(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】インテリジェントパワーモジュール及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20231219BHJP
H01L 23/48 20060101ALI20231219BHJP
H01L 23/13 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/48 G
H01L23/12 C
H01L23/48 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558923
(86)(22)【出願日】2021-10-27
(85)【翻訳文提出日】2023-06-09
(86)【国際出願番号】 CN2021126772
(87)【国際公開番号】W WO2022179151
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】202110212995.8
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523220363
【氏名又は名称】エッジレス セミコンダクター カンパニー,リミテッド オブ ジュハイ
(71)【出願人】
【識別番号】516089359
【氏名又は名称】グリー エレクトリック アプライアンスィズ,インコーポレーテッド オブ ジュハイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】シー,ボー
(72)【発明者】
【氏名】ゼン,ダン
(72)【発明者】
【氏名】カオ,ジュン
(72)【発明者】
【氏名】リャオ,ヨンボ
(72)【発明者】
【氏名】シャオ,ティン
(57)【要約】
インテリジェントパワーモジュールは、チップと、一端がチップに接続され、他端の端部がはんだ付けピンを形成する複数の導電リードとが設けられている基板と、複数のはんだ付けピンに1対1に対応する複数のワイヤを含み、ワイヤの一端の端部に接続構造が形成されている外部リードフレームであって、互いに対応する接続構造とはんだ付けピンの組毎に、接続構造は、接続部と、それぞれ接続部の両側に位置し基板に向かって延びる支持部とを含み、支持部の並び方向は、はんだ付けピンの並び方向と同じであり、2つの支持部の間に収容空間が形成され、はんだ付けピンは2つの支持部の間に位置する、外部リードフレームと、を含む。支持部は、隣接する2つのはんだ付けピンを遮断し、リフロー時に、隣接するはんだ付けピンにおける接合材がつながることに起因する短絡のリスクを低減し、位置規制の役割を果たし、はんだ付け箇所の位置ずれのリスクを低減する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップと、前記チップの周側に沿って間隔を置いて分布する複数の導電リードであって、各前記導電リードは、一端が前記チップに接続され、他端の端部がはんだ付けピンを形成する複数の導電リードとが設けられている基板と、
前記複数のはんだ付けピンに1対1に対応する複数のワイヤを含み、各ワイヤの一端の端部には、対応するはんだ付けピンに接続されるように設けられた接続構造が形成されている外部リードフレームであって、互いに対応する接続構造とはんだ付けピンの組毎に、前記接続構造は、前記はんだ付けピンの上面に対応して設けられる接続部と、それぞれ前記接続部の両側に位置し前記基板に向かって延びる支持部とを含み、前記支持部の並び方向は、前記はんだ付けピンの並び方向と同じであり、2つの前記支持部の間に収容空間が形成され、前記はんだ付けピンは2つの前記支持部の間に位置する、外部リードフレームと、
前記はんだ付けピンの上面に設けられ、前記はんだ付けピンと前記接続部との間に位置する接合材であって、前記はんだ付けピンと前記接続部とが前記接合材を介して接続される接合材と、
を含むインテリジェントなパワーモジュール。
【請求項2】
前記基板に垂直な方向に沿って、各前記接続構造の2つの前記支持部のサイズは同じである、請求項1に記載のインテリジェントパワーモジュール。
【請求項3】
各前記接続構造において、前記接続構造の支持部の前記基板に向かう一端が、前記基板に接触接続されている、請求項1又は2に記載のインテリジェントパワーモジュール。
【請求項4】
前記接続部の前記はんだ付けピンに向かう側にボス構造が設けられている、請求項1に記載のインテリジェントパワーモジュール。
【請求項5】
前記接続部と前記2つの支持部とは一体構造である、請求項1に記載のスマートパワーモジュール。
【請求項6】
前記基板はセラミック基板である、請求項1に記載のインテリジェントパワーモジュール。
【請求項7】
PCB回路基板をさらに含み、
前記外部リードフレームの各前記ワイヤの他端が前記PCB回路基板に電気的に接続される、請求項1に記載のインテリジェントパワーモジュール。
【請求項8】
前記接合材は、はんだペースト、銀ペースト、又は焼結銀を含む、請求項1に記載のインテリジェントパワーモジュール。
【請求項9】
前記導電リードの材料は、銅又はアルミニウムを含む、請求項1に記載のインテリジェントパワーモジュール。
【請求項10】
請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載のインテリジェントパワーモジュールの製造方法であって、
基板の各はんだ付けピンの上面に接合材を設けるステップと、
外部リードフレームのワイヤの接続構造とはんだ付けピンとが1対1に対応し、対応する接続構造とはんだ付けピンの組毎に、前記接続構造の接続部が前記はんだ付けピンの上面に対応し、前記接合材が接続部とはんだ付けピンとの間に位置し、前記接続構造の2つの支持部がはんだ付けピンの両側にそれぞれ位置し、2つの前記支持部の並び方向が前記はんだ付けピンの並び方向と同じであるように、前記外部リードフレームと基板とをマウンターにより組み付けるステップと、
接合材のリフローを行うことで、前記接続部と前記はんだ付けピンとをはんだ付けするステップと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2021年2月25日にて中国特許庁へ出願した、出願番号が202110212995.8で、発明の名称が「インテリジェントパワーモジュール及びその製造方法」である中国特許出願の優先権を主張しており、その内容の全ては参照により本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は、電子デバイスの技術分野に関し、特にインテリジェントパワーモジュール及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
インテリジェントパワーモジュール(IPM)は、パワースイッチングデバイスと駆動回路を統合するだけでなく、過電圧、過電流、過熱などの障害検出回路を内蔵しており、使いやすく、システムの体積を減らすだけでなく、システムの信頼性を高め、ますます多くの市場を獲得し、特に、モータ駆動用の周波数変換器及び種々のインバータ電源に適しており、周波数変換・速度調節、冶金機械、電気トラクション、サーボドライブ、周波数変換家電に最適なパワーエレクトロニクスである。
【0004】
インテリジェントパワーモジュールにおいて、モジュールの放熱能力を高めるために、DBCセラミック基板をチップのキャリアとして使用することがトレンドになる。チップを、チップと電気的に接続される複数のピンが設けられている基板上にはんだ付けし、そのピンを、中間フレームを介して他の部品と電気的に接続することにより、チップと他の部品との電気的な接続を実現することができる。しかし、基板におけるピンの密度が高く、接合面積が限られているため、中間フレームと基板におけるピンとの接合構造の信頼性が低く、隣接するピン同士がつながることに起因する短絡などのリスクも生じやすいため、中間フレームと基板におけるピンとの確実な接合をどのように解決するかが現在の急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、インテリジェントパワーモジュール及びその製造方法を開示する。上記インテリジェントパワーモジュールにおいて、外部リードフレームの接続構造の支持部は、隣接する2つのはんだ付けピンを遮断することができ、リフロー時に、接合材が両側に飛び散るリスクを低減する。また、接合材が隣接するはんだ付けピンに流れることを回避し、隣接するはんだ付けピンにおける接合材がつながることに起因する短絡のリスクを効果的に低減することができる。また、はんだ付けピンが接続構造で覆われることで、両側の支持部は一定の位置規制の役割を果たすことができ、製造中におけるはんだ付け箇所の位置ずれのリスクを効果的に回避し、ワイヤとはんだ付けピンとの接続制度を効果的に保証することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示は以下の技術態様を提供する。
【0007】
インテリジェントなパワーモジュールであって、
チップと、前記チップの周側に沿って間隔を置いて分布する複数の導電リードであって、各前記導電リードは、一端が前記チップに接続され、他端の端部がはんだ付けピンを形成する複数の導電リードとが設けられている基板と、
前記複数のはんだ付けピンに1対1に対応する複数のワイヤを含み、各ワイヤの一端の端部には、対応するはんだ付けピンに接続されるように設けられた接続構造が形成されている外部リードフレームであって、互いに対応する接続構造とはんだ付けピンの組毎に、前記接続構造は、前記はんだ付けピンの上面に対応して設けられる接続部と、それぞれ前記接続部の両側に位置し前記基板に向かって延びる支持部とを含み、前記支持部の並び方向は、前記はんだ付けピンの並び方向と同じであり、2つの前記支持部の間に収容空間が形成され、前記はんだ付けピンは2つの前記支持部の間に位置する、外部リードフレームと、
前記はんだ付けピンの上面に設けられ、前記はんだ付けピンと前記接続部との間に位置する接合材であって、前記はんだ付けピンと前記接続部とが前記接合材を介して接続される接合材と、を含む。
【0008】
上記インテリジェントパワーモジュールにおいて、チップがはんだ付けされた基板を含む。基板上に複数の導電リードが設けられ、導電リードは、チップの外周側に順次間隔を置いて並んで分布し、隣接する導電リード同士は、間隔を持って互いに絶縁されて設けられる。各導電リードの一端がチップの電極金属に接続されることで、各導電リードとチップとの電気的な接続を実現する。各導電リードの他端の端部がはんだ付けピンを形成し、こうすると、複数のはんだ付けピンは、チップの周側に順次分布し、チップの周方向に沿って間隔を置いて並ぶ。具体的には、チップの周側の同一側に位置する複数のはんだ付けピンは、並び方向が1つとなるように整然と順次並ぶことができる。外部リードフレームは、複数のワイヤを含み、ワイヤは導電性ワイヤである。該複数のワイヤは、基板における複数のはんだ付けピンに1対1に対応して接続される。具体的には、互いに対応するワイヤとはんだ付けピンにおいて、各ワイヤの一端の端部は、はんだ付けピンに接続される接続構造を形成する。具体的には、互いに対応する接続構造とはんだ付けピンの組毎に、接続構造は、はんだ付けピンにおける基板から離れた上面に対向する接続部を含み、接続部の両側には、基板の方向に延びる支持部を有し、接続部の両側の2つの支持部の間に収容空間が形成されている。はんだ付けピンは、2つの支持部の収容空間内に位置可能であり、はんだ付けピンの上面が接続部に対向している。ここで、2つの支持部の並び方向は、はんだ付けピンの並び方向と同じである。つまり、接続構造において、接続部の両側縁に、それぞれ、2つの支持部が基板の方向に向かって延びて形成されている。2つの支持部と接続部とが断面逆「U」字状の溝構造を形成し、2つの支持部はそれぞれ2つの側壁を形成し、接続部は溝構造の底壁を形成する。接続構造とはんだ付けピンとの嵌合は、接続構造がはんだ付けピンを覆い、接続部がはんだ付けピンの上面に対向し、2つの支持部がはんだ付けピンの対向する両側にそれぞれ位置することに該当する。はんだ付けピンは複数あり、ワイヤもこれに対応して複数あるので、複数のはんだ付けピンがそれぞれ複数の接続構造に1対1で嵌合して組み付けされて接続された後、はんだ付けピンの並び方向に沿って、接続構造がはんだ付けピンを覆い、接続構造の支持部は隣接する2つのはんだ付けピンの間にあることで、隣接する2つのはんだ付けピンを遮断することができる。また、接続構造がはんだ付けピンの上面を接合材で覆うことで、リフローを行う際に、接合材が両側に飛び散ることを効果的に回避することができ、接合材が両側に飛び散るリスクを低減し、接合材が隣接するはんだ付けピンに流れることを回避することができる。さらに、接合材が過剰になる場合、隣接するはんだ付けピンにおける接合材がつながることを回避し、隣接するはんだ付けピンにおける接合材がつながることに起因する短絡のリスクを効果的に低減することができる。また、はんだ付けピンが接続構造で覆われることで、両側の支持部は一定の位置規制の役割を果たすことができ、製造中に、外部リードフレームが基板に組み付けられるが固定されていない場合、ワイヤの接続構造とはんだ付けピンとの位置規制が安定し、これにより、製造中に振動等の要因によるはんだ付け箇所の位置ずれのリスクを効果的に低減し、ワイヤとはんだ付けピンとの接続精度を効果的に保証することができる。
【0009】
したがって、上記インテリジェントパワーモジュールにおいて、外部リードフレームの接続構造の支持部は、隣接する2つのはんだ付けピンを遮断することができ、リフロー時に、接合材が両側に飛び散るリスクを低減し、接合材が隣接するはんだ付けピンに流れることを回避し、隣接するはんだ付けピンにおける接合材がつながることに起因する短絡のリスクを効果的に低減することができる。また、はんだ付けピンが接続構造で覆われることで、両側の支持部は一定の位置規制の役割を果たすことができ、製造中におけるはんだ付け箇所の位置ずれのリスクを効果的に低減し、ワイヤとはんだ付けピンとの接続精度を効果的に保証することができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記基板に垂直な方向に沿って、各前記接続構造の2つの前記支持部のサイズは同じである。
【0011】
いくつかの実施形態では、各前記接続構造において、前記接続構造の支持部の前記基板に向かう一端が、前記基板に接触接続されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記接続部の前記はんだ付けピンに向かう側にボス構造が設けられている。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記接続部と前記2つの支持部とは一体構造である。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記基板はセラミック基板である。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記インテリジェントパワーモジュールは、PCB回路基板をさらに含み、前記外部リードフレームの各前記ワイヤの他端が前記PCB回路基板に電気的に接続される。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記結合材は、はんだペースト、銀ペースト、又は焼結銀を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記導電リードの材料は、銅又はアルミニウムを含む。
【0018】
本開示は、上述した技術的態様によるいずれかのインテリジェントパワーモジュールの製造方法を提供し、この方法は、
基板の各はんだ付けピンの上面に接合材を設けるステップと、
外部リードフレームのワイヤの接続構造とはんだ付けピンとが1対1に対応し、対応する接続構造とはんだ付けピンの組毎に、前記接続構造の接続部が前記はんだ付けピンの上面に対応し、前記接合材が接続部とはんだ付けピンとの間に位置し、前記接続構造の2つの支持部がはんだ付けピンの両側にそれぞれ位置し、2つの前記支持部の並び方向が前記はんだ付けピンの並び方向と同じであるように、前記外部リードフレームと基板とをマウンターにより組み付けるステップと、
接合材のリフローを行うことで、前記接続部と前記はんだ付けピンとをはんだ付けするステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本開示の実施例によるインテリジェントパワーモジュールの基板と外部リードフレームとの接続及び嵌合を示す部分構造模式図である。
【
図2】本開示の実施例による接続構造とはんだ付けピンとの嵌合及び接続を示す平面模式図である。
【
図3】
図2のA-A方向に沿う断面構造模式図である。
【
図4】
図2のB-B方向に沿う断面構造模式図である。
【符号の説明】
【0020】
1:基板、2:チップ、3:外部リードフレーム、4:接合材、11:導電リード、31:ワイヤ、32:接続構造、111:はんだ付けピン、321:接続部、322:支持部、3211:ボス構造
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本開示の実施例における図面を参照しつつ本開示の実施例における技術態様を明確かつ完全に説明するが、説明される実施例は、本開示の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を払わないことを前提として得た他のすべての実施例は、本開示の保護範囲に属する。
【0022】
図1、
図2及び
図3に示すように、本開示の実施例は、インテリジェントパワーモジュールを提供する。このインテリジェントパワーモジュールは、基板1と、外部リードフレーム3と、を含む。基板1には、チップ2と、チップ2の周側に沿って間隔を置いて分布する複数の導電リード11であって、各導電リード11は、一端がチップ2に接続され、他端の端部がはんだ付けピン111を形成する複数の導電リード11とが設けられている。外部リードフレーム3は、複数のはんだ付けピン111に1対1に対応する複数のワイヤ31を含み、各ワイヤ31の一端の端部には、対応するはんだ付けピン111に接続されるように設けられた接続構造32が形成されている。互いに対応する接続構造32とはんだ付けピン111の組毎に、接続構造32は、はんだ付けピン111の上面に対応して設けられる接続部321と、それぞれ接続部321の両側に位置し基板1に向かって延びる支持部322とを含み、支持部322の並び方向は、はんだ付けピン111の並び方向と同じであり、2つの支持部322の間に収容空間が形成され、はんだ付けピン111は2つの支持部322の間に位置する。
【0023】
上記インテリジェントパワーモジュールにおいて、チップ2がはんだ付けされた基板1を含む。具体的には、このチップは、基板がチップのキャリアとされ、チップが基板に接続されるフルブリッジ駆動チップであってもよい。基板1上に複数の導電リード11が設けられ、具体的には、導電リードは金属被覆ピンであってもよい。導電リードは、チップ2の外周側に順次間隔を置いて並んで分布し、隣接する導電リード同士は、間隔を持って互いに絶縁されて設けられる。各導電リードの一端がチップ2の電極金属に接続されることで、各導電リードとチップ2との電気的な接続を実現する。各導電リードの他端の端部がはんだ付けピン111を形成し、こうすると、複数のはんだ付けピン111は、チップ2の周側に順次分布し、チップ2の周方向に沿って間隔を置いて並ぶ。具体的には、チップ2の周側の同一側に位置する複数のはんだ付けピン111は、並び方向が1つとなるように整然と順次並ぶことができる。外部リードフレーム3は、複数のワイヤ31を含み、該複数のワイヤ31は、基板1における複数のはんだ付けピン111に1対1に対応して接続される。具体的には、互いに対応するワイヤ31とはんだ付けピン111において、各ワイヤ31の一端の端部は、はんだ付けピン111に接続される接続構造32を形成する。具体的には、互いに対応する接続構造32とはんだ付けピン111の組毎に、接続構造32は、はんだ付けピン111における基板1から離れた上面に対向する接続部321を含み、接続部321の両側には、基板1の方向に延びる支持部322を有し、接続部321の両側の2つの支持部321の間に収容空間が形成されている。はんだ付けピン111は、2つの支持部321の収容空間内に位置可能であり、はんだ付けピン111の上面が接続部321に対向している。ここで、2つの支持部321の並び方向は、はんだ付けピン111の並び方向と同じである。つまり、接続構造において、
図1を参照して、
図2及び
図3に示すように、接続部321の両側縁に、それぞれ、2つの支持部322が基板1の方向に向かって延びて形成されている。2つの支持部322と接続部321とが断面逆「U」字状の溝構造を形成し、2つの支持部322はそれぞれ2つの側壁を形成し、接続部321は溝構造の底壁を形成する。接続構造32とはんだ付けピン111との嵌合は、接続構造32がはんだ付けピン111を覆い、接続部321がはんだ付けピン111の上面に対向し、2つの支持部322がはんだ付けピン111の対向する両側にそれぞれ位置することに該当する。はんだ付けピン111は複数あり、ワイヤ31もこれに対応して複数あるので、複数のはんだ付けピン111がそれぞれ複数の接続構造32に1対1で嵌合して組み付けされて接続された後、はんだ付けピン111の並び方向に沿って、接続構造32がはんだ付けピン111を覆い、接続構造32の支持部322は隣接する2つのはんだ付けピン111の間にあることで、隣接する2つのはんだ付けピン111を遮断することができる。また、接続構造32がはんだ付けピンの上面を接合材4で覆うことで、リフローを行う際に、接合材4が両側に飛び散ることを効果的に回避することができ、接合材4が両側に飛び散るリスクを低減し、接合材4が隣接するはんだ付けピン111に流れることを回避することができる。さらに、接合材4が過剰になる場合、隣接するはんだ付けピン111における接合材4がつながることを回避し、隣接するはんだ付けピン111における接合材4がつながることに起因する短絡のリスクを効果的に低減することができる。また、はんだ付けピン111が接続構造32で覆われることで、両側の支持部322は一定の位置規制の役割を果たすことができ、製造中に、外部リードフレーム3が基板1に組み付けられるが固定されていない場合、ワイヤ31の接続構造32とはんだ付けピン111との位置規制が安定し、これにより、製造中に振動等の要因によるはんだ付け箇所の位置ずれのリスクを効果的に低減し、ワイヤ31とはんだ付けピン111との接続精度を効果的に保証することができる。
【0024】
したがって、上記インテリジェントパワーモジュールにおいて、外部リードフレーム3の接続構造32の支持部322は、隣接する2つのはんだ付けピン111を遮断することができ、リフロー時に、接合材4が両側に飛び散るリスクを低減し、接合材4が隣接するはんだ付けピン111に流れることを回避し、隣接するはんだ付けピン111における接合材4がつながることに起因する短絡のリスクを効果的に低減することができる。また、はんだ付けピン111が接続構造32で覆われることで、両側の支持部322は一定の位置規制の役割を果たすことができ、製造中におけるはんだ付け箇所の位置ずれのリスクを効果的に回避し、ワイヤ31とはんだ付けピン111との接続精度を効果的に保証することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、上記インテリジェントパワーモジュールにおいて、基板1に垂直な方向に沿って、各接続構造32の2つの支持部322のサイズは同じであり、接続構造32の支持部322の基板1に向かう一端が、基板1に接触接続されている。2つの支持部322は、接続部321を支持する役割を果たし、外部リードフレームを基板1に組み付ける際に、接続部321と基板1とが互いに平行に維持されることを保証し、モールド後の製品の放熱面からハミ出すリスクを低減することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、
図3及び
図4に示すように、上記インテリジェントパワーモジュールにおいて、接続部321のはんだ付けピン111に向かう側にボス構造3211が設けられている。これにより、支持部322のせいで接続部321とはんだ付けピン111との間に間隔を作り接合材4を収容しているため、接合材4が不足した場合に途中で接合不良が発生することを防止することができ、はんだ付けピン111と接続部321との間のはんだ付け箇所の接合確実性を向上させる。
【0027】
いくつかの実施形態では、上記インテリジェントパワーモジュールにおいて、各接続構造32における接続部321と2つの支持部322とは一体構造である。接続部321と2つの支持部322とが一体構造であるため、構造的に優れており、安定性が高い。
【0028】
1つの実施例では、上記インテリジェントパワーモジュールにおいて、基板1はセラミック基板とする。ここで、セラミック基板は銅張セラミック基板であり、片面銅張セラミック基板又は両面銅張セラミック基板であってもよい。セラミック基板は、高熱伝導性、高電気絶縁性、低膨張、高導電性、及び優れたはんだ付け性を有するため、セラミック基板をチップ2のキャリアとする場合、その熱抵抗が低く、放熱性が良好であるなどの特性により、煩雑な放熱構造をなくし、全体構造をより簡素化する。
【0029】
1つの実施例では、上記インテリジェントパワーモジュールにおいて、PCB回路基板をさらに含み、外部リードフレーム3の各ワイヤ31の他端がPCB回路基板に電気的に接続される。基板1のチップ2とPCB基板とを、外部リードフレーム3を介して組み付けて、強固に接合する。
【0030】
1つの実施例では、上記インテリジェントパワーモジュールにおいて、接合材4は、はんだペースト、銀ペースト、又は焼結銀を含む。
【0031】
1つの実施例では、上記インテリジェントパワーモジュールにおいて、導電リードの材料は、銅又は他の導線材料を含むが、本実施例ではこれを限定しない。
【0032】
図1~
図4を参照して、本開示は、上述した実施例によるいずれかのインテリジェントパワーモジュールの製造方法をさらに提供し、以下のステップを含む。
【0033】
まず、基板1の各はんだ付けピン111の上面に接合材4を設ける。具体的には、接合材4は、はんだペースト、銀ペースト、又は焼結銀であってもよく、常温において、はんだ付けピン111の上面に印刷により設けることができる。
【0034】
次に、外部リードフレームと基板1とをマウンターにより組み付ける。ここで、外部リードフレーム3のワイヤ31の接続構造32とはんだ付けピン111とが1対1に対応し、対応する接続構造とはんだ付けピンの組毎に、接続構造32の接続部321がはんだ付けピン111の上面に対応し、接合材4が接続部321とはんだ付けピン111との間に位置し、接続構造32の2つの支持部322がはんだ付けピン111の両側にそれぞれ位置し、2つの支持部の並び方向がはんだ付けピンの並び方向と同じである。
【0035】
最後に、接合材4のリフローを行うことで、接続部321とはんだ付けピン111とをはんだ付けする。
【0036】
ここで、接合材4のリフローは、具体的には、外部リードフレームと基板1とを組み付けた後、接合材4を高温処理することにより、高温で接合材4が液状になって、接続部321及びはんだ付けピン111と接続され、その後、降温冷却して、接合材4が固形化すると、接続部321とはんだ付けピン111とをはんだ付けするように行われる。
【0037】
明らかに、当業者は、本開示の思想及び範囲を逸脱することなく、本開示の実施例に対して様々な変更や変形を行うことができる。このように、本開示のこれらの修正や変形が、本開示の請求項及びその均等な技術の範囲内にあれば、本開示は、これらの修正や変形も含むことを意図する。
【国際調査報告】