到できる。なお、本発明の特定の特徴は、いくつかの実装形態のうちの1つのみに関して開示され得るが、そのような特徴は、任意の所与の又は特定の用途にとって望ましくかつ有利な他の実装形態における1つ以上の他の特徴と組み合わされ得る。したがって、本発明の広さ及び範囲は、上述した実施形態のいずれかによって限定されるべきではない。むしろ、本発明の範囲は、請求項及びその均等物に従って定義されるべきである。
【国際調査報告】