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特表2023-554082可動の家具部分をガイドするためのアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】可動の家具部分をガイドするためのアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/26 20060101AFI20231219BHJP
   E05D 15/58 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
E05D15/26
E05D15/58 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537037
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 AT2021060476
(87)【国際公開番号】W WO2022126167
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】A51104/2020
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】エルヴィス ミュージック
【テーマコード(参考)】
2E034
【Fターム(参考)】
2E034JA01
2E034JB03
2E034JE01
(57)【要約】
可動の家具部分(2)、好ましくはスライドドアまたはフォールディングスライドドアを、固定の家具部分(3)、好ましくは家具キャビネットにおいてガイドするためのアセンブリ(1)であって、-固定の家具部分(3)に取り付けるべき少なくとも1つのガイドシステム(4,5)と、-可動の家具部分(2)を旋回可能に支持可能な支持体(8)であって、この支持体は、可動の家具部分(2)を固定の家具部分(3)において間接的にガイドするために、少なくとも1つのガイドシステム(4,5)に可動に接続可能であるまたは接続されている、支持体(8)とを有しており、可動の家具部分(2)は、可動の家具部分(2)を固定の家具部分(3)において直接的にガイドするための、少なくとも1つのガイドシステム(4)とは別個のガイド装置(6)を有している、アセンブリ(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動の家具部分(2)、好ましくはスライドドアまたはフォールディングスライドドアを、固定の家具部分(3)、好ましくは家具キャビネットにおいてガイドするためのアセンブリ(1)であって、
-前記固定の家具部分(3)に取り付けるべき少なくとも1つのガイドシステム(4,5)と、
-前記可動の家具部分(2)を旋回可能に支持可能な支持体(8)であって、前記支持体は、前記可動の家具部分(2)を前記固定の家具部分(3)において間接的にガイドするために、前記少なくとも1つのガイドシステム(4,5)に可動に接続可能であるまたは接続されている、支持体(8)と
を有しているアセンブリ(1)において、
前記可動の家具部分(2)は、前記可動の家具部分(2)を前記固定の家具部分(3)において直接的にガイドするための、前記少なくとも1つのガイドシステム(4)とは別個のガイド装置(6)を有していることを特徴とする、アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記ガイド装置(6)は、少なくとも1つの溝(6a)と、前記少なくとも1つの溝(6a)内に所定の領域で係合する少なくとも1つのガイドエレメント(6b)とを有している、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの溝(6a)は、前記可動の家具部分(2)に配置されており、好ましくは、前記少なくとも1つの溝(6a)は、前記可動の家具部分(2)の縁部(2a)の全長にわたって延在しており、前記少なくとも1つのガイドエレメント(6b)は、前記固定の家具部分(3)に配置されている、請求項2記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの溝(6a)は、前記固定の家具部分(3)に配置されていて、前記少なくとも1つのガイドエレメント(6b)は、前記可動の家具部分(2)に配置されており、好ましくは前記少なくとも1つのガイドエレメント(6b)は、前記可動の家具部分(2)の縁部(2a)の全長にわたって延在している、請求項2記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記アセンブリ(1)は、少なくとも1つの調節装置(7)を有していて、前記調節装置によって、前記ガイド装置(6)の少なくとも一部が、前記固定の家具部分(3)に対して相対的に、好ましくは、前記少なくとも1つのガイドシステム(4,5)の長手方向延在に対して垂直方向で調節可能である、請求項1から4までのいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記調節装置(7)は、前記調節装置(7)を操作することができる操作エレメント(7a)を有しており、好ましくは、前記操作エレメント(7a)は、ねじの形態で形成されている、請求項5記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記調節装置(7)は、前記ガイド装置(6)の少なくとも一部が支持されている支持装置(7c)を有している、請求項5または6記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記支持装置(7c)は、接続エレメント(102)の切欠き(102a)内に可動に支持されており、好ましくは、前記接続エレメント(102)は、前記固定の家具部分(3)に配置されている、請求項7記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記アセンブリは、補償装置(9)を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記補償装置(9)は、旋回レバー機構(9a)および/またはケーブル牽引装置(9b)を有している、請求項9記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記アセンブリ(1)は、少なくとも2つの、好ましくは垂直方向で互いに離隔されたガイドシステム(4,5)を有している、請求項1から10までのいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項12】
少なくとも1つの固定の家具部分(3)と、少なくとも1つの可動の家具部分(2)と、前記可動の家具部分(2)を前記固定の家具部分(3)においてガイドするための少なくとも1つのアセンブリ(1)とを備えた家具(100)であって、好ましくは、前記家具(100)は、前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)が配置可能であるシャフト状の中空室(101)を有している、家具(100)。
【請求項13】
前記家具(100)は、シャフト状の中空室(101)を有しており、前記シャフト状の中空室(101)は、少なくとも1つの接続エレメント(102)によって互いに接続されている少なくとも2つの、好ましくは平行な側壁(101a)によって形成され、前記少なくとも1つの接続エレメント(102)上に、または前記少なくとも1つの接続エレメント(102)内に、ガイド装置(6)の少なくとも一部が配置されている、または形成されている、請求項12記載の家具。
【請求項14】
前記可動の家具部分(2)は、スライドドアまたはフォールディングスライドドアによって形成され、好ましくは前記スライドドアまたはフォールディングスライドドアは、1つだけの戸を含む、請求項12または13記載の家具。
【請求項15】
前記可動の家具部分(2)は、好ましくはアルミニウム成形材から成るフレーム(2b)および/または好ましくはガラスから成るカバー(2c)を含む、請求項12から14までのいずれか1項記載の家具。
【請求項16】
前記成形材(2a)は、溝(6b)および/またはガイドエレメント(6a)を有している、請求項15記載の家具。
【請求項17】
前記溝(6b)および/または前記ガイドエレメント(6a)は、前記成形材(2a)に一体に形成されている、請求項16記載の家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念の特徴を有する、可動の家具部分、好ましくはスライドドアまたはフォールディングスライドドアを、固定の家具部分、好ましくは家具キャビネットにおいてガイドするためのアセンブリに関する。本発明はさらに、このようなアセンブリを備えた家具に関する。
【0002】
請求項1の上位概念に記載の形式のアセンブリは、既に公知である。従来技術によるこのような手段における欠点は、可動の家具部分が、少なくとも1つのガイドシステムにおいて、支持体を介してしかガイドされていないことである。少なくとも1つのガイドシステムに沿った、支持体の-ひいては可動の家具部分の-運動は、可動の家具部分による可動の家具部分の不十分なガイドに基づき、困難となるまたは阻止されるおそれがある。可動のかつ/または固定の家具部分は、このような運動により損傷されるおそれもある。
【0003】
本発明の課題は、従来技術による上記欠点を回避し、従来技術に対して改善された、可動の家具部分、好ましくはスライドドアまたはフォールディングスライドドアを、固定の家具部分、好ましくは家具キャビネットにおいてガイドするためのアセンブリ、および少なくとも1つのこのようなアセンブリを備えた家具を提供することである。
【0004】
この課題は、独立請求項1および12に記載の特徴により解決される。
【0005】
したがって本発明によれば、可動の家具部分が、可動の家具部分を固定の家具部分において直接的にガイドするための、少なくとも1つのガイドシステムとは別個のガイド装置を有していることが想定されている。
【0006】
したがって、固定の家具部分において、可動の家具部分は、支持体を介して間接的にガイドされるだけでなく、別個のガイド装置を介して直接的にもガイドされる。これにより、少なくとも1つのガイドシステムに沿って、支持体が-ひいては可動の家具部分も-運動する際に、可動の家具部分は、摩擦のない運動経過が保証されるようにガイドされる。
【0007】
さらに、少なくとも1つの固定の家具部分と、少なくとも1つの可動の家具部分と、可動の家具部分を固定の家具部分においてガイドするための少なくとも1つのアセンブリとを備えた本発明による家具であって、好ましくはこの家具は、少なくとも1つの可動の家具部分が配置可能であるシャフト状の中空室を有している家具が設けられる。
【0008】
本発明のさらなる有利な実施形態は、従属請求項に規定されている。
【0009】
ガイド装置が、少なくとも1つの溝と、少なくとも1つの溝内に所定の領域で係合する少なくとも1つのガイドエレメントとを有していることが想定されていてよい。これは、ガイド装置を実現するための、複雑ではなく安価であるが同時に安定した手段である。
【0010】
本発明の1つの実施例では、少なくとも1つの溝が、可動の家具部分に配置されていて、好ましくは、少なくとも1つの溝は、可動の家具部分の縁部の全長にわたって延在しており、少なくとも1つのガイドエレメントが、固定の家具部分に配置されていることが想定されていてよい。
【0011】
しかしながら、少なくとも1つの溝が、固定の家具部分に配置されていて、少なくとも1つのガイドエレメントが、可動の家具部分に配置されており、好ましくは、少なくとも1つのガイドエレメントは、可動の家具部分の縁部の全長にわたって延在していることが想定されていてもよい。
【0012】
具体的な使用例に応じて、両態様のうちの少なくとも1つが、固定の家具部分における可動の家具部分の最良のガイドを保証する。
【0013】
少なくとも1つの溝もしくは少なくとも1つのガイドエレメントが、可動の家具部分の縁部の全長にわたって延在しているならば、これは、固定の家具部分における可動の家具部分のさらに安定的で全面的なガイドに貢献する。
【0014】
本発明のさらなる実施例によれば、可動の家具部分は、スライドドアまたはフォールディングスライドドアによって形成され、好ましくはスライドドアまたはフォールディングスライドドアは、1つだけの戸を含むことが想定されていてよい。
【0015】
好適には、アセンブリは、少なくとも1つの調節装置を有していて、この調節装置によって、ガイド装置の少なくとも一部が、固定の家具部分に対して相対的に、好ましくは、少なくとも1つのガイドシステムの長手方向延在に対して垂直方向で調節可能であることが想定されていてよい。
【0016】
この場合、このような調節装置により、とりわけ、所与の条件または変化する条件に合わせてガイド装置を後から調節することも可能となる。特に、ガイド装置は調節装置によって、少なくとも1つのガイドシステムに沿って、支持体が-ひいては可動の家具部分も-運動する際に、可動の家具部分が、少なくとも1つのガイドシステムに対して平行にガイドされるように、調節され得る。
【0017】
さらに、調節装置が、調節装置を操作することができる操作エレメントを有しており、好ましくは、操作エレメントは、ねじの形態で形成されていることが想定されていてよい。これは、調節装置を操作するための簡単な手段である。
【0018】
好適には、アセンブリが補償装置を有していることが想定されていてよい。
【0019】
特に好適には、補償装置が、旋回レバー機構および/またはケーブル牽引装置を有していることが想定されていてよい。
【0020】
このような補償装置は、可動の家具部分に過負荷が生じた場合に、少なくとも1つのガイドシステムにおいて支持体がひっかかって動かなくなることを阻止する。
【0021】
アセンブリが、少なくとも2つの、好ましくは垂直方向で互いに離隔されたガイドシステムを有しているならば、ガイドシステムにおける支持体のより安定的なガイドが保証される。
【0022】
本発明による家具に関しては、可動の家具部分が、好ましくはアルミニウム成形材から成るフレームおよび/または好ましくはガラスから成るカバーを含むことが想定されていてよい。
【0023】
可動の家具部分のこのような構成により、可動の家具部分の安定的な構造が可能となる。可動の家具部分が、アルミニウムフレームおよびガラスカバーから成っている場合には、このことは使用者にとってさらに視覚的な魅力となる。
【0024】
特に好適には、成形材が溝および/またはガイドエレメントを有していることが想定されていてよい。これは、ガイド装置の一部を実現する、安価で複雑でなく、視覚的に魅力的な手段である。
【0025】
本発明のさらなる詳細および利点を、図面の説明に基づき図面を参照しながら以下により詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1a】本発明によるアセンブリを備えた家具を示す斜視図である。
図1b】本発明によるアセンブリを備えた家具を開放状態で示す斜視図である。
図2a】本発明による家具の一部を示す斜視図である。
図2b】本発明による家具の一部を一方の側壁なしで示す斜視図である。
図3a】本発明による家具の一部の斜視図の一区分を第1の位置で示す図である。
図3b図3aの詳細部Aを示す図である。
図4a】本発明による家具の一部の斜視図の一区分を第2の位置で示す図である。
図4b図4aの詳細部Aを示す図である。
図5a】本発明による家具の一部の正面図の一区分を示す図である。
図5b図5aの詳細部Aを示す図である。
図6a】本発明による可動の家具部分の第1の実施例の一部を示す図である。
図6b】本発明による可動の家具部分の第1の実施例のフレームを示す断面図である。
図7a】本発明による可動の家具部分の第2の実施例の一部を示す図である。
図7b】本発明による可動の家具部分の第2の実施例のフレームを示す断面図である。
図8a】本発明による可動の家具部分の第3の実施例の一部を示す図である。
図8b】本発明による可動の家具部分の第3の実施例のフレームを示す断面図である。
図9a】本発明による可動の家具部分の第4の実施例の一部を示す図である。
図9b】本発明による可動の家具部分の第4の実施例のフレームを示す断面図である。
図10】本発明による調節装置の分解図である。
図11a】本発明による調節装置を第1の位置で示す図である。
図11b】本発明による調節装置を第2の位置で示す図である。
図11c】本発明による調節装置を第3の位置で示す図である。
【0027】
図1には、本発明によるアセンブリを備えた家具100が斜視図で示されている。家具100は、この場合、固定の家具部分3と、戸を備えたフォールディングスライドドアの形態の可動の家具部分2とを含んでいる。戸は、この実施例では、アルミニウム成形材から成る図示されていないフレーム2bと、ガラス製のカバー2cとから形成されている。
【0028】
勿論、フレームおよびカバーには、様々な材料、例えば、木材、プラスチック、または他の金属を使用することもできる。フレームとカバーとが同じ材料から成っていること、またはフレームとカバーとが互いに一体に形成されていることさえも想定されてもよい。
【0029】
固定の家具部分3はさらに、側壁101aによって画定されている中空室101を有している。中空室101には、可動の家具部分2を少なくとも所定の領域で挿入することができる。
【0030】
本発明による家具100は、この例では、フォールディングスライドドア103aと中空室103bとを含む別の家具区分103を有している。この家具区分103は、通常の家具区分、または本発明によるアセンブリを備えた家具区分であってよい。
【0031】
図1bには、可動の家具部分2が開放されていて中空室101内に移送された状態が示されている。別の家具区分103のフォールディングスライドドア103aも開放されていて中空室103b内に移送されている。
【0032】
図2aは、本発明による家具100の一部の斜視図を示している。中空室101を画定する側壁101aが、接続エレメント102を介して互いに接続されていることが認められる。ガイド装置6は略示されている。
【0033】
図2bも、本発明による家具100の一部の斜視図を示しているが、一方の側壁101aは図示されていない。固定の家具部分3において支持体8をガイドするために2つのガイドシステム4,5が示されている。可動の家具部分2は、ヒンジ8aを介して旋回可能に支持体8に支持されている。
【0034】
旋回レバー機構9aとケーブル牽引装置9bとから成る補償装置9がさらに示されている。旋回レバー機構9aは、2つの旋回レバーを含み、両旋回レバーのうちの長い方の旋回レバーが、一方では、固定の家具部分に旋回可能に配置されていて、他方では、支持体の実質的に真ん中に旋回可能かつ摺動可能に配置されている。両旋回レバーのうちの短い方の旋回レバーは、支持体の上方領域に、かつ長い方の旋回レバーの実質的に真ん中に旋回可能に支持されている。
【0035】
ケーブル牽引装置9bは、ケーブルを含み、このケーブルの端部はそれぞれ支持体に配置されている。ケーブルは、変向ローラを介して固定の家具部分に接続されている。
【0036】
図3aは、本発明による家具100の一部の斜視図の一区分を第1の位置で示している。可動の家具部分2は、まだ中空室101内に配置されていないことが認められる。図3bには、図3aの詳細部Aが示されている。
【0037】
この図では、フレーム2bが、ガイド装置6の溝6aを有していることが明らかである。溝6aは、この実施例では、フレーム2bの縁部2a全体に沿って延在している。特に、溝6aはフレーム2bによって形成されている。
【0038】
しかしながら、溝6aが、所定の領域でのみ縁部2aに沿って延在していることも想定されてよい。さらに、溝6aは、例えば、フレーム2bとは別個の成形材によって形成されてもよい。
【0039】
さらに、側壁101aを接続する接続エレメント102が明らかになっている。接続エレメント102には、この実施例では、調節装置7が配置されている。調節装置7を介して、調節装置7に配置されたガイドエレメント6bを調節することができる。特に、ガイドエレメント6bの調節は、側壁101aに対する垂線に沿って行われる。ガイドエレメント6bは、この場合、溝6aにまだ係合していない。
【0040】
可動の家具部分2もしくはフレーム2bは、ガイドエレメント6bと溝6aとを介して調節装置7によって調節することができることが想定されていてもよい。さらに、調節装置7は、接続エレメント102に配置されるのではなく、例えば別個の取付け装置を介して固定の家具部分3に配置されていることが考えられる。
【0041】
図4aは、本発明による家具100の一部の斜視図の一区分を第1の位置で示している。可動の家具部分2は、所定の領域で中空室101内に配置されていることが認められる。図4bには、図4aの詳細部Aが示されている。ガイドエレメント6bは、今や、溝6aに係合しており、これにより、可動の家具部分2が直接、固定の家具部分3に沿ってガイドされていることが認められる。
【0042】
図5aは、よりよい理解のために、本発明による家具100の一部の正面図の一区分を示している。図5bは同じく、図5aの詳細部Aを示している。
【0043】
ガイドエレメント6bは、溝6aに係合しており、したがって、可動の家具部分2が直接、固定の家具部分3に沿ってガイドされていることが認められる。また、これらの図5aおよび図5bから明らかなように、調節装置7を介して行われるガイドエレメント6bの調節の結果として、中空室101内における、すなわち、側壁101aの間における可動の家具部分2の位置の調節も行われる。調節装置7は、すなわち、中空室101の内側において可動の家具部分2を位置合わせするために使用することができる。
【0044】
図6a~図9bは、本発明によるフレーム2bの様々な実施例を示しており、図6a、図7a、図8aおよび図9aは、フレーム2bの斜視図を、図6b、図7b、図8bおよび図9bは、それぞれ対応する断面図を示している。
【0045】
図6aおよび図6bによる第1の実施例では、フレーム2bは溝6aを有している。フレーム2bと溝6aとは、この場合、互いに一体に形成されている。フレーム2bは、成形材、例えば、押出成形材から形成される。
【0046】
図7aおよび図7bによる第2の実施例は、実質的に第1の実施例に相当するが、フレーム2bには付加的に、例えばガラスから成るカバー2cが配置されている。
【0047】
図8aおよび図8bによる第3の実施例では、フレーム2bはガイドエレメント6bを有している。フレーム2bとガイドエレメント6bとは、この場合、互いに一体に形成されていてよい。しかしながら、ガイドエレメント6bは、例えばプラスチックから成る別個の部分によって形成されていてもよい。
【0048】
図9aおよび図9bによる第4の実施例は、実施例1および実施例3の組み合わせである。これによると、フレーム2bは、溝6aおよびガイドエレメント6bの両方を有している。
【0049】
図10は、本発明による調節装置の分解図を示している。調節装置7は、支持装置7cを有しており、この支持装置は、この実施例では、接続エレメント102の切欠き102a内に摺動可能に配置されている。支持装置7cには、ガイドエレメント6bが支持されている。支持装置7cに溝6aが支持されていることも想定されてよい。
【0050】
支持装置7cは、突起7dを有していて、これらの突起は、接続エレメント102の凹部102cに係合する。これにより、一方では支持装置7cが接続エレメント102に保持されていて、他方では支持装置7cの運動が制限される。
【0051】
調節装置7は、さらに操作エレメント7aを有している。この場合、操作エレメント7aは、固定エレメント7bと、支持装置7cの受容部7fとに接続されている。操作エレメント7aを操作することにより、固定エレメント7bは、クランプ領域7eでクランプされる。したがって、操作エレメント7aは支持装置7cにも接続されているので、支持装置は、接続エレメント102に対して固定されている。その結果、ガイドエレメント6bも固定の家具部分3に対して固定される。
【0052】
ガイドエレメント6bを、固定の家具部分3に対して調節するためには、操作エレメント7aが操作され、これによりクランプ領域7eにおける固定エレメント7bによるクランプが解除される。今や、支持装置7cを、ひいてはガイドエレメント6bを調節することができる。調節後は、支持装置7c、ひいてはガイドエレメント6bを、既に説明したように固定することができる。
【0053】
接続エレメント102における孔102bは、固定の家具部分2もしくは側壁101aに接続エレメント102を取り付けるために用いられる。
【0054】
図11a~図11cは、本発明による調節装置7を様々な位置で示している。図11aでは、調節装置が第1の方向で最大限に調節されていて、図11bでは、調節装置が中間位置に配置されていて、図11cでは調節装置が第2の方向で最大限に調節されている。ガイドエレメント6bがどのようにして、接続エレメント102に対して相対的に、ひいては固定の家具部分3に対して相対的に調節されるのかが見て取れる。
【符号の説明】
【0055】
1 アセンブリ
2 可動の家具部分
2a 縁部
2b ドア成形材/フレーム
2c カバーエレメント
3 固定の家具部分
4 ガイドシステム
5 ガイドシステム
6 ガイド装置
6a 溝
6b ガイドエレメント
7 調節装置
7a 操作エレメント
7b 固定エレメント
7c 支持装置
7d 突起
7e クランプ領域
7f 受容部
8 支持体
8a ヒンジ
9 補償装置
9a 旋回レバー機構
9b ケーブル牽引装置
100 家具
101 中空室
101a 側壁
102 接続エレメント
102a 切欠き
102b 孔
102c 凹部
103 別の家具区分
103a フォールディングスライドドア
103b 中空室
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図9a
図9b
図10
図11a
図11b
図11c
【手続補正書】
【提出日】2023-08-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
この課題は、独立請求項1および11に記載の特徴により解決される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
したがって、固定の家具部分において、可動の家具部分は、支持体を介して間接的にガイドされるだけでなく、別個のガイド装置を介して直接的にもガイドされる。これにより、少なくとも1つのガイドシステムに沿って、支持体が-ひいては可動の家具部分も-運動する際に、可動の家具部分は、摩擦のない運動経過が保証されるようにガイドされる。
さらに、アセンブリは、少なくとも1つの調節装置を有していて、この調節装置によって、ガイド装置の少なくとも一部が、固定の家具部分に対して相対的に、好ましくは、少なくとも1つのガイドシステムの長手方向延在に対して垂直方向で調節可能であることが想定されている。
この場合、このような調節装置により、とりわけ、所与の条件または変化する条件に合わせてガイド装置を後から調節することも可能となる。特に、ガイド装置は調節装置によって、少なくとも1つのガイドシステムに沿って、支持体が-ひいては可動の家具部分も-運動する際に、可動の家具部分が、少なくとも1つのガイドシステムに対して平行にガイドされるように、調節され得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動の家具部分(2)、好ましくはスライドドアまたはフォールディングスライドドアを、固定の家具部分(3)、好ましくは家具キャビネットにおいてガイドするためのアセンブリ(1)であって、
-前記固定の家具部分(3)に取り付けるべき少なくとも1つのガイドシステム(4,5)と、
-前記可動の家具部分(2)を旋回可能に支持可能な支持体(8)であって、前記支持体は、前記可動の家具部分(2)を前記固定の家具部分(3)において間接的にガイドするために、前記少なくとも1つのガイドシステム(4,5)に可動に接続可能であるまたは接続されている、支持体(8)と
を有しており、
前記可動の家具部分(2)は、前記可動の家具部分(2)を前記固定の家具部分(3)において直接的にガイドするための、前記少なくとも1つのガイドシステム(4)とは別個のガイド装置(6)を有しているアセンブリ(1)において、
前記アセンブリ(1)は、少なくとも1つの調節装置(7)を有していて、前記調節装置によって、前記ガイド装置(6)の少なくとも一部が、前記固定の家具部分(3)に対して相対的に、好ましくは、前記少なくとも1つのガイドシステム(4,5)の長手方向延在に対して垂直方向で調節可能であることを特徴とする、アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記ガイド装置(6)は、少なくとも1つの溝(6a)と、前記少なくとも1つの溝(6a)内に所定の領域で係合する少なくとも1つのガイドエレメント(6b)とを有している、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの溝(6a)は、前記可動の家具部分(2)に配置されており、好ましくは、前記少なくとも1つの溝(6a)は、前記可動の家具部分(2)の縁部(2a)の全長にわたって延在しており、前記少なくとも1つのガイドエレメント(6b)は、前記固定の家具部分(3)に配置されている、請求項2記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの溝(6a)は、前記固定の家具部分(3)に配置されていて、前記少なくとも1つのガイドエレメント(6b)は、前記可動の家具部分(2)に配置されており、好ましくは前記少なくとも1つのガイドエレメント(6b)は、前記可動の家具部分(2)の縁部(2a)の全長にわたって延在している、請求項2記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記調節装置(7)は、前記調節装置(7)を操作することができる操作エレメント(7a)を有しており、好ましくは、前記操作エレメント(7a)は、ねじの形態で形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記調節装置(7)は、前記ガイド装置(6)の少なくとも一部が支持されている支持装置(7c)を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記支持装置(7c)は、接続エレメント(102)の切欠き(102a)内に可動に支持されており、好ましくは、前記接続エレメント(102)は、前記固定の家具部分(3)に配置されている、請求項記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記アセンブリは、補償装置(9)を有している、請求項1からまでのいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記補償装置(9)は、旋回レバー機構(9a)および/またはケーブル牽引装置(9b)を有している、請求項記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記アセンブリ(1)は、少なくとも2つの、好ましくは垂直方向で互いに離隔されたガイドシステム(4,5)を有している、請求項1からまでのいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項11】
少なくとも1つの固定の家具部分(3)と、少なくとも1つの可動の家具部分(2)と、請求項1から10までのいずれか1項記載の、前記可動の家具部分(2)を前記固定の家具部分(3)においてガイドするための少なくとも1つのアセンブリ(1)とを備えた家具(100)であって、好ましくは、前記家具(100)は、前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)が配置可能であるシャフト状の中空室(101)を有している、家具(100)。
【請求項12】
前記家具(100)は、シャフト状の中空室(101)を有しており、前記シャフト状の中空室(101)は、少なくとも1つの接続エレメント(102)によって互いに接続されている少なくとも2つの、好ましくは平行な側壁(101a)によって形成され、前記少なくとも1つの接続エレメント(102)上に、または前記少なくとも1つの接続エレメント(102)内に、ガイド装置(6)の少なくとも一部が配置されている、または形成されている、請求項11記載の家具。
【請求項13】
前記可動の家具部分(2)は、スライドドアまたはフォールディングスライドドアによって形成され、好ましくは前記スライドドアまたはフォールディングスライドドアは、1つだけの戸を含む、請求項11または12記載の家具。
【請求項14】
前記可動の家具部分(2)は、好ましくはアルミニウム成形材から成るフレーム(2b)および/または好ましくはガラスから成るカバー(2c)を含む、請求項11から13までのいずれか1項記載の家具。
【請求項15】
前記成形材(2a)は、溝(6b)および/またはガイドエレメント(6a)を有している、請求項14記載の家具。
【請求項16】
前記溝(6b)および/または前記ガイドエレメント(6a)は、前記成形材(2a)に一体に形成されている、請求項15記載の家具。
【国際調査報告】