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特表2023-554271スフィンゴモナス細菌由来小胞を含む神経疾患または精神疾患の予防または治療用組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-27
(54)【発明の名称】スフィンゴモナス細菌由来小胞を含む神経疾患または精神疾患の予防または治療用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/74 20150101AFI20231220BHJP
   A61P 21/02 20060101ALI20231220BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20231220BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20231220BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20231220BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20231220BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20231220BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20231220BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20231220BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20231220BHJP
   A23L 33/135 20160101ALI20231220BHJP
   C12N 1/20 20060101ALN20231220BHJP
【FI】
A61K35/74 G ZNA
A61P21/02
A61P25/00
A61P25/08
A61P25/14
A61P25/16
A61P25/28
A61P27/02
A61P27/16
A61P27/06
A23L33/135
C12N1/20 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534205
(86)(22)【出願日】2021-11-16
(85)【翻訳文提出日】2023-06-05
(86)【国際出願番号】 KR2021016743
(87)【国際公開番号】W WO2022124614
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0170221
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0156952
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】516348577
【氏名又は名称】エムディー ヘルスケア インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MD HEALTHCARE INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ユン-クン
【テーマコード(参考)】
4B018
4B065
4C087
【Fターム(参考)】
4B018MD85
4B018ME14
4B065AA01X
4B065AA04X
4B065AC15
4B065CA44
4B065CA60
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC31
4C087CA10
4C087MA52
4C087NA14
4C087ZA01
4C087ZA02
4C087ZA06
4C087ZA15
4C087ZA16
4C087ZA33
4C087ZA34
4C087ZA94
(57)【要約】
本発明は、スフィンゴモナス細菌由来小胞を含む神経疾患または精神疾患の予防および治療用途に関し、本発明者らは、前記細菌培養液から小胞を分離して経口投与したとき、小胞が脳に伝達され、脳疾患動物モデルに投与したとき、神経生成だけでなく、神経細胞間連結性を増加させることを確認し、また、このような治療効果は、神経栄養因子および受容体遺伝子の発現を増加させると同時に、細胞老化を抑制するSirt1、Sirt5、およびSirt7遺伝子の発現を増加させることによって誘導されることを確認した。これに加えて、スフィンゴモナス細菌由来小胞を神経疾患または病原性因子による炎症細胞における炎症性媒介体の分泌を抑制することを確認したところ、本発明によるスフィンゴモナス細菌由来小胞は、脳疾患マウスモデルに投与することにより、記憶能力および空間知覚能力など脳損傷による症状を改善し、神経疾患または精神疾患の予防、改善、または治療用組成物に有用に用いられ得ることが期待される。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スフィンゴモナス細菌由来小胞を有効成分として含む、神経疾患または精神疾患の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項2】
前記神経疾患は、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease)、パーキンソン病(Parkinson’s disease)、筋萎縮性側索硬化症(amyotropic lateral sclerosis)、ハンチントン病(Huntington’s disease)、てんかん(epilepsy)、黄斑変性(macular degeneration)、緑内障(glaucoma)、カーンズ・セイヤー症候群(Kearns-Sayre syndrome,KSS)、慢性進行性外眼筋まひ(chronic progressive external ophthalmoplegia,CPEO)、MELAS症候群(mitochondrial encephalomyopathy with lactic acidosis and stroke-like episodes,MELAS)、MERRF症候群(myoclonic epilepsy with ragged-red fibers,MERRF)、NARP症候群(neurogenic weakness with ataxia and retinitis pigmentosa,NARP)、Leigh症候群(Leigh syndrome,LS)、MIRAS症候群(mitochondrial recessive ataxia syndrome)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)、嗅覚異常(dysosmia)、難聴(deafness)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、および糖尿病性神経障害(diabetic neuropathy)からなる群から選択された1つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項3】
前記精神疾患は、注意欠陥多動性障害(attention deficit hyperactivity syndrome)、双極性障害(bipolar disorder)、不安障害(anxiety disorder)、統合失調症(schizophrenia)、強迫障害(obsessive compulsive disorder)、外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder)、解離障害(dissociative disorder)、摂食障害(eating disorder)、物質使用障害(substance use disorder)、およびパーソナリティ障害(personality disorder)からなる群から選択された1つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項4】
前記疾患は、神経栄養因子により媒介される疾患であることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
前記神経栄養因子は、BDNF(brain-derived neurotrophic factor)またはNGF(nerve growth factor)であることを特徴とする請求項4に記載の薬学的組成物。
【請求項6】
前記スフィンゴモナス細菌由来小胞は、Sirt1(Sirtuin 1)、Sirt5、およびSirt7からなる群から選択された1つ以上の発現を増加させることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
前記スフィンゴモナス細菌は、スフィンゴモナス(Sphingomonas)、スフィンゴビウム(Sphingobium)、ノボスフィンゴビウム(Novosphingobium)、スフィンゴシニセラ(Sphingosinicella)、およびスフィンゴピキシス(Sphingopyxis)からなる群から選択された1つ以上の属細菌であることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項8】
前記スフィンゴモナス細菌は、スフィンゴモナス・アバシー(Sphingomonas abaci)、スフィンゴモナス・アドハエシバ(Sphingomonas adhaesiva)、スフィンゴモナス・アエロラータ(Sphingomonas aerolata)、スフィンゴモナス・アエロフィラ(Sphingomonas aerophila)、スフィンゴモナス・アエスツアリイ(Sphingomonas aestuarii)、スフィンゴモナス・アラスケンシス(Sphingomonas alaskensis)、スフィンゴモナス・アルピナ(Sphingomonas alpina)、スフィンゴモナス・アクアティーリス(Sphingomonas aquatilis)、スフィンゴモナス・アロマティシボランス(Sphingomonas aromaticivorans)、スフィンゴモナス・アサッカロリティカ(Sphingomonas asaccharolytica)、スフィンゴモナス・アスタキサンチニファシエンス(Sphingomonas astaxanthinifaciens)、スフィンゴモナス・アウランティアカ(Sphingomonas aurantiaca)、スフィンゴモナス・アゾティファイゲンス(Sphingomonas azotifigens)、スフィンゴモナス・バエクリュンエンシス(Sphingomonas baekryungensis)、スフィンゴモナス・カプスラータ(Sphingomonas capsulata)、スフィンゴモナス・カナデンシス(Sphingomonas canadensis)、スフィンゴモナス・チャングバイエンシス(Sphingomonas changbaiensis)、スフィンゴモナス・クロロフェノリカ(Sphingomonas chlorophenolica)、スフィンゴモナス・チュングブケンシス(Sphingomonas chungbukensis)、スフィンゴモナス・クロアカエ(Sphingomonas cloacae)、スフィンゴモナス・サイナレ(Sphingomonas cynarae)、スフィンゴモナス・デチャンギンシス(Sphingomonas daechungensis)、スフィンゴモナス・デシカビリス(Sphingomonas desiccabilis)、スフィンゴモナス・ドクドネンシス(Sphingomonas dokdonensis)、スフィンゴモナス・エキノイデス(Sphingomonas echinoides)、スフィンゴモナス・エロデア(Sphingomonas elodea)、スフィンゴモナス・エンドフィティカ(Sphingomonas endophytica)、スフィンゴモナス・ファエニ(Sphingomonas faeni)、スフィンゴモナス・フェニカ(Sphingomonas fennica)、スフィンゴモナス・フラバ(Sphingomonas flava)、スフィンゴモナス・フォルモセンシス(Sphingomonas formosensis)、スフィンゴモナス・ゲイ(Sphingomonas gei)、スフィンゴモナス・ギメンシス(Sphingomonas gimensis)、スフィンゴモナス・ギンセンギソリ(Sphingomonas ginsengisoli)、スフィンゴモナス・ギンセノシディミュータンス(Sphingomonas ginsenosidimutans)、スフィンゴモナス・グラシアリス(Sphingomonas glacialis)、スフィンゴモナス・グァンドンジェンシス(Sphingomonas guangdongensis)、スフィンゴモナス・ハロアロマティカマンス(Sphingomonas haloaromaticamans)、スフィンゴモナス・ハンクーケンシス(Sphingomonas hankookensis)、スフィンゴモナス・ヘルビシドボランス(Sphingomonas herbicidovorans)、スフィンゴモナス・ヒスチジニリチカ(Sphingomonas histidinilytica)、スフィンゴモナス・インディカ(Sphingomonas indica)、スフィンゴモナス・インサラエ(Sphingomonas insulae)、スフィンゴモナス・ジャポニカ(Sphingomonas japonica)、スフィンゴモナス・ジャスピシ(Sphingomonas jaspsi)、スフィンゴモナス・ジェジュエンシス(Sphingomonas jejuensis)、スフィンゴモナス・ジンジュエンシス(Sphingomonas jinjuensis)、スフィンゴモナス・カイステンシス(Sphingomonas kaistensis)、スフィンゴモナス・コリエンシス(Sphingomonas koreensis)、スフィンゴモナス・キエオンギエンシス(Sphingomonas kyeonggiensis)、スフィンゴモナス・キョンヒエンシス(Sphingomonas kyungheensis)、スフィンゴモナス・ラクス(Sphingomonas lacus)、スフィンゴモナス・ラテラリエ(Sphingomonas laterariae)、スフィンゴモナス・レイディイ(Sphingomonas leidyi)、スフィンゴモナス・マクロゴルタビダス(Sphingomonas macrogoltabidus)、スフィンゴモナス・マリー(Sphingomonas mali)、スフィンゴモナス・メロニス(Sphingomonas melonis)、スフィンゴモナス・モルスコーラム(Sphingomonas molluscorum)、スフィンゴモナス・モリンデ(Sphingomonas morindae)、スフィンゴモナス・ミューコシシマ(Sphingomonas mucosissima)、スフィンゴモナス・ナセンシス(Sphingomonas naasensis)、スフィンゴモナス・ナタトリア(Sphingomonas natatoria)、スフィンゴモナス・オリゴアロマティボランス(Sphingomonas oligoaromativorans)、スフィンゴモナス・オリゴフェノリカ(Sphingomonas oligophenolica)、スフィンゴモナス・オリジテラエ(Sphingomonas oryziterrae)、スフィンゴモナス・パニー(Sphingomonas panni)、スフィンゴモナス・パラポウシモビリス(Sphingomonas parapaucimobilis)、スフィンゴモナス・パウシモビリス(Sphingomonas paucimobilis)、スフィンゴモナス・フィロスフェレ(Sphingomonas phyllosphaerae)、スフィンゴモナス・ピテュイトサ(Sphingomonas pituitosa)、スフィンゴモナス・ポリアロマティシボランス(Sphingomonas polyaromaticivorans)、スフィンゴモナス・プルーニ(Sphingomonas pruni)、スフィンゴモナス・シュードサングイニス(Sphingomonas pseudosanguinis)、スフィンゴモナス・サイクロルテア(Sphingomonas psychrolutea)、スフィンゴモナス・ローサ(Sphingomonas rosa)、スフィンゴモナス・ローゼイフラバ(Sphingomonas roseiflava)、スフィンゴモナス・ルブラ(Sphingomonas rubra)、スフィンゴモナス・サングイニス(Sphingomonas sanguinis)、スフィンゴモナス・サンキサニゲネンス(Sphingomonas sanxanigenens)、スフィンゴモナス・セディミニコラ(Sphingomonas sediminicola)、スフィンゴモナス・ソリー(Sphingomonas soli)、スフィンゴモナス・スターンベルゲンシス(Sphingomonas starnbergensis)、スフィンゴモナス・スチギア(Sphingomonas stygia)、スフィンゴモナス・ズバルチカ(Sphingomonas subarctica)、スフィンゴモナス・スベリファシエンス(Sphingomonas suberifaciens)、スフィンゴモナス・サブテラニア(Sphingomonas subterranea)、スフィンゴモナス・テジョネンシス(Sphingomonas taejonensis)、スフィンゴモナス・テラエ(Sphingomonas terrae)、スフィンゴモナス・トゥルーペリ(Sphingomonas trueperi)、スフィンゴモナス・ウルシンコラ(Sphingomonas ursincola)、スフィンゴモナス・ブルカニソリ(Sphingomonas vulcanisoli)、スフィンゴモナス・ウイッチ(Sphingomonas wittichii)、スフィンゴモナス・ゼノファガ(Sphingomonas xenophaga)、スフィンゴモナス・シンジャンゲンシス(Sphingomonas xinjiangensis)、スフィンゴモナス・ヤブーチャエ(Sphingomonas yabuuchiae)、スフィンゴモナス・ヤンチンジェンシス(Sphingomonas yantingensis)、スフィンゴモナス・ヤノイクエ(Sphingomonas yanoikuyae)、スフィンゴモナス・ユナネンシス(Sphingomonas yunnanensis)、およびスフィンゴモナス・ジアエ(Sphingomonas zeae)からなる群から選択された1つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
前記小胞は、平均直径が10~1000nmであることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項10】
前記小胞は、スフィンゴモナス細菌培養液から分離されることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項11】
前記小胞は、スフィンゴモナス細菌から自然的にまたは人工的に分泌されることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項12】
スフィンゴモナス細菌由来小胞を有効成分として含む、神経疾患または精神疾患の予防または改善用食品組成物。
【請求項13】
前記神経疾患は、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease)、パーキンソン病(Parkinson’s disease)、筋萎縮性側索硬化症(amyotropic lateral sclerosis)、ハンチントン病(Huntington’s disease)、てんかん(epilepsy)、黄斑変性(macular degeneration)、緑内障(glaucoma)、カーンズ・セイヤー症候群(Kearns-Sayre syndrome,KSS)、慢性進行性外眼筋まひ(chronic progressive external ophthalmoplegia,CPEO)、MELAS症候群(mitochondrial encephalomyopathy with lactic acidosis and stroke-like episodes,MELAS)、MERRF症候群(myoclonic epilepsy with ragged-red fibers,MERRF)、NARP症候群(neurogenic weakness with ataxia and retinitis pigmentosa,NARP)、Leigh症候群(Leigh syndrome,LS)、MIRAS症候群(mitochondrial recessive ataxia syndrome)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)、嗅覚異常(dysosmia)、難聴(deafness)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、および糖尿病性神経障害(diabetic neuropathy)からなる群から選択された1つ以上であることを特徴とする請求項12に記載の食品組成物。
【請求項14】
前記スフィンゴモナス細菌は、スフィンゴモナス(Sphingomonas)、スフィンゴビウム(Sphingobium)、ノボスフィンゴビウム(Novosphingobium)、スフィンゴシニセラ(Sphingosinicella)、およびスフィンゴピキシス(Sphingopyxis)からなる群から選択された1つ以上の属細菌であることを特徴とする請求項12に記載の食品組成物。
【請求項15】
前記スフィンゴモナス属細菌は、スフィンゴモナス・アバシー(Sphingomonas abaci)、スフィンゴモナス・アドハエシバ(Sphingomonas adhaesiva)、スフィンゴモナス・アエロラータ(Sphingomonas aerolata)、スフィンゴモナス・アエロフィラ(Sphingomonas aerophila)、スフィンゴモナス・アエスツアリイ(Sphingomonas aestuarii)、スフィンゴモナス・アラスケンシス(Sphingomonas alaskensis)、スフィンゴモナス・アルピナ(Sphingomonas alpina)、スフィンゴモナス・アクアティーリス(Sphingomonas aquatilis)、スフィンゴモナス・アロマティシボランス(Sphingomonas aromaticivorans)、スフィンゴモナス・アサッカロリティカ(Sphingomonas asaccharolytica)、スフィンゴモナス・アスタキサンチニファシエンス(Sphingomonas astaxanthinifaciens)、スフィンゴモナス・アウランティアカ(Sphingomonas aurantiaca)、スフィンゴモナス・アゾティファイゲンス(Sphingomonas azotifigens)、スフィンゴモナス・バエクリュンエンシス(Sphingomonas baekryungensis)、スフィンゴモナス・カプスラータ(Sphingomonas capsulata)、スフィンゴモナス・カナデンシス(Sphingomonas canadensis)、スフィンゴモナス・チャングバイエンシス(Sphingomonas changbaiensis)、スフィンゴモナス・クロロフェノリカ(Sphingomonas chlorophenolica)、スフィンゴモナス・チュングブケンシス(Sphingomonas chungbukensis)、スフィンゴモナス・クロアカエ(Sphingomonas cloacae)、スフィンゴモナス・サイナレ(Sphingomonas cynarae)、スフィンゴモナス・デチャンギンシス(Sphingomonas daechungensis)、スフィンゴモナス・デシカビリス(Sphingomonas desiccabilis)、スフィンゴモナス・ドクドネンシス(Sphingomonas dokdonensis)、スフィンゴモナス・エキノイデス(Sphingomonas echinoides)、スフィンゴモナス・エロデア(Sphingomonas elodea)、スフィンゴモナス・エンドフィティカ(Sphingomonas endophytica)、スフィンゴモナス・ファエニ(Sphingomonas faeni)、スフィンゴモナス・フェニカ(Sphingomonas fennica)、スフィンゴモナス・フラバ(Sphingomonas flava)、スフィンゴモナス・フォルモセンシス(Sphingomonas formosensis)、スフィンゴモナス・ゲイ(Sphingomonas gei)、スフィンゴモナス・ギメンシス(Sphingomonas gimensis)、スフィンゴモナス・ギンセンギソリ(Sphingomonas ginsengisoli)、スフィンゴモナス・ギンセノシディミュータンス(Sphingomonas ginsenosidimutans)、スフィンゴモナス・グラシアリス(Sphingomonas glacialis)、スフィンゴモナス・グァンドンジェンシス(Sphingomonas guangdongensis)、スフィンゴモナス・ハロアロマティカマンス(Sphingomonas haloaromaticamans)、スフィンゴモナス・ハンクーケンシス(Sphingomonas hankookensis)、スフィンゴモナス・ヘルビシドボランス(Sphingomonas herbicidovorans)、スフィンゴモナス・ヒスチジニリチカ(Sphingomonas histidinilytica)、スフィンゴモナス・インディカ(Sphingomonas indica)、スフィンゴモナス・インサラエ(Sphingomonas insulae)、スフィンゴモナス・ジャポニカ(Sphingomonas japonica)、スフィンゴモナス・ジャスピシ(Sphingomonas jaspsi)、スフィンゴモナス・ジェジュエンシス(Sphingomonas jejuensis)、スフィンゴモナス・ジンジュエンシス(Sphingomonas jinjuensis)、スフィンゴモナス・カイステンシス(Sphingomonas kaistensis)、スフィンゴモナス・コリエンシス(Sphingomonas koreensis)、スフィンゴモナス・キエオンギエンシス(Sphingomonas kyeonggiensis)、スフィンゴモナス・キョンヒエンシス(Sphingomonas kyungheensis)、スフィンゴモナス・ラクス(Sphingomonas lacus)、スフィンゴモナス・ラテラリエ(Sphingomonas laterariae)、スフィンゴモナス・レイディイ(Sphingomonas leidyi)、スフィンゴモナス・マクロゴルタビダス(Sphingomonas macrogoltabidus)、スフィンゴモナス・マリー(Sphingomonas mali)、スフィンゴモナス・メロニス(Sphingomonas melonis)、スフィンゴモナス・モルスコーラム(Sphingomonas molluscorum)、スフィンゴモナス・モリンデ(Sphingomonas morindae)、スフィンゴモナス・ミューコシシマ(Sphingomonas mucosissima)、スフィンゴモナス・ナセンシス(Sphingomonas naasensis)、スフィンゴモナス・ナタトリア(Sphingomonas natatoria)、スフィンゴモナス・オリゴアロマティボランス(Sphingomonas oligoaromativorans)、スフィンゴモナス・オリゴフェノリカ(Sphingomonas oligophenolica)、スフィンゴモナス・オリジテラエ(Sphingomonas oryziterrae)、スフィンゴモナス・パニー(Sphingomonas panni)、スフィンゴモナス・パラポウシモビリス(Sphingomonas parapaucimobilis)、スフィンゴモナス・パウシモビリス(Sphingomonas paucimobilis)、スフィンゴモナス・フィロスフェレ(Sphingomonas phyllosphaerae)、スフィンゴモナス・ピテュイトサ(Sphingomonas pituitosa)、スフィンゴモナス・ポリアロマティシボランス(Sphingomonas polyaromaticivorans)、スフィンゴモナス・プルーニ(Sphingomonas pruni)、スフィンゴモナス・シュードサングイニス(Sphingomonas pseudosanguinis)、スフィンゴモナス・サイクロルテア(Sphingomonas psychrolutea)、スフィンゴモナス・ローサ(Sphingomonas rosa)、スフィンゴモナス・ローゼイフラバ(Sphingomonas roseiflava)、スフィンゴモナス・ルブラ(Sphingomonas rubra)、スフィンゴモナス・サングイニス(Sphingomonas sanguinis)、スフィンゴモナス・サンキサニゲネンス(Sphingomonas sanxanigenens)、スフィンゴモナス・セディミニコラ(Sphingomonas sediminicola)、スフィンゴモナス・ソリー(Sphingomonas soli)、スフィンゴモナス・スターンベルゲンシス(Sphingomonas starnbergensis)、スフィンゴモナス・スチギア(Sphingomonas stygia)、スフィンゴモナス・ズバルチカ(Sphingomonas subarctica)、スフィンゴモナス・スベリファシエンス(Sphingomonas suberifaciens)、スフィンゴモナス・サブテラニア(Sphingomonas subterranea)、スフィンゴモナス・テジョネンシス(Sphingomonas taejonensis)、スフィンゴモナス・テラエ(Sphingomonas terrae)、スフィンゴモナス・トゥルーペリ(Sphingomonas trueperi)、スフィンゴモナス・ウルシンコラ(Sphingomonas ursincola)、スフィンゴモナス・ブルカニソリ(Sphingomonas vulcanisoli)、スフィンゴモナス・ウイッチ(Sphingomonas wittichii)、スフィンゴモナス・ゼノファガ(Sphingomonas xenophaga)、スフィンゴモナス・シンジャンゲンシス(Sphingomonas xinjiangensis)、スフィンゴモナス・ヤブーチャエ(Sphingomonas yabuuchiae)、スフィンゴモナス・ヤンチンジェンシス(Sphingomonas yantingensis)、スフィンゴモナス・ヤノイクエ(Sphingomonas yanoikuyae)、スフィンゴモナス・ユナネンシス(Sphingomonas yunnanensis)、およびスフィンゴモナス・ジアエ(Sphingomonas zeae)からなる群から選択された1つ以上であることを特徴とする請求項12に記載の食品組成物。
【請求項16】
前記小胞は、平均直径が10~1000nmであることを特徴とする請求項12に記載の食品組成物。
【請求項17】
前記小胞は、スフィンゴモナス細菌培養液から分離されることを特徴とする請求項12に記載の食品組成物。
【請求項18】
前記小胞は、スフィンゴモナス細菌から自然的にまたは人工的に分泌されることを特徴とする請求項12に記載の食品組成物。
【請求項19】
スフィンゴモナス細菌由来小胞を有効成分として含む、神経疾患または精神疾患の予防または改善用吸入組成物。
【請求項20】
前記神経疾患は、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease)、パーキンソン病(Parkinson’s disease)、筋萎縮性側索硬化症(amyotropic lateral sclerosis)、ハンチントン病(Huntington’s disease)、てんかん(epilepsy)、黄斑変性(macular degeneration)、緑内障(glaucoma)、カーンズ・セイヤー症候群(Kearns-Sayre syndrome,KSS)、慢性進行性外眼筋まひ(chronic progressive external ophthalmoplegia,CPEO)、MELAS症候群(mitochondrial encephalomyopathy with lactic acidosis and stroke-like episodes,MELAS)、MERRF症候群(myoclonic epilepsy with ragged-red fibers,MERRF)、NARP症候群(neurogenic weakness with ataxia and retinitis pigmentosa,NARP)、Leigh症候群(Leigh syndrome,LS)、MIRAS症候群(mitochondrial recessive ataxia syndrome)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)、嗅覚異常(dysosmia)、難聴(deafness)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、および糖尿病性神経障害(diabetic neuropathy)からなる群から選択された1つ以上であることを特徴とする請求項19に記載の吸入組成物。
【請求項21】
前記スフィンゴモナス細菌は、スフィンゴモナス(Sphingomonas)、スフィンゴビウム(Sphingobium)、ノボスフィンゴビウム(Novosphingobium)、スフィンゴシニセラ(Sphingosinicella)、およびスフィンゴピキシス(Sphingopyxis)からなる群から選択された1つ以上の属細菌であることを特徴とする請求項19に記載の吸入組成物。
【請求項22】
前記スフィンゴモナス属細菌は、スフィンゴモナス・アバシー(Sphingomonas abaci)、スフィンゴモナス・アドハエシバ(Sphingomonas adhaesiva)、スフィンゴモナス・アエロラータ(Sphingomonas aerolata)、スフィンゴモナス・アエロフィラ(Sphingomonas aerophila)、スフィンゴモナス・アエスツアリイ(Sphingomonas aestuarii)、スフィンゴモナス・アラスケンシス(Sphingomonas alaskensis)、スフィンゴモナス・アルピナ(Sphingomonas alpina)、スフィンゴモナス・アクアティーリス(Sphingomonas aquatilis)、スフィンゴモナス・アロマティシボランス(Sphingomonas aromaticivorans)、スフィンゴモナス・アサッカロリティカ(Sphingomonas asaccharolytica)、スフィンゴモナス・アスタキサンチニファシエンス(Sphingomonas astaxanthinifaciens)、スフィンゴモナス・アウランティアカ(Sphingomonas aurantiaca)、スフィンゴモナス・アゾティファイゲンス(Sphingomonas azotifigens)、スフィンゴモナス・バエクリュンエンシス(Sphingomonas baekryungensis)、スフィンゴモナス・カプスラータ(Sphingomonas capsulata)、スフィンゴモナス・カナデンシス(Sphingomonas canadensis)、スフィンゴモナス・チャングバイエンシス(Sphingomonas changbaiensis)、スフィンゴモナス・クロロフェノリカ(Sphingomonas chlorophenolica)、スフィンゴモナス・チュングブケンシス(Sphingomonas chungbukensis)、スフィンゴモナス・クロアカエ(Sphingomonas cloacae)、スフィンゴモナス・サイナレ(Sphingomonas cynarae)、スフィンゴモナス・デチャンギンシス(Sphingomonas daechungensis)、スフィンゴモナス・デシカビリス(Sphingomonas desiccabilis)、スフィンゴモナス・ドクドネンシス(Sphingomonas dokdonensis)、スフィンゴモナス・エキノイデス(Sphingomonas echinoides)、スフィンゴモナス・エロデア(Sphingomonas elodea)、スフィンゴモナス・エンドフィティカ(Sphingomonas endophytica)、スフィンゴモナス・ファエニ(Sphingomonas faeni)、スフィンゴモナス・フェニカ(Sphingomonas fennica)、スフィンゴモナス・フラバ(Sphingomonas flava)、スフィンゴモナス・フォルモセンシス(Sphingomonas formosensis)、スフィンゴモナス・ゲイ(Sphingomonas gei)、スフィンゴモナス・ギメンシス(Sphingomonas gimensis)、スフィンゴモナス・ギンセンギソリ(Sphingomonas ginsengisoli)、スフィンゴモナス・ギンセノシディミュータンス(Sphingomonas ginsenosidimutans)、スフィンゴモナス・グラシアリス(Sphingomonas glacialis)、スフィンゴモナス・グァンドンジェンシス(Sphingomonas guangdongensis)、スフィンゴモナス・ハロアロマティカマンス(Sphingomonas haloaromaticamans)、スフィンゴモナス・ハンクーケンシス(Sphingomonas hankookensis)、スフィンゴモナス・ヘルビシドボランス(Sphingomonas herbicidovorans)、スフィンゴモナス・ヒスチジニリチカ(Sphingomonas histidinilytica)、スフィンゴモナス・インディカ(Sphingomonas indica)、スフィンゴモナス・インサラエ(Sphingomonas insulae)、スフィンゴモナス・ジャポニカ(Sphingomonas japonica)、スフィンゴモナス・ジャスピシ(Sphingomonas jaspsi)、スフィンゴモナス・ジェジュエンシス(Sphingomonas jejuensis)、スフィンゴモナス・ジンジュエンシス(Sphingomonas jinjuensis)、スフィンゴモナス・カイステンシス(Sphingomonas kaistensis)、スフィンゴモナス・コリエンシス(Sphingomonas koreensis)、スフィンゴモナス・キエオンギエンシス(Sphingomonas kyeonggiensis)、スフィンゴモナス・キョンヒエンシス(Sphingomonas kyungheensis)、スフィンゴモナス・ラクス(Sphingomonas lacus)、スフィンゴモナス・ラテラリエ(Sphingomonas laterariae)、スフィンゴモナス・レイディイ(Sphingomonas leidyi)、スフィンゴモナス・マクロゴルタビダス(Sphingomonas macrogoltabidus)、スフィンゴモナス・マリー(Sphingomonas mali)、スフィンゴモナス・メロニス(Sphingomonas melonis)、スフィンゴモナス・モルスコーラム(Sphingomonas molluscorum)、スフィンゴモナス・モリンデ(Sphingomonas morindae)、スフィンゴモナス・ミューコシシマ(Sphingomonas mucosissima)、スフィンゴモナス・ナセンシス(Sphingomonas naasensis)、スフィンゴモナス・ナタトリア(Sphingomonas natatoria)、スフィンゴモナス・オリゴアロマティボランス(Sphingomonas oligoaromativorans)、スフィンゴモナス・オリゴフェノリカ(Sphingomonas oligophenolica)、スフィンゴモナス・オリジテラエ(Sphingomonas oryziterrae)、スフィンゴモナス・パニー(Sphingomonas panni)、スフィンゴモナス・パラポウシモビリス(Sphingomonas parapaucimobilis)、スフィンゴモナス・パウシモビリス(Sphingomonas paucimobilis)、スフィンゴモナス・フィロスフェレ(Sphingomonas phyllosphaerae)、スフィンゴモナス・ピテュイトサ(Sphingomonas pituitosa)、スフィンゴモナス・ポリアロマティシボランス(Sphingomonas polyaromaticivorans)、スフィンゴモナス・プルーニ(Sphingomonas pruni)、スフィンゴモナス・シュードサングイニス(Sphingomonas pseudosanguinis)、スフィンゴモナス・サイクロルテア(Sphingomonas psychrolutea)、スフィンゴモナス・ローサ(Sphingomonas rosa)、スフィンゴモナス・ローゼイフラバ(Sphingomonas roseiflava)、スフィンゴモナス・ルブラ(Sphingomonas rubra)、スフィンゴモナス・サングイニス(Sphingomonas sanguinis)、スフィンゴモナス・サンキサニゲネンス(Sphingomonas sanxanigenens)、スフィンゴモナス・セディミニコラ(Sphingomonas sediminicola)、スフィンゴモナス・ソリー(Sphingomonas soli)、スフィンゴモナス・スターンベルゲンシス(Sphingomonas starnbergensis)、スフィンゴモナス・スチギア(Sphingomonas stygia)、スフィンゴモナス・ズバルチカ(Sphingomonas subarctica)、スフィンゴモナス・スベリファシエンス(Sphingomonas suberifaciens)、スフィンゴモナス・サブテラニア(Sphingomonas subterranea)、スフィンゴモナス・テジョネンシス(Sphingomonas taejonensis)、スフィンゴモナス・テラエ(Sphingomonas terrae)、スフィンゴモナス・トゥルーペリ(Sphingomonas trueperi)、スフィンゴモナス・ウルシンコラ(Sphingomonas ursincola)、スフィンゴモナス・ブルカニソリ(Sphingomonas vulcanisoli)、スフィンゴモナス・ウイッチ(Sphingomonas wittichii)、スフィンゴモナス・ゼノファガ(Sphingomonas xenophaga)、スフィンゴモナス・シンジャンゲンシス(Sphingomonas xinjiangensis)、スフィンゴモナス・ヤブーチャエ(Sphingomonas yabuuchiae)、スフィンゴモナス・ヤンチンジェンシス(Sphingomonas yantingensis)、スフィンゴモナス・ヤノイクエ(Sphingomonas yanoikuyae)、スフィンゴモナス・ユナネンシス(Sphingomonas yunnanensis)、およびスフィンゴモナス・ジアエ(Sphingomonas zeae)からなる群から選択された1つ以上であることを特徴とする請求項19に記載の吸入組成物。
【請求項23】
前記小胞は、平均直径が10~1000nmであることを特徴とする請求項19に記載の吸入組成物。
【請求項24】
前記小胞は、スフィンゴモナス細菌培養液から分離されることを特徴とする請求項19に記載の吸入組成物。
【請求項25】
前記小胞は、スフィンゴモナス細菌から自然的にまたは人工的に分泌されることを特徴とする請求項19に記載の吸入組成物。
【請求項26】
スフィンゴモナス細菌由来小胞を有効成分として含む組成物を個体に投与する段階を含む神経疾患または精神疾患の予防または治療方法。
【請求項27】
スフィンゴモナス細菌由来小胞を有効成分として含む組成物の神経疾患または精神疾患の予防または治療用途。
【請求項28】
スフィンゴモナス細菌由来小胞の神経疾患または精神疾患の予防または治療薬剤を生産するための用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スフィンゴモナス細菌由来小胞を含む神経疾患または精神疾患の予防または治療用組成物に関し、より具体的には、スフィンゴモナス細菌に由来する小胞を用いた神経疾患(neurological disease)または精神疾患(psychiatric disease)に対する予防、改善または治療用組成物に関する。
【0002】
本出願は、2020年12月8日に出願された韓国特許出願第10-2020-0170221号および2021年11月15日に出願された韓国特許出願第10-2021-0156952号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書および図面に開示されたすべての内容は本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
21世紀に入って過去伝染病と認識された急性感染性疾患の重要性は減少したが、人体の主要臓器に発生する免疫機能または代謝機能の障害による慢性炎症疾患が生活の質の減少とヒトの寿命を決定する主要疾患に疾患パターンが変わった。最近の研究においてヒトとマイクロバイオーム(microbiome)との不調和によって免疫機能および代謝機能をもたらして、慢性炎症と異常な細胞死が発生して、難治性疾患が発生するという事実が注目を浴びている。特に、21世紀高齢社会において難治性疾患として、アルツハイマー病などのような認知機能障害、パーキンソン病、ルーゲリック病などのような運動機能障害を含む退行性神経疾患(neurodegenerative disease)、自閉性障害、注意欠陥多動性障害などのような神経発達疾患(neurodevelopmental disease)、不安障害、うつ病、統合失調症などのような精神疾患(psychiatric disease)などがヒトの生活の質を決定する主要疾患として国民保健に大きい問題になっている。
【0004】
反復的なストレスによって神経細胞(ニューロン)の損傷をもたらし、その結果として、 神経細胞の異常な死滅によって脳-神経組織の構造および機能の異常をもたらす。アルツハイマー病(Alzheimer’s disease)、パーキンソン病(Parkinson’s disease)、筋萎縮性側索硬化症(amyotropic lateral sclerosis)、ハンチントン病(Huntington’s disease)、てんかん(epilepsy)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)、糖尿病性神経障害(diabetic neuropathy)などの神経疾患が神経細胞の退行または神経炎症の結果として発生する。また、カーンズ・セイヤー症候群(Kearns-Sayre syndrome,KSS)、慢性進行性外眼筋まひ(chronic progressive external ophthalmoplegia,CPEO)、MELAS症候群(mitochondrial encephalomyopathy with lactic acidosis and stroke-like episodes,MELAS)、MERRF症候群(myoclonic epilepsy with ragged-red fibers,MERRF)、NARP症候群(neurogenic weakness with ataxia and retinitis pigmentosa,NARP)、Leigh症候群(Leigh syndrome,LS)、MIRAS症候群(mitochondrial recessive ataxia syndrome)などのような疾患も、神経細胞の退行性変化によって発生する。
【0005】
最近、自閉症、気分障害、統合失調症などの精神疾患が腹痛と深い関連があることが明らかになった。腹痛は、下痢と便秘を伴い、繰り返されれば、過敏性大腸症候群に発展するが、これは、腸内細菌の不均衡(gut microbial dysbiosis)と関連がある。特に良くない食品、抗生剤の使用などで腸内細菌の不均衡が生じると、腸内有害微生物が丈夫だった大腸防御膜に亀裂を招き、腸漏れ現象が起こり、その後、有害細菌由来毒素が全身的に吸収され、うつ病が発生あるいは悪化すると報告されている。
【0006】
また、最近、神経疾患または精神疾患の病態生理に関する研究結果が多く出ており、これらの疾患を分子レベルで核心的な経路に問題があることが明らかになっている。病気の病因に関連した核心的な病因機序を発見し、これを回復させることは、多くの病気を同時に治療することができるという希望を提供する。細胞は、様々なストレスに繰り返し暴露されて細胞老化が起こり、この過程で細胞の免疫機能および代謝機能に障害が発生すると、細胞は異常に死滅する。すなわち、退行性神経疾患、神経発達疾患、および精神疾患の核心的な病態生理は、神経幹細胞の異常な死滅または神経細胞間連結性(inter-neuronal integrity)障害の結果として発生する。
【0007】
エネルギー代謝(energy metabolism)は、細胞の機能を行うのに必要なエネルギーを作り出して、様々な物質を形成するものであり、ミトコンドリアで作られたATPを通じて小胞体(endoplasmic reticulum,ER)でタンパク質と脂質が形成され、必要な領域に物質を供給する。細胞は、発生瞬間から様々なストレスに直面するが、生物学的、化学的、物理的、または精神的ストレスは、細胞内で小胞体(ER)ストレス、ミトコンドリア機能異常、リソソーム損傷(lysosomal damage)などを誘導して細胞死を起こす。特にストレスによってミトコンドリアDNA(mtDNA)突然変異の蓄積および活性酸素(reactive oxygen species,ROS)の過度な生産によって神経細胞老化が促進される。
【0008】
免疫(immunity)は、生物学的、化学的、物理的、精神的ストレスに対する細胞の防御機序であり、最近、免疫機能の異常による炎症疾患の病因と関連して細胞内酸化ストレスの結果として発生する危険信号(danger signal)は、細胞質内に存在するパターン認識受容体(pattern recognition receptor)であるNLRP(Nucleotide-binding oligomerization domain)などにより認知され、これは、インフラマソーム(Inflammasomes)を形成して炎症反応と異常な細胞死を起こすという事実が知らせた。
【0009】
なお、人体に共生する微生物の個数は、100兆個に至り、ヒト細胞より多く、微生物の遺伝子数は、ヒト遺伝子数の100倍を超えると知られている。微生物叢(microbiotaあるいは、microbiome)は、与えられた生息地に存在する真正細菌(bacteria)、古細菌(archaea)、真核生物(eukarya)を含む微生物群集(microbial community)を言う。
【0010】
人体に共生する細菌および周辺環境に存在する細菌は、他の細胞への遺伝子、低分子化合物、タンパク質などの情報を交換するために、ナノメートルサイズの小胞(vesicle)を分泌する。粘膜は、200ナノメートル(nm)サイズ以上の粒子が通過できない物理的な防御膜を形成して粘膜に共生する細菌である場合には、粘膜を通過しないが、細菌由来小胞は、サイズが20~200nmサイズ程度であるので、比較的自由に粘膜を通じて上皮細胞を通過して人体に吸収される。局所的に分泌された細菌由来小胞は、粘膜の上皮細胞を通じて吸収されて、局所炎症反応を誘導すると共に、上皮細胞を通過した小胞は、全身に吸収されて各臓器に分布し、分布した臓器で免疫および炎症反応を調節する。例えば、大腸菌(Escherichia coli)のような病原性グラム陰性細菌に由来する小胞は、局所的に炎症反応およびがんを起こし、血管に吸収された場合には、血管内皮細胞炎症反応を通じて全身的な炎症反応および血液凝固を促進させる。また、インスリンが作用する筋肉細胞などに吸収されて、インスリン抵抗性と糖尿病を誘発する。一方、有益な細菌に由来する小胞は、各臓器の特定細胞に吸収されて、核心的な免疫機能および代謝機能の異常を調節して、疾患の発生を抑制することができる。
【0011】
スフィンゴモナス(Sphingomonas)細菌は、水、土壌、および植物の根などのように自然系に広く棲息する絶対好気性グラム陰性細菌である。多くのグラム陰性細菌が細胞外膜にlipopolysaccharide(LPS)を有する代わりに、スフィンゴモナス細菌は、細胞外膜にLPSの代わりにスフィンゴ脂質(sphingolipid)を有していて、LPSを有する細菌より脂質にさらに親和的である。また、スフィンゴモナス細菌は、細菌外膜に存在するubiquinone 10を介して電子を伝達して、ミトコンドリアと同様にエネルギーを生産することができる。スフィンゴモナス細菌は、Sphingomonas、Sphingobium、Novospingobium、Sphingosinicella、およびSphingopyxis属細菌からなる。
【0012】
しかしながら、まだスフィンゴモナス細菌に由来する小胞を応用して神経疾患または精神疾患の治療に応用した事例は報告されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明者らは、上記のような従来の問題点を解決するために鋭意研究した結果、スフィンゴモナス細菌を培養し、培養液から小胞を分離して細胞に前記小胞を処理したとき、病原性因子による炎症性媒介体の分泌を顕著に抑制することを確認した。また、異常タンパク質生成により誘導される脳疾患の疾患モデルに前記小胞を処理したとき、認知機能に関連した行動障害だけでなく、異常タンパク質の沈着を抑制することを確認した。また、前記疾患モデルにおいてスフィンゴモナス細菌由来小胞は、神経幹細胞の増殖および分化、および神経細胞間連結性(interneural intergrity)を増加させて、治療効果を示すことを確認した。また、前記神経生成(neurogenesis)による治療効果は、スフィンゴモナス細菌由来小胞が神経細胞に作用して神経生成を誘導する神経栄養因子であるbrain-derived neurotrophic factor(BDNF)およびストレスによる細胞老化を防止するサーチュインタンパク質発現を増加させて起こることを確認したところ、これに基づいて本発明を完成した。
【0014】
これより、本発明の目的は、スフィンゴモナス細菌由来小胞を有効成分として含む、神経疾患または精神疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、スフィンゴモナス細菌由来小胞を有効成分として含む、神経疾患または精神疾患の予防または改善用食品組成物を提供することにある。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、スフィンゴモナス細菌由来小胞を有効成分として含む、神経疾患または精神疾患の予防または改善用吸入組成物を提供することにある。
【0017】
しかしながら、本発明が解決しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていない他の課題は、下記の記載から当業者が明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記のような本発明の目的を達成するために、本発明は、スフィンゴモナス細菌由来小胞を有効成分として含む、神経疾患または精神疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【0019】
本発明の一具現例において、前記神経疾患は、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease)、パーキンソン病(Parkinson’s disease)、筋萎縮性側索硬化症(amyotropic lateral sclerosis)、ハンチントン病(Huntington’s disease)、てんかん(epilepsy)、黄斑変性(macular degeneration)、緑内障(glaucoma)、カーンズ・セイヤー症候群(Kearns-Sayre syndrome,KSS)、慢性進行性外眼筋まひ(chronic progressive external ophthalmoplegia,CPEO)、MELAS症候群(mitochondrial encephalomyopathy with lactic acidosis and stroke-like episodes,MELAS)、MERRF症候群(myoclonic epilepsy with ragged-red fibers,MERRF)、NARP症候群(neurogenic weakness with ataxia and retinitis pigmentosa,NARP)、Leigh症候群(Leigh syndrome,LS)、MIRAS症候群(mitochondrial recessive ataxia syndrome)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)、嗅覚異常(dysosmia)、難聴(deafness)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、および糖尿病性神経障害(diabetic neuropathy)からなる群から選択された1つ以上であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0020】
本発明の他の具現例において、前記精神疾患は、注意欠陥多動性障害(attention deficit hyperactivity syndrome)、双極性障害(bipolar disorder)、不安障害(anxiety disorder)、統合失調症(schizophrenia)、強迫障害(obsessive compulsive disorder)、外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder)、解離障害(dissociative disorder)、摂食障害(eating disorder)、物質使用障害(substance use disorder)、およびパーソナリティ障害(personality disorder)からなる群から選択された1つ以上であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0021】
本発明のさらに他の具現例において、前記神経疾患または精神疾患は、神経栄養因子により媒介される疾患であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0022】
本発明のさらに他の具現例において、前記神経栄養因子は、BDNF(brain-derived neurotrophic factor)またはNGF(nerve growth factor)であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0023】
本発明のさらに他の具現例において、前記スフィンゴモナス細菌由来小胞は、Sirt1(Sirtuin 1)、Sit5、およびSirt7からなる群から選択された1つ以上の発現を増加させるものでありうるが、これに制限されるものではない。
【0024】
本発明のさらに他の具現例において、前記スフィンゴモナス細菌は、スフィンゴモナス(Sphingomonas)、スフィンゴビウム(Sphingobium)、ノボスフィンゴビウム(Novospingobium)、スフィンゴシニセラ(Sphingosinicella)、およびスフィンゴピキシス(Sphingopyxis)からなる群から選択された1つ以上の属細菌であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0025】
本発明のさらに他の具現例において、前記スフィンゴモナス細菌は、スフィンゴモナス・アバシー(Sphingomonas abaci)、スフィンゴモナス・アドハエシバ(Sphingomonas adhaesiva)、スフィンゴモナス・アエロラータ(Sphingomonas aerolata)、スフィンゴモナス・アエロフィラ(Sphingomonas aerophila)、スフィンゴモナス・アエスツアリイ(Sphingomonas aestuarii)、スフィンゴモナス・アラスケンシス(Sphingomonas alaskensis)、スフィンゴモナス・アルピナ(Sphingomonas alpina)、スフィンゴモナス・アクアティーリス(Sphingomonas aquatilis)、スフィンゴモナス・アロマティシボランス(Sphingomonas aromaticivorans)、スフィンゴモナス・アサッカロリティカ(Sphingomonas asaccharolytica)、スフィンゴモナス・アスタキサンチニファシエンス(Sphingomonas astaxanthinifaciens)、スフィンゴモナス・アウランティアカ(Sphingomonas aurantiaca)、スフィンゴモナス・アゾティファイゲンス(Sphingomonas azotifigens)、スフィンゴモナス・バエクリュンエンシス(Sphingomonas baekryungensis)、スフィンゴモナス・カプスラータ(Sphingomonas capsulata)、スフィンゴモナス・カナデンシス(Sphingomonas canadensis)、スフィンゴモナス・チャングバイエンシス(Sphingomonas changbaiensis)、スフィンゴモナス・クロロフェノリカ(Sphingomonas chlorophenolica)、スフィンゴモナス・チュングブケンシス(Sphingomonas chungbukensis)、スフィンゴモナス・クロアカエ(Sphingomonas cloacae)、スフィンゴモナス・サイナレ(Sphingomonas cynarae)、スフィンゴモナス・デチャンギンシス(Sphingomonas daechungensis)、スフィンゴモナス・デシカビリス(Sphingomonas desiccabilis)、スフィンゴモナス・ドクドネンシス(Sphingomonas dokdonensis)、スフィンゴモナス・エキノイデス(Sphingomonas echinoides)、スフィンゴモナス・エロデア(Sphingomonas elodea)、スフィンゴモナス・エンドフィティカ(Sphingomonas endophytica)、スフィンゴモナス・ファエニ(Sphingomonas faeni)、スフィンゴモナス・フェニカ(Sphingomonas fennica)、スフィンゴモナス・フラバ(Sphingomonas flava)、スフィンゴモナス・フォルモセンシス(Sphingomonas formosensis)、スフィンゴモナス・ゲイ(Sphingomonas gei)、スフィンゴモナス・ギメンシス(Sphingomonas gimensis)、スフィンゴモナス・ギンセンギソリ(Sphingomonas ginsengisoli)、スフィンゴモナス・ギンセノシディミュータンス(Sphingomonas ginsenosidimutans)、スフィンゴモナス・グラシアリス(Sphingomonas glacialis)、スフィンゴモナス・グァンドンジェンシス(Sphingomonas guangdongensis)、スフィンゴモナス・ハロアロマティカマンス(Sphingomonas haloaromaticamans)、スフィンゴモナス・ハンクーケンシス(Sphingomonas hankookensis)、スフィンゴモナス・ヘルビシドボランス(Sphingomonas herbicidovorans)、スフィンゴモナス・ヒスチジニリチカ(Sphingomonas histidinilytica)、スフィンゴモナス・インディカ(Sphingomonas indica)、スフィンゴモナス・インサラエ(Sphingomonas insulae)、スフィンゴモナス・ジャポニカ(Sphingomonas japonica)、スフィンゴモナス・ジャスピシ(Sphingomonas jaspsi)、スフィンゴモナス・ジェジュエンシス(Sphingomonas jejuensis)、スフィンゴモナス・ジンジュエンシス(Sphingomonas jinjuensis)、スフィンゴモナス・カイステンシス(Sphingomonas kaistensis)、スフィンゴモナス・コリエンシス(Sphingomonas koreensis)、スフィンゴモナス・キエオンギエンシス(Sphingomonas kyeonggiensis)、スフィンゴモナス・キョンヒエンシス(Sphingomonas kyungheensis)、スフィンゴモナス・ラクス(Sphingomonas lacus)、スフィンゴモナス・ラテラリエ(Sphingomonas laterariae)、スフィンゴモナス・レイディイ(Sphingomonas leidyi)、スフィンゴモナス・マクロゴルタビダス(Sphingomonas macrogoltabidus)、スフィンゴモナス・マリー(Sphingomonas mali)、スフィンゴモナス・メロニス(Sphingomonas melonis)、スフィンゴモナス・モルスコーラム(Sphingomonas molluscorum)、スフィンゴモナス・モリンデ(Sphingomonas morindae)、スフィンゴモナス・ミューコシシマ(Sphingomonas mucosissima)、スフィンゴモナス・ナセンシス(Sphingomonas naasensis)、スフィンゴモナス・ナタトリア(Sphingomonas natatoria)、スフィンゴモナス・オリゴアロマティボランス(Sphingomonas oligoaromativorans)、スフィンゴモナス・オリゴフェノリカ(Sphingomonas oligophenolica)、スフィンゴモナス・オリジテラエ(Sphingomonas oryziterrae)、スフィンゴモナス・パニー(Sphingomonas panni)、スフィンゴモナス・パラポウシモビリス(Sphingomonas parapaucimobilis)、スフィンゴモナス・パウシモビリス(Sphingomonas paucimobilis)、スフィンゴモナス・フィロスフェレ(Sphingomonas phyllosphaerae)、スフィンゴモナス・ピテュイトサ(Sphingomonas pituitosa)、スフィンゴモナス・ポリアロマティシボランス(Sphingomonas polyaromaticivorans)、スフィンゴモナス・プルーニ(Sphingomonas pruni)、スフィンゴモナス・シュードサングイニス(Sphingomonas pseudosanguinis)、スフィンゴモナス・サイクロルテア(Sphingomonas psychrolutea)、スフィンゴモナス・ローサ(Sphingomonas rosa)、スフィンゴモナス・ローゼイフラバ(Sphingomonas roseiflava)、スフィンゴモナス・ルブラ(Sphingomonas rubra)、スフィンゴモナス・サングイニス(Sphingomonas sanguinis)、スフィンゴモナス・サンキサニゲネンス(Sphingomonas sanxanigenens)、スフィンゴモナス・セディミニコラ(Sphingomonas sediminicola)、スフィンゴモナス・ソリー(Sphingomonas soli)、スフィンゴモナス・スターンベルゲンシス(Sphingomonas starnbergensis)、スフィンゴモナス・スチギア(Sphingomonas stygia)、スフィンゴモナス・ズバルチカ(Sphingomonas subarctica)、スフィンゴモナス・スベリファシエンス(Sphingomonas suberifaciens)、スフィンゴモナス・サブテラニア(Sphingomonas subterranea)、スフィンゴモナス・テジョネンシス(Sphingomonas taejonensis)、スフィンゴモナス・テラエ(Sphingomonas terrae)、スフィンゴモナス・トゥルーペリ(Sphingomonas trueperi)、スフィンゴモナス・ウルシンコラ(Sphingomonas ursincola)、スフィンゴモナス・ブルカニソリ(Sphingomonas vulcanisoli)、スフィンゴモナス・ウイッチ(Sphingomonas wittichii)、スフィンゴモナス・ゼノファガ(Sphingomonas xenophaga)、スフィンゴモナス・シンジャンゲンシス(Sphingomonas xinjiangensis)、スフィンゴモナス・ヤブーチャエ(Sphingomonas yabuuchiae)、スフィンゴモナス・ヤンチンジェンシス(Sphingomonas yantingensis)、スフィンゴモナス・ヤノイクエ(Sphingomonas yanoikuyae)、スフィンゴモナス・ユナネンシス(Sphingomonas yunnanensis)、およびスフィンゴモナス・ジアエ(Sphingomonas zeae)からなる群から選択された1つ以上であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0026】
本発明のさらに他の具現例において、前記小胞は、平均直径が10~1000nmであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0027】
本発明のさらに他の具現例において、前記小胞は、スフィンゴモナス細菌培養液から分離されるものでありうるが、これに制限されるものではない。
【0028】
本発明のさらに他の具現例において、前記小胞は、スフィンゴモナス細菌から自然的にまたは人工的に分泌されるものでありうるが、これに制限されるものではない。
【0029】
また、本発明は、スフィンゴモナス細菌由来小胞を有効成分として含む神経疾患または精神疾患の予防または改善用食品組成物を提供する。
【0030】
また、本発明は、スフィンゴモナス細菌由来小胞を有効成分として含む神経疾患または精神疾患の予防または改善用吸入組成物を提供する。
【0031】
また、本発明は、スフィンゴモナス細菌由来小胞を有効成分として含む組成物を個体に投与する段階を含む神経疾患または精神疾患の予防または治療方法を提供する。
【0032】
また、本発明は、スフィンゴモナス細菌由来小胞を有効成分として含む組成物の神経疾患または精神疾患の予防または治療用途を提供する。
【0033】
また、本発明は、スフィンゴモナス細菌由来小胞の神経疾患または精神疾患の予防または治療薬剤を生産するための用途を提供する。
【発明の効果】
【0034】
本発明者らは、細胞外膜にLPSを有するグラム陰性細菌由来小胞を経口投与したときには、小胞が脳に分布しないが、細胞外膜にスフィンゴ脂質を有するスフィンゴモナス細菌であるスフィンゴモナス・パウシモビリスに由来する小胞を経口投与したとき、脳に小胞が伝達されることを確認した。また、脳疾患マウスモデルにスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞を経口投与したとき、認知機能に関連した行動障害だけでなく、異常タンパク質の沈着を抑制することを確認した。また、前記疾患モデルにおいてスフィンゴモナス細菌由来小胞は、神経幹細胞の増殖および分化だけでなく、神経細胞間連結性(interneural intergrity)を増加させて治療効果を示すことを確認した。また、前記神経生成(neurogenesis)による治療効果は、スフィンゴモナス細菌由来小胞が神経細胞に作用して神経生成を誘導する神経栄養因子であるBDNFおよびストレスによる細胞老化を防止するサーチュイン(sirtuin)タンパク質発現を増加させて起こることを確認した。
【0035】
これより、本発明によるスフィンゴモナス細菌由来小胞を神経疾患または精神疾患に対する予防、改善、または治療剤に用いられ得ることが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1a図1aは、マウスにグラム陰性細菌であるスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞を経口投与した後、時間別に小胞の分布様相を撮影した写真であり、図1bは、経口投与後、時間別に脳に分布したスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の蛍光強度をグラフで示した結果である。
図2a図2aは、マウスにグラム陰性細菌であるアシネトバクター・バウマニー由来小胞を経口投与した後、時間別に臓器に小胞の分布様相を撮影した写真であり、図2bは、経口投与後、時間別にアシネトバクター・バウマニー由来小胞の臓器別の分布様相をグラフで示した結果である。
図3図3は、異常タンパク質であるアミロイド前駆体タンパク質(amyloid precursor protein,APP)およびプレセニリン-1(presenilin-1,PSS1)を過発現して誘導した形質転換脳疾患マウスモデルにおいてスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞を経口投与して治療効果を評価するための実験プロトコルである。WT-CONは、正常マウスグループ、Tg-CONは、脳疾患マウスモデルグループ、Tg-MDH-204は、脳疾患マウスにスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞を経口投与したグループを意味する。
図4図4は、本発明の一実施例によるAPP/PS1形質転換脳疾患マウスモデルにおいて認知機能に対するスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞(MDH-204)の治療効能を新規物体/位置認識試験で評価した結果である。
図5a-5c】図5a~図5cは、本発明の一実施例によるAPP/PS1形質転換脳疾患マウスモデルにおいて学習能力に対するスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞(MDH-204)の治療効能を水迷路試験(water maze test)で評価した結果である。
図6図6は、本発明の一実施例によるAPP/PS1形質転換脳疾患マウスモデルにおいて記憶能力に対するスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞(MDH-204)の治療効能を受動的回避試験(passive avoidance test)で評価した結果である。
図7a-7c】図7a~図7cは、本発明の一実施例によるAPP/PS1形質転換脳疾患マウスモデルにおいて異常タンパク質であるベータアミロイドの沈着に対するスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞(MDH-204)の治療効能を脳組織で評価した結果である。
図8a-8b】図8aおよび図8bは、本発明の一実施例によるAPP/PS1形質転換脳疾患マウスモデルにおいて各グループ別に脳で初期神経生成(neurogenesis)のマーカーであるKi-67の発現を蛍光染色イメージおよび定量データで示した結果であり、図8aは、正常マウスグループ(WT-CON)対比神経疾患または精神疾患マウスモデルグループ(Tg-CON)、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞を投与したグループ(Tg+MDH-204)においてKi-67に染色した細胞の数を割合で示した結果であり、図8bは、各グループ別の代表的なKi-67染色写真である。
図9a-9b】図9aおよび図9bは、本発明の一実施例によるAPP/PS1形質転換脳疾患マウスモデルにおいて各グループ別に脳で神経細胞移動および分化マーカーであるダブルコルチン(DCX)の発現を染色イメージおよび定量データで示した結果であり、図9aは、正常マウスグループ(WT-CON)対比脳疾患マウスモデルグループ(Tg-CON)、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞を投与したグループ(Tg+MDH-204)において顕微鏡で観察したセクション別にDCXに染色した細胞の平均数を示した結果であり、図9bは、各グループ別の代表的なDCX染色写真である。
図10a-10c】図10a~図10cは、本発明の一実施例によるAPP/PS1形質転換脳疾患マウスモデルにおいて各グループ別に脳で神経細胞樹状突起(dendrite)マーカーであるmicrotubule associated protein 2(MAP2)の発現を蛍光染色イメージおよび定量データで示した結果であり、図10aは、染色した脳の部位を表現した図であり、図10bは、各グループ別の代表的なMAP2染色写真であり、図10cは、正常マウスグループ(WT-CON)対比脳疾患マウスモデルグループ(Tg-CON)、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞を投与したグループ(Tg+MDH-204)においてMAP2の発現を割合で示した結果である。
図11図11は、本発明の一実施例による神経細胞において異常タンパク質であるベータ-アミロイドによる神経生成および成長関連神経栄養因子(neurotrophic factor)および受容体の発現にスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞(MDH-204)の治療効果を評価した結果である。
図12図12は、本発明の一実施例による神経細胞において異常タンパク質であるベータ-アミロイドによる細胞老化関連遺伝子の発現にスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞(MDH-204)の治療効果を評価した結果である。
図13図13は、本発明の一実施例による病原性因子による炎症細胞における炎症媒介体の分泌にスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞(MDH-204)の治療効果を評価した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、スフィンゴモナス細菌由来小胞を含有する神経疾患または精神疾患の予防および治療用途に関する。
【0038】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0039】
本発明者らは、細胞外膜にlipopolysaccharide(LPS)を有するグラム陰性細菌に由来する小胞を経口投与したときには、小胞が脳で分布しないが、細胞外膜にスフィンゴ脂質を有するスフィンゴモナス細菌に由来する小胞を経口投与したとき、小胞が脳に伝達されることを確認した。
【0040】
また、異常タンパク質であるAPPとPS1を過発現させた形質転換脳疾患マウスにスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞を経口投与したとき、認知機能、学習能力、記憶能力などの行動障害だけでなく、異常タンパク質の沈着を抑制することを確認した。
【0041】
また、前記脳疾患マウスモデルにおいてスフィンゴモナス細菌由来小胞は、神経幹細胞の増殖および分化だけでなく、神経細胞間連結性(interneural intergrity)を増加させて治療効果を示すことを確認した。
【0042】
また、前記神経生成(neurogenesis)および神経細胞間連結に対する治療効果は、スフィンゴモナス細菌由来小胞が神経細胞に作用して神経栄養因子であるbrain-derived neurotrophic factor(BDNF)および細胞老化を防止するsirtuinタンパク質の発現を増加させて治療効果が起こることを確認した。
【0043】
また、スフィンゴモナス細菌由来小胞は、炎症細胞において炎症性媒介体の分泌を用量依存的に抑制することを確認した。
【0044】
したがって、本発明によるスフィンゴモナス細菌由来小胞が神経疾患または精神疾患に対する予防、改善または治療用組成物などに有用に用いることができることを確認した。
【0045】
これより、本発明は、スフィンゴモナス細菌由来小胞を有効成分として含む、神経疾患または精神疾患の予防、改善または治療用組成物を提供する。
【0046】
前記組成物は、薬学的組成物、食品組成物、および吸入組成物を含む。
【0047】
本発明において使用される用語「神経疾患または精神疾患」とは、様々なストレスにより神経幹細胞および神経細胞の損傷と老化によって引き起こされる疾患を意味する。
【0048】
本発明において、神経疾患は、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease)、パーキンソン病(Parkinson’s disease)、筋萎縮性側索硬化症(amyotropic lateral sclerosis)、ハンチントン病(Huntington’s disease)、てんかん(epilepsy)、黄斑変性(macular degeneration)、緑内障(glaucoma)、カーンズ・セイヤー症候群(Kearns-Sayre syndrome,KSS)、慢性進行性外眼筋まひ(chronic progressive external ophthalmoplegia,CPEO)、MELAS症候群(mitochondrial encephalomyopathy with lactic acidosis and stroke-like episodes,MELAS)、MERRF症候群(myoclonic epilepsy with ragged-red fibers,MERRF)、NARP症候群(neurogenic weakness with ataxia and retinitis pigmentosa,NARP)、Leigh症候群(Leigh syndrome,LS)、MIRAS症候群(mitochondrial recessive ataxia syndrome)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)、嗅覚異常(dysosmia)、難聴(deafness)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、および糖尿病性神経障害(diabetic neuropathy)からなる群から選択された1つ以上を含むが、これに制限されない。
【0049】
本発明において、精神疾患は、ヒトの思考、感情、行動などに影響を及ぼす病的な精神状態を意味し、精神機能に障害が来た状態を総称する。前記精神疾患は、注意欠陥多動性障害(attention deficit hyperactivity syndrome)、双極性障害(bipolar disorder)、不安障害(anxiety disorder)、統合失調症(schizophrenia)、強迫障害(obsessive compulsive disorder)、外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder)、解離障害(dissociative disorder)、摂食障害(eating disorder)、物質使用障害(substance use disorder)、およびパーソナリティ障害(personality disorder)からなる群から選択された1つ以上を含むが、これに制限されない。
【0050】
本発明において、前記神経疾患または精神疾患は、神経栄養因子により媒介される疾患であってもよいが、これに制限されるものではない。本発明において、前記神経栄養因子は、BDNF(brain-derived neurotrophic factor)またはNGF(nerve growth factor)であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0051】
本発明において、前記スフィンゴモナス細菌由来小胞は、Sirt1(Sirtuin 1)、Sit5、およびSirt7からなる群から選択された1つ以上の発現を増加させるものでありうるが、これに制限されるものではない。
【0052】
本発明において、前記スフィンゴモナス細菌由来小胞は、認知機能を増進させる効果があるものでありうるが、これに制限されるものではない。
【0053】
本発明の「認知(cognition)」とは、脳から任意の情報を受け入れて保存し、保存された情報を見つけて使用するすべての過程を称する言葉であり、人々が生きていきながら考え、話し、記憶し、判断し、実行するすべての過程が認知に含まれる。認知機能とは、脳が情報を受けて保存し、保存された情報を見つけて使用するすべての過程で記憶し、考え、判断し、実行する能力をいう。このような認知機能は、大きく、注意、言語、視空間、記憶、実行機能(または管理機能)に分けることができる。本発明の認知機能とは、学習能力、記憶能力または集中力を含む。
【0054】
本発明の前記「増進」は、認知機能をより改善することを包括的に指し、これは、認知機能に関連した能力、好ましくは、学習能力、記憶能力または集中力を改善することを含んでもよいし、神経疾患または精神疾患による認知機能の弱化、退化などの症状を緩和したり、治癒したり強化させることを含むが、これに制限されるものではない。
【0055】
本発明において使用される用語「スフィンゴモナス(Sphingomonas)細菌」とは、水、土壌、および植物の根などのように自然系に広く棲息する絶対好気性グラム陰性細菌であり、スフィンゴモナスピンゴモナス(Sphingomonas)、スフィンゴビウム(Sphingobium)、ノボスフィンゴビウム(Novospingobium)、スフィンゴシニセラ(Sphingosinicella)、およびスフィンゴピキシス(Sphingopyxis)からなる群から選択された1つ以上の属細菌を含むが、これに制限されない。
【0056】
本発明に、前記スフィンゴモナス(Sphingomonas)属細菌は、スフィンゴモナス・アバシー(Sphingomonas abaci)、スフィンゴモナス・アドハエシバ(Sphingomonas adhaesiva)、スフィンゴモナス・アエロラータ(Sphingomonas aerolata)、スフィンゴモナス・アエロフィラ(Sphingomonas aerophila)、スフィンゴモナス・アエスツアリイ(Sphingomonas aestuarii)、スフィンゴモナス・アラスケンシス(Sphingomonas alaskensis)、スフィンゴモナス・アルピナ(Sphingomonas alpina)、スフィンゴモナス・アクアティーリス(Sphingomonas aquatilis)、スフィンゴモナス・アロマティシボランス(Sphingomonas aromaticivorans)、スフィンゴモナス・アサッカロリティカ(Sphingomonas asaccharolytica)、スフィンゴモナス・アスタキサンチニファシエンス(Sphingomonas astaxanthinifaciens)、スフィンゴモナス・アウランティアカ(Sphingomonas aurantiaca)、スフィンゴモナス・アゾティファイゲンス(Sphingomonas azotifigens)、スフィンゴモナス・バエクリュンエンシス(Sphingomonas baekryungensis)、スフィンゴモナス・カプスラータ(Sphingomonas capsulata)、スフィンゴモナス・カナデンシス(Sphingomonas canadensis)、スフィンゴモナス・チャングバイエンシス(Sphingomonas changbaiensis)、スフィンゴモナス・クロロフェノリカ(Sphingomonas chlorophenolica)、スフィンゴモナス・チュングブケンシス(Sphingomonas chungbukensis)、スフィンゴモナス・クロアカエ(Sphingomonas cloacae)、スフィンゴモナス・サイナレ(Sphingomonas cynarae)、スフィンゴモナス・デチャンギンシス(Sphingomonas daechungensis)、スフィンゴモナス・デシカビリス(Sphingomonas desiccabilis)、スフィンゴモナス・ドクドネンシス(Sphingomonas dokdonensis)、スフィンゴモナス・エキノイデス(Sphingomonas echinoides)、スフィンゴモナス・エロデア(Sphingomonas elodea)、スフィンゴモナス・エンドフィティカ(Sphingomonas endophytica)、スフィンゴモナス・ファエニ(Sphingomonas faeni)、スフィンゴモナス・フェニカ(Sphingomonas fennica)、スフィンゴモナス・フラバ(Sphingomonas flava)、スフィンゴモナス・フォルモセンシス(Sphingomonas formosensis)、スフィンゴモナス・ゲイ(Sphingomonas gei)、スフィンゴモナス・ギメンシス(Sphingomonas gimensis)、スフィンゴモナス・ギンセンギソリ(Sphingomonas ginsengisoli)、スフィンゴモナス・ギンセノシディミュータンス(Sphingomonas ginsenosidimutans)、スフィンゴモナス・グラシアリス(Sphingomonas glacialis)、スフィンゴモナス・グァンドンジェンシス(Sphingomonas guangdongensis)、スフィンゴモナス・ハロアロマティカマンス(Sphingomonas haloaromaticamans)、スフィンゴモナス・ハンクーケンシス(Sphingomonas hankookensis)、スフィンゴモナス・ヘルビシドボランス(Sphingomonas herbicidovorans)、スフィンゴモナス・ヒスチジニリチカ(Sphingomonas histidinilytica)、スフィンゴモナス・インディカ(Sphingomonas indica)、スフィンゴモナス・インサラエ(Sphingomonas insulae)、スフィンゴモナス・ジャポニカ(Sphingomonas japonica)、スフィンゴモナス・ジャスピシ(Sphingomonas jaspsi)、スフィンゴモナス・ジェジュエンシス(Sphingomonas jejuensis)、スフィンゴモナス・ジンジュエンシス(Sphingomonas jinjuensis)、スフィンゴモナス・カイステンシス(Sphingomonas kaistensis)、スフィンゴモナス・コリエンシス(Sphingomonas koreensis)、スフィンゴモナス・キエオンギエンシス(Sphingomonas kyeonggiensis)、スフィンゴモナス・キョンヒエンシス(Sphingomonas kyungheensis)、スフィンゴモナス・ラクス(Sphingomonas lacus)、スフィンゴモナス・ラテラリエ(Sphingomonas laterariae)、スフィンゴモナス・レイディイ(Sphingomonas leidyi)、スフィンゴモナス・マクロゴルタビダス(Sphingomonas macrogoltabidus)、スフィンゴモナス・マリー(Sphingomonas mali)、スフィンゴモナス・メロニス(Sphingomonas melonis)、スフィンゴモナス・モルスコーラム(Sphingomonas molluscorum)、スフィンゴモナス・モリンデ(Sphingomonas morindae)、スフィンゴモナス・ミューコシシマ(Sphingomonas mucosissima)、スフィンゴモナス・ナセンシス(Sphingomonas naasensis)、スフィンゴモナス・ナタトリア(Sphingomonas natatoria)、スフィンゴモナス・オリゴアロマティボランス(Sphingomonas oligoaromativorans)、スフィンゴモナス・オリゴフェノリカ(Sphingomonas oligophenolica)、スフィンゴモナス・オリジテラエ(Sphingomonas oryziterrae)、スフィンゴモナス・パニー(Sphingomonas panni)、スフィンゴモナス・パラポウシモビリス(Sphingomonas parapaucimobilis)、スフィンゴモナス・パウシモビリス(Sphingomonas paucimobilis)、スフィンゴモナス・フィロスフェレ(Sphingomonas phyllosphaerae)、スフィンゴモナス・ピテュイトサ(Sphingomonas pituitosa)、スフィンゴモナス・ポリアロマティシボランス(Sphingomonas polyaromaticivorans)、スフィンゴモナス・プルーニ(Sphingomonas pruni)、スフィンゴモナス・シュードサングイニス(Sphingomonas pseudosanguinis)、スフィンゴモナス・サイクロルテア(Sphingomonas psychrolutea)、スフィンゴモナス・ローサ(Sphingomonas rosa)、スフィンゴモナス・ローゼイフラバ(Sphingomonas roseiflava)、スフィンゴモナス・ルブラ(Sphingomonas rubra)、スフィンゴモナス・サングイニス(Sphingomonas sanguinis)、スフィンゴモナス・サンキサニゲネンス(Sphingomonas sanxanigenens)、スフィンゴモナス・セディミニコラ(Sphingomonas sediminicola)、スフィンゴモナス・ソリー(Sphingomonas soli)、スフィンゴモナス・スターンベルゲンシス(Sphingomonas starnbergensis)、スフィンゴモナス・スチギア(Sphingomonas stygia)、スフィンゴモナス・ズバルチカ(Sphingomonas subarctica)、スフィンゴモナス・スベリファシエンス(Sphingomonas suberifaciens)、スフィンゴモナス・サブテラニア(Sphingomonas subterranea)、スフィンゴモナス・テジョネンシス(Sphingomonas taejonensis)、スフィンゴモナス・テラエ(Sphingomonas terrae)、スフィンゴモナス・トゥルーペリ(Sphingomonas trueperi)、スフィンゴモナス・ウルシンコラ(Sphingomonas ursincola)、スフィンゴモナス・ブルカニソリ(Sphingomonas vulcanisoli)、スフィンゴモナス・ウイッチ(Sphingomonas wittichii)、スフィンゴモナス・ゼノファガ(Sphingomonas xenophaga)、スフィンゴモナス・シンジャンゲンシス(Sphingomonas xinjiangensis)、スフィンゴモナス・ヤブーチャエ(Sphingomonas yabuuchiae)、スフィンゴモナス・ヤンチンジェンシス(Sphingomonas yantingensis)、スフィンゴモナス・ヤノイクエ(Sphingomonas yanoikuyae)、スフィンゴモナス・ユナネンシス(Sphingomonas yunnanensis)、およびスフィンゴモナス・ジアエ(Sphingomonas zeae)からなる群から選択された1つ以上を含むが、これに制限されない。
【0057】
本発明において使用される用語「細胞外小胞(extracellular vesicle)または小胞(vesicle)」とは、細胞から分泌されるナノサイズの膜からなる構造物を意味する。グラム陰性菌(gram-negative bacteria)由来小胞、または外膜小胞(outer membrane vesicles,OMVs)は、内毒素(lipopolysaccharide)またはグリコスフィンゴリピド(glycosphingolipid)、毒性タンパク質、および細菌DNAとRNAをも有しており、グラム陽性菌(gram-positive bacteria)由来小胞は、タンパク質と核酸の他にも、細菌の細胞壁構成成分であるペプチドグリカン(peptidoglycan)とリポタイコ酸(lipoteichoic acid)をも有している。本発明において、小胞は、スフィンゴモナス細菌から自然的に分泌されたりまたは細菌に熱処理、加圧処理などを通じて人工的に生産するものでありうるが、これに制限されるものではない。
【0058】
本発明において、前記スフィンゴモナス細菌は、細胞外膜にスフィンゴ脂質を含んでもよいが、これに制限されるものではない。また、前記スフィンゴモナス細菌由来小胞は、スフィンゴ脂質を含んでもよいが、これに制限されるものではない。また、前記スフィンゴモナス細菌由来小胞は、他のグラム陰性細菌由来小胞とは異なって、LPSを含まなくてもよいが、これに制限されるものではない。
【0059】
前記小胞は、スフィンゴモナス細菌培養過程で熱処理、高圧処理したり、前記細菌培養液を遠心分離、超高速遠心分離、高圧処理、押出、超音波分解、細胞溶解、均質化、冷凍-解凍、電気穿孔、機械的分解、化学物質処理、フィルターによるろ過、ゲルろ過クロマトグラフィー、フリーフロー電気泳動、およびキャピラリー電気泳動からなる群から選択された1つ以上の方法を用いて分離することができる。また、不純物の除去のための洗浄、収得した小胞の濃縮などの過程をさらに含んでもよい。
【0060】
本発明の前記小胞は、スフィンゴモナス細菌の培養液またはスフィンゴモナス細菌を添加して製造した食品から分離されることができ、スフィンゴモナス細菌から自然的にまたは人工的に分泌されたものでありうるが、これに制限されるものではない
【0061】
本発明において前記方法によって分離した小胞は、球形の形態であり、平均直径が10~1000nm、10~900nm、10~800nm、10~700nm、10~600nm、10~500nm、10~400nm、10~300nm、10~200nm、10~190nm、10~180nm、10~170nm、10~160nm、10~150nm、10~140nm、10~130nm、10~120nm、10~110nm、10~100nm、10~90nm、10~80nm、10~70nm、10~60nm、10~50nm、20~200nm、20~180nm、20~160nm、20~140nm、20~120nm、20~100nm、または20~80nmであってもよく、好ましくは、20~200nmであってもよいが、これに制限されない。
【0062】
本発明の組成物内の前記小胞の含有量は、疾患の症状、症状の進行程度、患者の状態などに応じて適切に調節可能であり、例えば、全体組成物の重量を基準として0.0001~99.9重量%、または0.001~50重量%であってもよいが、これに限定されるものではない。前記含有量の割合は、溶媒を除去した乾燥量を基準とした値である。
【0063】
本発明による薬学的組成物は、薬学的組成物の製造に通常使用する適切な担体、賦形剤および希釈剤をさらに含んでもよい。前記賦形剤は、例えば、希釈剤、結合剤、崩解剤、滑沢剤、吸着剤、保湿剤、フィルムコーティング物質、および制御放出添加剤からなる群から選択された1つ以上でありうる。
【0064】
本発明による薬学的組成物は、それぞれ通常の方法によって散剤、顆粒剤、徐放性顆粒剤、腸溶性顆粒剤、液剤、点眼剤、エリキシル剤、乳剤、懸濁液剤、酒精剤、トローチ剤、芳香水剤、リモナーデ剤、錠剤、徐放性錠剤、腸溶性錠剤、舌下錠、硬質カプセル剤、軟質カプセル剤、徐放性カプセル剤、腸溶性カプセル剤、丸剤、チンキ剤、軟エキス剤、乾燥エキス剤、流動エキス剤、注射剤、カプセル剤、灌流液、硬膏剤、ローション剤、パスタ剤、噴霧剤、吸入剤、パッチ剤、滅菌注射溶液、またはエアロゾルなどの外用剤などの形態に剤形化して使用でき、前記外用剤は、クリーム、ジェル、パッチ、噴霧剤、軟膏剤、硬膏剤、ローション剤、リニメント剤、パスタ剤またはカタプラズマ剤などの剤形を有することができる。
【0065】
本発明による薬学的組成物に含まれ得る担体、賦形剤および希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、オリゴ糖、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アカシアガム、アルギネート、ゼラチン、カルシウムホスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾアート、プロピルヒドロキシベンゾアート、タルク、マグネシウムステアレートおよび鉱物油が挙げられる。
【0066】
製剤化する場合には、通常使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使用して調製される。
【0067】
本発明による錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤の添加剤としてコーンスターチ、ジャガイモデンプン、小麦デンプン、乳糖、白糖、ブドウ糖、果糖、D-マンニトール、沈降炭酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、リン酸一水素カルシウム、硫酸カルシウム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、精製ラノリン、微結晶セルロース、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カオリン、ヨウ素、コロイド状シリカゲル、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)1928、HPMC2208、HPMC2906、HPMC2910、プロピレングリコール、カゼイン、乳酸カルシウム、プリモジェルなど賦形剤;ゼラチン、アラビアガム、エタノール、寒天粉、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ブドウ糖、精製水、カゼインナトリウム、グリセリン、ステアリン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、微結晶セルロース、デキストリン、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシメチルセルロース、精製セラック、デンプン糊、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの結合剤が使用でき、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コーンスターチ、寒天粉、メチルセルロース、ベントナイト、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クエン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、無水ケイ酸、 L-ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、イオン交換樹脂、酢酸ポリビニル、ホルムアルデヒド処理カゼインおよびゼラチン、アルギン酸、アミロース、グア―ガム(Guar gum)、重曹、ポリビニルピロリドン、リン酸カルシウム、ゲル化デンプン、アラビアガム、アミロベクチン、ペクチン、ポリリン酸ナトリウム、エチルセルロース、白糖、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、D-ソルビトール液、硬質無水ケイ酸など崩解剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、水素化植物油(Hydrogenated vegetable oil)、タルク、石松子、カオリン、ワセリン、ステアリン酸ナトリウム、カカオ脂、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸マグネシウム、ポリエチレングリコール(PEG)4000、PEG 6000、流動パラフィン、水素添加大豆油(Lubri wax)、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリル硫酸ナトリウム、酸化マグネシウム、マクロゴール(Macrogol)、合成ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン油、パラフィン油、ポリエチレングリコール脂肪酸エーテル、デンプン、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、DL-ロイシン、硬質無水ケイ酸などの滑沢剤;が使用できる。
【0068】
本発明による液剤の添加剤としては、水、希塩酸、希硫酸、クエン酸ナトリウム、モノステアリン酸スクロース類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類(ツインエステル)、ポリオキシエチレンモノアルキルエテール類、ラノリンエーテル類、ラノリンエステル類、酢酸、塩酸、アンモニア水、炭酸アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、プロラミン、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどが使用できる。
【0069】
本発明によるシロップ剤には、白糖の溶液、他の糖類あるいは甘味剤などが使用でき、必要に応じて芳香剤、着色剤、保存剤、安定剤、懸濁化剤、乳化剤、粘稠剤などが使用できる。
【0070】
本発明による乳剤には、精製水が使用でき、必要に応じて乳化剤、保存剤、安定剤、芳香剤などが使用できる。
【0071】
本発明による懸濁剤には、アカシア、トラガカンタ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、HPMC1828、HPMC2906、HPMC2910などの懸濁化剤が使用でき、必要に応じて界面活性剤、保存剤、安定剤、着色剤、芳香剤が使用できる。
【0072】
本発明による注射剤には、注射用蒸留水、0.9%塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロース+塩化ナトリウム注射液、ピイジー(PEG)、乳酸リンゲル注射液、エタノール、プロピレングリコール、非揮発性油-ゴマ油、綿実油、落花生油、ダイズ油、とうもろこし油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンゼンのような溶剤;安息香酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ヨウ素、ウレタン、モノエチルアセトアミド、ブタゾリジン、プロピレングリコール、ツイン類、ニコチン酸アミド、ヘキサミン、ジメチルアセトアミドのような溶解補助剤;弱酸およびその塩(酢酸と酢酸ナトリウム)、弱塩基およびその塩(アンモニアおよび酢酸アンモニウム)、有機化合物、タンパク質、アルブミン、ペプトン、ガム類のような緩衝剤;塩化ナトリウムのような等張剤;重亜硫酸ナトリウム(NaHSO)二酸化炭素ガス、メタ重亜硫酸ナトリウム(Na)、亜硫酸ナトリウム(NaSO)、窒素ガス(N)、エチレンジアミンテトラ酢酸のような安定剤;ソジウムビサルファイト0.1%、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート、チオウレア、エチレンジアミンテトラ酢酸ジナトリウム、アセトンソジウムビサルファイトのような硫酸化剤;ベンジルアルコール、クロロブタノール、塩酸プロカイン、ブドウ糖、グルコン酸カルシウムのような無痛化剤;CMCナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ツイン80、モノステアリン酸アルミニウムのような懸濁化剤を含んでもよい。
【0073】
本発明による坐剤には、カカオ脂、ラノリン、ウィテプソル、ポリエチレングリコール、グリセロゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸とオレイン酸の混合物、スバナル(Subanal)、綿実油、落花生油、ヤシ油、カカオバター+コレステロール、レシチン、ラネットワックス、モノステアリン酸グリセロール、ツインまたはスパン、イムハウゼン(Imhausen)、モノレン(モノステアリン酸プロピレングリコール)、グリセリン、アデプスソリダス(Adeps solidus)、ブチラムテゴ-G(Buytyrum Tego-G)、セベスファーマ16(Cebes Pharma 16)、ヘキサライドベース95、コトマー(Cotomar)、ヒドロコテSP、S-70-XXA、S-70-XX75(S-70-XX95)、ヒドロコテ(Hydrokote)25、ヒドロコテ711、イドロポスタル(Idropostal)、マッサエストラリウム(Massa estrarium、A、AS、B、C、D、E、I、T)、マッサ-MF、マスポール、マスポール-15、ネオスポスタル-N、パラマウント-B、スポシロ(OSI、OSIX、A、B、C、D、H、L)、坐剤基剤IVタイプ(AB、B、A、BC、BBG、E、BGF、C、D、299)、スポスタル(N、Es)、ウェコビー(W、R、S、M、Fs)、テゲスタートリグリセライド基剤(TG-95、MA、57)のような基剤が使用できる。
【0074】
経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、前記抽出物に少なくとも1つ以上の賦形剤、例えば、デンプン、カルシウムカーボネート(calcium carbonate)、スクロース(sucrose)またはラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混ぜて調製される。また、単純な賦形剤以外に、マグネシウムステアレート、タルクのような潤滑剤も使用される。
【0075】
経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが該当するが、頻用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外に様々な賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれ得る。非経口投与のための製剤には、滅菌水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁剤としては、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物油、エチルオレートのような注射可能なエステルなどが使用できる。
【0076】
本発明による薬学的組成物は、薬学的に有効な量で投与する。本発明において、「薬学的に有効な量」は、医学的治療に適用可能な合理的なベネフィット/リスクの割合で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効用量レベルは、患者疾患の種類、重症度、薬物の活性、薬物感受性、投与時間、投与経路および排出比率、治療期間、同時使用される薬物を含む要素およびその他医学分野によく知られた要素によって決定できる。
【0077】
本発明による薬学的組成物は、個別治療剤として投与したり他の治療剤と併用して投与でき、従来の治療剤とは順次にまたは同時に投与でき、単一または多重投与できる。上記した要素を全部考慮して副作用なしで最小限の量で最大効果を得ることができる量を投与することが重要であり、これは、本発明の属する技術分野における通常の技術者によって容易に決定できる。
【0078】
本発明の薬学的組成物は、個体に多様な経路で投与できる。投与のすべての方式は、予想され得るが、例えば、経口服用、皮下注射、腹腔投与、静脈注射、筋肉注射、脊髄の周囲空間(硬膜内)注射、舌下投与、頬粘膜投与、直腸内挿入、膣内挿入、眼球投与、耳投与、鼻腔投与、吸入、口または鼻を通した噴霧、皮膚投与、経皮投与などにより投与できる。
【0079】
本発明の薬学的組成物は、治療する疾患、投与経路、患者の年齢、性別、体重および疾患の重症度などの様々な関連因子とともに、活性成分である薬物の種類によって決定される。具体的には、本発明による組成物の有効量は、患者の年齢、性別、体重によって変わることができ、一般的には、体重1kg当たり0.001~150mg、好ましくは、0.01~100mgを毎日または隔日投与したり1日に1~3回に分けて投与できる。しかし、投与経路、肥満の重症度、性別、体重、年齢などによって増減できるので、前記投与量がいかなる方法でも本発明の範囲を限定するものではない。
【0080】
本発明において「個体」とは、疾患の治療を必要とする対象を意味し、より具体的には、ヒトまたは非ヒトである霊長類、マウス(mouse)、ラット(rat)、イヌ、ネコ、ウマ、およびウシなどの哺乳類であってもよいが、これらに制限されるものではない。
【0081】
本発明において「投与」とは、任意の適切な方法で個体に所定の本発明の組成物を提供することを意味する。
【0082】
本発明において「予防」とは、目的とする疾患の発病を抑制したり遅延させるすべての行為を意味し、「治療」とは、本発明による薬学的組成物の投与により目的とする疾患とそれによる代謝異常症状が好転したり有益に変更されるすべての行為を意味し、「改善」とは、本発明による組成物の投与により目的とする疾患に関連したパラメーター、例えば症状の程度を減少させるすべての行為を意味する。
【0083】
また、本発明は、スフィンゴモナス細菌由来小胞を有効成分として含む神経疾患または精神疾患の予防または改善用食品組成物を提供する。
【0084】
前記食品組成物は、健康機能性食品組成物であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0085】
本発明の前記小胞を食品添加物として使用する場合、そのまま添加したり他の食品または食品成分と共に使用でき、通常の方法により適切に使用できる。有効成分の混合量は、使用目的(予防、健康または治療的処置)によって適宜に決定できる。一般的に、食品または飲料の製造時に、本発明の小胞は、原料に対して15重量%以下、または10重量%以下の量で添加できる。しかし、健康および衛生を目的としたりまたは健康調節を目的とする長期間の摂取の場合、前記量は、前記範囲以下であってもよく、安全性の観点から何の問題もないので、有効成分は、前記範囲以上の量でも使用できる。
【0086】
前記食品の種類には、特別な制限はない。前記物質を添加できる食品の例としては、肉類、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンディ類、スナック類、菓子類、ピザ、ラメン、その他麺類、ガム類、アイスクリーム類を含む酪農製品、各種スープ、飲料、茶、ドリンク剤、アルコール飲料およびビタミン複合剤などがあり、通常の意味における健康機能食品を全部含む。
【0087】
本発明による健康飲料組成物は、通常の飲料のように様々な香味剤または天然炭水化物などを追加成分として含有できる。上で述べた天然炭水化物は、ブドウ糖および果糖のようなモノサッカライド、マルトースおよびスクロースのようなジサッカライド、デキストリンおよびシクロデキストリンのようなポリサッカライド、およびキシリトール、ソルビトールおよびエリトリトールなどの糖アルコールである。甘味剤としては、ソーマチン、ステビア抽出物のような天然甘味剤や、サッカリン、アスパルテームのような合成甘味剤などを使用できる。前記天然炭水化物の割合は、本発明の組成物100mL当たり一般的に約0.01~0.20g、または約0.04~0.10gである。
【0088】
上記以外に、本発明の組成物は、様々な栄養剤、ビタミン、電解質、風味剤、着色剤、ペクチン酸およびその塩、アルギン酸およびその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などを含有できる。その他に、本発明の組成物は、天然果物ジュース、果物ジュース飲料および野菜飲料の製造のための果肉を含有できる。このような成分は、独立してまたは組み合わせて使用できる。このような添加剤の割合は、大きく重要なことではないが、本発明の組成物100重量部当たり0.01~0.20重量部の範囲で選択されることが一般的である。
【0089】
また、本発明は、スフィンゴモナス細菌由来小胞を有効成分として含む吸入用組成物形態で提供することができる。
【0090】
吸入投与剤の場合、当業界に公知となった方法により剤形化でき、好適な推進剤、例えば、ジクロロフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の好適な気体を用いて、加圧パックまたは煙霧機からエアロゾルスプレー形態で便利に伝達できる。加圧エアロゾルの場合、投薬単位は、計量された量を伝達するバルブを提供して決定できる。例えば、吸入器または吹込器に使用されるゼラチンカプセルおよびカートリッジは、化合物およびラクトースまたはデンプンのような好適な粉末基剤の粉末混合物を含有するように剤形化できる。
【実施例
【0091】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。しかしながら、下記の実施例は、本発明をより容易に理解するために提供されるものに過ぎず、下記実施例によって本発明の内容が限定されるものではない。
【0092】
[実施例]
実施例1.スフィンゴモナス・パウシモビリス培養液から小胞分離
スフィンゴモナス・パウシモビリス(Sphingomonas paucimobilis)菌株を培養した後、小胞を分離して特性を分析した。前記菌株を30℃培養器で吸光度(OD600)が1.0~1.5となるまでNB(Nutrient Broth)培地で培養した後、LB(Luria-Bertani)培地に継代培養(sub-culture)した。その後、菌株が含まれている培養液を回収し、13,000g、4℃で15分間遠心分離して菌体を除去し、0.22μmフィルターにろ過した。ろ過した上澄み液を100kDa Pellicon 2 Cassetteフィルターメンブレン(Merck Millipore,US)でMasterFlexポンプシステム(Cole Parmer,US)を用いて精密ろ過(microfiltration)を通じて50ml以下の体積に濃縮した。濃縮した上澄み液をさらに0.22μmフィルターでろ過した後、BCA(Bicinchoninic acid)assayを用いてタンパク質を定量し、得られた小胞(MDH-204)に対して下記の実験を実施した。
【0093】
実施例2.経口投与時のスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の薬物動態学的特性の確認
【0094】
スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の経口投与時の薬物動態学的特性を調べるために、蛍光染色試薬で染色した小胞をマウスに経口投与し、投与直前から投与後72時間まで身体と各臓器に発現した蛍光を測定した。マウス全体を光学映像装備(Davinch-Invivo Fluoro Chemi(western);Davinch-K)を用いて蛍光信号を観察した。また、小胞投与後、主要臓器への分布様相を評価するために、脳、血液、心臓、肺、肝、胃、脾臓、小腸、大腸、腎臓を採取し、採取した組織で光学映像装備(Davinch-Invivo Fluoro Chemi(western);Davinch-K)を用いて蛍光信号を観察した。
【0095】
図1aに示されたように、蛍光染色したスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞が経時的に体内に次第に広がる様子を確認した。各臓器別に観察する際、経口投与後1時間が経過すると、胃でスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の蛍光信号が観察され、3時間から小腸、大腸、肺まで蛍光信号が観察された。
【0096】
また、図1bに示されたように、24時間からは、特異的に脳で蛍光信号が観察され、この信号は、32時間まで強く検出され、48、72時間が経つにつれて次第に信号が減少する傾向を示すことを確認した。
【0097】
以上の結果から、スフィンゴモナス・パウシモビリスを経口投与したとき、中枢神経系に分布してから体外に排泄されることが分かる。
【0098】
実施例3.経口投与時のアシネトバクター・バウマニー由来小胞の薬物動態学的特性の確認
スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の薬物動態学的特徴が細胞外膜にスフィンゴ脂質を有する細菌に特異的な現象であるか、グラム陰性細菌特異的な現象であるかを調べるために、細胞外膜にスフィンゴ脂質の代わりにLPSを有するグラム陰性細菌由来小胞であるアシネトバクター・バウマニー(Acinetobacter baumannii)由来小胞を蛍光染色試薬で染色し、マウスに経口投与して、同様の方法で発現した蛍光を測定した。
【0099】
図2aに示されたように、アシネトバクター・バウマニー由来小胞は、経口投与後3時間が経過すると、胃で最も強い蛍光信号が観察され、胃で確認された蛍光信号は、時間が経つにつれて減少することを確認した。
【0100】
また、図2bに示されたように、アシネトバクター・バウマニー由来小胞では、脳での蛍光信号が測定されなかった。上記の結果から、細胞外膜にLPSを有するグラム陰性細菌由来小胞とスフィンゴ脂質(sphingolipid)を有するグラム陰性細菌由来小胞の脳組織に分布様相が非常に異なっていることが分かる。
【0101】
実施例4.異常タンパク質による脳疾患マウスモデルにおいてスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の認知機能改善効果の確認
APP(amyloid precursor protein)およびPS1(presenilin 1)形質転換マウスは、前記2つの異常タンパク質を過発現させて誘導した脳疾患マウスモデルである。6.5ヶ月目から組織学的に探知可能な異常タンパク質プラークが沈着し、7~8ヶ月の時期に認知機能障害が探知される動物モデルである。前記マウスモデルは、図3のように、正常マウスグループ(WT-CON)、sham治療脳疾患マウスグループ(Tg-CON)、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞を50μg/mouseの用量で経口投与した脳疾患マウスグループ(Tg-MDH-204)に分けて、行動検査および組織学的検査を行った。
【0102】
脳疾患マウスモデルにおいてスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の投与による認知機能を評価するために、図4の上段に示されたように、WT+CON、Tg+CON,Tg+MDH-204の各グループ別に新規物体または位置が変わった物体に露出させて、10分間物体を探索する時間を測定した。
【0103】
図4に示されたように、2時間または24時間後に測定した物体認識試験(novel object recognition test)においてWT+CONとTg+MDH-204では、新規物体を探索する時間が長いが、Tg+CONでは、変化がないことを確認した。また、位置認識試験(novel location recognition test)において、WT+CONとTg+MDH-204では、位置が移動した物体を探索する時間が長いが、Tg+CONでは、変化がないことを確認した。
【0104】
上記の結果は、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞が異常タンパク質生成により誘導される脳疾患マウスで短期および長期認知機能障害の進行を抑制することを意味する。
【0105】
実施例5.異常タンパク質による脳疾患マウスモデルにおいてスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の学習能力改善効果の確認
異常タンパク質生成による脳疾患マウスモデルにおいてスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の投与による学習能力効能を評価するために、図5aに示されたように、5日間水筒内の隠されたプラットフォーム(platform)を探すように訓練をさせた後、隠されたプラットフォームを探す評価を行った。
【0106】
その結果、図5bに示されたように、5日間の訓練期間の間隠されたプラットフォームを探す時間は、正常マウスグループ(WT+CON、灰色)が最も速く、退行性脳疾患マウスモデルにスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞を経口投与したグループ(Tg+MDH-204、空色)も、WT+CONグループと類似の学習能力を示したが、sham治療退行性脳疾患マウスグループ(Tg-CON、橙色)は、学習時間が最も遅かった。
【0107】
また、図5cに示されたように、隠されたプラットフォームの位置を探して滞留する時間において、WT+CONグループは、プラットフォーム位置に長時間滞留し、Tg+MDH-204グループも、sham治療脳疾患マウスグループに比べて、プラットフォーム位置に滞留した時間が有意に長く現れることを確認した。
【0108】
上記の結果から、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞は、脳疾患マウスの空間知覚の学習および記憶能力の回復に治療効果があることを確認した。
【0109】
実施例6.異常タンパク質による脳疾患マウスモデルにおいてスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の記憶能力改善効果の確認
異常タンパク質生成による脳疾患マウスモデルにおいてスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の投与による記憶能力改善に対する効能を評価するために、図6の上段に示されたように、マウスが暗室(dark chamber)に入る場合、足に電気衝撃を加えてchamber contextと連係させた恐怖と不安を学習させた後、24、72、120時間の間マウスが恐怖/不安に関連した記憶力を評価した。
【0110】
その結果、図6に示されたように、正常マウスグループ(WT+CON)マウスとスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞を投与した脳疾患マウス(Tg+MDH-204)は、24、72、120時間の時点で実験が進行される300秒が経過しても暗室に入らなかったが、sham治療脳疾患マウスグループ(Tg+CON)は、暗室に入る時間が次第に速くなることを確認した。
【0111】
また、マウスが暗室に入って電気衝撃を受けてから出たとき、衝撃により身動きしない時間(freezing time)も、WT+CONグループは、sham治療脳疾患マウスグループ(Tg+CON)に比べて、身動きしない時間が有意に長かったが、前記小胞を投与した脳疾患グループ(Tg+MDH-204)とは有意差がなかった。
【0112】
上記の結果から、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞は、異常タンパク質により誘導される記憶能力の損失を抑制する効果があることが分かる。
【0113】
実施例7.異常タンパク質による脳疾患マウスモデルにおいて組織内異常タンパク質プラーク形成に及ぼすスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の効能の評価
アミロイドベータ(Aβ)プラークは、病的な状況で組織内に沈着する代表的な異常タンパク質であり、Tg-APP/PS1モデルは、マウスの脳にAβプラークが蓄積し始め、アルツハイマー症状が誘導されることが知られている。これより、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の投与による脳組織に沈着したAβプラークを分析するために、マウス脳切片をThioflavin-S染料を用いて蛍光染色した。具体的には、マウスは、2.5%アバチンで麻酔した後、0.9%の食塩水(saline)を用いて灌流した。その後、マウスの脳を4%パラホルムアルデヒド(in 0.1M phosphate buffer,pH7.4)を用いて一晩中4℃に固定させた。固定したマウスの脳は、ビブラトーム(Leica VT 1000S、Leica instruments,Mussloch,Germany)を用いて40μmの切片に切断された。Free-floating脳切片を1X PBS(137mM NaCl、2.7mM KCl、10mM NaHPO、1.8mM KHPO)を用いて3回洗浄した後、スライドグラスの上に装置して乾燥した。その後、脳切片を1mM Thioflavin S(ThS;T1892,Sigma-Aldrich)で5分間染色した。染色したスライドは、100%、95%、50%エタノールに30秒ずつ洗浄した後、1X PBSで2回の洗浄過程を経た。スライドは、マウンティング培地(S3023,DAKO,Carpinteria,CA,USA)を用いて永久マウンティングした後、定量分析時まで-20℃に保管した。染色した組織は、DP71カメラが装着されたOlympus BX 51顕微鏡を用いて写真を撮影した後、MetaMorph Microscopy Automation & Image Analysis software(Molecular device)プログラムを用いて分析した。
【0114】
その結果、図7aに示されたように、頭頂葉皮質(Parietal cortex)、海馬(Hippocampus)、梨状皮質(Piriform cortex)領域に沈着するAβプラークの形成は、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞治療脳疾患マウス(Tg+MDH-204)が、sham治療脳疾患マウスグループ(Tg+CON)と差異があることを確認することができた。
【0115】
また、図7bおよび図7cに示されたように、sham治療脳疾患マウスグループ(Tg+CON)に比べて、前記小胞治療脳疾患マウスグループ(Tg+MDH-204)は、頭頂葉皮質に沈着する単位面積当たりのAβプラークの数とAβプラークの面積が有意に減少することを確認した。
【0116】
上記の結果から、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞は、脳疾患マウスモデルにおいて脳組織に異常タンパク質の沈着を抑制する効果があることが分かる。
【0117】
実施例8.脳疾患マウスモデルにおいてスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の神経生成(neurogenesis)効能の評価
前記実施例に基づいてスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞を投与した脳疾患マウスモデルにおいて現れた神経機能の改善に対する治療機序を糾明するための神経生成(neurogenesis)を評価するために、神経幹細胞増殖(neural stem cell proliferation)マーカーと知られたKi-67を蛍光染色し、Ki-67に染色した細胞の数を確認した。
【0118】
図8aおよび図8bに示されたように、正常グループ(WT+CON)に比べて、sham治療脳疾患グループ(Tg+CON)が、Ki-67に染色した細胞の数が有意に減少することを観察した。一方、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞治療脳疾患グループ(Tg+MDH-204)は、sham治療脳疾患グループ(Tg+CON)に比べて、Ki-67に染色した細胞の数が有意に増加し、正常マウスグループと類似の程度に回復した。
【0119】
また、神経幹細胞の分化および移動にスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の効能を評価するために、神経幹細胞の分化および移動関連マーカーであるDCX(double cortin)蛍光染色を行った。
【0120】
その結果、図9aおよび図9bに示されたように、正常マウスグループ(WT+CON)に比べて、sham投与脳疾患マウスグループ(Tg+CON)が、DCX陽性細胞の数が有意に減少し、これは、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞投与脳疾患マウスグループ(Tg+MDH-204)が有意に回復することを確認した。
【0121】
上記の結果を通じてスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞は、脳疾患マウスモデルにおいて神経生成(neurogenesis)を誘導することが分かり、神経生成を通じて異常タンパク質の生成による脳疾患の発生および経過を抑制することが分かる。
【0122】
実施例9.異常タンパク質による脳疾患マウスモデルにおいてスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の神経細胞間連結性に対する効能の評価
前記実施例に基づいてスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞を投与した脳疾患マウスモデルにおいて現れた神経機能の向上に対する神経細胞間連結性を役割を評価するために、分化した神経細胞の樹状突起(dendritic process)の形成を評価した。樹状突起の形態および数の変化は、神経細胞間信号伝達に重要なので、神経細胞特異的細胞骨格タンパク質とよく知られた微小管関連タンパク質2(MAP2)の発現を通じて評価した。
【0123】
その結果、図10bおよび図10cに示されたように、正常マウスグループ(WT+CON)に比べて、sham投与脳疾患マウスグループ(Tg+CON)が、MAP2の発現が有意に減少し、これは、脳疾患マウスにスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞を投与したグループ(Tg+MDH-204)が有意に回復した。
【0124】
上記の結果から、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞は、神経細胞の樹状突起の形成によって神経細胞間連結性を増加させて脳疾患の発生または経過を調節することが分かる。
【0125】
実施例10.異常タンパク質による神経栄養因子の発現にスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の治療効果の確認
様々なストレスに神経幹細胞および神経細胞が繰り返し露出すると、神経生成能力が低下する。神経栄養因子(Neurotrophin)は、分化した神経細胞の生存および機能だけでなく、神経幹細胞の増殖に核心的な成長因子タンパク質群である。ヒトを含む哺乳類の脳は、通常胎児時期に神経細胞が作られるが、海馬(hippocampus)および線条体(striatum)領域には神経幹細胞が存在し、生まれた後も、神経生成(adult neurogenesis)が起こる。神経幹細胞および神経細胞の生存および機能に関連した神経栄養因子としては、BDNF(brain-derived neurotrophic factor)、NT(neurotrophin)-3、NT4/5、NGF(nerve growth factor)などが代表的である。それらのうち、BDNFは、中枢神経系と末梢神経系に存在し、TrkB受容体を通じて脳と末梢神経系に存在する神経細胞の生存およびシナプス形成を増加させるだけでなく、神経幹細胞の増殖および分化を誘導するタンパク質である。
【0126】
これより、異常タンパク質により抑制される神経生成に対するスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の治療機序を評価するために、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞を神経細胞に処理した後、神経栄養因子(neurotrophin)およびその受容体であるTrkB遺伝子の発現様相を評価した。遺伝子発現を評価するための方法として、溶解バッファー(lysis buffer)を用いて細胞を溶解させ、遺伝子を抽出し、RT-PCRを使って遺伝子発現を定量した。遺伝子発現程度は、BDNF、NT3、NT4/5、NGF、TrkB mRNA遺伝子に対する特異的なプライマーを用いて評価した。RT-PCRに使用したプライマーの具体的な配列は、下記の表1に記載した。
【0127】
【表1】
【0128】
その結果、図11に示されたように、神経細胞に異常タンパク質であるベータ-アミロイド(Aβ)を処理したとき、BDNF、およびNGF遺伝子発現は、PBS処理陰性対照群に比べて有意に増加し、これら遺伝子の発現がスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞処理によって陰性対照群と類似の程度に回復した。また、Aβタンパク質により抑制されたBDNF受容体であるTrkB遺伝子発現も、前記小胞により陰性対照群以上に回復した。
【0129】
以上の結果から、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞は、BDNF、NGF、およびその受容体であるTrkB遺伝子発現を増加させて神経生成および神経細胞間連結性を増加させることを確認した。
【0130】
実施例11.異常タンパク質による細胞老化にスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の治療効果の確認
神経幹細胞および神経細胞が様々なストレスに繰り返し露出すると、細胞内では酸化ストレスにより遺伝子損傷が生じ、そのため、神経細胞の老化および異常な神経細胞の死滅をもたらす。サーチュインは、カロリーが低いストレス状況で細胞の恒常性を維持する信号伝達タンパク質である。サーチュインタンパク質のうちでサーチュイン1は、核と細胞質に存在し、脱アセチル化酵素として代謝ストレス時に炎症を抑制し、細胞の生存を増加させる抗老化タンパク質である。サーチュイン5は、ミトコンドリアに存在し、demalonylase、desuccinylase、deacetylase酵素機能を有しており、ミトコンドリアでアンモニア毒性を調節し、ミトコンドリア機能を維持させるタンパク質である。サーチュイン7タンパク質は、核内の核小体(nucleolus)に存在し、脱アセチル化酵素機能を有していて、rDNA損傷を修復して、リボソームでタンパク質が好適に生成されるようにするタンパク質である。
【0131】
また、HDAC2は、記憶を調節する遺伝子のマスター調節子であり、神経疾患または精神疾患の場合、HDAC2が高くなり、このような遺伝子の発現が遮断されるので、HDAC2活性を遮断したり濃度を下げる場合、学習と記憶に必要なこのような遺伝子の発現遮断を防ぎ、発現を回復させることが知られている。
【0132】
したがって、酸化ストレスに対する神経細胞の老化に対するスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の治療効果を評価するために、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞を神経細胞に処理した後、HDAC選択的抑制またはサーチュイン遺伝子の発現様相を評価した。遺伝子発現を評価するための方法として、lysis bufferを用いて細胞を溶解させて遺伝子を抽出し、RT-PCRを用いて遺伝子発現を定量した。遺伝子発現程度は、HDAC1、HDAC2、HDAC3、HDAC4、HDAC5、Sirt1、Sirt5、Sirt7に対する特異的なプライマーを用いて評価した。前記プライマーの具体的な配列は、下記の表2に記載した。
【0133】
【表2】
【0134】
図12に示されたように、神経細胞に異常タンパク質であるベータ-アミロイド(Aβ)を処理したとき、HDAC2およびHDAC5遺伝子発現は、PBS処理陰性対照群に比べて有意に増加し、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞を処理したとき、HDAC2の発現が選択的に抑制されることを確認した。
【0135】
また、Sirt1、Sirt5、Sirt7遺伝子発現は、ベータ-アミロイド(Aβ)処理によりPBS処理陰性対照群に比べて減少した。一方、Aβタンパク質により発現が減少したSirt1、Sirt5、およびSirt7遺伝子は、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞を処理したとき、発現が有意に増加した。
【0136】
以上の結果から、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞は、細胞核、細胞質、およびミトコンドリアに存在するSirt1、Sirt5およびSirt7遺伝子発現を増加させるだけでなく、HDAC2を選択的に抑制して神経細胞の老化を抑制することを確認した。
【0137】
実施例12.スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の抗炎症効果の確認
上記の結果を基に、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の抗炎症効果を評価するために、多様な濃度(0.1、1、10μg/ml)のスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞をマウスマクロファージに12時間の間前処理した後、炎症疾患を誘発する病原性小胞である大腸菌由来小胞(E.coli EV)1μg/mlを処理し、12時間後に炎症性サイトカインの分泌をELISAで測定した。
【0138】
ELISA分析のために、Capture抗体をPBSに希釈させて、96-wellポリスチレンプレートに作用濃度に合わせて50μlずつ分注した後、4℃で一晩中反応させた。その後、PBST(0.05%tween-20が入っているPBS)溶液100μlで2回ずつ洗浄した後、RD(1%BSAが入っているPBST)溶液100μlを分注して常温で1時間の間遮断(blocking)した後、さらにPBST100μlで2回洗浄した後、サンプルおよびstandardを濃度に合わせて50μlずつ分注して常温で2時間の間反応させた。さらに、PBST100μlで2回洗浄した後、detection抗体をRDに希釈させて、作用濃度に合わせて50μlずつ分注して常温で2時間の間反応させた。さらに、PBST100μlで2回洗浄した後、Strpetavidin-HRPをRDに1/200で希釈させて、50μlずつ分注して常温で30分間反応させた。最後に、PBST100μlで3回洗浄した後、TMB基質と0.04%過酸化水素水を1:1混合した溶液50μlを分注した後、発色を待ってから5分~20分後に発色が進行したとき、1M硫酸溶液を50μlずつ分注して反応を停止し、Synergy(商標登録) HT multi-detection microplate readerを用いて(BioTek,USA)450nmで吸光度を測定した。
【0139】
図13に示されたように、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞を前処理すると、大腸菌由来小胞により誘導されるTNF-αの分泌が抑制されることを確認した。特に、TNF-αの分泌抑制効果は、スフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞の処理濃度に依存することを確認した。
【0140】
これは、病原性因子により炎症細胞から分泌される炎症性媒介体の分泌を抑制し、炎症により発生する疾患をスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞が効率的に抑制することができることを意味する。
【0141】
上述した本発明の説明は、例示のためのものであって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態に容易に変形が可能であることが理解することができる。したがって、以上で記述した実施例は、全ての面において例示的なものであり、限定的でないものと理解すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0142】
本発明者らは、細胞外膜にLPSを有するグラム陰性細菌由来小胞を経口投与した場合には、小胞が脳に分布しないが、細胞外膜にスフィンゴ脂質を有するスフィンゴモナス細菌であるスフィンゴモナス・パウシモビリスに由来する小胞を経口投与した場合には、脳に小胞が伝達されることを確認した。また、脳疾患マウスモデルにスフィンゴモナス・パウシモビリス由来小胞を経口投与したとき、認知機能に関連した行動障害だけでなく、異常タンパク質の沈着を抑制することを確認した。また、前記疾患モデルにおいてスフィンゴモナス細菌由来小胞は、神経幹細胞の増殖および分化だけでなく、神経細胞間連結性(interneural intergrity)を増加させて治療効果を示すことを確認した。また、前記神経生成(neurogenesis)による治療効果は、スフィンゴモナス細菌由来小胞が神経細胞に作用して神経生成を誘導する神経栄養因子であるBDNFおよびストレスによる細胞老化を防止するサーチュイン(sirtuin)タンパク質発現を増加させて起こることを確認した。
【0143】
これより、本発明によるスフィンゴモナス細菌由来小胞を神経疾患または精神疾患に対する予防、改善、または治療剤に用いることができ、産業上の利用可能性がある。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図9a
図9b
図10a
図10b
図10c
図11
図12
図13
【配列表】
2023554271000001.app
【手続補正書】
【提出日】2023-06-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スフィンゴモナス細菌由来小胞を有効成分として含む、神経疾患または精神疾患の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項2】
前記神経疾患は、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease)、パーキンソン病(Parkinson’s disease)、筋萎縮性側索硬化症(amyotropic lateral sclerosis)、ハンチントン病(Huntington’s disease)、てんかん(epilepsy)、黄斑変性(macular degeneration)、緑内障(glaucoma)、カーンズ・セイヤー症候群(Kearns-Sayre syndrome,KSS)、慢性進行性外眼筋まひ(chronic progressive external ophthalmoplegia,CPEO)、MELAS症候群(mitochondrial encephalomyopathy with lactic acidosis and stroke-like episodes,MELAS)、MERRF症候群(myoclonic epilepsy with ragged-red fibers,MERRF)、NARP症候群(neurogenic weakness with ataxia and retinitis pigmentosa,NARP)、Leigh症候群(Leigh syndrome,LS)、MIRAS症候群(mitochondrial recessive ataxia syndrome)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)、嗅覚異常(dysosmia)、難聴(deafness)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、および糖尿病性神経障害(diabetic neuropathy)からなる群から選択された1つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項3】
前記精神疾患は、注意欠陥多動性障害(attention deficit hyperactivity syndrome)、双極性障害(bipolar disorder)、不安障害(anxiety disorder)、統合失調症(schizophrenia)、強迫障害(obsessive compulsive disorder)、外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder)、解離障害(dissociative disorder)、摂食障害(eating disorder)、物質使用障害(substance use disorder)、およびパーソナリティ障害(personality disorder)からなる群から選択された1つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項4】
前記疾患は、神経栄養因子により媒介される疾患であることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
前記神経栄養因子は、BDNF(brain-derived neurotrophic factor)またはNGF(nerve growth factor)であることを特徴とする請求項4に記載の薬学的組成物。
【請求項6】
前記スフィンゴモナス細菌由来小胞は、Sirt1(Sirtuin 1)、Sirt5、およびSirt7からなる群から選択された1つ以上の発現を増加させることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
前記スフィンゴモナス細菌は、スフィンゴモナス(Sphingomonas)、スフィンゴビウム(Sphingobium)、ノボスフィンゴビウム(Novosphingobium)、スフィンゴシニセラ(Sphingosinicella)、およびスフィンゴピキシス(Sphingopyxis)からなる群から選択された1つ以上の属細菌であることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項8】
前記スフィンゴモナス細菌は、スフィンゴモナス・アバシー(Sphingomonas abaci)、スフィンゴモナス・アドハエシバ(Sphingomonas adhaesiva)、スフィンゴモナス・アエロラータ(Sphingomonas aerolata)、スフィンゴモナス・アエロフィラ(Sphingomonas aerophila)、スフィンゴモナス・アエスツアリイ(Sphingomonas aestuarii)、スフィンゴモナス・アラスケンシス(Sphingomonas alaskensis)、スフィンゴモナス・アルピナ(Sphingomonas alpina)、スフィンゴモナス・アクアティーリス(Sphingomonas aquatilis)、スフィンゴモナス・アロマティシボランス(Sphingomonas aromaticivorans)、スフィンゴモナス・アサッカロリティカ(Sphingomonas asaccharolytica)、スフィンゴモナス・アスタキサンチニファシエンス(Sphingomonas astaxanthinifaciens)、スフィンゴモナス・アウランティアカ(Sphingomonas aurantiaca)、スフィンゴモナス・アゾティファイゲンス(Sphingomonas azotifigens)、スフィンゴモナス・バエクリュンエンシス(Sphingomonas baekryungensis)、スフィンゴモナス・カプスラータ(Sphingomonas capsulata)、スフィンゴモナス・カナデンシス(Sphingomonas canadensis)、スフィンゴモナス・チャングバイエンシス(Sphingomonas changbaiensis)、スフィンゴモナス・クロロフェノリカ(Sphingomonas chlorophenolica)、スフィンゴモナス・チュングブケンシス(Sphingomonas chungbukensis)、スフィンゴモナス・クロアカエ(Sphingomonas cloacae)、スフィンゴモナス・サイナレ(Sphingomonas cynarae)、スフィンゴモナス・デチャンギンシス(Sphingomonas daechungensis)、スフィンゴモナス・デシカビリス(Sphingomonas desiccabilis)、スフィンゴモナス・ドクドネンシス(Sphingomonas dokdonensis)、スフィンゴモナス・エキノイデス(Sphingomonas echinoides)、スフィンゴモナス・エロデア(Sphingomonas elodea)、スフィンゴモナス・エンドフィティカ(Sphingomonas endophytica)、スフィンゴモナス・ファエニ(Sphingomonas faeni)、スフィンゴモナス・フェニカ(Sphingomonas fennica)、スフィンゴモナス・フラバ(Sphingomonas flava)、スフィンゴモナス・フォルモセンシス(Sphingomonas formosensis)、スフィンゴモナス・ゲイ(Sphingomonas gei)、スフィンゴモナス・ギメンシス(Sphingomonas gimensis)、スフィンゴモナス・ギンセンギソリ(Sphingomonas ginsengisoli)、スフィンゴモナス・ギンセノシディミュータンス(Sphingomonas ginsenosidimutans)、スフィンゴモナス・グラシアリス(Sphingomonas glacialis)、スフィンゴモナス・グァンドンジェンシス(Sphingomonas guangdongensis)、スフィンゴモナス・ハロアロマティカマンス(Sphingomonas haloaromaticamans)、スフィンゴモナス・ハンクーケンシス(Sphingomonas hankookensis)、スフィンゴモナス・ヘルビシドボランス(Sphingomonas herbicidovorans)、スフィンゴモナス・ヒスチジニリチカ(Sphingomonas histidinilytica)、スフィンゴモナス・インディカ(Sphingomonas indica)、スフィンゴモナス・インサラエ(Sphingomonas insulae)、スフィンゴモナス・ジャポニカ(Sphingomonas japonica)、スフィンゴモナス・ジャスピシ(Sphingomonas jaspsi)、スフィンゴモナス・ジェジュエンシス(Sphingomonas jejuensis)、スフィンゴモナス・ジンジュエンシス(Sphingomonas jinjuensis)、スフィンゴモナス・カイステンシス(Sphingomonas kaistensis)、スフィンゴモナス・コリエンシス(Sphingomonas koreensis)、スフィンゴモナス・キエオンギエンシス(Sphingomonas kyeonggiensis)、スフィンゴモナス・キョンヒエンシス(Sphingomonas kyungheensis)、スフィンゴモナス・ラクス(Sphingomonas lacus)、スフィンゴモナス・ラテラリエ(Sphingomonas laterariae)、スフィンゴモナス・レイディイ(Sphingomonas leidyi)、スフィンゴモナス・マクロゴルタビダス(Sphingomonas macrogoltabidus)、スフィンゴモナス・マリー(Sphingomonas mali)、スフィンゴモナス・メロニス(Sphingomonas melonis)、スフィンゴモナス・モルスコーラム(Sphingomonas molluscorum)、スフィンゴモナス・モリンデ(Sphingomonas morindae)、スフィンゴモナス・ミューコシシマ(Sphingomonas mucosissima)、スフィンゴモナス・ナセンシス(Sphingomonas naasensis)、スフィンゴモナス・ナタトリア(Sphingomonas natatoria)、スフィンゴモナス・オリゴアロマティボランス(Sphingomonas oligoaromativorans)、スフィンゴモナス・オリゴフェノリカ(Sphingomonas oligophenolica)、スフィンゴモナス・オリジテラエ(Sphingomonas oryziterrae)、スフィンゴモナス・パニー(Sphingomonas panni)、スフィンゴモナス・パラポウシモビリス(Sphingomonas parapaucimobilis)、スフィンゴモナス・パウシモビリス(Sphingomonas paucimobilis)、スフィンゴモナス・フィロスフェレ(Sphingomonas phyllosphaerae)、スフィンゴモナス・ピテュイトサ(Sphingomonas pituitosa)、スフィンゴモナス・ポリアロマティシボランス(Sphingomonas polyaromaticivorans)、スフィンゴモナス・プルーニ(Sphingomonas pruni)、スフィンゴモナス・シュードサングイニス(Sphingomonas pseudosanguinis)、スフィンゴモナス・サイクロルテア(Sphingomonas psychrolutea)、スフィンゴモナス・ローサ(Sphingomonas rosa)、スフィンゴモナス・ローゼイフラバ(Sphingomonas roseiflava)、スフィンゴモナス・ルブラ(Sphingomonas rubra)、スフィンゴモナス・サングイニス(Sphingomonas sanguinis)、スフィンゴモナス・サンキサニゲネンス(Sphingomonas sanxanigenens)、スフィンゴモナス・セディミニコラ(Sphingomonas sediminicola)、スフィンゴモナス・ソリー(Sphingomonas soli)、スフィンゴモナス・スターンベルゲンシス(Sphingomonas starnbergensis)、スフィンゴモナス・スチギア(Sphingomonas stygia)、スフィンゴモナス・ズバルチカ(Sphingomonas subarctica)、スフィンゴモナス・スベリファシエンス(Sphingomonas suberifaciens)、スフィンゴモナス・サブテラニア(Sphingomonas subterranea)、スフィンゴモナス・テジョネンシス(Sphingomonas taejonensis)、スフィンゴモナス・テラエ(Sphingomonas terrae)、スフィンゴモナス・トゥルーペリ(Sphingomonas trueperi)、スフィンゴモナス・ウルシンコラ(Sphingomonas ursincola)、スフィンゴモナス・ブルカニソリ(Sphingomonas vulcanisoli)、スフィンゴモナス・ウイッチ(Sphingomonas wittichii)、スフィンゴモナス・ゼノファガ(Sphingomonas xenophaga)、スフィンゴモナス・シンジャンゲンシス(Sphingomonas xinjiangensis)、スフィンゴモナス・ヤブーチャエ(Sphingomonas yabuuchiae)、スフィンゴモナス・ヤンチンジェンシス(Sphingomonas yantingensis)、スフィンゴモナス・ヤノイクエ(Sphingomonas yanoikuyae)、スフィンゴモナス・ユナネンシス(Sphingomonas yunnanensis)、およびスフィンゴモナス・ジアエ(Sphingomonas zeae)からなる群から選択された1つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
前記小胞は、平均直径が10~1000nmであることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項10】
前記小胞は、スフィンゴモナス細菌培養液から分離されることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項11】
前記小胞は、スフィンゴモナス細菌から自然的にまたは人工的に分泌されることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項12】
スフィンゴモナス細菌由来小胞を有効成分として含む、神経疾患または精神疾患の予防または改善用食品組成物。
【請求項13】
前記神経疾患は、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease)、パーキンソン病(Parkinson’s disease)、筋萎縮性側索硬化症(amyotropic lateral sclerosis)、ハンチントン病(Huntington’s disease)、てんかん(epilepsy)、黄斑変性(macular degeneration)、緑内障(glaucoma)、カーンズ・セイヤー症候群(Kearns-Sayre syndrome,KSS)、慢性進行性外眼筋まひ(chronic progressive external ophthalmoplegia,CPEO)、MELAS症候群(mitochondrial encephalomyopathy with lactic acidosis and stroke-like episodes,MELAS)、MERRF症候群(myoclonic epilepsy with ragged-red fibers,MERRF)、NARP症候群(neurogenic weakness with ataxia and retinitis pigmentosa,NARP)、Leigh症候群(Leigh syndrome,LS)、MIRAS症候群(mitochondrial recessive ataxia syndrome)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)、嗅覚異常(dysosmia)、難聴(deafness)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、および糖尿病性神経障害(diabetic neuropathy)からなる群から選択された1つ以上であることを特徴とする請求項12に記載の食品組成物。
【請求項14】
前記スフィンゴモナス細菌は、スフィンゴモナス(Sphingomonas)、スフィンゴビウム(Sphingobium)、ノボスフィンゴビウム(Novosphingobium)、スフィンゴシニセラ(Sphingosinicella)、およびスフィンゴピキシス(Sphingopyxis)からなる群から選択された1つ以上の属細菌であることを特徴とする請求項12に記載の食品組成物。
【請求項15】
前記スフィンゴモナス属細菌は、スフィンゴモナス・アバシー(Sphingomonas abaci)、スフィンゴモナス・アドハエシバ(Sphingomonas adhaesiva)、スフィンゴモナス・アエロラータ(Sphingomonas aerolata)、スフィンゴモナス・アエロフィラ(Sphingomonas aerophila)、スフィンゴモナス・アエスツアリイ(Sphingomonas aestuarii)、スフィンゴモナス・アラスケンシス(Sphingomonas alaskensis)、スフィンゴモナス・アルピナ(Sphingomonas alpina)、スフィンゴモナス・アクアティーリス(Sphingomonas aquatilis)、スフィンゴモナス・アロマティシボランス(Sphingomonas aromaticivorans)、スフィンゴモナス・アサッカロリティカ(Sphingomonas asaccharolytica)、スフィンゴモナス・アスタキサンチニファシエンス(Sphingomonas astaxanthinifaciens)、スフィンゴモナス・アウランティアカ(Sphingomonas aurantiaca)、スフィンゴモナス・アゾティファイゲンス(Sphingomonas azotifigens)、スフィンゴモナス・バエクリュンエンシス(Sphingomonas baekryungensis)、スフィンゴモナス・カプスラータ(Sphingomonas capsulata)、スフィンゴモナス・カナデンシス(Sphingomonas canadensis)、スフィンゴモナス・チャングバイエンシス(Sphingomonas changbaiensis)、スフィンゴモナス・クロロフェノリカ(Sphingomonas chlorophenolica)、スフィンゴモナス・チュングブケンシス(Sphingomonas chungbukensis)、スフィンゴモナス・クロアカエ(Sphingomonas cloacae)、スフィンゴモナス・サイナレ(Sphingomonas cynarae)、スフィンゴモナス・デチャンギンシス(Sphingomonas daechungensis)、スフィンゴモナス・デシカビリス(Sphingomonas desiccabilis)、スフィンゴモナス・ドクドネンシス(Sphingomonas dokdonensis)、スフィンゴモナス・エキノイデス(Sphingomonas echinoides)、スフィンゴモナス・エロデア(Sphingomonas elodea)、スフィンゴモナス・エンドフィティカ(Sphingomonas endophytica)、スフィンゴモナス・ファエニ(Sphingomonas faeni)、スフィンゴモナス・フェニカ(Sphingomonas fennica)、スフィンゴモナス・フラバ(Sphingomonas flava)、スフィンゴモナス・フォルモセンシス(Sphingomonas formosensis)、スフィンゴモナス・ゲイ(Sphingomonas gei)、スフィンゴモナス・ギメンシス(Sphingomonas gimensis)、スフィンゴモナス・ギンセンギソリ(Sphingomonas ginsengisoli)、スフィンゴモナス・ギンセノシディミュータンス(Sphingomonas ginsenosidimutans)、スフィンゴモナス・グラシアリス(Sphingomonas glacialis)、スフィンゴモナス・グァンドンジェンシス(Sphingomonas guangdongensis)、スフィンゴモナス・ハロアロマティカマンス(Sphingomonas haloaromaticamans)、スフィンゴモナス・ハンクーケンシス(Sphingomonas hankookensis)、スフィンゴモナス・ヘルビシドボランス(Sphingomonas herbicidovorans)、スフィンゴモナス・ヒスチジニリチカ(Sphingomonas histidinilytica)、スフィンゴモナス・インディカ(Sphingomonas indica)、スフィンゴモナス・インサラエ(Sphingomonas insulae)、スフィンゴモナス・ジャポニカ(Sphingomonas japonica)、スフィンゴモナス・ジャスピシ(Sphingomonas jaspsi)、スフィンゴモナス・ジェジュエンシス(Sphingomonas jejuensis)、スフィンゴモナス・ジンジュエンシス(Sphingomonas jinjuensis)、スフィンゴモナス・カイステンシス(Sphingomonas kaistensis)、スフィンゴモナス・コリエンシス(Sphingomonas koreensis)、スフィンゴモナス・キエオンギエンシス(Sphingomonas kyeonggiensis)、スフィンゴモナス・キョンヒエンシス(Sphingomonas kyungheensis)、スフィンゴモナス・ラクス(Sphingomonas lacus)、スフィンゴモナス・ラテラリエ(Sphingomonas laterariae)、スフィンゴモナス・レイディイ(Sphingomonas leidyi)、スフィンゴモナス・マクロゴルタビダス(Sphingomonas macrogoltabidus)、スフィンゴモナス・マリー(Sphingomonas mali)、スフィンゴモナス・メロニス(Sphingomonas melonis)、スフィンゴモナス・モルスコーラム(Sphingomonas molluscorum)、スフィンゴモナス・モリンデ(Sphingomonas morindae)、スフィンゴモナス・ミューコシシマ(Sphingomonas mucosissima)、スフィンゴモナス・ナセンシス(Sphingomonas naasensis)、スフィンゴモナス・ナタトリア(Sphingomonas natatoria)、スフィンゴモナス・オリゴアロマティボランス(Sphingomonas oligoaromativorans)、スフィンゴモナス・オリゴフェノリカ(Sphingomonas oligophenolica)、スフィンゴモナス・オリジテラエ(Sphingomonas oryziterrae)、スフィンゴモナス・パニー(Sphingomonas panni)、スフィンゴモナス・パラポウシモビリス(Sphingomonas parapaucimobilis)、スフィンゴモナス・パウシモビリス(Sphingomonas paucimobilis)、スフィンゴモナス・フィロスフェレ(Sphingomonas phyllosphaerae)、スフィンゴモナス・ピテュイトサ(Sphingomonas pituitosa)、スフィンゴモナス・ポリアロマティシボランス(Sphingomonas polyaromaticivorans)、スフィンゴモナス・プルーニ(Sphingomonas pruni)、スフィンゴモナス・シュードサングイニス(Sphingomonas pseudosanguinis)、スフィンゴモナス・サイクロルテア(Sphingomonas psychrolutea)、スフィンゴモナス・ローサ(Sphingomonas rosa)、スフィンゴモナス・ローゼイフラバ(Sphingomonas roseiflava)、スフィンゴモナス・ルブラ(Sphingomonas rubra)、スフィンゴモナス・サングイニス(Sphingomonas sanguinis)、スフィンゴモナス・サンキサニゲネンス(Sphingomonas sanxanigenens)、スフィンゴモナス・セディミニコラ(Sphingomonas sediminicola)、スフィンゴモナス・ソリー(Sphingomonas soli)、スフィンゴモナス・スターンベルゲンシス(Sphingomonas starnbergensis)、スフィンゴモナス・スチギア(Sphingomonas stygia)、スフィンゴモナス・ズバルチカ(Sphingomonas subarctica)、スフィンゴモナス・スベリファシエンス(Sphingomonas suberifaciens)、スフィンゴモナス・サブテラニア(Sphingomonas subterranea)、スフィンゴモナス・テジョネンシス(Sphingomonas taejonensis)、スフィンゴモナス・テラエ(Sphingomonas terrae)、スフィンゴモナス・トゥルーペリ(Sphingomonas trueperi)、スフィンゴモナス・ウルシンコラ(Sphingomonas ursincola)、スフィンゴモナス・ブルカニソリ(Sphingomonas vulcanisoli)、スフィンゴモナス・ウイッチ(Sphingomonas wittichii)、スフィンゴモナス・ゼノファガ(Sphingomonas xenophaga)、スフィンゴモナス・シンジャンゲンシス(Sphingomonas xinjiangensis)、スフィンゴモナス・ヤブーチャエ(Sphingomonas yabuuchiae)、スフィンゴモナス・ヤンチンジェンシス(Sphingomonas yantingensis)、スフィンゴモナス・ヤノイクエ(Sphingomonas yanoikuyae)、スフィンゴモナス・ユナネンシス(Sphingomonas yunnanensis)、およびスフィンゴモナス・ジアエ(Sphingomonas zeae)からなる群から選択された1つ以上であることを特徴とする請求項12に記載の食品組成物。
【請求項16】
前記小胞は、平均直径が10~1000nmであることを特徴とする請求項12に記載の食品組成物。
【請求項17】
前記小胞は、スフィンゴモナス細菌培養液から分離されることを特徴とする請求項12に記載の食品組成物。
【請求項18】
前記小胞は、スフィンゴモナス細菌から自然的にまたは人工的に分泌されることを特徴とする請求項12に記載の食品組成物。
【請求項19】
スフィンゴモナス細菌由来小胞を有効成分として含む、神経疾患または精神疾患の予防または改善用吸入組成物。
【請求項20】
前記神経疾患は、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease)、パーキンソン病(Parkinson’s disease)、筋萎縮性側索硬化症(amyotropic lateral sclerosis)、ハンチントン病(Huntington’s disease)、てんかん(epilepsy)、黄斑変性(macular degeneration)、緑内障(glaucoma)、カーンズ・セイヤー症候群(Kearns-Sayre syndrome,KSS)、慢性進行性外眼筋まひ(chronic progressive external ophthalmoplegia,CPEO)、MELAS症候群(mitochondrial encephalomyopathy with lactic acidosis and stroke-like episodes,MELAS)、MERRF症候群(myoclonic epilepsy with ragged-red fibers,MERRF)、NARP症候群(neurogenic weakness with ataxia and retinitis pigmentosa,NARP)、Leigh症候群(Leigh syndrome,LS)、MIRAS症候群(mitochondrial recessive ataxia syndrome)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)、嗅覚異常(dysosmia)、難聴(deafness)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、および糖尿病性神経障害(diabetic neuropathy)からなる群から選択された1つ以上であることを特徴とする請求項19に記載の吸入組成物。
【請求項21】
前記スフィンゴモナス細菌は、スフィンゴモナス(Sphingomonas)、スフィンゴビウム(Sphingobium)、ノボスフィンゴビウム(Novosphingobium)、スフィンゴシニセラ(Sphingosinicella)、およびスフィンゴピキシス(Sphingopyxis)からなる群から選択された1つ以上の属細菌であることを特徴とする請求項19に記載の吸入組成物。
【請求項22】
前記スフィンゴモナス属細菌は、スフィンゴモナス・アバシー(Sphingomonas abaci)、スフィンゴモナス・アドハエシバ(Sphingomonas adhaesiva)、スフィンゴモナス・アエロラータ(Sphingomonas aerolata)、スフィンゴモナス・アエロフィラ(Sphingomonas aerophila)、スフィンゴモナス・アエスツアリイ(Sphingomonas aestuarii)、スフィンゴモナス・アラスケンシス(Sphingomonas alaskensis)、スフィンゴモナス・アルピナ(Sphingomonas alpina)、スフィンゴモナス・アクアティーリス(Sphingomonas aquatilis)、スフィンゴモナス・アロマティシボランス(Sphingomonas aromaticivorans)、スフィンゴモナス・アサッカロリティカ(Sphingomonas asaccharolytica)、スフィンゴモナス・アスタキサンチニファシエンス(Sphingomonas astaxanthinifaciens)、スフィンゴモナス・アウランティアカ(Sphingomonas aurantiaca)、スフィンゴモナス・アゾティファイゲンス(Sphingomonas azotifigens)、スフィンゴモナス・バエクリュンエンシス(Sphingomonas baekryungensis)、スフィンゴモナス・カプスラータ(Sphingomonas capsulata)、スフィンゴモナス・カナデンシス(Sphingomonas canadensis)、スフィンゴモナス・チャングバイエンシス(Sphingomonas changbaiensis)、スフィンゴモナス・クロロフェノリカ(Sphingomonas chlorophenolica)、スフィンゴモナス・チュングブケンシス(Sphingomonas chungbukensis)、スフィンゴモナス・クロアカエ(Sphingomonas cloacae)、スフィンゴモナス・サイナレ(Sphingomonas cynarae)、スフィンゴモナス・デチャンギンシス(Sphingomonas daechungensis)、スフィンゴモナス・デシカビリス(Sphingomonas desiccabilis)、スフィンゴモナス・ドクドネンシス(Sphingomonas dokdonensis)、スフィンゴモナス・エキノイデス(Sphingomonas echinoides)、スフィンゴモナス・エロデア(Sphingomonas elodea)、スフィンゴモナス・エンドフィティカ(Sphingomonas endophytica)、スフィンゴモナス・ファエニ(Sphingomonas faeni)、スフィンゴモナス・フェニカ(Sphingomonas fennica)、スフィンゴモナス・フラバ(Sphingomonas flava)、スフィンゴモナス・フォルモセンシス(Sphingomonas formosensis)、スフィンゴモナス・ゲイ(Sphingomonas gei)、スフィンゴモナス・ギメンシス(Sphingomonas gimensis)、スフィンゴモナス・ギンセンギソリ(Sphingomonas ginsengisoli)、スフィンゴモナス・ギンセノシディミュータンス(Sphingomonas ginsenosidimutans)、スフィンゴモナス・グラシアリス(Sphingomonas glacialis)、スフィンゴモナス・グァンドンジェンシス(Sphingomonas guangdongensis)、スフィンゴモナス・ハロアロマティカマンス(Sphingomonas haloaromaticamans)、スフィンゴモナス・ハンクーケンシス(Sphingomonas hankookensis)、スフィンゴモナス・ヘルビシドボランス(Sphingomonas herbicidovorans)、スフィンゴモナス・ヒスチジニリチカ(Sphingomonas histidinilytica)、スフィンゴモナス・インディカ(Sphingomonas indica)、スフィンゴモナス・インサラエ(Sphingomonas insulae)、スフィンゴモナス・ジャポニカ(Sphingomonas japonica)、スフィンゴモナス・ジャスピシ(Sphingomonas jaspsi)、スフィンゴモナス・ジェジュエンシス(Sphingomonas jejuensis)、スフィンゴモナス・ジンジュエンシス(Sphingomonas jinjuensis)、スフィンゴモナス・カイステンシス(Sphingomonas kaistensis)、スフィンゴモナス・コリエンシス(Sphingomonas koreensis)、スフィンゴモナス・キエオンギエンシス(Sphingomonas kyeonggiensis)、スフィンゴモナス・キョンヒエンシス(Sphingomonas kyungheensis)、スフィンゴモナス・ラクス(Sphingomonas lacus)、スフィンゴモナス・ラテラリエ(Sphingomonas laterariae)、スフィンゴモナス・レイディイ(Sphingomonas leidyi)、スフィンゴモナス・マクロゴルタビダス(Sphingomonas macrogoltabidus)、スフィンゴモナス・マリー(Sphingomonas mali)、スフィンゴモナス・メロニス(Sphingomonas melonis)、スフィンゴモナス・モルスコーラム(Sphingomonas molluscorum)、スフィンゴモナス・モリンデ(Sphingomonas morindae)、スフィンゴモナス・ミューコシシマ(Sphingomonas mucosissima)、スフィンゴモナス・ナセンシス(Sphingomonas naasensis)、スフィンゴモナス・ナタトリア(Sphingomonas natatoria)、スフィンゴモナス・オリゴアロマティボランス(Sphingomonas oligoaromativorans)、スフィンゴモナス・オリゴフェノリカ(Sphingomonas oligophenolica)、スフィンゴモナス・オリジテラエ(Sphingomonas oryziterrae)、スフィンゴモナス・パニー(Sphingomonas panni)、スフィンゴモナス・パラポウシモビリス(Sphingomonas parapaucimobilis)、スフィンゴモナス・パウシモビリス(Sphingomonas paucimobilis)、スフィンゴモナス・フィロスフェレ(Sphingomonas phyllosphaerae)、スフィンゴモナス・ピテュイトサ(Sphingomonas pituitosa)、スフィンゴモナス・ポリアロマティシボランス(Sphingomonas polyaromaticivorans)、スフィンゴモナス・プルーニ(Sphingomonas pruni)、スフィンゴモナス・シュードサングイニス(Sphingomonas pseudosanguinis)、スフィンゴモナス・サイクロルテア(Sphingomonas psychrolutea)、スフィンゴモナス・ローサ(Sphingomonas rosa)、スフィンゴモナス・ローゼイフラバ(Sphingomonas roseiflava)、スフィンゴモナス・ルブラ(Sphingomonas rubra)、スフィンゴモナス・サングイニス(Sphingomonas sanguinis)、スフィンゴモナス・サンキサニゲネンス(Sphingomonas sanxanigenens)、スフィンゴモナス・セディミニコラ(Sphingomonas sediminicola)、スフィンゴモナス・ソリー(Sphingomonas soli)、スフィンゴモナス・スターンベルゲンシス(Sphingomonas starnbergensis)、スフィンゴモナス・スチギア(Sphingomonas stygia)、スフィンゴモナス・ズバルチカ(Sphingomonas subarctica)、スフィンゴモナス・スベリファシエンス(Sphingomonas suberifaciens)、スフィンゴモナス・サブテラニア(Sphingomonas subterranea)、スフィンゴモナス・テジョネンシス(Sphingomonas taejonensis)、スフィンゴモナス・テラエ(Sphingomonas terrae)、スフィンゴモナス・トゥルーペリ(Sphingomonas trueperi)、スフィンゴモナス・ウルシンコラ(Sphingomonas ursincola)、スフィンゴモナス・ブルカニソリ(Sphingomonas vulcanisoli)、スフィンゴモナス・ウイッチ(Sphingomonas wittichii)、スフィンゴモナス・ゼノファガ(Sphingomonas xenophaga)、スフィンゴモナス・シンジャンゲンシス(Sphingomonas xinjiangensis)、スフィンゴモナス・ヤブーチャエ(Sphingomonas yabuuchiae)、スフィンゴモナス・ヤンチンジェンシス(Sphingomonas yantingensis)、スフィンゴモナス・ヤノイクエ(Sphingomonas yanoikuyae)、スフィンゴモナス・ユナネンシス(Sphingomonas yunnanensis)、およびスフィンゴモナス・ジアエ(Sphingomonas zeae)からなる群から選択された1つ以上であることを特徴とする請求項19に記載の吸入組成物。
【請求項23】
前記小胞は、平均直径が10~1000nmであることを特徴とする請求項19に記載の吸入組成物。
【請求項24】
前記小胞は、スフィンゴモナス細菌培養液から分離されることを特徴とする請求項19に記載の吸入組成物。
【請求項25】
前記小胞は、スフィンゴモナス細菌から自然的にまたは人工的に分泌されることを特徴とする請求項19に記載の吸入組成物。
【請求項26】
スフィンゴモナス細菌由来小胞の神経疾患または精神疾患の予防または治療薬剤生産のための使用
【国際調査報告】