(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】スイッチ回路及び電源装置
(51)【国際特許分類】
H02M 3/00 20060101AFI20231219BHJP
H02M 3/28 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
H02M3/00 Y
H02M3/28 Y
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535553
(86)(22)【出願日】2021-09-26
(85)【翻訳文提出日】2023-06-09
(86)【国際出願番号】 CN2021120619
(87)【国際公開番号】W WO2023044848
(87)【国際公開日】2023-03-30
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】姚 ▲遠▼
(72)【発明者】
【氏名】但 志▲敏▼
(72)【発明者】
【氏名】李 盟
(72)【発明者】
【氏名】▲顔▼ ▲ユ▼
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA02
5H730AS01
5H730BB27
5H730BB66
5H730DD03
5H730DD04
5H730DD16
5H730EE04
5H730EE07
5H730EE13
5H730ZZ09
5H730ZZ15
(57)【要約】
本出願は、スイッチ回路及び電源装置を提供し、スイッチ回路は、少なくとも一つのスイッチングトランジスタと、金属ユニットと、第1の分岐回路とを含み、金属ユニットは、スイッチングトランジスタ上に設けられており、第1の分岐回路は、スイッチングトランジスタとアースとの間に電気的に接続され、及び/又は、第1の分岐回路は、金属ユニットとアースとの間に電気的に接続され、ここで、第1の分岐回路は、放射干渉を逃がすための第1のコンデンサを含む。上記方式により、放熱効果を維持するとともに放射干渉を減少させることができ、体積も小さい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチ回路であって、
少なくとも一つのスイッチングトランジスタと、
前記スイッチングトランジスタ上に設けられる金属ユニットと、
前記スイッチングトランジスタとアースとの間に電気的に接続され、及び/又は、前記金属ユニットとアースとの間に電気的に接続される第1の分岐回路とを含み、
ここで、前記第1の分岐回路は、放射干渉を逃がすための第1のコンデンサを含む、スイッチ回路。
【請求項2】
前記第1の分岐回路は、第1の抵抗をさらに含み、
前記第1の抵抗は、前記第1のコンデンサと直列接続される、請求項1に記載のスイッチ回路。
【請求項3】
前記第1の分岐回路は、第2のコンデンサをさらに含み、
前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサは直列接続される、請求項1に記載のスイッチ回路。
【請求項4】
前記少なくとも一つのスイッチングトランジスタは、少なくとも二つのスイッチングトランジスタを含み、
前記金属ユニットは、前記スイッチングトランジスタと一対一で対応する金属サブユニットを含み、ここで、いずれか一つの前記スイッチングトランジスタには、いずれも一つの金属サブユニットが設けられており、
前記第1の分岐回路は、前記金属サブユニットと一対一で対応する第1のサブ分岐回路を含み、ここで、いずれか一つの前記第1のサブ分岐回路は、前記金属サブユニットとアースとの間に電気的に接続される、請求項1に記載のスイッチ回路。
【請求項5】
前記少なくとも一つのスイッチングトランジスタは、並列接続される少なくとも二つのブリッジアームを含み、ここで、前記ブリッジアームは、直列接続される二つのスイッチングトランジスタを含み、
前記第1の分岐回路は、前記ブリッジアームと一対一で対応する第2のサブ分岐回路を含み、ここで、いずれか一つの前記第2のサブ分岐回路は、一つの前記ブリッジアームとアースとの間に電気的に接続される、請求項1に記載のスイッチ回路。
【請求項6】
前記スイッチ回路は、第1のガスケットをさらに含み、
前記第1のガスケットは、前記スイッチングトランジスタと前記金属ユニットとの間に設けられている、請求項1に記載のスイッチ回路。
【請求項7】
前記第1のコンデンサの電気容量範囲は、1nF-10nFであり、ここで、nFは、電気容量の単位であるナノファラッドを表す、請求項1から6のいずれか一項に記載のスイッチ回路。
【請求項8】
前記スイッチ回路は、フィルタリング分岐回路をさらに含み、
前記フィルタリング分岐回路は、それぞれ交流電源及び前記スイッチングトランジスタに接続され、前記フィルタリング分岐回路は、前記交流電源における差動モード干渉とコモンモード干渉をフィルタリング除去するためのものである、請求項1から6のいずれか一項に記載のスイッチ回路。
【請求項9】
電源装置であって、請求項1から8のいずれか一項に記載のスイッチ回路を含む、電源装置。
【請求項10】
前記電源装置は、スイッチ電源又は充電スタンドである、請求項9に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電子回路技術分野に関し、特にスイッチ回路及び電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、スイッチングトランジスタが使用される応用において、スイッチングトランジスタは、ターンオン損失、ターンオフ損失及び導通損失などの損失で発熱することが多い。スイッチングトランジスタの放熱を実現するために、スイッチングトランジスタにヒートシンクを取り付ける必要がある。また、金属の熱伝導効果が高いため、ヒートシンクは、通常、金属材料を選択する。
【0003】
しかしながら、スイッチングトランジスタは、導通とターンオフ時に電波干渉(Electromagnetic Interference 、EMIと略称される)が発生し、電波干渉を放射、発射し、即ち放射干渉である。放射干渉は、金属材料のヒートシンクを選択することにより、放射干渉の伝播媒体の体積を増大し、放射干渉の増加を引き起こす可能性がある。
【0004】
従来技術では、放射干渉を減少させるために、通常、ヒートシンクを完全に覆うためのシールドケースを追加する必要がある。しかしながら、このような態様では、体積の増大を引き起こすとともに、放熱効果を低下させる可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願は、放熱効果を維持するとともに放射干渉を減少させることができ、体積も小さいスイッチ回路及び電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、第1の態様によれば、本出願は、スイッチ回路を提供し、前記スイッチ回路は、少なくとも一つのスイッチングトランジスタと、金属ユニットと、第1の分岐回路とを含む。ここで、金属ユニットは、スイッチングトランジスタ上に設けられている。第1の分岐回路は、スイッチングトランジスタとアースとの間に電気的に接続され、及び/又は、第1の分岐回路は、金属ユニットとアースとの間に電気的に接続される。ここで、第1の分岐回路は、放射干渉を逃がすための第1のコンデンサを含む。
【0007】
第1のコンデンサの設置により、スイッチングトランジスタに発生した放射干渉を逃がすために、逃がし回路を形成することができ、また、金属ユニットによって増幅された放射干渉をさらに逃がすために用いられ、回路における各電子デバイスが干渉されて異常が発生するリスクを低減することに有利であり、それによって、回路作動時の安定性を向上させる。なお、シールドケースを追加する技術案に対して、一方、本出願で追加された第1のコンデンサは、金属ユニット放熱に与える影響が小さく、即ち、金属ユニットの放熱効果を維持することができ、他方、追加された第1のコンデンサの体積が、追加されたシールドケースの体積に対して小さく、スイッチ回路全体の体積を減少させて、回路設計コストを節約することに有利である。
【0008】
任意選択的な形態において、第1の分岐回路は、第1の抵抗をさらに含む。第1の抵抗は、第1のコンデンサと直列接続される。
【0009】
第1の抵抗を追加することによって、より多くの放射干渉を消費して、スイッチ回路の作動安定性を向上させることに有利である。
【0010】
任意選択的な形態において、第1の分岐回路は、第2のコンデンサをさらに含む。第1のコンデンサと第2のコンデンサは直列接続される。
【0011】
第2のコンデンサを追加することにより、第1の分岐回路の耐電圧値を高めることに有利であり、それによって第1の分岐回路は、異なる電圧を有する複数の応用シナリオに適用可能となり、それによって、スイッチ回路の実用性を向上させることができる。
【0012】
任意選択的な形態において、少なくとも一つのスイッチングトランジスタは、少なくとも二つのスイッチングトランジスタを含む。金属ユニットは、スイッチングトランジスタと一対一で対応する金属サブユニットを含み、ここで、いずれか一つの第1のスイッチングトランジスタには、いずれも一つの金属サブユニットが設けられている。第1の分岐回路は、金属サブユニットと一対一で対応する第1のサブ分岐回路を含み、ここで、いずれか一つの第1のサブ分岐回路は、金属サブユニットとアースとの間に電気的に接続される。
【0013】
各スイッチングトランジスタにはいずれも一つの金属サブユニットが設けられている場合、各金属サブユニットとアースとの間にいずれも第1のサブ分岐回路を設置して、各金属サブユニットによって増幅された放射干渉を逃がすことができ、より十分な逃がしを行うことができ、放射干渉を大幅に減少させることによって、回路作動の安定性を向上させることに有利である。
【0014】
任意選択的な形態において、少なくとも一つのスイッチングトランジスタは、並列接続される少なくとも二つのブリッジアームを含み、ここで、ブリッジアームは、直列接続される二つのスイッチングトランジスタを含む。第1の分岐回路は、ブリッジアームと一対一で対応する第2のサブ分岐回路を含み、ここで、いずれか一つの第2のサブ分岐回路は、ブリッジアームとアースとの間に電気的に接続される。
【0015】
回路には並列接続される少なくとも二つのブリッジアームが含まれる場合、各ブリッジアームに第2のサブ分岐回路を設けて、電波干渉を逃がす目的を達成し得る。
【0016】
任意選択的な形態において、スイッチ回路は、第1のガスケットをさらに含む。第1のガスケットは、スイッチングトランジスタと金属ユニットとの間に設けられる。
【0017】
隔離機能を果たすために、スイッチングトランジスタと金属ユニットとの間に第1のガスケットを設ける。
【0018】
任意選択的な形態において、第1のコンデンサの電気容量範囲は、1nF-10nFであり、ここで、nFは、電気容量の単位であるナノファラッドを表す。
【0019】
第1のコンデンサの電気容量範囲が1nF-10nFである場合、放射干渉に対する逃がし効果がより良好である。且つ、該範囲内では、電気容量の増加に伴って、逃がし効果も向上する。
【0020】
任意選択的な形態において、スイッチ回路は、フィルタリング分岐回路をさらに含む。フィルタリング分岐回路は、それぞれ交流電源及びスイッチングトランジスタに接続され、フィルタリング分岐回路は、交流電源における差動モード干渉とコモンモード干渉をフィルタリング除去するためのものである。
【0021】
交流電源における差動モード干渉とコモンモード干渉をフィルタリング除去することによって、後続の回路のためにより安定的な交流電源を提供することができ、回路作動時の安定性の向上に有利である。
【0022】
第2の態様によれば、本出願は、電源装置をさらに提供し、前記電源装置は、以上のいずれか一つの実施例におけるスイッチ回路を含む。
【0023】
任意選択的な形態において、該電源装置は、スイッチ電源又は充電スタンドである。
【0024】
本出願の実施例の有益な効果は以下のとおりである:本出願によるスイッチ回路は、スイッチングトランジスタとアースとの間、及び/又は、金属ユニットとアースとの間に第1の分岐回路を電気的に接続し、該第1の分岐回路における第1のコンデンサで放射干渉を逃がすことによって、スイッチングトランジスタに発生した放射干渉を逃がすために用いられてもよく、また、金属ユニットによって増幅された放射干渉をさらに逃がすために用いられてもよく、回路における各電子デバイスが干渉されて異常が発生するリスクを低減することに有利であり、それによって、回路作動時の安定性を向上させることができる。次に、従来技術におけるシールドケースを追加する技術案に対して、本出願で追加された第1のコンデンサは、金属ユニット放熱に与える影響が小さく、即ち、金属ユニットの放熱効果を維持することができる。それとともに、追加された第1のコンデンサの体積が、追加されたシールドケースの体積に対して小さく、回路全体の体積を減少させて、回路設計コストを節約することに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下では、本出願の実施例で使用する必要がある図面を簡単に説明するが、明らかなことに、以下に説明する図面は、本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労力を支払うことなく、図面に基づいて他の図面を入手することができる。
【0026】
【
図1】従来技術に開示されたシールドケースとMOSトランジスタの構造概略図である。
【
図2】本出願の一実施例が開示した応用シナリオの概略図である。
【
図3】本出願の一実施例が開示したスイッチ回路の構造概略図である。
【
図4】本出願の別の実施例が開示したスイッチ回路の構造概略図である。
【
図5】本出願のさらに他の実施例が開示したスイッチ回路の構造概略図である。
【
図6】本出願のさらに他の実施例が開示したスイッチ回路の構造概略図である。
【
図7】本出願のさらに他の実施例が開示したスイッチ回路の構造概略図である。
【
図8】本出願のさらに他の実施例が開示したスイッチ回路の構造概略図である。
【
図9】本出願のさらに他の実施例が開示したスイッチ回路の構造概略図である。
【
図10】本出願の一実施例が開示した第1のガスケット、スイッチングトランジスタ及び金属ユニットの構造概略図である。
【
図11】本出願の一実施例が開示したスイッチ回路の回路構造概略図である。
【
図12】本出願の一実施例が開示した、第1の分岐回路が追加されていない場合の放射干渉の波形の概略図である。
【
図13】本出願の一実施例が開示した、第1の分岐回路を追加した後の放射干渉の波形の概略図である。
【
図14】本出願の別の実施例が開示したスイッチ回路の回路構造概略図である。
【0027】
図面部分において、図面は、実際の縮尺に応じて描かれるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面と実施例を参照して本出願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明と図面は、本出願の原理を例示的に説明するために使用されるが、本出願の範囲を限定するために使用されるべきではなく、即ち本出願は、説明された実施例に限定されない。
【0029】
本出願の記述において、指摘すべきこととして、特に説明されていない限り、「複数」は、二つ以上を意味し、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などの用語により示される方位又は位置関係は、示された装置又は素子が特定の方位を有しなければならず、特定の方位で構成及び操作されなければならないことを示したり、暗示したりするのではなく、本出願を容易に説明し、説明を簡略化するためのものに過ぎず、本出願の限定として理解されるべきではない。なお、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、説明のみを目的として使用されており、相対的な重要性を示したり、暗示したりするものとして理解されるべきではない。「垂直」は、厳密な意味での垂直ではないが、誤差の許容範囲内である。「平行」は、厳密な意味での平行ではないが、誤差の許容範囲内である。
【0030】
以下の説明に現れる方位詞は、いずれも図に示されている方向であり、本出願の特定の構造を限定するものではない。本出願の記述において、さらに説明すべきこととして、明確に指定及び限定されていない限り、「取り付け」、「繋がり」、「接続」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接接続されることであってもよく、中間媒体を介して間接的に接続されることであってもよい。当業者にとって、本出願における上記用語の特定の意味は、特定の状況に従って理解することができる。
【0031】
図1を参照すると、
図1は、従来技術に開示されたシールドケースとMOSトランジスタの構造概略図である。
図1に示すように、MOSトランジスタ10上には、放熱するためのヒートシンク11が設置されている。実際の応用プロセスにおいて、スイッチングトランジスタのスイッチング周波数が、一般的には、数十kHz、さらには百kHzであり、即ち、スイッチングトランジスタのdv/dtとdi/dtが大きいため、スイッチングトランジスタは、スイッチングプロセスにおいて、高周波数の電波干渉を放射、発射し、それによって発生した放射干渉が多く、絶えず増加する。MOSトランジスタ10に発生した放射干渉が他の電子デバイスの正常な作動に与える悪影響を減少させるために、シールドケース10は、MOSトランジスタ10とヒートシンク11を上から下への方向に沿って覆ってもよい。
【0032】
しかしながら、上記方式では、体積の大きいシールドケースが必要であり、それにより回路全体及び該回路を含む機器の体積が増大する。それとともに、MOSトランジスタ10の数の増加に伴って、シールドケースの数もそれに応じて増加するはずであり、そうであれば、回路全体のコストが高くなり、実用性が低くなる。また、追加したシールドケースはさらに、放熱効果を低下させ、MOSトランジスタ10などの電子デバイスが破損されるリスクを増加する恐れがある。
【0033】
これに基づき、本出願の実施例は、スイッチ回路を提供し、該スイッチ回路は、第1のコンデンサを含む分岐回路を追加することによって、逃がし回路を形成することができる。該逃がし回路を利用して、スイッチ回路におけるスイッチングトランジスタに発生した放射干渉を逃がす。それによって、放熱効果を維持するとともに放射干渉を減少させることができ、体積も小さい。
【0034】
本出願の実施例に開示されたスイッチ回路は、スイッチ電源又は充電スタンドなどの電源装置に用いられてもよいが、それらに限定されない。本出願に開示されたスイッチ回路を有する電源装置で構成された電源システムを使用してもよく、このように、電源システムのために安定的な作動電源を提供することができ、電源システムの作動安定性の向上に有利である。
【0035】
本出願の理解を容易にするために、まず、本出願が適用され得る応用シナリオを紹介する。
図2に示すように、該応用シナリオにおいて、電動車両21と、充電スタンド22と、インターフェース23とを含む。ここで、充電スタンド22は、電源変換モジュール221と、充電線222と、電源線223とを含む。
【0036】
電源線223は、インターフェース23(例えば、ソケット)を介して外部の入力電源(例えば、商用電源)に接続して、入力電圧を得るためのものである。電源変換モジュール221には、本出願のいずれか一つの実施例におけるスイッチ回路が設けられており、それにより、入力電圧によって負荷に電力を供給するために使用できる、安定的な電圧を得る。この実施例では、電源変換モジュール221は、得られた入力電圧を、電動車両21に充電するために使用できる電圧に変換するためのものである。該電圧を充電線222によって電動車両21に伝送して、電動車両21に充電する。
【0037】
説明すべきこととして、該実施例において、電源装置が充電スタンドであることを例とする。それに対して、他の実施例では、電源装置はさらに、車載充電器、非車載充電器、及びスイッチ電源などであってもよいが、それらに限定されない。
【0038】
図3を参照すると、
図3は、本出願の一実施例に開示されたスイッチ回路の構造示意図である。
図3に示すように、スイッチ回路は、金属ユニット20と、第1の分岐回路21と、少なくとも一つのスイッチングトランジスタとを含む。ここで、少なくとも一つのスイッチングトランジスタは、スイッチングトランジスタQ1、スイッチングトランジスタQ2……スイッチングトランジスタQnを含み、nは正整数である。第1の分岐回路21は、第1のコンデンサC1を含む。
【0039】
ここで、金属ユニット20は、光沢を有し、良好な導電性、熱伝導性及び機械的特性を有し、正の温度抵抗係数を有する物質、例えば、アルミニウム又は銅などを含んでもよく、本出願の実施例はこれについて限定しない。
【0040】
具体的には、金属ユニット20は、矢印に示す方向に沿ってスイッチングトランジスタQ1、スイッチングトランジスタQ2……スイッチングトランジスタQn上に設けられてもよい。一実施形態において、金属ユニット20は、
図1に示す方式で、スイッチングトランジスタQ1、スイッチングトランジスタQ2……スイッチングトランジスタQn上に取り付けられてもよい。第1の分岐回路21は、スイッチングトランジスタQ1、スイッチングトランジスタQ2……スイッチングトランジスタQnとアースとの間に電気的に接続され、第1のコンデンサC1によって、放射干渉を逃がすという目的を実現することができる。
【0041】
ここで、放射干渉は、スイッチングトランジスタが迅速にスイッチングするプロセスで発生したものであり、且つ、金属ユニット20は、放射干渉の伝播体積を増大し、放射干渉をさらに増加する可能性がある。第1のコンデンサC1の設置により、逃がし回路を提供して、放射干渉を効果的に減少させることができ、放射干渉によるスイッチ回路の作動異常のリスクの低下に有利であり、それによってスイッチ回路の作動安定性を向上させることができる。
【0042】
それとともに、従来技術におけるシールドケースを追加する技術案に対して、一方、本出願における第1の分岐回路21は、金属ユニット20の放熱に与える影響が小さく、金属ユニット20の放熱効果を依然として良好に維持することができる。他方、第1の分岐回路21の体積は、追加されたシールドケースの体積に比べて小さく、スイッチ回路全体の体積の減少に有利であり、回路設計コストを削減することができる。
【0043】
説明すべきこととして、該実施例では、第1の分岐回路21がスイッチングトランジスタQ1、スイッチングトランジスタQ2……スイッチングトランジスタQnとアースとの間に電気的に接続されることを例とする。別の実施例では、
図4に示すように、第1の分岐回路21は、金属ユニット20とアースとの間に電気的に接続されてもよい。さらに他の実施例では、
図5に示すように、第1の分岐回路21は、金属ユニット20とアースとの間に電気的に接続されてもよいだけでなく、さらに、同時にスイッチングトランジスタQ1、スイッチングトランジスタQ2……スイッチングトランジスタQnとアースとの間に電気的に接続されてもよい。ここで、
図3又は
図4又は
図5に示す実施例では、いずれも第1のコンデンサC1によって放射干渉を逃がすという目的を実現することができる。
【0044】
また、各スイッチングトランジスタは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタなどのスイッチ素子であってもよく、本出願の実施例はこれについて限定しない。
【0045】
一実施例では、第1の分岐回路21は、第1の抵抗をさらに含む。ここで、第1の抵抗は、第1のコンデンサに直列接続される。
図3に示す構造が第1の抵抗をさらに含むことを例として説明する。
【0046】
図6に示すように、第1の分岐回路21は、直列接続される第1の抵抗R1と第1のコンデンサC1を含む。ここで、第1の抵抗R1と第1のコンデンサC1の位置は入れ替わることができ、即ちスイッチングトランジスタQ1、スイッチングトランジスタQ2……スイッチングトランジスタQnは、第1のコンデンサC1と第1の抵抗R1に順次接続されてもよく、又は、スイッチングトランジスタQ1、スイッチングトランジスタQ2……スイッチングトランジスタQnは、第1の抵抗R1と第1のコンデンサC1に順次接続されてもよい。
【0047】
第1の抵抗R1の追加により、より多くの放射干渉をより速く消費して、スイッチ回路作動時の安定性をさらに向上させることに有利である。
【0048】
理解できるように、この実施例による第1の分岐回路21は、
図4又は
図5に示す回路構造に適用することができ、それは、当業者によって容易に理解できる範囲内にあり、ここではこれ以上説明しない。
【0049】
一実施例では、第1の分岐回路21は、第2のコンデンサをさらに含み、第2のコンデンサは、第1のコンデンサに直列接続される。
図3に示す構造が第2のコンデンサをさらに含むことを例として説明する。
【0050】
図7に示すように、第1の分岐回路21は、直列接続される第2のコンデンサC2と第1のコンデンサC1を含む。
【0051】
ここで、一実施例では、第1のコンデンサC1と第2のコンデンサC2を直列接続して構成した回路の合計静電容量値と第1のコンデンサC1の静電容量値とを等しくするために、第1のコンデンサC1と第2のコンデンサC2の静電容量値を等しくするように設定してもよい。一方、静電容量値を一定に維持することにより、静電容量値を低い値に維持することができ、静電容量値が大きすぎることによるスイッチ回路の短絡などの異常を減少させることに有利であり、他方、複数のコンデンサを直列接続することにより、第1の分岐回路21の耐電圧値を高めて、異なる電圧を有する複数の応用シナリオに適用することができ、それによって該スイッチ回路の実用性の向上に有利である。
【0052】
理解できるように、この実施例による第1の分岐回路21は、
図4又は
図5に示す回路構造にも適用することができ、当業者によって容易に理解できる範囲内にあり、ここではこれ以上説明しない。
【0053】
それとともに、本出願の実施例において、第1の分岐回路21に関連する内容は単独に使用してもよいし、組み合わせて使用してもよく、本出願の実施例はこれについて限定しない。例えば、一実施形態において、
図6と
図7に示す第1の分岐回路21の構造を組み合わせてもよく、即ち該実施例では、第1の分岐回路21は、直列接続される第1のコンデンサC1と、第2のコンデンサC2と、第1の抵抗R1とを含む。
【0054】
一実施例では、
図3に示す回路構造において、nを1より大きい正整数に設定してもよく、即ちこの場合に、スイッチ回路は、少なくとも二つのスイッチングトランジスタを含む。
【0055】
図8を参照すると、金属ユニット20は、金属サブユニットM1、金属サブユニットM2……金属サブユニットMnを含む。ここで、金属サブユニットM1は、スイッチングトランジスタQ1上に設けられ、金属サブユニットM2は、スイッチングトランジスタQ2上に設けられ……金属サブユニットMnは、スイッチングトランジスタQn上に設けられる。即ち、金属サブユニットとスイッチングトランジスタは、一対一で対応し、且つ各スイッチングトランジスタ上には、一つの金属サブユニットが設けられている。
【0056】
この実施例では、第1の分岐回路21は、第1のサブ分岐回路L1、第1のサブ分岐回路L2……第1のサブ分岐回路Lnを含む必要があり、第1のサブ分岐回路と金属サブユニットは一対一で対応する。この場合、第1のサブ分岐回路L1は、金属サブユニットM1とアースとの間に電気的に接続され、第1のサブ分岐回路L2は、金属サブユニットM2とアースとの間に電気的に接続され……第1のサブ分岐回路Lnは、金属サブユニットMnとアースとの間に電気的に接続される。即ち、各金属サブユニットとアースとの間には、いずれも第1のサブ分岐回路が接続されている。
【0057】
理解できるように、いずれか一つの第1のサブ分岐回路の構造は、
図3、
図4、
図5、
図6又は
図7における第1の分岐回路21の構造と同じであってもよい。それによって、各金属サブユニットによって増幅された放射干渉を逃がしてもよく、放射干渉の逃がしをより十分にすることができ、放射干渉を大幅に減少させることによって、回路作動の安定性を向上させることに有利である。
【0058】
次に、この実施例では、金属サブユニットの数がスイッチングトランジスタと等しいことを例とする。他の実施例では、金属サブユニットの数は、スイッチングトランジスタと等しくなくてもよい。例えば、複数のスイッチングトランジスタが一つの金属サブユニットを共有するものであってもよい。この場合、金属サブユニットの数に応じて、第1のサブ分岐回路を対応して設置し、同様に、各金属サブユニットによって増幅された放射干渉を逃がすことを実現することができる。
【0059】
一実施例では、スイッチ回路は、少なくとも二つのブリッジアームを含む。
図9に示すように、スイッチ回路は、ブリッジアームA1、ブリッジアームA2……ブリッジアームAkを含み、ここで、kは、1より大きい正整数である。ここで、ブリッジアームA1は、スイッチングトランジスタQ1と、スイッチングトランジスタQ2とを含み、ブリッジアームA2は、スイッチングトランジスタQ3と、スイッチングトランジスタQ4とを含み……ブリッジアームAkは、スイッチングトランジスタQn-1と、スイッチングトランジスタQnとを含み、即ち、各ブリッジアームは、二つのスイッチングトランジスタを含む。
【0060】
さらに、この実施例では、第1の分岐回路21は、ブリッジアームと一対一で対応する第2のサブ分岐回路を含む。即ち第1の分岐回路21は、第2のサブ分岐回路L11、第2のサブ分岐回路L12……第2のサブ分岐回路L1kを含む。各第2のサブ分岐回路は、ブリッジアームとアースとの間に電気的に接続され、即ち第2のサブ分岐回路L11は、ブリッジアームA1とアースとの間に電気的に接続され、第2のサブ分岐回路L12は、ブリッジアームA2とアースとの間に電気的に接続され……第2のサブ分岐回路L1kは、ブリッジアームAkとアースとの間に電気的に接続される。
【0061】
理解できるように、いずれか一つの第2のサブ分岐回路の構造は、
図3、
図4、
図5、
図6又は
図7における第1の分岐回路21の構造と同じであってもよい。それによって、各ブリッジアームに発生した放射干渉を逃がすことができ、放射干渉の逃がしをより十分にすることができ、回路作動の安定性の向上に有利である。
【0062】
一実施例では、スイッチ回路は、第1のガスケットをさらに含み、第1のガスケットは、スイッチングトランジスタと金属ユニットとの間に設けられている。第1のガスケットは、スイッチングトランジスタと金属ユニットを隔離して、スイッチングトランジスタにおける電圧又は電流が金属ユニットを通って伝導することによって感電を引き起こし得るリスクを低減するために用いられてもよい。
【0063】
例えば、スイッチングトランジスタQ1を用い、且つ金属ユニットがヒートシンクであることを例として説明する。
図10に示すように、スイッチングトランジスタQ1と金属ユニット20との間に第1のガスケット22を設置する。スイッチングトランジスタQ1に発生したターンオン損失、ターンオフ損失及び導通損失などの一連の損失による発熱は回避不可能なものであるため、スイッチングトランジスタQ1の耐用年数を延長するように、スイッチングトランジスタQ1上に金属ユニット20(即ちヒートシンク)を設置して放熱する必要がある。それとともに、また、スイッチングトランジスタQ1に電圧又は電流が印加されるため、スイッチングトランジスタQ1と金属ユニット20との間に第1のガスケット22を設置してもよい。該第1のガスケット22は、絶縁材料であるべきであり、且つ該絶縁材料は、スイッチングトランジスタQ1上の熱量を金属ユニット20に伝送することによって、スイッチングトランジスタQ1の放熱プロセスを完了するように、熱伝導性を有すべきである。
【0064】
一実施例では、第1の分岐回路21の電気容量範囲は、1nF-10nFであり、ここで、nFは、電気容量の単位であるナノファラッドを表す。例えば、
図3に示すように、第1の分岐回路21が第1のコンデンサC1を含む場合、即ち第1のコンデンサC1の電気容量範囲は、1nF-10nFである。また例えば、
図7に示すように、第1の分岐回路21が第1のコンデンサC1と第2のコンデンサC2とを含む場合、即ち第1のコンデンサC1と第2のコンデンサC2との合計電気容量の範囲は、1nF-10nFである。
【0065】
第1の分岐回路21の電気容量範囲が1nF-10nFである場合、第1の分岐回路21による放射干渉に対する逃がし効果を良好にすることができる。且つ、該範囲内では、電気容量の増加に伴って、逃がし効果も向上する。
【0066】
一実施例では、スイッチ回路は、フィルタリング分岐回路をさらに含み、フィルタリング分岐回路は、それぞれ交流電源及びスイッチングトランジスタに接続され、フィルタリング分岐回路は、交流電源における差動モード干渉とコモンモード干渉をフィルタリング除去するためのものである。ここで、コモンモード干渉は、任意の通電導体と基準接地との間の望ましくない電位差として定義される。差動モード干渉は、任意の二つの通電導体の間の望ましくない電位差として定義される。
【0067】
具体的には、
図11に示す例示的なスイッチ回路の回路構造を例として説明する。
図11に示すように、スイッチ回路は、金属ユニット20と、第1の分岐回路21と、フィルタリング分岐回路23とを含む。スイッチ回路は、スイッチングトランジスタQ1、スイッチングトランジスタQ2……スイッチングトランジスタQn、及び第1のガスケットをさらに含み、ここで、第1のガスケットは、静電容量値が小さい寄生コンデンサC11と等価であってもよい。それとともに、この実施例では、第1の分岐回路21が第1のコンデンサC1のみを含むことを例とする。フィルタリング分岐回路21は、交流電源ACと各スイッチングトランジスタとの間に電気的に接続され、寄生コンデンサC11は、各スイッチングトランジスタと金属ユニット20との間に電気的に接続され、第1のコンデンサC1は、金属ユニット20とアース(該スイッチ回路を含む機器のハウジングであってもよい)との間に電気的に接続される。
【0068】
具体的には、第1のコンデンサC1は、各スイッチングトランジスタに発生した放射干渉のために逃がし回路を提供することができる。該逃がし回路は、金属ユニット20と、第1のコンデンサC1と、フィルタリング分岐回路23と、各スイッチングトランジスタと、寄生コンデンサC11と、金属ユニット20とを順に含む。それによって、金属ユニット20を通過する放射干渉が該逃がし回路で消費されて、放射干渉値を大幅に減少させる。
【0069】
図12と
図13を参照すると、
図12は、第1の分岐回路21が追加されていない放射干渉を示し、
図13は、第1の分岐回路21を追加した後の放射干渉を示した。ここで、波形B1と波形B2は、放射干渉の波形であり、波形B0は、放射干渉の安全閾値であり、該安全閾値より小さい場合にのみ、他の電子デバイスに対する放射干渉の影響は、近似的に無視することができる。
【0070】
具体的には、
図12に示すように、スイッチ回路に第1の分岐回路21が追加されていない場合、周波数が35MHzから50MHzである周波数帯では、波形B1が波形B0を超え、即ち放射干渉が安全閾値を超えた。さらに、
図13に示すように、第1の分岐回路21を追加した後、周波数が35MHzから50MHzである周波数帯では、波形B2の大部分が波形B0より小さく、即ち放射干渉の大部分は、安全閾値より低い値まで減少した。特に周波数が40MHz程度である場合、放射干渉を約10dB減少させ、効果がより顕著である。
【0071】
分かるように、第1の分岐回路21を追加することによって、放射干渉を大幅に減少させることができ、スイッチ回路における各電子デバイスを保護役割を果たすことに有利であり、それによって各電子デバイスの耐用年数を延長することができる。それとともに、スイッチ回路の作動安定性も向上した。次に、追加された第1のコンデンサC1は、金属ユニット20とアースとの間に電気的に接続され、第1のコンデンサC1が短絡する確率を低下させて、第1のコンデンサC1を保護役割を果たすことができる。
【0072】
理解できるように、この実施例では、第1の分岐回路21は、金属ユニット20とアースとの間に電気的に接続される。他の実施例では、第1の分岐回路21を各スイッチングトランジスタとアースとの間に電気的に接続してもよく、具体的な実現形態は、上記実施例で説明されているので、ここではこれ以上説明しない。
【0073】
一実施例では、フィルタリング分岐回路23は、第1の安全コンデンサCY1と、第2の安全コンデンサCY2と、第3の安全コンデンサCX1と、第4の安全コンデンサCX2と、コモンモードインダクタンスT1と、励磁インダクタンスT2とを含む。ここで、第1の安全コンデンサCY1は、交流電源ACの第1の端とアースとの間に電気的に接続され、第2の安全コンデンサCY2は、交流電源ACの第2の端とアースとの間に電気的に接続され、第3の安全コンデンサCX1は、交流電源ACの第1の端と交流電源ACの第2の端との間に電気的に接続され、コモンモードインダクタンスT1の第1の同一名前の端は、交流電源ACの第1の端に電気的に接続され、コモンモードインダクタンスT1の第2の同一名前の端は、交流電源ACの第2の端に電気的に接続され、コモンモードインダクタンスT1の第1の異なる名前の端は、第4の安全コンデンサCX2の第1の端に接続され、コモンモードインダクタンスT1の第2の異なる名前の端は、第4の安全コンデンサCX2の第2の端に接続され、第4の安全コンデンサCX2の第1の端はさらに、励磁インダクタンスT2を介して各スイッチングトランジスタに電気的に接続され、第4の安全コンデンサCX2の第2の端は、各スイッチングトランジスタに電気的に接続される。
【0074】
具体的には、第1の安全コンデンサCY1と第2の安全コンデンサCY2は差動モード干渉を除去するためのものである。第3の安全コンデンサCX1と第4の安全コンデンサCX2は、コモンモード干渉を除去するためのものである。コモンモードインダクタンスT1は、信号線におけるコモンモード電波干渉をフィルタリング除去するためのものである一方、同じ電磁環境での他の電子デバイスの正常な作動に影響を及ぼすことを回避するように、その自体が外に電波干渉を発しないように抑制するためのものであってもよい。励磁インダクタンスT2は、昇圧又は降圧を実現するためのものである。
【0075】
この実施例では、安全コンデンサは、コンデンサが故障した後、電気ショックを引き起こすことがなく、身の安全を危険にさらすことのない安全なコンデンサを指し、そうすれば各コンデンサが安全コンデンサを選択することによって、スイッチ回路の作動時の安全性を向上させることができる。無論、他の実施例では、他のタイプのコンデンサを用いてもよく、本出願の実施例はこれについて限定しない。なお、該実施例は、交流電源における差動モード干渉とコモンモード干渉をフィルタリング除去することによって、後続の回路のために安定的な交流電源を提供することができ、回路作動時の安定性の向上に有利である。
【0076】
説明すべきこととして、
図11に示すスイッチ回路の回路構造は一例に過ぎず、且つ、スイッチ回路は、図に示されるものよりも多く又は少ない部品を有してもよく、二つ又はより多くの部品を組み合わせてもよく、又は異なる部品配置を有してもよく、本出願の実施例はこれについて限定しない。例えば、一実施例では、スイッチ回路は、共振型双方向フルブリッジDC/DC変換回路であってもよい。また例えば、別の実施例では、スイッチ回路はさらに、位相シフトフルブリッジ回路であってもよい。
【0077】
ここで、共振型双方向フルブリッジDC/DC変換回路は、
図14に示すとおりであってもよい。該回路では、スイッチングトランジスタS141、スイッチングトランジスタS142、スイッチングトランジスタS143、スイッチングトランジスタS144、スイッチングトランジスタS145、スイッチングトランジスタS146、スイッチングトランジスタS146及びスイッチングトランジスタS148には、いずれも金属ユニットが設けられてもよい。さらに、各スイッチングトランジスタに発生した放射干渉を逃がすように、各スイッチングトランジスタとアースとの間に第1の分岐回路を設置し、及び/又は、金属ユニットとアースとの間に第1の分岐回路を設置してもよい。具体的な実現プロセスは、上記実施例で説明されているので、ここではこれ以上説明しない。
【0078】
本出願の実施例は、電源装置を提供し、該電源装置は、上記いずれか一つの実施例におけるスイッチ回路を含む。ここで、電源装置は、電力網からエネルギーを取得し、変換した後に一つ又は複数の負荷のために電気エネルギーを提供する装置であってもよい。
【0079】
一実施例では、電源装置は、スイッチ電源又は充電スタンドである。ここで、スイッチ電源又は充電スタンドは、商用電源から入力電圧を得て、入力電圧を他の機器で使用可能な電圧に変換してもよい。
【0080】
好ましい実施例を参照して本出願を説明したが、本出願の範囲から逸脱することなく、それに対して様々な改善を行うことができ、そのうちの部材を同等のものに置き換えることができる。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例で言及される各技術的特徴はいずれも、任意の方法で組み合わせることができる。本出願は、本明細書に開示される特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に含まれる全ての技術案を含む。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
図1を参照すると、
図1は、従来技術に開示されたシールドケースとMOSトランジスタの構造概略図である。
図1に示すように、MOSトランジスタ10上には、放熱するためのヒートシンク11が設置されている。実際の応用プロセスにおいて、スイッチングトランジスタのスイッチング周波数が、一般的には、数十kHz、さらには百kHzであり、即ち、スイッチングトランジスタのdv/dtとdi/dtが大きいため、スイッチングトランジスタは、スイッチングプロセスにおいて、高周波数の電波干渉を放射、発射し、それによって発生した放射干渉が多く、絶えず増加する。MOSトランジスタ10に発生した放射干渉が他の電子デバイスの正常な作動に与える悪影響を減少させるために、シールドケース1
2は、MOSトランジスタ10とヒートシンク11を上から下への方向に沿って覆ってもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
具体的には、
図11に示す例示的なスイッチ回路の回路構造を例として説明する。
図11に示すように、スイッチ回路は、金属ユニット20と、第1の分岐回路21と、フィルタリング分岐回路23とを含む。スイッチ回路は、スイッチングトランジスタQ1、スイッチングトランジスタQ2……スイッチングトランジスタQn、及び第1のガスケットをさらに含み、ここで、第1のガスケットは、静電容量値が小さい寄生コンデンサC11と等価であってもよい。それとともに、この実施例では、第1の分岐回路21が第1のコンデンサC1のみを含むことを例とする。フィルタリング分岐回路2
3は、交流電源ACと各スイッチングトランジスタとの間に電気的に接続され、寄生コンデンサC11は、各スイッチングトランジスタと金属ユニット20との間に電気的に接続され、第1のコンデンサC1は、金属ユニット20とアース(該スイッチ回路を含む機器のハウジングであってもよい)との間に電気的に接続される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
ここで、共振型双方向フルブリッジDC/DC変換回路は、
図14に示すとおりであってもよい。該回路では、スイッチングトランジスタS141、スイッチングトランジスタS142、スイッチングトランジスタS143、スイッチングトランジスタS144、スイッチングトランジスタS145、スイッチングトランジスタS146、スイッチングトランジスタS14
7及びスイッチングトランジスタS148には、いずれも金属ユニットが設けられてもよい。さらに、各スイッチングトランジスタに発生した放射干渉を逃がすように、各スイッチングトランジスタとアースとの間に第1の分岐回路を設置し、及び/又は、金属ユニットとアースとの間に第1の分岐回路を設置してもよい。具体的な実現プロセスは、上記実施例で説明されているので、ここではこれ以上説明しない。
【国際調査報告】