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2023-553965ガラスフィラー除去のための水性アルカリ洗浄剤溶液及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】ガラスフィラー除去のための水性アルカリ洗浄剤溶液及び方法
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20231219BHJP
   B08B 3/08 20060101ALI20231219BHJP
   C11D 1/04 20060101ALI20231219BHJP
   C11D 1/12 20060101ALI20231219BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20231219BHJP
   C11D 3/04 20060101ALI20231219BHJP
   C11D 1/68 20060101ALI20231219BHJP
   H05K 1/03 20060101ALN20231219BHJP
【FI】
C11D17/08
B08B3/08 Z
C11D1/04
C11D1/12
C11D3/20
C11D3/04
C11D1/68
H05K1/03 610L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535568
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2023-07-21
(86)【国際出願番号】 EP2021085285
(87)【国際公開番号】W WO2022123050
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】20213593.5
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511188635
【氏名又は名称】アトテック ドイチェランド ゲーエムベーハー ウント コ カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング・フリズ
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス・ヨン・グレゴリアデス
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ケンパ
【テーマコード(参考)】
3B201
4H003
【Fターム(参考)】
3B201AA01
3B201BB94
4H003AB03
4H003AB13
4H003AB26
4H003AB37
4H003AC05
4H003BA12
4H003DA09
4H003DA12
4H003DA15
4H003DB01
4H003DC02
4H003EA12
4H003EA21
4H003EB14
4H003EB34
4H003ED02
4H003FA04
(57)【要約】
本発明は、ガラスフィラー除去のための水性アルカリ洗浄剤溶液であって、(a)飽和分岐鎖状若しくは非分岐鎖状C5~C12カルボン酸又はその塩からなる群から選択される少なくとも1種の非イオン性界面活性剤であり、濃度が0.9~1.7g/Lである、非イオン性界面活性剤と、(b)サルフェート、サルファイト、スルホネート、ホスフェート、ホスファイト、及びカーボネートから選択される負電荷基を有する飽和分岐鎖状又は非分岐鎖状C5~C12アルキル、並びに飽和C3~C8アルキルアミノカルボキシレートからなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤と、(c)アルコキシル化C5~C12アルカノール及びグリコシドC5~C12アルカノールからなる群から選択される、少なくとも1個のヒドロキシル基及び少なくとも1個のC-O-C基を有する少なくとも1種の化合物と、(d)濃度が65~200g/Lである、アルカリ金属水酸化物とを含む、水性アルカリ洗浄剤溶液;並びに使用のための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスフィラー除去のための水性アルカリ洗浄剤溶液であって、
(a)飽和分岐鎖状若しくは非分岐鎖状C5~C12カルボン酸又はその塩からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤であり、濃度が0.9~1.7g/Lである、界面活性剤と、
(b)サルフェート、サルファイト、スルホネート、ホスフェート、ホスファイト、及びカーボネートから選択される負電荷基を有する飽和分岐鎖状又は非分岐鎖状C5~C12アルキル、並びに飽和C3~C8アルキルアミノカルボキシレートからなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤と、
(c)アルコキシル化C5~C12アルカノール及びグリコシドC5~C12アルカノールからなる群から選択される、少なくとも1個のヒドロキシル基及び少なくとも1個のC-O-C基を有する少なくとも1種の化合物と、
(d)濃度が65~200g/Lである、アルカリ金属水酸化物と
を含む、水性アルカリ洗浄剤溶液。
【請求項2】
前記(a)少なくとも1種の界面活性剤の濃度が、1.0~1.5g/L、好ましくは1.2~1.4g/Lである、請求項1に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液。
【請求項3】
前記(b)少なくとも1種の界面活性剤の濃度が0.5~10g/Lである、請求項1又は2に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液。
【請求項4】
前記(c)少なくとも1種の化合物の濃度が、0.6~1.3g/L、好ましくは0.65~1.2g/L、より好ましくは0.7~1.1g/Lである、請求項1から3のいずれか一項に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液。
【請求項5】
前記(d)アルカリ金属水酸化物の濃度が、70~100g/L、好ましくは75~80g/Lである、請求項1から4のいずれか一項に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液。
【請求項6】
前記(a)少なくとも1種の界面活性剤が、飽和分岐鎖状C6~C10カルボン酸又は塩、好ましくは、非置換ヘキサン酸、オクタン酸、及びデカン酸からなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液。
【請求項7】
前記(b)少なくとも1種の界面活性剤が、サルフェート、ホスフェート、及びカーボネートの負電荷基を有する飽和分岐鎖状又は非分岐鎖状C5~C8アルキル、並びに飽和C5~C8アルキルアミンカルボキシレートからなる群から選択され、好ましくは1-アミノ-(C5~C8)-アルキルカルボキシレートである、請求項1から6のいずれか一項に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液。
【請求項8】
前記(c)少なくとも1種の化合物が、式(I):
【化1】
[式中、pは1~2の整数であり、oは4~10の整数であり、mは4~9の整数である]
のアルコキシル化C5~C12アルカノールであり、
前記(c)少なくとも1種の化合物が、式(II):
【化2】
[式中、nは1~5の整数であり、mは4~9の整数である]
のグリコシドC5~C12アルカノールである、請求項1から7のいずれか一項に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液。
【請求項9】
前記溶液が、(e)モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、及びトリエタノールアミン(TEA)からなる群から選択される少なくとも1種の水溶性アルカノールアミン、好ましくは2-アミノエタノールを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液。
【請求項10】
前記(e)少なくとも1種の水溶性アルカノールアミンの濃度が、6.5~9.0g/L、好ましくは7.5~8.5g/L、より好ましくは7.8~8.2g/Lである、請求項9に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液。
【請求項11】
集積回路を有する物品の製造における、有機ポリマーとガラスフィラーとの複合体をベースとする非導電性層と、前記非導電性層に結合した銅層とを含むデスミア処理された基板のガラスフィラー除去処理のための方法であって、前記非導電性層が、前記非導電性層の表面内に少なくとも1つのブラインドマイクロビアを有し、前記少なくとも1つのマイクロビアの底部が、前記結合した銅層によって構築されており、前記銅層に結合していない前記非導電性層の表面及び前記少なくとも1つのブラインドマイクロビアの壁が、デスミア処理された有機ポリマー及びガラスフィラーを露出させており、以下の順序の工程:
(i)デスミア処理された基板を準備する工程、
(ii)請求項1から10のいずれか一項に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液を準備する工程、
(iii)前記基板を前記アルカリ洗浄剤溶液と接触させることによって前記基板を前記水性アルカリ洗浄剤溶液で処理して、前記有機ポリマーからガラスフィラーを除去する工程
を含む、方法。
【請求項12】
前記(iii)の処理を55~65℃で3~7分間実行する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
(iv)後続の金属化のために、工程(iii)の処理された基板の前記非導電性層の表面上において工程(iii)の前記基板を活性化溶液で処理する工程を更に含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記非導電性層に結合した前記銅層が、コア層に更に結合されており、好ましくは、前記コア層が、FR4材料、SAP材料、又はIC基板である、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
集積回路を有する物品の製造における、有機ポリマーとガラスフィラーとの複合体をベースとする非導電性層と、前記非導電性層に結合した銅層とを含むデスミア処理された基板のガラスフィラー除去処理のための請求項1から10のいずれか一項に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液の使用であって、前記非導電性層が、前記非導電性層の表面内に少なくとも1つのブラインドマイクロビアを有し、前記少なくとも1つのマイクロビアの底部が、前記結合した銅層によって構築されており、前記銅層に結合していない前記非導電性層の表面及び前記少なくとも1つのブラインドマイクロビアの壁が、前記デスミア処理された有機ポリマー及びガラスフィラーを露出させている、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、基板上でのパラジウム活性化層の堆積前の使用のための、有機ポリマーとガラスフィラーとの複合体をベースとする非導電性層と、非導電性層に結合した銅層とを含む基板からのガラスフィラー除去のための新規の水性アルカリ洗浄剤溶液、並びにその方法及び使用に関する。特に、この溶液及び方法は、デスミアプロセスの後に、ブラインドマイクロビアとしての構造を有する表面を更に清浄化して、物品、例えばプリント回路ボードとしての多層アセンブリ、特に細線IC基板ボードを製造するために使用され、ブラインドマイクロビアとしての回路特徴部は、金属で充填され得る。
【背景技術】
【0002】
現代の電子機器メーカーは、増大する小型化の要求に直面しており、より一層稠密に相互接続された多層プリント回路ボードのトレンドを追求する必要がある。エポキシベースの複合体は、それらの低コストでバランスの良く取れた物理化学的及び機械的特性に基づいて、第1の選択肢となる絶縁材料である。最新のエポキシビルドアップ積層体は、エポキシベースの樹脂マトリックスと電気めっき銅回路との間のCTEの不一致を補うために必要な球状ガラスフィラーの量が増加している。更に、μmオーダー以下のそれらの小さなサイズによって、ガラス繊維束強化ベース材料と比較して、より滑らかな表面トポグラフィーが可能になる。
【0003】
トレース、ブラインドマイクロビア、又はスルーホール(TH)としての様々な凹部を、ガラスフィラーを含む樹脂ベースの基板に、例えばドリル加工することによって挿入した後に、デスミアプロセスを適用して、ドリル加工プロセスの残留物を除去する。工業的なデスミアプロセスの最中に、基板の表面及び凹部の表面の露出したガラスフィラーの付着が弱まり、周囲の樹脂マトリックスにおけるそれらのアンカリングが失われるか、又は損傷するであろう。これらのフィラーが除去されない場合、残った結合の弱いフィラー又は緩いフィラーによって、エポキシ樹脂上のめっき銅の付着の低下が生じたり、ブラインドマイクロビア又はスルーホール(TH)における銅同士の接続の汚染が生じることがある。これは、生産の歩留まり及び最終製品の信頼性に影響を与え得る。
【0004】
ガラスフィラー汚染を克服するための一般的なアプローチは、米国特許出願公開第2012/0298409号に記載されているフッ化物エッチング溶液及び米国特許出願公開第2007/0131243号に記載されている超音波処理を含む。これらの戦略はいずれも、セミアディティブプロセス(SAP)の垂直モードに容易に適用することができない。フッ化物エッチング溶液の深刻な健康上の問題から、この産業のほとんどの部分でこれらが即座に不適格となり、その一方で、垂直モードでの超音波適用は、おそらくバスケット適用であっても、各パネルに十分に大きな影響を与える均質な手法で用いるのは非常に困難である。
【0005】
特開2010-229536には、シリカベースのフィラーを含有する樹脂基板の表面を洗浄するための前処理剤であって、デスミアプロセス等の後の基板表面上に露出したフィラー及びガラス繊維を除去することが望まれる、前処理剤が開示されている。前処理剤は、アルカリ、非イオン性エーテル系界面活性剤、及びアミンベースの錯化剤を含む。
【0006】
米国特許出願公開第2010/056416号には、アニオン性界面活性剤、C6アルキルポリグルコシドから選択される親水性合成物、非イオン性界面活性剤、及びオレイン酸又はパルミチン酸等の疎水性合成物を含む限られた数の天然成分を有する洗浄組成物であって、組成物が7~13のpHを有する、洗浄組成物が開示されている。洗浄組成物は、洗濯物、柔らかい表面、及び硬い表面を洗浄するために使用することができる。
【0007】
前述のアプローチは、多くの場合、健康に有害な成分を含んでおり、高いエネルギー消費を示し、強い泡立ち挙動を有する。更に、使用される溶液は、緩い又は弱く結合したフィラーを十分には除去せず、望ましくない泡立ちを起こす傾向もある。したがって、後続の基板の活性化によって、基板の表面上に不特定の不十分に付着したパラジウム層が形成されることがあり、次いで、それによって、後続のプロセスで不完全な銅堆積が生じ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0298409号
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0131243号
【特許文献3】特開2010-229536号公報
【特許文献4】米国特許出願公開第2010/056416号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の対象
したがって、本発明の対象は、従来技術の欠点を克服し、有機ポリマーとガラスフィラーとを有する幅広い種類の複合体からの緩いガラスフィラーの除去を改善するための手段を提供することであり、フィラーは、デスミア処理の後に、スルーホール、トレース、又はブラインドマイクロビアとしての凹部構造を含む複合体表面上に露出されており、低い付着性を有する。
【0010】
本発明の更なる対象は、より少ない泡立ち傾向を有するガラスフィラーの除去を改善するための手段を提供することである。
【0011】
本発明の更なる別の対象は、吸着性を改善し、基板の表面上へのパラジウム触媒の均一に分散された堆積を達成して触媒を付与し、後続の銅めっきの付着性を高め、銅の付着信頼性を改善することである。
【0012】
本発明の更なる別の対象は、物品、例えば、細線HDIボード、MLB、及びIC基板としての多層アセンブリを製造するための手段を使用することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
これらの対象は、本発明によって解決される。
【0014】
本発明の一態様では、ガラスフィラー除去のための水性アルカリ洗浄剤溶液であって、
(a)飽和分岐鎖状若しくは非分岐鎖状C5~C12カルボン酸又はその塩からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤であり、濃度が0.9~1.7g/Lである、界面活性剤と、
(b)サルフェート、サルファイト、スルホネート、ホスフェート、ホスファイト、及びカーボネートから選択される負電荷基を有する飽和分岐鎖状又は非分岐鎖状C5~C12アルキル、並びに飽和C3~C8アルキルアミノカルボキシレートからなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤又はその塩と、
(c)アルコキシル化C5~C12アルカノール及びグリコシドC5~C12アルカノールからなる群から選択される、少なくとも1個のヒドロキシル基及び少なくとも1個のC-O-C基を有する少なくとも1種の化合物と、
(d)濃度が65~200g/Lである、アルカリ金属水酸化物と
を含む、水性アルカリ洗浄剤溶液が提供される。
【0015】
本発明の別の態様では、集積回路を有する物品の製造における、有機ポリマーとガラスフィラーとの複合体をベースとする非導電性層と、非導電性層に結合した銅層とを含むデスミア処理基板のガラスフィラー除去処理のための方法であって、非導電性層が、非導電性層の表面内に少なくとも1つのブラインドマイクロビア(BMV)を有し、少なくとも1つのマイクロビアの底部が、結合した銅層によって構築されており、銅層に結合していない非導電性層の表面及び少なくとも1つのブラインドマイクロビアの壁が、デスミア処理された有機ポリマー及びガラスフィラーを露出させており、以下の順序の工程:
(i)デスミア処理された基板を準備する工程、
(ii)本発明による水性アルカリ洗浄剤溶液を準備する工程、
(iii)基板を水性アルカリ洗浄剤溶液と接触させることによって基板を水性アルカリ洗浄剤溶液で処理して、有機ポリマーからガラスフィラーを除去する工程
を含む、方法が提供される。
【0016】
本発明の更なる別の態様では、集積回路を有する物品の製造における、有機ポリマーとガラスフィラーとの複合体をベースとする非導電性層と、非導電性層に結合した銅層とを含むデスミア処理基板のガラスフィラー除去処理のための水性アルカリ洗浄剤溶液の使用であって、非導電性層が、非導電性層の表面内に少なくとも1つのブラインドマイクロビアを有し、少なくとも1つのマイクロビアの底部が、結合した銅層によって構築されており、銅層に結合していない非導電性層の表面及び少なくとも1つのブラインドマイクロビアの壁が、デスミア処理された有機ポリマー及びガラスフィラーを露出させている、使用が提供される。
【0017】
本発明の更なる別の態様では、銅充填凹部構造を有する有機ポリマーとガラスフィラーとの複合体をベースとする非導電性層と、非導電性層に結合した銅層との交互層を有する多層アセンブリの製造のための、先の本発明による水性アルカリ洗浄剤溶液の使用又は方法が提供される。
【0018】
本発明の更なる態様は、従属請求項又は以下の説明から分かるであろう。
【0019】
特徴部は、添付の図面を参照して例示的な実施形態を詳細に説明することによって当業者に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】試験溶液を塗布した後の基板の非導電性層の表面上におけるガラスフィラー除去性能を評価するための社内0~5レベルスケールをSEMによって示す図である。
図2】試験溶液を塗布した後の基板の非導電性層のBMVの壁上におけるガラスフィラー除去性能を評価するための社内0~5レベルスケールをSEMによって示す図である。
図3】本発明の実施例1による表面上及びBMV内におけるガラスフィラー除去性能の結果をSEMによって示す図である。
図4】本発明の実施例2による表面上におけるガラスフィラー除去性能の結果をSEMによって示す図である。
図5】本発明の実施例3による表面上及びBMV内におけるガラスフィラー除去性能の結果をSEMによって示す図である。
図6】比較例1による表面上及びBMV内におけるガラスフィラー除去性能の結果をSEMによって示す図である。
図7】比較例2による表面上及びBMV内におけるガラスフィラー除去性能の結果をSEMによって示す図である。
図8】比較例3、4、5及び本発明の実施例1による表面上及びBMV内におけるガラスフィラー除去性能の結果をSEMによって示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
これより、実施形態を詳細に参照し、それらの例は、添付の図面に示されている。例示的な実施形態の効果及び特徴、並びにその実装方法については、添付の図面を参照して説明する。図面では、類似した数字は類似した要素を示し、重複した説明は省略する。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連する列挙されている項目のうちの1つ以上のあらゆる組み合わせを含む。更に、本発明の実施形態を説明する際の「であり得る」の使用は、「本発明の1つ以上の実施形態」を指す。
【0022】
本発明の実施形態の以下の説明では、文脈から明確に他の指示がない限り、単数形の用語は複数形を含み得、例えば、以下では、「フィラー」が使用される場合、「複数のフィラー」が含まれる。
【0023】
本発明は、本発明による基板のデスミア処理の後かつパラジウム活性化の前に使用するのに特に適しており、増加していく量のガラスフィラーを球状ガラスフィラーとして有する複合体は、例えば、SAPベース材料の一部である。本発明によって、デスミアプロセスの最中に緩くなった(loose)又は結合が低下した露出したガラスフィラーを表面から及び同様にBMVの壁から除去することが可能である。本発明は、パラジウム活性化で始まる後続の金属化プロセスのために、洗浄された基板の表面及びBMVの壁を提供する。
【0024】
本発明は、プリント回路ボードとしての製造される多層アセンブリのより高い歩留まり及びより良好な信頼性をもたらし、工業的に関連するIC基板ベース材料上での付着特性は、新たなプロセスで処理した後に、著しくより高い剥離強度値を示した。
【0025】
特に、本発明は、電子物品、例えば、微細な特徴部を有するHDI及びMLBボード及びIC基板としての多層アセンブリの製造を可能にし、ラインアンドスペース(L/S)は、75/75μmであるか25/25μmまでであり、例えば水平適用の場合、スルーホールのアスペクト比は、約1:3~約1:10であり、好ましくは、ブラインドマイクロビアは、約1:1であるか1:1.15~1:2.3までである。垂直めっき適用の場合、約1:3~約1:30のスルーホールのアスペクト比、好ましくは、約1:1であるか1:1.15~1:2.3までのブラインドマイクロビアが可能である。同時に、この方法は、泡立ち挙動を著しく低減しながら、優れた被覆性能を提供する。
【0026】
本発明は、従来技術で使用されるものよりも危険性の低い成分を使用する。更に、本発明は、作業温度及び作業時間の観点から、より穏やかな条件で電子物品を製造することを可能にする。これによって、エネルギー消費の大幅な削減がもたらされ、スループットが改善される。より低い温度スキームによって、設備及びメンテナンスのコストも削減される。
【0027】
泡立ち挙動の低減のみならず、デスミア処理基板表面を緩いガラスフィラーから洗浄することの最も所望な利点のうちの1つは、下地、例えばエポキシマトリックスへのめっき銅の付着の向上である。この付着の向上が予想される明白な理由は、基板への「緩い」ガラスフィラーの不十分な結合を想定していることであろう。これは、デスミア後に周囲のエポキシ樹脂に半分未満が埋め込まれているフィラーの場合、又は任意の再吸着されたフィラーの場合に当てはまるはずである。次いで、銅がこのフィラーの周りにめっきされ、剥離力が加わると、フィラーが基板から容易に持ち上がる。
【0028】
本発明は、異なる供給者の幅広い範囲の異なる基板に使用することができ、基板の非導電性層は、有機ポリマーとガラスフィラーとの複合体をベースとしており、銅層は、例えば積層化によって、非導電性層に結合されている。
【0029】
この複合体は、ガラスフィラー及び/又はシリカフィラーと、樹脂及び/又はプラスチックとしての有機ポリマー、並びにそれらのブレンドとの混合物をベースとしている。樹脂及びプラスチックは、電子機器産業で典型的に使用される、金属化すべき誘電体材料を含む。樹脂及びプラスチックは、好ましくは、エポキシ樹脂としてのエポキシ、イソシアネート樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、及びフェニレン樹脂;ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)コポリマー、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、並びに前述のものの混合物及びブレンドから選択される。
【0030】
有機ポリマーは、より好ましくは、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂を含み、ポリイミド樹脂は、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリエステル等を添加することによって変性させることができる。エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂とガラスフィラーとの組み合わせを含むガラスフィラーエポキシボード材料であり得るか、又は低い熱膨張及び高いガラス転移温度を有して高ガラス転移温度ガラスフィラーエポキシボード材料を構成するように変性された同じものであり得る。
【0031】
好適なガラスフィラーは、好ましくは、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、シリカガラス、フッ素化ガラスから選択される。異なるフィラーのサイズは、直径0.01μm~5μmの範囲であり、好ましくは、平均が直径0.5μmである。
【0032】
好ましくは、非導電性層の複合体は、ビルドアップフィルム、例えばエポキシベース材料である。必要に応じて、詳細な名称を記載する。埋め込まれたガラスフィラーのサイズは、平均が直径0.5μmであり、最大が5.0μmである。
【0033】
本発明によるデスミア処理基板は、コア層を含み得る。この場合、非導電性層に結合した銅層は、コア層に更に結合されている。このコア層によって、より柔軟なデスミア処理基板の取り扱いがより容易になり、基板の不所望なねじれが避けられる。
【0034】
更なる実施形態では、2つのデスミア処理基板がコア層に結合され得る。この場合、各銅層は、非導電性層及びコア層に結合されている。これによって、コア層を有するデスミア処理基板を両側から処理して、コア層の両側から多層アセンブリを構築することが可能になる。
【0035】
前述のコア層は、プリント回路ボード基板、回路キャリア基板、相互接続デバイス基板、及び前述のもののうちのいずれかのための前駆体からなる群から選択され得る。そのような前駆体は、とりわけ、FR-1、FR-2、FR-3、FR-4、FR-5、銅クラッド材料、SAP材料、IC基板、及びそれらの積層体を含み、好ましくは、コア層は、FR4材料、SAP材料、又はIC基板である。
【0036】
水性アルカリ洗浄剤溶液中の少なくとも1種の界面活性剤(a)の濃度は、0.9~1.7g/L、好ましくは1.0~1.5g/L、より好ましくは1.2~1.4g/Lである。溶液中に2種以上の界面活性剤がある場合、総濃度も、0.9~1.7g/L、好ましくは1.0~1.5g/L、より好ましくは1.2~1.4g/Lである。界面活性剤は、酸又は塩として添加され得ると理解される。
【0037】
水性アルカリ洗浄剤溶液中の少なくとも1種の界面活性剤(b)の濃度は、0.5~10g/L、好ましくは1.5~9g/L、より好ましくは2~8g/Lである。他の好ましい濃度範囲は、0.5~1.2g/L、好ましくは0.7~1.1mg/L、より好ましくは0.75~1.0g/Lである。溶液中に2種以上の界面活性剤がある場合、総濃度も0.5~10g/Lである。好ましい一実施形態では、サルフェート、サルファイト、スルホネート、ホスフェート、ホスファイト、及びカーボネートから選択される負電荷基を有する飽和分岐鎖状又は非分岐鎖状C5~C12アルキルからなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤(b)の濃度範囲は、0.5~1.2g/L、好ましくは0.7~1.1mg/L、より好ましくは0.75~1.0g/Lである。別の好ましい実施形態では、飽和C3~C8アルキルアミノカルボキシレートからなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤(b)の濃度範囲は、0.5~10g/L、好ましくは1.5~9g/L、より好ましくは2~8g/Lである。
【0038】
水性アルカリ洗浄剤溶液中の少なくとも1個のヒドロキシル基及び少なくとも1個のC-O-C基を有する少なくとも1種の化合物(c)の濃度は、0.7~1.3g/L、好ましくは0.8~1.2g/L、より好ましくは0.9~1.1g/Lである。溶液中に2種以上のアルカノールがある場合、総濃度も、0.7~1.3g/L、好ましくは0.8~1.2g/L、より好ましくは0.9~1.1g/Lである。
【0039】
(d)アルカリ金属水酸化物の濃度は、強アルカリ性のpH値をもたらし、計算上はpH14よりも高いpH値を有する。水性アルカリ洗浄剤溶液中の(d)アルカリ金属水酸化物の濃度は、65~200g/L、好ましくは70~100g/L、より好ましくは75~90g/Lである。
【0040】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通じて、開示されている範囲及び比の数値的限界は、組み合わせることができ、すべての中間値を含むと考えられることに留意されたい。更に、すべての数値は、この用語が具体的に述べられているか否かにかかわらず、修飾語「約」が前に付いていると考えられる。
【0041】
少なくとも1種の界面活性剤は、飽和分岐鎖状若しくは非分岐鎖状C5~C12カルボン酸又はその塩からなる群から選択され、飽和分岐鎖状C6~C10カルボン酸又は塩、好ましくはヘキサン酸、オクタン酸、及びデカン酸又はその塩、最も好ましくはヘキサン酸及びオクタン酸又はそれらの塩であることが好ましい。飽和非分岐鎖状C6~C10カルボン酸又は塩、より好ましくは飽和非分岐鎖状C6~C8カルボン酸又は塩からなる群から選択される界面活性剤は、好ましくは、非置換ヘキサン酸及びオクタン酸である。
【0042】
サルフェート、サルファイト、スルホネート、ホスフェート、ホスファイト、及びカーボネートから選択される負電荷基を有する飽和分岐鎖状又は非分岐鎖状C5~C12アルキルからなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤は、サルフェート、ホスフェート、及びカーボネートの負電荷基を有する、より好ましくはサルフェートの負電荷基を有する飽和分岐鎖状又は非分岐鎖状C5~C8アルキル、例えば、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシル、2-エチルヘキシル、n-ヘプチル、又はn-オクチルからなる群から選択されることが好ましく、界面活性剤は、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム又はイソヘプチル硫酸ナトリウムであることが最も好ましい。
【0043】
負電荷基を有する飽和分岐鎖状又は非分岐鎖状C5~C12アルキルの正の対イオンは、好ましくはナトリウム又はカリウム、より好ましくはナトリウムである。
【0044】
飽和C3~C8アルキルアミノカルボキシレートは、好ましくは、式(III)又は(IV):
【0045】
【化1】
【0046】
[式中、Rは、分岐鎖状又は非分岐鎖状C4~C8アルキル、例えば、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシル、2-エチルヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルである]
又は
【0047】
【化2】
【0048】
[式中、kは、3~8、好ましくは4~6、最も好ましくは6の整数である]
の化合物である。
【0049】
界面活性剤は、好ましくは塩として添加されると理解される。飽和C3~C8アルキルアミノカルボキシレートの正の対イオンは、好ましくはナトリウム又はカリウム、より好ましくはナトリウムである。
【0050】
化合物(c)のアルコキシル化C5~C12アルカノールは、好ましくは、式(I):
【0051】
【化3】
【0052】
[式中、pは1~2の整数であり、oは4~10の整数であり、mは4~9の整数であり、より好ましくは、pは1であり、oは5~7であり、mは5~7である]
の化合物である。最も好ましくは、アルコキシル化C5~C12アルカノールは、oが6であるエトキシル化ヘキサノール又はエトキシル化オクタノールである。
【0053】
式(I)の化合物の平均MW(分子量)は、200~15000g/mol、好ましくは400~1000g/mol、最も好ましくは300~600g/molである。
【0054】
化合物(c)のグリコシドC5~C12アルカノールは、好ましくは、式(II):
【0055】
【化4】
【0056】
[式中、nは1~5の整数であり、mは4~9、好ましくは5~7の整数である]
の化合物である。好ましくは、化合物は、CAS 54549-24-5で提供されるアルキルポリグルコシド(APG)である。
【0057】
好ましくは、アルカリ金属水酸化物は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、より好ましくは水酸化ナトリウムである。
【0058】
好ましい実施形態では、本発明の水性アルカリ洗浄剤溶液は、(a)ヘキサン酸及びオクタン酸又はそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤と、(b)式(III)[式中、Rは2-エチルヘキシル又はn-オクチルである]及び式(IV)[式中、kは4~6である]による2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム(エタ硫酸ナトリウム)、イソヘプチル硫酸ナトリウム、及びアルキルアミノカルボキシレートからなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤と、(c)式(I)[式中、化合物は、エトキシル化ヘキサノール、エトキシル化オクタノール、又はエトキシル化デカノールであり、式中、oは6である]の化合物であるアルコキシル化C5~C12アルカノール、及び式(II)[式中、nは1~5の整数であり、mは5~7の整数である]の化合物であるグリコシドC5~C12アルカノールからなる群から選択される少なくとも1種の化合物と、(d)水酸化ナトリウムと、を含む。より好ましい実施形態では、本発明の水性アルカリ洗浄剤溶液は、(e)少なくとも1種の水溶性アルカノールアミンを更に含む。
【0059】
より好ましい実施形態では、本発明の水性アルカリ洗浄剤溶液は、(b)エタ硫酸ナトリウムと(c)エトキシル化ヘキサン-1-オールとの以下の組み合わせを含む;(b)1-アミノ-ヘキシルカルボキシレート及び(c)エトキシル化デカン-1-オール;又は(b)APG及び(c)2-エチルヘキシルイミノジプロピオネート。好ましくは、これらの組み合わせは、(a)ヘキサン酸及び(d)水酸化ナトリウムと一緒に使用される。更なるより好ましい実施形態では、前述の組み合わせは、モノエタノールアミンと一緒に使用される。最も好ましくは、本発明の水性アルカリ洗浄剤溶液は、前述の組み合わせからなる。
【0060】
好ましくは、水性アルカリ洗浄剤溶液は、(e)モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、及びトリエタノールアミン(TEA)からなる群から選択される少なくとも1種の水溶性アルカノールアミン、好ましくは2-アミノエタノールを追加的に含む。水溶性アルカノールアミンを使用することによって、溶液の曇りを避けることができる。独自の実験では、曇った溶液が不所望なめっき結果をもたらすことを示すことができた。
【0061】
少なくとも1種の水溶性アルカノールアミンの濃度は、6.5~9.0g/L、好ましくは7.5~8.5g/L、より好ましくは7.8~8.2g/Lである。
【0062】
本発明の溶液を使用する本発明の方法は、好ましくは、デスミアプロセスの直後に使用される。任意選択的に、デスミア処理基板を、デスミア処理基板を調整剤水溶液で処理する工程(0)で前処理し、それから、本発明の方法によるデスミア処理基板を提供する工程(i)を適用する。デスミア処理基板を調整剤水溶液で処理する工程(0)は、本発明の水性アルカリ洗浄剤溶液を用いる後続の処理工程を改善することができる。調整剤溶液は、好ましくは、硫酸又は塩酸等の酸、硫酸ヒドロキシルアンモニウム又は過酸化水素等の二酸化マンガンを還元することができる薬剤、及び4級化窒素原子を含有するポリマーを含む。例えば、Atotech Deutschland GmbH社から入手可能なSecuriganth(登録商標)MV還元調整剤を調整剤溶液として使用することができる。調整剤溶液での処理は、デスミアプロセスの一部であり得る。
【0063】
この方法は、垂直型及び水平型めっき設備で使用され得る。好ましくは、この方法は、垂直型めっき設備で使用され、基板は、輸送デバイスによって搬送され、めっき設備の処理モジュールを通して加工される。
【0064】
本発明の方法は、(iii)処理を55~65℃で3~7分間実行する場合に使用されることが好ましい。低温によってエネルギー消費が削減され、より高い温度を使用するための設備コストも削減される。これのみならず、低沸点成分の蒸発を防止することができ、強い吸引を避けることができる。
【0065】
本発明の方法は、好ましくは、細線HDIボード、MLB、及びIC基板物品としての集積回路、例えば多層アセンブリを有する物品を製造するための基板の後続の金属化のために、デスミア処理基板の非導電性層の表面の活性化、例えばパラジウム活性化の前に使用される。
【0066】
したがって、この方法は、非限定的な例として、好ましくは、物品を製造する際に以下の工程を更に含み得る。
【0067】
(iv)後続の金属化のために、工程(iii)の処理された基板の非導電性層の表面上において工程(iii)の基板を活性化溶液で処理する工程、好ましくは、工程(iii)の基板をパラジウム活性化溶液で処理する工程であって、パラジウムイオン層を工程(iii)の処理された基板の非導電性層の表面上に堆積させる、工程。当技術分野で知られている他の有用な活性化溶液は、炭素、導電性ポリマー、又は後続の電解直接金属化のための銅、パラジウム、パラジウム-スズ等を含む金属コロイドを含んでもよい。
【0068】
パラジウム活性化溶液は、少なくとも1種のパラジウムイオン源を含む。追加的に、溶液は、ルテニウムイオン源、ロジウムイオン源、パラジウムイオン源、オスミウムイオン源、イリジウムイオン源、白金イオン源、銅イオン源、銀イオン源、ニッケルイオン源、コバルトイオン源、金イオン源、及びそれらの混合物としての他の金属イオン源を含み得る。パラジウムイオン及び該追加的な金属イオンは、該基板の表面上に吸着されている。
【0069】
(v)パラジウム活性化溶液をパラジウム還元溶液と一緒に使用した場合に工程(iv)の基板を処理する工程であって、工程(iv)の堆積されたパラジウムイオン層を金属パラジウム層に変換する、工程。
【0070】
少なくともパラジウムイオンを含む基板の表面を処理することは、ホウ素ベース還元剤、次亜リン酸イオン源、ヒドラジン及びヒドラジン誘導体、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、ホルムアルデヒド源、グリオキシル酸、グリオキシル酸源、グリコール酸、ギ酸、糖、及び前述の酸の塩からなる群から選択される、該基板の表面上に吸着された金属イオン(少なくともパラジウムイオン)を金属状態に還元するのに好適な少なくとも1種の還元剤を含む溶液を用いて実行される。
【0071】
(vi)工程(v)の基板を無電解銅めっき浴で処理して、工程(v)の層上に銅層を得る工程。
【0072】
無電解銅めっき浴は、工程(v)で得られた表面上に金属又は金属合金層を最も効果的に形成するであろう。一般に、めっき浴は、溶媒、典型的には水、及び堆積させるべき少なくとも1種の金属イオン源を含む。更なる任意選択的な成分は、該金属イオン(例えば、後述のもの)のための錯化剤(又はキレート剤)、該金属イオンのための還元剤、安定剤、共溶媒、湿潤剤、及び光沢剤、促進剤、抑制剤、変色防止剤等の機能性添加剤である。そのような浴及び成分は、当技術分野で知られている。無電解銅めっき浴は、ニッケルイオン源、コバルトイオン源、及びそれらの混合物を更に含み得る。
【0073】
(vii)炭素又は導電性ポリマーの層が基板上に堆積されている場合に工程(vi)又は工程(iv)の基板を電解銅又はニッケルめっき浴で処理して、BMVを銅又はニッケルで充填しながら表面上に銅層又はニッケル層を得る工程。銅又はニッケル層は、タングステン、銀等の合金化金属を含む銅合金又はニッケル合金であり得る。
【0074】
本発明の好ましい実施形態では、工程(vii)の電解めっき浴は、銅層を得るための電解銅めっき浴である。工程(vii)の得られた基板は、以下の工程を使用することによって多層アセンブリを構築するために使用され得る。
【0075】
一実施形態では、工程(vii)の銅層を当技術分野で知られているプロセス工程(viia)によって構造化して、導電性構造を得ることができる。
【0076】
(viii)工程(vii)の基板の銅層又は工程(via)の構造化された銅層を、有機ポリマーとガラスフィラーとの複合体をベースとする更なる非導電性層で積層化する工程。
【0077】
(ix)工程(viii)の基板の非導電性層をレーザードリル加工で処理して、非導電性層内にBMVとしての凹部構造を生成する工程であって、BMVの底部を銅層の表面によって形成する(BMVを銅層の表面までドリル加工する)、工程。
【0078】
(x)工程(ix)の基板を工程(ix)のドリル加工された基板のデスミアプロセスで処理する工程であって、例えば以下の後続の工程を含む、工程:膨潤剤処理、過マンガン酸塩処理、及び還元剤処理、又は任意選択的に調整剤水溶液での処理。
【0079】
より多くの交互層が必要である場合、工程(x)の基板を工程(iii)~(vii)で再度処理することができるか、又は他の工程を繰り返すこともできる。
【0080】
必要に応じて、DI水又は酸性若しくはアルカリ水性溶液等での濯ぎ工程としての追加的な工程が先の工程間で実行され得る;エッチング洗浄剤工程;前浸漬工程;及び/又は乾燥工程。
【0081】
先の工程の本発明の溶液を除いて、使用される浴組成物及び溶液自体は、当技術分野で周知である。デスミアプロセスのための好適な溶液、パラジウム活性化溶液、パラジウム還元溶液、無電解及び電解銅溶液は、公知であり、例えば、Atotech Deutschland GmbH社から、Securiganth(登録商標)MV、Neoganth(登録商標)MV活性化剤、Neoganth(登録商標)MV還元剤、Printoganth(登録商標)MV、及びCupracid(登録商標)ACとして購入することができる。
【0082】
これより、以下の図及び非限定的な例を参照して本発明を説明する。
【実施例
【0083】
例における本発明の使用される化合物の相対比は、好ましく有用であることが見出されたが、限定するものであるとは考慮されない。
【0084】
I.ガラスフィラー除去性能の評価
I.1手順
試験したすべての基板は、有機ポリマーとガラスフィラーとの複合体をベースとする非導電性層(層厚は、35μm~40μmの範囲であり、ガラスフィラー含有量は、42~74質量%の間で変化した。埋め込まれたガラスフィラーのサイズは、平均が直径0.5μm、最大が5.0μmであった)と、非導電性層に結合した銅層(CuクラッドFR4コア)とを含んでおり、非導電性層は、直径約40μmのBMV(10×10のBMV及び500μmのエッジ長さのグリッドで配置)を得るためにレーザードリル加工し、基板は、本発明の水性アルカリ洗浄剤溶液及び他の本発明によるものではない溶液の試験溶液を塗布する前にデスミア処理した。
【0085】
ガラスフィラー除去性能は、SEMでの顕微鏡イメージングによって評価した。必要に応じてクーポンのサイズを縮小し、傾斜ステージ(30°)においてイリジウムを60秒間スパッタリングして、ブラインドマイクロビア(BMV)の壁において十分な導電性を確実にした。SEM測定も、30°傾斜させたステージ上で実施し、スパッタリング中と同じ方向に傾斜させることを確実にした。二次電子(SE)検出器を使用して、1k~5kの倍率でイメージングを行った。
【0086】
ガラスフィラー除去性能を、社内0~5レベルスケールによって判断し(0=緩いガラスフィラーなし(すべての緩いガラスフィラーが除去されることを意味する);5=最大の緩いガラスフィラー(非常に少ないガラスフィラーが除去されることを意味する))、各SEM写真について記載する。この6レベルスケールによると、3まではなおも許容可能であるが、4及び5は許容可能ではなく、不所望なめっき結果をもたらす。
【0087】
評価のための例として、図1は、試験溶液を塗布した後の基板の非導電性層の表面上におけるガラスフィラー除去性能を評価するための社内0~5レベルスケールをSEMによって示す。
【0088】
評価のための例として、図2は、試験溶液を塗布した後の基板の非導電性層のBMVの壁上におけるガラスフィラー除去性能を評価するための社内0~5レベルスケールをSEMによって示す。
【0089】
試験例(本発明の実施例及び比較例)
デスミアプロセスの後に、60℃の溶液温度及び5分間の滞留時間を有する本発明の水性アルカリ洗浄剤溶液で基板を処理した。試験溶液のすべての成分をDI(DI-脱イオン水)で希釈した。この後に、各SEM画像分析のために基板を上記のように調製して、ガラスフィラー除去性能を評価した。
【0090】
本発明の実施例1(I1)
溶液中の濃度:
ヘキサン酸 1.4g/L
エタ硫酸ナトリウム 0.8g/L
エトキシル化ヘキサン-1-オール(Cas 31726-34-8) 1.1g/L
水酸化ナトリウム(NaOH) 84g/L
MEA-モノエタノールアミン(98%超) 6.5g/L
【0091】
図3において、表面上で示されたSEMイメージング(倍率=5kx)によるガラスフィラー除去性能は0.5であり(左側:BMV間の表面領域)、BMVでは1であった(右側:BMVの側壁、キャプチャパッドの端部が見える)。
【0092】
本発明の実施例2(I2)
溶液中の濃度:
ヘキサン酸 1.4g/L
1-アミノ-ヘキシルカルボキシレート 8g/L
エトキシル化デカン-1-オール(CAS 26183-52-8) 1.0g/L
NaOH 84g/L
【0093】
図4において、表面上で示されたSEMイメージング(倍率=5kx)によるガラスフィラー除去性能は1であった。
【0094】
本発明の実施例3(I3)
溶液中の濃度:
ヘキサン酸 1.4g/L
APG(CAS 54549-24-5) 0.75g/L
2-エチルヘキシルイミノジプロピオネート 2g/L
NaOH 84g/L
【0095】
図5において、表面上で示されたSEMイメージング(倍率=5kx)によるガラスフィラー除去性能は3であり(左側:BMV間の表面領域)、BMVでは3であった(右側:BMVの側壁、キャプチャパッドの端部が見える)。
【0096】
比較例1(C1)
溶液中の濃度:
NaOH 84g/L
【0097】
図6において、表面上で示されたSEMイメージング(倍率=5kx)によるガラスフィラー除去性能は4.5であり(左側:BMV間の表面領域)、BMVでは4.5であった(右側:BMVの側壁、キャプチャパッドの端部が見える)。
【0098】
比較例2(C2)及び本発明の実施例1(I1)
C2の溶液中の濃度:
MEA(98%超) 12.37g/L
ポリエチレングリコール-(4-tert-オクチルフェニル)-エーテル(CAS 9002-93-1) 4.12g/L
2-プロパノール 1.03g/L
塩化グアニジニウム96%以上 1.65g/L
【0099】
デスミア処理基板を、デスミア処理基板を水性調整剤溶液で処理する調整剤工程(0)で前処理し、それから、C2及びI1の溶液をこの前処理されたデスミア処理基板上に塗布した。調整剤工程(0)は、Atotech Deutschland GmbH社から入手可能なSecuriganth(登録商標)MV還元調整剤を用いて実施した。
【0100】
図7において、表面上で示されたSEMイメージング(倍率=5kx)によるガラスフィラー除去性能は、C2では5であり(左側:BMV間の表面領域)、I1では3であった(右側:BMV間の表面領域)。
【0101】
以下の比較例C3、C4、及びC5を以下のように調製し、本発明の実施例I1(先を参照)の組成物と並行して実行した。
【0102】
特開2010-229536号公報(段落[0015、10分間、80℃])による比較例3(C3)
C3の溶液中の濃度:
MEA 5.00g/L
EDA 5.00g/L
ポリオキシエチレンβ-ナフチルエーテル(Cas番号35545-57-4) 10.00g/L
水酸化カリウム 50.00g/L
【0103】
特開2010-229536号公報(5分間、60℃)の界面活性剤を使用した比較例4(C4)
C4の溶液中の濃度:
MEA 6.50g/L
ポリオキシエチレンβ-ナフチルエーテル(Cas番号35545-57-4) 10.00g/L
NaOH 84.00g/L
【0104】
特開2010-229536号公報(5分間、60℃)の界面活性剤を使用した比較例5(C5)
C5の溶液中の濃度:
MEA 6.50g/L
ポリオキシエチレンβ-ナフチルエーテル(Cas番号35545-57-4) 1.00g/L
NaOH 84.00g/L
【0105】
デスミア処理基板を、デスミア処理基板を水性調整剤溶液で処理する調整剤工程(0)で前処理し、それから、C3、C4、C5、及びI1の溶液をこの前処理されたデスミア処理基板上に塗布した。調整剤工程(0)は、Atotech Deutschland GmbH社から入手可能なSecuriganth(登録商標)MV還元調整剤を用いて実施した。
【0106】
図8に示されている基板の表面上及びBMVの表面領域上のSEMイメージング(倍率=5kx)によるガラスフィラー除去性能は、基板の表面上及びBMVの表面領域上において、C3、C4、及びC5では2~2.5であり、I1では1~1.5であった。
【0107】
比較例C3、C4、及びC5のガラスフィラー除去性能が本発明の実施例I1ほど良好ではなかったことのみならず、剥離強度の観点からも大きな問題が観察された(以下を参照)。また、作業温度での濁度は、本発明の実施例I1の完全に透明な作業溶液とは対照的に強く、同様に、より強い泡立ち挙動も観察された。
【0108】
II.水性アルカリ洗浄剤溶液の泡立ち評価
泡立ち挙動を評価するために、100mlのメスシリンダーを使用する。シリンダーを50mlの試験溶液でみたし、密閉した。ストップウォッチを開始した後に、シリンダーを10秒間振とうさせると、試験溶液は、ほとんどが試験溶液泡に変換された。振とうの終了とともに泡が消失し始め、経時的に泡なしの試験溶液に戻るであろう。合計60秒後に、試験溶液の残りの泡の体積を決定した。泡が消失するのが早いほど良好である。
【0109】
Table I(表1)は、本発明の実施例I1による本発明の水性アルカリ洗浄剤溶液及び比較例C2の泡立ち挙動を示す。本発明の実施例I1は、比較例C2よりも著しく少ない泡及び速い泡の消失を示し、それによって、本発明の実施例I1の著しく改善された泡立ち特性を実証していることが分かる。
【0110】
【表1】
【0111】
III.付着の調査
デスミアプロセスの後に、2つのデスミア処理基板を、本発明の実施例I1による本発明の水性アルカリ洗浄剤溶液と、比較例C2、C3、C4、及びC5による溶液とを用いた追加的な実験で処理した。
【0112】
続いて、2つの基板を以下のように処理した:パラジウム活性化溶液、パラジウム還元溶液、及び無電解銅溶液は、公知であり、例えば、Atotech Deutschland GmbH社から、Securiganth(登録商標)MV、Neoganth(登録商標)MV活性化剤、Neoganth(登録商標)MV還元剤、及びPrintoganth(登録商標)MVとして購入することができる。
【0113】
【表2】
【0114】
剥離強度実験では、銅と樹脂との付着が向上することと、水性アルカリ洗浄剤溶液I1の使用によって、I1との比較で、溶液C2(Tab.II(表3))又は溶液C3、C4、及びC5(Tab.III(表4))を使用するよりも著しく高い付着値が得られることとが分かる。これのみならず、ブリスター性能の大幅な改善も見出された。
【0115】
【表3】
【0116】
【表4】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスフィラー除去のための水性アルカリ洗浄剤溶液であって、
(a)飽和分岐鎖状若しくは非分岐鎖状C5~C12カルボン酸又はその塩からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤であり、濃度が0.9~1.7g/Lである、界面活性剤と、
(b)サルフェート、サルファイト、スルホネート、ホスフェート、ホスファイト、及びカーボネートから選択される負電荷基を有する飽和分岐鎖状又は非分岐鎖状C5~C12アルキル、並びに飽和C3~C8アルキルアミノカルボキシレートからなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤と、
(c)アルコキシル化C5~C12アルカノール及びグリコシドC5~C12アルカノールからなる群から選択される、少なくとも1個のヒドロキシル基及び少なくとも1個のC-O-C基を有する少なくとも1種の化合物と、
(d)濃度が65~200g/Lである、アルカリ金属水酸化物と
を含む、水性アルカリ洗浄剤溶液。
【請求項2】
前記(a)少なくとも1種の界面活性剤の濃度が、1.0~1.5g/Lである、請求項1に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液。
【請求項3】
前記(b)少なくとも1種の界面活性剤の濃度が0.5~10g/Lである、請求項1又は2に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液。
【請求項4】
前記(c)少なくとも1種の化合物の濃度が、0.6~1.3g/Lである、請求項1から3のいずれか一項に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液。
【請求項5】
前記(d)アルカリ金属水酸化物の濃度が、70~100g/Lである、請求項1から4のいずれか一項に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液。
【請求項6】
前記(a)少なくとも1種の界面活性剤が、飽和分岐鎖状C6~C10カルボン酸又は塩からなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液。
【請求項7】
前記(b)少なくとも1種の界面活性剤が、サルフェート、ホスフェート、及びカーボネートの負電荷基を有する飽和分岐鎖状又は非分岐鎖状C5~C8アルキル、並びに飽和C5~C8アルキルアミンカルボキシレートからなる群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液。
【請求項8】
前記(c)少なくとも1種の化合物が、式(I):
【化1】
[式中、pは1~2の整数であり、oは4~10の整数であり、mは4~9の整数である]
のアルコキシル化C5~C12アルカノールであり、
前記(c)少なくとも1種の化合物が、式(II):
【化2】
[式中、nは1~5の整数であり、mは4~9の整数である]
のグリコシドC5~C12アルカノールである、請求項1から7のいずれか一項に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液。
【請求項9】
前記溶液が、(e)モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、及びトリエタノールアミン(TEA)からなる群から選択される少なくとも1種の水溶性アルカノールアミンを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液。
【請求項10】
前記(e)少なくとも1種の水溶性アルカノールアミンの濃度が、6.5~9.0g/Lである、請求項9に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液。
【請求項11】
集積回路を有する物品の製造における、有機ポリマーとガラスフィラーとの複合体をベースとする非導電性層と、前記非導電性層に結合した銅層とを含むデスミア処理された基板のガラスフィラー除去処理のための方法であって、前記非導電性層が、前記非導電性層の表面内に少なくとも1つのブラインドマイクロビアを有し、前記少なくとも1つのマイクロビアの底部が、前記結合した銅層によって構築されており、前記銅層に結合していない前記非導電性層の表面及び前記少なくとも1つのブラインドマイクロビアの壁が、デスミア処理された有機ポリマー及びガラスフィラーを露出させており、以下の順序の工程:
(i)デスミア処理された基板を準備する工程、
(ii)請求項1から10のいずれか一項に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液を準備する工程、
(iii)前記基板を前記アルカリ洗浄剤溶液と接触させることによって前記基板を前記水性アルカリ洗浄剤溶液で処理して、前記有機ポリマーからガラスフィラーを除去する工程
を含む、方法。
【請求項12】
前記(iii)の処理を55~65℃で3~7分間実行する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
(iv)後続の金属化のために、工程(iii)の処理された基板の前記非導電性層の表面上において工程(iii)の前記基板を活性化溶液で処理する工程を更に含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記非導電性層に結合した前記銅層が、コア層に更に結合されてる、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
集積回路を有する物品の製造における、有機ポリマーとガラスフィラーとの複合体をベースとする非導電性層と、前記非導電性層に結合した銅層とを含むデスミア処理された基板のガラスフィラー除去処理のための請求項1から10のいずれか一項に記載の水性アルカリ洗浄剤溶液の使用であって、前記非導電性層が、前記非導電性層の表面内に少なくとも1つのブラインドマイクロビアを有し、前記少なくとも1つのマイクロビアの底部が、前記結合した銅層によって構築されており、前記銅層に結合していない前記非導電性層の表面及び前記少なくとも1つのブラインドマイクロビアの壁が、前記デスミア処理された有機ポリマー及びガラスフィラーを露出させている、使用。
【国際調査報告】