(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-28
(54)【発明の名称】フロア検査装置及びフロア検査装置の使用方法
(51)【国際特許分類】
G01C 15/00 20060101AFI20231221BHJP
G01C 15/06 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
G01C15/00 104C
G01C15/06 T
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533101
(86)(22)【出願日】2022-05-10
(85)【翻訳文提出日】2022-06-01
(86)【国際出願番号】 CN2022091859
(87)【国際公開番号】W WO2023123803
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111619719.X
(32)【優先日】2021-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522217902
【氏名又は名称】蘇州方石科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Suzhou Fangshi Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 102,Start Zone 11,Yangtze River Delta International R&D Community,No.286,Qinglonggang Road,High-speed Rail New Town,Xiangcheng District,Suzhou City,Jiangsu Province,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 思橋
(72)【発明者】
【氏名】馮 文龍
(72)【発明者】
【氏名】宗 暁
(72)【発明者】
【氏名】劉 波
(72)【発明者】
【氏名】周 浩
(72)【発明者】
【氏名】王 杰
(72)【発明者】
【氏名】胡 偉
(57)【要約】
本発明は、フロア検査装置及びフロア検査装置の使用方法を提供する。該フロア検査装置は、標的車と、測量車と、コントローラとを含む。標的車は、第1の移動車及び標的を含み、標的は第1の移動車に取り付けられる。測量車は、第2の移動車及びテストヘッドを含み、テストヘッドは第2の移動車に取り付けられる。コントローラは、測量車及び標的車にそれぞれ電気的に接続され、第1の移動車及び第2の移動車が第1の所定の測量範囲から第2の所定の測量範囲に移動するように制御することに用いられる。本発明の技術案を適用し、標的車と測量車の連携により、測量車でしか取得できない局所の点群データをつなぎ合わせて、測量対象のフロアの全面的なデータを得て、それにより測量対象のフロアの全体的な評価を実現し、フロアデータ取得の精度を向上させることができる。また、標的車と測量車の連携により、フロア検査効率を向上させることもできる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロア検査装置であって、
第1の移動車(11)、及び前記第1の移動車(11)に取り付けられる標的(12)を含む標的車(10)と、
第2の移動車(21)、及び前記第2の移動車(21)に取り付けられ、所定の測量範囲内の平面点群データと標的図形情報を取得するためのテストヘッド(22)を含む測量車(20)と、
前記測量車(20)及び前記標的車(10)にそれぞれ電気的に接続され、前記第1の移動車(11)及び前記第2の移動車(21)が第1の所定の測量範囲から第2の所定の測量範囲に移動するように制御することに用いられ、さらに前記テストヘッド(22)が前記第1の所定の測量範囲の第1の点群データと前記第2の所定の測量範囲の第2の点群データ、及び前記第1の所定の測量範囲の第1の標的図形情報と前記第2の所定の測量範囲の第2の標的図形情報を取得するように制御し、前記第1の標的図形情報と前記第2の標的図形情報に基づいて、前記第1の点群データと前記第2の点群データをつなぎ合わせるコントローラと、を含む、ことを特徴とするフロア検査装置。
【請求項2】
前記測量車(20)は、前記第2の移動車(21)に取り付けられるブラケット(23)をさらに含み、前記テストヘッド(22)は前記ブラケット(23)に取り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のフロア検査装置。
【請求項3】
前記ブラケット(23)は垂直フレーム(231)及び水平フレーム(232)を含み、前記垂直フレーム(231)は前記第2の移動車(21)に垂直に取り付けられ、前記水平フレーム(232)は前記垂直フレーム(231)に水平に取り付けられ、前記テストヘッド(22)は水平フレーム(232)に取り付けられる、ことを特徴とする請求項2に記載のフロア検査装置。
【請求項4】
前記第2の移動車(21)は、
第2の車体(211)と、
前記第2の車体(211)の両側に取り付けられ、前記第2の車体(211)を駆動移動させるための駆動ホイール(212)と、
前記第2の車体(211)の前側及び/又は後側に取り付けられ、前記第2の車体(211)を支持するための支持ホイール(213)と、を含む、ことを特徴とする請求項2に記載のフロア検査装置。
【請求項5】
前記標的(12)は、前記第1の移動車(11)に取り付けられる幾何学的な識別部材又は非幾何学的な部材である、ことを特徴とする請求項1に記載のフロア検査装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のフロア検査装置を制御するためのフロア検査装置の使用方法であって、
第1の移動車(11)が第1の所定の測量範囲内の第1の位置に移動するように制御するステップS10と、
第2の移動車(21)が前記第1の所定の測量範囲の所在位置に移動するように制御し、テストヘッド(22)が前記第1の所定の測量範囲の第1の点群データを取得し、前記第1の点群データに基づいて標的(12)の前記第1の所定の測量範囲での第1の標的図形情報を取得するように制御するステップS20と、
第2の移動車(21)が前記第2の所定の測量範囲の所在位置に移動するように制御し、テストヘッド(22)が前記第2の所定の測量範囲の第2の点群データを取得し、前記第2の点群データに基づいて前記標的(12)の前記第2の所定の測量範囲での第2の標的図形情報を取得するように制御するステップS30と、
前記第1の標的図形情報と前記第2の標的図形情報に基づいて、前記第1の点群データと前記第2の点群データをつなぎ合わせるステップS40と、を含む、ことを特徴とするフロア検査装置の使用方法。
【請求項7】
前記S40では、前記第1の標的図形情報と前記第2の標的図形情報を重ね合わせることにより、前記第1の点群データと前記第2の点群データをつなぎ合わせる、ことを特徴とする請求項6に記載の使用方法。
【請求項8】
前記第1の標的図形情報は、前記第1の所定の測量範囲の第1の境界位置情報であり、前記第2の標的図形情報は、前記第2の所定の測量範囲の第2の境界位置情報である、ことを特徴とする請求項7に記載の使用方法。
【請求項9】
前記使用方法は、
第1の移動車(11)が第2の所定の測量範囲内の第2の位置に移動するように制御するステップS50と、
前記テストヘッド(22)が前記第2の点群データに基づいて前記標的(12)の前記第2の所定の測量範囲での第3の標的図形情報を取得するように制御するステップS60と、
前記第2の移動車(21)が前記第3の所定の測量範囲の所在位置に移動するように制御し、テストヘッド(22)が前記第3の所定の測量範囲の第3の点群データを取得し、前記第3の点群データに基づいて前記標的(12)の前記第3の所定の測量範囲での第4の標的図形情報を取得するように制御するステップS70と、
前記第3の標的図形情報と前記第4の標的図形情報に基づいて、前記第2の点群データと前記第3の点群データをつなぎ合わせるステップS80と、をさらに含む、ことを特徴とする請求項6に記載の使用方法。
【請求項10】
前記S80では、前記第3の標的図形情報と前記第4の標的図形情報を重ね合わせることにより、前記第2の点群データと前記第3の点群データをつなぎ合わせる、ことを特徴とする請求項9に記載の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロア検査技術分野に関し、具体的には、フロア検査装置及びフロア検査装置の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フロアは、全ての建築工事の必須の構成部分であり、その表面品質は、使用機能及び上層構造の後続施工に直接影響している。フロアの表面品質には、主に水平度及び平坦度の2つの指標がある。水平度は、フロアの巨視的な勾配を特徴付けることに用いられ、平坦度は、フロアの局所と理想的な平面との偏差程度を特徴付けることに用いられる。現在、フロアの品質に一般的に使用される中国国内の基準は、GB50209-2010『建築フロア工程施工質量験収規範』の関連規定であり、コンクリートフロアを例として、平坦度の合格基準は2mであり、検査定規の最大偏差は5mmを超えず、水平度の検査については、目視による観察及び水準器による測量、又は水かけによる観察などの比較的大まかな測量方法のみが実行される。これらの検査方法は、操作が簡単で、工具が安価で使用しやすく、住宅、商業建築物などのフロアに適用されるが、倉庫、工場建屋、滑走路、広場などの面積が大きく、表面品質に対する要件が高いフロアに対しては、基準に準拠した検査に合格しても、その機能要件を満たすことができない可能性がある。
【0003】
現在、一般的に使用される高精度フロアに適用できる検査基準は、F数値法であり、該方法は、最初に米国コンクリート協会(ACI)の業界基準として使用され、且つ徐々に各国に広く受け入れられており、いくつかの国家の推奨基準(ASTME1155Mなど)となっている。このような検査方法の基本原理としては、被測量フロア上に所定の規則に従って複数の直線を抽出し、高精度の測量装置を用いて、各直線上の点の標高を連続的に測量し、各直線の水平度と平坦度を表す数値を計算し、さらに、統計学的方法を用いて、全ての直線の計算結果をフロア全体の測量結果Ff(平坦度)とFl(水平度)に合成する。
【0004】
F数値法で一般的に使用される測量工具は、米国Face社製のDipstickである。Dipstickの内部には傾斜角センサが取り付けられ、下端には2つの支脚があり、上部にはハンドルがある。
図1に示すように、測量時に、先ず2つの支脚を被測量直線の始点に置き、使用者は、ハンドルの末端をつかみ、1つの支脚を動かさずに、他の支脚を持ち上げ、装置を固定支脚の周りに180°回転させ、他の支脚を前方の直線に置いて、直線全体を完了するまで繰り返す。このプロセスでは、傾斜角センサは、装置が停止するたびに水平角度を記録し、2つの支脚の間の距離が固定されるため、この角度に基づいて停止するたびに前後の支脚の間の相対的な高さ差を計算することができる。各セグメントの高さ差に基づいて直線のFf(平坦度)数値を計算し、連続する複数セグメントの高さ差に基づいて直線のFl(水平度)数値を計算することができる。
【0005】
他の平坦度測量装置は、通常、大スパン鋼梁で1つの基準平面を構築し、鋼梁の中央部に距離センサを取り付ける。検査時に、装置を経路方向に沿って移動させて、距離センサで測量したフロア高さの変動を記録し、統計学的方法で計算した後、局所フロアの平坦度属性を特徴付けることができる。また、距離センサを自動車などの移動シャーシに取り付ける場合があり、測量原理はいずれも同様である。
【0006】
上記フロア測量基準及び手段は、以下の欠陥を有する。
【0007】
1、検査定規を用いてフロアの品質を検査し、サンプリング位置及び人員の主観的な要素からの影響が非常に大きく、検査結果がほとんど再現できず、この結果を検収基準とすることは、素建て住宅などの面積が小さく、特別な要件がないフロアにしか適用できない。
【0008】
2、F数値の関連方法は、検査定規に準拠した既存の国家基準よりもフロアの表面品質をより正確に特徴付けることができるが、本質的には、このような方法は、依然として低次元(一次元、直線)情報を用いて高次元(二次元平面、三次元曲面)実体のいくつかの属性を推定するものである。測量結果は、フロアが合格であるか否かを判断できるが、フロア表面の真の形態を直接観察することができず、測量結果に基づいて定点補修を行うことも困難であり、依然として水かけにより補修領域を判断する必要がある場合が多い。
【0009】
3、Dipstickなどの同様の測量装置は、多くの分野で認められ、適用されているが、その操作が純粋に手動であり、測量速度が遅く、人件費が高く、コストも高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の主な目的は、従来技術における低いフロア検査効率及び不正確さの技術的課題を解決するために、フロア検査装置及びフロア検査装置の使用方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を実現するために、本発明の一態様によれば、フロア検査装置を提供し、第1の移動車、及び第1の移動車に取り付けられる標的を含む標的車と、第2の移動車、及び第2の移動車に取り付けられ、所定の測量範囲内の平面点群データと標的図形情報を取得するためのテストヘッドを含む測量車と、測量車及び標的車にそれぞれ電気的に接続され、第1の移動車及び第2の移動車が第1の所定の測量範囲から第2の所定の測量範囲に移動するように制御することに用いられ、さらにテストヘッドが第1の所定の測量範囲の第1の点群データと第2の所定の測量範囲の第2の点群データ、及び第1の所定の測量範囲の第1の標的図形情報と第2の所定の測量範囲の第2の標的図形情報を取得するように制御し、第1の標的図形情報と第2の標的図形情報に基づいて、第1の点群データと第2の点群データをつなぎ合わせるコントローラと、を含む。
【0012】
一実施形態では、測量車は、第2の移動車に取り付けられるブラケットをさらに含み、テストヘッドはブラケットに取り付けられる。
【0013】
一実施形態では、ブラケットは垂直フレーム及び水平フレームを含み、垂直フレームは第2の移動車に垂直に取り付けられ、水平フレームは垂直フレームに水平に取り付けられ、テストヘッドは水平フレームに取り付けられる。
【0014】
一実施形態では、第2の移動車は、第2の車体と、第2の車体の両側に取り付けられ、第2の車体を駆動移動させるための駆動ホイールと、第2の車体の前側及び/又は後側に取り付けられ、第2の車体を支持するための支持ホイールと、を含む。
【0015】
一実施形態では、標的は、第1の移動車に取り付けられる幾何学的な識別部材又は非幾何学的な部材である。
【0016】
上記目的を実現するために、本発明の一態様によれば、フロア検査装置を制御するためのフロア検査装置の使用方法を提供し、第1の移動車が第1の所定の測量範囲内の第1の位置に移動するように制御するステップS10と、第2の移動車が第1の所定の測量範囲の所在位置に移動するように制御し、テストヘッドが第1の所定の測量範囲の第1の点群データを取得し、第1の点群データに基づいて標的の第1の所定の測量範囲での第1の標的図形情報を取得するように制御するステップS20と、第2の移動車が第2の所定の測量範囲の所在位置に移動するように制御し、テストヘッドが第2の所定の測量範囲の第2の点群データを取得し、第2の点群データに基づいて標的の第2の所定の測量範囲での第2の標的図形情報を取得するように制御するステップS30と、第1の標的図形情報と第2の標的図形情報に基づいて、第1の点群データと第2の点群データをつなぎ合わせるステップS40と、を含む。
【0017】
一実施形態では、S40では、第1の標的図形情報と第2の標的図形情報を重ね合わせることにより、第1の点群データと第2の点群データをつなぎ合わせる。
【0018】
一実施形態では、第1の標的図形情報は、第1の所定の測量範囲の第1の境界位置情報であり、第2の標的図形情報は、第2の所定の測量範囲の第2の境界位置情報である。
【0019】
一実施形態では、使用方法は、第1の移動車が第2の所定の測量範囲内の第2の位置に移動するように制御するステップS50と、テストヘッドが第2の点群データに基づいて標的の第2の所定の測量範囲での第3の標的図形情報を取得するように制御するステップS60と、第2の移動車が第3の所定の測量範囲の所在位置に移動するように制御し、テストヘッドが第3の所定の測量範囲の第3の点群データを取得し、第3の点群データに基づいて標的の第3の所定の測量範囲での第4の標的図形情報を取得するように制御するステップS70と、第3の標的図形情報と第4の標的図形情報に基づいて、第2の点群データと第3の点群データをつなぎ合わせるステップS80と、をさらに含む。
【0020】
一実施形態では、S80では、第3の標的図形情報と第4の標的図形情報を重ね合わせることにより、第2の点群データと第3の点群データをつなぎ合わせる。
【0021】
本発明の技術案を適用し、標的車と測量車の連携により、測量車でしか取得できない局所の点群データをつなぎ合わせて、測量対象のフロアの全面的なデータを得て、それにより測量対象のフロアの全体的な評価を実現し、フロアデータ取得の精度を向上させることができる。また、標的車と測量車の連携により、フロア検査効率を向上させることもできる。
【0022】
上記説明される目的、特徴及び利点に加えて、本発明は、他の目的、特徴及び利点をさらに有する。以下、図面を参照しながら、本発明をさらに詳細に説明する。
【0023】
本発明の一部となる明細書の図面は、本発明のさらなる理解を提供するためのものであり、本発明の例示的な実施例及びその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明を不適切に限定するものではない。図面では、
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は従来技術のフロア検査装置が使用される時の構造模式図を示す。
【
図2】
図2は本発明に係るフロア検査装置の実施例の構造模式図を示す。
【
図3】
図3は本発明に係るフロア検査装置の使用方法の説明図を示す。
【
図4】
図4は本発明に係るフロア検査装置の使用方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
なお、矛盾がない場合、本発明における実施例及び実施例における特徴を互いに組み合わせることができる。以下、図面及び実施例を参照しながら、本発明を詳細に説明する。
【0026】
当業者が本発明の技術案をより明確に理解するために、以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術案を明確、かつ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は、本発明の実施例の一部であり、実施例の全部ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労働を必要とせずに得た全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属すべきである。
【0027】
なお、本発明の明細書、特許請求の範囲及び上記図面における用語「第1」、「第2」などは、類似する対象を区別するためのものであり、特定の順序又は前後順序を説明するものではない。本発明の実施例を説明するために、このように使用される用語が適切な場合に交換可能であることを理解されたい。また、用語「含む」、「有する」及びこれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図し、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は装置は、必ずしも明示的に列挙されたこれらのステップ又はユニットに限定されるものではなく、明示的に列挙されていない又はこれらのプロセス、方法、製品又は装置に固有の他のステップ又はユニットを含んでもよい。
【0028】
なお、ここで使用される用語は、具体的な実施形態を説明するためのものに過ぎず、本願の例示的な実施形態を限定するものではない。ここで使用されるように、文脈で別途の明確な説明がない限り、単数形も複数形を含むことを意図し、また、本明細書では用語「含有」及び/又は「含む」が使用される場合、特徴、ステップ、操作、デバイス、構成要素及び/又はそれらの組み合わせが存在することを意味することも理解されたい。
【0029】
図1に示すように、従来技術では、操作者は、測量装置を持って測量対象のフロアaを検査でき、測量方式としては、測量対象のフロアa上に線分lの線形データを取得し、該線形データに基づいて測量対象のフロアaを評価する。該線形データは、測量対象のフロアaの一部の品質しか評価できず、測量対象のフロアaの全体的な品質を評価できないため、該測量方式で取得されたフロアデータは、依然として不完全で不正確である。
【0030】
図2に示すように、本発明の技術案では、フロア検査装置を提供し、該フロア検査装置は、標的車10と、測量車20と、コントローラとを含む。標的車10は、第1の移動車11及び標的12を含み、標的12は第1の移動車11に取り付けられる。測量車20は、第2の移動車21及びテストヘッド22を含み、テストヘッド22は、第2の移動車21に取り付けられ、所定の測量範囲内の平面点群データと標的図形情報を取得することに用いられる。コントローラは、測量車20及び標的車10にそれぞれ電気的に接続され、第1の移動車11及び第2の移動車21が第1の所定の測量範囲から第2の所定の測量範囲に移動するように制御することに用いられ、さらにテストヘッド22が第1の所定の測量範囲の第1の点群データと第2の所定の測量範囲の第2の点群データ、及び第1の所定の測量範囲の第1の標的図形情報と第2の所定の測量範囲の第2の標的図形情報を取得するように制御し、第1の標的図形情報と第2の標的図形情報に基づいて、第1の点群データと第2の点群データをつなぎ合わせる。
【0031】
本発明の技術案を適用し、標的車10と測量車20の連携により、測量車20でしか取得できない局所の点群データをつなぎ合わせて、測量対象のフロアの全面的なデータを得て、それにより測量対象のフロアの全体的な評価を実現し、フロアデータ取得の精度を向上させることができる。また、標的車10と測量車20の連携により、フロア検査効率を向上させることもできる。
【0032】
選択可能に、第2の移動車21は、リモコンの制御の下で移動してもよく、その上に取り付けられたナビゲーション装置の案内の下で移動してもよく、使用可能なナビゲーション装置には、レーザーレーダー、視覚センサ、深さカメラ、磁力誘導などの一般的なナビゲーション方式が含まれる。好ましくは、テストヘッド22は、立体視によって局所のフロア表面形態を取得し、立体視の実現方式は、単眼/両眼視法、レーザー走査法、構造化光法などを含むが、これらに限定されない。
【0033】
選択可能に、第1の移動車11は、リモコンの制御の下で移動してもよく、第2の移動車21の移動に伴って自動ナビゲーションを実現してもよく、標的12は第1の移動車11に固定される。
【0034】
1つの選択可能な実施形態として、コントローラは、測量車20及び標的車10のうちの1つに取り付けられてもよい。他の選択可能な実施形態として、コントローラは、他の制御端末装置に取り付けられてもよく、コントローラと測量車20及び標的車10とをそれぞれ通信接続すればよい。
【0035】
図1に示すように、1つの選択可能な実施形態として、測量車20はブラケット23をさらに含み、ブラケット23は第2の移動車21に取り付けられ、テストヘッド22はブラケット23に取り付けられる。ブラケット23にテストヘッド22を取り付けることにより、テストヘッド22は、所定の測量範囲を拡大して、より広い範囲の点群データを取得することができる。
【0036】
本実施例の技術案では、より好ましくは、ブラケット23は垂直フレーム231及び水平フレーム232を含み、垂直フレーム231は第2の移動車21に垂直に取り付けられ、水平フレーム232は垂直フレーム231に水平に取り付けられ、テストヘッド22は水平フレーム232に取り付けられる。垂直フレーム231は、テストヘッド22のテスト高さまで持ち上げられ、水平フレーム232は、第2の移動車21によるテストヘッド22の干渉を低減させ、さらにテストヘッド22の所定の測量範囲を拡大して、より広い範囲の点群データを取得することができる。
【0037】
1つの選択可能な実施形態として、
図1に示すように、本実施例の技術案では、第2の移動車21は、第2の車体211、駆動ホイール212、及び支持ホイール213を含み、駆動ホイール212は、第2の車体211の両側に取り付けられ、第2の車体211を駆動移動させることに用いられ、支持ホイール213は、第2の車体211の前側及び後側に取り付けられ、第2の車体211を支持することに用いられる。テストヘッド22がブラケット23によって持ち上げられるため、測量車20の全体的な中心が高くなり、支持ホイール213の支持により、測量車20がより安定して走行できる。
【0038】
1つの選択可能な実施形態として、本実施例の技術案では、標的12は、第1の移動車11に取り付けられる幾何学的な識別部材又は非幾何学的な部材であり、標的12の形状は、好ましくは、フロア上に現れる可能性のある通常の形状と区別され得る。具体的には、本実施例の技術案では、標的12は、第1の移動車11に取り付けられるX字形の部材であり、実際には、特定の形状を有する二次元図形又は三次元図形がいずれも標的として使用できる。実際には、標識点を貼り付けてもよく、いくつかの特殊なパターンを印刷してもよい。理論的には、標的の特徴点間の距離が遠いほど、位置合わせがより正確になる。標的の寸法と位置合わせ精度とのバランスが必要とされている。
【0039】
図3及び
図4に示すように、本発明は、上記フロア検査装置を制御するためのフロア検査装置の使用方法をさらに提供し、該使用方法は、
第1の移動車11が第1の所定の測量範囲内の第1の位置に移動するように制御するステップS10と、
第2の移動車21が第1の所定の測量範囲の所在位置に移動するように制御し、テストヘッド22が第1の所定の測量範囲の第1の点群データを取得し、第1の点群データに基づいて標的12の第1の所定の測量範囲での第1の標的図形情報を取得するように制御するステップS20と、
第2の移動車21が第2の所定の測量範囲の所在位置に移動するように制御し、テストヘッド22が第2の所定の測量範囲の第2の点群データを取得し、第2の点群データに基づいて標的12の第2の所定の測量範囲での第2の標的図形情報を取得するように制御するステップS30と、
第1の標的図形情報と第2の標的図形情報に基づいて、第1の点群データと第2の点群データをつなぎ合わせるステップS40と、を含む。
【0040】
本発明の技術案を適用し、
図3のステップ1及びステップ2に示すように、検査対象のフロアを接続された複数の所定の測量範囲に分割でき、次に上記使用方法により、隣接する2つの所定の測量範囲の点群データを順番に取得し、標的図形情報と点群データの取得の組み合わせにより、複数の所定の測量範囲の点群データをつなぎ合わせて、検査対象のフロアの全体的な点群データを取得して、完全な検査対象のフロアの表面形態データを生成でき、それにより検査対象のフロアの全体的な品質の評価が容易である。
【0041】
選択可能に、標的車10と測量車20の連携測量の制御方式については、遠隔制御又は自主走行方式を用いて測量プロセスを完了することができ、計算結果及びレポートが自動的に生成される。
【0042】
図3及び
図4に示すように、1つの選択可能な実施形態として、本実施例の技術案では、より好ましくは、S40では、第1の標的図形情報と第2の標的図形情報を重ね合わせることにより、第1の点群データと第2の点群データをつなぎ合わせる。それらがいずれも同じ標的12であるため、標的12の所在位置は、第1の点群データと第2の点群データをつなぎ合わせる境界であり、従って、第1の標的図形情報と第2の標的図形情報を重ね合わせればよい。
【0043】
図3及び
図4に示すように、1つの選択可能な実施形態として、本実施例の技術案では、より好ましくは、第1の標的図形情報は、第1の所定の測量範囲の第1の境界位置情報であり、第2の標的図形情報は、第2の所定の測量範囲の第2の境界位置情報である。このように、第1の点群データと第2の点群データの、除去が必要な重複データがより少なくなり、第1の点群データと第2の点群データの境界を直接つなぎ合わせればよい。
【0044】
図3及び
図4に示すように、1つの選択可能な実施形態として、本実施例の技術案では、より好ましくは、使用方法は、
第1の移動車11が第2の所定の測量範囲内の第2の位置に移動するように制御するステップS50と、
テストヘッド22が第2の点群データに基づいて標的12の第2の所定の測量範囲での第3の標的図形情報を取得するように制御するステップS60と、
第2の移動車21が第3の所定の測量範囲の所在位置に移動するように制御し、テストヘッド22が第3の所定の測量範囲の第3の点群データを取得し、第3の点群データに基づいて標的12の第3の所定の測量範囲での第4の標的図形情報を取得するように制御するステップS70と、
第3の標的図形情報と第4の標的図形情報に基づいて、第2の点群データと第3の点群データをつなぎ合わせるステップS80と、をさらに含む。
【0045】
図3のステップ3及びステップ4に示すように、第2の所定の測量範囲の第2の点群データと第3の所定の測量範囲の第3の点群データをつなぎ合わせる前に、先ず標的12を第2の所定の測量範囲と第3の所定の測量範囲とに関連する位置に移動させる必要がある。その後、第2の点群データと第3の標的図形情報を組み合わせ、第3の点群データと第4の標的図形情報を組み合わせて、第2の点群データと第3の点群データをつなぎ合わせることができる。
【0046】
図3及び
図4に示すように、1つの選択可能な実施形態として、本実施例の技術案では、より好ましくは、S80では、第3の標的図形情報と第4の標的図形情報を重ね合わせることにより、第2の点群データと第3の点群データをつなぎ合わせる。同様に、それらがいずれも同じ標的12であるため、標的12の所在位置は、第1の点群データと第2の点群データをつなぎ合わせる境界であり、従って、第1の標的図形情報と第2の標的図形情報を重ね合わせればよい。
【0047】
図3のステップ5及びステップ6に示すように、同じ行の2つの所定の測量範囲の点群データのつなぎ合わせ方式は、上記S10~S40におけるつなぎ合わせ方式と同じであるが、ステップ5及びステップ6では、標的車10は同じ行の隣接する2つの所定の測量範囲の間に走行する必要がある。
図3のステップ7及びステップ8に示すように、同じ列の2つの所定の測量範囲の点群データの継続つなぎ合わせ方式は、上記S10~S40におけるつなぎ合わせ方式と同じであるが、ステップ7及びステップ8では、標的車10は同じ列の隣接する2つの所定の測量範囲の間に下向きに走行する必要がある。
【0048】
選択可能に、上記テストヘッド22の測量方式は、立体視に基づく非接触式測量方式であり、測量精度が高く、環境及びフロア材質からの影響が小さく、データ取得及び処理が全自動で行われる。
【0049】
具体的には、測量方法は、遠隔制御測量及び自動測量の2種に分けられる。
【0050】
遠隔制御測量とは、操作者が複数の所定の測量範囲の測量計画を自主的に完了し、次にリモコンにより標的車10及び測量車20の測量動作をトリガーして各所定の測量範囲の点群データの測量を順番に完了し、複数の所定の測量範囲の点群データをつなぎ合わせて、検査対象のフロアの全体的な点群データを取得して、完全な検査対象のフロアの表面形態データを生成でき、それにより検査対象のフロアの全体的な品質の評価が容易であることである。
【0051】
自動測量とは、操作者が検査対象のフロアの測量パラメータを予め設定し、コントローラにより複数の所定の測量範囲の測量計画を自動的に生成し、測量計画に基づいて測量の初期化及び各所定の測量範囲の測量プロセスにおける標的車10と測量車20の制御を順番に実行し、最終的に完全な検査対象のフロアの表面形態データを生成することである。
【0052】
本発明で示されている技術案の単一の測量シナリオは、システムパラメータにより決められる。フロア測量精度を確保するために、通常、単一の測量シナリオは、測量対象のフロアの範囲よりも小さく、従って、単一の測量シナリオと測量対象のフロアの範囲に基づいて複数の所定の測量範囲の測量計画を実行し、複数の所定の測量範囲の測量を完了して測量結果をつなぎ合わせ、最終的に完全な検査対象のフロアの表面形態データを生成する必要がある。
【0053】
隣接する測量データをつなぎ合わせる原理としては、2つの隣接する所定の測量範囲の境界の付近に特定のマーカーを設けることにより、立体視センサがそれぞれ取得した2つの隣接する所定の測量範囲の三次元点群データにはいずれも該マーカーの輪郭外形が含まれる。
【0054】
姿勢変換アルゴリズムを用いて、2つの隣接する所定の測量範囲の点群データ内のマーカーの輪郭を位置合わせした後、2つのパーティションの点群データを合併して、隣接するパーティションの測量データのつなぎ合わせを実現する。このように、各隣接するシナリオの測量データを順番につなぎ合わせて、フィールド全体の完全な測量データを取得することができる。
【0055】
測量データのつなぎ合わせ原理から分かるように、2つの隣接する所定の測量範囲の測量シナリオは、部分的に重なり合うべきであり、重なり合う領域の寸法は、立体視実現方式、テストヘッド22及びフロア測量精度の要件などの要素により共に決められる。3m*3mの測量対象のフロアの範囲を例として、各所定の測量範囲が1.2m*1.2mであり、2つの隣接する所定の測量範囲の重なり合う領域の寸法が最小0.2m*0.2mであるとすると、所定の測量範囲の数は9つ以上であるべきであり、点位の計画方式は、該説明を含むが、これに限定されない。
【0056】
また、本発明では、2つの隣接する所定の測量範囲のつなぎ合わせに必要なマーカーは、標的12により実現され、第1の移動車11は、標的12を携帯し、必要に応じて各所定の測量範囲の境界まで走行する。
【0057】
上記内容から分かるように、本発明の技術案では、取得された測量データは、フロア全体の完全な三次元形態であり、フロア品質の評価に直接使用でき、その中から二次元及び一次元情報を抽取して、既存の測量工具と一致する結果を得ることもできる。また、標的車10と測量車20の連携により、連続フロアの複数回の測量及びデータのつなぎ合わせを自動的に完了でき、手動で工具を持って複数回繰り返し操作する必要がなく、既存の測量手段と比較して、プロセス全体で操作者の作業負担を顕著に軽減し、測量結果に対する人的要因の影響を軽減し、測量プロセスが高速で効果的であり、データが信頼できる。また、本発明の技術案は、フロア表面形態の完全なデータを高速に取得でき、既存の測量手段が低次元情報で高次元実体を特徴付けることに起因して情報が欠落し、再現性が低く、欠陥点の位置決めが困難であるなどの問題を解決し、より科学的で正確なフロア品質評価基準の基礎を築くことができるとともに、後続のメンテナンス修理に明確な指導を提供することができる。
【0058】
特に具体的に説明されない限り、これらの実施例で説明される部材及びステップの相対的配置、数式及び数値は、本発明の範囲を限定するものではない。また、説明を容易にするために、図面に示される各部分の寸法は、実際の比例関係に応じて描かれているものではないことを理解されたい。当業者に知られている技術、方法及び装置については詳細に説明しない可能性があるが、適切な場合には、前記技術、方法及び装置は、承認された明細書の一部とみなされるべきである。ここで示され及び説明される全ての例では、任意の具体的な値は、例示的なものに過ぎず、限定するためのものではないと解釈されるべきである。従って、例示的な実施例の他の例は、異なる値を有してもよい。なお、類似する符号及びアルファベットは、以下の図面において類似するものを表すため、あるものが1つの図面において定義されると、後続の図面においてそれをさらに説明する必要がない。
【0059】
説明を容易にするために、ここでは、「…の上に」、「…の上方に」、「…の上面に」、「上面の」などの空間相対用語を用いて、図面に示される1つのデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間位置関係を説明するために用いられる。空間相対用語は、図面に説明されたデバイスの方位以外、使用又は操作中の異なる方位も含むことを意図することを理解されたい。例えば、図面におけるデバイスが逆転されると、「他のデバイス又は構造の上方」又は「他のデバイス又は構造の上」と記載されたデバイスは、「他のデバイス又は構造の下方」又は「他のデバイス又は構造の下」に位置決められる。従って、「…上方に」という例示的な用語は、「…の上方に」及び「…の下方に」の2種の方位を含んでもよい。該デバイスは、他の異なる方式で位置決められてもよく(90度回転又は他の方位に位置する)、且つここで使用される空間相対説明について対応する解釈を行う。
【0060】
本発明の説明では、理解されるように、「前、後、上、下、左、右」、「横方向、縦方向、垂直、水平」及び「頂、底」などの方位詞が示した方位又は位置関係は、通常、図面に基づいて示される方位又は位置関係であり、本発明を容易に説明し及び説明を簡素化するためのものに過ぎず、逆の説明をしない場合には、これらの方位詞は、示した装置又は素子が必ず特定の方位を有し、又は特定の方位で構築及び操作されることを指示及び暗示するものではないため、従って本発明の保護範囲を限定するものとして理解できず、「内、外」という方位詞は、各部材自体の輪郭に対する内、外である。
【0061】
以上は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明に対して様々な変更や変化を行うことができる。本発明の精神及び原則内で行った全ての任意の修正、等価置換、改良などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】