IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アミカス セラピューティックス インコーポレイテッドの特許一覧

特表2023-554394医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の高度精製バッチ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-27
(54)【発明の名称】医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の高度精製バッチ
(51)【国際特許分類】
   C07D 211/46 20060101AFI20231220BHJP
【FI】
C07D211/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536402
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2023-08-14
(86)【国際出願番号】 US2021063653
(87)【国際公開番号】W WO2022132992
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】63/126,264
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/148,817
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507170099
【氏名又は名称】アミカス セラピューティックス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シェス, カムレッシュ
(72)【発明者】
【氏名】テスラー, セルゲイ
(57)【要約】
医薬品有効成分(API)グレードのミガーラスタット塩酸塩を生成する方法、及び中間グレードのミガーラスタット塩酸塩を精製する方法が提供される。さらに、[(2R,3S,4R,5S)-1-ブチル-2-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-3,4,5-トリオール塩酸塩(ルセラスタット塩酸塩)及び他の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を生成する方法、並びに中間グレードのルセラスタット塩酸塩及び他の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を精製する方法が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を精製する方法であって、
i)水及び第1のC1~C4アルコールを含む第1の混合物中で中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を結晶化することを含む第1の結晶化を実施して、第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること;
ii)前記第1の混合物から前記第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単離して、単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること;
iii)水及び第2のC1~C4アルコールを含む第2の混合物中で前記単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を結晶化することを含む第2の結晶化を実施して、第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること;並びに
iv)前記第2の混合物から前記第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単離して、医薬品有効成分(API)グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること
を含む、方法。
【請求項2】
前記1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物が、1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体及びその塩を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体が、N-アルキルデオキシガラクトノジリマイシンを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体が、ミガーラスタット、N-メチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-エチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-プロピルデオキシガラクトノジリマイシン、N-ブチルデオキシガラクトノジリマイシン(ルセラスタット)又はその塩を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体が、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、又はトルエン-p-スルホン酸塩を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の結晶化が、
前記中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を水に混合して、第1の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;
前記第1のC1~C4アルコールを前記第1の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を誘導するための第1の結晶化温度で第2の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;及び
前記第2の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を第1の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、前記第1の混合物を提供すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ii)における単離が、
前記第1の混合物を濾過して、前記第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を提供すること;
前記第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を前記第1のC1~C4アルコールで洗浄して、洗浄された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を提供すること;及び
任意選択により、前記洗浄された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を乾燥させて、前記単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の結晶化が、
前記単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を水に混合して、第3の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;
前記第2のC1~C4アルコールの第1の部分を前記第3の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を誘導するための第2の結晶化温度で第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;
保持時間の後に、前記第2のC1~C4アルコールの第2の部分を前記第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に加えること;及び
前記第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を第2の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、前記第2の混合物を提供すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
iv)における単離が、
前記第2の混合物を濾過して、前記第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単離すること;
前記第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を前記第2のC1~C4アルコールで洗浄すること;及び
洗浄された前記第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を乾燥させて、前記APIグレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のC1~C4アルコールがエタノールであるか、前記第2のC1~C4アルコールがエタノールであるか、又は前記第1及び前記第2のC1~C4アルコールの両方がエタノールである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物、前記単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物、又はその両方が、対応する1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量の約1.0~約1.6倍の量の水と混合される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の結晶化温度、前記第2の結晶化温度、又はその両方が、約30℃~約70℃の範囲内である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のC1~C4アルコールが、前記中間1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量の約1~約11.4倍の量で前記第1の混合物中に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第2のC1~C4アルコールが、前記単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量の約1~約11.4倍の量で前記第2の混合物中に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のC1~C4アルコールの前記第1の部分が、前記第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液中に存在する前記1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量の約1.8~約2.0倍である、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記C1~C4アルコールの前記第2の部分が、前記第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液中に存在する前記1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量の約6.7~約8.4倍である、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の単離温度が、約5℃~約35℃の範囲内、又は約20℃である、請求項6に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の単離温度が、約5℃~約35℃の範囲内、又は約20℃である、請求項8に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のC1~C4アルコールが、約0分~約65分かけて、前記中間1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量の約1~約11.4倍の量で、前記第1の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に添加される、請求項6に記載の方法。
【請求項20】
C1~C4アルコールの前記第1の部分が、前記第3の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に約5分~約60分かけて添加される、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記保持時間が約5分~約60分である、請求項8に記載の方法。
【請求項22】
医薬品有効成分(API)グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を生成する方法であって、
i)水及び第1のC1~C4アルコールを含む第1の混合物中で中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を結晶化することを含む第1の結晶化を実施して、第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること;
ii)前記第1の混合物から前記第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単離して、単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること;
iii)水及び第2のC1~C4アルコールを含む第2の混合物中で前記単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を結晶化することを含む第2の結晶化を実施して、第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること;並びに
iv)第2の混合物から前記第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単離して、医薬品有効成分(API)グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること
を含む、方法。
【請求項23】
1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物が、1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体及びその塩を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体が、N-アルキルデオキシガラクトノジリマイシンを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体が、ミガーラスタット、N-メチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-エチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-プロピルデオキシガラクトノジリマイシン、N-ブチルデオキシガラクトノジリマイシン(ルセラスタット)又はその塩を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体が、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、又はトルエン-p-スルホン酸塩を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を精製する方法であって、
i)前記中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を水に混合して、第1の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;
ii)第1のC1~C4アルコールを第1の結晶化温度で前記第1の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に加えて、第2の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成し、結晶化を誘導すること;
iii)前記第2の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を第1の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を含む第1の混合物を提供すること;
iv)前記第1の混合物を濾過して、単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単離すること;
v)前記単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を前記第1のC1~C4アルコールで洗浄して、洗浄された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を提供すること;
vi)任意選択により、前記洗浄された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を乾燥させること;
vii)前記洗浄され、任意選択により乾燥された、第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を水に溶解して、第3の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;
viii)第2のC1~C4アルコールの一部を前記第3の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を開始するための第2の結晶化温度で第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;
ix)結晶化をさらに誘導するための保持時間の後に、前記第2のC1~C4アルコールの第2の部分を前記第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に加えること;
x)前記第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を第2の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を含む第2の混合物を提供すること;
xi)前記第2の混合物を濾過して、前記第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単離すること;
xii)前記第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を前記第2のC1~C4アルコールで洗浄すること;及び
xiii)前記洗浄された第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を乾燥させて、医薬品有効成分(API)グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること
を含む、方法。
【請求項28】
1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物が、1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体及びその塩を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体が、N-アルキルデオキシガラクトノジリマイシンを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体が、ミガーラスタット、N-メチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-エチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-プロピルデオキシガラクトノジリマイシン、N-ブチルデオキシガラクトノジリマイシン(ルセラスタット)又はその塩を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体が、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、又はトルエン-p-スルホン酸塩を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
中間グレードのミガーラスタット塩を精製する方法であって、
i)水及び第1のC1~C4アルコールを含む第1の混合物中で中間グレードのミガーラスタット塩を結晶化することを含む第1の結晶化を実施して、第1の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;
ii)前記第1の混合物から前記第1の結晶化ミガーラスタット塩を単離して、単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;
iii)水及び第2のC1~C4アルコールを含む第2の混合物中で前記単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を結晶化することを含む第2の結晶化を実施して、第2の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;並びに
iv)前記第2の混合物から前記第2の結晶化ミガーラスタット塩を単離して、医薬品有効成分(API)グレードのミガーラスタット塩を得ること
を含む、方法。
【請求項33】
前記第1の結晶化が、
前記中間グレードのミガーラスタット塩を水に混合して、第1のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;
前記第1のC1~C4アルコールを前記第1のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を誘導するための第1の結晶化温度で第2のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;及び
前記第2のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を第1の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、前記第1の混合物を提供すること
を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
ii)における単離が、
前記第1の混合物を濾過して、前記第1の結晶化ミガーラスタット塩を提供すること;
前記第1の結晶化ミガーラスタット塩を前記第1のC1~C4アルコールで洗浄して、洗浄された第1の結晶化ミガーラスタット塩を提供すること;及び
任意選択により、前記洗浄された第1の結晶化ミガーラスタット塩を乾燥させて、前記単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を得ること
を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記第2の結晶化が、
前記単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を水に混合して、第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;
前記第2のC1~C4アルコールの第1の部分を前記第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を誘導するための第2の結晶化温度で第4のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;
保持時間の後に、前記第2のC1~C4アルコールの第2の部分を前記第4のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に加えること;及び
前記第4のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を第2の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、前記第2の混合物を提供すること
を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
iv)における単離が、
前記第2の混合物を濾過して、前記第2の結晶化ミガーラスタット塩を単離すること;
前記第2の結晶化ミガーラスタット塩を前記第2のC1~C4アルコールで洗浄すること;及び
前記洗浄された第2の結晶化ミガーラスタット塩を乾燥させて、前記APIグレードのミガーラスタット塩を得ること
を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記第1のC1~C4アルコールがエタノールであるか、前記第2のC1~C4アルコールがエタノールであるか、又は前記第1及び前記第2のC1~C4アルコールの両方がエタノールである、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記中間グレードのミガーラスタット塩、前記単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩、又はその両方が、対応するミガーラスタット塩の重量の約1.0~約1.6倍の量の水と混合される、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
前記水の量が、対応するミガーラスタット塩の重量の約1.1~約1.4倍である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記水の量が、対応するミガーラスタット塩の重量の約1.3倍である、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記第1の結晶化温度、前記第2の結晶化温度、又はその両方が、約30℃~約70℃の範囲内である、請求項32に記載の方法。
【請求項42】
前記第1の結晶化温度、前記第2の結晶化温度、又はその両方が、約40℃~約60℃の範囲内である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記第1の結晶化温度、前記第2の結晶化温度、又はその両方が、約50℃である、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記第1のC1~C4アルコールが、前記中間ミガーラスタット塩の重量の約1~約11.4倍の量で前記第1の混合物中に存在する、請求項32に記載の方法。
【請求項45】
前記第1のC1~C4アルコールが、対応するミガーラスタット塩の重量の約4.8~約11.4倍の量で存在する、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記第1のC1~C4アルコールが、対応するミガーラスタット塩の重量の約8.4~約10.6倍の量で存在する、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記第1のC1~C4アルコールが、対応するミガーラスタット塩の重量の約9.5倍の総量で存在する、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記第2のC1~C4アルコールが、前記単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩の重量の約1~約11.4倍の量で前記第2の混合物中に存在する、請求項32に記載の方法。
【請求項49】
前記第2のC1~C4アルコールが、対応するミガーラスタット塩の重量の約4.8~約11.4倍の量で存在する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記第2のC1~C4アルコールが、対応するミガーラスタット塩の重量の約8.4~約10.6倍の量で存在する、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記第2のC1~C4アルコールが、対応するミガーラスタット塩の重量の約9.5倍の総量で存在する、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記第2のC1~C4アルコールの前記第1の部分が、前記第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液中に存在する前記ミガーラスタット塩の重量の約1.8~約2.0倍である、請求項35に記載の方法。
【請求項53】
前記C1~C4アルコールの前記第1の部分が、前記第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液中に存在する前記ミガーラスタット塩の重量の約1.9倍である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記C1~C4アルコールの前記第2の部分が、前記第4のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液中に存在する前記ミガーラスタット塩の重量の約6.7~約8.4倍である、請求項35に記載の方法。
【請求項55】
前記第1の単離温度が、約5℃~約35℃の範囲内、又は約20℃である、請求項33に記載の方法。
【請求項56】
前記第2の単離温度が、約5℃~約35℃の範囲内、又は約20℃である、請求項35に記載の方法。
【請求項57】
前記第1のC1~C4アルコールが、約0分~約65分かけて、前記中間ミガーラスタット塩の重量の約1~約11.4倍の量で、前記第1のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に添加される、請求項33に記載の方法。
【請求項58】
前記第1のC1~C4アルコールが、前記第1のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に約60分かけて添加される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記第2のC1~C4アルコールの前記第1の部分が、前記第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に約5分~約60分かけて添加される、請求項35に記載の方法。
【請求項60】
前記保持時間が約5分~約60分である、請求項35に記載の方法。
【請求項61】
前記ミガーラスタット塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、又はトルエン-p-スルホン酸塩を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項62】
医薬品有効成分(API)グレードのミガーラスタット塩を生成する方法であって、
i)水及び第1のC1~C4アルコールを含む第1の混合物中で中間グレードのミガーラスタット塩を結晶化することを含む第1の結晶化を実施して、第1の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;
ii)前記第1の混合物から前記第1の結晶化ミガーラスタット塩を単離して、単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;
iii)水及び第2のC1~C4アルコールを含む第2の混合物中で前記単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を結晶化することを含む第2の結晶化を実施して、第2の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;並びに
iv)前記第2の混合物から前記第2の結晶化ミガーラスタット塩を単離して、医薬品有効成分(API)グレードのミガーラスタット塩を得ること
を含む、方法。
【請求項63】
前記ミガーラスタット塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、又はトルエン-p-スルホン酸塩を含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
中間グレードのミガーラスタット塩を精製する方法であって、
i)前記中間グレードのミガーラスタット塩を水に混合して、第1のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;
ii)第1のC1~C4アルコールを第1の結晶化温度で前記第1のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に加えて、第2のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を得、結晶化を誘導すること;
iii)前記第2のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を第1の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第1の結晶化ミガーラスタット塩を含む第1の混合物を提供すること;
iv)前記第1の混合物を濾過して、単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を単離すること;
v)前記単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を前記第1のC1~C4アルコールで洗浄して、洗浄された第1の結晶化ミガーラスタット塩を提供すること;
vi)任意選択により、前記洗浄された第1の結晶化ミガーラスタット塩を乾燥させること;
vii)前記洗浄され、任意選択により乾燥された、第1の結晶化ミガーラスタット塩を水に混合して、第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;
viii)第2のC1~C4アルコールの一部を前記第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を開始するための第2の結晶化温度で第4のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;
ix)結晶化をさらに誘導するための保持時間の後に、前記第2のC1~C4アルコールの第2の部分を前記第4のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に加えること;
x)前記第4のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を第2の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第2の結晶化ミガーラスタット塩を含む第2の混合物を提供すること;
xi)前記第2の混合物を濾過して、前記第2の結晶化ミガーラスタット塩を単離すること;
xii)前記第2の結晶化ミガーラスタット塩を前記第2のC1~C4アルコールで洗浄すること;及び
xiii)前記洗浄された第2の結晶化ミガーラスタット塩を乾燥させて、医薬品有効成分(API)グレードのミガーラスタット塩を得ること
を含む、方法。
【請求項65】
前記ミガーラスタット塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、又はトルエン-p-スルホン酸塩を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
中間グレードのルセラスタット塩を精製する方法であって、
i)水及び第1のC1~C4アルコールを含む第1の混合物中で中間グレードのルセラスタット塩を結晶化することを含む第1の結晶化を実施して、第1の結晶化ルセラスタット塩を得ること;
ii)前記第1の混合物から前記第1の結晶化ルセラスタット塩を単離すること;
iii)水及び第2のC1~C4アルコールを含む第2の混合物中で前記第1の結晶化ルセラスタット塩を結晶化することを含む第2の結晶化を実施して、第2の結晶化ルセラスタット塩を得ること;並びに
iv)前記第2の混合物から前記第2の結晶化ルセラスタット塩を単離して、医薬品有効成分(API)グレードのルセラスタット塩を得ること
を含む、方法。
【請求項67】
前記第1の結晶化が、
前記中間グレードのルセラスタット塩を水に混合して、第1のルセラスタット塩の溶液又はスラリーを生成すること;
前記C1~C4アルコールを前記第1のルセラスタット塩のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を誘導するための第1の結晶化温度で第2のルセラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;及び
前記第2のルセラスタット塩のスラリー又は溶液を第1の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、前記第1の混合物を提供すること
を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
ii)における単離が、
前記第1の混合物を濾過して、前記第1の結晶化ルセラスタット塩を提供すること;
前記第1の結晶化ルセラスタット塩を前記第1のC1~C4アルコールで洗浄して、洗浄された第1の結晶化ルセラスタット塩を提供すること;及び
任意選択により、前記洗浄された第1の結晶化ルセラスタット塩を乾燥させて、前記単離された第1の結晶化ルセラスタット塩を得ること
を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記第2の結晶化が、
前記単離された第1の結晶化ルセラスタット塩を水に混合して、第3のルセラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;
前記第2のC1~C4アルコールの第1の部分を前記第3のルセラスタット塩のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を誘導するための第2の結晶化温度で第4のルセラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;
保持時間の後に、前記第2のC1~C4アルコールの第2の部分を前記第4のルセラスタット塩のスラリー又は溶液に加えること;及び
前記第4のルセラスタット塩のスラリー又は溶液を第2の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、前記第2の混合物を提供すること
を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項70】
iv)における単離が、
前記第2の混合物を濾過して、単離された第2の結晶化ルセラスタット塩を単離すること;
前記単離された第2の結晶化ルセラスタット塩を前記第2のC1~C4アルコールで洗浄すること;及び
前記洗浄された第2の結晶化ルセラスタット塩を乾燥させて、前記APIグレードのルセラスタット塩を得ること
を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項71】
前記第1のC1~C4アルコール、前記第2のC1~C4アルコール、又は前記第1及び第2のC1~C4アルコールの両方がエタノールである、請求項66に記載の方法。
【請求項72】
前記第1のC1~C4アルコール、前記第2のC1~C4アルコール、又は前記第1及び第2のC1~C4アルコールの両方がエタノールである、請求項67に記載の方法。
【請求項73】
前記第1のC1~C4アルコール、前記第2のC1~C4アルコール、又は前記第1及び第2のC1~C4アルコールの両方がエタノールである、請求項68に記載の方法。
【請求項74】
前記第1のC1~C4アルコール、前記第2のC1~C4アルコール、又は前記第1及び第2のC1~C4アルコールの両方がエタノールである、請求項69に記載の方法。
【請求項75】
前記第1のC1~C4アルコール、前記第2のC1~C4アルコール、又は前記第1及び第2のC1~C4アルコールの両方がエタノールである、請求項70に記載の方法。
【請求項76】
前記ルセラスタット塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、又はトルエン-p-スルホン酸塩を含む、請求項66に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ミガーラスタットはファブリー病の処置のために開発された。より高い純度を有するミガーラスタット塩酸塩のバッチを生成する方法、及び中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のバッチを精製する方法を開発することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドのバッチを生成する方法が提供され、方法は、D-(+)-ガラクトースをピバロイルイミダゾールと反応させて、1,2,3,6-テトラピバロイル-Dを生成することを含み、ここで、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、3%面積以下の化合物Bを含有する。
【0003】
また、D-(+)-ガラクトースをピバロイルイミダゾールと反応させて、1,2,3,6-テトラピバロイル-Dを生成することによって生成される1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドのバッチの純度を決定する方法も提供され、方法は、*バッチにクロマトグラフィー試験を実施して、バッチが3%未満の化合物Bを有することを決定することを含む。
【0004】
いくつかの実施形態は、バッチに高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を実施して、化合物Bに関連するピークを特定すること、及び第2のピーク下面積が、特定されたHPLCピーク下総面積の3%以下であることを決定することを含む。いくつかの実施形態では、バッチは、2.9%面積以下の化合物Bを有する。いくつかの実施形態では、バッチは1.5~2.5%面積の化合物Bを有する。
【0005】
また、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドサンプル中の化合物Bの量を測定する方法も提供され、方法は、化合物Bを合成すること、及び合成された化合物Bを、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドサンプル中の化合物Bの量を決定するために実施される高速液体クロマトグラフィー(HPLC)試験の標準物質として使用することを含む。
【0006】
また、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドのバッチを生成する方法が提供され、方法は、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドをトリフルオロメタンスルホン酸無水物で活性化すること;活性化された1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを水と反応させて、1,2,3,6-テトラピバロイル-α-L-アルトロフラノシドを生成すること;1,2,3,6-テトラピバロイル-α-L-アルトロフラノシドをトリフルオロメタンスルホン酸無水物で活性化すること;活性化された1,2,3,6-テトラピバロイル-α-L-アルトロフラノシドをアジ化ナトリウムと反応させて、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを生成すること;及び5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを単離することを含み、ここで、単離された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、0.6%面積以下の1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド、0.3%面積以下の化合物E、0.3%面積以下の化合物G、3%面積以下の化合物J、0.6%面積以下の化合物I、0.3%面積以下の化合物K、1%面積以下の化合物N、及び0.3%面積以下の化合物Oを含有する。
【0007】
また、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドから生成される5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドのバッチの純度を決定する方法も提供され、方法は、バッチにクロマトグラフィー試験を実施して、バッチが0.6%以下の1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド、0.3%以下の化合物E、0.3%以下の化合物G、3%以下の化合物J、0.6%以下の化合物I、0.3%以下の化合物K、1%以下の化合物N、及び0.3%以下の化合物Oを有することを決定することを含む。
【0008】
いくつかの実施形態は、バッチに高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を実施して、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドに関連する第1のピーク、化合物Eに関連する第2のピーク、化合物Gに関連する第3のピーク、化合物Jに関連する第4のピーク、化合物Iに関連する第5のピーク、化合物Kに関連する第6のピーク、化合物Nに関連する第7のピーク、及び化合物Oに関連する第8のピークのうちの1つ以上を特定すること、並びに、第1のピーク下面積が、特定されたHPLCピーク下総面積の0.6%以下であること、第2のピーク下面積が、特定されたHPLCピーク下総面積の0.3%以下であること、第3のピーク下面積が、特定されたHPLCピーク下総面積の0.3%以下であること、第4のピーク下面積が、特定されたHPLCピーク下総面積の3%以下であること、第5のピーク下面積が、特定されたHPLCピーク下総面積の0.6%以下であること、第6のピーク下面積が、特定されたHPLCピーク下総面積の0.3%以下であること、第7のピーク下面積が、特定されたHPLCピーク下総面積の1%以下であること、及び第8のピーク下面積が、特定されたHPLCピーク下総面積の0.3%以下であることのうちの1つを決定することを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、バッチは、0.16~0.36%面積の1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド、0.06%面積以下の化合物E、0.03%面積以下の化合物G、0.86~1.67%面積の化合物J、0.35%面積以下の化合物I、0.08~0.11%面積の化合物K、0.06~0.28%面積の化合物N、及び0.12~0.17%面積の化合物Oを有する。いくつかの実施形態では、バッチは、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド1g当たり12μg未満の化合物Fを有する。
【0010】
いくつかの実施形態では、アジ化ナトリウムはDMSO中に存在し、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドをメタノールで洗浄すること、及び5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを真空化で乾燥させることによって単離され、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、0.01%w/w以下のDMSOを有する。
【0011】
また、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドサンプル中の1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド、化合物E、化合物G、化合物J、化合物I、化合物K、化合物N、及び化合物Oのうちの1つ以上の量を決定するための方法も提供され、方法は、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを合成し、合成された1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドサンプル中の1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドの量を決定するために実施される高速液体クロマトグラフィー(HPLC)試験の標準物質として使用すること1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドから化合物Eを調製し、化合物Eを、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドサンプル中の化合物Eの量を決定するために実施されるHPLC試験の標準物質として使用すること;1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドから化合物Gを合成し、合成された化合物Gを、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドサンプル中の化合物Gの量を決定するために実施されるHPLC試験の標準物質として使用すること;1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドから生成される5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドのバッチから化合物Jを単離し、単離した化合物Jを、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドサンプル中の化合物Jの量を決定するために実施されるHPLC試験の標準物質として使用すること;化合物Dから化合物Iを合成し、次いでヘプタン中で化合物Iを再結晶し、再結晶された化合物Iを、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドサンプル中の化合物Iの量を決定するために実施されるHPLC試験の標準物質として使用すること;化合物Fから化合物Kを合成し、次いで合成された化合物Kを、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドサンプル中の化合物Kの量を決定するために実施されるHPLC試験の標準物質として使用すること;化合物Fから化合物Nを合成し、次いで合成された化合物Nを、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドサンプル中の化合物Nの量を決定するために実施されるHPLC試験の標準物質として使用すること;及び1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドから生成される5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドのバッチから化合物Oを単離し、単離した化合物Oを、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドサンプル中の化合物Oの量を決定するために実施されるHPLC試験の標準物質として使用することのうちの1つ以上を含む。
【0012】
また、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のバッチを生成する方法も提供され、方法は、水素及びパラジウム触媒を使用して、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを還元すること;還元された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを転位及び水素化させて、化合物Sを生成すること;ナトリウムメトキシドを化合物Sに加えて、ミガーラスタットを生成すること;ミガーラスタットを塩酸で処理して、塩酸中のミガーラスタット塩酸塩水溶液を生成すること;及びミガーラスタット塩酸塩水溶液から中間グレードのミガーラスタット塩酸塩を単離することを含み;ここで、単離された中間グレードのミガーラスタット塩酸塩は、0.4%面積以下の化合物U、0.4%面積以下の化合物V、0.25%面積以下の化合物Y、0.15%面積以下の化合物W、及び0.3%面積以下の化合物BBを含有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のバッチは、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の重量に基づき、0.67%w/w以下の化合物U、0.42%w/w以下の化合物V、0.41%w/w以下の化合物Y、0.15%w/w以下の化合物W、及び0.39%w/w以下の化合物BBを有する。いくつかの実施形態では、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のバッチは、0.25%面積以下の化合物Z及び0.15%面積以下の化合物AAを含有する。いくつかの実施形態では、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のバッチは、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の重量に基づき、0.4%w/w以下の化合物Z及び0.41%w/w以下の化合物AAを有する。いくつかの実施形態では、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のバッチは、単離された中間グレードのミガーラスタット1グラム当たり、化合物Q及び化合物Pのそれぞれを1.0μg以下含有する。
【0014】
いくつかの実施形態では、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のバッチは、単離された中間グレードのミガーラスタット1グラム当たり、2.0μg以下の化合物Xを含有する。
【0015】
いくつかの実施形態では、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のバッチは、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の重量に基づき、検出不能な化合物U、0.13%w/w以下の化合物V、0.1%w/w以下の化合物Y、0.04%w/w以下の化合物W、0.15%w/w以下の化合物BB、0.4%w/w以下の化合物Z、及び0.09%w/w以下の化合物AAのうちの1つ以上を有する。
【0016】
いくつかの実施形態では、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩は、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の重量に基づき、7%w/w以下の強熱残分を有する。いくつかの実施形態では、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩は、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の重量に基づき、1.2%~2.1%w/wの強熱残分を有する。
【0017】
いくつかの実施形態では、水素及びパラジウム触媒を使用して5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを還元するステップは、35℃~55℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、水素及びパラジウム触媒を使用して5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを還元するステップは、40℃~50℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、水素及びパラジウム触媒を使用して5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを還元するステップは、45℃の温度で実施される。
【0018】
いくつかの実施形態では、水素及びパラジウム触媒を使用して5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを還元するステップは、0.5モル%~2.5モル%の量のパラジウム触媒を用いて実施される。
【0019】
いくつかの実施形態では、水素及びパラジウム触媒を使用して5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを還元するステップは、0.007~0.013モル当量のパラジウム触媒を用いて実施される。いくつかの実施形態では、水素及びパラジウム触媒を使用して5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを還元するステップは、0.013モル当量のパラジウム触媒を用いて実施される。
【0020】
いくつかの実施形態では、水素及びパラジウム触媒を使用して5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを還元するステップは、6~10体積部のメタノール中で実施される。いくつかの実施形態では、水素及びパラジウム触媒を使用して5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを還元するステップは、7~9体積部のメタノール中で実施される。いくつかの実施形態では、水素及びパラジウム触媒を使用して5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを還元するステップは、9体積部のメタノール中で実施される。
【0021】
いくつかの実施形態では、水素及びパラジウム触媒を使用して5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを還元するステップは、6~10barゲージ(絶対圧力5~9bar)の水素圧力で実施される。いくつかの実施形態では、水素及びパラジウム触媒を使用して5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを還元するステップは、7~9barゲージ(絶対圧力8~10bar)の水素圧力で実施される。いくつかの実施形態では、水素及びパラジウム触媒を使用して5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを還元するステップは、8barゲージの水素圧力で実施される。
【0022】
いくつかの実施形態では、水素及びパラジウム触媒を使用して5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを還元するステップは、44時間以上実施される。いくつかの実施形態では、水素及びパラジウム触媒を使用して5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを還元するステップは、68時間実施される。
【0023】
いくつかの実施形態では、パラジウム触媒は、ナトリウムメトキシドを加える前に除去される。
【0024】
いくつかの実施形態では、ミガーラスタットを塩酸で処理するステップは、塩酸をミガーラスタットに加えてミガーラスタット/塩酸混合物を生成すること、ミガーラスタット/塩酸混合物をエイジング時間で加熱して、混合物から塩化ナトリウムを沈殿させること、混合物を冷却すること、及び塩化ナトリウムを濾別することを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、濾過は、25℃~40℃の濾過温度で行われる。
【0026】
いくつかの実施形態では、塩酸は、35%~37%の塩酸の濃度を有する。いくつかの実施形態では、塩酸は、37%の塩酸の濃度を有する。
【0027】
いくつかの実施形態では、エイジング時間は1~10時間である。
【0028】
いくつかの実施形態では、加熱は40℃~55℃である。
【0029】
いくつかの実施形態では、化合物Sにナトリウムメトキシドを加えてミガーラスタットを生成するステップは、化合物Sにメタノールを加えることをさらに含み、ここで、方法は、塩酸を加える前に蒸留によりメタノールを除去することをさらに含み、蒸留後のミガーラスタットの残留重量は、0.5~0.9重量部である。
【0030】
いくつかの実施形態では、ミガーラスタット塩酸塩水溶液から中間グレードのミガーラスタット塩酸塩を単離するステップは、ミガーラスタット塩酸塩水溶液を木炭で処理し、次いで中間グレードのミガーラスタット塩酸塩をエタノールで結晶化させることを含み、ここで、エタノールは15℃以上の温度であり、エタノールは12分以上かけて添加される。
【0031】
いくつかの実施形態では、エタノールは、15℃~25℃の温度である。
【0032】
いくつかの実施形態では、エタノールは、12分~50分かけて添加される。いくつかの実施形態では、エタノールは、30分以上かけて添加される。
【0033】
また、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドから生成される中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のバッチの純度を決定する方法も提供され、方法は、バッチにクロマトグラフィー試験を実施して、バッチが、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の重量に基づき、0.4%w/w以下の化合物U、0.4%w/w以下の化合物V、0.25%w/w以下の化合物Y、0.15%w/w以下の化合物W、及び0.3%w/w以下の化合物BBを有することを決定することを含む。
【0034】
いくつかの実施形態は、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のバッチが、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の重量に基づき、0.25%w/w以下の化合物Z及び0.15%w/w以下の化合物AAを有することを決定することを含む。
【0035】
いくつかの実施形態は、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のバッチに高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を実施して、化合物Uに関連する第1のピーク、化合物Vに関連する第2のピーク、化合物Yに関連する第3のピーク、化合物Wに関連する第4のピーク、化合物BBに関連する第5のピーク、化合物Zに関連する第6のピーク、及び化合物AAに関連する第7のピークのうちの1つ以上を特定すること、並びに、第1のピーク下面積が、特定されたHPLCピーク下総面積の0.4%以下であること、第2のピーク下面積が、特定されたHPLCピーク下総面積の0.4%以下であること、第3のピーク下面積が、特定されたHPLCピーク下総面積の0.25%以下であること、第4のピーク下面積が、特定されたHPLCピーク下総面積の0.15%以下であること、第5のピーク下面積が、特定されたHPLCピーク下総面積の0.3%以下であること、第6のピーク下面積が、特定されたHPLCピーク下総面積の0.25%以下であること、及び第7のピーク下面積が、特定されたHPLCピーク下総面積の0.15%以下であることのうちの1つを決定することを含む。
【0036】
また、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩サンプル中の化合物U、化合物V、化合物Y、化合物W、化合物BB、化合物Z、及び化合物AAのうちの1つ以上の量を決定するための方法も提供され、方法は、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを水素化し、次いでナトリウムメトキシドで処理することにより化合物Uを調製し、次いで調製された化合物Uを、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩サンプル中の化合物Uの量を決定するために実施される高速液体クロマトグラフィー(HPLC)試験の標準物質として使用すること;ミガーラスタット塩酸塩とホルムアルデヒドの間の水素化により化合物Vを調製し、次いで調製された化合物Vを、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩サンプル中の化合物Vの量を決定するために実施されるHPLC試験の標準物質として使用すること;中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のバッチを再結晶した後に得られる濾液から化合物Yを単離し、親水性相互作用液体クロマトグラフィーを使用し、次いで単離された化合物Yを、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩サンプル中の化合物Yの量を決定するために実施されるHPLC試験の標準物質として使用すること;ナトリウムメトキシドの存在下でミガーラスタット塩酸塩を水素化することにより化合物Wを調製し、単離された粗生成物を再結晶し、次いで調製された化合物Wを、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩サンプル中の化合物Wの量を決定するために実施されるHPLC試験の標準物質として使用すること;中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のバッチを再結晶した後に得られる濾液から化合物BBを単離し、親水性相互作用液体クロマトグラフィーを使用し、次いで単離された化合物BBを、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩サンプル中の化合物BBの量を決定するために実施されるHPLC試験の標準物質として使用すること;中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のバッチを再結晶した後に得られる濾液から化合物Zを単離し、親水性相互作用液体クロマトグラフィーを使用し、次いで単離された化合物Zを、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩サンプル中の化合物Zの量を決定するために実施されるHPLC試験の標準物質として使用すること;及び中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のバッチを再結晶した後に得られる濾液から化合物AAを単離し、親水性相互作用液体クロマトグラフィーを使用し、次いで単離された化合物AAを、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩サンプル中の化合物AAの量を決定するために実施されるHPLC試験の標準物質として使用することのうちの1つ以上を含む。
【0037】
また、ミガーラスタット塩酸塩のバッチを生成する方法も提供され、方法は、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩を水とエタノールの混合物中で2回結晶化させてミガーラスタット塩酸塩を得ること、及びミガーラスタット塩酸塩のバッチを単離することを含み、ここで、ミガーラスタット塩酸塩のバッチは、0.15%w/w以下の化合物W、0.15%w/w以下の化合物U、0.15%w/w以下の化合物V、0.15%w/w以下の化合物Y、0.15%w/w以下の化合物BB、0.3%w/w以下のメタノール、0.5%w/w以下のエタノール、0.2%w/w以下の水、及び0.2%w/w以下の強熱残分(それぞれミガーラスタット塩酸塩の重量に基づく)、並びに0.15ppm以下のヒ素、0.5ppm以下のカドミウム、1.5ppm以下の水銀、0.5ppm以下の鉛、10ppm以下のパラジウムを含有する。
【0038】
また、ミガーラスタット塩酸塩のバッチの純度を決定する方法も提供され、方法は、ミガーラスタット塩酸塩のバッチ中の化合物W、化合物U、化合物V、化合物Y、化合物BB、メタノール、エタノール、水、強熱残分、ヒ素、カドミウム、水銀、鉛、及びパラジウムの量を測定することを含み、ここで、ミガーラスタット塩酸塩のバッチは、0.15%w/w以下の化合物W、0.15%w/w以下の化合物U、0.15%w/w以下の化合物V、0.15%w/w以下の化合物Y、0.15%w/w以下の化合物BB、0.3%w/w以下のメタノール、0.5%w/w以下のエタノール、0.2%w/w以下の水、及び0.2%w/w以下の強熱残分(それぞれミガーラスタット塩酸塩の重量に基づく)、並びに0.15ppm以下のヒ素、0.5ppm以下のカドミウム、1.5ppm以下の水銀、0.5ppm以下の鉛、10ppm以下のパラジウムを含有する。
【0039】
いくつかの実施形態では、ミガーラスタット塩酸塩のバッチは、0.10%w/w以下の他の特定の不純物を含有する。
【0040】
いくつかの実施形態では、化合物W及び化合物Uは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して測定され、化合物V、化合物Y、及び化合物BBは親水性相互作用液体クロマトグラフィー(HILIC)を使用して測定される。
【0041】
いくつかの実施形態では、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及び親水性相互作用液体クロマトグラフィー(HILIC)を使用して測定される総不純物は、0.5%w/w以下である。
【0042】
いくつかの実施形態では、水は、カールフィッシャー滴定によって測定される。
【0043】
いくつかの実施形態では、メタノール及びエタノールは、ガスクロマトグラフィーによって測定される。
【0044】
いくつかの実施形態では、ヒ素、カドミウム、水銀、鉛、及びパラジウムは、誘導結合プラズマ質量分析法によって測定される。
【0045】
いくつかの実施形態では、ミガーラスタット塩酸塩は、(i)ミガーラスタット塩酸塩基準物質のスペクトルと一致する赤外分光スペクトル、及び(ii)ミガーラスタット塩酸塩標準物質と一致する高速液体クロマトグラフィー(HPLC)保持時間によって同定される。
【0046】
いくつかの実施形態では、ミガーラスタット塩酸塩は、0.2%面積以下の化合物CC、1.4%面積以下の化合物A、0.6%面積以下の化合物EE、及び4.1%面積以下の化合物DDを含有する。いくつかの実施形態では、ミガーラスタット塩酸塩は、化合物CC、化合物A、化合物EE、及び化合物DDのそれぞれを0.1%w/w未満有する。
【0047】
いくつかの実施形態では、単離されたミガーラスタット塩酸塩は、1グラム当たり、化合物D、化合物F、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド、化合物N、化合物Q、化合物P、化合物X、塩化エチル、及び塩化メチルのそれぞれを12μg未満含有する。
【0048】
いくつかの実施形態では、ミガーラスタット塩酸塩のバッチは、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩を第1の結晶化温度で水に混合して、第1のミガーラスタット塩酸塩のスラリー又は溶液を生成すること;第1のミガーラスタット塩酸塩のスラリー又は溶液にエタノールを加えて、第1の結晶化ミガーラスタット塩酸塩を誘導すること;第1のミガーラスタット塩酸塩のスラリー又は溶液を第1の単離温度まで冷却して、第1の結晶化ミガーラスタット塩酸塩を単離すること;第1の結晶化ミガーラスタット塩酸塩を濾過すること;濾過された第1の結晶化ミガーラスタット塩酸塩をエタノールで洗浄すること;及び洗浄された第1の結晶化ミガーラスタット塩酸塩を乾燥させることを含む、第1の結晶化ステップで生成される。
【0049】
いくつかの実施形態は、乾燥させた第1の結晶化ミガーラスタット塩酸塩を第2の結晶化温度で水に溶解して、第2のミガーラスタット塩酸塩のスラリー又は溶液を生成すること;エタノールの第1の部分を第2のミガーラスタット塩酸塩のスラリー又は溶液に加えて、第2の結晶化ミガーラスタット塩酸塩を誘導すること;保持時間の後、エタノールの第2の部分を第2のミガーラスタット塩酸塩のスラリー又は溶液に加えること;次いで第2のミガーラスタット塩酸塩のスラリー又は溶液を第2の単離温度まで冷却して、第2の結晶化ミガーラスタット塩酸塩を単離すること;第2の結晶化ミガーラスタット塩酸塩を濾過すること;濾過された第2の結晶化ミガーラスタット塩酸塩をエタノールで洗浄すること;及び洗浄された第2の結晶化ミガーラスタット塩酸塩を乾燥させて、ミガーラスタット塩酸塩のバッチを生成することを含む、第2の結晶化ステップを含む、ミガーラスタット塩酸塩の生成方法を含む。
【0050】
また、ミガーラスタット塩酸塩のバッチを生成する方法も提供され、方法は、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩を第1の結晶化温度で水に溶解して、第1のミガーラスタット塩酸塩のスラリー又は溶液を生成すること;第1のミガーラスタット塩酸塩のスラリー又は溶液にエタノールを加えて、第1の結晶化ミガーラスタット塩酸塩を誘導すること;第1のミガーラスタット塩酸塩のスラリー又は溶液を第1の単離温度まで冷却して、第1の結晶化ミガーラスタット塩酸塩を単離すること;第1の結晶化ミガーラスタット塩酸塩を濾過すること;濾過された第1の結晶化ミガーラスタット塩酸塩をエタノールで洗浄すること;洗浄された第1の結晶化ミガーラスタット塩酸塩を乾燥させること;乾燥させた第1の結晶化ミガーラスタット塩酸塩を第2の結晶化温度で水に溶解して、第2のミガーラスタット塩酸塩のスラリー又は溶液を生成すること;エタノールの第1の部分を第2のミガーラスタット塩酸塩のスラリー又は溶液に加えて、第2の結晶化ミガーラスタット塩酸塩を誘導すること;保持時間の後、エタノールの第2の部分を第2のミガーラスタット塩酸塩のスラリー又は溶液に加えること;第2のミガーラスタット塩酸塩のスラリー又は溶液を第2の単離温度まで冷却して、第2の結晶化ミガーラスタット塩酸塩を単離すること;第2の結晶化ミガーラスタット塩酸塩を濾過すること;濾過された第2の結晶化ミガーラスタット塩酸塩をエタノールで洗浄すること;及び洗浄された第2の結晶化ミガーラスタット塩酸塩を乾燥させて、ミガーラスタット塩酸塩のバッチを生成することを含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩及び/又は乾燥させた第1の結晶化ミガーラスタット塩酸塩は、1.0~1.6重量部の水に溶解される。いくつかの実施形態では、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩及び/又は乾燥させた第1の結晶化ミガーラスタット塩酸塩は、1.1~1.4重量部の水に溶解される。いくつかの実施形態では、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩及び/又は乾燥させた第1の結晶化ミガーラスタット塩酸塩は、1.3重量部の水に溶解される。
【0052】
いくつかの実施形態では、第1の結晶化温度及び/又は第2の結晶化温度は、30℃~60℃の範囲内である。いくつかの実施形態では、第1の結晶化温度及び/又は第2の結晶化温度は、40℃~60℃の範囲内である。いくつかの実施形態では、第1の結晶化温度及び/又は第2の結晶化温度は、約50℃である。
【0053】
いくつかの実施形態では、第1のミガーラスタット塩酸塩スラリー若しくは溶液に添加されるエタノール、及び/又はエタノールの第1の部分と第2のミガーラスタット塩酸塩のスラリー若しくは溶液に添加されるエタノールの第2の部分との組み合わせは、1~11.4重量部のエタノールである。いくつかの実施形態では、第1のミガーラスタット塩酸塩スラリー若しくは溶液に添加されるエタノール、及び/又はエタノールの第1の部分と第2のミガーラスタット塩酸塩のスラリー若しくは溶液に添加されるエタノールの第2の部分との組み合わせは、4.8~11.4重量部のエタノールである。いくつかの実施形態では、第1のミガーラスタット塩酸塩スラリー若しくは溶液に添加されるエタノール、及び/又はエタノールの第1の部分と第2のミガーラスタット塩酸塩のスラリー若しくは溶液に添加されるエタノールの第2の部分との組み合わせは、8.4~10.6重量部のエタノールである。いくつかの実施形態では、第1のミガーラスタット塩酸塩スラリー若しくは溶液に添加されるエタノール、及び/又はエタノールの第1の部分と第2のミガーラスタット塩酸塩のスラリー若しくは溶液に添加されるエタノールの第2の部分との組み合わせは、9.5重量部のエタノールである。
【0054】
いくつかの実施形態では、第1の単離温度及び/又は第2の単離温度は、5℃~35℃の範囲内である。いくつかの実施形態では、第1の単離温度及び/又は第2の単離温度は、約20℃である。
【0055】
いくつかの実施形態では、エタノールの第1の部分とエタノールの第2の部分との組み合わせは、1.0~11.4重量部のエタノールである。いくつかの実施形態では、エタノールの第1の部分は、1.8~2.0重量部のエタノールを含む。いくつかの実施形態では、エタノールの第1の部分は、1.9重量部のエタノールである。いくつかの実施形態では、エタノールの第2の部分は、6.7~8.4重量部のエタノールを含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、エタノールは、第1のミガーラスタット塩酸塩のスラリー又は溶液に0~65分かけて添加される。いくつかの実施形態では、エタノールは、第1のミガーラスタット塩酸塩のスラリー又は溶液に60分かけて添加される。
【0057】
いくつかの実施形態では、エタノールの第1の部分は、5分以上かけて添加される。いくつかの実施形態では、エタノールの第1の部分は、5分~60分かけて添加される。
【0058】
いくつかの実施形態では、保持時間は5分以上である。いくつかの実施形態では、保持時間は5分~60分である。
【0059】
いくつかの実施形態では、エタノールの第2の部分は、15分~60分かけて添加される。
【0060】
いくつかの実施形態では、ミガーラスタット塩酸塩のバッチは、0.6kg以上のミガーラスタット塩酸塩を含む。いくつかの実施形態では、ミガーラスタット塩酸塩のバッチは、23kg以上のミガーラスタット塩酸塩を含む。
【0061】
本開示の別の態様は、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を精製する方法を記載する。いくつかの実施形態では、方法は、(i)水及び第1のC1~C4アルコールを含む第1の混合物中で中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を結晶化することを含む第1の結晶化を実施して、第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること;(ii)第1の混合物から第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単離して、単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること;(iii)水及び第2のC1~C4アルコールを含む第2の混合物中で単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を結晶化することを含む第2の結晶化を実施して、第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること;並びに(iv)第2の混合物から第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単離して、医薬品有効成分(API)グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ることを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体及びその塩を含む。いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体は、N-アルキルデオキシガラクトノジリマイシンを含む。いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体は、ミガーラスタット、N-メチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-エチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-プロピルデオキシガラクトノジリマイシン、N-ブチルデオキシガラクトノジリマイシン(ルセラスタット)又はその塩を含む。いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩(aconate)、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩(enantate)、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、又はトルエン-p-スルホン酸塩を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物、単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物、又はその両方は、対応する1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量の約1.0~約1.6倍の量の水と混合される。
【0064】
いくつかの実施形態では、第1のC1~C4アルコールがエタノールであるか、第2のC1~C4アルコールがエタノールであるか、又は第1及び第2のC1~C4アルコールの両方がエタノールである。いくつかの実施形態では、第1のC1~C4アルコールは、中間1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量の約1~約11.4倍の量で第1の混合物中に存在する。いくつかの実施形態では、第2のC1~C4アルコールは、単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量の約1~約11.4倍の量で第2の混合物中に存在する。
【0065】
いくつかの実施形態では、第1の結晶化を実施することは、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を水に混合して、第1の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;第1のC1~C4アルコールを第1の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を誘導するための第1の結晶化温度で第2の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;及び第2の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を第1の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第1の混合物を提供することを含む。いくつかの実施形態では、第1のC1~C4アルコールは、約0分~約65分かけて、中間1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量の約1~約11.4倍の量で、第1の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に添加される。いくつかの実施形態では、第1の単離温度は、約5℃~約35℃の範囲内、又は約20℃である。いくつかの実施形態では、第1の結晶化温度、第2の結晶化温度、又はその両方は、約30℃~約70℃の範囲内である。
【0066】
いくつかの実施形態では、単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、第1の混合物を濾過して、第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を提供すること;第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を第1のC1~C4アルコールで洗浄して、洗浄された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を提供すること;及び任意選択により、洗浄された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を乾燥させて、単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ることを含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、第2の結晶化を実施することは、単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を水に混合して、第3の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;第2のC1~C4アルコールの第1の部分を第3の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を誘導するための第2の結晶化温度で第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;保持時間の後に、第2のC1~C4アルコールの第2の部分を第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に加えること;及び第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を第2の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第2の混合物を提供することを含む。いくつかの実施形態では、保持時間は約5分~約60分である。いくつかの実施形態では、第2のC1~C4アルコールの第1の部分は、第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液中に存在する1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量の約1.8~約2.0倍である。いくつかの実施形態では、C1~C4アルコールの第1の部分は、第3の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に約5分~約60分かけて添加される。いくつかの実施形態では、C1~C4アルコールの第2の部分は、第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液中に存在する1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量の約6.7~約8.4倍である。いくつかの実施形態では、第2の単離温度は、約5℃~約35℃の範囲内、又は約20℃である。
【0068】
いくつかの実施形態では、単離された第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、第2の混合物を濾過して、第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単離すること;第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を第2のC1~C4アルコールで洗浄すること;及び洗浄された第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を乾燥させて、APIグレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ることを含む。
【0069】
本開示の別の態様は、医薬品有効成分(API)グレードを生成する方法を記載する。いくつかの実施形態では、方法は、(i)水及び第1のC1~C4アルコールを含む第1の混合物中で中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を結晶化することを含む第1の結晶化を実施して、第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること;(ii)第1の混合物から第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単離して、単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること;(iii)水及び第2のC1~C4アルコールを含む第2の混合物中で単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を結晶化することを含む第2の結晶化を実施して、第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること;並びに(iv)第2の混合物から第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単離して、医薬品有効成分(API)グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ることを含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分(API)グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体又はその塩を含む。いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体は、N-アルキルデオキシガラクトノジリマイシンを含む。いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体は、ミガーラスタット、N-メチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-エチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-プロピルデオキシガラクトノジリマイシン、N-ブチルデオキシガラクトノジリマイシン(ルセラスタット)又はその塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分(API)グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩(aconate)、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩(enantate)、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、又はトルエン-p-スルホン酸塩を含む。
【0071】
本開示の別の態様は、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を精製する方法を記載する。特定の実施形態では、方法は、(i)中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を水に混合して、第1の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;(ii)第1のC1~C4アルコールを第1の結晶化温度で第1の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に加えて、第2の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成し、結晶化を誘導すること;(iii)第2の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を第1の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を含む第1の混合物を提供すること;(iv)第1の混合物を濾過して、単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単離すること;(v)単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を第1のC1~C4アルコールで洗浄して、洗浄された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を提供すること;(vi)任意選択により、洗浄された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を乾燥させること;(vii)洗浄され、任意選択により乾燥された、第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を水に溶解して、第3の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;(viii)第2のC1~C4アルコールの一部を第3の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を開始するための第2の結晶化温度で第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;(ix)結晶化をさらに誘導するための保持時間の後に、第2のC1~C4アルコールの第2の部分を第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に加えること;(x)第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を第2の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を含む第2の混合物を提供すること;(xi)第2の混合物を濾過して、第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単離すること;(xii)第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を第2のC1~C4アルコールで洗浄すること;及び(xiii)洗浄された第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を乾燥させて、医薬品有効成分(API)グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ることを含む。いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体及びその塩を含む。いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体は、N-アルキルデオキシガラクトノジリマイシンを含む。いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体は、ミガーラスタット、N-メチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-エチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-プロピルデオキシガラクトノジリマイシン、N-ブチルデオキシガラクトノジリマイシン(ルセラスタット)又はその塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分(API)グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩(aconate)、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩(enantate)、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、又はトルエン-p-スルホン酸塩を含む。
【0072】
中間グレードのミガーラスタット塩を精製する方法も提供され、方法は、
i)水及び第1のC1~C4アルコールを含む第1の混合物中で中間グレードのミガーラスタット塩を結晶化することを含む第1の結晶化を実施して、第1の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;
ii)第1の混合物から第1の結晶化ミガーラスタット塩を単離して、単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;
iii)水及び第2のC1~C4アルコールを含む第2の混合物中で単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を結晶化することを含む第2の結晶化を実施して、第2の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;並びに
iv)第2の混合物から第2の結晶化ミガーラスタット塩を単離して、医薬品有効成分(API)グレードのミガーラスタット塩を得ること
を含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、第1の結晶化は、中間グレードのミガーラスタット塩を水に混合して、第1のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;第1のC1~C4アルコールを第1のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を誘導するための第1の結晶化温度で第2のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;及び第2のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を第1の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第1の混合物を提供することを含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、ii)における単離は、第1の混合物を濾過して、第1の結晶化ミガーラスタット塩を提供すること;第1の結晶化ミガーラスタット塩を第1のC1~C4アルコールで洗浄して、洗浄された第1の結晶化ミガーラスタット塩を提供すること;及び任意選択により、単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を乾燥させることを含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、第2の結晶化は、単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を水に混合して、第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;C1~C4アルコールの一部を第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を誘導するための第2の結晶化温度で第4のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;保持時間の後に、C1~C4アルコールの第2の部分を第4のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に加えること;次いで第4のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を第2の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第2の混合物を提供することを含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、iv)における単離は、第2の混合物を濾過して、第2の結晶化ミガーラスタット塩を単離すること;第2の結晶化ミガーラスタット塩を第2のC1~C4アルコールで洗浄すること;及び洗浄された第2の結晶化ミガーラスタット塩を乾燥させて、APIグレードのミガーラスタット塩を得ることを含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、第1のC1~C4アルコールはエタノールである。いくつかの実施形態では、第2のC1~C4アルコールはエタノールである。いくつかの実施形態では、第1及び第2のC1~C4アルコールは、いずれもエタノールである。
【0078】
いくつかの実施形態では、中間グレードのミガーラスタット塩、第1の結晶化ミガーラスタット塩、又はその両方は、対応するミガーラスタット塩の重量の約1.0~約1.6倍の量の水と混合される。いくつかの実施形態では、水の量は、対応するミガーラスタット塩の重量の約1.1~約1.4倍である。いくつかの実施形態では、水の量は、対応するミガーラスタット塩の重量の約1.3倍である。
【0079】
いくつかの実施形態では、第1の結晶化温度、第2の結晶化温度、又はその両方は、約30℃~約70℃の範囲内である。いくつかの実施形態では、第1の結晶化温度、第2の結晶化温度、又はその両方は、約40℃~約60℃の範囲内である。いくつかの実施形態では、第1の結晶化温度、第2の結晶化温度、又はその両方は、約50℃である。
【0080】
いくつかの実施形態では、第1の混合物中に存在する第1のC1~C4アルコールの量は、第1の混合物中に存在するミガーラスタット塩の重量の約1~約11.4倍である。いくつかの実施形態では、第1のC1~C4アルコールの量は、ミガーラスタット塩の重量の約4.8~約11.4倍である。いくつかの実施形態では、第1のC1~C4アルコールの量は、ミガーラスタット塩の重量の約8.4~約10.6倍であるか、又はミガーラスタット塩の重量の約9.5倍である。
【0081】
いくつかの実施形態では、第2の混合物中に存在する第2のC1~C4アルコールの総量は、第2の混合物中に存在するミガーラスタット塩の重量の約1~約11.4倍である。いくつかの実施形態では、第2のC1~C4アルコールの総量は、ミガーラスタット塩の重量の約4.8~約11.4倍である。いくつかの実施形態では、第2のC1~C4アルコールの総量は、対応するミガーラスタット塩の重量の約8.4~約10.6倍である。いくつかの実施形態では、第2のC1~C4アルコールの総量は、ミガーラスタット塩の重量の約9.5倍である。
【0082】
いくつかの実施形態では、第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液中に存在するミガーラスタット塩の重量の約1.8~約2.0倍である第2のC1~C4アルコールの第1の部分が添加される。いくつかの実施形態では、第2のC1~C4アルコールの第1の部分は、第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液中に存在するミガーラスタット塩の重量の約1.9倍である。
【0083】
いくつかの実施形態では、第4のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液中に存在するミガーラスタット塩の重量の約6.7~約8.4倍である第2のC1~C4アルコールの第2の部分が添加される。
【0084】
いくつかの実施形態では、第1の単離温度、第2の単離温度、又はその両方は、約5℃~約35℃の範囲内である。いくつかの実施形態では、第1の単離温度、第2の単離温度、又はその両方は、約20℃である。
【0085】
いくつかの実施形態では、第1のC1~C4アルコールは、約0分~約65分かけて、中間ミガーラスタット塩の重量の約1~約11.4倍の量で、第1のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に添加される。いくつかの実施形態では、第1のC1~C4アルコールは、第1のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に約60分かけて添加される。
【0086】
いくつかの実施形態では、第2のC1~C4アルコールの第1の部分は、第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に約5分~約60分かけて添加される。
【0087】
いくつかの実施形態では、保持時間は約5分~約60分である。
【0088】
いくつかの実施形態では、ミガーラスタット塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩(aconate)、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩(enantate)、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、又はトルエン-p-スルホン酸塩を含む。
【0089】
別の態様では、医薬品有効成分(API)グレードのミガーラスタット塩を生成する方法であって、
i)水及び第1のC1~C4アルコールを含む第1の混合物中で中間グレードのミガーラスタット塩を結晶化することを含む第1の結晶化を実施して、第1の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;
ii)第1の混合物から第1の結晶化ミガーラスタット塩を単離して、単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;
iii)水及び第2のC1~C4アルコールを含む第2の混合物中で単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を結晶化することを含む第2の結晶化を実施して、第2の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;並びに
iv)第2の混合物から第2の結晶化ミガーラスタット塩を単離して、医薬品有効成分(API)グレードのミガーラスタット塩を得ること
を含む方法が提供される。
【0090】
いくつかの実施形態では、ミガーラスタット塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩(aconate)、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩(enantate)、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、又はトルエン-p-スルホン酸塩を含む。
【0091】
別の態様では、中間グレードのミガーラスタット塩を精製する方法が提供され、この方法は、
i)中間グレードのミガーラスタット塩を水に混合して、第1のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;
ii)第1のC1~C4アルコールを第1の結晶化温度で第1のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に加えて、第2のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を得、結晶化を誘導すること;
iii)第2のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を第1の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第1の結晶化ミガーラスタット塩を含む第1の混合物を提供すること;
iv)第1の混合物を濾過して、単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を単離すること;
v)単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を第1のC1~C4アルコールで洗浄して、洗浄された第1の結晶化ミガーラスタット塩を提供すること;
vi)任意選択により、洗浄された第1の結晶化ミガーラスタット塩を乾燥させること;
vii)洗浄され、任意選択により乾燥された、第1の結晶化ミガーラスタット塩を水に混合して、第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;
viii)第2のC1~C4アルコールの一部を、結晶化を開始するための第2の結晶化温度で第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に加えること;
ix)結晶化をさらに誘導するための保持時間の後に、第2のC1~C4アルコールの第2の部分を第4のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に加えること;
x)第4のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を第2の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第2の結晶化ミガーラスタット塩を含む第2の混合物を提供すること;
xi)第2の混合物を濾過して、第2の結晶化ミガーラスタット塩を単離すること;
xii)第2の結晶化ミガーラスタット塩を第2のC1~C4アルコールで洗浄すること;及び
xiii)洗浄された第2の結晶化ミガーラスタット塩を乾燥させて、医薬品有効成分(API)グレードのミガーラスタット塩を得ること
を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、ミガーラスタット塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩(aconate)、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩(enantate)、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、又はトルエン-p-スルホン酸塩を含む。
【0093】
いくつかの実施形態は、商業的販売のために、ミガーラスタット塩のバッチ又はその一部を調製することを含む。
【0094】
いくつかの実施形態は、ミガーラスタット塩のバッチ又はその一部を包装することを含む。いくつかの実施形態は、ミガーラスタット塩の一部を、アルミニウム箔の蓋を備えたポリ塩化ビニル(PVC)/ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)/PVCラミネートフィルムのブリスターパックで包装することを含む。
【0095】
いくつかの実施形態は、包装されたミガーラスタット塩に対して完全性試験を実施することを含む。いくつかの実施形態では、完全性試験は、水蒸気透過試験を含む。
【0096】
いくつかの実施形態は、ミガーラスタット塩のバッチ又はその一部を頒布することを含む。
【0097】
また、ミガーラスタット塩の商用バッチを配布する方法も提供され、方法は、(i)ミガーラスタット塩のバッチを生成すること;(ii)バッチが0.15%w/w以下の化合物W、0.15%w/w以下の化合物U、0.15%w/w以下の化合物V、0.15%w/w以下の化合物Y、0.15%w/w以下の化合物BB、0.3%w/w以下のメタノール、0.5%w/w以下のエタノール、0.2%w/w以下の水、及び0.2%w/w以下の強熱残分(それぞれミガーラスタット塩の重量に基づく)、並びに0.15ppm以下のヒ素、0.5ppm以下のカドミウム、1.5ppm以下の水銀、0.5ppm以下の鉛、10ppm以下のパラジウムを含有することを決定することにより、ミガーラスタット塩のバッチを検証すること;及び(iii)検証済み商用バッチ又はその一部を、ヒト対象における医療用途のために頒布することを含む。
【0098】
いくつかの実施形態は、頒布されたミガーラスタット塩又はその一部をトラッキングすることを含む。いくつかの実施形態では、トラッキングは、ミガーラスタット塩又はその一部に関連するバーコードをスキャンすることを含む。いくつかの実施形態では、バーコードは、製品の名称、製品の強度及び剤形、製品のNDC番号、容器のサイズ、容器の数、製品のロット番号、取引日、出荷日、並びにミガーラスタット塩又はその一部の所有権の譲渡元及び譲渡先の人物の商号及び住所のうちの1つ以上を含む情報をコード化する。
【0099】
いくつかの実施形態は、ミガーラスタット塩又はその一部を20℃~25℃の保管温度で保管することを含む。
【0100】
ヒト対象における医療用途に対するミガーラスタット塩の適合性を評価する方法も提供され、方法は、(i)ミガーラスタット塩に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を実施して、ミガーラスタット塩が0.15%w/w以下の化合物W及び0.15%w/w以下の化合物Uを含有することを決定すること;(ii)ミガーラスタット塩に親水性相互作用液体クロマトグラフィー(HILIC)を実施して、ミガーラスタット塩が0.15%w/w以下の化合物V、0.15%w/w以下の化合物Y、及び0.15%w/w以下の化合物BBを含有することを決定すること;(iii)ミガーラスタット塩にカールフィッシャー滴定を実施して、ミガーラスタット塩が0.2%w/w以下の水を含有することを決定すること;(iv)ミガーラスタット塩にガスクロマトグラフィーを実施して、ミガーラスタット塩が0.3%w/w以下のメタノール及び0.5%w/w以下のエタノールを含有することを決定すること;並びに(v)ミガーラスタット塩に誘導結合プラズマ質量分析を実施して、ミガーラスタット塩が0.15ppm以下のヒ素、0.5ppm以下のカドミウム、1.5ppm以下の水銀、0.5ppm以下の鉛、10ppm以下のパラジウムを含有することを決定することを含み、ここで、ミガーラスタット塩は、ヒト対象における医療用途に適している。
【0101】
さらに別の態様では、中間グレードのルセラスタット塩を精製する方法が提供され、この方法は、
i)水及び第1のC1~C4アルコールを含む第1の混合物中で中間グレードのルセラスタット塩を結晶化することを含む第1の結晶化を実施して、第1の結晶化ルセラスタット塩を得ること;
ii)第1の混合物から第1の結晶化ルセラスタット塩を単離すること;
iii)水及び第2のC1~C4アルコールを含む第2の混合物中で第1の結晶化ルセラスタット塩を結晶化することを含む第2の結晶化を実施して、第2の結晶化ルセラスタット塩を得ること;並びに
iv)第2の混合物から第2の結晶化ルセラスタット塩を単離して、医薬品有効成分(API)グレードのルセラスタット塩を得ること
を含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、第1の結晶化は、中間グレードのルセラスタット塩を水に混合して、第1のルセラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;C1~C4アルコールを第1のルセラスタット塩のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を誘導するための第1の結晶化温度で第2のルセラスタット塩の溶液又はスラリーを生成すること;及び第2のルセラスタット塩のスラリー又は溶液を第1の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第1の混合物を提供することを含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、ii)における単離は、混合物を濾過して、第1の結晶化ルセラスタット塩を提供すること;第1の結晶化ルセラスタット塩を第1のC1~C4アルコールで洗浄して、洗浄された第1の結晶化ルセラスタット塩を提供すること;及び任意選択により、洗浄された第1の結晶化ルセラスタット塩を乾燥させて、単離された第1の結晶化ルセラスタット塩を得ることを含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、第2の結晶化は、単離された第1の結晶化ルセラスタット塩を水に混合して、第3のルセラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;第2のC1~C4アルコールの第1の部分を第3のルセラスタット塩のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を誘導するための第2の結晶化温度で第4のルセラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;保持時間の後に、第2のC1~C4アルコールの第2の部分を第4のルセラスタット塩のスラリー又は溶液に加えること;及び第4のルセラスタット塩のスラリー又は溶液を第2の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第2の混合物を提供することを含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、iv)における単離は、第2の混合物を濾過して、単離された第2の結晶化ルセラスタット塩を単離すること;単離された第2の結晶化ルセラスタット塩を第2のC1~C4アルコールで洗浄すること;及び洗浄された第2の結晶化ルセラスタット塩を乾燥させて、APIグレードのルセラスタット塩を得ることを含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、第1のC1~C4アルコールはエタノールである。いくつかの実施形態では、第2のC1~C4アルコールはエタノールである。いくつかの実施形態では、第1及び第2のC1~C4アルコールは両方ともエタノールである。
【0107】
いくつかの実施形態では、ルセラスタット塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩(aconate)、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩(enantate)、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、又はトルエン-p-スルホン酸塩を含む。
【0108】
本開示は、限定されないが、以下の実施形態が含まれる。
【0109】
実施形態1:中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を精製する方法であって、
i)水及び第1のC1~C4アルコールを含む第1の混合物中で中間グレードのミガーラスタット塩を結晶化することを含む第1の結晶化を実施して、第1の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;
ii)第1の混合物から第1の結晶化ミガーラスタット塩を単離して、単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;
iii)水及び第2のC1~C4アルコールを含む第2の混合物中で単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を結晶化することを含む第2の結晶化を実施して、第2の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;並びに
iv)第2の混合物から第2の結晶化ミガーラスタット塩を単離して、医薬品有効成分(API)グレードのミガーラスタット塩を得ること
を含む、方法。
【0110】
実施形態2:1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物が、1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体及びその塩を含む、実施形態1に記載の方法。
【0111】
実施形態3:1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体が、N-アルキルデオキシガラクトノジリマイシンを含む、実施形態2に記載の方法。
【0112】
実施形態4:1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体が、ミガーラスタット、N-メチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-エチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-プロピルデオキシガラクトノジリマイシン、N-ブチルデオキシガラクトノジリマイシン(ルセラスタット)又はその塩を含む、実施形態2又は3に記載の方法。
【0113】
実施形態5:1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体が、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩(aconate)、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩(enantate)、フマル酸塩を含む、実施形態2~4のいずれか1つに記載の方法。
【0114】
実施形態6:第1の結晶化が、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を水に混合して、第1の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;第1のC1~C4アルコールを第1の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を誘導するための第1の結晶化温度で第2の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;及び第2の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を第1の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第1の混合物を提供することを含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0115】
実施形態7:ii)における単離が、第1の混合物を濾過して、第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を提供すること;第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を第1のC1~C4アルコールで洗浄して、洗浄された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を提供すること;及び任意選択により、洗浄された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を乾燥させて、単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ることを含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0116】
実施形態8:第2の結晶化が、単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を水に混合して、第3の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;第2のC1~C4アルコールの第1の部分を第3の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を誘導するための第2の結晶化温度で第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;保持時間の後に、第2のC1~C4アルコールの第2の部分を第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に加えること;及び第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を第2の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第2の混合物を提供することを含む、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
【0117】
実施形態9:iv)における単離が、第2の混合物を濾過して、第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単離すること;第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を第2のC1~C4アルコールで洗浄すること;及び洗浄された第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を乾燥させて、APIグレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ることを含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0118】
実施形態10:第1のC1~C4アルコールがエタノールであるか、第2のC1~C4アルコールがエタノールであるか、又は第1及び第2のC1~C4アルコールの両方がエタノールである、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0119】
実施形態11:中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物、単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物、又はその両方が、対応する1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量の約1.0~約1.6倍の量の水と混合される、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法。
【0120】
実施形態12:第1の結晶化温度、第2の結晶化温度、又はその両方が、約30℃~約70℃の範囲内である、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法。
【0121】
実施形態13:第1のC1~C4アルコールが、中間1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量の約1~約11.4倍の量で第1の混合物中に存在する、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0122】
実施形態14:第2のC1~C4アルコールが、単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量の約1~約11.4倍の量で第2の混合物中に存在する、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
【0123】
実施形態15:第2のC1~C4アルコールの第1の部分が、第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液中に存在する1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量の約1.8~約2.0倍である、実施形態8に記載の方法。
【0124】
実施形態16:C1~C4アルコールの第2の部分が、第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液中に存在する1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量の約6.7~約8.4倍である、実施形態8又は15に記載の方法。
【0125】
実施形態17:第1の単離温度が、約5℃~約35℃の範囲内、又は約20℃である、実施形態6に記載の方法。
【0126】
実施形態18:第2の単離温度が、約5℃~約35℃の範囲内、又は約20℃である、実施形態8に記載の方法。
【0127】
実施形態19:第1のC1~C4アルコールが、約0分~約65分かけて、中間1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量の約1~約11.4倍の量で、第1の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に添加される、実施形態6に記載の方法。
【0128】
実施形態20:C1~C4アルコールの第1の部分が、第3の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に約5分~約60分かけて添加される、実施形態8又は15に記載の方法。
【0129】
実施形態21:保持時間が約5分~約60分である、実施形態8に記載の方法。
【0130】
実施形態22:医薬品有効成分(API)グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を生成する方法であって、
i)水及び第1のC1~C4アルコールを含む第1の混合物中で中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を結晶化することを含む第1の結晶化を実施して、第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること;
ii)第1の混合物から第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単離して、単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること;
iii)水及び第2のC1~C4アルコールを含む第2の混合物中で単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を結晶化することを含む第2の結晶化を実施して、第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること;並びに
iv)第2の混合物から第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単離して、医薬品有効成分(API)グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること
を含む、方法。
【0131】
実施形態23:1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物が、1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体及びその塩を含む、実施形態22に記載の方法。
【0132】
実施形態24:1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体が、N-アルキルデオキシガラクトノジリマイシンを含む、実施形態23に記載の方法。
【0133】
実施形態25:1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体が、ミガーラスタット、N-メチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-エチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-プロピルデオキシガラクトノジリマイシン、N-ブチルデオキシガラクトノジリマイシン(ルセラスタット)又はその塩を含む、実施形態23又は24に記載の方法。
【0134】
実施形態26:1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体が、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩(aconate)、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩(enantate)、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、又はトルエン-p-スルホン酸塩を含む、実施形態23~25のいずれか1つに記載の方法。
【0135】
実施形態27:中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を精製する方法であって、
i)中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を水に混合して、第1の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;
ii)第1のC1~C4アルコールを第1の結晶化温度で第1の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に加えて、第2の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成し、結晶化を誘導すること;
iii)第2の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を第1の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を含む第1の混合物を提供すること;
iv)第1の混合物を濾過して、単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単離すること;
v)単離された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を第1のC1~C4アルコールで洗浄して、洗浄された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を提供すること;
vi)任意選択により、洗浄された第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を乾燥させること;
vii)洗浄され、任意選択により乾燥された、第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を水に溶解して、第3の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;
viii)第2のC1~C4アルコールの一部を第3の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を開始するための第2の結晶化温度で第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成すること;
ix)結晶化をさらに誘導するための保持時間の後に、第2のC1~C4アルコールの第2の部分を第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に加えること;
x)第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を第2の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を含む第2の混合物を提供すること;
xi)第2の混合物を濾過して、第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単離すること;
xii)第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を第2のC1~C4アルコールで洗浄すること;及び
xiii)洗浄された第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を乾燥させて、医薬品有効成分(API)グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること
を含む、方法。
【0136】
実施形態28:1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物が、1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体及びその塩を含む、実施形態27に記載の方法。
【0137】
実施形態29:1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体が、N-アルキルデオキシガラクトノジリマイシンを含む、実施形態28に記載の方法。
【0138】
実施形態30:1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体が、ミガーラスタット、N-メチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-エチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-プロピルデオキシガラクトノジリマイシン、N-ブチルデオキシガラクトノジリマイシン(ルセラスタット)又はその塩を含む、実施形態28又は29に記載の方法。
【0139】
実施形態31:1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体が、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩(aconate)、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩(enantate)、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、又はトルエン-p-スルホン酸塩を含む、実施形態28~30のいずれか1つに記載の方法。
【0140】
実施形態32:中間グレードのミガーラスタット塩を精製する方法であって、
i)水及び第1のC1~C4アルコールを含む第1の混合物中で中間グレードのミガーラスタット塩を結晶化することを含む第1の結晶化を実施して、第1の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;
ii)第1の混合物から第1の結晶化ミガーラスタット塩を単離して、単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;
iii)水及び第2のC1~C4アルコールを含む第2の混合物中で単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を結晶化することを含む第2の結晶化を実施して、第2の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;並びに
iv)第2の混合物から第2の結晶化ミガーラスタット塩を単離して、医薬品有効成分(API)グレードのミガーラスタット塩を得ること
を含む、方法。
【0141】
実施形態33:第1の結晶化が、中間グレードのミガーラスタット塩を水に混合して、第1のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;第1のC1~C4アルコールを第1のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を誘導するための第1の結晶化温度で第2のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;及び第2のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を第1の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第1の混合物を提供することを含む、実施形態32に記載の方法。
【0142】
実施形態34:ii)における単離が、第1の混合物を濾過して、第1の結晶化ミガーラスタット塩を提供すること;第1の結晶化ミガーラスタット塩を第1のC1~C4アルコールで洗浄して、洗浄された第1の結晶化ミガーラスタット塩を提供すること;及び任意選択により、洗浄された第1の結晶化ミガーラスタット塩を乾燥させて、単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を得ることを含む、実施形態32又は33に記載の方法。
【0143】
実施形態35:第2の結晶化が、単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を水に混合して、第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;第2のC1~C4アルコールの第1の部分を第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を誘導するための第2の結晶化温度で第4のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;保持時間の後に、第2のC1~C4アルコールの第2の部分を第4のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に加えること;及び第4のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を第2の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第2の混合物を提供することを含む、実施形態32~34のいずれか1つに記載の方法。
【0144】
実施形態36:iv)における単離が、第2の混合物を濾過して、第2の結晶化ミガーラスタット塩を単離すること;第2の結晶化ミガーラスタット塩を第2のC1~C4アルコールで洗浄すること;及び洗浄された第2の結晶化ミガーラスタット塩を乾燥させて、APIグレードのミガーラスタット塩を得ることを含む、実施形態32~35のいずれか1つに記載の方法。
【0145】
実施形態37:第1のC1~C4アルコールがエタノールであるか、第2のC1~C4アルコールがエタノールであるか、又は第1及び第2のC1~C4アルコールの両方がエタノールである、実施形態32~36のいずれか1つに記載の方法。
【0146】
実施形態38:中間グレードのミガーラスタット塩、単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩、又はその両方が、対応するミガーラスタット塩の重量の1.0~1.6倍の量の水と混合される、実施形態32~37のいずれか1つに記載の方法。
【0147】
実施形態39:水の量が、対応するミガーラスタット塩の重量の1.1~1.4倍である、実施形態32~38のいずれか1つに記載の方法。
【0148】
実施形態40:水の量が、対応するミガーラスタット塩の重量の1.3倍である、実施形態32~39のいずれか1つに記載の方法。
【0149】
実施形態41:第1の結晶化温度、第2の結晶化温度、又はその両方が、約30℃~約70℃の範囲内である、実施形態32~40のいずれか1つに記載の方法。
【0150】
実施形態42:第1の結晶化温度、第2の結晶化温度、又はその両方が、40℃~60℃の範囲内である、実施形態32~41のいずれか1つに記載の方法。
【0151】
実施形態43:第1の結晶化温度、第2の結晶化温度、又はその両方が、約50℃である、実施形態32~42のいずれか1つに記載の方法。
【0152】
実施形態44:第1のC1~C4アルコールが、中間ミガーラスタット塩の重量の約1~約11.4倍の量で第1の混合物中に存在する、実施形態32~43のいずれか1つに記載の方法。
【0153】
実施形態45:第1のC1~C4アルコールが、対応するミガーラスタット塩の重量の約4.8~約11.4倍の量で存在する、実施形態44に記載の方法。
【0154】
実施形態46:第1のC1~C4アルコールが、対応するミガーラスタット塩の重量の約8.4~約10.6倍の量で存在する、実施形態44に記載の方法。
【0155】
実施形態47:第1のC1~C4アルコールが、対応するミガーラスタット塩の重量の約9.5倍の総量で使用される、実施形態44に記載の方法。
【0156】
実施形態48:第2のC1~C4アルコールが、単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩の重量の約1~約11.4倍の量で第2の混合物中に存在する、実施形態32~47のいずれか1つに記載の方法。
【0157】
実施形態49:第2のC1~C4アルコールが、対応するミガーラスタット塩の重量の約4.8~約11.4倍の量で存在する、実施形態32~48のいずれか1つに記載の方法。
【0158】
実施形態50:第2のC1~C4アルコールが、対応するミガーラスタット塩の重量の約8.4~約10.6倍の量で存在する、実施形態32~49のいずれか1つに記載の方法。
【0159】
実施形態51:第2のC1~C4アルコールが、対応するミガーラスタット塩の重量の約9.5倍の総量で使用される、実施形態32~50のいずれか1つに記載の方法。
【0160】
実施形態52:第2のC1~C4アルコールの第1の部分が、第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液中に存在するミガーラスタット塩の重量の約1.8~約2.0倍である、実施形態32~51のいずれか1つに記載の方法。
【0161】
実施形態53:C1~C4アルコールの第1の部分が、第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液中に存在するミガーラスタット塩の重量の約1.9倍である、実施形態32~52のいずれか1つに記載の方法。
【0162】
実施形態54:C1~C4アルコールの第2の部分が、第2のミガーラスタット塩溶液中に存在するミガーラスタット塩の重量の約6.7~約8.4倍である、実施形態32~53のいずれか1つに記載の方法。
【0163】
実施形態55:第1の単離温度が、約5℃~約35℃の範囲内、又は約20℃である、実施形態32~54のいずれか1つに記載の方法。
【0164】
実施形態56:第2の単離温度が、約5℃~約35℃の範囲内、又は約20℃である、実施形態32~55のいずれか1つに記載の方法。
【0165】
実施形態57:第1のC1~C4アルコールが、約0分~約65分かけて、中間ミガーラスタット塩の重量の約1~約11.4倍の量で、第1のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に添加される、実施形態32~56のいずれか1つに記載の方法。
【0166】
実施形態58:第1のC1~C4アルコールが、第1のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に約60分かけて添加される、実施形態32~57のいずれか1つに記載の方法。
【0167】
実施形態59:第2のC1~C4アルコールの第1の部分が、第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に約5分~約60分かけて添加される、実施形態32~58のいずれか1つに記載の方法。
【0168】
実施形態60:保持時間が約5分~約60分である、実施形態32~59のいずれか1つに記載の方法。
【0169】
実施形態61:ミガーラスタット塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩(aconate)、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩(enantate)、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、又はトルエン-p-スルホン酸塩を含む、実施形態32~60のいずれか1つに記載の方法。
【0170】
実施形態62:医薬品有効成分(API)グレードのミガーラスタット塩を生成する方法であって、
i)水及び第1のC1~C4アルコールを含む第1の混合物中で中間グレードのミガーラスタット塩を結晶化することを含む第1の結晶化を実施して、第1の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;
ii)第1の混合物から第1の結晶化ミガーラスタット塩を単離して、単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;
iii)水及び第2のC1~C4アルコールを含む第2の混合物中で単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を結晶化することを含む第2の結晶化を実施して、第2の結晶化ミガーラスタット塩を得ること;並びに
iv)第2の混合物から第2の結晶化ミガーラスタット塩を単離して、医薬品有効成分(API)グレードのミガーラスタット塩を得ること
を含む、方法。
【0171】
実施形態63:ミガーラスタット塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩(aconate)、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩(enantate)、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、又はトルエン-p-スルホン酸塩を含む、実施形態62に記載の方法。
【0172】
実施形態64:中間グレードのミガーラスタット塩を精製する方法であって、
i)中間グレードのミガーラスタット塩を水に混合して、第1のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;
ii)第1のC1~C4アルコールを第1の結晶化温度で第1のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に加えて、第2のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を得、結晶化を誘導すること;
iii)第2のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を第1の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第1の結晶化ミガーラスタット塩を含む第1の混合物を提供すること;
iv)第1の混合物を濾過して、単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を単離すること;
v)単離された第1の結晶化ミガーラスタット塩を第1のC1~C4アルコールで洗浄して、洗浄された第1の結晶化ミガーラスタット塩を提供すること;
vi)任意選択により、洗浄された第1の結晶化ミガーラスタット塩を乾燥させること;
vii)洗浄され、任意選択により乾燥された、第1の結晶化ミガーラスタット塩を水に混合して、第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;
viii)第2のC1~C4アルコールの一部を第3のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を開始するための第2の結晶化温度で第4のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;
ix)結晶化をさらに誘導するための保持時間の後に、第2のC1~C4アルコールの第2の部分を第4のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に加えること;
x)第4のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液を第2の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第2の結晶化ミガーラスタット塩を含む第2の混合物を提供すること;
xi)第2の混合物を濾過して、第2の結晶化ミガーラスタット塩を単離すること;
xii)第2の結晶化ミガーラスタット塩を第2のC1~C4アルコールで洗浄すること;及び
xiii)洗浄された第2の結晶化ミガーラスタット塩を乾燥させて、医薬品有効成分(API)グレードのミガーラスタット塩を得ること
を含む、方法。
【0173】
実施形態65:ミガーラスタット塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩(aconate)、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩(enantate)、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、又はトルエン-p-スルホン酸塩を含む、実施形態64に記載の方法。
【0174】
実施形態66:中間グレードのルセラスタット塩を精製する方法であって、
i)水及び第1のC1~C4アルコールを含む第1の混合物中で中間グレードのルセラスタット塩を結晶化することを含む第1の結晶化を実施して、第1の結晶化ルセラスタット塩を得ること;
ii)第1の混合物から第1の結晶化ルセラスタット塩を単離すること;
iii)水及び第2のC1~C4アルコールを含む第2の混合物中で第1の結晶化ルセラスタット塩を結晶化することを含む第2の結晶化を実施して、第2の結晶化ルセラスタット塩を得ること;並びに
iv)第2の混合物から第2の結晶化ルセラスタット塩を単離して、医薬品有効成分(API)グレードのルセラスタット塩を得ること
を含む、方法。
【0175】
実施形態67:第1の結晶化が、中間グレードのルセラスタット塩を水に混合して、第1のルセラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;C1~C4アルコールを第1のルセラスタット塩のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を誘導するための第1の結晶化温度で第2のルセラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;及び第2のルセラスタット塩のスラリー又は溶液を第1の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第1の混合物を提供することを含む、実施形態66に記載の方法。
【0176】
実施形態68:ii)における単離が、第1の混合物を濾過して、第1の結晶化ルセラスタット塩を提供すること;第1の結晶化ルセラスタット塩を第1のC1~C4アルコールで洗浄して、洗浄された第1の結晶化ルセラスタット塩を提供すること;及び任意選択により、洗浄された第1の結晶化ルセラスタット塩を乾燥させて、単離された第1の結晶化ルセラスタット塩を得ることを含む、実施形態66又は67に記載の方法。
【0177】
実施形態69:第2の結晶化が、単離された第1の結晶化ルセラスタット塩を水に混合して、第3のルセラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;第2のC1~C4アルコールの第1の部分を第3のルセラスタット塩のスラリー又は溶液に加えて、結晶化を誘導するための第2の結晶化温度で第4のルセラスタット塩のスラリー又は溶液を生成すること;保持時間の後に、第2のC1~C4アルコールの第2の部分を第4のルセラスタット塩のスラリー又は溶液に加えること;及び第4のルセラスタット塩のスラリー又は溶液を第2の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、第2の混合物を提供することを含む、実施形態66~68のいずれか1つに記載の方法。
【0178】
実施形態70:iv)における単離が、第2の混合物を濾過して、単離された第2の結晶化ルセラスタット塩を単離すること;単離された第2の結晶化ルセラスタット塩を第2のC1~C4アルコールで洗浄すること;及び洗浄された第2の結晶化ルセラスタット塩を乾燥させて、APIグレードのルセラスタット塩を得ることを含む、実施形態66~69のいずれか1つに記載の方法。
【0179】
実施形態71:第1のC1~C4アルコール、第2のC1~C4アルコール、又は第1及び第2のC1~C4アルコールの両方がエタノールである、実施形態66に記載の方法。
【0180】
実施形態72:第1のC1~C4アルコール、第2のC1~C4アルコール、又は第1及び第2のC1~C4アルコールの両方がエタノールである、実施形態67に記載の方法。
【0181】
実施形態73:第1のC1~C4アルコール、第2のC1~C4アルコール、又は第1及び第2のC1~C4アルコールの両方がエタノールである、実施形態68に記載の方法。
【0182】
実施形態74:第1のC1~C4アルコール、第2のC1~C4アルコール、又は第1及び第2のC1~C4アルコールの両方がエタノールである、実施形態69に記載の方法。
【0183】
実施形態75:第1のC1~C4アルコール、第2のC1~C4アルコール、又は第1及び第2のC1~C4アルコールの両方がエタノールである、実施形態70に記載の方法。
【0184】
実施形態76:ルセラスタット塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩(aconate)、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩(enantate)、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、又はトルエン-p-スルホン酸塩を含む、実施形態66~75のいずれか1つに記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0185】
図1】例示的なミガーラスタット塩酸塩の合成スキームを示す図を記載する。
図2】例示的なミガーラスタット塩酸塩の合成スキームのステージ1を図示し、ステージ1から生じ得る不純物を示す。
図3】例示的なミガーラスタット塩酸塩の合成スキームのステージ2を図示する。
図4】例示的なミガーラスタット塩酸塩の合成スキームのステージ2を図示し、ステージ2から生じ得る不純物を示す。
図5】例示的なミガーラスタット塩酸塩の合成スキームのステージ3を図示する。
図6】例示的なミガーラスタット塩酸塩の合成スキームのステージ3を図示し、ステージ3から生じ得る不純物を示す。
図7】例示的なミガーラスタット塩酸塩の合成スキームのステージ3a及び3bを図示する。
図8】例示的なミガーラスタット塩酸塩の合成スキームのステージ3a及び3bを図示する。
図9】例示的なミガーラスタット塩酸塩の合成スキームのステージ3中の不純物の形成を図示する。
図10】重要品質特性に対する個々のパラメーターの効果及びパラメーター間の相互作用を特定する半正規効果プロットを示す。
図11】化合物Vのレベルに対するパラジウム触媒量の影響を示す効果プロットを示す。
図12】実験パラメーターが化合物Uの形成にどのように影響するかを示す半正規効果プロットを示す。
図13】化合物Uの形成に対する温度及びパラジウム触媒量の影響を示す相互作用プロットを示す。
図14】様々な生産規模でのステージ3aの反応プロファイルを示す。
図15】例示的なミガーラスタット塩酸塩の合成スキームのステージ3b及び3cを図示する。
図16】塩酸の添加後に温度を変化させる例示的なステージ3bプロセスの概略図を示す。
図17】中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の強熱残分に対する濾過温度の影響を示す半正規プロットを示す。
図18】塩酸とメタノールの反応混合物における、広い温度範囲にわたる塩化ナトリウムに関連する溶解度データのグラフ表示を提供する。
図19】例示的なミガーラスタット塩酸塩の合成スキームのステージ3b及び3cを図示する。
図20】化合物Xのレベルに対する様々な生成パラメーターの影響を示す半正規プロットを示す。
図21】例示的なミガーラスタット塩酸塩の合成スキームのステージ3b及び3c中に化合物Xをパージするプロセスを図示する。
図22】化合物Uのレベルに対するステージ3c中のエタノール添加時間及び温度の影響を示す半正規プロットを示す。
図23】化合物Uのレベルに対する温度の影響を示す効果プロットを示す。
図24】例示的なミガーラスタット塩酸塩の合成スキームのステージ4を図示し、ステージ4から生じ得る不純物を示す。
図25】結晶化混合物中に可溶化された塩化ナトリウムの相対濃度に対する水(左グラフ)及びエタノール(右グラフ)の総量の影響のグラフ表示を提供する。
図26】ミガーラスタット塩酸塩の商用生産に使用できる例示的なプロセス制御を示すフロー図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0186】
本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、別段の定義がない限り、本発明に関する当業者によって一般に理解される意味を有する。以下の説明及び実施例で参照される材料は、別段の記載がない限り、商業的供給源から入手可能である。
【0187】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、単数形のみを指定すると明示的に記載されない限り、単数形及び複数形の両方を指定する。
【0188】
本開示、特に特許請求の範囲及び/又は段落において、「含む」、「含んでいる」、「からなる」、「からなっている」、「から本質的になる」、「から本質的になっている」などの用語が米国特許法による意味を有し得ることに留意されたい。そのような用語のいずれかを使用して記載される特徴は、代わりに別のそのような用語を使用して記載できることが企図される。例えば、ある特徴が「含む」という表現を使用して記載される場合、「からなる」又は「から本質的になる」という表現を使用してその特徴を記載する代替的な実施形態は、本開示の範囲内である。
【0189】
「約」という用語は、包含される数が本明細書に記載される正確な数に限定されないことを意味し、本発明の範囲から逸脱することなく、記載された数に実質的に近い数を指すことが意図される。本明細書で使用される場合、「約」は、当業者に理解され、それが使用される文脈に応じてある程度変動する。数値の文脈において、「約」は、別段の記載がない限り、特定の数値のプラス又はマイナス10%までを意味する。本明細書で使用される場合、数値又は範囲の文脈における「およそ」は、数値の+/-5%を意味する。開示された数値は、その数値の約又はおよその範囲を含むように改変できることが企図される。
【0190】
本明細書で使用される「中間グレード」は、物質が、例えば薬剤の同一性、強度、品質、及び純度の1つ以上についての規格基準を満たさないため、完成医薬品の規制要件を満たさないことを意味する。
【0191】
本明細書で使用される「医薬品グレード」又は「医薬品有効成分(API)グレード」は、物質(例えば、API)が完成医薬品への組み込みのための規制要件(例えば、FDA、EMA、及び/又はPMDAの要件)、例えば、同一性、強度、品質、及び純度に準拠していることを意味する。
【0192】
「重要品質特性」(CQA)は、望ましい製品品質を確保するために適切な制限、範囲、又は頒布内にあるべき物理的、化学的、生物学的、又は微生物学的特性又は特徴である。固体経口剤形のCQAは、典型的には、生成物の純度、強度、薬物放出、及び/又は安定性に影響をする側面である。原薬、原材料及び中間体について、CQAは、医薬品CQAに影響する特性(例えば、粒度分布、嵩密度)をさらに含み得る。
【0193】
「重要プロセスパラメーター」(CPP)は、その変動性が重要品質特性に影響を及ぼすプロセスパラメーターである。
【0194】
「ファブリー病」という用語は、欠損リソソームα-Gal A活性に起因するスフィンゴ糖脂質異化のX連鎖先天異常を指す。この欠損は、心臓、腎臓、皮膚及び/又は他の組織の血管内皮リソソームにおける基質グロボトリオシルセラミド(「GL-3」、Gb又はセラミドトリヘコシドとしても知られる)及び関連するスフィンゴ糖脂質の蓄積を引き起こす。酵素の別の基質は、血漿グロボトリアオシルスフィンゴシン(「血漿lyso-Gb」)である。
【0195】
「キャリア」とは、欠損α-Gal A遺伝子を有する1つのX染色体及び正常遺伝子を有する1つのX染色体を有して、正常な対立遺伝子のX染色体不活性化が、1つ以上の細胞型に存在する女性である。キャリアは、ファブリー病と診断され得る。
【0196】
「患者」は、特定の疾患と診断されたか、又は特定の疾患を有する疑いのある対象を指す。患者は人間であってもよく、動物であってもよい。
【0197】
「ファブリー患者」は、ファブリー病と診断されたか、又はファブリー病を有する疑いがあり、以下にさらに定義される変異α-Gal Aを有する個体を指す。ファブリー病の特徴的なマーカーは、同じ有病率を有する男性のヘミ接合体及び女性のキャリアにおいて生じ得るが、女性は一般的にそれほど重篤な影響を受けない。
【0198】
「ERT未処置患者」という用語は、酵素補充療法(ERT)を受けたことがないか、又はミガーラスタット療法を開始する前に少なくとも6ヶ月間ERTを受けていないファブリー患者を指す。
【0199】
「ERT経験患者」という用語は、ミガーラスタット処置を開始する直前にERTを受けていたファブリー患者を指す。いくつかの実施形態では、ERT経験患者は、ミガーラスタット処置を開始する直前に少なくとも12ヶ月のERTを受けた。
【0200】
ヒトα-ガラクトシダーゼA(α-Gal A)は、ヒトGLA遺伝子によってコードされる酵素を指す。イントロン及びエクソンを含むα-Gal Aの全長DNA配列は、GenBankアクセッション番号X14448.1で入手可能である。ヒトα-Gal A酵素は、429アミノ酸からなり、GenBankアクセッション番号X14448.1及びU78027.1で入手可能である。
【0201】
「変異タンパク質」という用語には、タンパク質をコードする遺伝子に、小胞体(ER)に通常存在する条件下でそのタンパク質が安定した立体構造を達成できない原因となる変異を有するタンパク質が含まれる。安定した立体構造を達成することができないと、相当量の酵素がリソソームに輸送されずに分解される。このような変異は、「立体構造的変異体」と呼ばれることもある。そのような変異としては、ミスセンス変異、及びインフレームの小欠失及び挿入が挙げられるが、これらに限定されない。
【0202】
「変異α-Gal A」という用語には、α-Gal Aをコードする遺伝子に、ERに通常存在する条件下でその酵素が安定した立体構造を達成できない原因となる変異を有するα-Gal Aが含まれる。安定した立体構造を達成することができないと、相当量の酵素がリソソームに輸送されずに分解される。
【0203】
「欠損α-Gal A活性」とは、ファブリー病を有しない正常な個体からの細胞の活性と(同じ方法を使用して)比較した場合に、正常範囲を下回る患者からの細胞のα-Gal A活性を指す。
【0204】
「α-Gal A活性」という用語は、細胞における野生型α-Gal Aの正常な生理学的機能を指す。例えば、α-Gal A活性には、GL-3の加水分解が含まれる。
【0205】
「α-Gal A活性を強化する」、又は「α-Gal A活性を増加させる」という用語は、α-Gal Aに特異的な薬理学的シャペロンと接触した細胞内で安定な立体構造をとるα-Gal Aの量を、α-Gal Aに特異的な薬理学的シャペロンと接触していない細胞内の量(好ましくは、例えばより早期の、同じ細胞型又は同じ細胞のもの)と比較して増加させることを指す。この用語はまた、α-Gal Aに特異的な薬理学的シャペロンと接触した細胞内のリソソームへのα-Gal Aの輸送を、タンパク質に特異的な薬理学的シャペロンと接触していないα-Gal Aの輸送と比較して増加させることも指す。これらの用語は、野生型及び変異型α-Gal Aの両方を指す。一実施形態では、細胞内のα-Gal Aの量の増加は、PCで処理された細胞からの溶解物中の人工基質の加水分解を測定することによって測定される。加水分解の増加は、α-Gal A活性の増大を示す。
【0206】
「レスポンダー」は、ファブリー病などのリソソーム貯蔵障害を有すると診断されたか、又はその疑いがある個体であって、その細胞が薬理学的シャペロンとの接触に応答して、それぞれに十分増加したα-Gal A活性、及び/又は症状の改善若しくは代理マーカーの強化を示す個体である。ファブリー病の代理マーカーの強化の非限定的な例は、lyso-GB及び米国特許出願公開第2010/0113517号明細書に開示されるものであり、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0207】
「重量部」は、成分又は化合物の相対量を指し、基準物質と比較して定義される。例えば、1gの基準物質に対し、2重量部の化合物は、2gの化合物を意味する。「モル当量」及び「体積部」などの他の相対量も、基準物質を参照して決定される。
【0208】
ミガーラスタット塩酸塩の生成は、特に大規模(バルク)量で生成される場合、複数の不純物をもたらし得る。不純物のレベルが制御されたミガーラスタット塩酸塩を生成する方法が提供される。ミガーラスタット塩酸塩の生成に使用される中間体の生成方法も提供される。中間グレードのミガーラスタット塩酸塩を精製する方法も提供される。また、ミガーラスタット塩酸塩のバッチ又はその一部を検証、放出、及び/又は頒布するのに有用な方法も提供される。この方法はまた、ミガーラスタット塩酸塩の中間体又はその一部のバッチを検証、放出、及び/又は頒布するのにも有用である。
【0209】
ミガーラスタット又は(2R,3S,4R,5S)-2-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-3,4,5-トリオールとしても知られる1-デオキシガラクトノジリマイシン(ミガーラスタット)1-デオキシガラクトノジリマイシンは、以下の遊離塩基構造を有する化合物を指す。
【化1】
【0210】
本明細書で使用される場合、「1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物」という用語は、遊離塩基形態及び任意の薬学的に許容される塩形態の両方の1-デオキシガラクトノジリマイシン及びその誘導体を指す。したがって、いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン誘導体は、C1~C4 N-アルキル誘導体などの、1-デオキシガラクトノジリマイシンのN-アルキル誘導体を含む。いくつかの実施形態では、N-アルキルデオキシガラクトノジリマイシンは、N-メチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-エチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-プロピルデオキシガラクトノジリマイシン及びN-ブチルデオキシガラクトノジリマイシンを含む。N-ブチルデオキシガラクトノジリマイシンは、ルセラサート(lucerasate)としても知られている。いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、ミガーラスタット、N-メチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-エチルデオキシガラクトノジリマイシン、N-プロピルデオキシガラクトノジリマイシン、N-ブチルデオキシガラクトノジリマイシン(ルセラスタット)又はその塩を含む。1つ以上の実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、ミガーラスタット又はその塩を指す。以下の試薬、中間体及び/又は不純物への具体的な言及は、特定の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物(例えば、ミガーラスタット)に特有であり得るが、本明細書に記載の方法及び組成物は、他の関連する1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物に対応する試薬、中間体及び/又は不純物を利用することができる。
【0211】
いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩(aconate)、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩(enantate)、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン-p-スルホン酸塩などの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の塩を含む。
【0212】
ミガーラスタットという用語は、一般に、非置換1-デオキシガラクトノジリマイシン(DGJ)の遊離塩基の形態及び薬学的に許容される塩の形態の両方を包含する。例えば、非置換1-デオキシガラクトノジリマイシンの塩酸塩は、ミガーラスタット塩酸塩として知られている。ミガーラスタット塩酸塩は以下の構造を有する。
【化2】
【0213】
本明細書中で使用される場合、「遊離塩基等価量」又は「FBE」という用語は、DGJ又はその塩に存在するDGJの量を指す。換言すれば、「FBE」という用語は、DGJ遊離塩基の量、又はDGJの塩によって提供されるDGJ遊離塩基の等価量のいずれかを意味する。例えば、塩化物アニオンの重量により、150mgのDGJ HClは、123mgの遊離塩基形態のDGJと同じ量のDGJを提供する。他の塩は、対イオンの分子量に応じて異なる変換係数を有する。ミガーラスタット塩酸塩が全体を通して参照されているが、代わりに臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩(aconate)、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩(enantate)、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン-p-スルホン酸塩など他の塩を使用する方法及び組成物も提供される。
【0214】
「1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物」という用語は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物、及び前中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物(例えば、水溶液中)を包含する。しかし、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を指すことが特に明記されていない限り、又は中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物又は前中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を指すことが文脈から当業者に明らかでない限り、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物という用語は、製薬用途に十分な純度を意味する。
【0215】
いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、第1の精製方法に従って精製される。第1の精製方法は、当業者に公知の任意の方法であり得る。いくつかの実施形態では、精製方法は、クロマトグラフィー、昇華、結晶化、分別抽出及び蒸留を含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィーは、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、順相液体クロマトグラフィー、及び逆相液体クロマトグラフィーを含む。いくつかの実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィー及び陽イオン交換クロマトグラフィーを含む。
【0216】
いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、1つ以上の化学基を保護するために任意選択により処理される。いくつかの実施形態では、1つ以上の保護された化学基を有する1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、より良好な精製を提供する。
【0217】
いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、公知の方法のいずれかに従って薬学的に許容される塩に変換される。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、より良好な精製を提供する。
【0218】
ミガーラスタット塩酸塩という用語は、医薬品グレードのミガーラスタット塩酸塩、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩、及び前中間グレードのミガーラスタット塩酸塩(例えば、水溶液中)を包含する。しかし、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩を指すことが特に明記されていない限り、又は中間グレードのミガーラスタット塩酸塩又は前中間グレードのミガーラスタット塩酸塩を指すことが文脈から当業者に明らかでない限り、ミガーラスタット塩酸塩という用語は、製薬用途に十分な純度を意味する。
【0219】
ミガーラスタット塩酸塩は、一般に白色からほぼ白色の外観を有し、固体形態である。
【0220】
1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は4つの一般的なステージで生成することができ、そのそれぞれを以下で説明する。プロセスのステージ1~3を通じて形成される化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の中間体であるとみなすことができる。ステージ4のプロセスでは、医薬品グレードの原薬を生成できる。
【0221】
ステージ1:1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドの調製
1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物生成のステージ1は、ピバロイルイミダゾールwpD-(+)-ガラクトースと反応させて1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを得ることにより実施できる。ステージ1の成分の量が相対的な用語(例えば、重量部又はモル当量)を使用して記載されている限り、それらの量は、別段の指示がない限り、D-(+)-ガラクトースと比較したものである。
【0222】
いくつかの実施形態では、D-(+)-ガラクトースは、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)中で加熱することによって溶解される。いくつかの実施形態では、D-(+)-ガラクトースは、約12重量部~約18重量部、約12.10~約17.08重量部、約12重量部、約13重量部、約14重量部、約15重量部、約16重量部、又は約17重量部のDMFなど、少なくとも約12重量部(D-(+)-ガラクトースと比較して表される)のDMFに溶解される。いくつかの実施形態では、D-(+)-ガラクトースは、12重量部~18重量部、12.10~17.08重量部、12重量部、13重量部、14重量部、15重量部、16重量部、又は17重量部のDMFなど、少なくとも12重量部のDMFに溶解される。
【0223】
いくつかの実施形態では、ガラクトースは、約80℃~約100℃、約85℃~約90℃、約88℃~約92℃、約88℃、約89℃、約90℃、約91℃、又は約92℃の温度でDMFに溶解される。いくつかの実施形態では、ガラクトースは、80℃~100℃、85℃~90℃、88℃~92℃、88℃、89℃、90℃、91℃、又は92℃の温度でDMFに溶解される。
【0224】
いくつかの実施形態では、ピバロイルイミダゾールのトルエン溶液をD-(+)-ガラクトースの溶液に添加し、次いで混合物をメタノールで処理する。いくつかの実施形態では、ピバロイルイミダゾールの溶液は、溶液の総重量に基づき、約15~約35%w/wのピバロイルイミダゾール、約18~約30%w/w、約18.4~約28.3%w/w、約19%w/w、約20%w/w、約21%w/w、約22%w/w、約23%w/w、約24%w/w、約25%w/w、約26%w/w、約27%w/w、又は約28%w/wのピバロイルイミダゾールを含有する。いくつかの実施形態では、ピバロイルイミダゾールの溶液は、溶液の総重量に基づき、15~35%w/wのピバロイルイミダゾール、18~30%w/w、18.4~28.3%w/w、19%w/w、20%w/w、21%w/w、22%w/w、23%w/w、24%w/w、25%w/w、26%w/w、27%w/w、又は28%w/wのピバロイルイミダゾールを含有する。
【0225】
いくつかの実施形態では、約4~約5モル当量、約4.5~約5モル当量、約4.6~約4.8モル当量、約4.6モル当量、約4.7モル当量、又は約4.8モル当量のピバロイルイミダゾールなど、約3.5~約5.5モル当量のピバロイルイミダゾールがD-(+)-ガラクトースの溶液に添加される。いくつかの実施形態では、4~5モル当量、4.5~5モル当量、4.6~4.8モル当量、4.6モル当量、4.7モル当量、又は4.8モル当量のピバロイルイミダゾールなど、3.5~5.5モル当量のピバロイルイミダゾールがD-(+)-ガラクトースの溶液に添加される。
【0226】
いくつかの実施形態では、ピバロイルイミダゾールは、約75℃~約85℃、約77℃~約85℃、約77℃、約78℃、約79℃、約80℃、約81℃、約82℃、約83℃、約84℃、又は約85℃など、約70℃~約90℃の温度でD-(+)-ガラクトースと反応する。いくつかの実施形態では、ピバロイルイミダゾールは、75℃~85℃、77℃~85℃、77℃、78℃、79℃、80℃、81℃、82℃、83℃、84℃、又は85℃など、70℃~90℃の温度でD-(+)-ガラクトースと反応する。
【0227】
いくつかの実施形態では、ピバロイルイミダゾールとD-(+)-ガラクトースの混合物をメタノールで処理する。いくつかの実施形態では、混合物は、約0.5~約4重量部、約0.5~約3重量部、約0.5重量部、約1重量部、約2重量部、又は約3重量部のメタノールなど、約0.25~約5重量部のメタノールで処理される。いくつかの実施形態では、混合物は、0.5~4重量部、0.5~3重量部、0.5重量部、1重量部、2重量部、又は3重量部のメタノールなど、0.25~5重量部のメタノールで処理される。
【0228】
いくつかの実施形態では、得られた混合物を水で洗浄し、有機層を分離する。いくつかの実施形態では、溶液を濃縮し、ヘプタンを添加し、次いで混合物に種晶を添加し、冷却する。いくつかの実施形態では、約6~約9.5重量部、約6.27~約9.4重量部、約6.27重量部、約7重量部、約8重量部、約9重量部、又は約9.4重量部のヘプタンが添加されるなど、約5~約10重量部のヘプタンが添加される。いくつかの実施形態では、6~9.5重量部、6.27~9.4重量部、6.27重量部、7重量部、8重量部、9重量部、又は9.4重量部のヘプタンが添加されるなど、5~10重量部のヘプタンが添加される。
【0229】
いくつかの実施形態では、溶液は、約-55℃~約-10℃、約-50℃~約-15℃、約-50℃、約-45℃、約-40℃、約-35℃、約-30℃、約-25℃、約-20℃、又は約-15℃など、約-60℃~約-5℃の温度で結晶化される。いくつかの実施形態では、溶液は、-55℃~-10℃、-50℃~-15℃、-50℃、-45℃、-40℃、-35℃、-30℃、-25℃、-20℃、又は-15℃など、-60℃~-5℃の温度で結晶化される。
【0230】
いくつかの実施形態では、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドの収率は、約20%以上、約23%以上、約25%以上、約30%以上、約33%以上、約15%~約40%、約20%~約35%、約23%~約33%、約23%、約25%、約30%、又は約33%など、約15%以上である。いくつかの実施形態では、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドの収率は、20%以上、23%以上、25%以上、30%以上、33%以上、15%~40%、20%~35%、23%~33%、23%、25%、30%、又は33%など、15%以上である。
【0231】
1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドの純度
1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドの純度は、合計又は特定の不純物の量を使用して表すことができる。量は、とりわけ、%w/w(例えば、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドの重量に基づく)又は%面積(例えば、クロマトグラフのピーク下総面積と比較した、不純物のHPLCピークなどのクロマトグラフのピーク下面積に基づく)を使用して計算することができる。具体的に開示される不純物のパーセンテージは、%w/w及び/又は%面積に基づいて計算される量を包含することを意味する。換言すれば、いくつかの実施形態では、不純物%は%w/wに基づいて計算され;いくつかの実施形態では、不純物%は%面積に基づいて計算され;いくつかの実施形態では、不純物%は%w/w及び%面積に基づいて計算される。
【0232】
いくつかの実施形態では、生成された1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、約4%以下、約3%以下、約2.9%以下、約2%以下、約1%以下、又は約1.5%~約2.5%の総不純物など、約5%以下の総不純物を有する。いくつかの実施形態では、生成された1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、4%以下、3%以下、2.9%以下、2%以下、1%以下、又は1.5%~2.5%の総不純物など、5%以下の総不純物を有する。いくつかの実施形態では、生成された1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、約4%以下、約3%以下、約2.9%以下、約2%以下、約1%以下、又は約1.5%~約2.5%の化合物Bなど、約5%以下の化合物Bを有する。いくつかの実施形態では、生成された1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、4%以下、3%以下、2.9%以下、2%以下、1%以下、又は1.5%~2.5%の化合物Bなど、5%以下の化合物Bを有する。
【0233】
いくつかの実施形態では、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、第2の精製方法に従って精製される。第2の精製方法は、当業者に公知の任意の方法であり得る。いくつかの実施形態では、第2の精製方法は、クロマトグラフィー、昇華、結晶化、分別抽出及び蒸留を含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィーは、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、順相液体クロマトグラフィー、及び逆相液体クロマトグラフィーを含む。いくつかの実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィー及び陽イオン交換クロマトグラフィーを含む。いくつかの実施形態では、第2の精製は、化合物Bを含む不純物を除去する。
【0234】
いくつかの実施形態では、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、公知の方法のいずれかに従って薬学的に許容される塩に変換される。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、より良好な精製を提供する。
【0235】
いくつかの実施形態では、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、1つ以上の化学基を保護するために任意選択により処理される。いくつかの実施形態では、1つ以上の保護された化学基を有する1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、より良好な精製を提供する。
【0236】
ステージ2:5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドの調製
1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物生成のステージ2は、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドをトリフルオロメタンスルホン酸無水物で活性化し、次いで水と反応させて、1,2,3,6-テトラピバロイル-α-L-アルトロフラノシドを得ることによって実施することができる。得られた中間体を無水トリフルオロメタンスルホン酸で活性化し、次いでアジ化ナトリウムと反応させて、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを得ることができる。ステージ2の成分の量が相対的な用語(例えば、重量部又はモル当量)を使用して記載されている限り、それらの量は、別段の指示がない限り、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドと比較したものである。
【0237】
いくつかの実施形態では、上記ステップのいずれかにおけるトリフルオロメタンスルホン酸無水物は、独立して、約0.75~約2モル当量、約1~約1.6モル当量、約1モル当量、約1.5モル当量、又は約1.6モル当量など、約0.5~約3モル当量である。いくつかの実施形態では、上記ステップのいずれかにおけるトリフルオロメタンスルホン酸無水物は、独立して、0.75~2モル当量、1~1.6モル当量、1モル当量、1.5モル当量、又は1.6モル当量など、0.5~3モル当量である。
【0238】
いくつかの実施形態は、トリフルオロメタンスルホン酸無水物及びピリジンを、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドの酢酸イソプロピル(IPAc)溶液に加えることを含む。いくつかの実施形態では、約1重量部~約2重量部、約1.15重量部~約1.73重量部、約1.15重量部、約1.25重量部、約1.5重量部、又は約1.73重量部など、約0.75~約3重量部のピリジンが溶液に添加される。いくつかの実施形態では、1重量部~2重量部、1.15重量部~1.73重量部、1.15重量部、1.25重量部、1.5重量部、又は1.73重量部のピリジンなど、0.75~3重量部のピリジンが溶液に添加される。
【0239】
いくつかの実施形態では、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、ピリジン、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド、及びIPAcの混合物に水を加える。いくつかの実施形態では、混合物は、次いで、例えば、約50℃~約65℃、約55℃~約60℃、約55℃、約56℃、約57℃、約58℃、約59℃、又は約60℃など、約45℃~約70℃の温度まで加熱される。いくつかの実施形態では、混合物は、50℃~65℃、55℃~60℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、又は60℃など、45℃~70℃の温度まで加熱される。
【0240】
いくつかの実施形態では、水層を分離し、有機層を共沸蒸留によって乾燥させた後、IPAc、次いで1,8-ジアザビシクロウンデク-7-エン(DBU)を添加して、化合物Eを生成する。いくつかの実施形態は、約0.03~約0.07、約0.033~約0.066、約0.033、約0.04、約0.05、約0.06、又は約0.066重量部のDBUなど、約0.02~約0.08重量部のDBUを加えることを含む。いくつかの実施形態は、0.03~0.07、0.033~0.066、0.033、0.04、0.05、0.06、又は0.066重量部のDBUなど、0.02~0.08重量部のDBUを加えることを含む。
【0241】
いくつかの実施形態は、化合物EのIPAc溶液を塩酸(HCl)水溶液などの酸水溶液で洗浄し、次いでピリジン水溶液で洗浄することを含む。いくつかの実施形態では、ピリジン水溶液は、約1重量部~約2重量部、約1.15重量部~約1.73重量部、約1.15重量部、約1.25重量部、約1.5重量部、又は約1.73重量部のピリジンなど、約0.75~約3重量部のピリジンを含む。いくつかの実施形態では、1重量部~2重量部、1.15重量部~1.73重量部、1.15重量部、1.25重量部、1.5重量部、又は1.73重量部のピリジンなど、0.75~3重量部のピリジンが溶液に添加される。
【0242】
いくつかの実施形態では、得られた溶液を共沸蒸留によって乾燥させ、IPAcの添加によって希釈する。いくつかの実施形態では、トリフルオロメタンスルホン酸無水物及びピリジンが、蒸留及び希釈された溶液に(例えば、前述の量で)添加される。
【0243】
いくつかの実施形態では、化合物FのIPAc溶液を水で洗浄し、ジメチルスルホキシド(DMSO)中のアジ化ナトリウム及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)に加える。いくつかの実施形態は、溶液を、約0.1~約0.2、約0.13~約0.19、約0.13、約0.15、約0.17、又は約0.19重量部のアジ化ナトリウムなど、約0.05~約0.3重量部のアジ化ナトリウムに加えることを含む。いくつかの実施形態は、溶液を、0.1~0.2、0.13~0.19、0.13、0.15、0.17、又は0.19重量部のアジ化ナトリウムなど、0.05~0.3重量部のアジ化ナトリウムに加えることを含む。いくつかの実施形態は、溶液を、約0.2~約0.6重量部、約0.25~約0.5重量部、約0.28~約0.4重量部、約0.28重量部、約0.35重量部、又は約0.4重量部のDIPEAなど、約0.1~約0.7重量部のDIPEAに加えることを含む。いくつかの実施形態は、溶液を、0.2~0.6重量部、0.25~0.5重量部、0.28~0.4重量部、0.28重量部、0.35重量部、又は0.4重量部のDIPEAなど、0.1~0.7重量部のDIPEAに加えることを含む。
【0244】
いくつかの実施形態は、化合物F、アジ化ナトリウム、及びDIPEAの混合物を撹拌することを含む。いくつかの実施形態では、混合物は少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、又は少なくとも約1時間撹拌される。いくつかの実施形態では、混合物は少なくとも30分間、少なくとも45分間、又は少なくとも1時間撹拌される。
【0245】
いくつかの実施形態では、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド混合物を水で洗浄し、有機層を蒸留により濃縮する。いくつかの実施形態では、濃縮された混合物をエタノール及び水で処理する。いくつかの実施形態では、濃縮された混合物は、約4~約11重量部、約5~約10重量部、約5.5~約9重量部、約5.64~約8.45重量部、約5.64重量部、約6重量部、約7重量部、約8重量部、又は約8.45重量部のエタノールなど、約3~約12重量部のエタノールで処理される。いくつかの実施形態では、濃縮された混合物は、4~11重量部、5~10重量部、5.5~9重量部、5.64~8.45重量部、5.64重量部、6重量部、7重量部、8重量部、又は8.45重量部のエタノールなど、3~12重量部のエタノールで処理される。いくつかの実施形態では、濃縮された混合物は、約3~約10重量部、約4~約9重量部、約4.5~約8重量部、約4.78~約7.17重量部、約4.78重量部、約5重量部、約6重量部、約7重量部、又は約7.17重量部の水など、約2~約11重量部の水で処理される。いくつかの実施形態では、濃縮された混合物は、3~10重量部、4~9重量部、4.5~8重量部、4.78~7.17重量部、4.78重量部、5重量部、6重量部、7重量部、又は7.17重量部の水など、2~11重量部の水で処理される。
【0246】
いくつかの実施形態では、固体の5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、濾過によって単離される。いくつかの実施形態では、濾過は、約10℃~約30℃、約10℃~約25℃、約10℃、約15℃、約20℃、又は約25℃など、約5℃~約35℃の温度で行われる。いくつかの実施形態では、濾過は、10℃~30℃、10℃~25℃、10℃、15℃、20℃、又は25℃など、5℃~35℃の温度で行われる。
【0247】
いくつかの実施形態は、固体の5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドをメタノール中で洗浄することを含む。いくつかの実施形態では、固体の5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、約0.6~約3重量部、約0.7~約2.5重量部、約0.79~約2.38重量部、約0.79重量部、約1重量部、約1.5重量部、約2重量部、又は約2.38重量部のメタノールなど、約0.5~約4重量部のメタノール中で洗浄される。いくつかの実施形態では、固体の5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、0.6~3重量部、0.7~2.5重量部、0.79~2.38重量部、0.79重量部、1重量部、1.5重量部、2重量部、又は2.38重量部のメタノールなど、0.5~4重量部のメタノール中で洗浄される。
【0248】
いくつかの実施形態は、洗浄された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを乾燥させることを含む。いくつかの実施形態では、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、真空下で乾燥される。いくつかの実施形態では、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、加熱しながら真空下で乾燥される。いくつかの実施形態では、加熱は、約45℃以下、又は約40℃以下など、約50℃以下である。いくつかの実施形態では、加熱は、45℃以下、又は40℃以下など、50℃以下である。
【0249】
いくつかの実施形態では、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドの収率は、約50%以上、約53%以上、約55%以上、約60%以上、約65%以上、約73%以上、約75%以上、約50%~約75%、約53%~約73%、約53%、約60%、約65%、又は約73%など、約45%以上である。いくつかの実施形態では、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドの収率は、50%以上、53%以上、55%以上、60%以上、65%以上、73%以上、75%以上、50%~75%、53%~73%、53%、60%、65%、又は73%など、45%以上である。
【0250】
5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドの純度
5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドの純度は、合計又は特定の不純物の量を使用して表すことができる。量は、とりわけ、%w/w(例えば、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドの重量に基づく)又は%面積(例えば、クロマトグラフのピーク下総面積と比較した、不純物のHPLCピークなどのクロマトグラフのピーク下面積に基づく)を使用して計算することができる。具体的に開示される不純物のパーセンテージは、%w/w及び/又は%面積に基づいて計算される量を包含することを意味する。換言すれば、いくつかの実施形態では、不純物%は%w/wに基づいて計算され;いくつかの実施形態では、不純物%は%面積に基づいて計算され;いくつかの実施形態では、不純物%は%w/w及び%面積に基づいて計算される。
【0251】
いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、約3%以下、約2.6%以下、約2%以下、約1.5%以下、約1%以下、約0.75%以下、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.36%以下、約0.25%以下、約0.16%以下、約0.1%以下、又は約0.16~約0.36%の1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドなど、約4%以下の1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを有する。いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、3%以下、2.6%以下、2%以下、1.5%以下、1%以下、0.75%以下、0.6%以下、0.5%以下、0.36%以下、0.25%以下、0.16%以下、0.1%以下、又は0.16~0.36%の1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドなど、4%以下の1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを有する。
【0252】
いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、約2%以下、約1.5%以下、約1.3%以下、約1%以下、約0.75%以下、約0.5%以下、約0.3%以下、約0.1%以下、約0.06%以下、又は約0.05%以下など、約3%以下の化合物Eを有する。いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、2%以下、1.5%以下、1.3%以下、1%以下、0.75%以下、0.5%以下、0.3%以下、0.1%以下、0.06%以下、又は0.05%以下など、3%以下の化合物Eを有する。いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、検出可能な量の化合物Eを有しない。
【0253】
いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、約2%以下、約1.5%以下、約1.3%以下、約1%以下、約0.75%以下、約0.5%以下、約0.3%以下、約0.1%以下、約0.06%以下、約0.05%以下、又は約0.03%以下など、約3%以下の化合物Gを有する。いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、2%以下、1.5%以下、1.3%以下、1%以下、0.75%以下、0.5%以下、0.3%以下、0.1%以下、0.06%以下、0.05%以下、又は0.03%以下など、3%以下の化合物Gを有する。いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、検出可能な量の化合物Gを有しない。
【0254】
いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、約6%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、約1%以下、約0.5%以下、又は約0.86%~約1.67%の化合物Jなど、約7%以下の化合物Jを有する。いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下、又は0.86%~1.67%の化合物Jなど、7%以下の化合物Jを有する。
【0255】
いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、約2%以下、約1.5%以下、約1.3%以下、約1%以下、約0.9%以下、約0.75%以下、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.35%以下、約0.3%以下、約0.1%以下、約0.06%以下、約0.05%以下、又は約0.03%以下など、約3%以下の化合物Iを有する。いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、2%以下、1.5%以下、1.3%以下、1%以下、0.9%以下、0.75%以下、0.6%以下、0.5%以下、0.35%以下、0.3%以下、0.1%以下、0.06%以下、0.05%以下、又は0.03%以下など、3%以下の化合物Iを有する。いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、検出可能な量の化合物Iを有しない。
【0256】
いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、約2%以下、約1.5%以下、約1.3%以下、約1%以下、約0.9%以下、約0.75%以下、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.35%以下、約0.3%以下、約0.11%以下、約0.1%以下、約0.08%以下、約0.06%以下、約0.05%以下、約0.03%以下、又は約0.08%~約0.11%の化合物Kなど、約3%以下の化合物Kを有する。いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、2%以下、1.5%以下、1.3%以下、1%以下、0.9%以下、0.75%以下、0.6%以下、0.5%以下、0.35%以下、0.3%以下、0.11%以下、0.1%以下、0.08%以下、0.06%以下、0.05%以下、0.03%以下、又は0.08%~0.11%の化合物Kなど、3%以下の化合物Kを有する。
【0257】
いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、約2%以下、約1.5%以下、約1%以下、約0.75%以下、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.28%以下、約0.25%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.06%以下、又は約0.06%~約0.28%の化合物Nなど、約3%以下の化合物Nを有する。いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、2%以下、1.5%以下、1%以下、0.75%以下、0.6%以下、0.5%以下、0.28%以下、0.25%以下、0.2%以下、0.1%以下、0.06%以下、又は0.06%~0.28%の化合物Nなど、3%以下の化合物Nを有する。
【0258】
いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、約2%以下、約1.5%以下、約1%以下、約0.75%以下、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.3%以下、約0.17%以下、約0.12%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、又は約0.12%~約0.17%の化合物Oなど、約3%以下の化合物Oを有する。いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、2%以下、1.5%以下、1%以下、0.75%以下、0.6%以下、0.5%以下、0.3%以下、0.17%以下、0.12%以下、0.1%以下、0.05%以下、又は0.12%~0.17%の化合物Oなど、3%以下の化合物Oを有する。
【0259】
いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、約4%以下、約3%以下、約2.9%以下、約2%以下、約1%以下、又は約1.5%~約2.5%の総不純物など、約5%以下の総不純物を有する。いくつかの実施形態では、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、4%以下、3%以下、2.9%以下、2%以下、1%以下、又は1.5%~2.5%の総不純物など、5%以下の総不純物を有する。
【0260】
いくつかの実施形態では、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド、化合物D、化合物E、化合物F、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド、1,2,3,6-テトラピバロイル-α-L-アルトロフラノシド及び/又はそれらの誘導体は、第3の精製方法に従って独立して精製される。第3の精製方法は、当業者に公知の任意の方法であり得る。いくつかの実施形態では、第3の精製方法は、クロマトグラフィー、昇華、結晶化、分別抽出及び蒸留を含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィーは、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、順相液体クロマトグラフィー、及び逆相液体クロマトグラフィーを含む。いくつかの実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィー及び陽イオン交換クロマトグラフィーを含む。いくつかの実施形態では、第3の精製は、1つ以上の不純物を除去し、不純物は、1,2,3,6-テトラピバロイル-Dガラクトフラノシド、化合物N、化合物E、化合物G、化合物DD、化合物I、化合物K、化合物J、化合物O及び/又はそれらの誘導体を含む。
【0261】
いくつかの実施形態では、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド、化合物D、化合物E、化合物F、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド、1,2,3,6-テトラピバロイル-α-L-アルトロフラノシド及び/又はそれらの誘導体は、独立して、公知の方法のいずれかに従って薬学的に許容される塩に変換される。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、より良好な精製を提供する。
【0262】
いくつかの実施形態では、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド、化合物D、化合物E、化合物F、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド、1,2,3,6-テトラピバロイル-α-L-アルトロフラノシド及び/又はそれらの誘導体は、さらなる精製のために、1つ以上の化学基を保護するために独立して処理される。いくつかの実施形態では、1つ以上の保護された化学基を有する、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド、化合物D、化合物E、化合物F、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド、1,2,3,6-テトラピバロイル-α-L-アルトロフラノシド及び/又はそれらの誘導体は、独立して、より良好な精製を提供する。
【0263】
ステージ3:中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の調製
1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物生成のステージ3は、水素及びパラジウム触媒を使用して5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを還元することにより実施できる。いくつかの実施形態では、転位及びさらなる水素化の後、ナトリウムメトキシドを添加してピバロイル基を除去する。いくつかの実施形態では、生成物を処理して、N-アルキル置換された中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を作製する。いくつかの実施形態では、適切なアルキル化剤によるピペリジン窒素原子のアルキル化により、N-アルキル置換1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物が形成される。例えば、いくつかの実施形態では、アルキル化は、還元剤の存在下でのアルキルアルデヒドによる1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の還元的アルキル化によって実施される。適切な還元剤の非限定的な例としては、水素及び触媒、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムが挙げられる。いくつかの実施形態では、生成物を酸で処理し、単離して、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の塩を得る。例えば、いくつかの実施形態では、中間グレードのミガーラスタットを塩酸で処理して、ミガーラスタット塩酸塩を作製することができる。1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物生成のステージ3は、ステージ3a、3b、及び3cと呼ばれる3つのサブステップに分けることができる。ステージ3の成分の量が相対的な用語(例えば、重量部、モル当量、又は体積部)を使用して記載されている限り、それらの量は、別段の指示がない限り、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドと比較したものである。
【0264】
ステージ3a
いくつかの実施形態では、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド及び炭素上のパラジウム触媒を、水素雰囲気下、メタノール中で撹拌する。いくつかの実施形態では、パラジウム触媒は、炭素上の10%パラジウム触媒である。いくつかの実施形態は、約0.006~約0.04モル当量、約0.007~約0.03モル当量、約0.007~約0.02モル当量、約0.007~約0.013モル当量、約0.007モル当量、約0.008モル当量、約0.009モル当量、約0.01モル当量、約0.011モル当量、約0.012モル当量、又は約0.013モル当量のパラジウム触媒など、約0.005~約0.05モル当量のパラジウム触媒を使用することを含む。いくつかの実施形態は、0.006~0.04モル当量、0.007~0.03モル当量、0.007~0.02モル当量、0.007~0.013モル当量、0.007モル当量、0.008モル当量、0.009モル当量、0.01モル当量、0.011モル当量、0.012モル当量、又は0.013モル当量のパラジウム触媒など、0.005~0.05モル当量のパラジウム触媒を使用することを含む。
【0265】
いくつかの実施形態では、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド及び炭素上のパラジウム触媒を、約4~約8重量部、約5~約7.5重量部、約5.54~約7.13重量部、約5.54重量部、約6重量部、約6.5重量部、約7重量部、又は約7.13重量部のメタノールなど、約3~約9重量部のメタノール中で撹拌する。いくつかの実施形態では、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド及び炭素上のパラジウム触媒を、4~8重量部、5~7.5重量部、5.54~7.13重量部、5.54重量部、6重量部、6.5重量部、7重量部、又は7.13重量部のメタノールなど、3~9重量部のメタノール中で撹拌する。
【0266】
いくつかの実施形態では、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド及び炭素上のパラジウム触媒を水素雰囲気下、メタノール中で撹拌するプロセスは、窒素を放出するために数回(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10回以上)通気され、そのたびに水素圧力が再びかけられる。いくつかの実施形態では、混合物は、約35℃~約55℃、約40℃~約50℃、約40℃、約45℃、又は約50℃など、約30℃~約60℃の温度で撹拌される(例えば、通気後)。いくつかの実施形態では、混合物は、35℃~55℃、40℃~50℃、40℃、45℃、又は50℃など、30℃~60℃の温度で撹拌される。
【0267】
いくつかの実施形態では、水素圧力は、約6bar~約12bar、約7bar~約11bar、約8bar~約10bar、約8bar、約9bar、又は約10barなど、約5bar(絶対圧力)~約13bar(絶対圧力)である。いくつかの実施形態では、水素圧力は、6bar~12bar、7bar~11bar、8bar~10bar、8bar、9bar、又は10barなど、5bar(絶対圧力)~13bar(絶対圧力)である。
【0268】
いくつかの実施形態では、撹拌は、約35分以上、約40分以上、約44分以上、約50分以上、約55分以上、約60分以上、約65分以上、約68分以上、約75分以上、約30分~約80分、約35分~約75分、約40分~約70分、約44分~約68分、約44分、約45分、約50分、約55分、約60分、約65分、又は約68分など、約30分以上の時間にわたる。いくつかの実施形態では、撹拌は、35分以上、40分以上、44分以上、50分以上、55分以上、60分以上、65分以上、68分以上、75分以上、30分~80分、35分~75分、40分~70分、44分~68分、44分、45分、50分、55分、60分、65分、又は68分など、30分以上の時間にわたる。
【0269】
ステージ3b
いくつかの実施形態では、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(例えば、30%ナトリウムメトキシド)を化合物Sの溶液に添加する。いくつかの実施形態では、ナトリウムメトキシド溶液は、約0.7~約1.5当量、約0.8~約1.2当量、約0.8当量、約0.9当量、約1当量、約1.1当量、又は約1.2当量のメタノールなど、約0.5~約2当量のメタノールを含有する。いくつかの実施形態では、ナトリウムメトキシド溶液は、0.7~1.5当量、0.8~1.2当量、0.8当量、0.9当量、1当量、1.1当量、又は1.2当量のメタノールなど、0.5~2当量のメタノールを含有する。
【0270】
いくつかの実施形態では、ナトリウムメトキシド/化合物S混合物は、例えば蒸留によって、濃縮される。いくつかの実施形態では、混合物は、約0.3重量部、約0.4重量部、約0.5重量部、約0.6重量部、約0.7重量部、又は約0.8重量部(体積マーカーによる)まで濃縮される。いくつかの実施形態では、混合物は、0.3重量部、0.4重量部、0.5重量部、0.6重量部、0.7重量部、又は0.8重量部(体積マーカーによる)まで濃縮される。いくつかの実施形態では、塩酸などの酸が濃縮混合物に添加される。いくつかの実施形態では、酸は、約33%~約40%、約35%~約37%、約35%、約36%、又は約37%の酸など、約30%~約45%の酸の濃度である。いくつかの実施形態では、酸は、33%~40%、35%~37%、35%、36%、又は37%の酸など、30%~45%の酸の濃度である。
【0271】
いくつかの実施形態では、約2~約3.5体積部、約2.9~約3.2体積部、約2.9体積部、約3体積部、約3.1体積部、又は約3.2体積部など、約1.5~約4体積部の塩酸などの酸が混合物に添加される。いくつかの実施形態では、2~3.5体積部、2.9~3.2体積部、2.9体積部、3体積部、3.1体積部、又は3.2体積部など、1.5~4体積部の塩酸などの酸が混合物に添加される。理論に束縛されるものではないが、塩酸などの酸は、副生成物のナトリウム塩(例えば、塩化ナトリウムなどのナトリウム塩を加え、バッチを撹拌した後に沈殿する)に対する貧溶媒として機能することができ、その後濾過によって除去することができると考えられる。
【0272】
いくつかの実施形態では、塩酸などの酸は、約15℃~約55℃、約20℃~約50℃、約20℃~約45℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、又は約45℃など、約10℃~約60℃の温度で添加される。いくつかの実施形態では、塩酸などの酸は、15℃~55℃、20℃~50℃、20℃~45℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、又は45℃など、10℃~60℃の温度で添加される。
【0273】
いくつかの実施形態では、混合物は、塩酸などの酸の添加後、エイジング時間でエイジングして、塩化ナトリウムなどのナトリウム塩を沈殿させる。いくつかの実施形態では、エイジング時間は、約12時間以下、約10時間以下、約9時間以下、約8時間以下、約7時間以下、約6時間以下、又は約5時間以下など、約15時間以下である。いくつかの実施形態では、エイジング時間は、12時間以下、10時間以下、9時間以下、8時間以下、7時間以下、6時間以下、又は5時間以下など、15時間以下である。
【0274】
いくつかの実施形態では、混合物は、約30℃~約65℃、約35℃~約60℃、約40℃~約55℃、約40℃、約45℃、約50℃、又は約55℃など、約25℃~約70℃の温度でエイジングされる。いくつかの実施形態では、混合物は、30℃~65℃、35℃~60℃、40℃~55℃、40℃、45℃、50℃、又は55℃など、25℃~70℃の温度でエイジングされる。
【0275】
いくつかの実施形態では、混合物のエイジングから形成された懸濁液を濾過温度まで冷却し、次いで塩化ナトリウムなどのナトリウム塩を濾過する。いくつかの実施形態では、濾過温度は、約20℃~約45℃、約25℃~約40℃、約25℃、約30℃、約35℃、又は約40℃など、約15℃~約50℃である。いくつかの実施形態では、濾過温度は、20℃~45℃、25℃~40℃、25℃、30℃、35℃、又は40℃など、15℃~50℃である。
【0276】
ステージ3c
いくつかの実施形態では、ステージ3bの生成物にエタノールが添加される。いくつかの実施形態では、エタノールは、約20分以上、約25分以上、約30分以上、約35分以上、約40分以上、約45分以上、約50分以上、約55分以上、約60分以上、約20分、約25分、約30分、約35分、約40分、約45分、約50分、約55分、又は約60分など、約15分以上かけて添加される。いくつかの実施形態では、エタノールは、20分以上、25分以上、30分以上、35分以上、40分以上、45分以上、50分以上、55分以上、60分以上、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、又は60分など、15分以上かけて添加される。
【0277】
いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物が単離される。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約10℃以上、約15℃以上、約20℃以上、約25℃以上、約30℃以上、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、又は約30℃など、約5℃以上の温度で単離される。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、10℃以上、15℃以上、20℃以上、25℃以上、30℃以上、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、又は30℃など、5℃以上の温度で単離される。
【0278】
いくつかの実施形態では、単離された中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、例えばエタノールで、洗浄される。いくつかの実施形態では、洗浄された中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は乾燥される。
【0279】
いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の収率は、約60%以上、約65%以上、約70%以上、約72%以上、約75%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、約92%以上、約95%以上、約70%~約95%、又は約72%~約92%など、約50%以上である。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の収率は、60%以上、65%以上、70%以上、72%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、92%以上、95%以上、70%~95%、又は72%~92%など、50%以上である。
【0280】
中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の純度
中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の純度は、合計又は特定の不純物の量を使用して表すことができる。量は、とりわけ、%w/w(例えば、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量に基づく)又は%面積(例えば、クロマトグラフのピーク下総面積と比較した、不純物のHPLCピークなどのクロマトグラフのピーク下面積に基づく)を使用して計算することができる。具体的に開示される不純物のパーセンテージは、%w/w及び/又は%面積に基づいて計算される量を包含することを意味する。換言すれば、いくつかの実施形態では、不純物%は%w/wに基づいて計算され;いくつかの実施形態では、不純物%は%面積に基づいて計算され;いくつかの実施形態では、不純物%は%w/w及び%面積に基づいて計算される。不純物の量が計算の種類(例えば、%w/w)に具体的に関連付けられている場合、そのような計算は本開示の範囲を限定するものではないことが理解され、したがって、必要に応じて、追加又は代替として、他の計算(例えば、%面積)を使用して不純物の量を決定することができる。
【0281】
いくつかの実施形態では、化合物R、化合物S、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物、1-デオキシガラクトノジリマイシン塩、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物及び/又はそれらの誘導体は、第4の精製方法に従って独立して精製される。第4の精製方法は、当業者に公知の任意の方法であり得る。いくつかの実施形態では、第4の精製方法は、クロマトグラフィー、昇華、結晶化、分別抽出及び蒸留を含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィーは、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、順相液体クロマトグラフィー、及び逆相液体クロマトグラフィーを含む。いくつかの実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィー及び陽イオン交換クロマトグラフィーを含む。いくつかの実施形態では、第4の精製は、1つ又は複数の不純物を除去し、不純物は、化合物U、化合物V、化合物Y、化合物W、化合物BB、化合物Z、化合物AA、化合物X及び/又はそれらの誘導体を含む。
【0282】
いくつかの実施形態では、化合物R、化合物S、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物及び/又はそれらの誘導体は、独立して、公知の方法のいずれかに従って薬学的に許容される塩に変換される。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、より良好な精製を提供する。
【0283】
いくつかの実施形態では、化合物R、化合物S、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物、1-デオキシガラクトノジリマイシン塩、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物及び/又はそれらの誘導体は、さらなる精製のために、1つ以上の化学基を保護するために独立して処理される。いくつかの実施形態では、1つ以上の保護された化学基を有する、化合物R、化合物S、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物、1-デオキシガラクトノジリマイシン塩、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物及び/又はそれらの誘導体のうちの1つ以上は、より良好な精製を提供する。
【0284】
いくつかの実施形態では、生成された中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約1%w/w以下、約0.75%w/w以下、約0.67%w/w以下、約0.5%w/w以下、約0.4%w/w以下、約0.25%w/w以下、又は約0.1%w/w以下の化合物Uなど、約2%w/w以下の化合物Uを有する。いくつかの実施形態では、生成された中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、1%w/w以下、0.75%w/w以下、0.67%w/w以下、0.5%w/w以下、0.4%w/w以下、0.25%w/w以下、又は0.1%w/w以下の化合物Uなど、2%w/w以下の化合物Uを有する。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量の化合物Uを有しない。
【0285】
いくつかの実施形態では、生成された中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約1%w/w以下、約0.75%w/w以下、約0.5%w/w以下、約0.42%w/w以下、約0.4%w/w以下、約0.25%w/w以下、約0.13%w/w以下、又は約0.1%w/w以下の化合物Vなど、約2%w/w以下の化合物Vを有する。いくつかの実施形態では、生成された中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、1%w/w以下、0.75%w/w以下、0.5%w/w以下、0.42%w/w以下、0.4%w/w以下、0.25%w/w以下、0.13%w/w以下、又は0.1%w/w以下の化合物Vなど、2%w/w以下の化合物Vを有する。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量の化合物Vを有しない。
【0286】
いくつかの実施形態では、生成された中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約1%w/w以下、約0.75%w/w以下、約0.5%w/w以下、約0.41%w/w以下、約0.4%w/w以下、約0.25%w/w以下、又は約0.1%w/w以下の化合物Yなど、約2%w/w以下の化合物Yを有する。いくつかの実施形態では、生成された中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、1%w/w以下、0.75%w/w以下、0.5%w/w以下、0.41%w/w以下、0.4%w/w以下、0.25%w/w以下、又は0.1%w/w以下の化合物Yなど、2%w/w以下の化合物Yを有する。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量の化合物Yを有しない。
【0287】
いくつかの実施形態では、生成された中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約1%w/w以下、約0.75%w/w以下、約0.5%w/w以下、約0.25%w/w以下、約0.15%以下、約0.1%w/w以下、約0.04%以下、又は約0.01%以下の化合物Wなど、約2%w/w以下の化合物Wを有する。いくつかの実施形態では、生成された中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、1%w/w以下、0.75%w/w以下、0.5%w/w以下、0.25%w/w以下、0.15%以下、0.1%w/w以下、0.04%以下、又は0.01%以下の化合物Wなど、2%w/w以下の化合物Wを有する。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量の化合物Wを有しない。
【0288】
いくつかの実施形態では、生成された中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約1%w/w以下、約0.75%w/w以下、約0.5%w/w以下、約0.4%w/w以下、約0.39%w/w以下、約0.3%以下、約0.25%w/w以下、約0.15%以下、又は約0.1%w/w以下の化合物BBなど、約2%w/w以下の化合物BBを有する。いくつかの実施形態では、生成された中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、1%w/w以下、0.75%w/w以下、0.5%w/w以下、0.4%w/w以下、0.39%w/w以下、0.3%以下、0.25%w/w以下、0.15%以下、又は0.1%w/w以下の化合物BBなど、2%w/w以下の化合物BBを有する。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量の化合物BBを有しない。
【0289】
いくつかの実施形態では、生成された中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約1%w/w以下、約0.75%w/w以下、約0.5%w/w以下、約0.44%w/w以下、約0.4%w/w以下、約0.25%w/w以下、約0.15%以下、又は約0.1%w/w以下の化合物Vなど、約2%w/w以下の化合物Zを有する。いくつかの実施形態では、生成された中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、1%w/w以下、0.75%w/w以下、0.5%w/w以下、0.44%w/w以下、0.4%w/w以下、0.25%w/w以下、0.15%以下、又は0.1%w/w以下の化合物Vなど、2%w/w以下の化合物Zを有する。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量の化合物Zを有しない。
【0290】
いくつかの実施形態では、生成された中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約1%w/w以下、約0.75%w/w以下、約0.5%w/w以下、約0.41%w/w以下、約0.4%w/w以下、約0.25%w/w以下、約0.15%以下、約0.1%w/w以下、約0.09%以下、又は約0.05%以下の化合物AAなど、約2%w/w以下の化合物AAを有する。いくつかの実施形態では、生成された中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、1%w/w以下、0.75%w/w以下、0.5%w/w以下、0.41%w/w以下、0.4%w/w以下、0.25%w/w以下、0.15%以下、0.1%w/w以下、0.09%以下、又は0.05%以下の化合物AAなど、2%w/w以下の化合物AAを有する。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量の化合物AAを有しない。
【0291】
いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約1%以下、約0.7%以下、約0.5%以下、約0.2%以下、又は約0.1%以下の化合物CCなど、約1.2%面積以下の化合物CCを含有する。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、1%以下、0.7%以下、0.5%以下、0.2%以下、又は0.1%以下の化合物CCなど、1.2%面積以下の化合物CCを含有する。
【0292】
いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約1.2%以下、約1%以下、約0.7%以下、約0.5%以下、約0.2%以下、又は約0.1%以下の化合物Aなど、約1.4%面積以下の化合物Aを含有する。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、1.2%以下、1%以下、0.7%以下、0.5%以下、0.2%以下、又は0.1%以下の化合物Aなど、1.4%面積以下の化合物Aを含有する。
【0293】
いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.5%以下、約0.4%以下、約0.3%以下、約0.2%以下、又は約0.1%以下の化合物EEなど、約0.6%面積以下の化合物EEを含有する。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、0.2%以下、又は0.1%以下の化合物EEなど、0.6%面積以下の化合物EEを含有する。
【0294】
いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約3%以下、約2%以下、約1%以下、約0.7%以下、約0.5%以下、約0.2%以下、又は約0.1%以下の化合物DDなど、約4.1%面積以下の化合物DDを含有する。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、3%以下、2%以下、1%以下、0.7%以下、0.5%以下、0.2%以下、又は0.1%以下の化合物DDなど、4.1%面積以下の化合物DDを含有する。
【0295】
いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約4%以下、約3%以下、約2%以下、約1.5%以下、約1%以下、約0.67%以下、約0.61%以下、約0.5%以下、約0.32%以下、約0.31%以下、又は約0.25%以下の総不純物など、約5%以下の総不純物を有する。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、4%以下、3%以下、2%以下、1.5%以下、1%以下、0.67%以下、0.61%以下、0.5%以下、0.32%以下、0.31%以下、又は0.25%以下の総不純物など、5%以下の総不純物を有する。
【0296】
ステージ4:医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の調製
いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を結晶化して、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を形成する。いくつかの実施形態では、中間1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を2回以上(例えば、2回、3回、4回、又はそれ以上)結晶化して、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を形成する。
【0297】
いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、結晶化の前に第5の精製方法に従って任意選択により精製される。第5の精製方法は、当業者に公知の任意の方法であり得る。いくつかの実施形態では、第5の精製方法は、クロマトグラフィー、昇華、結晶化、分別抽出及び蒸留を含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィーは、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、順相液体クロマトグラフィー、及び逆相液体クロマトグラフィーを含む。いくつかの実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィー及び陽イオン交換クロマトグラフィーを含む。
【0298】
いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、公知の方法のいずれかに従って薬学的に許容される塩に変換される。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、より良好な精製を提供する。
【0299】
いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、さらなる精製のために、1つ以上の化学基を保護するために独立して処理される。いくつかの実施形態では、1つ以上の保護された化学基を有する中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、より良好な精製を提供する。
【0300】
ステージ4a:第1の結晶化ステップ
ステージ4の成分の量が相対的な用語(例えば、重量部)を使用して記載されている限り、それらの量は、別段の指示がない限り、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物と比較したものである。
【0301】
いくつかの実施形態では、結晶化は、水と低級アルコール、例えば、C1~C4アルコールの混合物中で行われる。このようなアルコールの例としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、及びn-ブタノールが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、低級アルコールはエタノールである。したがって、いくつかの実施形態では、結晶化は、水とエタノールの混合物中で行われる。
【0302】
いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を水と混合して、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の第1のスラリー又は溶液を提供する。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.5~約3重量部、約1~約2重量部、約1.1~約1.4重量部、約1.1重量部、約1.2重量部、約1.3重量部、又は約1.4重量部の水など、約0.5~約4重量部の水と混合される。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.5~約3重量部、約1~約2重量部、約1.1~約1.4、約1.1重量部、約1.2重量部、約1.3重量部、又は約1.4重量部の水など、約0.5~約4重量部の水と混合される。
【0303】
添加中及び添加後の温度はいずれも変化し得る。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を水と混合した後、温度を、例えば、約30℃~約70℃、約35℃~約65℃、約40℃~約60℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、又は約60℃の温度に調整する。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を水と混合した後、温度を、例えば、約30℃~約70℃、約35℃~約65℃、約40℃~約60℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、又は約60℃の温度に調整する。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約30℃~約70℃の温度で水と混合され、温度は、第1の結晶化温度に維持されるか、又はその温度から上下に調整される。
【0304】
C1~C4アルコールを中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の第1のスラリー又は溶液に加えて、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の第2のスラリー又は溶液を生成し、結晶化を誘導する。いくつかの実施形態では、C1-C4アルコールはエタノールである。添加されるC1~C4アルコールの量は変動し得、一般に、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量に対する重量に基づく。いくつかの実施形態では、約1~約15重量部のエタノールなどのC1~C4アルコールが添加される。いくつかの実施形態では、約1~約11.4重量部のエタノールなどのC1~C4アルコールが、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の第1のスラリー又は溶液に添加される。いくつかの実施形態では、約4.8~約11.4重量部のエタノールなどのC1~C4アルコールが、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の第1のスラリー又は溶液に添加される。いくつかの実施形態では、約8.4~約10.6重量部のエタノールなどのC1~C4アルコールが、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の第1のスラリー又は溶液に添加される。いくつかの実施形態では、約7~約12重量部、約8~約11重量部、約8.5~約10.4重量部、約8.5重量部、約9重量部、約9.5重量部、約10重量部、又は約10.4重量部のC1~C4アルコールなど、約6~約15重量部のエタノールなどのC1~C4アルコールが、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の第1のスラリー又は溶液に添加される。いくつかの実施形態では、7~12重量部、8~11重量部、8.5~10.4重量部、8.5重量部、9重量部、9.5重量部、10重量部、又は10.4重量部のC1~C4アルコールなど、6~15重量部のエタノールなどのC1~C4アルコールが、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の第1のスラリー又は溶液に添加される。
【0305】
いくつかの実施形態では、第1の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を第1の単離温度まで冷却して結晶化を完了し、結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を含む第1の混合物を提供する。いくつかの実施形態では、第2のスラリー又は溶液は、単離温度、例えば、約3℃~約50℃、約5℃~約45℃、約5℃~約40℃、約5℃~約35℃、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、又は約35℃まで冷却される。いくつかの実施形態では、単離温度は、約3℃~約50℃、約5℃~約45℃、約5℃~約40℃、約5℃~約35℃、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、又は約35℃である。
【0306】
いくつかの実施形態では、ステージ4aの生成物(すなわち、第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物)は、濾過(例えば、単離温度で行われる)によって第1の混合物から単離される。いくつかの実施形態では、単離されたステージ4aの生成物は、C1~C4アルコール、例えばエタノールで洗浄される。C1~C4アルコール洗浄は、約1重量部以上、約2重量部以上、約3重量部以上、約5重量部以上、又は約10重量部以上など、約0.5重量部以上のC1~C4アルコール(単離されたステージ4a生成物の重量に対して)を用いて行うことができる。いくつかの実施形態では、C1~C4アルコール洗浄は、1重量部以上、2重量部以上、3重量部以上、5重量部以上、又は10重量部以上など、約0.5重量部以上のC1~C4アルコールを用いて行われる。
【0307】
いくつかの実施形態では、ステージ4aの生成物(すなわち、第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物)は、例えば真空下で、乾燥される。いくつかの実施形態では、ステージ4aの生成物は、約80℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約50℃以下、約80℃、約70℃、又は約60℃など、約90℃以下の温度で乾燥される。いくつかの実施形態では、ステージ4aの生成物は、約80℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約50℃以下、約80℃、約70℃、又は約60℃など、90℃以下の温度で乾燥される。
【0308】
いくつかの実施形態では、ステージ4aの生成物は、任意選択により、結晶化の前に第6の精製方法に従って精製される。第6の精製方法は、当業者に公知の任意の方法であり得る。いくつかの実施形態では、精製方法は、クロマトグラフィー、昇華、結晶化、分別抽出及び蒸留を含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィーは、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、順相液体クロマトグラフィー、及び逆相液体クロマトグラフィーを含む。いくつかの実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィー及び陽イオン交換クロマトグラフィーを含む。
【0309】
いくつかの実施形態では、ステージ4aの生成物は、さらなる精製のために、1つ以上の化学基を保護するために任意選択により処理される。いくつかの実施形態では、1つ以上の保護された化学基を有するステージ4aの生成物は、より良好な精製を提供する。
【0310】
いくつかの実施形態では、ステージ4aの生成物は、公知の方法のいずれかに従って薬学的に許容される塩に変換される。いくつかの実施形態では、ステージ4aの生成物は、より良好な精製を提供する。
【0311】
ステージ4b:第2の結晶化ステップ
ステージ4bの成分の量が相対的な用語(重量部など)を使用して記載されている限り、それらの量は、別段の指示がない限り、ステージ4aの生成物と比較したものである。
【0312】
いくつかの実施形態では、ステージ4aの生成物(すなわち、第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物)は、第2の結晶化に供される。いくつかの実施形態では、第2の結晶化は、水及びC1~C4アルコールを含む第2の混合物中で第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を結晶化して、第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ること;並びに第2の混合物から第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単離して、医薬品有効成分(API)グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を得ることを含む。
【0313】
いくつかの実施形態では、ステージ4aの生成物(すなわち、第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物)を水と混合して、第3の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成する。いくつかの実施形態では、ステージ4aの生成物は、約0.5~約3重量部、約1~約2重量部、約1.1~約1.4重量部、約1.1重量部、約1.2重量部、約1.3重量部、又は約1.4重量部の水など、約0.5~約4重量部の水と混合される。いくつかの実施形態では、ステージ4aの生成物は、約0.5~約3重量部、1~2重量部、約1.1~約1.4、約1.1重量部、約1.2重量部、約1.3重量部、又は約1.4重量部の水など、0.5~約4重量部の水と混合される。
【0314】
添加中及び添加後の温度はいずれも変化し得る。いくつかの実施形態では、ステージ4a生成物を水と混合した後、温度を、例えば、約30℃~約70℃、約35℃~約65℃、約40℃~約60℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、又は約60℃の温度に調整する。いくつかの実施形態では、ステージ4a生成物を水と混合した後、温度を、例えば、約30℃~約70℃、約35℃~約65℃、約40℃~約60℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、又は約60℃の温度に調整する。いくつかの実施形態では、第1の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約30℃~約70℃の温度で水と混合され、温度は、第2の結晶化温度に維持されるか、又はその温度から上下に調整される。
【0315】
いくつかの実施形態では、第1の量のC1~C4アルコールをステージ4a生成物である第3の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液に加えて、第4の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のスラリー又は溶液を生成し、結晶化を誘導する。いくつかの実施形態では、C1-C4アルコールはエタノールである。いくつかの実施形態では、第1の量のエタノールなどのC1~C4アルコールは、約0.75~約3重量部、約1~約2.5重量部、約1.8~約2重量部、約1.8重量部、約1.9重量部、又は約2重量部のC1~C4アルコールなど、約0.5~約4重量部のC1~C4アルコールである。いくつかの実施形態では、第1の量のエタノールなどのC1~C4アルコールは、約0.75~約3重量部、約1~約2.5重量部、約1.8~約2重量部、約1.8重量部、約1.9重量部、又は約2重量部のC1~C4アルコールなど、約0.5~約4重量部のC1~C4アルコールである。
【0316】
いくつかの実施形態では、第1の量のエタノールなどのC1~C4アルコールは、約4分以上、約5分以上、約10分以上、又は約15分以上など、約3分以上かけて添加される。いくつかの実施形態では、第1の量のエタノールなどのC1~C4アルコールは、約4分以上、約5分以上、約10分以上、又は約15分以上など、約3分以上かけて添加される。いくつかの実施形態では、第1の量のエタノールなどのC1~C4アルコールは、約5分~約60分かけて添加される。
【0317】
いくつかの実施形態では、保持時間の後に、第2の量のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)が混合物に添加される。保持時間は、約4分以上、約5分以上、約10分以上、又は約15分以上など、約3分以上であり得る。いくつかの実施形態では、保持時間は、約4分以上、約5分以上、約10分以上、又は約15分以上など、約3分以上である。いくつかの実施形態では、保持時間は約5分~約60分の期間である。
【0318】
いくつかの実施形態では、第2の量のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)は、約5~約12重量部、約6~約10重量部、約6.5~約9重量部、約6.7~約8.4重量部、約6.8重量部、約7重量部、約7.5重量部、約8重量部、又は約8.4重量部など、約4~約15重量部のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)を含む。いくつかの実施形態では、第2の量のC1~C4アルコールは、約5~約12重量部、約6~約10重量部、約6.5~約9重量部、約6.8~約8.4重量部、約6.8重量部、約7重量部、約7.5重量部、約8重量部、又は約8.4重量部など、約4~15重量部のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)を含む。
【0319】
いくつかの実施形態では、第2の量のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)は、約15分以上、約20分以上、約30分以上、約45分以上、又は60分以上など、約10分以上かけて添加される。いくつかの実施形態では、第2の量のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)は、約15分以上、約20分以上、約30分以上、約45分以上、又は60分以上など、約10分以上かけて添加される。
【0320】
添加されるC1~C4アルコール(例えば、エタノール)の総量は変動し得、一般に、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量に対する重量に基づく。いくつかの実施形態では、ステージ4bで使用されるC1~C4アルコール(例えば、エタノール)の量(すなわち、第1の量+第2の量のC1~C4アルコール)は、ステージ4aで使用されるC1~C4アルコール(例えば、エタノール)の量と同じである。いくつかの実施形態では、ステージ4bで使用されるC1~C4アルコールの量は、ステージ4aで使用されるC1~C4アルコールの量とは異なる。いくつかの実施形態では、約1~約15重量部のエタノールなどのC1~C4アルコールが添加される。いくつかの実施形態では、約1~約11.4重量部のエタノールなどのC1~C4アルコールが添加される。いくつかの実施形態では、約4.8~約11.4重量部のエタノールなどのC1~C4アルコールが添加される。いくつかの実施形態では、約8.4~約10.6重量部のエタノールなどのC1~C4アルコールが添加される。いくつかの実施形態では、約9.5重量部のエタノールなどのC1~C4アルコールが添加される。
【0321】
いくつかの実施形態は、結晶化を完了させるために、結晶化が少なくとも部分的に進行したステージ4bのスラリー又は溶液を第2の単離温度まで冷却し、結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を含む第2の混合物を提供することを含む。いくつかの実施形態では、第2の単離温度は、例えば、約3℃~約50℃、約5℃~約45℃、約5℃~約40℃、約5℃~約35℃、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、又は約35℃である。いくつかの実施形態では、第2の単離温度は、約3℃~約50℃、約5℃~約45℃、約5℃~約40℃、約5℃~約35℃、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、又は約35℃である。
【0322】
いくつかの実施形態では、ステージ4bの生成物(すなわち、第2の結晶化1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物)は、濾過(例えば、第2の単離温度で行われる)によって第2の混合物から単離される。いくつかの実施形態では、単離されたステージ4bの生成物は、C1~C4アルコール、例えばエタノールで洗浄される。洗浄は、約1重量部以上、約2重量部以上、約3重量部以上、約5重量部以上、又は約10重量部以上など、約0.5重量部以上のC1~C4アルコールを用いて行うことができる。いくつかの実施形態では、洗浄は、約1重量部以上、約2重量部以上、約3重量部以上、約5重量部以上、又は約10重量部以上のエタノールなど、約0.5重量部以上のエタノールを用いて行われる。
【0323】
いくつかの実施形態では、ステージ4b生成物は、例えば真空下で、乾燥される。いくつかの実施形態では、ステージ4bの生成物は、約80℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約50℃以下、約80℃、約70℃、又は約60℃など、約90℃以下の温度で乾燥される。いくつかの実施形態では、ステージ4bの生成物は、80℃以下、70℃以下、60℃以下、50℃以下、80℃、70℃、又は60℃など、90℃以下の温度で乾燥される。
【0324】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の収率は、約50%以上、約56%以上、約60%以上、約65%以上、約70%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、約100%以上、約102%以上、約50%~約105%、又は約56%~約102%など、約40%以上である。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の収率は、50%以上、56%以上、60%以上、65%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、100%以上、102%以上、50%~105%、又は56%~102%など、40%以上である。
【0325】
いくつかの実施形態では、ステージ4bの生成物は、任意選択により、結晶化の前に第7の精製方法に従って精製される。第7の精製方法は、当業者に公知の任意の方法であり得る。いくつかの実施形態では、精製方法は、クロマトグラフィー、昇華、結晶化、分別抽出及び蒸留を含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィーは、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、順相液体クロマトグラフィー、及び逆相液体クロマトグラフィーを含む。いくつかの実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィー及び陽イオン交換クロマトグラフィーを含む。
【0326】
いくつかの実施形態では、ステージ4bの生成物は、さらなる精製のために、1つ以上の化学基を保護するために任意選択により処理される。いくつかの実施形態では、1つ以上の保護された化学基を有するステージ4bの生成物は、より良好な精製を提供する。
【0327】
いくつかの実施形態では、ステージ4bの生成物は、公知の方法のいずれかに従って薬学的に許容される塩に変換される。いくつかの実施形態では、ステージ4bの生成物は、より良好な精製を提供する。
【0328】
医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の純度
本明細書に開示される方法によって生成される1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の純度は変動し得る。1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の純度は、合計又は特定の不純物の量を使用して表すことができる。量は、とりわけ、%w/w(例えば、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量に基づく)、%面積(例えば、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物と比較した、不純物のHPLCピークなどのクロマトグラフのピーク下面積に基づく)、百万分率などを使用して計算することができる。具体的に開示される不純物のパーセンテージは、%w/w及び/又は%面積に基づいて計算される量を包含することを意味する。換言すれば、いくつかの実施形態では、不純物%は%w/wに基づいて計算され;いくつかの実施形態では、不純物%は%面積に基づいて計算され;いくつかの実施形態では、不純物%は%w/w及び%面積に基づいて計算される。不純物の量が計算の種類(例えば、%w/w)に具体的に関連付けられている場合、そのような計算は本開示の範囲を限定するものではないことが理解され、したがって、必要に応じて、追加又は代替として、他の計算(例えば、%面積)を使用して不純物の量を決定することができる。
【0329】
いくつかの実施形態では、本明細書において医薬品有効成分(API)グレードとも呼ばれる医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物が提供される。一般に、APIグレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を提供することは、(例えば、本明細書で上記されるように1つ以上の結晶化を実施することによって)本明細書に記載されるような中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を精製することを含む。医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の純度の変動に加えて、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の不純物プロファイル(すなわち、その任意の所定のバッチの不純物プロファイル)も変動し得る。
【0330】
いくつかの実施形態では、生成された医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.1%w/w以下、約0.05w/w以下、又は約0.025%w/w以下の化合物Wなど、約0.15%w/w以下の化合物Wを有する。いくつかの実施形態では、生成された医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、0.1%w/w以下、0.05w/w以下、又は0.025%w/w以下の化合物Wなど、0.15%w/w以下の化合物Wを有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量の化合物Wを有しない。
【0331】
いくつかの実施形態では、生成された医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.1%w/w以下、約0.05w/w以下、又は約0.025%w/w以下の化合物Uなど、約0.15%w/w以下の化合物Uを有する。いくつかの実施形態では、生成された医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、0.1%w/w以下、0.05w/w以下、又は0.025%w/w以下の化合物Uなど、0.15%w/w以下の化合物Uを有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量の化合物Uを有しない。
【0332】
いくつかの実施形態では、生成された医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.1%w/w以下、約0.05w/w以下、又は約0.025%w/w以下の化合物Vなど、約0.15%w/w以下の化合物Vを有する。いくつかの実施形態では、生成された医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、0.1%w/w以下、0.05w/w以下、又は0.025%w/w以下の化合物Vなど、0.15%w/w以下の化合物Vを有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量の化合物Vを有しない。
【0333】
いくつかの実施形態では、生成された医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.1%w/w以下、約0.05w/w以下、又は約0.025%w/w以下の化合物Yなど、約0.15%w/w以下の化合物Yを有する。いくつかの実施形態では、生成された医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、0.1%w/w以下、0.05w/w以下、又は0.025%w/w以下の化合物Yなど、0.15%w/w以下の化合物Yを有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量の化合物Yを有しない。
【0334】
いくつかの実施形態では、生成された医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.1%w/w以下、約0.05w/w以下、又は約0.025%w/w以下の化合物BBなど、約0.15%w/w以下の化合物BBを有する。いくつかの実施形態では、生成された医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、0.1%w/w以下、0.05w/w以下、又は0.025%w/w以下の化合物BBなど、0.15%w/w以下の化合物BBを有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量の化合物BBを有しない。
【0335】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.2%w/w以下、約0.1%w/w以下、又は約0.05%w/w以下のC1~C4アルコール(例えば、メタノール)など、約0.3%w/w以下のC1~C4アルコール(例えば、メタノール)を有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、0.2%w/w以下、0.1%w/w以下、又は0.05%w/w以下のC1~C4アルコール(例えば、メタノール)など、0.3%w/w以下のC1~C4アルコール(例えば、メタノール)を有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量のC1~C4アルコール(例えば、メタノール)を有しない。
【0336】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.4%w/w以下、約0.3%w/w、約0.2%w/w以下、約0.1%w/w以下、又は約0.05%w/w以下のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)など、約0.5%w/w以下のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)を有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、0.4%w/w以下、0.3%w/w、0.2%w/w以下、0.1%w/w以下、又は0.05%w/w以下のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)など、0.5%w/w以下のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)を有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)を有しない。
【0337】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.1%w/w以下、又は約0.05%w/w以下の水など、約0.2%w/w以下の水を有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、0.1%w/w以下、又は0.05%w/w以下の水など、0.2%w/w以下の水を有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量の水を有しない。
【0338】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.1%w/w以下、又は約0.05%w/w以下の強熱残分など、約0.2%w/w以下の強熱残分を有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、0.1%w/w以下、又は0.05%w/w以下の強熱残分など、0.2%w/w以下の強熱残分を有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量の強熱残分を有しない。
【0339】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.1ppm以下、又は約0.05ppm以下のヒ素など、約0.15ppm以下のヒ素を有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、0.1ppm以下、又は0.05ppm以下のヒ素など、0.15ppm以下のヒ素を有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量のヒ素を有しない。
【0340】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.4ppm以下、約0.3ppm以下、約0.2ppm以下、約0.1ppm以下、又は約0.05ppmのカドミウムなど、約0.5ppm以下のカドミウムを有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、0.4ppm以下、0.3ppm以下、0.2ppm以下、0.1ppm以下、又は0.05ppmのカドミウムなど、0.5ppm以下のカドミウムを有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量のカドミウムを有しない。
【0341】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約1ppm以下、約0.9ppm以下、約0.8ppm以下、約0.7ppm以下、約0.6ppm以下、約0.5ppm以下、約0.4ppm以下、約0.3ppm以下、約0.2ppm以下、約0.1ppm以下、又は約0.05ppm以下の水銀など、約1.5ppm以下の水銀を有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、1ppm以下、0.9ppm以下、0.8ppm以下、0.7ppm以下、0.6ppm以下、0.5ppm以下、0.4ppm以下、0.3ppm以下、0.2ppm以下、0.1ppm以下、又は0.05ppm以下の水銀など、1.5ppm以下の水銀を有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量の水銀を有しない。
【0342】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.4ppm以下、約0.3ppm以下、約0.2ppm以下、約0.1ppm以下、又は約0.05ppmの鉛など、約0.5ppm以下の鉛を有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、0.4ppm以下、0.3ppm以下、0.2ppm以下、0.1ppm以下、又は0.05ppmの鉛など、0.5ppm以下の鉛を有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量の鉛を有しない。
【0343】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約9ppm以下、約8ppm以下、約7ppm以下、約6ppm以下、約5ppm以下、約4ppm以下、約3ppm以下、約2ppm以下、約1ppm以下、又は約0.5ppm以下のパラジウムなど、約10ppm以下のパラジウムを有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、9ppm以下、8ppm以下、7ppm以下、6ppm以下、5ppm以下、4ppm以下、3ppm以下、2ppm以下、1ppm以下、又は0.5ppm以下のパラジウムなど、10ppm以下のパラジウムを有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量のパラジウムを有しない。
【0344】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.05%以下、又は約0.2%以下の化合物CCなど、約0.1%以下の化合物CCを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、0.05%以下、又は0.2%以下の化合物CCなど、0.1%以下の化合物CCを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量の化合物CCを含有しない。
【0345】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.05%以下、又は約0.2%以下の化合物Aなど、約0.1%以下の化合物Aを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、0.05%以下、又は0.2%以下の化合物Aなど、0.1%以下の化合物Aを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量の化合物Aを含有しない。
【0346】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.05%以下、又は約0.2%以下の化合物EEなど、約0.1%以下の化合物EEを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、0.05%以下、又は0.2%以下の化合物EEなど、0.1%以下の化合物EEを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量の化合物EEを含有しない。
【0347】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.05%以下、又は約0.2%以下の化合物DDなど、約0.1%以下の化合物DDを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、0.05%以下、又は0.2%以下の化合物DDなど、0.1%以下の化合物DDを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、検出可能な量の化合物DDを含有しない。
【0348】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり約10μg以下、約8μg以下、約5μg以下、約4μg以下、約3μg以下、約2μg以下、約1μg以下、又は約0.5μg以下の化合物Dなど、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり約12μg以下の化合物Dを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり10μg以下、8μg以下、5μg以下、4μg以下、3μg以下、2μg以下、1μg以下、又は0.5μg以下の化合物Dなど、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり12μg以下の化合物Dを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり検出可能な量の化合物Dを含有しない。
【0349】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり約10μg以下、約8μg以下、約5μg以下、約4μg以下、約3μg以下、約2μg以下、約1μg以下、又は約0.5μg以下の化合物Fなど、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり約12μg以下の化合物Fを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり10μg以下、8μg以下、5μg以下、4μg以下、3μg以下、2μg以下、1μg以下、又は0.5μg以下の化合物Fなど、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり12μg以下の化合物Fを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり検出可能な量の化合物Fを含有しない。
【0350】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり約10μg以下、約8μg以下、約5μg以下、約4μg以下、約3μg以下、約2μg以下、約1μg以下、又は約0.5μg以下の5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドなど、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり約12μg以下の5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり10μg以下、8μg以下、5μg以下、4μg以下、3μg以下、2μg以下、1μg以下、又は0.5μg以下の5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドなど、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり12μg以下の5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり検出可能な量の5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを含有しない。
【0351】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり約10μg以下、約8μg以下、約5μg以下、約4μg以下、約3μg以下、約2μg以下、約1μg以下、又は約0.5μg以下の化合物Nなど、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり約12μg以下の化合物Nを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり10μg以下、8μg以下、5μg以下、4μg以下、3μg以下、2μg以下、1μg以下、又は0.5μg以下の化合物Nなど、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり12μg以下の化合物Nを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり検出可能な量の化合物Nを含有しない。
【0352】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり約10μg以下、約8μg以下、約5μg以下、約4μg以下、約3μg以下、約2μg以下、約1μg以下、又は約0.5μg以下の化合物Qなど、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり約12μg以下の化合物Qを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり10μg以下、8μg以下、5μg以下、4μg以下、3μg以下、2μg以下、1μg以下、又は0.5μg以下の化合物Qなど、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり12μg以下の化合物Qを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり検出可能な量の化合物Qを含有しない。
【0353】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり約10μg以下、約8μg以下、約5μg以下、約4μg以下、約3μg以下、約2μg以下、約1μg以下、又は約0.5μg以下の化合物Pなど、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり約12μg以下の化合物Pを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり10μg以下、8μg以下、5μg以下、4μg以下、3μg以下、2μg以下、1μg以下、又は0.5μg以下の化合物Pなど、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり12μg以下の化合物Pを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり検出可能な量の化合物Pを含有しない。
【0354】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり約10μg以下、約8μg以下、約5μg以下、約4μg以下、約3μg以下、約2μg以下、約1μg以下、又は約0.5μg以下の化合物Xなど、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり約12μg以下の化合物Xを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり10μg以下、8μg以下、5μg以下、4μg以下、3μg以下、2μg以下、1μg以下、又は0.5μg以下の化合物Xなど、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり12μg以下の化合物Xを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり検出可能な量の化合物Xを含有しない。
【0355】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり約10μg以下、約8μg以下、約5μg以下、約4μg以下、約3μg以下、約2μg以下、約1μg以下、又は約0.5μg以下の塩化エチルなど、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり約12μg以下の塩化エチルを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり10μg以下、8μg以下、5μg以下、4μg以下、3μg以下、2μg以下、1μg以下、又は0.5μg以下の塩化エチルなど、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり12μg以下の塩化エチルを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり検出可能な量の塩化エチルを含有しない。
【0356】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり約10μg以下、約8μg以下、約5μg以下、約4μg以下、約3μg以下、約2μg以下、約1μg以下、又は約0.5μg以下の塩化メチルなど、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり約12μg以下の塩化メチルを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり10μg以下、8μg以下、5μg以下、4μg以下、3μg以下、2μg以下、1μg以下、又は0.5μg以下の塩化メチルなど、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり12μg以下の塩化メチルを含有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物1グラム当たり検出可能な量の塩化メチルを含有しない。
【0357】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.05%以下、約0.03%以下、約0.02%以下、又は約0.01%以下の不特定の不純物など、約0.1%以下の不特定の不純物を有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、0.05%以下、0.03%以下、0.02%以下、又は0.01%以下の不特定の不純物など、0.1%以下の不特定の不純物を有する。
【0358】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約0.4%以下、約0.3%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、又は約0.05%以下の総不純物など、約0.5%以下の総不純物を有する。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、0.4%以下、0.3%以下、0.2%以下、0.1%以下、又は0.05%以下の総不純物など、0.5%以下の総不純物を有する。
【0359】
1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のバッチ生成
1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物又はその中間体のバッチを生成する方法も提供される。例えば、いくつかの実施形態では、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、約5kg以上、約10kg以上、約20kg以上、約29kg以上、約30kg以上、約40kg以上、約50kg以上、約55kg以上、約60kg以上、約70kg以上、約80kg以上、約90kg以上、約100kg以上、約5kg~約75kg、約10kg~約70kg、約15kg~約65kg、約15kg~約60kg、約20kg~約55kg、約22kg~約55kg、約22kg、約25kg、約30kg、約35kg、約40kg、約45kg、約50kg、又は約55kgのD-(+)-ガラクトースなど、約1kg以上のD-(+)-ガラクトースから生成される。いくつかの実施形態では、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、5kg以上、10kg以上、20kg以上、29kg以上、30kg以上、40kg以上、50kg以上、55kg以上、60kg以上、70kg以上、80kg以上、90kg以上、100kg以上、5kg~75kg、10kg~70kg、15kg~65kg、15kg~60kg、20kg~55kg、22kg~55kg、22kg、25kg、30kg、35kg、40kg、45kg、50kg、又は55kgのD-(+)-ガラクトースなど、1kg以上のD-(+)-ガラクトースから生成される。
【0360】
いくつかの実施形態では、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、約5kg以上、約10kg以上、約20kg以上、約30kg以上、約36kg以上、約40kg以上、約50kg以上、約60kg以上、約70kg以上、約80kg以上、約84kg以上、約90kg以上、約100kg以上、約5kg~約100kg、約15kg~約95kg、約25kg~約90kg、約36kg~約84kg、約36kg、約45kg、約55kg、約65kg、約75kg、又は約84kgの1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドなど、約1kg以上の1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドから生成される。いくつかの実施形態では、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、5kg以上、10kg以上、20kg以上、30kg以上、36kg以上、40kg以上、50kg以上、60kg以上、70kg以上、80kg以上、84kg以上、90kg以上、100kg以上、5kg~100kg、15kg~95kg、25kg~90kg、36kg~84kg、36kg、45kg、55kg、65kg、75kg、又は84kgの1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドなど、1kg以上の1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドから生成される。
【0361】
いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約5kg以上、約10kg以上、約20kg以上、約29kg以上、約30kg以上、約40kg以上、約50kg以上、約55kg以上、約60kg以上、約70kg以上、約80kg以上、約90kg以上、約100kg以上、約5kg~約50kg、約10kg~約45kg、約15kg~約40kg、約20kg~約35kg、約25kg~約31kg、約25kg、約26kg、約27kg、約28kg、約29kg、約30kg、又は約31kgの5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドなど、約1kg以上の5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドから生成される。いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、5kg以上、10kg以上、20kg以上、29kg以上、30kg以上、40kg以上、50kg以上、55kg以上、60kg以上、70kg以上、80kg以上、90kg以上、100kg以上、5kg~50kg、10kg~45kg、15kg~40kg、20kg~35kg、25kg~31kg、25kg、26kg、27kg、28kg、29kg、30kg、又は31kgの5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドなど、1kg以上の5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドから生成される。
【0362】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約5kg以上、約10kg以上、約20kg以上、約29kg以上、約30kg以上、約40kg以上、約50kg以上、約55kg以上、約60kg以上、約70kg以上、約80kg以上、約90kg以上、約100kg以上、約5kg~約50kg、約6kg~約40kg、約7kg~約30kg、約8kg~約35kg、約10kg~約20kg、約11.5kg~約17.3kg、約11.5kg、約12kg、約13kg、約14kg、約15kg、約16kg、又は約17.3kgの中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物など、約1kg以上の中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物から生成される。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、5kg以上、10kg以上、20kg以上、29kg以上、30kg以上、40kg以上、50kg以上、55kg以上、60kg以上、70kg以上、80kg以上、90kg以上、100kg以上、5kg~50kg、6kg~40kg、7kg~30kg、8kg~35kg、10kg~20kg、11.5kg~17.3kg、11.5kg、12kg、13kg、14kg、15kg、16kg、又は17.3kgの中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物など、1kg以上の中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物から生成される。
【0363】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の生成されたバッチは、約5kg以上、約10kg以上、約20kg以上、約29kg以上、約30kg以上、約40kg以上、約50kg以上、約55kg以上、約60kg以上、約70kg以上、約80kg以上、約90kg以上、約100kg以上、約5kg~約50kg、約6kg~約40kg、約7kg~約30kg、約8kg~約35kg、約10kg~約20kg、約11.5kg~約17.3kg、約11.5kg、約12kg、約13kg、約14kg、約15kg、約16kg、又は約17.3kgなど、約1kg以上である。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の生成されたバッチは、5kg以上、10kg以上、20kg以上、29kg以上、30kg以上、40kg以上、50kg以上、55kg以上、60kg以上、70kg以上、80kg以上、90kg以上、100kg以上、5kg~50kg、6kg~40kg、7kg~30kg、8kg~35kg、10kg~20kg、11.5kg~17.3kg、11.5kg、12kg、13kg、14kg、15kg、16kg、又は17.3kgなど、1kg以上である。
【0364】
バッチの検証及び頒布
また、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物又はその中間体のバッチの純度を決定する方法も提供される。また、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物又はその中間体のバッチを検証する方法も提供される。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のバッチは、本明細書に開示される量内のレベルの不純物を含有する場合、又は検出可能な量のそのような不純物を含有しない場合、臨床使用に適していると検証される。
【0365】
不純物は、赤外分光法、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、親水性相互作用液体クロマトグラフィー(HILIC)、ガスクロマトグラフィー、核磁気共鳴(NMR)、質量分析(MS)、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)、カールフィッシャー滴定、及び/又は強熱残分などの適切な方法で決定できる。
【0366】
いくつかの実施形態は、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物又はその中間体のバッチ中の不純物の量(例えば、微量)を検出するための標準物質として不純物又はその塩を使用することを含む。いくつかの実施形態は、標準物質を生成することを含む。
【0367】
いくつかの実施形態は、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物又はその中間体のバッチからサンプルを取得すること、及びサンプル中の1つ以上の不純物の量を決定することを含む。
【0368】
いくつかの実施形態では、不純物は、%w/wに基づいて(例えば、不純物が測定される1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物又は中間体の重量に基づいて)記載される。いくつかの実施形態では、不純物は、%面積に基づいて(例えば、HILIC又はUV検出を使用して検出することができる、HPLCクロマトグラフィーピーク下総面積と比較した、不純物に関連するHPLCピーク下面積に基づいて)記載される。%面積は、Norman Dyson,Chromatographic Integration Methods(The Royal Society of Chemistry,2d ed.1998)に記載されるように計算することができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、不純物は、量に基づいて、又はppmに基づいて記載される。別段の指定がない限り、具体的に開示される不純物のパーセンテージは、%w/w及び/又は%面積に基づいて計算される量を包含することを意味する。換言すれば、いくつかの実施形態では、不純物%は%w/wに基づいて計算され;いくつかの実施形態では、不純物%は%面積に基づいて計算される。不純物の量が計算の種類(例えば、%w/w)に具体的に関連付けられている場合、そのような計算は本開示の範囲を限定するものではないことが理解され、したがって、必要に応じて、代替の計算(例えば、%面積)を使用して不純物の量を決定することができる。例示的な検証成分及び値は、特定の不純物について以下に考察されるが、他の成分及び値(例えば、先行段落又は実施例に提供される)もバッチ検証に使用することができる。
【0369】
いくつかの実施形態では、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドのバッチは、バッチ中の化合物Bの量を決定することによって検証される。いくつかの実施形態では、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドのバッチは、3%面積以下の化合物Bを有する。
【0370】
いくつかの実施形態では、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドのバッチは、バッチ中の1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド、化合物E、化合物G、化合物J、化合物I、化合物K、化合物N、及び化合物Oのうちの1つ以上(又は全て)の量を決定することによって検証される。いくつかの実施形態では、バッチは、0.6%面積以下の1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド、0.3%面積以下の化合物E、0.3%面積以下の化合物G、3%面積以下の化合物J、0.6%面積以下の化合物I、0.3%面積以下の化合物K、1%面積以下の化合物N、及び0.3%面積以下の化合物Oを含有する。
【0371】
いくつかの実施形態では、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のバッチは、中間グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のバッチ中の化合物U、化合物V、化合物Y、化合物W、及び化合物BBのうちの1つ以上(又は全て)の量を決定することによって検証される。いくつかの実施形態では、バッチは、0.4%w/w以下の化合物U、0.4%w/w以下の化合物V、0.25%w/w以下の化合物Y、0.15%w/w以下の化合物W、及び0.3%w/w以下の化合物BBを含有する。いくつかの実施形態では、バッチは、0.4%面積以下の化合物U、0.4%面積以下の化合物V、0.25%面積以下の化合物Y、0.15%面積以下の化合物W、及び0.3%面積以下の化合物BBを含有する。
【0372】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のバッチは、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のバッチ中の化合物W、化合物U、化合物V、化合物Y、化合物BB、C1~C4アルコール(例えば、メタノール及び/又はエタノール)、水、強熱残分、ヒ素、カドミウム、水銀、鉛、及びパラジウムのうちの1つ以上(又は全て)の量を決定することによって検証される。いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、0.15%w/w以下の化合物W、0.15%w/w以下の化合物U、0.15%w/w以下の化合物V、0.15%w/w以下の化合物Y、0.15%w/w以下の化合物BB、0.3%w/w以下のC1~C4アルコール(例えば、メタノール)、0.5%w/w以下のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)、0.2%w/w以下の水、及び0.2%w/w以下の強熱残分(それぞれ1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の重量に基づく)、並びに0.15ppm以下のヒ素、0.5ppm以下のカドミウム、1.5ppm以下の水銀、0.5ppm以下の鉛、及び10ppm以下のパラジウムを含有する。いくつかの実施形態は、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物のバッチが以下の実施例1に記載される規格を満たすかを検証することを含む。
【0373】
いくつかの実施形態では、医薬品グレードの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の検証済みバッチは、対象における医療用途に適していると評価される。いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の検証済みバッチは、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の商用バッチである。いくつかの実施形態では、検証済みバッチが頒布される。いくつかの実施形態では、検証基準を満たさないバッチは頒布されない。いくつかの実施形態では、検証基準を満たさないバッチは、基準が満たされるまで再処理される。
【0374】
いくつかの実施形態では、アルファ化デンプンを検証済みの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物に加え、例えば回転インペラスクリーニングミルを使用して、混合物をスクリーニングする。いくつかの実施形態では、スクリーニングは、457ミクロンのスクリーンなど、約457ミクロンのスクリーンを使用して実施される。
【0375】
いくつかの実施形態では、検証済み1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物がブレンドされる。ブレンドは、前潤滑及び/又は潤滑ブレンドステップを含むことができる。例示的な前潤滑ブレンドステップは、例えば拡散ミキサーを使用して、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物とアルファ化デンプンをブレンドすることを含む。例示的な1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物:アルファ化デンプン比は、約2:1~約4:1、約3:1~約3.5:1、約3:1、約3.1:1など、約1:1~約5:1を含む。約3.2:1、約3.3:1、約3.4:1、又は約3.5:1。例示的な比率は、2:1~4:1、3:1~3.5:1、3:1、3.1:1.3.2:1、3.3:1、3.4:1、又は3.5:1など、1:1~5:1も含む。いくつかの実施形態では、拡散混合は、約20rpmの速度で約5~15分間、約100~300回転で実施される。
【0376】
例示的な潤滑ブレンドステップは、ステアリン酸マグネシウムを前潤滑混合物に加えることを含む。実施例1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物:ステアリン酸マグネシウム比は、約125:1~約175:1、約145:1~約155:1、約150:1、約152:1、約153:1、約154:1、又は約155:1など、約100:1~約200:1を含む。実施例1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物:ステアリン酸マグネシウム比には、125:1~175:1、145:1~155:1、150:1、152:1、153:1、154:1、又は155:1など、100:1~200:1も含まれる。いくつかの実施形態では、潤滑ブレンドステップは、拡散ミキサーを使用して、約20rpmで約3分間、例えば約60回転で行われる。
【0377】
いくつかの実施形態では、検証済みの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、ミガーラスタット塩酸塩の場合123mg部分のミガーラスタットのFBE(例えば、150mgミガーラスタット塩酸塩)など、全体又は一部が部分に分割される。いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の部分は、例えばカプセル中に封入される。いくつかの実施形態では、カプセル化は、カプセル化装置を用いて行われる。いくつかの実施形態では、カプセル化装置は、約196mgのカプセル充填重量を目標とする。
【0378】
いくつかの実施形態では、カプセル化された1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、例えば容器閉鎖システム中に包装される。容器閉鎖システムは、可撓性又は半剛性であり得、全体的に、主に、又は部分的に、プラスチックで構成することができる。いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、板紙包装、可撓性パウチ、ヒートシールされた可撓性の蓋を有するプラスチック容器(例えば、カップ又はトレイ)、又は二重シールされた金属端を備えたプラスチック容器(例えば、缶)中に包装される。容器閉鎖システムは、ミガーラスタットの汚染、ミガーラスタットの酸化、及び/又は1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の外部環境条件への曝露を防止する1つ以上の気密シールを備えることができる。いくつかの実施形態では、容器閉鎖システムは、一次包装(消費可能な1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物生成物と接触する直接包装)を含む。任意選択により、容器閉鎖システムは、一次包装の外側包装を含む二次包装を含む。
【0379】
いくつかの実施形態は、1単位以上のミガーラスタットを包装することを含む。包装は、1単位以上(例えば、1カプセル以上)の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を容器閉鎖システムに入れることを含み得る。いくつかの実施形態では、二次包装は、商用の販売可能な最小単位であってもよい。
【0380】
いくつかの実施形態では、包装は、アルミニウム箔の蓋を備えたポリ塩化ビニル(PVC)/ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)/PVCラミネートフィルムのブリスターパックを含む。
【0381】
いくつかの実施形態は、包装をシールすること(例えば、一次包装上に気密シールを形成すること)を含む。いくつかの実施形態は、包装の完全性の物理的又は化学的試験を含む。試験は包装されたミガーラスタットで実施できる。完全性試験は、例えば、空気漏れ試験、生物試験、破裂試験、化学エッチング、圧縮、圧搾試験、頒布(乱用)試験、染料浸透、エレクテスター(electester)、電解試験、ガス漏れ検出、インキュベーション、光試験、マシンビジョン、近接試験機、シームスコープ(seam scope)投影、音試験、引張(剥離)試験、又は真空試験のうちの1つ以上によって実施することができる。いくつかの実施形態は、包装の光透過性を試験することを含む。いくつかの実施形態は、包装の水蒸気透過を試験することを含む。例示的な試験プロトコルは、米国薬局方セクション<661>及び<671>に記載され、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0382】
1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の製造は、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を(例えば、頒布者によって)再包装することを含み得る。再包装は、元の容器閉鎖システムから(例えば、一次包装及び/又は二次包装から)1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を除去することを含み得る。再包装は、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を新しい容器閉鎖システム中に配置すること(例えば、包装が解かれた1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を新しい一次包装システム中に配置すること、及び/又は包装された1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を二次容器閉鎖システム中に配置すること)、及び任意選択により、新しい容器閉鎖システムを気密シールすることを含み得る。再包装が、包装が解かれた1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を新しい一次容器閉鎖システム中に配置することを含む場合、各一次容器内の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の量は、元の包装の量と同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、再包装は、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を単位用量容器閉鎖システム中に包装することを含む。再包装が、二次容器閉鎖システムから取り出した1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を新しい二次容器閉鎖システム中に配置することを含む場合、新しい二次容器閉鎖システム中の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の量(例えば、一次容器の数)は、元の二次包装の量と同じであっても異なっていてもよい。本明細書の他の箇所で説明するように、包装の完全性試験及び/又は検査は、元の包装後、再包装後、又は包装及び再包装の両方の後に実施され得る。包装及び/又は再包装は、医薬品適正製造基準(CGMP)に従って実行され得る。試験は、特定のタイプの一次容器閉鎖システム内に保管された場合の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の有効期限を決定するために使用される、包装された1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の安定性試験を含み得る。
【0383】
ミガーラスタットの製造中に、全米医薬品コード(NDC)番号、バーコード、製品識別子、固有のシリアル番号、有効期限、及びロット番号のうちの1つ以上が、ミガーラスタットを含有する包装(例えば、一次容器及び/又は二次容器)のうちの1つ以上に貼付又は印刷され得る。NDCは医薬品の10桁の基本識別子である。製品識別子は、標準化された図形を含んでもよい。製品識別子は、人間が読み取り可能な形式、及び/又は国際標準開発組織によって開発された標準に準拠する機械読み取り可能なデータキャリア上にあり得る。製品識別子は、製品の標準化された数値識別子(SNI)、ロット番号、及び/又は有効期限を含み得る。標準化された数値識別子は、固有の英数字のシリアル番号(例えば、最大20文字)と組み合わせた、特定の製品(特定の包装構成を含有する)に対応するNDCで構成される、各包装又は均質なケース(すなわち、単一のロットに属する単一のNDC番号を有する製品のみを有する密閉ケース)を一意に識別するために使用される数字又は文字のセットを含み得る。いくつかの実施形態では、符号化され、標準化されたバーコード(例えば、線形バーコード)が、1つ以上の包装に貼付されるか、又は印刷される。バーコードは、NDC番号を含み得る。いくつかの実施形態では、バーコードは、NDC及び/又は任意の他の情報を含む。いくつかの実施形態では、世界的に認められたGS1システムのデータ構造及び/又は記号体系を使用して、NDC、固有のシリアル番号、有効期限及びロット番号、並びに任意選択による数量情報を伝達する。1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の製造中に、バーコード又は他の機械可読データキャリアは、一連の商取引及び/又は製造プロセスを通じた1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の輸送を処理するため、或いはミガーラスタットの在庫管理のために、(例えば、製造者から1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を受領した際に頒布者によって)機械によってスキャン又は読み取ることができる。
【0384】
いくつかの実施形態は、製造された1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を、例えば、バッチレベル、ロットレベル、又は包装レベルで、追跡又はトラッキングすることを含む。いくつかの実施形態では、追跡は電子的に実施される。いくつかの実施形態では、薬物サプライチェーン内の調剤者は、(例えば、米国市場で)薬物が販売されるたびに、薬物及びそれを取り扱った者に関する情報を交換する。いくつかの実施形態では、そのような情報は、取引情報及び/又は取引履歴を含む。取引情報は、商標名若しくは周知の名称若しくは製品の名称、製品の強度及び剤形、製品のNDC番号、容器のサイズ、容器の数、製品のロット番号、取引日、出荷日、並びに/又は所有権の譲渡元及び譲渡先の人物の商号及び住所を含み得る。
【0385】
追跡は、適切なシステム又はプロセスを使用して実施できる。いくつかの実施形態では、追跡は、紙ベースの方法を使用して実施される。いくつかの実施形態では、追跡は、電子ベースの方法を使用して実施される。追跡方法の例としては、紙又は電子版の請求書、紙版又は梱包明細、事前出荷通知(ASN)などの電子データ交換(EI)標準、及び電子製品コード情報サービス(EPCIS)が挙げられる。いくつかの実施形態では、電子メール又は他のウェブベースのプラットフォームが使用される。いくつかの実施形態では、追跡は、バーコード(例えば、取引情報を保有する)をスキャンすることによって実施される。
【0386】
また、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の安定性を促進する、及び/又は1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の分解を低減する条件下で、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を(例えば、包装された形態で)保管する方法も提供される。いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、約20℃、約21℃、約22℃、約23℃、約24℃、又は約25℃など、約20℃~約25℃の温度で保管される。いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、又は25℃など、20℃~25℃の温度で保管される。いくつかの実施形態では、15℃~30℃など、約15℃~約30℃の間で変動が許容される。いくつかの実施形態では、包装された1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、そのような条件下でおよそ1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12ヶ月間保管される。いくつかの実施形態では、包装された1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、これらの条件下で少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12ヶ月間保管される。いくつかの実施形態では、包装された1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、これらの条件下で12、24、36、48、又は60ヶ月以下にわたり保管される。いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、頒布者が製造者から受領し、頒布者によって所有権が第三者(例えば、薬局、病院、又は患者)に譲渡され得る。頒布者は、所有権を第三者に譲渡する前に、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を制御された条件(例えば、上記の温度)下で一定期間保管してもよい。任意選択により、頒布者は、所有権を第三者に譲渡(頒布)する前に、包装、再包装、又は包装に表示を付す(例えば、本明細書の他の箇所に記載される情報を貼付又は印刷する)ことができる。
【0387】
処置
また、ミガーラスタットなどの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を投与することによって、ファブリー病を有する対象を処置する方法も提供される。いくつかの実施形態では、有効用量の1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、それを必要とする患者に投与される。例えば、いくつかの実施形態は、ミガーラスタット又はその塩を約100mgFBE~約150mgFBEの範囲で投与することを含む。例示的な用量としては、約100mgFBE、約105mgFBE、約110mgFBE、約115mgFBE、約120mgFBE、約123mgFBE、約125mgFBE、約130mgFBE、約135mgFBE、約140mgFBE、約145mgFBE、又は約150mgFBEが挙げられる。この場合も、150mgのミガーラスタット塩酸塩は、ミガーラスタットの遊離塩基形態の123mgに相当することに留意されたい。したがって、1つ以上の実施形態では、この用量は、1日おきに1回の頻度で投与される、150mgのミガーラスタット塩酸塩、又は等価用量のミガーラスタット若しくは塩酸塩以外のその塩である。
【0388】
いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、1日おきに1回の頻度で投与される。例えば、いくつかの実施形態では、ミガーラスタットは1日おきに1回の頻度で投与される。例えば、123mgの用量のミガーラスタット遊離塩基を1日おきに1回の頻度で投与することができる。
【0389】
いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、一定期間投与される。いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物、ミガーラスタット又はその塩は、少なくとも30、60、又は90日間、又は少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、16、20、24、30、又は36ヶ月間、又は少なくとも1、2、3、4、又は5年間など、少なくとも28日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、ミガーラスタット療法などの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物療法は、少なくとも6、7、8、9、10、11、12、16、20、24、30、又は36ヶ月間、又は少なくとも1、2、3、4、又は5年間など、少なくとも6ヶ月間の長期療法である。
【0390】
いくつかの実施形態では、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物は、任意の投与経路に適した製剤で投与される。したがって、いくつかの実施形態では、ミガーラスタット又はその塩などの1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物の投与は、任意の投与経路に適した製剤で投与され得るが、好ましくは、錠剤、カプセル又は溶液などの経口剤形で投与される。一例として、患者は、150mgのミガーラスタット塩酸塩又は等価用量のミガーラスタット若しくは塩酸塩以外のその塩をそれぞれ含有するカプセルを経口投与される。
【0391】
いくつかの実施形態は、HEKアッセイに適したα-ガラクトシダーゼA変異を有する対象に1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物を投与することを含む。α-ガラクトシダーゼAバリアントは、得られた変異体α-Gal A活性(細胞溶解物で測定)が、インビトロHEKアッセイにおける2つの基準:1)処置前のα-Gal A活性と比較して少なくとも20%の相対増加を示すこと、及び2)野生型(正常)α-Gal A活性の少なくとも3%の絶対増加を示すことを満たす場合に適していると分類できる。いくつかの実施形態では、インビトロHEKアッセイは、変異型α-Gal Aタンパク質を生成する特定のα-ガラクトシダーゼAバリアント(変異)をヒト胎児腎臓(HEK-293)細胞株にトランスフェクトすることを含む。トランスフェクトされた細胞において、GLAバリアントの従順性は、10マイクロモル/Lのミガーラスタットなどの、1-デオキシガラクトノジリマイシン化合物との5日間のインキュベーション後に評価できる。HEKアッセイに適したα-ガラクトシダーゼA変異の非限定的なリストを表55に記載する。
【0392】
ミガーラスタット
1-デオキシガラクトノジリマイシン又は(2R,3S,4R,5S)-2-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-3,4,5-トリオールとしても知られるミガーラスタットは、以下の遊離塩基構造を有する化合物を指す。
【化3】
【0393】
ミガーラスタット塩酸塩は、以下の構造を有する化合物である。
【化4】
【0394】
ミガーラスタット塩酸塩などのミガーラスタット塩は、溶液中の遊離塩基ミガーラスタット(例えば、先行段落に従って提供されるミガーラスタット)を、少なくともモル当量の、塩酸、又は適切な溶媒(例えば、アルコール又はエーテル)中の塩化水素ガスの溶液などの酸性ガスの溶液などの酸の水溶液と接触させることによって調製され得る。いくつかの実施形態では、ミガーラスタット塩は、溶媒の除去によって、例えば蒸発によって、単離することができる。
【0395】
いくつかの実施形態では、ミガーラスタット塩を精製することが望ましい場合がある。したがって、本開示の別の態様は、ミガーラスタット塩の精製方法を提供する。
【0396】
いくつかの実施形態では、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩などの中間グレードのミガーラスタット塩を結晶化して、医薬品グレードのミガーラスタット塩を形成する。いくつかの実施形態では、中間グレードのミガーラスタット塩を2回以上(例えば、2回、3回、4回、又はそれ以上)結晶化させて、医薬品グレードのミガーラスタット塩を形成する。
【0397】
第1の結晶化ステップ
いくつかの実施形態では、結晶化は、水と低級アルコール、例えば、C1~C4アルコールの混合物中で行われる。このようなアルコールの例としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、及びn-ブタノールが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、低級アルコールはエタノールである。
【0398】
いくつかの実施形態では、中間グレードのミガーラスタット塩は、水と混合される。いくつかの実施形態では、中間グレードのミガーラスタット塩は、約0.5~約3重量部、約1~約2重量部、約1~約1.6重量部、約1.1~約1.4重量部、約1.1重量部、約1.2重量部、約1.3重量部、又は約1.4重量部の水など、約0.5~約4重量部の水に混合される。いくつかの実施形態では、中間グレードのミガーラスタット塩は、0.5~3重量部、1~2重量部、1.1~約1.4重量部、1.1重量部、1.2重量部、1.3重量部、又は1.4重量部の水など、0.5~4重量部の水に混合される。いくつかの実施形態では、第1の結晶化ミガーラスタット塩は、約1、1.1重量部、1.2重量部、1.3重量部、1.4重量部、1.5重量部又は1.6重量部の水と混合される。
【0399】
混合及び結晶化中の温度は変化し得る。いくつかの実施形態では、中間グレードのミガーラスタット塩を水と混合した後、温度を、第1の結晶化温度、例えば、約30℃~約70℃、約35℃~約65℃、約40℃~約60℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、又は約60℃の温度に調整する。いくつかの実施形態では、中間グレードのミガーラスタット塩を水と混合した後、温度は、例えば30℃~70℃、35℃~65℃、40℃~60℃、40℃、45℃、50℃、55℃、又は60℃に調整される。いくつかの実施形態では、ミガーラスタット塩は、約30℃~約70℃の温度で水と混合され、温度は、第1の結晶化温度に維持されるか、又はその温度から上下に調整される。
【0400】
いくつかの実施形態では、C1~C4アルコール(例えば、エタノール)を、第1の結晶化温度で中間グレードのミガーラスタット混合物に加えて、結晶化を誘導する。いくつかの実施形態では、約1~約12重量部、約1~約11.4重量部、約4.8~約11.4重量部、約7~約12重量部、約8~約11重量部、約8.4~約10.6重量部、約8.5~約10.4重量部、約8.5重量部、約9重量部、約9.5重量部、約10重量部、又は約10.4重量部のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)など、約1~約15重量部のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)が添加される。いくつかの実施形態では、1~12重量部、1~11.4重量部、4.8~11.4重量部、7~12重量部、8~11重量部、8.4~10.6重量部、8.5~10.4重量部、8.5重量部、9重量部、9.5重量部、10重量部、又は10.4重量部のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)など、1~15重量部のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)が添加される。
【0401】
いくつかの実施形態では、C1~C4アルコール(例えば、エタノール)は、約0~約65分の範囲の時間をかけて、第1のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に添加される。いくつかの実施形態では、C1~C4アルコール(例えば、エタノール)は、第1のミガーラスタット塩のスラリー又は溶液に約60分かけて添加される。
【0402】
いくつかの実施形態では、得られたスラリー又は溶液は、単離温度、例えば、約3℃~約50℃、約5℃~約45℃、約5℃~約40℃、約5℃~約35℃、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、又は約35℃まで冷却される。いくつかの実施形態では、結晶化を完了するための単離温度は、3℃~50℃、5℃~45℃、5℃~40℃、5℃~35℃、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、又は35℃である。いくつかの実施形態では、冷却は、能動的冷却ステップ(例えば、氷、冷媒などとの接触による熱の除去)を含む。他の実施形態では、冷却は、スラリー又は溶液をその周囲の環境温度に到達させることによる受動的冷却ステップを含む。
【0403】
いくつかの実施形態では、第1の結晶化ミガーラスタット塩は、濾過(例えば、単離温度で行われる)によってスラリー又は溶液から単離される。いくつかの実施形態では、第1の結晶化ミガーラスタット塩は、単離後、例えばC1~C4アルコール(例えばエタノール)で、洗浄される。洗浄は、約1重量部以上、約2重量部以上、約3重量部以上、約5重量部以上、又は約10重量部以上など、約0.5重量部以上のC1~C4アルコール(例えば、エタノール;単離されたステージ4a生成物の重量に対して)を用いて行うことができる。いくつかの実施形態では、洗浄は、1重量部以上、2重量部以上、3重量部以上、5重量部以上、又は10重量部以上など、0.5重量部以上のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)を用いて行われる。
【0404】
いくつかの実施形態では、第1の結晶化ミガーラスタット塩は、例えば真空下で乾燥される。いくつかの実施形態では、第1の結晶化ミガーラスタット塩は、約80℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約50℃以下、約80℃、約70℃、又は約60℃など、約90℃以下の温度で乾燥される。いくつかの実施形態では、第1の結晶化ミガーラスタット塩は、80℃以下、70℃以下、60℃以下、50℃以下など、90℃以下の温度(例えば、80℃、70℃、又は60℃の温度を含む)で乾燥される。
【0405】
第2の結晶化ステップ
いくつかの実施形態では、第1の結晶化ミガーラスタット塩は、第2の結晶化によってさらに精製される。いくつかの実施形態では、第1の結晶化ミガーラスタット塩は、水と混合される。いくつかの実施形態では、第1の結晶化ミガーラスタット塩は、約0.5~約3重量部、約1~約2重量部、約1~約1.6重量部、約1.1~約1.4重量部、約1.1重量部、約1.2重量部、約1.3重量部、又は約1.4重量部の水など、約0.5~約4重量部の水に混合される。いくつかの実施形態では、第1の結晶化ミガーラスタット塩は、0.5~3重量部、1~2重量部、1.1~約1.4重量部、1.1重量部、1.2重量部、1.3重量部、又は1.4重量部の水など、0.5~4重量部の水に混合される。いくつかの実施形態では、第1の結晶化ミガーラスタット塩は、約1、1.1重量部、1.2重量部、1.3重量部、1.4重量部、1.5重量部又は1.6重量部の水と混合される。
【0406】
いくつかの実施形態では、第1の結晶化ミガーラスタット塩を水と混合した後、温度を、第2の結晶化温度、例えば、約30℃~約70℃、約35℃~約65℃、約40℃~約60℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、又は約60℃の温度に調整する。いくつかの実施形態では、第1の結晶化ミガーラスタット塩を水と混合した後、温度は、例えば30℃~70℃、35℃~65℃、40℃~60℃、40℃、45℃、50℃、55℃、又は60℃に調整される。いくつかの実施形態では、ミガーラスタット塩は、約30℃~約70℃の温度で水と混合され、温度は、第2の結晶化温度に維持されるか、又はその温度から上下に調整される。
【0407】
いくつかの実施形態では、第1の量のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)を、第1の結晶化温度で第1の結晶化ミガーラスタット塩混合物に加えて、結晶化を誘導する。いくつかの実施形態では、第1の量のC1~C4アルコール(例えばエタノール)は、ミガーラスタット塩の重量に対して約0.75~約3重量部、約1~約2.5重量部、約1.8~約2重量部、約1.8重量部、約1.9重量部、又は約2重量部のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)など、ミガーラスタット塩の重量に対して約0.5~約4重量部のエタノールである。いくつかの実施形態では、第1の量のC1~C4アルコール(例えばエタノール)は、ミガーラスタット塩の重量に対して0.75~3重量部、1~2.5重量部、1.8~2重量部、1.8重量部、1.9重量部、又は2重量部のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)など、0.5~4重量部のエタノールである。
【0408】
いくつかの実施形態では、第1の量のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)は、約4分以上、約5分以上、約10分以上、又は約15分以上など、約3分以上かけて添加される。いくつかの実施形態では、第1の量のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)は、4分以上、5分以上、10分以上、又は15分以上など、3分以上かけて添加される。いくつかの実施形態では、第1の量のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)は、約5~約65分かけて添加される。
【0409】
いくつかの実施形態では、保持時間の後に、第2の量のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)が混合物に添加される。保持時間は、約4分以上、約5分以上、約10分以上、又は約15分以上など、約3分以上であり得る。いくつかの実施形態では、保持時間は、4分以上、5分以上、10分以上、又は15分以上など、3分以上である。
【0410】
いくつかの実施形態では、第2の量のC1~C4アルコール(例えばエタノール)は、約5~約12重量部、約6~約10重量部、約6.5~約9重量部、約6.7~約8.4重量部、約6.8~約8.4重量部、約6.8重量部、約7重量部、約7.5重量部、約8重量部、又は約8.4重量部など、ミガーラスタット塩の重量に対して約4~約15重量部のC1~C4アルコール(例えばエタノール)を含む。いくつかの実施形態では、第2の量のC1~C4アルコール(例えばエタノール)は、5~12重量部、6~10重量部、6.5~9重量部、6.8~8.4重量部、6.8重量部、7重量部、7.5重量部、8重量部、又は8.4重量部など、ミガーラスタット塩の重量に対して4~15重量部のC1~C4アルコール(例えばエタノール)を含む。
【0411】
いくつかの実施形態では、第2の量のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)は、約10分以上、約15分以上、約20分以上、約30分以上、約45分以上、又は60分以上など、約5分以上かけて添加される。いくつかの実施形態では、第2の量のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)は、10分以上、15分以上、20分以上、30分以上、45分以上、又は60分以上など、5分以上かけて添加される。
【0412】
いくつかの実施形態では、第2の結晶化で使用されるC1~C4アルコール(例えば、エタノール)の量(すなわち、第1の量+第2の量)は、第1の結晶化で使用されるC1~C4アルコール(例えば、エタノール)の量と同じである。いくつかの実施形態では、使用されるC1~C4アルコール(例えば、エタノール)の量は、第1の結晶化で使用されるC1~C4アルコール(例えば、エタノール)の量とは異なる。
【0413】
いくつかの実施形態は、第2の結晶化を完了するために、得られたスラリー又は溶液(例えば、第1の量及び第2の量のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)の両方を含有する)を単離温度まで冷却することを含む。いくつかの実施形態では、スラリー又は溶液は、単離温度、例えば、約3℃~約50℃、約5℃~約45℃、約5℃~約40℃、約5℃~約35℃、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、又は約35℃まで冷却される。いくつかの実施形態では、単離温度は、3℃~50℃、5℃~45℃、5℃~40℃、5℃~35℃、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、又は35℃である。いくつかの実施形態では、冷却は、能動的冷却ステップ(例えば、氷、冷媒などとの接触による熱の除去)を含む。他の実施形態では、冷却は、スラリー又は溶液をその周囲の環境温度に到達させることによる受動的冷却ステップを含む。
【0414】
いくつかの実施形態では、第2の結晶化ミガーラスタット塩は、濾過(例えば、単離温度で行われる)によってスラリー又は溶液から単離される。いくつかの実施形態では、第2の結晶化ミガーラスタット塩は、例えばC1~C4アルコール(例えばエタノール)で、洗浄される。洗浄は、約1重量部以上、約2重量部以上、約3重量部以上、約5重量部以上、又は約10重量部以上など、約0.5重量部以上のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)を用いて行うことができる。いくつかの実施形態では、洗浄は、1重量部以上、2重量部以上、3重量部以上、5重量部以上、又は10重量部以上など、0.5重量部以上のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)を用いて行われる。
【0415】
いくつかの実施形態では、第2の結晶化ミガーラスタット塩は、例えば真空下で乾燥される。いくつかの実施形態では、第2の結晶化ミガーラスタット塩は、約80℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約50℃以下、約80℃、約70℃、又は約60℃など、約90℃以下の温度で乾燥される。いくつかの実施形態では、第2の結晶化ミガーラスタット塩生成物は、80℃以下、70℃以下、60℃以下、50℃以下、80℃、70℃、又は60℃など、90℃以下の温度で乾燥される。
【0416】
ルセラスタット
N-ブチルデオキシガラクトノジリマイシン又は(2R,3S,4R,5S)-1-ブチル-2-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-3,4,5-トリオールとしても知られるルセラスタットは、以下の遊離塩基構造を有する化合物を指す。
【化5】
【0417】
ルセラスタットは、適切なアルキル化剤を用いてピペリジン窒素原子をブチル化することにより、ミガーラスタットから生成することができる。例えば、ブチル化は、還元剤の存在下でブチルアルデヒドを用いたミガーラスタットの還元的アルキル化によって実施してもよい。適切な還元剤の非限定的な例としては、水素及び触媒、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムが挙げられる。
【0418】
ルセラスタット塩酸塩は、以下の構造を有する化合物である。
【化6】
ルセラスタット塩酸塩などのルセラスタット塩は、溶液中の遊離塩基ルセラスタット(例えば、先行段落に従って提供されるルセラスタット)を、少なくともモル当量の、塩酸、又は適切な溶媒(例えば、アルコール又はエーテル)中の塩化水素ガスの溶液などの酸性ガスの溶液などの酸の水溶液と接触させることによって調製され得る。一般に、ルセラスタット塩酸塩などのルセラスタット塩は、溶媒の除去によって、例えば蒸発によって、単離される。
【0419】
いくつかの実施形態では、ルセラスタット塩を精製することが望ましい場合がある。したがって、本開示の別の態様は、ルセラスタット塩の精製方法を提供する。
【0420】
いくつかの実施形態では、中間グレードのルセラスタット塩酸塩などの中間グレードのルセラスタット塩を結晶化して、医薬品グレードのルセラスタット塩を形成する。いくつかの実施形態では、中間グレードのルセラスタット塩を2回以上(例えば、2回、3回、4回、又はそれ以上)結晶化させて、医薬品グレードのルセラスタット塩を形成する。
【0421】
第1の結晶化ステップ
いくつかの実施形態では、結晶化は、水と低級アルコール、例えば、C1~C4アルコールの混合物中で行われる。このようなアルコールの例としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、及びn-ブタノールが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、低級アルコールはエタノールである。
【0422】
いくつかの実施形態では、中間グレードのルセラスタット塩は、水と混合される。いくつかの実施形態では、中間グレードのルセラスタット塩は、約0.5~約3重量部、約1~約2重量部、約1.1~約1.4重量部、約1.1重量部、約1.2重量部、約1.3重量部、又は約1.4重量部の水など、約0.5~約4重量部の水に混合される。いくつかの実施形態では、中間グレードのルセラスタット塩は、0.5~3重量部、1~2重量部、1.1~約1.4重量部、1.1重量部、1.2重量部、1.3重量部、又は1.4重量部の水など、0.5~4重量部の水に混合される。
【0423】
混合及び結晶化中の温度は変化し得る。いくつかの実施形態では、中間グレードのルセラスタット塩を水と混合した後、温度を、第1の結晶化温度、例えば、約30℃~約70℃、約35℃~約65℃、約40℃~約60℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、又は約60℃の温度に調整する。いくつかの実施形態では、中間グレードのルセラスタット塩を水と混合した後、温度は、例えば30℃~70℃、35℃~65℃、40℃~60℃、40℃、45℃、50℃、55℃、又は60℃に調整される。いくつかの実施形態では、ルセラスタット塩は、約30℃~約70℃の温度で水と混合され、温度は、第1の結晶化温度に維持されるか、又はその温度から上下に調整される。
【0424】
いくつかの実施形態では、C1~C4アルコール(例えば、エタノール)を、第1の結晶化温度で中間グレードのルセラスタット混合物に加えて、結晶化を誘導する。いくつかの実施形態では、約7~約12重量部、約8~約11重量部、約8.5~約10.4重量部、約8.5重量部、約9重量部、約9.5重量部、約10重量部、又は約10.4重量部のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)など、約6~約15重量部のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)が添加される。いくつかの実施形態では、7~12重量部、8~11重量部、8.5~10.4重量部、8.5重量部、9重量部、9.5重量部、10重量部、又は10.4重量部のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)など、6~15重量部のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)が添加される。
【0425】
いくつかの実施形態では、得られたスラリー又は溶液は、単離温度、例えば、約3℃~約50℃、約5℃~約45℃、約5℃~約40℃、約5℃~約35℃、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、又は約35℃まで冷却される。いくつかの実施形態では、結晶化を完了するための単離温度は、3℃~50℃、5℃~45℃、5℃~40℃、5℃~35℃、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、又は35℃である。
【0426】
いくつかの実施形態では、第1の結晶化ルセラスタット塩は、濾過(例えば、単離温度で行われる)によってスラリー又は溶液から単離される。いくつかの実施形態では、第1の結晶化ルセラスタット塩は、単離後、例えばC1~C4アルコール(例えばエタノール)で、洗浄される。洗浄は、約1重量部以上、約2重量部以上、約3重量部以上、約5重量部以上、又は約10重量部以上など、約0.5重量部以上のC1~C4アルコール(例えば、エタノール;単離されたステージ4a生成物の重量に対して)を用いて行うことができる。いくつかの実施形態では、洗浄は、1重量部以上、2重量部以上、3重量部以上、5重量部以上、又は10重量部以上など、0.5重量部以上のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)を用いて行われる。
【0427】
いくつかの実施形態では、第1の結晶化ルセラスタット塩は、例えば真空下で乾燥される。いくつかの実施形態では、第1の結晶化ルセラスタット塩は、約80℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約50℃以下、約80℃、約70℃、又は約60℃など、約90℃以下の温度で乾燥される。いくつかの実施形態では、第1の結晶化ルセラスタット塩は、80℃以下、70℃以下、60℃以下、50℃以下など、90℃以下の温度(例えば、80℃、70℃、又は60℃の温度を含む)で乾燥される。
【0428】
第2の結晶化ステップ
いくつかの実施形態では、第1の結晶化ルセラスタット塩は、第2の結晶化によってさらに精製される。いくつかの実施形態では、第1の結晶化ルセラスタット塩は、水と混合される。いくつかの実施形態では、第1の結晶化ルセラスタット塩は、約0.5~約3重量部、約1~約2重量部、約1.1~約1.4重量部、約1.1重量部、約1.2重量部、約1.3重量部、又は約1.4重量部の水など、約0.5~約4重量部の水に混合される。いくつかの実施形態では、第1の結晶化ルセラスタット塩は、0.5~3重量部、1~2重量部、1.1~約1.4重量部、1.1重量部、1.2重量部、1.3重量部、又は1.4重量部の水など、0.5~4重量部の水に混合される。
【0429】
いくつかの実施形態では、第1の結晶化ルセラスタット塩を水と混合した後、温度を、第2の結晶化温度、例えば、約30℃~約70℃、約35℃~約65℃、約40℃~約60℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、又は約60℃の温度に調整する。いくつかの実施形態では、第1の結晶化ルセラスタット塩を水と混合した後、温度は、例えば30℃~70℃、35℃~65℃、40℃~60℃、40℃、45℃、50℃、55℃、又は60℃に調整される。いくつかの実施形態では、ルセラスタット塩は、約30℃~約70℃の温度で水と混合され、温度は、第2の結晶化温度に維持されるか、又はその温度から上下に調整される。
【0430】
いくつかの実施形態では、第1の量のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)を、第1の結晶化温度で第1の結晶化ルセラスタット塩混合物に加えて、結晶化を誘導する。いくつかの実施形態では、第1の量のC1~C4アルコール(例えばエタノール)は、ルセラスタット塩の重量に対して約0.75~約3重量部、約1~約2.5重量部、約1.8~約2重量部、約1.8重量部、約1.9重量部、又は約2重量部のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)など、ルセラスタット塩の重量に対して約0.5~約4重量部のC1~C4アルコール(例えばエタノール)である。いくつかの実施形態では、第1の量のC1~C4アルコール(例えばエタノール)は、ルセラスタット塩の重量に対して0.75~3重量部、1~2.5重量部、1.8~2重量部、1.8重量部、1.9重量部、又は2重量部のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)など、0.5~4重量部のエタノールである。
【0431】
いくつかの実施形態では、第1の量のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)は、約4分以上、約5分以上、約10分以上、又は約15分以上など、約3分以上かけて添加される。いくつかの実施形態では、第1の量のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)は、4分以上、5分以上、10分以上、又は15分以上など、3分以上かけて添加される。
【0432】
いくつかの実施形態では、保持時間の後に、第2の量のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)が混合物に添加される。保持時間は、約4分以上、約5分以上、約10分以上、又は約15分以上など、約3分以上であり得る。いくつかの実施形態では、保持時間は、4分以上、5分以上、10分以上、又は15分以上など、3分以上である。
【0433】
いくつかの実施形態では、第2の量のC1~C4アルコール(例えばエタノール)は、約5~約12重量部、約6~約10重量部、約6.5~約9重量部、約6.8~約8.4重量部、約6.8重量部、約7重量部、約7.5重量部、約8重量部、又は約8.4重量部など、ルセラスタット塩の重量に対して約4~約15重量部のC1~C4アルコール(例えばエタノール)を含む。いくつかの実施形態では、第2の量のC1~C4アルコール(例えばエタノール)は、5~12重量部、6~10重量部、6.5~9重量部、6.8~8.4重量部、6.8重量部、7重量部、7.5重量部、8重量部、又は8.4重量部など、ルセラスタット塩の重量に対して4~15重量部のC1~C4アルコール(例えばエタノール)を含む。
【0434】
いくつかの実施形態では、第2の量のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)は、約15分以上、約20分以上、約30分以上、約45分以上、又は60分以上など、約10分以上かけて添加される。いくつかの実施形態では、第2の量のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)は、15分以上、20分以上、30分以上、45分以上、又は60分以上など、10分以上かけて添加される。
【0435】
いくつかの実施形態では、第2の結晶化で使用されるC1~C4アルコール(例えば、エタノール)の量(すなわち、第1の量+第2の量)は、第1の結晶化で使用されるC1~C4アルコール(例えば、エタノール)の量と同じである。いくつかの実施形態では、使用されるC1~C4アルコール(例えば、エタノール)の量は、第1の結晶化で使用されるC1~C4アルコール(例えば、エタノール)の量とは異なる。
【0436】
いくつかの実施形態は、第2の結晶化を完了するために、得られたスラリー又は溶液(例えば、第1の量及び第2の量のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)の両方を含有する)を単離温度まで冷却することを含む。いくつかの実施形態では、スラリー又は溶液は、単離温度、例えば、約3℃~約50℃、約5℃~約45℃、約5℃~約40℃、約5℃~約35℃、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、又は約35℃まで冷却される。いくつかの実施形態では、単離温度は、3℃~50℃、5℃~45℃、5℃~40℃、5℃~35℃、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、又は35℃である。
【0437】
いくつかの実施形態では、第2の結晶化ルセラスタット塩は、濾過(例えば、単離温度で行われる)によってスラリー又は溶液から単離される。いくつかの実施形態では、第2の結晶化ルセラスタット塩は、例えばC1~C4アルコール(例えばエタノール)で、洗浄される。洗浄は、約1重量部以上、約2重量部以上、約3重量部以上、約5重量部以上、又は約10重量部以上など、約0.5重量部以上のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)を用いて行うことができる。いくつかの実施形態では、洗浄は、1重量部以上、2重量部以上、3重量部以上、5重量部以上、又は10重量部以上など、0.5重量部以上のC1~C4アルコール(例えば、エタノール)を用いて行われる。
【0438】
いくつかの実施形態では、第2の結晶化ルセラスタット塩は、例えば真空下で乾燥される。いくつかの実施形態では、第2の結晶化ルセラスタット塩は、約80℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約50℃以下、約80℃、約70℃、又は約60℃など、約90℃以下の温度で乾燥される。いくつかの実施形態では、第2の結晶化ルセラスタット塩生成物は、80℃以下、70℃以下、60℃以下、50℃以下、80℃、70℃、又は60℃など、90℃以下の温度で乾燥される。
【0439】
以下の実施例は、発明の実施形態を説明するために提供されるが、本発明はこれらの実施例の特定の条件又は詳細に限定されないことを理解されたい。
【実施例
【0440】
実施例1:ミガーラスタット塩酸塩の規格
医薬品グレードのミガーラスタット塩酸塩のバッチを、表1に記載される規格で調製した。
【0441】
【表1】
【0442】
【表2】
【0443】
バッチは、カプセルに組み込まれ、各カプセルは123mgのミガーラスタットを含有していた。カプセルの規格を表2に記載する。
【0444】
【表3】
【0445】
実施例2:ミガーラスタット塩酸塩の生成パラメーター
ミガーラスタット塩酸塩は、別段の定義がない限り、表3に記載される許容値を使用して生成された。
【0446】
【表4】
【0447】
装置:反応器はガラス、ガラスライニング鋼、ステンレス鋼、又はハステロイCであり、適切な撹拌及び温度制御が備えられていた。結晶生成物を単離する目的での濾過は、金属濾布を備えたHastelloy Nutsche型フィルターを使用して実施した。無機塩などの他の固体物質は、紙又は繊維インサートを備えたレンズ型フィルター又はGAFフィルター(ハステロイ、ECTFEコーティング又はステンレス鋼)を使用して、生成物を含有する溶液から分離された。
【0448】
ミガーラスタット塩酸塩のバッチの合成のフロー図を図1に示す。フローチャートでは以下の略語が使用される:DMF-N,N-ジメチルホルムアミド;DMSO-ジメチルスルホキシド;IPAc-酢酸イソプロピル;MeOH-メタノール;DBU-1,8-ジアザビシクロウンデク-7-エン;NaOMe-ナトリウムメトキシド;NaN-アジ化ナトリウム;EtOH-エタノール;DIPEA-N,N-ジイソプロピルエチルアミン;PivCl-塩化ピバロイル;HCl-塩酸;Tf2O-トリフルオロメタンスルホン酸;Pd/C パラジウム炭素無水物。図1に示すように、合成は4つのステージを含む。バッチは、4つのステージそれぞれにつき、表4に記載されるインプット規模を使用して生成された。
【0449】
【表5】
【0450】
ステージ1:1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドの調製:
ミガーラスタット塩酸塩生成のステージ1は、図2に示すように実施され、これはまた、ステージ1中に不純物が形成されたことを実証する。ピバロイルイミダゾールをD-(+)-ガラクトースと反応させて、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを得た。ピバロイルイミダゾールは、塩化ピバロイル及びイミダゾールをトルエン中で混合することによって調製した。スラリー又は溶液を濾過し、トルエンで洗浄して、ピバロイルイミダゾールのトルエン溶液(18.4%~28.3%w/w)を得た。
【0451】
以下の量は、D-(+)-ガラクトースと比較して表される。22~55kgのD-(+)-ガラクトース(1重量部)を、88~92℃で、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF、12.10~17.08重量部)中で加熱することによって溶解した。ピバロイルイミダゾールのトルエン溶液(4.6~4.8モル当量)を、77~85℃でD-(+)-ガラクトースの溶液に加えた。混合物をメタノール(0.50~3.0重量部)で処理した。得られた混合物を水で洗浄し、有機層を分離した。溶液を濃縮し、ヘプタン(6.27~9.40重量部)を加えた後、混合物に種晶を添加し、-50~15℃に冷却した。固体の1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを単離し、ヘプタンで洗浄し、40℃以下で加熱しながら真空下で乾燥させた。
【0452】
生成パラメーターの異なる様々なバッチを生成した。1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、表5に記載される生成パラメーター範囲にわたって生成できることが示された。収率は23%~33%であった。
【0453】
【表6】
【0454】
ステージ2:5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドの調製:
ミガーラスタット塩酸塩生成のステージ2は、図3に示すように実施された。1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドをトリフルオロメタンスルホン酸無水物で活性化し、次いで水と反応させて、1,2,3,6-テトラピバロイル-α-L-アルトロフラノシドを得た。得られた中間体を再び無水トリフルオロメタンスルホン酸で活性化し、次いでアジ化ナトリウムと反応させて、単離された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを得た。
【0455】
量は、1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドと比較して表される。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.0~1.6モル当量)及びピリジン(1.15~1.73重量部)を、36~84kgの1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド(1重量部)の酢酸イソプロピル(IPAc)溶液に加えた。得られた反応混合物(化合物D)に水を加え、混合物を55~60℃に加熱した。水層を分離し、有機層を共沸蒸留によって乾燥させた後、IPAc、次いで1,8-ジアザビシクロウンデク-7-エン(DBU)(0.033~0.066重量部)を加えた。得られた化合物EのIPAc溶液を塩酸(HCl)水溶液、次いでピリジン水溶液で洗浄した。溶液を共沸蒸留により乾燥させ、IPAcの添加により希釈した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.0~1.6モル当量)及びピリジン(1.15~1.73重量部)を加えた。得られた化合物FのIPAc溶液を水で洗浄し、ジメチルスルホキシド(DMSO)中のアジ化ナトリウム(0.13-0.19重量部)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(0.28~0.40重量部)に加えた。混合物を少なくとも1時間撹拌した。得られた5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド混合物を水で洗浄し、有機層を蒸留により濃縮した。混合物をエタノール(5.64~8.45重量部)及び水(4.78~7.17重量部)で処理した。固体の5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを10~25℃で濾過により単離し、メタノール(0.79~2.38重量部)で洗浄し、40℃以下で加熱しながら真空下で乾燥させた。
【0456】
生成パラメーターの異なる様々なバッチを生成した。5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、表6に記載される生成パラメーター範囲にわたって生成できることが示された。収率は53%~73%であった。ステージ2の後に存在する不純物を図4に示す。
【0457】
【表7】
【0458】
ステージ3:中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の調製:
ミガーラスタット塩酸塩生成のステージ3は、図5に示すように実施された。ステージ3の後に存在する不純物を図6に示す。ステップ3a、b、及び/又はcに関連する特定の生成ステップ又はパラメーターを図7~9に示し、これを以下でより詳細に考察する。
【0459】
25~31kgの5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを、水素及びパラジウム触媒を使用して還元した。転位及びさらなる水素化の後、ナトリウムメトキシドを添加してピバロイル基を除去した。生成物を塩酸で処理し、単離して、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩を得た。量は、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドと比較して表される。
【0460】
ステージ3a:5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド(1重量部)及び炭素上の10%パラジウム触媒(0.007~0.013モル当量のパラジウム)をメタノール(5.54~7.13重量部)中、水素雰囲気下で撹拌した。窒素を放出するためにプロセスを数回通気し、そのたびに再び水素圧力をかけた。通気後、混合物を8~10バール(絶対圧)の水素圧下、40~50℃の温度で44時間以上撹拌した。反応混合物を濾過して触媒を除去した。
【0461】
ステージ3b:30%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.8~1.2当量)を化合物Sの溶液に加えた。混合物を蒸留により約0.5重量部(体積マーカーによる)まで濃縮し、37%塩酸(2.9~3.2体積部)を20~45℃で加えた後、混合物を40~55℃の温度で10時間以下にわたってエイジングして、塩化ナトリウムを沈殿させた。懸濁液を25~40℃の濾過温度まで冷却し、塩化ナトリウムを濾過した。
【0462】
ステージ3c:エタノールを30分以上かけて加えた。中間グレードのミガーラスタット塩酸塩を15℃以上の温度で単離し、エタノールで洗浄し、乾燥させた。
【0463】
生成パラメーターの異なる様々なバッチを生成した。中間グレードのミガーラスタットは、表7~8に記載される生成パラメーター範囲にわたって生成できることが示された。収率は72%~92%であった。
【0464】
【表8】
【0465】
【表9】
【0466】
表9は、様々な規模で製造された中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のバッチからのバッチ分析データを示す。これらのデータは、様々な規模にわたる、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のCQAの制御を実証する。
【0467】
【表10】
【0468】
ステージ4:医薬品グレードのミガーラスタット塩酸塩の調製:
ミガーラスタット塩酸塩生成のステージ4は図24に示すように実施され、ステージ4の後に存在する潜在的な不純物も示される。より具体的には、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩を水とエタノールの混合物から2回結晶化させて、ミガーラスタット塩酸塩を得た。
【0469】
ステージ4aについて、量は、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩と比較して表される。ステージ4a:11.5~17.3kgの中間グレードのミガーラスタット塩酸塩(1重量部)を水(1.1~1.4重量部)に溶解した。温度を40~60℃に調整し、エタノール(8.5~10.4重量部)を加え、スラリー又は溶液を5~35℃の単離温度まで冷却した。生成物を濾過し、エタノール(1重量部以上)で洗浄し、80℃以下で、真空下で乾燥させた。
【0470】
ステージ4bについて、量は、ステージ4aの生成物と比較して表される。ステージ4b:ステージ4aの生成物(1重量部)を水に溶解した。溶液を濾過により清澄化し、水を加えて総水量(1.1~1.4重量部)を得た。温度を40~60℃に調整し、エタノール1の量(1.8~2.0重量部)を5分以上かけて加えて、結晶化を誘導した。5分以上の保持時間の後、エタノール2の量(6.8~8.4重量部)を20分以上かけて加え、混合物を5~35℃の単離温度まで冷却した。ミガーラスタット塩酸塩を濾過し、エタノール(1重量部以上)で洗浄し、80℃以下で、真空下で乾燥させた(LOD<0.3%)。
【0471】
生成パラメーターの異なる様々なバッチを生成した。医薬品グレードのミガーラスタット塩酸塩は、表10~11に記載される生成パラメーター範囲にわたって生成できることが示された。収率は56%~102%であった。
【0472】
【表11】
【0473】
【表12】
【0474】
中間グレードのミガーラスタット塩酸塩(ステージ3)及びミガーラスタット塩酸塩(ステージ4)の再処理:
ステージ3では、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩が生成される。ステージ4の再結晶は、最終原薬のミガーラスタット塩酸塩の特有の精製プロセスである。中間グレードのミガーラスタット塩酸塩がステージ3の規格に適合しない場合、ステージ4a又はステージ4bの再結晶プロセスを通じて処理され得る。単離された生成物は、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩及びミガーラスタット塩酸塩(API)の両方の規格に対して分析できる。再結晶から単離された生成物がミガーラスタット塩酸塩の規格を満たす場合、最終再結晶を繰り返さなくてもよい可能性がある。
【0475】
ミガーラスタット塩酸塩がミガーラスタット塩酸塩の規格に適合しない場合、ステージ4bの再結晶プロセスを実施することにより再結晶され得る。
【0476】
フィルター乾燥機から回収されたミガーラスタット塩酸塩の残液は、ステージ4a又は4bで収集され、ミガーラスタット塩酸塩の再結晶のためのステージ4bのプロセスを使用して再処理される。
【0477】
実施例3:商業的製造手順
図26は、商用プロセスの単位操作ごとにあるプロセス制御を特定するフロー図を記載する。制御は、製造操作パラメーターとプロセス内制御試験の組み合わせである。医薬品の典型的な製造時間は、カプセル化ブレンドのスクリーニング及びブレンドに1日、並びにカプセル化に2日である。包装前のカプセルの保持期間は最長30日間である。
【0478】
ステップ1-スクリーニング
ミガーラスタット塩酸塩及びアルファ化デンプンを、回転インペラスクリーニングミル(Comil)を使用して、457ミクロンのスクリーンを通してスクリーニングした。
【0479】
ステップ2-カプセル化混合物のブレンド(前潤滑及び潤滑)
カプセル化混合物の製造には、前潤滑ブレンド及び潤滑ブレンドの2つのブレンドプロセスが含まれる。
【0480】
前潤滑:4590gのミガーラスタット塩酸塩及び1380gのアルファ化デンプンを、100~300回転、例えば20rpmの速度で5~15分間などの、適切な拡散ミキサーを使用してブレンドした。
【0481】
潤滑:30gのステアリン酸マグネシウムを潤滑前混合物に加え、適切な拡散ミキサーを使用して、典型的には60回転、例えば20rpmで3分間ブレンドした。
【0482】
ステップ3-カプセル化
ステップ2で得られたブレンドを、適切なカプセル化機械を使用して、196mgの目標カプセル充填重量までカプセル化した。充填されたカプセルの重量(個別及び平均)、密閉カプセルの長さ、及び説明に関するプロセス内制御試験が、カプセル化実行の全体を通じて一定の間隔で適用された。
【0483】
ステップ4-一次包装及び試験
ステップ3からのカプセルを、適切な自動ブリスター包装装置を使用して、アルミニウム箔で蓋を備えたポリ塩化ビニル(PVC)/ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)/PVCラミネートフィルムのブリスターパックに充填した。シール完全性試験は、包装の開始時及び包装プロセス中の適切な間隔で実施された。
【0484】
再処理操作
シール完全性試験に不合格となったブリスターからのカプセルは、ステップ4で再処理してもよい。
【0485】
実施例4:ステージ1の不純物の制御
スパイク及びパージ研究は、ミガーラスタット塩酸塩の生成に許容可能なレベルの純度を有する5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを生成するために使用できるD-(+)-ガラクトース中の不純物の最大許容用量を決定するために行われた。これらの研究に基づいて、D-(+)-ガラクトースの規格は、総不純物が2%w/w未満に設定された。不純物の許容レベルを表12に記載する。
【0486】
【表13】
【0487】
スパイク及びパージ研究で使用した不純物標準を表13に記載する。
【0488】
【表14】
【0489】
実施例5:ステージ2の不純物の制御
スパイク及びパージ研究は、ミガーラスタット塩酸塩の生成に許容可能なレベルの純度を有する5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを生成するために使用できる1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド中の不純物の最大許容用量を決定するために行われた。これらの研究に基づいて、化合物Bが1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド中に1%面積を超えて存在することが決定された。化合物Bは、D-(+)-ガラクトースから1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドへの変換における中間体である。
【0490】
研究では、表14に記載されるこの不純物の許容レベルが示された。
【0491】
【表15】
【0492】
スパイク及びパージ研究で使用した不純物標準を表15に記載する。
【0493】
【表16】
【0494】
実施例6:中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の不純物の制御
5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドに潜在的に存在する各不純物の最大許容レベルは、ステージ3のインプットに様々なレベルで不純物を含めることによって決定された。化合物Jのパージを実証するために、不純物の化合物G及び化合物Eをそれぞれ3%w/wでステージ3にスパイクした。化合物I及び化合物Kはどちらもステージ3aで化合物Hに変換される。したがって、規格限界の0.6%と0.3%がそれぞれ許容されることを示すために、0.9%の化合物Iをステージ3にスパイクした。
【0495】
5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドから生成された中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のバッチを、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の規格に対して分析した。これらの研究に基づいて、表16に記載される不純物の許容用量が決定された。
【0496】
【表17】
【0497】
【表18】
【0498】
表16のものに関連する不純物の構造を表17に示す。
【0499】
【表19】
【0500】
【表20】
【0501】
スパイク及びパージ研究で使用した不純物標準を表18に記載する。
【0502】
【表21】
【0503】
【表22】
【0504】
実施例7:医薬品グレードのミガーラスタット塩酸塩の不純物の制御
中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の不純物の許容レベルは、様々な不純物をステージ4にスパイクすることによって決定された。これらの研究に基づいて、表19に記載される不純物の許容用量が決定された。特に、化合物U、化合物V、化合物Y、化合物W、及び化合物BBは、医薬品の品質に関連する医薬品グレードのミガーラスタット塩酸塩の重要品質特性に影響を及ぼすか、又はそれに関連していると決定された。
【0505】
【表23】
【0506】
上記の研究で使用された不純物標準を表20に記載する。
【0507】
【表24】
【0508】
ミガーラスタット塩酸塩は4つの立体中心を含有し、これにより、エピマー化に関連する不純物の可能性が高くなる。商業規模で製造された中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のバッチにおいて4つのエピマーのレベルが測定され、そのレベルは全てのバッチで0.1%w/w未満であった。
【0509】
化合物A、化合物EE、及び化合物DDを、ステージ4bの再結晶にインプットされる中間グレードのミガーラスタット塩酸塩にスパイクした。生成されたミガーラスタット塩酸塩中の各不純物のレベルは、0.1%w/wを下回ることが確認された。
【0510】
化合物CCを、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩に1.2%w/wでスパイクした。ステージ4bの再結晶を1回行った後、ミガーラスタット塩酸塩中に0.7%w/wが存在することが判明した。したがって、パージが一貫したものであると仮定すると、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩中の化合物CCを0.2%w/wに制御すると、原薬中の化合物CCが0.10%w/w未満で得られることが実証されている。
【0511】
上記を考慮して、ジアステレオ異性体不純物の許容レベルを表21に示すように決定した。
【0512】
【表25】
【0513】
ジアステレオマー不純物を評価するために使用される不純物標準を表22に記載する。
【0514】
【表26】
【0515】
実施例8:ミガーラスタット塩酸塩中の遺伝毒性物質の制御
ミガーラスタット塩酸塩の製造プロセスにおいて生成される出発物質、試薬、中間体、及びプロセス不純物は、インシリコ(Derek for Windows v13 Lhasa Ltd)スクリーニングソフトウェアを使用して潜在的な遺伝毒性について評価された。DEREK陰性であった化学構造は、Leadscope(Model Applier及びExpert Alerts)を使用して評価された。このプロセスを通じて特定された、潜在的に遺伝毒性がある可能性のある物質を以下の表23に記載する。可能な場合、これらの物質の遺伝毒性は、細菌性復帰変異(Ames)試験の使用によって評価した。
【0516】
【表27】
【0517】
化合物Q、化合物P、及び化合物Xは、遺伝毒性物質(Ames陽性)として確認された。化合物D及び化合物Fは、エイムス試験に対して十分に安定ではなかったため、遺伝毒性物質としても指定された。遺伝毒性物質として指定された不純物は、適切な中間体又はミガーラスタット塩酸塩原薬自体で限界試験を使用してスクリーニングされた。指定された全ての遺伝毒性物質は、TTCを下回ることが実証された。さらに、化合物D及び化合物Fを除く、指定された遺伝毒性物質のそれぞれについて確認用のスパイク実験が完了して、商業的製造プロセスがこれらの不純物を効率的にパージしていることが実証された。
【0518】
化合物Dはステージ2で化合物Fに変換される。したがって、生産規模で製造された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドのバッチにおいて化合物Fのレベルをモニターした。5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドの15のバッチにおいて、化合物Fは12mcg/g以下であることが示された。
【0519】
化合物Q及び化合物Pのレベルは、生産規模で製造された中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のバッチでモニターされた。中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の11のバッチにおいて、化合物Q及び化合物Pは、それぞれ1.0mcg/g以下であることが示された。
【0520】
化合物Xは、細菌復帰変異(Ames)試験で陽性と判定された。化合物Xは、ステージ3bにおいて、塩化ナトリウムの存在下、濃塩酸とともに加熱するという過酷なプロセス条件下で、ミガーラスタット塩酸塩から形成される。生産規模で製造された中間グレードのミガーラスタットのバッチでは、最大5mcg/gのレベルが検出された。中間グレードのミガーラスタット塩酸塩原薬の14のバッチを、化合物Xのレベルについて試験した。これらの14のバッチに由来するミガーラスタット塩酸塩原薬の12のバッチも、化合物Xについて試験した。これらの試験の結果を表24に示す。
【0521】
【表28】
【0522】
試験では、原薬中の化合物Xのレベルが、試験した全てのバッチで2mcg/g以下であることが実証された。ミガーラスタット治療用量123mg/日に対する毒性学的懸念の閾値(TTC)1.5mcg/日未満に基づくと、化合物Xの制御限界は12mcg/gである。
【0523】
様々な遺伝毒性不純物を決定するために使用される分析手順を表25に記載する。
【0524】
【表29】
【0525】
実施例9:重要なパラメーターの特定-ステージ2
最終医薬品の品質に影響を及ぼすパラメーターは、重要プロセスパラメーターを決定し、パラメーター範囲を特定するためのバッチデータの実験及び検討を通じて評価された。
【0526】
ステージ2の化学反応におけるパラメーターの範囲を特定するために、一連の単変量及び多変量実験が実施された。これらの範囲の開発は、各中間体への変換が適切であること、及び5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドの収率が一貫していることを保証することに焦点を合わせた。
【0527】
さらに、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド中の残留DMSOは、パラジウム炭素触媒について毒として作用することによって、ステージ3aにおける化合物Yの形成に影響を及ぼすことが特定された。一連のスパイク実験を実施して、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド中のDMSOのレベルが化合物Yのレベルに関連していることを確認した。データ(示さず)は、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド中のDMSOのレベルが高くなると、ミガーラスタット塩酸塩中の化合物Yのレベルが高くなることを実証している。このため、単離された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド中に存在するDMSOのレベルは、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシド中で0.01%w/w未満に制御された。
【0528】
単離された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドからのDMSOの除去に影響を及ぼす条件を調査した。例えば、表26にまとめた多因子実験では、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドの濾過ケーキからDMSOを除去する際のメタノール洗浄の有効性が調査された。この実験では、洗浄後、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドを真空下で乾燥させた。
【0529】
【表30】
【0530】
DMSOのレベルは、各実験で生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドにおける規格限界の0.01%w/w未満に制御された。さらに、生成された5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドは、それぞれ中間グレードのミガーラスタット塩酸塩に変換され、生成された材料の品質には一貫した品質が観察された。したがって、メタノール洗浄とその後の乾燥を組み合わせることで、DMSOを十分に制御することができた。
【0531】
実施例10:重要プロセスパラメーターの特定-ステージ3a
重要品質特性に影響を及ぼすパラメーターは、重要プロセスパラメーターを決定し、パラメーター範囲を特定するためのバッチデータの実験及び検討を通じて評価された。
【0532】
化合物Wの制御
パラジウム炭素触媒の存在下での酸化により、高いレベルの重要品質特性(CQA)の化合物Wが形成される潜在的なリスクがあることが確立された(図7)。化合物Wは、ステージ4の再結晶でパージしない。このリスクを軽減し、化合物Wの制御を改善するために、ステージ3aの単位操作の順序の変更が行われた。パラジウム炭素触媒をより早期に濾過することで化合物Wの形成が抑制されるため、さらなるプロセスのロバスト性を提供するためにこの改変が商用プロセスに導入された。図8は、ステージ3aの終了時に触媒が除去された商用プロセスを示す。これは、直接比較実験からの化合物Wのレベルを示す表27にまとめられたデータによって例示される。化合物Wは、ステージ3bでパラジウム触媒が存在するプロセスによる製造後、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩中に0.6%面積で存在した。対照的に、ステージ3bの前にパラジウム触媒を除去するプロセスを介して生成された中間グレードのミガーラスタット塩酸塩では、化合物Wは検出されなかった。
【0533】
【表31】
【0534】
化合物U、化合物V、化合物BB、及び化合物Yの制御
ステージ3aでは、中間化合物Tの不完全な還元の結果として化合物Uが形成される(図9を参照)。化合物Y、化合物BB、及び化合物Vは、ステージ3aの副生成物から形成される。
【0535】
ステージ3aでは、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドが第1の中間化合物Rへと迅速に還元される。次いで、化合物Rは、化合物Tを経由して、より遅いプロセスで中間化合物Sに変換される。ステージ3aの還元の程度は反応時間に関連しており、時間が残留化合物R及び化合物Tに由来する化合物Uの制御に関するCPPとして特定された。
【0536】
ステージ3aの詳細なリスク評価が行われた。このプロセスを通じて、ステージ3aの追加パラメーターが、薬物関連不純物CQAの化合物Y、化合物U、化合物BB、及び化合物Vに影響を及ぼす可能性があると特定された。次いで、これらのパラメーターは、一連の多因子実験で調査された。
【0537】
部分要因設計を実施して、化合物Y、化合物U、化合物BB、及び化合物Vに最大の影響を及ぼすステージ3aにおけるプロセスパラメーター及び相互作用を特定した。表28は、調査されたパラメーター及び対応する範囲を示す。
【0538】
各反応を44時間にわたって実行し、ピバロイル保護基をステージ3bの条件下で除去した。次いで、粗反応混合物をステージ3cの前に分析し、そのため、不純物のレベルは、結晶化中のパージ後の中間グレードのミガーラスタット塩酸塩で見られるレベルよりも高かった。
【0539】
【表32】
【0540】
化合物Vに影響するパラメーター
部分要因設計からの化合物Vに関する知見は、図10の半正規効果プロットにまとめられている。近似モデルにおける効果は、グラフ上の文字で示される(別段の記載がない限り、含まれる効果は全てp<0.05で統計的に有意なものであるか、又はより高次の階層をサポートするために含まれる)。これらの半正規プロットは、設計において調査された範囲内のCQAに対する個々のパラメーターの影響及びパラメーター間の相互作用を特定するために使用される。いくつかのパラメーターは、グラフのX軸の数値が大きいほど特性に大きな影響を与え、すなわち、それらは半正規プロットの右側に表示される。図10は、形成された化合物Vの量が主にパラジウム触媒量の影響を受けたことを示す。部分要因設計は、パラジウム炭素触媒の量の増加及びメタノール体積の増加が化合物Vのレベルの上昇につながることを示した。これらのデータは、これら2つのパラメーター間に相互作用があることも示していた。メタノール体積との相互作用に加えて、化合物Vには温度効果もあった。
【0541】
化合物Vのレベルに対するパラジウム触媒量の影響は、パラジウム触媒量の化合物Vに対する影響を示す図11の効果プロットによって例示される。エラーバーは、95%信頼水準での最小有意差(LSD)を表す。2つの点についてLSDバーで示される応答範囲が重複しない場合、それらの点は統計的に異なる。設計で実行された実験値は、効果プロット上に丸で表示される。特定の効果プロットは、明示的に表示されていない因子の水準について条件的であり(条件的レベルは、グラフの左側に「実因子」という表示を付したテキストとしてリストされる)、したがって、正確な位置ではなく、関係の大きさを実証する。図11のような効果プロットは、x軸のパラメーターとy軸の応答の間の予測される関係を視覚化するために使用される。
【0542】
多因子実験以外の別の研究では、化合物Vに対する反応時間の延長の影響も研究された。単一の単変量実験において、触媒を除去する前にステージ3aの反応を最長92時間継続させた。化合物Vのレベルは、典型的に観察されるよりも高かった。したがって、パラジウム触媒の量、時間、及びメタノールの体積は、ステージ3aで化合物Vに影響を及ぼすCPPとして特定された。
【0543】
化合物Uに影響するパラメーター
同じ部分要因設計から、化合物Uに影響を与えるパラメーターも確立された。パラメーターの相対的な影響は、図12の半正規効果プロットによって再び示されており、パラジウム触媒の量を減らすことによってレベルが上昇することが示されている。いくつかの設計の実行では、アウトプットで化合物Uが検出されなかった。反応温度も同様の影響を及ぼし、温度が低いほどレベルが上昇する。
【0544】
また、温度とパラジウム触媒量の間には相互作用があり、これは図13の相互作用プロットに示されており、触媒量の減少が化合物Uの増加につながることを示す。相互作用プロットは、因子(x軸)と応答(y軸)の間の予測される関係を視覚化するために使用され、相互作用はプロット内に現れる2本の線で表示され、線上の色付きの四角形及び三角形の記号は、相互作用における第2のパラメーターの異なるレベルを表す。
【0545】
全体として、化合物Uは、温度とパラジウム触媒量の両方が低いときに最も大きく増加する。どちらかのパラメーターが範囲の上限に維持される場合、重大度は大幅に軽減される。したがって、パラジウム触媒の量及び温度は、ステージ3aにおける化合物Uの制御に関するCPPとして特定された。
【0546】
ステージ3aの圧力は、研究した6~10bargの範囲にわたって化合物Uのレベルに影響を与えなかった。追加の実験では、ステージ3aを4bargという低い圧力で実施した場合、反応速度が有意に遅くなり、化合物Uのレベルが上昇した。このため、圧力もCPPとして特定された。
【0547】
化合物Yに影響するパラメーター
同じ部分要因設計から、化合物Yのレベルに影響を与えるパラメーターも確立された。化合物Uのレベルに影響を及ぼした同じパラメーターは、パラジウム触媒の量によって最も影響を受けた化合物Yのレベルにも同様の影響を示した。全体として、パラジウム触媒の量が多い場合、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩では化合物Yは検出されなかった。したがって、パラジウム触媒の量及び温度も、ステージ3aにおける化合物Yの制御に関するCPPであることが示された。追加の実験では、ステージ3aを4bargで実施したところ、化合物Yのレベルが上昇した。このため、圧力も化合物Yに影響を与えるCPPとして特定された。
【0548】
CPPの範囲の確立及びステージ3aのロバスト性の確認
ステージ3aで特定されたCPPの動作範囲を特定するために、ロバスト性部分要因設計が実行された。CPPに定義された範囲内のどこでもプロセスを操作でき、不純物を潜在的な最高レベルまで増加させるように設計されたパラメーター設定値の組み合わせが含まれていることを示すために、ロバスト性部分要因設計を使用した。
【0549】
この実験の詳細を表29にまとめる。温度、水素圧、パラジウム触媒量、及びメタノール量がパラメーターとして含まれ、出力は標準条件下でステージ3b及び3cを通じて処理された。全ての実験は44時間にわたって実行され、生成された中間グレードのミガーラスタット塩酸塩中の不純物のレベルが測定された。
【0550】
【表33】
【0551】
全ての実験からの材料は、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩中の薬物関連不純物CQAの規格を満たしていた。したがって、部分要因設計により、表29の範囲が適切であることが確認された。さらに、実験により、44時間以上が適切な下限範囲であることが確認された。
【0552】
パラジウム触媒の量、メタノールの体積、及び時間は、化合物Vの制御に関するCPPであり、レベルは時間の延長とともに上昇する。最大時間は、別の単変量実験で確立された。表30は、この実験のCPPのレベルを示す。圧力を8barg、温度を45℃に設定した。
【0553】
【表34】
【0554】
中間グレードのミガーラスタット塩酸塩中の化合物Vのレベルは規格内であったため、最大時間68時間が定義された。
【0555】
規模及び設備のステージ3aへの影響
不均一水素化プロセスは、容器の構成及びインペラの速度に敏感であるため、システムの気体/液体物質移動特性に大きな影響を与える。このため、これらの反応器の設計は、通常、容器内の低い位置に高速タービンインペラを含む。さらに、インペラシャフトは「ガス巻き込み」タイプ、すなわち、すなわち、ガスがヘッドスペースから引き込まれ、タービンを介して液体渦に放出され、最大の分散及びガス移動を引き起こす、上端及び下端に開口部を備えた中空構造のシャフトであってもよい。
【0556】
ステージ3aの水素化反応変換及び単離された中間グレードのミガーラスタット塩酸塩のプロファイルに対する、極限水素圧力、インペラ速度、容器充填量、及びガス巻き込みの影響を調査するために、一連の実験が行われた。これらの実験を表31にまとめる。
【0557】
【表35】
【0558】
実行1では、低圧、低スターラー速度、及び高充填レベルの条件下でも、反応速度(データは示さず)は、これら3つのパラメーターの条件が反転した実行4のものと同等であった。
【0559】
スケーラビリティのさらなる評価において、図14は、70gの実験室規模の実験、0.8kg(20リットル)規模及び31kgの生産規模でのステージ3aの反応プロファイルを示す。ゼロ時間は、5-アジド-5-デオキシ-1,2,3,6-テトラピバロイル-D-ガラクトフラノシドの化合物Rへの還元中に生成される窒素を放出するための通気の完了後の時間として定義した。各バッチは同等の時間の経過後に反応終点に達し、3つの規模での全体的な反応プロファイルは同等であった。注目すべきことに、プラント規模の水素化装置は、実験室規模の装置よりも優れていた。
【0560】
実施例11:重要プロセスパラメーターの特定-ステージ3b及び3c
ステージ3bにおける強熱残分の制御
強熱残分はCQAであり、無機不純物レベルの尺度である。塩化ナトリウムはステージ3bにおける無機副生成不純物であり、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩において検出される。このステージの後は、それ以上の無機不純物は導入されず、原薬の強熱残分は、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩中の塩化ナトリウムのレベルの影響を受ける。ミガーラスタット遊離塩基とナトリウムアルコキシドの濃縮混合物に37%塩酸を添加した後、塩化ナトリウムが形成される。ミガーラスタットの37%塩酸溶液に部分的にしか溶解しない塩化ナトリウムは、濾過によって大部分が除去される。
【0561】
ステージ3bのプロセスをより詳細に図15に示す。37%塩酸の添加後、混合物をエイジング時間で加熱して、ミガーラスタット塩酸塩が溶液中にあり、濾過前に塩化ナトリウムが沈殿していることを確認する。次いで、混合物を冷却し、ステージ3cで結晶化する前に塩化ナトリウムを濾過する。図16は、ステージ3bプロセスの概略図であり、37%塩酸の添加後に温度がどのように変化するかを示す。
【0562】
ステージ3bにおける塩化ナトリウムの除去に影響を及ぼす可能性のあるパラメーターの調査が行われた。この調査の目的は、強熱残分が中間グレードのミガーラスタット塩酸塩中7%w/wという規格限界を常に満たすことを保証するためのロバストな制御戦略を確立することであった。
【0563】
2つの多因子研究が実行され、ステージ3bの濾過における塩化ナトリウムの除去に影響する可能性があると特定されたパラメーターが調査された。第1の多因子研究では、溶液の組成と塩酸の添加の間の潜在的な関連性を研究することに焦点を当てた。ここで評価した条件を表32にまとめる。この研究中、プロセスの他のパラメーターは一定に保たれ、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩は、ステージ3cの標準条件下で単離した後に分析された。
【0564】
【表36】
【0565】
生成された中間グレードのミガーラスタット塩酸塩は全て、1.2%~2.1%w/wの範囲のレベルで、強熱残分の規格を満たしていた。
【0566】
第2の多因子研究では、溶液の組成とエイジングプロセスの間の潜在的な関連性を研究することに焦点を当てた。評価した条件を表33にまとめる。再度、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩を、ステージ3cの標準条件下で単離した後に分析した。
【0567】
【表37】
【0568】
全ての実験からの材料は、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の強熱残分に関する規格を満たしており、レベルは1.0%~2.5%w/wの範囲であった。しかし、データは、強熱残分が濾過温度の影響を受け、温度が高いほど強熱残分のレベルが高くなることを示した。濾過温度の有意性は、図17の半正規プロットに示されている。
【0569】
この発見を検証するために、37%塩酸とメタノールの反応混合物中の塩化ナトリウムの溶解度を広い温度範囲にわたって測定した。この溶解度データを図18のグラフに示す。
【0570】
この傾向は、ステージ3bを60°Cで濾過した単変量実験でも確認され、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩中に4.6%w/wの強熱残分が生じた。これらの結果に基づいて、濾過温度を、強熱残分の制御に関するCPPとして定義した。
【0571】
また、37%塩酸の濃度が影響を及ぼし、酸濃度が低いほど塩化ナトリウムの溶解度が高くなり、したがって強熱残分が多くなることが示された。これは、32%塩酸を使用した実験で確認され、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩中に5.2%w/wの強熱残分が生じた。このため、塩酸の濃度は、規格により35%~37%の範囲内に制御された。
【0572】
ステージ3bにおける化合物Xの制御
化合物Xは、図19に示すように、ステージ3で形成され得る遺伝毒性不純物である。化合物Xは原薬のバッチ内で十分に制御され、2.0mcg/g以下であり、毒性学的懸念の閾値(TTC)である12mcg/gを十分に下回っていた。化合物Xは、ミガーラスタット塩酸塩の濃塩酸溶液を塩化ナトリウムで飽和した溶液中で、高温でエイジングさせる、ステージ3bの過酷なプロセス条件下で生成し得る。
【0573】
化合物Xに影響する可能性のあるパラメーターは全て多因子研究に含まれていた。表34にその詳細が再現される、この研究で生成された中間グレードのミガーラスタット塩酸塩を分析して、化合物Xのレベルを決定した。
【0574】
【表38】
【0575】
生成された中間グレードのミガーラスタット塩酸塩中に、2~21mcg/gのレベルの化合物Xが検出された。図20は、調査したパラメーターの影響を示す。蒸留後の残留重量が低いか、エイジング時間が長いか、又はエイジング温度が高い場合、より高いレベルの化合物Xが一般に観察された。したがって、エイジング時間、エイジング温度、及び蒸留後の残留重量は、化合物Xの制御に関するCPPであると結論付けられた。
【0576】
21mcg/gの化合物Xを含有する中間グレードのミガーラスタット塩酸塩を第4ステージのプロセスによって再結晶し、生成されたミガーラスタット塩酸塩は、3mcg/g以下の化合物Xを有していた。
【0577】
ステージ3b及び3cにおける薬物関連不純物CQAのパージ
一部の薬物関連不純物CQAは、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の単離において部分的にパージされる。したがって、ステージ3b及び3cにおける条件は、薬物関連不純物CQAのパージに潜在的に影響を及ぼす可能性があり(図21)、どの不純物が影響を受けるかを確立するために一連のスコーピング実験が実施された。ステージ3b及び3cにおける中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の単離において部分的にパージされる薬物関連不純物CQAを表35に示す。
【0578】
【表39】
【0579】
スコーピング実験に続き、さらなるリスク評価を通じて、薬物関連不純物CQAのパージに影響を及ぼし得る潜在的なCPPが特定された。次いで、これらのパラメーターを部分要因設計で研究して、その重要性を決定し、範囲を確立した。レベルが一様に検出限界を下回っていたため、この研究では化合物BBへの影響を評価することはできなかった。
【0580】
【表40】
【0581】
実験の結果は、化合物Uのレベルがステージ3c中のエタノールの添加時間及び温度の影響を受けることを示した。図22は、この研究からのデータを使用して生成された半正規プロットである。これは、エタノールの添加時間を短縮するか温度を下げると、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩中の化合物Uのレベルがより高くなることを示す。この点は、図23の効果プロットにさらに示されており、温度を下げるとパージの度合いが低下し、したがって、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩中の化合物Uのレベルが上昇することが示されている。
【0582】
エタノール添加の速度/時間についても同様のトレンドプロットが得られ、これは、速度が速いほど化合物Uのパージが少なくなることを示す。したがって、エタノール添加の時間が減少すると、化合物Uのレベルがより高くなる。したがって、エタノール添加の時間及び単離温度は、ステージ3cのCPPとして特定された。
【0583】
化合物Yについて同様のデータが得られ、このCQAのパージもCPPによって同様に影響を受けたことが示された。しかし、化合物Vのデータは、そのパージに有意な影響を有するパラメーターがないことを示唆している。
【0584】
関連する不純物CQAの化合物BBについて、同じパラメーターがそのパージに影響を及ぼすことができるかを決定するために、別の研究が実施された。表37にまとめたように、エタノール添加の温度及び時間を変動させて2つの実験を実行した。
【0585】
【表41】
【0586】
より低い温度及びより短い添加時間では、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩中に0.5%w/wの化合物BBが観察された。温度がより高く、添加時間がより長い場合、化合物BBは0.2%w/wで存在した。したがって、これら2つのパラメーターは、化合物BBの制御に関するCPPでもある。
【0587】
要約すると、ステージ3b及び3cにおける薬物関連不純物CQAのパージの制御に関する2つのCPPが特定された。エタノールの添加時間をより短くし、温度をより低くすると、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩中の化合物U、化合物Y、及び化合物BBのレベルが上昇する。
【0588】
添加時間が長くなり、温度が高くなると、関連する不純物CQAのレベルが低下するため、これらのCPPの範囲は、表36の範囲の一極端の値で定義され、それぞれ15℃以上、30分以上に限定された。
【0589】
結論:ステージ3のCPP
ステージ3の評価活動の完了後、商業規模で製造されたバッチからのデータを組み込むためにリスク評価が更新された。ステージ3aにおける関連する不純物CQAの制御に関するCPPには、温度、触媒の量、水素圧、メタノールの体積、及び時間が含まれる。ステージ3bにおける強熱残分の制御に関するCPPには、濾過温度が含まれる。ステージ3bにおける遺伝毒性化合物Xの制御に関するCPPは、蒸留後の残留重量、エイジング時間、及びエイジング温度を含む。ステージ3b及び3cにおける関連する不純物CQAのパージに影響を及ぼすCPPは、エタノール添加の温度及び時間を含む。ステージ3のこれらのCPP及び対応する範囲を表38に列挙する。
【0590】
【表42】
【0591】
実施例12:ミガーラスタット塩酸塩の調製
中間グレードのミガーラスタット塩酸塩を水とエタノールの混合物から2回結晶化させて、ミガーラスタット塩酸塩を得た。2つの再結晶ステップは、製造プロセスにおいてステージ4a及びステージ4bとして表される。ステージ4aとステージ4bの主な違いは、ステージ4bでのエタノール添加中の保持時間であった。ステージ4aでは、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩を、結晶化温度まで加温することにより水に溶解した。エタノールを貧溶媒として加えて結晶化を誘導し、スラリー又は溶液を単離温度まで冷却した。ミガーラスタット塩酸塩を濾過し、エタノールで洗浄し、乾燥させた。ステージ4bでは、水に溶解した後、溶液が清澄化された。溶液を結晶化温度に調整し、エタノール(エタノール1の量)を加えて結晶化を誘導した。保持時間の後、スラリー又は溶液を単離温度まで冷却する前に、残りのエタノール(エタノール2の量)を加えた。ミガーラスタット塩酸塩を濾過し、エタノールで洗浄し、乾燥させた。
【0592】
ステージ4の各単位操作及びプロセスパラメーターは、ミガーラスタット塩酸塩のCQAに対する潜在的な影響について評価された。
【0593】
塩化ナトリウムの制御に影響するCPPの特定
ステージ4のプロセスのパラメーターは、水性エタノール混合物に可溶な塩化ナトリウムの溶解度に影響を与える可能性について評価された。表39は、ステージ4a及びステージ4bの両方で塩化ナトリウムの溶解度に影響を及ぼす可能性を有すると特定されたパラメーターをまとめたものである。各パラメーターにつき研究された範囲も与えられる。これらは、塩化ナトリウムの溶解度データ、並びにミガーラスタット塩酸塩の溶解度及び準安定限界データを参照して定義された。
【0594】
【表43】
【0595】
図25は、結晶化混合物中に可溶化された塩化ナトリウムの相対濃度に対する水及びエタノールの総量の影響を示す。これは、1.1~1.4重量部の間の総水量の変化が塩化ナトリウム濃度に大きな影響を及ぼすことを示す。このため、ステージ4a及びステージ4bの総水量は、強熱残分の制御に関するCPPであると評価された。図25はまた、8.5~10.5の間の総エタノール量の変化が塩化ナトリウムの濃度に及ぼす影響がより小さいことを示す。
【0596】
このデータに基づいて、各結晶化において3.5%w/wの最小強熱残分をパージするために、1.1~1.4重量部の範囲が選択された。これにより、ステージ4a及び4bで7%w/wの中間グレードのミガーラスタット塩酸塩強熱残分規格がパージされた。
【0597】
ミガーラスタット塩酸塩中の残留エタノールの制御
エタノールは、ミガーラスタット塩酸塩の製造の最終ステージで使用される主な溶媒であり、CQAであった。一般に、ミガーラスタット塩酸塩のバッチでは低レベルのエタノールが観察される。ステージ4bのプロセスのパラメーターがエタノール含有量に影響を与える可能性について評価した。表40は、ステージ4bのエタノール含有量に影響を与える可能性を有すると特定されたパラメーターをまとめたものである。各パラメーターにつき研究された範囲も与えられる。これらは、ミガーラスタット塩酸塩の溶解度及び準安定限界データを参照して設定された。
【0598】
【表44】
【0599】
エタノールのレベルは、核形成時点での過飽和レベルによって強く影響されることが実証された。ステージ4bの過飽和を制御するために、エタノールの添加中に保持時間を導入した。表41は、高過飽和を生成するために急速なエタノール添加を使用した2つの実験の結果を示す。第1の実験では、6体積部のエタノールを2.5分かけて加えた。これは、5分間でのエタノールの全量の添加に相当する。第2の実験では、第1の1.3体積部の添加後に5分間の保持時間を組み込んだ場合、エタノールのレベルは低下した。
【0600】
【表45】
【0601】
これらのデータの結果、過飽和の最大レベルを制限する保持時間、及びエタノール1の添加時間が、エタノールの制御に関するCPPであると評価された。水の量、エタノール1の量、及びエタノール1の添加温度のパラメーターは、溶解度、ひいては結晶化中の過飽和レベルが、これらのパラメーターによって強く影響を受けるため、エタノール含有量の制御に関するCPPとして評価された。
【0602】
エタノール含有量の制御に関するCPPの特定及び対応する範囲
水の量、エタノール1の量、エタノール1の添加温度、エタノール1の添加時間、及び保持時間は、系の過飽和及び核形成への影響の結果として、ステージ4bにおけるエタノールの制御に関するCPPとして特定された。表42は、高レベルの過飽和を防ぎながらステージ4bにおける結晶化を可能にするために選択された範囲をまとめたものである。水の量、エタノール1の量、及びエタノール1の添加温度の範囲は、溶解度及び準安定限界データに基づいて定義された。エタノール1の添加時間及び保持時間の範囲は、実験データに基づいて定義された。
【0603】
【表46】
【0604】
CQA不純物のパージに対するステージ4のパラメーターの影響の評価
表43は、どの関連不純物CQAがステージ4の影響を受けるかを示す。これらの不純物はそれぞれ、ステージ4a及びステージ4bの両方の再結晶で部分的にパージされる。遺伝毒性不純物である化合物Xは、ステージ4のプロセスによって部分的にパージされることが実証された。
【0605】
【表47】
【0606】
ステージ4の影響を受けるCQAの概要
強熱残分のCQAは、ステージ4a及び4bで制御されることが確立された。エタノールのCQAはステージ4bで制御され、CQA不純物の化合物U、化合物V、化合物Y、及び化合物BBはステージ4a及びステージ4bの両方で部分的にパージされる。
【0607】
ステージ4aのプロセスのロバスト性
ステージ4aでパラメーターに選択された範囲が適切であることを確認するために、部分要因研究が実行された。中間グレードのミガーラスタット塩酸塩をインプットとして使用した。インプット強熱残分は7%w/wであり、薬物関連不純物CQAは典型的なレベルで存在した。水量のCPPに加えて、強熱残分に影響を及ぼすと評価されたエタノール量及び単離温度のパラメーターも研究に含まれた。表44は、調査したパラメーター、範囲、及びCQAをまとめたものである。
【0608】
【表48】
【0609】
全ての実験でナトリウムのレベルは低下し、除去されたレベルは54%~100%の範囲であった。最も高い残留レベルは、3.3%w/wの強熱残分に等しかった。3.5%w/wの最小強熱残分もステージ4bでパージされるため、この設計は、特定された範囲がステージ4aの強熱残分の制御に適切であることを実証した。水量は、設計における強熱残分のレベルに影響することが特定された。これにより、CPPとしての水量の評価が確認され、研究された他のパラメーターの影響又はや相互作用がないことが実証された。さらに、実験からの全ての薬物関連不純物CQAのレベルは、原薬規格の0.15%w/wを下回っていた。
【0610】
ステージ4bのプロセスのロバスト性
ステージ4bについて選択された範囲を確認するために、部分要因研究が実行された。中間グレードのミガーラスタット塩酸塩をインプットとして使用した。インプット強熱残分は0.83%w/wであり、薬物関連不純物CQAは典型的なレベルで存在した。このステージで特定されたCPPに加えて、残留エタノール及び強熱残分のCQAに影響を及ぼすと評価された他のパラメーターも研究に含まれた。表45は、調査したパラメーター、範囲、及びCQAをまとめたものである。
【0611】
【表49】
【0612】
全ての実験からの材料は、強熱残分レベルが0.10%w/w未満であり、原薬規格限界の0.20%w/w未満であった。エタノールのレベルは、0.03%~0.24%w/wの範囲であり、規格限界の0.5%w/w未満であった。さらに、実験からの全ての薬物関連不純物CQAのレベルは、原薬規格の0.15%w/wを下回っていた。
【0613】
これらの研究は、調査された範囲がステージ4の強熱残分及びエタノール含有量の制御に適切であることを実証した。この研究はまた、典型的な中間グレードのミガーラスタット塩酸塩をインプットとして使用し、CQA不純物に関する原薬の規格が1回の再結晶で満たされることを実証した。
【0614】
結論:ステージ4で特定されたCPP
ステージ4のCPP及び対応する範囲を表46に列挙する。さらなる一連の実験により、ステージ4a及びステージ4bの範囲、並びにCQA不純物及び強熱残分の規格限界の中間グレードのミガーラスタット塩酸塩を含むことの影響が検証された。
【0615】
【表50】
【0616】
ミガーラスタット塩酸塩の製造に関するCPP及び対応する範囲の概要
CPP及び適切な範囲を特定するための開発活動の完了後、生成された情報を用いてリスク評価が更新された。CQAに影響を及ぼすとして確立されたパラメーターは、その影響の重大度について再評価され、CPP又はPPとして分類された。ミガーラスタット塩酸塩原薬の製造プロセスのCPP及びその対応する範囲が表47列挙される。
【0617】
【表51】
【0618】
商業的制御戦略
製造活動によって適切な製品が提供されることを確認するために、以下を含む適切な制御戦略が行われた。手順の制御-GMPの性質によって提供される制御;特性の制御-これらの制御は、各試薬、出発物質、中間体、及び原薬の規格を通じて提供される;パラメトリック制御-これらはCPP及びそれに関連する範囲を含む。ミガーラスタット塩酸塩原薬における各CQAの制御戦略を表48にまとめる。
【0619】
【表52】
【0620】
【表53】
【0621】
【表54】
【0622】
実施例13:小規模検証実験
全体的な制御戦略によって規格を満たす中間体及び原薬が提供されること、及び規格限界で不純物が導入される極端なケースにおいて、ステージ3及び4においてCPPに定義された範囲が適切であることを検証するために、製造プロセスのいくつかのステージについて検証実験が行われた。
【0623】
薬剤関連不純物CQAの制御戦略は、ステージ3及び4で検証された。さらに、ステージ3及び4における強熱残分の制御、並びにステージ4におけるエタノール含有量の制御を検証するための研究が行われた。
【0624】
CQAに影響を及ぼすプロセス不純物は、適切な場合、規格限界でインプット材料にスパイクされた。同時に、CPPは、アウトプット規格を満たすことができない可能性が最も高い、範囲の強制極端値に設定された(このため、全てのCPPが範囲の限界で実行されたわけではない)。
【0625】
ステージ3検証実験
ステージ3の検証実験の目的は、ステージ3のCPPについて定義された範囲が規格を満たすミガーラスタット塩酸塩を供給することを実証することであった。これは、ステージ3の影響を受けるCQAのレベルを上昇させるPARの設定を選択することにより実現される。ステージ3は、薬物関連不純物CQAの化合物U、化合物V、化合物W、化合物BB、及び化合物Yに影響を及ぼす。ステージ3は、遺伝毒性物質の化合物X及びミガーラスタット塩酸塩の強熱残分にも影響を与える。
【0626】
以下のような検証実験を行った。実験A-生成されたミガーラスタット塩酸塩が、化合物U、化合物Y、及び化合物Xのレベルを上昇させるために選択される条件下で原薬規格に落ちなかったことを確認する;実験B及びD-生成されたミガーラスタット塩酸塩が、化合物Vのレベルを上昇させるために選択される条件下で原薬規格に落ちなかったことを確認する;実験C-生成されたミガーラスタット塩酸塩が、化合物Y及び強熱残分のレベルを上昇させるために選択される条件下で原薬規格に落ちなかったことを確認する。
【0627】
化合物AA、化合物AA、及び化合物Wは、ステージ3で形成される可能性があるが、それらを制御するためのCPPはない。ステージ3の実験で使用した条件を、各CPPの範囲及び現在のプロセス設定値とともに表49に提供する。化合物Yのレベルに影響を及ぼすDMSOは、実験A及びCにおいて規格限界の0.01%w/wでスパイクされた。さらに、強熱残分への影響を最大化するために、全ての実験で35%w/w塩酸を使用した。これらの実験で生成された中間グレードのミガーラスタット塩酸塩は、ステージ4で再結晶された。これらの実験で生成された中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の分析データを表50に提供する。次の原薬のデータを表51に示す。
【0628】
実験A及びCでは、ステージ3後に生成された中間グレードのミガーラスタット塩酸塩が規格を満たした。さらに、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩をステージ4で再結晶した後に生成された原薬は規格を満たしていた。
【0629】
CPPが設定値に固定された実験Dでは、より高いレベルの化合物Vが観察された。実験Dでは、各CPPは指定された範囲の限界にあった。ステージ4における再結晶後に生成したミガーラスタット塩酸塩は、化合物Vの規格限界を満たしていた。
【0630】
全体として、この実験は、ステージ3で確立された制御戦略が規格内のミガーラスタット塩酸塩を提供することを検証する。さらに、実験条件下でCQAのレベルが上昇したため、結果はCPPが正しく特定されたことを検証する。
【0631】
【表55】
【0632】
【表56】
【0633】
【表57】
【0634】
ステージ4検証実験
ステージ4は、ミガーラスタット塩酸塩の強熱残分及びエタノール含有量を制御し、薬物関連不純物CQAの化合物U、化合物V、化合物Y、及び化合物BBに影響を及ぼす。検証実験の目的は、ステージ4の影響を受ける各CQAの制御戦略の極限において、生成されたミガーラスタット塩酸塩が原薬規格に落ちなかったことを確認することであった。実験は、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の規格限界にあるCQAを、原薬規格を満たさない可能性が最も高いCPPの設定値の組み合わせと組み合わせるように設計された。以下のような検証実験を行った。
【0635】
実験A-中間グレードのミガーラスタット塩酸塩に規格限界以上のレベルで化合物W及び化合物Uを組み込んだ場合に生成されるミガーラスタット塩酸塩が原薬規格に落ちなかったことを確認する。非典型的な条件下での処理を使用して、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩中に必要なレベルの化合物Uを生成した。標準不純物プロファイルを有する中間グレードのミガーラスタット塩酸塩に化合物V、化合物Y、及び化合物BBを規格限界で組み込んだ場合の影響を確認するために、実験Dも実行した。実験B-中間グレードのミガーラスタット塩酸塩に規格限界の強熱残分のレベルを組み込んだ場合に生成されるミガーラスタット塩酸塩が、強熱残分のレベル及びエタノール含有量を最大化するように設計された条件下で原薬規格に落ちなかったことを確認する。実験C-生成されたミガーラスタット塩酸塩が、エタノール含有量のレベルを最大化するように設計された条件下で原薬規格に落ちなかったことを確認する。実験Cではステージ4aは実行されなかった。実験D-中間グレードのミガーラスタット塩酸塩における典型的なレベルよりも有意に高いレベルで化合物V、化合物Y、及び化合物BBを組み込んだ場合に生成されるミガーラスタット塩酸塩が、原薬の許容基準に落ちなかったことを確認する。
【0636】
表52は、ステージ4の検証実験で使用された条件の概要を示す。表53は、これらの実験から単離されたミガーラスタット塩酸塩の分析データを示す。
【0637】
【表58】
【0638】
【表59】
【0639】
表53のアウトプットデータに示されるように、実験Aにおける化合物Yのレベルを除き、生成されたミガーラスタット塩酸塩は規格を満たした。実験Aで必要なレベルの化合物Uを生成するために使用された条件により、化合物Yのインプットレベルは、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の規格限界よりも有意に高かった。したがって、実験Dは、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の規格における化合物Y、化合物V、及び化合物BBの規格限界が適切であることを確認するためにも実行された。実験により、中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の規格限界及びステージ4に定義されたCPP範囲が原薬規格を満たすミガーラスタット塩酸塩を提供することが検証された。
【0640】
【表60】
【0641】
【表61】
【0642】
【表62】
【0643】
【表63】
【0644】
【表64】
【0645】
【表65】
【0646】
【表66】
【0647】
【表67】
【0648】
【表68】
【0649】
【表69】
【0650】
【表70】
【0651】
【表71】
【0652】
【表72】
【0653】
【表73】
【0654】
【表74】
【0655】
【表75】
【0656】
【表76】
【0657】
【表77】
【0658】
【表78】
【0659】
【表79】
【0660】
【表80】
【0661】
【表81】
【0662】
実施例14:中間グレードのルセラスタット塩酸塩の調製
ルセラスタット([(2R,3S,4R,5S)-1-ブチル-2-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-3,4,5-トリオール)が提供されるか、又は任意の公知の方法に従って調製される。例えば、適切な調製方法は、国際公開第1994026714A1号パンフレットに報告されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0663】
一般に、デオキシガラクトノジリマイシン(DGJ;ミガーラスタット)は、水素下、パラジウム黒の存在下、酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)中で、ブチルアルデヒドを使用して還元的にN-アルキル化される。反応混合物を室温(約20℃)で撹拌する。反応混合物を珪藻土で濾過し、溶媒を真空下で蒸発させて除去する。得られたN-ブチル化生成物は、2MNH(aq)で溶出するイオン交換クロマトグラフィー(Dowex(登録商標)AG50-X12、H型)によって精製される。溶媒を蒸発により除去する。
【0664】
得られた遊離塩基ルセラスタットは塩酸塩に変換される。例えば、遊離塩基ルセラスタットを低級アルコール中の過剰の濃HCl(37%水溶液)で処理し、続いて蒸発により溶媒を除去して、ルセラスタットの塩酸塩を提供する。
【0665】
実施例15:中間グレードのルセラスタット塩酸塩の精製
実施例14のように調製した中間グレードのルセラスタット塩酸塩を再結晶により精製する。一般に、第1の結晶化は、水及びC1~C4アルコールを含む第1の混合物中で実施されて、第1の結晶化ルセラスタット塩酸塩のスラリー又は溶液が得られる。第1の結晶化ルセラスタット塩酸塩は、例えば濾過によって、スラリー又は溶液から単離される。その後、第1の結晶化ルセラスタット塩酸塩を、水及びC1~C4アルコールを含む第2の混合物中で結晶化させて、第2の結晶化ルセラスタット塩酸塩のスラリー又は溶液を得ること、続いて、第2の結晶化ルセラスタット塩酸塩のスラリー又は溶液から第2の結晶化ルセラスタット塩酸塩を単離して、医薬品有効成分(API)グレードのルセラスタット塩酸塩を得ることを含む、第2の再結晶を実施してもよい。
【0666】
実施例16:ジアステレオマー不純物からの中間グレードのミガーラスタット塩酸塩の精製
実施例7のように調製した中間グレードのミガーラスタット塩酸塩は、表21に列挙されるジアステレオ異性体不純物を含む。ジアステレオ異性体(diasteroisomeric)不純物は、溶離液として溶媒を使用する、順相フラッシュカラムクロマトグラフィーなどの順相液体クロマトグラフィー(NPLC)によって分離され得る。クロマトグラフィー法は、均一濃度又は勾配溶出モードで実行できる。溶離液は、ジクロロメタン、酢酸エチル、ヘキサン、アセトン又はそれらの組み合わせから選択され得る。或いは、NPLCを実施する前に、ジアステレオ異性体不純物及びミガーラスタットを公知の方法に従ってその薬学的に許容される塩に変換してもよい。同様に、ジアステレオ異性体不純物及びミガーラスタットをアルコール保護基で処理し、続いてNPLC精製及び処理して、アルコール保護基を除去してもよい。アルコール保護基は、アリル、アセチル、又はベンゾリル、ベンジルであり得る。アリルアルコール保護基は、加水分解又はPd/Cの存在下での水素化によって除去され得る。アセチル又はベンゾイルアルコール保護基は、酸性条件又は塩基性条件下での加水分解によって除去され得る。ベンジルアルコール保護基は、接触水素化によって除去され得る。接触水素化は、均一又は不均一金属触媒の存在下で実施され得る。金属触媒は、Pd、Pt、Ni、Rh又はRuをベースとし得る。同様に、ジアステレオ異性体不純物及びミガーラスタットをアミン保護基で処理し、続いてNPLC精製及び処理して、アミン保護基を除去してもよい。アミノ保護基は、ベンジル、ベンズヒドリル、フェニルエチル、ベンジルオキシカルボニル又はtert-ブトキシカルボニルであり得る。ベンジル、ベンズヒドリル、フェニルエチル及びベンジルオキシカルボニルアミノ保護基は、接触水素化によって除去され得る。tert-ブトキシカルボニルアミノ保護基は、酸で処理することにより除去され得る。酸としては、トリフルオロ酢酸及び塩酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0667】
実施例17:クロマトグラフィー法を使用したジアステレオマー不純物からの中間グレードのルセラスタット塩酸塩の精製
実施例7のように調製した中間グレードのルセラスタット塩酸塩は、表21に列挙されるジアステレオ異性体不純物を含む。ジアステレオ異性体(diasteroisomeric)不純物は、溶離液として溶媒を使用する、順相フラッシュカラムクロマトグラフィーなどの順相液体クロマトグラフィー(NPLC)によって分離され得る。クロマトグラフィー法は、均一濃度又は勾配溶出モードで実行できる。溶離液は、ジクロロメタン、酢酸エチル、ヘキサン、アセトン又はそれらの組み合わせから選択され得る。或いは、NPLCを実施する前に、ジアステレオ異性体不純物及びルセラスタットを公知の方法に従ってその薬学的に許容される塩に変換してもよい。同様に、ジアステレオ異性体不純物及びルセラスタットをアルコール保護基で処理し、続いてNPLC精製及び処理して、アルコール保護基を除去してもよい。アルコール保護基は、アリル、アセチル、又はベンゾリル、ベンジルであり得る。アリルアルコール保護基は、加水分解又はPd/Cの存在下での水素化によって除去され得る。アセチル又はベンゾイルアルコール保護基は、酸性条件又は塩基性条件下での加水分解によって除去され得る。ベンジルアルコール保護基は、接触水素化によって除去され得る。接触水素化は、均一又は不均一金属触媒の存在下で実施され得る。金属触媒は、Pd、Pt、Ni、Rh又はRuをベースとし得る。同様に、ジアステレオ異性体不純物及びルセラスタットをアミン保護基で処理し、続いてNPLC精製及び処理して、アミン保護基を除去してもよい。アミノ保護基は、ベンジル、ベンズヒドリル、フェニルエチル、ベンジルオキシカルボニル又はtert-ブトキシカルボニルであり得る。ベンジル、ベンズヒドリル、フェニルエチル及びベンジルオキシカルボニルアミノ保護基は、接触水素化によって除去され得る。tert-ブトキシカルボニルアミノ保護基は、酸で処理することにより除去され得る。酸としては、トリフルオロ酢酸及び塩酸が挙げられるが、これらに限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
【国際調査報告】