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特表2023-554476大環状K-RAS G12C阻害剤、その製造方法および使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-27
(54)【発明の名称】大環状K-RAS G12C阻害剤、その製造方法および使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 498/22 20060101AFI20231220BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20231220BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231220BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
C07D498/22 CSP
A61K31/519
A61P35/00
A61P35/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537353
(86)(22)【出願日】2021-10-18
(85)【翻訳文提出日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 CN2021124469
(87)【国際公開番号】W WO2022134773
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】202011518497.8
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519166372
【氏名又は名称】アビスコ セラピューティクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シュン グオリャン
(72)【発明者】
【氏名】ユ ホンピン
(72)【発明者】
【氏名】チェン チュイ
(72)【発明者】
【氏名】シュウ ヤオチャン
【テーマコード(参考)】
4C072
4C086
【Fターム(参考)】
4C072AA01
4C072AA03
4C072BB04
4C072CC04
4C072CC11
4C072CC13
4C072EE09
4C072FF09
4C072FF16
4C072GG01
4C072GG06
4C072GG07
4C072HH07
4C072JJ02
4C072JJ03
4C072UU01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB22
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
(57)【要約】
本発明は、大環状K-RAS G12C阻害剤、その製造または使用に関するものである。本発明は、K-RAS G12C変異によって少なくとも部分的に媒介される癌または腫瘍、特に肺、肝胆道、消化管、血液系、皮膚、骨、泌尿生殖器、神経系、婦人科または副腎関連の悪性腫瘍または癌を治療するための薬剤の製造に広く適用されうる。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩であって、
【化1】
ここで、Xは、C(R)またはNであり、
は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン置換C1-4アルコキシ基、重水素置換C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、4-6員複素環基、アセトアミド基および-SFから選択され、
2aは、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン置換C1-4アルコキシ基、重水素置換C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、4-6員複素環基、アセトアミド基および-SFから選択され、
2bは、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン置換C1-4アルコキシ基、重水素置換C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、4-6員複素環基、アセトアミド基および-SFから選択され、
2cは、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン置換C1-4アルコキシ基、重水素置換C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、4-6員複素環基、アセトアミド基および-SFから選択され、
とRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-SF、-S(O)10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR1314、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR1314および-N(R13)-C(O)R12から選択され、または、RとRは、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)、3-12員シクロアルキル基または3-12員複素環基を形成し、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-SF、-S(O)10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR1314、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR1314および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
とRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-SF、-S(O)10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR1314、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR1314および-N(R13)-C(O)R12から選択され、または、RとRは、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)、3-12員シクロアルキル基または3-12員複素環基を形成し、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-SF、-S(O)10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR1314、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR1314および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
、R、R、Rが同時に水素でないことが条件であり、
または、RとRは、それらが直接結合している部分と一緒になって3-12員シクロアルキル基または3-12員複素環基を形成し、前記3-12員シクロアルキル基または3-12員複素環基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8アルキル-SF、-C0-8アルキル-S(O)10、-C0-8アルキル-O-R11、-C0-8アルキル-C(O)OR11、-C0-8アルキル-C(O)R12、-C0-8アルキル-O-C(O)R12、-C0-8アルキル-NR1314、-C0-8アルキル-C(=NR13)R12、-C0-8アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-8アルキル-C(O)NR1314および-C0-8アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、RおよびRは、上記で定義されたとおりであり、
mは、0、1、2、3、または4であり、
各Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、4-6複素環基、-SF、C2-4アルキニル基、シアノ置換C1-4アルキル基、ヒドロキシ置換C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基および重水素置換C1-4アルキル基から選択され、またはm≧2の場合、2つのRは、それらが結合している部分と一緒になってC3-12シクロアルキル基または3-12複素環基を形成し、
とRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8アルキル-SF、-C0-8アルキル-S(O)10、-C0-8アルキル-O-R11、-C0-8アルキル-C(O)OR11、-C0-8アルキル-C(O)R12、-C0-8アルキル-O-C(O)R12、-C0-8アルキル-NR1314、-C0-8アルキル-C(=NR13)R12、-C0-8アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-8アルキル-C(O)NR1314および-C0-8アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8アルキル-SF、-C0-8アルキル-S(O)10、-C0-8アルキル-O-R11、-C0-8アルキル-C(O)OR11、-C0-8アルキル-C(O)R12、-C0-8アルキル-O-C(O)R12、-C0-8アルキル-NR1314、-C0-8アルキル-C(=NR13)R12、-C0-8アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-8アルキル-C(O)NR1314および-C0-8アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択される一つまたは複数の置換基によって置換され、
各R10は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基または-NR1314から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、オキソ、シアノ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-12シクロアルキル基、C3-12シクロアルコキシ基、3-12員複素環基、3-12員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基および-NR1314から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
各R11は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C5-10アリール基または5-10員ヘテロアリール基から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、オキソ、シアノ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-12シクロアルキル基、C3-12シクロアルコキシ基、3-12員複素環基、3-12員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基および-NR1314から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
各R12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-12シクロアルキル基、C3-12シクロアルコキシ基、3-12員複素環基、3-12員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基および-NR1314から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、シアノ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-12シクロアルキル基、C3-12シクロアルコキシ基、3-12員複素環基、3-12員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基および-NR1314から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
各R13とR14は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、スルホニル基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、シクロプロピルスルホニル基、トシル基、アミノ基、C1-8アルキル一置換アミノ基、C1-8アルキル二置換アミノ基およびC1-10アルカノイル基から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-8アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-12シクロアルキル基、C3-12シクロアルコキシ基、3-12員複素環基、3-12員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、C1-8アルキル一置換アミノ基、C1-8アルキル二置換アミノ基およびC1-10アルカノイル基から選択される1つまたは複数の置換基によって置換されるか、
または、R13とR14は、その直接結合した窒素原子と一緒に4-12員複素環基を形成し、前記4-12員複素環基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-12シクロアルキル基、C3-12シクロアルコキシ基、3-12員複素環基、3-12員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、C1-8アルキル一置換アミノ基、C1-8アルキル二置換アミノ基およびC1-10アルカノイル基から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
各rは、それぞれ独立して0、1または2であることを特徴とする、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
とRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8ヘテロアリール基、-SF、-S(O)10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR1314、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR1314および-N(R13)-C(O)R12から選択され、または、RとRは、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)、3-6員シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-SF、-S(O)10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR1314、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR1314および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
とRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-SF、-S(O)10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR1314、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR1314および-N(R13)-C(O)R12から選択され、または、RとRは、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)、3-6員シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-SF、-S(O)10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR1314、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR1314および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
、R、R、Rが同時に水素でないことが条件であり、
または、RとRは、それらが直接結合している部分と一緒になって3-6員環アルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記3-6員環アルキル基または3-6員複素環基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員複素アリール基、=O、C0-4アルキル-SF、-C0-4アルキル-S(O)10、-C0-4アルキル-O-R11、-C0-4アルキル-C(O)OR11、-C0-4アルキル-C(O)R12、-C0-4アルキル-O-C(O)R12、-C0-4アルキル-NR1314、-C0-4アルキル-C(=NR13)R12、-C0-4アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-4アルキル-C(O)NR1314および-C0-4アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、RおよびRは、上記で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
は、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン置換C1-4アルコキシ基、重水素置換C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、4-6員複素環基および-SFから選択され、
2aは、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン置換C1-4アルコキシ基、重水素置換C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、4-6員複素環基および-SFから選択され、
2bは、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン置換C1-4アルコキシ基、重水素置換C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、4-6員複素環基および-SFから選択され、
2cは、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン置換C1-4アルコキシ基、重水素置換C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、4-6員複素環基および-SFから選択されることを特徴とする
請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
各Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基、C1-4アルキル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、4-6員複素環基、-SFおよびシアノ置換C1-4アルキル基から選択され、または、m≧2の場合、2つのRは、それらが結合している部分と一緒になってC3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成し、
好ましくは、各Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、イソプロポキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロブトキシ基、シアノメチル基および-SFから選択されることを特徴とする
請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
とRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6複素環基、C5-8アリール基、5-8ヘテロアリール基、-C0-4アルキル-SF、-C0-4アルキル-S(O)10、-C0-4アルキル-O-R11、-C0-4アルキル-C(O)OR11、-C0-4アルキル-C(O)R12、-C0-4アルキル-O-C(O)R12、-C0-4アルキル-NR1314、-C0-4アルキル-C(=NR13)R12、-C0-4アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-4アルキル-C(O)NR1314および-C0-4アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-C0-4アルキル-SF、-C0-4アルキル-S(O)10、-C0-4アルキル-O-R11、-C0-4アルキル-C(O)OR11、-C0-4アルキル-C(O)R12、-C0-4アルキル-O-C(O)R12、-C0-4アルキル-NR1314、-C0-4アルキル-C(=NR13)R12、-C0-4アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-4アルキル-C(O)NR1314および-C0-4アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
好ましくは、RとRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-SF、-S(O)10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR1314、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR1314および-N(R13)-C(O)R12から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-SF、-S(O)10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR1314、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR1314および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
ここで、R10、R11、R12、R13、R14およびrは、請求項1で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
式(I)の化合物は、下記式(II)の化合物構造を有し、
【化2】
ここで、Xは、CHまたはNであり、
は、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジデューテロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリデューテリオメトキシ基、ジデューテリオメトキシ基、トリフルオロイソプロポキシ基、トリデューテリオイソプロポキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基およびシクロブトキシ基から選択され、
2aは、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジデューテロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリデューテリオメトキシ基、ジデューテリオメトキシ基、トリフルオロイソプロポキシ基、トリデューテリオイソプロポキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基およびシクロブトキシ基から選択され、
2bは、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジデューテロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリデューテリオメトキシ基、ジデューテリオメトキシ基、トリフルオロイソプロポキシ基、トリデューテリオイソプロポキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基およびシクロブトキシ基から選択され、
とRは、それぞれ独立して、水素、重水素、-O-R11および-O-C(O)R12から選択されか、または、RとRは、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)、3-6員シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-SF、-S(O)10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR1314、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR1314および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
とRは、それぞれ独立して、水素、重水素、-O-R11および-O-C(O)R12から選択されるか、または、RとRは、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)、3-6員シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-SF、-S(O)10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR1314、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR1314および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
、R、R、Rが同時に水素でないことが条件であり、
または、RとRは、それらが直接結合している部分と一緒になって3-6員環アルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記3-6員環アルキル基または3-6員複素環基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6複素環基、=O、-SF、-S(O)10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-C0-2アルキル-NR1314、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR1314および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、RおよびRは、上記で定義されたとおりであり、
7aは、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、イソプロポキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基およびシクロブトキシ基から選択され、
7bは、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、イソプロポキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基およびシクロブトキシ基から選択され、
は、水素、重水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジデューテロメチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、アゼチジニル基、オキセタニル基、メトキシ基、エトキシ基およびイソプロポキシ基から選択され、
ここで、R10、R11、R12、R13、R14およびrは、請求項1で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
式(I)の化合物は、下記式(III)の化合物構造を有し、
【化3】
ここで、Rは、水素、重水素、フッ素または塩素であり、R2aは、水素、重水素、フッ素または塩素であり、R2bは、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基およびシクロプロピル基から選択され、R7aは、水素、重水素、フッ素、塩素、メチル基、エチル基、イソプロポキ基シ、シクロプロピル基、シクロブチル基およびシクロブトキシ基から選択され、R、R、RおよびRは、請求項6で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項6に記載の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
は、-O-R11または-O-C(O)R12から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-SF、-S(O)10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR1314、-C(O)NR1314および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、Rは、水素および重水素から選択され、
は、水素、重水素、-O-R11または-O-C(O)R12から選択され、Rは、水素および重水素から選択され、または、RとRは、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)、3-6員シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-SF、-S(O)10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR1314、-C(O)NR1314および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
ここで、R10、R11、R12、R13、R14およびrは、請求項7で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項7に記載の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
は、ヒドロキシ基、
【化4】
から選択され、Rは、水素および重水素から選択され、
は、水素、重水素、ヒドロキシ基、
【化5】
から選択され、Rは、水素および重水素から選択され、または、RとRは、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)、シクロプロピル基、シクロブチル基、アゼチジニル基またはオキセタニル基を形成することを特徴とする
請求項8に記載の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
とRは、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)を形成し、
は、水素、重水素、-O-R11および-O-C(O)R12から選択され、Rは、水素および重水素から選択され、または、RとRは、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)、3-6員シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-SF、-S(O)10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR1314、-C(O)NR1314および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
ここで、R10、R11、R12、R13、R14およびrは、請求項7で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項7に記載の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
とRは、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)を形成し、
は、水素、重水素、ヒドロキシ基、
【化6】
から選択され、Rは、水素および重水素から選択され、または、RとRは、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)、シクロプロピル基、シクロブチル基、アゼチジニル基またはオキセタニル基を形成することを特徴とする
請求項10に記載の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
とRは、それらが直接結合している部分と一緒になって3-6員シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記基3-6員シクロアルキル基または3-6員複素環式は、さらに任意に、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6複素環基、=O、-SF、-S(O)10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-CH-NR1314、-C(O)NR1314および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、Rは、水素および重水素から選択され、Rは、水素および重水素から選択され、
ここで、R10、R11、R12、R13、R14およびrは、請求項7で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項7に記載の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
とRは、それらが直接結合している部分と一緒になって
【化7】
を形成し、前記
【化8】
は、さらに任意に、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジデューテロメチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、アゼチジニル基、オキセタニル基、=O、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基および
【化9】
から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、Rは、水素および重水素から選択され、Rは、水素および重水素から選択されることを特徴とする
請求項12に記載の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
各R10は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基またはNR1314から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、オキソ、シアノ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルコキシ基、3-6員複素環基、3-8員複素環オキシ基、C5-8アリール基、C5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基またはNR1314から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
各R11は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基または5-8員ヘテロアリール基から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、オキソ、シアノ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルコキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C5-8アリール基、C5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基またはNR1314から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
各R12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルコキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C5-8アリール基、C5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基またはNR1314から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、シアノ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルコキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C5-8アリール基、C5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基またはNR1314から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
各R13とR14は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、スルホニル基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、シクロプロピルスルホニル基、トシル基、アミノ基、C1-4アルキル一置換アミノ基、C1-4アルキル二置換アミノ基またはC1-4アルカノイル基から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルコキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C5-8アリール基、C5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、C1-4アルキル一置換アミノ基、C1-4アルキル二置換アミノ基、C1-4アルカノイル基から選択される1つまたは複数の置換基によって置換されるか、
または、R13およびR14は、その直接結合した窒素原子と一緒に4-6員複素環基を形成し、前記4-6員複素環基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルコキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C5-8アリール基、C5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、C1-4アルキル一置換アミノ基、C1-4アルキル二置換アミノ基またはC1-4アルカノイル基から選択される1つまたは複数の置換基によって置換されることを特徴とする
請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
下記に示される化合物から選択されることを特徴とする
請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【化10】
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩の製造方法であって、
以下の工程を含み、
【化11】
ここで、Rは、Hまたはアミノ保護基であり、好ましくは、前記アミノ保護基は、tert-ブトキシカルボニル保護基であり、R、R2a、R2b、R2c、R、R、R、R、R、R、Xおよびmは、請求項1で記載された通りであることを特徴とする、前記請求項1~15のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩の製造方法。
【請求項17】
薬物組成物であって、
請求項1~15のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩および薬用可能な担体とを含むことを特徴とする、前記薬物組成物。
【請求項18】
K-RAS G12C変異によって少なくとも部分的に媒介される腫瘍または癌の治療のための薬剤の製造における、請求項1-15のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項19】
前記腫瘍または癌は、肺悪性腫瘍または癌、肝胆悪性腫瘍または癌、消化管悪性腫瘍または癌、血液悪性腫瘍または癌、肉腫、皮膚悪性腫瘍または癌、骨悪性腫瘍または癌、泌尿生殖器悪性腫瘍または癌、神経悪性腫瘍または癌、婦人科悪性腫瘍または癌および副腎悪性腫瘍または癌からなる群から選択されることを特徴とする
前記請求項18に記載の使用。
【請求項20】
前記肺悪性腫瘍または癌は、気管支癌(扁平上皮癌、未分化小細胞癌、未分化大細胞癌、または腺癌)、非小細胞肺癌、気管支癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫または中皮腫からなる群から選択され、
前記肝胆悪性腫瘍または癌は、肝癌、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫、胆嚢癌、膨大部癌または胆管癌から選択され、
前記消化管悪性腫瘍または癌は、食道悪性腫瘍または癌(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫またはリンパ腫)、胃悪性腫瘍または癌(癌、リンパ腫または平滑筋肉腫)、膵臓悪性腫瘍または癌(導管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド、ブドウ膜腫)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸悪性腫瘍または癌(腺癌、腺腫、腺腫、管状腺腫)または平滑筋腫からなる群から選択され、
前記血液学的悪性腫瘍または癌は、急性または慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、ホジキン病または非ホジキンリンパ腫から選択され、
前記肉腫は、血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫、粘液性腫瘍、横紋筋肉腫、線維腫、脂肪腫、または奇形腫から選択され、
前記皮膚悪性腫瘍または癌は、悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、母斑母斑、増殖母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイドまたは乾癬から選択され、
前記骨悪性腫瘍または癌は、骨形成肉腫、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、骨軟骨腫、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘膜線維腫、類骨腫または巨細胞腫からなる群から選択され、
前記泌尿器系悪性腫瘍または癌は、腎臓悪性腫瘍または癌(腺癌、ウィルム腫瘍または腎芽腫)、リンパ腫、白血病、膀胱または尿道悪性腫瘍または癌(扁平上皮癌、転移細胞癌または腺癌)、前立腺悪性腫瘍または癌(腺癌または肉腫)、精巣悪性腫瘍または癌(血腫、奇形腫、胚性癌または奇形腫)、絨毯癌、肉腫、間葉系細胞癌、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍または脂肪腫から選択され、
前記神経系悪性腫瘍または癌は、骨髄腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎、髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、生殖器腫、多形膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽腫、先天性腫瘍、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、または肉腫からなる群から選択され、
前記婦人科悪性腫瘍または癌は、子宮内膜癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌または未分類癌)、顆粒性鞘腫、間質性精巣腫瘍、筋膜異常腫瘍、悪性奇形腫、扁平上皮癌、線維上皮癌、腺上皮癌、黒色腫、明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫または卵管癌からなる群から選択され、
前記副腎悪性腫瘍または癌は、神経芽腫から選択されることを特徴とする
請求項19に記載の使用。
【請求項21】
K-RAS G12C変異によって少なくとも部分的に媒介される腫瘍または癌を治療するための薬物として使用される、請求項1-15のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は、薬物合成の分野に属し、具体的に、K-RAS G12C阻害剤、その製造方法および使用に関する。
【0002】
[背景技術]
RAS遺伝子ファミリーには、HRAS、KRAS、NRASがあり、これらは癌遺伝子として頻繁に変異している。変異したRASタンパク質は、ヒトの腫瘍の20-30%に存在する。活性化したRASタンパク質は、細胞増殖やプログラム細胞死の調節障害、浸潤性の増大、新生血管形成など、癌細胞の悪性表現型に寄与している。RASタンパク質はGTP/GDPに対する親和性が高く、明確な結合ポケットがないため、RASタンパク質を標的とした薬剤の開発は遅れている。
【0003】
通常の状態では、RASタンパク質は分子スイッチとして働き、GDP結合の不活性状態とGTP結合の活性状態を交互に繰り返す。RASタンパク質は、外因性成長因子による刺激とグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)による促進を受けて、不活性なGDP結合型から活性なGTP結合型に変化し、下流のシグナル伝達経路に結合して活性化することができる。その後、RASが本来持っているGTPase活性とGTPaseactivation/accelerationprotein(GAP)の助けを借りて、不活性なGDP結合型に戻る。
【0004】
コドン12、13、61のミスセンス変異は、RASの異常な活性化を引き起こす。これらの変異は、RASタンパク質がGTP結合状態にある時間を延長し、下流のシグナル伝達経路を持続的に活性化することにつながる。K-RASは、膵臓癌(71%)、小腸癌(35%)、結腸癌(35%)、胆道癌(26%)、子宮内膜癌(17%)、肺癌(19%)など、ヒト癌のRASファミリーに最も多く見られる変異サブタイプである。変異部位別に見ると、膵臓癌、肺癌、大腸癌のK-RASでは、G12D/G12V/G12C/G13Dの変異が最も多く見られた。
【0005】
K-RASの阻害剤は、このタンパク質のための明確なポケットがないため、開発が困難である。最近の研究により、K-RASのGDP結合状態において、これまで未同定であったポケットが同定された。これらの新しい知見に基づき、コドン12変異システインを標的とした共有結合阻害剤は、K-RAS阻害剤開発のホットトピックとして浮上してきた。これまで、変異型K-RASはGTP結合型の活性化状態に固定されていると考えられていた。しかし、G12C変異体は依然として比較的高いGTP加水分解活性を持つため、GDPと結合したK-RASの共有結合阻害剤に対してより感受性が高いことが後に判明した。最近、K-RAS G12C変異を標的としたいくつかの共有結合阻害剤が初期の臨床試験に入った。
【0006】
[発明の概要]
広範囲かつ集中的な研究の結果、本願発明者らは、初めて大環状K-RAS G12C阻害剤、その製造方法および使用を開発した。本発明シリーズの化合物は、K-RAS酵素学及び細胞活性に対して強い阻害効果を有し、K-RAS G12C変異によって少なくとも部分的に媒介される癌または腫瘍の治療のための薬剤製造の際に広く使用することができる。特に肺、肝臓及び胆道、消化器系、血液系、皮膚、骨、泌尿器系、神経系、婦人科系、副腎系の悪性腫瘍や癌を対象に、新世代のK-RAS G12C阻害剤としての開発が期待されている。
【0007】
本発明の第1の側面では、一般式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0008】
【化1】
【0009】
ここで、Xは、C(R9)またはNであり、
R1は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン置換C1-4アルコキシ基、重水素置換C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、4-6員複素環基、アセトアミド基および-SF5から選択され、
R2aは、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン置換C1-4アルコキシ基、重水素置換C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、4-6員複素環基、アセトアミド基および-SF5から選択され、
R2bは、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン置換C1-4アルコキシ基、重水素置換C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、4-6員複素環基、アセトアミド基および-SF5から選択され、
R2cは、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン置換C1-4アルコキシ基、重水素置換C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、4-6員複素環基、アセトアミド基および-SF5から選択され、
R3とR4は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-SF5、-S(O)rR10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR13R14、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR13R14および-N(R13)-C(O)R12から選択され、または、R3とR4は、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)、3-12員シクロアルキル基または3-12員複素環基から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-SF5、-S(O)rR10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR13R14、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR13R14および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
R5とR6は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-SF5、-S(O)rR10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR13R14、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR13R14および-N(R13)-C(O)R12から選択され、または、R5とR6は、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)、3-12員シクロアルキル基または3-12員複素環基から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-SF5、-S(O)rR10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR13R14、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR13R14および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
R3、R4、R5、R6が同時に水素でないことが条件であり、
または、R4とR5は、それらが直接結合している部分と一緒になって3-12員シクロアルキルまたは3-12員複素環基を形成し、前記3-12員シクロアルキルまたは3-12員複素環基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C5-10アリール基、5-10員複素アリール基、=O、C0-8アルキル基-SF5、-C0-8アルキル基-S(O)rR10、-C0-8アルキル基-O-R11、-C0-8アルキル基-C(O)OR11、-C0-8アルキル基-C(O)R12、-C0-8アルキル-O-C(O)R12、-C0-8アルキル-NR13R14、-C0-8アルキル-C(=NR13)R12、-C0-8アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-8アルキル-C(O)NR13R14および-C0-8アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、R3とR6は上記で定義されたとおりであり、
mは0、1、2、3、または4であり、
各R7は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、4-6員複素環基、-SF5、C2-4アルキニル基、シアノ置換C1-4アルキル基、ヒドロキシ置換C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基および重水素置換C1-4アルキル基から選択され、またはm≧2の場合、2つのR7はそれと結合した部分と一緒にC3-12シクロアルキル基または3-12員複素環基を形成す、
R8とR9は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C5-10アリール基、5-10ヘテロアリール基、-C0-8アルキル-SF5、-C0-8アルキル-S(O)rR10、-C0-8アルキル-O-R11、-C0-8アルキル-C(O)OR11、-C0-8アルキル-C(O)R12、-C0-8アルキル-O-C(O)R12、-C0-8アルキル-NR13R14、-C0-8アルキル-C(=NR13)R12、-C0-8アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-8アルキル-C(O)NR13R14および-C0-8アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8アルキル-SF5、-C0-8アルキル-S(O)rR10、-C0-8アルキル-O-R11、-C0-8アルキル-C(O)OR11、-C0-8アルキル-C(O)R12、-C0-8アルキル-O-C(O)R12、-C0-8アルキル-NR13R14、-C0-8アルキル-C(=NR13)R12、-C0-8アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-8アルキル-C(O)NR13R14および-C0-8アルキル-N(R13)-C(O)R12から一つまたは複数の置換基によって置換され、
各R10は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基および-NR13R14から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、オキソ、シアノ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-12シクロアルキル基、C3-12シクロアルキルオキシ基、3-12員複素環基、3-12員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基および-NR13R14から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
各R11は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C5-10アリール基および5-10員ヘテロアリール基から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、オキソ、シアノ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-12シクロアルキル基、C3-12シクロアルキルオキシ基、3-12員複素環基、3-12員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基および-NR13R14から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
各R12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-12シクロアルキル基、C3-12シクロアルキルオキシ基、3-12員複素環基、3-12員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基および-NR13R14から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、シアノ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-12シクロアルキル基、C3-12シクロアルキルオキシ基、3-12員複素環基、3-12員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基および-NR13R14から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
各R13とR14は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、スルホニル基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、シクロプロピルスルホニル基、トシル基、アミノ基、モノC1-8アルキルアミノ基、ジC1-8アルキルアミノ基およびC1-10アルカノイル基から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-8アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-12シクロアルキル基、C3-12シクロアルコキシ基、3-12員複素環基、3-12員複素環基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、C1-8アルキル一置換アミノ基、C1-8アルキル二置換アミノ基およびC1-10アルカノイル基から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
または、R13とR14は、その直接結合した窒素原子と一緒に4-12員複素環基を形成し、前記4-12員複素環基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-12シクロアルキル基、C3-12シクロアルキルオキシ基、3-12員複素環基、3-12員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、C1-8ルキルアミノ置換モノ基、ジC1-8アルキルアミノ基およびC1-10アルカノイル基から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
各rはそれぞれ独立して0、1または2である。
【0010】
好適な形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩であって、R3とR4は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8ヘテロアリール基、-SF5、-S(O)rR10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR13R14、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR13R14および-N(R13)-C(O)R12から選択されか、または、R3とR4は、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)、3-6員シクロアルキルまたは3-6員複素環基を形成し、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-SF5、-S(O)rR10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR13R14、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR13R14および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
R5とR6は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-SF5、-S(O)rR10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR13R14、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR13R14および-N(R13)-C(O)R12から選択され、または、R3とR4は、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)、3-6員シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアルキル基、=O、-SF5、-S(O)rR10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR13R14、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR13R14および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
R3、R4、R5、R6が同時に水素でないことが条件である。
【0011】
または、R4とR5は、それらが直接結合している部分と一緒になって3-6員環アルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記3-6員環アルキル基または3-6員複素環基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員複素アリール基、=O、C0-4アルキル-SF5、-C0-4アルキル-S(O)rR10、-C0-4アルキル-O-R11、-C0-4アルキル-C(O)OR11、-C0-4アルキル-C(O)R12、-C0-4アルキル-O-C(O)R12、-C0-4アルキル-NR13R14、-C0-4アルキル-C(=NR13)R12、-C0-4アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-4アルキル-C(O)NR13R14および-C0-4アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、R3とR6は上記で定義されたとおりであり、
ここで、R10、R11、R12、R13、R14およびrは、式(I)の化合物において定義された通りであり、
好適な形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R1は、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン置換C1-4アルコキシ基、重水素置換C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、4-6員複素環基および-SF5から選択され、
R2aは、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン置換C1-4アルコキシ基、重水素置換C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、4-6員複素環基および-SF5から選択され、
R2bは、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン置換C1-4アルコキシ基、重水素置換C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、4-6員複素環基および-SF5から選択され、
R2cは、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン置換C1-4アルコキシ基、重水素置換C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、4-6員複素環基および-SF5から選択され、
好適な形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体およびその薬学的に許容される塩において、各R7は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基、C1-4アルキル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、4-6員複素環基、-SF5およびシアノ置換C1-4アルキル基から選択され、または、m≧2の場合、2つのR7がそれに結合した部分と共にC3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成し、
より好適な実施形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、各R7はそれぞれ独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ、メチル、エチル、イソプロポキシ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブトキシ、シアノメチルおよび-SF5から選択され、
より好適な実施形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R8とR9は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6複素環基、C5-8アリール基、5-8ヘテロアリール基、-C0-4アルキル-SF5、-C0-4アルキル-S(O)rR10、-C0-4アルキル-O-R11、-C0-4アルキル-C(O)OR11、-C0-4アルキル-C(O)R12、-C0-4アルキル-O-C(O)R12、-C0-4アルキル-NR13R14、-C0-4アルキル-C(=NR13)R12、-C0-4アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-4アルキル-C(O)NR13R14および-C0-4アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6複素環基、C5-8アリール基、5-8ヘテロアリール基、=O、-C0-4アルキル-SF5、-C0-4アルキル-S(O)rR10、-C0-4アルキル-O-R11、-C0-4アルキル-C(O)OR11、-C0-4アルキル-C(O)R12、-C0-4アルキル-O-C(O)R12、-C0-4アルキル-NR13R14、-C0-4アルキル-C(=NR13)R12、-C0-4アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-4アルキル-C(O)NR13R14および-C0-4アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、ここで、R10、R11、R12、R13、R14およびrは、式(I)の化合物において定義された通りであり、
より好適な形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩であって、R8とR9は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8ヘテロアリール基、-SF5、-S(O)rR10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR13R14、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR13R14および-N(R13)-C(O)R12から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-SF5、-S(O)rR10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR13R14、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR13R14および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
ここで、R10、R11、R12、R13、R14およびrは、式(I)の化合物において定義された通りである。
【0012】
好適な形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、式(I)の化合物は下記式(II)の化合物の構造を有する:
【0013】
【化2】
【0014】
ここで、XはCHまたはNである。
R1は、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジデューテロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリデューテリオメトキシ基、ジデューテリオメトキシ基、トリフルオロイソプロポキシ基、トリデューテリオイソプロポキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基およびシクロブトキシ基から選択され、
R2aは、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジデューテロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリデューテリオメトキシ基、ジデューテリオメトキシ基、トリフルオロイソプロポキシ基、トリデューテリオイソプロポキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基およびシクロブトキシ基から選択され、
R2bは、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジデューテロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリデューテリオメトキシ基、ジデューテリオメトキシ基、トリフルオロイソプロポキシ基、トリデューテリオイソプロポキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基およびシクロブトキシ基から選択され、
R3とR4は、それぞれ独立して、水素、重水素、-O-R11および-O-C(O)R12から選択され、または、R3とR4は、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)、3-6員シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-SF5、-S(O)rR10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR13R14、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR13R14および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基で置換され、
R5とR6は、それぞれ独立して、水素、重水素、-O-R11および-O-C(O)R12から選択され、または、R5とR6は、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)、3-6員シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-SF5、-S(O)rR10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR13R14、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR13R14および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基で置換され、
R3、R4、R5、R6が同時に水素でないことが条件である。
【0015】
または、R4とR5は、それらが直接結合している部分と一緒になって3-6員環アルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記3-6員環アルキル基または3-6員複素環基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6複素環基、=O、-SF5、-S(O)rR10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-C0-2アルキル-NR13R14、-C(=NR13)R12、-N(R13)-C(=NR14)R12、-C(O)NR13R14および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、R3およびR6は上記で定義されたとおりであり、
R7aは、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、イソプロポキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基およびシクロブトキシ基から選択され、
R7bは、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、イソプロポキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基およびシクロブトキシ基から選択され、
R8は、水素、重水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジデューテロメチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、アゼチジニル基、オキセタニル基、メトキシ基、エトキシ基およびイソプロポキシ基から選択され、
ここで、R10、R11、R12、R13、R14およびrは、式(I)の化合物において定義された通りである。
【0016】
より好適な形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、式(I)の化合物は下記式(III)化合物の構造を有する:
【0017】
【化3】
【0018】
ここで、R1は水素、重水素、フッ素または塩素であり、R2aは水素、重水素、フッ素または塩素である;R2bは、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基およびシクロプロピル基から選択され、R7aは、水素、重水素、フッ素、塩素、メチル基、エチル基、イソプロポキ基シ、シクロプロピル基、シクロブチル基およびシクロブトキシ基から選択され、R3、R4、R5およびR6は式(II)の化合物において定義された通りである。
【0019】
より好適な形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R5が-O-R11または-O-C(O)R12から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-SF5、-S(O)rR10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR13R14、-C(O)NR13R14および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、R6は、水素および重水素から選択され、
R3は、水素、重水素、-O-R11または-O-C(O)R12から選択され、R4は、水素および重水素から選択され、または、R3とR4は、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)、3-6員シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-SF5、-S(O)rR10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR13R14、-C(O)NR13R14および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基で置換され、
ここで、R10、R11、R12、R13、R14およびrは、式(II)の化合物において定義された通りである。
【0020】
より好適な形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩は、R5がヒドロキシ基、
【0021】
【化4】
から選択され、R6が水素および重水素から選択され、
【0022】
R3は、水素、重水素、ヒドロキシ基、
【0023】
【化5】
から選択され、R4は水素および重水素から選択され、または、R3とR4は、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)、シクロプロピル基、シクロブチル基、アゼチジニル基またはオキセタニル基を形成する。
【0024】
より好適な形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R5またはR6は、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)を形成し、
R3は、水素、重水素、-O-R11または-O-C(O)R12から選択され、R4は、水素および重水素から選択され、または、R3とR4は、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)、3-6員シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-SF5、-S(O)rR10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-NR13R14、-C(O)NR13R14および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基で置換され、
ここで、R10、R11、R12、R13、R14およびrは、式(II)の化合物において定義された通りである。
【0025】
さらなる好適な形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R5とR6は、それらが直接結合している炭素原子と一緒になってC(O)を形成し、
R3は、水素、重水素、ヒドロキシ基、
【0026】
【化6】
から選択され、R4は水素および重水素から選択され、または、R3とR4は、その直接結合した炭素原子と一緒にC(O)、シクロプロピル基、シクロブチル基、アゼチジニル基またはオキセタニル基を形成し、
【0027】
より好適な形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R4とR5は、それらが直接結合している部分と一緒になって3-6員シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記基3-6員シクロアルキル基または3-6員複素環は、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6複素環基、=O、-SF5、-S(O)rR10、-O-R11、-C(O)OR11、-C(O)R12、-O-C(O)R12、-CH2-NR13R14、-C(O)NR13R14および-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、R3は水素および重水素から選択され、R6は水素および重水素から選択され、
ここで、R10、R11、R12、R13、R14またはrは、式(II)の化合物において定義された通りである。
【0028】
さらなる好適な形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R4とR5は、それに直結結合した部分と共に
【0029】
【化7】
を形成し、前記
【0030】
【化8】
は、さらに任意に、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジデューテロメチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、アゼチジニル基、オキセタニル基、=O、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基および
【0031】
【化9】
から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、R3は水素および重水素から選択され、R6は水素および重水素から選択される。
【0032】
好適な形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、各R10は、それぞれ独立して水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基および-NR13R14から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、オキソ、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C5-8アリール基、C5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基および-NR13R14から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
各R11は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基または5-8員ヘテロアリール基から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、オキソ、シアノ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C5-8アリール基、C5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基および-NR13R14から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
各R12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C5-8アリール基、C5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基および-NR13R14から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、シアノ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C5-8アリール基、C5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基および-NR13R14から選択される1つまたは複数の置換基によって置換され、
各R13とR14は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、スルホニル基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、シクロプロピルスルホニル基、トシル基、アミノ基、モノC1-4アルキルアミノ基、ジC1-4アルキルアミノ基およびC1-4アルカノイル基から選択され、前記基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルコキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C5-8アリール基、C5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、C1-4アルキル一置換アミノ基、C1-4アルキル二置換アミノ基およびC1-4アルカノイル基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されるか、
または、R13およびR14は、その直接結合した窒素原子と一緒に4-6員複素環基を形成し、前記4-6員複素環基は、さらに任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C5-8アリール基、C5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、C1-4ルキルアミノ置換モノ基、ジC1-4アルキルアミノ基およびC1-4アルカノイル基から選択される1つまたは複数の置換基によって置換される。
【0033】
最も好適な形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩は以下に示される化合物を含むが、これらに限定されない:
【0034】
【化10】
【0035】
本発明の第2の側面では、以下のような工程段階を含む、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩の製造方法を提供し、
【0036】
【化11】
【0037】
ここで、RはHまたはアミノ保護基であり、好ましくは、前記アミノ保護基はtert-ブトキシカルボニル保護基であり、R1、R2a、R2b、R2c、R3、R4、R5、R6、R7、R8、Xおよびmは、式(I)の化合物に記載の通りである。
【0038】
本発明の第3の側面では、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩と薬用可能な担体とを含む薬物組成物を提供する。
本発明の第4の側面では、K-RAS G12C変異によって少なくとも部分的に媒介される腫瘍または癌の治療のための薬剤の製造における、前述式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩もしくは前述の医薬組成物の使用法を提供する。
【0039】
好適な実施形態として、前記腫瘍または癌は、肺悪性腫瘍または癌、肝胆膵悪性腫瘍または癌、消化器悪性腫瘍または癌、血液悪性腫瘍または癌、肉腫、皮膚悪性腫瘍または癌、骨悪性腫瘍または癌、生殖器悪性腫瘍または癌、神経悪性腫瘍または癌、婦人科悪性腫瘍または癌および副腎悪性腫瘍または癌から選択される。
【0040】
さらなる好適な形態として、前記肺の悪性新生物または癌は、気管支癌(扁平上皮癌、未分化小細胞、未分化大細胞または腺癌)、非小細胞肺癌、気管支癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨悪性腫瘍または中皮腫から選択され、
前記肝胆悪性腫瘍または癌は、肝癌、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫、胆嚢癌、膨大部癌または胆管癌から選択され、
前記消化管悪性腫瘍または癌は、食道悪性腫瘍または癌(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫またはリンパ腫)、胃悪性腫瘍または癌(癌、リンパ腫または平滑筋肉腫)、膵臓悪性腫瘍または癌(導管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド、ブドウ膜腫)、小腸悪性腫瘍(腺癌、リンパ腫、カルチノイド、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸悪性腫瘍または癌(腺癌、腺腫、腺腫、管状腺腫)または平滑筋腫からなる群から選択され、
前記血液学的悪性腫瘍または癌は、急性または慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、ホジキン病または非ホジキンリンパ腫から選択され、
前記肉腫は、血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫、粘液性腫瘍、横紋筋肉腫、線維腫、脂肪腫、または奇形腫から選択され、
前記皮膚悪性腫瘍または癌は、悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、母斑、増殖母斑母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイドまたは乾癬から選択され、
前記骨悪性腫瘍または癌は、骨形成肉腫、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、骨軟骨腫、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘膜線維腫、類骨骨腫または巨細胞腫からなる群から選択され、
前記泌尿器系の悪性腫瘍または癌は、腎臓の悪性腫瘍または癌(腺癌、ウィルム腫瘍または腎芽腫)、リンパ腫、白血病、膀胱または尿道の悪性腫瘍または癌(扁平上皮癌、転移細胞癌または腺癌)、前立腺の悪性腫瘍または癌(腺癌または肉腫)、精巣の悪性腫瘍または癌(血腫、奇形腫、胚性癌または奇形腫)、絨毯癌、肉腫から選択することを特徴とする、前記泌尿器系の新生物または癌を示す。間葉系細胞癌、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍または脂肪腫。
【0041】
前記神経系の悪性腫瘍または癌は、骨髄腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎、髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、生殖器腫、多形膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽腫、先天性腫瘍、脊髄神経線維腫、または肉腫からなる群から選択され、
前記婦人科悪性腫瘍または癌は、子宮内膜癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌または未分類癌)、顆粒性鞘腫、間質性精巣腫瘍、筋膜異常腫瘍、悪性奇形腫、扁平上皮癌、線維上皮癌、腺上皮癌、黒色腫、明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫または卵管癌からなる群から選択され、
前記副腎悪性腫瘍または癌は、神経芽腫から選択される。
【0042】
本発明の第5の側面では、K-RAS G12C変異によって少なくとも部分的に媒介される腫瘍または癌の治療薬としての前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩、または前記医薬組成物の使用を提供する。
【0043】
本発明の第6の側面では、K-RAS G12C変異によって少なくとも部分的に媒介される腫瘍または癌を予防と/または治療する方法であって、式(I)の化合物、その立体異性体または薬学的に許容されるその塩、または前述の医薬組成物を患者に投与することを含む方法を提供する。
【0044】
[発明の実施形態]
本願の発明者らは、広範かつ集中的な研究の結果、大環状K-RAS G12C阻害剤、その製造と使用法を初めて開発した。本発明の一連の化合物は、K-RAS酵素学と細胞活性に対して強い抑制作用を有し、少なくまたは部分的にK-RAS G12C変異を介する癌または腫瘍の治療薬、特に肺、肝胆道、消化管、血液、皮膚、骨、生殖器、神経、婦人科または副腎関連の悪性腫瘍または癌の治療薬の製造に広く使用でき、新世代のK-RAS G12C阻害剤として開発が期待される。これに基づき、本発明を完成させた。
【0045】
詳述:相反する陳述または特記事項がない限り、以下の明細書と請求の範囲で使用される用語は下記の意味となる。
「アルキル基」とは、直鎖または分岐鎖含有の飽和の脂肪族炭化水素基をいうが、たとえば、から選択される1~10個または1-6個または1-4個含む直鎖アルキル基または分岐鎖含有アルキル基をいいであることが好ましい。メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、s-ブチル基、n-ペンチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、n-ヘキシル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、2,3-ジメチルブチル基、n-ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、2,3-ジメチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、2,2-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、n-オクチル基、2,3-ジメチルヘキシル基、2,4-ジメチルヘキシル基、2,5-ジメチルヘキシル基、2,2-ジメチルヘキシル基、3,3-ジメチルヘキシル基、4,4-ジメチルヘキシル基、2-エチルヘキシル基、3-エチルヘキシル基、4-エチルヘキシル基、2-メチル-2-エチルペンチル基、2-メチル-3-エチルペンチル基やその様々な分岐鎖異性体などを含むが、これらに限定されない。「C1-10アルキル基」とは、炭素原子を1~10個含む直鎖アルキル基または分岐鎖含有アルキル基をいい、「C1-8アルキル基」とは、炭素原子を1~8個含む直鎖アルキル基または分岐鎖含有アルキル基をいい、「C0-8アルキル基」とは、炭素原子を0~8個含む直鎖アルキル基または分岐鎖含有アルキル基をいい、「C0-4アルキル基」とは、炭素原子を0~4個含む直鎖アルキル基または分岐鎖含有アルキル基をいい、「C0-2アルキル基」とは炭素原子を0~2個含む直鎖アルキル基または分岐鎖含有アルキル基をいい、「C1-4アルキル基」とは炭素原子を1~4個含む直鎖アルキル基または分岐鎖含有アルキル基をいい、「C0アルキル基」とは、炭素原子が0個であることをいう。
【0046】
「アルキル基」は置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立して重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、ハロゲン置換C1-10アルコキシ基、重水素置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、=O、-SF5、-C0-8アルキル-S(O)rR10、-C0-8アルキル-O-R11、-C0-8アルキル-C(O)OR11、-C0-8アルキル-C(O)R12、-C0-8アルキル-O-C(O)R12、-C0-8アルキル-NR13R14、-C0-8アルキル-C(=NR13)R12、-C0-8アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-8アルキル-C(O)NR13R14および-C0-8アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0047】
「シクロアルキル基」または「炭素環」は、飽和または部分的に不飽和の単環式または多環式の環状炭化水素の置換基をいい、前記部分的に不飽和の環状炭化水素は一つまたは複数の二重結合(1、2または3個が望ましい)を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。シクロアルキル基は単環式シクロアルキル基、多環式シクロアルキル基に分かれ、炭素原子を3~10個、または3~8個、または3~6個含むシクロアルキル基が好ましい。例えば、「C3-10シクロアルキル基」とは、炭素原子を3~10個含むシクロアルキル基をいい、「C3-8シクロアルキル基」とは、炭素原子を3~8個含むシクロアルキル基をいい、「C3-6シクロアルキル基」とは、炭素原子を3~6個含むシクロアルキル基をいう。ただし、
単環式シクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロヘプチル基、シクロヘプタトリエニル基、シクロオクチル基などを含むが、これらに限定されない。
【0048】
多環式シクロアルキル基は、スピロ環、縮合環または架橋環のシクロアルキル基を含む。「スピロシクロアルキル基」とは、単環の間で一つの炭素原子(スピロ原子と呼ぶ)を共有する多環基をいい、これらの基は一つまたは複数の二重結合(1、2または3個が望ましい)を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。環と環の間で共有するスピロ原子の数によってスピロシクロアルキル基はモノスピロシクロアルキル基、ジスピロシクロアルキル基またはポリスピロシクロアルキル基に分かれ、スピロシクロアルキル基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0049】
【化12】
【0050】
「縮合シクロアルキル基」とは、系における各環が系におけるほかの環と隣接する一対の炭素原子を共有する全炭素多環基をいい、その一つまたは複数の環は一つまたは複数の二重結合(1、2または3個が望ましい)を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。構成環の数によって二環、三環、四環または多環の縮合シクロアルキル基に分かれ、縮合シクロアルキル基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0051】
【化13】
【0052】
「架橋シクロアルキル基」とは、任意の二つの環が直接連結しない二つの炭素原子を共有する全炭素多環基をいい、これらの基は一つまたは複数の二重結合(1、2または3個が望ましい)を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。構成環の数によって二環、三環、四環または多環の架橋シクロアルキル基に分かれ、架橋シクロアルキル基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0053】
【化14】
【0054】
前記シクロアルキル基の環はアリール基、ヘテロアリール基または複素環基の環に縮合してもよいが、ただし、母体構造と連結した環はシクロアルキル基で、インダニル基、テトラヒドロナフチル基、ベンゾシクロヘプチル基などを含むが、これらに限定されない。
【0055】
シクロアルキル基、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-SF5、-C0-8アルキル-S(O)rR10、-C0-8アルキル-O-R11、-C0-8アルキル-C(O)OR11、-C0-8アルキル-C(O)R12、-C0-8アルキル-O-C(O)R12、-C0-8アルキル-NR13R14、-C0-8アルキル-C(=NR13)R12、-C0-8アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-8アルキル-C(O)NR13R14および-C0-8アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0056】
「複素環基」または「複素環」は、飽和または部分的に不飽和の単環式または多環式の環状炭化水素の置換基をいい、前記部分的に不飽和の環状炭化水素は一つまたは複数の二重結合(1、2または3個が望ましい)を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がなく、ここでの一つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の環原子が-O-O-、-O-S-またはS-S-の環の部分を含まない窒素、酸素、S(O)(=NH)またはS(O)r(ただし、rは整数の0、1、2である)から選択される複素原子で、その他の環原子は炭素であり、好適な形態として、環原子を3~10個、3~8個または3~6個の含む複素環基である。例えば、「3-6員複素環基」とは、環原子を3~6個含む環基をいい、「4-6員複素環基」とは、環原子を4~6個含む環基をいい、「3-10員複素環基」とは、環原子を3~10個含む環基をいう。
【0057】
単環式複素環基は、ピロリジル基、ピペリジル基、ピペラジル基、モルホリル基、チオモルホリル基、ホモピペラジル基などを含むが、これらに限定されない。
【0058】
多環式複素環基は、スピロ環、縮合環または架橋環の複素環基を含む。「スピロ複素環基」とは、単環の間で一つの原子(スピロ原子と呼ぶ)を共有する多環式複素環基で、ここでの一つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の環原子が窒素、酸素、S(O)(=NH)またはS(O)r(ただし、rは整数の0、1、2である)から選択される複素原子で、残りの環原子が炭素である基をいう。これらの基は一つまたは複数(1、2または3個が望ましい)の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。環と環の間で共有するスピロ原子の数によってスピロ複素環基はモノスピロ複素環基、ジスピロ複素環基またはポリスピロ複素環基に分かれる。スピロ複素環基は、以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0059】
【化15】
【0060】
「縮合複素環基」とは、系における各環が系におけるほかの環と隣接する一対の原子を共有する多環式複素環基をいい、一つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の環は一つまたは複数(1、2または3個が望ましい)の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がなく、ここでの一つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の環原子が窒素、酸素、S(O)(=NH)またはS(O)r(ただし、rは整数の0、1、2である)から選択される複素原子で、残りの環原子が炭素である。構成環の数によって二環、三環、四環または多環の縮合複素環基に分かれ、縮合複素環基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0061】
【化16】
【0062】
「架橋複素環基」とは、任意の二つの環が直接連結しない二つの原子を共有する多環式複素環基をいい、これらの環は一つまたは複数(1、2または3個が望ましい)の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がなく、ここでの一つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の環原子が窒素、酸素、S(O)(=NH)またはS(O)r(ただし、rは整数の0、1、2である)から選択される複素原子で、残りの環原子が炭素である。構成環の数によって二環、三環、四環または多環の架橋複素環基に分かれ、架橋複素環基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0063】
【化17】
【0064】
前記複素環基の環はアリール基、ヘテロアリール基またはシクロアルキル基の環に縮合してもよいが、ただし、母体構造と連結した環は複素環基で、以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0065】
【化18】
【0066】
「複素環基」は置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立して重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、ハロゲン置換C1-10アルコキシ基、重水素置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、=O、-SF5、-C0-8アルキル-S(O)rR10、-C0-8アルキル-O-R11、-C0-8アルキル-C(O)OR11、-C0-8アルキル-C(O)R12、-C0-8アルキル-O-C(O)R12、-C0-8アルキル-NR13R14、-C0-8アルキル-C(=NR13)R12、-C0-8アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-8アルキル-C(O)NR13R14および-C0-8アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0067】
「アリール基」または「アリール環」とは全炭素の単環または縮合多環(すなわち隣接する炭素原子対を共有する環)の基で、共役のπ電子系を有する多環(すなわち隣接する炭素原子対を持つ環)の基をいい、好適な形態として、5-10個または5-8個の炭素を含む全炭素アリール基であり、たとえば、「C5-10アリール基」とは5~10個の炭素を含む全炭素アリール基をいう。前記アリール基の環はヘテロアリール基、複素環基またはシクロアルキル環に縮合してもよいが、ここで、母体構造と連結した環はアリール環で、以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0068】
【化19】
【0069】
「アリール基」は置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立して重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、ハロゲン置換C1-10アルコキシ基、重水素置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、=O、-SF5、-C0-8アルキル-S(O)rR10、-C0-8アルキル-O-R11、-C0-8アルキル-C(O)OR11、-C0-8アルキル-C(O)R12、-C0-8アルキル-O-C(O)R12、-C0-8アルキル-NR13R14、-C0-8アルキル-C(=NR13)R12、-C0-8アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-8アルキル-C(O)NR13R14および-C0-8アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0070】
「ヘテロアリール基」とは1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の複素原子を含むヘテロ芳香族系で、前記複素原子が窒素、酸素またはS(O)r(ただし、rは整数の0、1、2である)を含む複素原子であるが、好適な形態として、5-10個または5-8個の環原子を含むヘテロ芳香族系であり、たとえば、5-10員ヘテロアリール基とは5~10個の環原子を含むヘテロ芳香族系をいい、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピロリル基、N-アルキルピロリル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、イミダゾリル基、テトラゾリル基などを含むが、これらに限定されない。前記ヘテロアリール基の環はアリール基、複素環基またはシクロアルキル環に縮合してもよいが、ここで、母体構造と連結した環はヘテロアリール基の環で、以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0071】
【化20】
【0072】
「ヘテロアリール基」は置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立して重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、ハロゲン置換C1-10アルコキシ基、重水素置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、=O、-SF5、-C0-8アルキル-S(O)rR10、-C0-8アルキル-O-R11、-C0-8アルキル-C(O)OR11、-C0-8アルキル-C(O)R12、-C0-8アルキル-O-C(O)R12、-C0-8アルキル-NR13R14、-C0-8アルキル-C(=NR13)R12、-C0-8アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-8アルキル-C(O)NR13R14および-C0-8アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数(1または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0073】
「アルケニル基」とは、少なくとも2個の炭素原子または少なくとも1個の炭素-炭素二重結合からなる、前記のように定義されるアルキル基をいうが、好適な形態として、2-10個または2-4個の炭素を含む、直鎖または分岐鎖含有のアルケニル基をいい、例えば、C2-10アルケニル基とは、2-10個の炭素を含む、直鎖または分岐鎖含有のアルケニル基をいい、C2-4アルケニル基とは、2-4個の炭素を含む、直鎖または分岐鎖含有のアルケニル基をいう。ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基や3-ブチニル基などを含むが、これらに限定されない。
【0074】
「アルケニル基」は置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立して重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、ハロゲン置換C1-10アルコキシ基、重水素置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、=O、-SF5、-C0-8アルキル-S(O)rR10、-C0-8アルキル-O-R11、-C0-8アルキル-C(O)OR11、-C0-8アルキル-C(O)R12、-C0-8アルキル-O-C(O)R12、-C0-8アルキル-NR13R14、-C0-8アルキル-C(=NR13)R12、-C0-8アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-8アルキル-C(O)NR13R14および-C0-8アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0075】
「アルキニル基」とは、少なくとも2個の炭素原子または少なくとも1個の炭素-炭素三重結合からなる、前記のように定義されるアルキル基をいうが、好適な形態として、2-10個または2-4個の炭素を含む、直鎖または分岐鎖含有のアルキニル基をいい、例えば、C2-10アルキニル基とは、2-10個の炭素を含む、直鎖または分岐鎖含有のアルキニル基をいい、C2-4アルキニル基とは、2-4個の炭素を含む、直鎖または分岐鎖含有のアルキニル基をいう。エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基や3-ブチニル基などを含むが、これらに限定されない。
【0076】
「アルキニル基」は置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立して重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、ハロゲン置換C1-10アルコキシ基、重水素置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、=O、-SF5、-C0-8アルキル-S(O)rR10、-C0-8アルキル-O-R11、-C0-8アルキル-C(O)OR11、-C0-8アルキル-C(O)R12、-C0-8アルキル-O-C(O)R12、-C0-8アルキル-NR13R14、-C0-8アルキル-C(=NR13)R12、-C0-8アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-8アルキル-C(O)NR13R14および-C0-8アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0077】
「アルコキシ基」とは-O-アルキル基をいうが、そのアルキル基の定義は前記の通りで、たとえば、「C1-10アルコキシ基」とは、1-10個の炭素を含むアルコキシ基をいい、「C1-4アルコキシ基」とは1-4個の炭素を含むアルコキシ基をいい、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などを含むが、これらに限定されない。
【0078】
「アルコキシ基」は置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立して重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、ハロゲン置換C1-10アルコキシ基、重水素置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、=O、-SF5、-C0-8アルキル-S(O)rR10、-C0-8アルキル-O-R11、-C0-8アルキル-C(O)OR11、-C0-8アルキル-C(O)R12、-C0-8アルキル-O-C(O)R12、-C0-8アルキル-NR13R14、-C0-8アルキル-C(=NR13)R12、-C0-8アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-8アルキル-C(O)NR13R14および-C0-8アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0079】
「シクロアルキルオキシ基」と-O-シクロアルキル基をいうが、そのシクロアルキル基の定義は前記の通りで、たとえば、「C3-10シクロアルキルオキシ基」とは3~10個の炭素を含むシクロアルキルオキシ基をいい、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などを含むが、これらに限定されない。
【0080】
「シクロアルキルオキシ基」は置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立して重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、ハロゲン置換C1-10アルコキシ基、重水素置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、=O、-SF5、-C0-8アルキル-S(O)rR10、-C0-8アルキル-O-R11、-C0-8アルキル-C(O)OR11、-C0-8アルキル-C(O)R12、-C0-8アルキル-O-C(O)R12、-C0-8アルキル-NR13R14、-C0-8アルキル-C(=NR13)R12、-C0-8アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-8アルキル-C(O)NR13R14および-C0-8アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択される1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0081】
「複素環オキシ基」と、-O-複素環をいうが、その複素環基の定義は前記の通りで、複素環オキシ基は、アゼチジニルオキシ基、オキセタノキシ基、アザシクロペンチルオキシ基、窒素、オキヘキシルオキシなどを含むが、これらに限定されない。
【0082】
「複素環オキシ基」は置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立して重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、ハロゲン置換C1-10アルコキシ基、重水素置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、=O、-SF5、-C0-8アルキル-S(O)rR10、-C0-8アルキル-O-R11、-C0-8アルキル-C(O)OR11、-C0-8アルキル-C(O)R12、-C0-8アルキル-O-C(O)R12、-C0-8アルキル-NR13R14、-C0-8アルキル-C(=NR13)R12、-C0-8アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12、-C0-8アルキル-C(O)NR13R14および-C0-8アルキル-N(R13)-C(O)R12から選択され選択される1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0083】
「C1-10アルカノイル基」とはC1-10ヒドロキシ基アルキル基酸からヒドロキシ基を除いて残った1価の原子団をいうが、通常、「C0-9アルキル-C(O)-」とも表示され、たとえば、「C1-C(O)-」とはアセチル基を、「C2アルキル-C(O)-」とはプロピオニル基を、「C3アルキル-C(O)-」とはブチリル基またはイソブチリル基をいう。
【0084】
「-C0-8アルキル-S(O)rR10」とは、-S(O)rR10における硫黄原子がC0-8アルキル基に連結したものをいい、C0-8アルキル基の定義は前記の通りである。
「-C0-8アルキル-O-R11」とは、-O-R11における酸素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいい、C0-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0085】
「-C0-8アルキル-C(O)OR11」とは、-C(O)OR11におけるカルボニル基がC0-8アルキル基に連結したものをいい、C0-8アルキル基の定義は前記の通りである。
「-C0-8アルキル-C(O)R12」とは、-C(O)R12におけるカルボニル基がC0-8アルキル基に連結したものをいい、C0-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0086】
「-C0-8アルキル-O-C(O)R12」とは-O-C(O)R12における酸素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいい、C0-8アルキル基の定義は前記の通りである。
「-C0-8アルキル-NR13R14」とは、-NR13R14における窒素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいい、C0-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0087】
「-C0-8アルキル-C(=NR13)R12」とは、-C(=NR13)R12における炭素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいい、C0-8アルキル基の定義は前記の通りである。
「-C0-8アルキル-N(R13)-C(=NR14)R12」とは、-N(R13)-C(=NR14)R12における窒素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいい、C0-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0088】
「-C0-8アルキル-C(O)NR13R14」とは、-C(O)NR13R14におけるカルボニル基原子がC0-8アルキル基に連結したものをいい、C0-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0089】
「-C0-8アルキル-N(R13)-C(O)R12」とは、-N(R13)-C(O)R12における窒素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいい、C0-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0090】
「ハロゲン置換C1-4アルキル基」とはアルキル基における水素が任意にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の原子で置換された、炭素1-4個のアルキル基をいうが、ジフルオロメチル基(-CHF2)、ジクロロメチル基(-CHCl2)、ジブロモメチル基(-CHBr2)、トリフルオロメチル基(-CF3)、トリクロロメチル基(-CCl3)、トリブロモメチル基(-CBr3)などを含むが、これらに限定されない。
【0091】
「ハロゲン置換C1-4アルコキシ基」とは、アルキル基における水素が任意にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子で置換された、炭素1-4個のアルコキシ基である。ジフルオロメトキシ基、ジクロロメトキシ基、ジブロモメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリブロモメトキシ基などを含むが、これらに限定されない。
【0092】
「重水素置換C1-4アルキル基」とは、アルキル基における水素が任意に重水素原子で置換された、炭素1-4個のアルコキシ基である。モノデューテロメチル基(-CH2D)、ジデューテロメチル基(-CHD2)、トリデューテロメチル基(-CD3)などを含むが、これらに限定されない。
【0093】
「重水素置換C1-4アルコキシ基」とは、アルキル基における水素が任意に重水素原子で置換された、炭素1-4個のアルキル基である。モノデューテリオメトキシ基、ジデューテリオメトキシ基、トリデューテリオメトキシ基などを含むが、これらに限定されない。
【0094】
「ハロゲン」とはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう。「MeOH」とはメタノールをいう。「KF」はフッ化カリウムをいう。「KHMDS」は、ヘキサメチルジシリルアミンカリウムをいう。「NBS」とはN-ブロモスクシンイミドをいう。「DMF」とはN,N-ジメチルホルムアミドをいう。「Grubbs第2世代触媒」とは、Grubbs第2世代触媒をいう。「IBX」とは2-ヨードキシ安息香酸をいう。
【0095】
「任意の」または「任意に」とは後記の事項または環境が発生する可能性があるが、必ずしも発生するわけではないことを意味し、当該記述は当該事項または環境が発生する場合または発生しない場合を含み、置換されたものまたは無置換のものも含む。たとえば、「任意にアルキル基で置換された複素環基」とはアルキル基が存在しうるが必ずしも存在するわけではないという意味で、当該記述は複素環基がアルキル基で置換された場合および複素環基がアルキル基で置換されていない場合を含む。
【0096】
「置換」とは基における1個または複素の「水素原子」が互いに独立に相応する数の置換基で置換されることをいう。もちろん、置換基は化学における原子価結合理論と一致し、これらが化学的に可能な位置にあるだけで、当業者は格別な努力を要することなく(実験的にまたは理論的に)置換が可能か不可能か確認することができる。たとえば、遊離水素を有するアミノ基またはヒドロキシ基は不飽和結合を有する炭素原子(たとえばオレフィン)と結合する場合不安定な可能性がある。
【0097】
「立体異性体」の英語名はstereoisomerで、空間内の分子内における原子の配列方式の違いによる異性体を指すもので、シス-トランス異性体と鏡像異性体に分けられ、鏡像異性体と鏡像異性体にも分けられる。単結合の回転による立体異性体は立体配置異性体(conformationalstereo-isomer)と言われ、ときには回転異性体(rotamer)とも言われる。結合長、結合角、分子内の二重結合、環などに起因する立体異性体は、立体配置異性体(configurationstereo-isomer)と言われ、立体配置異性体は二種類に分けられる。ここで、自由に回転できない二重結合または環形成炭素原子の単結合に起因する異性体は幾何異性体(geometricisomer)またはシス-トランス異性体(cis-transisomer)と言われ、Z、E配置に分けられる。例えば、シス-2-ブチレンとトランス-2-ブチレンはペアとなった幾何異性体であり、本発明の化合物に二重結合が含まれた場合、特別に明記しない限り、Eと/またはZ配置を含むことが理解して良い。分子に反軸対称性がないために旋光特性が異なる立体異性体は光学異性体(opticalisomer)と言われ、R、S配置に分けられる。特別に明記しない限り、本発明に記載された「立体異性体」は前記鏡像異性体、立体配置異性体と立体配置異性体の一つから複数であると理解して良く、好適な形態としてR配置である。
【0098】
本発明では、「薬学的に許容される塩」は無機酸性塩または有機酸性塩を含む薬学的に許容される酸付加塩またはアルカリ付加塩を指し、これらの塩は、当技術分野で知られている方法により製造することができる。
【0099】
「薬物組成物」とは、一つまたは複数の本明細書に記載された化合物あるいはその生理学/薬用可能な塩とほかの化学成分の混合物と、ほかの成分、たとえば、生理学/薬用可能な担体または賦形剤とを含有するものを表す。薬物組成物の目的は生物体への投与を促進し、活性成分の吸収に貢献することによって生物活性を発揮させることである。
【0100】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく、全面的に説明するが、本発明を制限するものではなく、本発明は実施例の内容のみに限定されないものでもない。
【0101】
本発明の化合物の構造は、核磁気共鳴(HNMR)と/または液相質量分析(LC-MS)によって確認された。NMRの化学シフト(?)は百万分の一(ppm)の単位で表示する。NMRの測定は、BrukerAVANCE-400/500核磁気共鳴装置が使用され、測定の溶媒は重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)、重水素化メタノール(CD3OD)または重水素化クロロホルム(CDCl3)で、内部標準はテトラメチルシラン(TMS)であった。
【0102】
液相質量分析LC-MSの測定はAgilent6120質量分析装置を使用した。HPLCの測定はアジレントの1200DAD高圧液相クロマトグラフ(Sunfire C18 150×4.6 mmカラム)またはWaters 2695-2996高圧液相クロマトグラフ(Gimini C18 150×4.6 mmカラム)を使用した。
【0103】
薄層クロマトグラフィーのシリカゲル板は煙台黄海HSGF254または青島GF254のシリカゲル板が使用され、TLCに使用された規格は0.15 mm~0.20 mmで、薄層クロマトグラフィー法による製品の分離・精製に用いられた規格は0.4 mm~0.5 mmである。カラムクロマトグラフィーは通常煙台黄海シリカゲルの200~300メッシュのシリカゲルが担体として使用された。
【0104】
本発明の実施例における出発原料は既知の市販品、あるいは本分野で既知の方法によって合成することができるものである。
特別に説明しない限り、本発明のすべての反応はいずれも連続的な磁気撹拌で、乾燥窒素またはアルゴンの雰囲気において行われ、溶媒は乾燥溶媒で、反応温度の単位はセルシウス度(℃)である。
【0105】
一、中間体の製造
中間体A:2-イソプロピル-4-ビニルピリジン-3-アミンの製造
【0106】
【化21】
【0107】
工程1:2-ブロモ-4-クロロピリジン-3-アミンの合成
4-クロロピリジン-3-アミン(20.0 g, 156 mmol)をトリフルオロ酢酸(60 mL)に溶解し、NBS(31.0 g, 174 mmol)をバッチごとに添加した。前記混合物は室温で5時間撹拌し、反応を停止し、約3分の2の溶剤トリフルオロ酢酸を減圧蒸留し、残渣に水100 mLを加えて希釈し、氷浴下で塩酸を滴下してpH=8を調整し、酢酸エチルで抽出し(30 mL*3)、有機層を合併し、食塩水で洗浄し(50 mL*2)、無水硫酸ナトリウムを乾燥した後減圧濃縮して溶剤を除去し、残渣は迅速シリカゲルカラムで分離して、2-ブロモ-4-クロロピリジン-3-アミン(13.5 g, 収率:41.8%)を得た。ESI-MS:207 [M+1]+
【0108】
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ 7.57(d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.36(d, J = 5.0 Hz, 1H), 5.70(s, 2H).
工程2:4‐クロロ-2‐(プロパン-1-エン-2-イル)ピリジン-3‐アミンの合成
2-ブロモ-4-クロロピリジン-3-アミン(13.50 g, 65.2 mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(プロパン-1-エン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロペンタン(13.5 g, 71.7 mmol)を、1,4-ジオキサン(100 mL)と水(40 mL)の混合溶媒に溶解し、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィニル)フェロセン]二塩化パラジウム(3.0 g, 4.0 mmol)、炭酸セシウム(55 g, 169 mmol)、窒素保護、90℃で8時間撹拌し、反応を停止し、室温まで冷却し、反応混合物を200 mLの酢酸エチルで希釈し、水洗(100 mL*2)、食塩水(100 mL*2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを乾燥した後、減圧濃縮して溶媒を除去し、残渣を迅速シリカゲルカラムによって分離して、4-クロロ-2-(プロパン-1-エン-2-イル)ピリジン-3-アミン(10.5 g, 収率:95.3%)を得た。ESI-MS:169 [M+1]+
【0109】
工程3:4‐クロロ-2‐イソプロピルピリジン-3‐アミンの合成
4-クロロ-2-(プロパン-1-エン-2-イル)ピリジン-3-アミン(10.5 g, 62 mmol)を、メタノール(30 mL)に溶解し、5%パラジウム炭素(1.1 g)を加え、窒素で置換し、さらに水素(1 atm)を入れ、室温で16h撹拌反応させ、珪藻土で濾過し、濾液を減圧濃縮した後、4-クロロ-2-イソプロピルピリジン-3-アミン(10.2 g, 収率:96.43%)を得た。ESI-MS:171 [M+1]+
【0110】
工程4:2‐イソプロピル-4‐ビニルピリジン-3‐アミンの合成
エチレングリコールジメチルエーテル(40 mL)と水(30 mL)の混合溶媒に、4‐クロロ‐2‐イソプロピルピリジン‐3‐アミン(6.5 g, 38 mmol)とトリフルオロ(ビニル)ボロン酸カリウム(7.1 g, 57 mmol)を溶解し、メタンスルホン酸(2‐ジシクロヘキシルホスホノ‐2',6'‐ジメトキシ‐1,1'‐ビフェニル)(2'‐アミノ‐1,1'‐ビフェニル‐2‐イル)パラジウム(II)(3.0 g, 3.5 mmol)、炭酸ナトリウム(11.0 g, 95 mmol)を加えた。窒素で保護し、混合物を90℃で8時間撹拌し、反応を停止し、有機層を分け、水相を酢酸エチルで抽出し(30 mL*2)、有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを乾燥し、濾過し、減圧濃縮して溶剤を除去し、残渣を迅速シリカゲルカラムで分離し、2-イソプロピル-4-ビニルピリジン-3-アミン(5.4 g, 収率:87.6%)を得た。ESI-MS:163 [M+1]+
【0111】
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ 7.11(dd, J = 7.7, 1.5 Hz, 1H), 7.03 - 6.90(m, 2H), 6.56(t, J = 7.6 Hz, 1H), 5.52(dd, J = 17.2, 1.8 Hz, 1H), 5.16(dd, J = 10.9, 1.8 Hz, 1H), 3.00(hept, J = 6.7 Hz, 1H), 1.14(d, J=7.2 Hz, 6H).
中間体B1:tert‐ブチル (S、Z)-4‐(26,36‐ジフルオロ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-6‐エン-24‐イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボン酸エステルの製造
【0112】
【化22】
【0113】
工程1:2,6‐ジクロロ‐5‐フルニクアミドの合成
2,6-ジクロロ-5-フルオロニコチン酸(10.0 g, 47.6 mmol)をジクロロメタン(30 mL)に溶解し、触媒量のDMFを加え、室温で撹拌しながら塩化オキサリル(6.3 g, 50 mmol)をゆっくり加え、材料を加えた後、室温で2時間撹拌した。反応混合物を0℃に降温し、ゆっくり25%アンモニア水(18 mL)を加え、自然に室温まで上昇させ、1時間攪拌し、減圧濃縮して溶媒を除去し、残渣に酢酸エチル(30 mL)とn-ヘキサン(75 mL)を加えてスラリーにし、濾過乾燥した後、2,6-ジクロロ-5-フルオロニクアミド(8.0 g, 収率:80.4%)を得た。ESI-MS 209 [M+1]+
【0114】
工程2:2,6‐ジクロロ-5‐フルオロ‐N‐((2-イソプロピル-4-ビニルピリジン-3-イル)カルバコール)ニコチンアミドの合成
2,6-ジクロロ-5-フルニクアミド(2.9 g, 14 mmol)を、テトラヒドロフラン(30 mL)に溶解し、塩化オキサリル(1.9 g, 14.8 mmol)を加え、2h加熱還流し、反応混合物を0℃に降温し、2-イソプロピル-4-ビニルピリジン-3-アミン(2.9 g, 14 mmol)を加え、室温に自然昇温し、1時間攪拌した。反応を停止し、飽和塩化アンモニウム水溶液(30 mL)を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し(30 mL*3)、有機相を合わせ、水(30 mL)で洗浄し、食塩水で洗浄し(30 mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮して溶剤を除去し、残渣を迅速シリカゲルカラムで分離した後、2,6-ジクロロ-5-フルオロ-N-((2-イソプロピル-4-ビニルピリジン-3-イル)カルバモイル)ニコチンアミド(6.0 g, 収率:94.5%)を得た。ESI-MS 397 [M+1]+
【0115】
工程3:7‐クロロ-6‐フルオロ-1‐(2-イソプロピル-4-ビニルピリジン-3-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-2,4(1H、3H)‐ジオンの合成
2,6-ジクロロ-5-フルオロ-N-((2-イソプロピル-4-ビニルピリジン-3-イル)カルバコール)ニコチンアミド(6.0 g, 14 mmol)をテトラヒドロフラン(60 mL)に溶解し、氷浴下でビス(トリメチルシリル)アミノカリウム(28 mL, 28 mmol)を滴加し、室温まで自然昇温し、1時間反応させた。反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液(30 mL)を加えてクエンチ、酢酸エチル抽出(30 mL*3)、有機相を合わせ、水(50 mL)で洗浄、食塩水で洗浄(50 mL)、無水硫酸ナトリウムを乾燥した後、減圧濃縮して溶剤を除去し、残渣を迅速シリカゲルカラムで分離した後、7-クロロ-6-フルオロ-1-(2-イソプロピル-4-ビニルピリジン-3-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(4.3 g, 収率:84.3%)を得た。ESI-MS 361 [M+1]+
【0116】
工程4:(S)-tert-ブチル 4-(7-クロロ-6-フルオロ-1-(2-イソプロピル-4-ビニルピリジン-3-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3-メチルピペラジン-1-ルボン酸エステルの合成
7-クロロ-6-フルオロ-1-(2-イソプロピル-4-ビニルピリジン-3-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-2,4(1H、3H)-ジオン(4.3 g, 11.9 mmol)をアセトニトリル(50 mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(6.0 g, 47.6 mmol)、トリクロロリン(5.5 g, 35.7 mmol)を加え、混合物を80℃で1時間攪拌した。25℃に温度を下げ、さらにジイソプロピルエチルアミン(4.6 g, 35.7 mmol)、(S)-tert-ブチル 3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(4.7 g, 23.8 mmol)を加え、室温で2時間反応させた。反応液を酢酸エチル(50 mL)で希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液(30 mL*2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮して溶媒を除去し、残渣を迅速シリカゲルカラムで分離した後、(S)-t-ブチル 4-(7-クロロ-6-フルオロ-1-(2-イソプロピル-4-ビニルピリジン-3-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(5.2 g, 収率:79.6%)を得た。ESI-MS 543 [M+1]+
【0117】
工程5:(3S)-tert-ブチル 4-(6-フルオロ-7-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-1-(2-イソプロピル-4-ビニルピリジン-3-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステルの合成
(S)‐tert‐ブチル 4‐(7-クロロ-6-フルオロ-1-(2-イソプロピル-4-ビニルピリジン-3-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボン酸エステル(1.0 g, 1.78 mmol)をマイクロ波反応管に入れ、1,4-ジオキサン(10 mL)と水(1.0 mL)の混合溶媒を加え、(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(0.8 g, 5.36 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.41 g, 0.35 mmol)、炭酸ナトリウム(0.66 g, 5.36 mmol)、窒素保護を加え、120℃で45分間マイクロ波反応させた。反応液を酢酸エチル(30 mL)で希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液(20 mL*2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮して溶媒を除去し、残渣を迅速シリカゲルカラムで分離した後、(3S)-tert-ブチル 4-(6-フルオロ-7-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-1-(2-イソプロピル-4-ビニルピリジン-3-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(0.81 g, 収率:71.3%)を得た。ESI-MS 619 [M+1]+
【0118】
工程6:(3S)-tert-ブチル 4-(7-(2-(アリルオキシ)-6-フルオロフェニル)-6-フルオロ-1-(2-イソプロピル-4-ビニルピリジン-3-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステルの合成
(3S)-tert-ブチル 4-(6-フルオロ-7-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-1-(2-イソプロピル-4-ビニルピリジン-3-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(0.81 g, 1.27 mmol)をアセトニトリル(30 mL)に溶解、3-ブロモプロパン-1-エン(0.23 g, 1.91 mmol)、炭酸カリウム(0.44 g, 3.18 mmol)を加え、混合物を65℃で2時間攪拌し反応を停止した。反応液に酢酸エチル(30 mL)を加えて希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液(20 mL*2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム乾燥後に減圧濃縮して溶剤を除去し、残渣を迅速シリカゲルカラムで分離した後、(3S)-t-ブチル 4-(7-(2-(アリルオキシ)-6-フルオロフェニル)-6-フルオロ-1-(2-イソプロピル-4-ビニルピリジン-3-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(0.73 g, 収率:67.7%)を得た。ESI-MS 659 [M+1]+
【0119】
工程7:tert‐ブチル (S、Z)-4‐(26,36‐ジフルオロ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-6‐エン-24‐イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボン酸エステルの合成
(3S)-tert-ブチル 4-(7-(2-(アリルオキシ)-6-フルオロフェニル)-6-フルオロ-1-(2-イソプロピル-4-ビニルピリジン-3-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(0.73 g, 1.1 mmol)を、トルエン(150 mL)に溶解し、窒素保護下でGrubbs2世代触媒(0.49 g, 0.11 mmol)を添加し、この混合物を60℃で1h反応させた。減圧濃縮により溶媒を除去し、残渣を迅速シリカゲルカラムで分離した後、tert-ブチル (S,Z)-4-(26,36-ジフルオロ-12-イソプロピル-22-オキソ-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-6-エン-24-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(0.4 g, 収率:57.2%)を得た。ESI-MS 631 [M+1]+
【0120】
中間体B2は、中間体B1の合成方法の全部または一部を参照し、対応の原料を選び、製造により得ることができる。
【0121】
【表1】
【0122】
中間体C1:tert‐ブチル (3S)-4‐(26,36‐ジフルオロ-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-7‐(プロピオン酸(プロピオニル基))-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボン酸エステル及び24‐((S)-4‐(tert‐ブトキシカルボニル)‐2‐メチルピペラジン‐1‐イル)‐26,36‐ジフルオロ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3‐d]ピリミジン‐1(3,4)‐ピリジン‐3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン‐6,7‐ジイルジプロピオン酸塩の製造
【0123】
【化23】
【0124】
工程1:tert‐ブチル (3S)-4‐(26,36‐ジフルオロ-6,7‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル2-12‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボン酸エステルの合成
tert-ブチル (S、Z)-4-(26,36‐ジフルオロ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-6‐エン-24‐イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(280 mg, 0.44 mmol)、酢酸エチル(2 mL)、ジオキサン(2 mL)の混合溶媒に溶解し、オスミウム酸カリウム水和物(324 mg, 0.88 mmol)、トリメチルアミンN-オキシド(83 mg, 1.1 mmol)、トリエチルアミン(278 mg, mmol)を加え、室温で15分間撹拌し、水1 mLを加え、さらに30分間撹拌反応を続け、反応液は酢酸エチルで希釈し、水洗し、減圧濃縮して溶媒を除去し、逆相カラムで分離した後、tert-ブチル (3S)-4-(26,36-ジフルオロ-6,7-ジヒドロキシ-12-イソプロピル-22-オキソ-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-24-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(140 mg, 収率58.4%)を得た。ESI-MS:665 [M+1]+
【0125】
工程2:tert‐ブチル (3S)-4‐(26,36‐ジフルオロ-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-7‐(プロピオン酸(プロピオニル基))-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボン酸エステルの合成
tert-ブチル (3S)-4-(26,36‐ジフルオロ-6,7‐ジヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22-ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(120 mg, 0.166 mmol)をジクロロメタン(5 mL)に溶解し、室温でトリエチルアミン(0.346 mL, 2.491 mmol)を加えた後、塩化プロピオニル(0.029 mL, 0.332 mmol)を滴下し、反応液を室温で2時間攪拌し、反応がほぼ終了した後、反応液をジクロロメタン(40 mL)と氷水(40 mL)で分層抽出し、有機相で乾燥濾過し、濾液を濃縮し、残渣を逆相カラムC18で分離[5~95%アセトニトリル:0.01 mm NH4HCO3/H2O]してtert-ブチル (3S)-4-(26,36‐ジフルオロ-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-7‐(プロピオン酸(プロピオニル基))-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(43 mg, 収率:32%)を得た。ESI-MS721[M+1]、同時に24‐((S)-4-(t-ブトキシカルボニル)-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36‐ジフルオロ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-6,7‐ジイルジプロピオン酸塩(51 mg, 収率:33%)を得た。ESI-MS 777 [M+1]+
【0126】
中間体C2-C10は、中間体C1の合成方法の全部または一部を参照し、対応の原料を選び、製造により得ることができる。
【0127】
【表2】
【0128】
中間体D1:tert‐ブチル (3S)-4‐(26,36‐ジフルオロ-7‐(2-フルオロエトキシ基)-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボン酸エステル及びtert‐ブチル (3S)-4‐(26,36‐ジフルオロ-6‐(2-フルオロエトキシ基)‐7‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン‐3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン‐24‐イル)‐3‐メチルピペラジン‐1‐カルボン酸エステルの製造
【0129】
【化24】
【0130】
tert-ブチル (3S)-4-26,36‐ジフルオロ-6,7‐ジヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(100 mg, 0.15 mmol)をアセトニトリル(2 mL)に溶解、酸化銀(23 mg, 0.1 mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(16 mg, 0.05 mmol)、銅アセチルアセトネート(13 mg, 0.05 mmol)及び1-フルオロ-2-ヨードエタン(52 mg, 0.3 mmol)を加え、60℃で24時間撹拌し、反応液を酢酸エチルで希釈し、濾過し、減圧濃縮し、逆相カラムで分離した後、tert-ブチル (3S)-4-(26,36-ジフルオロ-7-(2-フルオロエトキシ基)-6-ヒドロキシ-12-イソプロピル-22-オキソ-21,22-ジヒドロ-4-オキソ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-24-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(41 mg, 収率:39%)を得た。SI-MS711[M+1]+, tert‐ブチル (3S)-4‐(26,36‐ジフルオロ-6‐(2-フルオロエトキシ基)-7‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボン酸エステル(35 mg, 収率:33%)を得た。ESI-MS 711 [M+1]+
【0131】
中間体D2-D10は、中間体D1の合成方法の全部または一部を参照し、対応の原料を選び、製造により得ることができる。
【0132】
【表3】
【0133】
二、実施例の製造
実施例1:24-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36-ジフルオロ-6,7-ジヒドロキシ-12-イソプロピル-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-22-オンの製造
【0134】
【化25】
【0135】
工程1:24-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36-ジフルオロ-6,7-ジヒドロキシ-12-イソプロピル-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-22-オンの合成
tert-ブチル (3S)-4-(26,36‐ジフルオロ-6,7‐ジヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(100 mg, 0.15 mmolを2Mの塩化水素1,4-ジオキサン溶液(20 mL)に溶解し、室温で1.0時間撹拌し、反応を停止。溶媒を減圧、濃縮除去し、残渣をジクロロメタン(10 mL)に溶解。ジイソプロピルエチルアミン(0.5 mL)を加え、窒素で保護し、-78℃に冷却し、塩化アクリロイル(14.0 mg, 0.15 mmol)を加えた。0.5時間反応させ、反応を停止し、ジクロロメタン(20 mL)を加えて希釈し、食塩水で洗浄し(15 mL*2)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して溶剤を除去し、残渣を迅速シリカゲルカラムとHPLC製造で離した後、24-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36-ジフルオロ-6,7-ジヒドロキシ-12-イソプロピル-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-22-オン(89 mg, 収率:95.8%)を得た。ESI-MS 619 [M+1]+
【0136】
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ 8.50(d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.47 - 8.17(m, 1H), 8.02(dd, J = 4.8, 3.2 Hz, 1H), 7.49(q, J = 8.4 Hz, 1H), 7.15(d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.01(t, J = 8.8 Hz, 1H), 6.92 - 6.78(m, 1H), 6.21(d, J = 16.8 Hz, 1H), 5.77(dd, J = 10.8, 2.4 Hz, 1H), 5.72(t, J = 4.8 Hz, 1H), 5.20 - 4.71(m, 2H), 4.57 - 4.39(m, 2H), 4.39 - 4.11(m, 2H), 4.11 - 4.01(m, 2H), 4.01 - 3.81(m, 1H), 3.75 - 3.50(m, 2H), 3.01 - 2.84(m, 1H), 1.44(br, 2H), 1.26(d, J = 6.2 Hz, 2H), 1.15(d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.85(d, J = 6.7 Hz, 3H).
実施例1-R及び1-Sを実施例1に基づいて製造し、SFCで分離して製造して得た。
【0137】
【表4】
【0138】
実施例2-3は、実施例1の合成方法の一部または全部を参照し、対応の原料を選び、製造により得ることができる。
【0139】
【表5】
【0140】
実施例4:24-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36-ジフルオロ-6-ジヒドロキシ-12-イソプロピル-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-22,7-オンの製造
【0141】
【化26】
【0142】
工程1:tert‐ブチル (3S)-4‐(26,36‐ジフルオロ-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-22,7‐ジオキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボン酸エステルの合成
tert-ブチル (3S)-4-(26,36‐ジフルオロ-6,7‐ジヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(10 mg, 0.015 mmol)を、ジメチルスルホキシド(3 mL)に溶解し、IBX酸化剤(21 mg, 0.075 mmol)を加え、40℃で8 h撹拌し、固体を濾過除去し、濾液を酢酸エチルで希釈し、食塩水で洗浄し、減圧濃縮して溶剤を除去し、残渣を逆相カラムで分離してからtert-ブチル (3S)-4-(26,36‐ジフルオロ-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-22,7‐ジオキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(8.0 mg, 収率:60%)を得たESI-MS:663 [M+1]+
【0143】
工程2:24-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36-ジフルオロ-6-ジヒドロキシ-12-イソプロピル-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-22-オンの合成
tert-ブチル (3S)-4-(26,36‐ジフルオロ-6‐ジヒドロキシ-12‐イソプロピル-22,7‐ジオキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(8.0 mg, 0.012 mmolを2Mの塩化水素1,4-ジオキサン溶液(5 mL)に溶解し、室温で1.0時間撹拌し、反応を停止。溶媒を減圧、濃縮除去し、残渣をジクロロメタン(5 mL)に溶解。ジイソプロピルエチルアミン(0.2 mL)を加え、窒素で保護し、-78℃に冷却し、塩化アクリロイル(1.1 mg, 0.012 mmol)を加えた。0.5時間反応し、1 mL水で反応を停止させ、ジクロロメタン(15 mL)を加えて希釈し、食塩水で洗浄し(15 mL*2)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して溶剤を除去し、残渣をHPLC製造で分離した後、24-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36-ジフルオロ-6-ヒドロキシ-12-イソプロピル-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-22,7-ジオン(0.9 mg, 収率:11.6%)を得た。ESI-MS 617 [M+1]+
【0144】
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ 8.59(d, J = 5.1 Hz, 1H), 8.50 - 8.20(m, 1H), 7.57 - 7.45(m, 1H), 7.06(d, J = 4.0 Hz, 1H),7.03(d, J = 4.4 Hz, 1H), 6.98(d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.96 - 6.80(m, 1H), 6.21(d, J = 16.8 Hz, 1H), 6.03 - 5.84(m, 1H), 5.77(d, J = 10.7 Hz, 1H), 5.17(br, 1H), 4.94(d, J= 8.9 Hz, 1H), 4.85 - 4.76(m, 2H), 4.60(dd, J= 16.1, 5.2 Hz, 1H), 4.55 - 4.30(m, 1H), 4.30 - 4.11(m, 2H), 3.70 - 3.51(m, 2H), 3.00 - 2.94(m, 1H), 1.44(d, J = 6.4 Hz, 1H), 1.25(d, J = 6.5 Hz, 2H), 1.17(d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.90(d, J = 6.6 Hz, 3H).
【0145】
実施例5:24-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36-ジフルオロ-7-ヒドロキシ-12-イソプロピル-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-22-オンの製造
【0146】
【化27】
【0147】
工程1:tert‐ブチル (3S)-4‐(26,36‐ジフルオロ-7‐ヒドロキシ-12‐イソプロピルー22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボン酸エステルの合成
氷浴条件下で、tert-ブチル (S、Z)-4-(26,36‐ジフルオロ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-6‐エン-24‐イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(100 mg, 0.16 mmol)のテトラヒドロフラン(3 mL)溶液にボランテトラヒドロフラン(0.95 mL)を加え、この温度で4時間反応させ、その後室温に回復し、室温で一晩攪拌し、反応原料がほとんど消失したことを検出した。サイド0℃まで冷却し、0.1 mL飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と0.1 mL過酸化水素水を前記反応液に加え、その後室温で4時間撹拌し、酢酸エチル(30 mL)と亜硫酸水素ナトリウム水溶液(20 mL)はこの反応をクエンチし、有機相分離後無水硫酸ナトリウム乾燥後減圧濃縮し溶剤を除去し、残余物は迅速シリカゲルカラムによって分離した後tert-ブチル (3S)-4-(26,36‐ジフルオロ-7‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(50 mg, 収率:21%)を得た。ESI-MS 649 [M+1]+
【0148】
工程2:26,36‐ジフルオロ-7‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-24‐((S)-2-メチルピペラジン-1-イル)-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-22‐オンの合成
tert-ブチル (3S)-4-(26,36‐ジフルオロ-7‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(25.0 mg, 0.04 mmol)をジクロロメタン2 mL及びトリフルオロ酢酸1 mLに溶解し、室温で1.5時間撹拌反応させ、反応を停止し、溶媒を減圧して、濃縮除去により、26,36‐ジフルオロ-7‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-24‐((S)‐2‐メチルピペラジン‐1‐イル)‐21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン‐3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン‐22‐オン(21 mg, 収率:68%)を得た。粗生成物をそのまま次の反応工程に供した。ESI-MS 549 [M+1]+
【0149】
工程3:24-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36-ジフルオロ-7-ジヒドロキシ-12-イソプロピル-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-22-オンの合成
26,36‐ジフルオロ-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-24‐((S)-2-メチルピペラジン-1-イル)-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-22‐オン(22 mg, 0.04 mmol)をジクロロメタン(5 mL)に溶解し、N,N‐ジイソプロピルエチルアミン(0.5 mL)を加え、-20℃に冷却し、塩化アクリロイル(3.6 mg, 0.04 mmol)を加えた。反応は室温まで自然昇温し、1.5時間攪拌し、反応を停止し、ジクロロメタン(30 mL)を加え、希釈し、食塩水で洗浄し(20 mL*2)、有機相分離後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、溶剤を除去し、残渣を迅速シリカゲルカラムと逆相カラムで分離した後、24‐((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36‐ジフルオロ-7‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-22‐オン(11.2 mg, 収率:44%)を得た。ESI-MS 603 [M+1]+
【0150】
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ 8.42(d, J = 5.4 Hz, 1H), 8.42 - 8.14(m, 1H), 7.92(d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.52 - 7.47(m, 1H), 7.14(d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.99(t, J = 8.8 Hz, 1H), 6.95 - 6.80(m, 1H), 6.21(d, J = 16.7 Hz, 1H), 5.77(dd, J = 10.4, 2.5 Hz, 1H), 5.70(d, J = 3.8 Hz, 1H), 5.20 - 4.70(m, 1H), 4.61 - 3.81(m, 5H), 3.73 - 3.45(m, 1H), 3.05 - 2.85(m, 3H), 2.70 - 2.57(m, 1H), 2.34 - 2.25(m, 2H), 1.47 - 1.18(m, 3H), 1.12(d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.89(d, J = 6.8 Hz, 3H).
【0151】
実施例6:24‐((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36‐ジフルオロ-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-22-オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-7‐イルプロピオン酸塩の製造
【0152】
【化28】
【0153】
工程1:26,36‐ジフルオロ-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-24‐((S)-2-メチルピペラジン-1-イル)-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-7‐イルプロピオン酸塩の合成
tert-ブチル (3S)-4-(26,36‐ジフルオロ-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-7‐(プロピオン酸(プロピオニル基))-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(43 mg, 0.054 mmol)を、ジクロロメタン(4 mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.0 mL,1.76 mmol)を加え、反応を室温で2時間攪拌し、反応終了後、濃縮して生成物26,36-ジフルオロ-6-ヒドロキシ-12-イソプロピル-24-((S)-2-メチルピペラジン-1-イル)-22-オキソ-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-7-イルプロピオン酸塩(35 mg, 収率:100%)を得た。ESI-MS 621 [M+1]+
【0154】
工程2:24‐((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36‐ジフルオロ-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-7‐イルプロピオン酸塩の合成
26,36-ジフルオロ-6-ヒドロキシ-12-イソプロピル-24-((S)-2-メチルピペラジン-1-イル)-22-オキソ-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド-[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-7-イルプロピオン酸塩(35 mg, 0.054 mmol)をジクロロメタン(5 mL)に溶解、室温でトリエチルアミン(0.5 mL, 3.5 mmol)を加えて-78℃に冷却し、塩化アクリロイル(0.004 mL, 0.051 mmol)を加えたジクロロメタン溶液を滴下した。反応液を-78℃で30分間撹拌した。冷却後、ジクロロメタンで希釈した後、氷水で2回、塩水で1回洗浄した。乾燥濃縮し、濃縮物をHPLCで[5~95%アセトニトリル:0.01 mM NH4HCO3/H2O]を分離し、24-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36-ジフルオロ-6-ヒドロキシ-12-イソプロピル-22-オキソ-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-7-イルプロピオン酸塩(10.7 mg, 収率:29%)を得た。ESI-MS 675 [M+1]+
【0155】
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ 8.64 - 8.42(m, 1H), 8.29 - 8.20(m, 1H), 7.60 - 7.44(m, 1H), 7.23 - 7.12(m, 1H), 7.10 - 6.95(m, 1H), 6.90 - 6.80(m, 1H), 6.29 - 6.15(m, 1H), 6.09(d, J= 5.1 Hz, 1H), 5.77(d, J = 10.7 Hz, 1H), 5.57(s, 1H), 5.19 - 4.82(m, 1H), 4.66 - 4.62(m, 1H), 4.52 - 4.33(m, 1H), 4.32 - 3.41(m, 7H), 3.07 - 2.86(m, 1H), 2.33(s, 1H), 2.19 - 2.10(m, 2H), 1.43(s, 1.5H), 1.22(s, 1.5H), 1.15(t, J= 5.9 Hz, 3H), 1.00 - 0.80(m, 6H).
実施例7-17は、実施例6の合成方法の一部または全部を参照し、対応の原料を選び、製造により得ることができる。
【0156】
【表6】
【0157】
実施例18:24‐((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36‐ジフルオロ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-6,7‐ジイルジアセテートの製造
【0158】
【化29】
【0159】
24-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36-ジフルオロ-6,7-ジヒドロキシ-12-イソプロピル-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-22-オン(50 mg, 0.08 mmol)をDCM(15 mL)に溶解、ジイソプロピルエチルアミン(31 mg, 0.24 mmol)を加え、ジクロロメタンで希釈した塩化アセチル(13 mg, 0.16 mmol)を加えて室温で1.5時間撹拌反応を停止し、ジクロロメタンを加えて30 mLで希釈、食塩水で洗浄(15 mL*2)、有機相用無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮して溶媒を除去し、残渣を逆相カラムで分離して24-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36-ジフルオロ-12-イソプロピル-22-オキソ-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-6,7-ジアセテート(25 mg, 収率:45%)を得た。ESI-MS 703 [M+1]+
【0160】
1H NMR(400 MHz, CDCl3)δ 8.71(d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.90(dd, J = 5.2, 3.8 Hz, 1H), 7.82(dd, J = 16.5, 8.4 Hz, 1H), 7.38(td, J = 8.4, 6.5 Hz, 1H), 6.90 - 6.80(m, 2H), 6.71 - 6.52(m, 1H), 6.40(dd, J = 16.7, 2.0 Hz, 1H), 5.94(d, J = 3.7 Hz, 1H), 5.81(dd, J = 10.5, 2.0 Hz, 1H), 5.57(dt, J = 10.8, 4.5 Hz, 1H), 4.85 - 4.51(m, 2H), 4.43(dt, J = 8.3, 4.2 Hz, 1H), 4.26 - 4.01(m, 1H), 4.00 - 3.84(m, 1H), 3.74(dt, J = 10.8, 2.4 Hz, 2H), 3.63 - 3.17(m, 2H), 3.00 - 2.91(m, 1H), 2.23(s, 3H), 1.93(s, 3H), 1.51(d, J=6.8 Hz, 1H),1.40(d, J=6.8 Hz, 2H), 1.29(d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.0(d, J = 6.9 Hz, 3H).
実施例18-R及び18-Sを実施例18に基づいて製造し、SFCで分離して製造して得た。
【0161】
【表7】
【0162】
実施例19:24‐((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36‐ジフルオロ-12‐イソプロピル-22,6‐ジオキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-7‐イル酢酸エステルの製造
【0163】
【化30】
【0164】
24-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1(1,7)-26,36-ジフルオロ-6-ヒドロキシ-12イソプロピル-22-オキソ-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-7-イルアセテート(50 mg, 0.08 mmol)をDCM(15 mL)に溶解し、Dess-Martin酸化剤(32 mg, 0.08 mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応を停止して珪藻土をろ過し、減圧下で濃縮して溶剤を除去し、残渣を逆相クロマトグラフィーで分離して、24‐((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36‐ジフルオロ-12‐イソプロピル-22,6‐ジオキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-7‐イル酢酸エステル(50 mg, 収率:100%)を得た。ESI-MS 659 [M+1]+
【0165】
1H NMR(400 MHz, CDCl3)δ 8.68(d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.85(d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.41(dd, J = 8.4, 6.4 Hz, 1H), 6.97(d, J = 5.0 Hz, 1H), 6.88(t, J = 8.7 Hz, 1H), 6.65(d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.42(d, J = 16.7 Hz, 1H), 6.31(d, J = 10.3 Hz, 1H), 5.81(dd, J = 10.4, 2.0 Hz, 1H), 4.93 - 4.72(m, 1H), 4.68(dd, J = 14.7, 1.9 Hz, 1H), 4.51(dd, J = 15.0, 1.6 Hz, 1H), 4.5(m, 1H), 4.28 - 3.97(m, 1H), 3.97 - 3.82(m, 1H), 3.82 - 3.68(m, 1H), 3.68 - 3.55(m, 1H), 3.55 - 3.39(m, 1H), 3.28 - 2.93(m, 2H), 2.05(s, 3H), 1.52(d, J = 6.8 Hz, 1.5H),1.45(d, J = 6.8 Hz, 1.5H), 1.33(dd, J = 6.7 Hz, 3H), 1.05(t, J = 6.2 Hz, 3H).
実施例20を実施例19に基づいて製造し、SFCで分離して製造して得た。
【0166】
【表8】
【0167】
実施例21-22は、実施例19-20の合成方法の全部または一部を参照し、対応の原料を選び、製造して得ることができる。
【0168】
【表9】
【0169】
実施例23:24‐((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36‐ジフルオロ-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22-‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-7‐イルL‐バリン酸エステルの製造
【0170】
【化31】
【0171】
工程1:tert‐ブチル (3S)-4‐(7‐(((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)-L-バリン)オキソ)-26,36‐ジフルオロ-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボン酸エステルの合成
tert‐ブチル (3S)-4‐(26,36‐ジフルオロ-6,7‐ジヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボン酸エステル(150 mg, 0.226 mmol)のジクロロメタン(10 mL)にN‐フルオロイルメトキシカルボニル-L‐アラニン(207 mg, 0.68 mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(140 mg, 0.68 mmol)及び4‐ジメチルアミノピリジン(27.6 mg, 0.226 mmol)を加え、室温で16時間反応させた後,反応を停止させ,ジクロロメタン(30 mL)を加えて希釈し、食塩水で洗浄(20 mL*2)、有機相分離後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して溶剤を除去し、残渣を迅速シリカゲルカラムと逆相カラムで分離した後、tert-ブチル (3S)-4-(7‐(((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)-L-バリン)オキソ)-26,36‐ジフルオロ-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(182 mg, 収率:44%)を得た。ESI-MS 986 [M+1]+
【0172】
工程2:26,36‐ジフルオロ-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-24‐((S)-2-メチルピペラジン-1-イル)-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-7‐イル(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル基)‐L‐バリン酸エステルの合成
tert-ブチル (3S)-4-(7‐(((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)-L-バリン)オキソ)-26,36‐ジフルオロ-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(180.0 mg, 0.27 mmol)をジクロロメタン5 mL及びトリフルオロ酢酸2 mLに溶解し、室温で1.5時間撹拌反応を停止し、溶媒を減圧下で濃縮除去して26,36‐ジフルオロ-6-ヒドロキシ-12-イソプロピル-24-((S)-2-メチルピペラジン-1-イル)-22-オキソ-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-7-イル((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)-L-バリン酸エステル(170 mg)を得た、粗生成物はそのまま次の反応工程に供した。ESI-MS 886 [M+1]+
【0173】
工程3:24‐((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36‐ジフルオロ-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-7‐イル(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル基)‐L‐バリン酸エステルの合成
26,36‐ジフルオロ-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-24‐((S)-2-メチルピペラジン-1-イル)-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-7‐イル(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル基)‐L‐バリン酸エステル(180 mg, 0.27 mmol)をジクロロメタン(10 mL)に溶解し、N,N‐ジイソプロピルエチルアミン(1.0 mL)を加えて0℃に冷却し、塩化アクリロイル(10.0 mg, 0.10 mmol)を加えた。反応は室温まで自然昇温し、1.5時間攪拌し、反応を停止し、ジクロロメタン(30 mL)を加え、希釈し、食塩水で洗浄し(20 mL*2)、有機相分離後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、溶剤を除去し、残渣を迅速シリカゲルカラムと逆相カラムで分離した後、24-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36-ジフルオロ-6-ヒドロキシ-12-イソプロピル-22-オキソ-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-7-イル(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル基)-L-バリン酸エステル(90 mg, 収率:88%)を得た。ESI-MS 940 [M+1]+
【0174】
工程4:24‐((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36‐ジフルオロ-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-7‐イルL‐バリン酸エステルの合成
24-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36-ジフルオロ-6-ヒドロキシ-12-イソプロピル-22-オキソ-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-7-イル(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル基)-L-バリン酸エステル(88 mg, 0.094 mmol)をジクロロメタン(10 mL)に溶解、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7を0.1 mL加え、室温で2分反応させ、水洗し、有機相分離後無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して溶媒を除去し、残渣を迅速シリカゲルカラムと逆相カラムで分離し、生成物24-(S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36-ジフルオロ-6-ヒドロキシ-12-イソプロピル-22-オキソ-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-7-イルL-バリン酸エステル(21 mg, 収率:27%)を得た。ESI-MS 718 [M+1]+
【0175】
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ 8.58(d, J = 5.1 Hz, 1H), 8.52 - 8.27(m, 1H), 8.24(dd, J = 10.8, 5.1 Hz, 1H), 7.57 - 7.45(m, 1H), 7.18(d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.02(t, J = 8.8 Hz, 1H), 6.93 - 6.77(m, 1H), 6.21(d, J = 16.9 Hz, 1H), 6.09(dd, J = 9.8, 5.0 Hz, 1H), 5.83 - 5.72(m, 1H), 5.58(d, J = 9.8 Hz, 1H), 5.21 - 4.96(m, 1H), 4.80 - 3.82(m, 6H), 3.76 - 3.43(m, 6H), 3.05 - 2.85(m, 2H), 1.48 - 1.05(m, 6H), 0.98 - 0.70(m, 9H).
【0176】
実施例24:24‐((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36‐ジフルオロ-7‐(2-フルオロエトキシ基)-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-22‐オンの製造
【0177】
【化32】
【0178】
tert-ブチル (3S)-4-(26,36‐ジフルオロ-7‐(2-フルオロエトキシ基)-6‐ヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(35 mg, 0.05 mmol)をジクロロメタン(3.5 mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(0.5 mL)を加え、室温で2時間攪拌して反応を停止、減圧濃縮して溶媒を除き,残渣をジクロロメタン(3.5 mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(26 mg, 0.2 mmol)を加え、0℃に冷却し、アクリロイルクロリド(9.1 mg, 0.1 mmol)を加えた。0℃反応を2時間継続し、反応を停止し、ジクロロメタン(3.5 mL)希釈、飽和塩化ナトリウム水溶液洗浄(3 mL*2)、無水硫酸ナトリウム乾燥、減圧濃縮により溶媒を除去し、残渣をHPLC製造により分離した後、24-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36-ジフルオロ-7-(2-フルオロエトキシ基)-6-ヒドロキシ-12-イソプロピル-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-22-オン(21 mg, 収率:63%)を得た。ESI-MS 665 [M+1]+
【0179】
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ 8.54(d, J = 5.1 Hz, 1H), 8.44(d, J = 10.1 Hz, 0.5H), 8.28(t, J = 11.2 Hz, 0.5H), 8.04(d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.50(td, J = 8.4, 6.9 Hz, 1H), 7.21(d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.03(t, J = 8.9 Hz, 1H), 6.95 - 6.77(m, 1H), 6.20(d, J = 16.6 Hz, 1H), 5.77(dd, J = 10.3, 2.4 Hz, 1H), 5.65(dd, J = 5.1, 1.8 Hz, 1H), 5.09 - 4.96(m, 0.5H), 4.80(br, 0.5H), 4.46 - 4.38(m, 3H), 4.31 - 4.27(m, 3H), 4.15 - 4.12(m, 1H), 3.92(dt, J = 68.3, 13.8 Hz, 1H), 3.64 - 3.48(m, 4H), 3.43(t, J = 9.3 Hz, 1H), 2.87 - 2.84(m, 1H), 1.41(d, J= 6.6 Hz, 1H), 1.25 - 1.24(m, 3H), 1.17(dd, J= 6.6, 2.1 Hz, 3H), 0.83(dd, J = 6.8, 4.0 Hz, 3H).
【0180】
実施例25-36は、実施例24の合成方法の一部または全部を参照し、対応の原料を選び、製造により得ることができる。
【0181】
【表10】
【0182】
実施例24-36を基に実施例37-58を製造し、SFCで分離して製造した。
【0183】
【表11】
【0184】
実施例59:24‐((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36‐ジフルオロ-12‐イソプロピル-6,7‐ジメトキシ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-22‐オンの製造
【0185】
【化33】
【0186】
24-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36-ジフルオロ-6,7-ジヒドロキシ-12-イソプロピル-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-22-オン(60 mg, 0.09 mmol)をDMF(5 mL)に溶解、窒素保護下でナトリウム水素(7 mg, 0.18 mmol)を加え、室温で20分間撹拌し、ジクロロメタンで希釈したヨードメタン(25 mg, 0.18 mmol)を加え、室温で2時間反応させ、反応を停止させ、氷浴下で塩化アンモニウム水溶液を加えてクエンチし、酢酸エチル抽出(15 mL*2)を加え、有機相を合わせ、食塩水で洗浄(20 mL*2)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して溶媒を除去し、残渣を逆相カラムで分離し、24-(S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36-ジフルオロ-12-イソプロピル-6,7-ジメトキシ-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-22-オン(30 mg, 収率:69%)を得た。ESI-MS 647 [M+1]+
【0187】
1H NMR(400 MHz, CDCl3)δ 8.63(d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.99(s, 1H), 7.86(d, J = 10.2 Hz, 1H), 7.39(td, J = 8.3, 6.5 Hz, 1H), 6.96(d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.88(t, J = 8.7 Hz, 1H), 6.70 - 6.53(m, 1H), 6.40(d, J = 16.7 Hz, 1H), 5.81(dd, J = 10.3, 2.0 Hz, 1H),5.3-4.95(m, 1H), 4.82 - 4.65(m, 1H), 4.58 - 4.43(m, 1H), 4.30(dd, J = 9.1, 3.5 Hz, 1H), 4.15(d, J= 8.8 Hz, 1H), 4.05-3.95(m, 1H), 3.89(dd, J= 9.1, 4.2 Hz, 2H),3.8-3.7(m, 1H),3.62(s, 3H), 3.6-3.5(m, 2H),3.28(s,3H), 2.90 - 2.76(m, 1H),1.52(d,J=6.8,1.5H), 1.43(d,J=6.8 1.5H), 1.34(d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.98(d, J = 7.0 Hz, 3H).
実施例60-61は、実施例59の合成方法の一部または全部を参照し、対応の原料を選び、製造により得ることができる。
【0188】
【表12】
【0189】
実施例62:11-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-15,21-ジフルオロ-7-イソプロピル-3a,20a-ジヒドロ-9H,20H-12,14-(シクロエタン[1,2]二サブユニット)ベンゾ[b][1,3]ジオキサゾロ[4,5-j]ピリド[3,4-h]ピリミジン[6,1-f][1]オキサ[5,7]ジアザシクロジデカイン-2,9-ジオンの製造
【0190】
【化34】
【0191】
24-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36-ジフルオロ-6,7-ジヒドロキシ-12-イソプロピル-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-22-オン(55 mg, 0.089 mmol)のテトラヒドロフラン溶液(15 mL)にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(57.3 mg, 0.445 mmol)とN,N'-カルボニルジイミダゾール(17.3 mg, 0.11 mmol)を加え,室温で5時間撹拌した後、1,8-ジアザヘテロジシクロ[5.4.0]ウンデカン-7-エン(0.013 mL, 0.089 mmol)を加え、反応液を70℃に加熱し、この温度で半時間反応させると、検出反応は完全であり、逆相製造して生成物11-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-15,21-ジフルオロ-7-イソプロピル-3a,20a-ジヒドロ-9H,20H-12,14-(シクロエタン[1,2]サブユニット)ベンゾ[b][1,3]ジオキサゾロ[4,5-j]ピリド[3,4-h]ピリド[6,1-f][1]オキサ[5,7]ジアザピン-2,9-ジオン(28 mg, 収率:47%)を得た。ESI-MS 645 [M+1]+
【0192】
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ 8.61(d, J = 5.1 Hz, 1H), 8.46 - 8.20(m, 1H), 7.50 - 7.40(m, 1H), 7.29(d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.12(d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.05(t, J = 8.8 Hz, 1H), 6.87 - 6.72(m, 1H), 6.14(d, J = 16.7 Hz, 1H), 5.84(t, J = 7.7 Hz, 1H), 5.71(d, J = 12.0 Hz, 1H), 5.10 - 4.73(m, 2H), 4.62 - 4.53(m, 1H), 4.48 - 3.50(m, 7H), 2.83 - 2.71(m, 1H), 1.29(dd, J = 47.6, 6.5 Hz, 3H), 1.06(d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.77(d, J = 6.3 Hz, 3H).
【0193】
実施例63:11-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-15,21-ジフルオロ-7-イソプロピル-2,2-ジメチル-3a,20a-ジヒドロ9H,20H-12,14-(シクロ[1,2]ジリデン)ベンゾ[b][1,3]ジオキサゾロ[4,5-j]ピリド[3,4-h]ピリミド[6,1-f][1]オキサ[5,7]ジアゼピン-9-オンの製造
【0194】
【化35】
【0195】
24-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-26,36-ジフルオロ-6,7-ジヒドロキシ-12-イソプロピル-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-22-オン(55 mg, 0.089 mmol)のアセトン(10 mL)溶液にp-メチルベンゼンスルホン酸(15 mg, 0.079 mmol)と2,2-ジメトキシプロパン(1 mL, 8.06 mmol)を加え、50℃に加熱し、その後この温度で10時間反応させると、検出反応はほぼ終了し、濃縮し、粗生成物を逆相製造して生成物11-(S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-15,21-ジフルオロ-7-イソプロピル-2,2-ジメチル-3a,20a-ジヒドロ-9H,20H-12,14-(シクロエタン[1,2]ジサブユニット)ベンゾ[b][1,3]オキサゾロ[4,5-j]ピリド[3,4-h]ピリミノ[6,1-f][1]オキサ[5,7]ジアザシクロドデカニン-9-オン(29.9 mg, 収率:51%)を得た。ESI-MS 659 [M+1]+
【0196】
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ 8.58(d, J = 5.1 Hz, 1H), 8.49 - 8.24(m, 1H), 7.53 - 7.45(m, 1H), 7.30(dd, J = 5.2, 2.2 Hz, 1H), 7.19(dd, J = 8.3, 2.6 Hz, 1H), 7.07(t, J = 8.8 Hz, 1H), 6.96 - 6.79(m, 1H), 6.22(d, J = 17.1 Hz, 1H), 5.77(dd, J = 10.5, 2.4 Hz, 1H), 5.15 - 4.81(m, 2H), 4.57 - 4.12(m, 5H), 4.10 - 3.75(m, 1H), 3.74 - 3.50(m, 3H), 2.84 - 2.74(m, 1H), 1.54(s, 3H), 1.46 - 1.26(m, 6H), 1.12(d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.80(dd, J = 6.9, 3.1 Hz, 3H).
【0197】
実施例64:11‐((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-2‐((ジメチルアミノ基)メチル)-15,21‐ジフルオロ-7‐イソプロピル‐3a,20a‐ジヒドロ‐9H,20H‐12,14‐(シクロエタン[1,2]二サブユニット)ベンゾ[b][1,3]ジオキサゾロ[4,5-j]ピリド[3,4-h]ピリミジノ[6,1-f][1]オキサ[5,7]ジアザ環12イン-9‐オンの製造
【0198】
【化36】
【0199】
工程1:tert‐ブチル (3S)-4‐(15,21-ジフルオロ-7-イソプロピル-9-オキソ-2-ビニル-3a,20a-ジヒドロ-9H,20H-12,14-(シクロエタン[1,2]二サブユニット)ベンゾ[b][1,3]ジオキサゾロ[4,5-j]ピリド[3,4-h]ピリミジノ[6,1-f][1]オキサ[7]アジン環12英-11-イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボン酸エステルの合成
tert‐ブチル (3S)-4‐(26,36‐ジフルオロ-6,7‐ジヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボキシレート(1000 mg, 1.51 mmol)をトルエン(20 mL)に溶解し、ピリジンパラトルエンスルホン酸塩(37.8 mg, 0.15 mmol)、アクリルジアセタール(1560 mg, 12.0 mmol)を加えた。窒素保護下、100℃で一晩反応させた。反応液を酢酸エチル(100 mL)で希釈し、水(100 mL)と飽和塩化ナトリウム水溶液(100 mL)で洗浄し、有機相は無水硫酸ナトリウムによって乾燥した後減圧濃縮して溶剤を除去し、残渣を迅速シリカゲルカラムで分離してtert-ブチル (3S)-4-(15,21-ジフルオロ-7-イソプロピル-9-オキソ-2-ビニル-3a,20a-ジヒドロ-9H,20H-12,14-(シクロエタン[1,2]二サブユニット)ベンゾ[b][1,3]ジオキサゾロ[4,5-j]ピリド[3,4-h]ピリミジノ[6,1-f][1]オキサ[7]アジン環12英-11-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(860 mg, 収率:81%)を得た。ESI-MS 703 [M+1]+
【0200】
工程2:tert‐ブチル (3S)-4‐(2‐(1,2-ジヒドロキシエチル)-15,21‐ジフルオロ-7‐イソプロピル-9‐オキソ‐3a,20a‐ジヒドロ‐9H,20H‐12,14‐(シクロエタン[1,2]二サブユニット)ベンゾ[b][1,3]ジオキサゾロ[4,5-j]ピリド[3,4-h]ピリミジノ[6,1-f][1]オキサ[5,7]ジアザ環12イン-11イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボン酸エステルの合成
tert‐ブチル (3S)-4‐(15,21-ジフルオロ-7-イソプロピル-9-オキソ-2-ビニル-3a,20a-ジヒドロ-9H,20H-12,14-(シクロエタン[1,2]二サブユニット)ベンゾ[b][1,3]ジオキサゾロ[4,5-j]ピリド[3,4-h]ピリミジノ[6,1-f][1]オキサ[7]アジン環12英-11-イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボン酸エステル(400 mg, 0.569 mmol)をテトラヒドロフラン(30 mL)と水(10 mL)に溶解し、0℃で過ヨウ素酸ナトリウム(243 mg, 1.14 mmol)とオスミウム酸カリウム二水和物(52.4 mg, 0.142 mmol)をそれぞれ添加した。反応溶液をゆっくりと室温に戻し、一晩撹拌した。反応液を水(20 mL)で希釈し、酢酸エチル(30 mL)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧濃縮して溶剤を除去し、残渣を迅速シリカゲルカラムで分離してtert-ブチル (3S)-4-(2‐(1,2-ジヒドロキシエチル)-15,21‐ジフルオロ-7‐イソプロピル-9‐オキソ‐3a,20a‐ジヒドロ‐9H,20H‐12,14‐(シクロエタン[1,2]二サブユニット)ベンゾ[b][1,3]ジオキサゾロ[4,5-j]ピリド[3,4-h]ピリミジノ[6,1-f][1]オキサ[5,7]ジアザ環12イン-11イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(600 mg)を得た。合計2バッチが投じられ、合計収率:72%。ESI-MS 737 [M+1]+
【0201】
工程3:tert‐ブチル (3S)-4‐(15,21‐ジフルオロ-2‐ホルミル-7‐イソプロピル-9‐オキソ‐3a,20a‐ジヒドロ‐9H,20H‐12,14‐(シクロエタン[1,2]二サブユニット)ベンゾ[b][1,3]ジオキサゾロ[4,5-j]ピリド[3,4-h]ピリミジノ[6,1-f][1]オキサ[5,7]ジアザ環12イン-11‐イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボン酸エステルの合成
tert‐ブチル (3S)-4‐(2‐(1,2-ジヒドロキシエチル)-15,21‐ジフルオロ-7‐イソプロピル-9‐オキソ‐3a,20a‐ジヒドロ‐9H,20H‐12,14‐(シクロエタン[1,2]二サブユニット)ベンゾ[b][1,3]ジオキサゾロ[4,5-j]ピリド[3,4-h]ピリミジノ[6,1-f][1]オキサ[5,7]ジアザ環12イン-11イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボン酸エステル(300 mg, 0.407 mmol)をテトラヒドロフラン(5 mL),メタノール(5 mL),水(5 mL)の混合溶媒に溶解した。過ヨウ素酸ナトリウム(696 mg, 3.26 mmol)を加えた。室温で一晩撹拌した。反応液を水(20 mL)で希釈し、酢酸エチル(30 mL)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧濃縮して溶剤を除去し、残渣を迅速シリカゲルカラムで分離してtert-ブチル (3S)-4-(15,21‐ジフルオロ-2‐ホルミル-7‐イソプロピル-9‐オキソ‐3a,20a‐ジヒドロ‐9H,20H‐12,14‐(シクロエタン[1,2]二サブユニット)ベンゾ[b][1,3]ジオキサゾロ[4,5-j]ピリド[3,4-h]ピリミジノ[6,1-f][1]オキサ[5,7]ジアザ環12イン-11‐イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(240 mg, 収率:84%)を得た。ESI-MS 723 [M+1]+
【0202】
工程4:tert‐ブチル (3S)-4‐(2‐((ジメチルアミノ基)メチル)-15,21‐ジフルオロ-7‐イソプロピル-9‐オキソ‐3a,20a‐ジヒドロ‐9H,20H‐12,14‐(シクロエタン[1,2]二サブユニット)ベンゾ[b][1,3]ジオキサゾロ[4,5-j]ピリド[3,4-h]ピリミジノ[6,1-f][1]オキサ[5,7]ジアザ環12イン-11イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボン酸エステルの合成
tert‐ブチル (3S)-4‐(2‐((ジメチルアミノ基)メチル)-15,21‐ジフルオロ-7‐イソプロピル-9‐オキソ‐3a,20a‐ジヒドロ‐9H,20H‐12,14‐(シクロエタン[1,2]二サブユニット)ベンゾ[b][1,3]ジオキサゾロ[4,5-j]ピリド[3,4-h]ピリミジノ[6,1-f][1]オキサ[5,7]ジアザ環12イン-11イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボン酸エステル(120 mg, 0.164 mmol)をジクロロメタン(5 mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却し、窒素保護下でトリフルオロ酢酸(1 mL)を滴下した。室温で一晩撹拌した。反応液は減圧濃縮して溶媒を除去し、残渣を迅速シリカゲルカラムで分離してtert-ブチル (3S)-4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-15,21-ジフルオロ-7-イソプロピル-9-オキソ-3a,20a-ジヒドロ-9H,20H-12,14-(シクロエタン[1,2]ジサブユニット)ベンゾ[b][1,3]ジオキサゾロ[4,5-j]ピリド[3,4-h]ピリミジン[6,1-f][1]オキサ[5,7]ジアザシクロドデイン-11-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(120 mg, 収率:61%)を得た。ESI-MS 734 [M+1]+
【0203】
工程5:2‐((ジメチルアミノ基)メチル)-15,21‐ジフルオロ-7‐イソプロピル-11‐((S)-2-メチルピペラジン-1-イル)‐3a,20a‐ジヒドロ‐9H,20H‐12,14‐(シクロエタン[1,2]二サブユニット)ベンゾ[b][1,3]ジオキサゾロ[4,5-j]ピリド[3,4-h]ピリミジノ[6,1-f][1]オキサ[5,7]ジアザ環12イン-9‐オンの合成
tert‐ブチル (3S)-4‐(2‐((ジメチルアミノ基)メチル)-15,21‐ジフルオロ-7‐イソプロピル-9‐オキソ‐3a,20a‐ジヒドロ‐9H,20H‐12,14‐(シクロエタン[1,2]二サブユニット)ベンゾ[b][1,3]ジオキサゾロ[4,5-j]ピリド[3,4-h]ピリミジノ[6,1-f][1]オキサ[5,7]ジアザ環12イン-11イル)-3‐メチルピペラジン-1‐カルボン酸エステル(120 mg, 0.164 mmol)をジクロロメタン(5 mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却し、窒素保護下でトリフルオロ酢酸(1 mL)を滴下した。0℃で、2時間反応させた。反応液を減圧濃縮して溶媒を除去し、得られた粗生成物をそのまま次の反応に用いた。ESI-MS 634 [M+1]+
【0204】
工程6:11‐((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-2‐((ジメチルアミノ基)メチル)-15,21‐ジフルオロ-7‐イソプロピル‐3a,20a‐ジヒドロ‐9H,20H‐12,14‐(シクロエタン[1,2]二サブユニット)ベンゾ[b][1,3]ジオキサゾロ[4,5-j]ピリド[3,4-h]ピリミジノ[6,1-f][1]オキサ[5,7]ジアザ環12イン-9‐オンの合成
2‐((ジメチルアミノ基)メチル)-15,21‐ジフルオロ-7‐イソプロピル-11‐((S)-2-メチルピペラジン-1-イル)‐3a,20a‐ジヒドロ‐9H,20H‐12,14‐(シクロエタン[1,2]二サブユニット)ベンゾ[b][1,3]ジオキサゾロ[4,5-j]ピリジノ[3,4-h]ピリミジノ[6,1-f][1]オキサ[5,7]ジアザ環12イン-9‐オン(100 mg, 0.158 mmol)を無水ジクロロメタン(5 mL)に溶かし,N,N‐ジイソプロピルエチルアミン(85.6 mg, 0.66 mmol)を加えた。0℃に冷却、窒素保護下でプロパン-2-エノイルクロリド(14.3 mg, 0.158 mmol)を滴加し、2時間反応させた。反応液を酢酸エチル(20 mL)で希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液(30 mL)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮して溶剤を除去し、残渣を逆相カラムで分離して11-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-2-((ジメチルアミノ基)メチル)-15,21-ジフルオロ-7-イソプロピル-3a,20a-ジヒドロ-9H,20H-12,14-(シクロエタン[1,2]二サブユニット)ベンゾ[b][1,3]ジオキサゾロ[4,5-j]ピリド[3,4-h]ピリミジン[6,1-f][1] オキサ[5,7]ジアザ環12イン-9-オン(42 mg, 収率:37%,純度96.0%)を得た。ESI-MS 688 [M+1]+
【0205】
1H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ8.61 - 8.55(m, 1H), 8.46 - 8.38(m, 1H), 8.33(br d, J = 10.1 Hz, 1H), 7.55 - 7.45(m, 1H), 7.33 - 7.26(m, 1H), 7.21(d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.08(t, J = 8.9 Hz, 1H), 6.87(br d, J = 5.6 Hz, 1H), 6.22(br d, J = 17.6 Hz, 1H), 5.78(br d, J = 12.5 Hz, 1H), 5.48(t, J = 4.5 Hz, 1H), 5.06(br s, 1H), 4.98(t, J=4.3 Hz, 1H), 4.95 - 4.86(m, 1H), 4.55(br d, J = 4.3 Hz, 1H), 4.50 - 4.38(m, 1H), 4.35 - 4.25(m, 1H), 4.18(br d, J = 7.4 Hz, 1H), 4.04(br t, J = 15.1 Hz, 1H), 3.83(br s, 1H), 3.73 - 3.55(m, 2H), 2.81(br s, 1H), 2.66 - 2.60(m, 1H), 2.25 - 2.19(m, 6H), 1.41(br s, 1H), 1.31(br d, J = 6.1 Hz, 2H), 1.12(d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.81(br d, J = 6.1 Hz, 3H).
実施例65:(R)-24‐((2S,5R)-4-アクリロイル-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-35‐クロロ-26,36‐ジフルオロ-6,7‐ジヒドロキシ-12‐イソプロピル-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-22‐オンの製造
【0206】
【化37】
【0207】
工程1:(R)-tert-ブチル (2R、5S)-4-(35‐クロロ-26,36‐ジフルオロ-6,7‐ジヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-2,5-ジメチルピペラジン-1-カルボン酸エステルの合成
(R)-tert-ブチル (2R、5S)-4-(35‐クロロ-26,36‐ジフルオロ-6,7‐ジヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-2,5-ジメチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(440 mg, 0.7 mmol)のアセトニトリル(40 mL)溶液にN-クロロブタンジイミド(278.6 mg, 2.1 mmol)を加えた後、70℃に加熱し、この温度で6時間反応させ、この反応を停止し、濃縮残渣を迅速シリカゲルカラムで分離して生成物として、(R)-tert-ブチル (2R、5S)-4-(35‐クロロ-26,36‐ジフルオロ-6,7‐ジヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン‐3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン‐24‐イル)-2,5‐ジメチルピペラジン‐1‐カルボン酸エステル(450 mg, 収率:76%)を得た。ESI-MS 713 [M+1]+
【0208】
工程2:(R)-35‐クロロ-24-((2S,5R)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-26,36‐ジフルオロ-6,7‐ジヒドロキシ-12‐イソプロピル-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-22-オンの合成
(R)-tert-ブチル (2R、5S)-4-(35‐クロロ-26,36‐ジフルオロ-6,7‐ジヒドロキシ-12‐イソプロピル-22‐オキソ-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-24‐イル)-2,5-ジメチルピペラジン-1-カルボン酸エステル(450.0 mg, 0.63 mmol)ジクロロメタン5 mL及びトリフルオロ酢酸2 mLに溶解し、室温で1.5時間攪拌して反応を停止し、溶媒を減圧濃縮除去して(R)-35‐クロロ-24-((2S,5R)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-26,36‐ジフルオロ-6,7‐ジヒドロキシ-12‐イソプロピル-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-22-オン(400 mg)を得た、粗生成物はそのまま次の反応工程に供した。ESI-MS 613 [M+1]+
【0209】
工程3:(R)-24‐((2S,5R)-4-アクリロイル-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-35‐クロロ-26,36‐ジフルオロ-6,7‐ジヒドロキシ-12‐イソプロピル-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-22‐オンの合成
(R)-35‐クロロ-24‐((2S,5R)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-26,36-ジフルオロ-6,7‐ジヒドロキシ-12‐イソプロピル-21,22‐ジヒドロ-4‐オキサ-2(1,7)‐ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)‐ピリジン-3(1,2)‐ベンゾシクロヘプタン-22‐オン(368 mg, 0.6 mmol)をジクロロメタン(15 mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.0 mL)を加えて0℃に冷却し、塩化アクリロイル(60.0 mg, 0.66 mmol)を加えた。反応は室温まで自然昇温し、1.5時間攪拌し、反応を停止し、ジクロロメタン(30 mL)を加え、希釈し、食塩水で洗浄し(20 mL*2)、有機相分離後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、溶剤を除去し、残渣を迅速シリカゲルカラムと逆相カラムで分離した後、(R)-24-((2S,5R)-4-アクリロイル-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-35-クロロ-26,36-ジフルオロ-6,7-ジヒドロキシ-12-イソプロピル-21,22-ジヒドロ-4-オキサ-2(1,7)-ピリド[2,3-d]ピリミジン-1(3,4)-ピリジン-3(1,2)-ベンゾシクロヘプタン-22-オン(216 mg, 収率:51%)を得た。ESI-MS 667 [M+1]+
【0210】
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ 8.50(d, J = 5.0 Hz, 1H), 8.17(dd, J = 14.0, 9.2 Hz, 1H), 8.01(d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.68(t, J = 8.8 Hz, 1H), 7.24(d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.94 - 6.74(m, 1H), 6.23 - 6.14(m, 1H), 5.81 - 5.68(m, 2H), 4.95 - 4.45(m, 5H), 4.25 - 3.79(m, 3H), 3.76 - 3.53(m, 2H), 3.43 - 3.33(m, 1H), 3.00 - 2.85(m, 1H), 1.46(t, J = 5.8 Hz, 3H), 1.33(dd, J = 10.8, 6.7 Hz, 3H), 1.13(dd, J = 6.6, 1.6 Hz, 3H), 0.91(dd, J = 6.7, 4.5 Hz, 3H).
実施例66-71は、実施例65の合成方法の一部または全部を参照し、対応の原料を選び、製造により得ることができる。
【0211】
【表13】
【0212】
実施例68-71を基に実施例72-79を製造し、SFCで分離して製造した。
【0213】
【表14】
【0214】
生物学的測定・評価
一、抗増殖性2D CTG検査
1.実験工程
1)0日目、細胞板
細胞が約80%コンフルエントになった時点で、0.25%トリプシンで細胞を分離した。分離した細胞を5 mLの新鮮な細胞培養液に再懸濁し、遠心分離して細胞を回収した。細胞数も同時にカウントした。その後、細胞を中濃度の培地に懸濁させた。H358は1500 cells/well、MIAPACA-2は500 cells/wellの96ウェルプレートに細胞を入れた。96ウェルプレートを37℃のインキュベーターに入れ、一晩インキュベートした。
【0215】
2)1日目、化合物処理
2 mMストック液を1:3の割合で10点連続希釈。96ウェルの対応するウェルに化合物を含む5倍量の培地を移した。最高点の化合物の最終濃度は10 μM、DMSOの最終濃度は0.5%であった。96ウェルプレートは37℃のインキュベーターに入れ、5日間培養した。
【0216】
3)ベースラインを読み取った。
4)6日目、シグナルの読み取り
アッセイ試薬(CTG)を50 μL/well添加し、Envision装置でシグナルを読み取った。
【0217】
2.データ処理
各分析プレートに含まれるHPE及びZPEコントロールウェルのシグナルと、個々の化合物ウェルの蛍光シグナルから、各化合物濃度での阻害率(%)を算出した。阻害率は、酵素と基質を含むZPEコントロールウェルでは0%、基質のみを含むHPEコントロールウェルでは100%であった。50%阻害に必要な化合物濃度(IC50)は、化合物濃度と阻害率の値を4パラメータの対数用量反応式で検定することにより求めた。品質管理として、各実験でリファレンス化合物のエンドポイント値(IC50)を評価した。終点値が期待値の3倍以内であれば、その実験は合格とする。
【0218】
【表15】
【0219】
具体的な実施例の化合物活性データから、本発明の一連の化合物はK-RAS細胞活性に対して、強い阻害作用を有し、一部の化合物は同一試験条件下で陽性化合物に対してK-RAS細胞活性の阻害作用が数倍増加することが示唆された。
【0220】
各文献がそれぞれ単独に引用されるように、本発明に係るすべての文献は本出願で参考として引用する。また、本発明の前記の内容を読み終わった後、当業者が本発明を各種の変動や修正をすることができるが、それらの等価の形態のものは本発明の請求の範囲に含まれることが理解されるはずである。
【国際調査報告】