(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-27
(54)【発明の名称】低密度ペット用トイレ砂、並びにこのようなペット用トイレ砂の製造方法及び使用方法
(51)【国際特許分類】
A01K 1/015 20060101AFI20231220BHJP
【FI】
A01K1/015 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535695
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-06-12
(86)【国際出願番号】 IB2021061657
(87)【国際公開番号】W WO2022130180
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ハック, ネイサン, フォスター
【テーマコード(参考)】
2B101
【Fターム(参考)】
2B101AA13
2B101GB08
(57)【要約】
膨張パーライト微粉を含む圧密顆粒と、コーティングされた顆粒であって、各コーティングされた顆粒が、非凝塊化粒子、及び粒子の外表面上の凝集剤を含むコーティングを含む、コーティングされた顆粒と、のブレンドを含む、動物用トイレ砂が本明細書に開示されている。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)膨張パーライト微粉を含む圧密顆粒と、
ii)コーティングされた顆粒であって、各コーティングされた顆粒が、非凝塊化粒子と、前記粒子の外表面上の凝集剤を含むコーティングとを含む、コーティングされた顆粒と、
のブレンドを含む動物用トイレ砂であって、前記圧密顆粒が、約5重量%~約25重量%の量で存在する、
動物用トイレ砂。
【請求項2】
前記膨張パーライト微粉が、約30メッシュ以下の粒子径を有する、請求項1に記載の動物用トイレ砂。
【請求項3】
前記圧密顆粒が、約8メッシュ以上のサイズを有する膨張パーライト粒子を更に含む、請求項1に記載の動物用トイレ砂。
【請求項4】
前記圧密顆粒が、約25lb/ft
3~約45lb/ft
3の密度を有する、請求項1に記載の動物用トイレ砂。
【請求項5】
前記圧密顆粒が、バインダーを更に含む、請求項1に記載の動物用トイレ砂。
【請求項6】
前記バインダーが、(i)デンプン、(ii)粘土、並びに(iii)デンプン及び粘土、からなる群から選択される、請求項5に記載の動物用トイレ砂。
【請求項7】
前記非凝塊化粒子が、膨張パーライトを含む、請求項1に記載の動物用トイレ砂。
【請求項8】
前記コーティングされた顆粒が、約22lb/ft
3~約26lb/ft
3の密度を有する、請求項1に記載の動物用トイレ砂。
【請求項9】
約30lb/ft
3未満の密度を有する、請求項1に記載の動物用トイレ砂。
【請求項10】
前記乾燥された圧密顆粒が、約1重量%~約5.0重量%の水を含む、請求項1に記載の動物用トイレ砂。
【請求項11】
前記凝集剤が、ベントナイト、グアーガム、デンプン、キサンタンガム、アラビアガム、アカシアガム、シリカゲル、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の動物用トイレ砂。
【請求項12】
前記凝集剤が、ナトリウムベントナイトを含む、請求項11に記載のペット用トイレ砂。
【請求項13】
前記トイレ砂が、約40%~約50%の凝集塊形成吸収体積を有する、請求項1に記載の動物用トイレ砂。
【請求項14】
前記トイレ砂が、約43%~約45%の凝集塊形成吸収体積を有する、請求項1に記載の動物用トイレ砂。
【請求項15】
前記トイレ砂が、約50mL~約60mLの凝集塊体積を有する、請求項1に記載の動物用トイレ砂。
【請求項16】
前記トイレ砂が、約55mL~約59mLの凝集塊体積を有する、請求項1に記載の動物用トイレ砂。
【請求項17】
前記トイレ砂が、約29mm~約34mmの凝集塊厚さを有する、請求項1に記載の動物用トイレ砂。
【請求項18】
臭気制御剤、芳香剤、抗菌剤、固着防止剤、pH制御用の剤、染料、着色剤、除塵剤、消毒剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤を更に含む、請求項1に記載の動物用トイレ砂。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本願は、2020年12月17日に出願された米国特許仮出願第63/126905号の優先権を主張するものであり、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[背景技術]
[0002]本開示は、概して、ペット用トイレ砂の凝集に使用できる低密度吸収性材料に関する。より具体的には、本開示は、膨張パーライト微粉を含む圧密顆粒と、膨張パーライトを含むコーティングされた顆粒と、のブレンドを含む低密度ペット用トイレ砂、並びにこのようなペット用トイレ砂の製造方法及び使用方法に関する。
【0003】
[0003]動物用トイレは、ネコなどのペットが、尿及び糞便の排泄に使用するものである。動物用トイレには、尿及び糞便を受容する、ペット用トイレ砂の層が収まっている。ペット用トイレ砂は、顆粒状であり、吸収性であり、及び非凝集性又は凝集性のいずれかである。凝集性ペット用トイレ砂は、尿及び糞便がペット用トイレ砂に付着した後に、顆粒が凝集塊の形成を促進する、トイレ砂製品である。この凝集塊は、典型的には、トイレ砂用スコップの使用により動物用トイレから選り分けた後、廃棄する。非凝集性のペット用トイレ砂は、典型的には、尿を吸収し、ひいては尿の臭気を除去することについてはより良好であるが、汚れた非凝集性のペット用トイレ砂をこのトイレ砂の容器を空にせずに交換するのは難しいものであり得る。
【0004】
[0004]従来、鉱物系凝集性トイレ砂は、凝集剤として膨潤粘土を使用している。この構成要素のトイレ砂基材への組み込みは、様々な粒子径の膨潤粘土及び非膨潤粘土の粉砕、分粒及びブレンドなどの様々な方法で達成されてきた。他のアプローチとしては、吸着性コア材料を膨潤粘土でコーティングすることが挙げられる。
【0005】
[0005]膨潤粘土は、凝集塊形成に有用な優れた吸収特性及び顆粒結合特性を提供するが、これらの特性は、全体としてトイレ砂基材の全体的な収着能力に悪影響を及ぼし得る。この明らかなパラドックスは、膨潤粘土は水和されると比較的低い液体透過性を有することから生じる。膨潤粘土が液体を吸収するにつれて、相対的に液体不透過性のバリアが吸収箇所に形成され、その結果、液体が更に浸透して顆粒のコア内のより深くに吸収されることを防げる。その結果、トイレ砂は、1つ又は複数の凝集塊を生成するのに大量(体積による)の基材を必要とし、当該凝集塊は形状又はサイズが薄く、脆く、容易に壊れ、又は深さがありすぎるため箱の底に固着する。これらの特性は、凝集塊の除去をより困難にする。
【0006】
[0006]膨潤粘土の質量含有レベルと、所望の凝集塊形成及び許容可能な凝集塊特性とのバランスをとる試みには、膨潤粘土及び非膨潤粘土顆粒の質量含有レベルの様々な組み合わせ、膨潤粘土及び非膨潤粘土顆粒の粒子径の様々な組み合わせ、並びに凝塊化させた非膨潤粘土を膨潤粘土でコーティングすることが含まれる。これらのアプローチは様々な程度の成功を収めてきたが、粘土鉱物の使用に依るために、トイレ砂製品は本質的に高い密度(55~75lb/ft 3)を有する。更に、非膨潤粘土であっても、いくらかの固有の膨潤能力を有し、その粘土構造に起因して、湿潤時にある程度の可塑性を有する。非膨潤粘土が生成する「泥」はまた、相対的に液体不透過性である場合もあり、その結果、上で膨潤粘土について述べた問題と同じ凝集塊形成の問題に直面する。
【0007】
[0007]したがって、凝集塊形成と液体吸収とのバランスをとり、比較的低いかさ密度も有するトイレ砂製品が必要とされている。
【0008】
[発明の概要]
[0008]本開示の様々な態様には、全体として、基材の全体的な収着及び凝集能力を最大にしながら、膨潤粘土の機能的能力から利益を得る動物用トイレ砂組成物の提供がある。更に、トイレ砂は比較的低密度であり、したがって軽量である。
【0009】
[0009]したがって、簡潔に述べると、本開示は、i)膨張パーライト微粉を含む圧密顆粒と、ii)コーティング顆粒であって、各コーティング顆粒が、非凝塊化粒子と、非凝塊化粒子の外表面上の凝集剤を含むコーティングとを含む、コーティング顆粒と、のブレンドを含む低密度ペット用トイレ砂であって、圧密顆粒が約5重量%~約25重量%の量で存在する、低密度ペット用トイレ砂に関する。
【0010】
[0010]いくつかの実施形態では、膨張パーライト微粉は、約30メッシュ以下の粒子径を有する。
【0011】
[0011]いくつかの実施形態では、圧密顆粒は、約8メッシュ以上の粒子径を有する膨張パーライトを更に含む。
【0012】
[0012]いくつかの実施形態では、膨張パーライト微粉を含む圧密顆粒は、約25lb/ft3~約45lb/ft3の密度を有する。
【0013】
[0013]いくつかの実施形態では、圧密顆粒は、バインダーを更に含む。
【0014】
[0014]いくつかの実施形態では、バインダーは、i)デンプン、ii)粘土、並びにiii)デンプン及び粘土、からなる群から選択される。
【0015】
[0015]いくつかの実施形態では、非凝塊化粒子は膨張パーライトを含む。
【0016】
[0016]いくつかの実施形態では、コーティングされた顆粒は、約22lb/ft3~約26lb/ft3の密度を有する。
【0017】
[0017]いくつかの実施形態では、動物用トイレ砂は、約30lb/ft3未満の密度を有する。
【0018】
[0018]いくつかの実施形態では、乾燥された圧密顆粒は、約1.0重量%~約5.0重量%の水を含む。
【0019】
[0019]いくつかの実施形態では、凝集剤は、ベントナイト、グアーガム、デンプン、キサンタンガム、アラビアガム、アカシアガム、シリカゲル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、凝集剤は、ナトリウムベントナイトを含む。
【0020】
[0020]いくつかの実施形態では、動物用トイレ砂は、臭気制御剤、芳香剤、抗菌剤、固着防止剤、pH制御用の剤、染料、着色剤、除塵剤(de-dusting agent)、消毒剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤を更に含む。
【0021】
[0021]いくつかの実施形態では、動物用トイレ砂は、約40%~約50%の凝集塊形成吸収体積を有する。
【0022】
[0022]いくつかの実施形態では、動物用トイレ砂は、約50mL~約60mLの凝集塊体積を有する。
【0023】
[0023]いくつかの実施形態では、動物用トイレ砂は、約29mm~約34mmの凝集塊厚さを有する。
【0024】
[0024]本開示によって提供される1つ以上の実施形態の利点は、改良されたペット用トイレ砂が提供されることである。
【0025】
[0025]本開示の更なる利点は、粒子の完全性も吸収性能も犠牲にすることなく、低密度を有するペット用トイレ砂が提供されることである。
【0026】
[0026]本開示の更に別の利点は、低密度と増進された凝集効率との両方を有するペット用トイレ砂が提供されることである。
【0027】
[0027]本開示の更に別の利点は、その体積を減少させることなく、より軽量のペット用トイレ砂のパッケージを可能にすることである。
【0028】
[0028]本開示の別の利点は、ペットの飼い主がペット用トイレ砂のパッケージをより容易に購入、持ち運び、及び利用できるようにすることである。
【0029】
[0029]本開示の更なる利点は、良好な凝集塊形成吸収、凝集塊サイズ及び凝集塊厚さを有する低密度顆粒状吸収剤を提供することである。
【0030】
[0030]本開示の更に別の利点は、動物用トイレから凝集塊を比較的容易に除去することを可能にする凝集性ペット用トイレ砂を提供することである。
【0031】
[0031]更なる特徴及び利点が本明細書において記述されており、下記の「発明を実施するための形態」から明らかとなるであろう。
【0032】
[発明を実施するための形態]
[0032]本開示及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」には、別段の指示がない限り、複数の参照物も含まれる。したがって、例えば、「1つの材料」又は「その材料」についての言及は、2つ以上の材料を含む。
【0033】
[0033]用語「含む/備える(comprise)」、「含む/備える(comprises)」、及び「含んでいる/備えている(comprising)」は、排他的なものではなく、他を包含し得るものとして解釈されるべきである。同様にして、用語「含む(include)」、「含む(including)」及び「又は(or)」は全て、このような解釈が文脈から明確に妨げられない限りは他を包含し得るものであると解釈されるべきである。
【0034】
[0034]しかしながら、本明細書において開示される機器及び組成物は、具体的には開示されていない任意の要素を欠く場合がある。したがって、「含む/備える(comprising)」という用語を用いた実施形態の開示は、特定されている構成要素「から本質的になる(consisting essentially of)」実施形態、及び特定されている構成要素「からなる(consisting of)」実施形態の開示を含む。同様にして、本明細書で開示される方法には、本明細書において具体的に開示されない任意の工程が存在しない場合がある。したがって、「含む/備える(comprising)」という用語を用いた実施形態の開示は、特定されている工程「から本質的になる(consisting essentially of)」実施形態、及び特定されている工程「からなる(consisting of)」実施形態の開示を含む。「から本質的になる」とは、実施形態が、識別された構成要素を50%超、識別された構成要素を少なくとも75%、識別された構成要素を少なくとも85%、又は識別された構成要素を少なくとも95%、例えば、識別された構成要素を少なくとも99%を含むことを意味する。
【0035】
[0035]「X及び/又はY」の文脈で使用される用語「及び/又は」は、「X」、又は「Y」、又は「X及びY」と解釈されるべきである。本明細書において使用する場合、用語「例(example)」及び「などの(such as)」は、特に後に用語の掲載が続く場合は、単に例示的なものであり、かつ説明のためのものであり、排他的又は包括的なものであると判断すべきではない。別途記載のない限り、本明細書で開示される任意の実施形態を、本明細書で開示される任意の別の実施形態と組み合わせることができる。
【0036】
[0036]本明細書に記載する全ての百分率は、別途記載のない限り、組成物の総重量によるものである。本明細書で使用するとき、「約(about)」及び「およそ(approximately)」は、数値範囲内、例えば、参照されている数の-10%から+10%の範囲、好ましくは参照されている数の-5%から+5%の範囲内、より好ましくは、参照されている数の-1%から+1%の範囲内、最も好ましくは参照されている数の-0.1%から+0.1%の範囲内の数を指すものと理解される。本明細書における全ての数値範囲は、その範囲内の全ての整数又は分数を含むと理解されるべきである。更に、これらの数値範囲は、この範囲内の任意の数又は数の部分集合を対象とする請求項をサポートすると解釈されたい。例えば、1~10という開示は、1~8、3~7、1~9、3.6~4.6、3.5~9.9などの範囲をサポートするものと解釈されたい。
【0037】
[0037]「第1」及び「第2」などの数量形容詞は、単に各構成要素を区別するために使用される。これらの数量形容詞は、その他の構成要素の存在、相対的な位置づけ、又は何らかの時系列での遂行を暗示するものではない。これに関して、「第2のウィジェット」は、「第1のウィジェット」が必ず存在することを意味するものではない。更にこの点に関して、「第2のウィジェット」は、任意の「第1のウィジェット」の前、その後、又はそれと同時に使用され得る。
【0038】
[0038]用語「ペット」及び「動物」は、本明細書において同義的に使用され、動物用トイレを使用することができる任意の動物を意味し、その非限定的な例としては、ネコ、イヌ、ラット、フェレット、ハムスター、ウサギ、イグアナ、ブタ、又は鳥類が挙げられる。ペットは、任意の好適な動物であり得、本開示は、特定のペット動物に限定されない。用語「排泄」は、ペットによる排尿及び/又は排便を意味する。
【0039】
[0039]本明細書において使用する場合、用語「トイレ砂(litter)」は、動物の尿を吸収し得る、並びに/又は動物の尿及び/若しくは便からの臭気を低減し得る、任意の物質を意味する。「凝集性トイレ砂」は、水分の存在下で凝集体を形成し、凝集体は、動物用トイレ内の他のトイレ砂とは識別される。「非凝集性トイレ砂」は、識別され得る凝集体を形成しない。
【0040】
[0040]用語「凝集塊形成吸収率(clump formation absorption)」は、所与の量の液体を吸収して凝集塊を形成するのに必要なトイレ砂の量の尺度であり、トイレ砂の吸収効率の評価である。質量による凝集塊形成吸収率は、以下の式を用いて計算される:質量による凝集塊形成吸収率(%)=(添加された液体の質量/(凝集塊の質量-添加された液体の質量))×100。凝集塊形成吸収率は、異なる密度を有するトイレ砂の凝集効率を比較するために、体積によって測定することもできる。体積による凝集塊形成吸収率は、以下の式を使用して計算される:体積による凝集塊形成吸収率(%)=(添加された液体の体積/((凝集塊の質量-添加された液体の質量)×トイレ砂の密度))×100。
【0041】
[0041]用語「凝集塊体積」又は「凝集塊トイレ砂体積」は、凝集塊の全体的サイズを指し、トイレ砂の質量をトイレ砂の密度で除算することによって計算される。凝集塊体積は、トイレ砂の吸収効率の別の尺度であり、凝集塊がより小さいことは吸収の効率がより良いことを示す。凝集塊トイレ砂体積を計算するとき、凝集塊の体積は主にトイレ砂体積であり、水の体積はトイレ砂内に吸収されると仮定する。
【0042】
[0042]用語「凝集塊厚さ」は、凝集塊が水平面に置かれているときの凝集塊の垂直方向の測定値を指す。例えば、より平坦な凝集塊は、より小さい凝集塊厚さを有する。凝集塊が非常に厚い場合、凝集塊は動物用トイレの底に達し、固着して除去をより困難にし得る。凝集塊が非常に薄い場合、動物用トイレからの取り出し中に凝集塊が壊れる場合がある。
【0043】
[0043]用語「凝集塊凝集度(clump cohesion)」は、外力が加えられたときに凝集塊がそのままである能力を指し、凝集塊の完全性の評価を提供する。より低い凝集塊凝集値を有する凝集塊は、動物用トイレの使用中又は凝集塊の取り出し中に壊れる可能性がより高く、動物用トイレの清掃をより困難にする。
【0044】
[0044]用語「動物用トイレ」は、ペット用トイレ砂を保持することができる任意の器具、例えば、底壁及び1つ以上の側壁を有する容器、並びに/又は、トイレ砂が上に配置されるように構成された任意の器具、例えばマット又は格子を意味する。非限定的な例として、動物用トイレは、高さが少なくとも約6インチの側壁を有する長方形の箱でよい。
【0045】
[0045]用語「メッシュ」は、篩に関するASTM E-11 U.S.A.規格の仕様によって定義される。本明細書で使用するとき、粒子の「サイズ」は、粒子の最大幅の長さを指す。
【0046】
[0046]本明細書で開示される方法及び機器並びに他の進歩は、当業者により認識されるとおり変更可能であるので、特定の方法、手順、及び試薬に限定されるものではない。更に、本明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を記載することのみを目的とするものであり、開示又は請求の範囲を制限するものではない。
【0047】
[0047]別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語、専門用語、並びに頭字語は、本開示の分野の当業者により、又は用語が用いられている分野において、一般的な理解がなされている意味を有している。本明細書に記載のものと類似する又は等価の任意の組成物、方法、製品、又はその他の手法若しくは材料を使用できるが、好ましい機器、方法、製品、又はその他の手法若しくは材料を本明細書において記載する。
【0048】
[0048]本発明者らは、i)膨張パーライト微粉を含む圧密顆粒と、ii)コーティングされた顆粒であって、各コーティングされた顆粒が、非凝塊化粒子と、粒子の外表面上の凝集剤を含むコーティングとを含む、コーティングされた顆粒と、をブレンドすることによって、低密度及び高体積吸収率を有する凝集性トイレ砂組成物が生成されることを見出した。更に、本発明者らは、予想外にも、膨張パーライト微粉を含む非膨潤性圧密顆粒の存在によって部分的に可能になる高い吸収が、凝集塊体積、凝集塊厚さ、及び凝集塊完全性などの凝集特性を低減させないことを見出した。
【0049】
[0049]本開示の一態様は、i)膨張パーライト微粉を含む圧密顆粒と、ii)コーティングされた顆粒であって、各コーティングされた顆粒が、非凝塊化粒子と、粒子の外表面上の凝集剤を含むコーティングとを含む、コーティングされた顆粒と、のブレンドを含む動物用トイレ砂であって;圧密顆粒が、約5重量%~約25重量%の量で存在する、動物用トイレ砂である。
【0050】
[0050]ブレンド中の、膨張パーライト微粉を含有する圧密顆粒の量を調節することによって、凝集塊を形成するのに必要なトイレ砂の全体量(体積による)を減少させることができる。最終的に、トイレ砂によって形成される凝集塊は、形成に必要なトイレ砂がより少なく、凝集塊は、崩壊に対する耐性を向上させ動物用トイレの底部に固着する可能性を低くする、形状を有する。
【0051】
[0051]膨張パーライト微粉を含む圧密顆粒は、圧密ロールを用いて調製することができる。圧密は、少なくとも約500psi(3447kPa)、例えば約500psi(3447kPa)~約1,300psi(8963.18kPa)、例えば約500psi(3447kPa)~約800psi(5516kPa)又は約800psi(5516kPa)~約1,300psi(8963.18kPa)の圧密ロール背圧で行うことができる。一実施形態では、膨張パーライト微粉のサイズは、約30メッシュ以下である(すなわち、595ミクロン以下の直径を有する)。非限定的な例として、圧密顆粒中のパーライト微粉の約95%以上が30メッシュ未満(すなわち、595ミクロン未満の直径を有する)であってもよく、圧密顆粒の約5%以下が最大4メッシュ(すなわち、4.76mm超の直径を有する)までであってもよい。
【0052】
[0052]一実施形態では、膨張パーライト微粉を含む圧密顆粒は、米国特許出願公開第2017/0112088号又は米国特許出願公開第2017/0112089号(Huckら)に記載されており、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0053】
[0053]本開示は、圧密顆粒を形成する特定の手段に限定されず、パーライト微粉の圧密又は凝塊化の他の手段を、圧密ロールに加えて又はその代わりに使用することができる。これらの他の手段としては、例えば、混転/成長凝塊化;低圧、中圧、又は高圧凝塊化;パンチ及びダイ;ローラープレス;高剪断ミキサー造粒機;押出成形;並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0054】
[0054]パーライトは、天然に存在する珪質岩の総称である。パーライトを他の火山ガラスと区別する1つの特徴は、パーライトが、その軟化範囲内の好適な点に加熱されたとき、元の体積の4倍から20倍に膨張することである。この膨張は、少なくとも部分的には、粗パーライト岩中に2~6%の結合水が存在することによるものである。焼成、すなわち、1,600°F(871℃)超まで急速に加熱することにより、上記粗岩がポップコーンと同様に弾けて、膨張パーライトと呼ばれる非常に開放性で高度に多孔性の構造が得られる。
【0055】
[0055]一実施形態では、圧密顆粒中の膨張パーライト微粉の量は、顆粒中の材料の大部分を占める。一実施形態では、圧密顆粒中の膨張パーライト微粉の量は、約80重量%~約95重量%である。一実施形態では、圧密顆粒中の膨張パーライト微粉の量は、材料の約90重量%~約95重量%、約93重量%~約95重量%、例えば約93重量%~約94重量%、又は約95重量%である。一実施形態では、膨張パーライト微粉は、米国特許出願公開第2014/0174370号に開示されている方法100のステップ101において除外される粒子を含む。
【0056】
[0056]一実施形態では、圧密顆粒は、約8メッシュ以上のサイズを有する膨張パーライト粒子を更に含む。一実施形態では、約8メッシュ以上のサイズを有する膨張パーライト粒子は、米国特許出願公開第2014/0174370号に開示されている方法100のステップ101において除外される粒子を含む。
【0057】
[0057]一実施形態では、圧密顆粒中の水の量は、材料の約1重量%~約5重量%、例えば、材料の約2重量%である。
【0058】
[0058]一実施形態では、圧密顆粒中のバインダーの量は、材料の約3.0重量%~約5.0重量%、例えば、材料の約3.0重量%~約4.5重量%又は約3.5重量%~約4.0重量%である。いくつかの実施形態では、バインダーの量は、約3.0重量%、約4.0重量%、又は約5.0重量%である。バインダーは、デンプン及び/又は粘土であり得る。いくつかの実施形態では、デンプン(存在する場合)は、穀類デンプン、例えば、米、キビ、小麦、トウモロコシ、又はオート麦のうちの1つ以上に由来するデンプンを含む。好ましい実施形態では、デンプン(存在する場合)は、部分アルファ化(pregelled)穀物デンプンを含み、またその任意のワキシー又は高アミロース変種を含むことができる。粘土は膨潤性であっても非膨潤性であってもよい。いくつかの実施形態では、粘土(存在する場合)は、カオリン、スメクタイト、イライト、クロライト、セピオライト、及びアタパルジャイトからなる群から選択される1つ以上の粘土鉱物を含む。一実施形態では、粘土(存在する場合)は、モンモリロナイトスメクタイト、例えば、ナトリウムモンモリロナイト又はカルシウムモンモリロナイトを含む。
【0059】
[0059]バインダーの少なくとも一部分を、圧密前に乾燥混合物として膨張パーライト微粉に添加することができる。代替的に又は追加的に、バインダーの少なくとも一部分を水の少なくとも一部分と予備ブレンドし、次いで圧密前に膨張パーライト微粉に添加することができる。
【0060】
[0060]一実施形態では、圧密は、圧密された膨張パーライト微粉のシート及び/又はブリケットなどの圧密材料を形成する。しかしながら、圧密材料は、特定の形状、サイズ又は形態に限定されない。更に、上述したように、本開示は、圧密材料を形成するためのパーライト微粉の圧密又は凝塊化の特定の手段に限定されない。例えば、圧密材料は、ペレット(例えば、平坦化されたペレット)、錠剤又は円盤形(puck)の形態であってもよい。
【0061】
[0061]次いで、圧密材料を、例えばミル粉砕システム又は当業者に公知の任意の他の好適な装置によって粉砕及び/又は破砕して、膨張パーライトを含む圧密材料の顆粒を得ることができる。1つ以上の篩を使用して、所望のサイズを有する粒子を残りの粒子から分離することによって、所望のサイズを有する膨張パーライトを含む圧密材料の顆粒を得ることができる。所望の粒子径は、好ましくは約30メッシュ(595ミクロン)~約8メッシュ(2,380ミクロン)である。好ましくは、膨張パーライトを含む圧密材料の顆粒は、上記のサイズ範囲内で均一に分布していない。市販のシェーカースクリーンを利用してもよい。
【0062】
[0062]所望のサイズを有する膨張パーライトを含む圧密材料の顆粒を乾燥させて、粒子を実質的に損傷させることなく顆粒から水分を除去することができる。例えば、顆粒を流動床乾燥機などの乾燥機に移すことができる。その結果得られる水分レベルは、約1%~約5%、例えば約2%であり得る。
【0063】
[0063]膨張パーライト微粉を含む圧密材料の乾燥された顆粒は、約25lb/ft3~約45lb/ft3の密度を有する。いくつかの実施形態では、密度は約30lb/ft3~約40lb/ft3である。別の実施形態では、密度は、約40lb/ft3又は約0.65g/mLである。
【0064】
[0064]様々な添加剤を、任意に、乾燥された圧密顆粒に適用してもよい。好適な添加剤の非限定的な例としては、臭気抑制剤、芳香剤、抗菌剤、固着防止剤、pH制御用の剤、染料、着色剤、除塵剤、消毒剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、乾燥された圧密顆粒の少なくとも一部分を着色剤でコーティングする。
【0065】
[0065]一実施形態では、コーティングされた顆粒は、非凝塊化粒子と、非凝塊化粒子の外表面上の凝集剤を含むコーティングとを含む。いくつかの実施形態では、非凝塊化粒子は膨張パーライトを含む。別の実施形態では、非凝塊化粒子は、膨張パーライトから本質的になる。いくつかの実施形態では、凝集剤は、ベントナイト、グアーガム、デンプン、キサンタンガム、アラビアガム、アカシアガム、シリカゲル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。一実施形態では、凝集剤は、ナトリウムベントナイトから本質的になる。別の実施形態では、コーティングされた顆粒は、ナトリウムベントナイトでコーティングされた非凝塊化膨張パーライト粒子を含む。
【0066】
[0066]概して、非凝塊化粒子と、非凝塊化粒子の外表面上の凝集剤を含むコーティングとを含む、コーティングされた顆粒を調製するための方法は、非凝塊化粒子を篩い分けして、特定の実施形態のために選択された粒子径の範囲よりも小さい粒子を排除することを含む。例えば、非凝塊化粒子は、50メッシュ(U.S.篩サイズ)より小さい、40メッシュ(U.S.篩サイズ)より小さい、又は30メッシュ(U.S.篩サイズ)より小さい粒子を排除するために篩い分けされてもよい。市販のシェーカースクリーンを利用してもよい。いくつかの実施形態では、非凝塊化粒子を篩い分けして、8メッシュより大きい粒子を排除してもよい。
【0067】
[0067]いくつかの実施形態では、コーティングされた顆粒の調製方法は、非凝塊化粒子をエンロービングマシン内に入れ、粒子を撹拌することを含む。これは微粉の低減を補助することで、粉塵の軽減を促進する。次いで、非凝塊化粒子を水で濡らすことができる。水はエンロービングマシン内で添加されてもよい。
【0068】
[0068]次に、濡れた非凝塊化粒子をコーティングする。コーティングは、凝集剤、例えばナトリウムベントナイトを含んでもよい。一例として、遠心コーティング法を用いることができる。例えば、1バッチ分の膨張パーライト粒子を体積により計量してフィードベルト上に供給し、コーターを回転させながら当該コーター内に供給する。パーライト粒子は、コーターのチャンバー内で回転方向に転がる。任意によるプレコンディショニング工程では、コーティング前にパーライト粒子を一定時間(例えば、30~60秒)コーター内でスピンさせる。次に、凝集剤を計量してコーター内に供給する。概して、コーターに添加する凝集剤の量は、パーライト粒子の体積に基づく。一実施形態では、例えば、膨張パーライト1立方フィート当たり約5~約25ポンドのナトリウムベントナイトを添加する。ベントナイト系凝集剤に加えて又はその代わりに、グアーガムなどの他のコーティング材料をコーターに含めてもよい。このような材料は、ベントナイトと共に混合物として添加してもよい、又は別個の工程で添加してもよい。
【0069】
[0069]コーティングを計量してコーターのチャンバーに供給する際、コーティングは湿った状態でスピンしている粒子と組み合わさり、粒子上にコーティングを形成してコーティングされた顆粒を形成する。
【0070】
[0070]いくつかの実施形態では、コーティングされた顆粒は、約22lb/ft3~約26lb/ft3の密度を有する。
【0071】
[0071]いくつかの実施形態では、動物用トイレ砂は、i)膨張パーライト微粉を含む圧密顆粒と、ii)コーティングされた顆粒であって、各コーティングされた顆粒が、非凝塊化粒子と、非凝塊化粒子の外表面上の凝集剤を含むコーティングとを含む、コーティングされた顆粒とを、乾式ブレンドすることによって調製される。
【0072】
[0072]一実施形態では、膨張パーライト微粉を含む圧密顆粒は、約5重量%~約25重量%の量でトイレ砂中に存在する。いくつかの実施形態では、圧密顆粒は、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、又は約25重量%の量でトイレ砂中に存在する。いくつかの実施形態では、圧密顆粒は、約5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、21重量%、22重量%、23重量%、24重量%、又は25重量%の量でトイレ砂中に存在する。
【0073】
[0073]いくつかの実施形態では、トイレ砂は、圧密顆粒、コーティングされた顆粒、又は圧密顆粒とコーティングされた顆粒とのブレンドである動物用トイレ砂に任意に適用される様々な添加剤を含有してもよい。好適な添加剤の非限定的な例としては、臭気抑制剤、芳香剤、抗菌剤、固着防止剤、pH制御用の剤、染料、着色剤、除塵剤、消毒剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、乾燥された圧密顆粒の少なくとも一部分を着色剤でコーティングする。
【0074】
[0074]いくつかの実施形態では、圧密顆粒とコーティングされた顆粒とのブレンドである動物用トイレ砂は、約30lb/ft3未満の密度を有する。
【0075】
[0075]一実施形態では、動物用トイレ砂は、約40%~約50%の凝集塊形成吸収体積を有する。いくつかの実施形態では、動物用トイレ砂は、約40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、又は50%の凝集塊形成吸収体積を有する。
【0076】
[0076]一実施形態では、動物用トイレ砂は、約95%~約99%の凝集塊凝集度を有する。いくつかの実施形態では、動物用トイレ砂は、約97%超、約98%超、又は約99%超の凝集塊凝集度を有する。
【0077】
[0077]一実施形態では、動物用トイレ砂は、約55mL~約60mLの凝集塊体積を有する。他の実施形態では、動物用トイレ砂は、約55mL、約56mL、約57mL、約58mL、約59mL、又は約60mLの凝集塊体積を有する。
【0078】
[0078]本開示の別の態様は、本明細書に開示されるペット用トイレ砂の実施形態のいずれかを少なくとも部分的に封入する密封パッケージ、例えば、このようなペット用トイレ砂を収める密封された箱、又は密封されたバッグである。本開示の更なる態様は、ペット用トイレ砂の使用方法であって、パッケージにより収められているペット用トイレ砂の少なくとも一部分を動物用トイレ内に配置すること、を含む、方法である。この方法によって、ネコの尿などの動物の排泄物を管理すること、ネコのトイレ外排泄を防止若しくは処理すること、又はネコの下部尿路疾患、例えば尿道栓子、ストルバイト結石若しくはシュウ酸結石、突発性膀胱炎、若しくは逆流性腎症を治療若しくは防止することができる。一実施形態では、本明細書に開示されるペット用トイレ砂の1つ以上を使用して、トイレ外排泄の問題を有するネコを治療する。本明細書において使用する場合、「トイレ外排泄の問題」を有するネコは、直近1ケ月以内に少なくとも1回、動物用トイレ外で排泄したことがあるネコ、及び一実施形態では、直近1週間以内に少なくとも1回、動物用トイレ外で排泄したことがあるネコである。
【0079】
[実施例]
[0079]以下の非限定的な実施例は、本開示によって提供されるペット用トイレ砂の実施形態及びその利点を例示するものである。
【0080】
実施例1:圧密顆粒の調製
[0080]圧密顆粒は、以下の方法を用いて調製した。
【0081】
[0081]1.タンク撹拌機を使用してデンプンと水とを混合することによって、13.8%デンプンスラリーを調製した。
【0082】
[0082]2.膨張パーライト微粉(76.8%)とデンプンスラリー(23.2%)とを、連続的にブレンドして、一組の圧密ロールに供給した。
【0083】
[0083]3.圧密ロールは、500psiの背圧設定値を有し、供給物からブリケットを形成した。
【0084】
[0084]4.次いで、ブリケットを破砕し、約8/30メッシュ(U.S. 篩)のサイズにした。
【0085】
[0085]5.次に、篩い分けされた材料を約2%の水分含有量まで乾燥させた。
【0086】
[0086]乾燥された圧密顆粒の組成は、94.1%の膨張パーライト微粉、3.9%のデンプン、及び2%の水であった。
【0087】
実施例2:コーティングされた顆粒の調製
[0087]コーティングされた顆粒は、以下の方法を用いて調製した。
【0088】
[0088]1.膨張パーライトがバルクサックからバッチコーターに搬送される間に、膨張パーライトに水を噴霧した。バッチコーターに到達した時点で、膨張パーライトの水分含有量は約14質量%であった。
【0089】
[0089]2.工程1からの約4ft3又は23.62lbの膨張パーライトを、スピニングバッチ型農業用シードコーター(Cimbria Heid)に添加した。
【0090】
[0090]3.コーター内に設置されたスプレーノズルを使用して水を添加した(22.34lb)。およその添加時間は12秒であった。
【0091】
[0091]4.水の添加後、ナトリウムベントナイト(64lb)を30秒かけてコーターに添加した。
【0092】
[0092]5.ベントナイト添加直後に、空気噴霧した水(2.08lb)を適用した。およその添加時間は6.5秒であった。
【0093】
[0093]6.材料を5秒間スピンさせた。
【0094】
[0094]7.コーターの吐出口を開け、吐出された材料を回収した。
【0095】
[0095]8.流動床乾燥機(Carrier)を使用して材料を乾燥させ、最終水分を記録した。
【0096】
実施例3:圧密顆粒とコーティングされた顆粒との乾式ブレンド
[0096]圧密顆粒とコーティングされた顆粒とのトイレ砂ブレンドを、以下の方法を用いて調製した。
【0097】
[0097]1.トイレ砂ブレンドの所望の量は10lbであると決定した。
【0098】
[0098]2.10lbの総目標質量に圧密顆粒の所望の百分率(例えば、5.0%)を乗じて、最終ブレンドに必要な圧密顆粒の質量(例えば、0.50lb)を決定した。
【0099】
[0099]3.工程2で計算した圧密顆粒の質量を所望の総トイレ砂量(10lb)から減算して、必要なコーティングされた顆粒の質量(9.50lb)を決定した。
【0100】
[0100]4.圧密顆粒(0.5lb)とコーティングされた顆粒(9.5lb)とをベンチトップタンブルミキサー内で組み合わせ、約30秒間スピンさせた。
【0101】
[0101]5.混合後、ブレンドされた組成物をタンブラーから取り出し、密度、凝集及び吸収性能について評価した。
【0102】
[0102]6.上記工程1~5を用いて、圧密顆粒の含有率(%)を10%、15%、20%、25%、及び50%に変更することによって、追加のトイレ砂組成物を調製し、評価した。
【0103】
[0103]ブレンド構成要素の質量及び得られた特性を表1に報告する。
【0104】
実施例4:疎充填(loose fill)かさ密度測定
[0104]圧密顆粒、コーティングされた顆粒、及びブレンドされたトイレ砂のかさ密度を、充填ホッパー(800 284-5779 Seedburo(登録商標);部品番号151 Filling Hopper、64P Pan附属)、スタンド、及びパイントサイズ(550.06cm3乾燥体積)の試料カップを使用して、以下の手順に従って測定した。
【0105】
[0105]1.充填ホッパーが一杯になるまで、試料を充填ホッパーに注いだ。
【0106】
[0106]2.次に、空のパイントカップを天秤の上に置き、天秤をゼロに合わせた。
【0107】
[0107]3.次いで、カップを充填ホッパーの下に置いた。充填ホッパー吐出口とカップの上端との間の距離を2インチに設定した。
【0108】
[0108]4.次いで、充填ホッパー吐出スライドを開いて、生成物を空の試料カップ内に落とした。カップが一杯になるまで試料を流し、次いで更に1~2秒間オーバーフローさせた。
【0109】
[0109]5.次いで、直定規を使用して、カップの上部から過剰な生成物を除去し、カップ内容物をカップの縁で平らにした。
【0110】
[0110]6.次いで、試料を入れたカップを天秤に戻し、試料の重量を記録した。
【0111】
[0111]7.工程1~6を3回繰り返した。
【0112】
[0112]8.質量値を、0.113358(lg/乾燥-パイント=113358lb/ft3)を乗じることによって、ポンド/立方フィート(lb/ft 3)に変換した。
【0113】
[0113]9.平均かさ密度値をlb/ft3単位で記録した。これらの値に0.01601846を乗じることによって、これらの値をg/mLの密度単位に更に変換した。
【0114】
[0114]圧密顆粒、コーティングされた顆粒、及びトイレ砂ブレンドについて、lb/ft3及びg/mL単位での平均かさ密度値を表1に報告する。
【0115】
実施例5:体積による凝集塊形成吸収率及び凝集塊凝集度測定
[0115]実際の使用を反映する形で試料トイレ砂の効率を比較するために、所与の体積の尿を吸収するのに必要なトイレ砂の量を決定する必要があった。トイレ砂は異なる密度を有する場合があることから、体積基準(トイレ砂の体積当たりの吸収された尿の体積)で考慮した場合の方が、関連性のある値となった。値を%として表すことによって、異なる密度のトイレ砂の間で凝集塊形成吸収率を比較することが可能であった。体積による凝集塊形成吸収率を計算するために使用される方法を以下に示す。
【0116】
[0116]1.直径8インチの3/4インチメッシュの篩を、篩パンの上部に積み重ね、支持スタンドの底部に置いた。
【0117】
[0117]2.トラップドアアセンブリを支持スタンドに取り付け、3/4インチの篩の上方10インチに配置した。
【0118】
[0118]3.トイレ砂材料の代表試料を、トイレ砂試験パンに3インチの深さまで入れた。
【0119】
[0119]4.セルフレベリングビュレットを、トイレ砂表面から3インチ上で支持スタンド上に配置した。この装置を使用してネコ尿のアリコート25mLをトイレ砂表面に分与することで、トイレ砂中に凝集塊を形成した。所望の数の凝集塊が形成されるまで、トイレ砂パンの様々な場所でこのプロセスを繰り返した。
【0120】
[0120]5.所望の時間間隔(例えば15分又は24時間)の終わりに、凝集塊をトイレ砂から取り出し、その質量をW1として記録した。
【0121】
[0121]6.セルフレベリングビュレットによって供給された尿の25mL部分の平均質量は、(3つの)25mL部分を容器に供給し、質量を測定し、(3)で割ることによって求めた。その値は25.7gであった。
【0122】
[0122]7.次に、凝集塊の形成に消費されたトイレ砂の質量又は凝集塊トイレ砂質量(CLM)を、次式によって求めた:CLM=W1-25.7g。
【0123】
[0123]8.次に、凝集塊の形成中に消費されたトイレ砂の体積又は凝集塊トイレ砂体積(CLV)を、次式を用いて求めた:CLV=CLM/トイレ砂の密度(g/mL)。
【0124】
[0124]9.凝集塊トイレ砂体積を記録した。
【0125】
[0125]10.次式を用いて、体積による凝集塊形成吸収率を決定した。
凝集塊形成吸収率(%)=(25mL/CLV)×100
【0126】
[0126]11.工程5で得られた凝集塊を、工程2で組み立てたトラップドア機構の中心に置いた。
【0127】
[0127]12.レバーを作動させてトラップドアを解放し、凝集塊を3/4インチ試験篩上に落とした。
【0128】
[0128]13.ゆるい(loose)材料は凝集塊から落下するが、凝集塊に更なる損傷を引き起こさないように、凝集塊を篩(screen)から注意深く取り出した。凝集塊が小片状に破損した場合、3/4インチ篩(screen)上に残った最大の小片を選択した。篩(screen)上に何も残らなかった場合、結果はゼロ(0)重量である。
【0129】
[0129]14.塊又は最大片を秤量し、質量をW2として記録した。
【0130】
[0130]凝集塊凝集度(%)を次式によって計算した:凝集塊凝集度(%)=[(W2、最終重量)/(W1、初期重量)]×100
【0131】
実施例6:凝集塊厚さの測定
【0132】
【0133】
結論
[0132]結果は、膨張パーライト微粉を含む圧密顆粒を5~25%有するブレンドされたトイレ砂組成物が、コーティングされた顆粒のみを含有する基本のトイレ砂に匹敵する許容可能な密度を有することを示す。トイレ砂ブレンド1~5は、良好な凝集塊体積を有し、良好な吸収率を有する。具体的には、凝集塊体積は58.3未満であり、凝集塊形成吸収率は約43%超である。ブレンド1~3は、コーティングされた顆粒のみを含有する基本のトイレ砂と比較して吸収率の増加を示す。更に、トイレ砂ブレンド1~5は、97.3%以上の凝集塊凝集度を有する驚くほど良好な粒子完全性を有する。言い換えれば、本開示のトイレ砂において膨張パーライト微粉を含む圧密顆粒を使用することによって達成される利点(例えば、吸収率の増加)は、トイレ砂の性能(例えば、凝集塊トイレ砂体積及び凝集塊凝集度)の低下によって相殺されない。
【0134】
[0133]本明細書で述べる現在の好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者には明らかとなる点を理解されたい。そのような変更及び修正は、本主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、かつ意図される利点を損なわずに、なされ得る。したがって、このような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。
【国際調査報告】