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特表2023-554007低正確度のセンサー位置を有する全波反転のための超音波センシングに適合した装着型衣服及び方法
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  • 特表-低正確度のセンサー位置を有する全波反転のための超音波センシングに適合した装着型衣服及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】低正確度のセンサー位置を有する全波反転のための超音波センシングに適合した装着型衣服及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
A61B8/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535908
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-07-11
(86)【国際出願番号】 IB2021061474
(87)【国際公開番号】W WO2022123464
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】63/123,159
(32)【優先日】2020-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523215314
【氏名又は名称】イッコー ヘルス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IKKO HEALTH LTD.
【住所又は居所原語表記】3 Shontzino Street 6721603 Tel Aviv (IL)
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】アクセルロッド,ロモン
(72)【発明者】
【氏名】シャビブ,ピィンチャス
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD08
4C601DD09
4C601DD10
4C601DD11
4C601DD15
4C601EE11
4C601EE20
4C601GA03
4C601GA06
4C601GA07
4C601GA18
4C601GA27
4C601GB09
4C601GB14
4C601GB41
4C601JB35
(57)【要約】
身体部分からの超音波を感知するための装着型センシング用衣服が提供される。センシング用衣服は着用者の少なくとも身体部分に着用されるように適合されたメッシュ状の布地と、メッシュ状の布地上に配置された複数の超音波センサーとを含み、複数の超音波センサーの各々は着用者の少なくとも身体部分から戻された超音波を検出するように適合され、さらに、検出された超音波の少なくとも一部を、それに通信可能に接続されたコントローラに送信するように適合され、所定数の超音波センサーよりも多い複数の超音波センサーの一部のみが、少なくとも身体部分の皮膚層と実質的に接触している。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体部分からの超音波を感知するためのセンシング用衣服であって、
着用者の少なくとも身体部分に着用されるように適合されたメッシュ状の布地と、
前記メッシュ状の布地上に配置された複数の超音波センサーと、を備え、
前記複数の超音波センサーの各々は前記着用者の前記少なくとも身体部分から戻された超音波を検出するように適合され、さらに、前記検出された超音波の少なくとも一部を、それに通信可能に接続されたコントローラに送信するように適合され、所定の数の超音波センサーよりも多い前記複数の超音波センサーの一部のみが、前記少なくとも身体部分の皮膚層と実質的に接触している、センシング用衣服。
【請求項2】
前記メッシュ状の布地上に配置された前記複数の超音波センサーが、前記メッシュ状の布地内に埋め込まれている、請求項1に記載のセンシング用衣服。
【請求項3】
前記複数の超音波センサーは、所定の距離を隔てて個別に配置される、請求項1に記載のセンシング用衣服。
【請求項4】
前記複数の超音波センサーは、前記メッシュ状の布地に取り付けられるか、前記メッシュ状の布地に接着されるか、前記メッシュ状の布地に織り込まれるかのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のセンシング用衣服。
【請求項5】
前記メッシュ状の布地上に配置され、前記センシング用衣服上の少なくとも位置基準を提供するように適合された少なくとも1つのマーカーをさらに備える、請求項1に記載のセンシング用衣服。
【請求項6】
前記少なくとも1つのマーカーは、前記メッシュ状の布地に取り付けられるか、前記メッシュ状の布地に接着されるか、前記メッシュ状の布地に織り込まれるかのうちの少なくとも1つである、請求項5に記載のセンシング用衣服。
【請求項7】
前記検出された超音波が、屈折波及び反射波のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のセンシング用衣服。
【請求項8】
複数の超音波エミッタをさらに備え、前記複数の超音波エミッタは、前記メッシュ状の布地上に配置される、請求項1に記載のセンシング用衣服。
【請求項9】
前記複数の超音波エミッタは、広角ビームを生成するように構成される、請求項8に記載のセンシング用衣服。
【請求項10】
前記複数の超音波センサーの数が、前記複数の超音波エミッタの数を超える、請求項8に記載のセンシング用衣服。
【請求項11】
前記センシング用衣服が、前記少なくとも身体部分の周りにフィットするように適合される、請求項1に記載のセンシング用衣服。
【請求項12】
前記少なくとも身体部分は、四肢、胃、胸、足、手、首、腰背部、上背、胴体、頭部、及びこれらの一部のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のセンシング用衣服。
【請求項13】
前記センシング用衣服が、前記少なくとも身体部分の周りに適合するための所定のレベルの可撓性を提供するように適合される、請求項1に記載のセンシング用衣服。
【請求項14】
前記少なくとも1つの身体部分の周りに適合するための前記所定のレベルの可撓性が、基準に対する前記少なくとも身体部分の所定のレベルの動きを可能にする、請求項13に記載のセンシング用衣服。
【請求項15】
前記基準は、前記少なくとも身体部分の位置及び前記少なくとも身体部分の別の身体部分に対する位置のうちのいずれか1つである、請求項14に記載のセンシング用衣服。
【請求項16】
前記複数の超音波センサーが、衣服表面内の所定の密度で前記メッシュ状の布地に織り込まれている、請求項1に記載のセンシング用衣服。
【請求項17】
前記複数の超音波センサーが、衣服表面内のランダムな位置で前記メッシュ状の布地に織り込まれている、請求項1に記載のセンシング用衣服。
【請求項18】
センシング用衣服上に配置された超音波センサーの位置を決定するためのシステムであって、前記センシング用衣服は、着用者の少なくとも身体部分上に、複数の前記超音波センサーの少なくとも一部が前記少なくとも身体部分の皮膚層と実質的に接触するように配置されるように適合され、
処理ユニットと、
前記処理ユニットに接続された第一インターフェースであって、センシング用衣服上に配置された複数の超音波センサーへの通信を提供するように適合された該第一インターフェースと、
メモリであって、前記処理ユニットによって実行されたときに前記システムを、
少なくとも身体部分に対する前記複数の超音波センサーの少なくとも一部の位置を少なくとも決定するように構成する命令を含む、該メモリと、を備えるシステム。
【請求項19】
前記センシング用衣服上に配置された前記複数の超音波センサーが、前記センシング用衣服のメッシュ状の布地内に埋め込まれる、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記複数の超音波センサーは、所定の距離を隔てて個別に配置される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記システムは、さらに、局所座標に対する相対位置を決定するように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記システムは、さらに、複数の超音波エミッタのうちの1つ又は複数に超音波を発生させるように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記複数の超音波エミッタは、前記センシング用衣服上に配置される、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記複数の超音波エミッタは、広角ビームを生成するように構成される、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記システムは、さらに、
前記複数の超音波センサーの前記少なくとも一部に関して、前記第一インターフェースから受信された信号に対して全波反転を実行し、
前記複数の超音波センサーの各々について、それぞれの位置及びマッピングを決定するように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項26】
前記システムは、さらに、
前記複数の超音波センサーの各々の前記位置及びマッピングを反復的に更新し、
モデルパラメータを平滑化するように構成され、
前記モデルパラメータは、前記全波反転に関連付けられる、る、請求項18に記載のシステム。
【請求項27】
前記システムは、さらに、
前記少なくとも身体部分に対する前記複数の超音波センサーの前記少なくとも一部の各々の位置を決定するように構成される、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記複数の超音波センサーの前記少なくとも一部は、所定の数の超音波センサーを上回る、請求項18に記載のシステム。
【請求項29】
前記システムは、さらに、
少なくとも1つのマーカーを使用して、前記複数の超音波センサーの各々の位置及びマッピングを決定するように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項30】
前記少なくとも1つのマーカーは、前記センシング用衣服上に配置される、請求項29に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2020年12月9日に出願された米国仮出願第63/123,159号の利益を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は概して、超音波撮像システムに関し、より詳細には、装着型超音波センサー及びその位置決め決定(又は、配置決定、positioning determination)に関する。
【背景技術】
【0003】
超音波は一般に、非侵襲的に、かつ低リスクで身体部分をスキャンすることを含む、様々な用途に使用される。典型的な用途では、超音波センサーアレイを平坦な表面上に取り付ける。走査される身体部分は、センサーの表面と身体部分の皮膚との間のより良好な整合を確実にするためにゲルでコーティングされる。1つ又は複数のエミッタは所望の周波数で超音波を放出し、反射又は屈折された音波は、センサーアレイによって捕捉される。信号は、次いで、身体部分の内部器官及び骨の画像を提供するために解釈される。典型的な設定では、患者は、施術者が超音波センサーアレイを使用できるように、所望の位置に配置される。長い時間をかけて超音波撮像能力は改善され、今日では、専門のインタープリタ(解読者)のみが解読し得る画像から、例えば、明らかに、3D詳細を有する子宮内の胎児をスキャンするときに3次元イメージングを提供することが可能である。
【0004】
超音波センサーアレイの欠点はこれらが典型的には表面積が小さく、したがって、身体のより大きな領域をチェックする必要があるとき、アレイは必要とされるカバレージに達するために、患者の皮膚上で手動又は自動的に移動されなければならないことである。さらに、超音波センサーアレイと患者の皮膚との間の適切な接触が、効果的で明確な(indisputable)撮像結果のために必要とされる。
【0005】
従来の部分的解決法はこれらの課題のいくつかに対処する技術を示唆しているが、ほとんどの場合、両者を達成することには不十分であるか、及び/又は特定の用途に限定される。例えば、骨組織を対象とする1つの従来技術の解決策は、広帯域エミッタセンサーアレイ及び広帯域レコーダの使用を示唆する。もちろん広帯域信号が測定されたが、センサーアレイは骨組織の分析に限定された。例えば、乳房組織及び胎児心臓を標的とする他の従来技術の解決策は、患者のより大きな領域を一度に画像化する技術を提供する。しかし、そのような例示的な解決策は特定の用途に合わせて調整され、さらに、超音波撮像に必要な十分な接触のための特定の準備(又は、アレンジメント)を必要とする。超音波センサーアレイ解決法がより一般的な用途のために提供される場合であっても、多くの場合、より正確な結果のためには、コンピュータ断層撮影(CT)又は磁気共鳴撮像(MRI)などの他の撮像技術が併せて操作される。
【0006】
装着型(又は、装着可能な、又はウェアラブル)超音波装置の重要な態様は体の湾曲に適応することを必要とし、そのため、人が動いたり呼吸したりすると体が変化し、それがセンサーの相対位置を変化させる。この目的のために、一般的な用途に合わせられ、必要な接触を提供する超音波センサーアレイ及び技術が強く望まれている。上記に加えて、装着時の柔軟性のなさ、不便さ、又は不快感を取り除く超音波センサー及び/又はセンサーアレイが必要とされている。
【0007】
したがって、従来技術の限界を克服する装着型超音波センシング解決法を提供することが有利である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示のいくつかの例示的な実施形態の概要を以下に示す。この概要はそのような実施形態の基本的な理解を提供するために読者の便宜のために提供されるものであり、本開示の幅を完全に定義するものではない。この概要は、すべての企図される実施形態の包括的な概観ではなく、すべての実施形態の主要又は重要な要素を識別するものでも、いずれか又はすべての態様の範囲を定めるものでもない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、1つ又は複数の実施形態のいくつかの概念を簡略化された形で提示することである。便宜上、「いくつかの実施形態」又は「特定の実施形態」という用語は、本明細書では本開示の単一の実施形態又は複数の実施形態を指すために使用され得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書に開示される特定の実施形態は、身体部分からの超音波を感知するためのセンシング用衣服(又は、感知衣服sensing garment)を含む。センシング用衣服は着用者の少なくとも身体部分に着用されるように適合されたメッシュ状の布地と、メッシュ状の布地上に配置された複数の超音波センサーとを備え、複数の超音波センサーの各々は、着用者の少なくとも身体部分から戻された超音波を検出するように適合され、さらに、検出された超音波の少なくとも一部を、それに通信可能に接続されたコントローラに送信するように適合され、所定の数の超音波センサーよりも多い複数の超音波センサーの一部のみが、少なくとも身体部分の皮膚層と実質的に接触している。
【0010】
本明細書に開示される特定の実施形態はまた、センシング用衣服上に配置される超音波センサーの位置を決定するためのシステムを含み、センシング用衣服は、着用者の少なくとも身体部分上に、複数の超音波センサーの少なくとも一部が少なくとも身体部分の皮膚層と実質的に接触するように配置されるように適合される。システムは、処理ユニットと、処理ユニットに接続され、センシング用衣服上に配置された複数の超音波センサーへの通信を提供するように適合された第一インターフェースと、メモリとを備え、メモリは、処理ユニットによって実行されたときに、少なくとも身体部分に対する複数の超音波センサーの少なくとも一部の位置を少なくとも決定するようにシステムを構成する命令を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に開示される主題は、本明細書と共に提出した特許請求の範囲において具体的に指摘しかつ明確に特許請求している。開示された実施形態の前述及び他の目的、特徴、及び利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0012】
図1図1は、一実施形態による、センサー、エミッタ、及びマーカーを埋め込んだ超音波センシング用衣服の概略図である。
【0013】
図2図2は、一実施形態によるマーカーの第一実施形態の断面図である。
【0014】
図3A図3Aは、一実施形態による、平坦な位置にあるマーカーの第二実施形態の断面図である。
【0015】
図3B図3Bは、一実施形態による、曲がった位置にあるマーカーの第二実施形態の断面図である。
【0016】
図4図4は、一実施形態による、超音波センシング用衣服の動作のための電子回路のブロック図である。
【0017】
図5図5は、一実施形態による、超音波センシング用衣服の動作原理を説明する図である。
【0018】
図6図6は、一実施形態による、初期位置特定の方法を示すフローチャートである。
【0019】
図7図7は、一実施形態による、全波反転(FWI)取得の方法を示すフローチャートである。
【0020】
図8図8は、一実施形態による、取得された信号の位置特定とマッピングの同時実行(FWI-SLAM)処理を伴う全波反転を示すフローチャートである。
【0021】
図9図9は、超音波センシング用衣服によって取得された信号を処理するためのシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書に開示される実施形態は、本明細書における革新的な教示の多くの有利な使用の例にすぎないことに留意することが重要である。一般に、本出願の明細書においてなされる記述は、必ずしも様々な請求される実施形態のいずれをも限定しない。さらに、いくつかの記述はいくつかの発明の特徴に適用され得るが、他のものには適用され得ない。一般に、特に明記しない限り、単数の要素は、一般性を失うことなく、複数であってもよく、逆もまた同様である。図面において、同様の番号は、いくつかの図を通して同様の部分を指す。
【0023】
開示された実施形態の例によれば、装着型衣服には、複数の超音波センサーが埋め込まれる。超音波センサーは、装着型衣服にランダムに又は計画的に埋め込んだ複数の超音波エミッタによって発せられた信号を収集するように適合される。複数の受動的又は能動的マーカーが、身体のリターンに寄与するはずがない特定の超音波リターンを決定することを可能にするように、衣服上の点にランダムに又は計画的に埋め込まれて位置づけられる。複数の超音波センサー、適用可能な場合、マーカー、及びエミッタは、装着型衣服に取り付けられ得るか、又はさもなければ埋め込まれ得るコントローラに通信可能に接続される。コントローラはそれ自体で、又は別のユニットに信号を送信することによって、センサーの位置を決定し、全波反転(FWI)及び位置特定とマッピングの同時実行(SLAM)の適応を使用して、センサーによって収集された戻り音波に基づいて身体部分に対してそれらをマッピングするように適合される。
【0024】
図1は、一実施形態による、センサー120、エミッタ130、及びマーカー140が埋め込まれて配置された超音波センシング用衣服(USG)110の例示的な概略図100を示す。センサー120、エミッタ130、及びマーカー140の埋め込みは、製織、接着、又は機械的取り付けなどの異なる技法によって達成し得るが、これらに限定されるものではない。USG110は、超音波信号を送受信し、次いで超音波信号は処理されて走査された身体部分の高解像度の三次元(3D)画像を生成する撮像ソリューションを提供するように設計される。一実施形態では、USG110内に埋め込まれた要素に電源を供給することができ、USG110の一部である導線のメッシュによって供給し得る。USG110は身体の一部又は複数の部分に装着されるか、又はその周りに巻き付けられるように、様々な方法で成形されてもよいことをさらに理解されたい。一実施形態では、USG110が身体部分上に装着されるか、又は身体部分の周りに巻き付けられるのではなく、単に身体部分上に置かれるように設計される。一実施形態では、USG110内に埋め込まれた要素(すなわち、センサー120、エミッタ130、及び/又はマーカー140)のうちの1つ又は複数は軟質のポリマー系材料でコーティングされることができ、それが隣接する要素と身体部分との間で、実質的に空隙なしに、十分な接触を可能にする。さらに別の実施形態では、衣類材料が弾性であり、身体部分の輪郭にしっかりと対応するように適合される。
【0025】
USG110はさらに、従来技術の解決策によって提供されない必要な可撓性を有する身体部分の周りに快適に適合するように設計される。これは、関連技術において論じられているセンサーアレイの必要性を回避することによって達成される。すなわち、装着型デバイスに硬い感触を与える典型的には大きいセンサーアレイである。代わりに、小型超音波センサー120、例えば、センサー120-1~120-i(ここで「i」は「1」よりも大きい整数、本明細書では超音波センサー120は単にセンサー120とも呼ばれる)が、USG110上に構成される。センサー120はUSG110内にランダムに又は規則的に埋め込まれ、そのサイズはセンサーのアレイとは異なり、小さいので、衣服はそれに対して柔軟な感触を保持する。一実施形態によれば、従来技術の解決策とは異なり、センサー120が互いに当接する必要はなく、各センサーは、必要と判断した場合にはUSG110上に互いからの距離を維持して配置され得る。各センサー120は、任意の隣接するセンサーから離れているので、ルーズアレイと呼ばれることがある。小型センサー120は圧電センサー、容量性MEMS系センサー、又は容量性ポリマー系センサーであり得るが、これらに限定されない。
【0026】
センサー120に加えて、USG110はまた、本明細書でエミッタ130とも呼ばれる小型超音波エミッタ130、例えばエミッタ130-1~130-jを含み、ここで「j」は「1」よりも大きい整数である。この解決策に必要とされるエミッタ130は小さいエミッタであり、タイトビームを生成するように設計された従来技術の超音波解決策で使用されるものとは対照的に、広角ビームを生成する。小さなエミッタは、小さな開口(又は単一のスリット、又は2Dの場合)を通過する波の周知の問題に類似している。基本的に、アパーチャ上の各点は波源として扱われ、強度は角度の関数として計算される。強度の第一最小値は、次式から求めることができる:
(1)d*sin(θ)=λ
式中、λは波長であり、dはスリット直径であり、θはエミッタ、例えばエミッタ130に対する垂直からの角度である。したがって、放射されるビームの広がり角は、次のようになることがわかる:
(2)円錐(又は、コーン)=2*asin(λ/d)
【0027】
したがって、式(2)は様々な場合に、広がり角又は円錐を決定するために使用され得る。15MHzの周波数におけるエコー超音波の場合、λ=0.1mm、d=20mmであり、したがって、結果として生じる円錐は0.5°である。1.5MHzでの規則的全波反転(FWI)を使用して、90°の円錐をもたらす、λ=1mm、d=1mmの小型エミッタを使用して、従来技術を超える利点を提供する。明らかに、エコーベースの超音波走査に依存する従来技術は、本明細書に開示される利点を提供することができない。実施形態によるFWI動作に関するさらなる詳細が、本明細書で提供される。
【0028】
USG110はマーカー140、例えば、マーカー140-1~140-kをさらに含み、ここで、「k」は、「1」以上の整数である。マーカー140は、エミッタ130及びセンサー120の初期近似位置を取得するために使用される。動作は、本明細書でより詳細に説明される。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、これらのマーカー140にはいくつかの解決策がある。マーカー140を使用することによる他の位置特定技術を超える利点は、マーカー140がUSG110の移動及び動作の柔軟性を妨げないことである。これは、USG110のリアルタイム使用を含むがこれに限定されない連続的な使用を可能にし、先行技術の解決策を超えるその利点を提供する。例えば図2に示される一実施形態ではマーカー140Aの断面が可撓性材料220に埋め込まれたいくつかの小さな金属球体210から作製され、この可撓性材料は例えば、限定するものではないが、プラスチック物質である。表面230の周りのその伸張又は屈曲は、金属球210の距離を変化させ、したがって、戻り波は異なる。一実施形態では、金属球体が戻された超音波信号の処理によって容易に検出可能なパターンを形成する。このパターンは、エミッタ130又はセンサー120が表面230の法線から遠いときに検出可能である。
【0030】
図3A及び図3Bに示される別の例では、マーカー140Bが超音波波長と似たような周期を有する格子320を備える可撓性パッチ310を備える。一実施形態では、このような可撓性パッチ310の大きさは約2cmである。可撓性パッチ310の格子320は、入射波330を、周期に応じて他の方向よりも特定の方向に反射340させる。周期自体は、身体部分の伸張及び屈曲によって変化する。事実上、格子320は、パッチ310の伸張及び/又は屈曲の検出に対するより高い感度を可能にし得る。従来技術の解決策はエミッタ130及び/又はセンサー120の位置を識別するために外部源を必要とし、したがって、本明細書で提供される開示の実施形態には及ばない。一実施形態では、マーカー140はトリガ時に信号を送信するアクティブマーカーであり得る。
【0031】
一実施形態では、USG110がUSG110を身体部分の周りに固定するように適合された締結具150を用いてさらに構成されてもよい。締結具150、例えば締結具150-1~150-2は、フック、Velcro(登録商標)、ボタン、及び対応するボタンループ又はホール、ならびにそのような目的のために設計された他の解決策を含み得る。一実施形態では、USG110がUSG110に埋め込まれた要素(センサー120、エミッタ130、及び/又はマーカー140)による消費のための電力を提供するように適合された電子回路160をさらに備えることができる。さらに、電子回路160はUSG110の適切な動作のために必要とされ得るような、デジタル構成要素、アナログ構成要素、及び光学構成要素の組合せを含み得る。センサー120から受信された信号は電子回路160によって、局所的に、又は初期又は最小処理の後に処理され、処理デバイス(図示せず)に有線又は無線で送信され、処理デバイスは信号をさらに処理し、処理された信号に対応する画像を表示デバイス(図示せず)上に表示し得る。
【0032】
図4は、一実施形態による電子回路160の一例を示す。処理要素(PE)410は、メモリ420に通信可能に接続される。メモリ420の少なくとも一部分は、PE410によって実行されると、USG110が本明細書で説明する機能を実行することを可能にする命令をその中に含む。PE410に通信可能に接続されたセンサー制御インターフェース(SCI)430は少なくとも、センサー120から、センサー120によって感知される信号を受信するように適合される。SCI430は、センサー120のすべて、一部、又はただ1つから並列に信号を受信し得る。PE410に通信可能に接続されたエミッタ制御インターフェース(ECI)440は、少なくとも、エミッタ130に制御信号を送信してエミッタ130を作動させるように適合される。ECI440は、エミッタ130のすべて、一部、又はただ1つに並列に信号を送信し得る。
【0033】
一実施形態では、PE410に通信可能に接続された任意選択のマーカー制御インターフェース(MCI)450がアクティブマーカー140のために使用されてもよく、アクティブマーカー140を少なくともアクティブ化するように適合される。MCI450は、アクティブマーカー140のすべて、一部、又はただ1つに並列に制御信号を送信し得る。PE410に接続された電力制御ユニット(PCU)460は、並列に実行され得るUSG110の任意の必要な要素、USG110の一部、又は単一の要素のみに必要な動作電力を提供するように構成される。
【0034】
さらに、通信インターフェースユニット(CIU)470は、PE410に通信可能に接続され、USG110との間の通信を提供するように構成される。例えば、限定するものではないが、以下を提供し得る:a)USG110を作動させる通信手段;b)USG110を制御する外部装置(図示せず)から信号を受信すること;及びc)本明細書に記載の実施形態のいずれかに従ってセンサー120によって捕捉された処理済み又は未処理の信号を送信すること。電子回路160の一実施形態ではPE410及びメモリ420が例えば、限定はしないが、本明細書で説明するタスクを実行するように適合された組合せ論理回路によって置き換えられる。そのような及び同様の実施形態は、開示された実施形態の範囲内であると考えられるべきである。
【0035】
開示される実施形態の原理によれば、位置特定とマッピングの同時実行(SLAM)を用いてFWIを実行し、したがってFWI初期センサー位置識別を改善するための新規な方法が、ここで説明される。FWIは、超音波を用いて、表面下の高分解能速度モデルを得る手法である。正確さは、複雑なアレイセンサーからのみ可能なリターンエコーではなく、単純なセンサーによって取得された全波形を使用することによって得られる。初期モデル及びエミッタ信号が与えられると、FWI法は、波動方程式を解いて、そのモデルのセンサーにおける期待される信号を見つける。次いで、計算された信号と実際に取得された信号との間のミスフィット(又は、くいちがい)を低減するように、モデルを反復的に更新する。
【0036】
現在のFWIアルゴリズムはエミッタ及びセンサー位置の正確な知識に依存し、精巧なセットアップ又は扱いにくい機械(固定された、予め測定された位置を使用する)を必要とし、工業及び医療用途のための標準的なFWIの使用を制限する。センサー位置の特定とマッピングの同時実行のアルゴリズムは他の撮像技術のために存在するが、信号の局所性及び直線的に移動する信号に依存するので、FWIには普通に適応させることができない。
【0037】
FWI信号処理は、3つの構成要素を備えることを理解されたい。第一に、弾性波方程式が、放出された信号及びいくつかの仮定されたモデルを与えられたセンサーにおける期待される信号を見つけるために使用される「フォワードパス」である。第二に、計算されたセンサー信号と観測されたセンサー信号との間の差が、モデルパラメータの必要な変化を見つけるために時間的に逆方向に伝播される「バックワードパス」である。第三に、観測されたセンサー信号と計算されたセンサー信号との間の差を減少させるようにモデルパラメータを反復的に変更するオプティマイザ(又は、最適化器)である。フォワードパス接続モデル及び結果として生じる波は、以下のように表すことができる:
【0038】
バックワードパスは次の形式をとる:
【0039】
式中、
i-は反復回数(対応する仮定モデルmを有する)を表し、
u-はx及びモデルm(反復iでのモデル)でのエミッタから生じる波動解であり、
、x-はそれぞれエミッタ及びk番目のセンサーの位置を表し、
-は反復iでのモデルである。
問題空間及び対応する境界条件での各点を通る音の伝播速度c(x)と減衰。
【0040】
SLAMは、センサーの位置を同時に決定しながらモデルを生成するプロセスである。これは、以下の3つのステップを有する反復プロセスを使用する写真撮影及びライダー(光ベースのレーダー)において使用される。3つのステップとは、a)ステレオ視差及び特徴マッチングを使用して捕捉された画像の各対(又はそれ以上)から単一のスパース点群が生成される。これらの結果は整列されていない複数の群をもたらし、b)異なる群が整列され、それらの間の変換が見出され、c)カメラの位置が更新され、クラウド間のより良好な整列フィットをもたらす。
【0041】
一実施形態によれば、FWI方程式(3)及び(4)の修正されたフォワード及びバックワード演算子は、センサー及びエミッタ位置の不正確さ及び変化を含み得る。その結果、各反復において、モデル及びセンサー位置の両方が以下のように更新される:
【0042】
このような手法は仮定されたモデルm及びセンサー位置が真のモデル及び真の位置に「近い」ときにうまく機能し、モデルを改善するだけでよいことを理解されたい。難題はFWI解が完全には決定されないことであり、センサー位置の誤差は、その付近の音速を変化させることによって相殺され得るので、2つ以上の解が可能であり得る。したがって、最適化方法は、誤った極小値をもたらす可能性がある。そのような潜在的な欠陥を克服するために、モデルを更新するいくつかのステップと、それに続く位置を更新するいくつかのステップとを含むループが実行される。
【0043】
結果は、FWI操作に対する修正によって改善し得ることを理解されたい。FWIは、以下の2つの方法で制約し得る:a)損失関数に項を追加すること、及びb)最適化探索の軌道を制約すること。損失項は解がセンサー及び/又はエミッタの位置の誤った極小値に収束する場合に、FWI及びSLAMの組み合わせについて上述した第一アプローチで生じる特定の局所的アーチファクトを防止するのにより便利である。
【0044】
一実施形態によれば、結果を改善する第一の可能な方法は、センサー及びエミッタに近い領域がさらに遠くの領域と比較して急速に変化することを防止するために、正則化項(regularization term)を追加することである。さらに遠くの領域はより多くのセンサーによって「見られる」ので、これは、多くの極小値を妨げる。別の実施形態によれば、結果を改善するための第二の可能な方法は、FWIの前に信号を分析して、センサー位置に関する大域的制約を見つけることである。これらの制約は(不正確な)初期位置について解くために使用することができ、FWI自体に組み込むこともできる。例えば、信号放出からそれが受信された最初の時間までの時間を測定して、それらの間の可能な距離を制約するようにしてもよい。
【0045】
別のタイプのアーチファクトはセンサーとエミッタとの間の線に沿った密度のわずかな変化である(本質的に、これらは、他の対に影響を及ぼすことなく、対間の距離の誤差を「オフセット」する)。すなわち、直線付近の点における密度の勾配は直交し(又はそれにかなり近づき)、密度は、それから遠い点よりも急激に上昇する。したがって、そのような勾配が線に沿って存在する場合、損失を増大させる項が追加される。理論的には線に沿って真の表面が常に存在し得る(すなわち、検査されるモデルはその線に沿って密度の急激なジャンプを有する)が人体ではほとんどの表面は湾曲している。したがって、アーチファクトが除去されるが、実際の表面がわずかにスミアされるように十分に低い重み係数が使用されることを理解されたい。
【0046】
さらに、センサーにおける観測信号とシミュレーション信号との間の差の等しくない重み付けが使用される古典的な損失関数に対して、第二の変更が行われることを理解されたい。エミッタが同時に動作せず、十分に間隔を空けてブロードキャストされるとき、センサー、例えばセンサー120において受信される各信号を、エミッタのうちの1つ、例えばエミッタ130に関連付けることができる。これは、信号に関連するセンサーとエミッタの対の間の距離に従って、FWIの回帰様損失関数における信号の重み付けを可能にする。損失項は以下のように定義し得る:
ここで、Wは回帰項の重み付けであり、Wは関数Lによって与えられる直線項に沿ったアーチファクトの重み付けであり、第三項R(..)は、モデル内の導関数を制限するか、又はモデルの何らかの事前知識に制約する標準的な正則化項を表す。
【0047】
一実施形態によれば、位置特定の改善は、グローバルメソッドを使用することによって達成される。本明細書で説明されるように、FWI及びSLAMはモデル及びセンサーの位置特定を改善するために、局所最適化、典型的には最急降下法の変形を使用する。したがって、それらは、初期条件、特にセンサー位置に敏感である。したがって、センサーの開始位置を改善するために、様々なグローバルメソッドが使用される。これらの方法はモデルのいくつかの最小限の知識を仮定し、センサー、例えば、センサー120の位置に制約を加える。次いで、グローバルソルバを使用して初期位置を見つける。本明細書の実施例は人体に使用される超音波に関するが、開示される実施形態の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【0048】
具体的には、ほとんどの軟組織における音速が1450m/s(脂肪)~約1570m/s(肝臓)及び3000m/s(骨)の範囲であることが知られている。エミッタとセンサーとの間の距離は数センチメートル~約0.4メートル(例えば、腹部又は頭蓋の両側)の範囲であることがさらに知られている。軟部組織を通る音速の比較的小さな変動は、エミッタとセンサーとの間の最小時間軌道が直線からあまり逸れず、距離が信号移動時間から推定され得ることを意味する。線源(エミッタ)と標的(センサー)との間の実際の距離が0.5メートルの場合、文献によって報告される不確実性は7ミリメートルである(図5参照)。ほとんどの点源からの全波形は光線のように直線状には進行しないが、それにもかかわらず、信号の開始に対して、また、エミッタ及びセンサーが十分に遠いときに、正しい。複数のエミッタの使用は、不確実性の理由がランダム性によるものではないので、不正確さを大幅には変化させない。より近いセンサーを有することは位置検出を改善し得るが、送信機は限られた送信角度を有するので、これは各位置において複数の方向に面する複数のセンサーを必要とする。したがって、実際の展開では、複数のセンサーについて解き、大まかな人間モデルを考慮すると、すべてのセンサーの全体的な不確実性は約4ミリメートルである。
【0049】
図6は、一実施形態による初期位置特定の方法を示す例示的なフローチャート600である。この方法は、図1に示される要素を参照して説明される。
【0050】
S610において、初期位置特定のプロセスのために作動させるUSG110のエミッタ130が決定される。本プロセスは、エミッタ130のうちの1つ又は複数の作動を同時に必要してもよい。本プロセスは、本明細書に記載のマーカー140のうちの1つ又は複数をさらに利用し得る。
【0051】
S620において、USG110上の複数のエミッタのうちの選択された1つ又は複数のエミッタ130が作動される。すなわち、選択されたエミッタ130は、超音波信号の送信を開始する。S630において、1つ又は複数のセンサー120が作動されて、エミッタ130から到着するか、又はマーカー140から反射された先行信号を検出する。S640において、選択されたエミッタ130及びサンプリングされたセンサー120によるこの送信プロセスが完了したかどうかがチェックされ、完了した場合、実行はS650に続き、そうでなければ、実行はS610に続く。
【0052】
S650では、本明細書でより詳細に説明するように、使用される最初のセンサー120及びエミッタ130の制約が決定される。USG110は、すべてのセンサー120が身体部分と接触していなくても動作するように構成され、したがって、複数のセンサー120のうちのどれが任意の所与の時間に最良に使用されるべきかを選択するように適合されることを理解されたい。これは、プロセスが継続することにつれて継続的に変更することができ、本明細書でさらに説明するように変更し得る。
【0053】
S660において、完全に又は部分的に処理されることができ、これは、収集された信号は信号に関する情報を圧縮すること、及び、本明細書の図9においてさらに説明されるように、S670において圧縮されたデータをFWI-SLAM処理モジュールに送信することを含むが、これらに限定されない。したがって、初期位置特定プロセス600はエミッタ130及びセンサー120の初期選択を可能にし、潜在的にマーカー140も利用して、本明細書の図7に関して説明されるFWI取得フェーズで使用されるセンサー及びエミッタを決定する。
【0054】
図7は、一実施形態によるFWI取得の方法を示す例示的なフローチャート700である。図6に関して説明した、初期取得段階で収集された情報に基づいて、S710において、画像フレームキャプチャに使用される1つ又は複数のエミッタ130が決定される。S720において、選択されたエミッタ130は、超音波信号を発するように作動される。S730では、到着する超音波信号を受信するために、1つ以上のセンサー120が作動される。S740において、信号の収集が完了したかどうかがチェックされ、完了した場合、実行はS750に続き、さもなければ、実行はS710に続く。S750において、収集された信号は、限定はしないが、信号に関する情報を圧縮し、S760において、本明細書の図9でさらに論じられるように、圧縮されたデータをFWI-SLAM処理モジュールに送信することを含め、完全に又は部分的に処理され得る。S770において、次のフレームキャプチャが位置特定再初期化を必要とするかどうかがチェックされ、必要である場合、実行はS780に続き、さもなければ、実行は終了する。S780では、図6で説明した初期位置特定プロセスが実行され、その後、実行はS710に続く。
【0055】
図8は、一実施形態による、取得された信号のFWI-SLAM処理を示す例示的フローチャート800である。S810において、初期センサー120及びエミッタ130の位置が、本明細書の図6及び図7に記載されるステップの結果として提供される情報に基づいて決定される。S820において、本明細書でより詳細に説明されるフォワードシミュレーションが実行される。S830において、シミュレートされた信号は、センサー位置において読み取られる。S840において、本明細書でより詳細に説明されるように、誤差の逆方向伝播(又は、バックプロパゲーション)が実行される。S840において、モデルのパラメータは、本明細書でさらに詳細に説明されるように更新される。
【0056】
S860において、FWIの追加の反復が必要であるかどうかがチェックされ、必要である場合、実行はS820に続き、さもなければ、実行はS870に続く。S870において、画像処理が完了したかどうかもチェックされ、完了した場合、実行は終了し、さもなければ、実行はS880に続く。S880において、センサー120及びエミッタ130の位置の更新が行われる。S890において、モデルパラメータが平滑化され、その後、実行はS820に続く。
【0057】
図9は、USG110によって取得された信号を処理するためのシステム900のブロック図の一例である。USG110は、通信接続920を介してFWI-SLAM処理モジュールに通信可能に接続される。典型的な実施形態では、USG110及びFWI-SLAM処理モジュールは、少なくとも図8に記載されるタスクを実行するためにかなりの計算能力が必要なこと、及びさらにそれから得られる画像のために、別個であるものとする。通信接続920は、さらなる処理のために複数のセンサー120から大量のデータ、ならびに電子回路160によって収集又は処理された他の情報を配信するように適合される。
【0058】
本明細書に開示される様々な実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組合せとして実装し得る。さらに、ソフトウェアは、好ましくは部分、又は特定のデバイス及び/又はデバイスの組合せからなるプログラム記憶ユニット又はコンピュータ可読媒体上で有形に具現化されるアプリケーションプログラムとして実装される。アプリケーションプログラムは、任意の適切なアーキテクチャを備えるマシンにアップロードされ、マシンによって実行され得る。好ましくは、マシンが1つ又は複数の中央処理装置(「CPU」)、メモリ、及び入力/出力インターフェースなどのハードウェアを有するコンピュータプラットフォーム上で実装される。コンピュータプラットフォームは、オペレーティングシステム及びマイクロ命令コードを含むこともできる。本明細書で説明される様々なプロセス及び機能は、そのようなコンピュータ又はプロセッサが明示的に示されているかどうかにかかわらず、CPUによって実行され得る、マイクロ命令コードの一部又はアプリケーションプログラムの一部、又はそれらの任意の組合せのいずれかであり得る。加えて、様々な他の周辺ユニットが、追加のデータ記憶ユニット及び印刷ユニットなどのコンピュータプラットフォームに接続され得る。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体は、一時的な伝播信号を除いて、任意のコンピュータ可読媒体である。
【0059】
本明細書に列挙されるすべての例及び条件付き言語は開示された実施形態の原理、及び当技術分野を促進するために本発明者によって貢献された概念を読者が理解するのを助けるための教育目的のためのものであり、そのような具体的に列挙された例及び条件に限定されないと解釈されるべきである。さらに、開示された実施形態の原理、態様、及び実施形態、ならびにそれらの特定の例を列挙する本明細書におけるすべての記述は、それらの構造的及び機能的等価物の両方を包含することが意図される。さらに、そのような等価物は現在知られている等価物及び将来開発される等価物、すなわち、構造にかかわらず同じ機能を実行する開発された任意の要素の両方を含むことが意図される。
【0060】
「第一」、「第二」などの名称を使用する本明細書における要素へのいかなる言及も、それらの要素の量又は順序を一般に限定しないことを理解されたい。むしろ、これらの呼称は一般に、2つ以上の要素又は要素のインスタンスを区別する便利な方法として本明細書で使用される。したがって、第一及び第二要素への言及は、2つの要素のみがそこで使用され得ること、又は第一要素が何らかの方法で第二要素に先行しなければならないことを意味しない。また、特に明記しない限り、要素のセットは、1つ又は複数の要素を含む。
【0061】
本明細書で使用される場合、句「のうちの少なくとも1つ」の前に列挙された項目がある場合は、この列挙された項目のいずれかが個別に利用され得るか、又は列挙された項目のうちの2つ以上の任意の組合せが利用され得る。例えば、システムが「A、B、及びCの少なくとも1つ」を含むと記載されている場合、システムは、A単独、B単独、C単独、2A、2B、2C、3A、A及びBの組み合わせ、B及びCの組み合わせ、A、B及びCの組み合わせ、2A及びCの組み合わせ、A、3B、及び2Cの組み合わせ、及び同様のものを含み得る。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】