(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】可動の家具部分をガイドするためのアセンブリ
(51)【国際特許分類】
E05D 15/26 20060101AFI20231219BHJP
E05D 15/58 20060101ALI20231219BHJP
E05F 7/04 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
E05D15/26
E05D15/58 A
E05F7/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537039
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 AT2021060474
(87)【国際公開番号】W WO2022126165
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン デュア
【テーマコード(参考)】
2E034
2E050
【Fターム(参考)】
2E034JA01
2E034JB03
2E050NA01
2E050PA01
2E050PC02
2E050PD02
2E050PD07
(57)【要約】
可動の家具部分(2)、好ましくはスライドドアまたはフォールディングスライドドアを、固定の家具部分(3)、好ましくは家具キャビネットにおいてガイドするためのアセンブリ(1)であって、固定の家具部分(3)に取り付けるべき少なくとも1つのガイドシステム(4,5)と、可動の家具部分(2)を旋回可能に支持するまたは支持可能な支持体(6)と、支持体(6)のまたは支持体に配置された可動の家具部分(2)の、傾動軸を中心とした傾動モーメントを戻しモーメントにより補償するための補償装置(7)であって、補償装置(7)は、少なくとも1つのケーブル(8a)を備えた少なくとも1つのケーブル牽引装置(8)を含んでいる、補償装置(7)と、少なくとも1つのケーブル(8a)を緊張させるためのケーブルテンション装置(9)とを有しており、ケーブルテンション装置(9)は、ケーブル張力を表示するための表示装置(10)を有している、アセンブリ(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動の家具部分(2)、好ましくはスライドドアまたはフォールディングスライドドアを、固定の家具部分(3)、好ましくは家具キャビネットにおいてガイドするためのアセンブリ(1)であって、
-前記固定の家具部分(3)に取り付けるべき少なくとも1つのガイドシステム(4,5)と、
-前記可動の家具部分(2)を旋回可能に支持するまたは支持可能な支持体(6)と、
-前記支持体(6)のまたは前記支持体に配置された前記可動の家具部分(2)の、傾動軸を中心とした傾動モーメントを戻しモーメントにより補償するための補償装置(7)であって、前記補償装置(7)は、少なくとも1つのケーブル(8a)を備えた少なくとも1つのケーブル牽引装置(8)を含んでいる、補償装置(7)と、
-前記少なくとも1つのケーブル(8a)を緊張させるためのケーブルテンション装置(9)と
を有しているアセンブリ(1)において、
前記ケーブルテンション装置(9)は、ケーブル張力を表示するための表示装置(10)を有していることを特徴とする、アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記表示装置(10)は、インジケータ(11a)を備えた表示エレメント(11)を有している、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記表示装置(10)は、蓄力器(10a)、好適にはばね、特に好適には引張りばねを有しており、前記蓄力器(10a)は、前記表示エレメント(11)に力を負荷する、請求項2記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記表示エレメント(11)は、テンションエレメント(11b)を有していて、前記テンションエレメントを介して、前記表示エレメント(11)は、前記少なくとも1つのケーブル(8a)と、好ましくは直接に作用結合する、請求項2または3記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記表示エレメント(11)は、前記表示エレメント(11)を手動で操作するための操作レバー(11c)を有している、請求項2から4までのいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記表示エレメント(11)は、一体的に形成されている、請求項2から5までのいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記ケーブルテンション装置(9)は、前記少なくとも1つのケーブル(8a)を固定するための少なくとも2つの固定エレメント(9a)を有している、請求項1から6までのいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記ケーブルテンション装置(4)は、前記固定エレメント(9a)を操作するために、少なくとも1つの操作エレメント(9b)、好ましくは少なくとも2つの操作エレメント(9b)を有している、請求項7記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記ケーブルテンション装置(9)は、基体(9c)を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記表示エレメント(11)は、可動に、好ましくは回動可能に、前記基体(9c)に支持されている、請求項9および2記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記少なくとも2つの固定エレメント(9a)のうちの少なくとも1つは、前記基体(9c)に形成されている、請求項9または10および7記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記ケーブルテンション装置(9)は、ケーシング(9d)を有している、請求項1から11までのいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記表示装置(1)は、前記ケーシング(9c)における凹部(10d)を有している、請求項12記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記ケーシング(9c)は、前記少なくとも1つのケーブル(13a)をガイドするためのケーブルガイドを有している、請求項12または13記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記ケーブルテンション装置(9)の一部および/または前記表示装置(10)は、少なくとも部分的に前記ケーシング(9c)の内側に配置されている、請求項12から14までのいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記少なくとも1つのケーブル牽引装置(8)に加えて付加的に少なくとも1つの旋回レバー機構(12)が設けられており、前記少なくとも1つの旋回レバー機構(12)は、互いに枢着的に接続された少なくとも2つの旋回レバー(12a,12b)を含んでおり、前記旋回レバーは、前記支持体(6)の移動時に、前記固定の家具部分(3)において互いに相対的に旋回可能である、請求項1から15までのいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記補償装置(7)は、前記アセンブリ(1)の出荷状態で、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、前記支持体(6)に予め組み付けられている、請求項1から16までのいずれか1項記載のアセンブリ(1)。
【請求項18】
少なくとも1つの固定の家具部分(3)と、少なくとも1つの可動の家具部分(2)と、請求項1から17までのいずれか1項記載の少なくとも1つのアセンブリ(1)とを備えた家具(100)であって、好ましくは、前記家具(100)は、前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)が配置可能である少なくとも1つのシャフト状の中空室(101)を有している、家具(100)。
【請求項19】
請求項1から17までのいずれか1項記載のアセンブリ(1)を組み付ける方法(200)であって、
-少なくとも1つのガイドシステム(4,5)を、固定の家具部分(3)に取り付ける第1のステップ(201)と、
-支持体(6)を前記少なくとも1つのガイドシステム(4,5)に、動きを伝達するように接続する第2のステップ(202)と、
-、ケーブル牽引装置(8)のケーブル(8a)を、ケーブルテンション装置(9)によって緊張させる第3のステップ(203)と、
を含む、方法(200)。
【請求項20】
前記第3のステップ(203)は、
-前記ケーブルテンション装置(9)内にケーブル(13a)を挿入するステップと、
-表示装置(10)が、十分なケーブル張力を示すまで、前記ケーブル(13a)を緊張させるステップと、
-緊張させられた前記ケーブル(13a)を、前記ケーブルテンション装置(9)の少なくとも2つの固定エレメント(9a)によって固定するステップと、
-前記ケーブル(13a)の一方のケーブル端部を、前記支持体(6)内にまたは前記支持体(6)表面に収容するステップと、
を含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
少なくとも2つの旋回レバー(12a,12b)のうちの少なくとも1つを、前記少なくとも1つのガイドシステム(4,5)にかつ/または前記固定の家具部分(3)に接続する中間ステップ(202a)を含む、請求項19または20記載の方法。
【請求項22】
可動の家具部分(2)を、好ましくはスライドドアまたはフォールディングスライドドアを、前記支持体(6)に組み付けるステップ(204)をさらに含む、請求項19から21までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念の特徴を有する、可動の家具部分、好ましくはスライドドアまたはフォールディングスライドドアを、固定の家具部分、好ましくは家具キャビネットにおいてガイドするためのアセンブリに関する。本発明はさらに、このようなアセンブリを備えた家具、ならびにこのようなアセンブリを組み付けるための方法に関する。
【0002】
請求項1の上位概念に記載の形式のアセンブリは、既に公知である。従来技術によるこのような解決手段における欠点は、ケーブルの正しい張力をチェックすることが極めて困難であるか、まったくチェックすることができないことにある。ケーブルが不十分に緊張させられているとまたは過剰に緊張させられていると、ケーブル牽引装置の機能に対して望ましくない影響が与えられる。最悪の場合、ケーブル牽引装置が正しく機能せずに、これは、可動のおよび/または固定の家具部分もしくは家具の損傷につながるおそれがある。
【0003】
本発明の課題は、従来技術による上記欠点を回避し、従来技術に対して改善された、可動の家具部分、好ましくはスライドドアまたはフォールディングスライドドアを、固定の家具部分、好ましくは家具キャビネットにおいてガイドするためのアセンブリ、少なくとも1つのこのようなアセンブリを備えた家具、ならびにこのようなアセンブリを組み付ける方法を提供することである。
【0004】
この課題は、独立請求項1、18および19に記載の特徴により解決される。
【0005】
したがって本発明によると、ケーブルテンション装置が、ケーブル張力を表示するための表示装置を有していることが想定されている。表示装置を介して、ケーブルのケーブル張力が、ケーブル牽引装置の機能にとって適した範囲内にあるかどうかを読み取ることができる。適切な範囲にある場合には、ケーブルは固定され、ひいては張力下で保持され得る。したがって、表示装置を介して、ケーブル張力の制御が可能とされ、このことは、本発明によるアセンブリの組み付けおよびチェックをも著しく容易にする。
【0006】
さらに、少なくとも1つの固定の家具部分と、少なくとも1つの可動の家具部分と、請求項1から17までのいずれか1項記載の少なくとも1つのアセンブリとを備えた本発明による家具であって、好ましくは、家具は、少なくとも1つの可動の家具部分が配置可能である少なくとも1つのシャフト状の中空室を有している、家具が設けられている。
【0007】
さらに、請求項1から17までのいずれか1項記載のアセンブリを組み付ける本発明による方法であって、
-第1の方法ステップで、少なくとも1つのガイドシステムを、固定の家具部分に取り付け、
-第2の方法ステップで、支持体を少なくとも1つのガイドシステムに、動きを伝達するように接続し、さらに
-第3の方法ステップで、ケーブル牽引装置のケーブルを、ケーブルテンション装置によって緊張させる、
方法が想定されている。
【0008】
本発明のさらなる有利な実施形態は、従属請求項に規定されている。
【0009】
特に好適には、表示装置が、インジケータを備えた表示エレメントを有していることが想定されていてよい。これにより、表示装置を簡単に実現することができる。
【0010】
表示装置が、蓄力器、好適にはばね、特に好適には引張りばねを有しており、蓄力器は、表示エレメントに力を負荷することが想定されていてよい。
【0011】
さらに、表示エレメントは、テンションエレメントを有していて、テンションエレメントを介して、表示エレメントは、少なくとも1つのケーブルと、好ましくは直接に作用結合することが想定されていてよい。
【0012】
これにより、表示エレメントをケーブルに簡単に連結することができる。
【0013】
本発明の1つの実施例では、表示エレメントが一体に形成されていることが想定されていてよい。これにより、本発明によるアセンブリの複雑でない構造およびコスト効率のよい製造が促進される。
【0014】
本発明のさらなる実施例によれば、ケーブルテンション装置は、少なくとも1つのケーブルを固定するための少なくとも2つの固定エレメントを有していることが想定されていてよい。
【0015】
これに対して付加的に、ケーブルテンション装置は、固定エレメントを操作するために、少なくとも1つの操作エレメント、好ましくは少なくとも2つの操作エレメントを有していることが想定されていてよい。
【0016】
これにより、ケーブルの複雑ではない固定が可能となる。
【0017】
好適には、ケーブルテンション装置が、ケーシングを有していることが想定されていてよく、この場合、特に好適には、ケーブルテンション装置の一部および/または表示装置は、少なくとも部分的にケーシングの内側に配置されていることが想定されていてよい。
【0018】
したがって、ケーシングは、ケーブルテンション装置の一部および/または表示装置を、外部の影響から、特に搬送損傷等から保護する。
【0019】
さらに、ケーシングは、少なくとも1つのケーブルをガイドするためのケーブルガイドを有していることが想定されていてよい。これにより、ケーブルを簡単かつコスト効率よく、ケーブルテンション装置の領域でガイドすることができる。
【0020】
特に好適には、少なくとも1つのケーブル牽引装置に加えて付加的に少なくとも1つの旋回レバー機構が設けられており、この少なくとも1つの旋回レバー機構は、互いに枢着的に接続された少なくとも2つの旋回レバーを含んでおり、これらの旋回レバーは、支持体の移動時に、固定の家具部分において互いに相対的に旋回可能であることが想定されていてよい。
【0021】
本発明による方法に関しては、第3の方法ステップが、以下のステップ、すなわち、
-ケーブルテンション装置内にケーブルを挿入するステップ、
-表示装置が、十分なケーブル張力を示すまで、ケーブルを緊張させるステップ、
-緊張させられたケーブルを、ケーブルテンション装置の少なくとも2つの固定エレメントによって固定するステップ、および
-ケーブルの一方のケーブル端部を、支持体内にまたは支持体表面に収容するステップ
を含むことが想定されていてよい。
【0022】
本発明のさらなる詳細および利点を、図面の説明に基づき図面を参照しながら以下により詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明によるアセンブリを備えた家具を示す斜視図である。
【
図2】本発明によるアセンブリを備えた家具の分解状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明によるアセンブリを備えた家具の一部を示す図である。
【
図4】本発明によるケーブルテンション装置の分解図である。
【
図5a】本発明による方法ステップの間の本発明によるケーブルテンション装置を示す前面側の斜視図である。
【
図5b】本発明による方法ステップの間の本発明によるケーブルテンション装置を示す前面側の斜視図である。
【
図5c】本発明による方法ステップの間の本発明によるケーブルテンション装置を示す前面側の斜視図である。
【
図5d】本発明による方法ステップの間の本発明によるケーブルテンション装置を示す前面側の斜視図である。
【
図5e】本発明による方法ステップの間の本発明によるケーブルテンション装置を示す前面側の斜視図である。
【
図5f】本発明による方法ステップの間の本発明によるケーブルテンション装置を示す前面側の斜視図である。
【
図5g】本発明による方法ステップの間の本発明によるケーブルテンション装置を示す前面側の斜視図である。
【
図5h】本発明による方法ステップの間の本発明によるケーブルテンション装置を示す前面側の斜視図である。
【
図6a】本発明による方法ステップの間の本発明によるケーブルテンション装置を示す背面側の斜視図である。
【
図6b】本発明による方法ステップの間の本発明によるケーブルテンション装置を示す背面側の斜視図である。
【
図6c】本発明による方法ステップの間の本発明によるケーブルテンション装置を示す背面側の斜視図である。
【
図6d】本発明による方法ステップの間の本発明によるケーブルテンション装置を示す背面側の斜視図である。
【
図6e】本発明による方法ステップの間の本発明によるケーブルテンション装置を示す背面側の斜視図である。
【
図6f】本発明による方法ステップの間の本発明によるケーブルテンション装置を示す背面側の斜視図である。
【
図6g】本発明による方法ステップの間の本発明によるケーブルテンション装置を示す背面側の斜視図である。
【
図6h】本発明による方法ステップの間の本発明によるケーブルテンション装置を示す背面側の斜視図である。
【
図7】本発明による方法のフローチャートを示す図である。
【0024】
図1aには、家具100の斜視図が概略的に示されており、この家具は、様々な構成部品を、例えば、家具100の内部における複数の複数の仕切り棚を有することができる。固定の家具部分3は、家具キャビネットによって形成される。
【0025】
家具100の側方には中空室101が設けられており、この中空室は互いに間隔を置いて位置する2つの家具壁101aから成っている。中空室101内には、フォールディングスライドドアの形態の可動の家具部分2が折り畳まれた状態で挿入可能である。フォールディングスライドドアが拡開されている場合は、このフォールディングスライドドアは、家具100の内部を遮蔽する。
【0026】
フォールディングスライドドアは、
図1の位置では折り畳まれている2つの部分フラップから構成されている。このような折り畳まれた位置から、フォールディングスライドドア2は、拡開位置へと移行することができ、拡開位置では、両部分フラップは、0°よりも大きな角度を互いに成している。
【0027】
中空室101には、家具100の別の部分が、例えば棚が、接続されて配置されている。フォールディングスライドドアが拡開位置にあり、家具100の別の部分が閉鎖されている場合には、フォールディングスライドドアと、家具100の別の部分とは、一貫した家具前面を形成する。
【0028】
図2は、本発明によるアセンブリ1を備えた家具100分解図を斜視図で示している。理解しやすくするために、中空室101の第2の家具壁101aは示されていない。フォールディングスライドドアは、完全に拡開された位置にあることがわかる。さらに、2つのガイドシステム4,5と家具壁3とが示されている。支持体6も明らかになっている。
【0029】
図3は、本発明によるアセンブリ1を備えた家具100の一部を示している。この図でも、2つのガイドシステム4,5に摺動可能に支持されている支持体6が認められる。
【0030】
ケーブル牽引装置8と、旋回レバー機構12とから成る補償装置7も示されている。旋回レバー機構は、第1の旋回レバー12aと第2の旋回レバー12bとから成っている。第1の旋回レバー12aは、ガイドシステム4に配置されていて、支持体6に摺動可能に配置されている。第2の旋回レバー12bは、支持体6に配置されていて、第1の旋回レバー12aの真ん中に配置されている。ケーブル牽引装置8は、ケーブル8aと変向ローラ8bとを含み、これらの変向ローラは、家具壁101aおよび/または両ガイドシステム4,5のうちの一方に配置されている。
【0031】
ケーブルテンション装置9は、支持体6の背面に配置されているので、見えていない。
【0032】
図4は、本発明によるケーブルテンション装置9の分解図を示している。表示エレメント11が回転可能に支持されている基体9cを認めることができる。
【0033】
表示エレメント11は、インジケータ11a、テンションエレメント11b、および操作レバー11cを有している。この実施例では、表示エレメントは一体的に形成されている。しかしながら、複数の部分から成る表示エレメントが設けられていてもよい。
【0034】
本実施例では、インジケータ11aも有していることが望ましい色で、一体的な表示エレメント11が形成されている。しかしながら、インジケータ11aが特別に着色されている、またはシール等を有していることも想定されていてよい。
【0035】
表示エレメント11には、引張りばね10aによって力が負荷されている。操作レバー11cを介して、表示エレメント11を手動で回動させることができる。
【0036】
さらに、凹部10bを有しているケーシング9dを認めることができる。組み付けられた状態で、ケーブルテンションが十分であれば、凹部10b内にインジケータ11aが見える。
【0037】
基体9cには、さらに、固定エレメント9aが形成されている。第2の固定エレメント9aは、ねじの形態の操作エレメント9bを介して、第1の固定エレメント9aに配置される。ケーブルを、固定エレメント9a間でクランプし、したがって固定することができる。
【0038】
図5a~
図5hは、本発明による方法ステップの間の本発明によるケーブルテンション装置を前面側の斜視図で示しており、
図6a~
図6hは、背面側の斜視図で示している。
【0039】
図5a~
図5fおよび
図6a~
図6fは、ケーブル8aがケーブルテンション装置9内に導入される経過を示している。ケーブル8aを、最初に、ケーシング9dの開口から通し、次いでケーシング9d内に導入する(
図5a~
図5cもしくは
図6a~
図6c)。ケーシング9dは、この場合、ケーブル8aのためのケーブルガイドとしても機能する。
【0040】
図6a~
図6cには、それぞれ基体9cが図示されていない。表示エレメント11は動かされないことが見て取れる。
【0041】
次のステップでは、表示エレメント11を、蓄力器10によって加えられる力に抗して操作レバー11cを介して回動させる。その後、ケーブル8aを、インジケータ11aとテンションエレメント11bとの間に通すことができる(
図5dおよび
図6d)。
【0042】
次いで、ケーブル8aを、クランプエレメント9aの間を通して、ケーシング9dから引き出す(
図5e/
図5fおよび
図6e/
図6f)。その間、操作レバー11cを介して、表示エレメント11を回動位置に保持する。
【0043】
ケーブル8aがこのようにケーブルテンション装置9に配置されたならば、操作レバー11cを解放することができる。表示エレメント11は、蓄力器10aにより、初期位置の方向へ回動させられる。この場合、テンションエレメント11bは、ケーブル8aを押圧し、したがって表示エレメント11とケーブル8aとは作用結合している。同時に、ケーブル8aは、これによりある程度クランプされ、これにより、例えば搬送工程において、ケーブルテンション装置9からのケーブル8aの抜け落ちが阻止される。
【0044】
今やケーブル8aは張設されて、したがってケーブルは、張力によりテンションエレメント11bを押圧し、この場合、蓄力器10aにより加えられる力に抗して、表示エレメント11を回動させる。ケーブル張力が十分大きいならば、表示エレメント11は、インジケータ11aが凹部10bから認識可能となるまで回動させられる。表示装置10は、十分なケーブル張力を表示する。
【0045】
今や、操作エレメント9bの操作によりケーブル張力を維持しながら、クランプエレメント9aを介してケーブルを固定することができる(
図5g/
図6g)。ケーブル8aの一方のケーブル端部は、最後のステップで、支持体6の開口内に収納することができる(
図5h/
図6h)。
【0046】
図7は、本発明によるアセンブリ1を家具壁3に組み付けるための好適な方法200のフローチャートを示している。方法200の方法ステップ201~204の順序が示されている。
【符号の説明】
【0047】
1 アセンブリ
2 可動の家具部分
3 固定の家具部分
4 ガイドシステム
5 ガイドシステム
6 支持体
7 補償装置
8 ケーブル牽引装置
8a ケーブル
8b 変向ローラ
9 ケーブルテンション装置
9a 固定エレメント
9b 操作エレメント
9c 基体
9d ケーシング
10 表示装置
10a 蓄力器
10b 凹部
11 表示エレメント
11a インジケータ
11b テンションエレメント
11c 操作レバー
12 旋回レバー機構
12a 第1の旋回レバー
12b 第2の旋回レバー
100 家具
101 中空室
101a 家具壁
【国際調査報告】