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特表2023-554110少なくとも1つの可動の家具部分を家具キャビネットに対して相対的にガイドするためのアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】少なくとも1つの可動の家具部分を家具キャビネットに対して相対的にガイドするためのアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/643 20150101AFI20231219BHJP
【FI】
E05F15/643
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537212
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 AT2021060471
(87)【国際公開番号】W WO2022126162
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】A51106/2020
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン デュア
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA01
2E052DA01
2E052DB01
2E052EA15
2E052EC01
2E052KA10
(57)【要約】
少なくとも1つの可動の家具部分(2)、特にスライドドアまたはフォールディングスライドドアを家具キャビネット(3)に対して相対的にガイドするためのアセンブリ(1)であって、家具キャビネット(3)に固定されたかまたは固定可能な少なくとも1つのガイドシステム(4)と、少なくとも1つの支持体(5)であって、少なくとも1つの支持体(5)に少なくとも1つの可動の家具部分(2)が、特に旋回可能にかつ/または枢動自在に支持されているかまたは支持可能であり、少なくとも1つの支持体(5)を介して、少なくとも1つの可動の家具部分(2)が、少なくとも1つのガイドシステム(4)に対して相対的に可動である、少なくとも1つの支持体(5)と、少なくとも1つの支持体(5)を少なくとも1つのガイドシステム(4)に対して相対的に運動させることができる、少なくとも1つのケーブル(7)を備えた少なくとも1つの駆動装置(6)とを備え、少なくとも1つの可動の家具部分(2)および/または少なくとも1つの支持体(5)に少なくとも1つの連結装置(8)が配置されており、少なくとも1つの連結装置(8)は、少なくとも1つのガイドシステム(4)に対して相対的な少なくとも1つの支持体(5)の相対運動時に、少なくとも1つの駆動装置(6)の少なくとも1つのケーブル(7)に自動的に連結可能である、アセンブリ(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの可動の家具部分(2)、特にスライドドアまたはフォールディングスライドドアを家具キャビネット(3)に対して相対的にガイドするためのアセンブリ(1)であって、
- 前記家具キャビネット(3)に固定されたかまたは固定可能な少なくとも1つのガイドシステム(4)と、
- 少なくとも1つの支持体(5)であって、前記少なくとも1つの支持体(5)に前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)が、特に旋回可能にかつ/または枢動自在に支持されているかまたは支持可能であり、前記少なくとも1つの支持体(5)を介して、前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)が、前記少なくとも1つのガイドシステム(4)に対して相対的に可動である、少なくとも1つの支持体(5)と、
- 前記少なくとも1つの支持体(5)を前記少なくとも1つのガイドシステム(4)に対して相対的に運動させることができる、少なくとも1つのケーブル(7)を備えた少なくとも1つの駆動装置(6)と
を備える、アセンブリ(1)において、
前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)および/または前記少なくとも1つの支持体(5)に少なくとも1つの連結装置(8)が配置されており、前記少なくとも1つの連結装置(8)は、前記少なくとも1つのガイドシステム(4)に対して相対的な前記少なくとも1つの支持体(5)の相対運動時に、前記少なくとも1つの駆動装置(6)の前記少なくとも1つのケーブル(7)に自動的に連結可能である
ことを特徴とする、アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのガイドシステム(4)は、長手方向(10)を有する少なくとも1つの第1のガイドレール(9)であって、該第1のガイドレール(9)に沿って前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)をガイドするための第1のガイドレール(9)、および/または前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)をガイドするための少なくとも1つの第2のガイドレール(11)を備え、前記少なくとも1つの第2のガイドレール(11)は、使用状態(12)で前記第1のガイドレール(9)の前記長手方向(10)に対して相対的に横方向に延びており、かつ/または前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)は、前記少なくとも1つの支持体(5)を介して前記少なくとも1つの第1のガイドレール(9)に沿って進出位置(13)と進入位置(14)との間で可動である、請求項1記載のアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのガイドシステム(4)に対して相対的な前記少なくとも1つの支持体(5)の最初の相対運動時に、前記少なくとも1つの連結装置(8)は、前記少なくとも1つのケーブル(7)に自動的に連結可能であり、かつ/または前記少なくとも1つのケーブル(7)は、前記進出位置(14)で、前記進入位置(13)で、かつ/または前記進出位置(14)と前記進入位置(13)との間で、前記少なくとも1つの連結装置(8)に結合されている、請求項1または2記載のアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの駆動装置(6)は、前記少なくとも1つのケーブル(7)を巻き上げかつ繰り出すための少なくとも1つのケーブルドラム(15)と、前記少なくとも1つのケーブルドラム(15)に予荷重を加えるための少なくとも1つの蓄力装置(16)とを備え、好ましくは、前記少なくとも1つのケーブルドラム(15)および/または前記少なくとも1つの蓄力装置(16)は、前記少なくとも1つの駆動装置(6)のハウジング(17)の内部に、特に好ましくは完全に配置されていることが特定されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの蓄力装置(16)は、進入位置(14)の方向への前記少なくとも1つの支持体(5)の運動時に緊張可能であり、かつ/または進出位置(13)で予荷重状態または弛緩状態である、請求項4記載のアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの駆動装置(6)の前記少なくとも1つのケーブル(7)は、前記少なくとも1つのケーブル(7)を前記少なくとも1つの連結装置(8)に結合するための、好ましくはボール(19)の形態の少なくとも1つの連結要素(18)を備え、かつ/または前記少なくとも1つの連結要素(18)から離間させられたスペーサ(20)であって、好ましくは前記少なくとも1つの駆動装置(6)の、場合により存在するハウジング(17)から前記少なくとも1つの連結要素(18)を離間させるためのスペーサ(20)、好ましくは円錐台形体を備える、請求項1から5までのいずれか1項記載のアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの駆動装置(6)は少なくとも1つの出口開口(21)を有し、使用状態(12)において、前記駆動装置(6)の前記少なくとも1つのケーブル(7)は、前記少なくとも1つの連結装置(8)との連結のために、重力に起因して実質的に鉛直方向下向きに前記出口開口(21)を通って突出している、請求項1から6までのいずれか1項記載のアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの連結装置(8)は、好ましくは先細りの凹部(23)および/または保持領域(24)を備える少なくとも1つの収容装置(22)を備える、請求項1から7までのいずれか1項記載のアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの連結装置(8)は、前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)および/または前記少なくとも1つの支持体(5)との結合のための、好ましくは固定手段用の少なくとも1つの開口(26)を有するベース(25)を備え、好ましくは、前記ベース(25)に対して横方向に前記ベース(25)に、前記少なくとも1つの収容装置(22)を有する少なくとも1つのウェブ(27)および/または補強のための別のウェブ(28)が配置されていることが特定されている、請求項8記載のアセンブリ(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの支持体(5)は、進入位置(14)を起点として前記少なくとも1つの駆動装置(6)によって進出位置(13)に、好ましくは自動的に可動である、請求項1から9までのいずれか1項記載のアセンブリ(1)。
【請求項11】
少なくとも1つの突き出し装置(29)が設けられており、該少なくとも1つの突き出し装置(29)によって、前記少なくとも1つの支持体(5)は、進入位置(14)を起点として前記少なくとも1つの突き出し装置(29)によって進出位置(13)の方向に少なくとも部分的に突き出し可能であり、好ましくは、前記少なくとも1つの支持体(5)は、前記進入位置(14)で前記少なくとも1つの支持体(5)に圧力を加えることによって、前記進入位置(14)の後ろに位置している過剰押圧位置に可動であり、これによって、前記突き出し装置(29)が作動可能であることが特定されている、請求項1から10までのいずれか1項記載のアセンブリ(1)。
【請求項12】
前記アセンブリ(1)は、前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)を進入位置(14)で、好ましくは完全に内部に配置することができる少なくとも1つの収容縦孔(30)を備え、好ましくは、前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)は、備品(32)を隠すべく、進出位置(13)で前記少なくとも1つの収容縦孔(30)の長手方向延在長さ(31)に対して横方向に、特に好ましくは、場合により存在する少なくとも1つの第2のガイドレール(11)を介して可動であることが特定されている、請求項1から11までのいずれか1項記載のアセンブリ(1)。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項記載の少なくとも1つのアセンブリ(1)を備えた家具(33)。
【請求項14】
前記家具(33)は、家具キャビネット(3)と、前記家具キャビネット(3)に対して相対的に可動に支持された少なくとも2つの家具部分(2)とを有し、前記家具部分(2)は、使用状態(12)において、鉛直に延びる軸(34)を介して互いに枢動自在に結合されており、前記少なくとも2つの家具部分(2)は、前記アセンブリ(1)によって、前記家具部分(2)が実質的に互いに平行に方向付けられている第1の位置(35)と、前記家具部分(2)が実質的に互いに共平面に方向付けられている第2の位置との間で可動であり、好ましくは、前記家具キャビネット(3)は、前記第1の位置(35)で前記家具部分(2)を収容するための少なくとも1つの収容縦孔(30)を有し、かつ/または前記家具部分(2)は、少なくとも1つの駆動装置(6)によって進入位置(14)から進出位置(13)の方向に可動であることが特定されている、請求項13記載の家具(33)。
【請求項15】
請求項1から12までのいずれか1項記載のアセンブリ(1)を取り付けて連結するための方法であって、
- 少なくとも1つの支持体(5)を準備ステップで前記少なくとも1つのガイドシステム(4)に配置するステップと、
- 前記少なくとも1つの支持体(5)を第1のステップで前記少なくとも1つのガイドシステム(4)に対して相対的に運動させるステップと、これによって、
- 第2のステップで少なくとも1つの駆動装置(6)の前記少なくとも1つのケーブル(7)を前記連結装置(8)に自動的に連結させるステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの駆動装置(6)の少なくとも1つの蓄力装置(16)を、進出位置(13)から進入位置(14)の方向への前記支持体(5)の運動時に緊張させ、かつ/または進入位置(14)から進出位置(13)の方向への前記支持体(5)の運動を、好ましくは少なくとも1つの突き出し装置(29)を用いてアシストする、請求項15記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの可動の家具部分、特にスライドドアまたはフォールディングスライドドアを家具キャビネットに対して相対的にガイドするためのアセンブリであって、家具キャビネットに固定されたかまたは固定可能な少なくとも1つのガイドシステムと、少なくとも1つの支持体であって、少なくとも1つの支持体に少なくとも1つの可動の家具部分が、特に旋回可能にかつ/または枢動自在に支持されているかまたは支持可能であり、少なくとも1つの支持体を介して、少なくとも1つの可動の家具部分が、少なくとも1つのガイドシステムに対して相対的に可動である、少なくとも1つの支持体と、少なくとも1つの支持体を少なくとも1つのガイドシステムに対して相対的に運動させることができる、少なくとも1つのケーブルを備えた少なくとも1つの駆動装置とを備える、アセンブリに関する。さらに、本発明は、少なくとも1つのこのようなアセンブリを備えた家具と、このようなアセンブリを取り付けて連結するための方法とに関する。
【0002】
このようなアセンブリは、オーストリア国特許出願第A51123/2019号に基づいて既に公知であり、同号では、駆動装置のケーブルが、駆動装置の納品状態でボールを介して駆動装置に配置されていて、組立工が、手を使ってボールを駆動装置から取り出さなければならず、その後、駆動装置が、同じく手を使って支持体に配置され、これによって、駆動装置が、収容縦孔からの支持体の走出をアシストすることができる。
【0003】
従来技術には、駆動装置のケーブルを支持体に手を使って結合することが煩わしく、アセンブリの取付けに追加の時間を要してしまうという欠点がある。特に収容縦孔が既に組み立てられている場合には、収容縦孔内に隠されて配置された駆動装置に基づいて、結合を快適に行うことができず、収容縦孔の分解が必要となってしまう。ケーブルが、例えば運転中に(例えば振動および/または結合の不足によって)支持体においてアセンブリから不都合に解離してしまうと、アセンブリの申し分ない機能を保証できるようにするためのユーザフレンドリーな可能性は与えられていない。実際、支持体への駆動装置の連結は忘れられるかまたは整然と修正されないことが多く、これによって、可動の家具部分の運動のために、増大させられた力消費が必要になり、さらに、この増大させられた力消費の原因が何に因るものなのかを運転中に認識することが困難となってしまう。
【0004】
本発明の対象となる技術的な課題は、従来技術に比べて改善されていて、従来技術の欠点が少なくとも部分的に解消されていて、特に支持体もしくは可動の家具部分への駆動装置のケーブルの特に快適な連結の点で優れていて、駆動装置と支持体/可動の家具部分との欠陥のある結合のリスクが減じられる、アセンブリ、家具および方法を提供することである。
【0005】
この課題は、請求項1の特徴によって解決される。
【0006】
したがって、本発明によれば、少なくとも1つの可動の家具部分および/または少なくとも1つの支持体に少なくとも1つの連結装置が配置されており、少なくとも1つの連結装置は、少なくとも1つのガイドシステムに対して相対的な少なくとも1つの支持体の相対運動時に、少なくとも1つの駆動装置の少なくとも1つのケーブルに自動的に連結可能であることが特定されている。
【0007】
これによって初めて、少なくとも1つのガイドシステムに少なくとも1つの支持体を取り付けた後、組立工の手を使った追加の連結作業を不要にすることが可能となる。なぜならば、相対運動自体によって、駆動ユニットと支持体との結合を発生させることができるからである。
【0008】
さらに、連結が場合により解離した場合でも、少なくとも1つの支持体または少なくとも1つの可動の家具部分の、進出位置(例えば、備品を続いて隠すための有効位置)から進入位置(例えば、収納縦孔内における格納位置)の方向への新たな運動後に連結が自動的に新たに発生するというプラスの特性が生じる。
【0009】
したがって、組立工は、少なくとも1つの支持体を少なくとも1つのガイドシステムに配置しさえすればよく、少なくとも1つの可動の家具部分を家具縦孔内に押し込む際、少なくとも1つの連結装置は、少なくとも1つのケーブルを少なくとも1つの支持体の相対運動時に連行し、少なくとも1つの駆動装置は、進出位置の方向への少なくとも1つの可動の家具部分の運動をアシストしかつ/または発生させるエネルギを吸収する。
【0010】
概して、連結は、アセンブリの初期連結の時点と分解の時点との間で、例えば、例えば少なくとも1つのケーブルの連結要素を介した少なくとも1つの連結装置における少なくとも1つのケーブルのクランプによって維持されたままであってもよいし、進出位置から進入位置への少なくとも1つの支持体の運動時に新たに発生させられてもよい。
【0011】
少なくとも1つの連結装置は、例えばフォーク状に形成されていてよく、かつ/または少なくとも1つのケーブルおよび/または少なくとも1つのケーブルの少なくとも1つの連結要素を収容するためのフォーク状の領域を備えていてよく、少なくとも1つのケーブルおよび/または少なくとも1つのケーブルの少なくとも1つの連結要素は、フォーク状の連結装置の内部に少なくとも部分的に当付け可能であり、好ましくはフォーク状の連結装置内でクランプ可能であり、かつ/またはフォーク状の連結装置に力接続可能であり、かつ/またはフォーク状の連結装置に形状接続して少なくとも1つのケーブルおよび/または少なくとも1つの連結要素に沿った方向に移動可能である。
【0012】
ケーブルという概念は、例えばチェーンまたは引張り荷重を加えることができる別のフレキシブルな構成要素、例えばコード、糸またはワイヤも類似して含まれているように広く読み取るべきである。
【0013】
冒頭に述べたように、少なくとも1つのこのようなアセンブリを備えた家具も保護される。
【0014】
自動的な連結によって、アセンブリの機能の確実性が高められ、少なくとも1つの支持体の押込み動作における緊張過程によって、少なくとも1つの可動の家具部分の突き出し動作がより快適に行われる。
【0015】
さらに、少なくとも1つの可動の家具部分の結合によって、家具縦孔から家具縦孔に対して横方向への運動を特に好適に行うことができる。なぜならば、可動の家具部分が進出位置の方向に押し退けられ、これによって、備品を隠すためのガイドが容易になるからである。
【0016】
冒頭で記載したように、このようなアセンブリを取り付けて連結するための方法であって、
- 少なくとも1つの支持体を準備ステップで少なくとも1つのガイドシステムに配置する方法ステップと、
- 少なくとも1つの支持体を第1のステップで少なくとも1つのガイドシステムに対して相対的に運動させる方法ステップと、これによって、
- 第2のステップで少なくとも1つの駆動装置の少なくとも1つのケーブルを連結装置に自動的に連結させる方法ステップと
を含む、方法も保護される。
【0017】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項に定義されている。
【0018】
本発明の有利な構成によれば、少なくとも1つのガイドシステムは、長手方向を有する少なくとも1つの第1のガイドレールであって、この第1のガイドレールに沿って少なくとも1つの可動の家具部分をガイドするための第1のガイドレール、および/または少なくとも1つの可動の家具部分をガイドするための少なくとも1つの第2のガイドレールを備え、少なくとも1つの第2のガイドレールは、使用状態で第1のガイドレールの長手方向に対して相対的に横方向に延びており、かつ/または少なくとも1つの可動の家具部分は、少なくとも1つの支持体を介して少なくとも1つの第1のガイドレールに沿って進出位置と進入位置との間で可動であることが特定されている。
【0019】
少なくとも1つの第1のレールと少なくとも1つの第2のレールとによって、少なくとも1つの可動の家具部分を、例えば停止位置または隠蔽位置を備えることができると共に個々の位置の間での確実なガイドを保証することができる特有の位置で少なくとも1つのガイドシステムに配置することが可能になる。
【0020】
進出位置と進入位置とは、アセンブリの構成要素全体に関して適用することができ、少なくとも1つのガイドシステムに対する少なくとも1つの支持体の互いに異なる2つの相対位置が得られる。
【0021】
有利には、少なくとも1つのガイドシステムに対して相対的な少なくとも1つの支持体の最初の相対運動時に、少なくとも1つの連結装置は、少なくとも1つのケーブルに自動的に連結可能であり、かつ/または少なくとも1つのケーブルは、進出位置で、進入位置で、かつ/または進出位置と進入位置との間で、少なくとも1つの連結装置に結合されていることが特定されている。
【0022】
最初の相対運動後に連結がアセンブリの運転中に維持されると、場合によりケーブルの方向付けの不足によって確実な連結が得られないことを阻止することができる。この事情は、例えばクランプ機構によるケーブルのクランプによってアシストを得ることができ、少なくとも1つのケーブルは、少なくとも1つの可動の家具部分の運動中に少なくとも1つの連結装置に確実に結合されたままである。
【0023】
少なくとも1つの駆動装置は、少なくとも1つのケーブルを巻き上げかつ繰り出すための少なくとも1つのケーブルドラムと、少なくとも1つのケーブルドラムに予荷重を加えるための少なくとも1つの蓄力装置とを備え、好ましくは、少なくとも1つのケーブルドラムおよび/または少なくとも1つの蓄力装置は、少なくとも1つの駆動装置のハウジングの内部に、特に好ましくは完全に配置されていることが特定されていると好適であると判っている。
【0024】
全般的に、少なくとも1つのケーブルは、進出位置では快適な貯蔵のために少なくとも1つのケーブルドラムに巻き上げられた状態で存在しており、自由端部は、少なくとも1つの駆動装置から進出している。少なくとも1つのケーブルが、進入位置の方向への少なくとも1つの支持体の相対運動によって少なくとも1つの駆動装置から引き出されると、少なくとも1つの蓄力装置に予荷重が加えられ、蓄えられたエネルギが、進出位置の方向への少なくとも1つの可動の家具部分の運動時に少なくとも1つの可動の家具部分に与えられる。
【0025】
本発明の有利な実施形態によれば、少なくとも1つの蓄力装置は、進入位置の方向への少なくとも1つの支持体の運動時に緊張可能であり、かつ/または進出位置で予荷重状態、つまり、予荷重が加えられている状態または弛緩状態であることが特定されている。
【0026】
少なくとも1つの駆動装置の少なくとも1つのケーブルは、少なくとも1つのケーブルを少なくとも1つの連結装置に結合するための、好ましくはボールの形態の少なくとも1つの連結要素を備え、かつ/または少なくとも1つの連結要素から離間させられたスペーサであって、好ましくは少なくとも1つの駆動装置の、場合により存在するハウジングから少なくとも1つの連結要素を離間させるためのスペーサ、好ましくは円錐台形体を備えると好適であると判っている。
【0027】
少なくとも1つのスペーサによって、1つには、調整可能性が与えられ、この場合には、特にアセンブリの構成要素の構造サイズの変化時に、連結における高められたフレキシビリティが生じる。もう1つには、連結を特に好適に発生させることができるようにするために、少なくとも1つの連結要素は、ハウジングからまたはガイドレールのような他の構成要素から離間させられる。
【0028】
少なくとも1つの連結要素は、少なくとも1つの連結装置からの少なくとも1つのケーブルの望ましくない解離を阻止し、これによって、可動の家具部分を運動させるための確実なアセンブリが得られる。少なくとも1つの連結装置に対して相対的なケーブルの望ましくないスリップを阻止することができる。
【0029】
本発明の有利な変化形態では、少なくとも1つの駆動装置は少なくとも1つの出口開口を有し、使用状態において、駆動装置の少なくとも1つのケーブルは、少なくとも1つの連結装置との連結のために、重力に起因して実質的に鉛直方向下向きに出口開口を通って突出している。
【0030】
少なくとも1つの出口開口が、アセンブリの使用状態で下側に配置されていると、ケーブルが規定の位置をとることができ、少なくとも1つの可動の家具部分への少なくとも1つの駆動装置の結合を特に簡単に行うことができる。少なくとも1つの出口開口は、特に好ましくは、少なくとも1つの駆動装置の、少なくとも1つの第1のガイドレールに対して平行に方向付けられたハウジング側に配置されている。
【0031】
特に好ましくは、少なくとも1つの連結装置は、好ましくは先細りの凹部および/または保持領域を備える少なくとも1つの収容装置を備えることが特定されている。
【0032】
少なくとも1つの収容装置は、例えば、互いに相対的に先細りの2つの側面を備えた楔状の収容部として形成されていてよい。概して、例えば凸状にまたは凹状に湾曲した収容装置またはフラップ機構としての収容装置も可能である。
【0033】
保持領域は、特に好ましくは少なくとも1つの収容装置に隣接して配置されていて、この収容装置に材料接続的に結合されている。保持領域は、少なくとも1つの連結装置への少なくとも1つのケーブルの位置確実な連結のために役立ち、例えばクランプ装置の形態で形成されていてよく、また、面ファスナ結合および/または接着結合も考えられる。
【0034】
従来技術では、ケーブルを収容装置内へと手を使って操作する必要がある。これに対して、本発明では、ケーブルに自動的に連結可能である少なくとも1つの収容装置を備えた解決手段によって、より大きな快適性が提供される。
【0035】
本発明の好適な実施例によれば、少なくとも1つの連結装置は、少なくとも1つの可動の家具部分および/または少なくとも1つの支持体との結合のための、好ましくは固定手段用の少なくとも1つの開口を有するベースを備え、好ましくは、ベースに対して横方向にベースに、少なくとも1つの収容装置を有する少なくとも1つのウェブおよび/または補強のための別のウェブが配置されていることが特定されていることが特定されている。
【0036】
特に好ましくは、連結装置は金属によって形成されている。しかしながら、概して、連結装置は、例えばプラスチックから製造されていてもよい。
【0037】
少なくとも1つの支持体は、進入位置を起点として少なくとも1つの駆動装置によって進出位置に、好ましくは自動的に可動であると好適であると判っている。
【0038】
少なくとも1つの駆動装置は、運動が自動的に実施されることによって、手を使う少なくとも1つの可動の家具部分の運動をアシストすることができないか、または手を使う操作の代わりを成すことができる。
【0039】
本発明の1つの実施例では、少なくとも1つの突き出し装置が設けられており、この少なくとも1つの突き出し装置によって、少なくとも1つの支持体は、進入位置を起点として少なくとも1つの突き出し装置によって進出位置の方向に少なくとも部分的に突き出し可能であり、好ましくは、少なくとも1つの支持体は、進入位置で少なくとも1つの支持体に圧力を加えることによって、進入位置の後ろに位置している過剰押圧位置に可動であり、これによって、突き出し装置が作動可能であることが特定されていることが特定されている。
【0040】
少なくとも1つの突き出し装置は、少なくとも1つのガイドシステムに沿った少なくとも1つの可動の家具部分の運動を開始することができ、停止位置から進出位置の方向への相対運動への移行を実現することができる。
【0041】
本発明の別の構成では、アセンブリは、少なくとも1つの可動の家具部分を進入位置で、好ましくは完全に内部に配置することができる少なくとも1つの収容縦孔を備え、好ましくは、少なくとも1つの可動の家具は、備品を隠すべく、進出位置で少なくとも1つの収容縦孔の長手方向延在長さに対して横方向に、特に好ましくは、場合により存在する少なくとも1つの第2のガイドレールを介して可動であることが特定されていることが特定されていてよい。
【0042】
少なくとも1つの収容縦孔によって、美的にふさわしい家具が得られ、アセンブリは少なくとも1つの収容縦孔の内部に差し込むことができ、必要な場合には、少なくとも1つの可動の家具部分は、備品を隠すために引き出され、長手方向延在長さに対して横方向に走行させることができる。
【0043】
特に好ましくは、家具は、家具キャビネットと、家具キャビネットに対して相対的に可動に支持された少なくとも2つの家具部分とを有し、少なくとも2つの家具部分は、使用状態において、鉛直に延びる軸を介して互いに枢動自在に結合されており、少なくとも2つの家具部分は、アセンブリによって、家具部分が実質的に互いに平行に方向付けられている第1の位置と、家具部分が実質的に互いに共平面に方向付けられている第2の位置との間で可動であり、好ましくは、家具キャビネットは、第1の位置で家具部分を収容するための少なくとも1つの収容縦孔を有し、かつ/または家具部分は、少なくとも1つの駆動装置によって進入位置から進出位置の方向に可動であることが特定されていることが特定されている。
【0044】
アセンブリは、複数部分から成るフォールディングスライドドアへの使用のために特に適している。しかしながら、また、可動の家具部分は、一体形のプレートとしても設けられている。
【0045】
本発明の有利な構成によれば、少なくとも1つの駆動装置の少なくとも1つの蓄力装置を、進出位置から進入位置の方向への支持体の運動時に緊張させ、かつ/または進入位置から進出位置の方向への支持体の運動を、好ましくは少なくとも1つの突き出し装置を用いてアシストすることが特定されている。
【0046】
特に好ましくは、少なくとも1つの駆動装置は、アセンブリの家具プレートにかつ/または少なくとも1つのガイドシステムに配置されており、好ましくは、少なくとも1つの駆動装置は、収容縦孔の2つの家具プレートの間に配置されていることが特定されている。
【0047】
以下に、本発明の更なる詳細および利点を、図面に示した実施例を参照しながら図面の説明に基づき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1a】特に好適な実施例によるアセンブリを示す斜視図である。
図1b】特に好適な実施例によるアセンブリを示す別の斜視図である。
図2】家具壁を省いて、図1aに示した実施例によるアセンブリの、連結前における連結装置および駆動装置を示す斜視図および詳細図である。
図3】家具壁およびカバープレートを省いて、図1aに示した実施例によるアセンブリの、連結装置と駆動装置のケーブルとの接触直前における連結装置および駆動装置を示す斜視図および詳細図である。
図4a】連結前における、好適な実施形態による駆動装置と連結装置とを、側方から見た図である。
図4b】連結前における、好適な実施形態による駆動装置と連結装置とを、下方から見た斜視図である。
図5a】連結装置がケーブルの方向に運動させられた状態における、図4aに示した駆動装置と連結装置とを、側方から見た図である。
図5b】連結装置がケーブルの方向に運動させられた状態における、図4aに示した駆動装置と連結装置とを、下方から見た斜視図である。
図6a】連結中における、図4aに示した駆動装置と連結装置とを、側方から見た図である。
図6b】連結中における、図4aに示した駆動装置と連結装置とを、下方から見た斜視図である。
図7a】連結装置が図6aに対してさらに少しだけ運動させられた状態における、連結後での、図4aに示した駆動装置と連結装置とを、側方から見た図である。
図7b】連結装置が図6aに対してさらに少しだけ運動させられた状態における、連結後での、図4aに示した駆動装置と連結装置とを、下方から見た斜視図である。
図8a】連結装置が駆動装置に対して相対的に運動させられて駆動装置のケーブルが連行された状態における、図4aに示した駆動装置と連結装置とを、側方から見た図である。
図8b】連結装置が駆動装置に対して相対的に運動させられて駆動装置のケーブルが連行された状態における、図4aに示した駆動装置と連結装置とを、下方から見た斜視図である。
図9a】連結装置が駆動装置に対して相対的に運動させられて駆動装置のケーブルが連行された状態における、図4aに示した駆動装置と連結装置とを、側方から見た図である。
図9b】連結装置が駆動装置に対して相対的に運動させられて駆動装置のケーブルが連行された状態における、図4aに示した駆動装置と連結装置とを、下方から見た斜視図である。
図10図1aに示した実施例による2つの収容縦孔と2つのアセンブリとを備えた、特に好適な実施例による家具を示す斜視図である。
【0049】
図1aおよび図1bには、可動の家具部分2(図面を見やすくするために図示せず、図10参照)を家具キャビネット3に対して相対的にガイドするためのアセンブリ1が示してあり、このアセンブリ1は、家具キャビネット3に固定可能なガイドシステム4と、可動の家具部分2が旋回可能にかつ枢動自在に支持可能である支持体5とを備えている。支持体5の明示的な構成は、全般的に任意であり、例えば支持体5は、横桟、梁、桁、プレート、レールまたはこれに類するものであってよく、支持体5は、複数部分から形成されていてもよい。支持体5を介して、可動の家具部分2は、ガイドシステム4に対して相対的に可動である。
【0050】
ガイドシステム4は、長手方向10を有する2つの第1のガイドレール9を備えており、両方の第1のガイドレール9は、これらの第1のガイドレール9に沿って可動の家具部分2をガイドするために働き、ガイドレール9の数は、全般的に任意である。可動の家具部分2は、支持体5を介して第1のガイドレール9に沿って進出位置13と進入位置14との間で可動である。進入位置14は、×印(X)によって示してあり、この×印の位置において、可動の家具部分2は、ガイドシステム4に2つの家具プレートが配置されている場合に、これにより形成された収容縦孔30(図10参照)内に完全に押し込まれており、概して、第1のガイドレール9に沿った可動の家具部分2の部分的な押込みも進入位置14として利用することができる。
【0051】
可動の家具部分2を安定的にガイドするために、枢動自在に結合されたステーの形態のY字形の補強構造体と、対角線状に延在するガイドケーブルとが設けられており、単にY字形の補強構造体またはガイドケーブルだけを使用するかまたは両者を完全に省くことも可能である。
【0052】
図2には、アセンブリ1が示してあるが、同図では、収容縦孔30を形成する両方の家具プレートは、図面を見やすくするために図示されていない。
【0053】
アセンブリ1は、カバープレートの後ろに隠されて配置されている駆動装置6を備えている。駆動装置6は、詳細図において明らかなように、カバープレートの下方に突出しているケーブル7を備えている。連結装置8が支持体5に配置されており、連結装置8は、進入位置14の方向へのガイドシステム4に対して相対的な支持体5の相対運動時に、駆動装置6のケーブル7と自動的に連結される。
【0054】
概して、連結装置8は、可動の家具部分2に配置されていてよい。駆動装置6に関連して、支持体5はガイドシステム4に対して相対的に駆動装置6によって可動である。
【0055】
支持体5は、進入位置14を起点として駆動装置6によって進出位置13に自動的に可動であり、駆動装置6の力調整に応じて、手を使う運動のアシストも可能である。
【0056】
図3には、駆動装置6と支持体5とを接触させ、次いで、駆動装置6を支持体5に連結するための、進入位置14の方向で第1のガイドレール9に沿った支持体5の最初の相対運動中のカバープレート(図示せず)を備えたアセンブリ1が示してある。
【0057】
連結は、
- 支持体5が、準備ステップでガイドシステム4に配置され(図では既に実施されている)、
- 支持体5が、第1のステップでガイドシステム4に対して相対的に運動させられ(図において明らか)、これによって、
- 第2のステップで駆動装置6のケーブル7が(後続の接触によって)連結装置8に自動的に連結される
ように発生させることができる。
【0058】
連結は、一回で実施されて維持されてもよいし、進出位置13への支持体5の位置決め後に新たに実施されてもよい。
【0059】
突き出し装置29が設けられており、この突き出し装置29によって、支持体5は、進入位置14を起点として進出位置13の方向に部分的に突き出すことができる。支持体5は、進入位置14で支持体5に圧力を加えることによって、進入位置14の後ろに位置している過剰押圧位置に可動であり、これによって、突き出し装置29が作動可能であり、支持体5を進出位置13の方向に突き出す。このとき、駆動装置6によって、進入位置14への運動が実施される。
【0060】
図4aには、連結実施前における駆動装置6と連結装置8とが示してある。駆動装置6には、固定手段を介してカバーフラップが固定可能である。
【0061】
駆動装置6のハウジング17からは、ケーブル7が進出しており、ケーブル7は、ケーブル7を連結装置8に結合するためのボール19の形態の連結要素18を有している。ケーブル7が連結装置8に配置されると、連結要素18が引っ掛かり、連結装置8からのケーブル7の望ましくない解離を阻止する。連結は、形状接続的にかつ/または力接続的に行われてよい。
【0062】
ケーブル7は、連結要素18から離間させられた、連結要素18をハウジング17から離間させるための円錐台形体の形態のスペーサ20を備えている。概して、連結要素18を、連結装置8との確実かつ自動的な連結が行われるように駆動装置から離間させるためには、円筒形、球形またはその他の形態のスペーサ20も可能である。また、連結要素18がケーブル7の弛緩状態で自重自体によって、特に規定のケーブル長さだけハウジング17から突出していて、これによって、スペーサ20を省くことができる形態も考えられる。
【0063】
図4bには、図4aに対して傾けられた視線方向から見た、駆動装置6と連結装置8との幾何学的な構成が示してある。
【0064】
連結装置8は、先細りの凹部23と保持領域24とを備える収容装置22を備えている。この収容装置22は、連結要素18に隣接するケーブル区分を収容するように設計されており、保持領域24は、ケーブル7への連結装置8の確実な結合を実施できるようにするために、ケーブルに対応した形態で形成されている。
【0065】
連結装置8は、相互間に鋭角を成す2つの斜面を備える収容装置22を有している。両方の斜面は、概して、相互間に直角または鈍角を成していてもよい。
【0066】
図5aおよび図5bは、連結装置8がケーブル7の方向に運動されていて、これによって、アセンブリ1が連結直前に位置している点でのみ図4aおよび図4bと異なっている。
【0067】
図5aには、駆動装置6の、渦巻きばねの形態の蓄力装置16が点線で示してあり、この蓄力装置16はハウジング17によって隠されている。概して、蓄力装置16は、流体アキュムレータ、板ばね、引張りばねまたは圧縮ばねのような他の形態の蓄力器を含んでいてもよい。蓄力装置16は、進出位置13から進入位置14の方向への支持体5の運動時に緊張させられる。
【0068】
進入位置14から進出位置13の方向への支持体5の運動は、蓄力装置16によってアシストされ、突き出し装置29(図面では明らかでない)は、第1の運動区分で助力され得る。
【0069】
蓄力装置16は、進入位置14の方向への支持体5の運動時に緊張可能であり、進出位置13では、アセンブリ1への要求に応じて予荷重状態または弛緩状態にあってよい。蓄力装置16は、概して、蓄力器を調整するための調整装置を備えていてもよい。
【0070】
駆動装置6は、ケーブル7を巻き上げかつ繰り出すためのケーブルドラム15(破線で図示)を備えており、蓄力装置16は、ケーブルドラム15に予荷重を加えるために設けられている。ケーブルドラム15および蓄力装置16は、駆動装置6のハウジング17の内部に完全に配置されている。概して、ハウジング17内に部分的に配置するかまたはハウジング17がソケットとして形成されていることも可能である。
【0071】
図6aおよび図6bには、2つの異なる視線角度から見た自動的な連結の様子が示してあり、(連結装置8が配置されている)支持体5の、ガイドシステム4に対して相対的な最初の相対運動時に、連結装置8はケーブル7に自動的に連結される。
【0072】
ケーブル7は、進出位置14で、進入位置13で、または進出位置14と進入位置13との間で、連結装置8に結合されたままであり、連結を進出位置14で解除し、可動の家具部分2の新たな押込み時に新たに発生させることも可能である。
【0073】
駆動装置6は出口開口21を有しており、アセンブリ1の使用状態において、駆動装置6のケーブル7は、連結装置8との連結のために、重力に起因して鉛直方向下向きに出口開口21を通って突出している。
【0074】
連結装置8は、可動の家具部分2および/または支持体5との結合のための固定手段用の2つの開口26を備えたベース25を備えており、連結装置8は、特に好ましくは支持体5に固定される。
【0075】
ベース25には、ベース25に対して横方向に、収容装置22と保持領域24とを確実な結合のために有するウェブ27と、補強のための別のウェブ28とが配置されている。
【0076】
図7aおよび図7bには、連結装置8がさらに駆動装置6に対して相対的に運動させられており、このとき、連結要素18は、連結装置8との結合を維持していて、ケーブル7を一緒に運動させている。
【0077】
図8aおよび図8bは、連結装置8がさらに運動させられている点でのみ図7aおよび図7bと異なっており、このとき、連結要素18は、運動方向を指していて、スペーサ20は、収容装置22の、向かい合って位置している側に配置されている。
【0078】
図9aおよび図9bにおいて明らかなように、連結装置8のさらに続く運動時に、ケーブル7は連結装置8と一緒に運動させられ、これによって、蓄力装置16に荷重が加えられる。
【0079】
図10には、フォールディングスライドドアを形成する可動の家具部分2を運動させるための2つのアセンブリ1を備えた家具33が示してある。概して、このアセンブリ1は、例えば備品32を隠すことを目的として、一体形のスライドドアを運動させるためにも使用することができる。家具部分2は、両方の収容縦孔30内にアセンブリ1を介して配置されてよい。家具キャビネット3には、2つのアセンブリ1の両方のガイドシステム4が、それぞれ2つの家具プレートを介して固定されており、2つの家具プレートには、互いに離間させられたそれぞれ1つの別の家具プレートが、収容縦孔30を形成するために平行に配置されている。
【0080】
駆動装置6は、ガイドシステム4に配置されている。しかしながら、駆動装置6は、アセンブリの家具プレートに配置されていてもよい。
【0081】
家具33は、家具キャビネット3と、家具キャビネット3に対して相対的に可動に支持された、フォールディングスライドドアの形態の2つの家具部分2とを有しており、両方の家具部分2は、アセンブリ1の使用状態12において、鉛直に延びる軸34を介して互いに枢動自在に結合されている。概して、1つのスライドドアの形態の1つの可動の家具部分が類似して設けられていてもよい。
【0082】
2つの家具部分2は、アセンブリ1によって、家具部分2が実質的に互いに平行に方向付けられている第1の位置35と、家具部分2が実質的に互いに共平面に方向付けられている第2の位置との間で可動である。第2の位置は図示しないが、この第2の位置は、両方の家具部分2の折畳み状態からの開放によって得られ、改善されたガイドのために、第2のガイドレール11に沿って走行可能なガイドキャリッジが、第2のガイドレール11に対して相対的に両方の家具部分2を運動させるために設けられていてよい。
【0083】
第2の位置では、備品32が隠されている。第1の位置35では、両方の家具部分2は、家具部分2を収容するための収容縦孔30内に押込み可能である。2つの家具部分2は、アセンブリ1の駆動装置6によって進入位置14から進出位置13の方向に可動であり、この運動をアシストするために、突き出し装置29(ここでは図示せず、図1a参照)が設けられている。しかしながら、突き出し装置29は、概して、必ずしも必要なものではない。図面には、家具部分2が進出位置13で示してあり、進入位置14は、×印(X)で示してある。
【0084】
アセンブリ1のガイドシステム4は、第1のガイドレール9に対して直交する方向で、可動の家具部分2をガイドするための第2のガイドレール11を備えており、この第2のガイドレール11は、使用状態12で第1のガイドレール9の長手方向10に対して相対的に横方向に延びていて、調和のとれた運動経過のために、第1のガイドレール9を結合している。
【0085】
アセンブリ1は、2つの家具プレートの平行な構成による収容縦孔30を備えており、概して、アセンブリ1は収容縦孔30なしで設けられていてもよく、先細りの構成が考えられる。可動の家具部分2は、進入位置14で収容縦孔30内に完全に配置可能であり、このとき、収容縦孔30内への部分的な配置も考えられる。
【0086】
可動の家具部分2は、備品32を隠すべく、進出位置13において収容縦孔30の長手方向延在長さ31に対して横方向で第2のガイドレール11を介して可動である。
図1a
図1b
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図9a
図9b
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの可動の家具部分(2)、特にスライドドアまたはフォールディングスライドドアを家具キャビネット(3)に対して相対的にガイドするためのアセンブリ(1)であって、
- 前記家具キャビネット(3)に固定されたかまたは固定可能な少なくとも1つのガイドシステム(4)と、
- 少なくとも1つの支持体(5)であって、前記少なくとも1つの支持体(5)に前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)が、特に旋回可能にかつ/または枢動自在に支持されているかまたは支持可能であり、前記少なくとも1つの支持体(5)を介して、前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)が、前記少なくとも1つのガイドシステム(4)に対して相対的に可動である、少なくとも1つの支持体(5)と、
- 前記少なくとも1つの支持体(5)を前記少なくとも1つのガイドシステム(4)に対して相対的に運動させることができる、少なくとも1つのケーブル(7)を備えた少なくとも1つの駆動装置(6)と
を備え、
前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)および/または前記少なくとも1つの支持体(5)に少なくとも1つの連結装置(8)が配置されており、前記少なくとも1つの連結装置(8)は、前記少なくとも1つのガイドシステム(4)に対して相対的な前記少なくとも1つの支持体(5)の相対運動時に、前記少なくとも1つの駆動装置(6)の前記少なくとも1つのケーブル(7)に自動的に連結可能である
アセンブリ(1)において
前記少なくとも1つの駆動装置(6)は少なくとも1つの出口開口(21)を有し、使用状態(12)において、前記駆動装置(6)の前記少なくとも1つのケーブル(7)は、前記少なくとも1つの連結装置(8)との連結のために、重力に起因して実質的に鉛直方向下向きに前記出口開口(21)を通って突出していることを特徴とする、アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのガイドシステム(4)は、長手方向(10)を有する少なくとも1つの第1のガイドレール(9)であって、該第1のガイドレール(9)に沿って前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)をガイドするための第1のガイドレール(9)、および/または前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)をガイドするための少なくとも1つの第2のガイドレール(11)を備え、前記少なくとも1つの第2のガイドレール(11)は、使用状態(12)で前記第1のガイドレール(9)の前記長手方向(10)に対して相対的に横方向に延びており、かつ/または前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)は、前記少なくとも1つの支持体(5)を介して前記少なくとも1つの第1のガイドレール(9)に沿って進出位置(13)と進入位置(14)との間で可動である、請求項1記載のアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのガイドシステム(4)に対して相対的な前記少なくとも1つの支持体(5)の最初の相対運動時に、前記少なくとも1つの連結装置(8)は、前記少なくとも1つのケーブル(7)に自動的に連結可能であり、かつ/または前記少なくとも1つのケーブル(7)は、前記進出位置(14)で、前記進入位置(13)で、かつ/または前記進出位置(14)と前記進入位置(13)との間で、前記少なくとも1つの連結装置(8)に結合されている、請求項1または2記載のアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの駆動装置(6)は、前記少なくとも1つのケーブル(7)を巻き上げかつ繰り出すための少なくとも1つのケーブルドラム(15)と、前記少なくとも1つのケーブルドラム(15)に予荷重を加えるための少なくとも1つの蓄力装置(16)とを備え、好ましくは、前記少なくとも1つのケーブルドラム(15)および/または前記少なくとも1つの蓄力装置(16)は、前記少なくとも1つの駆動装置(6)のハウジング(17)の内部に、特に好ましくは完全に配置されていることが特定されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの蓄力装置(16)は、進入位置(14)の方向への前記少なくとも1つの支持体(5)の運動時に緊張可能であり、かつ/または進出位置(13)で予荷重状態または弛緩状態である、請求項4記載のアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの駆動装置(6)の前記少なくとも1つのケーブル(7)は、前記少なくとも1つのケーブル(7)を前記少なくとも1つの連結装置(8)に結合するための、好ましくはボール(19)の形態の少なくとも1つの連結要素(18)を備え、かつ/または前記少なくとも1つの連結要素(18)から離間させられたスペーサ(20)であって、好ましくは前記少なくとも1つの駆動装置(6)の、場合により存在するハウジング(17)から前記少なくとも1つの連結要素(18)を離間させるためのスペーサ(20)、好ましくは円錐台形体を備える、請求項1から5までのいずれか1項記載のアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの連結装置(8)は、好ましくは先細りの凹部(23)および/または保持領域(24)を備える少なくとも1つの収容装置(22)を備える、請求項1からまでのいずれか1項記載のアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの連結装置(8)は、前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)および/または前記少なくとも1つの支持体(5)との結合のための、好ましくは固定手段用の少なくとも1つの開口(26)を有するベース(25)を備え、好ましくは、前記ベース(25)に対して横方向に前記ベース(25)に、前記少なくとも1つの収容装置(22)を有する少なくとも1つのウェブ(27)および/または補強のための別のウェブ(28)が配置されていることが特定されている、請求項記載のアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの支持体(5)は、進入位置(14)を起点として前記少なくとも1つの駆動装置(6)によって進出位置(13)に、好ましくは自動的に可動である、請求項1からまでのいずれか1項記載のアセンブリ(1)。
【請求項10】
少なくとも1つの突き出し装置(29)が設けられており、該少なくとも1つの突き出し装置(29)によって、前記少なくとも1つの支持体(5)は、進入位置(14)を起点として少なくとも1つの突き出し装置(29)によって進出位置(13)の方向に少なくとも部分的に突き出し可能であり、好ましくは、前記少なくとも1つの支持体(5)は、前記進入位置(14)で前記少なくとも1つの支持体(5)に圧力を加えることによって、前記進入位置(14)の後ろに位置している過剰押圧位置に可動であり、これによって、前記突き出し装置(29)が作動可能であることが特定されている、請求項1からまでのいずれか1項記載のアセンブリ(1)。
【請求項11】
前記アセンブリ(1)は、前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)を進入位置(14)で、好ましくは完全に内部に配置することができる少なくとも1つの収容縦孔(30)を備え、好ましくは、前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)は、備品(32)を隠すべく、進出位置(13)で前記少なくとも1つの収容縦孔(30)の長手方向延在長さ(31)に対して横方向に、特に好ましくは、場合により存在する少なくとも1つの第2のガイドレール(11)を介して可動であることが特定されている、請求項1から10までのいずれか1項記載のアセンブリ(1)。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項記載の少なくとも1つのアセンブリ(1)を備えた家具(33)。
【請求項13】
前記家具(33)は、家具キャビネット(3)と、前記家具キャビネット(3)に対して相対的に可動に支持された少なくとも2つの家具部分(2)とを有し、前記家具部分(2)は、使用状態(12)において、鉛直に延びる軸(34)を介して互いに枢動自在に結合されており、前記少なくとも2つの家具部分(2)は、前記アセンブリ(1)によって、前記家具部分(2)が実質的に互いに平行に方向付けられている第1の位置(35)と、前記家具部分(2)が実質的に互いに共平面に方向付けられている第2の位置との間で可動であり、好ましくは、前記家具キャビネット(3)は、前記第1の位置(35)で前記家具部分(2)を収容するための少なくとも1つの収容縦孔(30)を有し、かつ/または前記家具部分(2)は、少なくとも1つの駆動装置(6)によって進入位置(14)から進出位置(13)の方向に可動であることが特定されている、請求項12記載の家具(33)。
【請求項14】
請求項1から11までのいずれか1項記載のアセンブリ(1)を取り付けて連結するための方法であって、
- 少なくとも1つの支持体(5)を準備ステップで前記少なくとも1つのガイドシステム(4)に配置するステップと、
- 前記少なくとも1つの支持体(5)を第1のステップで前記少なくとも1つのガイドシステム(4)に対して相対的に運動させるステップと、これによって、
- 第2のステップで少なくとも1つの駆動装置(6)の前記少なくとも1つのケーブル(7)を前記連結装置(8)に自動的に連結させるステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの駆動装置(6)の少なくとも1つの蓄力装置(16)を、進出位置(13)から進入位置(14)の方向への前記支持体(5)の運動時に緊張させ、かつ/または進入位置(14)から進出位置(13)の方向への前記支持体(5)の運動を、好ましくは少なくとも1つの突き出し装置(29)を用いてアシストする、請求項14記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】
従来技術には、駆動装置のケーブルを支持体に手を使って結合することが煩わしく、アセンブリの取付けに追加の時間を要してしまうという欠点がある。特に収容縦孔が既に組み立てられている場合には、収容縦孔内に隠されて配置された駆動装置に基づいて、結合を快適に行うことができず、収容縦孔の分解が必要となってしまう。ケーブルが、例えば運転中に(例えば振動および/または結合の不足によって)支持体においてアセンブリから不都合に解離してしまうと、アセンブリの申し分ない機能を保証できるようにするためのユーザフレンドリーな可能性は与えられていない。実際、支持体への駆動装置の連結は忘れられるかまたは整然と修正されないことが多く、これによって、可動の家具部分の運動のために、増大させられた力消費が必要になり、さらに、この増大させられた力消費の原因が何に因るものなのかを運転中に認識することが困難となってしまう。
別のアセンブリは、特開2008-057258号公報、オーストリア国公開特許第505207号明細書ならびにオーストリア国公開特許第503881号明細書に基づいて公知である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
したがって、本発明によれば、少なくとも1つの可動の家具部分および/または少なくとも1つの支持体に少なくとも1つの連結装置が配置されており、少なくとも1つの連結装置は、少なくとも1つのガイドシステムに対して相対的な少なくとも1つの支持体の相対運動時に、少なくとも1つの駆動装置の少なくとも1つのケーブルに自動的に連結可能であり、少なくとも1つの駆動装置は少なくとも1つの出口開口を有し、使用状態において、駆動装置の少なくとも1つのケーブルは、少なくとも1つの連結装置との連結のために、重力に起因して実質的に鉛直方向下向きに出口開口を通って突出していることが特定されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
本発明によれば、少なくとも1つの駆動装置は少なくとも1つの出口開口を有し、使用状態において、駆動装置の少なくとも1つのケーブルは、少なくとも1つの連結装置との連結のために、重力に起因して実質的に鉛直方向下向きに出口開口を通って突出していることが特定されている
【国際調査報告】