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特表2023-554612データアナリティクス環境で使用するためのスマート基準を決定するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-28
(54)【発明の名称】データアナリティクス環境で使用するためのスマート基準を決定するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/26 20190101AFI20231221BHJP
【FI】
G06F16/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534699
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 US2021062139
(87)【国際公開番号】W WO2022125506
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】63/122,592
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/543,406
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502303739
【氏名又は名称】オラクル・インターナショナル・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビジュアン,ジェイクス
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175FB04
(57)【要約】
データアナリティクス環境で使用するための、動的生成される分析データメトリクスまたは基準(本明細書において、スマート基準と称する)を提供するためのシステムおよび方法。スマート基準は、データセットに範囲指定されてもよく、特定のユーザにとって関心の対象である範囲指定されたデータまたはそれに対する変更についての理解を示すメタデータに対応付けられてもよい。システムは、スマート基準および関連するルールに従って動作して、その関連するデータを監視し、たとえば、アノマリー、傾向、またはその他の注目すべき変化など、関連性のある情報をサブスクライバーにブロードキャストしてもよい。スマート基準は、たとえば、動的生成される重要業績評価指標としてシステムによって自動的に発見、規定、または更新されてもよい。たとえば、データメトリクスまたはビジュアライゼーションとしてスマート基準を提示する際に、条件付き書式が用いられてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データアナリティクス環境で使用するための動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムであって、
1つ以上のプロセッサを含むコンピューターを備え、前記コンピューターは、データ分析システムを含んだデータアナリティクス環境へのアクセスを提供し、
前記データ分析システムは、スマート基準として機能する分析データメトリクスを生成し、動的生成される分析データメトリクスの各々は、ユーザまたはユーザ群に対象データの範囲を示すメタデータに対応付けられ、
前記システムは、規定のスマート基準に従って動作し、その関連するデータを監視し、前記データ内の1つ以上の検出されたアノマリー、傾向、または変化を含む、前記関連データを記述した分析情報を、サブスクライブするリスナーにブロードキャストする、システム。
【請求項2】
スマート基準として機能する分析データメトリクスは、自動的に発見される、そうでない場合、前記データおよび/またはユーザコミュニティから受信した情報の評価に基づいて前記システムによって決定および更新される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記データ分析システムは、前記データに対応付けられた最新の状態のナレッジの表示を、スマート基準として機能する前記分析データメトリクスに対応付けられた最新の状態のメタデータまたはルールとして記録する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
スマート基準が規定されてユーザまたはユーザ群に対応付けられることに応じて、前記スマート基準は、1つ以上のモバイル機器、1つ以上のウェブブラウザ、1つ以上のオンプレミスシステム、もしくは1つ以上のサードパーティアプリケーションを含む、前記ユーザまたはその他のユーザに、状況に基づいて伝達される、ブロードキャストされる、そうでない場合、提供される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記システムは、条件付き書式を適用して、スマート基準が提供する前記分析データメトリクスを、ビジュアライゼーションまたはその他の容易に識別可能な書式で提示する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
データアナリティクス環境で使用するための動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するための方法であって、
1つ以上のプロセッサを含むコンピューターが、データ分析システムを含んだデータアナリティクス環境へのアクセスを提供することを含み、
前記データ分析システムは、スマート基準として機能する分析データメトリクスを生成し、動的生成される分析データメトリクスの各々は、ユーザまたはユーザ群に対象データの範囲を示すメタデータに対応付けられ、
前記システムは、規定のスマート基準に従って動作し、その関連するデータを監視し、前記データ内の1つ以上の検出されたアノマリー、傾向、または変化を含む、前記関連データを記述した分析情報を、サブスクライブするリスナーにブロードキャストする、方法。
【請求項7】
スマート基準として機能する分析データメトリクスは、自動的に発見される、そうでない場合、前記データおよび/またはユーザコミュニティから受信した情報の評価に基づいて前記システムによって決定および更新される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記データ分析システムは、前記データに対応付けられた最新の状態のナレッジの表示を、スマート基準として機能する前記分析データメトリクスに対応付けられた最新の状態のメタデータまたはルールとして記録する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
スマート基準が規定されてユーザまたはユーザ群に対応付けられることに応じて、前記スマート基準は、1つ以上のモバイル機器、1つ以上のウェブブラウザ、1つ以上のオンプレミスシステム、もしくは1つ以上のサードパーティアプリケーションを含む、前記ユーザまたはその他のユーザに、状況に基づいて伝達される、ブロードキャストされる、そうでない場合、提供される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記システムは、条件付き書式を適用して、スマート基準が提供する前記分析データメトリクスを、ビジュアライゼーションまたはその他の容易に識別可能な書式で提示する、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
命令を有する非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体であって、前記命令は、1つ以上のプロセッサを備えるコンピューターによって読み出されて実行されると、前記コンピューターに方法を実行させ、前記方法は、
1つ以上のプロセッサを含むコンピューターが、データ分析システムを含んだデータアナリティクス環境へのアクセスを提供することを含み、
前記データ分析システムは、スマート基準として機能する分析データメトリクスを生成し、動的生成される分析データメトリクスの各々は、ユーザまたはユーザ群に対象データの範囲を示すメタデータに対応付けられ、
前記システムは、規定のスマート基準に従って動作し、その関連するデータを監視し、前記データ内の1つ以上の検出されたアノマリー、傾向、または変化を含む、前記関連データを記述した分析情報を、サブスクライブするリスナーにブロードキャストする、非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
【請求項12】
スマート基準として機能する分析データメトリクスは、自動的に発見される、そうでない場合、前記データおよび/またはユーザコミュニティから受信した情報の評価に基づいて前記システムによって決定および更新される、請求項11に記載の非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
【請求項13】
前記データ分析システムは、前記データに対応付けられた最新の状態のナレッジの表示を、スマート基準として機能する前記分析データメトリクスに対応付けられた最新の状態のメタデータまたはルールとして記録する、請求項12に記載の非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
【請求項14】
スマート基準が規定されてユーザまたはユーザ群に対応付けられることに応じて、前記スマート基準は、1つ以上のモバイル機器、1つ以上のウェブブラウザ、1つ以上のオンプレミスシステム、もしくは1つ以上のサードパーティアプリケーションを含む、前記ユーザまたはその他のユーザに、状況に基づいて伝達される、ブロードキャストされる、そうでない場合、提供される、請求項13に記載の非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
前記システムは、条件付き書式を適用して、スマート基準が提供する前記分析データメトリクスを、ビジュアライゼーションまたはその他の容易に識別可能な書式で提示する、請求項11に記載の非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
著作権表示
本特許文献の開示の一部には、著作権保護の対象となる資料が含まれる。特許文献または特許開示は、米国特許庁の特許ファイルおよび記録に公開されているため、著作権者は、何人によるその複製に対しても異議はないが、そうでない場合には、例外なくすべての著作権を保有する。
【0002】
優先権主張および関連出願の相互参照
本願は、2021年12月6日に出願され、「SYSTEM AND METHOD FOR DETERMINATION OF SMART MEASURES FOR USE WITH A DATA ANALYTICS ENVIRONMENT(データアナリティクス環境で使用するためのスマート基準を決定するためのシステムおよび方法)」と題された米国特許出願第17/543、406号、および2020年12月8日に出願され、「SYSTEM AND METHOD FOR DETERMINATION OF SMART MEASURES FOR USE WITH AN ANALYTIC APPLICATIONS ENVIRONMENT(分析アプリケーション環境で使用するためのスマート基準を決定するためのシステムおよび方法)」と題された米国仮出願第63/122、592号に基づく優先権の利益を主張し、2016年9月22日に出願され2019年12月24日に米国特許第10、516、980号として発行された、「AUTOMATIC REDISPLAY OF A USER INTERFACE INCLUDING A VISUALIZATION(ビジュアライゼーションを含んだユーザーインタフェースの自動再表示)」と題された米国特許出願第15/273、567号、2019年10月24日に出願され2020年4月16日に米国特許出願公開第2020/0117658号として公開された、「TECHNIQUES FOR SEMANTIC SEARCHING(セマンティック検索のための技術)」と題された米国特許出願第16/662、695号、および2019年9月27日に出願され2020年4月2日に米国特許公開第2020/0104775号として公開された、「TECHNIQUES FOR DATA-DRIVEN CORRELATION OF METRICS(メトリクスのデータ駆動型相関のための技術)」と題された米国出願特許第16/586、347号の関連出願であって、上記出願およびそれらのすべての記載内容を引用により本明細書に援用する。
【0003】
技術分野
本明細書に記載の実施の形態は、概して、データアナリティクスを提供するためのシステムおよび方法に関し、特に、データアナリティクス環境で使用するための動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0004】
背景
一般的に説明すると、データアナリティクスは、データの量をコンピューターベースで検査することを可能にし、ソースデータから分析データ、メトリクス、結論、もしくはその他の種類の分析情報を導出する、またはソースデータを記述した分析データ、メトリクス、結論、もしくはその他の種類の分析情報を導出する。システムおよび方法を用いて、たとえば、組織の事業関連のデータを分析に基づいて記述した、重要業績評価指標として機能するデータメトリクスまたは基準のセットなどの分析ビジネスインテリジェンスデータを、その意思決定者にとって便利な書式で生成できるようになる。
【0005】
データアナリティクスのためのシステムは、クラウドまたはその他の共有コンピューティング環境の状況内で提供されてもよい。異なる組織の顧客またはユーザには、彼らのどの分析データがどのように提示されるかについて異なる要望があるので、適した分析データを提供するには、対応するダッシュボード、ビジュアライゼーション、ユーザーインタフェース、重要業績評価指標、またはこれらの顧客/ユーザのために特別に合わせて作られているその他の分析基準を手作業で構成する必要がある場合がある。
【0006】
しかしながら、大量の組織固有またはユーザ固有の重要業績評価指標、およびその他の分析基準を手作業で構成およびメンテナンスするには、管理上の負担を必要とする。
【0007】
これに加えて、このように手作業で構成される重要業績評価指標または基準のユーザビリティは、組織/ユーザのその後のニーズに対処するために改めて手作業で再構成されない限り、概して、それらの本来の目的に限定されてしまう。
【発明の概要】
【0008】
概要
実施の形態に従って、本明細書において、データアナリティクス環境で使用するための、動的生成される分析データメトリクスまたは基準(本明細書において、スマート基準と称する)を提供するためのシステムおよび方法について説明する。
【0009】
実施の形態によると、スマート基準は、データセットに範囲指定されてもよく、特定のユーザにとって関心の対象である範囲指定されたデータまたはそれに対する変更についての理解を示すメタデータに対応付けられてもよい。システムは、スマート基準および関連するルールに従って動作して、その関連するデータを監視し、たとえば、アノマリー、傾向、またはその他の注目すべき変化など、関連性のある情報をサブスクライバーにブロードキャストしてもよい。
【0010】
実施の形態によると、スマート基準は、当該データセットおよび/またはユーザコミュニティから受信した情報についての理解に基づいて、たとえば、動的生成される重要業績評価指標としてシステムによって自動的に発見、規定、または更新されてもよい。たとえば、データメトリクスまたはビジュアライゼーションとしてスマート基準を提示する際に、条件付き書式が用いられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態に係る、データアナリティクス環境で使用するための動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムを説明する図である。
図2】実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムをさらに説明する図である。
図3】実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムをさらに説明する図である。
図4】実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムをさらに説明する図である。
図5】実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムをさらに説明する図である。
図6】実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムをさらに説明する図である。
図7】実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムをさらに説明する図である。
図8】実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムをさらに説明する図である。
図9】実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムをさらに説明する図である。
図10】実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムをさらに説明する図である。
図11】実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムをさらに説明する図である。
図12】実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたはスマート基準を生成および利用する際にシステムで利用され得るルールの様々な例を説明する図である。
図13】実施の形態に係る、スマート基準の例示的な使用を説明する図である。
図14】実施の形態に係る、スマート基準の例示的な使用をさらに説明する図である。
図15】実施の形態に係る、スマート基準の別の例示的な使用を説明する図である。
図16】実施の形態に係る、スマート基準の別の例示的な使用をさらに説明する図である。
図17】実施の形態に係る、データアナリティクス環境でのスマート基準の例示的な使用を説明する図である。
図18】実施の形態に係る、データアナリティクス環境で使用するための動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するための工程または方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
上述したように、データアナリティクスのためのシステムは、クラウドまたはその他の共有コンピューティング環境の状況内で提供されてもよい。しかしながら、大量の組織固有またはユーザ固有の重要業績評価指標、およびその他の分析基準を手作業で構成およびメンテナンスするには、管理上の負担を必要とする。これに加えて、このように手作業で構成される重要業績評価指標または基準のユーザビリティは、組織/ユーザのその後のニーズに対処するために改めて手作業で再構成されない限り、概して、それらの本来の目的に限定されてしまう。
【0013】
実施の形態に従って、本明細書において、データアナリティクス環境で使用するための、動的生成される分析データメトリクスまたは基準(本明細書において、スマート基準と称する)を提供するためのシステムおよび方法について説明する。
【0014】
実施の形態によると、スマート基準は、データセットに範囲指定されてもよく、特定のユーザにとって関心の対象である範囲指定されたデータまたはそれに対する変更についての理解を示すメタデータに対応付けられてもよい。システムは、スマート基準および関連するルールに従って動作して、その関連するデータを監視し、たとえば、アノマリー、傾向、またはその他の注目すべき変化など、関連性のある情報をサブスクライバーにブロードキャストしてもよい。
【0015】
実施の形態によると、スマート基準は、当該データセットおよび/またはユーザコミュニティから受信した情報についての理解に基づいて、たとえば、動的生成される重要業績評価指標としてシステムによって自動的に発見、規定、または更新されてもよい。たとえば、データメトリクスまたはビジュアライゼーションとしてスマート基準を提示する際に、条件付き書式が用いられてもよい。
【0016】
様々な実施の形態によると、本明細書に記載のシステムおよび方法の技術的利点には、データセットに対応付けられた分析データメトリクスもしくは基準、またはデータセットを記述した分析データメトリクスもしくは基準をシステムが自動的に生成できることが含まれ、これにより、データアナリティクスを効率的に生成できるようになり、変化する組織固有またはユーザ固有のニーズに対処するために本来であれば必要であろう手作業で構成される重要業績評価指標の量およびストレージを減らすことができる。
【0017】
これに加えて、様々な実施の形態によると、このような動的生成される分析データメトリクスまたは基準をスマート基準として提供することにより、システムがシステム自体を効果的に構成して、たとえば、対応付けられたデータセット内の変更を素早く検出して反応できるようにすることを可能にし、人による管理によって遅延を招くことなく、コミュニティから手に入れた情報を利用できるようにもなる。
【0018】
動的生成される分析データメトリクス(スマート基準)
実施の形態によると、動的生成される分析データメトリクス(本明細書の様々な実施の形態において、「スマート基準」と称する)は、動的に更新されかつ通信可能な方法、「自己認識」または「活発な基準」スタイルで機能するように適合される分析データメトリクスまたは基準として見ることができる。
【0019】
たとえば、どの分析データがどのように提示されるかについての特定の組織またはユーザの要望に対処するために手作業で特別に合わせて作られ得、かつ手作業で更新され得る従来のKPI(重要業績評価指標)とは対照的に、実施の形態によると、スマート基準は、当該データセットおよび/またはユーザコミュニティから受信した情報についての理解に基づいて、たとえば、動的生成されるKPIとしてデータ分析システムによって自動的に発見、規定、または更新されてもよい。
【0020】
図1は、実施の形態に係る、データアナリティクス環境で使用するための動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムを説明する図である。
【0021】
図1に示して詳細を後述するように、実施の形態によると、データアナリティクス環境30は、データ分析システム100を備えるまたはデータ分析システム100と組み合わせて動作し得、コンピューターハードウェア101を備える。データ分析システム100は、企業データまたはその他のデータ34へのアクセスを提供し、データメトリクスサブシステム40または構成要素を備える。データメトリクスサブシステム40は、スマート基準生成部44を備え、条件付き書式42の利用を可能にする。
【0022】
実施の形態によると、データ分析システムは、クラウドコンピューティングシステムによって提供されてもよく、1つ以上のコンピューターサーバと、1つ以上の処理装置(プロセッサ、CPU)と、メモリと、データストレージとを備えるその他の適切にプログラムされたコンピューターシステムによって提供されてもよい。コンピューター操作は、ハードウェア、コンピューター実行可能な命令、ファームウェア、またはそれらの組合せで適宜実現されてもよい。データストレージは、たとえば、1つもしくは複数のメモリ記憶装置またはその他の非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体など、永続記憶装置を用いて実装されてもよい。
【0023】
実施の形態によると、デバイスハードウェア12(たとえば、プロセッサ/CPU、メモリ、ストレージ)と、データアナリティクスアプリケーション14と、ユーザーインタフェース16とを有するクライアントデバイス10は、たとえば、データアナリティクス環境が提供するモバイル/ウェブインタフェース32を介してデータ分析システムと通信してもよい。ユーザ50は、クライアントデバイスを使用して、データアナリティクス環境とのやり取り52を行い、KPIとして機能するデータメトリクスもしくは基準のセット、またはその他の種類のメトリクスなど、分析データを閲覧してもよく、そうでない場合、アクセスしてもよい。
【0024】
実施の形態によると、図1に示すさらなる構成要素および工程(様々なその他の実施の形態に関して本明細書においてさらに後述する)は、コンピューターシステムまたはその他の種類の処理装置によって実行可能なソフトウェアまたはプログラムコードとして提供されてもよい。
【0025】
後述するが、実施の形態によると、データメトリクスサブシステムは、スマート基準がデータセットに範囲指定されることを可能にし、特定のユーザにとって関心の対象である範囲指定されたデータまたはそれに対する変更についての理解を示すメタデータに対応付けられることを可能にする。データ分析システムは、スマート基準および関連するルールに従って動作して、その関連するデータを監視し、たとえば、アノマリー、傾向、またはその他の注目すべき変化など、関連性のある情報をサブスクライバーにブロードキャストしてもよい。
【0026】
実施の形態によると、データアナリティクス環境は、特定の種類のデータまたは分析メトリクスもしくは基準の検索、アクセス、および/または利用に関連する情報をユーザコミュニティから受信できる、データクロール/検索機能を備え得る、または当該データクロール/検索機能と組み合わせて動作し得る。この情報は、その後、特定のデータセットに対するユーザの関心を判断する際、スマート基準を生成する際、または特定のユーザにとって関心の対象である可能性が高いアクションと特定のスマート基準を対応付ける際に、システムによって利用され得る。
【0027】
実施の形態によると、データアナリティクス環境は、システムがユーザに、たとえば、その特定のユーザ専用にパーソナライズされた傾向メトリクスもしくは異常メトリクスの形式で関連性のある情報を提供することを可能にする、パターン/傾向判断機能を備え得る、または当該パターン/傾向判断機能と組み合わせて動作し得る。
【0028】
実施の形態によると、ユーザが自身でスマート基準を規定することを選んでもよい。代わりに、データ分析システムが、統計的な、ML(機械学習)、AI(人工知能)、またはその他のコンピューターによって自動化された工程を採用して、特定の分析メトリクスまたは基準についていずれの態様が重要であるかをユーザコミュニティから学習してから適切なスマート基準を生成する際に使用するために、関連するメタデータを時間の経過とともに徐々に更新し得る。システムは、各基準についてさらに学習し続けると、コミュニティが提供した情報を引き続き利用して漸進的により関連性のある情報を提供できるようになるであろう。
【0029】
実施の形態によると、このようなメタデータは、たとえば、範囲、フィルター、方向性、しきい値/目標、または1人以上のユーザにとって関心の対象である可能性が高いデータ内のその他の変化の表示を含んでもよい。スマート基準は、当該データセットおよび/またはユーザコミュニティから受信した分析データメトリクスなどについての情報についての理解に基づいて、たとえば、動的生成される重要業績評価指標としてシステムによって自動的に発見、規定、または更新されてもよい。
【0030】
実施の形態によると、スマート基準と対応付けるために、ユーザがメタデータを直接提供してもよい。代わりに、メタデータは、たとえば、Oracle BI Ask環境など、様々な、たとえば、データクロール/検索環境を通して間接的に集められてもよい。
【0031】
たとえば、図1に示すように、実施の形態によると、ユーザもしくはユーザのコミュニティ60が特定の種類のデータもしくは特定の分析データメトリクスを定期的に見ている、またはこのようなデータの変更に応答して概してアクションを実行している、とデータ分析システムが観測した場合、システムは、ユーザ/コミュニティベースの学習70を適用して、当該データに対するユーザの(またはコミュニティの)関心を理解し得、ユーザのアクションから推論を行い得る。
【0032】
実施の形態によると、データ分析システムは、このような最新の状態のナレッジ/理解の表示を、スマート基準に対応付けられた最新の状態のメタデータ/ルールとして記録してもよい。システムが特定の分析データメトリクスをスマート基準として認識するのに十分な量のメタデータをユーザまたはユーザコミュニティが提供した場合、1つ以上の動的生成される分析データメトリクスまたは基準72、74がデータ分析システムによって生成80されてもよい。
【0033】
実施の形態によると、スマート基準が規定されてユーザまたはユーザ群に対応付けられると、スマート基準は、状況に基づいて適切に当該ユーザまたはその他のユーザに、たとえば、モバイル機器、ウェブブラウザ、オンプレミスシステム、もしくはサードパーティアプリケーションなど、異なる/様々な種類のコンピューティング環境間で使用されてもよく、伝達されてもよく、ブロードキャストされてもよく、そうでない場合、提供されてもよい。
【0034】
たとえば、実施の形態によると、データ分析システムは、いつ分析メトリクスまたは基準が、たとえば、(上昇または下降)傾向であって、システムが傾向情報をスマート基準と対応付けることになるしきい値を満たすかを示すメタデータを収集することによって、データセットのスマート基準を決定してもよい。
【0035】
実施の形態によると、どのユーザが同様の分析メトリクスまたは基準を利用した可能性があるかに気づくことによって、システムは、スマート基準に関心があるであろう特定のユーザについての表示にスマート基準を対応付けて、このような情報を関連するメタデータに記録してもよい。
【0036】
実施の形態によると、データ分析システムによって生成されると、スマート基準は、たとえば、それに対応付けられたデータセット内のいずれのデータ点が良い点か悪い点か(たとえば、方向性);普通であるか、異常であるか、理想であるか;重要なしきい値、目標、およびベンチマークであるかについての理解、または、どの特定のユーザがこのようなスマート基準情報を受信することに関心があり得るかについての理解を提供する際に、様々な特徴を発揮し得る。
【0037】
実施の形態によると、たとえば、表示データメトリクスまたはビジュアライゼーションとしてスマート基準を提示する際に、条件付き書式が使用されてもよい。条件付き書式は、たとえば、ビジュアライゼーションの一部を強調して、関連性のあるデータの値の違いを反映するために、データビジュアライゼーション内の様々な異なる方法でデータアナリティクス環境が情報を提示することを可能にする。
【0038】
たとえば、実施の形態によると、スマート基準は、それについてのステータスを報告する際に条件付き書式を使用する(たとえば、赤色/黄色/緑色として);もしくは、様々な条件付き書式もしくはその他のビジュアライゼーション工程を用いて、そのスマート基準に対応付けられたデータが時間の経過とともにどのように変化するかについての情報を効果的に伝達する;当該データに関心があるであろう人に通知する;当該データに適切なアクションを提案する;スマート基準がいつ特定の目標を満たす可能性が高いかを予測する;傾向を提供する;目標との差異および目標までの隔たりを提供する;または、当該データのスマート概要を提供するように適合されてもよい。
【0039】
実施の形態によると、スマート基準は、過去および/または現在の情報を見て、どのデータが特定のユーザ/サブスクライバーにとって最も重要なデータであると思われるかを判断した後、そのナレッジを利用して、分析アプリケーション環境、クラウドコンピューティング、またはその他の種類のデータアナリティクス環境によって提供されたどのデータを監視するかおよび/またはこれらのユーザ/サブスクライバーに報告するかを判断するように適合されてもよい。
【0040】
実施の形態によると、データ分析システムは、データにアクセスおよび利用することに関連する情報をユーザコミュニティから受信するために利用され得るソーシャル/共有情報探索および取得環境を備えてもよく、または当該ソーシャル/共有情報探索および取得環境と組み合わせて動作してもよい。当該情報は、その後、システムが、ユーザの関心について理解する、および適切なスマート基準を生成する、または特定のスマート基準をユーザにとって関心の対象である可能性が高いアクションに対応付ける際に利用し得る。
【0041】
実施の形態によると、データ分析システムは、たとえば、適切な基準および適切なアクションでシステムを訓練するために、ユーザコミュニティからの入力を使用してもよい。ユーザがシステムとやり取りを行うと、メタデータが集められて適切なスマート基準と対応付けられる。その後、訓練されたこのシステムは、新しく受信したデータの解析に基づいて新しいスマート基準を生成または規定し得る。メタデータは、特定のスマート基準またはデータ点に追加され、たとえば、当該スマート基準またはデータ点に関連するデータが特定の企業またはコミュニティ内、または特定のユーザにとって関心の対象であることを示す。
【0042】
たとえば、実施の形態によると、たとえば、Oracle Day-by-Dayなどの環境で使用された場合、システムは、特定のユーザのためにこのような環境で利用された既存のメタデータを当該ユーザのスマート基準を用いて増強して、ユーザがその情報に関心があることを示し、その後、その情報を活用してコミュニティのその他のユーザのスマート基準も提供してもよい。
【0043】
実施の形態によると、システムは、ユーザからの入力を、特定のデータセットまたはその変更に関連する、たとえば、テキスト入力として解釈し、適切なスマート基準を決定する際に自然言語処理技術を利用してもよい。
【0044】
たとえば、実施の形態によると、データ分析システムは、データクロール/検索環境によって得られたメタデータを活用し、そこで利用される当該メタデータをスマート基準メタデータで補足し得る。データクロール/検索環境は、どのデータにユーザの関心があるのかについての情報を取得し得、当該ユーザは、その後、たとえば、Oracle Day-by-Dayフィードとして、またはソーシャル環境もしくはソーシャルプラットフォームにおいてスマート基準に従い得る。このように、特定の基準に対するユーザの関心を特定または示唆するさらなる個人情報でユーザの分析的洞察に対応付けられ得る標準メタデータが拡充されてもよい。
【0045】
実施の形態によると、データ分析システムは、ユーザコミュニティに対して直接または間接的に調査を行って、どの特定の情報がその他の情報、または特定のユーザタイプにとってより重要であるか、またはより関連性が高いかを評価した後、ユーザが提供した情報を用いて、管理設定を行うことなく、基準に対応付けられたメタデータを拡充させるように適合され得る。
【0046】
たとえば、実施の形態によると、データ分析システムは、コミュニティに対して調査を行って、そのデータに対する洞察を提供するように適合され得、コミュニティが提供した洞察を利用して、スマート基準に対応付けられたメタデータを、クラウドソーシングされた方法はまたは群衆の叡知でさらに補足または調整し得る。
【0047】
このようにすれば、実施の形態によると、スマート基準は、いずれもユーザにとって個人的な基準となり得、その後、時間の経過とともに、その他のユーザがスマート基準のナレッジをクラウドソーシングするにつれて、スマート基準は、そのコミュニティ/仲間のナレッジに基づいて、そのユーザにとって「よりスマートな」基準となり得ると同時に、そのメリットを、コミュニティのその他のユーザにとって関心の対象であると思われる情報と彼らの特定の状況とを提案することで、彼らに提供する。
【0048】
たとえば、実施の形態によると、特定の基準または方向性に多くの人の関心があるとシステムが判断した場合、データ分析システムは、クラウドソーシングされた情報を、パーソナライズされたユーザコンテキスト(状況)と合わせて活用して適切に指揮し、たとえば、ユーザが現在何をしているのかを評価した後に、彼らが特定の時刻に何をしている可能性があるかに基づいて関連性のある情報を判断する。
【0049】
データクロール/検索機能
上述したように、実施の形態によると、データアナリティクス環境は、特定の種類のデータまたは分析メトリクスもしくは基準の検索、アクセス、および/または利用に関連する情報をユーザコミュニティから受信できる、データクロール/検索機能を備え得る、または当該データクロール/検索機能と組み合わせて動作し得る。この情報は、その後、特定のデータセットに対するユーザの関心を判断する際、スマート基準を生成する際、または特定のユーザにとって関心の対象である可能性が高いアクションと特定のスマート基準を対応付ける際に、システムによって利用され得る。
【0050】
図2は、実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムをさらに説明する図である。
【0051】
実施の形態によると、図2に示す環境は、スマート基準をサポートするために利用できるデータクロール/検索機能の例を説明する目的で提供され。様々な実施の形態によると、その他の種類のデータクロール/検索機能が利用されてもよい。
【0052】
図2に示すように、実施の形態によると、データ分析システムは、たとえば、1つ以上のエンタープライズアプリケーション145、アクセス管理システム146、ウェブサーバ147、プレゼンテーションサーバ148、および/またはBI(ビジネスインテリジェンス)サーバ149を備える1つ以上の企業コンピューターシステムまたはデータソース134と、企業/その他のデータにアクセスする目的で通信し得る。
【0053】
実施の形態によると、データにアクセスするユーザ要求、またはクエリの処理は、たとえば、ユーザの役割またはアイデンティティに基づいてユーザがアクセス可能なデータセットに限定されてもよい。これに代えて、たとえば、特定の企業コンピューターシステムに関するなど、すべてのユーザに関連するレベルでデータにクロール処理が行われてもよい。
【0054】
実施の形態によると、クロールサブシステム152は、リファレンスストア140とデータインデックス142とを生成する動作を実行する。リファレンスストア140とデータインデックス142は、合わせて、データの論理/インデックスマッピングを提供でき、受信したデータ要求/クエリを処理する際に利用され得る。詳細については後述するが、クロールサブシステムは、スケジューラー154と、クロールマネージャ164とを備え得る。
【0055】
実施の形態によると、クエリサブシステム180は、セマンティックデータモデル110に格納されたデータの論理マッピングを備え得る、または当該論理マッピングと組み合わせて動作し得る。論理マッピングは、受信したデータアクセス要求/クエリをセマンティック解析するためにデータインデックスを使用することを可能にする。詳細については後述するが、クエリサブシステムは、入力ハンドラ182と、インデックスマネージャ184と、クエリ生成部186と、ビジュアライゼーションマネージャ188とを備え得る。
【0056】
実施の形態によると、図2に示すデータクロール/検索機能は、たとえば、Oracle BI Ask環境のインタラクティブフレームワーク150の一部として提供されてもよく、またはOracle BI Ask環境と組み合わせて提供されてもよい。
【0057】
図3は、実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムをさらに説明する図である。
【0058】
図3に示すように、実施の形態によると、クロールサービス162は、たとえば、スケジュールに従って、1つ以上のデータソースからのデータを問い合わせる1つ以上のクロールを管理し、当該データのインデックスを生成するためのクロールマネージャを呼び出すように動作する。データインデックスは、セマンティックデータモデルの論理データマッピングの一部を形成し得る。
【0059】
実施の形態によると、クロールマネージャは、1つ以上のクロールタスク166を開始できる。クロールタスク166は、実行されると、クロールに規定された言語またはクエリに基づいて、データソースからのデータの問い合わせを行う。
【0060】
実施の形態によると、クエリエグゼキュータ168は、クロールタスクのクエリをデータソースにとって適切な言語に変換し、インデックスを生成する。たとえば、クロールタスクのクエリは、論理SQL(論理Structured Query Language)によって規定されたクエリに変換されてもよい。
【0061】
様々な実施の形態によると、クエリは、処理のためにデータソースに直接送られてもよく、または、代わりに、プレゼンテーションサーバに対して発行されてもよい。プレゼンテーションサーバは、当該クエリを実行するようBIサーバ200に要求する。インデックスライター202は、クエリと、データインデックスにあるクエリに応じたデータとをインデックスできる。
【0062】
実施の形態によると、検索サービス192は、ユーザ入力に基づいてクロールを開始し得る。これにより、ユーザは、ほとんどのユーザにとって馴染みのある形式であり構造化されていないクエリとしてデータを検索できるようになる。クエリサブシステムは、ユーザによって入力された文字列を処理して入力された文字列の意味論的意味を判断でき、これは、入力された文字列を単語に処理してこれらの単語をデータインデックスと比較して最も近い用語および/または意味論的意味を判断することを含む。
【0063】
実施の形態によると、データアクセス要求/クエリを受けると、検索クエリリライター194は、インデックスを検索するためにクエリを調整するおよび/または修正するための処理を行い得る。たとえば、クエリを定義する入力を処理し、インデックスを検索するための用語セットを作成してもよい。インデックス検索部196は、検索クエリ書込み部が出力する1つ以上の用語に基づいてインデックスの検索を行ってもよい。
【0064】
実施の形態によると、インデックス検索部が特定した最も近い用語に基づいて、システムは、インデックスにある一致する用語に対応するデータを判断し、出力データからのクエリ生成部198を提供できる。出力データからのクエリ生成部198は、要求されたデータをデータソース内で問い合わせおよび/または取得するように動作する。
【0065】
実施の形態によると、クエリサブシステムは、たとえば、要求されたデータを最良に表現するためのビジュアライゼーションの種類など、作成したクエリに応じて取得したデータを表示するための1つ以上のオプションを選択的に決定するための動作を実行してもよい。
【0066】
実施の形態によると、オプションで、クエリサブシステムは、生成したクエリをプレゼンテーションサーバに提供してもよい。プレゼンテーションサーバは、1つ以上のビジュアル表現の種類を提供し、クエリに応じてデータを特定および取得するようBIサーバに要求する動作を実行し、取得したデータをプレゼンテーションサーバに提供し得る。プレゼンテーションサーバは、たとえば、取得データのビジュアル表現を提供するダッシュボードまたはKPIなど、グラフィカルインタフェースを生成する。
【0067】
図4および図5は、実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムをさらに説明する図である。
【0068】
図4および図5に示すように、実施の形態によると、データ分析システムは、ユーザログインおよび許可部236、推論エンジン238、自動カードセレクター240、カード生成部242、コンテキストリポジトリ230、および格納されたカード232、との通信を容易にするコントローラ234を備える。
【0069】
実施の形態によると、データ分析システムは、本質的(intrinsic)コンテキスト情報および付帯的(extrinsic)コンテキスト情報を活用して、分析データメトリクスまたはスマート基準の動的生成をさらに改良できる。コンテキスト情報は、たとえば、ユーザ、それに対応付けられたクライアントコンピューティングデバイスもしくはソフトウェア、またはコンピューティングデバイスもしくはソフトウェアとのユーザインタラクションに関連するメタデータであってもよい。
【0070】
実施の形態によると、本質的コンテキスト情報は、ユーザによって具体的に選択または指定される任意のコンテキスト情報であり得、たとえば、自然言語クエリのステートメントおよび表現を含むユーザデータアクセス要求またはクエリなどである。
【0071】
実施の形態によると、付帯的コンテキスト情報は、ユーザによって明確に選択または指定されていない任意のコンテキスト情報であり得、たとえば、ユーザデータアクセス許可もしくはログインクレデンシャル、(たとえば、GPS(Global Positioning System)受信機によって示されるような)クライアントコンピューティングデバイスの位置、またはユーザチームもしくは共同研究グループなどである。また、付帯的コンテキスト情報は、ユーザコミュニティの活動を解析することで算出された集約メトリクスを含んでもよい。
【0072】
実施の形態によると、ログインおよびユーザ許可部は、たとえば、ユーザログイン情報を受信してユーザアイデンティティの確認およびユーザのクライアントデバイスに対するデータアクセス許可などの適切な制約の適用を容易にすることにより、BIサーバへのユーザログインを容易にする。ユーザアイデンティティおよび関連データアクセス許可は、格納されたカードを介して提供されるコンテンツを選択的に調整するためにシステムが使用できるコンテキスト情報の種類を表す。
【0073】
実施の形態によると、推論エンジンは、クエリ用語または表現の解釈を容易にし、コンテキストリポジトリが保持する本質的および/または付帯的コンテキスト情報の利用を含む。
【0074】
実施の形態によると、自動カードセレクター部は、自然言語入力表現の、たとえば、MDX(Multi-Dimensional eXpressions)へのマッピングと、データソースがサポートするデータベース次元、測定値、分析的計算値への入力表現のマッピングに応じたカードの種類の選択とを容易にする。
【0075】
実施の形態によると、カード生成部は、ビジュアライゼーションで使用するためのデータの編成を容易にし、自動カードセレクターが決定したカードの種類に応じたビジュアライゼーションの選択を含み、カードを描画するために使用する描画データを収集する。
【0076】
実施の形態によると、コンテキストリポジトリが保持するコンテキスト情報は、動的コンテキスト情報を含んでもよい。動的コンテキスト情報は、たとえば、ほぼリアルタイムの変化によって変化するコンテキスト情報を含む周期的または日々の変化によって変化するコンテキスト情報であり、たとえば、クライアントデバイスを特徴付けるGPS位置情報である。このクライアントデバイスで、ユーザは他人と連絡し合う場合があり、データまたは基準を用いてやり取りを行っている。
【0077】
実施の形態によると、このようなコンテキスト情報を用いて、システムは、ホーム画面が定期的またはリアルタイムに更新されるように、適切なスマート基準をユーザのデバイス(たとえば、ホーム画面)に動的またはコンテキストベースでプッシュ通知することを容易にできる。
【0078】
特定の実施の形態の説明の便宜上、上記例を提供した。たとえば、2019年10月24日に出願され、2020年4月16日の米国特許出願公開第2020/0117658として公開された「Techniques For Semantic Searching(セマンティック検索のための技術)」と題された米国特許出願第16/662、695号に記載されている機能などのように、様々な実施の形態によると、システムは、さらなるデータクロール/検索機能を利用できる。
【0079】
スマート基準の生成
図6は、実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムをさらに説明する図である。
【0080】
図6に示すように、実施の形態によると、デバイスハードウェア(たとえば、CPU)と、データアナリティクスアプリケーションと、ユーザーインタフェースとを有するクライアントデバイスは、モバイル/ウェブインタフェースを介してデータアナリティクス環境と通信できる。ここでは、データアナリティクス環境は、企業/その他のデータへのアクセスを提供し、条件付き書式の利用を可能にするデータメトリクスサブシステムまたは同等のコンポーネントと、スマート基準生成部とを備える。
【0081】
実施の形態によると、ユーザは、クライアントデバイスを使用して、データアナリティクス環境とやり取りする、および、たとえばKPIまたはその他の種類のメトリクスなど、様々なデータ/メトリクス54、56を見ることができる、そうでない場合、アクセスすることができる。
【0082】
実施の形態によると、データメトリクスサブシステムは、ユーザまたはユーザ群にとって関心の対象であるデータの範囲を示すメタデータにスマート基準を対応付けることを可能にする。システムは、規定のスマート基準に従って動作し、その関連するデータを監視し、メトリクス、アナリティクス、または、たとえば、検出されたアノマリー、傾向、もしくはデータ内のその他の注目すべき変化など、その他の関連性のある情報を、スマート基準にサブスクライブするリスナーにブロードキャストする。
【0083】
図7は、実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムをさらに説明する図である。
【0084】
図7に示すように、実施の形態によると、このようなメタデータ73は、たとえば、範囲、フィルター、方向性、しきい値/目標、または1人以上のユーザにとって関心の対象である可能性が高いデータ内のその他の変化の表示を含んでもよい。
【0085】
図8は、実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムをさらに説明する図である。
【0086】
図8に示すように、実施の形態によると、ユーザもしくはユーザのコミュニティが特定の種類のデータを定期的に見ている、またはこのようなデータに応答して概してアクションを実行している、と観測した場合、システムは、当該データに対するユーザの(またはコミュニティの)関心について理解し始め得る、または、たとえば、ユーザ/コミュニティベースの学習、および1つ以上の統計的な、機械学習、人工知能、もしくはその他のコンピューターによって自動化された工程によって、ユーザのアクションから推論を行い得る。
【0087】
図9は、実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムをさらに説明する図である。
【0088】
図9に示すように、実施の形態によると、システムは、データおよび/またはユーザコミュニティから受信した情報についての理解に基づいてスマート基準を自動的に発見、規定、または更新し、このような最新の状態のナレッジ/理解の表示を、スマート基準に対応付けられた最新の状態のメタデータ/ルール75として記録し得る。
【0089】
図10は、実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムをさらに説明する図である。
【0090】
図10に示すように、実施の形態によると、メタデータ76またはスマート基準に対応付けられた最新の状態のメタデータ/ルール79を含む、スマート基準をシステムが認識するのに十分な量のメタデータがユーザコミュニティによって提供されると、1つ以上のスマート基準72、74がシステムによって生成または更新され得る。
【0091】
図11は、実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するためのシステムをさらに説明する図である。
【0092】
図11に示すように、実施の形態によると、スマート基準が規定されてユーザまたはユーザ群に対応付けられると、スマート基準は、当該ユーザもしくはその他のユーザに、状況に基づいて適切に、たとえば、1つ以上のビジュアライゼーションとして、または、たとえば、モバイル機器、ウェブブラウザ、オンプレミスシステム、もしくはサードパーティアプリケーションなど、異なる/様々な種類のコンピューティング環境間で使用されてもよく、伝達されてもよく、ブロードキャストされてもよく、そうでない場合、提供されてもよい。
【0093】
パターン/傾向判断機能
上述したように、実施の形態によると、データアナリティクス環境は、システムがユーザに、たとえば、その特定のユーザ専用にパーソナライズされた傾向メトリクスもしくは異常メトリクスの形式で関連性のある情報を提供することを可能にする、パターン/傾向判断機能を備え得る、または当該パターン/傾向判断機能と組み合わせて動作し得る。
【0094】
実施の形態によると、1人以上のユーザがシステムおよびその関連するデータソースにアクセスして、たとえば、データアクセス要求/クエリを実行すると、システムは、最初もしくはその後の閲覧習慣、または特定のデータ値もしくはデータ値が変化することに基づいて発生していると特定できる習慣的/頻繁に行われるアクションなど、利用パターンをユーザ毎に特定して追跡し得る。
【0095】
実施の形態によると、その後、システムは、特定したユーザのパターンを現在のデータ値または傾向と合わせて使用して、使用パターンに基づいてユーザにとって便利であると思われる情報を特定し、その情報をスマート基準として提供し得る。
【0096】
実施の形態によると、統計的に重要であるとシステムが判断した場合、または特定の分野内で関連性があるとシステムが判断した場合、関連性のあるデータ/情報がユーザに提供されてもよい。使用パターンもしくはユーザコミュニティの挙動、および/または長い時間にわたるメトリクス指標の挙動を利用して、メトリクス指標間の関係が特定されてもよい。
【0097】
たとえば、実施の形態によると、メトリクス指標には、2つ以上のメトリクス指標間の関係を特定するために、またはメトリクス指標の集合の値(傾向)を解析して先行指標および遅行指標を特定するためにシステムが利用できるメタデータが対応付けられてもよい。
【0098】
オプションで、実施の形態によると、システムは、ユーザログを解析してそのユーザが短期間で閲覧した指標を見つけることによって、メトリクス指標間の関係を特定してもよい。メトリクス指標間の関係を生成するために、複数のユーザのユーザログが利用されてもよい。関係についての明示的ユーザ定義によって作成された関係、ユーザログ、および/またはメトリクス指標の挙動は、その後、ユーザの役割、ユーザの挙動、および/またはユーザの現在のビューに基づいてスマート基準を生成するためにシステムによって利用されてもよい。
【0099】
実施の形態によると、システムは、メトリクス指標をクラウドソーシングするための工程を含んでもよい。たとえば、傾向メトリクス指標は、特定の組織またはチームのその他のユーザが閲覧されているメトリクス指標を含んでもよい。傾向メトリクス指標は、その他の組織にあるどの他のユーザが共通のドメインナレッジとして彼らの組織内で閲覧しているかに基づいて識別されてもよい。
【0100】
実施の形態によると、たとえば、データアナリティクスアプリケーションとユーザーインタフェースとを有するクライアントデバイスに対応付けられたアプリケーション/ユーザーインタフェースは、上述したように、ユーザが所望すればスマート基準として明るみにされるように構成され得るメトリクス指標をシステムが識別することによって更新できる。
【0101】
実施の形態によると、このようなメトリクス指標のユーザ構成として、メトリクス指標のデフォルト値よりも優先されるパーソナライズされたしきい値を設定することなどが挙げられる。しきい値の種類は、たとえば、個人のしきい値、またはベンチマークを含んでもよい。ユーザは、様々な重大度の通知が、たとえば、モバイル機器、電子メール、またはボイスに送られる方法を構成してもよい。
【0102】
実施の形態によると、スマート基準で使用するための情報価値が最も高いコンテンツは、メトリクス指標に関する統計的に重要な変更があるメトリクス指標についての情報、または、対象期間にわたってメトリクス指標に関する統計的に重要なアノマリーがあるメトリクス指標についての情報であってもよい。
【0103】
たとえば、実施の形態によると、多変量時系列モデルが行った予測に基づいた期待値の分散に合致していない、特定期間における傾向または傾向値を有する分析データメトリクスまたは基準は、アノマリーとして識別されてもよい。ユーザがそのメトリクス指標を明確に要求していてもいなくても、この情報をスマート基準としてユーザに提供することは、価値があるであろう。
【0104】
実施の形態によると、企業データソースからのデータは、信号アノマリーを特定するために利用される。データメトリクスサブシステムは、たとえば、メトリクス指標がしきい値から外れる傾向であることが原因であるアノマリー信号を示している可能性があるメトリクス指標を特定してもよい。
【0105】
一例として、実施の形態によると、所与のメトリクス指標に関して、データメトリクスサブシステムは、たとえば、ベクトル自己回帰和分移動平均過程、またはその他の統計的な、機械学習、人工知能、またはその他のコンピューターによって自動化された技術を用いて、多変量動的依存性モデルを生成してもよい。このような工程を用いて、動的依存性モデルに基づいてメトリクス指標の第1の変数または属性の値の第1セットの予測が生成される。モデルからの値を実績値と比較して、観測された値の分散が予測よりもかなり離れているかどうかが判断されてもよい。
【0106】
実施の形態によると、統計的偏差が著しい(たとえば、分散の重心からの標準偏差2つ分よりも大きい)場合、データメトリクスサブシステムは、メトリクス指標を関連性のある指標である、または、メトリクス指標には重要な情報がある識別し、人が見るべきであると示し、分析データメトリクスまたは基準をスマート基準として使用するために選択する。メトリクス指標値が複数の時点にまたがって予測値から統計的に(たとえば、標準偏差2つ分だけ)外れている場合、アノマリーが確認される。メトリクス指標モデルが問題またはアノマリーを示唆している場合、ユーザのスマート基準煮含めるためにメトリクス指標が選択されてもよい。
【0107】
いくつかの実施の形態によると、KPIなど、選択された分析データメトリクスまたは基準は、さらに解析されることなく、スマート基準として提供されてもよい。いくつかの実施の形態では、データメトリクスサブシステムは、モデルに基づいてアノマリーについての説明を生成し、その説明をスマート基準とともに含めてもよい。たとえば、メトリクス指標のモデル、現在のメトリクス指標値、およびその時点における寄与変数の値を用いて、関連性のある時間のメトリクス指標にとって重要な属性を特定してもよい。説明が生成されると、データメトリクスサブシステムは、信号アノマリーに対処するためのアドバイスを生成し、スマート基準とともに提供してもよい。
【0108】
実施の形態によると、スマート基準または対応付けられたデータセットに関連してユーザがとるアクションの各々は、アクションレコーダーによって記録されてもよい。記録されたアクションは、解析され、アクティビティデータとコンテキストデータが抽出される。時間の経過とともに、このような個々のユーザエピソードには、パターンが現れる場合がある。ユーザのためにパーソナライズされたアドバイスをその他のユーザのアクションに基づいて生成するために、多くのユーザのデータが同様に取得および利用されてもよい。
【0109】
実施の形態によると、スマート基準を提供する際に、システムは、たとえば、システムのいくつかの分析データメトリクスまたは基準の各々について、たとえば、SHARP(Shapley Additive Explanations)値またはその他の統計的な、機械学習、人工知能、もしくはその他のコンピューターによって自動化された工程によって定められたエントロピー変化が最高である属性を判断してもよい。
【0110】
実施の形態によると、スマート基準のグラフィカル表現を生成する場合、システムは、上記のように特定された最高(最大)エントロピー変化を有する分析データメトリクスまたは基準、KPI、またはカードを、スマート基準とともに使用するために選択してもよい。このようにすれば、システムは、ユーザに提供されるメトリクス指標に対応付けられた関連性のあるコンテンツを選択できるようになる。
【0111】
上記例は、特定の実施の形態を説明するために提供した。様々な実施の形態によると、システムは、たとえば、「TECHNIQUES FOR DATA-DRIVEN CORRELATION OF METRICS」と題された、2019年9月27日に出願され、2020年4月2日に米国特許出願公開第2020/0104775として公開された出願第16/586、347号に記載されているような追加の傾向判断機能を利用してもよい。
【0112】
スマート基準ユーザ定義
上述したように、実施の形態によると、ユーザが自身でスマート基準を規定することを選んでもよい。代わりに、データ分析システムが、統計的な、機械学習、人工知能、またはその他のコンピューターによって自動化された工程を採用して、特定の分析メトリクスまたは基準についていずれの態様が重要であるかをユーザコミュニティから学習してから適切なスマート基準を生成する際に使用するために、関連するメタデータを時間の経過とともに徐々に更新し得る。
【0113】
たとえば、ビジュアライゼーションを作成する際に用いられるDV(データビジュアライゼーション)環境を提供する実施の形態によると、ユーザは、スマート基準を明示的定義として、当該基準のプロパティウィンドウから規定してもよい。その他のオプション(たとえば、チャート/音声)が、ビジュアライゼーションまたは音声クエリから予めポピュレートされたメタデータ情報を有するスマート基準を作成する場合もある。様々な実施の形態に係る、スマート基準を作成するために必要なメタデータを作成し得るエリアの例を以下に提供する。
【0114】
プロパティウィンドウから:タイプを選ぶ;範囲を特定する;フィルターを規定する;しきい値、傾向などを設定する…。
【0115】
チャートから: チャートを右クリックする;タイプを自動ポピュレートする;範囲を自動ポピュレートする;フィルターを自動ポピュレートする;タイプに基づいてユーザがしきい値を設定する。
【0116】
音声から: 北東部の特定の製品の売上げが10%上がったかどうかを通知する; 製品の「手持在庫数量」が1000品未満である場合、私に電子メールを送信してください。
【0117】
モバイルアプリケーション(アプリ)において:デスクトップとして同様のルールに基づいてチャートから戻す。
【0118】
スマート基準の通知/アラート
上述したように、実施の形態によると、スマート基準が規定されてユーザまたはユーザ群に対応付けられると、スマート基準は、ユーザまたはその他のユーザに、状況に基づいて適切に、たとえば、複数のモバイル機器、ウェブブラウザ、オンプレミスシステム、またはサードパーティアプリケーションなど、異なる/様々な種類のコンピューティング環境間で使用されてもよく、伝達されてもよく、ブロードキャストされてもよく、そうでない場合、提供されてもよい。
【0119】
実施の形態によると、スマート基準を規定することの利点の1つは、たとえば、ダッシュボードにおいて、ユーザが見ていないときであってもユーザのためにデータセットを監視できることである。システムは、設定頻度に基づいてスマート基準を評価してもよく、条件が合った場合、通知に関するユーザのプロファイル設定に基づいてアラートを作成してもよい。例示的なユーザ固有の通知として、以下が含まれ得る。
【0120】
通知設定を構成するためのユーザプロファイル:デフォルトの送り届け方法(SMS、ホームページ、電子メール)。頻度(毎日、毎週、毎月)。履歴管理。
【0121】
ホームページ通知:待ち状態の通知を一目で確認できる機能(たとえば、通知数付きのアイコン)。トリガされたスマート基準が(モバイルコンティニュイティプロジェクト当たりの)スマートフィード上に表示されてもよい。
【0122】
モバイル通知:SMS。たとえば、Oracle Analytics Cloudのホームページ通知エリアに戻るリンク付きのテキストベースのアラート。固有のモバイル通知。通知グループ。
【0123】
電子メール通知:画像と、アラートをトリガしたスマート基準を含んだホームページ通知エリアおよび/またはプロジェクトキャンバスへのドリルバックとが添付されたRichHTML通知。電子メール通知は、各ユーザの基本設定において設定された頻度に限定される。
【0124】
スマート基準および自然言語処理
上述したように、実施の形態によると、システムは、ユーザからの入力を、たとえば、特定のデータセットまたはその変更に関連するテキスト入力として解釈し、適切なスマート基準を決定する際に自然言語処理技術を利用してもよい。
【0125】
実施の形態によると、Oracle BI Askフレームワークを拡張してスマート基準のメタデータおよび値の再問合せをサポートしてもよい。この拡張メタデータにより、たとえば、:「下降傾向であるすべてのわたしの基準を見せて」;「クリティカルステータスにあるすべてのわたしの基準を見せて」;「目標の80%(到達)範囲内にあるすべての基準を見せて」;「正しい/間違った方向に傾向している上位5つの基準を見せて」;「目標との差異が最も大きい上位10個の基準を見せて」;「クリティカル(または赤字)ステータスにあるすべての基準を見せて」など、事業価値が非常に高いクエリの豊富なセットが可能になる。
【0126】
実施の形態によると、たとえば、Askクエリの結果は、結果セットとして、スマート基準の一覧を返してもよい/返す。たとえば、Askホームページ体験は、数多くのスマート基準パフォーマンス・タイルから構成される結果を表示するように適合されてもよい。また、ユーザは、いくつかの方法で結果を並び替えることができてもよい、たとえば、:ステータス(たとえば、クリティカル/警告/OK)による並べ替え/グループ分け;目標までの距離による並べ替え;名前による並べ替え;目標との差異による並び替えなどがある。
【0127】
実施の形態によると、より豊かな文と所見とを含んだ分析データメトリクスまたは基準をサポートするために、Yseop社のNLG(自然言語生成)エンジンまたは同様の工程が用いられてもよい。
【0128】
たとえば、実施の形態によると、「所望の方向」、「目標/ターゲット」、および「しきい値」などのメタデータは、NLGエンジンが方向および目標との差異についてのコメントを作成するのに役立つであろう。
【0129】
スマート基準のビジュアライゼーション
上述したように、実施の形態によると、たとえば、表示データメトリクスまたはビジュアライゼーションとしてスマート基準を提示する際に、条件付き書式が使用されてもよい。条件付き書式は、たとえば、ビジュアライゼーションの一部を強調して、関連性のあるデータの値の違いを反映するために、表示されたデータビジュアライゼーション内の様々な異なる方法でデータアナリティクス環境が情報を提示することを可能にする。
【0130】
実施の形態によると、ビジュアライゼーションの作成者は、スマート基準ルールを規定して、基準を有するチャートのいずれにも対応付けることができる能力を有するべきであろう。各チャートには、「有効/利用可能な」複数のルールがあってもよく、その後ビジュアライゼーションプロジェクトがプレゼンテーションモードで共有される場合、ユーザは、ビジュアライゼーション上でルールのオン/オフを切り替えることができるが、ビジュアライゼーションにルールを追加することはできない。
【0131】
実施の形態によると、スマート基準のインタラクションは、通常の基準と同じであるが、スマート基準を有するビジュアライゼーションは、ユーザがスマート基準付きの拡張属性で表示を豊かにすることができるようにすべきであろう。たとえば、このような拡張メタデータは、:ステータス色(たとえば、赤色/不良、黄色/警告、緑色/良);景況感(たとえば、アップが良であり、ダウンが不良)を有する傾向;実績値およびターゲット値/目標値;値もしくはパーセントとしての目標との差異(たとえば、距離);または、値もしくはパーセントとしての「一定期間前」からの変化を含んでもよい。
【0132】
例示的なスマート基準メタデータ
上述したように、実施の形態によると、スマート基準は、データセットに範囲指定されてもよく、特定のユーザにとって関心の対象である範囲指定されたデータまたはそれに対する変更についての理解を示すメタデータに対応付けられてもよい。データ分析システムは、スマート基準および関連するルールに従って動作して、その関連するデータを監視し、たとえば、アノマリー、傾向、またはその他の注目すべき変化など、関連性のある情報をサブスクライバーにブロードキャストしてもよい。
【0133】
実施の形態によると、スマート基準は、データセットと対応付けられていなければならない。ユーザがデータセットに対してプロジェクトを作成し、このデータセットがプロジェクトに対するスマート基準を有している場合、ユーザは、プロジェクト内でそのスマート基準へのアクセスを有していなければならない。
【0134】
以下の実施例1は、実施の形態に係る、上述したスマート基準タイプごとのメタデータ要素のスーパーセットを示す。
【0135】
【表1】
【0136】
【0137】
例示的なスマート基準のタイプ
実施の形態によると、スマート基準は、一般に、データの範囲に制限され得る。パフォーマンスおよびシステム負荷を考慮すると、これは有用である。たとえば、以下のように、様々な異なるタイプのスマート基準があり得る。
【0138】
基準を単純な数値または単純な数式の結果と比較する、明示的スマート基準。
明示的スマート基準のような基準であるが、値がその他の分析基準が関係する数式の結果である、比較スマート基準。
【0139】
基準が正しい/間違った方向に傾向している時の変化を特定して追跡することに焦点を合わせている、傾向スマート基準。
【0140】
アノマリーを特定すること、および基準の値がその通常範囲を外れるときに焦点を合わせている、統計スマート基準。
【0141】
上記は、一例として提供されており、説明した特定の実施例に実施の形態を限定する意図はない。
【0142】
明示的スマート基準
実施の形態によると、明示的スマート基準は、ユーザが業務にとって重要な特定の値にスマート基準が達したときを知りたい(またはアラートを受けたい)場合に有用である。この値は、単純な数値、パーセントの増/減、または単純な数式の結果であってもよい。
【0143】
例として、明示的スマート基準の例示的な使用として、:ユーザAは、自身の1、000,000ドルのノルマにいつ到達するかを知りたい;ユーザAは、自身の部署の離職率が6%を超えているかどうかを知りたい;ユーザAは、自身の販売契約成約率がこの四半期で10%よりも多く下がったかどうかを知りたい;ユーザAは、特定の製品の自身の売上げが今日のいつに10%増えたかを知りたい、などが挙げられる。
【0144】
実施の形態によると、表1は、明示的スマート基準をサポートするために必要なメタデータを示す。
【0145】
【表2】
【0146】
比較スマート基準
実施の形態によると、比較スマート基準は、明示的スマート基準と同様の基準であるが、スマート基準がターゲットとして使用している値は、システムにおける別の基準または過去の値を調べた結果得られた数式の結果である。
【0147】
例として、比較スマート基準の例示的な使用として、:ユーザAは、北東部における製品の自身の売上げが自身の2019年ノルマの80%にいつ到達するかを知りたい。(売上げとノルマ基準とを比較する);ユーザAは、自身の売上げが昨年の売上げよりも10%増えたかどうかを知りたい。(今年の売上げと昨年の売上げとを比較する);ユーザAは、自身の出費が四半期毎および部署の予算を超えているかどうかを知りたい、などが挙げられる。
【0148】
実施の形態によると、表2は、比較スマート基準をサポートするために必要なメタデータを示す。
【0149】
【表3】
【0150】
傾向スマート基準
実施の形態によると、傾向スマート基準は、基準が時間の経過とともにどのように傾向するかを追跡する。システムは、傾向が良から不良に向かうことになる重要な変化を基準がいつ経験するかを特定する(視覚的におよび/または通知する)べきである。
【0151】
例として、傾向スマート基準の例示的な使用として、:ユーザAは、自身の売上げがいつ下降傾向を開始するかを知りたい;ユーザAは、経費がいつ間違った方向への傾向を開始するのか/開始するかどうかを知りたい、などが挙げられる。
【0152】
実施の形態によると、表3は、傾向スマート基準をサポートするために必要なメタデータを示す。
【0153】
【表4】
【0154】
統計スマート基準
実施の形態によると、統計スマート基準は、傾向スマート基準のような基準である。しかしながら、これは、スマート基準がいつその基準の標準から外れた値になるかについての情報をユーザに基づかせる。
【0155】
例として、統計スマート基準の例示的な使用として、:ユーザAは、顧客のクレーム数がいつ標準を外れるのかを知りたい;ユーザAは、どの基準が「制御不能」である可能性があるかを知りたい;ユーザAは、どの基準の傾向が変化する可能性が高いかを知りたい、などが挙げられる。
【0156】
実施の形態によると、表4は、統計スマート基準をサポートするために必要なメタデータを示す。
【0157】
【表5】
【0158】
スマート基準工程制御ルール
上述したように、実施の形態によると、システムは、スマート基準および関連するルールに従って動作して、その関連するデータを監視し、たとえば、アノマリー、傾向、またはその他の注目すべき変化など、関連性のある情報をサブスクライバーにブロードキャストしてもよい。
【0159】
図12は、実施の形態に係る、動的生成される分析データメトリクスまたはスマート基準を生成および使用する際にシステムで利用され得るルールの様々な例を示す図である。
【0160】
図12に示すように、実施の形態によると、例示的なルールは、たとえば、以下を含んでもよい。
【0161】
ルール#1:特定のスマート基準に範囲指定されたデータ内において、いずれかの制御限界を超えた1つの点を判断する。このスマート基準および関連するルールの例示的な使用は、非常に大きな/突然の転換を検出する機能を含む。
【0162】
ルール#2:特定のスマート基準に範囲指定されたデータ内において、中心線の同じ側にある9個の連続する点を判断する。このスマート基準および関連するルールの例示的な使用は、小さな転換または傾向を検出する機能を含む。
【0163】
ルール#3:特定のスマート基準に範囲指定されたデータ内において、着々に増加または減少する6個の連続する点を判断する。このスマート基準および関連するルールの例示的な使用は、強い傾向を検出する機能を含む。
【0164】
ルール#4:特定のスマート基準に範囲指定されたデータ内において、交互に上下する14個以上の連続する点を判断する。このスマート基準および関連するルールの例示的な使用は、交替制のマシン、オペレータ、サプライヤなど、体系的な影響を検出する機能を含む。
【0165】
ルール#5:特定のスマート基準に範囲指定されたデータ内において、同じ側にあって、少なくとも標準偏差2つ分だけ中心線を超えた3つの連続する点のうち2つの点を判断する。このスマート基準および関連するルールの例示的な使用は、大きな変化を検出する機能を含む。
【0166】
ルール#6:特定のスマート基準に範囲指定されたデータ内において、中心線から標準偏差2つ分以上だけ離れたチャート上の5個の連続する点のうち4個の点を判断する。このスマート基準および関連するルールの例示的な使用は、中程度の変化を検出する機能を含む。
【0167】
ルール#7:特定のスマート基準に範囲指定されたデータ内において、中心線の標準偏差1つ分内にある15個以上の連続する点を判断する。このスマート基準および関連するルールの例示的な使用は、工程のばらつきの減少を検出する機能を含む。
【0168】
ルール#8:特定のスマート基準に範囲指定されたデータ内において、中心線の両側に存在するが、いずれも標準偏差1つ分よりも外側にある8個以上の連続する点を判断する。このスマート基準および関連するルールの例示的な使用は、工程のばらつきの増加を検出する機能を含む。
【0169】
図17に示して説明した例示的なルールは、スマート基準の運用をサポートするために使用できる様々な種類のルールの例を示す目的で提供した。様々な実施の形態によると、様々なユースケースをサポートするために、異なる/その他の種類のルールがデータで適用されてもよい。
【0170】
スマート基準の例示的なビジュアライゼーションおよび使用
図13は、実施の形態に係る、スマート基準の例示的な使用を説明する図である。
【0171】
図13に示すように、実施の形態によると、特定のユーザまたはユーザコミュニティが定期的に特定の種類のデータを見直している、またはこのようなデータを見直したことに応答して特定のアクションを実行していることを観測した場合、システムは、様々なデータに対するユーザの(またはコミュニティの)関心について理解し始めてもよく、ユーザのアクションから推論を行ってもよい。
【0172】
図14は、実施の形態に係る、スマート基準の例示的な使用をさらに説明する図である。
【0173】
図14に示すように、実施の形態によると、スマート基準が規定されてユーザに対応付けられると、スマート基準は、適切に、たとえば、1つ以上のビジュアライゼーションとして、ユーザまたはその他のユーザに使用されてもよく、伝達されてもよく、ブロードキャストされてもよく、そうでない場合、提供されてもよい。
【0174】
図15は、実施の形態に係る、スマート基準の別の例示的な使用を説明する図である。
図15に示すように、実施の形態によると、上述したように、システムは、特定のユーザまたはユーザコミュニティが定期的に特定の種類のデータを見直している、または、特定の種類のデータに関連するアクションを概して実行していることを観測し、スマート基準を生成してもよい。
【0175】
図16は、実施の形態に係る、スマート基準の別の例示的な使用をさらに説明する図である。
【0176】
図16に示すように、実施の形態によると、上述したように、スマート基準は、適切に、たとえば1つ以上のビジュアライゼーションとして、ユーザまたはその他のユーザに使用されてもよく、伝達されてもよく、ブロードキャストされてもよく、そうでない場合、提供されてもよい。
【0177】
アプリケーションおよびデータウェアハウス環境でのスマート基準の例示的な使用
実施の形態によると、スマート基準は、分析アプリケーション環境、クラウドコンピューティング、またはその他の種類のデータアナリティクス環境で使用するために開発されてもよく、たとえば、Oracle ADW(Autonomous Data Warehouse)、Oracle ADWC(Autonomous Data Warehouse Cloud);ならびに垂直業務アプリケーションおよび/または水平業務アプリケーションなど、様々な種類のデータウェアハウス環境またはコンポーネントで使用するために開発されてもよい。
【0178】
実施の形態によると、水平業務アプリケーションとして、上述したような、ERP、HCM、CX、SCM、およびEPMなどを挙げることができ、様々な企業組織間で広い範囲の機能を提供することができる。垂直業務アプリケーションは、一般に、水平業務アプリケーションよりも範囲が狭いが、規定の範囲または業界内の上下方向の一連のデータへのアクセスを与える。垂直業務アプリケーションとして、特定の組織内で使用するための医療用ソフトウェア、または銀行業務ソフトウェアなどを挙げることができる。
【0179】
一例として、図17は、実施の形態に係る、データアナリティクス環境でのスマート基準の例示的な使用を説明する図である。
【0180】
図17に示して説明した例は、1種類の分析アプリケーションまたはデータアナリティクス環境の例を説明するために提供されている。実施の形態によると、図17に示され、様々なその他の実施の形態に関してさらに説明される構成要素および工程は、コンピューターシステムまたはその他の種類の処理装置によって実行可能なソフトウェアまたはプログラムコードとして提供することができる。たとえば、本明細書において説明した構成要素および工程は、クラウドコンピューティングシステム、またはその他の適切にプログラムされたコンピューターシステムによって提供できる。
【0181】
図17に示すように、実施の形態によると、分析環境300は、コンピューターハードウェア(たとえば、プロセッサ、メモリ)301を有するコンピューターシステムによって設けられてもよく、そうでない場合、当該コンピューターシステムにおいて動作してもよく、コントロールプレーン302、およびデータプレーン304として動作する1つ以上のソフトウェアコンポーネントを備え、データウェアハウスインスタンス360およびデータベース361へのアクセスを提供する。
【0182】
実施の形態によると、コントロールプレーンは、たとえば、Oracle Analytics Cloud環境など、SaaSまたはクラウド環境との関連で提供されるクラウドまたはその他のソフトウェアプロダクトを制御するよう動作する。たとえば、実施の形態によると、コントロールプレーンは、顧客(テナント)および/またはプロビジョニングコンポーネント311を有するクラウド環境によるアクセスを可能にするコンソールインタフェース310を含んでもよい。
【0183】
実施の形態によると、コンソールインタフェースは、顧客(テナント)がGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)および/もしくはCLI(コマンドラインインタフェース)またはその他のインタフェースを操作することによってアクセス可能であってもよく、ならびに/またはSaaSもしくはクラウド環境のプロバイダーおよびその顧客(テナント)によって使用されるインタフェースを含んでもよい。
【0184】
実施の形態によると、たとえば、特定の顧客(テナント)のためにETLプロセスの実行の要求頻度を変更または更新することによって、データウェアハウスインスタンス、および/またはデータプレーンにおいて動作するETLプロセスを更新または編集するために、プロビジョニングコンポーネントが使用されてもよい。
【0185】
実施の形態によると、データプレーンは、データパイプラインまたは処理レイヤー320およびデータ変換レイヤー334を含んでもよい。これらは合わせて、たとえば、顧客の(テナントの)SaaS環境にプロビジョニングされた業務生産性ソフトウェアアプリケーションなど、組織の企業向けソフトウェアアプリケーションまたはデータ環境からの運用データまたはトランザクションデータを処理する。
【0186】
実施の形態によると、データ変換レイヤーは、KM(ナレッジモデル)、またはその他の種類のデータモデルなど、データを分析環境が理解できるモデルフォーマットに変換するためにシステムが使用するデータモデルを含んでもよい。
【0187】
実施の形態によると、データパイプラインまたは処理、たとえば、業務生産性ソフトウェアアプリケーションおよび対応するトランザクションデータベース306など、企業向けソフトウェアアプリケーションまたはデータ環境からトランザクションデータを抽出する308ために一定間隔(たとえば、毎時間/毎日/毎週)で動作するようスケジュール設定されてもよい。
【0188】
実施の形態によると、抽出データを変換した後、データパイプラインまたは処理は、ウェアハウスロードプロシージャ350を実行して、変換データをデータウェアハウスインスタンスにロードしてもよい。
【0189】
実施の形態によると、データ ウェアハウスは、デフォルト分析アプリケーションスキーマ(いくつかの実施の形態に従って本明細書では分析ウェアハウススキーマと称する)を含み、システムの顧客(テナント)毎には顧客スキーマを含んでもよい。データアナリティクス環境の異なる顧客には、データアナリティクスもしくはビジネスインテリジェンスデータを提供するまたはソフトウェア分析アプリケーションを開発するために彼らのデータがどのように分類、集約、または変換されるかについて異なる要求がある。
【0190】
実施の形態によると、顧客のデータがどのように分類、集約、または変換されるかについての様々な顧客の要求に応えるために、セマンティックレイヤー380は、顧客データのセマンティックモデルを規定するデータを含んでもよい。セマンティックレイヤー380は、ユーザが広く知られたビジネス用語を用いてそのデータを理解およびアクセスすることを支援するのに有用であり、プレゼンテーションレイヤー390にユーザ定義コンテンツを提供する。
【0191】
実施の形態によると、プレゼンテーションレイヤーは、たとえば、ソフトウェア分析アプリケーション、ユーザーインタフェース、ダッシュボード、重要業績評価指標(KPI)、ビジュアライゼーション、または、たとえば、Oracle Analytics Cloudなどの製品によって提供され得るその他の種類のレポートもしくはインタフェースを用いてデータコンテンツにアクセスすることを可能にしてもよい。
【0192】
実施の形態によると、ユーザ/開発者は、コンピューターハードウェア(たとえば、プロセッサ、ストレージ、メモリ)と、ユーザーインタフェースと、ソフトウェアアプリケーションとを備えるクライアントコンピューターデバイスとやり取りしてもよい。クエリエンジン(たとえば、OBIS)は、たとえば、Oracle Analytics Cloud環境内で分析クエリを提供するように動作し、サポートされるデータベースまで操作を押し下げてビジネスユーザクエリを適切なデータベース固有のクエリ言語に変換する。
【0193】
図18は、実施の形態に係る、データアナリティクス環境で使用するための動的生成される分析データメトリクスまたは基準を提供するための工程または方法を示す図である。
【0194】
図18に示すように、実施の形態によると、ステップ402では、システムは、分析アプリケーション環境、クラウドコンピューティング、またはその他の種類のデータアナリティクス環境にユーザコミュニティがアクセスできるようにする。
【0195】
ステップ404は、システムは、たとえば、機械学習または人工知能(ML/AI)プロセスを活用するスマート基準を生成して、KPI(重要業績評価指標)を発見し、データおよび/またはユーザコミュニティから受信した情報についての理解に基づいてKPIを規定する。
【0196】
ステップ406では、規定されると、スマート基準は、その関連するデータを引き続き監視し、そのデータにサブスクライブリスナーに、たとえば、データ内で検出されたアノマリーまたは傾向など、関連性のある情報をブロードキャストする。
【0197】
様々な実施の形態によると、本明細書における教示は、本開示の教示に従ってプログラムされた1つ以上のプロセッサ、メモリ、および/またはコンピューター読み取り可能な記憶媒体を含む、1つ以上の従来の汎用または専用のデジタルコンピュータ、コンピューティングデバイス、機械、またはマイクロプロセッサによって好都合に実現されてもよい。当業者であるプログラマーは、ソフトウェア技術を身につけた者に明らかなように、本開示の教示に基づいて、適切なソフトウェアコーディングを容易に用意できる。
【0198】
いくつかの実施の形態において、本発明は、指示を格納した非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体(複数のコンピューター読み取り可能な記憶媒体)であるコンピュータプログラムプロダクトを含む。コンピュータプログラムプロダクトを使用して、本教示のいずれの処理も実行できるようにコンピューターをプログラムすることができる。たとえば、このような記憶媒体は、ハードディスクドライブ、ハードディスク、固定ディスク、またはその他の電気機械式データ記憶装置、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、DVD、CD-ROM、マイクロドライブ、および光磁気ディスクを含む任意の種類のディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、DRAM、VRAM、フラッシュメモリデバイス、磁気カードもしくは光カード、ナノシステム、または指示ならびに/もしくはデータを一時的に格納するのに適したその他の種類の記憶媒体もしくはバイスを含み得るが、これらに限定されない。
【0199】
上記の説明は、例示および説明のために提供されている。これは、包括的であったり、開示した厳密な形態に保護範囲を限定したりすることを意図していない。多くの変更および変形が当業者に明らかになるであろう。
【0200】
たとえば、本明細書において提供した例のうちのいくつかでは、エンタープライズソフトウェアアプリケーションまたはOracle Analytics Cloud環境などのデータアナリティクス環境との運用について例示したが、様々な実施の形態によると、本明細書に記載のシステムおよび方法は、その他の種類のエンタープライズソフトウェアアプリケーション/データ環境、クラウド環境、クラウドサービス、クラウドコンピューティング、またはその他のコンピューティング環境とともに用いることができる。
【0201】
これに加えて、本明細書において提供した例のうちのいくつかでは、たとえば、Oracle BIサーバ、Oracle BI Ask、およびOracle Day-by-Dayなどの環境について例示したが、データへのアクセスおよび利用に関連する情報をユーザコミュニティから受信するためにその他のソーシャル/共有情報探索および取得環境が利用されてもよい。この情報は、その後、システムが、ユーザの関心を理解する、および適切なスマート基準を生成する、またはユーザにとって関心の対象である可能性が高いアクションと特定のスマート基準とを関連付ける際に利用し得る。また、様々な実施の形態によると、その他の種類のソーシャル/共有情報探索および取得環境、またはその他の種類の分析アプリケーション環境、クラウドコンピューティング、またはデータアナリティクス環境によってスマート基準が生成されてもよく、および/またはこれらの環境で使われてもよい。
【0202】
本教示の原理およびその実際の適用例を最もよく説明するために実施の形態を選んで説明した。これにより、様々な実施の形態、およびこれらに加えて考えられる特定の用途に適した様々な変更例を当業者が理解することが可能になる。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】