(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】湾曲エンドエフェクタを有するステープル留め装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536925
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-06-16
(86)【国際出願番号】 CN2020137139
(87)【国際公開番号】W WO2022126471
(87)【国際公開日】2022-06-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ジアンフェン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC29
4C160CC40
4C160MM32
(57)【要約】
横断型外科用ステープル留め装置(10)のためのエンドエフェクタ(16)は、アンビルアセンブリ(36)とカートリッジアセンブリ(38)と、を含む。カートリッジアセンブリ(38)は、ナイフ刃(96)及びガイドピン(78)を有するナイフアセンブリ(72)を含む。ガイドピン(78)は、後退位置と前進位置との間で移動可能であり、アンビルアセンブリ(36)とカートリッジアセンブリ(38)との間に組織を収容する。エンドエフェクタ(16)は、ガイドピン(78)から離間されるガイド部材(40)を支持する本体(34)を含む。ガイド部材(40)及びガイドピン(78)は、アンビルアセンブリとカートリッジアセンブリとの間にクランプされた組織をより効果的に切断するために、ステープル留め装置(10)が発射されるときにナイフ刃(96)に係合するように位置付けられ、構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステープル留め装置であって、
ハンドル部分と、
長手方向軸を画定し、前記ハンドル部分から遠位に延びる細長い本体と、
前記細長い本体上に支持されたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分を相互連結する長手方向部分と、を含む、本体であって、前記第1部分及び前記第2部分が、前記長手方向軸を横断する方向に延び、かつ対応する湾曲構成を有し、前記第1部分及び前記第2部分が、第1端部及び第2端部を有し、前記第1部分が、前記第2部分から離間され、前記第1部分及び前記第2部分の前記第1端部において、前記長手方向部分によって閉鎖される空洞をそれらの間に画定し、前記第1部分及び前記第2部分の前記第2端部が、互いに離間されて開口部を画定する、第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分を相互連結する長手方向部分と、を含む、本体と、
前記エンドエフェクタの前記本体の前記長手方向部分に固定されたガイド部材であって、前記空洞内へと延びるガイド部分を含み、前記ガイド部分が傾斜ガイド面を画定する、ガイド部材と、
前記エンドエフェクタの前記本体の前記第1部分上に支持されたアンビルアセンブリと、
本体空洞を画定するカートリッジ本体、プッシャ、ナイフアセンブリ、及びガイドピンを含む、カートリッジアセンブリであって、前記カートリッジ本体がステープル受容スロットとナイフスロットを画定し、前記ステープル受容スロットが前記ナイフスロットの反対側に位置し、前記ステープル受容スロットのそれぞれがステープルを含み、前記プッシャが、前記カートリッジ本体から前記ステープルを排出するために、前記本体空洞内で後退位置から前進位置まで移動可能であり、前記ナイフアセンブリが、前記カートリッジ本体内に後退した後退位置から前記カートリッジ本体の前記ナイフスロットを通って延びる前進位置まで移動可能である湾曲ナイフ刃を含み、前記ガイドピンが、前記カートリッジ本体内に位置する後退位置から前記カートリッジ本体から延びる前進位置まで移動可能である傾斜ガイド面を含み、前記ガイドピンが、前記エンドエフェクタの前記本体によって画定された前記開口部を閉鎖するために、その前進位置において前記アンビルアセンブリと係合し、前記ナイフ刃が、前記エンドエフェクタの前記本体の前記第1部分及び前記第2部分の前記湾曲構成に対応する湾曲構成を有し、かつ第1の屈曲端部部分及び第2の屈曲端部部分を含み、前記第1屈曲端部部分が、前記ガイド部材の前記傾斜ガイド面と係合し、前記第2屈曲端部部分が、前記ガイドピンの前記傾斜ガイド面と係合する、カートリッジアセンブリと、を含む、エンドエフェクタと、を含む、ステープル留め装置。
【請求項2】
前記ナイフ刃が、凹面側及び凸面側を有し、前記第1屈曲端部部分及び前記第2屈曲端部部分が、前記ナイフ刃の前記凹面側から離れた前記凸面側の方向に傾斜している、請求項1に記載のステープル留め装置。
【請求項3】
前記ナイフ刃が、切断縁を画定する遠位部分を含む、請求項2に記載のステープル留め装置。
【請求項4】
前記切断縁が、前記ナイフ刃の前記第1屈曲端部部分及び前記第2屈曲端部部分に沿って延びる、請求項3に記載のステープル留め装置。
【請求項5】
前記ガイド部材が、前記エンドエフェクタの前記本体の前記長手方向部分に固定される本体部分を含み、前記ガイド部分が、前記ガイド部材の前記本体部分から前記エンドエフェクタの前記本体によって画定される前記空洞内へと延びる、請求項1に記載のステープル留め装置。
【請求項6】
前記ガイド部分が、前記ガイド部分の前記傾斜ガイド面によって部分的に画定される長手方向に延びる凹部を画定する、請求項5に記載のステープル留め装置。
【請求項7】
前記ナイフアセンブリが、ナイフホルダを含み、前記ナイフ刃が、前記ナイフホルダに固定され、かつ前記ナイフホルダから遠位に延びる、請求項1に記載のステープル留め装置。
【請求項8】
前記アンビルアセンブリが、アンビル部材及び切断プレートを含み、前記切断プレートが、前記エンドエフェクタの前記本体の前記第1部分と前記アンビル部材との間に挟まれている、請求項1に記載のステープル留め装置。
【請求項9】
前記エンドエフェクタの前記本体の前記第2部分が、第1チャネルを画定し、前記カートリッジアセンブリが、前記エンドエフェクタの前記本体の前記第2部分の前記第1チャネル内に取り外し可能に受容される、請求項1に記載のステープル留め装置。
【請求項10】
前記ナイフ刃が、中央本体部分と、前記中央本体部分から外向きに延びる翼と、を含み、前記ナイフ刃の前記第1屈曲端部部分及び前記第2屈曲端部部分が、前記翼から外向きに延びる、請求項1に記載のステープル留め装置。
【請求項11】
前記ガイドピンが平坦部を画定し、前記ガイドピンの前記平坦部及び前記第2傾斜ガイド面が、鋭角を画定するように交差する軸を画定する、請求項1に記載のステープル留め装置。
【請求項12】
前記ガイドピンが、近位部分を有し、前記ガイドピンの前記近位部分は、ピンカプラに接続される、請求項1に記載のステープル留め装置。
【請求項13】
エンドエフェクタであって、
第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分を相互連結する長手方向部分と、を含む、本体であって、前記第1部分及び前記第2部分が、前記長手方向部分を横断する方向に延び、かつ対応する湾曲構成を有し、前記第1部分及び前記第2部分が、第1端部及び第2端部を有し、前記第1部分が、前記第2部分から離間され、前記第1部分及び前記第2部分の前記第1端部において、前記長手方向部分によって閉鎖される空洞をそれらの間に画定し、前記第1部分及び前記第2部分の前記第2端部が、互いに離間されて、それらの間に開口部を画定する、第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分を相互連結する長手方向部分と、を含む、本体と、
前記エンドエフェクタの前記本体の前記長手方向部分に固定されたガイド部材であって、前記空洞内へと延びるガイド部分を含み、前記ガイド部分が第1傾斜ガイド面を画定する、ガイド部材と、
前記エンドエフェクタの前記本体の前記第1部分上に支持されたアンビルアセンブリと、
本体空洞を画定するカートリッジ本体、プッシャ、ナイフアセンブリ、及びガイドピンを含む、カートリッジアセンブリであって、前記カートリッジ本体がステープル受容スロットとナイフスロットを画定し、前記ステープル受容スロットが前記ナイフスロットの反対側に位置し、前記ステープル受容スロットのそれぞれがステープルを含み、前記プッシャが、前記カートリッジ本体から前記ステープルを排出するために、前記本体空洞内で後退位置から前進位置まで移動可能であり、前記ナイフアセンブリが、前記カートリッジ本体内に後退した後退位置から前記カートリッジ本体の前記ナイフスロットを通って延びる前進位置まで移動可能である湾曲ナイフ刃を含み、前記ガイドピンが、前記カートリッジ本体内に位置した後退位置から前記カートリッジ本体から延びる前進位置まで移動可能である第2傾斜ガイド面を含み、前記ガイドピンが、前記エンドエフェクタの前記本体によって画定された前記開口部を閉鎖するために、その前進位置において前記アンビルアセンブリと係合し、前記ナイフ刃が、前記エンドエフェクタの前記本体の前記第1部分及び前記第2部分の前記湾曲構成に対応する湾曲構成を有し、かつ第1の屈曲端部部分及び第2の屈曲端部部分を含み、前記第1屈曲端部部分が、前記ガイド部材の前記第1傾斜ガイド面と係合し、前記第2屈曲端部部分が、前記ガイドピンの前記第2傾斜ガイド面と係合する、カートリッジアセンブリと、を含む、エンドエフェクタ。
【請求項14】
前記ナイフ刃が、凹面側及び凸面側を有し、前記第1屈曲端部部分及び前記第2屈曲端部部分が、前記ナイフ刃の前記凹面側から離れた前記凸面側の方向に傾斜している、請求項13に記載のエンドエフェクタ。
【請求項15】
前記ナイフ刃が、前記第1屈曲端部部分及び前記第2屈曲端部部分に沿って延びる切断縁を画定する遠位部分を含む、請求項13に記載のエンドエフェクタ。
【請求項16】
前記ガイド部材が、前記エンドエフェクタの前記本体の前記長手方向部分に固定される本体部分を含み、前記ガイド部分が、前記ガイド部材の前記本体部分から前記エンドエフェクタの前記本体によって画定される前記空洞の内へと延びる、請求項13に記載のエンドエフェクタ。
【請求項17】
前記ガイド部分が、前記ガイド部分の前記傾斜ガイド面によって部分的に画定される、長手方向に延びる凹部を画定する、請求項13に記載のエンドエフェクタ。
【請求項18】
前記アンビルアセンブリが、アンビル部材と切断プレートとを含み、前記切断プレートが、前記エンドエフェクタの前記本体の前記第1部分と前記アンビル部材との間に挟まれている、請求項13に記載のエンドエフェクタ。
【請求項19】
前記ナイフ刃が、中央本体部分と、前記中央本体部分から外向きに延びる翼と、を含み、前記ナイフ刃の前記第1屈曲端部部分及び前記第2屈曲端部部分が、前記翼から外向きに延びる、請求項13に記載のエンドエフェクタ。
【請求項20】
ナイフ刃であって、
中央部分並びに第1屈曲端部部分及び第2屈曲端部部分を含む湾曲構成を有する本体であって、前記本体が、凹面側、凸面側、遠位部分、及び近位部分を有し、前記第1屈曲端部部分及び前記第2屈曲端部部分が、前記ナイフ刃の前記凹面側から離れた前記凸面側の方向に傾斜し、前記本体の前記遠位部分が、前記第1屈曲端部部分及び前記第2屈曲端部部分に沿って延びる刃先を画定する、本体を含む、ナイフ刃。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、一般に、外科用ステープル留め装置に関し、より詳細には、ナイフ刃を含む湾曲エンドエフェクタを伴う外科用ステープル留め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
外科用ステープル留め装置は、一般に、組織の切開及び縫合を促進し、患者への外傷を最小限にするために、種々の外科手術処置中に使用される。典型的には、ステープル留め装置は、カートリッジアセンブリ及びアンビルアセンブリを含むエンドエフェクタを含む。カートリッジアセンブリは、組織を横断又は切除するために組織を通して駆動される鋭利な切断縁を有する、ナイフ刃を伴うナイフアセンブリを含む。
【0003】
外科用ステープル留め装置は、種々の異なる外科手術処置を実施するために、種々のタイプで利用可能である。1つのタイプのステープル留め装置は、第1横断部分と、第2横断部分と、第1横断部分と第2横断部分を相互連結する長手方向部分と、を有するU字形エンドエフェクタを含む。第1横断部分及び第2横断部分のそれぞれは、長手方向部分に連結された第1端部と、第2端部と、を有する。第1横断部分及び第2横断部分の第2端部は、組織を受容するための開口部を画定するように、相互から離間される。アンビルアセンブリは、第1横断部分上に支持され、カートリッジアセンブリは、第2横断部分に隣接して支持される。典型的には、カートリッジアセンブリは、カートリッジ本体と、ガイドピンと、ナイフアセンブリと、を含む。ガイドピンは、ピンがカートリッジ本体内に位置付けられる後退位置から、ガイドピンがカートリッジ本体から延び、アンビルアセンブリに係合して、第1横断部分及び第2横断部分の第2端部間に画定される開口部を閉鎖し、アンビルアセンブリとカートリッジアセンブリとの間のエンドエフェクタ内に組織を捕捉する前進位置まで移動可能である。
【0004】
外科手術処置中、カートリッジアセンブリは、第1横断部分に向かって移動され、ステープル留め装置を開位置からクランプ位置に移動し、組織、例えば結腸をアンビルアセンブリとカートリッジアセンブリとの間にクランプする。ガイドピンはまた、その前進位置に移動され、組織がクランプされているときにアンビルアセンブリとカートリッジアセンブリとの間に組織を収容する。ステープル留め装置が発射されると、ナイフアセンブリは、その後退位置からその前進位置に移動して、アンビルアセンブリとカートリッジアセンブリとの間にクランプされた組織を切断する。場合によっては、アンビルアセンブリとカートリッジアセンブリとの間にクランプされた組織は、ナイフアセンブリの外向きに圧縮され、きれいに切断されない。
【0005】
ステープル留め装置が発射されるときに、アンビルアセンブリとカートリッジアセンブリとの間にクランプされた組織をより効果的に切断することができるエンドエフェクタが、当該技術分野において引き続き必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様は、アンビルアセンブリ及びカートリッジアセンブリを含む、横断型外科用ステープル留め装置のためのエンドエフェクタを対象とする。カートリッジアセンブリは、ナイフ刃及びガイドピンを有するナイフアセンブリを含む。ガイドピンは、後退位置と前進位置との間で移動可能であり、アンビルアセンブリとカートリッジアセンブリとの間に組織を収容する。エンドエフェクタは、ガイドピンから離間されたガイド部材を支持する本体を含む。ガイド部材及びガイドピンは、アンビルアセンブリとカートリッジアセンブリとの間にクランプされた組織をより効果的に切断するために、ステープル留め装置が発射されるときにナイフ刃に係合するように位置付けられ、構成されている。
【0007】
本開示の態様は、ハンドル部分と、細長い本体と、エンドエフェクタと、を含む、外科用ステープル留め装置に関する。細長い本体は、長手方向軸を画定し、ハンドル部分から遠位に延びる。エンドエフェクタは、細長い本体上に支持され、本体と、ガイド部材と、アンビルアセンブリと、カートリッジアセンブリと、を含む。本体は、第1部分と、第2部分と、第1部分と第2部分を相互連結する長手方向部分と、を含む。第1部分及び第2部分は、長手方向軸を横断する方向に延び、かつ対応する湾曲構成を有する。第1部分及び第2部分は、第1端部及び第2端部を有する。第1部分は、第2部分から離間され、第1部分及び第2部分の第1端部において、長手方向部分によって閉鎖される空洞をそれらの間に画定する。第1部分及び第2部分の第2端部は、開口部を画定するように互いに離間している。ガイド部材は、エンドエフェクタの本体の長手方向部分に固定され、空洞の中に延び、傾斜ガイド面を画定するガイド部分を含む。アンビルアセンブリは、エンドエフェクタの本体の第1部分上に支持される。カートリッジアセンブリは、カートリッジ本体と、プッシャと、ナイフアセンブリと、ガイドピンと、を含む。カートリッジ本体は、本体空洞、ステープル受容スロット、及びナイフスロットを画定する。ステープル受容スロットは、ナイフスロットの両側に配置され、ステープルを受容する。プッシャは、カートリッジ本体からステープルを排出するために、本体空洞内で後退位置から前進位置まで移動可能である。ナイフアセンブリは、カートリッジ本体内の後退した後退位置から、カートリッジ本体のナイフスロットを通って延びる前進位置まで移動可能である、湾曲ナイフ刃を含む。ガイドピンは、傾斜ガイド面を含み、カートリッジ本体内に配置された後退位置からカートリッジ本体から延びる前進位置まで移動可能である。ガイドピンは、エンドエフェクタの本体によって画定される開口部を閉鎖するように、その前進位置においてアンビルアセンブリと係合する。ナイフ刃は、エンドエフェクタの本体の第1部分及び第2部分の湾曲構成に対応する湾曲構成を有し、第1屈曲端部部分及び第2屈曲端部部分を含む。第1屈曲端部部分はガイド部材の傾斜ガイド面と係合し、第2屈曲端部部分はガイドピンの傾斜ガイド面と係合する。
【0008】
本開示の他の態様は、本体と、ガイド部材と、アンビルアセンブリと、カートリッジアセンブリと、を含むエンドエフェクタに関する。本体は、第1部分と、第2部分と、第1部分と第2部分を相互連結する長手方向部分と、を含む。第1部分及び第2部分は、長手方向部分を横断する方向に延び、かつ対応する湾曲構成を有する。第1部分及び第2部分は、第1及び第2端部を有する。第1部分は、第2部分から離間され、第1部分及び第2部分の第1端部において、長手方向部分によって閉鎖される空洞をそれらの間に画定する。第1部分及び第2部分の第2端部は、それらの間に開口部を画定するように互いに離間される。ガイド部材は、エンドエフェクタの本体の長手方向部分に固定され、空洞内に延び、かつ第1傾斜ガイド面を画定するガイド部分を含む。アンビルアセンブリは、エンドエフェクタの本体の第1部分上に支持される。カートリッジアセンブリは、カートリッジ本体と、プッシャと、ナイフアセンブリと、ガイドピンと、を含む。カートリッジ本体は、空洞、ステープル受容スロット、及びナイフスロットを画定する。ステープル受容スロットは、ナイフスロットの両側に配置され、ステープルを含む。プッシャは、カートリッジ本体からステープルを排出するために、本体空洞内で後退位置から前進位置まで移動可能である。ナイフアセンブリは、カートリッジ本体内の後退した後退位置から、カートリッジ本体のナイフスロットを通って延びる前進位置まで移動可能である、湾曲ナイフ刃を含む。ガイドピンは、第2傾斜ガイド面を含み、カートリッジ本体内に位置する後退位置からカートリッジ本体から延びる前進位置まで移動可能である。ガイドピンは、エンドエフェクタの本体によって画定される開口部を閉鎖するように、その前進位置においてアンビルアセンブリと係合する。ナイフ刃は、エンドエフェクタの本体の第1部分及び第2部分の湾曲構成に対応する湾曲構成を有し、第1屈曲端部部分及び第2屈曲端部部分を含む。第1屈曲端部部分はガイド部材の第1傾斜ガイド面と係合し、第2屈曲端部部分はガイドピンの第2傾斜ガイド面と係合する。
【0009】
本開示の態様では、ナイフ刃は、凹面側及び凸面側を有し、第1屈曲端部部分及び第2屈曲端部部分は、ナイフ刃の凹面側から離れた凸面側の方向に傾斜している。
【0010】
本開示のいくつかの態様では、ナイフ刃は、切断縁を画定する遠位部分を含む。
【0011】
本開示の特定の態様は、切断縁は、ナイフ刃の第1屈曲端部部分及び第2屈曲端部部分に沿って延びる。
【0012】
本開示の態様では、ガイド部材は、エンドエフェクタの本体の長手方向部分に固定された本体部分を含む。
【0013】
本開示のいくつかの態様では、ガイド部分は、ガイド部材の本体部分から、エンドエフェクタの本体によって画定される空洞の中に延びる。
【0014】
本開示の特定の態様では、ガイド部分は、ガイド部分の傾斜ガイド面によって部分的に画定される長手方向に延びる凹部を画定する。
【0015】
本開示の態様では、ナイフアセンブリはナイフホルダを含み、ナイフ刃はナイフホルダに固定され、ナイフホルダから遠位に延びる。
【0016】
本開示のいくつかの態様において、アンビルアセンブリは、アンビル部材と、エンドエフェクタの本体の第1部分とアンビル部材との間に挟まれた切断プレートと、を含む。
【0017】
本開示のある態様では、エンドエフェクタの本体の第2部分は、第1チャネルを画定し、カートリッジアセンブリは、エンドエフェクタの本体の第2部分の第1チャネル内に取り外し可能に受容される。
【0018】
本開示の態様では、ナイフ刃は、中央本体部分と、中央本体部分から外向きに延びる翼と、を含む。
【0019】
本開示のいくつかの態様では、ナイフ刃の第1屈曲端部部分及び第2屈曲端部部分は、翼から外向きに延びる。
【0020】
本開示のある態様では、ガイドピンは、平坦部を画定し、平坦部及びガイドピンの第2傾斜ガイド面は、鋭角を画定するように交差する軸を画定する。
【0021】
本開示の態様では、ガイドピンは、ピンカプラに接続された近位部分を有する。
【0022】
本開示の更に他の態様は、湾曲構成を有する本体を含むナイフ刃に関する。本体は、中央部分と、第1屈曲端部部分及び第2屈曲端部部分と、を含む。本体は、凹面側、凸面側、遠位部分、及び近位部分を有する。第1屈曲端部部分及び第2屈曲端部部分は、ナイフ刃の凹面側から離れた凸面側の方向に傾斜している。本体の遠位部分は、第1屈曲端部部分及び第2屈曲端部部分に沿って延びる切断縁を画定する。
【0023】
本開示の他の特徴は、以下の説明から理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示の様々な態様を、図面を参照して本明細書で以下に説明する。
【0025】
【
図1】エンドエフェクタが開位置にあり、エンドエフェクタのカートリッジアセンブリの整列ピンが前進位置にある、本開示の態様によるエンドエフェクタを含む外科用ステープル留め装置の側面斜視図である。
【0026】
【
図2】
図1に示すステープル留め装置のエンドエフェクタの分解斜視図である。
【0027】
【
図3】
図2に示されるエンドエフェクタのカートリッジアセンブリのナイフアセンブリのナイフ刃の斜視図である。
【0028】
【
図4】
図2に示されるエンドエフェクタのガイド部材の側面斜視図である。
【0029】
【
図4A】
図2の切断線4A-4Aに沿って切り取られた断面図である。
【0030】
【
図5】
図2に示されるカートリッジアセンブリのガイドピンの側面斜視図である。
【0031】
【
図5A】
図2の切断線5A-5Aに沿って切り取られた断面図である。
【0032】
【
図6】
図1に示されるステープル留め装置のエンドエフェクタの遠位部分の側面斜視図であり、エンドエフェクタの一部を仮想線で示す。
【0033】
【
図7】
図6に示された細部の指定領域の拡大図である。
【0034】
【
図8】
図6に示された細部の指定領域の拡大図である。
【0035】
【
図9】
図6の切断線9-9に沿って切り取られた断面図である。
【0036】
【
図10】
図9に示された細部の指定領域の拡大図である。
【0037】
【
図11】
図9に示された細部の指定領域の拡大図である。
【0038】
【
図12】
図1に示される外科用ステープル留め装置のエンドエフェクタであって、組織の周りでクランプされた位置にある、エンドエフェクタの側面斜視図である。
【0039】
【
図13】
図12の切断線13-13に沿った切り取られた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
ここで、開示される外科用ステープル留め装置を、図面を参照して詳細に説明するが、図面中の同様の参照番号は、複数の図のそれぞれにおける同一の又は対応する要素を示す。しかしながら、本開示の態様は、本開示の単なる例示であり、様々な形態で具体化され得ることを理解されたい。不必要に詳述することで本開示が曖昧になってしまうことがないように、周知の機能又は構成は、詳細には記載されない。したがって、本明細書において開示されている特定の構造的及び機能的な詳細は、限定と解釈されず、単に特許請求の範囲の基礎として、及び本開示を実質的に任意の適切に詳説されている構造で様々に採用するよう当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0041】
この説明では、「近位」という用語は、一般に、通常の方法で装置を使用する際に臨床者により近い装置の部分を指すために使用され、「遠位」という用語は、通常の方法で装置を使用する際に、一般に、臨床医からより遠い装置の部分を指すために使用される。加えて、用語「臨床医」は、一般に、医師、看護師、及びサポート職員を含む医療関係者を指すために使用される。本明細書で使用される場合、「約」又は「およそ」又は「実質的に」は、述べられた値を含み得るが、問題の測定及び特定の量の測定に関連する誤差(例えば、測定システムの限界)を考慮した上で、当業者によって決定されるような特定の値についての変動の許容範囲内にあることを意味する。例えば、「約」は、1つ以上の標準偏差内、又は記載された値の±10%内を意味し得る。
【0042】
図1は、一般にステープル留め装置10として示される開示された外科用ステープル留め装置を示す。ステープル留め装置10は、ハンドルアセンブリ12、ハンドルアセンブリ12から遠位に延びる細長い本体部分14、及び細長い本体部分14の遠位部分上に支持されるエンドエフェクタ16を含む。細長い本体14は、長手方向軸「X」を画定し、ハンドルアセンブリ12とエンドエフェクタ16との間に延びる細長いフレーム14aを含む。ハンドルアセンブリ12は、固定ハンドル20を画定し、可動トリガ22を支持するハウジング18を含む。本開示の態様では、可動トリガ22は、ハウジング18によって支持されて、非作動位置と作動位置との間で固定ハンドル20に向かって枢動して、エンドエフェクタ16を動作させる。ハンドルアセンブリ12はまた、ボタン26(1つのみが示される)を支持し、ボタン26は、ハウジング18の両側に位置付けられ、ガイドピンプッシャ27を前進及び後退させるようにハウジング18に沿って移動可能である。ガイドピンプッシャ27は、後退位置と前進位置(
図1)との間で整列ピン28を移動させるために、エンドエフェクタ16内のガイドピン28に係合するように位置付けられ、構成されている。ハンドルアセンブリ12はまた、エンドエフェクタ16をクランプされた位置又は部分的にクランプされた位置からクランプされていない位置に移動させるために押下され得る解放ボタン30を含む。同様のステープル留め装置のハンドルアセンブリ12及び細長い本体部分14のより詳細な説明に関しては、米国特許第6,817,508号(「’508特許」)を参照されたい。
【0043】
図1及び
図2は、本体34と、アンビルアセンブリ36と、カートリッジアセンブリ38と、ガイド部材40と、を含む、ステープル留め装置10のエンドエフェクタ16を示す。本体34は、U字形の構成を有し、第1横断部分42と、第2横断部分44と、第1横断部分42を第2横断部分44に連結する長手方向部分46と、を含む。第1横断部分42は、第2横断部分44の遠位側に配置されて、本体34の長手方向部分46によって本体34の第1側で囲まれた空洞48(
図2)を画定する。長手方向部分46から離間された第1横断部分42及び第2横断部分44の端部は、空洞48への開口49(
図2)を画定する。第2横断部分44は、空洞48の近位に位置付けられるチャネル52を画定する、第1離間した側壁及び第2離間した側壁50を含む。本開示の態様では、第1横断部分42及び第2横断部分44は、細長い本体14の長手方向軸「X」を横断する方向に延び、かつ対応する湾曲構成を有する。あるいは、エンドエフェクタ16の本体34の横断部分は、他の線形又は湾曲構成を有し得ることが想定される。
【0044】
アンビルアセンブリ36は、本体34の第1横断部分42の構成に対応する構成を有し、アンビル部材60と切断プレート62と、を含む。本開示の態様において、アンビル部材60は、湾曲ナイフスロット64を画定し、近位に面するステープル成形表面66を有する。本開示のいくつかの態様では、アンビル部材60は、アンビル部材60を本体34の第1横断部分42に固定するために、エンドエフェクタ16の本体34の第1横断部分42に形成された凹部70内に固定される、近位に延びるフランジ66を含む。切断プレート62は、エンドエフェクタ16の本体34の第1横断部分42上に受容され、アンビル部材60と本体34の第1横断部分42との間に挟まれる。本開示のいくつかの態様では、アンビル部材60のフランジ68は、ねじ又はリベット(図示せず)を使用して本体34の第1横断部分42に固定される。あるいは、アンビルアセンブリ36をエンドエフェクタ16の本体34に固定するために、溶接、クリンピングなどを含む他の固定装置又は技術が使用され得る。
【0045】
カートリッジアセンブリ38は、カートリッジ本体70と、ナイフアセンブリ72と、プッシャ74と、ステープル76と、ガイドピン78と、ガイドピンカプラ80と、を含む。カートリッジ本体70は、エンドエフェクタ34の本体34の第2横断部分44の構成に対応する湾曲構成を有する遠位部分82と、遠位部分82から近位に延びる細長い近位部分84とを有する。カートリッジ本体70の遠位部分82は、湾曲ナイフスロット85と、湾曲ナイフスロット85の両側に位置付けられる複数のステープル受容スロット86とを画定する。本開示の態様では、ステープル受容スロット86は、湾曲スロット85の各側面で1つ以上の列状(例えば、2列又は3列)に整列されている。ステープル受容スロット86のそれぞれは、ステープル76のうちの1つを受容する。本開示の態様では、ナイフスロット85の曲率は、カートリッジ本体70の遠位部分82の曲率に対応する。
【0046】
カートリッジ本体70は、プッシャ74及びナイフアセンブリ72を受容する空洞88(
図2)を画定する。プッシャ74は、湾曲構成を有し、後退位置と前進位置との間でカートリッジ本体70の空洞88内で移動可能である。プッシャ74は、基部部分90と、カートリッジ本体70のステープル受容スロット86内に受容される複数のフィンガー92と、を含む。基部部分90は、湾曲ナイフスロット91を画定し、フィンガー92は、ナイフスロット91の両側に位置付けられる。フィンガー92(
図2)のそれぞれは、ステープル受容スロット86のうちのそれぞれの1つの中に受容され、カートリッジ本体70の空洞88内のプッシャ74のその後退位置からその前進位置への移動が、ステープル76をカートリッジ本体70からアンビルアセンブリ36に向かって押すようにステープル76を支持する。
【0047】
ナイフアセンブリ72は、プッシャ74の近位でカートリッジ本体70の空洞88内に位置付けられ、ナイフホルダ94及びナイフ刃96を含む。ナイフ刃96は、ナイフホルダ94に固定され、ナイフホルダ94から遠位方向に延び、プッシャ74の湾曲ナイフスロット91を通ってカートリッジ本体74の湾曲ナイフスロット85に入る。本開示の態様では、ナイフ刃96の近位部分は、ナイフホルダ94に画定されたスロット98内に受容されて、ナイフ刃96をナイフホルダ94に固定する。本開示の態様では、ナイフ刃96の近位部分は、ナイフホルダ94からのナイフ刃96の取り外しを防止する棘又はタング100を含む。あるいは、ナイフ刃96は、種々の異なる固定装置又は技術を使用してナイフホルダ94に固定され得る。ナイフアセンブリ72が、その後退位置からその前進位置に移動されると、ナイフアセンブリ72は、プッシャ74に対して移動して、ナイフ刃96をプッシャ74の湾曲ナイフスロット91を通って、かつカートリッジ本体70の湾曲ナイフスロット85を通って、ナイフ刃96がカートリッジ本体70からアンビルアセンブリ36の中へ遠位に突出する位置まで前進させる。
【0048】
ガイドピン78の近位部分は、ガイドピンカプラ80に連結される。ガイドピン78及びガイドピンカプラ80は、カートリッジ本体70の近位部分84内に支持され、後退位置と前進位置との間で移動可能である。後退位置では、ガイドピン78は完全にカートリッジ本体70内に位置付けられる。カートリッジ本体70は、カートリッジ本体70の遠位面106を通って延びる貫通孔102を画定する。ガイドピン78は、貫通孔102と長手方向に整列している。ガイドピン78が前進位置に移動されると、ガイドピン78は、貫通孔102を通り、エンドエフェクタ本体34によって画定された開口部49を横切って、アンビルアセンブリ36内に画定された孔104内に移動して、開口部49を閉鎖する。
【0049】
カートリッジアセンブリ38のカートリッジ本体82は、エンドエフェクタ16の本体34の第2横断部分44によって画定されるチャネル52内に受容される近位部分82aを含む。カートリッジアセンブリ36がエンドエフェクタ16のチャネル52内に受容されると、カートリッジアセンブリ38はまた、ステープル留め装置10のクランプスライドアセンブリ(図示せず)に係合し、ナイフアセンブリ72は、ステープル留め装置10のスラストバー(図示せず)に係合する。さらに、ガイドピンカプラ80は、ガイドピンプッシャ27(
図1)の遠位部分に係合する。カートリッジアセンブリ38がクランプスライドアセンブリ(図示せず)内に支持された状態で、カートリッジアセンブリ38は、開放位置とクランプ位置との間で、エンドエフェクタ16の本体34の空洞48(
図2)内にてクランプスライドアセンブリと共に移動され得る。ナイフアセンブリ38及びガイドピン78は、ハンドルアセンブリ12の作動を介して、それらの前進位置と後退位置との間で移動され得る。ガイドピンプッシャ、クランプスライドアセンブリ、及びスラストバーのより詳細な説明については、例えば、’508特許を参照のこと。
【0050】
図2及び
図3は、近位部分及び遠位部分を有する湾曲本体110を含むナイフ刃96を示す。湾曲本体110は、カートリッジ本体70の遠位部分82(
図2)の湾曲構成に対応する構成を有する。湾曲本体110の遠位部分は、切断縁112を画定し、湾曲本体110の近位部分は、上記のようにナイフホルダ94へのナイフ刃96の取り付けを容易にする棘100を備える。湾曲本体110は、凹面114を画定する凹面側と、凸面側とを有する。湾曲本体110は、ナイフ刃96の遠位端と近位端との間に位置付けられ、ナイフ刃96の凸面側に向かって屈曲する、第1屈曲端部部分116a及び第2屈曲端部部分116bをそれぞれ含む。本開示の態様では、第1屈曲端部部分116a及び第2屈曲端部部分116bは、湾曲本体110の中心部分から外向きに延び、ナイフ刃96の湾曲本体110の長さ「L2」より短い長さ「L1」(
図3)を有する、翼118上に形成される。本開示の態様では、第1屈曲端部部分116a及び第2屈曲端部部分116bは、第1屈曲端部部分116a及び第2屈曲端部部分116bの外縁117がナイフ刃96の凸面側に位置決めされるように、ナイフ刃96の湾曲本体110によって画定される凹面部114から離れた方向に傾斜している。本開示の特定の態様は、第1屈曲端部部分116a及び第2屈曲端部部分116bは、切断縁112と連続する遠位切断縁を有する。
【0051】
図4及び
図4Aは、エンドエフェクタ16のガイド部材40を示す。ガイド部分40は、本体部分120とガイド部分122を含む。本体部分120は、ガイド部分122が本体部分120からエンドエフェクタ16の本体34の空洞48内へと横に延びるように、エンドエフェクタ16の本体34の長手方向部分46内に画定された長手方向チャネル126(
図9)内にしっかりと固定される。本開示の態様において、ガイド部材40の本体部分120は、ガイド部材40をエンドエフェクタ16の本体34に固定するためのねじ又はリベット(図示せず)を受容する開口部127(
図4)を画定する。ガイド部材40のガイド部分122は、実質的に空洞48の長さに沿って空洞48内で長手方向に延び、ナイフ刃96の屈曲端部部分116bを受容する、長手方向に延びる傾斜ガイド面128を画定する。本開示の態様において、傾斜ガイド面128は、長手方向に延びる凹部129(
図4)の一部を画定する。カートリッジアセンブリ38がエンドエフェクタ16の本体34内へと受容されると、ガイド部分122は、カートリッジ本体70内に延び、ナイフ刃96の第1屈曲端部部分116aに係合する(
図11)。本開示の態様では、ナイフ刃96の第1屈曲端部部分116aは、ガイド部材40のガイド部分122の傾斜ガイド面128に係合する。
【0052】
図2、
図5及び
図5Aは、カートリッジアセンブリ38のガイドピン78を示す。ガイドピン78は、半円形の断面形状を有し、鋭角β(
図5A)を画定する軸を有する平坦部130及びガイド面132を含む。ガイドピン78は、ナイフ刃96の翼118がガイドピン78の平坦部130と摺動係合し、第2屈曲端部部分116bがガイドピン78のガイド面132と摺動係合するように、カートリッジ本体70内に支持される。
【0053】
図6~
図13は、ステープル留め装置10が組織の周りにクランプされ、発射され、ガイドピン78が前進位置にある状態のステープル留め装置10のエンドエフェクタ17を示す。ガイドピン78が前進位置にある状態で、組織「T」(
図12)は、アンビルアセンブリ36とカートリッジアセンブリ38との間のエンドエフェクタ16の本体34内の空洞48内に収容される。発射された位置において、ナイフ刃96は、ナイフ刃96の切断縁112(
図8)がアンビルアセンブリ36と係合した状態で、その前進位置にある。ナイフ刃96が後退位置から前進位置に向かって移動すると、ナイフ刃96の第1屈曲端部部分116aは、ガイド部材40のガイド部分122の傾斜ガイド面128に係合してこれに沿って摺動し、ナイフ刃96の第2屈曲端部部分116bは、ガイドピン78のガイド面132に係合してこれに沿って摺動する。ナイフ刃96の端部部分116a及び116bと、ガイド部材40のガイド表面128及びガイドピン78のガイド表面132との間の係合は、クランプされた組織「T」の外向きの広がりを防止し、ナイフ刃96の切断縁112の経路内に組織を維持し、アンビルアセンブリ36とカートリッジアセンブリ38との間にクランプされた組織「T」を効果的かつきれいに切断する。上述したように、本開示の態様では、ナイフ刃96の切断縁112は、ナイフ刃96の第1端部屈曲端部部分及び第2端部屈曲端部部分にわたって延びる。これは、ナイフ刃96の端部に隣接する組織「T」の側部での組織「T」の切断を容易にする。
【0054】
当業者は、本明細書に具体的に記載され、添付の図面に例示される装置及び方法が本開示の非限定的な例示的態様であることを理解するであろう。本開示の例示的一態様に関連して例示又は説明された要素及び特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、互いの要素及び特徴と組み合わされてもよいことが想定される。同様に、当業者は、上述した本開示の態様に基づいて、本開示の更なる特徴及び利点を理解するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって示されるものを除いて、特に示され説明されているものによって限定されるものではない。
【国際調査報告】