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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】ポリペプチド及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/575 20060101AFI20231219BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20231219BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20231219BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20231219BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20231219BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20231219BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20231219BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20231219BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20231219BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20231219BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231219BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20231219BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20231219BHJP
   A61K 47/64 20170101ALI20231219BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20231219BHJP
【FI】
C07K14/575 ZNA
A61K38/16
A61P3/04
A61P3/10
A61P3/00
A61P3/06
A61P13/12
A61P9/10 101
A61P9/00
A61P9/12
A61P35/00
A61P1/16
A61P1/00
A61K47/64
A61K47/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536144
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-06-14
(86)【国際出願番号】 EP2021086034
(87)【国際公開番号】W WO2022129254
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】63/125,996
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508098350
【氏名又は名称】メドイミューン・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MedImmune Limited
【住所又は居所原語表記】1 Francis Crick Avenue, Cambridge Biomedical Campus, Cambridge CB2 0AA, UNITED KINGDOM
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】ベドナレック,マリア アレクサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ジェナパシー,シバネスワリ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA94
4C076AA95
4C076BB16
4C076CC11
4C076CC19
4C076CC21
4C076CC27
4C084AA02
4C084AA06
4C084AA07
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA19
4C084BA23
4C084BA44
4C084CA59
4C084DB01
4C084MA66
4C084NA03
4C084NA14
4C084ZA05
4C084ZA36
4C084ZA42
4C084ZA44
4C084ZA45
4C084ZA66
4C084ZA75
4C084ZA81
4C084ZA94
4C084ZA96
4C084ZB26
4C084ZC21
4C084ZC33
4C084ZC35
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA19
4H045BA55
4H045CA40
4H045DA30
4H045EA30
4H045FA10
4H045FA20
4H045FA30
4H045FA33
4H045GA05
4H045GA25
(57)【要約】
プラムリンチド類似体であるポリペプチド及びその使用が開示される。特に、本発明は、アルブミン結合部などの半減期延長部に結合されたプラムリンチド類似体である配列番号2のポリペプチド及びその使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ酸配列:
Xaa(-4)-Xaa(-3)-Xaa(-2)-Xaa(-1)-Xaa1-Cys2-Asn3-Xaa4-Ala5-Thr6-Cys7-Ala8-Thr9-Gln10-Arg11-Leu12-Ala13-Xaa14-Xaa15-Xaa16-Xaa17-His18-Ser19-Xaa20-Xaa21-Xaa22-Xaa23-Xaa24-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Xaa28-Xaa29-Thr30-Xaa31-Xaa32-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Xaa36-Xaa37-アミド[配列番号2]
(式中、
Xaa(-4)は、Lys(アルブミン結合部)であるか又は不在であり;
Xaa(-3)は、Glyであるか又は不在であり;
Xaa(-2)は、Glyであるか又は不在であり;
Xaa(-1)は、Gly、(アルブミン結合部)、Lys(アルブミン結合部)であるか又は不在であり;
Xaa1は、Lys、Lys(アルブミン結合部)、(アルブミン結合部)であるか又は不在であり;
Xaa4は、Thr、Ile又はAlaであり;
Xaa14は、Asn、His、Glu、2,4-ジアミノブタン酸(Dab)又はアルファメチルアミノ酸であり;
Xaa15は、Phe又はTrpであり;
Xaa16は、Leu又はD-Leu(dL)であり;
Xaa17は、Val、Ser、Glu、Arg、(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(Hyp)、Dab又はアルファメチルアミノ酸(例えば、2-アミノ-2-メチルプロパン酸[Aib])であり;
Xaa20は、Ser、Ile、Pro又はアルファメチルアミノ酸(例えば、(S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸[αMeSer])であり;
Xaa21は、Asn、Dab、His、Pro、Ser、Arg、Lys、Gly若しくはGlu、Ala、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa22は、Asn、His、Hyp、Dab又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa23は、Phe、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、(S)-2-アミノ-2-メチル-3-フェニルプロパン酸[αMePhe])であり;
Xaa24は、Gly、Pro、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa25は、Pro、Ala、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa26は、Ile、D-Ile(dI)、Arg、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa27は、Leu、dL、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa28は、Pro、D-Pro(dP)、Ser、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa29は、Pro、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa31は、Asn、Glu、His、Arg、Pro、Dab又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa32は、Val、Hyp、Dab又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa33は、Gly、Pro、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa34は、Ser、Pro、His、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa35は、Asn、Pro、Arg、Glu、Dab、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa36は、Thr、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;及び
Xaa37は、Tyr、Pro、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)である)
を含むポリペプチド又はその薬学的に許容される塩であって、前記ポリペプチドは、少なくとも1つのアルブミン結合部を含む、ポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
前記ポリペプチドは、Dab、Hyp又はアルファメチルアミノ酸を位置14、17又は20~37の少なくとも1つにおいて含み、任意選択的に、前記アルファメチルアミノ酸は、Aib、αMePhe又はαMeSerである、請求項1に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項3】
Xaa14は、Dabである、請求項1又は2に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項4】
Xaa16は、dLである、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項5】
Xaa17は、アルファメチルアミノ酸、任意選択的にAibである、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項6】
Xaa20は、アルファメチルアミノ酸、任意選択的にαMeSである、請求項1~5のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項7】
Xaa21は、アルファメチルアミノ酸、任意選択的にAibである、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項8】
Xaa21は、Dabである、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項9】
Xaa22は、アルファメチルアミノ酸、任意選択的にAibである、請求項1~8のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項10】
Xaa23は、アルファメチルアミノ酸、任意選択的にαMePheである、請求項1~9のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項11】
Xaa24は、アルファメチルアミノ酸、任意選択的にAibである、請求項1~10のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項12】
Xaa24は、Hypである、請求項1~10のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項13】
Xaa25は、アルファメチルアミノ酸、任意選択的にAibである、請求項1~12のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項14】
Xaa26は、アルファメチルアミノ酸、任意選択的にAibである、請求項1~13のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項15】
Xaa26は、dIである、請求項1~13のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項16】
Xaa27は、アルファメチルアミノ酸、任意選択的にAibである、請求項1~15のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項17】
Xaa27は、dLである、請求項1~15のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項18】
Xaa28は、アルファメチルアミノ酸、任意選択的にAibである、請求項1~17のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項19】
Xaa28は、dPである、請求項1~17のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項20】
Xaa29は、アルファメチルアミノ酸、任意選択的にAibである、請求項1~19のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項21】
Xaa31は、アルファメチルアミノ酸、任意選択的にAibである、請求項1~20のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項22】
Xaa31は、Dabである、請求項1~20のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項23】
Xaa32は、アルファメチルアミノ酸、任意選択的にAibである、請求項1~22のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項24】
Xaa33は、アルファメチルアミノ酸、任意選択的にAibである、請求項1~23のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項25】
Xaa34は、アルファメチルアミノ酸、任意選択的にAibである、請求項1~24のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項26】
Xaa35は、アルファメチルアミノ酸、任意選択的にAibである、請求項1~25のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項27】
Xaa35は、Dabである、請求項1~25のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項28】
Xaa36は、アルファメチルアミノ酸、任意選択的にAibである、請求項1~27のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項29】
Xaa37は、アルファメチルアミノ酸、任意選択的にAibである、請求項1~28のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項30】
前記ポリペプチドは、以下のアミノ酸修飾の組合せ:
-1G、-2G、17Aib
4A、15W、21P、24P、25A、28S
4I、20I、21A、35R
4I、21Dab、35R
14Dab
14Dab、17Aib、31E
14Dab、23αMePhe、21E
14Dab、31E
14E、17Aib
14E、17Aib、21H
14E、17R
14E、17R、23αMePhe
14E、21Aib
14H、17Aib
14H、17Aib、21Aib、31E
14H、21Aib
14H、21Aib、35E
16dL、21Aib
17Aib
17Aib、37P
17Aib、21Aib
17Aib、21Aib、37P
17Aib、21G
17Aib、21H
17Aib、21K
17Aib、21P
17Aib、21P、31E
17Aib、21P、35E
17Aib、21R
17Aib、21S
17Aib、21Dab
17Aib、21Dab、31E
17Aib、22H
17Aib、22H、35E
17Aib、23αMePhe
17Aib、26Aib
17Aib、26R
17Aib、27Aib
17Aib、27dL
17Aib、28Aib
17Aib、29Aib
17Aib、31Aib
17Aib、31E
17Aib、31H、35E
17Aib、31P
17Aib、31R
17Aib、32Aib
17Aib、33Aib
17Aib、34Aib
17Aib、34H
17Aib、34P
17Aib、35Aib
17Aib、35E
17Aib、35R
17E、21Aib
17R、21Aib
17R、21Aib、31Aib
17R、21Aib、31E
17R、21Aib、31R
17R、21Aib、35Aib
17R、23αMePhe
17R、23αMePhe、31E
17R、26Aib
17S、21Aib
17S、21Aib、31H
17S、21Aib、31P
17S、21Aib、31R
17S、21Aib、33P
17S、21Aib、35P
20αMeSer
20P、21P、24P、25A、28S
21Aib
21Aib、24P、25A、28S
21Aib、24P、25A、28S、31Dab
21Aib、24P、25A、28S、35Dab
21Aib、26dI
21Aib、26Aib
21Aib、27Aib
21Aib、27dL
21Aib、28Aib
21Aib、28dP
21Aib、31Aib
21Aib、31E
21Aib、31H
21Aib、31R
21Aib、33Aib
21Aib、34Aib
21Aib、35Aib
21Aib、35E
21Aib、35R
21Aib、36Aib
21Aib、37Aib
21Aib、37P
21Dab、24Hyp、25A、28S
21Dab、24P、25A、28S
21Dab、25Aib
21Dab、31E
21P、24P、25A、28S
22Aib
22H、35E
23αMePhe
23αMePhe、31E
23αMePhe、31R
23αMePhe、35R
24Aib
26Aib
27Aib
27dL
28dP
35R
Δ1K、4I、21Dab、35R
Δ1K、14E、17R、23αMePhe
のいずれか1つを含む、請求項1に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項31】
Xaa(-1)は、(アルブミン結合部)、Lys(アルブミン結合部)であるか又は不在であり;
Xaa4は、Thrであり;
Xaa14は、Asn、Glu又はDabであり;
Xaa15は、Pheであり;
Xaa16は、Leuであり;
Xaa17は、Val、Arg又はAibであり;
Xaa20は、Serであり;
Xaa21は、Asn-であり、
Xaa22は、Asnであり;
Xaa23は、Phe又はαMePheであり;
Xaa24は、Glyであり;
Xaa25は、Proであり;
Xaa26は、Ileであり;
Xaa27は、Leuであり;
Xaa28は、Proであり;
Xaa29は、Proであり;
Xaa31は、Asn、Glu又はArgであり;
Xaa32は、Valであり;
Xaa33は、Glyであり;
Xaa34は、Serであり;及び
Xaa35は、Asn又はArgであり;
Xaa36は、Thrであり;及び
Xaa37は、Tyrである、請求項1に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項32】
Xaa23は、αMePheである、請求項31に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項33】
Xaa14は、Gluである、請求項31又は32に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項34】
Xaa14は、Dabである、請求項31又は32に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項35】
Xaa17は、Argである、請求項31~34のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項36】
Xaa17は、Aibである、請求項31~34のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項37】
Xaa31は、Gluである、請求項31~36のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項38】
Xaa31は、Argである、請求項31~36のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項39】
Xaa35は、Argである、請求項31~38のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項40】
Xaa(1)は、不在である、請求項31~39のいずれか一項に記載の脂質化ポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項41】
Xaa(-1)は、Gly、Lys(アルブミン結合部)又は(アルブミン結合部)であり;
Xaa4は、Thrであり;
Xaa14は、Asn又はHisであり;
Xaa15は、Pheであり;
Xaa16は、Leuであり;
Xaa17は、Val、Arg又はAibであり;
Xaa20は、Serであり;
Xaa21は、Asn、Dab又はAibであり;
Xaa22は、Asnであり;
Xaa23は、Phe又はαMePheであり;
Xaa24は、Glyであり;
Xaa25は、Proであり;
Xaa26は、Ile又はAibであり;
Xaa27は、Leu又はAibであり;
Xaa28は、Pro又はAibであり;
Xaa29は、Pro又はAibであり;
Xaa31は、Asn、Glu又はAibであり;
Xaa32は、Val又はAibであり;
Xaa33は、Gly又はAibであり;
Xaa34は、Ser又はAibであり;
Xaa35は、Asn又はAibであり;
Xaa36は、Thr又はAibであり;及び
Xaa37は、Tyr、Pro又はAibであり、
前記ポリペプチドは、少なくとも2つのAib残基を含む、請求項1に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項42】
Xaa17は、Aibである、請求項41に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項43】
Xaa21、26、27、28、29、31、32、33、34又は35の少なくとも1つは、Aibである、請求項42に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項44】
Xaa21は、Aibである、請求項41~43のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項45】
Xaa26、27、28、31、32、33、34、35、36又は37の少なくとも1つは、Aibである、請求項41~44のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項46】
Xaa14は、Hisである、請求項41~45のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項47】
Xaa17は、Argである、請求項41又は43~46のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項48】
Xaa31は、Gluである、請求項41~47のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項49】
Xaa31は、Aibである、請求項41~47のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項50】
Xaa35は、Aibである、請求項41~49のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項51】
Xaa37は、Proである、請求項41~50のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項52】
Xaa(-1)は、Gly、Lys(アルブミン結合部)又は(アルブミン結合部)であり;
Xaa14は、Asn、Glu又はHisであり;
Xaa15は、Pheであり、
Xaa17は、Val、Ser、Glu、Arg又はAibであり;
Xaa20は、Serであり;
Xaa21は、Asn又はAibであり;
Xaa22は、Asnであり;
Xaa23は、Pheであり;
Xaa24は、Gly、Hyp又はProであり;
Xaa25は、Pro又はAlaであり;
Xaa26は、Ile、dI又はAibであり;
Xaa27は、Leu、dL又はAibであり;
Xaa28は、Pro、dP、Ser又はAibであり;
Xaa29は、Proであり、
Xaa32は、Valであり;
Xaa33は、Gly、Pro又はAibであり;
Xaa34は、Ser又はAibであり;
Xaa35は、Asn、Pro、Arg、Glu、Dab又はAibであり;
Xaa36は、Thr又はAibであり;及び
Xaa37は、Tyr、Pro又はAibである、請求項1に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項53】
Xaa21は、Aibである、請求項52に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項54】
Xaa17は、Aibである、請求項52又は53に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項55】
Xaa17は、Argである、請求項52又は53に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項56】
Xaa24は、Proである、請求項52~55のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項57】
Xaa25は、Alaである、請求項52~56のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項58】
Xaa28は、Serである、請求項52~57のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項59】
Xaa31は、Gluである、請求項52~58のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項60】
Xaa31は、Argである、請求項52~58のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項61】
Xaa31は、Hisである、請求項52~58のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項62】
Xaa31は、Aibである、請求項52~58のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項63】
Xaa35は、Aibである、請求項52~62のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項64】
Xaa35は、Argである、請求項52~62のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項65】
Xaa(-1)は、(アルブミン結合部)、Lys(アルブミン結合部)であるか又は不在であり;
Xaa4は、Thrであり;
Xaa15は、Pheであり;
Xaa16は、Leuであり;
Xaa17は、Val又はAibであり;
Xaa20は、Serであり;
Xaa21は、Asn、His、Pro、Ser、Arg、Dab、Lys又はGlyであり;
Xaa22は、Asn又はHisであり;
Xaa23は、Pheであり;
Xaa24は、Glyであり;
Xaa25は、Proであり;
Xaa26は、Ile又はArgであり;
Xaa27は、Leu又はdLであり;
Xaa28は、Proであり;
Xaa29は、Proであり;
Xaa31は、Asn、Glu、His、Arg又はProであり;
Xaa32は、Valであり;
Xaa33は、Glyであり;
Xaa34は、Ser、Pro又はHisであり;
Xaa35は、Asn、Glu又はArgであり;Xaa36は、Thrであり;及び
Xaa37は、Tyrである、請求項1に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項66】
Xaa17は、Aibである、請求項65に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項67】
Xaa14は、Hisである、請求項65又は66に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項68】
Xaa21は、Dabである、請求項65~67のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項69】
Xaa31は、Gluである、請求項65~71のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項70】
Xaa(-4)は、Lys(アルブミン結合部)であるか、Xaa(-1)は、Lys(アルブミン結合部)若しくは(アルブミン結合部)であるか、又はXaa1は、Lys(アルブミン結合部)である、請求項1~69のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項71】
前記アルブミン結合部は、脂質を含み、任意選択的に、前記脂質は、C12二酸、C14二酸、C16二酸、C17二酸、C18二酸、C19二酸又はC20二酸から選択される、請求項70に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項72】
前記脂質は、C18二酸又はC20二酸である、請求項71に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項73】
前記アルブミン結合部は、前記ポリペプチドのアミノ酸残基に結合されている、請求項1~72のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項74】
前記アルブミン結合部は、リンカーによって前記アミノ酸残基に結合されている、請求項73に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項75】
前記リンカーは、γ-Gluの残基を含み、任意選択的に、前記リンカーは、γGlu、γGlu-γGlu、γGlu-(O2Oc)-(O2Oc)又はγGlu-(PEG2)-(PEG2)を含む、請求項74に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩。
【請求項76】
C18二酸-γE-K[CNTATC]ATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
C18二酸-γE-γE-GGG-K[CNTATC]ATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(O2Oc-O2Oc-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(O2Oc-O2Oc-γE-C18二酸)GGGK[CNTATC]ATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Dab)NFPAILSPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFPAILSPTNVGSNTY-アミド
C18二酸-γE-[CNTATC]ATQRLAEFLRHSSNN(αMePhe)GPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLAEFLRHSSNN(αMePhe)GPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLAEFLRHSSNN(αMePhe)GPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSSNN(αMePhe)GPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSSNN(αMePhe)GPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLRHSSNN(αMePhe)GPILPPTEVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLRHSSNN(αMePhe)GPILPPTEVGSNTY-アミド
K(O2Oc-O2Oc-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLRHSSNN(αMePhe)GPILPPTEVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLRHSSNN(αMePhe)GPILPPTEVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLRHSSNN(αMePhe)GPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLRHSSNN(αMePhe)GPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSSNN(αMePhe)GPILPPTNVGSRTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHS(αMeSer)NNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSSNN(αMePhe)GPILPPTEVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSSNN(αMePhe)GPILPPTRVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSSNN(αMePhe)GPILPPTRVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNN(αMePhe)GPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNIATC]ATQRLANFLVHSS(Dab)NFGPILPPTNVGSRTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Dab)NFGPILPPTEVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Dab)NFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSS(Dab)NFGPILPPTEVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Dab)NFG(Aib)ILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLA(Dab)FLVHSSNN(αMePhe)GPILPPTEVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLA(Dab)FLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLA(Dab)FLVHSSNNFGPILPPTEVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSS(Aib)NFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLSHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLAEFLVHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLEHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTHVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTEVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSETY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLRHSS(Aib)NFGPILPPTEVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLRHSS(Aib)NFGPILPPTEVGSNTY-アミド
K(O2Oc-O2Oc-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLRHSS(Aib)NFGPILPPTEVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLAHFLVHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLAHFLVHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSETY-アミド
K(γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLRHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTEVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLRHSS(Aib)NFGPILPPTEVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLSHSS(Aib)NFGPILPPTHVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLSHSS(Aib)NFGPILPPTRVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLSHSS(Aib)NFGPILPPTPVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLSHSS(Aib)NFGPILPPTNVPSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLSHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSPTY-アミド
K(γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSNTP-アミド
K(γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPI(dL)PPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPIL(dP)PTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGP(dI)LPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANF(dL)VHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTRVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSRTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLRHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLRHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTRVGSNTY-アミド
(C18二酸-γE-[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTRVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTRVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTRVGSNTY-アミド
C18二酸-γE-K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTRVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSRTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSRTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSRTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLRHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLRHSS(Aib)NFGPILPPTRVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLRHSS(Aib)NFGPILPPTRVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGP(Aib)LPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPI(Aib)PPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPT(Aib)VGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTNV(Aib)SNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTNVGS(Aib)TY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSN(Aib)Y-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTNVG(Aib)NTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTNVGSNT(Aib)-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLAHFL(Aib)HSS(Aib)NFGPILPPTEVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSS(Aib)NFGPILPPTNVGSNTP-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPIL(Aib)PTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPT(Aib)VGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLRHSS(Aib)NFGPILPPT(Aib)VGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPTNVGS(Aib)TY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLRHSS(Aib)NFGPILPPTNVGS(Aib)TY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSS(Dab)NFG(Aib)ILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGP(Aib)LPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPI(Aib)PPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPIL(Aib)PTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPILP(Aib)TNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPILPPT(Aib)VGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPILPPTN(Aib)GSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPILPPTNV(Aib)SNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPILPPTNVG(Aib)NTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPILPPTNVGS(Aib)TY-アミド
K(γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSSNNFGPI(dL)PPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSSNNFGPIL(dP)PTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLSHSS(Dab)NFG(Aib)ILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSSNNFGP(Aib)LPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLRHSSNNFGP(Aib)LPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSSNNFGPI(Aib)PPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSSN(Aib)FGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSSNNF(Aib)PILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSSNHFGPILPPTNVGSETY-アミド
C20二酸-γE-K[CNTATC]ATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
C20二酸-γE-O2Oc-O2Oc-K[CNTATC]ATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C20二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSRTY-アミド
K(γE-γE-C20二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSSPNFPAILSPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C20二酸)[CNTATC]ATQRLAEFLRHSSNNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C20二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFPAILSPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C20二酸)[CNIATC]ATQRLANFLVHSIANFGPILPPTNVGSRTY-アミド
K(γE-γE-C20二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSPPNFPAILSPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C20二酸)[CNAATC]ATQRLANWLVHSSPNFPAILSPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Dab)NFPAILSPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C20二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NF(Hyp)AILSPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFPAILSPT(Dab)VGSNTY-アミド
K(γE-γE-C20二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFPAILSPT(Dab)VGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFPAILSPTNVGS(Dab)TY-アミド
K(γE-γE-C20二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFPAILSPTNVGS(Dab)TY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSS(Dab)NFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLAEFL(Aib)HSSNNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLAEFL(Aib)HSSHNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSHNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSPNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSSNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPILPPTPVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNHFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPILPPTNVGSNTP-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSRNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSPNFGPILPPTEVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSPNFGPILPPTNVGSETY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPILPPTEVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPILPPTNVGSRTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPILPPTNVGSETY-アミド
K(γE-C18二酸)GGK[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLAHFL(Aib)HSSNNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPILPPTNVGHNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPILPPTHVGSETY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNHFGPILPPTNVGSETY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPILPPTNVGPNTY-アミド
K(γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSS(Dab)NFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPI(dL)PPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPRLPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSKNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSGNFGPILPPTNVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFL(Aib)HSSNNFGPILPPTRVGSNTY-アミド
K(γE-C18二酸)K[CNTATC]ATQRLA(Dab)FL(Aib)HSSNNFGPILPPTEVGSNTY-アミド
(C18二酸)K[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPT(Aib)VGSNTY-アミド
K(C18二酸)[CNTATC]ATQRLANFLVHSS(Aib)NFGPILPPT(Aib)VGSNTY-アミド
からなる群から選択されるポリペプチド。
【請求項77】
請求項1~76のいずれか一項に記載のポリペプチド又は薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項78】
対象における疾患又は障害を治療及び/又は予防する方法であって、請求項1~76のいずれか一項に記載のポリペプチド若しくは薬学的に許容される塩又は請求項77に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
【請求項79】
前記疾患又は障害は、肥満、代謝性疾患、肥満に関連する症状、摂食障害、アルツハイマー病、肝脂肪変性(「脂肪肝」)、腎不全、動脈硬化症(例えば、アテローム性動脈硬化症)、心血管疾患、大血管疾患、微小血管疾患、糖尿病の心臓(糖尿病性合併症としての糖尿病性心筋症及び心不全を含む)、冠動脈性心疾患、末梢動脈疾患若しくは発作、癌、ダンピング症候群、高血圧症、例えば肺高血圧症又は脂質異常症、例えばアテローム性脂質異常症、胆嚢炎又は短腸症候群である、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記肥満に関連する症状は、太り過ぎ、病的肥満、術前肥満、肥満関連炎症、肥満関連胆嚢疾患、睡眠時無呼吸及び呼吸障害、脂質異常症、軟骨の変性、変形性関節症又は不妊などの肥満若しくは太り過ぎのリプロダクティブヘルス合併症である、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記代謝性疾患は、糖尿病、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、前糖尿病、インスリン耐性、耐糖能異常(IGl)、血糖値の上昇に関連する病態、メタボリックシンドロームを含む代謝性疾患又は高血糖、例えば異常な食後高血糖である、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記ポリペプチド、薬学的に許容される塩又は医薬組成物は、皮下注射によって前記対象に投与される、請求項78~81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記ポリペプチド、薬学的に許容される塩又は医薬組成物は、自己投与によって前記対象に投与される、請求項78~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
請求項1~76のいずれか一項に記載のポリペプチドを製造する方法。
【請求項85】
固相又は液相法によって前記ポリペプチドを合成することと、任意選択的に最終生成物を単離及び精製することとを含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
請求項1~76のいずれか一項に記載のポリペプチド若しくは薬学的に許容される塩又は請求項77に記載の医薬組成物を含む製品。
【請求項87】
請求項1~76のいずれか一項に記載のポリペプチド若しくは薬学的に許容される塩又は請求項77に記載の医薬組成物を含むキットであって、任意選択的に使用説明書を更に含むキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラムリンチド類似体であるポリペプチド及びその使用に関する。特に、本発明は、アルブミン結合部などの半減期延長部に結合されたプラムリンチド類似体であるポリペプチド及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
プラムリンチドは、位置25、28及び29に3つのプロリン置換を有するヒトアミリンの合成類似体である。これらの置換の結果として、プラムリンチドは、アミロイドフィブリルを形成する傾向が低下し、それにより天然ヒトアミリンの物理化学的な不利点を克服する(非特許文献1)。
【0003】
プラムリンチドは、アミリン補充療法で臨床上使用されており、アミリンの重要な糖調節作用をシミュレーションする。これらの糖調節作用は、循環血液中のグルコースの出現の速度を調節することによってインスリンの糖調節作用を補完し、3つの一次機構:胃内容排出の速度の低下、食後のグルカゴン分泌の抑制及び食物摂取の抑制によって達成される(非特許文献2)。プラムリンチドは、最適なインスリン療法にも関わらず、所望のグルコース調節に達することができなかった糖尿病の患者でインスリンの付加物として使用されている(非特許文献3)。
【0004】
薬物動態学的研究は、ラットにおけるアミリンの終末相半減期が約13分であり、ヒトにおけるプラムリンチドに関する半減期が約20~45分であることを示している(非特許文献4)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Kruger DF,Gloster MA.Pramlintide for the treatment of insulin-requiring diabetes mellitus:rationale and review of clinical data.Drugs.2004;64(13):1419-32)
【非特許文献2】Roth JD et.al.GLP-1R and amylin agonism in metabolic disease:complementary mechanisms and future opportunities.Br J Pharmacol.2012;166(1):121-136
【非特許文献3】Pullman J,et.al.Pramlintide is used in the management of insulin-using patients with type 2 and type 1 diabetes.Vasc Health Risk Manag.2006;2(3):203-212
【非特許文献4】Roth JD et.al.GLP-1R and amylin agonism in metabolic disease:complementary mechanisms and future opportunities.Br J Pharmacol.2012;166(1):121-136
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アミリンアゴニスト活性を保持し、且つ延長された半減期及び低下したフィブリル化傾向などの利点を提供するプラムリンチド類似体が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、アルブミン結合部(例えば、脂質)に結合されたプラムリンチド類似体であるポリペプチドに関する。
【0008】
したがって、一態様において、アミノ酸配列:
Xaa(-4)-Xaa(-3)-Xaa(-2)-Xaa(-1)-Xaa1-Cys2-Asn3-Xaa4-Ala5-Thr6-Cys7-Ala8-Thr9-Gln10-Arg11-Leu12-Ala13-Xaa14-Xaa15-Xaa16-Xaa17-His18-Ser19-Xaa20-Xaa21-Xaa22-Xaa23-Xaa24-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Xaa28-Xaa29-Thr30-Xaa31-Xaa32-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Xaa36-Xaa37-アミド[配列番号2]
(式中、
Xaa(-4)は、Lys(アルブミン結合部)であるか又は不在であり;
Xaa(-3)は、Glyであるか又は不在であり;
Xaa(-2)は、Glyであるか又は不在であり;
Xaa(-1)は、Gly、(アルブミン結合部)、Lys(アルブミン結合部)であるか又は不在であり;
Xaa1は、Lys、Lys(アルブミン結合部)、(アルブミン結合部)であるか又は不在であり;
Xaa4は、Thr、Ile又はAlaであり;
Xaa14は、Asn、His、Glu、2,4-ジアミノブタン酸(Dab)又はアルファメチルアミノ酸であり;
Xaa15は、Phe又はTrpであり;
Xaa16は、Leu又はD-Leu(dL)であり;
Xaa17は、Val、Ser、Glu、Arg、(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(Hyp)、Dab又はアルファメチルアミノ酸(例えば、2-アミノ-2-メチルプロパン酸[Aib])であり;
Xaa20は、Ser、Ile、Pro又はアルファメチルアミノ酸(例えば、(S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸[αMeSer])であり;
Xaa21は、Asn、Dab、His、Pro、Ser、Arg、Lys、Gly、Glu、Ala、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa22は、Asn、His、Hyp、Dab又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa23は、Phe、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、(S)-2-アミノ-2-メチル-3-フェニルプロパン酸[αMePhe])であり;
Xaa24は、Gly、Pro、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa25は、Pro、Ala、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa26は、Ile、D-Ile(dI)、Arg、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa27は、Leu、dL、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa28は、Pro、D-Pro(dP)、Ser、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa29は、Pro、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa31は、Asn、Glu、His、Arg、Pro、Dab又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa32は、Val、Hyp、Dab又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa33は、Gly、Pro、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa34は、Ser、Pro、His、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa35は、Asn、Pro、Arg、Glu、Dab、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa36は、Thr、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;及び
Xaa37は、Tyr、Pro、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)である)
を含むポリペプチド又はその薬学的に許容される塩であって、ポリペプチドは、少なくとも1つのアルブミン結合部を含む、ポリペプチド又はその薬学的に許容される塩が提供される。
【0009】
別の態様において、アミノ酸配列:
Xaa(-4)-Xaa(-3)-Xaa(-2)-Xaa(-1)-Xaa1-Cys2-Asn3-Xaa4-Ala5-Thr6-Cys7-Ala8-Thr9-Gln10-Arg11-Leu12-Ala13-Xaa14-Xaa15-Xaa16-Xaa17-His18-Ser19-Xaa20-Xaa21-Xaa22-Xaa23-Xaa24-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Xaa28-Xaa29-Thr30-Xaa31-Xaa32-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Xaa36-Xaa37-アミド[配列番号2]
(式中、
Xaa(-4)は、Lys(リンカー-脂質)であるか又は不在であり;
Xaa(-3)は、Glyであるか又は不在であり;
Xaa(-2)は、Glyであるか又は不在であり;
Xaa(-1)は、Gly、(リンカー-脂質)、Lys(リンカー-脂質)であるか又は不在であり;
Xaa1は、Lys、Lys(リンカー-脂質)、(リンカー-脂質)であるか又は不在であり;
Xaa4は、Thr、Ile又はAlaであり;
Xaa14は、Asn、His、Glu、2,4-ジアミノブタン酸(Dab)又はアルファメチルアミノ酸であり;
Xaa15は、Phe又はTrpであり;
Xaa16は、Leu又はD-Leu(dL)であり;
Xaa17は、Val、Ser、Glu、Arg、(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(Hyp)、Dab又はアルファメチルアミノ酸(例えば、2-アミノ-2-メチルプロパン酸[Aib])であり;
Xaa20は、Ser、Ile、Pro又はアルファメチルアミノ酸(例えば、(S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸[αMeSer])であり;
Xaa21は、Asn、Dab、His、Pro、Ser、Arg、Lys、Gly又はGlu、Ala、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa22は、Asn、His、Hyp、Dab又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa23は、Phe、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、(S)-2-アミノ-2-メチル-3-フェニルプロパン酸[αMePhe])であり;
Xaa24は、Gly、Pro、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa25は、Pro、Ala、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa26は、Ile、D-Ile(dI)、Arg、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa27は、Leu、dL、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa28は、Pro、D-Pro(dP)、Ser、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa29は、Pro、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa31は、Asn、Glu、His、Arg、Pro、Dab又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa32は、Val、Hyp、Dab又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa33は、Gly、Pro、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa34は、Ser、Pro、His、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa35は、Asn、Pro、Arg、Glu、Dab、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa36は、Thr、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)であり;
Xaa37は、Tyr、Pro、Hyp又はアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)である)
を含む脂質化ポリペプチド又はその薬学的に許容される塩が提供される。
【0010】
更に別の態様において、表4に示されるようなポリペプチドが提供される。
【0011】
更に別の態様において、本発明のポリペプチド、脂質化ポリペプチド又は薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物が提供される。
【0012】
別の態様において、対象における疾患又は障害を治療する方法であって、本発明のポリペプチド、脂質化ポリペプチド、薬学的に許容される塩又は医薬組成物を投与することを含む方法が提供される。
【0013】
更なる態様において、本明細書に記載されるポリペプチド又は脂質化ポリペプチドを製造する方法が提供される。
【0014】
更なる態様において、本発明のポリペプチド、脂質化ポリペプチド、薬学的に許容される塩又は医薬組成物を含む製品が提供される。
【0015】
更なる態様において、本発明のポリペプチド、脂質化ポリペプチド、薬学的に許容される塩又は医薬組成物を含むキットであって、任意選択的に使用説明書を更に含むキットが提供される。
【0016】
本発明の態様及び実施形態は、添付の特許請求の範囲で明確に述べられる。本発明のこれらの及び他の態様及び実施形態も本明細書に記載される。
【0017】
配列表の簡単な説明
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
【表5】
【0023】
【表6】
【0024】
【表7】
【0025】
表1:2つのシステイン残基(cys2及びcys7間の角括弧[]は、分子内ジスルフィド架橋の存在を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明者らは、脂質などのアルブミン結合部に結合されたプラムリンチドが、医薬品製剤のために必要とされる条件下で不十分な安定性を有する(例えば、プラムリンチドのフィブリル形成傾向が増加する)ことを観察した。本発明は、少なくとも一部分において、本明細書に記載されるポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)が、そのようなプラムリンチド結合体と比べて改善された安定性(例えば、減少した又はゼロのフィブリル化傾向)を示し得るという研究結果に基づいている。
【0027】
例えば、本発明者らは、プラムリンチドが半減期を増やすために脂質に結合されている場合、フィブリル形成傾向も増加することを見出した。したがって、本明細書に記載されるポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、プラムリンチドと比較して半減期の延長という利益を、代わりの脂質化プラムリンチド類似体のフィブリル形成傾向なしにもたらし得る。ここで開示されるペプチドは、例えば、タンパク質、ポリマー薬物担体又は事前薬物送達システムに配合するか又はそれらに化学的に結合させることができ、それは、治療部分の化学的安定性及び又は物理的安定性及び又は循環暴露を高める。本発明者らは、本明細書に記載されるポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)が、ヒトアミリン又はプラムリンチドと比べて改善された物理的及び/又は化学的安定性を示し得ることを更に見出した。更に、本明細書に記載されるポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、プラムリンチドと比較してヒトアミリン(hAMYR)に対する同様な又は改善された選択性を有し得る。
【0028】
本明細書の全体にわたり、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)のアミノ酸位置は、配列番号1に示される配列を有するプラムリンチドにおける対応する位置に従って番号付けされる。
【0029】
本明細書の全体にわたり、アミノ酸は、それらの慣習的な3文字又は1文字略語(例えば、アラニンに対してAla又はA、アルギニンに対してArg又はR等)によって言及される。ある種のあまり一般的でない又は天然に存在しないアミノ酸(すなわち20の標準的な哺乳動物遺伝コードによってエンコードされる以外のアミノ酸)の場合、それらがその完全な名称によって言及されない限り、αMeSer((S)-2-アミノ-2-メチル-3-フェニルプロパン酸)、αMePhe((S)-2-アミノ-2-メチル-3-フェニルプロパン酸)、Aib(2-アミノ-2-メチルプロパン酸)、Dab(2,4-ジアミノブタン酸)及びγ-Glu(γ-グルタミン酸)など、頻繁に用いられる3大文字又は4大文字コードがそれらの残基のために用いられる。
【0030】
本発明の任意の態様の実施形態において、本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、単離ポリペプチド(例えば、単離脂質化ポリペプチド)である。
【0031】
アルブミン結合部
本発明のポリペプチドは、少なくとも1つのアルブミン結合部を含む。理論に制約されることなく、アルブミン結合部は、ポリペプチドをクリアランス及び分解から保護し、それによりポリペプチドの半減期を延長すると考えられる。本明細書において用いられる場合、「アルブミン結合部」は、アルブミンに結合する化合物を指す。本発明のポリペプチドに使用するのに好適である例示的なアルブミン結合部には、脂質(例えば、脂肪酸誘導体)、アルブミン結合ペプチド、アルブミン結合タンパク質又はアルブミンに結合する小分子配位子が含まれる。任意選択的に、アルブミン結合部は、脂質、例えば本明細書に記載される脂質である。
【0032】
本発明のポリペプチドは、1つ以上のアルブミン結合部(例えば、脂質)、例えば1、2又は3つのアルブミン結合部を含み得る。好ましい実施形態において、本発明のポリペプチドは、1つのみのアルブミン結合部(例えば、脂質)を含む。
【0033】
アルブミン結合部(例えば、脂質)は、ポリペプチドのアミノ酸残基に結合され得る。いくつかの実施形態において、アルブミン結合部(例えば、脂質)は、リンカーを経由してアミノ酸残基に結合されている。代わりの実施形態において、アルブミン結合部(例えば、脂質)は、介在リンカーなしにアミノ酸残基に直接結合している。アルブミン結合部(例えば、脂質)は、エステル、スルホニルエステル、チオエステル、アミド、アミン又はスルホンアミドを介してアミノ酸残基に結合され得る。したがって、アルブミン結合部(例えば、脂質)又はリンカーは、エステル、スルホニルエステル、チオエステル、アミド、アミン又はスルホンアミドの部分を形成するアシル基、スルホニル基、N原子、O原子又はS原子を含むことが理解されるであろう。任意選択的に、アルブミン結合部(例えば、脂質)又はリンカー中のアシル基は、アミノ酸残基とアミド又はエステルの部分を形成する。したがって、好ましい実施形態において、アルブミン結合部(例えば、脂質)は、アミノ酸残基上のアシル化部位に結合されている。
【0034】
アルブミン結合部(例えば、脂質)は、ポリペプチドの位置Xaa-4~Xaa37において任意の残基(例えば、リジン残基のεN)に結合され得る。いくつかの実施形態において、アルブミン結合部(例えば、脂質)は、ポリペプチド中のアミノ酸残基の側鎖に、例えばリジン残基のεNに結合されている。いくつかの実施形態において、アルブミン結合部(例えば、脂質)は、ポリペプチドのN末端(例えば、ポリペプチドのN末端においてリジン)に結合されている。
【0035】
いくつかの実施形態において、アルブミン結合部(例えば、脂質)は、ポリペプチドのN末端(例えば、ポリペプチドのN末端においてリジン)に結合されている。いくつかの実施形態において、アルブミン結合部(例えば、脂質)は、Xaa-4、Xaa-3、Xaa-2、Xaa-1又はXaa1においてアミノ酸残基(例えば、Xaa-4、Xaa-3、Xaa-2、Xaa-1又はXaa1においてリジン残基のεN)に結合されている。好ましい実施形態において、アルブミン結合部(例えば、脂質)は、Xaa-4、Xaa-1又はXaa1(N末端又はXaa-4、Xaa-1若しくはXaa1の側鎖のいずれか)に結合されている。
【0036】
脂質
好ましい実施形態において、アルブミン結合部は、脂質である。したがって、本発明のポリペプチドは、少なくとも1つの脂質を含み得る(本明細書において「脂質化ポリペプチド」と言われる)。理論に制約されることなく、脂質は、アルブミン結合部として機能し、クリアランス及び分解からポリペプチドを保護し、それによりポリペプチドの半減期を延長すると考えられる。脂質は、アミリン(カルシトニン)受容体のアゴニストとしての化合物の有効性も調節する。
【0037】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、少なくとも1つの脂質化アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、少なくとも2つの脂質化アミノ酸残基を含む。好ましい実施形態において、ポリペプチドは、1つのみの脂質化アミノ酸残基を含有する。脂質は、ポリペプチドのアミノ酸残基に結合され得る。いくつかの実施形態において、脂質は、リンカーを経由してアミノ酸残基に結合されている(本明細書において「リンカー-脂質」と言われる)。代わりの実施形態において、脂質は、介在リンカーなしにアミノ酸残基に直接結合している。脂質は、エステル、スルホニルエステル、チオエステル、アミド、アミン又はスルホンアミドを介してアミノ酸残基に結合され得る。したがって、脂質又はリンカーは、エステル、スルホニルエステル、チオエステル、アミド、アミン又はスルホンアミドの部分を形成するアシル基、スルホニル基、N原子、O原子又はS原子を含むことが理解されるであろう。任意選択的に、脂質又はリンカーにおけるアシル基は、アミノ酸残基とアミド又はエステルの部分を形成する。したがって、好ましい実施形態において、脂質は、アミノ酸残基上のアシル化部位に結合されている。
【0038】
脂質は、ポリペプチドの位置Xaa-4~Xaa37において任意の残基(例えば、リジン残基のεN)に結合され得る。いくつかの実施形態において、脂質は、ポリペプチド中のアミノ酸残基の側鎖に、例えばリジン残基のεNに結合されている。いくつかの実施形態において、脂質は、ポリペプチドのN末端(例えば、ポリペプチドのN末端においてリジン)に結合されている。
【0039】
いくつかの実施形態において、脂質は、ポリペプチドのN末端(例えば、ポリペプチドのN末端においてリジン)に結合されている。いくつかの実施形態において、脂質は、Xaa-4、Xaa-3、Xaa-2、Xaa-1又はXaa1においてアミノ酸残基(例えば、Xaa-4、Xaa-3、Xaa-2、Xaa-1又はXaa1においてリジン残基のεN)に結合されている。好ましい実施形態において、脂質は、Xaa-4、Xaa-1又はXaa1(N末端又はXaa-4、Xaa-1若しくはXaa1の側鎖のいずれか)に結合されている。
【0040】
本発明の任意の態様の実施形態において、脂質は、10~26個のC原子、例えば14~24個のC原子、例えば16~22個のC原子を有する炭化水素鎖を含み得る。例えば、炭化水素鎖は、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24個のC原子を含有し得る。好ましい実施形態において、脂質は、18~20個のC原子を有する。特に、脂質は、18個のC原子又は20個のC原子を有し得る。炭化水素鎖は、線状若しくは分岐であり得、飽和若しくは不飽和であり得る。更に、それは、親油性鎖の末端に官能基、例えばカルボン酸基を含み得、その基は、合成中に保護されていても又はされていなくてもよい。
【0041】
任意選択的に、脂質は、ジカルボン酸を含む。例えば、脂質は、C12二酸、C14二酸、C16二酸、C17二酸、C18二酸、C19二酸又はC20二酸を含み得る。好ましい実施形態において、脂質は、C18二酸又はC20二酸を含む。
【0042】
リンカー
アルブミン結合部(例えば、脂質)は、リンカーを経由してポリペプチドに結合され得る。本発明の任意の態様の実施形態において、リンカーは、任意の天然に存在する又は天然に存在しないアミノ酸の1つ以上の残基を含み得る。リンカーは、単一の単位又は繰り返し単位として残基の組合せを含み得る。例えば、リンカーは、単一の単位又は繰り返し単位として残基の複数の組合せを含み得、それらのそれぞれは、独立して、Glu、y-Glu、Lys、ε-Lys、Asp、β-Asp、Gaba、β-Ala(3-アミノプロパノイル)、O2Oc(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)酢酸)、PEG2(3-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)プロパン酸)、PEG4(1-アミノ-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-酸)、PEG8(1-アミノ-3,6,9,12,15,18,21,24-オクタオキサヘプタコサン-27-酸、PEG12(1-アミノ-3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33,36-ドデカオキアノナトリアコンタン-39-酸)の残基であり得る。y-Glu及びβ-Aspは、アルファ-アミノ基及び側鎖カルボキシル基がペプチド結合形成に関与しているアミノ酸を指す。ε-Lysは、リジンのイプシロン-アミノ基及カルボキシル基がペプチド結合形成に関与しているアミノ酸を指す。
【0043】
いくつかの実施形態において、リンカーは、γ-Glu、例えばγGlu、γGlu-γGlu、γGlu-(O2Oc)-(O2Oc)又はγGlu-(PEG2)-(PEG2)の残基を含む。いくつかの実施形態において、リンカーは、γGlu、γGlu-γGlu、γGlu-(O2Oc)-(O2Oc)又はγGlu-(PEG2)-(PEG2)からなる。
【0044】
本発明の任意の態様のいくつかの実施形態において、ポリペプチドは、表2の列のいずれか1つに示されるリンカー及び脂質組合せのいずれか1つを含む。
【0045】
リンカーは、エステル、スルホニルエステル、チオエステル、アミド、アミン又はスルホンアミドを介してアミノ酸残基に結合され得る。したがって、任意選択的にリンカーは、エステル、スルホニルエステル、チオエステル、アミド、アミン又はスルホンアミドの部分を形成するアシル基、スルホニル基、N原子、O原子又はS原子を含むことが理解されるであろう。任意選択的に、リンカーにおけるアシル基は、アミノ酸残基とアミド又はエステルの部分を形成する。したがって、好ましい実施形態において、リンカーは、アミノ酸残基上のアシル化部位に結合されている。
【0046】
リンカーは、脂質化ポリペプチドのN末端において部位(例えば、アシル化部位)又は脂質化ポリペプチド中の残基のεアミノ基「εN」、例えばリジン残基のεNに結合され得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、表2の列の任意の1つに示されるリンカーと、脂質と、アシル化部位との組合せを含む。
【0048】
【表8】
【0049】
【表9】
【0050】
【表10】
【0051】
リンカーは、ポリペプチドのXaa-4~Xaa37において任意の残基(例えば、リジン残基のεN)に結合され得る。いくつかの実施形態において、リンカーは、ポリペプチド中のアミノ酸残基の側鎖に、例えばリジン残基のεNに結合されている。いくつかの実施形態において、リンカーは、ポリペプチドのN末端(例えば、ポリペプチドのN末端においてリジン)に結合されている。
【0052】
いくつかの実施形態において、リンカーは、ポリペプチドのN末端(例えば、ポリペプチドのN末端においてリジン)に結合されている。いくつかの実施形態において、リンカーは、Xaa-4、Xaa-3、Xaa-2、Xaa-1又はXaa1においてアミノ酸残基(例えば、Xaa-4、Xaa-3、Xaa-2、Xaa-1又はXaa1においてリジン残基のεN)に結合されている。好ましい実施形態において、リンカーは、Xaa-4、Xaa-1又はXaa1(N末端又はXaa-4、Xaa-1若しくはXaa1の側鎖のいずれか)に結合されている。
【0053】
いくつかの実施形態において、リンカーは、ポリペプチドのN末端、位置Xaa(1)「1K」におけるリジンのεN、位置Xaa(-1)「-1K」におけるリジンのεN又は位置Xaa(-4)「-4K」におけるリジンのεNから選択される部位(例えば、アシル化部位)に結合されている。
【0054】
アミノ酸置換及び修飾
本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、プラムリンチド配列[配列番号1]と比較して1つ以上のアミノ酸修飾又は置換を含み得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、1つ以上のタンパク質を構成しないアミノ酸を含む。タンパク質を構成しないアミノ酸には、アルファメチルアミノ酸、天然に存在するアミノ酸のD-鏡像異性体、2,4-ジアミノブタン酸(Dab)及び(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(Hyp)が含まれ得る。いくつかの実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、位置14~37に、任意選択的に14、17又は20~37の1つ以上において1つ以上のタンパク質を構成しないアミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、位置14~37に1つ以上のアルファメチルアミノ酸、任意選択的に位置14、17又は20~37において1つ以上のアルファメチルアミノ酸を含む。1つ以上のアルファメチルアミノ酸を位置17、21又は23において含むポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)が特に好ましい。アルファメチルアミノ酸の代表的な例としては、2-アミノ-2-メチルプロパン酸(Aib)、アルファ-メチルグルタミン(αMeGlu)、アルファメチルフェニルアラニン(αMePhe又はαMeF)、アルファ-メチルロイシン(αMeLeu)及びアルファ-メチルセリン(αMeSer)が挙げられる。このように、ある種の実施形態において、アルファメチルアミノ酸は、Aib、αMeGlu、αMePhe、αMeLeu若しくはαMeSer又はそれらの任意の組合せであり得る。好ましい実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、任意選択的にAib、αMePhe及びαMeSerから選択される、少なくとも1つのアルファメチルアミノ酸を含む。本明細書におけるαMePhe及びαMeFへの言及は、(S)-2-アミノ-2-メチル-3-フェニルプロパン酸を指す。本明細書におけるαMeSerへの言及は、(S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸を指す。好ましい実施形態において、アルファメチルアミノ酸は、Aib、αMePhe又はαMeSerである。
【化1】
【0056】
いくつかの実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、2,4-ジアミノブタン酸(Dab)、(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(Hyp)、D-ロイシン(dL)、Dイソロイシン(dI)及びD-プロリン(dP)からなる群から選択される1つ以上のタンパク質を構成しないアミノ酸を位置14~37に含む。
【化2】
【0057】
いくつかの実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、(2S)-2-アミノヘキサン二酸)(Aad)を含まない及び/又は位置14~37においてAadを含まない。
【0058】
いくつかの実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、位置15、16、17、19又は20の1つ以上においてAibを含まない。代わりの実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、位置15、16、17、19又は20の1つ以上においてAibを、且つ位置14~37において少なくとも1つの異なるタンパク質を構成しないアミノ酸(例えば、Aibではないアルファメチルアミノ酸)を含む。
【0059】
いくつかの実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、プラムリンチド配列[配列番号1]と比較して1つ以上の天然アミノ酸置換又は修飾を含む。
【0060】
好ましい実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、以下の天然アミノ酸置換又は修飾:欠失1K(Δ1K)、Ile4、Ala4、Glu14、His14、Trp15、Arg17、Ser17、Glu17、Pro20、Ile20、His21、Ala21、Glu21、Gly21、Lys21、Pro21、Arg21、Ser21、His22、Pro24、Ala25、Arg26、Ser28、His31、Glu31、Pro31、Arg31、His34、Pro33、Pro34、Glu35、Arg35、Pro35及びPro37の1つ以上を含む。
【0061】
ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、タンパク質を構成しないアミノ酸と、プラムリンチド配列[配列番号1]と比較した天然アミノ酸置換又は修飾との組合せを含み得ることが理解されるであろう。
【0062】
いくつかの態様において、表3に示されるアミノ酸配列変更のいずれかを含む、プラムリンチド類似体であるポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)又はその薬学的に許容される塩が提供される。
【0063】
【表11】
【0064】
【表12】
【0065】
【表13】
【0066】
【表14】
【0067】
一態様において、位置23においてアルファメチルアミノ酸を有する、プラムリンチド類似体であるポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)又はその薬学的に許容される塩が提供される。好ましい実施形態において、アルファメチルアミノ酸はαMePheである。
【0068】
ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)が位置23においてアルファメチルアミノ酸(例えば、αMePhe)を含む任意の態様の好ましい実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、修飾の以下の組合せ:
14E、17R、23αMePhe;
Δ1K、14E、17R、23αMePhe;
14Dab、23αMePhe、31E;
17Aib、23αMePhe;
17R、23αMePhe、31E;
23αMePhe、31E;
23αMePhe、31R;又は
23αMePhe、35R
のいずれか1つを含む。
【0069】
一態様において、少なくとも2つのAib残基を有する、プラムリンチド類似体であるポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)又はその薬学的に許容される塩が提供される。好ましい実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、位置17及び20~37の少なくとも2つにおいてAibを含む。特に好ましい実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、位置21、26、27、28、29、31、32、33、34及び35においてAibを含む。
【0070】
ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)が少なくとも2つのAib残基を含む任意の態様の好ましい実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、修飾の以下の組合せ:
14H、17Aib、21Aib、31E;
17Aib、21Aib;
17Aib、21Aib、37P;
17Aib、26Aib;
17Aib、27Aib;
17Aib、28Aib;
17Aib、29Aib;
17Aib、31Aib;
17Aib、32Aib;
17Aib、33Aib;
17Aib、34Aib;
17Aib、35Aib;
17R、21Aib、31Aib;
17R、21Aib、35Aib;
21Aib、26Aib;
21Aib、27Aib;
21Aib、28Aib;
21Aib、31Aib;
21Aib、33Aib;
21Aib、34Aib;
21Aib、35Aib;
21Aib、36Aib;又は
21Aib、37Aib
のいずれか1つを含む。
【0071】
一態様において、位置21においてアルファメチルアミノ酸を有する、プラムリンチド類似体であるポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)又はその薬学的に許容される塩が提供される。好ましい実施形態において、アルファメチルアミノ酸はAibである。
【0072】
ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)が位置21においてアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)を含む任意の態様の好ましい実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、修飾の以下の組合せ:
14E、21Aib;
14H、17Aib、21Aib、31E;
14H、21Aib、35E;
14H、21Aib;
16dL、21Aib;
17Aib、21Aib、37P;
17Aib、21Aib;
17E、21Aib;
17R、21Aib、31Aib;
17R、21Aib、31E;
17R、21Aib、31R;
17R、21Aib、35Aib;
17R、21Aib;
17S、21Aib、31H;
17S、21Aib、31P;
17S、21Aib、31R;
17S、21Aib、33P;
17S、21Aib、35P;
17S、21Aib;
21Aib、24Hyp、25A、28S、
21Aib、24P、25A、28S、31Dab;
21Aib、24P、25A、28S、35Dab、
21Aib、24P、25A、28S;
21Aib、26Aib;
21Aib、26dI;
21Aib、27Aib;
21Aib、27dL;
21Aib、28Aib;
21Aib、28dP;
21Aib、31Aib;
21Aib、31E;
21Aib、31H;
21Aib、31R;Δ1K、
21Aib、33Aib;
21Aib、34Aib;
21Aib、35Aib;
21Aib、35E;
21Aib、35R;
21Aib、36Aib;
21Aib、37Aib;
21Aib、37P;又は
21Aib
のいずれか1つを含む。
【0073】
一態様において、位置17においてアルファメチルアミノ酸を有する、プラムリンチド類似体であるポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)又はその薬学的に許容される塩が提供される。好ましい実施形態において、アルファメチルアミノ酸はAibである。
【0074】
ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)が位置17においてアルファメチルアミノ酸(例えば、Aib)を含む任意の態様の好ましい実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、修飾の以下の組合せ:
14H、17Aib;
-1G、-2G、17Aib;
17Aib、23αMePhe;
17Aib、21Dab、31E;
17Aib、21Dab;
17Aib、21Aib;
14H、17Aib、21Aib、31E;
17Aib、21Aib、37P;
17Aib、26Aib;
17Aib、27Aib;
17Aib、28Aib;
17Aib、29Aib;
17Aib、31Aib;
17Aib、32Aib;
17Aib、33Aib;
17Aib、34Aib;又は
17Aib、35Aib
のいずれか1つを含む。
【0075】
薬物動態
本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、プラムリンチドと比べて有利な薬物動態特性を示し得る。例えば、本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、プラムリンチドと比べて延長された半減期を有し得る。
【0076】
本明細書において用いられる場合、用語「半減期」は、血漿中の単離ポリペプチドの濃度がその最初のレベルの50%まで低下するのに要する時間を指すために用いられる。タンパク質の半減期を決定する方法は、当技術分野で公知であり、実施例4に記載される。
【0077】
半減期の延長は、安全で都合のよい投薬スケジュール、例えばより少ない頻度で投与することができるより少ない用量に従って治療用タンパク質が投与されることを可能にするため、有利であることが認められるであろう。更に、より低い用量の達成は、改善された安全性プロファイルの提供などの更なる利点を提供し得る。それとは反対に、プラムリンチドは、頻繁な及び不都合な投与を必要とする。
【0078】
本発明者らは、本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)が、ラットモデルにおいて少なくとも4時間の半減期を有し得ることを示している(実施例4を参照されたい)。実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、ラットモデルにおいて少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間又は少なくとも14時間の半減期を有する。好ましい実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、少なくとも14時間の半減期を有する。
【0079】
フィブリル化の低下
本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、脂質化プラムリンチドと比べて、薬学関連水媒体中において、とりわけ4~7の範囲のpH値でフィブリル化を受ける傾向の低下を示し得る。いくつかの実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、同様な方法で脂質化されている、例えば同じ脂質が結合している、脂質が同じリンカーを経由して結合しており、且つ/又は脂質が同じ位置に結合されているプラムリンチドと比べて、薬学関連水媒体中において、とりわけ4~7の範囲のpH値でフィブリル化を受ける傾向の低下を示す。例示的な脂質化プラムリンチド分子は、表1に与えられており、例えば配列番号3、4、5、6、7、112及び113である。
【0080】
したがって、本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、酸性媒体(例えば、pH4)での及び中性又は中性に近い媒体(例えば、pH7又は7.4)での製剤に適している可能性がある。そのようなポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、例えば、中性又は中性に近い製剤pHを必要とするインスリン、様々なインスリン類似体及び/又は他の治療薬(例えば、抗糖尿病薬又は抗肥満薬)との共製剤に好適であり得る。
【0081】
いくつかの実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、pH4及び37℃において、例えば実施例3に記載される条件下で約5時間後、約7時間後、約9時間後、約11時間後、約13時間後、約15時間後、約17時間後又は約20時間後に検出できるフィブリル化を示さない。
【0082】
好ましい実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、pH4及び37℃において、例えば実施例3に記載される条件下で約48時間後、約72時間後、約96時間後、約108時間後、約120時間後、約132時間後又は約144時間後に検出できるフィブリル化を示さない。特に好ましい実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、pH4及び37℃において、例えば実施例3に記載される条件下で144時間後に検出できるフィブリル化を示さない。
【0083】
いくつかの実施形態において、フィブリルの形成は、チオフラビンTフィブリル化アッセイにおいて、例えば実施例3に記載されるように蛍光強度の増加によって検出される。
【0084】
好ましい実施形態において、本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、治療有効性のために必要とされる濃度で可溶性である。いくつかの実施形態において、本発明の脂質化ポリペプチドは、実施例3に記載される条件下で少なくとも1mg/mLの濃度で可溶性である。
【0085】
有効性
本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、アミリン受容体アゴニストであり、すなわち、それらは、ヒトアミリンのための生理的受容体と見なされる1つ以上の受容体又は受容体複合体に結合することができ、且つ1つ以上の受容体又は受容体複合によるシグナル伝達を誘導することができる。これらには、ヒトカルシトニン受容体hCTR並びにヒトカルシトニン受容体hCTRと、hRAMP1、hRAMP2及びhRAMP3と称されるヒト受容体活性調節タンパク質の少なくとも1つとを含む複合体が含まれる。hCTRと、hRAMP1、hRAMP2及びhRAMP3との間の複合体は、それぞれhAMYR1、hAMYR2及びhAMYR3(すなわちヒトアミリン受容体1、2及び3)と称される。いくつかの実施形態において、化合物は、hAMYR1、hAMYR2及びhAMYR3の1つ以上でアゴニスト活性を有する場合、アミリン受容体アゴニストと考えられる。例えば、化合物は、hAMYR3でアゴニスト活性を有する場合、アミリン受容体アゴニストと考えられる。
【0086】
関連受容体又は受容体複合体に結合する結果としてcAMP形成を誘導する能力は、典型的には、アゴニスト活性を示していると考えられる。他の細胞内シグナル伝達経路又は事象も、アミリン受容体アゴニスト活性に関する読取りとして使用され得る。これらには、カルシウム放出、アレスチン補充、受容体内部化、キナーゼ活性化若しくは不活性化、リパーゼ活性化、イノシトールホスフェート放出、ジアシルグリセロール放出又は核転写因子転座が含まれ得る。
【0087】
EC50値は、所与の受容体でのアゴニスト有効性の尺度として使用され得る。EC50値は、特定のアッセイ、例えば実施例2に記載されるようなcAMPアッセイにおいてその化合物の最大活性の半分を達成するために必要とされる化合物の濃度の尺度である。実施例2において、本発明者らは、本明細書に開示されるある種のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)が、hAMYR及びhCTRへの結合からのcAMP放出を使用して測定されるように、プラムリンチドのようなhCTRよりも大きい又は類似のhAMYRへの選択性を示すことを示している。プラムリンチドは、hCTRと比べて少なくとも10倍のhAMYRへの選択性を示す。
【0088】
本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、脂質化プラムリンチドと比べて、例えばアミリン受容体アゴニストとして、改善された有効性を示し得る。
【0089】
いくつかの実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、hCTRよりも少なくとも約1倍のhAMYRへの選択性、任意選択的にhCTRよりも少なくとも約2倍、少なくとも約4倍、少なくとも約6倍、少なくとも約8倍、少なくとも約10倍、少なくとも約12倍、少なくとも約14倍、少なくとも約16倍、少なくとも約18倍、少なくとも約20倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍又は少なくとも約100倍のhAMYRへの選択性を有する。好ましい実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、hCTRよりも少なくとも約10倍のhAMYRへの選択性を有する。
【0090】
いくつかの実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、hCTRよりも約12~20倍、約14~18倍、任意選択的に約16倍のhAMYRへの選択性を有する。
【0091】
いくつかの実施形態において、単離ポリペプチドは、約1.4nM未満、約1.2nM未満、約1nM未満、約0.8nM未満、約0.6nM未満、約0.4nM未満、約0.3nM未満又は約0.2nM未満の実施例2に記載される(すなわち0.1%のウシ亜科動物血清アルブミン(BSA)を含有する)条件下で測定されるEC50を有する。
【0092】
化学的安定性
本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、化学的に安定であり得、例えば、それらは、脱アミド化、凝集又は酸化など、化学的経路により定義された期間にわたって生成する許容される百分率の分解生成物を調合物中に形成し得る。
【0093】
本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、タンパク質若しくはポリマー薬物担体に化学的に結合され得るか、又は事前薬物送達システムで配合され得、それは、ポリペプチドの化学的安定性及び/又は物理的安定性及び/又は循環暴露を高める。
【0094】
いくつかの態様において、ポリペプチドが、表2に示されるような脂質リンカーのいずれか1つ及び表3に示されるような配列変更のいずれか1つを含む、ポリペプチド又はその薬学的に許容される塩が提供される。
【0095】
いくつかの態様において、ポリペプチドが、表4に示される脂質リンカー及びアミノ酸配列変更を含む、ポリペプチド又はその薬学的に許容される塩が提供される。
【0096】
【表15】
【0097】
【表16】
【0098】
【表17】
【0099】
【表18】
【0100】
【表19】
【0101】
プロセス
本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、当技術分野で公知の任意の方法によって製造され得る。アミリン又はその類似体などのポリペプチドの製造は、当技術分野で周知である。このように、本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、化学合成、例えばt-Boc若しくはFmoc化学又は他の確立された技法を用いる固相ポリペプチド合成によって製造することができる。代わりに、それらは、ホスト細胞中で融合ポリペプチドをエンコードする核酸分子の組み換え発現によって製造され得る。合成後、本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、任意選択的に、単離又は精製され得る。
【0102】
治療方法
更なる態様において、本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、医薬組成物中で提供される。
【0103】
本発明の医薬組成物は、1つ以上の賦形剤を含み得る。薬学的に許容される賦形剤は、当技術分野で公知であり、例えばその全体が本明細書に援用されるRemington’s Pharmaceutical Sciences (by Joseph P.Remington,18th ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA)を参照されたい。
【0104】
本発明は、疾患、障害又は感染に関連する症状を予防、治療又は改善するための、動物、特に哺乳動物、例えばヒトに本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)を投与することを含む療法を包含する。
【0105】
したがって、本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)又は医薬組成物は、例えば、疾患又は障害を治療するための療法において使用され得る。疾患又は障害を治療する方法であって、それを必要としている対象又は患者に治療有効量の本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)又は医薬組成物を投与することを含む方法も提供される。使用又は方法は、プラムリンチドの治療的に有効な投薬スケジュールよりも本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)の服用の頻度が少ない治療的に有効なスケジュールを行うことを含み得る。
【0106】
本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)が、肥満、糖尿病(例えば、1型若しくは2型糖尿病)などの代謝性疾患及び/又は肥満に関連する症状の治療及び/又は予防に使用され得ることが理解されるであろう。
【0107】
したがって、本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、対象における肥満、太り過ぎ、病的肥満、術前肥満、肥満関連炎症、肥満関連胆嚢病、睡眠時無呼吸及び呼吸障害、脂質異常症、軟骨の変性、変形性関節症又は不妊などの肥満若しくは太り過ぎのリプロダクティブヘルス合併症を治療する方法であって、治療有効量のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)を対象に投与することを含む方法に使用され得る。
【0108】
これは、体重増加を抑制するか若しくは減少させ、体重減少を促進し、食物摂取を減少させ、且つ/又は過剰体重を減少させる方法であって、本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)を対象に投与することを含む方法も提供される。
【0109】
本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)によって治療され得る代謝性疾患には、糖尿病、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、前糖尿病、インスリン耐性、耐糖能異常(IGl)、血糖値の上昇に関連する病態、メタボリックシンドロームを含む代謝性疾患又は高血糖、例えば異常な食後高血糖が含まれる。
【0110】
好ましい実施形態において、本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)は、1型糖尿病又は2型糖尿病の治療のために使用される。
【0111】
本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)又は医薬組成物は、体重増加を治療するか、抑制するか若しくは減少させ、体重減少を促進し、食物摂取を減少させ、且つ/又は過剰体重を減少させるために使用され得る。
【0112】
本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)又は医薬組成物は、摂食障害、アルツハイマー病、肝脂肪変性(「脂肪肝」)、腎不全、動脈硬化症(例えば、アテローム性動脈硬化症)、心血管疾患、大血管疾患、微小血管疾患、糖尿病の心臓(糖尿病性合併症としての糖尿病性心筋症及び心不全を含む)、冠動脈性心疾患、末梢動脈疾患若しくは発作、癌、ダンピング症候群、高血圧症、例えば肺高血圧症又は脂質異常症、例えばアテローム性脂質異常症、胆嚢炎又は短腸症候群の治療及び/又は予防に使用され得る。
【0113】
本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)又はそれらの医薬組成物の投与のルートは、例えば、経口、非経口、吸入によるもの又は局所であり得る。好ましい実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)又はその医薬組成物は、対象又は患者への非経口投与によって投与される。用語「非経口」には、本明細書において用いられる場合、例えば静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、直腸又は腟内投与が含まれる。好ましい実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)又はその医薬組成物は、静脈内、皮下又は筋肉注射によるなどの注射によって対象又は患者に投与される。特に好ましい実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)又はその医薬組成物は、皮下注射によって投与される。皮下注射によるなどの注射による投与は、対象又は患者にとってより快適であるという利点及び病院の外で対象又は患者に投与する好機を提供する。いくつかの実施形態において、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)又はその医薬組成物は、自己投与によって投与される。
【0114】
いくつかの実施形態において、対象又は患者は、哺乳動物、特にヒトである。
【0115】
いくつかの実施形態において、ポリペプチド又は医薬組成物は、インスリンと組み合わせて対象に投与される。
【0116】
製品及びキット
他の態様において、本発明は、本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)又は医薬組成物を含む製品を提供する。
【0117】
更に他の態様において、本発明は、本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)又は医薬組成物を含むキットを提供する。キットは、任意選択的に、使用説明書と共に、ポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)又は医薬組成物を含有するパッケケージを含み得る。いくつかの実施形態において、本発明のポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)又は医薬組成物は、単一用量バイアル又は容器閉鎖系(例えば、あらかじめ充填されたシリンジ)において配合される。任意選択的に、そのような容器に、医薬品又は生物学的製品の製造、使用又は販売を規制する政府機関によって規定される形態での通知を添えることができ、その通知は、ヒト投与のための製造、使用又は販売についての機関による認可を反映している。
【0118】
別段定義されない限り、本明細書において用いられる全ての専門用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。Singleton,et al.,DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY,20 ED.,John Wiley and Sons,New York(1994)及びHale&Marham,THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY,Harper Perennial,NY(1991)は、本開示で用いられる用語の多くの一般的な辞書を当業者に提供する。
【0119】
本開示は、本明細書に開示される例示的な方法及び材料によって限定されず、本明細書に記載されるものと類似の又は均等な任意の方法及び材料を本開示の実施形態の実施又は試験で使用することができる。
【0120】
別段示されない限り、それぞれ任意の核酸配列は、5’から3’方向に左から右に記述され;アミノ酸配列は、アミノからカルボキシ方向に左から右に記述される。
【0121】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いられる場合、文脈が別途明確に指示しない限り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、複数の指示対象を含むことが留意されなければならない。したがって、例えば、「試剤」への言及は、複数のそのような試剤を含み、「試剤」への言及は、1つ以上の試剤及び当業者に公知のその均等物等への言及を含む。
【0122】
「約」は、一般に、測定の性質又は精度を考慮すると、測定される量について誤差の許容される程度を意味し得る。誤差の例示的な程度は、与えられた値又は値の範囲の20パーセント(%)以内、典型的には10%以内、より典型的には5%以内である。任意選択的に、用語「約」は、それが使用されている数の数値のプラスマイナス(±)5%、任意選択的に±4%、±3%、±2%、±1%、±0.5%、±0.1%として本明細書において理解されるものとする。
【0123】
1つ以上の特徴を「含む」として本明細書において記載される実施形態は、そのような特徴「からなる」対応する実施形態の開示とも考えられ得る。
【0124】
用語「薬学的に許容される」は、本明細書において用いられる場合、動物、より特にヒトにおける使用について、連邦政府若しくは州政府の規制機関によって認可されているか、又は米国薬局方、欧州薬局方若しくは他の一般に認められている薬局方に列記されていることを意味する。
【0125】
濃度、量、容積、パーセンテージ及び他の数値は、範囲形式で本明細書において示され得る。そのような範囲形式は、単に便宜上及び簡潔さのために使用され、範囲の限界として明示的に列挙される数値を含むだけでなく、あたかもそれぞれの数値及び部分範囲が明示的に列挙されているかのように、その範囲内に包含される個々の数値又は部分範囲を全て含むと柔軟に解釈されるべきであることも理解されるべきである。
【0126】
上記の実施形態は、例示的な例として理解されるべきである。更なる実施形態が想定される。任意の1つの実施形態に関して記載されるいかなる特徴も、単独で又は記載される他の特徴と組み合わせて使用され得、且つまた実施形態のいかなる他のものの1つ以上の特徴と組み合わせて又は実施形態のいかなる他のものの任意の組合せで使用され得ることが理解されるべきである。更に、上に記載されない均等物及び修正形態も、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく用いられ得る。
【0127】
本開示に関連して、本明細書において記載されるポリペプチド(例えば、脂質化ポリペプチド)及び方法の他の例及び変形形態は、当業者に明らかであろう。
【0128】
他の例及び変形形態は、添付の特許請求の範囲で述べられるように本開示の範囲内である。
【0129】
本明細書において引用される全ての文献は、引用される文献に示される全てのデータ、表、図及び本文を含めて、それぞれ参照により本明細書に完全に援用される。
【実施例
【0130】
実施例1:脂質化プラムリンチド類似体ペプチドの生成
脂質化プラムリンチド類似体ペプチドを、リンクアミドMBHA樹脂(100~200メッシュ)を使用してC末端カルボキサミドとして合成した。全てのペプチドを、Fmoc/tBuプロトコルを用いてLiberty Blue(商標)マイクロ波固相ペプチド合成装置(CEM Corporation,NC,USA)を使用する自動合成によって調製した。製造業者支給プロトコルを、DMF中のアミノ酸のカップリング及びDMF中のピペリジン(20%v/v)を使用するFmoc保護基の脱保護のために適用した。アスパラギン、システイン、グルタミン及びヒスチジンをそれらの側鎖トリチル(Trt)誘導体として組み込んだ。リジンを側鎖tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)誘導体として組み込んだ。セリン、トレオニン及びチロシンを側鎖tert-ブチル(tBu)エーテルとして、アスパルテート及びグルタメートをそれらの側鎖OtBuエーテルとして組み込んだ。アルギニンを側鎖2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル(Pbf)誘導体として組み込んだ。
【0131】
N末端リジン側鎖のその後の化学修飾が必要とされる場合、Boc-Lys(Fmoc)を組み込んだ。ペプチド鎖延長の完了時、脂質などのアルブミン結合部のカップリングを、DIPEAの存在下においてカップリン試薬としてHATUを使用して手動で行った。
【0132】
ペプチドを、室温での撹拌を伴う4時間のTFA:TIS:EDT:チオアニソール:水(90:2.5:2.5:2.5:2.5v/v)の混合物での処理によって固体担体から開裂させた。その後、開裂混合物を濾過し、真空で濃縮し、沈殿させ、ジエチルエーテルで洗浄し、固体を遠心分離によって単離した。線状粗ペプチドを窒素の流れ下で乾燥させ、1%TFA(v/v)入りの水中の20%MeCN(v/v)に溶解させ、濾過した。粗線状ペプチドを、25分にわたって水(0.1%TFAv/v)中の25~70%MeCN(0.1%TFAv/v)の直線的溶媒勾配を溶出するXbridge C18-A固定相(19.0×250mm、5ミクロン)カラムを使用する、210nmにおけるUV吸収でモニターするVarian SD-1 Prep Starバイナリポンプシステムでの分取RP-HPLCを使用して精製した。
【0133】
線状精製ペプチドを室温で10分間ヨウ素(メタノール中の1%w/v)での処理によって環化させ、過剰のヨウ素をアスコルビン酸(水中1%w/v)での処理によって還元した。環状粗ペプチドを、上で記載されたように再精製した。精製した分画をプールし、凍結させ、凍結乾燥した。
【0134】
精製したペプチドのLC/MSキャラクタリゼーションを、周囲温度において1.5mL/分で10分にわたって水(0.1%TFAv/v)中の10~90%MeCN(0.1%TFAv/v)の直線的な二成分勾配を溶出するXBridge C18固定相(4.6×100mm、3ミクロン)を使用するWaters MassLynx 3100プラットフォームで行った。被検物質を、210nmでのUV吸収及びWaters 3100質量検出器(ESI+モード)を用いるイオン化の両方によって検出した。分析RP-HPLCキャラクタリゼーションを、40℃において15分にわたって1.5mL/分で水(0.1%TFAv/v)中の10~90%MeCN(0.1%TFAv/v)の直線的な二成分勾配を溶出するAgilent Polaris C8-A固定相(4.6×100mm、3ミクロン)を使用するAgilent 1260 Infinityシステムで行った。
【0135】
実施例2:ヒト又はラットアミリン又はカルシトニン受容体細胞における脂質化プラムリンチド類似体ペプチドのインビトロ有効性
cAMP産生など、脂質化プラムリンチド類似体ペプチドの機能活性を、ヒトカルシトニン受容体(hCTR)若しくはヒトアミリン受容体(受容体活性調節タンパク質、RAMP3と共発現されたカルシトニン受容体)(hAMYR3)の安定した組み換え発現ありの1321N1細胞株又はラットカルシトニン受容体(ラットCTR)若しくはラットアミリン受容体(受容体活性調節タンパク質、RAMP3と共発現されたカルシトニン受容体)(ラットAMYR3)の安定した組み換え発現ありのHEK細胞において試験した。
【0136】
凍結保存細胞ストックを水浴中で急速解凍し、アッセイ緩衝液(25mMのHEPES入りのHBSS(Sigma #H8264)中の0.1%BSA(Sigma #A3059)、pH7.4及び0.5mMのB MX(Sigma #17018)を含有する)に懸濁させ、5分間240×gで回転させた。細胞を、バッチに依存する最適化濃度で(例えば、hCTR細胞 0.125×10細胞/mL、hAMYR3細胞 0.125×10細胞/mL、ラットCTR細胞 1×10細胞/mL、ラットAMYR3 2×10細胞/mLにおいて)アッセイ緩衝液に再懸濁させた。
【0137】
被験ペプチドストックをDMSO中で調製し、述べられる濃度に達するためにアッセイ緩衝液に希釈し、384の黒色の浅いウェルマイクロタイターアッセイプレート(Corning #3676)中に正副2通り移した。細胞をアッセイプレートに添加し、室温で30分間インキュベートし、製造業者の推奨通りに2ステッププロトコルに従い、cAMPダイナミック2HTRFキット(Cisbio、カトログ#62AM4PEJ)を使用してcAMPレベルを測定した。プレートを、Envision(Perkin Elmer)上で320nmの励起波長と620nm及び665nmの発光波長とを使用して読み取った。
【0138】
データを、製造業者のガイドラインに記載されているように%Delta Fに変換し、EC50値を決定するために4パラメーターロジスティックフィットによって最大アミリン又はカルシトニン効果のパーセント活性化として分析した。hAMYR対hCTRへのペプチドの選択性は、2つの受容体におけるEC50値に比として定義する。
【0139】
全ての試験された化合物は、hAMYR及びhCTRで測定可能な有効性を示す。hCTRに対してhAMYRについて10倍超の選択性を示す類似体が好ましい。
【0140】
【表20】
【0141】
【表21】
【0142】
【表22】
【0143】
【表23】
【0144】
【表24】
【0145】
実施例3:チオフラビンTフィブリル化アッセイ
フィブリルを形成するペプチド凝集は、物理的不安定性の指標である。溶液におけるフィブリル形成は、注射可能なペプチド医薬品の安定性にとって重大なリスクを呈する。チオフラビンT(ThT)フィブリル化アッセイは、溶液中の化合物の長期生存能力を予測するために使用することができる加速条件及び応力状態下でのペプチド又はタンパク質の凝集速度論を評価するための有用なツールである。
【0146】
ThTは、アミロイドフィブリルに選択的に結合することができ、得られた錯体は、450nmで励起される場合に482nmで強い蛍光シグナルを発する(Anal Biochem.1989 Mar;177(2):244-9)。蛍光シグナルの変化のモニタリングは、ペプチド及びタンパク質のフィブリル形成ポテンシャルを研究するための確立された方法である。
【0147】
ThT(Sigma Aldrichから購入した)原液は、ThT粉末をMilli-Q水に溶解させ、濾過して0.25mM溶液を得ることによって調製する。溶液の濃度は、36mM-1cm-1の減衰係数を使用して412nmで測定する。被験ペプチドを25mM酢酸ナトリウム緩衝液pH4.0に1mg/mLで溶解させた。
【0148】
ペプチド溶液の100μLアリコート及びThT溶液の5μLアリコートを清浄な底部黒色蛍光96ウェルプレートに入れた。各試験サンプルの5反復試験物をプレートの同じ列に入れた。緩衝液を基準線補正のための対照ウェルに入れた。全ての空のウェルに、蒸発を防ぐための水を満たした。プレートをアルミニウムシールで密封し、蛍光プレート読取り装置に入れ、500~750rpmでの間欠的なオービタルシェーキングを用いて37℃で6日間インキュベートした。蛍光強度を、444nmでの励起及び480nmでの発光を用いて30分ごとに測定した。
【0149】
被験ペプチドのフィブリル形成ポテンシャルは、基準線補正された蛍光強度の増加を検出するのに要する平均時間を測定することによって決定した。144h超の時間は、実験の過程中に基準線に対して蛍光強度の増加がないことを示す。
【0150】
脂質へのプラムリンチドの結合は、(例えば、配列番号3、4、5、6、112、113におけるように、表7に見られるようにフィブリル形成傾向を増加させる。
【0151】
【表25】
【0152】
実施例4:Sprague DawleyラットにおけるIV及びSC投与による薬物動態測定
薬物動態(PK)研究の目的は、単一静脈内(IV)及び皮下(SC)投与後の絶食雄SDラットにおける脂質化プラムリンチド類似体ペプチドの血漿薬物動態プロファイルを測定することであった。PK研究は、被験ペプチドの半減期(T1/2)を測定するために行った。T1/2は、被験物質の最大血漿濃度(Cmax)が循環しているときにその定常状態濃度の半分になるのに要する時間を示す。
【0153】
雄SDラットは、Si Bei Fu Laboratory Animal Technology Co.Ltd(China)から購入した。動物は、投薬日に200~300gの体重で生後6~8週であった。動物を12時間明/12時間暗サイクル環境で収容し、投薬前に一晩絶食させた。動物の体重を投薬前、投薬後24h及び48hに記録した。動物は、餌及び飲み物に自由にアクセスでき、餌消費を毎日数値化した。
【0154】
被験物質を20nmol/kgで投与した。血液サンプルを頸静脈によって各動物から集めた。サンプリング時点は、以下の通りである。
【0155】
被験物質当たりの血液サンプル
【0156】
【表26】
【0157】
血液サンプルを、KEDTAを含有するエッペンドルフ低結合管に移した。0.150mL超の血液を各時点で集めた。血液サンプルを4℃で5分間4,000gにおいて遠心分離して血漿を得た。血漿サンプルは、分析まで-75±15℃で冷凍貯蔵した。
【0158】
血漿サンプル中の被験物質の濃度を、LC-MS/MS法を用いて分析した。データ収集は、LabSolutionバージョン5.89ソフトウェア(島津、京都、日本)によって行った。データ統計学は、Excel 97-2003ソフトウェアを用いて行った。被験物質の薬物動態パラメーターは、Phoenix(商標)WinNonlin(登録商標)6.1でノンコンパートメントアプローチを用いて計算した。
【0159】
血漿濃度対時間データから可能であるときには常に、以下の薬物動態パラメーターを計算した。
・IV投与:T1/2、C、AUClast、AUCinf、MRTinf、Cl、Vss、回帰点の数。
・SC投与:Tmax、Cmax、AUClast、AUCinf、MRTinf、F、回帰点の数。
【0160】
【表27】
【0161】
薬物動態研究は、ラットにおけるアミリンの終末相半減期が約13分であり、ヒトにおけるプラムリンチドについての半減期が約20~45分であることを示している(Roth JD et.al.GLP-1R and amylin agonism in metabolic disease:complementary mechanisms and future opportunities.Br J Pharmacol.2012;166(1):121-136)。脂質化ポリペプチドは、プラムリンチドと比較して延命循環T1/2の際立った改善を示す。
【0162】
実施例6:ラット急性餌摂取研究
雄Sprague Dawleyラットをおよそ生後7週でTaconic Denmark,ApSから入手した。ラットに識別用のマイクロチップを埋め込み、エンリッチメント、餌及び水への自由なアクセスありで1ケージ当たり4匹を収容し、非侵襲性キャラクタリゼーションを行いながら1週順化をさせた。ラットは、1pm:1amで切り替わる12:12明:暗サイクル上にあった。餌摂取を、ホームケージにおいてモニターすることを可能にするHM2システム(Lafayette Instrument)によってモニターした。各ラットは、餌へのアクセストンネルに入るため、IRビームが遮断され、埋め込まれたマイクロチップが読み取られる。次いで、結果として生じた餌重量への変化を特定の動物に割り当てる。社会秩序は、全体的な給餌パターン及び給餌量に影響を示さなかった。
【0163】
ラットを1日目体重及び24時間蓄積餌摂取に基づいてグループに分類した(1グループ当たりn=7)。ゼロ日にラットを秤量し、次いで6時間絶食させた。餌の再導入の30分前に、適切なビヒクルに希釈された1kg当たり20nmolの被験化合物又は1kg当たり60nmolのペプチド1(プラムリンチド)でラットに皮下で(5mL/kg)投薬し、その後、餌を戻し、消灯した。その後、自動餌摂取を3日間モニターし、ラットを1日に1回秤量した。
【0164】
ラット当たりの餌摂取を1時間間隔に1回分にまとめ、Gubra’s GubraViewデータ管理システムに組み込んだ。個別の餌摂取データをMS Excelにエクスポートし、それから累積餌摂取データをもたらした。次いで、累積餌摂取データを暗期間供餌の解析のためにGraphPad Prism(v8.0.1)に移した。
【0165】
脂質化ポリペプチドは、プラムリンチドと比較して餌摂取の際立った抑制を示す。
【0166】
【表28】
【配列表】
2023554046000001.app
【国際調査報告】