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特表2023-554575加香シートを含む紙管およびこれを含む喫煙物品{PAPER TUBE COMPRISING FLAVOR SHEET AND SMOKING ARTICLE COMPRISING SAME}
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-28
(54)【発明の名称】加香シートを含む紙管およびこれを含む喫煙物品{PAPER TUBE COMPRISING FLAVOR SHEET AND SMOKING ARTICLE COMPRISING SAME}
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/02 20060101AFI20231221BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20231221BHJP
   A24D 3/04 20060101ALI20231221BHJP
   A24D 3/17 20200101ALI20231221BHJP
【FI】
A24D1/02
A24D1/20
A24D3/04
A24D3/17
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518532
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2023-03-24
(86)【国際出願番号】 KR2022018146
(87)【国際公開番号】W WO2023090875
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0159998
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アン、キ-ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、イク ジューン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、キュン ビン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウン、ウン ミ
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045AA41
4B045AA50
4B045AB14
4B045AB16
4B045BA02
4B045BA05
4B045BA08
4B045BC16
4B045BC24
(57)【要約】
本発明は、加香シートを含む紙管およびこれを含む喫煙物品に関し、より具体的には、喫煙物品用紙管であって、紙管の内面、外面、またはこの両方に加香シートを含み、前記加香シートは、セルロース系高分子、可塑剤、および加香物質を含むものである、喫煙物品用紙管およびこれを含む喫煙物品に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙物品用紙管であって、
紙管の内面、外面、またはこの両方に加香シートを含み、
前記加香シートは、セルロース系高分子、可塑剤、および加香物質を含むものである、
喫煙物品用紙管。
【請求項2】
前記セルロース系高分子は、
前記加香シートのうち、20重量%~60重量%のものである、
請求項1に記載の喫煙物品用紙管。
【請求項3】
前記可塑剤は、
前記加香シートのうち、1重量%~20重量%のものである、
請求項1に記載の喫煙物品用紙管。
【請求項4】
前記加香物質は、
前記加香シートのうち、10重量%~50重量%のものである、
請求項1に記載の喫煙物品用紙管。
【請求項5】
前記セルロース系高分子は、
メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースおよび寒天からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上を含むものである、
請求項1に記載の喫煙物品用紙管。
【請求項6】
前記可塑剤は、
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセリンおよびソルビトールからなる群より選ばれる少なくとも1つ以上を含むものである、
請求項1に記載の喫煙物品用紙管。
【請求項7】
前記紙管は、
長さ(mm)当たり0.1mmHO~1.5mmHOの吸引抵抗を有するものである、
請求項1に記載の喫煙物品用紙管。
【請求項8】
前記加香シートの厚さは、
1mm以下のものである、
請求項1に記載の喫煙物品用紙管。
【請求項9】
前記加香シートの引張強度は、
1.0kgf/15mm以上のものである、
請求項1に記載の喫煙物品用紙管。
【請求項10】
前記紙管は、
14mm~25mmの周りおよび5mm以上の長さを有するものである、
請求項1に記載の喫煙物品用紙管。
【請求項11】
前記紙管は、
前記加香シートを含む第1層;および前記第1層を囲む第2層;を含み、
前記第1層対前記第2層の厚さ比は、2.5:1~0.5:1である、
請求項1に記載の喫煙物品用紙管。
【請求項12】
前記紙管は、
前記加香シートを含む第1層;前記第1層を囲む第2層;および前記加香シートを含む第3層;を含み、
前記第1層または前記第3層対前記第2層の厚さ比は、2.5:1~0.5:1である、
請求項1に記載の喫煙物品用紙管。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の喫煙物品用紙管;を含むフィルター部;
を含む、
喫煙物品。
【請求項14】
前記喫煙物品は、
タバコまたは電子タバコであり、シガレット型のものである、
請求項13に記載の喫煙物品。
【請求項15】
前記フィルター部は、
第1のフィルター、前記紙管を含む第2のフィルター;およびチューブ構造を含む第3のフィルター;
を含むものである、
請求項13に記載の喫煙物品。
【請求項16】
前記第1のフィルターは、
高分子、紙、セルロースアセテート、活性炭、および炭素のうち、少なくとも1つを含む繊維状、フィラメント状、またはこの両方を含むものである、
請求項15に記載の喫煙物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加香シートを含む紙管およびこれを含む喫煙物品に関する。
【背景技術】
【0002】
喫煙物品において加熱型スティック製品の場合、媒質部の喫味発現のために専用デバイスを活用した加熱が必須である。喫味発現のためにこれまで開発された加熱型スティック専用デバイスの場合、媒質部内部までの熱伝達を考慮して高温加熱ができるように温度プログラムが設計されている。加熱温度は通常200℃~400℃の水準であり、角草を燃やして吸入する伝統型シガレットとは異なり、デバイスを通じて媒質部のスティックを加熱するとき、多量の水蒸気がともに発現される。
【0003】
加熱により媒質部内部で発現される温度水準は100℃~200℃である。媒質部内部で生成される気流温度も類似しているので、媒質部下流に冷却素材がなければ熱い熱気を喫煙者が吸入することになる。
【0004】
従来開発された加熱型スティックの冷却素材として気流温度帯で熱を吸収して相変化が可能な高分子素材(PLA、CA、PETなど)をフィルム状などでフィルター断面に全体的に適用するか、最下流セグと媒質部との間に紙ストロー(紙管)およびセルロースアセテートなどで製造されたチューブフィルターなどを活用してスティックのデバイス引込み性を付与し、孔管部を形成することで気流を渦流させて冷却効果を付与している。
【0005】
上記言及した高分子素材(PLA、CA、PETなど)は、溶融コーティング方式でのみ適用可能であり、シート状に製造の際、フレキシブルな特性はなく、脆性(Britlle)によりよく脆くなるので、直接適用は不可であり、原紙にコーティングする方式でのみ適用可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記言及した問題を解決するために、冷却および香発現効果を有する加香シートを適用して喫煙物品の品質および味を向上させることができる、喫煙物品用紙管を提供するものである。
【0007】
本発明は、本発明による紙管を含む、喫煙物品を提供するものである。
【0008】
しかし、本発明が解決しようとする課題は、上記で言及したものに制限されず、言及されていない他の課題は、以下の記載から該当分野における通常の技術者に明確に理解されるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例により、喫煙物品用紙管であって、紙管の内面、外面、またはこの両方に加香シートを含み、前記加香シートは、セルロース系高分子、可塑剤、および加香物質を含むものである、喫煙物品用紙管に関する。
【0010】
本発明の一実施例により、前記セルロース系高分子は、前記加香シートのうち、20重量%~60重量%であってもよい。
【0011】
本発明の一実施例により、前記可塑剤は、前記加香シートのうち、1重量%~20重量%であってもよい。
【0012】
本発明の一実施例により、前記加香物質は、前記加香シートのうち、10重量%~50重量%であってもよい。
【0013】
本発明の一実施例により、前記セルロースは、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースおよび寒天からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上を含むものであってもよい。
【0014】
本発明の一実施例により、前記可塑剤は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセリンおよびソルビトールからなる群より選ばれる少なくとも1つ以上を含むものであってもよい。
【0015】
本発明の一実施例により、前記紙管は、長さ(mm)当たり0.1mmHO~1.5mmHOの吸引抵抗を有するものであってもよい。
【0016】
本発明の一実施例により、前記加香シートの厚さは、1mm以下であってもよい。
【0017】
本発明の一実施例により、前記加香シートの引張強度は、1.0kgf/15mm以上であってもよい。
【0018】
本発明の一実施例により、前記紙管は、14mm~25mmの周りおよび5mm以上の長さを有するものであってもよい。
【0019】
本発明の一実施例により、前記紙管は、前記加香シートを含む第1層;および前記第1層を囲む第2層;を含み、前記第1層対前記第2層の厚さ比は、2.5:1~0.5:1であってもよい。
【0020】
本発明の一実施例により、前記紙管は、前記加香シートを含む第1層;前記第1層を囲む第2層;および前記加香シートを含む第3層;を含み、前記第1層または第3層対前記第2層の厚さ比は、2.5:1~0.5:1であってもよい。
【0021】
本発明の一実施例により、本発明による紙管;を含むフィルター部;を含む、喫煙物品に関する。
【0022】
本発明の一実施例により、前記喫煙物品は、タバコまたは電子タバコであり、シガレット型であってもよい。
【0023】
本発明の一実施例により、前記フィルター部は、第1のフィルター;前記紙管を含む第2のフィルター;およびチューブ構造を含む第3のフィルター;を含むものであってもよい。
【0024】
本発明の一実施例により、前記第1のフィルターは、高分子、紙、セルロースアセテート、活性炭、および炭素のうち、少なくとも1つを含む繊維状、フィラメント状、またはこの両方を含むものであってもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、紙管に加香シートを導入して気流冷却効果を付与し、香発現効果を提供してタバコの味および喫味持続性を増進させることができる。例えば、加熱型タバコスティックの媒質部下流に紙管の内側および/または外側に構成して冷却効果、およびタバコの味、喫味持続性を増進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施例により、本発明による紙管構成を例示的に示すものである。
図2】本発明の一実施例により、本発明による紙管が適用された喫煙物品を例示的に示すものである。
図3】本発明の他の実施例により、本発明による紙管が適用された喫煙物品を例示的に示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。本発明を説明するにあたって、関連した公知機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。また、本明細書において使用される用語は、本発明の好ましい実施例を適切に表現するために使用された用語であり、これは、使用者、運用者の意図、または本発明が属する分野における慣例などによって変わり得る。したがって、本用語の定義は、本明細書全般にわたる内容に基づいて下されるべきである。各図に示されている同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0028】
明細書全体において、ある部材が他の部材「上に」位置しているというとき、これは、ある部材が他の部材に接している場合だけでなく、両部材の間に他の部材が存在する場合も含む。
【0029】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0030】
以下、本発明の喫煙物品用紙管および前記紙管を含む喫煙物品について実施例および図面を参照して具体的に説明する。しかし、本発明は、このような実施例および図面に制限されるものではない。
【0031】
本発明は、喫煙物品用紙管であって、前記紙管は加香シートを含み、前記加香シートは前記紙管の内面、外面、またはこの両方に含まれることができる。
【0032】
本発明の一実施例により、前記加香シートはセルロース系高分子、可塑剤、および加香物質を含み、前記加香シートはフィルム状のシートであって、セルロース系高分子内で加香物質を保留して喫煙物品から移行する香および/またはタバコの味の持続性を向上させることができる。また、セルロース系高分子は、喫煙物品内から、例えば、スティック内から喫煙者に移動する気流の温度(例えば、高温)でのみ相変化(例えば、結晶化)する特性によって気流冷却効果を提供することができる。また、加香シートの場合、引張強度が強く、フレキシブルな特性を保有しており、原紙にコーティングすることなく、それ自体が紙管または紙管フィルターの構成体として適用することができる。
【0033】
本発明の一実施例により、前記「喫煙物品」(smoking article)とは、タバコ、タバコの派生物、膨化処理タバコ(expanded tobacco)、再生タバコ(reconstituted tobacco)、またはタバコの代用物に基づいているか否かにかかわらず、喫煙可能な任意の製品または喫煙体験を提供することができる任意の製品を意味することができる。例えば、前記喫煙物品は、シガレット、葉巻(cigar)、小葉巻(cigarillo)、電子タバコ(例えば、加熱型)などのようなエアロゾルを発生させることができる喫煙可能物品を意味することができる。喫煙物品は、エアロゾル発生物質またはエアロゾル形成基質を含み得る。また、喫煙物品は、板状葉タバコ、角草、再構成タバコなどのタバコ原料に基づく固体物質を含むことができる。また、喫煙物質は揮発性化合物を含み得る。
【0034】
本発明の一実施例により、前記セルロース系高分子は、加香物質の保留が可能であり、フレキシブルで強い引張強度を有するシート形成のための高分子マトリックスを提供しながらバインダー素材であり、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースおよび寒天からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上を含むものであってもよい。好ましくは、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースであってもよい。
【0035】
本発明の一実施例により、前記セルロース系高分子は、前記加香シートのうち、20重量%~60重量%;20重量%~50重量%;または30重量%~40重量%であり、前記セルロース系高分子の含量が20重量%未満であると、それ自体が紙管または紙管フィルター原紙で適用可能な引張強度およびフレキシブルな特性を得ることが難しく、シート生成自体が難しく、60重量%を超えると、シートの物理性の変化(例えば、脆い、割れの発生)によってシート内の加香物質において香および香味の発現がうまく行われず、タバコの味および喫味持続性を増進させるのが難しいこともある。
【0036】
本発明の一実施例により、前記加香物質は香味および/または香特性を付与するか、香喫味を増進させることができ、喫煙物品に適用可能なものであれば制限なく適用することができ、例えば、乳酸、クエン酸、リンゴ酸などの有機酸、甘草、ショ糖、果糖シロップ、イソ甘味剤(isosweet)、ココア、ラベンダー、シナモン、カルダモム、セロリ、コロハ、カスカリラ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エッセンス、バラオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、ミントオイル、ケイヒ、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモミール、メントール、ケイヒ、イランイラン、サルビア、スペアミント、ショウガ、コリアンダー、クローブ抽出物(または、クローブ物質)およびコーヒーからなる群より選ばれる少なくとも1つ以上を含むことができ、これに制限されない。
【0037】
本発明の一実施例により、前記加香物質は、前記加香シートのうち、10重量%~50重量%;10重量%~40重量%;10重量%~30重量%;または10重量%~20重量%であり、前記加香物質の含量が前記範囲内に含まれると移行する香および/またはタバコの味の持続性を提供し、高濃度の適用が可能であるだけでなく、添加される濃度によって香および/または、香味の強度を調節することができる。
【0038】
本発明の一実施例により、前記可塑剤は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセリンおよびソルビトールからなる群より選ばれる少なくとも1つ以上を含むことができるが、これに制限されない。好ましくは、プロピレングリコールおよびグリセリンであってもよい。
【0039】
本発明の一実施例により、前記可塑剤は、加香シートの強度を調節するために、前記加香シートのうち、1重量%~20重量%;1重量%~15重量%;1重量%~10重量%;または5重量%~10重量%であり、前記可塑剤の含量が1重量%未満であると、喫煙物品の紙管フィルター構成体として適用に適した引張強度の特性を有することが難しく、伸び率が非常に低くフレキシブルな特性を有するのが難しいこともある。また、20重量%を超えると、シートの物性(例えば、引張強度が低くなるか、やわらかくなりすぎることがある)が不良になって破れやすくなり、喫煙物品の紙管フィルターで作製するのが難しいこともある。
【0040】
本発明の一実施例により、前記加香シートは1mm以下;0.1mm~1mm;0.1mm~0.8mm;または、0.2mm~0.5mm;の厚さを有し、前記加香シートは、単一または複数層から構成できる。前記加香シートの厚さが1mmを超えると、シートのフレキシブルな特性がうまく具現できず、喫煙物品の紙管または紙管フィルターで作製することが難しく、厚さの増加により香および香味の発現がうまく行われないか、薄すぎると冷却効果を得るのが難しいこともある。
【0041】
本発明の一実施例により、前記加香シートは、それ自体が喫煙物品の紙管または紙管フィルターの構成体として適用することができる引張強度を有し、例えば、前記加香シートの引張強度は、1.0kgf/15mm以上;2.0kgf/15mm以上;5.0kgf/15mm以上;または1.0kgf/15mm~10kgf/15mm;であってもよい。前記引張強度の範囲内に含まれると、喫煙物品の紙管または紙管フィルターの原紙で適用可能な強度およびフレキシブルな特性のバランスがよい加香シートを獲得することができる。
【0042】
本発明の一実施例により、前記紙管は、長さ(mm)当たり0.1mmHO~1.5mmHOの吸引抵抗を有してもよい。前記吸引抵抗の範囲内に含まれると、喫煙時の煙の流れをスムーズに進行させ、タバコの味および喫味持続性を増進させることができる。
【0043】
本発明の一実施例により、前記紙管は、14mm~25mm;14mm~20mm;または14mm~18mmの周りおよび5mm以上;10mm以上;10mm~20mmまたは10mm~15mmの長さを有するものであってもよい。
【0044】
本発明の一実施例により、前記加香シートは、前記紙管の内面、外面、またはこの両方に位置することができ、前記紙管は、喫煙物品の構成部品、例えば、フィルター部(例えば、紙管フィルター)として活用できる。これは、下記の喫煙物品でより具体的に説明する。
【0045】
本発明の一実施例により、図1の(a)を参照すると、前記紙管は前記加香シートを含む第1層110;および前記第1層を囲む紙材質の第2層120;を含むことができる。すなわち、孔管を有する冷却材料からなる紙管の内部壁面に加香シートを付着して冷却効果およびタバコの味、喫味持続性を増進させることができる。前記第1層対前記第2層の厚さ比は2.5:1~0.5:1であってもよい。前記厚さの範囲内に含まれると、冷却効率が高く、タバコの味、喫味持続性を増進させることができる。例えば、第1層の厚さ(250μm~50μm)対第2層の厚さ(100μm)の割合であってもよい。
【0046】
本発明の一実施例により、図1の(b)を参照すると、前記紙管は前記加香シートを含む第1層110;前記第1層を囲む紙材質の第2層120;および前記加香シートを含む第3層130;を含み、前記第1層および第3層の加香シートは、同一であるか、構成成分、厚さおよび物性のうち、少なくとも1つ以上が異なっていてもよい。例えば、第1層または第3層対前記第2層の厚さ比は、2.5:1~0.5:1であってもよい。前記厚さ範囲に含まれると冷却効率が高く、タバコの味、喫味持続性を増進させることができる。
【0047】
本発明は、本発明による紙管を含む喫煙物品に関する。
【0048】
本発明の一実施例により、前記喫煙物品はフィルター部および喫煙物質部を含み、前記フィルター部は、本発明による加香シートを含み、例えば、本発明による加香シートを適用した紙管を導入して冷却効果および香発現機能を提供することができる。
【0049】
本発明の一実施例により、前記フィルター部は、二重フィルターまたは三重フィルターであってもよい。また、前記フィルター部は、多孔性マトリックス構造、チューブフィルター、(hollow tube filter)および紙管フィルター(paper tube filter)のうち、少なくとも1つ以上を含むことができる。また、前記チューブフィルターの内部壁面に本発明による加香シートがさらに付着されることができる。これは、冷却材料である紙管フィルターおよびチューブフィルターの孔管内面に加香シートを付着することで、気流を渦流させるとともに熱エネルギーを吸収して冷却効果をより容易にすることができる。
【0050】
本発明の一実施例により、前記二重フィルターは、第1のフィルターおよび第2のフィルターを含み、前記第2のフィルターは、本発明による加香シートを適用した紙管(例えば、紙管フィルター)を含むことができる。
【0051】
本発明の一実施例により、前記三重フィルターは、第1のフィルター;本発明による加香シートを適用した紙管を含むフィルター(例えば、紙管フィルター);および織物フィルターまたはチューブフィルター;を含むことができ、前記第1のフィルターは、加熱型タバコスティックから喫煙者に近づく方向(下流方向)に位置し、喫煙者から離れる方向(上流方向)に、第2のフィルターおよび前記第3のフィルターが順番に配置できる。
【0052】
本発明の一実施例により、図2図3を参照すると、前記喫煙物品はタバコまたは電子タバコであってもよく、シガレット型であってもよい。すなわち、加香シートによって気流冷却効果および香および/または香味を発現してタバコの味および喫味持続性を増進させることができる。 例えば、冷却機能を有する紙管の内部に加香シートを適用することで、気流と渦流させるとともに熱エネルギーを吸収して冷却効果をより容易にすることができる。
【0053】
本発明の一実施例により、図2を参照すると、喫煙物品は三重フィルターであり、第1のフィルター210、本発明による紙管を含む第2のフィルター220;織物フィルターまたはチューブフィルターを含む第3のフィルター230を含むことができる。前記フィルター部は、喫煙物質部240から気流移行方向に沿って流れる気流を冷却させながら加香シートによって香味および/または香を発現させることができる。
【0054】
本発明の一実施例により、第1のフィルター部210、第2のフィルター部220、第3のフィルター部230および喫煙物質部240の長さは、それぞれ10mm~20mm;または10mm~15mmの長さより選ばれる。
【0055】
本発明の一実施例により、図3を参照すると、喫煙物品は三重フィルターであり、第1のフィルター310、織物フィルターまたはチューブフィルターを含む第2のフィルター320;および、本発明による紙管を含む第3のフィルター330を含むことができる。
【0056】
本発明の一実施例により、第1のフィルター部310、第2のフィルター部320、第3のフィルター部330、および喫煙物質部340の長さは、それぞれ10mm~20mm;または10mm~15mmの長さより選ばれる。
【0057】
本発明の一実施例により、第2のフィルター220および第3のフィルター330は、孔管内面に本発明による加香シートを適用した紙管または紙管フィルターを含み、前記加香シートは、セルロース系高分子、可塑剤、および加香物質を含み、前記加香シートは、フィルム状のシートであって、セルロース系高分子内に加香物質を保留して喫煙物品から移行する香および/またはタバコの味の持続性を向上させることができる。
【0058】
本発明の一実施例により、前記セルロース系高分子は、加香物質の保留が可能であり、フレキシブルで強い引張強度を有するシート形成のための高分子マトリックスを提供しながらバインダー素材であり、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースおよび寒天からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上を含むものであってもよい。好ましくは、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースであってもよい。
【0059】
本発明の一実施例により、前記セルロース系高分子は、前記加香シートのうち、20重量%~60重量%;20重量%~50重量%;または30重量%~40重量%であり、前記セルロース系高分子の含量が20重量%未満であると、それ自体が紙管または紙管フィルター原紙で適用可能な引張強度およびフレキシブルな特性を得ることが難しく、シート生成自体が難しく、60重量%を超えると、シートの物理性の変化(例えば、脆い、割れの発生)によってシート内の加香物質において香および香味の発現がうまく行われず、タバコの味および喫味持続性を増進させるのが難しいこともある。
【0060】
本発明の一実施例により、前記加香物質は、香味および/または香特性を付与するか、香喫味を増進させることができ、喫煙物品に適用可能なものであれば制限なく適用することができ、例えば、乳酸、クエン酸、リンゴ酸などの有機酸、甘草、ショ糖、果糖シロップ、イソ甘味剤(isosweet)、ココア、ラベンダー、シナモン、カルダモム、セロリ、コロハ、カスカリラ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エッセンス、バラオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、ミントオイル、ケイヒ、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモミール、メントール、ケイヒ、イランイラン、サルビア、スペアミント、ショウガ、コリアンダー、クローブ抽出物(または、クローブ物質)およびコーヒーからなる群より選ばれる少なくとも1つ以上を含むことができ、これに制限されない。
【0061】
本発明の一実施例により、前記加香物質は、前記加香シートのうち、10重量%~50重量%;10重量%~40重量%;10重量%~30重量%;または10重量%~20重量%であり、前記加香物質の含量が前記範囲内に含まれると移行する香および/またはタバコの味の持続性を提供し、高濃度の適用が可能であるだけでなく、添加される濃度によって香および/または、香味の強度を調節することができる。
【0062】
本発明の一実施例により、前記可塑剤は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセリンおよびソルビトールからなる群より選ばれる少なくとも1つ以上を含むことができるが、これに制限されない。好ましくは、プロピレングリコールおよびグリセリンであってもよい。
【0063】
本発明の一実施例により、前記可塑剤は、加香シートの強度を調節するために、前記加香シートのうち、1重量%~20重量%;1重量%~15重量%;1重量%~10重量%;または5重量%~10重量%であり、前記可塑剤の含量が1重量%未満であると、喫煙物品の紙管または紙管フィルター構成体として適用に適した引張強度の特性を有することが難しく、伸び率が非常に低いので、フレキシブルな特性を有するのが難しいこともある。20重量%を超えると、シートの物性(例えば、引張強度が低くなるか、やわらかくなりすぎることがある)が不良になって破れやすくなり、喫煙物品の紙管フィルターで作製するのが難しいこともある。
【0064】
本発明の一実施例により、前記加香シートは1mm以下;0.1mm~1mm;0.1mm~0.8mm;または、0.2mm~0.5mm;の厚さを有し、前記加香シートは、単一または複数層から構成できる。前記加香シートの厚さが1mmを超えると、シートのフレキシブルな特性がうまく具現できず、喫煙物品の紙管で作製することが難しく、厚さの増加によって香および香味の発現がうまく行われないか、薄すぎると冷却効果を得るのが難しいこともある。
【0065】
本発明の一実施例により、前記加香シートは、それ自体が喫煙物品の紙管または紙管フィルターの構成体として適用することができる引張強度を有し、例えば、前記加香シートの引張強度は1.0kgf/15mm以上;2.0kgf/15mm以上;5.0kgf/15mm以上;または1.0kgf/15mm~10kgf/15mm;であってもよい。前記引張強度の範囲内に含まれると、喫煙物品の紙管原紙で適用可能な強度およびフレキシブルな特性のバランスがよい加香シートを獲得することができる。
【0066】
本発明の一実施例により、前記紙管は、長さ(mm)当たり0.1mmHO~1.5mmHOの吸引抵抗を有してもよい。前記吸引抵抗の範囲内に含まれると、喫煙時の煙の流れをスムーズに進行させ、タバコの味および喫味持続性を増進させることができる。
【0067】
本発明の一実施例により、第2のフィルター220および第3のフィルター330において、前記紙管は図1に示すように構成できる。
【0068】
本発明の一実施例により、前記織物フィルターは、ポリマー繊維、本発明による加香シートを切断した繊維、またはこの両方を含むことができる。また、前記チューブフィルターの内部壁面に本発明による加香シートをさらに適用することができる。例えば、前記ポリマーは、PLA(Poly Lactic Acid)、CA(Cellulose acetate)、PET(Poly (ethylene terephthalate))などであってもよい。
【0069】
本発明の一実施例により、前記第1のフィルターは、本発明の技術分野において知られているフィルタートウで構成でき、例えば、高分子、紙、セルロースアセテート、活性炭、および炭素のうち、少なくとも1つを含む繊維状、フィラメント状、またはこの両方を含むフィルタートウを含むことができるが、これに制限されない。
【0070】
本発明の一実施例により、前記喫煙物質部は、角草などのタバコ原料、喫味、およびエアロゾル形成基材などを含み、喫煙物品の種類によって構成できる。
【0071】
本発明の一実施例により、前記喫煙物品の直径は4mm~10mmであり、周りは14mm~29mmであってもよい。さらに、長さは45mm~100mmであってもよい。
【0072】
以上のように、実施例が限られた実施例と図面によって説明されたが、該当技術分野における通常の知識を有する者であれば上記の記載から様々な修正および変形が可能である。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順序で行われるか、および/または説明された構成要素が説明された方法とは異なる形態で結合または組み合わせられるか、他の構成要素または均等物によって代替または置き換えられても適切な結果が達成できる。したがって、他の具現、他の実施例、および特許請求の範囲と均等なものも、後述する特許請求の範囲に属する。
図1(a)】
図1(b)】
図2
図3
【国際調査報告】