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特表2023-554628電池モジュールおよびそれを含む電池パック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-28
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびそれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20231221BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20231221BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20231221BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20231221BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20231221BHJP
   H01M 10/6567 20140101ALI20231221BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20231221BHJP
   H01M 50/242 20210101ALI20231221BHJP
   H01M 50/262 20210101ALI20231221BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
H01M50/211
H01M10/613
H01M10/647
H01M10/625
H01M10/6567
H01M10/6556
H01M50/242
H01M50/262 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536544
(86)(22)【出願日】2022-07-06
(85)【翻訳文提出日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 KR2022009720
(87)【国際公開番号】W WO2023282604
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0088441
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ソプ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨブ・ソン
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK08
5H040AA14
5H040AA28
5H040AS07
5H040AT04
5H040AY04
5H040AY10
5H040NN03
(57)【要約】
本発明の一実施形態による電池モジュールは、複数の電池セルが積層された電池セル積層体;前記電池セル積層体を収納するモジュールフレーム;前記電池セル積層体の一側と他側をそれぞれカバーする第1エンドプレートと第2エンドプレート;前記モジュールフレームの底部の下に位置するヒートシンク;前記ヒートシンクに冷媒を供給する冷媒注入ポート;および前記ヒートシンクから前記冷媒を排出する冷媒排出ポートを含む。前記第1エンドプレートは、前記第1エンドプレートの一面に形成された第1取付部を含む。前記モジュールフレームは、前記第1エンドプレートを通過するように前記モジュールフレームの前記底部から突出した第1モジュールフレーム突出部および第2モジュールフレーム突出部を含む。前記冷媒注入ポートは前記第1モジュールフレーム突出部上に位置し、前記冷媒排出ポートは前記第2モジュールフレーム突出部上に位置する。前記冷媒注入ポートと前記冷媒排出ポートは前記第1エンドプレートの幅方向に沿って離隔して位置し、前記第1取付部は前記冷媒注入ポートと前記冷媒排出ポートとの間に位置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層された電池セル積層体;
前記電池セル積層体を収納するモジュールフレーム;
前記電池セル積層体の一側と他側をそれぞれカバーする第1エンドプレートと第2エンドプレート;
前記モジュールフレームの底部の下に位置するヒートシンク;
前記ヒートシンクに冷媒を供給する冷媒注入ポート;および
前記ヒートシンクから前記冷媒を排出する冷媒排出ポート;
を含む電池モジュールであって、
前記第1エンドプレートは、前記第1エンドプレートの一面に形成された第1取付部を含み、
前記モジュールフレームは、前記第1エンドプレートを通過するように前記モジュールフレームの前記底部から突出した第1モジュールフレーム突出部および第2モジュールフレーム突出部を含み、
前記冷媒注入ポートは前記第1モジュールフレーム突出部上に位置し、前記冷媒排出ポートは前記第2モジュールフレーム突出部上に位置し、
前記冷媒注入ポートと前記冷媒排出ポートとは前記第1エンドプレートの幅方向に沿って離隔して位置し、前記第1取付部は前記冷媒注入ポートと前記冷媒排出ポートとの間に位置する、電池モジュール。
【請求項2】
前記冷媒注入ポートと前記冷媒排出ポートとは、前記第1エンドプレートの前記幅方向の両端部に対応するように位置する、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記第1取付部に前記電池モジュールの高さ方向に沿って開口された取付孔が形成された、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記第1エンドプレートの中心部と前記冷媒注入ポートとの間に前記第1取付部のうちの一つが位置し、前記第1エンドプレートの中心部と前記冷媒排出ポートとの間に前記第1取付部のうちの他の一つが位置する、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記第1エンドプレートの中心部に第1ガイド部が形成され、
前記第1ガイド部に前記電池モジュールの高さ方向に沿って開口されたガイド孔が形成された、請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記第2エンドプレートの中心部と前記第2エンドプレートの幅方向の一端部との間および前記第2エンドプレートの中心部と前記第2エンドプレートの幅方向の他端部との間のうち少なくとも1ヶ所に第2ガイド部が形成される、請求項5に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記第2エンドプレートの中心部と前記第2エンドプレートの幅方向の一端部との間および前記第2エンドプレートの中心部と前記第2エンドプレートの幅方向の他端部との間それぞれに第2取付部が形成された、請求項5に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記第2取付部のうちのいずれか一つと前記第2エンドプレートの幅方向の前記一端部との間に第2ガイド部が形成される、請求項7に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記モジュールフレームの底部と前記ヒートシンクとが前記冷媒の流路を形成し、
前記モジュールフレームの底部が前記冷媒と接触する、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記ヒートシンクは、前記モジュールフレームの底部と接合される下部プレートおよび前記下部プレートから下側に陥没形成された陥没部を含む、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項11】
請求項1に記載の電池モジュール;および
前記電池モジュールを収納するパックフレーム;
を含む電池パックであって、
前記第1取付部が前記パックフレームに締結される、電池パック。
【請求項12】
前記第1エンドプレートの中心部に第1ガイド部が形成され、
前記第1ガイド部に前記電池モジュールの高さ方向に沿って開口されたガイド孔が形成された、請求項11に記載の電池パック。
【請求項13】
前記パックフレームは、前記電池モジュールが配置されるパック底部および前記パック底部から上向きに突出したガイドピンを含み、
前記電池モジュールが前記パック底部上に配置されるとき、前記ガイドピンが前記ガイド孔を通過する、請求項12に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は2021年7月6日付韓国特許出願第10-2021-0088441号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は電池モジュールおよびそれを含む電池パックに関し、より具体的には冷却一体型の大容量電池モジュールおよびそれを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
現代社会では携帯電話、ノートパソコン、カムコーダ、デジタルカメラなどの携帯型機器の使用が日常化するにつれ、前記のようなモバイル機器と関連する分野の技術に対する開発が活発に進められている。また、充放電が可能な二次電池は化石燃料を使用する既存のガソリン車両などの大気汚染などを解決するための方案として、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)などの動力源として用いられるため、二次電池に対する開発の必要性が高まっている。
【0004】
現在、商用化されている二次電池としてはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあるが、この中でリチウム二次電池はニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらず充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギ密度が高い長所から脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレータを間に置いて配置された電極組立体および電極組立体を電解液と共に密封収納する電池ケースを備える。
【0006】
一般にリチウム二次電池は外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に内蔵されている缶型二次電池と電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型二次電池に分類することができる。
【0007】
小型機器に用いられる二次電池の場合、2~3個の電池セルが配置されるが、自動車などのような中大型デバイスに用いられる二次電池の場合は、多数の電池セルを電気的に連結した電池モジュール(Battery module)が用いられる。このような電池モジュールは多数の電池セルが互いに直列または並列に連結されて電池セル積層体を形成することによって容量および出力が向上する。また、一つ以上の電池モジュールはBDU(Battery Disconnect Unit)、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に取り付けられて電池パックを形成することができる。
【0008】
電池モジュールおよびそれを含む電池パックは多様な機能を満たさなければならない。第一に、多様な環境、振動、衝撃などに対する構造的な耐久性を満たさなければならない。第二に、電池パック内部の電池セルは電気エネルギを作り出して熱を発散するが、これを冷却するための冷却システムが必須である。これらは限定された空間内で複雑な構造をなしており、これは組み立て工程での非効率を引き起こし得る。
【0009】
したがって、冷却構造が単純化され、構造的な耐久性が確保され、内部部品および電池モジュールが単純でかつ集約的に配置されて容量、空間活用性および組立性が増大した電池モジュールとそれを含む電池パックを開発することが必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、単純化された冷却構造とともに振動、衝撃などに対する耐久性が向上した電池モジュールおよびそれを含む電池パックを提供することにある。
【0011】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、上述した課題に限定されず、本発明に含まれた技術的思想の範囲で多様に拡張することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態による電池モジュールは、複数の電池セルが積層された電池セル積層体;前記電池セル積層体を収納するモジュールフレーム;前記電池セル積層体の一側と他側をそれぞれカバーする第1エンドプレートと第2エンドプレート;前記モジュールフレームの底部の下に位置するヒートシンク;前記ヒートシンクに冷媒を供給する冷媒注入ポート;および前記ヒートシンクから前記冷媒を排出する冷媒排出ポートを含む。前記第1エンドプレートは、前記第1エンドプレートの一面に形成された第1取付部を含む。前記モジュールフレームは、前記第1エンドプレートを通過するように前記モジュールフレームの前記底部から突出した第1モジュールフレーム突出部および第2モジュールフレーム突出部を含む。前記冷媒注入ポートは前記第1モジュールフレーム突出部上に位置し、前記冷媒排出ポートは前記第2モジュールフレーム突出部上に位置する。前記冷媒注入ポートと前記冷媒排出ポートは前記第1エンドプレートの幅方向に沿って離隔して位置し、前記第1取付部は前記冷媒注入ポートと前記冷媒排出ポートとの間に位置する。
【0013】
前記冷媒注入ポートと前記冷媒排出ポートは、前記第1エンドプレートの前記幅方向の両端部に対応するように位置し得る。
【0014】
前記第1取付部に高さ方向に沿って開口された取付孔が形成され得る。
【0015】
前記第1エンドプレートの中心部と前記冷媒注入ポートとの間に前記第1取付部のうちの一つが位置し得、前記第1エンドプレートの中心部と前記冷媒排出ポートとの間に前記第1取付部のうちの他の一つが位置し得る。
【0016】
前記第1エンドプレートの中心部に第1ガイド部が形成され得、前記第1ガイド部に高さ方向に沿って開口されたガイド孔が形成され得る。
【0017】
前記第2エンドプレートの中心部と前記第2エンドプレートの幅方向の両端部との間のうち少なくとも1ヶ所に第2ガイド部が形成され得る。
【0018】
前記第2エンドプレートの中心部と前記第2エンドプレートの幅方向の一端部との間および前記第2エンドプレートの中心部と前記第2エンドプレートの幅方向の他端部との間それぞれに第2取付部が形成され得る。
【0019】
前記第2取付部のうちのいずれか一つと前記第2エンドプレートの幅方向の前記一端部との間に第2ガイド部が形成され得る。
【0020】
前記モジュールフレームの底部と前記ヒートシンクが前記冷媒の流路を形成し得、前記モジュールフレームの底部が前記冷媒と接触し得る。
【0021】
前記ヒートシンクは、前記モジュールフレームの底部と接合される下部プレートおよび前記下部プレートから下側に陥没形成された陥没部を含み得る。
【0022】
本発明の一実施形態による電池パックは、前記電池モジュールおよび前記電池モジュールを収納するパックフレームを含み、前記第1取付部が前記パックフレームに締結される。
【0023】
前記第1エンドプレートの中心部に第1ガイド部が形成され得、前記第1ガイド部に高さ方向に沿って開口されたガイド孔が形成され得る。
【0024】
前記パックフレームは、前記電池モジュールが配置されるパック底部および前記パック底部から上向きに突出したガイドピンを含み得、前記電池モジュールが前記パック底部上に配置されるとき、前記ガイドピンが前記ガイド孔を通過し得る。
【発明の効果】
【0025】
本発明の実施形態によれば、含まれた電池セルの個数が増加した冷却一体型の大容量電池モジュールにより容量増大とともに電池パックを構成する内部部品および構造の単純化が可能である。特に冷却構造とその他部品を電池モジュールと共に集約的に配置して容量および空間活用性を高めることができる。また、冷却構造のポートとモジュール固定のための取付部の位置調整により振動、衝撃などに対する耐久性を高めることができる。
【0026】
また、ガイドピン構造により前記大容量電池モジュールをパックフレームに収納することにおいて、製造工程性を向上させることができる。
【0027】
本発明の効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。
図2図1の電池モジュールに対する分解斜視図である。
図3図2の電池モジュールに含まれた電池セルに対する斜視図である。
図4図1の電池モジュールの第1エンドプレート部分を拡大して示す分解斜視図である。
図5図1の電池モジュールに対して、ヒートシンクが見えるように角度を異にして示す斜視図である。
図6図2の電池モジュールに含まれたヒートシンクを示す斜視図である。
図7図6の切断線A-A’に沿って切断した断面を示す断面図である。
図8図1の電池モジュールに対して、第2エンドプレートが見えるように角度を異にして示す斜視図である。
図9】本発明の一実施形態による電池パックを示す分解斜視図である。
図10】本発明の一実施形態による電池モジュール、パック冷媒管アセンブリ、パック冷媒管ハウジングの一部を示す斜視図である。
図11】本発明の一実施形態による冷媒注入ポートと連結ポートを示す部分図である。
図12】本発明の一実施形態による電池パックを示す斜視図である。
図13図12の「B」部分を拡大して示す部分図である。
図14図12の「C」部分を拡大して示す部分図である。
図15】本発明の一実施形態による電池モジュールの配置形態を上から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付する図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限られない。
【0030】
本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同じ参照符号を付ける。
【0031】
また、図面に示す各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜上任意に示したので、本発明は必ずしも示されたところに限られない。図面で複数の層および領域を明確に表現するために厚さを誇張して示した。そして図面では、説明の便宜上、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0032】
また、層、膜、領域、板など部分が他部分「上に」または「の上に」あるという時、これは他部分の「すぐ上に」ある場合だけでなくその中間にまた他部分がある場合も含む。逆にある部分が他部分の「すぐ上に」あるという時には中間に他部分が存在しないことを意味する。また、基準になる部分「上に」または「の上に」あるというのは基準になる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の逆方向に向かって「上に」または「の上に」位置することを意味するものではない。
【0033】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対の意味を示す記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0034】
また、明細書全体で、「平面上」というとき、これは対象部分を上から見たときを意味し、「断面上」というとき、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見たときを意味する。
【0035】
図1は本発明の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。図2図1の電池モジュールに対する分解斜視図である。図3図2の電池モジュールに含まれた電池セルに対する斜視図である。
【0036】
図1ないし図3を参照すると、本発明の一実施形態による電池モジュール100は、複数の電池セル110が積層された電池セル積層体120;電池セル積層体120を収納するモジュールフレーム200;電池セル積層体120の一側と他側をそれぞれカバーする第1エンドプレート410と第2エンドプレート420;モジュールフレーム200の底部210aの下に位置するヒートシンク300;ヒートシンク300に冷媒を供給する冷媒注入ポート500a;およびヒートシンク300から前記冷媒を排出する冷媒排出ポート500bを含む。
【0037】
まず、電池セル110はパウチ型電池セルであり得る。このようなパウチ型電池セルは、樹脂層と金属層を含むラミネートシートのパウチケースに電極組立体を収納した後、前記パウチケースの外周部を融着して形成することができる。このような電池セル110は長方形シート構造で形成することができる。具体的には、本実施形態による電池セル110は、二つの電極リード111,112が互いに対向して電池本体113の一端部114aと他の一端部114bからそれぞれ突出している構造を有する。電池セル110は、電池ケース114に電極組立体(図示せず)を収納した状態で電池ケース114の一端部114aと他の一端部114bとこれらを連結する一側部114cを接着することにより製造することができる。換言すれば、本発明の一実施形態による電池セル110は総3ケ所のシーリング部を有し、シーリング部は融着などの方法によりシーリングされる構造であり、残りの他の一側部は連結部115からなる。
【0038】
ただし、上で説明した電池セル110は例示的構造であり、2個の電極リードが同じ方向に突出した単方向電池セルも可能であるのはもちろんである。
【0039】
このような電池セル110は複数で構成することができ、複数の電池セル110は相互電気的に接続されるように積層されて電池セル積層体120を形成する。特に、図2に示すようにx軸と平行な方向に沿って複数の電池セル110が積層されることができる。電池ケース114は一般に樹脂層/金属箔膜層/樹脂層のラミネート構造からなっている。例えば、電池ケース表面がO(oriented)-ナイロン層からなっている場合は、中大型電池モジュールを形成するために多数の電池セルを積層するとき、外部衝撃により容易に滑る傾向がある。したがって、これを防止し、電池セルの安定した積層構造を維持するために、電池ケースの表面に両面テープなどの粘着式接着剤または接着時の化学反応によって結合される化学接着剤などの接着部材を付着して電池セル積層体120を形成することができる。
【0040】
図3に示す電池セル110が積層される場合、電池セル110のいずれか一つの電極リード111は第1エンドプレート410に向かって突出し、電池セル110の他の一つの電極リード112は第2エンドプレート420に向かって突出し得る。電池セル110の連結部115はモジュールフレーム200の底部210a方向へ向かう。
【0041】
本発明の一実施形態による電池セル積層体120は、電池セル110の個数が従来より多くなる大面積モジュールであり得る。一例として、電池モジュール100当たり32個~48個の電池セル110が含まれ得る。このような大面積モジュールの場合、第1および第2エンドプレート410,420それぞれの幅方向の長さが長くなる。ここで、第1および第2エンドプレート410,420それぞれの幅方向とは、電池セル110が積層される方向、すなわちx軸と平行な方向を指す。
【0042】
電池セル積層体120を収納するモジュールフレーム200は、U字型フレーム210および上部カバー220を含み得る。
【0043】
U字型フレーム210は底部210aおよび底部210aの両端部で上向きに延びた2個の側面部210bを含み得る。底部210aは電池セル積層体120の下面をカバーし得、側面部210bは電池セル積層体120の両側面をカバーし得る。
【0044】
上部カバー220はU字型フレーム210により囲まれる前記下面および前記両側面を除いた残りの上面(z軸方向)を囲む一つの板状構造で形成される。上部カバー220とU字型フレーム210は互いに対応するエッジ部位が接触した状態で、溶接などにより結合されることによって、電池セル積層体120を上下左右でカバーする構造を形成することができる。上部カバー220とU字型フレーム210により電池セル積層体120を物理的に保護することができる。このために上部カバー220とU字型フレーム210は所定の強度を有する金属材質を含むことができる。
【0045】
なお、具体的に示していないが、変形例によるモジュールフレーム200は、上面、下面および両側面が一体化した金属板材形態のモノフレームであり得る。すなわち、U字型フレーム210と上部カバー220が相互結合される構造でなく、押出成形により製造されて上面、下面および両側面が一体化した構造であり得る。
【0046】
第1エンドプレート410と第2エンドプレート420はモジュールフレーム200の開放された両側(y軸方向と-y軸方向)にそれぞれ位置して電池セル積層体120の一側と他側をカバーするように形成されることができる。前記一側と前記他側は互いに反対になる方向であり得る。特に、電池セル積層体120の前記一側と前記他側は、電池セル110の電極リード111,112がそれぞれ突出する方向であり得る。すなわち、第1エンドプレート410と第2エンドプレート420は電極リード111,112が突出する方向の電池セル積層体120の前記一側と前記他側にそれぞれ位置し得る。
【0047】
第1エンドプレート410と第2エンドプレート420がモジュールフレーム200の開放された両側に位置し、モジュールフレーム200と溶接などの方法で接合され得る。このような第1エンドプレート410と第2エンドプレート420は外部の衝撃から電池セル積層体120およびその他電装品を物理的に保護するために所定の強度を有する金属素材を含むことができる。
【0048】
一方、具体的に示していないが、電池セル積層体120と第1エンドプレート410との間および電池セル積層体120と第2エンドプレート420との間のそれぞれにはバスバーフレームおよび絶縁カバーが位置し得る。バスバーフレームにはバスバーが取り付けられ、電池セル110の電極リード111,112が連結され得る。絶縁カバーはこのようなバスバーや電極リード111,112が第1エンドプレート410や第2エンドプレート420と接触することを遮断することができる。
【0049】
以下では、図4ないし図7などを参照して、本実施形態によるヒートシンクと冷却ポートについて詳しく説明する。
【0050】
図4図1の電池モジュールの第1エンドプレート部分を拡大して示す分解斜視図である。図5は、図1の電池モジュールに対して、ヒートシンクが見えるように角度を異にして示す斜視図である。図6図2の電池モジュールに含まれたヒートシンクを示す斜視図である。図7図6の切断線A-A’に沿って切断した断面を示す断面図である。
【0051】
図4ないし図7図2とともに参照すると、本実施形態によるヒートシンク300は、上述したように、モジュールフレーム200の底部210aの下に位置する。モジュールフレーム200の底部210aとヒートシンク300との間で冷媒が流れ得る。すなわち、モジュールフレーム200の底部210aとヒートシンク300が冷媒の流路を形成することができ、モジュールフレーム200の底部210aが冷媒と直接接触することができる。
【0052】
具体的には、本実施形態によるヒートシンク300は、ヒートシンク300の基本枠を形成してモジュールフレーム200の底部210aと接合される下部プレート310および下部プレート310から下側に陥没形成された陥没部340を含み得る。
【0053】
陥没部340は冷媒が流動する経路となる。下部プレート310はモジュールフレーム200の底部210aと溶接の方法により接合し得る。
【0054】
一方、モジュールフレーム200は、モジュールフレーム200の底部210aから第1エンドプレート410を通過するように突出した第1モジュールフレーム突出部211および第2モジュールフレーム突出部212を含む。
【0055】
この時、ヒートシンク300はヒートシンク300の一辺から第1モジュールフレーム突出部211が位置した部分に突出した第1ヒートシンク突出部300P1およびヒートシンク300の一辺から第2モジュールフレーム突出部212が位置した部分に突出した第2ヒートシンク突出部300P2を含み得る。陥没部340は第1ヒートシンク突出部300P1から第2ヒートシンク突出部300P2まで連結されるが、第1ヒートシンク突出部300P1と第2ヒートシンク突出部300P2はそれぞれ冷媒が流入する領域と冷媒が排出される領域であり得る。第1ヒートシンク突出部300P1と第1モジュールフレーム突出部211が溶接により接合され、第2ヒートシンク突出部300P2と第2モジュールフレーム突出部212が溶接により接合され得る。
【0056】
ヒートシンク300の陥没部340は、下部プレート310が下側に陥没形成された部分に該当する。陥没部340は冷媒流路が伸びる方向を基準として垂直にxz平面やyz平面で切断した断面がU字型である管であり得、前記U字型である管の開放された上側に底部210aが位置し得る。図7には上部が開放された形態の陥没部340が示されている。ヒートシンク300の下部プレート310が底部210aと接し、かつ陥没部340と底部210aとの間の空間が冷媒が流動する領域、すなわち冷媒の流路となる。そのため、モジュールフレーム200の底部210aが前記冷媒と直接接触することができる。
【0057】
ヒートシンク300の陥没部340の製造方法に特に制限はないが、板状のヒートシンク300に対して陥没形成された構造を設けることによって、上側が開放されたU字型の陥没部340を形成することができる。
【0058】
一方、本実施形態による電池モジュール100は、冷却ポート500を含むが、冷却ポート500はヒートシンク300に冷媒を供給する冷媒注入ポート500aおよびヒートシンク300から冷媒を排出する冷媒排出ポート500bを含む。具体的には、冷媒注入ポート500aは第1モジュールフレーム突出部211上に位置し、冷媒排出ポート500bは第2モジュールフレーム突出部212上に位置する。
【0059】
冷媒注入ポート500aを介して供給された冷媒は、第1モジュールフレーム突出部211と第1ヒートシンク突出部300P1との間を経て陥没部340と底部210aとの間の空間に初めて流入する。その後、冷媒は陥没部340に沿って循環し、第2モジュールフレーム突出部212と第2ヒートシンク突出部300P2との間を経て冷媒排出ポート500bを介して排出される。このような方式で電池モジュール100に対する冷媒循環構造がからなる。
【0060】
一方、図示していないが、図2のモジュールフレーム200の底部210aと電池セル積層体120との間に熱伝導性樹脂(Thermal resin)を含む熱伝導性樹脂層が位置し得る。前記熱伝導性樹脂層は熱伝導性樹脂(Thermal resin)を底部210aに塗布し、塗布された熱伝導性樹脂が硬化して形成されることができる。
【0061】
前記熱伝導性樹脂は熱伝導性接着物質を含み得、具体的にはシリコーン(Silicone)素材、ウレタン(Urethan)素材およびアクリル(Acrylic)素材の少なくとも一つを含むことができる。前記熱伝導性樹脂は、塗布時には液状であるが、塗布後に硬化して電池セル積層体120を構成する一つ以上の電池セル110を固定する役割をすることができる。また、熱伝導特性に優れて電池セル110で発生した熱を迅速に電池モジュールの下側に伝達することができる。
【0062】
本実施形態による電池モジュール100は、モジュールフレーム200とヒートシンク300の冷却一体型構造を実現し、冷却性能をより向上させることができる。モジュールフレーム200の底部210aがヒートシンク300の上部プレートに対応する役割をすることによって冷却一体型構造を実現することができる。直接冷却により冷却効率が上昇し、ヒートシンク300がモジュールフレーム200の底部210aと一体化した構造により電池モジュール100および電池モジュール100が取り付けられた電池パック1000上の空間活用度を高めることができる。
【0063】
具体的には、電池セル110で発生した熱が電池セル積層体120と底部210aとの間に位置する熱伝導性樹脂層(図示せず)、モジュールフレーム200の底部210a、冷媒を経て電池モジュール100の外部に伝達されることができる。従来の不必要な冷却構造を除去することによって、熱伝達経路が単純化され、各層の間のエアギャップを減らし得るため、冷却効率や性能が増大することができる。特に、底部210aがヒートシンク300の上部プレートで構成され、底部210aが直接冷媒と接触するので、冷媒によるより直接的な冷却が可能な長所がある。
【0064】
また、不必要な冷却構造を除去することにより電池モジュール100の高さが減少して原価節減が可能であり、空間活用度を高めることができる。さらに、電池モジュール100がコンパクトに配置できるので、電池モジュール100を多数含む電池パック1000の容量や出力を増大させることができる。
【0065】
一方、上述したように、モジュールフレーム200の底部210aはヒートシンク300のうち陥没部340が形成されていない下部プレート310部分と溶接により接合されることができる。本実施形態は、モジュールフレーム200の底部210aとヒートシンク300の冷却一体型構造により、上述した冷却性能の向上だけでなく、モジュールフレーム200に収容された電池セル積層体120の荷重を支持して電池モジュール100の剛性を補強する効果を有することができる。のみならず、下部プレート310とモジュールフレーム200の底部210aは溶接結合などにより密封されることによって、冷媒が漏洩することがなく流動することができる。
【0066】
本実施形態による電池モジュール100は、容量増大などのために、従来より多い32個~48個の電池セル110を含む。ただし、電池セル110の個数が多くなり、電池モジュール100の第1および第2エンドプレート410,420の幅方向長さが長くなるので、各電池セル110に対する冷却効率が落ちる。そこで、本実施形態による電池モジュール100は、ヒートシンク300の構造により冷却一体型構造を実現することによって、電池セル110の個数を増やしながらも冷却効率を上げることができる。すなわち、冷却一体型の大容量電池モジュール100を形成することができる。
【0067】
効果的な冷却のために、モジュールフレーム200の底部210aに対応する全領域にわたって陥没部340が形成されることが好ましい。このために、陥没部340は少なくとも一度曲がって一側から他側につながる。特に、モジュールフレーム200の底部210aに対応する全領域にわたって陥没部340が形成されるために陥没部340は数回曲がることが好ましい。モジュールフレーム200の底部210aに対応する全領域にわたって形成された冷媒流路の開始点から終了点まで冷媒が移動することにより、電池セル積層体120の全領域に対する効率的な冷却が行われることができる。
【0068】
一方、前記冷媒は冷却のための媒介物であって、特に制限はないが、冷却水であり得る。
【0069】
一方、本実施形態によるヒートシンク300の陥没部340には突出パターン340Dが形成されることができる。本実施形態による電池セル積層体120とともに積層される電池セルの個数が従来に比べて多く増える大面積電池モジュール100の場合、冷媒流路の幅がさらに広く形成されることができ、温度偏差がより激しい。上述したように、大面積電池モジュールでは、既存の一つの電池モジュール内に概ね12個~24個の電池セルが積層されることに比べて、概ね32個~48個の電池セル110が一つの電池モジュール100内に積層されている場合を含むことができる。このような場合、本実施形態による突出パターン340Dは、冷却流路の幅を実質的に縮小させる効果を生じさせて圧力降下を最小化し、同時に冷媒流路幅間の温度偏差を減らすことができる。したがって、均一な冷却効果を実現することができる。
【0070】
以下では、第1エンドプレートに形成された第1取付部について詳しく説明する。
【0071】
図2図4および図5を再び参照すると、本実施形態による第1エンドプレート410は、第1エンドプレート410の一面に形成された第1取付部410Mを含む。この時、冷媒注入ポート500aと冷媒排出ポート500bは第1エンドプレート410の幅方向に沿って離隔して位置し、第1取付部410Mは冷媒注入ポート500aと冷媒排出ポート500bとの間に位置する。第1エンドプレート410の幅方向は先立って説明したように、電池セル110が積層される方向、すなわち図2でx軸と平行な方向を意味する。
【0072】
第1取付部410Mは、第1エンドプレート410の一面と垂直な方向に突出した形態であり得る。また、第1取付部410Mには高さ方向に沿って開口された第1取付孔410MHが形成される。ここで、高さ方向とは、図2でz軸と平行な方向を意味する。電池モジュール100がパックフレームに取り付けられるとき、ボルトが第1取付部410Mの第1取付孔410MHを通過して前記パックフレームに組み立てられる。このような方式で、電池モジュール100がパックフレームに固定および取り付けられる。詳しい内容は図13および図14とともに後述する。
【0073】
本実施形態による電池モジュール100において、冷媒注入ポート500aと冷媒排出ポート500bを幅方向に沿って離隔するように配置し、その間に電池モジュール100の固定のための第1取付部410Mを配置する。第1取付部410Mを第1エンドプレート410の中央領域の近くに配置して振動や衝撃に対する電池モジュール100の耐久性を高めようとした。同時に冷却ポート500を第1エンドプレート410の両端部に近い領域に配置して空間の効率性を向上させようとした。
【0074】
本発明の比較例として、取付部をエンドプレートの幅方向の両端部にそれぞれ配置し、取付部の間に冷却ポートを配置することができる。この場合、第1エンドプレート410の中央領域での耐久性が弱くなり、振動や衝撃時の電池モジュール100に破損が発生し得る。特に、幅方向に沿って積層される電池セル110の個数が多くなる大面積電池モジュール100の場合、第1および第2エンドプレート410,420の幅方向の長さが増えることであるため、取付部を両端部に配置すると、第1および第2エンドプレート410,420の中央領域が構造的に弱くなり、また、重量によるたるみ現象が発生し得る。そこで、本実施形態による電池モジュール100は、冷媒注入ポート500aと冷媒排出ポート500bを幅方向に沿って離隔するように配置し、その間に第1取付部410Mを配置することによって、電池モジュール100の耐久性を高めて同時に空間活用性を確保しようとした。これは、電池セルの個数が従来に比べて多く増える大面積電池モジュール100でより効果的である。
【0075】
より具体的には、冷媒注入ポート500aと冷媒排出ポート500bは、第1エンドプレート410の前記幅方向の両端部に対応するように位置し得る。また、第1エンドプレート410の中心部と冷媒注入ポート500aとの間に第1取付部410Mのうちのいずれか一つが位置し得、第1エンドプレート410の中心部と冷媒排出ポート500bとの間に第1取付部410Mのうちの他の一つが位置し得る。この時、本明細書で、第1エンドプレート410の中心部は、第1エンドプレート410の前記幅方向を基準としてその中央地点を示す。例示的な構造として、前記幅方向に対して、第1エンドプレート410の1/4に該当する地点に第1取付部410Mのうちのいずれか一つが位置し、第1エンドプレート410の3/4に該当する地点に第1取付部410Mのうちの他の一つが位置し得る。
【0076】
一方、第1取付部410Mが後述するボルトによりパックフレームに固定されるが、冷媒注入ポート500aが位置した第1モジュールフレーム突出部211と冷媒排出ポート500bが位置した第2モジュールフレーム突出部212は第1エンドプレート410を通過するように突出する。この時、第1取付部410Mの第1取付孔410MHを通過するボルトによる高さ方向への締結力が第1モジュールフレーム突出部211と第2モジュールフレーム突出部212を下部方向に加圧し得る。これにより、第1モジュールフレーム突出部211と第1ヒートシンク突出部300P1が互いに強く密着し、第2モジュールフレーム突出部212と第2ヒートシンク突出部300P2が互いに強く密着することができる。前記のような加圧構造により冷媒が流れる領域に対する密封性を高めて冷媒漏洩の可能性を減らすことができる。まとめると、本実施形態による電池モジュールは、取付の固定と冷媒漏洩防止のための加圧シーリングが同時に可能である長所を有する。
【0077】
以下では、図8などを参照して、本発明の一実施形態によるガイド部などについて詳しく説明する。
【0078】
図8は、図1の電池モジュールに対して、第2エンドプレートが見えるように角度を異にして示す斜視図である。
【0079】
図2図4を先に参照すると、第1エンドプレート410の中心部に第1ガイド部410Gが形成されることができ、このような第1ガイド部410Gに高さ方向に沿って開口された第1ガイド孔410GHが形成されることができる。高さ方向とは、第1取付孔410MHと同様に、図2でz軸と平行な方向を意味する。
【0080】
次の図8を参照すると、第2エンドプレート420に第2取付部420Mが形成される。具体的には、第2エンドプレート420の中心部と第2エンドプレート420の幅方向の一端部との間および第2エンドプレート420の中心部と第2エンドプレート420の幅方向の他端部との間それぞれに第2取付部420Mが形成される。すなわち、第1取付部410Mの位置とそれぞれ対応するように第2取付部420Mが第2エンドプレート420の一面に形成されることができる。この時、本明細書で、第2エンドプレート420の中心部は、第2エンドプレート420の幅方向を基準としてその中央地点を示す。
【0081】
また、第1取付部410Mと同様に、第2取付部420Mには高さ方向に沿って開口された第2取付孔420MHが形成される。すなわち、本実施形態による電池モジュール100は、第1エンドプレート410に形成された第1取付部410Mと第2エンドプレート420に形成された第2取付部420Mによって後述するパックフレームに固定されることができる。これは図13および図14で再び詳しく説明する。
【0082】
一方、第2エンドプレート420に第2ガイド部420Gが形成され、このような第2ガイド部420Gに高さ方向に沿って開口された第2ガイド孔420GHが形成される。第1ガイド部410Gと第2ガイド部420Gの機能については図13および14で詳しく説明する。
【0083】
以下では、図9ないし図11を参照して、本発明の一実施形態による電池パックと冷媒循環構造について詳しく説明する。
【0084】
図9は本発明の一実施形態による電池パックを示す分解斜視図である。図10は本発明の一実施形態による電池モジュール、パック冷媒管アセンブリ、パック冷媒管ハウジングの一部を示す斜視図である。図11は本発明の一実施形態による冷媒注入ポートと連結ポートを示す部分図である。
【0085】
図9ないし図11図2とともに参照すると、本発明の一実施形態による電池パック1000は、電池モジュール100および電池モジュール100を収納するパックフレーム1100を含む。電池モジュール100は一つまたは複数でパックフレーム1100に収納され得る。一方、具体的に示していないが、電池パック1000はパックフレーム1100を覆うパックカバーをさらに含み得、電池モジュール100はパックフレーム1100とパックカバーとの間の空間に配置されることができる。
【0086】
一方、本実施形態による電池パック1000は、電池モジュール100の冷却ポート500と連結されるパック冷媒管アセンブリ600およびパック冷媒管アセンブリ600を収納するパック冷媒管ハウジング700を含むことができる。電池モジュール100が複数で構成される場合、互いに対向する第1電池モジュール100aおよび第2電池モジュール100bが配置され得る。パック冷媒管アセンブリ600およびパック冷媒管ハウジング700は第1電池モジュール100aと第2電池モジュール100bとの間に位置し得る。また、互いに対向する第3電池モジュール100cおよび第4電池モジュール100dがさらに配置されることができる。
【0087】
すなわち、本実施形態による電池パック1000は、第1ないし第4電池モジュール100a,100b,100c,100dを含むことができる。第1および第2電池モジュール100a,100bは電池セル110が積層される方向と垂直な方向に沿って配置され、第3および第4電池モジュール100c,100dも、電池セル110が積層される方向と垂直な方向に沿って配置され得る。第1電池モジュール100aと第2電池モジュール100bはそれぞれの第1エンドプレート410どうしが互いに対向するように配置され得る。第3電池モジュール100cと第4電池モジュール100dもそれぞれの第1エンドプレート410どうしが対向するように配置され得る。
【0088】
第1ないし第4電池モジュール100a,100b,100c,100dは格子形状に配列される。パック冷媒管アセンブリ600およびパック冷媒管ハウジング700は、第1電池モジュール100aと第2電池モジュール100bとの間、第3電池モジュール100cと第4電池モジュール100dとの間および第2電池モジュール100bと第4電池モジュール100dとの間に沿って連結され、T字型構造を形成することができる。
【0089】
第1電池モジュール100aと第2電池モジュール100bとの間の空間には、第1および第2電池モジュール100a,100bそれぞれに形成された冷却ポート500がすべて配置され得る。換言すれば、第1電池モジュール100aの第1および第2モジュールフレーム突出部211,212は第2電池モジュール100bが位置する方向に突出し、第2電池モジュール100bの第1および第2モジュールフレーム突出部211,212は第1電池モジュール100aが位置する方向に突出し得る。このような第1および第2モジュールフレーム突出部211,212の上面部に冷却ポート500がそれぞれ位置し得る。
【0090】
この時、第1電池モジュール100aの冷媒注入ポート500aと第2電池モジュール100bの冷媒排出ポート500bが互いに対向して配置され、第1電池モジュール100aの冷媒排出ポート500bと第2電池モジュール100bの冷媒注入ポート500aが互いに対向して配置され得る。これと同様に、第3電池モジュール100cの冷媒注入ポート500aと第4電池モジュール100dの冷媒排出ポート500bが互いに対向して配置され、第3電池モジュール100cの冷媒排出ポート500bと第4電池モジュール100dの冷媒注入ポート500aが互いに対向して配置され得る。
【0091】
パック冷媒管アセンブリ600は、パック冷媒管610およびパック冷媒管610と電池モジュール100の冷却ポート500を連結する連結ポート620を含み得る。一例として、図11に示すように、連結ポート620が冷媒注入ポート500aと連結されることができる。具体的には、冷媒注入ポート500aが連結ポート620の下側に挿入結合し、連結ポート620の下端は第1モジュールフレーム突出部211の上面部と接し得る。すなわち、冷媒注入ポート500aが連結ポート620の内部に挿入される形態で、冷媒注入ポート500aと連結ポート620が結合されることができる。
【0092】
また、冷媒注入ポート500aと連結ポート620との間にシーリング部材630が位置し得る。このようなシーリング部材630は環形状であり得、冷媒注入ポート500aと連結ポート620との間に挟まれ得る。シーリング部材630が冷媒注入ポート500aに挟まれた状態で、冷媒注入ポート500aとともに連結ポート620の内部に挿入され得る。シーリング部材630は、冷媒注入ポート500aと連結ポート620との間の隙間で冷媒が漏洩することを防止することができる。
【0093】
具体的に示していないが、冷媒排出ポート500bも、前記冷媒注入ポート500aのように、シーリング部材630を間に置いて他の連結ポート620と連結されることができる。
【0094】
上記の内容をまとめると、本実施形態による電池パック1000において、いずれか一つのパック冷媒管610と連結ポート620を介して電池モジュール100の冷媒注入ポート500aに冷媒が注入され、注入された冷媒はヒートシンク300の内部を循環する。その後、冷媒は電池モジュール100の冷媒排出ポート500bと他の連結ポート620を介して他のパック冷媒管610に排出される。このような方式により、電池パック1000の冷媒循環構造が形成されることができる。
【0095】
上述したように、パック冷媒管ハウジング700はパック冷媒管アセンブリ600を収容することができる。電池パック1000は電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段に適用されるが、組み立て不良や運行中の事故などの原因により冷却水などの冷媒が漏洩する状況が発生し得る。このように漏洩した冷媒は電池パック1000を構成する多数の部品内部に浸透して火災や爆発の原因となる。本実施形態によれば、パック冷媒管ハウジング700はパック冷媒管アセンブリ600の底面および側面をカバーするように形成されることによって、パック冷媒管アセンブリ600から漏出した冷媒がパック冷媒管ハウジング700の内部に留まるようにして、電池パック1000内の他の部品に漏出した冷媒が浸透する現象を防止することができる。この時、パック冷媒管ハウジング700が漏出した冷媒を最大に多く収容できるように複数の電池モジュール100の間の空間を活用してパック冷媒管ハウジング700の容積を最大に確保することが好ましい。
【0096】
パック冷媒管ハウジング700の開放された上部はハウジングカバー700Cが覆い得る。これによりパック冷媒管アセンブリ600から漏出した冷媒がパック冷媒管ハウジング700の上側開放空間に漏出する現象を防止することができる。
【0097】
パック冷媒管ハウジング700とハウジングカバー700Cとの間には、第1ガスケット700G1が位置し得る。第1ガスケット700G1はパック冷媒管ハウジング700とハウジングカバー700Cとの間を密封する。第1ガスケット700G1はパック冷媒管ハウジング700の上端エッジに沿って形成される。ハウジングカバー700Cはパック冷媒管ハウジング700の上端エッジに沿って形成された第1ガスケット700G1と密着して、パック冷媒管ハウジング700の上側部に冷媒が漏出する現象を遮断することができる。
【0098】
また、本実施形態によるパック冷媒管ハウジング700の底面には開口部710Pが形成される。このような開口部710Pが形成された部分に第2ガスケット700G2が結合され得る。
【0099】
第2ガスケット700G2は第1および第2モジュールフレーム突出部211,212とパック冷媒管ハウジング700との間に位置し、第1および第2モジュールフレーム突出部211,212とパック冷媒管ハウジング700との間を密封し得る。この時、冷媒注入ポート500aや冷媒排出ポート500bは、第2ガスケット700G2および開口部710Pを上側に貫通してパック冷媒管ハウジング700の内部に突出し、先立って説明した方式で連結ポート620と連結され得る。
【0100】
以下では、図12ないし図14などを参照して、取付部による固定方式とガイド部の機能について詳しく説明する。
【0101】
図12は本発明の一実施形態による電池パックを示す斜視図である。図13図12の「B」部分を拡大して示す部分図である。図14図12の「C」部分を拡大して示す部分図である。
【0102】
先に、図4図12および図13を参照すると、上述したように、電池モジュール100の第1エンドプレート410に第1取付部410Mが形成され、第1取付部410Mがパックフレーム1100に締結される。
【0103】
具体的には、パックフレーム1100は、電池モジュール100が配置されるパック底部1110を含み得、ボルト1112が第1取付部410Mの第1取付孔410MHを通過してパック底部1110に設けられた締結部1113に組み立てられる。一例として、ボルト1112は外周面にねじ山が形成された部材であって、締結部1113に形成されたナット孔に組み立てられる。このような方式で、電池モジュール100の第1エンドプレート410がパック底部1110に固定され得る。
【0104】
一方、上述したように、第1エンドプレート410の中心部に第1ガイド部410Gが形成され、第1ガイド部410Gに高さ方向に沿って開口された第1ガイド孔410GHが形成されることができる。また、パックフレーム1100は、パック底部1110から上向きに突出したガイドピン1111を含むことができる。第1取付部410Mによる固定に先立ち、電池モジュール100がパック底部1110上に配置されるとき、ガイドピン1111が第1ガイド部410Gの第1ガイド孔410GHを通過するように電池モジュール100が移動する。これにより体積や重量が増加した電池モジュール100をより正確でかつ安定的にパック底部1110の目標にしたところに位置させることができ、第1取付孔410MHと締結部1113を互いに対応させることにも容易である。すなわち、本実施形態による第1ガイド部410Gは電池モジュール100のパックフレーム1100に対する組立性向上のためのガイド部材として機能する。
【0105】
次に、図8図12および図14を参照すると、上述したように、電池モジュール100の第2エンドプレート420に第2取付部420Mが形成され、第2取付部420Mがパックフレーム1100に締結される。
【0106】
第1取付部410Mと同様に、ボルト1112が第2取付部420Mの第2取付孔420MHを通過してパック底部1110に設けられた締結部1113に組み立てられる。一例として、ボルト1112は外周面にねじ山が形成された部材であって、締結部1113に形成されたナット孔に組み立てられる。このような方式で、電池モジュール100の第2エンドプレート420がパック底部1110に固定され得る。
【0107】
一方、上述したように、第2エンドプレート420に第2ガイド部420Gが形成され、第2ガイド部420Gに高さ方向に沿って開口された第2ガイド孔420GHが形成されることができる。第2取付部420Mによる固定に先立ち、電池モジュール100がパック底部1110上に配置されるとき、ガイドピン1111が第2ガイド部420Gの第2ガイド孔420GHを通過するように電池モジュール100が移動する。これにより体積や重量が増加した電池モジュール100をより正確でかつ安定的にパック底部1110の目標にしたところに位置させることができ、第2取付孔420MHと締結部1113を互いに対応させることも容易である。すなわち、本実施形態による第2ガイド部420Gは、第1ガイド部410Gと同様に、電池モジュール100のパックフレーム1100に対する組立性向上のためのガイド部材として機能する。
【0108】
図15は本発明の一実施形態による電池モジュールの配置形態を上から見た平面図である。
【0109】
図4図8および図15を共に参照すると、第1エンドプレート410の中心部に第1ガイド部410Gが形成される。特に、第1取付部410Mの間に第1ガイド部410Gが位置し得る。
【0110】
一方、第2エンドプレート420の中心部と第2エンドプレート420の幅方向の両端部との間のうち少なくとも1ヶ所に第2ガイド部420Gが形成されることができる。図8および図15には、第2エンドプレート420の中心部と第2エンドプレート420の幅方向の一端部との間一ケ所に第2ガイド部420Gが形成されていることが示されている。より具体的には、第2ガイド部420Gは第2取付部420Mのうちのいずれか一つと第2エンドプレート420の幅方向の一端部との間に位置し得る。
【0111】
第1エンドプレート410の中心部に形成された第1ガイド部410Gとは異なり、第2ガイド部420Gは、第2エンドプレート420の中心部でない、幅方向の一端部に近く位置し得る。図15のように、電池モジュール100を上から見たとき、第1ガイド部410Gと第2ガイド部420Gが互いに非対称的に配置することができる。このように、第1ガイド部410Gと第2ガイド部420Gを非対称的に位置するように形成することによって、電池モジュール100がパックフレーム1100に取り付ける際の誤組み立てを防止することができる。これは第1エンドプレート410と第2エンドプレート420の位置が互いに入れ替わって組み立てられないようにする設計である。本実施形態による第1ガイド部410Gと第2ガイド部420Gは、電池モジュール100のパックフレーム1100に対する組立性向上の機能だけでなく、電池モジュール100の誤組み立て現象を防止する機能をすることもできる。
【0112】
本実施形態で前、後、左、右、上、下のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は説明の便宜のためのものであり、対象になる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得る。
【0113】
前述した本実施形態による一つまたはそれ以上の電池モジュールは、BMS(Battery Management System)、BDU(Battery Disconnect Unit)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に取り付けられて電池パックを形成することができる。
【0114】
前記電池モジュールや電池パックは多様なデバイスに適用することができる。具体的には、電気自転車、電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段やESS(Energy Storage System)に適用されるが、これに制限されず、二次電池を使用できる多様なデバイスに適用することが可能である。
【0115】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0116】
100 電池モジュール(大容量電池モジュール、大面積電池モジュール)
110 電池セル
200 モジュールフレーム
300 ヒートシンク
410 第1エンドプレート
410M 第1取付部
500a 冷媒注入ポート
500b 冷媒排出ポート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図15
【国際調査報告】