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特表2023-554586フレックス回路の電気的及び機械的特性を最適化するための誘電体材料の変更
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-28
(54)【発明の名称】フレックス回路の電気的及び機械的特性を最適化するための誘電体材料の変更
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
H05K1/02 B
H05K1/02 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528224
(86)(22)【出願日】2021-10-27
(85)【翻訳文提出日】2023-05-11
(86)【国際出願番号】 CN2021126585
(87)【国際公開番号】W WO2022127389
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】17/124,621
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】110000316
【氏名又は名称】弁理士法人ピー・エス・ディ
(72)【発明者】
【氏名】ダングラー、ジョン、アール
(72)【発明者】
【氏名】ヒグビー、アーサー、ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】バックリング、レゴ、フィリップ、ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ロング、デイヴィッド、クリフォード
(72)【発明者】
【氏名】バズビー、ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ドイル、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】コーエン、エドワード、エヌ
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】サンティアゴフェルナンデス、ウィリアム
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA03
5E338AA12
5E338AA16
5E338BB55
5E338BB75
5E338CD13
5E338CD25
5E338CD40
5E338EE32
5E338EE60
(57)【要約】
1つより多くの誘電体層を使用する均一な厚さのフレックス回路が教示される。第1の誘電体層はよりフレキシブルであり、第2の誘電体層が確実には曲げられない曲率半径において確実に曲げることができる。第2の誘電体層は、少なくとも1つの、第1の誘電体領域よりも望ましい電気的特性、例えば、リーク特性、を有する。電子筐体内の機密材料を保護するための均一な厚さのフレックス回路の使用法がさらに説明される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線パターンが取り付けられる表面を有するポリイミド層を有するコアと、
遷移ゾーンが生じる前記コアの前記表面に取り付けられた第1の誘電体領域と、
前記第1の誘電体が取り付けられていない前記コアの前記表面に取り付けられた第2の誘電体領域と
を含み、
前記遷移ゾーンは、前記第1の誘電体領域を確実に曲げることができ、前記第2の誘電体を確実には曲げることができない特定の半径の湾曲を含む領域である、
フレックス回路を備え、
前記フレックス回路の厚さは、前記フレックス回路の長さにわたって均一である、
装置。
【請求項2】
前記第2の誘電体領域は、前記第1の誘電体領域よりリークが小さい、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の誘電体領域は、難燃性アクリル接着材料(FR)であり、前記第2の誘電体領域は、高温積層材料(HT)である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記フレックス回路に機械的かつ電気的に結合された1つ又は複数の電子コンポーネントをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記フレックス回路の少なくとも一部を収容するための電子筐体をさらに備え、前記電子筐体は、前記フレックス回路の一部が形成される前記遷移ゾーンを有する凹部領域を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記電子筐体は、前記凹部領域を含むハウジング底部をさらに備え、前記フレックス回路は、接着剤によって前記ハウジング底部の表面に取り付けられる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記電子筐体は、ハウジング上部をさらに備え、前記フレックス回路は、前記接着剤によって前記ハウジング上部の表面に取り付けられる、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記配線パターンは、改竄事象における穿孔によって前記配線パターンの少なくとも1つの配線を切断させるように、重なる配線レベルを有する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の誘電体領域及び前記第2の誘電体領域の少なくとも1つから選択された誘電体領域は、前記ハウジング上部及び前記ハウジング底部を抉じ開ける改竄事象において前記配線パターンの少なくとも1つの配線を引き裂いて切断するためのパターンを有する、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
引き裂くための前記パターンは、引き裂きを強化するために前記誘電体領域の端部からのスリットを有する蛇行配線パターンを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
第1の誘電体レベル上の第1のパターン及び第2の誘電体レベル上の第2のパターンが、引き裂きを生じさせるように配置された前記第1のパターンと前記第2のパターンとの間で重なる、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
表面上に導電性材料を有するコア材料を選択することと、
第1の曲率半径を持つ湾曲をサポートする第1の誘電体層を選択することであって、前記第1のボンディング層は、前記コア材料と積層されたときに厚さを有する、前記選択することと、
前記第1のボンディング層より望ましい電気的特性を有するが、前記第1の曲率半径における湾曲を確実にはサポートできない第2の誘電体層を選択することであって、前記第2のボンディング層は、前記コア材料と積層されたときに前記厚さを有する、前記選択することと、
前記第1の曲率半径で曲がらなければならないフレックス回路の第1の領域を決定することと、
前記第1の曲率半径で曲がる必要がない前記フレックス回路の第2の領域を決定することと、
前記コア領域を、前記フレックス回路の前記第1の領域における前記第1の誘電体層と積層し、前記コア領域の残り部分を、前記第2の誘電体層と積層することと
を含む、フレックス回路を作成する方法。
【請求項13】
前記コアのために「APコア」を選択することをさらに含み、「APコア」は、粘着性がない高性能積層材料のクラスである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第1の誘電体領域として「FR」ボンディング層を選択することであって、「FR」は、前記フレックス積層材料内の難燃性アクリル接着材料である、前記選択することと、
第2の誘電体領域として「HT」ボンディング層を選択することであって、「HT」は、高温積層材料のクラスである、前記選択することと
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
電子筐体に機密材料を封入する方法であって、
前記電子筐体のハウジング底部を作成するステップであって、前記電子筐体は、凹部領域と、前記ハウジング底部の端部と前記凹部の底部との間の遷移ゾーンを有する、前記作成するステップと、
前記電子筐体のハウジング上部を作成するステップと、
前記ハウジング上部及び前記ハウジング底部の内側表面を覆うフレックス回路を接着するステップであって、前記フレックス回路は、前記電子筐体の改竄を検知するためのものである、前記接着するステップと、
を含み、
前記フレックス回路は、前記遷移ゾーンを確実に横切る第1の誘電体領域を有し、
前記フレックス回路は、前記フレックス回路が前記第1の誘電体領域によって覆われない領域を覆うための第2の誘電体領域を有する、
方法。
【請求項16】
前記第1の誘電体領域として難燃性アクリル接着材料「FR」を使用し、前記第2の誘電体領域として高温積層材料「HT」を使用することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記電子筐体の改竄を検知するように構成された前記フレックス回路の配線パターンを使用することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ハウジング上部と前記ハウジング底部とが抉じ開けられたときに前記フレックス回路の配線を引き裂いて切断することを強化するための前記第1及び第2の誘電体領域のレイアウト・パターンを使用することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記ハウジング上部と前記ハウジング底部との間にプリント回路基板(PCB)を配置することをさらに含み、前記PCBは、前記機密材料を含む半導体チップをさらに有する、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、フレックス回路を有する電子システムに関する。電気筐体にフレックス回路を入れる場合がある。電気筐体内のフレックス回路は、フレックス回路上の第1の領域において、第1の曲率半径を有する特定の湾曲に曲げられる又は形成される。フレックス回路の第1の誘電体は、第1の領域に使用され、フレックス回路の第2の誘電体は、より大きな曲率半径を有するか、又は平坦な領域である、フレックス回路上の第2の領域で使用される。
【発明の概要】
【0002】
本発明の実施形態は、フレックス回路の導電体を損傷させずに曲がることを可能にする特性を有する第1の誘電体と、第1の誘電体のリークより小さいリークをもたらす特性を有する第2の誘電体とを有する、均一な厚さのフレックス回路を提供する。
【0003】
一実施形態において、第1の誘電体は、第2の誘電体より小さい弾性率を有し、その結果、第1の誘電体は、第2の誘電体より小さい曲率半径で曲がることができる。第1の誘電体は、第2の誘電体より大きいリークを有する。
【0004】
本発明の一実施形態において、非限定的な例として、第1の誘電体が「FR」であり、FRは難燃性アクリル接着材料に関する。第2の誘電体は「HT」であり、好ましい材料特性及び電気特性を特徴とする高温積層材料のクラスに関する。そのような材料は、FRのような材料よりも高いガラス転位温度(Tg)及び低い損失特性を有し得る。第1及び第2の誘電体領域の両方には、メタライゼーションが形成され、電気配線経路を提供するようにエッチングすることができるAPコアを使用することができる。「AP」は、一般的に本明細書においては、銅被覆積層体と銅箔に接合されたポリイミド膜の全ポリイミド複合物とを含む弱粘着性/高性能積層材料のクラスに関して使用される。本明細書においては、例示的な「AP」膜としてAP7163Eが使用される。
【0005】
本発明の一実施形態において、フレックス回路の1つ又は複数の配線レベルで導電体のパターンが形成される。導電体のパターンは、第1の半導体チップを第2の半導体チップに結合する信号線とすることができる。第1の半導体チップ及び第2の半導体チップに、バッテリがエネルギーを供給することができる。導電体のパターンは、電気筐体の改竄を示す穿孔又は引き裂きによって切断されることになる蛇行パターンとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】第1の誘電体領域及び第2の誘電体領域を有する配線レベル及びセクションを有するフレックス回路の上面図である。
図1B】第1の誘電体領域及び第2の誘電体領域を有する配線レベル及びセクションを有するフレックス回路の断面図である。
図1C】半導体チップ、及び、フレックス回路の上に取り付けられた半導体チップの断面図を示す。
図2A】誘電体としてFRが使用される断面のエッチング及び積層の前の原材料の断面図を示す。
図2B図2Aの材料のエッチング後の断面図を示す。
図2C図2Aの材料のエッチング及び積層後の断面図を示す。
図3A】誘電体としてHRが使用される断面のエッチング及び積層の前の原材料の断面図を示す。
図3B図3Aの原材料のエッチング後の断面図を示す。
図3C図3Aの材料のエッチング及び積層後の断面図を示す。
図3D】FRセクションとHTセクションとの対照比較を示し、両セクションは、フレックス回路の長さにわたって均一な厚さを形成するための積層後に同じ厚さを有する。
図4A】FR及びHT誘電体領域が示された電気筐体の断面図を示す。
図4B】FR及びHT誘電体領域が示された電気筐体の上面図を示す。
図4C】電気筐体の内側にプリント回路基板(PCB)及びチップを含む、電気筐体の断面図を示す。
図5】FR及びHT誘電体領域が示された、180度に曲げられたフレックス回路を有する電子筐体を示す。
図6】電子筐体が抉じ開けられた場合に引き裂きを増大させるように、部分的に重ねられたFRセクションとHTセクションとを両方の層が有する、2つの層のセクションを示す。引き裂きによって、FR及びHT領域を通る配線層内の配線の幾つか又は全てが切断されることになる。
図7】電子筐体が抉じ開けられた場合に電子筐体の縁の近くのFR及びHT領域内の配線を引き裂いて切断することをさらに促進する、電子筐体の縁近くに交互のFR及びHTを有するセクションを示す。
図8】電子筐体が抉じ開けられた場合に引き裂きを容易にするフレックス回路に部分的なギャップを有する、フレックス回路の層のレイアウトを示す。
図9】FR及びHT誘電体領域についてのリーク対周波数のプロットを示す。
図10】フレックス回路が、HTセクションを確実に曲げることができるより、鋭く曲げる必要がある場所には、FRセクションを使用し、HTを確実に使用することができる場所にはHTセクションを使用することを可能にする方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示は、一般に、鋭く曲げたり折ったりする必要があるフレックス回路を有する電子システムに関する。電気筐体にフレックス回路を入れる場合がある。電気筐体内のフレックス回路は、フレックス回路上の第1の領域において第1の曲率半径を有する特定の湾曲に曲げられる又は形成される。フレックス回路の第1の誘電体は、第1の領域に使用され、フレックス回路の第2の誘電体は、より大きな曲率半径及び平坦領域のうちの1つを有する、フレックス回路上の第2の領域で使用される。フレックス回路は、均一な厚さを有する。
【0008】
本明細書で説明されるフレックス回路は、フレックス回路を第2の誘電体によってサポートされる曲率半径より鋭く曲げる必要があるときに、使用することができる。第2の誘電体は、高周波数信号の損失、リーク、膨張率などのより望ましい特性を有する。そのような湾曲では、フレックス回路の配線に亀裂を生じることなく必要な湾曲をサポートするために、第1の誘電体が使用される。そのような湾曲が不要な場所、即ち、フレックス回路の「より平坦な」部分には、第2の誘電体が使用され、前述のより望ましい特性を有利に使用する。
【0009】
小さい曲率半径は、さまざまな用途において必要となり得る。例えば、フレックス回路は、折り畳むことが必要な場合がある。別の例において、電子筐体は、機密性の高い、恐らく暗号化されたコンポーネントが含まれることがあり、電子筐体内への穿孔又は電子筐体の抉じ開けなどの改竄を検知することが必要である。フレックス回路は、電子筐体の、典型的には小さい曲率を生じる凹部内に「形成」することができる。フレックス回路は、1つ又は複数のレベルの配線のパターンを含むことができる。電子筐体の穿孔又は抉じ開けによって、配線のパターン内の1つ又は複数の配線が切断され、改竄が露見することになる。後に、フレックス回路を有する電子筐体の幾つかの図面が説明される。
【0010】
図面及び詳細な説明において、一般に、同じ番号が同じコンポーネント、部品、ステップ、及びプロセスを指す。
【0011】
ここで、図1A、1B、及び1Cを参照すると、本発明の実施形態を有するフレックス回路の上面図が示されている。
【0012】
図1Aは、フレックス回路101の上面図である。半導体チップ150及び151は、通常の手段、例えば、ワイヤ・ボンディング又は表面取り付け接続によって、フレックス回路101の上に取り付けることができる。さらに、半導体チップ150及び151のうちの1つ又は両方にエネルギーを供給するためのバッテリ152を、フレックス回路101の上に取り付けることができる。図1AのA-Aにおける断面図が、図1Bに示される。
【0013】
図1Bは、A-Aにおける断面図を示す。配線レベル102、103、及び104が示される。より多くの又はより少ない配線レベルが考えられる。領域110(左の1つ、右の1つ)は、前述の誘電体2を使用する領域であり、以後、HT領域と呼ばれる。領域111は、小さい曲率半径で確実に曲がることができる誘電体1を使用し、以後、FR領域と呼ばれる。図1Bは、曲率半径106で曲げられたフレックス回路101を示す。湾曲領域は、遷移ゾーンと呼ばれる。配線レベル103及び104の配線は、連続なものとして示されている。配線レベル102の配線は、102A及び102Bとして示され、これらは、領域111がより脆いHT誘電体で実装されていれば、ギャップ105として示されるように切断されることになる。従って、領域111は、遷移ゾーンにおけるそのような切断を防ぐために、FR誘電体を使用して実装される。
【0014】
図1Cは、フレックス回路101上に取り付けられた半導体チップ150を示し、チップ、相互接続、及び配線パターンの拡大図が示されている。半導体チップ150は、メッキ170への表面接続エレメント161を使用してフレックス回路101上に取り付けられ、上部レベル配線信号ビア171にドロップ・ダウンする。機密回路を保護する電子筐体内において、フレックス回路101は、電子筐体の凹部セクションに接触して形成され、そこに、例えば図4Aに示され、後で説明されるように、接着剤465を使用して保持することができる。穿孔によって電子筐体を改竄する試みは、配線レベルの配線パターンの1つ又は複数を切断することになり、それにより改竄の試みを検知する。
【0015】
図4A及び4Bは、電子筐体400を示し、図4Bには上面図、図4AにはB-Bにおける断面図が示される。電子筐体400は、ハウジング上部402、ハウジング底部401、及びキャビティ403を備える。フレックス回路101A及び101Bは、ハウジング上部402及びハウジング底部401の凹部内に形成され、ハウジング上部402及びハウジング底部401の輪郭に接着剤465を用いて接着されるように示されている。HT領域110及びFR領域111が、上面図4B及び断面図4Aに示されている。断面図4Aにおいて、フレックス回路101A及び101Bは、110で示される両矢印線内でHT領域110を使用し、フレックス回路101A及び101Bは、111で示される2つの両矢印線内でFR領域111を使用しており、FR領域111では、ハウジング上部402及びハウジング底部401に遷移領域が発生しており、その遷移領域に湾曲が収容される。キャビティ403の中央の平坦領域においては、HT誘電体のより望ましい誘電体パラメータの利点を得るために、HT領域が使用される。実際には、ハウジング上部402及びハウジング底部401の大部分は、図8に示されるように、通常、HT領域によって覆われる。現在、図4A及び4Bは、湾曲した領域を強調するように描かれているが、実際には、電子筐体の実際のサイズに比べて典型的には小さい(より典型的な湾曲領域については、図8を参照されたい)。例えば、HT領域110は、図4Bにおける領域の90%又はそれ以上とすることができ、FR領域111は、図4Bにおける領域の10%又はそれ以下とすることができる。図4Bに示される同心矩形配置は、2つの異種材料(即ち、HT領域110及びFR領域111)を異なる積層温度で積層することを容易にする。HT領域110は、約300℃で積層され、FR領域111は、約200℃で積層される。
【0016】
図4Cは、電子筐体400を示し、図示されるようにフレックス回路101Aとフレックス回路101Bとによって挟まれたプリント回路基板(PCB)470の断面図を含む。PCB470は、フレックス回路101A及びフレックス回路101Bに接着剤465を用いて接着することができる。PCB470は、電気的かつ機械的に取り付けられた半導体チップ471及びバッテリ472を有することができる。暗号キーなどの機密情報を半導体チップ471に格納することができる。バッテリ472は、電子筐体400の改竄が検知されたとき、半導体チップ471の機密情報を破壊するためのエネルギーを供給することができる。
【0017】
図5は、電子筐体500の一例を示す。フレックス回路101は、180度の湾曲を有するように示されている。電子筐体500は、断面図で示されており、ハウジング底部501、ハウジング上部502、及びフレックス回路101を備える。半導体チップ及び他の電子コンポーネントをフレックス回路101の上に取り付けることができるが、簡単のために図5には示されていないことを理解されたい。フレックス回路101は、180度の湾曲を有し、折り畳みが生じる遷移ゾーンにおいてそれ自体に対して折り返され、小さい曲率半径の湾曲を生じるように示されている。HT領域110は、フレックス回路101の平坦セクションにおいて使用されるように示され、FR領域111は、湾曲に示される。以前と同様に、これは、HT誘電体の望ましい特性を有するフレックス回路101の大きい領域と、HT誘電体の望ましい特性は無いが、湾曲領域においてFR誘電体のフレキシビリティを得るフレックス回路101の比較的小さい領域とを提供する。フレックス回路101は、ハウジング底部501及びハウジング上部502に、接着剤465を使用して結合される。ハウジング上部502及びハウジング底部501は、それらが出会う場所で、接着剤、ネジ、又は他の既知の取り付け方法によって取り付けることができる。
【0018】
次に図2Aを参照すると、フレックス回路101の領域111のための原材料が、エッチング及び積層の前の原材料として示されている。誘電体領域111は、フレックス回路101を小さい曲率半径で曲げる必要がある場所に使用される「FR」誘電体領域である。「小さい曲率半径」は、領域111がその曲率半径で確実に曲げることができるが、領域110はその曲率半径で確実には曲げることができないことを意味する。図2A、2B、2C(FR領域111の誘電体)並びに図3A、3B、及び3Cにおける例示的な目的のために使用される例示的なフレックス回路101は、3つのコアを示すが、より多くの又はより少ないコアも考えられる。
【0019】
図2Aは、参照番号付けされた層及び各々の層の厚さを示す。
【0020】
「コア1」201は、0.35ミルの銅(Cu)メタライゼーション202及び204と、1.0ミルのポリイミド203とを含む。前述のように、コア201は、AP7163Eとすることができる。
【0021】
「ボンディング膜1」231は、0.5ミルのFR接着層232及び234と、0.5ミルのポリイミド233とを含む。
【0022】
「コア2」211は、0.35ミルのメタライゼーション層212及び214と、1.0ミルのポリイミド213とを含む。コア211は、AP7163Eとすることができる。
【0023】
「ボンディング膜2」241は、0.5ミルのFR接着層242及び244と、0.5ミルのポリイミド243とを含む。
【0024】
「コア3」221は、0.35ミルのメタライゼーション層222及び224と、1.0ミルのポリイミド223とを含む。コア221は、AP7163Eとすることができる。
【0025】
図2Bは、図2Aの原材料層のエッチング及びメタライゼーションの後の断面図を示す。図示されるように、微細線パターンを生成するために50%エッチングが行われている。一実施形態において、微細線パターンは、同じ方向に進む配線を有するが、代替的な配線層は、図示されるように配線及びスペースを交互に有する。このことは、配線層の配線を切断せずにフレックス回路101を通して穿孔することを妨げるために有用であり得る。上部メタライゼーション層202及び底部メタライゼーション層224は、図2Bではエッチングされていないように示されているが、メタライゼーション層202及び224の部分は、半導体チップ150及び151などの回路への金属接続を提供するためのパターンでエッチングすることができる。
【0026】
図2Cは、図2Bの原材料の積層後の断面図を示す。フレックス回路101は、6.7ミルの厚さを有することに留意されたい。メタライゼーション層202及び224は、この断面図から除去されている。参照番号は、図2A及び2Bに示されるものと同じレベルを指す。
【0027】
次に図3Aを参照すると、フレックス回路101の領域110の原材料が、エッチング及び積層前の原材料として示されている。誘電体領域110は、「HT」誘電体領域であり、これは、フレックス回路101を比較的大きい曲率半径で曲げることができる場所又は平坦領域で使用される。図3Aは、参照番号付けされた層及び各々の層の厚さを示す。
【0028】
図3Aにおける「コア1」301は、図2Aにおける「コア1」201と同じであるが「コア1」301と呼ばれ、0.35ミルのCuメタライゼーション層302、304と、1.0ミルのポリイミド層303とを含む。コア301は、ピララックス(Pyralux)(登録商標)AP(AP7163E、デュポン)のようなAP7163Eとすることができる。
【0029】
「ボンディング層1」331は、1.5ミルのHTポリイミド333を含む。
【0030】
「コア2」311は、0.35ミルのCu層312、314と、1.0ミルのポリイミド313とを含む。コア311は、AP7163Eとすることができる。
【0031】
「ボンディング膜2」341は、1.50ミルのHTポリイミド343を含む。
【0032】
「コア3」321は、0.35ミルのCu層322、324と、1.0ミルのポリイミド323とを含む。コア321は、AP7163Eとすることができる。
【0033】
図3Bは、図3Aと同じ参照番号を有し、メタライズド層304、312、314、及び322においてエッチングされたパターンを有する原材料を示す。前述のFR領域断面図と同様に、メタライズド層302及び324は、エッチングされてもされなくても良い。
【0034】
図3Cは、セクション110「HT」領域のフレックス回路101の断面図を示す。参照番号は、これまでに言及されたものと同じである。
【0035】
フレキシブル回路のHT領域110の積層後の厚さは、図3Cに示されるように6.7ミルである。これは、図2Cに示されるフレキシブル回路のFRセクション111と同じ厚さである。コアのセクションは、領域111及び110について同じ材料であり、同じ厚さである。FR領域111及びHT領域110についての接着性ボンドプライのセクションは、積層後にフレックス回路101の厚さが均一な厚さであるように規定する必要がある。
【0036】
図面は、簡単のために、コアを別々に(即ち、コア201、211、及び222を、コア301、311、及び321とは別々である)示されるが、これらのコアは、フレックス回路101内の全ての配線を含み、これらのコアは連続している。例えば、コア201及び301は、フレックス回路101の長さに延びる同一のコアであり、同様に、コア211及び311は、フレックス回路101の長さに延びる同一のコアであり、コア221及び321は、フレックス回路101の長さに延びる同一のコアである。対照的に、FR領域111(参照231及び241)並びにHT領域110(参照331及び341)についてのボンディング膜は、別々であり、FR領域111及びHT領域110が接合される接合部において互いに接触する必要がある。
【0037】
次に図6を参照すると、電子筐体が、改竄事象中に抉じ開けられたとき、フレックス回路101の1つ又は複数の配線の引き裂き及び切断の可能性を増大させる一実施形態が示される。簡単のために点線640を超える電子筐体400の一部分として示されている電子筐体400(図4A、4B、及び4C)は、抉じ開けられたときに領域111及び110のうちの少なくとも1つにおける配線が切断される。エポキシ又は他の強力な接着剤などの接着剤465は、抉じ開けに抵抗し、フレックス回路101の配線切断を引き起こす。FR領域111は、第1の層611及び第2の層621として小さい曲率半径のFR領域631に対応する湾曲領域631で示される。湾曲領域631は、フレックス回路101が図4Aに示されるようにキャビティ403の中に形成されるときに生じ得る。図6に示されるように、第1の層611のFR領域111の領域は、点線630によって示されるように第2の層621のHT領域110の領域に重なり、第1の層611のFR領域111は、第2の層のFR領域111とHT領域110との間の境界に重なる。電子筐体が抉じ開けられた場合、重なった構造体が、FR領域111及びHT領域110の両方の引き裂きの可能性を大きく増大させることになり、配線を切断することによって電子筐体の改竄を検知する。
【0038】
図7は、電子筐体400が抉じ開けられた場合に、配線フレックス回路101の引き引き裂き及び切断の可能性を増大させる、別の実施形態を示す。やはり、簡単のために、点線740で切られた層711の一部分だけが示されている。この実施形態において、フレックス回路101の単一の層において、FR領域111及びHT領域110の一部が交互になっており、湾曲領域731上を含むフレックス回路101の端部まで延びる。この実施形態における電子筐体400では、曲率半径は、HT領域110の最小の曲率半径に対応する必要があることが理解される。
【0039】
図8は、電子筐体400が抉じ開けられた場合に、配線の引き裂き及び切断の可能性を増大させる、別の実施形態を示す。この実施形態はまた、前述の実施形態の変形として含めることができる。(図4A及び4Bの電子筐体400の)ハウジング底部401の上面図が示されている。拡大されたセクション801は、ハウジング底部401の端部近くの平坦領域においてHT領域110内で蛇行する配線パターンを示す。ギャップ802は、フレックス回路101の配線を有する1つ又は複数の層における「スリット」である。FR領域111は、図4A及び4Bにおいては、フレックス回路101の端部が電子筐体400の端部にあるように示されていた。図8の実施形態においては、図のように、ハウジング底部401の端部が周縁部で平坦であるため、HT領域110は、その望ましい電気的特性を利用するために平坦部分に使用することができ、FR領域111は、筐体400のハウジング底部401の平坦な底部(図4A、4B)に対して小さい曲率半径を扱うために使用される。図4A及び4Bに示されるように、HT領域110はまた、平坦な底部のために使用されることになる。積層プロセスは、再び、約300℃の温度を使用してHT領域110を積層し、約200℃の温度で電子筐体400のハウジング底部401の周縁の内部にFR領域111リングを積層することを管理することになる。より高い約300℃の温度を有するHT領域110を積層した後に、より低い約200℃の温度を有するFR領域111を積層することによって、異なる積層温度を順次行うことができる。代替的に、HT領域110とFR領域111との間のパターンに相関する異なる温度における2つのプレートを使用して、2温度積層を行うことができる。
【0040】
図9は、デシベル(dB)単位の誘電リークの、キロヘルツ(kHz)単位の周波数に対する例示的なプロットを示す。例えば、縦軸の範囲は、下は約-92dBから上は-70dBまでに及ぶものとすることができる。同様に、横軸の範囲は、約0kHzから1.0kHzに及ぶものとすることができる。フレックス回路101のいずれか層の配線が、比較的高周波数の信号、又は高周波数成分を有する時折のパルスを伝えることが必要な場合がある。プロットは、図9においてHT誘電体902として示されるHT110領域に対して、図9においてFR誘電体902として示されるFR領域111で、非常に大きな電力損失を示している。改竄検知の用途において、電子筐体400内部のバッテリ(例えば、図1A及び1B内のバッテリ152)は、電子筐体400内部の半導体チップ(150,151)上の機密情報を破壊するために必要な場合がある。機密情報は、例えば、暗号鍵とすることができる。配線の切断を知らせるアクションは、電子筐体内部の暗号鍵を削除することを含むことができる。幾つかの実施形態において、バッテリの最短動作寿命は、暗号モジュールについての米国政府連邦情報処理標準(FIPS)140-2セキュリティ要件(U.S. Government Federal Information Processing Standard (FIPS) 140-2 Security Requirement for Cryptographic Modules)のような公開された暗号保全仕様によって規定することができる。このような用途では、バッテリに蓄えられたエネルギーの保存は重要である。
【0041】
図10は、HT誘電体を確実に使用することができるHT領域と、HT誘電体を確実には使用できないFR領域とを使用して、フレックス回路を作成するために使用することができる方法100を示す。
【0042】
ステップ1010では、エッチングして配線にすることができる導電性材料を少なくとも一方の面の上に有するコア材料が選択される。
【0043】
ステップ1012では、誘電体とその誘電体の少なくとも一方の面の上の接着剤とを含み、第1の曲率半径をサポートする、第1のボンディング層が選択される。第1のボンディング層は、コア材料に積層されたときに厚さを有する。
【0044】
ステップ1014では、第2のボンディング層が選択される。第2のボンディング層は、第1のボンディング層の同じ電気的又は機械的特性よりも望ましい、少なくとも1つの電気的特性(例えば、リーク)又は機械的特性(例えば、熱膨張率)を有する。第2のボンディング層は、第1の曲率半径で確実に曲げることはできない。第2のボンディング層は、コア材料に積層されたときに厚さを有する。
【0045】
ステップ1016では、電子筐体において、第1の曲率半径の湾曲が必要とされる1つ又は複数の領域が決定される。
【0046】
ステップ1018では、電子筐体において、第2のボンディング層を確実に使用することができる領域が決定される。
【0047】
ステップ1020において、第1のボンディング層が、第1の曲率半径の湾曲が必要な1つ又は複数の領域でコア材料に積層され、第2のボンディング層が、第2のボンディング層を確実に使用することができる1つ又は複数の領域でコア材料に積層される。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線パターンが取り付けられる表面を有するポリイミド層を有するコアと、
遷移ゾーンが生じる前記コアの前記表面に取り付けられた第1の誘電体領域と、
前記第1の誘電体が取り付けられていない前記コアの前記表面に取り付けられた第2の誘電体領域と
を含み、
前記遷移ゾーンは、前記第1の誘電体領域を確実に曲げることができ、前記第2の誘電体領域を確実には曲げることができない特定の半径の湾曲を含む領域である、
フレックス回路を備え、
前記フレックス回路の厚さは、前記フレックス回路の長さにわたって均一である、
装置。
【請求項2】
前記第2の誘電体領域は、前記第1の誘電体領域よりリークが小さい、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の誘電体領域は、難燃性アクリル接着材料(FR)であり、前記第2の誘電体領域は、高温積層材料(HT)である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記フレックス回路に機械的かつ電気的に結合された1つ又は複数の電子コンポーネントをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記フレックス回路の少なくとも一部を収容するための電子筐体をさらに備え、前記電子筐体は、前記フレックス回路の一部が形成される前記遷移ゾーンを有する凹部領域を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記電子筐体は、前記凹部領域を含むハウジング底部をさらに備え、前記フレックス回路は、接着剤によって前記ハウジング底部の表面に取り付けられる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記電子筐体は、ハウジング上部をさらに備え、前記フレックス回路は、前記接着剤によって前記ハウジング上部の表面に取り付けられる、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記配線パターンは、改竄事象における穿孔によって前記配線パターンの少なくとも1つの配線を切断させるように、重なる配線レベルを有する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の誘電体領域及び前記第2の誘電体領域の少なくとも1つから選択された誘電体領域は、前記ハウジング上部及び前記ハウジング底部を抉じ開ける改竄事象において前記配線パターンの少なくとも1つの配線を引き裂いて切断するためのパターンを有する、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
引き裂くための前記配線パターンは、引き裂きを強化するために前記誘電体領域の端部からのスリットを有する蛇行配線パターンを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の誘電体領域上の第1のパターン及び前記第2の誘電体領域上の第2のパターンが、引き裂きを生じさせるように配置された前記第1のパターンと前記第2のパターンとの間で重なる、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
表面上に導電性材料を有するコア材料を選択することと、
第1の曲率半径を持つ湾曲をサポートする第1の誘電体層を選択することであって、前記第1の誘電体層は、前記コア材料と積層されたときに厚さを有する、前記選択することと、
前記第1の誘電体層より望ましい電気的特性を有するが、前記第1の曲率半径における湾曲を確実にはサポートできない第2の誘電体層を選択することであって、前記第2の誘電体層は、前記コア材料と積層されたときに前記厚さを有する、前記選択することと、
前記第1の曲率半径で曲がらなければならないフレックス回路の第1の領域を決定することと、
前記第1の曲率半径で曲がる必要がない前記フレックス回路の第2の領域を決定することと、
前記コア材料を、前記フレックス回路の前記第1の領域における前記第1の誘電体層と積層し、前記コア材料の残り部分を、前記第2の誘電体層と積層することと
を含む、フレックス回路を作成する方法。
【請求項13】
前記コア材料のために「APコア」を選択することをさらに含み、「APコア」は、粘着性がない高性能積層材料のクラスである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の誘電体として「FR」ボンディング層を選択することであって、「FR」は、前記フレックス回路内の難燃性アクリル接着材料である、前記選択することと、
前記第2の誘電体として「HT」ボンディング層を選択することであって、「HT」は、高温積層材料のクラスである、前記選択することと
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
電子筐体に機密材料を封入する方法であって、
前記電子筐体のハウジング底部を作成するステップであって、前記電子筐体は、凹部領域と、前記ハウジング底部の端部と前記凹部の底部との間の遷移ゾーンを有する、前記作成するステップと、
前記電子筐体のハウジング上部を作成するステップと、
前記ハウジング上部及び前記ハウジング底部の内側表面を覆うフレックス回路を接着するステップであって、前記フレックス回路は、前記電子筐体の改竄を検知するためのものである、前記接着するステップと、
を含み、
前記フレックス回路は、前記遷移ゾーンを確実に横切る第1の誘電体領域を有し、
前記フレックス回路は、前記フレックス回路が前記第1の誘電体領域によって覆われない領域を覆うための第2の誘電体領域を有する、
方法。
【請求項16】
前記第1の誘電体領域として難燃性アクリル接着材料「FR」を使用し、前記第2の誘電体領域として高温積層材料「HT」を使用することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記電子筐体の改竄を検知するように構成された前記フレックス回路の配線パターンを使用することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ハウジング上部と前記ハウジング底部とが抉じ開けられたときに前記フレックス回路の配線を引き裂いて切断することを強化するための前記第1及び第2の誘電体領域のレイアウト・パターンを使用することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記ハウジング上部と前記ハウジング底部との間にプリント回路基板(PCB)を配置することをさらに含み、前記PCBは、前記機密材料を含む半導体チップをさらに有する、請求項15に記載の方法。
【国際調査報告】