(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-28
(54)【発明の名称】タイヤ製造装置および当該タイヤ製造装置で製造されたタイヤ構成要素の検査方法
(51)【国際特許分類】
B29D 30/00 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
B29D30/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513947
(86)(22)【出願日】2022-10-31
(85)【翻訳文提出日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 NL2022050611
(87)【国際公開番号】W WO2023090999
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519009895
【氏名又は名称】ブイエムアイ・ホラント・ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】VMI Holland B.V.
【住所又は居所原語表記】Gelriaweg 16,8161 RK EPE,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム マリナス ヴァンビーク
【テーマコード(参考)】
4F215
【Fターム(参考)】
4F215AH20
4F215AP19
4F215AP20
4F215AQ04
4F215AR20
4F215VA11
4F215VL25
4F215VQ01
4F215VR02
(57)【要約】
本発明は、タイヤ構成要素を製造するタイヤ製造装置および当該タイヤ製造装置において製造されたタイヤ構成要素の検査方法に関し、前記タイヤ製造装置は、製造エリアを画定する装置ハウジングと、当該製造エリア内の1つ以上のハンドリング装置と、前記タイヤ製造装置で製造された1つ以上の前記タイヤ構成要素の人間のオペレータによる検査のための検査エリアを画定する検査ステーションと、を備え、前記検査ステーションは、前記検査エリアを前記製造エリアから物理的に分離するための第1のドアと、前記製造エリアの外から前記検査エリアへの人間のアクセスを制御するための第2のドアを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ構成要素を製造するためのタイヤ製造装置であって、製造エリアを画定する装置ハウジングと、当該製造エリア内の1つ以上のハンドリング装置と、タイヤ製造装置で製造された1つ以上の前記タイヤ構成要素の人間のオペレータによる検査のための検査エリアを画定する検査ステーションと、を備え、前記検査ステーションは、前記検査エリアを前記製造エリアから物理的に分離するための第1のドアと、前記製造エリアの外から前記検査エリアへの人間のアクセスを制御するための第2のドアを備える、タイヤ製造装置。
【請求項2】
前記第1のドアは、前記検査エリアが前記製造エリアから物理的に分離された閉状態と、前記検査エリアが前記製造エリアからアクセス可能な開状態との間で可動である請求項1に記載のタイヤ製造装置。
【請求項3】
前記第1のドアは、前記開状態において、前記1つ以上のハンドリング装置の少なくとも1つによるアクセスのために前記検査エリアを開放する請求項2に記載のタイヤ製造装置。
【請求項4】
前記第1のドアは、前記開状態において、前記検査ステーションの頂部から取り出し及び載置方向にアクセスするために前記検査エリアを開放する請求項2または3に記載のタイヤ製造装置。
【請求項5】
前記第1のドアを前記閉状態と前記開状態との間で移動させるためのドア駆動装置を備える請求項2乃至4の何れか1項に記載のタイヤ製造装置。
【請求項6】
前記第1のドアの前記閉状態および前記開状態の一方を検出するためのドアセンサを備える請求項2乃至5の何れか1項に記載のタイヤ製造装置。
【請求項7】
前記製造エリアは、設置範囲を有し、前記検査エリアは、前記製造エリアの前記設置範囲と少なくとも部分的に重なる請求項1乃至6の何れか1項に記載のタイヤ製造装置。
【請求項8】
前記検査エリアは、全体が前記製造エリアの前記設置範囲内に配置される請求項7に記載のタイヤ製造装置。
【請求項9】
前記タイヤ製造装置は、前記検査エリアへの人間のアクセスを要求するためのアクセス要求インターフェースを備える請求項1乃至8の何れか1項に記載のタイヤ製造装置。
【請求項10】
前記タイヤ製造装置は、前記第1のドアおよび/または前記第2のドアを施錠および開錠するためのドアロックを備える請求項1乃至9の何れか1項に記載のタイヤ製造装置。
【請求項11】
前記タイヤ製造装置は、前記製造エリアにおける前記タイヤ構成要素の製造中に、前記第1のドアと前記第2のドアが同時に開かないように構成される請求項1乃至10の何れか1項に記載のタイヤ製造装置。
【請求項12】
前記タイヤ製造装置は、前記製造エリアにおける前記タイヤ構成要素の製造中に、前記第1のドアと前記第2のドアが同時に開かないように前記タイヤ製造装置を制御するように構成された制御ユニットを備える請求項1乃至11の何れか1項に記載のタイヤ製造装置。
【請求項13】
前記タイヤ製造装置は、前記第2のドアを施錠および開錠するためのドアロックと、前記第1のドアの閉状態および開状態の一方を検出するためのドアセンサとを備え、前記制御ユニットは、前記ドアセンサが前記第1のドアが前記閉状態にあることを示す信号を生成した場合にのみ、前記ドアロックを開錠するように制御するために、前記ドアロックおよび前記ドアセンサに動作的に接続される請求項12に記載のタイヤ製造装置。
【請求項14】
前記タイヤ製造装置は、前記第1のドアを閉状態と開状態との間で移動させるためのドア駆動装置と、前記検査エリアへの人間のアクセスを要求するためのアクセス要求インターフェースとを備え、前記制御ユニットは、前記アクセス要求インターフェースにおけるアクセス要求に応答して前記第1のドアを前記閉状態に移動させるように前記ドア駆動装置を制御するために、前記ドア駆動装置と前記アクセス要求インターフェースに動作的に接続される請求項12または13に記載のタイヤ製造装置。
【請求項15】
前記第1のドアは、物理的なドアである請求項1乃至14の何れか1項に記載のタイヤ製造装置。
【請求項16】
前記第1のドアは、閉じた物理的表面、格子、またはそれらの組合せを有する請求項1乃至15の何れか1項に記載のタイヤ製造装置。
【請求項17】
前記第2のドアは、物理的なドアである請求項1乃至16の何れか1項に記載のタイヤ製造装置。
【請求項18】
前記第2のドアは、閉じた物理的表面、格子、またはそれらの組合せを有する請求項1乃至17の何れか1項に記載のタイヤ製造装置。
【請求項19】
前記検査ステーションは、前記第2のドアを通して前記検査エリアから部分的に引き出すことができる引き出しを備える請求項1乃至18の何れか1項に記載のタイヤ製造装置。
【請求項20】
請求項1乃至19の何れか1項に記載のタイヤ製造装置において製造される1つ以上のタイヤ構成要素を検査するための方法であって、前記方法は、
前記1つ以上のタイヤ構成要素を前記製造エリアから前記検査エリアに配置する工程と、
前記検査エリアと前記製造エリアを物理的に分離するために、第1のドアを使用する工程と、
前記検査エリアが前記製造エリアから物理的に分離されている場合に、前記製造エリアの外から前記検査エリアに人間がアクセスするために前記第2のドアを開ける工程と、
を含む方法。
【請求項21】
前記タイヤ構成要素の製造は、前記第2のドアの開放中も継続される請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記タイヤ構成要素の製造は、前記検査エリアにおける人間のオペレータによる前記1つ以上のタイヤ構成要素の目視または手動による検査中に継続される請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記製造エリアにおける前記タイヤ構成要素の製造中に、前記第1のドアと前記第2のドアは、同時に開かれない請求項20乃至22の何れか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記方法は、
前記第2のドアを施錠する工程と、
前記第1のドアが前記閉状態にあるときのみ、前記第2のドアを解錠する工程と、
を更に含む請求項20乃至23の何れか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記方法は、
前記人間のオペレータのアクセス要求に応答して、前記第1のドアを閉じる工程、
を更に含む請求項20乃至24の何れか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、
前記人間のオペレータによる検査のために、前記タイヤ構成要素の2つ以上のスタックを前記検査エリア内に形成する工程と、
前記人間のオペレータによる検査を開始し、完了する工程と、
前記検査エリア内の前記スタックから2つ以上の前記タイヤ構成要素を前記製造エリアに再投入する工程と、
を更に含み、前記検査の終了後、前記スタックが前記2つ以上のタイヤ構成要素を、前記人間のオペレータによる前記検査の開始前と同じ順序で保持するように、前記人間のオペレータが検査を行う請求項20乃至25の何れか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ構成要素を製造するタイヤ製造装置および当該タイヤ製造装置において製造されたタイヤ構成要素の検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
公知のタイヤ製造装置では、タイヤ構成要素は、人間のオペレータによって、ランダムに、定期的におよび/または選択的に手動で検査される。そのため、タイヤ製造装置の製造エリアに人間のオペレータが入るためには、生産工程を中断する必要がある。ダウンタイムを最小限に抑えるため、検査対象のタイヤ構成要素は、人間のオペレータが製造エリアから取り出し、製造プロセスの再開に合わせて製造エリアの外にある検査ステーションに移動させる。検査後、タイヤ構成要素は製造エリアに戻され、製造プロセスに再投入されるか、廃棄処分されるため、製造プロセスを再び中断する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
人間のオペレータが製造エリアに入った際に製造プロセスを中断するため、ライトスクリーンやその他の安全センサ等の、様々な仮想的または光学的な安全装置が設置されているが、当該製造エリアは人間のオペレータが操作するには本質的に安全でないままである。特に、製造プロセスを中断した場合でも、材料や物品が落下したり、機械部品が危険な位置に入り込んだりして、人間のオペレータが容易に怪我をしてしまう危険性がある。
【0004】
さらに、検査対象のタイヤ構成要素の取り出しと再投入とを繰り返すことで、製造プロセスが中断され、タイヤ製造装置のダウンタイムが発生する。
【0005】
本発明の目的は、タイヤ構成要素を製造するためのタイヤ製造装置および当該タイヤ製造装置で製造されたタイヤ構成要素の検査方法であって、検査をより安全におよび/または前記タイヤ製造装置のダウンタイムを少なくして行うことができるタイヤ製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、本発明は、タイヤ構成要素を製造するためのタイヤ製造装置を提供し、前記タイヤ製造装置は、製造エリアを画定する装置ハウジングと、当該製造エリア内の1つ以上のハンドリング装置と、タイヤ製造装置で製造された1つ以上の前記タイヤ構成要素の検査、特に人間のオペレータによる手動または目視検査のための検査エリアを画定する検査ステーションと、を備え、前記検査ステーションは、前記検査エリアを前記製造エリアから物理的に分離するための第1のドアと、前記製造エリアの外から前記検査エリアへの人間のアクセスを制御するための第2のドアを備える。
【0007】
検査エリアと製造エリアを物理的に分離することで、人間のオペレータは第2のドアから検査ステーションに安全に入ったり手を伸ばしたりすることができ、製造エリアの製造プロセスは中断することなく継続することができる。より詳細には、物理的な分離は、製造エリア内で移動または落下する材料または物品、および検査ステーションの近傍における製造エリア内で静止または移動する機械部品から、人間のオペレータを保護することができる。
【0008】
好ましくは、前記第1のドアは、前記検査エリアが前記製造エリアから物理的に分離された閉状態と、前記検査エリアが前記製造エリアからアクセス可能な開状態との間で可動である。第1のドアが開状態にある場合、検査対象の1つ以上のタイヤ構成要素を製造エリアから検査エリアに配置することができる。
【0009】
その一実施形態において、前記第1のドアは、前記開状態において、前記1つ以上のハンドリング装置の少なくとも1つによるアクセスのために前記検査エリアを開放する。従って、1つ以上のタイヤ構成要素は、自動化された方法で検査エリアに置かれ、検査エリアから取り出されることができる。
【0010】
別の実施形態では、前記第1のドアは、前記開状態において、前記検査ステーションの頂部から取り出し及び載置方向にアクセスするために前記検査エリアを開放する。1つ以上のタイヤ構成要素は、頭上の機械部品、特に前述の1つ以上のハンドリング装置のうちの少なくとも1つによって、検査ステーションに好適に降ろされると共に持ち上げられることができる。一方、第1のドアは、閉状態において、検査ステーションの頂部にある頭上の機械部品から落下する物品または材料から、人間のオペレータを効果的に保護することができる。
【0011】
別の実施形態では、前記タイヤ製造装置は、前記第1のドアを前記閉状態と前記開状態との間で移動させるためのドア駆動装置を備える。これにより、第1のドアは、自動、半自動、および/またはリモートコントロールで開くことができる。
【0012】
別の実施形態では、前記タイヤ製造装置は、前記第1のドアの前記閉状態および前記開状態の一方を検出するためのドアセンサを備える。第1のドアの状態を確認することで、第1のドアが開いたまま、または完全に閉じていない状態で、人間のオペレータが第2のドアを介して検査ステーションにアクセスすることを防止することができる。
【0013】
さらなる実施形態では、前記製造エリアは、設置範囲を有し、前記検査エリアは、前記製造エリアの前記設置範囲と少なくとも部分的に重なる。好ましくは、前記検査エリアは、全体が前記製造エリアの前記設置範囲内に配置される。言い換えれば、検査エリアは、第1のドアが開状態にあるとき、製造エリアの一部を形成し、および/または製造エリアと開放的に接続されることができる。1つ以上のハンドリング装置のうちの少なくとも1つは、あたかも製造エリアにあるかのように検査エリアに自由にアクセスすることができる。その結果、1つ以上のタイヤ構成要素を、検査エリアと製造エリアの間で容易に交換することができる。特に、製造エリアの外に別の検査ステーションが必要にならない。そのため、タイヤ製造装置をより小型にすることができる。さらに、検査後に1つ以上のタイヤ構成要素を製造プロセスに戻す場合、製造エリア外の検査ステーションから製造エリアに戻すためのタイヤ構成要素の移動を必要とせず、これらを検査ステーションから容易に回収することができる。
【0014】
さらなる実施形態では、前記タイヤ製造装置は、前記検査エリアへの人間のアクセスを要求するためのアクセス要求インターフェースを備える。アクセス要求インターフェースは、人間がアクセスするためのすべての条件が満たされているかどうかを確認するためにタイヤ製造装置によって処理される、アクセス要求を中継することができる。また、アクセス要求は、アクセス要求インターフェースを介して、第1のドアを開状態から閉状態に向けて移動する等のアクションを引き起こすことができる。
【0015】
さらなる実施形態では、前記タイヤ製造装置は、前記第1のドアおよび/または前記第2のドアを施錠および開錠するためのドアロックを備える。第1のドアのドアロックは、第2のドアが開いているときに、権限の無い人間が検査ステーションを経由して製造エリアにアクセスすることを防ぐことができる。第2のドアのドアロックは、検査エリアがまだ製造エリアから物理的に分離されていないときに、第2のドアを介して検査ステーションに人間がアクセスすることを防ぐことができる。
【0016】
さらなる実施形態では、前記タイヤ製造装置は、前記製造エリアにおける前記タイヤ構成要素の製造中に、前記第1のドアと前記第2のドアが同時に開かないように構成される。これにより、検査ステーションは、第1のドアが閉じているときにのみ人間のオペレータにアクセスを許容し、第1のドアが開いているときには検査ステーションへの人間のアクセスを防止する安全ロックとして動作させることができる。
【0017】
さらなる実施形態では、前記タイヤ製造装置は、前記製造エリアにおける前記タイヤ構成要素の製造中に、前記第1のドアと前記第2のドアが同時に開かないように前記タイヤ製造装置を制御するように構成された制御ユニットを備える。制御ユニットは、第1のドアおよび第2のドアの解放、閉鎖、施錠および/または開錠を含むタイヤ製造装置の動作を制御する、1つ以上の駆動装置、センサおよび/または他のデバイスに電子的および/または動作的に接続することができる。制御ユニットは、コンピュータによる読み取りが可能な命令を記憶するためのメモリと、コンピュータによる読み取りが可能な命令を実行するためのプロセッサとを備えてもよい。命令は、プロセッサにより実行されると、制御ユニットに、上述した態様でタイヤ製造装置を制御させることができる。
【0018】
好ましくは、前記タイヤ製造装置は、前記第2のドアを施錠および開錠するためのドアロックと、前記第1のドアの閉状態および開状態の一方を検出するためのドアセンサとを備え、前記制御ユニットは、前記ドアセンサが前記第1のドアが前記閉状態にあることを示す信号を生成した場合にのみ、前記ドアロックを開錠するように制御するために、前記ドアロックおよび前記ドアセンサに動作的に接続される。ドアロックは、ドアセンサから受信した信号が、検査エリアがまだ製造エリアから物理的に分離されていないことを示す場合、第2のドアを通しての検査ステーションへの人間のアクセスを防止することができる。
【0019】
さらにまたは代替的に、前記タイヤ製造装置は、前記第1のドア閉状態と開状態との間で移動させるためのドア駆動装置と、前記検査エリアへの人間のアクセスを要求するためのアクセス要求インターフェースとを備え、前記制御ユニットは、前記アクセス要求インターフェースにおけるアクセス要求に応答して前記第1のドアを前記閉状態に移動させるように前記ドア駆動装置を制御するために、前記ドア駆動装置と前記アクセス要求インターフェースに動作的に接続される。したがって、第1のドアは、その後すぐに、特に早い機会に、閉じることができる。ドアセンサから受信した信号に基づいて第2のドアを解錠するために、本実施形態を先の実施形態と組み合わせてもよい。したがって、ドアの解錠は、アクセス要求によって間接的に引き起こすことができるが、ドアセンサが第1のドアが閉状態にあることを検出した後でなければならない。
【0020】
別の実施形態では、前記第1のドアは物理的なドアであり、すなわち、前記第1のドアは、閉じた物理的表面、格子、またはそれらの組合せを有する。第1のドアは、その物理的形態において、第1のドアにおいて検査ステーションに当たる材料、物品及び/又は機械部品からの衝撃を吸収することができる。特に、閉じた物理的表面は、そのような衝撃から人間のオペレータを効果的に保護することができる。(部分的な)格子の場合、格子は、材料、物品および/または機械部品が格子を容易に通過できないように寸法決めされる。第1のドアは、製造エリアと検査エリアとの間で換気を行うため、または人間のオペレータが第1のドアの少なくとも一部を通して見ることができるように、閉じた物理的表面と格子の組合せを有してもよい。
【0021】
別の実施形態では、前記第2のドアは物理的なドアであり、すなわち前記第2のドアは、閉じた物理的表面、格子、またはそれらの組合せを有する。ライトスクリーンのような仮想的なドアとは対照的に、第2のドアの物理的な形状は、例えば、人間のアクセスのためのすべての条件が満たされていない場合に、人間のオペレータの検査ステーションへの早すぎるアクセスを防ぐことができる。(部分的な)格子は、例えば、タイヤ構成要素が検査ステーションに置かれて検査の準備ができているかどうかを確認するために、人間のオペレータが第2のドアを通して見ることを可能にする。
【0022】
さらなる実施形態では、前記検査ステーションは、前記第2のドアを通して前記検査エリアから部分的に引き出すことができる引き出しを備えている。引き出しは、人間のオペレータにとってより便利な及び/又は人間工学的な位置で、検査されるべき1つ以上のタイヤ構成要素を提供することができる。より詳細には、1つ以上のタイヤ構成要素を引き出しから取り出すことなく検査することができ、それにより、1つ以上のタイヤ構成要素を引き出し上の元の位置および/または順序に維持することができる。したがって、1つ以上のタイヤ構成要素を、より確実に製造プロセスに再投入することができる。
【0023】
第2の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様に係る実施形態の何れか1つに係るタイヤ製造装置において製造される1つ以上のタイヤ構成要素を検査するための方法を提供し、当該方法は、
前記1つ以上のタイヤ構成要素を前記製造エリアから前記検査エリアに配置する工程と、
前記検査エリアと前記製造エリアを物理的に分離するために、第1のドアを使用する工程と、
前記検査エリアが前記製造エリアから物理的に分離されている場合に、前記製造エリアの外から前記検査エリアに人間がアクセスするために前記第2のドアを開ける工程と、
を含む。
【0024】
この方法は、本発明の第1の態様に係るタイヤ製造装置の実用化に関するものであり、したがって、以下では繰り返さないが、同じ技術的利点を有する。
【0025】
好ましくは、前記タイヤ構成要素の製造は、前記第2のドアの開放中も継続される。
【0026】
言い換えれば、前記タイヤ構成要素の製造は、前記検査エリアにおける人間のオペレータによる前記1つ以上のタイヤ構成要素の目視または手動による検査中に継続される。
【0027】
さらなる実施形態では、前記製造エリアにおける前記タイヤ構成要素の製造中に、前記第1のドアと前記第2のドアは、同時に開かれない。
【0028】
さらなる実施形態において、前記方法は、
前記第2のドアを施錠する工程と、
前記第1のドアが前記閉状態にあるときのみ、前記第2のドアを解錠する工程と、
を更に含む。
【0029】
さらなる実施形態において、前記方法は、
前記人間のオペレータのアクセス要求に応答して、前記第1のドアを閉じる工程、
を更に含む。
【0030】
さらなる実施形態において、前記方法は、
前記人間のオペレータによる検査のために、前記タイヤ構成要素の2つ以上のスタックを前記検査エリア内に形成する工程と、
前記人間のオペレータによる検査を開始し、完了する工程と、
前記検査エリア内の前記スタックから2つ以上の前記タイヤ構成要素を前記製造エリアに再投入する工程と、
を更に含み、前記検査の終了後、前記スタックが前記2つ以上のタイヤ構成要素を、前記人間のオペレータによる前記検査の開始前と同じ順序で保持するように、前記人間のオペレータが検査を行うものである。
【0031】
このように、タイヤ製造装置は、スタック内の2つ以上のタイヤ構成要素の順序が検査前と同じままであると仮定し、当該特定の順序の2つ以上のタイヤ構成要素に関連付けられた検査結果に従って、2つ以上のタイヤ構成要素を製造プロセスに再投入することができる。
【0032】
本明細書に記載され図示された様々な態様および特徴は、可能な限り個別に適用することができる。これらの個々の態様、特に添付の従属請求項に記載された態様および特徴は、分割特許出願の主題とすることができる。
【0033】
本発明は、添付の概略図に示される例示的な実施形態に基づいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】1つ以上のハンドリング装置を有する製造エリアと、ハンドリング装置の少なくとも1つがアクセス可能な検査エリアとを有するタイヤ製造装置の断面図である。
【
図2】検査エリアが少なくとも1つのハンドリング装置に対してアクセス不能であり、オペレータに対してアクセス可能である
図1のタイヤ製造装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1、
図2及び
図3は、グリーンタイヤ又は未加硫タイヤを組み立てる又は製造する際に使用されるタイヤ構成要素9、特にビード、エイペックス、エイペックスフィラー又はビードエイペックスを製造するためのタイヤ製造装置1を示す。
【0036】
タイヤ製造装置1は、設置範囲Fを有する製造エリアA1を画定する装置ハウジング10を備えている。設置範囲Fは、工場の床面において装置ハウジング10が占めるエリアである。製造エリアA1には、通常、ライトスクリーンやその他の安全センサ等の様々な仮想的または光学的な安全装置(図示せず)が設けられており、人間のオペレータHが製造エリアA1に入ったときに製造プロセスを中断する。
【0037】
タイヤ製造装置1は、製造および/または組立プロセスを実施するために、製造エリアA1に、例えばカッター、スプライサー、コンベアおよび/またはドラム等の、1つ以上の製造装置又は生産装置8を備えている。タイヤ製造装置1は、製造エリアA1において1つ以上の生産装置8の間でタイヤ構成要素9を移送するための1つ以上のハンドリング装置またはハンドリング機械R1、R2、タイヤ構成要素9のスタックを運ぶためのキャリアC、および/またはスタックの中または外にある個々のタイヤ構成要素9を支持するためのスペーサSをさらに備えている。本実施例では、1つ以上のハンドリング装置R1、R2は、ロボットである。あるいは、ハンドリング装置R1、R2は、コンベア、取り出し及び載置ユニット等から構成されてもよい。各ハンドリング装置R1、R2は、タイヤ構成要素9および/またはスペーサSを係合および/または保持するための適切なツール、例えばグリッパG1、G2を備えている。特に、第1のハンドリング装置R1は、タイヤ構成要素9、例えばビードエイペックスを係合し、当該ビードエイペックスをスペーサSに移送するために配置されている。第2のハンドリング装置R2は、スペーサSのスタックの1つ以上のスペーサSを係合するために配置され、各スペーサSはタイヤ構成要素9、例えばビードエイペックスを支持する。第2のハンドリング装置R2は、1つのスペーサSを持ち上げてもよいし、2つ以上のスペーサSを同時に持ち上げてもよい。
【0038】
タイヤ製造装置1は、タイヤ製造装置1において製造された1つ以上のタイヤ構成要素9を、人間のオペレータHが目視検査するための検査ステーション2をさらに備えている。検査ステーション2は、本願では検査のために使用されるが、検査ステーション2は単に検査に適しているだけであり、代替的に、例えば保守目的のために、サンプルを採取するために、タイヤ製造プロセスの変動を調整するために、またはタイヤ製造プロセスを中断せずにタイヤ製造装置1との任意のやり取りを安全に行うために、物品または機械部品の取り外し、再挿入および/または交換を容易にするために使用できることは、当業者にとって明らかであろう。そのような物品または機械部品は、前述のタイヤ構成要素9、または任意の他のタイヤ製造関連物品またはツール、例えばスペーサ、セパレータ、グリッパヘッド等を含んでもよい。
【0039】
検査ステーション2は、検査エリアA2を画定する。この実施では、検査エリアA2は、製造エリアA1の設置範囲F内に完全に配置されるか、または完全に重なるように配置される。あるいは、検査エリアA2は、製造エリアA1と検査エリアA2との間に直接的な接続があることを条件に、製造エリアA1の設置範囲Fから一部が外側に、または一部が重なるように配置されてもよい。
【0040】
より詳細には、
図3に示すように、検査ステーション2は、検査エリアA2の1つ以上の側面を画定するまたは仕切る検査ステーションハウジング20を備えている。この実施例では、検査ステーションハウジング20は、水平面に平行な3方向において検査エリアA2を製造エリアA1から物理的に分離する3つの物理的な壁を備えている。検査ステーション2の1つの側面は、装置ハウジング10によって画定されてもよい。検査ステーション2が装置ハウジング10の隅に位置する場合、検査ステーション2の2つ以上の壁が装置ハウジング10によって形成されてもよいことが理解されるであろう。
【0041】
図1及び
図2に示すように、検査ステーション2は、検査エリアA2を製造エリアA1から物理的に分離するための第1のドア3をさらに備えている。検査ステーションハウジング20は、第1のドア3が開かれたときに、製造エリアA1から検査エリアA2に自由にアクセスできるように、第1のドア3の位置で開かれている。
【0042】
特に、第1のドア3は、
図1に示すように、製造エリアA1から検査エリアA2にアクセス可能な開状態と、
図2に示すように、製造エリアA1から検査エリアA2を物理的に分離した閉状態との間で動作可能である。
【0043】
この実施例では、第1のドア3は、検査ステーション2の頂部Tに配置されている。頂部Tは、検査ステーション2の鉛直方向上方を向く側である。このように、第1のドア3は、開状態において、検査ステーション2の頂部Tから取り出し及び載置方向Pにアクセスできるように検査エリアA2を開放する。好ましくは、取り出し及び載置方向Pは、垂直または実質的に垂直である。特に、製造エリアA1の第2のハンドリング装置R2は、
図1に破線で示すように、上方から検査ステーション2内に到達するのに十分な動作の範囲または自由度を有することに留意する。
【0044】
あるいは、第1のドア3は、製造エリアA1に隣接する検査ステーション2の任意の他の側に配置されてもよい。特に、検査ステーション2は、水平または実質的に水平である代替の取り出し及び載置方向で検査ステーション2へのアクセスを提供する代替の第1のドア(図示せず)を備えてもよい。
【0045】
タイヤ製造装置1には、第1のドア3を開状態と閉状態との間で移動させるように制御可能な、例えば空気圧シリンダやサーボなどのドア駆動装置5が設けられている。より具体的には、第1のドア3は、ヒンジ軸Xを中心として検査ステーションハウジング20にヒンジで接続されているまたは相対的に回動可能である。ドア駆動装置5は、ヒンジ軸Xから離間した位置で第1のドア3に作用して、第1のドア3をヒンジ軸Xを中心に開閉する。あるいは、ドア駆動装置5は、ヒンジ軸Xにおいて第1のドア3に作用してもよい。さらに別の代替実施形態では、第1のドア3は、例えば、検査ステーション2から第1のドア3を直線的にスライドさて離間させたり、第1のドア3を持ち上げたりして、ヒンジなしで開閉してもよい。
【0046】
第1のドア3は、物理的なドアである。言い換えれば、第1のドア3は、固体の物理的表面を有する。第1のドア3は、閉じた物理的表面を有していてもよく、格子を備えていてもよく、または閉じた物理的表面とその格子の組み合わせを有していてもよい。いかなる格子も、その開口部が、タイヤ製造装置1内に存在する、または取り扱われるほとんどの材料、物品および/または機械部品が第1のドア3を通過して検査ステーション2に入るのを阻止するように寸法決めされる。第1のドア3は、好ましくは、剛性および/または強度のある材料、例えば鋼のような金属で作られている。特に、第1のドア3は、第1のドア3に当たる材料、物品および/または機械部品からの衝撃を吸収するのに十分な厚さまたは強度を有する。
【0047】
図1に最もよく見られるように、タイヤ製造装置1は、第1のドア3の閉状態および開状態を検出するためのドアセンサ6をさらに備えている。ドアセンサ6は、接触センサ、近接センサまたは光学センサのような、メカニカルフィンガーまたは電子センサであってもよい。さらに、または代替的に、ドアセンサ6は、第1のドア3の開状態を検出するように構成されていてもよい。
【0048】
検査ステーション2は、製造エリアA1の外側から、すなわちタイヤ製造装置1の外部および/または周囲の環境から、検査エリアA2への人間のアクセスを制御するための第2のドア4をさらに備える。第2のドア4は、検査ステーション2のうち、第1のドア3によって開閉される側とは異なる側に配置されている。
【0049】
第2のドア4は、装置ハウジング10にヒンジで接続されてもよい。あるいは、第2のドア4は、別の適切な方法で検査ステーション2からスライドまたは移動することができる。この例では、第2のドア4は、人間のオペレータHによって手動で開閉することができる。
【0050】
第2のドア4は、第1のドア3と同様に、物理的なドアであり、そのようなものとして、閉じた物理的表面、格子またはそれらの組合せを有することができる。
【0051】
図1および
図2に最もよく見られるように、検査ステーション2は、人間のオペレータHに対してより便利なおよび/または人間工学的な方法でその上に受け取った1つ以上のタイヤ構成要素9を提供するために、第2のドア4が開かれたときに第2のドア4を通して検査ステーション2の外側に部分的に突出する位置に移動可能な任意の引き出し21を含む。
【0052】
検査ステーション2は、第2のドア4を施錠及び開錠するためのドアロック22をさらに含む。任意に、第1のドア3もドアロック(図示せず)を備えてもよい。ドアロック22は、第2のドア4に固定されたロックピンに機械的に引っ掛けるために回転可能なフックとして模式的に示されている。あるいは、ドアロック22は、検査ステーション2、第2のドア4および/または装置ハウジング10と一体化された機構および/または電子機器、例えば、第2のドア4のラッチの後退を阻止する機械、磁気または電子部材を含んでもよい。
【0053】
タイヤ製造装置1は、検査エリアA2への人間のアクセスを要求するため、例えばボタンなどのアクセス要求インターフェース23を備えている。タイヤ製造装置1は、例えばタッチスクリーンやキーボードなどのヒューマンマシンインターフェース24をさらに含んでもよい。アクセス要求インターフェース23は、代替的に、ヒューマンマシンインターフェース24の要素として組み込まれてもよい。ヒューマンマシンインターフェース24は、さらに、検査すべきタイヤ構成要素9の数、検査ステーション2におけるそれらの特定の順序、検査の理由(複数可)、および/または、検査すべきタイヤ構成要素9についてタイヤ製造装置1が既に収集した任意の情報、たとえば画像、スキャン、高さプロファイル、スプライス解析、測定、材料などについてのフィードバックを人間のオペレータHに提供してもよい。
【0054】
本発明に係るタイヤ製造装置1は、製造エリアA1におけるタイヤ構成要素9の製造中に、第1のドア3および第2のドア4が一斉にまたは同時に開くまたは開かれないように構成されている。すなわち、製造エリアA1におけるタイヤ構成要素9の製造の際には、第1のドア3および第2のドア4のうち、いずれか一方のドア3、4のみをいつでも開放することができる。
【0055】
特に、タイヤ製造装置1は、製造エリアA1におけるタイヤ構成要素9の製造中に、第1のドア3と第2のドア4が一斉に開かないようにまたは開かれないようにタイヤ製造装置1を制御するようにプログラムされ、適合され、配置され、および/または構成された制御ユニット7を備える。特に、制御ユニット7は、第1のドア3と第2のドア4の開閉、施錠および/または開錠を含むタイヤ製造装置1の動作を制御する、1つ以上の前述の駆動装置5、センサ6および/または他の装置22に、電子的および/または動作的に接続されている。制御ユニット7は、特に非一過性の有形のメモリであって、例えばハードドライブ、USB-ドライブ、RAMメモリ等の物理的データキャリアメモリ等、コンピュータによる読み取りが可能な命令を記憶するためのメモリを備えている。制御ユニット7は、コンピュータによる読み取りが可能な命令を実行するためのプロセッサをさらに備える。命令は、プロセッサによって実行されると、制御ユニット7に、上述した方法でタイヤ製造装置1を制御させることができる。
【0056】
特に、制御ユニット7は、ドア駆動装置5、ドアセンサ6、ドアロック22、アクセス要求インターフェース23及びヒューマンマシンインターフェース24のうちの1つ以上と電子的および/または動作的に接続される。
【0057】
制御ユニット7は、ドアセンサ6が第1のドア3が閉状態にあることを示す信号を発生した場合にのみドアロック22を解錠するように制御するために、ドアロック22およびドアセンサ6に電子的および/または動作的に接続される。
【0058】
制御ユニット7は、アクセス要求インターフェース23におけるアクセス要求に応答して、第1のドア3を閉状態に移動させるようにドア駆動装置5を制御するために、ドア駆動装置5およびアクセス要求インターフェース23に電子的および/または動作的に接続される。制御ユニット7は、第2のハンドリング装置R2が検査ステーション2において1つ以上のタイヤ構成要素9を配置または除去するプロセスにあるとき、第1のドア3の閉鎖を遅延させてもよい。そのようなシナリオでは、制御ユニット7は、第1のドア3を閉じる最も早い機会を待つことになる。
【0059】
図2に示すように、第1のドア3が閉状態にある場合、制御ユニット7は、第1のドア3が再び開かれるまで、検査対象である新しいタイヤ構成要素9を持ったまま待機するように第2のハンドリング装置R2を制御してもよい。あるいは、第2のハンドリング装置R2は、第1のドア3が再び開かれるまで、検査対象の新しいタイヤ構成要素9を待機位置に一時的に保管または緩衝してもよく、または検査を完全にスキップして、検査対象の新しいタイヤ構成要素9を廃棄位置に送るだけにしてもよい。
【0060】
次に、上述したタイヤ製造装置1で製造された1つ以上のタイヤ構成要素9を検査する方法について、
図1、
図2および
図3を参照しながら簡単に説明する。
【0061】
図1は、第1のドア3が開状態にある状況を示している。したがって、検査エリアA2は、製造エリアA1からアクセス可能である。特に、第2のハンドリング装置R2は、破線で示すように、1つ以上のタイヤ構成要素9を配置または除去するために検査エリアA2内に届くことができる。検査ステーション2において、スペーサSのスタックが引き出し21の上に置かれている。各スペーサSは、タイヤ構成要素9を支持する。第2のドア4は、人間のオペレータHによる検査エリアA2へのアクセスを防止するために閉じられている。特に、第2のドア4は、ドアロック22によって能動的に施錠される。
【0062】
図2は、人間のオペレータHがアクセス要求インターフェース23を介してアクセス要求信号を発生させた状況を示している。制御ユニット7は、アクセス要求を受信し、第1のドア3が開状態にあり、閉じることができるかどうかをチェックする。第1のドア3が閉じられる状態になると、制御ユニット7は、ドア駆動装置5を制御して、第1のドア3を開状態から閉状態に向けて移動させる。ドアセンサ6は、第1のドア3が正常に閉状態に至ったかどうかを確認するためのものである。
図2に示す状況では、第1のドア3は閉状態にあり、検査エリアA2は製造エリアA1から物理的に分離されている。
【0063】
そして、ドアロック22が解除され、第2のドア4は、この例では手動で開くことができる。
図2は、第2のドア4が既に開かれている状況を示している。検査エリアA2は、現在、人間がアクセス可能である。すなわち、人間のオペレータHは、製造エリアA1の外から検査エリアA2に安全に手を伸ばすことができる。言い換えれば、人間のオペレータHは、検査エリアA2にアクセスするために製造エリアA1に入る必要もなければ、手を伸ばす必要もない。引き出し21は、タイヤ構成要素9を目視および/または手動で検査するために、検査ステーション2から部分的に引き出された状態になっている。
【0064】
したがって、製造エリアA1における製造プロセスは、中断されることなく継続することができる。すなわち、タイヤ構成要素9の製造は、第2のドア4の開放中も継続される。より詳細には、タイヤ構成要素9の製造は、検査エリアA2における人間のオペレータHによるタイヤ構成要素9の目視または手動による検査の間、継続される。
【0065】
上述したように、製造エリアA1におけるタイヤ構成要素9の製造時には、第1のドア3と第2のドア4は同時に開くことができない。
【0066】
方法の一部として、人間のオペレータHは、スタック内のタイヤ構成要素9を同じ順序に保つように、例えばプロトコルを介して促され、又は要求される。すなわち、検査を終えたスタックは、検査を開始する前と同じ順序でタイヤ構成要素9を保持する。このように、タイヤ製造装置1は、スタック内のタイヤ構成要素9の順番が検査前と同じままであると仮定し、当該特定の順番のタイヤ構成要素9に関連付けられた検査結果に従って、タイヤ構成要素9を製造プロセスに再投入することができる。
【0067】
好ましくは、制御ユニット7は、検査エリアA2において人間のオペレータHに提示されたタイヤ構成要素9が、例えばスプライスエリア等の当該タイヤ構成要素9の関連エリアが人間のオペレータHの方、すなわち第2のドア4の方に向いて当該検査エリアA2に配置されるように、第2のハンドリング装置R2を制御するようにプログラムされ、適合され、配置され、および/または構成される。
【0068】
上記の説明は、好ましい実施形態の動作を説明するために含まれ、本発明の範囲を限定することを意味しないことを理解されたい。上記の議論から、本発明の範囲にさらに包含される多くの変形が当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0069】
1 タイヤ製造装置
10 装置ハウジング
2 検査ステーション
20 検査ステーションハウジング
21 検査引き出し
22 ドアロック
23 アクセス要求インターフェース
24 ヒューマンマシンインターフェース
3 第1のドア
4 第2のドア
5 ドア駆動装置
6 ドアセンサ
7 制御ユニット
8 生産装置
9 タイヤ構成要素
A1 製造エリア
A2 検査エリア
C キャリア
F 設置範囲
G1 第1のグリッパ
G2 第2のグリッパ
H 人間のオペレータ
P 取り出し及び載置方向
R1 第1のハンドリング装置
R2 第2のハンドリング装置
S スペーサ
T 頂部
X ヒンジ軸
【国際調査報告】