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特表2023-554052老視を治療するためのアブレーションシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】老視を治療するためのアブレーションシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/008 20060101AFI20231219BHJP
   A61F 9/01 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
A61F9/008 120A
A61F9/008 120F
A61F9/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536368
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 IB2021061630
(87)【国際公開番号】W WO2022130169
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】63/128,024
(32)【優先日】2020-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】ゾルト ボル
(72)【発明者】
【氏名】マリオ クラフケ
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンネス クラウゼ
(72)【発明者】
【氏名】キース ワタナベ
(57)【要約】
ある特定の実施形態によれば、老視を治療するための眼科手術システムは、制御可能なコンポーネントと、コンピュータとを備える。制御可能なコンポーネントは、光ビームを生成する光源と、光ビームの焦点を誘導するスキャナとを備える。コンピュータは、一対の眼のうちの第1の眼の角膜の中央領域及び周辺領域から組織を除去するようアブレーションプロファイルを特定する。アブレーションプロファイルは、中央領域から組織を除去し、突出部を生じて近見視力を提供し、且つ、周辺領域から組織を除去して正視を矯正するようデザインされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
老視を治療するための眼科手術システムであって、
複数の制御可能なコンポーネントであって、
光ビームを生成するよう構成される光源と、
前記光ビームの焦点を誘導するよう構成されるスキャナと、
を備える制御可能なコンポーネントと、
コンピュータであって、
一対の眼のうちの第1の眼の角膜の中央領域及び周辺領域から組織を除去するようアブレーションプロファイルを特定し、前記アブレーションプロファイルは、前記中央領域から組織を除去し、突出部を生じて近見視力を提供するようデザインされ、前記アブレーションプロファイルは、前記周辺領域から組織を除去して正視を矯正するようデザインされ、
1つ以上の前記制御可能なコンポーネントに、前記アブレーションプロファイルに従って、前記第1の眼の前記角膜を切除するよう命令する、
よう構成されるコンピュータと、
を備える、眼科手術システム。
【請求項2】
前記突出部は球形である、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項3】
前記突出部は、0.5~4ミリメートルの直径を有する、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項4】
前記突出部は、3~50マイクロメートルの高さを有する、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項5】
前記突出部は、20~40マイクロメートルの高さを有する、請求項4に記載の眼科手術システム。
【請求項6】
前記周辺領域が近視を治療するようデザインされている場合、前記アブレーションプロファイルは、前記周辺領域の外側部分よりも前記周辺領域の内側部分において前記角膜のより厚い部分を除去する、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項7】
前記周辺領域が遠視を治療するようデザインされている場合、前記アブレーションプロファイルは、前記周辺領域の内側部分よりも前記周辺領域の外側部分において前記角膜のより厚い部分を除去する、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項8】
前記一対の眼のうちの前記第1の眼は非優位であり、
前記一対の眼のうちの第2の眼は優位であり、
前記コンピュータは、更に、
前記第2の眼を正視に矯正するようデザインされる第2のアブレーションプロファイルを特定し、
1つ以上の前記制御可能なコンポーネントに、前記第2のアブレーションプロファイルに従って、前記第2の眼の前記角膜を切除するよう命令する、よう構成される、
請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項9】
前記コンピュータは、更に、
前記アブレーションプロファイルに対応するフォーカルスポットパターンを生成し、
前記フォーカルスポットパターンを視軸に対して整列させて前記角膜を切除する、
よう構成される、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項10】
前記コンピュータは、更に、
前記アブレーションプロファイルに対応するフォーカルスポットパターンを生成することであって、前記フォーカルスポットパターンの点は、前記眼の視軸と整列されるよう指定されるよう、生成し、
前記眼の前記視軸を特定し、
前記フォーカルスポットパターンの前記点を前記視軸に対して整列させて前記角膜を切除する、
よう構成される、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項11】
老視を治療するための方法であって、
複数の制御可能なコンポーネントの光源によって、光ビームを生成することと、
前記複数の制御可能なコンポーネントのスキャナによって、前記光ビームの焦点を誘導することと、
コンピュータによって、一対の眼のうちの第1の眼の角膜の中央領域及び周辺領域から組織を除去するようアブレーションプロファイルを特定することであって、前記アブレーションプロファイルは、前記中央領域から組織を除去し、突出部を生じて近見視力を提供するようデザインされ、前記アブレーションプロファイルは、前記周辺領域から組織を除去して正視を矯正するようデザインされる、ことと、
前記コンピュータによって、1つ以上の前記制御可能なコンポーネントに、前記アブレーションプロファイルに従って、前記第1の眼の前記角膜を切除するよう命令することと、を含む、
方法。
【請求項12】
前記突出部は球形である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記突出部は、0.5~4ミリメートルの直径を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記突出部は、3~50マイクロメートルの高さを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記周辺領域が近視を治療するようデザインされている場合、前記アブレーションプロファイルは、前記周辺領域の外側部分よりも前記周辺領域の内側部分において前記角膜のより厚い部分を除去する、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記周辺領域が遠視を治療するようデザインされている場合、前記アブレーションプロファイルは、前記周辺領域の内側部分よりも前記周辺領域の外側部分において前記角膜のより厚い部分を除去する、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記一対の眼のうちの前記第1の眼は非優位であり、
前記一対の眼のうちの第2の眼は優位であり、
前記方法は、更に、
前記コンピュータによって、前記第2の眼を正視に矯正するようデザインされる第2のアブレーションプロファイルを特定することと、
前記コンピュータによって、1つ以上の前記制御可能なコンポーネントに、前記第2のアブレーションプロファイルに従って、前記第2の眼の前記角膜を切除するよう命令することと、を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項18】
更に、前記コンピュータによって、前記アブレーションプロファイルに対応するフォーカルスポットパターンを生成することと、
前記コンピュータによって、前記フォーカルスポットパターンを視軸に対して整列させて前記角膜を切除することと、を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項19】
更に、前記コンピュータによって、前記アブレーションプロファイルに対応するフォーカルスポットパターンを生成することであって、前記フォーカルスポットパターンの点は、前記眼の視軸と整列されるよう指定される、ことと、
前記コンピュータによって、前記眼の前記視軸を特定することと、
前記コンピュータによって、前記フォーカルスポットパターンの前記点を前記視軸に対して整列させて前記角膜を切除することと、を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項20】
老視を治療するための眼科手術システムであって、
複数の制御可能なコンポーネントであって、
光ビームを生成するよう構成される光源と、
前記光ビームの焦点を誘導するよう構成されるスキャナと、を備える制御可能なコンポーネントと、
コンピュータであって、
一対の眼のうちの第1の眼の角膜の中央領域及び周辺領域から組織を除去するようアブレーションプロファイルを特定することであって、前記一対の眼のうちの前記第1の眼は非優位であり、前記一対の眼のうちの第2の眼は優位であり、前記アブレーションプロファイルは、前記中央領域から組織を除去し、突出部を生じて近見視を提供するようデザインされ、前記突出部は、0.5~4ミリメートルの直径及び3~50マイクロメートルの高さを有する球形であり、前記アブレーションプロファイルは、前記周辺領域から組織を除去して正視を矯正するようデザインされ、
周辺領域が近視を治療するようデザインされている場合、前記アブレーションプロファイルは、前記周辺領域の外側部分よりも前記周辺領域の内側部分において前記角膜のより厚い部分を除去し、
周辺領域が遠視を治療するようデザインされている場合、前記アブレーションプロファイルは、前記周辺領域の内側部分よりも前記周辺領域の外側部分において前記角膜のより厚い部分を除去するよう、特定し、
前記アブレーションプロファイルに対応するフォーカルスポットパターンを生成することであって、前記フォーカルスポットパターンの点は、前記眼の視軸と整列されるよう指定されるよう、生成し、
前記眼の前記視軸を特定し、
前記フォーカルスポットパターンの前記点を前記視軸に対して整列させて前記角膜を切除し、
1つ以上の前記制御可能なコンポーネントに、前記アブレーションプロファイルに従って、前記第1の眼の前記角膜を切除するよう命令し、
前記第2の眼を正視に矯正するようデザインされる第2のアブレーションプロファイルを特定し、
1つ以上の前記制御可能なコンポーネントに、前記第2のアブレーションプロファイルに従って、前記第2の眼の前記角膜を切除するよう命令する、よう構成されるコンピュータと、を備える、
眼科手術システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、眼科手術システム及び方法に関し、特に、老視を治療するためのアブレーションシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
眼の水晶体は、遠近両方の物体を見ることができるように、形状を変化させて光を網膜上に集束させる。若者の場合、レンズは柔軟で可撓性があり、容易に形状を変化させる。老視は、一般的には、水晶体がより硬くなり、容易に形状を変化させることができない40歳以降に生じる。これにより、眼は、近くの物体を見る場合に、網膜上ではなく後方に光を集束させ、近見視力を低下させる。
【0003】
世界中に約17億人の老視の人々がおり、米国の人口の約3分の1が老視である。老視に対する治療は、レンズ(例えば、眼鏡及びコンタクトレンズ)、インプラント(例えば、眼内レンズ(IOL)、強膜インプラント、及び角膜インレー)、並びに多焦点屈折矯正手術を含む。しかし、現在の治療は、ある特定の状況において満足のいく結果を提供することができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
ある特定の実施形態において、老視を治療するための眼科手術システムは、制御可能なコンポーネントと、コンピュータとを備える。制御可能なコンポーネントは、光ビームを生成する光源と、光ビームの焦点を誘導するスキャナとを備える。コンピュータは、一対の眼のうちの第1の眼の角膜の中央領域及び周辺領域から組織を除去するようアブレーションプロファイルを特定する。アブレーションプロファイルは、中央領域から組織を除去し、突出部を生じて近見視力を提供し、且つ、周辺領域から組織を除去して正視を矯正するようデザインされる。コンピュータは、1つ以上の前記制御可能なコンポーネントに、アブレーションプロファイルに従って、第1の眼の角膜を切除するよう命令する。
【0005】
実施形態は、以下の特徴のうちの、何れも含まないか、1つ、幾つか、若しくは全てを含んでもよい。
【0006】
突出部は、任意の好適な寸法を有してもよい。例えば、突出部は、0.5~4ミリメートルの直径、及び/又は20~40マイクロメートル等の3~50マイクロメートルの高さを有する球形であってもよい。
【0007】
周辺領域が近視を治療するようデザインされている場合、アブレーションプロファイルは、周辺領域の外側部分よりも周辺領域の内側部分において角膜のより厚い部分を除去する。
【0008】
周辺領域が遠視を治療するようデザインされている場合、アブレーションプロファイルは、周辺領域の内側部分よりも周辺領域の外側部分において角膜のより厚い部分を除去する。
【0009】
一対の眼のうちの第1の眼が非優位であり、一対の眼のうちの第2の眼が優位である場合、コンピュータは、第2の眼を正視に矯正するようデザインされる第2のアブレーションプロファイルを特定し、1つ以上の制御可能なコンポーネントに、第2のアブレーションプロファイルに従って、第2の眼の角膜を切除するよう命令してもよい。
【0010】
コンピュータは、アブレーションプロファイルに対応するフォーカルスポットパターンを生成し、フォーカルスポットパターンを視軸に対して整列させて角膜を切除してもよい。
【0011】
コンピュータは、アブレーションプロファイルに対応するフォーカルスポットパターンを生成してもよく、フォーカルスポットパターンの点は、眼の視軸と整列されるよう指定され、且つ、眼の前記視軸を特定し、フォーカルスポットパターンの点を視軸に対して整列させて角膜を切除してもよい。
【0012】
ある特定の実施形態において、老視を処置するための方法は、複数の制御可能なコンポーネントの光源によって、光ビームを生成することと、複数の制御可能なコンポーネントのスキャナによって、光ビームの焦点を誘導することと、コンピュータによって、一対の眼のうちの第1の眼の角膜の中央領域及び周辺領域から組織を除去するようアブレーションプロファイルを特定することであって、アブレーションプロファイルは、中央領域から組織を除去し、突出部を生じて近見視力を提供するようデザインされ、アブレーションプロファイルは、周辺領域から組織を除去して正視を矯正するようデザインされる、ことと、コンピュータによって、1つ以上の前記制御可能なコンポーネントに、アブレーションプロファイルに従って、第1の眼の角膜を切除するよう命令することと、を含む。
【0013】
実施形態は、以下の特徴のうちの、何れも含まないか、1つ、幾つか、若しくは全てを含んでもよい。
【0014】
突出部は、任意の好適な寸法を有してもよい。例えば、突出部は、0.5~4ミリメートルの直径、及び/又は20~40マイクロメートル等の3~50マイクロメートルの高さを有する球形であってもよい。
【0015】
周辺領域が近視を治療するようデザインされている場合、アブレーションプロファイルは、周辺領域の外側部分よりも周辺領域の内側部分において角膜のより厚い部分を除去する。
【0016】
周辺領域が遠視を治療するようデザインされている場合、アブレーションプロファイルは、周辺領域の内側部分よりも周辺領域の外側部分において角膜のより厚い部分を除去する。
【0017】
一対の眼のうちの第1の眼が非優位であり、一対の眼のうちの第2の眼が優位である場合、方法は、更に、コンピュータによって、第2の眼を正視に矯正するようデザインされる第2のアブレーションプロファイルを特定することと、コンピュータによって、1つ以上の制御可能なコンポーネントに、第2のアブレーションプロファイルに従って、第2の眼の角膜を切除するよう命令することと、を含む。
【0018】
方法は、更に、コンピュータによって、アブレーションプロファイルに対応するフォーカルスポットパターンを生成することと、コンピュータによって、フォーカルスポットパターンを視軸に対して整列させて角膜を切除することと、を含む。
【0019】
方法は、更に、コンピュータによって、アブレーションプロファイルに対応するフォーカルスポットパターンを生成することであって、フォーカルスポットパターンの点は、眼の視軸と整列されるよう指定される、ことと、コンピュータによって、眼の視軸を特定することと、コンピュータによって、フォーカルスポットパターンの点を視軸に対して整列させて角膜を切除することと、を含む。
【0020】
ある特定の実施形態において、老視を治療するための眼科手術システムは、制御可能なコンポーネントと、コンピュータとを備える。制御可能なコンポーネントは、光ビームを生成する光源と、光ビームの焦点を誘導するスキャナとを備える。コンピュータは、一対の眼のうちの第1の眼の角膜の中央領域及び周辺領域から組織を除去するようアブレーションプロファイルを特定する。一対の眼のうちの第1の眼は非優位であり、一対の眼のうちの第2の眼は優位である。アブレーションプロファイルは、中央領域から組織を除去し、突出部を生じて近見視を提供するようデザインされる。突出部は、0.5~4ミリメートルの直径及び3~50マイクロメートルの高さを有する球形である。アブレーションプロファイルは、周辺領域から組織を除去して正視を矯正するようデザインされる。周辺領域が近視を治療するようデザインされている場合、アブレーションプロファイルは、周辺領域の外側部分よりも周辺領域の内側部分において角膜のより厚い部分を除去する。周辺領域が遠視を治療するようデザインされている場合、アブレーションプロファイルは、周辺領域の内側部分よりも周辺領域の外側部分において角膜のより厚い部分を除去する。コンピュータは、アブレーションプロファイルに対応するフォーカルスポットパターンを生成し、フォーカルスポットパターンの点は、眼の視軸と整列されるよう指定され、眼の視軸を特定し、フォーカルスポットパターンの点を視軸に対して整列させて角膜を切除し、1つ以上の制御可能なコンポーネントに、アブレーションプロファイルに従って、第1の眼の角膜を切除するよう命令する。コンピュータは、第2の眼を正視に矯正するようデザインされる第2のアブレーションプロファイルを特定し、1つ以上の制御可能なコンポーネントに、第2のアブレーションプロファイルに従って、第2の眼の角膜を切除するよう命令する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、ある特定の実施形態による、老視を治療するよう眼の角膜組織を切除する眼科レーザ切除システムの一実施例を示す。
図2図2は、図1のシステムが近視性老視を治療するために用いられてもよいアブレーション図を示す。
図3図3は、図1のシステムが遠視性老視を治療するために用いられてもよいアブレーション図を示す。
図4図4は、ある特定の実施形態による、図1のシステムによって実行されてもよい眼の角膜を切除するための方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで、説明及び図面を参照して、開示される装置、システム及び方法の例示的な実施形態を詳細に示す。説明及び図面は、網羅的であることも、図面に示され、説明で開示される特定の実施形態に特許請求の範囲を限定することも意図しない。図面は、可能な実施形態を表すが、図面は、必ずしも原寸に比例しておらず、実施形態をよりよく示すために特定の特徴を簡略化、誇張、削除又は部分的に分割している場合がある。
【0023】
ある特定の実施形態において、眼科手術システムは、老視を治療するよう一対の眼のうちの第1の眼を切除する。このシステムは、眼の角膜の中央及び周辺領域から組織を切除する。残りの組織は、中央領域に突出部を有する。得られた角膜の中央領域は近見視力を提供し、周辺領域は遠見視力を提供する。ある特定の実施形態において、第1の眼は、非優位である。システムは、第2の眼を正視に矯正するよう第2の眼を切除してもよい。
【0024】
図1は、ある特定の実施形態による、老視を治療するよう眼22の角膜組織を切除する眼科レーザ切除システム10の一実施例を示している。図示の実施例において、システム10は、図示のように結合されるレーザ装置15、カメラ38、及び制御コンピュータ30を含む。レーザ装置15は、図示のように結合される光源(例えば、レーザ源12)、スキャナ16、1つ以上の光学要素17、及び/又は集束対物レンズ18等の制御可能なコンポーネントを含む。コンピュータ30は、図示のように結合されたロジック36と、(コンピュータプログラム34を格納する)メモリ32と、ディスプレイ37とを含む。説明しやすくするために、以下のようなxyz座標系を用いる。z方向はレーザビームの伝播方向により規定され、xy平面は伝播方向に垂直である。他の適切なxyz座標系を用いてもよい。
【0025】
概要として、レーザ源12は、レーザビームを生成し、スキャナ16は、眼22から組織を切除するようレーザビームの焦点を誘導する。コンピュータ30は、角膜の中央領域及び周辺領域から組織を除去するようアブレーションプロファイルを特定する。アブレーションプロファイルは以下のようにデザインされる。中央領域から組織を除去して、近見視を提供するよう突出部を生じさせ、周辺領域から組織を除去して、正視を矯正するコンピュータ30は、システム10の1つ以上の制御可能なコンポーネントに、アブレーションプロファイルに従って角膜を切除するよう命令する。
【0026】
システム10の部品を見ると、光源はフォーカルスポットパターンに従って眼22の組織を切除する光ビームを生成する。光ビームは、例えば300nm未満の波長を有していてもよい。図示の実施例において、光源は、レーザフォーカルスポットパターンに従って眼22の組織を切除するレーザビームを生成するレーザ源12である。レーザ源12は、エキシマレーザ、固体レーザ、又は他の適切なレーザであってもよい。フォーカルスポットパターンは、レーザ放射パルスが向けられるべき位置に対するx及びy座標を規定してもよい。フォーカルスポットパターンは、アブレーションプロファイルから特定されてよく、これは角膜の特定のx、y位置において除去すべき組織の体積を示す。1パルスが切除する組織の体積を考慮し、あるx、y位置に向けられるべきパルスの数は、アブレーションプロファイルによって規定される組織の体積から計算することができる。
【0027】
スキャナ16は、レーザビームの焦点を横方向に誘導する。横方向とは、ビームの伝播方向に垂直な方向、すなわちx、y方向を意味する。スキャナ16は、レーザビームを任意の適切な手法で横方向に誘導してもよい。例えば、スキャナ16は、相互に垂直な軸の周りでチルトすることができる一対のガルバノメトリック作動式スキャナミラーを含んでもよい。別の実施例として、スキャナ16は、レーザビームを電気光学的に操縦できる電気光学結晶を含んでもよい。
【0028】
1つ(又は複数)の光学要素17は、レーザビームを集束対物レンズ18の方に向ける。光学要素17は、レーザビームに作用する(例えば、透過、反射、屈折、回折、コリメート、調整、成形、集束、変調、及び/又は作用する)ことができる。光学要素の例には、レンズ、プリズム、ミラー、回折光学要素(DOE)、ホログラフィック光学要素(HOE)、及び空間光変調器(SLM)が含まれる。この例では、光学要素17はミラーである。集束対物レンズ18は、眼22のポイントに向けてレーザビームの焦点を集束させる。この例では、集束対物レンズ18は、対物レンズであり、例えばfθ対物レンズである。
【0029】
カメラ38は、眼22の画像を記録する。カメラ38の例にはビデオ、光干渉断層撮影、又はアイトラッキングカメラが含まれる。カメラ38は、眼22の記録された画像を表す画像データをコンピュータ30に出力する。コンピュータ30は、画像データに対する画像処理を行って、眼22のアブレーションを監視してもよい。
【0030】
コンピュータ30は、システム10のコンポーネントをコンピュータプログラム34に従って制御する。例えば、コンピュータ30は、コンポーネント(例えば、レーザ源12、スキャナ16、光学要素17、及び/又は集束対物レンズ18)を制御して、レーザ装置15のレーザビームを眼22に集束させ、アブレーションプロファイルに従って眼22の少なくとも一部を切除する。ある特定の実施形態において、コンピュータ30は、アブレーションプロファイルに対応するフォーカルスポットパターンを生成する。コンピュータ30は、アブレーションプロファイルに従って除去される組織に対応する焦点を特定することによって、フォーカルスポットパターンを生成してもよい。アブレーションプロファイルは、角膜の特定のx、y位置において除去すべき組織の体積を示す。1パルスが切除する組織の体積を考慮し、あるx、y位置に向けられるべきパルスの数は、アブレーションプロファイルによって規定される組織の体積から計算することができる。
【0031】
ある特定の実施形態において、コンピュータ30は、角膜の中央領域及び周辺領域から組織を除去するようアブレーションプロファイルを特定する。アブレーションプロファイルは以下のようにデザインされる。中央領域から組織を除去して、近見視を提供するよう突出部を生じさせ、周辺領域から組織を除去して、正視を矯正する他の実施形態において、コンピュータ30は、メモリ32からプロファイルを検索して取り出すことによって、アブレーションプロファイルを特定してもよく、ここでアブレーションプロファイルは、上で説明したように特定されている。
【0032】
ある特定の実施形態において、コンピュータ30は、角膜を切除するよう、フォーカルスポットパターンを眼の軸(例えば、光学軸又は視軸)に対して整列させる。ある特定の場合において、フォーカルスポットパターンの特定の点は、軸と整列されるよう指定される。コンピュータ30は、軸の位置を識別する測定値又は座標(例えば、xy座標)を受信し、次いで、軸においてその点を整列させることによって、その点を軸に対して整列させてもよい。ある特定の実施形態において、コンピュータ30は、米国特許出願第63/010293号明細書(2020年4月15日出願)及び第63/033327号明細書(2020年6月2日出願)において説明される方法に従って、視軸のxy座標を特定してもよい。コンピュータ30は、次いで、特定の点を視軸のxy位置と整列させてもよい。
【0033】
ある特定の実施形態において、コンピュータ30は一対の眼を処置する。第1の眼(例えば、非優位眼)は、近見視力矯正のための突出部を有するアブレーションプロファイルに従って処置され、第2の眼(例えば、優位眼)は、正視を矯正するプロファイルにより処置される。実施形態において、優位眼又は非優位眼は、第1の眼又は第2の眼であってもよい。
【0034】
図2及び3は、図1のシステム10が近視性老視及び遠視性老視をそれぞれ治療するために用いてもよいアブレーション図50(50a、50b)の実施例を示している。アブレーション図50は、角膜を成形する任意の好適な屈折矯正処置、例えば、レーザ角膜切削形成術(LASIK)又はエキシマレーザ角膜屈折矯正術(PRK)のために用いられてもよい。実施例において、アブレーション図50(50a、50b)は、LASIKのために用いられる。実施例において、アブレーション図50は、上皮51及び角膜52を示している。角膜52は、中央領域55及び周辺領域57を有する。中央領域55は、眼の軸(例えば、視軸又は光軸)を略中心とし、周辺領域57は、中央領域55から角膜の縁部に向かって延在する。
【0035】
フラップ切開53は、LASIKフラップを作成するよう形成される切開を示している。除去された組織62(62a、62b)は、アブレーションプロファイルに従って切除された組織を示し、残存組織64(64a、64b)は、切除後に残存する組織を示している。切除面60(60a、60b)は、組織がアブレーションプロファイルに従って切除された後に残存する間質面を示している。
【0036】
中央領域55及び周辺領域57の切除面60は、任意の適切な大きさ及び/又は形状を有していてもよく、コンピュータ30は、任意の適切な方法で切除面60の寸法を特定してもよい。ある特定の実施形態において、コンピュータ30は、屈折矯正を説明する情報を受信し、情報から寸法を特定してもよい。
【0037】
実施形態において、コンピュータ30は、遠見視力矯正を説明する情報から周辺領域57の寸法を計算してもよい。ある特定の実施例において、14~18マイクロメートルの厚さの除去は、約1ジオプトリーの矯正に対応する。厚さの位置(例えば、中心部又は周辺部)は、矯正が近視又は遠視用であるかに依存する。概して、近視治療は、周辺領域の外側部分よりも内側部分において角膜のより厚い部分を除去し(例えば、図2のアブレーション図50a)、遠視治療は、周辺領域の内側部分よりも外側部分において角膜のより厚い部分を除去する(例えば、図3のアブレーション図50b)。ある特定の実施形態において、周辺領域57のアブレーションは、近視又は遠視を正視に矯正するようデザインされてもよい。正視は、無限遠にある遠くの物体が、中立又は弛緩状態にある眼の水晶体により鮮明に焦点が合っている視力状態である。正視は、+1~-1ジオプトリーの範囲であってもよい。
【0038】
実施形態において、コンピュータ30は、近見視力矯正を説明する情報から中央領域55の突出部58の寸法を計算してもよい。ある特定の実施例において、突出部58の直径は0.5~4ミリメートル(例えば、0.5~1、1~2、2~3、及び/又は3~4ミリメートル)であり、突出部58の中心は3~50マイクロメートル(例えば、3~10、10~20、20~25、25~30、30~35、35~40、及び/又は40~50マイクロメートル)の厚さを有する。一般に、より大きい中心厚さを有する突出部58は、より大きい老視矯正を提供する。一実施例において、球形形状、2ミリメートルの直径、及び30マイクロメートルの中心厚さを有する突出部58は、2.5~4.0ジオプトリーの度数を追加する。
【0039】
図4は、ある特定の実施形態による、図1のシステム10によって実行されてもよい眼の角膜を切除するための方法を示している。方法はステップ110において開始され、ここでコンピュータ30は、外科手術を説明する外科的入力を受信する。外科的入力は、コンピュータ30が除去すべき組織を説明するアブレーションプロファイルを検索又は計算するために用いることができる情報を含んでいてもよい。外科的入力は、患者の眼、例えば、球面誤差、円柱誤差、円柱誤差の軸、追加度数(読書距離補正のための球面誤差)、及び/又は視軸のx、y位置を説明してもよい。
【0040】
コンピュータ30は、ステップ112において、外科的入力からアブレーションプロファイルを特定する。アブレーションプロファイルは、ステップ113において格納されてもよいか、又は計算される必要があってもよい。アブレーションプロファイルがステップ113において格納されている場合、方法はステップ114に進み、ここでコンピュータ30は、格納されているアブレーションプロファイルを検索して取り出す。次いで、方法はステップ126に進み、ここでコンピュータ30は角膜の切除を開始する。
【0041】
ステップ113において格納されたアブレーションプロファイルがない場合、方法はステップ116~122に進み、ここでコンピュータ30はアブレーションプロファイルを計算する。コンピュータ30は、ステップ116において、周辺領域のためのアブレーションプロファイルを特定する。ある特定の場合において、周辺領域は、近視を治療するようデザインされてもよく、アブレーションプロファイルは、中心に向かって周辺領域内の材料のより厚い部分を除去してもよい。他の場合において、周辺領域は、遠視を治療するようデザインされてもよく、アブレーションプロファイルは、周囲に向かって周辺領域内の材料のより厚い部分を除去してもよい。コンピュータ30は、ステップ122において、中央領域のためのアブレーションプロファイルを特定する。中央領域の突出部は、任意の適切な形状及び/又は大きさを有する。ある特定の実施例において、突出部の直径は0.5~4ミリメートルであり、突出部の中心は3~50マイクロメートルの厚さを有する。
【0042】
ステップ126において、コンピュータ30は、アブレーションプロファイルに対応するフォーカルスポットパターンを眼の軸(例えば、視軸又は光軸)と整列させる。ある特定の実施形態において、コンピュータ30は、アブレーションプロファイルに対応するフォーカルスポットパターンを特定してもよい。コンピュータ30は、軸の位置を識別する測定値又は座標を受信し、次いで、フォーカルスポットパターンを軸と整列させてもよい。コンピュータ30は、ステップ128において、制御可能なコンポーネントに、アブレーションプロファイルに従って角膜を切除するよう指示する。その後、方法が終了する。
【0043】
本明細書に開示のシステム及び装置の(制御コンピュータ等の)コンポーネントは、インターフェース、ロジック、及び/又はメモリを含んでいてもよく、これらのうちの任意のものは、コンピュータハードウェア及び/又はソフトウェアを含んでいてもよい。インターフェースは、コンポーネントへの入力を受信し、且つ/又はコンポーネントから出力を送信することができ、通常、例えばソフトウェア、ハードウェア、周辺機器、ユーザ及びこれらの組み合わせ間で情報を交換するために使用される。ユーザインターフェース(例えば、グラフィカルユーザインターフェース(GUI))は、ユーザがコンピュータと対話するために利用され得るインターフェースの一種である。ユーザインターフェースの例には、ディスプレイ、タッチスクリーン、キーボード、マウス、ジェスチャセンサ、マイク及びスピーカが含まれる。
【0044】
ロジックは、コンポーネントの動作を実行することができる。ロジックは、データを処理する、例えば命令を実行して入力から出力を生成する1つ以上の電子デバイスを含んでいてもよい。そのような電子デバイスの例には、コンピュータ、プロセッサ、マイクロプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU))及びコンピュータチップが含まれる。ロジックは、動作を実行するために電子デバイスによって実行され得る命令をエンコードするコンピュータソフトウェアを含み得る。コンピュータソフトウェアの例には、コンピュータプログラム、アプリケーション及びオペレーションシステムが含まれる。
【0045】
メモリは、情報を格納することができ、有形のコンピュータ読取可能及び/又はコンピュータ実行可能なストレージ媒体を備えていてもよい。メモリの例には、コンピュータメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は読み出し専用メモリ(ROM))、マスストレージ媒体(例えば、ハードディスク)、リムーバブルストレージ媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)又はデジタルビデオ若しくは多用途ディスク(DVD))、データベース、ネットワークストレージ(例えば、サーバ)及び/又は他のコンピュータ可読媒体が含まれる。特定の実施形態は、コンピュータソフトウェアを用いてエンコードされたメモリを対象とすることができる。
【0046】
特定の実施形態に関して本開示を説明してきたが、実施形態の修正形態(例えば、変更形態、置換形態、追加形態、省略形態及び/又は他の修正形態)が当業者に明らかになるであろう。従って、本発明の範囲から逸脱することなく、実施形態に対する修正が行われてもよい。例えば、本明細書で開示されたシステム及び装置に対する修正が行われてもよい。当業者に明らかであるように、システム及び装置のコンポーネントは、統合若しくは分離され得るか、又はシステム及び装置の動作は、より多い、より少ない若しくは他のコンポーネントによって実行され得る。別の例として、本明細書で開示された方法に対する修正形態がなされ得る。当業者に明らかであるように、方法は、より多い、より少ない又は他のステップを含み得、ステップは、任意の適当な順序で実行され得る。
【0047】
特許庁及び読者がクレームを解釈するのを助けるために、出願人は、特定のクレームにおいて「means for」又は「step for」という単語が明示的に使用されていない限り、クレーム又はクレーム要素の何れもが、35 U.S.C.§112(f)を想起することを意図していないことを言及しておく。請求項内の他の用語(例えば、「機構」、「モジュール」、「デバイス」、「ユニット」、「コンポーネント」、「要素」、「部材」、「装置」、「機械」、「システム」、「プロセッサ」又は「コントローラ」)の使用は、本出願人により、関連する技術分野における当業者に既知の構造を指すと理解され、米国特許法第112条(f)の適用を受けることを意図しない。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-06-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
老視を治療するための眼科手術システムであって、
複数の制御可能なコンポーネントであって、
光ビームを生成するよう構成される光源と、
前記光ビームの焦点を誘導するよう構成されるスキャナと、
を備える制御可能なコンポーネントと、
コンピュータであって、
一対の眼のうちの第1の眼の角膜の中央領域及び周辺領域から組織を除去するようアブレーションプロファイルを特定し、前記アブレーションプロファイルは、前記中央領域から組織を除去し、突出部を生じて近見視力を提供するようデザインされ、前記アブレーションプロファイルは、前記周辺領域から組織を除去して正視を矯正するようデザインされ、
1つ以上の前記制御可能なコンポーネントに、前記アブレーションプロファイルに従って、前記第1の眼の前記角膜を切除するよう命令する、
よう構成されるコンピュータと、
を備える、眼科手術システム。
【請求項2】
前記突出部は球形である、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項3】
前記突出部は、0.5~4ミリメートルの直径を有する、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項4】
前記突出部は、3~50マイクロメートルの高さを有する、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項5】
前記突出部は、20~40マイクロメートルの高さを有する、請求項4に記載の眼科手術システム。
【請求項6】
前記周辺領域が近視を治療するようデザインされている場合、前記アブレーションプロファイルは、前記周辺領域の外側部分よりも前記周辺領域の内側部分において前記角膜のより厚い部分を除去する、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項7】
前記周辺領域が遠視を治療するようデザインされている場合、前記アブレーションプロファイルは、前記周辺領域の内側部分よりも前記周辺領域の外側部分において前記角膜のより厚い部分を除去する、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項8】
前記一対の眼のうちの前記第1の眼は非優位であり、
前記一対の眼のうちの第2の眼は優位であり、
前記コンピュータは、更に、
前記第2の眼を正視に矯正するようデザインされる第2のアブレーションプロファイルを特定し、
1つ以上の前記制御可能なコンポーネントに、前記第2のアブレーションプロファイルに従って、前記第2の眼の前記角膜を切除するよう命令する、よう構成される、
請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項9】
前記コンピュータは、更に、
前記アブレーションプロファイルに対応するフォーカルスポットパターンを生成し、
前記フォーカルスポットパターンを視軸に対して整列させて前記角膜を切除する、
よう構成される、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項10】
前記コンピュータは、更に、
前記アブレーションプロファイルに対応するフォーカルスポットパターンを生成することであって、前記フォーカルスポットパターンの点は、前記眼の視軸と整列されるよう指定されるよう、生成し、
前記眼の前記視軸を特定し、
前記フォーカルスポットパターンの前記点を前記視軸に対して整列させて前記角膜を切除する、
よう構成される、請求項1に記載の眼科手術システム。
【国際調査報告】