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特表2023-554498外科用器具、システム、及び方法における改善、並びにそれらに関する改善
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-27
(54)【発明の名称】外科用器具、システム、及び方法における改善、並びにそれらに関する改善
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/88 20060101AFI20231220BHJP
【FI】
A61B17/88
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537567
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 EP2021086965
(87)【国際公開番号】W WO2022136359
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】2020305.5
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516312682
【氏名又は名称】デピュイ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DEPUY IRELAND UNLIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Loughbeg Industrial Estate, Ringaskiddy, County Cork, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】バークベック・アレック
(72)【発明者】
【氏名】フォンセカ・ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】シャプランド・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ゴスリング・ニキ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL09
4C160LL26
(57)【要約】
外科用器具(100)及びかかる器具を組み込んだシステムであって、器具は、近位端(116)を有しかつ遠位端(110)を有するステム(112)と、ステムの近位端に向かって設けられたハンドル部分(114)と、ステムの遠位端に向かって設けられたガイド要素(108)と、を含み、ガイド要素は、ガイドチャネル(128)を画定する本体要素(131)であって、ガイドチャネルは、長手方向軸(X-X)を有し、長手方向軸に沿って両端が開いている、本体要素、及び1つ又は複数の位置決め要素(130a、130b)、を提供する。器具及びシステムは、例えば、ポリエチレン製寛骨臼ライナー(25)を保持している埋め込まれたシェル(27)に与える損傷のリスクを最小限に抑えながら当該ライナーを除去して別のライナーと交換するために、当該シェルから当該ライナーを除去するのに適している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
近位端を有しかつ遠位端を有するステムと、
前記ステムの前記近位端に向かって設けられたハンドル部分と、
前記ステムの前記遠位端に向かって設けられたガイド要素と、を含み、前記ガイド要素が、
ガイドチャネルを画定する本体要素であって、前記ガイドチャネルは、長手方向軸を有し、かつ前記長手方向軸に沿って両端が開いている、本体要素、及び
1つ又は複数の位置決め要素、を提供する、外科用器具。
【請求項2】
前記ガイドチャネルが、切削ツールを受容するように適合されており、前記ガイドチャネルの長手方向軸が、使用中の前記切削ツールの動作軸に対応している、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記ガイドチャネルが、前記切削ツールの半径方向移動を拘束し、かつ、前記ガイドチャネルに対する前記切削ツールの軸方向移動を可能にするように適合されている、請求項2に記載の器具。
【請求項4】
前記位置決め要素の1つ以上又は全てが、1つ又は複数のライナー貫入部を含む、請求項3に記載の器具。
【請求項5】
2つ以上の位置決め要素が設けられ、各位置決め要素が、その遠位端に向かってライナー貫入部を含む、請求項3に記載の器具。
【請求項6】
前記湾曲縁部の少なくとも2つの部分が、使用時に、前記ライナー貫入部を提供する、請求項5に記載の器具。
【請求項7】
一対の位置決め位置支持体が、前記本体要素の両側に延在し、前記一対の位置決め位置支持体が、2つ以上のライナー貫入部を提供する、請求項1に記載の器具。
【請求項8】
湾曲要素及び/又は縁部が、前記位置決め要素の前記遠位端に向かって設けられ、前記湾曲要素及び/又は前記縁部が、前記ガイドチャネルの長手方向軸に向かって前記ガイド要素から離れる方向に突出している、請求項1に記載の器具。
【請求項9】
位置決め要素によって提供される位置決め位置支持体の遠位端と、位置決め要素によって提供されるさらなる位置決め位置支持体の前記遠位端とが、それらの間に延在する弦を画定し、前記弦が、前記位置決め位置支持体の第1の他の部分と前記さらなる位置決め位置支持体の第1の他の部分との間に引かれる弦よりも前記ガイドチャネルの前記長手方向軸に近接している、請求項1に記載の器具。
【請求項10】
1つ又は複数の二次位置決め位置が、前記1つ又は複数の位置決め要素によって提供され、前記二次位置決め位置のうちの1つ以上が、使用時に前記ライナーに当接する、請求項1に記載の器具。
【請求項11】
システムであって、前記外科システムは、
外科用器具であって、
近位端を有しかつ遠位端を有するステムと、
前記ステムの前記近位端に向かって設けられたハンドル部分と、
前記ステムの前記遠位端に向かって設けられたガイド要素であって、前記ガイド要素が、
ガイドチャネルを画定する本体要素であって、前記ガイドチャネルは、長手方向軸を有し、かつ前記長手方向軸に沿って両端が開いている、本体要素、及び
1つ又は複数の位置決め要素、を提供する、ガイド要素と、を備える、外科用器具を含み、かつ、
前記システムは、
1つ又は複数の切削ツールと、
1つ又は複数の細長い少なくとも部分的にねじ切りされた要素と、を更に含む、システム。
【請求項12】
前記外科システムが、
前記切削ツールにトルクを加えるためのアクチュエータ、
1つ又は複数のドリルビット、
1つ又は複数のセルフタッピンねじ山、のうちの1つ以上を更に含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記外科用器具の前記ガイドチャネルが、前記切削ツールを受容するように構成されており、前記ガイドチャネルの断面は、前記切削ツールの断面にクリアランスを加えたものである、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記位置決め要素の1つ以上又は全てが、1つ又は複数のライナー貫入部を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
2つ以上の位置決め要素が設けられ、各位置決め要素が、その遠位端に向かってライナー貫入部を含む、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば股関節形成術で使用されるタイプの寛骨臼シェルインプラントからのライナーの除去に関する。本開示は、そのようなライナーの除去のための外科用器具、そのようなライナーの除去のためのシステム、並びに外科用器具及び/又はシステムの使用方法を含む。
【背景技術】
【0002】
股関節形成術では、関節の解剖学的再建が求められる。天然の寛骨臼は除去されて、骨の凹部に配置されて所定の位置に固定された寛骨臼シェルから形成されたインプラントと置き換えられる。続いて、適切なサイズのライナーがシェルに挿入され、嵌合され、ロックされる。場合によっては、埋め込まれたシェルからポリエチレン製寛骨臼ライナーを除去すること、例えば、そのライナーを除去して別のライナーと交換することが必要である。
【0003】
既存の設計は、ライナーを掴持してシェルからライナーを引っ張るための力を加えるために使用される、ジョーベースの外科用器具を提供する。
【0004】
外科用器具、システム、又は使用方法は、ライナーを保持するシェルに損傷を与えることなく、又は損傷を与える危険を冒すことなく、ライナーを除去することが望ましい。外科用器具、システム、又は使用方法は、容易に配置され、使用され、取り外されることが望ましい。外科用器具、システム、又は使用方法は、アクセスが困難であるか、又はアクセスが制限されている創傷部位において、ライナーを効果的かつ確実に除去することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、外科用器具が提供され、当該器具は、
近位端を有しかつ遠位端を有するステムと、
ステムの近位端に向かって設けられたハンドル部分と、
ステムの遠位端に向かって設けられたガイド要素と、を含み、ガイド要素が、
ガイドチャネルを画定する本体要素であって、ガイドチャネルは、長手方向軸を有し、かつ長手方向軸に沿って両端が開いている、本体要素、及び
1つ又は複数の位置決め要素、を提供する。
【0006】
ガイドチャネルは、本体要素によって完全に取り囲まれていてもよい。ガイドチャネルは、本体要素内の貫通孔であってもよい。
【0007】
ガイドチャネルは、本体要素によって部分的にのみ取り囲まれていてもよい。例えば、ガイドチャネルは、長手方向軸の周りで190°を超えて、任意選択的に200°を超えて、より任意選択的に220°を超えて、本体要素によって取り囲まれていてもよい。
【0008】
ガイドチャネルは、使用時に切削ツール、例えばドリルビットを受容することができる。ガイドチャネルの長手方向軸は、使用中の切削ツールの動作軸、任意選択で切削ツールの回転軸に対応してもよい。ガイドチャネルは、使用時に、例えばガイドチャネルの長手方向軸に対して、及び/又は切削ツールの動作軸に対して、切削ツールの半径方向移動を拘束することができる。ガイドチャネルは、使用時に、例えば、ガイドチャネルの長手方向軸に沿った一方向若しくは両方向への、及び/又は切削ツールの動作軸に沿った一方向若しくは両方向への、切削ツールのガイドチャネルに対する軸方向移動を可能にし得る。
【0009】
ガイドチャネルは、切削ツールによってライナーに形成される穴の角度を規定してもよい。角度は、ライナーに形成された穴がシェル内のライナーのための保持機構から離間されるように構成されてもよい。角度は、穴が保持機構よりもライナー及び/又はシェルの中心の近くに形成されるように構成されてもよい。
【0010】
ガイドチャネルは、切削ツールによってライナーに形成される穴の位置を規定してもよい。位置は、ライナーに形成された穴がシェル内のライナーのための保持機構から離間されるように構成されてもよい。位置は、穴が保持機構よりもライナー及び/又はシェルの中心の近くに形成されるように構成されてもよい。
【0011】
本体要素は、ガイドチャネルを完全に取り囲んでもよい。本体要素は、ガイドチャネルを部分的にのみ取り囲んでもよい。本体要素は、貫通孔、特に直円筒貫通孔を有してもよい。貫通孔は、本体要素の上面に対して及び/又は本体要素の下面に対して傾斜した長手方向軸を有してもよい。貫通孔は、本体要素の上面に対して垂直である及び/又は本体要素の下面に対して垂直である長手方向軸を有してもよい。本体要素は、長手方向軸の周りで少なくとも部分的に環状であってもよい。
【0012】
ガイド要素は、本体要素と、1つ又は複数の位置決め要素と、を含んでもよい。ガイド要素は、基部要素を更に含んでもよい。ガイド要素は、本体要素、基部要素、及び1つ又は複数の位置決め要素からなってもよい。
【0013】
1つ又は複数の位置決め要素は、ガイド要素、特にガイド要素によって提供される基部要素から延在してもよい。
【0014】
基部要素は、本体部分とステムの一部との中間に設けられてもよい。基部要素は、例えばステムに対する本体部分のためのマウントを提供してもよい。基部要素は、ステム、特にステムの遷移セクション、任意選択で遷移セクションの遠位端に取り付けられてもよい。基部要素は、長手方向軸の周りで湾曲していてもよい。
【0015】
1つ又は複数の位置決め要素は、例えば、使用時にガイドチャネルをライナーに対して正確に位置決めする及び/又は正確に位置合わせするための視覚ガイドを提供するように適合されてもよい。1つ又は複数の位置決め要素は、例えば、使用時にガイドチャネルをライナーに対して正確に位置決めする及び/又は正確に位置合わせするための触覚ガイドを提供するように適合されてもよい。
【0016】
1つ又は複数の位置決め要素は、1つ又は複数の位置決め位置支持体によって提供されてもよい。
【0017】
一実施形態では、1つの位置決め要素が設けられてもよい。1つの位置決め要素は、湾曲要素であってもよい。1つの位置決め要素は、縁部を含んでもよい。1つの位置決め要素は、1つ又は複数の位置決め位置支持体、例えば、ガイド要素の両側に延在する一対の位置決め位置支持体によって提供されてもよい。2つ以上の位置決め位置支持体が、連続した位置決め要素を提供してもよい。
【0018】
代替実施形態では、2つ以上の位置決め要素が設けられてもよい。2つの位置決め要素が設けられてもよい。一対以上の位置決め要素が設けられてもよい。位置決め要素の対のうちの1つ以上又は全ての一方の半分は、第1の位置決め位置支持体によって提供されてもよく、他方の半分は、第2の位置決め位置支持体によって提供されてもよい。第2の位置決め位置支持体は、第1の位置決め位置支持体の鏡像であってもよい。
【0019】
第1の方向に延在する第1の位置決め位置支持体が設けられてもよい。第1の方向は、長手方向軸からその一方の側に離れる方向であってもよい。第1の方向は、ガイド要素及び/又は本体要素及び/又は基部要素からその一方の側に離れる方向であってもよい。第1の位置決め位置支持体は、第1のさらなる方向に延在してもよい。第1のさらなる方向は、長手方向軸に平行でありかつ遠位方向であってもよい。第1のさらなる方向は、ガイド要素及び/又は本体要素及び/又は基部要素から遠位方向に離れる方向であってもよい。
【0020】
第1の位置決め位置支持体は、近位端を有してもよい。近位端は、基部要素に至ってもよく、又は基部要素に接続してもよい。第1の位置決め位置支持体は、遠位端を有してもよい。遠位端は、第1の位置決め位置支持体の近位端に対して遠位であってもよく、及び/又はステム及び/又は基部要素及び/又は本体要素よりも更に遠位であってもよい。遠位端は、外科用器具の最遠位部分であってもよく、潜在的に第2の位置決め位置支持体の遠位端と等しくてもよい。
【0021】
第1の位置決め位置支持体は湾曲していてもよい。第1の位置決め位置支持体は、ステム、特にステムの遷移セクションから離れるように湾曲していてもよい。
【0022】
第2の方向に延在する第2の位置決め位置支持体が設けられてもよい。第2の方向は、長手方向軸からその第2の側へ、任意選択的に第1の位置決め位置支持体に対して他方の側へ離れる方向であってもよい。第2の方向は、ガイド要素及び/又は本体要素及び/又は基部要素からその第2の側へ、任意選択で、第1の位置決め位置支持体に対して他方の側へ離れる方向であってもよい。第2の位置決め位置支持体は、第2のさらなる方向に延在してもよい。第2のさらなる方向は、長手方向軸に平行でありかつ遠位方向であってもよい。第2のさらなる方向は、ガイド要素及び/又は本体要素及び/又は基部要素から遠位方向に離れる方向であってもよい。
【0023】
第2の位置決め位置支持体は、近位端を有してもよい。近位端は、基部要素に至ってもよく、又は基部要素に接続してもよい。第2の位置決め位置支持体は、遠位端を有してもよい。遠位端は、第2の位置決め位置支持体の近位端に対して遠位であってもよく、及び/又はステム及び/又は基部要素及び/又は本体要素よりも更に遠位であってもよい。遠位端は、外科用器具の最遠位部分であってもよく、潜在的に第1の位置決め位置支持体の遠位端と等しくてもよい。
【0024】
第2の位置決め位置支持体は湾曲していてもよい。第2の位置決め位置支持体は、ステム、特にステムの遷移セクションから離れるように湾曲していてもよい。
【0025】
対称軸は、長手方向軸に平行に延在する第1の位置決め位置支持体と第2の位置決め位置支持体との間に存在してもよい。
【0026】
第1の位置決め位置支持体の遠位端及び第2の位置決め位置支持体の遠位端は、それらの間に延在する弦を画定してもよい。弦は、第1の位置決め位置支持体の第1の他の部分と第2の位置決め位置支持体の第1の他の部分との間、任意選択的に第1の位置決め位置支持体の任意の他の部分と第2の位置決め位置支持体の任意の他の部分との間に引かれた弦よりもガイドチャネルの長手方向軸に近くてもよい。弦は、第1の位置決め位置支持体の近位端と第2の位置決め位置支持体の近位端との間に引かれた弦よりもガイドチャネルの長手方向軸に近くてもよい。
【0027】
1つ又は複数の位置決め位置は、1つ又は複数の位置決め要素によって提供されてもよい。位置決め位置の1つ以上又は全ては、使用時にライナーに当接する位置であってもよい。
【0028】
一実施形態において、1つの位置決め位置は、1つ又は複数の位置決め要素によって提供される。1つの位置決め位置は、1つ又は複数の位置決め要素の湾曲部分によって提供されてもよい。1つの位置決め位置は、1つ又は複数の位置決め要素の縁部によって提供されてもよい。任意選択で、1つの位置決め位置は、2つの位置決め要素によって提供される。
【0029】
代替実施形態では、2つ以上の別個の位置決め位置が、1つ又は複数の位置決め要素によって提供されてもよい。2つ以上の位置決め位置は、2つ以上の位置決め要素の異なる湾曲部分、任意選択で同じ湾曲の異なる部分によって提供されてもよい。2つ以上の位置決め位置は、2つ以上の位置決め要素の異なる縁部、任意選択で同じ縁部の異なる部分によって提供されてもよい。任意選択で、位置決め位置は、2つ以上の位置決め要素によって提供されてもよい。
【0030】
1つ又は両方又は全ての位置決め要素は、1つ又は複数のライナー係合要素を備えてもよい。位置決め位置の一方又は両方又は全ては、ライナー係合要素を備えてもよい。ライナー係合要素は、位置決め要素(複数可)の端部又はそれに隣接して設けられてもよい。ライナー係合要素は、位置決め位置(複数可)の端部又はそれに隣接して設けられてもよい。
【0031】
位置決め要素のうちの1つ以上又は全ては、1つ又は複数のライナー貫入部を含んでもよい。位置決め位置のうちの1つ以上又は全ては、1つ又は複数のライナー貫入部を含んでもよい。ライナー係合要素のうちの1つ以上又は全ては、1つ又は複数のライナー貫入部を含んでもよい。ライナー貫入部は、位置決め要素(複数可)の端部又はそれに隣接して設けられてもよい。ライナー貫入部は、位置決め位置(複数可)の端部又はそれに隣接して設けられてもよい。
【0032】
ライナー係合要素のうちの1つ以上又は全ては、湾曲要素、例えば、湾曲縁部を含んでもよい。ライナー係合要素のうちの1つ以上又は全ては、縁部を含んでもよい。湾曲要素(複数可)及び/又は縁部(複数可)のうちの1つ以上又は全ては、それらの位置決め要素の遠位端に向かって又は当該遠位端に提供されてもよい。湾曲要素(複数可)及び/又は縁部(複数可)のうちの1つ以上又は全ては、ガイド要素から離れる方向に、特に基部要素から離れる方向に突出してもよい。湾曲要素(複数可)及び/又は縁部(複数可)のうちの1つ以上又は全ては、長手方向軸の全体的な方向に突出してもよい。湾曲要素(複数可)及び/又は縁部(複数可)のうちの1つ以上又は全ては、使用時に、ライナーに向かって延在してもよい。湾曲要素(複数可)及び/又は縁部(複数可)のうちの1つ以上又は全ては、使用時に、ライナーとシェルとの接合部においてライナーの周縁壁に向かって延在してもよい。湾曲要素(複数可)及び/又は縁部(複数可)のうちの1つ以上又は全ては、使用時にライナー内への歯の貫入深さを制限するように、より広い部分(例えば、基部要素)に当接しているか又はそこから延出していてもよい。
【0033】
ライナー係合要素のうちの1つ以上又は全ては、歯であってもよい。任意選択的に、2つの歯が各位置決め要素に設けられてもよい。歯のうちの1つ以上又は全ては、それらの位置決め要素の遠位端に向かって又は当該遠位端に提供されてもよい。歯のうちの1つ以上又は全ては、縁部、例えば湾曲縁部の端部によって提供されてもよい。歯のうちの1つ以上又は全ては、ガイド要素から離れる方向に、特に基部要素から離れる方向に突出してもよい。歯のうちの1つ以上又は全ては、長手方向軸の全体的な方向に突出してもよい。歯のうちの1つ以上又は全ては、使用時に、ライナーに向かって延在してもよい。歯のうちの1つ以上又は全ては、使用時に、ライナーとシェルとの接合部においてライナーの周縁壁に向かって延在してもよい。歯のうちの1つ以上又は全ては、使用時にライナー内への歯の貫入深さを制限するように、より広い部分(例えば、基部要素)に当接しているか又はそこから延出していてもよい。
【0034】
1つ又は複数の二次位置決め位置が、1つ又は複数の位置決め要素によって提供されてもよい。1つ又は複数の二次位置決め位置は、使用時にライナーに当接してもよい。1つ又は複数の二次位置決め位置がガイド要素によって提供されてもよい。1つ又は複数の二次位置決め位置が、本体要素によって提供されてもよい。1つ又は複数の二次位置決め位置が、本体要素の遠位端面によって提供されてもよい。遠位端面は、平面であってもよい。1つ又は複数の二次位置決め位置は、使用時にライナーの上面及び/又はシェルの上面に当接してもよい。
【0035】
ガイド要素は、ステムの遠位端に設けられてもよい。
【0036】
ガイド要素は、ステムの第1のセクションに接続されてもよい。ガイド要素は、ステムの遷移セクションに接続されてもよい。遷移セクションは、ガイド要素から離れる方向に、任意選択で長手方向軸に対して半径方向成分を有する方向に延在してもよい。半径方向成分は、遷移セクションの方向範囲の主成分であってもよい。遷移セクションは、長手方向軸と、ステム及び/又はハンドル部分の1つ以上又は全ての部分と、の間に間隙又は間隔を提供してもよい。
【0037】
ステムは、第2のセクションを含んでもよい。第2のセクションは、第1のセクションに接続されていてもよい。ステムは、整列セクションを含んでもよい。整列セクションは、長手方向軸に平行な成分を有する方向に延在してもよい。平行成分は、整列セクションの方向範囲の主成分であってもよい。整列セクションは、長手方向軸と、ステム及び/又はハンドル部分の1つ以上又は全ての部分と、の間の間隙又は間隔を実質的に維持してもよい。整列セクションは、長手方向軸と、ステム及び/又はハンドル部分の1つ以上又は全ての部分と、の間の間隙又は間隔を実質的に増加又は減少させなくてもよい。
【0038】
ステムは、第3のセクションを含んでもよい。第3のセクションは、第2のセクションに接続されていてもよい。ステムは傾斜セクションを含んでもよい。傾斜セクションは、長手方向軸に平行な成分を有し、かつ長手方向軸に対して半径方向の成分を有する方向に延在してもよい。平行成分は、傾斜セクションの方向範囲の支配的成分であってもよい。傾斜セクションは、20°~45°、例えば25°~35°の長手方向軸との交差角度を有してもよい。傾斜セクションは、長手方向軸と、ステム及び/又はハンドル部分の1つ以上又は全ての部分と、の間の間隙又は間隔を増加させてもよい。傾斜セクションは、長手方向軸と、ステム及び/又はハンドル部分の1つ以上又は全ての部分と、の間の間隙又は間隔を実質的に減少させなくてもよい。
【0039】
ステムの1つ以上又は全てのセクションは、ガイド要素の方への視線、任意選択的にガイド要素への視線、例えば1つ又は複数の位置決め要素への視線を、ステムと長手方向軸との間に提供するように構成されてもよい。
【0040】
ハンドル部分は、ステムの近位端に設けられてもよい。ハンドル部分は、ハンドルの把持を補助するように構成されてもよい。ハンドルは、ユーザーの手を、ガイド要素に向かう視線の外に維持するように方向付け及び/又は構成及び/又は配置されてもよい。
【0041】
ハンドル部分は、ユーザーが、特にガイド要素に対して、長手方向軸に沿って及び/又は長手方向軸に平行に軸方向の力を加えることを可能にするように構成されてもよい。ハンドル部分は、ユーザーが、特にガイド要素に対して、半径方向の力を加えることを可能にするように構成されてもよい。
【0042】
本発明の第1の態様は、本発明の他の態様を含み、いずれかが単独で又は任意の組み合わせで採用される場合を含む、本明細書に記載される他の特徴、選択肢又は可能性のいずれかを含んでもよい。
【0043】
本発明の第2の態様によれば、外科システムが提供され、当該外科システムは、
外科用器具であって、
近位端を有しかつ遠位端を有するステムと、
ステムの近位端に向かって設けられたハンドル部分と、
ステムの遠位端に向かって設けられたガイド要素であって、当該ガイド要素が、
ガイドチャネルを画定する本体要素であって、ガイドチャネルは、長手方向軸を有し、かつ長手方向軸に沿って両端が開いている、本体要素、及び
1つ又は複数の位置決め要素、を提供する、ガイド要素と、を備える、外科用器具を含み、かつ、
当該システムは、
1つ又は複数の切削ツールと、
1つ又は複数の細長い少なくとも部分的にねじ切りされた要素と、を更に含む。
【0044】
外科用器具は、本発明の第1の態様に従って提供されてもよく、及び/又は、本発明の他の態様を含み、いずれかが単独で又は任意の組み合わせで採用される場合を含む、本明細書に記載される他の特徴、選択肢又は可能性のいずれかを含んでもよい。
【0045】
外科システムは、特に使用時に切削ツールにトルクを加えるためのアクチュエータを更に含んでもよい。アクチュエータは、切削ツールに直接作用してもよく、又は駆動延長部などの1つ又は複数の中間要素に接続されてもよい。アクチュエータは、手動であってもよいし、電動式であってもよい。
【0046】
1つ又は複数の切削ツールは、ドリルビットであってもよく、又はドリルビットを含んでもよい。1つ又は複数の切削ツールは、外科用器具とは別個に提供されてもよい。1つ又は複数の切削ツールは、1つ又は複数の切削ブレードが設けられた遠位セクションを有してもよい。1つ又は複数の切削ツールは、アクチュエータ又は中間要素のための係合部を有する近位端を有してもよい。係合部は、切削ツールへのトルクの伝達を提供してもよい。係合部は、切削ツールへの遠位方向の軸方向力の伝達を提供してもよい。
【0047】
外科用器具のガイドチャネルは、切削ツール、例えばドリルビットを受容するように構成されてもよく、ガイドチャネルの断面は、切削ツールの断面にクリアランスを加えたものである。ガイドチャネルの長手方向軸は、使用中の切削ツールの動作軸、任意選択で切削ツールの回転軸に対応してもよい。
【0048】
切削ツールは、本体要素の上側でガイドチャネルに導入されてもよい。切削ツールは、ガイドチャネルを通過して、本体要素の下側を越えて延在してもよい。切削ツールは、本体要素の下側から延在する切削動作を提供してもよい。切削ツールは、使用後、ガイドチャネルの内外に後退させられてもよい。
【0049】
ガイドチャネルは、切削ツールによってライナーに形成される穴の角度を規定してもよい。
【0050】
細長い少なくとも部分的にねじ切りされた要素の1つ以上又は全てには、ねじ山、特にセルフタッピンねじ山が設けられてもよい。1つ又は複数の細長い要素は、外科用器具とは別個に提供されてもよい。1つ又は複数の細長い要素は、1つ又は複数のねじ山が設けられた遠位セクションを有してもよい。1つ又は複数の細長い要素は、アクチュエータ又は中間要素のための係合部を有する近位端を有してもよい。係合部は、細長い要素へのトルクの伝達を提供してもよい。係合部は、細長い要素への遠位方向の軸方向力の伝達を提供してもよい。
【0051】
切削ツールの係合部及び/又は細長い要素の係合部は、本開示の以下の別個の態様に記載される、以下のさらなる選択肢、特徴、及び可能性のうちのいずれかを有してもよい。
【0052】
本発明の第2の態様は、本発明の他の態様を含み、いずれかが単独で又は任意の組み合わせで採用される場合を含む、本明細書に記載される他の特徴、複数の特徴、選択肢又は可能性のいずれかを含んでもよい。
【0053】
本発明の第3の態様によれば、外科用構成要素のための係合システム及び外科用ツールのためのアクチュエータシステムが提供され、係合部は、
アクチュエータシステムの要素の遠位端内の内部ボアと、
内部ボア内に受容されるように適合された外科用ツールの近位端上の雄型セクションと、を含み、
雄型セクションが、内部ボアに含まれる1つ又は複数の係合面と協働してアクチュエータシステムから外科用ツールへのトルク伝達を提供するための1つ又は複数の係合面を含み、
内部ボア内にある雄型セクションが、雄型セクションの一部と内部ボアの一部との間で弾性要素を圧縮して、内部ボアから出る雄型セクションの軸方向移動に対するあるレベルの抵抗を提供する。
【0054】
外科用構成要素は、外科用ツールであってもよい。外科用ツールは、切削ツール又は例えばドリルビットであってもよい。外科用構成要素は、例えばライナーとシェルとを分離するための、少なくとも部分的にねじ切りされた細長い要素などの外科用ツールであってもよい。
【0055】
アクチュエータシステムは、手動又は電動アクチュエータを含んでもよい。アクチュエータシステムは、アクチュエータと外科用ツールとの間に提供される1つ又は複数の中間要素(例えば、駆動延長部)を含んでもよい。任意選択的に、外科用ツールは駆動延長部に取り付けられる。
【0056】
内部ボアは、アクチュエータの遠位端にあってもよく、又は駆動延長部などの中間要素の遠位端にあってもよい。
【0057】
雄型セクションには、1つ又は複数の外側係合面が設けられてもよい。内部ボアには、任意選択的に、雄型構成要素の1つ又は複数の外側係合面の少なくとも一部と係合する輪郭を有する1つ又は複数の内側係合面が設けられてもよい。雄型セクションの外側係合面は、内部ボア係合面から公差を引いたものに対応してもよい。六角形の断面プロファイルが、外側係合面及び/又は内側係合面に適用されてもよい。
【0058】
内部ボアは、基部セクションによって画定される深さを有してもよい。任意選択的に、外科用ツールの近位端は、使用時に基部セクションに当接してもよい。任意選択的に、当接は、ボア内への外科用ツールの軸方向移動を拘束し、かつ/又は軸方向の力の印加を可能にして、外科用ツールをライナーの材料内に押し込む。
【0059】
弾性要素は0リングであってもよい。0リングは、外科用ツールに設けられた溝内に保持されてもよい。0リングは、圧縮性を提供するために、溝の限界を超える半径方向範囲を有してもよい。0リングは、内部ボア内の環状表面によって対向していてもよい。0リングは、その最大半径又は最大輪郭が、内部ボアの対向表面の最小半径又は最小輪郭を上回る、第1の非圧縮状態を有してもよい。0リングは、その最大半径又は最大輪郭が内部ボアの対向表面によって低減される、第2の圧縮状態を有してもよい。
【0060】
弾性要素は、雄型セクション上に保持されてもよい。弾性要素は、係合面よりも近位端に近い位置に保持されてもよい。弾性要素は、係合面よりも近位端から遠い位置に保持されてもよい。
【0061】
弾性要素は、雄型セクションの一部と内部ボアの一部との間に提供されてもよい。
【0062】
内部ボアから外への雄型セクションの軸方向移動に対する抵抗のレベルは、使用位置への移動の間、及び/又は使用位置から離れる方向へのそれらの移動の間、及び/又はガイドチャネルを介したライナーへの挿入の間、内部ボア内に外科用ツールの近位端を保持するために必要とされるレベルを上回ってもよい。内部ボアから外への雄型セクションの軸方向移動に対する抵抗のレベルは、外科用ツールの重量又は外科用ツールへの衝撃が外科用ツールが内部ボアから外れることを引き起こすのを防止するために必要とされるレベルを上回ってもよい。
【0063】
軸方向移動に対する抵抗のレベルは、オペレータが内部ボアから外科用ツールを除去する際に困難に遭遇するであろうレベル未満であってもよい。
【0064】
本発明の第3の態様は、本発明の他の態様を含み、いずれかが単独で又は任意の組み合わせで採用される場合を含む、本明細書に記載される他の特徴、複数の特徴、選択肢又は可能性のいずれかを含んでもよい。
【0065】
本発明の第4の態様によれば、寛骨臼シェルからライナーを除去するための方法が提供され、当該方法は、
外科用器具を提供することであって、器具は、
近位端を有しかつ遠位端を有するステムと、
ステムの近位端に向かって設けられたハンドル部分と、
ステムの遠位端に向かって設けられたガイド要素であって、ガイド要素が、
ガイドチャネルを画定する本体要素であって、ガイドチャネルは、長手方向軸を有し、かつ長手方向軸に沿って両端が開いている、本体要素、及び
1つ又は複数の位置決め要素、を提供する、ガイド要素と、を備える、外科用器具を提供することと、
1つ又は複数の位置決め要素をライナー及び/又はシェルの面上に位置決めすることと、
切削ツールをライナーに導入することであって、切削ツールがガイドチャネルを通過する、ことと、
切削ツールを使用してライナーに穴を切削することと、を含む。
【0066】
本方法は更に、細長い部分的にねじ切りされた要素をライナー内の穴に導入することと、任意選択で、ねじ切りされた要素をライナー内にタッピングして、ライナーをシェルから離れるように押すことと、を含んでもよい。
【0067】
本方法は、器具をライナー及び/又はシェルに導入することと、次いで、位置を調節して、1つ又は複数の位置決め要素の位置決めをすることと、を含んでもよい。本方法は、1つ又は複数の位置決め要素のうちの1つ以上をライナーの上面上及び/又はシェルの上面上に導入することを含んでもよい。本方法は、シェルとライナーとの間の接合部に近接して器具を導入することを含んでもよい。本方法は、1つ又は複数の位置決め要素を接合部の一部、例えば、シェルの上面及びシェルの上面の上方に延びるライナーの側壁と接触させるように位置を調整することを含んでもよい。1つ又は複数の位置決め要素の遠位端は、このようにして導入及び/又は配置されてもよい。
【0068】
本方法は、1つ又は複数の位置決め要素の遠位端(複数可)をシェルの上面に導入して、器具の略軸方向移動を制限することを含んでもよい。本方法は、シェルに対して半径方向内向きにライナーに向かって遠位端(複数可)を摺動させることによって、位置を調節することを含んでもよい。本方法は、ライナーの周縁壁と当接させて位置決め要素(複数可)を位置決めすることを含んでもよい。位置決めは、位置決め要素の遠位端のさらなる内側への移動に抵抗してもよい。
【0069】
本方法は、ガイドチャネルの長手方向軸を使用して、ライナー内の穴の軸を画定することを含んでもよい。
【0070】
本方法は、1つ又は複数の位置決め要素をライナーの外側に当接させて位置決めすることと、次いで、ガイド要素の1つ又は複数の部分をライナーの材料に貫入させて最終位置決めをすることと、を含んでもよい。1つ又は複数の位置決め要素がライナーに貫入してもよい。1つ又は複数の位置決め位置がライナーに貫入してもよい。1つ又は複数のライナー係合要素がライナーに貫入してもよい。1つ又は複数の歯がライナーを貫入してもよい。
【0071】
ハンドル部分を介してガイド要素に半径方向の力を加えることにより、ライナーの材料への貫入、特に周縁壁への貫入を引き起こすことができる。歯の制限された範囲及び/又は歯に隣接するガイド要素の部分がライナーに貫入できないことにより、位置決め要素、任意選択でガイド要素、理想的にはガイドチャネルの半径方向位置を最終的に定めることができる。
【0072】
本方法は、アクチュエータ、又は駆動延長部などの中間要素に、切削ツールを導入することを含んでもよい。
【0073】
本方法は、切削ツールを本体要素の上側でガイドチャネルに導入すること、及び/又は切削ツールをガイドチャネルに通して本体要素の下側を越えて延在させること、及び/又は切削ツールをライナーと接触するように軸方向に前進させること、のうちの1つ以上によって、切削ツールをライナーに導入することを含んでもよい。
【0074】
本方法は、本体要素の下側から延在する切削ツールを用いて穴を切削することを含んでもよい。
【0075】
本方法は、例えば、手動を用いて又は電動アクチュエータを使用して、切削ツールを回転させることを含んでもよい。
【0076】
本方法は、ガイドチャネルが、例えば、ガイドチャネルの長手方向軸に対して、及び/又は切削ツールの動作軸に対して、切削ツールの半径方向移動を拘束することを含んでもよい。本方法は、ガイドチャネルが、例えば、ガイドチャネルの長手方向軸に沿って一方向若しくは両方向に、及び/又は切削ツールの動作軸に沿って一方向若しくは両方向に、切削ツールのガイドチャネルに対する軸方向移動を可能にすることを含んでもよい。
【0077】
本方法は、例えば、所望の深さの穴が形成されると、切削ツールを後退させることを含んでもよい。本方法は、例えば、所望の深さの穴が形成されると、及び/又は切削ツールがガイドチャネルから後退させられると、外科用器具をライナーから係合解除すること、及び/又は外科用器具をライナーとの近接から除去すること、及び/又は外科用器具の1つ又は複数の部品をライナーの材料内から除去することを含んでもよい。
【0078】
本方法は、他の穴を提供するために、複数の場所において、提供、導入、位置付け、切削、及び除去のうちの1つ又は複数又は全てを繰り返すことを含んでもよい。他の穴は、ライナーの全周の周りに間隔を空けて配置されてもよい。
【0079】
本方法は、ライナーのサイズ及び/又は厚さの範囲に対して、同じ器具及び/又はガイドチャネル及び/又は切削ツールサイズ及び/又は細長いねじ切りされた要素サイズの使用を含んでもよい。
【0080】
本方法は、細長い部分的にねじ切りされた要素をアクチュエータ、又は駆動延長部等の中間要素に導入することを含んでもよい。アクチュエータ及び/又は中間要素は、切削ツールに以前に取り付けられたものと同じであってもよい。
【0081】
本方法は、細長い部分的にねじ切りされた要素の遠位端をライナー内の穴に導入することを更に含んでもよい。ねじ切りされた要素は、セルフタッピング式であってもよい。本方法は、ねじ切りされた要素を回転させて、ねじ切りされた要素をライナーの中へ前進させることを含んでもよい。本方法は、ねじ切りされた要素を、ライナーを通して、シェルと接触するように前進させることを含んでもよい。本方法は、ライナーをシェルから外科用器具に向かって変位させるために、ねじ切りされた要素を更に回転させることを含むことができるが、任意選択で、ねじ切りされた要素を更に前進させない。
【0082】
本発明の第4の態様は、本発明の他の態様を含み、いずれかが単独で又は任意の組み合わせで採用される場合を含む、本明細書に記載される他の特徴、複数の特徴、選択肢又は可能性のいずれかを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
以下で、例示のみを目的として、添付の図面を参照しながら、本開示の様々な実施形態を説明する。
図1a】従来技術のライナー抜取り器具の側面図である。
図1b】ライナーに係合している図1aの器具の斜視図である。
図1c図1bに対応する側面図である。
図1d】ライナーがシェルから部分的に除去されている側面図である。
図2】ガイド器具、ドリルビット、ねじ、及び駆動延長部を含む、本開示によるシステムの斜視図である。
図3】ガイド器具の遠位端及びシェル内のライナーと係合した切断されたドリルビットの上面図である。
図4図3に対応する側面図である。
図5】本開示の別の実施形態による、駆動延長部の遠位端、ドリルビットの近位端、及びねじの近位端の詳細の斜視図である。
図6】ライナーとシェルとの第1の組み合わせとの相互作用を示す側面図である。
図7】ライナーとシェルとの第2の組み合わせとの相互作用を示す側面図である。
図8】ドリルビットが存在するガイド部品の詳細な側面斜視図である。
図9】ライナー及びシェルに対するパイロット穴を示す。
【発明を実施するための形態】
【0084】
股関節形成術では、関節の解剖学的再建が求められる。天然の寛骨臼は除去され、骨の凹部に配置されて所定の位置に固定された寛骨臼シェルから形成されたインプラントと置き換えられる。続いて、適切なサイズのライナーがシェルに挿入され、嵌合され、ロックされる。場合によっては、ポリエチレン製寛骨臼ライナーを埋め込まれたシェルから除去すること、例えば、そのライナーを除去して別のライナーと交換することが必要である。これは、ライナーを保持するシェルに損傷を与えるリスクを最小限にしながら行われなければならない。
【0085】
1つの従来技術の器具であるライナー抜取り工具1が図1aに図示されている。この工具は、ピン7の周りで互いに対して枢動可能に取り付けられた第1のジョー3及び第2のジョー5を提供する。第1のジョー3の遠位端9は、第2のジョー5の遠位端11を越えて延びる。第1のジョー3の遠位端9には、第2のジョー5に対向する一対の接触面13が設けられている。第2のジョー5の遠位端11には、概して第1のジョー3に向かって面する一対の歯15が設けられている。
【0086】
図1bに見られるように、第1のジョー3は、第1のジョー要素19aと第2のジョー要素19bとの間に設けられた別個の中央要素17を有し、これらが組み合わされて第1のジョー3を形成する。中央要素17の遠位端21は、一対の接触面13に対して概ね垂直な当接面23を有する。
【0087】
第1のジョー3及び第2のジョー5が、閉じた状態が示されている図1aに示されているよりも広く開いている状態では、ライナー抜取り工具1は、図1cに示されているように、シェル27内に位置するライナー25と係合することができる。当接面23は、シェル27の周面29と接触する。これにより、シェル27に対するライナー抜取り工具1の軸方向移動が制限される。一対の接触面13は、ライナー25の小さい側壁31に当接する。第2のジョー5を第1のジョー3に向かって内方に移動させることによってジョーを閉じると、一対の歯15がライナー25の内側と接触する。歯15は、接触面13と側壁31とが結合して第1のジョー3の移動を防止するので、ライナー抜取り工具1を通して力を加えたときにライナー25に貫入するのに十分に鋭利である。
【0088】
図1dには、シェル27からライナー25を部分的に取り外した状態が示されている。これは、中央要素17に対する第1のジョー要素19a及び第2のジョー要素19bの後退によって達成される。したがって、中央要素17はシェル27の位置を維持し、ライナー25はシェル27から緩められる。
【0089】
創傷部位へのアクセスは容易ではないので、接触面及び当接面が互いに対して移動している間に当接面23及び接触面13を必要な位置にある状態にしてライナー抜取り工具1を位置決めすることは厄介であり得る。
【0090】
ライナー25を除去するための別の器具ベースの選択肢は、ライナー25にパイロット穴を形成することである。次に、セルフタッピンねじをパイロット穴に最初に係合させ、ライナー25をシェル27から取り外すのに十分な力でねじを締め付けて、ライナー25とシェル27との間に押し込む。ライナー25がより厚く、及び/又はより大きく、及び/又はより剛性のある種類のものである場合には、複数のパイロット穴及びセルフタッピンねじが必要とされる場合がある。
【0091】
このタイプの選択肢では、有効であるためには、パイロット穴は、一貫した正確な位置に、またライナー25に対して一貫した角度で形成される必要がある。これは、しばしば困難なアクセスしか提供しない創傷空間において達成される必要がある。
【0092】
図2は、ガイド器具100の形態の外科用器具、ドリルビット102の形態の外科用ツール、延長駆動部104の形態の中間セクションを提供する本開示の一実施形態を図示する。図2はまた、異なる外科用ツールであるセルフタッピンねじ106と係合された同じ延長駆動部104を示す。
【0093】
ガイド器具100は、遠位端110にガイド部品108の形態のガイド要素を含む。ガイド部品108はステム112上に取り付けられ、ハンドル部分114は近位端116にある。ステム112は、いくつかのセクションに分割されている。第1のセクションである遷移セクション118は、ガイド器具100の残りの部分をドリルビット102の動作軸から離隔させる。第2の部分である整列セクション120は、ドリルビット102の動作軸と整列されるが、そこから離間され、それによって、使用中にハンドル部分114を介してライナー25に加えられる力を、使用中にドリルビット102を介して加えられる力がそれに沿ってライナー25に伝わる軸と整列させる。第3のセクションである傾斜セクション124は、空間を増大させて遠位端110までの外科医の視線を改善するように、ドリルビット102の動作軸から離れるように傾斜している。第3の部分である傾斜部分124は、ハンドル部分114につながる。
【0094】
使用中、図3に示されるように、ガイド器具100の遠位端110は、ライナー25とシェル27との間の接合部126に近接する。遠位端110のガイド部品108は、貫通孔128の形態のガイドチャネルを提供し、ドリルビット102はそこを通って挿入され得る。ボア128の軸は、使用時に、ドリルビット102の動作軸と一致する。
【0095】
ガイド部品108は、ライナー25及び/又はシェル27に対して正確に位置合わせ/位置決めするための視覚的な手がかり及びガイドを提供する構成を備える。ガイド部品108は、ガイド部品108と遷移セクション118との接合部に設けられた、本体要素131から延在する第1の延在要素130aを含む。第1の延在要素130aは、第1の方向に延在する。第2の延在要素130bは、同様に設けられるが、反対方向に延在する。第1及び第2の延在要素は、位置決め位置支持体の一形態である。第1の延在要素130a及び第2の延在要素130bの両方は、本体要素接触端部132及び延在要素突出端部137を有する。2つの突出端部137は、互いの方に向けられている。2つの突出端部137の間に引かれた弦は、延在要素の他の部分の間、特に本体要素接触端部132の間に引かれた弦よりも、ボア128の軸の近くを通ることになる。例示の実施例では、これは、第1の延在要素130a及び第2の延在要素130bの湾曲によって提供される。
【0096】
図6図7及び図8に見られるように、ガイド部品108の遠位端110において、平坦な遠位端面136がボア128の周りに設けられる。これは、二次位置決め位置の一形態である。この実施例では、第1の延在要素130a及び第2の延在要素130bの両方に対して、連続した平坦な遠位端面135によって共通の遠位端が提供される。この遠位端面135は、第1の延在要素30a及び第2の延在要素30bの両方の湾曲の長さ全体に延在する。これは、位置決め位置の1つの形態である。遠位端面135は、遠位端セクション139に設けられている。遠位端セクション139は、遠位端面135の位置よりも遠位端面135から離れてより小さい断面を有し、したがって、遠位縁部134が画定される。遠位縁部134は、この形態では、第1の延在要素30a及び第2の延在要素30bの両方の湾曲全体に沿って延在する。
【0097】
図6を参照すると、遠位縁部134と、シェル27とライナー25との第1の組み合わせとの相互作用が示されている。この実施例では、ライナー25がシェル27から突出している程度は比較的小さく、したがって、周縁壁140は、小さい高さのみを有する。以下に更に例示するように、ライナー25とシェル27との異なる組み合わせに対しては、異なる相互作用が生じる。
【0098】
図6では、遠位端面135及び遠位縁部134は、ガイド部品108、例えばその遠位端面136よりも、ガイド器具100に対してより大きい遠位範囲を有する。平坦な遠位端面135は、ガイド部品108の遠位端面136と平行であるが、同一平面上にはない。
【0099】
使用時、これは、ガイド器具100がシェル27及びライナー25に向かって動かされるとき、遠位端面135の一方の端部、次いで他方の端部又は両方が同時に、シェル27の円周端面138に当接することを意味する。これは、ガイド器具100の概ね軸方向移動を制限する。次に、遠位端面135を、端面138を横切ってシェル27及びライナー25に対して半径方向内向きに摺動させることができる。これは、遠位縁部134の一部が、シェル27の端面138の平面のわずかに上方に延びるライナー25によって形成されたライナー25の隆起した周縁壁140に当接するまで続く。この時点で、ライナー25は、さらなる内側への移動に抵抗する。図示の形態では、遠位縁部134の湾曲は、遠位縁部134の端部が当接部を提供するようなものである。遠位縁部134の輪郭は、その端部が歯142のように作用するようなものである。遠位縁部134は、延在要素の近位から遠位の向きに対して、これらの延在要素から離れるように横方向に面する。すなわち、遠位縁部134は、使用時にライナー25に向かって、特にライナー25とシェル27との接合部において周縁壁140に向かって面する。ハンドル部分114を介してガイド部品108に半径方向の力を加えることにより、遠位縁部134の端部の歯142がライナー25の材料に貫入し、特に周縁壁140に貫入する。遠位縁部134の限定された範囲、及びそれらの背後の延在要素をライナー25に貫入させることが不可能であることは、延在要素130a、130b、したがってガイド部品108、したがってボア128の半径方向位置が、非常に厳密に制御されることを意味する。パイロット穴は、一貫した正確な位置に形成される。
【0100】
代替形式では、遠位縁部134上の中間位置がライナーに当接するように、遠位縁部134の湾曲、特にその曲率半径は、ライナーの湾曲、特に曲率半径よりも大きくてもよい。遠位縁部134は、ライナー25に貫入するのに十分なだけその長さに沿って鋭利であり、したがって、その当接のときに歯のように作用する。
【0101】
図9は、ドリルビット102によって形成されるパイロット穴202を示す。ドリルビット102は、ガイド部品108を通ってライナー25内に延び、ライナー25とシェル27との間の接合部まで下方に延びている。湾曲縁部134の端部にある歯142は、ライナー25と係合する。
【0102】
パイロット穴202に使用される位置は、ライナー25の周縁部に隣接し、かつシェル27の周縁部にも隣接する。この領域では、使用時にシェル27とライナー25との間の接触は意図されておらず、したがって、本開示によるライナー25の除去がシェル27に軽微な損傷を引き起こしたとしても、その軽微な損傷はシェル27上の材料位置にはない。ライナー25内の更に内側の位置、例えばライナー25及びシェル27の極又は極に近い位置を使用した場合、材料領域にいくらかの損傷が生じることになる。しかしながら、パイロット穴202のために使用される位置は、パイロット穴202がシェル27内のライナー25のための保持機構204、206から離れるように、ライナー25の縁部に対して半径方向内側に十分に離れている。例示の実施例では、シェル27上のラグ204がライナー25上の凹部206と係合するが、他の保持機構も可能である。
【0103】
パイロット穴202の周辺位置は、シェルからライナー25を取り外すための最も効果的な手法を提供するために、試験において確立されている。これは、ライナー25とシェル27との間の保持力に打ち勝つのに十分な力を提供するのに特に重要である。周辺位置は、ライナー25の更に内側の位置、例えばライナー25及びシェル27の極208又はその極の位置よりも効果的である。
【0104】
図7を参照すると、遠位縁部134と、シェル27とライナー25との第1の組み合わせとの異なる相互作用が示されている。この実施例では、ライナー25がシェル27から突出している程度は比較的大きく、したがって、周縁壁140は、かなりの高さを有する。
【0105】
使用時に、このことは、ガイド器具100がシェル27及びライナー25に向かって動かされるとき、遠位端面136がライナー25の円周端面200に当接することを意味する。これは、ガイド器具100の概ね軸方向移動を制限する。この位置における遠位縁部134は、シェル27の円周端面138から依然として離間されているが、遠位縁部134のセクション、図示の実施例では端部の歯142が、シェル27の端面138の平面のわずかに上方に延びるライナー25によって形成されたライナー25の隆起した周縁壁140に当接するまで、遠位縁部134を、シェル27及びライナー25に対して半径方向内向きに依然として摺動させることができる。この時点で、ライナー25は、さらなる内側への移動に抵抗する。ハンドル部分114を介してガイド部品108に半径方向の力を加えることにより、遠位縁部がライナー25の材料に貫入し、特に周縁壁140に貫入する。
【0106】
上記の実施形態は、連続した遠位縁部134の各端部にある、ライナー25への貫入を提供するための歯142を参照しているが、他の位置に2つ以上の歯を提供することが可能である。遠位縁部134及び/又は鋸歯状遠位縁部134に沿って離間された一連の歯が提供されてもよい。同様に、ライナー25と係合してこれに貫入する遠位縁部134の中間部分に依存することも可能である。
【0107】
延在要素の遠位縁部134及び/又は歯142の構成は、広範囲の異なる直径のシェル27及びライナー25を、同じガイド器具100とともに首尾よく使用することができることを意味する。
【0108】
ドリルビット102は、ガイド器具100とは別個に提供され、任意選択的に以下でより詳細に説明する方法で、延長駆動部又は他の作動器具104に取り付けられる。同じ直径のドリルビット102が、広範囲のライナー25のサイズに適しており、したがって、所与のガイド部品108及びガイド器具100も広く適用可能である。
【0109】
ガイド部品108の貫通孔128は、ライナー25に対して一貫した角度を有する所望のパイロット穴を与える軸X-Xを有するが、これは、ボア28がドリルビット102の動作軸を同じ軸X-Xに制限するためである。軸X-Xに垂直なボア28の断面(+クリアランス公差)は、軸X-Xに同様に垂直なドリルビット102の断面と一致する。
【0110】
したがって、使用時には、ガイド器具100がシェル27及びライナー25上の所定位置にあり、遠位縁部134又は歯142の一部がライナー25の材料内にある状態で、駆動延長部104のドリルビット102がボア128内に摺動され、ライナー25の表面と当接する。駆動延長部104に接続された手動又は電動アクチュエータ300(図2に概略的に示す)は、ドリルビット102を回転させ、したがってライナー25にパイロット穴を形成するために使用される。所望の深さのパイロット穴が形成されると、駆動延長部104及びドリルビット102を後退させることができる。次いで、ガイド器具100を外側に移動させて遠位縁部134又は歯142の部分を係合解除することができ、次いで、ガイド器具100を引き抜くこともできる。
【0111】
必要であれば、このプロセスを他の位置で繰り返して、他のパイロット穴を設けることができる。
【0112】
取り外されたドリルビット102と同じものであってもよい駆動延長部104には、セルフタッピンねじ106が提供される。ねじ106の遠位端は、パイロット穴の端部に挿入され、駆動延長部104を回転させることにより、ねじ106をライナー25内に前進させる。ねじ106を前進させ続けると、ライナー25がシェル27から変位する。
【0113】
ドリルビット102は、延長駆動部104又は他の作動器具104に様々な方法で取り付けることができる。本開示に従う1つのオプションを図5に図示する。
【0114】
駆動延長部104は、その遠位端300に内部ボアを有し、この内部ボアは、ドリルビット102の近位端302及び端部セクション304、並びに同様にねじ106の近位端306及び端部セクション308を受容する。端部セクション304、308は、同等の断面プロファイルを有し、図示されるように、6つの規則的に離間された適合するサイズの平坦部310が設けられており、これらは六角形の駆動インターフェースを提供する。駆動延長部104の内部ボアは、対応する駆動プロファイルを備えており、図示されたケースでは、六角形の駆動インターフェースを提供する6つの規則的に離間された適合するサイズの平坦部310を有する。2つの駆動面の協働は、トルクを駆動延長部104からドリルビット102又はねじ106に容易に伝達する。内部ボアの深さは、軸X-Xに沿って考えると、端部セクション304、308の長さに一致し、その結果、近位端302、306とボア314の基部312との当接は、駆動インターフェースの正確な整列をもたらす。当接はまた、ドリルビット102又はねじ106の駆動延長部104内への軸方向移動を拘束し、ドリルビット102又はねじ106をライナー25の材料内へと促す軸方向の力の印加を可能にする。
【0115】
ドリルビット102及び/又はねじ106と駆動延長部104との容易な係合及び係合解除を提供することが望ましい。同時に、ドリルビット102及び/又はねじ106を、使用位置への移動中及び使用位置から離れる移動中に駆動延長部104上に保持する必要がある。本開示では、駆動延長部104から離れる軸方向の相対運動に対するドリルビット102及び/又はねじ106のこのレベルの軸方向拘束は、一方の0リング312と他方の表面との相互作用によってもたらされる。一形態では、0リング312は、駆動延長部104の内部ボア314内ではなく、使い捨てドリルビット102上に提供される。同様に、0リング312は、駆動延長部104の内部ボア314内ではなく、使い捨てねじ106上に提供されてもよい。
【0116】
その1つの形態では、ドリルビット102が内部ボア314内に摺動されるとき、少なくとも近位端302がボア314の基部312に接近するときに、ボア314の内部輪郭が0リング312の圧縮を引き起こす。0リング312の弾性は、この圧縮に抵抗し、したがって、ボア314からのドリルビット102の軸方向移動に抵抗する。この抵抗は、ドリルビット102の重量又はドリルビット102への打撃がドリルビット102を駆動延長部104から分離させることを防止するのに十分である。ねじ106上の0リング312は、同等の方法で動作し、相互作用する。しかしながら、軸方向移動に対する抵抗は限定的であるので、ドリルビット102又はねじ106は、例えばドリルビット102からねじ106に交換するために、必要に応じて駆動延長部104から容易に引き抜くことができる。ドリルビット102及びねじ106は使い捨てであることが意図されているので、0リング312が存在する構造体を滅菌する必要はない。
【0117】
本開示の概念には様々な改変及び代替的形態が考えられるが、その特定の実施形態を図面に例として示し、本明細書において詳細に説明する。しかしながら、本開示の概念を、開示される特定の形態に限定することは本開示の意図するところではなく、その逆に、その意図するところは、本開示並びに添付の「特許請求の範囲」に包含される全ての改変物、均等物、及び代替物を網羅することにある点は理解されるべきである。
【0118】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
近位端を有しかつ遠位端を有するステムと、
前記ステムの前記近位端に向かって設けられたハンドル部分と、
前記ステムの前記遠位端に向かって設けられたガイド要素と、を含み、前記ガイド要素が、
ガイドチャネルを画定する本体要素であって、前記ガイドチャネルは、長手方向軸を有し、かつ前記長手方向軸に沿って両端が開いている、本体要素、及び
1つ又は複数の位置決め要素、を提供する、外科用器具。
(2) 前記ガイドチャネルが、切削ツールを受容するように適合されており、前記ガイドチャネルの長手方向軸が、使用中の前記切削ツールの動作軸に対応している、実施態様1に記載の器具。
(3) 前記ガイドチャネルが、前記切削ツールの半径方向移動を拘束し、かつ、前記ガイドチャネルに対する前記切削ツールの軸方向移動を可能にするように適合されている、実施態様2に記載の器具。
(4) 前記位置決め要素の1つ以上又は全てが、1つ又は複数のライナー貫入部を含む、実施態様3に記載の器具。
(5) 2つ以上の位置決め要素が設けられ、各位置決め要素が、その遠位端に向かってライナー貫入部を含む、実施態様3に記載の器具。
【0119】
(6) 前記湾曲縁部の少なくとも2つの部分が、使用時に、前記ライナー貫入部を提供する、実施態様5に記載の器具。
(7) 一対の位置決め位置支持体が、前記本体要素の両側に延在し、前記一対の位置決め位置支持体が、2つ以上のライナー貫入部を提供する、実施態様1に記載の器具。
(8) 湾曲要素及び/又は縁部が、前記位置決め要素の前記遠位端に向かって設けられ、前記湾曲要素及び/又は前記縁部が、前記ガイドチャネルの長手方向軸に向かって前記ガイド要素から離れる方向に突出している、実施態様1に記載の器具。
(9) 位置決め要素によって提供される位置決め位置支持体の遠位端と、位置決め要素によって提供されるさらなる位置決め位置支持体の前記遠位端とが、それらの間に延在する弦を画定し、前記弦が、前記位置決め位置支持体の第1の他の部分と前記さらなる位置決め位置支持体の第1の他の部分との間に引かれる弦よりも前記ガイドチャネルの前記長手方向軸に近接している、実施態様1に記載の器具。
(10) 1つ又は複数の二次位置決め位置が、前記1つ又は複数の位置決め要素によって提供され、前記二次位置決め位置のうちの1つ以上が、使用時に前記ライナーに当接する、実施態様1に記載の器具。
【0120】
(11) システムであって、前記外科システムは、
外科用器具であって、
近位端を有しかつ遠位端を有するステムと、
前記ステムの前記近位端に向かって設けられたハンドル部分と、
前記ステムの前記遠位端に向かって設けられたガイド要素であって、前記ガイド要素が、
ガイドチャネルを画定する本体要素であって、前記ガイドチャネルは、長手方向軸を有し、かつ前記長手方向軸に沿って両端が開いている、本体要素、及び
1つ又は複数の位置決め要素、を提供する、ガイド要素と、を備える、外科用器具を含み、かつ、
前記システムは、
1つ又は複数の切削ツールと、
1つ又は複数の細長い少なくとも部分的にねじ切りされた要素と、を更に含む、システム。
(12) 前記外科システムが、
前記切削ツールにトルクを加えるためのアクチュエータ、
1つ又は複数のドリルビット、
1つ又は複数のセルフタッピンねじ山、のうちの1つ以上を更に含む、実施態様11に記載のシステム。
(13) 前記外科用器具の前記ガイドチャネルが、前記切削ツールを受容するように構成されており、前記ガイドチャネルの断面は、前記切削ツールの断面にクリアランスを加えたものである、実施態様12に記載のシステム。
(14) 前記位置決め要素の1つ以上又は全てが、1つ又は複数のライナー貫入部を含む、実施態様13に記載のシステム。
(15) 2つ以上の位置決め要素が設けられ、各位置決め要素が、その遠位端に向かってライナー貫入部を含む、実施態様11に記載のシステム。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】