IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダベイ ビックフォードの特許一覧

特表2023-554440電子雷管の組を設置する方法及び関連する点火方法
<>
  • 特表-電子雷管の組を設置する方法及び関連する点火方法 図1
  • 特表-電子雷管の組を設置する方法及び関連する点火方法 図2
  • 特表-電子雷管の組を設置する方法及び関連する点火方法 図3
  • 特表-電子雷管の組を設置する方法及び関連する点火方法 図4
  • 特表-電子雷管の組を設置する方法及び関連する点火方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-27
(54)【発明の名称】電子雷管の組を設置する方法及び関連する点火方法
(51)【国際特許分類】
   F42D 1/055 20060101AFI20231220BHJP
   F42C 19/12 20060101ALI20231220BHJP
   E21D 1/00 20060101ALN20231220BHJP
   E21D 9/00 20060101ALN20231220BHJP
【FI】
F42D1/055
F42C19/12
E21D1/00 B
E21D9/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536990
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-06-16
(86)【国際出願番号】 FR2021052319
(87)【国際公開番号】W WO2022129774
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】2013388
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522230831
【氏名又は名称】ダベイ ビックフォード
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100196601
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 祐市
(72)【発明者】
【氏名】フランク ギヨン
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル トルセル
(72)【発明者】
【氏名】ステファヌス ジョハネス マレー コンブリンク
(72)【発明者】
【氏名】ルー デュマノアール
(57)【要約】
採掘面の発破孔内において電子雷管の組を設置する方法であって、
-発破孔内に充填された雷管を運動可能な試験装置に接続するステップ(S41)と、
-運動可能な試験装置により、それぞれの雷管によって送信されるメッセージを受け取るステップ(S42)と、
-そのメッセージから、運動可能な試験装置に接続されている雷管の合計数を表す値の組{V}を判定するステップ(S43)と、
-前記組の1つ又は複数の雷管に、運動可能な試験装置に接続されている雷管の合計数を表す前記値の組{V}を有する保存する対象のデータセット{D}を送信するステップ(S44)と、
-前記データセット{D}を前記電子雷管の組の1つ又は複数の雷管のメモリ保存手段内において保存するステップ(S45)と、
を有する。
起爆の前の雷管の接続の後からの検証のための使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
採掘面(FZ)の発破孔内において電子雷管の組(10)を設置する方法であって、
-前記発破孔内に充填された前記電子雷管(10)を運動可能な試験装置(20)に接続するステップ(S41)と、
-前記運動可能な試験装置(20)により、前記電子雷管(10)の組のそれぞれの雷管によって送信されたメッセージを受け取るステップ(S42)と、
-前記運動可能な試験装置(20)により、それぞれの雷管(10)によって送信された前記メッセージから、前記運動可能な試験装置(20)に接続された前記電子雷管(10)の合計数(N)を表す値(V)の組を判定するステップ(S43)と、
-前記運動可能な試験装置(20)により、前記電子雷管(10)の組の1つ又は複数の雷管に、前記運動可能な試験装置(20)に接続された前記電子雷管(10)の合計数(N)を表す前記値の組(V)を有するメモリ内において保存する対象のデータセット(D)を送信するステップ(S44)と、
-前記データセット(D)を前記電子雷管の組(10)の1つ又は複数の雷管のメモリ保存手段(12)内において保存するステップ(S45)と、
を有することを特徴とする設置方法。
【請求項2】
前記送信ステップ(S44)において、前記メモリ内において保存する対象のデータセット(D)は、前記電子雷管の組(10)のすべての前記雷管に送信されており、前記データセット(D)は、前記電子雷管の組(10)のそれぞれの雷管の保存手段(12)内において保存されていることを特徴とする請求項1に記載の設置方法。
【請求項3】
前記メモリ内において保存する対象のデータ(D)は、前記採掘面の参照(FZ)を更に有する請求項1又は2のいずれか1項に記載の設置方法。
【請求項4】
前記値の組(V)は、前記運動可能な試験装置(20)に接続された前記電子雷管(10)の合計数(N)を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の設置方法。
【請求項5】
それぞれの雷管(10)は、予め定義された遅延カテゴリの組のうちから選択された遅延カテゴリ(Cx)の少なくとも1つの参照を保存するためのメモリ手段(11)を有し、
前記設置方法は、それぞれの遅延カテゴリ(Cx)ごとに、電子雷管(10)のサブセットに、前記運動可能な試験装置(20)により、メモリ内において保存されている遅延カテゴリ(Cx)の同一の参照を有する試験コマンドを発行するステップを更に有し、且つ、
前記判定ステップ(S43)において、前記値の組(V)は、それぞれの遅延カテゴリ(Cx)ごとに、メモリ内において保存されている遅延カテゴリ(Cx)の前記同一の参照を有する前記電子雷管(10)の数(Nx)を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の設置方法。
【請求項6】
それぞれの雷管(10)は、予め定義された遅延カテゴリの組のうちから選択された遅延カテゴリ(Cx)の少なくとも1つの参照を保存するメモリ手段(11)を有し、
前記運動可能な試験装置(20)により、前記電子雷管の組(10)のそれぞれの雷管によって送信されるメッセージを受け取る前記ステップ(S42)において、前記メッセージは、少なくとも、前記雷管の前記メモリ保存手段(11)内において保存された遅延カテゴリ(Cx)の前記参照を有し、且つ、
前記判定ステップ(S43)において、前記値の組(V)は、それぞれの遅延カテゴリ(Cx)ごとに、メモリ内において保存された遅延カテゴリ(Cx)の前記同一の参照を有する前記電子雷管(10)の数(Nx)を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の設置方法。
【請求項7】
メモリ内において保存する対象の前記データセット(D)は、前記予め定義された遅延カテゴリの組の遅延カテゴリ(Cx)の前記数(n)を有することを特徴とする請求項5又は6のいずれか1項に記載の設置方法。
【請求項8】
前記メモリ保存ステップ(S45)において、遅延カテゴリ(Cx)の前記保存された参照を有する電子雷管(10)の前記数(Nx)は、前記遅延カテゴリの保存された参照を有する少なくとも1つの電子雷管(10)の前記保存手段(12)内において個々に保存されていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の設置方法。
【請求項9】
-前記運動可能な試験装置(20)内において、既定の起爆レイアウトに従って予め定義された遅延との間におけるそれぞれの遅延カテゴリ(Cx)の関連付けのテンプレート(T)を選択するステップ(S46)と、
-前記関連付けのテンプレート(T)及び前記雷管(10)の前記メモリ保存手段(11)内において保存された遅延カテゴリ(Cx)の前記参照に基づいて前記電子雷管(10)の組のそれぞれの雷管内のおいて起爆遅延をプログラミングするステップ(S47)と、
を更に有することを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の設置方法。
【請求項10】
起爆装置(30)内において実装された請求項1乃至9のいずれか1項に記載の前記設置方法に従って前記採掘面において設置された電子雷管(10)の組を起爆させる方法であって、
-前記電子雷管の組(10)を前記起爆装置(30)に接続するステップ(S51)と、
-前記電子雷管の組(10)のそれぞれの雷管によって送信されたメッセージを受け取るステップ(S52)と、
-前記電子雷管の組(10)の1つ又は複数の雷管の前記保存手段(12)内において保存されている前記データセット(D)を受け取るステップ(S53)と、
-前記保存されているデータセット(D)から、前記採掘面(FZ)において前記電子雷管の組(10)を設置する時点において前記運動可能な試験装置(20)に接続されている前記電子雷管(10)の合計数(N)を表す前記値の組(V)を抽出するステップ(S54)と、
-前記電子雷管の組(10)のそれぞれの雷管によって送信された前記メッセージに基づいて前記起爆装置(30)に接続されている前記電子雷管の組(10)の前記電子雷管の現時点の数(N′)を判定するステップ(S55)と、
-前記現時点の数(N′)を前記運動可能な試験装置(20)に接続されている前記電子雷管(10)の合計数(N)を表す前記値の組(V)と比較するステップ(S56)と、
-前記現時点の数(N′)が前記合計数(N)を表す前記値の組(V)と一貫性を有する場合の試験用の検証メッセージと、前記現時点の数(N′)が前記合計数(N)を表す前記値の組(V)と一貫性を有していない場合の非検証メッセージと、を発行するステップ(S57、S61)と、
を有することを特徴とする方法。
【請求項11】
起爆装置(30)内において実装された請求項5乃至9のいずれか1項に記載の前記設置方法に従って前記採掘面(FZ)において設置された電子雷管の組(10)を起爆させる方法であって、
-前記電子雷管の組(10)を前記起爆装置(30)に接続するステップ(S51)と、
-前記電子雷管の組(10)のそれぞれの雷管によって送信されたメッセージを受け取るステップ(S52)であって、前記メッセージは、少なくとも、前記雷管(10)の前記メモリ保存手段(11)内において保存されている前記遅延カテゴリ(Cx)の参照を有する、ステップと、
-前記電子雷管の組(10)の1つ又は複数の雷管の前記保存手段(12)内において保存されている前記データセット(D)を受け取るステップ(S53)と、
-前記保存されているデータセット(D)から、それぞれの遅延カテゴリ(Cx)ごとに、前記遅延カテゴリ(Cx)の保存されている参照を有する前記電子雷管(10)の数(Nx)を有する前記値の組(V)を抽出するステップ(S54)と、
-それぞれの遅延カテゴリ(Cx)ごとに、前記電子雷管の組(10)のそれぞれの雷管によって送信された前記メッセージから、前記遅延カテゴリ(Cx)の保存されている参照を有する前記電子雷管(10)の現時点の数(N′x)を判定するステップ(S55)と、
-それぞれの遅延カテゴリ(Cx)ごとに、前記現時点の数(N′x)を前記遅延カテゴリ(Cx)の保存されている参照を有する前記電子雷管(10)の数(Nx)と比較するステップ(S56)と、
-前記現時点の数(N′x)が、すべての前記遅延カテゴリの前記遅延カテゴリ(Cx)の保存されている参照を有する前記電子雷管(10)の数(Nx)に等しい場合の試験検証メッセージと、前記現時点の数(N′x)が、少なくとも1つの遅延カテゴリの前記遅延カテゴリ(Cx)の保存されている参照を有する前記電子雷管(10)の数(Nx)と異なっている場合の非検証のメッセージと、を発行するステップ(S57、S61)と、
を有することを特徴とする方法。
【請求項12】
起爆装置(30)内において実装された請求項5乃至9のいずれか1項に記載の前記設置方法に従って前記採掘面(FZ)において設置された電子雷管(10)の組を起爆させる方法であって、
-前記電子雷管の組(10)を前記起爆装置(30)に接続するステップ(S51)と、
-それぞれの遅延カテゴリ(Cx)ごとに、遅延カテゴリ(Cx)の同一の保存されている参照を有する電子雷管(10)のサブセットに、前記起爆装置(30)により、試験コマンドを送信するステップと、
-それぞれの遅延カテゴリごとに、前記同一の保存されている遅延カテゴリ(Cx)を有する前記電子雷管(10)のサブセットのそれぞれの雷管によって送信されたメッセージを受け取るステップ(S52)と、
-前記電子雷管の組(10)の1つ又は複数の雷管の前記保存手段(12)内において保存されている前記データセット(D)を受け取るステップ(S53)と、
-前記保存されているデータセット(D)から、それぞれの遅延カテゴリ(Cx)ごとに、前記遅延カテゴリ(Cx)の保存されている参照を有する前記電子雷管(10)の数を有する前記値の組(V)を抽出するステップ(S54)と、
-それぞれの遅延カテゴリ(Cx)ごとに、前記同一の保存されている遅延カテゴリ(Cx)を有する前記電子雷管のサブセット(10)のそれぞれの雷管によって送信される前記メッセージから、前記遅延カテゴリ(Cx)の保存されている参照を有する前記電子雷管(10)の現時点の数(Nx)を判定するステップ(S55)と、
-それぞれの遅延カテゴリ(Cx)ごとに、前記現時点の数(N′x)を前記遅延カテゴリ(Cx)の保存されている参照を有する前記電子雷管(10)の数(Nx)と比較するステップ(S56)と、
-前記現時点の数(N′x)が、すべての前記遅延カテゴリの前記遅延カテゴリ(Cx)の保存されている参照を有する前記電子雷管(10)の数(Nx)に等しい場合の試験検証メッセージと、前記現時点の数(N′x)が、少なくとも1つの遅延カテゴリの前記遅延カテゴリ(Cx)の保存されている参照を有する前記電子雷管の数(Nx)と異なっている場合の非検証のメッセージと、を発行するステップ(S57、S61)と、
を有することを特徴とする方法。
【請求項13】
前記非検証メッセージを発行するステップ(S61)において、前記現時点の数(N′f)が前記遅延カテゴリの保存されている参照(Cf)を有する前記電子雷管(10)の数(Nf)と異なっている前記1つ又は複数の遅延カテゴリが識別されていることを特徴とする請求項11又は12のいずれか1項に記載の起爆方法。
【請求項14】
-既定の起爆ライアウトに従って予め定義された遅延との間におけるそれぞれの遅延カテゴリ(Cx)の関連付けのテンプレート(T)を選択するステップ(S58)と、
-前記関連付けのテンプレート(T)及び前記雷管(10)の前記メモリ保存手段(11)内において保存されている前記遅延カテゴリ(Cx)の参照に基づいて、前記電子雷管の組(10)のそれぞれの雷管内において起爆遅延をプログラミングするステップ(S59)と、
を更に有することを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の起爆方法。
【請求項15】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の前記設置方法を実装する運動可能な試験装置であって、
-発破孔内において充填された前記電子雷管(10)の組のそれぞれの雷管によって送信されたメッセージを受け取る受信手段(21)と、
それぞれの雷管(10)によって送信された前記メッセージから、前記運動可能な試験装置(20)に接続された前記電子雷管(10)の合計数(N)を表す値の組(V)を判定する判定手段(23)と、
-前記電子雷管(10)の組の1つ又は複数の雷管に、前記運動可能な試験装置(20)に接続されている前記電子雷管(10)の合計数(N)を表す前記値の組(V)を有する保存する対象のデータセット(D)を送信する送信手段(22)と、
を有することを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の前記設置方法に従って前記採掘面(FZ)において設置された電子雷管(10)の組を起爆させる起爆システムであって、
バスライン(L1)に接続されるように構成された運動可能な試験装置(20)であって、前記電子雷管(10)は、前記バスライン(L1)に接続されている、運動可能な試験装置と、
前記バスライン(L1)に起爆ライン(L2)を介してリモート接続されるように構成された起爆装置(30)と、
を有することを特徴とするシステム。
【請求項17】
前記電子雷管の組(10)のそれぞれの雷管は、遅延カテゴリの予め定義された組のうちから選択された遅延カテゴリ(Cx)の参照を保存するメモリ手段(11)を有し、
それぞれの遅延カテゴリ(Cx)は、数値コード(x)及び色コードの予め定義された組合せによって識別されており、前記数値コード(x)は、それぞれの電子雷管(10)の前記メモリ手段(11)内において、遅延カテゴリ(Cx)の参照としてメモリ内において保存されていることを特徴とする起爆システム。
【請求項18】
それぞれの予め定義された組合せの前記数値コード(x)及び前記色コードは、前記電子雷管(10)の接続ケーブル又は前記バスライン(L1)に対する前記電子雷管のコネクタのうちから選択された少なくとも1つの場所の上部において可視状態にあることを特徴とする請求項17に記載の起爆システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採掘面において電子雷管の組を設置する設置方法に関する。
【0002】
また、これは、本発明による設置方法に従って採掘面において設置された電子雷管の組を起爆させる方法にも関する。
【0003】
本発明は、本発明による設置方法の実装のための運動可能な試験装置のみならず、本発明による設置方法に従って採掘面において設置された電子雷管の組を起爆させるシステムにも更に関する。
【0004】
本発明は、一般に、鉱山及び採石場の分野に、且つ、プログラミング可能な電子雷管及び既定の起爆レイアウトによるリモート起爆を利用した公共土木事業のサイトに、適用される。
【背景技術】
【0005】
起爆レイアウトは、採掘面において、爆発物と関連付けられた電子雷管を受け入れるようにそれぞれが構成された発破孔の場所のみならず、採掘面のそれぞれの発破孔内のその場所に応じた起爆シーケンス、即ち、それぞれの電子雷管と関連する遅延、を定義している。
【0006】
起爆レイアウトによる電子雷管の起爆は、従来、採掘面におけるものと採掘面から離れた場所におけるもの、という2つの主要なフェーズに基づいて実装されている。
【0007】
まず、電子雷管は、起爆レイアウトによって定義された発破孔内に充填され、次いで、採掘面において、運動可能な試験装置を利用して1つずつ識別されている。
【0008】
運動可能な試験装置は、一般に、接触を伴って又は伴うことなしに、同時に又は個別に、1つ又は複数の電子雷管を読み取り、送信し、試験し、プログラミングするように設計されている。
【0009】
識別ステップは、運動可能な試験装置のそれぞれの電子雷管の有線又は無線接続により、運動可能な試験装置によってそれぞれの電子雷管と関連する一意の識別子を漸進的に読み取るステップから構成されている。次いで、遅延が、選択された起爆レイアウトに従ってそれぞれの電子雷管と関連付けられるが、これは、予め定義された遅延を採掘面内のその場所に従ってそれぞれの発破孔と関連付けている。それぞれの電子雷管と関連付けられたこの遅延は、運動可能な試験装置のメモリ内において保存されている。
【0010】
いくつかの用途においては、このステージにおいて、選択された起爆レイアウトに従って関連付けられている起爆遅延をプログラミングし、且つ、それぞれの電子雷管内のメモリ内において保存している。
【0011】
通常、運動可能な試験装置は、個々に識別された電子雷管の組の適切な接続を検証するために、バスラインに接続されている電子雷管の試験を実行している。
【0012】
先行するステップが実行されたら、電子雷管がその上部において接続されているバスラインが起爆ラインに接続されるが、バスラインは、それ自体がリモート起爆装置に接続されている。
【0013】
この結果、リモート起爆のステップを実装することができる。
【0014】
この起爆のステップは、採掘面における電子雷管の設置のステップの後に、数日間にわたって、或いは、恐らくは数週間にわたって、実施され得る。
【0015】
実際のリモート起爆の前に、リモート起爆装置は、起爆レイアウトの電子雷管のすべてが起爆ラインに適切に接続されており、且つ、採掘面において電子雷管を起爆させる状態が依然として起爆を開始するために満足できるものであることを検証するために、試験ステップを実行している。
【0016】
これを目的として、リモート起爆装置は、それぞれの電子雷管によって自身に送信された個々の識別情報を採掘面における電子雷管の試験及び設置ステップにおいて運動可能な試験装置によって保存されたデータと比較している。
【0017】
従って、設置ステップにおいて運動可能な試験装置によって保存されたデータ、即ち、採掘面において配置された且つバスラインに接続された電子雷管の数、それぞれの電子雷管と関連する一意の識別情報のみならず、それぞれの電子雷管と関連する(恐らくは、それぞれの電子雷管内においてプログラミングされた)遅延は、運動可能な試験装置からリモート起爆装置に転送され、且つ、起爆の前の試験の実装を可能にするためにメモリ内において保存されている。
【0018】
このデータ転送は、USBキーなどのメモリ媒体を使用することにより、或いは、恐らくは、運動可能な試験装置とリモート起爆装置の間の無線通信プロトコルを使用した送信により、実行することができる。
【0019】
実際には、次いで、採掘面とリモート起爆装置の間において、運動可能な試験装置及び/又はメモリ媒体を大きな距離にわたって運動させる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、上述の欠点の少なくとも1つを解決することを対象としており、且つ、電子雷管の組用の単純化された設置と、その後の予め定義された起爆レイアウトによるその起爆と、の提供を対象としている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
これを目的として、第1の態様によれば、本発明は、採掘面の発破孔内において電子雷管の組を設置する設置方法に関する。
【0022】
設置方法は、
-発破孔内に充填された電子雷管を運動可能な試験装置に接続するステップと、
-運動可能な試験装置により、前記電子雷管の組のそれぞれの雷管によって送信されたメッセージを受け取るステップと、
-それぞれの雷管によって送信された前記メッセージから、運動可能な試験装置により、運動可能な試験装置に接続された電子雷管の合計数を表す値の組を判定するステップと、
-前記運動可能な試験装置により、前記電子雷管の組の1つ又は複数の雷管に、運動可能な試験装置に接続された電子雷管の合計数を表す前記値の組を有するメモリ内において保存する対象のデータセットを送信するステップと、
-前記データセットを前記電子雷管の組の1つ又は複数の雷管のメモリ保存手段内において保存するステップと、
を有する。
【0023】
従って、電子雷管の組の少なくとも1つの雷管は、メモリ内において、採掘面において雷管の設置の時点において運動可能な試験装置に接続された電子雷管の合計数を表す値の組の少なくともいくつかを保存している。
【0024】
従って、これらの情報の項目は、電子雷管がリモート起爆装置に接続されたら、設置全体の、且つ、適切な接続の、検証を可能にするために、且つ、特に、電子雷管をリモート起爆装置に接続するためのライン上において電流の漏洩が存在していないことを検証するために、少なくとも1つの雷管によって送信することができる。
【0025】
少なくとも1つの電子雷管内における検証試験のために有用である情報のメモリ内における保存は、運動可能な試験装置とリモート起爆装置の間のデータの転送を省略することを可能にしている。
【0026】
従って、採掘面において電子雷管の設置の時点において得られたデータをリモート起爆装置に物理的に転送することが不要である。
【0027】
一実施形態によれば、送信ステップにおいて、メモリ内において保存する対象の前記データセットは、電子雷管の組のすべての雷管に送信されており、この場合に、前記データセットは、電子雷管の組のそれぞれの雷管の保存手段内において保存されている。
【0028】
すべての電子雷管内におけるデータセットのメモリ内における冗長的保存は、雷管の一方又は他方における或いはリモート起爆装置へのその接続における障害のケースにおいてさえも、リモート起爆装置に対する後からのそのデータセットの転送を保証することを可能にしている。
【0029】
有利には、メモリ内において保存する対象の前記データセットは、採掘面の参照を更に有する。
【0030】
従って、いくつかの起爆が同一の時間期間にわたって想定される際には、採掘面の参照は、特定の採掘面に対する保存されているデータセットの正しい帰属を検証することを可能にしている。
【0031】
実際的な実施形態においては、前記値の組は、運動可能な試験装置に接続された電子雷管の合計数を有する。
【0032】
採掘面における設置方法の時点において接続されている電子雷管の合計数は、起爆のトリガの前に、正しい数の電子雷管がリモート起爆装置に接続されていることを後から検証することを可能にしている。
【0033】
特定の実施形態においては、それぞれの雷管は、予め定義された遅延カテゴリの組のうちから選択された遅延カテゴリの少なくとも1つの参照を保存するメモリ手段を有する。
【0034】
一実施形態において、設置方法は、それぞれの遅延カテゴリごとに、メモリ内において保存されている遅延カテゴリの同一の参照を有する試験コマンドを前記運動可能な試験装置によって電子雷管のサブセットに発行するステップを更に有し、且つ、判定ステップにおいて、前記値の組は、それぞれの遅延カテゴリごとに、メモリ内において保存されている遅延カテゴリのその同一の参照をする電子雷管の数を有する。
【0035】
それぞれの遅延カテゴリの電子雷管の数に関する情報は、起爆のトリガの前に、選択された起爆レイアウトに応じたそれぞれの遅延カテゴリの正しい数の電子雷管がリモート起爆装置に接続されていることを後から検証することを可能にしている。
【0036】
別の実施形態においては、先行する実施形態に加えて、又はその代わりに、前記運動可能な試験装置により、前記電子雷管の組のそれぞれの雷管によって送信されたメッセージを受け取るステップにおいて、前記メッセージは、少なくとも、前記雷管の前記メモリ保存手段内において保存されている遅延カテゴリの参照を有し、且つ、判定ステップにおいて、前記値の組は、それぞれの遅延カテゴリごとに、メモリ内において保存されている遅延カテゴリのその同一の参照を有する電子雷管の数を有する。
【0037】
好ましくは、採掘面において設置の時点において実装されたすべての遅延カテゴリの雷管が適切に接続されていることを検証するために、メモリ内において保存する対象のデータセットは、前記予め定義された遅延カテゴリの組の遅延カテゴリの数を有する。
【0038】
実際には、メモリ保存ステップにおいて、前記保存されている遅延カテゴリの参照を有する電子雷管の数は、それぞれ、前記保存されている遅延カテゴリの参照を有する少なくとも1つの電子雷管の保存手段内において保存されている。
【0039】
一実施形態において、設置方法は、
-運動可能な試験装置内において、既定の起爆レイアウトに従って予め定義されている遅延を有するそれぞれの遅延カテゴリの関連付けのテンプレートを選択するステップと、
-前記関連付けのテンプレート及び前記雷管のメモリ手段内において保存されている遅延カテゴリの参照に基づいて電子雷管の組のそれぞれの雷管内において起爆遅延をプログラミングするステップと、
を更に有する。
【0040】
運動可能な試験装置におけるこの遅延のプログラミングは、関連付けのテンプレートの使用に起因して単純化されている。起爆遅延は、それぞれの雷管においてメモリ内において保存されている遅延カテゴリに従って自動的にプログラミングすることができる。すべての雷管は、同時に且つ一緒にプログラミングすることができる。
【0041】
また、第2の態様によれば、本発明は、起爆装置内において実装される上述の設置方法に従って採掘面において設置された電子雷管の組を起爆させる方法にも関する。
【0042】
起爆方法は、
-前記電子雷管の組を起爆装置に接続するステップと、
-前記電子雷管の組のそれぞれの雷管によって送信されたメッセージを受け取るステップと、
-前記電子雷管の組の1つ又は複数の雷管の前記保存手段内において保存されている前記データセットを受け取るステップと、
-前記保存されたデータセットから、採掘面において前記電子雷管の組を設置する時点において運動可能な試験装置に接続されている電子雷管の合計数を表す前記値の組を抽出するステップと、
-前記電子雷管の組のそれぞれの雷管によって送信されたメッセージに基づいて起爆装置に接続されている前記電子雷管の組の電子雷管の現時点の数を判定するステップと、
-前記現時点の数を前記運動可能な試験装置に接続されている電子雷管の合計数を表す前記値の組と比較するステップと、
-前記現時点の数が、合計数を表している前記値の組と一貫性を有する場合の試験用の検証メッセージと、前記現時点の数が、合計数を表している前記値の組と一貫性を有していない場合の非検証メッセージと、を発行するステップと
を有する。
【0043】
従って、雷管の組の適切な接続を検証するステップは、リモート起爆装置に1つ又は複数の電子雷管によって送信されたデータセットに基づいて実行することができると共に、採掘面において雷管を設置する時点において使用される運動可能な試験装置と採掘面から離れた起爆装置の間におけるデータの転送を必要としてはいない。
【0044】
一実施形態によれば、採掘面において設置された電子雷管の組を起爆させる方法は、
-前記電子雷管の組を起爆装置に接続するステップと、
-前記電子雷管の組のそれぞれの雷管によって送信されたメッセージを受け取るステップであって、前記メッセージは、少なくとも、前記雷管の前記メモリ保存手段内において保存されている遅延カテゴリの参照を有する、ステップと、
-前記電子雷管の組の1つ又は複数の雷管の前記保存手段内において保存されている前記データセットを受け取るステップと、
-前記保存されているデータセットから、それぞれの遅延カテゴリごとに、前記遅延カテゴリの保存されている参照を有する電子雷管の数を有する前記値の組を抽出するステップと、
-それぞれの遅延カテゴリごとに、前記電子雷管の組のそれぞれの雷管によって送信された前記メッセージから、遅延カテゴリの前記保存されている参照を有する電子雷管の現時点の数を判定するステップと、
-それぞれの遅延カテゴリごとに、前記現時点の数を前記遅延カテゴリの保存されている参照を有する前記電子雷管の数と比較するステップと、
-前記現時点の数が、すべての遅延カテゴリの前記遅延カテゴリの保存されている参照を有する前記電子雷管の数と等しい場合の試験検証メッセージと、前記現時点の数が、少なくとも1つの遅延カテゴリの前記遅延カテゴリの保存されている参照を有する前記電子雷管の数と異なっている場合の非検証のメッセージと、を発行するステップと、
を有する。
【0045】
従って、起爆方法は、それぞれの遅延カテゴリの電子雷管の数の知識に基づいて起爆の前に電子雷管の設置及びその接続を検証する又は検証しないことを可能にしている。
【0046】
別の実施形態によれば、採掘面において設置されている電子雷管の組を起爆させる方法は、
-前記電子雷管の組を起爆装置に接続するステップと、
-それぞれの遅延カテゴリごとに、同一の遅延カテゴリの保存されている参照を有する電子雷管のサブセットに前記起爆装置によって試験コマンドを送信するステップと、
-それぞれの遅延カテゴリごとに、前記同一の保存されている遅延カテゴリを有する前記電子雷管のサブセットのそれぞれの雷管によって送信されたメッセージを受け取るステップと、
-前記電子雷管の組の1つ又は複数の雷管の前記保存手段内において保存されている前記データセットを受け取るステップと、
-前記保存されているデータセットから、それぞれの遅延カテゴリごとに、前記遅延カテゴリの保存されている参照を有する電子雷管の数を有する前記値の組を抽出するステップと、
-それぞれの遅延カテゴリごとに、前記同一の保存されている遅延カテゴリを有する前記電子雷管のサブセットのそれぞれの雷管によって送信された前記メッセージから、前記遅延カテゴリの保存されている参照を有する電子雷管の現時点の数を判定するステップと、
-それぞれの遅延カテゴリごとに、前記現時点の数を前記遅延カテゴリの保存されている参照を有する前記電子雷管の数と比較するステップと、
-前記現時点の数が、すべての遅延カテゴリの前記遅延カテゴリの保存されている参照を有する前記電子雷管の数と等しい場合の試験検証メッセージと、前記現時点の数が、少なくとも1つの遅延カテゴリの前記遅延カテゴリの保存されている参照を有する前記電子雷管の数と異なっている場合の非検証のメッセージと、を発行するステップと、
を有する。
【0047】
実際に、前記非検証メッセージを発行するステップにおいては、その現時点の数が前記遅延カテゴリの保存されている参照を有する前記電子雷管の数と異なっている1つ又は複数の遅延カテゴリが識別されている。
【0048】
従って、操作者は、電子雷管の組のうちで欠陥を有する雷管を識別することが可能であり、且つ、関係する遅延カテゴリに従って、起爆を一時停止するか又はこれをトリガするかを決定することができる。
【0049】
有利な一実施形態において、起爆方法は、
-既定の起爆レイアウトに従って、予め定義された遅延を有するそれぞれの遅延カテゴリの関連付けのテンプレートを選択するステップと、
-前記関連付けのテンプレート及び前記雷管のメモリ保存手段内において保存されている遅延カテゴリの参照に基づいて前記電子雷管の組のそれぞれの雷管内において起爆遅延をプログラミングするステップと
を更に有する。
【0050】
従って、遅延をプログラミングするステップは、リモート起爆装置から実行することが可能であり、且つ、関連付けのテンプレートの使用を通じて単純化されている。起爆遅延は、それぞれの雷管において保存されている遅延カテゴリに従って自動的にプログラミングすることができる。すべての雷管は、同時に且つ一緒にプログラミングすることができる。
【0051】
また、第3の態様によれば、本発明は、上述の設置方法の実装用の運動可能な試験装置にも関する。
【0052】
運動可能な試験装置は、
-発破孔内に充填された前記電子雷管の組のそれぞれの雷管によって送信されたメッセージを受け取る受信手段と、
-それぞれの雷管によって送信された前記メッセージから、前記運動可能な試験装置に接続された電子雷管の合計数を表す値の組を判定する判定手段と、
-前記電子雷管の組の1つ又は複数の雷管に、前記運動可能な試験装置に接続されている電子雷管の合計数を表す前記値の組を有する保存する対象のデータセットを送信する送信手段と、
を有する。
【0053】
運動可能な試験装置は、自身が実装する設置方法に類似した特徴及び利点を有する。
【0054】
最後に、第4の態様によれば、本発明は、上述の設置方法に従って採掘面において設置された電子雷管の組用の起爆システムに関する。
【0055】
起爆システムは、バスラインに接続されるように構成された運動可能な試験装置であって、電子雷管が前記バスラインに接続されている、運動可能な試験装置と、起爆ラインを介して前記バスラインにリモート接続されるように構成された起爆装置と、を有する。
【0056】
実際に、前記電子雷管の組のそれぞれの雷管は、遅延カテゴリの予め定義された組のうちから選択された遅延カテゴリの参照を保存する手段を有し、この場合に、それぞれの遅延カテゴリは、数値コード及び色コードの予め定義された組合せによって識別されており、前記数値コードは、それぞれの雷管の前記保存手段内において遅延カテゴリの参照として保存されている。
【0057】
有利には、それぞれの予め定義された組合せの前記数値コード及び前記色コードは、電子雷管の接続ケーブル又はバスラインに対する前記電子雷管のコネクタのうちから選択された少なくとも1つの場所の上部において可視状態にある。
【0058】
数値及び色の組合せは、電子雷管が属する遅延カテゴリを単純且つ視覚的に定義し、且つ、これにより、採掘面におけるその設置を促進する、ことを可能にしている。
【0059】
実際に、前記遅延カテゴリの予め定義された組は、16~32個の、或いは場合によっては64個の、異なる遅延カテゴリを有する。
【0060】
起爆システムは、上述の起爆方法に類似した特徴及び利点を有する。
【0061】
本発明の更にその他の特性及び利点については、非限定的な例として付与されている添付図面を参照した以下の説明において明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】本発明の一実施形態による起爆システムの概略図である。
図2図1の起爆システム用の起爆レイアウトのプログラミングを示す図である。
図3図2の起爆レイアウトの例による予め定義された遅延との間における遅延カテゴリの関連付けのテンプレートを示す図である。
図4】本発明の一実施形態による電子雷管の組を設置する設置方法のアルゴリズムを示す図である。
図5】本発明の一実施形態による電子雷管の組を起爆させる方法のアルゴリズムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
まずは、図1を参照し、採掘面において設置された電子雷管の組を起爆させるシステムについて説明する。
【0064】
起爆システムは、採掘面において発破孔内において設置されるようにそれぞれが提供されたいくつかの電子雷管10を有する。
【0065】
通常の方式により、それぞれの電子雷管10は、採掘面内において穿たれた発破孔内において、既定量の爆発物と共に配置されている。
【0066】
次いで、採掘面においてこのように設置された電子雷管10の組は、一斉に起爆するように構成される。
【0067】
このような起爆システムは、例えば、具体的には、鉱山、採石場、及び公共土木工事の用途において使用されている。
【0068】
この実施形態において、起爆システムは、バスラインL1に接続されるように構成された運動可能な試験装置20を有する。
【0069】
また、電子雷管10も、バスラインL1に接続されており、且つ、従って、運動可能な試験装置20に接続されている。
【0070】
従って、運動可能な試験装置20は、電子雷管10によってメモリ内において保存されている情報又はデータを判読するために、情報をこれらの電子雷管10に発行するために、且つ、その接続及びその動作状態を試験するために、同時に又は個々に1つ又は複数の電子雷管10と通信することができる。
【0071】
また、いくつかの実施形態において、運動可能な試験装置20は、更に後述するように、電子雷管10をプログラミングするように、且つ、例えば、起爆遅延をプログラミングするように、設計されている。
【0072】
運動可能な試験装置20は、従来の方式により、同時に又は個々に電子雷管10と通信することを可能にする受信手段21及び送信手段22を有する。
【0073】
受信手段21は、具体的には、同時に又は個々に、それぞれの電子雷管10によって発行されたメッセージを受け取るように構成されている。送信手段22は、ぞれぞれの電子雷管10内において保存又はプログラミングする対象のメッセージ及び/又は情報を発行するように構成されている。
【0074】
受信手段21及び送信手段22は、有線通信ネットワークの分野における当業者には既知である双方向エミッタ/レシーバによって形成することができる。
【0075】
図1に示されている例示用の実施形態において、電子雷管10及び運動可能な試験装置20は、バスラインL1を利用した有線接続によって接続されているが、本発明は、このタイプの接続に限定されるものではない。
【0076】
具体的には、運動可能な試験装置20及び電子雷管10は、例えば、無線リンクによるなどのように、無線接続を介して通信することができよう。この結果、受信手段21及び送信手段22は、無線通信ネットワークの分野の当業者には既知である双方向エミッタ/レシーバアンテナによって形成することができる。
【0077】
運動可能な試験装置20は、採掘面において電子雷管を設置する設置方法を参照して後述するように、異なるデータ処理動作、演算、及びパラメータ化を実装することを可能にするマイクロプロセッサ23を更に有する。
【0078】
また、運動可能な試験装置20は、EEPROMタイプのメモリを有する(EEPROMは、Electrically Erasable Programmable Read Only Memoryの頭文字である)。
【0079】
運動可能な試験装置20の役割及び動作については、採掘面において電子雷管10を設置する設置方法を参照し、更に詳細に説明する。
【0080】
起爆システムは、電子雷管10にリモート接続されるように提供された起爆装置30を更に有する。
【0081】
図1に示されているように、起爆装置30は、それ自体がバスラインL1に接続されている起爆ラインL2を介して接続されている。
【0082】
起爆装置30は、操作者が起爆装置30から起爆を作動させるための十分に安全な状態における起爆のトリガを可能にするために、採掘面から長い距離において配置されるように提供されている。
【0083】
起爆装置30は、同時に又は個々に電子雷管10と起爆装置30の間の双方向通信を可能にする受信手段31及び送信手段32を有する。
【0084】
受信手段31及び送信手段32は、運動可能な試験装置20との関連において上述したものに類似している。
【0085】
起爆装置30は、後述する起爆方法を参照して後述するように、異なるデータ処理動作、演算、及びパラメータ化の実装を可能にするマイクロプロセッサ33を更に有する。
【0086】
また、EEPROMメモリタイプのプログラム可能なメモリ34が起爆装置30内において提供されている。
【0087】
また、起爆装置30は、操作者と通信するために表示画面35を装備することもできる。
【0088】
起爆方法を参照し、起爆装置30の役割及び動作について更に詳述する。
【0089】
それぞれの電子雷管10は、運動可能な試験装置20及び/又は起爆装置30との間の電子雷管10の通信のために構成された双方向通信手段13を有する。電子雷管の双方向通信手段13は、運動可能な試験装置20を参照して上述した受信手段21及び送信手段22に類似している。
【0090】
更には、それぞれの電子雷管10は、それぞれの電子雷管10に固有の識別情報を保存するように構成されたメモリ保存手段11をも有する。
【0091】
これらのメモリ手段11は、例えば、ROM又は読み出し専用メモリにより、或いは、EEPROMタイプの書き込み可能メモリにより、形成されている。
【0092】
具体的には、それぞれの電子雷管10は、その製造の時点において、電子雷管10内においてパラメータ化された一意の識別子IDと関連付けられている。
【0093】
この識別子IDの値IDYは、ここでは、純粋に例示を目的として、ID1~IDNを有しており、Nは、起爆を実行するために採掘面において設置された電子雷管10の合計数に対応している。
【0094】
また、図示の実施形態において、且つ、限定を伴うことなしに、それぞれの電子雷管10は、メモリ手段11内において保存されている遅延カテゴリCxの参照xをも有する。
【0095】
その原理において、遅延カテゴリCxの実装は、その遅延カテゴリCxに従って電子雷管10を予め分類するステップから構成されており、この場合に、同一の遅延カテゴリCxと関連する電子雷管10のすべてが、次いで、既定の起爆レイアウトに従って同一の起爆遅延によってプログラミングされている。
【0096】
それぞれの遅延カテゴリCxは、好ましくは、数値コードx及び色コードの予め定義された組合せによって識別されている。
【0097】
数値コード又は数値xは、それぞれの電子雷管10のメモリ手段11内において、遅延カテゴリCxの参照としてメモリ内において保存されている。
【0098】
採掘面の発破孔内における電子雷管10の設置を促進するために、電子雷管と関連する遅延カテゴリCxは、それぞれの電子雷管10上において可視状態にある。
【0099】
数値コード又は数値x及び色コードの使用は、組合せにおいて、設置対象であるそれぞれの電子雷管10の採掘面における操作者による識別の促進を可能にしている。
【0100】
好ましくは、それぞれの組合せと関連する数値x及び色は、電子雷管10上において可視状態にある。
【0101】
数値x及び/又は色コードは、例えば、電子雷管10をバスラインL1に接続しているケーブル上において可視状態にあってよい。
【0102】
図1には、この実施形態が示されており、この場合には、数値1、x、...、nを保持する異なる色ラベルが、それぞれの電子雷管10ごとに接続ケーブルに装着されている。
【0103】
当然のことながら、電子雷管10が関連付けられている遅延カテゴリCxを可視状態とするために、その他のタイプの場所を選択することもできよう。
【0104】
また、例えば、それぞれの遅延カテゴリCxを識別する数値コード及び色コードの組合せは、電子雷管10をバスラインL1に接続しているコネクタ(図示せず)上において可視状態となることもできよう。
【0105】
更には、RFIDタイプのラベルを電子雷管10のケーシングの外側面に固定することもできよう。従って、このラベルは、遅延カテゴリCxの色コード及び数値コードxのみならず、電子雷管10の識別子IDYをも有することができる。
【0106】
電子雷管10の分類の利点については、電子雷管を設置し且つ起爆させる方法を参照することにより、以下において更に明らかとなろう。
【0107】
最後に、それぞれの電子雷管10は、EEPROMタイプの書き込み可能メモリによって形成された保存手段12を更に有する。
【0108】
実際に、保存手段12は、それぞれの電子雷管10のメモリ手段11とは別個であってもよく、或いは、異なるデータの保存のために別個のレジスタを有する同一のEEPROMメモリから形成されていてもよい。
【0109】
以下の説明において明らかとなるように、保存手段12は、電子雷管10のそれぞれ又はいくつかにおいて、その電子雷管10が実装されている起爆レイアウトとの関連においてデータをローカル保存することを可能にしている。
【0110】
図2には、参照FZによって識別された採掘面と関連する起爆レイアウトの図が提供されている。
【0111】
起爆レイアウトが定義される際に、プログラマは、採掘面において様々な電子雷管10の場所を定義し、且つ、起爆遅延をこれらと関連付けており、電子雷管10は、図2においては、点によって概略的に示されている。
【0112】
次いで、図3に示されているものなどの関連付けテンプレートTが並行して定義され、これにより、(ミリ秒を単位とする)起爆遅延がそれぞれの遅延カテゴリCxと関連付けられることを可能にしている。
【0113】
非限定的な例として、図2及び図3は、0、250、500、750、1000、1250msの起爆遅延とそれぞれが関連付けられた6つの遅延カテゴリC1、C2、C3、C4、C5、C6の実装を示している。
【0114】
当然のことながら、この例示用の実施形態は、純粋に例示を目的としたものである。
【0115】
実際に、予め定義された遅延カテゴリCxの組は、従来の起爆レイアウトの生成のために、16~32個の異なる遅延カテゴリを有する。この数は、更に大きな起爆レイアウトの場合には、64まで増大させることができる。通常は、20~25個の異なる遅延カテゴリの使用が、所与の採掘面FZ用の起爆レイアウトの生成を可能にしている。
【0116】
関連付けテンプレートTの使用は、図2に示されている起爆レイアウトにおける起爆遅延の値を知る必要性を回避している。
【0117】
実際に、起爆レイアウトは、遅延カテゴリCxに帰することによって同一の起爆遅延を有する電子雷管10を見出すことにより、実装されてもよく、これは、起爆レイアウトのそれぞれの異なる起爆遅延用のものである。この結果、関連付けモデルTは、それぞれの遅延カテゴリCxごとに起爆遅延を定義することを可能にしている。
【0118】
従って、図2に示されている起爆レイアウトにおいて、それぞれの電子雷管10は、その遅延カテゴリCxを特徴付けている色コード及び数値コードに対応する色のドット及び数値xにより、観察することができる。
【0119】
以下、図4を参照し、本発明の一実施形態による電子雷管10の組を設置する設置方法について説明する。
【0120】
図1を参照して上述したように、それぞれの電子雷管10は、採掘面の発破孔内において配置されている。
【0121】
この電子雷管の配置は、図2に例として付与されているものなどの起爆レイアウトに従って生成されている。
【0122】
これを目的として、設置者は、例えば、運動可能な試験装置20上において利用可能である充填マップを有していてもよく、これにより、関連する色コード及び数値コードxによって判明するそれぞれの電子雷管の場所及びその遅延カテゴリCxの識別が可能になっている。
【0123】
この充填マップは、専用の発破孔内におけるそれぞれの電子雷管10の配置を単純化している。
【0124】
設置者は、所与の採掘面FZについて、それぞれの遅延カテゴリCxの電子雷管10の必要とされている数を取得することができると共に、次いで、充填マップの色コード及び/又は数値コードにのみ準拠することにより、採掘面FZにおいてこれらを配設することができる。
【0125】
次いで、設置方法は、電子雷管10を運動可能な試験装置20に接続するステップS41を有する。
【0126】
図1を参照して記述されている例示用の実施形態において、且つ、限定を伴うことなしに、電子雷管10は、それ自体が運動可能な試験装置20に接続されているバスラインL1を介して接続されている。
【0127】
次いで、設置方法は、運動可能な試験装置20により、それぞれの電子雷管10によって送信されたメッセージを受け取るステップS42を有する。
【0128】
それぞれの電子雷管10によるメッセージの発行は、自発的に実行することができる。
【0129】
例えば、それぞれの雷管によるメッセージの発行は、それ自体が運動可能な試験装置20に接続されているバスラインL1へのその接続の時点において発生し得る。
【0130】
従って、それぞれの電子雷管10は、そのパワーアップの時点において運動可能な試験装置20にメッセージを発行するように構成されている。
【0131】
従って、受信ステップS42におけるメッセージは、バスラインL1への電子雷管の接続に伴って、漸進的に、連続的に受け取られている。
【0132】
或いは、この代わりに、別の実施形態においては、運動可能な試験装置20は、バスラインL1へのその接続の後に、発行ステップにおいて、試験コマンドをすべての電子雷管10に対して送信している。
【0133】
次いで、受信ステップS42は、これに応答して、運動可能な試験装置20にそれぞれの電子雷管10によって送信されたメッセージの同時又は個々の受信を可能にしている。
【0134】
受信ステップS42は、運動可能な試験装置20の受信手段21によって実装されている。
【0135】
次いで、設置方法は、それぞれの電子雷管10によって送信されたメッセージから、運動可能な試験装置20に接続されている電子雷管10の合計数を表す値の組Vを判定するステップS43を有する。
【0136】
判定ステップS43は、受信ステップS42において受け取られたメッセージから、マイクロプロセッサ23によって形成された判定手段によって実装されている。
【0137】
具体的には、運動可能な試験装置20によって判定されるこの値の組Vは、運動可能な試験装置20に接続された電子雷管10の合計数Nを有することができる。
【0138】
電子雷管10の合計数Nは、受信ステップS42において受け取られたメッセージの数から判定することができる。
【0139】
更に詳しくは、それぞれの電子雷管10が遅延カテゴリCxと関連付けられている図1に示されている実施形態においては、判定ステップS43において、値の組Vは、それぞれの遅延カテゴリCxごとに、メモリ手段11内において保存されている遅延カテゴリCxの参照xを有する電子雷管10の数Nxを有する。
【0140】
従って、それぞれの遅延カテゴリCxと関連する電子雷管の数の組Nxは、採掘面における電子雷管10の合計数Nを表す値の組Vを形成している。
【0141】
また、このような実施形態において、判定ステップS43は、以下の計算による電子雷管の合計数Nの具体的な判定を可能にすることができ、
【数1】
ここで、nは、実装される起爆レイアウトにおいて使用されている遅延カテゴリの数である。
【0142】
遅延カテゴリCxと関連する電子雷管10の数Nxの判定を可能にするために、受信ステップS42において、メッセージは、少なくとも、電子雷管10のメモリ手段11内において保存されている遅延カテゴリCxの参照xを有しており、これは、運動可能な試験装置20に接続されているそれぞれの電子雷管10用のものである。
【0143】
また、このような実施形態においては、次いで、受け取られたメッセージの組から、採掘面FZにおいて使用されている予め定義された遅延カテゴリの組の遅延カテゴリCxの数nを判定することができる。例えば、マイクロプロセッサ23は、受信されたメッセージから抽出された遅延カテゴリCxの異なる参照xの合計を演算するように構成されている。
【0144】
遅延カテゴリCxの数nは、後述するように少なくとも起爆をトリガする前の試験において、起爆レイアウトにおいて実装された予め定義された遅延カテゴリCxの組のそれぞれの遅延カテゴリCxの電子雷管10が実際に存在していることを後から検証するために有用である。
【0145】
或いは、この代わりに、それぞれの電子雷管10によって送信されるメッセージが、それぞれの電子雷管が関連付けられている遅延カテゴリCxに関する情報を有していないことも可能である。
【0146】
このケースにおいては、運動可能な試験装置20は、遅延カテゴリごとに、運動可能な試験装置20にメッセージを同時に発行している同一の遅延カテゴリCxと関連付けられた電子雷管10のみについて電子雷管10に問い合わせている。この結果、運動可能な試験装置20は、判定ステップS43において、遅延カテゴリCxと関連する電子雷管10の数Nxを判定することができる。
【0147】
このような実施形態においては、採掘面FZ用に使用されている遅延カテゴリCxは、電子雷管10が遅延カテゴリごとに問い合わせられることを可能にするために、運動可能なテスト装置20におけるメモリ内において保存されなければならない。
【0148】
従って、判定ステップS43において、値の組Vは、受け取られたメッセージの数から直接的に判定された且つ/又はそれぞれの遅延カテゴリCxの電子雷管の数Nxから間接的に判定された採掘面における電子雷管の合計数Nを有する。
【0149】
採掘面において電子雷管10を設置する設置方法の実装の際に判定されるこの情報は、起爆のトリガの時点においてそれぞれの電子雷管10の適切な動作及び正しい接続を検証するために有用であり、これは、採掘面における電子雷管10の設置後に数日にわたって又は場合によっては数週間にわたって発生し得る。
【0150】
これを目的として、設置方法は、1つ又は複数の電子雷管10において保存する対象であるデータセットDの運動可能な試験装置20による送信のステップS44を有する。
【0151】
受信ステップS42は、運動可能な試験装置20の受信手段22によって実装されている。データセットDは、1つ又は複数の電子雷管13の双方向通信手段13によって受け取られている。
【0152】
データセットDは、電子雷管10の保存手段12内において保存されるように構成されている。
【0153】
データセットDを保存している電子雷管10は、電子雷管10の組のうちから、運動可能な試験装置20により、ランダムな方式で選択されてもよく、或いは、その代わりに、それぞれの電子雷管10によって送信されたメッセージのパワーに従って選択されてもよい。この最後のケースにおいては、相対的に大きな振幅を有する応答信号を有する電子雷管10を選択することができる。
【0154】
保存する対象のデータセットDは、運動可能な試験装置20に接続された電子雷管10の合計数Nを表す値の組Vを有する。
【0155】
従って、設置方法は、少なくとも1つの電子雷管10の書き込み可能なメモリ内においてデータセットDを保存するステップS45を有する。
【0156】
従って、運動可能な試験装置20に接続された電子雷管10の合計数Nなどの情報は、バスラインL1に接続された1つ又は複数の電子雷管においてメモリ内において保存することができる。
【0157】
一実施形態において、送信ステップS44において、メモリ内において保存する対象のデータセットDは、バスラインL1に接続された電子雷管の組の電子雷管10のすべてに対して送信されている。
【0158】
従って、データセットDは、電子雷管の組のそれぞれの電子雷管10の保存手段12内において保存されている。
【0159】
次いで、メモリ内においてこのようにして保存された情報は、電子雷管10の任意のものにおいて利用可能である。
【0160】
従って、電子雷管10の一方又は他方のものの欠陥のケースにおいては、データセットDのメモリ内における冗長的な保存は、電子雷管10のすべてにおけるその情報の利用可能性を確実にすることを可能にしている。
【0161】
或いは、この代わりに、メモリ内における保存のステップS44において、遅延カテゴリCxと関連する電子雷管10の数Nxは、メモリ手段11内において保存されている遅延カテゴリCxのその参照を有する少なくとも1つの電子雷管10の保存手段12内においてメモリ内において保存されている。
【0162】
従って、それぞれの遅延カテゴリCxと関連する電子雷管10の数Nxのメモリ内における保存は、それぞれの遅延カテゴリCxの電子雷管10のうちにおいて分散されている。
【0163】
冗長性を理由として、遅延カテゴリCxと関連する電子雷管10の数Nxは、そのメモリ手段11内において保存されている遅延カテゴリCxのその参照を有するすべての電子雷管10の保存手段12内において保存することができる。
【0164】
また、電子雷管の合計数N及び/又はそれぞれの遅延カテゴリCxの電子雷管10の数Nxに加えて、保存する対象のデータセットDは、採掘面の組のうちからの採掘面の参照FZを有することができる。
【0165】
複数の起爆を計画する文脈において、図2を参照して上述されているそのプログラミングの時点における起爆レイアウトと関連する採掘面の参照FZは、後から、特にそれぞれの電子雷管用の遅延のプログラミングの前に、プログラミング対象である採掘面FZと共に使用される起爆レイアウトの間におけるマッチングを検証することを可能にしている。
【0166】
また、メモリ内において保存する対象のデータセットDは、採掘面FZにおいて使用される遅延カテゴリCxの数nを有することができる。
【0167】
電子雷管10を設置する設置方法及び運動可能な試験装置20によるその読み取り及びプログラミングは、このステージにおいて終了し得る。
【0168】
但し、起爆レイアウトに従ってそれぞれの電子雷管10と関連する予め定義された遅延の運動可能な試験装置20によるプログラミングを提供することも可能である。
【0169】
このケースにおいては、設置方法は、それぞれの遅延カテゴリCxを既定の起爆レイアウトに従って予め定義された遅延と関連付けている図3に示されているものなどの関連付けモデルTを選択するステップS46を更に有する。
【0170】
関連付けモデルTの選択は、運動可能な試験装置20のメモリ24内において保存されている関連付けモデルTから、操作者によって実行されている。
【0171】
この関連付けモデルTに基づいて、プログラミングステップS47が、運動可能な試験装置20によって実装されており、予め定義された遅延が、自身と関連付けられた遅延カテゴリCxに従ってそれぞれの電子雷管10に送信されている。次いで、予め定義された遅延は、それぞれの電子雷管10の保存手段12内において保存されている。
【0172】
従って、プログラミングステップS47は、関連付けモデルT及びそれぞれの電子雷管10のメモリ手段12内において保存されている遅延カテゴリCxの参照に基づいて実装されている。
【0173】
関連付けモデルTの使用は、メモリ内において保存されている遅延カテゴリCxの参照に基づいて電子雷管の組内の予め定義された遅延を同時にプログラミングすることを可能にしている。
【0174】
従って、起爆レイアウトによるそれぞれの電子雷管10内における遅延のプログラミングが促進されている。
【0175】
以下、図5を参照し、採掘面において設置された電子雷管の組を起爆させる方法について説明する。
【0176】
起爆方法は、図1に示されているように起爆装置33内において実装されており、これは、採掘面FZから、且つ、電子雷管10から、離れた状態において配置することができる。
【0177】
更には、電子雷管10の組を起爆させる方法は、発破孔内における電子雷管10の設置のステップの後に長期間が経過した時点において実装することができる。
【0178】
従って、起爆をトリガする前に、電子雷管10の組が、実際に動作自在状態にあり、且つ、起爆命令を受け取るために起爆装置30に接続されている、ことを試験することが最も重要である。
【0179】
これを目的として、起爆方法は、まず、電子雷管10の組を起爆装置30に接続するステップS51を有する。
【0180】
実際に、接続は、採掘面において設置の時点において電子雷管10に接続されているバスラインL1に接続された起爆ラインL2によって実行することができる。
【0181】
次いで、起爆方法は、それぞれの電子雷管10によって送信されたメッセージを受け取るステップS52を有する。
【0182】
従って、起爆装置30は、受信手段31において、起爆装置30に接続されている電子雷管10の組によって送信されたメッセージの数N′を受け取っている。
【0183】
電子雷管10によるメッセージの発行は、接続の時点における電子雷管10のパワーアップ及び/又は起爆装置30のパワーアップの時点において自発的なものであってよい。
【0184】
一代替実施形態において、起爆装置30は、送信手段32による電子雷管10の組に対する試験コマンドの送信のステップを実装するように構成することができる。
【0185】
次いで、受信ステップS52は、これに応答して、それぞれの電子雷管10によって送信されたメッセージを受け取るように構成されている。
【0186】
また、起爆方法は、少なくとも1つの電子雷管10の保存手段12内において保存されているデータセットDを受け取るステップS53を有する。
【0187】
上述のように、データセットDは、採掘面において設置された電子雷管の組の1つの、いくつかの、又はすべての、電子雷管10内のメモリ内において保存することができる。
【0188】
更に詳しくは、且つ、限定を伴うことなしに、それぞれの電子雷管10が遅延カテゴリCxと関連付けられている図1に示されている実装形態においては、それぞれの電子雷管10によって送信されたメッセージを受け取るステップS52において、メッセージは、少なくとも、電子雷管10のメモリ手段11内において保存されている遅延カテゴリCxの参照を更に有する。
【0189】
或いは、この代わりに、起爆装置30は、それぞれの遅延カテゴリCxごとに、遅延カテゴリCxの同一の保存されている参照を有する電子雷管10のサブセットに送信される試験コマンドを送信するステップを実装するように構成することもできる。
【0190】
従って、受け取られるメッセージの数は、その遅延カテゴリCxと関連する電子雷管10の現時点の数に直接的に対応している。
【0191】
次いで、起爆方法は、データセットDから、採掘面において電子雷管10の組の設置の時点において運動可能な試験装置20に接続された電子雷管10の合計数Nを表す値の組Vを抽出するステップS54を有する。
【0192】
抽出ステップS54は、起爆装置30のマイクロプロセッサ33によって実装されている。
【0193】
上述のように、電子雷管の合計数を表す値の組は、バスラインL1に接続された電子雷管10の合計数Nに且つ/又はそれぞれの遅延カテゴリCxと関連する電子雷管10の数Nxに対応してもよく、これは、予め定義された遅延カテゴリCxの組{1,...,x,...,n}のためのものである。
【0194】
また、抽出ステップS54においては、データセットDから、関連する採掘面の参照Fzのみならず、電子雷管10の設置の時点において採掘面内において使用される遅延カテゴリCxの数nを抽出することが可能である。
【0195】
起爆方法は、それぞれの電子雷管10によって送信されるメッセージを受け取るステップS52に基づいて、起爆装置30に接続された電子雷管10の現時点の数N′を判定するステップS55を更に有する。
【0196】
判定ステップS55は、起爆装置30のマイクロプロセッサ33の計算装置によって実装されている。
【0197】
従って、現時点の数N′は、受信ステップS52において受け取られたメッセージの合計から算出することができる。
【0198】
受信ステップS52において受け取られたメッセージがそれぞれの電子雷管10内のメモリ内において保存されている遅延カテゴリCxの参照を有する実施形態においては、判定ステップS55は、それぞれの遅延カテゴリCxごとに、その遅延カテゴリCxと関連する電子雷管10の現時点の数N′xを判定するように構成されている。
【0199】
電子雷管10が遅延カテゴリごとに起爆装置30によって問い合わせられている実施形態においては、試験コマンドのそれぞれの送信に応答して受け取られるメッセージの数は、その遅延カテゴリCxと関連する電子雷管10の現時点の数N′xに対応している。
【0200】
また、それぞれの遅延カテゴリCxと関連する電子雷管10の現時点の数N′xは、その代わりに、合計計算により、起爆装置30に接続されている電子雷管の現時点の数N′を判定することを可能にしている。
【0201】
従って、電子雷管10によって送信されるデータセットDに基づいて、起爆装置30において、採掘面における電子雷管10の設置状態及び特にバスラインL1に接続された電子雷管の合計数Nのみならず、それぞれの遅延カテゴリCxと関連する電子雷管10の数Nxを知ることが可能であることに留意されたい。
【0202】
従って、この情報は、1つ又は複数の電子雷管10から起爆装置30に直接的に送信することが可能であり、且つ、運動可能な試験装置20又は任意のその他の情報媒体による任意の情報転送を回避することができる。抽出及び判定ステップS54及びS55に基づいて、比較ステップS56が起爆装置30のマイクロプロセッサ33によって実装されている。
【0203】
この比較ステップS56において、起爆装置30に接続された電子雷管10の現時点の数N′が、電子雷管10の設置の時点における運動可能な試験装置20に接続されている電子雷管の合計数Nを表す値の組と比較されている。
【0204】
上述のように、現時点の数N′は、受信ステップS52において受け取られるメッセージの数から算出されている。
【0205】
比較ステップS56において、現時点の数N′が、電子雷管10の合計数Nと、或いは、それぞれの遅延カテゴリCxと関連する電子雷管10のNxの合計と、比較されている。
【0206】
実際に、現時点の数N′は、
N′=N、
又は、
【数2】
である際に、合計数Nを表す値の組Vと一貫性を有しており、ここで、nは、採掘面における電子雷管の設置の時点において予め定義された組の遅延カテゴリの数である。
【0207】
また、それぞれの電子雷管10が遅延カテゴリCxと関連付けられている実施形態においては、比較ステップS56は、xが{1,...,n}に属する状態において、それぞれの遅延カテゴリCxごとの、遅延カテゴリCxと関連する電子雷管10の数Nxとの間における起爆装置30に接続された電子雷管10の現時点の数N′xの比較を有する。
【0208】
実際に、起爆装置30に接続されている電子雷管10の現時点の数N′xは、
N′x=Nx
である際に、遅延カテゴリCxと関連する電子雷管10の数Nxと一貫性を有しており、これは、任意の遅延カテゴリCxのためのものであり、且つ、xは、{1,...,n}に属している。
【0209】
1つ又は複数の比較の結果に応じて、遅延カテゴリCxと関連する電子雷管が実装される際に、現時点の数N′が、設置の時点において運動可能な試験装置20に接続されている電子雷管10の合計数Nを表す値の組と一貫性を有する場合には、且つ、すべての遅延カテゴリCxについて、現時点の数N′xが、電子雷管10の設置の時点において遅延カテゴリCxと関連している電子雷管10の数Nxと一貫性を有する場合には、検証メッセージVAL-OKを発行するステップS57が実装されている。
【0210】
メッセージを発行するこのステップS57は、可聴メッセージ又は起爆装置30の表示画面35上において表示される情報又は警告を発行することにより、実行することができる。
【0211】
上述のように、それぞれの電子雷管10と関連する予め定義された遅延のプログラミングは、起爆装置30によって実装することができる。
【0212】
このケースにおいては、設置方法は、それぞれの遅延カテゴリCxごとに、既定の起爆レイアウトに従って予め定義された遅延を関連付けている図3に示されているものなどの関連付けモデルTを選択するステップS58を更に有する。関連付けモデルTの選択は、起爆装置30のプログラム可能なメモリ34内において保存されている関連付けテンプレートに基づいて実装することができる。
【0213】
いくつかの起爆が、プログラミングされ、且つ、起爆装置30による実装を要する際に、採掘面の参照FZは、選択された起爆レイアウトに対応する関連付けモデルTを選択することを可能にしている。
【0214】
関連付けモデルTにより、単一プログラミングステップS59において、予め定義された遅延をすべての電子雷管10内において同時にプログラミングすることができる。
【0215】
従って、プログラミングステップS59は、関連付けモデルT及びそれぞれの電子雷管10のメモリ手段11内において保存されている遅延カテゴリCxの参照に基づいて実装されている。
【0216】
実際に、それぞれの遅延カテゴリCxと関連する予め定義された遅延を関連付けモデルTに従って有する一般的なメッセージは、すべての電子雷管10に送信されてもよく、この場合に、それぞれの予め定義された遅延のプログラミングは、それぞれの電子雷管10のメモリ手段11内において保存されている遅延カテゴリCxの参照に従って実装されている。
【0217】
従って、起爆レイアウトによるそれぞれの電子雷管10内における遅延のプログラミングが促進されている。
【0218】
起爆装置30による電子雷管10の組の接続のこの試験及び検証の手順と、任意選択により、それぞれの電子雷管10と関連する遅延のプログラミングと、の後に、起爆をトリガするために、起爆命令を送信するステップS60を十分な安全状態において実装することができる。
【0219】
逆に、比較ステップS56に加えて、電子雷管10の現時点の数N′が、設置の時点において運動可能な試験装置20に接続されている電子雷管の合計数Nを表す値の組Vと一貫性を有していない場合には、非検証のメッセージVAL-NOKを発行するステップS61が実装されている。
【0220】
このVAL-NOKメッセージは、操作者に送信され、且つ、電子雷管10のすべてが接続されているわけではない、欠陥を有する、或いは、さもなければ、設置の時点において発破孔内に充填されたもの超の数を有する際に起爆をトリガすることを回避している。また、このVAL-NOKメッセージは、可聴警告又は起爆装置30の画面35上において表示されるメッセージであってよい。
【0221】
また、それぞれの電子雷管10が遅延カテゴリCxと関連付けられている実施形態においては、比較ステップS56は、遅延カテゴリCxと関連する電子雷管10の数Nxとの間における電子雷管10の現時点の数N′xのそれぞれの遅延カテゴリCxごとの比較を有する。
【0222】
現時点の数N′xが、少なくとも1つの遅延カテゴリCxの数Nxと異なっている場合には、非検証メッセージVAL-NOKを発行するステップS61が実装されている。
【0223】
現時点の数N′fが、メモリ内において保存されている遅延カテゴリCfの参照を有する電子雷管10の数Nfと異なっている1つ又は複数の遅延カテゴリCfを識別するために、識別ステップS62が実装されている。
【0224】
従って、識別ステップS62は、例えば、1つ又は複数の更なる電子雷管10が存在している又は欠陥を有する又は起爆装置30に接続されていない1つ又は複数の電子雷管が存在している1つ又は複数の遅延カテゴリCfについて操作者に通知することを可能にしている。
【0225】
起爆の工程における欠陥を有する電子雷管10の重要性に従って、操作者は、起爆を中断又はトリガするように決定することができる。
【0226】
従って、起爆ステップS62は、改善されたリモート起爆の管理を可能にし、これにより、起爆レイアウトにおける欠陥を有する電子雷管10の識別により、採掘面における介入を回避している。
【0227】
当然のことながら、本発明は、記述及び図示されている実施形態に限定されるものではない。
【0228】
具体的には、設置及び起爆の方法は、後からプログラミングする対象の遅延に従って分類されてはいない電子雷管を使用して実装することできる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】