(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】ポンプアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F04D 29/16 20060101AFI20231219BHJP
F04D 29/08 20060101ALI20231219BHJP
F04D 1/08 20060101ALI20231219BHJP
F04D 29/42 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
F04D29/16
F04D29/08 B
F04D1/08 A
F04D29/42 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536143
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(85)【翻訳文提出日】2023-08-14
(86)【国際出願番号】 EP2021081670
(87)【国際公開番号】W WO2022128282
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】102020133327.7
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591040649
【氏名又は名称】カーエスベー ソシエタス ヨーロピア ウント コンパニー コマンディート ゲゼルシャフト アウフ アクチェン
【氏名又は名称原語表記】KSB SE & Co. KGaA
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】ディーデリッヒ,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】エルゼッサー,トーマス
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA02
3H130AB22
3H130AB46
3H130AB62
3H130AB69
3H130AC01
3H130BA53A
3H130BA53F
3H130BA73A
3H130BA73F
3H130BA74A
3H130CA22
3H130CA26
3H130DC01X
3H130EA01A
3H130EA06A
3H130EA07A
3H130EA07F
3H130EB02A
(57)【要約】
本発明は、ポンプアセンブリであって、外側ケーシング(1)と、少なくとも部分的に外側ケーシング(1)に配置されたインサート(2)であって、インサート(2)が、駆動装置によって回転軸線(A)を中心に回転可能である軸(3)と、それぞれが圧力段ハウジング(5,5’)を有する少なくとも2つの圧力段とを備える、インサート(2)と、軸(3)に配置されかつ各圧力段における圧力段ハウジング(5,5’)によって包囲されたインペラ(4)と、第1の圧力チャンバ(11)を第2の圧力チャンバ(13)から分離するシール(12)と、を有する、ポンプアセンブリに関する。本発明によれば、圧力段ハウジング(5’)が、第1のパート(16)および第2のパート(17)を備え、第1のパート(16)が、拡径した内径を有する第1の領域(18)と、縮径した内径を有する第2の領域(19)とを有し、第2のパート(17)が、縮径した外径を有する少なくとも1つの第1の部分(20)と、拡径した外径を有する第2の部分(21)とを有し、第1のパート(16)の第1の領域(18)が、第1の部分(20)を包囲しておりかつ少なくとも部分的に第2のパート(17)の第2の部分を包囲しており、第1のパート(16)と第2のパート(17)との間に環状チャンバ(25)が形成され、環状チャンバ(25)が第2の圧力チャンバ(13)に接続されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプアセンブリであって、
バレルケーシング(1)と、
少なくとも部分的に前記バレルケーシング(1)に配置されたプラグインユニット(2)であって、前記プラグインユニット(2)が、駆動装置によって回転軸線(A)を中心に回転可能であるように配置された軸(3)と、それぞれが圧力段ケーシング(5,5’)を有する少なくとも2つの圧力段とを備える、プラグインユニット(2)と、
前記軸(3)に配置されかつ各圧力段における前記圧力段ケーシング(5,5’)によって包囲されたインペラ(4)と、
第1の圧力チャンバ(11)を第2の圧力チャンバ(13)から分離するシール(12)と、
を有し、
前記圧力段ケーシング(5’)は、第1のパート(16)および第2のパート(17)を備え、
前記第1のパート(16)は、拡径した内径を有する第1の領域(18)と、縮径した内径を有する第2の領域(19)と、を有し、
前記第2のパート(17)は、縮径した外径を有する少なくとも1つの第1の部分(20)と、拡径した外径を有する第2の部分(21)と、を有し、
前記第1のパート(16)の前記第1の領域(18)は、前記第1の部分(20)を包囲しておりかつ少なくとも部分的に前記第2のパート(17)の前記第2の部分を包囲しており、
前記第1のパート(16)と前記第2のパート(17)との間に環状チャンバ(25)が形成され、前記環状チャンバ(25)は前記第2の圧力チャンバ(13)に接続されていることを特徴とする、ポンプアセンブリ。
【請求項2】
前記環状ディスク状パート(17)の前記第2の部分(21)の前記外径、および、前記スリーブ状パート(16)の前記第1の領域(18)の前記内径は、それらの重なり合った領域において、前記第1の領域(18)が、極めて小さな遊びを生じながら前記第2の部分(21)から間隔を置かれているかまたは前記第2の部分(21)に対して当接するように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のポンプアセンブリ。
【請求項3】
前記環状ディスク状パート(17)は、前記環状チャンバ(25)を前記第2の圧力チャンバ(13)に接続するための手段(15,23,29)を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のポンプアセンブリ。
【請求項4】
前記第2のパート(17)の前記第2の部分(21)が、バレル面(22)を有し、前記バレル面(22)に、前記環状チャンバ(25)に接続された少なくとも1つの溝(23)が設けられていることを特徴とする、請求項3に記載のポンプアセンブリ。
【請求項5】
前記環状ディスク状パート(17)が、前記第2のパート(17)の前記第2の部分(21)に当接する第3の部分(26)を有し、前記回転軸線(A)に対して平行に前記第3の部分(26)の前記外側バレル面(27)において延びる少なくとも1つの軸方向溝または前記外側バレル面(27)の近くで前記回転軸線(A)に対して平行に延びる少なくとも1つの軸方向ボア(29)が形成されており、前記軸方向溝および前記軸方向ボア(29)が、前記第2の圧力チャンバ(13)内へ開口していることを特徴とする、請求項3または4に記載のポンプアセンブリ。
【請求項6】
前記第2の部分(21)から前記第3の部分(26)への移行部に、半径方向で周方向のギャップ(23)が設けられており、前記ギャップ(28)が、一方では前記少なくとも1つの溝(23)に、他方では前記第3の部分(26)の前記外側バレル面(27)に延びる前記少なくとも1つの軸方向溝または前記少なくとも1つの軸方向ボア(29)に接続されていることを特徴とする、請求項3から5のいずれか1項に記載のポンプアセンブリ。
【請求項7】
前記パート(17)が、前記環状チャンバ(25)を前記第2の圧力チャンバ(13)に直接接続する軸方向ボア(29)を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のポンプアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプアセンブリであって、バレルケーシングと、少なくとも部分的にバレルケーシングに配置されたプラグインユニットであって、プラグインユニットが、駆動装置によって回転軸線を中心に回転可能であるように配置された軸と、それぞれが圧力段ケーシングを有する少なくとも2つの圧力段とを備える、プラグインユニットと、軸に配置されかつ各圧力段における圧力段ケーシングによって包囲されたインペラと、第1の圧力チャンバを第2の圧力チャンバから分離するシールと、を有する、ポンプアセンブリに関する。
【0002】
ダブルケーシングまたはバレルケーシングポンプとしても知られるこの種の遠心ポンプアセンブリは、例えば、独国特許出願公開第19927135号に開示されている。
【0003】
この種の遠心ポンプの場合、遠心ポンプは、バレル状ケーシングによって包囲されている。吸引および圧力ノズル、ならびに選択的に中間排出点が設けられたバレルケーシングは、軸に対して垂直な平面においてカバーによって閉鎖されている。これらは、通常、高圧および超高圧ポンプとしての、特にまたボイラーフィードポンプとしての使用のための多段ポンプである。複数の圧力段ケーシングが、軸方向に直列に相前後してバレルケーシング内に配置されている。各圧力段は、ポンプインペラと、選択的に定置ステータとを備える。
【0004】
各圧力段の個々の圧力段ケーシングは、通常、まとまりのあるポンププラグインユニットとしてポンプ軸と一緒に形成されている。最後のステータまたは最後の圧力段ケーシングから圧力ノズルへの流れ移行は、通常、バレルケーシングにおける形成された流れ空間を介して、または移行領域におけるエンドコイルのための別個のプラグインユニットを介して行われる。
【0005】
フィードポンプはしばしば、圧力ケーシングを構成する外方に認識可能なバレルケーシング内に複数の圧力領域を有する。圧力領域が互いに当接する限りにおいて、圧力領域は、全ての可能な動作モードにおいて、すなわち生じる全ての負荷下において互いに対して封止されなければならない。これは、通常、特別な固定シールを用いて達成される。しかしながら、動作中、すなわち負荷下において、これらのシールのために設けられた据付空間は、負荷のない状態と比較して変形または変位を生じ、これは、シールに深刻な応力をもたらし、シールをその封止機能においてより信頼できなくする可能性がある。
【0006】
したがって、本発明は、シールを包囲する構成要素の過剰な変形差を生じるこの封止問題の原因を排除する一般的なポンプアセンブリを提供するという目的に基づく。
【0007】
この目的は、請求項1の特徴によるポンプアセンブリによって達成される。遠心ポンプの有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0008】
本発明によれば、圧力段ケーシングが、第1のパートおよび第2のパートを備え、第1のパートが、拡径した内径を有する第1の領域と、縮径した内径を有する第2の領域とを有し、第2のパートが、縮径した外径を有する少なくとも1つの第1の部分と、拡径した外径を有する第2の部分とを有し、第1のパートの第1の領域が、第1の部分を包囲しておりかつ少なくとも部分的に第2のパートの第2の部分を包囲しており、第1のパートと第2のパートとの間に環状チャンバが形成されていることが提案される。
【0009】
環状ディスク状パートの第2の部分の外径およびスリーブ状パートの第1の領域の内径が、有利には、それらの重なり合った領域において、第1の領域が、極めて小さな遊びを生じながら第2の部分から間隔を置かれているかまたは第2の部分に対して当接するように形成されていることは、内方へのまたは回転軸線の方向におけるスリーブ状パートの第1の領域の変形を防止または制限する。
【0010】
環状ディスク状パートの第2の部分は、有利には、環状チャンバを第2の圧力チャンバに接続するための手段を有する。
【0011】
本発明によれば、第2のパートの第2の部分が、バレル面を有し、バレル面に、環状チャンバに接続されたまたは環状チャンバに直接取り付けられた少なくとも1つの溝が設けられている。
【0012】
さらなる有利な実施形態において、環状ディスク状パートが、第2のパートの第2の部分に当接する第3の部分を有し、バレルケーシングとともにチャネルを形成する、回転軸線に対して平行に第3の部分の外側バレル面において延びる少なくとも1つの軸方向溝または外側バレル面の近くで回転軸線に対して平行に延びる少なくとも1つの軸方向ボアが形成されており、軸方向溝および軸方向ボアが、第2の圧力チャンバ内へ開口している。
【0013】
半径方向で周方向のギャップが、有利には、第2の部分から第3の部分への移行部に設けられており、ギャップが、一方では少なくとも1つの溝に、他方では第3の部分の外側バレル面に延びる少なくとも1つの軸方向溝または少なくとも1つの軸方向ボアに接続されている。
【0014】
有利な代替的な実施形態において、第2のパートが、実質的に回転軸線に対して平行に延びかつ環状チャンバを第2の圧力チャンバに直接接続する少なくとも1つの軸方向ボアを有する。
【0015】
発明の例示的な実施形態が図面に示されており、以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明による圧力段ケーシングの第1の実施形態を備えるポンプアセンブリのブブ断面図を示す。
【
図3】
図1および
図2による実施形態における本発明による段ケーシングの部分断面図を示す。
【
図4】据え付けられた状態における本発明による段ケーシングの第2の実施形態の部分断面図を示す。
【
図5】
図4による段ケーシングの部分断面図を示す。
【
図6】据え付けられた状態における本発明による段ケーシングの第3の実施形態の部分断面図を示す。
【0017】
図1は、遠心ポンプとして設計された、バレルケーシング1を備えるポンプアセンブリを示す。プラグインユニット2は、少なくとも部分的にバレルケーシング1内に配置されている。プラグインユニット2は、図示されていない駆動装置、例えば、電気モータによって回転軸線Aを中心回転可能であるように配置された軸3を備える。示された例示的な実施形態において、複数のインペラ4が、軸3上に相前後して配置されている。例示的な実施形態において、インペラ4は、ラジアルホイールである。
【0018】
プラグインユニット2は、さらに、複数のいわゆる圧力段ケーシング5を備え、本発明による圧力段ケーシングは、符号5’で示されている。各インペラ4は、圧力段ケーシング5または5’によって包囲されている。隣接する圧力段ケーシング5,5’は互いに当接している。例示的な実施形態において、圧力段ケーシング5,5’の間の分割線は、金属シールを提供する。
【0019】
搬送される媒体の流れ方向においてそれぞれのインペラ4の背後に配置されたステータ6は、各圧力段ケーシング5,5’に設けられている。ステータ6は、締まりばめまたは別の適切な手段によって回転不能に圧力段ケーシング5,5’に接続されている。作動媒体が通って遠心ポンプに進入する吸い込みノズル7が、バレルケーシング1に成形されている。作動媒体は、圧力ノズル8を介してポンプアセンブリから出る。示された例示的な実施形態において、バレルケーシング1は、中間排出部9を有する。中央圧力段ケーシング5のうちの1つにおける少なくとも1つの半径方向開口10を介して、搬送される媒体の所定の割合を、圧力段ケーシング5,5’とバレルケーシング1との間に配置された第1の圧力チャンバ11内へ搬送し、中間排出部9を介して排出することができる。シール12は、圧力ノズル8の近くの、特に圧力ノズル8への流入領域の下方の、または圧力ノズル8の内側の第2の圧力チャンバ13から圧力チャンバ11を分離している。このケースにおける第2の圧力チャンバ13における圧力は、圧力チャンバ11に生じる圧力よりも少なくとも段の圧力だけ、最大で段圧力のn-1倍だけ高く、ここで、nは段の数を表す。
【0020】
図1は、6つの圧力段および5つの圧力段ケーシング5,5’を備える多段ポンプアセンブリを示す。圧力段の数は少なくとも2つでなければならないが、さもなければ任意に変化することができることは自明である。さらに、全ての圧力段が本発明による圧力段ケーシング5’によって形成されることも考えられる。
【0021】
図1の拡大された詳細を示す
図2から分かるように、シール12は、圧力ノズル8の領域において第2の圧力チャンバ13と連通したチャネル15から、比較的狭い第1の環状ギャップ14までシール12の方向へテーパした圧力チャンバ11を分離している。
図2は、シール12がバレルケーシング1および本発明による圧力段ケーシング5’とどのように相互作用するか、ステータ6の配列、および圧力段ケーシング5’内で回転軸線Aを中心に回転する軸3上に配置されたインペラ4の配列をも示す。
【0022】
図3は、
図2によるカップ型またはポット型の圧力段ケーシング5’の別個の図を示す。圧力段ケーシング5’は、スリーブ状の第1のパート16および環状ディスク状の第2のパート17を含む。スリーブ状の第1のパート16は、拡径した内径の第1の領域18および縮径した内径の第2の領域19を有する。
【0023】
スリーブ状の第1のパート16の第1の領域18から第2の領域19への移行部において、スリーブ状のパート16は環状ディスク状の第2のパート17に接続されている。2つのパート16および17は、互いに溶接されるか、または例えば3Dプリンティングによって一体的に製造されてよい。さらなる代替例において、パート16および17は互いに螺合することができる。
【0024】
環状ディスク状のパート17は、第1の部分20と、バレル面22を備える第2の部分21とを有する。示された例示的な実施形態において、バレル面22は、設計において実質的に円筒状であるが、円錐形部分も有する。少なくとも1つの溝23がバレル面22に設けられており、この溝23により、部分21は、凹部と、バレル面22を備える突出部24とを示している。示された例示的な実施形態において、少なくとも1つの溝23は、実質的に回転軸線Aに対して平行に延びている。
【0025】
スリーブ状のパート16の第1の領域18は、環状ディスク状の第2のパート17の第1の部分20およびまた部分的に第2の部分21の両方を包囲している。第1の部分20の外径は、第2の部分21の外径よりも小さい。環状ディスク状のパート17の第2の部分21の外径と、スリーブ状のパート16の第1の領域18の内径とは、それらの重なり合った領域において、第1の領域18が極めて小さな遊びを生じながら第2の部分21から間隔を置かれるかまたは第2の部分21に当接するように形成されている。
【0026】
環状ディスク状の第2のパート17の第1の部分20が、第2の部分21と比較して、より小さな外径を有することにより、スリーブ状の第1のパート16と環状ディスク状のパート17との間に環状チャンバ25が形成されている。環状チャンバ25は、少なくとも1つの溝23に接続されているかまたは流体的に直接形式において溝23に接続されている。スリーブ状パート16の第1の領域18は、環状チャンバ25によって所定の限界内で弾性的に形成されている。
【0027】
突出部24のバレル面22は、内方へのまたは回転軸線Aの方向へのスリーブ状パート16の弾性領域18の変形を防止または制限する。
【0028】
パート17は、さらに、環状チャンバ25とは反対側において第2の部分21に隣接する第3の部分26を有する。
【0029】
第2の部分21の外径は、第3の部分26の外径よりも小さい。例として示された実施形態において、第3の部分26は、必要であれば圧力段ケーシング5’をバレルケーシングに固定するために設けられてよい段部を有する。
【0030】
図2に示されたチャネル15は、第3の部分26の外側バレル面27において軸方向に延びる少なくとも1つの軸方向溝(図示せず)によって形成されており、この軸方向溝は、バレルケーシング1と相互作用し、半径方向接続溝(図示せず)が段部の領域に設けられており、この接続溝は、外側バレル面27における2つの軸方向溝部分を互いに接続している。代替的に、軸方向溝および接続溝は、バレルケーシング1に形成されてもよい。
【0031】
スリーブ状パート16の第1の領域18は第2の部分21を完全には包囲していないので、少なくとも1つの溝23に接続された半径方向で周方向のギャップ28は、第2の部分21から第3の部分26への移行部に形成されている。ギャップ28は、さらに、第3の部分26の外側バレル面27において軸方向に延びる軸方向溝、したがって、
図2に示されたチャネル15および圧力チャンバ13と連通している。
【0032】
スリーブ状の第1のパート16の第1の領域18から第2の領域19への移行部に面取り部が設けられており、すなわち、スリーブ状パート18の外径は領域19の外径よりも大きく、いかなる問題もなくシール12を組むことができることを意味する。
【0033】
図4は、据え付けられた状態における本発明による圧力段ケーシング5’のさらなる実施形態を示す。
【0034】
図5は、
図4に示された圧力段ケーシング5’を詳細に示す。第1のスリーブ状パート16は、
図1~
図3に示された圧力段ケーシング5’の実施形態に実質的に対応し、さらなる説明を必要としない。少なくとも1つの溝23と、少なくとも1つの突出部24と、バレル面22と、を備える第2のパート17の第2の部分21、および環状チャンバ25は、
図1~
図4を参照して説明した実施形態に実質的に対応する。
【0035】
図4および
図5に示された圧力段ケーシング5’の実施形態において、回転軸線Aに対して実質的に平行に形成された少なくとも1つの軸方向ボア29が、第3の部分26に設けられており、ギャップ28と連通しており、圧力ノズル8の領域において第2の圧力チャンバ13内へ開口している。
【0036】
示された実施形態において、部分26に段部は設けられていないが、
図2および
図3に示したように、段部が設けられてもよい。
【0037】
図6に示したように、圧力段ケーシング5’の更なる実施形態において、少なくとも1つの軸方向ボア29は、環状チャンバ25に接続されるまたは環状チャンバ25に直接取り付けられることができ、第2の部分21および第3の部分26を通って延び、第2の圧力チャンバ13内へ開口していることができる。したがって、軸方向ボア29は、圧力ノズル8の領域において環状チャンバ25を第2の圧力チャンバ13に直接接続している。バレル面22における溝は、この場合、省略することができる。
【0038】
例として示された実施形態において、第3の部分26は段部を有するが、この段部は、
図4および
図5に示したような圧力段ケーシング5’の固定タイプの場合には必要ない。
【0039】
ポンプアセンブリが作動させられると、媒体が、吸い込みノズル7を介してポンプに吸い込まれ、第1のものとして吸い込みノズルの下流に接続された圧力段ケーシング5へ流れる。媒体は、後に接続されたまたは下流に配置されたステータ6を介してインペラ4によって次の圧力段ケーシング5へ案内される。媒体の一部は、中間排出部9に最も近い段ケーシング5における少なくとも1つの開口10を介して圧力チャンバ11内へ搬送され、そこから、媒体は、中間排出部9を介してポンプから搬送されることができる。媒体の大部分は、対応する形式で次の圧力段ケーシング5へ供給される。
【0040】
流れに関して見て最後のステータ6は、媒体を圧力チャンバ13内へ搬送する。そこから、
図1~
図3による媒体の部分は、少なくとも1つのチャネル15および半径方向で周方向のギャップ28を介して第2の部分21における少なくとも1つの溝23内へ、次いで、環状チャンバ25内へ、または
図4および
図5によれば、少なくとも1つの軸方向ボア29および半径方向で周方向のギャップ28を介して、少なくとも1つの溝23内、次いで、環状チャンバ25内へ、または
図6によれば、直接少なくとも1つの軸方向ボア29を介して圧力チャンバ13から環状チャンバ25内へ通過する。圧力チャンバ13は、少なくとも1つのチャネル15または少なくとも1つの軸方向ボア29、半径方向で周方向のギャップ28、少なくとも1つの溝26および隣接する環状チャンバ25とともに連通する空間の媒体で充填されたシステムを形成する。
【0041】
環状チャンバ25において、チャンバ11に対して過圧が生じ、この過圧は、領域18を拡張させ、これにより、半径方向にバレルに対して当接させる。その結果、封止空間の半径方向範囲は、全ての動作条件下で実質的に一定のままとなる。
【国際調査報告】