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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-27
(54)【発明の名称】エアロゾル供給デバイス
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20231220BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20231220BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537566
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 EP2021087416
(87)【国際公開番号】W WO2022136608
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】2020429.3
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】マクグラス, コーナー
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン, ルーク
(72)【発明者】
【氏名】ビュロー, デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】バージェス, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス, マイケル
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC12
4B162AC41
(57)【要約】
エアロゾル供給デバイス(100)であって、長手方向軸線を画定し、エアロゾル生成材料を含む物品(110)の少なくとも一部を受容するように構成された加熱チャンバと、加熱チャンバに受容されたエアロゾル生成材料を加熱するように構成された加熱要素と、を有するヒータアセンブリ(105)を備え、当該デバイス(100)が、加熱チャンバ(105)の一端に空気通路(310)を構成する空気入口部材(230)を有し、空気通路(310)が、加熱チャンバとともに流路の一部を画定し、空気入口部材(230)により画定された空気通路の少なくとも一部が、加熱チャンバの長手方向軸線(101c)からオフセットした、エアロゾル供給デバイスである。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸線を画定し、エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受容するように構成された加熱チャンバと、
前記加熱チャンバに受容されたエアロゾル生成材料を加熱するように構成された加熱要素と
を有するヒータアセンブリを備える、エアロゾル供給デバイスであって、
当該エアロゾル供給デバイスは、前記加熱チャンバの一端に空気通路を構成する空気入口部材を有し、前記空気通路が、前記加熱チャンバとともに流路の一部を画定し、
前記空気入口部材により画定された前記空気通路の少なくとも一部が、前記加熱チャンバの前記長手方向軸線からオフセットされている、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記オフセットが、角度オフセットである、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記角度オフセットが、10°~110°であり、任意選択で、前記角度オフセットが、20°~100°である、請求項2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記空気通路の前記少なくとも一部が、実質的に半径方向に延びている、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記デバイスが、ハウジングを備え、前記空気通路が、前記ハウジングの開口部まで延びている、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記空気通路が、前記加熱チャンバと前記開口部との間で延びている、請求項5に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記開口部が、前記流路への空気入口である、請求項5又は6に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
バッテリを備え、
前記空気通路が、前記ヒータアセンブリと前記バッテリとの間で前記ハウジングと連通した、請求項5~7のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
前記ヒータアセンブリと前記バッテリとの間に断熱体を備える、請求項8に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記断熱体が、前記空気入口部材と前記バッテリとの間にある、請求項9に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記断熱体が、エアロゲルを含む、請求項10に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
前記空気入口部材が、管状部材を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
前記空気通路が、前記加熱チャンバの基部から延びている、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
前記空気入口部材が、前記長手方向軸線に位置合わせされた第1のボアと、前記第1のボアからある角度で延びた第2のボアとを画定することにより、前記長手方向軸線から分かれる前記空気通路の前記少なくとも一部を画定する、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
前記加熱要素が、前記加熱チャンバを少なくとも部分的に囲む、請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
前記加熱要素が、変動磁場の侵入により加熱可能なサセプタを備える、請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項17】
インダクタコイルをさらに備え、
前記インダクタコイルが、前記変動磁場を生成するように構成されている、請求項16に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項18】
前記加熱要素が、抵抗加熱要素である、請求項1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項19】
ヒータアセンブリを備える、エアロゾル供給デバイスであって、
前記ヒータアセンブリが、長手方向軸線を有するとともに、
エアロゾル生成材料を受容するように構成されたチャンバと、
前記チャンバに受容されたエアロゾル生成材料を燃焼させずに加熱するように構成された加熱要素と
を備え、
当該エアロゾル供給デバイスは、前記チャンバへの空気通路を画定する空気入口部材を前記ヒータアセンブリの一端に有し、
前記空気入口部材により画定された前記空気通路の少なくとも一部が、前記ヒータアセンブリの前記長手方向軸線から分かれている、エアロゾル供給デバイス。
【請求項20】
ハウジングと、
エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受容するように構成された加熱チャンバと、前記加熱チャンバに受容されたエアロゾル生成材料を加熱するように構成された加熱要素とを有するヒータアセンブリと、
前記加熱チャンバと前記ハウジングの空気入口との間に空気流通路を画定する空気入口部材と
を備える、エアロゾル供給デバイスであって、
前記ハウジングが、本体と、前記本体に搭載されるように構成された分離可能部とを備え、
前記分離可能部が、前記本体に搭載された場合に、前記空気入口を覆うように構成された空気透過領域を備える、エアロゾル供給デバイス。
【請求項21】
エアロゾル供給デバイスであって、
ハウジングと、
エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受容するように構成された加熱チャンバと、前記加熱チャンバに受容されたエアロゾル生成材料を加熱するように構成された加熱要素とを有するヒータアセンブリであり、当該エアロゾル供給デバイスが、前記加熱チャンバと前記ハウジングの空気入口との間に空気流通路を画定する空気入口部材を有する、ヒータアセンブリと、
前記ハウジングとともに前記空気入口部材を流体封止する半径方向リップシールと
を備える、エアロゾル供給デバイス。
【請求項22】
当該エアロゾル供給デバイスが、タバコ加熱製品である、請求項1~21のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスと、
エアロゾル生成材料を含み、前記ヒータアセンブリ内に少なくとも部分的に受容されるように寸法規定された物品と
を備える、エアロゾル供給システム。
【請求項24】
請求項23に記載のエアロゾル供給デバイスと、
非液体エアロゾル生成材料を含み、前記ヒータアセンブリ内に少なくとも部分的に受容されるように寸法規定された物品と
を備える、エアロゾル供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給デバイスに関する。また、本発明は、エアロゾル供給デバイス及びエアロゾル生成材料を含む物品を備えるエアロゾル供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻タバコ、葉巻タバコ等の喫煙品は、使用時にタバコを燃焼させて、タバコ煙を生成する。燃焼なしに化合物を放出する製品の創出によって、これらタバコを燃焼させる物品の代替物を提供しようとする試みがなされている。このような製品の例は、材料を燃焼させずに加熱することによって化合物を放出する加熱デバイスである。この材料は、例えばタバコ又は他の非タバコ製品が考えられ、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、エアロゾル供給デバイスであって、長手方向軸線を画定し、エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受容するように構成された加熱チャンバと、加熱チャンバに受容されたエアロゾル生成材料を加熱するように構成された加熱要素と、を有するヒータアセンブリを備え、当該デバイスが、加熱チャンバの一端に空気通路を構成する空気入口部材を有し、空気通路が、加熱チャンバとともに流路の一部を画定し、空気入口部材により画定された空気通路の少なくとも一部が、加熱チャンバの長手方向軸線からオフセットした、エアロゾル供給デバイスが提供される。
【0004】
上記実施形態の一実施形態において、オフセットは、角度オフセットである。角度オフセットは、10°~110°であってもよい。任意選択で、角度オフセットは、20°~100°であってもよい。
【0005】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、空気通路の少なくとも一部は、実質的に半径方向に延びる。
【0006】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、このデバイスは、ハウジングを備え、空気通路は、ハウジングの開口部まで延びる。空気通路は、加熱チャンバと開口部との間に延びる。開口部は、流路への空気入口であってもよい。このデバイスは、バッテリを備えていてもよく、空気通路は、ヒータアセンブリとバッテリとの間でハウジングと連通する。このデバイスは、ヒータアセンブリとバッテリとの間に断熱体を備える。断熱体は、空気入口部材とバッテリとの間にあってもよい。断熱体は、エアロゲルを含んでいてもよい。
【0007】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、空気入口部材は、管状部材を備える。上記実施形態のいずれかの一実施形態において、空気通路は、加熱チャンバの基部から延びる。
【0008】
ヒータアセンブリは、加熱チャンバを画定するレセプタクルを備えていてもよい。レセプタクルは、加熱要素を備えていてもよい。加熱要素は、レセプタクルの壁を含んでいてもよい。レセプタクルは、基部壁を含んでいてもよい。基部壁は、加熱チャンバの基部を画定していてもよい。
【0009】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、空気入口部材は、長手方向軸線に位置合わせされた第1のボアと、第1のボアからある角度で延びた第2のボアと、を画定することにより、長手方向軸線から分かれる空気通路の少なくとも一部を画定する。
【0010】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、加熱要素は、加熱チャンバを少なくとも部分的に囲む。
【0011】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、加熱要素は、変動磁場の侵入により加熱可能なサセプタを備える。このデバイスは、インダクタコイルをさらに備えていてもよく、インダクタコイルは、変動磁場を生成するように構成されている。
【0012】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、加熱要素は、抵抗加熱要素である。
【0013】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、エアロゾル供給デバイスであって、長手方向軸線を有し、エアロゾル生成材料を受容するように構成されたチャンバと、チャンバに受容されたエアロゾル生成材料を燃焼させずに加熱するように構成された加熱要素と、を備えるヒータアセンブリを備え、当該デバイスが、チャンバへの空気通路を画定する空気入口部材をヒータアセンブリの一端に有し、空気入口部材により画定された空気通路の少なくとも一部が、ヒータアセンブリの長手方向軸線から分かれた、エアロゾル供給デバイスが提供される。
【0014】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、ハウジングと、エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受容するように構成された加熱チャンバと、加熱チャンバに受容されたエアロゾル生成材料を加熱するように構成された加熱要素と、を有するヒータアセンブリと、加熱チャンバとハウジングの空気入口との間に空気流通路を画定する空気入口部材と、を備えるエアロゾル供給デバイスであって、ハウジングが、本体と、本体に搭載されるように構成された分離可能部と、を備え、分離可能部が、本体に搭載された場合に空気入口を覆うように構成された空気透過領域を備える、エアロゾル供給デバイスが提供される。
【0015】
空気透過領域は、メッシュを備えていてもよい。
【0016】
メッシュは、金属又はポリマー等の任意好適な材料により形成されていてもよい。金属は、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、金、銀、パラジウム、又は白金であってもよい。メッシュは、上述の金属のいずれかの合金等、材料の混合物で構成されていてもよい。或いは、メッシュは、めっきすることも可能である(例えば、ニッケルめっき鋼)。
【0017】
メッシュは、酸腐食又はレーザ切断等によって、金属箔により形成されていてもよい。
【0018】
空気透過領域は、通気孔のアレイを含んでいてもよい。
【0019】
各通気孔の流路面積は、2mm未満、任意選択で1.5mm、1mm未満、任意選択で0.5mm未満、任意選択で0.1mm未満であってもよい。例えば、各通気孔の流路面積は、0.5mm~1.5mm(およそ1mm等)であってもよい。
【0020】
分離可能部は、パネルを備える。
【0021】
加熱チャンバは、長手方向軸線を画定していてもよい。空気入口部材により画定された空気流通路の少なくとも一部が加熱チャンバの長手方向軸線からオフセットしていてもよい。
【0022】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、ハウジングと、エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受容するように構成された加熱チャンバと、加熱チャンバに受容されたエアロゾル生成材料を加熱するように構成された加熱要素と、を有するヒータアセンブリであり、当該デバイスが、加熱チャンバとハウジングの空気入口との間に空気流通路を画定する空気入口部材を有する、ヒータアセンブリと、ハウジングとともに空気入口部材を流体封止する半径方向リップシールと、を備える、エアロゾル供給デバイスが提供される。
【0023】
半径方向リップシールは、空気入口部材に搭載されていてもよい。
【0024】
半径方向リップシールは、空気流通路を囲んでいてもよい。
【0025】
半径方向リップシールは、周縁リップを含んでいてもよい。
【0026】
半径方向リップシールは、少なくとも2つの周縁リップを含んでいてもよい。
【0027】
半径方向リップシールは、ハウジングの側壁に隣接していてもよい。
【0028】
ハウジングは、側壁に空気入口を含んでいてもよい。半径方向リップシールは、空気入口の周りを封止していてもよい。
【0029】
半径方向リップシールは、ハウジングに対して付勢されていてもよい。
【0030】
半径方向リップシールは、圧縮状態であってもよい。
【0031】
ハウジングは、長手方向軸線を画定していてもよい。ハウジングに隣り合う空気入口部材の部分が長手方向軸線と垂直に延びていてもよい。
【0032】
ハウジングに隣り合う空気入口部材の部分は、ハウジングの内側から垂直に延びていてもよい。
【0033】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、エアロゾル供給デバイスは、タバコ加熱製品である。
【0034】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、上述の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル供給デバイスと、エアロゾル生成材料を含み、ヒータアセンブリ内に少なくとも部分的に受容されるように寸法規定された物品と、を備えるエアロゾル供給システムが提供される。
【0035】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、上述のようなタバコ加熱製品と、非液体エアロゾル生成材料を含み、ヒータアセンブリ内に少なくとも部分的に受容されるように寸法規定された物品と、が提供される。
【0036】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、エアロゾル供給デバイスを組み立てる方法であって、ヒータアセンブリ及び自由端に半径方向リップシールを有する空気入口部材を用意することと、半径方向リップシールがハウジングの側壁とともに封止を行い、空気入口の自由端がハウジングの側壁の開口部と一致するように、ヒータアセンブリをハウジングに挿入することと、を含む、方法が提供される。
【0037】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明するが、これらは一例に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】エアロゾル供給デバイスの正面図である。
図2】筐体、端部材、電源、エアロゾル生成アセンブリ、交換式物品、及び外カバーを示す図1のエアロゾル供給デバイスの部分分解側面図である。
図3図1のエアロゾル供給デバイスの一部の拡大模式側断面図である。
図4図2のエアロゾル生成アセンブリの一部を示す拡大模式断面図である。
図5図2のエアロゾル生成アセンブリの近位部を示す別の拡大模式断面図である。
図6図2のエアロゾル生成アセンブリの遠位部を示す別の拡大模式断面図である。
図7図2のエアロゾル生成アセンブリの一部を示す別の拡大模式断面図である。
図8図2のエアロゾル生成アセンブリの一部を示す別の拡大模式断面図である。
図9図3のエアロゾル生成アセンブリの一部を通る流路を示す模式断面図である。
図10図3のエアロゾル生成アセンブリの一部を通る別の流路を示す模式断面図である。
図11図2のエアロゾル生成アセンブリの一部を示す拡大模式断面図である。
図12図11のリップシールを示した図である。
図13図11及び図12のリップシールの一部の断面図である。
図14】代替的なエアロゾル供給デバイスの正面図である。
図15図14のエアロゾル供給デバイスのハウジングの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本明細書において、用語「エアロゾル生成材料(aerosol generating material)」は、通常はエアロゾルの形態で、加熱時に揮発成分を与える材料を含む。エアロゾル生成材料には、任意のタバコ含有材料を含み、例えば、タバコ、タバコ派生物、拡張タバコ、再生タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ又は複数が挙げられる。また、エアロゾル生成材料としては、他の非タバコ製品も挙げられ、製品によっては、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。エアロゾル生成材料は、例えば固体、液体、ゲル、ワックス等の形態であってもよい。また、エアロゾル生成材料は、材料の組み合わせ又は混合であってもよい。また、エアロゾル生成材料は、「喫煙材」として知られる場合もある。
【0040】
エアロゾル生成材料を加熱して当該エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させることにより、通常はエアロゾル生成材料の燃焼(burn又はcombust)なく吸引可能なエアロゾルを形成する装置が知られている。このような装置は、「エアロゾル生成デバイス」、「エアロゾル提供デバイス」、「非燃焼加熱式デバイス」、「タバコ加熱製品デバイス」、又は「タバコ加熱デバイス」等として記載される場合がある。本発明の好適な一実施形態において、本発明のエアロゾル生成デバイスは、タバコ加熱製品である。タバコ加熱製品とともに使用する非液体エアロゾル生成材料は、タバコを含む。
【0041】
同様に、通常は液体の形態のエアロゾル生成材料(ニコチンを含む場合もあれば、含まない場合もある)を気化させる、いわゆるeシガレットデバイスが存在する。エアロゾル生成材料は、装置に挿入可能なロッド、カートリッジ、又はカセット等の一部の形態であってもよいし、一部として提供されるようになっていてもよい。エアロゾル生成材料を加熱して揮発させる加熱器は、装置の「永久」部品として設けられていてもよい。
【0042】
エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成材料を含む物品を受容して加熱することができる。これに関連して、「物品」は、使用時にエアロゾル生成材料を具備又は含有し、加熱されてエアロゾル生成材料及び任意選択で使用時の他の構成要素を揮発させる構成要素である。ユーザが物品をエアロゾル供給デバイスに挿入した後、当該エアロゾル供給デバイスが加熱されて、ユーザが後で吸引するエアロゾルが生成されるようになっていてもよい。物品は、例えば当該物品を受容するようにサイズ規定されたデバイスの加熱チャンバ内に配置されるように構成された予め定められたサイズであってもよいし、特定のサイズであってもよい。
【0043】
図1は、エアロゾル生成媒体/材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給デバイス100の一例を示している。概略として、デバイス100は、エアロゾル生成媒体を含む交換式物品110を加熱して、当該デバイス100のユーザが吸引するエアロゾル又は他の吸引可能媒体を生成するのに用いられるようになっていてもよい。
【0044】
デバイス100は、当該デバイス100の様々な構成要素を囲んで収容する(外カバーを含む)ハウジング102を備える。デバイス100は、物品110を挿通してヒータアセンブリ105により加熱可能な開口104を一端に有する(図2参照)。使用時、物品110は、ヒータアセンブリ105に全部又は一部が挿入され、ヒータアセンブリ105の1つ又は複数の構成要素により加熱されるようになっていてもよい。
【0045】
また、デバイス100は、ボタン又はスイッチ等、押された場合にデバイス100を動作させるユーザ操作可能な制御要素112を具備していてもよい。例えば、ユーザは、スイッチ112の操作によって、デバイス100をオンするようにしてもよい。
【0046】
デバイス100は、長手方向軸線101を画定する。
【0047】
図2は、図1のデバイス100の模式分解図である。デバイス100は、外カバー102、第1の端部材106、及び第2の端部材116を備える。デバイス100は、筐体109、電源118、及びヒータアセンブリ105を含むエアロゾル生成アセンブリ111を具備する。デバイス100は、少なくとも1つの電子機器モジュール122をさらに備える。
【0048】
外カバー102は、デバイスシェル108の一部を構成する。第1の端部材106は、デバイス100の一端に配置されており、デバイス100の反対端には第2の端部材116が配置されている。第1及び第2の端部材106、116は、外カバー102を閉じる。第1及び第2の端部材106、116は、シェル108の一部を構成する。実施形態のデバイス100は、物品110が適所にない場合に、第1の端部材106に対する移動によって開口104を閉鎖し得る蓋(図示せず)を備える。
【0049】
また、デバイス100は、コネクタ/ポート114等、ケーブルを受容して当該デバイス100のバッテリを充電可能な電気的構成要素を備えていてもよい。例えば、コネクタ114は、USB充電ポート等の充電ポートであってもよい。いくつかの例において、コネクタ114は、追加又は代替として、デバイス100とコンピュータデバイス等の別のデバイスとの間のデータの転送に用いられるようになっていてもよい。
【0050】
デバイス100は、筐体109を具備する。筐体109は、外カバー102により受容される。エアロゾル生成アセンブリ111は、使用時に物品110の全部又は一部が挿入され得るヒータアセンブリ105を備え、物品110は、ヒータアセンブリ105の1つ又は複数の構成要素により加熱されるようになっていてもよい。エアロゾル生成アセンブリ111及び電源118は、筐体109に搭載されている。筐体109は、一体型(ワンピース型)の構成要素である。
【0051】
筐体109は、例えば射出成形プロセスによって、製造時に一体形成されるようになっていてもよい。或いは、最初に筐体109の2つ以上の特徴が別個に形成された後、例えば溶接プロセスにより、製造段階における一体形成によって、一体型の構成要素が形成されるようになっていてもよい。
【0052】
一体型の構成要素は、デバイス100の組み立て後、2つ以上の構成要素に分離できないデバイス100の構成要素を表す。一体形成は、構成要素の製造段階で一体型の構成要素として形成される2つ以上の特徴に関する。
【0053】
第1及び第2の端部材106、116は一体的に、デバイス100の端面を少なくとも部分的に画定する。例えば、第2の端部材116の底面は、デバイス100の底面を少なくとも部分的に画定する。また、外カバー102の縁部が端面の一部を画定していてもよい。第1及び第2の端部材116は、外カバー102の開放端を閉じる。第2の端部材116は、筐体109の一端にある。
【0054】
開口104に最も近いデバイス100の端部は、使用時にユーザの口に最も近いため、デバイス100の近位端(又は、口端)として知られていてもよい。使用時、ユーザは、物品110を開口104に挿入し、ユーザ制御112を操作してエアロゾル生成材料の加熱を開始し、デバイスで生成されたエアロゾルを利用する。これにより、流路に沿ってデバイス100の近位端に向かって、エアロゾルがデバイス100を流れる。
【0055】
開口104から最も遠いデバイスの他端は、使用時にユーザの口から最も遠くなる端部であるため、デバイス100の遠位端として知られていてもよい。デバイスで生成されたエアロゾルをユーザが利用する場合、エアロゾルは、デバイス100の近位端に向かう方向に流れる。デバイス100の特徴に適用される近位及び遠位という用語は、軸線101に沿った近位-遠位方向において、このような特徴の互いの相対的配置を参照することにより説明されるであろう。
【0056】
電源118は、デバイス100の遠位端に配設されている。筐体109は、電源118を搭載している。筐体109は、電源取り付け部119を備える。筐体109は、電源118を部分的に囲んでいる。電源118は、例えば充電式バッテリ又は非充電式バッテリ等のバッテリであってもよい。好適なバッテリの例としては、例えばリチウムバッテリ(リチウムイオンバッテリ等)、ニッケルバッテリ(ニッケルカドミウムバッテリ等)、及びアルカリバッテリが挙げられる。バッテリは、エアロゾル生成アセンブリ111に対して電気的に結合され、必要に応じて電力を供給するとともに、制御装置121の制御下でエアロゾル生成材料を加熱する。本例において、バッテリは、当該バッテリ118を適所に保持する中央支持部として作用する筐体109に接続されている。
【0057】
電源118及びエアロゾル生成アセンブリ111は、軸線方向構成体として、電源118がデバイス100の遠位端に、エアロゾル生成アセンブリ111がデバイス100の近位端に配設されている。他の構成が想定される。筐体109は、エアロゾル生成アセンブリ取り付け部113を備える。
【0058】
デバイス100は、少なくとも1つの電子機器モジュール122をさらに備える。電子機器モジュール122は、例えばプリント配線板(PCB)123を備えていてもよい。PCB123は、プロセッサ等の少なくとも1つの制御装置121及びメモリを支持していてもよい。また、PCB123は、デバイス100の様々な電子的構成要素を電気的に一体接続する1つ又は複数の電気的トラックを備えていてもよい。例えば、電力をデバイス100全体に配分可能となるように、バッテリ端子がPCB123に対して電気的に接続されていてもよい。また、コネクタ114は、電気的トラックを介して、バッテリ118に対して電気的に結合されていてもよい。筐体109は、PCB取り付け部117を備える。
【0059】
エアロゾル生成アセンブリ111は、誘導加熱アセンブリであり、誘導加熱プロセスによって物品110のエアロゾル生成材料を加熱する様々な構成要素を備える。誘導加熱は、電磁誘導によって導電体(サセプタ等)を加熱するプロセスである。誘導加熱アセンブリは、誘導要素(例えば、1つ又は複数のインダクタコイル)と、交流等の変動電流を誘導要素に通過させるデバイスとを備えていてもよい。誘導要素の変動電流は、変動磁場を生成する。変動磁場は、誘導要素に対して好適に配置されたサセプタに侵入して、サセプタの内側に渦電流を生成する。サセプタは、渦電流に対する電気抵抗を有するため、この抵抗に対する渦電流の流れによって、サセプタがジュール加熱により加熱される。また、サセプタが鉄、ニッケル、又はコバルト等の強磁性材料を含む場合は、サセプタの磁気ヒステリシス損すなわち変動磁場との位置合わせの結果としての磁性材料の磁気双極子の変動配向によっても熱が生成されてもよい。誘導加熱においては、例えば伝導による加熱と比較して、サセプタの内側で熱が生成されるため、急速加熱が可能となる。さらに、誘導加熱器とサセプタとの間の物理的な接触が一切不要なため、構成及び用途の自由度が増す。誘導加熱手段を記載するが、抵抗加熱手段等、任意好適な加熱手段が用いられるようになっていてもよい。
【0060】
図3は、デバイス100の一部を示した一部断面拡大側面図を示している。外カバー102は、エアロゾル生成アセンブリ111を囲んでいる。デバイス100のエアロゾル生成アセンブリ111は、ヒータアセンブリ105及びインダクタコイルアセンブリ127を備える。インダクタコイルアセンブリ127は、ヒータアセンブリ105の周りに延びている。インダクタコイルアセンブリ127は、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126を含む。また、インダクタコイルアセンブリ127は、コイル支持部200を備える。
【0061】
ヒータアセンブリ105は、サセプタ構成体132(本明細書においては、「サセプタ」と称する)を具備する。本例のサセプタ132は中空である。例えば、物品110をサセプタ132に挿入可能である。本例において、サセプタ132は、円形の断面を有する管状である。サセプタ132は、ヒータアセンブリ105の第1の部分を画定する。サセプタ132は、その軸線方向長さに沿って、大略一定の直径を有する。サセプタ132は、第1の端部である近位端133にフレア部134を有する。フレア部134は、外方に広がっている。フレア部134は、外方延伸リップ135を画定する。すなわち、リップ135は、サセプタ132の主部の外径よりも大きな直径を有する。リップ135は、第1の端部133におけるサセプタ132の他の構成要素との接触を最小限に抑えるように作用する。この構成は、サセプタ132が加熱された場合に、例えば伝導による熱伝達の低減に役立つ。
【0062】
サセプタ132は、電磁誘導による加熱に適した導電材料により形成されている。本例におけるサセプタは、炭素鋼により形成されている。他の好適な材料(例えば、鉄、ニッケル、又はコバルト等の強磁性材料)も使用可能であることが理解されよう。
【0063】
また、ヒータアセンブリ105は、漏斗部140を備える。漏斗部140は、サセプタ132の第2の端部である遠位端136にある。漏斗部140は、サセプタ132から突出している。実施形態において、サセプタ132及び漏斗部140は、一体型の構成要素である。
【0064】
サセプタ132及び漏斗部140は、レセプタクル150を画定する。レセプタクル150は、エアロゾル生成材料が受容される加熱チャンバ151を画定する。例えば、物品110をレセプタクル150に挿入可能である。図3は、加熱チャンバ151内に受容された物品110の一部を示している。本例の物品110は、エアロゾル生成材料を含む。エアロゾル生成材料は、サセプタ132内に配置されている。また、物品110は、フィルタ、包装材、及び/又は冷却構造等の他の構成要素を備えていてもよい。
【0065】
本例において、レセプタクルは実質的に、断面が円形の管状である。レセプタクル150は、一端が開放されている。レセプタクル150は、基部壁152及び周壁153を有する。基部壁152は、加熱チャンバ151の基部を画定する。本構成において、レセプタクル150は、サセプタ132及び漏斗部140により形成されている。実施形態において、レセプタクル150は、サセプタ132及び漏斗部140から分離可能に形成される。すなわち、レセプタクル150は、異なる構成要素である。例えば、サセプタは、加熱チャンバ151に突き出た内部サセプタであってもよい。レセプタクル150は、本体により形成されていてもよい。レセプタクルは、キャップであってもよい。実施形態においては、漏斗部140が省略される。
【0066】
図9においてより明示的に示すように、流路154がデバイス100を通って延びている。流路154は、ハウジング102の開口部155から加熱チャンバ151を通って開口104まで画定される。物品110の少なくとも一部が加熱チャンバ151に受容された場合、流路は、物品110を通って延びるため、物品110の遠位端まで延伸可能である。図9を参照して以下に詳しく説明する通り、開口部155と加熱チャンバ151との間には、空気通路156が画定される。開口部155は、空気入口として作用する。
【0067】
漏斗部140は、シンブル構成を有する。漏斗部140は、サセプタ132の第2の端部である遠位端136にある。漏斗部140は、ヒータアセンブリ105の第2の部分を画定する。漏斗部140は、第1の直径の第1の部分141及び第2の直径の第2の部分142を備える。第1及び第2の部分141、142間には、中間部143が延びている。本実施形態において、中間部143は、レセプタクル150の基部壁152を画定する。第1の部分141は、管状であって、軸線方向に延びている。第2の部分142は、管状であって、軸線方向に延びている。漏斗部140は、加熱チャンバ151から開口部155までの空気通路156の一部を画定する空気チャネル146を構成する。中間部143は、肩部145を構成する。肩部145は、物品110のレセプタクルへの挿入を制限するストッパとして作用する。肩部145は、実質的に垂直な平面でレセプタクルの長手方向軸線へと延びている。
【0068】
第1の部分141は、第2の部分142の内径よりも大きな内径を有する。したがって、漏斗部140は、第1の部分141から第2の部分142へと広がっている。
【0069】
第1の部分141及びサセプタ132は、当該サセプタ132の一端で互いに一部が重なり合う。一例において、この重なりは、約1mm~約3mmである。特定の本例において、重なりは、2mmである。重なりが存在しない例もある。このような例においては、サセプタ132及び漏斗部140が隣接する。第1の部分141は、サセプタ132の第2の端部である遠位端136に重なる。第1の部分141は、大略円筒状であり、サセプタ132の外径に実質的に対応する内径を有する。第1の部分141は、サセプタ132に隣接する。漏斗部140の第1の部分141とサセプタ132との間には、接合部147が形成されている。接合部147は、サセプタ132と漏斗部140との間の伝熱路の形成を補助する。
【0070】
接合部147は、流体封止接合部である。流体シールは、サセプタ132と漏斗部140との間に形成されている。このため、サセプタ132及び漏斗部140の対向端部間には、流体封止された流路が画定される。したがって、サセプタ132により画定された加熱チャンバ151は、漏斗部140により形成された空気チャネル146とともに流体封止空気経路を構成し、前記流体封止空気経路は、空気通路156とともに、デバイス100を通る空気経路の一部を構成する。
【0071】
実施形態において、接合部147における流体シールは、機械的加工結合(例えば、溶接)により形成されている。接合部147における流体シールは、レーザ溶接プロセスにより形成されるが、ろう付け及び接着等の他の方法が使用可能であることが理解されよう。漏斗部140は、伝熱材料により形成されている。実施形態において、漏斗部140は、炭素鋼により形成されている。実施形態において、漏斗部は、サセプタ132と同じ材料により形成されている。接合部は、サセプタ132がその予め定められた動作温度である場合に、流体シールを維持するように構成されている。このようなプロセスにより、サセプタ132及び漏斗部140は、一体型の構成要素として作製される。
【0072】
したがって、サセプタ132と漏斗部140との間の封止流体経路は、ヒータアセンブリ105の一方の開放端からヒータアセンブリ105を通ってヒータアセンブリ105の他方の開放端まで延びている。このため、ヒータアセンブリ105には、ヒータアセンブリ105を通る任意の流体流が含まれる。ヒータアセンブリ105の外側には、乾燥ゾーンが画定されていてもよい。
【0073】
サセプタ132及び漏斗部140の隣接により、サセプタ132から漏斗部140への伝導による熱伝達が実現される。このため、漏斗部140の受動加熱の補助が可能である。漏斗部140の受動加熱によって、デバイス100中の凝縮物の蓄積速度を制限することが可能である。
【0074】
漏斗部140は、インダクタコイルアセンブリ127から軸線方向に離隔している。特に、漏斗部140の第2の部分142がインダクタコイルアセンブリ127から軸線方向に離隔している。このため、インダクタコイルアセンブリ127による漏斗部140の直接加熱は、最小限又は皆無となる。漏斗部140は、軸線方向においてインダクタコイルアセンブリ127に隣り合っていてもよい。
【0075】
空気入口構成体300は、開口部155と加熱チャンバ151との間に空気通路156を画定する。図9に示すように、漏斗部140とハウジング102との間には、空気入口部材157が延びている。空気入口部材157は、ボア158を含む。空気入口部材157は、漏斗部140の空気チャネル146が当該空気入口部材158のボア158と流体連通するように、漏斗部140と連通している。空気入口構成体300については、以下に詳しく説明する。
【0076】
特に図4図8を参照して、デバイス100は、第1の端部支持部220及び第2の端部支持部230を備える。本構成において、空気入口部材157には、第2の端部支持部230が形成されている。実施形態において、空気入口部材158及び第2の端部支持部は、別個の要素である。
【0077】
ヒータアセンブリ105は、第1及び第2の端部支持部230間に延びている。第1の端部支持部220と第2の端部支持部230との間には、バリア部材250が延びている。バリア部材250は、支持部材として作用する。
【0078】
第1の端部支持部220は、ヒータアセンブリ105の第1の端部である近位端に係合して、サセプタ132を適所に保持する。第1の端部支持部220は、後述の通り、拡張チャンバとして作用する。特に図7及び図8を参照して、第1の端部支持部220は、サセプタ132の第1の端部から離れてデバイスの開口104に向かって延びている。第1の端部支持部220内には、デバイス100内に受容された場合の物品110に隣接して保持する保持クリップ等の保持構成体221の少なくとも一部が配置されている。第1の端部支持部220は、端部材106に接続されている。
【0079】
第1の端部支持部220は、チャンバ222を備える。チャンバ222は、その内部に物品110を受容するように構成されている。保持構成体221は、チャンバ222にある。チャンバ222は、物品110の直径よりも大きな内径を有する。第1の端部支持部220は、ヒータアセンブリ105の第1のカラーである近位カラーを構成する。その内部には、穿孔223が延びている。例えば図7及び図8に示すように、穿孔223の内面では、遠位対向肩部225が画定されている。遠位対向肩部225は、サセプタ132が第1の端部支持部220により受容された場合に、サセプタのリップ135と位置合わせされる。
【0080】
ここで特に図4及び図5を参照して、第1の端部支持部220は、当該第1の端部支持部220の遠位側で封止リム226を構成する。遠位封止リム226は、穿孔223の周りに延びている。第1の端部支持部220の第1の端部外面である近位端外面228からは、第1の取り付けフランジ227が延びている。第1の取り付けフランジ227は、円周方向に延びるとともに、封止リム226から離隔している。第1の取り付けフランジ227は、第1の端部外面228から直立して、第1の端部取り付け面である近位端取り付け面229を構成する。第1の端部外面である近位端外面228及び第1の端部取り付け面229は、段差構成を画定する。第1の端部取り付け面229は、第1の端部外面228よりも大きな直径を有する。実施形態において、第1の端部外面228及び第1の端部取り付け面は、第1及び第2の段差面を画定する。
【0081】
特に図4図8を参照して、デバイス100は、サセプタ132の第2の端部である遠位端において漏斗部140に係合することにより、ヒータアセンブリ105を適所に保持する第2の端部支持部230をさらに備える。第2の端部支持部230は、ヒータアセンブリ105の第2のカラーである遠位カラーを構成する。漏斗部が省略される実施形態においては、第2の端部支持部230がサセプタ132に直接係合する。第2の端部支持部230は、サセプタ132の第2の端部から離れてデバイス100の遠位端に向かって延びている。
【0082】
特に図4及び図6を参照して、空気入口部材157として作用する第2の端部支持部230は、加熱チャンバ151と開口部155との間の空気通路156の一部を構成する。第2の端部支持部230は、漏斗部140を少なくとも部分的に受容するように構成されている。第2の端部支持部230の内面は、段差状である。内面は、第1の段差を備えた第1の段差状領域232及び第2の段差を備えた第2の段差状領域233を備える。第1の段差状領域232は、漏斗部140の第1の部分141を受容する。第2の段差状領域233は、漏斗部140の第2の部分142を受容する。第2の段差状領域233は、第1の封止面234を含む。第2の段差状領域233は、第2の封止面235を含む。第1の封止面234は、内部の円周方向延伸面である。第2の封止面235は、長手方向軸線101と実質的に垂直な平面に延びた円周方向延伸面である。
【0083】
第2の端部支持部230の第2の外面である遠位外面238からは、第2の取り付けフランジ237が延びている。第2の取り付けフランジ237は、円周方向に延びるとともに、第2の端部支持部230の近位端から離隔している。第2の取り付けフランジ237は、第2の端部外面238から直立して、第2の端部取り付け面である遠位端取り付け面239を構成する。第2の端部外面である遠位端外面238及び第2の端部取り付け面である遠位端取り付け面239は、段差構成を画定する。第2の端部取り付け面239は、第2の端部外面238よりも大きな直径を有する。実施形態において、第2の端部外面238及び第2の端部取り付け面239は、第1及び第2の段差面を画定する。
【0084】
バリア部材250は、第1の端部支持部220と第2の端部支持部230との間に延びている。バリア部材250は、第1及び第2の端部支持部220、230間に延びている。バリア部材250は、第1及び第2の端部支持部220、230とともに、ヒータアセンブリ105を囲んでいる。このことは、デバイス100の他の構成要素からのヒータアセンブリ105の熱的分離の補助として作用する。バリア部材250は、中空の管状部材である。
【0085】
実施形態において、バリア部材250は、非金属材料による形成によって、磁気誘導との干渉の制限を補助する。この特定の本例において、バリア部材250は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)により構成されている。第1及び第2の端部支持部220、230は、PEEKにより構成されている。他の好適な材料が可能である。このような材料により形成された部品は、サセプタが加熱された場合にバリア部材250が剛性/固体性を維持するのに役立つ。ヒータアセンブリ105、バリア部材250、並びに第1及び第2の端部支持部220、230は、サセプタ132の中央長手方向軸線について同軸である。バリア部材250は、サセプタ132において生成された熱からデバイス100の様々な構成要素を断熱するのに役立ち得る。
【0086】
ここで特に図4図6を参照して、第1の封止部材240が加熱アセンブリ(ヒータアセンブリ)105と第1の端部支持部220との間の流体シールを構成する。第1の封止部材240は、円周方向延伸部材である。第1の封止部材240は、シリコンゴムシールを含む。他の好適な材料が使用可能である。第1の封止部材240は、弾性である。この材料は、ヒータアセンブリ105が動作温度の場合に安定化するように構成されている。第1の封止部材240は、サセプタ240に固定して搭載されている。第2の封止部材245が加熱アセンブリ(ヒータアセンブリ)105と第2の端部支持部230との間の流体シールを構成する。第2の封止部材245は、円周方向延伸部材である。第2の封止部材245は、シリコンゴムシールを含む。他の好適な材料が使用可能である。第2の封止部材245は、弾性である。この材料は、ヒータアセンブリ105が動作温度の場合に安定化するように構成されている。
【0087】
実施形態において、第1の封止部材240は、第1の端部支持部220にあり、ヒータアセンブリ105とともに封止を行う。実施形態において、第2の封止部材245は、第2の端部支持部230にあり、ヒータアセンブリ105とともに封止を行う。第2の封止部材245は、漏斗部140の第2の部分142にある。実施形態において、第2の封止部材245は、漏斗部140の第1の部分141にある。このような実施形態において、第2の封止部材245は、第2の端部支持部230の近位リムを封止する。
【0088】
第1の封止部材240及び第2の封止部材250は、第2の封止部材250、ヒータアセンブリ105、及び第1の封止部材240を通る封止空気流路を構成する。
【0089】
ヒータアセンブリ105とバリア部材105との間には、流体封止キャビティ260が形成されている。流体封止キャビティ260は、断熱チャンバを構成する。キャビティ260は、空隙を提供する。ヒータアセンブリ105の一部の周りには、流体封止容器261が形成されている。流体封止容器は、バリア部材、第1及び第2の封止部材240、245、ヒータアセンブリ105、並びに第2の端部支持部230により形成されている。いくつかの実施形態において、第1の端部支持部220は、容器261の一部を構成する。いくつかの実施形態において、流体封止容器261は、バリア部材、ヒータアセンブリ105、並びに第1及び第2の封止部材240、245により形成されている。実施形態において、ヒータアセンブリ105とバリア部材105との間の間隙は、約0.8mm~1mmである。実施形態において、間隙は、約0.9mmである。
【0090】
流体封止キャビティ260には、熱電対265等のセンサが配設されている。熱電対265は、サセプタ132に搭載されている。熱電対265は、サセプタ132の温度を決定するように構成されている。熱電対265は、サセプタ132の温度を直接検出する。デバイス100は、サセプタ132の温度を決定するように構成された2つ以上の熱電対132を備えていてもよい。流体封止キャビティ260を設けることは、流体封止キャビティ260の外部の大気から熱電対265を分離するのに役立つ。流体封止キャビティ260を設けることは、デバイス100を通る空気流路から熱電対265を分離するのに役立つ。このため、空気流路からの凝縮物の熱電対265への流れが制限される。
【0091】
ここで図9を参照して、以下、空気入口構成体300について詳しく説明する。開口部155は、ハウジング102を通って外側と内側との間に形成されている。開口部155は、空気入口構成体300をデバイス100の外部と連通させる。空気入口構成体300は、空気入口部材157を備える。空気入口部材157は、加熱チャンバ151とハウジング102の開口部155との間に延びた空気通路156を画定する。空気入口部材157は、漏斗部140とハウジング102との間を連通している。空気入口部材157は、管状である。実施形態において、空気入口部材157及び漏斗部140は、一体型の構成要素として形成されている。
【0092】
開口部155から、空気入口部材230の空気通路156、漏斗部140の空気チャネル146を通って、加熱チャンバ151に入り、加熱チャンバに挿入された物品110を通って、流体封止空気経路が延びている。使用時、ユーザが吸引すると、空気が開口部155に入り、空気入口部材230及び加熱チャンバ151、並びに物品110のエアロゾル生成材料を通って移動する。漏斗部140が存在しない実施形態においては、空気通路156が直接、加熱チャンバ231から開口部155まで延びている。
【0093】
デバイス100は、長手方向軸線101を画定する。長手方向軸線101は、細長ハウジング102の長手方向に延びている。
【0094】
ヒータアセンブリ105は、長手方向軸線を有する。本実施形態において、ヒータアセンブリ105の長手方向軸線は、デバイス100の長手方向軸線と同軸である。ただし、実施形態においては、これらの軸線がオフセットしている。ヒータアセンブリの長手方向軸線は、サセプタ及びコイルの長手方向軸線により画定される。
【0095】
加熱チャンバ151は、長手方向軸線を画定する。加熱チャンバ151は、物品110の挿入軸線を画定する。加熱チャンバ151の長手方向軸線は、レセプタクル150により画定される。実施形態において、加熱チャンバ151及びヒータアセンブリ105の軸線は、同軸である。実施形態においては、これらの軸線がオフセットしている。
【0096】
空気入口部材157は、加熱チャンバ151の長手方向軸線からオフセットしている。すなわち、空気入口部材157の少なくとも一部が長手方向軸線から離れる方向に延びている。図9に示すような空気入口部材157は、第1の部材部157a及び第2の部材部157bを備える。第1の部材部157aは、ヒータアセンブリ105から延びている。第2の部材部157bは、第1の部材部157aからハウジング102まで延びている。
【0097】
空気通路156は、加熱チャンバ151の長手方向軸線からオフセットしている。すなわち、空気通路156の少なくとも一部が加熱チャンバ151の長手方向軸線と同軸ではない。空気通路156は、長手方向軸線から分かれる。空気通路156は、加熱チャンバ151の長手方向軸線と位置合わせされた第1の通路部312を備える。第1の通路部312は、第1の部材部157aを通って延び、加熱チャンバ151の長手方向軸線と同軸である。空気通路156の第2の通路部314は、第2の部材部157bを通って延び、第1の通路部312からオフセットしている。空気通路156の第2の通路部314は、第1の通路部に対してある角度で延びている。第1及び第2の通路部312、314間には、屈曲部313が画定される。空気通路156は、加熱チャンバ151の長手方向軸線に対してある角度でオフセットした軸線を有する。
【0098】
第1の通路部312は、省略されてもよい。いくつかの実施形態においては、第1の通路部312も長手方向軸線からオフセットしている。
【0099】
第2の通路部314は、半径方向、すなわち、加熱チャンバ105の長手方向軸線と垂直に延びている。第1の通路部312は、レセプタクル150と連通している。第1の通路部312は、漏斗部140と連通している。或いは、漏斗部が省略された実施形態においては、サセプタ132と連通している。第2の通路部314は、ハウジング102の開口部155まで延びている。
【0100】
実施形態において、空気通路156は、実質的に直線状である。このような空気通路156を画定するボアは、加熱チャンバ105の長手方向軸線からオフセットしている。空気通路156は、長手方向軸線からオフセットした少なくとも1つの部分を有する任意好適な経路に従うものであってもよい。
【0101】
空気通路156は、実質的に一定の断面及び/又は実質的に一定の断面積を有する。例えば、本実施形態において、空気通路156は、実質的に一定の直径を有する実質的に円形の断面を有する。実施形態において、漏斗部140の第2の部分142は、実質的に同じ直径を有する。このため、空気通路156は、開口部155から加熱チャンバ231まで、実質的に均一な断面及び/又は断面積を有する。開口部155は、第2の通路部314と位置合わせされ、これと同様の断面形状及びサイズを有していてもよい。空気入口部材230は、管状構成体を画定する。管状構成体は、円形以外の断面を有していてもよい。管状部材は、空気入口部材と一体的に形成されていてもよい。上記構成体の態様は、滑らかな空気流を提供するのに役立つ。
【0102】
図10は、別の空気入口構成体300を示している。図10のデバイスは、図9に関して上述したデバイス100に大略対応するため、本明細書においては詳細な説明を省略する。この構成において、空気入口部材157は、長手方向軸線に対して鋭角で延びた部分を備える。すなわち、空気通路の少なくとも一部が長手方向軸線と非平行且つ非垂直に延びている。空気入口部材157は、ハウジング102の側壁と連通している。第1及び第2の通路部312、313間に画定された屈曲部313は、第2の通路部314が加熱チャンバ105の長手方向軸線に対して非垂直の方向に延びるように、直角以外の角度が付けられている。第2の通路部314は、加熱チャンバ105の長手方向軸線に対して50°の角度で延びている。したがって、空気通路156が50°だけ屈曲する一方、空気入口部材157は、130°の屈曲を有する。また、空気入口部材157は、第2の部材部157bからハウジング102まで延び、第2の部材部157bからオフセットした第3の部材部157cを備える。空気通路156は、第2の通路部314に対してある角度で延びた第3の通路部316をさらに備える。第2及び第3の通路部312、314間には、屈曲部315が画定される。第3の通路部は、半径方向、すなわち、長手方向軸線101と垂直に延びていてもよい。第3の通路部は、ハウジングの開口部155まで延びている。屈曲部315は、2つの屈曲部の組み合わせが90°となるように、第1及び第2の通路部312、314間の屈曲部313に対応していてもよい。実施形態において、第1及び/又は第3の通路部157a、157cは、省略されてもよい。これらの実施形態において、第2の通路部157bは、漏斗部140及び/又はハウジングの開口部155まで延びていてもよい。
【0103】
このような角度の付いた空気通路を設け、物品の基部全体で空気をより分散させ、より層状の流れを提供することにより、デバイスに入ってデバイスの加熱チャンバに配置された物品110に至る空気の流れが改善され得る。非半径方向に延びる角度の付いた空気通路は、より分散された空気流、すなわち、使用時にデバイスに挿入された物品110の中心をすべてが流れるわけではない空気流の提供の補助となり得る。これは、ユーザに感覚的な利益をもたらす。
【0104】
空気入口部材231の屈曲部又は角度(例えば、図9の実施形態のように、空気通路に90°の屈曲部が存在する場合)は、より小さな空間に好適な空気入口を設けることでデバイス100のバッテリ等の構成要素のより良い配置を可能にすることから、よりコンパクトなデバイスの提供の補助となり得る。
【0105】
空気入口部材231は、加熱チャンバとバッテリとの間に配置されている。この加熱チャンバとバッテリの分離及び/又は加熱チャンバとバッテリとの間の「低温」空気流の提供は、加熱チャンバの温度からバッテリを保護する(すなわち、バッテリがより低温を維持可能となる)。ただし、いくつかの実施形態においては、これらの構成要素が異なるように配置されていてもよい。
【0106】
当業者であれば、空気入口部材の空気通路の広範な角度オフセットによって、上述の利益の少なくとも一部がもたらされ得ることが理解されよう。角度オフセットは、10~110°(20~100°等(50°等))であってもよい。空気入口部材は、60~170°(110~160°等(130°等))の屈曲を有していてもよい。
【0107】
空気入口チャンバとバッテリとの間(空気入口部材とバッテリとの間等)には、断熱体層320が設けられている。この断熱体層は、エアロゲル等の任意好適な材料により形成されていてもよい。上述の通り、デバイス100内では、構成要素の配置によって、より良い熱分散がもたらされ得る。この追加又は代替として、構成要素の配置は、デバイス内の重量分散に有益となり得る。ただし、いくつかの実施形態においては、断熱体層が省略されてもよい。
【0108】
空気入口部材は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の熱可塑性プラスチックを含む任意好適な材料により形成されていてもよい。PEEKは、実質的に変形することなく、デバイスの動作温度に耐えることができる。
【0109】
空気入口部材は、任意好適な手段を用いることにより、ハウジング102に対して封止されていてもよい。図9及び図10に示す実施形態においては、Oリングシール318が用いられる。これらは、エポキシ樹脂等の任意好適な材料により構成されていてもよい。
【0110】
図11は、ハウジング102に対して空気入口部材157を封止する構成を示している。封止構成には、リップシール319を含む。リップシール319は、シリコンゴム等の任意好適な材料により形成されていてもよい。リップシール319は、半径方向リップシールである。リップシールは、ハウジング102とともに空気入口部材157を流体封止する。
【0111】
リップシール319は、空気入口部材157に搭載されている。リップシール319は、空気入口部材157とハウジング102との間に延びている。リップシールは、ハウジング102の開口部155を囲んでいる。リップシール319は、ハウジング102の内側で開口部155を囲んでいる。開口部155は、空気入口として作用する。リップシール319は、ハウジング102の外側カバーに隣接する。外側カバーは、ハウジング102の側壁を構成し、長手方向に延びている。
【0112】
リップシール319は、空気入口部材157への取り付け又は嵌合前に別個で形成されていてもよい。図11に示すように、リップシールは、空気入口部材157の遠位端の長手方向に、空気入口部材の端部を越えて延びている。遠位端は、加熱チャンバから遠位の端部である。リップシール319は、空気入口部材157の端部にオーバーモールドされている。リップシールは、固定具、押え金具、接着等、他の固定手段によって空気入口部材157の端部に搭載されていてもよい。図11及び図12に見られるように、空気入口部材157から遠位のリップシールの端部には、長手方向に延びた2つの封止用リップ324a、324bを含む。各リップは、半径方向リングを構成する。内側リップ324aは、半径方向内方に傾いている。外側リップ324bは、半径方向外方に傾いている。これは、封止の補助となり得る。実施形態においては、単一のリップが設けられていてもよいし、3つ以上のリップが設けられていてもよい。エアロゾル生成デバイスが組み立てられた場合、ヒータアセンブリ105は、空気入口部材157とともにハウジング102の外側カバー中へと摺動する。リップシール319は、外側カバーの内側に接触し、表面に沿って摺動する。リップシール319は、開口部155の内側上方に配置されている。リップシールは、開口部155のリムを囲んでいる。リップシール319は、空気入口部材157とハウジング102との間で変形して圧縮されていてもよい(圧縮は図示せず)。これにより、空気入口部材157とハウジング102の外側カバーとの間にシールが構成され、デバイスの組み立ての公差を与えるのに役立つ。フランジは、リップシール319への応力及び応力集中を抑えることができる。図13に見られるように、リップシール319への応力集中をさらに抑えるため、フランジ間にチャネル326が含まれていてもよい。
【0113】
実施形態において、開口部は、単一の開口である。実施形態において、開口部155は、当該開口部155を画定する空気透過領域を含むハウジング102を構成する。開口部155は、空気入口として作用する。
【0114】
ここで図14及び図15を参照して、これらの図は、図1と類似のエアロゾル供給デバイス100を示している。ハウジング102は、本体102a及び取り外し可能な帯状部103を備える。取り外し可能な帯状部103は、分離可能部として作用する。取り外し可能な帯状部103は、本体102aから取り外し可能である。取り外し可能な帯状部103は、本体102aの一部を覆う。本実施形態において、取り外し可能な帯状部103は、外側カバーの一部を構成する。取り外し可能な帯状部103を設けることにより、デバイスのカスタマイズが可能となる。取り外し可能な帯状部103は、ユーザにより取り外し可能であってもよい。取り外し可能な帯状部103は、ハウジングに取り付けられた場合、本体102aのパネルに重なり合うようになっていてもよい。すなわち、取り外し可能な帯状部103が取り外された場合であっても、デバイスの内部が露出しないようになっている。
【0115】
分離可能部103は、本体102aに搭載されるように構成されている。図15は、図14の本体102a及び取り外し可能な帯状部103の分離状態の分解図を示す。本体102aは、取り外し可能な帯状部を受容するように構成された凹凸部を備えていてもよい。取り外し可能な帯状部103は、スナップ嵌合又は磁石等の任意好適な手段によって、ハウジングに取り付けられていてもよい。分離可能部は、パネルであってもよい。
【0116】
取り外し可能な帯状部103は、空気透過領域400を含んでいてもよい。空気透過領域400は、空気入口として作用する。空気透過領域は、本体102aの開口部155と一致するように構成されている。空気透過領域400は、空気が空気流通路に取り込まれるハウジングの開口部155を覆うように構成されている。
【0117】
空気透過領域400は、メッシュ401を備えていてもよい。メッシュは、分離可能部103の一部を構成する。メッシュ401は、取り外し可能な帯状部103がハウジング102の本体102aと取り付けられた場合に、開口部155全体にわたって延びる。
【0118】
メッシュは、金属又はポリマー等の任意好適な材料により形成されていてもよい。金属は、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、金、銀、パラジウム、又は白金であってもよい。メッシュは、上述の金属のいずれかの合金等、材料の混合物で構成されていてもよい。或いは、メッシュは、めっきすることも可能である(例えば、ニッケルめっき鋼)。
【0119】
メッシュは、金属箔から酸腐食されたものであってもよいし、レーザ切断されたものであってもよい。或いは、メッシュは、ポリマーにより形成されていてもよい。メッシュは、複数のメッシュ孔を含む。メッシュ孔は、長方形、正方形、円形、又は別の非対称ではない形状等、任意好適な形状であってもよい。
【0120】
実施形態においては、異なる空気透過構成体が用いられる。例えば、空気透過領域は、パネルを通って形成された通気孔のアレイを含んでいてもよい。通気孔は、スリット、円形、矩形、又はその他任意の好適な形状(非対称ではない好適な形状等)であってもよい。各通気孔の流路面積は、2mm未満、任意選択で1.5mm、1mm未満、任意選択で0.5mm未満、任意選択で0.1mm未満であってもよい。例えば、各通気孔の流路面積は、0.5mm~1.5mm(およそ1mm等)であってもよい。
【0121】
或いは、空気透過領域400は、ハウジングの開口部155と一致するように構成された開口であってもよい。
【0122】
取り外し可能な帯状部が取り外された場合は、洗浄等のため、開口部105にアクセス可能となり得る。
【0123】
空気透過領域400は、例えばデバイスがユーザのバッグに収納されている場合に、破片又は残骸が空気通路に入るのを防止する。
【0124】
空気透過領域400は、取り外し可能な帯状部103を取り外すことにより、開口部から取り外し可能である。これにより、凝縮が生じた場合等に、ユーザが空気通路を洗浄可能となる。取り外し可能な帯状部103は、クリップ又は磁気的手段のような機械的手段等の任意好適な手段によって、解除可能に取り付けられていてもよい。
【0125】
取り外し可能な帯状部103は、クリップ又は磁気的手段のような機械的手段等の任意好適な手段により、ハウジングに対して解除可能に取り付けられていてもよい。この手段は、取り外し可能部及び/又は主部に配置されていてもよい。例えば、取り外し可能部及び主部は、対応するクリップ又は磁石を備えていてもよい。
【0126】
上記実施形態は、本発明の例示的な実例として理解されるものとする。本発明の他の実施形態も考えられる。任意の一実施形態に関して記載の任意の特徴は、単独又は他の記載特徴との組み合わせで使用可能であり、また、実施形態の任意のその他又はその任意の組み合わせの1つ又は複数の特徴との組み合わせで使用可能であることが理解されるものとする。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲に規定の上述していない同等物及び改良も採用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸線を画定し、エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受容するように構成された加熱チャンバと、
前記加熱チャンバに受容されたエアロゾル生成材料を加熱するように構成された加熱要素と
を有するヒータアセンブリを備える、エアロゾル供給デバイスであって、
当該エアロゾル供給デバイスは、前記加熱チャンバの一端に空気通路を構成する空気入口部材を有し、前記空気通路が、前記加熱チャンバとともに流路の一部を画定し、
前記空気入口部材により画定された前記空気通路の少なくとも一部が、前記加熱チャンバの前記長手方向軸線からオフセットされている、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記オフセットが、角度オフセットである、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記空気通路の前記少なくとも一部が、実質的に半径方向に延びている、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記デバイスが、ハウジングを備え、前記空気通路が、前記ハウジングの開口部まで延びている、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記空気通路が、前記加熱チャンバと前記開口部との間で延びている、請求項4に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記開口部が、前記流路への空気入口である、請求項4又は5に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
バッテリを備え、
前記空気通路が、前記ヒータアセンブリと前記バッテリとの間で前記ハウジングと連通した、請求項4~6のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
任意選択的に、前記ヒータアセンブリと前記バッテリとの間に断熱体を備える、請求項7に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
前記空気入口部材が、管状部材を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記空気通路が、前記加熱チャンバの基部から延びている、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記空気入口部材が、前記長手方向軸線に位置合わせされた第1のボアと、前記第1のボアからある角度で延びた第2のボアとを画定することにより、前記長手方向軸線から分かれる前記空気通路の前記少なくとも一部を画定する、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
前記加熱要素が、前記加熱チャンバを少なくとも部分的に囲む、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
前記加熱要素が、変動磁場の侵入により加熱可能なサセプタを備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
前記加熱要素が、抵抗加熱要素である、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
ヒータアセンブリを備える、エアロゾル供給デバイスであって、
前記ヒータアセンブリが、長手方向軸線を有するとともに、
エアロゾル生成材料を受容するように構成されたチャンバと、
前記チャンバに受容されたエアロゾル生成材料を燃焼させずに加熱するように構成された加熱要素と
を備え、
当該エアロゾル供給デバイスは、前記チャンバへの空気通路を画定する空気入口部材を前記ヒータアセンブリの一端に有し、
前記空気入口部材により画定された前記空気通路の少なくとも一部が、前記ヒータアセンブリの前記長手方向軸線から分かれている、エアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
ハウジングと、
エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受容するように構成された加熱チャンバと、前記加熱チャンバに受容されたエアロゾル生成材料を加熱するように構成された加熱要素とを有するヒータアセンブリと、
前記加熱チャンバと前記ハウジングの空気入口との間に空気流通路を画定する空気入口部材と
を備える、エアロゾル供給デバイスであって、
前記ハウジングが、本体と、前記本体に搭載されるように構成された分離可能部とを備え、
前記分離可能部が、前記本体に搭載された場合に、前記空気入口を覆うように構成された空気透過領域を備える、エアロゾル供給デバイス。
【請求項17】
エアロゾル供給デバイスであって、
ハウジングと、
エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受容するように構成された加熱チャンバと、前記加熱チャンバに受容されたエアロゾル生成材料を加熱するように構成された加熱要素とを有するヒータアセンブリであり、当該エアロゾル供給デバイスが、前記加熱チャンバと前記ハウジングの空気入口との間に空気流通路を画定する空気入口部材を有する、ヒータアセンブリと、
前記ハウジングとともに前記空気入口部材を流体封止する半径方向リップシールと
を備える、エアロゾル供給デバイス。
【請求項18】
当該エアロゾル供給デバイスが、タバコ加熱製品である、請求項1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスと、
エアロゾル生成材料を含み、前記ヒータアセンブリ内に少なくとも部分的に受容されるように寸法規定された物品と
を備える、エアロゾル供給システム。
【請求項20】
請求項19に記載のエアロゾル供給デバイスと、
非液体エアロゾル生成材料を含み、前記ヒータアセンブリ内に少なくとも部分的に受容されるように寸法規定された物品と
を備える、エアロゾル供給システム。
【国際調査報告】