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特表2023-554566複数のビードを保持するビード供給ユニットから単一のビードを分離するためのビードセパレータ、ビード供給ステーション、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-28
(54)【発明の名称】複数のビードを保持するビード供給ユニットから単一のビードを分離するためのビードセパレータ、ビード供給ステーション、及び方法
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/48 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
B29D30/48
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512201
(86)(22)【出願日】2022-10-31
(85)【翻訳文提出日】2023-04-11
(86)【国際出願番号】 NL2022050610
(87)【国際公開番号】W WO2023090998
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】2029786
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519009895
【氏名又は名称】ブイエムアイ・ホラント・ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】VMI Holland B.V.
【住所又は居所原語表記】Gelriaweg 16,8161 RK EPE,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン・ベーク、ビレム・マリヌス
(72)【発明者】
【氏名】ファン・ベルフェン、ティメン・アントン
(72)【発明者】
【氏名】ヌッセルデル、ロビン
【テーマコード(参考)】
4F215
【Fターム(参考)】
4F215AH20
4F215VA11
4F215VA12
4F215VD12
4F215VL13
4F215VM01
4F215VM06
4F215VP28
4F215VP35
4F215VP36
(57)【要約】
本発明は、複数のビードを保持するビード供給ユニットから単一のビードを分離するためのビードセパレータ、ビード供給ステーション、及び方法に関し、ビードセパレータは、単一のビードを分離するための第1の把持部と、上記第1の把持部を支持するための第1の把持部基部と、を備え、第1の把持部は、顎部材を備え、これらは、第1の把持部によって画定される第1の把持部平面の両側から、上記第1の把持部平面において単一のビードを把持するための閉じた状態へと、互いに向かって移動可能であり、第1の把持部は、第1の把持部平面が第1のビード直径位置と交差する、内側の第1の把持位置と、第1の把持部平面が第1のビード直径位置とは異なる第2のビード直径位置と交差する、外側の第1の把持位置との間で、第1の把持部基部に対して移動可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のビードを保持するビード供給ユニットから単一のビードを分離するためのビードセパレータにおいて、前記ビードセパレータは、分離方向において、前記単一のビードを前記複数のビードの残りから分離するための第1の把持部と、前記第1の把持部を支持するための第1の把持部基部と、を備え、前記第1の把持部は、第1の顎部材と、第2の顎部材と、を備え、これらは、前記第1の把持部によって画定される第1の把持部平面の両側から、前記第1の把持部平面において前記単一のビードを把持するための閉じた状態へと、互いに向かって移動可能であり、前記第1の把持部は、前記第1の把持部平面が第1のビード直径位置と交差する、内側の第1の把持位置と、前記第1の把持部平面が前記第1のビード直径位置とは異なる第2のビード直径位置と交差する、外側の第1の把持位置との間で、前記第1の把持部基部に対して移動可能である、ビードセパレータ。
【請求項2】
前記ビードセパレータは、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材のうちの1つと前記単一のビードとの接触に応じて、前記第1の把持部が、前記第1の把持部基部に対して受動的に移動することを可能にするように構成されている、請求項1に記載のビードセパレータ。
【請求項3】
前記外側の第1の把持位置は、前記内側の第1の把持位置の上方にあり、前記第1の把持部は、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材のうちの1つと前記単一のビードとの接触の結果として、前記内側の第1の把持位置から前記外側の第1の把持位置に向かって、それ自体が持ち上がるか、又は前記外側の第1の把持位置から前記内側の第1の把持位置に向かって、それ自体が押し下がるように配置されている、請求項1又は2に記載のビードセパレータ。
【請求項4】
前記第1の把持部は、開いた状態から前記閉じた状態に向かって前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材を移動させるための第1の顎駆動装置を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
【請求項5】
前記第1の把持部平面は、前記第1の把持部を、前記内側の第1の把持位置から前記外側の第1の把持位置へと移動するときに、再方向付けされる、請求項1~4のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
【請求項6】
前記第1の把持部平面は、前記第1の把持部を、前記内側の第1の把持位置から前記外側の第1の把持位置へと移動するときに、変位される、請求項1~5のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
【請求項7】
前記第1の把持部は、前記第1の把持部平面に対して平行であり且つ前記分離方向に対して横断又は直交する第1の把持部軸を中心に、前記第1の把持部基部に対して回転可能である、請求項1~6のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
【請求項8】
前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材のうちの少なくとも一方は、第1の顎軸を中心に、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材のうちの他方に対して回転可能であり、前記第1の把持部軸は、前記第1の顎軸に平行又は実質的に平行である、請求項7に記載のビードセパレータ。
【請求項9】
前記ビードセパレータは、前記第1の把持部基部を支持するためのセパレータ基部を更に備え、前記第1の把持部基部は、前記分離方向において、前記セパレータ基部に対して移動可能である、請求項1~8のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
【請求項10】
前記第1の把持部平面は、前記第1の把持部が前記内側の第1の把持位置にあるとき、水平又は実質的に水平に延在する、請求項1~9のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
【請求項11】
前記第1の把持部平面は、前記第1の把持部が、前記内側の第1の把持位置及び前記外側の第1の把持位置のうちの1つにあるとき、前記分離方向に対して平行に、横断方向に、又は斜めに延在する、請求項1~10のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
【請求項12】
前記第1の把持部は、前記分離方向とは反対のピックアップ方向において、前記単一のビードにおけるピックアップ位置へと移動可能であり、前記ビードセパレータは、前記第1の把持部が前記ピックアップ位置にあるとき、前記ピックアップ方向における前記単一のビードと接触するために、前記ピックアップ方向において、前記第1の把持部と共に移動するように配置されたストッパ部材を更に備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
【請求項13】
前記ビードセパレータは、前記単一のビードが分離されるときに、前記ビード供給ユニットにおいて前記複数のビードの前記残りを固定させるための第2の把持部を更に備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
【請求項14】
前記第2の把持部は、第1の顎部材と、第2の顎部材と、を備え、これらは、前記第2の把持部によって画定される第2の把持部平面の両側から、前記第2の把持部平面において前記複数のビードの前記残りのうちの第1のビードを把持するための閉じた状態へと、互いに向かって移動可能であり、前記第2の把持部は、第2の把持部基部によって支持され、前記第2の把持部平面が第3のビード直径位置と交差する、内側の第2の把持位置と、前記第2の把持部平面が前記第3のビード直径位置とは異なる第4のビード直径位置と交差する、外側の第2の把持位置との間で、前記第2の把持部基部に対して移動可能である、請求項13に記載のビードセパレータ。
【請求項15】
前記第1の把持部及び前記第2の把持部は、それぞれ、前記第1の把持部基部及び前記第2の把持部基部に対して独立に移動可能である、請求項14に記載のビードセパレータ。
【請求項16】
前記第1の把持部基部は、前記分離方向において、前記第2の把持部基部に対して移動可能である、請求項14又は15に記載のビードセパレータ。
【請求項17】
前記第2の把持部は、前記複数のビードの前記残りのうちの第1のビードを把持するために、前記ビード供給ユニットと協働するように配置された単一の顎部材を備える、請求項13に記載のビードセパレータ。
【請求項18】
前記ビードセパレータは、前記第2の把持部を支持するための第2の把持部基部を備え、前記ビードセパレータは、前記第1の把持部基部と前記第2の把持部基部とを支持するためのセパレータ基部を更に備え、前記第2の把持部基部は、前記分離方向とは反対のピックアップ方向において、前記セパレータ基部に対して移動可能である、請求項13~17のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
【請求項19】
前記第2の把持部は、前記分離方向に対して直交し、前記第1の把持部平面に対して平行な横方向において、前記第1の把持部の第1の側に位置しており、前記ビードセパレータは、前記第1の側とは反対の前記第1の把持部の第2の側において、前記単一のビードが分離されるときに、前記ビード供給ユニットにおいて前記複数のビードの前記残りを固定させるための第3の把持部を更に備える、請求項13~18のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
【請求項20】
前記第2の把持部及び前記第3の把持部は、独立に移動可能である、請求項19に記載のビードセパレータ。
【請求項21】
前記ビードセパレータは、前記第2の把持部及び前記第3の把持部を支持するための共通の把持部基部を備え、前記共通の把持部基部には、前記第1の把持部基部の前記位置において凹部が設けられている、請求項19又は20に記載のビードセパレータ。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載のビードセパレータと、複数のビードを保持するためのビード供給ユニットと、を備えるビード供給ステーション。
【請求項23】
前記ビード供給ユニットは、前記複数のビードを支持するための、前記分離方向に延在する少なくとも1つの支持体を備える、請求項22に記載のビード供給ステーション。
【請求項24】
前記第1の把持部は、前記少なくとも1つの支持体に対して平行に移動可能である、請求項23に記載のビード供給ステーション。
【請求項25】
前記ビード供給ユニットは、前記単一のビードが分離されるときに、前記ビード供給ユニットにおいて前記複数のビードの残りを固定させるための第2の把持部及び/又は第3の把持部を更に備える、請求項22~24のいずれか一項に記載のビード供給ステーション。
【請求項26】
請求項1~21のいずれか一項に記載のビードセパレータを使用して、複数のビードを保持するビード供給ユニットから単一のビードを分離するための方法であって、前記方法は、
- 前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材を、前記第1の把持部平面の前記両側から、前記第1の把持部平面において前記単一のビードを把持するための前記閉じた状態へと、互いに向かって移動させるステップと、
- 前記内側の第1の把持位置と前記外側の第1の把持位置との間で、前記第1の把持部基部に対して前記第1の把持部を移動させるステップと、
- 前記単一のビードを前記複数のビードの残りから分離するために、前記分離方向において、前記第1の把持部を移動させるステップと、
を備える、方法。
【請求項27】
前記第1の把持部は、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材のうちの1つと前記単一のビードとの接触に応じて、第1の把持部基部に対して受動的に移動される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記外側の第1の把持位置は、前記内側の第1の把持位置の上方にあり、前記第1の把持部は、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材のうちの1つと前記単一のビードとの接触の結果として、前記内側の第1の把持位置から前記外側の第1の把持位置に向かって、それ自体が持ち上がるか、又は前記外側の第1の把持位置から前記内側の第1の把持位置に向かって、それ自体が押し下がる、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
前記ビードセパレータは、第2の把持部を更に備え、前記方法は、
- 前記単一のビードが分離されるときに、前記第2の把持部を用いて、前記ビード供給ユニットにおいて前記複数のビードの前記残りを固定させるステップ
を更に備える、請求項26~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記第2の把持部は、前記分離方向とは反対のピックアップ方向において、前記ビード供給ユニットに対して移動される、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のビードを保持する(holding)ビード供給ユニットから単一のビードを分離するためのビードセパレータ、ビード供給ステーション、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
WO2013/172702A1には、複数のビードを保持するビード供給ユニットから単一のビードを取り外すためのビードセパレータが開示されている。ビードセパレータは、ビード供給ユニットにおいて第1のビードを把持するための2つの第1のビードセパレータ把持部と、ビード供給ユニットにおいて第2のビードを把持するための2つの第2のビードセパレータ把持部と、を有する。次いで、第1のビードセパレータ把持部は、第1のビードを複数のビードから引き離し、複数のビードは、2つの第2のビードセパレータ把持部によって押し止められている(held back)。このようにして、ビードの比較的粘着性のある材料によりこれらビード同士が分離中にくっつくことが防がれ得る。
【発明の概要】
【0003】
既知のビードセパレータの欠点は、第1のビードセパレータ把持部及び第2のビードセパレータ把持部が、基部に固定して取り付けられており、固定された直径においてビードに係合するように特別に設計されていることである。しかしながら、ビード供給ユニットは、異なる直径を有するビードの単一の束を保持し得るか、又は異なる直径を有するビードの後続する束を保持し得る。異なる直径を有するビードに係合するとき、ビードセパレータ把持部は、上記ビードの少なくとも一部を、ビードの直径とは異なる直径に変形させ得、それによって、上記ビードに損傷を与える恐れがある。直径が違いすぎると、1つ以上の把持部は、ビードを完全に(in its entirety)把持することさえも失敗し得る。
【0004】
損傷又は分離の失敗を防ぐためには、直径が変化するごとに、分離プロセスが中断されなければならず、ビードセパレータ把持部は、代替のビードセパレータ把持部と取り替えられなければならない。
【0005】
本発明の目的は、複数のビードを保持するビード供給ユニットから単一のビードを分離するためのビードセパレータ、ビード供給ステーション、及び方法を提供することであり、ここで、異なる直径のビードを取り扱うビードセパレータの柔軟性が改善され得る。
【0006】
第1の態様によれば、本発明は、複数のビードを保持するビード供給ユニットから単一のビードを分離するためのビードセパレータを提供し、ビードセパレータは、分離方向において、単一のビードを複数のビードの残りから分離するための第1の把持部と、上記第1の把持部を支持するための第1の把持部基部と、を備え、第1の把持部は、第1の顎部材と、第2の顎部材と、を備え、これらは、第1の把持部によって画定される第1の把持部平面の両側から、上記第1の把持部平面において単一のビードを把持するための閉じた状態へと、互いに向かって移動可能であり、第1の把持部は、第1の把持部平面が第1のビード直径位置と交差する、内側の第1の把持位置と、第1の把持部平面が第1のビード直径位置とは異なる第2のビード直径位置と交差する、外側の第1の把持位置との間で、第1の把持部基部に対して移動可能である。
【0007】
従って、第1の把持部は、把持されるべき単一のビードのビード直径に従って、第1の把持部基部に対して第1の把持部平面の向き(orientation)を再配置又は調整するために移動され得る。具体的には、第1の顎部材及び第2の顎部材が最終的に逢着する(meet)ビード直径位置は、第1のビード直径位置から第2のビード直径位置に調整され得るか、又はその間の任意のビード直径位置に調整され得る。
【0008】
好ましい実施形態では、ビードセパレータは、第1の顎部材及び第2の顎部材のうちの1つと単一のビードとの接触に応じて、第1の把持部が、第1の把持部基部に対して受動的に移動することを可能にするように構成されている。この実施形態の文脈において、「受動的に(passively)」という用語は、駆動部材によって直接的に制御及び/又は駆動されない移動(movement)として解釈されるべきである。換言すれば、第1の把持部基部に対して第1の把持部を能動的に移動させるための専用の駆動装置は存在しない。その代わりに、第1の把持部は、例えば、第1の把持部と単一のビードとの間の接触の結果として、第1の把持部基部に対するその向きを受動的に適合又は調整し得る。従って、第1の把持部の向き及び/又は単一のビードのビード直径を、制御、測定、及び/又はチェックする必要がない。調整は、第1の把持部を、把持されるべき単一のビードのビード直径に受動的に触れさせる(feel)又は追従させることによって、自動的に行われ得る。
【0009】
別の実施形態では、外側の第1の把持位置は、内側の第1の把持位置の上方にあり、第1の把持部は、第1の顎部材及び第2の顎部材のうちの1つと単一のビードとの接触の結果として、内側の第1の把持位置から外側の第1の把持位置に向かって、それ自体が持ち上がるか、又は外側の第1の把持位置から内側の第1の把持位置に向かって、それ自体が押し下がるように配置されている。第1の把持部平面に向かうこれら顎部材の連続的な移動、及び、これら顎部材のうちの1つと単一のビードとの間接触の結果としての反力が、好都合には、第1の把持部基部に対する第1の把持部の移動を駆動するために使用され得る。
【0010】
別の実施形態では、第1の把持部は、開いた状態から閉じた状態に向かって第1の顎部材及び第2の顎部材を移動させるための第1の顎駆動装置を備える。第1の把持部平面に向かうこれら顎部材の連続的な駆動される移動、及び、これら顎部材のうちの1つと単一のビードとの間の接触の結果としての反力が、好都合には、第1の把持部基部に対する第1の把持部の移動を駆動するために使用され得る。
【0011】
別の実施形態では、第1の把持部平面は、第1の把持部を、内側の第1の把持位置から外側の第1の把持位置へと移動するときに、再方向付け(reoriented)及び/又は変位される。従って、第1の把持部は、最終的に両方の顎部材が上記第1の把持部平面の両側から単一のビードと係合し、及び/又はそれを把持するまで、異なる向きへとその第1の把持部平面と共に持ち上げられ得る。
【0012】
別の実施形態では、第1の把持部は、第1の把持部平面に対して平行であり且つ分離方向に対して横断又は直交する第1の把持部軸を中心に、第1の把持部基部に対して回転可能である。単一のビードの半径方向における把持部の線形移動は、本発明の範囲から除外されるべきではないが、例えば、第1の把持部の受動的な線形移動を可能にする案内システムをセットアップすることと比較して、第1の把持部軸を中心に第1の把持部の回転を可能にするほうがより複雑でないことが理解されよう。更に、第1の把持部の遠位端と第1の把持部軸との間の距離に依存して、回転角は、十分に小さく保たれ得、これにより、第1の把持部の遠位端の移動は、主に単一のビードの半径方向におけるものとなり、角度成分は無視できる。代替として、第1の把持部基部の位置は、角度成分を補償するためにわずかに調整され得る。
【0013】
好ましくは、第1の顎部材及び第2の顎部材のうちの少なくとも一方は、第1の顎軸を中心に、第1の顎部材及び第2の顎部材のうちの他方に対して回転可能であり、第1の把持部軸は、上記第1の顎軸に対して平行又は実質的に平行である。従って、第1の把持部は、これら顎部材のうちの少なくとも1つが開閉されるのと実質的に同じ平面において回転され得る。
【0014】
別の実施形態では、ビードセパレータは、第1の把持部基部を支持するためのセパレータ基部を更に備え、第1の把持部基部は、分離方向において、セパレータ基部に対して移動可能である。従って、第1の把持部基部及びその上で支持される第1の把持部は、単一のビードを複数のビードの残りから効果的に分離するために、ビード供給ユニットから離れる方へ、分離方向に後退され得る。
【0015】
別の実施形態では、第1の把持部平面は、第1の把持部が内側の第1の把持位置にあるとき、水平又は実質的に水平に延在する。従って、第1のビード直径位置は、第1の把持部平面内の第1の把持部の任意の位置において同じ高さで延在する。具体的には、第1の把持部平面は、第1の把持部が内側の第1の把持位置にあるとき、分離方向に対して平行である。より具体的には、第1の把持部平面は、内側の第1の把持位置及び外側の第1の把持位置のうちの1つにあるとき、分離方向に対して平行に、横断方向に(transverse)、又は斜めに延在する。
【0016】
別の実施形態では、第1の把持部は、分離方向とは反対のピックアップ方向において、単一のビードにおけるピックアップ位置へと移動可能であり、ビードセパレータは、第1の把持部がピックアップ位置にあるとき、上記ピックアップ方向における単一のビードと接触するために、ピックアップ方向において第1の把持部と共に移動するように配置されたストッパ部材を更に備える。ストッパ部材は、単一のビードに物理的に当接し、その後、第1の把持部をピックアップ方向に移動させることを停止するように、ビードセパレータをトリガする。換言すれば、ビード供給ユニットにおける単一のビードの位置は、自動的に検出され得る。より具体的には、ストッパ部材は、第1の把持部が単一のビードに対して正しく配置されたとき、即ち、顎部材が、閉じた状態へと移動されたときに、単一のビードと係合する位置にあるときをシグナリングし得る。
【0017】
別の実施形態では、ビードセパレータは、単一のビードが分離されるときに、ビード供給ユニットにおいて複数のビードの残りを固定させるための第2の把持部を更に備える。第2の把持部は、上記ビード供給ユニットからの単一のビードの分離中、複数のビードの残りをビード供給ユニット上のピックアップ方向において効果的に押し止め得る。
【0018】
好ましくは、第2の把持部は、第1の顎部材と、第2の顎部材と、を備え、これらは、第2の把持部によって画定される第2の把持部平面の両側から、上記第2の把持部平面において複数のビードの残りのうちの第1のビードを把持するための閉じた状態へと、互いに向かって移動可能であり、第2の把持部は、第2の把持部基部によって支持され、第2の把持部平面が第3のビード直径位置と交差する、内側の第2の把持位置と、第2の把持部平面が第3のビード直径位置とは異なる第4のビード直径位置と交差する、外側の第2の把持位置との間で、第2の把持部基部に対して移動可能である。従って、第2の把持部は、正しいビード直径において、即ち、第3のビード直径位置、第4のビード直径位置、又はその間の任意のビード直径位置において、複数のビードの残りのうちの第1のビードに自動的に係合するために、第1の把持部と同じように動作し得る。
【0019】
より好ましくは、第1の把持部基部は、分離方向において、第2の把持部基部に対して移動可能である。従って、第1の把持部基部と第2の把持部基部の間、及びその上で支持されるそれぞれの把持部間の間隔は、分離方向において、単一のビードを複数のビードの残りから分離することを目的として増大され得る。
【0020】
代替として、第2の把持部は、複数のビードの残りのうちの第1のビードを把持するために、ビード供給ユニットと協働するように配置された単一の顎部材を備える。前述の実施形態と対照的に、この実施形態による代替の第2の把持部は、固定されたビード直径位置、例えば、ビード供給ユニットの支持体(carriers)によって定義されるビード直径位置において、第1のビードを把持することに限定される。これは、上記第2の把持部の複雑さを低減し得る。
【0021】
別の実施形態では、ビードセパレータは、第2の把持部を支持するための第2の把持部基部を備え、ビードセパレータは、第1の把持部基部と第2の把持部基部とを支持するためのセパレータ基部を更に備え、第2の把持部基部は、分離方向とは反対のピックアップ方向において、セパレータ基部に対して移動可能である。従って、第1の把持部基部と第2の把持部基部の間、及びその上で支持されるそれぞれの把持部間の間隔は、より幅が広い又はより厚みのあるビードに対して調整することを目的として増大され得る。特許請求の範囲の文脈において、ビードの厚みの幅は、ピックアップ方向に対して平行な方向において測定される。比較的幅が広い又は厚みのあるビードは、第2の把持部が、分離されるべき単一のビードの後ろにある複数のビードの残りのうちの第1のビードに到達及びそれを把持し得るように、それぞれの把持部間により多くの間隔を必要とし得る。
【0022】
別の実施形態では、第2の把持部は、分離方向に対して直交し、第1の把持部平面に対して平行な横方向において、第1の把持部の第1の側に位置しており、ビードセパレータは、第1の側とは反対の第1の把持部の第2の側において、単一のビードが分離されるときに、ビード供給ユニットにおいて複数のビードの残りを固定させるための第3の把持部を更に備える。従って、複数のビードの残りのうちの第1のビードは、その円周(circumference)に沿った2つの位置において、ビード供給ユニットにおいて押し止められ(held back)得るか、又は固定され得るとともに、第1の把持部が、第2の把持部及び第3の把持部に関連付けられた2つの位置の間の位置において、分離されるべき単一のビードを剥がす(peeling off)。
【0023】
好ましくは、第2の把持部及び第3の把持部は、独立に移動可能である。従って、第2の把持部の位置における複数のビードの残りのうちの第1のビードのビード直径位置が、第3の把持部の位置における複数のビードの残りのうちの第1のビードのビード直径位置とわずかに異なる場合。
【0024】
追加又は代替として、ビードセパレータは、第2の把持部及び第3の把持部を支持するための共通の把持部基部を備え、共通の把持部基部には、第1の把持部基部の位置において凹部が設けられている。従って、第1の把持部基部は、共通の把持部基部に対して及び/又は共通の把持部基部に独立して、分離方向及び/又はピックアップ方向に移動するために、上記凹部内で移動の自由を有する。
【0025】
第2の態様によれば、本発明は、先行する請求項のうちのいずれか一項に記載のビードセパレータと、複数のビードを保持するためのビード供給ユニットと、を備えるビード供給ステーションを提供する。
【0026】
ビード供給ステーションは、前述のビードセパレータを含み、従って、同じ技術的利点を有し、これは、以下で繰り返されない。
【0027】
好ましくは、ビード供給ユニットは、複数のビードを支持するための、分離方向に延在する少なくとも1つの支持体を備える。
【0028】
より好ましくは、第1の把持部は、少なくとも1つの支持体に対して平行に移動可能である。従って、第1の把持部は、上記少なくとも1つの支持体に対して平行に単一のビードをピックアップ及び分離し得る。
【0029】
代替の実施形態では、ビード供給ユニットは、単一のビードが分離されるときに、ビード供給ユニットにおいて複数のビードの残りを固定させるための第2の把持部及び/又は第3の把持部を更に備える。前述の実施形態とは対照的に、この代替の実施形態におけるビードセパレータは、第2の把持部又は第3の把持部を有しない。その代わりに、上記第2の把持部及び/又は第3の把持部は、ビード供給ユニット上に設けられるか、又はそれに関連付けられている。その結果、ビードセパレータは、より複雑でなくなり得る。更に、ビード供給ユニットにおける第2の把持部及び/又は第3の把持部は、分離されるべき単一のビードのビード供給ユニットと同じ側から、複数のビードの残りのうちの第1のビードを保持(retain)し得る。
【0030】
第3の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様による実施形態のいずれか1つによるビードセパレータを使用して、複数のビードを保持するビード供給ユニットから単一のビードを分離するための方法を提供し、方法は、
- 第1の顎部材及び第2の顎部材を、第1の把持部平面の両側から、上記第1の把持部平面において単一のビードを把持するための閉じた状態へと、互いに向かって移動させるステップと、
- 内側の第1の把持位置と外側の第1の把持位置との間で、第1の把持部基部に対して第1の把持部を移動させるステップと、
- 単一のビードを複数のビードの残りから分離するために、分離方向において、第1の把持部を移動させるステップと、を備える。
【0031】
方法は、本発明の第1の態様によるビードセパレータの実用的な実装形態に関し、従って、同じ技術的利点を有し、これは、以下で繰り返されない。
【0032】
この方法の好ましい実施形態では、第1の把持部は、第1の顎部材及び第2の顎部材のうちの1つと単一のビードとの接触に応じて、第1の把持部基部に対して受動的に移動される。
【0033】
この方法の別の実施形態では、外側の第1の把持位置は、内側の第1の把持位置の上方にあり、第1の把持部は、第1の顎部材及び第2の顎部材のうちの1つと単一のビードとの接触の結果として、内側の第1の把持位置から外側の第1の把持位置に向かって、それ自体が持ち上がるか、又は外側の第1の把持位置から内側の第1の把持位置に向かって、それ自体が押し下がる。
【0034】
別の実施形態では、ビードセパレータは、第2の把持部を更に備え、方法は、
- 単一のビードが分離されるときに、第2の把持部を用いて、ビード供給ユニットにおいて複数のビードの残りを固定させるステップ、を更に備える。
【0035】
好ましくは、第2の把持部は、分離方向とは反対のピックアップ方向において、即ち、異なるビード幅又は厚みに対して調整することを目的として、ビード供給ユニットに対して移動される。
【0036】
本明細書で説明され、示される様々な態様及び特徴は、可能な限り、個々に適用され得る。これらの個々の態様、特に、添付の従属請求項において説明される態様及び特徴は、分割特許出願の主題となり得る。
【0037】
本発明は、添付の概略的な図面に示される例示的な実施形態に基づいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、本発明の第1の例示的な実施形態による、ビードセパレータ及びビード供給ユニットの上面図を示す。
図2図2は、図1の線II-IIに沿ったビードセパレータ及びビード供給ユニットの断面を示す。
図3A図3Aは、ビード供給ユニットから単一のビードを分離するステップ中の、図1の線III-IIIに沿ったビードセパレータ及びビード供給ユニットの断面を示す。
図3B図3Bは、ビード供給ユニットから単一のビードを分離するステップ中の、図1の線III-IIIに沿ったビードセパレータ及びビード供給ユニットの断面を示す。
図3C図3Cは、ビード供給ユニットから単一のビードを分離するステップ中の、図1の線III-IIIに沿ったビードセパレータ及びビード供給ユニットの断面を示す。
図4図4は、ビードセパレータがビード供給ユニットから異なる厚みの単一のビードを取り外すように調整された後の、図1の線III-IIIに沿ったビードセパレータ及びビード供給ユニットの断面を示す。
図5図5は、本発明の第2の例示的な実施形態による、代替のビードセパレータ及びビード供給ユニットの、図2と同様の断面を示す。
図6図6は、本発明の第3の例示的な実施形態による、更なる代替のビードセパレータ及びビード供給ユニットの、図3Cと同様の断面を示す。
図7図7は、図1によるビードセパレータ及びビード供給ユニットの等角正面図を示す。
図8図8は、図1によるビードセパレータ及びビード供給ユニットの背面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1図2図3A図3B及び図3Cは、環状ビードB1~Bnを、下流のタイヤ組立てステーション、即ち、タイヤ組立てドラム(図示せず)に供給するための、本発明の第1の実施形態によるビード供給ステーション100を示す。
【0040】
ビード供給ステーション100は、ビードセパレータ1と、ビード供給ユニット9と、を備える。ビード供給ユニット9は、複数のビードB1~Bnを運び、受け取り、及び/又は保持するための、第1の支持体91及び第2の支持体92を備える。この例示的な実施形態では、支持体91、92は、ビードB1~Bnの中央に挿入可能なフォークとして機能する細長い互いに平行な棒であり、上記ビードB1~Bnをその円周において支持している。図2で最もよく分かるように、ビードB1~Bnは、異なる直径D1、D2を有し得、その結果、上記ビードB1~Bnは、ビード供給ユニット9の支持体91、92の間の異なる半径又はビード直径位置において支持されている。換言すれば、ビードB1~Bnの中心は、支持体91,92に対して異なる位置にある。
【0041】
代替として、支持体91、92は、一体的に形成され得るか、又は単一の支持体(図示せず)として形成され得る。
【0042】
図1及び図2に示すように、ビードセパレータ1は、分離方向Sにおいて、単一のビードB1を複数のビードの残りB2~Bnから分離するための少なくとも1つの第1の把持部3を備える。ビードセパレータ1は、上記分離方向Sにおいて、複数のビードの残りB2~Bnを固定又は押し止めるための第2の把持部4及び第3の把持部5を更に備える。具体的には、第2の把持部4及び第3の把持部5は、複数のビードの残りB2~Bnのうちの第1のビードB2、即ち、分離されるべき単一のビードB1の直後にある、ビード供給ユニット9上で支持される次のビードB2を把持するか、又はそれに係合するように構成されている。この例では、第1の把持部3は、第2の把持部4と第3の把持部5との中間に位置している。換言すれば、第2の把持部4及び第3の把持部5は、分離方向Sに対して直交する横方向において、第1の把持部3の両側に位置している。
【0043】
図2に示すように、第2の把持部4及び第3の把持部5は、最小、最大又は平均のビード直径を有するビードに対して、ほぼ半径方向の位置にわずかに傾けられている。傾きは、異なるビード直径D1、D2を考慮して調整可能であり得る。簡略化のために、第2の把持部4及び第3の把持部5は、他の図面では、上記把持部4、5が第1の把持部3の平面に対して平行な平面において動作しているかのように示されているが、これは、実際には、異なる半径方向の平面(different radial planes)であり得る。
【0044】
この例示的な実施形態では、分離方向Sは、水平又は実質的に水平である。更に、支持体91、92は、上記分離方向Sに対して平行又は実質的に平行に延在する。
【0045】
図1に示すように、ビードセパレータ1は、地面、即ち、工場の床(図示せず)に設置され得るセパレータ基部20を備える。ビードセパレータ1には、セパレータ基部20に対して、それぞれ、第1の把持部3、第2の把持部4及び第3の把持部5を支持するための、第1の把持部基部21、第2の把持部基部22、及び第3の把持部基部23が更に設けられている。この例では、第2の把持部基部22及び第3の把持部基部23は、接続又は一体化されており、第2の把持部4及び第3の把持部5のための単一又は共通の把持部基部24を形成している。共通の把持部基部24には、第1の把持部基部21の位置において凹部25が設けられている。
【0046】
図1に更に示すように、ビードセパレータ1には、分離方向S及び分離方向Sとは反対のピックアップ方向Rにおいて、セパレータ基部20に対して第1の把持部基部21を移動させるための分離駆動装置60が設けられている。この例では、分離駆動装置60は、線形駆動装置、即ち、空気圧シリンダである。ビードセパレータ1は、第1の把持部基部21に対する上記基部22、23、24の相対位置を調整するために、分離方向S及びピックアップ方向Rにおいて、第2の把持部基部22、第3の把持部基部23、又は共通の把持部基部24を移動させるための把持部間隔駆動装置64を更に備える。第1の把持部基部21に対する上記基部22、23、24の相対位置はまた、ピンと穴の調整(pin-and-hole adjustment)、手動で操作されるスピンドル、手動で操作されるクランプ、又は同様のもの等の、適切な手段によって手動で調整及び固定され得る。
【0047】
図3A図3B及び図3Cで最もよく分かるように、第1の把持部3は、上記第1の把持部基部21上で支持及び/又はそれに結合された第1の顎基部30と、上記第1の顎基部30から突出する第1の顎部材31及び第2の顎部材32と、を備える。第1の顎部材31及び第2の顎部材32は、図3Aに示すような開いた状態から、図3Cに示すような閉じた状態に向かって、第1の把持部平面V1の両側から互いに向かって移動可能である。第1の把持部3は、それぞれの顎部材31、32の移動を駆動するための第1の顎駆動装置61を備える。この例示的な実施形態では、第1の顎駆動装置61は、それぞれの顎部材31、32を第1の顎軸J1を中心に蝶番式に動かす機構を備える。
【0048】
第1の把持部平面V1は、第1の把持部3によって、具体的には、閉じた状態にある顎部材31、32の位置を決定する第1の顎駆動装置61によって画定される。この例示的な実施形態では、第1の把持部平面V1は、第1の把持部3が図3Aに示すような位置にあるときに、水平又は実質的に水平に延在する。より具体的には、第1の把持部平面V1は、第1の顎軸J1に対して平行に延在するか、又は第1の顎軸J1と一致する。
【0049】
第1の把持部3は、図3A図3Cを比較すると示されるように、第1の把持部平面V1の位置又は向きを調整するために、第1の把持部基部21に対して移動可能である。具体的には、第1の把持部3は、第1の把持部平面V1が、第1のビード円周位置又は第1のビード直径位置P1と交差する、図3A及び図3Bに示すような内側の第1の把持位置と、第1の把持部平面V1が、第1のビード直径位置P1の外側とは異なる、第2のビード円周位置又は第2のビード直径位置P2と交差する、図3Cに示すような外側の第1の把持位置との間で、第1の把持部基部21に対して移動可能である。具体的には、外側の第1の把持位置及び/又は第2のビード直径位置P2は、分離されるべき単一のビードB1の中心に関して考慮すると、内側の第1の把持位置及び/又は第1のビード直径位置P1の上方又は半径方向外側にある。第1の把持部3はまた、第1のビード直径位置P1と第2のビード直径位置P2との間の任意のビード直径位置に無段階に移動され得ることも明らかであろう。
【0050】
本発明の文脈では、「ビード円周位置(bead circumference position)」又は「ビード直径位置」という用語は、ある範囲のビード直径D1、D2について、第1の把持部3の位置における、ビード供給ユニット9によって支持されるような、ビードの円周、直径又は半径と一致する、空間における点として解釈されるべきである。図2に示すように、ビードB1~Bnの直径D1、D2に依存して、第1の把持部3の位置におけるビードB1~Bnの円周、直径又は半径は、示されるように、ビード直径位置P1、P2の間で異なり得る。
【0051】
図3A図3Cを比較すると示されるように、第1の把持部3は、第1の把持部平面V1に対して平行又は実質的に平行であり且つ分離方向Sに対して横断又は直交する第1の把持部軸G1を中心に、第1の把持部基部21に対して枢動可能、傾斜可能、又は回転可能である。第1の把持部軸G1はまた、第1の顎軸J1に対して平行又は実質的に平行である。代替的として、第1の把持部3は、第1の把持部軸G1に対して直交する構成要素(component)を有して、例えば、垂直に又は実質的に垂直に、直線的に移動可能であり得る。
【0052】
図3B図3Cを比較することによって示されるように、第1の把持部3は、第1の顎部材31及び第2の顎部材32のうちの1つと単一のビードB1との接触の結果として、図3Bに示すような内側の第1の把持位置から、図3Cに示すような外側の第1の把持位置に向かって、それ自体が持ち上がるように配置されている。換言すれば、ビードセパレータ1は、第1の顎部材31及び第2の顎部材32のうちの1つと単一のビードB1との接触に応じて、第1の把持部3が、第1の把持部基部21に対して受動的に移動することを可能にするように構成されている。
【0053】
代替として、第1の把持部3は、外側の第1の把持位置から内側の第1の把持位置に向かって、例えば、第2の顎部材32が単一のビードB1に接触するまで、第1の把持部3を外側の第1の把持位置に保つ付勢に抗して、それ自体が押し下がるように構成され得る。第1の把持部3は、第1の把持位置と第2の把持位置との間の任意の中間位置から、それ自体が持ち上がるか、又はそれ自体が押し下がるように更に配置され得る。
【0054】
本発明の文脈において、「受動的に」という用語は、駆動部材によって直接的に制御及び/又は駆動されない移動として解釈されるべきである。換言すれば、第1の把持部基部21に対して第1の把持部3を能動的に移動させるための専用の駆動装置は存在しない。その代わりに、第1の把持部3は、例えば、第1の把持部3と単一のビードB1との間の接触の結果として、第1の把持部基部21に対するその向きを受動的に適合又は調整し得る。より具体的には、係合するビードB1~Bnが存在しない場合、第1の把持部3は、第1の把持部軸G1を中心に、第1の把持部基部21に対して自由に移動され得ることに留意されたい。
【0055】
図1及び図3Aに示すように、ビードセパレータ1は、ピックアップ方向Rにおいて第1の把持部3と共に移動するように配置された1つ以上のストッパ部材7、この例では、1つのストッパ部材7を更に備える。具体的には、ストッパ部材7は、第1の把持部基部21に結合され得るか、又は第1の把持部基部21の一体部分として形成され得る。1つより多くのストッパ部材7を使用するとき、単一のビードB1は、より正確に所定の位置に保たれ得る。1つ以上のストッパ部材7は、第1の把持部3がピックアップ位置に移動されるときに、ピックアップ方向Rにおいて単一のビードB1に物理的に接触するように構成されている。より具体的には、1つ以上のストッパ部材7は、第1の把持部3がピックアップ位置にあるとき、ピックアップ方向Rにおいて単一のビードB1に接触するように戦略的に配置されており、ピックアップ位置では、それぞれの顎部材31、32は、閉じた状態に移動されたとき、単一のビードB1に係合することが可能であるべきである。1つ以上のストッパ部材7は、分離駆動装置60に、第1の把持部3をピックアップ方向Rに移動することを停止させる信号を送るように構成され得る。
【0056】
図1に示すように、第2の把持部4及び第3の把持部5は、第1の把持部3が到達する範囲をわずかに超えて、具体的には、ビード供給ユニット9上で支持される複数のビードの残りB2~Bnのうちの第1のビードB2の位置に対応する、ピックアップ方向Rにおける位置まで延在するように配置又は寸法決めされる。図3C図4を比較すると示されるように、第1の把持部3と第2/第3の把持部4、5との間の相対位置又は間隔は、例えば、前述の把持部間隔駆動装置64を制御することによって、分離方向Sにおいて考慮されるビード厚み又は幅Wの変動を考慮するように調整され得る。第2の把持部4及び第3の把持部5は、第1の把持部3と同様に、第1の顎部材41、51と、第2の顎部材42、52と、をそれぞれ備え、これらは、それぞれ、第2の把持部平面V2及び第3の把持部平面V3の両側から、複数のビードの残りB2~Bnのうちの第1のビードB2を把持するための閉じた状態へと、互いに向かって移動可能である。第2の把持部4及び第3の把持部5は、それぞれの顎部材41、42、51、52の移動を、特に、それぞれの顎軸J2、J3を中心とした蝶番式の移動において、駆動するためのそれぞれの顎駆動装置62、63をそれぞれ備える。第2の把持部4及び第3の把持部5は、第1の把持部3と実質的に同じように動作され得、その動作は、以下で繰り返されない。
【0057】
第2の把持部4及び第3の把持部5の両方が、第1の把持部基部21に対する第1の把持部3の移動と同様に、即ち、受動的に、それらのそれぞれの把持部基部22、23に対して移動可能である。具体的には、第2の把持部4及び第3の把持部5は、それぞれ、内側の第2の把持位置と外側の第2の把持位置との間、及び、内側の第3の把持位置と外側の第3の把持位置との間で移動可能である。この移動は、第2の把持部4が、第2の把持部平面V2の向きを、第2の把持部平面V2が、第2の把持部4のそれぞれの位置における複数のビードの残りB2~Bnのうちの第1のビードB2のビード直径位置に従って、第3のビード直径位置P3、第4のビード直径位置P4、又はその間の任意のビード直径位置と交差するように、適合させることを可能にする。同様に、この移動は、第3の把持部5が、第3の把持部平面V3の向きを、第3の把持部平面V3が、第5のビード直径位置P5、第6のビード直径位置P6、又はその間の任意のビード直径位置と交差するように、適合させることを可能にする。好ましくは、第2の把持部4及び第3の把持部5は、互いに独立して、それらのそれぞれの把持部基部22、23に対して移動可能である。
【0058】
その結果、本発明による第1の把持部3、第2の把持部4、及び/又は第3の把持部5は、それぞれの把持部平面V1、V2、V3を、それぞれの把持部3、4、5の場所において、ビード直径位置に一致させるように、受動的に、自由に、及び/又は自動的に再配置することによって、異なる直径D1、D2のビードB1~Bnに係合、分離、固定、及び/又は保持を行うように高度に適合可能である。
【0059】
図5は、本発明の第2の実施形態による代替のビードセパレータ101を示し、これは、第2の把持部104が、単一の顎部材141を備え、単一の顎部材141は、対向する顎部材がない場合に、複数のビードの残りB2~Bnのうちの第1のビードB2を把持するために、ビード供給ユニット9の第1の支持体91と協働するように配置されているという点で、前述のビードセパレータ1とは異なる。同様に、第3の把持部105は、単一の顎部材151を備え、単一の顎部材151は、対向する顎部材がない場合に、複数のビードの残りB2~Bnのうちの第1のビードB2を把持するために、ビード供給ユニット9の第2の支持体92と協働するように配置されている。第1のビードB2のビード直径位置は、ビード直径にかかわらず、それぞれの支持体91、92の位置においてほぼ同じであるので、第2の把持部104及び第3の把持部105は、依然としてビード供給ユニット9上で上記第1のビードB2を確実に把持及び固定し得る。この代替の実施形態では、第2の把持部104及び第3の把持部105は、それらのそれぞれの把持部基部に対して移動可能である必要はない。
【0060】
図6は、代替のビード供給ステーション200を示し、これは、複数のビードの残りB2~Bnをビード供給ユニット209において固定させるための第2の把持部204と第3の把持部205とを備えるのが、ビードセパレータ201の代わりにビード供給ユニット209であるという点でのみ、前述のビード供給ステーション100とは異なる。
【0061】
図1に示すように、ビード供給ステーション100は、単一のビードB1がその円周に沿って複数のビードの残りB2~Bnにくっつかなくなることを確実にするために、単一のビードB1と複数のビードの残りB2~Bnとの間の空間をスライスするためのギロチンセパレータ8を更に備える。図7で最もよく分かるように、ギロチンセパレータ8は、第1のギロチン部材81と、第2のギロチン部材82と、を備え、これらは、第1の案内部83及び第2の案内部84に沿って、収束するギロチン方向(converging guillotine directions)K1、K2に移動可能である。ギロチンセパレータ8は、案内部83、84を互いに対して支持するためのギロチン板80を更に備える。ギロチン部材81、82は、単一のビードB1が第1の把持部3の顎部材31、32によって係合されるときに、単一のビードB1を収容するのに十分な間隔がギロチン板80とギロチン部材81、82との間に存在するように、案内部83、84及び/又はギロチン板80に対して配置されている。
【0062】
ギロチン板80には、上記ギロチン板80を通る1つ以上の把持部3、4及び/又は1つ以上の支持体91、92の間の妨げられない相互作用を容易にするための把持部開口部85が更に設けられている。ギロチン部材81、82は、上記把持部開口部85の外側にある単一のビードB1の円周のセクションに沿ってスライスするために、把持部開口部85までではあるが、それを横断せずに、ギロチン板80に対して平行な横方向に延在する。把持部開口部85に対するギロチン部材81、82の配置は、ギロチン部材81、82が把持部開口部85内で何かを挟むリスクを低減する。
【0063】
図8に示すように、ギロチン部材81、82は、ギロチン駆動装置Mによって、それぞれのギロチン方向K1、K2に移動するように駆動される。この例では、ギロチン駆動装置Mは、タイミングベルトと、タイミングベルトを案内するためのプーリのセットと、タイミングベルトを移動させる、プーリのうちの1つを回転させるためのモータと、を備える。代替として、その他任意の好適な駆動機構、例えば、空気圧シリンダ又はサーボモータ等の線形駆動装置が使用され得る。ギロチン駆動装置Mは、ギロチン部材81、82に対してギロチン板80の反対側に配置又は位置する。ギロチン駆動装置Mは、好ましくは、反対側にある案内部83、84と全く同様に、ギロチン板80に取り付けられ、及び/又はギロチン板80によって支持される。従って、ギロチン駆動装置M及び案内部83、84は、ギロチンセパレータ8をビード供給ステーション100に加える前に、既に互いに対して正確に配置及び/又は位置合わせされ得る。従って、公差が最小化され得る。
【0064】
ギロチン板80には、ギロチン板80を通ってギロチン駆動装置Mへのギロチン部材81、82の結合及び/又は接続を可能にするための第1のスロット86及び第2のスロット87が設けられている。具体的には、ギロチンセパレータ8は、案内部81、82の側からギロチン駆動装置Mの側へ、スロット86、87を通って到達し、且つ両方に接続された第1の連結器88及び第2の連結器89を更に備える。スロット86、87は、それぞれのギロチン方向K1、K2に対して平行に延在する。
【0065】
代替として、連結器88、89は、スロットを必要とせずに、それぞれのギロチン部材81、82をギロチン駆動装置Mと相互接続するように、ギロチン板80の外側輪郭に跨がって到達し(reach across)得る。
【0066】
前述のビードセパレータ1、101、201のうちの1つを使用して、ビード供給ユニット9、209から単一のビードB1を分離するための方法が、ここで、図3A図3B、及び図3Cを参照して簡単に説明される。
【0067】
図3Aは、単一のビードB1に係合し、それを分離する前の状況を示す。それぞれの把持部3、4、5の顎部材31、32、41、42、51、52は、開いた状態にあり、それぞれの顎駆動装置61、62、63によって、閉じた状態に向かって動作されることができる状態にある。
【0068】
図3Bは、第1の把持部3の顎部材31、32が、第1の顎部材31が第2のビード直径位置P2において又はその近くで、上方から単一のビードB1に接触するまで、閉じた状態に向かって移動された状況を示す。第2の把持部4及び第3の把持部5の顎部材41、42、51、52は、既にそれぞれの閉じた状態に到達し得るか、又は第1の把持部3の顎部材31、32と同様の状態にあり得る。
【0069】
図3Cは、第1の顎駆動装置61が第1の把持部3の顎部材31、32を駆動し続けて閉じた状態へと移動させ、それによって、第1の把持部3が、図3Bに示すような内側の第1の把持位置から、図3Cに示すような外側の第1の把持位置へと、それ自体が持ち上がることを引き起こし、それによって、最終的に、両方の顎部材31、32が上記第1の把持部平面V1の両側から単一のビードB1に係合し、及び/又はそれを把持するまで、第1の把持部平面V1を再方向付け及び/又は変位させる状況を示す。
【0070】
単一のビードB1及び複数のビードの残りB2~Bnのうちの第1のビードB2の直径D1、D2が逆転した場合、第2の把持部4及び第3の把持部5は、それぞれ、第4のビード直径位置P4及び第6のビード直径位置P6において、複数のビードの残りB2~Bnのうちの第1のビードB2に係合するために、第1の把持部3と同様に持ち上げられることになり、一方、第1の把持部3は、第1のビード直径位置P1に留まることが可能になることは、当業者には明らかであろう。
【0071】
一旦、第1の把持部3が、単一のビードB1に確実に係合し、第2の把持部4及び第3の把持部5が、ビード供給ユニット9上に複数のビードの残りB2~Bnを確実に固定させると、分離駆動装置60は、第1の把持部3を分離方向Sに後退させるために起動され、それによって、単一のビードB1を複数のビードの残りB2~Bnから効果的に分離し得る(図示せず、及びそれ自体既知である)。
【0072】
上記の説明は、好ましい実施形態の動作を例示するために含まれており、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。上記の説明から、本発明の範囲に更に包含されることになるであろう多くの変形例が、当業者には明らかであろう。
【0073】
[参照番号のリスト]
1 ビードセパレータ
20 セパレータ基部
21 第1の把持部基部
22 第2の把持部基部
23 第3の把持部基部
24 共通の把持部基部
25 凹部
3 第1の把持部
30 顎基部
31 第1の顎部材
32 第2の顎部材
4 第2の把持部
5 第3の把持部
60 分離駆動装置
61 第1の顎駆動装置
62 第2の顎駆動装置
63 第3の顎駆動装置
64 把持部間隔駆動装置
7 ストッパ部材
8 ギロチンセパレータ
80 ギロチン板
81 第1のギロチン部材
82 第2のギロチン部材
83 第1の案内部
84 第2の案内部
85 把持部開口部
86 第1のスロット
87 第2のスロット
88 第1の連結器
89 第2の連結器
9 ビード供給ユニット
91 第1の支持体
92 第2の支持体
100 ビード供給ステーション
101 代替のビードセパレータ
104 第2の把持部
141 単一の顎部材
105 第3の把持部
151 単一の顎部材
200 代替のビード供給ステーション
201 代替のビードセパレータ
204 第2の把持部
205 第3の把持部
B1 第1のビード
B2 第2のビード
Bn 更なるビード(複数可)
D1 第1のビード直径
D2 第2のビード直径
G1 第1の把持部軸
G2 第2の把持部軸
G3 第3の把持部軸
J1 第1の顎軸
J2 第2の顎軸
J3 第3の顎軸
K1 第1のギロチン方向
K2 第2のギロチン方向
M ギロチン駆動装置
P1 第1のビード直径位置
P2 第2のビード直径位置
P3 第3のビード直径位置
P4 第4のビード直径位置
P5 第5のビード直径位置
P6 第6のビード直径位置
R ピックアップ方向
S 分離方向
T ビード厚み
V1 第1の把持部平面
V2 第2の把持部平面
V3 第3の把持部平面
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のビードを保持するビード供給ユニットから単一のビードを分離するためのビードセパレータにおいて、前記ビードセパレータは、分離方向において、前記単一のビードを前記複数のビードの残りから分離するための第1の把持部と、前記第1の把持部を支持するための第1の把持部基部と、を備え、前記第1の把持部は、第1の顎部材と、第2の顎部材と、を備え、これらは、前記第1の把持部によって画定される第1の把持部平面の両側から、前記第1の把持部平面において前記単一のビードを把持するための閉じた状態へと、互いに向かって移動可能であり、前記第1の把持部は、前記第1の把持部平面が第1のビード直径位置と交差する、内側の第1の把持位置と、前記第1の把持部平面が前記第1のビード直径位置とは異なる第2のビード直径位置と交差する、外側の第1の把持位置との間で、前記第1の把持部基部に対して移動可能である、ビードセパレータ。
【請求項2】
前記ビードセパレータは、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材のうちの1つと前記単一のビードとの接触に応じて、前記第1の把持部が、前記第1の把持部基部に対して受動的に移動することを可能にするように構成されている、請求項1に記載のビードセパレータ。
【請求項3】
前記外側の第1の把持位置は、前記内側の第1の把持位置の上方にあり、前記第1の把持部は、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材のうちの1つと前記単一のビードとの接触の結果として、前記内側の第1の把持位置から前記外側の第1の把持位置に向かって、それ自体が持ち上がるか、又は前記外側の第1の把持位置から前記内側の第1の把持位置に向かって、それ自体が押し下がるように配置されている、請求項に記載のビードセパレータ。
【請求項4】
前記第1の把持部は、開いた状態から前記閉じた状態に向かって前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材を移動させるための第1の顎駆動装置を備える、請求項に記載のビードセパレータ。
【請求項5】
前記第1の把持部平面は、前記第1の把持部を、前記内側の第1の把持位置から前記外側の第1の把持位置へと移動するときに、再方向付けされる、請求項に記載のビードセパレータ。
【請求項6】
前記第1の把持部平面は、前記第1の把持部を、前記内側の第1の把持位置から前記外側の第1の把持位置へと移動するときに、変位される、請求項に記載のビードセパレータ。
【請求項7】
前記第1の把持部は、前記第1の把持部平面に対して平行であり且つ前記分離方向に対して横断又は直交する第1の把持部軸を中心に、前記第1の把持部基部に対して回転可能である、請求項に記載のビードセパレータ。
【請求項8】
前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材のうちの少なくとも一方は、第1の顎軸を中心に、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材のうちの他方に対して回転可能であり、前記第1の把持部軸は、前記第1の顎軸に平行である、請求項7に記載のビードセパレータ。
【請求項9】
前記ビードセパレータは、前記第1の把持部基部を支持するためのセパレータ基部を更に備え、前記第1の把持部基部は、前記分離方向において、前記セパレータ基部に対して移動可能である、請求項に記載のビードセパレータ。
【請求項10】
前記第1の把持部平面は、前記第1の把持部が前記内側の第1の把持位置にあるとき、水平に延在する、請求項に記載のビードセパレータ。
【請求項11】
前記第1の把持部平面は、前記第1の把持部が、前記内側の第1の把持位置及び前記外側の第1の把持位置のうちの1つにあるとき、前記分離方向に対して平行に、横断方向に、又は斜めに延在する、請求項に記載のビードセパレータ。
【請求項12】
前記第1の把持部は、前記分離方向とは反対のピックアップ方向において、前記単一のビードにおけるピックアップ位置へと移動可能であり、前記ビードセパレータは、前記第1の把持部が前記ピックアップ位置にあるとき、前記ピックアップ方向における前記単一のビードと接触するために、前記ピックアップ方向において、前記第1の把持部と共に移動するように配置されたストッパ部材を更に備える、請求項に記載のビードセパレータ。
【請求項13】
前記ビードセパレータは、前記単一のビードが分離されるときに、前記ビード供給ユニットにおいて前記複数のビードの前記残りを固定させるための第2の把持部を更に備える、請求項に記載のビードセパレータ。
【請求項14】
前記第2の把持部は、第1の顎部材と、第2の顎部材と、を備え、これらは、前記第2の把持部によって画定される第2の把持部平面の両側から、前記第2の把持部平面において前記複数のビードの前記残りのうちの第1のビードを把持するための閉じた状態へと、互いに向かって移動可能であり、前記第2の把持部は、第2の把持部基部によって支持され、前記第2の把持部平面が第3のビード直径位置と交差する、内側の第2の把持位置と、前記第2の把持部平面が前記第3のビード直径位置とは異なる第4のビード直径位置と交差する、外側の第2の把持位置との間で、前記第2の把持部基部に対して移動可能である、請求項13に記載のビードセパレータ。
【請求項15】
前記第1の把持部及び前記第2の把持部は、それぞれ、前記第1の把持部基部及び前記第2の把持部基部に対して独立に移動可能である、請求項14に記載のビードセパレータ。
【請求項16】
前記第1の把持部基部は、前記分離方向において、前記第2の把持部基部に対して移動可能である、請求項14に記載のビードセパレータ。
【請求項17】
前記第2の把持部は、前記複数のビードの前記残りのうちの第1のビードを把持するために、前記ビード供給ユニットと協働するように配置された単一の顎部材を備える、請求項13に記載のビードセパレータ。
【請求項18】
前記ビードセパレータは、前記第2の把持部を支持するための第2の把持部基部を備え、前記ビードセパレータは、前記第1の把持部基部と前記第2の把持部基部とを支持するためのセパレータ基部を更に備え、前記第2の把持部基部は、前記分離方向とは反対のピックアップ方向において、前記セパレータ基部に対して移動可能である、請求項13に記載のビードセパレータ。
【請求項19】
前記第2の把持部は、前記分離方向に対して直交し、前記第1の把持部平面に対して平行な横方向において、前記第1の把持部の第1の側に位置しており、前記ビードセパレータは、前記第1の側とは反対の前記第1の把持部の第2の側において、前記単一のビードが分離されるときに、前記ビード供給ユニットにおいて前記複数のビードの前記残りを固定させるための第3の把持部を更に備える、請求項13に記載のビードセパレータ。
【請求項20】
前記第2の把持部及び前記第3の把持部は、独立に移動可能である、請求項19に記載のビードセパレータ。
【請求項21】
前記ビードセパレータは、前記第2の把持部及び前記第3の把持部を支持するための共通の把持部基部を備え、前記共通の把持部基部には、前記第1の把持部基部の前記位置において凹部が設けられている、請求項19に記載のビードセパレータ。
【請求項22】
請求項に記載のビードセパレータと、複数のビードを保持するためのビード供給ユニットと、を備えるビード供給ステーション。
【請求項23】
前記ビード供給ユニットは、前記複数のビードを支持するための、前記分離方向に延在する少なくとも1つの支持体を備える、請求項22に記載のビード供給ステーション。
【請求項24】
前記第1の把持部は、前記少なくとも1つの支持体に対して平行に移動可能である、請求項23に記載のビード供給ステーション。
【請求項25】
前記ビード供給ユニットは、前記単一のビードが分離されるときに、前記ビード供給ユニットにおいて前記複数のビードの残りを固定させるための第2の把持部及び/又は第3の把持部を更に備える、請求項22に記載のビード供給ステーション。
【請求項26】
請求項に記載のビードセパレータを使用して、複数のビードを保持するビード供給ユニットから単一のビードを分離するための方法であって、前記方法は、
- 前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材を、前記第1の把持部平面の前記両側から、前記第1の把持部平面において前記単一のビードを把持するための前記閉じた状態へと、互いに向かって移動させるステップと、
- 前記内側の第1の把持位置と前記外側の第1の把持位置との間で、前記第1の把持部基部に対して前記第1の把持部を移動させるステップと、
- 前記単一のビードを前記複数のビードの残りから分離するために、前記分離方向において、前記第1の把持部を移動させるステップと、
を備える、方法。
【請求項27】
前記第1の把持部は、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材のうちの1つと前記単一のビードとの接触に応じて、第1の把持部基部に対して受動的に移動される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記外側の第1の把持位置は、前記内側の第1の把持位置の上方にあり、前記第1の把持部は、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材のうちの1つと前記単一のビードとの接触の結果として、前記内側の第1の把持位置から前記外側の第1の把持位置に向かって、それ自体が持ち上がるか、又は前記外側の第1の把持位置から前記内側の第1の把持位置に向かって、それ自体が押し下がる、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記ビードセパレータは、第2の把持部を更に備え、前記方法は、
- 前記単一のビードが分離されるときに、前記第2の把持部を用いて、前記ビード供給ユニットにおいて前記複数のビードの前記残りを固定させるステップ
を更に備える、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記第2の把持部は、前記分離方向とは反対のピックアップ方向において、前記ビード供給ユニットに対して移動される、請求項29に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
上記の説明は、好ましい実施形態の動作を例示するために含まれており、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。上記の説明から、本発明の範囲に更に包含されることになるであろう多くの変形例が、当業者には明らかであろう。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 複数のビードを保持するビード供給ユニットから単一のビードを分離するためのビードセパレータにおいて、前記ビードセパレータは、分離方向において、前記単一のビードを前記複数のビードの残りから分離するための第1の把持部と、前記第1の把持部を支持するための第1の把持部基部と、を備え、前記第1の把持部は、第1の顎部材と、第2の顎部材と、を備え、これらは、前記第1の把持部によって画定される第1の把持部平面の両側から、前記第1の把持部平面において前記単一のビードを把持するための閉じた状態へと、互いに向かって移動可能であり、前記第1の把持部は、前記第1の把持部平面が第1のビード直径位置と交差する、内側の第1の把持位置と、前記第1の把持部平面が前記第1のビード直径位置とは異なる第2のビード直径位置と交差する、外側の第1の把持位置との間で、前記第1の把持部基部に対して移動可能である、ビードセパレータ。
[2] 前記ビードセパレータは、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材のうちの1つと前記単一のビードとの接触に応じて、前記第1の把持部が、前記第1の把持部基部に対して受動的に移動することを可能にするように構成されている、[1]に記載のビードセパレータ。
[3] 前記外側の第1の把持位置は、前記内側の第1の把持位置の上方にあり、前記第1の把持部は、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材のうちの1つと前記単一のビードとの接触の結果として、前記内側の第1の把持位置から前記外側の第1の把持位置に向かって、それ自体が持ち上がるか、又は前記外側の第1の把持位置から前記内側の第1の把持位置に向かって、それ自体が押し下がるように配置されている、[1]又は[2]に記載のビードセパレータ。
[4] 前記第1の把持部は、開いた状態から前記閉じた状態に向かって前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材を移動させるための第1の顎駆動装置を備える、[1]~[3]のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
[5] 前記第1の把持部平面は、前記第1の把持部を、前記内側の第1の把持位置から前記外側の第1の把持位置へと移動するときに、再方向付けされる、[1]~[4]のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
[6] 前記第1の把持部平面は、前記第1の把持部を、前記内側の第1の把持位置から前記外側の第1の把持位置へと移動するときに、変位される、[1]~[5]のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
[7] 前記第1の把持部は、前記第1の把持部平面に対して平行であり且つ前記分離方向に対して横断又は直交する第1の把持部軸を中心に、前記第1の把持部基部に対して回転可能である、[1]~[6]のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
[8] 前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材のうちの少なくとも一方は、第1の顎軸を中心に、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材のうちの他方に対して回転可能であり、前記第1の把持部軸は、前記第1の顎軸に平行又は実質的に平行である、[7]に記載のビードセパレータ。
[9] 前記ビードセパレータは、前記第1の把持部基部を支持するためのセパレータ基部を更に備え、前記第1の把持部基部は、前記分離方向において、前記セパレータ基部に対して移動可能である、[1]~[8]のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
[10] 前記第1の把持部平面は、前記第1の把持部が前記内側の第1の把持位置にあるとき、水平又は実質的に水平に延在する、[1]~[9]のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
[11] 前記第1の把持部平面は、前記第1の把持部が、前記内側の第1の把持位置及び前記外側の第1の把持位置のうちの1つにあるとき、前記分離方向に対して平行に、横断方向に、又は斜めに延在する、[1]~[10]のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
[12] 前記第1の把持部は、前記分離方向とは反対のピックアップ方向において、前記単一のビードにおけるピックアップ位置へと移動可能であり、前記ビードセパレータは、前記第1の把持部が前記ピックアップ位置にあるとき、前記ピックアップ方向における前記単一のビードと接触するために、前記ピックアップ方向において、前記第1の把持部と共に移動するように配置されたストッパ部材を更に備える、[1]~[11]のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
[13] 前記ビードセパレータは、前記単一のビードが分離されるときに、前記ビード供給ユニットにおいて前記複数のビードの前記残りを固定させるための第2の把持部を更に備える、[1]~[12]のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
[14] 前記第2の把持部は、第1の顎部材と、第2の顎部材と、を備え、これらは、前記第2の把持部によって画定される第2の把持部平面の両側から、前記第2の把持部平面において前記複数のビードの前記残りのうちの第1のビードを把持するための閉じた状態へと、互いに向かって移動可能であり、前記第2の把持部は、第2の把持部基部によって支持され、前記第2の把持部平面が第3のビード直径位置と交差する、内側の第2の把持位置と、前記第2の把持部平面が前記第3のビード直径位置とは異なる第4のビード直径位置と交差する、外側の第2の把持位置との間で、前記第2の把持部基部に対して移動可能である、[13]に記載のビードセパレータ。
[15] 前記第1の把持部及び前記第2の把持部は、それぞれ、前記第1の把持部基部及び前記第2の把持部基部に対して独立に移動可能である、[14]に記載のビードセパレータ。
[16] 前記第1の把持部基部は、前記分離方向において、前記第2の把持部基部に対して移動可能である、[14]又は[15]に記載のビードセパレータ。
[17] 前記第2の把持部は、前記複数のビードの前記残りのうちの第1のビードを把持するために、前記ビード供給ユニットと協働するように配置された単一の顎部材を備える、[13]に記載のビードセパレータ。
[18] 前記ビードセパレータは、前記第2の把持部を支持するための第2の把持部基部を備え、前記ビードセパレータは、前記第1の把持部基部と前記第2の把持部基部とを支持するためのセパレータ基部を更に備え、前記第2の把持部基部は、前記分離方向とは反対のピックアップ方向において、前記セパレータ基部に対して移動可能である、[13]~[17]のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
[19] 前記第2の把持部は、前記分離方向に対して直交し、前記第1の把持部平面に対して平行な横方向において、前記第1の把持部の第1の側に位置しており、前記ビードセパレータは、前記第1の側とは反対の前記第1の把持部の第2の側において、前記単一のビードが分離されるときに、前記ビード供給ユニットにおいて前記複数のビードの前記残りを固定させるための第3の把持部を更に備える、[13]~[18]のいずれか一項に記載のビードセパレータ。
[20] 前記第2の把持部及び前記第3の把持部は、独立に移動可能である、[19]に記載のビードセパレータ。
[21] 前記ビードセパレータは、前記第2の把持部及び前記第3の把持部を支持するための共通の把持部基部を備え、前記共通の把持部基部には、前記第1の把持部基部の前記位置において凹部が設けられている、[19]又は[20]に記載のビードセパレータ。
[22] [1]~[21]のいずれか一項に記載のビードセパレータと、複数のビードを保持するためのビード供給ユニットと、を備えるビード供給ステーション。
[23] 前記ビード供給ユニットは、前記複数のビードを支持するための、前記分離方向に延在する少なくとも1つの支持体を備える、[22]に記載のビード供給ステーション。
[24] 前記第1の把持部は、前記少なくとも1つの支持体に対して平行に移動可能である、[23]に記載のビード供給ステーション。
[25] 前記ビード供給ユニットは、前記単一のビードが分離されるときに、前記ビード供給ユニットにおいて前記複数のビードの残りを固定させるための第2の把持部及び/又は第3の把持部を更に備える、[22]~[24]のいずれか一項に記載のビード供給ステーション。
[26] [1]~[21]のいずれか一項に記載のビードセパレータを使用して、複数のビードを保持するビード供給ユニットから単一のビードを分離するための方法であって、前記方法は、
- 前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材を、前記第1の把持部平面の前記両側から、前記第1の把持部平面において前記単一のビードを把持するための前記閉じた状態へと、互いに向かって移動させるステップと、
- 前記内側の第1の把持位置と前記外側の第1の把持位置との間で、前記第1の把持部基部に対して前記第1の把持部を移動させるステップと、
- 前記単一のビードを前記複数のビードの残りから分離するために、前記分離方向において、前記第1の把持部を移動させるステップと、
を備える、方法。
[27] 前記第1の把持部は、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材のうちの1つと前記単一のビードとの接触に応じて、第1の把持部基部に対して受動的に移動される、[26]に記載の方法。
[28] 前記外側の第1の把持位置は、前記内側の第1の把持位置の上方にあり、前記第1の把持部は、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材のうちの1つと前記単一のビードとの接触の結果として、前記内側の第1の把持位置から前記外側の第1の把持位置に向かって、それ自体が持ち上がるか、又は前記外側の第1の把持位置から前記内側の第1の把持位置に向かって、それ自体が押し下がる、[26]又は[27]に記載の方法。
[29] 前記ビードセパレータは、第2の把持部を更に備え、前記方法は、
- 前記単一のビードが分離されるときに、前記第2の把持部を用いて、前記ビード供給ユニットにおいて前記複数のビードの前記残りを固定させるステップ
を更に備える、[26]~[28]のいずれか一項に記載の方法。
[30] 前記第2の把持部は、前記分離方向とは反対のピックアップ方向において、前記ビード供給ユニットに対して移動される、[29]に記載の方法。
【国際調査報告】