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特表2023-553992モデルベースの肺液状態検出のための技術
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】モデルベースの肺液状態検出のための技術
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0537 20210101AFI20231219BHJP
   A61B 5/0536 20210101ALI20231219BHJP
【FI】
A61B5/0537 210
A61B5/0536
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535759
(86)(22)【出願日】2021-12-06
(85)【翻訳文提出日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 US2021061939
(87)【国際公開番号】W WO2022125409
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】63/124,206
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520490417
【氏名又は名称】アナログ ディヴァイスィズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジュヒョン・ソ
(72)【発明者】
【氏名】トニー・ジェイ・アクル
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA06
4C127BB03
4C127GG09
(57)【要約】
一実施形態は、ヒト被験体に対して胸部断層撮影を実行する方法であって、測定インピーダンスデータを取得するために、関心領域に対して複数の4線式インピーダンス測定を実行することと、測定インピーダンスデータを、関心領域の複数のモデルから取得されたシミュレートインピーダンスデータと比較することと、モデルの各々について、モデルから取得されたシミュレートインピーダンスデータと、測定インピーダンスデータとの比較に基づいて、モデルの適合度を判定することと、より良い適合モデルからの個々の抵抗率推定値が、最終的な抵抗率推定値において、より悪い適合モデルからの個々の抵抗率推定値よりもより大きく加重されるように、モデルの適合度に基づいて、モデルから取得された個々の抵抗率推定値を統合することと、を含む、方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト被験体の肺液状態を検出する方法であって、前記方法は、
測定インピーダンスデータを取得するために、関心領域に対して複数のインピーダンス測定を実行することと、
前記測定インピーダンスデータを、前記関心領域の複数のモデルから取得されたシミュレートインピーダンスデータと比較することと、
前記モデルの各々について、前記モデルから取得された前記シミュレートインピーダンスデータと、前記測定インピーダンスデータとの比較に基づいて、前記モデルの適合度を判定することと、
より良い適合モデルからの個々の抵抗率推定値が、最終的な抵抗率推定値において、より悪い適合モデルからの個々の抵抗率推定値よりもより大きく加重されるように、前記モデルの適合度に基づいて、前記モデルから取得された個々の抵抗率推定値を統合することと、を含む、方法。
【請求項2】
複数のインピーダンス測定を前記実行することが、複数の4線式インピーダンス測定を実行することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の4線式インピーダンス測定を実行するために、最大8つの電極が使用される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記モデルの各々が、電極配列と、前記ヒト被験体の特定の解剖学的特徴と、の異なる可能な組み合わせを表す、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記特定の解剖学的特徴が、肺組織、心臓組織、軟組織、及び骨の相対サイズ及び場所のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記最終的な抵抗率推定値が、前記個々の抵抗率推定値の加重平均である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
モデルNに割り当てられた重みが、1/fresidual,cost,Nによって定義され、ここで、fresidual,costは、逆問題を解くための最適化の残差コスト関数値である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記モデルのそれぞれの適合度に基づいた、前記複数のモデルの加重和を使用して、単一のサンプルモデルを構築することを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のインピーダンス測定が、単一の励起周波数で実行される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記複数のインピーダンス測定が、複数の励起周波数で実行される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記励起周波数の各々について、前記比較することと、前記判定することと、前記統合することと、を実行することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ヒト被験体の肺液状態を検出するためのシステムであって、前記システムは、
前記ヒト被験体の胸部上の複数の電極と、
前記電極に接続された胸部インピーダンス検出モジュールと、を備え、前記胸部インピーダンス検出モジュールは、
測定インピーダンスデータを取得するために、関心領域に対して複数のインピーダンス測定を実行し、
前記測定インピーダンスデータを、前記関心領域の複数のモデルから取得されたシミュレートインピーダンスデータと比較し、
前記モデルの各々について、前記モデルから取得された前記シミュレートインピーダンスデータと、前記測定インピーダンスデータとの比較に基づいて、前記モデルの適合性を判定し、かつ
より良い適合モデルからの個々の抵抗率推定値が、最終的な抵抗率推定値において、より悪い適合モデルからの個々の抵抗率推定値よりもより大きく加重されるように、前記モデルの適合度に基づいて、前記モデルから取得された個々の抵抗率推定値を統合するように構成されている、システム。
【請求項13】
複数のインピーダンス測定を前記実行することが、複数の4線式インピーダンス測定を実行することを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記電極が、前記関心領域に対する前記電極の正しい場所を保証するために、前記ヒト被験体の胸部の周りに取り付けるための弾性胸部ストラップに接続されている、請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項15】
前記モデルの各々が、電極配列と、前記ヒト被験体の特定の解剖学的特徴と、の異なる可能な組み合わせを表す、請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項16】
前記特定の解剖学的特徴が、肺組織、心臓組織、軟組織、及び骨の相対サイズ及び場所のうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記最終的な抵抗率推定値が、前記個々の抵抗率推定値の加重平均である、請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項18】
モデルNに割り当てられた重みが、1/fresidual,cost,Nによって定義され、ここで、fresidual,costは、逆問題を解くための最適化の残差コスト関数値である、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記胸部インピーダンス検出モジュールが、前記モデルのそれぞれの適合度に基づいた、前記複数のモデルの加重和を使用して、単一のサンプルモデルを構築するように更に構成されている、請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項20】
前記複数の電極が、8つ未満の電極を含む、請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項21】
前記複数の電極が、前記胸部の前部の3つの電極と、前記胸部の左側の前記電極のうちの3つと、を更に備える、請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項22】
前記複数のインピーダンス測定が、単一の励起周波数で実行される、請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項23】
前記複数のインピーダンス測定が、複数の励起周波数で実行される、請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項24】
前記胸部インピーダンス検出モジュールが、前記励起周波数の各々について、前記比較することと、前記判定することと、前記統合することと、を実行するように更に構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
ヒト被験体の肺液状態を検出する方法であって、前記方法は、
測定インピーダンスデータを取得するために、関心領域に対して複数のインピーダンス測定を実行することと、
前記関心領域の複数のモデルを、前記関心領域を表す単一のサンプルモデルに要約することと、
前記単一のサンプルモデルを使用して、シミュレートインピーダンスデータを生成することと、
前記関心領域の最終的な抵抗率推定値を作成するために、前記シミュレートインピーダンスデータを前記測定インピーダンスデータに適合させることと、を含む、方法。
【請求項26】
前記要約する前に、加重したモデルを作成するために、前記モデルの各々に重みをかけることを更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記要約することが、加重したモデルの合計の平均を計算することを更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記シミュレートインピーダンスデータを前記測定インピーダンスデータに適合させて、前記モデルにかけられる重みを作成することを更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
複数のインピーダンス測定を前記実行することが、複数の4線式インピーダンス測定を実行することを含む、請求項25~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記複数の4線式インピーダンス測定を実行するために、8つ未満の電極が使用される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記モデルの各々が、電極配列と、前記ヒト被験体の特定の解剖学的特徴と、の異なる可能な組み合わせを表す、請求項25~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記特定の解剖学的特徴が、肺組織、心臓組織、軟組織、及び骨の相対サイズ及び場所のうちの少なくとも1つを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記複数のインピーダンス測定が、単一の励起周波数で実行される、請求項25~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記複数のインピーダンス測定が、複数の励起周波数で実行される、請求項25~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記励起周波数の各々について、前記要約することと、前記生成することと、前記適合させることと、を実行することを更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
ヒト被験体の肺液状態を検出するためのシステムであって、前記システムは、
前記ヒト被験体の胸部上の複数の電極と、
前記電極に接続された胸部インピーダンス検出モジュールと、を備え、前記胸部インピーダンス検出モジュールは、
測定インピーダンスデータを取得するために、関心領域に対して複数のインピーダンス測定を実行し、
前記関心領域の複数のモデルを、前記関心領域を表す単一のサンプルモデルに要約し、
前記単一のサンプルモデルを使用して、シミュレートインピーダンスデータを生成し、かつ
前記関心領域の最終的な抵抗率推定値を作成するために、前記シミュレートインピーダンスデータを前記測定インピーダンスデータに適合させるためのものである、システム。
【請求項37】
複数のインピーダンス測定を前記実行することが、複数の4線式インピーダンス測定を実行することを含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記電極が、前記関心領域に対する前記電極の正しい場所を保証するために、前記ヒト被験体の胸部の周りに取り付けるための弾性胸部ストラップに接続されている、請求項36又は37に記載のシステム。
【請求項39】
前記モデルの各々が、電極配列と、前記ヒト被験体の特定の解剖学的特徴と、の異なる可能な組み合わせを表す、請求項36又は37に記載のシステム。
【請求項40】
前記特定の解剖学的特徴が、肺組織、心臓組織、軟組織、及び骨の相対サイズ及び場所のうちの少なくとも1つを含む、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記胸部インピーダンス検出モジュールが、前記モデルのそれぞれの適合度に基づいた、前記複数のモデルの加重和を使用して、単一のサンプルモデルを構築するように更に構成されている、請求項36又は37に記載のシステム。
【請求項42】
前記複数の電極が、8つ未満の電極を含む、請求項36又は37に記載のシステム。
【請求項43】
前記複数の電極が、前記胸部の前部の3つの電極と、前記胸部の左側の前記電極のうちの3つと、を更に備える、請求項36又は37に記載のシステム。
【請求項44】
前記複数のインピーダンス測定が、単一の励起周波数で実行される、請求項36又は37に記載のシステム。
【請求項45】
前記複数のインピーダンス測定が、複数の励起周波数で実行される、請求項36又は37に記載のシステム。
【請求項46】
前記励起周波数の各々について、前記要約することと、前記生成することと、前記適合させることと、を実行する、前記胸部インピーダンス検出モジュールを更に備える、請求項45に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本開示は、2020年12月11日に出願された「MODEL-BASED LUNG FLUID STATUS DETECTION」と題された米国仮特許出願第63/124,206号の優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、肺液断層撮影の分野に関し、より具体的には、関心領域の先験的知識と組み合わせて複数のインピーダンス測定を使用した、モデルベースの肺液状態検出のための技術に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の実施形態は、ヒト被験体の肺液状態を検出する方法を提供する。本方法は、
測定インピーダンスデータを取得するために、関心領域に対して複数のインピーダンス測定を実行することと、
測定インピーダンスデータを、関心領域の複数のモデルから取得されたシミュレートインピーダンスデータと比較することと、
モデルの各々について、モデルから取得されたシミュレートインピーダンスデータと、測定インピーダンスデータとの比較に基づいて、モデルの適合度を判定することと、
より良い適合モデルからの個々の抵抗率推定値が、最終的な抵抗率推定値において、より悪い適合モデルからの個々の抵抗率推定値よりもより大きく加重されるように、モデルの適合度に基づいて、モデルから取得された個々の抵抗率推定値を統合することと、を含む。
【0004】
本開示の別の実施形態は、ヒト被験体の肺液状態を検出する方法を提供する。本方法は、
測定インピーダンスデータを取得するために、関心領域に対して複数のインピーダンス測定を実行することと、
関心領域の複数のモデルを、関心領域を表す単一のサンプルモデルに要約することと、
単一のサンプルモデルを使用して、シミュレートインピーダンスデータを生成することと、
関心領域の最終的な抵抗率推定値を作成するために、シミュレートインピーダンスデータを測定インピーダンスデータに適合させることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示並びにその特徴及び利点をより完全に理解するために、添付の図面と併せて以下の説明を参照し、同じ参照番号は同じ部分を表す。
【0006】
図1】本開示のいくつかの実施形態による、モデルベースの肺液状態検出のための例示的なシステムがある、例示的な環境を図示する。
図2】本開示のいくつかの実施形態による、図1のシステムの例示的な機能構成要素を示すブロック図である。
図3】一実施形態による、4線式インピーダンス測定システムの動作を図示する。
図4】関心領域の先験的知識を使用することなく、抵抗率推定のマップを取得するために、関心領域の周りに分散された複数の(例えば、8つ以上の)電極を使用して、複数の4線式インピーダンス測定を実行する、肺液状態検出のための例示的な電気インピーダンス断層撮影技術を図示する。
図5】様々な種類の組織(肺、心臓、骨、及び軟組織)及び空気を示す、ヒトの上半身の断面モデルを図示する。
図6】関心領域の単一のモデルを使用した、モデルベースの液体状態検出技術の動作を示すフロー図である。
図7A】関心領域の先験的知識と組み合わせて複数のインピーダンス測定を使用した、モデルベースの肺液状態検出システムを実装するための、本明細書に記載される例示的な実施形態を図示する。
図7B】関心領域の先験的知識と組み合わせて複数のインピーダンス測定を使用した、モデルベースの肺液状態検出システムを実装するための、本明細書に記載される例示的な実施形態を図示する。
図8A】関心領域の先験的知識と組み合わせて複数のインピーダンス測定を使用した、モデルベースの肺液状態検出システムを実装するための、本明細書に記載される別の例示的な実施形態を図示する。
図8B】関心領域の先験的知識と組み合わせて複数のインピーダンス測定を使用した、モデルベースの肺液状態検出システムを実装するための、本明細書に記載される別の例示的な実施形態を図示する。
図9】ヒト被験体に対して胸部インピーダンス測定を実行するためのシステムの、概略ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
肺抵抗率は、肺の電気的特性を記述する、生理学的パラメータである。肺組成物は、肺組織、液体及び空気量の変化に起因して、変化する。肺組成物の変化を引き起こし得る様々な疾患は、肺抵抗率を測定することによって、監視することができる。肺液状態は、肺抵抗率を測定することによって監視することができる、肺組成物のそのような変化の1つである。
【0008】
特定の実施形態では、胸部インピーダンス(Z)測定システムは、肺抵抗率、したがって、肺液状態を評価するための、安価な非侵襲的システムであり、家庭での使用及び監視を可能にするための、ウェアラブルフォームファクタで利用可能である。いくつかの実施形態では、胸部インピーダンス測定は、4つの電極を使用して達成され得る。
【0009】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、モデルベースの肺液状態検出をヒト被験体において実行するためのシステム102の、例示的な実施形態を示す例示的な環境100を示す。監視は、連続的又は定期的に実行されてもよい。図1に示すように、例示的な一実施形態によれば、システム102は、4線式胸部インピーダンス測定モジュール112、及び複数の表面電極/センサ114a~114d(例えば、4つの表面電極/センサ、又は任意の他の好適な数の表面電極/センサ)を含む。例えば、表面電極のうちの1つ以上は、固体ゲル表面電極、又は任意の他の好適な表面電極として実装され得る。システム102は、少なくとも複数の表面電極/センサ114a~114dを介して、ヒト被験体104の胴体、胸上部、及び頸部、又は身体の任意の他の好適な部位若しくは領域のうちの1つ以上と接触するように動作可能な、略三角形状のデバイス、又は任意の他の好適な形状のデバイスとして構成され得る。
【0010】
様々な実施態様では、システム102は、ウェアラブルなベスト状構造内で、複数のパッチ状デバイスとして、又は任意の他の好適な構造若しくはデバイスとして実装されることを可能にする、構成を有することができる。環境100などの1つの可能な環境では、システム102は、スマートフォン106と無線通信経路116経由で双方向通信を行うように動作可能であってもよく、スマートフォン106は、次いで、通信ネットワーク108(例えば、インターネット)と無線通信経路118経由で双方向通信を行うように動作可能であってもよい。代替的に、クラウド110への直接リンクは、基地局又は携帯電話を通した中継点を必要とせずに、提供され得る。スマートフォン106は、クラウドコンピューティング、データ処理、データ分析、データトレンド、データ整理、データ融合、データ記憶、及び他の機能のためのリソースを含むことができる、クラウド110と無線通信経路120経由で、通信ネットワーク108を介して、双方向通信を行うように、更に動作可能である。システム102は、無線通信経路122経由で、直接クラウド110と双方向通信を行うように、更に動作可能である。
【0011】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、モデルベースの肺液状態検出をヒト被験体において実行するためのシステム102の例示的なブロック図を示す。図2に示すように、システムは、胸部インピーダンス測定モジュール112と、プロセッサ202及び関連付けられたメモリ208と、胸部インピーダンス、肺抵抗率、モデル、及び関連データを記憶するためのデータストレージ206と、送信機/受信機204と、を含む。送信機/受信機204は、無線通信経路116経由でスマートフォン106(図1)と通信するためのブルートゥース(登録商標)通信、Wi-Fi通信、又は任意の他の好適な短距離通信を実行するように構成され得る。送信機/受信機204は、無線通信経路122経由でクラウド110(図1)と通信するためのセルラ通信又は任意の他の好適な長距離通信を実行するように、更に構成され得る。特定の実施形態では、胸部インピーダンス測定モジュール112は、図1に示された複数の表面電極/センサ114a~114dと切り替え可能に接続を行うための、電極/センサ接続切替回路224を更に含み得る。
【0012】
プロセッサ202は、データアナライザ226及びデータ融合/決定エンジン228などの、複数の処理モジュールを含み得る。送信機/受信機204は、ブルートゥース(登録商標)又はWi-Fi対応のスマートフォン、又は任意の他の好適なスマートフォンであり得る、スマートフォン106との間で、無線通信経路116経由でブルートゥース(登録商標)信号又はWi-Fi信号などの無線信号を送受信するように動作可能な、少なくとも1つのアンテナ210を含み得る。アンテナ210は、クラウド110との間で、無線通信経路122経由でセルラ信号などの無線信号を送受信するように、更に動作可能である。
【0013】
プロセッサ202は、以下でより詳細に説明されるように、本明細書に記載の実施形態による、モデルベースの肺液状態検出をヒト被験体において実行するための、肺液状態検出モジュール234を更に含み得る。プロセッサ202の全部又は一部分、並びにプロセッサ202の一部を形成するように示されたモジュール(例えば、肺液状態検出モジュール234の一部分又は全部)は、クラウド110(図1)内に追加的又は代替的に実装され得、本明細書に記載の技術を実装するための複数のプロセッサ及び/又は処理素子を実際に含み得ることが認識されるであろう。システム102の一部を構成するものとして図2に示された他の要素は、追加的及び/又は代替的にクラウド110(図1)内に存在し得ることが、更に認識されるであろう。特定の実施形態では、プロセッサ202は、測定モジュール/回路の動作を制御するための、コントローラを備え得る。
【0014】
送信機/受信機204は、ブルートゥース(登録商標)又はWi-Fi対応のスマートフォン、又は任意の他の好適なスマートフォンであり得る、スマートフォン106との間で、無線通信経路116経由でブルートゥース(登録商標)信号又はWi-Fi信号などの無線信号を送受信するように動作可能な、少なくとも1つのアンテナ210を含み得る。アンテナ210は、クラウド110との間で、無線通信経路122経由でセルラ信号などの無線信号を送受信するように、更に動作可能である。
【0015】
いくつかの実施形態による、モデルベースの肺液状態検出をヒト被験体において実行するためのシステム102の動作は、以下の例示的な例、並びに図1及び図2を参照して、更に理解されるであろう。この例示的な例では、ヒト被験体104が仰臥位又は立位にある間、毎日決まった回数(例えば、1日2回)、又は所定の日数連続して、ヒト被験体又はヒトアシスタントは、被験体の胴体及び胸上部及び頸部(又は、身体の任意の他の好適な部位又は領域)のうちの1つ以上と、複数の表面電極/センサ114a~114dを介して接触するように、略三角形状のデバイス(又は、任意の他の好適な形状のデバイス)として構成された、システム102を位置決めする。
【0016】
ヒト被験体の胴体及び/又は胸上部及び/又は頸部に接触するシステム102を位置決めした後、4線式胸部インピーダンス測定モジュール112を作動させて、ヒト被験体104から胸部インピーダンスデータを寄せ集め、収集し、感知し、測定し、又は別様に取得し、データを示す信号を生成することができる。
【0017】
4線式胸部インピーダンス測定モジュール112は、ヒト被験体104の胴体、胸上部、及び/又は頸部の皮膚と接触する複数の表面電極114a~114dの一部又は全部を使用して、胸部インピーダンス測定を実行することができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、胸部インピーダンス測定モジュール112からの胸部インピーダンスデータは、少なくとも部分的なデータ分析、データトレンド、及び/又はデータ整理のために、データアナライザ226に提供され得る。一実施形態では、病歴、人口統計情報、及び他の検査モダリティなどの他のメタデータと組み合わせた、胸部インピーダンス測定データはまた、「クラウド内で」分析、トレンド、及び/又は整理され得、呼吸パラメータに関する様々なレベルの臨床的介入で使用するための、事前設定されたアラートを有するクラウドベースのデータストレージ110で利用可能にし得る。
【0019】
データアナライザ226は、少なくとも部分的に分析された胸部インピーダンスデータを、データ融合/決定エンジン228に提供し得、これは、ヒト被験体104についての1つ以上の推論を行う際の後続の使用のために、1つ以上のアルゴリズム及び/又は決定基準に従って、胸部インピーダンスデータを、少なくとも部分的に、他の感知データと効果的に融合又は組み合わせ得る。次いで、プロセッサ202は、少なくとも部分的に組み合わされた胸部インピーダンスデータ及び他の感知データを、送信機/受信機204に提供し得、これは、組み合わされた胸部インピーダンスデータ及び感知データを、無線通信経路122経由でクラウド110へ、又は無線通信経路116経由でスマートフォン106へ、のいずれかで直接送信し得る。次に、スマートフォン106は、通信ネットワーク108を介して、無線通信経路118、120経由で、組み合わされた胸部インピーダンスデータ及び感知データをクラウド110に送信することができ、データを、更に分析、トレンド、整理、及び/又は融合することができる。上記のように、通信データは、スマートフォン/携帯電話又は基地局の関与なしに、クラウド110に直接伝達され得ることが認識されるであろう。
【0020】
次いで、結果として生じるキュレートした組み合わせ感知データは、リスクスコアリング/層別化、監視及び/又は追跡のために、病院臨床医によってリモートでダウンロードされ得る。
【0021】
図3は、一実施形態による、4線式胸部インピーダンス測定システム300の動作を図示する。図3に示すように、システムは、4つの電極302A~302Dを含む。動作中、固定励起周波数Iの交流電流は、4つの電極のうちの1つ(例えば、電極302A)から、4つの電極のうちの別の1つ(例えば、電極302B)に、関心領域304(例えば、肺)を通して注入され、残りの2つの電極(例えば、電極302C及び302D)にわたる電圧差Vが測定される。インピーダンス(Z)は、これらの値(すなわち、Z=V/I)から決定され得る。インピーダンスの変化は、関心領域304の変化を示す。
【0022】
より詳細に説明されるように、本明細書に記載の実施形態の特徴に従って、本技術はまた、単一の励起周波数からの結果とは対照的に、複数の励起周波数の結果の組み合わせから導出される、最終的な臨床的に有用な情報を有する、複数の励起周波数での測定値を使用して、実行され得る。
【0023】
システム300などの4線式胸部インピーダンス測定システムは、特定の制限に悩まされている。例えば、注目領域304が、肺の場合のように、高い抵抗率を有する場合、計算インピーダンスZは、抵抗率変化に感度を有せず、特異的ではない。加えて、肺液状態のわずかな変化は、他の要因によって容易に分かりにくくされる。
【0024】
ここで、図4を参照すると、本明細書では、関心領域の先験的知識を使用することなく、抵抗率推定のマップを取得するために、関心領域404の周りに分散された複数の(例えば、8つ以上の)電極402A~402Hを使用して、複数の4線式インピーダンス測定を実行する、肺液状態検出のための例示的な電気インピーダンス断層撮影技術400を図示する。図4に示すように、関心領域404は、個体の肺406及び心臓408を含む、ヒトの上半身(又は、胸部)を表す。
【0025】
本明細書に記載の実施形態の特徴によれば、モデルベースの液体状態検出技術は、関心領域又はドメインの先験的知識と組み合わせて、限られた数の(例えば、5又は6つの)電極を使用して実行され、複数の4線式インピーダンス測定が、肺領域の抵抗率(ρlung)を含むドメイン情報を抽出するために、実行される。本明細書に記載の技術は、単一の4線式インピーダンス測定技術よりも、肺液の変化に対してより感度が高く、特異的であるが、従来の電気インピーダンス断層撮影技術よりも、計算上重くなく、複雑ではない。
【0026】
図5は、肺502、心臓504、骨506、及び軟組織508を含む様々な種類の組織を示す、ヒトの上半身(又は、胸部)の断面モデル500を図示する。肺502は空気で満たされている。電極510A~510Eの例示的な配列もまた、図5に示される。肺抵抗率(又は、肺液状態)は、図5に示されるモデル500などの、単一のモデル内で推定され得る。
【0027】
図6は、単一のモデルを使用した、モデルベースの液体状態検出技術の動作を示すフロー図である。ステップ600では、いくつかの(例えば、5又は6つの(好ましくは、8つ未満の))電極を使用してN個の4線式測定を実行して、関心領域又はドメインについての測定インピーダンスデータのセットZmeas=Z、Z、…Zを構築する。ステップ602では、シミュレート測定値が、図5に示されるモデル500などの関心ドメインのモデルを使用して、取得される。典型的には、ρlungを含む連続型変数からなるモデルパラメータ(x)は、シミュレートされたインピーダンス測定値Zsim(x)=[Zsim1、Zsim2、…ZsimN]を決定する。ステップ604では、測定インピーダンスデータの選択部分又は全部が、シミュレートインピーダンスデータの選択部分又は全部と比較される。ステップ606では、肺抵抗率推定は、例えば、以下によって説明されるが、これらに限定されない、コスト関数を最小化する、ρlungを含むxのセットが特定される、最適化プロセスを通して実行される。
【0028】
【数1】
【0029】
上記のような、肺抵抗率を推定するための1つの逆問題を解くことは、様々な課題を示す。例えば、測定条件は、シミュレーションモデルで想定されるもの(例えば、電極の配列、肺のサイズ、組織の配列)と、無視できないほど異なる可能性が高い。結果として、最終結果は、肺液の状態以外の要因に、過度に感度が高い可能性がある。
【0030】
本明細書に記載の実施形態の特徴によれば、最終結果が、他の要因ではなく、肺液の変化に対して感度が高く、特異的であることを確実にするために、複数の逆問題が解かれ、結果が、測定データと各問題との間の「適合度」に基づいて、要約される。ここで、図7Aを参照すると、一実施態様では、関心領域(例えば、ヒトの胸部又は上半身)の周波数fでの測定インピーダンスデータZmeas700は、M個のサンプルモデル702(1)~702(M)の各々から取得されたシミュレートインピーダンスデータZsimと比較される。M個のサンプルモデル702(1)~702(M)の各々は、電極配列と、関心領域の特定の解剖学的特徴(例えば、肺組織、心臓組織、軟組織、及び骨の相対サイズ及び場所)と、の異なる可能な組み合わせを表す。「適合度」は、測定インピーダンスデータと、モデルからのシミュレートインピーダンスデータとの比較704(1)~704(M)に基づいて、M個のモデルの各々について決定され得る。モデルの個々の抵抗率推定値(ρest,1-ρest,N)を含む、モデルの各々の推定モデルパラメータ(Xest,1-Xest,N)は、より良い「適合」モデルからの推定値が、最終的な抵抗率推定値において、より悪い「適合」モデルからのものよりもより大きく加重されるように、測定データと、それぞれのモデルとの間の「適合度」に基づいて、統合又は要約され(706)、最終的な抵抗率推定値(ρest)を含む、最終的なモデルパラメータ(Xest)708を構築する。例えば、最終的な抵抗率推定値は、個々の推定値の加重平均であってもよく、重み(W~W)は、例えば、以下によって定義されるが、これらに限定されない、モデルiに割り当てられる。
【0031】
1/fresidual,cost,i
【0032】
ここで、fresidual,costは、逆問題を解くための最適化の残差コスト関数値である。図7Aに図示される実施形態では、1つの測定は、それ自体の尤度又は重みを有する多数の可能な配列及び解剖学的幾何形状として理解される。
【0033】
胸部インピーダンス測定値は、関心領域で電流がどのように流れるかの基本的な変化に起因する、測定を行うために使用される励起周波数に応じて変化し得ることに留意されたい。例えば、第1の励起周波数において、測定は、軟組織の変化に対してより感度が高くなり得るが、一方で、異なる励起周波数において、測定は、肺組織の変化に対してより感度が高くなり得る。
【0034】
本明細書に記載の実施形態の態様によれば、図7Bに図示するように、図7Aに図示される技術は、測定インピーダンスデータZmeas(f)~Zmeas(f)、及び推定(又はシミュレート)インピーダンスデータZest(f)~Zest(f)を生成するために、複数の周波数f~fの各々で測定され、推定されたインピーダンスデータに適用され得る。結果は、Zmeas(f)~Zmeas(f)をそれぞれのシミュレートインピーダンス測定値Zest(f)~Zest(f)に適合させることによって組み合わされ、それによって、データを組み合わせて、より良い「適合」モデルからの推定値が、周波数範囲にわたり、より悪い「適合」モデルからのものよりも、最終的な推定値においてより大きく加重されるように、最終的な抵抗率推定値(ρest)を含む最終的なモデルパラメータ(Xest)を構築する。結果として生じるパラメータは、関心領域の変化に関する最終的な臨床的洞察を生み出すために使用される。
【0035】
図8Aは、M個のモデル702(1)~702(M)が、実際の測定条件700を最もよく表すとみなされる単一のサンプルモデル802に、(モデルの加重和の平均を介して)「要約」される(800)、代替の実施態様を図示する。結果として生じる単一のサンプルモデル802は、最終的な抵抗率推定値ρest、及び、単一のサンプルモデル806を作成するためにM個のサンプルモデルの加重総和で使用される重みWを含む、最終的なモデルパラメータXestを作成するためのインピーダンスデータZmeasに「適合」(804)される推定インピーダンスデータ(Zest)を作成するために、使用される。
【0036】
本明細書に記載の実施形態の態様によれば、図8Bに図示するように、図8Aに図示される技術は、最終的な抵抗率推定値ρestf1~ρestfm及び重みWif1~Wifmを含むモデルパラメータXest(f)~Xest(f)を生成するために、複数の励起周波数f~fについて実行され得る。結果として生じるパラメータを組み合わせて、関心領域の変化に関する最終的な臨床的洞察を生み出すために使用される。
【0037】
図9は、上記のように、患者の関心領域(例えば、肺)の測定インピーダンスデータZmeasを取得するための、例示的なシステム900のブロック図を示す。図9に示すように、電極が接続された弾性胸部バンド902は、ヒト被験体904の胸部に取り付けられている。図示される実施形態では、電極のうちの3つは、被験体904の胸部の中心付近に配列され得、3つは、被験体の左側に配列され得る。コンピュータ(PC)908の制御下にあるマイクロコントローラユニット(MCU)906は、測定シーケンスを制御する。具体的には、MCU906は、スイッチ構成910を変更して、被験体904の胸部に配列された(図示される実施形態では)6つの電極を使用した4線式インピーダンス測定モジュール912を使用して、異なる4線式インピーダンス測定を実行する。
【0038】
図9を参照しながら図示され、説明されるプロセス、モジュール、及び/又はデバイスの一部又は全部は、図1及び/又は図2を参照しながら示され、説明されるプロセス、モジュール、及び/又はデバイスの一部又は全部を使用して、又はその逆を使用して実装され得ることが認識されるであろう。
【0039】
実施例1は、ヒト被験体の肺液状態を検出する方法であって、測定インピーダンスデータを取得するために、関心領域に対して複数のインピーダンス測定を実行することと、測定インピーダンスデータを、関心領域の複数のモデルから取得されたシミュレートインピーダンスデータと比較することと、モデルの各々について、モデルから取得されたシミュレートインピーダンスデータと、測定インピーダンスデータとの比較に基づいて、モデルの適合度を判定することと、より良い適合モデルからの個々の抵抗率推定値が、最終的な抵抗率推定値において、より悪い適合モデルからの個々の抵抗率推定値よりもより大きく加重されるように、モデルの適合度に基づいて、モデルから取得された個々の抵抗率推定値を統合することと、を含む、方法を提供する。
【0040】
実施例2は、複数のインピーダンス測定を実行することが、複数の4線式インピーダンス測定を実行することを含む、実施例1に記載の方法を提供する。
【0041】
実施例3は、複数の4線式インピーダンス測定を実行するために、最大8つの電極が使用される、実施例2に記載の方法を提供する。
【0042】
実施例4は、モデルの各々が、電極配列と、ヒト被験体の特定の解剖学的特徴と、の異なる可能な組み合わせを表す、実施例1~3のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0043】
実施例5は、特定の解剖学的特徴が、肺組織、心臓組織、軟組織、及び骨の相対サイズ及び場所のうちの少なくとも1つを含む、実施例4に記載の方法を提供する。
【0044】
実施例6は、最終的な抵抗率推定値が、個々の抵抗率推定値の加重平均である、実施例1~3のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0045】
実施例7は、モデルNに割り当てられた重みが、1/fresidual,cost,Nによって定義され、ここで、fresidual,costは、逆問題を解くための最適化の残差コスト関数値である、実施例6に記載の方法を提供する。
【0046】
実施例8は、モデルのそれぞれの適合度に基づいた、複数のモデルの加重和を使用して、単一のサンプルモデルを構築することを更に含む、実施例1~3のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0047】
実施例9は、複数のインピーダンス測定が、単一の励起周波数で実行される、実施例1~3のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0048】
実施例10は、複数のインピーダンス測定が、複数の励起周波数で実行される、実施例1~3のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0049】
実施例11は、励起周波数の各々について、比較することと、判定することと、統合することと、を実行することを更に含む、実施例10に記載の方法を提供する。
【0050】
実施例12は、ヒト被験体の肺液状態を検出するためのシステムであって、システムが、ヒト被験体の胸部上の複数の電極と、電極に接続された胸部インピーダンス検出モジュールと、を備え、胸部インピーダンス検出モジュールが、測定インピーダンスデータを取得するために、関心領域に対して複数のインピーダンス測定を実行し、測定インピーダンスデータを、関心領域の複数のモデルから取得されたシミュレートインピーダンスデータと比較し、モデルの各々について、モデルから取得されたシミュレートインピーダンスデータと、測定インピーダンスデータとの比較に基づいて、モデルの適合度を判定し、かつより良い適合モデルからの個々の抵抗率推定値が、最終的な抵抗率推定値において、より悪い適合モデルからの個々の抵抗率推定値よりもより大きく加重されるように、モデルの適合度に基づいて、モデルから取得された個々の抵抗率推定値を統合するように構成されている、システムを提供する。
【0051】
実施例13は、複数のインピーダンス測定を実行することが、複数の4線式インピーダンス測定を実行することを含む、実施例12に記載のシステムを提供する。
【0052】
実施例14は、電極が、関心領域に対する電極の正しい場所を保証するために、ヒト被験体の胸部の周りに取り付けるための弾性胸部ストラップに接続されている、実施例12又は13に記載のシステムを提供する。
【0053】
実施例15は、モデルの各々が、電極配列と、ヒト被験体の特定の解剖学的特徴と、の異なる可能な組み合わせを表す、実施例12又は13に記載のシステムを提供する。
【0054】
実施例16は、特定の解剖学的特徴が、肺組織、心臓組織、軟組織、及び骨の相対サイズ及び場所のうちの少なくとも1つを含む、実施例15に記載のシステムを提供する。
【0055】
実施例17は、最終的な抵抗率推定値が、個々の抵抗率推定値の加重平均である、実施例12又は13に記載のシステムを提供する。
【0056】
実施例18は、モデルNに割り当てられた重みが、1/fresidual,cost,Nによって定義され、ここで、fresidual,costは、逆問題を解くための最適化の残差コスト関数値である、実施例17に記載のシステムを提供する。
【0057】
実施例19は、胸部インピーダンス検出モジュールが、モデルのそれぞれの適合度に基づいた、複数のモデルの加重和を使用して、単一のサンプルモデルを構築するように更に構成されている、実施例12又は13に記載のシステムを提供する。
【0058】
実施例20は、複数の電極が、8つ未満の電極を含む、実施例12又は13に記載のシステムを提供する。
【0059】
実施例21は、複数の電極が、胸部の前部の3つの電極と、胸部の左側の電極のうちの3つと、を更に備える、実施例12又は13に記載のシステムを提供する。
【0060】
実施例22は、複数のインピーダンス測定が、単一の励起周波数で実行される、実施例12又は13に記載のシステムを提供する。
【0061】
実施例23は、複数のインピーダンス測定が、複数の励起周波数で実行される、実施例12又は13に記載のシステムを提供する。
【0062】
実施例24は、胸部インピーダンス検出モジュールが、励起周波数の各々について、比較することと、判定することと、統合することと、を実行するように更に構成されている、実施例23に記載のシステムを提供する。
【0063】
実施例25は、ヒト被験体の肺液状態を検出する方法であって、測定インピーダンスデータを取得するために、関心領域に対して複数のインピーダンス測定を実行することと、関心領域の複数のモデルを、関心領域の複数のモデルを、関心領域を表す単一のサンプルモデルに要約することと、単一のサンプルモデルを使用して、シミュレートインピーダンスデータを生成することと、関心領域の最終的な抵抗率推定値を作成するために、シミュレートインピーダンスデータを測定インピーダンスデータに適合させることと、を含む、方法を提供する。
【0064】
実施例26は、要約する前に、加重したモデルを作成するために、モデルの各々に重みをかけることを更に含む、実施例25に記載の方法を提供する。
【0065】
実施例27は、要約することが、加重したモデルの合計の平均を計算することを更に含む、実施例26に記載の方法を提供する。
【0066】
実施例28は、シミュレートインピーダンスデータを測定インピーダンスデータに適合させて、モデルにかけられる重みを作成することを更に含む、実施例26に記載の方法を提供する。
【0067】
実施例29は、複数のインピーダンス測定を実行することが、複数の4線式インピーダンス測定を実行することを含む、実施例25~28のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0068】
実施例30は、複数の4線式インピーダンス測定を実行するために、8つ未満の電極が使用される、実施例29に記載の方法を提供する。
【0069】
実施例31は、モデルの各々が、電極配列と、ヒト被験体の特定の解剖学的特徴と、の異なる可能な組み合わせを表す、実施例25~28のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0070】
実施例32は、特定の解剖学的特徴が、肺組織、心臓組織、軟組織、及び骨の相対サイズ及び場所のうちの少なくとも1つを含む、実施例31に記載の方法を提供する。
【0071】
実施例33は、複数のインピーダンス測定が、単一の励起周波数で実行される、実施例25~28のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0072】
実施例34は、複数のインピーダンス測定が、複数の励起周波数で実行される、実施例25~28のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0073】
実施例35は、励起周波数の各々について、要約することと、生成することと、適合させることと、を実行することを更に含む、実施例34に記載の方法を提供する。
【0074】
実施例36は、ヒト被験体の肺液状態を検出するためのシステムであって、ヒト被験体の胸部上の複数の電極と、電極に接続された胸部インピーダンス検出モジュールであって、測定インピーダンスデータを取得するために、関心領域に対して複数のインピーダンス測定を実行することと、関心領域の複数のモデルを、関心領域を表す単一のサンプルモデルに要約することと、単一のサンプルモデルを使用して、シミュレートインピーダンスデータを生成することと、関心領域の最終的な抵抗率推定値を作成するために、シミュレートインピーダンスデータを測定インピーダンスデータに適合させることと、を行うための、胸部インピーダンス検出モジュールと、を備える、システムを提供する。
【0075】
実施例37は、複数のインピーダンス測定を実行することが、複数の4線式インピーダンス測定を実行することを含む、実施例36に記載のシステムを提供する。
【0076】
実施例38は、電極が、関心領域に対する電極の正しい場所を保証するために、ヒト被験体の胸部の周りに取り付けるための弾性胸部ストラップに接続されている、実施例36又は37に記載のシステムを提供する。
【0077】
実施例39は、モデルの各々が、電極配列と、ヒト被験体の特定の解剖学的特徴と、の異なる可能な組み合わせを表す、実施例36又は37に記載のシステムを提供する。
【0078】
実施例40は、特定の解剖学的特徴が、肺組織、心臓組織、軟組織、及び骨の相対サイズ及び場所のうちの少なくとも1つを含む、実施例39に記載のシステムを提供する。
【0079】
実施例41は、胸部インピーダンス検出モジュールが、モデルのそれぞれの適合度に基づいた、複数のモデルの加重和を使用して、単一のサンプルモデルを構築するように更に構成されている、実施例36又は37に記載のシステムを提供する。
【0080】
実施例42は、複数の電極が、8つ未満の電極を含む、実施例36又は37に記載のシステムを提供する。
【0081】
実施例43は、複数の電極が、胸部の前部の3つの電極と、胸部の左側の電極のうちの3つと、を更に備える、実施例36又は37に記載のシステムを提供する。
【0082】
実施例44は、複数のインピーダンス測定が、単一の励起周波数で実行される、実施例36又は37に記載のシステムを提供する。
【0083】
実施例45は、複数のインピーダンス測定が、複数の励起周波数で実行される、実施例36又は37に記載のシステムを提供する。
【0084】
実施例46は、励起周波数の各々について、要約することと、生成することと、適合させることと、を実行する、胸部インピーダンス検出モジュールを更に備える、実施例45に記載のシステムを提供する。
【0085】
本明細書で概説された仕様、寸法、及び関係性の全部(例えば、要素、動作、ステップなどの数)は、単に例示及び教示のみのために提示されていることに留意されたい。そのような情報は、本開示の趣旨、又は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、大幅に変動し得る。仕様は、1つの非限定的な例にのみ適用され、したがって、それらはそのように解釈されるべきである。前述の説明では、例示的な実施形態は、特定の構成要素の配置参照しながら説明されている。そのような実施形態に対して、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を加えることができる。説明及び図面は、したがって、限定的な意味ではなく、例示的な意味で捉えられるべきである。
【0086】
本明細書で提供される多くの例では、相互作用は、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の電気部品に関して記述され得ることに留意されたい。しかしながら、これは明確化及び例示のみを目的として行われている。システムは、任意の好適な方式で確立され得ることを理解されたい。同様の設計代替案に沿って、図面に示された構成要素、モジュール、及び要素のいずれも、様々な可能な構成で組み合わされてもよく、それらの全ては、明らかに本明細書の広範な範囲内にある。場合によっては、限られた数の電気素子のみを参照することによって、所与のフローセットのうちの1つ以上の機能をより簡単に説明し得る。図面の電気回路及びその教示は、容易に拡張可能であり、より多くの構成要素、並びに、より複雑な/洗練された配置及び構成に対応できることを理解されたい。したがって、提供される例は、範囲を制限したり、無数の他のアーキテクチャに潜在的に適用されるときの、電気回路の広範な教示を阻害したりするものではない。
【0087】
また、本明細書では、「一実施形態」、「例示的な実施形態」、「実施形態」、「別の実施形態」、「いくつかの実施形態」、「様々な実施形態」、「他の実施形態」、「代替的な実施形態」などに含まれる、様々な特徴(例えば、要素、構造、モジュール、構成要素、ステップ、動作、特性など)への言及は、任意のそのような特徴が、本開示の1つ以上の実施形態に含まれることを意味することを意図しているが、同じ実施形態において組み合わされてもよいし、必ずしも組み合わされなくてもよいことに留意されたい。
【0088】
また、回路アーキテクチャに関連する機能は、図に示されるシステムによって、又はシステム内で実行され得る、可能な回路アーキテクチャ機能の一部のみを示していることに留意されたい。これらの動作の一部は、必要に応じて削除若しくは除去され得、又は、本開示の範囲から逸脱することなく、これらの動作を大幅に修正若しくは変更され得る。加えて、これらの動作のタイミングを大幅に改変され得る。前述の動作フローは、例示及び考察のために提示されている。実質的な柔軟性は、本開示の教示から逸脱することなく、任意の好適な配置、出来事の配列、構成、及びタイミング機構が提供され得るという点で、本明細書に記載の実施形態によって提供される。
【0089】
多くの他の変更、置換、変形、改変及び修正が、当業者に確認され得、本開示は、全てのそのような変更、置換、変形、改変及び修正を、添付の特許請求の範囲内に含まれるものとして包含することが意図される。
【0090】
上述のデバイス及びシステムの全ての任意の特徴はまた、本明細書に記載の方法又はプロセスに関しても実装され得、実施例の詳細は、1つ以上の実施形態のどこでも使用され得ることに留意されたい。
【0091】
これらの(上記)事例の「~のための手段」は、任意の好適なソフトウェア、回路、ハブ、コンピュータコード、ロジック、アルゴリズム、ハードウェア、コントローラ、インタフェース、リンク、バス、通信経路などとともに、本明細書で論じられる任意の好適な構成要素を使用することを含み得る(ただし、これらに限定されない)。
【0092】
上記で提供される例、及び本明細書で提供される多くの他の例では、相互作用は、2つ、3つ、又は4つのネットワーク要素に関して記述され得ることに留意されたい。しかしながら、これは明確化及び例示のみを目的として行われている。場合によっては、限られた数のネットワーク要素のみを参照することによって、所与のフローセットのうちの1つ以上の機能をより簡単に説明し得る。添付の図面(及び、それらの教示)を参照しながら図示及び説明されるトポロジは、容易に拡張可能であり、より多くの構成要素、並びに、より複雑な/洗練された配置及び構成に対応できることを理解されたい。したがって、提供される例は、範囲を制限したり、無数の他のアーキテクチャに潜在的に適用されるときの、図示されるトポロジの広範な教示を阻害したりするものではない。
【0093】
また、前述のフロー図のステップは、図に示される通信システムによって、又はその内部で実行され得る、可能な信号伝達シナリオ及びパターンの一部のみを図示していることに留意することが重要である。これらのステップの一部は、必要に応じて削除若しくは除去され得、又は、本開示の範囲から逸脱することなく、これらのステップを大幅に修正若しくは変更され得る。加えて、これらの動作のうちのいくつかは、1つ以上の追加動作と同時に、又は並行して実行されていると説明されている。しかしながら、これらの動作のタイミングを大幅に改変され得る。前述の動作フローは、例示及び考察のために提示されている。実質的な柔軟性は、本開示の教示から逸脱することなく、任意の好適な配置、出来事の配列、構成、及びタイミング機構が提供され得るという点で、図に示される通信システムによって提供される。
【0094】
本開示は、特定の構成及び構成を参照して詳細に説明されているが、これらの例示的な構成及び構成は、本開示の範囲から逸脱することなく、大幅に変更され得る。例えば、本開示は、特定の通信交換を参照して説明されているが、本明細書に記載の実施形態は、他のアーキテクチャに適用可能であり得る。
【0095】
多くの他の変更、置換、変形、改変及び修正が、当業者に確認され得、本開示は、全てのそのような変更、置換、変形、改変及び修正を、添付の特許請求の範囲内に含まれるものとして包含することが意図される。米国特許商標庁(USPTO)、及び追加的に、本明細書に添付の特許請求の範囲を解釈する際、本出願に関して発行された任意の特許の任意の読者を支援するために、出願人は、出願人が、(a)「~のための手段」又は「~のためのステップ」という語が特定の特許請求項において具体的に使用されない限り、添付の特許請求の範囲のいずれも、本明細書の出願の日に存在する米国特許法第142条第6段落を行使することを意図せず、かつ(b)本明細書のいかなる記述によっても、添付の特許請求の範囲に別様に反映されないいかなるやり方においても、本開示を制限することを意図しないものとみなすことを望む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
【国際調査報告】