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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-27
(54)【発明の名称】エアロゾル生成デバイス
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20231220BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20231220BHJP
   H05B 6/10 20060101ALI20231220BHJP
   H05B 6/44 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/40
H05B6/10 371
H05B6/44
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536355
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-08-08
(86)【国際出願番号】 EP2021087336
(87)【国際公開番号】W WO2022136567
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】2020393.1
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】コーラス, アントン
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン, ルーク
(72)【発明者】
【氏名】モロニー, パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ホジソン, マシュー
【テーマコード(参考)】
3K059
4B162
【Fターム(参考)】
3K059AA08
3K059AB24
3K059AB27
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB22
4B162AB23
4B162AC12
4B162AC16
4B162AC22
4B162AC34
4B162AD06
4B162AD08
4B162AD16
4B162AD23
(57)【要約】
円錐形状のインダクタコイル1を備えるエアロゾル生成デバイスが開示される。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円錐形状のインダクタコイルを備えるエアロゾル生成デバイス。
【請求項2】
デバイスハウジング、及び/又は、
前記円錐形状のインダクタコイルに接続された電源であって、前記円錐形状のインダクタコイルに振動電流を供給するように構成された電源
を備える、請求項1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項3】
前記円錐形状のインダクタコイルのピッチが一定である、請求項1又は2に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項4】
前記円錐形状のインダクタコイルのピッチが変化する、請求項1又は2に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項5】
前記円錐形状のインダクタコイルのピッチの変化が、サセプタを通して、均一な誘導結合又は一定の磁束を提供するように構成され、任意選択で、サセプタが平坦なサセプタである、請求項4に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項6】
前記円錐形状のインダクタコイルの円錐の高さが円錐の底部の幅に対して低い、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項7】
前記円錐形状のインダクタコイルが、円錐の底部の幅W及び円錐の高さHを有し、比W/Hが、少なくとも2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、又は20:1である、請求項6に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項8】
前記円錐形状のインダクタコイルが、(i)円形の螺旋、(ii)正方形又は長方形の螺旋、(iii)台形の螺旋、又は(iv)三角形の螺旋の投影形状を備える導電材料のコイルを備え、前記円錐形状のインダクタコイルが円錐の底部を備え、前記投影形状が、前記円錐の底部に前記コイルを投影して形成された形状である、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項9】
前記投影形状が、(i)直線的な側部、(ii)曲線的な側部、又は(iii)それらが混ざったもののうちの少なくとも1つを備える、請求項8に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項10】
前記円錐形状のインダクタコイルが円錐の軸線及び円錐の底部を有し、前記円錐形状のインダクタコイルが円錐の頂点を有し、前記円錐の軸線が、前記頂点と前記円錐の底部の中心とを通る直線である、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項11】
前記円錐の軸線が前記円錐の底部に対して垂直である、請求項10に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項12】
前記円錐の軸線が前記円錐の底部に対して90°以外の角度をなす、請求項10に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項13】
前記円錐形状のインダクタコイルが導電材料のコイルを備え、導電材料の前記コイルの厚さ又は断面積が、(i)前記コイルに沿って変化するか、又は(ii)前記コイルに沿って均一であるかのどちらかである、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項14】
前記導電材料が、前記コイルに沿って実質的に均一である、請求項13に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項15】
前記導電材料の組成が前記コイルに沿って変化する、請求項13に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項16】
前記円錐形状のインダクタコイルが、湾曲した平面又は3次元表面の周りに形成された、請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項17】
前記湾曲した平面又は3次元表面が円筒を含む、請求項16に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項18】
前記円錐形状のインダクタコイルが円錐の底部を備え、前記円錐の底部が、前記湾曲した平面又は3次元表面の周りに形成された、請求項16又は17に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項19】
複数の円錐形状のインダクタコイルを備える、請求項1~18のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項20】
円錐形状のバイファイラインダクタコイルを備え、前記バイファイラコイルが、密な間隔の2つ以上の平行巻線を備える、請求項1~19のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項21】
前記円錐形状のインダクタコイル又は前記複数の円錐形状のインダクタコイルが変動磁場を生成するように構成され、任意選択で、前記複数の円錐形状のインダクタコイルが、前記複数の円錐形状のインダクタコイルのそれぞれ1つから変動磁場を生成するように構成され、前記変動磁場のそれぞれが互いに独立して生成される、請求項1~20のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項22】
エアロゾル化可能材料を備える、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品を受け入れるように構成された、請求項1~21のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項23】
前記物品をクランプ又は拘束するように構成されたクランプ又は拘束デバイスを備える、請求項22に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項24】
前記クランプ又は拘束デバイスが、使用時に前記物品が挿入される空洞を備え、前記空洞が、前記デバイスと前記物品との間が締まりばめとなるように構成された、請求項23に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項25】
前記クランプ又は拘束デバイスが、前記物品が前記円錐形状のインダクタコイルの表面と一致するように前記物品を固定するように構成された、請求項23又は24に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項26】
1つ又は複数のサセプタを備える、請求項1~25のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項27】
前記円錐形状のインダクタコイル又は前記複数の円錐形状のインダクタコイルが変動磁場を生成するように構成され、前記1つ又は複数のサセプタが、前記変動磁場によって加熱されるように構成された、請求項26に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項28】
前記1つ又は複数のサセプタが、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品に提供されたエアロゾル化可能材料を加熱するが燃焼させないように構成された、請求項27に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項29】
前記1つ又は複数のサセプタが、前記物品に提供されたエアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成するように構成された、請求項27又は28に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項30】
円筒形に巻かれた平面形状のインダクタコイルを含む巻かれた平面コイルを備えるエアロゾル生成デバイスであって、任意選択で、前記巻かれた平面コイルが基板に埋め込まれている、エアロゾル生成デバイス。
【請求項31】
前記巻かれた平面コイルが、前記基板内でその構造を保持するように構成された、請求項30に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項32】
前記基板が樹脂である、請求項30又は31に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項33】
前記インダクタコイルがリッツ(登録商標)線又は多重撚り線を含む、請求項30、31、又は32のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項34】
非燃焼加熱式エアロゾル生成デバイスを含む、請求項1~33のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項35】
非燃焼性エアロゾル供給デバイスを含む、請求項1~34のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項36】
請求項1~35のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイスと、
非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品と、
を備える、エアロゾル生成システム。
【請求項37】
非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための前記物品が1つ又は複数のサセプタを備え、前記円錐形状のインダクタコイル又は前記複数の円錐形状のインダクタコイルが変動磁場を生成するように構成され、前記1つ又は複数のサセプタが、前記変動磁場によって加熱されるように構成された、請求項36に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項38】
円錐形状のインダクタコイルを備えるエアロゾル生成デバイスを作製する方法であって、
平面状のインダクタコイルを形成するステップと、
前記円錐形状のインダクタコイルを形成するように前記平面状のインダクタコイルを平面から変形させるステップと、
を含む、エアロゾル生成デバイスを作製する方法。
【請求項39】
請求項1~35のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイスを用意するステップと、
非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための、エアロゾル化可能材料を備える物品を前記エアロゾル生成デバイスに挿入するステップと、
を含む、エアロゾルを生成する方法。
【請求項40】
1つ又は複数の円錐形状のインダクタコイルを備えるエアロゾル生成デバイスと、
非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための、使用時に前記エアロゾル生成デバイス内に配置される物品と、
1つ又は複数の取外し可能なサセプタと、
を備える、エアロゾル生成システム。
【請求項41】
エアロゾル生成デバイスと、
非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための、使用時に前記エアロゾル生成デバイス内に配置される物品であって、1つ若しくは複数の円錐形状のインダクタコイル及び/又は1つ若しくは複数のサセプタを備える、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品と、
を備える、エアロゾル生成システム。
【請求項42】
第1の円錐形状のインダクタコイルと、
第2の円錐形状のインダクタコイルと、
前記第1の円錐形状のインダクタコイルと前記第2の円錐形状のインダクタコイルとの間に配置されたサセプタと、
を備える、エアロゾル供給デバイス。
【請求項43】
前記第1の円錐形状のインダクタコイルが、円錐の底部の幅W1及び円錐の高さH1を有し、比W1/H1が、少なくとも2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、又は20:1である、請求項42に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項44】
前記第2の円錐形状のインダクタコイルが、円錐の底部の幅W2及び円錐の高さH2を有し、比W2/H2が、少なくとも2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、又は20:1である、請求項42又は43に記載のエアロゾル供給デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成デバイス、エアロゾル生成システム、エアロゾル生成デバイスを作製する方法、及びエアロゾルを生成する方法に関する。
【背景】
【0002】
紙巻タバコ及び葉巻タバコなどの喫煙品は、使用時にタバコを燃焼させてタバコ煙を生じさせる。燃焼させずに化合物を放出する製品を作り出すことによって、これらの物品に対する代替品を提供する試みがなされている。このような製品の例としては、いわゆる「非燃焼加熱式」製品、又はタバコ加熱デバイス若しくはタバコ加熱製品があり、これらは、材料を燃焼させるのではなく加熱することで化合物を放出する。この材料は、例えば、タバコ又は他の非タバコ製品のことがあり、これらは、ニコチンを含むことも又は含まないこともある。
【0003】
前述のデバイス又は製品を包含するエアロゾル供給システムが知られている。一般的なシステムは、ヒーターを使用して適切な媒体からエアロゾルを生成し、次いで、これはユーザによって吸引される。多くの場合、異なるエアロゾルを供給して吸引するためには、使用される媒体を交換又は変更する必要がある。適切な媒体からエアロゾルを生成するために誘導加熱システムをヒーターとして使用することが知られている。誘導加熱システムは、一般に、変動磁場を生成するための磁場生成デバイスと、適切な媒体を加熱するために変動磁場の侵入によって加熱可能なサセプタ又は加熱材料とからなる。
【0004】
3次元インダクタコイルなどの多くの異なる磁場生成デバイスが知られている。しかしながら、利用可能なスペース、デバイスの大きさ、及び必要な電力などの様々な制約があり、それにより磁場生成デバイスのタイプが制限される。さらに、磁場生成デバイスとサセプタ又は加熱材料との間の誘導結合の効率を制限する様々なパラメータがある。例えば、そのようなパラメータには、磁場生成デバイスとサセプタ若しくは加熱材料との間の間隔、又はそれらの相対的な面積の大きさ及び向きが含まれる。
【0005】
改良されたエアロゾル生成デバイスを提供することが望まれる。
【概要】
【0006】
一態様によれば、円錐形状のインダクタコイルを備えるエアロゾル生成デバイスが提供される。
【0007】
一実施形態では、エアロゾル生成デバイスは、
デバイスハウジング、及び/又は、
円錐形状のインダクタコイルに接続された電源であって、円錐形状のインダクタコイルに振動電流を供給するように構成された電源
を備える。
【0008】
一実施形態では、円錐形状のインダクタコイルのピッチは一定である。
【0009】
一実施形態では、円錐形状のインダクタコイルのピッチは変化する。
【0010】
一実施形態では、円錐形状のインダクタコイルのピッチの変化は、サセプタを通して、均一な誘導結合又は一定の磁束を提供するように構成され、任意選択で、サセプタは平坦なサセプタである。
【0011】
一実施形態では、円錐形状のインダクタコイルの円錐の高さは円錐の底部の幅に対して低く、任意選択で、円錐形状のインダクタコイルは、円錐の底部の幅W及び円錐の高さHを有し、比W/Hは、少なくとも2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、又は20:1である。
【0012】
一実施形態では、円錐形状のインダクタコイルは、(i)円形の螺旋、(ii)正方形又は長方形の螺旋、(iii)台形の螺旋、又は(iv)三角形の螺旋の投影形状を備える導電材料のコイルを備え、円錐形状のインダクタコイルは円錐の底部を備え、投影形状は、円錐の底部にコイルを投影して形成された形状である。
【0013】
一実施形態では、投影形状は、(i)直線的な側部、(ii)曲線的な側部、又は(iii)それらが混ざったもののうちの少なくとも1つを備える。
【0014】
一実施形態では、円錐形状のインダクタコイルは円錐の軸線及び円錐の底部を備え、円錐形状のインダクタコイルは円錐の頂点を備え、円錐の軸線は、頂点と円錐の底部の中心とを通る直線である。
【0015】
一実施形態では、円錐の軸線は円錐の底部に対して垂直である。
【0016】
一実施形態では、円錐の軸線は円錐の底部に対して90°以外の角度をなす。
【0017】
一実施形態では、円錐形状のインダクタコイルは導電材料のコイルを備え、導電材料のコイルの厚さ又は断面積は、(i)コイルに沿って変化するか、(ii)コイルに沿って均一であるかのどちらかである。
【0018】
一実施形態では、導電材料はコイルに沿って実質的に均一である。
【0019】
一実施形態では、導電材料の組成はコイルに沿って変化する。
【0020】
一実施形態では、円錐形状のインダクタコイルは、湾曲した平面又は3次元表面の周りに形成される。
【0021】
一実施形態では、湾曲した平面又は3次元表面は円筒を含む。
【0022】
一実施形態では、円錐形状のインダクタコイルは円錐の底部を備え、円錐の底部は、湾曲した平面又は3次元表面の周りに形成される。
【0023】
一実施形態では、エアロゾル生成デバイスは複数の円錐形状のインダクタコイルを備える。
【0024】
一実施形態では、エアロゾル生成デバイスは円錐形状のバイファイラインダクタコイルを備え、バイファイラコイルは、密な間隔の2つ以上の平行巻線を備える。
【0025】
一実施形態では、円錐形状のインダクタコイル又は複数の円錐形状のインダクタコイルは変動磁場を生成するように構成され、任意選択で、複数の円錐形状のインダクタコイルは、複数の円錐形状のインダクタコイルのそれぞれ1つから変動磁場を生成するように構成され、変動磁場のそれぞれは互いに独立して生成される。
【0026】
一実施形態では、デバイスは、エアロゾル化可能材料を備える、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品を受け入れるように構成される。
【0027】
物品は実質的に平坦な物品であってもよい。物品は、エアロゾル化可能材料の複数の個別部分を備えてもよい。物品は実質的に平坦な消耗品を備えてもよい。
【0028】
一実施形態では、エアロゾル生成デバイスは、物品/消耗品をクランプ又は拘束するように構成されたクランプ又は拘束デバイスを備える。
【0029】
一実施形態では、クランプ又は拘束デバイスは、使用時に物品が挿入される空洞を備え、空洞は、デバイスと物品との間が締りばめとなるように構成される。
【0030】
一実施形態では、クランプ又は拘束デバイスは、物品が円錐形状のインダクタコイルの表面と一致するように物品を固定するように構成される。
【0031】
一実施形態では、エアロゾル生成デバイスは1つ又は複数のサセプタを備える。
【0032】
一実施形態では、円錐形状のインダクタコイル又は複数の円錐形状のインダクタコイルは変動磁場を生成するように構成され、1つ又は複数のサセプタは、変動磁場によって加熱されるように構成される。
【0033】
一実施形態では、複数の円錐形状のインダクタコイルは独立して動作可能である。複数の円錐形状のインダクタコイルは、1つ又は複数のサセプタを独立して加熱するように構成されてもよい。
【0034】
一実施形態では、1つ又は複数のサセプタは、物品/消耗品に提供されたエアロゾル化可能材料を加熱するが燃焼させないように構成される。
【0035】
一実施形態では、1つ又は複数のサセプタは、物品/消耗品に提供されたエアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成するように構成される。
【0036】
別の態様によれば、円筒形に巻かれた平面形状のインダクタコイルを含む巻かれた平面コイルを備えるエアロゾル生成デバイスが提供され、巻かれた平面コイルは基板に埋め込まれている。
【0037】
一実施形態では、巻かれた平面コイルは、基板内でその構造を保持するように構成される。
【0038】
一実施形態では、基板は樹脂、プラスチック材料、又は他の適切な非導電性材料である。
【0039】
一実施形態では、インダクタコイルはリッツ(LITZ)(登録商標)線又は多重撚り線を含む。
【0040】
一実施形態では、エアロゾル生成デバイスは非燃焼加熱式エアロゾル生成デバイスを含む。
【0041】
一実施形態では、エアロゾル生成デバイスは非燃焼性エアロゾル供給デバイスを含む。
【0042】
別の態様によれば、上記で開示されたエアロゾル生成デバイスと、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品とを備えるエアロゾル生成システムが提供される。
【0043】
一実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は1つ又は複数のサセプタを備え、円錐形状のインダクタコイル又は複数の円錐形状のインダクタコイルは変動磁場を生成するように構成され、1つ又は複数のサセプタは、変動磁場によって加熱されるように構成される。
【0044】
別の態様によれば、円錐形状のインダクタコイルを備えるエアロゾル生成デバイスを作製する方法が提供され、本方法は、平面状のインダクタコイルを形成するステップと、円錐形状のインダクタコイルを形成するように平面状のインダクタコイルを平面から変形させるステップとを含む。
【0045】
別の態様によれば、上記で開示したエアロゾル生成デバイスを用意するステップと、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための、エアロゾル化可能材料を備える物品をエアロゾル生成デバイスに挿入するステップとを含むエアロゾルを生成する方法が提供される。
【0046】
別の態様によれば、1つ又は複数の円錐形状のインダクタコイルを備えるエアロゾル生成デバイスと、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための、使用時にエアロゾル生成デバイス内に配置される物品と、1つ又は複数の取外し可能なサセプタとを備えるエアロゾル生成システムが提供される。
【0047】
別の態様によれば、エアロゾル生成デバイスと、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための、使用時にエアロゾル生成デバイス内に配置される物品であって、1つ若しくは複数の円錐形状のインダクタコイル及び/又は1つ若しくは複数のサセプタを備える、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品とを備えるエアロゾル生成システムが提供される。
【0048】
別の態様によれば、
第1の円錐形状のインダクタコイルと、
第2の円錐形状のインダクタコイルと、
第1の円錐形状のインダクタコイルと第2の円錐形状のインダクタコイルとの間に配置されたサセプタと
を備えるエアロゾル供給デバイスが提供される。
【0049】
任意選択で、第1の円錐形状のインダクタコイルは、円錐の底部の幅W1及び円錐の高さH1を有し、比W1/H1は、少なくとも2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、又は20:1である。
【0050】
任意選択で、第2の円錐形状のインダクタコイルは、円錐の底部の幅W2及び円錐の高さH2を有し、比W2/H2は、少なくとも2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、又は20:1である。
【0051】
次に、様々な実施形態を、単なる例として、添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】エアロゾル生成デバイスに使用するための円錐形状のインダクタコイルの例の概略斜視図である。
図2】エアロゾル生成デバイスに使用するための円錐形状のインダクタコイルの例の側面図である。
図3】サセプタに対して配置された2つの円錐形状のインダクタコイルの例の概略側面図である。
図4】円錐形状のインダクタコイルが円筒の周りに形成された、円錐形状のインダクタコイル構成体の例の概略斜視図である。
図5】電気的に加熱されるエアロゾル生成システムの例の概略側面図である。
【詳細な説明】
【0053】
本明細書で使用するとき、「エアロゾル化可能材料」とも呼ばれることがある「エアロゾル生成材料」という用語は、加熱すると、典型的には蒸気又はエアロゾルの形態で揮発成分を供する材料を含む。「エアロゾル化可能材料」はタバコを含有しない材料であってもよいし、又はタバコを含有する材料であってもよい。
【0054】
「エアロゾル化可能材料」は、例えば、タバコ自体、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ抽出物、均質化タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ又は複数を含んでもよい。エアロゾル化可能材料は、挽きタバコ、刻みラグタバコ、押出タバコ、再生タバコ、再生エアロゾル化可能材料、液体、ゲル、固体、ゲル化シート、粉末、ビーズ、細粒、又は塊などの形態であり得る。「エアロゾル化可能材料」はまた、他の非タバコ製品を含んでもよく、この非タバコ製品は、製品によってニコチンを含んでもよいし、又は含まなくてもよい。「エアロゾル化可能材料」は、グリセロール又はプロピレングリコールなど、1つ又は複数の保湿剤を含んでもよい。
【0055】
サセプタは、交流磁場などの変動磁場の侵入によって加熱可能な材料である。加熱材料は導電性材料であってもよく、その結果、変動磁場が加熱材料に侵入することによって加熱材料が誘導加熱される。加熱材料は磁性材料であってもよく、その結果、変動磁場が加熱材料に侵入することによって加熱材料が磁気ヒステリシス加熱される。加熱材料は導電性及び磁性の両方であってもよく、その結果、加熱材料は両方の加熱メカニズムによって加熱可能である。
【0056】
誘導加熱は、導電性物体に変動磁場を侵入させることによってその物体が加熱されるプロセスである。このプロセスは、ファラデーの電磁誘導の法則及びオームの法則によって説明される。誘導ヒーターは、電磁石と、この電磁石に交流電流などの変動電流を流すためのデバイスとを備えることができる。電磁石と加熱される物体とが、電磁石によって生じる変動磁場がこの物体に侵入するように適切な相対位置に配置されると、この物体内に1つ又は複数の渦電流が生成される。この物体は電流の流れに対して抵抗を有する。したがって、この物体内にこのような渦電流が生成されると、渦電流は物体の電気抵抗に抗して流れ、それによってこの物体が加熱される。このプロセスは、ジュール加熱、オーム加熱、又は抵抗加熱と呼ばれる。
【0057】
一例では、サセプタは閉回路の形態である。サセプタが閉回路の形態のとき、使用時のサセプタと電磁石との間の磁気結合が強くなり、その結果、ジュール加熱が増大する又は改善されることが見出された。
【0058】
磁気ヒステリシス加熱は、磁性材料から作られた物体に変動磁場が侵入することによってその物体が加熱されるプロセスである。磁性材料は、原子スケールの磁石、すなわち磁気双極子を多く含んでいると考えることができる。磁場がこのような材料に侵入すると、磁気双極子は磁場に沿って整列する。したがって、例えば、電磁石によって生じるような交流磁場などの変動磁場が磁性材料に侵入すると、磁気双極子の向きは、印加された変動磁場とともに変化する。このように磁気双極子の向きが変わることによって、磁性材料内に熱が生じる。
【0059】
物体が導電性と磁性の両方であるとき、その物体に変動磁場を侵入させると、物体にジュール加熱と磁気ヒステリシス加熱の両方を生じさせることができる。さらに、磁性材料を使用すると、磁場を強めることができ、それによりジュール加熱を強めることができる。
【0060】
上記のプロセスのそれぞれでは、熱は、外部熱源によって熱伝導で生成されるのではなく、物体自体の内部で生成されるので、特に、物体の材料及び幾何形状、並びに、その物体に対して変動磁場の大きさ及び向きを適切に選ぶことによって、物体内の急速な温度上昇とより均一な熱分布を達成することができる。さらに、誘導加熱及び磁気ヒステリシス加熱では、変動磁場源と物体との間を物理的に接続する必要がないので、設計自由度及び加熱プロファイルの制御性を高めるとともに、コストを下げることができる。
【0061】
次に、様々な実施形態を説明する。
【0062】
図1及び図2を参照すると、それぞれ、一実施形態による円錐形状の誘導コイル1の例の概略斜視図及び概略側面図が示されている。誘導コイル1は、図5に示し、さらに以下で説明するデバイス100などのエアロゾル生成デバイスを備えるエアロゾル生成システムとともに使用するためのものである。以下でさらに詳細に説明するように、使用時、加熱要素に侵入して加熱要素を加熱するために使用可能な変動磁場(例えば交流磁場)を生成するように変動電流(例えば交流電流)がコイルのそれぞれに流される。
【0063】
図1及び図2に示した誘導コイル1は、銅などの導電性材料の円錐螺旋部を備える。図2に示すように、円錐形状のインダクタコイルは、円錐の高さ21及び円錐の底部又は底部の幅22を有する。いくつかの実施形態では、円錐形状のインダクタコイルは、円錐の底部の幅に対してより低い円錐の高さを備えてもよい。言い換えれば、コイルの高さ21はコイルの幅22よりも低くてもよい。
【0064】
円錐の高さがないインダクタコイルは、平坦な螺旋形状を有するなど、平坦な又は平面状のインダクタコイルと呼ばれることがある。平坦な又は平面状のインダクタコイルと比較すると、図1図3を参照して示され説明され、様々な実施形態に関連する円錐形状のインダクタコイル1、3は、コンパクトな方法で電源への電気的接続を容易にすることができる。ここで、電源は、円錐形状のインダクタコイルに振動電流を供給するように構成されてもよい。インダクタコイルが振動電流を受けると、抵抗加熱によってインダクタコイル内の加熱を引き起こすことができることが理解されよう。したがって、複数の巻きを備える平坦なインダクタコイルが面内で放散する熱は面内に複数の巻きがあることにより多くなるが、円錐形状のインダクタコイルの巻きは同一面内にすべてがあるのではないので、円錐形状のインダクタコイル1、3は、平坦なインダクタコイルと比較して、制御された方法で熱をより良好に放散するように構成することができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、振動電流の周波数は500kHzより高くてもよい。振動電流は、1~30MHz、さらに1~10MHzの高周波であってもよい。一実施形態によれば、周波数は5~7MHzであってもよい。
【0066】
図3を参照すると、サセプタ31に対して配置された2つの円錐形状のインダクタコイル3の概略側面図が示されている。図3に示すサセプタ31は、実質的に直方体形状を有する。サセプタ31の厚さ33は、幅32よりも実質的に薄くてもよい。サセプタ31は実質的に平面状であってもよい。しかしながら、他の実施形態では、サセプタは以下に説明するように異なる形状又は構成を有していてもよい。
【0067】
2つの円錐形状のインダクタコイル3は、それぞれの円錐の底部がサセプタ31に面し、円錐の底部がサセプタ31の平面状の面と平行になるように向けられた状態で図3に示されている。しかしながら、いくつかの実施形態では、円錐形状のインダクタコイル3の円錐の底部は、サセプタ31の方を向かなくてもよい。いくつかの実施形態では、円錐の底部は、サセプタ31の平面状の面に対して平行でないように、すなわち、サセプタ31に対して斜めに向けられてもよい。
【0068】
図3には単一のサセプタ31のみが示されているが、いくつかの実施形態では、複数のサセプタが設けられてもよいと考えられる。同様に、図3には2つの円錐形状のインダクタコイル3が示されているが、単一の円錐形状のインダクタコイルのみが設けられる他の実施形態が考えられる。別の実施形態によれば、3つ以上の円錐形状のインダクタコイル3が設けられてもよい。
【0069】
したがって、いくつかの実施形態では、1つ又は複数の円錐形状のインダクタコイル及び1つ又は複数のサセプタが設けられてもよく、この場合、円錐形状のインダクタコイルの数はサセプタの数と同じである必要はない。例えば、多数のコイル及び/又はサセプタが消耗品の長さ及び/又は幅に沿って設けられてもよい。特に、多数のコイル及び/又はサセプタが平坦な消耗品の長さ及び/又は幅に沿って設けられてもよい。+
さらに、いくつかの実施形態において、第1の円錐形状のインダクタコイル及び第1のサセプタは、第1の向きで互いに向き合ってもよく、第2の円錐形状のインダクタコイル及び第2のサセプタは、第2の向きで向き合ってもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、第1の向き及び第2の向きは同じであってもよい。これに代えて、第1の向き及び第2の向きは異なっていてもよい。さらに他の実施形態では、いくつかの円錐形状のインダクタコイルといくつかのサセプタとの間のいくつかの向きは同じであってもよく、一方、他の円錐形状のインダクタコイルと他のサセプタとの間の他の向きは異なっていてもよい。
【0071】
図1~3に示すような様々な実施形態による円錐形状のインダクタコイル1、3の円錐の高さは円錐の底部の幅に対して低い。
【0072】
変動磁場が生成されるように、円錐形状のインダクタコイル1、3に変動電流を流すためにデバイス(図示せず)が提供されてもよい。複数の円錐形状のインダクタコイルを備える実施形態では、デバイスは、円錐形状のインダクタコイルのそれぞれ1つから変動磁場をそれぞれ生成するように動作可能であるように構成されてもよく、その場合、変動磁場のそれぞれは互いに独立して生成される。変動磁場は、1つ又は複数のサセプタに加熱を引き起こしてもよい。円錐形状のインダクタコイル1、3の円錐の幅に対する高さの比が小さいと、円錐形状のインダクタコイル1、3とサセプタ31との間に強い誘導結合を生成することができる。例えば、これは、サセプタ31が円錐形状のインダクタコイル1、3の形状と一致する形状を有することができるためであると思われる。いくつかの実施形態では、サセプタ31は、円錐形状のインダクタコイル1、3の円錐の底部に平行で、その方を向く実質的に平面の表面を備えるため、サセプタ31の形状は、円錐形状のインダクタコイル1、3の形状と一致する。
【0073】
同様に、いくつかの実施形態では、円錐形のインダクタコイル1、3の円錐の幅に対する高さの比が小さいことによっても、サセプタ31の比較的大きな部分にわたって、又はサセプタ31の実質的に全体にわたって、実質的に均一な誘導結合を生じることができる。
【0074】
図1及び図2に示すような円錐形状の誘導コイル1のピッチ2は一定である。ここで、ピッチ2は、コイルの1巻き後にコイル上の点を隣り合う点から隔てる距離である。しかしながら、他の実施形態によれば、円錐形状のインダクタコイルのピッチは変化してもよい。いくつかの実施形態では、ピッチの変化は、円錐形状の誘導コイルが、サセプタ31の大部分にわたって、又はサセプタ31の実質的に全体にわたって、実質的に均一な誘導結合を引き起こすように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ピッチの変化は、円錐形状の誘導コイルが、サセプタの第2の部分と比較してより強い結合をサセプタの第1の部分にわたって引き起こすことができるように構成されてもよい。
【0075】
図1及び図2に示す誘導コイル1は、円形の螺旋の投影形状を有するものとして説明することができる。ここで、投影形状とは、円錐の底部に誘導コイルの形状を投影して形成される形状である。しかしながら、他の実施形態では、円錐形状のインダクタコイルは、正方形又は長方形の螺旋、台形の螺旋、三角形の螺旋、又は任意の他の2次元形状の投影形状を有してもよい。
【0076】
投影形状は、デバイス内の他の構成要素を小さくコンパクトに配置することができるように選ぶことができる。いくつかの実施形態では、投影形状は、1つ又は複数の直線的な側部を有してもよい。いくつかの実施形態では、投影形状は、1つ又は複数の曲線的な側部を有してもよい。他の実施形態では、投影形状は、直線的な側部及び曲線的な側部が混ざったものを有してもよい。いくつかの実施形態では、円錐形状のインダクタコイルの投影形状は、サセプタの形状と一致するか、又は実質的に一致する。
【0077】
図1及び図2に示す誘導コイル1は、円錐の軸線を有するものとして説明することができる。ここで、円錐形状のインダクタコイルは円錐の頂点を備え、円錐の軸線は、頂点と円錐の底部の中心とを通る直線である。図1及び図2に示す誘導コイル1は、円錐の底部に対して垂直な円錐の軸線を有する。他の実施形態では、円錐の軸線は円錐の底部に対して90度以外の角度をなしてもよい。
【0078】
コイルが巻き付く線が湾曲している、又は非線形である場合、誘導コイル1が円錐の軸線を有さない他の実施形態が考えられる。
【0079】
図1及び図2に示す誘導コイル1は、コイルに沿って均一な厚さ又は断面積を有する導電材料のコイルを有する。しかしながら、他の実施形態では、厚さ又は断面積は、コイルに沿って変化してもよい。いくつかの実施形態では、厚さ又は断面積の変化は、円錐形状の誘導コイルが、サセプタ31の大部分にわたって、又はサセプタ31の実質的に全体にわたって、実質的に均一な誘導結合を引き起こすように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、厚さ又は断面積の変化は、円錐形状の誘導コイルが、サセプタの第2の部分と比較してより強い結合をサセプタの第1の部分にわたって引き起こすことができるように構成されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、導電材料の組成はコイルに沿って変化してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、円錐形状のインダクタコイルの第1の部分は第1の導電材料から形成されてもよく、円錐形状のインダクタコイルの第2の部分は第2の導電材料から形成されてもよい。円錐形状のインダクタコイルの第1部分と第2部分の材料特性は異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、これらの材料特性としては、抵抗率又は導電率などの電気的特性を含んでもよい。いくつかの実施形態では、円錐形状のインダクタコイルに沿った導電材料の組成の変化は、円錐形状の誘導コイルが、サセプタ31の大部分にわたって、又はサセプタ31の実質的に全体にわたって、実質的に均一な誘導結合を引き起こすことができるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、円錐形状のインダクタコイルに沿った導電材料の組成の変化は、円錐形状の誘導コイルが、サセプタの第2の部分と比較してより強い結合をサセプタの第1の部分にわたって引き起こすことができるように構成されてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、円錐形状のインダクタコイルは、円錐形状のバイファイラインダクタコイルであってもよい。ここで、バイファイラコイルは、密な間隔の2つ以上の平行巻線を備える。円錐形状のバイファイラインダクタコイルを提供することにより、コイルとサセプタとの間の誘導結合が強化され、以て、システムの効率を向上させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、円錐形状のバイファイラインダクタコイルは、変動磁場を生成することができる表面積を増大させることができる。いくつかの実施形態では、円錐形状のバイファイラインダクタコイルは、これに加えてインダクタコイルの自己誘導を低減することができる、又はその代わりに、インダクタコイルの自己誘導を低減することができる。
【0082】
次に、図4を参照して、別の実施形態をより詳細に説明する。この実施形態によれば、インダクタコイル4は、湾曲した平面又は3次元表面の周りに形成され、その結果、当初は平坦なインダクタコイルは、湾曲した平面の周りに、又は湾曲した平面になるように巻き付けられてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、湾曲した平面又は3次元表面は円筒を含むことができる。しかしながら、インダクタコイル4は、他の湾曲した平面又は3次元表面の周りに巻き付けることができることを理解されたい。例えば、インダクタコイル4は、立方体形状の角の周りに折り曲げることができる。
【0083】
図4は、平坦な又は平面状のインダクタコイルであり、次いで、円筒の周りに形成された、又は円筒の周りに巻き付けられたインダクタコイル4を示す。しかしながら、他の実施形態では、インダクタコイル4は、円錐の高さがゼロでない、上記で論じたような円錐形状のインダクタコイル1、3であってもよい。例えば、円錐形状のインダクタコイル1、3は、湾曲した平面又は3次元表面の周りに円錐形状のインダクタコイル1、3の円錐の底部を形成することによって、湾曲した平面又は3次元表面の周りに形成されてもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、インダクタコイル4又は円錐形状のインダクタコイル1、3は、支持体に設けられてもよく、又は支持体に埋め込まれてもよい。1つ若しくは複数のインダクタコイル4及び/又は1つ若しくは複数の円錐形状のインダクタコイル1、3が、基板又は支持体に埋め込むことができる、又はそれとメッシュを形成することができる実施形態が考えられる。基板、メッシュ、又は支持体は、1つ若しくは複数のインダクタコイル4又は1つ若しくは複数の円錐形状のインダクタコイル1、3を他の電子構成要素、又は他のインダクタコイル4若しくは円錐形状のインダクタコイル1、3から電気的に絶縁するように、プラスチック材料などの非導電性材料から作られてもよい。一実施形態では、支持体又は基板は、難燃性のエポキシ樹脂結合剤を有するガラス繊維織布からなる複合材料であるFR-4から作られてもよい。1つ若しくは複数のインダクタコイル4及び/又は1つ若しくは複数の円錐形状のインダクタコイル1、3は、任意の適切な方法で支持体、基板、又はメッシュに貼り付けられてもよい。例えば、1つ若しくは複数の円錐形状のインダクタコイル1、3及び/又は1つ若しくは複数のインダクタコイル4は、プリント回路基板(PCB)から形成されてもよく、PCBの製造中に、導電性材料を支持体に印刷し、次いで、インダクタコイル4又は円錐形状のインダクタコイル1、3の形態の導電性材料のパターンが支持体、基板、又はメッシュに残るように導電性材料の選択された部分を(エッチングなどによって)除去することによって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、1つ若しくは複数のインダクタコイル4及び/又は1つ若しくは複数の円錐形状のインダクタコイル1、3は、支持体に導電性材料の薄膜又はコーティングを備えてもよい。
【0085】
円錐形状のインダクタコイル1、3と平面状のインダクタコイル4とが混ざったものを提供することができる実施形態が考えられることを理解すべきである。
【0086】
再び図4を参照すると、1つ又は複数のインダクタコイル4は、円筒形に巻かれて基板に埋め込まれてもよい。いくつかの実施形態では、巻かれた平面コイル4は、基板内でその構造を保持するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、基板は樹脂を含んでもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、支持体は、PCBの層以外で形成されてもよい。例えば、層は、乾燥、硬化、又は固化された樹脂又は接着剤などの材料の層又はシートであってもよい。
【0088】
上記で論じたように、印刷された薄い導電性材料から形成されたコイルを使用すると、リッツ(登録商標)線又は多重撚り線を使用する必要がなくなる。当業者には理解されるように、リッツ(登録商標)線又は多重撚り線は、高い励起周波数において表皮深さが減少する影響を克服するために、極めて細い線を編組状に束ねた多くの撚り線から構成されている。PCB上のトラックは25μmの幅の場合がある。トラックの厚さ又は深さは、1オンスの銅では約38μm、2オンスの銅では約76μmとなり得て、その結果、高周波での性能はリッツ(登録商標)線又は多重撚り線の等価断面積に匹敵し得るが、脆性、リッツ(登録商標)線若しくは多重撚り線の成形、又は他の構成要素との接続に関して生じる問題は生じない。
【0089】
これに代えて、他の実施形態では、平面コイル(複数可)及び/又は円錐形状のインダクタコイル(複数可)は、リッツ(登録商標)線又は多重撚り線を含んでもよい。
【0090】
平面コイル(複数可)及び/又は円錐形状のインダクタコイル(複数可)の第1の部分がリッツ(登録商標)線又は多重撚り線を含み、平面コイル(複数可)及び/又は円錐形状のインダクタコイル(複数可)の第2の部分がPCBを含む場合がある実施形態も考えられる。
【0091】
いくつかの実施形態では、上記のような円錐形状のインダクタコイルは、最初に平面状のインダクタコイルを形成し、その後、円錐形状のインダクタコイルを形成するように平面状のインダクタコイルを平面から変形させることによって作製されてもよい。
【0092】
上記のようなインダクタコイルが消耗品に対して相対的に動くことができる実施形態も考えられる。
【0093】
図5を参照すると、エアロゾル生成システム5の例の概略断面側面図が示されている。システム5は、エアロゾル生成デバイス100と、エアロゾル化可能材料11を備える物品10とを具備する。エアロゾル化可能材料11は、例えば、本明細書で論じるエアロゾル化可能材料のいずれのタイプであってもよい。この例では、エアロゾル生成デバイス100はタバコ加熱製品(当技術分野では、タバコ加熱デバイス又は非燃焼加熱式デバイスとしても知られている)である。
【0094】
いくつかの例では、エアロゾル化可能材料11は非液体材料である。いくつかの例では、エアロゾル化可能材料11はゲルである。いくつかの例では、エアロゾル化可能材料11はタバコを含む。しかしながら、他の例では、エアロゾル化可能材料11はタバコから構成されてもよく、実質的に完全にタバコから構成されてもよく、タバコとタバコ以外のエアロゾル化可能材料とを含んでもよく、タバコ以外のエアロゾル化可能材料を含んでもよく、又はタバコがなくてもよい。いくつかの例では、エアロゾル化可能材料11は、蒸気又はエアロゾル形成剤又は保湿剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、トリアセチン、又はジエチレングリコール)を含んでもよい。いくつかの例では、エアロゾル化可能材料11は、再生タバコなどの再生エアロゾル化可能材料を含む。
【0095】
いくつかの例では、エアロゾル化可能材料11は、実質的に円形の断面を有し長手方向軸線を有する実質的に円柱形である。他の例では、エアロゾル化可能材料11は、別の断面形状を有してもよく、及び/又は、細長くなくてもよい。
【0096】
物品10のエアロゾル化可能材料11の軸方向長さは、例えば、8mm~120mmであってもよい。例えば、エアロゾル化可能材料11の軸方向の長さは、9mm又は10mm又は15mm又は20mmよりも長くてもよい。例えば、エアロゾル化可能材料11の軸方向長さは、100mm又は75mm又は50mm又は40mmよりも短くてもよい。
【0097】
図5に示す例などのいくつかの例では、物品10は、使用時にエアロゾル化可能材料11から放出されるエアロゾル又は蒸気を濾過するためのフィルター構成体12を備えてもよい。これに代えて又はこれに加えて、フィルター構成体12は、物品10の長さにわたる圧力降下を制御するためのものであってもよい。フィルター構成体12は、1つ又は2つ以上のフィルターを備えてもよい。フィルター構成体12は、タバコ産業で使用されるいかなるタイプのものでもよい。例えば、フィルターは酢酸セルロース製であってもよい。いくつかの例では、フィルター構成体12は、実質的に円形の断面を有し長手方向軸線を有する実質的に円柱形である。他の例では、フィルター構成体12は、別の断面形状を有してもよく、及び/又は、細長くなくてもよい。
【0098】
いくつかの例では、フィルター構成体12は、エアロゾル化可能材料11の長手方向端部に当接する。他の例では、フィルター構成体12は、隙間、及び/又は物品10の1つ若しくは複数のさらなる構成要素などによって、エアロゾル化可能材料11から間隔を空けて配置されてもよい。いくつかの例では、フィルター構成体12は、添加剤又は香料源(添加剤又は香料を含有するカプセル又は糸など)を含んでもよく、これは、例えば、濾過材の本体によって、又は濾過材の2つの本体の間に保持されてもよい。
【0099】
物品10はまた、エアロゾル化可能材料11及びフィルター構成体12の周りに巻き付けられてエアロゾル化可能材料11に対してフィルター構成体12を保持するラッパー(図示せず)を備えてもよい。ラッパーは、ラッパーの自由端が互いに重なるように、エアロゾル化可能材料11及びフィルター構成体12の周りに巻き付けられてもよい。ラッパーは、物品10の周方向の外面の一部又は全部を形成してもよい。ラッパーは、紙、厚紙、又は再生されたエアロゾル化可能材料(例えば再生タバコ)など、任意の適切な材料から作ることができる。紙は、当技術分野で知られているチップペーパーであってもよい。ラッパーはまた、ラッパーの重ねられた自由端を互いに接着して、重ねられた自由端が離れるのを防ぐ助けとなる接着剤(図示せず)を含んでもよい。他の例では、接着剤は省略されてもよいし、又はラッパーは、説明したものとは異なる形態をとってもよい。他の例では、フィルター構成体12は、接着剤など、ラッパー以外の接続物によってエアロゾル化可能材料11に対して保持されてもよい。いくつかの例では、フィルター構成体12は省略されてもよい。
【0100】
エアロゾル生成デバイス100は、物品10の少なくとも一部分を受け入れるための加熱領域110と、使用時に、それを通ってエアロゾルが加熱領域110からユーザに送達可能な出口120と、物品10が少なくとも部分的に加熱領域110内に配置されたときに物品10を加熱することによってエアロゾルを生成するための加熱装置130とを備える。図5に示すものなどのいくつかの例では、エアロゾルは、物品10に隣り合う任意の隙間を通るのではなく、むしろ物品10自体を通って加熱領域110からユーザに送達可能である。それにもかかわらず、そのような例では、エアロゾルはそれでも、物品10内を移動している間でも、出口120を通過する。
【0101】
デバイス100は、加熱領域110をデバイス100の外部と流体的に接続する少なくとも1つの空気入口(図示せず)を画定してもよい。ユーザは、物品10を通して加熱領域110から揮発成分(複数可)を吸うことによって、エアロゾル化可能材料の揮発成分(複数可)を吸引することができる。揮発成分(複数可)が加熱領域110及び物品10から除去されると、空気をデバイス100の空気入口(複数可)を通して加熱領域110に引き込むことができる。
【0102】
この例では、加熱領域110は軸線A-Aに沿って延在し、物品10の一部分のみを収容する大きさ及び形状である。この例では、軸線A-Aは加熱領域110の中心軸線である。さらに、この例では、加熱領域110は細長く、したがって、軸線A-Aは加熱領域110の長手方向軸線A-Aである。物品10は、出口120を通って加熱領域110に少なくとも部分的に挿入可能であり、使用時に加熱領域110から出口120を通って突出する。他の例では、加熱領域110は、細長くてもよいし又は細長くなくてもよく、物品10の全体を受け入れるような寸法であってもよい。いくつかのそのような例では、デバイス100は、出口120を覆うように配置することができ、それを通って加熱領域110及び物品10からエアロゾルを吸うことができる吸い口を含んでもよい。
【0103】
いくつかの例では、デバイス100は、物品10をクランプ又は拘束するように構成されたクランプ又は拘束デバイス(図示せず)を備えてもよい。他の例では、拘束デバイスは、使用時に物品10が挿入される空洞を備え、空洞は、デバイス100と物品との間が締りばめとなるように構成される。いくつかの例では、空洞は加熱領域110である。
【0104】
この例では、物品10が加熱領域110内に少なくとも部分的に配置されると、エアロゾル化可能材料11の異なる部分11a~11eは、加熱領域110内の異なるそれぞれの位置110a~110eに配置される。この例では、これらの位置110a~110eは、加熱領域110の軸線A-Aに沿った異なるそれぞれの軸方向位置にある。さらに、この例では、加熱領域110は細長いので、位置110a~110eは、加熱領域110の長さに沿って長手方向に間隔を空けた異なる位置にあると考えることができる。この例では、物品10は、第1の位置110a、第2の位置110b、第3の位置110c、第4の位置110d、及び第5の位置110eにそれぞれ配置されたエアロゾル化可能材料11の5つのそのような部分11a~11eを含むと考えることができる。より詳細には、第2の位置110bは、第1の位置110aと出口120との間に流体的に配置され、第3の位置110cは、第2の位置110bと出口120との間に流体的に配置され、第4の位置110dは、第3の位置110cと出口120との間に流体的に配置され、第5の位置は、第4の位置110dと出口120との間に流体的に配置される。
【0105】
加熱装置130は、複数の加熱ユニット140a~140eを備えてもよく、それらのそれぞれは、物品10が加熱領域110内に少なくとも部分的に配置されたとき、エアロゾル化可能材料11の部分11a~11eのそれぞれ1つを、その成分をエアロゾル化するのに十分な温度に加熱することができる。複数の加熱ユニット140a~140eは、軸線A-Aに沿って互いに軸方向に整列してもよい。このように加熱可能なエアロゾル化可能材料11の部分11a~11eのそれぞれの軸線A-A方向の長さは、例えば、2ミリメートル~10ミリメートル、3ミリメートル~8ミリメートル、又は4ミリメートル~6ミリメートルなど、1ミリメートル~20ミリメートルであってもよい。
【0106】
本明細書で使用される用語「加熱ユニット」は、図1図4を参照して説明したような前述の例のいずれかにおいて説明したような平面状及び/又は円錐状のインダクタコイル(複数可)に対応する。
【0107】
いくつかの例では、クランプ又は拘束デバイスは、物品10が加熱ユニット140a~140eの少なくとも1つの表面、例えば円錐形状のインダクタコイルの円錐の底部と一致するように物品10を固定するように構成される。
【0108】
この例の加熱装置130は、5つの加熱ユニット140a~140e、すなわち、第1の加熱ユニット140a、第2の加熱ユニット140b、第3の加熱ユニット140c、第4の加熱ユニット140d、及び第5の加熱ユニット140eを備える。加熱ユニット140a~140eは、加熱領域110の軸線A-Aに沿った異なるそれぞれの軸方向位置にある。さらに、この例では、加熱領域110は細長いので、加熱ユニット140a~140eは、加熱領域110の長さに沿って長手方向に間隔を空けた異なる位置にあると考えることができる。より詳細には、第2の加熱ユニット140bは、第1の加熱ユニット140aと出口120との間に配置され、第3の加熱ユニット140cは、第2の加熱ユニット140bと出口120との間に配置され、第4の加熱ユニット140dは、第3の加熱ユニット140cと出口120との間に配置され、第5の加熱ユニット140eは、第4の加熱ユニット140dと出口120との間に配置される。他の例では、加熱装置130は、5つの加熱ユニット140a~140eよりも多くの加熱ユニット、又は4つだけ、3つだけ、2つだけ、又は1つだけなど、5つの加熱ユニットよりも少ない加熱ユニットを備えることができる。それぞれの加熱ユニット(複数可)によって加熱可能なエアロゾル化可能材料11の部分(複数可)の数は、これに対応して変わり得る。
【0109】
この例の加熱ユニット140a~140eは、円錐形状のインダクタコイルを備える。加熱装置130はまた、使用時にエアロゾル化可能材料11のそれぞれの部分11a~11eを加熱するように加熱ユニット140a~140eを動作させるように構成されたコントローラ135を備える。この例では、コントローラ135は、加熱ユニット140a~140eを互いに独立して動作させるように構成され、その結果、エアロゾル化可能材料11のそれぞれの部分11a~11eを独立して加熱することができる。これは、使用時にエアロゾル化可能材料11を漸進的に加熱するために望ましい場合がある。さらに、エアロゾル化可能材料11の部分11a~11eが、異なるタバコ混合物及び/又は異なる適用された若しくは固有の香味など、異なるそれぞれの形態又は特性を有する例では、エアロゾル化可能材料11の部分11a~11eを独立して加熱することができることは、使用セッション中の異なるときにエアロゾル化可能材料11の選択された部分11a~11eの加熱を可能にして、時間に依存して予め定められた特性を有するエアロゾルを生成することができる。いくつかの例では、加熱装置130はまた、それにもかかわらず、コントローラ135が、使用セッション中に、加熱ユニット140a~140eのすべての加熱ユニットなど、加熱ユニット140a~140eのうちの2つ以上の加熱ユニットを同時に動作させるように構成された1つ又は複数のモードで動作可能であってもよい。
【0110】
この例では、加熱ユニット140a~140eは、交流磁場などのそれぞれの変動磁場を生成するように構成されたそれぞれの円錐形状のインダクタコイルを備える。したがって、加熱装置130は、磁場生成器を備えると考えることができ、コントローラ135は、それぞれの加熱ユニット140a~140eのインダクタに変動電流を流すように動作可能な装置であると考えることができる。
【0111】
さらに、この例では、デバイス100は、変動磁場の侵入によって加熱可能であることにより、使用時に加熱領域110及びその中の物品10を加熱するように構成されたサセプタ190を備える。すなわち、サセプタ190のこれらの部分は、それぞれの変動磁場の侵入によって加熱可能であることにより、加熱領域110のそれぞれの位置110a~110eにおけるエアロゾル化可能材料11のそれぞれの部分11a~11eを加熱する。
【0112】
本明細書で使用するこの例のサセプタ190は、図1図4を参照して説明したような前述の例のいずれかにおいて説明したようなサセプタ31に対応する。
【0113】
いくつかの例では、サセプタ190はアルミニウム製か、又はアルミニウムを含む。しかしながら、他の例では、サセプタ190は、導電性材料、磁性材料、及び磁性導電性材料からなる群から選択された1つ又は複数の材料を含んでもよい。いくつかの例では、サセプタ190は金属又は金属合金を含んでもよい。いくつかの例では、サセプタ190は、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、鋼、普通炭素鋼、軟鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、モリブデン、炭化ケイ素、銅、及び青銅からなる群から選択された1つ又は複数の材料を含んでもよい。他の材料(複数可)が他の例で使用されてもよい。
【0114】
サセプタ190が鉄、例えば、鋼(例えば、軟鋼又はステンレス鋼)又はアルミニウムを含む例などのいくつかの例では、サセプタ190は、使用時のサセプタ190の腐食又は酸化を避けるのに役立つコーティングを含む場合がある。このようなコーティングは、例えば、ニッケルメッキ、金メッキ、又はセラミック若しくは不活性ポリマーのコーティングを含む場合がある。
【0115】
この例では、サセプタ190は管状であり、加熱領域110を取り囲む。実際、この例では、サセプタ190の内面は加熱領域110の範囲を部分的に定めている。サセプタ190の内側断面形状は、円形、又は、楕円形、多角形、正方形、長方形、若しくは不規則な形などの異なる形状であってもよい。他の例では、サセプタ190は、やはり加熱領域110を部分的に取り囲む管状でない構造、又は加熱領域110を貫通するロッド、ピン、若しくは刃などの突出する構造などの異なる形態をとってもよい。いくつかの例では、サセプタ190は、複数のサセプタによって置き換えられてもよく、それらのそれぞれは、変動磁場のそれぞれ1つの侵入によって加熱可能であることにより、エアロゾル化可能材料11のこれらの部分11a~11eのそれぞれ1つを加熱する。複数のサセプタのそれぞれは、管状であってもよく、又は、例えば、サセプタ190について本明細書で論じた他の形態の1つをとってもよい。
【0116】
さらなる例では、デバイス100はサセプタ190がなくてもよく、物品10が、変動磁場の侵入によって加熱可能な1つ又は複数のサセプタを備えることによって、エアロゾル化可能材料11のそれぞれの部分11a~11eを加熱してもよい。物品10の1つ又は複数のサセプタのそれぞれは、エアロゾル化可能材料11の周りに巻かれるか、さもなければエアロゾル化可能材料11を取り囲む構造(例えば、アルミニウム箔などの金属箔)、エアロゾル化可能材料11内に配置された構造、又はエアロゾル化可能材料11と混合された一群の粒子若しくは他の要素などの任意の適切な形態をとってもよい。装置100にサセプタ190がない例では、サセプタ190は、加熱領域110の範囲を部分的に定める耐熱管によって置き換えられてもよい。このような耐熱管は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK:polyether ether ketone)又はセラミック材料から作られてもよい。
【0117】
他の例では、円錐形状のインダクタコイルは、サセプタ又は複数のサセプタ及び軸線A-Aに対して平行であるように配置されてもよく、言い換えると、コイルの平面状の面又は側面が軸線A-Aに平行であるように配置され、例えばエアロゾル生成物品がコイルに対して軸方向に配置されないように配置されてもよい。
【0118】
他の例では、誘導コイルはサセプタの全長又は全側面を加熱するように配置することができる。
【0119】
他の例では、円錐形状の誘導コイルは、サセプタ190又は複数のサセプタ190の全体が加熱されるように、サセプタ190又は複数のサセプタ190の周りに正方形又は長方形の囲いを形成するように配置されてもよい。
【0120】
この例では、加熱装置130は、電源(図示せず)と、デバイスをユーザが操作するためのユーザインターフェース(図示せず)とを備える。この例の電源は再充電可能なバッテリーである。他の例では、電源は、例えば、再充電不可のバッテリー、キャパシタ、バッテリー-キャパシタハイブリッド、又は商用電源への接続部など、再充電可能なバッテリー以外であってもよい。
【0121】
この例では、コントローラ135は、電源と加熱ユニット140a~140eとの間に電気的に接続されている。この例では、コントローラ135はまた、電源に電気的に接続されている。より詳細には、この例では、コントローラ135は、電源から加熱ユニット140a~140eへの電力の供給を制御するためのものである。この例では、コントローラ135は、プリント回路基板(PCB:printed circuit board)の集積回路(IC:integrated circuit)などのICを備える。他の例では、コントローラ135は、異なる形態をとってもよい。コントローラ135は、この例では、ユーザインターフェースをユーザが操作することによって操作される。ユーザインターフェースは、押しボタン、トグルスイッチ、ダイヤル、又はタッチスクリーンなどを備えてもよい。他の例では、ユーザインターフェースは遠隔にあって、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))などによってエアロゾル供給デバイス100の残りの部分に無線で接続されてもよい。
【0122】
この例では、ユーザがユーザインターフェースを操作することによって、コントローラ135は、それぞれの加熱ユニット140a~140eの少なくとも1つの円錐形状のインダクタに交流電流が流れるようになる。これにより、インダクタは交流磁場を生成する。インダクタとサセプタ190とは、インダクタによって生じた変動磁場がサセプタ190に侵入するように適切な相対位置に配置される。サセプタ190が導電性であるとき、この侵入によってサセプタ190に1つ又は複数の渦電流が生じる。サセプタ190の電気抵抗に逆らってサセプタ190内に渦電流が流れることによって、サセプタ190はジュール加熱によって加熱される。サセプタ190が磁性であるとき、サセプタ190の磁気双極子の向きが印加される磁場の変化とともに変化し、これによってサセプタ190に熱が生成される。
【0123】
デバイス100は、加熱チャンバ110、サセプタ190、又は物品10の温度を検知するための温度センサ(図示せず)を備えてもよい。温度センサは、コントローラ135に通信可能に接続されてもよく、その結果、コントローラ135は、温度センサによって出力された情報に基づいて、加熱チャンバ110、サセプタ190、又は物品10の温度をそれぞれ監視することができる。他の例では、温度は、システムの電気的特性、例えば加熱ユニット140a~140e内の電流の変化を測定することによって検知され、監視されてもよい。温度センサから受け取った1つ又は複数の信号に基づいて、コントローラ135は、加熱チャンバ110、サセプタ190、又は物品10の温度がそれぞれ、予め定められた温度範囲内に留まることを確実にするために、変動電流又は交流電流の特性を必要に応じて調節することができる。この特性は、例えば、振幅又は周波数又はデューティサイクルとすることができる。予め定められた温度範囲内で、加熱チャンバ110に配置された物品10内のエアロゾル化可能材料11は、使用時、エアロゾル化可能材料11を燃焼させることなく、エアロゾル化可能材料11の少なくとも1つの成分を揮発させるために十分に加熱される。したがって、コントローラ135、及びデバイス100は全体として、エアロゾル化可能材料11を燃焼させることなく、エアロゾル化可能材料11の少なくとも1つの成分を揮発させるようにエアロゾル化可能材料11を加熱するように構成される。この温度範囲は、約100℃~約300℃、又は約150℃~約280℃など、約50℃~約350℃であってもよい。他の例では、温度範囲はこれらの範囲以外であってもよい。いくつかの例では、温度範囲の上限は350℃より高くすることができる。いくつかの例では、温度センサは省略されてもよい。
【0124】
前述の例では、軸線A-Aの方向に測定される変動磁場の大きさ又は範囲は比較的小さく、その結果、使用時に変動磁場が侵入するサセプタ190の部分はそれに対応して小さい。したがって、サセプタ190が、変動磁場の侵入の結果として熱伝導によって加熱されるサセプタ190の割合を増加させるのに十分な熱伝導率を有し、その結果、加熱ユニット140a~140eのそれぞれの動作によって加熱されるエアロゾル化可能材料11の割合をそれに対応して増加させることが望ましい場合がある。少なくとも10W/m/K、任意選択で少なくとも50W/m/K、さらに任意選択で少なくとも100W/m/Kの熱伝導率を有するサセプタ190を提供することが望ましいことが見出された。この例では、サセプタ190はアルミニウム製であり、200~250W/m/K、例えば、約205W/m/K又は237W/m/Kなど、200W/m/Kを超える熱伝導率を有する。上述のように、エアロゾル化可能材料11の部分11a~11eのそれぞれの軸線A-A方向の長さは、例えば、2ミリメートル~10ミリメートル、3ミリメートル~8ミリメートル、又は4ミリメートル~6ミリメートルなど、1ミリメートル~20ミリメートルであってもよい。
【0125】
加熱セッションの所与の持続時間に対して、加熱ユニット及び関連するエアロゾル化可能材料11の部分の数が多いほど、所与の軸方向長さに沿って延在するエアロゾル化可能材料11の「新鮮な」又は未使用部分からエアロゾルを生成する機会が多いことが理解されよう。これに代えて、エアロゾル化可能材料11の各部分を加熱する所与の持続時間に対して、加熱ユニット及び関連するエアロゾル化可能材料11の部分の数が多いほど、加熱セッションは長くなり得る。個々の加熱ユニットを作動することができる持続時間を調節(例えば短縮)して、加熱セッション全体を調節(例えば短縮)することができ、同時に、加熱要素に供給される電力を調節(例えば増大)して、より速く動作温度に到達することができることを理解すべきである。加熱ユニットの数(これは、「新鮮なパフ」の数を定める場合がある)と、全体的なセッションの長さと、達成可能な電力供給(これは、電源の特性によって定められる場合がある)との間でバランスをとることができる。
【0126】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成システムは、ベイピングデバイス又は電子ニコチン送達システム(END:electronic nicotine delivery system)としても知られている電子タバコであるが、エアロゾル生成材料内のニコチンの存在は必要条件ではないことに留意されたい。
【0127】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られているタバコ加熱システムである。
【0128】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成システムは、エアロゾル生成材料(それらのうちの1つ又は複数は加熱されてもよい)の組み合わせを使用してエアロゾルを生成するためのハイブリッドシステムである。エアロゾル生成材料のそれぞれは、例えば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、ニコチンを含んでも又は含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルのエアロゾル生成材料と、固体のエアロゾル生成材料とを備える。固体のエアロゾル生成材料は、例えば、タバコ又は非タバコ製品を含んでもよい。
【0129】
典型的には、エアロゾル生成システムは、エアロゾル生成デバイスと、エアロゾル生成デバイスとともに使用するための物品とを備えることができる。しかしながら、それ自体がエアロゾル生成構成要素にエネルギーを供給するための手段を備える物品は、それ自体がエアロゾル生成システムを形成することができると考えられる。
【0130】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成デバイスは、パワー源及びコントローラを備えてもよい。パワー源は、例えば、電気パワー源であってもよい。
【0131】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成デバイスとともに使用するための物品は、エアロゾル生成材料、エアロゾル生成構成要素、エアロゾル生成領域、吸い口、及び/又は、エアロゾル生成材料を受け入れるための領域を備える場合がある。
【0132】
いくつかの実施様態では、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル生成材料から1つ又は複数の揮発成分を放出させてエアロゾルを形成するようにエアロゾル生成材料と相互作用することができるヒーターである。
【0133】
いくつかの実施形態では、送達される物質は、エアロゾル生成材料であってもよい。本明細書でエアロゾル生成材料としても呼ばれることがあるエアロゾル生成材料は、例えば、加熱される、照射される、又は任意の他の方法でエネルギーを与えられると、エアロゾルを生成することができる材料である。
【0134】
エアロゾル生成材料は、例えば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、それは、ニコチン及び/又は香味料を含んでも又は含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成デバイスとともに使用するための物品は、エアロゾル生成材料、又はエアロゾル生成材料を受け入れるための領域を備える場合がある。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成デバイスとともに使用するための物品は吸い口を備える場合がある。エアロゾル生成材料を受け入れるための領域は、エアロゾル生成材料を貯蔵するための貯蔵領域であってもよい。例えば、この貯蔵領域はリザーバであってもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料を受け入れるための領域は、エアロゾル生成領域から離れていてもよいし、又はエアロゾル生成領域と組み合わされていてもよい。
【0135】
いくつかの実施形態では、物品10は、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための消耗品又は物品である。物品10中のエアロゾル化可能材料11の揮発可能成分(複数可)のすべて、又は実質的にすべてが消費されると、ユーザは、エアロゾル生成デバイス100の加熱領域110から物品10を取り出して物品10を廃棄することができる。ユーザは、引き続き、別の物品10を用いてエアロゾル生成デバイス100を再使用することができる。しかしながら、他のそれぞれの実施形態では、物品10は加熱装置130に対して消耗品でないことがある。すなわち、エアロゾル化可能材料11の揮発可能成分(複数可)が消費されると、加熱装置130と物品2とが一緒に廃棄されることがある。
【0136】
いくつかの実施形態では、物品10は、物品10が使用可能なエアロゾル生成デバイス100とは別に販売、供給、又はその他の方法で提供される。しかしながら、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成デバイス100及び1つ又は複数の物品10は、キット又はアセンブリなどのシステムとして、場合によっては清掃器具などの追加の構成要素とともに一緒に提供されてもよい。
【0137】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成デバイスは、透磁性コアなどのフラックスコンセントレータをさらに備える。いくつかの実施形態では、上記のようなインダクタコイルは、フラックスコンセントレータの一部分に巻かれてもよい又は包まれてもよい。他の実施形態では、インダクタコイルは、フラックスコンセントレータに隣り合ってもよい又は埋め込まれてもよい。
【0138】
例えば、フラックスコンセントレータ又は透磁性コアは、使用時にインダクタコイルによって生成された磁束を集中させ、より強力な磁場を作る。さらに、透磁性コアは、意図された目標に磁束を向けるのに役立つ。上記で論じた実施形態での意図された目標とは1つ又は複数のサセプタである。いくつかの実施形態では、コイル140は、フラックスコンセントレータの一部分のみ(すなわち、すべてではない)に巻かれてもよい。いくつかの実施形態では、透磁性コアは、高い透磁率及び低い導電率を有する。低い導電率は、使用時に透磁性コアに渦電流が生じるのを防止するのに役立ち、それは、透磁性コアが使用時に加熱されるのを防止するのに役立つ。
【0139】
透磁性コアは、フェライトを含んでもよいし、又はフェライトから構成されてもよい。フェライトは、例えば、ニッケル及び/又は亜鉛及び/又はマンガンと組み合わされた酸化鉄を含んでもよい。フェライトは、保磁力が低い「ソフトフェライト」を考えられてもよいし、又は保磁力が高い「ハードフェライト」を考えられてもよい。例示的な使用可能なソフトフェライトは、化学式MnaZn(i-a)Feのマンガン-亜鉛系フェライト、及び化学式NiaZn(i-a)Feのニッケル-亜鉛系フェライトである。しかしながら、これらの実施形態に対するそれぞれの変形例では、透磁性コアは、異なる材料(複数可)から作られてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、透磁性コアは、非導電性材料によって互いから絶縁された導電性材料の複数の層を備えてもよい。透磁性コアは、非導電性材料によって互いから絶縁された導電性材料の数ダースの層、又は数百の層でさえ有してもよい。複数の誘導コイルを備える実施形態では、複数のフラックスコンセントレータ又は透磁性コアが設けられてもよく、複数のフラックスコンセントレータ又は透磁性コアのそれぞれ1つは、複数の誘導コイルのそれぞれの誘導コイルに対応する。
【0140】
様々な実施形態によるエアロゾル生成デバイス、エアロゾル生成システム、及びインダクタコイルは、実質的に平坦な消耗品からエアロゾルを生成するときに特に有用であることが分かる。
【0141】
実質的に平坦な消耗品は、配列又は円形の形態のいずれかで提供されてもよい。他の構成も考えられる。
【0142】
例えば実質的に平坦な消耗品が配列の形態で提供されるいくつかの実施形態では、複数の加熱領域が設けられてもよい。例えば、一実施形態によれば、1つの加熱領域が、消耗品の部分、ピクセル、又は部分ごとに設けられてもよい。
【0143】
他の実施形態では、実質的に平坦な消耗品は、消耗品のセグメントが同様の形状のヒーターによって加熱されるように回転されてもよい。この実施形態によれば、単一の加熱領域が設けられてもよい。
【0144】
特に、様々な実施形態によるインダクタコイルは、非燃焼性エアロゾル供給システムの一部として消耗品を燃焼しないで加熱するように構成された非燃焼性エアロゾル供給デバイスの一部として提供されてもよい。特に、消耗品は、エアロゾル生成材料の複数の個別部分を備えてもよい。
【0145】
消耗品は、エアロゾル生成材料が設けられる支持体を備えてもよい。支持体は、エアロゾル生成材料が形成する支持部として機能し、製造を容易にする。支持体は、エアロゾル生成材料に引張強度を与えて、取り扱いを容易にすることができる。いくつかの場合、エアロゾル生成材料の複数の個別部分は、このような支持体に堆積される。いくつかの場合、複数の個別部分は、このような支持体に堆積される。いくつかの場合、エアロゾル生成材料の個別部分は、各個別部分を別々に加熱及びエアロゾル化することができるように、そのような支持体に堆積される。例示的な実施形態では、消耗品は、エアロゾル生成材料の複数の個別部分を備え、個別部分は支持体上に設けられ、個別部分のそれぞれは15mg未満の水を含む。
【0146】
エアロゾル生成材料の個別部分は、各個別部分を別々に加熱してエアロゾル化することができるように支持体に設けられることが好適である。このような形態を有する消耗品は、各パフでユーザに一貫したエアロゾルを送達することができることが見出された。
【0147】
いくつかの場合、支持体は、金属箔、紙、カーボン紙、耐油紙、セラミック、グラファイト及びグラフェンなどの炭素同素体、プラスチック、厚紙、木材、又はそれらの組み合わせから選択された材料から形成されてもよい。いくつかの場合、支持体は、再生タバコのシートなどのタバコ材料を含んでもよいし、又はそれから構成されてもよい。いくつかの場合、支持体は金属箔、紙、厚紙、木材、又はそれらの組み合わせから選択された材料から形成されてもよい。いくつかの場合、支持体自体は、前述のリストから選択された材料の層を備える積層構造体である。いくつかの場合、支持体はまた、香味料キャリアとしても機能してもよい。例えば、支持体は、香味料又はタバコ抽出物を含浸されてもよい。
【0148】
いくつかの場合、支持体は非磁性であってもよい。
【0149】
いくつかの場合、支持体は磁性であってもよい。この機能は、使用時に支持体をアセンブリに固定するために使用されてもよく、又は特定の形状を生成するために使用されてもよい。いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、使用時に材料を誘導ヒーターに固定するために使用することができる1つ又は複数の磁石を備えてもよい。
【0150】
いくつかの場合、支持体は、ガス及び/又はエアロゾルに対して実質的に又は完全に不透過性であってもよい。これは、エアロゾル又はガスが支持体層を通過するのを防ぐことにより、流れを制御し、ユーザへの送達を確実にする。これはまた、例えば、使用時、エアロゾル生成アセンブリに設けられたヒーターの表面でのガス/エアロゾルの凝縮又は他の堆積を防ぐために使用することができる。したがって、いくつかの場合、消費効率及び衛生面を改善することができる。
【0151】
いくつかの場合、エアロゾル生成材料に当接する支持体の表面は多孔質であってもよい。例えば、1つの場合には、支持体は紙を含む。紙などの多孔性支持体は本発明に特に適していることが見出された。多孔性(例えば紙)の層はエアロゾル生成材料に当接し、強い結合を形成する。エアロゾル生成材料はゲルを乾燥させることによって形成され、理論に限定されるものではないが、ゲルを形成するスラリーが多孔性支持体(例えば紙)に部分的に浸み込み、その結果、ゲルが固化し、架橋を形成すると、支持体がゲルに部分的に結合すると考えられる。これは、ゲルと支持体との間(及び乾燥したゲルと支持体の間)を強力に接合する。
【0152】
1つの特定の場合には、支持体は紙で裏打ちされた箔であってもよく、紙の層はエアロゾル生成材料に当接し、前の段落で論じた特性はこのように当接することによって与えられる。箔の裏打ちは実質的に不透過性であり、エアロゾルの流路を制御する。金属箔の裏打ちはまた、エアロゾル生成材料に熱を伝導する役割も果たす。
【0153】
別の場合には、紙で裏打ちされた箔の箔の層は、エアロゾル生成材料に当接する。箔は実質的に不透過性であることにより、エアロゾル生成材料に供給された水が紙に吸収されること(これは、その構造的完全性を弱める可能性がある)を防ぐ。
【0154】
いくつかの場合、支持体はアルミニウム箔などの金属箔から形成される、又はそれを含む。金属支持体は、熱エネルギーの伝導をより良くすることができる。これに加えて又はこれに代えて、金属箔は、誘導加熱システムにおいて、サセプタとして機能することができる。特定の実施形態では、支持体は、金属箔層と、厚紙などの支持層とを備える。これらの実施形態では、金属箔層の厚さは、約1μm~約10μmなど約20μm未満であってもよく、約5μmが好適である。
【0155】
いくつかの場合、支持体の厚さは、約0.010mm~約2.0mmであってもよく、約0.015mm、0.02mm、0.05mm、又は0.1mm~約1.5mm、1.0mm、又は0.5mmが好適である。
【0156】
エアロゾル生成材料がエアロゾル供給デバイスで少なくとも120℃の温度に加熱されるとき、各パフ中に約15mg未満の水がエアロゾル化されることが好適である。消耗品中に存在するときのエアロゾル生成材料に関連して上記で論じた特定の特徴は、単体のときのエアロゾル生成材料にも同様に適用される。
【0157】
例えば、対応する予め形成された3D形状をはめ込むことができるエポキシポッティング又はポリマーオーバーモールドによって支持されるときなど、円錐コイルを3D形態として使用することができる、さらなる実施形態が考えられる。
【0158】
平坦な又は実質的に平坦なサセプタが装置に入れられてもよく、次いで、この平坦なサセプタを副次的な操作(例えば、蓋を閉める、又はクランプ構成要素を作動させる)で装填してサセプタを円錐形(凸面又は凹面のいずれか)に再形成することができる。異なる形状及び/又は構成を有するサセプタが提供され、この平坦なサセプタを副次的な操作(例えば、蓋を閉める、又はクランプ構成要素を作動させる)で装填してサセプタを円錐形(凸面又は凹面のいずれか)に再形成することができる、他の実施形態が考えられる。
【0159】
コイルからサセプタまでの距離は、特に薄くて透磁率の低いサセプタの結合効率にとって重要であるので、本実施形態が有益であることが理解されよう。
【0160】
したがって、コイルとサセプタとの間の距離を均一にすることは有益である。
【0161】
さらに、平坦なサセプタの形状に歪みがあると、結合効率又はシステムの共振周波数に同様に影響を与える場合があり、サセプタにわずかな予荷重をかけることは、形状の均一性を確実により良くするための1つの方法である。
【0162】
本実施形態は、サセプタが消耗品の一部である場合(これは、消耗品が装填されるたびに異なるレベルで形状が変化することを意味する)に特に有益である。
【0163】
別の実施形態によれば、コイルの誘導性を実現するために多層が使用される、螺旋のような構造が考えられる。
【0164】
この実施形態によれば、PCBトラック形成の制御がインダクタンス及び結合の制御の鍵である。これらのコイルは千鳥状に配置されてもよく、テスラコイル(バイファイラ)を含んでもよい。
【0165】
サセプタ材料はすべて本質的に金属であることが理解されよう。金属の透磁率が高い場合、鉄のように、温度上昇のメカニズムは、ヒステリシス加熱と呼ばれることもある、磁区が整列し、交流磁場によって影響を受けることによるものであり、この場合、アルミニウム箔など、金属の透磁率が低いときの渦電流加熱によるものに加え、原子の物理的な動きが熱を生成する。アルミニウム箔は非常に薄く、表皮深さ加熱の古典物理学に従わない。
【0166】
リッツ(登録商標)への言及は多重撚り線に関するものであり、多重撚りという用語はリッツ(登録商標)という用語に置き換えることができることを理解すべきである。
【0167】
銅はPCBで使用され、表皮深さは重要な要素であり、PCBコイルで1MHzから少なくとも1つの表皮深さで動作するために4オンスの銅が使用される。1MHzでの1つの表皮深さは銅の63μmである。多重撚り線は異なる動作周波数範囲を有し、場合によっては300kHzと低いことがある。上記で論じた周波数範囲に関して、PCBの周波数範囲は700kHz~5MHzの範囲の場合がある実施形態が考えられる。多重撚り線又はリッツ(登録商標)に関しては、周波数範囲は200kHz~2MHzの場合がある。
【0168】
別の実施形態によれば、コイルをその特定の形状に保持する円錐インダクタの接合された多重撚り形態が考えられる。
【0169】
上記の実施形態は、いくつかの点で、いくつかの特定の例示的なエアロゾル生成システムに注目したが、同じ原理を他の技術を使ったエアロゾル生成システムに対して適用することができることは理解されよう。すなわち、エアロゾル生成供給システムの様々な態様が機能する特定の方法は、本明細書に記載される例の基礎となる原理には直接関係しない。
【0170】
様々な課題に対処し、技術を進歩させるため、本開示は様々な実施形態を例示的に示している。これらの実施形態では、特許請求された発明を実施することが可能なものである。本開示の利点及び特徴は、実施形態のうちの代表的な例にすぎず、すべての利点及び特徴を網羅したものでもなければ、他の利点及び特徴を排除するものでもない。これらは、特許請求された発明の理解を助け、教示するためだけに提示されている。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の側面は、特許請求の範囲によって規定されたとおりに本開示を限定するもの、又は特許請求の範囲の均等物を限定するものと考えるべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく他の実施形態を利用し、変形を施すことができることを理解されたい。様々な実施形態が、本明細書で詳細に説明したもの以外の、開示された要素、構成部品、特徴、部品、ステップ、手段などの様々な組み合わせを適切に備えてもよく、それらのみから構成されてもよく、又は実質的にそれらから構成されてもよく、したがって、従属請求項の特徴は、特許請求の範囲に明示的に記載された以外の組み合わせで、独立請求項の特徴と組み合わされてもよいことは理解されよう。本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性のある他の発明を含むことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】