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特表2023-554083家具用金具およびこのような家具用金具を備えた家具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】家具用金具およびこのような家具用金具を備えた家具
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/26 20060101AFI20231219BHJP
   E05D 15/58 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
E05D15/26
E05D15/58 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537038
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 AT2021060473
(87)【国際公開番号】W WO2022126164
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】GM50268/2020
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】カディーア イスラー
【テーマコード(参考)】
2E034
【Fターム(参考)】
2E034JA01
2E034JB03
2E034KA03
(57)【要約】
少なくとも1つの戸(2)を、特に互いに枢着的に接続された少なくとも2つの戸(2,3)を、不動の壁に支持するための家具用金具であって、少なくとも1つの戸(2)は、開放位置と、少なくとも1つの戸(2)が壁に対して実質的に横方向に配置可能な閉鎖位置(4)との間で可動である、家具用金具において、家具用金具(1)は、壁表面にかつ/または壁内に取付け可能な、好ましくはヒンジポット状の第1の金具部分(5)と、少なくとも1つの戸(2)に配置可能な第2の金具部分(6)とを有しており、両金具部分(5,6)は、少なくとも1つの戸(2)の閉鎖位置(4)で互いに接続可能であり、少なくとも1つの戸(2)の開放位置で、互いに分離可能であって、両金具部分(5,6)は、それぞれ少なくとも1つの支持エレメント(7,8)を有しており、両金具部分(5,6)の支持エレメント(7,8)は、少なくとも1つの戸(2)の、閉鎖位置(4)への運動、好ましくは旋回運動により、両金具部分(5,6)が、少なくとも1つの戸(2)の閉鎖位置(4)で、少なくとも1つの戸(2)に対して少なくとも横方向で互いに支持可能であるように、互いに当接させることができる、家具用金具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの戸(2)を、特に互いに枢着的に接続された少なくとも2つの戸(2,3)を、不動の壁に支持するための家具用金具であって、前記少なくとも1つの戸(2)は、開放位置と、前記少なくとも1つの戸(2)が前記壁に対して実質的に横方向に配置可能な閉鎖位置(4)との間で可動である、家具用金具において、
前記家具用金具(1)は、前記壁の表面にかつ/または前記壁内に取付け可能な、好ましくはヒンジポット状の第1の金具部分(5)と、前記少なくとも1つの戸(2)に配置可能な第2の金具部分(6)とを有しており、前記両金具部分(5,6)は、前記少なくとも1つの戸(2)の前記閉鎖位置(4)で互いに接続可能であり、前記少なくとも1つの戸(2)の前記開放位置で、互いに分離可能であって、前記両金具部分(5,6)は、それぞれ少なくとも1つの支持エレメント(7,8)を有しており、前記両金具部分(5,6)の前記支持エレメント(7,8)は、前記少なくとも1つの戸(2)の、前記閉鎖位置(4)への運動、好ましくは旋回運動により、前記両金具部分(5,6)が、前記少なくとも1つの戸(2)の前記閉鎖位置(4)で、前記少なくとも1つの戸(2)に対して少なくとも横方向で互いに支持可能であるように、互いに当接させることができることを特徴とする、家具用金具。
【請求項2】
前記支持エレメント(7,8)は、前記少なくとも1つの戸(2)の前記閉鎖位置(4)で、前記少なくとも1つの戸(2)に対して横方向で形状接続部を形成する、請求項1記載の家具用金具。
【請求項3】
前記金具部分のうちの一方の金具部分の、前記支持エレメントのうちの少なくとも一方の支持エレメント(7)は、少なくとも1つの突起(9)を有していて、好ましくは、前記金具部分のうちの他方の金具部分(8)は、少なくとも1つの凹部(10)を有しており、前記少なくとも1つの突起(9)は、前記少なくとも1つの戸(2)の前記閉鎖位置(4)で前記凹部(10)に係合する、請求項1または2記載の家具用金具。
【請求項4】
前記少なくとも1つの突起(9)が配置されている前記金具部分(7)は、少なくとも1つの取付けインターフェース(11)を有していて、前記取付けインターフェースは、少なくとも所定の領域で、前記少なくとも1つの戸(2)に当接可能であって、前記少なくとも1つの突起(9)は、少なくとも所定の領域で、前記少なくとも1つの取付けインターフェース(11)から横方向に突出している、請求項3記載の家具用金具。
【請求項5】
前記少なくとも1つの突起(9)は、好ましくはハニカム状の補強構造(13)を有していて、かつ/または少なくとも所定の領域で横断面が湾曲されてかつ/またはフィンガ状に形成されている、請求項3または4記載の家具用金具。
【請求項6】
前記少なくとも1つの突起(9)は、前記少なくとも1つの第2の金具部分(6)に、好ましくは一体的に配置されている、請求項3から5までの少なくとも1項記載の家具用金具。
【請求項7】
前記両金具部分(5,6)は、前記少なくとも1つの戸(2)または前記壁に少なくとも所定の領域で当接可能である少なくとも1つの取付けインターフェース(12,13)をそれぞれ有しており、前記両取付けインターフェース(12,13)は、前記少なくとも1つの戸(2)の前記閉鎖位置(4)で、互いに実質的に横方向に配置されている、請求項1から6までの少なくとも1項記載の家具用金具。
【請求項8】
前記第1の金具部分(5)は、ヒンジポット状に形成されていて、前記壁に平坦に当接するための少なくとも1つのフランジ(14)および/またはヒンジポット(17)の外壁(16)における、前記第1の金具部分(5)を前記壁の凹部に取り付けることができる少なくとも1つの取付け構造(15)を有している、請求項1から7までの少なくとも1項記載の家具用金具。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1の金具部分(5)および/または前記少なくとも1つの第2の金具部分(6)は、加圧式注型構成部品として、好ましくは金属材料またはプラスチックから形成されている、請求項1から8までの少なくとも1項記載の家具用金具。
【請求項10】
家具キャビネット(18)に対して旋回可能に支持されている少なくとも1つの戸(2)を備えた家具であって、前記家具(19)は、請求項1から9までのいずれか1項記載の少なくとも1つの家具用金具(1)を有している、家具。
【請求項11】
前記家具キャビネット(18)は、少なくとも1つの側壁(20)を有しており、前記少なくとも1つの側壁(20)の表面にかつ/または前記少なくとも1つの側壁(20)内に、第1の金具部分(5)が配置されていて、第2の金具部分(6)は、前記少なくとも1つの戸(2)に配置されている、請求項10記載の家具。
【請求項12】
前記少なくとも1つの戸(2)は、自由な戸(2)として、少なくとも1つの別の(第2の)戸(3)に枢着的に支持されており、前記少なくとも1つの別の(第2の)戸(3)は、支持体または前記家具キャビネット(18)に旋回可能に支持されており、前記少なくとも2つの戸(2,3)によって、フォールディングドアが形成されている、請求項10または11記載の家具。
【請求項13】
前記家具(19)は、前記家具(19)の奥行き方向(T)に延在するシャフト状の中空室(22)を有しており、前記中空室内には、前記少なくとも1つの戸(2)が閉鎖位置(4)で、好ましくは完全に、挿入可能に配置可能である、請求項10から12までの少なくとも1項記載の家具。
【請求項14】
前記家具キャビネット(18)に対して相対的に、前記少なくとも1つの戸(2)をガイドするために、ガイドシステム(23)が設けられており、前記ガイドシステムは、
-前記少なくとも1つの戸(2)を、前記家具キャビネット(18)の側壁に沿ってガイドするように構成されている少なくとも1つのガイド(24)と、
-前記少なくとも1つのガイド(24)に沿って可動に支持されている少なくとも1つの支持体(21)であって、前記支持体には、前記少なくとも1つの戸(2)が開放位置(4)と閉鎖位置との間で、旋回行程を介して旋回可能に支持可能である支持体(21)と
を有しており、
前記少なくとも1つの戸(2)の、前記少なくとも1つの支持体(21)および/または前記ガイド(24)とは反対側の端部には、前記家具用金具(1)の第2の金具部分(6)が配置されている、
請求項10から13までの少なくとも1項記載の家具。
【請求項15】
互いに枢着的に接続された少なくとも2つの戸(2,3)が設けられており、前記ガイドシステム(23)は、前記少なくとも1つの(第1の)ガイド(24)に対して横方向に、前記少なくとも1つの支持体(21)が可動に支持されている別の(第2の)ガイド(25)を有しており、前記少なくとも1つの(第1の)戸(2)は、前記少なくとも1つの支持体(21)に配置されていて、少なくとも1つの別の(第2の)戸(3)は、少なくとも1つの走行キャリッジ(26)を介して、前記別の(第2の)ガイド(25)に配置されており、前記少なくとも1つの(第1の)戸(2)には、前記家具用金具(1)の前記第2の金具部分(6)が配置されている、請求項14記載の家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの戸を、特に互いに枢着的に接続された少なくとも2つの戸を、不動の壁に支持するための家具用金具であって、少なくとも1つの戸は、開放位置と、少なくとも1つの戸が壁に対して実質的に横方向に配置可能な閉鎖位置との間で可動である、家具用金具、およびこのような家具用金具を備えた家具に関する。
【0002】
従来技術により(例えば国際公開第2020/097639号により)、ガイドシステムおよびガイドシステムを備えた家具が公知であり、この公知のガイドシステムでは、少なくとも1つの戸-主にフォールディングドア-が、家具キャビネットの壁または側壁に取付け可能であって、この場合、戸は、開放位置と閉鎖位置との間で旋回可能に支持されている。これは通常、戸に片側で(主として上側で)配置可能なガイドシステムによって行われる。
【0003】
このような構成では、閉鎖位置で、戸は片側で(主として上側で)のみガイドシステムに支持されることとなり、この場合、下側では、-戸のいわば空いている角隅において-ガイドもしくは位置固定は行われていない。
【0004】
このような構成は、外部からの力の作用の際に、この空いている角隅は、戸の表面に対して横方向での位置固定を有していないので、戸が、この領域で、家具キャビネットに対して、閉鎖位置へと動くおそれがあり、これは、ガイドシステムへの望ましくない不都合な負荷につながる、という欠点を有している。ガイドシステムに対する操作者の感覚にも、望ましくない影響を与える。
【0005】
したがって、従来技術により、このような戸を、閉鎖位置において、端面側で家具キャビネットに当接させることが公知であるが、このようなことは、美観的な印象イメージまたは構造的な条件により、常に可能であるとは限らずまたは常に望ましいとは限らない。
【0006】
本発明の課題は、冒頭で述べた従来技術の欠点を改善しかつ/または排除し、かつ/または戸の閉鎖位置における戸の改善された位置固定を提供することができるような、家具用金具およびこのような家具用金具を備えた家具を提供することである。
【0007】
この課題は、本発明によれば、請求項1の特徴を備えた家具用金具、ならびにこのような家具用金具を有した家具により解決される。
【0008】
本発明によれば、家具用金具は、壁表面にまたは壁内に取り付けられている、好ましくはヒンジポット状の第1の金具部分と、少なくとも1つの戸に配置されている第2の金具部分とを有しており、両金具部分は、少なくとも1つの戸の閉鎖位置で互いに接続可能であり、少なくとも1つの戸の開放位置で、互いに分離可能であって、両金具部分は、それぞれ少なくとも1つの支持エレメントを有しており、両金具部分の支持エレメントは、少なくとも1つの戸の、閉鎖位置への運動、好ましくは旋回運動により、両金具部分が、少なくとも1つの戸の閉鎖位置で、少なくとも1つの戸に対して少なくとも横方向で互いに支持可能であるように、互いに当接させることができることが想定されている。
【0009】
それぞれ支持エレメントを備えた2つの金具本体を設けることにより、戸を閉鎖位置で、壁に対して、支持エレメントおよび金具部分によって支持することができ、これにより閉鎖位置において戸の付加的な位置固定が得られる。
【0010】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項に規定されている。
【0011】
支持エレメントが、少なくとも1つの戸の閉鎖位置で、少なくとも1つの戸に対して横方向で形状接続部を形成することが想定されていてよい。
【0012】
形状接続部とは、例えば、一方の支持エレメントが他方の支持エレメントに係合することであると理解されてよく、この際に、ジオメトリ的な形状によって、壁に対する戸の、少なくとも1つの戸に対して横方向の(または、より詳しく言うならば、2つの支持エレメントの互いの)運動が阻止される。
【0013】
好ましくは、金具部分の支持エレメントのうちの少なくとも一方の支持エレメントは、突起を有していて、好ましくは、金具部分のうちの他方の金具部分は、少なくとも1つの凹部を有しており、少なくとも1つの突起は、少なくとも1つの戸の閉鎖位置で凹部に係合することが想定されている。
【0014】
少なくとも1つの突起が配置されている金具部分は、少なくとも1つの取付けインターフェースを有していて、取付けインターフェースは、少なくとも所定の領域で、少なくとも1つの戸に当接可能であって、少なくとも1つの突起は、少なくとも所定の領域で、少なくとも1つの取付けインターフェースから横方向に突出していることが想定されていてよい。
【0015】
取付けインターフェースとしては、例えば、金具部分が取付けのために当接することができる領域または表面であると理解されてよく、この場合、取付けインターフェースは、好ましくは、少なくとも1つの戸、壁、または家具キャビネットにおける取付け部分が当接する接触面を規定する。
【0016】
少なくとも1つの突起は、好ましくはハニカム状の補強構造を有していて、かつ/または少なくとも所定の領域で横断面が湾曲されてかつ/またはフィンガ状に形成されていることが想定されていてよい。
【0017】
好ましくはハニカム状の補強構造によって、突起の材料コストは、横断面で見て最小限にすることができ、僅かな材料コストであっても突起の安定性は改善される。
【0018】
少なくとも1つの突起は、少なくとも1つの第2の金具部分に、好ましくは一体的に配置されていてよい。しかしながら代替的には、少なくとも1つの第2の金具部分が、複数の部分から形成されていて、この場合、少なくとも1つの突起は、少なくとも1つの第2の金具部分の基体に取付け可能である、または取り付けられていることが想定されていてもよい。
【0019】
両金具部分は、少なくとも1つの戸または壁に少なくとも所定の領域で当接可能である少なくとも1つの取付けインターフェースをそれぞれ有しており、両取付けインターフェースは、少なくとも1つの戸の閉鎖位置で、互いに実質的に横方向に、好ましくは垂直に配置されていることが想定されていてよい。
【0020】
好ましくは、第1の金具部分は、ヒンジポット状に形成されていて、壁に平坦に当接するための少なくとも1つのフランジおよび/またはヒンジポットの外壁における、第1の金具部分を壁の凹部に取り付けることができる少なくとも1つの取付け構造を有していることが想定されている。
【0021】
取付け構造は、例えば、少なくとも1つの戸または壁の凹部内に掛止される逆さ鉤状の突起を有していてよい。
【0022】
例えば、金具部分が、好ましくはねじ固定により、金具部分を少なくとも1つの戸または壁に取り付けることができる取付け装置を有していることが想定されていてよい。
【0023】
好ましくは、少なくとも1つの第1の金具部分および/または少なくとも1つの第2の金具部分は、加圧式注型構成部品(Druckgussbauteil)として、好ましくは金属材料またはプラスチックから形成されていることが想定されている。したがって、例えば、金具部分の一方が、射出成形法またはアルミニウムダイカストにより形成されている、または形成可能であることが想定されていてよい。
【0024】
さらに、家具キャビネットに対して旋回可能に支持されている少なくとも1つの戸を備えた家具であって、この家具は、本発明による少なくとも1つの家具用金具を有している、家具に関して特許権保護が請求される。
【0025】
好ましくは、家具キャビネットは、少なくとも1つの側壁を有しており、側壁の表面にかつ/または側壁内に、第1の金具部分が配置されていて、第2の金具部分は、少なくとも1つの戸に配置されていることが想定されている。
【0026】
少なくとも1つの戸は、自由な戸として、少なくとも1つの別の(第2の)戸に枢着的に支持されており、少なくとも1つの別の(第2の)戸は、支持体または家具キャビネットに旋回可能に支持されており、少なくとも2つの戸によって、フォールディングドアが形成されていることが想定されていてよい。
【0027】
好ましくは、家具は、家具の奥行き方向に延在するシャフト状の中空室を有しており、中空室内には、少なくとも1つの戸が閉鎖位置で、好ましくは完全に、挿入可能に配置されていることが想定されている。
【0028】
家具キャビネットに対して相対的に、少なくとも1つの戸をガイドするために、ガイドシステムが設けられており、このガイドシステムは、以下のもの、すなわち、
-少なくとも1つの戸を、家具キャビネットの側壁に沿ってガイドするように構成されている少なくとも1つのガイドと、
-少なくとも1つのガイドに沿って可動に支持されている少なくとも1つの支持体であって、支持体には、少なくとも1つの戸が開放位置と閉鎖位置との間で、旋回行程を介して旋回可能に支持可能である支持体と
を有しており、
少なくとも1つの戸の、支持体および/またはガイドとは反対側の端部には、家具用金具の第2の金具部分が配置されている
ことが想定されていてよい。
【0029】
互いに枢着的に接続された少なくとも2つの戸が設けられており、ガイドシステムは、少なくとも1つの(第1の)ガイドに対して横方向に、少なくとも1つの支持体が可動に支持されている別の(第2の)ガイドを有しており、少なくとも1つの(第1の)戸は、少なくとも1つの支持体に配置されていて、少なくとも1つの別の(第2の)戸は、少なくとも1つの走行キャリッジを介して、別の(第2の)ガイドに配置されており、少なくとも1つの(第1の)戸には、家具用金具の第2の金具部分が配置されていることが想定されていてよい。
【0030】
本発明のさらなる詳細および利点は、以下の図面の説明につき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】閉鎖位置における家具を示す斜視図である。
図2a図1により既知の実施例を、閉鎖位置で示す図である。
図2b図1により既知の実施例を、閉鎖位置で示す図である。
図2c図1により既知の実施例を、閉鎖位置で示す図である。
図2d図1により既知の実施例を、閉鎖位置で示す図である。
図3a図1により既知の実施例を、開放運動中において示す図である。
図3b図1により既知の実施例を、開放運動中において示す図である。
図3c図1により既知の実施例を、開放運動中において示す図である。
図3d図1により既知の実施例を、開放運動中において示す図である。
図4a】家具用金具の本発明による実施例を単独で示す図である。
図4b】家具用金具の本発明による実施例を単独で示す図である。
図4c】家具用金具の本発明による実施例を単独で示す図である。
図5a】家具用金具の2つの金具部分の間の例示的な運動経過を示す図である。
図5b】家具用金具の2つの金具部分の間の例示的な運動経過を示す図である。
図5c】家具用金具の2つの金具部分の間の例示的な運動経過を示す図である。
図6a】家具用金具の別の実施例の例示的な運動経過を示す図である。
図6b】家具用金具の別の実施例の例示的な運動経過を示す図である。
図6c】家具用金具の別の実施例の例示的な運動経過を示す図である。
図7図6の実施例による家具用金具を備えた家具を示す斜視図である。
図8図6の実施例の金具部分を示す斜視図である。
図9図8の金具部分を示す分解図である。
図10a図8および図9の金具部分を第1の位置で示す図である。
図10b図8および図9の金具部分を第1の位置で示す図である。
図11a図8図10の金具部分を第2の位置で示す図である。
図11b図8図10の金具部分を第2の位置で示す図である。
【0032】
図1は、家具19の斜視図を示している。家具19の家具キャビネット18は、この図では、家具キャビネット18の2つの側壁20によって略示されている。さらに、家具19は、戸2および3によって形成されているフォールディングスライドドアを有している。
【0033】
戸2および3は、支持体21によって旋回可能に家具キャビネット18に接続されており、これらの戸は、(図1により示されているような)閉鎖位置4と開放位置との間で可動である。
【0034】
閉鎖位置4では、戸2および3は、互いに実質的に共平面に向けられていて、開放位置では互いに実質的に平行である。
【0035】
戸2および3は、開放位置では互いに平行に、家具キャビネット18のシャフト状の中空室22内にガイドシステム23を介して挿入可能である。
【0036】
ガイドシステム23は、長手方向Lを有するガイド24を含み、この場合、戸2に連結可能な走行キャリッジ27が、ガイド24に沿って移動可能に支持されている。
【0037】
ガイド24は、組付け状態で、実質的に水平かつ家具キャビネット18の前縁に対して平行に配置されている。
【0038】
戸2と戸3との間には、戸2,3を互いに旋回可能に支持するために、(見易さの理由からここには図示されていない)2つ以上のヒンジが設けられていてよい。
【0039】
第2の戸3は、2つ以上の家具用ヒンジを介して支持体21に可動に支持されていてよく、支持体21は奥行き方向Tでシャフト状の中空室22内に挿入可能である。
【0040】
支持体21は、走行キャリッジ26を介してガイド25に配置されており、これにより走行キャリッジ26を介して戸2,3を、折り畳み位置で(この場合、戸2,3は互いに平行に立っている)ガイド25を介してシャフト状の中空室22内へとガイドすることができ、ここで戸2,3は、開放位置に留まることができる。
【0041】
図2は、図1により既知の実施例を、閉鎖位置4で示しており、この場合、
図2aによって平面図が示されていて、
図2bは、図2aの細部Aを示していて、
図2cは、後方から見た斜視図を示していて、
図2dは、図2cの細部Bを示している。
【0042】
戸2,3が、ガイドシステム23にわたって互いに実質的に共平面に向けられていて、第1の戸2は、家具キャビネット18の側壁20に、戸2の端面で当接していることが認められる。
【0043】
このことは、図2bにおける図2aの拡大された細部Aによって明らかであり、この場合、第1の戸2は走行キャリッジ27を介してガイド24に接続されていて、その端面で側壁20に接近しており、この場合、側壁20と戸2との間にはまだ僅かな隙間が存在している。
【0044】
さらに、家具用金具1が設けられていることが明らかであり、この場合、家具用金具1の第1の金具部分6は戸2に配置されている。
【0045】
この金具部分6は、フィンガ状の突起9を有しており、この突起は、閉鎖位置4で、第1の金具部分5の凹部10内に係合する。金具1の第1の金具部分5は、ヒンジポット状の構成による凹部(より詳しく言うならば、側壁20の孔)内に配置されている。
【0046】
このことは、図2cの斜視図もしくは図2dの拡大された細部Bによっても良好に見て取れる。
【0047】
これらの図2a~図2dにより、両金具部分5,6が、戸2の閉鎖位置4で、少なくとも1つの戸2に対して横方向で互いに支持されていて、これにより、閉鎖位置4における戸2の位置が固定されて、側壁20と戸2との間の相対運動が阻止されている様子を認めることができる。
【0048】
第2の金具部分6に対する第1の金具部分5の形状接続的な結合により(より詳しく言うならば、突起9が凹部10に係合することにより)少なくとも1つの戸2に対して横方向で(もしくは奥行き方向Tで)、閉鎖位置4における戸2の運動が阻止される。
【0049】
図3では、既に示した図の実施例が、戸2の開放運動中において示されており、この場合、同様に、
図3aは、家具19の平面図を示していて、
図3bは、図3aの細部Aを示していて、
図3cは、後方から見た斜視図を示していて、
図3dは、図3cの細部Bの拡大図を示している。
【0050】
したがって、図3a~図3dにより、戸2および戸3の旋回運動により、戸2が、走行キャリッジ27と、ガイドシステム23のガイド24とを介して、側壁20から離され、この際に、閉鎖位置4では係合していた金具部分6が金具部分5から外れるように動かされ、この金具部分から離隔される様子を認めることができる。
【0051】
金具部分5,6のこのような互いの運動が、側壁20に対する戸2の旋回運動を介してどのように実施されるのかについては、図5につきより詳しく後述する。
【0052】
図3a~図3dおよび図2a~図2dにより、家具用金具1が、戸2の、ガイドシステム23から離れた側に(家具19の下方領域に)配置されている様子が良好に見て取れる。
【0053】
図4a~図4cは、金具本体を単独で示しており、この場合、
図4aによって、金具本体の側面図が示されていて、
図4bには、図4aの断面C-Cにおける平面図が示されていて、
図4cによって、斜視側面図が示されている。
【0054】
(とりわけ図4bにおいて)、第1の金具部分5と第2の金具部分6とが、取付けインターフェース11,12を有していて、第2の金具部分6の取付けインターフェース12は、第1の金具部分5の取付けインターフェース11に対して横方向に(この実施例では、垂直に)向けられている様子が見て取れる。
【0055】
第1の金具部分5は、図4a~図4cでは、閉鎖位置4における第2の金具部分6に対して示されている。
【0056】
この閉鎖位置4では、金具部分5,6は、第1の支持エレメント7と第2の支持エレメント8とを介して互いに当接しており、これらの支持エレメント7,8はこの実施例では接触面によって形成されている。
【0057】
第1の支持エレメント7は、第1の金具部分5の凹部10の側面によって形成されている。第2の支持エレメント8は、第2の金具部分6の突起9の表面によって形成されており、この突起9は、第2の金具部分6の取付けインターフェース12から実質的に横方向に上方に向かって延在しており、フィンガ状の形状を有している。
【0058】
このフィンガ状の突起9は、閉鎖位置4で、凹部10に係合しており、安定化させるために(図4cにより明らかである)補強構造13を有している。
【0059】
第1の金具部分5は、(場合によってはフランジ14と見なすこともできる)ヒンジポット状の構成を有していて、このヒンジポット17はその外面16で、壁(より正確に言うならば、家具19の側壁20)に設けられた相応の凹部内に装着されていてよく、ここでその外壁16で当接している。
【0060】
逆さ鉤状の構成を有する取付け構造15によって、金具部分5は壁に保持される。
【0061】
第2の金具部分6は、戸2に取り付けるために孔28を有していて、この孔を介して、戸へのねじ固定を実施することができる。
【0062】
第2の金具部分6の突起9は、第2の金具部分6に一体に形成されている。
【0063】
第1の金具部分5も、そのヒンジポット状の構成において一体に形成されている。
【0064】
図5a~図5cは、戸2に配置されている家具用金具1の第2の金具部分6が、(例えば図1図3cにより示されているような)ガイドシステム23の回転/旋回運動を介して、家具19の側壁20に配置されている、家具用金具1の第2の金具部分6に、閉鎖位置4においてどのように接触させることができるかの運動経過を示している。
【0065】
図6a~図6cは、家具用金具1の別の実施例の例示的な運動経過を示している。
【0066】
この家具用金具も、やはり、凹部10を有した、家具キャビネット18または家具19の側壁20に取り付けられている第1の金具部分5を有している。
【0067】
この実施例の家具用金具1の、戸2に取り付けられた第2の金具部分6は、上述した実施例とは異なり、第2の金具部分6の金具基体30に対して相対的に可動である突起9を有している(この場合、より詳しい説明に関しては、図8図11を参照されたい)。
【0068】
図6a~図6cにより、家具用金具1のこの実施例の例示的な運動経過が示されており、この場合、(図5a~図5cにおけるものと同様に)、戸2は、この戸2が、閉鎖位置に移行するまで、家具キャビネット18または家具19の側壁20に接近させられる。
【0069】
図7は、図6の実施例による家具用金具1を備えた家具19の斜視図を示している。
【0070】
家具19の家具キャビネット18は、この図では、家具キャビネット18の2つの側壁20によって略示されている。さらに、家具19は、戸2および3によって形成されているフォールディングスライドドアを有している。
【0071】
戸2および3は、(図1の実施例と同様に)支持体21によって旋回可能に家具キャビネット18に接続されており、これらの戸は、閉鎖位置4と開放位置との間で可動である。
【0072】
閉鎖位置4では、戸2および3は、互いに実質的に共平面に向けられていて、家具用金具1を介して側壁20に支持されている。
【0073】
戸2および3、より正確には戸2の移行の際には、この場合、家具用金具1の突起9が凹部10内へと位置決めされ、これにより、戸2の突起9を介して、凹部10によって側壁20に支持される。
【0074】
図8は、図6および図7により既知の実施態様の第2の金具部分6の斜視図を示している。図9は、図8のこの第2の金具部分6の分解図を示している。
【0075】
この図により、家具用金具1のこの別の実施例は、突起9(より正確に言うならば、ピン29として形成された突起9)が、金具基体30に対して、その中心軸線に沿って線形に可動に支持されている第2の金具部分6を有していることがわかる。
【0076】
突起9の、より正確に言うならばピン29のこのような運動自由度は、ばねエレメント33によって実現される。
【0077】
突起9を形成するピン29は、受容エレメント31の相応の孔内に配置されていて、ばねエレメント33を介して受容エレメント31に対して予荷重をかけられている。
【0078】
受容エレメント31は、ピン34を介して接続体32に接続されており、接続体32も金具基体30に取外し可能に接続可能である。
【0079】
金具基体30は、戸2,3または側壁20に、例えばねじ接続を介して取り付けることができる。
【0080】
受容エレメント31は、接続体32を介して金具基体30に懸吊可能であり、懸吊状態で、好ましくは水平方向に延在する軸線を中心として旋回可能であり、金具基体30においてロック可能である。
【0081】
これについては、図10a、図10bおよび図11a、図11bに示された断面図によってもより詳しく細部を認めることができる。
【0082】
突起9を形成するピン29は、そのジオメトリ的な構成によって、受容エレメント31における孔のアンダカットにおいて固定され(図10bおよび図11b参照)、この場合、ピン29は、ばねエレメント33によって受容エレメント31に対して予荷重をかけられている。
【0083】
今、ピン29に押圧力が加えられると、ばねエレメント33が緊張させられることにより、ピンは、受容エレメント31に対して(ひいては金具基体30に対して)相対運動を行うことができる。
【0084】
ピン29に対する押圧力が解除されると、ピンは再び、予荷重をかけられたばねエレメント33によって出発状態へと摺動により戻される。
【0085】
したがって図10a、図10bには、ピン29の負荷されていない状態が示されている。
【0086】
これに対して図11a、図11bでは、ピン29に押圧力が加えられ、したがってピンは、受容エレメント31における引き込まれた位置へと摺動させられる。
【0087】
これにより、突起9が、その長手方向延在において、凹部10に対して正確に位置決めされる必要がなく、もしくは、戸2が側壁20に対して最良に調整される必要がなく、ピン29の長手方向の摺動によって僅かなずれを補償することができるという利点が得られる。
【符号の説明】
【0088】
1 家具用金具
2 戸
3 戸
4 閉鎖位置
5 第1の金具部分
6 第2の金具部分
7 第1の支持エレメント
8 第2の支持エレメント
9 突起
10 凹部
11 取付けインターフェース
12 取付けインターフェース
13 補強構造
14 フランジ
15 取付け構造
16 外壁
17 ヒンジポット
18 家具キャビネット
19 家具
20 側壁
21 支持体
22 シャフト状の中空室
23 ガイドシステム
24 ガイド
25 ガイド
26 走行キャリッジ
27 走行キャリッジ
28 孔
29 ピン
30 金具基体
31 受容エレメント
32 接続体
33 ばねエレメント
34 ピン
T 奥行き方向
L 長手方向
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a
図3b-3c】
図3d
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図6c
図7
図8
図9
図10a
図10b
図11a
図11b
【国際調査報告】