(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-28
(54)【発明の名称】殺真菌性オキサジアゾール及びその混合物
(51)【国際特許分類】
A01N 43/836 20060101AFI20231221BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20231221BHJP
A01N 47/24 20060101ALI20231221BHJP
A01N 53/14 20060101ALI20231221BHJP
A01N 43/84 20060101ALI20231221BHJP
A01N 43/90 20060101ALI20231221BHJP
A01N 43/56 20060101ALI20231221BHJP
A01N 47/12 20060101ALI20231221BHJP
A01N 43/40 20060101ALI20231221BHJP
A01N 47/14 20060101ALI20231221BHJP
A01N 59/16 20060101ALI20231221BHJP
A01N 43/653 20060101ALI20231221BHJP
A01N 43/54 20060101ALI20231221BHJP
A01N 37/50 20060101ALI20231221BHJP
A01N 37/34 20060101ALI20231221BHJP
A01N 59/20 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
A01N43/836
A01P3/00
A01N47/24 D
A01N53/14
A01N43/84 101
A01N43/90 103
A01N43/90 104
A01N43/90 105
A01N43/56 A
A01N47/12 Z
A01N43/40 101E
A01N43/56 C
A01N47/14 C
A01N59/16 Z
A01N43/653 C
A01N43/54 A
A01N37/50
A01N43/653 G
A01N43/653 Q
A01N37/34 104
A01N43/40 101P
A01N59/20 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536361
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2023-07-04
(86)【国際出願番号】 US2021063852
(87)【国際公開番号】W WO2022133114
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ジェームズ・パステリス
(72)【発明者】
【氏名】シュリーニバス・チッタボイナ
(72)【発明者】
【氏名】トラヴィス・チャンドラー・マクマホン
(72)【発明者】
【氏名】バレディー・カミレディー
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィシェカーラ・ピー・レディー
(72)【発明者】
【氏名】バイロン・ベーガ-ヒメネス
(72)【発明者】
【氏名】シュリニヴァーサ・ラオ・ウッパラパーティ
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AA01
4H011BA06
4H011BB06
4H011BB09
4H011BB10
4H011BB13
4H011BB15
4H011BB18
4H011DF04
(57)【要約】
(a)式1の化合物(その全ての幾何異性体及び立体異性体、互変異性体、N-オキシド及び塩が含まれる)から選択される少なくとも1つの化合物を含む殺真菌組成物であって、
【化1】
(式中、
R
1、L及びJは、本開示において定義される通りである)及び、(b)少なくとも1つの追加の殺真菌化合物を含む、組成物が開示される。真菌類植物病原体によって引き起こされる植物病害を防除する方法であって、(例えば、上記の組成物の成分としての)式1の化合物、そのN-オキシド又は塩の殺真菌有効量を植物若しくはその一部分又は植物種子に適用することを含む方法も開示される。以下を含む組成物も開示される:(a)上記の式1の化合物、N-オキシド及びそれらの塩から選択される少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つの無脊椎有害生物防除化合物又は薬剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺真菌性組成物であって、
(a)式1
【化1】
(式中、
R
1は、R
2から独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよいフェニル環であるか;又は
R
1は、5~6員の芳香族複素環であり、各環は、炭素原子及び2個までのO、2個までのS及び4個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子から選択される環員を含み、2個までの環員は、C(=O)、C(=S)、S(=O)及びS(=O)
2から独立して選択され、各環は、R
2から独立して選択される3個までの置換基で場合により置換されているか;又は
R
1は、3~7員非芳香族環又は8~11員二環式環系であり、各環又は環系は、炭素原子と、任意選択的に2個までのO、2個までのS及び4個までのN原子から独立して選択される4個までのヘテロ原子とから選択される環員を含有し、2個までの環員は、C(=O)、C(=S)、S(=O)及びS(=O)
2から独立して選択され、各環又は環系は、R
2から独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよく、
Lは、O、NR
3、NR
3CH
2、CH
2NR
3、NR
3CH
2CH
2、CH
2CH
2NR
3、(CR
4aR
4b)
n、OCH
2、CH
2O、OCH
2CH
2、CH
2CH
2O又はCH
2OCH
2であり、ここで、左側の原子はR
1に結合しており、右側の原子はJに結合しており、各炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
2アルコキシ及びC
1~C
2ハロアルコキシから独立して選択される2個までの置換基で置換されていてもよく;
Jは、フェニル環又はナフタレニル環系であり、それぞれR
5から独立して選択される2個までの置換基で置換されていてもよいか;又は3~7員の炭素環式環であり、ここで、3個までの環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、各環は、R
5から独立して選択される2個までの置換基で置換されていてもよいか;又は
Jは、5~6員非芳香族複素環であり、各環は、炭素原子と、2個までのO、2個までのS及び4個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子とから選択される環員を含有し、2個までの環員は、C(=O)、C(=S)、S(=O)及びS(=O)
2から独立して選択され、各環は、R
5から独立して選択される2個までの置換基で置換されていてもよく、
各R
2は独立して、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、チオイル、SF
5、CH(=O)、C(=O)OH、-NR
3aR
3b、C(=O)NR
3aR
3b、C(=O)C(=O)NR
3aR
3b、C(=S)NR
3aR
3b、C(R
6)=NR
7、N=CR
8NR
9aR
9b又は-U-V-Qであり;又はC
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7シクロアルケニル、C
1~C
6アルコキシ、C
2~C
6アルケニルオキシ、C
2~C
6アルキニルオキシ、C
3~C
7シクロアルコキシ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、C
1~C
6アルキルアミノスルフィニル、C
2~C
6ジアルキルアミノスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルアミノ、C
2~C
6アルキルカルボニル、C
4~C
7シクロアルキルカルボニル、C
2~C
6アルコキシカルボニル、C
3~C
6アルケニルオキシカルボニル、C
3~C
6アルキニルオキシカルボニル、C
4~C
7シクロアルコキシカルボニル、C
3~C
6アルキルオキシカルボニルカルボニル、C
2~C
6アルキルカルボニルオキシ、C
4~C
7シクロアルキルカルボニルオキシ、C
2~C
6アルコキシカルボニルオキシ、C
4~C
7シクロアルコキシカルボニルオキシ、C
2~C
6アルキルアミノカルボニルオキシ、C
4~C
7シクロアルキルアミノカルボニルオキシ、C
2~C
6アルキルカルボニルアミノ、C
4~C
7シクロアルキルカルボニルアミノ、C
2~C
6アルコキシカルボニルアミノ、C
4~C
7シクロアルコキシカルボニルアミノ、C
2~C
6アルキルアミノカルボニルアミノ、C
4~C
7シクロアルキルアミノカルボニルアミノ又はC
2~C
6ジアルコキシホスフィニルであり、R
10から独立して選択される3個までの置換基でそれぞれ置換されていてもよく;
各R
3及びR
3aは独立して、H、シアノ、ヒドロキシ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
2~C
4ハロアルキニル、C
1~C
5アルコキシ、C
2~C
4アルコキシアルキル、C
1~C
4アルキルスルホニル、C
1~C
4ハロアルキルスルホニル、C
2~C
4アルキルチオアルキル、C
2~C
4アルキルスルフィニルアルキル、C
2~C
4アルキルスルホニルアルキル、C
2~C
4アルキルカルボニル、C
2~C
4ハロアルキルカルボニル、C
4~C
7シクロアルキルカルボニル、C
2~C
5アルコキシカルボニル、C
3~C
5アルコキシカルボニルアルキル、C
2~C
5アルキルアミノカルボニル又はC
3~C
5ジアルキルアミノカルボニルであり;
各R
3bは、独立して、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6ハロアルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6ハロアルキニル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
2~C
6シアノアルキル、C
3~C
8シクロアルキル、C
3~C
8ハロシクロアルキル、C
3~C
8シクロアルケニル、C
3~C
8ハロシクロアルケニル、C
4~C
10アルキルシクロアルキル、C
4~C
10シクロアルキルアルキル、C
4~C
10ハロシクロアルキルアルキル、C
6~C
14シクロアルキルシクロアルキル、C
5~C
10アルキルシクロアルキルアルキル、C
2~C
6アルコキシアルキル、C
2~C
6ハロアルコキシアルキル、C
4~C
10シクロアルコキシアルキル、C
3~C
8アルコキシアルキル、C
2~C
6アルキルチオアルキル、C
2~C
6アルキルスルフィニルアルキル、C
2~C
6アルキルスルホニルアルキル、C
2~C
6アルキルアミノアルキル、C
2~C
6ハロアルキルアミノアルキル、C
3~C
8ジアルキルアミノアルキル又はC
4~C
10シクロアルキルアミノアルキルであり、それぞれ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、C
2~C
4アルキルカルボニル、C
2~C
4アルコキシカルボニル、C
3~C
15トリアルキルシリル及びC
3~C
15ハロトリアルキルシリルから選択される1個までの置換基で場合により置換されていてもよく;又は
R
3a及びR
3b置換基の対は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4~6員完全飽和複素環を形成し、各環は、連結窒素原子に加えて、炭素原子と、2個までのO、2個までのS及び2個までのN原子から独立して選択される2個までのヘテロ原子とから選択される環員を含有し、各環は、ハロゲン及びC
1~C
3アルキルから独立して選択される3個までの置換基で任意選択的に置換されており、
各R
4a及びR
4bは、独立して、H、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
2アルコキシ又はC
1~C
2ハロアルコキシであるか;又は
同じ炭素原子に結合したR
4a及びR
4b置換基の対は一緒になって、ハロゲン、メチル、メトキシ及びメチルチオから独立して選択される2個までの置換基で場合により置換されているC
3~C
5シクロアルキル環を形成し;
各R
5は、独立して、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル又はC
1~C
4アルコキシであり;
各R
6は、独立して、H、シアノ、ハロゲン、メチル、メトキシ、メチルチオ又はメトキシカルボニルであり、
各R
7は独立してヒドロキシ又はNR
11aR
11bであるか;又はC
1~C
4アルコキシ、C
2~C
4アルケニルオキシ、C
2~C
4アルキニルオキシ、C
2~C
4アルキルカルボニルオキシ、C
2~C
5アルコキシカルボニルオキシ、C
2~C
5アルキルアミノカルボニルオキシ若しくはC
3~C
5ジアルキルアミノカルボニルオキシであり、それぞれハロゲン、シアノ、ヒドロキシ及び-C(=O)OHから選択される1個までの置換基で置換されていてもよく;
各R
8は、独立して、H、メチル、メトキシ又はメチルチオであり、
各R
9a及びR
9bが、独立して、H又はC
1~C
4アルキルであるか;又は
一対のR
9a及びR
9b置換基は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5~6員の完全飽和複素環を形成し、各環は、連結窒素原子に加えて、炭素原子、並びに2個までのO、2個までのS及び2個までのN原子から独立して選択される2個までのヘテロ原子から選択される環員を含み、各環は、2個までのメチルで置換されていてもよく;
各R
10が独立して、ハロゲン、アミノ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、チオイル、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
3~C
6ハロシクロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
2~C
4アルコキシアルコキシ、C
1~C
4アルキルチオ、C
1~C
4アルキルスルフィニル、C
1~C
4アルキルスルホニル、C
1~C
4ハロアルキルスルホニル、C
2~C
4アルキルカルボニル、C
2~C
4ハロアルキルカルボニル、C
2~C
5アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノ、C
2~C
6ジアルキルアミノ、C
2~C
5アルキルアミノカルボニル、C
3~C
5ジアルキルアミノカルボニル、C
3~C
5アルキルチオアルキルカルボニル、C
3~C
15トリアルキルシリル、C
3~C
15ハロトリアルキルシリル、C(R
13)=NOR
14又はC(R
15)=NR
16であり;
各Uは独立して、直接結合、C(=O)O、C(=O)NR
17又はC(=S)NR
18であり、ここで、左側の原子はR
1に結合しており、右側の原子はVに結合しており、;
各Vが独立して直接結合;又はC
1~C
6アルキレン、C
2~C
6アルケニレン、C
3~C
6アルキニレン、C
3~C
6シクロアルキレン又はC
3~C
6シクロアルケニレンであり、それぞれが、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C
1~C
2アルキル、C
1~C
2ハロアルキル、C
1~C
2アルコキシ及びC
1~C
2ハロアルコキシから独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよく;
各Qが、独立して、R
12から独立して選択される最大2個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されている、フェニル又はフェノキシであるか、又は
各Qが、独立して、5~6員芳香族複素環であり、各環は、炭素原子と、2個までのO、2個までのS及び4個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子とから選択される環員を含有し、2個までの環員は、C(=O)、C(=S)、S(=O)及びS(=O)
2から独立して選択され、各環は、R
12から独立して選択される2個までの置換基で置換されていてもよく;又は
各Qは、独立して、3~7員非芳香族複素環であり、各環は、炭素原子と、2個までのO、2個までのS及び4個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子とから選択される環員を含有し、2個までの環員は、C(=O)、C(=S)、S(=O)及びS(=O)
2から独立して選択され、各環は、R
12から独立して選択される2個までの置換基で任意選択的に置換されており、
各R
11aは、独立して、H、C
1~C
4アルキル又はC
2~C
4アルキルカルボニルであり、
各R
11bは、独立して、H、シアノ、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルキルカルボニル、C
2~C
5ハロアルキルカルボニル、C
4~C
7シクロアルキルカルボニル、C
2~C
5アルコキシカルボニル、C
3~C
5アルコキシカルボニルアルキル、C
2~C
5アルキルアミノカルボニル又はC
3~C
5ジアルキルアミノカルボニルであるか、又は
一対のR
11a及びR
11b置換基は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5~6員の完全飽和複素環を形成し、各環は、連結窒素原子に加えて、炭素原子、並びに2個までのO、2個までのS及び2個までのN原子から独立して選択される2個までのヘテロ原子から選択される環員を含み、各環は、2個までのメチルで場合により置換されていてもよく;
各R
12は、独立して、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
1~C
4アルコキシ、C
2~C
4アルキルカルボニル又はC
2~C
4アルコキシカルボニルであり、
各R
13及びR
15は、独立して、H、シアノ、ハロゲン、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
3~C
6シクロアルキル若しくはC
1~C
3アルコキシ;又はハロゲン及びC
1~C
3アルキルから独立して選択される最大2個の置換基で任意選択的に置換されているフェニル環であり;
各R
14は、独立して、H、C
1~C
5アルキル、C
1~C
5ハロアルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5ハロアルケニル、C
2~C
5アルキニル、C
3~C
6シクロアルキル、C
3~C
6ハロシクロアルキル、C
2~C
5アルキルカルボニル又はC
2~C
5アルコキシカルボニルであるか、又は
各R
14は、ハロゲン及びC
1~C
3アルキルから独立して選択される2個までの置換基で任意選択的に置換されているフェニル環又は5~6員完全飽和複素環であり、各環は、炭素原子と、2個までのO、2個までのS及び2個までのN原子から独立して選択される2個までのヘテロ原子とから選択される環員を含有し、各環は、ハロゲン及びC
1~C
3アルキルから独立して選択される2個の置換基で任意選択的に置換されており、
各R
16は、独立して、H、シアノ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
2~C
4アルキルカルボニル又はC
2~C
4アルコキシカルボニルであり、
各R
17及びR
18は、独立して、H、シアノ、ヒドロキシ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルキルカルボニル、C
2~C
4ハロアルキルカルボニル、C
2~C
4アルコキシカルボニル又はC
2~C
4ハロアルコキシカルボニルであり;及び
nは、1、2、又は3である)の化合物、N-オキシド及びその塩から選択される少なくとも1つの化合物と;
(b)少なくとも1つの追加的な殺真菌性化合物と
を含む、組成物。
【請求項2】
成分(a)が、式1の化合物又はその塩を含み、
R
1がU-1~U-118から選択され
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
浮動的な結合が、前記記載された環又は環系のいずれかの利用可能な炭素又は窒素原子を通して式1中のLに連結されており;
xは、0、1又は2であり;
Lが(CR
4aR
4b)
n、OCH
2、CH
2O、OCH
2CH
2、CH
2CH
2O又はCH
2OCH
2であり、左側の原子がR
1に結合しており、右側の原子がJに結合しており、各炭素原子がハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、メチル、ハロメチル又はメトキシから選択される1個までの置換基で置換されていてもよいか;
nが、1又は2であり;
JがJ-1~J-93から選択され
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
式1において、左に突出した結合がLに結合し、右に突出した結合がオキサジアゾール環に結合し;
各R
5aが独立してH又はR
5であり;ただし、最大で2つのR
5a置換基のみがH以外であり;
各R
2が独立して、ハロゲン、C(=O)NR
3aR
3b、C(R
6)=NR
7又は-U-V-Qであるか;又はC
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
2~C
6アルケニルオキシ、C
2~C
6アルキニルオキシ、C
3~C
7シクロアルコキシ、C
1~C
6アルキルチオ、C
2~C
6アルコキシカルボニル、C
3~C
6アルケニルオキシカルボニル、C
3~C
6アルキニルオキシカルボニル、C
4~C
7シクロアルコキシカルボニル、C
2~C
6アルキルカルボニルオキシ若しくはC
2~C
6アルキルカルボニルアミノであり、それぞれR
10から選択される最大1個の置換基で置換されていてもよいか;
各R
3aが、独立して、H、シアノ、ヒドロキシ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
1~C
4アルコキシ、C
2~C
4アルコキシアルキル、C
2~C
4アルキルカルボニル、C
2~C
4ハロアルキルカルボニル又はC
3~C
5アルコキシカルボニルアルキルであり、
各R
3bが、独立して、H、C
1~C
6アルキル、
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6ハロアルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6ハロアルキニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキル、C
4~C
10ハロシクロアルキルアルキル、C
2~C
6アルコキシアルキル又はC
2~C
6ハロアルコキシアルキルであり、それぞれが、シアノ、C
2~C
4アルキルカルボニル、及びC
2~C
4アルコキシカルボニルから選択される1個までの置換基で場合により置換されているか;又は、
同じ窒素原子に結合したR
3a及びR
3b置換基の対が一緒になって、ハロゲンから独立して選択される最大2個の置換基で場合により置換されているピロリジニル環を形成し;
各R
4a及びR
4bが独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシ、メチル又はメトキシであり;
各R
5が、独立して、シアノ、ハロゲン、メチル又はメトキシであり;
各R
6が、独立して、H、シアノ、ハロゲンメチル又はメトキシであり;
各R
7が、独立して、ハロゲン、C
1~C
4アルコキシ、C
2~C
4アルケニルオキシ又はC
2~C
4アルキニルオキシであり;
各R
10が独立して、ハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
2~C
4アルキルカルボニル、C
2~C
4ハロアルキルカルボニル、C
2~C
5アルコキシカルボニル、又はC(R
13)=NOR
14であり;
各Uが、独立して、直接結合、C(=O)O又はC(=O)NR
17であり、
各Vが独立して直接結合;又はC
1~C
2アルキル、C
1~C
2アルコキシ及びC
1~C
2ハロアルコキシから選択される1個までの置換基で場合により置換されているC
1~C
2アルキレンであり;
各Qは、独立して、R
12から独立して選択される2個までの置換基で置換されていてもよいフェニル;又はそれぞれの環がR
12から独立して選択される2個までの置換基でそれぞれ置換されていてもよい、ピリジニル若しくはピラゾリルであり;
各R
12が、独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル又はC
1~C
3アルコキシであり;
各R
13が、独立して、H、ハロゲン、メチル又はメトキシであり;
各R
14が独立して、H、メチル、ハロメチル、C
2~C
4アルキルカルボニル又はC
2~C
4アルコキシカルボニルであり;
各R
17が、独立して、H、シアノ、メチル、又はハロメチルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
成分(a)が、式1の化合物又はその塩を含み、
R
1が、U-1、U-2、U-3、U-4、U-5、U-7、U-8、U-10、U-11、U-12又はU-29であり;
xが、1又は2であり、
Lが(CR
4aR
4b)
n、CH
2、又はCH
2OCH
2であり、左側の原子がR
1に結合しており、右側の原子がJに結合しており、各炭素原子がハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、メチル、ハロメチル又はメトキシから選択される1個までの置換基で置換されていてもよいか;
JがJ-4、J-18、J-27、J-40又はJ-63であり;
各R
2が独立してC(=O)NR
3aR
3b又は-U-V-Q;又はC
1~C
3アルキル、C
2~C
6アルコキシカルボニル、C
3~C
6アルケニルオキシカルボニル若しくはC
3~C
6アルキニルオキシカルボニルであり、それぞれR
10から選択される1個までの置換基で置換されていてもよいか;
各R
3aが、独立して、H、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
2~C
4アルコキシアルキル又はC
3~C
5アルコキシカルボニルアルキルであり;
各R
3bが、独立して、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルコキシアルキル、又はC
2~C
6ハロアルコキシアルキルであり、それぞれが、シアノ、C
2~C
4アルキルカルボニル及びC
2~C
4アルコキシカルボニルから選択される1個までの置換基で場合により置換されている;又は
同じ窒素原子に結合したR
3a及びR
3b置換基の対が一緒になって、2個までのフッ素原子で場合により置換されているピロリジニル環を形成し;
各R
4a及びR
4bが、独立して、H又はメチルであり、
各R
5が、独立して、メチル又はメトキシであり、及び
各R
10が、独立して、ハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
2~C
4アルキルカルボニル、C
2~C
4ハロアルキルカルボニル、又はC
2~C
5アルコキシカルボニルであり;
各Uが、独立して、C(=O)O又はC(=O)NR
17であり;
各Vが独立してC
1~C
2アルキレンであり;及び
各R
12が、独立して、ハロゲン、メチル又はメトキシである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
成分(a)が、式1の化合物又はその塩を含み、
R
1が、U-1、U-2、U-8、又はU-12であり;
Lが、(CR
4aR
4b)
n又はCH
2Oであり、
nが1であり;
Jが、J-63であり;
各R
2が独立してC(=O)NR
3aR
3b;又はC
1~C
2アルキル、C
2~C
6アルコキシカルボニル、C
3~C
6アルケニルオキシカルボニル若しくはC
3~C
6アルキニルオキシカルボニルであり、それぞれR
10から選択される1個までの置換基で置換されていてもよいか;
各R
3aが、独立して、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル又はC
2~C
3アルコキシアルキルであり;
各R
3bが独立して、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
2~C
3アルコキシアルキル又はC
2~C
3ハロアルコキシアルキルであり、それぞれがシアノから選択される1個までの置換基で置換されていてもよいか;
各R
4a及びR
4bがHであり;
各R
5aがHであり;及び
各R
10が独立して、ハロゲン、C
1~C
2アルコキシ、C
2~C
3アルキルカルボニル又はC
2~C
3ハロアルキルカルボニルである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
成分(a)が、式1の化合物又はその塩を含み、
R
1が、U-2又はU-12であり;
xが1であり;
R
2が、C(=O)NR
3aR
3b又はC
2~C
6アルコキシカルボニルであり;
R
3aがHであり;及び
R
3bが、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3シアノアルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
2~C
3アルコキシアルキル、又はC
2~C
3ハロアルコキシアルキルである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
成分(a)が、式1の化合物又はその塩を含み、
R
1がその2位でLに接続されたU-2であり、LがCH
2である;又は
R
1がその1位でLに接続されたU-12であり、LがCH
2Oである;及び
R
2が、C(=O)NR
3aR
3b又はC
2~C
3アルコキシカルボニルである、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
成分(a)が、
メチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート;
シアノメチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート;
エチル5-メチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-3-カルボキシレート;
N-(2-メトキシエチル)-5-メチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド;
プロピル1-[[5-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]-2-チエニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-
カルボキシレート;
N-(2-クロロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド;
N-(2,2-ジフルオロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド;
N-(2-シアノエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド;
N-(2-メトキシエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド;
N-[2-(1H-ピラゾール-1-イル)エチル]-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド;
N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド;
2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-N-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-4-オキサゾールカルボキサミド;
エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェノキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート;
N-[2-(トリフルオロメトキシ)エチル]-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド;
N-(2-フルオロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-
オキサゾールカルボキサミド;
N-[2-(トリフルオロメトキシ)エチル]-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド;
(3,3-ジフルオロ-1-ピロリジニル)[2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾリル]メタノン;
N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-チアゾールカルボキサミド;
N-(2,2-ジフルオロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-チアゾールカルボキサミド;
N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-5-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1,2,4-オキサゾール-3-カルボキサミド;
3-[4-[(1-シアノメチル-1H-ピラゾール-3-イル)メチル]フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール;
N-エチル-1-[[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド;
1-メチル-N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-5-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド;
5-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-3-イソキサゾールアセトニトリル;
N-(2-メトキシエチル)-5-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1,2,4-オキサゾール-3-カルボキサミド;及び
1-メチル-N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドからなる群から選択される化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
成分(b)が:
(b1)メチルベンゾイミダゾールカルバメート(MBC)殺真菌剤、
(b2)ジカルボキシイミド殺真菌剤、
(b3)脱メチル化阻害剤(DMI)殺真菌剤、
(b4)フェニルアミド(PA)殺真菌剤、
(b5)アミン/モルホリン殺真菌剤、
(b6)リン脂質生合成阻害剤殺真菌剤、
(b7)コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤(SDHI)殺真菌剤、
(b8)ヒドロキシ(2-アミノ-)ピリミジン殺真菌剤、
(b9)アニリノピリミジン(AP)殺真菌剤、
(b10)N-フェニルカルバメート殺真菌剤、
(b11)キノンアウトサイド阻害剤(QoI)殺真菌剤、
(b12)フェニルピロール(PP)殺真菌剤、
(b13)アザナフタレン殺真菌剤、
(b14)細胞過酸化阻害剤殺真菌剤、
(b15)メラニン生合成阻害剤-レダクターゼ(MBI-R)殺真菌剤、
(b16a)メラニン生合成阻害剤-デヒドラターゼ(MBI-D)殺真菌剤、
(b16b)メラニン生合成阻害剤-ポリケチドシンターゼ(MBI-P)殺真菌剤、
(b17)ケトレダクターゼ阻害剤(KRI)殺真菌剤、
(b18)スクアレン-エポキシダーゼ阻害剤殺真菌剤、
(b19)ポリオキシン殺真菌剤、
(b20)フェニルウレア殺真菌剤、
(b21)キノンインサイド阻害剤(QiI)殺真菌剤、
(b22)ベンズアミド及びチアゾールカルボキサミド殺真菌剤、
(b23)エノピラヌロン酸抗生物質殺真菌剤、
(b24)ヘキソピラノシル抗生物質殺真菌剤、
(b25)グルコピラノシル抗生物質:タンパク質合成殺真菌剤、
(b26)グルコピラノシル抗生物質殺真菌剤、
(b27)シアノアセトアミドオキシム殺真菌剤、
(b28)カルバメート殺真菌剤、
(b29)酸化的リン酸化アンカップリング殺真菌剤、
(b30)有機スズ殺真菌剤、
(b31)カルボン酸殺真菌剤、
(b32)複素環式芳香族化合物殺真菌剤、
(b33)ホスホネート殺真菌剤、
(b34)フタルアミド酸殺真菌剤、
(b35)ベンゾトリアジン殺真菌剤、
(b36)ベンゼン-スルホンアミド殺真菌剤、
(b37)ピリダジノン殺真菌剤、
(b38)チオフェン-カルボキサミド殺真菌剤、
(b39)複合体I NADHオキシドレダクターゼ阻害剤殺真菌剤、
(b40)カルボン酸アミド(CAA)殺真菌剤、
(b41)テトラサイクリン抗生物質殺真菌剤、
(b42)チオカルバメート殺真菌剤、
(b43)ベンズアミド殺真菌剤、
(b44)微生物殺真菌剤、
(b45)キノンアウトサイド阻害剤、スチグマテリン結合(QoSI)殺真菌剤、
(b46)植物抽出物殺真菌剤、
(b47)シアノアクリレート殺真菌剤、
(b48)ポリエン殺真菌剤、
(b49)オキシステロール結合性タンパク質阻害剤(OSBPI)殺真菌剤、
(b50)アリール-フェニル-ケトン殺真菌剤、
(b51)宿主植物防御誘導殺真菌剤、
(b52)マルチサイト活性殺真菌剤、
(b53)複数の作用機構を有する生物学的製剤、
(b54)成分(a)及び成分(b1)~(b53)の殺真菌剤以外の殺真菌剤並びに化合物(b1)~(b54)の塩
からなる群から選択される少なくとも1つの殺真菌性化合物を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
成分(b)が、(b1)~(b54)から選択される2つの異なる群のそれぞれからの少なくとも1つの殺真菌化合物を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
成分(b)が、アシベンゾラー-S-メチル、アルジモルフ、アメトクラジン、アミスルブロム、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル、ベナラキシル-M、ベノダニル、ベノミル、ベンチアバリカルブ、ベンチアバリカルブ-イソプロピル、ベンゾビンジフルピル、ベトキサジン、ビナパクリル、ビフェニル、ビテルタノール、ビキサフェン、ブラストサイジン-S、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリメート、カルボキシン、カルプロパミド、カプタホール、カプタン、カルベンダジム、クロロネブ、クロロタロニル、クロゾリネート、クロトリマゾール、銅塩、水酸化銅、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ジクロフルアニド、ジクロシメト、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフルメトリム、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール、ジニコナゾール-M、ジノカプ、ジチアノン、ドデモルフ、ドジン、エジフェンホス、エネストロブリン、エポキシコナゾール、エタボキサム、エチリモル、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンピラザミン、酢酸フェンチン、塩化フェンチン、水酸化フェンチン、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルインダピル、フルメトべル、フルモルフ、フルオピコリド、フルオピラム、フルオロイミド、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルチアニル、フルトラニル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、フルペト、ホセチル-アルミニウム、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、グアザチン、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、ヨードカルブ、イプコナゾール、イプフェントリフルコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソプロチオラン、イソピラザム、イソチアニル、カスガマイシン、クレソキシム-メチル、マンコゼブ、マンジプロパミド、マネブ、メプロニル、メプチルジノカプ、メタラキシル、メタラキシル-M、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メチラム、メトミノストロビン、メパニピリム、メトラフェノン、ミクロブタニル、ナフチフィン、ネオ-アソジン(メタンアルソン酸鉄)、ヌアリモル、オクチリノン、オフレース、オリサストロビン、オキサジキシル、オキソリン酸、オキシポコナゾール、オキシカルボキシン、オキシテトラサイクリン、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、ペフラゾエート、リン酸及びその塩、フタリド、ピコキシストロビン、ピペラリン、ポリオキシン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロパモカルブ-ヒドロクロリド、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオカルブ、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピラゾホス、ピリベンカルブ、ピリブチカルブ、ピリフェノクス、ピリメタニル、ピリオフェノン、ピリソキサゾール、ピロキロン、ピロルニトリン、キノメチオネート、キノキシフェン、キントゼン、セダキサン、シルチオファム、シメコナゾール、スピロキサミン、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール、テブフロキン、テクロフタラム、テクナゼン、テルビナフィン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート、チオファネート-メチル、チラム、チアジニル、トルクロホス-メチル、トリルフルアニド、トルニファニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフルミゾール、トリシクラゾール、トリフロキシストロビン、トリフォリン、トリモルファミド、トリチコナゾール、ウニコナゾール、バリダマイシン、バリフェナレート、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、ゾキサミド、N’-[4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2,5-ジメチルフェニル]-N-エチル-N-メチルメタンイミドアミド、5-クロロ-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5a]ピリミジン(DPX-BAS600F)、N-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド、N-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(エチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド、4-フルオロフェニルN-[1-[[[1-(4-シアノフェニル)エチル]スルホニル]メチル]プロピル]カルバメート、N-[[(シクロプロピルメトキシ)アミノ][6-(ジフルオロメトキシ)-2,3-ジフルオロフェニル]メチレン]ベンゼンアセトアミド、α-(メトキシイミノ)-N-メチル-2-[[[1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ]イミノ]メチル]ベンゼンアセトアミド、N’-[4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2,5-ジメチルフェニル]-N-エチル-N-メチルメタンイミドアミド、2-[[[[3-(2,6-ジクロロフェニル)-1-メチル-2-プロペン-1-イリデン]アミノ]オキシ]メチル]-α-(メトキシイミノ)-N-メチルベンゼンアセトアミド、1-[(2-プロペニルチオ)カルボニル]-2-(1-メチルエチル)-4-(2-メチルフェニル)-5-アミノ-1H-ピラゾール-3-オン、5-エチル-6-オクチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、メチルN-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート、メチルN-[[5-[1-(4-シクロプロピル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート、エチル1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート及びその(E)-異性体並びにエチル1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレートから選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
成分(b)が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、クロロタロニル、水酸化銅、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フェンプロピモルフ、フルインダピル、フルキサピロキサド、マンコゼブ、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル、N-[[5-[1-(4-シクロプロピル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル、1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチル及びその(E)-異性体並びに1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチルから選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
組成物であって、(a)請求項1に記載の式1の化合物から選択される少なくとも1つの化合物、そのN-オキシド及び塩と、少なくとも1つの無脊椎有害生物防除化合物又は薬剤とを含む組成物。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物と、界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加的な成分とを含む組成物。
【請求項14】
真菌類病原体によって引き起こされる病害から植物又は植物種子を保護する方法であって、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物の殺真菌有効量を前記植物又は植物種子に適用することを含む方法。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物の殺真菌有効量を植物に施用することを含む、さび病から植物を保護する方法であって、成分(b)が、(b3)脱メチル化阻害剤殺真菌剤、(b5)アミン/モルホリン殺真菌剤、(b7)コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤殺真菌剤、(b11)キノン外部阻害剤(QoI)殺真菌剤、(b13)メチルベンズイミダゾールカルバメート殺真菌剤及び(b52)多部位活性殺真菌剤から選択される少なくとも1つの殺真菌化合物を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のオキサジアゾール、そのN-オキシド及び塩、並びにそのようなオキサジアゾールを含む混合物及び組成物、並びにそのような誘導体及びそれらの混合物及び組成物を殺真菌剤として使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
真菌類植物病原体によって引き起こされる植物病害の防除は、高い作物効率を達成する際に極めて重要である。観賞植物、野菜、畑、穀物及び果実作物に対する植物病害損傷は、生産性の有意な減少を引き起こし、それにより消費者にコスト増加をもたらす可能性がある。多くの場合に高度に破壊的であることに加えて、植物病害は、防除が困難となる可能性があり、市販の殺真菌剤に対する耐性を高めることがあり得る。これらの目的のために、多くの製品が市場で入手可能であるが、効果がより高く、コストがより低く、毒性がより低く、環境的により安全であるか、又は異なる作用部位を有する新規の殺真菌性化合物が依然として必要とされている。病害防除を促進し、防除のスペクトルを広げ、耐性発達を遅らせるために、新規の殺真菌剤の導入の他に、殺真菌剤の組合せが多くの場合に使用される。さらに、殺真菌剤の特定の珍しい組み合わせは、植物病害防除の商業的に重要なレベルを提供するための、相加効果より大きい(すなわち相乗効果的な)効果を実証する。特定の植物の種及び治療される植物病害などの要因に依存して且つ真菌類植物病原体による感染前又は後のいずれに植物が治療されるかにかかわらず、当技術分野において、特定の殺真菌剤の組み合わせの利点は、変動することが認識される。したがって、特定の植物病害防除要求を最良に満たすための様々な選択肢を提供するために、新規の有利な組合せが必要とされている。ここで、そのような組み合わせが発見された。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、殺真菌性組成物(すなわち、組合せ、混合物)であって、
(a)式1の化合物(全ての立体異性体を含む)から選択される少なくとも1つの化合物、その互変異性体、N-オキシド、水和物(及びそれらの溶媒和物)及び塩、
【化1】
(式中、
R
1は、R
2から独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよいフェニル環であるか;又は
R
1は、5~6員の芳香族複素環であり、各環は、炭素原子及び2個までのO、2個までのS及び4個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子から選択される環員を含み、2個までの環員は、C(=O)、C(=S)、S(=O)及びS(=O)
2から独立して選択され、各環は、R
2から独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよく;又は
R
1は、3~7員非芳香族環又は8~11員二環式環系であり、各環又は環系は、炭素原子と、任意選択的に2個までのO、2個までのS及び4個までのN原子から独立して選択される4個までのヘテロ原子とから選択される環員を含有し、2個までの環員は、C(=O)、C(=S)、S(=O)及びS(=O)
2から独立して選択され、各環又は環系は、R
2から独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよく、
Lは、O、NR
3、NR
3CH
2、CH
2NR
3、NR
3CH
2CH
2、CH
2CH
2NR
3、(CR
4aR
4b)
n、OCH
2、CH
2O、OCH
2CH
2、CH
2CH
2O又はCH
2OCH
2であり、ここで、左側の原子はR
1に結合しており、右側の原子はJに結合しており、各炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
2アルコキシ及びC
1~C
2ハロアルコキシから独立して選択される2個までの置換基で置換されていてもよいか;
Jは、フェニル環又はナフタレニル環系であり、それぞれR
5から独立して選択される2個までの置換基で場合により置換されていてもよく、以下;又は3~7員の炭素環式環であり、ここで、3個までの環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、各環は、R
5から独立して選択される2個までの置換基で場合により置換されているか;又は
Jは、5~6員の複素環式環であり、各環は、炭素原子及び2個までのO、2個までのS及び4個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子から選択される環員を含み、2個までの環員は、C(=O)、C(=S)、S(=O)及びS(=O)
2から独立して選択され、各環は、R
5から独立して選択される2個までの置換基で置換されていてもよく;又は
各R
2は独立して、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、チオイル、SF
5、CH(=O)、C(=O)OH、-NR
3aR
3b、C(=O)NR
3aR
3b、C(=O)C(=O)NR
3aR
3b、C(=S)NR
3aR
3b、C(R
6)=NR
7、N=CR
8NR
9aR
9b又は-U-V-Qであり;又はC
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7シクロアルケニル、C
1~C
6アルコキシ、C
2~C
6アルケニルオキシ、C
2~C
6アルキニルオキシ、C
3~C
7シクロアルコキシ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、C
1~C
6アルキルアミノスルフィニル、C
2~C
6ジアルキルアミノスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルアミノ、C
2~C
6アルキルカルボニル、C
4~C
7シクロアルキルカルボニル、C
2~C
6アルコキシカルボニル、C
3~C
6アルケニルオキシカルボニル、C
3~C
6アルキニルオキシカルボニル、C
4~C
7シクロアルコキシカルボニル、C
3~C
6アルキルオキシカルボニルカルボニル、C
2~C
6アルキルカルボニルオキシ、C
4~C
7シクロアルキルカルボニルオキシ、C
2~C
6アルコキシカルボニルオキシ、C
4~C
7シクロアルコキシカルボニルオキシ、C
2~C
6アルキルアミノカルボニルオキシ、C
4~C
7シクロアルキルアミノカルボニルオキシ、C
2~C
6アルキルカルボニルアミノ、C
4~C
7シクロアルキルカルボニルアミノ、C
2~C
6アルコキシカルボニルアミノ、C
4~C
7シクロアルコキシカルボニルアミノ、C
2~C
6アルキルアミノカルボニルアミノ、C
4~C
7シクロアルキルアミノカルボニルアミノ又はC
2~C
6ジアルコキシホスフィニルでそれぞれ置換されていてもよいか、R
10から独立して選択される3個までの置換基でそれぞれ置換されていてもよいか、;
各R
3及びR
3aは独立して、H、シアノ、ヒドロキシ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
2~C
4ハロアルキニル、C
1~C
5アルコキシ、C
2~C
4アルコキシアルキル、C
1~C
4アルキルスルホニル、C
1~C
4ハロアルキルスルホニル、C
2~C
4アルキルチオアルキル、C
2~C
4アルキルスルフィニルアルキル、C
2~C
4アルキルスルホニルアルキル、C
2~C
4アルキルカルボニル、C
2~C
4ハロアルキルカルボニル、C
4~C
7シクロアルキルカルボニル、C
2~C
5アルコキシカルボニル、C
3~C
5アルコキシカルボニルアルキル、C
2~C
5アルキルアミノカルボニル又はC
3~C
5ジアルキルアミノカルボニルであり;
各R
3bは、独立して、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6ハロアルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6ハロアルキニル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
2~C
6シアノアルキル、C
3~C
8シクロアルキル、C
3~C
8ハロシクロアルキル、C
3~C
8シクロアルケニル、C
3~C
8ハロシクロアルケニル、C
4~C
10アルキルシクロアルキル、C
4~C
10シクロアルキルアルキル、C
4~C
10ハロシクロアルキルアルキル、C
6~C
14シクロアルキルシクロアルキル、C
5~C
10アルキルシクロアルキルアルキル、C
2~C
6アルコキシアルキル、C
2~C
6ハロアルコキシアルキル、C
4~C
10シクロアルコキシアルキル、C
3~C
8アルコキシアルキル、C
2~C
6アルキルチオアルキル、C
2~C
6アルキルスルフィニルアルキル、C
2~C
6アルキルスルホニルアルキル、C
2~C
6アルキルアミノアルキル、C
2~C
6ハロアルキルアミノアルキル、C
3~C
8ジアルキルアミノアルキル又はC
4~C
10シクロアルキルアミノアルキル(それぞれ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、C
2~C
4アルキルカルボニル、C
2~C
4アルコキシカルボニル、C
3~C
15トリアルキルシリル及びC
3~C
15ハロトリアルキルシリルから選択される1個までの置換基で場合により置換されていてもよく;又は
R
3a及びR
3b置換基の対は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4~6員完全飽和複素環を形成し、各環は、連結窒素原子に加えて、炭素原子と、2個までのO、2個までのS及び2個までのN原子から独立して選択される2個までのヘテロ原子とから選択される環員を含有し、各環は、ハロゲン及びC
1~C
3アルキルから独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよく;
各R
4a及びR
4bは、独立して、H、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
2アルコキシ又はC
1~C
2ハロアルコキシであるか;又は
同じ炭素原子に結合したR
4a及びR
4b置換基の対は一緒になって、ハロゲン、メチル、メトキシ及びメチルチオから独立して選択される2個までの置換基で場合により置換されているC
3~C
5シクロアルキル環を形成し;
各R
5は、独立して、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル又はC
1~C
4アルコキシであり;
各R
6は、独立して、H、シアノ、ハロゲン、メチル、メトキシ、メチルチオ又はメトキシカルボニルであり、
各R
7は独立してヒドロキシ又はNR
11aR
11bであるか;又はC
1~C
4アルコキシ、C
2~C
4アルケニルオキシ、C
2~C
4アルキニルオキシ、C
2~C
4アルキルカルボニルオキシ、C
2~C
5アルコキシカルボニルオキシ、C
2~C
5アルキルアミノカルボニルオキシ若しくはC
3~C
5ジアルキルアミノカルボニルオキシであり、それぞれハロゲン、シアノ、ヒドロキシ及び-C(=O)OHから選択される1個までの置換基で場合により置換されていてもよいか;
各R
8は、独立して、H、メチル、メトキシ又はメチルチオであり、
各R
9a及びR
9bは、独立して、H又はC
1~C
4アルキルであるか;又は
一対のR
9a及びR
9b置換基は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5~6員の完全飽和複素環を形成し、各環は、連結窒素原子に加えて、炭素原子、並びに2個までのO、2個までのS及び2個までのN原子から独立して選択される2個までのヘテロ原子から選択される環員を含み、各環は、2個までのメチルで置換されていてもよく;
各R
10は独立して、ハロゲン、アミノ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、チオイル、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
3~C
6ハロシクロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
2~C
4アルコキシアルコキシ、C
1~C
4アルキルチオ、C
1~C
4アルキルスルフィニル、C
1~C
4アルキルスルホニル、C
1~C
4ハロアルキルスルホニル、C
2~C
4アルキルカルボニル、C
2~C
4ハロアルキルカルボニル、C
2~C
5アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノ、C
2~C
6ジアルキルアミノ、C
2~C
5アルキルアミノカルボニル、C
3~C
5ジアルキルアミノカルボニル、C
3~C
5アルキルチオアルキルカルボニル、C
3~C
15トリアルキルシリル、C
3~C
15ハロトリアルキルシリル、C(R
13)=NOR
14又はC(R
15)=NR
16であり;
各Uは独立して、直接結合、C(=O)O、C(=O)NR
17又はC(=S)NR
18であり、ここで、左側の原子はR
1に結合しており、右側の原子はVに結合しており、;
各Vは独立して直接結合;又はC
1~C
6アルキレン、C
2~C
6アルケニレン、C
3~C
6アルキニレン、C
3~C
6シクロアルキレン又はC
3~C
6シクロアルケニレンであり、それぞれが、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C
1~C
2アルキル、C
1~C
2ハロアルキル、C
1~C
2アルコキシ及びC
1~C
2から独立して選択される3個までの置換基で場合により置換されていてもよく;
各Qは、独立して、R
12から独立して選択される2個までの置換基でそれぞれ置換されていてもよく、フェニル又はフェノキシであるか、又は
各Qは、独立して、5~6員芳香族複素環であり、各環は、炭素原子と、2個までのO、2個までのS及び4個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子とから選択される環員を含有し、2個までの環員は、C(=O)、C(=S)、S(=O)及びS(=O)
2から独立して選択され、各環は、R
12から独立して選択される2個までの置換基で置換されていてもよく;又は
各Qは、独立して、3~7員非芳香族複素環であり、各環は、炭素原子と、2個までのO、2個までのS及び4個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子とから選択される環員を含有し、2個までの環員は、C(=O)、C(=S)、S(=O)及びS(=O)
2から独立して選択され、各環は、R
12から独立して選択される2個までの置換基で置換されていてもよく、
各R
11aは、独立して、H、C
1~C
4アルキル又はC
2~C
4アルキルカルボニルであり、
各R
11bは、独立して、H、シアノ、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルキルカルボニル、C
2~C
5ハロアルキルカルボニル、C
4~C
7シクロアルキルカルボニル、C
2~C
5アルコキシカルボニル、C
3~C
5アルコキシカルボニルアルキル、C
2~C
5アルキルアミノカルボニル又はC
3~C
5ジアルキルアミノカルボニルであるか、又は
一対のR
11a及びR
11b置換基は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5~6員の完全飽和複素環を形成し、各環は、連結窒素原子に加えて、炭素原子、並びに2個までのO、2個までのS及び2個までのN原子から独立して選択される2個までのヘテロ原子から選択される環員を含み、各環は、2個までのメチルで置換されていてもよく;
各R
12は、独立して、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
1~C
4アルコキシ、C
2~C
4アルキルカルボニル又はC
2~C
4アルコキシカルボニルであり、
各R
13及びR
15は、独立して、H、シアノ、ハロゲン、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
3~C
6シクロアルキル若しくはC
1~C
3アルコキシ;又はハロゲン及びC
1~C
3アルキルから独立して選択される2個までの置換基で任意選択的に置換されているフェニルであり;
各R
14は、独立して、H、C
1~C
5アルキル、C
1~C
5ハロアルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5ハロアルケニル、C
2~C
5アルキニル、C
3~C
6シクロアルキル、C
3~C
6ハロシクロアルキル、C
2~C
5アルキルカルボニル又はC
2~C
5アルコキシカルボニルであるか、又は
各R
14は、ハロゲン及びC
1~C
3アルキルから独立して選択される最大2個の置換基で任意選択的に置換されているフェニル環又は5~6員完全飽和複素環であり、各環は、炭素原子と、2個までのO、2個までのS及び2個までのN原子から独立して選択される2個までのヘテロ原子とから選択される環員を含有し、各環は、ハロゲン及びC
1~C
3アルキルから独立して選択される2個までの置換基で任意選択的に置換されており、
各R
16は、独立して、H、シアノ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
2~C
4アルキルカルボニル又はC
2~C
4アルコキシカルボニルであり、
各R
17及びR
18は、独立して、H、シアノ、ヒドロキシ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルキルカルボニル、C
2~C
4ハロアルキルカルボニル、C
2~C
4アルコキシカルボニル又はC
2~C
4ハロアルコキシカルボニルであり;及び
nは、1、2、又は3である;及び
(b)少なくとも1つの追加的な殺真菌性化合物と
を含む、組成物に関する。
【0004】
本発明はまた:(a)上記の式1の化合物、N-オキシド及びそれらの塩から選択される少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つの無脊椎有害生物防除化合物又は薬剤とを含む組成物にも関する。
【0005】
本発明は、成分(a)と、界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加的な成分とを含む前記組成物の1つを含む組成物にも関する。
【0006】
本発明は、植物若しくはそれらの一部分又は植物の種子に前記組成物の1つの殺真菌有効量を適用することを含む、真菌類植物病原体によって引き起こされる植物病害を防除する方法にも関する。
【0007】
前記方法は、(直接又は植物若しくは植物の種子の環境(例えば、成長媒体)を通して)植物(若しくはそれらの一部分)又は植物の種子に前記組成物の1つの殺真菌有効量を適用することを含む、真菌類植物病原体によって引き起こされる病害から植物又は植物の種子を保護する方法としても記載することができる。
【0008】
本発明は、上記の式1の化合物、互変異性体、N-オキシド又はそれらの塩にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で使用される場合、「含む」、「含んでいる」、「包含する」、「包含している」、「有する」、「有している」、「含有する」、「含有している」、「特徴とする」という用語又はそれらのいずれかの変化形は、明示的に指示されたいずれかの制限に従った非排他的包含を含むことを意図する。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、プロセス、方法、物品又は装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されず、明確に列挙されないか又はそのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品若しくは装置に固有の他の要素も含み得る。
【0010】
「からなる」という移行句は、特定されていない、いずれの要素、ステップ又は成分も排除する。請求項において、請求項は、不純物を別として、引用されたものと異なる物質を包含するように閉じている場合、通常、それと関連する。「からなる」という句が、前文の直後ではなく、請求項の主要部の条項に現れる場合、それは、その条項内で言及された要素のみを限定し;他の要素は、全体としてその請求項から排除されない。
【0011】
移行句「から実質的になる」は、文字通り開示されたものに加えて、物質、ステップ、特徴、成分又は要素を含む組成物、方法又は装置を定義するために用いられ、ただし、これらの追加的な物質、ステップ、特徴、成分又は要素は、特許請求される本発明の基本的な且つ新規な特性に実質的に影響を及ぼさないことを条件とする。「から実質的になる」という用語は、「含む」と「からなる」との中間を占める。
【0012】
本出願人が本発明又はその一部を例えば「含む」のようなオープンエンド用語で定義した場合、その記述は、(そうではないとの記述がない限り)「から実質的になる」又は「からなる」の用語を使用するそのような発明も記述していると解釈するべきであることが容易に理解されるべきである。
【0013】
さらに、それとは反対に、明示的に記述されていない限り、「又は」は、包括的な「又は」を指し、排他的な「又は」を指すものではない。例えば、条件「A又はB」は、以下のいずれか1つにより満たされる:Aが真であり(又は存在し)、且つBが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在しない)、且つBが真である(又は存在する)及びAとBとの両方が真である(又は存在する)。
【0014】
さらに、本発明の要素又は成分に先行する不定冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、その要素又は成分の場合(すなわち出現)の数に関して非限定的であるものとする。したがって、「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、1つ又は少なくとも1つを含むと読み取るべきであり、その要素又は成分のそのような単数の語形に、その数が単数を意味することが明らかでない限り、複数も含む。
【0015】
「農業」という用語は、食品及び繊維などの農作物の製造を指し、メイズ又はトウモロコシ、ダイズ及び他のマメ科植物、米、穀物(例えば、小麦、オート麦、大麦、ライ麦及び米)、葉野菜(例えば、レタス、キャベツ及び他の菜作物)、果菜(例えば、トマト、トウガラシ、ナス、アブラナ科植物(crucifers)及びウリ科植物(cucurbits))、ジャガイモ、サツマイモ、ブドウ、綿、果樹(例えば、ナシ状果、核果及び柑橘類)、小果樹(例えば、ベリー及びサクランボ)並びに他の特殊農作物(例えば、キャノーラ、ヒマワリ及びオリーブ)の成長を含む。
【0016】
「非農業」という用語は、園芸作物(例えば、グリーンハウス、苗床又は畑で生育しない観賞植物)、住居用、農業用、商用及び工業用構造、芝(例えば、芝農場、牧草地、ゴルフコース、芝生、競技場など)、木材製品、貯蔵製品、植林業及び植生管理、公衆衛生(すなわちヒト)及び動物の衛生(例えば、家畜化した動物、例えばペット、家畜及び家禽、野生生物などの飼い慣らされてない動物)用途などの農作物以外を指す。
【0017】
「作物の活力」という用語は、作物植物の成長又はバイオマス堆積の速度を指す。「活力の増加」は、未処理の対照作物植物と比較した時の作物植物における成長又はバイオマス堆積の増加を指す。「作物収穫高」という用語は、作物植物を収穫した後に得られる量及び質の両方に関する作物材料の収穫を指す。「作物収穫高の増加」は、未処理の対照作物植物と比較した時の作物収穫高の増加を指す。
【0018】
「生物学的有効量」という用語は、真菌類病害による損傷から植物を保護するため又は他の所望の効果(例えば、植物活力の増加)のために、防除される真菌類若しくはその環境又は植物、植物が成長する種子若しくは植物の場所(例えば、成長媒体)への適用(すなわち接触)時、所望の生物学的効果を発生するために十分な生物活性化合物(例えば、式1の化合物又は少なくとも1つの他の殺真菌性化合物との混合物)の量を指す。
【0019】
本開示及び請求の範囲に参照される場合、「植物」は、苗(例えば、幼苗に生育する発芽種子)及び成熟、生殖生長段階(例えば、花及び種子を産生する植物)を含む全生命段階における植物界(Kingdom Plantae)の部員、特に種子植物(Spermatopsida)を含む。植物の部分は、根茎、塊茎、球根及び球茎などの成長媒体(例えば土)の表面の下並びに葉(茎及び葉を含む)、花、果実及び種子などの成長媒体(例えば土)の表面の上で典型的に生育する屈地性部員を含む。
【0020】
本明細書において言及する場合、単独で又は複数の語の組み合わせで使用される「幼苗」という用語は、種子の胚芽から発育している若い植物を意味する。
【0021】
本明細書において言及する場合、単独で又は「広葉作物」などの用語において使用される「広葉」という用語は、双子葉又は双子葉植物を意味し、その用語は、2枚の子葉を有する胚芽を特徴とする被子植物の群を記述するのに使用される。
【0022】
本開示において参照される場合、「真菌類病原体」及び「真菌類植物病原体」という用語は、経済的に重要な観賞植物、芝、野菜、畑、穀物及び果実作物の植物病害の幅広いスペクトルの原因病原体である、子嚢菌(Ascomycota)、担子菌(Basidiomycota)及び接合菌(Zygomycota)門並びに真菌類様の卵菌(Oomycota)類の病原体を含む。本開示に関連して、「植物を病害から保護すること」又は「植物病害の防除」は、予防作用(感染症、コロニー形成、症状発生と胞子生成の菌サイクルの中断)及び/又は治療作用(植物宿主組織のコロニー形成の抑制)を含む。
【0023】
本明細書で使用される場合、「作用機構」(MOA)という用語は、殺真菌剤耐性菌対策委員会(Fungicide Resistance Action Committee)(FRAC)によって定義される通りであり、植物病原体の生合成経路におけるそれらの生化学的作用機構及びそれらの耐性リスクによって殺真菌剤を識別するために使用する。FRACが定義した作用機構は、(A)核酸代謝、(B)細胞骨格及びモータータンパク質、(C)呼吸、(D)アミノ酸及びタンパク質合成、(E)シグナルトランスダクション、(F)脂質合成又は輸送及び膜完全性又は機能、(G)膜のステロール生合成、(H)細胞壁生合成、(I)細胞壁のメラニン合成、(P)宿主植物防御誘導、(U)未知の作用機構、(M)マルチサイト活性を有する化学物質、並びに(BM)複数の作用機構を有する生物製剤を含む。各作用機構(すなわち文字A~BM)は、作用の個々の確認された標的部位に基づくか、又は正確な標的部位が未知である場合、群内又は他の群に関する交差耐性プロファイルに基づき、1つ又は複数のサブグループを含有する(例えば、Aは、サブグループA1、A2、A3及びA4を含む)。これらのサブグループ(例えば、A1、A2、A3及びA4)のそれぞれは、数及び/又は文字であるFRACコードが割り当てられる。例えば、サブグループA1のためのFRACコードは4である。標的部位及びFRACコードに関する追加的な情報は、例えばFRACによる一般公開されているデータベースから得ることができる。
【0024】
本明細書で使用される場合、「交差耐性」という用語は、病原体が1つの殺真菌剤に対して耐性を発達させ、同時に1つ又は複数の他の殺真菌剤に対しても耐性を示すようになる時に生じる現象を指す。これらの他の殺真菌剤は、常にではないが、典型的に、同一の化学物質分類であるか、又は同一の作用標的部位を有するか、又は同一機構によって解毒可能である。
【0025】
上の説明における、単独で又は「アルキルチオ」若しくは「ハロアルキル」のような化合物用語において使用される、「アルキル」という用語は、直鎖状又は分岐状のアルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル並びに種々のブチル、ペンチル及びヘキシル異性体を含む。「アルケニル」は、直鎖状及び分岐状のアルケン、例えばエテニル、1-プロペニル、2-プロペニル並びに種々のブテニル、ペンテニル及びヘキセニル異性体を含む。「アルケニル」は、1,2-プロパジエニル及び2,4-ヘキサジエニルなどのポリエンも含む。「アルキニル」は、直鎖状及び分岐状のアルキン、例えばエチニル、1-プロピニル、2-プロピニル並びに種々のブチニル、ペンチニル及びヘキシニル異性体を含む。「アルキニル」は、複数の三重結合、例えば2,5-ヘキサジイニルからなる部分も含み得る。「アルキレン」は、直鎖状又は分枝状アルカンジイルを示す。「アルキレン」の例は、CH2、CH2CH2、CH(CH3)、CH2CH2CH2、CH2CH(CH3)及び各種のブチレン異性体を含む。「アルケニレン」は、1つのオレフィン結合を含有する直鎖状又は分枝状アルケンジイルを示す。「アルケニレン」の例は、CH=CH、CH2CH=CH、CH=C(CH3)及び各種のブテニレン異性体を含む。「シクロアルキレン」という用語は、シクロアルカンジイル環を示す。「シクロアルキレン」の例には、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン及びシクロヘキシレンが含まれる。「シクロアルケニレン」という用語は、1つのオレフィン結合を含有するシクロアルケンジイル環を示す。「シクロアルケニレン」の例は、シクロプロペンジイル及びシクロペンテンジイルを含む。
【0026】
「アルコキシ」は、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、i-プロピルオキシ並びに種々のブトキシ、ペントキシ及びヘキシロキシ異性体を含む。「アルケニルオキシ」は、酸素原子に結合し、それを通して連結する直鎖状及び分枝状アルケニルを含む。「アルケニルオキシ」の例は、H2C=CHCH2O及びCH3CH=CHCH2Oを含む。「アルキニルオキシ」には、直鎖状及び分岐状のアルキニルオキシ残基が含まれる。「アルキニルオキシ」の例は、HC≡CCH2O及びCH3C≡CCH2Oを含む。
【0027】
「アルキルチオ」という用語は、直鎖状及び分枝状アルキルチオ部分、例えばメチルチオ、チオエチル並びに種々のプロピルチオ及びブチルチオ異性体を含む。「アルキルスルフィニル」は、アルキルスルフィニル基の両方の鏡像異性体を含む。「アルキルスルフィニル」の例は、CH3S(=O)、CH3CH2S(=O)、CH3CH2CH2S(=O)、(CH3)2CHS(=O)及び種々のブチルスルフィニル異性体を含む。「アルキルスルホニル」の例は、CH3S(=O)2、CH3CH2S(=O)2、CH3CH2CH2S(=O)2、(CH3)2CHS(=O)2及び種々のブチルスルホニル異性体を含む。「アルキルチオアルキル」は、アルキル上のアルキルチオ置換を示す。「アルキルチオアルキル」の例は、CH3SCH2、CH3SCH2CH2、CH3CH2SCH2、CH3CH2CH2SCH2及びCH3CH2SCH2CH2を含み、「アルキルスルフィニルアルキル」及び「アルキルスルホニルアルキル」は、それぞれ対応するスルホキシド及びスルホンを含む。
【0028】
「アルキルアミノ」は、直線状又は分枝状アルキル基で置換されているNH基を含む。「アルキルアミノ」の例は、CH3CH2NH、CH3CH2CH2NH,及び(CH3)2CHCH2NHを含む。「ジアルキルアミノ」の例は、(CH3)2N、(CH3CH2CH2)2N及びCH3CH2(CH3)Nを含む。「アルキルアミノアルキル」は、アルキル上のアルキルアミノ置換を示す。「アルキルアミノアルキル」の例は、CH3NHCH2、CH3NHCH2CH2、CH3CH2NHCH2、CH3CH2CH2CH2NHCH2及びCH3CH2NHCH2CH2を含む。
【0029】
「アルキルカルボニル」は、C(=O)部分に結合した直鎖状又は分枝状アルキル基を示す。「アルキルカルボニル」の例は、CH3C(=O)、CH3CH2CH2C(=O)及び(CH3)2CHC(=O)を含む。「アルコキシカルボニル」の例としては、CH3OC(=O)、CH3CH2OC(=O)、CH3CH2CH2OC(=O)、(CH3)2CHOC(=O)、及び各種のブトキシ又はペントキシカルボニル異性体が挙げられる。「アルキルアミノカルボニル」の例としては、CH3NHC(=O)、CH3CH2NHC(=O)、CH3CH2CH2NHC(=O)、(CH3)2CHNHC(=O)、及び各種のブチルアミノ-及びペンチルアミノカルボニル異性体が挙げられる。「ジアルキルアミノカルボニル」の例は、(CH3)2NC(=O)、(CH3CH2)2NC(=O),CH3CH2(CH3)NC(=O)、(CH3)2CH(CH3)NC(=O)及びCH3CH2CH2(CH3)NC(=O)を含む。
【0030】
「アルキルカルボニルアミノ」という用語は、C(=O)NH部分に結合したアルキルを表す。「アルキルカルボニルアミノ」の例は、CH3CH2C(=O)NH及びCH3CH2CH2C(=O)NHを含む。「アルコキシカルボニルアミノ」という用語は、C(=O)NH部分に結合したアルコキシを示す。「アルコキシカルボニルアミノ」の例は、CH3OC(=O)NH及びCH3CH2OC(=O)NHを含む。
【0031】
「アルキルスルホニルアミノ」は、アルキルスルホニルで置換されているNH基を示す。「アルキルスルホニルアミノ」の例は、CH3CH2S(=O)2NH及び(CH3)2CHS(=O)2NHを含む。「アルキルスルホニルオキシ」という用語は、酸素原子に結合したアルキルスルホニル基を示す。「アルキルスルホニルオキシ」の例は、CH3S(=O)2O、CH3CH2S(=O)2O、CH3CH2CH2S(=O)2O、(CH3)2CHS(=O)2O並びに種々のブチルスルホニルオキシ、ペンチルスルホニルオキシ及びヘキシルスルホニルオキシ異性体を含む。
【0032】
「アルコキシアルキル」は、アルキル上のアルコキシ置換を示す。「アルコキシアルキル」の例は、CH3OCH2、CH3OCH2CH2、CH3CH2OCH2、CH3CH2CH2OCH2及びCH3CH2OCH2CH2を含む。「アルコキシアルコキシ」は、別のアルコキシ部分上のアルコキシ置換を示す。「アルコキシアルコキシアルキル」は、アルキル上のアルコキシアルコキシ置換を示す。「アルコキシアルコキシアルキル」の例は、CH3OCH2OCH2 CH3OCH2OCH2CH2及びCH3CH2OCH2OCH2を含む。
【0033】
「アルキルカルボニルオキシ」という用語は、C(=O)O部分に結合した直鎖状又は分枝状アルキルを示す。「アルキルカルボニルオキシ」の例には、CH3CH2C(=O)O及び(CH3)2CHC(=O)Oが含まれる。「アルコキシカルボニルオキシ」の例には、CH3CH2CH2OC(=O)O及び(CH3)2CHOC(=O)Oが含まれる。「アルコキシカルボニルアルキル」という用語は、アルキル上のアルコキシカルボニル置換を示す。「アルコキシカルボニルアルキル」の例は、CH3CH2OC(=O)CH2、(CH3)2CHOC(=O)CH2及びCH3OC(=O)CH2CH2を含む。「アルキルアミノカルボニルオキシ」という用語は、酸素原子に結合し、それを通して連結する直鎖状又は分枝状アルキルアミノカルボニルを示す。「アルキルアミノカルボニルオキシ」の例は、(CH3)2CHCH2NHC(=O)O及びCH3CH2NHC(=O)Oを含む。
【0034】
「シクロアルキル」は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含む。「シクロアルキルアルキル」の用語は、アルキル部分上のシクロアルキル置換を示す。「シクロアルキルアルキル」の例は、シクロプロピルメチル、シクロペンチルエチル及び他の直鎖状又は分岐状のアルキル基に結合されたシクロアルキル部分を含む。「アルキルシクロアルキル」という用語は、シクロアルキル部分上のアルキル置換を示し、例えばエチルシクロプロピル、i-プロピルシクロブチル、メチルシクロペンチル及びメチルシクロヘキシルが含む。「アルキルシクロアルキルアルキル」は、アルキルシクロアルキルで置換されたアルキル基を意味する。「アルキルシクロアルキルアルキル」の例は、メチルシクロヘキシルメチル及びエチルシクロプロピルメチルを含む。「シクロアルケニル」は、シクロペンテニル及びシクロヘキセニルなどの基並びに2つ以上の二重結合を有する基、例えば1,3-又は1,4-シクロヘキサジエニルを含む。「シクロアルキルシクロアルキル」という用語は、各シクロアルキル環が3~7個の炭素原子環員を独立し有する別のシクロアルキル環上のシクロアルキル置換を示す。シクロアルキルシクロアルキルの例は、シクロプロピルシクロプロピル(例えば、1,1’-ビシクロプロピル-1-イル、1,1’-ビシクロプロピル-2-イル)、シクロヘキシルシクロペンチル(例えば4-シクロペンチルシクロヘキシル)及びシクロヘキシルシクロヘキシル(例えば1,1’-ビシクロヘキシル-1-イル)並びに種々のcis-及びtrans-シクロアルキルシクロアルキル異性体(例えば、(1R,2S)-1,1’-ビシクロプロピル-2-イル及び(1R,2R)-1,1’-ビシクロプロピル-2-イル)を含む。
【0035】
「シクロアルコキシ」という用語は、酸素原子に結合し、それを通して連結するシクロアルキルを示し、例えばシクロペンチルオキシ及びシクロヘキシルオキシを含む。「シクロアルコキシアルキル」という用語は、アルキル部分上のシクロアルコキシ置換を示す。「シクロアルコキシアルキル」の例は、シクロプロピルオキシメチル、シクロペンチルオキシエチル及び直鎖状又は分枝状アルキル部分に結合した他のシクロアルコキシ基を含む。
【0036】
「シクロアルキルアミノアルキル」という用語は、アルキル基上のシクロアルキルアミノ置換を示す。「シクロアルキルアミノアルキル」の例は、シクロプロピルアミノメチル、シクロペンチルアミノエチル及び直鎖状又は分枝状アルキル基に結合した他のシクロアルキルアミノ部分を含む。
【0037】
「シクロアルキルカルボニル」は、C(=O)基に結合したシクロアルキルを示し、例えばシクロプロピルカルボニル及びシクロペンチルカルボニルを含む。「シクロアルキルカルボニルオキシ」は、酸素原子に結合し、それを通して連結するシクロアルキルカルボニルを示す。「シクロアルキルカルボニルオキシ」の例は、シクロヘキシルカルボニルオキシ及びシクロペンチルカルボニルオキシを含む。「シクロアルコキシカルボニル」という用語は、C(=O)基に結合したシクロアルコキシ、例えばシクロプロピルオキシカルボニル及びシクロペンチルオキシカルボニルを意味する。「シクロアルキルアミノカルボニルアミノ」は、C(=O)NH基に結合したシクロアルキルアミノを示し、例えばシクロペンチルアミノカルボニルアミノ及びシクロヘキシルアミノカルボニルアミノを含む。
【0038】
「ハロゲン」という用語は、単独で又は「ハロアルキル」のような化合物用語内若しくは「ハロゲンで置換されているアルキル」のような記述において使用されたとき、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を含む。さらに、「ハロアルキル」のような複合語で用いられる場合又は「ハロゲンで置換されているアルキル」のような記載で用いられる場合、前記アルキルは、同じであるか又は異なり得るハロゲン原子で部分的に又は完全に置換され得る。「ハロアルキル」又は「ハロゲンを用いて置換されたアルキル」の例としては、F3C、ClCH2、CF3CH2、及びCF3CCl2が挙げられる。「ハロアルケニル」、「ハロアルキニル」「ハロアルコキシ」、「ハロアルキルスルホニル」、「ハロシクロアルキル」などの用語は、「ハロアルキル」という用語と類似して定義される。「ハロアルケニル」の例は、Cl2C=CHCH2及びCF3CH2CH=CHCH2を含む。「ハロアルキニル」の例は、HC≡CCHCl、CF3C≡C、CCl3C≡C及びFCH2C≡CCH2を含む。「ハロアルコキシ」の例は、CF3O、CCl3CH2O、F2CHCH2CH2O及びCF3CH2Oを含む。「ハロアルキルスルホニル」の例は、CF3S(=O)2、CCl3S(=O)2、CF3CH2S(=O)2及びCF3CF2S(=O)2を含む。「ハロシクロアルキル」の例は、2-クロロシクロプロピル、2-フルオロシクロブチル、3-ブロモシクロペンチル及び4-クロロシクロヘキシルを含む。
【0039】
「シアノアルキル」は、1つのシアノ基で置換されているアルキル基を示す。「シアノアルキル」の例は、NCCH2、NCCH2CH2及びCH3CH(CN)CH2を含む。「ヒドロキシアルキル」は、1つのヒドロキシ基で置換されているアルキル基を示す。「ヒドロキシアルキル」の例は、HOCH2CH2、CH3CH2(OH)CH及びHOCH2CH2CH2CH2を含む。
【0040】
置換基中の炭素原子の合計数は、「Ci~Cj」の接頭表記によって示され、ここで、i及びjは、1~14の数である。例えば、C1~C4アルキルスルホニルは、メチルスルホニルからブチルスルホニルまでを表し;C2アルコキシアルキルは、CH3OCH2を表し;C3アルコキシアルキルは、例えば、CH3CH(OCH3)、CH3OCH2CH2又はCH3CH2OCH2を表し;及びC4アルコキシアルキルは、全部で4個の炭素原子を含むアルコキシ基で置換されているアルキル基の種々の異性体を表し、例は、CH3CH2CH2OCH2及びCH3CH2OCH2CH2を含む。
【0041】
一般的に、分子フラグメント(すなわち基)が一連の原子記号(例えば、C、H、N、O及びS)によって示される場合、絶対的な結合点は、当業者によって容易に認識される。本明細書のいくつかの例において、特に別の結合点が可能である場合、結合点は、ハイフン(「-」)によって明白に示され得る。例えば、「-SCN」は、結合点が硫黄原子(すなわち、イソチオシアナートではなくチオシアナート)であることを示す。
【0042】
本明細書で使用するとき、「アルキル化剤」という用語は、その中の炭素含有基が、前記炭素原子に対する求核試薬の結合によって置き換えることが可能な、例えばハライド又はスルホネートのような脱離基に、炭素原子を介して結合される、化合物を指している。特に断らない限り、「アルキル化」という用語は、その炭素含有基をアルキルに限定する訳ではなく、アルキル化剤の中の炭素含有基には、例えばR2について特定される炭素結合された置換基の変種も含まれる。
【0043】
環又は環系等の基に関連する「未置換」という用語は、基が、式1の残部に対するその1つ以上の結合以外のいずれの置換基も有さないことを意味する。「置換されていてもよい」という用語は、置換基の数がゼロであり得ることを意味する。特記されない限り、置換されていてもよい基は、いずれかの利用可能な炭素又は窒素原子上で非水素置換基で水素原子を置換することによって適応される、可能な限り多数の任意の置換基で置換され得る。一般的に、任意の置換基の数は(存在する場合)、1~3の範囲である。本明細書で使用される場合、「置換されていてもよい」という用語は、「置換若しくは非置換の」という句又は「(非)置換の」という用語と相互に交換可能に使用される。
【0044】
任意の置換基の数は、表示された制限によって限定され得る。例えば、「R2から独立して選択される最大3個の置換基で置換されてもよい」という句は、0個、1個、2個又は3個の置換基が存在可能である(可能な連結点の数が可能にする場合)ことを意味する。置換基の数に関して明記される範囲(例えば、表示Aにおいてxは0~2の整数である)が環上の置換基のために利用可能な位置の数を越える場合(例えば、表示AのU-7上の(R2)xのために利用可能な1つの位置)、範囲の実際の上限は、利用可能な位置の数まで認識される。
【0045】
前記置換基の数が変動可能であることを示す下付き文字を有する置換基(例えば、xが1~2である表示Aの(R2)x)によって化合物が置換される場合、特記されない限り、前記置換基は、定義された置換基の群から独立して選択される。ある位置に様々な基が任意選択的に連結すると示される場合(例えば、xが0であり得る表示Aの(R2)x)、様々な基の定義に記載されていなくても、水素がその位置にあり得る。
【0046】
本開示の置換基の命名は、当業者に化学構造を正確に伝える際に簡潔さを提供する認識された用語を使用する。簡潔さのため、ロカント記述は、省略され得る。
【0047】
特記されない限り、式1の成分としての「環」又は「環系」(例えばR1及びJ)は、炭素環式又は複素環式である。「環系」という用語は、2個以上の連結した環を示す。「スピロ環式環系」という用語は、単一原子において連結した2個の環からなる環系を示す(したがって、環は、共通の単一原子を有する)。「二環式環系」という用語は、2個以上の共通の原子を共有する2個の環からなる環系を示す。「縮合二環式環系」において、共通の原子は、隣接しており、したがって、環は、2個の隣接する原子及びそれを連結する結合を共有する。
【0048】
「環員」という用語は、環又は環系の主鎖を形成する原子(例えば、C、O、N若しくはS)又は他の部分(例えば、C(=O)、C(=S)、S(=O)及びS(=O)2)を指す。「芳香族」という用語は、各環原子が本質的に同一平面にあり、環平面に対して垂直であるp軌道を有し、ヒュッケル則に従って(4n+2)π電子(nは、正の整数である)が環と関連することを示す。
【0049】
「炭素環式環」という用語は、環主鎖を形成する原子が炭素のみから選択される環を示す。特記されない限り、炭素環式環は、飽和であるか、部分的不飽和であるか、又は完全不飽和環であり得る。完全不飽和炭素環式環がヒュッケル則を満たす場合、前記環は、「芳香環」とも呼ばれる。「飽和炭素環」は、単結合によって互いに連結した炭素原子からなる主鎖を有する環を意味し、特記されない限り、残りの炭素原子価は、水素原子によって占有される。
【0050】
本明細書で使用される場合、「部分的不飽和環」又は「部分的不飽和複素環」という用語は、不飽和環原子及び1つ以上の二重結合を含有するが、芳香族ではない環を指す。
【0051】
「複素環式環」又は「複素環」という用語は、環主鎖を形成する原子の少なくとも1個が炭素以外である環を示す。特記されない限り、複素環は、飽和であるか、部分的不飽和であるか、又は完全不飽和環であり得る。完全不飽和複素環がヒュッケル則を満たす場合、前記環は、「芳香族複素環」又は芳香族複素環式環とも呼ばれる。「飽和複素環」は、環員間で単結合のみを含有する複素環を指す。
【0052】
特記されない限り、複素環及び環系は、炭素又は窒素原子上での水素の置換により、いずれかの利用可能な炭素又は窒素原子によって式1の残部に結合される。
【0053】
本発明の化合物では、1つ以上の立体異性体が存在可能である。立体異性体とは、同一の構成を有するが、それらの原子の空間配置が異なる異性体であり、鏡像異性体、ジアステレオマー、cis-及びtrans-異性体(幾何異性体としても知られる)及びアトロプ異性体を含む。アトロプ異性体は、単結合の回りでの束縛回転から生じるものであって、その回転の障壁が高いために、それらの異性体種を単離することが可能である。当業者のよく理解するところであろうが、1つの立体異性体が、他の立体異性体よりも高濃度にするか、又は他の立体異性体から分離するときに、反応性がより高くてもよいし、及び/又は有利な効果を示してもよい。加えて、当業者であれば、前記立体異性体の分離法、富化法及び/又は選択的な調製法を知っている。立体異性の全ての態様についての包括的な議論については、次の文献を参照されたい:Ernest L.Eliel and Samuel H.Wilen,Stereochemistry of Organic Compounds,John Wiley&Sons,1994。
【0054】
本発明の化合物は、式1におけるアミド結合(例えば、C(=O)-N)の回りでの束縛回転が理由の、1つ又は複数の配座異性体として存在することも可能である。本発明は、配座異性体の混合物も含む。加えて、本発明は、他方に対して、一方の配座異性体が富化された化合物も含む。
【0055】
本発明は、全ての立体異性体、構造異性体及び全ての割合のそれらの混合物並びに重水素化化合物などのアイソトープ型を含む。
【0056】
当業者は、全部の窒素含有複素環がN-オキシドを形成できるわけではなく、なぜなら、その窒素が、酸化されてオキシドとなるには、利用可能な孤立電子対を必要とするためであることを理解するであろう。当業者は、N-オキシドを形成し得るそれらの窒素含有複素環を認識するであろう。当業者は、第三級アミンがN-オキシドを形成し得ることも認識するであろう。複素環及び第三級アミンのN-オキシドを調製するための合成方法は、ペルオキシ酸例えば過酢酸及びm-クロロ過安息香酸(MCPBA)、過酸化水素、アルキルヒドロペルオキシド、例えばt-ブチルヒドロペルオキシド、過ホウ酸ナトリウム並びにジオキシラン例えばジメチルジオキシランを用いて、複素環及び第三級アミンを酸化させることも含めて、当業者に周知であろう。N-オキシドを調製するためのこれらの方法は、文献に広く記述され、総説されており、例えば以下の文献を参照されたい:T.L.Gilchrist,Comprehensive Organic Synthesis,vol.7,pp 748-750(S.V.Ley,Ed.,Pergamon Press);M.Tisler and B.Stanovnik,Comprehensive Heterocyclic Chemistry,vol.3,pp.18-20,A.J.Boulton and A.McKillop,Eds.,Pergamon Press;M.R.Grimmett and B.R.T.Keene,Advances in Heterocyclic Chemistry,vol.43,pp.149-161,A.R.Katritzky,Ed.,Academic Press;M.Tisler and B.Stanovnik,Advances in Heterocyclic Chemistry,vol.9,pp.285-291,A.R.Katritzky and A.J.Boulton,Eds.,Academic Press;及びG.W.H.Cheeseman and E.S.G.Werstiuk,Advances in Heterocyclic Chemistry,vol.22,pp.390-392,A.R.Katritzky and A.J.Boulton,Eds.,Academic Press。
【0057】
当業者の認識するところであるが、環境内及び生理学的条件下では、化合物の塩は、それらに相当する非塩の形態とは平衡関係にあることが理由で、塩は、その非塩の形態と、生物学的実用性を分け合っている。したがって、広く種々の式1の化合物の塩が、真菌類植物病原体によって引き起こされる植物病害を防除するのに有用である(すなわち農薬として適している)。式1の化合物の塩としては、例えば以下のような無機酸又は有機酸との酸付加塩が挙げられる:臭化水素酸、塩化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、プロピン酸、サリチル酸、酒石酸、4-トルエンスルホン酸又は吉草酸。式1の化合物がカルボン酸などの酸性の残基を含む場合、塩は、例えば、有機又は無機の塩基を用いて形成される以下のものも含む:ピリジン、トリエチルアミン若しくはアンモニア又はアミド、水素化物、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム若しくはバリウムの水酸化物又は炭酸塩。したがって、本発明は、式1から選択される化合物、それらのN-オキシド及び農薬として好適な塩、溶媒和物及び水和物を含む。
【0058】
式1から選択される化合物、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド及び塩は、典型的には、2つ以上の形態で存在し、したがって、式1は、式1が表す化合物の全ての結晶質及び非晶質形態を含む。非晶性の形態は、固体である実施形態、例えばワックス及びゴム、さらに液体である実施形態、例えば溶液及び溶融物を含む。結晶性の形態は、実質的に単結晶タイプを表す実施形態及び多形の混合物(すなわち複数の結晶性タイプ)を表す実施形態を含む。「多形」という用語は、種々の結晶性の形態で結晶化し得る、化合物の特定の結晶性の形態を表しており、これらの形態は、結晶格子中での種々の分子の配列及び/又は配座を有する。複数の多形は、同一の化学組成を有することできるが、それらはまた、その格子中に弱く又は強く結合され得る共結晶された水又は他の分子の存否によって組成が異なり得る。多形は、結晶の形状、密度、硬度、色、化学的安定性、融点、吸湿性、懸濁性、溶解速度及び生物学的アベイラビリティーのような化学的、物理的及び生物学的性質の面で異なり得る。当業者は、式1によって表される化合物の特定の多形が、式1によって表されるものと同一の化合物の他の多形又は多形の混合物と比較して、有利な効果(例えば、有用な配合を調製する際の適合性、改良された生物学的性能)を示し得ることを理解するであろう。式1によって表される化合物の特定の多形の調製及び単離は、例えば、選択された溶媒及び温度を使用する結晶化など、当業者に公知の方法によって達成することができる。多形についての包括的な議論に関しては、次の文献を参照されたい:R.Hilfiker,Ed.,Polymorphism in the Pharmaceutical Industry,Wiley-VCH,Weinheim,2006。
【0059】
本明細書の化合物及びその農業的に許容され得る塩は、完全に非晶質から完全に結晶性の範囲の連続した固体状態で存在し得る。それらはまた、非溶媒和形態及び溶媒和形態で存在し得る。「溶媒和物」という用語は、化合物と1つ以上の農業的に許容され得る溶媒分子(例えば、EtOH)とを含む分子複合体を表す。「水和物」という用語は、溶媒が水である溶媒和物である。農業的に許容され得る溶媒和物としては、溶媒が同位体的に置換され得るもの(例えば、D2O、d6-アセトン、d6-DMSO)が挙げられる。
【0060】
有機化合物の溶媒和物及び水和物の現在受け入れられている分類系は、単離された部位、チャネル、及び金属イオン配位溶媒和物及び水和物を区別するものである。例えば、K.R.Morris (H.G.Brittain ed.) Polymorphism in Pharmaceutical Solids (1995) を参照のこと。単離された部位の溶媒和物及び水和物は、溶媒(例えば、水)分子が有機化合物の介在分子によって互いに直接接触しないように単離されたものである。チャネル溶媒和物では、溶媒分子は、他の溶媒分子に隣接する格子チャネルにある。金属イオン配位溶媒和物では、溶媒分子は金属イオンに結合している。
【0061】
本発明の概要に記載されるように、本発明の態様は、(a)式1から選択される少なくとも1つの化合物、N-オキシド及びそれらの塩と、(b)少なくとも1つの追加的な殺真菌性化合物とを含む組成物に関する。より特に、成分(b)は、
(b1)メチルベンゾイミダゾールカルバメート(MBC)殺真菌剤、
(b2)ジカルボキシイミド殺真菌剤、
(b3)脱メチル化阻害剤(DMI)殺真菌剤、
(b4)フェニルアミド(PA)殺真菌剤、
(b5)アミン/モルホリン殺真菌剤、
(b6)リン脂質生合成阻害剤殺真菌剤、
(b7)コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤(SDHI)殺真菌剤、
(b8)ヒドロキシ(2-アミノ-)ピリミジン殺真菌剤、
(b9)アニリノピリミジン(AP)殺真菌剤、
(b10)N-フェニルカルバメート殺真菌剤、
(b11)キノンアウトサイド阻害剤(QoI)殺真菌剤、
(b12)フェニルピロール(PP)殺真菌剤、
(b13)アザナフタレン殺真菌剤、
(b14)細胞過酸化阻害剤殺真菌剤、
(b15)メラニン生合成阻害剤-レダクターゼ(MBI-R)殺真菌剤、
(b16a)メラニン生合成阻害剤-デヒドラターゼ(MBI-D)殺真菌剤、
(b16b)メラニン生合成阻害剤-ポリケチドシンターゼ(MBI-P)殺真菌剤、
(b17)ケトレダクターゼ阻害剤(KRI)殺真菌剤、
(b18)スクアレン-エポキシダーゼ阻害剤殺真菌剤、
(b19)ポリオキシン殺真菌剤、
(b20)フェニルウレア殺真菌剤、
(b21)キノンインサイド阻害剤(QiI)殺真菌剤、
(b22)ベンズアミド及びチアゾールカルボキサミド殺真菌剤、
(b23)エノピラヌロン酸抗生物質殺真菌剤、
(b24)ヘキソピラノシル抗生物質殺真菌剤、
(b25)グルコピラノシル抗生物質:タンパク質合成殺真菌剤、
(b26)グルコピラノシル抗生物質殺真菌剤、
(b27)シアノアセトアミドオキシム殺真菌剤、
(b28)カルバメート殺真菌剤、
(b29)酸化的リン酸化アンカップリング殺真菌剤、
(b30)有機スズ殺真菌剤、
(b31)カルボン酸殺真菌剤、
(b32)複素環式芳香族化合物殺真菌剤、
(b33)ホスホネート殺真菌剤、
(b34)フタルアミド酸殺真菌剤、
(b35)ベンゾトリアジン殺真菌剤、
(b36)ベンゼン-スルホンアミド殺真菌剤、
(b37)ピリダジノン殺真菌剤、
(b38)チオフェン-カルボキサミド殺真菌剤、
(b39)複合体I NADHオキシドレダクターゼ阻害剤殺真菌剤、
(b40)カルボン酸アミド(CAA)殺真菌剤、
(b41)テトラサイクリン抗生物質殺真菌剤、
(b42)チオカルバメート殺真菌剤、
(b43)ベンズアミド殺真菌剤、
(b44)微生物殺真菌剤、
(b45)キノンアウトサイド阻害剤、スチグマテリン結合(QoSI)殺真菌剤、
(b46)植物抽出物殺真菌剤、
(b47)シアノアクリレート殺真菌剤、
(b48)ポリエン殺真菌剤、
(b49)オキシステロール結合性タンパク質阻害剤(OSBPI)殺真菌剤、
(b50)アリール-フェニル-ケトン殺真菌剤、
(b51)宿主植物防御誘導殺真菌剤、
(b52)マルチサイト活性殺真菌剤、
(b53)複数の作用機構を有する生物学的製剤、
(b54)成分(a)及び成分(b1)~(b53)の殺真菌剤以外の殺真菌剤、及び
化合物(b1)~(b54)の塩
からなる群から選択される。
【0062】
成分(b)が、(b1)~(b54)から選択される2つの異なる群のそれぞれからの少なくとも1つの殺真菌性化合物を含む実施形態が注目される。
【0063】
「メチルベンゾイミダゾールカルバメート(MBC)殺真菌剤(b1)」(FRACコード1)は、微小管会合中のβ-チュービュリンへの結合によって有糸分裂を阻害する。微小管会合の阻害は、細胞分裂、細胞内輸送及び細胞構造を中断させることができる。メチルベンゾイミダゾールカルバメート殺真菌剤は、ベンゾイミダゾール及びチオファネート殺真菌剤を含む。ベンゾイミダゾールは、ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾール(fuberidazole)及びチアベンダゾールを含む。チオファネートは、チオファネート及びチオファネートメチルを含む。
【0064】
「ジカルボキシイミド殺真菌剤(b2)」(FRACコード2)は、浸透圧シグナル伝達においてマイトジェン活性化タンパク質(MAP)/ヒスチジンキナーゼを阻害する。例は、クロゾリネート、ジメタクロン、イプロジオン、プロシミドン及びビンクロゾリンを含む。
【0065】
「脱メチル化反応阻害剤(DMI)殺真菌剤(b3)」(FRACコード3)(ステロール生合成阻害剤(SBI):クラスI)は、ステロール生成に関与するC14デメチラーゼを阻害する。ステロール、例えばエルゴステロールは、膜構造及び機能のために必要とされ、そのため、機能性細胞壁の発達のために必須である。したがって、これらの殺真菌剤に暴露することにより、感受性真菌類の異常成長及び最終的に死滅がもたらされる。DMI殺真菌剤は、いくつかの化学クラスに分けられる:ピペラジン、ピリジン、ピリミジン、イミダゾール、トリアゾール及びトリアゾリンチオン。ピペラジンは、トリフォリンを含む。ピリジンは、ブチオベート、ピリフェノックス、ピリソキサゾール及び(αS)-[3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-イソキサゾリル]-3-ピリジンエメタノールを含む。ピリミジンは、フェナリモル、ヌアリモル及びトリアリモールを含む。イミダゾールは、エコナゾール、イマザリル、オクスポコナゾール、ペフラゾエート、プロクロラズ及びトリフルミゾールを含む。トリアゾールは、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール(ジニコナゾール-Mを含む)、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、イプフェントリフルコナゾール、メフェントリフルコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、キンコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ウニコナゾール-P、α-(1-クロロシクロプロピル)-α-[2-(2,2-ジクロロシクロプロピル)エチル]-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール、rel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール、rel-2-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン及びrel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-5-(2-プロペン-1-イルチオ)-1H-1,2,4-トリアゾールを含む。トリアゾリンチオンは、プロチオコナゾールを含む。生化学的調査により、上記の殺真菌剤のいずれも、Modern Selective Fungicides - Properties,Applications and Mechanisms of Action,H.Lyr (Ed.),Gustav Fischer Verlag:New York,1995,205-258においてK.H.Kuckらによって記載されたDMI殺真菌剤であることが判明している。
【0066】
「フェニルアミド(PA)殺真菌剤(b4)」(FRACコード4)は、卵菌真菌類(Oomycete fungi)のRNAポリメラーゼの特異的阻害剤である。これらの殺真菌剤に暴露された感受性真菌類は、ウリジンをrRNAに組み込む能力が低下していることを示す。このクラスの殺真菌剤に暴露されると、感受性真菌類の成長及び発達が阻害される。フェニルアミド殺真菌剤は、アシルアラニン、オキサゾリジノン及びブチロラクトンの殺真菌剤を含む。アシルアラニンは、ベナラキシル、ベナラキシル-M(別名:キララキシル)、フララキシル、メタラキシル、メタラキシル-M(別名:メフェノキサム)を含む。オキサゾリジノンは、オキサジキシルを含む。ブチロラクトンは、オフレースを含む。
【0067】
「アミン/モルホリン殺真菌剤(b5)」(FRACコード5)(SBI:クラスII)は、ステロール生合成経路内の2つの標的部位、Δ8→Δ7イソメラーゼ及びΔ14レダクターゼを阻害する。ステロール、例えばエルゴステロールは、膜構造及び機能のために必要とされ、そのため、機能性細胞壁の発達のために必須である。したがって、これらの殺真菌剤に暴露することにより、感受性真菌類の異常成長及び最終的に死滅がもたらされる。アミン/モルホリン殺真菌剤(非DMIステロール生合成阻害剤としても知られている)は、モルホリン、ピペリジン及びスピロケタール-アミン殺真菌剤を含む。モルホリンは、アルジモルフ、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ及びトリモルフアミドを含む。ピペリジンは、フェンプロピジン及びピペラリンを含む。スピロケタールアミンは、スピロキサミンを含む。
【0068】
「リン脂質生合成阻害剤殺真菌剤(b6)」(FRACコード6)は、リン脂質の生合成に影響を与えることによって真菌類の成長を阻害するものである。リン脂質生合成阻害剤殺真菌剤は、ホスホロチオレート殺真菌剤及びジチオラン殺真菌剤を含む。ホスホロチオレートは、エジフェンホス、イプロベンホス及びピラゾホスを含む。ジチオランは、イソプロチオランを含む。
【0069】
「コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤(SDHI)殺真菌剤(b7)」(FRACコード7)は、コハク酸デヒドロゲナーゼというクレブスサイクル(Krebs Cycle)(TCAサイクル)の主要酵素を阻害することにより、複合体II真菌類の呼吸を阻害する。呼吸を阻害されると、真菌類はATPを作ることができなくなり、成長及び繁殖が阻害される。SDHI殺真菌剤は、フェニルベンズアミド、フェニルオキソエチルチオフェンアミド、ピリジニルエチルベンズアミド、フランカルボキサミド、オキサチインカルボキサミド、チアゾールカルボキサミド、ピラゾール-4-カルボキサミド、N-シクロプロピル-N-ベンジル-ピラゾールカルボキサミド、N-メトキシ-(フェニル-エチル)-ピラゾールカルボキサミド、ピリジンカルボキサミド及びピラジンカルボキサミド殺真菌剤を含む。フェニルベンズアミドは、ベノダニル、フルトラニル及びメプロニルを含む。フェニルオキソエチルチオフェンアミドは、イソフェタミドを含む。ピリジニルエチルベンズアミドは、フルオピラムを含む。フランカルボキサミドは、フェンフラムを含む。オキサチインカルボキサミドは、カルボキシン及びオキシカルボキシンを含む。チアゾールカルボキサミドは、チフルザミドを含む。ピラゾール-4-カルボキサミドは、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルベネテラム(仮称、登録番号1676101-39-5)、フルインダピル、フルキサピロキサド、フラメトピル、インピルフルキサム、イソピラザム、ペンフルフェン、ペンチオピラド、ピラプロポイン(仮称、登録番号1803108-03-3)、セダキサン及びN-[2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-メトキシ-1-メチルエチル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドを含む。N-シクロプロピル-N-ベンジル-ピラゾールカルボキサミドは、イソフルシプラムを含む。N-メトキシ-(フェニル-エチル)-ピラゾールカルボキサミドは、ピジフルメトフェンを含む。ピリジンカルボキサミドは、ボスカリドを含む。ピラジンカルボキサミドは、ピラジフルミドを含む。
【0070】
「ヒドロキシ-(2-アミノ-)ピリミジン殺真菌剤(b8)」(FRACコード8)は、アデノシンデアミナーゼを阻害することにより、核酸合成を阻害する。例は、ブピリメート、ジメチリモル及びエチリモルを含む。
【0071】
「アニリノピリミジン(AP)殺真菌剤(b9)」(FRACコード9)は、アミノ酸メチオニンの生合成を阻害し、感染時に植物細胞を溶解させる加水分解酵素の分泌を阻害するために提案される。例は、シプロジニル、メパニピリム及びピリメタニルを含む。
【0072】
「N-フェニルカルバメート殺真菌剤(b10)」(FRACコード10)は、β-チュービュリンに結合し、微小管会合を破壊することによって有糸分裂を阻害する。微小管会合の阻害は、細胞分裂、細胞内輸送及び細胞構造を中断させることができる。例は、ジエトフェンカルブを含む。
【0073】
「キノンアウトサイド阻害剤(QoI)殺真菌剤(b11)」(FRACコード11)は、ユビキノールオキシダーゼに影響を与えることにより、真菌類のミトコンドリア呼吸の複合体IIIを阻害する。真菌類のミトコンドリア内膜に存在するチトクロムbc1複合体の「キノンアウトサイド」(Qo)部位においてユビキノールの酸化が阻害される。ミトコンドリアの呼吸を阻害することにより、真菌類の正常な成長及び発達を妨げる。キノンアウトサイド阻害剤殺真菌剤は、メトキシアクリレート、メトキシアセトアミド、メトキシカルバメート、オキシミノアセテート、オキシミノアセトアミド及びジヒドロジオキサジン殺真菌剤(集合的にストロビルリン殺真菌剤としても知られている)並びにオキサゾリジンジオン、イミダゾリノン及びベンジルカルバメート殺真菌剤を含む。メトキシアクリレートは、アゾキシストロビン、クモキシストロビン、エノキサストロビン(エネストロブリンとしても知られている)、フルフェノキシストロビン、ピコキシストロビン及びピラオキシストロビンを含む。メトキシアセトアミドは、マンデストロビンを含む。メトキシカルバメートは、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン及びトリクロピリカルブを含む。オキシミノ¬アセテートは、クレソキシム-メチル及びトリフロキシストロビンを含む。オキシミノアセトアミドは、ジモキシストロビン、フェナミンストロビン、メトミノストロビン及びオリサストロビンを含む。ジヒドロジオキサジンは、フルオキサストロビンを含む。オキサゾリジンジオンは、ファモキサドンを含む。イミダゾリノンは、フェナミドンを含む。ベンジルカルバメートは、ピリベンカルブを含む。
【0074】
「フェニルピロール(PP)殺真菌剤(b12)」(FRACコード12)は、真菌類の浸透圧シグナル伝達に関連するMAP/ヒスチジンキナーゼを阻害するものである。フェンピクロニル、フルジオキソニルは、このクラスの殺真菌剤の一例である。
【0075】
「アザナフタレン殺真菌剤(b13)」(FRACコード13)は、未知の機構によってシグナル伝達を阻害するために提案される。うどんこ病(powdery mildew diseases)の原因となる真菌類の発芽及び/又は付着器形成を妨げることが確認されている。アザナフタレン殺真菌剤は、アリールオキシキノリン及びキナゾリノンを含む。アリールオキシキノリンは、キノキシフェンを含む。キナゾリノンは、プロキナジドを含む。
【0076】
「細胞過酸化阻害剤殺真菌剤(b14)」(FRACコード14)は、真菌類の膜合成に影響を与える脂質過酸化を抑制するために提案されたものである。このクラスの構成要素、例えばエトリジアゾールは、呼吸及びメラニン生合成などの他の生物学的プロセスにも影響を与える可能性がある。細胞過酸化殺真菌剤は、芳香族炭化水素及び1,2,4-チアジアゾール殺真菌剤を含む。芳香族炭化水素殺真菌剤は、ビフェニル、クロロネブ、ジクロラン、キントゼン、テクナゼン及びトルクロホス-メチルを含む。1,2,4-チアジアゾールは、エトリジアゾールを含む。
【0077】
「メラニン生合成阻害剤-レダクターゼ(MBI-R)殺真菌剤(b15)」(FRACコード16.1)は、メラニン生合成のナフタール還元ステップを阻害する。メラニンは、いくつかの菌による宿主植物の感染に必要である。メラニン生合成阻害剤-レダクターゼ殺真菌剤は、イソベンゾフラノン、ピロロキノリノン及びトリアゾロベンゾチアゾール殺真菌剤を含む。イソベンゾフラノンは、フタライドを含む。ピロロキノリノンは、ピロキロンを含む。トリアゾロベンゾチアゾールは、トリシクラゾールを含む。
【0078】
「メラニン生合成阻害剤-デヒドラターゼ(MBI-D)殺真菌剤(b16a)」(FRACコード16.2)は、メラニン生合成におけるシタロンデヒドラターゼを阻害する。メラニンは、いくつかの菌による宿主植物の感染に必要である。メラニン生合成阻害剤-デヒドラターゼ殺真菌剤は、シクロプロパンカルボキサミド、カルボキサミド、プロピオンアミド殺真菌剤を含む。シクロプロパンカルボキサミドは、カルプロパミドを含む。カルボキサミドは、ジクロシメットを含む。プロピオンアミドは、フェノキサニルを含む。
【0079】
「メラニン生合成阻害剤-ポリケチドシンターゼ(MBI-P)殺真菌剤(b16b)」(FRACコード16.3)は、メラニン生合成においてポリケチドシンターゼを阻害するものである。メラニンは、いくつかの菌による宿主植物の感染に必要である。メラニン生合成阻害剤-ポリケチドシンターゼ殺真菌剤は、トリフルオロエチルカルバミン酸殺真菌剤を含む。トリフルオロエチルカルバメート殺真菌剤は、トルプロカルブを含む。
【0080】
「ケトレダクターゼ阻害剤(KRI)殺真菌剤(b17)」(FRACコード17)は、ステロール生成におけるC4-脱メチル化の際に3-ケトレダクターゼを阻害するものである。ケトレダクターゼ阻害剤殺真菌剤(ステロール生合成阻害剤(SBI):クラスIIIとしても知られる)は、ヒドロキシアニリド及びアミノピラゾリノンを含む。ヒドロキシアニリドは、フェンヘキサミドを含む。アミノピラゾリノンは、フェンピラザミンを含む。キノフメリン(仮称、登録番号861647-84-9)、イプフルフェノキン(仮称、登録番号1314008-27-9)もケトレダクターゼ阻害性殺真菌剤であると考えられる。
【0081】
「スクアレン-エポキシダーゼ阻害剤殺真菌剤(b18)」(FRACコード18)(SBI:クラスIV)は、ステロール生合成経路においてスクアレンエポキシダーゼを阻害するものである。ステロール、例えばエルゴステロールは、膜構造及び機能のために必要とされ、そのため、機能性細胞壁の発達のために必須である。したがって、これらの殺真菌剤に暴露することにより、感受性真菌類の異常成長及び最終的に死滅がもたらされる。スクアレンエポキシダーゼ阻害剤殺真菌剤は、チオカルバメート殺真菌剤とアリルアミン殺真菌剤を含む。チオカルバメートは、ピリブチカルブを含む。アリルアミンは、ナフチフィン及びテルビナフィンを含む。
【0082】
「ポリオキシン殺真菌剤(b19)」(FRACコード19)は、キチンシンターゼを阻害する。例は、ポリオキシンを含む。
【0083】
「フェニルウレア殺真菌剤(b20)」(FRACコード20)は、細胞分裂に影響を与えるために提案される。例は、ペンシクロンを含む。
【0084】
「キノンインサイド阻害剤(QiI)殺真菌剤(b21)」(FRACコード21)は、ユビキノンレダクターゼに影響を与えることにより、真菌類のミトコンドリア呼吸の複合体IIIを阻害する。真菌類のミトコンドリア内膜に存在するチトクロムbc1複合体の「キノンインサイド」(Qi)部位でユビキノンの還元が妨げられる。ミトコンドリアの呼吸を阻害することにより、真菌類の正常な成長及び発達を妨げる。キノンインサイド阻害剤殺真菌剤は、シアノイミダゾール、スルファモイルトリアゾール及びピコリンアミド殺真菌剤を含む。シアノイミダゾールは、シアゾファミドを含む。スルファモイルトリアゾールは、アミスルブロムを含む。ピコリンアミドは、フェンピコキサミド(登録番号517875-34-2)を含む。
【0085】
「ベンズアミド及びチアゾールカルボキサミド殺真菌剤(b22)」(FRACコード22)は、β-チュービュリンに結合し、微小管会合を破壊することによって有糸分裂を阻害する。微小管会合の阻害は、細胞分裂、細胞内輸送及び細胞構造を中断させることができる。ベンズアミドは、ゾキサミドなどのトルアミドを含む。チアゾールカルボキサミドは、エタボキサムなどのエチルアミノチアゾールカルボキサミドを含む。
【0086】
「エノピラヌロン酸抗生物質殺真菌剤(b23)」(FRACコード23)は、タンパク質の生合成に影響を与えることによって真菌類の成長を阻害するものである。例は、ブラストサイジン-Sを含む。
【0087】
「ヘキソピラノシル抗生物質殺真菌剤(b24)」(FRACコード24)は、リン脂質の生合成に影響を与えることによって真菌類の成長を阻害するものである。例は、カスガマイシンを含む。
【0088】
「グルコピラノシル抗生物質:タンパク質合成殺真菌剤(b25)」(FRACコード25)は、タンパク質の生合成に影響を与えることによって真菌類の成長を阻害するものである。例は、ストレプトマイシンを含む。
【0089】
「グルコピラノシル抗生物質殺真菌剤(b26)」(FRACコードU18、以前にはFRACコード26であったが、U18に再分類された)は、トレハラーゼ及びイノシトールの生合成を阻害するために提案される。例は、バリダマイシンを含む。
【0090】
「シアノアセトアミドオキシム殺真菌剤(b27)」(FRACコード27)は、シモキサニルを含む。
【0091】
「カルバメート系殺真菌剤(b28)」(FRACコード28)は、真菌類の増殖のマルチサイト阻害剤と考えられる。これらは、細胞膜の脂肪酸の合成を妨害し、その後、細胞膜の透過性を破壊するために提案される。ヨードカルブ、プロパマカルブ、プロチオカルブは、このクラスの殺真菌剤の一例である。
【0092】
「酸化的リン酸化アンカップリング殺真菌剤(b29)」(FRACコード29)は、酸化的リン酸化を遮断することにより、真菌類の呼吸を阻害する。呼吸を阻害することにより、真菌類の正常な成長及び発達を妨げる。このクラスは、ビナパクリル、メプチルジノカプ及びジノカプなどのジニトロフェニルクロトン酸塩並びにフルアジナムなどの2,6-ジニトロアニリンを含む。
【0093】
「有機スズ殺真菌剤(b30)」(FRACコード30)は、酸化的リン酸化経路においてアデノシン三リン酸(ATP)合成を阻害する。例は、フェンチンアセテート、フェンチンクロライド及びフェンチンハイドロオキサイドを含む。
【0094】
「カルボン酸殺真菌剤(b31)」(FRACコード31)は、デオキシリボ核酸(DNA)トポイソメラーゼII型(ジャイレース)に作用して真菌類の増殖を抑制する。例は、オキソリン酸を含む。
【0095】
「ヘテロ芳香族殺真菌剤(b32)」(FRACコード32)は、DNA/リボ核酸(RNA)合成に影響を与えるために提案される。ヘテロ芳香族殺真菌剤は、イソオキサゾール及びイソチアゾロンを含む。イソキサゾールは、ヒメキサゾールを含み、イソチアゾロンは、オクチリノンを含む。
【0096】
「ホスホネート殺真菌剤(b33)」(FRACコードP07、以前にはFRACコード33であったが、P07に再分類された)は、亜リン酸及びその各種塩(ホセチルアルミニウムを含む)を含む。
【0097】
「フタルアミド酸殺真菌剤(b34)」(FRACコード34)は、テクロフタラムを含む。
【0098】
「ベンゾトリアジン殺真菌剤(b35)」(FRACコード35)は、トリアゾキシドを含む。
【0099】
「ベンゼンスルホンアミド殺真菌剤(b36)」(FRACコード36)は、フルスルファミドを含む。
【0100】
「ピリダジノン殺真菌剤(b37)」(FRACコード37)は、ジクロメジンを含む。
【0101】
「チオフェン-カルボキサミド殺真菌剤(b38)」(FRACコード38)は、ATP産生に影響を与えるために提案される。例は、シルチオファムを含む。
【0102】
「複合体I NADHオキシドレダクターゼ阻害剤殺真菌剤(b39)」(FRACコード39)は、ミトコンドリアにおける電子輸送を阻害し、ジフルメトリムなどのピリミジンアミン、トルフェンピラドなどのピラゾール-5-カルボキサミド、フェナザキンなどのキナゾリンなどを含む。
【0103】
「カルボン酸アミド(CAA)殺真菌剤(b40)」(FRACコード40)は、セルロースシンテターゼを阻害し、対象真菌類の生育を妨げて死滅させる。カルボン酸アミド殺真菌剤は、桂皮酸アミド、カルバミン酸バリナミド及びマンデル酸アミド殺真菌剤を含む。桂皮酸アミドは、ジメトモルフ、フルモルフ及びピリモルフを含む。カルバミン酸バリナミドは、ベンチアバリカルブ、ベンチアバリカルブ-イソプロピル、イプロバリカルブ、トルプロカルブ及びバリフェナレート(別名:バリフェナール)を含む。マンデル酸アミドは、マンジプロパミド、N-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド及びN-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(エチルスルホニル)アミノ]ブタンアミドを含む。
【0104】
「テトラサイクリン抗生物質殺真菌剤(b41)」(FRACコード41)は、タンパク質の合成に影響を与えることによって真菌類の成長を阻害するものである。例は、オキシテトラサイクリンを含む。
【0105】
「チオカルバメート殺真菌剤(b42)」(FRACコードM12、以前にはFRACコード42であったが、M12に再分類された)は、メタスルホカルブを含む。
【0106】
「ベンズアミド殺真菌剤(b43)」(FRACコード43)は、スペクトリン様タンパク質の非局在化によって真菌類の成長を阻害するものである。例は、フルオピコリド、フルオピモミドなどのピリジニルメチルベンズアミドを含む。
【0107】
「微生物殺真菌剤(b44)」(FRACコードBM02、以前にはFRACコード44であったが、BM02に再分類された)は、真菌類病原体の細胞膜を破壊するものである。微生物殺真菌剤は、バチルス(Bacillus)種、例えば、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)株AP-136、AP-188、AP-218、AP-219、AP-295、QST713、FZB24、F727、MB1600、D747、TJ100(株1 BEとも呼ばれる;欧州特許第2962568号明細書から既知)及びこれらが産生する殺真菌性リポペプチドを含む。
【0108】
「キノンアウトサイド阻害剤、スチグマテリン結合(QoSI)殺真菌剤(b45)」(FRACコード45)は、チトクロムbc1複合体の「キノンアウトサイド」(Qo)部位、スチグマテリン結合サブ部位でユビキノンレダクターゼに影響を与えることにより、真菌類の複合体IIIミトコンドリア呼吸を阻害する。ミトコンドリアの呼吸を阻害することにより、真菌類の正常な成長及び発達を妨げる。QoSI殺真菌剤は、アメトクラジンなどのトリアゾロピリミジルアミンを含む。
【0109】
「植物抽出物殺真菌剤(b46)」(FRACコード46)は、細胞膜破壊を引き起こす。植物抽出物殺真菌剤は、テルペン炭化水素、テルペンアルコール及びテルペンフェノール、例えばメラレウカ・アルテルニフォリア(Melaleuca alternifolia)(ティーツリー)からの抽出物、植物油(混合物)、例えばオイゲノール、ゲラニオール、チモールを含む。
【0110】
「シアノアクリレート殺真菌剤(b47)」(FRACコード47)は、ミオシンモータードメインに結合し、モーター活性及びアクチン会合に影響を与える。シアノアクリレートは、フェナマクリルなどの殺真菌剤を含む。
【0111】
「ポリエン殺真菌剤(b48)」(FRACコード48)は、膜の主要ステロールであるエルゴステロールに結合して、真菌類の細胞膜の破壊を引き起こす。例は、ナタマイシン(ピマリシン)を含む。
【0112】
「オキシステロール結合性タンパク質阻害剤(OSBPI)殺真菌剤(b49)」(FRACコード49)は、卵菌のオキシステロール結合タンパク質に結合し、遊走子の放出、遊走子の運動、胞子嚢発芽を阻害するものである。オキシステロール結合性殺真菌剤は、オキサチアピプロリン、フルオキサピプロリンなどのピペリジニルチアゾールイソキサゾリンを含む。
【0113】
「アリール-フェニル-ケトン殺真菌剤(b50)」(FRACコード50、以前にはFRACコードU8であったが、50に再分類された)は、真菌類の菌糸の成長を阻害するものである。アリールフェニルケトン殺真菌剤は、メトラフェノンなどのベンゾフェノン、ピリオフェノンなどのベンゾイルピリジンを含む。
【0114】
「宿主植物防御誘導殺真菌剤(b51)」は、宿主植物の防御機構を誘導するものである。宿主植物防御誘導殺真菌剤は、ベンゾチアジアゾール(FRACコードP01)、ベンゾイソチアゾール(FRACコードP02)、チアジアゾールカルボキサミド(FRACコードP03)、多糖(FRACコードP04)、植物抽出物(FRACコードP05)、微生物(FRACコードP06)及びホスホネート殺真菌剤(FRACコードP07、前記(b33)を参照されたい)を含む。ベンゾイソチアゾールは、アシベンゾラー-S-メチルを含む。ベンズイソチアゾールは、プロベナゾールを含む。チアジアゾールカルボキサミドは、チアジニル及びイソチアニルを含む。多糖は、ラミナリンを含む。植物抽出物は、レイノウトリア・サカリネンシス(Reynoutria sachalinensis)(オオイヌノフグリ(giant knotweed))からの抽出物を含む。微生物は、バチルス・マイコイデス(Bacillus mycoides)単離株J、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株LAS117の細胞壁を含む。
【0115】
「マルチサイト活性殺真菌剤(b52)」は、複数の作用部位を介して菌の増殖を抑制し、接触/予防活性を有する殺真菌剤である。マルチサイト活性殺真菌剤は、銅殺真菌剤(FRACコードM01)、硫黄殺真菌剤(FRACコードM02)、ジチオカルバメート殺真菌剤(FRACコードM03)、フタルイミド殺真菌剤(FRACコードM04)、クロロニトリル殺真菌剤(FRACコードM05)、スルファミド殺真菌剤(FRACコードM06)、マルチサイトコンタクトグアニジン殺真菌剤(FRACコードM07)、トリアジン殺真菌剤(FRACコードM08)、キノン殺真菌剤(FRACコードM09)、キノキサリン殺真菌剤(FRACコードM10)、マレイミド殺真菌剤(FRACコードM11)及びチオカルバメート(FRACコードM12、上記(b42)を参照されたい)殺真菌剤を含む。銅殺真菌剤は、典型的には、銅(II)酸化状態の銅を含む無機化合物であり、例は、オキシ塩化銅、硫酸銅及び水酸化銅(Bordeaux混合物(三塩基硫酸銅)等の組成物を含む)及びKocideを含む。硫黄殺真菌剤は、硫黄原子の環又は鎖を含む無機化学物質であり、例は、硫黄元素を含む。ジチオカルバメート殺真菌剤は、ジチオカルバメート分子部分を含む殺真菌剤であり、例は、フェルバム、マンコゼブ、マネブ、メチラム、プロピネブ、チラム、亜鉛チアゾール、ジネブ及びジラムを含む。フタルイミド殺真菌剤は、フタルイミド分子部分を含み、例は、フォルペット、カプタン及びカプタホールを含む。クロロニトリル殺真菌剤は、クロロ及びシアノで置換されている芳香環を含み、例は、クロロタロニルを含む。スルファミド殺真菌剤は、ジクロフルアニド及びトリフルアニドを含む。マルチサイトコンタクトグアニジン殺真菌剤は、グアザチン、イミノクタジンアルベシレート及びイミノクタジントリアセテートを含む。トリアジン殺真菌剤は、アニラジンを含む。キノン殺真菌剤は、ジチアノンを含む。キノキサリン殺真菌剤は、キノメチオネート(別名:チノメチオネート)を含む。マレイミド殺真菌剤は、フルオロイミドを含む。
【0116】
「複数の作用機構を有する生物学的製剤(b53)」は、生物学的起源の薬剤で、支配的な作用機構の証拠がない複数の作用機構を示すものを含む。このクラスの殺真菌剤は、ポリペプチド(レクチン)、フェノール、セスキテルペン、トリテペノイド及びクマリン殺真菌剤(FRACコードBM01)、例えば、ルピナス小植物体の子葉からの抽出物を含む。このクラスは、微生物殺真菌剤(FRACコードBM02、上記(b44)を参照されたい)も含む。
【0117】
「成分(a)及び成分(b1)~(b53)の殺真菌剤以外の殺真菌剤;(b54)」は、作用機構が不明であり得る特定の殺真菌剤を含む。これらは、(b54.1)「フェニル-アセトアミド殺真菌剤」(FRACコードU06)、(b54.2)「グアニジン殺真菌剤」(FRACコードU12)、(b54.3)「チアゾリジン殺真菌剤」(FRACコードU13)、(b54.4)「ピリミジノン-ヒドラゾン殺真菌剤」(FRACコードU14)、(b54.5)「4-キノリルアセテート殺真菌剤」(FRACコードU16)、(54.6)「テトラゾリルオキシム殺真菌剤」(FRACコードU17)、「グルコピラノシル抗生物質殺真菌剤」(FRACコードU18、上記(b26)を参照されたい)を含む。フェニルアセトアミドは、シフルフェナミドを含む。グアニジンは、ドジンを含む。チアゾリジンは、フルチアニルを含む。ピリミジノンヒドラゾンは、フェリムゾンを含む。4-キノリルアセテートは、テブフロキンを含む。テトラゾリルオキシムは、ピカルブトラゾクスを含む。
【0118】
(b54)クラスは、ベトキサジン、ジクロベンチアゾクス(仮称、登録番号957144-77-3)、ジピメチトロン(仮称、登録番号16114-35-5)、フロメトキン、ネオアソジン(メタンアルソン酸鉄)、ピロルニトリン、トルニファナイド(登録番号304911-98-6)、N’-[4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2,5-ジメチル-フェニル]-N-エチル-N-メチルメタニミダミド、5-フルオロ-2-[(4-フルオロフェニル)メトキシ]-4-ピリミジンアミン及び4-フルオロ-フェニルN-[1-[[[1-(4-シアノフェニル)エチル]スルホニル]メチル]プロピル]カルバメートを含む。
【0119】
(b54)クラスは、以下に記載されるように、成分(b54.7)~(b54.14)から選択される殺真菌化合物等、作用様式が未知であるか、又はまだ分類されていない可能性がある殺真菌剤をさらに含む。
【0120】
成分(54.7)は、真菌類の複合体IIIミトコンドリア呼吸を阻害するキノンインサイド阻害剤(QiI)殺真菌剤(FRACコード21)であると考えられる、(1S)-2,2-ビス(4-フルオロフェニル)-1-メチルエチルN-[[3-(アセチルオキシ)-4-メトキシ-2-ピリジニル]カルボニル]-L-アラニナート(仮称フロリルピコキサミド、登録番号1961312-55-9)に関するものである。
【0121】
成分(54.8)は、真菌類の複合体IIIミトコンドリア呼吸を阻害するキノンアウトサイド阻害剤(QoI)殺真菌剤(FRACコード45)であると考えられ、QoI耐性株に有効である、1-[2-[[[1-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]オキシ]メチル]-3-メチルフェニル]-1,4-ジヒドロ-4-メチル-5H-テトラゾル-5-オン(仮称メチルテトラプロール、登録番号1472649-01-6)に関するものである。
【0122】
成分(54.9)は、チュービュリン重合促進剤と考えられ、子嚢菌門(Ascomycota)及び担子菌門(Basidiomycota)に属する真菌類種に対して抗真菌類活性をもたらす、3-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メチル-5-フェニルピリダジン(仮称ピリダクロメチル、登録番号1358061-55-8)に関するものである。
【0123】
成分(54.10)は、アカパンカビ(Neurospora crassa)のグリコシルホスファチジルイノシトール-アンカー生合成においてGWT-1タンパク質を阻害すると考えられる(4-フェノキシフェニル)メチル2-アミノ-6-メチル-ピリジン-3-カルボキシレート(仮称アミノピリフェン、登録番号 1531626-08-0)に関するものである。
【0124】
成分(b54.11)は式b54.11の化合物に関する
【化2】
(式中、
Ra
1及びRa
2は、それぞれ独立して、ハロゲンであり、及び
Ra
3は、H、ハロゲン、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル又はC
3~C
6シクロアルキルである)。
式b54.11の化合物の例としては、(b54.11a)メチルN-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート、
(b54.11b)メチルN-[[5-[1-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート、(b54.11c)メチルN-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート、(b54.11d)メチルN-[[5-[1-(4-シクロプロピル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート及び(b54.11e)メチルN-[[5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメートが挙げられる。式b54.11の化合物、殺真菌剤としてのそれらの使用及び調製方法は一般に知られており、例えば、PCT特許公開、国際公開第2008/124092号パンフレット、及び同第2020/097012号パンフレットを参照されたい。
【0125】
成分(b54.12)は式b54.12の化合物に関する
【化3】
(式中、
Ra
4は、C
2~C
5アルコキシカルボニル又はC
3~C
5アルケニルオキシカルボニルであり、それぞれ、Ra
6から独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよいか;
Lは、CH
2、CH
2CH
2又はCH
2Oであり、ここで、Oは、フェニル環に結合しており;
Ra
5は、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル及びC
2~C
4ハロアルケニルであり;
Ra
6は、シアノ、ハロゲン、シクロプロピル又はメトキシであり、
【0126】
式b54.12において、波状結合は、隣接する二重結合に連結された単結合を示し、隣接する二重結合の周りの幾何学的形状は、(Z)-配置(syn-異性体若しくはcis-異性体)若しくは(E)-配置(anti-異性体若しくはtrans-異性体)、又はその混合物である。
【0127】
式b54.12の化合物の例としては、(b54.12a)エチル1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート及びその(E)-異性体並びに(b54.12b)エチル1-[2-[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]エチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート及びその(E)-異性体が挙げられる。式b54.12の化合物、殺真菌剤としてのその使用及び調製方法は一般に知られており、例えば、PCT特許公開、国際公開第2020/056090号パンフレットを参照されたい。
【0128】
成分(b54.13)は式b54.13の化合物に関する
【化4】
(式中、
R
a7は、C
2~C
5アルコキシカルボニル又はC
3~C
5アルケニルオキシカルボニルであり、それぞれ、R
a10から独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよいか;
Lは、CH
2、CH
2CH
2又はCH
2Oであり、ここで、Oは、フェニル環に結合しており;
R
a8及びR
9bは、それぞれ独立して、H、C
1~C
4アルキルであるか;又は
R
a8及びR
a9は、それらが結合している酸素原子と一緒になって、酸素原子に加えて、炭素原子、ハロゲン、シアノ、C
1~C
2アルキル、C
1~C
2ハロアルキル及びC
1~C
2アルコキシから独立して選択される2個までの置換基で置換されていてもよい炭素原子環員を含む5員飽和環を形成し;及び
R
a10は、シアノ、ハロゲン、シクロプロピル又はメトキシである)。
【0129】
式b54.13の化合物の例としては、(b54.13a)エチル1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート、(b54.13b)2-メチルプロピル1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート、(b54.13c)2-ブチン-1-イル1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート及び(b54.13d)エチル1-[[3-フルオロ-4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレートが挙げられる。式b54.13の化合物、殺真菌剤としてのその使用及び調製方法は一般に知られており、例えば、PCT特許公開、国際公開第2020/056090号パンフレットを参照されたい。
【0130】
成分(b54.14)は、式b54.14に関する
【化5】
(式中、
Rb
11、Rb
12及びRb
13は、それぞれ独立して、H、ハロゲン又はシアノであり;及び
Rb
14及びRb
15は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C
1~C
3アルキル又はC
1~C
3メトキシである。
式b54.14の化合物の例としては、(b54.14a)4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-4-メチル-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(b54.14b)4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(b54.14c)3,5-ジフルオロ-4-[5-[(4-メトキシ-2-ニトロフェニル)アミノ]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル]-ベンゾニトリル、(b54.14d)N-(2-クロロ-4-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(b54.14e)4-(2-クロロ-4,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン及び(b54.14f)4-(2-クロロ-4,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(4-メチル-2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミンが挙げられる。式b54.14の化合物、殺真菌剤としてのその使用及び調製方法は一般に知られており、例えば、PCT特許公開、国際公開第2020/051402号パンフレットを参照されたい。
【0131】
発明の概要に記載された本発明の実施形態は、以下に記載のものを含む。以下の実施形態において、式1は、その立体異性体、N-酸化物及び塩を含み、「式1の化合物」という記載は、実施形態においてさらに定義されない限り、発明の概要において規定された置換基の定義を含む。
【0132】
実施形態1.本発明の概要に記載されている成分(a)及び(b)を含む組成物であって、式1において、R
1が、表Aに示されるようにU-1~U-118から選択される、組成物
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
(式中、浮動的な結合は、前記記載された環又は環系のいずれかの利用可能な炭素又は窒素原子を通して式1中のLに連結されており、及びxは、0、1、又は2である)。
【0133】
実施形態2.式1において、R1がU-1~U-16、U-20、U-22、U-24、U-25、U-26、U-28、U-29、U-30、U-37、U-38、U-42~U-47又はU-71~U-114である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0134】
実施形態3.式1において、U-1、U-2、U-3、U-4、U-5、U-7、U-8、U-10、U-11、U-12、U-24、U-26、U-28、U-29、U-30、U-37、U-38、U-42~U-46、U-71、U-74、U-76、U-77、U-78、U-82、U-83、U-84~U-91、U-93~U-96、U-99又はU-101~U-114である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0135】
実施形態4.式1において、R1がU-1、U-2、U-3、U-4、U-5、U-7、U-8、U-10、U-11、U-12、U-24、U-26、U-28、U-29、U-30、U-42~U-46、U-71、U-76、U-77、U-78、U-82、U-83、U-84、U-89、U-90、U-91、U-93、U-103、U-104又はU-109~U-112である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0136】
実施形態5.式1において、R1がU-1、U-2、U-3、U-4、U-5、U-7、U-8、U-10、U-11、U-12、U-26、U-29、U-30、U-42~U-46、U-71、U-76、U-77、U-78、U-82、U-83、U-89、U-90、U-103又はU-104である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0137】
実施形態6.式1において、R1がU-1、U-2、U-3、U-4、U-5、U-7、U-8、U-10、U-11、U-12又はU-29である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0138】
実施形態7.式1において、R1がU-1、U-2、U-3、U-4、U-8、U-10、U-11、U-12である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0139】
実施形態8.式1において、R1がU-1、U-2、U-8、U-10、U-11、又はU-12である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0140】
実施形態8a.式1において、R1がU-1、U-2、U-8、U-11、又はU-12である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0141】
実施形態9.式1において、R1がU-1、U-2、U-8、又はU-12である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0142】
実施形態10.式1において、R1がU-1、U-2、又はU-12である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0143】
実施形態11.式1において、R1が、U-2、又はU-12である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0144】
実施形態12.式1において、R1がU-1である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0145】
実施形態13.式1において、R1がU-2である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0146】
実施形態14.式1において、R1がU-8である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0147】
実施形態15.式1において、R1がU-12である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0148】
実施形態16.式1において、R1が、その2位でLに連結されたU-1である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0149】
実施形態17.式1において、R1が、その2位でLに連結されたU-2である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0150】
実施形態18.式1において、R1が、その5位でLに連結されたU-8である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0151】
実施形態19.式1において、R1が、その1位でLに連結されたU-12である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0152】
実施形態20.式1において、R1が、その3位でLに連結されたU-12である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0153】
実施形態21.式1において、R1が、その5位でLに連結されたU-12である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0154】
実施形態22.式1において、R1が、その2位でLに連結され、その4位でR2に連結されたU-2である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0155】
実施形態22a.式1において、R1が、その1位でLに連結され、その4位でR2に連結されたU-12である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0156】
実施形態23.式1において、R1が、その1位でLに連結され、その5位でR2に連結されたU-11である、発明の概要に記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0157】
実施形態24.式1において、xが1又は2である、発明の概要又は実施形態1~23のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0158】
実施形態25.xが1である、実施形態24に記載の組成物。
【0159】
実施形態26.xが2である、実施形態24に記載の組成物。
【0160】
実施形態27.式1中、LがO、(CR4aR4b)n、OCH2、CH2O、OCH2CH2、CH2CH2O又はCH2OCH2であり、左側の原子がR1に結合しており、右側の原子がJに結合しており、各炭素原子が、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C1~C2アルコキシ及びC1~C2ハロアルコキシから独立して選択される2個までの置換基で場合により置換されている、発明の概要又は実施形態1~26のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0161】
実施形態28.Lが(CR4aR4b)n、OCH2、CH2O、OCH2CH2、CH2CH2O又はCH2OCH2であり、左側の原子がR1に結合しており、右側の原子がJに結合しており、各炭素原子がハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、メチル、ハロメチル又はメトキシから選択される1個までの置換基で場合により置換されている、実施形態27に記載の組成物。
【0162】
実施形態29.Lが(CR4aR4b)n、OCH2、CH2O、OCH2CH2、CH2CH2O又はCH2OCH2であり、左側の原子がR1に結合しており、右側の原子がJに結合している、実施形態28に記載の組成物。
【0163】
実施形態30.Lが(CR4aR4b)n、CH2O又はCH2OCH2であり、左側の原子がR1に結合しており、右側の原子がJに結合しており、各炭素原子が、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、メチル、ハロメチル又はメトキシから選択される1個までの置換基で場合により置換されている、実施形態28に記載の組成物。
【0164】
実施形態31.Lが(CR4aR4b)n、CH2O又はCH2OCH2であり、左側の原子がR1に結合しており、右側の原子がJに結合している、実施形態30に記載の組成物。
【0165】
実施形態32.Lが(CR4aR4b)n、又はCH2Oであり、左側の原子がR1に結合しており、右側の原子がJに結合している、実施形態31に記載の組成物。
【0166】
実施形態33.Lが(CR4aR4b)nである、実施形態31に記載の組成物。
【0167】
実施形態34.LがCH2Oであり、左側の原子がR1に結合しており、右側の原子がJに結合している、実施形態31に記載の組成物。
【0168】
実施形態35.式1において、nが1又は2である、発明の概要又は実施形態1~34のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0169】
実施形態36.nが1である、実施形態35に記載の組成物。
【0170】
実施形態37.式1において、Jが、R5から独立して選択される2個までの置換基で場合により置換されているフェニル環;又は3~7員の炭素環式環(ここで、2個までの環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、各環は、R5から独立して選択される2個までの置換基で場合により置換されている);又は5~6員複素環式環であって、各環が、炭素原子及び2個までのO、2個までのS及び4個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子から選択される環員を含み、2個までの環員が、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、各環が、R5から独立して選択される2個までの置換基で場合により置換されている、複素環式環である、発明の概要又は実施形態1~36のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0171】
実施形態38.式1において、Jが、表示Bに示されるようにJ-1~J-93から選択される、発明の概要又は実施形態1~37のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
(式1中、左に突出した結合はLに結合し、右に突出した結合はオキサジアゾール環に結合し;各R
5aは、独立して、H又はR
5であり;ただし、最大で2つのR
5a置換基のみがH以外である)。
【0172】
実施形態39.JがJ-1~J-5、J-17、J-18、J-27、J-37~J-41、J-60、J-63~J-71、J-73、J-74、J-75又はJ-77~J-85である、実施形態38に記載の組成物。
【0173】
実施形態40.JがJ-4、J-5、J-18、J-27、J-37、J-40、J-41、J-63~J-69、J-73又はJ-77~J-85である、実施形態39に記載の組成物。
【0174】
実施形態41.JがJ-4、J-18、J-27、J-37、J-40、J-63~J-69又はJ-73である、実施形態40に記載の組成物。
【0175】
実施形態42.JがJ-4、J-18、J-27、J-40又はJ-63である、実施形態41に記載の組成物。
【0176】
実施形態43.JがJ-40又はJ-63である、実施形態42に記載の組成物。
【0177】
実施形態44.JがJ-40である、実施形態43に記載の組成物。
【0178】
実施形態45.JがJ-63である、実施形態43に記載の組成物。
【0179】
実施形態46.各R5aがHである、実施形態38~45のいずれか1つに記載の組成物。
【0180】
実施形態47.式1において、各R2が独立して、ハロゲン、シアノ、CH(=O)、C(=O)OH、C(=O)NR3aR3b、C(R6)=NR7又は-U-V-Q;又はC1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C7シクロアルキル、C1~C6アルコキシ、C2~C6アルケニルオキシ、C2~C6アルキニルオキシ、C3~C7シクロアルコキシ、C1~C6アルキルチオ、C2~C6アルコキシカルボニル、C3~C6アルケニルオキシカルボニル、C3~C6アルキニルオキシカルボニル、C4~C7シクロアルコキシカルボニル、C2~C6アルキルカルボニルオキシ若しくはC2~C6アルキルカルボニルアミノであり、それぞれR10から独立して選択される3個までの置換基で場合により置換されている、発明の概要又は実施形態1~46のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0181】
実施形態48.各R2が独立して、ハロゲン、CH(=O)、C(=O)OH、C(=O)NR3aR3b、C(R6)=NR7又は-U-V-Qであるか;又はC1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C7シクロアルキル、C1~C6アルコキシ、C2~C6アルケニルオキシ、C2~C6アルキニルオキシ、C3~C7シクロアルコキシ、C1~C6アルキルチオ、C2~C6アルコキシカルボニル、C3~C6アルケニルオキシカルボニル、C3~C6アルキニルオキシカルボニル、C4~C7シクロアルコキシカルボニル、C2~C6アルキルカルボニルオキシ若しくはC2~C6アルキルカルボニルアミノであり、それぞれR10から独立して選択される最大2個の置換基で場合により置換されている、実施形態48に記載の組成物。
【0182】
実施形態49.各R2が独立して、ハロゲン、C(=O)NR3aR3b、C(R6)=NR7又は-U-V-Qであるか;又はC1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C7シクロアルキル、C1~C6アルコキシ、C2~C6アルケニルオキシ、C2~C6アルキニルオキシ、C3~C7シクロアルコキシ、C1~C6アルキルチオ、C2~C6アルコキシカルボニル、C3~C6アルケニルオキシカルボニル、C3~C6アルキニルオキシカルボニル、C4~C7シクロアルコキシカルボニル、C2~C6アルキルカルボニルオキシ若しくはC2~C6アルキルカルボニルアミノであり、それぞれR10から選択される最大1個の置換基で場合により置換されている、実施形態48に記載の組成物。
【0183】
実施形態50.各R2が独立してハロゲン、C(=O)NR3aR3b又は-U-V-Q;又はC1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C1~C6アルコキシ、C2~C6アルコキシカルボニル、C3~C6アルケニルオキシカルボニル、C3~C6アルキニルオキシカルボニル又はC4~C7シクロアルコキシカルボニルであり、それぞれR10から選択される1個までの置換基で場合により置換されている、実施形態49に記載の組成物。
【0184】
実施形態51.各R2が独立してC(=O)NR3aR3b又は-U-V-Q;又はC1~C3アルキル、C2~C6アルコキシカルボニル、C3~C6アルケニルオキシカルボニル若しくはC3~C6アルキニルオキシカルボニルであり、それぞれR10から選択される1個までの置換基で場合により置換されている、実施形態50に記載の組成物。
【0185】
実施形態52.各R2が独立してC(=O)NR3aR3b;又はC1~C2アルキル、C2~C6アルコキシカルボニル、C3~C6アルケニルオキシカルボニル若しくはC3~C6アルキニルオキシカルボニルであり、それぞれR10から選択される1個までの置換基で場合により置換されている、実施形態51に記載の組成物。
【0186】
実施形態53.各R2が独立してC(=O)NR3aR3b;又はC1~C2アルキル若しくはC2~C6アルコキシカルボニルであり、それぞれR10から選択される1個までの置換基で場合により置換されている、実施形態52に記載の組成物。
【0187】
実施形態53a.各R2が独立してC(=O)NR3aR3b若しくは-U-V-Q;又はC1~C2アルキル若しくはC2~C6アルコキシカルボニルであり、それぞれR10から選択される1個までの置換基で場合により置換されている、実施形態51に記載の組成物。
【0188】
実施形態54.各R2が独立してC(=O)NR3aR3b;又は場合によりR10から選択される1個までの置換基で置換されたC2~C6アルコキシカルボニルである、実施形態53又は53aに記載の組成物。
【0189】
実施形態55.各R2が、独立してC(=O)NR3aR3b又はC2~C6アルコキシカルボニルである、実施形態54に記載の組成物。
【0190】
実施形態56.各R2が、独立してC(=O)NR3aR3b又はC2~C4アルコキシカルボニルである、実施形態55に記載の組成物。
【0191】
実施形態57.各R2が、独立してC(=O)NR3aR3b又はC2~C3アルコキシカルボニルである、実施形態56に記載の組成物。
【0192】
実施形態58.各R2が、独立してC(=O)NR3aR3bである、実施形態57に記載の組成物。
【0193】
実施形態59.各R2が独立してC2~C3アルコキシカルボニルである、実施形態57に記載の組成物。
【0194】
実施形態60.式1中、R3がH、シアノ、ヒドロキシ、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C2~C4アルケニル、C2~C4アルキニル又はC1~C4アルコキシである、発明の概要又は実施形態1~59のいずれか1つに記載の、成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0195】
実施形態61.R3がH、シアノ、ヒドロキシ、メチル又はメトキシである、実施形態60に記載の組成物。
【0196】
実施形態62.R3がHである、実施形態61に記載の組成物。
【0197】
実施形態63.式1中、各R3aが別個である(すなわち、R3bと一緒になっていない)場合、各R3aは独立して、H、シアノ、ヒドロキシ、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C2~C4アルケニル、C2~C4アルキニル、C1~C5アルコキシ、C2~C4アルコキシアルキル、C2~C4アルキルチオアルキル、C2~C4アルキルカルボニル、C2~C4ハロアルキルカルボニル、C4~C6シクロアルキルカルボニル、C2~C5アルコキシカルボニル又はC3~C5アルコキシカルボニルアルキルである、発明の概要又は実施形態1~62のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む、組成物。
【0198】
実施形態64.各R3aが、独立して、H、シアノ、ヒドロキシ、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C2~C4アルケニル、C2~C4アルキニル、C1~C4アルコキシ、C2~C4アルコキシアルキル、C2~C4アルキルカルボニル、C2~C4ハロアルキルカルボニル又はC3~C5アルコキシカルボニルアルキルである、実施形態63に記載の組成物。
【0199】
実施形態65.各R3aが、独立して、H、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C2~C4アルケニル、C2~C4アルキニル、C1~C4アルコキシ、C2~C4アルコキシアルキル、C2~C4アルキルカルボニル、C2~C4ハロアルキルカルボニル又はC3~C5アルコキシカルボニルアルキルである、実施形態64に記載の組成物。
【0200】
実施形態66.各R3aが、独立して、H、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C2~C4アルケニル、C2~C4アルキニル、C2~C4アルコキシアルキル又はC3~C5アルコキシカルボニルアルキルである、実施形態65に記載の組成物。
【0201】
実施形態67.各R3aが、独立して、H、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル又はC2~C3アルコキシアルキルである、実施形態66に記載の組成物。
【0202】
実施形態68.各R3aがHである、実施形態67に記載の組成物。
【0203】
実施形態69.式1中、各R3bが別個である(すなわち、R3aと一緒になっていない)場合、各R3bは独立して、H、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6ハロアルケニル、C2~C6アルキニル、C2~C6ハロアルキニル、C1~C6ヒドロキシアルキル、C2~C6シアノアルキル、C3~C8シクロアルキル、C3~C8ハロシクロアルキル、C4~C10アルキルシクロアルキル、C4~C10シクロアルキルアルキル、C4~C10ハロシクロアルキルアルキル、C2~C6アルコキシアルキル、C2~C6ハロアルコキシアルキル又はC4~C10シクロアルコキシアルキルであり、それぞれ、シアノ、ヒドロキシ、C2~C4アルキルカルボニル、C2~C4アルコキシカルボニル、C3~C15トリアルキルシリル及びC3~C15ハロトリアルキルシリルから選択される1個までの置換基で場合により置換されている、発明の概要又は実施形態1~68のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0204】
実施形態70.各R3bが、独立して、H、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6ハロアルケニル、C2~C6アルキニル、C2~C6ハロアルキニル、C3~C8ハロシクロアルキル、C4~C10シクロアルキルアルキル、C4~C10ハロシクロアルキルアルキル、C2~C6アルコキシアルキル又はC2~C6ハロアルコキシアルキルであり、それぞれが、シアノ、C2~C4アルキルカルボニル、C2~C4アルコキシカルボニル及びC3~C15トリアルキルシリルから選択される1個までの置換基で場合により置換されている、実施形態69に記載の組成物。
【0205】
実施形態71.各R3bが、独立して、H、C1~C6アルキル、1~C6ハロアルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6ハロアルケニル、C2~C6アルキニル、C2~C6ハロアルキニル、C4~C10シクロアルキルアルキル、C4~C10ハロシクロアルキルアルキル、C2~C6アルコキシアルキル又はC2~C6ハロアルコキシアルキルであり、それぞれが、シアノ、C2~C4アルキルカルボニル、及びC2~C4アルコキシカルボニルから選択される1個までの置換基で場合により置換されている、実施形態70に記載の組成物。
【0206】
実施形態72.各R3bが、独立して、H、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C2~C6アルコキシアルキル、又はC2~C6ハロアルコキシアルキルであり、それぞれが、シアノ、C2~C4アルキルカルボニル及びC2~C4アルコキシカルボニルから選択される1個までの置換基で場合により置換されている、実施形態71に記載の組成物。
【0207】
実施形態73.各R3bが、独立して、H、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C2~C3アルコキシアルキル、又はC2~C3ハロアルコキシアルキルであり、それぞれが、シアノ、C2~C3アルキルカルボニル及びC2~C3アルコキシカルボニルから選択される1個までの置換基で場合により置換されている、実施形態72に記載の組成物。
【0208】
実施形態74.各R3bが独立して、H、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C2~C3アルコキシアルキル又はC2~C3ハロアルコキシアルキルであり、それぞれがシアノから選択される1個までの置換基で場合により置換されている、実施形態73に記載の組成物。
【0209】
実施形態75.各R3bが、独立して、H、C1~C3アルキル、C1~C3シアノアルキル、C1~C3ハロアルキル、C2~C3アルコキシアルキル又はC2~C3ハロアルコキシアルキルである、実施形態74に記載の組成物。
【0210】
実施形態76.各R3bが独立してC1~C2ハロアルキルである、実施形態75に記載の組成物。
【0211】
実施形態77.各R3bがCF3CH2-である、実施形態76に記載の組成物。
【0212】
実施形態78.式1中、同じ窒素原子に結合したR3a及びR3b置換基の対が一緒になって5~6員の完全飽和複素環を形成する場合、前記環が、連結窒素原子に加えて、炭素原子、並びに1個までのO、1個までのS及び1個までのN原子から選択される1個までのヘテロ原子から選択される環員を含み、各環が2個までのメチルで場合により置換されている、発明の概要又は実施形態1~77のいずれか1つに記載されている成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0213】
実施形態79.同じ窒素原子に結合した一対のR3a及びR3b置換基が一緒になって、アゼチジニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル又はチオモルホリニル環を形成し、各環は、ハロゲンから独立して選択される3個までの置換基で場合により置換されている、実施形態78に記載の組成物。
【0214】
実施形態80.同じ窒素原子に結合した一対のR3a及びR3b置換基が一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル又はピペリジニル環を形成し、各環が、ハロゲンから独立して選択される3個までの置換基で場合により置換されている、実施形態79に記載の組成物。
【0215】
実施形態81.同じ窒素原子に結合したR3a及びR3b置換基の対が一緒になって、ハロゲンから独立して選択される最大2個の置換基で場合により置換されているピロリジニル環を形成する、実施形態80に記載の組成物。
【0216】
実施形態82.同じ窒素原子に結合したR3a及びR3b置換基の対が一緒になって、2個までのフッ素原子で場合により置換されているピロリジニル環を形成する、実施形態81に記載の組成物。
【0217】
実施形態83.式1中、各R4a及びR4bが別個である(すなわち、一緒になっていない)場合、各R4a及びR4bは独立して、H、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、メチル又はメトキシである、発明の概要又は実施形態1~82のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0218】
実施形態84.各R4a及びR4bが独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシ、メチル又はメトキシである、実施形態83に記載の組成物。
【0219】
実施形態85.各R4a及びR4bが、独立して、H又はメチルである、実施形態84の組成物。
【0220】
実施形態86.各R4a及びR4bがHである、実施形態85の組成物。
【0221】
実施形態87.式1中、同じ炭素原子に結合したR4a及びR4b置換基の対が一緒になって環を形成する場合、前記環が、ハロゲン、メチル、メトキシ又はメチルチオから独立して選択される2個までの置換基で場合により置換されているシクロプロピル環である、発明の概要又は実施形態1~86のいずれか1つに記載の、成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0222】
実施形態88.同じ炭素原子に結合したR4a及びR4b置換基の対が一緒になってシクロプロピル環を形成する、実施形態87に記載の組成物。
【0223】
実施形態89.式1において、各R5が、独立して、シアノ、ハロゲン、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル又はC1~C4アルコキシである、発明の概要又は実施形態1~88のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0224】
実施形態90.各R5が、独立して、シアノ、ハロゲン、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル又はC1~C3アルコキシである、実施形態89に記載の組成物。
【0225】
実施形態91.各R5が、独立して、シアノ、ハロゲン、メチル又はメトキシである、実施形態90に記載の組成物。
【0226】
実施形態92.各R5が、独立して、メチル又はメトキシである、実施形態91の組成物。
【0227】
実施形態93.式1において、各R6が、独立して、H、シアノ、ハロゲン、メチル又はメトキシである、発明の概要又は実施形態1~92のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0228】
実施形態94.各R6が、独立して、H、Cl又はメチルである、実施形態93に記載の組成物。
【0229】
実施形態95.各R6がHである、実施形態94に記載の組成物。
【0230】
実施形態96.式1において、各R7が独立してヒドロキシ又はNR11aR11bである;又はC1~C4アルコキシ、C2~C4アルケニルオキシ、C2~C4アルキニルオキシ若しくはC2~C4アルキルカルボニルオキシであり、それぞれシアノ、ヒドロキシ及び-C(=O)OHから選択される1個までの置換基で場合により置換されている、発明の概要又は実施形態1~95のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0231】
実施形態97.各R7が、独立して、C1~C4アルコキシ、C2~C4アルケニルオキシ又はC2~C4アルキニルオキシであり、それぞれが、シアノ、ヒドロキシ及び-C(=O)OHから選択される1個までの置換基で場合により置換されている、実施形態96に記載の組成物。
【0232】
実施形態98.各R7が、独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4アルコキシ、C2~C4アルケニルオキシ又はC2~C4アルキニルオキシである、実施形態97に記載の組成物。
【0233】
実施形態99.式1において、各R8が、独立して、H、メチル又はメトキシである、発明の概要又は実施形態1~98のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0234】
実施形態100.各R8が、独立して、H又はメチルである、実施形態99に記載の組成物。
【0235】
実施形態101.各R8がHである、実施形態100に記載の組成物。
【0236】
実施形態102.式1において、各R9a及びR9bが別個の場合(すなわち一緒になっていない場合)、各R9a及びR9bが、独立して、H、メチル又はエチルである、発明の概要又は実施形態1~101のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0237】
実施形態103.各R9a及びR9bが、独立して、H又はメチルである、実施形態102に記載の組成物。
【0238】
実施形態104.式1において、各R10が、独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル、C3~C6ハロシクロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4ハロアルコキシ、C2~C4アルコキシアルコキシ、C1~C4アルキルチオ、C1~C4アルキルスルフィニル、C1~C4アルキルスルホニル、C1~C4ハロアルキルスルホニル、C2~C4アルキルカルボニル、C2~C4ハロアルキルカルボニル、C2~C5アルコキシカルボニル、C3~C5アルキルチオアルキルカルボニル、C3~C15トリアルキルシリル又はC(R13)=NOR14である、発明の概要又は実施形態1~103のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0239】
実施形態105.各R10が独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4ハロアルコキシ、C2~C4アルコキシアルコキシ、C1~C4アルキルスルホニル、C1~C4ハロアルキルスルホニル、C2~C4アルキルカルボニル、C2~C4ハロアルキルカルボニル、C2~C5アルコキシカルボニル又はC(R13)=NOR14である、実施形態104に記載の組成物。
【0240】
実施形態105a.各R10がシアノである、実施形態104に記載の組成物。
【0241】
実施形態106.各R10が独立して、ハロゲン、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4ハロアルコキシ、C2~C4アルキルカルボニル、C2~C4ハロアルキルカルボニル、C2~C5アルコキシカルボニル、又はC(R13)=NOR14である、実施形態105に記載の組成物。
【0242】
実施形態107.各R10が、独立して、ハロゲン、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシ、C2~C4アルキルカルボニル、C2~C4ハロアルキルカルボニル、C2~C5アルコキシカルボニル又はC(R13)=NOR14である、実施形態106に記載の組成物。
【0243】
実施形態108.各R10が、独立して、ハロゲン、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシ、C2~C4アルキルカルボニル、C2~C4ハロアルキルカルボニル、又はC2~C5アルコキシカルボニルである、実施形態107に記載の組成物。
【0244】
実施形態108a.各R10が独立して、ハロゲン、C1~C2アルコキシ、C2~C3アルキルカルボニル又はC2~C3ハロアルキルカルボニルである、実施形態108に記載の組成物。
【0245】
実施形態108b.各R10が独立して、シアノ、ハロゲン、C1~C2アルコキシ、C2~C3アルキルカルボニル又はC2~C3ハロアルキルカルボニルである、実施形態105に記載の組成物。
【0246】
実施形態109.式1において、各Uが、独立して、直接結合、C(=O)O又はC(=O)NR17である、発明の概要又は実施形態1~108のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0247】
実施形態110.各Uが、独立して、C(=O)O又はC(=O)NR17である、実施形態109に記載の組成物。
【0248】
実施形態111.各Uが、独立して、C(=O)NR17である、実施形態110に記載の組成物。
【0249】
実施形態112.式1において、各Vが、独立して、直接結合;又はハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C1~C2アルキル、C1~C2ハロアルキル、C1~C2アルコキシ及びC1~C2ハロアルコキシから独立して選択される最大2個の置換基でそれぞれ場合により置換されている、C1~C3アルキレン、又はC2~C3アルケニレンである、発明の概要又は実施形態1~111のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0250】
実施形態113.各Vが独立して直接結合;又は1個までの置換基C1~C2アルキル、C1~C2アルコキシ及びC1~C2ハロアルコキシで場合により置換されているC1~C2アルキレンである、実施形態112に記載の組成物。
【0251】
実施形態114.各Vが、独立して、C1~C2アルキレンである、実施形態113に記載の組成物。
【0252】
実施形態115.式1において、各Qが独立してそれぞれがR12から独立して選択される2個までの置換基で場合により置換されているフェニル;又はピリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チアゾリル若しくはオキサゾリルであり、各環が場合によりR12から独立して選択される2個までの置換基で置換されている、発明の概要又は実施形態1~114のいずれか1つに記載の、成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0253】
実施形態116.各Qが独立して、R12から独立して選択される2個までの置換基で場合により置換されているフェニル;又はピリジニル若しくはピラゾリルであり、各環が、R12から独立して選択される2個までの置換基で場合により置換されている、実施形態115に記載の組成物。
【0254】
実施形態117.各Qがピラゾリルである、実施形態116に記載の組成物。
【0255】
実施形態118.式1において、各R12が、独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル又はC1~C4アルコキシである、発明の概要又は実施形態1~117のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0256】
実施形態119.各R12が、独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル又はC1~C3アルコキシである、実施形態118に記載の組成物。
【0257】
実施形態120.各R12が、独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C2アルキル、C1~C2ハロアルキル又はC1~C2アルコキシである、実施形態119に記載の組成物。
【0258】
実施形態121.各R12が、独立して、ハロゲン、メチル又はメトキシである、実施形態120に記載の組成物。
【0259】
実施形態122.式1において、各R13及びR15が、独立して、H、シアノ、ハロゲン、メチル又はメトキシである、発明の概要又は実施形態1~121のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0260】
実施形態123.各R13及びR15が独立して、H、ハロゲン、メチル又はメトキシである、実施形態122に記載の組成物。
【0261】
実施形態124.各R13及びR15がHである、実施形態123に記載の組成物。
【0262】
実施形態125.式1、151において、各R14が、独立して、H、C1~C2アルキル、C1~C2ハロアルキル、C2~C4アルケニル、C2~C4アルキルカルボニル又はC2~C4アルコキシカルボニルである、本発明の概要又は実施形態1~124のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0263】
実施形態126.各R14が独立して、H、メチル、ハロメチル、C2~C4アルキルカルボニル又はC2~C4アルコキシカルボニルである、実施形態125に記載の組成物。
【0264】
実施形態127.式1において、各R16が独立して、H、シアノ、メチル、ハロメチル、メトキシ、C2~C4アルキルカルボニル又はC2~C4アルコキシカルボニルである、発明の概要又は実施形態1~126のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0265】
実施形態128.各R16が、独立して、ハロゲン、メチル又はメトキシである、実施形態127に記載の組成物。
【0266】
実施形態129.各R16が、独立して、H又はメチルである、実施形態128に記載の組成物。
【0267】
実施形態130.各R16がHである、実施形態129に記載の組成物。
【0268】
実施形態131.式1において、各R17及びR18が、独立して、H、シアノ、ハロゲン、メチル又はハロメチルである、発明の概要又は実施形態1~130のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0269】
実施形態132.式1において、各R17及びR18がHである、実施形態131に記載の組成物。
【0270】
実施形態133.成分(a)が、式1の化合物のN-オキシドを含まない、発明の概要又は実施形態1~132のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0271】
実施形態133a.成分(a)が、式1の化合物の塩を含まない、発明の概要又は実施形態1~132のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0272】
実施形態134.成分(a)が、
メチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(化合物21);
シアノメチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(化合物57);
エチル5-メチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-3-カルボキシレート(化合物110);
N-(2-メトキシエチル)-5-メチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物183);
プロピル1-[[5-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]-2-チエニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-
カルボキシレート(化合物198);
N-(2-クロロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド(化合物204);
N-(2,2-ジフルオロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド(化合物225);
N-(2-シアノエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド(化合物229);
N-(2-メトキシエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド(化合物257);
N-[2-(1H-ピラゾール-1-イル)エチル]-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド(化合物264);
N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド(化合物316);
2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-N-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-4-オキサゾールカルボキサミド(化合物330);
エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェノキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(化合物376);
N-(2-メトキシエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-チアゾールカルボキサミド(化合物394);
N-(2-フルオロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-
オキサゾールカルボキサミド(化合物400);
N-[2-(トリフルオロメトキシ)エチル]-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド(化合物401);
(3,3-ジフルオロ-1-ピロリジニル)[2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾリル]メタノン(化合物402);
N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-チアゾールカルボキサミド(化合物463);
N-(2,2-ジフルオロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-チアゾールカルボキサミド(化合物505);
N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-5-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1,2,4-オキサゾール-3-カルボキサミド(化合物506);
3-[4-[(1-シアノメチル-1H-ピラゾール-3-イル)メチル]フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール(化合物507);
N-エチル-1-[[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物508);
1-メチル-N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-5-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物509);
5-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-3-イソキサゾールアセトニトリル(化合物510);
N-(2-メトキシエチル)-5-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1,2,4-オキサゾール-3-カルボキサミド(化合物511);及び
1-メチル-N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(化合物512)からなる群から選択される化合物を含む、発明の概要又は実施形態1~133aのいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0273】
実施形態135.成分(a)が、化合物204、225、229、257、264、316、330、376、394、400、401、402、463、505、507、508及び509からなる群から選択される化合物を含む、実施形態134に記載の組成物。
【0274】
実施形態135a.成分(a)が、化合物225、229、257、316、376、394、506、507、508、509、510、511及び512からなる群から選択される化合物を含む、実施形態134に記載の組成物。
【0275】
実施形態135b.成分(a)が、化合物507、508、509及び510からなる群から選択される化合物を含む、実施形態134aに記載の組成物。
【0276】
実施形態136.成分(a)が、化合物、204、225、264、316、330、376、394、463、505、508及び509からなる群から選択される化合物を含む、実施形態135に記載の組成物。
【0277】
実施形態137.成分(a)が、化合物225、316、330、376、及び505からなる群から選択される化合物を含む、実施形態136に記載の組成物。
【0278】
実施形態138.成分(a)が、化合物316及び376からなる群から選択される化合物を含む、実施形態137に記載の組成物。
【0279】
実施形態139.成分(a)が化合物316である、実施形態138に記載の組成物。
【0280】
実施形態140.成分(a)が化合物376である、実施形態138に記載の組成物。
【0281】
実施形態141.成分(a)がN-(2-クロロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミドである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0282】
実施形態142.成分(a)がN-(2,2-ジフルオロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミドである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0283】
実施形態143.成分(a)がN-(2-シアノエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミドである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0284】
実施形態144.成分(a)がN-(2-メトキシエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミドである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0285】
実施形態145.成分(a)がN-[2-(1H-ピラゾール-1-イル)エチル]-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミドである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0286】
実施形態146.成分(a)がN-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミドである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0287】
実施形態147.成分(a)が-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-N-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-4-オキサゾールカルボキサミドである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0288】
実施形態148.成分(a)がエチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェノキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレートである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0289】
実施形態149.成分(a)がN-(2-メトキシエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-チアゾールカルボキサミドである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0290】
実施形態150.成分(a)がN-(2-フルオロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミドである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0291】
実施形態151.成分(a)がN-[2-(トリフルオロメトキシ)エチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミドである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0292】
実施形態152.成分(a)が(3,3-ジフルオロ-1-ピロリジニル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾリル]メタノンである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0293】
実施形態153.成分(a)がN-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-チアゾールカルボキサミドである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0294】
実施形態154.成分(a)がN-(2,2-ジフルオロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-チアゾールカルボキサミドである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0295】
実施形態155.成分(a)がN-(2,2,2-トリフルオロエチル)-5-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1,2,4-オキサジアゾール-3-カルボキサミドである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0296】
実施形態156.成分(a)が3-[4-[(1-シアノメチル-1H-ピラゾール-3-イル)メチル]フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾールである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0297】
実施形態157.成分(a)がN-エチル1-[[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0298】
実施形態158.成分(a)が1-メチル-N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-5-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-3-カルボキサミドである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0299】
実施形態159.成分(a)が5-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-3-イソキサゾールアセトニトリルである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0300】
実施形態160.成分(a)がN-(2-メトキシエチル)-5-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1,2,4-オキサジアゾール-3-カルボキサミドである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0301】
実施形態161.成分(a)が1-メチル-N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドである、発明の概要又は実施形態1~140のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0302】
実施形態162.成分(b)が少なくとも2つの殺真菌性化合物を含み、且つ成分(b)が2つの殺真菌性化合物の二元的組み合わせからなる場合、殺真菌性化合物の一方が、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルトリアホール、メトコナゾール、プロチオコナゾール又はテブコナゾールであり、他方の殺真菌性化合物が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、ボスカリド、フルオピラム、フルインダピル、フルキサピロキサド、イソピラザム、クレソキシム-メチル、ペンチオピラド、ピコキシストロビン、プロキナジド、ピラクロストロビン、キノキシフェン、サダキサン又はトリフロキシストロビン以外である、実施形態141~158に記載の組成物。
【0303】
実施形態163.成分(b)が少なくとも2つの殺真菌性化合物を含み、且つ成分(b)が2つの殺真菌性化合物の二元的組み合わせからなる場合、殺真菌性化合物の一方が、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルトリアホール、プロチオコナゾール又はテブコナゾールであり、他方の殺真菌性化合物が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルインダピル、フルキサピロキサド、イソピラザム、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン又はトリフロキシストロビン以外である、実施形態141~158に記載の組成物。
【0304】
実施形態164.(b)が少なくとも2つの殺真菌性化合物を含み、且つ成分(b)が2つの殺真菌性化合物の二元的組み合わせからなる場合、殺真菌性化合物の一方が、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルトリアホール、プロチオコナゾール又はテブコナゾールであり、他方の殺真菌性化合物が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルインダピル、フルキサピロキサド、イソピラザム、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン又はトリフロキシストロビン以外である、実施形態160に記載の組成物。
【0305】
上記の実施形態1~164並びに本明細書に記載された他のいずれかの実施形態を含む本発明の実施形態は、いかなる様式でも組み合わせることができ、実施形態における変数の説明は、式1の化合物と少なくとも1つの他の殺真菌性化合物とを含む組成物のみならず、式1の化合物と少なくとも1つの無脊椎有害生物防除化合物又は薬剤とを含む組成物に、また式1の化合物及びその組成物に、さらに式1の化合物の調製に有用な出発化合物及び中間化合物にも適用される。さらに、上記の実施形態1~164並びに本明細書に記載された他のいずれかの実施形態及びそのいずれかの組み合わせを含む本発明の実施形態は、本発明の方法に関連する。したがって、さらなる実施形態として注目すべきは、(a)上記の式1の化合物、N-オキシド及びその塩から選択される少なくとも1つの化合物;並びに少なくとも1つの無脊椎有害生物防除化合物又は薬剤を含む、上記で開示された組成物である。
【0306】
以下により、実施形態1~164の組合せが例示される:
実施形態A.成分(a)が、式1の化合物又はその塩を含み、式1において、
R
1がU-1~U-118から選択され
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
浮動的な結合が、前記記載された環又は環系のいずれかの利用可能な炭素又は窒素原子を通して式1中のLに連結されており;
xは、0、1又は2であり;
Lは(CR
4aR
4b)
n、OCH
2、CH
2O、OCH
2CH
2、CH
2CH
2O又はCH
2OCH
2であり、左側の原子がR
1に結合しており、右側の原子がJに結合しており、各炭素原子がハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、メチル、ハロメチル又はメトキシから選択される1個までの置換基で置換されていてもよいか;
nが、1又は2であり;
JがJ-1~J-93から選択され
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
式1において、左に突出した結合がLに結合し、右に突出した結合がオキサジアゾール環に結合し;
各R
5aが独立してH又はR
5であり;ただし、最大で2つのR
5a置換基のみがH以外であり;
各R
2が独立して、ハロゲン、C(=O)NR
3aR
3b、C(R
6)=NR
7又は-U-V-Qであるか;又はC
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
2~C
6アルケニルオキシ、C
2~C
6アルキニルオキシ、C
3~C
7シクロアルコキシ、C
1~C
6アルキルチオ、C
2~C
6アルコキシカルボニル、C
3~C
6アルケニルオキシカルボニル、C
3~C
6アルキニルオキシカルボニル、C
4~C
7シクロアルコキシカルボニル、C
2~C
6アルキルカルボニルオキシ若しくはC
2~C
6アルキルカルボニルアミノであり、それぞれR
10から選択される最大1個の置換基で置換されていてもよいか;
各R
3aが、独立して、H、シアノ、ヒドロキシ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
1~C
4アルコキシ、C
2~C
4アルコキシアルキル、C
2~C
4アルキルカルボニル、C
2~C
4ハロアルキルカルボニル又はC
3~C
5アルコキシカルボニルアルキルであり。
各R
3bが、独立して、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6ハロアルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6ハロアルキニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキル、C
4~C
10ハロシクロアルキルアルキル、C
2~C
6アルコキシアルキル又はC
2~C
6ハロアルコキシアルキルであり、それぞれが、シアノ、C
2~C
4アルキルカルボニル、及びC
2~C
4アルコキシカルボニルから選択される1個までの置換基で場合により置換されているか;又は。
同じ窒素原子に結合したR
3a及びR
3b置換基の対が一緒になって、ハロゲンから独立して選択される2個までの置換基で置換されていてもよいか;
各R
4a及びR
4bが独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシ、メチル又はメトキシであり;
各R
5が、独立して、シアノ、ハロゲン、メチル又はメトキシであり;
各R
6が、独立して、H、シアノ、ハロゲンメチル又はメトキシであり;
各R
7が、独立して、ハロゲン、C
1~C
4アルコキシ、C
2~C
4アルケニルオキシ又はC
2~C
4アルキニルオキシであり;
各R
10が独立して、ハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
2~C
4アルキルカルボニル、C
2~C
4ハロアルキルカルボニル、C
2~C
5アルコキシカルボニル、又はC(R
13)=NOR
14であり;
各Uが、独立して、直接結合、C(=O)O又はC(=O)NR
17であり、
各Vが独立して直接結合;又はC
1~C
2アルキル、C
1~C
2アルコキシ及びC
1~C
2ハロアルコキシから選択される1個までの置換基で場合により置換されているC
1~C
2アルキレンであり;
各Qは、独立して、R
12から独立して選択される最大2個の置換基で任意選択的に置換されているフェニル;又はR
12から独立して選択される最大2個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されている、ピリジニル若しくはピラゾリルであり;
各R
12が、独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル又はC
1~C
3アルコキシであり;
各R
13が、独立して、H、ハロゲン、メチル又はメトキシであり;
各R
14が独立して、H、メチル、ハロメチル、C
2~C
4アルキルカルボニル又はC
2~C
4アルコキシカルボニルであり;
各R
17が、独立して、H、シアノ、メチル、又はハロメチルである、発明の概要に記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0307】
実施形態B.式1において、
R1が、U-1、U-2、U-3、U-4、U-5、U-7、U-8、U-10、U-11、U-12又はU-29であり;
xが、1又は2であり、
Lが(CR4aR4b)n、CH2O、又はCH2OCH2であり、左側の原子がR1に結合しており、右側の原子がJに結合しており、各炭素原子がハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、メチル、ハロメチル又はメトキシから選択される1個までの置換基で置換されていてもよいか;
JがJ-4、J-18、J-27、J-40又はJ-63であり;
各R2が独立してC(=O)NR3aR3b又は-U-V-Q;又はC1~C3アルキル、C2~C6アルコキシカルボニル、C3~C6アルケニルオキシカルボニル若しくはC3~C6アルキニルオキシカルボニルであり、それぞれR10から選択される1個までの置換基で置換されていてもよいか;
各R3aが、独立して、H、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C2~C4アルケニル、C2~C4アルキニル、C2~C4アルコキシアルキル又はC3~C5アルコキシカルボニルアルキルであり;
各R3bが、独立して、H、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C2~C6アルコキシアルキル、又はC2~C6ハロアルコキシアルキルであり、それぞれが、シアノ、C2~C4アルキルカルボニル及びC2~C4アルコキシカルボニルから選択される1個までの置換基で場合により置換されている;又は
同じ窒素原子に結合したR3a及びR3b置換基の対が一緒になって、2個までのフッ素原子で場合により置換されているピロリジニル環を形成し;
各R4a及びR4bが、独立して、H又はメチルであり、
各R5が、独立して、メチル又はメトキシであり、及び
各R10が、独立して、ハロゲン、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシ、C2~C4アルキルカルボニル、C2~C4ハロアルキルカルボニル、又はC2~C5アルコキシカルボニルであり;
各Uが、独立して、C(=O)O又はC(=O)NR17であり;
各Vが独立してC1~C2アルキレンであり;及び
各R12が、独立して、ハロゲン、メチル又はメトキシである、実施形態Aに記載の組成物。
【0308】
実施形態C.式1において、
R1が、U-1、U-2、U-8、U-11又はU-12であり;
Lが、(CR4aR4b)n、CH2O又はCH2OCH2であり、
nが1であり;
Jが、J-63であり;
各R2が独立してC(=O)NR3aR3b;又はC1~C2アルキル、C2~C6アルコキシカルボニル、C3~C6アルケニルオキシカルボニル若しくはC3~C6アルキニルオキシカルボニルであり、それぞれR10から選択される1個までの置換基で置換されていてもよいか;
各R3aが、独立して、H、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル又はC2~C3アルコキシアルキルであり;
各R3bが独立して、H、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C2~C3アルコキシアルキル又はC2~C3ハロアルコキシアルキルであり、それぞれがシアノから選択される1個までの置換基で置換されていてもよいか;
各R4a及びR4bがHであり;
各R5aがHであり;及び
各R10が独立して、シアノ、ハロゲン、C1~C2アルコキシ、C2~C3アルキルカルボニル又はC2~C3ハロアルキルカルボニルである、実施形態Bに記載の組成物。
【0309】
実施形態CC.式1において、
R1が、その2位でLに接続されたU-1である;又は
R1が、その2位でLに接続されたU-2である;又は
R1が、その5位でLに接続されたU-8である;又は
R1が、その5位でLに接続されたU-11である;又は
R1が、その1位、3位又は5位でLに接続されているU-12であり;
各R3aが、独立して、Hであり;
各R3bが独立して、H、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、又はC2~C3アルコキシアルキルであり、それぞれがシアノから選択される1個までの置換基で置換されていてもよいか;
各R10が独立してシアノである、実施形態Cに記載の組成物。
【0310】
実施形態CCC.式1において、
R1が、U-1、U-2、U-8、又はU-12であり;
Lが、(CR4aR4b)n又はCH2Oであり、
nが1であり;
Jが、J-63であり;
各R2が独立してC(=O)NR3aR3b;又はC1~C2アルキル、C2~C6アルコキシカルボニル、C3~C6アルケニルオキシカルボニル若しくはC3~C6アルキニルオキシカルボニルであり、それぞれR10から選択される1個までの置換基で置換されていてもよいか;
各R3aが、独立して、H、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル又はC2~C3アルコキシアルキルであり;
各R3bが独立して、H、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C2~C3アルコキシアルキル又はC2~C3ハロアルコキシアルキルであり、それぞれがシアノから選択される1個までの置換基で置換されていてもよいか;
各R4a及びR4bがHであり;
各R5aがHであり;及び
各R10が独立して、ハロゲン、C1~C2アルコキシ、C2~C3アルキルカルボニル又はC2~C3ハロアルキルカルボニルである、実施形態Bに記載の組成物。
【0311】
実施形態D.式1において、
R1が、U-2又はU-12であり;
xが1であり;
R2が、C(=O)NR3aR3b又はC2~C6アルコキシカルボニルであり;
R3aがHであり;及び
R3bが、H、C1~C3アルキル、C1~C3シアノアルキル、C1~C3ハロアルキル、C2~C3アルコキシアルキル、又はC2~C3ハロアルコキシアルキルである、実施形態CCCに記載の組成物。
【0312】
実施形態E.式1において、
R1がその2位でLに接続されたU-2であり、LがCH2である;又は
R1がその1位でLに接続されたU-12であり、LがCH2Oである;及び
R2が、C(=O)NR3aR3b又はC2~C3アルコキシカルボニルである、実施形態Dに記載の組成物。
【0313】
実施形態F.成分(a)が、式1の化合物又はその塩を含み、式1において、
R
1が、
【化27】
であり、浮動的な結合は、前記記載された環のいずれかの利用可能な炭素又は窒素原子を通して式1中のLに連結されており;
xが、1又は2であり、
Lが、CH
2、CH
2O又はCH
2OCH
2であり、左側の原子がR
1に結合しており、右側の原子がJに結合しており;
Jが;
【化28】
式1において、左に突出した結合がLに結合し、右に突出した結合がオキサジアゾール環に結合し;
各R
5aがHであり;
各R
2が独立してハロゲン、C(=O)NR
3aR
3b又は-U-V-Q;又はC
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
1~C
6アルコキシ、C
2~C
6アルコキシカルボニル、C
3~C
6アルケニルオキシカルボニル、C
3~C
6アルキニルオキシカルボニル又はC
4~C
7シクロアルコキシカルボニルであり、それぞれR
10から選択される1個までの置換基で置換されていてもよいか;
各R
3aが、独立して、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル又はC
2~C
3アルコキシアルキルであり;及び
各R
3bが独立して、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
2~C
3アルコキシアルキル又はC
2~C
3ハロアルコキシアルキルであり、それぞれがシアノから選択される1個までの置換基で置換されていてもよいか;
各R
10がシアノであり;
各Uが、独立して、C(=O)NR
17であり;
各R
17が、Hであり;
各Vが独立してC
1~C
2アルキレンであり;及び
各Qがピラゾリルである、発明の概要に記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0314】
実施形態G。式1において、
R1が、U-2又はU-12であり;
LがCH2又はCH2Oであり;
各R2が独立して、C(=O)NR3aR3b、C1~C6アルキル又はC2~C6アルコキシカルボニルであり;
各R3aがHであり;及び
R3bが、独立してC1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C2~C3アルコキシアルキル、又はC2~C3ハロアルコキシアルキルである、実施形態Fに記載の組成物。
【0315】
実施形態H.式1において、
xが1であり;
R2がC(=O)NR3aR3bであり;及び
R3bが、C1~C3ハロアルキル、C2~C3アルコキシアルキル又はC2~C3ハロアルコキシアルキルである、実施形態Gに記載の組成物。
【0316】
実施形態I.式1において、
R1がその2位でLに接続したU-2であり、LがCH2であり、R3bがC1~C3ハロアルキルである;又は
R1がその1位でLに接続したU-12であり、LがCH2Oであり、R3bがC2~C3アルコキシアルキルである、実施形態Hに記載の組成物。
【0317】
実施形態J.成分(a)が:化合物204、化合物225、化合物229、化合物257、化合物264、化合物316、化合物330、化合物376、化合物394、化合物400、化合物401、化合物402、化合物463、化合物505、化合物506、化合物507、化合物508及び化合物509からなる群から選択される化合物を含む、実施形態A~Iのいずれか1つに記載の組成物。
【0318】
実施形態K.成分(a)が:化合物204、化合物225、化合物264、化合物316、化合物330、化合物376、化合物394、化合物463、化合物505、化合物508及び化合物509からなる群から選択される化合物を含む、実施形態Jに記載の組成物。
【0319】
実施形態L.成分(a)が、化合物225、化合物316、化合物330及び化合物505を含む、実施形態Kに記載の組成物。
【0320】
実施形態M.成分(a)が化合物316及び化合物376を含む、実施形態Lに記載の組成物。
【0321】
実施形態N.成分(a)が化合物316を含む、実施形態Mに記載の組成物。
【0322】
実施形態O.成分(a)が化合物376を含む、実施形態Mに記載の組成物。
【0323】
実施形態P.成分(a)が:225、229、257、316、376、394、506、507、508、509、510、511及び512からなる群から選択される化合物を含む、実施形態A~Iのいずれか1つに記載の組成物。
【0324】
実施形態Q.成分(a)が:507,508、509及び510からなる群から選択される化合物を含む、実施形態Pに記載の組成物。
【0325】
実施形態B1.成分(b)が、(b1)ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾールチアベンダゾール、チオファネート及びチオファネートメチルなどのメチルベンズイミダゾールカルバメート殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0326】
実施形態B2.成分(b)が、(b2)クロゾリネート、ジメタクロン、イプロジオン、プロシミドン及びビンクロゾリンなどのジカルボキシイミド殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0327】
実施形態B3.成分(b)が、(b3)トリフォリン、ブチオベート、ピリフェノックス、ピリソキサゾール、フェナリモル、ヌアリモル、トリアリモルエコナゾール、イマザリル、オクスポコナゾール、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール(ジニコナゾール-Mを含む)、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾ-ル、メフェントリフルコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、イプフェントリフルコナゾール、キンコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾールトリアジメフォン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ユニコナゾール及びユニコナゾール-Pなどの脱メチル化阻害剤殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0328】
実施形態B4.成分(b)が、(b4)メタラキシル、メタラキシル-M、ベナラキシル、ベナラキシル-M、フララキシル、オフレース及びオキサジキシルなどのフェニルアミド殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0329】
実施形態B5.成分(b)が、(b5)アルジモルフ、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、トリモルファミド、フェンプロピジン、ピペラリン及びスピロキサミンなどのアミン/モルホリン殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0330】
実施形態B6.成分(b)が、(b6)エジフェンホス、イプロベンホス、ピラゾホス及びイソプロチオランなどのリン脂質生合成阻害剤殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0331】
実施形態B7.成分(b)が、(b7)ベノダニル、フルトラニル、メプロニル、イソフェタミド、フルオピラム、フェンフラム、カルボキシン、オキシカルボキシン、チフルザミド、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルインダピル、フルキサピロキサド、フラメトピル、インピルフルキサム、イソピラザム、ペンフルフェン、ペンチオピラド、ピラプロポイン、セダキサン、フルベネテラム、イソフルシプラム、ピジフルメトフェン、ボスカリド及びピラジフルミドなどのコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0332】
実施形態B8.成分(b)が、(b8)ブピリメート、ジメチリモル及びエチリモルなどのヒドロキシ(2-アミノ-)ピリミジン殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0333】
実施形態B9.成分(b)が、(b9)シプロジニル、メパニピリム及びピリメタニルなどのアニリノピリミジン殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0334】
実施形態B10.成分(b)が、(b10)ジエトフェンカルブなどのN-フェニルカルバメート殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0335】
実施形態B11.成分(b)が、(b11)アゾキシストロビン、クモキシストロビン、エノキサストロビン、フルフェノキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラオキシストロビン、マンデストロビン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、トリクロピリカルブ、クレソキシム-メチル、トリフロキシストロビン、ジモキシストロビン、フェナミンストロビン、メトミノストロビン、オリサストロビン、フルオキサストロビン、ファモキサドン、フェナミドン及びピリベンカルブなどのキノンアウトサイド阻害剤殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0336】
実施形態B12.成分(b)が、(b12)フェンピクロニル及びフルジオキソニルなどのフェニルピロール殺真菌化合物から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0337】
実施形態B13.成分(b)が、(b13)キノキシフェン及びプロキナジドなどのアザナフタレン殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0338】
実施形態B14.成分(b)が、(b14)ビフェニル、クロロネブ、ジクロラン、キントゼン、テクナゼン、トルクロホス-メチル及びエトリジアゾールなどの細胞過酸化阻害剤殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0339】
実施形態B15.成分(b)が、(b15)フタリド、ピロキロン及びトリシクラゾールなどのメラニン生合成阻害剤-レダクターゼ殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要の組成物。
【0340】
実施形態B16a.成分(b)が、(b16a)カルプロパミド、ジクロシメト及びフェノキサニルなどのメラニン生合成阻害剤-デヒドラターゼ殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要の組成物。
【0341】
実施形態B16b.成分(b)が、(b16b)トルプロカルブなどのメラニン生合成阻害剤-ポリケチドシンターゼ殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0342】
実施形態B17.成分(b)が、(b17)フェンヘキサミド、フェンピラザミン、キノフメリン及びイプフルフェノキンなどのケトレダクターゼ阻害剤殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されるものではない)発明の概要に記載の組成物。
【0343】
実施形態B18.成分(b)が、(b18)ピリブチカルブ、ナフチフィン及びテルビナフィンなどのスクアレン-エポキシダーゼ阻害剤殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0344】
実施形態B19.成分(b)が、(b19)ポリオキシンなどのポリオキシン殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0345】
実施形態B20.成分(b)が、(b20)ペンシクロンなどのフェニルウレア殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むがこれに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0346】
実施形態B21.成分(b)が、(b21)シアゾファミド、アミスルブロム及びフェンピコキサミド(登録番号517875-34-2)などのキノンインサイド阻害剤殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0347】
実施形態B22.成分(b)が、(b22)ゾキサミド及びエタボキサムなどのベンズアミド及びチアゾールカルボキサミド殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0348】
実施形態B23.成分(b)が、(b23)ブラストサイジン-Sなどのエノピラヌロン酸抗生物質殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0349】
実施形態B24.成分(b)が、(b24)カスガマイシンなどのヘキソピラノシル抗生物質殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0350】
実施形態B25.成分(b)が、(b25)ストレプトマイシンなどのグルコピラノシル抗生物質:タンパク質合成殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0351】
実施形態B26.成分(b)が、(b26)バリダマイシンなどのグルコピラノシル抗生物質:トレハラーゼ及びイノシトール生合成系殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0352】
実施形態B27.成分(b)が、(b27)シモキサニルなどのシアノアセチルアミドオキシム殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0353】
実施形態B28.成分(b)が、(b28)プロパマカルブ、プロチオカルブ及びヨードカルブなどのカルバメート殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0354】
実施形態B29.成分(b)が、(b29)フルアジナム、ビナパクリル、メプチルジノカプ及びジノカプなどの酸化的リン酸化アンカップリング殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0355】
実施形態B30.成分(b)が、(b30)酢酸フェンチン、塩化フェンチン、水酸化フェンチンなどの有機スズ殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むがこれに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0356】
実施形態B31.成分(b)が、(b31)オキソリン酸などのカルボン酸殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0357】
実施形態B32.成分(b)が、(b32)ヒメキサゾール及びオクチリノンなどのヘテロ芳香族殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0358】
実施形態B33.成分(b)が、(b33)ホセチルアルミニウムを含む亜リン酸及びその各種塩などのホスホネート殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要の組成物。
【0359】
実施形態B34.成分(b)が、(b34)テクロフタラムなどのフタル酸殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0360】
実施形態B35.成分(b)が、(b35)トリアゾキシドなどのベンゾトリアジン殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0361】
実施形態B36.成分(b)が、(b36)フルスルファミドなどのベンゼンスルホンアミド殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0362】
実施形態B37.成分(b)が、(b37)ジクロメジンなどのピリダジノン殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0363】
実施形態B38.成分(b)が、(b38)シルチオファムなどのチオフェンカルボキサミド殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0364】
実施形態B39.成分(b)が、(b39)ジフルメトリム、トルフェンピラド及びフェナザキンなどの複合体I NADHオキシドレダクターゼ阻害剤殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0365】
実施形態B40.成分(b)が、(b40)ジメトモルフ、ベンチアバリカルブ、ベンシアバリカルブ-イソプロピル、イプロバリカルブ、バリフェナレート、マンジプロパミド、フルモルフ、ジメトモルフ、フルモルフ、ピリモルフ、ベンチアバリカルブ、ベンシアバリカルブ-イソプロピル、イプロバリカルブ、トルプロカルブ、バリフェナレート及びマンジプロパミドなどのカルボン酸アミド殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0366】
実施形態B41.成分(b)が、(b41)オキシテトラサイクリンなどのテトラサイクリン抗生物質殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0367】
実施形態B42.成分(b)が、(b42)メタスルホカルブなどのチオカルバメート殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0368】
実施形態B43.成分(b)が、(b43)フルオピコリド、フルオピモミドなどのベンズアミド殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0369】
実施形態B44.成分(b)が、(b44)バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)株QST713、FZB24、MB1600、D747、F727、TJ100(株1 BEとも呼ばれる;欧州特許第2962568号明細書から既知)及びこれらが産生する殺真菌性リポペプチドなどの微生物殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0370】
実施形態B45.成分(b)が、(b45)アメトクラジンなどのキノンアウトサイド阻害剤、スチグマテリン結合殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0371】
実施形態B46.成分(b)が、(b46)メラレウカ・アルテルニフォリア(Melaleuca alternifolia)、オイゲノール、ゲラニオール及びチモールなどの植物抽出物殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0372】
実施形態B47.成分(b)が、(b47)フェナマクリルなどのシアノアクリレート殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0373】
実施形態B48.成分(b)が、(b48)ナタマイシンなどのポリエン殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要の組成物。
【0374】
実施形態B49.成分(b)が、(b49)オキサチアピプロリン及びフルオキサピプロリンなどのオキシステロール結合タンパク質阻害剤殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0375】
実施形態B50.成分(b)が、(b50)メトラフェノン及びピリオフェノンなどのアリール-フェニル-ケトン殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要の組成物。
【0376】
実施形態B51.成分(b)が、(b51)アシベンゾラー-S-メチル、プロベナゾール、チアジニル、イソチアニル、ラミナリン、レイノウトリア・サカリネンシス(Reynoutria sachalinensis)及びバチルス・マイコイデス(Bacillus mycoides)単離株Jからの抽出物並びにサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株LAS117の細胞壁などの宿主植物防御誘導殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0377】
実施形態B52.成分(b)が、(b52)オキシ塩化銅、硫酸銅、水酸化銅、ボルドー組成物(三塩基硫酸銅)、元素状硫黄、フェルバム、マンコゼブ、マネブ、メチラム、プロピネブ、チラム、亜鉛チアゾール、ジネブ、ジラム、フォルペット、カプタン、カプタホール、クロロタロニル、ジクロフルアニド、トリフルアニド、グアザチン、イミノクタジンアルベシレート、イミノクタジントリアセテート、アニラジン、ジチアノン、キノメチオネート及びフルオロイミドなどのマルチサイト活性殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0378】
実施形態B53.成分(b)が、(b53)ルピナス小植物体の子葉からの抽出物などの複数の作用機構を有する生物学的殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0379】
実施形態B54.成分(b)が、(b54)シフルフェナミド、ベトキサジン、ネオアゾジン、ピロルニトリン、テブフロキン、ドジン、フルチアニル、フェリムゾン、ピカルブトラゾクス、ジクロベンチアゾクス(登録番号957144-77-3)、ジピメチトロン(登録番号16114-35-5)、フロメトキン、トルニファニド(登録番号304911-98-6)、N’-[4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2,5-ジメチルフェニル]-N-エチル-N-メチルメタニミダミド、5-フルオロ-2-[(4-フルオロフェニル)メトキシ]-4-ピリミジナミン及び4-フルオロフェニルN-[1-[[[1-(4-シアノフェニル)エチル]スルホニル]メチル]プロピル]カルバメート(XR-539)などの成分(a)及び成分(b1)~(b53)の殺真菌剤以外の殺真菌剤から選択される少なくとも1つの化合物を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含む)発明の概要に記載の組成物。
【0380】
実施形態B55.成分(b)が、(1S)-2,2-ビス(4-フルオロフェニル)-1-メチルエチルN-[[3-(アセチルオキシ)-4-メトキシ-2-ピリジニル]カルボニル]-L-アラニネート(仮称フロリルピコキサミド)を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0381】
実施形態B56.成分(b)が、1-[2-[[[1-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]オキシ]メチル]-3-メチルフェニル]-1,4-ジヒドロ-4-メチル-5H-テトラゾル-5-オン(仮称メチルテトラプロール)を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0382】
実施形態B57.成分(b)が3-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メチル-5-フェニルピリダジン(仮称ピリダクロメチル)を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0383】
実施形態B58.成分(b)が、(4-フェノキシフェニル)メチル2-アミノ-6-メチル-ピリジン-3-カルボキシレート(仮称アミノピリフェン)を含む(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0384】
実施形態B59.成分(b)が、(b54.11)(すなわち式b54.11)
【化29】
(式中、
Ra
1及びRa
2は、それぞれ独立して、ハロゲンであり;及び
Ra
3は、H、ハロゲン、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル又はC
3~C
6シクロアルキルである)から選択される少なくとも1つの化合物を含む、(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0385】
実施形態B60.成分(b)が、メチルN-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート、メチルN-[[5-[1-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート、メチルN-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート、メチルN-[[5-[1-(4-シクロプロピル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート及びメチルN-[[5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメートからなる群から選択される少なくとも1つの殺真菌化合物を含む、実施形態B59に記載の組成物。
【0386】
実施形態B60a.成分(b)が、メチルN-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート、メチルN-[[5-[1-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート、メチルN-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート、及びメチルN-[[5-[1-(4-シクロプロピル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメートからなる群から選択される少なくとも1つの殺真菌化合物を含む、実施形態B60に記載の組成物。
【0387】
実施形態B60b.成分(b)がメチルN-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメートを含む、実施形態B60aに記載の組成物。
【0388】
実施形態B61.成分(b)が、(b54.12)(すなわち式b54.12)
【化30】
(式中、
Ra
1及びRa
2は、それぞれ独立して、ハロゲンであり、及び
Ra
3は、H、ハロゲン、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル又はC
3~C
6シクロアルキルである)から選択される少なくとも1つの化合物を含む、(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0389】
実施形態B62.成分(b)が、エチル1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート及びその(E)-異性体並びに(b54.12b)エチル1-[2-[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]エチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート及びその(E)-異性体からなる群から選択される少なくとも1つの殺真菌化合物を含む、実施形態B61に記載の組成物。
【0390】
実施形態B62a.成分(b)がエチル1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレートを含む、実施形態B62に記載の組成物。
【0391】
実施形態B63.成分(b)が、(b54.13)(すなわち式b54.13)
【化31】
(式中、
R
a7は、C
2~C
5アルコキシカルボニル又はC
3~C
5アルケニルオキシカルボニルであり、それぞれ、R
a10から独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよいか;
Lは、CH
2、CH
2CH
2又はCH
2Oであり、ここで、Oは、フェニル環に結合しており;
R
a8及びR
9bは、それぞれ独立して、H、C
1~C
4アルキルであるか;又は
R
a8及びR
a9は、それらが結合している酸素原子と一緒になって、酸素原子に加えて、炭素原子ハロゲン、シアノ、C
1~C
2アルキル、C
1~C
2ハロアルキル及びC
1~C
2アルコキシから独立して選択される2個までの置換基で置換されていてもよい炭素原子環員を含む5員飽和環を形成し;及び
R
a10は、シアノ、ハロゲン、シクロプロピル又はメトキシである)から選択される少なくとも1つの化合物を含む、(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0392】
実施形態B64.成分(b)が、エチル1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート、2-メチルプロピル1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート、2-ブチン-1-イル1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート及びエチル1-[[3-フルオロ-4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレートからなる群から選択される少なくとも1つの殺真菌化合物を含む、実施形態B63に記載の組成物。
【0393】
実施形態B64a.成分(b)がエチル1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレートを含む、実施形態B64に記載の組成物。
【0394】
実施形態B65.成分(b)が、(b54.14)(すなわち式b54.14)
【化32】
(式中、
Rb
11、Rb
12及びRb
13は、それぞれ独立して、H、ハロゲン又はシアノであり;及び
Rb
14及びRb
15は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C
1~C
3アルキル又はC
1~C
3メトキシである)から選択される少なくとも1つの化合物を含む、(実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つに記載の組成物を含むが、これに限定されない)発明の概要に記載の組成物。
【0395】
実施形態B66.成分(b)が、4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-4-メチル-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、3,5-ジフルオロ-4-[5-[(4-メトキシ-2-ニトロフェニル)アミノ]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル]-ベンゾニトリル、N-(2-クロロ-4-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、4-(2-クロロ-4,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン及び4-(2-クロロ-4,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(4-メチル-2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミンからなる群から選択される少なくとも1つの殺真菌化合物を含む、実施形態B65に記載の組成物。
【0396】
実施形態B66a.成分(b)が、4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-4-メチル-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、4-(2-クロロ-4,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン及び4-(2-クロロ-4,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(4-メチル-2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミンからなる群から選択される少なくとも1つの殺真菌化合物を含む、実施形態B66に記載の組成物。
【0397】
実施形態B67.成分(b)が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ボスカリド(ニコビフェン)、ビキサフェン、ブロムコナゾール、カルベンダジム、クロロタロニル、シフルフェナミド、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジモキシストロビン、エポキシコナゾール、ファモキサドン、フェンブコナゾール、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フルインダピル、フルシラゾール、フルトリアホール、フルキサピロキサド、ヘキサコナゾール、イプコナゾールクレソキシムメチル、マンゼート、メトコナゾール、メトミノストロビン、メトラフェノン、ミクロブタニル、ペンコナゾール、ペンチオピラド、ピコキシストロビン、プロクロラズ、プロピコナゾール、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピリフェノンキノキシフェン、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、トリチコナゾール、N-[[5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル、N-[[5-[1-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル及びN-[[5-[1-(4-シクロプロピル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチルからなる群から選択される少なくとも1つの殺真菌化合物(殺真菌剤)を含む、(限定されないが、実施形態1から164及びAからQのいずれか1つの組成物を含む)発明の概要に記載の組成物。
【0398】
実施形態B68.成分(b)が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、クロロタロニルシフルフェナミド、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジモキシストロビン、エポキシコナゾール、ファモキサドン、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フルインダピル、フルシラゾール、フルトリアホール、フルキサピロキサド、クレソキシムメチル、マンゼート、メトコナゾール、メトミノストロビン、メトラフェノン、ミクロブタニル、ペンチオピラド、ピコキシストロビン、プロピコナゾール、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピリオフェノン、キノキシフェン、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、トリチコナゾール、N-[[5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル、N-[[5-[1-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル及びN-[[5-[1-(4-シクロプロピル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、実施形態B67に記載の組成物。
【0399】
実施形態B69.成分(b)が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、クロロタロニル、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキソコナゾール、フェンプロピモルフ、フルインダピル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、マンコゼブ、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、メチルN-[[5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート、メチルN-[[5-[1-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート及びメチルN-[[5-[1-(4-シクロプロピル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメートからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、実施形態B68に記載の組成物。
【0400】
実施形態B70.成分(b)が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、クロロタロニル、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フェンプロピモルフ、フルインダピル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、マンゼート、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、テブコナゾール及びトリフロキシストロビンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、実施形態B69に記載の組成物。
【0401】
実施形態B71.成分(b)が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、クロロタロニル、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フェンプロピモルフ、フルインダピル、フルキサピロキサド、マンゼート、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、テブコナゾール及びトリフロキシストロビンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、実施形態B70に記載の組成物。
【0402】
実施形態B72.成分(b)が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ボスカリド(ニコビフェン)、ビキサフェン、ブロムコナゾール、カルベンダジム、クロロタロニル、シフルフェナミド、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジモキシストロビン、エポキシコナゾール、ファモキサドン、フェンブコナゾール、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フルインダピル、フルシラゾール、フルトリアホール、フルキサピロキサド、ヘキサコナゾール、イプコナゾールクレソキシムメチル、マンゼート、メトコナゾール、メトミノストロビン、メトラフェノン、ミクロブタニル、ペンコナゾール、ペンチオピラド、ピコキシストロビン、プロクロラズ、プロピコナゾール、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピリオフェノンキノキシフェン、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、トリチコナゾール、N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル、1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチル、1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチル、4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-4-メチル-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、4-(2-クロロ-4,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン及び4-(2-クロロ-4,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(4-メチル-2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミンからなる群から選択される少なくとも1つの殺真菌化合物(殺真菌剤)を含む、(限定されないが、実施形態1~164及びA~Qのいずれか1つの組成物を含む)発明の概要に記載の組成物。
【0403】
実施形態B73.成分(b)が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、クロロタロニルシフルフェナミド、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジモキシストロビン、エポキシコナゾール、ファモキサドン、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フルインダピル、フルシラゾール、フルトリアホール、フルキサピロキサド、クレソキシムメチル、マンゼート、メトコナゾール、メトミノストロビン、メトラフェノン、ミクロブタニル、ペンチオピラド、ピコキシストロビン、プロピコナゾール、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピリオフェノン、キノキシフェン、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、トリコナゾール、メチルN-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート、エチル1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート、エチル1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート、4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-4-メチル-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、4-(2-クロロ-4,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン及び4-(2-クロロ-4,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(4-メチル-2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミンからなる群から選択される少なくとも1つの殺真菌化合物を含む、実施形態B72に記載の組成物。
【0404】
実施形態B74.成分(b)が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、クロロタロニル、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フェンプロピモルフ、フルインダピル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、マンコゼブ、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル、1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチル、1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチル、4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-4-メチル-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、4-(2-クロロ-4,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン及び4-(2-クロロ-4,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(4-メチル-2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、実施形態B73に記載の組成物。
【0405】
注目すべきは、実施形態1~164、A~Q及びB1~B74のいずれかを含む、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つの組成物であって、式1への言及がその塩を含むが、そのN-オキシドは含まないものであり、したがって、「式1の化合物」という表現を「式1の化合物又はその塩」という表現に置き換えることが可能である。注記される本組成物において、成分(a)は、式1の化合物又はその塩を含む。
【0406】
また、実施形態1~164、A~Q及びB1~B74の組成物の殺真菌有効量と、界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加的な成分とを含む本発明の殺真菌性組成物も実施形態として注目される。
【0407】
本発明の実施形態は、植物若しくはその一部又は植物の種子若しくは実生に、(例えば本明細書に記載の配合物成分を含む組成物として)実施形態1~164、A~Q及びB1~B74のいずれか1つの組成物の殺真菌有効量を適用することを含む、真菌類植物病原体によって引き起こされる植物病害を防除するための方法をさらに含む。本発明の実施形態は、真菌類病原体によって引き起こされる病害から植物又は植物種子を保護する方法であって、実施形態1~164、A~Q及びB1~B65のいずれか1つの組成物の殺真菌有効量を植物又は植物種子に適用することを含む方法も含む。
【0408】
本発明のいくつかの実施形態は、主に植物の葉が被害を受ける植物病害の防除又は植物病害からの保護を含み、且つ/又は本発明の組成物を植物の葉に(すなわち種子の代わりに植物に)適用することを含む。好ましい使用方法は、上記の好ましい組成物を含むものであり;特に効果的に防除される病害は、真菌類植物病原体によって引き起こされる植物病害を含む。本発明に従って使用される殺真菌剤の組み合わせは、病害防除を促進し、耐性発達を遅延させることができる。
【0409】
方法の実施形態は、さらに以下を含む。
【0410】
実施形態C1.本発明の概要又は実施形態1~164のいずれか1つに記載の成分(a)及び(b)を含む組成物の殺真菌有効量を植物に適用することを含む、さび病(rust)、うどんこ病(powdery mildew)及びセプトリア病(Septoria disease)から選択される病害から植物を保護するための方法。
【0411】
実施形態C2.病害がさび病であり、及び組成物の成分(b)が、(b3)脱メチル化阻害剤(DMI)殺真菌剤、(b5)アミン/モルホリン殺真菌剤、(b7)コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤殺真菌剤、(b11)キノンアウトサイド阻害剤(QoI)殺真菌剤、(b13)メチルベンズイミダゾールカルバメート殺真菌剤及び(b52)マルチサイト活性殺真菌剤から選択される少なくとも1つの殺真菌性化合物を含む、実施形態C1の方法。
【0412】
実施形態C3.組成物の成分(b)が、(b3)脱メチル化阻害剤(DMI)殺真菌剤、(b5)アミン/モルホリン殺真菌剤、(b7)コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤殺真菌剤、(b11)キノン外部阻害剤(QoI)殺真菌剤及び(b52)多部位活性殺真菌剤から選択される少なくとも1つの殺真菌化合物を含む、実施形態C2に記載の方法。
【0413】
実施形態C4.組成物の成分(b)が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、クロロタロニル、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フェンプロピモルフ、フルインダピル、フルキサピロキサド、マンコゼブ、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、テブコナゾール及びトリフロキシストロビンからなる群から選択される少なくとも1つの殺真菌化合物を含む、実施形態C3に記載の方法。
【0414】
実施形態C5.組成物の成分(b)が、アゾキシストロビン、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フルインダピル、フルキサピロキサド、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、テブコナゾール及びトリフロキシストロビンからなる群から選択される少なくとも1つの殺真菌化合物を含む、実施形態C4に記載の方法。
【0415】
実施形態C6.病害がプクキニア・レコンディット(Puccinia recondite)によって引き起こされるアジアンダイズさび病である、実施形態C2~C5のいずれか1つに記載の方法。
【0416】
実施形態C7.病害がファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)によって引き起こされるコムギ赤さび病である、実施形態C2~C5のいずれか1つに記載の方法。
【0417】
実施形態C8.病害がうどんこ病であり、及び組成物の成分(b)が、(b3)脱メチル化阻害剤(DMI)殺真菌剤、(b11)キニンアウトサイド阻害剤(QoI)殺真菌剤及び(b13)アザナフタレン殺真菌剤から選択される少なくとも1つの殺真菌性化合物を含む、実施形態C1に記載の方法。
【0418】
実施形態C9.病害がコムギうどんこ病である、実施形態C8に記載の方法。
【0419】
実施形態C10.病害がブドウべと病(grape downy mildew)である、実施形態C8に記載の方法。
【0420】
実施形態C11.成分(b)が、(b3)DMI殺真菌剤から選択される少なくとも1つの殺真菌性化合物を含む、実施形態C8~C10の方法。
【0421】
実施形態C12.成分(b)が、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、プロチオコナゾール及びテブコナゾールからなる群から選択される少なくとも1つの殺真菌性化合物を含む、実施形態C11に記載の方法。
【0422】
実施形態C13.成分(b)が、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール及びプロチオコナゾールからなる群から選択される少なくとも1つの殺真菌性化合物を含む、実施形態C12に記載の方法。
【0423】
実施形態C14.成分(b)が、(b11)QoI殺真菌剤から選択される少なくとも1つの殺真菌性化合物を含む、実施形態C8~C10のいずれか1つに記載の方法。
【0424】
実施形態C15.成分(b)が、アゾキシストロビン、ピコキシストロビン及びピラクロストロビンからなる群から選択される少なくとも1つの殺真菌性化合物を含む、実施形態C14に記載の方法。
【0425】
実施形態C16.病害がセプトリア病(Septoria disease)であり、及び組成物の成分(b)が、エポキシコナゾール、メタラキシル(メタラキシル-Mを含む)、イプロバリカルブ及びフェンプロピモルフからなる群から選択される少なくとも1つの殺真菌性化合物を含む、実施形態C1の方法。
【0426】
実施形態C17.病害がコムギ葉枯病(wheat leaf blotch)である、実施形態C16に記載の方法。
【0427】
実施形態C18.成分(a)及び(b)が相乗的に有効な量(及び互いに対して相乗的な比率)で適用される、実施形態C1~C17のいずれか1つに記載の方法。
【0428】
注目すべきは、植物又はその一部に、本発明の殺真菌性組成物の殺真菌有効量を適用することを含む、真菌類植物病原体によって引き起こされる植物病害を防除する方法に関する実施形態C1~C18の対となる実施形態である。
【0429】
発明の概要に記載したように、本発明は、式1の化合物又はN-オキシド若しくはその塩にも関する。実施形態1~164を含む本発明の実施形態は、式1の化合物に関するものでもあることにも既に留意されたい。注目すべきは、以下からなる群から選択される化合物である:
3-[4-[(1-シアノメチル-1H-ピラゾール-3-イル)メチル]フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール(化合物507);
N-エチル-1-[[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物508);
1-メチル-N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-5-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(化合物509);及び
5-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-3-イソキサゾールアセトニトリル(化合物510)。
【0430】
式1の化合物を調製するために、スキーム1~13に記載された以下の方法及び変形例の1つ以上を使用することができる。以下の式1~21の化合物中のR1、R2、L及びJの定義は、特に明記しない限り、本発明の概要において上に定義される通りである。式1a、1b、1c、3a、6a及び6bの化合物は、式1の様々なサブセットであり、式1a、1b、1c、3a、6a及び6bの全ての置換基は、特に明記しない限り、式1について上に定義した通りである。
【0431】
スキーム1に示すように、式1の化合物は、式2のアミドオキシムとトリフルオロ酢酸無水物(TFAA)又は等価物との反応によって調製することができる。反応は、式2の化合物及びTFAA以外の溶媒なしで行うことができる。典型的には、反応は、場合によりピリジン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン又はトリメチルアミンなどの塩基の存在下、約0~100℃の温度で、テトラヒドロフラン、アセトニトリルN,N-ジメチルホルムアミド又はトルエンなどの溶媒を用いて液相で行われる。この方法及び他の方法によるオキサジアゾール環の調製は当技術分野で公知である;例えば、Comprehensive Heterocyclic Chemistry,Vol.6,Part 4B,pages 365-391,Kevin T.Potts editor,Pergamon Press,New York,1984を参照されたい。スキーム1の方法は、本実施例10、工程C及び実施例11、工程A(第2段落)にも示されている。
【化33】
【0432】
スキーム2に示すように、式2のオキシムは、一般的に約0~80℃の範囲の温度で、エタノール、メタノール又はN,N-ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、式3の対応するニトリル及びヒドロキシルアミン又はヒドロキシルアミン塩(例えば、ヒドロキシルアミン塩酸塩)から調製することができる。ヒドロキシルアミンは、水溶液の形態で使用することができる。或いは、ヒドロキシルアミンは、ヒドロキシルアミンの酸塩をアルカリ金属水酸化物又は炭酸塩、好ましくは水酸化ナトリウム又は炭酸ナトリウムなどの塩基で処理することによってin situで生成することができる。ヒドロキシルアミン塩には、ヒドロキシルアミンが硫酸、塩酸、硝酸及びリン酸などの無機酸又はギ酸、酢酸、プロピオン酸及びスルホン酸などの有機酸と形成する塩が含まれる。反応条件については、本実施例10、工程B及び実施例11、工程A(第1段落)を参照されたい。
【化34】
【0433】
Lが(CR
4aR
4b)
nなどであり、R
1が窒素原子を介してLに結合した、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ピロール及びトリアゾールなどの複素環式環又は環系である式1の化合物は、スキーム3に示されるように、塩基の存在下で、式4の化合物の適切な脱離基X
1を式5の窒素含有複素環で置換することによって調製することができる。適切な塩基としては、アルカリ又はアルカリ土類金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム及びセシウム)水素化物、アルコキシド、カーボネート、ホスフェート及びヒドロキシドなどの無機塩基が挙げられる。例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリジノン、アセトニトリル及びアセトンを含む様々な溶媒が反応に適している。特に有用な反応条件としては、炭酸セシウム又は炭酸カリウム及び溶媒としてN,N-ジメチルホルムアミド又はアセトニトリルを約0~80℃の範囲の温度で使用することが挙げられる。式4の化合物中の適切な脱離基としては、臭化物、塩素、ヨウ化物、メシラート(OS(O)
2CH
3)、トリフラート(OS(O)
2CF
3)等が挙げられる。スキーム3の方法を本実施例1、工程C;実施例2~9;及び実施例11、工程Cに示す。
【化35】
【0434】
式4の化合物は、スキーム4に示されるように、式6の対応するアルコールの適切な脱離基(すなわち、X
1)への変換によって調製することができる。例えば、式6のアルコールは、塩化チオニル、塩化オキサリル又は三塩化リン(条件については、実施例1、工程Bを参照されたい)での処理によって式4の塩化アルキルに変換することができる。臭化アルキルは、三臭化リン又はオキシ臭化リンを使用して同様の反応で調製することができる。スルホネートは、有機合成の当業者に周知の条件下で、典型的には塩基の存在下で、式6とメタンスルホニルクロリドなどのスルホン化剤との反応によって調製することができる。
【化36】
【0435】
或いは、R
1が窒素結合複素環である式1の化合物は、スキーム5に示すMitsunobuカップリング反応条件を使用して、式6の第一級又は第二級アルコールと式5の窒素含有複素環との反応によって調製することができる。光延反応は、典型的には、室温で、トリフェニルホスフィン及びジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)又はジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)を含むテトラヒドロフラン中で行われる。ポリマー担持トリフェニルホスフィンを使用して、精製を容易にすることができる。光延反応の総説については、Mitsunobu,O.Comprehensive Organic Synthesis;Trost,B.M.,Fleming,I.,Eds.;Pergamon:Oxford,1991; Vol.6,pages 65-101を参照されたい。また、実施例12の工程Cは、光延条件を用いた式1の化合物の調製を例示する。
【化37】
【0436】
式6の化合物は、例えば、スキーム1及び2に記載された方法と同様に、及び本実施例1、工程Aに示すように、対応するニトリルをヒドロキシルアミン又はヒドロキシルアミン塩、引き続いてTFAAで処理することを含むいくつかの公知の方法によって調製することができる。さらに、式6の第二級アルコールは、対応するアルコールをアルデヒドに酸化し、次いでアルデヒドをグリニャール試薬と反応させることによって調製することができる。酸化反応は、式6のアルコールを二酸化マンガン、デス-マーチンペルヨージナン(Dess-Martin periodinane)、ピリジニウムクロロクロメート又はピリジニウムジクロメートによって処理するなどの様々な手段によって行うことができる。例えば、スキーム6に示すように、式6aのアルコール(すなわち、LがCH
2である式6)を式7のアルデヒドに変換し、次いでメチルマグネシウムブロミドで処理することによって、式6bの化合物(すなわち、式6(式中、LはCHMe中にある))を合成することができる。スキーム6の方法を実施例12の工程A~Bに示す。
【化38】
【0437】
式1の化合物は、スキーム7に示すように、式8の適切に官能化された化合物と式9の適切に官能化された化合物との反応によって調製することもできる。官能基Y
1及びY
2は、アルデヒド、ケトン、エステル、酸、アミド、チオアミド、ニトリル、アミン、アルコール、チオール、ヒドラジン、オキシム、アミジン、アミドオキシム、オレフィン、アセチレン、ハロゲン化物、ハロゲン化アルキル、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート(トリフレート)、ボロン酸、ボロネートなどの部分から選択されるが、これらに限定されず、これらは適切な反応条件下で、様々なR
1環の構築を可能にする。一例として、Y
1がクロロオキシム部分である式8の化合物と、Y
2がビニル基又はアセチレン基である式9の化合物とを塩基の存在下で反応させると、R
1がそれぞれイソオキサゾリン又はイソオキサゾールである式1の化合物が得られる。本実施例13、工程Cは、R
1がイソオキサゾリンである式1の化合物の調製を示す。合成文献には、複素環式環及び環系を形成するための多くの一般的な方法が記載されている(例えば、U-1~U-118に示されるものなど);例えば、Comprehensive Heterocyclic Chemistry,Volumes 4-6,A.R.Katritzky and C.W.Rees editors-in-chief,Pergamon Press,Oxford,1984を参照されたい。Comprehensive Heterocyclic Chemistry II,Volume 2-4,A.R.Katritzky,C.W.Rees and E.F.V.Scriven editors-in-chief,Pergamon Press,Oxford,1996;シリーズ、The Chemistry of Heterocyclic Compounds,E.C.Taylor,editor,Wiley,New Yorkを参照されたい。当業者は、所望のR
1環を構築するために適切な官能基Y
1及びY
2を選択する方法を知っている。式8の化合物は公知であるか、又は当技術分野で公知の一般的な方法によって調製することができる。式9の化合物は、対応するニトリルをヒドロキシルアミン又はヒドロキシルアミン塩で処理し、引き続いてスキーム1及び2に記載された反応、並びに本実施例13に示すように、工程A~Bに類似のTFAAで処理することによって調製することができる。
【化39】
【0438】
式1aの化合物(すなわち、R
1がオキサゾリンである式1)は、スキーム8に概説されるように調製することもできる。この方法では、式10の化合物を、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)又は2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨージド及び塩基、例えばトリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン又は4-メチルモルホリンの存在下、0~100℃の範囲の温度で式11のアミンと接触させて、式12のアミドを得る。次の工程で、式12のアミドを、適切な溶媒中、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST)などの脱水剤を使用して脱水する。反応は、典型的には、ジクロロメタンなどの溶媒中、式12の化合物の混合物に0.9~2当量、好ましくは1.5当量のジエチルアミノ硫黄トリフルオリドを-78~0℃の範囲の温度で添加することによって行われる。スキーム8の方法は、実施例15の工程B~Cによって示されている。式11の化合物は市販されているか、又はそれらの調製は当技術分野で公知である。式10の化合物は、対応するニトリルをヒドロキシルアミン又はヒドロキシルアミン塩で処理し、引き続いてスキーム1及び2に記載された、並びに本実施例15、工程Aに示す反応と類似のTFAAで処理することによって調製することができる。
【化40】
【0439】
スキーム9に示すように、式1bの化合物(すなわち、LがNHCH(CN)である式1)は、Strecker反応条件下、シアニド源の存在下で、式14のアミン及び式13のアルデヒドから調製することができる。スキーム9の方法では、様々な溶媒及びシアン化物源を使用することができる。ルイス酸、例えばチタン(IV)イソプロポキシドの存在が有利であり得る。この反応の条件及び変形については、以下の参考文献及びそこに引用されている参考文献を参照されたい:D.T.Mowry,Chemical Reviews 1948,42,236,H.Groeger,Chemical Reviews 2003,103,2795-2827,and M.North in Comprehensive Organic Functional Group Transformations A.R.Katritsky,O.Meth-Cohn及び C.W.Rees Editors.,Volume 3,615-617;Pergamon、Oxford、1995。スキーム9の方法は、実施例14の工程Eにも示されている。オルト電子求引基を含有するアリールアミンなどの式14の反応性がより低いアミンの場合、グアニジン塩酸塩などの触媒と組み合わせたトリメチルシリルシアニドの使用が有利であり得る。参照については、例えば、Heydari et al.,Journal of Molecular Catalysis A:Chemical 2007,271(1-2),142-144を参照されたい。
【化41】
【0440】
スキーム10に示すように、式3の化合物は、Y
3及びY
4が適切な反応条件下で様々なL基の構築を可能にする適切な官能基である式15及び16の化合物から調製することができる。適切な官能基には、イオン化可能な水素(例えば、複素環式環の窒素原子に結合した水素又はC(=O)部分に隣接する炭素原子に結合した水素)、カルボニル、アルデヒド、ケトン、エステル、酸、酸塩化物、アミン、アルコール、チオール、ヒドラジン、オキシム、オレフィン、アセチレン、ハロゲン化物、ハロゲン化アルキル、ボロン酸、ボロン酸塩などが含まれるが、これらに限定されない。例えば、LがCH
2である式3の化合物は、Y
3が水素(すなわち、R
1環の窒素原子環員に結合したイオン化可能な水素)である式15の化合物を炭酸カリウム又は水素化ナトリウムなどの塩基と反応させ、引き続いてY
4がハロゲン化メチル(例えば、BrCH
2-)である式16の化合物で処理することによって調製することができ;Y
4がCH(=O)-である式16の化合物で処理すると、LがCH(OH)である式3の化合物が得られる。LがOである式3の化合物は、Y
3がBrである式15の化合物を、Y
4がOHである式16の化合物と、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下で反応させることによって調製することができる。LがCH
2Oである式3の化合物は、Y
3がBrCH
2-である式15の化合物を、Y
4がOHである式16の化合物と塩基の存在下で反応させることによって調製することができる。LがOCH
2CH
2である式3の化合物は、Y
3がOHである式15の化合物を、Y
4がハロゲン化エチル(例えば、ICH
2 CH
2-)である式16の化合物と塩基の存在下で反応させることによって調製することができる。合成文献には、本発明のL基などの炭素原子及びヘテロ原子からなる1~3個の原子を含む飽和鎖を形成するための多くの一般的な方法が記載されている;例えば、Comprehensive Organic Functional Group Transformations,Vol.1,2,3 and 5,A.R.Katritzky editor,Pergamon Press,New York,1995を参照されたい。VogelのTextbook of Practical Organic Chemistry,5
th Ed.,pp 470-823,Longman Group,London,1989;及びAdvanced Organic Chemistry,4
th Ed.Jerry March,Wiley,New York 1992を参照されたい。当業者は、所望のL基を構築するために式15及び式16の適切な化合物を選択する方法を容易に決定することができる。
【化42】
【0441】
スキーム11は、式3aの化合物(すなわち、R
1がピラゾールであり、LがCH
2である式3)を調製するためのスキーム10の一般的な方法の具体例を示す。この方法では、式17のピラゾールを、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、エタノール又はアセトニトリルなどの溶媒中、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、水素化ナトリウム又は炭酸カリウムなどの塩基の存在下、典型的には約0~80℃の温度で、式18の臭化メチルと反応させる。本実施例10、工程Aはスキーム11の方法を示す。
【化43】
【0442】
当業者は、スキーム10の方法が、式16中の置換基-C≡Nが5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル(すなわち、式19)で置き換えられ、したがってスキーム12において以下に示されるような式1の化合物が得られる場合にも実施され得ることを認識するであろう。
【化44】
【0443】
スキーム13は、式1cの化合物(すなわち、R
1がオキサゾールであり、LがCH
2Oである式1)を調製するためのスキーム12の一般的な方法の具体例を示す。この方法では、式20の塩化メチルを、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、エタノール又はアセトニトリルなどの溶媒中、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、水素化ナトリウム又は炭酸カリウムなどの塩基の存在下、典型的には約0~80℃の温度で、式21のアルコールと反応させる。実施例17及び18はスキーム19の方法を示す。
【化45】
【0444】
式1の化合物を調製するための上述のいくつかの試薬及び反応条件は、それらの中間体中に存在するある種の官能基と両立しない可能性があることが認識される。これらの場合、合成への一連の保護/脱保護の採用又は官能基の相互転換は、所望の反応生成物を得ることを補助するであろう。保護基の使用及び選択は、化学合成の当業者に明らかであろう(例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,2nd ed.;Wiley:New York,1991を参照されたい)。当業者は、いくつかの場合、式1の化合物の合成を完成させるために、いずれかの個々のスキームにおいて示された所与の試薬を導入した後、詳細に記述されていない追加の通常の合成ステップを実施することが必要となり得ることを認識するであろう。また、当業者は、式1の化合物を調製するために提示された特定の順序とは違う順序で、上述のスキームで説明されたステップを組み合わせて実施することが必要となり得ることを認識するであろう。
【0445】
当業者がさらに認識するところであろうが、本明細書に記載の式1の化合物及び中間体を、各種の求電子性反応、求核性反応、ラジカル反応、有機金属反応、酸化反応、及び還元反応にかけて、置換基を加えたり、又は既存の置換基を変性したりすることも可能である。
【0446】
さらなる詳述なしに、先の説明を用いる当業者であれば、本発明を最大限に利用することができると考えられる。したがって、以下の実施例は、単に例示として構成されるものであり、何ら本開示を限定するものではない。以下の実施例におけるステップは、合成変換全体におけるそれぞれのステップのための手順を説明するものであり、それぞれのステップのための出発物質は、必ずしも、その手順が他の実施例又はステップで記述されている、特定の調製操作によって調製される必要はない。クロマトグラフの溶媒混合物の場合を除き、そうではないと示されない限り、パーセントは重量基準である。クロマトグラフの溶媒混合物の場合の部及びパーセントは、特に断らない限り、体積基準である。1H NMRスペクトルは、テトラメチルシランからのダウンフィールドのppmで報告され;「s」は一重項を意味し、「d」は二重項を意味し、「t」は三重項を意味し、「q」は四重項を意味し、「m」は多重項を意味し、「dd」は二重項の二重項を意味し、「dt」は三重項の二重項を意味し、「br s」はブロードな一重項を意味し、「br d」はブロードな二重項を意味する。19F NMRスペクトルは、参照としてトリクロロフルオロメタンを使用してppmで報告する。
【実施例】
【0447】
実施例1
調製1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1 H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(化合物147)
工程A:4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンゼンメタノールの調製
エタノール(400mL)中の4-(ヒドロキシメチル)ベンゾニトリル(52.8g、397mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(33.1g、476mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(107mL、595mmol)及び8-キノリノール(0.3g)の混合物を5時間加熱還流した。反応混合物を減圧下で濃縮して、中間体化合物N-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)ベンゼンカルボキシイミドアミドを得た。
【0448】
アセトニトリル及びテトラヒドロフラン(1:1,400mL)中のN-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)ベンゼンカルボキシイミドアミドの混合物に、ピリジン(70mL、873mmol)及びトリフルオロ酢酸無水物(121mL、873mmol)を室温で滴下した。反応混合物を還流で15時間加熱し、室温に冷却させ、次いで、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(300mL)をゆっくり添加し、引き続いて酢酸エチル(400mL)及び水を添加した。得られた混合物を分離し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物を得た。
1H NMR(CDCl3):δ 4.77(s,2H),7.50(d,2H),8.08(d,2H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.47.
【0449】
工程B:3-[4-(クロロメチル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾールの調製
4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンゼンメタノール(すなわち、ステップAの生成物)(98.0g、397mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(4滴)を含むジクロロメタン(500mL)の混合物に、5℃で塩化チオニル(57mL)を添加した。反応混合物を約42℃で30分間加熱し、次いで、減圧下で濃縮してジクロロメタンを除去した。得られた混合物をアセトニトリル(80mL)で希釈し、氷水(700mL)に注いだ。得られた固体沈殿物を濾過によって回収し、水ですすぎ、窒素下の真空オーブンで乾燥させて、表題化合物を固体として得た(55g)。
1H NMR(CDCl3):δ 4.64(s,2H),7.54-7.55(d,2H),8.10-8.12(d,2H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.45.
【0450】
工程C:1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジンの調製
3-[4-(クロロメチル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール(すなわち、工程Bの生成物)(0.3g、1.1mmol)、1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(0.136g、1.1mmol)及び炭酸セシウム(0.38g、1.1mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2.5ml)中混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(25ml)と水(5ml)との間で分配した。有機層を分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィ(5~50%酢酸エチルのヘキサン溶液の勾配で溶離)によって精製して、表題化合物である本発明の化合物を固体として得た(0.090g)。
1H NMR(CDCl3):δ 5.80(s,2H),7.13-7.21(m,1H),7.42-7.51(m,2H),8.01-8.13(m,4H),8.58(dd,1H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.43.
【0451】
実施例2
1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボニトリル(化合物95)の調製
アセトニトリル(100mL)中の3-[4-(クロロメチル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール(すなわち、実施例1の生成物、工程B)(3.60g、13.7mmol)、1H-ピラゾール-4-カルボニトリル(1.91g、20.6mmol)、炭酸カリウム(3.41g、24.7mmol)及び臭化ナトリウム(1.62g、15.8mmol)の混合物を18時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン中0~100%酢酸エチルの勾配で溶離)によって精製して、白色固体(4.38g)を得た。固体をエタノールから結晶化させて、106~108℃で融解する白色固体(3.29g)として表題化合物、本発明の化合物を得た。
1H NMR(CDCl3):δ 5.42(s,2H),7.38-7.39(d,2H),7.86-7.87(m,2H),8.13-8.15(d,2H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.33.
【0452】
実施例3
6-クロロ-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-3(2H)-ピリダジノン(化合物4)の調製
3-[4-(クロロメチル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール(すなわち、実施例1の生成物、工程B)(0.2g、0.76mmol)、6-クロロ-3(2H)-ピリダジノン(0.099g、0.76mmol)及び炭酸カリウム(0.21g、1.52mmol)を含むN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)の混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水で希釈し、ジエチルエーテル(2×)で抽出した。合わせた抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィ(1:1酢酸エチルのヘキサン溶液で溶離)によって精製して、表題化合物である本発明の化合物を白色固体(0.18g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 8.10(d,2H),7.58(d,2H),7.19(d,1H),6.95(d,1H),5.32(s,2H).
【0453】
実施例4
メチル2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-2H-インダゾール-4-カルボキシレート(化合物36)及び
メチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-インダゾール-4-カルボキシレート(化合物49)の調製
3-[4-(クロロメチル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール(すなわち、実施例1、工程Bの生成物)(0.3g、1.1mmol)、メチル1H-インダゾール-4-カルボキシレート(0.2g、1.1mmol)及び炭酸セシウム(0.56g、1.7mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2.5ml)中混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(25ml)と水(5ml)との間で分配した。有機層を分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィ(5~50%酢酸エチルのヘキサン溶液の勾配で溶離)によって精製して、表題化合物49(より速く溶出する生成物)を固体として得た(0.11g)。また、表題化合物36(より遅い溶出生成物)を固体として得た(0.04g)。
1H NMR(CDCl3):δ 3.97(s,3H),5.73(s,2H),7.33-7.42(m,1H),7.42-7.49(m,2H),7.90-8.02(m,2H),8.07-8.16(m,2H),8.53(s,1H)(化合物36).
19F NMR(CDCl3):δ -65.39(化合物36).
1H NMR(CDCl3):δ 3.98-4.08(m,3H),5.67-5.76(m,2H),7.28-7.35(m,2H),7.37-7.48(m,1H),7.50-7.59(m,1H),7.89-7.98(m,1H),8.01-8.10(m,2H),8.59(s,1H)(化合物49).
19F NMR(CDCl3):δ -65.42(化合物49).
【0454】
実施例5
1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン(化合物136)の調製
3-[4-(クロロメチル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール(すなわち、実施例1、工程Bの生成物)(0.3g、1.1mmol)、1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン(0.14g、1.1mmol)及び炭酸セシウム(0.56g、1.7mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2.5ml)中混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(25ml)と水(5ml)との間で分配した。有機層を分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィ(5~50%酢酸エチルのヘキサン溶液の勾配で溶離)によって精製して、表題化合物である本発明の化合物を固体として得た(0.045g)。
1H NMR(CDCl3):δ 5.42(m,2H),6.79-6.88(m,1H),7.06-7.15(m,1H),7.23(m,2H),7.41(d,1H),7.54(d,1H),8.07(d,2H),8.49(br d,1H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.40.
【0455】
実施例6
1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-2(1H)-キノキサリノン(化合物158)の調製
3-[4-(クロロメチル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール(すなわち、実施例1、工程Bの生成物)(0.3g、1.1mmol)、2(1H)-キノキサリノン(0.17g、1.1mmol)及び炭酸セシウム(0.56g、1.7mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2.5ml)中混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(25ml)と水(5ml)との間で分配した。有機層を分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィ(5~50%酢酸エチルのヘキサン溶液の勾配で溶離)によって精製して、表題化合物である本発明の化合物を固体として得た(0.08g)。
1H NMR(CDCl3):δ 5.57(s,2H),7.19-7.24(m,1H),7.32-7.38(m,1H),7.40(d,2H),7.45-7.53(m,1H),7.90-7.97(m,1H),8.08(d,2H),8.44(s,1H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.40.
【0456】
実施例7
1,3-ジヒドロ-1-メチル-3-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-2H-ベンズイミダゾール-2-オン(化合物159)の調製
3-[4-(クロロメチル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール(すなわち、実施例1、工程Bの生成物)(0.3g、1.1mmol)、1,3-ジヒドロ-1-メチル-2H-ベンズイミダゾール-2-オン(0.17g、1.1mmol)及び炭酸セシウム(0.56g、1.7mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2.5ml)中混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(25ml)と水(5ml)との間で分配した。有機層を分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィ(0~50%酢酸エチルのヘキサン溶液の勾配で溶離)によって精製して、表題化合物である本発明の化合物を固体として得た(0.095g)。
1H NMR(CDCl3):δ 3.49(s,3H),5.16(s,2H),6.81-6.90(m,1H),6.97-7.06(m,2H),7.06-7.18(m,1H),7.47(d,2H),8.07(d,2H).
【0457】
実施例8
メチル1,2-ジヒドロ-2-オキソ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-ピリジンカルボキシレート(化合物24)の調製
3-[4-(クロロメチル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール(すなわち、実施例1、工程Bの生成物)(1.0g、3.8mmol)、メチル1,2-ジヒドロ-2-オキソ-4-ピリジンカルボキシレート(0.59g、3.81mmol)及び炭酸セシウム(1.90g、5.72mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(5ml)中混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(25ml)と水(5ml)との間で分配した。有機層を分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィ(5~50%酢酸エチルのヘキサン溶液の勾配で溶離)によって精製して、表題化合物である本発明の化合物を固体として得た(0.35g)。
1H NMR(CDCl3):δ 3.92(s,3H),5.23(s,2H),6.64-6.73(m,1H),7.27(d,1H),7.33-7.40(m,1H),7.40-7.49(m,2H),8.04-8.17(m,2H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.39.
【0458】
実施例9
2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン(化合物90)の調製
3-[4-(クロロメチル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール(すなわち、実施例1、工程Bの生成物)(0.25g、0.95mmol)及びカリウムフタルイミド(0.17g、0.95mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2.5ml)中混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(25ml)と水(5ml)との間で分配した。有機層を分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィ(5~50%酢酸エチルのヘキサン溶液の勾配で溶離)によって精製して、表題化合物である本発明の化合物を固体として得た(0.21g)。
1H NMR(CDCl3):δ 4.92(s,2H),7.50-7.63(m,2H),7.68-7.79(m,2H),7.82-7.93(m,2H),8.01-8.13(m,2H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.39.
【0459】
実施例10
エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(化合物83)の調製
工程A:エチル1-[(4-シアノフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレートの調製
エチル1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(4.96g、35.4mmol)、4-(ブロモメチル)ベンゾニトリル(6.92g、35.3mmol)及び炭酸カリウム(6.0g、43.5mmol)のアセトニトリル(100mL)中混合物を60℃で6時間加熱し、次いで、室温で一晩撹拌した。反応混合物を水で希釈し、得られた固体沈殿物を濾過し、水で洗浄し、風乾すると、標記化合物が白色固体(8.65g)として得られた。
1H NMR(CDCl3):δ 1.34(t,3H),4.30(q,2H),5.37(s,2H),7.29-7.31(m,2H),7.65-7.66(m,2H),7.93(s,1H),7.96(s,1H).
【0460】
工程B:エチル1-[[4-[(ヒドロキシアミノ)イミノメチル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレートの調製
N,N-ジメチルホルムアミド(200mL)中のエチル1-[(4-シアノフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(すなわち、ステップAの生成物)(29.1g、114mmol)及びヒドロキシルアミン(50%水溶液、12mL、194mmol)の混合物を室温で3日間撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ入れ、得られた固体沈殿物を濾過し、水で洗浄した。湿潤固体をアセトニトリル(500mL)と混合し、減圧下で濃縮して、表題化合物を白色固体(31.32g)として得た。
1H NMR(DMSO-d6):δ 1.26(t,3H),4.21(q,2H),5.38(s,2H),5.79(s,2H),7.25-7.27(m,2H),7.63-7.65(m,2H),7.87(s,1H),8.47(s,1H),9.63(s,1H).
【0461】
工程C:エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレートの調製
0℃のエチル1-[[4-[(ヒドロキシアミノ)イミノメチル]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(すなわち、ステップBの生成物)(33.65g、117mmol)及びピリジン(13mL、160mmol)を含むN,N-ジメチルホルムアミド(100mL)の混合物に、トリフルオロ酢酸無水物(19mL、140mmol)を20分かけて滴下した。反応混合物を70℃で2時間加熱し、冷却し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ入れ、得られた固体沈殿物を濾過し、水で洗浄した。固体をエタノール(250mL)から結晶化させて、表題化合物である本発明の化合物を、127~129℃で融解する固体針状物(35.1g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 1.34(t,3H),4.30(q,2H),5.39(s,2H),7.37-7.39(m,2H),7.93(s,1H),7.97(s,1H),8.11-8.13(m,2H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.34.
【0462】
実施例11
3-[5-[(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)メチル]-2-チエニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール(化合物71)の調製
工程A:3-(5-メチル-2-チエニル)-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾールの調製
エタノール(65ml)中の5-メチル-2-チオフェンカルボニトリル(4.0g、32mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(3.3g、48mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(10ml、56mmol)及び8-キノリノール(0.074g)の混合物を5時間還流した。反応混合物を減圧下で濃縮して、中間体化合物N-ヒドロキシ-5-メチル-2-チオフェンカルボキシイミドアミドを得た。
テトラヒドロフラン(65ml)中N-ヒドロキシ-5-メチル-2-チオフェンカルボキシイミドアミドを、トリフルオロ酢酸無水物(13mL、96mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(20mL、112mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(1.0g、8mmol)の混合物に滴下した。反応混合物を室温で15時間撹拌し、次いで、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(30mL)で希釈した。水性混合物を酢酸エチル(80ml)で抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィ(1:10酢酸エチルのヘキサン溶液で溶離)によって精製し、表題化合物を固体として得た(3.2g)。
1H NMR(CDCl3):δ 2.57(s,3H),6.85(d,1H),7.68(d,1H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.46.
【0463】
工程B:3-[5-(ブロモメチル)-2-チエニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾールの調製
3-(5-メチル-2-チエニル)-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール(すなわち、工程Aの生成物)(3.1g、13.2mmol)を含むジクロロメタン(30mL)の混合物に、N-ブロモスクシンイミド(2.6g、14.8mmol)及び2,2’-アゾジイソブチロニトリル(0.2g、1.3mmol)を添加した。反応混合物を還流で6時間加熱し、室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィ(1:10酢酸エチルのヘキサン溶液で溶離)によって精製して、表題化合物を白色固体として得た(2.8g)。
1H NMR(CDCl3):δ 4.73(s,2H),7.18(m,1H),7.73(m,1H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.40.
【0464】
工程C:3-[5-[(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)メチル]-2-チエニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾールの調製
アセトニトリル(4mL)中の3-[5-(ブロモメチル)-2-チエニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール(すなわち、工程Bの生成物)(0.16g、0.5mmol)、4-ブロモ-1H-ピラゾール(0.080g、0.55mmol)及び炭酸カリウム(0.152g、1.1mmol)の混合物を還流で2時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィ(酢酸エチル中3:1ヘキサンで溶離)によって精製して、表題化合物である本発明の化合物を油状物として得た(0.088g)。
1H NMR(CDCl3):δ 5.47(s,2H),7.09(m,1H),7.48(s,1H),7.50(s,1H),7.74(m,1H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.41.
【0465】
実施例12
エチル1-[1-[4-[[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]メトキシ]フェニル]エチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(化合物2)の調製
工程A:4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンズアルデヒドの調製
4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンゼンメタノール(2.00g、8.19mmol)を含むジクロロメタン(20ml)の混合物に、1,1,1-トリス(アセトキシ)-1,1-ジヒドロ-1,2-ベンゾヨードキソール-3(1H)-オン(Dess-Martinペルヨージナン)(3.47g、8.19mmol)を室温で少しずつ添加した。3時間撹拌した後、反応混合物をジクロロメタン及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液で希釈した。有機層を分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン中5~50%の酢酸エチルの勾配で溶出)で精製し、表題の化合物を油状物として得た(1.53g)。
1H NMR(CDCl3):δ 8.05(d,2H),8.32(d,2H),10.12(s,1H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.32.
【0466】
工程B:α-メチル-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンゼンメタノールの調製
4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンズアルデヒド(すなわち、ステップAの生成物)(1.53g、6.3mmol)のテトラヒドロフラン(20ml)中混合物に、-12℃でメチルマグネシウムブロミド(ジエチルエーテル中3M;2.1mL、6.3mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を-12℃で2時間撹拌し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチした。得られた混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィ、(ヘキサン中5~50%の酢酸エチルの勾配で溶出)で精製し、表題の化合物を固体として得た(1.63g)。
1H NMR(CDCl3):δ 1.40-1.61(m,3H),4.84-5.06(m,1H),7.50(d,2H),8.06(d,2H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.49.
【0467】
工程C:エチル1-[1-[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]エチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレートの調製
α-メチル-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンゼンメタノール(すなわち、ステップBの生成物)(0.372g、0.95mmol)、1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチル(0.202g、0.95mmol)及びトリフェニルホスフィン(0.377g、0.95mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)中の混合物を室温で10分間撹拌した後、1,2-ビス(1-メチルエチル)1,2-ジアゼニジカルボキシレート(DIAD)(0.285mL、0.95mmol)を加えた。12時間後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(5~50%酢酸エチルのヘキサン溶液の勾配で溶離)によって精製して、表題化合物である本発明の化合物を固体として得た(0.11g)。
1H NMR(CDCl3):δ 1.25-1.38(m,3H),1.88-2.00(m,3H),4.28(q,2H),5.49-5.67(m,1H),7.29-7.41(m,2H),7.89-8.02(m,2H),8.03-8.16(m,2H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.44.
【0468】
実施例13
4,5-ジヒドロ-N,N-ジメチル-5-[[4-[5-(トリフルオロメチル) -1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-3-イソオキサゾールカルボキサミド(化合物12)の調製
工程A:N-ヒドロキシ-4-(2-プロペン-1-イル)ベンゼンカルボキシイミドアミドの調製
無水エタノール(50mL)中の4-(2-プロペン-1-イル)ベンゾニトリル(5.0g、35mmol)及びヒドロキシルアミン(50%水溶液、4.5mL、73mmol)の混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、アセトニトリル(50mL)で希釈し、減圧下で濃縮し、再びアセトニトリル(50mL)で希釈し、減圧下で濃縮すると、標記化合物が無色油として得られ、これは静置すると結晶化した(6.1g)。
1H NMR(CDCl3):δ 3.39-3.41(m,2H),4.90(br s,2H),5.07-5.10(m,2H),5.90-6.00(m,1H),7.20-7.22(m,2H),7.54-7.56(m,2H),8.5-9.5(br s,1H).
【0469】
工程B:3-[4-(2-プロペン-1-イル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾールの調製
0℃のN-ヒドロキシ-4-(2-プロペン-1-イル)ベンゼンカルボキシイミドアミド(すなわち、ステップAの生成物)(6.0g、34mmol)及びピリジン(3.5mL、43mmol)のアセトニトリル(25mL)中の混合物に、トリフルオロ酢酸無水物(5.5mL、40mmol)を20分かけて滴加した。反応混合物を60℃で4時間加熱し、冷却し、次いで、氷水に注ぎ入れ、ジエチルエーテル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩酸水溶液(1N)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物を淡黄色油状物として得た(8.0g)。
1H NMR(CDCl3):δ 3.46-3.48(m,2H),5.10-5.15(m,2H),5.90-6.05(m,1H),7.34-7.36(m,2H),8.03-8.05(m,2H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.40.
【0470】
工程C:4,5-ジヒドロ-N,N-ジメチル-5-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-3-イソオキサゾールカルボキサミドの調製
3-[4-(2-プロペン-1-イル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール(すなわち、工程Bの生成物)(0.254g、1.0mmol)、2-(ジメチルアミノ)-N-ヒドロキシ-2-オキソ-アセチミドイルクロリド(0.152g、1.0mmol)及び重炭酸ナトリウム(0.3g、3.5mmol)を含む酢酸エチル(20mL)の混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を濾過し、少量の酢酸エチルで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(0~100%酢酸エチルのヘキサン溶液の勾配で溶離)によって精製して、表題化合物である本発明の化合物を白色固体として得た(0.27g)。
1H NMR(CDCl3):δ 3.00-3.15(m,2H),3.03(s,3H),3.17(s,3H),3.33-3.40(m,1H),4.92-5.00(m,1H),7.40-7.44(m,2H),8.06-8.10(m,2H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.36.
【0471】
実施例14
α-(フェニルアミノ)-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンゼンアセトニトリル(化合物13)の調製
工程A:4-(1,3-ジオキソラン-2-イル)ベンゾニトリルの調製
4-ホルミルベンゾニトリル(25.16g、191.9mmol)を含むトルエン(250mL)中の混合物に、エチレングリコール(35.73g、576mmol)及びp-トルエンスルホン酸一水和物(2.92g、15.3mmol)を添加した。水の共沸除去のためにDean-Starkトラップを使用して、反応混合物を18時間加熱還流した。室温への冷却後、反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物を白色固体として得た(33.6g)。
1H NMR(CDCl3):δ 4.04-4.13(m,4H),5.85(s,1H),7.57-7.62(m,2H),7.66-7.70(m,2H).
【0472】
工程B:4-(1,3-ジオキソラン-2-イル)-N-ヒドロキシベンゼンカルボキシイミドアミドの調製
4-(1,3-ジオキソラン-2-イル)ベンゾニトリル(すなわち、ステップAの生成物)(33.6g、192mmol)及びヒドロキシルアミン(50%水溶液、14mL、228mmol)のエタノール(200mL)中の混合物を70℃で1時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた物質をアセトニトリルで希釈し、減圧下で濃縮して、表題化合物を白色固体として得た(40.2g)。
1H NMR(DMSO-d6):δ 3.91-4.09(m,4H),5.74(s,1H),5.77-5.88(m,2H),7.42-7.44(m,2H),7.68-7.71(m,2H),9.67(s,1H).
【0473】
工程C:3-[4-(1,3-ジオキソラン-2-イル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾールの調製
4-(1,3-ジオキソラン-2-イル)-N-ヒドロキシベンゼンカルボキシイミドアミド(すなわち、ステップBの生成物)(40.2g、192mmol)及びピリジン(18.3mL、226mmol)のアセトニトリル(350mL)中混合物に、0℃でトリフルオロ酢酸無水物(28.8mL、207mmol)を10分間にわたって滴加した。反応混合物を室温まで加温し、一晩撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた物質をジクロロメタンと水との間で分配した。有機層を分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン中0~100%酢酸エチルの勾配で溶出) によって精製して、表題化合物を53~55℃で融解する白色固体として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 4.05-4.23(m,4H),5.88(s,1H),7.65(d,2H),8.14(d,2H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.36.
【0474】
工程D:4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)]ベンズアルデヒドの調製
3-[4-(1,3-ジオキソラン-2-イル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール(すなわち、工程Cの生成物)(2.48g 8.67mmol)、テトラヒドロフラン(25mL)、水(25mL)及び濃塩酸(25mL)の混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、層を分離した。有機層を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、50~52℃で融解する白色固体(2.09g)として表題化合物を得た。
1H NMR(CDCl3):δ 8.04-8.06(m,2H)8.31-8.33(m,2H)10.12(s,1H).
【0475】
工程E:α-(フェニルアミノ)-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンゼンアセトニトリルの調製
4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアルデヒド(すなわち、ステップDの生成物)(2.59g、10.7mmol)、ベンゼンアミン(95uL、1.0mmol)及びチタン(IV)イソプロポキシド(500uL、170mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)中の混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、トリメチルシリルシアニド(500uL、3.9mol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで、激しく撹拌した氷と酢酸エチルの混合物に添加した。1時間後、混合物を濾過し、濾液を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して黄色固体を得た。固体をエタノール(4mL)及びヘキサン(10mL)から結晶化させて、本発明の化合物である表題化合物を無色固体として得た(163mg)。
1H NMR(CDCl3):δ 4.12(d,1H),5.55(d,1H),6.80(m,2H),6.95(m,1H),7.27-7.32(m,2H),7.79-7.81(m,2H),8.20-8.24(m,2H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.31.
【0476】
実施例15
メチル4,5-ジヒドロ-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキシレート(化合物74)の調製
工程A:4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンゼン酢酸の調製
エタノール(500mL)中の4-シアノベンゼン酢酸(25.0g、155mmol)及びヒドロキシルアミン(50%水溶液、23.8mL、780mmol)の混合物を一晩加熱還流した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた固体を真空オーブン内で一晩乾燥させた。固体(すなわち、中間体化合物4-[(ヒドロキシアミノ)イミノメチル]ベンゼン酢酸)をテトラヒドロフラン(500mL)に懸濁し、0℃に冷却した後、トリフルオロ酢酸無水物(48mL、340mmol)及びトリエチルアミン(47mL、340mmol)を加えた。反応混合物を一晩撹拌した後、減圧下で濃縮した。得られた物質を水とジクロロメタンに分配した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、Celite(登録商標)(珪藻土濾過助剤)上に濃縮した。Celite(登録商標)混合物を中圧シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン中0~100%の酢酸エチルの勾配で溶離)によって精製して、表題化合物を白色固体として得た(17.8g)。
1H NMR(CDCl3):δ 8.10(d,2H),7.46(d,2H),3.76(s,2H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.35.
【0477】
工程B:N-[2-[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]アセチル]セリンメチルエステルの調製
N,N-ジメチルホルムアミド(220mL)中の4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンゼン酢酸(すなわち、工程Aの生成物)(17.8g、65.3mmol)に、DL-セリンメチルエステル塩酸塩(1:1)(12.2g、78.4mmol)、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)(29.8g、78.4mmol)及び4-メチルモルホリン(14.4mL、131mmol)を添加した。反応物を室温で一晩撹拌し、次いで、水で希釈し、酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機層を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、Celite(登録商標)(珪藻土濾過助剤)上に濃縮した。Celite(登録商標)混合物を中圧シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン中0%~100%の酢酸エチルの勾配で溶離)によって精製し、表題化合物を得た。
1H NMR(CDCl3):δ 8.12(d,2H),7.48(d,2H),6.47,(br s,1H),4.68(dt,1H),4.00(dd,1H),3.92(m,1H),3.78(s,3H),3.72(s,2H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.34.
【0478】
工程C:メチル4,5-ジヒドロ-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキシレートの調製
ジクロロメタン(650mL)中のN-[2-[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]アセチル]セリンメチルエステル(すなわち、工程Bの生成物)(65.3mmol)に、-78℃でジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST)(13mL、98mmol)を添加した。反応物を1.5時間、-78℃で攪拌し、次いで、飽和重炭酸ナトリウム水溶液でクエンチし、層を分離した。水層をジクロロメタンでさらに抽出し、合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、Celite(登録商標)(珪藻土濾過助剤)上に濃縮した。Celite(登録商標)混合物を中圧シリカゲルクロマトグラフィ(0%~100%酢酸エチルのヘキサン溶液の勾配で溶出)によって精製し、表題化合物である本発明の化合物を固体として得た(8.17g)。
1H NMR(CDCl3):δ 8.08(d,2H),7.48(d,2H),4.78(m,1H),4.53(m,1H),4.43(m,1H),3.80(s,3H),3.76(m,2H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.33.
【0479】
実施例16
4,5-ジヒドロ-N,N-ジメチル-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド(化合物178)の調製
メチル4,5-ジヒドロ-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキシレート(すなわち、実施例15、工程Cの生成物)(0.25g、0.7mmol)のメタノール(7mL)中の混合物に、N,N-ジメチルアミン(エタノール中5.6N、0.63mL)を添加した。反応混合物を65℃で一晩撹拌し、次いで、室温に冷却し、Celite(登録商標)(珪藻土濾過助剤)上に濃縮した。Celite(登録商標)混合物を中圧シリカゲルクロマトグラフィ(0%~100%酢酸エチルのヘキサン溶液の勾配で溶出)によって精製し、表題化合物である本発明の化合物を固体として得た(0.009g)。
1H NMR(CDCl3):δ 8.06(d,2H),7.46(d,2H),4.95(m,2H),4.29(dd,1H),3.71(m,2H),3.26(s,3H),3.00(s,3H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.36.
【0480】
実施例17
4,5-ジヒドロ-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド(化合物75)の調製
メチル4,5-ジヒドロ-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキシレート(すなわち、実施例15、工程Cの生成物)(0.5g、1.4mmol)及びアンモニア(メタノール中7N、14mL)の混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、本発明の化合物である表題の合物を固体として得た(0.134g)。
1H NMR(CDCl3):δ 8.10(d,2H),7.46(d,2H),4.68(m,2H),4.52,m,2H),3.73(m,2H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.32.
【0481】
実施例18
メチル2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェノキシ]メチル]オキサゾール-4-カルボキシレート(化合物403)の調製
工程A:4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)]ベンズアルデヒドの調製
エタノール(177mL)中の4-ヒドロキシベンゾニトリル(20g、168mmol)の混合物に、ヒドロキシルアミン(50%水溶液、13.4mL、440mmol)を添加した。反応混合物を18時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。固体(すなわち、中間体化合物N,4-ジヒドロキシベンゼンカルボキシイミドアミド)をジクロロメタン(336mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸無水物(47mL、336mmol)を添加した。反応混合物を18時間加熱還流し、次いで、室温に冷却し、水でクエンチした。層を分離し、水層をジクロロメタンでさらに2回抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、Celite(登録商標)(珪藻土濾過助剤)上に濃縮した。Celite(登録商標)混合物を中圧液体クロマトグラフィー(溶出液としてヘキサン中0%~100%の酢酸エチル)によって精製し、表題化合物(16.3g)を得た。
1H NMR(CDCl3):δ 8.10(d,2H),6.96(d,2H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.45.
【0482】
工程B:メチル2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェノキシ]メチル]オキサゾール-4-カルボキシレートの調製
アセトニトリル(50mL)中の4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェノール(すなわち、工程Aの生成物)(1.13g、5mmol)に、メチル2-(クロロメチル)オキサゾール-4-カルボキシレート(0.95g、5.4mmol)、炭酸カリウム(1.52g、11mmol)及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.18g、0.5mmol)を添加した。反応混合物を18時間80℃に加熱し、次いで、室温に冷却し、Celite(登録商標)(珪藻土濾過助剤)上に濃縮した。Celite(登録商標)混合物を中圧液体クロマトグラフィー(溶出液としてヘキサン中の0%~100%酢酸エチル)によって精製し、表題化合物である本発明の化合物を固体として得た(1.14g)。
1H NMR(CDCl3):δ 8.29(s,1H),8.07(d,2H),7.13(d,2H),5.27(s,2H),3.94(s,3H).
19F NMR(CDCl3):δ -65.38.
【0483】
本明細書に記載の手順により、当技術分野で既知の方法とともに、表1、1A~92A、2及び1B~92Bの以下の化合物を調製することができる。表中、以下の略語を使用する:tは三級を意味し、sは、二級を意味し、nは、ノルマルを意味し、iは、イソを意味し、cは、シクロを意味し、Meは、メチルを意味し、Etは、エチルを意味し、Prは、プロピルを意味し、i-Prは、イソプロピルを意味し、c-Prは、シクロプロピルを意味し、Buは、ブチルを意味し、i-Buは、イソブチルを意味し、t-Buは、tert-ブチルを意味し、及びPhは、フェニルを意味する。
【0484】
【0485】
【0486】
【0487】
【0488】
【0489】
【0490】
【0491】
【0492】
本開示はまた、表1の行見出し(すなわち、「LはCH2であり、JはJ-40である」)が以下に示されるそれぞれの行見出しと置き換えられることを除いて、それぞれが上記の表1と同様に構成される表1A~47Aを含む。
【0493】
【0494】
表2は、上記のスキーム2及び10に記載されているように、式1の化合物を調製するためのプロセス中間体として有用な特定の化合物である式3を開示している。
【0495】
【0496】
【0497】
【0498】
【0499】
【0500】
【0501】
【0502】
【0503】
本開示はまた、表2の行見出し(すなわち、「LはCH2であり、JはJ-40である」)が以下に示されるそれぞれの行見出しと置き換えられることを除いて、それぞれが上記の表2と同様に構成される表1B~47Bを含む。
【0504】
【0505】
配合/実用化
本発明の式1の化合物(N-オキシド及びその塩を含む)又はその化合物と発明の概要に記載の少なくとも1つの追加的な殺真菌性化合物とを含む混合物(すなわち組成物)は、一般に、担体として機能する界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加的な成分と一緒に組成物、すなわち配合物中で殺真菌活性成分として使用されるであろう。配合物又は組成物成分は、活性成分の物理的性質、適用形態並びに土壌の種類、水分及び温度などの環境因子と一致するように選択される。
【0506】
成分(a)(すなわち式1の少なくとも1つの化合物、N-オキシド又はその塩)と、成分(b)(例えば、上記の(b1)~(b54)及びその塩から選択されるもの)及び/又は1つ若しくは複数の他の生物学的活性化合物若しくは薬剤(すなわち殺虫剤、他の殺真菌剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、除草剤及び他の生物薬剤)との混合物は、以下を含む多くの様式で配合することが可能である。
(i)成分(a)、成分(b)及び/又は1つ若しくは複数の他の生物学的活性化合物若しくは薬剤は、別々に配合され、且つ別々に適用されるか、又は適切な重量比で例えばタンクミックスとして同時に適用することができるか;又は
(ii)成分(a)、成分(b)及び/又は1つ若しくは複数の他の生物学的活性化合物若しくは薬剤を適切な重量比で一緒に配合することができる。
【0507】
有用な配合物は、液体組成物及び固体組成物の両方を含む。液体組成物は、溶液(乳化性濃縮物を含む)、懸濁液、エマルション(マイクロエマルション、水中油型エマルション、流動性濃縮物及び/又はサスポエマルションを含む)を含み、これらは、任意選択的にゲルに濃縮することができる。水性液体組成物の一般的な種類は、可溶性濃縮物、懸濁液濃縮物、カプセル懸濁液、濃縮エマルション、マイクロエマルション、水中油型エマルション、流動性濃縮物及びサスポエマルションを含む。非水性液体組成物の一般的な種類は、乳化性濃縮物、微乳化性濃縮物、分散性濃縮物及び油分散物である。
【0508】
固体組成物の一般的な種類は、ダスト、粉末、顆粒、ペレット、プリル、パスチル、タブレット、充填フィルム(種子コーティングを含む)などであり、これらは、水分散性(「湿潤性」)又は水溶性であり得る。フィルム形成性溶液又は流動性懸濁液から形成されるフィルム及びコーティングは、種子処理に特に有用である。活性成分を(マイクロ)カプセル化し、さらに懸濁液又は固体配合物に形成することができる。代わりに、活性成分の配合物全体をカプセル化(又は「オーバーコート」)することも可能である。カプセル化することで、有効成分の放出を制御したり、遅らせたりすることができる。乳化性顆粒は、乳化性濃縮配合物及び乾燥顆粒配合物の両方の利点を兼ね備えている。高強度組成物は、主にさらなる配合のための中間体として使用される。
【0509】
注目すべきは、式1の化合物(又はN-オキシド若しくはその塩)を含む固体組成物の顆粒が、成分(b)を含む固体組成物の顆粒と混合される組成物の実施形態である。これらの混合物を、追加的な農業用保護剤を含む顆粒とさらに混合することができる。代わりに、2つ以上の農業用保護剤(例えば、成分(a)(式1)化合物、成分(b)化合物、成分(a)又は(b)以外の農業用保護剤)を1組の顆粒の固形組成物中で組み合わせて、次いでこれを、1つ又は複数の追加的な農業用保護剤を含む固形組成物の1つ又は複数の組の顆粒と混合することができる。これらの顆粒混合物は、PCT特許公開、国際公開第94/24861号パンフレットの一般的な顆粒混合物の開示又はより好ましくは米国特許第6,022,552号明細書の均質な顆粒混合物の教示に準拠することが可能である。
【0510】
噴霧可能な配合物は、典型的に、噴霧前に適切な媒体中で伸展される。そのような液体及び固体配合物は、噴霧媒体、通常、水、しかし、ときに芳香族若しくはパラフィン系炭化水素又は植物油などの別の適切な媒体中に容易に希釈されるように配合される。噴霧量は、1ヘクタール当たり約1~数千リットルの範囲であり得るが、より典型的には1ヘクタール当たり約10~数百リットルの範囲である。噴霧可能な配合物は、水或いは空中若しくは地上での適用による葉面処理又は植物の成長媒体への適用のために適切な他の媒体とタンク混合することができる。液体及び乾燥配合物は、点滴灌漑システムに直接注入するか、又は植え付け時に溝内に注入することができる。液体及び固体配合物は、作物及び他の望ましい植生の種子上に、植え付け前に種子処理として適用し、浸透性吸収によって成長中の根及び他の地下植物部分及び/又は葉を保護することができる。
【0511】
配合物は、典型的には、100重量パーセントに加算される以下のおおよその範囲内の有効成分、希釈剤及び界面活性剤を含むであろう。
【表19】
【0512】
固体希釈剤としては、例えば、粘土、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイト、カオリン、石膏、セルロース、二酸化チタン、酸化亜鉛、デンプン、デキストリン、糖類(例えば、乳糖、ショ糖)、シリカ、タルク、マイカ、珪藻土、尿素、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素酸ナトリウム、硫酸ナトリウムが挙げられる。典型的な固体希釈剤が、次の文献に記載されている:Watkins et.al.,Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers,2nd Ed.,Dorland Books,Caldwell,New Jersey。
【0513】
液体希釈剤としては、例えば、水、N,N-ジメチルアルカンアミド(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド)、リモネン、ジメチルスルホキシド、N-アルキルピロリドン(例えば、N-メチルピロリジノン)、アルキルホスフェート(例えば、トリエチルホスフェート)、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、パラフィン(例えば、白色鉱油、ノルマルパラフィン、イソパラフィン)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、グリセリン、グリセリントリアセテート、ソルビトール、芳香族炭化水素、脱芳香族脂肪族、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ケトン、例えば、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、イソホロン及び4-ヒドロキシ-4-メチル-2ペンタノン、アセテート、例えば、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、酢酸ノニル、酢酸トリデシル及び酢酸イソボルニル、アルキル化乳酸エステルなどの他のエステル、二塩基性エステル、アルキル及びアリールベンゾエート及びγ-ブチロラクトン並びに直鎖、分岐、飽和又は不飽和であり得るアルコール、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、n-ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、n-オクタノール、デカノール、イソデシルアルコール、イソオクタデカノール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、オレイルアルコール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコール、クレゾール及びベンジルアルコールが挙げられる。液体希釈剤は、飽和及び不飽和脂肪酸(典型的にはC6~C22)のグリセロールエステル、例えば、植物種子及び果実油(例えば、オリーブ、ヒマシ、亜麻仁、ゴマ、コーン(トウモロコシ)、ピーナッツ、ヒマワリ、グレープシード、サフラワー、綿実、大豆、菜種、ココナッツ及びパームカーネルの油)、動物由来の脂肪(例えば、牛脂、豚脂、ラード、タラ肝油、魚油)及びこれらの混合物も含む。液体希釈剤は、アルキル化脂肪酸(例えば、メチル化、エチル化、ブチル化)も含み、ここで、脂肪酸は、植物及び動物供給源からのグリセロールエステルの加水分解によって得られ得、蒸留によって精製可能である。典型的な液体希釈剤は、Marsden,Solvents Guide,2nd Ed.,Interscience,New York,1950に記載されている。
【0514】
本発明の固体及び液体組成物は、多くの場合、1つ又は複数の界面活性剤を含む。界面活性剤(「表面活性剤」としても知られる)は、液体に添加されると、一般に液体の表面張力を変更し、最も多くの場合、低下させる。界面活性剤分子中の親水基及び親油基の性質により、界面活性剤は湿潤剤、分散剤、乳化剤又は消泡剤として有用となることが可能である。
【0515】
界面活性剤は、非イオン性、アニオン性又はカチオン性に分類される。本組成物のために有用な非イオン性界面活性剤は、限定されないが、アルコールアルコキシレート、例えば、天然及び合成アルコール(分枝状又は直鎖状であり得る)をベースとし、且つアルコール及びエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はその混合物から調製されるアルコールアルコキシレート;アミンエストキシレート、アルカノールアミド及びエトキシル化アルカノールアミド;アルコキシル化トリグリセリド、例えば、エトキシル化大豆油、ひまし油及び菜種油;アルキルフェノールアルコキシレート、例えば、オクチルフェノールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、ジノニルフェノールエトキシレート及びドデシルフェノールエトキシレート(フェノール及びエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はその混合物から調製される);エチレンオキシド又はプロピレンオキシドから調製されるブロックポリマー及び末端ブロックがプロピレンオキシドから調製される逆ブロックポリマー;エトキシル化脂肪酸;エトキシル化脂肪エステル及び油;エトキシル化メチルエステル;エトキシル化トリスチリルフェノール(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はその混合物から調製されるものを含む);脂肪酸エステル、グリセロールエステル、ラノリンベースの誘導体、ポリエトキシレートエステル、例えば、ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル及びポリエトキシル化グリセロール脂肪酸エステル;ソルビタンエステルなどの他のソルビタン誘導体;ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、アルキドペグ(ポリエチレングリコール)樹脂、グラフトポリマー又は櫛状ポリマー及びスターポリマーなどのポリマー系界面活性剤;ポリエチレングリコール(ペグ);ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;シリコンベースの界面活性剤;及び糖誘導体、例えば、スクロースエステル、アルキルポリグリコシド;アルキル多糖類;並びにグルコアミド、例えば、オクチル-N-メチルグルコアミド及びデシル-N-メチルグルコアミドの混合物(例えば、製品は、ClariantからSynergen(登録商標)GAという名称で入手可能である)を含む。
【0516】
有用なアニオン性界面活性剤としては、これらに限定されないが、アルキルアリールスルホン酸及びその塩;カルボキシル化アルコール又はアルキルフェノールエトキシレート;ジフェニルスルホン酸誘導体;リグニン及びリグノスルホネートなどのリグニン誘導体;マレイン酸又はコハク酸又はその無水物;オレフィンスルホネート、アルコールアルコキシレートのリン酸エステル、アルキルフェノールアルコキシレートのリン酸エステル及びスチリルフェノールエトキシレートのリン酸エステルなどのリン酸エステル;タンパク質ベースの界面活性剤;サルコシン誘導体;スチリルフェノールエーテルスルフェート;油及び脂肪酸のスルフェート及びスルホネート;エトキシル化アルキルフェノールのスルフェート及びスルホネート;アルコールのスルフェート;エトキシル化アルコールのスルフェート;N,N-アルキルタウレートなどのアミン及びアミドのスルホネート;ベンゼン、クメン、トルエン、キシレン並びにドデシル及びトリデシルベンゼンのスルホネート;縮合ナフタレンのスルホネート;ナフタレン及びアルキルナフタレンのスルホネート;分留石油のスルホネート;スルホスクシナメート;並びにスルホスクシネート及びその誘導体、例えば、ジアルキルスルホスクシネート塩が挙げられる。
【0517】
有用なカチオン性界面活性剤としては、これらに限定されないが、アミド及びエトキシル化アミド;N-アルキルプロパンジアミン、トリプロピレントリアミン及びジプロピレンテトラミンなどのアミン;並びにエトキシル化アミン、エトキシル化ジアミン及びプロポキシル化アミン(アミン及びエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物から調製される);アミンアセテート及びジアミン塩などのアミン塩;第4級塩、エトキシル化第4級塩及びジ第4級塩などの第4級アンモニウム塩;並びにアルキルジメチルアミンオキシド及びビス-(2-ヒドロキシエチル)-アルキルアミンオキシドなどのアミンオキシドが挙げられる。
【0518】
また本発明の組成物に有用であるものは、非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤の混合物又は非イオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤の混合物である。非イオン性、アニオン性及びカチオン性界面活性剤並びにそれらの推奨される用途は、McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents,annual American and International Editions published by McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.;Sisely and Wood,Encyclopedia of Surface Active Agents,Chemical Publ.Co.,Inc.,New York,1964;及びA.S.Davidson and B.Milwidsky,Synthetic Detergents,Seventh Edition,John Wiley and Sons,New York,1987を含む様々な公開文献に開示されている。
【0519】
本発明の組成物にはさらに、配合助剤(それらのいくつかは、固体希釈剤、液状希釈剤、又は界面活性剤としても機能すると考えられ得る)として当業者には公知の、配合助剤及び添加剤が含まれていてもよい。そのような配合物助剤及び添加剤は、pH(緩衝剤)、加工中の発泡(ポリオルガノシロキサンなどの消泡剤)、活性成分の沈降(懸濁剤)、粘性(チキソトロピック増粘剤)、容器内の微生物増殖(抗菌剤)、製品の凍結(不凍剤)、色(染料/顔料分散体)、洗い落とし(フィルム形成剤又はステッカー)、蒸発(蒸発遅延剤)及び他の配合物特性を制御し得る。フィルム形成剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びワックスが挙げられる。配合物助剤及び添加剤の例としては、McCutcheon’s Volume 2:Functional Materials,annual International and North American editions published by McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.;及びPCT公開、国際公開第03/024222号パンフレットに記載されているものが挙げられる。
【0520】
式1の化合物及び他のいずれの活性成分も、典型的には、活性成分を溶媒に溶解するか、又は液体若しくは乾燥希釈剤中で粉砕することによって本組成物に組み込まれる。乳化可能な濃縮物を含む溶液は、成分を単に混合することによって調製することができる。乳化可能な濃縮液として使用することを意図した液体組成物の溶媒が水と混和しない場合、水で希釈する際に活性含有溶媒を乳化するために、典型的に乳化剤が添加される。2,000μmまでの粒径を有する活性成分スラリーは、メディアミルを用いて湿式粉砕し、3μm未満の平均粒径を有する粒子を得ることができる。水性スラリーは、完成した懸濁液濃縮物(例えば、米国特許第3,060,084号明細書を参照されたい)にすることができるか、又はさらに噴霧乾燥によって処理して水分散性顆粒を形成することができる。乾燥配合物は、通常、2~10μmの範囲の平均粒径を生じる乾燥粉砕工程を必要とする。ダスト及び粉末は、ブレンド及び通常、粉砕(ハンマーミル又は流体エネルギーミルなど)により調製することができる。顆粒及びペレットは、あらかじめ形成された粒状担体に活性物質を噴霧するか、又は凝集技術によって調製することができる。Browning,「Agglomeration」,Chemical Engineering,December 4,1967,pp 147-48,Perry’s Chemical Engineer’s Handbook,4th Ed.,McGraw-Hill,New York,1963,pp 8-57以下及び国際公開第91/13546号パンフレットを参照されたい。ペレットは、米国特許第4,172,714号明細書の記載に従って調製することができる。水分散性及び水溶性顆粒は、米国特許第4,144,050号明細書、米国特許第3,920,442号明細書及び独国特許第3,246,493号明細書に教示されるように調製することができる。タブレットは、米国特許第5,180,587号明細書、米国特許第5,232,701号明細書及び米国特許第5,208,030号明細書に教示される通りに調製することができる。フィルムは、英国特許第2,095,558号明細書及び米国特許第3,299,566号明細書に教示されるように調製することができる。
【0521】
本発明の一実施形態は、本発明の殺真菌性組成物(界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤と配合された式1の化合物又は式1の化合物と少なくとも1つの他の殺真菌剤との配合混合物)を水で希釈すること、任意選択的にアジュバントを添加して希釈組成物を形成すること及び菌類病原体又はその環境を有効量の前記希釈組成物と接触することを含む、菌類病原体を防除する方法に関するものである。
【0522】
十分な濃度の本発明の殺真菌性組成物を水で希釈することによって形成した噴霧組成物は、真菌類病原体の防除に十分な効力を発揮するが、別途配合したアジュバント製品を噴霧タンク混合物に添加することも可能である。これらの追加アジュバントは、一般に「噴霧アジュバント」又は「タンク混合アジュバント」として知られており、農薬の性能を向上させるか、又は噴霧混合物の物理的特性を変化させるために噴霧タンク内で混合されるいずれの物質も含む。アジュバントは、アニオン性又は非イオン性界面活性剤、乳化剤、石油ベースの作物油、作物由来種子油、酸性化剤、緩衝剤、増粘剤又は消泡剤であり得る。アジュバントは、有効性(例えば、生物学的利用可能性、付着性、浸透性、被覆の均一性及び保護の耐久性)の向上又は不適合、発泡、ドリフト、蒸発、揮発及び分解に関連する噴霧の問題を最小限に抑えるか又は排除するために使用される。最適な性能を得るために、アジュバントは、有効成分、配合物及び対象(例えば、作物、害虫)の特性に関して選択される。
【0523】
噴霧混合物へのアジュバントの添加量は、一般に体積比で約0.1%~2.5%の範囲である。噴霧混合物に添加されるアジュバントの適用レートは、一般に1ヘクタール当たり約1~5Lである。噴霧アジュバントの代表的な例としては、Adigor(登録商標)(Syngenta)47%メチル化菜種油液体炭化水素、Silwet(登録商標)(Helena Chemical Company)ポリアルキレンオキシド変性ヘプタメチルトリシロキサン及びAssist(登録商標)(BASF)83%パラフィンベース鉱油中17%界面活性剤ブレンドが挙げられる。
【0524】
種子処理の1つの方法は、種子を播く前に、本発明の化合物を(すなわち配合された組成物として)種子に噴霧又はダスティングすることによる。種子処理用に配合された組成物は、一般にフィルム形成剤又は接着剤を含む。したがって、典型的には、本発明の種子コーティング組成物は、生物学的に有効な量の式1の化合物及びフィルム形成剤又は接着剤を含む。種子は、流動性の懸濁液濃縮物を種子のタンブリングベッドに直接噴霧し、その後、種子を乾燥させることによってコーティングすることができる。代わりに、湿潤粉末、溶液、サスポエマルション、乳化性濃縮物及び水中エマルションなどの他の配合物タイプを種子に噴霧することができる。このプロセスは、種子へのフィルムコーティングの適用に特に有用である。様々なコーティング機及びプロセスが当業者に利用可能である。適切なプロセスは、P.Kosters et al.、Seed Treatment:Progress and Prospects,1994 BCPC Mongraph No.57及びそこに記載されている参考文献に記載されているものを含む。
【0525】
配合の技術に関するさらなる情報については、Pesticide Chemistry and Bioscience中のT.S.Woods,「The Formulator’s Toolbox-Product Forms for Modern Agriculture」,The Food-Environment Challenge,T.Brooks and T.R.Roberts,Eds,Proceedings of the 9th International Congress on Pesticide Chemistry,The Royal Society of Chemistry,Cambridge,1999,pp.120~133を参照されたい。また米国特許第3,235,361号明細書、第6段、第16行~第7段、第19行及び実施例10~41;米国特許第3,309,192号明細書、第5段、第43行~第7段、第62行及び実施例8、12、15、39、41、52、53、58、132、138~140、162~164、166、167及び169~182;米国特許第2,891,855号明細書、第3段、第66行~第5段、第17行及び実施例1~4;Klingman,Weed Control as a Science,John Wiley and Sons,Inc.,New York,1961,pp.81-96;Hance et al.,Weed Control Handbook,8th Ed.,Blackwell Scientific Publications,Oxford,1989;並びにDevelopments in formulation technology,PJB Publications,Richmond,UK,2000も参照されたい。
【0526】
以下の実施例において、全てのパーセンテージは、重量によるものであり、全ての配合物は、従来の方法で調製される。活性成分とは、本明細書に開示された索引表A~Tの化合物を指す。さらなる詳述なしに、先の説明を用いる当業者であれば、本発明を最大限に利用することができると考えられる。したがって、以下の実施例は、単に例示として構成されるものであり、何ら本開示を限定するものではない。
【0527】
実施例A
高強度濃縮物
化合物204 98.5%
シリカエアロゲル 0.5%
合成非晶質微細シリカ 1.0%
【0528】
実施例B
湿潤性粉末
化合物225 65.0%
ドデシルフェノールポリエチレングリコールエーテル 2.0%
リグノスルホン酸ナトリウム 4.0%
ケイアルミン酸ナトリウム 6.0%
モンモリロナイト(焼成) 23.0%
【0529】
実施例C
粒剤
化合物264 10.0%
アタパルジャイト顆粒(低揮発分、0.71/0.30mm;U.S.SNo.25~50のふるい) 90.0%
【0530】
実施例D
押出ペレット
化合物316 25.0%
無水硫酸ナトリウム 10.0%
粗リグニンスルホン酸カルシウム 5.0%
アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム 1.0%
カルシウム/マグネシウムベントナイト 59.0%
【0531】
実施例E
乳化性濃縮物
化合物330 10.0%
ポリオキシエチレンソルビトールヘキソレエート 20.0%
C6~C10脂肪酸メチルエステル 70.0%
【0532】
実施例F
マイクロエマルジョン
化合物376 5.0%
ポリビニルピロリドン-酢酸ビニル共重合体 30.0%
alkylpolyglycoside 30.0%
グリセリルモノオレエート 15.0%
水 20.0%
【0533】
実施例G
種子処理
化合物394 20.00%
ポリビニルピロリドン-酢酸ビニル共重合体 5.00%
モンタン酸ワックス 5.00%
リグノスルホン酸カルシウム 1.00%
ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー 1.00%
ステアリルアルコール(POE 20) 2.00%
ポリオルガノシラン 0.20%
着色剤赤色染料 0.05%
水 65.75%
【0534】
実施例H
肥料スティック
化合物463 2.50%
ピロリドン-スチレンコポリマー 4.80%
トリスチリルフェニル16-エトキシレート 2.30%
タルク 0.80%
コーンスターチ 5.00%
徐放性肥料 36.00%
カオリン 38.00%
水 10.60%
【0535】
実施例I
懸濁濃縮物
化合物505 35%
ブチルポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリルポリマー 1.0%
キサンタンガム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーン系消泡剤 0.1%
1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン
0.1%
水 53.7%
【0536】
実施例J
水中エマルジョン
化合物508 10.0%
ブチルポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリルポリマー 1.0%
キサンタンガム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーン系消泡剤 0.1%
1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン
0.1%
芳香族石油系炭化水素 20.0
水 58.7%
【0537】
実施例K
油分散液
化合物509 25%
ポリオキシエチレンソルビトールヘキサオレエート 15%
有機変性ベントナイト粘土 2.5%
脂肪酸メチルエステル 57.5%
【0538】
実施例L
懸濁エマルジョン
化合物316 10.0%
イミダクロプリド 5.0%
ブチルポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリルポリマー 1.0%
キサンタンガム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーン系消泡剤 0.1%
1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン 0.1%
芳香族石油系炭化水素 20.0%
水 53.7%
【0539】
水溶性及び水分散性の配合物は、典型的には、適用前に水で希釈されて水性組成物を形成する。植物又はその一部に直接施用するための水性組成物(例えば、噴霧タンク組成物)は、典型的には、本発明の化合物を少なくとも約1ppm以上(例えば、1ppm~100ppm)含有する。
【0540】
種子は、通常、種子1kgあたり約0.001g(より典型的には約0.1g)~約10g(すなわち処理前の種子の約0.0001~1重量%)のレートで処理される。種子処理用に配合された流動性懸濁液は、典型的には、約0.5~約70%の活性成分、約0.5~約30%のフィルム形成接着剤、約0.5~約20%の分散剤、0~約5%の増粘剤、0~約5%の顔料及び/又は染料、0~約2%の消泡剤、0~約1%の保存料並びに0~約75%の揮発性液体希釈剤を含む。
【0541】
本発明の組成物は、植物病害防除剤として有用である。したがって、本発明は、保護される植物若しくはその部分又は保護される植物種子に、有効量の本発明の化合物又は前記化合物を含有する殺真菌性組成物を適用することを含む、真菌類植物病原体によって引き起こされる植物の病害を防除するための方法をさらに含む。本発明の化合物及び/又は組成物は、子嚢菌(Ascomycota)、担子菌(Basidiomycota)、接合菌(Zygomycota)門及び真菌類様の卵菌(Oomycota)類の広範囲の真菌類植物病原体によって引き起こされる病害の防除を提供する。これらは、広範な植物病害、特に観賞用、芝生、野菜、畑、穀物及び果実作物の葉面病原体を防除することにおいて有効である。これらの病原体は、表1-1に示すものを含むが、これらに限定されない。子嚢菌及び担子菌について、有性/テレオモルフ/完全段階の両方の名称及び無性/アナモルフ/不完全段階の名称(括弧内)を既知の場合に記載した。病原体の同義名を等号で示した。例えば、有性/テレオモルフ/完全段階の名称、フェオスファエリア・ノドラム(Phaeosphaeria nodorum)の後に、対応する無性/アナモルフ/不完全段階の名称、スタゴノスポラ・ノドラム(Stagnospora nodorum)及び同義の古い名称、セプトリア・ノドラム(Septoria nodorum)が続く。
【0542】
【0543】
【0544】
殺真菌活性に加えて、組成物又は組み合わせは、火傷病菌(Erwinia amylovora)、ザントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)、プソイドモナス・シリンガエ(Pseudomonas syringae)及び他の関連種などの細菌に対する活性も有する。有害な微生物を防除することにより、本発明の組成物は、作物植物若しくはその繁殖体(例えば、種子、球茎、球根、塊茎、挿し木)又は作物植物若しくはその繁殖体の農耕環境と接触する有害微生物に対する有益微生物の比率を改善(すなわち増加)するために有用である。
【0545】
本発明の組成物は、全ての植物、植物の部分及び種子を処理するのに有用である。植物及び種子の品種及び栽培品種は、従来の繁殖及び育種方法又は遺伝子工学的方法によって得ることができる。遺伝子組換え植物又は種子(遺伝子導入植物又は種子)とは、異種遺伝子(導入遺伝子)が植物又は種子のゲノムに安定的に組み込まれたものである。植物ゲノム内の特定の位置によって定義される導入遺伝子を形質転換又は形質転換イベントと呼ぶ。
【0546】
本発明に従って処理することができる遺伝子組換え植物栽培品種は、1つ又は複数の生物的ストレス(線虫、昆虫、ダニ、真菌などの害虫)又は非生物的ストレス(干ばつ、低温、土壌塩分など)に対して耐性があるもの又は他の望ましい特性を含むものを含む。植物は、例えば、除草剤耐性、昆虫耐性、改良されたオイルプロファイル又は干ばつ耐性の特徴を示すように遺伝子組換えすることができる。
【0547】
遺伝子組換え植物及び種子を本発明の化合物で処理することにより、超相加効果又は強化された効果を得ることができる。例えば、適用レートの減少、活性スペクトルの拡大、生物学的/非生物学的ストレスに対する耐性の増加又は貯蔵安定性の向上は、遺伝子組換え植物及び種子への本発明の化合物の適用による単純な相加効果から期待されるよりも大きくなり得る。
【0548】
本発明の化合物及び組成物は、植物病害から種子を保護するための種子処理に有用である。本開示及び請求項に関して、種子を処理することは、典型的に本発明の組成物として配合される生物学的に有効な量の本発明の化合物と種子を接触させることを意味する。この種子処理により、土壌媒介性病害病原体から種子が保護され、一般に、発芽した種子から発生する苗の土壌と接触する根及び他の植物部分も保護することができる。またこの種子処理は、発育中の植物内の本発明の化合物又は第2の活性成分の転流により、葉面の保護も提供することができる。種子処理は、特殊な特徴を発現するように遺伝的に形質転換された植物が発芽する種子を含む、全ての種類の種子に適用することができる。代表的な例としては、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒などの無脊椎有害生物に有毒なタンパク質を発現するもの又はグリホサートに対する耐性を与えるグリホサートアセチルトランスフェラーゼなどの除草剤耐性を発現するものである。また本発明の化合物及び組成物による種子処理は、種子から生育する植物の活力を増大させることができる。
【0549】
本発明の化合物及び組成物は、トウモロコシ又はコーン、大豆、綿、穀類(例えば、小麦、オート麦、大麦、ライ麦及び米)、ジャガイモ、野菜及び菜種を含むが、これらに限定されない作物の種子処理に特に有用である。
【0550】
さらに本発明の化合物及び組成物は、真菌、卵菌及び細菌によって引き起こされる果物及び野菜のポストハーベスト病を処理するのに有用である。これらの感染症は、収穫前、収穫中及び収穫後に発生する可能性がある。例えば、感染は収穫前に起こり、その後、熟成中のある時点まで休眠状態のままであり(例えば、宿主は、感染が進行し得るような様式で組織を変化させ始めるか、又は条件が病気の発生を助長するようになる);また、感染は、機械又は虫害によって生じた表面の傷から生じ得る。この点で、本発明の組成物は、収穫から消費までのいずれかの時期に発生し得るポストハーベスト病による損失(すなわち量及び質に起因する損失)を低減することができる。本発明の化合物によるポストハーベスト病の処理は、生鮮食用植物部分(例えば、果実、種子、葉、茎、球根、塊茎)を収穫後に冷蔵又は非冷蔵で保存し、食用のままであり、及び真菌又は他の微生物による顕著な又は有害な劣化又は汚染がない期間を増加させることが可能である。本発明の化合物による収穫前又は収穫後の食用植物部分の処理は、真菌又は他の微生物の毒性代謝物、例えばアフラトキシンなどのマイコトキシンの生成を減少させることも可能である。
【0551】
植物病害防除は、通常、本発明の化合物の有効量を、感染前又は感染後のいずれかに、根、茎、葉、果実、種子、塊茎若しくは球根などの保護される植物の部分又は保護される植物が生育している培地(土壌若しくは砂)に適用することにより達成される。化合物は、種子及び種子から発生する苗を保護するために種子に適用することもできる。灌漑用水を通して植物を処理するために化合物を適用することもできる。収穫前に農産物に感染するポストハーベスト病原体の防除は、典型的には、本発明の化合物の圃場適用によって達成され、収穫後に感染が起こる場合、化合物をディップ、噴霧、燻蒸剤、処理ラップ及びボックスライナーとして収穫された作物に適用することが可能である。
【0552】
本発明の化合物及び組成物は、本明細書に開示された組成物を植栽領域上に分散させるために、無人航空機(UAV)を使用して適用することも可能である。いくつかの実施形態において、栽培領域は、作物を含む領域である。いくつかの実施形態において、作物は、単子葉植物又は双子葉植物から選択される。いくつかの実施形態において、作物は、イネ、トウモロコシ、大麦、ソバ、小麦、野菜、タバコ、茶樹、果樹及びサトウキビから選択される。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される組成物は、超低容量での噴霧のために配合される。ドローンによって適用される製品は、噴霧担体として水又は油を使用することができる。世界的にドローンによる適用のために使用される典型的な噴霧量(製品を含む)は、5.0リットル/ヘクタール~100リットル/ヘクタール(約0.5~10gpa)である。これは、超低噴霧量(ULV)から低噴霧量(LV)までの範囲を含む。一般的ではないが、1.0リットル/ha(0.1gpa)などのさらに低い噴霧量を使用する状況もあり得る。
【0553】
成分(a)(すなわち式1の化合物、N-オキシド及びその塩から選択される少なくとも1つの化合物)の適切な適用レート(例えば、殺真菌有効量)並びに本発明による成分(a)を含む混合物及び組成物の適切な適用レート(例えば、生物学的有効量、殺真菌有効量又は殺虫有効量)は、防除される植物病害、保護される植物種、防除される病原体の集団構造、周囲の水分及び温度などの要因によって影響を受け、実際の使用条件で決定されるべきである。当業者であれば、所望のレベルの植物病害防除に必要な殺真菌有効量を簡単な実験により容易に決定することができる。葉は、通常、約1g/ha未満~約5,000g/haの有効成分のレートで処理される場合に保護が可能である。種子及び苗は、通常、種子を種子1kg当たり約0.001g(より典型的には約0.1g)~約10gのレートで処理した場合に保護することが可能である。当業者は、所望の範囲の植物保護並びに植物病害及び任意選択的に他の植物有害生物の防除を提供するために必要な本発明による活性成分の特定の組み合わせを含有する成分(a)並びにその混合物及び組成物の適用レートを簡単な実験により容易に決定することができる。
【0554】
本発明の化合物及び組成物は、作物植物の活力を増加させるためにも有用であり得る。本方法は、作物植物(例えば、葉、花、果実若しくは根)又は作物植物が成長する種子を、所望の植物活力効果を達成するために十分な量(すなわち生物学的有効量)の式1の化合物を含む組成物に接触させることを含む。典型的には、式1の化合物は、配合された組成物で適用される。式1の化合物は、多くの場合、作物植物又はその種子に直接適用されるが、作物植物の位置、すなわち作物植物の環境、特に式1の化合物が作物植物に移行するのに十分近接した環境の部分に適用することも可能である。本方法に関連する位置は、最も一般的には、植物が栽培される成長培地(すなわち植物に栄養分を供給する培地)、典型的には土壌を含む。したがって、作物植物の活力を増加させるための作物植物の処理は、作物植物、作物植物が成長する種子又は作物植物の位置を、生物学的に有効な量の式1の化合物と接触させることを含む。
【0555】
作物活力の増加により、以下の観察される効果の1つ又は複数をもたらすことができる:(a)優れた種子発芽、作物出芽及び作物の立ち(crop stand)によって示される最適な作物生育;(b)急速且つ強健な葉の成長(例えば、葉面積指数によって測定)、植物の高さ、分蘖の数(例えば、イネの場合)、根の量及び作物の成長部分の全乾重量によって示される作物の成長の向上;(c)開花までの時間、開花期間、花の数、総バイオマス蓄積(すなわち収量)及び/又は生産物の果実又は穀物等級の市場性(すなわち収量品質)によって示される、作物収量の向上;(d)植物病害の感染及び節足動物、線虫又は軟体動物有害生物の感染に耐性を示すか、又は予防する作物の能力の向上;並びに(e)極端な温度、最適ではない水分又は植物毒性化学物質に暴露されるなどの環境ストレスに耐性を示す作物の能力の向上。
【0556】
本発明の化合物及び組成物は、植物の環境中の真菌類植物病原体によって引き起こされる植物病害を予防及び/又は治癒することにより、未処理植物と比較して処理された植物の活力を増加させることができる。そのような植物病害の防除がない場合、病害は、植物組織若しくは樹液を消費するか、又はウイルスなどの植物病原体を媒介することによって植物の活力を低下させる。また真菌類による植物病原体が存在しない場合でも、本発明の化合物は、植物の代謝を変性することによって植物の活力を増加させることができる。一般に、作物植物の活力は、植物が非理想的環境、すなわち植物が理想的環境で示すであろう完全な遺伝的潜在能力を達成するために不利な1つ又は複数の態様を含む環境で栽培される場合、本発明の化合物で植物を処理することによって最も著しく増加するであろう。
【0557】
注目すべきは、真菌類植物病原体によって引き起こされる植物病害を含む環境で成長する作物植物の活力を増加させる方法である。真菌類植物病原体によって引き起こされる植物病害を含まない環境で成長する作物植物の活力を増加させる方法も注目される。作物植物の成長を支持するために理想的ではない量の水分を含む環境で成長する作物植物の活力を増加させる方法も注目される。
【0558】
本発明の化合物及び組成物は、殺真菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、殺真菌剤、殺ダニ剤、除草剤、除草剤解毒剤、成長調節剤、例えば、昆虫脱皮阻害剤及び発根促進剤、化学止血剤、半化学物質、忌避剤、誘引剤、フェロモン、摂食刺激剤、植物栄養剤、他の生物学的活性化合物又は昆虫病原性細菌、ウイルス若しくは真菌類を含む1つ又は複数の他の生物学的活性化合物若しくは薬剤と混合して、さらに広い農業保護のスペクトルを与える多成分殺虫剤を形成することができる。したがって、本発明は、(殺真菌的有効量の)式1の化合物及び(生物学的に有効な量の)少なくとも1つの追加的な生物学的活性化合物又は薬剤を含む組成物にも関し、界面活性剤、固体希釈剤又は液体希釈剤の少なくとも1つをさらに含むことができる。他の生物学的に活性な化合物又は薬剤を、界面活性剤、固体希釈剤又は液体希釈剤の少なくとも1つを含む組成物中に配合することができる。本発明の混合物に関して、1つ若しくは複数の他の生物学的活性化合物若しくは薬剤を式1の化合物と一緒に配合してプレミックスを形成することができるか、又は1つ若しくは複数の他の生物学的活性化合物若しくは薬剤を式1の化合物とは別に配合して、配合物を適用前に(例えば、噴霧タンク内で)一緒に組み合わせるか若しくは代わりに連続して適用することも可能である。
【0559】
発明の概要で述べたように、本発明の一態様は、式1の化合物、N-オキシド又はその塩(すなわち成分(a))及び少なくとも1つの他の殺真菌剤(すなわち成分(b))を含む殺真菌性組成物(すなわち混合物又は組み合わせ)である。注目すべきは、他の殺真菌活性成分が式1の化合物とは異なる作用部位を有するそのような組み合わせである。特定の例において、同様の防除スペクトルを有するが、作用部位が異なる少なくとも1つの他の殺真菌活性成分との組合せは、耐性管理に特に有利である。したがって、本発明の組成物は、類似の防除スペクトルを有するが、作用部位が異なる少なくとも1つの追加的な殺真菌活性成分の殺真菌有効量をさらに含むことができる。
【0560】
成分(b)殺真菌剤の例としては、アシベンゾラー-S-メチル、アルジモルフ、アメトクラジン、アミスルブロム、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル(ベナラキシル-Mを含む)、ベノダニル、ベノミル、ベンシアバリカルブ(ベンシアバリカルブ-イソプロピル含む)、ベンゾビンジフルピル、ベホキサジン、ビナパクリル、ビフェニル、ビテルタノール、ビキサフェン、ブラストサイジン-S、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリメート、ブチオベート、カプタホール、カプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、クロロネブ、クロロタロニル、クロゾリネート、クロトリマゾール、水酸化銅(例えばKocide)、オキシ塩化銅、硫酸銅、クモキシストロビン、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ジクロフルアニド、ジクロシメト、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフルメトリム、ジメチリモル、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール(ジニコナゾール-Mを含む)、ジノカプ、ジチアノン、ジチオラン、ドデモルフ、ドジン、ジピメチトロン、エコナゾール、エジフェンホス、エノキサストロビン(別名エネストロブリン)、エポキシコナゾール、エタコナゾール、エタボキサム、エチリモル、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモル、フェナミンストロビン、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンプリラザミン、酢酸フェンチン、塩化フェンチン、水酸化フェンチン、フェルバム、フェリムゾン、フロメトキン、フロリルピコキサミド、フルアジナム、フルジオキソニル、フルフェノキシストロビン、フルインダピル、フルモルフ、フルオピコリド、フルオピモミド、フルオピラム、フロウロイミド、フロキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルチアニル、フルトラニル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、ホルペト、フタリド、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、グアザチン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジンアルベシレート、イミノクタジントリアセテート、ヨードカルブ、イプコナゾール、イプフェントリフルコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソコナゾール、イソフェナミド、イソプロチオラン、イソフルシプラム、イソピラザム、イソチアニル、カスガマイシン、クレソキシム-メチル、マンコゼブ、マンデプロパミド、マンデストロビン、マネブ、メパニピリム、メプロニル、メプチルジノカプ、メタラキシル(メタラキシリル-M/メフェノキサムを含む)、メフェントリフルコナゾール、メコナゾール、メタスルホカルブ、メチラム、メトロミノストロビン、メトラフェノン、ミコナゾール、ミクロブタニル、ナフチフィン、ネオ-アソジン、ヌアリモル、オクチリノン、オフラース、オリサストロビン、オキサジキシル、オキサチアピプロリン、オキソリン酸、オクスポコナゾール、オキシカルボキシン、オキシテトラサイクリン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペルフルフェン、ペンチオピラド、リン酸(その塩、例えば、ホセチル-アルミニウムを含む)、ピカルブトラゾクス、ピコキシストロビン、ピペラリン、ポリオキシン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパマカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオカルブ、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピラゾホス、ピリベンカルブ、ピリブチカルブ、ピリフェノクス、ピリメタニル、ピリオフェノン、ピリソキサゾール、ピロキロン、ピロルニトリン、キンコナゾール、キノフメリン(登録番号861647-84-9)キノメチオネート、キノキシフェン、キントゼン、セダキサン、シルチオファム、シメコナゾール、スピロキサミン、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール、テブフロキン、テクロフタラム、テクナゼン、テルビナフィン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート、チオファネート-メチル、チラム、チアジニル、トルクロホス-メチル、トルニファニド、トルプロカルブ、トリフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアリモール、トリチコナゾール、トリアゾキシド、三塩基性硫酸銅、トリシクラゾール、トリクロピリカルブ、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリフォリン、トリモルフアミド、ユニコナゾール、ユニコナゾール-P、バリダマイシン、バリフェナレート(別名バリフェナール)、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、ゾキサミド、N-[2-(1S,2R)-[1,1’-ビシクロプロピル]-2-イルフェニル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、α-(1-クロロシクロプロピル)-α-[2-(2,2-ジクロロシクロプロピル)エチル]-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール、(αS)-[3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-イソキサゾリル]-3-ピリジンエメタノール、rel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール、rel-2-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、rel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-5-(2-プロペン-1-イルチオ)-1H-1,2,4-トリアゾール、N-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド、N-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(エチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド、N’-[4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2,5-ジメチルフェニル]-N-エチル-N-メチルメタニミドアミド、N-[[(シクロプロピルメトキシ)アミノ][6-(ジフルオロメトキシ)-2,3-ジフルオロフェニル]メチレン]ベンゼンアセトアミド、N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-メトキシ-1-メチルエチル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(3’,4’-ジフルオロ[1,1’-ビフェニル]-2-イル)-3-(トリフルオロメチル)-2-ピラジンカルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,1,3-トリメチル-1H-インデン-4-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、5,8-ジフルオロ-N-[2-[3-メトキシ-4-[[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]オキシ]フェニル]エチル]-4-キナゾリンアミン、1-[4-[4-[5R-[(2,6-ジフルオロフェノキシ)メチル]-4,5-ジヒドロ-3-イソキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペルジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン、4-フルオロフェニルN-[1-[[[1-(4-シアノフェニル)エチル]スルホニル]メチル]プロピル]カルバメート、5-フルオロ-2-[(4-フルオロフェニル)-メトキシ]-4-ピリミジンアミン、α-(メトキシイミノ)-N-メチル-2-[[[1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ]イミノ]メチル]-ベンゼンアセトアミド及び[[4-メトキシ-2-[[[(3S,7R,8R,9S)-9-メチル-8-(2-メチル-1-オキソプロポキシ)-2,6-ジオキソ-7-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-3-イル]アミノ]カルボニル]-3-ピリジニル]オキシ]メチル 2メチルプロパノエート、メチルN-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(b54.11a)、メチルN-[[5-[1-(4-シクロプロピル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(b54.11d),エチル1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート及びその(E)-異性体(b54.12a)及びエチル1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(b54.13a)が挙げられる。
【0561】
したがって、注目すべきは、成分(a)として式1の化合物(又はN-オキシド若しくはその塩)と、成分(b)として上記列挙から選択される少なくとも1つの殺真菌剤とを含む殺真菌性組成物である。
【0562】
特に注目すべきは、式1の化合物(又はN-オキシド若しくはその塩)(すなわち組成物中の成分(a))と、アミノピリフェン(登録番号1531626-08-0)、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、カプタン、カルプロパミド、クロロタロニル、水酸化銅(例えばKocide)、オキシ塩化銅、硫酸銅、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ジクロベンチアゾクス(登録番号957144-77-3)、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジメトモルフ、ジピメチトロン、エポキシコナゾール、エタボキサム、フェナリモル、フェンヘキサミド、フェンプロピモルフ、フラジナム、フルジオキソニル、フルインダピル、フルオピラム、フルシラゾール、フルチアニル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、ホルペト、イプフルフェノキン(登録番号1314008-27-9)、イプロジオン、イソフェタミド、イソフルシプラム、イソピラザム、クレソキシム-メチル、マンコゼブ、マンデストロビン、メプチルジノカプ、メタラキシル(メタラキシル-M/メフェノキサムを含む)、メフェントリフルコナゾール、メトコナゾール、メトラフェノン、メチルテトラプロール(登録番号1472649-01-6)、ミクロブタニル、オキサチアピプロリン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、リン酸(その塩、例えば、ホセチル-アルミニウムを含む)、ピコキシストロビン、プロピコナゾール、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピリダクロメチル(登録番号1358061-55-8)、ピラクロストロビン、ピラプロポイン(登録番号1803108-03-3)、ピリメタニル、セダキサンスピロキサミン、硫黄、テブコナゾール、チオファネート-メチル、トリフロキシストロビン、ゾキサミド、α-(1-クロルシクロプロピル)-α-[2-(2,2-ジクロロシクロプロピル)エチル]-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール、N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-メトキシ-1-メチルエチル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,1,3-トリメチル-1H-インデン-4-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、1-[4-[4-[5R-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-3イソアゾリル)-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]-エタノン、1,1-ジメチルエチルN-[6-[[[[(1-メチル-1H-テトラゾル-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-ピリジニル]-カルバメート、5-フルオロ-2-[(4-フルオロフェニル)メトキシ]-4-ピリミジンアミン、(αS)-[3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-イソキサゾリル]-3-ピリジンメタノール、rel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール、rel-2-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、rel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-5-(2-プロペン-1-イルチオ)-1H-1,2,4-トリアゾール、メチルN-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(b54.11a)、メチルN-[[5-[1-(4-シクロプロピル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(b54.11d),エチル1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート及びその(E)-異性体(b54.12a)及びエチル1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(b54.13a)(すなわち組成物中の成分(b)として)から選択される成分(b)化合物との組合せである。
【0563】
一般的に、真菌類植物病原体によって引き起こされる植物病害のより良好な防除(例えば、より低い使用レート若しくはより広い防除植物病原菌の範囲)又は耐性管理のために好ましいものは、式1の化合物、N-オキシド又はその塩と、以下の群:アミスルブロム、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、ボスカリド、カルベンダジム、カルボキシン、クロロタロニル、水酸化銅(例えば、コシド)、シクロキサニル、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、エポキシコナゾール、フェンプロピモルフ、フロリルピコキサミド、フルアジナム、フルジオキソニル、フルフェノキシストロビン、フルインダピル、フルキノコナゾール、フルオピコリド、フルオキサストロビン、フルトリアホール、フルキサピロキサド、イプコナゾール、イプフェントリフルコナゾール、イプロジオン、クレソキシムメチル、マンコゼブ、メタラキシル、メフェノキサム、メフェントリフルコナゾール、メトコナゾール、メトムストロビン、ミクロブタニル、パクロブトラゾール、ペンフルフェン、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピリオフェノン、セダキサン、シルチオファム、テブコナゾール、チアベンダゾール、チオファネートメチル、チラム、トリフロキシストロビン、トリチコナゾール、N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(b54.11a)、N-[[5-[1-(4-シクロプロピル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(b54.11d)、1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチル及びその(E)-異性体(b54.12a)並びに1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチル(b54.13a)から選択される殺真菌化合物との混合物である。
【0564】
本発明の殺真菌性組成物において、成分(a)(すなわち式1の化合物、それらのN-オキシド及び塩から選択される少なくとも1つの化合物)並びに成分(b)は、殺真菌的有効量で存在する。成分(a)と成分(b)(すなわち1つ以上の追加的な殺真菌化合物)との重量比は、一般的に約1:3000~約3000:1、より典型的には約1:500~約500:1である。注目すべきは、成分(a)と成分(b)との重量比が約125:1~約1:125である組成物である。成分(b)の多くの殺真菌性化合物により、これらの組成物は、真菌類植物病原体によって引き起こされる植物病害を防除するために特に有効である。特に注目すべきは、成分(a)と成分(b)との重量比が、約25:1~約1:25又は約5:1~約1:5である組成物である。当業者は、所望の殺真菌保護及び防除の範囲に必要な殺真菌性化合物の重量比及び適用レートを簡単な実験によって容易に決定することができる。成分(b)に追加的な殺真菌性化合物を含むことにより、成分(a)単独で防除される範囲を超えて防除される植物病害の範囲を拡大できることは明らかであろう。さらに、表A1~表A26、表C1~表C26には、本発明の殺真菌性化合物の組み合わせの重量比を例示する。表B1には、成分(b)の特定の殺真菌性化合物が関与する比率の典型的な範囲、より典型的な範囲、最も典型的な範囲を示す。
【0565】
具体的な混合物(化合物番号は、索引表A~Tの化合物を指す)を表A1~表A26に記載する。表A1において、欄の見出し「成分(a)」及び「成分(b)」以下の各行には、成分(a)(すなわち化合物21)と成分(b)殺真菌性化合物との混合物が具体的に開示されている。見出し「例示的な比率」の項目は、開示された混合物についての成分(a)と成分(b)との3つの特定の重量比を開示している。例えば、表A1の1行目は、化合物21とアシベンゾラー-S-メチルとの混合物を開示しており、1:1、1:4又は1:18のアシベンゾラー-S-メチルに対する化合物21の重量比を列挙している。
【0566】
【0567】
【0568】
【0569】
【0570】
【0571】
【0572】
【0573】
【0574】
表A2~表A26は、それぞれ、「成分(a)」欄の見出し以下の項目を、以下に示すそれぞれの成分(a)欄項目に置き換える以外は、上記表A1と同様に構成されている。したがって、例えば、表A2において、「成分(a)」欄の見出し以下の項目は全て「化合物57」を記載しており、表A2の欄の見出し以下の1行目は、化合物57とアシベンゾラー-S-メチルとの混合物を具体的に開示している。表A3~表A26も同様の構成である。
【0575】
【0576】
表B1は、本発明の混合物、組成物及び方法を例示する、成分(b)化合物と成分(a)との具体的な組み合わせを示す。表B1の第1欄には、特定の成分(b)化合物(例えば、第1行の「アシベンゾラー-S-メチル」)が列挙される。表B1の第2、第3及び第4欄は、成分(a)化合物が成分(b)に対して通常圃場栽培作物に適用されるレートの重量比の範囲が列挙される。したがって、例えば、表B1の第1行は、成分(a)の化合物とアシベンゾラー-S-メチルとの組み合わせが、2:1~1:180の、成分(a)と成分(b)との重量比で典型的に適用されることを開示している。表B1の残りの行も同様に構成される。特に注目すべきは、実施形態134で成分(a)として挙げられた化合物のいずれか1つと、表B1の成分(b)の欄に挙げた化合物との混合物を、表B1に開示した重量比に従って含む組成物である。このように表B1は、表A1~表A23に開示された具体的な比率に、これらの組み合わせの比率の範囲を補足している。
【0577】
【0578】
【0579】
【0580】
【0581】
【0582】
【0583】
【0584】
【0585】
既に述べたように、本発明は、成分(a)及び(b)を含む組成物において、成分(b)が(b1)~(b54)から選択される2つの群のそれぞれからの少なくとも1つの殺真菌性化合物を含む実施形態を含む。表C1~C23は、成分(b)が(b1)~(b54)から選択される2つの群のそれぞれからの少なくとも1つの殺真菌性化合物を含む実施形態を説明するための特定の混合物(化合物番号は、索引表A~Tの化合物を指す)を列挙している。表C1において、欄の見出し「成分(a)」及び「成分(b)」以下の各行は、化合物21である成分(a)と、少なくとも2つの成分(b)殺真菌性化合物との混合物を具体的に開示している。見出し「例示的な比率」の項目は、開示された混合物についての各成分(b)殺真菌性化合物に対する成分(a)の3つの特定の重量比を順番に開示している。例えば、1行目は、化合物21とシプロコナゾールとアゾキシストロビンとの混合物を開示し、1:1:1、2:1:1又は3:1:1の化合物21対シプロコナゾール対アゾキシストロビンの重量比を列挙している。
【0586】
【0587】
【0588】
【0589】
【0590】
【0591】
【0592】
表C2~表C26は、それぞれ、「成分(a)」欄の見出し以下の項目を、以下に示すそれぞれの成分(a)欄項目に置き換える以外は、上記表C1と同様に構成されている。したがって、例えば、表C2において、「成分(a)」欄の見出し以下の項目は全て「化合物57」を記載しており、表C2の欄の見出しの下の1行目は、化合物57とシプロコナゾール及びアゾキシストロビンとの混合物並びに化合物57:シプロコナゾール:アゾキシストロビンの1:1:1、2:1:1、3:1:1の例示的な重量比を特に開示するものである。表C3~表C26も同様に構成されている。
【0593】
【0594】
注目すべきは、式1の化合物(又はN-オキシド若しくはその塩)を、式1の化合物とは作用部位が異なる少なくとも1つの他の殺真菌性化合物と一緒に含む本発明の組成物である。特定の例において、同様の防除スペクトルを有するが作用部位が異なる少なくとも1つの他の殺真菌性化合物との組み合わせは、耐性管理に関して特に有利となる。したがって、本発明の組成物は、上記の(b1)~(b54)からなる群から選択される、同様の防除スペクトルを有するが作用部位が異なる少なくとも1つの殺真菌活性化合物を有利に含有することができる。
【0595】
成分(a)の組成物又は成分(a)と成分(b)との組成物は、殺虫剤、殺線虫剤、殺真菌剤、殺ダニ剤、除草剤、除草剤解毒剤、成長調節剤、例えば、昆虫脱皮阻害剤及び発根促進剤、化学止血剤、半化学物質、忌避剤、誘引剤、フェロモン、摂食刺激剤、植物栄養剤、他の生物学的活性化合物又は昆虫病原性細菌、ウイルス若しくは真菌類を含む1つ又は複数の他の生物学的活性化合物又は薬剤とさらに混合して、さらに広い農業保護のスペクトルを与える多成分殺虫剤を形成することができる。したがって、本発明は、殺真菌的有効量の成分(a)又は成分(a)と成分(b)との混合物及び生物学的に有効な量の少なくとも1つの追加的な生物学的活性化合物又は薬剤を含む組成物にも関し、界面活性剤、固体希釈剤又は液体希釈剤の少なくとも1つをさらに含むことができる。他の生物学的に活性な化合物又は薬剤を、界面活性剤、固体希釈剤又は液体希釈剤の少なくとも1つを含む組成物中に別々に配合することもできる。本発明の組成物に関して、1つ若しくは複数の他の生物学的活性化合物若しくは薬剤を成分(a)及び(b)の一方若しくは両方と一緒に配合してプレミックスを形成することができるか、又は1つ若しくは複数の他の生物学的活性化合物若しくは薬剤を成分(a)及び(b)とは別に配合して、配合物を適用前に(例えば、噴霧タンク内で)一緒に組み合わせるか若しくは代わりに連続して適用することも可能である。
【0596】
成分(a)の組成物又は成分(a)と成分(b)との組成物と一緒に配合することができる、そのような生物学的に活性な化合物又は薬剤の例は、殺虫剤、例えば、アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アクリナトリン、アシノナピル、アフィドピロペン([(3S,4R,4aR,6S,6aS,12R,12aS,12bS)-3-[(シクロプロピルカルボニル)オキシ]-1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b-デカヒドロ-6,12-ジヒドロキシ-4,6a,12b-トリメチル-11-オキソ-9-(3-ピリジニル)-2H,11H-ナフト[2,1-b]ピラノ[3,4-e]ピラン-4-イル]シクロプロパンカルボキシレート)、アミドフルメト、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホス-メチル、ベンフラカルブ、ベンスルタプ、ベンズピリモキサン、ビフェントリン、カッパ-ビフェントリン、ビフェナゼート、ビストリフルロン、ボレート、ブロフラニリド、ブプロフェジン、カズサホス、カルバリル、カルボフラン、カルタプ、カルゾール、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルプラレトリン、クロルピリホス、クロルピリホス-e、クロルピリホス-メチル、クロマフェノジド、クロフェンテジン、クロロプラレトリン、クロチアニジン、シアントラニリプロール(3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-N-[4-シアノ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)、シクラニリプロール(3-ブロモ-N-[2-ブロモ-4-クロロ-6-[(1-シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)、シクロプロトリン、シクロオキサプリド((5S,8R)-1-[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル]-2,3,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-9-ニトロ-5,8-エポキシ-1H-イミダゾ[1,2-a]アゼピン)、シエノピラフェン、シフルメトフェン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シアロジアミド、シアロトリン、ガンマ-シアロトリン、ラムダ-シアロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ジアジノン、ジクロロメゾチアズ、ジエルドリン、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメヒポ、ジメトエート、ジプロピリダズ、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エマメクチンベンゾエート、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、イプシロン-メトフルトリン、エトキサゾール、フェンブタチンオキシド、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン(2-エチル-3,7-ジメチル-6-[4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-4-キノリニルメチルカルボネート)、フロニカミド、フルアザインドリジン、フルベンジアミド、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクロン、フルフェノキシストロビン(メチル(αE)-2-[[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼンアセテート)、フルエンスルホン(5-クロロ-2-[(3,4,4-トリフルオロ-3-ブテン-1-イル)スルホニル]チアゾ-ル)、フルヘキサホン、フルオピラム、フルピプロール(1-[2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-[(2-メチル-2-プロペン-1-イル)アミノ]-4-[(トリフルオロメチル)スルフィニル]-1H-ピラゾール-3-カルボニトリル)、フルピラジフロン(4-[[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル](2,2-ジフルオロエチル)アミノ]-2(5H)-フラノン)、フルピリミン、フルバリネート、タウ-フルバリネート、フルキサメタミド、ホノホス、ホルメタネート、ホスチアゼート、ガンマ-シハロトリン、ハロフェノジド、ヘプタフルトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル2,2-ジメチル-3-[(1Z)-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]シクロプロパンカルボキシレート)、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾクス、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、殺虫石鹸、イソフェンホス、イソシクロセラム、カッパ-テフルトリン、ラムダ-シハロトリン、ルフェヌロン、マラチオン、メペルフルトリン([2,3,5.6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル(1R,3S)-3-(2,2-ジクロロエテニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート)、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシクロル、メトフルトリン、メトキシフェノジド、イプシロン-メトフルトリン、イプシロン-モムフルオロトリン、モノクロトホス、モノフルオロトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル3-(2-シアノ-1-プロペン-1-イル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート)、ニコチン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン、オキサミル、オキサゾスルフィル、パラチオン、パラチオン-メチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメト、ホスファミドン、ピリミカルブ、プロフェノホス、プロフルトリン、プロパルギト、プロトリフェンブト、ピフルブミド(1,3,5-トリメチル-N-(2-メチル-1-オキソプロピル)-N-[3-(2-メチルプロピル)-4-[2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)、ピメトロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン(メチル(αE)-2-[[[2-[(2,4-ジクロロフェニル)アミノ]-6-(トリフルオロメチル)-4-ピリミジニル]オキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼンアセテート)、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、シラフルフェン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロピジオン、スピロテトラマト、スルプロホス、スルホキサフロル(N-[メチルオキシド[1-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジニル]エチル]-λ4-スルファニリデン]シアナミド)、テブフェノジド、テブフェンピラド、テフルベンズロン、テフルトリン、カッパ-テフルトリン、テルブホス、テトラクロントラニリプロール、テトラクロルビンホス、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル2,2,3,3-テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート)、テトラニリプロール、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタプ-ナトリウム、チオキサザフェン(3-フェニル-5-(2-チエニル)-1,2,4-オキサジアゾール)、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリアザメート、トリクロルホン、トリフルメゾピリム(2,4-ジオキソ-1-(5-ピリミジニルメチル)-3-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム内塩)、トリフルムロン、チクロピラゾフロール、ゼータ-シペルメトリン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタエンドトキシン、昆虫病原性細菌、昆虫病原性ウイルス又は昆虫病原性真菌である。
【0597】
本開示の化合物と混合するための生物学的薬剤の一実施形態としては、昆虫病原性細菌、例えば、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)及びバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)のカプセル化デルタエンドトキシン、例えば、CellCap(登録商標)プロセスによって調製されたMVP(登録商標)及びMVPII(登録商標)バイオインセチサイド(CellCap(登録商標)、MVP(登録商標)及びMVPII(登録商標)はMycogen Corporation,Indianapolis,Indiana,USAの商標である);昆虫病原性真菌、例えば、グリーンマスカージン(green muscardine)菌;並びに昆虫病原性ウイルス(天然由来及び遺伝子組み換えの両方)、例えば、バクロウイルス、ヌクレオポリヘドロウイルス(NPV)、例えば、アメリカタバコガ(Helicoverpa zea)ヌクレオポリヘドロウイルス(HzNPV)、アナグラファ・ファルシフェラ(Anagrapha falcifera)ヌクレオポリヘドロウイルス(AfNPV);並びに顆粒病ウイルス(GV)、例えば、コドリンガ(Cydia pomonella)顆粒病ウイルス(CpGV)が挙げられる。
【0598】
これらの農業保護剤(すなわち殺虫剤、殺真菌剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、除草剤及び生物薬剤)についての一般的な参考文献としては、The Pesticide Manual,13th Edition,C.D.S.Tomlin,Ed.,British Crop Protection Council,Farnham,Surrey,U.K.,2003及びThe BioPesticide Manual,2nd Edition,L.G.Copping,Ed.,British Crop Protection Council,Farnham,Surrey,U.K.,2001が挙げられる。
【0599】
これらの様々な混合パートナーの1つ又は複数が使用される実施形態に関して、成分(a)又は成分(a)と成分(b)との混合物に対するこれらの様々な混合パートナーの重量比(合計)は、一般に、約1:3000~約3000:1である。注目すべきは、約1:100~約3000:1の重量比又は約1:30~約300:1の重量比(例えば、約1:1~約30:1の比)である。これらの追加的な成分を含むことにより、成分(a)又は成分(a)と成分(b)との混合物によって防除されるスペクトルを超えて、防除される病害のスペクトルを拡大することができることは明らかであろう。
【0600】
成分(a)化合物並びに/或いは成分(b)化合物及び/又は1つ若しくは複数の他の生物学的活性化合物若しくは薬剤とのその組み合わせは、無脊椎有害生物に対して毒性を有するタンパク質(Bacillus thuringiensis delta-endotoxinsなど)を発現するように遺伝子組換えされた植物に適用することが可能である。外因的に適用される本発明の成分(a)単独又は成分(b)との組み合わせによる効果は、発現した毒素タンパク質と相乗的となり得る。
【0601】
注目すべきは、少なくとも1つの無脊椎有害生物防除化合物又は薬剤(例えば、殺虫剤、殺ダニ剤)をさらに含む、本発明の概要に記載の成分(a)又は成分(a)及び(b)を含む組み合わせ又は組成物である。特に注目すべきは、成分(a)と、少なくとも1つ(すなわち1つ又は複数)の無脊椎有害生物防除化合物若しくは薬剤とを含む組成物であって、その後、成分(b)と組み合わせて、成分(a)及び(b)並びに1つ又は複数の無脊椎有害生物防除化合物若しくは薬剤を含む組成物を提供することができる組成物である。代わりに、成分(b)と最初に混合することなく、成分(a)と、少なくとも1つの無脊椎有害生物防除剤とを含む組成物の生物学的有効量を植物又は植物種子に(直接又は植物若しくは植物種子の環境を通して)適用して、植物又は植物種子を真菌類病原体によって引き起こされる病害及び無脊椎有害生物によって引き起こされる損傷から保護することが可能である。
【0602】
無脊椎有害生物防除化合物の1つ又は複数が使用される実施形態に関して、成分(a)化合物に対するこれらの化合物(合計)の重量比は、典型的には、約1:3000~約3000:1である。注目すべきは、約1:300~約300:1の重量比(例えば、約1:30~約30:1の比)である。当業者ならば、所望の生物学的活性スペクトルを得るのに必要な、有効成分の生物学的有効量を、単純な実験で容易に決めることができる。
【0603】
注目すべきは、単独又は成分(b)と組み合わせた成分(a)化合物に加えて、アバメクチン、アセトアミプリド、アクリナトリン、アシノナピル、アフィドピロペン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、ベンフラカルブ、ベンスルタプ、ビフェントリン、ブプロフェジン、ブロフラニリド、カズサホス、カルバリル、カルタプ、クロラントラニリプロール、クロロプラレトリン、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シパペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジエルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、イプシロン-メトフルトリン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フルキサメタミド、フロニカミド、フルベンジアミド、フルエンスルホン、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン、フルフェンスルホン、フルピプロール、フルピリミン、フルピラジフロン、フルバリネート、ホルメタネート、ホスチアゼート、ガンマ-シハロトリン、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、イソシクロセラム、カッパ-テフルトリン、ラムダ-シハロトリン、ルフェヌロン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メチオジカルブ、メトミル、メトプレン、メトキシフェノジド、メソフルトリン、モノフルオロトリン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピフルブミド、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリミノストロビン、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロル、テブフェノジド、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタプ-ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメート、トリフルメゾピリム、トリフルムロン、チクロピラゾフロール、ゼータ-シペルメトリン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタエンドトキシン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の全ての株及びヌクレオポリヘドロシスウイルスの全ての株からなる群から選択される少なくとも1つの無脊椎有害生物防除化合物又は薬剤を含む本発明の組成物である。
【0604】
ある場合において、単独又は成分(b)との混合物での本発明の成分(a)化合物と、他の生物学的に活性な(特に殺真菌性の)化合物若しくは薬剤(すなわち活性成分)との組み合わせにより、相加効果より大きい(すなわち相乗効果)効果を得ることができる。効果的な有害生物防除を確実にしながらも、環境中に放出される活性成分の量を減少させることは常に望ましいことである。殺真菌活性成分の増強効果が、農学的に満足できるレベルの真菌類防除を与える適用レートで生じる場合、そのような組み合わせは、作物生産コストの削減及び環境負荷の低減に関して有利となることが可能である。
【0605】
表D1は、本発明によるこれらの活性成分を含む混合物及び組成物の例示的な成分(a)化合物としての化合物21(化合物番号は索引表A~Tの化合物を指す)との無脊椎有害生物防除剤の具体的な組み合わせ並びにそれらを使用する方法を列挙する。表D1の第2欄には、具体的な無脊椎有害生物防除剤(例えば、第1行目の「アバメクチン」)を列挙する。表D1の第3欄には、無脊椎有害生物防除剤の作用機構(既知の場合)又は化学的分類を列挙している。表D1の第4欄は、無脊椎有害生物防除剤が化合物21単独又は成分(b)との組み合わせに対して典型的に適用されるレートに関する重量比の範囲の実施形態を記載する(例えば、重量比で「50:1~1:50」のアバメクチン対化合物21)。したがって、例えば、表D1の第1行は、化合物21とアバメクチンとの組み合わせが、典型的には50:1~1:50の重量比で適用されることを具体的に開示している。表D1の残りの行も同様に構成される。したがって、例えば、表D1の第1行は、化合物21とアバメクチンとの組み合わせが、典型的には50:1~1:50の重量比で適用されることを具体的に開示している。表D1の残りの行も同様に構成される。
【0606】
【0607】
【0608】
【0609】
【0610】
表D2~表D26は、それぞれ、「成分(a)」欄の見出し以下の項目を、以下に示すそれぞれの成分(a)欄項目に置き換える以外は、上記表D1と同様に構成されている。したがって、例えば、表D2において、「成分(a)」欄の見出し以下の項目は全て「化合物57」を記載しており、表D2の欄の見出し以下の1行目は、化合物57とアバメクチンとの混合物を具体的に開示している。表D3~D26も同様に構成される。
【0611】
【0612】
種子処理のために有用な式1の化合物を含む組成物は、植物病原体真菌若しくは細菌及び/又は線虫などの土壌で生まれた動物の有害作用からの保護を提供する能力を有する細菌及び真菌をさらに含むことができる。殺線虫性を示す細菌は、バチルス・ファーモス(Bacillus firmus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、枯草菌(Bacillius subtiliis)及びパスツリア・ペネトランス(Pasteuria penetrans)を含み得るが、これらに限定されない。適切なバチルス・ファーモス(Bacillus firmus)株は、BioNem(商標)として市販されているCNCM I-1582(GB-126)株である。適切なバチルス・セレウス(Bacillus cereus)株は、NCMM I-1592株である。両バチルス(Bacillus)株は、米国特許第6,406,690号明細書に開示されている。殺線虫活性を示す他の適切な細菌は、B.アミロリクエファシエンス(B.amyloliquefaciens)IN937a及び枯草菌(B.subtilis)株GB03である。殺真菌性を示す細菌は、B.プリラス(B.pumilus)株GB34を含み得るが、これらに限定されるものではない。殺線虫性を示す真菌は、クワ暗斑病菌(Myrothecium verrucaria)、ペシロマイセス・リラシナス(Paecilomyces lilacinus)及びプルプレオシリウム・リラシナム(Purpureocillium lilacinum)を含み得るが、これらに限定されない。
【0613】
種子処理は、火傷病菌(Erwinia amylovora)などの特定の細菌性植物病原体から単離されたハーピンと呼ばれるエリシタータンパク質などの天然起源の1つ又は複数の殺線虫剤も含むことができる。一例として、N-Hibit(商標)Gold CSTとして入手可能なHarpin-N-Tek種子処理技術が挙げられる。
【0614】
種子処理は、微小共生窒素固定細菌、ダイズ根粒菌(Bradyrhizobium japonicum)などのマメ科根粒菌(nodulating bacteria)の1つ又は複数も含み得る。これらの接種剤は、任意選択的に、マメ科植物の根の結節形成の開始時に根粒菌が産生する結節(Nod)因子である1つ又は複数のリポキトオリゴ糖(LCO)を含むことができる。例えば、Optimize(登録商標)ブランドの種子処理技術には、接種剤との組み合わせでLCO Promoter Technology(商標)が組み込まれる。
【0615】
種子処理は、菌根菌によって根定着のレベルを増加させることができる1つ又は複数のイソフラボンを含むこともできる。菌根菌は、水、スルフェート、ニトレート、ホスフェート及び金属などの栄養素の根の取り込みを強化することにより、植物の成長を改善する。イソフラボンの例としては、ゲニステイン、ビオチャニンA、ホルモノネチン、ダイゼイン、グリシテイン、ヘスペレチン、ナリンゲニン及びプラテンセインが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ホルモノネチンは、PHC Colonize(登録商標)AGなどの菌根菌接種剤製品の有効成分として利用可能である。
【0616】
種子処理は、病原体による接触後に植物に全身獲得抵抗性を誘導する1つ又は複数の植物活性化剤を含むこともできる。そのような保護機構を誘導する植物活性化剤の一例は、アシベンゾラー-S-メチルである。
【0617】
本殺真菌性組成物中、成分(a)の式1化合物は、成分(b)の追加的な殺真菌性化合物と相乗的に作用して、防除される植物病害のスペクトルを広げ、予防的及び治療的保護の期間を延長し、耐性真菌類病原体の増殖を抑制するなどの有益な結果を提供することができる。特定の実施形態において、特定の真菌類病害(アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)、コムギうどんこ病菌(Blumeria graminis f.sp.tritici)、灰色かび病菌(Botrytis cinerea)、コムギ赤さび病菌(Puccinia recondita f.sp.tritici)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)、セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)、セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)など)の防除に特に有用な成分(a)及び成分(b)の比率を含む組成物が本発明に従って提供される。
【0618】
また、殺真菌剤の混合物は、個々の成分の活性に基づいて予測されるよりも著しく優れた病害防除を提供することができる。この相乗作用は、「混合物の2つの成分の協力的な作用であって、その合計効果が、独立してとられた2つ(又はそれ以上)の効果の合計よりも大きいか又はより長く続くようなもの」と記載されている(P.M.L.Tames,Neth.J.Plant Pathology 1964,70,73-80を参照されたい)。植物又は種子に適用される活性成分(例えば、殺真菌性化合物)の組み合わせから相乗効果が発揮される植物病害防除を提供する方法において、活性成分は、相乗効果のある重量比及び相乗効果のある(すなわち相乗的に有効な)量で適用される。病害の防除、抑制及び予防の尺度は100%を超えることはできない。したがって、実質的な相乗効果を発現させるには、典型的に、活性成分が別個に100%よりはるかに少ない効果を提供するような活性成分の適用レートを使用する必要があり、相乗作用による効果の増加の可能性を考慮して、それらの相加効果が実質的に100%より少なくなるようにする必要がある。一方、低すぎる活性成分の適用レートは、相乗効果の利点があっても、混合物中であまり活性を示さない場合がある。当業者であれば、相乗効果をもたらす殺真菌性化合物の重量比及び適用レート(すなわち量)を簡単な実験によって容易に特定し、最適化することができる。
【0619】
2つの活性成分間の相乗効果の存在は、コルビー(Colby)方程式を用いて確立された(Colby,S.R.「Calculating Synergistic and Antagonistic Responses of Herbicide Combinations」,Weeds,(1967),15,20~22を参照されたい)。
【数1】
【0620】
コルビーの方法を用いると、2つの活性成分間の相乗的相互作用の存在は、最初に、2つの成分を単独で適用した場合の活性に基づいて、混合物の予測活性pを計算することによって確立される。pが実験的に確立された効果より低い場合、相乗効果が発生したことになる。上記の式において、Aは、レートxにおいて単独で適用される1つの成分の%防除における殺真菌活性である。B項は、レートyで適用される第2の成分の%防除における殺真菌活性である。式は、それらの効果が厳密に相加であり相互作用が起こっていない場合、レートxにおけるA及びレートyにおけるBとの混合物の予想殺真菌活性であるpを推定する。
【0621】
以下の試験は、特定の病原体に対する本発明の化合物の防除効力を実証するものである。しかしながら、本発明の化合物によって与えられる病原体防除は、これらの種に限定されるものではない。化合物の説明については、下記の索引表A~Tを参照されたい。なお、表中、以下の略号を用いる。Meはメチルを意味し、CNはシアノを意味し、NO2はニトロを意味し、Etはエチルを意味し、n-Prはn-プロピルを意味し、i-Prはiso-プロピルを意味し、c-Prはシクロプロピルを意味し、i-Buはiso-ブチルを意味し、t-Buはtert-ブチルを意味し、Phはフェニルを意味し、MeOはメトキシを意味し、EtOはエトキシを意味し、Acはアセチルを意味する。略号「Cmpd.No.」は「化合物番号」を表し、「Ex.」という略号は「実施例」を表し、その後にどの実施例で化合物を調製したかを示す番号が付されている。19F NMRスペクトルは、特に指示がない限り、CDCl3溶液中のトリクロロフルオロメタンに対してppmで報告される。「MS」の欄に報告された数値は、最も高い同位体存在度を有する分子にH+(分子量1)が付加して形成された最も高い同位体存在度の正電荷親イオン(M+1)又はH+(分子量1)の消失により形成された最も高い同位体存在度の負電荷イオン(M-1)の分子量である。より低い存在度の1つ又は複数のより高い原子量同位体(例えば、37Cl、81Br)を含有する分子イオンの存在は報告されない。報告されたMSピークは、エレクトロスプレーイオン化(ESI)又は大気圧化学イオン化(APCI)を用いた質量分析によって観察された。
【0622】
【0623】
【0624】
【0625】
【0626】
【0627】
【0628】
【0629】
【0630】
【0631】
【0632】
【0633】
【0634】
【0635】
【0636】
【0637】
【0638】
【0639】
【0640】
【0641】
【0642】
【0643】
【0644】
【0645】
【0646】
【0647】
【0648】
【0649】
【0650】
【0651】
【0652】
【0653】
【0654】
【0655】
【0656】
【0657】
本発明の生物学的実施例
試験A~Dのための試験懸濁液を調製するための一般的なプロトコル:試験化合物を最初に最終体積の3%に等しい量でアセトン中に溶解し、次に、250ppmの界面活性剤PEG400(多価アルコールエステル)を含有するアセトン及び精製水(体積で50/50混合)中に所望の濃度(ppmで)で懸濁させた。得られた試験用懸濁液を試験A~Dに使用した。
【0658】
試験A
試験懸濁液をダイズ苗に流れ落ちる程度に噴霧した。翌日、苗にファコプソラ・パチルヒジ(Phakopsora pachyrhizi)(アジアダイズさび病(Asian soybean rust)の原因菌)の胞子懸濁液を接種し、22℃の飽和雰囲気中で24時間培養した後、22℃のグロースチャンバーに移して8日間培養し、その後、目視による病害評価を行った。
【0659】
試験B
試験懸濁液をコムギ苗に流れ落ちる程度に噴霧した。翌日、苗にザイモセプトリア・トリチシ(Zymoseptoria tritici)(コムギ葉枯病(wheat leaf blotch)の原因菌)の胞子懸濁液を接種し、24℃の飽和雰囲気中で48時間培養した後、20℃のグロースチャンバーに移して17日間培養し、その後、視覚的に病害評価を行った。
【0660】
試験C
試験懸濁液をコムギ苗に流れ落ちる程度に噴霧した。翌日、苗にプッシニア・レコンジタ f.sp.トリチシ(Puccinia recondita f.sp.tritici)(コムギ葉さび病(wheat leaf rust)の原因菌)の胞子懸濁液を接種し、20℃の飽和雰囲気中で24時間培養した後、20℃のグロースチャンバーに移して6日間培養し、その後、視覚的に病害評価を行った。
【0661】
試験D
試験懸濁液をコムギ苗に流れ落ちる程度に噴霧した。翌日、実生にエリシフェ・グラミニス(Erysiphe graminis)fの胞子懸濁液を接種した。トリチシ(tritici)種(コムギうどんこ病の病原体)を添加し、飽和雰囲気下、20℃で8日間インキュベートした後、目視による病害評価を行った。試験化合物のうち以下から、非常に良好から優れた疾患制御(80%以上)が得られた:85、192、263、282、337、353、455、454、490及び497。
【0662】
式1の化合物について以下の表Aに示される試験A~Cの試験結果は、本発明による成分(b)と組み合わせて成分(a)を含む組成物の植物病害防除有用性に寄与する成分(a)の殺真菌活性を示す。表中、100の評価は100%の疾患制御を示し、0の評価は(対照に対して)疾患制御なしを示す。ダッシュ(-)は、その化合物が試験されなかったことを示す。特に指示がない限り、試験懸濁液を「ppm単位の速度」の欄に列挙されている濃度で噴霧した。等級の隣のアスタリスク「*」は250ppmの試験懸濁液が使用されたことを示し、等級の隣の二重アスタリスク「**」は100ppmの試験懸濁液が使用されたことを示し、等級の隣の三重アスタリスク「***」は50ppmの試験懸濁液が使用されたことを示す。
【0663】
【0664】
【0665】
【0666】
【0667】
【0668】
【0669】
【0670】
【0671】
【0672】
【0673】
【0674】
【0675】
【0676】
【0677】
【0678】
【0679】
上記の試験A~Dの試験結果は、成分(b)と、場合により少なくとも1つの本発明による追加の殺真菌化合物と組み合わせた成分(a)を含む組成物の植物病害防除有用性に寄与する成分(a)(すなわち、式1の化合物)の殺真菌活性を示す。
【0680】
試験Eについて以下に示す試験結果は、本発明の混合物(すなわち、成分(a)と成分(b)との混合物)の殺真菌効力を示す。しかし、混合物によって与えられる病原体制御保護は、これらの試験結果に限定されない。
【0681】
試験Eのための試験組成物を調製するための一般的なプロトコルは、以下の通りであった:化合物316、化合物376、化合物225、化合物229、化合物257、化合物394、化合物506、化合物507、化合物508、化合物509、化合物511、化合物512、メチルN-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(b54.11a)、メチルN-[[5-[1-(4-シクロプロピル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(b54.11d)、エチル1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(b54.12a)、エチル1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(b54.13a)、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、クロロタロニル、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フルインダピル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、インピルフルキサム、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、テブコナゾール及びトリフロキシストロビンは、非配合の工業グレードの材料として得られた。水酸化銅及びマンコゼブは、それぞれ「KOCIDE 3000」及び「MANZATE」の商標で販売されている配合製品として入手した。未配合の材料を最初にアセトンに溶解し、次いで、250ppmの界面活性剤Trem(登録商標)014(多価アルコールエステル)を含有するアセトン及び精製水(体積比50/50混合物)中に所望の濃度(ppm)で懸濁させた。配合させた材料を、所望の濃度となるように十分な量の水中に分散させ、懸濁液には有機溶媒も界面活性剤も添加しなかった。次いで、得られた試験混合物を試験Eで使用した。試験を4つの個々の植物上で行い、結果を4つの植物の平均値として報告した。
【0682】
相乗評価方法
2つの活性成分間の相乗効果の存在は、コルビー(Colby)方程式を用いて確立され得る(Colby,S.R.「Calculating Synergistic and Antagonistic Responses of Herbicide Combinations」,Weeds,(1967),15,20~22を参照されたい)。
【数2】
【0683】
コルビーの方法を用いると、2つの活性成分間の相乗的相互作用の存在は、最初に、2つの成分を単独で適用した場合の活性に基づいて、混合物の予測活性pを計算することによって確立される。pが実験的に確立された効果より低い場合、相乗効果が発生したことになる。上記の式において、Aは、レートxにおいて単独で適用される1つの成分の%防除における殺真菌活性である。B項は、レートyで適用される第2の成分の%防除における殺真菌活性である。式は、それらの効果が厳密に相加であり相互作用が起こっていない場合、レートxにおけるA及びレートyにおけるBとの混合物の予想殺真菌活性であるpを推定する。
【0684】
試験E
試験混合物をダイズ苗に流れ落ちる程度に噴霧した。翌日、苗にファコプソラ・パチルヒジ(Phakopsora pachyrhizi)(アジアダイズさび病(Asian soybean rust)の原因菌)の胞子懸濁液を接種し、22℃の飽和雰囲気中で24時間培養した後、22℃のグロースチャンバーに移して8日間培養し、その後、目視による病害評価を行った。
【0685】
試験Eの結果を以下の表A-1~K-2に示す。各表は、同時に行われた一連の評価に対応する。各表中、100の評価は100%の病害防除を示し、0の評価は病害防除がないことを示す(対照との比較)。「観察」の欄は、4つの個々の植物上での試験から観察された結果の平均値を示す。「予測」の欄は、コルビー方程式を用いた各処理混合物の予測値を示す。
【0686】
【0687】
【0688】
【0689】
【0690】
【0691】
【0692】
【0693】
【0694】
【0695】
【0696】
【0697】
【0698】
【0699】
【0700】
【0701】
【0702】
【0703】
【0704】
【0705】
【0706】
【0707】
【0708】
【0709】
【0710】
【0711】
【0712】
【0713】
【0714】
【0715】
【0716】
【0717】
【0718】
【0719】
【0720】
【0721】
【0722】
【0723】
【0724】
【国際調査報告】