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特表2023-554632フェキソフェナジン、ファモチジン、及びメラトニンを含む医薬組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-28
(54)【発明の名称】フェキソフェナジン、ファモチジン、及びメラトニンを含む医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/445 20060101AFI20231221BHJP
   A61K 31/426 20060101ALI20231221BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231221BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20231221BHJP
   A61K 9/24 20060101ALI20231221BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20231221BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20231221BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20231221BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20231221BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20231221BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20231221BHJP
   A61K 31/4045 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
A61K31/445
A61K31/426
A61P43/00 121
A61K47/14
A61K9/24
A61P1/00
A61P1/02
A61P17/00
A61P25/20
A61P29/00
A61P31/14
A61K31/4045
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536908
(86)(22)【出願日】2021-09-02
(85)【翻訳文提出日】2023-08-16
(86)【国際出願番号】 IB2021057998
(87)【国際公開番号】W WO2022130040
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】202041055350
(32)【優先日】2020-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】202141003284
(32)【優先日】2021-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】202141006680
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】202141016620
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523220101
【氏名又は名称】アヴァカ ファーマ プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】カンデュラ,マヘシュ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA40
4C076AA42
4C076BB01
4C076CC04
4C076CC16
4C076CC18
4C076DD47
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC21
4C086BC36
4C086BC82
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA05
4C086ZA66
4C086ZA67
4C086ZA89
4C086ZB11
4C086ZC75
(57)【要約】
本開示は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む医薬組成物を提供する。本開示の組成物は、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、そう痒等の急性又は慢性のアレルギー反応及び/又は皮膚科学的疾患/状態、並びに睡眠障害の治療において有用性を見出すことができる。本開示の態様は、本開示の有利な組成物を使用して、COVID19に関連する炎症、胃腸疾患、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、そう痒等の急性又は慢性のアレルギー反応及び/又は皮膚科学的疾患/状態、並びに睡眠障害を治療する方法にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む医薬組成物。
【請求項2】
フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを1:1:1から100:50:1に及ぶ重量比で含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを4:2:1から50:25:1に及ぶ重量比で含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物は、20mgから500mgに及ぶ量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物は、10mgから100mgに及ぶ量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物は、1mgから80mgに及ぶ量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記薬学的に許容される賦形剤は、希釈剤、抗酸化剤、防腐剤、アルカリ化剤、緩衝剤、崩壊剤、結合剤、消泡剤、溶剤、流動化剤、潤滑剤、香料剤、甘味料、コーティング剤、速度制御ポリマー又は非ポリマー、亜鉛塩、脂肪酸又はその誘導体、アミノ酸又は代謝物又はアミノ酸誘導体、膨張性薬剤、固化防止剤、乳化剤、界面活性剤、可塑剤、及び安定化剤のうちいずれか又はその組み合わせから選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記脂肪酸又はその誘導体は、フマル酸ラウリルジグリセリル、コハク酸ラウリルジグリセリル、及びコハク酸カプリルジグリセリルのうちいずれか又はその組み合わせを含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
粒内部分及び粒外部分を含み、前記粒内部分は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含み、前記粒外部分は薬学的に許容される賦形剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
粒内部分及び粒外部分を含み、前記粒内部分は、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含み、前記粒外部分は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
粒内部分及び粒外部分を含み、前記粒内部分は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含み、前記粒外部分は、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
粒内部分及び粒外部分を含み、前記粒内部分は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含み、前記粒外部分は、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
粒内部分及び粒外部分を含み、これらの部分を共に圧縮して錠剤剤形が得られ、任意的に、シールコートで被覆される、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
粒内部分及び粒外部分を含み、前記粒内部分は、60mgの量のフェキソフェナジン塩酸塩と、40mgの量のファモチジンと、4mgの量のメラトニンと、薬学的に許容される賦形剤とを含み、前記粒外部分は薬学的に許容される賦形剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
粒内部分及び粒外部分を含み、前記粒内部分は、120mgの量のフェキソフェナジン塩酸塩と、40mgの量のファモチジンと、3mgの量のメラトニンと、薬学的に許容される賦形剤とを含み、前記粒外部分は薬学的に許容される賦形剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
治療有効量の請求項1乃至16のいずれか一項に記載の医薬組成物を患者に投与するステップを含む、治療を必要とする患者における口腔及び胃腸障害を治療する方法。
【請求項18】
治療を必要とする患者における皮膚科学的疾患、COVID19に関連する炎症、胃腸疾患、及び睡眠障害のいずれかを治療するための薬物を調製することにおける請求項1乃至17のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、医薬組成物の分野に関する。特に、本開示は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む医薬組成物を提供する。本開示の組成物は、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、そう痒等の急性又は慢性のアレルギー反応及び/又は皮膚科学的疾患/状態、並びに睡眠障害の治療において有用性を見出すことができる。
【背景技術】
【0002】
アレルギー反応又は過敏症は、身体への有害作用の開始を伴う正常な免疫反応の不自然又は不適切な状態として定義される。これらは、対象の免疫系が花粉、粉塵、特定の食品、及び薬物等の一般的な物質に異常に反応したときに発生する抗原抗体反応の一形態である。この結果、免疫細胞からヒスタミンが大量に分泌され、重度のアナフィラキシー症状を引き起こす。アレルギー時の炎症は、肥満細胞、好塩基球、リンパ球、樹状細胞、好酸球、及び時には好中球を含むいくつかの炎症細胞間の複雑な相互作用により発生する。これらの細胞は、脂質、プリン、サイトカイン、ケモカイン、及び活性酸素種を含む複数の炎症性メディエーターを産生する。
【0003】
一般的にじん麻疹とも呼ばれる蕁麻疹は、皮疹の一種であり、薄い赤色のふくらんだかゆみを伴う隆起が顕著である。灼熱感又は針で刺すような感覚が生じることもある。じん麻疹はしばしばアレルギー反応によって引き起こされるが、多くの非アレルギー原因がある。6週間未満続くじん麻疹(急性蕁麻疹)のほとんどの場合、アレルギーによりトリガされた結果である。慢性蕁麻疹(6週間を超えて続くじん麻疹)は、アレルギーによるものであることはまれである。慢性じん麻疹の場合の大部分は原因不明(特発性)である。慢性特発性蕁麻疹を有する患者のうち30~40%もの患者において、自己免疫反応が原因である。
【0004】
アトピー性皮膚炎は、皮膚に影響を及ぼす慢性疾患である。アトピー性皮膚炎では、皮膚に極度のかゆみ及び炎症が生じ、赤み、腫れ、ひび割れ、滲出、痂皮形成、及び鱗屑を引き起こし、これは、数ある湿疹の中で最も一般的である。
【0005】
そう痒又はかゆみは、掻きたいという欲求又は反射を刺激する感覚であり、これは、全身性又は局所性であり得る。そう痒の原因は、完全には理解されていない。そう痒の原因に対する提案された寄与体としては、貧血又はエリスロポエチン欠乏の他の症状、皮膚肥満細胞からのヒスタミン放出、皮膚乾燥、二次性副甲状腺機能亢進症、皮膚におけるリン酸カルシウム沈着の増加を伴う高リン血症、及びオピオイドμ受容体の過剰発現を伴う内因性オピオイド作動系の変化が挙げられ得る。
【0006】
上記の既存の問題を解決するために、研究者等はそのような障害を治療するための製品を見つけるために多大な努力を払ってきた。しかし、既存のアプローチのいずれも、既存のニーズを満たしていないように思われる。投与が容易であり、且つ患者の服薬率を改善するのに寄与する改善された製剤の必要性も感じられる。本開示は、少なくとも部分的に既存のニーズを満たし、従来のアプローチの1つ以上の欠点を克服する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の目的の1つは、従来の組成物に関連する制限を克服することができる医薬組成物を提供することである。
【0008】
本開示の別の目的は、優れた貯蔵安定性及び機能的相互性を示す組成物を提供することである。
【0009】
本開示のさらなる目的は、調製が容易で経済的な組成物を提供することである。
【0010】
本開示のさらに別の目的は、即時放出として送達するか、又は製剤中の異なる活性剤の送達速度を変更若しくは制御する医薬組成物を提供することである。
【0011】
本開示のさらに別の目的は、疾患の治療のために、活性剤を同時に、同時発生的に、又は付随して対象に送達することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示は、一般的に、医薬組成物の分野に関する。特に、本開示は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む医薬組成物を提供する。
【0013】
一実施形態において、当該組成物は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを1:1:1から100:50:1に及ぶ重量比で含む。一実施形態において、当該組成物は、固定用量の組み合わせである。
【0014】
一実施形態において、当該組成物は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを4:2:1から50:25:1に及ぶ重量比で含む。
【0015】
一実施形態では、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物は、20mgから500mgに及ぶ量で存在する。一実施形態では、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物は、10mgから100mgに及ぶ量で存在する。一実施形態では、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物は、1mgから80mgに及ぶ量で存在する。
【0016】
一実施形態において、当該組成物は:20mgから500mgに及ぶ量のフェキソフェナジン、又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、10mgから100mgに及ぶ量のファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、1mgから80mgに及ぶ量のメラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む。一実施形態において、フェキソフェナジンは、フェキソフェナジン塩酸塩として存在する。
【0017】
当該組成物は、薬学的に許容される賦形剤も含む。薬学的に許容される賦形剤は:希釈剤、抗酸化剤、防腐剤、アルカリ化剤、緩衝剤、崩壊剤、結合剤、消泡剤、溶剤、流動化剤、潤滑剤、香料剤、コーティング剤、速度制御ポリマー又は非ポリマー、亜鉛塩、脂肪酸又はその誘導体、アミノ酸又は代謝物又はアミノ酸誘導体、膨張性薬剤、固化防止剤、乳化剤、界面活性剤、可塑剤、及び安定化剤のうちいずれか又はその組み合わせから選択される。
【0018】
さらに別の実施形態では:フェキソフェナジン、又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む固定用量の医薬組成物が開示される。一実施形態において、当該組成物は、粒内部分及び粒外部分を含み、粒内部分は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含み、粒外部分は薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0019】
さらに別の実施形態では:フェキソフェナジン、又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含み、当該組成物は、粒内部分及び粒外部分を含み、粒内部分は、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含み、粒外部分は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む固定用量の医薬組成物が開示される。
【0020】
さらに別の実施形態では:フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含み、当該組成物は、粒内部分及び粒外部分を含み、粒内部分は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含み、粒外部分は、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む固定用量の医薬組成物が開示される。
【0021】
さらに別の実施形態では:フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む固定用量の医薬組成物が開示されており、当該組成物は、粒内部分及び粒外部分を含み、粒内部分は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含み、粒外部分は、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む。
【0022】
さらに別の実施形態において、当該組成物は、粒内部分及び粒外部分を含み、粒内部分は、60mgの量のフェキソフェナジンHClと、40mgの量のファモチジンと、4mgの量のメラトニンと、薬学的に許容される賦形剤とを含み、粒外部分は薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0023】
さらに別の実施形態において、当該組成物は、粒内部分及び粒外部分を含み、粒内部分は、60mgの量のフェキソフェナジンと、40mgの量のファモチジンと、4mgの量のメラトニンと、薬学的に許容される賦形剤とを含み、粒外部分は薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0024】
さらに別の実施形態において、当該組成物は、粒内部分及び粒外部分を含み、粒内部分は、120mgの量のフェキソフェナジンHClと、40mgの量のファモチジンと、3mgの量のメラトニンと、薬学的に許容される賦形剤とを含み、粒外部分は薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0025】
さらに別の実施形態において、当該組成物は、粒内部分及び粒外部分を含み、粒内部分は、120mgの量のフェキソフェナジンと、40mgの量のファモチジンと、3mgの量のメラトニンと、薬学的に許容される賦形剤とを含み、粒外部分は薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0026】
一実施形態において、上記の部分を共に圧縮して錠剤剤形が得られ、任意的に、シールコートで被覆される。一実施形態において、シールコートは水性シールコートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示は、一般的に、医薬組成物の分野に関する。
【0028】
本明細書において使用される場合、以下の用語及び語句は、以下に記載の意味を有するものとする。別段の定めがない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者が一般的に理解しているのと同じ意味を有する。本明細書において使用される用語は、単に特定の実施形態を説明する目的のためのものであり、限定的であることを意図していないということも理解される。
【0029】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、「a」、「an」、及び「the」を伴う単数形は、別段の定めがない限り、複数形を含むことに留意しなければならない。従って、例えば、「活性剤」又は「有効成分」は、単一の活性剤だけでなく、2つ以上の異なる活性剤の組み合わせも意味し、「剤形」は、単一の剤形だけでなく、剤形の組み合わせも意味する。
【0030】
「活性剤」又は「治療剤」という用語は、特定の分子実体だけでなく、その薬学的に許容される薬理学的に活性な類似体(塩、エステル、アミド、プロドラッグ、抱合体、活性代謝物、及び他のそのような誘導体、類似体、及び関連化合物を含むがこれらに限定されない)も包含する。
【0031】
本明細書において使用される場合「併用療法」、「併用治療」、又は「組み合わせて」という用語は、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、そう痒等の急性又は慢性のアレルギー反応及び/又は皮膚科学的な疾患/状態、並びに睡眠障害を治療するための活性剤の併発した投与、同時発生の投与、付随した投与、又は同時投与の任意の形態を意味する。
【0032】
本明細書において使用される場合「治療する」及び「治療」という用語は、症状の重症度及び/又は頻度の低下、症状及び/又は根本原因の除去、並びに、それによって引き起こされる損傷の改善又は治療を意味する。従って、本明細書において記載される対象/患者を「治療する」には、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、そう痒、サイトカイン放出等のCOVID-19関連の炎症性合併症、並びに、GERD、胃炎、重度のGERD等の胃腸疾患等の急性又は慢性のアレルギー反応及び/又は皮膚科学的な疾患/状態、胃腸障害、並びに睡眠障害を治療することが包含される。
【0033】
「剤形」という用語は、所望の治療反応を誘発するのに十分な量の活性剤を有する医薬組成物の任意の形態を意味する。
【0034】
「制御放出」という用語は、薬物の放出が即時でない薬物含有製剤又はその分画を指す。本明細書において使用される場合「制御放出」という用語は、持続放出、非即時放出、及び遅延放出の製剤を含む。
【0035】
「即時放出」という用語は、その従来の意味で、そこに含有される1つ又は複数の薬物の即時放出を提供する薬物製剤を指すために本明細書において使用される。
【0036】
「持続放出」(「徐放放出」と同義)という用語は、その従来の意味で、長期間にわたって薬物を徐々に放出する薬物製剤を指すために使用される。
【0037】
「薬学的に許容される」という用語は、いかなる望ましくない生物学的効果も引き起こすことなく、又はそれが含まれる組成物の他の成分のいずれとも有害な様式で相互作用することなく、患者に投与することができる医薬組成物に組み込まれた材料を意味する。「薬学的に許容される」という用語が薬学的キャリア又は賦形剤を指すために使用される場合、そのキャリア又は賦形剤が毒物学的及び製造試験の必要な基準を満たしていること、又は米国食品医薬品局によって作成された不活性成分ガイドに含まれていることを意味する。
【0038】
薬理活性誘導体又は類似体における「薬理活性」(又は単に「活性」)とは、親化合物と同じタイプの薬理活性を有し且つ程度がほぼ同等である誘導体又は類似体を指す。
【0039】
本開示は:フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、当該組成物は、固定用量の組み合わせである。本開示の組成物は、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、そう痒等の急性又は慢性のアレルギー反応及び/又は皮膚科学的な疾患/状態、並びに睡眠障害の治療において有用性を見出すことができる。
【0040】
一実施形態において、当該組成物は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを1:1:1から100:50:1に及ぶ重量比で含む。
【0041】
一実施形態において、当該組成物は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを1:1:1から50:25:1に及ぶ重量比で含む。
【0042】
一実施形態において、当該組成物は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを4:2:1から50:25:1に及ぶ重量比で含む。
【0043】
一実施形態において、当該組成物は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを10:7:1から50:15:1に及ぶ重量比で含む。
【0044】
一実施形態において、当該組成物は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを15:10:1の重量比で含む。
【0045】
一実施形態において、当該組成物は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを120:40:3の重量比で含む。
【0046】
一実施形態において、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物は、20mgから500mgに及ぶ量で当該組成物中に存在する。一実施形態において、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物は、10mから100mgに及ぶ量で存在する。一実施形態において、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物は、1mgから80mgに及ぶ量で存在する。
【0047】
一実施形態において、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物は、20mgから500mgの量で当該組成物中に存在する。或いは、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物は、20mgから200mgの量で存在する。或いは、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物は、30mgから150mgの量で存在する。一実施形態では、当該組成物中のフェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物の量は60mgである。一実施形態では、当該組成物中のフェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物の量は120mgである。一実施形態において、フェキソフェナジンは、フェキソフェナジン塩酸塩として存在する。
【0048】
一実施形態では、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物は、10mgから100mgの量で当該組成物中に存在する。或いは、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物は、20mgから80mgの量で存在する。さらに、或いは、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物は、30mgから50mgの量で存在する。一実施形態では、当該組成物中のファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物の量は40mgである。
【0049】
当該組成物は、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物を1mgから80mgに及ぶ量で含む。或いは、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物は、2mgから50mgの量で存在する。或いは、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物は、2mgから40mgの量で存在する。さらに、或いは、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物は、2mgから10mgの量で存在する。一実施形態では、当該組成物中のメラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物の量は3mgである。一実施形態では、当該組成物中のメラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物の量は4mgである。
【0050】
一実施形態では、対象に、3つの活性剤であるフェキソフェナジン、ファモチジン、及びメラトニンのうちいずれかが個々の製剤/組成物として同時に与えられるか、又は2つの活性剤が組み合わせて与えられ、1つの活性剤が、組み合わされた2つの活性剤と共に同時に与えられる。
【0051】
別の実施形態では、フェキソフェナジン、ファモチジン、及びメラトニンが個々の製剤/組成物として同時に与えられる。或いは、ファモチジン及びフェキソフェナジンが製剤として組み合わせて与えられ、メラトニンが別個の製剤として同時に与えられる。さらに、或いは、フェキソフェナジン及びメラトニンが製剤として組み合わせて与えられ、ファモチジンが別個の製剤として同時に与えられる。さらに、或いは、ファモチジン及びメラトニンが製剤として組み合わせて与えられ、フェキソフェナジンが別個の製剤として同時に与えられる。
【0052】
別の実施形態では、活性剤であるフェキソフェナジン、ファモチジン、及びメラトニンは、滴定された強度又は二成分混合の組成物の個々の製剤/組成物として製剤化されるか、又はいずれかの2つの活性剤及び1つの活性剤の固定用量の組み合わせが、対象における疾患の治療のために同時に与えられる。
【0053】
一実施形態では、対象に、3つの活性剤であるファモチジン、メラトニン、及びフェキソフェナジンのうちいずれかが個々の製剤/組成物として付随して与えられるか、又は2つの活性剤が組み合わせて与えられ、1つの活性剤が別個の製剤として付随して与えられる。
【0054】
別の実施形態では、対象に、ファモチジン、フェキソフェナジン、及びメラトニンが個々の製剤/組成物として付随して与えられるか、又はファモチジン及びフェキソフェナジンが製剤として組み合わせて与えられ、メラトニンが別個の製剤として付随して与えられるか、又はフェキソフェナジン及びメラトニンが製剤として組み合わせて与えられ、ファモチジンが別個の製剤として付随して与えられるか、又はファモチジン及びメラトニンが製剤として組み合わせて与えられ、フェキソフェナジンが別個の製剤として付随して与えられる。
【0055】
別の実施形態では、活性剤であるファモチジン、フェキソフェナジン、及びメラトニンが、滴定された強度又は二成分混合の組成物の個々の製剤/組成物として製剤化されるか、又は、2つの活性剤及び残りの1つの活性剤の固定用量の組み合わせが、対象における疾患の効果的な治療のために付随して投与される。
【0056】
当該組成物は、薬学的に許容される賦形剤も含む。薬学的に許容される賦形剤は、希釈剤、抗酸化剤、防腐剤、アルカリ化剤、緩衝剤、崩壊剤、結合剤、消泡剤、溶剤、流動化剤、潤滑剤、香料剤、甘味料、コーティング剤、速度制御ポリマー又は非ポリマー、亜鉛塩、脂肪酸又はその誘導体、アミノ酸又は代謝物又はアミノ酸誘導体、膨張性薬剤、固化防止剤、乳化剤、界面活性剤、可塑剤、及び安定化剤のうちいずれか又はその組み合わせから選択される。
【0057】
一実施形態において、1つ又は複数の希釈剤は、リン酸水素カルシウム二水和物、硫酸カルシウム、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、結晶セルロース、カオリン、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、加水分解デンプン、アルファ化デンプン、二酸化シリコーン、酸化チタン、及びケイ酸マグネシウムアルミニウム、並びにそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0058】
一実施形態において、1つ又は複数の抗酸化剤及び1つ又は複数の防腐剤は、L-カルノシン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、パルミチン酸レチニル、及びセレン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、p-ヒドロキシ安息香酸エステル、ソルビン酸、安息香酸、プロピオン酸又はそれらの塩;ベンジルアルコール、ブタノール又はエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、及び塩化ベンザルコニウム、安息香酸ナトリウム、及びそれらの混合物等の四級アンモニウム化合物を含むが、これらに限定されない。
【0059】
一実施形態において、1つ又は複数のアルカリ化剤は、アンモニア水NF、炭酸アンモニウムNF、ジエタノールアミンNF、モノエタノールアミン、水酸化カリウムNF、炭酸水素ナトリウムUSP、ホウ酸ナトリウムNF、炭酸ナトリウムNF、水酸化ナトリウムNF、リン酸水素二ナトリウムUSP、トロラミンNF、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム水和物、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、硫酸アルミニウム、炭酸カルシウム、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0060】
一実施形態において、1つ又は複数の緩衝剤は、アルカリ土類金属の重炭酸塩、アミノ酸、アミノ酸の酸塩、アミノ酸のアルカリ塩、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0061】
一実施形態において、1つ又は複数の崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸及びアルギン酸塩、加工デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニルピロリドン、ドクサートナトリウム、グアーガム、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0062】
一実施形態において、1つ又は複数の結合剤は、ヒプロメロース(又はヒプロメロース5cps)、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンと他のビニル誘導体との共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース誘導体(メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリアクリレート(カルボポール、ポリカルボフィル等)、ポビドン(全グレード)、照射の有無にかかわらず任意の分子量又はグレードのポリオックス、トウモロコシデンプン、ポビドン、コポビドン、コーンスターチ、デンプン、ポリビニルピロリドン(PVP)、結晶セルロース、粉末アカシア、ゼラチン、グアーガム、カルボポール等のカルボマー、ポリメタクリレート、デンプン、重質酸化マグネシウム、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0063】
一実施形態において、1つ又は複数の消泡剤は、セトステアリルアルコール等のアルコール、ヒマシ油等の不溶性油、ステアリン酸、ポリジメチルシロキサン及び他のシリコーン誘導体、エーテル、パラフィン油、パラフィンワックス、グリコール、シメチコン(又はシメチコン30%エマルジョン)、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0064】
一実施形態において、1つ又は複数の溶剤は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸メチル、酢酸イソブチル、酢酸nブチル、塩化メチレン、塩化エチレン、クロロホルム、四塩化炭素、アセトン、エチルメチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、1、4-ジオキサン、トルエン、アンモニア水、氷酢酸、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、水、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0065】
一実施形態において、1つ又は複数の流動化剤は、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸、タルク(talk)、ケイ酸アルミニウム、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0066】
一実施形態において、1つ又は複数の潤滑剤は、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、フマル酸、パルミトステアリン酸グリセリル、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、シリカ、タルク、ポリエチレングリコール、パラフィン、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0067】
一実施形態において、1つ又は複数の香料は、チェリー、メープル、パイナップル、オレンジ、ラズベリー、バナナ-バニラ、ペパーミント、バタースコッチ、ストロベリー、バニラ、アプリコット、シナモン、蜂蜜、ライム、ピーチ-オレンジ、ピーチ-ラム、ラズベリー、ワイルドチェリー、ミント、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0068】
一実施形態において、1つ又は複数のコーティング剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルエチルセルロース(MEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)、ヒプロメロース、ポビドン、コポビドン、及びエチルセルロース(EC)等のセルロース由来のもの;ポリビニルアルコール等のビニル;メタクリル酸/エチルアクリレート共重合体等のアクリル;シェラック又はアルギン酸等の天然誘導体;並びにそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0069】
一実施形態において、1つ又は複数の速度制御ポリマーは、酢酸セルロース、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキル、アクリルポリマー、共重合体ジアルキルフタレート、フタル酸ジブチル、マイクロクリスタリンワックス、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0070】
一実施形態において、1つ又は複数の速度制御非ポリマーは、脂肪、ワックス、脂肪酸、脂肪酸エステル、長鎖一価アルコール又はそれらのエステル、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0071】
一実施形態において、1つ又は複数の亜鉛塩は、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、L-カルノシン亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、フッ化亜鉛、ヘキサフルオロケイ酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、モリブデン酸亜鉛、硝酸亜鉛、モリブダイト亜鉛、シュウ酸亜鉛、過塩素酸亜鉛、ホウフッ化亜鉛、硫酸亜鉛、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0072】
一実施形態において、1つ又は複数の脂肪酸又はその誘導体は、長鎖脂肪酸を含むC1からC30の炭素を有する脂肪酸;飽和又は不飽和脂肪酸及びその誘導体(一不飽和脂肪酸(MUFA)C18:1n-12c、C16:1n-5、C16:4n-1及び多価不飽和脂肪酸(PUFA)C16:3n-4、C20:3n-3、C20:4n-6、C21:5n-3及びC18:2n-9c、12t);水素化脂肪酸;脂肪酸グリセリド;ポリオキシエチル化オレイン酸グリセリド;モノグリセリド及びジグリセリド;モノグリセリド、二置換グリセリド、又は三置換グリセリド;モノオレイン酸グリセロールエステル;モノカプリル酸グリセロール;モノカプリル酸グリセリル;ジカプリル酸;ラウレート、モノラウレート;パルミトステアリン酸グリセリル;ベヘン酸グリセリル;パルミトステアリン酸ジエチレングリコール;ステアリン酸ポリエチレングリコール;パルミトステアリン酸ポリオキシエチレングリコール;モノパルミトステアリン酸グリセリル;パルミチン酸セチル;パルミトステアリン酸ポリエチレングリコール;ジメチルポリシロキサン;ベヘン酸モノグリセリル又はベヘン酸ジグリセリル;フマル酸ラウリルジグリセリル(DGLF)、コハク酸ラウリルジグリセリル、コハク酸カプリルジグリセリル、フマル酸カプリルジグリセリル等の脂肪酸誘導体;ポリエトキシレート脂肪アルコールに関連する脂肪アルコール;セチルアルコール;オクチルドデカノール;ミリスチルアルコール;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸、ラウリン酸、EPA、DHA、リノール酸、リノレン酸、ステアリルアルコール、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。一実施形態では、フマル酸ラウリルジグリセリル(DGLF)、コハク酸ラウリルジグリセリル、コハク酸カプリルジグリセリル、又はフマル酸カプリルジグリセリルを当該組成物において使用して、崩壊及び/又は吸収を遅延させ、それによってより長い期間にわたって持続的な作用が提供される。
【0073】
一実施形態において、アミノ酸又は代謝物又はアミノ酸誘導体は、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、生物学的に活性なエナンチオマー形態のリジン、L-カルノシン、L-カルニチン、コリン、ベタイン、タウリン、ヒアルロン酸を含むグリコサミノグリカン、コンドロイチン硫酸、グルコサミン、L-グルコサミン、ヘパリン、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0074】
一実施形態において、1つ又は複数の膨張性薬剤は、ラクトースUSP、デンプン1500、マンニトール、エリスリトール、ソルビトール、マルトデキストリン、マリトール又は他の非還元糖;結晶セルロース(例えば、Avicel等)、リン酸一水素カルシウム(無水又は二水和物)、スクロース等、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0075】
一実施形態において、1つ又は複数の固化防止剤は、ステアリン酸塩;ステアリン酸;植物油;ワックス;ステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物;安息香酸ナトリウム;酢酸ナトリウム;及びその混合物を含むが、これらに限定されない。
【0076】
一実施形態において、1つ又は複数の界面活性剤及び1つ又は複数の乳化剤は、イオン性又は非イオン性の界面活性剤及び乳化剤、ポロクサマー、ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ポリソルベート、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリエトキシル化硬化ヒマシ油、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0077】
一実施形態において、1つ又は複数の可塑剤は、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、フタル酸ジブチル、トリアセチン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジクロロメタン、アセトン、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、水、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0078】
一実施形態において、1つ又は複数の安定化剤は、ガム、寒天、アクリルポリマー、アクリレートの共重合体、セルロース、樹脂のような味覚マスキング剤、並びにそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0079】
一実施形態において、1つ又は複数の甘味料は、マンニトール、ソルビトール、ポリエチレングリコール(PEG)6000及び8000、Emdex、Nu-tab、Sweetrex、Mola-tab、Hony-tab、Sugartab、アスパルテーム、ソルビトール、キシリトール、イソマルト、サッカリン、サッカリンナトリウム、サッカリンカルシウム、スクラロース、アセスルファム-K、ステビオール、ステビオシン、マンニトール、エリトリトール、ラクチトール等の非砂糖甘味料、及びスクロース、フルクトース、デキストロース等の砂糖甘味料、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0080】
本開示のいくつかの実施形態は、一般的に使用される賦形剤をほとんど挙げていないけれども、本開示の有利な組成物を実現するために、当業者に知られているか又は当業者によって正しく理解されているいかなる他の賦形剤も使用することができる。任意選択で当該組成物に添加することができる有用な賦形剤の例は、the Handbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd edition, Edited by A. H. Kibbe, Published by: American Pharmaceutical Association, Washington DC, ISBN: 0-917330-96-Xにおいて、及びHandbook of Pharmaceutical Excipients (4th edition), Edited by Raymond C Rowe - Publisher: Science and Practiceにおいて記載されている。
【0081】
意図された投与モードに応じて、医薬組成物は、固体、半固体、又は液体の剤形として製剤化され得る。剤形の非限定的な例としては、錠剤、トローチ、カプセル、カプレット、放出調節錠剤又はトローチ、懸濁液、溶液、エマルジョン、座薬、顆粒、ペレット、ビーズ、粉末、エアゾールスプレー(経口、経鼻、経皮)、クリーム、軟膏、ローション、パッチ、予め充填されたシリンジ、予め充填されたペン、ゲル、錠剤内の錠剤(tablet in tablet)、二層錠剤、三層錠剤、インレー錠剤、カプセル内のカプセル(capsule in capsule)、カプセル内の1つ又は複数の錠剤、カプセル内の顆粒及び/又はペレット、及びカプセル内のペレット及び錠剤等が挙げられる。
【0082】
一実施形態では、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む固定用量の医薬組成物が開示されており、当該組成物は、錠剤剤形に製剤化される。錠剤は、単一の均一な層においてファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む単層錠剤であってもよい。錠剤は、第1の層及び第2の層のいずれかにおいてフェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む二層錠剤であってもよい。或いは、錠剤は、第1の層、第2の層、及び第3の層のいずれかにおいてフェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む三層錠剤であってもよい。或いは、錠剤は、有核錠、すなわち、小さな錠剤であってもよく、顆粒又は混合物が共に圧縮されて1つの大きな有核錠となる。本明細書において先に記載した全てのタイプの錠剤が、コーティングなしであってもよく、又は1つ以上のコーティング、特にフィルムコーティングを有してもよい。
【0083】
錠剤内の錠剤の剤形は、1つ以上の速度制御ポリマー又は非ポリマーと共に有効成分を圧縮して、コア拡張放出錠剤を形成すること;及び、任意的に1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と共に有効成分を圧縮して上記のコア錠剤にして、有効成分の即時放出を引き起こす圧縮錠剤を形成することによって調製することができる。
【0084】
本発明の別の実施形態において、当該医薬組成物は、インレー錠剤として製剤化される。インレー錠剤は錠剤であり、内側錠剤の少なくとも1つの表面が外側錠剤と接触しないように、内側錠剤は比較的大きな外側錠剤内に配置される。インレー錠剤の剤形は:(a)徐放放出を引き起こす有効成分及び1つ又は複数の賦形剤を含む内側のインレー錠剤;及び(b)及び即時放出を引き起こす1つ又は複数の賦形剤と共に有効成分を含む外側の錠剤;を含む。
【0085】
別の実施形態において、本開示は、カプセル内のカプセルの製剤を包含し、より小さなサイズのカプセルがより大きなカプセルにカプセル化される。カプセル内のカプセルは、外部カプセル及びその中に位置する内部カプセル(内側カプセル)から成る。より小さいサイズのカプセルは、徐放放出を引き起こすように有効成分及び賦形剤で充填されることが好ましく、より大きいカプセルは、任意的に、即時放出のための賦形剤と共に有効成分で充填される。
【0086】
本開示の錠剤は、有効成分及び薬学的に許容される賦形剤の均一なマトリクスを有することを意味するモノリシックであってもよい。或いは、錠剤は二重層として形成されてもよく、1つの層は薬学的に許容される賦形剤と共に有効成分を有し、もう1つの層は薬学的に許容される賦形剤を有している。或いは、二層錠剤の両層が有効成分を含有してもよい。
【0087】
当該組成物は、直接圧縮、湿式造粒、乾式造粒、溶融造粒、溶融凝結、及び押し出し整形によって等、異なる製造工程によって作製することができる。当該組成物のコアは、単層又は多層であってもよく、当技術分野において知られている適切なオーバーコートで被覆することができる。湿式造粒は、有効成分及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を使用した顆粒の形成を含み、この部分は、粒内部分と呼ぶことができる。次に、これらの顆粒は、潤滑剤を含む賦形剤の混合物で潤滑され、次に、この潤滑剤混合物を圧縮して錠剤が形成される。顆粒の外側の部分は、粒外部分と呼ぶことができる。一方で、直接圧縮は、圧縮前に有効成分を1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と混合し、次に、錠剤に圧縮することのみを必要とする。本開示の組成物を作製するための好ましい方法は、湿式造粒である。
【0088】
一実施形態では、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む固定用量の医薬組成物が開示され、当該組成物は、粒内部分及び粒外部分を含み、粒内部分は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含み、粒外部分は、薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0089】
別の実施形態では、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む固定用量の医薬組成物が開示され、当該組成物は、粒内部分及び粒外部分を含み、粒内部分は、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含み、粒外部分は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む。
【0090】
さらに別の実施形態では、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む固定用量の医薬組成物が開示され、当該組成物は、粒内部分及び粒外部分を含み、粒内部分は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含み、粒外部分は、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む。
【0091】
さらに別の実施形態では、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む固定用量の医薬組成物が開示され、当該組成物は、粒内部分及び粒外部分を含み、粒内部分は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含み、粒外部分は、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む。
【0092】
さらに別の実施形態では、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む固定用量の医薬組成物が開示され、当該組成物は、粒内部分及び粒外部分を含み、粒内部分は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含み、粒外部分は、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む。
【0093】
さらに別の実施形態では、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む固定用量の医薬組成物が開示され、当該組成物は、粒内部分及び粒外部分を含み、粒内部分は、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含み、粒外部分は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む。
【0094】
さらに別の実施形態では、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む固定用量の医薬組成物が開示され、当該組成物は、粒内部分及び粒外部分を含み、粒内部分は、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含み、粒外部分は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む。
【0095】
一実施形態では、上記の部分を共に圧縮して錠剤剤形が得られ、任意的に、シールコートで被覆される。一実施形態において、シールコートは水性シールコートである。
【0096】
本明細書において先に記載した錠剤の全てのタイプが、コーティングなしであってもよく、又は1つ以上のコーティング、特にフィルムコーティングを有してもよい。フィルムコーティングは、感湿材料の分解の低減及び/又は光分解の制限において有用であり得る。
【0097】
一実施形態において、錠剤は、崩壊及び/又は吸収を遅延させ、それによってより長い期間にわたって持続的な作用を提供するように被覆されてもよい。フィルムコーティングの非限定的な例として、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリル、ポリビニルアルコールベースのコーティング、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、及び酢酸フタル酸セルロースのフィルムコーティングが挙げられる。
【0098】
本開示の実施形態に従って実現される組成物は、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、そう痒等のアレルギー反応及び/又は皮膚科学的な疾患/状態の治療において有用性を見出すことができる。理論によって拘束されるのを望むことはないが、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物との組み合わせ、特に本明細書において開示される固定用量の組成物は、夜間の痒み及び睡眠潜時期間を減少させながら、痒みの強度を減少させることによって、及び痒みの表面積を減少させることによって、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、及びそう痒等の治療を提供すると信じられている。いくつかのコホート研究では、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎等の慢性の皮膚科学的な疾患/疾患に罹患している患者の半数以上が、中等度から重度の不眠、自信の低下、落ち込み、及び不安に苦しんでいることが確認されている。本開示の組成物の睡眠誘発の潜在能力は、かゆみの強度及びかゆみの表面積を軽減又は少なくとも減少させながら、そのような慢性の皮膚科学的な疾患の患者の睡眠の質において劇的な改善を提供することができる。予備的なin vitro研究によって、本開示の組成物の有効性が確立された。本開示の実施形態に従って実現される組成物の成分は、異なる経路を標的とすることによって高度の機能的相互性を示し、その結果、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、そう痒等の急性及び/又は慢性のアレルギー反応及び/又は皮膚科学的な疾患/状態に対するユニークな治療の選択肢を提供するということにも留意することができる。理論によって拘束されるのを望むことはないが、本開示の実施形態に従って実現される組成物は、高度の機能的相互性を示し、当該組成物の1つ又は複数の活性剤が他の1つ又は複数の活性剤の代謝を遅らせるのに寄与し、その結果、必要用量を低減することができる、及び/又は、作用/有効性を延長させるのに寄与することができるということも信じられている。具体的には、ファモチジンは、チトクロムP450系(CYP1A2)を介して代謝(約25~30%)を経て、その排出を、メラトニンと組み合わせた場合に減少させることができると信じられている。同様に、フェキソフェナジンは、チトクロムP450系(CYP3A2)を介して代謝を経て、その代謝を、ファモチジンと組み合わせた場合に減少させることができる。同様に、メラトニンは、チトクロムP450系(CYP1A1)を介して代謝を経て、その代謝を、フェキソフェナジンと組み合わせた場合に減少させることができる。
【0099】
従って、本開示の一実施形態は、対象における皮膚科学的な状態/障害/疾患を治療する方法を提供し、当該方法は、治療を必要とする対象に、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む医薬組成物を有効量投与するステップを含む。一実施形態において、皮膚科学的な状態は、蕁麻疹、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、及びそう痒のうちいずれか又はその組み合わせを含む。
【0100】
本開示の別の実施形態は、対象におけるアレルギー反応を治療する方法を提供し、当該方法は、治療を必要とする対象に、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む医薬組成物を有効量投与するステップを含む。一実施形態において、アレルギー反応は、アレルゲン特異的IgE及び/又はTヘルパー2(TH2)細胞のレベルの上昇に関連しているか又はそれらによって特徴付けられる。
【0101】
本開示のさらなる実施形態は、対象における睡眠障害/疾患を治療する方法を提供し、当該方法は、治療を必要とする対象に、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む医薬組成物を有効量投与するステップを含む。
【0102】
本開示のさらなる実施形態は、皮膚科学的な状態/障害/疾患の治療において使用するための医薬組成物を提供し、当該組成物は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む。一実施形態において、皮膚科学的な状態は、蕁麻疹、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、及びそう痒のうちいずれか又はその組み合わせである。
【0103】
本開示のさらなる実施形態は、アレルギー反応の治療において使用するための医薬組成物を提供し、当該組成物は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む。一実施形態において、アレルギー反応は、アレルゲン特異的IgE及び/又はTヘルパー2(TH2)細胞のレベルの上昇に関連しているか又はそれらによって特徴付けられる。
【0104】
本開示のさらなる実施形態は、睡眠障害の治療において使用するための医薬組成物を提供し、当該組成物は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む。
【0105】
本開示のさらに別の実施形態は、皮膚科学的な状態/障害/疾患の治療に対する薬物を製造するための医薬組成物の使用を提供し、当該組成物は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む。一実施形態において、皮膚科学的な状態は:蕁麻疹、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、及びそう痒のうちいずれか又はその組み合わせを含む。
【0106】
本開示のさらに別の実施形態は、アレルギー反応の治療に対する薬物を製造するための医薬組成物の使用を提供し、当該組成物は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む。一実施形態において、アレルギー反応は、アレルゲン特異的IgE及び/又はTヘルパー2(TH2)細胞のレベルの上昇に関連しているか又はそれらによって特徴付けられる。
【0107】
本開示のさらに別の実施形態は、睡眠障害の治療に対する薬物を製造するための医薬組成物の使用を提供し、当該組成物は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む。
【0108】
本開示のさらなる実施形態は、皮膚科学的な状態/障害/疾患の治療のための医薬組成物を提供し、当該組成物は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む。一実施形態において、皮膚科学的な状態/障害/疾患は:蕁麻疹、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、及びそう痒のうちいずれか又はその組み合わせを含む。
【0109】
本開示のさらなる実施形態は、アレルギー反応の治療のための医薬組成物を提供し、当該組成物は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む。一実施形態において、アレルギー反応は、アレルゲン特異的IgE及び/又はTヘルパー2(TH2)細胞のレベルの上昇に関連しているか又はそれらによって特徴付けられる。
【0110】
本開示のさらなる実施形態は、睡眠障害の治療のための医薬組成物を提供し、当該組成物は、フェキソフェナジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、ファモチジン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物と、メラトニン又はその塩、水和物、若しくは溶媒和化合物とを含む。
【0111】
本開示の組成物は、治療効果を増加させ、さらに、有害作用を減少させ、これらの医薬組成物を、特に急性又は慢性のアレルギー反応、皮膚科学的な疾患/状態、及び/又は睡眠障害の治療において、極めて効果的な治療薬としている。併用薬物の治療レベルは、個人によって及び疾患の進行ステージによって異なる。蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、そう痒、サイトカイン放出等のCOVID-19関連の炎症性合併症、並びに、GERD、胃炎、重度のGERD等の胃腸疾患等の急性又は慢性のアレルギー反応、及び/又は皮膚科学的な疾患/状態、胃腸障害及び睡眠障害を治療するのに効果的な適切な量及び間隔の併用薬物は、医療専門家又は訓練された医師によって臨床的にも化学的にもモニターされ得る。関連する製剤は、最終的には、毎日与えられる混合丸剤、毎日若しくは毎週のパッチ、長期注射、インプラント、又は短時間作用型又は長時間作用型の薬物の形態をとることができる。
【0112】
さらに、患者は、数週間、数カ月、又は数年の期間にわたって特定の用量を受けることができる。例えば、1週間、2週間、3週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、1年間、2年間、3年間、4年間、及び5年間等である。
【0113】
本開示による併用療法において使用される薬物に対する適切な用量の選択は、例えば、患者の全体的な健康状態及び併用療法に対する反応等を含む患者の観察によって等、当業者によって決定及び最適化することができる。例えば、最適化は、患者が所望の治療効果を示していないと決定された場合、又は逆に、患者が望ましくない又は有害な副作用を経験しており、その数が多すぎるか若しくは厄介な重症度である場合に必要となり得る。
【0114】
投与の容易さ及び用量の均一性のために本開示の組成物を単位用量形態で製剤化することが特に有利である。本開示の用量単位形態の仕様は、組成物のユニークな特性及び達成されることになる特定の治療効果に依存する。用量は、さらに、成分の通常の用量及び投与様式を参照することによって決定することができる。適した医薬組成物及び剤形は、医薬製剤の分野において知られており、且つ関連するテキスト及び文献、例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy(Easton, Pa.: Mack Publishing Co., 1995)等において記載されている従来の方法を使用して調製されてもよい。
【0115】
実施例
脂肪酸誘導体の合成
スキームI:4-((1,3-ビス(オクタノイルオキシ)プロパン-2-イル)オキシ)-4-オキソブタン酸(コハク酸カプリルジグリセリル)の合成
【0116】
【化1】
ステップ1:2-オキソプロパン-1,3-ジイルジオクタノアート(3)の合成:
ジクロロメタン(500mL)中1,3-ジヒドロキシプロパン-2-オン(1,25.0g,0.277mol)の氷冷溶液に、4-ジメチルアミノピリジン(10.17g,0.083mol)及びピリジン(49.2mL,0.610mol)を添加し、次の5分間攪拌した。上記の混合物にオクタノイルクロリド(2,105.4mL,0.610mol)を0°Cにて液滴で添加し、反応混合物を室温で16時間攪拌した。完了後、反応混合物を濾過し;固体をジクロロメタン(100mL)で洗浄し、濾液を、鹹水(200mL)、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(200mL)、及び0.1NのHCl溶液(100mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して粗物質を得た。その粗物質をヘキサン中10%酢酸エチルで溶出するシリカゲル(100~200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物を白色の固体として得た。収率:70.0g,73%.MS(ESI)m/z343.19[M+1]H NMR(400MHz,DMSO-d6);δ4.84(s,4H)、2.37(t,J=7.2Hz,4H)、1.45~1.62(m,4H)、1.15~1.35(m,16H)、0.78~0.92(m,6H)。
【0117】
ステップ2:2-ヒドロキシプロパン-1,3-ジイルジオクタノアート(4)の合成:THF(1000mL)中2-オキソプロパン-1,3-ジイルジオクタノアート(3,70.0g,0.204mol)の氷冷溶液に、酢酸(15mL)を液滴で添加し、続いてシアノ水素化ホウ素ナトリウム(15.43g,0.245mol)を少しずつ添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。完了後、反応混合物を水(400mL)で希釈し、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。このようにして得られた粗物質を、ヘキサン中12~15%酢酸エチルで溶出するシリカゲル(100~200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物4を黄色の液体として得た。収率:50.0g,71%.MS(ESI)-m/z345.29[M+1]H NMR(400MHz,DMSO-d6);δ5.25(d,J=5.2Hz,1H)、3.92~4.03(m,4H)、3.81~3.90(m,1H)、2.29(t,J=7.6Hz,4H)、1.45~1.59(m,4H)、1.12~1.35(m,16H)、0.85(t,J=6.8Hz,6H)。
【0118】
ステップ3:4-((1,3-ビス(オクタノイルオキシ)プロパン-2-イル)オキシ)-4-オキソブタン酸(6)の合成:
クロロホルム(200mL)中2-ヒドロキシプロパン-1,3-ジオクタノアート(4,50.0g,0.145mol)の溶液に、ジヒドロフラン-2,5-ジオン(5,17.44g,0.174mol)及びトリエチルアミン(30.0mL,0.218mol)を室温で添加した。反応混合物を120°Cで3時間撹拌した。完了後、反応混合物を水(200mL)で希釈し、1,2ジクロロメタン(3×200mL)で抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮させた。このようにして得られた粗物質を、ヘキサン中10から15%酢酸エチルで溶出するシリカゲル(100~200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物6を白色の固体として得た。収率:47.0g、72%.MS(ESI)-m/z443.2[M-1];H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ12.22(s,1H)、5.12~5.22(m,1H)、4.18~4.25(m,2H)、4.09~4.17(m,2H)、2.42~2.50(m,4H)、2.29(t,J=7.24Hz,4H)、1.44~1.55(m,4H)、1.15~1.31(m,16H)、0.79~0.90(m,6H)。
【0119】
スキームII:4-((1,3-ビス(ドデカノイルオキシ)プロパン-2-イル)オキシ)-4-オキソブタン酸(コハク酸ラウリルジグリセリル)の合成:
【0120】
【化2】
ステップ1:2-オキソプロパン-1,3-ジイルジドデカノアート(3A)の合成:
ジクロロメタン(500mL)中1,3-ジヒドロキシプロパン-2-オン(1,30.0g,0.33mol)の氷冷溶液に、4-ジメチルアミノピリジン(20.30g,0.167mol)及びピリジン(107mL,0.1.332mol)を添加し、次の5分間攪拌した。上記の混合物にドデカノイルクロリド2A(218.50g,1.167mol)を0°Cにて液滴で添加し、反応混合物を室温で16時間攪拌した。完了後、反応混合物を濾過し;固体をジクロロメタン(100mL)で洗浄し、濾液を、鹹水(200mL)、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(200mL)、及び0.1NのHCl溶液(100mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して粗物質を得た。その粗物質をジエチルエーテルで粉砕して、所望の生成物3Aを白色の固体として得た。収率:78g,51%.MS(ESI)m/z455.37[M+1]H NMR(400MHz,DMSO-d6)-δ4.74(s,4H)、2.43(m,4H)、1.64(m,4H)、1.55~1.25(m,32H)、0.87(m,6H)。
【0121】
ステップ2:2-ヒドロキシプロパン-1,3-ジイルジドデカノアート(4A)の合成:
THF(1000mL)中2-オキソプロパン-1,3-ジイルジドデカノアート3A(75.0g,0.165mol)の氷冷溶液に、酢酸(15mL)を液滴で添加し、続いて、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(12.41g,0.198mol)を少しずつ添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。完了後、反応混合物を水(400mL)で希釈し、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗物質をジエチルエーテルで粉砕して、所望の生成物4Aを白色の固体として得た。収率:60.0g,80%.MS(ESI);m/z457.48[M+1]H NMR(400MHz,DMSO-d6)-δ5.26(d,J=5.2Hz,1H)、3.92~3.98(m,4H)、2.28(m,4H)、1.50(m,4H)、1.23(m,33H)、0.83(m,6H)。
【0122】
ステップ3:4-((1,3-ビス(ドデカノイルオキシ)プロパン-2-イル)オキシ)-4-オキソブタン酸(6A)の合成:
クロロホルム(200mL)中2-ヒドロキシプロパン-1,3-ジイルジドデカノアート4A(40.0g,0.087mol)の溶液に、ジヒドロフラン-2,5-ジオン5(10.50g,0.105mol)及びトリエチルアミン(18.50mL,0.131mol)を室温で添加した。反応混合物を120°Cで3時間撹拌した。完了後、反応混合物を水(200mL)で希釈し、1,2ジクロロメタン(3×200mL)で抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮させた。このようにして得られた粗物質を、ヘキサン中25から30%酢酸エチルで溶出するシリカゲル(100~200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物6Aを白色の固体として得た。収率:20.0g、41%.MS(ESI)m/z555.40[M-1];H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.30(s,1H)、5.17(m,1H)、4.18~4.25(m,4H)、2.50~2.47(m,8H)、1.23~1.25(m,36H)、0.83(m,6H)。
【0123】
スキームIII:(E)-4-((1,3-ビス(ドデカノイルオキシ)プロパン-2-イル)オキシ)-4-オキソブト-2-エン酸(フマル酸ラウリルジグリセリル)の合成:
【0124】
【化3】
ステップ1:2-オキソプロパン-1,3-ジイルジドデカノアート(3*)の合成:
ジクロロメタン(500mL)中1,3-ジヒドロキシプロパン-2-オン(1,30.0g,0.33mol)の氷冷溶液に、4-ジメチルアミノピリジン(20.30g,0.167mol)及びピリジン(107mL,0.1.332mol)を添加し、次の5分間攪拌した。上記の反応混合物にドデカノイルクロリド2(218.50g,1.167mol)を0°Cにて液滴で添加し、反応混合物を室温で16時間攪拌した。完了後、反応混合物を濾過し、固体をジクロロメタン(100mL)で洗浄し、濾液を、鹹水(200mL)、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(200mL)、及び0.1NのHCl溶液(100mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して粗物質を得た。粗物質をジエチルエーテルで粉砕して、所望の生成物3*を白色の固体として得た。収率:78g,51%.MS(ESI)m/z455.37[M+1]+;1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ4.74(s,4H)、2.43(m,4H)、1.64(m,4H)、1.55~1.25(m,32H)、0.87(m,6H)。
【0125】
ステップ2:2-ヒドロキシプロパン-1,3-ジイルジドデカノアート(4*)の合成:
THF(1000mL)中2-オキソプロパン-1,3-ジイルジドデカノアート3(75.0g,0.165mol)の氷冷溶液に酢酸(15mL)を液滴で添加し、続いてシアノ水素化ホウ素ナトリウム(12.41g,0.198mol)を少しずつ添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。完了後、反応混合物を水(400mL)で希釈し、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗物質をジエチルエーテルで粉砕して、所望の生成物4*を白色の固体として得た。収率:60.0g,80%.MS(ESI)m/z457.48[M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ5.26(d,J=5.2Hz,1H)、3.92~3.98(m,4H)、2.28(m,4H)、1.50(m,4H)、1.23(m,33H)、及び0.83(m,6H)。
【0126】
ステップ3:(E)-4-((1,3-ビス(ドデカノイルオキシ)プロパン-2-イル)オキシ)-4-オキソブト-2-エン酸(6*)の合成:
THF(170mL)中2-ヒドロキシプロパン-1,3-ジイルジドデカノアート4(10.0g、21.91mmol)の氷冷溶液にフマル酸5(2.54g、21.91mmol)、ベンゾイルクロリド(2.5mL、21.91mmol)、及びDMAP(0.67g、5.477mmol)を添加した。結果として生じる混合物をRTで16時間撹拌した。反応(TLCモニタリング)の完了後、反応混合物を減圧下で濃縮させた。粗物質を水(200mL)で希釈し、1N-HClを使用してpH~2~3を調整し、1,2ジクロロメタン(3×200mL)で抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮させた。このようにして得られた粗物質を、ヘキサン中80%酢酸エチルで溶出するシリカゲル(100~200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物6*を白色の固体として得た。収率:400mg、3.30%(最適化されていない収率)。LC-MS:m/z553.64[M-1];純度97.27%。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ13.26(br s,1H)、5.17(d,J=15.8Hz,2H)、5.29(m,1H)、4.30~4.33(m,2H)、4.19~4.23(m,2H)、2.28(m,4H)、1.48(m,4H)、1.22(m,32H)、及び0.83(m,6H)。
【0127】
非限定的で例証的な組成物
バッチACGCP300102001A
【0128】
【表1】
フェキソフェナジン、ファモチジン、及びメラトニンの錠剤の調製方法
I.造粒
i.ステップ1-分注:較正された重量はかりを使用して、必要な原材料を全て分注した。
【0129】
ii.ステップ2-ふるいかけ:フェキソフェナジン(又はそのHCl塩)、ファモチジン、メラトニン、結晶セルロース、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、L-カルノシン、フマル酸ラウリルジグリセリル、及びクロスカルメロースナトリウムを、ASTM#30ふるいに通してふるいにかけた。
【0130】
iii.ステップ3-乾燥混合:ふるいにかけた混合物を、50RPMで10分間Rapid Mixer Granulatorにおいて乾燥混合した。
【0131】
iv.ステップ4-結合剤溶液の調製:ヒプロメロース5cpsを水に溶解し、よく混合した後、シメチコンを添加した。
【0132】
v.ステップ5-湿式混合:ステップ3で得た乾燥した混合物を、ステップ4で調製した結合剤溶液を使用して造粒して、顆粒を得た。
【0133】
vi.ステップ6-乾燥:ステップ5で得た顆粒を、NMT60°Cの入口温度及びNMT45°Cの製品温度で、NMT3.5%のLODが得られるまで乾燥させた。
【0134】
vii.ステップ7-サイジング:乾燥させた顆粒を、ASTMふるいNo.30に通した。
【0135】
viii.ステップ8-ブレンド:ステップ7の顆粒を、(ASTM40ふるいに通した)粒外材料、すなわちクロスカルメロースナトリウム及びコロイド状二酸化ケイ素と15RPMで10分間ブレンドした。
【0136】
ix.ステップ9-潤滑:ステップ8で得たブレンドを、15RPMで5分間、#60を通したステアリン酸亜鉛で潤滑させた。
II.圧縮:
ステップ9で得た潤滑させたブレンドを圧縮した。圧縮パラメータは、以下の表2において示されている:
【0137】
【表2】
III.包装:
得られた錠剤を1つの2gシリカゲルバッグと共に60ccのHDPEボトルに詰め、誘導シールを施し、33mmCR閉鎖で閉じた。
IV.物理化学的特性:
錠剤の安定性及び放出パラメータを試験し、その結果が以下の表3において示されている。
【0138】
【表3】
バッチACGCP300102002A
以下の表4において示されている組成物を使用して錠剤を調製した:
【0139】
【表4】
錠剤質量を直接圧縮処理に晒した。圧縮パラメータが以下の表5において示されている:
【0140】
【表5】
得られた錠剤を1つの2gシリカゲルバッグと共に60ccのHDPEボトルに詰め、誘導シールを施し、33mmCR閉鎖で閉じた。錠剤の安定性及び放出パラメータを試験し、その結果が以下の表6において示されている。
【0141】
【表6】
バッチACGCP300102004A
以下の表7において示されている組成物を使用してコーティング錠を調製した:
【0142】
【表7】
バッチACGCP300102001Aに対して詳述した工程を使用して錠剤を調製した。次に、圧縮した錠剤をコーティング処理に晒した。圧縮パラメータは以下の表8において示されている。次に、コーティング錠の溶解特性を研究し、その結果が以下の表9において示されている。
【0143】
【表8】
【0144】
【表9】
バッチACGCP300102005A
以下の表10において示されている組成物を使用してコーティング錠を調製した:
【0145】
【表10】
バッチACGCP300102001Aに対して詳述した工程を使用して錠剤を調製した。次に、圧縮した錠剤をコーティング処理に晒した。圧縮パラメータは以下の表11において示されている。次に、コーティング錠の特性を研究し、その結果が以下の表12において示されている。
【0146】
【表11】
【0147】
【表12】
バッチACGCP300102006A
以下の表13において示されている組成物を使用してコーティング錠を調製した:
【0148】
【表13】
バッチACGCP300102001Aに対して詳述した工程を使用して錠剤を調製した。次に、圧縮した錠剤をコーティング処理に晒した。圧縮パラメータは以下の表14において示されている。次に、コーティング錠の特性を研究し、その結果が以下の表15において示されている。
【0149】
【表14】
【0150】
【表15】
バッチACGCP300102005A
以下の表16において示されている組成物を使用してコーティング錠を調製した。このバッチでは、微粒子化したファモチジンを使用して、コーティング錠の特性に対するその効果を理解した。
【0151】
【表16】
バッチACGCP300102001Aに対して詳述した工程を使用して錠剤を調製した。次に、圧縮した錠剤をコーティング処理に晒した。圧縮パラメータは以下の表17において示されている。次に、コーティング錠の特性を研究し、その結果が以下の表18において示されている。
【0152】
【表17】
【0153】
【表18】
バッチACGCP300102008A
以下の表19において示されている組成物を使用してコーティング錠を(非水性造粒を使用して)調製した:
【0154】
【表19】
バッチACGCP300102001Aに対して詳述した工程を使用して錠剤を調製した。次に、圧縮した錠剤をコーティング処理に晒した。圧縮パラメータは以下の表20において示されている。次に、コーティング錠の特性を研究し、その結果が以下の表21において示されている。
【0155】
【表20】
【0156】
【表21】
バッチACGCP300102009A
以下の表22において示されている組成物を使用して錠剤を調製した:
【0157】
【表22】
バッチACGCP300102001Aに対して詳述した工程を使用して錠剤を調製した。圧縮パラメータは以下の表23において示されている。次に、錠剤の特性を研究し、その結果が以下の表24において示されている。
【0158】
【表23】
【0159】
【表24】
バッチACGCP300102010A
以下の表25において示されている組成物を使用して錠剤を調製した:
【0160】
【表25】
バッチACGCP300102001Aに対して詳述した工程を使用して錠剤を調製した。圧縮パラメータは以下の表26において示されている。次に、錠剤の特性を研究し、その結果が以下の表27において示されている。
【0161】
【表26】
【0162】
【表27】
本明細書では本発明を特定の実施形態を参照して記載してきたけれども、これらの実施形態は、本発明の原理及び応用の単なる例示であることを理解されたい。従って、上記のように本発明の真意及び範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に多数の修正を加えることができるということ、及び、他の構成を考案することができるということを理解されたい。
【国際調査報告】