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特表2023-554213スペーサを把持するためのグリッパ、前記グリッパを備えるハンドリングアセンブリおよびスペーサを第1のステーションから第2のステーションに移送するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-27
(54)【発明の名称】スペーサを把持するためのグリッパ、前記グリッパを備えるハンドリングアセンブリおよびスペーサを第1のステーションから第2のステーションに移送するための方法
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/06 20060101AFI20231220BHJP
   B25J 15/08 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
B29D30/06
B25J15/08 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520107
(86)(22)【出願日】2022-11-03
(85)【翻訳文提出日】2023-05-16
(86)【国際出願番号】 NL2022050623
(87)【国際公開番号】W WO2023091002
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】2029785
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519009895
【氏名又は名称】ブイエムアイ・ホラント・ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】VMI Holland B.V.
【住所又は居所原語表記】Gelriaweg 16,8161 RK EPE,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ビーク ウィレム マリナス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ワ―ヴァン ティメン アントン
(72)【発明者】
【氏名】ヌッセルダー ロビン
【テーマコード(参考)】
3C707
4F215
【Fターム(参考)】
3C707ET03
3C707EV22
3C707HS14
4F215AH20
4F215AQ01
4F215AQ04
4F215VA12
4F215VD12
4F215VL13
4F215VL14
4F215VM01
4F215VM06
4F215VM08
4F215VP09
(57)【要約】
スペーサ、特にビードエイペックスを収容するためのスペーサを、1つ以上の前記スペーサを含むスペーサスタックから保持するためのグリッパに関し、前記グリッパは、中心軸に平行な軸方向に延びるグリッパヘッドと、前記スペーサを持ち上げるために前記グリッパヘッドから突出する複数のスペーサリフティングエレメントと、を備え、前記リフティングエレメントは、前記スペーサと係合するためにグリッパヘッドに対して移動可能であり、前記グリッパは、前記スペーサの少なくとも一部を前記軸方向において閉じ込め部材と前記リフティングエレメントとの間に閉じ込めるための前記閉じ込め部材をさらに備える。
【選択図】図8

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スペーサ、特にビードエイペックスを収容するためのスペーサを、1つ以上の前記スペーサを含むスペーサスタックから保持するためのグリッパであって、
前記グリッパは、中心軸に平行な軸方向に延びるグリッパヘッドと、前記スペーサを持ち上げるために前記グリッパヘッドにより支持される複数のスペーサリフティングエレメントと、を備え、
前記リフティングエレメントは、前記スペーサに当接するために前記グリッパヘッドに対して移動可能であり、
前記グリッパは、前記スペーサの少なくとも一部を前記軸方向において閉じ込め部材と前記リフティングエレメントとの間に閉じ込めるための前記閉じ込め部材をさらに備える、グリッパ。
【請求項2】
前記閉じ込め部材と前記リフティングエレメントとは、前記軸方向において相対的に移動可能である、請求項1に記載のグリッパ。
【請求項3】
前記グリッパは、前記リフティングエレメントと前記閉じ込め部材との間の相対的な移動を駆動するためのグリッパ駆動装置を備える、請求項2に記載のグリッパ。
【請求項4】
前記グリッパは、少なくとも2つのスペーサのサブスタックを、前記閉じ込め部材と前記リフティングエレメントとの間に前記軸方向において閉じ込める、請求項1乃至3の何れか1項に記載のグリッパ。
【請求項5】
前記グリッパは、少なくとも3つまたは少なくとも4つのスペーサのサブスタックを、前記閉じ込め部材と前記リフティングエレメントとの間に前記軸方向において閉じ込める、請求項4に記載のグリッパ。
【請求項6】
前記閉じ込め部材は、前記中心軸に垂直な径方向の平面内に延びる閉じ込め体を備える、請求項1乃至5の何れか1項に記載のグリッパ。
【請求項7】
前記閉じ込め本体は、クランプリングである、請求項6に記載のグリッパ。
【請求項8】
前記閉じ込め部材は、前記閉じ込め体から前記軸方向に突出する1つ以上のカムを備え、前記1つ以上のカムは、前記スペーサの対応する切欠部にそれぞれ挿入されるように配置されている、請求項6または7に記載のグリッパ。
【請求項9】
前記閉じ込め部材は、前記スペーサから軸方向に突出する1つ以上のカムを受け入れるために前記閉じ込め体に形成された1つ以上の切欠部または凹部を備える、請求項6、7または8の何れか1項に記載のグリッパ。
【請求項10】
前記1つ以上のカムの少なくとも1つは、テーパ状である、請求項8または9に記載のグリッパ。
【請求項11】
前記複数のカムは、前記中心軸を中心とする周方向に均等に配置される、請求項8、9または10の何れか1項に記載のグリッパ。
【請求項12】
前記スペーサは、中央開口部を規定する内側リムを備え、前記グリッパヘッドは、前記中央開口部に届くように配置され、前記リフティングエレメントは、前記内側リムに係合するように移動可能である、請求項1乃至11の何れか1項に記載のグリッパ。
【請求項13】
前記グリッパヘッドは、前記スペーサの前記中央開口部に対してセルフセンタリングする、請求項12に記載のグリッパ。
【請求項14】
前記グリッパヘッドは、その末端に向かってテーパ状になっている、請求項13に記載のグリッパ。
【請求項15】
前記グリッパは、前記スペーサ上のビードエイペックスの存在を検出するための検出器をさらに備える、請求項1乃至14の何れか1項に記載のグリッパ。
【請求項16】
前記検出器は、前記スペーサ上のビードエイペックスの存在を検出するための光センサを備える、請求項15に記載のグリッパ。
【請求項17】
前記検出器は、前記スペーサ上のビードエイペックスの存在を検出するための接触センサを備える、請求項15に記載のグリッパ。
【請求項18】
前記検出器は、前記スペーサの支持面の径方向開口部に挿入可能に配置されたプローブを更に備える、請求項17に記載のグリッパ。
【請求項19】
前記プローブは、前記グリッパヘッドに対して相対的に移動可能である、請求項18に記載のグリッパ。
【請求項20】
前記グリッパは、前記グリッパヘッドに対する前記プローブの相対的な移動を行うための検出器駆動装置を備える、請求項19に記載のグリッパ。
【請求項21】
スペーサを取り扱うためのハンドリングアセンブリであって、前記ハンドリングアセンブリは、複数のスペーサからなる第1のスペーサスタックを受け取るための第1のステーションと、第2のスペーサスタックを形成するために複数のスペーサを受け取るための第2のステーションとを備え、前記ハンドリングアセンブリは、スペーサまたはスペーサのサブスタックを前記第1のステーションにおける前記第1のスペーサスタックから前記第2のステーションに移送するために請求項1乃至20の何れか1項に記載の前記グリッパを更に備える、ハンドリングアセンブリ。
【請求項22】
スペーサ、特にビードエイペックス用のスペーサを第1のステーションから第2のステーションに移送するための方法であって、前記第1のステーションにおいて、複数のスペーサを含む第1のスペーサスタックが提供され、前記方法は、請求項1乃至19の何れか1項に記載の前記グリッパを使用して、前記スペーサを前記第1のスペーサスタックの最上段から前記第2のステーションに移送する工程を含む、方法。
【請求項23】
スペーサ、特にビードエイペックス用のスペーサを第1のステーションから第2のステーションに移送するための方法であって、前記第1のステーションにおいて、複数のスペーサを含む第1のスペーサスタックが提供され、前記方法は、スペーサグリッパを使用して、少なくとも2つのスペーサのサブスタックを、前記第1のスペーサスタックの最上段から前記第2のステーションに移送する工程を含む、方法。
【請求項24】
前記方法は、前記スペーサグリッパを使用して、少なくとも3つまたは少なくとも4つのスペーサのサブスタックを、前記第1のスペーサスタックの最上段から前記第2のステーションに移送する工程を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のスペーサスタックは、前記第1のステーションでキャリア上に提供され、前記方法は、前記スペーサグリッパを使用して、前記キャリアを前記第1のスペーサスタックとともに前記第2のステーションに移送する工程を含む、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のスペーサスタックは、少なくとも2つのスペーサを含み、前記キャリアの前記第1のスペーサスタックとの前記移送は、
a)前記第1のステーションにおいて前記スペーサグリッパを用いて前記キャリアを前記第1のスペーサスタックと一緒と把持する工程と、
b)前記キャリアを前記第2のステーションに配置する工程と、
c)続いて前記第2のステーションで第2のスペーサスタックを形成するため前記第1のスペーサスタックの少なくとも2つのスペーサを1つずつ前記キャリアに配置する工程と、を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記方法は、前記第1のステーションまたは前記第2のステーションにおいて、前記最上段のスペーサ上にビードエイペックスを配置する工程または前記最上段のスペーサからビードエイペックスを除去する工程をさらに含む、請求項23乃至26の何れか1項に記載の方法。
【請求項28】
少なくとも1つの前記使用されたスペーサグリッパは、請求項1乃至20の何れか1項に記載のグリッパである、請求項23乃至27の何れか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記方法は、2つのそれぞれのステーション間の移送中に、前記サブスタックを前記リフティングエレメントと前記閉じ込め部材との間で把持する請求項28に記載の方法。
【請求項30】
請求項15乃至20の何れか1項に記載の前記グリッパを用いてスペーサを第1のステーションから第2のステーションに移送する方法であって、前記方法は、
a)前記スペーサ上におけるビードエイペックスの有無の検出工程と、
b)前記スペーサ上における前記ビードエイペックスの有無に基づく前記第2のステーションの選択工程と、
c)前記第1のステーションから前記選択された第2のステーションへの前記スペーサの移送工程と、
を含む方法。
【請求項31】
前記スペーサ上の前記ビードエイペックスの有無は、前記グリッパの前記検出器を用いて検出される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
スペーサ、特にビードエイペックスを収容するためのスペーサを、1つ以上の前記スペーサを含むスペーサスタックから保持するためのグリッパに関し、前記グリッパは、中心軸に平行な軸方向に延びるグリッパヘッドと、前記スペーサを持ち上げるために前記グリッパヘッドにより支持される複数のスペーサリフティングエレメントと、を備え、前記グリッパは前記スペーサ上のビードエイペックスの存在を検出する検出器をさらに備える、グリッパ。
【請求項33】
前記検出器は、前記スペーサ上のビードエイペックスの存在を検出するための光センサを備える、請求項32に記載のグリッパ。
【請求項34】
前記検出器は、前記スペーサ上のビードエイペックスの存在を検出するための接触センサを備える、請求項32に記載のグリッパ。
【請求項35】
前記検出器は、前記スペーサの支持面に設けられた径方向開口部に挿入可能に配置されたプローブを更に備える、請求項36に記載のグリッパ。
【請求項36】
前記プローブは、前記グリッパヘッドに対して相対的に移動可能である、請求項35に記載のグリッパ。
【請求項37】
前記グリッパは、前記グリッパヘッドに対する前記プローブの相対的な移動を行うための検出器駆動装置を備える、請求項36に記載のグリッパ。
【請求項38】
請求項32乃至37の何れか1項に記載の前記グリッパを用いてスペーサを第1のステーションから第2のステーションに移送する方法であって、前記方法は、
a)前記スペーサ上におけるビードエイペックスの有無の検出工程と、
b)前記スペーサ上における前記ビードエイペックスの有無に基づく前記第2のステーションの選択工程と、
c)前記第1のステーションから前記選択された第2のステーションへの前記スペーサの移送工程と、
を含む方法。
【請求項39】
前記スペーサ上の前記ビードエイペックスの有無は、前記グリッパの前記検出器を用いて検出される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
スペーサを位置決めするための位置決めユニットに関し、前記位置決めユニットは、中心軸に沿って軸方向に延在する位置決めヘッドを備え、前記位置決めヘッドは、少なくとも一部が前記スペーサの開口部に挿入可能であり、前記位置決めヘッドは、前記中心軸に対して前記スペーサをセンタリングするためのテーパ面を備え、前記位置決めユニットは、前記中心軸に対する前記スペーサの回転位置を調整するための位置決めプロファイルをさらに備え、前記位置決めプロファイルは、前記中心軸を中心として周方向に延び、前記スペーサのプロファイルと協働するために、前記スペーサの前記プロファイルと相補的である、位置決めユニット。
【請求項41】
前記位置決めプロファイルは、前記位置決めヘッドから前記軸方向に突出する1つ以上のカムを備え、前記1つ以上のカムは、前記スペーサの対応する切欠部にそれぞれ挿入されるように配置される、請求項40に記載の位置決めユニット。
【請求項42】
前記位置決めプロファイルは、前記スペーサから前記軸方向に突出する1つ以上のカムを受け入れるために前記位置決めヘッドに形成された1つ以上の切欠部または凹部を備える、請求項40または41に記載の位置決めユニット。
【請求項43】
前記1つ以上のカムのうち少なくとも1つは、テーパ状である、請求項41または42に記載の位置決めユニット。
【請求項44】
前記1つ以上のカムは、前記中心軸を中心とする円周方向に均等に配置される、請求項41、42または43に記載の位置決めユニット。
【請求項45】
中心軸に対してスペーサを位置決めするための方法であって、前記方法は、
a)前記スペーサを前記中心軸に対してセンタリングする工程と、
b)前記中心軸を中心として前記スペーサを所定の回転位置に回転させる工程と、
を含む、方法。
【請求項46】
前記方法は、請求項40乃至44の何れか1項に記載の前記位置決めユニットまたは請求項1乃至20の何れか1項に記載の前記グリッパを使用する工程を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記スペーサはプロファイルを備え、前記グリッパまたは前記位置決めユニットは相補的なプロファイルを備え、工程b)は、前記スペーサの前記プロファイルを、前記グリッパまたは前記位置決めユニットの前記相補的なプロファイルと連動させることを含む、請求項46に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビードエイペックスを収納するためのスペーサを把持するためのグリッパに関する。本発明はさらに、前記スペーサを取り扱うためのハンドリングアセンブリに関し、前記ハンドリングアセンブリは、本発明に係る前記グリッパを備えている。本発明はさらに、好ましくは本発明に係る前記グリッパを使用して、スペーサを第1のステーションから第2のステーションに移送するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビードエイペックス用スペーサは、一般的に、中央開口部と、前記ビードエイペックスを支持するために前記中央開口部の周方向に延びる円錐形の支持面を備える、実質的に円錐台状の形状をしている。
【0003】
米国特許第8,794,288号公報は、スペーサを保持するための保持手段を備えたグリッパを開示している。前記保持手段は、スペーサ昇降手段上に円周方向に等しい角度距離で配置される2つのスペーサ係合爪を備えている。前記爪は、前記スペーサの前記中央開口部に軸方向に沿い挿入され、その後径方向に駆動され、前記スペーサに配置された対応する凹部に係合される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
公知のグリッパの欠点は、係合爪とスペーサの対応する凹部との間の係合に誤差が生じやすいことである。したがって、グリッパに対すスペーサの位置および/または向きは、グリッパによる搬送中に確実に維持することができない。言い換えれば、スペーサは、グリッパに対して移動する、傾く、および/または回転する可能性がある。さらに、複数のスペーサを把持する場合、蓄積された誤差により、スペーサの位置および/または向きに相対的なずれが生じることがある。スペーサの正確な位置決めは、後続のステーションがビードエイペックスを正確にピックアップしてタイヤに配置する必要があるため、重要である。したがって、スペーサ上のビードエイペックスの正確な位置および/または向きを正確に決定することができず、当該ビードエイペックスを備える最終産物であるタイヤ全体の品質が損なわれる可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、スペーサをより確実に保持し、および/またはより正確に位置決めすることができる、スペーサを移送するための代替のグリッパ、ハンドリングアセンブリおよび方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、本発明は、スペーサ、特にビードエイペックスを収容するためのスペーサを、1つ以上の前記スペーサを含むスペーサスタックから保持するためのグリッパに関し、前記グリッパは、中心軸に平行な軸方向に延びるグリッパヘッドと、前記スペーサスタックから前記スペーサを持ち上げるために前記グリッパヘッドにより支持される複数のスペーサリフティングエレメントと、を備え、前記リフティングエレメントは、前記スペーサに当接するために前記グリッパヘッドに対して移動可能であり、前記グリッパは、前記スペーサの少なくとも一部を前記軸方向において閉じ込め部材と前記リフティングエレメントとの間に閉じ込めるための前記閉じ込め部材をさらに備える。
【0007】
言い換えれば、前記スペーサは、前記リフティングエレメントによって持ち上げられるだけでなく、前記リフティングエレメントと前記閉じ込め部材との間に閉じ込められたり、把持されたりすることができる。前記スペーサを前記軸方向に閉じ込めることで、前記グリッパの動作時に、前記グリッパに対する前記スペーサの安定性を向上させることができる。特に、前記グリッパヘッドの前記リフティングエレメントに対する前記スペーサの傾きは、低減されるか、または最終的に防止される。したがって、スペーサをより確実に持ち上げることができる。さらに、前記リフティングエレメントと前記閉じ込め部材は、前記リフティングエレメントと前記閉じ込め部材との間に単一のスペーサまたは2つ以上のスペーサのサブスタックのいずれかを収容するために、軸方向に相互に離間して配置することができる。このようなスペーサのサブスタックは、前記リフティングエレメントと前記閉じ込め部材との間に確実に保持されることができる。前記スペーサを1つずつではなくサブスタックで搬送することで、処理効率を向上することができる。
【0008】
その実施形態において、前記閉じ込め部材と前記リフティングエレメントとは、前記軸方向において相対的に移動可能である。好ましくは、前記グリッパは、前記リフティングエレメントと前記閉じ込め部材との間の相対的な移動を駆動するためのグリッパ駆動装置を備える。したがって、前記スペーサは、前記軸方向において、前記リフティングエレメントと前記閉じ込め部材との間に能動的に把持されることができる。このように、前記スペーサは、より確実に持ち上げられることができる。また、前記スペーサに作用する把持力により、前記グリッパに対する前記スペーサの回転や傾きを防止することができる。さらに、前記リフティングエレメントと前記閉じ込め部材との間に単一のスペーサまたはスペーサのサブスタックのいずれかを選択的に閉じ込めおよび/または把持するために、前記リフティングエレメントと前記閉じ込め部材との間の距離を段階的に調整することができる。
【0009】
そのさらなる実施形態において、前記グリッパは、少なくとも2つのスペーサのサブスタック、好ましくは少なくとも3つまたは少なくとも4つのスペーサのサブスタックを、前記閉じ込め部材と前記リフティングエレメントとの間に前記軸方向において閉じ込めるために配置されている。言い換えれば、前記グリッパは、スペーサのサブスタックを確実に持ち上げることができる。前記スペーサを1つずつではなく、サブスタックで搬送することで、処理効率を向上することができる。
【0010】
さらなる実施形態において、前記閉じ込め部材は、前記中心軸に垂直な径方向の平面内に延びる閉じ込め体を備える。好ましくは、前記閉じ込め本体は、クランプリングである。前記閉じ込め体は、例えば、前記スペーサの内側リムまたは支持面を閉じ込めることができる。径方向の平面内に延びるとき、前記閉じ込め部材は、リフティングエレメントに対する前記スペーサの傾きを効果的に防止することができる。
【0011】
そのさらなる実施形態において、前記閉じ込め部材は、前記閉じ込め体から前記軸方向に突出する1つ以上のカムを備え、前記1つ以上のカムは、前記スペーサの対応する切欠部にそれぞれ挿入されるように配置されている。好ましくは、前記切欠部は、前記スペーサの内側リムに形成される。さらにまたは代替的に、前記閉じ込め部材は、前記スペーサから軸方向に突出する1つ以上のカムを受け入れるために前記閉じ込め体に形成された1つ以上の切欠部または凹部を備える。前記切欠部に係合されると、前記カムは、前記閉じ込め体に対する前記スペーサのミスアライメントおよび/または回転ミスアライメントを修正することができる。さらに、前記1つ以上のカムは、前記中心軸を中心とした前記スペーサの回転運動を防止するか、または実質的に防止することができる。換言すれば、前記スペーサの回転アライメントは、固定されてもよいし、実質的に固定されてもよい。したがって、前記スペーサをより確実に持ち上げることができる。好ましくは、前記スペーサは、隣接して積み重ねられた2つのスペーサの相互かみ合わせを可能にするために、切欠部とカムの両方を備える。
【0012】
その好ましい実施形態において、前記1つ以上のカムの少なくとも1つは、テーパ状または楔状である。したがって、前記少なくとも1つのカムは、前記スペーサまたは前記閉じ込め体の対応する切欠部に対してセルフセンタリングすることができる。その結果、前記カムと前記切欠部の間の誤差を低減、減少、または最終的に防止することができる。さらに、前記スペーサを前記グリッパに対してより正確に位置決めすることができる。
【0013】
さらなる有利な実施形態において、前記複数のカムの前記カムは、前記中心軸を中心とする周方向に均等に配置される。
【0014】
さらなる実施形態において、前記スペーサは、中央開口部を規定する内側リムを備え、前記グリッパヘッドは、前記中央開口部に届くように配置され、前記リフティングエレメントは、前記内側リムに係合するように移動可能である。前記スペーサの前記内側リムに係合することで、前記グリッパヘッドをより小型にすることができる。前記グリッパヘッドは、前記スペーサのサブスタックを把持するように、連続して積み重ねられた前記スペーサの前記開口部に便利に届くことが可能である。また、前記グリッパヘッドは前記スペーサの前記内側リムにのみ係合するため、グリッパはスペーサをその外形寸法に関係なく把持することができる。
【0015】
さらなる実施形態において、前記グリッパヘッドは、前記スペーサの前記中央開口部に対してセルフセンタリングする。したがって、前記スペーサは、前記グリッパヘッドに対してより正確に位置決めされることができる。
【0016】
その実施形態において、前記グリッパヘッドは、その末端に向かってテーパ状になっている。前記テーパ状のグリッパヘッドは、グリッパのための効果的なセンタリング手段を提供することができる。
【0017】
さらなる実施形態において、前記グリッパは、前記スペーサ上のビードエイペックスの存在を検出するための検出器をさらに備える。したがって、前記グリッパは、それぞれのスペーサ上にビードエイペックスが存在するか否かを検出することができる。また、前記検出器は、前記閉じ込め部材および/または前記リフティングエレメントの可動性を構成しないビードエイペックスを収容するためのスペーサを保持するためのグリッパに適用することもできる。言い換えれば、本発明の第1の態様に関連して説明した前記検出器は、グリッパに別個に、すなわち前記閉じ込め部材および/または前記リフティングエレメントの可動性を制限することなく、適用することができる。
【0018】
その有利な実施形態において、前記検出器は、前記スペーサ上のビードエイペックスの存在を検出するための光センサを備える。
【0019】
その代替の実施形態において、前記検出器は、前記スペーサ上のビードエイペックスの存在を検出するための接触センサを備える。接触センサは、スペーサ上のビードエイペックスの存在を確実に検出することができる。
【0020】
その更なる実施形態において、前記検出器は、前記スペーサの支持面に設けられた径方向開口部に挿入可能に配置されたプローブを更に備える。前記プローブは、例えば、その末端に接触センサを備えてもよい。あるいは、前記プローブは、接触センサに動作的に結合されていてもよい。したがって、前記検出器は、スペーサのサブスタックに対するビードエイペックスの存在を検出することができ、すなわち、前記スペーサのサブスタックの最上段のスペーサが空であるとき、前記プローブは、前記最上段のスペーサに届き、後続のスペーサのビードエイペックスの存在を検出することができる。
【0021】
そのさらなる実施形態において、前記プローブは、前記グリッパヘッドに対して相対的に移動可能である。好ましくは、前記グリッパは、前記グリッパヘッドに対する前記プローブの相対的な移動を行うための検出器駆動装置を備える。したがって、前記検出器は、前記リフティングエレメントによって持ち上げられ、および/または前記リフティングエレメントと前記閉じ込め部材との間に閉じ込められるスペーサ上のビードエイペックスの存在を検出することができる。あるいは、前記プローブは前記グリッパヘッドに対して固定されていてもよい。
【0022】
第2の態様によれば、本発明は、スペーサを取り扱うためのハンドリングアセンブリに関し、前記ハンドリングアセンブリは、複数のスペーサからなる第1のスペーサスタックを受け取るための第1のステーションと、第2のスペーサスタックを形成するために複数のスペーサを受け取るための第2のステーションとを備え、前記ハンドリングアセンブリは、スペーサまたはスペーサのサブスタックを前記第1のステーションにおける前記第1のスペーサスタックから前記第2のステーションに移送するための本発明に係る前記グリッパを更に備える。
【0023】
前記ハンドリングアセンブリは、本発明に係るグリッパを組み込んでおり、したがって、上述したものと同じ利点を有している。前記グリッパは、例えば、多軸ロボットアームまたは多方向ガイドシステムに取り付けることができる。前記第1のステーション及び第2のステーションは、例えば、タイヤ製造ドラムにビードエイペックスを供給するための第1のビードエイペックス供給ステーション及び第2のビードエイペックス供給ステーションであってもよい。あるいは、前記第1のステーションと前記第2のステーションは、空のスペーサをビードエイペックス組立ユニットに供給するように配置されてもよい。通常、前記ビードエイペックスは、前記第2のステーションから前記タイヤ製造ドラムへ、または前記ビードエイペックス組立ユニットから前記第2のステーションへ、1つずつ移送される。これに対し、本発明に係る前記グリッパは、複数のスペーサを前記第1のステーションから前記第2のステーションに同時に移送することができる。言い換えれば、前記グリッパは、同じ量のスペーサを、より少ない移送動作で移送することができる。その結果、複数のスペーサのサブスタックを移送する際、前記グリッパは前記第1のステーションと前記第2のステーションの間のバッファとして機能することができる。したがって、前記タイヤ製造ドラムや前記ビードエイペックス組立ユニットにおける工程を停止することなく、前記第1のステーションの前記第1のスペーサスタックを補充することができる。
【0024】
第3の態様によれば、本発明は、スペーサ、特にビードエイペックス用のスペーサを第1のステーションから第2のステーションに移送するための方法に関するものであり、前記第1のステーションにおいて、複数のスペーサを含む第1のスペーサスタックが提供され、前記方法は、本発明に係る前記グリッパを使用して、前記スペーサを前記第1のスペーサスタックの最上段から前記第2のステーションに移送する工程を含む。
【0025】
前記方法は、本発明に係るグリッパを組み込んでいるため、上述したものと同様の利点を有している。
【0026】
その代替の実施形態において、本方法は、スペーサグリッパを使用して、少なくとも2つのスペーサ、好ましくは少なくとも3つまたは少なくとも4つのスペーサのサブスタックを、前記第1のスペーサスタックの最上段から前記第2のステーションに移送する工程を含む。言い換えれば、前記方法は、複数のスペーサ、例えばスペーサのスタックを同時に把持することを含んでいる。複数のスペーサを同時に把持することで、処理効率を向上することができる。
【0027】
さらなる実施形態において、前記第1のスペーサスタックは、前記第1のステーションでキャリア上に提供され、前記方法は、前記スペーサグリッパを使用して、前記キャリアを前記第1のスペーサスタックとともに前記第2のステーションに移送する工程を含む。言い換えれば、前記第1のステーションと前記第2のステーションのキャリアの両方を交換するのではなく、前記第2のステーションのキャリアを取り外し、前記第1のステーションのキャリアと交換することができる。したがって、前記第1のステーションから前記第2のステーションに前記キャリアを移動させることにより、前記第1のステーションを空にし、さらなるスペーサのスタックを含むさらなるキャリアを受け取る準備をさせることができる。そのため、前記ハンドリングアセンブリのダウンタイムを大幅に削減することができる。
【0028】
その実施形態において、前記第1のスペーサスタックは、少なくとも2つのスペーサを含み、前記キャリアの前記第1のスペーサスタックとの移送は、
a)前記第1のステーションにおいて前記スペーサグリッパを用いて前記キャリアを前記第1のスペーサスタックと一緒と把持する工程と、
b)前記キャリアを前記第2のステーションに配置する工程と、
c)続いて前記第2のステーションで第2のスペーサスタックを形成するため前記第1のスペーサスタックの少なくとも2つのスペーサを1つずつ前記キャリアに配置する工程と、を含む。このように、前記第1のステーションの前記第1のスペーサスタックは、前記第2のステーションへの個々のスペーサの供給を含む工程を妨げることなく、または実質的に妨げることなく補充されることができる。前記第1のステーションの前記第1のスタックが補充されている間、前記スペーサグリッパは前記第2のステーションの前記第2のスタックに前記スペーサを1つずつ提供し続けることができる。前記スペーサグリッパは、スペーサの残りのサブスタックを保持したまま、最下部のスペーサのみを放出するように配置することができる。あるいは、前記スペーサグリッパは、前記スペーサのサブスタックの全てを放出し、その後、前記放出されたサブスタックよりも1つ少ないスペーサからなるスペーサのサブスタック、または単一のスペーサを把持するように配置することができる。
【0029】
さらなる実施形態において、前記方法は、前記第1のステーションまたは前記第2のステーションにおいて、前記最上段のスペーサ上にビードエイペックスを配置する工程または前記最上段のスペーサからビードエイペックスを除去する工程をさらに含む。特に、ビードエイペックス処理ステーションからビードエイペックスを受け取る場合、個々のスペーサとビードエイペックスは、前記第2のスペーサステーションに交互に配置される。したがって、タイヤ製造ドラムにビードエイペックスを供給する際、前記個々のビードエイペックスとスペーサは交互に前記第1のスペーサステーションから取り出される。
【0030】
さらなる実施形態において、前記スペーサは、第3のスペーサスタックを形成するために前記第2のステーションから第3のステーションに個別に移送され、前記方法は、スペーサグリッパを使用して、少なくとも2つのスペーサ、好ましくは少なくとも3つのスペーサまたは少なくとも4つのスペーサのサブスタックを、前記第3のステーションにおける前記第3のスペーサスタックの最上段から第4のステーションに移送する工程を更に含む。例えば、前記第2のステーションで前記スペーサ上にビードエイペックスを配置した後、または前記スペーサからビードエイペックスを除去した後、前記第2のステーションからの前記スペーサを個別に前記第3のステーションに移送して、積層して第3のスペーサスタックを形成することができる。前記使用されるスペーサグリッパは、前記スペーサを前記第1のスペーサスタックから前記第2のスペーサスタックに移送するために使用された前記スペーサグリッパと同じ前記スペーサグリッパであっても、さらなるスペーサグリッパであってもよい。有利なことに、前記スペーサグリッパは、前記第1および第2ステーション間でスペーサを移送するための前記スペーサグリッパと同様に、前記第3のステーションと前記第4のステーションの間のバッファとして機能することができる。したがって、前記第4のステーションを空にすることができ、すなわち、製造工程を中断することなく、または実質的に中断することなく、前記第4のステーションにおいて積み上げられたスペーサのスタックを除去することが可能である。
【0031】
さらなる実施形態において、前記使用されるスペーサグリッパの少なくとも1つは、本発明に係る前記グリッパである。前記方法は、本発明に係る前記グリッパを組み込んでいるため、上述したものと同様の利点を有している。
【0032】
その実施形態において、前記方法は、2つのそれぞれのステーション間の移送中に、前記サブスタックを前記リフティングエレメントと前記閉じ込め部材との間で把持することを含んでいる。したがって、前記サブスタックは、より確実に保持されることができる。
【0033】
さらなる実施形態において、前記方法は、
a)前記スペーサ上におけるビードエイペックスの有無の検出工程と、
b)前記スペーサ上における前記ビードエイペックスの有無に基づく前記第2のステーションの選択工程と、
c)前記第1のステーションから前記選択された第2のステーションへの前記スペーサの移送工程と、を含む。
【0034】
したがって、前記検出されたビードエイペックスの有無に基づいて、スペーサを対応する第2のステーションに選択的に移送することができる。例えば、ビードエイペックスの異常の有無が確認された場合、不合格のビードエイペックスは廃棄され、空のスペーサが残る。空のスペーサは、例えば、空のスペーサの保管場所に移送されたり、組み立てられたばかりのビードエイペックスを受け取るためにビードエイペックス組立ラインに供給されたりする。一方、合格したビードエイペックスは、前記製造工程に再投入されることができる。
【0035】
その好ましい実施形態において、前記スペーサ上の前記ビードエイペックスの有無は、前記グリッパの前記検出器を用いて検出される。したがって、グリッパは、前記スペーサの移送中に、前記スペーサ上の前記ビードエイペックスの有無を検出することができる。したがって、処理効率を向上させることができる。
【0036】
さらなる実施形態において、前記検出器はプローブを備え、前記スペーサ上の前記ビードエイペックスの存在を検出する工程は、前記スペーサに対する前記プローブの相対的な移動を含む。好ましくは、前記方法は、前記プローブをスペーサに向けて移動させる前に、スペーサを持ち上げるステップを含む。したがって、前記プローブを所定の距離にわたって移動させることができる。その結果、前記プローブは、前記スペーサ上の前記ビードエイペックスの存在をより正確に検出することができる。
【0037】
さらなる実施形態において、前記方法は、スペーサのサブスタックの最上段にあるスペーサの支持面の径方向の開口部に前記プローブを挿入して、前記スペーサのサブスタックの後続のスペーサ上のビードエイペックスの存在を検出する工程を含む。したがって、前記検出器は、スペーサのサブスタックに対するビードエイペックスの存在を検出することができ、すなわち、前記スペーサのサブスタックの前記最上段にあるスペーサが空の場合、前記プローブは、前記最上段のスペーサを通って届き、後続のスペーサ上のビードエイペックスの存在を検出することができる。
【0038】
第4の態様によれば、本発明は、スペーサを位置決めするための位置決めユニットに関し、前記位置決めユニットは、中心軸に沿って軸方向に延在する位置決めヘッドを備え、前記位置決めヘッドは、少なくとも一部が前記スペーサの開口部に挿入可能であり、前記位置決めヘッドは、前記中心軸に対して前記スペーサをセンタリングするためのテーパ面を備え、前記位置決めユニットは、前記中心軸に対する前記スペーサの回転位置を調整するための位置決めプロファイルをさらに備え、前記位置決めプロファイルは、前記中心軸を中心として周方向に延び、前記スペーサのプロファイルと協働するために、前記スペーサの前記プロファイルと相補的である。
【0039】
したがって、前記位置決めユニットは、前記位置決めヘッドに対して前記スペーサをセンタリングおよび/または回転方向に位置決めさせることができる。したがって、前記スペーサを把持する前に、前記スペーサをより正確におよび/または精密に位置決めおよび/または整列させることができる。したがって、前記スペーサ上へのビードエイペックスの配置をより正確および/または精密に決定することができる。したがって、得られるタイヤの品質を向上することができる。
【0040】
好ましくは、前記位置決めプロファイルおよび/または前記位置決めユニットは、前記中心軸に対する前記スペーサの前記回転位置を調整するために、前記中心軸を中心として回転可能である。
【0041】
その実施形態において、前記位置決めプロファイルは、前記位置決めヘッドから前記軸方向に突出する1つ以上のカムを備え、前記1つ以上のカムは、前記スペーサの対応する切欠部にそれぞれ挿入されるように配置される。あるいは、前記位置決めプロファイルは、前記スペーサから前記軸方向に突出する1つ以上のカムを受け入れるために前記位置決めヘッドに形成された1つ以上の切欠部または凹部を備える。さらなる代替案として、前記プロファイルは、例えば、前記中心軸に対して少なくとも部分的に径方向に延びてもよく、例えば、前記プロファイルは、バヨネットマウントを形成してもよい。
【0042】
その実施形態において、前記1つ以上のカムのうち少なくとも1つは、テーパ状である。前記カムのテーパリングは、前記切欠部を前記カムに対して中心位置に導くことができる。したがって、前記スペーサの角度位置の小さなずれは、前記カムを前記切欠部に挿入することで調整することができる。
【0043】
その好ましい実施形態において、前記1つ以上のカムは、前記中心軸を中心とする円周方向に均等に配置される。
【0044】
第5の態様によれば、本発明は、中心軸に対してスペーサを位置決めするための方法を提供し、前記方法は、
a)前記スペーサを前記中心軸に対してセンタリングする工程と、
b)前記中心軸を中心として前記スペーサを所定の回転位置に回転させる工程と、
を含む。
【0045】
言い換えれば、前記スペーサは、前記中心軸に対してセンタリングされ、回転方向に位置決めされることができる。したがって、前記スペーサを把持する連続的な工程の前に、前記スペーサをより正確におよび/または精密に位置決めおよび/または整列させることができる。したがって、前記スペーサ上へのビードエイペックスの配置をより正確および/または精密に決定することができる。したがって、得られるタイヤの品質を向上させることができる。
【0046】
その実施形態において、前記方法は、本発明の第3の態様による前記位置決めユニットまたは本発明の第1の態様による前記グリッパを使用する工程を含む。第3の態様に係る前記位置決めユニットと第1の態様に係る前記グリッパの両方は、本発明の第5の態様に係る方法を実施するために好適であり得る。
【0047】
そのさらなる実施形態では、前記スペーサはプロファイルを備え、前記グリッパまたは前記位置決めユニットは相補的なプロファイルを備え、工程b)は、前記スペーサの前記プロファイルを、前記グリッパまたは前記位置決めユニットの前記相補的なプロファイルとを連動させる(interlocking)ことを含む。好ましくは、前記プロファイルの少なくとも1つは、前記相補的なプロファイルの対応する切欠部と協働するための少なくとも1つのテーパカムを備える。カムのテーパは、前記切欠部を前記カムに対して中心位置に導くことができる。したがって、前記スペーサの角度位置の小さなずれは、前記カムを前記切欠部に挿入することによって調整することができる。代替的または追加的に、前記方法は、前記スペーサの角度位置を調整するために、前記グリッパまたは前記位置決めユニットの少なくとも一部を回転させる工程を含んでもよい。
【0048】
本明細書に記載され図示された様々な態様および特徴は、可能な限り個別に適用することができる。これらの個々の態様、特に添付の従属請求項に記載された態様および特徴は、分割特許出願の主題とすることができる。
【0049】
本発明は、添付の概略図に示される例示的な実施形態に基づいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】ビードエイペックス用のスペーサを示す図である。
図2図1のII-II線によるスペーサの断面図である。
図3図1のスペーサとビードエイペックスを示す図である。
図4図3のIV-IV線によるスペーサとビードエイペックスの断面図である。
図5】スペーサをピックアップする例示的な工程の間の本発明の実施形態に係るグリッパを示す図である。
図6】スペーサをピックアップする例示的な工程の間の本発明の実施形態に係るグリッパを示す図である。
図7】スペーサをピックアップする例示的な工程の間の本発明の実施形態に係るグリッパを示す図である。
図8】複数のスペーサを持ち上げる際の図5-7に示すグリッパを示す図である。
図9】本発明の代替的な実施形態に係る代替的なグリッパを示す図である。
図10】本発明に係るスペーサのハンドリングアセンブリを示す図である。
図11】本発明に係るスペーサのためのハンドリングアセンブリを示す図である。
図12】本発明の代替的な実施形態に係るスペーサのための代替的なハンドリングアセンブリを示す図である。
図13】本発明の代替的な実施形態に係るスペーサのための代替的なハンドリングアセンブリを示す図である。
図14】本発明の代替的な実施形態に係るスペーサのための代替的なハンドリングアセンブリを示す図である。
図15】本発明の代替的な実施形態に係るスペーサのための代替的なハンドリングアセンブリを示す図である。
図16】本発明の更なる実施形態に係る更なる代替的なグリッパを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図5図8は、本発明の実施形態に係る、セパレータまたはスペーサ8、特にビードエイペックス9用のセパレータまたはスペーサ8を保持するためのグリッパ2を示す図である。グリッパ2は、空のセパレータまたはスペーサ8、およびその上にビードエイペックス9が収納されたセパレータまたはスペーサ8を保持するために配置されている。グリッパ2は、例えば、タイヤ製造プロセスの異なる工程間で前記セパレータまたはスペーサ8を移送するために、多軸ロボットアームまたは多方向ガイドシステムに取り付けることができる。
【0052】
スペーサ8の一例が、図1-4に、より詳細に示されている。スペーサ8は、スペーサ軸Fを中心として周方向に延びるスペーサ本体80を備えている。典型的には、スペーサ本体80は、錐体形状または実質的に錐体形状である。あるいは、スペーサ本体80は、例えば、平坦、実質的に平坦、凸状または実質的に凸状であってもよい。図3および図4に最もよく示されているように、スペーサ本体80は、その上にビードエイペックス9を支持するための支持面82を形成する。支持面82は、ビードエイペックス9の外形に対応するように概ね円錐形である。
【0053】
スペーサ8は、スペーサ本体80を中心軸Fに沿って貫通して延びる中央開口部81を備え、図1及び図3に示すように、中央開口部81は断面が円形または概ね円形である。スペーサ8は、中心軸Fを中心として周方向に延び、中央開口部81を径方向に制限する内側リム85をさらに備える。内側リム85は、スペーサ8に構造的な完全性を付与するように配置されている。
【0054】
図1-4にさらに示すように、スペーサ8は、支持面82を通って軸方向に延びる径方向開口部84を備える。前記径方向開口部84は、スペーサ軸Fに対して径方向に延びている。径方向開口部84は、支持面82へのビードエイペックス9の配置および/または支持面82からのビードエイペックス9の取り外しを容易にするように配置される。好ましくは、前記開口部84は、内側リム85まで延びる。
【0055】
図5-8に示すように、グリッパは、グリッパヘッド3を備えている。グリッパヘッド3は、スペーサ8の中央開口部81に達するように配置されている。グリッパヘッドは、中心軸Cと平行な軸方向Xに延びており、グリッパ2は、スペーサ8を支持するための複数のスペーサリフティングエレメント31をさらに備えている。
【0056】
図示する実施形態において、グリッパヘッド3は、それぞれが軸方向Xに延びる複数のガイドエレメント30を備えている。この特定の実施形態において、ガイドエレメント30はロッドである。複数のガイドエレメント30は、好ましくは、グリッパ軸Cを中心とする円周方向に沿い分布している。代替的に、グリッパヘッド3は、例えば、単一のボディとして形成されてもよい。グリッパヘッド3は、その末端部に向かってテーパ状になっている。テーパは、グリッパヘッド3に対するスペーサ8のセンタリングを改善することができる。特に、複数のガイドエレメント30は、その末端端に傾斜面が設けられ、テーパ状または概ねテーパ状の末端グリッパヘッド3を提供する。
【0057】
リフティングエレメント31は、グリッパヘッド3によって支持される。特に、リフティングエレメント31は、複数のガイドエレメント30によって支持される。好ましくは、各リフティングエレメント31は、複数のガイドエレメント30のそれぞれの1つによって支持される。リフティングエレメント31は、グリッパヘッド3が中央開口部81内に到達したときにスペーサ8に接触するように、中央開口部81内で動作可能である。
【0058】
図示する実施形態において、リフティングエレメント31は、スペーサ8に接触するために、軸方向Xに垂直な径方向Rに少なくともベクトル成分で移動可能である。図示する実施形態において、リフティングエレメント31は、複数のガイドエレメント30に蝶番状に支持されている。特に、リフティングエレメント31は、それぞれ、スペーサ8に接触するために、中心軸Cを中心とする周方向に対して接線または概ね接線方向に延びるその回転軸を中心に回転可能である。あるいは、リフティングエレメント31は、例えば、径方向R、または径方向Rのベクトル成分と軸方向Xおよび/または接線方向の追加のベクトル成分とを有する方向に直線的に移動可能であってもよい。
【0059】
リフティングエレメント31は、図5に示す第1の位置と、図6に示す第2の位置との間で回転することができる。第1の位置において、リフティングエレメント31は、グリッパヘッド3がスペーサ8の中央開口部81に挿入されることを可能にするために、複数のガイドエレメント30に対して径方向内側に配置されている。第2の位置において、リフティングエレメント31は、スペーサ8のリム85の下面に接触するように外側に回転されている。あるいは、リフティングエレメント31は、例えば、スペーサ8の凹部内に到達することができる。
【0060】
さらなる代替案(図示せず)において、リフティングエレメント31は、スペーサ8とバヨネット型結合を形成することができる。言い換えれば、リフティングエレメント31は、スペーサ8と係合するために、中心軸Cを中心としてスペーサ8に対して回転可能であってもよい。
【0061】
図5-8にさらに示すように、グリッパ2は、閉じ込め部材4から構成されている。この閉じ込め部材4は、当該閉じ込め部材4とリフティングエレメント31との間にスペーサ8の少なくとも一部を閉じ込めるために配置されている。
【0062】
閉じ込め部材4は、閉じ込め体40を含んでいる。閉じ込め体40は、中心軸Cに垂直な径方向の平面内に延びている。この特定の実施形態では、閉じ込め体40は、中心軸Cを中心に周方向に延びる環状またはリング状の部材である。
【0063】
この特定の実施形態では、閉じ込め部材4は、スペーサ8の内側リム85の上面を固定するように配置される。言い換えれば、グリッパ2は、リフティングエレメント31と閉じ込め部材4との間に内側リム85を閉じ込めるように設けられている。あるいは、閉じ込め部材4は、例えば、スペーサ8の外側リムを固定するように設けられてもよい。
【0064】
閉じ込め部材4とリフティングエレメント31は、軸方向Xに互いに相対的に移動可能である。図8にさらに図示するように、グリッパ2は、好ましくは、閉じ込め部材4とリフティングエレメント31の間に軸方向Xに少なくとも2つのスペーサ8のサブスタックDを閉じ込めるために配置される。より好ましくは、グリッパは、3つまたは4つのスペーサ8のサブスタックDを閉じ込めるために配置される。
【0065】
図5-8に示す実施形態において、閉じ込め部材4は、リフティングエレメント31に対して移動可能である。あるいは、リフティングエレメント31は、閉じ込め部材4に対して可動であってもよい。
【0066】
さらなる代替案として、閉じ込め部材4とリフティングエレメント31は、一定の相互間距離で配置されてもよい。前記距離は、様々な数のスペーサ8を閉じ込めるように適合されてもよい。リフティングエレメント31は、リフティングエレメント31と閉じ込め部材4との間で様々な数のスペーサ8を把持するように配置されてもよい。
【0067】
図5-8にさらに示すように、グリッパ2は、閉じ込め部材4とリフティングエレメント31との間の相対運動に影響を与えるグリッパ駆動装置21を備える。好ましくは、グリッパ駆動装置21は、空気圧シリンダなどのリニア駆動装置、またはスピンドル駆動装置である。グリッパ駆動装置21は、リフティングエレメント31と閉じ込め部材4との間に1つ以上のスペーサ8を把持するように配置される。追加的または代替的に、閉じ込め部材4は、例えば、重力またはバネ要素によって、リフティングエレメント31の方に偏らせることができる。
【0068】
図5-8に示すように、閉じ込め部材4は、カム41を含んで構成されている。カム41は、軸方向Xに閉じ込め体40から突出している。追加的または代替的に、カム41は、例えば径方向内側または径方向外側に突出してもよい。図1-4に最もよく示すように、スペーサ8は、複数の凹部または切欠部88を備えている。図示する実施形態において、凹部または切欠部88は、スペーサ8の内側リム85に形成されている。好ましくは、閉じ込め部材4は、スペーサ8の対応する凹部または切欠部88に挿入されるように配置された2つ以上のカム41をそれぞれ含んで構成されている。カム41は、好ましくは、中心軸Cを中心とする円周方向に均等に配置される。
【0069】
さらに図5-8に示すように、カム41はテーパ状である。当該テーパ形状は、カムがそれぞれの凹部または切欠部88内でセルフセンタリングすることを可能にしてもよい。凹部切欠部88自体は、矩形または概ね矩形の断面を有してもよい。追加的にまたは代替的に、凹部または切欠部88は、テーパ状であってもよい。当該テーパ状の凹部または切欠部88は、矩形または実質的に矩形の断面を有するカム41をセンタリングすることを可能にしてもよい。
【0070】
連動(interlocking)および/または補完的なプロファイルの代替構成、例えば、対応するカムおよびそれぞれの凹部または切欠部の組み合わせは、当技術分野における当業者に明らかであろう。例えば、閉じ込め部材4は、スペーサ、特に内側リム85から軸方向Xに突出する1つ以上のカムを受け入れるために閉じ込め体40に形成された1つ以上の切欠部または凹部を備えてもよい。代替的に、閉じ込め体40とスペーサ8の両方に、カムと切欠部または凹部の相補的な組み合わせを設けてもよい。さらなる代替案として、グリッパヘッド3のリフティングエレメント31および/またはガイドエレメント30は、スペーサ8の1つ以上の相補的なカム、凹部および/または切欠部と協働するために、1つ以上のカム、凹部および/または切欠部を備えてもよい。
【0071】
さらに、スペーサ8は、スペーサ本体80の第1の側面において、カムを備え、スペーサ本体80に関して第1の側面とは反対側の第2の側面において、凹部または切欠部88を備えてもよい。したがって、第1のスペーサ8のカムは、隣接して積層されたスペーサ8の凹部または切欠部88と協働することができる。
【0072】
図10および図11は、本発明の第2の態様に係る、スペーサ8、特にビードエイペックス9用のスペーサ8を取り扱うための製造ラインまたはハンドリングアセンブリ1を示す。図11に示すように、ハンドリングアセンブリ1は、本発明に係るグリッパ2を含んでいる。
【0073】
ハンドリングアセンブリ1は、第1のスペーサスタックS1を形成するために複数のスペーサ8を受け取るための第1のステーションA1を備える。スペーサ8は、積層方向Yに積層される。好ましくは、前記積層方向Yは、垂直または実質的に垂直である。ハンドリングアセンブリ1は、第2のスペーサスタックS2を形成するために複数のスペーサ8を受け取るための第2のステーションA2をさらに備えている。第2のスペーサスタックS2のスペーサ8は、同様に、積層方向Yに積層される。グリッパ2は、スペーサ8またはスペーサ8のサブスタックDを、第1のステーションA1における第1のスペーサスタックS1から第2のステーションA2における第2のスペーサスタックS2へ移送するように配置されている。このため、グリッパ2は、例えば、多軸ロボットアームや多方向ガイドシステムに取り付けることができる。
【0074】
製造ラインまたはハンドリングアセンブリ1は、処理ステーションPをさらに備える。処理ステーションPは、第2のステーションA2においてスペーサ8の1つからビードエイペックス9を受け取るように配置されるか、または第2のステーションA2においてスペーサ8の1つにビードエイペックス9を提供するかのいずれかであってもよい。本発明に係るグリッパ2は、ビードエイペックス9を第2のステーションA2のスペーサ8と処理ステーションPとの間で移送するように配置してもよい。あるいは、第2のステーションA2のスペーサ8と処理ステーションPとの間でビードエイペックス9を移送するために、さらなるグリッパを設けてもよい。
【0075】
図11に示すように、第1のステーションA1は、第1のスペーサスタックS1を支持するためのキャリア7、例えばカート、パレット、キャリッジまたはカートリッジを備えてもよい。完全にまたは部分的に空になったとき、キャリア7は、第2のステーションA2に移送されるスペーサ8のスタックをさらに備える、さらなるキャリア7と交換することができる。
【0076】
図10および図11に示す実施形態において、ハンドリングアセンブリ1は、タイヤ製造生産ラインの少なくとも一部を形成している。ハンドリングアセンブリ1は、処理ステーションPにタイヤ製造ドラム10を備えている。第1のステーションA1および第2のステーションA2は、タイヤ製造ドラム10にビードエイペックス9を供給するための供給ステーションである。第1のスペーサスタックS1のそれぞれのスペーサ8は、それぞれのビードエイペックス9を担持している。グリッパ2は、1つ以上のスペーサ8をそれに載置されたビードエイペックス9とともに把持し、当該1つ以上のスペーサ8を第2のステーションA2にある第2のスペーサスタックS2へ移送するように配置されている。ハンドリングアセンブリ1は、さらに、第2のスペーサスタックS2の最上段にあるスペーサ8のビードエイペックス9をタイヤ製造ドラム10に移送するように配置される。
【0077】
図10にさらに見られるように、製造ラインまたはハンドリングアセンブリ1は、第3のスペーサスタックS3を受け取るための第3のステーションA3と、第4のスペーサスタックS4を受け取るための第4のステーションA4とをさらに備える。第3のステーションA3は、第2のスペーサスタックS2からスペーサ8を受け取るために配置されている。特に、第3のステーションA3は、ビードエイペックス9が当該スペーサ8からタイヤ製造ドラム10に移送された後に、第2のスペーサスタックS2からスペーサ8を受け取るように配置されている。
【0078】
第4のステーションA4は、第3のスペーサスタックS3から空のスペーサ8を受け取るために配置されている。ハンドリングアセンブリ1のグリッパ2は、第3のスペーサスタックS3から第4のステーションA4にある第4のスペーサスタックS4へ同時に1つ以上の空のスペーサ8を移送するために使用されてもよい。あるいは、第3のステーションA3から第4のステーションA4へスペーサ8を移送するために、さらなるグリッパが使用されてもよい。
【0079】
第1のステーションA1と同様に、第4のステーションA4は、第4のスペーサスタックS4を受け取るためのカートまたはカートリッジ(図示せず)を備えてもよい。第4のステーションA4のカートまたはカートリッジは、例えば、所定数の空のスペーサ8が第4のスペーサスタックS4上に積み重ねられたときに交換されてもよい。
【0080】
代替的な実施形態(図示せず)において、ハンドリングアセンブリ1は、ビードエイペックス製造ラインの少なくとも一部を形成する。この実施形態では、処理ステーションPは、例えば、ビードエイペックスアセンブリユニットであってもよい。第1のステーションA1および第2のステーションA2は、空のスペーサ8を処理ステーションPに供給するように配置されている。ハンドリングアセンブリ1は、第2のステーションA2において、組み立てられたビードエイペックス9を空のスペーサ8に供給または移送するように配置されている。ビードエイペックス9を載せたスペーサ8は、第3のステーションA3へ、そしてその後第4のステーションA4へ移送されることができる。
【0081】
次に、グリッパ2を用いたスペーサ8の搬送方法について、図5図11を用いて説明する。
【0082】
図10および図11に示すように、本方法は、第1のステーションA1に第1のスペーサスタックS1を提供する工程を含む。この特定の実施形態において、第1のスペーサスタックS1のスペーサ8は、それぞれビードエイペックス9を備えている。本方法は、第1のスペーサスタックS1においてスペーサ8の1つ以上を把持する工程と、1つ以上のスペーサ8を第2のステーションA2に移送する工程とをさらに含む。当該工程は、以下により詳細に説明される。
【0083】
図5に示すように、本方法は、グリッパ2をスペーサ8のうちの1つの上方の位置に移動させる工程を含む。特に、グリッパ2は、第1のスペーサスタックS1の上方の位置に移動されている。グリッパ2の中心軸Cは、スペーサの軸Fと一直線上にあるか、実質的に一直線上にある。
【0084】
図6に示すように、本方法は、スペーサ8に対してグリッパを軸方向Xに移動させる工程を含む。グリッパヘッド3は、スペーサ8の中央開口部81から挿入される。グリッパヘッド3は、ガイドエレメント30の傾斜した周縁部によってセンタリングされる。その後、リフティングエレメント31は、径方向外側に移動され、すなわち、それぞれの回転軸を中心に回転され、スペーサ8のリム85と接触する。
【0085】
好ましくは、図8に示すように、グリッパヘッド3は、2つ以上のスペーサ8のスペーサスタックS1、S2、S3、S4またはサブスタックDの中央開口部81に挿入される。図8に示す実施形態では、グリッパヘッド3は、4つのスペーサ8のサブスタックDの中央開口部81に挿入される。その後、リフティングエレメント31は、4つのスペーサ8のサブスタックDの最下段のスペーサ8に接触するように径方向外側に移動される。
【0086】
図7及び図8に示すように、本方法はさらに、閉じ込め部材4をリフティングエレメント31に対して軸方向Xに相対的に移動させる工程を含み、特に、閉じ込め部材4はスペーサ8を把持するように接触すべく移動される。スペーサ8は、スペーサ8の切欠部88へのカム41の挿入によって、グリッパ2に対してセンタリングされる。さらに、グリッパヘッド3に対するスペーサ8の向きは、スペーサ8の切欠部88へのカム41の挿入によって影響されてもよい。特に、中心軸Cに対するスペーサ8の回転または角度位置は、スペーサ8の切欠部88へのカム41の挿入によって影響を受けてもよい。図8に示すように、スペーサ8のサブスタックDを保持する際、閉じ込め部材4は、スペーサ8のサブスタックDの最上段のスペーサ8に接触している。
【0087】
閉じ込め部材4とリフティングエレメント31との間にスペーサを閉じ込めながら、グリッパヘッド3に対してスペーサ8をセンタリングして位置を定めることに代えて、すなわち、スペーサ8を把持している間、スペーサ8を閉じ込めるおよび/または把持する前に、スペーサ8を中心軸Cに対してセンタリングおよび/または位置を定めてもよい。スペーサ8は、当該スペーサ8を支持するために、例えばコンベアなどの基準面(図示せず)上やスペーサのスタック上に提供されてもよい。
【0088】
スペーサ8を閉じ込めるおよび/または把持する前に、スペーサ8のセンタリングおよび/または位置決めは、本発明によるグリッパ1によって行われてもよい。この場合、グリッパヘッド3は、スペーサ8の中央開口部81を通して挿入される。スペーサ8は、グリッパヘッド3のテーパ状の表面、すなわちリフティングエレメント31の傾斜した周縁部によって、中心軸Cを中心にセンタリングされる。同時におよび/または続いて、グリッパヘッド3とスペーサ8との噛み合うまたは相補的なプロファイル、すなわち、それぞれカム41と切欠部88は、中心軸Cを中心としたグリッパヘッド3に対するスペーサ8の回転または角度位置に影響を与えるように相互に係合される。
【0089】
あるいは、スペーサ8のセンタリングおよび/または位置決めのために、別個の位置決めユニットを設けてもよい(図示せず)。上記グリッパ1と同様に、別個の位置決めユニットは、中心軸Cに沿いテーパ状になっているテーパ面を有する位置決めヘッドを備えている。別個の位置決めユニットは、スペーサ8のプロファイルと噛み合う、および/または相補的なプロファイルをさらに備える。別個の位置決めユニットは、例えば、スペーサ8の切欠部88と協働するための、グリッパヘッド3のカム41と同様のカムを備えていてもよい。
【0090】
図11に示すように、本方法は、スペーサ8のサブスタックDを第1のスペーサスタックS1から第2のステーションA2へ移送する工程をさらに含む。前記サブスタックDは、第2のステーションA2に既に存在するスペーサ8または第2のスペーサスタックS2の上に載置されるか、または第2のスペーサスタックS2を形成してもよい。好ましくは、サブスタックDは、第2のスペーサスタックS2が枯渇したときに、第2のステーションA2に移送される。サブスタックDは、タイヤ製造ドラム10におけるタイヤ製造工程を中断することなく、第1のステーションA1におけるキャリア7の交換を可能にするためのバッファを形成してもよい。
【0091】
図10および図11に示すように、本方法は、第2のステーションA2における最上段のスペーサ8のビードエイペックス9を処理ステーションPにあるタイヤ製造ドラム10に移送する工程をさらに含んでいる。図10に示すように、引き続いてまたは同時に、現在空のスペーサ8が第2のステーションA2から第3のステーションA3へ移送される。空のスペーサ8は、個別に第2のステーションA2から第3のステーションA3へ移送される。
【0092】
第3のステーションA3を形成する空のスペーサ8は、第4のステーションA4に移送され、第4のスペーサスタックS4が形成される。特に、少なくとも2つの空のスペーサ8のサブスタックDは、第3のステーションA3から第4のステーションA4へ移送される。好ましくは、サブスタックDは、少なくとも3つのスペーサ8を備える。より好ましくは、サブスタックDは、少なくとも4つのスペーサ8を備える。第1のステーションA1と第2のステーションA2との間のスペーサ8の移送と同様に、サブスタックDは、タイヤ製造ドラム10におけるタイヤ製造プロセスを中断することなく、第4のステーションA4におけるキャリア7の交換を可能にするためのバッファを形成してもよい。
【0093】
スペーサ8は、スペーサグリッパを用いて第3のステーションA3から第4のステーションA4へ移送される。好ましくは、前記スペーサグリッパは、本発明に係るグリッパ2である。前記グリッパ2は、スペーサ8を第1のステーションA1から第2のステーションA2に移送するために使用されるものと同じグリッパ2であってもよい。あるいは、第2のグリッパ2を使用してもよい。
【0094】
図9は、本発明の代替的な実施形態による代替的なグリッパ102を示す。代替的なグリッパ102は、グリッパヘッド103がスペーサ8上のビードエイペックス9の存在を検出するための検出器5を備えている点で、先に説明したグリッパ2とは異なっている。特に、検出器5は、スペーサ8上のビードエイペックス9の存在を検出するための接触センサを備える。あるいは、検出器5は、例えば、スペーサ8上のビードエイペックス9の存在を検出するための光センサを備えてもよい。
【0095】
図10に示すように、ハンドリングアセンブリ1は、例えば、重量または接合品質などのビードエイペックス9の特徴をチェックするためのチェックステーションBを備えてもよい。チェックに応じて、ビードエイペックスは承認または拒否され、スペーサ8から除去または廃棄されてもよい。チェックステーションBからスペーサ8をピックアップするとき、グリッパ102は、したがって、チェックステーションBにおいて、またはスペーサ8を移送するときに、スペーサ8上のビードエイペックス9の存在を検出してもよい。したがって、スペーサ8上のビードエイペックス9の検出の有無に応じて、グリッパはスペーサ8を後続のステーションに自動的に移送してもよい。例えば、グリッパ102は、その上にビードエイペックスを有するスペーサ8を第1のステーションA1に移送して、タイヤ製造ドラム10に供給してもよい。言い換えれば、スペーサ8、より詳細にはビードエイペックスは、タイヤ製造プロセスに再導入されてもよい。あるいは、グリッパ102は、空のスペーサ8を、第4のステーションA4、またはさらなるビードエイペックス9を受け取るためのビードエイペックス組立ラインに移送してもよい。
【0096】
図9に示す実施形態では、検出器5は、グリッパヘッド3と共に軸方向に移動可能である。あるいは、グリッパ2は、グリッパヘッド3に対する検出器5の少なくとも一部の移動を駆動するための検出器駆動装置(図示せず)を備えてもよい。
【0097】
検出器5は、スペーサ8上に存在するビードエイペックス9に接触するためのプローブ51を備える。プローブ51は、軸方向Xに沿いまたは実質的に沿い延在している。接触センサは、例えば、プローブ51の末端部に配置されるか、またはプローブ51に搭載されてもよい。
【0098】
好ましくは、プローブ51の末端は、スペーサ8の支持面82の向きに適合している。特に、プローブ51の末端は、スペーサ8の支持面82に沿って、中心軸Cに垂直な径方向の平面に対して同一または実質的に同一な角度で延びるように配置される。
【0099】
好ましくは、プローブは、スペーサ8の径方向開口部84のうちの1つを通じて挿入可能である。したがって、プローブ51は、最上段のスペーサ8を通って到達し、下方のスペーサ8上のビードエイペックス9の存在を検出することができる。好ましくは、プローブ51は、径方向開口部84の径方向の全長に沿って延びるように設けられる。したがって、検出器5は、径方向開口部84の範囲内の任意の径方向位置にあるビードエイペックス9の存在を検出してもよい。
【0100】
次に、代替的なグリッパ102を使用する方法を、図9を用いて説明する。本方法は、スペーサ8を把持する工程と、検出器5を用いてスペーサ8上のビードエイペックス9の存在を検出する工程とを含む。スペーサ8上のビードエイペックス9の存在の検出は、スペーサ8を把持する工程の前、後または最中に行われてもよい。
【0101】
本方法は、検出器のセンサの出力に基づいて、スペーサ8を後続のステーションに選択的に移送する工程をさらに含む。
【0102】
図12-15は、本発明の代替的な実施形態によるスペーサ8を取り扱うための更なるハンドリングアセンブリ201及び方法の工程を示す。ハンドリングアセンブリ201は、空のスペーサ8の第1のスタックS5を受け取るための第1のステーションA5を備える。言い換えれば、第1のステーションA5は、空のスペーサ8をビードエイペックス処理ステーションに供給するための供給ステーションである。ハンドリングアセンブリ201は、第1のスペーサスタックS5からの空のスペーサ8と、ビードエイペックス処理ステーション(図示せず)からのビードエイペックス9とを交互に受け取り、それぞれがビードエイペックス9を備えるスペーサ8の第2のスペーサスタックS6を形成するために配置されている第2のステーションA6をさらに備える。
【0103】
第1のスペーサスタックS5および第2のスペーサスタックS6は、それぞれ第1のステーションA5および第2のステーションA6において、キャリア7、例えばカート、パレット、キャリッジまたはカートリッジ上に提供される。キャリア7は、それぞれのスペーサスタックS5、S6をその上で支持するための支持体を備える。例えば、図15に示すように、スペーサ8をキャリア7に恒久的にまたは着脱自在に取り付けることができる。取り付けられたスペーサ8は、ビードエイペックス9を収容するとともに、スペーサ8のスタックをその上で支持してもよい。
【0104】
ハンドリングアセンブリ201は、スペーサ8を第1のステーションA5から第2のステーションA6に移送するために、本発明に係るグリッパ2をさらに備える。図14に示すように、グリッパ2は、キャリア7と共にスペーサ8のサブスタックDを移送するように配置されている。キャリア7に取り付けられたスペーサ8の場合、グリッパ2は、キャリア7を移送するために、好適に当該取り付けられたスペーサ8を把持してもよい。
【0105】
スペーサ8を第1のスペーサスタックA5から第2のスペーサスタックA6に移送するためのさらなる方法について、図12-15を用いて説明する。
【0106】
図12に示すように、第1のスペーサスタックS5を載置した第1のキャリア7が、第1のステーションA5に配置されている。本実施形態では、第1のスペーサスタックS5は、空のスペーサ8を備える。第2のキャリア7は、第2のステーションA6に配置されている。ビードエイペックス9を有するスペーサ8を備える第2のスペーサスタックS6が、第2のキャリア7の上に形成されている。グリッパ2は、第1のスペーサスタックS5から最上段のスペーサ8を把持して、当該スペーサ8を第2のスペーサスタックS6に移送する。
【0107】
図13に示すように、所定量のスペーサ8が、第1のスペーサスタックS5から第2のスペーサスタックS6に移送されている。特に、スペーサ8とビードエイペックス9は、第2のスペーサスタックS6に交互に載置されている。第1のスペーサスタックS5はほぼ空であり、第1のスペーサスタックS5への補充がほぼ必要な状態である。グリッパ2は、第2のスペーサスタックS6の上に空のスペーサ8を放出した。続いて、グリッパ2は、第1のスペーサスタックS5に向かって戻される。ビードエイペックス9が、例えば、ビードエイペックス処理ステーション(図示せず)から、第2のスペーサスタックS6の最上段にある当該空のスペーサ8に移送される。好ましくは、ビードエイペックス9のスペーサ8への移送には、別のビードエイペックスグリッパ(図示せず)が使用される。
【0108】
同様の方法は、ビードエイペックス9をタイヤ製造ドラムに供給する場合にも用いることができる。後者の場合、第1のスペーサスタックS5は、各々がビードエイペックス9を有するスペーサ8を備える。ビードエイペックス9は、スペーサ8が第1のスペーサスタックS5から第2のスペーサスタックS6に移送される前に、最上段のスペーサ8から除去される。
【0109】
図14に示すように、第2のスペーサスタックS6を担持するキャリア7は、第2のステーションA6から取り外されており、さらなるキャリア7が当該第2のステーションA6に配置されることを可能にしている。グリッパ2は、第2のステーションA6に移送されるスペーサ8の残りの第1のスペーサスタックS5またはサブスタックDを載せたキャリア7を把持している。
【0110】
図15に示すように、グリッパ2は、キャリア7を第1のステーションA5から移送し、当該キャリア7を第2のステーションA6に載置した。第1のスペーサスタックS5を補充するために、さらなるスペーサ8のスタックを含む新たなキャリア7が第1のステーションA5に移送されつつある。
【0111】
この特定の実施形態では、グリッパ2は、第2のステーションA6において、キャリア7をスペーサ8のサブスタックD全体と共に解放している。その後、グリッパ2は、第2のステーションA6において、スペーサ8が取り付けられたキャリア7のみを残して、スペーサ8のサブスタックDを把持している。ビードエイペックス9は、この際、キャリア7に取り付けられた前記スペーサ8上に配置されてもよい。グリッパ2は、次に、1つずつ、同様の方法でサブスタックDのスペーサ8のそれぞれをキャリアの上に載置して、第2のステーションA6においてさらなる第2のスペーサスタックS6を形成してもよい。
【0112】
あるいは、グリッパ2は、スペーサ8の残りのサブスタックDを保持したまま、取り付けられたスペーサ8を有するキャリッジ7のみを解放するように配置されてもよい。その後、残りのスペーサ8を保持したまま、サブスタックDのスペーサ8を1つずつキャリッジ7に載置する。
【0113】
したがって、第1のステーションA5における第1のスタックS5が補充されている間、グリッパ2は、スペーサ8のサブスタックDのスペーサ8を第2のステーションA6においてキャリア7に1つずつ提供し続けることができる。特に、第1のステーションA6における第1のスペーサスタックS5は、第2のステーションA6への個々のスペーサ8の供給を含むプロセスを中断することなく、または実質的に中断することなく補充されることができる。
【0114】
第1のステーションA5における第1のスペーサスタックS5が補充され、グリッパ2がサブスタックDの全てのスペーサ8を載置したとき、グリッパ2は、第1のステーションA5における補充された第1のスタックS5から、第2のステーションA6において新たに形成された第2のスタックS6に個々のスペーサ8を移送するために使用される。したがって、上述したような方法の工程が繰り返される。
【0115】
図16は、本発明の更なる代替的な実施形態に係るグリッパ302を示す。グリッパ302は、グリッパヘッド303がスペーサ8の外周を把持するように配置されている点で、先に説明したグリッパ2とは異なっている。特に、グリッパヘッド303は、中心軸Cに関してスペーサの径方向外側に延びる代替的なガイドエレメント330を備える。したがって、リフティングエレメント331は、スペーサ8の外側リムを保持するように配置される。この特定の実施形態において、リフティングエレメント331は、スペーサ8の外側リムの下に到達するために、径方向Rとは反対の径方向内側に移動可能である。あるいは、リフティングエレメント331は、スペーサとバヨネット型の接続を形成してもよく、すなわち、リフティングエレメント331は、中心軸Cを中心とする回転によってスペーサに係合することができる。
【0116】
上記の説明は、好ましい実施形態の動作を説明するために含まれ、本発明の範囲を限定することを意味しないことを理解されたい。上記の議論から、本発明の範囲にさらに包含される多くの変形形態が当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0117】
1:ハンドリングアセンブリ
10:タイヤ製造ドラム
2:グリッパ
21:グリッパ駆動装置
3:グリッパヘッド
30:ガイドエレメント
31:リフティングエレメント
4:閉じ込め部材
40:閉じ込め体
41:カム
5:検出器
51:プローブ
7:キャリア
8:スペーサ
80:スペーサ本体
81:中央開口部
82:支持面
84:径方向開口部
85:リム
88:切欠部
9:ビードエイペックス
102:代替的なグリッパ
201:代替的なハンドリングアセンブリ
302:代替的なグリッパ
303:代替的なグリッパヘッド
330:代替的なガイドエレメント
331:代替的なリフティングエレメント
A1:第1のステーション
A2:第2のステーション
A3:第3のステーション
A4:第4のステーション
A5:代替的な第1のステーション
A6:代替的な第2のステーション
B:チェックステーション
C:中心軸
D:サブスタック
F:スペーサ軸
P:処理ステーション
R:径方向
S1:第1のスペーサスタック
S2:第2のスペーサスタック
S3:第3のスペーサスタック
S4:第4のスペーサスタック
S5:代替的な第1のスペーサスタック
S6:代替的な第2のスペーサスタック
X:軸方向
Y:積層方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2023-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スペーサ、特にビードエイペックスを収容するためのスペーサを、1つ以上の前記スペーサを含むスペーサスタックから保持するためのグリッパであって、
前記グリッパは、中心軸に平行な軸方向に延びるグリッパヘッドと、前記スペーサを持ち上げるために前記グリッパヘッドにより支持される複数のスペーサリフティングエレメントと、を備え、
前記リフティングエレメントは、前記スペーサに当接するために前記グリッパヘッドに対して移動可能であり、
前記グリッパは、前記スペーサの少なくとも一部を前記軸方向において閉じ込め部材と前記リフティングエレメントとの間に閉じ込めるための前記閉じ込め部材をさらに備える、グリッパ。
【請求項2】
前記閉じ込め部材と前記リフティングエレメントとは、前記軸方向において相対的に移動可能である、請求項1に記載のグリッパ。
【請求項3】
前記グリッパは、前記リフティングエレメントと前記閉じ込め部材との間の相対的な移動を駆動するためのグリッパ駆動装置を備える、請求項2に記載のグリッパ。
【請求項4】
前記グリッパは、少なくとも2つのスペーサのサブスタックを、前記閉じ込め部材と前記リフティングエレメントとの間に前記軸方向において閉じ込める、請求項1に記載のグリッパ。
【請求項5】
前記グリッパは、少なくとも3つまたは少なくとも4つのスペーサのサブスタックを、前記閉じ込め部材と前記リフティングエレメントとの間に前記軸方向において閉じ込める、請求項4に記載のグリッパ。
【請求項6】
前記閉じ込め部材は、前記中心軸に垂直な径方向の平面内に延びる閉じ込め体を備える、請求項1に記載のグリッパ。
【請求項7】
前記閉じ込め本体は、クランプリングである、請求項6に記載のグリッパ。
【請求項8】
前記閉じ込め部材は、前記閉じ込め体から前記軸方向に突出する1つ以上のカムを備え、前記1つ以上のカムは、前記スペーサの対応する切欠部にそれぞれ挿入されるように配置されている、請求項6に記載のグリッパ。
【請求項9】
前記閉じ込め部材は、前記スペーサから軸方向に突出する1つ以上のカムを受け入れるために前記閉じ込め体に形成された1つ以上の切欠部または凹部を備える、請求項6に記載のグリッパ。
【請求項10】
前記1つ以上のカムの少なくとも1つは、テーパ状である、請求項8に記載のグリッパ。
【請求項11】
前記複数のカムは、前記中心軸を中心とする周方向に均等に配置される、請求項8に記載のグリッパ。
【請求項12】
前記スペーサは、中央開口部を規定する内側リムを備え、前記グリッパヘッドは、前記中央開口部に届くように配置され、前記リフティングエレメントは、前記内側リムに係合するように移動可能である、請求項1に記載のグリッパ。
【請求項13】
前記グリッパヘッドは、前記スペーサの前記中央開口部に対してセルフセンタリングする、請求項12に記載のグリッパ。
【請求項14】
前記グリッパヘッドは、その末端に向かってテーパ状になっている、請求項13に記載のグリッパ。
【請求項15】
前記グリッパは、前記スペーサ上のビードエイペックスの存在を検出するための検出器をさらに備える、請求項1に記載のグリッパ。
【請求項16】
前記検出器は、前記スペーサ上のビードエイペックスの存在を検出するための光センサを備える、請求項15に記載のグリッパ。
【請求項17】
前記検出器は、前記スペーサ上のビードエイペックスの存在を検出するための接触センサを備える、請求項15に記載のグリッパ。
【請求項18】
前記検出器は、前記スペーサの支持面の径方向開口部に挿入可能に配置されたプローブを更に備える、請求項17に記載のグリッパ。
【請求項19】
前記プローブは、前記グリッパヘッドに対して相対的に移動可能である、請求項18に記載のグリッパ。
【請求項20】
前記グリッパは、前記グリッパヘッドに対する前記プローブの相対的な移動を行うための検出器駆動装置を備える、請求項19に記載のグリッパ。
【請求項21】
スペーサを取り扱うためのハンドリングアセンブリであって、前記ハンドリングアセンブリは、複数のスペーサからなる第1のスペーサスタックを受け取るための第1のステーションと、第2のスペーサスタックを形成するために複数のスペーサを受け取るための第2のステーションとを備え、前記ハンドリングアセンブリは、スペーサまたはスペーサのサブスタックを前記第1のステーションにおける前記第1のスペーサスタックから前記第2のステーションに移送するために請求項1に記載の前記グリッパを更に備える、ハンドリングアセンブリ。
【請求項22】
スペーサ、特にビードエイペックス用のスペーサを第1のステーションから第2のステーションに移送するための方法であって、前記第1のステーションにおいて、複数のスペーサを含む第1のスペーサスタックが提供され、前記方法は、請求項1に記載の前記グリッパを使用して、前記スペーサを前記第1のスペーサスタックの最上段から前記第2のステーションに移送する工程を含む、方法。
【請求項23】
前記方法は、前記グリッパを使用して、少なくとも2つのスペーサのサブスタックを、前記第1のスペーサスタックの最上段から前記第2のステーションに移送する工程を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記方法は、前記グリッパを使用して、少なくとも3つまたは少なくとも4つのスペーサのサブスタックを、前記第1のスペーサスタックの最上段から前記第2のステーションに移送する工程を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のスペーサスタックは、前記第1のステーションでキャリア上に提供され、前記方法は、前記グリッパを使用して、前記キャリアを前記第1のスペーサスタックとともに前記第2のステーションに移送する工程を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のスペーサスタックは、少なくとも2つのスペーサを含み、前記キャリアの前記第1のスペーサスタックとの前記移送は、
a)前記第1のステーションにおいて前記グリッパを用いて前記キャリアを前記第1のスペーサスタックと一緒と把持する工程と、
b)前記キャリアを前記第2のステーションに配置する工程と、
c)続いて前記第2のステーションで第2のスペーサスタックを形成するため前記第1のスペーサスタックの少なくとも2つのスペーサを1つずつ前記キャリアに配置する工程と、を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記方法は、前記第1のステーションまたは前記第2のステーションにおいて、前記最上段のスペーサ上にビードエイペックスを配置する工程または前記最上段のスペーサからビードエイペックスを除去する工程をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記方法は、2つのそれぞれのステーション間の移送中に、前記サブスタックを前記リフティングエレメントと前記閉じ込め部材との間で把持する請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記グリッパは、前記スペーサ上のビードエイペックスの存在を検出するための検出器をさらに備え、
前記方法は、
a)前記スペーサ上におけるビードエイペックスの有無の検出工程と、
b)前記スペーサ上における前記ビードエイペックスの有無に基づく前記第2のステーションの選択工程と、
c)前記第1のステーションから前記選択された第2のステーションへの前記スペーサの移送工程と、
を含む請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記スペーサ上の前記ビードエイペックスの有無は、前記グリッパの前記検出器を用いて検出される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記方法は、
a)前記スペーサを前記中心軸に対してセンタリングする工程と、
b)前記中心軸を中心として前記スペーサを所定の回転位置に回転させる工程と、
を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
前記スペーサはプロファイルを備え、前記グリッパは相補的なプロファイルを備え、工程b)は、前記スペーサの前記プロファイルを、前記グリッパの前記相補的なプロファイルと連動させることを含む、請求項31に記載の方法。
【国際調査報告】