(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-27
(54)【発明の名称】アンテナ及び通信デバイス
(51)【国際特許分類】
H01Q 21/29 20060101AFI20231220BHJP
H01Q 9/26 20060101ALI20231220BHJP
H01Q 9/16 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
H01Q21/29
H01Q9/26
H01Q9/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538058
(86)(22)【出願日】2021-10-19
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 CN2021124761
(87)【国際公開番号】W WO2022134785
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】202011529058.7
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シャオ,ジンジン
(72)【発明者】
【氏名】シー,ツァオ
(72)【発明者】
【氏名】ホーァ,ジュインフェイ
【テーマコード(参考)】
5J021
【Fターム(参考)】
5J021AA02
5J021AA05
5J021AA07
5J021AA13
5J021AB03
5J021CA03
5J021HA10
5J021JA02
(57)【要約】
本件はアンテナ及び通信デバイスを提供するものであり、通信技術の分野に関連し、アンテナの限られたカバレッジという技術的問題を解決するためのものである。本件で提供されるアンテナは、誘電体基板と、折り返しダイポールと、N個の対称ダイポールとを含む。結合ラインが誘電体基板上に配置されており、結合ラインは第1の端部と第2の端部を有する。折り返しダイポールは、結合ラインの第1端部に位置し、結合ラインに接続されている。N個の対称ダイポールは誘電体基板上に配置され、N個の対称ダイポールは結合ラインに接続されている。N個の対称ダイポールは、結合ラインの第1端部から第2端部へ順に配置されている。本件で提供されるアンテナでは、異なる周波数帯域の帯域幅制御が、折り返しダイポールと対称ダイポールにより一緒に実施され、アンテナの動作帯域幅を増加させる。また、折り返しダイポールと対称ダイポールを特定のサイズ条件に従って配置することにより、折り返しダイポールと対称ダイポールにより生じる電磁波に関してコヒーレントな重ね合わせを実現することができ、マルチ・ビーム特性を実現し、更に、アンテナのオムニ指向性カバレッジを実現することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナであって:
誘電体基板;
前記誘電体基板に配置された結合ラインであって、前記結合ラインは第1の端部と第2の端部を有する、結合ライン;
前記誘電体基板に配置された折り返しダイポールであって、前記折り返しダイポールは、前記結合ラインの第1の端部に配置され且つ前記結合ラインに接続されている、折り返しダイポール;及び
前記誘電体基板に配置されたN個の対称ダイポールであって、前記N個の対称ダイポールは前記結合ラインに接続され、Nは1以上の整数である、N個の対称ダイポール;
を含み、Nが1より大きい場合に、前記N個の対称ダイポールは前記結合ラインの前記第1の端部から前記第2の端部へ順に配置されている、アンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載のアンテナにおいて、前記折り返しダイポールとテール部分における対称ダイポールとの間の距離はLであり;
前記テール部分における対称ダイポールは、前記結合ラインの第2の端部に配置された対称ダイポールであり;及び
Lは、前記アンテナの動作波長の1/4ないし動作波長の全長の範囲内にある、アンテナ。
【請求項3】
請求項2に記載のアンテナにおいて、Lは前記アンテナの動作波長の半分に等しい、アンテナ。
【請求項4】
請求項1-3のうちの何れか一項に記載のアンテナにおいて、前記結合ラインは第1のマイクロストリップと第2のマイクロストリップを含み;及び
前記第1のマイクロストリップと前記第2のマイクロストリップは並列に設けられており、前記第1のマイクロストリップと前記第2のマイクロストリップの間にギャップが存在している、アンテナ。
【請求項5】
請求項4に記載のアンテナにおいて、前記対称ダイポールは第1のバイブレーション・アームと第2のバイブレーション・アームを含み、前記第1のバイブレーション・アームと前記第2のバイブレーション・アームは前記結合ラインに対して対称的に構成されており;及び
前記第1のバイブレーション・アームは前記第1のマイクロストリップの側方に配置され、前記第1のバイブレーション・アームの端部であって前記第1のマイクロストリップに近いものは、前記第1のマイクロストリップに接続され;及び
前記第2のバイブレーション・アームは前記第2のマイクロストリップの側方に配置され、前記第2のバイブレーション・アームの端部であって前記第2のマイクロストリップに近いものは、前記第2のマイクロストリップに接続されている、アンテナ。
【請求項6】
請求項5に記載のアンテナにおいて、前記テール部分における対称ダイポールにおいて、前記第1のバイブレーション・アームは第1の給電端部を有し、前記第1の給電端部は、前記第1のバイブレーション・アームの端部であって前記第2のバイブレーション・アームに面している端部に配置されており;
前記第2のバイブレーション・アームは第2の給電端部を有し、前記第2の給電端部は、前記第2のバイブレーション・アームの端部であって前記第1のバイブレーション・アームに面している端部に配置されており;及び
前記テール部分における対称ダイポールは前記結合ラインの第2の端部に配置された対称ダイポールである、アンテナ。
【請求項7】
請求項6に記載のアンテナにおいて、前記アンテナはバラン構造を更に含み;及び
前記バラン構造は、前記テール部分における対称ダイポールの側方であって前記折り返しダイポールから遠い側に配置され、前記テール部分における対称ダイポールに接続されている、アンテナ。
【請求項8】
請求項7に記載のアンテナにおいて、前記バラン構造は折れ曲がったU字形状の構造であり、前記バラン構造の一方端は前記第1のバイブレーション・アームに接続されており、他方端は前記第2のバイブレーション・アームに接続されている、アンテナ。
【請求項9】
請求項4に記載のアンテナにおいて、前記テール部分における対称ダイポールは第1のバイブレーション・アームと第2のバイブレーション・アームを含み、前記第1のバイブレーション・アームと前記第2のバイブレーション・アームは前記結合ラインに対して対称的に構成されており;
前記第1のバイブレーション・アームに近い端部と前記第2のバイブレーション・アームに近い端部とは互いに接続され、前記第1のバイブレーション・アームと前記第2のバイブレーション・アームとの間にスロットが存在し;
前記第1のバイブレーション・アームの端部であって前記第1のマイクロストリップに近い端部は、前記第1のマイクロストリップに接続され、前記第2のマイクロストリップの端部は前記スロットに配置されており;及び
前記テール部分における対称ダイポールは前記結合ラインの第2の端部に配置された対称ダイポールであり、前記第1のバイブレーション・アーム又は前記第2のバイブレーション・アームは第1の給電端部を有し、前記第2のマイクロストリップは第2の給電端部を有する、アンテナ。
【請求項10】
請求項4-9のうちの何れか一項に記載のアンテナにおいて、前記折り返しダイポールは第1の接続アームと第2の接続アームを含み、前記第1の接続アームは前記第1のマイクロストリップの端部に接続され、前記第2の接続アームは前記第2のマイクロストリップの端部に接続されている、アンテナ。
【請求項11】
請求項10に記載のアンテナにおいて、前記第1の接続アームは、前記第2の接続アームから遠ざかる方向に延びる第1の拡張部を有し;及び
前記第2の接続アームは、前記第1の接続アームから遠ざかる方向に延びる第2の拡張部を有する、アンテナ。
【請求項12】
請求項1-11のうちの何れか一項に記載のアンテナにおいて、前記N個の対称ダイポールは:
【数7】
を満足し、nは、前記対称ダイポールのシーケンス番号であり、前記結合ラインの前記第1の端部から前記第2の端部へ順に増加し;L
nはn番目の対称ダイポールの長さであり;L
n+1は(n+1)番目の対称ダイポールの長さであり;τは前記アンテナの結合因子である、アンテナ。
【請求項13】
請求項1-12のうちの何れか一項に記載のアンテナにおいて、前記N個の対称ダイポールは:
【数8】
を満足し、nは、前記対称ダイポールのシーケンス番号であり、前記結合ラインの前記第1の端部から前記第2の端部へ順に増加し;R
nはn番目の対称ダイポールから前記アンテナの仮想頂点までの距離であり; R
n+1は(n+1)番目の対称ダイポールから前記アンテナの仮想頂点までの距離であり;τは前記アンテナの結合因子である、アンテナ。
【請求項14】
請求項1-13のうちの何れか一項に記載のアンテナにおいて、前記N個の対称ダイポールは:
【数9】
を満足し、nは、前記対称ダイポールのシーケンス番号であり、前記結合ラインの前記第1の端部から前記第2の端部へ順に増加し;d
nはn番目の対称ダイポールと(n+1)番目の対称ダイポールとの間の距離であり;d
n+1は(n+1)番目の対称ダイポールと(n+2)番目の対称ダイポールとの間の距離であり;τは前記アンテナの結合因子である、アンテナ。
【請求項15】
信号処理回路と請求項1-14のうちの何れか一項に記載のアンテナとを含む通信デバイスであって、前記信号処理回路は前記アンテナに電気的に接続されている、通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本件は、2020年12月22日に中国国家知識産権局に出願され、「アンテナ及び通信デバイス」と題する中国特許出願第202011529058.7号に対する優先権を主張するものであり、同出願の全体が参照により本件に援用される。
[0002] 技術分野
本件は、通信技術の分野に関連し、特にアンテナ及び通信デバイスに関連する。
【背景技術】
【0002】
[0003] 現在の無線通信デバイスでは、半波ダイポール・アンテナが主に使用されている。一般的な狭帯域アンテナの一種として、半波ダイポール・アンテナは水平無指向性放射などの特徴を有し、最大利得は約2dBiである。実際の用途では、半波ダイポール・アンテナは、一般に、対称的に設けられた一対の導体を含み、2つの導体の互いに近接する2つの端部はそれぞれフィーダに接続され、ここで、2つの導体の長さの合計は、2つの導体の動作周波数の半分にほぼ等しい。アンテナの動作周波数が高くなるにつれて、アンテナから放射される電磁波の周波数もそれに応じて高くなる。しかしながら、低い周波数の電磁波と比較して、高い周波数の電磁波は、同じ伝搬距離でも著しく減衰し、貧弱な回り込み特性や壁貫通特性を有する。しかしながら、半波長ダイポールにより放射される電磁波の周波数は、半波長ダイポールのサイズや高さに大きく関係するので、半波長ダイポール・アンテナは単一の周波数帯域のビームしか発生できず、垂直方向には低い利得を有し、エリア全体のカバレッジを実現し損なう。
【発明の概要】
【0003】
[0004] 本件出願は、広いカバレッジを有し、高利得及びマルチ・ビーム特性を達成するのに好ましいアンテナ及び通信デバイスを提供する。
【0004】
[0005] 一態様によれば、本件出願はアンテナを提供する。アンテナは、誘電体基板と、結合ラインと、折り畳みダイポールと、N個の対称ダイポールとを含む。結合ラインは誘電体基板上に配置されている。結合ラインは第1の端部と第2の端部を有する。折り返しダイポールは、結合ラインの第1端部に位置し、結合ラインに接続されている。N個の対称ダイポールは誘電体基板上に配置されている。N個の対称ダイポールは結合ラインに接続され、Nは1以上の整数である。Nが1より大きい場合に、N個の対称ダイポールは結合ラインの第1の端部から第2の端部へ順に配置されている。
【0005】
[0006] 本件出願で提供されるアンテナにおいて、折り返しダイポールは垂直方向において比較的強い放射利得を有し、対称ダイポールは水平オムニ指向性放射などを特徴とする。折り返しダイポールと対称ダイポールを特定の寸法制約に従って配置することにより、折り返しダイポールと対称ダイポールにより生じる電磁波に関してコヒーレントな重ね合わせを実現し、マルチ・ビーム特性を実現することができる。そのため、折り返しダイポールと対称ダイポールの重ね合わせは、アンテナの多方向カバレッジを実現するのに有用である。例えば、前述のアンテナを搭載した無線ルーターを、複数階建ての構造物に適用すると、同じ階のWi-Fi信号のカバレッジを確保し、上の階と下の階でWi-Fi信号のカバレッジを向上させることにも役立つ。
【0006】
[0007] 特定の配置の際に、折り返しダイポールとテール部分における対称ダイポールとの間の距離Lは、実際の状態に応じて適宜調整されることが可能である。例えば、距離Lは、アンテナの動作波長の1/4以上であってもよく、アンテナの動作波長以下であってもよい。このようにして、折り返しダイポールとテール部分における対称ダイポールとにより発生する電磁波に関し、コヒーレントな重ね合わせを実現し、マルチ・ビーム特性を実現することができる。
【0007】
[0008] テール部分における対称ダイポールは、複数の対称ダイポールのうち、折り返しダイポールから最も遠い対称ダイポールである。あるいは、テール部分における対称ダイポールは、結合ラインの第2の端部に位置する対称ダイポールであると理解されてもよい。
【0008】
[0009] 複数の対称ダイポールが配置される場合、複数の対称ダイポールは、特定の寸法制約に従って配置される可能性がある。
【0009】
[0010] 例えば、複数の対称ダイポール間の長さは、次式の寸法制約に従って設定されてもよい。
【0010】
【数1】
[0011] あるいは、複数の対称ダイポール間の相対的な位置は、次式の寸法制約に従って配置されてもよい。
【0011】
【数2】
[0012] あるいは、複数の対称ダイポール間の相対的な位置は、次式の寸法制約に従って配置されてもよい。
【0012】
【数3】
[0013] nは、対称ダイポールのシーケンス番号であり、結合ラインの左側から右側へ順に増加する。L
nはn番目の対称ダイポールの長さである。L
n+1は(n+1)番目の対称ダイポールの長さである。R
nはn番目の対称ダイポールからアンテナの仮想頂点までの距離である。R
n+1は(n+1)番目の対称ダイポールからアンテナの仮想頂点までの距離である。d
nはn番目の対称ダイポールと(n+1)番目の対称ダイポールとの間の距離である。d
n+1は(n+1)番目の対称ダイポールと(n+2)番目の対称ダイポールとの間の距離である。τはアンテナの結合因子である。特定のアプリケーションでは、τの値は実際の条件に基づいて適切に選択されることが可能である。例えば、τの値は0.5,0.6,0.7などであってもよい。これは本件出願では限定されない。
【0013】
[0014] 具体的な設定の際に、複数の対称ダイポールは、前述の式(1)ないし(3)のうちの何れかの寸法制約のみを満足してもよいし、或いは、前述の式のうちの何れか1つ又は2つ又は3つの寸法制約を同時に満足してもよい、ということが理解されるであろう。あるいは、別の寸法制約に従って設定が行われてもよい。これは本件出願では限定されない。
【0014】
[0015] 幾つかの実装において、誘電体基板は、印刷回路基板又はフレキシブル回路基板のような構造であってもよい。結合ラインは、フォトリソグラフィのようなプロセスを使用して誘電体基板上に形成されてもよい。結合ラインは、第1のマイクロストリップと第2のマイクロストリップを含み、ギャップが維持される。対称ダイポールと折り返しダイポールの動作安定性を確保するために、第1のマイクロストリップと第2のマイクロストリップの幅サイズは同一であってもよい。具体的な実装において、結合ラインは平行ストリップ・ラインと呼ばれてもよい。第1のマイクロストリップと第2のマイクロストリップは、互いに平行な又はほぼ平行な関係を維持することが可能である。
【0015】
[0016] 更に、対称ダイポールは、第1のバイブレーション・アームと第2のバイブレーション・アームを含む可能性があり、第1のバイブレーション・アームと第2のバイブレーション・アームは、結合ラインに対して対称的に構成される。第1のバイブレーション・アームは、第1のマイクロストリップの側方に配置されてもよく、第1のバイブレーション・アームの端部であって第1のマイクロストリップに近い端部は、第1のマイクロストリップに接続される。第2のバイブレーション・アームは、第2のマイクロストリップの側方に配置されてもよく、第2のバイブレーション・アームの端部であって第2のマイクロストリップに近い端部は、第2のマイクロストリップに接続される。
【0016】
[0017] 特定の配置の際に、テール部分における対称ダイポールは、アンテナの励振ユニットとして使用される可能性がある。アンテナと関連する給電部品との間の接続を満足させるために、アンテナは同軸ケーブルの一方端を介して接続され、同軸ケーブルの他方端は関連する給電部品に接続されてもよい。同軸ケーブルは、一般に、ケーブルコアと、ケーブル・コアの外周に位置する外部導体とを含む。従って、テール部分における対称ダイポールには給電端部が備わっていてもよい。具体的には、第1のバイブレーション・アームは第1の給電端部を有してもよく、第1の給電端部は、第1のバイブレーション・アームの端部であって第2のバイブレーション・アームに面する端部に位置する。第2のバイブレーション・アームは、第2の給電端部を有してもよく、第2の給電端部は、第2のバイブレーション・アームの端部であって第1のバイブレーション・アームに面する端部に位置する。
【0017】
[0018] 同軸ケーブルでは、外部導体のサイズはケーブル・コアのサイズよりも大きいことを考慮すると、同軸ケーブルがアンテナに接続される場合に、アンバランスな給電が生じる。従って、具体的な配置の際に、アンテナにバラン構造を更に配置し、給電のバランスをとってもよい。
【0018】
[0019] 特定の配置の際に、バラン構造は、テール部分における対称ダイポールの側方であって折り返しダイポールから離れた側に配置されることが可能であり、テール部分において対称ダイポールに接続される。バラン構造の具体的な構造タイプは、様々な条件に基づいて適切に選択及び調整することが可能である。例えば、バラン構造は折れ曲がったU字型構造であってもよく、バラン構造の一方端は第1のバイブレーション・アームに接続されてもよく、他方端は第2のバイブレーション・アームに接続されてもよい。
【0019】
[0020] あるいは、別の実装において、アンバランスな給電の問題は、他の構造設定を用いて取り組まれてもよい。
【0020】
[0021] 例えば、第1のバイブレーション・アームに近い端部と第2のバイブレーション・アームに近い端部とは互いに接続されてもよく、第1のバイブレーション・アームと第2のバイブレーション・アームとの間にスロットが存在する。第1のバイブレーション・アームの端部であって第1のマイクロストリップに近い端部は、第1のマイクロストリップ・ラインに接続されてもよく、第2のマイクロストリップの端部は、スロット内に延びてもよい。接続の際に、同軸ケーブルの外側導体は第1のバイブレーション・アーム又は第2のバイブレーション・アームにおける第1の給電端部に接続されることが可能であり、同軸ケーブルの内側導体は第2のマイクロストリップに接続されることが可能である。従って、アンテナと同軸ケーブルの間で給電のバランスをとるために、コプレーナ・ウェーブガイドを実装することにより、アンテナと同軸ケーブルの間で給電が行われる。
【0021】
[0022] また、特定の配置の際に、従来技術における比較的一般的な折り返しダイポールが折り返しダイポールために使用されてもよいし、或いは、折り返しダイポールにフレキシブル処理が実行されてもよい。
【0022】
[0023] 例えば、折り返しダイポールは、第1の接続アームと第2の接続アームとを含むことが可能である。第1の接続アームと第2の接続アームは同軸に配置され、第1の接続アームと第2の接続アームは、結合ラインに対して対称的に構成される。第1の接続アームの端部は第1のマイクロストリップに接続され、第2の接続アームの端部は第2のマイクロストリップに接続される。
【0023】
[0024] 更に、折り返しダイポールの動作波長を増大させることが可能である。具体的な配置の際に、折り返しダイポールの第1の接続アームは、第2の接続アームから遠ざかる方向に延びる第1の延長セクションを更に有する。第2の接続アームは、第1の接続アームから遠ざかる方向に延びる第2の延長セクションを有する。第1の延長セクションと第2の延長セクションを設定することにより、折り返しダイポールの動作波長を長くすることができる。第1の延長セクションと第2の延長セクションの具体的な長さは、実際の条件に基づいて設定することが可能である。これは本件出願で具体的には限定されない。
【0024】
[0025] 別の態様によれば、本件出願の実施形態は通信デバイスを更に提供する。通信デバイスは、信号処理回路と前述のアンテナとを含む。信号処理回路は、同軸ケーブルを介してアンテナに電気的に接続されてもよい。通信デバイスは、無線ルーター、移動電話機、タブレット・コンピューター等であってもよい。信号処理回路は、無線周波数の信号を入力又は出力するためにアンテナに電気的に接続される。電子デバイスは、より良いアンテナ・パフォーマンスを有し、比較的広い周波数帯域と無指向性カバレッジを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】[0026]
図1は、本件出願の実施形態によるアンテナの平面構造の概略図である。
【
図2】[0027]
図2は、本件出願の実施形態による別のアンテナの平面構造の概略図である。
【
図3】[0028]
図3は、本件出願の実施形態による別のアンテナの平面構造の概略図である。
【
図4】[0029]
図4は、本件出願の実施形態による別のアンテナの平面構造の概略図である。
【
図5】[0030]
図5は、本件出願の実施形態による同軸ケーブルの断面図である。
【
図6】[0031]
図6は、本件出願の実施形態による別のアンテナの平面構造の概略図である。
【
図7】[0032]
図7は、本件出願の実施形態による別のアンテナの平面構造の概略図である。
【
図8】[0033]
図8は、本件出願の実施形態によるアンテナの信号シミュレーション図である。
【
図9】[0034]
図9は、本件出願の実施形態によるアンテナの放射強度のシミュレーション図である。
【
図11】[0036]
図11は、本件出願の実施形態による別の方向におけるアンテナの放射パターンである。
【
図12】[0037]
図12は、本件出願の実施形態による別の方向におけるアンテナの放射パターンである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0038] 本件出願の目的、技術的解決策、及び利点をより明確にするために、以下、添付図面を参照しながら本件出願を更に詳細に説明する。
【0027】
[0039] 本件出願の実施形態で提供されるアンテナの理解を促すために、以下、アンテナの適用シナリオについて先ず説明する。
【0028】
[0040] 本件出願の実施形態で提供されるアンテナは、通信デバイスにおいて使用される可能性があり、また、通信デバイスが無線信号を受信又は送信し、無線通信機能を実現できるように構成されている。通信デバイスは、無線ルータ、携帯電話機、タブレット・コンピュータ、ノートブック・コンピュータ、車載デバイス、ウェアラブル・デバイス等であってもよい。
【0029】
[0041] ルーターを一例として使用する。ルーターは、通常、アンテナを使用して特定のカバレッジを有するWi-Fi信号を生成する。カバレッジ内の携帯電話機やタブレット・コンピュータのようなデバイスは、ルーターとの信号相互接続を実施することが可能である。より高速な信号伝送を実現するために、Wi-Fi信号は、徐々に、2Gから5Gへ、或いはより高い周波数帯域さえもカバーしつつある。現在のルーターでは、半波ダイポール・アンテナが主に使用されている。一般的な狭帯域アンテナの一種として、半波長ダイポール・アンテナは、水平オムニ指向性放射などの特徴を有し、最大利得は約2dBiである。アンテナの動作周波数が高くなると、アンテナにより放射される電磁波の周波数も相応に高くなる。しかしながら、低い周波数の電磁波と比較して、高い周波数の電磁波は、同じ伝搬距離でも著しく減衰し、貧弱な回り込みや壁貫通能力を有する。しかしながら、半波長ダイポールにより放射される電磁波の周波数は、半波長ダイポールのサイズや高さに大きく関係するので、半波長ダイポール・アンテナは単一の周波数帯域のビームしか発生できず、垂直方向には低い利得を有し、エリア全域のカバレッジを達成し損なう。
【0030】
[0042] また、一般的な指向性アンテナは、通常、シングル・ビーム特性を示し、指向性アンテナのカバレッジは、利得を向上させると低下する。これに対応して、指向性アンテナのカバレッジを増加させる過程で、指向性アンテナの利得は著しく減少する。そのため、指向性アンテナの場合、より多くの利得はより小さなカバレッジを示し、従って、高い利得と大きなカバレッジの効果を同時には達成できていない。
【0031】
[0043] 従って、本件出願の実施形態は、比較的大きな利得を有し、且つ、オムニ指向性のカバレッジを達成するのに有益なアンテナを提供する。
【0032】
[0044] 本件出願の目的、技術的解決策、及び利点をより明確にするために、以下、添付図面及び特定の実施形態を参照しながら本件出願を更に詳細に説明する。
【0033】
[0045] 以下の実施形態で使用される用語は、特定の実施形態を説明するために単に意図されているに過ぎず、本件出願を限定するようには意図されていない。本件出願の明細書及び添付のクレームで使用されるように、単一の表現「1つ」、「或る」、「上記」、「その」及び「これ」は、文脈が明らかに別意を示していない限り、そのような表現を「1つ以上の」として包含するように意図されている。本件出願の以下の実施形態において、「少なくとも1つ」及び「1つ以上」は、1つ、2つ、又はそれ以上を指すことが更に理解されるべきである。用語「及び/又は」は、関連する対象の間の関連性関係を説明するために使用されており、3つの関係が存在する可能性があることを示す。例えば、A及び/又はBは:Aのみが存在する、A及びBの両方が存在する、及び、Bのみが存在することを表現している可能性があり、ここで、A及びBは単数又は複数である。文字「/」は関連する対象が「or」の関係にあることを一般的に示す。
【0034】
[0046] 本明細書に記載されている「実施形態」、「一部の実施形態」等に対する言及は、本件出願の1つ以上の実施形態が、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性を含むことを示す。従って、本件明細書中の異なる箇所における「一実施形態において」、「一部の実施形態において」、「他の一部の実施形態において」、「他の実施形態において」等の記述は、必ずしも同一の実施形態を指してはおらず、むしろ、別意に具体的に強調されていない限り、「1つ以上の(しかし、全てではない)実施形態にいおいて」を意味する。用語「含む(include)」、「備える(comprise)」、「有する(have)」、及びそれらの変形は全て、具体的に強調されていない限り、「~を含んでいるが、これらに限定されない」を意味する。
【0035】
[0047]
図1に示すように、本件出願で提供される実施形態において、アンテナは、誘電体基板10と、折り返しダイポール30と、3つの対称ダイポールとを含む。3つの対称ダイポールはそれぞれ対称ダイポール40a、対称ダイポール40b、及び対称ダイポール40cである。結合ライン20が誘電体基板10上に配置されており、折り返しダイポール30、対称ダイポール40a、対称ダイポール40b、及び対称ダイポール40cは何れも誘電体基板10上に配置され、結合ライン20に接続されている。折り返しダイポール30、対称ダイポール40a、対称ダイポール40b、及び対称ダイポール40cは、電流エネルギーを電磁エネルギーに変換し、電磁エネルギーを放射するように構成されている可能性があり、対称ダイポール40cと折り返しダイポール30との間の距離Lは、直列給電バイナリ・アンテナ・アレイ設計を形成するように、特定の寸法制約に従って設けられてもよい。対称ダイポール40aと対称ダイポール40bは、折り返しダイポール30と対称ダイポール40cの間に配置され、対称ダイポール40aと対称ダイポール40bは、折り返しダイポール30から対称ダイポール40cまで順次配置される。対称ダイポール40cの折り返しダイポール30の方向に対する放射能力は、対称ダイポール40aと対称ダイポール40bにより効果的に向上させることができ、アンテナの帯域幅も効果的に広げることができる。
【0036】
[0048] 本件出願で提供される実施形態では、折り返しダイポール30は垂直方向に比較的強い放射利得を有し、対称ダイポール40cは水平オムニ指向性放射などを特徴としている。折り返しダイポール30と対称ダイポール40cにより発生する電磁波に対して、特定の寸法制約に従って折り返しダイポール30と対称ダイポール40cを配置することにより、コヒーレントな重ね合わせを実現し、マルチビーム特性を実現することができる。従って、折り返しダイポール30と対称ダイポール40cの重ね合わせは、アンテナの多方向カバレッジを実現するのに有益である。例えば、前述のアンテナを備えた無線ルータを、高層建物構造に適用することにより、同一階におけるWi-Fi信号のカバレッジを確保し、且つ、上の階と下の階におけるWi-Fi信号のカバレッジを向上させることもできる。
【0037】
[0049] 概して、実際のアプリケーションでは、アンテナは折り畳みダイポール30とN個の対称ダイポールとを含む可能性があり、ここで、Nは1以上の整数である。折り返しダイポール30は、結合ライン20の第1の端部(図中の左側の部分)に配置されてもよく、N個の対称ダイポールは、結合ライン20の第1の端部から第2の端部へ(即ち、左から右へ)順次配置されてもよい。
【0038】
[0050] 具体的な実装において、誘電体基板10は、プリント回路基板又はフレキシブル回路基板のような構造体であってもよい。結合ライン20は、フォトリソグラフィのようなプロセスを用いて誘電体基板10上に形成することが可能である。結合ライン20は、第1のマイクロストリップ21と第2のマイクロストリップ22とを含み、第1のマイクロストリップ21と第2のマイクロストリップ22との間にはギャップがある。対称ダイポール40と折り返しダイポール30の動作安定性を確保するため、第1のマイクロストリップ21と第2のマイクロストリップ22の幅サイズは同じであってもよい。具体的な実装では、結合ライン20は平行ストリップ・ラインと呼ばれる場合もある。第1のマイクロストリップ21と第2のマイクロストリップ22は、平行又はほぼ平行な関係にあってもよい。
【0039】
[0051]
図1に示すように、対称ダイポール40cが具体的に配置される場合に、対称ダイポール40cは、第1のバイブレーション・アーム41と第2のバイブレーション・アーム42を含んでもよく、第1のバイブレーション・アーム41と第2のバイブレーション・アーム42は結合ライン20に対して対称に構成される。第1のバイブレーション・アーム41と第2のバイブレーション・アーム42は同軸に配置されてもよく、第1のバイブレーション・アーム41の端部は第1のマイクロストリップ21に接続され、第2のバイブレーション・アーム42の端部は第2のマイクロストリップ22に接続される。対称ダイポールは、ダイポール、半波ダイポール等として理解されてもよい。第1のバイブレーション・アーム41と第2のバイブレーション・アーム42の対称的な配置は、位置における対称性を意味する。具体的な実装において、第1のバイブレーション・アーム41と第2のバイブレーション・アーム42の構造的なサイズは、同一あってもよいし又は相違していてもよい。
【0040】
[0052]
図2に示すように、別の配置態様において、第1のバイブレーション・アーム41と第2のバイブレーション・アーム42の中にギャップ43が更に設けられ、対称ダイポール40cに関する容量性負荷を課し、それによって対称ダイポール40cの動作パフォーマンスを最適化してもよい。
【0041】
[0053] 対称ダイポール40aと対称ダイポール40bは、前述の対称ダイポール40cの構造に従って、同一又は類似の態様で配置されてもよく、詳細はここで再び説明しない。
【0042】
[0054] 特定の配置の際に、対称ダイポール40cと折り返しダイポール30との間の距離Lは、アンテナの動作波長の1/4から動作波長全体に及ぶ範囲内にあってもよい。このように、折り返しダイポール30と対称ダイポール40cによって生成される電磁波に対してコヒーレントな重ね合わせを実施することができ、マルチ・ビーム特性を達成することができる。
【0043】
[0055] また、特定の配置の際に、対称ダイポール40a、対称ダイポール40b、及び対称ダイポール40cを特定の寸法制約に従って配置してもよく、これにより、対称ダイポール40cの、折り返しダイポール30の方向に対する放射能力を効果的に向上させることができ、アンテナの帯域幅も効果的に増大させることができる。
【0044】
[0056] 例えば、本件出願で提供される実施形態において、対称ダイポール40a、対称ダイポール40b、及び対称ダイポール40cの間の長さは、対数周期の形態で配置されてもよい。具体的には、対称ダイポール40a、対称ダイポール40b、及び対称ダイポール40cは、次式の寸法制約を満足することにより配置されてもよい。
【0045】
【数4】
[0057] Nは対称ダイポールのシーケンス番号であり、結合ライン20の左端から右端へ順次増加する。即ち、対称ダイポール40aは第1の対称ダイポールであり、対称ダイポール40bは第2の対称ダイポールであり、対称ダイポール40cは第3の対称ダイポールである。
【0046】
[0058] Lnは、n番目の対称ダイポールの長さである。Ln+1は、(n+1)番目の対称ダイポールの長さである。例えば、対称ダイポール40cにおいて、対称ダイポール40cの長さは、第1のバイブレーション・アーム41と第2バイブレーション・アーム42の長さの合計である。一般に、対称ダイポール40cの長さは、対称ダイポール40cによって送信又は受信される電磁波の波長の半分にほぼ等しい。
【0047】
[0059] τはアンテナのコンビネーション係数である。特定の用途では、τの値は実際の条件に基づいて適切に選択することが可能である。例えば、τの値は0.5,0.6,0.7などであってもよい。これは本件出願では限定されない。
【0048】
[0060] 一部の他の実装では、対称ダイポール40aと対称ダイポール40bは、特定の寸法制約に従って配置されてもよく、これにより、対称ダイポール40cの、折り返しダイポール30の方向への放射能力を効果的に向上させることができ、アンテナの帯域幅を効果的に増大させることも可能である。
【0049】
[0061] 例えば、本件出願で提供される実施形態において、対称ダイポール40a、対称ダイポール40b、及び対称ダイポール40cの間の相対的な位置は、対数周期の形態で配置されてもよい。具体的には、対称ダイポール40a、対称ダイポール40b、及び対称ダイポール40cは、次式の寸法制約を満足することによって配置されてもよい。
【0050】
【数5】
[0062] Nは対称ダイポールのシーケンス番号であり、結合ライン20の左端から右端に向かって順次増加する。即ち、対称ダイポール40aは第1の対称ダイポールであり、対称ダイポール40bは第2の対称ダイポールであり、対称ダイポール40cは第3の対称ダイポールである。R
nは、n番目の対称ダイポールからアンテナの仮想頂点Oまでの距離である。R
n+1は、(n+1)番目の対称ダイポールからアンテナの仮想頂点Oまでの距離である。
図2に示すアンテナ構造では、対称ダイポール40a、対称ダイポール40b、対称ダイポール40cは、順に減少する長さを有する。従って、結合ライン20の上側に位置する、対称ダイポール40a、対称ダイポール40b、及び対称ダイポール40cの上端は、同一直線上に位置する。これに対応して、結合ライン20の下側に位置する、対称ダイポール40a、対称ダイポール40b、対称ダイポール40cの上端(図では下方端)も同一直線上に位置する。2つの直線の交点は、仮想頂点Oを形成する。
【0051】
[0063] τはアンテナの結合係数である。具体的な用途において、τの値は実際の条件に基づいて適切に選択することが可能である。例えば、τの値は0.5,0.6,0.7などであってもよい。これは本件出願では限定されない。
【0052】
[0064] 一部の他の実装では、対称ダイポール40aと対称ダイポール40bは、別の寸法制約に従って配置されてもよく、これにより、対称ダイポール40cの、折り返しダイポール30の方向への放射能力を効果的に向上させることができ、アンテナの帯域幅も効果的に増大させることも可能である。
【0053】
[0065] 例えば、本件出願で提供される実施形態において、対称ダイポール40a、対称ダイポール40b、及び対称ダイポール40cの間の相対的な位置は、対数周期の形態で配置されてもよい。具体的には、対称ダイポール40a、対称ダイポール40b、及び対称ダイポール40cは、次式の寸法制約を満足することによって配置されてもよい。
【0054】
【数6】
[0066] Nは対称ダイポールのシーケンス番号であり、結合ライン20の左端から右端に向かって順次増加する。即ち、対称ダイポール40aは第1の対称ダイポールであり、対称ダイポール40bは第2の対称ダイポールであり、対称ダイポール40cは第3の対称ダイポールである。
【0055】
[0067] dnは、n番目の対称ダイポールと(n+1)番目の対称ダイポールとの間の距離である。dn+1は、(n+1)番目の対称ダイポールと(n+2)番目の対称ダイポールとの間の距離である。
【0056】
[0068] τはアンテナの結合係数である。具体的な用途において、τの値は実際の条件に基づいて適切に選択することが可能である。例えば、τの値は0.5,0.6,0.7などであってもよい。これは本件出願では限定されない。
【0057】
[0069] 具体的な実装において、複数の対称ダイポールは、前述の式(1)ないし(3)のうちの何れかの寸法制約のみを満足してもよいし、或いは、前述の式のうちの何れか1つ又は2つ又は3つの寸法制約を同時に満足してもよい、ということが理解されるであろう。また、具体的な設定において、対称ダイポールの数は1個、3個、又はそれ以上であってもよい。また、対称ダイポールの配置位置やサイズのようなパラメータも、実際の条件に基づいて相応に配置されことが可能である。これは本件出願では具体的には限定されない。あるいは、他の一部の実装において、対称ダイポールは配置されなくてもよい。
【0058】
[0070] 例えば、
図3に示すように、本件出願で提供される実施形態では、対称ダイポール40aが、折り返しダイポール30と対称ダイポール40cとの間に配置される。代替的に、前述の対称ダイポール40bが省略されていることが理解されるであろう。このようにして、アンテナの構造が効果的に簡素化され、それにより、製造の利便性が向上し、製造コストや複雑さが効果的に低減される。更に、具体的な実装において、対称ダイポール40cは、全体的な拡大処理又は局所的な拡大処理を行うことが可能である。
図3に示すように、本件出願で提供される実施形態では、拡大処理は第1のバイブレーション・アーム41の端部で実行され、これに対応して拡大処理が第2のバイブレーション・アーム42の端部でも実行されている。このように、対称ダイポール40cの放射パフォーマンスを向上させることができるので、対称ダイポール40cの、折り返しダイポール30の方向への放射能力を向上させることができ、アンテナの帯域幅も効果的に拡大することができる。
【0059】
[0071] あるいは、
図4に示すように、本件出願で提供される別の実施形態では、アンテナは、折り返しダイポール30と対称ダイポール40cとを含む。即ち、前述の対称ダイポール40aと対称ダイポール40bは省略されている。対称ダイポール40aと対称ダイポール40bが省略される場合、アンテナの構造は効果的にシンプルにされ、それにより、製造の利便性が向上し、製造コスト及び複雑性を効果的に低減させることができる。
【0060】
[0072] 具体的な実装において、従来技術で比較的一般的な折り返しダイポール30が折り返しダイポール30のために使用されてもよいし、或いはフレキシブル加工が折り返しダイポール30に対して実行されてもよい。
【0061】
[0073] 例えば、本件出願で提供される実施形態では、折り返しダイポール30は、第1の接続アーム31、第2の接続アーム32、第3の接続アーム33、及び第4の接続アーム34を含む。第1の接続アーム31と第2の接続アーム32は同軸に配置され、第1の接続アーム31と第2の接続アーム32は結合ライン20に対して対称的に構成される。第1の接続アーム31の端部は第1のマイクロストリップ21に接続され、第2の接続アーム32の端部は第2のマイクロストリップ22に接続される。一般に、折り返しダイポール30の動作波長(折り返しダイポール30が電磁波を送信又は受信する波長)は、第1の接続アーム31と第2の接続アーム32の合計長の約2倍である。第3の接続アーム33には折り曲げ構造331が設けられ、第4の接続アーム34には折り曲げ構造341が設けられている。折り曲げ構造331と折り曲げ構造341は、折り返しダイポール30の小型化を促進し、それにより、折り返しダイポール30のボリュームを減少させる。更に、折り曲げ構造331と折り曲げ構造341は、折り返しダイポール30の共振周波数を低減することにも有用であり、折り返しダイポール30が通常の動作周波数帯域にあるようにする。
【0062】
[0074] 更に、
図4に示されるように、本件出願で提供される別の実施形態では、折り返しダイポール30の第1の接続アーム31は、第2の接続アーム32から遠ざかる方向に延びる第1の拡張部311を更に有する。第2の接続アーム32は、第1の連結アーム31から遠ざかる方向に延びる第2の拡張部321を有する。第5の接続アーム35の両端は、それぞれ第3の拡張部351と第4の拡張部352を備える。第1の拡張部311、第2の拡張部321、第3の拡張部351、及び第4の拡張部352を設定することにより、折り返しダイポール30の動作波長を長くすることができる。第1の拡張部311、第2の拡張部321、第3の拡張部351、及び第4の拡張部352の具体的な長さは、実際の条件に基づいて設定することが可能である。これは本件出願で具体的には限定されない。
【0063】
[0075] 特定の用途において、折り返しダイポール30の構造は、異なる条件に基づいて適切に選択及び調整されることが可能である、ということが理解されるであろう。これは本件出願では限定されない。
【0064】
[0076] 更に、
図5を参照されたい。実際のアプリケーションでは、アンテナは同軸ケーブル50を介して信号処理回路に接続されることを必要とする。同軸ケーブル50は、一般に、ケーブル・コア51と、ケーブル・コア51の外周に巻き付けられた円筒状の外部導体52とを含む。アンテナの励振ユニットとして、対称ダイポール40は、同軸ケーブル50に接続されることを必要とする。
【0065】
[0077]
図4及び
図5を参照されたい。具体的には、第1の給電端部411が対称ダイポール40の第1のバイブレーション・アーム41上に配置され、第2の給電端部421が第2のバイブレーション・アーム42上に配置される。第1の給電端部411は、第1のバイブレーション・アーム41の端部であって第2のバイブレーション・アーム42に近い端部に配置されている。相応に、第2の給電端部421は、第2のバイブレーション・アーム42の端部であって第1のバイブレーション・アーム41に近い端部に配置されている。
【0066】
[0078] 同軸ケーブル50の外部導体52のサイズはケーブル・コア51のサイズよりも大きいことを考慮して、同軸ケーブル50とアンテナとの間の良好な接続を達成するために、アンテナは、他の構造設定を使用して、アンバランスな給電の問題に更に取り組むことが可能である。
【0067】
[0079] 例えば、
図4に示すように、本件出願で提供される実施形態では、アンテナは、バラン構造60を更に含む。バラン構造60は、対称ダイポール40cの側方であって折り返しダイポール30から離れた側に設けられ、対称ダイポール40cに接続される。
【0068】
[0080] 具体的には、本件出願で提供される実施形態では、バラン構造60は、折り曲げられたU字形構造である。U字形構造の一方端は第1のバイブレーション・アーム41に接続され、U字形構造の他方端は第2のバイブレーション・アーム42に接続される。
【0069】
[0081] 特定の配置の際に、第1の給電端部411が同軸ケーブル50の内側導体51に接続され、第2の給電端部421が同軸ケーブル50の外側導体52に接続される場合に、対称ダイポール40と同軸ケーブル50との間の給電のバランスをとるために、U字形構造は、第2のバイブレーション・アーム42が延びる方向に曲げられてもよい。
【0070】
[0082] 第1の給電端部411が同軸ケーブル50の外側導体52に接続され、第2の給電端部421が同軸ケーブル50の内側導体51に接続される場合に、対称ダイポール40と同軸ケーブル50との間の給電のバランスをとるために、U字形構造は、第1のバイブレーション・アーム41が延びる方向に曲げられてもよい。
【0071】
[0083] 特定の実装において、バラン構造60の特定のサイズ及び構造形態は、実際の条件に基づいて適宜調整されることが可能である、ということが理解されるであろう。これは本件出願では限定されない。
【0072】
[0084] 更に、アンテナと同軸ケーブルとの間の給電のバランスをとるために、アンテナは更に他の構造を備えていてもよい。
【0073】
[0085] 例えば、
図6に示すように、本件出願で提供される実施形態では、第1のバイブレーション・アーム41と第2のバイブレーション・アーム42との間にスロットが形成され、第2のマイクロストリップ22の端部(右端部)がスロット内に延びている。接続の際に、同軸ケーブル50の外側導体52が第1のバイブレーション・アーム41の給電端部411に接続され、同軸ケーブル50の内側導体51が第2のマイクロストリップ22の給電端部221に接続されてもよい。従って、アンテナと同軸ケーブル50との間の給電をバランスさせるために、コプレーナ導波管を実装することにより、アンテナと同軸ケーブル50との間で給電が行われる。
【0074】
[0086] 以下、
図7に示すアンテナを例として使用し、アンテナの有利な効果を実験データを用いて説明する。
【0075】
[0087]
図7において、アンテナは、対称ダイポール40a、対称ダイポール40b、対称ダイポール40c、及び折り返しダイポール30を含む。対称ダイポール40cと折り返しダイポール30との間の距離は、アンテナの動作波長の半分にほぼ等しい。対称ダイポール40a、対称ダイポール40b、対称ダイポール40cは、左から右へ順次配置されている。3つの対称ダイポールは、前述の式(1)ないし(3)の寸法制約を満たすように配置されている。
【0076】
[0088]
図8は、アンテナの信号シミュレーション図を示す。アンテナの動作周波数帯域は、近似的に、5GHzないし5.6GHzの間にあることが図から理解できる。具体的には、図中のマーク1の座標はほぼ(5.0517,-10.179)であり、マーク2の座標はほぼ(5.5933,-10.074)である。当業界では、通常、-10dB未満の周波数がアンテナの有効電力周波数として考えられる。従って、本件出願で提供されるアンテナでは、アンテナの有効動作周波数帯域は、近似的に、5GHzないし5.6GHzの間にある。
【0077】
[0089]
図9は、X-Z方向におけるアンテナ放射強度のデータ・シミュレーション図を示す。
図10は、X-O-Zにおけるアンテナ放射パターンを示す。
図11は、X-O-Yにおけるアンテナ放射パターン(指向性パターンとも呼ばれる)を示す。
図12は、Y-O-Zにおけるアンテナ放射パターンを示す。即ち、3次元空間のレンジにおいて、アンテナの放射信号はデュアル・ビーム特性を示す。
【0078】
[0090] 要するに、本件出願の実施形態で提供されるアンテナによれば、3次元空間の範囲において多方向の放射範囲を実現することが可能であり、マルチ・ビーム特性を実現することができ、それにより、アンテナの利用効果を向上させることができる。
【0079】
[0091] 更に、本件出願の実施形態は通信デバイスを更に提供する。通信デバイスは前述のアンテナを含む。通信デバイスは、光ネットワーク・ユニット(Optical network unit, ONU)、アクセス・ポイント(Access Point,AP)、又はステーション(Station,STA)、無線ルーター、移動電話機、タブレット・コンピューター、又は、前述のアンテナを使用する他の任意の電子デバイスであってもよい。あるいは、通信デバイスは、前述のアンテナなどを含むモジュールであってもよい。通信デバイスは信号処理回路を更に含んでもよい。信号処理回路は、無線周波数信号を入力又は出力するために、アンテナに電気的に接続される。信号処理回路は、伝送媒体を介してアンテナに電気的に接続されてもよい。伝送媒体は例えば同軸ケーブル又は他の任意の媒体であってもよい。この電子デバイスは、より良いアンテナ・パフォーマンスを有し、比較的広い周波数帯域と全方向性のカバレッジを実現することができる。
【0080】
[0092] 前述の説明は、本件出願の具体的な実施態様であるに過ぎず、本件出願の保護範囲を限定するようには意図されていない。本件出願で開示される技術的範囲内で当業者によって容易に案出される如何なる変形や置換も、本件出願の保護範囲内に含まれるものとする。従って、本件出願の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナであって:
誘電体基板;
前記誘電体基板に配置された結合ラインであって、前記結合ラインは第1の端部と第2の端部を有する、結合ライン;
前記誘電体基板に配置された折り返しダイポールであって、前記折り返しダイポールは、前記結合ラインの第1の端部に配置され且つ前記結合ラインに接続されている、折り返しダイポール;及び
前記誘電体基板に配置されたN個の対称ダイポールであって、前記N個の対称ダイポールは前記結合ラインに接続され、Nは1以上の整数である、N個の対称ダイポール;
を含み、Nが1より大きい場合に、前記N個の対称ダイポールは前記結合ラインの前記第1の端部から前記第2の端部へ順に配置されている、アンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載のアンテナにおいて、前記折り返しダイポールとテール部分における対称ダイポールとの間の距離はLであり;
前記テール部分における対称ダイポールは、前記結合ラインの第2の端部に配置された対称ダイポールであり;及び
Lは、前記アンテナの動作波長の1/4ないし動作波長の全長の範囲内にある、アンテナ。
【請求項3】
請求項2に記載のアンテナにおいて、Lは前記アンテナの動作波長の半分に等しい、アンテナ。
【請求項4】
請求
項3に記載のアンテナにおいて、前記結合ラインは第1のマイクロストリップと第2のマイクロストリップを含み;及び
前記第1のマイクロストリップと前記第2のマイクロストリップは並列に設けられており、前記第1のマイクロストリップと前記第2のマイクロストリップの間にギャップが存在している、アンテナ。
【請求項5】
請求項4に記載のアンテナにおいて、前記対称ダイポールは第1のバイブレーション・アームと第2のバイブレーション・アームを含み、前記第1のバイブレーション・アームと前記第2のバイブレーション・アームは前記結合ラインに対して対称的に構成されており;及び
前記第1のバイブレーション・アームは前記第1のマイクロストリップの側方に配置され、前記第1のバイブレーション・アームの端部であって前記第1のマイクロストリップに近いものは、前記第1のマイクロストリップに接続され;及び
前記第2のバイブレーション・アームは前記第2のマイクロストリップの側方に配置され、前記第2のバイブレーション・アームの端部であって前記第2のマイクロストリップに近いものは、前記第2のマイクロストリップに接続されている、アンテナ。
【請求項6】
請求項5に記載のアンテナにおいて、前記テール部分における対称ダイポールにおいて、前記第1のバイブレーション・アームは第1の給電端部を有し、前記第1の給電端部は、前記第1のバイブレーション・アームの端部であって前記第2のバイブレーション・アームに面している端部に配置されており;
前記第2のバイブレーション・アームは第2の給電端部を有し、前記第2の給電端部は、前記第2のバイブレーション・アームの端部であって前記第1のバイブレーション・アームに面している端部に配置されており;及び
前記テール部分における対称ダイポールは前記結合ラインの第2の端部に配置された対称ダイポールである、アンテナ。
【請求項7】
請求項6に記載のアンテナにおいて、前記アンテナはバラン構造を更に含み;及び
前記バラン構造は、前記テール部分における対称ダイポールの側方であって前記折り返しダイポールから遠い側に配置され、前記テール部分における対称ダイポールに接続されている、アンテナ。
【請求項8】
請求項7に記載のアンテナにおいて、前記バラン構造は折れ曲がったU字形状の構造であり、前記バラン構造の一方端は前記第1のバイブレーション・アームに接続されており、他方端は前記第2のバイブレーション・アームに接続されている、アンテナ。
【請求項9】
請求項4に記載のアンテナにおいて、前記テール部分における対称ダイポールは第1のバイブレーション・アームと第2のバイブレーション・アームを含み、前記第1のバイブレーション・アームと前記第2のバイブレーション・アームは前記結合ラインに対して対称的に構成されており;
前記第1のバイブレーション・アームに近い端部と前記第2のバイブレーション・アームに近い端部とは互いに接続され、前記第1のバイブレーション・アームと前記第2のバイブレーション・アームとの間にスロットが存在し;
前記第1のバイブレーション・アームの端部であって前記第1のマイクロストリップに近い端部は、前記第1のマイクロストリップに接続され、前記第2のマイクロストリップの端部は前記スロットに配置されており;及び
前記テール部分における対称ダイポールは前記結合ラインの第2の端部に配置された対称ダイポールであり、前記第1のバイブレーション・アーム又は前記第2のバイブレーション・アームは第1の給電端部を有し、前記第2のマイクロストリップは第2の給電端部を有する、アンテナ。
【請求項10】
請求項
4に記載のアンテナにおいて、前記折り返しダイポールは第1の接続アームと第2の接続アームを含み、前記第1の接続アームは前記第1のマイクロストリップの端部に接続され、前記第2の接続アームは前記第2のマイクロストリップの端部に接続されている、アンテナ。
【請求項11】
請求項10に記載のアンテナにおいて、前記第1の接続アームは、前記第2の接続アームから遠ざかる方向に延びる第1の拡張部を有し;及び
前記第2の接続アームは、前記第1の接続アームから遠ざかる方向に延びる第2の拡張部を有する、アンテナ。
【請求項12】
請求項1に記載のアンテナにおいて、前記結合ラインは第1のマイクロストリップと第2のマイクロストリップを含み;及び
前記第1のマイクロストリップと前記第2のマイクロストリップは並列に設けられており、前記第1のマイクロストリップと前記第2のマイクロストリップの間にギャップが存在している、アンテナ。
【請求項13】
請求項2に記載のアンテナにおいて、前記結合ラインは第1のマイクロストリップと第2のマイクロストリップを含み;及び
前記第1のマイクロストリップと前記第2のマイクロストリップは並列に設けられており、前記第1のマイクロストリップと前記第2のマイクロストリップの間にギャップが存在している、アンテナ。
【請求項14】
請求項5に記載のアンテナにおいて、前記折り返しダイポールは第1の接続アームと第2の接続アームを含み、前記第1の接続アームは前記第1のマイクロストリップの端部に接続され、前記第2の接続アームは前記第2のマイクロストリップの端部に接続されている、アンテナ。
【請求項15】
請求項6に記載のアンテナにおいて、前記折り返しダイポールは第1の接続アームと第2の接続アームを含み、前記第1の接続アームは前記第1のマイクロストリップの端部に接続され、前記第2の接続アームは前記第2のマイクロストリップの端部に接続されている、アンテナ。
【請求項16】
請求項7に記載のアンテナにおいて、前記折り返しダイポールは第1の接続アームと第2の接続アームを含み、前記第1の接続アームは前記第1のマイクロストリップの端部に接続され、前記第2の接続アームは前記第2のマイクロストリップの端部に接続されている、アンテナ。
【請求項17】
請求項8に記載のアンテナにおいて、前記折り返しダイポールは第1の接続アームと第2の接続アームを含み、前記第1の接続アームは前記第1のマイクロストリップの端部に接続され、前記第2の接続アームは前記第2のマイクロストリップの端部に接続されている、アンテナ。
【請求項18】
請求項9に記載のアンテナにおいて、前記折り返しダイポールは第1の接続アームと第2の接続アームを含み、前記第1の接続アームは前記第1のマイクロストリップの端部に接続され、前記第2の接続アームは前記第2のマイクロストリップの端部に接続されている、アンテナ。
【請求項19】
請求項1-
18のうちの何れか一項に記載のアンテナにおいて、前記N個の対称ダイポールは:
【数7】
を満足し、nは、前記対称ダイポールのシーケンス番号であり、前記結合ラインの前記第1の端部から前記第2の端部へ順に増加し;L
nはn番目の対称ダイポールの長さであり;L
n+1は(n+1)番目の対称ダイポールの長さであり;τは前記アンテナの結合因子である、アンテナ。
【請求項20】
請求項
19に記載のアンテナにおいて、前記N個の対称ダイポールは:
【数8】
を満足し、nは、前記対称ダイポールのシーケンス番号であり、前記結合ラインの前記第1の端部から前記第2の端部へ順に増加し;R
nはn番目の対称ダイポールから前記アンテナの仮想頂点までの距離であり;R
n+1は(n+1)番目の対称ダイポールから前記アンテナの仮想頂点までの距離であり;τは前記アンテナの結合因子である、アンテナ。
【請求項21】
請求項
20に記載のアンテナにおいて、前記N個の対称ダイポールは:
【数9】
を満足し、nは、前記対称ダイポールのシーケンス番号であり、前記結合ラインの前記第1の端部から前記第2の端部へ順に増加し;d
nはn番目の対称ダイポールと(n+1)番目の対称ダイポールとの間の距離であり;d
n+1は(n+1)番目の対称ダイポールと(n+2)番目の対称ダイポールの間の距離であり;τは前記アンテナの結合因子である、アンテナ。
【請求項22】
信号処理回路と請求項1-
18のうちの何れか一項に記載のアンテナとを含む通信デバイスであって、前記信号処理回路は前記アンテナに電気的に接続されている、通信デバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
[0002] 技術分野
本件は、通信技術の分野に関連し、特にアンテナ及び通信デバイスに関連する。
【国際調査報告】