(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-27
(54)【発明の名称】顆粒化された毛髪染料組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9789 20170101AFI20231220BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20231220BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20231220BHJP
A61Q 5/06 20060101ALI20231220BHJP
A61K 8/42 20060101ALI20231220BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20231220BHJP
A61K 8/40 20060101ALI20231220BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20231220BHJP
A61Q 5/10 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61K8/49
A61K8/73
A61Q5/06
A61K8/42
A61K8/46
A61K8/40
A61K8/41
A61Q5/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023530596
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(85)【翻訳文提出日】2023-07-18
(86)【国際出願番号】 EP2021082321
(87)【国際公開番号】W WO2022106628
(87)【国際公開日】2022-05-27
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523044356
【氏名又は名称】ウェラ ジャーマニー ゲーエムベーハー
(71)【出願人】
【識別番号】521080901
【氏名又は名称】ウエラ インターナショナル オペレーションズ スウィッツァーランド エスエーアールエル
【氏名又は名称原語表記】Wella International Operations Switzerland Sarl
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シッターベルク-ミユールタウ, シュテファニー
(72)【発明者】
【氏名】サッロ, ダビド
(72)【発明者】
【氏名】ヘス, ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】エークホフ, フランツィスカ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083AC551
4C083AC641
4C083AC731
4C083AC791
4C083AC851
4C083AC861
4C083AD211
4C083AD212
4C083AD351
4C083AD352
4C083CC36
4C083DD16
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE26
4C083FF01
(57)【要約】
顆粒化された毛髪染料組成物、それを用いて得られる塗布剤、それを調製する方法およびその染色方法を提供する。顆粒化された毛髪染料組成物は、天然毛髪染色剤、天然増粘剤、および任意で直接染料を含み、天然染色剤が天然増粘剤で被覆されることにより顆粒物を形成している。従来の非酸化型毛髪染色組成物よりも少ない材料を含むダストフリーの組成物であって、ほとんどが天然由来であり、水と容易に混合でき、塗布剤として液垂れを最小限にしながら、または液垂れなく毛髪上に塗布でき、一方で、改良されたユーザーの染色体験および毛髪の均一な染色を供するが、光沢および毛髪の手触りを含まないダストフリーの組成物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顆粒化された毛髪染色組成物であって、顆粒化された毛髪染色組成物が、その合計重量の少なくとも60%の天然毛髪染色剤、10~30%の天然増粘剤、および任意選択で0~10%の直接染料を含み、天然染色剤が、天然増粘剤で被覆されることにより顆粒物を形成している、顆粒化された毛髪染色組成物。
【請求項2】
実質的に無水である、請求項1に記載の顆粒化された毛髪染色組成物。
【請求項3】
流動床造粒により得られる、請求項1または2に記載の顆粒化された毛髪染色組成物。
【請求項4】
天然染色剤が、ローソニア・イネルミス(Lawsonia Inermis)葉粉末(ヘナ)、インディゴを生成する植物の粉末、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の顆粒化された毛髪染色組成物。
【請求項5】
天然増粘剤が、グルカン、改質多糖類および非改質多糖類、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、デキストラン、セルロースおよびそれらの誘導体、マンナン、キシラン、リグニン、アラバン、ガラクタン、ガラクツロナン、キチン、キトサン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、キシログルカン、グルコマンナン、ペクチン酸およびペクチン、アルギン酸およびアルギネート、アラビノガラクタン、カラギーナン、寒天、グリコサミノグルカン、アラビアガム、トラガカントガム、ガティガム、カラヤガム、カロブガム、ガラクトマンナン、キサンタンガム、ジェランガム、ウェランガム、スクレログルカン、スクシノグリカン、およびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の顆粒化された毛髪染色組成物。
【請求項6】
直接染料が、HC Yellow 17、HC Blue 18、HC Yellow 16、HC Red 18;Acid Yellow 1、Acid Orange 3、Acid Black 1、Acid Black 52、Acid Orange 7、Acid Red 33、Acid Yellow 23、Acid Blue 9、Acid Violet 43、Acid Blue 62、Acid Blue 25、Acid Red 4等の酸性染料;Basic Brown 17、Basic Red 118、Basic Orange 69、Basic Red 76、Basic Brown 16、Basic Yellow 57、Basic Violet 14、Basic Blue 7、Basic Blue 26、Basic Red 2、Basic Red 76、Basic Violet 2、Basic Blue 99、Basic Yellow 29、Basic Red 51、Basic Orange 31、Basic Yellow 87、Basic Blue 124、4-(3-(4-アミノ-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-1-イルアミノ)プロピル)-4-メチルモルホリン-4-イウム-メチルスルフェート、(E)-1-(2-(4-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)ジアゼニル)フェニル)(エチル)アミノ)エチル)-3-メチル-1H-イミダゾール-3-イウム塩化物、(E)-4-(2-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)ジアゼニル)-1-メチル-1H-イミダゾール-3-イウム-3-イル)ブタン-1-スルホネート、(E)-4-(4-(2-メチル-2-フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジニウム-1-イル)ブタン-1-スルホネート、N,N-ジメチル-3-(4-(メチルアミノ)-9,10-ジオキソ-4a,9,9a,10-テトラヒドロアントラセン-1-イルアミノ)-N-プロピルプロパン-1-アミニウム臭化物等の塩基性染料;Disperse Red 17、Disperse Violet 1、Disperse Red 15、Disperse Black 9、Disperse Blue 3、Disperse Blue 23、Disperse Blue 377等の分散染料;1-(2-(4-ニトロフェニルアミノ)エチル)尿素、2-(4-メチル-2-ニトロフェニルアミノ)エタノール、4-ニトロベンゼン-1,2-ジアミン、2-ニトロベンゼン-1,4-ジアミン、ピクリン酸、HC Red No.13、2,2’-(2-ニトロ-1,4-フェニレン)ビス(アザンジイル)ジエタノール、HC Yellow No.5、HC Red No.7、HC Blue No.2、HC Yellow No.4、HC Yellow No.2、HC Orange No.1、HC Red No.1、2-(4-アミノ-2-クロロ-5-ニトロフェニルアミノ)エタノール、HC Red No.3、4-アミノ-3-ニトロフェノール、4-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-3-ニトロフェノール、2-アミノ-3-ニトロフェノール、2-(3-(メチルアミノ)-4-ニトロフェノキシ)エタノール、3-(3-アミノ-4-ニトロフェニル)プロパン-1,2-ジオール、ヒドロキシエチル-2-ニトロ-p-トルイジン、HC Yellow No.11、HC Violet No.1、HC Orange No.2、HC Orange No.3、HC Yellow No.9、HC Red No.10、HC Red No.11、2-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-4,6-ジニトロフェノール、HC Blue No.12、HC Blue No.2、HC Blue No.16、HC Yellow No.6、HC Yellow No.12、HC Blue No.10、HC Yellow No.7、HC Yellow No.10、HC Blue No.9、2-クロロ-6-(エチルアミノ)-4-ニトロフェノール、6-ニトロピリジン-2,5-ジアミン、HC Violet No.2、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-(3-ヒドロキシプロピルアミノ)-3-ニトロフェノール、HC Yellow No.13、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン、HC Red No.14、HC Yellow No.15、HC Yellow No.14、N2-メチル-6-ニトロピリジン-2,5-ジアミン、N1-アリル-2-ニトロベンゼン-1,4-ジアミン、HC Red No.8、HC Green No.1、HC Blue No.14等のニトロ染料、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の顆粒化された毛髪染色組成物。
【請求項7】
さらに天然のコンディショニング剤を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の顆粒化された毛髪染色組成物。
【請求項8】
天然のコンディショニング剤が、カシア・アウリクラタ(Cassia Auriculata)葉粉末、カシア・アンガスティフォリア(Cassia Angustifolia)葉粉末、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項7に記載の顆粒化された毛髪染色組成物。
【請求項9】
いかなる脂肪族化合物も実質的に含まない、請求項1から8のいずれか一項に記載の顆粒化された毛髪染色組成物。
【請求項10】
いかなる界面活性剤も実質的に含まない、請求項1から9のいずれか一項に記載の顆粒化された毛髪染色組成物。
【請求項11】
非酸化型組成物である、請求項1から10のいずれか一項に記載の顆粒化された毛髪染色組成物。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の顆粒化された毛髪染色組成物を得る方法であって、下記工程:
- 天然毛髪染色剤を含む粉末を提供する工程と、
- 天然増粘剤の水溶液を提供する工程と、
- 顆粒物を得るために粉末を天然増粘剤の水溶液で湿潤させる工程と、
- 顆粒物を乾燥させる工程と
を含む、方法。
【請求項13】
請求項1から11のいずれか一項に記載の毛髪染色組成物および化粧料として許容される水性担体を含む毛髪染色塗布剤であって、毛髪染色組成物と化粧料として許容される水性担体が、1:1~1:10の重量比で混合される、毛髪染色塗布剤。
【請求項14】
毛髪を染色する方法であって、下記工程:
- 請求項1から11のいずれか一項に記載の顆粒化された毛髪染色組成物を提供する工程と、
- 毛髪染色組成物を、化粧料として許容される担体と1:5の重量比で均一に混合する工程と、
- 毛髪上に均一な毛髪染色塗布剤を塗布する工程と、
- 所定の作用時間の間、塗布された毛髪染色塗布剤を毛髪上で作用させる工程と、
- 水で毛髪を洗い流す工程と、
- 任意でシャンプーで毛髪を洗浄する工程と、
- 任意で水で洗い流す工程と、
- 任意で毛髪を90%乾燥するまで風乾させる工程と
を含む、方法。
【請求項15】
毛髪の半永久的な染色のための、顆粒化された毛髪染色組成物およびそれから得られる毛髪染色塗布剤の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顆粒化された毛髪染料組成物、それを調製する方法およびその使用方法に関する。上記顆粒化された毛髪染料組成物は、天然毛髪染色剤、天然増粘剤、および任意で直接染料を含み、上記天然染色剤が上記天然増粘剤で被覆されることにより顆粒物を形成している。本発明は、従来の非酸化型毛髪染色組成物よりも少ない材料を含むダストフリーの組成物であって、ほとんどが天然由来であり、水と容易に混合でき、塗布剤(poultice)として液垂れを最小限にしながら、または液垂れなく毛髪上に塗布でき、一方で改良されたユーザーの染色体験および毛髪の均一な染色を提供し、そして非常に優れた光沢および大きく改良された毛髪の手触りも提供するダストフリーの組成物を提供する。
【背景技術】
【0002】
毛髪は、一般的に、酸化型毛髪染色方法または非酸化型毛髪染色方法を使用して染色される。
【0003】
酸化型毛髪染色は、少なくとも酸化型染料(一次中間体およびカプラーを含む)、酸化剤およびアルカリ化剤を含む酸化型毛髪染色組成物を使用することにより達成される。酸化型毛髪染色方法は、毛髪の染色を(永久的に)長持ちさせ、良好な洗浄の速さ、および多種多様な色合いを供する。しかし、上記方法は面倒であり、毛髪を傷め、アレルギー反応または皮膚過敏症を引き起こす可能性がある。
【0004】
非酸化型毛髪染色は、天然染料および/または直接染料を含むが、いかなる酸化剤および/またはアルカリ化剤も通常含まない非酸化型毛髪染色組成物を使用することにより達成される。非酸化型毛髪染色方法は、毛髪の半永久的な染色のみを供し、他方で、傷みを抑えるか全く引き起こすことなく、そしてアレルギー反応または皮膚過敏症を抑えるか全く引き起こすことがない。
【0005】
ここ数年で、ユーザー、消費者、および理髪師は、酸化型毛髪染色方法に代えて、非酸化型毛髪染色方法を使用することに高い関心を示している。特に、ユーザーは、「天然かつ安全な」製品、すなわち、天然由来、特に植物由来から得られる/植物に由来する化合物を含み、かつ特に原油に由来する合成の化学化合物を可能な限り含まない製品に対して今までにないほど高い関心を深めてきた。また、「シンプルかつ効果の高い」製品、すなわち、その効果の高さを犠牲にすることのない、化合物量が少ない製品に対して今までにないほどの高い関心も存在する。
【0006】
ヘナ粉末(ローソニア・イネルミス(Lawsonia Inermis)葉粉末)およびインディゴを生成する植物(例えばタイワンコマツナギ(Indigofera Tinctoria)葉粉末)の粉末等の天然染料は、何世紀もの間、ケラチン繊維の染色、特に毛髪を染色するために使用されてきた。他の天然染料粉末は、例えばカモミール花、クルクマ根、ルバーブ、クロウメモドキ樹皮、オリーブ樹木葉、カナディアン・ブラッドルート(Canadian bloodroot)、ウコン、イエローウッド、レッドウッド、ログウッド、マダー根、ブラックエルダーベリー、ブラックチョークベリーからも得られている。
【0007】
原料粗粉末は、塗布剤として毛髪上に塗布する前に、従来から水、特に温水と混合される。しかし、そのような原料粗粉末は、通常、様々なサイズの顆粒物を含み、塗布剤を得るために水で混合する工程は、容易でなく、均一にならない。微粉末もまた、使用されてきた。しかし、水と混合しやすくなり得るにも関わらず、そのような微粉末は多くのダストを生じる。加えて、得られた混合物は、毛髪上に塗布してから洗い落とすことも困難であり得るため、依然ケラチン繊維の不均一な染色を導くおそれがある。加えて、これらの原料粗粉末は、輸送および保管を通じて密度の異なる成分の分離を発現するおそれがある。それ故に、重い成分は容器の下部に蓄積する傾向にあるのに対し、軽い成分は容器の上部に蓄積する傾向にある。このようにして同じ量の粉末混合物が異なる組成物を与え、そして結果的に異なる染色結果を与えるおそれがあるが、これはユーザーから敬遠される。
【0008】
満足のいく染色性能を有するダストフリーの毛髪染色組成物を提供することを目的として、種々の配合物が開発されてきた。例えば、米国特許第6,302,920 B1号は、約40℃と約130℃との間に流動点を有する溶融したワックス化合物を噴霧することにより被覆または凝集させた、流動性のある粉状の脱色組成物または染色組成物を特に開示している。欧州特許出願EP 0806199 A1およびEP 0806200 A2は、粉末状の天然染色剤および油を含む、懸濁液の形態の毛髪染色組成物を特に開示している。国際出願WO 2013/083701 A1およびWO 2013/083702 A1は、天然染料および油および/またはバターを含む毛髪染色組成物を開示している。国際出願WO 2014/174113 A2は、天然染料、油および糖類を含む毛髪染色組成物を特に開示している。これらの組成物は抑えられたダスト性を示す可能性があり、そして満足のいく染色結果を供する可能性がある。しかし、油の存在は、水により、さらには温水によっても毛髪染色組成物の混和性に悪影響を与えることにより、混合工程および毛髪上への塗布工程を煩雑にする可能性がある。加えて、油の存在は、毛髪上に残留物を残すことで、上記塗布剤を洗い落とした後でも脂っぽさを残し、過剰なシャンプーの使用を要することで、毛髪の手触りを悪くし、色結果を弱めるおそれがある。
【0009】
従って、毛髪上に塗布する前に水と容易に混合できるダストフリーの非酸化型毛髪染色組成物を提供するニーズは依然存在する。また、ほとんどが天然の化合物、特に植物由来の化合物で構成されるが染色性能が犠牲にならない非酸化型毛髪染色組成物を提供するニーズも存在する。また、シンプルな非酸化型毛髪染色組成物、すなわち、例によって化合物量は少ないが、染色性能を犠牲にすることのない組成物を提供するニーズも存在する。水と混合した後、塗布剤として液垂れを最小限にしながら、または液垂れなく毛髪上に塗布され得る、流動性のある非酸化型毛髪染色組成物を提供するニーズが存在する。また、改良されたユーザーの染色体験および毛髪の均一な染色を供するが、光沢および毛髪の手触りを含まない毛髪染料組成物を提供するためのニーズも存在する。改良された光沢および毛髪の手触りを与える毛髪染料組成物を提供するニーズも存在する。
【発明の概要】
【0010】
第一の態様において、本発明は、顆粒化された毛髪染色組成物であって、上記顆粒化された毛髪染色組成物が、その合計重量の少なくとも60%の天然毛髪染色剤、10~30%の天然増粘剤、および任意で0~10%の直接染料を含み、上記天然染色剤が、上記天然増粘剤で被覆されることにより顆粒物を形成している、毛髪染色組成物に関する。
【0011】
いくつかの実施形態において、上記顆粒化された毛髪染色組成物は、実質的に無水である。
【0012】
いくつかの実施形態において、上記顆粒化された毛髪染色組成物は、流動床造粒により得られる。
【0013】
いくつかの実施形態において、上記天然染色剤は、ローソニア・イネルミス(Lawsonia Inermis)葉粉末(ヘナ)、インディゴを生成する植物の粉末、およびそれらの混合物からなる群より選択され、好ましくはローソニア・イネルミス(Lawsonia Inermis)葉粉末(ヘナ)、インディゴを生成する植物の粉末、およびそれらの混合物からなる群より選択される。
【0014】
いくつかの実施形態において、上記天然増粘剤は、グルカン、改質多糖類および非改質多糖類、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、デキストラン、セルロースおよびそれらの誘導体、マンナン、キシラン、リグニン、アラバン、ガラクタン、ガラクツロナン、キチン、キトサン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、キシログルカン、グルコマンナン、ペクチン酸およびペクチン、アルギン酸およびアルギネート、アラビノガラクタン、カラギーナン、寒天、グリコサミノグルカン、アラビアガム、トラガカントガム、ガティガム、カラヤガム、カロブガム、ガラクトマンナン、キサンタンガム、ジェランガム、ウェランガム、スクレログルカン、スクシノグリカン、およびこれらの混合物からなる群より選択され、好ましくはマルトデキストリン、キサンタンガム、クラスタマメ(Cyampopsis Tetragonoloba)(グアー)ガム、およびそれらの混合物からなる群より選択される。
【0015】
いくつかの実施形態において、上記直接染料は、もし存在する場合、HC Yellow 17、HC Blue 18、HC Yellow 16、HC Red 18;Acid Yellow 1、Acid Orange 3、Acid Black1、Acid Black52、Acid Orange 7、Acid Red 33、Acid Yellow 23、Acid Blue 9、Acid Violet 43、Acid Blue 62、Acid Blue 25、Acid Red 4等の酸性染料;Basic Brown 17、Basic Red 118、Basic Orange 69、Basic Red 76、Basic Brown 16、Basic Yellow 57、Basic Violet 14、Basic Blue 7、Basic Blue 26、Basic Red 2、Basic Red 76、Basic Violet 2、Basic Blue 99、Basic Yellow 29、Basic Red 51、Basic Orange 31、Basic Yellow 87、Basic Blue 124、4-(3-(4-アミノ-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-1-イルアミノ)プロピル)-4-メチルモルホリン-4-イウム-メチルスルフェート、(E)-1-(2-(4-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)ジアゼニル)フェニル)(エチル)アミノ)エチル)-3-メチル-1H-イミダゾール-3-イウム塩化物、(E)-4-(2-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)ジアゼニル)-1-メチル-1H-イミダゾール-3-イウム-3-イル)ブタン-1-スルホネート、(E)-4-(4-(2-メチル-2-フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジニウム-1-イル)ブタン-1-スルホネート、N,N-ジメチル-3-(4-(メチルアミノ)-9,10-ジオキソ-4a,9,9a,10-テトラヒドロアントラセン-1-イルアミノ)-N-プロピルプロパン-1-アミニウム臭化物等の塩基性染料;Disperse Red 17、Disperse Violet 1、Disperse Red 15、Disperse Black9、Disperse Blue 3、Disperse Blue 23、Disperse Blue 377等の分散染料;1-(2-(4-ニトロフェニルアミノ)エチル)尿素、2-(4-メチル-2-ニトロフェニルアミノ)エタノール、4-ニトロベンゼン-1,2-ジアミン、2-ニトロベンゼン-1,4-ジアミン、ピクリン酸、HC Red No.13、2,2’-(2-ニトロ-1,4-フェニレン)ビス(アザンジイル)ジエタノール、HC Yellow No.5、HC Red No.7、HC Blue No.2、HC Yellow No.4、HC Yellow No.2、HC Orange No.1、HC Red No.1、2-(4-アミノ-2-クロロ-5-ニトロフェニルアミノ)エタノール、HC Red No.3、4-アミノ-3-ニトロフェノール、4-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-3-ニトロフェノール、2-アミノ-3-ニトロフェノール、2-(3-(メチルアミノ)-4-ニトロフェノキシ)エタノール、3-(3-アミノ-4-ニトロフェニル)プロパン-1,2-ジオール、ヒドロキシエチル-2-ニトロ-p-トルイジン、HC Yellow No.11、HC Violet No.1、HC Orange No.2、HC Orange No.3、HC Yellow No.9、HC Red No.10、HC Red No.11、2-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-4,6-ジニトロフェノール、HC Blue No.12、HC Blue No.2、HC Blue No.16、HC Yellow No.6、HC Yellow No.12、HC Blue No.10、HC Yellow No.7、HC Yellow No.10、HC Blue No.9、2-クロロ-6-(エチルアミノ)-4-ニトロフェノール、6-ニトロピリジン-2,5-ジアミン、HC Violet No.2、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-(3-ヒドロキシプロピルアミノ)-3-ニトロフェノール、HC Yellow No.13、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン、HC Red No.14、HC Yellow No.15、HC Yellow No.14、N2-メチル-6-ニトロピリジン-2,5-ジアミン、N1-アリル-2-ニトロベンゼン-1,4-ジアミン、HC Red No.8、HC Green No.1、HC Blue No.14等のニトロ染料、およびそれらの混合物からなる群より選択される。
【0016】
いくつかの実施形態において、上記顆粒化された毛髪染色組成物は、さらに天然のコンディショニング剤を含み、好ましくは、天然のコンディショニング剤は、カシア・アウリクラタ(Cassia Auriculata)葉粉末、カシア・アンガスティフォリア(Cassia Angustifolia)葉粉末、およびそれらの混合物からなる群より選択されるものであってもよい。
【0017】
いくつかの実施形態において、上記顆粒化された毛髪染色組成物は、いかなる脂肪族化合物を実質的に含まない。好ましくは、鉱物性の脂肪族化合物、植物由来の脂肪族化合物、動物性の脂肪族化合物、合成の脂肪族化合物、およびそれらの混合物からなる群より選択されるいかなる脂肪族化合物を実質的に含まない。
【0018】
いくつかの実施形態において、上記顆粒化された毛髪染色組成物は、いかなる界面活性剤、好ましくは、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤およびそれらの混合物から構成される群より選択されるいかなる界面活性剤を実質的に含まない。
【0019】
いくつかの実施形態において、上記顆粒化された毛髪染色組成物は、非酸化型組成物であり、好ましくは酸化型染料前駆体、酸化剤、アルカリ化剤、還元剤、およびそれらの混合物を実質的に含まない非酸化型組成物である。
【0020】
第二の態様において、本発明は、本明細書で説明されたとおりの顆粒化された毛髪染色組成物を得る方法であって、下記工程:
- 天然毛髪染色剤を含む粉末を提供する工程と、
- 天然増粘剤の水溶液を提供する工程と、
- 顆粒物を得るために上記粉末を上記と天然増粘剤の水溶液で湿潤させる工程と、
- 顆粒物を乾燥させる工程と
を含む、方法に関する。
【0021】
第三の態様において、本発明は、本明細書で説明されたとおりの毛髪染色組成物および化粧料として許容される水性担体を含む毛髪染色塗布剤であって、上記毛髪染色組成物と上記化粧料として許容される水性担体は、1:1~1:10、好ましくは1:2~1:7、より好ましくは1:3~1:5の重量比で混合される毛髪染色塗布剤に関する。
【0022】
第四の態様において、本発明は、毛髪を染色する方法であって、下記工程:
- 本明細書で説明されたとおりの顆粒化された毛髪染色組成物を提供する工程と、
- 上記毛髪染色組成物を、化粧料として許容される担体、好ましくは水、より好ましくは温水と1:5の重量比で均一に混合する工程と、
- 毛髪上に均一な毛髪染色塗布剤を塗布する工程と、
- 所定の作用時間の間、塗布された毛髪染色塗布剤を毛髪上で作用させる工程と、
- 水で毛髪を洗い流す工程と、
- 任意でシャンプーで毛髪を洗浄する工程と、
- 任意で水で洗い流す工程と、
- 任意で毛髪を90%乾燥するまで風乾させる工程と
を含む、方法に関する。
【0023】
第五の態様において、本発明は、毛髪の半永久的な染色のための上記顆粒化された毛髪染色組成物、およびそれから得られる毛髪染色塗布剤の使用方法に関する。
【0024】
本発明者らは、顆粒化された非酸化型毛髪染色組成物が「シンプルな」配合物であり、天然の化合物、特に植物由来の化合物でほとんどが構成される、またはそれのみで構成されるにも関わらず、水との混合工程、塗布剤として毛髪上に塗布する工程の両方の観点で満足のいくユーザー体験、染色結果、光沢および毛髪の手触りを提供することを示した。特に、上記顆粒化された非酸化型毛髪染色組成物はいかなる脂肪族化合物を実質的に含まないにも関わらず、ダストフリーである。また、上記は流動性のある組成物でもあり、水と混合した後に塗布剤として、液垂れを最小限にしながら、または液垂れなく毛髪上に塗布できる。本発明者らは、毛髪染色組成物を形成する顆粒物は、特に流動床造粒法を使用して得られた場合、本明細書中に列記された特性および利点を提供し得ることを示した。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書中で用いられる用語「毛髪」は、「生物」、すなわち、生命体のものであってもよく、または「非生物」、すなわち、ウィッグ、ヘアピース、または非生物のケラチン性の繊維の他の集合体中のものであってもよい。哺乳動物、好ましくはヒトの毛髪が好ましい。しかし、毛、毛皮および他のケラチン含有繊維は、本発明による組成物に適切な素材である。
【0026】
「少なくとも1つの化合物(at least one compound)」または「ある化合物(a compound)」は、上記化合物の所定の分類に属する1つの化合物または2つ以上の化合物の混合物を意味する。
【0027】
「天然の」は、各化合物が生存生物の活動により産出され、またはもたらされ、化石資源に由来する化合物を除くことを意味する。特に、用語「天然の」は、(生存)植物に由来する化合物を表し、各化合物が概して生分解性であることを示唆する。
【0028】
「実質的に無水」は、水を上記組成物の合計重量の1%以下、好ましくは0.1%以下、より好ましくは約0%含む組成物を意味する。
【0029】
「実質的に含まない」は、各化合物を上記組成物の合計重量の1%以下、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.1%以下、例えば0.01%以下等で含む組成物を意味する。
【0030】
「室温」は、約25℃の温度を意味する。
【0031】
「大気圧」は、約760mmHgの圧力を意味する。
【0032】
「ダストフリーの」は、ふるい分析を使用して測定される粒径が50μm未満の粉末を上記組成物の合計重量の5%以下、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下で含む組成物を意味する。
【0033】
全てのパーセンテージは、特に指定のない限り、上記顆粒化された毛髪染色組成物、すなわち水と混合する前の上記組成物の重量に対するパーセンテージである。また、比は、特に言及のない限り、重量比である。
【0034】
顆粒化された毛髪染色組成物
第一の態様において、本発明は、顆粒化された毛髪染色組成物であって、上記顆粒化された毛髪染色組成物が、その合計重量の少なくとも60%の天然染色剤、10~30%の天然増粘剤、および任意で0~10%の直接染料を含み、上記天然染色剤が、上記天然増粘剤で被覆されることにより顆粒物を形成している、顆粒化された毛髪染色組成物に関する。上記組成物は非酸化型毛髪染色組成物である(すなわち酸化型毛髪染色組成物ではない)。
【0035】
「顆粒化された毛髪染色組成物」は、顆粒物で形成された組成物を意味する。上記顆粒物は、天然増粘剤で被覆された天然染色剤、任意で上記直接染料、およびいかなる他の化合物により形成される。上記顆粒物は、いかなる適切な顆粒化プロセス、特に流動床造粒を使用することにより得られるものであってもよい。
【0036】
一つの実施形態において、上記顆粒化された毛髪染色組成物は、流動床造粒により得られる。
【0037】
上記顆粒物は、0.4m2/g~0.7m2/gの間、好ましくは0.45m2/g~0.65m2/gの比表面積を有し、形状は不規則である。上記比表面積は、気体吸着BET法を使用して測定される。
【0038】
上記顆粒物の平均サイズは、710~1000μmである。上記平均サイズは、ふるい分析を使用して測定される。顆粒物のサイズは、100μm~1000μmで分布する。
【0039】
上記顆粒物の密度は、1.2~1.5g/cm3、好ましくは1.25~1.45g/cm3である。上記密度は、Gas-Pycnometer Ultrapyc5000を使用して測定される。各試料は少なくとも25回測定され、平均値は上記測定から算出された。
【0040】
上記顆粒物の凝集強さは、60~120Pa、好ましくは65~115Paである。顆粒物の凝集強さは、MCR 302 Powder cellレオメーターを使用して測定される。
【0041】
一つの実施形態において、毛髪染色組成物は、実質的に無水である。
【0042】
一つの実施形態において、毛髪染色組成物はコンパクトである。
【0043】
天然染色剤
上記組成物は、少なくとも1つの天然染色剤を含む。上記天然染色剤は、ローソニア・イネルミス(Lawsonia Inermis)葉粉末(ヘナ)、インディゴを生成する植物の粉末、およびそれらの混合物からなる群より選択される。上記組成物は、カモミール花、クルクマ根、ルバーブ、クロウメモドキ樹皮、オリーブ樹木葉、カナディアン・ブラッドルート(Canadian bloodroot)、ウコン、イエローウッド、レッドウッド、ログウッド、マダー根、ブラックエルダーベリー、ブラックチョークベリー、およびそれらの混合物からなる群より選択される追加の天然染色剤をさらに含んでいてもよい。
【0044】
上記インディゴを生成する植物は、コマツナギ(Indigofera)属(例えばタイワンコマツナギ(Indigofera tinctoria)、ナンバンコマツナギ(Indigofera suffraticosa)、インドコマツナギ(Indigofera articulata)、ナタールインディゴ(Indigofera arrecta)、インディゴフェラ・ゲラディアナ(Indigofera geradiana)、インディゴフェラ・アルジェンタ(Indigofera argenta)、インディゴフェラ・インディカ(Indigofera indica)、インディゴフェラ・ロンギラセモサ(Indigofera longiracemosa)、およびそれらの混合物)、タイセイ(Isatis)(例えばホソバタイセイ(Isatis tinctoria))、タデ(Polygonum)またはイヌタデ(Persicaria)(例えばアイ(Polygonum tinctorium)またはアイ(Persicaria tinctoria))、ライティア(Wrightia)(例えばライティア・ティンクトリア(Wrightia tinctoria))、エビネ(Calanthe)(例えばカランセ・ベラトリフォリア(Calanthe veratrifolia))、バフィカカンサス(Baphicacanthus)(例えばバフィカカンサス・クシア(Basphicacanthus cusia))、およびそれらの混合物から選択することができる。好ましくは上記インディゴを生成する植物はコマツナギ属から選択される。より好ましくは上記インディゴを生成する植物はタイワンコマツナギ(Indigofera tinctoria)である。
【0045】
一つの実施形態において、上記組成物は、ローソニア・イネルミス(Lawsonia Inermis)葉粉末(インディゴを生成する植物の粉末を含まない)からなる天然染色剤を含む。別の実施形態において、上記組成物は、インディゴを生成する植物の粉末(ローソニア・イネルミス(Lawsonia Inermis)葉粉末を含まない)からなる天然染色剤を含む。別の実施形態において、上記組成物は、ローソニア・イネルミス(Lawsonia Inermis)葉粉末とインディゴを生成する植物の粉末との混合物である天然染色剤を含む。別の実施形態において、上記組成物は、ローソニア・イネルミス(Lawsonia Inermis)葉粉末、インディゴを生成する植物の粉末、ならびにカモミール花、クルクマ根、ルバーブ、クロウメモドキ樹皮、オリーブ樹木葉、カナディアン・ブラッドルート(Canadian bloodroot)、ウコン、イエローウッド、レッドウッド、ログウッド、マダー根、ブラックエルダーベリー、ブラックチョークベリー、およびそれらの混合物からなる群より選択される追加の天然染色剤の粉末の混合物である天然染色剤を含む。
【0046】
上記組成物は、その合計重量の少なくとも60%、好ましくは60~90%、より好ましくは60~85%、最も好ましくは65~80%の天然染色剤を含む。
【0047】
もし存在する場合、上記組成物は、その合計重量の0.1~90%、好ましくは0.5~85%、より好ましくは1~80%のローソニア・イネルミス(Lawsonia Inermis)葉粉末を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、上記組成物は、その合計重量の0.1~5%、5~10%、10~15%、15~20%、20~25%、25~30%、30~35%、35~40%、40~45%、45~50%、50~55%、55~60%、60~65%、65~70%、70~75%、75~80%、80~85%、または85~90%のローソニア・イネルミス(Lawsonia Inermis)葉粉末を含んでいてもよい。
【0048】
もし存在する場合、上記組成物は、その合計重量の0.1~90%、好ましくは0.5~85%、より好ましくは1~80%のインディゴを生成する植物の粉末を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、上記組成物は、その合計重量の0.1~5%、5~10%、10~15%、15~20%、20~25%、25~30%、30~35%、35~40%、40~45%、45~50%、50~55%、55~60%、60~65%、65~70%、70~75%、75~80%、80~85%、または85~90%のインディゴを生成する植物の粉末を含んでいてもよい。
【0049】
もし存在する場合、上記組成物は、その合計重量の0.1~90%、好ましくは0.5~85%、より好ましくは1~80%の追加の天然染色剤を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、上記組成物は、その合計重量の0.1~5%、5~10%、10~15%、15~20%、20~25%、25~30%、30~35%、35~40%、40~45%、45~50%、50~55%、55~60%、60~65%、65~70%、70~75%、75~80%、80~85%、または85~90%の追加の天然染色剤の粉末を含んでいてもよい。
【0050】
天然増粘剤
上記組成物は、少なくとも1つの天然増粘剤をさらに含む。
【0051】
上記天然増粘剤は、グルカン、改質多糖類および非改質多糖類(例えば、穀物、例えば小麦、トウモロコシまたはコメから得られるもの、野菜、例えば黄豆および塊茎、例えばジャガイモまたはキャッサバから得られるもの等;マルトデキストリン)、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、デキストラン、セルロースならびにそれらの誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロース)、マンナン、キシラン、リグニン、アラバン、ガラクタン、ガラクツロナン、キチン、キトサン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、キシログルカン、グルコマンナン、ペクチン酸およびペクチン、アルギン酸およびアルギネート、アラビノガラクタン、カラギーナン、寒天、グリコサミノグルカン、アラビアガム、トラガカントガム、ガティガム、カラヤガム、カロブガム、ガラクトマンナン(グアーガムヒドロキシプロピルグアーガム等)、キサンタンガム、ジェランガム、ウェランガム、スクレログルカン、スクシノグリカン、およびそれらの混合物からなる群、好ましくはマルトデキストリン、キサンタンガム、クラスタマメ(Cyampopsis Tetragonoloba)(グアー)ガム、およびそれらの混合物からなる群より選択されるものであってもよい。好適な天然増粘剤は、「Encyclopedia of Chemical Technology」,Kirk-Othmer, Third Edition, 1982, volume 3, pp. 896-900、および、volume15,pp.439-458中に、E.A.MacGregorとC.T.Greenwood著「Polymers in Nature」、発行元:JohnWiley&Sons,Chapter6,pp.240-328,1980中に、ならびに、RoyL.Whistler編「Industrial Gums-Polysaccharides and their Derivatives」,Second Edition,発行元:AcademicPressInc.,中に記載されており、全ての3つは参照により本明細書に組み込まれる。
【0052】
上記天然増粘剤は、本明細書で説明される顆粒物を得るために毛髪染色剤上に噴霧される。いかなる適切な造粒法を使用してもよく、特に流動床造粒法を使用してもよい。
【0053】
上記組成物は、その合計重量の10~30%、好ましくは15~27%、より好ましくは20~25%の天然増粘剤を含む。
【0054】
直接染料
上記組成物は、少なくとも1つの直接染料をさらに含んでいてもよい。直接染料の添加は、それらの最終色に発色させるために48時間等の幾分の時間を通常要する天然染料の色調のずれ(off-tone)を防止することができ、および/または、天然染料のみを含む組成物よりも達成され得る色空間を向上させることもできる。
【0055】
上記直接染料は、HC Yellow 17、HC Blue 18、HC Yellow 16、HC Red 18;Acid Yellow 1、Acid Orange 3、Acid Black1、Acid Black52、Acid Orange 7、Acid Red 33、Acid Yellow 23、Acid Blue 9、Acid Violet 43、Acid Blue 62、Acid Blue 25、Acid Red 4等の酸性染料;Basic Brown 17、Basic Red 118、Basic Orange 69、Basic Red 76、Basic Brown 16、Basic Yellow 57、Basic Violet 14、Basic Blue 7、Basic Blue 26、Basic Red 2、Basic Red 76、Basic Violet 2、Basic Blue 99、Basic Yellow 29、Basic Red 51、Basic Orange 31、Basic Yellow 87、Basic Blue 124、4-(3-(4-アミノ-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-1-イルアミノ)プロピル)-4-メチルモルホリン-4-イウム-メチルスルフェート、(E)-1-(2-(4-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)ジアゼニル)フェニル)(エチル)アミノ)エチル)-3-メチル-1H-イミダゾール-3-イウム塩化物、(E)-4-(2-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)ジアゼニル)-1-メチル-1H-イミダゾール-3-イウム-3-イル)ブタン-1-スルホネート、(E)-4-(4-(2-メチル-2-フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジニウム-1-イル)ブタン-1-スルホネート、N,N-ジメチル-3-(4-(メチルアミノ)-9,10-ジオキソ-4a,9,9a,10-テトラヒドロアントラセン-1-イルアミノ)-N-プロピルプロパン-1-アミニウム臭化物等の塩基性染料;Disperse Red 17、Disperse Violet 1、Disperse Red 15、Disperse Black9、Disperse Blue 3、Disperse Blue 23、Disperse Blue 377等の分散染料;1-(2-(4-ニトロフェニルアミノ)エチル)尿素、2-(4-メチル-2-ニトロフェニルアミノ)エタノール、4-ニトロベンゼン-1,2-ジアミン、2-ニトロベンゼン-1,4-ジアミン、ピクリン酸、HC Red No.13、2,2’-(2-ニトロ-1,4-フェニレン)ビス(アザンジイル)ジエタノール、HC Yellow No.5、HC Red No.7、HC Blue No.2、HC Yellow No.4、HC Yellow No.2、HC Orange No.1、HC Red No.1、2-(4-アミノ-2-クロロ-5-ニトロフェニルアミノ)エタノール、HC Red No.3、4-アミノ-3-ニトロフェノール、4-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-3-ニトロフェノール、2-アミノ-3-ニトロフェノール、2-(3-(メチルアミノ)-4-ニトロフェノキシ)エタノール、3-(3-アミノ-4-ニトロフェニル)プロパン-1,2-ジオール、ヒドロキシエチル-2-ニトロ-p-トルイジン、HC Yellow No.11、HC Violet No.1、HC Orange No.2、HC Orange No.3、HC Yellow No.9、HC Red No.10、HC Red No.11、2-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-4,6-ジニトロフェノール、HC Blue No.12、HC Blue No.2、HC Blue No.16、HC Yellow No.6、HC Yellow No.12、HC Blue No.10、HC Yellow No.7、HC Yellow No.10、HC Blue No.9、2-クロロ-6-(エチルアミノ)-4-ニトロフェノール、6-ニトロピリジン-2,5-ジアミン、HC Violet No.2、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-(3-ヒドロキシプロピルアミノ)-3-ニトロフェノール、HC Yellow No.13、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン、HC Red No.14、HC Yellow No.15、HC Yellow No.14、N2-メチル-6-ニトロピリジン-2,5-ジアミン、N1-アリル-2-ニトロベンゼン-1,4-ジアミン、HC Red No.8、HC Green No.1、HC Blue No.14等のニトロ染料、およびそれらの混合物からなる群より選択されるものであってもよい。
【0056】
もし存在する場合、上記組成物は、その合計重量の0.1~10%、好ましくは0.5~9%、より好ましくは1~8.5%の直接染料を含んでいてもよい。
【0057】
あるいは、毛髪染色組成物は、いかなる追加の直接染料を実質的に含まないものであってもよい。
【0058】
天然のコンディショニング剤
上記組成物は、少なくとも1つの天然のコンディショニング剤をさらに含んでいてもよい。天然のコンディショニング剤の添加は、向上した光沢をもたらし得る。さらに、天然の毛髪染料組成物で処理された毛髪は、より強く、そしてより豊富に感じられる。
【0059】
上記天然のコンディショニング剤は、カシア・アウリクラタ(Cassia Auriculata)葉粉末、カシア・アンガスティフォリア(Cassia Angustifolia)葉粉末、およびそれらの混合物からなる群より選択されるものであってもよい。
【0060】
一つの実施形態において、上記組成物は、カシア・アウリクラタ(Cassia Auriculata)葉粉末、カシア・アンガスティフォリア(Cassia Angustifolia)葉粉末、およびそれらの混合物からなる天然のコンディショニング剤を含む。
【0061】
もし存在する場合、上記組成物は、その合計重量の0.1~90%、好ましくは0.5~85%、より好ましくは1~80%の天然のコンディショニング剤を含んでいてもよい。
【0062】
脂肪族化合物
上記組成物は、いかなる脂肪族化合物を実質的に含まないものであってもよい。「脂肪族化合物」は、室温でかつ大気圧で水に不溶である化合物、すなわち、水への溶解度が5%未満、好ましくは1%未満、より好ましくは0.1%未満である化合物を意味する。脂肪族化合物はまた、同一の温度および圧力条件下で、有機溶媒(例えばクロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、エタノール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、液体のワセリンまたはデカメチルシクロペンタシロキサン)に概して可溶である。それらは、それらの構造中に少なくとも6つの炭素原子または少なくとも2つのシロキサン基の連続体を含む少なくとも1つの炭化水素鎖を含む。
【0063】
上記脂肪族化合物は、鉱物性の脂肪族化合物、植物由来の脂肪族化合物、動物性の脂肪族化合物、合成の脂肪族化合物、およびそれらの混合物からなる群より選択されるものであってもよい。
【0064】
上記脂肪族化合物は、シリコーンを含まない脂肪族化合物、シリコーン脂肪族化合物およびそれらの混合物からなる群より選択されるものであってもよい。
【0065】
上記脂肪族化合物は、室温でかつ大気圧で液体または固体であってもよい。
【0066】
上記脂肪族化合物は、シリコーンを含まない油であってもよい。「油」は、室温でかつ大気圧で液体である脂肪族化合物を意味する。天然の油の例としては、これらに限定されないが、ホホバ油、ババス油、ヒマワリ油、オリーブ油、ココナッツ椰子油、ブラジルナッツ油、マルーラ油、トウモロコシ油、アルガン油、大豆油、グレープシード油、フラックス油、胡麻油、ヘーゼルナッツ油、アンズ油、マカデミア油、アララ油、ヒマシ油、アボカド油、シアバター油、菜種油、米ぬか油、アーモンド油およびそれらの混合物が挙げられる。
【0067】
合成油の例としては、これらに限定されないが、C6-016のアルカン、脂肪酸および/またはアルコール、脂肪アルコールのエステル、パラフィン油、ならびに鉱物油が挙げられる。
【0068】
上記脂肪族化合物は、シリコーンを含まないバターであってもよい。「バター」は、固体/液体状態が可逆的に変化し、室温でかつ大気圧で、液体の画分および固体の画分を含む親油性脂肪族化合物を意味する。バターの例としては、これらに限定されないが、シアバター、カリテニロティカバター(シアバターノキ(Butyrospermum parkii))、ガラムバター(シアバターノキ)、ボルネオバターもしくは脂またはテンカワンタロー(ショレア・ステノプテラ(Shorea stenoptera))、ショレアバター、イリペバター、マドフカバターまたは(バッシア(Bassia))マドフカ・ロンギフォリア(Madhuca longifolia)バター、モーラバター(マドフカ・ラティフォリア(Madhuca latifolia))、カティアウ(katiau)バター(マドフカ・モトレイアナ(Madhuca mottleyana))、フルワラ(phulwara)バター(M.ブチラセア(M. butyracea))、マンガバター(マンゴー(Mangifera indica))、ムルムルバター(アストロカリウム・ムルムル(Astrocaryum murumuru))、コクムバター(ガルシニア・インディカ(Garcinia indica))、ウクウババター(ビロラ・セビフェラ(Virola sebifera))、ツクマバター、パインヤ(painya)バター(kpangnan)(ペンタデスマ・ブチラセア(Pentadesma butyracea))、コーヒーバター(アラビアコーヒーノキ(Coffea arabica))、アプリコットバター(アンズ(Prunus armeniaca))、マカデミアバター(マカデミア(Macadamia ternifolia))、ブドウ種子バター(ブドウ(Vitis vinifera))、アボカドバター(アボカド(Persea gratissima))、オリーブバター(オリーブ(Olea europaea))、スイートアーモンドバター(アーモンド(Prunus amygdalus dulcis))、ココアバター(カカオ(Theobroma cacao))、カカオバター、ヒマワリバター、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0069】
上記脂肪族化合物は、シリコーンを含まないワックスであってもよい。「ワックス」は、室温でかつ大気圧で固体である脂肪族化合物を意味する。上記ワックスは、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、植物由来のワックス、動物性のワックス、マリンワックス、およびそれらの混合物からなる群より選択されるものであってもよい。ワックスの例としては、これらに限定されないが、カルナバワックス、キャンデリラワックス、エスパルトワックス、パラフィンワックス、オゾケライト、オリーブツリーワックス、ライスワックス、水素化されたホホバワックス、アブソリュートフラワーワックス(absolute flower waxes)、蜜蝋、修飾蜜蝋(cerabellina)、ポリエチレンワックスまたはポリオレフィンワックスが挙げられる。
【0070】
上記脂肪族化合物は、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーンガム、およびそれらの混合物等のシリコーン脂肪族化合物であってもよい。シリコーン脂肪族化合物の例としては、これらに限定されないが、ポリジアルキルシロキサン(ポリジメチルシロキサン等)、ジメチコン、ジメチコノール、オルガノポリシロキサンが挙げられる。
【0071】
界面活性剤
上記組成物は、界面活性剤を実質的に含まないものであってもよい。「界面活性剤」は通常、炭素原子が約8~約30個の親油性鎖長を有する化合物を意味する。
【0072】
上記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、およびそれらの混合物からなる群より選択されるものであってもよい。
【0073】
アニオン性界面活性剤の例としては、これらに限定されないが、下記化合物:アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルアミドエーテルスルフェート、アルキルアリールポリエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート;アルキルスルホネート、アルキルホスフェート、アルキルアミドスルホネート、アルキルアリールスルホネート、a-オレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート;アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルアミドスルホスクシネート;アルキルスルホスクシネート;アルキルスルホアセテート;アルキルエーテルホスフェート;アシルサルコシン酸塩;アシルイセチオン酸塩;N-アシルタウレート;およびそれらの混合物の塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩およびマグネシウム塩等のアルカリ塩等)が挙げられる。これらの各種化合物の全てのアルキルラジカルまたはアシルラジカルは、例えば、炭素原子を8~24個含み、アリールラジカルは例えば、フェニル基およびベンジル基から選択される。さらに使用できるアニオン性界面活性剤のなかでも、オレイン酸、リシノール酸、パルミチン酸、およびステアリン酸、ココナッツ椰子油酸または水素化されたココナッツ椰子油酸の塩等の脂肪酸塩;炭素原子を8~20個含むアシルラジカルを有するアシル乳酸塩についても言及がなされ得る。弱アニオン性界面活性剤、例えばアルキル-D-ガラクトースイズロン酸およびそれらの塩、ならびに、ポリオキシアルキル化された(C6-C24)アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキル化された(C6-C24)アルキルアリールエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキル化された(C6-C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸およびそれらの塩、例えば、エチレンオキサイド基を2~50個含むそれらの塩、ならびにそれらの混合物も使用することができる。多糖類のアニオン性誘導体、例えばアルキルポリグルコシドのカルボキシアルキルエーテルも使用することができる。
【0074】
非イオン性界面活性剤は、よく知られている化合物である(これに関し、例えば、M.R.Porter著「Handbook of Surfactants」、発行元:Blackie&Son(Glasgow and London),1991,pp.116-178を参照)。非イオン性界面活性剤の例としては、これらに限定されないが、ポリエトキシ化された脂肪酸、ポリプロポキシ化された脂肪酸、およびポリグリセロール化された脂肪酸、例えば2~200個に及ぶエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド基の数、および、例えば2~30個に及ぶグリセロール基の数であってもよい、例えば8~18個の炭素原子を含む脂肪鎖を含むアルキルフェノール、α-ジオールおよびアルコールが挙げられる。エチレンオキサイド共重合体およびプロピレンオキサイド共重合体、脂肪アルコールとエチレンオキサイドとの縮合物および脂肪アルコールとプロピレンオキサイドとの縮合物;エチレンオキサイドを好ましくは2~30モル有するポリエトキシ化された脂肪アミドならびにそれらのモノエタノールアミン(momoethanolamine)誘導体およびジエタノールアミン誘導体、グリセロール基を例えば平均で1~5、そして例えば1.5~4個含むポリグリセロール化された脂肪酸アミド;エチレンオキサイドを2~30モル含有するポリエトキシ化された脂肪アミン等のポリエトキシ化された脂肪アミン;エチレンオキサイドを2~30モル有するソルビタンのオキシエチル化された脂肪酸エステル;スクロースの脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、N-アルキルグルカミン誘導体、(C10-C14)アルキルアミンオキサイドまたはN-アシルアミノプロピルモルホリンオキサイド等のアミンオキサイドについても言及がなされ得る。
【0075】
両性の界面活性剤の例としては、これらに限定されないが、脂肪族ラジカルが炭素原子を8~22個含み、かつ少なくとも1つの水溶性のアニオン性基(例えばカルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスフェートまたはホスホネート)を含む直鎖および分岐鎖から選択される脂肪族第二級アミン誘導体および第三級アミン誘導体が挙げられるが、(C8-C20)アルキルベタイン、スルホベタイン、(C8-C20)アルキルアミド(C1-C6)アルキルベタインまたは(C8-C20)アルキルアミド(C1-C6)アルキルスルホベタインについても言及がなされ得る。アミン誘導体のなかでも、例えば、米国特許第2,528,378号および米国特許第2,781,354号中に記載されているとおりの下記構造:
R2-CONHCH2CH2-N+(R3)(R4)(CH2COO-)、(XIX)
[式中、R2は、加水分解されたココナッツ椰子油中に存在する酸R2-COOHに由来するアルキルラジカル、ならびにヘプチルラジカル、ノニルラジカル、およびウンデシルラジカルから選択され、R3はβ-ヒドロキシエチル基であり、R4はカルボキシメチル基である。]および、
R5-CONHCH2CH2-N(B)(C) (XX)
[式中、Bは-CH2CH2OX’を表し、Cは-(CH2)z-Y’を表し、z=1または2であり、X’は-CH2CH2-COOH基および水素原子から選択され、Y’は-COOHおよび-CH2-CHOH-SO3Hラジカルから選択され、R5は、ココナッツ椰子油中または加水分解された亜麻仁油中に存在する酸R5-COOHのアルキルラジカル、C7、C9、C11およびC13アルキルラジカル、C17アルキルラジカルおよびそのイソ体、ならびに不飽和のC17ラジカル等のアルキルラジカルから選択される。]
を有するMiranolとして販売されている製品についても言及がなされ得る。これらの化合物は、CTFA dictionary, 5th edition, 1993において、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム、ココアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、カプリロアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、カプリロアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸、およびココアンホジプロピオン酸の名称下で分類される。ジエチルアミノプロピルココアスパルタミドの塩も使用してもよい。
【0076】
カチオン性界面活性剤の例としては、これらに限定されないが、以下に規定されるA)~D)の第四級アンモニウム塩:
A)下記一般式(IX)の第四級アンモニウム塩:
[式中、X
-は、ハロゲン化物(塩化物、臭化物およびヨウ化物)、メチルスルフェート、ホスフェート、アルキルスルホネートおよびアルキルアリールスルホネート等の(C
2-C
6)アルキルスルフェート、ならびに酢酸および乳酸等の有機酸に由来するアニオンから選択されるアニオンであり、そして式中、R
1~R
4は下記i)またはii)のとおりである。
i)ラジカルR
1~R
3は、同一または異なっていてもよく、炭素原子を1~4個含む直鎖および分岐鎖の脂肪族ラジカル、ならびにアリールおよびアルキルアリール等の芳香族ラジカルから選択される。上記脂肪族ラジカルは、酸素、窒素、硫黄およびハロゲン等の少なくとも1つのヘテロ原子を含んでいてもよい。上記脂肪族ラジカルは、アルキルラジカル、アルコキシラジカルおよびアルキルアミドラジカルから選択されるものであってもよい。R
4は、炭素原子を16~30個含む直鎖および分岐鎖のアルキルラジカルから選択される。好適なカチオン性界面活性剤は、例えば、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩(例えば塩化物)である。
ii)ラジカルR
1およびR
2は、同一または異なっていてもよく、炭素原子を1~4個含む直鎖および分岐鎖の脂肪族ラジカル、ならびにアリールおよびアルキルアリール等の芳香族ラジカルから選択される。上記脂肪族ラジカルは、酸素、窒素、硫黄およびハロゲン等の少なくとも1つのヘテロ原子を含んでいてもよい。上記脂肪族ラジカルは、炭素原子を約1~4個含むアルキルラジカル、アルコキシラジカル、アルキルアミドラジカルおよびヒドロキシアルキルラジカルから選択されてもよい。ラジカルR
3およびR
4は、同一または異なっていてもよく、炭素原子を12~30個含む直鎖および分岐鎖のアルキルラジカルから選択され、上記アルキルラジカルは、エステル官能基およびアミド官能基から選択される少なくとも1つの官能基を含む。R
3およびR
4は、(C
12-C
22)アルキルアミド(C
2-C
6)アルキルおよび(C
12-C
22)アルキル酢酸ラジカルから選択されるものであってもよい。]好適なカチオン性界面活性剤は、例えば、ジセチルジメチルアンモニウム塩(例えば塩化物)である。
B)下記式(XI)のイミダゾリニウムの第四級アンモニウム塩:
[式中、R
5は、炭素原子を8~30個含むアルケニルラジカルおよびアルキルラジカル、例えばタローの脂肪酸誘導体から選択され、R
6は、水素原子、C
1-C
4アルキルラジカルならびに炭素原子を8~30個含むアルケニルラジカルおよびアルキルラジカルから選択され、R
7はC
1-C
4アルキルラジカルから選択され、R
8は水素原子およびC
1-C
4アルキルラジカルから選択され、そしてX
-はハロゲン化物、ホスフェート、アセテート、ラクテート、アルキルスルフェート、アルキルスルホネートおよびアルキルアリールスルホネートから選択されるアニオンである。]一つの実施形態において、R
5およびR
6は、例えば、タローの脂肪酸誘導体等の炭素原子を12~21個含むアルケニルラジカルおよびアルキルラジカルから選択されるラジカルの混合物であり、R
7はメチルであり、R
8は水素である。そのような製品は、例えば、Witco.から「Rewoquat(登録商標)」W75/W90/W75PG/W75HPGとして市販されているQuaternium-27(CTFA 1997)またはQuaternium-83(CTFA 1997)である。
C)式(XII)のジ第四級アンモニウム塩:
[式中、R
9は、炭素原子を約16~30個含む脂肪族ラジカルから選択され、R
10、R
11、R
12、R
13およびR
14は同一または異なっていてもよく、水素および炭素原子を1~4個含むアルキルラジカルから選択され、X
-はハロゲン化物、アセテート、ホスフェート、ナイトレート、およびメチルスルフェートから選択されるアニオンである。]そのようなジ第四級アンモニウム塩としては、例えば、プロパンタロー(propanetallow)二アンモニウム二塩化物が挙げられる。
D)下記式(XIII)の少なくとも1つのエステル官能基を含む第四級アンモニウム塩:
[式中、R15は、C1-C6アルキルラジカルならびにC1-C6ヒドロキシアルキルおよびジヒドロキシアルキルラジカルから選択される。R16は、ラジカルR19C(O)-、直鎖および分岐鎖の、飽和および不飽和のC
1-C
22の炭化水素ベースのラジカルR20ならびに水素原子から選択され、R18は、ラジカルR21C(O)-、直鎖および分岐鎖の、飽和および不飽和のC1-C6炭化水素ベースのラジカルR22、ならびに水素原子から選択され、R17、R19およびR21は、同一または異なっていてもよく、直鎖および分岐鎖の、飽和および不飽和のC7-C21炭化水素ベースのラジカルから選択され、n、pおよびrは、同一または異なっていてもよく、2~6に及ぶ整数から選択され、yは、1~10に及ぶ整数から選択され、xおよびzは、同一または異なっていてもよく、0~10に及ぶ整数から選択され、X
-は、有機アニオンおよび無機アニオンの単純アニオンおよび錯体アニオンから選択されるアニオンであり、但し、x+y+zの合計は1~15であり、xが0である場合、R16はR20であり、zが0である場合、R18はR22である。]。一つの実施形態において、式(XXXXI)のアンモニウム塩[式中、R15はメチルラジカルおよびエチルラジカルから選択され、xおよびyは1に等しく、zは0または1に等しく、n、pおよびrは2に等しく、R
16は、ラジカルR19C(O)-、メチルラジカル、エチルラジカルおよびC14-C22炭化水素ベースのラジカル、ならびに水素原子から選択され、R17、R19およびR21は、同一または異なっていてもよく、直鎖および分岐鎖の、飽和および不飽和のC7-C21、炭化水素ベースのラジカルから選択され、R18はラジカルR21C(O)-および水素原子から選択される。]を使用することができる。そのような化合物は、CognisよりDehyquart、StepanよりStepanquat、CecaよりNoxamium、およびRewo-Witco.よりRewoquatWE18として市販されている。
が挙げられる。
【0077】
酸化型染料前駆体
上記顆粒化された毛髪染色組成物は、酸化型染料前駆体を実質的に含まないものであってもよい。酸化型染料前駆体は通常、一次中間体(顕色剤としても知られる)またはカプラー(二次中間体としても知られる)のいずれかとして分類される。
【0078】
一次中間体の例としては、これらに限定されないが、トルエン-2,5-ジアミン、p-フェニレンジアミン、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン、ヒドロキシプロピル-ビス-(N-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン)、2-メトキシメチル-p-フェニレンジアミン、2-(1,2-ジヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2,2’-(2-(4-アミノフェニルアミノ)エチルアザンジイル)ジエタノール、2-(2,5-ジアミノ-4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオール、2-(7-アミノ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-4(3H)-イル)エタノール、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、p-アミノフェノール、p-(メチルアミノ)フェノール、4-アミノ-m-クレゾール、6-アミノ-m-クレゾール、5-エチル-o-アミノフェノール、2-メトキシ-p-フェニレンジアミン、2,2’-メチレンビス-4-アミノフェノール、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノ-4-ピリジミジノール、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾールスルフェート、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ブチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ペンチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ベンジルピラゾール、(2、3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オンジメタンスルホネート)、4,5-ジアミノ-1-ヘキシルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ヘプチルピラゾール、メトキシメチル-1,4-ジアミノベンゼン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N-(4-アミノフェニル)-1,2-ジアミノエタン(diaminothane)、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル)オキシ]エタノール塩酸塩、それらの塩およびそれらの混合物が挙げられる。
【0079】
カプラーの例としては、これらに限定されないが、レゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、2-クロロレゾルシノール、2-メチルレゾルシノール、4、6-ジクロロベンゼン-1,3-ジオール、2,4-ジメチルベンゼン-1,3-ジオール、m-アミノフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、3-アミノ-2,6-ジメチルフェノール、3-アミノ-2,4-ジクロロフェノール、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール、5-アミノ-4-クロロ-o-クレゾール、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、2-アミノ-5-エチルフェノール、2-アミノ-5-フェニルフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、2-アミノ-5-エトキシフェノール、5-メチル-2-(メチルアミノ)フェノール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、1,3-ビス-(2,4-ジアミノフェノキシ)-プロパン、2,2’-(2-メチル-1,3-フェニレン)ビス(アザンジイル)ジエタノール、ベンゼン-1,3-ジアミン、2,2’-(4、6-ジアミノ-1,3-フェニレン)ビス(オキシ)ジエタノール、3-(ピロリジン-1-イル)アニリン、1-(3-(ジメチルアミノ)フェニル)尿素、1-(3-アミノフェニル)尿素、1-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、1,5-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオールまたは1-アセトキシ-2-メチルナフタレン、4-クロロ-2-メチルナフタレン-1-オール、4-メトキシ-2-メチルナフタレン-1-オール、2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジン、2,6-ジメトキシ-3,5-ピリジンジアミン、3-アミノ-2-メチルアミノ-6-メトキシピリジン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2,6-ジアミノピリジン、ピリジン-2,6-ジオール、5,6-ジヒドロキシインドール、6-ヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドリン、3-メチル-1-フェニル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、2-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルアミノ)エタノール(ヒドロキシエチル-3,4-メチレンジオキシアニリンとしても知られる)、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0080】
酸化剤
上記顆粒化された毛髪染色組成物は、水溶性の過酸素酸化剤等の酸化剤(または酸化剤の供給源)を実質的に含まないものであってもよい。水溶性の過酸素酸化剤の例としては、これらに限定されないが、過酸化水素、無機アルカリ金属過酸化物(過ヨウ素酸ナトリウムおよび過酸化ナトリウム等)、有機過酸化物(過酸化尿素および過酸化メラミン等)、無機過酸化水素塩脱色化合物(ペルボレート、ペルカーボネート、ペルホスフェート、ペルシリケート、およびペルスルフェート等のアルカリ金属塩等)、アルキル過酸化物およびアリール過酸化物、ペルオキシダーゼ、オキシダーゼ、ウリカーゼ、過酸化水素の供給源および炭酸水素イオンの供給源、アンモニアの供給源またはアンモニウムイオンの供給源からin situで形成されるペルオキシモノカーボネートイオンの供給源が挙げられる。
【0081】
アルカリ化剤
上記顆粒化された毛髪染色組成物は、いかなるアルカリ化剤を実質的に含まないものであってもよい。アルカリ化剤の例としては、これらに限定されないが、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、および2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール等のアルカノールアミン、グアニジン塩、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属および水酸化アンモニウム、アルカリ金属および炭酸アンモニウム、ならびにそれらの混合物が挙げられる。ある実施形態において、上記アルカリ化剤はアンモニアおよび/またはモノエタノールアミンであってもよい。
【0082】
還元剤
上記顆粒化された毛髪染色組成物は、いかなる還元剤を実質的に含まないものであってもよい。上記還元剤は通常、メルカプト官能基を含む。還元剤の例としては、これらに限定されないが、チオグリコール酸、チオ乳酸ならびにそれらのアンモニウム塩、およびエタノールアミン塩等のそれらの塩;システインおよびシステイン塩酸塩等のその塩;ホモシステイン;システアミンおよびその塩;N-アセチルシステイン;チオグリセロール;エタンジオールモノチオグリコレート;1,2-プロピレングリコールモノチオグリコレート;1,3-プロパンジオールモノチオグリコレートまたはそれから得られる異性体混合物;1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオールモノチオグリコレートおよびそれらから得られるそれらの異性体混合物;ジエチレングリコールモノチオグリコレート、トリエチレングリコールモノチオグリコレート、およびテトラエチレングリコールモノチオグリコレート等のポリエチレングリコールモノチオグリコレート;モノチオ乳酸グリセロール;メルカプトカルボン酸およびそれらのエステル;N-アルキル-2-メルカプトアセトアミド;ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0083】
溶媒
上記顆粒化された毛髪染色組成物は、いかなる溶媒を実質的に含まないものであってもよい。溶媒の例としては、これらに限定されないが、水、または、水と、通常水に十分に可溶でないとされる、化合物を溶解させるための少なくとも1つの有機溶媒との混合物が挙げられる。有機溶媒の例としては、これらに限定されないが、C1~C4の低級アルカノール(例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール);芳香族アルコール(例えばベンジルアルコールおよびフェノキシエタノール);ポリオールおよびポリオールエーテル(例えばカルビトール、2-ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、モノメチルエーテル、ヘキシレングリコール、グリセロール、エトキシグリコール、ブトキシジグリコール、エトキシジグリセロール、ジプロピレングリコール、ポリグリセロール);プロピレンカーボネート;ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0084】
キレート剤
上記顆粒化された毛髪染色組成物は、いかなるキレート剤(「キレート剤(chelating agent)」、「金属イオン封鎖剤(sequestering agent)」、または「金属イオン封鎖剤(sequestrant)」としても知られる)を実質的に含まないものであってもよい。キレート剤の例としては、これらに限定されないが、カルボン酸(アミノカルボン酸等)、亜リン酸(アミノ亜リン酸等)、ポリリン酸(直鎖ポリリン酸等)、それらの塩、およびそれらの混合物が挙げられる。「それらの塩」は、キレート剤の文脈においては、言及されているキレート剤と同一の機能性構造を含む全ての塩を意味し、アルカリ金属塩、アルカリ土類塩、アンモニウム塩、置換されたアンモニウム塩、およびそれらの混合物;あるいはナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、およびそれらの混合物;あるいはモノエタノールアンモニウム塩、ジエタノールアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、およびそれらの混合物を含む。
【0085】
ラジカル捕捉剤
上記顆粒化された毛髪染色組成物は、いかなるラジカル捕捉剤を実質的に含まないものであってもよい。ラジカル捕捉剤の例としては、これらに限定されないが、アルカノールアミン、アミノ糖、アミノ酸、アミノ酸のエステル、およびそれらの混合物が挙げられる。好適な化合物としては、3-置換ピラゾール-5-オン、3-カルボキシ-1H-ピラゾール-5-オン、3-メチル-1-フェニル-ピラゾール-5-オン、3-メチル-1-p-トリル-ピラゾール-5-オン、3-メチル-1-(4-スルホフェニル)-ピラゾール-5-オン、3-メチル-1-(4-スルホアミドフェニル)-ピラゾール-5-オン、3-メチル-1-(3-スルホフェニル)-ピラゾール-5-オン、3-メチル-1-(3-スルホアミドフェニル)-ピラゾール-5-オン、3-メチル-1-(2-クロロ-5-スルホフェニル)-ピラゾール-5-オン、3-メチル-1-(2,5-ジクロロ-4-スルホフェニル)-ピラゾール-5-オン、3-メチル-1-(4-クロロフェニル)-ピラゾール-5-オン、3-メチル-1-(4-カルボキシフェニル)-ピラゾール-5-オン、3-カルボキシ-1-フェニル-ピラゾール-5-オン、3-カルボキシ-1-(4-スルホフェニル)-ピラゾール-5-オン、1,3-ジフェニル-ピラゾール-5-オン、メチルピラゾール-5-オン-3-カルボキシレート、3-アミノ-1-プロパノール、4-アミノ-1-ブタノール、5-アミノ-1-ペンタノール、1-アミノ-2-プロパノール、1-アミノ-2-ブタノール、1-アミノ-2-ペンタノール、1-アミノ-3-ペンタノール、1-アミノ-4-ペンタノール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、グルコサミン、N-アセチルグルコサミン、グリシン、アルギニン、リジン、プロリン、グルタミン、ヒスチジン、サルコシン、セリン、グルタミン酸、トリプトファン、もしくはそれらの混合物、またはそれらのカリウム塩、ナトリウム塩、もしくはアンモニウム塩等の塩、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0086】
香料
上記顆粒化された毛髪染色組成物は、いかなる香料を実質的に含まないものであってもよい。
【0087】
上記顆粒化された毛髪染色組成物を得る方法
第二の態様において、本発明は、顆粒化された毛髪染色組成物を得る方法であって、下記工程:
- 天然毛髪染色剤を含む粉末を提供する工程と、
- 天然増粘剤の水溶液を提供する工程と、
- 顆粒物を得るために上記粉末を上記天然増粘剤の水溶液で湿潤させる工程と、
- 顆粒物を乾燥させる工程と
を含む、方法に関する。
【0088】
水溶液で粉末を湿潤させる工程は、液体架橋の形成を補助する。
【0089】
顆粒物を乾燥させる工程は、結着剤を通じて顆粒物の安定化を補助する。上記乾燥工程は、低い機械的圧縮で実施してもよい。
【0090】
一つの実施形態において、上記直接染料が存在する場合、水溶液で湿潤化させる前に、粉末として天然毛髪染色剤と共に供給されてもよい。別の実施形態において、上記直接染料は、水溶液で粉末を湿潤化させた後に追加してもよい。
【0091】
上記方法は、流動床凝集を使用して実施してもよい。
【0092】
この方法は、上述の顆粒物、すなわち天然増粘剤で被覆されたコア材料(天然染色剤、天然のコンディショニング剤および任意の直接染料等)を含む顆粒物を得ることを可能とするため、本発明による上記顆粒化された毛髪染色組成物を得るのに特に好適である。
【0093】
毛髪染色塗布剤
第三の態様において、本発明は、毛髪染色組成物および化粧料として許容される水性担体を含む毛髪染色塗布剤であって、上記毛髪染色組成物と上記化粧料として許容される水性担体は、1:1~1:10、好ましくは1:2~1:7、より好ましくは1:3~1:5の重量比で混合される毛髪染色塗布剤に関する。上記毛髪染色塗布剤は、毛髪上に塗布でき、すぐに利用可能な配合物である。
【0094】
上記化粧料として許容される水性担体は、水を含み、好ましくは水からなる(水である)。一つの実施形態において、上記化粧料として許容される水性担体(つまり上記顆粒化された毛髪染色組成物)は、水溶性の多価アルコールを実質的に含まない。
【0095】
上記顆粒化された毛髪染色組成物は、温度が20~90℃、好ましくは40~85℃、より好ましくは60~80℃である化粧料として許容される水性担体と混合させてもよい。
【0096】
上記毛髪染色塗布剤は、複素弾性率G*が約30~約60であり、タンジェント・デルタが約0.80~約1.00である流動学プロファイルを有していてもよい。
【0097】
毛髪を染色する方法
第四の態様において、本発明は、毛髪を染色する方法であって、下記工程:
- 顆粒化された毛髪染色組成物を提供する工程と、
- 上記毛髪染色組成物を、化粧料として許容される担体、好ましくは水、より好ましくは温水と1:7~1:3、好ましくは1:6~1:4、より好ましくは約1:5の重量比で均一に混合する工程と、
- 毛髪上に均一な毛髪染色塗布剤を塗布する工程と、
- 所定の作用時間、好ましくは約5分~約60分の間、塗布された毛髪染色塗布剤を毛髪上で作用させる工程と、
- 水で毛髪を洗い流す工程と、
- 任意でシャンプーで毛髪を洗浄する工程と、
- 任意で水で毛髪を洗い流す工程と、
- 任意で毛髪を90%乾燥するまで風乾させる工程と
を含む、方法に関する。
【0098】
使用方法
第五の態様において、本発明は、毛髪の半永久的な染色のための上記顆粒化された毛髪染色組成物、およびそれから得られる毛髪染色塗布剤の使用方法に関する。
【実施例】
【0099】
上記顆粒化された毛髪染色組成物の調製(本発明)
流動床湿潤造粒プロセスは、乾式混合工程、湿潤造粒工程、および乾燥工程からなる。上記流動床造粒プロセス(凝集としても知られる)には、空気流中に粒子を懸濁させる工程、およびシステムの上部から下方へ流動床上に(トップダウンスプレー)結着剤液体を噴霧させる工程も含まれる。噴霧の経路中の粒子は湿潤化され、凝集される。乾燥中に、上記粒子は、使用された結着剤を通じて安定化される。粒径分布および粒子安定性は、噴霧および空気の流速の制御により制御される。
【0100】
毛髪染色組成物
所望の範囲に応じて、天然毛髪染色剤中、直接染料中、および天然増粘剤中の割合は変化し得る。
以下に示されるとおり、ブロンドの色合いを供するための顆粒化された毛髪染色組成物は、主にカシア・アウリクラタ(Cassia Auriculata)葉粉末を含んでいてもよく、ブロンドの色合いを供するための顆粒化された毛髪染色組成物は、主にローソニア・イネルミス(Lawsonia Inermis)葉粉末、タイワンコマツナギ(Indigofera tinctoria)葉粉末を含んでいてもよい。
【0101】
【0102】
毛髪染色方法
上記毛髪染色方法は下記のとおりに実施される:
- 顆粒化された毛髪染色組成物を提供し、
- 毛髪染色組成物を水と(70℃の温度で)1:5の重量比で均一に混合し、
- 毛髪上に均一な毛髪染色混合物を塗布し、
- 5分~60分の所定の作用時間の間、塗布された毛髪染色混合物を毛髪上で作用させ、
- 水で毛髪を洗い流し、
- 任意選択でシャンプーで毛髪を洗浄し、
- 任意選択で水で洗い流し、
- 任意選択で毛髪を90%乾燥するまで風乾させる。
【0103】
【0104】
本明細書に記載されたものに加えて、本発明の変形および改変、ならびにそのさらなる実施形態は、本明細書の全体の内容から当業者にとって明らかになるであろう。本明細書の主題は、その各種実施形態およびそれらの均等物における本発明の実施に適合させることができる情報、例示および指針を含む。添付の特許請求の範囲は、そのような変形、改変、実施形態および均等物の全てを包含することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無水の顆粒化された毛髪染色組成物であって、
無水の顆粒化された毛髪染色組成物が、その合計重量の少なくとも60重量%の天然毛髪染色剤、10~30重量%の天然増粘剤、および任意で0~10重量%の直接染料を含み、
天然染色剤が、天然増粘剤で被覆されることにより顆粒物を形成しており、
天然染色剤が、ローソニア・イネルミス(Lawsonia Inermis)葉粉末(ヘナ)、インディゴを生成する植物の粉末、およびそれらの混合物からなる群より選択され、
天然増粘剤が、マルトデキストリン、キサンタンガム、クラスタマメ(Cyampopsis Tetragonoloba)(グアー)ガム、およびそれらの混合物からなる群より選択され、
無水の顆粒化された毛髪染色組成物が、下記工程:
- 天然毛髪染色剤を含む粉末を提供する工程と、
- 天然増粘剤の水溶液を提供する工程と、
- 顆粒物を得るために粉末を天然増粘剤の水溶液で湿潤させる工程と、
- 顆粒物を乾燥させる工程と
からなる方法により得られる、無水の顆粒化された毛髪染色組成物。
【請求項2】
天然増粘剤が、マルトデキストリンとキサンタンガムとの混合物、またはマルトデキストリンとクラスタマメ(Cyampopsis Tetragonoloba)(グアー)ガムとの混合物である、請求項1に記載の無水の顆粒化された毛髪染色組成物。
【請求項3】
流動床造粒により得られる、請求項1または2に記載の無水の顆粒化された毛髪染色組成物。
【請求項4】
直接染料が、HC Yellow 17、HC Blue 18、HC Yellow 16、HC Red 18;Acid Yellow 1、Acid Orange 3、Acid Black 1、Acid Black 52、Acid Orange 7、Acid Red 33、Acid Yellow 23、Acid Blue 9、Acid Violet 43、Acid Blue 62、Acid Blue 25、Acid Red 4等の酸性染料;Basic Brown 17、Basic Red 118、Basic Orange 69、Basic Red 76、Basic Brown 16、Basic Yellow 57、Basic Violet 14、Basic Blue 7、Basic Blue 26、Basic Red 2、Basic Red 76、Basic Violet 2、Basic Blue 99、Basic Yellow 29、Basic Red 51、Basic Orange 31、Basic Yellow 87、Basic Blue 124、4-(3-(4-アミノ-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-1-イルアミノ)プロピル)-4-メチルモルホリン-4-イウム-メチルスルフェート、(E)-1-(2-(4-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)ジアゼニル)フェニル)(エチル)アミノ)エチル)-3-メチル-1H-イミダゾール-3-イウム塩化物、(E)-4-(2-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)ジアゼニル)-1-メチル-1H-イミダゾール-3-イウム-3-イル)ブタン-1-スルホネート、(E)-4-(4-(2-メチル-2-フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジニウム-1-イル)ブタン-1-スルホネート、N,N-ジメチル-3-(4-(メチルアミノ)-9,10-ジオキソ-4a,9,9a,10-テトラヒドロアントラセン-1-イルアミノ)-N-プロピルプロパン-1-アミニウム臭化物等の塩基性染料;Disperse Red 17、Disperse Violet 1、Disperse Red 15、Disperse Black 9、Disperse Blue 3、Disperse Blue 23、Disperse Blue 377等の分散染料;1-(2-(4-ニトロフェニルアミノ)エチル)尿素、2-(4-メチル-2-ニトロフェニルアミノ)エタノール、4-ニトロベンゼン-1,2-ジアミン、2-ニトロベンゼン-1,4-ジアミン、ピクリン酸、HC Red No.13、2,2’-(2-ニトロ-1,4-フェニレン)ビス(アザンジイル)ジエタノール、HC Yellow No.5、HC Red No.7、HC Blue No.2、HC Yellow No.4、HC Yellow No.2、HC Orange No.1、HC Red No.1、2-(4-アミノ-2-クロロ-5-ニトロフェニルアミノ)エタノール、HC Red No.3、4-アミノ-3-ニトロフェノール、4-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-3-ニトロフェノール、2-アミノ-3-ニトロフェノール、2-(3-(メチルアミノ)-4-ニトロフェノキシ)エタノール、3-(3-アミノ-4-ニトロフェニル)プロパン-1,2-ジオール、ヒドロキシエチル-2-ニトロ-p-トルイジン、HC Yellow No.11、HC Violet No.1、HC Orange No.2、HC Orange No.3、HC Yellow No.9、HC Red No.10、HC Red No.11、2-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-4,6-ジニトロフェノール、HC Blue No.12、HC Blue No.2、HC Blue No.16、HC Yellow No.6、HC Yellow No.12、HC Blue No.10、HC Yellow No.7、HC Yellow No.10、HC Blue No.9、2-クロロ-6-(エチルアミノ)-4-ニトロフェノール、6-ニトロピリジン-2,5-ジアミン、HC Violet No.2、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-(3-ヒドロキシプロピルアミノ)-3-ニトロフェノール、HC Yellow No.13、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン、HC Red No.14、HC Yellow No.15、HC Yellow No.14、N2-メチル-6-ニトロピリジン-2,5-ジアミン、N1-アリル-2-ニトロベンゼン-1,4-ジアミン、HC Red No.8、HC Green No.1、HC Blue No.14等のニトロ染料、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の無水の顆粒化された毛髪染色組成物。
【請求項5】
さらに天然のコンディショニング剤を含み、好ましくは天然のコンディショニング剤が、カシア・アウリクラタ(Cassia Auriculata)葉粉末、カシア・アンガスティフォリア(Cassia Angustifolia)葉粉末、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の無水の顆粒化された毛髪染色組成物。
【請求項6】
いかなる脂肪族化合物も含まない、請求項1から5のいずれか一項に記載の無水の顆粒化された毛髪染色組成物。
【請求項7】
いかなる界面活性剤も含まない、請求項1から6のいずれか一項に記載の無水の顆粒化された毛髪染色組成物。
【請求項8】
非酸化型組成物である、請求項1から7のいずれか一項に記載の無水の顆粒化された毛髪染色組成物。
【請求項9】
無水の顆粒化された毛髪染色組成物を得る方法であって、
無水の顆粒化された毛髪染色組成物が、その合計重量の少なくとも60重量%の天然毛髪染色剤、10~30重量%の天然増粘剤、および任意で0~10重量%の直接染料を含み、
天然染色剤が、天然増粘剤で被覆されることにより顆粒物を形成しており、
無水の顆粒化された毛髪染色組成物を得る方法が、下記工程:
- 天然毛髪染色剤を含む粉末を提供する工程であり、天然染色剤が、ローソニア・イネルミス(Lawsonia Inermis)葉粉末(ヘナ)、インディゴを生成する植物の粉末、およびそれらの混合物からなる群より選択される工程と、
- 天然増粘剤の水溶液を提供する工程であり、天然増粘剤が、マルトデキストリン、キサンタンガム、クラスタマメ(Cyampopsis Tetragonoloba)(グアー)ガム、およびそれらの混合物からなる群より選択される工程と、
- 顆粒物を得るために粉末を天然増粘剤の水溶液で湿潤させる工程と、
- 顆粒物を乾燥させる工程と
からなる、方法。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載の毛髪染色組成物および化粧料として許容される水性担体を含む毛髪染色塗布剤であって、毛髪染色組成物と化粧料として許容される水性担体が、1:1~1:10の重量比で混合される、毛髪染色塗布剤。
【請求項11】
毛髪を染色する方法であって、下記工程:
- 請求項1から8のいずれか一項に記載の顆粒化された毛髪染色組成物を提供する工程と、
- 毛髪染色組成物を、化粧料として許容される担体と1:5の重量比で均一に混合する工程と、
- 毛髪上に均一な毛髪染色塗布剤を塗布する工程と、
- 所定の作用時間の間、塗布された毛髪染色塗布剤を毛髪上で作用させる工程と、
- 水で毛髪を洗い流す工程と、
- 任意でシャンプーで毛髪を洗浄する工程と、
- 任意で水で洗い流す工程と、
- 任意で毛髪を90%乾燥するまで風乾させる工程と
を含む、方法。
【請求項12】
毛髪の半永久的な染色のための、請求項1から8のいずれか一項に記載の顆粒化された毛髪染色組成物およびそれから得られる請求項10に記載の毛髪染色塗布剤の使用方法。
【国際調査報告】