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特表2023-554283枝肉部分を加工するための食品加工システム
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  • 特表-枝肉部分を加工するための食品加工システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-27
(54)【発明の名称】枝肉部分を加工するための食品加工システム
(51)【国際特許分類】
   A22B 7/00 20060101AFI20231220BHJP
   A22C 17/00 20060101ALI20231220BHJP
   A22C 15/00 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
A22B7/00
A22C17/00
A22C15/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534377
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-06-06
(86)【国際出願番号】 NL2021050764
(87)【国際公開番号】W WO2022131913
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】2027156
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516063290
【氏名又は名称】マレル・ミート・ベスローテン・フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】Marel Meat B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100197561
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 三喜男
(72)【発明者】
【氏名】メールディンク,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル ステーン,フランシスクス テオドルス ヘンリクス ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ファン デン フルク,フランス
【テーマコード(参考)】
4B011
【Fターム(参考)】
4B011EA01
4B011EA05
(57)【要約】
本発明は、枝肉部分が少なくとも部分的に自由にぶら下がるように枝肉部分を運搬するために設計された複数の間隔を空けたシャックルを有するオーバーハングレールシステムと、移動機構によって選択的に移動可能である係合構造を有する再配置装置と、枝肉部分が少なくとも1つの食品加工装置を通過して搬送される間に枝肉部分に少なくとも1つの食品加工ステップを実行するための少なくとも1つの食品加工装置とを有し、複数の間隔を空けたシャックルと係合構造とは、同期して移動し、係合構造は、シャックルの運搬位置とは異なる位置において枝肉部分に係合し、垂直軸に対する角度位置を初期角度位置から所定の角度加工位置に調整するように構成される、食品加工システム及び方法に関する。所定の角度加工位置は、食品加工ステップが実行されるときに食品加工ステップに最適化され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品加工システムであって、
枝肉部分が少なくとも部分的に自由にぶら下がるように枝肉部分を運搬するために設計された複数の間隔を空けたシャックルを有するオーバーハングレールシステムと、
移動機構によって選択的に移動可能である係合構造を有する再配置装置と、
枝肉部分が少なくとも1つの食品加工装置を通過して搬送される間に枝肉部分に少なくとも1つの食品加工ステップを実行するための少なくとも1つの食品加工装置とを有し、
前記複数の間隔を空けたシャックルと前記係合構造とは、同期して移動し、
前記係合構造は、前記シャックルの運搬位置とは異なる位置において前記枝肉部分に係合し、垂直軸に対する角度位置を初期角度位置から所定の角度加工位置に調整するように構成されている
食品加工システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの食品加工装置は、関連する2つ以上の異なる所定の角度加工位置を有する2つ以上の食品加工装置を含む、
請求項1に記載の食品加工システム。
【請求項3】
前記移動機構、ひいては前記再配置装置を制御するように構成された制御装置に接続された検出装置をさらに備え、前記検出装置は、前記枝肉部分の少なくとも1つの特有の特性を検出するように構成され、前記制御装置は、前記少なくとも1つの検出された特有の特性に基づいて前記2つ以上の食品加工装置の加工順序をスケジュールするように構成される、
請求項1又は請求項2に記載の食品加工システム。
【請求項4】
スケジュールされた加工順序は、前記2つ以上の食品加工装置の一部を含み、それによって、前記加工順序に関与していない残りの1つ又は複数の食品加工装置は、前記枝肉部分によってバイパスされる、
請求項3に記載の食品加工システム。
【請求項5】
前記制御装置はさらに、加工ステップ間の最初の加工ステップの前に、前記シャックルの回転軸を調整するように構成されている、
請求項3又は請求項4に記載の食品加工システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの食品加工装置は、自動食品加工ステップを実行するための自動食品加工装置を有する、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の食品加工システム。
【請求項7】
前記係合構造は、
第1支持部材及び第2支持部材であって、第1支持部材及び第2支持部材は、前記枝肉部分の異なる側と係合するように構成されている、第1支持部材及び第2支持部材、又は、
前記枝肉部分に係合して前記枝肉部分に吸引力を与えるように構成されている吸引装置、の1つ又は複数を有する、
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の食品加工システム。
【請求項8】
前記角度位置を初期角度位置から所定の角度加工位置に調整することは、前記第1支持部材及び前記第2支持部材の間の相対移動によって引き起こされる、
請求項7に記載の食品加工システム。
【請求項9】
前記移動機構は、垂直回転軸を有するカルーセル状構造体を有する、
請求項1から請求項8の何れか1項に記載の食品加工システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの食品加工装置は、
前記枝肉部分にプレカットを実行するように構成された1つ又は複数の回転円形ナイフ、
前記枝肉部分をより小さい枝肉部分に切断するための鋸であって、前記切断がプレカット位置において実行され得る、鋸、
前記枝肉部分の少なくとも一部を脱皮及び/又は脱脂するための装置、の1つ又は複数から選択される、
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の食品加工システム。
【請求項11】
食品を加工する食品加工システムを用いて枝肉部分を加工する方法であって、
食品加工システムが、
枝肉部分が少なくとも部分的に自由にぶら下がるように枝肉部分を運搬するために設計された複数の間隔を空けたシャックルを有するオーバーハングレールシステムと、
移動機構によって選択的に移動可能である係合構造を有する再配置装置と、
枝肉部分が少なくとも1つの食品加工装置を通過して搬送される間に枝肉部分に少なくとも1つの食品加工ステップを実行するための少なくとも1つの食品加工装置とを有し、
前記方法は、
前記間隔を空けたシャックルと前記係合構造とを同期して移動し、前記シャックルの運搬位置とは異なる位置において前記係合構造によって前記枝肉部分に係合し、垂直軸に対する角度位置を初期角度位置から所定の角度加工位置に調整する、
方法。
【請求項12】
前記係合構造は、垂直回転軸を有する閉ループ経路において移動する、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
複数の加工ステップは、2つ以上の食品加工装置によって実行され、各加工ステップは、垂直軸に平行な垂直位置又は垂直軸に非平行な任意の角度位置などの関連する所定の角度加工位置を有する、
請求項11又は請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記枝肉部分は、食肉処理される4本脚動物からのものである、
請求項11から請求項13の何れか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枝肉部分を運搬するために設計された複数の間隔を空けたシャックルを有するオーバーハングレールシステムによって搬送される枝肉部分を加工するための食品加工システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日実施されている食肉処理場の多くは、脱骨される間にシャックルからぶら下がる豚枝肉部分などの枝肉部分を搬送するためにオーバーハングレールシステムを利用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在のオーバーハングレールシステムでは、自動化がますます認識されているが、まだ脱骨の大部分は、オペレータによって手動で行われている。オペレータのスキルは大きく異なり、それは、脱骨の品質及び産出量に反映される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態の目的は、改善されたより自動化された食品加工システム及び方法を提供することである。
【0005】
一般に、本発明は好ましくは、先行技術の前記の欠点の1つ又は複数を単独で又は任意の組合せで軽減、緩和又は排除することを求めている。特に、本発明の実施形態の目的として、前記の問題点又は他の問題点を解決するシステムを提供することと見ることができる。
【0006】
これらの懸念の1つ又は複数によりよく対処するために、本発明の第1の態様では、食品加工システムであって、
枝肉部分が少なくとも部分的に自由にぶら下がるように枝肉部分を運搬するために設計された複数の間隔を空けたシャックル(shackle)を有するオーバーハングレールシステム(overhang rail system)と、
移動機構によって選択的に移動可能である係合構造を有する再配置装置と、
枝肉部分が少なくとも1つの食品加工装置を通過して搬送される間に枝肉部分に少なくとも1つの食品加工ステップを実行するための少なくとも1つの食品加工装置とを有し、
前記複数の間隔を空けたシャックルと前記係合構造とは、同期して移動し、
前記係合構造は、前記シャックルの運搬位置とは異なる位置において枝肉部分に係合し、垂直軸に対する角度位置を初期角度位置から所定の角度加工位置に調整するように構成されている、食品加工システムが提供される。所定の角度加工位置は、食品加工ステップが実行されるときに次の食品加工ステップのために適合され得る。すなわち、食品加工システムの使用において、所定の角度加工位置は、食品加工ステップが実行されるときに食品加工ステップに最適化され得る。
【0007】
従って、簡単な機械的解決は、枝肉部分に実行される次のプロセスに枝肉部分の角度位置を調整するために提供され、それによって、産出量を最大化することができ、手作業を少なく、あるいは全く必要なくすることができる。
【0008】
シャックルの運搬位置とは異なる位置は、好ましくはシャックルの運搬位置より下である。
【0009】
本発明によれば、枝肉部分(carcass part)という用語は、牛肉、羊肉、豚肉などの種類の食肉処理される4本脚動物からの任意の部分、例えば、豚の半分の枝肉、脚部分、ハム、肩部分として理解され得る。
【0010】
一実施形態では、少なくとも1つの食品加工装置は、関連する2つ以上の異なる所定の角度加工位置を有する2つ以上の食品加工装置を含む。従って、切断、脱骨(deboning)、又は脱皮(de-skinning)あるいは脱脂(de-fatting)作業などの枝肉部分に対する異なる作業は、十分に産出量を最大化する及び/又は顧客の好み、例えば枝肉部分がどのように切断、脱皮及び/又は脱脂されるかを満たすことを目的として、完全に自動的に実行することができる。
【0011】
移動機構は、係合構造をシャックルに対して、例えばシャックルの搬送方向と同一方向又は反対方向に平行に、及び/又はシャックルの搬送方向に対して任意の角度方向に、移動するように構成することができ、係合構造の前進速度は、前記所定の角度加工位置が達せられるように制御される。
【0012】
一実施形態では、システムは、移動機構、ひいては再配置装置を制御するように構成された制御装置に接続された検出装置をさらに備え、検出装置は、枝肉部分の少なくとも1つの特有の特性を検出するように構成され、制御装置は、少なくとも1つの検出された特有の特性に基づいて2つ以上の食品加工装置の加工順序をスケジュールするように構成される。従って、例えば、サイズ/形状/色/外観に基づいて、それに応じて加工ステップを調整することが可能である。これは、一例として、検出された枝肉部分の特有の特性に基づいて、枝肉部分の特定の1つの側又は複数の側の皮を部分的にのみ剥ぐことを含み得る。一例として、顧客からの注文要求は、この加工順序を決定するときに追加入力パラメータとして利用することもできる。
【0013】
一実施形態では、スケジュールされた加工順序は、2つ以上の食品加工装置の一部を含み、それによって、加工順序に関与していない残りの1つ又は複数の食品加工装置は、枝肉部分によってバイパスされる。これは、一例として、切断、鋸引きなどの複数の加工ステップを実行することを含み得るが、例えば、枝肉部分の一部が、自動的に受動モードに置かれ得る皮剥ぎ装置を通過し得るような脱皮は実行することは含まない。
【0014】
一実施形態では、制御装置はさらに、加工ステップ間の最初の加工ステップの前にシャックルの回転軸を調整するように構成される。従って、次の加工ステップのために枝肉部分を自動的に十分に位置調整し、システムの柔軟性を高めることができる。
【0015】
一実施形態では、少なくとも1つの食品加工装置は、自動食品加工ステップを実行するための自動食品加工装置を有する。これは、円形ナイフ、鋸ブレード、あらゆるタイプの脱皮機及び/又は脱脂機、ナイフが含まれ得るが、これらに限定されない。所定の角度加工位置は、オペレータのために枝肉部分の位置を容易にして最適化するように、枝肉部分に対する手動加工作業の前に追加的に取得され得ることに留意されたい。
【0016】
一実施形態では、係合構造は、
第1支持部材及び第2支持部材であって、第1支持部材及び第2支持部材は、枝肉部分の異なる側と係合するように構成されている、第1支持部材及び第2支持部材、又は、
前記枝肉部分に係合して前記枝肉部分に吸引力を与えるように構成されている吸引装置、の1つ又は複数を有する。
【0017】
一実施形態では、角度位置を、初期角度位置から所定の角度加工位置に調整するステップは、第1支持部材及び第2支持部材の間の相対移動によって引き起こされる。第1支持部材は、第2支持部材に対して搬送方向に上流側に配置されてもよく、それらの間の初期距離は、枝肉部分における支持部材が係合する部分の幅を超える。最初は、上流側の支持部材は、枝肉部分にいくらかの圧力を供給し、枝肉部分の他方の側と第2支持部材との間に空間が存在する。この空間は、第1支持部材が枝肉部分に押し付け、第2支持部材に接触して第1支持部材と第2支持部材との間にクランプされるまで角度位置を調整することを可能にするのに十分である。この位置において、所定の角度加工位置は取得され、次の加工ステップが起こるまで、それは取得され得る。従って、角度位置を自動的に調整するために簡単な機械的解決が提供される。
【0018】
一実施形態では、移動機構は、垂直回転軸を有するカルーセル状構造体(carousel like structure)を有する。
【0019】
一実施形態では、少なくとも1つの食品加工装置は、これに限定されるものではないが、
枝肉部分にプレカット(pre-cut)を実行するように構成された1つ又は複数の回転円形ナイフ、
枝肉部分をより小さい枝肉部分に切断するための鋸であって、前記切断がプレカット位置において実行され得る、鋸、
前記枝肉部分の少なくとも一部を脱皮及び/又は脱脂するための装置、の1つ又は複数から選択される。
【0020】
本発明の第2の態様では、食品を加工する食品加工システムを用いて枝肉部分を加工する方法であって、食品加工システムが、
枝肉部分が少なくとも部分的に自由にぶら下がるように枝肉部分を運搬するために設計された複数の間隔を空けたシャックルを有するオーバーハングレールシステムと、
移動機構によって選択的に移動可能である係合構造を有する再配置装置と、
枝肉部分が少なくとも1つの食品加工装置を通過して搬送される間に枝肉部分に少なくとも1つの食品加工ステップを実行するための少なくとも1つの食品加工装置とを有し、
前記方法は、
前記間隔を空けたシャックルと前記係合構造とを同期して移動し、前記シャックルの運搬位置とは異なる位置において前記係合構造によって前記枝肉部分に係合し、垂直軸に対する角度位置を初期角度位置から所定の角度加工位置に調整する、方法が提供される。所定の角度加工位置は、食品加工ステップが実行されるときに次の食品加工ステップのために適合され得る。すなわち、所定の角度加工位置は、食品加工ステップが実行されるときに食品加工ステップに最適化され得る。
【0021】
一実施形態では、前記係合構造は、垂直回転軸を有する閉ループ経路において移動し、同期移動は、係合構造が係合領域において、係合構造が枝肉部分の下側と係合することを許容するように枝肉部分を運搬する入ってくるシャックルに対して最適位置に配置されるようになっている。係合構造が枝肉部分と係合するときの枝肉部分の初期角度位置は、少なくとも1つの食品加工ステップが実行されるときの枝肉部分の角度位置とは異なる。
【0022】
一実施形態では、複数の加工ステップは、2つ以上の食品加工装置によって実行され、各加工ステップは、垂直軸に平行な垂直位置又は垂直軸に非平行な任意の角度位置などの関連する所定の角度加工位置を有する。
【0023】
一般に、本発明の様々な態様は、本発明の範囲内において可能である任意の方法で組み合わせられ結合されることができる。本発明のこれら及び他の態様、特徴及び/又は利点は、以下に説明する実施形態を参照することにより明らかに解明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の実施形態は、例としてのみ図面を参照して説明する。
【0025】
図1】本発明によるシステムの一実施形態を図示して表す。
図2】本発明によるシステムの一実施形態を図示して表す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、任意の4本脚動物の枝肉部分、例えば豚の半分の枝肉、脚部分、ハム、及び肩部分を加工するための本発明によるシステム100を図示して表す。
【0027】
システムは、枝肉部分が少なくとも部分的に自由にぶら下がるように枝肉部分101を運搬するために設計された複数の間隔を空けたシャックル102を有するオーバーハングレールシステム106を有する。
【0028】
システムはさらに、移動機構108によって選択的に移動可能である係合構造103を有する再配置装置と、枝肉部分が少なくとも1つの食品加工装置107を通過して搬送方向109に搬送される間に枝肉部分に少なくとも1つの食品加工ステップを実行するための少なくとも1つの食品加工装置107とを有する。
【0029】
複数の間隔を空けたシャックル102と係合構造とは、係合構造103がシャックル102と一致してシャックルの運搬位置とは異なる位置において枝肉部分101と係合する図1(a)に表されるように、同期して移動する。
【0030】
移動機構108は、係合構造103を、搬送方向109に少なくとも部分的に平行に、矢印119によって示される方向に、同一方向又は反対方向のいずれかに、及び/又は搬送方向109に対してある角度をなす任意の方向(図示せず)に、前進させるように構成される。
【0031】
ここに示される実施形態では、係合構造は、第1支持部材103a及び第2支持部材103bを有し、第1支持部材及び第2支持部材は、図示のように、枝肉部分の異なる側と係合するように構成される。第1支持部材103aは、第2支持部材103bに対して搬送方向109に上流側に配置され、それらの間の初期距離は、枝肉部分における支持部材が係合する部分の幅を超える。最初は、上流側の支持部材103aは、枝肉部分にいくらかの圧力を供給し、枝肉部分の他方の側と第2支持部材103bとの間に空間110が存在する。この空間は、第1支持部材が枝肉部分に押し付け、垂直軸105に対して図1a)-c)に示すような長手方向軸104の角度位置を、初期角度位置から所定の角度加工位置に調整することを可能にするのに十分であり、所定の角度加工位置は、食品加工ステップが実行されるときに食品加工ステップに最適化される。ここに示されるように、所定の角度位置は、枝肉部分101が第1支持部材と第2支持部材との間にクランプされる図1d)に示されている。この位置において、所定の角度加工位置は取得され、それは、例えば、最適切断経路129に沿って円形(又は他の任意の手段)によって切断及び/又は鋸引き作業が行われる、次の加工ステップが起こるまで取得され得る。
【0032】
係合構造103は、2つの支持部材103a)、b)に限定されると解釈されるべきではなく、真空又は吸引ツール又はクランプの任意の手段を介してなど、枝肉部分と係合してそれらを安定した位置に保持するように構成された任意の手段も含むことができることに留意されたい。
【0033】
図2は、いくつかの食品加工装置201~203が、枝肉部分に異なる作業を実行するために順番に追加的に利用される図1の実施形態を示し、例えば、十分に産出量を最大化する及び/又は顧客の好み、例えば枝肉部分がどのように切断、脱皮及び/又は脱脂されるかを満たすことを目的として、切断、脱骨、又は脱皮あるいは脱脂作業が、十分に又は部分的に自動的に実行され、さらに部分的に手動で実行され得る。
【0034】
レーザースキャナ、カメラ又は他の任意の検出手段などの検出装置210は、移動機構108、ひいては再配置装置103を制御する制御装置211に接続され、検出装置210は、枝肉部分の少なくとも1つの特有の特性を検出するように構成され、制御装置211は、少なくとも1つの検出された特有の特性に基づいて2つ以上の食品加工装置の加工順序をスケジュールするように構成される。従ってここでは、サイズ/形状/色/外観に基づいて、それに応じて加工ステップを調整することができる。これは、一例として、検出された枝肉部分の特有の特性に基づいて、枝肉部分の特定の1つの側又は複数の側の皮を部分的にのみ剥ぐことを含み得る。一例として、顧客からの注文要求は、この加工順序を決定するとき追加パラメータとして利用することもできる。
【0035】
スケジュールされた加工順序は、食品加工装置201~203の一部のみを含んでもよく、それらのいくつかは加工順序に関与せず、バイパスされてもよい。
【0036】
本実施形態に示されるように、制御装置211は、加工ステップ間にシャックルの回転軸を調整するように、例えば、加工ステップ202の前に反時計回り204に、加工ステップ203の前に時計回り205に調整するようにさらに構成されてもよい。従って、次の加工ステップのために枝肉部分を自動的に十分に位置調整し、システムの柔軟性を高めることができる。
【0037】
本発明は図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されているが、このような図示及び説明は、例示的又は模範的であるとみなされるものであり、限定するものではなく、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から、請求された発明を実施する当業者によって理解及び実現され得る。特許請求の範囲において、単語「有する(comprising)」は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を除外しない。ある手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという事実だけでは、これらの手段の組合せが有利に使用できないことを示すものではない。
図1
図2
【国際調査報告】