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特表2023-554638クロソイド曲線経路の改良によって対象物を回避するために自動車両を制御する方法
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  • 特表-クロソイド曲線経路の改良によって対象物を回避するために自動車両を制御する方法 図1
  • 特表-クロソイド曲線経路の改良によって対象物を回避するために自動車両を制御する方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-28
(54)【発明の名称】クロソイド曲線経路の改良によって対象物を回避するために自動車両を制御する方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/095 20120101AFI20231221BHJP
   B62D 6/00 20060101ALI20231221BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20231221BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20231221BHJP
   B62D 101/00 20060101ALN20231221BHJP
   B62D 113/00 20060101ALN20231221BHJP
【FI】
B60W30/095
B62D6/00
G05D1/02 H
G08G1/16 C
B62D101:00
B62D113:00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537109
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 EP2021086291
(87)【国際公開番号】W WO2022129398
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】2013448
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ブリュノ, ジェオフレ
(72)【発明者】
【氏名】ド, アン-ラン
(72)【発明者】
【氏名】グエン, ホア デュック
(72)【発明者】
【氏名】サンチェス-ペレス, フアン-パブロ
【テーマコード(参考)】
3D232
3D241
5H181
5H301
【Fターム(参考)】
3D232CC20
3D232DA03
3D232DA23
3D241BA18
3D241BA31
3D241BA32
3D241BA62
3D241BC01
3D241BC02
3D241CD09
3D241DA52Z
3D241DA56Z
3D241DB02Z
3D241DB12Z
5H181AA01
5H181FF27
5H181LL09
5H301AA01
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301HH15
5H301HH18
5H301LL06
5H301LL11
(57)【要約】
対象物を回避するために自動車両を制御する方法であって、自動車両は少なくとも2つの感知センサを備え、この制御方法は、以下のステップ:- 少なくとも2つのセンサのデータを判断するステップと、- 少なくともハンドル角、車両の速度、および車両の方位を判断するように少なくとも2つのセンサのデータを融合するステップと、- クロソイド曲線の形状を取る、対象物を回避するための回避経路を計画するステップと、- ハンドル角、車両の速度、および車両の方位に応じて、ならびに最適化問題の解決に基づいて、対象物を回避するために使用される回避経路を改良するステップと、- 改良された経路に従うように車両を制御するステップと、を含み、経路を改良するステップは、経路の長さ、ハンドルの回転方向、および最終的な方位に応じて回避経路を高めるための第1の一連のサブステップと、初期方位およびハンドルの回転方向に応じて高められた軌道を改良するための第2の一連のサブステップとを含む、方法である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を回避するために自動車両を制御する方法であって、前記自動車両は少なくとも2つの感知センサを備え、前記制御方法は、以下のステップ:
前記少なくとも2つのセンサからのデータを判断するステップと、
少なくともハンドル角、前記車両の速度、および前記車両の方位を判断するように前記少なくとも2つのセンサからの前記データをマージするステップと、
クロソイドの形状の対象物回避経路を計画するステップと、
前記ハンドル角、前記車両の前記速度、および前記車両の前記方位の関数として、ならびに最適化問題の解決に基づいて、前記対象物回避経路を改良するステップと、
改良された前記経路を実行するように前記車両を制御するステップと、を含み、
前記経路を改良するステップは、前記経路の長さ、前記ハンドルの回転方向、および最終的な方位の関数として前記回避経路をさらに改善するための第1の一連のサブステップと、初期方位および前記ハンドルの前記回転方向の関数としてさらに改善された前記経路を改良するための第2の一連のサブステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記最適化問題は、基準縦変位、基準横変位、基準車両の方位、前記基準車両の前記経路の曲率、前記経路の前記曲率の変動の速度および原点に対して走行した距離を含む決定ベクトル、ならびに経験的に判断された設定パラメータの関数であり、そして、初期縦変位、初期横変位、最終横変位、前記ハンドル角、前記ハンドルの回転速度、および最終的な方位値に対する制約である、請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記第1の一連のサブステップは、以下のサブステップ:
前記最適化問題の初期化パラメータは前記基準経路およびマージされた前記データの関数として判断され、前記初期化パラメータは、基準縦変位、基準横変位、基準車両の方位、基準車両経路曲率、前記車両の初期方位、および初期ハンドル角を含むことと、
前記最適化問題が解決され、前記最適化問題の解が予め定められた費用関数の最小値に対応するかどうか、および前記最適化問題の前記解が前記車両の前記最終的な方位に対する制約を満たしているかどうかを判断することによって最適解が存在するかどうかに関する判断がなされることと、
そのような場合、ハンドル角プロファイルは、前記制御方法の起動の瞬間から判断され、次いで、前記ハンドル角プロファイルの第1の極値と関連付けられた前記ハンドル角の符号が前記基準経路の前記ハンドル角の符号と同じ符号を有するかどうか、および、最適化経路の継続時間にわたって、前記第1の極値と反対の符号の極値が最大でもあるかどうかに関する判断がなされ、そのような場合、前記最適化問題の前記解は改善された経路とみなされることと、を含む、請求項1または2に記載の制御方法。
【請求項4】
最適解が存在しないと判断される場合、前記経路が所定の継続時間延長され、次いで、前記方法は、前記経路の延長を考慮に入れることによって前記最適化問題が解決されると再開され、最適解が存在しないという判断が連続的に行われる度に前記所定の継続時間を増大させる、請求項1に記載の制御方法。
【請求項5】
前記ハンドル角プロファイルが満たされていない場合、前記基準経路に縦オフセットが適用され、前記最適化問題が再び解決され、次いで、前記方法は前記ハンドル角プロファイルの判断時に再開され、前記ハンドル角プロファイルが満たされていないとの判断が連続的に行われる度に縦オフセットを増大させる、請求項3または4に記載の制御方法。
【請求項6】
前記最適化問題の制約は、前記改善された経路の地点の前記縦変位が前記基準経路における前記地点の前記縦変位に等しくなければならないことである、請求項3から5のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項7】
前記最適化問題の制約は、前記改善された経路の前記車両の前記方位の最終値が、値の制限された範囲内にあるようにしなければならないことである、請求項3から6のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項8】
前記最適化問題の制約は、前記改善された経路の前記地点の前記横変位が、修正時に超えない極度線の前記横変位より小さくなければならないことである、請求項3から7のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項9】
前記第2の一連のサブステップは、以下のサブステップ:
前記改善された経路および前記マージされたデータの関数として新たな初期化パラメータが判断され、所定の横オフセットが前記改善された経路に適用されて前記最適化問題が解決され、予め定められた費用関数の最小値に対応するかどうかを判断することによって最適解が存在するかどうかに関する判断がなされ、そのような場合、前記ハンドル角プロファイルは前記制御方法の瞬間から判断され、前記ハンドル角プロファイルの前記第1の極値と関連付けられた前記ハンドル角の前記符号が前記基準経路の前記ハンドル角の前記符号と同じ符号を有するかどうか、および、前記最適化経路の前記継続時間にわたって、前記第1の極値と反対の符号の極値が最大でもあるかどうかに関する判断がなされ、そのような場合、前記最適化問題の前記解は最終的な改良された経路とみなされることを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項10】
最適解が存在しないと判断される場合、前記初期方位が所定の角度偏差だけ低減され、次いで、前記方法は前記最適化問題の解決時に再開され、最適解が存在しないことが連続的に発生する度に前記角度偏差を増大させる、請求項9に記載の制御方法。
【請求項11】
前記最適解が前記ハンドル角の制約を満たさないと判断される場合、縦オフセットが前記改善された経路に適用され、前記最適化問題が解決され、次いで、前記方法は、前記ハンドル角プロファイルの判断時に再開され、前記ハンドル角プロファイルが満たされていないとの判断が連続的に行われる度に前記縦オフセットを増大させる、請求項9または10に記載の制御方法。
【請求項12】
前記所定の継続時間、前記角度偏差、および前記縦オフセットは、所定の限界値まで連続的に増やされ、そのような場合、改良ステップは中断され、前記車両制御ステップでは前記基準経路が実行される、請求項1から11のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項13】
対象物を回避するために自動車両を制御するためのシステムであって、前記自動車両は、少なくとも1つの感知センサと、請求項1から12に記載の制御方法を実行するように構成された少なくとも1つの計算手段とを備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は経路制御システムであり、より詳細には、そのようなクロソイド形状の経路に基づくシステムである。
【背景技術】
【0002】
自動車両のいくつかの経路制御システムは、自動回避システムまたは「自動回避ステアリング」システム(AES)用の基準クロソイド経路を生成することで、道路上で検出された障害物との衝突を回避しつつ、運転者が気分よくハンドルを維持できるようにする。
【0003】
これらのクロソイド形状の基準経路は、システムの制御性(ハンドル角の大きさ/勾配の制限)およびある特定の快適基準(例えば、ジャーク、カーブの連続など)を考慮に入れる。しかしながら、その全性能レベルにもかかわらず、経路計画に対するこの強固な手法には柔軟性がないが、これは、求められる経路に対して厳しい制約(すなわち、ハンドルの最終的な角度は0に等しい、ハンドル角プロファイルの積分は0に等しい)を課すからであり、システムの非ゼロの初期条件が無視されるからである。それは、経路追跡制御装置および車両システムを不安定にするリスクがある。例えば、AESの起動時の車両の方位の絶対値が十分に大きい場合、制御装置は強制的に方位をゼロにして、基準クロソイド経路から逸れないようにする。その結果として、ハンドルは自然な回避傾向とは反対方向に向きを変えることになり、この状況は運転者の眼には不快であり理解しがたいことを示している。さらに、運転者が、論理的な回避方向にハンドルの向きを変えることによってこの操作に反して行動し、システムが飽和制約を適用する場合、後者は不安定になり、操縦者によって誘起される発振現象によって振動が生じる(「操縦者誘起振動」)。
【0004】
したがって、上述される問題を修正する必要がある。
【0005】
先行技術から、以下の文献が知られている。
【0006】
仏国特許出願公開第2003457号には、計画された経路に厳格な制約を課す非常に制約された方法(例えば、最終的なハンドル角は0に等しい、ハンドル角プロファイルの積分は0に等しい、など)が記載されている。初期条件が非ゼロである場合、潜在的に運転者を不安定にさせる挙動が生じる。例えば、正のかなり有意な初期方位がある時、回避段階の開始時にハンドルの向きは間違った方向に向けられる。この不安定性は、運転者が回避段階でハンドルに干渉する場合に増幅される場合がある。
【0007】
「Clothoid-based model predictive control for autonomous driving、P.Lima、J.Martensson、およびM.Trincavelli、ECC、Linz(2015年)」の文献には、車線の中心になるようにするための制御方法が開示されている。さらに、この方法では、制御性など、システムの安定性に不可欠な種々の制約を考慮に入れていない。また、この方法によって、算出された経路が不連続になる可能性がある。
【0008】
米国特許出願公開第2008/0255728号の文献には、クロソイド形状の組み合わせを含有する二等辺三角形の幾何学的形状による、既知の初期および最終状態からのクロソイド曲線の構成が記載されている。この文献の目的は、動的な制約の下での衝突時間TTCを最小化することではなく向きの問題に適用されるように、ある地点から別の地点まで誘導する簡易なやり方を見出すことである。さらに、この適用は、動的制限を考慮に入れておらず、ある状況に対する操作時間を最適化するための手順がない。
【発明の概要】
【0009】
本発明の主題は、対象物を回避するために自動車両を制御する方法であって、自動車両は少なくとも2つの感知センサを備え、この制御方法は、以下のステップ:
- 少なくとも2つのセンサからのデータを判断するステップと、
- 少なくともハンドル角、車両の速度、および車両の方位を判断するように少なくとも2つのセンサからのデータをマージするステップと、
- クロソイドの形状の対象物回避経路を計画するステップと、
- ハンドル角、車両の速度、および車両の方位の関数として、ならびに最適化問題の解に基づいて、対象物回避経路を改良するステップと、
- 改良された経路に従うように車両を制御するステップと、を含み、
経路を改良するステップは、経路の長さ、ハンドルの回転方向、および最終的な方位の関数として回避経路をさらに改善するための第1の一連のサブステップと、初期方位およびハンドルの回転方向の関数として改善された経路を改良するための第2の一連のサブステップとを含む、方法である。
【0010】
最適化問題は、基準縦変位、基準横変位、基準車両の方位、基準車両経路曲率、経路の曲率の変動の速度および原点に対して走行した距離を含む決定ベクトル、ならびに経験的に判断された設定パラメータの関数であり、そして、初期縦変位、初期横変位、最終横変位、ハンドル角、ハンドルの回転速度、および最終的な方位値に対する制約であり得る。したがって、この改良によって、経路の最適化におけるハンドル角およびハンドルの回転速度に対する制約を考慮することによってシステムに課された制御性を正しく考慮に入れることが可能になる。これらを考慮に入れることによって、運転者にとってより合理的であり許容できる経路、間接的にはハンドル角プロファイルを見出すことが可能になる。
【0011】
第1の一連のサブステップは、以下のサブステップを含むことができ、最適化問題の初期化パラメータは基準経路およびマージされたデータの関数として判断され、初期化パラメータは、基準縦変位、基準横変位、基準車両の方位、基準車両経路の曲率、車両の初期方位、および初期ハンドル角を含み、最適化問題は解決され、最適化問題の解が予め定められた費用関数の最小値に対応するかどうか、および最適化問題の解が車両の最終的な方位に対する制約を満たしているかどうかを判断することによって最適解が存在するかどうかに関して判断がなされ、そのような場合、ハンドル角プロファイルは、制御方法の起動の瞬間から判断され、次いで、ハンドル角プロファイルの第1の極値と関連付けられたハンドル角の符号が基準経路のハンドル角と同じ符号を有するかどうか、および、最適化経路の継続時間にわたって、第1の極値と反対の符号の極値が最大でもあるかどうかに関する判断がなされ、そのような場合、最適化問題の解は改善された経路とみなされる。
【0012】
最適解が存在しないと判断される場合、以下のステップ:経路が所定の継続時間延長され、次いで、方法は、経路の延長を考慮に入れることによって最適化問題が解決されると再開され、最適解が存在しないという判断が連続的に行われる度に所定の継続時間を増大させることを実行することが可能である。
【0013】
ハンドル角プロファイルが満たされていない場合、以下のステップ:基準経路に縦オフセットが適用され、最適化問題が再び解決され、次いで、方法はハンドル角プロファイルの判断時に再開され、ハンドル角プロファイルが満たされていないとの判断が連続的に行われる度に縦オフセットを増大させることを実行することが可能である。
【0014】
最適化問題の1つの制約は、改良された経路の平滑化を確実にするために、求める経路の地点の縦変位が基準経路における地点の縦変位に等しくなければならないことであり得る。
【0015】
最適化問題の1つの制約は、回避後の車両の経路を安定化させるために、改良された経路の車両の方位の最終値が値の制限された範囲内にあるようにしなければならないことであり得る。
【0016】
最適化問題の1つの制約は、改良された経路の地点の縦変位が、修正時に超えない極度線の縦変位より小さくなければならないことであり得る。
【0017】
最適化問題の1つの制約は、改良された経路の横変位の最終値が基準経路が対象とする横変位の最終値以上でなければならないことであり得る。
【0018】
第2の一連のサブステップは以下のサブステップ:改良された経路およびマージされたデータの関数として新たな初期化パラメータが判断され、所定の横オフセットが改良された経路に適用されて最適化問題が解決され、予め定められた費用関数の最小値に対応するかどうかを判断することによって最適解が存在するかどうかの判断がなされ、そのような場合、ハンドル角プロファイルは、制御方法の瞬間から判断され、ハンドル角プロファイルの第1の極値と関連付けられたハンドル角の符号が基準経路のハンドル角の符号と同じ符号を有するかどうか、および、最適化経路の継続時間にわたって、第1の極値と反対の符号の極値が最大でもあるかどうかに関する判断がなされ、そのような場合、最適化問題の解は最終的な改良された経路とみなされることを含むことができる。したがって、ハンドル角、および初期横位置におけるオフセットと組み合わせられた横位置に対する制約によって、回避操作の開始時に、ハンドルを間違った方向に向けることを必要としない最適な経路を見出せることが保証され、それによって、運転者の信頼度および車両の安定性を改善することが可能になる。
【0019】
最適解が存在しないと判断される場合、以下のステップ:初期方位が所定の角度偏差だけ低減され、次いで、方法は最適化問題の解決時に再開され、最適解が存在しないとすぐに、連続的に発生する度に角度偏差を増大させることを実行することが可能である。
【0020】
最適解がハンドル角の制約を満たさないと判断される場合、以下のステップ:縦オフセットが改良された経路に適用され、最適化問題が解決され、次いで、方法は、ハンドル角プロファイルの判断時に再開され、ハンドル角プロファイルが満たされていないとの判断が連続的に行われる度に縦オフセットを増大させることを実行することが可能である。
【0021】
所定の継続時間、角度偏差、および縦オフセットは、所定の限界値ずつ連続的に増やされ得る。そのような場合、改良ステップは中断され、車両制御ステップでは基準経路に従う。
【0022】
また、本発明の主題は対象物を回避するための自動車両の制御システムであり、自動車両は、少なくとも1つの感知センサと、上に定められるような制御方法を実行するように構成された少なくとも1つの計算手段とを備える。
【0023】
本発明のその他の目的、特徴、および利点は、単に非限定的な例として与えられる以下の説明を読み、かつ添付の図面を参照することで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の制御方法の主なステップを示す図である。
図2】本発明による経路の改良の主なサブステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に説明される制御システムの目的は、回避時のシステムの挙動が運転者にとって理解でき許容できるものであるような経路計画によって生成されるクロソイドを改善することによって、現状技術の問題を修正することである。これらの基準経路は、車両の初期条件を考慮に入れることによって再構成される。クロソイド形状を保って、該基準経路は、依然、制御性の制約を受ける。
【0026】
図1は、本発明の制御方法と現状技術との結び付きを示す。
【0027】
自動車両は、少なくとも1つのセンサと、センサによって判断されるデータをマージするように構成され、かつ下記の制御方法のステップを実行するように構成される少なくとも1つの計算手段に入力として接続されるマージ手段とを備える。
【0028】
本発明による制御方法は、データを取得するステップ1と、取得されたデータをマージするステップ2と、対象物回避経路を判断するステップ3と、改良された経路を算出するステップ4と、車両の移動を制御するステップ(「運動制御」)5とを含む。対象物回避経路を判断するステップ3および改良された経路を算出するステップ4は、AESタイプの自動回避方法6に含まれる。
【0029】
算出ステップ4によって、従来の経路計画を構成する対象物回避経路を判断するステップ3から得られた経路を改良することが可能になる。
【0030】
経路の改良(または「経路の改良化」)によって、データ、とりわけ、方法の起動の瞬間の方位、ハンドル角、および車両の速度をマージすることから受信されたデータの関数として従来の経路計画によって生成された経路を改善することが可能になる。
【0031】
経路の改良の原理は、何よりも、クロソイドを簡易に表すことを可能にする近似/線形モデルを見出すことである。この近似/モデルはさらにまた、二次最適化問題として「改善された経路」問題を再公式化するために使用されることになる。
【0032】
クロソイドの線形モデルについて、ここで説明する。
【0033】
以下の式ではクロソイド形状の経路を定める。
[数式1]
[数式2]
【0034】
同じクロソイド上に位置している2つの連続した地点iおよびi+1、ならびに起点から走行したそれらの距離si、si+1について、それらの式は以下のように近似可能である。
[数式3]
[数式4]
[数式5]
[数式6]
ここで、
:経路にわたって起点から地点iまで走行した距離
x(s):起点に対する経路上の地点iにおける車両の縦変位
y(s):起点に対する経路上の地点iにおける車両の横変位
θ(s):経路上の地点iにおける車両の方位
κ(s):地点iにおける車両の経路の曲率
:地点iにおける経路の曲率の変動の速度
【0035】
上記の式([数式3]~[数式6])は、車両の所望の経路を表す本発明のモデルとして使用される。X=(x、y、θ、κ)の場合、U=(c、s)が定められ、これらの式は以下のように簡易に表現され得る:
[数式7]
【0036】
このモデルの基準点周りの線形化は下記によって表現される:
[数式8]
【0037】
ref_i=(xref_i,yref_i,θref_i,κref_i)である
では、
【0038】
係数AおよびBの行列は、以下の式によって定められる。
[数式9]
[数式10]
【0039】
基準経路は、Nの基準点のセットを得るようにサンプリングされる。ある経路にわたるNの基準点のセットについて、以下の式が適用される。
[数式11]
ここで、
[数式12]
[数式13]
[数式14]
【0040】
クロソイド形状を失うことなく、制御性の制約を受ける、基準経路に近い経路を見出すために、本発明の研究問題は最適化算出と同様に再公式化され、ここで費用関数は以下になる。
[数式15]
【0041】
費用関数Jは以下の条件下にある。
[数式16]
【0042】
Uは決定変数
の定義のセットである。このセットは、システムの制御性に関する制約に基づいて判断され、このことは式([数式25]~[数式26])において詳述されることになる。
【0043】
費用関数において、
は加重係数であり、この場合、
である。
【0044】
行列Q、Rは4×4サイズの対角行列である。
【0045】
費用関数([数式15])は、Jを最小化するために求められる制約の二次最適化問題([数式16])の形式において展開可能になる:
[数式17]
ここで、
[数式18]
[数式19]
[数式20]
【0046】
一般性を失うことなく、項「d」は式([数式17])において削除可能である。
【0047】
(2020年4月7日付の仏国特許出願公開第2003457号によって定められる基準経路に近い)改良された経路を検索する問題は、従来の二次最適化問題と同様のやり方でここで公式化される。
【0048】
対照的に、(最終的な方位の最大オーバーシュートなどに関して)制御性の制約および改良された経路の制限について、本明細書において後で論述する。
【0049】
[数式17]~[数式20]の式を解くことによって、クロソイド形状を有する基準経路に近い経路が得られることになり、これは制御性の制約を満たしている。しかしながら、これは、システムに対するサービス、および運転者の視野からの運転感覚を十分に満たす経路を見出す確実性を保証するものではない。この部分において、(最大横偏差値および最終的な方位のような)システムの状態に対する制約は、AES機能の起動時に間違った方向に向きを変える問題を回避するために改良された基準経路最適化において考慮に入れられる。その結果として、以下において、ある特定の制約が最適化問題に加えられる。
【0050】
第1の制約は、値が基準経路における地点の値と同一であるものとするように求められる経路の地点の横座標x(車両の縦変位)に関する等式の制約である。
[数式21]
=xref_i∀i=1、…、N
【0051】
等式の制約によって、見出された経路の円滑化、すなわち連続性を確実にすることが可能になる。
【0052】
下記の制約は不等式の制約である。したがって、第2の制約は、改善された経路からの最大オーバーシュートに関するものであり、改善された経路の地点の横変位は、修正時に超えない極度線の横変位Ymaxより小さいものでなくてはならない。
[数式22]
≦Ymax∀i=1、…、N
【0053】
改善された経路の横変位の最終値は、常に、基準経路が対象とする横変位の最終値以上でなければならない。
[数式23]
≧yref_N
【0054】
第3の制約は、制御性の制約が経路全体を通して満たされるように、勾配および大きさに関して縛られるものとする、求める経路に対応するハンドル角に関する。ハンドル角と決定変数との間の厳密な関連性が利用不可能であることは既知であるが、自転車モデルに基づく近似が使用される。
【0055】
さらにまた、ハンドル角と曲率との関係が得られる。
[数式24]
【0056】
ハンドルの回転速度と曲率との関係も得られる。
[数式25]
ここで、
δ:(デカルト平面における)地点iでのハンドル角
およびl:それぞれ、車両の重心から前軸および後軸までの距離
m:車両の重量
、c:前輪および後輪のドリフト剛性
v:車両の速度
:地点iの曲率の速度
Ratio_DAE:ハンドル角と車輪の角度との比率
【0057】
ハンドル角およびその速度に対する制約は以下のように表現される:
[数式26]
[数式27]
ここで、
【0058】
ハンドル角の最終値は、障害物の回避後に車両の経路の安定化を確実にするために許容範囲内にあるものでなければならない。
[数式28]
Δfinal_min≦δ≦Δfinal_max
【0059】
修正の開始時の縦変位のオフセット
の値の時に、ハンドル角はAESの起動の瞬間の角度値以上でなければならない。AESの起動の瞬間が制御方法の起動の瞬間に対応することに留意すべきである。車両の横偏差には同じ制約が適用される。AESが起動され、かつ車両の方位がその瞬間に非ゼロである時、その基準経路の方への車両の方向づけを回避するためにこれらの制約が加えられる。縦変位値xが最適化算出中には判断されず、以下に説明される式[数式37]でもたらされる最適化戦略において判断されることに留意するべきである:
[数式29]
δ≧δ∀i=1、…、n
[数式30]
≧y∀i=1、…、n
ここで、nは縦変位
に対応する。
【0060】
第4の制約は、十分小さい範囲内に位置付けられるべきである、車両の方位の最終値による回避後の車両の経路の安定化に関する。このタイプの制約を加える目的は、最適解を見出すことができない場合を回避することである。このタイプの制約は、「緩和制約」または「ソフト制約」と呼ばれることが多く、これの追加には、費用関数([数式17])および決定ベクトル
の変更を必要とする。よって、文献「Soft constraints and exact penalty functions in model predictive control、Eric C.Kerrigan、Jan M.Maciejowski、UKACC、Cambridge(2000年)」は、制御においてこのタイプの制約を含んでいる。この緩和制約の追加によって、経路の終わりの車両の方位を所望の値の範囲の方へ収束させることも可能になる。
【0061】
式(「数式17」)はさらにまた、以下のように再表現される:
[数式31]
ここで、
[数式32]
[数式33]
[数式34]
Ρ:∈に対する重み付けパラメータ
【0062】
さらに、
[数式35]
ここで、
[数式36]
θminおよびθmaxは、それぞれ、経路の終わりの方位の許容できる極値である。
以下のように仮定する:
θref_N:基準経路における最後の地点での方位
V:重み付けパラメータ
【0063】
上記の理論展開に基づいて、最適化された決定ベクトル
が判断され、式[数式21]~[数式23]、[数式26]~[数式30]、および[数式35]によって定められた制約を受ける下記の式[数式37]においてもたらされる最適化問題を解決することによって式[数式32]において表現される。決定ベクトルは、式[数式31]の適用によって判断される関連付けられた費用Jが最小値に達する時に最適化されると考えられる。
[数式37]
【0064】
式[数式37]においてもたらされる最適化問題の解が、車両の初期方位が左側に回避している際に正である場合にはAES制御装置にとって効果的に有利かつ不可欠であることは、留意されたい。この初期方位が負である場合、元々の基準経路(再計算されない)は、ハンドルの右方向のロックによって左側に完全に回避するには既に十分である。右側での回避について、負の初期方位の場合が考えられることになる。したがって、右側での回避について、車両の方位が厳格に負である場合のみの改良から導き出されるクロソイドが考えられることになる。ゼロまたは正の初期方位による右側での回避の場合、システムは経路の改良を必要とすることなく安定している。さらに、初期曲率は、式([数式24])において表されたハンドル角と曲率との関係を適用することによって、初期ハンドル角の代わりに使用可能である。
【0065】
ハンドルの挙動と運転者が予想するものとの一致の判断(以下のステップ5および12)は、左側での回避について、初期方位が正である時に角度プロファイルの負の極値の数を数えることによって検証可能である。右側での回避の場合、同様に、正の極値の数が数えられる。複数の負の極値がある場合、ハンドル角プロファイルが運転者基準に適していないことが考えられる。実際は、ハンドル角プロファイルに対してもはや負の極値がない時という仮定の下に、最初のものは、システムが現在回避を実行している場合でも、車両を基準経路に近づけるように作用する。システムのこの挙動は運転者には受け入れることができない。この場合、この予想外の挙動を除去するために、縦変位
のオフセット値は、角度プロファイル上に単一の負の極値のみが残るまで、
ずつ増大させることによって増大させる。
【0066】
求める経路の横偏差の初期値は、横オフセット値yL_ref_initでオフセットされることになる。このオフセット値は、式[数式37]においてもたらされる最適化問題を解決する前に定められる。横オフセット値は、起動時のAESの強固な制御装置からの角度要求δrequestが測定されたハンドル角δ(t)に等しいように算出される。
【0067】
したがって、
[数式38]
であり、ここで、
δrequest(t)=δ(t
θ(t):システムの起動時に測定されたハンドルの方位
δ(t):システムの起動時に測定されたハンドルの角度
δ:車両のハンドル角に対応するAES制御装置のゲイン
θ:車両の方位に対応するAES制御装置のゲイン
LookAhead:車両のデカルト平面における投影された距離
【0068】
距離DLookAheadは、衝突時間TTCおよび車両の速度の積に対応する。実施の複雑さを低減するために、この研究事例では、初期ハンドル角が非常に小さく0に等しいとみなされ得ると仮定される。その結果として、式([数式38])は以下になる:
[数式39]
【0069】
さらに、最終的な経路が改善された経路に逆らわないことを確実にするために、不等式の制約が式[数式37]においてもたらされる最適化問題に加えられ、これは、この解の横偏差が改善された経路のものより小さくすることを可能にしない。
【0070】
図2によって示された回避経路の改良のための算出ステップ4の主なサブステップについて、ここで説明する。
【0071】
第1のサブステップ11において、対象物回避経路を判断するステップ3、およびマージするステップ2のデータから、基準経路が得られる。次いで、初期化パラメータは、基準経路(基準縦変位xref、基準横変位yref、車両の基準方位θref、車両の経路の基準曲率κref)の関数として、マージされたデータ(起動t時の車両の初期方位θinit、および起動tの時点におけるハンドルの初期角度δinit)から判断され、変数ITER、ITER2、およびITER3はゼロで初期化される。
【0072】
第2のサブステップ12において、式[数式37]によって表される費用最適化問題は、判断された初期化パラメータと共に式[数式21]~[数式23]、[数式26]~[数式30]、および[数式35]によって定められた制約を受けて解決される。
【0073】
第3のサブステップ13において、最適化された決定ベクトル
によって式[数式37]が解かれ、一方で費用関数Jの最小値[数式31]と関連付けられているかどうか、式[数式35]によって定められた最終的な方位に対する制約
が満たされているかどうか、および、ITER変数と値Δtとの積が予め定められた値、とりわけ、マージするステップ2から受けた衝突時間TTCより小さいかどうかに関する判断がなされる。
【0074】
そうではない場合、方法は第4のステップ14に進み、ここで、ITER変数が1単位ずつ増やされ、基準経路はITER回Δtに等しい継続時間延長される。方法は次いで、第2のサブステップ12で再開される。
【0075】
第3のサブステップ13において、最適解が存在し、かつ最終的な方位に対する制約が満たされていると判断された場合、方法は第5のサブステップ15に進み、ここで、ハンドルの挙動が運転者が予想するものと一致しているかどうかに関する判断がなされる。その判断を行うために、ハンドル角プロファイルの第1の極値と関連付けられたハンドル角の符号が基準経路のハンドル角の符号と同じ符号を有するかどうか、および、最適化経路の継続時間にわたって、第1の極値と反対の符号の極値が最大でもあるかどうかを判断することによって、さらにまたAESの起動の瞬間からハンドル角プロファイルδが判断される。
【0076】
ハンドルの挙動が運転者が予想するものと一致しない場合、方法は第6のサブステップ16に進み、ここで、ITER2変数は1単位ずつ増やされ、縦変位
のオフセット値は
で増大させ、次いで、第7のサブステップ17に進み、ここで、式[数式37]によって表される費用最適化問題が、サブステップ13において判断された初期化パラメータおよび増大した縦変位と共に、式([数式21]~[数式23])、([数式26]~[数式30])、および([数式35])によって表される制約を受けて、さらにまた解決される。該方法は第5のサブステップ15で再開される。
【0077】
第5のサブステップ15において、ハンドルの挙動が運転者が予想するものと一致する場合、方法は第8のサブステップ18に進み、ここで、最後に判断された経路が改善された経路であるとみなされる。
【0078】
仮に方法がここで停止したとしたら、見出された改善された経路は、AESの起動時にハンドルの間違った方向のロックの問題を回避するにはまだ十分ではないと思われる。この問題を克服するために、方法の以下のステップによって、予想された方向でのハンドルの回転を確実にすること、および速度に関係なくそのように行われることが可能になる。
【0079】
方法は第9のサブステップ19に進み、ここで、式[数式37]によって表される費用最適化問題がさらにまた、改善された経路を基準経路とみなすことによって、およびITER2変数を再初期化することによって、式[数式39]によって定められたオフセットyL_ref_intと共に式([数式21]~[数式23]、[数式26]~[数式30]、および[数式35])によって表される制約を受けて、さらにまた解決される。換言すれば、費用最適化問題は、改善された経路の関数として定められた初期化パラメータによって解決される。
【0080】
第10のサブステップ20の間に、最適化された決定ベクトル
によって式[数式37]が解かれ、一方で費用関数Jの最小値[数式31]と関連付けられているかどうか、および、解経路の横変位が改善された経路の横変位より大きいかどうかを判断することによって、最適解が存在するかどうかに関する判断がなされる。最適な方位がもはやここでは最適解を判断する際の制約ではないが、これは、改善された経路の初期部分のみが変更されて、改善された経路が既に最終的な方位に対する制約を満たしているからであることは、留意されるべきである。
【0081】
そのようではない場合、方法は第11のサブステップ21に進み、ここで、ITER3変数は1単位ずつ増やされ、初期方位θinitはΔθ・ITER3だけ低減される。値Δθは、とりわけ、方位センサの感度の関数として、および検査を行うことによって、予め決められる。方法は次いで、第9のサブステップ19で再開する。
【0082】
サブステップ20において、最適解が存在すると判断される場合、方法は第12のサブステップ22に進み、ここで、運転者の挙動が運転者が予想するものと一致するどうかに関する判断が、サブステップ23でなされる判断と同様のやり方でなされる。
【0083】
ハンドルの挙動が運転者が予想するものと一致しない場合、方法は第13のサブステップ23に進み、ここで、ITER2変数は1単位ずつ増やされ、縦変位
のオフセット値を
ずつ増大させる。方法は第14のサブステップ24に進み、ここで、式[数式37]によって表される費用最適化問題が、増大した縦変位を含む初期化パラメータと共に式([数式21]~[数式23]、[数式26]~[数式30]、および[数式35])によって表される制約を受けて、さらにまた解決される。方法は次いで、第12のサブステップ22で再開される。
【0084】
ハンドルの挙動が第12のサブステップ22において運転者が予想するものと一致する場合、方法は第15のサブステップ25に進み、ここで、最後に判断された経路が最終的な経路であるとみなされる。
【0085】
所定の継続時間、角度偏差、および縦オフセットが所定の限界値ずつ連続して増やされることは、留意されるべきである。そのような場合、改良ステップは中断され、車両を制御するステップでは基準経路が取られる。
【0086】
この制御方法によって、予想された方向におけるハンドルの回転と共に、経路追従安定性およびクライアントへのサービスを改善することができる。操作継続時間も提案された方法によって短縮される。
図1
図2
【国際調査報告】