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特表2023-554403厚物分配ブームを装着するためのブーム台座を有するフレーム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-27
(54)【発明の名称】厚物分配ブームを装着するためのブーム台座を有するフレーム
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/04 20060101AFI20231220BHJP
【FI】
E04G21/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536440
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 EP2021082258
(87)【国際公開番号】W WO2022128326
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】102020134024.9
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519044656
【氏名又は名称】プツマイスター エンジニアリング ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】PUTZMEISTER ENGINEERING GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ベンツ, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】フューゲル, ディートマー
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン, マティアス
(72)【発明者】
【氏名】パヴィサ, ベネディクト
【テーマコード(参考)】
2E172
【Fターム(参考)】
2E172AA05
2E172CA44
(57)【要約】
本発明の対象は、厚物分配ブーム(20)を装着するブーム台座(17)と、厚物分配ブーム(20)の重さの力によって発生する力の流れを受けて伝達する支持プロファイル(13)とを有するフレーム(12)である。ブーム台座(17)は、ブーム台座(17)から下方に突出し、各々が貫通孔(23,24)を有する2つのタブ要素(21,22)を有し、支持プロファイル(13)は、貫通孔に整列されたボルト受け口(14)を備え、ブーム台座(17)を支持プロファイル(13)に接続するボルト要素(15)は、貫通孔(23,24)及びボルト受け口(14)を介して案内される。
本発明はさらに、前記フレームを備えた、対応する厚物ポンプに関する。ボルト接続部により、製作に必要な運搬労力を軽減することができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚物分配ブーム(20)を装着するブーム台座(17)と、厚物分配ブーム(20)の重さの力によって発生する力の流れを受けて伝達するキャリアプロファイル(13)とを有するフレーム(12)であって、
前記ブーム台座(17)は、前記ブーム台座(17)から下方に突出し、各々が貫通孔(23,24)を有する2つのタブ要素(21,22)を有し、前記キャリアプロファイル(13)は、貫通孔に整列されたボルト受け口(14)を備え、前記ブーム台座(17)を前記キャリアプロファイル(13)に接続するボルト要素(15)は、前記貫通孔(23,24)及び前記ボルト受け口(14)を介して案内される、フレーム(12)。
【請求項2】
前記タブ要素(21、22)は、好ましくは、前記キャリアプロファイル(13)の側面に平行に配向された板金部品の形態である、請求項1に記載のフレーム(12)。
【請求項3】
前記タブ要素(21,22)は、前記キャリアプロファイル(13)の長手方向に沿って配向されている、請求項1又は2に記載のフレーム(12)。
【請求項4】
前記タブ要素(21,22)は、前記キャリアプロファイル(13)の周囲で横断方向に係合する、請求項1~3のいずれか一項に記載のフレーム(12)。
【請求項5】
前記キャリアプロファイル(13)は中空プロファイルの形態であり、好ましくは、前記タブ要素(21)の一方が前記中空プロファイルの第1の側壁(41a)に平行に配向され、更に好ましくは、前記タブ要素(22)の他方が前記中空プロファイルの第2の側壁(40a)に平行に配向される、請求項1~4のいずれか一項に記載のフレーム(12)。
【請求項6】
前記タブ要素(21,22)は、接合接続部によって前記ブーム台座(17)に接続される、請求項1~5のいずれか一項に記載のフレーム(12)。
【請求項7】
前記ブーム台座(17)は、少なくとも1つの側面部分(16)を有し、前記接合接続部の少なくとも一部は、前記側面部分(16)に沿って延びる、請求項6に記載のフレーム(12)。
【請求項8】
前記ブーム台座(17)は、ベース面部分(18)を有し、前記接合接続部の少なくとも一部が前記ベース面部分(18)に沿って延びる、請求項6又は7に記載のフレーム(12)。
【請求項9】
前記ボルト要素(15)の外面に対応する内面を有する円筒スリーブ(32)が前記ボルト受け口(14)に挿入される、請求項1~8のいずれか一項に記載のフレーム(12)。
【請求項10】
前記円筒スリーブ(32)は、前記キャリアプロファイル(13)に接合接続により接続されて固定される、請求項9に記載のフレーム(12)。
【請求項11】
前記円筒スリーブ(32)は、シリンダ表面から外方に突出する端側カラー(49)を有し、前記キャリアプロファイル(13)の側壁(40a,41a)の内面に当接するように設計される、請求項9又は10に記載のフレーム(12)。
【請求項12】
前記キャリアプロファイル(13)は、少なくとも2つのプロファイル板(40、41)を備え、前記少なくとも2つのプロファイル板(40、41)は、それぞれが、少なくとも1つの曲げ軸(46、47、51)に沿って曲げられ、少なくとも2つの接続ライン(42、43)に沿って組み立てられて中空プロファイルを形成し、好ましくは、前記接続ライン(42,43)および/または前記曲げ軸(46,47,51)は、前記キャリアプロファイル(13)の前記長手方向に平行に配向される、請求項1~11のいずれか一項に記載のフレーム(12)。
【請求項13】
前記キャリアプロファイル(13)は、前記厚物分配ブーム(20)により加えられる力の流れを吸収する為の少なくとも1つの第1の力吸収領域を有し、前記ブーム台座(17)は、前記タブ要素(21,22)によって前記キャリアプロファイルの前記第1の力吸収領域に接続され、また、前記フレームは、第2の力吸収領域を有し、前記第2の力吸収領域は、前記第1の力吸収領域から前記キャリアプロファイル(13)の前記長手方向に離間して設けられ、前記厚物分配ブーム(20)により加えられる力の流れを吸収し、前記ブーム台座は、前記キャリアプロファイル(13)の前記第2の力吸収領域に横断キャリア(31)を介して接続されており、前記接続は、ボルト接続部によって製作されることが好ましい、請求項1~12のいずれか一項に記載のフレーム(12)。
【請求項14】
前記キャリアプロファイルは、力消散領域を有し、前記力消散領域は、前記キャリアプロファイル(13)の前記長手方向において前記ボルト受け口(14)から離間し、前記力の流れを下面に消散させる為に設けられ、また、前記フレームは、支持システム(29)を有し、前記支持システム(29)は、前記力消散領域において前記キャリアプロファイル(13)に接続され、前記キャリアプロファイル(13)によって伝達される力を下に前記下面に導入するように設計される、請求項1~13のいずれか一項に記載のフレーム(12)。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のフレーム(12)を備えた厚物ポンプであって、
前記フレーム(12)に装着された厚物ポンプ装置と、前記ブーム台座(17)に接続された厚物分配ブーム(20)と、を備える、厚物ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厚物分配ブームを装着するためのブーム台座が固定されたフレームに関する。
【0002】
移動式または固定式コンクリートポンプによってコンクリートを放出するためには、通常、フレームによって運ばれる厚物分配ブームが使用される。このため、ブーム台座と呼ばれるものをフレームに固定し、このブーム台座に厚物分配ブームを垂直軸を中心に回転可能に装着することができる。厚物分配ブームは、所望の放出位置に到達するために互いに対して回転可能な複数のブームセグメントから構成することができる。ポンプ装置で加圧されたコンクリートは,厚物分配ブームに沿って誘導されるコンクリート送出ラインを介して、所望の位置に放出される。上記タイプのフレームはトラックミキサーにも使用することができ、この場合のフレームは更に混合ドラムを運ぶように設計されている。
【0003】
特に、ブームセグメントの伸長状態では、ブーム台座を介してフレームに導入され、フレームから下にある面に消散されなければならない大きな負荷トルクが発生する。この目的のために、フレームは、たとえば、フレームの長手方向に配向され、力の流れを伝達するのに役立つ2つのキャリアプロファイルを有することができる。従来技術では、ブーム台座をキャリアプロファイルに溶着することが一般的である。しかしながら、そのために必要な溶着作業は複雑である。溶着継手が製作された後、キャリアプロファイルは、それに固定されているブーム台座と一緒にのみ輸送することができ、その結果、輸送コストが高くなり、製作プロセスを柔軟性のないものにする。
【0004】
本発明の目的は、厚物分配ブームを装着するためにブーム台座が固着されたフレームと、対応するフレームを装備した可動式厚物ポンプとを供給することであり、前記フレームおよび厚物ポンプは、少なくとも部分的に前述した欠点を回避する。この目的は、独立クレームの特徴によって達成される。有利な実施形態は、特許請求の範囲に記載されている。
【0005】
本発明に係るフレームは、厚物分配ブームを装着するブーム台座と、厚物分配ブームの重さの力(weight force)によって発生する力の流れを受けて伝達するキャリアプロファイルとを備えている。ブーム台座は、ブーム台座から下方に突出する2つのタブ要素を有し、各タブ要素は、貫通孔を有し、キャリアプロファイルは、貫通孔に整列されたボルト受け口を備える。ブーム台座をキャリアプロファイルに接続するためのボルト要素が、貫通孔およびボルト受け口を通して案内される。
【0006】
まず、本説明の範囲内で用いられる用語について説明する。本発明によるフレームは、たとえば、互いに平行に配向することができる少なくとも1つ、好ましくは2つのキャリアプロファイルを有する。キャリアプロファイルの各々には、好ましくは2つのタブ要素が割り当てられる。簡単のために、本明細書の範囲内の多くの点において、2つのタブ要素と相互作用する1つの個別のキャリアプロファイルの構成のみを説明する。言うまでもなく、本発明に係るフレームは、本明細書の範囲内で説明される更なる特徴をそれぞれ有することができる2つ以上のキャリアプロファイルを有することもできる。キャリアプロファイルは、従来、厚物分配ブームによって発生される力の流れが導かれる長手方向を有する。この長手方向は、フレームの長手方向と一致させることができる。
【0007】
キャリアプロファイルは、力の流れを受けて伝達するように設計されている。特に、厚物分配ブームによって発生される力の流れの実質的な部分が、キャリアプロファイルに沿って、ブーム台座から離間された力消散領域に伝達されることが規定されている。力消散領域は、特にキャリアプロファイルの長手方向の一端部に配置することができる。力消散領域には、支持システムがあり、この支持システムは、キャリアプロファイルに接続され、キャリアプロファイルによって伝達される力を下面に導入するように設計されている。このフレームは、支持構造体とは異なるが、支持構造体では、ブーム台座からの力の流れが、支持脚ボックスから形成された担持構造体および支持脚に直接導入され、支持脚は、前記担持構造体に接続され、伸長可能であり、あるいは、旋回可能である(たとえば、EP 3 369 876 A1参照)。特に、キャリアプロファイルは、それに接続された支持システムと共に、対応する後方支持機能を既に引き受けているので、後部支持脚は、本フレームにおいて絶対的に必要ではない。後方支持脚は、伸長または旋回された後、使用中に大きな空間を占めるので、本フレームによって必要とされる空間は、それに応じて減少される。さらに、後部支持脚がないため、フレームの上方に置かれた荷重面上により多くの貯蔵空間が利用可能である。
【0008】
本発明の範囲内で、ブーム台座は、ボルト接続部によって、安全かつ同時に柔軟な方法でキャリアプロファイルに解放可能に接続することができることが認識されている。キャリアプロファイルへの十分な力の導入は、ブーム台座上に設けられたタブ要素によって実現できることが示されている。これにより、本発明に係るフレームの製作を大幅に柔軟に構成することができる。特に、キャリアプロファイルとブーム台座との間の接続は、複雑な溶着作業を必要としないので、非常に簡単である。キャリアプロファイルは、それに対応して、ブーム台座から別個にかなり柔軟に輸送することができ、ブーム台座を使用場所またはその近傍においてのみキャリアプロファイルに接続することが可能である。これは、ブーム台座がキャリアプロファイル上に設定されて、タブ要素の貫通孔が対応するボルト受け口と整列され、タブ要素の貫通孔の方向がボルト受け口の方向に対応するという単純な方法で行うことができる。続いて、ボルト要素をボルト受け口およびタブ要素の貫通孔に差し込むことができる。
【0009】
タブ要素は、板金部品の形式にすることができる。板金部品は、キャリアプロファイルの側面に対して実質的に平行に配向されることが好ましい。したがって、厚物分配ブームによって加えられる力の流れの伝達は、板金部品の面に沿って、それにほぼ平行に配向されたキャリアプロファイル側面内に効率的に行うことができる。
【0010】
一実施形態において、タブ要素は実質的にキャリアプロファイルの長手方向に沿って配向される。この構成は、キャリアプロファイルの長手方向に力を伝達するために方向を変える必要がないので、力の流れの伝達に有利であることが示されている。
【0011】
タブ要素は、キャリアプロファイルの周囲で横断方向に係合することができる。この構成では、キャリアプロファイルがタブ要素間に置かれ、その結果、長手方向軸に関して対称である力分配をキャリアプロファイルに対して達成することができる。
【0012】
キャリアプロファイルは、第1の側壁および第2の側壁を有する中空プロファイルの形態でもよい。好ましくは、タブ要素の一方は、第1の側壁に対して実質的に平行に配向され、さらに好ましくは、タブ要素の他方は、中空プロファイルの第2の側壁に対して平行に配向される。キャリアプロファイルが中空プロファイルの形態である場合、厚物分配ブームによって加えられる力は、中空プロファイルの側壁に特に効果的に導入され、側壁を介して伝達可能である。
【0013】
タブ要素は、接合接続によってブーム台座に接続することができる。特に、接合接続は溶着接合として設計することができる。ブーム台座の製作中には、従来、いずれの場合にも溶着接合が必要とされるので、タブ要素とブーム台座との間の溶着接合の追加の製作は、僅かな追加費用を構成するにすぎない。
【0014】
ブーム台座は、少なくとも1つの側面部分を有することができ、接合接続の少なくとも一部は、側面部分に沿って延びることができる。加えて、ブーム台座はベース面部分を有することができ、接合接続の少なくとも一部はベース面部分に沿って延びることができる。側面部分および/またはベース面部分は平坦であってよい。上記の特徴は、製作費用を低減し、また、接続の安定性および大きな力の流れを伝達するための適合性が改善される。ブーム台座は、たとえば、複数の曲げ又は接合された板金部品から形成することができ、側面部分及び/又はベース面部分は、板金部品のうちの1つによって形成することができる。
【0015】
一実施形態において、円筒スリーブがボルト受け口内に挿入され、この円筒スリーブの内面がボルト要素の外面に対応する。ボルト接続の安定性は、円筒スリーブによって著しく増加させることができる。円筒スリーブは、接合接続によってキャリアプロファイルに接続して固定することができる。特に、円筒スリーブをキャリアプロファイルに溶着することができる。
【0016】
円筒スリーブはさらに、シリンダ面から外方に突出し、キャリアプロファイルの内面または外面に当接するように設計された端部側カラーを有することができる。このようなカラーにより、円筒スリーブの軸方向に沿ったキャリアプロファイルに対して画定された位置を決定することを可能にする。さらに、円筒スリーブがキャリアプロファイルに溶着される場合、カラーは、溶着プール保持装置として機能することができる。さらに、円筒スリーブは、ボルト受け口の軸方向においてキャリアプロファイルを越えて突出する部分を有することができる。これにより、安定した溶着接合の製作を容易にすることができる。
【0017】
キャリアプロファイルは、好ましくは、少なくとも2つのプロファイル板を有し、これらのプロファイル板は、それぞれが少なくとも1つの曲げ軸に沿って曲げられ、少なくとも2つの接続ラインに沿って組み立てられて中空プロファイルを形成し、好ましくは、接続ラインおよび/または曲げ軸はキャリアプロファイルの長手方向に平行に配向される。
【0018】
曲げられたプロファイル板は、信頼性があり、使用時に柔軟である費用効果の高いキャリアプロファイルの栄作を可能にすることが認識されている。特に、プロファイル板が、たと、えば互いにねじ込まれ又は溶着可能な2つの接続ラインに沿った組立は、安定で低歪みのキャリアプロファイルをもたらすことが示されている。さらに、キャリアプロファイルの横断面形状は、その形状が押出プロセスによって予め決定されている従来公知の角形管フレームと比較して、曲げ軸および曲げ角度の適切な選択によって、かなり容易に適合させることができる。
【0019】
さらに、従来技術から知られており、押出プロセスによって製作される角管フレームの場合には、固着開口部(特に、設けられたボルト受け口など)の遡及的製作は極めて複雑である。対照的に、プロファイル板は、中空プロファイルを形成するように組み立てられる前、好ましくはプロファイル板を曲げる前に、所望の数の開口部(たとえば、ボルト受け口、固着開口部および/またはアクセス開口部)を備えることができる。プロファイル板は、次のステップにおいてのみ曲げられ、中空プロファイルを形成するように組み立てられる。アクセス開口部をボルト受け口に隣接して設けることができる。
【0020】
キャリアプロファイルは、厚物分配ブームによって加えられる力の流れを吸収するための少なくとも1つの第1の力吸収領域を有することができ、ブーム台座は、タブ要素によってキャリアプロファイルの第1の力吸収領域に接続される。加えて、フレームは、第1の力吸収領域からキャリアプロファイルの長手方向に間隔を置いて配置され、厚物分配ブームによって加えられる力の流れを吸収するために設けられた第2の力吸収領域を有することができ、ブーム台座は、横断方向キャリアによってキャリアプロファイルの第2の力吸収領域に接続される。接続は、ボルト接続によってもたらされることが好ましい。この構成において、厚物分配ブームによって加えられる力の流れを、2つの力吸収領域に分割することができる。
【0021】
さらに、キャリアプロファイルは、力消散領域を有することができ、この消散領域は、力ボルト受け口からキャリアプロファイルの長手方向に間隔を置いて配置され、下面に力の流れを消散させるように設けられており、フレームはまた、支持システムを有し、この支持システムは、力消散領域内のキャリアプロファイルに接続され、キャリアプロファイル(13)によって伝達される力を下面に導入するように設計されている。
【0022】
本発明はさらに、本発明に係るフレームを有する可動式厚物ポンプと、フレームに装着された厚物ポンプ装置と、ブーム台座に接続された厚物分配ブームとに関する。可動式厚物ポンプは、本発明によるフレームに関連して説明される更なる特徴によって開発することができる。
【0023】
本発明の更なる利点および実施形態は、従属請求項、明細書および添付図面から明らかである。
【0024】
上述の特徴および以下に説明する特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、それぞれ記載された組合せだけでなく、他の組合せまたは単独で使用することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明は、例示的な実施形態に基づいて図面に示され、以下、図面を参照して詳細に説明する。
図1図1は、本発明に係る可動式の濃厚物質ポンプを部分的に概略的な三次元図で示す。
図2図2は、図1のフレームを斜め上から見た3次元後方の図を示す。
図3図3は、図1のフレームを下から斜めに見た3次元後方の図を示す。
図4図4は、図1のフレームを斜め下から見た3次元正面図を示す。
図5図5は、図3の拡大された詳細を示す。
図6図6は、図1のフレームの一部を分解図で示す。
図7図7は、図6のブーム台座を拡大図で示す。
図8図8は、図6に示されたキャリアプロファイルを拡大図で示す。
図9図9は、図8のキャリアプロファイルの一部の三次元拡大側面図を示す。
図10図10は、図9のキャリアプロファイルの横断面図を示す。
図11図11は、 図9のキャリアプロファイルの別の横断面図を、円筒スリーブが挿入された異なる断面に沿って示す。
【0026】
【詳細な説明】
【0027】
図1は、本発明によるモータ駆動シャーシ10、運転室11およびフレーム12を備えた本発明による可動式厚物ポンプ9の三次元側面図を示す。フレーム12は、シャーシ10に設定されて固定的に接続されている。フレーム12は、フレームの長手方向に延びる2つのキャリアプロファイル13を有しており、図1では1つしか見ることができない。
【0028】
フレーム12の前方領域には、長手方向から見て、キャリアプロファイル13に固定的に接続されたブーム台座17がある(図2および図3も参照)。ブーム台座17の上部領域には、展開可能な厚物分配ブーム20が垂直軸を中心に回転可能に装着された回転軸受19がある。図1において、厚物分配ブーム20は、折り畳まれた状態にあり、それは、2つのブーム付着台座25、26(図2も参照)上の可動式厚物ポンプの積載面の長手方向に続く中央領域上に置かれる。
【0029】
フレーム12の後方領域には、厚物送り容器27と、その下に置かれた厚物ポンプ装置(図示せず)とがある。厚物ポンプ装置によって加圧された厚物は、パイプライン28を介して搬送され、更なるパイプラインが厚物分配ブーム20に沿って案内され、このようにして所望の場所に放出することができる。さらに、フレーム12の後方端部は、支持システム29が置かれた力消散領域を有する。
【0030】
厚物分配ブーム20によって発生された力の流れの実質的な部分は、キャリアプロファイル13を介して支持システム29に導かれ、そこで地面に消散される。さらに、ブーム台座17は、フレーム12の前端部で、同様に力の流れの一部を吸収してそれを地面に消散させる脚部30を支持するように接続されている。
【0031】
図2図4は、図1のフレーム12を3次元的に示したものである。図5は、図4の円Aで示す詳細を拡大図に示す。これらの図では、より明確にするために、シャーシ、運転室および厚物分配ブームは省略している。これらの図から分かるように、ブーム台座17は最初に横断方向キャリア31を介してキャリアプロファイル13に接続されている。さらに、ブーム台座17は、その前方領域において横断方向キャリア13上にあり、ボルト接続部によってキャリアプロファイル13に接続される。特に、図3図5は、タブ21を示すが、このタブ21は、キャリアプロファイル13の進行方向の左側に配置され、ボルト接続部の一部である。ボルト接合部の構成については、図6図8に関連して詳細に説明する。
【0032】
図6は、図1のフレーム12の部品を分解図で示す。特に、ブーム台座17及び2つのプロファイルキャリア13がこの図に示されている。図7および図8はそれぞれ、ブーム台座17およびキャリアプロファイル13の一部を拡大して示す。これらの図から、進行方向で見ると、キャリアプロファイル13の右側に更なるタブ22があることが分かる。タブ21、22は、ブーム台座17の側面部分16と部分的にブーム台座17のベース面部分18との接続ラインに沿って溶着された板金部品から形成される。タブ21、22は、キャリアプロファイル13の側壁にほぼ平行に配向される。加えて、タブ21、22は、キャリアプロファイル13の横断面幅に対応する距離だけ互いに離れて配置される。したがって、ブーム台座17がその上に配置されるとき、タブ21、22は、タブ21、22が側壁に隣接して位置するように、それらの間にキャリアプロファイル13を囲む。
【0033】
タブ21は、前方貫通孔23および後方貫通孔23とを有している。タブ22も同様に、前方貫通孔24および後方貫通孔24を有している。隣接するタブ21、22の貫通孔23、24は互いに整合している。ブーム台座17がキャリアプロファイル13上に設定されるとき、貫通孔23、24はまた、キャリアプロファイル13を通って延びるボルト受け口14と整列される。ブーム台座17がキャリアプロファイル13上に設定された後、ボルト要素15は、対応して、左タブ21の貫通孔23を通って、ボルト受け口14を通って、右タブ22の貫通孔24を通って案内可能である。ボルト要素を受容する円筒スリーブは、ボルト受け口14に挿入される。これは図9および図10を参照して詳細に説明される。
【0034】
図9は、図1の実施形態で使用されるキャリアプロファイル13の一部の三次元拡大側面図を示す。図10は、横断面図における図9のキャリアプロファイルを示す。キャリアプロファイル13は、2つの接続ライン42、43に沿って互いに溶着されることによって中空プロファイルを形成するように組み立てられた2つのプロファイル板40、41を含むことが、図9および図10の図から分かる。これにより、約20cmの横断面幅44および約40cmの横断面高さ45を有する中空プロファイルが製作される。プロファイル板41は、接続ライン42、43を越えて突出する約2cmの突出部を有し、横断面幅44や横断面高さ45にはカウントされない。
【0035】
プロファイル板40は、曲げ軸47を中心に約90°曲げられて、プロファイル板40が、曲げ軸47によって互いに分離されかつ互いに90°の角度を有する2つの部分40a、40bを有するようにする。プロファイル板41は、曲げ軸46、51によって互いに分離された3つのパーシャル(partial)部分41a、41bおよび41cを有するように、2つの曲げ軸46、51の周りでそれぞれ約45°曲げられる。パーシャル部分40aおよび41aは、本明細書の意味におけるキャリアプロファイル13の側壁である。
【0036】
プロファイル板41の縁部に置かれる部分41aおよび部分41cと、プロファイル板40の部分40aおよび部分40bとは、互いに約90°の角度である。また、接続ライン42、43は、横断面幅44と横断面高さ45とで形成された仮想的な矩形内において、斜めに対向している。
【0037】
上述の突出部を使用した場合、互いに垂直なプロファイル板を用いて、信頼性が高く安定した溶着継手を製作できることが示されている。加えて、溶着中に熱によって生じる構成部品の歪みは、接続ラインの対称的な配置のために実質的に完全に回避することができ、従って、キャリアプロファイル13の遡及的な直線化は必要ない。
【0038】
プロファイル板41のパーシャル部分41cは、キャリアプロファイル13の底面を形成するパーシャル部分であり、キャリアプロファイル13の最大横断面幅44よりも小さい幅を有する。これにより、キャリアプロファイル13が下部領域で占める構造空間が小さくなる。曲げ軸46、51を選択すると、キャリアプロファイルの横断面は、曲げ軸46と共に全体の最大横断面幅44レベルに達するまで、底側から最上側に向かって増加する。この横断面の増加によって、キャリアプロファイル13の上部領域内の構造空間(この構造空間は、あまり簡潔に寸法決定されないことが多い)をより良く使用することができ、従ってキャリアプロファイル13の安定性が増加する。
【0039】
3つの不完全部分41a、41b、41cを互いにある角度で有するプロファイル板41の上述の実施形態によって、キャリアプロファイル13aの上部領域における大きな横断面にもかかわらず、例えば、シャーシ部品(突出ばねブラケットなど)または翼ホルダのクリアランスを下部領域で許容することができ、点検時にも良好なアクセス性が確保される。また、部分41a、41cに対して約45°の角度を有する傾斜パーシャル部分41bにより、他の切り欠き(例えば、90°の角度を有する切り欠き)と比較して、構造空間を最大限に活用しながら、横断面値(慣性モーメント、曲げモーメント、ねじりモーメント、せん断流)に関して調和のとれた力の流れが可能となる。
【0040】
加えて、図9は、図6に関連して既に説明したボルト受け口14を示しており、これは、プロファイル板41内に配置され、ブーム台座17がプロファイルキャリア13に接続されるときに、タブ要素21、22の貫通孔23、24と整列される。ボルト受け口14は、異なる横断面に沿ったキャリアプロファイル13の更なる横断面図を示す図11にも見ることができる。図9および図10に示すように、円筒スリーブ32がボルト受け口14に挿入されている。ボルト受け口14の隣りにアクセス開口部48がある。円筒スリーブ32は、その軸方向(図11の破線56で示す)に沿って側壁40a、41aを越えて突出する部分33を有し、溶着シーム55に沿ってそれぞれの側壁40a、41aに接続される。加えて、円筒スリーブ32は、シリンダ面から外方に突出し、側壁40a,41aの内面に対向するカラー49を有している。円筒スリーブ32の軸方向56に沿った位置は、カラー49によって決定される。さらに、カラー49は、溶着プール保持装置として機能する。これは、特に図11に見られる。
【0041】
加えて、円筒スリーブ32は、ボルト要素15の外面に対応する内面を有する。ボルト要素15がボルト受け口14を通して案内されるとき、したがって、ボルト要素15の外面は、円筒スリーブ32の内面にしっかりと当接する。これにより、ボルト15は円筒スリーブ内に安定して保持される。したがって、タブ要素21,22は、接続状態においてプロファイルキャリア13に対応して安定して固定される。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】