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特表2023-554029トリミングナイフ位置のマスタリング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】トリミングナイフ位置のマスタリング
(51)【国際特許分類】
   B23D 19/04 20060101AFI20231219BHJP
   B21B 15/00 20060101ALI20231219BHJP
   B21B 1/28 20060101ALI20231219BHJP
   B23Q 17/09 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
B23D19/04 C
B21B15/00 B
B21B1/28
B23Q17/09 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536043
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-07-14
(86)【国際出願番号】 IB2021061438
(87)【国際公開番号】W WO2022130126
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2020/061933
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515214729
【氏名又は名称】アルセロールミタル
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トゥーシュ,トマ
(72)【発明者】
【氏名】シャンペモー,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】エルツ,ステファーヌ
(72)【発明者】
【氏名】エメン,ジャン-マルク
【テーマコード(参考)】
3C029
3C039
4E002
【Fターム(参考)】
3C029DD08
3C039CB14
4E002AD05
4E002BD06
4E002BD10
(57)【要約】
金属シートのためのトリミング装置(7)であって、-上側シャフト(10)に取り付けられた、直径D1及び厚さT1を有する中央円形面(9)を備える上側ナイフ(8)と、-下側シャフト(13)に取り付けられた、直径D2及び厚さT2を有する中央円形面(12)を備える下側ナイフ(11)とを備え、前記上側ナイフ及び前記下側ナイフは、前記金属シートの剪断を規定するようにオーバーラップ(DOVERLAP)を伴って垂直にシフトされ、前記上側シャフト(10)又は下側シャフト(13)のうちの少なくとも一方は、垂直に移動することができ、かつ、トリミング装置(7)は、-前記上側ナイフの上端までの垂直距離(V1)を測定することができる第1の距離センサ(14)と、-前記下側ナイフの下端までの垂直距離(V2)を測定することができる第2の距離センサ(15)と、-前記オーバーラップを計算することができる計算手段(16)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属シートのためのトリミング装置(7)であって、
-上側シャフト(10)に取り付けられた、直径D1及び厚さT1を有する中央円形面(9)を備える上側ナイフ(8)と、
-下側シャフト(13)に取り付けられた、直径D2及び厚さT2を有する中央円形面(12)を備える下側ナイフ(11)と、
を備え、
-前記上側ナイフ及び前記下側ナイフは、前記金属シートの剪断を規定するようにオーバーラップ(DOVERLAP)を有して垂直にシフトされ、
-前記上側シャフト(10)又は下側シャフト(13)のうちの少なくとも一方が垂直に移動可能であり、
かつ、トリミング装置(7)は、
-前記上側ナイフの上端までの垂直距離(V1)を測定することができる第1の距離センサ(14)と、
-前記下側ナイフの下端までの垂直距離(V2)を測定することができる第2の距離センサ(15)と、
-前記オーバーラップを計算することができる計算手段(16)と、
を備える、トリミング装置(7)。
【請求項2】
-前記上側ナイフ及び前記下側ナイフは、ギャップ距離(DGAP)を画定するように水平にシフトされ、
-前記上側シャフト(10)又は下側シャフト(13)のうちの少なくとも一方は水平に移動可能であり、
-前記計算手段は前記ギャップ距離を計算することができ、
前記トリミング装置は、
-前記上側ナイフまでの水平距離(H1)を測定することができる第3の距離センサ(17)と、
-前記下側ナイフまでの水平距離(H2)を測定することができる第4の距離センサ(18)と、
を更に備える、請求項1に記載のトリミング装置(7)。
【請求項3】
前記第1、第2、第3、及び第4の距離センサは誘導センサである、請求項1又は2に記載のトリミング装置。
【請求項4】
前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトはいずれも垂直に移動可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載のトリミング装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のトリミング装置によって金属シートをトリミングする方法であって、
-前記第1の距離センサ(14)と前記上側ナイフ(8)の前記中央円形面(9)との間の第1の垂直距離V1を測定するステップと、
-前記第2の距離センサ(15)と前記下側ナイフ(11)の前記中央円形面(12)との間の第2の垂直距離V2を測定するステップと、
-オーバーラップLMEASUREDを、前記第1及び第2の垂直距離、前記上側ナイフの直径(D1)及び下側ナイフの直径(D2)、並びに前記第2の距離センサの位置に対する前記第1の距離センサの位置に基づいて計算するステップと、
を備える方法。
【請求項6】
MINIMUMからLMAXIMUMまでのオーバーラップ作動範囲が画定され、方法は、
-LMEASUREDをLMINIMUM及びLMAXIMUMと比較するステップと、
-LMEASUREDがLMINIMUMよりも小さい場合に、LMEASUREDをLMINIMUMに少なくとも等しく設定するために、前記移動可能なシャフトのうちの少なくとも一方を垂直に移動させるステップと、
-LMEASUREDがLMAXIMUMよりも大きい場合に、LMEASUREDを最大でLMAXIMUMに設定するために、前記移動可能なシャフトのうちの少なくとも一方を垂直に移動させるステップと、
を備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
-前記第3の距離センサ(17)と前記上側ナイフ(8)との間の第1の水平距離H1を測定するステップと、
-前記第4の距離センサ(18)と前記下側ナイフ(11)との間の第2の水平距離H2を測定するステップと、
-ギャップ距離GMEASUREDを、前記第3及び第4の距離、前記上側トリミングナイフの厚さ(T1)及び前記下側トリミングナイフの厚さ(T2)、並びに前記第4の距離センサの位置に対する前記第3の距離センサの位置に基づいて計算するステップと、
を備える、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
MINIMUMからGMAXIMUMまでのギャップ作動範囲が画定され、方法は、
-GMEASUREDをGMINIMUM及びGMAXIMUMと比較するステップと、
-GMEASUREDがGMINIMUMよりも小さい場合に、GMEASUREDをGMINIMUMに少なくとも等しく設定するために、前記移動可能なシャフトのうちの少なくとも一方を水平に移動させるステップと、
-GMEASUREDがGMAXIMUMよりも大きい場合に、GMEASUREDを最大でGMAXIMUMに設定するために、前記移動可能なシャフトのうちの少なくとも一方を水平に移動させるステップと、
を備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか一項に記載のトリミング装置の摩耗を評価するための方法であって、
-前記トリミングナイフが静止している間に、請求項5にしたがってオーバーラップLSTILLを測定するステップと、
-請求項5にしたがって、回転している前記2つのトリミングナイフ間のオーバーラップLROTATINGを測定するステップと、
-前記2つの測定値LSTILL及びLROTATINGを比較するステップと、
-LSTILLとLROTATINGとの間の差が所定の閾値LDANGERよりも大きい場合に警告を発するステップと、
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリミング装置、トリミング方法、及びトリミング装置の摩耗を評価できるようにする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷間圧延ライン又は焼鈍処理で酸洗作業を受けた後、鋼帯は一般にトリミングされる。そのようなトリミングには幾つかの利点がある。第1に、トリミングは、鋼帯にとって望ましい幅を得ることができるようにする。第2に、トリミングは、上流側プロセスによって引き起こされる鋼帯エッジ上の不規則な欠陥を除去することによってエッジ品質を保証する。
【0003】
サイドトリミングは、鋼帯の各側で、一対のトリミングナイフ、すなわち、上側ナイフ及び下側ナイフによって行なわれる。ナイフは、一般に20mm~40mmの間に含まれる厚さを有する。一対のナイフは、2つの主要なプロセスパラメータ、すなわち、ギャップ及びオーバーラップを有する剪断を画定する。ギャップは、2つのナイフ間の水平距離であり、一方、オーバーラップは、下側ナイフの最上点と上側ナイフの最下点との間の垂直距離である。
【0004】
トリミング装置は、インタースティシャルフリー鋼などの軟鋼からAHSS鋼などの硬鋼まで、様々な鋼種を処理する。しかしながら、鋼種及びフォーマットに応じて、オーバーラップ距離及びギャップ距離を調整されなければならない。例えば、オーバーラップが大きすぎると、トリミングナイフに過度の力がかかったり、トリミングされた材料に応力がかかったり、トリミングナイフ間の速度差が生じたりする可能性があり、これらは全て、トリミングナイフの摩耗を加速させる摩擦をより大きくする可能性がある。
【0005】
全体として、トリミングが適切に制御されないと、鋼帯エッジの品質、ライン生産性、トリミング装置の寿命、及び下流側プロセスに悪影響を及ぼす可能性がある。
【0006】
オーバーラップ及びギャップは、通常、オフラインで較正される。しかしながら、トリミングプロセスをより効率的に制御するために、これらの距離をオンラインで測定することが望ましい。
【0007】
中国特許第102489772号明細書は、トリミング装置のオーバーラップをオンラインで制御できるようにするシステムを開示する。このシステムは、図1に示されるように、上側シャフト2に取り付けられた上側トリミングナイフ1と、下側シャフト4に取り付けられた下側トリミングナイフ3と、上側シャフト位置検出センサ5と、下側シャフト検出センサ6とを備える。オーバーラップは、センサ(5及び6)によって検出された上側シャフト2及び下側シャフト4の位置を使用することによって測定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】中国特許第102489772号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明の目的は、金属シートのトリミング中に2つのナイフのオーバーラップを正確に測定することである。本発明の第2の目的は、金属シートのトリミング中にトリミングナイフを正確に位置決めし、トリミング装置の摩耗を検出することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これは、請求項1~4のいずれか一項に記載のトリミング装置を提供することによって達成される。これは、請求項5及び9のいずれか一項に記載のトリミング方法を提供することによっても達成される。
【0011】
他の特徴及び利点は、本発明の以下の詳細な説明から明らかになる。
【0012】
本発明を説明するために、特に以下の図に関連して、様々な実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】従来技術で知られているトリミング装置を示す。
図2】本発明で開示されるトリミング装置の一実施形態を示す。
図3】従来技術で知られている測定値に対する屈曲シャフトの影響を示す。
図4】本発明で開示されるトリミング装置の第2の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図2に示されるように、本発明は、金属シートのためのトリミング装置7に関し、該トリミング装置7は、
-上側シャフト10に取り付けられた、直径D1及び厚さT1を有する中央円形面9を備える上側ナイフ8と、
-下側シャフト13に取り付けられた、直径D2及び厚さT2を有する中央円形面12を備える下側ナイフ11と、
を備え、
-前記上側ナイフ8及び前記下側ナイフ11は、前記金属シートの剪断を画定するようにオーバーラップ(DOVERLAP)を有して垂直にシフトされ、
-前記上側シャフト10又は下側シャフト13のうちの少なくとも一方は垂直に移動可能であり、
かつ、トリミング装置7は、
-前記上側トリミングナイフの上端までの垂直距離V1を測定することができる第1の距離センサ14と、
-前記下側トリミングナイフの下端までの垂直距離V2を測定することができる第2の距離センサ15と、
-前記オーバーラップを計算することができる計算手段16と、
を備える。
【0015】
トリミング装置は、1mm~10mmの厚さを有する金属シートをトリミングすることができる。トリミング装置は、プロセスの任意のステップで使用されることができる。このトリミング装置は、酸洗ライン又は焼鈍装置の下流側にあることが好ましい。
【0016】
図2に示されるように、上側及び下側トリミングナイフ(8,11)は、シャフトの回転がトリミングナイフの回転をもたらすようにシャフトに取り付けられたディスクである。例えば、トリミングナイフをシャフト上に挿入した後にねじによって加圧下に置くことができる。図2には、トリミングナイフをシャフトに締結できるようにする手段は表わされない。トリミングナイフは、好ましくは、300~500mmの直径(D1、D2)及び20~60mmの厚さ(T1、T2)を有する、規格EN1.2344又はEN1.2343に準拠した材料で作られる。
【0017】
計算手段は、センサに接続されるとともに、測定された垂直距離V1及びV2にアクセスすることができる。また、計算手段は、第1のトリミングナイフ及び第2のトリミングナイフの直径にもアクセスできる。
【0018】
上側トリミングナイフ8及び下側トリミングナイフ11は剪断を画定する。剪断は、通常、上側トリミングナイフの下端と下側トリミングナイフの上端との間の距離、すなわち、トリミング中にトリミング片と接触する領域によって画定される。したがって、図2において、剪断距離は、上側トリミングナイフの右下と上側トリミングナイフの左上との間である。剪断の垂直成分はオーバーラップ(DOVERLAP)を画定し、水平成分はギャップ(DGAP)を画定する。
【0019】
上側シャフト10及び/又は下側シャフト13を垂直に移動させて、所望のオーバーラップを設定することができる。上側シャフト及び/又は下側シャフトを水平に移動させて、所望のギャップ距離を設定することができる。
【0020】
第2のセンサに対する第1のセンサの位置は既知である。第1及び第2のセンサは、好ましくはトリミング装置に締結される。
【0021】
第1の距離センサ14は、前記上側ナイフの上端までの垂直距離を測定するために上側ナイフ18の上方に配置される。第2の距離センサ15は、前記下側ナイフの下端までの垂直距離を測定するために下側ナイフ11の下方に配置される。本発明者らは、シャフトが変形を受けることなくナイフ位置の直接的な測定が可能であるため、そのような位置決めが有利であることに気付いた。一方、トリミング中にシャフトは曲げられる傾向があり、モータに近いシャフト(ナイフの反対側)と比較してトリミングナイフに近いシャフトの垂直変位をもたらすため、シャフト位置を通るナイフ位置の測定は信頼性が低い。これが図3に示されており、シャフト(2’、4’)は、トリミングナイフ(DKNIVES)に近い位置のシャフトと反対側のシャフト(DMOTOR)との間にギャップ差をもたらすように曲げられている。
【0022】
したがって、本発明の手段は、シャフトの曲げによって悪影響を受けないため、従来技術の手段よりも信頼性が高い。
【0023】
好ましくは、図4に示されるように、前記トリミング装置7において、
-前記上側ナイフ及び前記下側ナイフは、ギャップ距離(DGAP)を画定するように水平にシフトされ、
-前記上側シャフト10又は下側シャフト13のうちの少なくとも一方が水平に移動可能であり、
-前記計算手段が前記ギャップ距離を計算することができ、
前記トリミング装置は、
-前記上側ナイフまでの水平距離H1を測定することができる第3の距離センサ17と、
-前記下側ナイフまでの水平距離H2を測定することができる第4の距離センサ18と、
を更に備える。
【0024】
第4のセンサ18に対する第3のセンサ17の位置は既知である。第3及び第4のセンサは、好ましくはトリミング装置に締結される。
【0025】
第3の距離センサ17は、前記上側ナイフまでの水平距離を測定するために、上側ナイフ8の横に配置される。第4の距離センサ18は、前記下側ナイフまでの水平距離を測定するために、下側ナイフ11の横に配置される。トリミング中、ナイフの下側ナイフ及び上側ナイフから構成されるそれぞれの対ごとに、製品側及びシャフト側の2つの側を画定することができる。製品側は製品が走行する側であり、シャフト側はシャフトがある側である。好ましくは、第3、第4の距離センサがシャフト側に配置される。
【0026】
好ましくは、前記第1及び第2のセンサは誘導センサである。好ましくは、前記第3及び第4のセンサは誘導センサである。
【0027】
好ましくは、前記第1、第2、第3、及び第4の距離センサは誘導センサである。
【0028】
好ましくは、前記第1及び第2の距離センサはレーザセンサであり、これは、そのようなセンサが誘導センサよりも広い測定範囲を有するからであり、例えば、それらのセンサがオーバーラップのより大きな変動を測定できるからである。好ましくは、前記第3及び第4のセンサはレーザセンサである。
【0029】
好ましくは、前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトはいずれも垂直に移動可能である。
【0030】
また、本発明は、既に説明したようなトリミング装置によって金属シートをトリミングする方法に関し、該方法は、
-前記第1の距離センサ14と前記上側ナイフ8の前記中央円形面9との間の第1の垂直距離V1を測定するステップと、
-前記第2の距離センサ15と前記下側ナイフ11の前記中央円形面12との間の第2の垂直距離V2を測定するステップと、
-オーバーラップLMEASUREDを、前記第1及び第2の垂直距離、前記上側ナイフの直径(D1)及び下側ナイフの直径(D2)、並びに前記第2の距離センサの位置に対する前記第1の距離センサの位置に基づいて計算するステップと、
を備える。
【0031】
好ましくは、本発明は、鋼板をトリミングする方法に関する。
【0032】
好ましくは、前記方法では、LMINIMUMからLMAXIMUMまでのオーバーラップ作動範囲が画定され、前記方法は、
-LMEASUREDをLMINIMUM及びLMAXIMUMと比較するステップと、
-LMEASUREDがLMINIMUMよりも小さい場合に、LMEASUREDをLMINIMUMに少なくとも等しく設定するために、前記移動可能なシャフト(10,13)のうちの少なくとも一方を垂直に移動させるステップと、
-LMEASUREDがLMAXIMUMよりも大きい場合に、LMEASUREDを最大でLMAXIMUMに設定するために、前記移動可能なシャフト(10,13)のうちの少なくとも一方を垂直に移動させるステップと、
を備える。
【0033】
MINIMUM及びLMAXIMUMは、トリミングされる金属シートの厚さの割合として画定されることができる。
【0034】
好ましくは、前記オーバーラップ作動範囲は、前記金属シートの厚さの4~25%である。
【0035】
好ましくは、方法は、
-前記第3の距離センサ(17)と前記上側ナイフ(8)との間の第1の水平距離H1を測定するステップと、
-前記第4の距離センサ(18)と前記下側ナイフ(11)との間の第2の水平距離H2を測定するステップと、
-ギャップ距離GMEASUREDを、前記第3及び第4の距離、前記上側トリミングナイフの厚さ(T1)及び前記下側トリミングナイフの厚さ(T2)、並びに前記第4の距離センサの位置に対する前記第3の距離センサの位置に基づいて計算するステップと、
をも備える。
【0036】
好ましくは、前記の既に説明した方法では、GMINIMUMからGMAXIMUMまでのギャップ作動範囲が画定され、方法は、
-GMEASUREDをGMINIMUM及びGMAXIMUMと比較するステップと、
-GMEASUREDがGMINIMUMよりも小さい場合に、GMEASUREDをGMINIMUMに少なくとも等しく設定するために前記移動可能なシャフトのうちの少なくとも一方を水平に移動させるステップと、
-GMEASUREDがGMAXIMUMよりも大きい場合に、GMEASUREDを最大でGMAXIMUMに設定するために前記移動可能なシャフトのうちの少なくとも一方を水平に移動させるステップと、
を備える。
【0037】
また、本発明は、既に説明したようなトリミング装置の摩耗を評価するための方法に関し、該方法は、
-前記トリミングナイフが静止している間に、既に説明した方法にしたがってオーバーラップLSTILLを測定するステップと、
-既に説明した方法にしたがって、回転している前記2つのトリミングナイフ間のオーバーラップLROTATINGを測定するステップと、
-前記2つの測定値LSTILL及びLROTATINGを比較するステップと、
-LSTILLとLROTATINGとの間の差が所定の閾値LDANGERよりも大きい場合に警告を発するステップと、
を備える。
【0038】
本発明者らは、摩耗したトリミング装置は、トリミング寿命が動いている又は停止している、例えばオン又はオフになっている場合に、オーバーラップの「ジャンプ」を示す傾向があることを見出した。10~40μmの変位が顕著である。明らかに、これらのジャンプは、トリミング装置がオンになっているときにナイフを締め付けるベアリングの摩耗及び機械的クリアランスに起因する。その結果、このジャンプは、オフライン測定によっても、シャフトを通るナイフの位置の測定によっても評価され得ない。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】