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特表2023-554435連続繊維から作製され、熱可塑性樹脂ポリマーを含浸させた繊維材料の製造方法
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  • 特表-連続繊維から作製され、熱可塑性樹脂ポリマーを含浸させた繊維材料の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-27
(54)【発明の名称】連続繊維から作製され、熱可塑性樹脂ポリマーを含浸させた繊維材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/06 20060101AFI20231220BHJP
【FI】
C08J5/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536968
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-08-14
(86)【国際出願番号】 FR2021052332
(87)【国際公開番号】W WO2022129781
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】2013435
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005522
【氏名又は名称】アルケマ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】サヴァール, ティボー
(72)【発明者】
【氏名】バボー, アルテュール
(72)【発明者】
【氏名】サリニエ, アクセル
【テーマコード(参考)】
4F072
【Fターム(参考)】
4F072AA04
4F072AA08
4F072AB09
4F072AB10
4F072AD42
4F072AD44
4F072AD45
4F072AG06
4F072AH04
4F072AH05
4F072AH11
4F072AL02
4F072AL11
4F072AL17
(57)【要約】
連続繊維から作製された繊維材料の熱可塑性樹脂ポリマーマトリックスによる含浸であって、繊維材料が熱可塑性樹脂サイジングポリマーを含み、含浸前に初期幅を含む、含浸。この方法は、少なくとも2つの張力付与部材(E)、ならびに張力付与部材および/または繊維材料を加熱するための加熱システムSCによって実施される伸張工程であって、伸張が初期幅の1.5~5倍である、伸張工程を含む。伸張した繊維材料は、熱可塑性樹脂ポリマーマトリックスと接触させる前に、冷却システムによって熱可塑性樹脂サイジングポリマーのTg未満に冷却される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続繊維で作製された繊維材料および少なくとも1つの熱可塑性樹脂ポリマーマトリックスを含む含浸繊維材料を製造するための方法であって、前記繊維材料が、サイジング熱可塑性樹脂ポリマーによってサイジングされ、前記熱可塑性樹脂ポリマーによるその予備含浸の前に初期幅lを有し、前記方法が、予備含浸工程の前に前記繊維材料を延展する工程を含み、前記延展工程が、少なくとも2つの張力装置(E)、ならびに前記張力装置および/または前記繊維材料を加熱するための少なくとも1つの加熱システムSCによって実施され、前記延展が、前記繊維材料が前記張力装置と接触して通過した後、初期幅lの1.5~5倍であり、前記延展された繊維材料が、予備含浸工程を実施するために予備含浸システムにおいて前記熱可塑性樹脂ポリマーマトリックスと接触して配置される前に冷却システムによってサイジング熱可塑性樹脂ポリマーのTg未満に冷却され、延展が、一貫しており、前記繊維材料が予備含浸システムにおいて前記熱可塑性樹脂ポリマーマトリックスと接触して設置されるとき、常に初期幅lの1.5~5倍を表すことを特徴とする、方法。
【請求項2】
加熱システムSCおよび少なくとも2つの張力装置(E)が、予備含浸システムの外側または内側に位置することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
加熱システムSCおよび少なくとも2つの張力装置(E)が、予備含浸システムの外側に位置し、前記予備含浸工程が、流動床、ノズルを介した噴霧、水性分散体、および溶融経路から選定されるシステムを用いて、特に高速で実施され、特に予備含浸が流動床で実施されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
加熱システムSCおよび少なくとも2つの張力装置(E)が、予備含浸システムの内側に位置し、前記予備含浸工程が、流動床、ノズルを介した噴霧および水性分散体から選定されるシステムを用いて実施され、特に予備含浸が流動床で実施されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも2つの張力装置(E)が熱を伝導し、加熱手段SCが存在し、前記少なくとも2つの張力装置(E)に一体化されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも2つの張力装置(E)が熱を伝導し、繊維材料および前記少なくとも2つの張力装置(E)を加熱するための加熱手段SCが、前記少なくとも2つの張力装置(E)の上方に存在することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも2つの張力装置(E)が、熱を伝導し、加熱手段SC1が、存在し、前記少なくとも2つの張力装置(E)に一体化され、加熱手段SC2が、繊維材料および前記少なくとも2つの張力装置(E)を加熱するための前記少なくとも2つの張力装置(E)の上方に存在することを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
張力装置(E)のうちの少なくとも1つを冷却して、繊維材料の温度を制御し得ることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも2つの張力装置(E)が熱を伝導せず、繊維材料を加熱するための加熱手段SC2が、前記少なくとも2つの張力装置(E)の上方に存在することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも2つの張力装置(E)が、凸状、凹状または円筒形、好ましくは円筒状の圧縮ローラーであることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記繊維材料と接触するローラーの数が、2~20個、特に2~12個、特に2~9個、好ましくは6~9個の範囲であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記圧縮ローラーが、共回転および/または逆回転していることを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記圧縮ローラーが、振動していることを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
【請求項14】
前記圧縮ローラーが、強化繊維との摩擦を最小にする表面処理および/または見かけの表面粗さを有することを特徴とする、請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ローラーが、30cm未満、特にD/2+1mm~30cmの距離だけ互いに離間され、Dがローラーの直径であることを特徴とする、請求項10から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
最後のローラーと、強化繊維と後続の方法の要素との間の接触点との間の距離が30cm未満であることを特徴とする、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記熱可塑性樹脂ポリマーが、非反応性熱可塑性樹脂ポリマーであることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
予備含浸繊維材料を加熱して、マトリックスの熱可塑性樹脂ポリマーを溶融し、前記繊維材料の含浸を完了させる工程を含むことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
マトリックスの前記熱可塑性樹脂ポリマーが、それ自体もしくは別のプレポリマーと、前記プレポリマーによって運ばれる鎖末端の官能基として、または鎖延長剤と反応することができる反応性プレポリマーであることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
予備含浸繊維材料を加熱して、マトリックスの熱可塑性樹脂プレポリマーを任意選択で前記延長剤と共に溶融および重合させ、前記繊維材料の含浸を完了させる工程を含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
マトリックスの前記少なくとも1つの熱可塑性樹脂ポリマーが、ポリ(アリールエーテルケトン)(PAEK)、特にポリ(エーテルエーテルケトン)(PEEK);ポリ(アリールエーテルケトンケトン)(PAEKK)、特にポリ(エーテルケトンケトン)(PEKK);芳香族ポリエーテルイミド(PEI);ポリアリールスルホン、特にポリフェニレンスルホン(PPSU);ポリアリールスルフィド、特にポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアミド(PA)、特に尿素部分によって任意選択で修飾された半芳香族ポリアミド(ポリフタルアミド);PEBA、ポリアクリレート、特にポリメチルメタクリレート(PMMA);ポリオレフィン、特にポリプロピレン、ポリ乳酸(PLA)、ポリビニルアルコール(PVA)、およびフルオロポリマー、特にポリビニリデンフルオリド(PVDF)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE);ならびにそれらのブレンド、特に、好ましくは90~10重量%から60~40重量%、特に90~10重量%から70~30重量%のPEKKとPEIとのブレンドから選択されることを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
マトリックスの前記少なくとも1つの熱可塑性樹脂ポリマーが、Tg≧80℃、特に≧100℃、特に≧120℃、特に≧140℃であるようなガラス転移温度を有するポリマー、または溶融温度Tm≧150℃を有する半結晶性ポリマーであることを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
マトリックスの前記少なくとも1つの熱可塑性樹脂ポリマーが、ポリアミド、特に脂肪族ポリアミド、脂環式ポリアミドおよび半芳香族ポリアミド(ポリフタルアミド)、PEKK、PEI、ならびにPEKKとPEIとのブレンドから選択されることを特徴とする、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記含浸繊維材料中の繊維の含有量が、45体積%~65体積%、好ましくは50体積%~60体積%、特に54%~60%であることを特徴とする、請求項17から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記含浸繊維材料の多孔度が、10%未満、特に5%未満、特に2%未満であることを特徴とする、請求項17から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
マトリックスの前記熱可塑性樹脂ポリマーが、炭素系充填剤、特にカーボンブラックもしくは炭素系ナノ充填剤をさらに含み、好ましくは炭素系ナノ充填剤、特にグラフェンおよび/もしくはカーボンナノチューブおよび/もしくはカーボンナノフィブリル、またはそれらの混合物から選定されることを特徴とする、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記繊維材料が、鉱物起源の繊維、特に炭素繊維、ガラス繊維、炭化ケイ素繊維、塩基系もしくは玄武岩繊維、シリカ繊維、天然繊維、特に亜麻もしくは麻繊維、リグニン繊維、竹繊維、サイザル繊維、絹繊維、もしくはセルロース繊維、特にビスコース繊維、または後者が非晶性である場合にはマトリックスの前記熱可塑性樹脂ポリマーもしくは前記ポリマーのブレンドのTgより高いガラス転移温度Tgを有する非晶性熱可塑性樹脂繊維、または後者が半結晶性である場合にはマトリックスの前記熱可塑性樹脂ポリマーもしくは前記ポリマーのブレンドのTmより高いガラス転移温度Tgを有する非晶性熱可塑性樹脂繊維、または後者が非晶性である場合にはマトリックスの前記熱可塑性樹脂ポリマーもしくは前記ポリマーのブレンドのTgより高い溶融温度Tmを有する半結晶性熱可塑性樹脂繊維、または後者が半結晶性である場合にはマトリックスの前記熱可塑性樹脂ポリマーもしくは前記ポリマーのブレンドのTmより高い溶融温度Tmを有する半結晶性熱可塑性樹脂繊維から選択される連続繊維、または前記繊維の2つ以上の混合物、好ましくは炭素、ガラスもしくは炭化ケイ素繊維の混合物、特に炭素繊維、を含むことを特徴とする、請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
ロボットを使用する前記テープの自動レイアップによる三次元複合部品の製造に適した較正テープの製造のための、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法の使用。
【請求項29】
前記複合部品が、輸送、特に自動車輸送、石油およびガス、特に沖合、水素、ガス貯蔵、特に水素、航空、海上および鉄道輸送の分野;再生可能エネルギー、特に風力タービンまたは海洋タービン、エネルギー貯蔵装置、ソーラーパネル;熱保護パネル;スポーツおよびレジャー、健康および医療、ならびに電子機器の分野に関することを特徴とする、請求項28に記載の使用。
【請求項30】
請求項28または29に記載の方法の使用から生じることを特徴とする、三次元複合部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続繊維から作製され、熱可塑性樹脂ポリマーを含浸させた繊維材料の製造方法に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、連続繊維から作製された繊維材料および少なくとも1つの熱可塑性樹脂ポリマーマトリックスを含む含浸繊維材料を製造するための方法であって、前記繊維材料が、少なくとも1つのサイジング熱可塑性樹脂ポリマーによってサイジングされ、前記熱可塑性樹脂ポリマーによるその予備含浸の前に、初期幅lを有し、予備含浸工程の前に前記繊維材料を延展する工程を含む、方法に関する。本発明はまた、三次元複合部品の製造およびそれ自体の複合部品に適した較正テープの製造のための上記方法の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書において、「繊維材料」という表現は、強化繊維の集合体を意味すると理解される。前記繊維材料の成形前には、それは、ロービングの形態にある。その成形後、それは、テープ、ストリップまたはシートの形態にある。それらの集合体は、一方向強化材または布もしくは不織布(NCF)を構成する。
【0004】
本明細書において、「ストリップ」という用語は、幅が400mm以上である繊維材料のストリップを示すために使用される。「テープ」という用語は、400mm以下の較正された幅を有するテープを示すために使用される。
【0005】
熱可塑性樹脂予備含浸テープを作製するための連続強化繊維への熱可塑性樹脂ポリマー、特に高粘度の含浸品質は、含浸プロセス中の連続強化繊維のロービング内の含浸ポリマーの量およびこのポリマーの分配品質の完全な制御を必要とする。
【0006】
文献欧州特許第1172191号明細書は、サイズおよび熱可塑性樹脂マトリックスを含む複合部品、ならびに前記部品を製造するための方法を記載している。
【0007】
文献米国特許第5895622号明細書はまた、サイズおよび熱可塑性樹脂マトリックスを含む複合部品、ならびに前記部品を製造するための方法を記載している。
【0008】
文献欧州特許第3170638号明細書はまた、サイズおよび熱可塑性樹脂マトリックスを含む複合部品、ならびに前記部品を製造するための方法を記載している。
【0009】
国際公開第2018/229114号パンフレット、国際公開第2018/234436号パンフレット、国際公開第2018/234439号パンフレットおよび欧州特許第2788408号明細書などの先行技術の多くの特許出願は、最終テープ上の繊維内に均一な品質のポリマー含浸を得るための必須パラメータとして繊維の延展を記載している。特に、粉末の水性または溶媒系分散などの従来の含浸プロセスだけでなく、特に粉末の流動床での予備含浸を参照すると、ポリマーを運び去る工程中、換言すれば予備含浸タンクへの浸漬中に、繊維ロービングの高度な延展を有することが不可欠である。この延展は、重要であるだけでなく、最終テープの良好な品質および含浸の良好な一貫性を確保するために、繊維ロービングの幅にわたって均一であり、予備含浸タンク内で経時的に一貫していなければならない。
【0010】
一般に、炭素繊維などの強化繊維の延展は、機械的、空気圧および/または振動システムによって生成される。これらの方法の主な欠点は、ロービング内の繊維の位置ずれ(ブローアウトもしくは吸引による延展)および/または高すぎる横方向応力を加えることによる繊維への機械的損傷を発生させることである。
【0011】
これらの従来のシステムの使用は、一般に、特にサイジングされた繊維について、十分かつ十分に均一で一貫した延展を維持するのに十分ではない。これは、特に熱可塑性樹脂サイズを有する繊維の場合である。これは、そのような熱可塑性樹脂サイズが高密度で弾性であることが多く、したがって外部応力下でわずかな変形しか許容しないためである。さらに、このサイズは、繊維ロービングのフィラメント間で室温にて結合剤として作用するため、このタイプのサイズを有するロービングの良好な延展を達成することは非常に困難である。したがって、熱可塑性樹脂サイズの繊維ロービング上のこのタイプの従来のシステムによって生成された延展は、不十分であり、繊維ロービングの幅にわたって均一ではなく、短命であり、維持が困難である。したがって、経時的に一貫していない。
【0012】
この延展は、有利であるために予備含浸タンクに可能な限り近くで生成されなければならず、また、しかしながら、繊維を機械的に損傷したりロービング内の繊維を位置ずれさせたりすることなく、この予備含浸工程中に特定のレベルで維持されなければならない。さらに、現在使用されているシステムは、一般にかさばり、かつ/または作業条件および環境(粉末、溶媒、水、温度など)に適さない。したがって、それらは、予備含浸システムに可能な限り近くしたり、またはその内側にすることさえできない。
【発明の概要】
【0013】
したがって、上述の問題を回避することを可能にする方法が必要とされている。
【0014】
本発明は、連続繊維で作製された繊維材料および少なくとも1つの熱可塑性樹脂ポリマーマトリックスを含む含浸繊維材料を製造するための方法であって、前記繊維材料が、サイジング熱可塑性樹脂ポリマーによってサイジングされ、前記熱可塑性樹脂ポリマーによるその予備含浸の前に初期幅lを有し、前記方法が、予備含浸工程の前に前記繊維材料を延展する工程を含み、前記延展工程が、少なくとも2つの張力装置(E)、ならびに前記張力装置および/または前記繊維材料を加熱するための少なくとも1つの加熱システムSCによって実施され、前記延展が、前記繊維材料が前記張力装置と接触して通過した後、初期幅lの1.5~5倍であり、前記延展された繊維材料が、予備含浸工程を実施するために予備含浸システムにおいて前記熱可塑性樹脂ポリマーマトリックスと接触して設置される前に冷却システムによってサイジング熱可塑性樹脂ポリマーのTg未満に冷却され、延展が、一貫しており、前記繊維材料が予備含浸システムにおいて前記熱可塑性樹脂ポリマーマトリックスと接触して設置されるとき、常に初期幅lの1.5~5倍を表すことを特徴とする、方法に関する。
【0015】
「サイジング」という用語は、有機的性質(熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂など)の製造中に繊維材料に適用される表面処理を示す。
【0016】
したがって、本発明の文脈において、前記繊維材料は、半結晶性(例えば、PEEK、PEKKもしくはポリアミドに基づくサイズ)または非晶性(例えば、PEIもしくはポリアミドに基づくサイズ)であり得る熱可塑性樹脂を用いてサイジングされる。
【0017】
熱可塑性樹脂は、特に、一般に低モル質量のポリアミドPA6またはPA66である。サイズはまた、特にガラス繊維用のポリプロピレン(PP)タイプであってもよい。
【0018】
前記繊維材料は、前記サイジング熱可塑性樹脂の最大3重量%を構成する。
【0019】
「延展」という用語は、繊維材料(またはロービング)の幅が前記ロービングの初期幅lに対して増加する係数、すなわち前記ロービングが延展工程を実行するシステムに入るときを示す。明らかに、これは、平らに置かれたロービングの平均幅(初期幅を指すのか、または延展後の幅を指すかにかかわらず)であり、複数のスプールで非接触(レーザー、LEDなど)で得られた測定値を平均することによって決定される。初期幅は、リール11の流出口におけるロービングの幅に必ずしも対応していない。
【0020】
延展工程は、予備含浸工程の前に実施され、これは、延展工程が、予備含浸システムの上流、したがって前記システムの外側、または予備含浸システム内、したがって内側であるが、繊維材料が固体もしくは液体(溶融もしくは溶解)形態または懸濁液で熱可塑性樹脂ポリマーと接触して設置される前のいずれかに実施されることを意味する。
【0021】
上述したように、繊維材料もしくは前記張力装置Eのいずれか、または両方を加熱するための加熱システムSCによって、予備含浸システムの外側または内側に位置する、存在する様々な張力装置E上で延展が実施される。
【0022】
延展は、使用される繊維材料、ならびに様々な線形目付もしくは表題もしくは滴定もしくは「テックス」および/またはロービングにおける数に依存する。
【0023】
前記繊維材料が前記張力装置Eと接触して通過するとき、それは、このように張力装置の上方に設置される前記加熱システムSCによって直接、またはこのようにそれ自体に加熱システムSCが装備される前記張力装置によって、またはその両方のいずれかによって、前記加熱システムによって加熱される。
【0024】
前記繊維材料を加熱することにより、サイズを軟化させることが可能になり、したがって、前記繊維材料のより広い延展をもたらし、この延展は、前記延展工程全体にわたって維持される。最後の張力装置を通過した後に得られる延展は、使用される材料に依存するが、最後の張力装置を通過した後の延展係数は、前記第1の張力装置と接触した繊維材料の幅の1.5~5倍である。
【0025】
使用される加熱温度は、サイズの軟化を引き起こすために前記熱可塑性樹脂ポリマーのTgを超えなければならないが、使用される熱可塑性樹脂ポリマーが半結晶性である場合、Tmを超えてはならない。いずれの場合でも、ポリアミドサイズの繊維については200℃を超えてはならない。温度は、高温計または熱カメラを使用して測定される。
【0026】
Tmは、規格ISO11357-3:2013による示差走査熱量測定(DSC)によって決定され、Tgは、規格ISO11357-2:2013による示差走査熱量測定(DSC)によって決定される。
【0027】
前記延展された繊維材料が予備含浸システムと接触して設置される前に、すなわち、サイジングされ、加熱され、延展された繊維材料が、固体もしくは液体(溶融もしくは溶解)形態または懸濁液、特に固体粉末形態の熱可塑性樹脂ポリマーマトリックスと接触して設置される前に、前記サイジングされ、加熱され、延展された繊維材料は、周囲空気または強制空気であり得る冷却システムによって冷却される。
【0028】
冷却は、前記繊維材料の温度が前記サイジング熱可塑性樹脂ポリマーのTgを下回るまで実施される。冷却温度は、高温計または熱カメラを使用して測定される。
【0029】
したがって、前記繊維材料が予備含浸システム中の前記熱可塑性樹脂ポリマーと接触して設置されるときの冷却後の前記繊維材料の延展は、常に前記繊維材料の初期幅lの1.5~5倍である。したがって、前記繊維材料の延展は、前記張力装置と接触して通過する前記繊維材料の端部と、予備含浸システム中の前記熱可塑性樹脂ポリマーマトリックスと接触する前記繊維材料の配置との間で一貫している。
【0030】
「一貫して」とは、延展が、前記張力装置と接触して通過する前記繊維材料の端部と、予備含浸システム中の前記熱可塑性樹脂ポリマーマトリックスと接触する前記繊維材料の配置との間で10%を超えて変動しないことを意味する。
【0031】
この延展はまた、繊維ロービングの幅にわたって均一であり、最終含浸繊維材料の良好な品質および含浸の良好な一貫性を確保するために予備含浸タンク中で経時的に一貫している。
【0032】
したがって、本発明者らは、予想外にも、熱可塑性樹脂ポリマーによってサイジングされた繊維材料を加熱すること、および/または前記サイジングされた繊維材料が接触している張力装置を加熱することにより、一方では、加熱しない場合よりも前記繊維材料をより広範囲に延展することが可能になり、他方では、延展工程中に前記延展を一貫して均一に保つことが可能になるが、冷却後および前記サイジングされた繊維材料を前記熱可塑性樹脂ポリマーマトリックスと接触させるときに、この延展を維持することも可能になることを見出した。
【0033】
張力装置について
「張力装置(E)」は、ロービングが通過することができる任意のシステムを意味する。少なくとも2つの張力装置(E)は、ロービングがそれらの上を通過することができる限り、任意の形状を有し得る。それらは、固定されていても回転(または旋回)していてもよく、好ましくは共回転および/または代替的に、制御された逆回転であってもよい。
【0034】
一実施形態では、前記張力装置は、特に張力装置の表面での線速度(言い換えれば接線速度)がロービングの速度の2倍未満またはロービングの速度の2倍超であるように、制御された回転状態にある。
【0035】
これは、制御された回転のために、張力装置(E)の表面における接線速度がロービングの速度に等しいか、それを超えるか、またはそれ未満であるかのいずれかであることを意味する。
【0036】
有利には、張力装置の表面での線速度(言い換えれば接線速度)は、ロービングの速度の2倍未満またはロービングの速度の2倍超である。
【0037】
より有利には、張力装置の表面での線速度(言い換えれば接線速度)は、ロービングの速度の2倍未満である。
【0038】
一実施形態では、張力装置の接線速度は、0.5~1.5m/分であり、ロービングの速度は、5~15m/分である。
【0039】
加熱システムは、繊維材料および/または張力装置(E)を加熱することができる熱を放出するか、または放射線を放射する任意のシステムである。したがって、張力装置(E)は、導電性であるか、または繊維材料と同時に加熱されたときに熱によって放射される放射線を吸収する。
【0040】
繊維材料のみが加熱される場合、張力装置は、非熱伝導性である。
【0041】
「熱伝導性張力装置(E)」は、張力装置(E)が、熱を吸収および伝導することができ、したがって加熱することができる材料からなることを意味する。
【0042】
「非熱伝導性張力装置(E)」は、張力装置(E)が、熱を吸収および伝導することができず、したがって前記張力装置(E)が加熱するのを防止する材料からなることを意味する。
【0043】
前記少なくとも2つの張力装置(E)は、加熱システムの環境に位置するか、または含まれ、すなわち、それらは加熱システムの外側にはない。
【0044】
したがって、前記少なくとも2つの張力装置(E)は、全体的に加熱システムの内側にあるが、加熱システムは、必ずしもそれらの上方にはない。
【0045】
有利には、前記加熱システムは、前記少なくとも2つの張力装置(E)の上方にある。
【0046】
張力装置(E)が、加熱システム、例えばIR加熱システムを備える炉内に位置付けられたが、前記張力装置が、例えばIRによって加熱する加熱要素の真下に位置付けされなかった場合、本発明の範囲から逸脱することはない。炉が対流加熱モードおよびIR加熱システムを含む場合、本発明から逸脱することはない。
【0047】
この炉内またはこの炉の環境内に設置された前記張力装置(E)が、例えばIRランプからの放射および炉の自然対流とは独立して、前記張力装置(E)を加熱するための抵抗器などの独立した加熱手段を装備し、ラインの速度が与えられた場合、テープまたはロービング中に存在するポリマーが前記張力装置と接触する際に依然として溶融状態にあった場合も、本発明から逸脱するものではない。
【0048】
加熱システムSCおよび少なくとも2つの張力装置は、予備含浸システムの外側または内側に位置してもよい。
【0049】
加熱システムSCおよび少なくとも2つの張力装置が予備含浸システムの内側にあるとき、それらは、熱可塑性樹脂ポリマーがどのような形態(粉末、水性または溶媒系分散体または溶融)であっても、熱可塑性樹脂ポリマーと接触していない。したがって、加熱システムSCおよび少なくとも2つの張力装置は、流動床または水性もしくは溶媒系分散体または引抜システム(溶融経路)の上方にある。
【0050】
第1の変形例では、加熱システムSCおよび少なくとも2つの張力装置は、予備含浸システムの外側に位置し、前記予備含浸工程は、流動床、ノズルを介した噴霧、水性分散体、および溶融経路の中から選定されるシステムを用いて、特に高速で実施され、特に予備含浸は、流動床で実施される。
【0051】
この第1の変形例の別の実施形態では、単一の張力装置が加熱システムSCの下に存在し、したがって第1の張力装置に対応し、第2の張力装置は、タンクの流入口のローラー(40)である。
【0052】
第2の変形例では、加熱システムSCおよび少なくとも2つの張力装置は、予備含浸システムの内側に位置し、前記予備含浸工程は、流動床、ノズルを介した噴霧および水性分散体から選定されるシステムで実施され、特に予備含浸は、流動床で実施される。
【0053】
この第2の変形例の別の実施形態では、単一の張力装置が加熱システムSCの下に存在し、したがって第2の張力装置に対応し、第1の張力装置は、タンクへの入口のローラー(40)である。
【0054】
上記の2つの変形例のうちの1つまたは他の一実施形態では、前記少なくとも2つの張力装置(E)は、熱を伝導し、加熱手段SCが存在し、前記少なくとも2つの張力装置(E)に一体化される。
【0055】
一体化された加熱手段は、張力装置の内側に設置された抵抗器であってもよく、または張力装置は、加熱された流体が循環して、前記張力装置(E)の温度を調整またはサーモスタットすることを可能にするダブルジャケットが装備されてもよい。
【0056】
上記の2つの変形例のうちの1つまたは他の一実施形態では、前記少なくとも2つの張力装置(E)は、熱を伝導し、繊維材料および前記少なくとも2つの張力装置(E)を加熱するための加熱手段SCは、前記少なくとも2つの張力装置(E)の上方に存在する。
【0057】
有利には、加熱システムは、赤外線ランプ、UVランプおよび対流加熱の中から選定される。
【0058】
上記の2つの変形例のうちの1つまたは他の一実施形態では、前記少なくとも2つの張力装置(E)は、熱を伝導し、加熱手段SCは、前記少なくとも2つの張力装置(E)中に存在して一体化され、繊維材料および前記少なくとも2つの張力装置(E)を加熱するための加熱手段SCは、前記少なくとも2つの張力装置(E)の上方に存在する。
【0059】
さらに別の実施形態では、張力装置(E)の少なくとも1つを冷却して、繊維材料の温度を制御し、特に200℃を超えないようにして、前記繊維材料のサイジングを損なわないようにすることができる。
【0060】
冷却は、冷却された空気を吹き込むことによって、またはダブルジャケットを設けた少なくとも1つの張力装置中で必要な温度に冷却された流体を循環させることによって実施され得る。
【0061】
上記の2つの変形例のうちの1つまたは他の一実施形態では、前記少なくとも2つの張力装置(E)は、熱を伝導せず、繊維材料を加熱するための加熱手段SCは、前記少なくとも2つの張力装置(E)の上方に存在する。
【0062】
有利には、少なくとも2つの張力装置(E)は、凸状、凹状または円筒形、好ましくは円筒状の圧縮ローラーである。
【0063】
前記繊維材料と接触するローラーの数は、2~20個、特に2~12個、特に2~9個、好ましくは6~9個の範囲である。
【0064】
有利には、2つの隣接するローラー間の距離は、50~2000μm、特に50~500μm、特に50~120μmの範囲である。この距離は、関係するすべての張力装置について同じであっても、同じでなくてもよく、したがって、実装の一例は、延展システムの開始時(ロービングの進行方向)に1000μmの2つの隣接するローラー間の距離および延展システムの終了時(ロービングの進行方向)に200μmの2つの隣接するローラー間の距離を有するシステムの形態をとることができる。
【0065】
有利には、ローラーは、円筒形であり、5~100mm、特に5~50mm、特に10~30mmの範囲の直径Dを有する。
【0066】
有利には、前記ローラーが外側にあるとき、または一方のローラーのみが外側にあり、第2のローラーが前記タンクの縁部であるときの延展システムの最後のローラーは、流動タンクから、したがってタンクの縁部のローラーから30cm以下の距離にある。30cmを超えると、延展は、もはや一貫しておらず、繊維材料が前記タンクに入ると減少する。
【0067】
同じ直径を有する2つの隣接するローラー間の距離iは、単に計算することができる(μm):
[数1]
iは、μmで表され、ローラーが互いに貫通することができないため、必ず正の数である。
L:2組のローラーの中心間の距離(mm)
L’:隣接する各ローラー間の距離(mm)
D:ローラーの直径(mm)
【0068】
この式は、ローラーが同じ直径を有する限り、ローラーの数に関係なく適用され得る。
【0069】
異なる直径のローラーであるが、各列の各ローラーが同じレベルにあり、同じ直径を有するローラーの場合、式は次のようになる:
[数2]
D1:図7の下の列のローラーの直径(mm)
D2:図7の上の列のローラーの直径(mm)
【0070】
さらに、予備含浸システムに可能な限り近接して、特に前記繊維材料がマトリックスの前記熱可塑性樹脂ポリマーと接触して設置される場所に可能な限り近接して張力装置が存在するため、前記繊維材料は、位置ずれしておらず、張力装置の数は、繊維の破断を防止する。
【0071】
一実施形態では、前記圧縮ローラーは、共回転および/または逆回転している。
【0072】
別の実施形態では、前記圧縮ローラーは、振動している。
【0073】
前記圧縮ローラーは、強化繊維との摩擦を最小にする表面処理および/または見かけの表面粗さを有し得る。
【0074】
したがって、繊維に対する摩擦/引張応力および機械的損傷は、繊維との摩擦を最小限に抑える圧縮ローラーの表面処理を選択することによって制限される。
【0075】
表面処理は、ローラー上に堆積された酸化アルミニウムおよび酸化チタンであるTopocrom(登録商標)であってもよい。これらの処理は、圧縮ローラーの見かけの粗さおよび/または接触の「物理化学的」性質(自然潤滑)に影響を及ぼす可能性がある。
【0076】
有利には、前記ローラーは、30cm未満、特にD/2+1mm~30cmの距離だけ互いに離間しており、Dはローラーの直径である。
【0077】
一実施形態では、最後のローラーと、強化繊維と後続の方法の要素との間の接触点との間の距離は、30cm未満である。
【0078】
この距離により、延展を維持することが可能である。
【0079】
加熱システムと張力装置との間の高さは、1~100cm、好ましくは2~30cm、特に2~10cmの範囲である。
【0080】
加熱システムは、水平システムであってもよい。しかしながら、1つまたは複数の加熱システムは、ロービングが張力装置を垂直に通過するように垂直に配置されてもよい。
【0081】
繊維材料について
前記繊維材料を構成する繊維について、これらは、特に鉱物、有機または植物起源の繊維である。鉱物起源の繊維の中でも、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、シリコン繊維、玄武岩もしくは玄武岩系繊維、またはシリカ繊維を挙げることができる。
【0082】
有機起源の繊維の中でも、例えば半芳香族ポリアミド繊維、アラミド繊維またはポリオレフィン繊維などの熱可塑性樹脂または熱硬化性ポリマーに基づく繊維を挙げることができる。
【0083】
好ましくは、それらは、非晶性熱可塑性樹脂ポリマーに基づき、非晶性である場合、予備含浸マトリックスを構成する熱可塑性樹脂ポリマーもしくはポリマーブレンドのTgより高い、または半結晶性である場合、予備含浸マトリックスを構成する熱可塑性樹脂ポリマーもしくはポリマーブレンドのTmより高いガラス転移温度Tgを有する。有利には、それらは、半結晶性熱可塑性樹脂ポリマーに基づき、非晶性である場合、予備含浸マトリックスを構成する熱可塑性樹脂ポリマーもしくはポリマーブレンドのTgより高い、または半結晶性である場合、予備含浸マトリックスを構成する熱可塑性樹脂ポリマーもしくはポリマーブレンドのTmより高い溶融温度Tmを有する。したがって、最終複合材の熱可塑性樹脂マトリックスによる含浸中に繊維材料を構成する有機繊維が溶融するリスクはない。
【0084】
植物起源の繊維の中でも、亜麻、麻、リグニン、竹、絹、特にクモ糸、サイザル、および他のセルロース繊維、特にビスコース繊維に基づく天然繊維を挙げることができる。これらの植物起源の繊維は、熱可塑性樹脂ポリマーマトリックスの接着および含浸を容易にする目的で、純粋に使用することができ、処理することができ、あるいはコーティング層でコーティングすることができる。
【0085】
繊維材料はまた、繊維で編まれた、または織られた織物であってもよい。
【0086】
それはまた、支持糸を有する繊維に対応し得る。
【0087】
これらの構成繊維は、単独でまたは混合して使用され得る。したがって、有機繊維は、熱可塑性樹脂ポリマーで予備含浸され、予備含浸繊維材料を形成するために鉱物繊維と混合されてもよい。
【0088】
好ましくは、繊維材料は、炭素、ガラスもしくは炭化ケイ素またはそれらの混合物の連続繊維、特に炭素繊維からなる。それは、ロービングまたはいくつかのロービングの形態で使用される。
【0089】
「すぐに使用できる」材料とも呼ばれる含浸材料では、含浸熱可塑性樹脂ポリマーまたはポリマーブレンドは、繊維の周りに一様かつ均一に分配されている。この種の材料では、最小量の多孔性、すなわち繊維間の最小量の空隙を得るために、含浸熱可塑性樹脂ポリマーを繊維内に可能な限り均一に分配しなければならない。具体的には、この種の材料中の多孔性の存在は、例えば機械的引張応力下に設置されたときに応力集中点として作用し、次いで含浸繊維材料の破壊開始点を形成し、それを機械的に弱める。したがって、ポリマーまたはポリマーブレンドの均一な分布は、これらの含浸繊維材料から形成された複合材料の機械的強度および均一性を改善する。
【0090】
したがって、「すぐに使用できる」含浸材料の場合、前記含浸繊維材料中の繊維の含有量は、45体積%~65体積%、好ましくは50体積%~60体積%、特に54体積%~60体積%である。
【0091】
含浸度の測定は、ポリマーが含浸したテープの表面積を製品の全表面積(含浸表面積+多孔質の表面積)で割ることによって、テープの断面の画像分析(特に顕微鏡またはカメラもしくはデジタルカメラの使用)によって実施され得る。良好な品質の画像を得るために、その横方向に切断されたテープを標準的な研磨樹脂でコーティングし、少なくとも6倍の倍率の顕微鏡による試料の観察を可能にする標準的なプロトコールで研磨することが好ましい。
【0092】
有利には、前記含浸繊維材料の多孔度は、10%未満、特に5%未満、特に2%未満である。
【0093】
ゼロの多孔度を達成することは困難であり、その結果、有利には、多孔度は、0%を超えるが上述の度合いよりも小さいことに留意されたい。
【0094】
多孔度は、閉じた多孔度に対応し、電子顕微鏡法によって、または本発明の実施例の項に記載されているように前記含浸繊維材料の理論密度と実験密度との間の相対偏差としてのいずれかで決定され得る。
【0095】
繊維材料の組成物の一部を形成し得る繊維は、異なる線形目付もしくは表題もしくは滴定もしくは「テックス」を有してもよく、および/またはロービングにおける数が異なっていてもよい。したがって、最も従来使用されているロービングは、ガラス繊維では600~4800テックス、炭素繊維では3000(3K)、6000(6K)、12000(12K)、24000(24K)、48000(48K)、50000(50K)または400000(400K)の繊維で構成されている。例えば、炭素繊維は、一般に7~8μmに近い直径を有し、ガラス繊維は、約13、15、17または20μmの直径を有する。
【0096】
明らかに、延展は、繊維材料またはロービング中に存在する繊維の数に依存する。
【0097】
したがって、12Kロービングの場合、延展は、初期幅lの2~3倍を表し、24Kロービングの場合、延展は、初期幅lの2~4倍を表し、50Kロービングの場合、延展は、初期幅lの1.5~2.5倍を表す。
【0098】
マトリックスの熱可塑性樹脂ポリマーについて
熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂ポリマーは、一般に、常温で固体であり、半結晶性または非晶性であり得、温度上昇時、特にそのガラス転移温度(Tg)を通過した後に軟化し、非晶性である場合はより高い温度で流動し、または、半結晶性である場合はその溶融温度(Tm)を通過すると明らかな溶融を示し得、その結晶化温度未満(半結晶性ポリマーの場合)およびそのガラス転移温度未満(非晶性ポリマーの場合)の温度低下中に再び固体になる材料を意味すると理解される。
【0099】
TgおよびTmは、それぞれ規格11357-2:2013および11357-3:2013に従って示差走査熱量測定(DSC)によって決定される。
【0100】
繊維材料を予備含浸するためのマトリックスを構成するポリマーについて、これは有利には熱可塑性樹脂ポリマーまたは熱可塑性樹脂ポリマーのブレンドである。この熱可塑性樹脂ポリマーまたはポリマーブレンドは、タンクなどの装置、特に流動床タンクまたは水性分散体中で使用することができるように、粉末形態で粉砕することができる。
【0101】
タンク、特に流動床タンクの形態の装置は、開いていても閉じていてもよい。
【0102】
任意選択で、熱可塑性樹脂ポリマーまたは熱可塑性樹脂ポリマーのブレンドは、炭素系充填剤、特にカーボンブラックまたは炭素系ナノ充填剤をさらに含み、好ましくは炭素系ナノ充填剤、特にグラフェンおよび/もしくはカーボンナノチューブおよび/もしくはカーボンナノフィブリル、またはそれらの混合物から選定される。これらの充填剤は、電気および熱を伝導することを可能にし、その結果、加熱されたときにポリマーマトリックスの溶融を容易にすることを可能にする。
【0103】
任意選択で、前記熱可塑性樹脂ポリマーは、特に触媒、抗酸化剤、熱安定剤、UV安定剤、光安定剤、潤滑剤、充填剤、可塑剤、難燃剤、核形成剤、鎖延長剤および染料、導電剤、熱伝導剤、またはこれらの混合物から選定される少なくとも1つの添加剤を含む。
【0104】
有利には、前記添加剤は、難燃剤、導電剤および熱伝導剤から選定される。
【0105】
別の変形例によれば、熱可塑性樹脂ポリマーまたは熱可塑性樹脂ポリマーのブレンドは、液晶ポリマーもしくは環状ポリブチレンテレフタレート、またはこれらを含有する混合物、例えばCyclics Corporationによって市販されているCBT100樹脂をさらに含んでもよい。これらの化合物は、特に、繊維のコアへのより良好な浸透のために、溶融状態でポリマーマトリックスを流動化することを可能にする。予備含浸マトリックスを製造するために使用されるポリマーまたは熱可塑性樹脂ポリマーのブレンドの性質、特にその溶融温度に応じて、これらの化合物の1つまたは他のものが選定される。
【0106】
繊維材料の予備含浸マトリックスの組成物に組み込まれる熱可塑性樹脂ポリマーは、以下から選定され得る:
-脂肪族もしくは脂環式ポリアミド(PA)または半芳香族PA(ポリフタルアミド(PPA)とも呼ばれる)のファミリーからのポリマーおよび共重合体、
-PEBA、
-ポリ尿素、特に芳香族ポリ尿素、
-ポリアクリレート、より具体的にはポリメチルメタクリレート(PMMA)またはその誘導体などのアクリルのファミリーからのポリマーおよび共重合体、
-ポリ(エーテルエーテルケトン)(PEEK)などのポリ(アリールエーテルケトン)(PAEK)、もしくはポリ(エーテルケトンケトン)(PEKK)などのポリ(アリールエーテルケトンケトン)(PAEKK)、またはその誘導体のファミリーからのポリマーおよび共重合体、
-芳香族ポリエーテルイミド(PEI)、
-ポリアリールスルフィド、特にポリフェニレンスルフィド(PPS)、
-ポリアリールスルホン、特にポリフェニレンスルホン(PPSU)、
-ポリオレフィン、特にポリプロピレン(PP)、
-ポリ乳酸(PLA)、
-ポリビニルアルコール(PVA)、
-フルオロポリマー、特にポリ(フッ化ビニリデン)(PVDF)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、
およびそれらの混合物。
【0107】
有利には、前記ポリマーが2つのポリマーP1とP2とのブレンドである場合、ポリマーP1およびP2の重量割合は、1-99%~99-1%である。
【0108】
有利には、前記熱可塑性樹脂ポリマーがブレンドであり、予備含浸プロセスが乾燥粉末を使用する場合、このブレンドは、予備含浸タンクに導入する前に「ドライブレンド」によって、またはタンク中で直接実施される「ドライブレンド」によって、または押出機で事前に実施される化合物の粉砕によって、のいずれかで得られる粉末の形態にある。
【0109】
有利には、このブレンドは、タンクに導入する前またはタンクに直接導入する前の「ドライブレンド」によって得られた粉末で構成され、2つのポリマーP1とP2とのこのブレンドは、PEKKとPEIとのブレンドである。
【0110】
有利には、PEKK/PEIブレンドは、90-10重量%~60-40重量%、特に90-10重量%~70-30重量%である。
【0111】
熱可塑性樹脂ポリマーは、予備含浸後に、または連鎖延長剤を用いて、特に炉内の張力装置のレベルでの加熱中および/または複合部品を製造するための最終方法におけるテープの加工中に、繊維材料を含浸させる非反応性最終ポリマーまたは繊維材料も含浸させるが、前記プレポリマーによって担持された連鎖末端の官能基として、それ自体もしくは別のプレポリマーと反応することができる反応性プレポリマーに対応し得る。
【0112】
「非反応性ポリマー」という表現は、分子量がもはや有意に変化する可能性がないこと、すなわち、その数平均分子量(Mn)が、それが加工されるときに50%未満変化し、したがって熱可塑性樹脂マトリックスの最終ポリアミドポリマーに対応することを意味する。
【0113】
逆に、「反応性ポリマー」という表現は、前記反応性ポリマーの分子量が、熱可塑性樹脂マトリックスの最終ポリアミドポリマー(非反応性)を与えるように、縮合もしくは置換による反応性プレポリマーの互いとの反応、または重付加による連鎖延長剤との反応によって、および揮発性副生成物を排除することなく、加工中に変化することを意味する。
【0114】
第1の可能性によれば、前記プレポリマーは、同じ鎖(すなわち、同じプレポリマー上)上に、縮合によってそれぞれ互いに共反応性である2つの末端官能基X’およびY’を有する少なくとも1つの反応性プレポリマー(ポリアミド)を含むか、またはそれからなってもよく、より具体的には、X’およびY’は、それぞれアミンおよびカルボキシルまたはカルボキシルおよびアミンである。第2の可能性によれば、前記プレポリマーは、互いに反応性であり、各々が同一である(同じプレポリマーについて同一であり、2つのプレポリマー間で異なる)2つの末端官能基X’またはY’をそれぞれ有する少なくとも2つのポリアミドプレポリマーを含むか、またはそれらからなってもよく、一方のプレポリマーの前記官能基X’は、特に縮合によって、他方のプレポリマーの前記官能基Y’とのみ反応することができ、より具体的には、X’およびY’は、それぞれアミンおよびカルボキシルまたはカルボキシルおよびアミンである。
【0115】
第3の可能性によれば、前記プレポリマーは、-NH、-COHおよびOH、好ましくはNHおよびCOHから選定されるn個の反応性末端官能基Xを有する前記熱可塑性樹脂ポリアミドポリマーの少なくとも1つのプレポリマーを含むか、またはそれからなってもよく、nは1~3、好ましくは1~2、より優先的には1または2、より具体的には2であり、少なくとも1つの鎖延長剤Y-A’-Yであり、A’は、炭化水素ビラジカルであり、前記プレポリマーa1)の少なくとも1つの官能基Xとの重付加によって反応性であり、好ましくは500未満、より優先的には400未満の分子量を有する2つの同一の反応性末端官能基Yを有する。
【0116】
熱可塑性樹脂マトリックスの前記最終ポリマーの数平均分子量Mnは、好ましくは10000~40000、好ましくは12000~30000に及ぶ範囲内である。これらのMn値は、規格ISO307:2007に従ってm-クレゾール中で決定されるが、溶媒を変化させる(硫酸の代わりにm-クレゾールを使用し、温度は20℃である)0.8以上の固有粘度に対応することができる。
【0117】
上述の2つの選択肢による前記反応性プレポリマーは、500~10000、好ましくは1000~6800、特に2500~6800の範囲の数平均分子量Mnを有する。
【0118】
Mnは、特に、溶液中の電位差滴定によって決定される末端官能基の含有量、および前記プレポリマーの官能価に基づく計算によって決定される。重量Mnはまた、サイズ排除クロマトグラフィーまたはNMRによって決定することができる。
【0119】
ポリアミドを定義するために使用される命名法は、規格ISO1874-1:2011「プラスチック-ポリアミド(PA)成形および押出材料-パート1:名称」、特に3ページ(表1および2)に記載されており、当業者に周知である。
【0120】
ポリアミドは、ホモポリアミドもしくはコポリアミドまたはそれらのブレンドであってもよい。
【0121】
有利には、マトリックスを構成するプレポリマーは、ポリアミド(PA)、特に尿素部分によって任意選択で修飾された脂肪族ポリアミド、脂環式ポリアミド、および半芳香族ポリアミド(ポリフタルアミド)、ならびにそれらの共重合体、ポリメチルメタクリレート(PPMA)およびそれらの共重合体、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルホン(PPSU)、PVDF、ポリ(エーテルケトンケトン)(PEKK)、ポリ(エーテルエーテルケトン)(PEEK)、ポリ(フッ化ビニリデン)(PVDF)などのフルオロポリマーから選定される。
【0122】
フルオロポリマーについては、フッ化ビニリデンのホモポリマー(式CH=CFのVDF)、または少なくとも50重量%のVDFおよびVDFと共重合可能な少なくとも1つの他のモノマーを含むVDFの共重合体を使用することが可能である。VDFの含有量は、特に熱応力および化学応力に供される場合に、構造部品の良好な機械的強度および耐薬品性を確保するために、80重量%を超えなければならず、または90重量%でさらに良好でなければならない。コモノマーは、例えばフッ化ビニルなどのフルオロモノマーであってもよい。
【0123】
高温に耐えなければならない構造部品には、フルオロポリマー以外に、本発明に従って、ポリ(エーテルケトン)(PEK)、ポリ(エーテルエーテルケトン)(PEEK)、ポリ(エーテルケトンケトン)(PEKK)、ポリ(エーテルケトンエーテルケトンケトン)(PEKEKK)または高いガラス転移温度Tgを有するPAなどのPAEK(ポリアリールエーテルケトン)が有利に使用される。
【0124】
有利には、前記熱可塑性樹脂ポリマーは、Tg≧80℃、特に≧100℃、特に≧120℃、特に≧140℃となるようなガラス転移温度を有するポリマー、または溶融温度Tm≧150℃を有する半結晶性ポリマーである。
【0125】
有利には、マトリックスの前記熱可塑性樹脂ポリマーは、非反応性熱可塑性樹脂ポリマーである。
【0126】
有利には、前記少なくとも1つの熱可塑性樹脂プレポリマーは、ポリアミド、PEKK、PEI、およびPEKKとPEIとのブレンドから選択される。
【0127】
有利には、前記ポリアミドは、脂肪族ポリアミド、脂環式ポリアミドおよび半芳香族ポリアミド(ポリフタルアミド)から選定される。
【0128】
有利には、前記脂肪族ポリアミドプレポリマーは、
-ポリアミド6(PA6)、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド12(PA12)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド610(PA610)、ポリアミド612(PA612)、ポリアミド1010(PA1010)、ポリアミド1012(PA1012)、ポリアミド11/1010およびポリアミド12/1010、またはそれらのブレンドまたはそれらのコポリアミド、ならびにブロック共重合体、特にポリアミド/ポリエーテル(PEBA)から選定され、前記半芳香族ポリアミドは、欧州特許第1505099号明細書に記載されているように、尿素部分、特にPAMXD6およびPAMXD10によって任意選択で修飾された半芳香族ポリアミド、または式X/YArの半芳香族ポリアミド、特に式A/XTの半芳香族ポリアミドであり、式中、Aは、アミノ酸から得られる部分、ラクタムから得られる部分、および式(Caジアミン).(Cb二酸)に対応する部分から選定され、aはジアミンの炭素原子の数を表し、bは二酸の炭素原子の数を表し、aおよびbはそれぞれ4~36、有利には9~18であり、(Caジアミン)部分は、直鎖または分岐脂肪族ジアミン、脂環式ジアミンおよびアルキル芳香族ジアミンから選定され、(Cb二酸)部分は、直鎖または分岐脂肪族二酸、脂環式二酸および芳香族二酸から選定され;
X.Tは、Cxジアミンとテレフタル酸との重縮合から得られる部分を表し、xはCxジアミンの炭素原子の数を表し、xは6~36、有利には9~18であり、特に式A/6T、A/9T、A/10TまたはA/11Tのポリアミドであり、Aは上に定義される通りであり、特にポリアミドPA 6/6T、PA 66/6T、PA 6I/6T、PA MPMDT/6T、PA PA11/10T、PA 11/6T/10T、PA MXDT/10T、PA MPMDT/10T、PA BACT/10T、PA BACT/6T、PA BACT/10T/6T、PA BACT/10T/11、PA BACT/6T/11である。
【0129】
Tは、テレフタル酸に相当し、MXDは、m-キシリレンジアミンに相当し、MPMDは、メチルペンタメチレンジアミンに相当し、BACは、ビス(アミノメチル)シクロヘキサンに相当する。
【0130】
有利には、熱可塑性樹脂ポリマーは、半芳香族ポリアミドである。
【0131】
有利には、熱可塑性樹脂ポリマーは、PA MPMDT/6T、PA PA11/10T、PA 11/6T/10T、PA MXDT/10T、PA MPMDT/10T、PA BACT/10T、PA BACT/6T、PA BACT/10T/6T、PA BACT/10T/11、PA BACT/6T/11から選定される半芳香族ポリアミドである。
【0132】
予備含浸工程について:
上記のような予備含浸工程は、当業者に周知の、特に上記のものから選定される技術に従って実施され得る。
【0133】
有利な一実施形態では、予備含浸工程は、流動床、ノズルを介した噴霧および溶融経路の中から選定されるシステムを用いて、特に高速で実施され、特に含浸は流動床で実施される。
【0134】
有利には、予備含浸は、流動床、ノズルを介した噴霧および溶融経路から選定されるシステムを用いて、特に高速で実施され、特に含浸は流動床で実施され、1つ以上の張力装置(E’’)が前記システムの上流に存在する。
【0135】
張力装置(E)および(E’’)は、材料または形状およびその特性(形状に応じて、直径、長さ、幅、高さなど)に関して、同一であっても異なっていてもよいことに留意されたい。
【0136】
それらは、同じレベルまたは異なるレベルであり得る。この後者の場合を例えば図7に示す。
【0137】
流動床予備含浸プロセスは、国際公開第2018/115736号パンフレットに記載されている。
【0138】
有利には、予備含浸工程は、流動床で実施される。
【0139】
少なくとも1つの張力装置によって加熱工程なしで製造方法を実装するためのユニットの例は、国際出願公開第2015/121583号パンフレットに記載されている。
【0140】
このシステムは、予備含浸工程を実施するための流動床を備えるタンクの使用を記載し、本発明の文脈内で使用することができる。
【0141】
有利には、流動床を備えるタンクには、圧縮ローラーであってもよい少なくとも1つの張力装置(E’)が設けられる。
【0142】
張力装置(E)および(E’)は、材料または形状およびその特性(形状に応じて、直径、長さ、幅、高さなど)に関して、同一であっても異なっていてもよいことに留意されたい。
【0143】
しかしながら、張力装置(E’)は、加熱装置でもなく、加熱もされない。
【0144】
繊維材料の予備含浸の工程は、少なくとも1つの張力装置(E’)が取り付けられ、前記ポリマーマトリックスの粉末の流動床(12)を備えるタンク(10)を備える連続予備含浸装置に1つ以上のロービングを通過させることによって実施される。
【0145】
前記ポリマーマトリックスまたはポリマーの粉末は、タンクに導入され、ホッパ(11)を通ってタンク(10)に流入するガスG(例えば空気)に懸濁される。ロービングは、この流動床(12)を通って循環される。
【0146】
タンクは、任意の形状、特に円筒形または平行六面体、特に直方体または立方体、有利には直方体を有し得る。
【0147】
タンク(10)は、開放タンクまたは閉鎖タンクであり得る。有利には、開放タンクである。
【0148】
タンクが閉鎖である場合、前記ポリマーマトリックスの粉末が前記タンクから出ることができないように封止システムが装備される。
【0149】
したがって、この予備含浸工程は、乾式経路によって実施され、すなわち、熱可塑性樹脂ポリマーマトリックスは、粉末形態であり、特にガス、特に空気中に懸濁しているが、分散体中、溶媒中または水中に懸濁することはできない。
【0150】
張力装置(E)を通過した後に予備含浸される各ロービングは、流動床に入る。
【0151】
次いで、繊維ロービングまたは平行繊維ロービングは、特に圧縮ローラーであるか、またはタンク中に既に存在する少なくとも1つの張力装置(E’)が取り付けられた流動床(12)を備えるタンク(10)に出入りし、次いで、少なくとも1つの張力装置(E’)が取り付けられた流動床(12)に入る。
【0152】
次いで、繊維ロービングまたは平行繊維ロービングは、粉末中の滞留時間の任意選択の制御後の予備含浸後にタンクから現れる。
【0153】
ノズルを介した噴霧による予備含浸のプロセスは、国際公開第2018/115739号パンフレットに記載されている。
【0154】
溶融経路による予備含浸のプロセスは、国際公開第2018/234439号パンフレットに記載されている。
【0155】
有利には、予備含浸工程は、溶融経路によって、特に引抜によって実施される。
【0156】
溶融予備含浸技術は、当業者に周知であり、上記の参考文献に記載されている。
【0157】
予備含浸工程は、特にポリマーマトリックスのクロスヘッド押出、およびこのクロスヘッドを通る前記ロービングまたは前記ロービングの通過、次いで加熱されたダイの通過によって実施され、クロスヘッドには、ロービングが通過する固定または回転張力装置が設けられている可能性があり、したがって前記ロービングの延展を引き起こし、前記ロービングの予備含浸を可能にする。
【0158】
予備含浸はまた、米国特許出願公開第2014/0005331号明細書に記載されているように、前記ロービングの両側に樹脂が供給され、2つの表面のうちの一方に樹脂の一部を除去する接触面がないという点で異なる。
【0159】
有利には、予備含浸工程は、高速で溶融経路によって、すなわち前記ロービングが5m/分以上、特に9m/分を超える速度で通過することによって実施される。
【0160】
一実施形態では、本発明による方法は、予備含浸繊維材料を加熱して、マトリックスの熱可塑性樹脂ポリマーを溶融し、前記繊維材料の含浸を完了させる工程を含む。
【0161】
別の実施形態では、本発明による方法は、予備含浸繊維材料を加熱して、マトリックスの熱可塑性樹脂プレポリマーを任意選択で前記延長剤と共に溶融および重合させ、前記繊維材料の含浸を完了させる工程を含む。
【0162】
前記加熱工程は、国際公開第2018/234439号パンフレットに記載されているように実行することができる。
【0163】
予備含浸工程を実施するために選定されたシステムが何であれ、特に流動床、ノズルを介した噴霧および溶融経路の中から選定されたシステムを用いて、特に高速で、特に流動床で、予備含浸工程の直後が第1の加熱工程であってもよく、または予備含浸工程と加熱工程との間に他の工程が行われてもよい。
【0164】
有利には、前記第1の加熱工程は、予備含浸工程の直後に続く。「直後に続く」という表現は、予備含浸工程と前記加熱工程との間に中間工程がないことを意味する。
【0165】
有利には、予備含浸工程の直後に単一の加熱工程が実施される。
【0166】
有利には、前記少なくとも1つの加熱システムは、赤外線ランプ、UVランプおよび対流加熱から選定される。
【0167】
繊維材料は、加熱システム中の張力装置と接触しており、張力装置は、導電性であるため、加熱システムも導電によって実行される。
【0168】
有利には、前記少なくとも1つの加熱システムは、赤外線ランプから選定される。
【0169】
有利には、前記少なくとも1つの張力装置(E’’)は、凸状、凹状または円筒状の圧縮ローラーである。
【0170】
張力装置(E)、(E’)および(E’’)に対応する圧縮ローラーは、材料または形状およびその特性(形状に応じて、直径、長さ、幅、高さなど)の点で同一であっても異なっていてもよいことに留意されたい。
【0171】
凸形状は、延展に有利であるのに対して、凹形状は、延展に不利であるが、それにもかかわらず行われる。
【0172】
少なくとも1つの張力装置(E’’)はまた、凸状と凹状とを交互に繰り返す形状を有してもよい。この場合、ロービングが凸形状の圧縮ローラー上を通過すると、前記ロービングの延展が生じ、次いでロービングが凹形状の圧縮ローラー上を通過すると、ロービングの収縮などが生じ、必要に応じて特にコアへの含浸の均一性を改善することが可能になる。
【0173】
「圧縮ローラー」という表現は、通過するロービングが前記圧縮ローラーの表面を部分的にまたは完全に押圧し、それが前記ロービングの延展を誘導することを意味する。
【0174】
ローラーは、自由(回転)または固定されていてもよい。
【0175】
それらは、滑らかであってもよく、リブ付きであってもよく、または溝付きであってもよい。
【0176】
有利には、ローラーは、円筒形でリブ付きである。ローラーがリブ付きである場合、2つのリブが前記ローラーの中心から始まり互いに反対方向に存在してもよく、したがって、ロービングをローラーの外側に向かって離れるように移動させることができ、または前記ローラーの外側から始まり互いに反対方向に移動させることができ、したがって、ロービングをローラーの中心に向かって運ぶことが可能になる。
【0177】
この加熱工程により、予備含浸を一様にし、こうして含浸を完了させ、したがってコアへの含浸および高い繊維体積含有量を有し、特にストリップまたはテープの体積の少なくとも70%、特にストリップまたはテープの体積の少なくとも80%、特にストリップまたはテープの体積の少なくとも90%、より具体的にはストリップまたはテープの体積の少なくとも95%において一貫させること、ならびに多孔性を減少させることも可能にする。
【0178】
延展は、使用される繊維材料に依存する。例えば、炭素繊維材料の延展は、亜麻繊維の延展よりもはるかに大きい。
【0179】
延展はまた、ロービング中の繊維の数、それらの平均直径、およびサイズによるそれらの凝集度に依存する。
【0180】
前記少なくとも1つの圧縮ローラー(張力装置(E’’))の直径は、3mm~100mm、好ましくは3mm~20mm、特に5mm~10mmである。
【0181】
3mm未満では、圧縮ローラーによって誘導される繊維の変形が大きすぎる。
【0182】
有利には、圧縮ローラーは、円筒形で溝のないものであり、特に金属製である。
【0183】
有利には、前記少なくとも1つの張力装置(E’’)は、円筒形状の少なくとも1つの圧縮ローラーからなる。
【0184】
有利には、前記少なくとも1つの張力装置(E’’)は、円筒形状の1~15個の圧縮ローラー(R1~R15)、好ましくは3~15個の圧縮ローラー(R3~R15)、特に6~10個の圧縮ローラー(R6~R10)からなる。
【0185】
明らかに、存在する張力装置(E’’)の数にかかわらず、それらは、すべて加熱システムの環境中に位置するか、または含まれ、すなわち、それらは加熱システムの外側にはない。
【0186】
別の態様によれば、本発明は、ロボットを使用した前記テープの自動レイアップによる、三次元複合部品の製造に適した較正テープの製造のための上記で定義された方法の使用に関する。
【0187】
別の実施形態では、前記複合部品は、輸送、特に自動車輸送、石油およびガス、特に沖合、水素、ガス貯蔵、特に水素、航空、海上および鉄道輸送の分野;再生可能エネルギー、特に風力タービンまたは海洋タービン、エネルギー貯蔵装置、ソーラーパネル;熱保護パネル;スポーツおよびレジャー、健康および医療、ならびに電子機器の分野に関する。
【0188】
別の態様によれば、本発明は、上記で定義された方法の使用から生じることを特徴とする三次元複合部品に関する。
【図面の簡単な説明】
【0189】
図1】国際公開第2018/115736号パンフレットによる予備含浸繊維材料の製造方法を実装するためのユニットの部分図である。 含浸される各ロービングは、ロール(図示せず)によって生成された張力下でリール11を用いて装置10から巻き戻される。装置10は、複数のリール11を備え、各リールは、含浸される1つのロービングを巻き戻すことを可能にする。したがって、いくつかの繊維ロービングを同時に含浸させることが可能である。各リール11には、各繊維ロービングに張力を付与するようにブレーキ(図示せず)が設けられている。この場合、整列モジュール12は、繊維ロービングを互いに平行に配置することを可能にする。このようにして、繊維ロービングは、互いに接触することができず、特に繊維への機械的損傷を防止することを可能にする。 次いで、繊維ロービングまたは平行繊維ロービングは、少なくとも1つの張力装置(E’)(23)、特に圧縮ローラーを設けた流動床22を備えたタンク20に入る。ポリマー粉末は、タンクに導入され、ホッパ21を通ってタンクに流入するガスG(例えば空気)に懸濁される。ロービングは、この流動床22を通って循環される。
図2】圧縮ローラーであってもよい少なくとも1つの張力装置(E’)が設けられた流動床を備えるタンクを示す図である。
図3】予備含浸を実施するために延展されて加熱された繊維材料が循環する張力装置(E’)を備える流動床タンクを示す図であり、延展工程は、含浸システムの外側で実施され、加熱システムSC(30)は、圧縮ローラー(E)に組み込まれる。 繊維材料は、固定または可動ローラーであってもよいタンクの縁部(40)を通過することによってタンクに出入りする。 図は、2つのローラーを示しているが、本発明は、この構成に限定されない。
図4】予備含浸を実施するために延展されて加熱された繊維材料が循環する張力装置(E’)を備える流動床タンクを示す図であり、延展工程は含浸システムの外側で実施され、赤外線システムであってもよい加熱システムSC(30)は、圧縮ローラー(E)の上方に位置する。 繊維材料は、固定または可動ローラーであってもよいタンクの縁部(40)を通過することによってタンクに出入りする。 図は、2つのローラーを示しているが、本発明は、この構成に限定されない。
図5】予備含浸を実施するために延展されて加熱された繊維材料が循環する張力装置(E’)を備える流動床タンクを示す図であり、延展工程は、含浸システムの内側で実施され、加熱システムSC(30)は、流動床の上方に位置する圧縮ローラー(E)に組み込まれる。 繊維材料は、固定または可動ローラーであってもよいタンクの縁部(40)を通過することによってタンクに出入りする。 図は、2つのローラーを示しているが、本発明は、この構成に限定されない。
図6】予備含浸を実施するために延展されて加熱された繊維材料が循環する張力装置(E’)を備える流動床タンクを示す図であり、延展工程は、含浸システムの内側で実施され、赤外線システムであってもよい加熱システムSC(30)は、流動床の上方に位置する圧縮ローラー(E)の上方に位置する。 繊維材料は、固定または可動ローラーであってもよいタンクの縁部(40)を通過することによってタンクに出入りする。 図は、2つのローラーを示しているが、本発明は、この構成に限定されない。
図7】6つの圧縮ローラー(E)のシステムを2つのレベルで示す図である。
【実施例
【0190】
比較例1:加熱システムを有さず、予備含浸システムの外側に位置する6つの張力装置(E)を使用する延展工程
以下の手順を実施した:
図7に示すように、2列のローラーで分配された6つの滑らかな円筒状ローラーのシステムであり、一方の列では3つが直径25mmであり、もう一方の列では3つが直径20mmである。
【0191】
ローラーは、Topocrom(登録商標)コーティングを有する。
【0192】
ローラーのシステムは、タンクの外側に位置する。
【0193】
上下2組のローラー間の距離Lは、17mmに等しく、隣接する2つのローラー間の距離L’は、15.2mmに等しく、i=300μm(図7に示す式によって計算)であり、したがってロービングの通過のために300μmのローラー間のギャップを誘導する。
【0194】
使用したロービング:熱可塑性樹脂サイズを有する、SGL Technologies GmbH製のSIGRAFIL(登録商標)T24-5.0/270-T140。
【0195】
クリールの出口および延展システムに遭遇する前のロービングの張力:500g
【0196】
BACT/10T粉末については、D50=108μm、(D10=39μm、D90=194μm)。
【0197】
直径20mmの固定ローラーを装備したタンクの縁部。
【0198】
流動タンクに浸漬された第1のローラーは、タンク流入口の固定ローラーから24cmの位置にある。
【0199】
延展システムの前後のロービングの幅は、キーエンスLED測定システムを使用して測定される。同等のシステムは、流動浴流入口でロービングの幅を測定するように配置される。
【0200】
得られたデータは、以下の通りである:
[表1]
【0201】
比較例2:予備含浸システムの外側に位置し、張力装置(E)を有さない赤外線加熱システムを使用する延展工程
以下の手順を実施した:
線形短波赤外線加熱システム(電力バリエータで最大3kWの電力を有する単一放射体)をタンクの外側に水平に配置する。
【0202】
繊維ロービングは、エミッタから5cmの距離でモジュールの下を通過する。
【0203】
使用したロービング:熱可塑性樹脂サイズを有する、SGL Technologies GmbH製のSIGRAFIL(登録商標)T24-5.0/270-T140。
【0204】
クリールの出口および赤外線モジュールの下を通過する前のロービングの張力:500g
【0205】
BACT/10T粉末については、D50=108μm、(D10=39μm、D90=194μm)。
【0206】
直径20mmの固定ローラーを装備したタンクの縁部。
【0207】
流動タンクに浸漬された第1のローラーは、タンク流入口の固定ローラーから24cmの位置にある。
【0208】
IR加熱システムの前後のロービングの幅は、キーエンスLED測定システムを使用して測定される。同等のシステムは、流動浴流入口でロービングの幅を測定するように配置される。
【0209】
得られたデータは、以下の通りである:
[表2]
【0210】
実施例3(発明):予備含浸システムの外側にIR加熱システムを備えた6つの張力装置(E)を使用する延展工程
以下の手順を実施した:
図7に示すように、2列のローラーで分配された6つの滑らかな円筒状ローラーのシステムであり、一方の列では3つが直径25mmであり、もう一方の列では3つが直径20mmである。
【0211】
ローラーは、Topocrom(登録商標)コーティングを有する。
【0212】
水平に配置された線形短波赤外線加熱システム(電力バリエータを備えた最大3kWの電力を有する単一放射体)は、予備含浸システムの外側の張力装置のシステムの上方に設置される。
【0213】
繊維ロービングは、張力装置のシステムを通過し、したがってIRエミッタから5cmの距離でモジュールの下を通過する。
【0214】
上下2組のローラー間の距離Lは、17mmに等しく、隣接する2つのローラー間の距離L’は、15.2mmに等しく、i=300μm(図7に示す式によって計算)であり、したがってロービングの通過のために300μmのローラー間のギャップを誘導する。
【0215】
直径20mmの固定ローラーを装備したタンクの縁部。
【0216】
直径20mmのタンク流入口ローラーと接触した後、タンク中に位置する延展システムに遭遇する前のロービングの張力:500g
【0217】
延展システムの前後のロービングの幅は、キーエンスLED測定システムを使用して測定される。同等のシステムは、流動浴流入口でロービングの幅を測定するように配置される。
【0218】
使用したロービング:熱可塑性樹脂サイズを有する、SGL Technologies GmbH製のSIGRAFIL(登録商標)T24-5.0/270-T140。
【0219】
BACT/10T粉末については、D50=108μm、(D10=39μm、D90=194μm)。
【0220】
得られたデータは、以下の通りである:
[表3]
【0221】
実施例4(発明):流動床の上方の含浸システムの内側にIR加熱システムを備えた6つの張力装置(E)を使用する延展工程
以下の手順を実施した:
図7に示すように、2列のローラーで分配された6つの滑らかな円筒状ローラーのシステムであり、一方の列では3つが直径25mmであり、もう一方の列では3つが直径20mmである。
【0222】
ローラーは、Topocrom(登録商標)コーティングを有する。
【0223】
水平に配置された線形短波赤外線加熱システム(電力バリエータを備えた最大3kWの電力を有する単一放射体)は、張力装置のシステムの上方に設置される。
【0224】
繊維ロービングは、張力装置のシステムを通過し、したがってIRエミッタから5cmの距離でモジュールの下を通過する。
【0225】
張力装置ローラーおよび関連する加熱を有するシステムは、タンク中に位置する。
【0226】
上下2組のローラー間の距離Lは、17mmに等しく、隣接する2つのローラー間の距離L’は、15.2mmに等しく、i=300μm([数2]に与えられた式によって計算される)であり、したがって、ロービングの通過のために300μmのローラー間のギャップを誘導する。
【0227】
直径20mmの固定ローラーを装備したタンクの縁部。
【0228】
直径20mmのタンク流入口ローラーと接触した後、タンク中に位置する延展システムに遭遇する前のロービングの張力:500g
【0229】
流動タンクに浸漬された第1のローラーは、延展システムの最後のローラーから16cmの位置にある。
【0230】
延展システムの前後のロービングの幅は、キーエンスLED測定システムを使用して測定される。同等のシステムは、流動浴流入口でロービングの幅を測定するように配置される。
【0231】
使用したロービング:熱可塑性樹脂サイズを有する、SGL Technologies GmbH製のSIGRAFIL(登録商標)T24-5.0/270-T140。
【0232】
BACT/10T粉末については、D50=108μm、(D10=39μm、D90=194μm)。
【0233】
得られたデータは、以下の通りである:
[表4]
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】