(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】電線のフォトニックラッカー塗装
(51)【国際特許分類】
B05D 3/06 20060101AFI20231219BHJP
C09D 201/00 20060101ALI20231219BHJP
C09D 7/63 20180101ALI20231219BHJP
C09D 5/25 20060101ALI20231219BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20231219BHJP
B05D 5/12 20060101ALI20231219BHJP
B05D 7/20 20060101ALI20231219BHJP
H01B 13/16 20060101ALI20231219BHJP
H01B 7/02 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
B05D3/06 Z
C09D201/00
C09D7/63
C09D5/25
B05D7/24 303A
B05D5/12 D
B05D7/20
H01B13/16 B
H01B7/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559153
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 EP2021085205
(87)【国際公開番号】W WO2022123014
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523220547
【氏名又は名称】アスタ・エナジー・ソリューションズ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100196597
【氏名又は名称】横田 晃一
(72)【発明者】
【氏名】シラク,スルホ
(72)【発明者】
【氏名】ストレメル,ベルント
(72)【発明者】
【氏名】ドリーセン,サッシャ
【テーマコード(参考)】
4D075
4J038
5G309
5G325
【Fターム(参考)】
4D075AA01
4D075AA57
4D075AC21
4D075AC52
4D075AC56
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4D075BB16X
4D075BB24Z
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4D075EB39
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4D075EC07
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4D075EC51
4J038DD001
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4J038JB27
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4J038MA09
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4J038PB01
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4J038PC02
5G309MA02
5G309MA06
5G309MA08
5G309MA10
5G309MA11
5G309MA13
5G325KA01
5G325KB17
5G325KB24
(57)【要約】
本発明は、吸収された光エネルギーの熱への変換をもたらす赤外線感受性化合物と熱処理時に化学的または物理的に反応するワニスを含むマトリクスとを含む電線被覆組成物、エナメル電線の製造方法、およびその使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線を被覆し絶縁する方法であって、以下の
a)波長700nmから2,000nmの範囲に最大吸収を有する赤外線感受性化合物と、絶縁電線ワニスを含むマトリクスとを含む被覆組成物を適用することによって前記電線を被覆するステップ、
b)被覆電線を照射源に曝露するステップ、および
c)前記電線の被膜を硬化させてエナメル電線を提供するステップ、
を含む方法。
【請求項2】
所望するエナメル厚さが達成されるまでステップa)~c)が繰り返される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
曝露用の前記照射源が、波長700nm~2,000nmのスペクトル範囲で発光する半導体を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記照射源が、半導体レーザーおよび高出力LEDデバイスから選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記赤外線感受性化合物が、ポリメチン、リレン、ポルフィリン、および/またはオキソノールからなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリメチンが式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物であり、
【化1】
式中、
Yが
【化2】
から選択され、
Y’が
【化3】
から選択され、
AがH、C
1-6アルキル、O-C
1-6アルキル、バルビツリル、アリール、N(Ph)
2、S-フェニルを表し、
BおよびCがそれぞれ独立してH、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニルを表すか;または、
BおよびCが一緒になって5員または6員の炭素環を形成し、
R
1、R
2およびR
3が、それぞれ独立してH、C
1-3アルキルを表し、
mとnが、それぞれ独立して0、1、または2を表し、
X
-が対アニオンを表す、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
式(I)、(II)、(III)、または(IV)の前記ポリメチン化合物が室温で少なくとも0.5g/Lの前記マトリクスへの溶解度を示す、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記絶縁電線ワニスが、ポリエステル、THEIC変性ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルホルマール、エポキシ、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、および/またはアルキド樹脂系塗料からなる群から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記絶縁電線ワニスにより、前記エナメル電線の絶縁破壊電圧が少なくとも2kVとなる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記被覆組成物の固化が、前記ポリメチンの置換パターンのバリエーションおよび/または前記対アニオンのバリエーションによって影響される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
波長700nmから2,000nmの範囲に最大吸収を有する赤外線感受性化合物と、絶縁電線ワニスを含むマトリクスとを含む、電線被覆組成物。
【請求項12】
前記赤外線感受性化合物が、ポリメチン、リレン、ポルフィリン、および/またはオキソノールからなる群から選択される、請求項11に記載の電線被覆組成物。
【請求項13】
前記ポリメチンが式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物であり、
【化4】
式中、
Yが
【化5】
から選択され、
Y’が
【化6】
から選択され、
AがH、C
1-6アルキル、O-C
1-6アルキル、バルビツリル、アリール、N(Ph)
2、S-フェニルを表し、
BおよびCがそれぞれ独立してH、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニルを表すか;または、
BおよびCが一緒になって5員または6員の炭素環を形成し、
R
1、R
2およびR
3が、それぞれ独立してH、C
1-3アルキルを表し、
mとnが、それぞれ独立して0、1、または2を表し、
X
-が対アニオンを表す、請求項12に記載の電線被覆組成物。
【請求項14】
式(I)、(II)、(III)、または(IV)の前記ポリメチン化合物が室温で少なくとも0.5g/Lの前記マトリクスへの溶解度を示す、請求項13に記載の電線被覆組成物。
【請求項15】
少なくとも2つの赤外線感受性化合物の混合物を含む、請求項11から14のいずれか一項に記載の電線被覆組成物。
【請求項16】
前記絶縁電線ワニスが固体か液体の電線ワニスである、請求項11から15のいずれか一項に記載の電線被覆組成物。
【請求項17】
前記絶縁電線ワニスが、ポリエステル、THEIC変性ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルホルマール、エポキシ、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、および/またはアルキド樹脂系塗料からなる群から選択される、請求項16に記載の電線被覆組成物。
【請求項18】
前記絶縁電線ワニスにより、前記エナメル電線の絶縁破壊電圧が少なくとも2kVとなる、請求項16または17に記載の電線被覆組成物。
【請求項19】
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法における、請求項11から18のいずれか一項に記載の電線被覆組成物の使用。
【請求項20】
請求項11から19のいずれか一項に記載の硬化被覆組成物を含む、エナメル電線。
【請求項21】
少なくとも2kVの絶縁破壊電圧を有する、請求項20に記載のエナメル電線。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、被覆電線用のラッカーおよびそのラッカー塗装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]エナメル電線は、電気装置の内部にコイル状形態に巻かれる場合があり、磁気エネルギーの変換工程により電気エネルギーと力学的エネルギーを相互変換する機能を有する。このようなエナメル電線は、一般に、銅やアルミニウムなどの丸電線や平角電線などの導線および、その導線の周囲の絶縁被覆層から構成されている。被覆層は熱により電線上で硬化される。結果として生じる被膜の主な機能は、電気絶縁である。絶縁材は通常、その名前が示すように、ガラス質エナメルではなく、丈夫なポリマー膜材料で作られている。
【0003】
[0003]被膜は、電線の用途に応じて変わる。いくつかの電線は、マイクロメートルの範囲であり、非常に小さい場合がある。一方、重電モーター(heavy electric motor)では、丸電線または平角電線の直径が最大数ミリメートルになることがある。
【0004】
[0004]電線の被膜は、形状と直径に応じて、さまざまなモードで適用することができる。水平または垂直の適用、またはダイもしくはフェルトを使用した適用が典型的な電線の適用方法である。
【0005】
[0005]エナメル電線は、さまざまな電気設備に広く使用されており、基本的には金属電線およびその電線の周囲の絶縁被覆層から構成されている。このようなエナメル電線は、重電装置、自動車部品、家電製品、医療機器、航空宇宙産業の芯材など、さまざまな産業分野で使用されている。
【0006】
[0006]現在使用されている被膜は、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミドイミドまたはポリビニルホルマールからなる。通常、被覆層は電線の表面に繰り返し適用することによりもたらされる。被覆組成物は、スプレーによって、ローラーによって、ダイによって、またはフェルトによって適用され得る。
【0007】
[0007]エナメル電線は、従来、流動性樹脂材料の1つまたは複数の被覆層で電線を被覆し、樹脂材料を乾燥および硬化させることによって調製される。層を乾燥および硬化させるために、被覆線は、加熱チャンバー (水平または垂直に配置)からなる炉に供給され、そこで溶媒が蒸発されてから膜が硬化される高温ゾーン(400~700℃)に移動させられる。その後、電線は、被膜の層を追加するために被覆回路内に戻ることができる。この連続プロセスでは、エナメルの最大30回の適用が、所望の層の厚みが得られるまで適用され得る。
【0008】
[0008]WO2006088272A1には、エナメル電線用のエナメルワニス組成物が開示されている。ワニス組成物は、有機溶媒に含有されるポリアミドイミド樹脂成分を含む。
【0009】
[0009]US2010310787A1は、例えば、プラスチックのレーザー溶接、被膜のNIR硬化、印刷インクの乾燥、基板へのインクトナーの定着、プラスチックプリフォームの加熱、プラスチックまたは紙のレーザーマーキングのための、さまざまなプロセスにおける近赤外線の入熱量を増加させるための酸化タングステンまたはタングステン酸塩の使用に関する。さまざまなアクリル樹脂は、被覆配合物、例えば、プラスチックのレーザー溶接で、使用されている。しかしながら、US2010310787A1で使用されているアクリル樹脂は、絶縁ワニスとしては適していない。
【0010】
[0010]アクリル酸エステルのNIR増感光重合のためのNIR-LEDと組み合わせた、共開始剤としてのNIR吸収剤およびヨードニウム塩の組み合わせについては、Schmitz C.、ら(Progress in Organic Coatings 100(2016)32~46ページ)に記載されている。シアニンは、リレンなどの他の増感剤と比較して構造パターンを変更できる柔軟性があるため、好ましいNIR吸収剤として使用される。
【0011】
[0011]現在使用されている電線被覆プロセスには、高エネルギー源および炉などの適切な設備が必要である。したがって、例えば、炉の使用を避ける、よりエネルギー消費の少ない適切な設備によって適用および硬化できる電線被覆組成物を開発することが望ましい。熱の放出は、通常、空間内の静的な分布を伴わず不均一に起こるため、炉はインライン生産の妨げにもなる。さらに、メンテナンス作業は、装置がメンテナンス作業を開始できる温度に冷えるまで待つ必要がある。さらに、ほぼ一定のプロセス温度が生産に利用できるようになるまで、装置をウォームアップするのにかなりの時間も必要である。これらの欠点は、生産時間の大幅な損失をもたらすが、これは特にリーン生産条件に従って稼働する生産施設にとっては望ましくないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
[0012]本発明の目的は、電線を被覆し絶縁するための費用効率の高い方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、電線に適用され、照射により硬化される絶縁電線被覆組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
[0013]本発明の目的は、特許請求の範囲に記載された主題および本明細書に記載されるように解決される。
【0014】
[0014]具体的には、本発明は、電線を被覆し絶縁する方法であって、以下の、
a)波長700nmから2,000nmの範囲に最大吸収を有する赤外線感受性化合物と、絶縁電線ワニスを含むマトリクスとを含む被覆組成物を適用することによって電線を被覆するステップ、
b)被覆電線を照射源に曝露するステップ、および
c)電線の被膜を硬化させてエナメル電線を提供するステップ、
を含む方法を提供する。
【0015】
[0015]本発明の一実施形態は、所望のエナメル厚さが達成されるまでステップa)~c)が繰り返される、本明細書に記載の方法に関する。
【0016】
[0016]さらなる実施形態は、曝露用の照射源は、波長700nm~2,000nmのスペクトル範囲で発光する半導体を含む。照射源は、半導体レーザーおよび高出力LEDデバイスから選択され得る、本明細書に記載の方法に関する。
【0017】
[0017]さらなる実施形態は、赤外線感受性化合物は、ポリメチン、リレン、ポルフィリン、および/またはオキソノールからなる群から選択される、本明細書に記載の方法に関する。
【0018】
[0018]本発明の一実施形態は、ポリメチンが式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物であり、
【0019】
【0020】
式中、
Yは
【0021】
【0022】
から選択され、
Y’は
【0023】
【0024】
から選択され、
AはH、C1-6アルキル、O-C1-6アルキル、バルビツリル、アリール、N(Ph)2、S-フェニルを表し、
BおよびCはそれぞれ独立してH、C1-6アルキル、C2-6アルケニルを表すか;または、
BおよびCは一緒になって5員または6員の炭素環を形成し、
R1、R2およびR3は、それぞれ独立してH、C1-3アルキルを表し、
mとnは、それぞれ独立して0、1、または2を表し、
X-は対アニオンを表す、本明細書に記載の方法に関する。
【0025】
[0019]さらなる実施形態は、式(I)、(II)、(III)、または(IV)のポリメチン化合物が室温で少なくとも0.5g/Lのマトリクスへの溶解度を示す、本明細書に記載の方法に関する。
【0026】
[0020]さらなる実施形態は、絶縁電線ワニスは、ポリエステル、THEIC変性ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルホルマール、エポキシ、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、および/またはアルキド樹脂系塗料からなる群から選択される、本明細書に記載の方法に関する。具体的には、絶縁電線ワニスにより、エナメル電線の絶縁破壊電圧は少なくとも2kVとなる。
【0027】
[0021]本発明の一実施形態によれば、被覆組成物の固化は、ポリメチンの置換パターンのバリエーションおよび/または対アニオンのバリエーションによって影響される。
【0028】
[0022]具体的には、本発明は、波長700nm~2,000nmの範囲に最大吸収を有する赤外線感受性化合物と、絶縁電線ワニスを含むマトリクスとを含む絶縁電線被覆組成物を提供する。
【0029】
[0023]本発明の一実施形態は、波長700nm~2,000nmの範囲に最大吸収を有する赤外線感受性化合物と、ワニスを含むマトリクスとを含む電線被覆組成物に関する。
【0030】
[0024]さらなる実施形態は、赤外線感受性化合物がポリメチン、リレン、ポルフィリン、オキソノール、およびカーボンナノドットからなる群から選択される、本明細書に記載の電線被覆組成物に関する。
【0031】
[0025]さらなる実施形態は、ポリメチンが式(I)の化合物であり、
【0032】
【0033】
式中、
Yは
【0034】
【0035】
から選択され、
Y’は
【0036】
【0037】
から選択され、
AはH、C1-6アルキル、O-C1-6アルキル、バルビツリル、アリール、N(Ph)2、S-フェニルを表し、
BおよびCはそれぞれ独立してH、C1-6アルキル、C2-6アルケニルを表すか;または、
BおよびCは一緒になって5員または6員の炭素環を形成し、
R1、R2およびR3は、それぞれ独立してH、C1-3アルキルを表し、
mとnは、それぞれ独立して0、1、または2を表し、
X-は対アニオンを表す、本明細書に記載の電線被覆組成物に関する。
【0038】
[0026]別の実施形態は、式(I)、(II)、(III)、または(IV)のポリメチン化合物が室温で少なくとも0.5g/Lのマトリクスへの溶解度を示す、本明細書に記載の電線被覆組成物に関する。
【0039】
[0027]さらなる実施形態は、少なくとも2つの赤外線感受性化合物の混合物を含む、本明細書に記載の電線被覆組成物に関する。
【0040】
[0028]さらなる実施形態は、絶縁電線ワニスは固体または液体の電線ワニスである、本明細書に記載の電線被覆組成物に関する。ワニスは、ポリエステル、THEIC変性ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルホルマール、エポキシ、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、および/またはアルキド樹脂系塗料(alkyd resin-based paint)からなる群から選択され得る。具体的には、絶縁電線ワニスにより、エナメル電線の絶縁破壊電圧は少なくとも2kVとなる。
【0041】
[0029]さらなる実施形態は、約0.001%~約80%の揮発性物質をさらに含む、本明細書に記載の電線被覆組成物に関する。
【0042】
[0030]さらなる実施形態は、揮発性物質は脂肪族または芳香族炭水化物化合物である、本明細書に記載の電線被覆組成物に関する。
【0043】
[0031]本発明の一実施形態は、本明細書に記載の硬化被覆組成物を含むエナメル電線に関する。
【0044】
[0032]さらなる実施形態は、硬化被覆組成物の仕様は、ポリメチンの置換パターンのバリエーション、および/または対アニオンのバリエーションによって適合される、本明細書に記載の電線に関する。
【0045】
[0033]本発明の一実施形態は、電子機器、自動車、航空機、および/または接着剤産業における被覆電線の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】[0034]300Wの出力を示すライン状焦点(31x1.8mm)で、980nmで発光するNIRレーザーを使用してフォトニック乾燥(photonic drying)させた被覆電線。異なる吸収剤濃度を適用した(T5-IV:0.25wt-%、T4-II:0.5wt-%、T4-VI:0.5wt-%、T6-IV:1wt-%)。
【
図2-1】[0035]1回目と2回目の実行を示す試料のフォトニック乾燥。これは、118℃と136℃の間のガラス転移(T
g)を示し、一方、T
g値は127℃で現れ、ΔCpは0.46(J/g×K)に等しい。発熱効果を示す証拠がないことから、反応熱の発生に寄与する残留モノマーがなく、試料が完全に乾燥されていることがわかる。
【
図2-2】[0035]1回目と2回目の実行を示す試料のフォトニック乾燥。これは、118℃と136℃の間のガラス転移(T
g)を示し、一方、T
g値は127℃で現れ、ΔCpは0.46(J/g×K)に等しい。発熱効果を示す証拠がないことから、反応熱の発生に寄与する残留モノマーがなく、試料が完全に乾燥されていることがわかる。
【
図3-1】[0036]曲線の進行は、オーブン乾燥によって得られたサンプルが、
図2に示されたフォトニック乾燥したサンプルと同様のデータを示すことを示している。T
g値は、ほぼ同じ温度(126℃)で現れ、技術間に大きな違いがないことを再度示している。DSC方法論では、処理された被膜に残留溶剤が残っているかどうか、またどの程度存在しているかを明確に判断することはできない。両方のサンプルをGC-MS分析(GS/MS-Varian Varian 3900&MS Saturn 2100T)によって分析した。およそ3mgの試料を各調査用に調製した。ヘッドスペース撹拌機の温度は199℃であったが、これはその最高温度に相当する。インキュベーション時間は15分であった。得られたマススペクトルの評価は、リファレンス(標準サンプル)のマススペクトルと比較することにより行った。
【
図3-2】[0036]曲線の進行は、オーブン乾燥によって得られたサンプルが、
図2に示されたフォトニック乾燥したサンプルと同様のデータを示すことを示している。T
g値は、ほぼ同じ温度(126℃)で現れ、技術間に大きな違いがないことを再度示している。DSC方法論では、処理された被膜に残留溶剤が残っているかどうか、またどの程度存在しているかを明確に判断することはできない。両方のサンプルをGC-MS分析(GS/MS-Varian Varian 3900&MS Saturn 2100T)によって分析した。およそ3mgの試料を各調査用に調製した。ヘッドスペース撹拌機の温度は199℃であったが、これはその最高温度に相当する。インキュベーション時間は15分であった。得られたマススペクトルの評価は、リファレンス(標準サンプル)のマススペクトルと比較することにより行った。
【
図4-1】[0037]GC/MS分析の比較(エナメルオーブン対NIR)。両方の試料が示されており、標準物質ならびにフォトニック乾燥試料である。残留溶媒はほとんどない。強度はメガカウントではなくキロカウントで表示される。したがって、
図2または3のいずれかの条件を適用すると残留溶媒は非常に少量になる。両方の試料は、同じ残留溶媒成分または同じ量のレジストに対して非常に高い強度レベルを示している。検出された成分の保持時間は、19~21分であり、クレゾールとフェノールに関するものである。これらの成分は、ワニスの溶媒成分である。これにより、DSC測定が確認される。
【
図4-2】[0037]GC/MS分析の比較(エナメルオーブン対NIR)。両方の試料が示されており、標準物質ならびにフォトニック乾燥試料である。残留溶媒はほとんどない。強度はメガカウントではなくキロカウントで表示される。したがって、
図2または3のいずれかの条件を適用すると残留溶媒は非常に少量になる。両方の試料は、同じ残留溶媒成分または同じ量のレジストに対して非常に高い強度レベルを示している。検出された成分の保持時間は、19~21分であり、クレゾールとフェノールに関するものである。これらの成分は、ワニスの溶媒成分である。これにより、DSC測定が確認される。
【
図5】[0038]感熱カメラ(Testo 885)を使用した、
図1に示す試料(試料:T4-VI)内で生成された温度の記録。
【発明を実施するための形態】
【0047】
[0039]本発明は、赤外線感受性化合物とワニスを有するマトリクスとを含む電線被覆組成物、エナメル電線の製造方法、およびその使用に関する。
【0048】
[0040]本明細書で使用する場合、「赤外線感受性化合物」または「吸収剤」は、約700nm~2,000nmの吸収極大を示す化合物を指す。適切な吸収剤化合物は、ポリメチン、リレン、ポルフィリン、またはカーボンナノドットからなる群から選択することができる。
【0049】
[0041]ポリメチンは、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物であってもよく、
【0050】
【0051】
式中
Yは
【0052】
【0053】
から選択され、
Y’は
【0054】
【0055】
から選択され、
AはH、C1-6アルキル、O-C1-6アルキル、バルビツリル、アリール、N(Ph)2、S-フェニルを表し、
BおよびCはそれぞれ独立してH、C1-6アルキル、C2-6アルケニルを表すか;または、
BおよびCは一緒になって5員または6員の炭素環を形成し、
R1、R2およびR3は、それぞれ独立してH、C1-3アルキルを表し、
mとnは、それぞれ独立して0、1、または2を表し、
X-は対アニオンを表す。
【0056】
[0042]ポリメチンは、
【0057】
【0058】
【0059】
からなる群から選択される化合物であってもよい。
【0060】
[0043]対イオンを含むポリメチンは、
【0061】
【0062】
からなる群から選択される化合物であってもよい。
【0063】
[0044]対イオンは、正に帯電したポリメチンと結合した負に帯電した基である。陰イオンの対イオンは、一価であってもよい(すなわち、1つの形式的な負電荷を含む)。陰イオンの対イオンは、二価または三価などの多価(すなわち、複数の形式的な負電荷を含む)であってもよい。例示的な対イオンとしては、ハロゲン化物イオン(例えばF-、Cl-、Br-、I-)およびNO3
-、ClO4
-、O-、HPO4
-、HCO3
-、HSO4
-、HSO3
-、スルホン酸イオン(例えば、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、4-ドデシルベンゼンスルホネートなど)、カルボン酸イオン(例えば、アセテート、プロパノエート、ベンゾエートなど)、BF4
-、PF6
-、またはBPh4
-、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([(CF3SO2)2N]-)、[Al(O-t-C4F9)]-]が一例として挙げられるテトラ(ペルフルオロアルコキシ)アルミン酸塩、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、またはトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート([PF3(C2F5)3]-)を挙げることができる。
【0064】
[0045]別段の指定がない限り、「アルキル」という用語としては、単独で使用される場合、または他の基または原子と組み合わせて使用される場合、1~6個の水素置換炭素原子のみからなる飽和直鎖または分岐鎖を指し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、1-メチルプロピル、イソブチル、t-ブチル、2,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチル-プロピル、n-ペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、n-ヘキシルなどを挙げることができる。
【0065】
[0046]別段の指定がない限り、「アルケニル」という用語としては、少なくとも1つの二重結合を含む、2~6個の水素置換炭素原子のみからなる部分的に不飽和の直鎖または分岐鎖を指し、ビニル、アリル、2-メチルプロパ-1-エニル、ブタ-1-エニル、ブタ-2-エニル、ブタ-3-エニル、ブタ-1,3-ジエニル、ペンタ-1,3-ジエニル、ペンタ-2,4-ジエニル、2-メチルブタ-1-エニル、2-メチルペンタ-1-エニル、4-メチルペンタ-1-エニル、4-メチルペンタ-2-エニル、2-メチルペンタ-2-エニル、4-メチルペンタ-1,3-ジエニル、ヘキセン-1-イルなどを挙げることができる。
【0066】
[0047]別段の指定がない限り、「炭素環」という用語は、5または6個の炭素原子を含む単環式基を指す。炭素環は部分的に飽和していてもよく、場合により1つまたは複数の同一または異なる置換基で置換されていてもよい。炭素環の例としては、シクロペンテニル、シクロヘキサニルなどを挙げることができる。
【0067】
[0048]ポリメチン化合物は市販の化合物を使用することもできる。適切なポリメチン吸収剤化合物は、FEW Chemicals GmbH(ドイツ)から入手可能である。
【0068】
[0049]リレンは、ペリ位で結合したナフタレン単位のリレンフレームワークに基づく染料である。同族体では、追加のナフタレン単位が追加されて、ペリレン、テリレン、クアテリレンなどの化合物、またはポリ(ペリナフタレン)が形成される。ポルフィリンは、複素環式大環状有機化合物のグループであり、α炭素原子でメチン架橋を介して相互接続された4つの修飾ピロールサブユニットで構成されている。
【0069】
[0050]一実施形態では、吸収剤は式(I)、(II)、(III)、または(IV)のポリメチン化合物である。ポリメチンが分子骨格にポリメチンパターンを含むオキソノールベースの構造に関連している可能性も存在する。
【0070】
[0051]電線エナメルは、モーター、変圧器、発電機、自動車産業、電気測定器で使用される銅およびアルミニウムの丸電線および平角電線に適用される。電線エナメルに熱を加えて電線上で硬化させる。得られる被膜の主な成果は、電気絶縁である。電線エナメルは、一次絶縁体とも呼ばれる。被覆電線は「マグネット電線」と呼ばれることもある。
【0071】
[0052]文献または国際規格では、これらは電気絶縁ワニスまたは電気絶縁材料、ならびに電線エナメルなど、さまざまな用語で説明されている。
【0072】
[0053]電気絶縁ワニスには導電性キャリア材料を絶縁する役割があるため、さまざまなワニスの下で特別な役割を引き継ぐ。電気絶縁は、電気モーターや変圧器を作動させるために必要な重要な機能である。温度耐性は、安全な連続運転にとってさらに重要である(Goldschmid A.、Streitberger H-J.、BASF-Handbuch Lackiertechnik.Vincentz:Hannover、2002、ISBN:3-87870-324-4、771ページ)。
【0073】
[0054]電気絶縁材料は、通常、いかなる光学特性の要求もなく、電線、電子部品、エンジン、変圧器、および機械部品などのキャリア材料を分離し統合する。Brock T、Groteklaes M.、Mischke P.、Lehrbuch der Lacktechnologie、Vincentz、版:2、1998、ISBN:3-87870-569-7、338ページ)。
【0074】
[0055]DIN EN60085:2008では、電気絶縁材料(EIM)は、電線エナメルのような固体または液体の材料として定義され、電気伝導率が小さいか、またはそのような材料の単純な組み合わせであり、電気デバイス内の異なる電位を有する導電性部品を分離するために使用される。電線エナメルを介して、裸線は隔離面を得る。
【0075】
[0056]固体絶縁材料は、押出成形などのプロセスで使用されるか、または絶縁紙として使用される可能性がある。
【0076】
[0057]材料の絶縁特性の評価には、絶縁破壊電圧の測定が使用される。これは、IEC 60851-5、第4章に従って実行する必要がある。一部の企業は、満たさなければならない絶縁破壊電圧に関して独自の値を定義している。例えば、一部の企業では、絶縁破壊電圧が常に2kV以上である必要があり、テスト電圧の増加が100V/sを超過してはならないと要求している。
【0077】
[0058]絶縁材料は絶縁破壊電圧に加えて、良好な熱抵抗特性も備えていなければならない。規格DIN EN60034-1は、絶縁材料の熱抵抗を定義している。示された温度は、物質や材料がその質感を変えることなく最大限に耐えることができる最大値である。
【0078】
[0059]絶縁ワニスとしては、特に制限はないが、従来のエナメル電線に使用されている絶縁ワニスであればいずれも使用できる。従来使用されている絶縁ワニスの例としては、ポリイミド樹脂ベースの絶縁ワニス;ポリエステルイミド樹脂ベースの絶縁ワニス;ポリアミドイミド樹脂ベースの絶縁ワニス;および、クラスHのポリエステル樹脂ベースの絶縁ワニスを挙げることができる。導体電線1の周囲の絶縁被膜3と最外層の絶縁被膜4とは、同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
【0079】
[0060]一実施形態によれば、被覆組成物は絶縁ワニスを含む。エナメル電線に一般的に使用される任意の合成ワニスを被覆組成物に使用することができる。従来使用されている絶縁ワニスの例としては、これに限定されるものではないが、ポリアルデヒドの変性または未変性アセタール、ポリウレタン、ポリエステル、THEIC変性ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリスルホン、ポリイミド樹脂、ポリビニルホルマール、エポキシ、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂および/またはアルキド樹脂ベースの塗料またはそれらの混合物を挙げることができる。合成ワニスの選択は、被覆層に必要な耐熱性と絶縁特性に依存する。
【0080】
[0061]特に適切なワニスは、例えばポリビニルアセタールベースの絶縁ワニス系である。このワニス系は、ポリビニルアルコールとアルデヒドまたはケトンの反応生成物である。ポリビニルホルマールは、ホルムアルデヒドとポリビニルアルコールとの反応により生成される。得られたポリマーには、ポリ酢酸ビニルのポリビニルアルコールへの加水分解で生じた残留エステル基と、アルデヒドと反応しなかった遊離のOH基がまだ残っている。これらの遊離OH基を介して架橋反応が起こる可能性がある。
【0081】
[0062]本発明において有用な絶縁ワニスは、ブロックされておらず保護されていないワニス部分、またはブロックもしくは保護されたワニス部分に基づいていてもよい。ブロックされたワニス部分または保護されたワニス部分は、ブロックされておらず保護されていないアルデヒド部分を適切なブロック基または保護基と反応させることによって形成することができる。アルデヒド基の保護基またはブロック基の例は、亜硫酸水素塩(例えば、アルデヒドと亜硫酸水素ナトリウムとの反応から)、ジオキソラン(例えば、アルデヒドとエチレングリコールとの反応から)、オキシム(例えば、アルデヒドとヒドロキシルアミンとの反応から)、イミン(例えば、アルデヒドとメチルアミンの反応から)である。
【0082】
[0063]本発明のさらなる実施形態では、クレゾールブロックポリイソシアネートまたはフェノールブロックポリイソシアネート、フェノール樹脂または尿素樹脂、およびメラミン樹脂を架橋剤として使用することができる。さらに、単一の化合物またはそれらの混合物を架橋剤として使用することができる。イソシアネート成分は通常、トリメチロールプロパン(TMP)とトルエンジイソシアネート(TDI)との付加物からなり、遊離イソシアネート官能基はフェノールまたはクレゾールによってブロックされている。レゾールは、通常フェノール樹脂として使用され、メラミンのヒドロキシメチル誘導体(例えば、メチルエーテルまたはブチルエーテル)が通常メラミン樹脂として使用される。
【0083】
[0064]被覆組成物は、揮発性物質をさらに含んでもよい。本明細書で使用する場合、「揮発性物質」とは、容易に蒸発する物質を指す。多くの有機化合物は揮発性であるため、それに応じて使用することができる。本開示の一実施形態では、揮発性物質は、例えばフェノール、クレゾール、キシロール、またはN-メチル-2-ピロリドン(NMP)などの脂肪族炭水化物化合物または芳香族炭水化物化合物である。
【0084】
[0065]揮発性物質は、約0.001wt%~85wt%の量、または約0.01wt%~70wt%の量、または約0.1wt%~50wt%の量、または約1wt%~30wt%の量で存在し得る。
【0085】
[0066]固化される被覆組成物の適合性は、ポリメチンの置換パターンおよび/または対アニオンに依存し得る。したがって、ポリメチンおよび対アニオンの置換パターンを変えることによって、被覆組成物の異なる固化特性を達成することができる。RSC Advances2015,5(86):69915~69924で報告されているように、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドはワニス中のヨードニウム塩の溶解性を改善する大きな進歩をもたらした。別の代替アニオン。ChemPhotoChem2019、3(11):1127~1132に開示されているアルミン酸塩アニオンは、別の代替物を示す。さらに、[PF3(C2F5)3]-アニオンなどのフッ素化アルキルリン酸塩は、さらなる機会を示す。FAP染料(FAP-Farbstoffe)として公表されたDE10357360A1は可能な代替案を示している。さらに別のアニオンは、長鎖アルキルスルホネートに関連しており(ChemPhotoChem2017、1(1):26~34)、The Journal of Organic Chemistry2011、76(2):391~395ページ、およびAngewandte Chemie2004、116(16):2116~2142ページに開示されているような弱配位アニオンに由来するアニオンが主要な機能を担っているという結論に達している。ホウ酸塩は追加のオプションを示す。
【0086】
[0067]被覆組成物は着色剤をさらに含んでもよい。着色剤は、所望の色を提供する無機顔料であってもよい。具体的には、被覆組成物は、(a)合成ワニス、(b)吸収剤化合物、および場合により(c)無機顔料、および(d)揮発性物質を含む。
【0087】
[0068]適切な無機顔料は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化第二鉄、酸化クロム(III)、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化第二スズ、および酸化鉛などの金属酸化物、金、銀、銅、およびアルミニウムの粉末などの金属粉末、カーボンブラックおよび/または黄鉛である。被覆組成物に組み込まれる無機顔料の種類は、所望の色に依存することになる。いくつかの実施形態では、無機顔料は、酸化チタン、酸化クロム(III)、酸化アルミニウム、および/またはカーボンブラックである。
【0088】
[0069]本発明の一実施形態は、赤外線感受性化合物およびワニスを含む組成物を適用するステップであって、前記赤外線感受性化合物は、波長700nm~2,000nmの範囲に最大吸収を有する、組成物を適用するステップと、赤外線感受性化合物の最大吸収に一致する照射源に被覆電線を曝露するステップと、被覆層を硬化させるステップとを含む電線の被覆方法に関する。
【0089】
[0070]放射線源として、レーザーまたは発光ダイオード(LED)を使用することができる。放射線源は、吸収剤の吸収極大と一致する必要がある。吸収剤成分は、被覆組成物の乾燥の際に、放射線源が後で使用される範囲で顕著な吸収ができるように選択される。具体的には、吸収剤はその範囲内で吸収極大を示す。したがって、放射線感受性要素を、例えばIRレーザーによって乾燥させることになる場合、吸収剤は本質的に約700~2,000nmの範囲の放射線を吸収し、好ましくはその範囲内で吸収極大を示すことが望ましい。
【0090】
[0071]レーザー支援加工は、特にポリマー科学において周知の技術である。例えば、液体樹脂は、レーザービームに短時間曝露するだけで固体ポリマー材料に容易に変換することができる。本開示では、電線に適用された湿潤被覆組成物を、赤外線を用いた照射によって乾燥させる。
【0091】
[0072]また、高強度発光ダイオード(LED)を使用することもできる。ここでも、LEDで発生した光は被覆組成物の吸収剤によって吸収され、湿潤層の乾燥プロセスが促進される。
【0092】
[0073]エナメル電線の乾燥ワニス層の厚さは、その後の産業での使用状況に大きく依存する。エナメル電線のワニス層の厚さは、通常約10~100μmの範囲であり、具体的には約30~50μmの範囲である。乾燥被膜の所望の厚さを得るために、いくつかの被覆ステップおよび乾燥ステップが必要となる場合がある。
【0093】
[0074]本発明の一実施形態によれば、液体被覆組成物は、約20μm~500μmの厚さの湿潤層として適用され、その後、照射される。所望の乾燥層の厚さが単一のプロセス実行で達成されない場合、所望の乾燥層の厚さが達成されるまで被覆と乾燥が繰り返される。したがって、このプロセスは単一ステップとして実行することも、所望の乾燥ワニス層の厚さを達成するために最大10回の再実行を行うこともできる。
【0094】
[0075]平角電線の場合には、電線の第1の(上)側が照射され、乾燥され得る。その後、反対側の湿潤層を乾燥させるために、電線を反対側に回転させる。そうすることで、電線の反対側が予熱され、電線の再加熱を省略できる。このようなプロセスでは、フォトニック乾燥は周囲温度より高い温度、例えば約50℃で開始される。それにもかかわらず、異なる条件を要求する連続処理を適用することもできる。
【0095】
[0076]したがって、場合によっては、照射前に電線を予熱することが有利な場合がある。電線を予熱することでフォトニック乾燥が促進され、均一で滑らかなエナメル層が得られる。
【0096】
[0077]本発明の一実施形態によれば、放射線源は固定的に取り付けられ、被覆電線は、例えば、ベルトによって電線の近くを通過する。ベルトの速度が、湿潤層被覆組成物の乾燥に及ぼす影響は大きい。採用される速度は、吸収につながる被覆電線に当たる光子の数、そしてそれゆえに乾燥プロセスでの発熱につながる光子の数によって決まる。適切なベルト速度の計算には次の式が用いられ、
s=d/t
式中、
s=速度[mm/s]
d=距離[mm]
t=時間[s]である。
【0097】
[0078]それに合うようにベルトの速度を調整することができる。いくつかの実施形態では、ベルト速度は、1~5mm/sの範囲、または2~4mm/sの範囲にある。一実施形態では、ベルト速度は3.33mm/sである。
【0098】
[0079]本発明の一実施形態は、エナメルが照射によって硬化されるエナメル電線に関する。被覆材料の仕様は、エンドユーザーのニーズに適合させることができ、例えば、産業の技術分野に応じて、それに合うように被膜を指定することができる。被覆組成物は、異なる置換パターンを有するポリメチン化合物の組み込みおよび異なる対アニオンの使用によって変えることができる。
【0099】
[0080]エナメル電線は、いくつかの条件および値を満たす必要がある。一部の企業は、満たさなければならない絶縁破壊電圧に関して独自の値を定義している。例えば、絶縁破壊電圧は、常に2kV以上である必要があり、テスト電圧の増加は、100V/sを超過してはならない。絶縁破壊電圧は、標準的な試験方法、例えばASTM/NEMA MW 1000試験方法によって決定される。
【0100】
[0081]絶縁破壊電圧は、主に絶縁体の厚さに依存するが、裸電線の直径、適用温度、ワニスの種類にも依存する。
【0101】
[0082]エナメル電線は、例えば、電子機器、自動車、航空機、および/または接着剤産業などのさまざまな技術産業分野で使用することができる。すべての産業分野は、使用されるエナメル電線に対して異なる要求仕様を設定している。上記の要件を満たすために、現在のプロセスを簡単に適合させることができる。
【実施例】
【0102】
[0083]以下の実施例は、本発明の理解を助けるためのものであり、決して本発明の範囲を限定することを意図したものではなく、またそのように解釈されるべきではない。
【0103】
原料と方法
[0084]ポリメチン(シアニン)は、NIR LEDまたはNIRレーザー(λ>700nm)を使用したフォトニック乾燥用のNIR吸収剤として使用される。
【0104】
[0085]吸収剤は使用するLEDやレーザーに応じて選択される。LEDの吸光極大は、それぞれ805nmおよび860nmである。それにもかかわらず、レーザーは、980nmで発光した。また、それぞれの吸収剤の吸収スペクトルと重なるNIRの波長で発光する、ライン状焦点を有する他のレーザーを追加で適用することも可能である。
【0105】
[0086]この波長範囲のLEDまたはレーザーによる放射線を吸収する吸収剤(ポリメチン)を以下に示す。すべての吸収剤はFEW Chemicals GmbH(ドイツ)から得られる。
【0106】
LEDおよびレーザーを使用した光子的(photonically)被覆電線の特性評価のための分析方法
[0087]DSC-TA装置およびGS/MS-Varianデバイスを、NIR光によって硬化されたエナメル電線の特性評価に使用する。DSC(示差走査熱量測定)を、残留溶媒または不完全な架橋反応(発熱効果)を測定するために使用する。
【0107】
[0088]質量分析計によるガスクロマトグラフ分析(GC-MS)は、質量選択的イオントラップ検出器を備えたVarian3900ガスクロマトグラフのヘッドスペース分析によって記録される。この分析は、相対的な方法として標準試料と比較される。
【0108】
ベルト速度
[0089]ベルトの速度は、被覆システムの乾燥に大きな役割を果たす。速度は、最終的に吸収剤によるエネルギーの吸収につながり、熱を発生させるシステムに何個の光子が命中するかの決め手となる。
【0109】
[0090]ベルトの速度は、本明細書に記載された式に従って計算される。
【0110】
【0111】
すべての試験で、3.33mm/sのベルト速度を用いる。
【0112】
実施例1-S 0991レーザー処理
[0091]S 0991(1-ブチル-2-(2-[3-[2-(1-ブチル-1H-ベンゾ[cd]インドール-2-イリデン)-エチリデン]-2-フェニル-シクロヘキサ-1-エニル]-ビニル)-ベンゾ[cd]インドリウム4-ドデシルベンゼンスルホネート)は、対アニオンとして4-ドデシルベンゼンスルホネートを有するポリメチン化合物である。S 0991は、以下の構造を有する。
【0113】
【0114】
[0092]S 0991の吸収極大は980nmである。
【0115】
[0093]0.5wt%のS 0991吸収剤を含む電線エナメルを製造した。50mgのS 0991と、ポリビニルアセタール系の絶縁ワニスをベースとするラッカー10gとを、スピードミキサー中で2×3,000rpmで混合した。電線エナメルを、湿潤層の厚さ30μmで平角電線に適用し、980nm、300Wのレーザーで照射した。湿潤層の厚さが30μmと薄いため、膨れのない許容可能な被覆層が得られた(
図1を参照)。
【0116】
[0094]光を照射して材料を処理するフォトニック乾燥で作製された試料の特性を完全に特徴づけするために、示差走査熱量測定-DSC(TA Instruments Q200)を使用して、要求される製品パラメーターを取得した。ルツボの中に、発明者らは約1~2mgの試料を置き、一定のN
2流下、10K/分の加熱速度で-20℃~+300℃(1回目の実行)または+200℃(2回目の実行)に曝露した。1回目の実行のDSC曲線から明らかなように、+20~約110℃の温度範囲で吸熱効果が観察された。この温度範囲では蒸発する溶媒がないため、これは水分によってのみ引き起こされるものである。2回目の実行では、
図2からわかるように、ガラス転移(Tg)は118℃と136℃の間にあり、Tg値は127℃で現れ、ΔCpは0.46(J/g℃)に等しい。
図2および3の1回目の実行に、発熱効果はない。このことは、システムが完全に乾燥したことを意味する。
【0117】
[0095]光で乾燥させた試料の変化については、発明者らは標準的なエナメルオーブンで乾燥させた材料を使用して同じテストを実行する。
図3で示されるように、その試料の曲線進行はフォトニック乾燥させたものの曲線進行に非常に類似している。Tg値はほとんど同じ(126℃)である。
【0118】
[0096]産業的に使用されるエナメル電線には、最終の乾燥層厚さ約30~50μmが必要であるため、膨れのない最終の許容可能な被覆層を達成するまで乾燥プロセスを数回繰り返した(
図1を参照)。
【0119】
実施例2-S 2007レーザー処理
[0097]S 2007(1-ブチル-2-(2-[3-[2-(1-ブチル-1H-ベンゾ[cd]インドール-2-イリデン)-エチリデン]-2-ジフェニルアミノ-シクロペンタ-1-エニル]-ビニル)-ベンゾ[cd]インドリウムテトラフルオロボレートは、対アニオンとしてテトラフルオロボレートを有するポリメチン化合物である。S 2007は、以下の構造を有する。
【0120】
【0121】
[0098]S 2007の吸収極大は、約996nmである。
【0122】
[0099]0.5wt%のS 2007吸収剤を含む電線エナメルを製造した。50mgのS2007とポリビニルアセタール系絶縁ワニスをベースとするラッカー10gとを、スピードミキサー中で2×3,000rpmで混合した。ここでは、熱処理時に反応性基を生成するブロックイソシアネートに関連する基を含む被膜を適用した。電線エナメルを、湿潤層の厚さ30μmで平角電線に適用し、980nm、300Wのレーザーで照射した。湿潤層の厚さが30μmと薄いため、膨れのない許容可能な被覆層が得られた(
図3を参照)。最終の乾燥層厚さが得られるまで乾燥プロセスを数回繰り返した。得られた最終の被覆層には、膨れは見られなかった。
【0123】
実施例3-S 2024-1LED処理
[00100]S 2024-1(1-ブチル-2-(2-[3-[2-(1-ブチル-3,3-ジメチル-1,3-ジヒドロ-インドール-2-イリデン)-エチリデン]-2-フェニルスルファニル-シクロヘキサ-1-エニル]-ビニル)-3,3-ジメチル-3H-インドリウムテトラフェニルボレート)は、対アニオンとしてテトラフェニルボレートを有するポリメチン化合物である。S 2024-1は、以下の構造を有する。
【0124】
【0125】
[00101]S2024-1の吸収極大は、約800nmである。
【0126】
[00102]フォトニック乾燥に使用するために、0.5wt%のS2024-1吸収剤を含む電線エナメルを製造する。50mgのS 2024-1と、ポリビニルアセタール系の絶縁ワニスをベースとするラッカー10gとを、スピードミキサー中で2×3000rpmで混合する。電線エナメルを、湿潤層の厚さ30μmで平角電線に適用し、線形集束発光ダイオード(LED)で、805nm、1W/cm2で照射する。湿潤層の厚さが、30μmと薄いため、膨れのない許容可能な被覆層が得られる。40μmの最終の乾燥層厚さを達成するために、乾燥プロセスを6回繰り返した。
【0127】
実施例4-S 2109LED処理
[00103]S 2109(2-[2-[3-[2-(1,3-ジヒドロ-1,3,3-トリメチル-2H-インドール-2-イリデン)-エチリデン]-2-(1-フェニル-1H-テトラゾール-5-イルスルファニル)-1-シクロヘキセン-1-イル]-エテニル]-1,3,3-トリメチル-3H-インドリウムテトラフェニルボレート)は、対アニオンとしてテトラフェニルボレートを有するポリメチン化合物である。S 2109は、以下の構造を有する。
【0128】
【0129】
[00104]S 2109の吸収極大は、約800nmである。
【0130】
[00105]フォトニック乾燥に使用するために、0.5wt%のS 0507吸収剤を含む電線エナメルを製造する。50mgのS0507とポリビニルアセタール系の絶縁ワニスをベースとするラッカー10gとを、スピードミキサー中で2×3,000rpmで混合した。電線エナメルを、湿潤層の厚さ30μmで平角電線に適用し、線形集束発光ダイオード(LED)で、805nm、1W/cm2で照射する。湿潤層の厚さが、30μmと薄いため、膨れのない許容可能な被覆層が得られる。40μmの最終の乾燥層厚さを達成するために、乾燥プロセスを6回繰り返した。
【0131】
実施例5-比較例
[00106]表1および2に示すすべての実験は、熱処理時に反応性成分を放出するブロックされた成分に割り当てられた成分を含む同一の被覆組成物を使用した。詳細は、WO2011/015447A1に開示され、Lackformulierung und Lackrezeptur 2005、第2号:146~158ページに記載されている。被覆組成物を、300mm×19.05mm×3.22mmのサイズを示す銅基板上に適用した。次いで、液体膜を乾燥実験に移した。
【0132】
[00107]比較実験では、この被覆された物体を、230℃の温度で作動するオーブンに移し、20cm/分の処理速度および1.5分の滞留時間を適用した。続いて、得られた乾燥膜をガラス転移温度に関して分析して、DSC測定の適用によりポリマー形成を確認し(TA Instruments Q200、加熱範囲:-20~300℃、2回目の実行では-20~+200℃、加熱速度:10K/分、すべてのモノマーがポリマーに転化したことを確認するための発熱反応の評価)、GC-MS(GS/MS-Varian Varian3900&MS Saturn2100T):
・ キャピラリーカラム:Innowax、30m、20M、膜厚0.5μm
・ 240℃、スプリット1:100で気化注入
・ 注入量:100μL
・ 撹拌機温度:199℃
・ インキュベーション時間:15分
・ キャリアガス:ヘリウム
により溶媒の残留量を測定した。
【0133】
[00108]この熱被覆手順により所望の性能が得られるため、この実施例は比較例として使用されるものである。
【0134】
実施例6-フォトニック乾燥
[00109]次いで、同じ被覆組成物をフォトニック乾燥に用いた。吸収された光エネルギーを、化学乾燥プロセスを開始することができる熱に変換するNIR吸収剤(0.25~1.0wt%)を添加した。表1は、980nmまたは808nmのいずれかで発光するライン状焦点を適用して得られた結果を示す。ビームの長さは50cm、寸法は31mm×1.8mmであった。実験はこれらのパラメーターを用いて実施した。
【0135】
[00110]
図2および3は、3つの加熱ゾーン(400/420/440℃)を有し滞留時間が38秒であるエナメルオーブンで乾燥させた比較例1(表1)(
図2)と、表1の実験2の条件を適用したフォトニック乾燥(
図3)とについて得られたDSC曲線を示す。両方の試料間に大きな違いはなく、ライン状のレーザーを適用したフォトニック乾燥がうまく機能したことがわかる。乾燥が不完全なサンプルは通常、加熱範囲で発熱反応を示し、ガラス転移温度が低くなる。
【0136】
[00111]揮発性成分の残留量の分析では、オーブンで乾燥させた試料と上記のレーザー実験による乾燥試料の両方を考慮すると、同様のパターンを示した。これは、ライン状焦点を有するNIRレーザーを適用したフォトニック技術に基づく化学乾燥がうまくいくことを再度証明している。
図4に、得られた結果を示す。
【0137】
[00112]膜形成の評価については、以下のような格付けを定義した。1は優れたもの、2は良好、3は許容範囲、4はいくつかの欠陥がある被膜、5は許容範囲外を表す。次に述べるように、これらの格付けは以下の判定基準に合致する。
・ 1:膜は乾燥しており、粘着性はなく、揮発性成分の量は少なく、ポリマーの形成は成功し、表面の外観は均一で、処理の短い中断(10分)の後でも膜形成は進行した。
・ 2:膜は乾燥しており、粘着性はなく、揮発性成分の量は少なく、ポリマーの形成は成功し、表面の外観は均一であった。
・ 3:膜は乾燥しており、粘着性はなく、揮発性成分の量は少ないが、格付け2で定義されるより多く、ポリマーの形成は成功したが、ガラス転移は低く、表面の外観は均一であった。
・ 4:膜は乾燥しており、粘着性はなく、格付け3で定義される揮発性成分の量が著しく多く、ポリマー形成が完了しておらず、表面の外観が部分的に不均一であった。
・ 5:膜は乾燥していなかった。
【0138】
【0139】
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
【0144】
【0145】
【0146】
【0147】
実施例7-高出力LEDデバイスの使用
[00113]代替として、新しい高出力LEDデバイスをフォトニック乾燥に適用した。それらは、それぞれ808nmと860nmで発光を示す、Schmitz C.ら、Angew.Chem.Int.Ed.2019、58、(13)4400~4404ページおよびPang Y.ら、Angew.Chem.Int.Ed.2020、59、(28)11440~11447ページに示されるようなこの分野での新しい進展をもたらす。それらの出力密度は、システムの動作を可能にする8W/cm2の値を示したが、弱い発光LEDを適用することはできなかった(Schmitz C.ら、Progress in Organic Coatings2016、100、32~46ページ)。940nmで発光する実験には、追加の高出力NIR-LEDを含めた。それぞれのポリマー形成による固体膜の形成は、この分野における大きな進歩と見なすことができる。より強力な発光LEDを適用すると、処理時間が短縮される。結果を表2に示す。
【0148】
[00114]吸収剤が十分な熱を放出したため、熱感知カメラ(testo 885-サーマルカメラ)で乾燥の成否を監視した(
図5を参照)。
【0149】
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
【0155】
【0156】
【0157】
【国際調査報告】